約 22,413 件
https://w.atwiki.jp/mahousyoujo/pages/159.html
喫茶店:筋肉兄弟登場 ミル「さっきは災難だったわね。ま、留学生なんだから学園のルールは知らないだろうし、仕方ないか」 歩きながら、あたしはブルースに言葉を選んで話しかける。 本人に悪気はないのは分かってるし、どうみても落ち込んでる人間に追い討ちかける趣味もない。 ただ、言わずにはいられなかっただけで。 ミル「タイペーではどうだったか知らないけど、この学園じゃ正当防衛以外の戦いは原則禁止だよ。 場所によっては、即怖いお兄さんやお姉さまが飛んできて制裁を受けるから、以後気をつけるように。 後、種族なんかで相手を決めつけるような発言もNG。 アイシャもそうだけど、この学園には結構微妙な問題抱えてる生徒や先生が多いからね。 …あたしも、悪魔だからって悪と決めつけられたのは、あまり良い気がしなかったな。 捨て子だったあたしを拾ってくれた命の恩人は、悪魔だったから」 ブ「うん、信じるよ。アイシャ…さっきの子、泣いてたんだ。 今までずっと、悪魔は泣かないと教えられてたし、信じてた。 でも、それが間違いだったとわかったよ。家族のために、涙を流せる悪魔もいるんだって。」 ミル「ま、まあ過ぎたことは気にしないで、これから気をつければ大丈夫だって! ほらほら、急いでみんなを追いかけて招き猫広場に行こう!」 そう言われたが、ブルースの歩みが急に遅くなった。 リリアーナやアイシャと再び顔をあわせるにあたり、、急に不安を感じてしまったからだ。 そんなブルースの肩を、だれかがそっと叩いた。それはロウだった。 ロウ「人間なら善、それ以外ならば悪。 美しければ清く、醜ければ邪。 もし本当にそうだとしたら、世の中もっと単純で住みやすいでしょうなあ」 ブ「…でも、世界は僕達が思ってたより、ずっと複雑みたいです。」 ロウ「学園長の方針とはいえ、ここはちと特殊でな。 人と人外とのバランスが、奇跡的に保たれている。 ある意味理想的な調和世界とも見えるし、圧倒的な力で作り出された箱庭とも言える。 タイペーはいかがだったですかな?」 ブ「唯一の良い悪魔は死んだ悪魔だと教わってきました。 そして、河童以外の妖怪は首と胴体を必ず斬りわけないといけないと… 僕達の学園にいた人種は2種類だけ。純潔の魔法使いと、そうでない魔法使い。」 ブルースは、タイペー島の事情を簡潔に話した。より具体的な歴史的事情はレベッカの方が詳しいだろう。 ロウは少し声を潜めた。 ロウ「・・・・・・あのリリアーナとかいう娘の世界は、ここでの学園生活が長くての。 一言でいうなら、絶望的な世間知らずな上にお人よしの馬鹿ですなあ おそらく今まで生きてきて、他者から手ひどい裏切りを受けたと感じたことなど無いのでしょう。 だからこそ無防備に他人を信じるし、先入観無しにいろんな種族と付き合えるのでしょうが」 幸せなことですな、とロウは苦笑いした。 ブルースは今までの人生で、随分と悪魔や妖怪のせいでつらい思いをしたが、 それをロウに話したいとは思わなかった。というより、その記憶はジルとだけ共有したいと思っていた。 だから、ブルースはそこから先は黙って聞いていた。 ロウ「わしは、ブルース殿の考えが全て間違ってるとは思いませんぞ。 ただ、状況と相手の実力をもっと見極める力を身につけるべきですな。 下手に攻撃して、手負いになった敵ほど厄介なものはないですからなぁ.」 ブルースはうんと頷いた。 リリ「ブルースさんも、アイシャのことを知ったらきっと考えを変えるわよね? それと、よくよく考えたらグレムリンだって悪魔族だったんだよね。 ギズモはいい子だし、今の姿が馴染みすぎててすっかり忘れてたの。ごめんね」 レヘ「あいつ(アイシャ)があれぐらいで泣くとはなー。 ブルースは真面目だから、ちょっと深刻に考え過ぎてるかもしれねーな。 おっと、噂をすれば何とやら…」 レベッカは、ブルースがミルクの後ろから歩いてくるのを見て、再びただの槍を装う事にした。 ブルースは何かを決意したような顔でアイシャに近づいてきた。 レン「いじめるの~?」 ブ「いじめないよ。」 メイレンにそう答えたブルースに、レベッカは何故だか胸騒ぎを覚えた。 ブ「君が、悪魔の血を引いているなんて知らなかった。」 ブルースがアイシャに話しかける。 少し離れていたが、ブルースの会話はレベッカにもちゃんと聞こえた。 ブルースは、どう言葉をつなごうか思案しているらしく、両手をせわしなく動かしながら続けた。 ブ「僕は…そう、ずっと悪魔は悪いものと思ってて、だって悪魔は悪という字だし、 僕達の先祖は、黒い猫…いや、そうじゃなくて、さっきミルクから話を聞いて… 君が泣いているのを見たし、君が家族のために泣けるとわかったから…」 ブルースは真面目だったが、うまく言葉で気持ちを伝えるのは苦手のようだった。 西方の言葉にまだ慣れきっていないのも原因の一つであるものの、 こんがらがってきたブルースは、大声でこんな事を言ってしまった。 ブ「君が好きだ!」 レヘ「(おいい!?)」 レベッカの悪い予感は的中してしまった。これではまるで愛の告白ではないか。 レヘ「(いや、待て。クールになれよ、俺。どう考えたってアイシャがYESって返事するわけねじゃねーか。 うん、そうだ。ブルースは真面目で義侠心があるから、悪魔がそんな奴を好きになるわけねーよな。 それによく見ろよ、アイシャ。今そいつ女装してるんだぜ?見るからに変態だろ?だからNOって言っとけよ、な?)」 レベッカは心中でそう祈った。 リリ「・・・・・・レベッカさん。彼、あなたと付き合ってたんじゃなかったの?」 ブルースがいるから返事は来ないのは分かっているが、それでも口にせずにはいられなかった。 リリ「私もアイシャのこと好きだよ~。仲直りできたのなら良かった~」 リリアーナはブルースの足を踏みながら、アイシャににっこり微笑んだ。 「夕暮れに試して、駄目なら夜明けの晩にも試せば問題ありまセーン!(略)」 リリ「でも、夜明けの晩がもし夕刻だったとしたら?もし今日を逃すと、次のチャンスは来年ですよ~。 とりあえず、先に試すだけは試してみましょうよ」 などと話しつつ、人ごみに流されないようがんばって歩くリリアーナ。 途中でカモフラージュ装置が不具合を起こし、変な画像を見せていることに全く気づいていないようだ。 ミル「やー、お待たせ!ほら、アイシャにウィスキーボンボンもらってきたよ。 傘も借りてきたから、雨がひどくなる前に欲しい人は持って行くように」 リリアーナやアイシャに追いついて、キャンディーや傘を渡す。 リリ「わあ、ありがと~」 ロウ「わしも傘をいただきましょうかの、ほっほっほ」 招き猫広場まではもうすぐだ。 どうやらケオスのステージはまだ始まっていないようだ。 多分、昼間の騒ぎで予定が大幅に押しているのだろう。 リリ「それにしても本当にひどい空の色だね、ケオスさん、大丈夫かな?」 ミル「うーん…こりゃかなり降りそうだなぁ… 魔法の雨除けでも用意してればいいけど、せっかくのコンサートなんだから晴れれば良かったのにねえ」 リリ「あれ~?」 リリアーナは通り道、焼きそば屋台を眺めている人影を見つけた。 リリ「今はグレイブ・・・・・・だったっけ?元気?こんなところで何ぼうっとしてるの?」 リリアーナはグレイブの機嫌などお構いなしで、能天気な声をかけた。 青「……あん?」 名前を呼ばれてそっちを向けば、お馴染みリリアーナがいた。 そして背もたれにかけたグレイブの腕を掴んで引っ張り、立ち上がらせる。 青「何だリリアーナ、厄介ごとなら勘弁してくれ……」 そんなグレイブの呟きは聞こえなかったのか、クリスに手を振り呼び寄せていた。 リリ「あれ~あそこにいるのはクリスさんじゃない。おーい、クリスさーんっ!!」 リリアーナはグレイブの腕を掴んだまま。焼きそば屋台の前で何かしているクリスに手を振っている。 クリ(ってなんだその姿は!! まわりの人は見て見ぬふりをしている感じだが、いろいろモザイクっぽくなってるところがあるぞ。 明確にどことは言わんが・・・ もしかしてリリアーナに渡した装置は不良品だったか? ) リリ「聞いて聞いて、古い鏡を2枚もらったの。 マリオさんの話だと、ムウ大陸の紋章入りの鏡なんだって~。 ねえねえ、興味あるでしょ?ちょっとこっち来て見てみない?」 リリアーナは大声で呼びかけると、クリスにこっちこっちと手招きしている。 クリ「もらったってなぁ・・・」 タイミング良くムウ大陸に関係する鏡をもらえるとか怪しすぎるぞ。 リリ「グレイ達も特に予定が無いなら一緒に行こうよー。 持ってきた死王の話だと、合わせ鏡で、もしかしたら伝説のムウ大陸へ行けるかもしれないんだよ~。 お宝だってざくざくかもしれないよ~。水中に沈んだ古代のお酒とかに興味って無いかな~?」 その言葉で、不機嫌の中に呆れが追加される。 青「海中保存のアルコールか……大丈夫には思えないな」 クリ(ああ、こいつは海底で発酵させる酒が存在することを知らないのか・・・ まあ、俺もクロウの爺さんから聞いただけなんだけどな・・・ ) 赤【暇だったし丁度いいんじゃねー?しかも海!あったけーんだろーなー!】 黒【R、海にだって季節はあるからね。それはいいにしても、伝説の大陸って面白そうだよね】 青「……このつまらん限りの仕事よりかは、巻き込まれておく方がいいかもしれんがな」 また一騒動あるかもな、と懸念してため息をついた。 マオ「久しぶりグレイブ。ずいぶんと不機嫌そうだね。そんな顔を見てるとこっちまで不機嫌になってくるよ。」 マオとヴァンエレンだ。何故かヴァンは女性化している。 ちなみにおわかりだと思うけれども、グレイブとマオは全く馬が合わない。というよりは犬猿の仲だろう。 成績上位者同士の摩擦もあるのだろうが、それを考慮しても酷く仲が悪い。幸いSやRとの関係は普通なのだが。 ヴァン?そもそも彼とは顔を合わせる機会がほぼ無いので特になんともない。 ヴ「あ、グレイ達久しぶり~。 元気してた?」 いまマオがグレイブに掴みかからんばかりの勢いで迫っている中で、ぽやぽやと挨拶しているバカが一人。 マオ「僕はお前の事が大っきらいだから本当ならいますぐグレイズかグレイルに変わってもらいたいところだけど… でもそうもいかない。さっきあの屋台に火元である紙コップみたいなの投げ込んだのお前だろ! おっといいわけしようとしてもダメだ。もうこっちは分かってるんだからな!!」 そういってグレイブに向かって指を指す。 青「はぁ…?」 黒【紙コップって、さっき投げたアレじゃないか!?】 グレイズは気がつき慌て始める。が、グレイブは変な言い掛かりをつけられたと眉をしかめている。 マオ「だけど僕も慈悲ぐらいはある。あの屋台の主のヴァンエレン・ブランカートはドラゴンの血が御所望らしい。 と、いうわけで!ドラゴンの血200mlで手を打とうじゃないか!」 青「…………」ピキリ マオの尊大な態度に、好い加減額の血管が浮き出始めた。これでもグレイブにしては耐えたほうである。 黒【す、ストップB!今学園祭中だってば!リバースじゃないんだよ!】 グレイズの静止と同じタイミングで、グレイブの前に出されたマオの手が制止する。 マオ「やっぱりお前じゃダメだな。いきなり襲いかかって来られても困る。 話しの分かるグレイズに変われ。グレイズ。 お前だったらちゃんと兄弟のしたことの責任ぐらい取れるだろ?」 青「却下だ。祭りの中ということで魔法は使用しないでおいてやるが、今Sは出れないからな……。 しかし、ドラゴンの血か……そうそう買えるものじゃないだろうが」 ……まあ確かにお金がそもそもなかったらどうしようもない。 ミルクのところにいって借りて来いとも言おうとも思ったが、 それでは僕のしていることはただのヤク○さんと変わらない。考えた結果一つの結論にたどり着く。 マオ「分かった。お金がないんだな?そうだ!ドラゴンの血200ml分の財宝でも手を打とうじゃないか! これからユリとミルクが主催のムウ大陸にはお宝が眠っているかもしれないという話だ… リリアーナはグレイ達が来てうれしいしグレイ達はただ労力を使うだけで僕とヴァンエレンに弁償できる!」 そうときまったらリリアーナ達についていこう、とその前に蝙蝠達に鉄板を洗ってもう一度即座に営業を開始、 止める方法を忘れてしまったオレンジジュースは販売するように伝え、分かった様子で敬礼する蝙蝠達の頭を撫でる。 マオ「とりあえずここはお前たちに任せたぞ、僕とヴァンエレンはこの損失を補填するために行ってくる!」 ヴ「え?」 やはりどうしてもムウに行かなければならないらしい。 ポカーンとしているヴァンエレンの腕をつかんでリリアーナ達についていく。 青「ふざけるな、俺は行くなんて一言も…」 という言葉すら彼女の耳には届かず、既に足は違う方向へ。 赤【聞いちゃいねーな!ひゃひゃひゃ!】 青「…………まさにアホの子……毎度毎度苛々させられる!」 原因はグレイブなのだが。 クリ(・・・さっきからグレイ達とかグレイに近い名前が連発されているがこいつの名前はいったいどれだよ!! ) リリアーナはテレパシーでグレイブに話しかける。 でも、一緒にきて欲しいって素直に言えないんだよね。 私は三人が一緒に来てくれてすっごく心強いよ~。・・・・・ありがとね』 青「(……無いな、如何考えても有り得ん。が、まあ悪い気はしない…か)」 夕方:招き猫広場
https://w.atwiki.jp/mahousyoujo/pages/182.html
夜明けの迫る招き猫広場では、有志による魔法陣制作が急ピッチで進められていた。 一方で広場の隅では、にゃんこ先生によるムウ大陸探索メンバーの選定が行われている。 「うむ。いってよし」 「お前は今はダメじゃ、相性が悪い」 断られた生徒から抗議の声があがるが、にゃんこ先生に気にした様子はない。 「仕方が無かろう、先に勝手にムウ大陸に行った輩のせいで時空間が不安定になっておる。 仲間と一緒に時空の狭間に消えたくなければ、空間が安定するまで待っておれ。 文句があるなら、案内人のわしを通さず無理やりムウ大陸に行ったターロンとやらに言うがよい」 招き猫広場に置かれた氷で出来た二つの姿見 それはいわゆる合わせ鏡になるように配置されている 合わせ鏡・・・・・それは古代から悪魔を呼び出すための儀式とされる行為である 「そんなことしなくても僕らはここに居るのにねv」 ギズモ・・・美少年の姿を模したこの子悪魔はかわいらしく笑う 「ギズモちゃん、この合わせ鏡で開くのは魔界では無くってムーへの扉ですわ」 フリージア・・・いかにもお嬢様といった風貌の少女は使い魔を窘める 「それぐらい分かっているよお母さん」 ギズモは少女のことを母と呼ぶ 小悪魔と少女は主人と使い魔の関係ではあるのだが 小悪魔は母親のように少女を慕っているのだ 「あとは時が来れば・・・・・」 リリ「フリージアにギズモー!!」 リリアーナはサンタクロースのような大きな袋と槍、ウェストポーチといういでたちで広場にやってきた。 リリ「二人ともおはようっ!――――わあ、もう合わせ鏡出来上がったんだ。さっすがフリージア、仕事早いね!」 「夜明けは近いぞ!急いで魔法陣を完成させろ!」 「ブン屋から提出を受けた呪文の解析データはこれか!? 呪文詠唱に自信のある方か、事件発生時現場にいて呪文を覚えている方! ムウ大陸への道を開く呪文の詠唱にご協力をお願いします!」 ケオ「あぁ、それなら僕が……マンダ、メイレンさんと一緒に居てね。 僕は呪文の方を見て来るから。」 マン「わか、た。」 ケオスは呪文解析をしてる人物たちの元へ行く リリ「これは私はお呼びじゃないわね。 フリージアも合わせ鏡の管理があるだろうし、ケオスさんや他の方々にお任せかな。 そういえば、レベッカさんは今の体で呪文詠唱とかできるの?」 レヘ「ちょ、話しかけるな。人が多すぎる。」 レベッカはそう小声で言ったきり何も話さなくなった。 今のレベッカはだれがどう見ても槍そのものである。 その槍がしゃべるのだから、珍しいマジックアイテムか何かと詮索されたくなかった。 ちなみに当のレベッカは、喋れるんなら呪文唱えられるんじゃね?、と気楽に考えていた。 彼女が魔法に使うスペルカードは、今もリリアーナが持っているはずである。 リリ「ところで、他の皆は? あっ、そうだ。ねえフリージア、私、メイレン様を探してるんだけど、どこかで見」 見なかった?という言葉は、何かぶつかったような音にかき消された。 キィィィィィィという金属のこすれる音があたりに響く。(急ブレーキはやめましょう。) その音の方向に目を向けると、一台のバイクが勢いよく近付いてくるのが見えるだろう。 キィィィィといういやな音を出しながらものすごいスピードでやってくるクリスの魔導二輪。 クリ「!!危n」ドンガラガッシャーン ヴ「あいやぁぁぁあああああああ!」 突撃をくらって吹っ飛ばされていくヴァンエレン。 そして血を流してぴくりとも動かなくなりましたとさ。 クリ「おい、大丈夫か!!」 あわてて魔動二輪から降り、飛ばした奴に近付いてみるとそいつは吸血鬼だった。 クリ「・・・なんだ、ヴァンエレンか。」 まあヴァンエレンはゾンビ級にタフなので、この程度で死ぬ可能性は皆無だが。 リリ「わ――――!!クリスさんにヴァンエレン?!! ど、どうしたの?いったい何がどうしたの?ふ、二人とも大丈夫??」 リリアーナは、たまたま招き猫広場に居合わせたミシェルに手招きした。 ミシ「やぁ、リリアーナ君。しばらく見ない間に武術に目覚めたのかい?」 リリ「ミシェル殿下!・・・じゃなかった、ミシェル先生大変です! 吸血鬼がバイクに轢かれちゃいました! 私はヴァンエレンの方を治療しますので、先生殿下診シェルはクリスさんとバイクを!!」 ミシ「向こう?解った。後は少し落ち着きなさいな」 クスッと小さく笑ってから、事故ったらしいバイクに向かっていく (さすがに吸血鬼に手を出すのはマズいよな) いっそ美人なら幽霊でも良い。くらいに思ってるミシェルでも、吸血鬼はどうだろうと考える。 ギ「・・・・・これだから機械は信用なら無いよ」 フリ「あれは単なる操作ミスじゃなくって?」 まあ轢かれたのは吸血鬼だし特に問題も無いだろう・・・・多分 フリ「まあ鏡に傷が出来ても修復すればいいだけですわ」 一応、鏡を点検して見るフリージア さっきの事故で飛び散ったヴァンエレンの血が・・・・・ 一方、引かれたヴァンエレンの方では、ユリが記録石を片手に持ってパシャパシャ記録を取る真っ最中だ。 盗撮防止のため、記録写真を取るときには光と音が出るようになっているのだ。 ユリ「ヴァンちゃんそのままそのまま! 変身した美貌の吸血鬼が、明け方の招き猫広場で謎の暴走車と激突! 記録石が押さえた決定的瞬間だね! リリ「ちょっとユリさん、治療の邪魔だから!!」 ユリ「そうだフリージア、鏡の方は無事だった?」 フリ「皆さん!鏡には特に問題はありませんわ!!」 ユリ「良かったー!これならムウ大陸に行くのも遅れないね! 私は行けないけど、みんなの事を応援してるから!」 フリ「お土産話を期待してなさいな!お~っほっほっほっほ!!」 いつも通り無駄にえらそうな雰囲気をかもし出すフリージアさん リリ「うん、ムウ大陸でがんばってくる。 あ、そうだ!ねえ、誰かメイレン様が昨日どこでお休みになられたか知らない? 早くお迎えにあがらないと、大変なことになるってレベッカさんが・・・・・・」 ヴァンエレンの顔に薬草を塗りつつ、リリアーナはメイレンの行方を聞いてみた。 リリ「で、さっきの話なんだけど・・・」 フリ「私はぜんぜん存知無くてよ!」 レヘ「(威張るなっつーの。)」 ギ「綺麗なお姉ちゃんが引率の先生だvうれしいなv」 ギズモはギズモで一人ではしゃいでいる 何故かアナスタシアのほうは見ないようにしているようだ ユリ「今朝の朝刊によると、ケオスがメイレンさんをお持ち帰りしたらしいよ! さすがメイレンさん、若い男子が好物なだけはあるね!」 でいりぃ・ふぃじるの記者には当然男子生徒もいる。 ケオスが部屋にメイレンを泊めた事を知るのは、訳もないことだ。 リリ「な、なんですって――――!!!!!!!!!」 リリアーナはムンクの叫びのような顔で絶叫した。 リリ「どどどどどどうしよう、このままじゃ大変なことに」 広場についたマオは、ヴァンエレンの顔に薬草を塗っているリリアーナの横に行き。 なんともひどいことになってるヴァンエレンに対し溜息をつく。 マオ「なんでお前はいつもいつも『やられちゃう』側なんだ……」 ヴ「面目ない。 なんで私はこんな目にあうんだろう」 リリ「あっ、マオマオ大変なの、実はね・・・・・」 マオはリュックから血液の入ったボトルを取り出す。 マオ「なんでムウ大陸に入る前からこれを使っているんだ全く……」 とりあえず薬草とかそういうのよりも血液を与えた方がはるかに有効なのは リバースで確認済みだ。強引に口を開かせボトルを突っ込みガブガブと血を飲ませる。 リリ「あっ、そうか!マオマオ頭いい!」 そのおかげでみるみる回復していくヴァンエレン。 リリ「もしかしてそのボトルの血液、マオマオの?ふ~ん?」 リリアーナは後始末をしながら、ちゃーんと分かってるわよとばかりにニコニコしている。 リリ「やっぱり愛よね、愛」 マン「おはよ、リリ、アーナさん。」 マン「メイレン、さん、いるよ。」 どうやら会話が聞こえていたようで自分の後ろにいるメイレンさんを指差す。 リリアーナはへなへなとその場に座り込んだ。 リリ「よ、良かった~。ケオスさん元気そうだ~!おはようございます、メイレン様!」 ユリ「おっと噂をすればだね!マンダおはよー! メイレンさんもおはよー!」 だがしかし、次のマンダの言葉はユリの記者魂に火をつけるものだった。 マン「メイレンさん、きのう、わたし、ねたよ。」 ……言葉が足りないのは分かるがこの言い方は少々誤解が生まれそうだ。 ユリ「なぬー!?メイレンさんは若い男が好物なんじゃなかったの!? もしかして、若ければ男でも女でもばっちこーいの両刀使い!? 昨晩の情報をもっと詳しくプリーズ!!」 ユリはがっしとマンダの両肩を掴んだ。目がマジだ。 レン「………ん。」 レヘ「(あれ?なんかやけにババァ、元気がねーな?)」 メイレンの顔はうつろで、ユリに取材をされてもあいまいにうなずくだけだった。 実は、ケオスの部屋で目を覚まし、朝食を食べている間も、ずっとこの調子だったのだ。 リリ「ねえ、レベッカさん、メイレン様、なんか元気無くない?――――あ、間違えた。 マンダ、夕べ、メイレン様と何かあった?」 リリアーナはレベッカにそういったつもりだったが、声をかけるなと言われていたので あわててマンダへ話を振ることにした。 リリ「それとその・・・・・・今朝、何か変わったことは無かった? 男子寮で騒ぎが起こったとか、だ、誰か神隠しにあったとか・・・・・・・ははは」 ユリー!この娘を寮の部屋まで送っていく仕事ができたぞー!」 ユリ「はいはーい、今行きまーす! マンダ、詳しい話はまた今度ねー!」 だがちょうどアナスタシアから呼び出しが入ったので、ユリはマンダの所から移動する。 フリ「さてっと呪文が必要でしたわよね・・・・ゲムギルガンゴーグフォ・・・ビィータァ!!」 ギ「ゲボ子?」 フリ「・・・・・違うみたいね。イア! イア! ハスター! クフアヤク ブルグトム ブグトラグルン ブルグトム アイ! アイ! ハスター!」 今度はやばい呪文を唱え始めるフリージアさん どっちかって言うと水属性の延長である氷属性はクトゥルーさんの担当である ギ「駄目だよ!それ唱えるとムーより危険なあそこにつながっちゃうよ!!」 リリ「え?ダメなの?」 リリアーナは慌てて踊るのをやめた。 フリ「う~んやっぱり私、覚えてませんわ!お~っほっほっほっほ!!」 リリ「実は私もなの。あはははは」 ギ「しょうがないなあお母さんは・・・じゃあ僕が」 地面に魔法陣を書き呪文を唱えるギズモ ギ「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」 リリ「えっ、ギズモ魔法使えたんだ!」 リリアーナはわくわくしながら魔方陣を見ている。 だが。 リリ「うわっ、ギズモが消えた?!フリージア、ギズモが消えちゃったよ!?」 ギ「・・・・・う~ん違ったみたい」 数秒後に姿を消し、煙とともに魔方陣の中から現れるギズモ どうやら自分で自分を召喚した模様です まったく意味がありません リリ「あーびっくりした。でもギズモ、これ、結構便利ね。何かに使えるかもよ? だって魔法陣のそばで誰かが今の呪文使ったら、ギズモが瞬間移動できるって事でしょ?」 フリージアが他のメンバーに呪文協力を求めている横で、リリアーナはそんな提案をした。 「お主ら何をしておるのじゃ…」 呪文詠唱を失敗するフリージアとギズモの所には、呆れ顔でにゃんこ先生がやってきた。 フリ「誰か覚えていらっしゃる方!代わりにやってちょうだいな!!」 アナ「よーし、暴走危険運転の現行犯を押さえたぞ、そこ動くな♪」 どっかんとヴァンエレンをはねたクリスの前に、金髪の幼女が現れた。 右手は腰に当て左手にはアリクイのぬいぐるみを持ち、大変高圧的な態度だ。 アナ「昨日からこの学園に教育実習生として入った、アナスタシア・ホーリーだぞ! ちなみにー、今回のムウ大陸探索チームの引率の一人なのだ♪ それじゃあ自己紹介も済んだし、名前と暴走行為の理由を聞いてやろー。 事と次第によっては見逃してあげるぞ♪ あ、逃げようとしたら即死刑だからな!」 見かねたミシェルは生徒に助け舟を出しに二人へ近付いていく。 ミシ「脅しは感心できませんよ、先生。 私は教員のミシェル・シュスター。一応引率です。よろしく」 手を出すには幼さな過ぎる。と自分の見た目を差し置いて 頭の中で勘定しながらにこやかに握手のため、手を差し出す。 アナ「おー、お前がミシェルかー。話はいろいろ聞いてるぞ」 最初はお前誰だと言いたげな顔をしていたアナスタシアだが、ミシェルの名前を聞いて納得した。 一緒にムウ大陸行きを引率する教師として、名前を聞いていたからだ。 アナ「お互いバカな子羊を導くのは大変だけど、これも先生の役目だから仕方ないな。 ミシェルは神父らしいけど、私は天使だから私の方が偉いんだぞ。 引率の時はちゃんと私をサポートするよーに」 威張りながら、差し出された手を握り返す。 ミシ「天使様なら人の子を導き護るのが使命でしょう? 他力本願はよろしくないですよ」 やんわりと甘えてるんじゃねぇ。と言い放ち、柔らかい表情で事故った生徒を見る。 クリ「いいんですよ、先生。 騒ぎを起こしたのは事実ですし。 えっと、俺は魔工科のクリスです。 テスト機が少し暴走してしまって・・・ 彼が体を張って止めてくれなきゃまだまだそこらじゅうを走り回っているところでしたよ。」 そういうことならば仕方ないね。 もしもヴァンエレンがいなかったら暴走バイクはほかの生徒たちに被害がいっていたかもしれない。 ありがとうヴァンエレン!さようならヴァンエレン! 君のことは決して忘れない。 ヴ「ひどい…」 黙れ小僧。 マオ「そうだな、せっかくヴァンエレンが自分の身を犠牲にして危険性を 訴えたんだ。この危険物は今すぐに壊すべきだ。そう思うだろ?」 クリ「って待て、不用意に魔力を注ぐと・・・」 魔動二輪とはその名の通り魔力で動く二輪車である。 つまり、魔力を注ぎ込めば動き出す恐れがあるのだ。 だが、幸いなことに焦げ臭い煙を吹くだけで済んだようだ。 このにおいだと油圧シリンダーの油が焦げたな。 後で点検もするし、その時に詰め替えておくか。(自作物なので壊した責任とかはなさそうである) マオ「さてと、引率する教師も来たことだし、そろそろ本格的にムウ大陸探索を開始するか? …そういえばグレイブがいないな。あいつにはしっかり稼いでもらわないといけないのに…」 マオは昨日の屋台での事件のことでグレイたちを奴隷のように使う考えは変わらないようだ。 クリ「・・・そんな悠長なことを言ってていいのか? こいつは魔力を利用して動く機体なんだぞ。 この後にまた暴走を始めたらマオにも責任があるからな。」 W型(風の魔力が動力)の機体だったから今動きださなかったが、これがもしT型(雷の魔力が動力)だったら間違いなく動き出していたはずだ。 マオ「………ま、まあ僕のようなエリートだったら、 暴走させずにショートさせることなど造作もないのさ」 冷や汗が流れながらも強がりを僕は見せる。 アナ「ふーん、テスト機の暴走かー。本当かー? 実は遅刻しそうだから慌てて暴走してきました、なーんて言うんじゃないだろうなー?」 クリスの言い訳を聞いたアナスタシアは、半目でにやにや笑いながら聞き返した。が。 クリ「ところで先生方もムウ大陸に向かわれるんですか? 実は俺も向かおうと思っていたんです。 ですから引率よろしくお願いします。」 続くお願いを聞いてご機嫌になる。 基本的におだてられたり、下手に出る相手には弱いのだ。 アナ「クリスはなかなか礼儀正しいなー、偉いぞ。 その素直さに免じて、暴走行為は無罪放免にしてやろー。 これからも私の言うことは素直に聞くんだぞ♪」 ミルクが慌ててアナスタシアに走り寄ってきたのは、そんな時だった。 アナ「おー、かわいい妹よ♪そんなに急いでどこへ行くんだ?」 ミル「ミシェル先生にクリス、うちのアホ姉が迷惑をかけてごめんなさい。 よーく言って聞かせますんで、許してやってください。 ほら、行くよアホ姉」 ミルクはアナスタシアを無視してミシェルとクリスに頭を下げ、アナスタシアの腕を引っ張って歩き出す。 その後頭部を、アナスタシアはアリクイのぬいぐるみでぶん殴った。 ミル「痛ったーい!!なにするんだよアホ姉!」 アナ「お前なー!それがお姉ちゃんに対する口のきき方か!?」 ミル「アホをアホと呼んでどこが悪いんだよ!だいたい…!!」 アナ「アリクイクラーッシュ!!」 そこまで言ったところで、アリクイのぬいぐるみが今度は脳天を直撃し、ミルクはぶっ倒れた。 アナ「姉より優れた妹なんか存在しないんだぞバーカ♪ 生徒諸君もミルクみたいに、人にアホだなんてバカな事言わないように。 アナスタシア先生との約束だぞ♪」 遅れて登場したグレイブは、教師であるミシェルに会釈をし、天使ということで一応幼女にもしておく。 そして顔見知りである二人に挨拶を。 青「おはよう、クリスにマオ。朝から何かあったようだが……少し頼みがある。 出来れば、いや絶対に女子で、ムウ大陸に行かない奴は近くにいないか? こいつが眠ってしまって……お前はこのネリーを知ってるだろ?マオ」 背中からずり落ちかけたネリーを、お姫様抱っこ状態へとシフトさせる。 クリ「ああ、おはよう。 さすがに大陸に行かない奴は知らないな。 マオは誰か知っているか?」 マオ「この僕に友達や何かを頼める知り合いがいると思っているのか? 自慢じゃないが僕はここに来たときから他人を蹴落としながらここまできた。 それになんで僕がお前の頼みなど……僕はお前が大嫌いだ。」 しかしネリー……どっかで聞いたことがあるような……ネリー……あっ! マオ「もしかしてあの15歳の一等過程?こいつが!?」 僕は驚きを隠せなかった……こんな警戒心0で 馬鹿グレイブの背中で寝ている奴が一等過程など…… 一方グレイブは他の皆と話を続ける。 青「このままムウ大陸に連れていけないが、かと言って寮まで送っていくには時間が無い。 置き去りにすれば風邪をひかせてしまう。それで、誰かに部屋まで連れていくよう頼みたいんだがな」 ぐっすりと寝ているネリーの顔を見ながら、少しだけ不安げに言った。 ヴ「む?さすが狼。 手がはやいね」 女の子をお姫様だっこしている人狼をみてむふふと妖しい笑いを浮かべる吸血鬼。 クリ「・・・先生方は誰か送ってくれるような人を知りませんか?」 ヴ「そういえばさっきユリがムゥには行かないって言ってたね」 アナ「んー?その娘を寮まで送っていけばいいのか? それなら妹の友達が適任だぞ。 ユリー!この娘を寮の部屋まで送っていく仕事ができたぞー!」 そういう天使の足元にはミルクが。 黒【……ミルクさんのお姉さん?この人が?】 グレイズは不思議そうに天使のアナスタシアを見つめた。 アナスタシアから呼び出しが入ったので、ユリはマンダの所から移動する。 ユリ「おはよー殿下!クリスにマオにヴァンエレンにグレイブもおはよー! 誰を女子寮まで連れていけばいいの?」 言いながらユリは、スタスタグレイブの所に近づいた。 青「……お前か。連れて行ってほしいのはこいつだ」 呼ばれてやってくるはユリ。グレイブは腕の中の姫を軽く持ち上げてみせる。 ユリ「お!ネリーじゃん!もしかして、グレイブと朝まで一緒だったの!? お姫様だっこまでして隅におけないねー、よっ!この色男!」 グレイブを冷やかしながら、ユリはネリーの体を受け取る。 青「あのなあ、俺は……」 ユリ「わかってるわかってる、みなまで言うな! それじゃお姫様は私が責任もって部屋に届けるから! ゆっくりムウ大陸の冒険を楽しんできてねー!」 そう言ってユリは、ネリーをお姫様抱っこしたまま寮に向かって歩き出す。 ユリの技術では眠っている人間を落とさず飛ぶのは不可能なので、妥当な判断だろう。 マオ「なんで……あんなのが僕よりも上なんて!?」 ユリがネリーを連れて行き、ケオスの協力によりムー大陸への扉もなんとかなるとのことで、 行く人間は全員猫車に乗り込むとなったときも僕は一人認められずにいた。 青「……やれやれ。462号室だからな、頼んだぞ」 落ち込むマオを傍目に、グレイブはユリに場所の指定をする。 事故騒ぎの間にあっちはゲートを開こうと頑張っていたようだ。 ケオスが向かっていったようだし、もう少しで完了するのだろう。 でもマリオさんに頼めば一発だったんじゃないか? そう思ってあたりを見回したが、マリオさんを見つけることは出来なかった。 フリ「誰か覚えていらっしゃる方!代わりにやってちょうだいな!!」 事故騒ぎの間にあっちはゲートを開こうと頑張っていたようだ。 ヴ「ごめんなさい。 私は力になれないよ」 ほんと使えないダメな奴だなお前は。 でもマリオさんに頼めば一発だったんじゃないか? そう思ってあたりを見回したが、マリオさんを見つけることは出来なかった。 クリ「・・・マリオさんはどうしたんだ? 来てたらこんな手間はかかっていないと思うんだが・・・」 マリ「オーウ!私はここデース!」 クリスたちの近くに、ぴょんぴょんと小人が飛び跳ねながら近づいてきた。 驚いたことに、それは服まで小さくなったマリオだ。 マリ「スミマセーン、どうやら力を使いすぎて縮んでしまったようデース。 私の一族はキノコの力を使って大きい姿になるので、普段はこの姿なのデース。 魔法は使えないので呪文の手伝いはできないのデースが、他のお手伝いなら…」 リリ「そっかー。マリオさん小人だったんだ。今度、キノコの国のお話も聞かせてね!」 リリアーナは小人になったマリオに多少驚いたものの、それ以降はまったく普通だった。 「マリオさん!鉄化の後遺症がどう出るのかわかりませんから、まだ安静にしていてください!」 マリ「オーウソーリー、スミマセーン!」 リリ「そう言えばロウさん来てないね。調子悪いのかな? 」 怒る白衣の生徒に謝ってから、マリオはクリスたちの方を向く。 マリ「何もできまセーンが、みなさんの冒険の無事を祈っていマース。 決して無理をせずに、危ないと思ったらすぐ戻ってきてくだサーイ。 それが冒険家の長生きする秘訣デース」 マリオはそう言って頭を下げると、またぴょんぴょんと白衣の生徒の方に戻っていった。 リリ「マリオさんも身体ちゃんと休めててね。お土産話、期待しててね~」 ニャ「お主らもムウ大陸に行くんじゃろ? ようやく魔法陣も完成したようじゃし、夜明けも近い。 そろそろ招き猫像が押しておる猫車に乗った方が良いのではないか?」 にゃんこ先生がそう言ったとき、招き猫広場に声が響いた。 ヴ「あぁ…もう行く時間か。 大丈夫かな~? 嫌な予感しかしないよ」 「ケオスさんありがとうございました! これなら後は、我々ムウ大陸探索隊サポートチームだけで魔法を発動出来そうです! お待たせしましたが、ムウ大陸探索隊のメンバーと引率の先生は、猫車に乗り込んでください! 夜明けが来たらすぐにムウ大陸への扉を開きます!」 マオ「よし、ヴァン行くぞ。こうなったらムウ大陸でお宝をゲットだ!」 やる気満々で気合十分のマオが猫車に乗り込み、ガタガタ震えているヴァンエレンを隣に座らせる。 ヴ「不安で押しつぶされそうだよ…フランケンシュタインのような怪物でも待っているのじゃあないか?」 てめぇも同じ西洋妖怪だろうがこの化け物。 一度みた悪夢はたとえ想像といえどふくらんでいき、吸血鬼を押しつぶす。 にゃんこ先生やサポートチームの声に押され、ぞろぞろと猫車に入ってゆく。 赤【猫車かー。面白そー!】 黒【それよりも無事に着くかなぁ、僕はそっちのほうが心配だよ】 青「ま、なるようになれ……だ」 前の席に座って少しすると、猫車が出発する。ムウ大陸への冒険のスタートだ。 ミシェルはそこで、一応持ち物のチェックをしておくことにした。 白い外套の中に黒くてやや丈の長い詰め襟を着込み、ロザリオ、ポケット聖書、少し細工をしたナイフを持っている。 ミシ(チクショー、飯くらい持ってくるだったな) 彼は今気づいたが、後ろの方にアイシャがいた。 席は後ろから詰めるのがマナーだろう。と少女の横に座る。 リリアーナは女の子を負ぶっているグレイブを見た。 彼が女の子を大事そうにおろしているのを見て、知らずため息をつく。 マオの横にはヴァンエレン、マンダもケオスの姿を目でじっと追っている。 リリ「皆いいなあ・・・・・」 リリアーナは周囲を見渡した。 レヘ「(あー、やっぱりブルースは来ねぇのか…)」 レベッカは周りを見まわしたが、そこにブルースの姿はなかった。 今回のムー大陸探索には参加しないつもりなのだろうか? レヘ「(まぁ、来ても来なくてもいいって言っちまったもんなぁ。 それに、今はあいつの顔を見ない方が、俺としては気が楽だしな。)」 リリ「来てないね。もしまた会ったら、思いっきりとっちめるつもりだったのに」 だが、ムウ大陸へは来ても来なくてもいいと云ったのは自分なのだから仕方が無い。 ミル「いつつつ……くっそー、アホ姉の奴思いっきり殴りやがって…」 痛む頭を押さえて立ち上がると、どうやら数瞬意識がぶっ飛んでいたご様子。 そりゃあたしもアホ姉アホ姉言ったけど、元はそっちが悪いのにそんなに強く殴るか普通。 ああぁ、早くもムウ大陸探索の先が思いやられるなぁ… リリ「あれ?ねえミルク、あの小さい女の子誰?初等部の生徒さん?」 ミルクやアナスタシアの話を半分も聞いていなかったリリアーナは、空気を読まない発言をした。 ミル「そう見えるだろうけど、違うよ。 子供に見えるのは人間やめて天使やってるからで、実年齢は19歳。 あれでも教育実習生として学園にやってきた、あたしのお姉ちゃんです」 さすがに『自慢の』なんて恥ずかしくて呼べませんが。 リリ「ええっ、この方がミルクのお姉さんなの?!おまけに天使?!」 周りから事情を説明してもらったリリアーナは仰天した。 リリ「天使様ってどんなことが出来るんですか?! もしかして、死人を生き返らせたりとかも出来るんですか!?」 アナ「お前なー、バカか?天使がそんな事出来るわけないだろ。 天使っていうのはなー、神様の意志を代弁し代行するのが仕事なんだ。 お願いがあるなら、普段から善行を積んで、神様に直接するように。以上♪」 …さすがに信仰ブレイカー様は言うことが違う。 仮にも神の代弁者が、迷える子羊をバカ呼ばわりとかありえんだろ普通。 アナ「それよりリリアーナだったっけな、私はお前の持ってる杖と槍に興味があるんだ。 ちょっと私が調べてやるから貸してみろ」 げげ!杖はともかく槍はマズい! 今はレベッカもおとなしいけど、神経逆なでするような事言い出したら大変だぞ! ミル「まーまーアナ姉、そんなの後でいくらでも調べられるからさ! 今は猫車に乗ろう猫車!放送もあったし、引率の先生は早く乗らないと!ね!」 「そだな、さすが我が妹はよく気が利くなー。 ご褒美に後でジュースをおごってやるぞ♪」 ほっ…なんとかごまかせたか…… お姉ちゃんがアホ…じゃなくて単純で良かった… 7:猫車~ムウ大陸
https://w.atwiki.jp/tw_ryouzanpaku/pages/47.html
2008-12-15 招き猫×3 梁山泊とは何の関係もありませんが・・・ 以前のリアルタイム抽選イベで私は招き猫が当選してまして この日オル鯖の当選者3人の集結に成功しましたので SSを撮ってみました(´∇`) 頼むからネクソン、課金箱から出せるようにしないでくれ
https://w.atwiki.jp/lem_nameless/pages/226.html
ストライカー(未実装)
https://w.atwiki.jp/pontaschool/pages/348.html
戻る やるき センス にんたい かいふく 合計 必要ハッパー 初段 1.500(B) 1.800(A) 1.500(B) 1.500(B) 6.300 - 二段 1.550(B) 1.860(A) 1.550(B) 1.550(B) 6.510 30,000 三段 1.600(B) 1.920(A) 1.600(B) 1.600(B) 6.720 60,000 四段 1.650(B) 1.980(A) 1.650(B) 1.650(B) 6.930 120,000 免許 1.700(A) 2.040(S) 1.700(A) 1.700(A) 7.140 200,000 コメントはこちらに 名前
https://w.atwiki.jp/elvis/pages/678.html
関連 高級西陣織 染都織陣 干支装飾裂 招き猫? 西陣織?
https://w.atwiki.jp/durnense/pages/368.html
価格投稿ページ「エフェクト・SHOW/価格投稿・ログ/招き猫」 重要事項 ※以下違反者はIP制限の対象になる場合がございます。 キャラ名は絶対に出さないように注意して下さい。(晒し行為は厳禁です!) 明らかに悪意のある投稿(吊り上げ下げ)の禁止! 上記を発見した場合価格操作投稿ページに投稿してください。 投稿例 [09/06/17] 補正(S4 H4 I4 Cri?) 魔石8+α=250M程度 [08/11/30] 補正(SXA最補) 40-50M 売り手多数 など 価格の投稿は「日付」「価格」を明記して投稿下さい。補正により値段が変動する場合は補正もお願いします。 名前 投稿内容 [09/02/20] 500~800M程度での求有 取引有 -- nohi (2009-06-21 06 07 55) [09/01/30] オークによりKBW+デモニックで落札 -- nohi (2009-06-21 06 07 40)
https://w.atwiki.jp/otassya2/pages/10872.html
これを装備して狩りすると、運気あっぷ? スルノカナ・・・
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1476.html
強襲の招き猫 暖かくも柔らかな朝の日差しを浴びつつ境内の掃除に勤しみます。 春先とはいえまだ肌寒いこの季節、ですが私はご主人より頂いた巫女服に身を包み今日も元気にお勤めを果します。 皆様もお風邪など召しませぬように。お早うございます、結です。 「お早う結さん。午後に試合があるんだろう?今日は休んでいいよ」 「お早う御座います。確かに試合はありますがお勤めはしますよ」 「はははっ、そうかそうか。まぁ無理のないようにな」 カラカラと笑い声を残して宮司さんは本殿に向かわれました。 そうなのです。今日は午後から境内で試合があるのです。 本来神前で武装を振るうなど神楽でもない限りありえないのですが、挑戦を受け尚且つそれをスポーツとしての試合とした事で許されたのです。 そうそう、以前お仕置きで抜いたのは神社の守護の為なので上記には触れませんよ? それにこの神社で奉っている神様が鍔の神様ですから尚の事。荒々しさを基とする刃と冷静さを基とする柄、その二つの橋渡しをしている鍔。その神様なんですから共存を目指しその為の試合ならば大目に観て頂けるかと。この試合を通し私と彼女に何らかの「共通」が生まれますようにと拍手を打っておきましたし大丈夫でしょう。 と、大事な試合がありますが私はここの巫女さん、時間の許す限りはお勤めに励むも当然の事なのです。 一通りの朝を終え境内に出るとベンチにご主人が。どうやら読書中のようですがそのお姿はなんとも… 「相変わらず動物に好かれてらっしゃいますね」 猫まみれでした。膝の上はもとより両サイドに足元までご近所の野良猫達がわんさかと寝そべっています。 「毎度の事。それより体調はどう?」 「問題なく。ご主人はもう一枚羽織っておいた方が宜しいかと」 「んー、そうするかな」 膝の猫を下ろし母屋に向かわれます。 「そうそう」 何か思い出されたように振り返り、 「勝とうな」 勝利の奉納をご所望されました。 「はい。力の限りを尽くします!」 神前試合を勝利で飾るべく意気を確認しあう主従なのでした。 昼過ぎ、燦燦と輝く太陽の下彼女達が来られました。 マスターさんとその肩で仁王立ちしているチロルさん、更にお友達と思われる方々が数人。石段を登って今日という日を楽しみにしていらっしゃったご様子。 私はご主人とベンチにてお迎えします。 「こんにちは皆様」 「こんにちは結にゃん」 ・・・・「にゃん」ですか。犬なのですけどね私・・・ 「こんにちは。すいませんね、無理を聞いて貰った上にこんな人数で来てしまって」 「いや気にしないしない」 パタパタ手を振り「こっちも久々にバトル見たかったし」とご主人。新装備の試運用も兼ねているのでしょう。 チロルさんはマオチャオの基本装備を一式とヴァッフェバニー型のリアユニット。ただ右手に研爪を左手には防壁を装備しリアユニットに研爪をもう一つ。 私は手に竹箒、腰の後ろに玉串、背中にお御籤箱を。 「今日は勝つからね!」 「私もですよ」 拝殿前の石畳で向かい合い合図を待ちます。 「準備はいいかな?」 「はい」「うん」 中央でご主人が下げている手。 「始め!」 振り上げられました。 練習で上達したのであろう彼女は以前のような攻めではなくなっていました。 確実にこちらの隙を捉えるべくジャブ的な軽打撃で牽制し必殺の研爪を狙ってきます。 (これはこれは) 成る程、両手の装備が違うのが判ります。防壁でこちらの攻撃を受け研爪で致命傷、二刀流の基本にして真髄の構えですね。確かにこれは攻め難い。ですが同時に読み易いというもの。 「はっ!」 箒の柄を向け刺突から横薙ぎへ。 「効かないもん!!」 防壁で受けて弾かれます。左手を箒の軸上でスライドさせ柄尻へと手を移動し弾かれた反動をりようして彼女の左側へ、そのまま大降りの一撃を背中に打ち込みます。 ドカッ!とした手応え、房近くが直撃したもののこの程度では気絶には至らなかったようです。 (争上衣が厄介ですね) あの防御を貫くには柄打ちや鞘打ちでは無理のようです。既に仕込みである事は知られているので抜いても構わないのですが今の攻防で攻めに出るのは少々軽率でしょう。 (さて、どうしましょうかね) 「今度はこっちから!」 彼女が以前に増した速度で向かってきます。振り被った防壁が来ると箒を立てて流す体制を・・ 「!」 しかし来たのは防壁と左の膝蹴り。防壁の一撃を箒で受け蹴りをギリギリで捌き・・ 「なっ!?」 避けきったと顔を上げれば目の前に白い房。彼女の尻尾です。今の状態では防御も回避も間に合いません。 「くっ・・」 しまったと思った時には視界を奪われていました。目を直撃された私は距離をおいて。 「これで決まりなんだから!!!」 彼女の声とその気迫、これは! ガシュ! 「くぅぅっ!!」 勘で上体を反らしなんとか致命傷は避けられたようですが胸元を切られました。ぼんやりと回復した視界には裂かれた巫女服と傷付いた己身が写ります。 (よもやここまで上達しているとは) 完全な読み違いに気付けば傷を負っている、情けない限りです。 (ここは戦法を変えるべき・・・) 手にしていた竹箒をその場に置くと腰から玉串を抜きます。 「何それ?そんなんじゃ私は倒せないよ?」 「そうでしょうか?チロルさん相手には効果的な装備なんですよ?」 「なんでもいいや。トドメだよ!!」 迫る彼女、その左手が伸ばされるとその親指辺りを玉串で打ち掌を地面に向けます。そのまま左手で手首を掴み下回りに回転させ足を払えば面白いように彼女が中を舞います。 「にゃっにゃっ!??」 篭手返し。合気道の技を応用した技術で彼女を投げ飛ばしその腹部に玉串を打ち下ろします。 「んー!!」 ギリギリで防壁を戻し衝撃を緩和した彼女、距離を取り玉串の先を向ける私。 腹筋の力で起き上がったチロルさんの攻撃は研爪。牽制なしの真一撃です。起き上がった時の反動そのままの突撃は速度、重量共に申し分ないでしょう。まともに当たれば間違いなく負けです。 (ギリギリまで・・) その爪が当たるギリギリで前進、右肩を玉串で打ち下ろしその体との間に滑り込みます。後ろに伸びた足を戻して彼女の右足を払い左手で腰を押せば背中から転倒、最後に玉串の柄尻でも打撃を。 払い腰からの打撃は流石に効いたようです。フラフラとしながらでも立ち上がる彼女、その意気はまだ健在です。 「ま、負けたくない・・・だから負けない!!」 防壁を投げ付け背中の研爪を装備、両手を大きく振るうとその風だけで攻撃されそうな気迫を感じました。 (大技で来るようですね) 私は背中に気を張りつつその渦中に飛び込みます。 「必殺!」 斜め上にジャンプそのままリアを噴かして急降下してきます。 「チロルクロス!!」 胸の前で交差した両の爪、それが振り払われるその一瞬! 「そこ!!」 その中心を逆風に打ち据え左手で背中のお御籤箱、そのグリップを掴みます。 ゴッ! そんな重たい音と共に打ち出される大吉の棒(スラグ弾)が彼女の両手に直撃します。 ・・・大吉!? これは拙い! ドカァァァン!! 何とか爆風の真下で身を縮めお御籤箱を盾にして難を逃れました。 が、これはいくらなんでもやり過ぎなのでは?ご主人。 見れば爆心地から3m程先でチロルさんが煤だらけで気絶していました。 「・・・・ぅぁ・・・・」 あんなのの直撃に耐えた争上衣は所々コゲコゲに。壊れなかっただけでも凄いですがやはりこれはダメでしょう。 気絶した彼女はまた縁側にてお休みして頂き、マスターさん達はご主人との会話に花をさかせておられます。 私は彼女の隣でお茶を飲んで一息を。 「でも凄いですね。あのランチャー」 「試作品なんだけどね。爆発力をもう少し抑えるべきだったな。ごめん」 「いえ、試合でしたし。それに本気でなければチロルも納得しなかったでしょうから」 それでもあれはやり過ぎでしたね。 未だ目を回している彼女に「ごめんなさい」と一言を。 まだまだ続きそうなご主人達の会話を横にお茶を飲む今日この頃、 「和みますね」 隣で眠る彼女以外和気藹々とした午後でした。 そうそう、チロルさんは煤だらけですけど大丈夫ですよ。 後日、お御籤箱は改良され、爆発力も半分程になったのは言うまでもありません。 現在装備 巫女服 ×1 仕込み竹箒 ×1 玉串ロッド ×1 御籤箱ランチャー(改) ×1
https://w.atwiki.jp/sstoujyou/pages/510.html
一方・その頃(とらみボーナス)