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赤崎 洋子(真琴の担任教師) 容姿端麗で女子校でありながら生徒から支持を得ているが、それは他クラスからの話。 非常に大雑把な性格で一度受け持ったクラスの生徒からは評判が悪い。 しかし生徒への気配りは忘れない。周囲に溶け込まず存在感が希薄な主人公の認識もしっかりとしている。 昨年は先輩のクラスを受け持っていて面識がある 担当教科は英語。甘党。
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1- 男性が思う以上に、女性は自分の身長を気にする。 何も180cmは欲しい、などとは思わないだろうが、ある程度背は高い方が、スタイルは映える。 スラリと伸びた長い脚に、くびれたウェスト。そして、全身のバランスを崩さない程度に豊かな乳房。 そしてモデルのような整った顔立ち。これらは全て、多くの女性にっとって一生の憧れである。 女性は特に乳房に最もコンプレックスを抱きやすく、どんな女性でも大抵、 自分の胸に10個ほどの悩みを抱えているものだ。男性には信じがたいが。 水城夏実は悩んでいた。 もっとも、傍目には彼女は悩みなど抱えていないように見えるのだが、 成長期の女子高生で悩みを抱えない者など、まずいない。 夏実はパジャマ姿で部屋の姿見の前に立つと、自分の身長と胸を交互に見比べた。 身長153cm。体重は45kg。スリーサイズは上から72、55、76。 身長から110をひいた数字が理想的な体重と言われるから、この点彼女は申し分無い。 問題は、そもそもの身長の低さと、胸の小ささである。 女性の平均身長は158.4cmと言われるから、夏実はこれより約5cm低い事になる。 バストもせめて75cm、欲を言えば80cmは欲しいところだ。 スタイルが良いとはお世辞にも言えない。まぁ、肥満でない事は救いだったが。 ふと、階段の方から足音が上ってきた。 「あれ、先輩。そんな一所懸命鏡なんか見て、どうしたんですか?」 ドアの向こうから現れたのは、風呂上りの仙堂レナだった。 艶を帯びたその髪は、中学生とは思えない色っぽさを纏っていた。 身長154cm、体重47kg。スリーサイズは81、54、80。 身長は夏実より1cm高いし、バストとヒップも夏実以上。そしてウェストは夏実より細い。 体重は夏実より2kg程重いが、そもそも身長(と乳と尻)が夏実より大きいのだから、当然である。 スタイルの良さを構成する要素の全てが、中学生にも劣るという事を、夏実は密かにコンプレックスとしていた。 「良いなーレナちゃん。中学生なのにスタイル良くって」 夏実はレナではなく、レナの胸に話しかけていた。 「何言ってるんですか、先輩だって……えーと……」 スタイルを褒められて気分の良いレナは、例え世辞でも、先輩を立てようと思った。 しかし外見上の事に関して、夏実がレナに賞賛されるような要素は、客観的に見てもゼロだった。 どこを褒めて良いかわからず言葉に詰まった後輩を見て、夏実は溜息を漏らした。 「そう言えばさぁ……胸って、揉むと大きくなるって言うよねぇ」 灯りを消した部屋のベッドの中で、夏実はレナに小さな声で話しかけた。 「い……いきなり何を言い出すんですか、先輩」 消灯してから15分程。 夏実としては半分独り言のつもりだったのだが、まさかレナがまだ起きていて、返事をしてくるとは思っていなかった。 両親を亡くしていた夏実は、二日続けてバイトのある日は実家に帰らず、ホンキートンクの二階で寝泊りしていた。 実家よりホンキートンクの方が学校に近い事も、理由の一つだった。 最初の頃は必要最低限の生活用具を鞄につめてお泊りしていたのだが、慣れてくると マスターである波児の許可を得て、自分用のパジャマや歯ブラシなどを、常から部屋に置きっぱなしにしていた。 更に最近では、家に帰れないレナが、毎日同じ部屋で寝泊りするようになったので、部屋の中の荷物は増えていた。 レナの母親は我が子に、極端なまでに関心を払わないタイプだった。 家には殆ど帰って来なかったが、とりあえず娘は学校にはちゃんと通っているようで、 担任から何か言われる事も無かったから、放ったらかしにしていたのだ。 元々娘が三者面談の通知のプリントなどを渡しても「忙しいから」と言い張って、無視するタイプの母親だった。 勿論学校側はそれでは困るのだが、レナの担任自体が既に人格者ではない。 担任は、上に嘘をついて、書類も改竄して、レナの保護者とは面談を済ませたと偽っていたのだ。 夏実は「レナちゃんも、揉まれたから胸大きくなったの?」と聞きかけたが、その言葉を飲み込んだ。 レナが義父にレイプされた事は、本人から打ち明けられた事があるので、知っていた。 まだトラウマの癒えていない、何かあるとすぐ自殺を図るような彼女に対して 自分はあまりにモラルに欠けた発言をしてしまうところだった。 しばらく、部屋の中は沈黙が続いた。夏実は戸惑った。 胸の話題を切り出したのは自分の方なのに、それに続く言葉を発する事が出来ない。 どう言っても、レナのトラウマを抉ってしまいそうになる。 先に言葉を繋いだのは、レナの方だった。 「先輩……胸、大きくなりたいんですか?」 これには少々驚いた。普通の女の子の会話としては特別変わったものではないのだが、 レナ自身の口からこのような性的なニュアンスを含む言葉を聞くと、どうしても焦ってしまう。 「う、うん……そりゃ、誰だってスタイルは良くなりたいでしょ?」 だが、夏実のその問い返しに、レナは答えなかった。 再び、不気味な程部屋が静まり返った。 しばらくすると、夏実は隣で眠るレナの布団が、のそのそと動く気配を感じた。 不審に思って体を起こすと、布団から這い出て自分の方に寄ってくるレナの姿を、暗闇に確認出来た。 「レナちゃん……? 眠れないの?」 だが、レナはやはり答えなかった。黙ったまま静かに手をのばし、夏実の頬に触れてきた。 そして、おもむろに夏実の唇を奪う。 「……!」 驚いた夏実は思わずレナを突き飛ばそうとするが、力の入る体勢でなかったために、レナを押し返せなかった。 むしろ、最初から夏実を押し倒すつもりで気構えていたレナの手で、あっさりと布団の上に寝かされた。 仰向けになった夏実の上から、レナの暗い目が見下ろしてくる。 見下ろすと言っても、まだキスは続いているので、二人の目の距離は実に近かった。 本当ならキスというものは目を瞑ってするものなのだが、 いきなり女の子にキスされて、大人しく目を瞑る女の子もいない。 夏実はレナの目に気圧され、抵抗する気さえ起こさず、ただただ唇を吸われていた。 やっとの事でレナが唇を離し体を起こすと、夏実は彼女に問いかけた。 「い……いきなり何するのよ、レナちゃん……こういうの、困るよ……」 「だって、先輩が、胸揉んでほしそうだったから……」 「いや、確かに胸大きくなりたいけど……」 ゴニョゴニョと口ごもる夏実に、レナはそのまま畳み掛けた。 「胸を大きくしたいのなら、マッサージが効果的ですよ。 私だって、いろんな人に揉まれてきたから、ここまで大きくなったんですから……」 爆弾発言だった。 夏実は言葉を失った。レナは、自分の男性経験の遍歴を、とうとうと語り始めた。 「最初は、お母さんの再婚相手……それから、当時の担任の先生。もっとも、この二人は既に殺しましたけど。 それでも、殺すまでの間は地獄でしたよ。毎日家では義父に犯されて、学校では放課後、担任に犯されて……。 いつ妊娠してしまうか、ヒヤヒヤしてました。 それでも当時は、最初の一回目以外は、抵抗しなかったんですよ。抵抗するのが、何だか空しく思えたから。 次に、サリエル……いえ、今はカケル君ね。彼とは、きちんと同意の上でしました。 別に彼の事は好きじゃなかったけど、お互いに寂しさを補い合うような関係でしたね。 彼も私も、愛情に飢えてたから……」 語りつつ、レナは夏実の胸に両手をあててきた。 「んっ……な、何するの、レナちゃん!」 慌てて暴れようとするが、仰向けのままではろくな抵抗は出来ない。 レナは構わず、夏実の胸を揉みしだいた。 「そう言えば……私まだ、女の子とヤった事、無いんですよね……」 2- 仙堂レナの育った環境は相当劣悪だった。 快楽殺人者の多くは、幼少の頃に自分の親のセックスを目撃していると言われる。 レナの母親は淫売で、しょっちゅう違う男を部屋に連れ込んでは、昼間から情事にあけくれていた。 レナが小学校から帰ると、アパートの鍵は閉まっていて、中に入れないという事は日常茶飯事だった。 中からは、雌の本能をむき出しにした母親の喘ぎ声が聞こえた。 たまたま通りがかった近所の主婦は、同情と蔑みの入り混じった目をレナに向けてきた。 仕方が無いので、レナはランドセルを背負ったまま公園に行き、一人でブランコに座って時間を潰した。 右隣の部屋に住む独身の若い女性は、壁越しにレナの母親の喘ぎ声を聞かされていたために、ノイローゼになった。 レナがたまに会うと、女性はレナの頬をひっぱたき、完膚なきまでに当り散らした。 頬がこけ、顔の青ざめたその女性の顔を見ると、レナは申し訳なくなり、反論も出来なかった。 左隣の部屋に住む若い営業マン風の爽やかな男性は、レナの母親の『客』の一人となった。 母親の喘ぎ声を毎日聞かされていたせいで、性欲が抑えきれなくなったようだった。 平日は会社に出勤しているようだったが、土日はレナの家にあがりこみ、レナの母親と交わった。 男性は、本当はレナをも犯したかった。男性は元々ロリコンというわけでもなかったが、 小学生にしては発育の良いレナを見ていると、禁断の世界に足を踏み入れてみるのも悪くない、 などと考えるようになっていったのだ。 しかし母親が、「娘がいると興が殺がれる」といって、レナを部屋から追い出していた。 母親は別にレナを気遣ったわけではなく、ただ単に、本当に邪魔だったから追い出していただけに過ぎない。 しかしこの事は不幸中の幸いと言えた。 母親が追い出してくれていなければ、レナは小学生の内からレイプされる羽目になっていたのだ。 このような環境で育ったのでは、レナがルシファーの元で、 一時にしろ快楽殺人者になりかけたのも、納得がいくというものだ。 父親は、既に他界している。少なくとも、母はそう言っている。 本当はただ離婚しただけかもしれないのだが、幼かった頃のレナにはよくわからなかった。 今にして思えば、よくまぁ父はこんな女と結婚したものだ。 母の新しい男は、金回りが良かった。彼にも離婚歴があったが、母はそんな事は気にしなかった。 彼に対する愛情からではなく、単に金銭的・財産的な観点でしか男を見ていなかったのである。 新しい父親は良い家に住んでおり、レナは母親と一緒にその家に移り住む事になった。 ノイローゼ気味だった隣人に叩かれる事も、理性のいかれた隣人に厭らしい目で見られる事も無くなった。 しかし、新しい父親は、それ以上にひどかった。 彼は、自分の新しい女房が家をあけている隙に、まだ処女だったレナを押し倒し、犯し、ボロボロにした。 「お前の母親は、俺と結婚してからも、他の男と遊び歩いている。 お前の母親の不貞が許されるんだったら、俺も許されて良い筈だ」 それが男の言い分だった。 実際、その時母親が外出していたのは、以前のアパートでつかんだ顧客と、セックスする為に他ならなかった。 その時レナは中学一年生だったが、今程でないにしろ、スタイルは既に良かった。 それがアダとなって、男を欲情させてしまったのだ。 レナは、帰ってきた母親の前で泣き崩れたが、母親は相手にしてくれなかった。 出かける前には所持していなかった筈の高級そうなアクセサリーから、母親が『客』からまた小遣いを稼いだのだと知れた。 そんな母親が、レナの涙を見て動揺する筈も無かった。 母親がレナを育てていた理由は、自分が稼げなくなった後に、 レナを商売道具にして小遣い稼ぎを続けようという魂胆でしかなかった。 担任は何らかの理由でレナの心が壊れた事には感づいたが、だからと言ってレナに親切にしようとはしなかった。 表面上は優しく接するふりをして、それを口実に、担任までレナを犯してきたのだ。 放課後の教室、成績は悪くないのに何故か居残りをさせられていたレナは、 目の前の担任の目つきが突然変わった事に、本能的に恐怖した。 既に義父にレイプされて男性恐怖症になっていたレナが、担任とは言え男性と二人きりで 放課後の教室に居残りをするのは、極めて恐ろしかった。 それでも居残りを甘んじて受けたのは、もし仮にここで担任に犯されるなら、それも悪くないと思ったからだ。 手首を机の上に押えつけられ、制服のまま臍を舐められたが、レナはあまり激しくは抵抗しなかった。 当時、それほどまでにレナの心は壊れていた。 『初めて』を特別なものにしたくなかった。彼女の『初めて』は、義父からのレイプだったからだ。 セックスとは、大好きな男性とだけするもの、という観念を捨て去りたかった。 ヴァージンとは、一生に一人しか体を許さない男性に捧げるもの、という美徳を忘れ去りたかった。 彼女は、大声で助けを求められないようにボールギグをかまされた。寒気がするほど用意の良い教師だった。 もっとも、彼女に大声を出す気はさらさら無かったのだが。 口に咥えさせられたものの穴から涎がこぼれ、レナの顎をテラテラと濡らした。 まだ慣れていなかったレナの秘所は、快感を得る事もなく、濡れる事も無かった。 担任は苛立ち、もはやなりふり構わず、濡れてもいないのに挿入してきた。 パン、パン、パンと、耳障りな音が教室に響いた。 この音を聞くと、レナは自分が『物』になったような気がした。 少なくとも義父は、自分を穴だとしか思っていない。この担任も同様だ。音は、それを強く思い起こさせた。 さすがに妊娠されては困るのだろう、最後に担任は、レナの腹の上に精液を迸らせた。 「血は出なかったな……何も知らないような顔して、本当はいやらしい子なんだねぇ、レナちゃん」 レナがレイプによって膜を破られた事を知らない担任は、下卑た目線をレナに向けた。 それから神の記述と出会うまでの期間、彼女は毎日犯され続けた。 ファーストキスもまだだったのに、義父には舌を入れられ、担任にはペニスまで捻じ込まれた。 二人を殺したくてたまらなかったが、彼女にそんな力は無かった。 結局膣の中はおろか、乳首の先端から足の爪先に至るまで、全てを汚された。 軽蔑していた母と同じような体になってしまった事に、自嘲した。 ルシファーに選ばれたのは、その頃だった。 後になって彼女は、何故もう少し早く自分の記述の力を与えてくれなかったのか、とルシファーに詰め寄るが 記述の力によって義父と担任を二人を軽く殺害出来たおかげで、ルシファーへの不信感は忘れ去った。 アバリアリティの世界で肉体を押しつぶされた二人は、現実の世界では脳溢血で倒れていた。 それから彼女は家に帰らなくなり、ルシファーの教会で過ごすようになった。 愛情に飢えていたサリエルとは、気があった。 それは、恋愛感情などではなかった。ただの、自分を棚にあげた同情。 今までひどい目にあってきたけれど、まだこの相手よりは、自分の境遇の方がマシだという、歪んだ優越感。 と同時に、やはりどう考えても、まだ自分の方が相手よりひどい目にあってきたという、捻じ曲がった劣等感。 お互いに相手を見下していた。 表立って不幸自慢するわけではなかったが、内心では「大した不幸を背負ってないくせに」と、相手を見下していた。 しかし、それでも二人はお互いを求めた。寂しさを埋めるのに、都合が良かったのだ。 記述の世界での情事は、二人にたまらない快感をもたらした。 こんな事に記述の力を使うのはいけない事だとわかっていたが、ルシファーは黙認してくれた。 アバリアリティの世界では、リアルをはるかに超える快感を得られた。 それに、頭ごなしに「妊娠しない」と思っていれば、例え危険日に中出しされても、子を孕む事は無かった。 母乳が出ると思い込めば母乳が出せたし、サリエルの精液の量もリアルを遥かに超えていた。 何度ヤっても萎える事は無かったし、飽きるまでセックスを続けられた。 思った事が現実になる、便利な世界だった。 もっとも、リアルの世界に戻った時に、サリエルの精液がまだ彼女の膣の中に残っていては さすがに受精してしまうだろうという事で、ちゃんとアバリアリティの中にいる内に、精液は全て掻きだしていたが。 その日、何十回と交わって、その都度白濁の液体を浴びたレナは、体中を覆うその液体を 適当な家の庭の水道を拝借して、洗い流した。 アバリアリティの世界なので、どこもかしこも無人だった。 サリエルは既に服を着て、彼女の帰り支度が整うのを待っていた。 「そう言えば……私まだ、女の子とヤった事、無いなぁ……」 彼女の呟きがよく聞き取れなかったサリエルは「何?」と聞いたが、彼女は答えなかった。 3- レイプされた経験のある女性というものは、どこかが壊れているという。 それまでは平凡な女性だったのに、レイプされた事により、精神がマトモではなくなるのだそうだ。 そういった女性達は、普段はトラウマも癒えて、平気そうな顔で日常を過ごしていても ふとした瞬間に、周囲の人間に「あぁ、この人は壊れている……」と思わせるような言動をとるそうだ。 恐らく本人には、然程の自覚は無いのだろう。無自覚なままに、他者に寒気を与える。 レナも、そういった類の女性の一人だった。 「やだ……駄目だよ、レナちゃんっ……」 夏実の口を塞ぐように、レナは再び唇を重ねた。 息をする事すらままならない夏実の頬に、温かい液体がこぼれた。 それは、レナの涙だった。 夏実から唇を離したレナは、頬を伝う涙を拭いもせずに、ただただ暗い目で、夏実を見下ろした。 それから自分の左手首に視線をうつし、そこに刻み込まれた幾筋もの傷跡を眺めた。 それは、かつて自らを傷つけた時の名残だった。 死ぬ気は無かった。 彼女は、自分が死ぬぐらいなら、むしろ自分を苦しめる相手を殺した方が建設的だと考えていた。 それでも、サリエルに埋めてもらうまで、途方も無い寂しさを常に抱えて生きていた。 誰も自分を支えてくれないのなら、自分で自分を支えるしかない。 彼女が選んだ手段は、リストカットだった。 傷跡を見ると、とりあえず生きて生活している事が自覚出来た。それを、安心感と錯覚出来た。 傷跡をつける事で、他者を見下せた。苦しい思いをせずに生きられる周りの人間達を、蔑む事が出来た。 あなた達は、自傷なんてしなくても良いような、気楽な人生で良いわねぇ。 私はね、可哀想な子なのよ。大切な体を、ゴミにされちゃったんだから。 今この中に、私より辛い人生を送っていると言える人、何人いるかしら? 大人が抱えているものは子供よりはるかに重いと、私にそう言える大人が何人いるかしら? そんな事を考えながら、彼女は街を歩いた。 手首の傷は、その頃の彼女の、誤った安堵感の記憶をとどめていた。 「先輩……」 レナは夏実を見下ろしたまま、言葉を紡いだ。 「先輩は、死のうと思った事って、ありますか?」 夏実は、わけがわからないといった表情で、暗闇の向こうにいる筈の、後輩の顔を見上げた。 ポタポタと、後輩の涙が夏実の頬に落ちてくる。 「私はね……ありますよ。……当時は、本当に死にたいと、思ってた。 でもね……今なら、それは錯覚だったと、思えるんです」 夏実はゆっくりと体を起こして、レナの言葉に聞き入った。 「人間って、本当に辛くなったら、生きるか死ぬかしか、考えないですよね。 自傷なんて中途半端な事をするのは、死ぬ気なんか全然無いのに、辛いフリをしたいだけの証拠。 ほら私は死ぬ程辛いんだよって、自分に言い聞かせるだけのもの。 だって、本当に死ぬ程辛かったら、死ぬ筈ですものね」 実に極端な考えだ。 世の中には、本当に死にたくても、何らかの理由があって死ねない人間は、大勢いる。 自分一人が楽になる事と、自分が死んで周囲の人間に迷惑がかかる事を天秤にかけて 他者のために自らの命を、嫌々永らえる者もいるのだ。もっとも、そういった人間は、心が強いから自傷もしないのだが。 兎も角そういった諸々の事が、まだ所詮中学生であるレナにはわからなかった。 彼女が死んでも彼女の家族は全く悲しまないであろう事も、彼女の偏った考えに拍車をかけていた。 自殺を図る者の大半は、普通、死んで親や家族を悲しませる事が嫌だから、思いとどまるのである。 レナは、常日頃から、暗い表情を出さないように心がけていた。 ルシファーの配下だった頃はそうでもなかったが、ホンキートンクに来てからは 周囲に気を配って、なるべく陰鬱な空気を醸し出さないように努めていた。 それは、彼女が人間を好きになっていた証拠だった。 しかし、無理はするものではない。彼女は誰の前でも泣かない事で、逆に涙を溜め込んでしまっていた。 天然である夏実でも、その事には気付いていた。 レナ本人が席を外している時は、もっぱら波児と二人で、彼女の精神バランスの危うさを心配していた。 波児は、幼い者の泣き場所になってやる事も、大人の男の務めだと思っていた。 しかしレナが心を病んだ原因は、その『大人の男』なのである。 トラウマが癒える前から、迂闊に胸板を貸すわけにもいかなかった。 それをわかっていた夏実は、レナの泣き場所になるのは、自分の役目だと常から思っていた。 夏実は暗闇の中、手探りでレナの体に触れると、そのまま優しく抱きしめた。 レナにとっては、何年かぶりの温もりだった。 死んだ義父や、元担任に抱かれていた時も、そればかりかサリエルに抱かれていた時でさえも、温もりを感じる事は無かった。 体温は感じるが、それは体温でしかなかった。 そしてそれは、温かいというよりもむしろ生温い感触で、吐き気を催す事もあった。 だが、今は違う。 相手が女性だから安心出来るのか、それとも夏実が生来備えている母性故か、 レナは久方ぶりに、純粋な温もりを感じる事が出来た。 それは、かつて実父に抱きかかえられていた、幼い頃のあの温もりに近かった。 レナは、隣の部屋の波児にも聞こえんばかりの声で、しかしそれでも必死に声を抑えながら、夏実の胸の中で泣きだした。 「大丈夫……大丈夫だよ、レナちゃん……」 「うぅっ……うぇえん……ふっ……う……っ」 嗚咽は波児の枕元にも微かに聞こえていたが、彼は全てを夏実に任せて、布団から出る事さえしなかった。 「しんどいかもしれないケド、頼むぜ、夏実ちゃん……」 再び、レナは夏実とキスしていた。 思えば、舌を絡ませないソフトタッチなキスは、今日が生まれて初めてかもしれない。 カケルとでさえ、いつもディープキスが主流だった。 夏実は、もはや抵抗など微塵もしなかった。自分の愛で、レナを包んでやろうとしていた。 夏実の両手はレナの両頬に添えられ、二人の目はそっと閉じられていた。 しばらくキスを続けた後、夏実は一旦レナの唇から離れた。 「レナちゃん……」 「先輩……お願いします。先輩の手で、私の体、綺麗にして下さい……」 レナは、自分の体が汚れている事を、今でも悔やんでいた。浄化されたかった。 しかし、いくら信頼出来る男性と言っても、波児や蛮達には、まだ抵抗があった。 いつかは、彼らの内の誰かと交わって、体中を丹念に愛撫してもらって、すっかり浄化されたい……。 そう考えてはいたが、男性恐怖症は中々治るものではなかった。 その点、相手が夏実ならば申し分無い。 女性には恐怖心は感じないし、夏実個人の事も十分信頼している。 夏実はレナのそんな気持ちを察し、黙ってレナのパジャマのボタンを、一つ一つ外しにかかった。 「やっぱり、いつ見ても羨ましい胸だなぁ……」 露わになったレナの乳房を見て、夏実は感嘆の声を漏らした。 「でも……えぇと、その……小さい胸の方が、感度は良いらしいですよ?」 レナは夏実を気遣ったが、およそフォローになっていなかった。 「むー……皮肉られてるようにしか聞こえないなぁ」 「でもでもっ、男性には喜ばれますよ?」 そう言うと、レナは夏実の控えめな乳房を、再び揉んでみた。 「あぅ……やだ、レナちゃ……んっ……」 レナの言う通り、夏実は簡単に色っぽい声を出してしまった。 「ほら、私の言った通りでしょ? 私でさえ、初めての時は少しも気持ちよくなかったのに」 「うぅ……恥ずかしい……」 夏実は、逆襲のつもりでレナの胸を鷲づかみにした。そうして、そのまま強めに揉みしだく。 「あぁ……せ、先輩……」 既に開発されきっていたレナの性感は、夏実のテクニックの前に早くもガードを下げ始めた。 さすがに女性だけあって、夏実は今までレナを犯してきたどの男性よりも、的確な攻めを展開してきた。 掌から指先に至るまでの全ての力加減が絶妙で、今までオナニーとアバリアリティの世界以外では 一度も勃った事の無かったレナの乳首が、段々としこり始めてきた。と同時に、乳房そのものが弾力を増してくる。 夏実はレナに口付けると、そのまま舌をレナの口内に侵入させた。 さすがの夏実もディープキスには慣れていない様子だったが、今度は逆にレナがリードしてみせた。 お互いの舌が相手の舌の上下左右をくまなく這いずり回る。 時折、突き出された相手の舌を上下の唇だけで噛み、そのまま唇をズルズルと前後に動かす。 さながら口が女性器で、相手の舌が男性器のようなモーション。それをお互いに交互に繰り返した。 夏実は十分にレナの唇を『浄化』してやると、次は頬、次いで額にも丹念にキスをしてやった。 耳朶を甘噛みし、首筋や鎖骨にも口付け、乳房や乳首から臍や指先に至るまで、丁寧に舐め回していった。 勿論錯覚なのだが、レナは夏実の入念な舌使いによって、本当に体が綺麗になっていく気がした。 そしてとうとう、最後の標的。もっとも汚されているであろう、女性器に夏実は照準を定めた。 「いくよ……レナちゃん」 「はい……お願いします、先輩……」 夏実はレナの内腿の間に顔を挟むと、もうすっかり濡れそぼってオアシスをたたえたその秘所に、ゆっくりと舌を伸ばした。 ぴちゃ……ぷちゅっ……ちゅぅ……ちゅっ、じゅる…… わざとらしく音を立てながら、夏実はレナの襞に口付け、舐め、吸った。 的確なポイントを刺激する度に、レナの体がビクンッと反応した。陰核の包皮を剥き、直接そこを舐める。 「ひぃいっ!」 一瞬獣のようにレナの体が打ち震える。指で同じ場所を摘み、コリコリと引っかき、押し込む。 レナの体はもはや継続的な電気ショックに晒されているかのごとく痙攣し続けている。 「それじゃ……最後に、奥の奥を、綺麗にしてあげるからね」 夏実はそう言うと、指を三本ほど、レナの膣に挿入した。 一本の指はGスポットに、もう一本の指は膣の出入り口付近の、Gスポットの次に感じる部位に、 もう一本の指は満足のいく太さを得るために、それぞれあてがわれた。更に、挿入されていない親指も、陰核にあてがわれる。 夏実はレナの膣内で縦横無尽に指を動かし始めた。 「あっ、あはぁっ!はぁっ!あぁあっ!」 レナの膣からは大量の愛液が飛び散り、声は最早波児の部屋まで突き抜けていた。 「うわぁ……やってんなぁ、夏実ちゃん……」 中学生の喘ぎ声は、三十路半ばの波児には良い回春剤になりそうだった。 「ひぇ、ひぇんぱい……ひぇんぱいぃっ……!」 レナは呂律もまわらない程に口を大きく開け、その舌は何かを吐き出すように虚空に突き出されていた。 涎は途方もなく溢れ、滝のようであった。 なおも夏実の攻めは続く。次から次へと溢れ出てくるいやらしい汁を、かきだすように指を動かす。 レナは体を弓のようにしならせ、白目さえむきかけた。 しかし攻められてばかりでは悔しい。レナは必死で意識を保って、腕を夏実の乳房に伸ばした。 「ぅあっ……れ、レナちゃぁん……」 先輩に綺麗にしてもらう代わりに、先輩の胸、大きくしてあげますから…… そう言いたかったが、レナはまともに口をきく余裕すら無かった。 だが、やはり乳房だけを攻められている夏実と、膣を直接攻められているレナとでは、勝敗は明らかだ。 「あぁ……イく……イくふぅっ!!」 レナは早々に絶頂を迎え、そのまま意識を失って布団の上に倒れこんでしまった。 次に目を覚ました時は、朝だった。 汗ばんだ全裸の格好のままで、レナは丸一晩寝転がっていた事になる。 カーテンの隙間から朝日がこぼれていた。 膝元には、同じく全裸のままで、すやすやと寝息を立てる夏実がいた。 「先輩……ありがとう、ございます……」 レナはそう言うと、敬いつつも今では愛しく思える先輩の可愛らしい乳房に、返礼の意味で口付けた。
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掛川 裕彦(かけがわ ひろひこ) 担当キャラ イセリア村長 テセアラ王 以下声優・他作品ネタ リトラー・ギートと義兄弟になる蜀の国所属の三國武将・其の壱。得意武器は蛇矛(6作目無印のみ長柄双刀)。4作目では娘のチャットと7作目では子のモルモが参戦し、子煩悩な父親の一面も見せる。魔王・ディムロスの異世界では、同じ娘のウィチルを持つ戦国最強・リーガルと絡んでいる。 チャットですら困る程の無類の酒好きで短気だが、信義を重んずる一本気な性格。 敵国時代に攻めて来た呉の国の二代目君主との一騎打ちの末、呉の国に下った三國武将・其の弐。得意武器は双鞭(5作目無印のみ三又槍)。双鞭での攻撃が太鼓を叩く様に見える事から、宴会での太鼓役に任命される事も。魔王・ディムロスの異世界では、前田スパーダを加入させる為に、援軍を呼ぶ為の本陣の陣太鼓を叩くミッションがあり、そこだけテセアラ王にキャラチェンジさせる事もあるとか。 ロディルの中の人から引き継いだ二代目・王下七武海の一人で、世界最強の剣豪。頂上戦争後、拠点帰還時に麦わら海賊団のモーゼスと再会し、敵である自分に稽古を教えるべく土下座したモーゼスを一度は見損ないと軽蔑するも、島の魔物を全て倒した実力と仲間の為にプライドを捨て野望を歪めた真意を認め、2年間剣術の稽古を付けた。 ロディルの爺声からテセアラ王の若々しい声に当初は違和感もあったはず。 とある天竜人一家の家長でマーグナー聖&プラティア宮の父親。作中の天竜人のテンプレの如く下劣な性格。 亜細亜街にある中華料理店「故郷」の店長で「神室町のダニ」ナハトの最大の理解者。アンナのことは実の娘のように世話している。店は6作目で燃えてしまった。 チェルシーの担任の先生。性格はいつも穏やかでほとんど叱る事もない、まさに理想の教師像。なお現実の作者の担任は非常に厳しい、というかアレな教師で、理由の無い平手打ちや児童にウィスキーを飲ませるなどの体罰・不祥事を起こしたため1年で別の学校に飛ばされたという。
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漫研辞典-か行- 技術も才能も無い【ぎじゅつもさいのうもない:呪文】 宗隆が卒業制作の際、担任の先生から頂いたありがたいお言葉。 威力はザキとほぼ同等。 喫煙者ゲーム【きつえんしゃげーむ】 元ネタはラーメンズ。 一人が唐突に「喫煙者ゲーム!喫煙者だーれだ」と言うと、その場の喫煙者は一斉に「俺ー!」と応える。 その後、小会議へと赴くのが通例である。
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MD/061 RR ガチレンファン ひとは/三女 女性 パートナー ガチレンファン 矢部/6年3組の担任 男性 レベル 4 攻撃力 3500 防御力 6500 【むふー!】《ギャグ》《黒》 【自】〔リング〕このカードが《ヒーロー》にサポートされた時、あなたのリタイヤが相手以上なら、そのアタック中、あなたのベンチの《ギャグ》1枚につき、このカードを+1000/+0。 作品 『みつどもえ』
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正当派無産派文芸理論の確立 山崎今朝彌 と云ふ題で実は文連綱領規約の素人解釈を試みてみる。 一 第一に文芸とは何ぞや。玄人は一致して文字を以てする芸術だと云つた、従て漫画演劇文芸にあらずと。道理でプロ連は初め文芸連盟と称し後に芸術連盟と変へた。僕は文学芸術之を略して文芸と謂ふと思つた。今規約全体を通覧するとドツチがドツチだか一向にワカらない。 次に党派的文芸とは何ぞや。例へば文線一派の如く文放一派の如しと。然らばデロ連一派の如きは如何? 暫くして答へて曰く、文連は可を可とし否を否とす、故に一派の故を以て可も否とし否も可とする党派にあらずと。矢鱈に六ケ敷してヤヤコ敷事斯くの如く、寧ろ一人で静かに考へるの勝れるに如かず。 第三に正統文芸とは何ぞや。正統は正当にして又正道なり、既に邪道に陥りたる文芸を正道に恢復するも正統なり、之れから正当なる文芸を樹立するも亦正統なり、色々議論多かつたが之れ位の処が素人に一番よくワカル。 次に綱領第三は仮発企中の大問題であつたに拘はらず創立総会には少しも問題でなかつた。文芸は本質解放運動の現役たり得ない、予備後備の第三戦線文化戦野以上ではあり得ない、併し我等は第一戦線に政治戦線に経済戦線に立ち得る、又ねばらぬ、が其れは其人一人の事であり個人の事である、団体として連盟が行動するときは必らず文化戦野の範囲内に限られる。といふのが此頃の眼目であつたと思ふ。此の意味がお手のものの文芸上此の文面に充分表はれて居るなら其れで問題なし。 最後に日本無産派文芸連盟とは、日本プロレタリア或は労農文芸連盟の事である。初めの触れ出しは労働文芸農民文芸の略称日本労農文芸連盟であつたが、其れは労農ロシア日本出張所の文芸連盟の如くにも聞え又日本労農党一派の文芸連盟の如くにも響くと云ふ理由でムザンヤムサンハとなつて了つた。すると結局どうしても日本無産派文芸連盟は日本プロレタリア芸術連盟に対立するもので、其本質根本上の差異区別は、デロ連は洋語左書、ムサ連は漢字右書といふ点にある。 も一つ最後に驚いたは、無産文芸といふ奴中々面倒な小六ケ敷い屁理窟もので法律のように常識と理窟で、素人にでもワカるといふ簡単なワケには一寸行かぬものだといふ事であつた。素人論なら、文学だか文芸だか芸術だか知らないが、絵にしろ小説にしろ芝居にしろ、泣くか笑ふか憤るか、面白いか或は又考へさせるかするものが即ち芸術で、ヨリ良く利くのがヨリ良い芸術である。畢竟芸術はカラ畑の肥しであるからソレコソ全く糞の役に立つに過ぎない、其れが芸術唯一の功徳効能であらふ。が其れ以上の何物でもない。成程無産文芸ならビラ広告宣伝文にも立派に役立つ、だから誰れも芸術にビラ効なしとは云はぬ。が文芸批評とか理論とかいふ六づかしい高等議論に至つては文芸家を以て任じない無産大衆に取つては只もうアクビの種のみで之を以つてはビラ一枚も貼れなければ屁の足しにもならない。理を作るより詩を作れ、詩を作るより田を作れ。流石にレニンはウマイ事を云つた。 かくて問題は進展する。されば文芸は本質上解放運動に何等重要性がない。精々ビラ書き装幀立芝居に過ぎない事が、素人にもよくワカる。だからフラフラフラツと全線的政治闘争的一斉的進出を宣言号令し折角自己陶酔し、大声叱呼コノ証拠を見よと叫んだ処で出て来るものはポスター日記に無産者のタばかりだと云ふ事になる。ソレ見た事か組合主義だ折衷主義だ正体を曝露した、モツト左翼戦線戦線と力んだ所が文芸の落行く先は結局文化批判に過ぎない。否否千度も否萬度もギツチラコ僕等の方には検束がある、示威運動に参加したと威張つて見た所が其れは其人個人の功績に属すべき事で文学と何の関りあらんやだ。誰でもよい素人にワカル国語縦書の出来る人から此辺の説明を教わりたいもんだ。 二 今度は規約の番だ。規約に就ては入会者には制限がないか、除名は出来るか、規約の変更はどんな条件かと云ふ質問があつただけで少しも議論はなかつた。 仮設例として文戦文放の同人が入会申込をした場合が問題となつた。可とする者曰く、文線の如き其後数回主張を変へテーゼを取消し之れを中止し今や最近号に於てはあわただしくもコンミニ文芸を抛棄して我々の綱領と全く抵触せざるに至つた。二夕月も三月も前の事を云つてはならないと。否とする者曰く、其れは余り厚ツペラでない一人か二人の事であらふ、陣営内の整理、共産党文芸の宣言は僅々一昨日の事ではなかつたかと。しかし何でも構はぬ、通過した法律否規約には「連盟の綱領に賛成して入会する者を会員とす」と書いてある(傍点筆者<「綱領に賛成して入会する者を会員とす」まで傍点>)苟も日本人-否外国人でもよい-である以上仮令其れか何であつても文芸家でなくつても苟も金一円を出して綱領に賛成した者は入会出来ると解すべきである。が一体全体好んでコンナ杞憂を杞憂するに至つてはバカゲた話である。お先様がお笑なさる。 除名も規約変更も、別に禁じてないから勿論大会の多数決で何時何ん時でも出来ると解すべきだ。大会の年一回は定期だから臨時大会は何時でも幹事が召集し得る事と解釈出来る。 尚各部門の細則は当然各部門で定められるが支部準則と大会細則は如何にして定めるか、別に定める事が規定され定める必要があるから其れは連盟事務の一部で、事務は幹事が処理するから幹事会で定めべきものと思ふ。 序に総会で各部と其担任者とが挙げられ其担任者は当然幹事と云ふ事になり僕は庶務会計兼出版部担任となつた。他の担任者と同様献身的にやらねばならぬとなれば到底事実ヤリ切れぬ、ソコで僕から其為め一人を特に頼む事として其人選を幹事会に依頼し幹事会は松本淳三君を選定してくれた。で責任はトモ角事実出版庶務会計の事務取扱(従つて其幹事)は松本君であつて僕でない。 出版部の主なる仕事たる機関の雑誌は『解放』ときまつたが之れも一言を要する。連盟と僕との協定は文芸一切は連盟の自由処分に任せるが評論思想其他文芸以外のものは旧態依然矣。併し此方も編集の実務は松本君がヤツてくれる筈。オイタがハゲしくて同居人が逃去すか騒ぎがヒドくて階下が引越すかは何れ時日が決定する。忘れて居た、各部の部員は担任(御担当と云へば囚人頭の言葉で面白いのだが)がキメる事になつたから出版部即編集部の部員には幹事と仮発企人たりし人になつて貰つた。其中から常任又は専務を松本君に頼んで貰ふ事になつて居る。 三 かくて一応は正統無産派文芸の理論が確立された。されなかつたら吾々は更に又其機会に有つであらう。 <以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。> <旧仮名遣いはそのままとし、踊り字は修正した。旧漢字は適宜新漢字に直した。> <底本は、『解放』(解放社)第6巻8号70頁(昭和2年(1927年)6月1日発行)>
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吉祥学苑3年4組担任の鬼塚英吉が、引田留々香達によってパンツを口に詰め込みながら気絶していた時、相沢、飯島、白井の三人が、 小さな木造アパートに向かっていた。 「ここが、アイツの家よ。」 「ちょっと雅~、大丈夫なの?」 三人の中で比較的大人しい性格である取り巻き、白井知佳子がリーダー格である相沢雅に意見をする。 「麗美も鬼塚に影響されちゃってるし、こうなったら手段を選んでなんかいられないわよ!」 雅が語気を強くして二人に怒鳴る。彼女達はここまで神経をすり減らしてまで鬼塚を担任から外したいようだ。 「ここの、203号室ね……」 雅がインターホンを押す。しかし、応答はない。その後何度も呼びかけを試みたが変化がない。 雅の取り巻き二人が帰ろうと階段を下り出した時に扉が開いた。 「うるせえな。何でお前等がここにいるんだ?相沢。」 「今度の担任が中々しぶとくてさ、力を貸してほしいのよ。あんたに。」 男は加えていた煙草を吐き捨て、雅に近づく。 「ふざけんな!!何で教師の顔を見る事になるんだ!!!」 男の怒鳴り声に三人は思わず目を閉じる。 「お願いよ、私達だけじゃどうしても落とせないのよ。あんただって暇なんでしょ?」 雅が多少声を震わせて男の説得を試みた。他の二人はもう階段を下りていた。 「神崎はどうしたんだよ。」 「麗美は鬼塚達とつるんじゃって、話にならないわよ。」 男はため息を吐きながら雅に告げた。 「分かったよ、何だかんだでお前とは小等部以来の付き合いだからな。」 その言葉に雅は卑屈な笑みを浮かべていた。 「じゃあ明日来てね、阿久津。」 翌日、吉祥学苑の3年4組は騒然としていた。 「お前、よく来たな!!」 村井が突如クラスに訪れた男子生徒、阿久津に声を掛ける。 「よ、村井。相変わらずマザコンなのか?」 「な、何だとテメー!!」 というようなやり取りをしている中、クマの着ぐるみを着た男が教室に入ってきた。 「よーし、出席取るぞー。ん、何だお前。転校生か?」 着ぐるみ男もとい鬼塚は阿久津を見つける。 「いや、最近来てなかっただけですけどね。俺、阿久津薫っていいます。」 「そうか~、うちのクラスだったのか。」 そんなやり取りをしながらも鬼塚は、初めて見る筈の男に、”再会”したような感覚を覚えていた。 『どっかで会ったかな?初対面な気がしないんだが。』 一方で神崎は鬼塚を見て笑っている雅を見ていた。 『あの子、な~に企んでんのかしら。』 早速H.Rと呼べないようなH.Rを始める鬼塚。この時の彼は後に起きる事件など想像もしていなかっただろう。 校内での事件は2年3組の体育の時間に起こった。 「お前、さっき2年の教室で何かしてたよな。」 菊池が阿久津に詰め寄る。すると阿久津は菊池に煙草の煙を吹きかけてきた。 「宣戦布告♡」 その瞬間2年3組の教室は大きな爆音と共に炎上した。 「ガっハハハ、流石に俺人殺す勇気はないからな。」 爆音に気付いた生徒と職員が焼け焦げた教室を見る。そこには無残に焼かれた黒板や机が残る悲しい風景だった。 「いい、一体誰がこんな事を~~~、鬼塚か!!!」 内山田教頭が鬼塚を探す。時間は少し戻り、鬼塚は村井、藤吉、草野と屋上で屯していた。 「あの阿久津って奴よ~、お前等何か知ってるか?」 「まあ、同じクラスだしな、けどあいつは担任イジメには関わって無かったんだ。」 「”あの事件"以来学校には来てなかったけどな。」 阿久津に対して不可解な気持ちを抱く鬼塚の頭がショートするのに三分もかからなかった。 「しかし、どっかで見たような気ぃすんだよな~、どこだったか……」 屋上から下りようとしていた四人はその時例の爆音を聞いた。 「な、なんじゃあ!!??」 四人は急いで校内を駆け回っていた所でゲートボールのスティックを持った教頭に見つかった。 「おおにおおににおにおににおに……鬼塚ーーー!!!!!」 鬼気迫る表情で四人に襲い掛かる教頭に弁解する間もなく四人は逃げる。 「一体どうなってんだよ!!!」と村井。 「知るか、とにかく何でかわかんねえけど逃げろー!!!」 その頃2年3組の教室の前で笑っている阿久津に、菊池と神崎が近付いてきた。 「阿久津!お前がこれをやったのか!!」 菊池は阿久津の肩を鷲掴む。 「まあ、ガソリンとグリセリンで簡単な時限式の爆弾をな。」 特に悪びれる様子もなく阿久津は淡々と語る。その様子に菊池は恐怖心さえ抱いたという。 「さっきもいっただろ、宣戦布告だって。」 「宣戦布告…だと?」 一瞬風が止み、野次馬のいなくなった教室前は静寂に包まれた。 「大方雅に頼まれて、鬼塚をクビにさせようと企んでるんでしょうが、そう上手くいくかしらね……」 神崎の挑発的な言動に阿久津の表情が変わる。 「あ~ヤダヤダ、自分だけ天才って呼ばれてないのが悔しいんだ。確かに小等部の頃から呼ばれてないもんね。」 「神崎ィ、貴様俺に殺されたいのか?文部省認定の特別待遇児は、お前だけじゃないんだぜ?」 「そうやってスグ頭に血を上らせてるから区別されるのよ。」 あくまでも落ち着いた物腰の神崎とすぐにでも飛び掛かりそうな阿久津、口喧嘩では完全に神崎が勝っている。
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アクアドリーム アクアドリーム(1)← →アクアドリーム(3) 二 失ったのは白い背中 翌朝。 「……えーそれから、昨日の帰り、うちの生徒が轢き逃げに遭いました」 SHRでの担任の言葉に、ざわ、と綺のクラスはどよめいた。 「え、嘘」 「誰? 知ってる?」 生徒たちの言葉に担任は少し顔をしかめたが、それ以上の情報は与えず、皆も登下校の際には充分注意するように、とありきたりに締めくくった。 SHRが終わって、ロッカーに教材を取りに行こうとした時だった。綺は担任に呼びとめられた。 「小里さん」 「はい」 担任の顔は重く、綺は返事をする一瞬の間に、何か怒られるようなことをしでかしたか、記憶を漁ってしまう。特にこれといった心当たりはない。 「一限が始まる前に、藤倉先生のところに行って」 「え? あ、はい。分かりました」 藤倉先生は家庭科教師で、手芸部の顧問だ。 綺は内心首を傾げたが、ぐずぐずしている時間はない。一時限目が始まるまでには、もう十分も残されていなかった。綺は教室を飛び出した。 階段を駆け上がり、小走りで家庭科研究室に向かう。ノックしてから、失礼します、一‐Cの小里です、とドアを開けると、藤倉先生は待ちかねていたように立ち上がった。 藤倉先生は、温和な初老の女性だ。綺は緊張しながら、眼鏡の向こうの藤倉先生の瞳を見つめた。藤倉先生も妙に暗い顔をしていて、居心地が悪い。 「昨日、一年で部活に出ていたのは、あなたと築村さんだけね?」 「はい」 「帰りは別々だったの?」 「いえ、築村さんと、駅の近くまで一緒に帰りました」 先生の表情が、僅かに動いた。綺は訳が分からないながらも、言葉を続ける。 「でも、築村さん、途中で『忘れ物した』って学校に戻ったので、そこで別れたんですけど」 「そう……」 先生はため息をついた。 「あの、築村さんがどうかしたんですか?」 戸惑う綺に先生は首を振って、授業に遅れるわよ、と家庭科研究室から追い出した。 仕方なく、再び小走りで教室に戻り、授業が始まる寸前の教室に滑り込んだ。 一時限目が終わると、同じクラスのみのりが綺に駆け寄った。 「あのね、Bの人に聞いたんだけど、轢き逃げされたのって築村さんらしいよ」 え? 綺は茫然と、みのりのよく動く口を見つめた。B組は、築村芳乃のクラス。 きっと、間違いなんかじゃない。 「今日、休んでるんだって。怪我ひどいのかな。綺、何か知ってる?」 みのりの口調には、同じ部活に所属してはいるもののあまり接点のない築村芳乃に対する、やや他人事めいた同情と、少しの好奇心しかない。だが、綺は同じく接点がなかったはずなのに、冷静には受け止められなかった。 昨夜の、走っていく築村芳乃の後ろ姿が胸をよぎった。白いニットのベスト。 「綺?」 「え、あ、ううん」 綺は慌ててかぶりを振った。ぎゅっと左の肘を握る。 「さっき、一限の前にね、藤倉先生に築村さんのこと訊かれた。昨日、みのりも璃緒も出なかったでしょ? だから途中までは一緒に帰ったんだけど、全然知らなかった」 築村芳乃が忘れ物を取りに引き返したことを説明すると、みのりはふうんと頷いた。 「築村さん、忘れ物なんてするんだね」 「ね。で、しかも、取りに戻ったのが意外だった」 築村芳乃はしっかりしているとともに、どこか冷めているような、淡泊なような印象を与える少女だった。 「まあ、綺だったら絶対そのまま帰るよね」 みのりの正確すぎる言葉に、綺はむう、と口を尖らせる。 「酷いなあ」 「どこが酷いのよ、事実でしょ」 築村さんのこと、部活の時に先生に訊いてみようっと。 みのりがそう呟いたところで、二時限目の先生が教室に入ってきた。 次の日も、また次の日も、築村芳乃は学校に姿を見せなかった。彼女が意識不明のまま目を覚まさないらしいということは、既に周知の事実だった。 文化祭まで残り一週間を切り、校内は浮足立っている。だが、綺の脳裏からは、最後に見た築村芳乃の白い背中がちらついて消えない。 轢かれた時、あの背中は赤く染まったのだろうか。 ふとそんなことを考えている自分に、嫌気が差す。 「築村さん、来ないね」 部活中、誰かがぽつりと呟いた。常に黙々と針を動かしていた彼女の不在は、手芸部に奇妙な穴を開けていた。ずしり、と、見えない何かが綺の肩にのしかかる。 「綺、大丈夫? 顔色悪いけど……」 向かい側に座っていた璃緒が、心配そうに綺の顔を覗きこんだ。 「平気平気。何でもないよ」 綺は力なく笑ってごまかした。 私が、あの時ちゃんと止めていれば。 ぎゅっと左の肘を握る。考えても仕方のないことだと、分かってはいた。ましてや、綺の責任ではないことも。 それでも、自分を責めずにはいられなかった。 綺は、どさりとベッドに倒れこんだ。細い月明かりが、カーテンの隙間から射しこんでいる。布団の中に潜るのすらも億劫に感じた。 今頃彼女も、どこかの病院のベッドで、静かに横たわっているのだろうか。頭には包帯でも巻いて、腕には細い管がつながっていて。 目を閉じながら思う。眠りに引き込まれる直前に浮かんだのは、理不尽で自己中心的な、けれど素直な言葉だった。 ねえ、築村さん。どうして目を覚まさないの? →アクアドリーム(3) アクアドリーム(1)←
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太平洋のイケメン 「おおっ」 担任の先生が名の読み上げを止め、名簿を見たまま声を上げた。 「お前達3人、頭文字とると太・平・洋になるな!がはは!」 静かだった教室が、少しだけ笑いに包まれる。 新学期でまだお互いの名前を知らない者が多い中。 どうしたって遠慮がちになるのは仕方ない。 そして僕も周りに合わせて微妙に笑いつつも、 担任の言った事実に少なからず驚いていた。 すると僕の二つ前に座る男が、急に後ろを向いた。 僕が洋野だから、彼が太のつく名字なんだろう。 彼は間の男を見て、そして僕を見て。 僕と目があうとなぜかニコーッと笑った。 人懐こそうな、満面の笑みだった。 それが最初。 いつも僕達3人はひとまとまりにされる事が多いから、自然と3人つるむようになり仲良くなるまで時間はかからなかった。 「なぁチョコいくつもらった?俺はな、25個!」 太田が言った。 「……18個」 平沢が眼鏡のズレを直しながら言った。 「あ、えっと僕は…21個…」 僕も後に次いで報告する。 それを聞いて太田はヨッシャ!とガッツポーズをとった。 「俺が一番だぜ! 平沢よぉ、おまえはもっと女子と喋れ!交流を持て!」 「…興味ない」 平沢はそう一蹴して、持っていた参考書に目を落とす。 やれやれとポーズを取りながら大げさにため息をついた太田が、今度は意気揚々と僕の肩を強く抱いた。 「俺らはそこそこ女子と話すもんな!来年も負けねぇようにしような洋野?」 太田の人懐こい笑顔が近い。 勢いにおされてつい頷く。 「…くだらん」 参考書から目を離さずにぼそりと呟く平沢。 「くだらんとは何だお前。勉強ばっかりしやがってお前」 また睨み合ってる二人に苦笑する。 乱暴でがさつだけど、大柄で運動センス良くて優しい一面もある太田。 寡黙で落ち着いていて、常に成績トップのインテリ系な平沢。 そして何でも平均な僕、洋野。 イケメン二人が女子にきゃあきゃあ言われるのはよくわかるけど、なんで僕ももてはやされてるんだろう。 女子って不思議だ。 鶴×亀
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主人公(10)の担任の熱血教師。 卒業生が卒業式の日に毎年お礼参りに来るが、本人は「卒業生と遊ぶ」と表現している。 本当に勘違いしているのか、それともただの比喩表現なのか・・・? (ちなみに彼は柔道と空手の有段者である) また、パワポケ10のミニゲーム「Pカード」でも隠しキャラとして登場。 割と強い部類に入る。