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登場キャラクター ※ストーリー序盤の事務的な情報のみ整理して記載しています。ストーリーを進行する事によって獲得できる重要な情報は省いていますので、ご了承ください。訂正部分や消した方が良い場所がありましたら修正またはコメントお願いします。 ※物語ネタバレ注意です 主人公サイド 絆 皇宮 儚い夢 その他 主人公サイド 主人公 小さい頃から長安に住んでいる。父親の故郷が蜀中のため毎年蜀中に帰って墓参りをする。美貌を持ち詩書に精通しており、長安でも名声を博した。父が王氏一族(皇后の一族)の恨みを買ったため、主人公一族は皇太后の庇護を受け、主人公は皇太后の御傍で薬を担当している。転生後、前世の記憶を教訓に、親族を守り皇后への復讐を果たすため、皇太后の駒として皇帝・李承昊の元へ嫁ぎ、それを見抜かれながらも李承昊への忠誠を誓い、彼の信頼を得る。楚王・李弘沢を危険から遠ざけ、信頼のおける忠誠心の厚い侍医・黄元清と、皇后に対抗できる家柄を持つ妃・柳珠を味方として獲得した。眉の下に小さなほくろがある。カナヅチ。 + 前世の主人公 前世では、皇太后に結婚を迫られていることを主人公から知らされた楚王が、急いで国都に来て皇太后から主人公を奪い返した。楚王と共に皇太后に許可を求め、楚王の恨みを買いたくない皇太后は恋人しか見ていない主人公を駒に使うことを諦めたが、その後陛下が急に側室を増やそうとして国中に適切な人を探し始め、結果止むを得ず主人公は後宮に入ることとなった。なんとはなしにいつしか陛下の子を妊娠したが、皇后の指示により侍医長(黄元清ではない)と碧痕がグルとなり裏切り、主人公に堕胎薬を飲ませ、その後病気となった主人公は冷宮に閉じ込められた。主人公を想う雁ちゃんは殺され、家族は全員遠い辺境まで追放された。冷宮で病気の身体がとうとう終わりを迎えそうな時、一匹の蝶が現れた。 主人公の父 正五品の御史中丞、大した官職ではないが、百官を観察する役目を担っている。剛直な人ゆえ、度々越権行為をする王丞相を何度も弾劾し、王家(皇后の一族)の恨みを買った。黄元清に手助けをしたことがあり、感謝されている。娘が後宮に入ることを良しとしておらず、心配している。 雁ちゃん 主人公の身の回りの世話をする侍女。明るく朗らか。主人公を慕いすぐに感情的になるためよく主人公に嗜められる。 未央 綾綺殿にて付いた主管侍女。穏やかな気性。皇宮に長く勤めている者とみられ、余裕のある振る舞いができる。兄は金吾衛に従事している。かつて幼い妹がいた。 順さん 綾綺殿にて付いた使用人。誠実で、機転も利く。子どもと呼ばれる年齢。楚出身。衡州の方、洞庭湖一帯で、辛いものが好き。 紅蓮 綾綺殿にて付いた侍女。料理が得意。雁ちゃん、蓮子と仲が良く彼女達と同じくらい可愛い性格をしている。以前御膳房の給仕をしていた。 絆 絆キャラクターの詳細プロフィールは絆に記載されています 李承昊(リ ショウコウ) 李家。皇帝。義母である皇太后と不仲。周りくどい事が嫌いで率直な人が好き。16歳で太子として先帝に変わって監国。実姉とは仲が良い。皇太后の家(韋家)と皇后の家(王家)の両家に擁立され、即位した。後宮の妃嬪に対してお互いの利益で交わり集まっているだけであり、生活は保証するがそれ以上は与えられないと、優しさと哀れみを込めた冷淡な視点で見ている。幼少期に実母を冷宮へ送られ姉と共に皇太后の元へ連れてこられ、耐え忍ぶ生活であり、忍冬に例える事が良くある。昔は皇太后に孝行しており、良好な関係を築いていたが、ある事を知ってしまったが故に関係は悪化した。楚王の両親には好感を抱いており、家族ぐるみの付き合いがあった。韋家と王家の力を抑えたい。実は入宮の一年前に、主人公が戯れで川に詩を書いて流した紅葉を拾っており、汪全が心配するほどの心酔ぶりで返歌を紅葉に書いて流し、それを主人公が拾った過去がある。その際に主人公が落とした香り袋を今でも持っている。 李弘沢(リ コウタク) 李家。親王。蜀中育ち。皇帝である李承昊の従兄弟にあたる。主人公の幼馴染。嫌疑を避けるよう、長年領地に駐屯守備しており、祝祭日以外は国都に来ない。長身でありきれいな顔立ちで、琥珀色の瞳。未婚を貫いているため民衆の中で様々な噂物語が作られている。危険から遠ざけるためではあるものの主人公に力不足を言い渡されたため、実績を残し主人公を守る力をつけるため吐藩の討伐に出陣する。前世では軍関係の権力争いにより韋家や王家から謀略をかけられ、危険な目に遭った様子。本を読むことが苦手だが、兵法書など軍事関係は好む。以前は宮廷の権力争いには興味がなかったものの、主人公の力になるために様々な情報を仕入れるようになった。蜀中出身の母親が辛い料理が好きだった。父親は妻にお茶を淹れるのが得意。両親と似て感情を重視する家風で、執念が深い。 黄元清(コウ ゲンセイ) 黄家。洛陽出身。実家は故郷を離れ長安で小さな薬屋を営んでいる、現在庶民の家。医学に精通している両親を持つ。姉がいたらしい。背が高く、細身で肌は白く中性的で妃よりも整った顔立ちをしており薄紫の瞳。小さい頃に飢饉にあい避難する途中で家の系譜はなくなったと母から告げられている。幼少期の栄養不足のため髪は細く緩やかな巻毛をしており、蝋燭1本で勉強するなど長年の酷使により少し近視。処世のための品行方正な笑顔が習慣になっており、張り付いている。笑みを失うと少し畏怖の念を抱かせる。字は綺麗で上品であり、指は長く、骨格がはっきりしている。書いた処方箋は宮女達にコレクションされているらしい。医学書に目がない。とある事から親と共に故郷の洛陽を離れ長安に逃げ込んだ際に、衰弱し命の危機にあった自身の母親を、主人公の父親に助けてもらい、大きな恩を感じている。前世では出会っていない。 柳珠(リュウ シュ) 柳家。10歳まで祖父と杭州に住んでおり、江南育ち。江南方言混じりの柔らかい口調。色白で身体が細く華奢なため、子ができにくい身体。 10歳の時に父親のいる長安へ越してきた。孤高な性格に見えるが、主人公が来ない日は蓬莱殿を寂しい所だと感じるなど、本来は孤独を望んでいないことが伺える。河東柳氏の出身であり、父は両朝の元老で、王氏一族にも対抗できる力を持つ有名な清貴な一族。かなりの美貌の持ち主で、十六の時先帝に舞を献じ、霓裳羽衣舞で長安に知れ渡る様になった。とある理由で後宮に入ることは望んでいなかった。陛下の理解者として好まれているが、本人は、彼に希求するものがないなら、何も分かれると主人公に語る。江南では、意中の人のために双生の蓮を取ってくる男子がいたら、皆に羨まれる幸運である。 皇宮 孟啓竹 落ちぶれた旧家の出身。祖先が宰相だったため、現在でもそれなりの家柄を保っている。文士の中でかなり名望があり、自身の力で科挙で三位を納め、探花郎となった。謙虚そうに見えるが、実は勝手気ままな人柄で、世間の掟などは全く眼中にない。 汪全 李承昊の側近の宦官。宦官総監督。内侍としての謹みも、天子の近くにいる臣下として相応しい振る舞いもできる人物。陛下の信頼を得ている主人公とは気安く会話するにまで至った。主人公の使用人への分け隔てない行動には好感を持っているようだ。陛下とは子供の頃からの付き合いで、昔から不満はすぐ顔に出るらしい。 安雍川 明争闇闘のunderfinedの人。司天台に新しくきた霊台郎(司天台の官職の一つ、天体の運行を管理する仕事)。天文と暦法には詳しくなく、相占が得意。スイアブから来た。踊り子にでも見えるような異域の服装をしており、とんでもない美男子。常に微笑んでいるが、琥珀色の瞳は多くの謎が秘められているように冷たい。 皇后・王令瑶 皇后。王家の一族。前世にて主人公の悲劇を引き起こした根源。一度滑胎している。今いる陛下の子(安楽姫、皇太子)は陛下がまだ皇太子の時に生まれた子であり、陛下が皇帝の座について三年立っても後宮にめでたい話が無いのは皇后の仕業と主人公サイドは捉えている。 金枝 皇后付きの侍女 王令瓔 皇后の妹。16歳。子供の頃より溺愛されてきたので、「一番いい」ものを欲しがる。そのため、潜在意識ではあるが陛下に憧れを抱いている。 蔣淑儀・蔣芷瀾 蔣家。洛陽出身。羽林衛将軍(皇城の守備を担当する官職)の妹。もともと家柄は高くないが、出世した兄のおかげで一族全員が貴族の列に入った。風流ぶりをしても、柳貴妃の目には偽物に見えるらしい。容姿端麗であり、いつも微笑んで、性格も優しいように見えるが、腹黒い。謀略に長けている。前世では、主人公の目には穏やかで目立たない妃に見えていた。 賈婕妤・賈慧 綾綺殿の正殿の主。見た目はさほどでもないが、艶やかで意地が悪い。猫を好む。 蘭嬪・厲佩蘭 皇太子の実母。冷宮に送られている。陛下が皇太子の頃からの妃。陛下の怒りを買い、冷宮に入れられたとの噂だが位などは剥奪されていない。 文杏 主人公の幼馴染。以前の名は陸嫣然。現在は蔣淑儀の侍女となっている。父親が無実の罪を着せられ、一族もろとも奴隷扱いされている。父親と蔣淑儀の父の間に因縁があるようで、蔣淑儀に酷い扱いを受けている。 碧痕 前世では皇后に寝返り、主人公に堕胎薬を飲ませた、主人公付きの侍女。傲慢で独りよがりな性格。 春香 綾綺殿にて主人公付きになった侍女。 蓮子 柳珠付きの侍女。雁ちゃん、紅蓮と仲が良い。 皇太后・韋如英 韋家。皇太后ではあるが李承昊の実母ではなく、現在不仲。李承昊を偵察するため駒として主人公を送り込む。韋家と王家の仲が悪く、王家である皇后の力を抑えたい。 若蘭 皇太后付きの侍女 丹陽長姫・李懿安 李承昊の実の姉。賢い人。 皇太子 李承昊の息子。九歳。母親は蘭嬪。母親が冷宮送り後、皇后のもとに送られたが放置気味。わんぱく。躾のために陛下からやや冷たく扱われている。細かい性格の人。 安楽姫・李心月 李承昊の娘。五歳。生母を早くに亡くしており、陛下からとても可愛がられている。前世の記憶では甘ったれていて意地悪なところがあるが、悪い人ではない。おおざっぱな性格。 儚い夢 九姫 圻国の姫。止陽殿に住む。父である皇帝の悪政には気づいているものの、見ぬふりをして生きている。母親はとうの昔に亡くなり、それ以来一度も父親は止陽殿を訪れていなく、不自由ない生活を受けているものの疎遠な関係。 李承昊 殺し屋。権力者の隠し子だったが捨てられ、農民に育てられる。外遊している内に、富商にその親を迫害により殺され、訴えようにも官署と結託しており何もできなかった。憤り、外遊中に出会った帰海閣主の持つ圻国最大の殺し屋組織に入る。 安王 九姫の叔父。凌霜殿の元の居住者。今は王府を持ち王宮からは離れている。 その他 建造物 永安宮→綾綺殿…主人公の寝宮がある、綾綺殿の正殿の主は賈婕妤 紫宸殿…陛下の寝宮がある 蓬莱殿…柳貴妃の寝宮がある 永安宮…皇太后の寝宮がある 拾翠殿…蔣淑儀の寝宮がある 清寧殿…皇后の寝宮がある 鳳陽閣…心月が住んでいる 立ち絵なしキャラクター 韋浩東...皇太后の弟。揚州刺史。韋家の人は代々武官を勤めていたが、唯一文官になった人で、先帝に揚州刺史に抜擢された。才能がある俊才だったが、権力に目が眩み、揚州の極悪な親玉になった。 韋六郎…皇太后の親戚。皇太后に頼まれた主人公の策により、王九郎が陛下に進言することで将軍になった。 王九郎…王一族(皇后の一族)。主人公の策にハマり、将軍となった韋六郎の足を喧嘩で折る面倒を起こし、王家韋家双方の力を削ぐこととなった。
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2024年5月11日 出題者:従業員よっしー タイトル:「靴屋の復讐~シャッター街復興計画の裏事情~」 【問題】 今はもうすっかり寂れてしまったTESTEST商店街。 そんな商店街を歩くタカフミは、偶然見つけた小さな靴屋を見て、 あと少しでも靴屋が小さかったらつぶれてしまっていただろうと思ったという。 どういうことだろうか? 【解説】 + ... タカフミは偶然TESTEST商店街でポスターに書かれた文字「協賛 ワタナベ靴屋」を見て, 「めっちゃちっちゃい文字!!あと少しでも小さかったら文字がつぶれて読めないじゃん!俺じゃなきゃ見逃しちゃうね!」と思ったのだ。 《瞬殺》 配信日に戻る 前の問題 次の問題
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作品情報 作品形式 小説(非商業) 作者 柚子れもん 投稿サイト 小説家になろう 投稿開始 2020/8/21 「小説家になろう」投稿されている小説。双葉社より漫画化。 クトゥルフ神話要素 「ネクロノミコン」が登場。星の精の召喚呪文などが載っている。 外部リンク 小説家になろう-破滅エンドから逆行したら、二周目は何故か愛されルートでした~闇堕ち令嬢は王子への復讐を諦めない(のに溺愛される)~ がうがうモンスター-破滅エンドから逆行したら、二周目は何故か愛されルートでした~闇堕ち令嬢は王子への復讐を諦めない(のに溺愛される)~
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黒い、部屋だった。調度品の全てが黒で統一されている。 黒革のソファーに黒檀のテーブル。壁や天井までもが光沢のある黒に染められていた。 黒のドレスに身を包んだ女が無造作にソファーに体重をあずけている。 ドレスの胸元が赤い。 高橋愛によって重傷を負わされた粛清人Aを抱き上げたときに付着した血だ。 その赤が黒のドレスの女――後藤真希を包み込む静謐な空間の中で、 燻る炎のようにたたかいの熱を想起させている。 後藤は胸元の血を気だるそうに一瞥すると、軽くため息をついた。 ゆるゆると吐息と共に倦怠感が部屋中に漂っていく。 その姿に得も言われぬ気品が満ちている。倦怠感ですら美しい、それが、後藤真希であった。 「後藤」 背後から、氷のような声が彼女に向けられた。 後藤真希はダークネスの最高幹部の一人であるから、 極めて限られた人間しかその私室に足を踏み入れることは出来ない。 「なんか用?」 振り向いた視線の先にいたのは女だった。 黒の後藤とは対照的に白いカーディガンを羽織り、常にやわらかい日の光の中にいるような雰囲気を纏っている。 もし天が、春の訪れを知らせる精霊を地上に送るとすればこのような姿をとらせるのではないだろうか。 その微笑みは、見た者の心に決して枯れない花を咲かせるであろう。 しかし今は、この天の使い――安倍なつみの頬にはひとひらの雪ほどの微笑みも浮かんではいない。 凝縮された闇色の瞳で、後藤を見据えていた。 「珍しいね、なっちが私の部屋にわざわざ来るなんて」 「用件は、分かってるでしょ?」 安倍なつみは後藤の胸元に視線を移した。 血を見ている。 「あんた何を考えてるの」 「仲間を助けようとしたのがいけない?」 「他にいくらでもやりようがあったでしょ。腕を引きちぎるなんて、無茶苦茶よ」 「我が組織が誇る粛清人Aの命よりも共鳴者高橋愛の方が心配?」 後藤の言葉と呼応して、安倍なつみの瞳に宿る闇の色がぐうっと、その濃さを増していく。 後藤真希と、安倍なつみの間の空間が、 何か目に見えない力によって、ぎりぎりと悲鳴を上げているようだ。 「後藤真希なら、私に賛同してくれると思ったんだけどね」 「私は誰の賛同者にもならない」 「そう…それは残念ね」 そう静かに呟くと、安倍なつみは己の右手を雪を思わせる白い光で包み込んだ。 『ホワイトスノー』と呼ばれる破壊エネルギーの結晶である。 安倍なつみをダークネスの頂点に君臨さしめるこの力と、 後藤真希の圧倒的な念動力は、未だかつて一度もぶつかり合ったことはない。 後藤は唇をわずかに吊り上げて、言った。 「でもね、私は安倍なつみとやり合って無事で済むと思うほど間抜けでも自信家でもないわ」 「だったら邪魔をしないでもらえる?」 「邪魔をしているつもりはないんだけど、まあ気をつけるわ」 安倍なつみの手に宿った光から、小さな花びらを二枚あわせたような白い蝶が飛び立った。 蝶はひらひらと黒檀のテーブルの上にとまると同時に、パン!と弾けた。 テーブルの三分の一程が綺麗に抉れている。 安倍なつみは『ホワイトスノー』を行使するとき 力の強さに合わせた生き物の姿をとらせることが多い。 小さな蝶でこの威力。その気になれば虎や熊などの猛獣の姿をとらせる。 「このテーブル、結構するんだけど」 「そう、次から気をつけるわ」 視線が絡み合う。 やれやれ、といった表情で視線をはずしたのは後藤の方だった。 「いい加減この血まみれの服着替えたいんだけど、いいかな?」 「意外と似合ってるわよ、それ」 にこりともせず安倍なつみは踵を返し、出口へと歩き出した。 「そういえばお気に入りの新垣は勝ったってね。Rは残念だったけど」 後藤の言葉に一瞬ドアノブを掴む手が止まったが、そのまま何も言わず 安倍なつみは後藤真希の部屋から姿を消した。 「あの優しいなっちは、どこに行っちゃったんだろうねえ…」 ―粛清人?私が?冗談だろ。 吉澤ひとみは一人、自分の部屋で先ほど交わされた会話を反芻していた。 飾りっ気のない部屋である。シンプルなデスクの他、必要最小限のものしか置かれていない。 魔女にやらせろよ、とその時は答えた。そういうのが好きな質なのは魔女ミティの方だろう。 「上層部の決定ですから、私に言われましても…」 デスクの上に琥珀色の液体が入った瓶と、氷を入れたグラスが置いてある。 自分は石川ほど強くはないという自覚があった。 粛清人に要求されるものは一つ、圧倒的な戦力だ。 それが無くては恐怖の象徴にはなれない。 「詳しいことは聞かされておりませんがこの度、戦獣部隊と呼ばれる 粛清人直属の精鋭部隊が組織されるそうです」 随分と用意がいい。まるで粛清人Rが新垣里沙に敗北するのを織り込み済みだったようではないか。 上の連中は何を考えているのか、吉澤の心にはそういった不信感がわだかまっている。 グラスに液体を注いだ。 カラン、と音を立てて氷が傾いた。 「あの…差し出がましいようですが、 自分は石川さんの後任は吉澤さんしかいないと思っています。 是非、仇を討ってください」 グラスをじっと見つめたまま、コロコロと転がす。 中の液体は酒だ。 酒と、無言で会話している。 仇、仇か…と、酒と、会話している。 石川を殺った新垣は、吉澤にとって諜報機関に所属していた直属の部下だった。 新垣の性格上、スパイ任務というものが彼女に与える負担は並大抵のものではない事も察していた。 組織の中で、新垣里沙の苦悩を一番よく分かっていたのは恐らく吉澤ひとみだったであろう。 その吉澤だからこそ、共鳴者になびいた新垣を責める気になれない。仇として憎む気持ちが湧き上がらない。 「ひとつだけ、条件がある。 石川が梅酒をな、漬けていたらしいんだ。それをもらえるかな」 その梅酒が今、吉澤の手の中にある。 ―私さ、梅酒をね、漬けてたの。任務が終わったら余裕が出来るから、一緒に飲もう。 ふと、石川の甲高い声が頭の中に響いた気がした。 梅酒を一口、口の中に放り込んだ。 まずい。 甘さがどぎつい。容赦のない甘さだ。 あいつ、砂糖の分量間違えやがったな…と、苦笑いを浮かべてぽつりと呟いた。 ―ま、味は保障しないわよ。 そう言ってたたかいに赴いた石川の微笑が、ひどく透き通ったものだった事を思い出す。 ぐいっと一気に飲み干した。 胸の奥からふつふつと、何かがこみ上げてくる。 この程度の量で酒が回ることはない。 しかし、確かに昂ぶってくるものがある。 このまずい酒が気付かせてくれたものがある。 それは―― ―石川梨華は紛れもなく、私の友だった。 鮮やかな驚きがあった。 粛清人Rとは、石川梨華とは何者だったのか、それがやっと分かった。 「友か…」 そう口にした瞬間、吉澤の中ではっきりと目覚めた。 粛清人なんてガラじゃない。 仇が憎いわけじゃない。 でも、あいつの無念は、私が晴らしてやろう。 他の誰にも、それは譲らない。 復讐者は静かに誓う。 共鳴者どもの血で、新垣里沙の頬を真紅に染めてやろう。 恐怖と絶望と悔恨で、新垣里沙の心を闇に染めてやろう。 ――新たなるたたかいは、一杯の梅酒によってその産声を上げた。
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ある軍の基地に潜入したスーパーガール。 この施設で非人道的な人間実験が行われているうわさがある。 軍事施設のセキュリティといえども、スーパーパワーの前では無力だった。 青いトップに深紅のミニスカートとブーツのいでたちの10代の少女が、 鋼鉄製のドアをねじ曲げ、強化コンクリートの壁もキックの一撃で破壊する。 この上屋は、研究施設だろうか、人の気配がない。 スーパーガールは、両手を腰に当て立っていた。 とても大きな部屋だった。 バン、と大きな音がする方向を見ると、 ドアが開き突然、機関銃が彼女にめがけて発射される。 しかし、銃弾はすべて彼女の鋼鉄の身体にはじかれ、床に転がる。 「なに、そんなおもちゃで、私には効かないわよ。」 と両手を腰に当てて、自信満々に言い放った瞬間、 スーパーガールの首に何かが触れた。 白衣を着た男の手が伸びると、首に何かを巻きつけた。 「え・・!? こ、、これは・クリプトナイト!?」 全身から力が抜ける。 クリプトナイトが体に触れている限り、スーパーパワーは失われ、 地球人の女性、いや、それ以下の、そう幼児並みの腕力になってしまう。 悪魔の陵辱を受けた彼女は、コンクリートの床の上に横たわっていた。 多くの研究者の前でオナニーを強制され、 乳首やヴァギナの構造を詳細に調べられた。 スーパーパワーを発揮する膣の括約筋のおかげで、 彼女はこの年まで処女であった。 にもかかわらず、鋼鉄の強度を誇っていた処女膜も、 ひ弱な研究者の勃起したペニスに、たやすく破られ、処女も喪失した。 疲れ果て、深い眠りについた彼女は、丸1日、目をさますことはなかった。 スーパーガールの警護を命じられた一人の担当士官。 彼は、研究者たちが彼女の乳房や性器をさんざんもてあそんだのを、 ついさっき、前任の士官から聞いたところだった。 彼女の華奢な身体は、 地球人の約5000倍のスーパーパワーがやどり、 どんな衝撃や薬品にも不死身の身体、人間のレベルを超えたスピードと敏捷性、 さらに空を飛び、X線ビジョンを使う。 しかし、クリプトナイトの首輪によって、その力は奪われていた。 あろうことか、彼は彼女に馬乗りになり、青いトップの[S]のマークの上から、 両手で乳房を愛撫していた。 不幸にも、、彼は、 引継ぎ時に、前任者からクリプトナイトのことを聞いていなかった。 愛撫の邪魔に感じたのか、、、つい、その首輪をはずしてしまった。 突然、スーパーガールに意識が戻った。 たちまち全身にみなぎるスーパーパワー。 目を開くと、知らない男が自分の体をいやらしい目つきで舐めている。 意識が戻った彼女に、男は気づいたが、、、 この状況がどんなに危険か、彼にはわからなかった。 スーパーガールは、体を起こすと、おもわず、男の顔面を平手打ちにした。 バシッ。 彼の身体は、部屋の端まで10メートル以上をものすごいスピードで水平に飛んだ。 鉄製の壁にバキッという破壊音とともに激突する。 おかしな肩と頭の角度は、彼が2度と起きあがらないことを示していた。 彼の同僚だろうか、 2人の男がスーパーガールを押さえ込もうと、馬乗りにしてきた。 が、まるで2人分の体重を感じないかのように立ち上がり、男たちを軽く振り払う。 振り飛ばされ男たちが、床にひれ伏す。 全身を強打したのか、痛みで嗚咽を漏らしている。 クリプトナイトがなくなると、彼女の体力は急激にで回復する。 この部屋に残っている男は、あと3人。 もう1人は入り口付近を警護していた。 悪魔のような屈辱が、彼女の脳裏によみがえる。 この男たち許すわけにはいかない。 「どうしたの、あなた達、私を襲わないの、かかってきていいわよ?」 というとあたりを見渡した。 さすがに動いた男はいなかった。というより誰も、ぴくりとも動けなかった。 コンクリート製の床に転がる2人の男に近づくと、 片足でそのうちの1人を軽くこづいた。 バシッ わき腹の激痛に耐えきれず、彼は大きく目を開け、奇声を発した。 床に転がっていたもう一人の男が、彼女を背後から襲った。 両手で彼女を抱きかかえ、そのまま引き倒そうとしたのだ。 彼女はそれに無反応だった。 男の腕は、まるで電柱のように微動だにしない彼女のウエストに巻きついたままだ。 背中にぶらさがる男の行動を無視するかのように、、 彼女は地面に横たわる男に近づくと、赤いブーツを彼の胸をにそっと置いた。 そのまま少し踏みつける力を加え、身動きを取れないようにした。 激痛のあまりもがく男。 彼女の足を掴んで持ち上げ、なんか逃れようとしたが、 もう少し力を加わると、男の肋骨がたやすく折れた。 悲鳴があがった。 さらに圧力を増やす。肋骨がバキバキと折れ続ける。 悲鳴が終わったのは、肋骨の折れた部分で肺に穴が空き、心臓に突き刺さったときだった。 彼女は早く、抱きついている男の始末にかかりたかったので、 足元の男を、バズン、、と踏みつけた。 あとでこの施設の職員が、この死体の処理と床の清掃を担当することになろうが、 コンクリートの床に、彼女の足型とその下にめり込んだ彼の背骨の破片を発見するはずだ。 彼女は、上半身が潰れた死体から、腰周りに巻きつく男の腕に興味を移すと、 その腕を、たおやかな繊手で軽く握り締めた。 「この痛みは、私が受けた心の痛みに比べると、、」 というと、わずかに力をこめた。 男はたちまち、悲鳴を上げる。 彼女のもう一方の手が、男の肩に伸び、しっかりと肩の部分をつかんだ時、悲鳴は頂点に達した。 握り締めた。肩甲骨が粉々になるまで。 かん高い奇声を上げる男は、天井に向かって放り投げられる。 金切り声が終わったのは、彼女のひざが落下してくる身体に突き刺さったときだった。 大きなバリッという音が、彼の背骨が折れた証拠となった。 さっきまで生きていた死体は急に支えを失い、床に滑り落ちた。 彼女は3人の死体が転がるこの部屋を後にしようと、出口を探した。 ところがスーパー聴力が、隣の部屋の男女の話し声を捉える。 鋼鉄製のドアの向こうだ。 彼女がドアの前に立つと、やはりロックされているようだった。 だが彼女の指先のひとひねりで、金属製のロックは悲鳴をあげドアが開く。 その部屋にはやはり、2人の男女がいた。 しかもその2人はベッドの上でセックスの最中だった。 スーパーガールは、2人のなりわいを温かく見守ってあげる気分にはなれず、 男の肩を掴んで、女性から引き剥がした。 「ここはどこ、どうすれば出られるの?」 と聞くと、若い女性はシーツを掴んだまま、悲鳴をあげて部屋から走り去ってしまった。 男は枕の下から銃を取り出すと、 「くそ女が、とっとと消えうせろ。」 というと、彼女の腹部に銃口を堅く突きつけた。 「そんなことをしてはだめ。私にはきかないわ。」 というと彼女は手を彼の手首の上に置いた。彼女は指先を添えているだけだった。 「だまれ、くそ女!」 彼が手を振りほどこうしたところ、 スーパーガールの指先が彼の手首に絡みつき、ほんのわずかに握り締めた。 クリプトナイトの影響で衰弱した体調が戻っていなかったのか、力加減を誤まってしまった。 必要とされるより少し、いや、かなり、、強く握り締めてしまった。 握り締めた手首から、骨が粉々になる音が部屋に響き、だらだらと血液が床にこぼれる。 彼の手のひらは、腕から完全にもぎ取られてしまった。 「あっ、エッ、ごめんなさい。」 というと、激痛のあまり失神しかけ、床に倒れようとする、彼の両脇を両手で挟み込んだ。 普段なら考えられない失態だ。 彼はかろうじて意識を保っていたが、彼女の両手で支えられていた。 ふとスーパーガールの記憶と、男の顔が重なった。 この研究者、彼女の処女膜を破った、あのひ弱な男だ。 彼女の両手にわずかに力がこもっていく、 男はスーパーガールの両手から脱出しようともがくとともに、 両手を使って、腕を胸からはずそうとした。 しかし、彼女から普通の地球人、しかもひ弱な研究者は逃れられるはずもない。 彼女は考えた。 さっきこの男とセックスをしていた女性、あれは恋人? もしかしてこの男との子供を宿したかもしれない? この男の命を奪うこと、それと自分の受けた屈辱を天秤にかけた。 出した結論は、泣きわめく男に対し、 「さよなら。」 と微笑んだその瞬間、両手に加わる掛け値なしのスーパーパワー。 言葉では言い表せない音が大きな部屋に響く。 彼の両胸をはさんだ、細い手がとんでもない圧力を加えていく。 バリメリバキキッ。。 と、彼の上半身がとても小さくなっていく。 彼女は部屋を後にした。 が無事に脱出できたかどうかは、今も不明。 といっても無事かどうか分からないのは、この軍事施設のそのほかの職員たちだが。。。 (終わり)
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STAR WARS エピソード3 シスの復讐 【すたー・うぉーず えぴそーどすりー しすのふくしゅう】 ジャンル アクション 対応機種 プレイステーション2Xbox(DL専用) 開発元 ルーカスアーツ、The Collective 発売元 エレクトロニック・アーツ 発売日 【PS2】2005年7月9日【Xb】2021年11月10日 定価 【PS2】6,800円(税別)【Xb】1,080円(税込) プレイ人数 1~2人 周辺機器 振動対応 レーティング CERO 12才以上対象 判定 良作 スター・ウォーズシリーズリンク 概要 特徴 プレイモード 使用可能キャラクター 経験値システムについて シークレットアイテムについて 評価点 問題点 総評 概要 映画の公開と同時に発売されたPS2のアクションゲーム。 プレイヤーは映画のストーリーをなぞりながら、アナキンやオビ=ワンを操作して各ステージミッションをクリアしていく。内容は異なるがDSで同タイトルのゲームも出ており、海外ではXbox、GBAでも発売された。(*1)(*2) Xbox版は、後に360/One/XSXで日本国内でも配信された。開発に関わっているThe Collectiveは『Men In Black』のPS版や同じルーカスアーツ作品の『Indiana Jones and the Emperor s Tomb』を手掛けたデベロッパー。 特徴 ニューゲームを選択すると映画でもおなじみのあのプロローグが流れ、なんとそのまま映画の映像が一部映される。 そうしてグリーヴァス将軍の旗艦での議長救出ミッションを皮切りに、ウータパウ・ジェダイ聖堂・ムスタファーといった映画の舞台を駆け回っていくことになる。 操作について 移動・ジャンプ・ブロック(ガード)・弱・中・強攻撃といったアクションゲームの基本的な動きに加え、ジェダイの代名詞とも言えるフォースを使ったアクションを備えているのが最大の特徴。 基本アクション □・△・○ボタンがそれぞれ弱・中・強攻撃、×ボタンがジャンプで左スティックが移動。これら組み合わせることで様々なコンボ攻撃を畳み掛ける。 L1ボタンは押し続けている間ブロック状態となり、そのまま左スティックでブロックしながら移動できる。ブロック状態で左スティックを倒しながら×ボタンを押すとステップを踏んでその方向へ移動するので、敵の攻撃を後方へ回避したり背後に回り込んだりできる。 L1ボタンを押しながら右スティックを動かすとライトセーバーを回転させてブラスターを跳ね返すことができる。ただし後述のフォースゲージを消費する。 敵に接近して□と△ボタンを同時押しするとグラップル攻撃(掴み技)を使える。 フォース 操作キャラクターにはヘルスゲージ(体力バーのこと)の他にフォースゲージがあり、フォースや一部のコンボ技、セーバースローなどの攻撃を行う際にこのゲージを消費する。フォースゲージは時間経過で少しずつ回復していく他、シークレットアイテムを取ることでも完全回復する。 フォース・プッシュ…R1ボタンで発動。フォースの波動を放って敵や一部オブジェクトを弾き飛ばす。 フォース・グラプス…R1ボタン長押しで発動。敵や一部オブジェクトを宙に浮かせ、左スティックを倒している方向へ放り投げる。 フォース・スタン…R2ボタン長押しで発動。敵を一時的に行動不能にしたり、マインド・トリックで一時的に味方につける。 フォース・ライトニング…R2ボタン長押しで発動。敵に電撃を浴びせて攻撃する。一部のキャラのみ使用可能。 セーバースロー…L2ボタンで発動。ライトセーバーをターゲットに向かって投げつける。長押しで飛距離が伸びるが、フォースを使って手元に戻すという設定の為フォースゲージを消費する。 フォース・ヒール…R3とL3ボタン(両スティック)同時長押しで発動。フォースを大量に消費するがヘルスゲージを少しずつ回復していく。 その他の特殊操作 上記の基本的な操作以外にも、敵のグラップル攻撃からの脱出やライトセーバー同士の鍔迫り合いなど、状況に応じた多様なコマンドが存在する。 プレイモード シングルプレイとマルチプレイが存在し、マルチプレイでは2PやCOMとの対戦・協力プレイができる。 オプションではコントローラー設定や音声系統の音量調整に加え、字幕の有無や英語/日本語の切り替えも可能。 スペシャルではゲーム中のポリゴンムービーとスタッフロール、そしてファン垂涎のコンセプトアート集が楽しめる。 スペシャル項目はストーリーミッションクリアに伴って開放されていく。 シングルプレイ ストーリーミッション…アナキンやオビ=ワンを操作して映画のストーリーをなぞる。映画本編のストーリーがかなり省略されている一方で、映画ではカットされたシーンを題材にしたステージも多い。 ボーナスミッション…ストーリーをクリアしていくと開放されていく、ストーリーでは操作できないキャラを使ったミッション。このモード専用のプレイアブルキャラも存在する。 マルチプレイ デュエルバトル…2PやCOMと1vs1で対戦する、いわゆる格ゲーモード。使用可能キャラやステージはストーリーミッションをクリアしていくと増えていく。 チャレンジミッション…2PやCOMと協力して特定のシチュエーションをクリアしていく。ストーリーミッション以上に多くの敵が現れるのに対し回復アイテムが用意されないため、的確な立ち回りやコンビネーションが要求される。 使用可能キャラクター デュエルバトルで使用できるキャラクターは最終的に9人。それに加えてボーナスミッション専用キャラが2人いる。 + 登場キャラ アナキン・スカイウォーカー ストーリーミッションで最初に操作するキャラクター。身体を回転させるような動きが特徴で、攻撃的な技を多く使える。 オビ=ワン・ケノービ 機動性と技のバランスが良く、小回りの利いた動きができる安定性の高いキャラ。 ドゥークー伯爵 攻撃動作にやや癖があるがコンボ性能はなかなか高い。L2でフォース・ライトニングを放つこともできる。 グリーヴァス将軍 フォース系のコマンドが一切使えない欠点がある代わりに、ブラスターやアームモードの展開など非常に個性的な戦術を備えている。 メイス・ウィンドゥ ステップの性能が高く、畳み掛けるような攻撃が可能。グラップル攻撃も豊富。 シン・ドローリグ 映画で1シーンだけ登場したジェダイ・バトルマスター(*3)で、素早い攻撃を得意とし技の小回りが利く。 セラ・ケト シンの弟子で二刀流のセーバー使い。技の出がやや遅いがコンボや機動性は安定している。 ダース・ベイダー 機動性が低い一方、弱攻撃の威力が他のキャラより高い。原作では使えない設定のフォース・ライトニングを使用できる。 ベン・ケノービ 技の種類は少ないがステップ性能は良い。オビ=ワンの老成した姿だけあって安定性は比較的高め。 以下はボーナスミッション専用キャラ ヨーダ 機動性が非常に高く、攻撃性能も優秀。原作通りの小さい身体で縦横無尽に敵を切り捨てる。 マグナガード 機動性が非常に低く攻撃動作も癖があるが、攻撃力自体は高めでステップの性能も良い。フォース技を持たないが仲間のマグナガードと連携して攻撃できる。 経験値システムについて ミッション中、敵を倒すとコンバットレート(戦闘評価)が表示され、それに応じてEXPメーターが溜まっていく。表示されるのは「FAIR(平凡)」「GOOD(良好)」「IMPRESIVE(優良)」「MASTERFUL(最高)」の4段階。「GOOD」だとその時得られる経験値が1.5倍、「IMPRESSIVE」なら2倍、「MASTERFUL」なら3倍となる。 経験値はミッション終了後にフォースやアクションスキルに対して振り分けていき、一定数振り分けるとそのスキルがレベルアップする。スキルは各種2回までレベルアップさせることができ、新しい技を覚えたりフォースの威力・効果が上昇したりする。 敵を攻撃していくとコンボメーターが上昇していき、攻撃しない時間が続くと下がる。このメーターが満タンになると一定時間パワーアップ状態になる。このメーターが高い時ほど敵を倒した時の評価が高くなりやすいため、その分経験値を稼ぎやすい。 最初にそのステージをクリアした時にはEXPメーターの経験値を丸々ゲットできるが、同じステージを再度クリアした場合には前回のEXPメーターとの差額分しか経験値を得られない。すなわち、同じステージで経験値稼ぎをするつもりなら常に前回よりもアクティブかつスピーディーな立ち回りを心がける必要がある。 シークレットアイテムについて ストーリーミッション中の各ステージには決められた数のシークレットアイテムが隠されており、見つけることで様々な恩恵を得られる。 ヘルスサージはヘルスゲージを、フォースサージはフォースゲージを全回復すると同時にゲージの上限をアップさせる。 セーバークリスタルはコンボメーターを一気にMAXにする。 シークレットアイテムが隠されているエリアに入ると「フォースの乱れを感じる…」などヒント台詞が出るが、具体敵にどこに隠されているのかまではわからない。 壊せるタンクや箱の中に入っていることもあれば、「そのエリアの敵を全て倒す」「そのエリアの入り口まで逆行する」など一風変わった出現方法もある。 評価点 アクション性の原作再現度が非常に高い。 群がるドロイドやトルーパーをライトセーバーでバッタバッタとなぎ倒すのはとても痛快。フォースの万能性も素晴らしく、単に敵を弾き飛ばすだけに留まらない多彩な使い方がある。 敵を引き寄せてから突き刺す、爆弾や椅子といったオブジェクトを持ち上げて投げつける、画面奥側から谷を挟んで狙撃してくる敵を手前に引き寄せて谷に落とすなど、映画さながらにジェダイの戦い方が楽しめる。 通常攻撃が届かない場所にある装置をセーバースローで破壊したり、一部の扉や壁をライトセーバーで壊したり斬り外したりして進むといったアクションもあり。 ジェダイやシスと戦う際にはライトセーバーによる激しい剣戟戦となる。ただ闇雲に斬りかかるだけでは到底かなわないため、フォースは勿論回避ステップやカウンター攻撃も織り交ぜて攻めていく必要がある。 ステージや背景がとてもよく作りこまれている。 ウータパウの竪穴やムスタファーの溶岩流などはPS2としてはかなり美麗な出来。敵を倒し尽くした後、先へ進む前にそれらを眺めて一休みするのも一興。 壊れた機械からパルスの流れ出ている所にもちゃんとダメージ判定がある。ただの背景だと思って近づくと最初はびっくりするだろう。勿論、敵をそこへ放り投げてダメージを与えられる。 手すりや壁、支柱などにライトセーバーが当たると傷がついたり壊れたりする。こちらは戦闘に影響がないが、こうした細かいステージ上の変化を見る為に色々斬りつけてみるのも楽しい。 かなり練りこまれたレベルデザイン 雑魚敵がしっかり段階を追って強くなっていく。初めの内は簡単に倒せるバトル・ドロイドやコンボを駆使すれば恐れる敵ではないスーパー・バトル・ドロイド程度しか出ないが、ストーリーが進むにつれて徐々に厄介な敵が増えてくる。 ガードや掴み技を使用するグラップル・ドロイド、フォース・スタンでバリアを解かなければ攻撃が通らないドロイデカなどは割と序盤から出現するため、回避ステップやフォースを使いこなさなければ苦戦は必至。ごり押しだけでは行き詰まるが、状況を突破するために自然とプレイングが洗練されていくので、ここでもプレイヤーは修練を積むジェダイのような心境を味わえることだろう。 ボスキャラや中ボス相当の敵はそれまで雑魚敵とは別次元の強さに感じられる。特にドゥークー伯爵やメイス・ウィンドゥには初見だとかなりの苦戦を強いられるだろう。しかしそれらの強敵もブロックや回避、フォース・ヒールなどの基本的な立ち回りをおろそかにしなければ十分打倒し得るレベルである。躍起になってスキルレベルを上げようとするよりも、一度クリアしたステージやチャレンジミッションなどでプレイング練習に励む事が勝利への近道。 総じて歯ごたえのあるゲーム難易度と言えるが、丁寧なレベルデザインのおかげで理不尽に詰むことは少ない。なお、難易度はオプションで「EASY」「NORMAL」「HARD」の3段階に変更可能。尤も「EASY」でも極端なヌルゲーにはならない。 映画ではカットされたシーンや、映画のストーリーを補完するようなシーンが多く見られる。 グリーヴァス将軍の旗艦を舞台にした序盤のストーリーでは、アナキンたちの侵入からドゥークー伯爵との対決までにミッションを3つもこなす必要がある。そのため旗艦通路でのドロイド戦やエレベーターを使った移動など、映画では割とあっさり突破していたシーンをじっくり攻略することになる。 オビ=ワンがウータパウのドロイド基地に侵入する場面も同様。映画ではすんなり敵地の奥まで入り込んでいた彼らが、実際には非常に過酷な任務をこなしていたということが実感できる。 序盤の中ボスであるマグナガード*4はかなりの難所。攻撃力も防御力も並のドロイドとは別格の厄介な相手で、将軍特注の護衛であるという設定が存分に活かされている強さを見せつける。 物語中盤、ダークサイドに堕ちたアナキンを操作してジェダイ聖堂に乗り込むミッションでは、果敢にも挑みかかってくる数多くのジェダイナイトたちを淘汰することになる。オビ=ワンが「とても正視できない」と目を背けた惨劇を、プレイヤー自身の手で遂行することに…。 映画からアレンジされた部分も基本的によく練られている。 メイスやグリーヴァス将軍との戦いは終始ライトセーバー戦で行われ、最期もセーバーによる突きや斬撃で息絶える。映画ではどちらも異なる死に方だったが、苦戦を強いられること必至のこうしたボスたちにきちんとプレイヤーキャラ自身の手で引導を渡すことができるのには達成感がある。 無理に映画を再現しようとすると、敵のヘルスゲージを0にした所で「シディアスが電撃で割って入る」「トドメはブラスター」といったムービーが挿入されることになり、アクションゲームとしてはやや肩透かしな感が否めないだろう。 特にアナキンを操作してのメイスとの対決は映画にも小説版にも存在しない完全なオリジナルバトルだが、しきりにアナキンを説得しようとするメイスと耳を貸さないアナキンのやりとりを挟んでの激闘はとても印象的。 ムスタファーでのミッションでは、分離主義者たちがシディアスに裏切られたことに気づき、アナキンことダース・ベイダーを必死に迎撃しようとする。傲慢な台詞と共にニモーディアンのガードやドロイドをねじ伏せながら徐々に司令室へと近づいていく彼の姿には、それを操作するプレイヤー自身すらも恐怖を感じるだろう。 司令室では逃げ場のないルーン・ハーコやワット・タンバーらを一刀の下に始末していくことになるが、喚いたり命乞いをしたりする彼らの様子があまりにも憐れで殺すのが忍びなくなってくる。 その他ファンサービス精神溢れる要素の数々 ストーリーモード最後のミッションであるオビ=ワンvsアナキンをクリアするとエンディングとなるが… + ネタバレ注意 エンディング後、ストーリーモードにもう一つミッションが開放される。これはアナキンを操作してムスタファーでのオビ=ワン戦を再現するIFストーリーであり、この戦いに勝利するとシリーズ本編とは完全に異なる展開が繰り広げられる。 具体的には岸に上がったオビ=ワンにアナキンが飛び掛かるシーンで、彼がオビ=ワンの攻撃をかわし逆に息の根を止めるというもの。 さらには彼を労いに来たシディアスすらも手にかけ、動揺するトルーパーたちに対して自らを銀河の支配者と称し高笑いをあげる、というアナキンのポリゴンムービーでミッションは幕を閉じる。 そしてこのミッションをクリアすると、ボーナスミッションにデス・スターを舞台にしたベイダーvsベン・ケノービの戦いが追加される。 エピソード3のゲームでありながら、わざわざデス・スターのマップを用意してエピソード4の名勝負を再現してくれたスタッフのサービス精神にフォースの加護があらんことを! そもそもスター・ウォーズを題材にしたゲームはFPSなどが多く、純粋に作中キャラクター同士を戦わせることのできる格ゲーモードがあるのはかなり貴重。アナキンvsベイダーやグリーヴァス将軍vsベン・ケノービなど、時間や設定の枠を越えた夢の対決も実現。 デュエルバトルでは戦闘中にキャラクターがランダムで汎用台詞を言うが、対戦カードによっては専用台詞を言うこともある。 + 一例をあげると… ドゥークーがグリーヴァスに対し「お前を造った私が、お前を壊す」 アナキンがベイダーに「ダークサイド?くだらん」 グリーヴァスがオビ=ワンに「オビ=ワン…お前は強い。だが私には勝てん!」 汎用台詞でも対戦カードによっては特別な印象を与えるものが多く、想像力を刺激する。グリーヴァスの「つまらぬ人生から解放してやろう」やドゥークーの「真のダークサイドの力を見せてやろう」といった汎用台詞は、ヴェイダーを相手にした時などなかなか意味深な言葉に感じられる。 ボーナスミッション限定とはいえ、マグナガードが操作できると誰が予想したであろうか? ジェダイやシス卿といった主要キャラには及ばないが雑魚トルーパーには十分無双し得るという性能という、絶妙なバランス調整がされている。 スペシャル項目で見られるコンセプトアートでは、映画でカットされたシーンのイラストや各種ドロイド・トルーパーの設定資料を観ることができる。 加えてデュエルバトルでのプレイアブルキャラや対戦ステージ、ボーナスミッション、スペシャル項目などはストーリーミッションを最後までクリアすれば確実に全て開放されるので、隠し要素を出すために厳しいやりこみ条件を満たす必要がないのはアクション初心者にはありがたい。 問題点 ストーリーが省略されまくっている。 戦闘に直接関係ないシーンはほぼ全てカットされているため、映画や小説を知っていないとストーリーを把握するのは困難だろう。 グリーヴァス将軍の旗艦でのミッションを全てクリアすると、次はいきなりオビ=ワンによるウータパウ侵入まで話が飛ぶ。 特にパドメ関連の描写は一切出てこない為、ゲームだけでは何故アナキンがダークサイドに堕ちるのか理解し辛い。 上述の通り映画で描かれなかった場面を補完しているのは嬉しいが、どうせならより忠実に映画のシナリオをなぞってほしかったというファンもいるだろう。 非常に原作再現度の高いゲームではあるが、設定矛盾もなくはない。 ダース・ベイダーがフォース・ライトニング(シスの電撃)を使える。原作設定では身体の大部分を機械化したせいで、シス卿にもかかわらず電撃は使えなくなっているはずである。 ただし、この点は劇中ではっきりした説明もないため、使えないのか単に使わなかったのかファンの間でも意見が分かれている所である。 パドメ関連をカットしたため、アナキンがメイスと戦う理由がいまいちピンとこない。 はっきりとは分からないが、ゲームのアナキンは純粋にメイス(ジェダイ)が議長を暗殺しようとしているように見えたらしい。そうなるとアナキンは議長がシスであることを知らなかったということになるが、ならばメイスが議長をシスだと断じた理由が曖昧になってしまう。 細かいことだがグリーヴァス将軍のライトセーバーがデュエルバトルだと青一色になっている。実際には青と緑であり、ストーリーミッションではちゃんとその配色になっているのだが…。 将軍は他にも「デュエルバトルの登場シーンでは4本の腕を展開しているのにバトル開始時は2本に戻っている」点も気になる。共にゲーム性自体には影響しない小ネタレベルの要素だが、他の部分については非常に丁寧にデザインされているゲームであるため、こういう点が目についてしまうのは残念。 登場キャラの少なさと人選。 ドロイドやトルーパー相手の無双アクションがメインのゲームとはいえ、せっかく格ゲーモードがあるのにプレイアブルキャラが少なすぎる。 しかもその少ない枠の2つを映画でチラッとしか出なかった爺ちゃんジェダイとその弟子だという設定の綺麗なねーちゃんに充てているのは如何なものか。 ただし、2人ともなかなか魅力的なキャラクターではある。もし他のプレイアブルキャラが充実していたなら彼らの参戦が疑問視されることもなかったろうが…。 ベン・ケノービ参戦も、勿論嬉しいファンサービスではあるのだが、限られた枠を費やすべきだったかどうかはやはり疑問が残る。 どうせならボーナスミッション専用キャラもデュエルバトルで使いたかった。特にヨーダはシリーズでも指折りの人気キャラクターであり、エピソード3のストーリー上においても重要な人物である。 尤もヨーダは体格が他のキャラと違いすぎる為、バトルの際にプログラムやバランス調整の問題が生じることを考えれば仕方なかったのかもしれない。(*4) マグナガードも前述の通りメインキャラ相手にタイマンで渡り合えるほど強くないレベルに設定されており、対戦モードに参戦させても最弱キャラという苦境は免れ得ないことは明白であったろう。 エピソード3の最重要人物とも言えるダース・シディアスが参戦していないのは悔やまれる。ヨーダのように体格の問題はないし、映画でもある程度戦闘描写があるというのに… 練習モードが未実装である。 このゲームはキャラクターごとに様々なコンボが設定されており、グラップル攻撃などは同じコマンドでも技内容がまるで違う。しかし練習モードがないため、いきなりデュエルバトルで練習するしかない。要は実戦の中で学べと言うことだろう。 ところがデュエルバトルでは対戦キャラとステージ、ラウンド数しか変更できないので、敵を弱めに設定して練習相手に使うことは不可能。 一応2コンを差し込んでほっとけば一切動かないサンドバッグにすることは可能だが… 敵の攻撃を回避したりカウンターに転じる練習をするには向こうから攻めてもらわないと埒があかないので、友達に頼んで練習に付き合ってもらうか、やはり実戦の中で(ry 吹き替えの声優が映画と一部違っている。 映画と同じ声優が演じているキャラはアナキン、オビ=ワン、ヨーダの3人。他の参戦キャラは映画と異なる声優が声をあてているので、思い入れのあるファンには不満が残るかもしれない。 ただし一概にミスキャストと決めつけることはできない。グリーヴァス役の坂東尚樹氏、メイス役の楠見尚己氏、ベン役の塚田正昭氏など、キャリアの長いベテランの方がしっかりとキャラクターを演じており、これはこれで十分視聴に堪えるものである。 一部の特殊アクションへの不満 フォースを使って大きな障害物を浮かせたり、大ジャンプして高いところへ乗り込んだりするポイントが度々あるが、そこでフォースを使うよう画面に指示が出るため先へ進むための謎解き要素はほとんどない。 親切設計ではあるので必ずしも悪いことではないのだが。謎解き要素はどちらかというとシークレットアイテムの入手法の方に向けられている。 ストーリー中、ブラスター・キャノンに乗り込んで操縦するポイントが何度かあるのだが、これがなかなかの難所。 一発ずつしか撃てないチャージ攻撃と長押しで連射可能な通常攻撃があるのだが、攻撃し続けていると加熱メーターがどんどん上昇していきオーバーヒートするとしばらく撃てなくなる。 ところが敵は陸から空中から動き回ったりしながら攻撃してくるため、一発ずつ確実に当てていくのは結構難しく、つい焦って連射しすぎオーバーヒートを起こすことが多々ある。 照準もターゲットのやや上方から右上方の辺りを狙わないとヒットしないため、慣れないうちは戸惑うこと請け合い。しかも一度乗り込むと敵を殲滅するなり目標を破壊するなりしないと降りられず、乗ってる最中はフォースヒールでの回復もできない。 折角の射撃モードにもかかわらず爽快感があまりなく、もう一歩調整が足りなかった感は否めない。 攻略本未発売。 この手の映画原作ゲームには珍しいことではないが、本作に関しては攻略サイトなどもほとんどヒットせず、断片的な情報は見つけられても詳細な公式情報は皆無。したがってシークレットアイテムの在り処やボスキャラの攻略法、スキル振り分けのコツから持ちキャラの動かし方まで、ほぼ独力で見つけ出すしかない。 逆に試行錯誤を経て自分なりの攻略法を編み出す玄人式な楽しみ方があるのは確かだが、やはりアクション初心者や苦手な人には若干心細いものがあるかもしれない。 ちなみにここに記述したキャラ特性などもほぼ執筆者の所見である。実際に動かしてみた感想から特徴を絞り出すしかないのだからどうかご了承いただきたい。 総評 キャラ数や人選は物足りない感が拭えないが、アクション映画作品のゲーム化としては非常に完成度が高い出来となっている。 『スター・ウォーズ』ファンならば一度は夢見るライトセーバー無双やフォース無双を存分に楽しめ、世界観を壊すことなくゲームバランスを保つという素晴らしいゲームデザインがなされている。 1,500円程度で中古ゲーム屋などに売られてたらぜひお手に取っていただきたい。 ジェダイやシスに憧れたことのある人ならきっと後悔はしないでしょうから。
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DS西村京太郎サスペンス2 新探偵シリーズ 金沢・函館・極寒の峡谷 復讐の影 【でぃーえすにしむらきょうたろうさすぺんすつー あらたたんていしりーず かなざわ はこだて ごっかんのきょうこく ふくしゅうのかげ】 ジャンル サスペンス 対応機種 ニンテンドーDS 発売元 テクモ 開発元 トーセ 発売日 2008年11月13日 定価 3,990円(税込) プレイ人数 1人 レーティング CERO C(15才以上対象) 判定 なし ポイント ゲーム性はほとんどない読み物としては楽しめる相変わらずおまけが本編 概要 特徴 主な登場人物 評価点 賛否両論点 問題点 総評 概要 推理作家である西村京太郎氏が原案・監修を務める推理アドベンチャーゲームである『DS西村京太郎サスペンス』シリーズの2作目。 テクモ(現 コーエーテクモゲームス)から発売されたDSサスペンスシリーズとしては『DS山村美紗サスペンス 舞妓小菊・記者キャサリン・葬儀屋石原明子 古都に舞う花三輪 京都殺人事件ファイル』『DS西村京太郎サスペンス 新探偵シリーズ 京都・熱海・絶海の孤島 殺意の罠』に次ぐ3作目である。 特徴 本作には長編と短編(West Village2)の二つのゲームモードが収録されている。 全3章からなる長編は主に「調査パート」「推理パート」に分かれており、「調査パート」で場所を移動しつつ関係者に話を聞いたり、現場を調べたりして集めた証拠を頼りに「推理パート」を進めていくという構成になっている。 短編「West Village2」はショートミステリー形式の推理問題集で、問題を一定数解くごとにランクが上がっていく。詳しくは評価点の項にて。 本作の原案・監修を務めた西村京太郎氏をデフォルメしたキャラクターである「京太郎くん」がストーリーテラーとして登場する。 主な登場人物 + 取扱説明書より引用 新 一新(あらた いっしん) 主人公。35歳。父の死をきっかけに、海外へ放浪の旅に出るが、父の仕事である探偵業を継ぐ意志を固めて帰国した。 京 明日香(きょう あすか) 一新の父:賢新をサポートしていた優秀な助手。28歳。賢新の死後、事務所を退職し、京都の老舗旅館に勤めていたが、前作で一新の説得により事務所に復帰する。 柳沢 照彦(やなぎさわ てるひこ) アメリカのロサンゼルスに事務所を開く優秀な探偵。35歳。明日香とは何か関係が…? 県 誠之助(あがた せいのすけ) 一新の父:賢新の学生時代からの親友であり、幼い頃から一新を見守ってきた。一新にとっては伯父さんのような存在である。 京太郎くん(きょうたろうくん) ストーリーテラー。?歳。ゲームの途中から再開しても、彼があらすじを説明してくれるため、安心してゲームの続きを楽しむことが出来る。 評価点 ストーリーの出来 「復讐」をテーマにした全3章のストーリーは後述の通り粗はあるものの西村京太郎氏が監修しているだけあってどれも一定の質を保っている。 間違った選択肢を選んだ時の反応の面白さ 例えば被害者は誰だったかを聞かれた際、明らかに違う人物の選択肢を選ぶと明日香がノリツッコミをしてくれたりする。 BGMの質 場面ごとに流れるBGMはサスペンスのシリアスな雰囲気に合っており、概ね良好。 短編「West Village 2」 本作にはおまけとして前作から倍増した100問もの推理問題集が収録されている。 ボリュームは十分すぎるほどであり、問題も矛盾指摘や時刻表トリックなどの謎解きやパズル、『THE 鑑識官』のような科学捜査などバリエーションも豊富。本編より夢中になってしまう人も少なくないだろう。 賛否両論点 難易度の低さ いくら選択肢を間違えようがペナルティはなく、最悪総当たりでクリア出来てしまう。 時折挿入されるミニゲームも、最後のものがやや考えさせられるくらいでほとんどが易しい。もっともそこを難しくされても本末転倒ではあるが。 節々で登場する"京太郎くん" 長編ではストーリーテラーである「京太郎くん」の語りパートが話の区切りごとに挿入される。 京太郎くんはそれなりに出来の良い3Dモデルでコミカルな動きや語りをしてくれるのだが、鬱陶しいと感じてしまう可能性もある。 問題点 ゲーム性の乏しさ 基本的に出来ることが限られており、重要な証拠となる物を調べるまでその場所から移動できなかったりする。 しなければならない行動は大体主人公が示唆するので、どうしても決められたことをやらされているように感じられてしまう。 一応初心者ガイドが存在していてヒントのON/OFFを設定出来るが、OFFにしてもやらされている感は多少マシになる程度。 トリックは単純で簡単なものばかりの上、肝心の推理パートも突き付ける証拠の選択肢が5つほどに絞られるため、考える余地はあまりない。 主人公が推理を披露するまでのプロセスの雑さ 問題なのは第2章で、推理パートのほぼ全ての導入が「アリバイがあるなど、その場では犯人ではあり得ない誰かを刑事が非常に弱い根拠で犯人だと決めつけて連行(しようと)し、主人公が反論する」というもの。ゲームを成り立たせるため仕方ない部分もあるが、アリバイの有無くらい調べたらどうかと思わざるを得ない。 その刑事は作中でポンコツ扱いされてはいるものの、それ以前の問題である。 演出のくどさ 推理(ミニゲーム含む)パートでは正しい推理をするごとに主人公の目元のカットインが入り、終盤の真犯人を追い詰める場面では画面全体に主人公の姿のカットインが入る。 そのためテンポが悪く、少し考えれば分かるようなことであろうが挿入されるので有効活用されているとも言い難い。 また、その推理を聞いた登場人物の反応も大袈裟気味。 第3章のシナリオについて 他2章と比べるとリアリティのなさ・展開の強引さが非常に目立つ。加えて全体的に説明不足であり、消化不良であるのも否めない。 またご都合主義的な展開の弊害として主人公(一新)が迂闊すぎるミスを連発。それに対するフォローは一切なく、モヤモヤさせられること必至。 そもそも考えにくい上に姑息な手段を取る侵入者や、思わせぶりにしておきながら明かされず終わる謎の存在など、一貫してゲームとして都合の良い流れに物語を合わせているかのような不自然さが漂う。 + 詳しい内容(ネタバレ注意) 本シナリオでは舞台となる主人公らが立ち往生している屋敷で2年前に殺された(と思われる)曳枝龍二の妻・曳枝ひろみが復讐のために屋敷に侵入し、仇をとるために真犯人が誰か様子を窺いながらナイフを片手に徘徊し始める。 そのひろみの姿を見かけては一新が追いかけるのだが、複数回にわたり取り逃がす。立ち絵からして中年女性であろうひろみがそんなに足が速いとは思えないのだが…。余程屋敷が入り組んでいるのだろうか? 一度数人がかりで取り押さえ部屋に閉じ込めるものの、また逃げられてしまい野放しに。ちゃんと見張りつけとけよ 物語の終盤では潜んでいるひろみに気付かず廊下で照彦と犯人の推理を始め、案の定盗み聞きされて犯人だと推理した人物(真犯人ではない)をひろみの襲撃のターゲットにされる。 すぐにその人物の元へ駆けつけて安全だという地下室へ身を隠させる……と思いきや、一緒に地下室の鍵を探しているうちにひろみにあっさり殺されてしまう。 あくまで探偵とはいえ、自らが発端かつ時間の猶予もありながらこの有様では危機感が無さすぎるとしか言いようがない。因みに襲われた際に守るような素振りも、絶命したと分かった後に罪悪感を感じている描写も一切ない。 ひろみの出番はそれっきりで真実を知ることも反省することもなく、最低限スッキリさせてもくれない。 そもそも真犯人が分かっていない状態で屋敷を徘徊し、その場で得た真偽不明の情報で短絡的に人を襲う、というのはあまりにも計画性が無さすぎる。彼女がかなりの長時間野放しにされているというリアリティの無さも相俟って、彼女の存在自体がこのシナリオの粗さ・不自然さを際立たせている。 また、2章後半から匂わせていた明日香の過去・文子のことになると激昂する飯田橋の過去といった謎の全容について語られることはなく、前述したようにひろみに関しても一通り動かした後は放置であり、思わせぶりな描写をするわりには舞台装置としてしか機能していない。 真犯人に関してもずっと強気な態度だったのにもかかわらず自らの犯行がバレると自殺を図り、それを止められてからはあっさり丸くなるなど最後の最後で小物感が漂う。所謂ラスボスにしては貫禄が無く、達成感はあまり得られない。 しかし形だけは綺麗に終わるので、終わりよければすべてよしというスタンスの人は満足出来る……かもしれない。反対に言えば話を無理矢理畳んで終わらせているので、不満に思う人はとことん不満に思うだろうが。 総評 所々粗はあるものの、安めの価格帯の推理アドベンチャーとしては手堅い出来であり、気軽に遊べる一作。 本編のゲーム性はほとんどなく難易度が低いため、能動的に本格的な推理をして楽しむというよりも受動的にシナリオを楽しむべき作品と言える。 短編の推理問題集である「West Village 2」のボリューム・問題の完成度はなかなかのものなので、こちら目当てで手に取って見るのも良いだろう。
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アブザンの防衛網は、その要塞の城壁から遠く離れた場所まで展開されている。 The defenses of the Abzan extend well beyond the walls of their fortresses. 運命再編 【M TG Wiki】 名前
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| | || | || | レア度 兵科属性 兵科種類 最大Lv 攻撃力(最大) 防衛力(最大) 兵力(最大) 武運 知運 LE 騎兵 槍騎馬 70 - - - - - コスト 80 - - - - - 59 90 23868 38334 54474 - - 奥義 名称 最大奥義Lv 消費奥義P 効果 伊賀の忍術・極 15 29 最もダメージ率が高い武将の対象の最大兵力の75%を回復する スキル 名称 最大スキルLv 発動条件 効果 スキル1 伊賀の結界・極 20 前衛か中衛に配置 自分の兵力を徐々に1800ずつ回復する スキル2 攻撃増強・前中〔中〕継承可能 15 前衛か中衛に配置 自分及び隣接位置に配置した武将の攻撃力を17%強化 スキル3 継承可能枠 評価・備考 継承なしの戦力は102698 祭運発動期間3月27日12 00~4月7日23 59まで 武運発動期間4月11日23時30分~4月24日23 29まで 名前 コメント
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――私が泣き疲れた頃、ドアをノックする音が響いた。 澪「唯? 寝てるよね……入るよ」 唯「あ…っ」 反射的に頭から布団を被って縮こまる。 寝てると決め付けて入ってきた澪ちゃんも少し気まずいんだろう、小声で話しかけてきた。 澪「…ごめん、勝手に入って」 唯「……ううん、別にいいよ…」 澪「…何か言う事があって来た筈なんだけど…唯の顔を見たら忘れちゃったよ」 うわぁ、布団被って逃げたのにちょっと遅かったのか…… あれだけ泣けば、一目見てわかるくらい目も腫れてるよね、きっと。 澪「……聞いていいかな、なんで泣いてたのか」 唯「…こんな形で言っていい理由じゃないよ」 こんな、澪ちゃんに慰められるような状態で言っていい理由じゃない。 ちゃんと私から頭を下げて、許しを請わないといけないんだ。 でも、澪ちゃんはそれを許さなくて。 澪「…ボロボロだよ、今の唯」 唯「……見えないくせに」 澪「声でわかるよ。まったく、律の奴は……どうしてこんな唯に気づかないんだ?」 唯「りっちゃんを悪く言わないで!!」 ……あぁ、ダメだ。澪ちゃんの言う通り、今の私はボロボロなのかも。 ボロボロだから、少し突っつかれただけで壊れて、砕けてしまいそうで。 そうならないように、必死に抵抗するしか出来なくて。 唯「りっちゃんは悪くない……悪いのは、私。だから……私が、全部背負わないといけないのに…!」 澪「……唯…」 ぽふん、と。布団の上に澪ちゃんの手が置かれる。 鈍い感触だけど、重みは確かにそこにある。 澪「…思い出した。唯に謝りに来たんだった。ごめん、唯」 唯「………」 澪「唯と律の悩みに、苦しみに、気づいてあげられなかった。寝ている唯を置いていったこと、待とうとした律を置いて行ったこと、そんなに恨んでるとは思わなかった。ゴメン」 唯「………ん?」 澪「言い訳にしかならないけど、当時の私達はさ、先に進んで道を示してやるのも友達だと思ってたんだよ。律も考えとしては理解してるって言ってくれたけど……理解してくれてるからって、唯や律が恨まないって理由にはならないよな…」 唯「………あれ?」 澪「もう遅いかもしれないけど、本当にゴメ――」 唯「あの、みおちゃん、ちょっと待って」 布団から顔を出し、澪ちゃんを制する。 澪「……すごい顔だな」 唯「言わないでー…って、そうじゃなくて! 一つだけハッキリさせておきたいんだけど」 澪「……何を?」 唯「あの、私は別に澪ちゃんのこと、恨んでないよ?」 澪「……へ?」 唯「……もちろん、りっちゃんを置いていった澪ちゃん達を許さない。そう思ったのは事実だよ。あんなに仲良しだったのに簡単に置き去りにしたって聞いて、私は…胸が痛くなった」 澪「……うん」 唯「でも、私自身のことはしょうがないよ。事故だったんだし、事故は私の不注意の面もあるし、私だって立場が逆なら同じ事をすると思う」 だから、えーっと。 唯「…だから、そんなにたくさん私に謝られても困るんだよね。私よりりっちゃんに謝って?」 澪「……一応、謝ったよ。そして律から、唯はかなり怒ってるって聞いたから来たんだけど…」 唯「…そうでもないんだけどなぁ。そもそもリーダーのりっちゃんが澪ちゃんを許したなら、私からはもう何も言えないよ」 澪「……でも、たとえそれでも唯を傷つけはしたんだ、謝らせてくれ」 唯「もういいってば。むしろ私のほうが謝らないといけな――あっ」 しまった、口が滑った……不自然なほどに自然に口が滑った。 澪「…唯が私に謝ることこそ、何もないだろ」 唯「それは違うよ!」 それだけは絶対に違う。謝ることは山ほどある。 ……今なら、澪ちゃんに慰められているわけでもないし、いいのかな。 唯「私だって…澪ちゃん達を傷つけた。謝らないといけないし、許されなくても仕方ないと思う」 澪「…許さない訳がないし、謝る必要さえないよ。間違っていたのは…私達なんだ」 唯「間違いじゃない! ちゃんと私もりっちゃんも理解はしてる! それに……」 それに加え、計算外な事実もあった。 所詮は私のスッカラカンな頭の計算だ、計算外なことはむしろ少なかったくらいだけど。 唯「……ライブの時、澪ちゃんがね、放課後ティータイムを私の為に守ってくれてるって聞いて、ものすごく心が揺らいだ。りっちゃんが助けてくれなかったら、きっとダメだった」 澪「…ああは言ったけど、そんな大層なものじゃ…」 唯「ううん、私達みんな、誤解してたの。澪ちゃんは放課後ティータイムを私物化しているようなものだって。私達がいなくても回るんだって思ってる、って」 澪「…そう、か……」 唯「ごめんね。本当に酷い誤解だった。本当は守るために、頑張って澪ちゃんとあずにゃんで回してたのにね」 澪「……それこそ、もういいよ。またみんなでバンドやれるなら、別に放課後ティータイムである必要はないんだってわかったから」 唯「…みんなで、だよ? もう二度とりっちゃんを置いていっちゃだめだよ?」 澪「……そんなに律が大事か?」 唯「どういう意味?」 澪「…私は、正直言うと唯のほうを大事にしたい。悪い意味ではなくて、律とはホラ、ケンカしてもすぐ仲直りできる。唯とは二度とケンカなんてしたくない。もう今回の件でこりごりだ」 りっちゃんと澪ちゃんのそれは、幼馴染として、腐れ縁としての信頼なんだろう。 そして私に対する想いは、純粋な好意。それほど大切だと思ってくれてるってコト。 後者は素直に嬉しいんだけど、生憎前者はちょっと説得力がない。 唯「……怒っていいかな、澪ちゃん」 澪「え…?」 唯「澪ちゃんがりっちゃんのことをそんなに軽く見てるから、今回のことは起こったんだよ?」 澪「あ……」 唯「澪ちゃんがりっちゃんをどう見てるかは大体わかったけど、それはきっと間違ってるよ。みんなから見捨てられれば傷つくし、恨むし、寂しがる。りっちゃんはそんな普通の女の子だよ」 たまーにかわいい面も見せてくれる、本当は誰よりも表情豊かな、私の大好きな女の子。 それがりっちゃんなんだよ。 唯「大切な幼馴染なんだから…ちゃんと見てあげてよ、りっちゃんのこと」 澪「…そっ、か……私は、いつしか律との関係にも、甘えていたのかもしれないな…」グスッ 唯「……ごめんね、説教なんて出来る立場じゃないよね、私…」 どんな理由があれ、正当化できるとはいえ、私は澪ちゃんを傷つけた。 大好きなりっちゃんの為とはいえ、加害者が説教してる光景は、なんとも可笑しいと思う。 澪「…そんなこと…ないよ。唯は…私より、律のことをちゃんと見ていたんだから……」 唯「大好きなりっちゃんの事だから見ていたし、りっちゃんの為だから何だって出来た。それだけだよ」 澪「はは……妬けるなぁ、もう。全部、律の為だったのか…」 唯「…こうでもしないと、りっちゃんはきっと昔みたいに笑えなかったと思うから…」 一度、全部吐き出してしまったほうがいいことってあると思う。あの時のりっちゃんを見て、私はただそう思った。 負の感情にしろ、涙にしろ、溜め込みすぎはきっと良くないんだ。 澪「そう、だな……あぁ、もう、悔しいなぁ…」ポロポロ 唯「…よしよし」ナデナデ 澪ちゃんが悔しいと言いながら流す涙が何なのか、私にはよくわからなかったけど。 でも、これできっと全部元通りになれる。そんな予感だけはひしひしと感じていた。 ――ピロリロリロ――ピロピロ―― 唯「――う、ん?」 携帯電話の電子音で目が覚める。なんか前にもこんなことがあったような。 唯「…メール?」 時間を見てみると、澪ちゃんと別れてからそんなに過ぎていない。 そのままボタンを押してメールを開くと、あずにゃんからの呼び出しのメールだった。 唯「……もう決めたのかな。だいぶ早いけど…何かあったのかなぁ?」 早く決めざるを得ない理由、とかね。 まぁなんにせよ、呼び出しなら行かないといけない。いつでも連絡してと言ったのは私だ。 私の心に、不安なんてカケラもなかった。 あずにゃんが一人で頑張れるとは思わなかったし、それ以前にあずにゃんだって皆と一緒がいいだろうし、私達の行動の意味だってわからない子じゃない。 大丈夫。あずにゃんがこっちに来てくれる事はもう目に見えている。だからこそ、すぐに向かわないと。 寝起きでだるい全身を引きずって、私は出かけた。 ……澪ちゃんにはもう一度、あずにゃんには一からちゃんと謝らないとなぁ、と、そんなことをぼんやり考えながら。 番外編終了 【最終章】:その後の話 【温もり】 ――謝罪合戦。 私と唯先輩のやり取りを見ていた律先輩は、笑いながらそう称した。 唯先輩を結果的に階段から突き落としたことを謝る私と、復讐の為に私を騙し、傷つけたことを謝る唯先輩。 どちらも一歩も譲らなかった。 梓「っていうか……唯先輩のおかげで今があるんですから、唯先輩が謝る必要なんてどこにもありませんよ…!」 唯「それを言うならあずにゃんだって……私が勝手に落ちたんだって言ってるじゃん…!」 梓「むむむ……」 唯「ぬぬぬ……」 律「どっちもどっちだなぁ。早く決着つけないと外で待たせてる三人に悪いぞー?」 ……唯先輩が意識を取り戻したと聞いて、私達は皆で病院へ向かった。元々向かうつもりではあったんだけど、急すぎてみんな気が動転していた。 皆が皆、我先にと唯先輩の顔を見たがった。そこを冷静に仕切ったのが律先輩だった。 一番負い目を感じているであろう私を優先してくれたのは、素直に感謝している。でもどうせならそこでニヤニヤしながら観戦するのをやめてくれるくらいの気遣いまで欲しかった。 唯「…ねぇりっちゃん、私のほうが悪いよね? 謝らないといけないよね?」 梓「何言ってるんですか。全部唯先輩のおかげじゃないですか。害しか成してない私こそ責められるべきですよね、律先輩?」 律「おまえらマゾなの?」 唯「マジメな話なの!!」 梓「マジメな話なんです!!」 律「おぉぅ……じゃ、えっと…」 ……そりゃ私だって、唯先輩に騙されたと思ったときは傷ついた。それは否定しない。 でもやっぱり結果的に、私達を再び一つにしてくれたのは唯先輩のその行いで。あれがなければ私達はまだバラバラで、お互い悩みながら生きていた。 そういう結果が出てしまった今、私の心に唯先輩に対する恨みなんて、あるわけなくて。 律「――なんて梓は思ってるだろ?」 梓「なっ!? 当たってる!?」 律「はっはー。部長を舐めるなよー?」 まぁ実はそれに加えて澪先輩から、唯先輩も唯先輩なりに私達を傷つけたことを悔いていると、こっそり聞かされていたりもするんだけど。 律「唯は唯で、梓を傷つけた事に対する罰として甘んじて受けようとしてるだろ」 唯「うっ……で、でも――」 律「これくらいじゃ足りない、ってか?」 唯「………」 図星ですか……というか、それは… 梓「何を馬鹿なことを…! もう恨んでないって言ってるじゃないですか!」 唯「で、でも、私は酷いことしたんだよ!?」 梓「~~~ッ! じゃあもう、こんなこと言いたくありませんでしたけど、私が突き落としたことでおあいこです! そうしましょう!」 唯「で、でも……」 正直、私は私のほうが酷いことをしたと思っている。でもきっと唯先輩も自分のことを同じように思っている。 だからきっと、どっちかが強引に解決しないといけない。 梓「それでもまだダメだって言うなら――」 ニヤニヤしてる律先輩を睨みつけると、ようやく肩をすくめて出て行った。 それを見届け――唯先輩に近づき、手を取る。 ……あぁもう、ついこの間まで凛として私達に敵対していたのに、なんで今、この人の手は震えているのだろう。 なんでそんな、怯えた子犬のような瞳で私を見上げるんだろう。 そんな目をされると、私は―― 梓「…な……」 私は―― 梓「……撫でてくださいっ!」 ――寂しくなっちゃうじゃないですか。 唯「……はい?」 梓「だ、だから、その……いつも通り、いつも通りにしてください!」 この間、唯先輩とその、デ、デートした時にも同じような事を言ったような気がするけれど。 梓「いつも通りが…いつも通りの関係が、私はいいんです…! 唯先輩だって、それを望んでくれたんじゃないんですか…?」 唯「それは……そう、だね」 梓「じゃあ、なんで自分からそれを遠ざけるんですか……私と距離を取ろうとするんですかぁ…!」 唯「あずにゃん……私は、そんなつもりじゃ…」 梓「そんなつもりじゃなくても、私にはそう映ってます! 私のこと、嫌いですか? 復讐なんて関係なくて、本当に私のこと、嫌いなんですか?」 唯「そんな、そんなわけないよ!」 梓「じゃあ、そんな態度、やめてください……寂しいですよぉ、私…」 律先輩を出て行かせたのは正解だった。きっと私は今、生きてきた中で一番みっともない顔をしている。 たった一人の存在に、自分の全てをかけて、あるいはかなぐり捨てて、すがり付いている。みっともないと言わずに何と言おうか。 でも、そんなみっともない真似をしてでも、誰に何と言われようと、私は、私には―― 唯「……そっか、ごめんね、あずにゃん」ギュ 梓「ゆい、せんぱいぃ……」 ――私には、この温もりが必要なんだ。 【親友】 病室から出てきたのは律だった。少し怪訝に思っていると、律が手招きする。 澪「私か?」 律「ああ。ちょっと話そうぜ」 澪「正直、お前より唯と話したい」 律「つれないこと言うなって、親友」 ……どうやらマジメな話らしい。 澪「…なんだ?」 律「……あのさ、澪にもさ、ありがとうって言っておきたくて」 澪「………」 視線を合わせようとしないながらも、チラチラと私の表情を盗み見る律。これは照れ隠しの仕草。見たのは何年ぶりだろう? ……唯の言葉を思い出す。律だってこんな表情くらいするんだ。それを何年も見ていない私は、やっぱりいつの間にか『親友』という立ち位置に甘えて、律のことを見なくなっていたのかもしれない。 ……果たしてそんな私に、律の『親友』を名乗る資格があるのだろうか? 確かにさっき律は、私のことを親友と呼んでくれたけれど。 今や私より唯のほうが、律に近いところに立っている。唯のほうが、律をちゃんと見て―― ――いや、違う気がする。 だって唯と律の距離は『親友』では不適切なモノにしか見えないから。ハッキリと言葉にはしたくないが、まぁ、そういうモノに見えてしょうがないんだ。本人達に自覚があるとは思えないけど。 ともかく、『親友』というのは距離より時間じゃないかと、私は思っている。 幼い頃からずっとずっと長く付き合ってきた律のことを、私は親友だと思っている。それ以上にはならないが、それ以下になることも決して無い。 そして律も、きっと同じように思ってくれている。だからさっき、真っ先に私のことを呼んでくれたんだ。 律「……おーい、澪?」 だったらこれからは、ちゃんと見てあげないといけない。きっとこいつは、これから先もいろいろ悩むのだろうから。 唯との関係とかで、私が相談を受ける日も近いだろう。そういう時にはちゃんと親友として、私が答えを出す手伝いをしてあげないと、な。 律「みーおー?」 澪「なんだ、気色悪い声出して」 律「ヒドいっ!? ボーっとしてたのはお前だろ!?」 澪「あははっ、ゴメンゴメン。あまりに律が気持ち悪くてトリップしてた」 律「酷すぎる!?」 澪「……冗談だって。私のほうこそ、ありがとな」 律「んー? 私は澪に礼を言われるようなことしてないけどな…?」 澪「ニブいなぁ、律は。いろいろ苦労しそうだ」 律「どういうことだー!?」 「親友でいてくれて、ありがとう」……なんて、恥ずかしくて口に出せないけど。 そのへんくらい察せるようにならないと、唯が可哀相だぞ? 19