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150 普通の兄妹のあり方 sage 2011/01/17(月) 20 04 55 ID 0UoVsVWa 普通の兄妹のあり方 おかしい 最近の妹の様子がおかしい 面白いじゃなくて、変なほうのおかしい。 兎に角おかしいんだ。 何がおかしいかといえば…何ちゅーの? 距離感?みたいな? 例えばさ、やたらとくっついてきやがる。 高校生(今度短大生)にもなってさ。 普通、兄貴なんてキモくて離れるだろ? 何かさここんとこやたらと俺の部屋に居るんだよな、コイツ。 漫画、参考書、CD…自分で調達すれば良い物を、わざわざ借りに来る。 しかも気づけば俺のベッドで横になって漫画読んでたり、CD聴いてやがる。 自分の部屋でやれば良いのによ。 前はそんな事無かったし、彼氏も居るし何なんだ? 大体俺の部屋に来ても面白いことなんか何にも無いのに。 こないだなんかマスかいてるとこ見られたしよ、ついてないぜ。 部屋に鍵付けてーよ。 …で、付けたら早速アイツに見つかり親にチクられた。 何なんだよいいじゃんか、鍵ぐらいさ。 んで外された。 アイツに強引なところがあるのをその時はじめて知った。 他にも俺の部屋にはテレビがあるが、俺が見てたらいつの間にか妹も隣に座って見てるし。 放っておいたら俺の体半分にぴったり寄り添ってるし。 これも放っておいたら今度は俺の体を触り始めた。 俺の考えすぎなのかもしれないが、俺に触れてくるコイツの手付が何かヤラシイんだ。 大体、太腿に触れてくる意味が判らねぇ…。 やべぇ、起っちまうじゃねーかよ。 できれば止めてもらいたい。 「おい、止めろ。」 「離れろ。」 「出てけ。」 どれだけ言おうが出て行く気配、止める気配が無くて。 で、俺の太腿の付け根付近に手が伸びてきた時、俺は危機感と怒りを感じて妹に手を挙げてしまったんだ。 「おまっ、おい、離れろ!」 ガッ やってしまった。 だが、どれだけ言っても離れないコイツが悪いんだ。 それに、コイツには彼氏が居る。 そいつを触ればいいんだ。 俺がそう思っていると妹は俯いたまま立ち上がり、そのまま俺の部屋を出て行った。 151 普通の兄妹のあり方 sage 2011/01/17(月) 20 05 33 ID 0UoVsVWa 「あれ?俺の飯は?」 その日の夕食時、いつものように食卓へ行くと、俺の茶碗及びおかずが用意されていなかった。 これは何かの罠か? 俺は自分が置かれた立場が理解できなかった。 親父、お袋並びに妹は定席で箸を進めている。 呆然としているとお袋がまま口を開いた。 「ああ、あんたにご飯無いから。 妹と喧嘩して叩いたんだって?」 お袋はそれだけ言うと俺を睨み、食べ終えたのか自分の茶碗を片付けるために席を立った。 俺はその様子を呆然と眺めた。 俺と親は仲が悪い。 妹と親の仲は非常に良好で、よく一緒に買い物へ行ったりしている。 信頼度も妹の方が高い。 というより、親は俺の言うことなんぞ聞かないし、信じない。 俺が高校出て就職して一年ちょっとで辞めてから酷くなった。 「妹と仲良くしたらどうなんだ。」 後ろから親父の声がした。 なんだよ、何なんだよこの仕打ち。 確かにアイツを打っちまったよ? 俺が悪い。 だからって、夕飯抜きかよ…俺のこと何だと思ってんだ。 俺は仕事を辞めたフリーターだが、それでもバイトして月に数万はこの家に入れてる。 …一体親にどうチクッてんだ。 アイツの目的が何なのか全くわかんねぇ。 俺は涼しい顔してご飯を口に運ぶアイツを忌々しげに見た。 「…」 (考えても無駄だ) 俺は夕食を諦め、踵を返し、自室へ戻ることにした。 唯、言えるのはアイツのお陰で、もともと悪かった親との仲がさらに悪化した気がする。 特にお袋の俺を見る目は憎悪のそれだった。 何か、この家で俺の居場所は無いような気さえする。 そいで不貞寝を決め込んで自分のベッドにダイブしたが、空腹感はどうにも抑えられなかった。 「ハラ、減った…。」 寝返りを打ちながら眠ろうとするのだが、眠ろうと思えば思うほど眠れない。 クッソ、むしゃくしゃするぜ。 こんな時は自分を慰める。 我ながら馬鹿な方法だと思っている。 俺はベッド横にある棚からオカズ用の雑誌を乱暴に取り出した。 雑誌を捲りながらふと、俺は先日起こった事を思い出した。 先日、アイツにマス見られてせめてもと思ってオナホ買ったんだ。通販で。 ぱっと見、ソレ用には見えない例の人気商品。 デザインが良いから、見つからないだろうと高を括ってた。 それがある日無くなってたんだ。 まだ二回しか使ってねーのに…。 でまたある日たまたまアイツの部屋へ用があって入った時見つけてしまったんだ。 かつて俺が使っていたオナホらしき破片の一部を。 色と材質で判断した。 自室の引き出しにしまって置いたソレが、妹の部屋のゴミ箱で見つかるなんて。 それも細切れ状態で。 アイツに聞いたら白を切りやがった。 俺も終いには私物を勝手に持ってくな、としか言えなかった。 152 普通の兄妹のあり方 sage 2011/01/17(月) 20 06 01 ID 0UoVsVWa ある日の晩、風呂から上がってリビングに行くと、妹がソファで転寝していた。 (自分の部屋で寝ればいいものを…) そう思いつつ俺は妹に近づいて、その寝顔を覗いてみた。 白い肌に、整った顔のパーツ。少し開いた唇がやけに艶っぽく思わずごくりと息を飲んでしまった。 寝ている妹があまりにも無防備で綺麗で―― おっと、いかんいかん、いくら美人系でも妹だ。 俺は邪念を払い、妹を起こすことにした。 「おーい、起きろよ、風邪引くぞー。 明日学校だろー?」 妹は生返事のような感じで呻るばかりで一向に起きる気配が無い。 「…しょうがねーな。」 俺は、妹の膝裏と肩と背中の間に腕を通して抱え上げ、そのまま妹の部屋へ向かった。 抱え上げたとき俺の首に妹が両腕を回すあたり起きてんじゃねーかと思ったが、あえて無視した。 両腕が塞がっていたから部屋のドアを開けるのに苦労したが、何とか妹をベットに寝かせ、布団を掛けた。 「ったく。 …ま、俺がしてやれることはこれ位しか無ーしな。」 目を閉じている妹の顔を見て、同じ親から生まれた兄妹なのにどうしてこうも、顔のつくりが違うんだろうと思った。 妹の額に手で触れようとして、はたと思いとどまった。 (もてるんだろうな、きっと) 今はまだ高校生だがいつかは結婚して、子どもを産んで…幸せになるんだろうな。 そう思った途端、一抹の寂しさが胸を過ったが、俺は気づかないことにした。 「…オヤスミ。」 俺も寝よ、そう思いながら妹の傍から離れるために立ち上がった。 がその瞬間、来ていた服の裾を捉まれ思わず前方へつんのめった。 (ったく、マジかよ…。コイツ起きてんじゃねーか…。) 「おい、離せよ。 起きてんだろ?なあ。」 俺は妹の行動に若干呆れつつ思わず妹へと顔を向けた時、俺はぎょっとした。 瞬きもせずじっと俺を見つめている妹がそこにいたからだ。 「…。」 妹は俺から視線を逸らそうとしない。 (一体、妹は何がしたいんだ?) 俺は若干気まずい思いを抱えながらこの状況からの脱出方法を考えつつも、ふと連日の仕打ちを思い出しそのことを口にした。 「俺に何か恨みでもあるのかよ。」 それから俺は一つため息をついて掴まれた手を離そうとした。 離そうと伸ばした手は逆に妹に捕まれ、ますます逃げ場を失ってしまった。 「…ここに、居て?」 目を潤ませた妹は何かを訴えかけるようにしていた。 「はぁ?何でだよ。」 俺の手を掴む力が一段と強くなった。 「眠れないから。」 艶めく唇に心臓の音が高鳴った。 「お前、さっきまでがーがー鼾かいて寝てたじゃねーかよ。」 暗闇に怪しげに光る瞳が俺を捉えて離さない。 そんな、目で俺を見つめるな。 「ねぇ…。」 妹だぞ?ちくしょ、治まれ動悸、疼くな下半身! 「は、早く寝ろよ!」 とは言っても手を離す気配は全くなくて… 「居て?」 キュっとまた手に力が篭った。 「~~―…」 結局妹が眠るまで居たわけだが、気づけば俺も寝てしまっていてその隣に妹が寄り添うように寝ていたのにはびっくりしたがな。 (何のためにベッドがあるんだかわかんねーな) 自分の寝巻きがやけに乱れてたのが気にかかった。 (俺、そんな寝相悪くないんだけどなぁ) まあ、気のせいだろう。 改めて妹をベッドに移し布団を整えてやってから俺は自室へと戻った。 153 普通の兄妹のあり方 sage 2011/01/17(月) 20 06 24 ID 0UoVsVWa その数日後、いつものように俺はバイトを終えて、家に帰ってきたら、キッチンで妹がなにやら作業をしていた。 甘ったるい匂い…そう、これはチョコだ。 そんな妹を横目に俺は冷蔵庫からお茶を出しコップに注いでいると、妹に声を掛けられた。 「お帰り。 ねぇ、兄ちゃん。」 「あ?」 俺は顔だけを妹に向けた。 「ねぇ、兄ちゃん、今日バレンタインでしょ? で、作ってみたんだけどちょっと味見してくれない?」 妹の手元の皿の上には一口サイズのチョコがあった。 そして妹の顔を見れば笑顔が。 バレンタイン…もう、そんな日が来ていたのか…。 はっ、どうせ俺はモテネーよ。 身内のよしみダローが、妹からしかもらったことねーよ。 「うまく出来ているか知りたいの。」 俺は毒見係か…。 「あー…良いよ。」 何が悲しくて… 俺は一つため息をして俺は妹の傍まで行った。 「あ、そうだ、食べさせてあげる。…目、閉じて、ね?」 味も何もただのチョコだろ? つーか何か今年は注文が多いな。大体目を閉じる意味あんのか。 ま、いいか。 俺は何の疑いもなく目を閉じ、それからチョコが入るくらいに口を開けた。 だが、俺はここで気づくべきだった。 最近の妹の言動から簡単にチョコを食べさせてくれるはずもない事を。 「ん?」 唇に柔らかくて暖かい感触の違和感を感じた時には既に遅かった。 思わず目を開けると目を閉じた妹の顔のアップがそこにあってビビった。 ???!!! 騙された、妹にキスされた。 続いて開けていた口の中が急にチョコの甘い風味が広がり、さらに俺は混乱した。 「ん?!(え?!)」 俺は慌てて妹を引き離そうとしたが、できなかった。 離そうにも妹は俺の首をガシっと絶対に外れないようにして抱きついていたからだ。 俺の口にチョコが入っても妹が離れる気配はなかった。 逆にチョコと一緒に入ってきた妹の舌が俺の舌を蹂躙した。 ちゅ…ぴちゅ…ちゅぽ どこか卑猥な音が鼓膜に響いた。 首に回された腕と手 キスをする上気した頬 時折うっすらと開かれる瞼 頬に押し付けらている鼻柱 胸板に感じる肉感的で柔らかな胸と強く速打ちする鼓動… クッソ、理性が… だが、そもそも何でこんな目に遭っているのだろうか…。 首に回されていたはずの妹の両手が俺の頬を挟むように捕らえた時、コイツは何を考えているのだろうかと思った。 同じころ固体だったチョコが段々と溶けてきて、それが俺と妹の唾液でかさを増していた。 このままだと口から溢れると思っていると、ゴクンと音がした。 妹がかさの増えたチョコを飲み込んだようだった。 飲み込んでも飲み込んでもかさを増すチョコに耐え切れなくなり俺も溶けたチョコを飲み込んでいた。 何度も 何度も 154 普通の兄妹のあり方 sage 2011/01/17(月) 20 06 58 ID 0UoVsVWa 妹はチョコと俺の舌を転がしながら自分の唾液も送り込んでいるようで…。 ねっとりいや違うな…何つーかネッチョリ?という言葉がぴったりのキスだった。 結局、口の中のチョコが溶けきってチョコの風味が全く無くなるまでキスは続いた。 俺も途中から妹を引き離すことを諦めてた。つーか理性がヤバかった…マジで。 その一方で一連の行為を客観的に見ていた自分もいたわけで… ある意味、その客観性がなかったら本当にヤバかった。 「っ」 最後に妹は上下の歯で俺の舌を軽くかんで離れた。はずが、糸引いてた…。 「…おいしかった?」 妹の目は見れませんでした。 「ねぇ…もう、ひとつ、どう?」 ドクン やけに艶っぽい声色で尋ねてくる妹が怖かった ドクン、ドクン 顔が熱い。 動悸が凄まじい。 クッソ、どう答えりゃ良い? 「…~~~」 結局俺は何も言えず、お茶を注いだコップをそのままにして逃げるようにキッチンを出た。 はぁぁぁぁぁぁー… 自室に戻り落ち着きを取り戻しかけた所で盛大にため息を吐いた。 つーか、俺のファーストキスは妹かい、マジ死にてー。 さっきのことは夢だと思い込もうとしたが、口の中に残るチョコの香りが現実であることを実感させた。 はぁぁぁぁぁー。 もう、ため息しか出なかった。 マジでアイツ、最近どうしちまったんだろう。 一応俺も兄貴だから少し気がかりだった。 一緒に居てとか、そのキスとか。 …そういや思い返せば、マス見られてからだよな、酷くなったのは。 「酷くなった」って言い方悪いけど。 それまでは特にあんなにべったりしてくることは無かった。 アイツ確かに綺麗だし可愛いよ。 身内の贔屓目かも知れねーけど。 そりゃ昔は本当に俺の妹なのかと疑問に思った時もあったけどさ? でも「妹」だぜ? … 考えても仕方が無い、アイツの問題だし。 ま、高校卒業すればいずれ離れてくだろう。 今は長い目で見とくか。 俺はそう願いながらベットにダイブした。
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題:織姫ちゃんと彦星ちゃん 【0】夕暮れの悲しみ 神聖巫連盟を夕闇が包み込む。 夏の暑さがほんのり残る時分。 川辺に座り込むのは”織姫”と呼ばれる娘。 少女というか、見た目は4歳くらいの幼女にもみえる。 いや天に住まう者を地の者と同じものさしで計ることがそもそも間違っているのだろう。 織姫は涙を隠すように袖で目を覆った。 「彦星なんて嫌い。大嫌い」 袖のすきまから見える顔は怒りと悲しみであふれていた。 言葉を失う雹。 何か声をかけなきゃと思い、手を伸ばしたそのとき。 地面を蹴るような音がした。 小さな男の子が何かを振り切るように去っていく。 「彦星ちゃん!」 追いかけようと動いた織姫の足が止まる。 「どうして追わないんですか!」 みぽりんの問いに織姫はできないよと言った。 「彦星は、お父様の命令で私といるだけだもの・・・」 その言葉はあまりにさみしくて。 みぽりんは大急ぎで彦星を追った。 【1】★織姫side-1 ことの始まりは昼下がりである。 雹とみぽりんは護民官の出仕を終えて政庁に戻ろうとしていた。 国の観光地にさしかかったとき、一人の少女が饅頭屋の店員さんと威勢よく喧嘩をしていた。 「どうして売ってくれないのよ!通貨単位が”わんわん”って何よ!」 「いや、そういわれてもうちは」 「だからお金の代わりに織物を渡すっていってるじゃない!!」 「物々交換は取り扱っていないのですが」 「もー!なんて融通のきかない店なの!?」 きー!!と怒りくるっている少女の隙間から雹とみぽりんを見つけた店員が、なんとかしてくれと視線で助けを求めている。 ため息をついた雹が仲裁に入る。 「もしもし、もしよろしければ私がその織物を買わせていただきましょう。その代金で饅頭を買えばよろしいかと」 「あなた誰よ!」 今度は雹にかみつく少女。 「この国に住む、雹(ひょう)と申します。では手付金代わりに饅頭の代金を持たせていただきますね」 そう言いながら店員にお金を渡す雹。 お金ないなら今回はおじょうちゃんにサービスしようかと言ったのですがね”施しは受けないっ”といわれて、と店員が雹にささやく。 おつかれさまですと雹は店主をねぎらう。 「うん。それならいい」 腕を組み、胸を張って少女が饅頭を受け取る。 桃色を基調とした着物はあからさまに質がいい。 黒髪を軽く結い、頭に星を模した冠をつけている。 幼さのなかに育ちのよさと矜持がうかがえた。 「雹と言いましたね。先ほどは助かりました。礼をいいます」 雹に織物を渡しながら少女が言った。 「私は”織姫”です」 「織姫ちゃんですかー。七夕さまの織姫ちゃんと同じですねえ。私はみぽりんと申します」 緊張感のない声でみぽりんはぺこりとお辞儀をした。 「地上でまで噂になっているのですか?!」 愕然として四足になる織姫。 「おお、じゃああなたは天帝の娘さんの織姫さまですか」 驚いた顔のみぽりんに織姫は笑ってみせる。 「そう。そなたは信じるのですね。何人かの者に話したけど信じてはもらえなかった」 人生いろいろなのです、とみぽりんは神妙に頷いてみせる。 もとよりNWにはいろいろな種族がいる。 織姫がいても不思議ではないという認識である。 「でも、どうして”買う”ことにこだわったのですか?さっきのお店の人は優しいから、時々お饅頭くれますよ?」 みぽりんの問いに織姫は横を向く。 「みやげは自分で買いたかっただけよ」 真っ赤な横顔。 によりとわらいながらみぽりんがつつく。 「それは彦星ちゃんにですか?」 赤い顔がますます赤くなる。 「か、勘違いしないで。”ついで”なんだからっ!」 勘違いもなにも、店員と喧嘩してたくらいこだわっていたわけで。 つんでれだ、と雹は思った。 「あんなメールの返事もよこさなかったり、約束時間にこなかったり、お姉さまににやけているやつのことなんて知らないんだからっ!」 「ああ、彦星ちゃんと喧嘩中なんですね」 「だからあいつのことなんて知らないったらっ!」 否定すればするほど愛がみえるのは何故だろう。 【2】☆彦星side-1 神聖巫連盟藩王である藻女は、ボロマールと一緒に神社にお参りにきていた。 丁寧にお参りした後、神社の隅で座り込んで泣いている男の子を見つけた。 水色の着物に、黒髪をまとめて星を模した冠で留めてある。 「どうしたの?」 藻女が声をかけると、”織姫ちゃーん!!”と大声で泣き出した。 「はい、ハンカチ」 「ありがとうございます」 ボロマールからハンカチを受け取った男の子は涙をふくと、チーンと鼻をかんでからハンカチを返そうとした。 「いや、いいから」 ひきつった笑いをうかべるボロマール。 「で、どうしたんだ?」 「お、織姫ちゃんが」 止まりかけていた涙がぼろぼろとあふれてゆく。 「泣かせたらだめだよ」 よしよしと男の子の頭をなでながら藻女がボロマールに言う。 泣かせてませんよー。何があったか聞かないとどうしようもできないでしょうが。 ボロマールの抗議をもっともだとうなづく藻女。 「それもそうだね。織姫を探しているの?」 こくこくとうなづく男の子。 「ということは、あなたは彦星さん?」 そうです。と、ぐしぐし泣きながら彦星はうなづいた。 ずいぶん泣いていくらか落ち着いた彦星は、携帯電話のメールを2人にみせた。 「いいの?」 「普段はみせません。特別です」 メールには『もうじき会えるね。彦星は何が好き? 織姫』とあった。 次のメールには『どうして返事してくれないの? 織姫』。そして『彦星なんか大嫌い!! 織姫』。 「ふうん。メールの返事を返さなかったんだ」 「それは怒るんじゃない?」 ねー?と顔を見合わせる藻女とボロマール。 違うんですうと彦星。 「ちょうど天帝さまから呼び出しがありまして電源を切っていたんです。天帝さまからの用事をそのまま済ませて、織姫の姉姫さまのところにご挨拶に伺って、電源を入れたら・・・」 ぼろぼろぼろと涙があふれる彦星。 「そのことを説明したらいいんじゃないかな」 「電話したら着信拒否って!!織姫ちゃんが、拒否って!」 そのまま、”うわーんもうだめだー”と泣き出す彦星。 痴話喧嘩か・・・ ふっとボロマールが煙草をとりだす。 彦星はいたって真面目に悩んでいるのに、どこかばかばかしく暑さすら感じる。 携帯メールのやり取りか。手紙のほうが情緒あると思ったのは藻女である。 「織姫が地上に来ているときいたので探していたのですが、地上は広くて、織姫はいないし・・・」 そこでくじけそうになって泣いていたというわけである。 「わかった。じゃあ一緒に探そう」 「本当ですか?ありがとうございます!!」 こうして織姫探しが始まった。 【3】★織姫side-2 3人は観光地を歩き回った。 ものめずらしそうにあれこれ手にとる織姫。 欲しいものがあるときは、先ほどの織物の代金ということで雹が支払っている。 「気がまぎれたようでよかったです」 ほっとしたように言う雹。 「ところで、みぽりんさんもお疲れでしょうし、もしよかったら一人でも面倒はみられますが」 「疲れてるのは雹さんも同じですよ?」 にっこり笑うみぽりん。 「そうですか。では一度政庁のほうに顔を出しておきますか」 織姫に政庁に一緒に行きませんかと声をかける。 政庁で挨拶を済ませた後、おなかすきましたねーとみぽりんがおなかをさする。 きょろきょろと周囲を見回すと一人の人物を発見して駆け寄る。 「摂政さまー!おなかすいたです!」 だからどうして自分にいうのかという顔をしながらも七比良 鸚哥(ななひら いんこ)は用意してあったおやつをふるまう。 「何ですか?これは」 「今日はわらびもちですよ」 ちょうどいいくらいに冷えていてくちあたりがいい。 「たくさん作ったから、皆の分もありますよ」 そう言って、摂政は他の職員にもふるまう。 「わーい、お菓子だー」 谷坂 少年(たにさか しょうねん)が嬉しそうに口にはこぶ。 お菓子によばれたミツキもやってきて、一緒に食べる。 「ところで織姫さんから織物をいただいたのですが」 先ほどの織物をみんなにみせる。 「綺麗ですねー」 「素敵です」 賞賛を受けて、織姫は顔を横にそらして赤くしていた。 「これで小間物を作って、みんなで使えないかなと思ったしだいです。幸せはみんなでわけなくては」 「おお、いい考えです。織姫ちゃんはいいですか?」 みぽりんが聞くと 「私の織物でよろこんでくれる人がいるのだったら」 と賛成してくれた。 おやつが終わって、時間のある人が集って、保育園や小学校、神社などに納めるぬいぐるみを作った。 織姫は器用に手先を動かしたり、苦手な者に針の使い方を教えたりしていた。 「織姫さんはやっぱり上手ですね」 感心したようにミツキが言う。 「う・・・」 真っ赤になって照れながらも、織姫はまんざらでもなさそう。 谷坂 少年も一生懸命に針を使う。 「谷坂さんも、思いが伝わるといいですね」 みぽりんの言葉に、谷坂 少年はあわあわとなっていた。 夕方近くになるとたくさんの小さなぬいぐるみができあがった。 「少しずつですが、置いてもらいましょう」 摂政、七比良 鸚哥がぬいぐるみをあずかってくれた。 「えっと、一つ貰ってもよいですか?」 「彦星ちゃんにあげるですね」 織姫はこくりと頷く。 【4】☆彦星side-2 「ああ、その子なら昼間にきていたよ」 饅頭屋の店員が教えてくれた。 「ありがとう」 「ああ、やっぱり地上にいたんだ」 手がかりがみつかって大喜びする彦星。 織姫の形跡をたどって、政庁までやってくる。 「姫様おかえりなさい」 藩王の姿をみかけた有馬 信乃(ありま しの)とあすふぃこが声をかける。 「ただいま。ところでふたりは織姫をみなかった?」 織姫の容姿を伝えると、二人は見合ってあの子のことだねと言った。 「3時過ぎくらいまで政庁にいましたよ。みんなと一緒にたくさんのぬいぐるみを作っていました」 「さすがの針さばきたっだということで、噂していたところでした」 またも行き違いに、がくっとうなだれる彦星。 「まあ、これでも食べて落ち着いてください」 様子をみていた柊 久音(ひいらぎ くのん)がお茶と団子を差し出す。 「そういえばおやつがまだだったね」 一同、座しておやつをいただく。 しくしくしながらも、彦星もおやつを貰う。 「ところで、織姫とはどんな女性なのですか」 控えめながら、久音が聞いた。 彦星は”え・・・”と赤くなって固まった。 純粋な人ですねえと思いながら、久音は彦星の言葉を待つ。 「えええええっと、天帝さまのお姫様で、かわいくて、賢くて、ぼくなんかにはもったいないくらい素敵な人です」 この言葉に周囲の気温があがった気がするのは勘違いではあるまい。 ぱたぱたと手で扇ぐ信乃、にこにこしながらみているあすふぃこ、そして恋心にわかるよわかると激しく同意していた谷坂。 「ぬいぐるみを一つ持ち帰ったようなので、彦星さんに何か贈り物があるかもしれませんねえ」 久音の言葉に激しく動揺する彦星。 嬉しい気持半分、自分以外に誰か好きな人ができてその人への贈り物だったらどうしようとかいう気持が半分。 そのとき、書類をもってきたあるが、彦星をみつけた。 「伝言を頼まれまして。織姫さんたちは川原へ向かったそうですよ」 「ありがとうございますう!!」 あるの手をにぎり大喜びする彦星。あるは苦笑い。 そして彦星たちも川原に向かうことにした。 【5】★織姫side-3 夕暮れの川原には、気の早い蛍が舞っていた。 時折、懐から何かを取り出し、がっかりする織姫。 「彦星さんからの連絡を待っているのですか?」 雹の言葉に固まる織姫。 「こちらからかけてはいけないのですか?」 「だって、彦星はきっと私にあわせてくれているだけだもの」 しゃがみこみ、水面に手をいれる織姫。 「お父様の命令だから。きっとあわせてくれているだけ。迷惑かけてるだけだもの。困らせたくない。私が嫌ならそういえばいいのよ。なのにいつも私の我侭に振り回されて無理して」 あふれる涙を袖でぬぐう織姫。 「彦星なんて嫌い。大嫌い」 そうして間の悪いことに、織姫が”嫌い”と言ったこの瞬間だけを彦星が見てしまったのだった。 【5】☆そして・・・★ 彦星は走り去る。 追うみぽりん。 織姫は彦星の背中をただ見送る。 みぽりんが彦星の後をおいかけたのを確認した藻女はそっと織姫に近づく。 びくっと肩をすくめる織姫。 「あなたは彦星が嫌いなのですか?」 言葉なく、涙を流す織姫。 「今日、私は彦星と一緒にあなたを探しました。彦星は必死になってあなたを探していたのですよ」 「わたしが、てんていの、むすめだから・・・」 「そんなことは関係ないのですよ。私にはただ、あなたに会いたい、あなたが好きだという思いにみえました」 藻女がそっと織姫の涙をぬぐう。 雹がやさしく言葉をかける。 「誰でも全力で頑張って思いを伝えないといけないときがあります。織姫さんは、今がそのときではないでしょうか」 織姫はしばらく考えて。 そして覚悟を決めた目で彦星を追って走り出した。 「彦星ちゃん待つです!」 みぽりんに捕まえられた彦星はいやいやと首をふる。 「放してくださいっ!はじめから無理な恋だったんです!」 「放さないですよ。まだ織姫ちゃんはあなたに渡してないですもの。絶対放さないです」 「渡す?何を?嫌いって今度は正面から言われるんですか?ぼくは」 「織姫ちゃんは彦星ちゃんが好きなんです。彦星ちゃんにあげたくて、たくさんのおみやげを集めていました。まだ彦星ちゃんにあげてないです。彦星ちゃんは、織姫ちゃんが嫌いになりましたか?」 「好きです。大好きです」 「だったら、もう一度だけでいいから、織姫ちゃんを信じてあげて」 苦しそうに、彦星が目をつむる。 そこに織姫が追いついた。 「彦星ちゃん」 彦星はもう、織姫の顔を見ることもできなくて、ただ泣いていた。 織姫は彦星を抱きしめた。 「彦星ちゃん、ごめんなさい。嫌いなんてうそ。大好きが苦しくて、あなたを困らせた」 そしてそっとお饅頭やぬいぐるみを渡した。 彦星は何も言わず、何も言えず、織姫を抱きしめ返した。 闇のなか、蛍が乱舞する。 こぼれんばかりの星が空いっぱいに広がる。 白鷺が羽音をたてて集い、天に向けて並び橋をかける。 織姫と彦星は、今度こそ離れないように抱きしめあいながら、天に還っていった。 ありがとうの言葉が一同に聞こえた。 一同は天を扇ぐ。 2つの星は寄り添いあって輝いているようにみえた。 fIN
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WDC(ダブルディーシー) ワールド・デュエル・カーニバル(World Duel Carnival)のこと。 遊戯王ZEXAL第26話~67話の舞台となった。 ハートランドで絶賛開催されている、全国のデュエリストが一堂に集い、決闘の頂点を決める大会。 優勝者には、ハートランドの生涯無料パスポートと、Mr.ハートランドからどんな願いも1つだけ叶えてもらえる権利が与えられる。 参加を申請した決闘者には、ハートランドより参加資格であるハートピースが支給される。 この大会の開催に当たり、ハートランドシティの人口増加率は上最高の158%を記録、さらに毎時5%上昇するという、破格の町興しとなっている。 また、ナンバーズハンター達にとってはナンバーズ・カードを集める絶好の機会となっている。 ちなみにⅣがシャークに渡しているようにハートピースは複数入手することができる模様。 大会に出ない人に応募してもらい、ハートピースを複数入手する、なんてこともできると思われる。 もちろんルールを知っていなければそんなことをするメリットはないが。 カーニバルなためかサッカー決闘などが普通に行われる。 さらに互いの同意を得られれば、1on2などの変則ルールやオリジナルルールでのデュエルも認められる。 予選 + ... 本選出場者を選抜する予選では、ハートピースを賭け合って決闘するバトルロワイアル方式が採用されている。 敗北した際には、ハートピースは回収されて参加資格を失い、強制退場させられる。(*1) 本選に出場するには、ハートピースを5つ集め、完全なハート型を完成させなければならない。 欠片の形がそれぞれで違う為、同じ部位のハートピースを持っていても意味がなく、それぞれ別の部位を持つデュエリストと戦わなければ完成しない。 ルール上ハートピースが無ければ敗退となるので、初戦で敗北するとその時点で即失格になる。 さらに申し込まれたデュエルは必ず受けなければならないという強制参戦ルール付き。 つまり、相手が自分に必要なハートピースを持っていなくても相手に申し込まれてしまうと強制的にデュエルさせられてしまうという鬼のようなルールとなっている。 これらを考慮すると王国編のスターチップに比べ桁違いにシビアな予選大会と言える(*2)。 決勝大会・パークセクション + ... ハートピースを揃えきった決闘者には決勝大会前夜祭への招待状が贈られ(*3)、翌日の本選開会式と同時に本選がスタートする。 ここでのルールはコースターライディングである。 23両23レーンのコースターに出場者が1人1両ずつ搭乗し、終着点のゴールを目指す。無事完走した決闘者は決勝戦進出となる。 ただし、遊馬のみ小鳥が成り行きで搭乗している。 レーンは自由に乗り換えることができ、同一レーン上の参加者と次々にデュエルを行っていくライフポイント引き継ぎのサバイバル方式。 遊馬が「振り切ってやる」といって加速しており、レーンを乗り換えて相手を引き離せればそこでその戦闘は中断となるようだ。 これを利用し高攻撃力の相手から離れて体制を立て直す、複数人で隣接レーンを塞ぎ集中攻撃するなどの戦略をとる事も可能。後述のフォールガイズは後者の戦術で遊馬を苦しめた。 「邪魔するやつは弾き飛ばす」だの「1人だけ出遅れた」だの「ハッハッハ、雑魚は消えろォ!」だのと物騒な発言も飛び交っており、前述の乱入・結束可能なルールによって初期遊戯王のようなノリが楽しめる。 また、レーンのあちらこちらに魔法カードや罠カードが仕掛けられており、その上を通過するとデュエルとは別に個々のカードに沿った効果が表れる。 例として《治療の神 ディアン・ケト》を通ったⅤはライフが1000上昇、《仕込みマシンガン》を通った遊馬(手札5枚)は1000ポイントダメージを受けた。これは前述のライフ引き継ぎに直接係わってくる。 中でも、ドロワは対トロン対策でライフを大量に積み込みを行っている。 またデュエリスト自身もレーン上にカードをセットできる模様。 余談だがこのコースターは使い回しらしく、ルール上1人1両であるにもかかわらず2人分の空間が確保されている。 因みに主要人物以外での名前が判明した決勝進出者は… 中南米の黒豹・ガルシアパンサー 白夜の貴公子・ベルイマン坂田 フォールガイズ(3人組) 夜明けのヴァンパイア・ノスフェラトゥ中島 バーニング虎丸 などである。因みにどいつもこいつも外見と年齢が一致してなかったりする。 他に楽器を持った者やライダースーツの爆乳などが確認でき、なかなか濃いキャラたちがいるようだ。ただ、参加人数が23名なので、この人たちは参加者ではなく、招待客なのかもしれない。 ちなみに上に挙げた彼らはゴーシュに返り討ちにされたりトロンにOne turn three KILL☆されたりなどで脱落済みである。南無。 尚、52話では視聴者プレゼントで遊戯王出演権を得た視聴者がゲスト出演した。 決勝大会・地下セクション + ... パークセクションで生き残った決闘者は、コースターに乗ったまま地下へと進んでいく。 ここでは最終的に4つのステージへと別れており、1つのステージで2人がデュエルを行う、つまり計8人が先に進める。 前半のコースター戦で生き残った者がここで一騎打ちを行う(*4)のだが、なんとここにも特殊ルールがある。 Mr.ハートランドによれば、火山地帯をベースにした「マグマ」を始め「スペース」、「ジャングル」、そして「キャニオン」の4ヵ所に分かれており、 王国編やライディング・デュエルのように最初からフィールド魔法が常時発動している状態(*5)のようだ。 なお、これらのフィールド魔法の効果は魔法カード等で無効にすることができるようだ。 特殊フィールドの効果一覧 ジャングル:《ジャングル・フィールド》自分のターンにモンスターを召喚・特殊召喚・セットしなかった場合、そのプレイヤーはエンドフェイズ時に1000ポイントダメージを受ける。ドロワ対トロン戦で使われた。 スペース:《コズミック・フロンティア》エクシーズモンスターがエクシーズ召喚された時、そのモンスターのコントローラーはカードを1枚ドローする。カイト対Ⅴ戦で使われた。 マグマ:《マグマ・オーシャン》水属性モンスターが召喚・特殊召喚された時、そのモンスターを破壊する。どう考えてもシャークさんメタ。凌牙対Ⅳ戦で使われた。 キャニオン:《デンジャラス・キャニオン》→《夕日の決闘場》モンスターを攻撃表示で召喚・特殊召喚、モンスターの攻撃宣言をする度に200ダメージを受ける。遊馬対ゴーシュ戦で使われた。(*6) お互いのプレイヤーは、バトルフェイズに入る前に自分フィールド上にモンスターが2体以上存在する場合、その中からモンスター1体を選択し、選択したモンスター以外のモンスターを破壊する。このカードがフィールド上に存在する限り、プレイヤーに直接攻撃する事はできない。モンスターが戦闘によって破壊された時、そのコントローラーは300ポイントダメージを受ける。遊馬対ゴーシュ戦途中でこちらに切り替わった。 余談だがファンタとトロンの陰謀により、観客がマトモに観戦できたデュエルは遊馬vsゴーシュの一試合のみというデュエル大会にあるまじき自体が発生している。 それに苦情を付けずに観客は大人しくしていた。出場者に野次を飛ばしまくったり活躍した途端に手のひら返しした前作の大会観客より一見行儀は良いがそのあるまじき自体に何の苦情もないのはある意味異様である。 また遊馬と小鳥は、試合会場に辿り着くまでに他の3デュエルを観戦している。 準決勝 + ... 地下セクションを勝ち抜いた決闘者4人をランダムに2組に分け、普通のデュエルで決勝進出者2名を選抜する。 決勝の舞台はデュエルタワーと呼ばれるどっかで聞いたことがあるような塔である。 OCGに準拠しているので、我々現実世界の視聴者も安心して見られるかと思いきや、 第1試合:凄絶なる大攻防戦の末に対戦相手が自滅。普通に考えたら八百長を疑われる。 第2試合:一方がジャッジキル級の精神攻撃を行い、挙句の果てにライフが0になっても攻撃を続けた。 など、まるで意味がわからない様相を呈していた。 第1試合の敗者はその場で病院に運ばれ、第2試合の敗者も魂を奪われ意識不明のままハートランドの塔に運ばれた。 デュエルで対戦相手が病院送りにされる試合が立て続けに2つ発生したにもかかわらず、 後述する決勝戦ではそんなことはなかったと言わんがばかりに観客が盛り上がっていた。 Mr.ハートランドが巧妙な根回しを行っていたのか、観客がおしなべてバカ民度が高すぎるのか、 超展開すぎて誰もついていけなかっただけなのか。 決勝 + ... ハートランドの生涯無料パスポートと、Mr.ハートランドからどんな願いも1つだけ叶えてもらえる権利を懸けた優勝者決定戦。 地下セクション同様特殊なフィールド《スフィア・フィールド》で戦う。 スフィア・フィールド フィールド魔法 お互いのプレイヤーは、エクストラデッキから「No.(ナンバーズ)」と名のついたモンスター1体をランダムに選択し、召喚条件を無視して特殊召喚できる。 この方法で特殊召喚する場合、手札の同じレベルのモンスター2体をそのモンスターのエクシーズ素材としなければならない。 この方法で特殊召喚されたモンスターは、エクシーズ素材がなくなった時破壊される。 たとえば、レベル4の《ゴゴゴゴーレム》と《ガガガマジシャン》を使用した場合、 ランクに関係なく《No.12 機甲忍者クリムゾン・シャドー》(ランク5)等が召喚される。 素材数も無視することができ、レベル4×2でランク1・素材数3の《No.56 ゴールドラット》等も召喚できるが、オーバーレイ・ユニットは2体分扱いとなる。 今までせっかく入手しても使われなかった召喚困難なナンバーズ達が次々と出てくる姿は壮観だが、 デュエル構成を投げ捨てた、戦略もへったくれもない、といった批判も一部視聴者から言われている。 決勝戦もそれまでの試合に負けぬ超展開の連続で、 謎のオッサンが巨大立体映像で現れる、一方がその不気味な素顔を晒したと思えば、もう一方は聖闘士に変身する、カードをその場で創造する、食事フェイズに突入する、 そして最後には、まさかあっちの決闘塔のような末路を迎える事は無いだろう…と思われていたこちらのデュエルタワーも、きっちりかっきり爆破され崩れ去り、長きに渡り人々を熱狂の渦に巻き込んだWDCは混沌と混乱のうちにその幕を閉じた。 だがそれまでの超展開っぷりを鑑みるにこういう終わり方でも妙に納得してしまう。 下記は遊馬がこれまでにWDCで決闘した相手の一覧。 予選 国立カケル:どう考えても出るアニメを間違えたサッカー決闘者。ちなみに中の人が…うわなにをするやめt 油圧ショーベェ:べらんめぇ口調の重機坊主。華奢で小さいため、パワフルな重機に憧れていた。小鳥にベタ惚れ。ちなみにカケルのハートピースとは形が合わなかった。 神月アンナ:遊馬が好きすぎて(実は人違い)リアルダイレクトアタックをかました超弩級おっぱいぶっ飛びドジっ娘。属性偏重で(デュエルとは何の関係もない)小鳥を圧倒した。ちなみに大会参加者ではなかった。 矢最豊作:俺ルールの使い手。小鳥にベタ惚れ。突っ込みどころ満載のデュエルを繰り広げたが、中の人は……誰だっけ? チャーリー・マッコイ:ライフ・イズ・カーニバル!《No.7 ラッキー・ストライプ》を組み込んだギャンブルデッキを使い、21億分の1という天文学的確率の事象をたたき出した。が、ナンバーズとは無関係のカードで戦略を崩され敗北。 速見秀太:《No.25 重装光学撮影機フォーカス・フォース》の力で未来を見通すカメラマン。しかしデュエルスフィンクスタクティクスは低レベル。あと顔芸。 ドロワとゴーシュ:大会の運営委員。2人ともかなりのデュエル脳である。詳細はそれぞれのページへ。この時の彼らは運営委員であって参加者ではなかったため、ハートピースはもらえなかった。 ⅢとⅣ:トロン一家の子供たちにして組織の刺客。天城カイトとのタッグデュエルで倒したが、両者既に決勝ラウンド進出が決定していたためハートピースはもらえなかった。 神代凌牙:《No.32 海咬龍シャーク・ドレイク》の力で荒れ果てたシャークさん。「ハートピースはオールイン」の暗黙ルールでデュエルをしたが、心理戦を持ちかけられたシャークさんの戦意喪失により中断された。何十人もの決闘者を倒していたあたり、よほどピースが合わなかったのだろう。シャークさんソス(*7) Ⅲ:再び対峙することとなったトロン一家の三男。紋章の力で「かっとビング」を封印したり、アストラルを消滅させたり、といままでの印象からかなりぶっ飛んだすさまじい弾けぶりを見せつけた。かっとビングを取り戻した遊馬に対し、新たなナンバーズ《No.6 先史遺産-アトランタル》を召喚、さらに《アンゴルモア》を発動した結果、現実世界を破滅に導きかける。ZEXALの力でアトランタルが倒されたことにより助かったが、遊馬にナンバーズとハートピースを託した後、眠りについた。 本選 フォールガイズ:遊馬の実力を計るためにトロンが送り込んだ、アメリカ出身の刺客3人衆(名前はウルフ、コヨーテ、ジャッカル)。Ⅴが報酬に用意したアタッシュケースの中身が見えなかったために「彼らが受け取った手付金は社長よろしく大量のレアカード」だと思われていたが、どうやら現金だったようだ。意外とトロン一家はデュエル脳化が進んでいないのかもしれない。神月アンナ・ゴーシュが遊馬に味方し、協力して撃退した。 Ⅴ:本来はゴーシュと戦っていたところを、遊馬が別レーンから彼らの間に入り込んでデュエルに乱入。ゴーシュを敗北の危機から救い、Ⅴにダメージを与えた。Ⅴが別レーンに移ったのを追いかけなかったのでデュエルは中断した。 ゴーシュ:キャニオンフィールドにて対峙。寄り道して罠を踏みまくったために開始時のライフは100まで減っていたが、満足のいくデュエルを望むツンデレゴーシュに回復してもらう。他参加者の対戦を見てデュエルに恐れを抱き、遊馬らしからぬ慎重なデュエルを行うも、ゴーシュの一喝とアストラルの説得によって本来の自分を取り戻し、罠の応酬と一騎打ちの末、見事に勝利を収める。その後、ゴーシュの想いと共に《H-C エクスカリバー》を託された。 神代凌牙:準決勝の対戦相手。トロンによって洗脳されており、遊馬を妹の仇だと思い込んで憎しみをぶつけてきた。しかし、遊馬が凌牙から《CNo.32 海咬龍シャーク・ドレイク・バイス》のコントロールを奪ったことで洗脳が解け、正気を取り戻す。その後、入れ替わりにCNo.の支配に抗い苦しむ遊馬を救うため、凌牙は場の魔法カードの効果でシャーク・ドレイク・バイスを除外し、ダメージを受けることで自ら敗北した。 トロン:決勝戦にて対決。Dr.フェイカーへの復讐のため暗躍し、神代凌牙・神代璃緒・天城カイト・天城ハルト・ドロワ・Ⅴ・Ⅳ・Ⅲらを傷つけてきたトロン一家の黒幕。それまで貯めてきた怒りのエネルギーの下に生み出された《No.69 紋章神コート・オブ・アームズ》の絶大な力を以て遊馬を追い詰めた。しかし互いの力を信じ、ZEXALに変身した遊馬・アストラルの絆の力の前に敗北。最後には家族への想いを思い出し、息子たちを含む多数の魂を開放してスフィア・フィールドに飲み込まれていった。 決勝大会はパークセクション前半で、モブ五人とフォールガイズが脱落、アンナが離脱したので残り14人(52話終了時) その後、モブが6人脱落して主要キャラ8人となった。(53話終了時) 4つのフィールドでのデュエルに決着がつき準決勝進出4名が決まる。(59話終了時) そして九十九遊馬(&アストラル)、トロンが決勝戦に進み、(63話終了時) 九十九遊馬が第一回WDC優勝の栄冠を掴みとった。(*8)(67話終了時)
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GENTOS SuperFire REPLICA GENTOS? GENTOS? undefined undefined プーマ プーマ ケベック プーマ? プーマ? undefined undefined VICTORINOX(ビクトリノックス) マウンテニア 13743 VICTORINOX(ビクトリノックス)? VICTORINOX(ビクトリノックス)? カテゴリー別-アウトドア-フィールドギア-マルチツール-ツールナイフ? ユーズドスポーツ-アウトドア? カテゴリー別-アウトドア-全商品? サンヨーナイロン GT-R F.C 300m クリアー 8lb サンヨーナイロン? サンヨーナイロン? カテゴリー別-釣り-ライン-ルアー用-バス用ナイロンライン? カテゴリー別-釣り-ライン-ルアー用-バス用フロロライン? ユーズドスポーツ-アウトドア? ユーズドスポーツ-釣り? ストア-バーゲンコーナー-アウトドア? ストア-バーゲンコーナー-釣り? カテゴリー別-アウトドア-全商品? カテゴリー別-釣り-全商品? キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) CSR26アルミFDバイク シルバー/ホワイト 26インチ Y-1326 キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG)? キャプテンスタッグ(CAPTAINSTAG)? カテゴリー別-自転車-自転車本体? ユーズドスポーツ-自転車? ストア-バーゲンコーナー-自転車? カテゴリー別-自転車-全商品? ブランド別-か行-き-キャプテンスタッグ? ディーアンドエム ふくらはぎ M 600 D&M? D&M? カテゴリー別-ケア用品-サポーター・プロテクター? ユーズドスポーツ-ケア用品? カテゴリー別-ケア用品-全商品? OGK CLIFF シルバー ヘルメット 56~59cm OGK? OGK? カテゴリー別-自転車-アクセサリ・部品-ヘルメット? ユーズドスポーツ-自転車? カテゴリー別-自転車-全商品? VICTORINOX(ビクトリノックス) マウンテニア 13743 VICTORINOX(ビクトリノックス)? 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TANITA LCD3段表示歩数計 ホワイト PD-639-WT タニタ? タニタ? ユーズドスポーツ-フィットネス・トレーニング? ストア-バーゲンコーナー-フィットネス・トレーニング? カテゴリー別-フィットネス・トレーニング-全商品? カテゴリー別-フィットネス・トレーニング-歩数計? コールマン パックカバーS コールマン? コールマン? undefined undefined ライト M-315 グリーンマットS-1 20X40(SM-307) ライト? ライト? カテゴリー別-ゴルフ-練習用品-その他? ユーズドスポーツ-ゴルフ? カテゴリー別-ゴルフ-全商品? カテゴリー別-ゴルフ-ブランド別-ライト? ブランド別-ら行-ら-ライト? カテゴリー別-ゴルフ-練習用品-全商品? カテゴリー別-ゴルフ-練習用品-ブランド別-ライト? コールマン ボトルカバー カモフラージュ 170-6380 コールマン? コールマン? カテゴリー別-アウトドア-テーブルウェア・食器-ウォーターボトル・ジャグ-水筒? ユーズドスポーツ-アウトドア? ストア-バーゲンコーナー-アウトドア? カテゴリー別-アウトドア-全商品? カテゴリー別-アウトドア-ブランド別-コールマン? ブランド別-か行-こ-コールマン? グレゴリー トートバッグ シルバーグレー 11310148 グレゴリー? グレゴリー? カテゴリー別-バッグ-カジュアルバッグ-トートバッグ? ユーズドスポーツ-バッグ? カテゴリー別-バッグ-全商品? カテゴリー別-バッグ-ブランド別-グレゴリー? ブランド別-か行-く-グレゴリー? CONFIDENCE グローブ 3枚組 CFG-221-3P CONFIDENCE? CONFIDENCE? undefined undefined ヒュンメル ジュニア長袖インナーシャツ ヒュンメル? ヒュンメル? undefined undefined CONVERSE PRO STAR OX NAVY CONVERSE? 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SOTO? カテゴリー別-アウトドア-ランタン-ガラス・メッシュグローブ? ユーズドスポーツ-アウトドア? カテゴリー別-アウトドア-全商品? ブランド別-A-Z-SOTO(ソト)? BUCK(バック) メトロ LED undefined undefined undefined SWISS MILITARY(スイスミリタリー) PVD BLACK ML188 ML188 SWISS MILITARY(スイスミリタリー)? SWISSMILITARY(スイスミリタリー)? カテゴリー別? ユーズドスポーツ-小物・ウェアアクセサリ? カテゴリー別? ロゴス(LOGOS) バッグインキルトマット 73833210 ロゴス(LOGOS)? ロゴス(LOGOS)? カテゴリー別-アウトドア-マット・ベッド-キルティングマット? ユーズドスポーツ-アウトドア? ストア-バーゲンコーナー-アウトドア? カテゴリー別-アウトドア-全商品? カテゴリー別-アウトドア-ブランド別-LOGOS(ロゴス)? ブランド別-A-Z-LOGOS(ロゴス)? スポーツ&アウトドア
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はいもしもし、僕だけど。 やあ、そちらからかけてくるなんて珍しいね。 定時報告は先ほど済ませたはずだけど、何かあったのかな? ああ調整の仕事だね。っとその前に丁度いいから聞いておきたいことがあるんだけど。 僕ってさ、僕の反逆を恐れてるの? いやね、今しがたそういうお手紙が来たからさ。 『自己肯定・進化する世界(チェンジ・ザ・ワールド)』はコピーできなかったんじゃなくて、しなかったんじゃないか、だってさ。 まあ反逆ってのは冗談としても、チェンジ・ザ・ワールドのコピーについてはピントはずれてはいるが、方向性はなかなかいい線ついてる。 こんな早い段階でここまで中りをつけられるっていうのは、ちょっとまずいんじゃないかなぁ? まあ、しばらくは大丈夫だとは思うけど。 何でって、この手紙出した人、もう死んでるっぽいから。 ピーリィ・ポールだよ。そうそうマーダー病製作の実験サンプルA、不採用になった京極より先に死ぬっていうのは何とも皮肉だよねぇ。 けどまあこのまま同じ調子で考えを巡らせる奴が出てくれば、余計な事まで気付かれるかもよ? うーん。まあ確かに気付かれたことを利用するって手もあるけど、あまりうまくはないね。 いつか気付かれるっていうのは仕方ないにしても、もう少し時間は稼いでおきたいところだね。 それで、本題はなんだい? 今? さっき放送の後の指示通り、放置されてる死神の首輪の回収に向かってる所だけど? 一応参加者とバッティングしないように色々迂回してるから【G-3】辺りだね。 それで? なるほど。【H-8】にバランスブレイカーの出現か。 ちなみにどんなタイプ? ああ……他の参加者を喰ってパワーアップしていくタイプか。 邪神まで喰ったか、それは確かに早めに手を売っといたほうがいいね。 しかし死神の首輪が【A-8】に放置されてて、バランスブレイカーの出現位置が【H-8】か。 現在位置から距離は大差ないけど方向が違いすぎるよ。 苦言を言わせてもらうと出来れば首輪の回収はもう少し早く言ってほしかったね。 まあ復帰の可能性もあったから、完全に確定してからって言うのは分かるけどさ。 一応僕は一参加者としての身分だからさ、チートして瞬間移動って訳にもいかないし、流石に僕一人じゃ対処は無理だぜ? 仕込みは僕以外にもいるんだろ、そっちの方に頼んだらどうなのさ。使えないのかい? なに? そうなの? だとしたら厳しそうだね。面倒事を増やす可能性もある、やめておいた方がいいねそれは。 ちなみに適当にランダムで配った電話で誘ったやつは? だよね、知ってた。 うーん。けどそれは困ったねぇ。 そりゃあ急ぎはそっちだろうさ。 けど状況もどう変わるかわからない訳だし、できれば両方手早く済まして状況に備えたい所ではあるね。 恐らく後半になるにつれそういう事態は増えるだろうし。 そうだ。バランブレイカーの方は森茂にでも頼んだら? そういうのは彼の得意分野でしょ? 僕が? 仕方ないなぁ。じゃあ彼の現在位置を教えてよ。近くだって言うんなら道すがら交渉するからさ。 え、それホント? 確かに近いけど、なんだってそんなところに……。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 木々の切れ間から斑に日差しが降り注ぐ深い森。 朝の森林特有の濃い空気が周囲を満たす。 そこにいるのは自然環境とは不釣り合いな黒眼鏡をかけた恰幅のいい初老の男だった。 それは見るからに堅気ではなく、実際堅気の人間ではない、ある意味見た目を裏切らない男。 秘密結社『悪党商会』社長、森茂である。 彼が確かめるように注意深い足取りで歩いているのは、禁止エリアに指定された区画【H-4】であった。 無論、自らのいる場所が禁止エリアであるという事を森が把握していない訳ではない。 真っ先に禁止エリアに指定したという事は、このエリアに封殺したい何か理由があるのではないか。 そう考えて危険を覚悟で森はエリアの調査を行う事にしたのだ。 禁止エリアの発動は放送での勧告から二時間後である。 恐らくは退避するための猶予時間なのだろうが、その時間を利用すれば調査は可能だ。 (うーん。不審な点はなし、か。いや……) 森が調査した限り、おかしな所は何もなかった。 とはいえ落胆するような結果ではない、元より予測していた事だ、それ事態は問題ではない。 だが、それよりも森が気にかかるのは、おかしな所どころかこのエリアには何もなかった事である。 動物はおろか虫の一匹すら見当たらない。 都会のコンクリートジャングルならいざ知らず。 これだけ籔林を歩いて羽虫の一匹も見当たらないというのは流石に異常が過ぎる。 そしてそれはこのエリアに限ったことではなく、この島に来てからずっと感じていた違和感である。 (けど、作り物の張りぼてって感じじゃあないんだよねぇ) 立ち並ぶ大樹の一本に触れる。 僅かに湿った硬い手触り、香る土と木の匂い。 その全てが間違いなく本物の質感である。 「――――――よっと」 試しに立ち並ぶ樹木の一本を足刀で両断してみる。 鋭利な刃物で両断されたような断面に見える年輪からして、樹齢は80年ほどと言ったところか。 植え直したような跡も見受けられないし、苔の生える方角も矛盾しない 間違いなくこの島で自然に育った代物だと言っていい。 ワールドオーダーがこの会場を用意する際にありとあらゆる生物を皆殺しにした可能性もあるが。 流石に虫一匹漏らさずにと言うのは不可能に近い。何よりどこを見てもそれらしき破壊跡がない。 だが植物と昆虫、動物。全ては食物連鎖によって形成される一つの大きな枠組みである。 どれが欠けても自然環境というのは成り立たない。 成長過程がどう考えても矛盾している。 この環境は自然に見せかけた不自然である。 結局ほとんど成果を得られなかったが、時期に放送から二時間が経つ、タイムリミットである。 正確にはまだ10分ほど余裕はあるが、禁止エリアの発動が二時間きっかりとも限らない。 そろそろ離脱しておいた方がいいだろう。 別エリアのランドマークである遊園地を目指して足早に森林を行く。 その途中、広がる森林に変化はなかったが、地図上で言うところの【H-4】と【H-3】の境目に差し掛かったところで森は足を止めた。 そこには何の目元を隠した以外は変哲もないような一人の少年が立っていた。 「やぁ。君を待ってたよ、森茂くん」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「偶然……って訳じゃあなさそうだねぇ。洋館での意趣返しって訳かい?」 「まあそんなとこだね。けど別に戦いに来たって訳じゃあないよ」 「だろうね。君の場合、本気で殺すつもりなら声をかける前にやるだろうからねぇ」 対峙するのは強面の大男と線の細い少年である。 余りにも不釣り合いな外見でありながら、二人は同じ空気を纏っていた。 方や世界の管理を目指す秘密結社『悪党商会』の頂点であり、方やバトルロワイアルを管理する主催者である。 始まりの洋館での出会いから僅かな時を経て、二人の頂点が再び遭遇を果たす。 「っていうか。あれから6時間ほど経ったのに、まだこんなところにいたのかい? ジョーカーとしての仕事はいいのかい?」 「別にサボってたわけじゃないさ。それにまだこんなところにいるのはお互い様だろう?」 皮肉を返す少年に大男は思わず笑いを漏らす。 「はは。そりゃ違いないね。それで君の方はその後、調子はどうだい?」 「調子? まあボチボチかな? ちょっとした小競り合いはあったけど、適当にあしらっておいたし、その程度さ」 「へぇ。それはそれは、こちらちょっと油断してしまってね、中々に散々な目にあったよ」 軽い調子で肩を竦める森の姿を、少年は観察するようにマジマジと見つめた。 「油断ねぇ。ぱっと見た所ずいぶんボロボロみたいだけど、よく見れば傷は既に癒えているようだ。 それが悪党商会ご自慢のナノマシンってやつかい?」 「あらら、一応門外不出の技術ってやつなんだけど、よく知ってるねぇ君。 けどまあそこまで知られてるならぶっちゃけてしまうと、まだ人体向けの技術には落とし込めてなくてね、自動修復は行われるものの激痛が奔るらしいんだよねぇ。 テストではあのハンターですら二時間で根を上げた代物なんだけど。俺はほら、そういうの感じない体質だから」 元は悪党商会に先代より伝わる秘術であり、兵器や装備の修復用に生み出された技術だったのだが、それを人体向けに転用したのが現社長の森茂である。 ナノマシンの人体投与による恩恵は細胞レベルの身体強化は元より、神経伝達速度の加速や自動修復(オートリペア)にまで多岐にわたる。 だが、ナノマシンが体内で活動するたび、無数の生き物が体内を這いずりまわるような不快感と痛みが奔るという欠点があった。 この痛みは鍛え上げられた超人ですら耐えられない激痛であるのだが、森茂は無痛症であるが故にその痛みを無視することができる。 「それで? 世間話をしに来たって訳じゃあないんだろう。お忙しいであろうワールドがわざわざ足を運んでまで俺に何の用なんだい?」 「そうだね。それじゃあそろそろ本題に移ろうか」 仕切りなおすように一呼吸おいてワールドオーダーは言葉を切った。 その僅かな動作に視線を集める術を心得てるな、と森は内心で相手を分析する。 「ちょっと、君に一仕事してもらおうと思ってね。 会場にバランスブレイカーが出現してしまったので、その調整を君にお願いしたい」 その話を聞いた森は、困ったような表情を作って頭を掻く。 「生憎、悪党商会は外注の仕事は請け負ってないんだけどねぇ」 「そこはまあ森茂個人への依頼って事で納得してもらえないかな」 「まあそれはいいとして。仕事ってことは当然、見返りはあると考えていいんだよね?」 森のその言葉にワールドオーダーは白々しい態度で意外そうな声を上げる。 「おや、見返りを求めるのかい? 世界の調整は君の信念だろう」 「俺の世界の調整はそうだね。けど、ここは君の世界だろ、俺には関係ないよ」 「なるほど、それは一理ある」 じゃあとワールドオーダーは考えるように一泊だけ間を取ると。 今思いついたとばかりにポンと両の手を打つ。 「報酬として、僕の持つ情報を君に提供しよう」 組織の長として、森は情報の価値というものを理解している。 特に悪党商会は強力な情報管理能力を持った組織だ。 主催者の分身である男の持つ情報。その有用性が分らぬはずもない。 「じゃあ仮にそれで手を打つとして、無茶な依頼なわけだし、当然報酬は前払いでいただけるんだよね?」 「いやいや、情報だけ聞いて君がそのまま勝手しないとも限らないんだから報酬は成功報酬だよ。当然だろう?」 「いや、そこはほら? 俺を信用してもらうしか、ねぇ?」 「おいおい、僕は参加者の情報なんて全て把握済みなんだぜ? 君の事を知るその僕が君の何を信用すると言うんだい?」 互いに日常会話のような穏やかな声ながら、譲ることなく互いの要求をぶつけ合う。 そして二人は無言で穏やかな表情のまま、探り合うように対峙する。 「ま、そうなるよねぇ。ぶっちゃけ、こっちもそっちを信用できないし、そっちもこっちを信用できないじゃあ、交渉自体に無理があるよねぇ」 森は大きく溜息を付いて首を振ると、残念そうに天を仰いだ。 森の様な大男がやるにはあまりに似合わない仕草である。 オーバーアピールをしたまま森は固まっていたが、ふと気づいたかのように、あ、そうだ。とワザとらしい声を上げた。 「だったら、報酬は手付として一つ。成功報酬として一つ。と言うのはどうかな?」 手付として前金を支払い、任務完了後に成功報酬を支払うというのは契約においてよくある話だ。 だがそれは報酬が金銭のように分割できる代物である場合の話である。 「それって要は報酬増やせって事じゃないか」 「いやいや、相互利益のための提案だよ」 悪びれるでもなく言い切る森の態度に、ワールドオーダーは呆れたように苦笑する。 「言うね。まあいいだろう。その条件を呑もう。ただしこちらからも報酬に条件を付けさせてもらう」 「条件って?」 「成功報酬には君の望む情報を提供しよう、ただし前金として渡す情報の内容はこちらに選ばさせてもらう。それでいいかな?」 「ま。落としどころとしてはそんな所かね」 この辺がお互い譲歩できるラインだろう。 演技じみたやり取りを止めて真面目な表情に戻る森茂。 「じゃあ契約成立ってことで」 「待った、報酬の形式には合意したけど、依頼を受けるかどうかはちゃんと仕事の内容を聞いてから決めさせてもらうよ」 「慎重だね」 「当然の配慮だろう。標的の情報は必要経費として当然もらえるんだろうね?」 それはもちろんと頷くワールドオーダー。 コホンと小さく咳払いをすると、仕事の標的について語り始めた。 「標的の名前はオデット。リヴェルヴァーナと呼ばれる異世界に生きる、攻撃魔法の才に秀でた魔族の少女だ」 「リヴェルヴァーナ?」 「剣と魔法の跋扈する、君の生きる世界とは全く異なる世界だよ。 まあその辺は本筋とは関係のない話だからあまり気にしなくていい。君も外の世界にはあまり興味もないんだろう?」 そうだね、と相槌を打つ森。 まったく気にならないと言えば嘘になるが、彼、引いては悪党商会が目指すのは世界の安定であり。 その世界は彼の生きる世界に限られる。 「それで、そのオデットってのはそんなに強いのかい?」 「彼女自身はまあそれなりかな? 君の所の水芭ユキ辺りとどっこいって所じゃないかな。 けど、問題は彼女自身よりも彼女にかかった『人喰らいの呪』という呪いの方でね。 彼女の世界における魔王に駆けられた呪いなんだが、簡単に言うと名前の通り人を喰いたくなる呪いだ。 そして、どうやら彼女は喰った対象の意識を取り込むことができるようなんだ」 そこまで聞いて、ようやく森にも話しが見えてきた。 「なるほど。どういう経緯かは知らないが、そいつが強力なのを次々と取り込んじゃったって訳ね」 「そ。と言っても『人喰らいの呪』は本来そう言う代物じゃあないはずなんだけど、最初に喰い合わせの悪い二人を喰ってしまったのがまずかったね。そこで完全に箍が外れた」 百万の死を記憶する詩仁恵莉と死を娯楽として肯定するヴァイザー。 この組み合わせが最悪だった。 圧倒的な死の放流に精神が衰弱し、ついには自身と混同した。 「それにより、彼女はヴァイザー――は知ってるだろう?――の殺気を読むという特性を取り込んでしまった。元の魔法の才と合わせて厄介な存在になったという訳だね・ けどそれでもまだ逸脱したレベルではなかったのだけれど、ちょっと状況が重なりに重なってね。異世界の邪神までその身に取り込んでしまった。ここまで来ると少しマズイ。勝負が成り立たなくなる」 「主催者としてはワンサイドゲームは困るってことかい?」 「まあこれが参加者が一桁まで減った終盤だったら僕も放置するんだけどね。この段階でゲームが決まるのは、少し困る」 実際この状況は不満なのかワールドオーダーはため息交じりに片腕を上げる。 「けど、それを俺に依頼するかねぇ。忘れたのかい、最初にあった時の俺のセリフを。 勝手に暴れまわってくれる参加者なんて俺にとっては大歓迎だよ。それをわざわざ討伐に行けって?」 「おいおい。手段と目的をはき違える森茂でもないだろう。君が優勝を目指すのならば、オデットの討伐は避けて通れない壁だ。 おいしいものは最後になんて話は通らない。オデットがそれこそ氷山リクや剣神龍次郎でも喰ったら本当に僕以外の参加者には手が付けられなくなるよ」 今が対処できる瀬戸際だと、ワールドオーダーは告げていた。 「今の段階なら俺の方がまだ強いと?」 「いや、多分現段階でも君より強い」 飾るでもなく、ただの事実としてワールドオーダーは断言する。 「なのにそれを倒せって? 無茶言うね」 「だからこそ君なのさ。君はそれだけの力を持ちながら、格上との戦い方を心得ている。僕が買ったのはその点だ」 誕生すれば世界を滅ぼしかねない生物兵器。神の試練を超えて潜在能力を覚醒させた最強のヒーロー。 存在するだけで世界のバランスを崩すバランスブレイカーを森は人知れず刈ってきた。 その事実は決してそれらよりも森が強かったと言う事を意味しているわけではない。 彼は勝利のためならば手段を選ばず、それこそあらゆる手段を用いて勝利してきた。 ワールドオーダーが評価しているのはその実績である。 「まあシナリオ的にも参加者である君が倒せるならそれがベストだけど、最悪僕が仕事を終えて援軍に行くまでの時間稼ぎでもいい。 とにかくこれ以上の捕食だけは止めておいてくれればいいさ」 「ま、そうさせてもらうよ。相手を見て無理はしないようできる限りで対処するさ」 「という事はつまり」 「ああ受けるよ。その依頼。どのみち避けて通れそうにない相手みたいだし。話を聞く限り早めに対処した方がいいってのは同意だしね」 ワールドオーダーの言っていることが事実ならば、森としてもここで動くのは必然だろう。 咥えて報酬を貰えるのだから、断る理由もない。 「OK。なら契約成立だ。前金として情報を提供しようじゃないか」 「まあ別にケチつけるつもりはないけど、あんまりにも使えない情報ってのは勘弁してくれよ」 「ああ、その点は大丈夫だと思うよ。君たち参加者に共通した興味の話題だと思うから」 少年は顎を上げ自らの首元、そこに存在する銀の輪を指す。 「――――首輪についての情報だ」 首輪。参加者を縛る、死の枷。 優勝を目指す森としても、聞いておいて損はない情報だろう。 「君たちの首についてる首輪なんだけど、実は全てが同じフォーマットという訳じゃあないんだ。 いくつか特別性のオーダーメイドが紛れていてね、ちなみに君のもそう」 言われて、森はワールドオーダーに指された首元を確かめるようにそっと触った。 「特別ってのはどう特別なんだい?」 「それは各々で異なるね。オーダーメイドと言ったろう? それぞれが異なる特別性を持っているという訳だ。 例えば剣神龍次郎の場合だと首輪が動作すれば死ぬ程度に装甲の弱体化させる仕掛けが施されてる、という感じでね。 と言うより、君も自身の変化に少なからず心当たりがあるだろう?」 その問いに森は無言を返す。 その言葉の通り、森もここに来てからナノマシンの働きがいまいち悪いことは感じていた。 実際、本来であれば1時間とかからず完治するダメージが、6時間かけてまだ治っていない。 目の前の相手に弱みを見せないようその点を億尾にも出さないようにしてきたが、向こうの仕掛けというのなら話しも変わってくる。 「それって要はハンディってことかい?」 「ちょっと違うかな。結果的にそうなってしまっている所もあるのは否定しないが、仕組みとしてはこの首輪で参加者が確実に死ぬための仕組みさ。 もっと言うなら殺し合いをうまく管理するための仕組みだね。 それに全てが全てがマイナス要素ばかりという訳でもない」 そう言って、トンと地面を蹴って後方へと飛び込んだ。 彼が飛び込んだそこは一見すると何の変哲もない空間だが、目に見えない決定的な壁がある場所でもあった。 そう、ワールドオーダーが行ったのは禁止エリアである【H-4】への侵入である。 しかし、当然のように彼の首輪は爆発しない。 「見ての通り、僕の首輪の特性は禁止エリアの無効化さ。僕の首輪は禁止エリアに入っても発動しない」 「いや、それって君のには爆薬が入ってないってだけじゃないの?」 「いや違う、あくまでこれは禁止エリアの無効化だよ。結果は同じでも過程が大きく違う」 確かにそもそも爆薬が入っていないのと、爆薬が入っているが動作しない仕掛けが入っているのでは大きく異なる。 しかし後者だとして、何の意味があるのか。 ただ回りくどい無駄手間のようにしか感じられない。 「まあ、話は最後まで聞きなって。重要なのはここからさ。 首輪に仕掛けがある以上、その仕掛けに付随する情報もそこに含まれているという事さ。 ある程度知識のある人間が調べれば、その情報も理解できる」 森のナノマシンの制御に介入している以上、ナノマシンに介入する技術が首輪には使われていることである。 それはつまり解析されれば、悪党商会の秘伝であるナノマシン技術が流出するという事を意味していた。 「特別性の首輪を集めて情報が頂けるってことは、俺たちゃ噛ませ犬として呼ばれたってことかい?」 「いやいや。それはこう考えてくれよ、最初から重要アイテムを配られてむしろ優遇されてるってさ」 「物は言いようだねぇ。まあいいさ」 元より皆殺しにするつもりなのだ、仮に漏れた所でどうという事もないし、そもそも漏れる事もない。 それよりも、ここまでの説明を統合するとある一つの事実が浮かび上がってくる。 きっとそれがこの情報の本質なのだろう。 「つまり、これまでの説明から考えるに、君を殺して首輪を解析すれば禁止エリアの無効化方法が分かるって寸法かい?」 与えられた材料から正解を導き出した生徒に満足するように、口元をゆがませ少年が薄く笑う。 「そうなるかな」 「するってぇと何かい? ここで君を殺して首輪を奪ってしまえば、ゲームクリアになる訳だ」 「それはどうだろうね。どっちにせよ今は止めておいた方がいいと思うけど」 この問いははぐらかされた。 自身が狙われるのを回避するためとも思えない。 そもそもそれが嫌なら取引とはいえこんな情報は渡さないはずだ。 (まだ何かある、か) 解析の過程か、それとも地図上の外に出た先か。 彼を斃してもシンプルにゲームクリアとはいかず、何かがあるという事か。 「まあいいさ。今ワールドをどうこうする気はないよ。前も言ったけどね」 「そう。それはなにより。ひとまず渡せる報酬としてはこんなところだよ。ご満足いただけたかな? まあこの辺の事実はいくつか首輪を解析すればわかる事実ではあるんだけど、それでも君は情報戦において一歩先んじれた訳だ。 このアドバンテージをどう生かすかは君に任せよう。再配布もご自由に」 「まるで謎解きゲームだね」 敵を倒して首輪と言うドロップアイテムを集めて、情報を解析して脱出する。 森はそれに対して感じた素直な感想を述べた。 他は調整用だとしても、明らかにワールドオーダーの首輪に関しては意図的だ。 「ゲームねぇ。まあ例えとして使うのはいいけど、本当にゲーム感覚じゃあ困るんだけどね」 「へぇ。ワールドとしてはそういう感覚じゃない訳だ?」 「もちろんさ。僕は至って真剣だよ」 「だろうね。そうじゃなければここまで狂ったことはしないだろうさ」 世界の要人、いや異世界まで巻き込んで、それを一カ所に集めて殺し合わせる。 こんな事は伊達や酔狂で出来る事ではない。 「狂ってるかな?」 「狂ってるさ」 「そう。まあ別に否定はしないんだけど、それは君も同じだろう?」 「狂ってる、俺がかい? それとも俺の理想がかな?」 「両方だね。君の掲げる理想に比べれば、世界平和の方がまだましだ」 世界平和。 その単語にこれまで飄々としてた森が初めて表情を崩し、侮蔑する様な笑みを吐いた。 「世界平和? はっ、あれこそ最悪だろう。争いがなくなれば世界は腐る。 戦争だって技術の発展や経済を回すには必要な行為だ。 品行方正な正義が支配する管理社会なんて、そんなものはただのディストピアだよ」 だからこそ森は正義を狩ってきた。 強力過ぎる世界を決定できるだけの力を持った正義を。 「かといって悪が支配してもそれこそ最悪だ。荒廃した力が力を支配する世界。 そんなものはこれまで築き上げてきた人間の文明は崩壊でしかない。 それじゃあ石器時代に逆戻りだ」 だからこそ森は悪を狩ってきた。 強力過ぎる世界を破壊できるだけの力を持った悪を。 「なら、行き過ぎない様に誰かが管理して、適度に争わせるしかないだろう?」 それが森の理想。 世界は変わらず保守され、永遠に維持される。 究極の保守主義とも言えるだろう。 「箱庭でのおままごとが趣味なのかな? 君はその理想をひた隠しにしてきたし、語ったのは賛同者だけだっただろうからハッキリ言われたことはないだろうけど。 老婆心ながら僕が言っておいてあげるよ」 彼らしからぬ真剣な声。 互いに真正面から向き直る。 「君の理想は間違っている。故にその理想は叶わない。叶ったところで『革命』されてお終いさ」 天に指を掲げ、宣言する様に革命者は言う。 「変化のない世界など、それこそ腐っているだろう。変わりたがっているのなら変わればいい。 世界を、人間を舐めるな。彼らの『変わりたい』というエネルギーは君なんかに止められるものではない。『革命』は誰にも止められない」 革命を、進化を是とするものとして、変革を止める森の理想を否定する。 それがワールドオーダー。世界を改革する者の理念である。 「止められるさ。これまでだって止めてきた、これからだってそうさ」 呟くように世界の守護者は言う。 そのサングラスの下は、恐らく狂気の色に染まっているだろう。 それはきっとパーカーで隠れた目の前の少年と同じ色だ。 「そうだね、君はこれまで上手くやってきた、けれど君だっていつか死ぬ。 そうなればその理想もお終いさ、後継者が上手くやれるとも限らない、個人に依存したシステムなんて刹那的な価値しかない」 「死なないさ。そのためのナノマシン技術だよ」 テロメアの劣化すらナノマシンで修復して、老化を克服して新世界の管理者として永遠に君臨する。 それが森茂の率いる悪党商会の最終目標である。 つまり悪党商会にとっての後継者とは、ナノマシン技術完成までに不慮の死を遂げた場合に、計画を引き継ぐ器に過ぎない 「はは。となると君はますます死ねなくなった訳だねぇ」 森茂の首輪にはナノマシン技術の情報が隠されている。 虎の子のナノマシン技術の情報が敵対組織に洩れれば、計画自体が死ぬ。 「おめでとう森茂。君の理想は身の命そのモノとなった訳だ」 口元を歪ませながら、拍手を送るワールドオーダー。 それに怒るでもなく、呆れたように頬を掻く森。 「って言うかさぁ、ワールド。見事に幹部連中連れてきてくれたよね。ひょっとして狙ってた?」 「まさか。たまたまだよ。たまたま。そもそも君の計画にも興味ないしね」 「そう、まあ私怨で動く性質でもないか」 革命を求めるワールドオーダーと保守を掲げる森茂ではどう足掻いても相容れない。 だがそれでも自身の理想に私怨を交える程愚かではないという事は正反対であるからこそ理解できる。 「まあ雑談はここまでにしておこう。オデットの対処は急いだほうがいいしね」 そう言ってワールドオーダーは森に何かを投げつけた。 苦も無くそれを森は受け取め、何であるかを確認する。 それは携帯電話だった 「渡しておくよ。僕へ繋がる直通の電話だ。標的も移動するだろうから、最新の位置情報が知りたければかけるといい」 「携帯って電波通ってるのこの島?」 「まああの電波塔が破壊されない限りはね」 「あっそ。まあ一人で寂しくなったらかけさせてもらうよ」 そう言って、携帯電話を荷物にしまうと、森は動き始める。 「じゃあそろそろ行くけど、仕事完了したら、携帯で知らせればいいわけね」 「そうだね。ああ最後に聞いときたいんだけど。 ちなみに成功報酬で何の情報が欲しいのか、先に聞かせてもらっと言っていいかな? 内容によっては、ほら。検討しないとねぇ?」 胸の前で手を合わせて、邪悪な笑みを浮かべる。 その問いの内容に如何で森を測っているのだろう。 「ああ、それなら心配しなくてもいいよ。あまり大した内容じゃないから」 「へぇ。どんな内容だい?」 「水芭ユキの現在位置」 その内容にワールドオーダーは拍子抜けしたような、意外そうな顔をした。 「それでいいの? 位置情報くらいなら悪党商会のメンバー全員分でもいいよ、なんだったらサービスで死体の位置もオマケしあげようか?」 「いやいや、ユキだけでいいよ」 「そう?」 森はワールドオーダーからの提案を拒否する。 どうせ生き残りで使えるのは恵理子くらいのモノだし。 恵理子ならわざわざ探さずとも自分の仕事はするだろう。 ならば、無駄に借りのようなモノを作る必要はない。 「ちなみに水芭ユキを探すのは、守るため? それとも殺すためかい?」 「殺すためだよ」 その問いに、森は迷うことなく即答する。 その答えに、ワールドオーダーは見透かしたように嗤った。 「そう。悪役はお手の物ってことか。いや悪党だったか」 「そういうワールドこそ、その性格は素でやってるのかい。それとも演じてるだけなのかな?」 「勿論、君と同じさ」 「なるほど。まともに答える訳が無いか」 「お互い様さ」 違いないと、森は苦笑して二人の黒幕はそこで別れた。 【G-4 森/午前】 【主催者(ワールドオーダー)】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品一式 、携帯電話、ランダムアイテム0~1(確認済み) [思考・行動] 基本方針 殺し合いを促進させる。 1:月白氷の首輪を回収する ※『登場人物A』としての『認識』が残っています。 人格や自我ではありません。 【森茂】 [状態]:ダメージ(小)、疲労(小) [装備]:S W M29(5/6) [道具]:基本支給品一式、S W M29の予備弾丸(18/18)、ヒーロー変身ベルト、携帯電話 [思考・行動] 基本方針 参加者を全滅させて優勝を狙う。 0:オデット討伐に向かう? 1:交渉できるマーダーとは交渉する。交渉できないマーダーなら戦うが、できるだけ生かして済ませたい。 2:殺し合いに乗っていない相手はできるだけ殺す。相手が大人数か、強力な戦力を抱えているなら無害な相手を装う 3:悪党商会の駒は利用する 4:ユキは殺す ※無痛無汗症です。痛みも感じず、汗もかきません 093.戦場のヴァルキュリア 投下順で読む 095.男同士、廃墟、殺し合い。何も起きないはずがなく… 時系列順で読む vsジョーカー 主催者 音ノ宮少女の事件簿 我はこの一刀に賭ける剣術家 森茂 three pillars of stability
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2.ちょっとぶつかってみただけの異邦人 久保田早紀の楽曲「異邦人」本来の歌詞は「ちょっと振り向いてみただけの異邦人」 ファミリーベーシック(85p8行目) 任天堂から発売されたファミコンの周辺機器。ファミコンに専用のソフトとキーボードを接続することで、BASICを使ったゲームのプログラミングができるというものだった。BASICはプログラミング言語の一つ。現在ではExcelのマクロとしてBASICをベースにしたVisualBasicが使われている。 エックス・オス(85p17行目) Microsoftのゲーム機「XBOX」およびその後継機「XBOX360」が元ネタか。 ここでは、後者のパロディと思われる。 HS3(85p17行目) ソニーのゲーム機「PlayStation3」の略称、「PS3」をもじったものと思われる。 ピックマン(86p6行目)ピックランド(86p11行目) ラブクラフト作品に登場する画家、リチャード・アプトン・ピックマン。 1926年に失踪するより以前にランドルフ・カーターとも親交があった彼は「未知なるカダスを夢に求めて」にも登場する。ただし、食屍鬼となって。 ドットイートから横スクロールアクションになった点は、ナムコが制作した世界中で有名なゲーム「パックマン」および「パックランド」そのもの。ただし直接の続編ではなく更に3作品ほどドットイート作品を挟む。 「~SAN値直送のお野菜とか入れておきましたのに!」(88p6行目) TRPG「クトゥルフの呼び声」において、一瞬でSAN値が飛んでいくことをSAN値直葬という。 読み方もまんま「さんちちょくそう」。産地直送とかけているが、何故かは不明。 つまり、産地直送を元ネタにしたSAN値直葬を元ネタに産地直送の意味合いでSAN値直送を使っている。わけがわからないよ。 「仮面ライダーディケイド」にてヒロインの光夏美に同意を求められた際の門矢士の台詞「どう見ても、産地…直送だろ!」 サルナス(88p13行目) 幻夢境の地名、災厄都市サルナス。 人類先行都市イブ陥落より一千年経った日、そのイブで祀られていた水蜥蜴の神ボクラグの呪いとも云われる怪異によって、一夜にして滅亡した。 クタート・アクアいんげん(89p2行目) 魔道書「水神クタアト」の英語読み、「クタート・アクアディンゲン」から シャッ貝、オオス=ナル貝(89p8行目) 「シャッガイからの昆虫」の故郷である今は滅びた惑星シャッガイ。ってそのまんまだけど他にうまい説明の仕方はあるものか。 幻夢境の地名、オオス=ナルガイの谷。 アイルズ・ベリー(89p10行目) イングランドの地名。ここで道を間違えるとダンウィッチに迷い込むとか。 「女の子っていうのはね、デリケートなのよ。お砂糖とスパイス、それと素敵なものでできているの」(90p5行目) マザーグースの一節から。そこに間違ってケミカルXを混ぜちゃったら出来たのが、パワーパフガールズ。 ちなみに男の子は「ボロ切れとかたつむり、そして小犬の尻尾」からできているとのこと。ひでえ。 携帯型連射測定器(90p17行目) ハドソンから発売された「シュウォッチ」のこと。たぶん、復刻版じゃなく当時のものなのだろう。 ゲームは一日一時間! 「全滅……三分もたずに……」(91p6行目) 機動戦士ガンダムの有名な台詞のもじり。「ぜ、全滅?12機のドムが全滅?3分持たずにか?」 「……いぢめます?」(92p2行目) 漫画「ぼのぼの」に登場するシマリスくんのセリフ「いぢめる?」。いぢめないよぉ。 「……私の事、愛してます?」(92p4行目) 『8時だョ!全員集合』、志村けんと桜田淳子の夫婦コント。厳密に言うならこのセリフに前後しての流れが、であるが。 『ネクロノ未婚さんいらっしゃい』(94p10行目) ネクロノミコン+「新婚さんいらっしゃい」。 「YES/NOクッション(まくら)」はこの番組のゲームで定番のアイテム。 黒猫バースト(95p4行目) クロネコヤマト+古代エジプトの猫の女神バースト(クトゥルー作品にも登場するが実際のエジプト神話にも存在する)。バステトとも。「ジョジョの奇妙な冒険」や「女神転生」シリーズではこちらで呼ばれる。 CERO・Z区分(95p17行目) ゲームソフトの推奨年齢のレーティング。CERO・Zのソフトは18歳以上しか購入できない。 「……殴っていいのは……殴られる覚悟のあるやつだけ……」(96p8行目) アニメ「コードギアス」の主人公ルルーシュのセリフ、「撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ」から。 「仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイドMOVIE大戦2010」の「劇場版 仮面ライダーW ビギンズナイト」でも。 それの大元の元ネタは仮面ライダーWでおなじみ、レイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウシリーズだったりする。余談だが「ビギンズナイト」でこの台詞を言う役者が、「マーロウが元ネタなのにアニメからでしょ、という視聴者からのメッセージがあって戸惑った」ととあるインタビューで答えている。 誰かが夜なべして縫ってくれたとか(97p6行目) 歌謡曲「かあさんの歌」。 「~この脳味噌活火山麻婆豆腐は!」(98p9行目) クッキングファイター好に活火山麻婆豆腐という料理がある 「知り合いにスーパー弁護士いるよ。右斜め45度の角度がかっこいい人だよ。不治の病持ちだけど」 「仮面ライダー龍騎」に登場するライダーの一人、ゾルダこと北岡秀一。「スーパー弁護士」も彼の肩書である。 右斜め45度は北岡秀一の好きな角度が元ネタだと思われる。この角度が最も写真写りがいいらしい。 重い荷物を枕に(100p4~5行目) 「仮面ライダークウガ」のEDテーマ『青空になる』の歌詞から。 「まず鎖につないで~ムリヤリ凸凹×」(100p11~13行目) 「BASTARD!!」のニンジャマスター・ガラのセリフから。 ほうれん草(101p3行目) 某海の男の好物のことだろうか。 変態だー!?(102p2行目)口を菱形にして(102p3行目) 漫画「うえきの法則」に登場する名シーン。 ⇒ 変態だー(゚◇゚|il|i|) 待ちやがりなさい、このナチュラルボーン性犯罪者! 殺人鬼カップルの逃避行を描いた映画「ナチュラル・ボーン・キラーズ」だろうか。逃げ出したクー子に投げられた台詞。 「……ニャル子はつくづく悪い子。誓約書の内容に疑いを持つのはよくない」「あんただってあのときの状況が分かってたんでしょが!少しでも常識が残ってるなら今すぐそれをこっちに渡しなさい!」「……恋愛行動の十分の九を否定されれば、こうもなる」「変態が喋ることですか!」(108p11行目-14行目) 機動戦士ガンダムF91より。カロッゾ「つくづくお前は悪い子だ。大人のすることに疑いを持つのはよくない」セシリー「貴方だって、強化人間にされたからっておじい様に反逆しています!でも、少しでも人間らしさを残しているなら、こんな事はやめなさい!」カロッゾ「人類の十分の九を抹殺しろと命令されれば、こうもなろう!」セシリー「機械が喋ることか!」 「……私の吐き気を催す色の脳細胞が減ったらどうするんです!」(109p17行目) アガサ・クリスティ創作の名探偵、エルキュール・ポワロは自身の頭脳を「灰色の脳細胞」と称していた。 そして「吐き気を催す色」はニャルラトの形態のひとつが元ネタ。 「コスでは日常茶飯事です」(111p8行目) 「ロスでは日常茶飯事だぜ!」という、ロサンゼルス市民の有名なセリフから。 +幻夢境の地下世界、ガグの街にあるといわれる「コスの塔」。 「荘子でも読んだんじゃないのか」(112p12行目)「それは蝶になる夢じゃないのかい」(112p14行目) 荘子の説話「胡蝶之夢」のこと。 なお、ニャル子と珠緒のやり取りはカフカの「変身」。 ランドルフ・カーペンターズ(114p2行目) ランドルフ・カーター+アニメ「勇者王ガオガイガー」の作業用ロボット群カーペンターズ。 「三本ですか?赤いのが欲しいんですか?三本……いやしんぼですね!」(118p15行目)「三本あげましょう行きますよシャンタッ君三本行きますよ……そらっ!」(119p3行目)「良ォーしよしよしよしよし(中略)!大した子ですシャンタッ君あなたは」(119p13行目) 漫画「ジョジョの奇妙な冒険」第五部に登場する、チョコラータとセッコの心温まるやりとりから。 バナ納豆パンときゅうりメロンパン(120p11行目) ゲーム「Memories Off」で澄空学園購買部にて販売されているパン。 罰ゲームか購買マニアしか買わないと言われている。 昔、少年誌でやっていた料理漫画で納豆を使ったモンブランなるものが登場した(122p2行目) 数々の迷料理をこの世に送り出した「ミスター味っ子」の「バナナ納豆モンブラン」のこと。 「ティンダロスドッグと言うんですが」「お前、今度は実家の斜向かいの飼い犬まで食うつもりか」 上はもちろんティンダロスの猟犬のこと。 そして下は犬食文化のある隣国で起きた珍事件のことを指していると思われる。 一巻の2章「未知なる学舎に夢を求めて」において斜向かいの家がティンダロスを飼っているという記述あり。 「いや、その理屈はおかしい」(125p6行目) 漫画「ドラえもん」の、ドラえもんのセリフ「いや、そのりくつはおかしい。」から。 このシーンをもとに、数々のコラ画像が作成された。 206pでも使用されている。 月刊少年ブラッド(125p3行目) かつてソフトバンククリエイティブが刊行していた漫画雑誌のこと。 軟質銀行出版(125p13行目) たぶん宇宙ソフトバンク。 地球はいらない子(126p15行目) ネットスラング「○○はいらない子」から。 緑はいらない子、黄色はいらない子 など使い方はさまざま。 バンバン(127p3行目)蕃神×蕃神(127p8行目) 某有名雑誌にたまに載る某漫画が元ネタと思われるが、おいらこどもだからさっぱりわかんないや。 冨樫仕事しろ。 スーパーフリーダム、ナイトジャスティス(128p1行目) とある厨性能ガンダム2機の仮名称というかおそらく大人の事情で改名される前の名称。 絶対無敵のセーフティシャッター(128p1行目) 絶対生還不可能な状況から主人公を生還させるための便利なご都合主義もとい反則的魔法のアイテムもといコズミック・イラ脅威のメカニズム。 ただし視聴者がそれで納得するかは別問題だろう。 ふたりはブリトヴァ(128p13行目) アニメ「ふたりはプリキュア」がタイトルの元ネタ。 また、ブリトヴァとは「機動新世紀ガンダムX」に登場するモビルスーツの一つであり、説明の通り武器にヒートワイヤーを用いる。 ちなみにブリトヴァのパイロットは二重人格である。 「二重人格の主人公が~伝奇ファンタジーでしてね」(128p14行目~128p15行目)「主人公の一人称が『僕』から『私』になるとやたら強くなるんですよ!」(128p17行目) 菊地秀行の「マン・サーチャー・シリーズ」とか「魔界都市ブルース」とかに出てくる西新宿のせんべい屋が主人公になっているシリーズが元ネタ。 少女型の身体を持っているのだから、もう少し慎みや恥じらいを持ってもバチは当たらないと思う。(129p16・17行目) 『ファイナルファンタジーⅥ』港町ニケアの酒場にて、絡んできた踊り子にカイエンが垂れたお説教。 「こ コラ。おぬし。オナゴと言うのはな。恥じらいとつつしみを持ってじゃな…ウンチク……ウンチク……ウンチク…」 毎ターン増援が来るようなものですよね(131p1行目) ゲーム「スーパーロボット大戦」ではおなじみの流れ。 ……そう、あれはクトゥグアに顔半分を焼かれて~(131p8行目) アドベンチャーゲーム「EVE The Lost One」のあらすじのパロディ。「LOST ONE」という殺人ウィルスが登場する。 「ちなみにその犯人なんですが、~」以降は、同作品のシナリオを担当した桜庭一樹氏(同作品の犯人役の名前がペンネームの由来?)が2008年に直木賞を受賞したことを指すか? あれは嫌な事件だった……(131p16行目) 「ひぐらしのなく頃に」に登場する富竹ジロウが「鬼隠し」について語った時の「嫌な事件だったね……」が元ネタか? あくまで事件に対する感想であって、上記の「EVE The Lost One」がEVEシリーズファンからガッカリゲー・クソゲー扱いされていることとは何の関係もない…はず。 「……少年は特異点なのかもしれない」(132p8行目) 「特異点」というのは数学・物理学の用語であるが、やはりここは「仮面ライダー電王」に登場する「時間改変の影響を受けない特質」のことだろう。 むかしむかし「超時空世紀オーガス」の主人公には時空の歪みの元凶である「特異点」という設定があってのう。 あと清水義範の「魔獣学園」という作品には、本人の意思とは関係なく宇宙人とか未来人とか狼男とかエスパーが集まってきてやたら異常な事件に巻き込まれるという「巻き込まれ率」の異常があったのじゃが。 澁澤工房『エンジェルフォイゾン』の主人公・工藤ススムも物語後半で特異点だといわれていた。 問題を集めまくる特異点ならば「スーパーロボット大戦」のグランゾンかもしれない。前後のネタ的に考えて 3D格ゲー「超鋼戦記キカイオー」ボロン編にて主人公のポリンが、キカイオー編の主人公・轟ジュンペイを指して曰く「やっかいごとをひきよせる『とくいてん』なの」 そう言えば『ペルソナ2 罰』での周防達哉も、ラスボスのニ ャ ル ラ ト ホ テ プに魅入られた「特異点の少年」であった。 猫が膝枕で寝て、飼い主が身動き取れなくなるという話(132p14行目) そのままで一晩中過ごしたという逸話が、猫大好きのラブクラフト御大にはある。 うぇっへっへ(134p11行目) 漫画「シャーマンキング」の主人公、麻倉葉の笑い方。たまたま一致しただけ? 「美少女はそんな事言わない」(136p5行目) 「飛影はそんな事言わない」から。口にするのも憚れる恐ろしい事件の為、詳細はググってください。 裏と表が逆の十円玉(136p6行目) ゲーム「女神異聞録ペルソナ」、パーティーキャラの一人・南条圭の交渉コマンド「物でつる」を選択した際の台詞。実際性格が「愚か」な悪魔によく効く。「ほんの手付金だ。裏と表が逆の10円玉をくれてやろう。」 また、漫画「ドラえもん」のセリフ中に「表と裏が逆の50円玉」が存在する。 そんな物よりサイン入りブロマイドくれよ。 ヤルッツェ・ブラッキン(136p10行目) 「新造人間キャシャーン」に登場するセリフ。敵であるアンドロ軍団がよく使う掛け声。やるっつえブロッケンじゃないよ。 す・け・べるがだろすっ!?(137p15行目) ベルガダロスは機動戦士ガンダムF91に登場するモビルスーツ…のようだがそうではない。 「ベルガ・ギロス」、「ベルガ・ダラス」なら存在するが「ベルガ・ダロス」は存在しない。ミス? なお関係あるかどうかは不明だが「ダロス」というOVA作品が存在する。 「日本人じゃ、しょうがありませんね」(138p5行目) 映画「デビルマン」に登場するセリフから? 「サタンじゃあ、仕方ないな」 イドモス・バーガー(139p2行目) クラーク=アシュトン=スミスの作品に登場する異世界「イドモス」+モスバーガー ミスクアマカス・ドーナツ(139p4行目) ラヴクラフト&ダーレス『暗黒の儀式』に登場するシャーマン「ミスクアマカス」+ミスタードーナツ ウェンディーゴ(139p7行目) ウェンディゴ+ハンバーガーチェーン・ウェンディーズ 2009年末に日本国内からはいったん消えたため「最近なくなってしまった」と言っている(4巻の初版は2010/03/31)が、その後2011年暮れに再進出している 「……支払いは任せてほしい」(139p17行目)バリバリバリ。マジックテープ式の財布だった。(140p3~4行目) 私女だけど彼氏の財布がマジックテープ式だった。死にたい。。 ∧_∧ ( ゚ω゚ ) 支払いは任せろー バリバリC□l丶l丶 / ( ) やめて! (ノ ̄と、 i しーJ 世界が嫉妬する邪神(かみ) 花王のシャンプー「アジエンス」のキャッチコピー「世界が嫉妬する髪へ」から。 頭にヤのつく自由業(148p13行目) ライトノベル「今日からマのつく自由業!」から。 だから実在の893とは何の関係もありません。
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仕様や関連情報はサポートサイトで日々少しずつ公開されているけど 今から過去ログを全部追ってなんていられないと思うので(←一応追う努力はしてほしいけど) 入門者用ページのつもりで色々書いてみるページ。 ここに書いてあることは絶対ではないので参考程度にどうぞ。 はじめに キャラメイクの注意点男女の違い 職業 序盤に絶対知っておきたいことSPについて 重量と移動力重力判定 死亡と救助依頼 エリア移動制限 知っておいた方が得な小ネタキー操作 マップ 自宅 消費経験点 スキルスキルセット 転職 隠しステータス? 宝箱 青村付近のレベル上げクエスト ダンジョン制覇 雇用冒険の仲間を雇う 雇用されるには 他ユーザーとの交流基本 BBS 「交流」(メール) ギルド ファンサイト・攻略サイト コメント はじめに お約束。 1、公式サイトとサポートサイトはまめにチェックする 追加要素や新仕様なども全てここで公開されますし、 たまにテスターへの指示(今は○○はしないで下さい、等)があるので。 ちょっとした疑問はここ見れば解決することも多い…ような気がする。 2、バグはなるべく報告する まあテスターですし、一応。悪用はもってのほか 3、特定プレイヤー・ギルドを許可無く晒さない 2chとかでも正直やめといた方がよいと思うけどwiki内では完全に自重。 当たり障りの無い内容でもそれが呼び水になる事もあるから一応NG。 4、自分が不利になる仕様変更があっても泣かない ROWは開発中なのでいつどの仕様が変更になってもおかしくありません(基本的に改善のはずですが)。最初から覚悟しておきましょう どうしてもそれはやめて欲しいと思ったら、サポートサイトで要望を出しましょう。 キャラメイクの注意点 男女の違い アバター(キャラのグラフィック)に使用可能なパーツ 女性専用装備がある 個人的意見だが、男キャラは現状少し冷遇気味。ゲームバランスに影響するほど大した差ではないのだけど…。 職業 キャラの作り直し不可能は旧仕様。今は制限付きだが後で初期化可能。 だからそこまで慎重になる事も無いのかもしれない。強ジョブ、強スキルなんて言っても仕様変更だっていくらでもあり得るし。 転職する所まで行くと少し気を使う必要があるが、それはまた別のところで 雇われやすい職業というのはやっぱり存在するだろうけれども。 序盤に絶対知っておきたいこと SPについて 外やダンジョンを歩くとSP(腹)が減って最後は死んでしまう。 食料を使うか宿泊する、信仰者のスペル「マナ」を使うなどして回復。 08年4月、街では歩き回ってもSPが消費されないように仕様変更された 重量と移動力 所持アイテムの重量計が重すぎると戦闘中動けなくなる 重さは生命値以下を心がける,ステータス画面で「移動」の数値を確認 移動力減少には生命以外の要素も関係しているらしい 移動力が十分でも隣に敵が隣接している場合、移動するのに余計に移動力を消費する。移動力4あっても1体に隣接されたら一歩しか動けない、2体に隣接されたら一歩も動けない 重力判定 特定のエリアで、重過ぎる場合/軽過ぎる場合に移動不能となる 併せて命中,ダメージ修正を比率で低減? 死亡と救助依頼 死んでも絶対に神に祈ってはいけない。救助依頼を出すべき 自キャラの死亡(傭兵はいくら死んでもOK)の他に電源ボタンなどでのアプリの強制終了でも死亡扱いになる 強制終了の場合、死亡地点は最後にセーブした場所になるので注意。(所持金や経験点などのデータもそこまで巻き戻る) 最近はかなり減ったが、バグによるエラー等アプリ側の問題で突然強制終了をせざるを得なくなる可能性もあるので、こまめなセーブは心がけたい 救助する人が救助しやすいように、どのあたりで死んだのか(ダンジョンの場合、階層)をコメントに書いておくと、お互い楽。 エリア移動制限 2008/5/13よりサーバ負荷低減の為に実装された アプリを起動したり、エリア(街やフィールド・ダンジョン)移動する度にカウントが進み、行動権が0になると強制ログアウトする機能。 LV1~3:行動50 LV4~11:行動40 LV12~23:行動35 LV24~:行動30 繰り越しは最大5ポイントまで、累積99ポイントを上限。 放置による累積は最終ログアウト日時より2日経過より5ポイント加算、累積99ポイントを上限。 (News転載) 知っておいた方が得な小ネタ キー操作 待機画面で1ボタンを押すと地図とメッセージウィンドウの表示を切り替える事ができる メニュー画面で2ボタンを押すとBBSのログがリスト表示され、そこから書き込み主と交流(メール等)する事もできる 以下の条件を満たしている時に0ボタンを押すとスクリーンショットが撮れるフィールド上(街やダンジョン等)でカメラを持っているキャラが歩いているとき(画面下部にカメラマークが表示されます)※自分が持っていなくても使える ステータス画面(自分がカメラを持っている時、自分のステータスだけ) 隊列(記念撮影?) マップ 暗記する必要はないけど、マップに表示される色の付いた点の意味をまとめておく。(サポートサイト・3/25のNEWSより) 水色:自キャラ 黄色:ダンジョン入口、階層移動、出口等移動系 / 特殊イベント(ボス戦等)※ダンジョンのみ ┗地図系アイテムの使用,スキルの使用 / 敵感知能力 青色:救助対象者 ┗救助請負時 赤色:戦闘 ┗敵感知能力発動中 白色:釣りポイント ┗釣り能力1以上 ライム:狩りポイント/野営 ┗狩り能力1以上/野営能力1以上 ピンク:宝箱や採取物など ┗宝感知能力発動中 暗赤色:盗賊系罠 ┗盗賊系罠感知 暗緑色:自然系罠 ┗自然系罠感知 暗紫色:魔術系罠 ┗魔術系罠感知 暗水色:その他罠 ┗未定 自宅 空いてる土地を買うことで建物を建てる事が出来る。また別の土地を買えばそこに引っ越す事になる。 その「建物」は自宅に繋がる窓口のようなものでデータは別に存在する。引越しをしても自宅のレベルは下がらないし、掲示板のログやその他の設定も消えない。 自宅を持っていなくても倉庫データ自体は存在するので他の人の自宅の「倉庫屋」を利用する事でアイテムの出し入れは出来る(1回10G) ブルーリグワード村(通称:青村)の土地は人気があるのですぐ埋まってしまっていると思うけど、ブルーリグワード近郊の右下(ラグライル村)とか次の街のバイカルにきっと空きはあるので我慢するんだ なお、現仕様では一ヶ月以上ログアウト実績のないプレイヤー(つまりROWをアプリを起動させてプレイしてないって事)の自宅は自動的に空き地化される。あくまでも「建物」が消えるだけでデータは残るので、この場合も再度どこでもいいから土地を購入すれば元通りの自宅になる。(はずなのだが現状バグで厄介な事になる恐れが大きい) 0番地に自宅を建てるとその区画の「区長」になる。区(街通り)のWeb情景文言を変更が可能に 更に詳しい事はROW実践の自宅の項目で 消費経験点 経験点には総合経験点と消費経験点の2つがある。ゲーム内のステータス画面では“消費経験点(総合経験点)”の形式で表示されている 経験点を得ると両方とも同じ数ずつ増えていく この内、レベルアップに関係あるのは総合経験点の方のみ。消費経験点を消費してもレベルは下がらない。 スキル スキルは村や町の店で購入するものがほとんど。それなりに値は張るが、便利なものも多いので優先的に手に入れたい ジョブレベル(戦闘技能基礎Lv○○、定式魔法Lv○○など)に応じて威力が変化するものが多い。鍵空けの確率や攻撃スキルの威力などもレベル12まで育てるとかなり差が出る つまり中途半端なジョブレベルでの転職は中途半端な効果のスキルばかりを残す事になってしまい、あまりオススメできない スキルセット バインダアイテムを入手するとバインダを使ってより自由にスキルをセット出来る様になるが、最初はWebで所持品からのみ行うことになる。 スキルをセットするには大抵経験点を消費するので無駄遣いしないように注意が必要。 後述するが転職・廃業にも経験点は必要なので足りなくなると泣きを見る 転職 まずはクラス派生のページを参照。(※PC向け) 基本的に自分がしたいようにすればいいのだけど、どんな方向のキャラにしたいのかを考えて慎重に行う。 転職可能レベル(公式の「ClassChange」で確認できる)になっても転職せずにレベルを上げてしまうと、その回のステータス成長はほとんどなく、新たにジョブレベルも得られず非常に無駄である。すぐに転職すべき。 廃業はどのタイミングでも出来るけど上のスキルの項目でも書いたようにジョブレベルをマックスまで上げてから廃業がオススメ(そこまで行ったら廃業しないでクラスチェンジする手もあるか) 戦士系→盗賊系のように系統をまたいだ転職を行いたい時は、最も慎重さが必要。理由は最下層のクラス「無職」のジョブ「自由な心」は無職になる度にレベル1に戻ってしまうから。早く釣りがしたい、料理がしたいなどの理由でちょっと先に取っておくか、などと気軽に取りに行ってしまってはいけない。 廃業と上位クラスへの転職は、どちらも経験点を消費するので、無職を挟まない転職もなるべく数を減らした方が良い。 ジョブは(おそらく)8個まで所持可能。8個を超えると1つ選んで削除 隠しステータス? ROWには画面には表示されないさまざまな数値が設定されているらしい。 隠しステータスの数はかなり多いらしいのだが詳細は不明。 プレイヤーの行動によって色々変化していくようだ。これによって設定できる称号も変化していく 青村に落ちている財布は届けるといいことが…。 宝箱 ダンジョンには宝箱が落ちている事がある。(出現確率を上昇するアイテムなども存在するようだ) 普通は茶色い宝箱だが、中にはレアな青色宝箱が存在するダンジョンもある。 アイテム入手の基本的な流れは「罠を探す(盗賊罠探知)」→「罠を外す(盗賊罠解除)」→「鍵を開ける(開錠)」。スキル補正が無いと確率が低くて無謀なので宝が欲しいならの対応する盗賊スキル(なるべく高レベル)を持っている人をPTに加えておきたい。 宝箱がダンジョンのどの階層に出るかはアイテム毎に固定のようだ(複数の階層で出るアイテムも多いが)。宝箱からアイテムを見つけた時はどの階層で見つけたのか憶えておいた方がいい。 それをwikiに反映してくれるとなおいい。 青村付近のレベル上げ 新しいスキルを覚えるのにも次の街バイカルに行くにもレベルを上げなくてはいけない 経験点1000で1レベルアップ。 だが敵を倒しても経験点はあまりもらえない ROWで重要なのはクエストとダンジョン制覇の経験点。レベル1なら一番簡単な教会地下ダンジョンでも経験点200以上もらえる。 クエスト 教会入口に居る男から受けられるクエストをこなす(クエストのやり直しは出来ないものもある) ダンジョン制覇 教会右通路に隠ダンジョン全B2Fの探査を繰り返す(B2Fの石版に乗ると地上に帰還) レベルが上がるとダンジョンでもらえる経験点は減っていくので、少しずつ難易度の高い(☆の数が多い)ダンジョンにも挑戦していく。 教会地下→青の塔→コボルトの洞窟→ゴブリンの洞窟→妖魔の森北部の順。 (青の塔には地下ダンジョンがあるがレベル?にならないと入れない※情報求む!) 妖魔の森北部は5区までと短いわりに貰える経験点が多いので、ここが無理なくクリア出来る様になったら、レベルだけ考えた場合ここを即降りループし続けるのが序盤の一番効率の良い稼ぎだと思われる 狙ったアイテムを探しながら潜ると張り合いが出るかもしれない。オススメはゴブリンの洞窟の宝箱の蛍光の首飾り(常時照明+1) 雇用 冒険の仲間を雇う 傭兵登録名簿を使うかフィールドで出会った人を雇う ギルドメンバーor友達登録した人は雇用費が安い 入手経験点はPT最高レベルの人基準で決まるので、自分よりレベルが高い人を雇った場合、得られる経験点が減る。アイテム収拾など経験点以外の部分を重視する場合はそれもいいかもしれないが、ベースレベルが高い人は雇用費も高いので思案のしどころ 雇った人には手付金の他、戦闘などで得た金の1/5が給料として支払われる。二人雇った場合得られる金額は一人の時の3/5となる。なお、支払われるタイミングはセーブした時、ログアウトした時。 データのコピーを借りているだけなので給料が支払われる以外に相手に影響を及ぼす事はない。雇った人のアイテムを捨てようが防具や武器が壊れようが、全然OK。使い物にならなくなったら隊列画面から解雇してまた雇いなおせばいい 雇用されるには 確実な方法などもちろん無いが、簡単なアドバイス。 最序盤はあまり関係ないかもしれないしあくまで参考程度に 街の傭兵名簿に登録する 挨拶文で何が出来るのかアピールしてみる(持っているスキルや装備、移動力など) 自分が友達登録している相手からは雇われる可能性が上がると思う(値段的にも) キノコ事典、釣竿などで特色を出してみる(需要が合えば重宝されるかも) 他ユーザーとの交流 基本 ゲーム内での基本のコミュニケーション手段は通常BBS(全体、エリア)、メール(ゲーム内用語の「交流」)、自宅のゲストブック、ギルドBBSである。 ゲーム外でもファンサイトなどを通じたプレイヤー同士の交流も行われている オンラインゲームの基本だけど、相手が一人の人間である事を念頭になるべく迷惑はかけないようにしましょう。 BBS フィールド移動画面(戦闘中・イベント中以外)でしばらく操作せず放置、メニュー画面中に2キーを押す、などの操作を行う事でアプリ起動中に呼び出す事ができる。 ZoneBBSはROW世界全体で共通、どこでも見られるし書き込める。エリアBBSはエリア毎に1つずつ設置されている。 簡単な会話や情報交換(ただしクエスト等のネタバレは禁止されている)が可能で、ダンジョンなどでは一緒に戦っている雰囲気が味わえて面白い でも過度の連投や仲間内でのチャット等、私物化するとログが流れて迷惑になりかねないので注意。メールも活用しましょう 「交流」(メール) フィールドでキャラのアバターと出会った時、BBSのリスト表示、冒険者組合の名簿、色々な所で「交流」を選択する事で特定のプレイヤー相手にまとまった文章を送れる 実際のメールアドレスにメールが送られるわけでもないので相談や交渉など便利に使えます ギルドメンバーや相互友達登録している相手にはWebからもメールとアイテムを送信可能。雇用費が安くなるなど便利なので友達登録は積極的に利用していきたい。 ギルド まずは公式サイトのガイドを一通り読むこと。 目的や雰囲気、構成メンバーなどはギルド毎に異なるので入りたいギルドがあったら入ればよいし、入らなくてもいい。 現在レベル1から加入可能だが、自分でギルド立ち上げるのにはベースレベルが12だっけ?が必要。 ギルド加入の主なメリット(?)ギルドBBSなどによる交流 ギルドによる拠点支配(税率の設定、ギルド倉庫の利用、ギルド拠点ダンジョンに入る、等が可能になる) ギルド戦のメイン参加(ギルドに加入していなくても一般参加は出来る) Web上から自分の詳細ステータスを見ることができる ギルドBBSはWebからも利用可能。ギルドメンバーしか見ることができない設定にする事も、公開する事も出来る。(ただしどちらの場合もアプリ内から呼び出せるのはそのギルドのメンバーのみ) ファンサイト・攻略サイト ROWサポートサイトの「LINK」から関連サイトに飛ぶことが出来る 主にギルドが運営するギルドサイト。数はそう多くないので一通り見て回っても損はないかと コメント 何かあればここに書いてください 名前 コメント
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宅地建物取引業法(たくちたてものとりひきぎょうほう) 昭和二十七年六月十日法律第百七十六号 最終改正:平成二〇年五月二日法律第二八号 最終改正までの未施行法令:平成十六年六月九日法律第八十八号(未施行)、平成十八年六月二日法律第五十号(未施行)、平成十九年五月三十日法律第六十六号(未施行) 目次 第一章 総則 第二章 免許 第三章 宅地建物取引主任者 第五章 業務 第一節 通則 第七章 雑則 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、宅地建物取引業を営む者について免許制度を実施し、その事業に対し必要な規制を行うことにより、その業務の適正な運営と宅地及び建物の取引の公正とを確保するとともに、宅地建物取引業の健全な発達を促進し、もつて購入者等の利益の保護と宅地及び建物の流通の円滑化とを図ることを目的とする。 (用語の定義) 第二条 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号の定めるところによる。 一 宅地 建物の敷地に供せられる土地をいい、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第八条第一項第一号の用途地域内のその他の土地で、道路、公園、河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供せられているもの以外のものを含むものとする。 二 宅地建物取引業 宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行なうものをいう。 第二章 免許 (免許) 第三条 宅地建物取引業を営もうとする者は、二以上の都道府県の区域内に事務所(本店、支店その他の政令で定めるものをいう。以下同じ。)を設置してその事業を営もうとする場合にあつては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事の免許を受けなければならない。 第一項の免許のうち国土交通大臣の免許を受けようとする者は、登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の定めるところにより登録免許税を、第三項の規定により国土交通大臣の免許の更新を受けようとする者は、政令の定めるところにより手数料を、それぞれ納めなければならない。 (免許の申請) 第四条 第三条第一項の免許を受けようとする者は、二以上の都道府県の区域内に事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては国土交通大臣に、一の都道府県の区域内にのみ事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事に、次に掲げる事項を記載した免許申請書を提出しなければならない。 一 商号又は名称 二 法人である場合においては、その役員の氏名及び政令で定める使用人があるときは、その者の氏名 三 個人である場合においては、その者の氏名及び政令で定める使用人があるときは、その者の氏名 四 事務所の名称及び所在地 五 前号の事務所ごとに置かれる第十五条第一項に規定する者(同条第二項の規定によりその者とみなされる者を含む。第八条第二項第六号において同じ。)の氏名 六 他に事業を行つているときは、その事業の種類 前項の免許申請書には、次の各号に掲げる書類を添附しなければならない。 一 宅地建物取引業経歴書 二 第五条第一項各号に該当しないことを誓約する書面 三 事務所について第十五条第一項に規定する要件を備えていることを証する書面 四 その他国土交通省令で定める書面 第三章 宅地建物取引主任者 (取引主任者の設置) 第十五条 宅地建物取引業者は、その事務所その他国土交通省令で定める場所(以下この条及び第五十条第一項において「事務所等」という。)ごとに、事務所等の規模、業務内容等を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の取引主任者(第二十二条の二第一項の宅地建物取引主任者証の交付を受けた者をいう。以下同じ。)を置かなければならない。 前項の場合において、宅地建物取引業者(法人である場合においては、その役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。))が取引主任者であるときは、その者が自ら主として業務に従事する事務所等については、その者は、その事務所等に置かれる成年者である専任の取引主任者とみなす。 宅地建物取引業者は、第一項の規定に抵触する事務所等を開設してはならず、既存の事務所等が同項の規定に抵触するに至つたときは、二週間以内に、同項の規定に適合させるため必要な措置を執らなければならない。 第五章 業務 第一節 通則 (業務処理の原則) 第三十一条 宅地建物取引業者は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行なわなければならない。 宅地建物取引業者は、第五十条の二第一項に規定する取引一任代理等を行うに当たつては、投機的取引の抑制が図られるよう配慮しなければならない。 (誇大広告等の禁止) 第三十二条 宅地建物取引業者は、その業務に関して広告をするときは、当該広告に係る宅地又は建物の所在、規模、形質若しくは現在若しくは将来の利用の制限、環境若しくは交通その他の利便又は代金、借賃等の対価の額若しくはその支払方法若しくは代金若しくは交換差金に関する金銭の賃借のあつせんについて、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。 (広告の開始時期の制限) 第三十三条 宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第二十九条第一項又は第二項の許可、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第六条第一項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあつた後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない。 第三十三条の二 (取引態様の明示) 第三十四条 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する広告をするときは、自己が契約の当事者となつて当該売買若しくは交換を成立させるか、代理人として当該売買、交換若しくは貸借を成立させるか、又は媒介して当該売買、交換若しくは貸借を成立させるかの別(次項において「取引態様の別」という。)を明示しなければならない。 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する注文を受けたときは、遅滞なく、その注文をした者に対し、取引態様の別を明らかにしなければならない。 (重要事項の説明等) 第三十五条 宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という。)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、取引主任者をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。 一 当該宅地又は建物の上に存する登記された権利の種類及び内容並びに登記名義人又は登記簿の表題部に記録された所有者の氏名(法人にあつては、その名称) 二 都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制限で契約内容の別(当該契約の目的物が宅地であるか又は建物であるかの別及び当該契約が売買若しくは交換の契約であるか又は貸借の契約であるかの別をいう。以下この条において同じ。)に応じて政令で定めるものに関する事項の概要 三 当該契約が建物の貸借の契約以外のものであるときは、私道に関する負担に関する事項 取引主任者は、前三項の説明をするときは、説明の相手方に対し、取引主任者証を提示しなければならない。 第一項から第三項までの書面の交付に当たつては、取引主任者は、当該書面に記名押印しなければならない。 (供託所等に関する説明) 第三十五条の二 宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者の相手方等に対して、当該売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、当該宅地建物取引業者が第六十四条の二第一項の規定により指定を受けた社団法人の社員でないときは第一号に掲げる事項について、当該宅地建物取引業者が同条同項の規定により指定を受けた社団法人の社員であるときは、第六十四条の八第一項の規定により国土交通大臣の指定する弁済業務開始日前においては第一号及び第二号に掲げる事項について、当該弁済業務開始日以後においては第二号に掲げる事項について説明をするようにしなければならない。 一 営業保証金を供託した主たる事務所のもよりの供託所及びその所在地 二 社員である旨、当該社団法人の名称、住所及び事務所の所在地並びに第六十四条の七第二項の供託所及びその所在地 (契約締結等の時期の制限) 第三十六条 宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第二十九条第一項又は第二項の許可、建築基準法第六条第一項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあつた後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物につき、自ら当事者として、若しくは当事者を代理してその売買若しくは交換の契約を締結し、又はその売買若しくは交換の媒介をしてはならない。 (書面の交付) 第三十七条 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換に関し、自ら当事者として契約を締結したときはその相手方に、当事者を代理して契約を締結したときはその相手方及び代理を依頼した者に、その媒介により契約が成立したときは当該契約の各当事者に、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。 一 当事者の氏名(法人にあつては、その名称)及び住所 二 当該宅地の所在、地番その他当該宅地を特定するために必要な表示又は当該建物の所在、種類、構造その他当該建物を特定するために必要な表示 三 代金又は交換差金の額並びにその支払の時期及び方法 四 宅地又は建物の引渡しの時期 五 移転登記の申請の時期 六 代金及び交換差金以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額並びに当該金銭の授受の時期及び目的 七 契約の解除に関する定めがあるときは、その内容 八 損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容 九 代金又は交換差金についての金銭の貸借のあつせんに関する定めがある場合においては、当該あつせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置 十 天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容 十一 当該宅地若しくは建物の瑕疵を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置についての定めがあるときは、その内容 十二 当該宅地又は建物に係る租税その他の公課の負担に関する定めがあるときは、その内容 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の貸借に関し、当事者を代理して契約を締結したときはその相手方及び代理を依頼した者に、その媒介により契約が成立したときは当該契約の各当事者に、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。 一 前項第一号、第二号、第四号、第七号、第八号及び第十号に掲げる事項 二 借賃の額並びにその支払の時期及び方法 三 借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額並びに当該金銭の授受の時期及び目的 宅地建物取引業者は、前二項の規定により交付すべき書面を作成したときは、取引主任者をして、当該書面に記名押印させなければならない。 (事務所等以外の場所においてした買受けの申込みの撤回等) 第三十七条の二 宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約について、当該宅地建物取引業者の事務所その他国土交通省令で定める場所(以下この条において「事務所等」という。)以外の場所において、当該宅地又は建物の買受けの申込みをした者又は売買契約を締結した買主(事務所等において買受けの申込みをし、事務所等以外の場所において売買契約を締結した買主を除く。)は、次に掲げる場合を除き、書面により、当該買受けの申込みの撤回又は当該売買契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。この場合において、宅地建物取引業者は、申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。 一 買受けの申込みをした者又は買主(以下この条において「申込者等」という。)が、国土交通省令の定めるところにより、申込みの撤回等を行うことができる旨及びその申込みの撤回等を行う場合の方法について告げられた場合において、その告げられた日から起算して八日を経過したとき。 二 申込者等が、当該宅地又は建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払つたとき。 申込みの撤回等は、申込者等が前項前段の書面を発した時に、その効力を生ずる。 申込みの撤回等が行われた場合においては、宅地建物取引業者は、申込者等に対し、速やかに、買受けの申込み又は売買契約の締結に際し受領した手付金その他の金銭を返還しなければならない。 前三項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。 (手附の額の制限等) 第三十九条 宅地建物取引業者は、みずから売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して、代金の額の十分の二をこえる額の手附を受領することができない。 宅地建物取引業者が、みずから売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して手附を受領したときは、その手附がいかなる性質のものであつても、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手附を放棄して、当該宅地建物取引業者はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。 前項の規定に反する特約で、買主に不利なものは、無効とする。 (不当な履行遅延の禁止) 第四十四条 宅地建物取引業者は、その業務に関してなすべき宅地若しくは建物の登記若しくは引渡し又は取引に係る対価の支払を不当に遅延する行為をしてはならない。 (秘密を守る義務) 第四十五条 宅地建物取引業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。宅地建物取引業を営まなくなつた後であつても、また同様とする。 (報酬) 第四十六条 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、第一項の規定により国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。 (業務に関する禁止事項) 第四十七条 宅地建物取引業者は、その業務に関して、宅地建物取引業者の相手方等に対し、次に掲げる行為をしてはならない。 一 宅地若しくは建物の売買、交換若しくは賃借の契約の締結について勧誘をするに際し、又はその契約の申込みの撤回若しくは解除若しくは宅地建物取引業に関する取引により生じた債権の行使を妨げるため、次のいずれかに該当する事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為 イ 第三十五条第一項各号又は第二項各号に掲げる事項 ロ 第三十五条の二各号に掲げる事項 ハ 第三十七条第一項各号又は第二項各号(第一号を除く。)に掲げる事項 ニ イからハまでに掲げるもののほか、宅地若しくは建物の所在、規模、形質、現在若しくは将来の利用の制限、環境、交通等の利便、代金、借賃等の対価の額若しくは支払方法その他の取引条件又は当該宅地建物取引業者若しくは取引の関係者の資力若しくは信用に関する事項であつて、宅地建物取引業者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの 二 不当に高額の報酬を要求する行為 三 手付けについて貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為 第四十七条の二 宅地建物取引業者又はその代理人、使用人その他の従業者(以下この条において「宅地建物取引業者等」という。)は、宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならない。 宅地建物取引業者等は、宅地建物取引業に係る契約を締結させ、又は宅地建物取引業に係る契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、宅地建物取引業者の相手方等を威迫してはならない。 宅地建物取引業者等は、前二項に定めるもののほか、宅地建物取引業に係る契約の締結に関する行為又は申込みの撤回若しくは解除の妨げに関する行為であつて、宅地建物取引業者の相手方等の保護に欠けるものとして国土交通省令で定めるものをしてはならない。 (証明書の携帯等) 第四十八条 宅地建物取引業者は、国土交通省令で定めるところにより、従業者に、その従業者であることを証する証明書を携帯させなければ、その者をその業務に従事させてはならない。 従業者は、取引の関係者の請求があつたときは、前項の証明書を提示しなければならない。 宅地建物取引業者は、国土交通省令で定めるところにより、その事務所ごとに、従業者名簿を備え、従業者の氏名、住所、第一項の証明書の番号その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。 宅地建物取引業者は、取引の関係者から請求があつたときは、前項の従業者名簿をその者の閲覧に供しなければならない。 (帳簿の備付け) 第四十九条 宅地建物取引業者は、国土交通省令の定めるところにより、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅地建物取引業に関し取引のあつたつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。 (標識の掲示等) 第五十条 宅地建物取引業者は、事務所等及び事務所等以外の国土交通省令で定めるその業務を行う場所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令で定める標識を掲げなければならない。 第七章 雑則 (宅地建物取引業者の使用人等の秘密を守る義務) 第七十五条の二 宅地建物取引業者の使用人その他の従業者は、正当な理由がある場合でなければ、宅地建物取引業の業務を補助したことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。宅地建物取引業者の使用人その他の従業者でなくなつた後であつても、また同様とする。 (適用の除外) 第七十八条 この法律の規定は、国及び地方公共団体には、適用しない。 第三十三条の二及び第三十七条の二から第四十三条までの規定は、宅地建物取引業者相互間の取引については、適用しない。 (申請書等の経由) 第七十八条の三 第四条第一項、第九条及び第十一条第一項の規定により国土交通大臣に提出すべき申請書その他の書類は、その主たる事務所(同項の規定の場合にあつては、同項各号の一に該当することとなつた者の主たる事務所)の所在地を管轄する都道府県知事を経由しなければならない。
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前ページとある魔術の使い魔と主 「これ、着て」 当麻がタバサから渡されたのは執事服であった。 ここはペルスランの部屋。先程本人から許可を得て、お邪魔する事になったのだ。 しかし、タバサは「遠慮」という言葉を知らないのか、づかづかと他人の部屋に入り込む。 まるで主のような振る舞いで、そのままクローゼットを開き、入っていた予備の服を当麻に渡した。 「これを、俺にか?」 いきなり執事服を渡されても困るし、何かの間違いだと思う。 眉をひそめ、一度確認を取った当麻に対してタバサはコクリと頷く。 「別にいいけど……、なんか理由でもあるのか? さすがに『執事フェチだから是非とも上条さんに着せたい!』的なノリなら勘弁して欲しいんが」 「任務のため」 ぴしゃりと一刀両断された当麻はこれ以上の発言は控え、渋々タバサから執事服を受け取った。 執事服を着なければならない任務とは、一体どのようなものだろうか。 (誰かをボディーガードか? いやでも別に執事服をわざわざ着る必要はねえよな) 任務、と言われるとテレビやゲームなどで行われるイメージが浮かべられる。 しかし、今の当麻に執事服と任務を結び付ける要素が浮かんでこない。 タバサの冗談かと思ったが、じっとこちらを表情を変えずに見続けているのだからその可能性は低い。 本人が任務としか口を開いていないのに、それ以上の事を聞くのもどうかと思われる。当麻はこれ以上を考えるのはやめ、仕方なく今身に纏っている制服を脱ぎ始めた。 と、気付く。 タバサがずっとこちらを見ていることに。 「…………あの、タバサさん?」 「なに」 「いや、ずっと表情を変えずにこちらを見ていると上条さんはなんかとてつもなく着替えにくい状態になるのですが」 「……わかった」 「待て、その間は一体なんだよ!」 当麻のツッコミを右から左へと流し、興味を無くしたかのようにすたすたと部屋から去っていった。 ビシッ! と人差し指を突き刺してポーズを取ったのに、なんら反応を貰えなかったのがよほどショックだったのか、ズーンとテンションがものすごく落ちている。 「まあ、毎度のことなんだけどねうふふふ、うふふふふふふふ」 にへらと口端が釣り上がり、不気味な笑みを浮かべる。 誰もいないのだ。今ぐらいどうしたっていいじゃないか、という半ばやけな気持ちがあったからであろう。 が、 「きゅいきゅい、トウマさんがなにやら不気味に笑っているのね!」 「んなもん当たり前でしょーが!」 「きゅい、聞こえてるのね!? おかしいね! 窓が挟んでるから大丈夫なはずなのね……?」 「……ん? 窓?」 当麻は思う。たしかこの場には自分しかいない。ならばこの声の持ち主は窓越しにいるのだろう。 が、このようにお喋りな女性はいないはずなのだが……。 当麻は疑問符を頭に浮かべながらくるっと振り返る。 「……シルフィード?」 「きゅい?」 いたのは、声をかけられ首を傾げるシルフィード。 当麻は未だに残る疑問を振り払うように、窓へ近づいて豪快に開いた。 ブワッ、と室内へ風が舞い込んだが、そんなのは気にしない。 それよりも、 「シルフィード以外ここに誰かいたか?」 「きゅいきゅい」 首を横に振る様子から、恐らく否定しているのだろう。 事実、当麻は窓から首をだし、キョロキョロ辺りを見渡すが人影はいない。 別に入り組んだ場所ではなく、見晴らしがいい庭のため、誰かが隠れるようなことはできないはず。 あれ? そもそも竜って人の言葉理解できるのか。と別の方に関心した当麻は、変に気にすることなく、再び着替えるため部屋の奥へと戻っていく。 その姿を注意して見つめたシルフィードは、ほっ、と安心したように溜めていた息を吐き出し、この場から離れるため、上空へと飛び去っていった。 「人?」 「あぁ。俺の聞き間違いだったのかもしれねーけど、一応タバサの耳には入れておこうかと思ってな」 執事服に着替えた瞬間、再び無理矢理タバサが登場。腕を引っ張ってきてシルフィードに乗せられた当麻は、とある町まで飛ばされた。 今はタバサと二人で目的地へと歩いていた。 「あれ、というか語尾に『きゅい』とかつけてたけど確かシルフィードも――」 「あなたの聞き間違い」 短く、タバサは勝手に結論を告げ、歩く速度を早める。 「あっ、って上条さんの名推理を聞く前に行っちゃうのですか!?」 慌てて歩幅を合わせようと、当麻も早足になる。そのため、思考する時間を奪われ、答えが出ないままになる。 まあいっか、と当麻は頭のごみ箱へとなげすてた。 些細なことだし、タバサの言うように本当に聞き間違いだったのかもしれない。 物事を深く考えるなら適当に結論づける方がマシだと考える当麻であるため、話題を変えようとタバサに話しかける。 「んで、俺が執事、おまえさんが男装。これからどっかのパーティーにでも出席するのか?」 「そんなところ」 「って予想的中!? 待て待て、俺に執事なんてできるわけねーぞ!」 「街中」 う……、と当麻は周りからの視線を感じ、冷や汗を流す。 タバサの指摘通り、街中での大声は目に止まる。しかも普段は静かであるイメージをもたれる執事が大声をあげたのだ。 一体何がおきたのかと、人々が怪訝な表情を浮かべて当麻を見つめる。 そんな視線に耐え切れず、アハハハと苦笑いをするしか当麻には道がない。 「心配ない。あなたに執事の能力は求めていないから」 「……それ、なんだかすっごくショックを受ける発言なんだが」 まあ、事実ないというのも僅か数分で判明したのだから、タバサのような発言が出て来るのも納得がいく。 ずーん、と再び落ち込む当麻に「人それぞれ」と慰めのつもりで声をかけた。 一方、 「きゅいきゅい。トウマさんといいムードを作ってるのね! 全然友達以上の気がするね!」 当麻やタバサに気付かれぬようこそこそと探偵らしく物影に隠れながら見守るシルフィードの姿があった。 もちろん竜の姿ではない。彼女は先住魔法によって人間へと化けている。 服は事前に用意していた。白いお仕着せが似合う、とてもいいスタイルだ。 当然、その姿は周りの人の目線を奪う。先程当麻を眺めた人々は、再びシルフィードへと目線をやっていたのだ。 「でもなんでシルフィは仲間外れなのね。……まさかどうせシルフィは役立たずとか思っているなのね!?」 と、いつも虐められている(あくまで本人談)からこそ浮かぶ理由にたどり着く。 実の所、タバサの隣にいる人物は誰でもよかったのだが、シルフィードと上条当麻を天秤にかけたとき、当麻の方に傾いただけである。 そこは一人の女の子の感情であるが故。しかし、竜であるシルフィードがそんな人間の微妙な心情に気付くはずがない。 「これは文句を言わなければならないのね!」 一匹の風韻竜は、自分の本当の姿をばらすことなく、再び二人の後を追った。 ツンツン頭の執事と、とても女性とは見えないぐらい男装が似合っているお嬢様という至ってアンバランスな二人は、一軒の宝石店を訪ねた。 うへぇ~、と一生涯このような場所とは無縁だと感じていた当麻は感嘆な言葉を吐き出す。 それもそのはず。この宝石店は他の店よりも豪華な作りであり、そうとうな金持ちではないかぎり入ってはいけませんというオーラが漂っていく。 「うわっ、これゼロの数が半端ないんだが!? きっと俺の何年分の生活費がこのちっこい宝石一つに値するんだろうなぁ」 格差社会反対だぁ……と嘆く執事に目もくれず、お嬢様はすたすたと店内の奥へと入ってく。 その足取りからもともと品定めを済ましていたのであろう。ずらりと並んでいる宝石の数々に臆せず、また見向きもしない。 当麻もそんなタバサに気付き、宝石のオーラに圧倒されながらもなんとかついていく。 (まさか、物のプレッシャーにたじろぐなんて……、想像もしてなかったぜ) すると、前を歩いていたタバサがぴたりと足を止める。 ん? とつられて足を止めた当麻が、一体どのような物を買うのだろうと思い、タバサの頭ごしからそれを見る。 大きな大きなブルーダイアモンド。そこから溢れ出てくるオーラは当麻のそれとは格段に違う。 「おのれ、宝石の分際でこの上条当麻さんと戦おうとはいい度胸をしているんじゃないの! オーケー、今すぐテメエの幻想をぶち壊してやるよ!」 「店の中」 タバサの指摘に当麻ははっとなる。先ほどは道路であったが、今回は店の中。さらに注目度は上がってしまう。 周りの視線に耐えられなくなった当麻は、目を泳がせ口笛を吹き始める。 早く、早く自分から意識を逸らして貰おうと思っていたら、 「きゅいきゅい! とてもかわいいのね!」 うぉぉぉぉおおおおおお、とガシッと拳を握る。この最高のタイミングで最高の叫び声。何と言うか、久々に幸福というのを感じたのかもしれない。 「って、きゅいきゅい?」 そのような言葉を会話中に使用する存在を当麻は一人と一匹しか知らない。 さらにいうと、一匹の方はこんな所に入っていたら大騒ぎになるはず。ならば、今大声をあげたのは高確率で、 「ッ、あの時俺を覗いていたやつか!?」 「きゅい! いきなりばれているのね!?」 バッ、と思いきり振り返ると、そこにいるのは一人の女性。 「どうみても天然さん系!? つか初っ端から自分だと認めてるし!」 「し、しまったなのね!」 誘導尋問とかすればボロボロといろんなことを口にしそうだなー、というのが最初に抱いた感想である。 シルフィードに意識が持って行かれた客が、再び当麻の方を向く。 店の中で、大声における会話は迷惑なのだが、誰も注意しようとしない。普段では味わえない、まるで平民同士の会話に近いからか。 「やい、さっきはシルフィードと一緒になに俺のドキドキ着替えイベントを満喫してたんだ!?」 「な、ななななななんのことかわからないのね! というか、まだ自分がシルフィードだとばれていないのね……」 「最後ごにゃごにゃ言ってないではっきりしやがりなさい! つーか、いろいろと事情を聞かしてもらうぞ!」 ずかずかと、効果音が聞こえてくるような足音でシルフィードに近づいていく。ひっ、と僅かばかり震え、足がすくんでしまって動かないようだ。 このまま成すべくなく捕まるのであろうか。 その時、執事と使い魔の争いにただ傍観していた主はあることに気付く。 幻想殺し、異能の力ならたとえ神様の奇跡だろうと打ち消す力。それは、当然先住魔法にもきくはず。 より具体的にいうならば、シルフィードが今使っている変身魔法も……。 考えるよりも、先に手が動いた。 バッ、と杖を振るい、ルーンの言葉を紡ぐ。 その早さはまさに神速。当麻の右手がシルフィードに触れる前に、小さな氷を足元に配置する。 「っとと!」 まさか店の中で氷があるとは思っていないため、当麻はタバサの目論み通り躓いた。 しかし、 「わわっ!?」 向かっていく先は進行方向にいるシルフィード。そのまま体ごと預けるかのようにぶつかっていった。 そして、衝突。 むにゅっ、という音を当麻は聞く。一体なんであろうと思うのだが、視界が真っ暗である。 「いたたたた……なのね」 (こ、これはまさか――!?) 柔らかい質感なのだが弾力はある。こんなもの当麻の知識の中には一つしかない。 右手は床に触れていたため、力をこめ、上半身だけ上げる。 すると、 シルフィードに馬乗りとなっていた。 予想通り、先ほどはあの柔らかい二つの果実に埋もれていたらしい。 「な、ななななななななな!?」 頬を真っ赤に染め、あわてふためく当麻。正直、周りからの視線が一段ないし二段と冷たくなった気がする。 言い訳は出来そうにない。どう見ても勝手に当麻がこけて、勝手に当麻がシルフィードを押し倒し勝手に馬乗りに見えるのだから。 「わわわわ、ご、誤解だ! 誤解ですから!」 慌てて離れる当麻。両手を前に出し、ぶんぶんと振るが効果は見えそうにない。 シルフィードはポカーンとだらし無く口を開いて固まっている。どうやら自分が何をされたのか、イマイチ理解できていない様子。 当麻としては噛みつかれたり、暴行加えられたり、電撃を浴びせられたりするよりも遥かにマシなのだが、むしろその普通の態度が新鮮に感じてしまい、対応に困ってしまう。 あれ、俺って実は結構酷い目にあってる? 等と考えている間に、 「……あ、……あぁ!」 どうやら事の状況を理解し始めた様子。 見た目は二十歳前後の美しい女性なのだが、人間の年齢に換算するとまだ十歳足らずなのだ。 そんな精神上幼い子が、自分より年上の少年に押し倒され、馬乗りにされ、胸に頭を突っ込まれたときのショックは計りしえない。 目には若干涙を浮かべ、肩は小刻みに震えている。 ギン! と当麻は周りから睨まれた。既に何人かは殺意すら込められているようにも感じられる。 「うぅ……、これは不可抗力ですよ!? 確かにわたくし上条当麻は彼女を押し倒しましたが、なにかに躓いただけなんですよ! それに数で無理矢理意見を通させるのもどうかと思うんですが!」 反応はない。 「やっぱりダメですよね。そんな予感はしてましたよ! 勝手に押し倒してしまいすみませんつかごめんなさいーッ!」 ズバッ! と当麻は神速とも呼べるスピードで地面に頭をこすりつける。 しかし、やはり反応はない。 ただ無言の訴えがどこからも襲いかかってくる。 『いますぐこの場から立ち去れ』と。 この、ドラゴンですら逃げ去りたいプレッシャーであるがしかし、さすがは当麻、今までの経験のおかげか必死に耐えている。 ――否、本当は今すぐにでも逃げ出したいのが、あいにく当麻はここに一人で来店したわけではない。 むしろ、そのつれからの冷たい眼差しは感じられない。あの存在感溢れる寡黙な主なことだ(当麻にとって)。まさか自分が視線に気付いていない、そんなオチではないはずだ。 すると、 「きゅいきゅい! もうお嫁にいけないなのねー!!」 ダーッ! と走り去っていくシルフィード。振り向き様にうっすらと零れ落ちる透明の雫。 その、あまりの全速力に誰一人として声をかける余裕すらなかった。 しーん、と静寂が支配する。 もう当麻にとって限界地点を超えてしまっている。一刻も早く立ち去りたいという心で一杯だ。 こちらもシルフィードと同じく、涙すらうっすらと浮かび上がってきた。しかし、ここにきてようやく主から助け舟が差し出される。 「あなたは悪くない。事故であったから仕方ない」 振り返ると、すぐそばに当麻と同じ目線にしたかったのか、しゃがんでいるタバサの姿。 ズギューン! と当麻は何かを感じる。この状況において、慰められるのはまさに女神と言っても過言ではない。 「……タバサさん。あんただけは俺の味方だって信じていたよ」 込み上げてくる感動に、当麻は目頭に浮かび上がっていた熱いものが零れそうになる。それを防がんと、必死に腕で拭う。 もっとも、真犯人がタバサであるとしったら、果たして当麻はどのような反応をとるのであろうか。 それはさておきと、慰めの一言を与えたタバサは立ち上がる。 今は任務中なのだ。 このような執事と主の青春物語を演じるためにわざわざ宝石店へと向かってきたわけではない。 タバサは以前床に座っている当麻に「立って」とだけ伝えると、再びお目当ての商品へと向かう。 途中、周りからなにか囁かれているようだが気にしない。 とてもじゃないが、彼の右手が触れたら竜に変身してしまうのです、と言える雰囲気ではないのだから。 「これ」 手頃な店員を探し、先程のブルーダイアモンドを指差す。 しかし、店員は気まずそうな表情を浮かべて、 「申し訳ありませんお客さま。こちらは売り物では……」 「いいから、これ」 再びタバサは繰り返す。 「二千万エキューはしますが……?」 態度は変わらないが、店員が纏う雰囲気は変わっている。タバサの言葉に意味を感じ取ったのだろうか。 しかし、一つの宝石の価格としては尋常ではない。名高い有名な大貴族の総資産に匹敵するほどだ。 が、タバサの答えは変わらない。小さく頷くと、 「問題ない」 すると店員は手を差し出した。 「では手付金をもらいたいのでしょうが」 すっ、とタバサはその手に銅でできた金貨を三枚乗せた。 本来ならば二千万エキューに程遠い金額であるが、店員はむしろ笑みを浮かべて、 「かしこまりました。ではこちらへ……」 言い、奥へと案内する。 瞬間、店員があることに気付き、足を止めるとタバサに尋ねる。 「お連れの方が見えませんが、どのようにいたしましょうか?」 店員に指摘され、くるりと振り返るタバサ。 いつの間にか当麻が消えているようだ。大方、シルフィードに謝りにいったのであろうと推測できる。 問題は先住魔法が解かれ、街中でトラブルが起きることだ。 しかし、いまさらタバサが追ったところで間に合うのだろうか。 悩む。どちらを優先しべきか。 タバサは無表情のまま棒立ちになること数秒後、 「また来たら、案内できる?」 「もちろんですとも」 なら、先に行く。と伝え、タバサは店内の奥へと入って行った。 前ページとある魔術の使い魔と主
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第三編 債権 第二章 契約 第一節 総則 第一款 契約の成立 (承諾の期間の定めのある申込み) 第五百二十一条 承諾の期間を定めてした契約の申込みは、撤回することができない。 2 申込者が前項の申込みに対して同項の期間内に承諾の通知を受けなかったときは、その申込みは、その効力を失う。 (承諾の通知の延着) 第五百二十二条 前条第一項の申込みに対する承諾の通知が同項の期間の経過後に到達した場合であっても、通常の場合にはその期間内に到達すべき時に発送したものであることを知ることができるときは、申込者は、遅滞なく、相手方に対してその延着の通知を発しなければならない。ただし、その到達前に遅延の通知を発したときは、この限りでない。 2 申込者が前項本文の延着の通知を怠ったときは、承諾の通知は、前条第一項の期間内に到達したものとみなす。 (遅延した承諾の効力) 第五百二十三条 申込者は、遅延した承諾を新たな申込みとみなすことができる。 (承諾の期間の定めのない申込み) 第五百二十四条 承諾の期間を定めないで隔地者に対してした申込みは、申込者が承諾の通知を受けるのに相当な期間を経過するまでは、撤回することができない。 (申込者の死亡又は行為能力の喪失) 第五百二十五条 第九十七条第二項の規定は、申込者が反対の意思を表示した場合又はその相手方が申込者の死亡若しくは行為能力の喪失の事実を知っていた場合には、適用しない。 (隔地者間の契約の成立時期) 第五百二十六条 隔地者間の契約は、承諾の通知を発した時に成立する。 2 申込者の意思表示又は取引上の慣習により承諾の通知を必要としない場合には、契約は、承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に成立する。 (申込みの撤回の通知の延着) 第五百二十七条 申込みの撤回の通知が承諾の通知を発した後に到達した場合であっても、通常の場合にはその前に到達すべき時に発送したものであることを知ることができるときは、承諾者は、遅滞なく、申込者に対してその延着の通知を発しなければならない。 2 承諾者が前項の延着の通知を怠ったときは、契約は、成立しなかったものとみなす。 (申込みに変更を加えた承諾) 第五百二十八条 承諾者が、申込みに条件を付し、その他変更を加えてこれを承諾したときは、その申込みの拒絶とともに新たな申込みをしたものとみなす。 (懸賞広告) 第五百二十九条 ある行為をした者に一定の報酬を与える旨を広告した者(以下この款において「懸賞広告者」という。)は、その行為をした者に対してその報酬を与える義務を負う。 (懸賞広告の撤回) 第五百三十条 前条の場合において、懸賞広告者は、その指定した行為を完了する者がない間は、前の広告と同一の方法によってその広告を撤回することができる。ただし、その広告中に撤回をしない旨を表示したときは、この限りでない。 2 前項本文に規定する方法によって撤回をすることができない場合には、他の方法によって撤回をすることができる。この場合において、その撤回は、これを知った者に対してのみ、その効力を有する。 3 懸賞広告者がその指定した行為をする期間を定めたときは、その撤回をする権利を放棄したものと推定する。 (懸賞広告の報酬を受ける権利) 第五百三十一条 広告に定めた行為をした者が数人あるときは、最初にその行為をした者のみが報酬を受ける権利を有する。 2 数人が同時に前項の行為をした場合には、各自が等しい割合で報酬を受ける権利を有する。ただし、報酬がその性質上分割に適しないとき、又は広告において一人のみがこれを受けるものとしたときは、抽選でこれを受ける者を定める。 3 前二項の規定は、広告中にこれと異なる意思を表示したときは、適用しない。 (優等懸賞広告) 第五百三十二条 広告に定めた行為をした者が数人ある場合において、その優等者のみに報酬を与えるべきときは、その広告は、応募の期間を定めたときに限り、その効力を有する。 2 前項の場合において、応募者中いずれの者の行為が優等であるかは、広告中に定めた者が判定し、広告中に判定をする者を定めなかったときは懸賞広告者が判定する。 3 応募者は、前項の判定に対して異議を述べることができない。 4 前条第二項の規定は、数人の行為が同等と判定された場合について準用する。 第二款 契約の効力 (同時履行の抗弁) 第五百三十三条 双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。 (債権者の危険負担) 第五百三十四条 特定物に関する物権の設定又は移転を双務契約の目的とした場合において、その物が債務者の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、その滅失又は損傷は、債権者の負担に帰する。 2 不特定物に関する契約については、第四百一条第二項の規定によりその物が確定した時から、前項の規定を適用する。 (停止条件付双務契約における危険負担) 第五百三十五条 前条の規定は、停止条件付双務契約の目的物が条件の成否が未定である間に滅失した場合には、適用しない。 2 停止条件付双務契約の目的物が債務者の責めに帰することができない事由によって損傷したときは、その損傷は、債権者の負担に帰する。 3 停止条件付双務契約の目的物が債務者の責めに帰すべき事由によって損傷した場合において、条件が成就したときは、債権者は、その選択に従い、契約の履行の請求又は解除権の行使をすることができる。この場合においては、損害賠償の請求を妨げない。 (債務者の危険負担等) 第五百三十六条 前二条に規定する場合を除き、当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を有しない。 2 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。 (第三者のためにする契約) 第五百三十七条 契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する。 2 前項の場合において、第三者の権利は、その第三者が債務者に対して同項の契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。 (第三者の権利の確定) 第五百三十八条 前条の規定により第三者の権利が発生した後は、当事者は、これを変更し、又は消滅させることができない。 (債務者の抗弁) 第五百三十九条 債務者は、第五百三十七条第一項の契約に基づく抗弁をもって、その契約の利益を受ける第三者に対抗することができる。 第三款 契約の解除 (解除権の行使) 第五百四十条 契約又は法律の規定により当事者の一方が解除権を有するときは、その解除は、相手方に対する意思表示によってする。 2 前項の意思表示は、撤回することができない。 (履行遅滞等による解除権) 第五百四十一条 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。 (定期行為の履行遅滞による解除権) 第五百四十二条 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、当事者の一方が履行をしないでその時期を経過したときは、相手方は、前条の催告をすることなく、直ちにその契約の解除をすることができる。 (履行不能による解除権) 第五百四十三条 履行の全部又は一部が不能となったときは、債権者は、契約の解除をすることができる。ただし、その債務の不履行が債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。 (解除権の不可分性) 第五百四十四条 当事者の一方が数人ある場合には、契約の解除は、その全員から又はその全員に対してのみ、することができる。 2 前項の場合において、解除権が当事者のうちの一人について消滅したときは、他の者についても消滅する。 (解除の効果) 第五百四十五条 当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。 2 前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。 3 解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。 (契約の解除と同時履行) 第五百四十六条 第五百三十三条の規定は、前条の場合について準用する。 (催告による解除権の消滅) 第五百四十七条 解除権の行使について期間の定めがないときは、相手方は、解除権を有する者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に解除をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その期間内に解除の通知を受けないときは、解除権は、消滅する。 (解除権者の行為等による解除権の消滅) 第五百四十八条 解除権を有する者が自己の行為若しくは過失によって契約の目的物を著しく損傷し、若しくは返還することができなくなったとき、又は加工若しくは改造によってこれを他の種類の物に変えたときは、解除権は、消滅する。 2 契約の目的物が解除権を有する者の行為又は過失によらないで滅失し、又は損傷したときは、解除権は、消滅しない。 第二節 贈与 (贈与) 第五百四十九条 贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。 (書面によらない贈与の撤回) 第五百五十条 書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。 (贈与者の担保責任) 第五百五十一条 贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在について、その責任を負わない。ただし、贈与者がその瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかったときは、この限りでない。 2 負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の責任を負う。 (定期贈与) 第五百五十二条 定期の給付を目的とする贈与は、贈与者又は受贈者の死亡によって、その効力を失う。 (負担付贈与) 第五百五十三条 負担付贈与については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定を準用する。 (死因贈与) 第五百五十四条 贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する。 第三節 売買 第一款 総則 (売買) 第五百五十五条 売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。 (売買の一方の予約) 第五百五十六条 売買の一方の予約は、相手方が売買を完結する意思を表示した時から、売買の効力を生ずる。 2 前項の意思表示について期間を定めなかったときは、予約者は、相手方に対し、相当の期間を定めて、その期間内に売買を完結するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、相手方がその期間内に確答をしないときは、売買の一方の予約は、その効力を失う。 (手付) 第五百五十七条 買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。 2 第五百四十五条第三項の規定は、前項の場合には、適用しない。 (売買契約に関する費用) 第五百五十八条 売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担する。 (有償契約への準用) 第五百五十九条 この節の規定は、売買以外の有償契約について準用する。ただし、その有償契約の性質がこれを許さないときは、この限りでない。 第二款 売買の効力 (他人の権利の売買における売主の義務) 第五百六十条 他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。 (他人の権利の売買における売主の担保責任) 第五百六十一条 前条の場合において、売主がその売却した権利を取得して買主に移転することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の時においてその権利が売主に属しないことを知っていたときは、損害賠償の請求をすることができない。 (他人の権利の売買における善意の売主の解除権) 第五百六十二条 売主が契約の時においてその売却した権利が自己に属しないことを知らなかった場合において、その権利を取得して買主に移転することができないときは、売主は、損害を賠償して、契約の解除をすることができる。 2 前項の場合において、買主が契約の時においてその買い受けた権利が売主に属しないことを知っていたときは、売主は、買主に対し、単にその売却した権利を移転することができない旨を通知して、契約の解除をすることができる。 (権利の一部が他人に属する場合における売主の担保責任) 第五百六十三条 売買の目的である権利の一部が他人に属することにより、売主がこれを買主に移転することができないときは、買主は、その不足する部分の割合に応じて代金の減額を請求することができる。 2 前項の場合において、残存する部分のみであれば買主がこれを買い受けなかったときは、善意の買主は、契約の解除をすることができる。 3 代金減額の請求又は契約の解除は、善意の買主が損害賠償の請求をすることを妨げない。 第五百六十四条 前条の規定による権利は、買主が善意であったときは事実を知った時から、悪意であったときは契約の時から、それぞれ一年以内に行使しなければならない。 (数量の不足又は物の一部滅失の場合における売主の担保責任) 第五百六十五条 前二条の規定は、数量を指示して売買をした物に不足がある場合又は物の一部が契約の時に既に滅失していた場合において、買主がその不足又は滅失を知らなかったときについて準用する。 (地上権等がある場合等における売主の担保責任) 第五百六十六条 売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。 2 前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。 3 前二項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。 (抵当権等がある場合における売主の担保責任) 第五百六十七条 売買の目的である不動産について存した先取特権又は抵当権の行使により買主がその所有権を失ったときは、買主は、契約の解除をすることができる。 2 買主は、費用を支出してその所有権を保存したときは、売主に対し、その費用の償還を請求することができる。 3 前二項の場合において、買主は、損害を受けたときは、その賠償を請求することができる。 (強制競売における担保責任) 第五百六十八条 強制競売における買受人は、第五百六十一条から前条までの規定により、債務者に対し、契約の解除をし、又は代金の減額を請求することができる。 2 前項の場合において、債務者が無資力であるときは、買受人は、代金の配当を受けた債権者に対し、その代金の全部又は一部の返還を請求することができる。 3 前二項の場合において、債務者が物若しくは権利の不存在を知りながら申し出なかったとき、又は債権者がこれを知りながら競売を請求したときは、買受人は、これらの者に対し、損害賠償の請求をすることができる。 (債権の売主の担保責任) 第五百六十九条 債権の売主が債務者の資力を担保したときは、契約の時における資力を担保したものと推定する。 2 弁済期に至らない債権の売主が債務者の将来の資力を担保したときは、弁済期における資力を担保したものと推定する。 (売主の瑕疵担保責任) 第五百七十条 売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第五百六十六条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。 (売主の担保責任と同時履行) 第五百七十一条 第五百三十三条の規定は、第五百六十三条から第五百六十六条まで及び前条の場合について準用する。 (担保責任を負わない旨の特約) 第五百七十二条 売主は、第五百六十条から前条までの規定による担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない。 (代金の支払期限) 第五百七十三条 売買の目的物の引渡しについて期限があるときは、代金の支払についても同一の期限を付したものと推定する。 (代金の支払場所) 第五百七十四条 売買の目的物の引渡しと同時に代金を支払うべきときは、その引渡しの場所において支払わなければならない。 (果実の帰属及び代金の利息の支払) 第五百七十五条 まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は、売主に帰属する。 2 買主は、引渡しの日から、代金の利息を支払う義務を負う。ただし、代金の支払について期限があるときは、その期限が到来するまでは、利息を支払うことを要しない。 (権利を失うおそれがある場合の買主による代金の支払の拒絶) 第五百七十六条 売買の目的について権利を主張する者があるために買主がその買い受けた権利の全部又は一部を失うおそれがあるときは、買主は、その危険の限度に応じて、代金の全部又は一部の支払を拒むことができる。ただし、売主が相当の担保を供したときは、この限りでない。 (抵当権等の登記がある場合の買主による代金の支払の拒絶) 第五百七十七条 買い受けた不動産について抵当権の登記があるときは、買主は、抵当権消滅請求の手続が終わるまで、その代金の支払を拒むことができる。この場合において、売主は、買主に対し、遅滞なく抵当権消滅請求をすべき旨を請求することができる。 2 前項の規定は、買い受けた不動産について先取特権又は質権の登記がある場合について準用する。 (売主による代金の供託の請求) 第五百七十八条 前二条の場合においては、売主は、買主に対して代金の供託を請求することができる。 第三款 買戻し (買戻しの特約) 第五百七十九条 不動産の売主は、売買契約と同時にした買戻しの特約により、買主が支払った代金及び契約の費用を返還して、売買の解除をすることができる。この場合において、当事者が別段の意思を表示しなかったときは、不動産の果実と代金の利息とは相殺したものとみなす。 (買戻しの期間) 第五百八十条 買戻しの期間は、十年を超えることができない。特約でこれより長い期間を定めたときは、その期間は、十年とする。 2 買戻しについて期間を定めたときは、その後にこれを伸長することができない。 3 買戻しについて期間を定めなかったときは、五年以内に買戻しをしなければならない。 (買戻しの特約の対抗力) 第五百八十一条 売買契約と同時に買戻しの特約を登記したときは、買戻しは、第三者に対しても、その効力を生ずる。 2 登記をした賃借人の権利は、その残存期間中一年を超えない期間に限り、売主に対抗することができる。ただし、売主を害する目的で賃貸借をしたときは、この限りでない。 (買戻権の代位行使) 第五百八十二条 売主の債権者が第四百二十三条の規定により売主に代わって買戻しをしようとするときは、買主は、裁判所において選任した鑑定人の評価に従い、不動産の現在の価額から売主が返還すべき金額を控除した残額に達するまで売主の債務を弁済し、なお残余があるときはこれを売主に返還して、買戻権を消滅させることができる。 (買戻しの実行) 第五百八十三条 売主は、第五百八十条に規定する期間内に代金及び契約の費用を提供しなければ、買戻しをすることができない。 2 買主又は転得者が不動産について費用を支出したときは、売主は、第百九十六条の規定に従い、その償還をしなければならない。ただし、有益費については、裁判所は、売主の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。 (共有持分の買戻特約付売買) 第五百八十四条 不動産の共有者の一人が買戻しの特約を付してその持分を売却した後に、その不動産の分割又は競売があったときは、売主は、買主が受け、若しくは受けるべき部分又は代金について、買戻しをすることができる。ただし、売主に通知をしないでした分割及び競売は、売主に対抗することができない。 第五百八十五条 前条の場合において、買主が不動産の競売における買受人となったときは、売主は、競売の代金及び第五百八十三条に規定する費用を支払って買戻しをすることができる。この場合において、売主は、その不動産の全部の所有権を取得する。 2 他の共有者が分割を請求したことにより買主が競売における買受人となったときは、売主は、その持分のみについて買戻しをすることはできない。 第四節 交換 第五百八十六条 交換は、当事者が互いに金銭の所有権以外の財産権を移転することを約することによって、その効力を生ずる。 2 当事者の一方が他の権利とともに金銭の所有権を移転することを約した場合におけるその金銭については、売買の代金に関する規定を準用する。 第五節 消費貸借 (消費貸借) 第五百八十七条 消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。 (準消費貸借) 第五百八十八条 消費貸借によらないで金銭その他の物を給付する義務を負う者がある場合において、当事者がその物を消費貸借の目的とすることを約したときは、消費貸借は、これによって成立したものとみなす。 (消費貸借の予約と破産手続の開始) 第五百八十九条 消費貸借の予約は、その後に当事者の一方が破産手続開始の決定を受けたときは、その効力を失う。 (貸主の担保責任) 第五百九十条 利息付きの消費貸借において、物に隠れた瑕疵があったときは、貸主は、瑕疵がない物をもってこれに代えなければならない。この場合においては、損害賠償の請求を妨げない。 2 無利息の消費貸借においては、借主は、瑕疵がある物の価額を返還することができる。この場合において、貸主がその瑕疵を知りながら借主に告げなかったときは、前項の規定を準用する。 (返還の時期) 第五百九十一条 当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をすることができる。 2 借主は、いつでも返還をすることができる。 (価額の償還) 第五百九十二条 借主が貸主から受け取った物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることができなくなったときは、その時における物の価額を償還しなければならない。ただし、第四百二条第二項に規定する場合は、この限りでない。 第六節 使用貸借 (使用貸借) 第五百九十三条 使用貸借は、当事者の一方が無償で使用及び収益をした後に返還をすることを約して相手方からある物を受け取ることによって、その効力を生ずる。 (借主による使用及び収益) 第五百九十四条 借主は、契約又はその目的物の性質によって定まった用法に従い、その物の使用及び収益をしなければならない。 2 借主は、貸主の承諾を得なければ、第三者に借用物の使用又は収益をさせることができない。 3 借主が前二項の規定に違反して使用又は収益をしたときは、貸主は、契約の解除をすることができる。 (借用物の費用の負担) 第五百九十五条 借主は、借用物の通常の必要費を負担する。 2 第五百八十三条第二項の規定は、前項の通常の必要費以外の費用について準用する。 (貸主の担保責任) 第五百九十六条 第五百五十一条の規定は、使用貸借について準用する。 (借用物の返還の時期) 第五百九十七条 借主は、契約に定めた時期に、借用物の返還をしなければならない。 2 当事者が返還の時期を定めなかったときは、借主は、契約に定めた目的に従い使用及び収益を終わった時に、返還をしなければならない。ただし、その使用及び収益を終わる前であっても、使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、貸主は、直ちに返還を請求することができる。 3 当事者が返還の時期並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも返還を請求することができる。 (借主による収去) 第五百九十八条 借主は、借用物を原状に復して、これに附属させた物を収去することができる。 (借主の死亡による使用貸借の終了) 第五百九十九条 使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を失う。 (損害賠償及び費用の償還の請求権についての期間の制限) 第六百条 契約の本旨に反する使用又は収益によって生じた損害の賠償及び借主が支出した費用の償還は、貸主が返還を受けた時から一年以内に請求しなければならない。 第七節 賃貸借 第一款 総則 (賃貸借) 第六百一条 賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。 (短期賃貸借) 第六百二条 処分につき行為能力の制限を受けた者又は処分の権限を有しない者が賃貸借をする場合には、次の各号に掲げる賃貸借は、それぞれ当該各号に定める期間を超えることができない。 一 樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃貸借 十年 二 前号に掲げる賃貸借以外の土地の賃貸借 五年 三 建物の賃貸借 三年 四 動産の賃貸借 六箇月 (短期賃貸借の更新) 第六百三条 前条に定める期間は、更新することができる。ただし、その期間満了前、土地については一年以内、建物については三箇月以内、動産については一箇月以内に、その更新をしなければならない。 (賃貸借の存続期間) 第六百四条 賃貸借の存続期間は、二十年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、二十年とする。 2 賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から二十年を超えることができない。 第二款 賃貸借の効力 (不動産賃貸借の対抗力) 第六百五条 不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その後その不動産について物権を取得した者に対しても、その効力を生ずる。 (賃貸物の修繕等) 第六百六条 賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。 2 賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない。 (賃借人の意思に反する保存行為) 第六百七条 賃貸人が賃借人の意思に反して保存行為をしようとする場合において、そのために賃借人が賃借をした目的を達することができなくなるときは、賃借人は、契約の解除をすることができる。 (賃借人による費用の償還請求) 第六百八条 賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる。 2 賃借人が賃借物について有益費を支出したときは、賃貸人は、賃貸借の終了の時に、第百九十六条第二項の規定に従い、その償還をしなければならない。ただし、裁判所は、賃貸人の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。 (減収による賃料の減額請求) 第六百九条 収益を目的とする土地の賃借人は、不可抗力によって賃料より少ない収益を得たときは、その収益の額に至るまで、賃料の減額を請求することができる。ただし、宅地の賃貸借については、この限りでない。 (減収による解除) 第六百十条 前条の場合において、同条の賃借人は、不可抗力によって引き続き二年以上賃料より少ない収益を得たときは、契約の解除をすることができる。 (賃借物の一部滅失による賃料の減額請求等) 第六百十一条 賃借物の一部が賃借人の過失によらないで滅失したときは、賃借人は、その滅失した部分の割合に応じて、賃料の減額を請求することができる。 2 前項の場合において、残存する部分のみでは賃借人が賃借をした目的を達することができないときは、賃借人は、契約の解除をすることができる。 (賃借権の譲渡及び転貸の制限) 第六百十二条 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。 2 賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。 (転貸の効果) 第六百十三条 賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人に対して直接に義務を負う。この場合においては、賃料の前払をもって賃貸人に対抗することができない。 2 前項の規定は、賃貸人が賃借人に対してその権利を行使することを妨げない。 (賃料の支払時期) 第六百十四条 賃料は、動産、建物及び宅地については毎月末に、その他の土地については毎年末に、支払わなければならない。ただし、収穫の季節があるものについては、その季節の後に遅滞なく支払わなければならない。 (賃借人の通知義務) 第六百十五条 賃借物が修繕を要し、又は賃借物について権利を主張する者があるときは、賃借人は、遅滞なくその旨を賃貸人に通知しなければならない。ただし、賃貸人が既にこれを知っているときは、この限りでない。 (使用貸借の規定の準用) 第六百十六条 第五百九十四条第一項、第五百九十七条第一項及び第五百九十八条の規定は、賃貸借について準用する。 第三款 賃貸借の終了 (期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ) 第六百十七条 当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。 一 土地の賃貸借 一年 二 建物の賃貸借 三箇月 三 動産及び貸席の賃貸借 一日 2 収穫の季節がある土地の賃貸借については、その季節の後次の耕作に着手する前に、解約の申入れをしなければならない。 (期間の定めのある賃貸借の解約をする権利の留保) 第六百十八条 当事者が賃貸借の期間を定めた場合であっても、その一方又は双方がその期間内に解約をする権利を留保したときは、前条の規定を準用する。 (賃貸借の更新の推定等) 第六百十九条 賃貸借の期間が満了した後賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定する。この場合において、各当事者は、第六百十七条の規定により解約の申入れをすることができる。 2 従前の賃貸借について当事者が担保を供していたときは、その担保は、期間の満了によって消滅する。ただし、敷金については、この限りでない。 (賃貸借の解除の効力) 第六百二十条 賃貸借の解除をした場合には、その解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。この場合において、当事者の一方に過失があったときは、その者に対する損害賠償の請求を妨げない。 (損害賠償及び費用の償還の請求権についての期間の制限) 第六百二十一条 第六百条の規定は、賃貸借について準用する。 第六百二十二条 削除 第八節 雇用 (雇用) 第六百二十三条 雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。 (報酬の支払時期) 第六百二十四条 労働者は、その約した労働を終わった後でなければ、報酬を請求することができない。 2 期間によって定めた報酬は、その期間を経過した後に、請求することができる。 (使用者の権利の譲渡の制限等) 第六百二十五条 使用者は、労働者の承諾を得なければ、その権利を第三者に譲り渡すことができない。 2 労働者は、使用者の承諾を得なければ、自己に代わって第三者を労働に従事させることができない。 3 労働者が前項の規定に違反して第三者を労働に従事させたときは、使用者は、契約の解除をすることができる。 (期間の定めのある雇用の解除) 第六百二十六条 雇用の期間が五年を超え、又は雇用が当事者の一方若しくは第三者の終身の間継続すべきときは、当事者の一方は、五年を経過した後、いつでも契約の解除をすることができる。ただし、この期間は、商工業の見習を目的とする雇用については、十年とする。 2 前項の規定により契約の解除をしようとするときは、三箇月前にその予告をしなければならない。 (期間の定めのない雇用の解約の申入れ) 第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。 2 期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。 3 六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三箇月前にしなければならない。 (やむを得ない事由による雇用の解除) 第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。 (雇用の更新の推定等) 第六百二十九条 雇用の期間が満了した後労働者が引き続きその労働に従事する場合において、使用者がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の雇用と同一の条件で更に雇用をしたものと推定する。この場合において、各当事者は、第六百二十七条の規定により解約の申入れをすることができる。 2 従前の雇用について当事者が担保を供していたときは、その担保は、期間の満了によって消滅する。ただし、身元保証金については、この限りでない。 (雇用の解除の効力) 第六百三十条 第六百二十条の規定は、雇用について準用する。 (使用者についての破産手続の開始による解約の申入れ) 第六百三十一条 使用者が破産手続開始の決定を受けた場合には、雇用に期間の定めがあるときであっても、労働者又は破産管財人は、第六百二十七条の規定により解約の申入れをすることができる。この場合において、各当事者は、相手方に対し、解約によって生じた損害の賠償を請求することができない。 第九節 請負 (請負) 第六百三十二条 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。 (報酬の支払時期) 第六百三十三条 報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。ただし、物の引渡しを要しないときは、第六百二十四条第一項の規定を準用する。 (請負人の担保責任) 第六百三十四条 仕事の目的物に瑕疵があるときは、注文者は、請負人に対し、相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請求することができる。ただし、瑕疵が重要でない場合において、その修補に過分の費用を要するときは、この限りでない。 2 注文者は、瑕疵の修補に代えて、又はその修補とともに、損害賠償の請求をすることができる。この場合においては、第五百三十三条の規定を準用する。 第六百三十五条 仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができる。ただし、建物その他の土地の工作物については、この限りでない。 (請負人の担保責任に関する規定の不適用) 第六百三十六条 前二条の規定は、仕事の目的物の瑕疵が注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じたときは、適用しない。ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。 (請負人の担保責任の存続期間) 第六百三十七条 前三条の規定による瑕疵の修補又は損害賠償の請求及び契約の解除は、仕事の目的物を引き渡した時から一年以内にしなければならない。 2 仕事の目的物の引渡しを要しない場合には、前項の期間は、仕事が終了した時から起算する。 第六百三十八条 建物その他の土地の工作物の請負人は、その工作物又は地盤の瑕疵について、引渡しの後五年間その担保の責任を負う。ただし、この期間は、石造、土造、れんが造、コンクリート造、金属造その他これらに類する構造の工作物については、十年とする。 2 工作物が前項の瑕疵によって滅失し、又は損傷したときは、注文者は、その滅失又は損傷の時から一年以内に、第六百三十四条の規定による権利を行使しなければならない。 (担保責任の存続期間の伸長) 第六百三十九条 第六百三十七条及び前条第一項の期間は、第百六十七条の規定による消滅時効の期間内に限り、契約で伸長することができる。 (担保責任を負わない旨の特約) 第六百四十条 請負人は、第六百三十四条又は第六百三十五条の規定による担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることができない。 (注文者による契約の解除) 第六百四十一条 請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。 (注文者についての破産手続の開始による解除) 第六百四十二条 注文者が破産手続開始の決定を受けたときは、請負人又は破産管財人は、契約の解除をすることができる。この場合において、請負人は、既にした仕事の報酬及びその中に含まれていない費用について、破産財団の配当に加入することができる。 2 前項の場合には、契約の解除によって生じた損害の賠償は、破産管財人が契約の解除をした場合における請負人に限り、請求することができる。この場合において、請負人は、その損害賠償について、破産財団の配当に加入する。 第十節 委任 (委任) 第六百四十三条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。 (受任者の注意義務) 第六百四十四条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。 (受任者による報告) 第六百四十五条 受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。 (受任者による受取物の引渡し等) 第六百四十六条 受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない。その収取した果実についても、同様とする。 2 受任者は、委任者のために自己の名で取得した権利を委任者に移転しなければならない。 (受任者の金銭の消費についての責任) 第六百四十七条 受任者は、委任者に引き渡すべき金額又はその利益のために用いるべき金額を自己のために消費したときは、その消費した日以後の利息を支払わなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。 (受任者の報酬) 第六百四十八条 受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない。 2 受任者は、報酬を受けるべき場合には、委任事務を履行した後でなければ、これを請求することができない。ただし、期間によって報酬を定めたときは、第六百二十四条第二項の規定を準用する。 3 委任が受任者の責めに帰することができない事由によって履行の中途で終了したときは、受任者は、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。 (受任者による費用の前払請求) 第六百四十九条 委任事務を処理するについて費用を要するときは、委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければならない。 (受任者による費用等の償還請求等) 第六百五十条 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。 2 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる債務を負担したときは、委任者に対し、自己に代わってその弁済をすることを請求することができる。この場合において、その債務が弁済期にないときは、委任者に対し、相当の担保を供させることができる。 3 受任者は、委任事務を処理するため自己に過失なく損害を受けたときは、委任者に対し、その賠償を請求することができる。 (委任の解除) 第六百五十一条 委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。 2 当事者の一方が相手方に不利な時期に委任の解除をしたときは、その当事者の一方は、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。 (委任の解除の効力) 第六百五十二条 第六百二十条の規定は、委任について準用する。 (委任の終了事由) 第六百五十三条 委任は、次に掲げる事由によって終了する。 一 委任者又は受任者の死亡 二 委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。 三 受任者が後見開始の審判を受けたこと。 (委任の終了後の処分) 第六百五十四条 委任が終了した場合において、急迫の事情があるときは、受任者又はその相続人若しくは法定代理人は、委任者又はその相続人若しくは法定代理人が委任事務を処理することができるに至るまで、必要な処分をしなければならない。 (委任の終了の対抗要件) 第六百五十五条 委任の終了事由は、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、これをもってその相手方に対抗することができない。 (準委任) 第六百五十六条 この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。 第十一節 寄託 (寄託) 第六百五十七条 寄託は、当事者の一方が相手方のために保管をすることを約してある物を受け取ることによって、その効力を生ずる。 (寄託物の使用及び第三者による保管) 第六百五十八条 受寄者は、寄託者の承諾を得なければ、寄託物を使用し、又は第三者にこれを保管させることができない。 2 第百五条及び第百七条第二項の規定は、受寄者が第三者に寄託物を保管させることができる場合について準用する。 (無償受寄者の注意義務) 第六百五十九条 無報酬で寄託を受けた者は、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、寄託物を保管する義務を負う。 (受寄者の通知義務) 第六百六十条 寄託物について権利を主張する第三者が受寄者に対して訴えを提起し、又は差押え、仮差押え若しくは仮処分をしたときは、受寄者は、遅滞なくその事実を寄託者に通知しなければならない。 (寄託者による損害賠償) 第六百六十一条 寄託者は、寄託物の性質又は瑕疵によって生じた損害を受寄者に賠償しなければならない。ただし、寄託者が過失なくその性質若しくは瑕疵を知らなかったとき、又は受寄者がこれを知っていたときは、この限りでない。 (寄託者による返還請求) 第六百六十二条 当事者が寄託物の返還の時期を定めたときであっても、寄託者は、いつでもその返還を請求することができる。 (寄託物の返還の時期) 第六百六十三条 当事者が寄託物の返還の時期を定めなかったときは、受寄者は、いつでもその返還をすることができる。 2 返還の時期の定めがあるときは、受寄者は、やむを得ない事由がなければ、その期限前に返還をすることができない。 (寄託物の返還の場所) 第六百六十四条 寄託物の返還は、その保管をすべき場所でしなければならない。ただし、受寄者が正当な事由によってその物を保管する場所を変更したときは、その現在の場所で返還をすることができる。 (委任の規定の準用) 第六百六十五条 第六百四十六条から第六百五十条まで(同条第三項を除く。)の規定は、寄託について準用する。 (消費寄託) 第六百六十六条 第五節(消費貸借)の規定は、受寄者が契約により寄託物を消費することができる場合について準用する。 2 前項において準用する第五百九十一条第一項の規定にかかわらず、前項の契約に返還の時期を定めなかったときは、寄託者は、いつでも返還を請求することができる。 第十二節 組合 (組合契約) 第六百六十七条 組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる。 2 出資は、労務をその目的とすることができる。 (組合財産の共有) 第六百六十八条 各組合員の出資その他の組合財産は、総組合員の共有に属する。 (金銭出資の不履行の責任) 第六百六十九条 金銭を出資の目的とした場合において、組合員がその出資をすることを怠ったときは、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。 (業務の執行の方法) 第六百七十条 組合の業務の執行は、組合員の過半数で決する。 2 前項の業務の執行は、組合契約でこれを委任した者(次項において「業務執行者」という。)が数人あるときは、その過半数で決する。 3 組合の常務は、前二項の規定にかかわらず、各組合員又は各業務執行者が単独で行うことができる。ただし、その完了前に他の組合員又は業務執行者が異議を述べたときは、この限りでない。 (委任の規定の準用) 第六百七十一条 第六百四十四条から第六百五十条までの規定は、組合の業務を執行する組合員について準用する。 (業務執行組合員の辞任及び解任) 第六百七十二条 組合契約で一人又は数人の組合員に業務の執行を委任したときは、その組合員は、正当な事由がなければ、辞任することができない。 2 前項の組合員は、正当な事由がある場合に限り、他の組合員の一致によって解任することができる。 (組合員の組合の業務及び財産状況に関する検査) 第六百七十三条 各組合員は、組合の業務を執行する権利を有しないときであっても、その業務及び組合財産の状況を検査することができる。 (組合員の損益分配の割合) 第六百七十四条 当事者が損益分配の割合を定めなかったときは、その割合は、各組合員の出資の価額に応じて定める。 2 利益又は損失についてのみ分配の割合を定めたときは、その割合は、利益及び損失に共通であるものと推定する。 (組合員に対する組合の債権者の権利の行使) 第六百七十五条 組合の債権者は、その債権の発生の時に組合員の損失分担の割合を知らなかったときは、各組合員に対して等しい割合でその権利を行使することができる。 (組合員の持分の処分及び組合財産の分割) 第六百七十六条 組合員は、組合財産についてその持分を処分したときは、その処分をもって組合及び組合と取引をした第三者に対抗することができない。 2 組合員は、清算前に組合財産の分割を求めることができない。 (組合の債務者による相殺の禁止) 第六百七十七条 組合の債務者は、その債務と組合員に対する債権とを相殺することができない。 (組合員の脱退) 第六百七十八条 組合契約で組合の存続期間を定めなかったとき、又はある組合員の終身の間組合が存続すべきことを定めたときは、各組合員は、いつでも脱退することができる。ただし、やむを得ない事由がある場合を除き、組合に不利な時期に脱退することができない。 2 組合の存続期間を定めた場合であっても、各組合員は、やむを得ない事由があるときは、脱退することができる。 第六百七十九条 前条の場合のほか、組合員は、次に掲げる事由によって脱退する。 一 死亡 二 破産手続開始の決定を受けたこと。 三 後見開始の審判を受けたこと。 四 除名 (組合員の除名) 第六百八十条 組合員の除名は、正当な事由がある場合に限り、他の組合員の一致によってすることができる。ただし、除名した組合員にその旨を通知しなければ、これをもってその組合員に対抗することができない。 (脱退した組合員の持分の払戻し) 第六百八十一条 脱退した組合員と他の組合員との間の計算は、脱退の時における組合財産の状況に従ってしなければならない。 2 脱退した組合員の持分は、その出資の種類を問わず、金銭で払い戻すことができる。 3 脱退の時にまだ完了していない事項については、その完了後に計算をすることができる。 (組合の解散事由) 第六百八十二条 組合は、その目的である事業の成功又はその成功の不能によって解散する。 (組合の解散の請求) 第六百八十三条 やむを得ない事由があるときは、各組合員は、組合の解散を請求することができる。 (組合契約の解除の効力) 第六百八十四条 第六百二十条の規定は、組合契約について準用する。 (組合の清算及び清算人の選任) 第六百八十五条 組合が解散したときは、清算は、総組合員が共同して、又はその選任した清算人がこれをする。 2 清算人の選任は、総組合員の過半数で決する。 (清算人の業務の執行の方法) 第六百八十六条 第六百七十条の規定は、清算人が数人ある場合について準用する。 (組合員である清算人の辞任及び解任) 第六百八十七条 第六百七十二条の規定は、組合契約で組合員の中から清算人を選任した場合について準用する。 (清算人の職務及び権限並びに残余財産の分割方法) 第六百八十八条 第七十八条の規定は、清算人の職務及び権限について準用する。 2 残余財産は、各組合員の出資の価額に応じて分割する。 第十三節 終身定期金 (終身定期金契約) 第六百八十九条 終身定期金契約は、当事者の一方が、自己、相手方又は第三者の死亡に至るまで、定期に金銭その他の物を相手方又は第三者に給付することを約することによって、その効力を生ずる。 (終身定期金の計算) 第六百九十条 終身定期金は、日割りで計算する。 (終身定期金契約の解除) 第六百九十一条 終身定期金債務者が終身定期金の元本を受領した場合において、その終身定期金の給付を怠り、又はその他の義務を履行しないときは、相手方は、元本の返還を請求することができる。この場合において、相手方は、既に受け取った終身定期金の中からその元本の利息を控除した残額を終身定期金債務者に返還しなければならない。 2 前項の規定は、損害賠償の請求を妨げない。 (終身定期金契約の解除と同時履行) 第六百九十二条 第五百三十三条の規定は、前条の場合について準用する。 (終身定期金債権の存続の宣告) 第六百九十三条 終身定期金債務者の責めに帰すべき事由によって第六百八十九条に規定する死亡が生じたときは、裁判所は、終身定期金債権者又はその相続人の請求により、終身定期金債権が相当の期間存続することを宣告することができる。 2 前項の規定は、第六百九十一条の権利の行使を妨げない。 (終身定期金の遺贈) 第六百九十四条 この節の規定は、終身定期金の遺贈について準用する。 第十四節 和解 (和解) 第六百九十五条 和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いを