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エンディングのコマンド 右k同時押し レブナント? アイヴィー ティラ アサシン(ドッペルゲンガー) ザサラメール 御剣 シャンファ バーサーカー(リザードマン×20) ラファエル ナイトメアorジークフリート アビス? ■ ■ ■ ソフィーティア(李龍?) ザサラメール 雪華 シャンファ バーサーカー(リザードマン×20) ラファエル ナイトメアorジークフリート アビス? ■ ■ ■ ■ ■ マキシ リザードマン タリム(グリード?) ラファエル ナイトメアorジークフリート アビス? ■ アサシン ザサラメール ユンスン(ケーレス) セルバンテス 御剣 シャンファ バーサーカー(リザードマン×20) ラファエル ナイトメアorジークフリート アビス? ■ ■ □ ■ ■ マキシ リザードマン タリム(グリード?) ラファエル ナイトメアorジークフリート アビス? ■ ■ ◇ キリク(シャドウマスター) アスタロス ソン・ミナ リザードマン タリム(グリード?) ラファエル ナイトメアorジークフリート アビス? ■ ■ ◇ ■ ■ ■ ラファエル ザサラメール アビス? - ー ■ ■ ◇ ■ ■ ■ ■ アンノウン・ソウル ザサラメール アビス? - ■ ■ ◇ ■ ■ ■ ■ ■ オルカダン ザサラメール ナイトテラー ■ ■ ■ ユンスン(ケーレス) セルバンテス 御剣 シャンファ バーサーカー(リザードマン×20) ラファエル ナイトメアorジークフリート アビス? ■ ■ ■ ■ ■ マキシ リザードマン タリム(グリード?) ラファエル ナイトメアorジークフリート アビス? 関連 ソウルキャリバー3
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スコア 交流戦 熊本-名古屋1回戦 ナゴヤドーム(熊本1敗) 名古屋 020 000 100-3 熊 本 100 000 000-1 (名)○琴吹ひ、H京良城、H琴吹み、S御剣龍-溝渕、ベティ (熊)●狛、小野塚、アニス-葛木 戦評 名古屋の本拠地ナゴヤドームにて、熊本のホーム扱いで行われた変則的な一戦。先発は熊本が狛、名古屋はルーキーの琴吹陽奈。 試合は初回、熊本は狛が三者凡退に切ったその裏、二番蒼守が捉えた打球がそのままスタンドイン。先制点を挙げる。 しかし二回名古屋が反撃。豊川のヒット、葦川の四球でチャンスを作ると、ホークがタイムリーを放ち同点。その後満塁として山元がスクイズを決めて勝ち越しに成功する。 琴吹陽奈は二回以降は完全に立ち直り、降板する六回までランナーすら出さないピッチングを見せる。名古屋は七回にエミーネのタイムリーで貴重な追加点を挙げる。その裏から継投に入り、最後は御剣龍が締めて名古屋が勝利。琴吹陽奈がプロ初白星となった。熊本は八回、九回に同点のチャンスを作ったものの、二回以降はホームが遠かった。 責任投手・本塁打 [勝] 琴吹ひ 1勝 [S] 御剣龍 3S [敗] 狛 1敗 [本] 蒼 守 2号 試合詳細 +... 打撃成績 +... 投手成績 +...
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前 * * ひんやりとした空気が、春美の感覚を研ぎ澄ます。今日は雪が降るかもしれないと天気予報が告げていた。 従姉に傘を忘れないように告げたのは自分なので、間違いはないはずだった。 その従姉のお遣いで、春美は「成歩堂なんでも事務所」までやってきていた。そして、白い息を吐き出して事務所の前に立ちつくしている。 冷たい空気は、霊感を研ぎ澄ませるのだ。こんな時の春美の予感は、絶対に外れない。 出会う気がするのだ。彼に。 事務所の主なのか、その娘なのか。扉越しの気配はひとつだけだ。常識的に考えて、室内の気配は事務所の主のはずなのに、それでも春美の霊感は「彼だ」と告げていた。 梅雨から一向に会わないままなのに、抱えた感情は消え去ることはなかった。 毎日男のことを思い出しては、彼と思いを通わせる妄想に思いをはせ、現実に返って自己嫌悪に陥る日々を繰り返す。 そんな日々を過ごしていると、もうただ会いたいだけなのではないかという気がしてくる。ただ会って、あの怜悧な瞳で自分を見つめてくれたら──ああ、また彼のことを考えた。 今、あの端正な顔を見たら、自分はどうなってしまうのだろう。この、紛いものの恋情を抱えたまま、彼とまともな会話ができる気がしなかった。 それでも、従姉の頼まれごとを達せずに帰るという選択肢は端から春美にはない。意を決して、事務所の扉を開いた。 曇天から粉雪でも舞い降りそうな、きんと空気の冷えた日。こんな日は、絶対に春美の予感は外れない。 扉から見えた姿は、ワインレッドのスーツだった。 不用心にも鍵のかかっていない事務所の扉を開けたのは、事務所の主ではなく、セーラー服姿の少女だった。 久しぶりにその頼りなげで可憐な姿を見て、御剣は胸を刃物で突かれた気になった。少女は、今にも泣き出しそうな表情をしていたから。 「みつるぎ、検事さん……」 「春美くん……」 揺れる瞳を見たくなくて、今すぐにでも抱きしめたい衝動が沸き上がり、御剣はそれを必死に抑え込んだ。 だから、だめなのだ。こんな気持ちを抱き続けるから、これを渡しに行けずにいたのだ。反省の念を心の中で何度も唱え、努めて平常を装って、手のひらのものを少女に差し出した。 「……ちょうど良かった。今日は、きみへのプレゼントをここに置いていこうと思っていたんだ。……私たちは、いつ会うかわからないから、な」 「……ええ……そうですね」 少女の小さな声は、自分と同じように平静を装うとしたものだった。だが、それは完全に失敗していて、苦しみや悲しみ──歓喜の色が漂っていた。 ならば、自分も同じような声をだしているのだろう。とても、今の感情を上手く制御できているとは思えなかった。 久しく見ない間に、少女はまた大人びたような気がする。美しい顔に、苦悩と期待がないまぜになった表情を浮かべ、大人の色気を醸し出していた。 男を狂わせるその怪しい美貌にこくりと生唾を飲み込みながら、御剣は強引に欲望を脳内から切り離す。そして、春美の手を取って、ささやかな贈り物を手のひらにのせた。 淡い色に光る透明色の玉がきらきらと光る、赤い髪紐。 「この前の看病のお礼というわけではないのだが……街を歩いていて、偶然見つけたのだ。きみに、似合うのではないかと思って」 春美は、髪紐をぎゅっとにぎりしめて、無言でうつむいてしまった。御剣は焦った。女子高生に、この髪紐は少し渋いシュミだったろうか? 「気に入らなければ、捨ててしまって構わない。ただの私の気まぐれだから」 「……どうして……」 静かな事務所内では、春美のどんな小さな声もこちらに届いてしまう。彼女の悲痛な声音を聞くくらいなら、今すぐ事務所を飛び出したいと思った。 「どうして、そんなに、優しくしてくださるんですか……?」 「どうして、と言われても……」 彼女は幼いころから知る、友人の一人だ。古い友人が可愛がっていることもあって、自分も随分長い間彼女を見守ってきた。そこに、理由なんてない。 違う。 彼女がそんな答えを求めているのではないことはわかっている。だからと言って、何を告げればいいのか。告げるべきことは何もなかった。 彼女が今にも泣きそうな顔をしていても、自分の胸が張り裂けそうでも、そんな理由を探究してはいけなかった。 「……私が、きみに優しくしてはいけないかな」 ずるい言い方だ。聡明な彼女には、男の苦し紛れがわかっているに違いない。それでも、それ以上を自分の口から言うことはできなかった。 だが、顔を上げた春美が涙を流しているのを見て、自分は今すぐ死ねばいいと思った。 こんな少女を泣かせるくらいなら、全てぶちまけてしまえばいいのだ。「今すぐにきみを抱きしめたい」と。 「……質問の仕方を、変えますね。……街で何気なく歩いている時にまで、わたくしのことを考えてくださっていたのですか」 御剣の身体は硬直した。まさに、その通りだからだ。春美の瞳は、まだ大粒の雫がこぼれているのに、覚悟の色を宿していた。覚悟? いや──狂気かもしれない。 「みつるぎ検事さん。毎日、わたくしのことを考えているのでしょう? だから、こんな贈り物をしてくださるんです。違いますか?」 目の前の可憐な少女は、大粒の涙をこぼしながら禁忌を力づくで乗り越えようとしていた。その瞳は、自分の言葉で自身を傷つけているように見える。 「みつるぎ検事さんは、ずるいです。大人だから、わたくしのことを女性として見られない、なんてふりをしていて、検事さんはわたくしのことを女性として見ているじゃないですか」 「……春美くん……」 御剣は言い返せない。全くその通りだったからだ。自分の保身と感情の平定のために、目の前の少女を犠牲にしている。そんなつもりがなくても、彼女を傷つけている。 本当に、そんなつもりではないのに。 「わたくしは、どうすればいいんですか? わたくしは……っ、わたくしだって、期待してしまいますっ……! わたくしだって、女なんですから」 その言葉に、御剣は何かの堰が切れたと思った。 彼女の傍にいると、どうしようもなく安らかな気持ちになれるだけだった。 彼女の笑顔を、もっと見たいと願っただけだった。 それ以上が欲しいと、願ったのはいつからだったんだろう。 御剣は、春美の身体を力任せに抱き寄せて口づけた。 * * 何もかもが苦しかった。はじめての口づけは、酸欠になるまで続けられて、それからも貪る様に御剣の舌は口腔をまさぐっていく。力の限りに抱きしめられて、背骨が折れるかと思った。 それでも、何もかもがどうでも良くなるくらいに、満たされた。 それがこのひと時だけだったとしても、もうどうでも良い。 首筋に熱い舌を這わされて、身体が震える。太ももを撫で上げる節くれだった男の指に、背筋がぞくりとした感覚が走り抜けた。 ソファの上に押し倒されて制服を乱され、気がついたら下着まで脱がされていた。胸を揉みしだかれて、その力強さに切なくなる。 小さく声を漏らすと、御剣は春美の声ごとむさぼろうと深く口づけてきた。吐息ごと春美を味わいながら、御剣もいつの間にかスーツを脱ぎ棄て、シャツを乱す。 汗ばんだ肌に指を這わせて、春美は愛おしさがこみ上げてきて、涙が溢れた。 「みつるぎ、検事、さん……」 「春美、くん……」 互いに名前を呼ぶだけで、それ以上は何も言わなかった。言えなかった。この感情を、言葉にするよりも繋がった方が早いと思った。 こんな切ない気持ちを、どう表現すれば良いというのだろう。結局互いに何も言えず、また深く口づけ合った。情熱が込められた口づけは、息ができないほどだ。 春美は息ができなくても構わないと思った。息よりも、目の前の男の唇と舌が欲しかった。この甘い感覚さえあれば、呼吸ができずに死んでも構わない。 早く一緒になってしまいたかった。身体中に太い指が這う感覚はたまらなく甘美だったけれども、それよりももっと男の熱を感じたいと思った。 御剣の股間へと手をやると、そこはすでに凶暴なほどの熱と固さを持って存在を主張している。春美はぼんやりとその熱を手のひらで弄んだ。 スーツから取り出し、下から上へと指を這わせ、頂きに指をそっと擦りつける。すると先端から粘液があふれるので、指に良く絡ませてから、また熱い塊をそっと握りしめた。 そうやって遊んでいると、男に手のひらを掴まれて制止されてしまった。不思議に思って男の顔を見ると、男は額に汗をかきながら、なにかをこらえるように眉を顰めているではないか。 「みつるぎ、検事さん……?」 「……どこで、そんな悪戯を覚えてきたんだ?」 私が教えるつもりだったのに、と耳元でささやかれて、ようやく春美は自分が何をしたのか把握した。顔を耳まで真っ赤に染める。 「……これ以上は、ダメだ。……すぐに、限界になるから」 男の低くかすれた声を耳元で聞いて、それだけでもう春美は限界だと思った。腰がしびれて仕方ない。身体が熱くほてって、まるで熱に浮かされたようだった。 息ができないくらい苦しい。早くキスして。あなたの呼吸を分けてください。 涙をにじませた瞳で、そんな意志をこめながら男を見つめると、春美の霊感で繋がったのかまた深く唇を重ねられた。 口づけながら、男の指は春美の頑ななつぼみにそっと触れてくる。かすかに濡れるそこを、男の指が丹念に揉み解していった。 他者に秘所を探られるという経験のない感覚に、春美は身体を震わせた。 男はその震えに気が付きながら、行為を止めることはなかった。そのことに、春美はひどく安堵する。 「やはり処女を相手にすることはできない」と、こんな中途半端で止めてほしくなかったから。 これほど情熱的に口づけを交わし、抱きしめあって、互いの身体に触れているのに、なぜか切なさは増すばかりなのだ。この心に空いた“寂しさ”という穴を、早く男の温もりで埋めて欲しかった。 「は……はや、く……」 擦れた声で呟いて、身体にまたがる男の頬を撫でると、男は眉根を寄せて一瞬考え込んだ。 「……まだ……きっと痛い」 そう言って、春美の足を大きく広げさせた。春美が羞恥に顔を染めた一瞬後、御剣は性急に秘所を舌で舐めあげた。 「あ、あ……!」 指でほぐされた蜜壺は、舌の刺激を受けて愛液をとろとろと流し始めた。やがて、御剣の舌技に合わせてぴちゃぴちゃと水音を奏でるようになる。 男から与えられる刺激に、春美は背筋をぴんと張って耐えた。 「ん、あ……! はぁんっ!」 ソファにしたたるほどの蜜がこぼれたのを確認して、御剣はすっかり硬直した自らを春美の蜜壺へ押しあてた。 「……痛いと思う……すまない」 謝罪の言葉とキスに、春美は涙を流して首を横に振った。男の首に抱きついて、耳元に唇を寄せる。 「……わたくしが欲しいのです……あなたを」 そう小さく告げた瞬間、男が荒々しく自らの剛直を少女のとけた場所へと埋めていった。熱く、固い異物が自らの中に入り込んでくる痛みは、春美の予想を超えていた。 それでも、待ち望んでいた瞬間に歓喜の感情に包まれる。 「あ、あ、あ……っ!」 自然と涙がこぼれる瞳で男を見上げると、意外と冷静な表情をしていた。しかし、それが表情だけであることに、春美はすぐに気が付く。瞳は獣のように猛っていたから。 唇は獲物をとらえて血をすする肉食獣のように、春美の唇や首筋、胸を味わおうとする。 やがて、自分の中が男でいっぱいになったと感じた。男の熱も、高ぶりも、感情さえも伝わりそうなほど、自分たちの距離はゼロになっていた。そこのことに、春美は笑みを浮かべる。 「ひとつ、ですね。検事さん……」 「……ああ」 もう何もいらない、と春美は本気で思った。男もそうだったに違いない。春美にとって、肉体のゼロ距離は、心のゼロ距離に等しかった。 男の心が透けて見えて、自分と一つにまじってしまったように感じる。非日常な体験に、霊力が暴走しているのだろうか。 御剣が感じる快楽まで体感できるほど、男との境目があいまいになっていた。狭い膣内で絞られた雄が、震えるほどの官能を感じている。 その感覚をダイレクトに受け取って、春美は初めてだというのに恍惚の表情を浮かべた。 「ああ……検事さんっ、気持ちいいのですね……」 「……そう、だ。すごく、すごく気持ちが、いい……」 擦れた男の声は、快楽と恋情と、罪悪感が入り混じっている。それでも、求めてやまない思いが伝わってきて、春美は心が震えた。 「わたしくも、です。……もっと、気持ちよく、してください……」 うわ言のように告げると、男がゆっくりと自分の中で動き出した。自分の身体は確かに痛いと感じているはずなのに、男が脳もとろけるほどの悦びを感じていて、それを共有してしまう。 鳥肌が立つほどの快感が、春美に容赦なく降り注いだ。 「あ! あんっ!! 検事さんっ、もっと、気持ちよくなって……! 我慢、しないでっ……!!」 春美のその言葉に、身体の心地よさに、御剣の理性は完全に崩壊した。荒々しい愛撫と腰の動きに、春美は飲み込まれる。 「あ、あ、ああっ! はぁん、けんじさんっ……! すごいっ……んあぁ!!」 古いソファがぎしぎしと悲鳴をあげるほどの激しさは、二人をあっという間に快楽の頂点へと導いた。強い快感に、春美は意識がもうろうとする。目の前が白い光に包まれた。 「ふ、あ! けんじ、さん……あつい……おくまで、して、きもちいいっ……! も、もう、わたくし、は……」 「……っ……は、はる、み……、うっ……くああ!」 男は少女の狭い膣内からもたらされる深い悦びで、とうとう熱い欲望を吐き出した。御剣の絶頂をそのまま感じた春美は、身体を震わせて意識を手放した。 * * 「見てください、みつるぎ検事さん! 今日は満月ですよ。お昼は曇っていたのに、夜になると晴れましたね」 柔らかな声で話す少女の横顔をちらりとのぞきこむと、とても可愛らしく笑っていたので、御剣は目を細めた。 今、御剣の運転する車は、春美を乗せて駅へと向かっている。本当は家まで送っていくつもりだったのだが、春美は「真宵さまがびっくりしますから」と断った。 後ろめたさのある御剣は、無理にとは言えなかった。 「きみの、その髪紐についている石は、ムーンストーンというらしい。たしかに、虹色に光って月みたいだと思ったよ」 御剣は片手だけハンドルを放して、春美の髪に触れた。髪には、虹色に光る石が付いた朱色の髪紐が踊っている。春美はくすぐったそうに男の指を受け止めて微笑んだ。 「昔のひとたちは、この石に月の魔力が宿っていると考えていたんですよ。今でも月は人の心に影響すると考えられていますし、超心理にも欠かせないものです」 「そんなものなのか」 深く考えてのものではなかったが、春美の生業に通ずる石であるならば、やはりこの髪紐を選んで間違いはなかったのだろう。 それに、薄暗い中でも目立つその髪紐は、春美の美貌を強調している。とても、美しかった。 他愛のない話を続けているうちに、車は駅に着いてしまった。ターミナルの端に車を寄せて、停車する。扉のロックを外す指が、震えた。 このまま、彼女を攫ってしまおうか。 自宅に囲って慈しみ、ひたすら愛情をかけて、この美しく、愛しい少女と二人で暮らしていければ……。 ただの妄想だ。そんなことは不可能だ。実行するつもりにもなれない。 「月は」 小さく、春美が話し始めた。誰に告げるつもりもない、独り言のような声。 「月は、昔から“人を狂わす”と言います。特に、欠けていない、丸い月は」 それは、今、夜空で光る月のことか。それとも、彼女の髪で光る石のことか。──それを身に付ける彼女自身のことなのか。 「だから、今のみつるぎ検事さんも、きっと月に心を惑わされているんです」 惑わされているとしたら、それは少女の存在そのものだろう。だが、御剣は反論する気にもなれず、ただ春美の透明な声を聞いていた。 彼女は、暗に「忘れてください」と言っているのだろう。今日は、月が2人を狂わせたのだと。 忘れるものか。魂が叫んでいた。そして、本当にそう叫べない己の不自由さを呪った。 「帰ります、ね」 春美は自分でドアのロックを解除して、扉を開けた。ホームまで見送ろうと御剣も外に出ると、春美に「ここでいい」と制された。 「春美くん……」 「……みつるぎ検事さん。すてきな髪紐、ありがとうございました。……最後に、もうひとつだけ、お願いを聞いてくれませんか?」 「……もちろん。何だろうか」 「目を、瞑ってください」 少女は、能面のように無表情だった。その大きな瞳から、表情を読み取ることができない。先ほどまであれほど近くに感じた少女が、途方もなく遠い場所にいる。 御剣は目を閉じた。冷えた空気が、身体の体温を奪っていく。吐く息が白いことが想像できた。少女の唇からも白い息がこぼれているだろう。 その様は、きっとひどく神秘的で美しいに違いない。……さみしさを紛らわせるために、そんな空想に浸る。 そして、唇にふと温かなものが触れた。たった一瞬の接触は、数カ月前に触れた瞼に残る感触を思い出させる。 「さようなら、検事さん」 空気に溶けて消えそうなほど小さな声を聞いて目を開けると、春美はセーラー服をひるがえして改札を通り抜けていた。 ── 一度も、こちらを振り返ることもなく。 そして御剣は、この恋の終わりを知ったのだ。 2番線のホームに降り立った少女は、やってきた電車に飛び乗り、そのままうずくまった。 あれほどの快楽のあとなのに、身体は悲鳴しか上げなかった。所詮男の感情を共有していただけだったのだ。もう、春美の中には何も残っていない。何も……。 春美はうずくまったまま、涙を流した。男の前から去る時、決して泣かない、振り向かないと決めていたのだ。そうしなければ、優しい彼はきっとまた自分を思い出してしまうから。 ゼロ距離で感情を共有して、春美ははっきりと感じたのだ。 彼は、自分を愛していると。 その狂気のような感情に、自分も彼も流されてしまえばどれだけ楽だったろう。それでも、彼は誇るべき仕事を失うことはできないはずだった。 また、春美自身もそんなことを望んではいない。所詮、落ちてはならない恋だったのだ。 そう頭では納得しているのに、感情がついていかない。あまりの空虚感に、涙が止まらなかった。自分で告げた「さようなら」が耳に残る。 これほど辛い言葉だったとは、今まで思いもしなかった。こうなることは、はじめからわかっていたのに……。 春美はするりと髪紐をほどいた。長い髪が、はらりと背中に落ちる。 虹色に光る玉を見て、行為が終わった後、春美の乱れた髪を整えて髪紐をつけようと四苦八苦していた男の姿を思い出し、涙で頬を濡らしながら微笑んだ。 結局、不器用な男は自力ではできなくて、春美が自分で結んだのだ。その時、「きみは器用だな」と言われたことを思い出す。 全然、器用なんかじゃないです。 そして、不器用なだけに、とうとう最後まで言わなかった言葉を、髪紐に向かって告げた。 「あなたが大好きです」 おわる *おまけ* 「と、いう夢を見たんです!!! なんてことでしょう!! わたくし、あまりのことに朝から泣いてしまいました!!」 寝起きに泣きながら抱きつかれて、御剣は犯人である妻に何事かと問うた。すると、随分長い物語が待っていたのだ。 ……なんてありえそうな夢だ……。 妻の春美の見たリアリティーたっぷりの夢に、別次元の自分たちじゃないのかと思わず冷や汗をかく。 自分たちも、何か間違えればそんな結末を迎えていた可能性は十分にあった。あったが、しかし……。 「春美くん、それは夢だ。安心していい。私たちは、その、夫婦だよ。間違いなく」 まだ夫婦という響きが恥ずかしいらしい。そんな年上の夫の恥じらいにまったく気付かない春美は、まだぐずぐずと鼻を鳴らして泣いていた。 「そ、そうですが……。ひどいです! 好きなのに結ばれないなんて、おかしいです!!」 「いや、まあ、ひどい話なのだが……」 現実には、結構この手の“ひどい話”はよく転がっている。「好きだったけれど別れた」なんて恋愛は、歳を重ねれば誰でも一度くらいは経験があるはずだ。 だが、幼い妻にはそれがわからない。また、わかる機会はこの先一生ないだろう。……自分がいるから。 「どの道、きみが泣く必要はない。ほら、涙をふきたまえ」 指先で妻の涙をぬぐうと、春美は甘えるように身体を寄せてきた。同じアメニティーを使っているはずなのに、なぜ彼女はいつもいい匂いがするのだろう。 思わずそっと抱きしめると、春美がギュッとしがみついてきた。 「れいじさん、大好きです」 「む……わ、私もだ」 春美は涙をひっこめて、にこりと笑った。御剣はそのまま口づけようと顔を近づけたのだが、春美は大きな瞳をきらきらと輝かせて、宣言した。 「わたくし、夢の中のわたくしの分まで、たくさんれいじさんに“好きです”と言います! そうすれば、夢の中のわたくしとれいじさんはうらやましくなって『やっぱり一緒がいい』と思うはずです!!」 どんな論理の飛躍だろう。御剣は正直ついていけない。この少女時代特有の感性は、御剣には未知のものだ。 さらに言うなら、妹分である冥はこのようなタイプではなかったので、免疫すらない。 「わたくし、れいじさんのこと、大好きです! 今日はお休みですから、一緒にいてくれると嬉しいです……」 まあ、いいか。 最後のあたりの妻の可愛いおねだりに、とりあえず夢は夢、と結論付けて、二人は意外にいつもと変わらない一日を過ごした。
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『K.Kの日記』 K.Kの日記(1ページ目) ============================== *月**日 数ヶ月ぶりに冥さんから手紙が来た。 先週、私の手紙が受取人不在で戻ってきたので、嫌われてしまったかと思ったが違ったようだ。 今は日本で働いているらしい。早速、返事を書くことにしよう。 リターンアドレスが書いていない。 K.Kの日記(2ページ目) ============================== *月**日 待ちに待った冥さんからの返事が来た。2か月待った。 住所が分からなかったから、消印から勤めてる検察庁を推測して送ってみたが、無事に届いていたようだ。 どうやら、検察庁の窓口で不審物扱いされて鑑定室に留め置かれていたらしい。 検察庁の住所と名前しか書いてなかったから、仕方ないか。 おかげで検事オフィスの室番号を教えてもらえた。 これでちゃんと手紙が送れる。 自宅の住所を教えてもらいたかったのに。 K.Kの日記(3ページ目) ============================== *月*日 今日は冥さんとランチに行った。検察庁の近くのカフェでホットサンドを食べた。 本当ならディナーが良かったんだけど、夜は仕事がいつ終わるか分からないから、と断られてしまった。 でも粘ってお昼に会えるようにお願いして良かった。 さすがに日付を指定して「待ってます!」とだけ言ったのは、無理矢理すぎたかもしれないけど。 それでも冥さんは来てくれた。嬉しい。 約束の日の前日に着くように手紙を送ったのが良かったのかも知れない。 断る手紙を出している時間がないから。 この約束を取り付けるために、手紙を5往復もした。 久しぶりにお会いした冥さんは、やっぱり凛々しくて綺麗だった。 あまり時間がないと言われて、たいしたお話はできなかったけど、私は目の前に冥さんがいるってだけでお腹いっぱい。 アメリカの検事局は辞めて、正式に日本で働くことになったらしい。 これからもっと頻繁にお会いできると思うと小躍りしたいくらい嬉しい。 相談したい事もあるからどうしてもとお願いして、電話番号を教えてもらった。 しかも冥さんのオフィスに直通の番号だ。 どうせなら自宅か携帯の番号を教えて欲しかった。 K.Kの日記(4ページ目) ============================== *月**日 近くを通りがかったフリをして、また冥さんをランチに誘うのに成功した。 やっぱり電話を掛けられるっていうのは素晴らしい事だ。 今日も冥さんは綺麗だった。 昨夜から泊まり込みで仕事だったらしく、仮眠を2時間しか取っていないそうだが、そんなやつれた表情も憂いがあって素敵。 でもいくら仕事だからって、こんな綺麗なうら若い女性に徹夜仕事をさせるなんて許せない。 第一、お役所なんてまだまだ男社会だって聞くのに。 ムサ苦しい男がうろうろしているフロアで仮眠なんて、想像するだけでオソロシイ。 そんな事を考えていたら、仕事が動き出したらしく、電話で呼び出されて冥さんは戻っていってしまった。 貴重な時間をどうでもいい想像で無駄にしてしまった。 それはそれで心配だけど、冥さんのお姿を見ることの方が大事だったのに。 でも今日は冥さんのメールアドレスを聞くことが出来た。 食事の途中でメールを送ってきた高菱屋の営業、いい仕事よ。 おかげでアドレスを聞くきっかけに出来た。 電話だと大抵は不在か、忙しいって事務官に取り次いでもらえないから。 でも仕事のPCじゃなくって、携帯のアドレスが知りたかったな。 ______________________________ side.M 見慣れたドアを開けると、中には見慣れた男――御剣怜侍がいた。 「遅かったな」 デスク上の書類をぱさぱさと整理しながら、彼のオフィスにやってきた冥に軽い笑顔を見せた。 「外に食事に出てたのよ」 冥は迷いなく御剣の横に歩を進める。 「君の部屋に掛けたら、森屋君がしきりに謝っていたぞ」 “森屋君”とは冥のオフィスの事務官の1人。地味で仕事は早くはないが、真面目で何より腰の低い好青年だ。冥はたまに、そんなに頭を下げてばかりいたら首が痛くならないか不思議になる。 「彼はあなたに恐縮してるから。後で労っておくわ。で?」 冥が横に身を寄せると、御剣は揃え終わった書類の内、一束を冥に手渡した。 「ご要望の資料だ。中は確認してくれ」 渡された書類の内容を一瞥すると、冥は納得したように頷いた。 「しかし、この長時間労働の最中に外で食事とは、意外と疲れ知らずだな、君は」 同じく昨夜帰宅できなかった御剣は、欠伸を噛み殺しながら言う。 『鬼検事』『鉄仮面』と影で揶揄される彼がこんな姿を見せるのも、側に彼女がいる時だけだ。サブデスクでモニタに向かっているこの部屋の事務官達はもちろん、見て見ぬ振り。 「まぁ、丁度休憩しようと思った時に誘われたから‥‥。それにこの書類待ちだったしね」 書類を掲げていたずらっぽく微笑むと、御剣と向かい合うようにデスクに寄りかかる。 「誘われた?」とあまり起こりえない事態に眉を潜めると、もう少し近くに来いとばかりに彼女の腰を引き寄せた。 「そう。華宮霧緒にここの番号を教えたの」 「あぁ、彼女か‥‥」 それなら御剣も知っている。どうやら彼女は冥を慕っているようだし、人付き合いの少ない冥にも同年代の知り合いが増えるのはいい事と思っている。 「でもちょっと困ってて」と今度は冥が頬に手を添えて眉を潜めた。 「私、法廷や会議であまりオフィスにいないでしょう? どうやら日に4~5回は掛かってきてるみたいなのよね。私用電話だし、急ぎじゃないって言うから、取り次いでなかったみたいなんだけど‥‥。この間森屋事務官に聞くまで全然知らなくて」 「‥‥‥‥‥‥‥‥それは」 思わず御剣はたっぷり5秒は絶句した。 「やっぱり多いわよね? 忙しい時なんか、事務官が気を利かせて断ってもくれてるみたいで‥‥」 確かに、忙殺されてイライラしている冥に、急ぎでない電話など取り次いだら確実に鞭の叱責を受けるだろう。 どうしよう? と小首を傾げて御剣の返答を待っている冥を『可愛いな』と眺めつつも、御剣の脳内では考えられるだけの憶測が飛び交っていた。 「‥‥‥‥とりあえず、勤務中の私用電話は控えるように勧告すべきだろう」 一番無難な選択をした彼の答えに、「そうね」と納得した冥は書類を持って自分のオフィスへ戻っていった。 その後ろ姿を見送りながら、プライベートな番号だけは教えない方が、と思わずにはいられない御剣だった。 K.Kの日記(5ページ目) ============================== *月**日 スゴイ事をしてしまった。驚くべき事態になってしまった。 なんと、冥さんをショッピングに誘うことが出来た。 今日、いつも休日はどう過ごされてるのか訊ねたら、明日はショッピングに行くらしいので、同行させてもらう事にしたのだ。 あいにく、私は明日休みじゃなかったんだけど、そんな些細なことは同僚に代わってもらって解決。 冥さんとおでかけできるなんて、こんな千載一遇のチャンスを逃す事だけはできなかった。 明日は冥さんとどこへ行こう? 最近出来た総合ファッションビルに誘ってみるのもいいかも知れない。 疲れたらカフェでお茶なんかしちゃったりして。 買い物が済んだら、明日こそゆっくりお食事をしたいし。 そういえばあそこは映画館も入ってるんだった。もし映画まで誘えちゃったらどうしよう。 何を上映してるのか調べておかなきゃ。冥さん、どんな映画が好きかしら。 そうだ、何を着ていこう。この前買った新作のバッグおろしちゃおうかな。 冥さんはどんな服を着てくるのかしら。スーツ以外の格好で会うの初めてだし。 行動的な人だし、やっぱりパンツスタイルかしら。 でも育ちのいい人だから、シックなスカート姿もいい。 先月号のキャズに載ってたスモッグの新作なんて冥さんに似合いそうだった。 〈以下、ごちゃごちゃと服の落書きがいくつかされている。略〉 なんだか緊張してきた。とにかく、念入りに準備しなくちゃ。 K.Kの日記(6ページ目) ============================== *月**日 今日はスゴイ。スゴイ、記念すべき一日だった。 冥さんとショッピングに行ってきた。 それも冥さんは私服姿だ。 淡い萌葱色と白のトップスに落ち着いたピンクのふんわりしたスカート。 想像してなかった可愛らしいコーディネイトで、私もまだまだ知らない姿があるのだと勉強不足を実感。 何より目を引いたのは、爪先を今日のスタイルにぴったりの可愛らしいミュールで飾った脚が、素足だった事だ。 いつも厚手のストッキングを履いているのに、生足。 ふわふわしたミニスカートから覗く脚も当然、生足。 若いって素敵‥‥。 今日が暖かい日でほんとーに良かった! 〈横にごちゃごちゃとした*キリオのファッションチェック!と題した挿絵付き。略。〉 色々な事態を想定して、湾岸の複合ショッピングエリアに誘ったんだけど、行くお店が決まってたらしく、待ち合わせの駅から2分のすごうに行った。 着くなり「じゃあ何時にここで」と言われて、颯爽とエレベーターに乗られてしまったのには少しびっくりしたけど。 一生懸命フロアを探し回ったら、3階のガラス工芸店の前で合流できた。 もう小さな買い物袋を持っていて、ちょっとがっかり。 一緒に行きたかったとちょっと詰ったら、きょとんとしていた。 話を聞くと、女の子と一緒に“ショッピング”というカタチで買い物をした事がないらしい。 友達とお店を見て回りながら色々喋るのが楽しいのだ、と教えたら、じゃあそこらでウロウロしてるのは暇なんじゃなくて、そうやって楽しんでるのか、と感心されてしまった。 さすがお嬢様、箱入りなんだ、とこちらが感心してしまった。 せっかくなので“オンナノコのショッピングの仕方”というのを実践してみようと誘って、色々見て回った。 興味のあるお店に足を止めてたっぷり時間をかけて見て回って、と普段女友達といるように振る舞って見せたら、少し戸惑っていたみたいだけど、付いてきてくれた。 結局3~4軒回ったけど、私はシャツを一枚。冥さんもニットのトップスを一枚買っただけ。 効率が悪いと冥さんは納得いかなかったみたいだけど、どうやら楽しんではもらえたようだ。 あのトップスは私も一緒に選んだものだから、それを冥さんが着てくれると思うとちょっと嬉しい。 私のシャツはお財布的には辛かったけど。 すごうの3階なんてブランド店や高級ファッション系しか入っていないようなフロアだもの。 シャツ一枚でも普段見ないような価格基準で、とても贔屓にして買えるようなお店じゃない。 でも冥さんのトップスと同じお店の服。ちょっと嬉しい。 5階のカフェで遅めのランチとお茶にした。 バジルソースのパスタとオレンジティーにプチフール。 さすがにお揃いの服は買えなかったから、ランチくらいは同じものを頼んじゃった。 向かい合って座ってたから、せっかくの生足は近くで見ることは出来なかったけど、代わりにゆっくり手元を見ることが出来た。 いつもは革の手袋で守られてる指先はとっても細くて綺麗。 襟ぐりが広めの服だったから、普段はお目にかかれない首筋も、鎖骨のラインもたっぷり鑑賞できた。 今でもあの白くて透き通るような肌をはっきり思い出せる。 ほんっとーに、暖かい日で良かった。 残念なのは、お茶の後すぐ冥さんが帰ってしまった事だ。 これからだと思ったのに、用事が済んだからとあっさり置いて行かれてしまった。 ‥‥まぁ、ランチまで一緒できたし、あまり贅沢は言わないことにする。 でもあの最初の買い物袋が気になるなぁ‥‥。 見たことないブランドだったけど、高そうだったし、聞いて見れば良かった。 ______________________________ side.M 「はい、これ」 差し出された小さい包みを思わず受け取って、ようやく御剣は疑問を発した。 「なんだ?」 「プレゼント」 ふふっと嬉しそうに笑う贈り主を肩で引き寄せながら、渡された包みをじっくり眺める。 「開けていいのか?」 彼の肩にもたれ掛かるように身体を横たえて冥は、当然でしょ、とちょっと目元をきつくして彼を見上げた。 そんな仕草に苦笑しながらも、礼の代わりに額に小さくキスをして、彼女にも見えるように包みを開いていく。 しっかりとしたケースに収まっているのは、1本の万年筆。 手に取るとしっくりなじむ黒のボディに、クリップには彼女の好きなスワロフスキーのラインストーンが落ち着いた輝きで華を添えている。 「バースディプレゼントよ」 冥は自分の選んだものが気に入ってもらえるか気になるのか、少し恥ずかしそうにしながら御剣の反応を見ようと顔を覗き込んでくる。 彼がそれに気づいてその目に笑いかけると、安心したように微笑んだ。 「冥はやはり趣味がいいな」 「そう?使ってくれる?」 もちろんだ、と彼女の髪を愛おしげに撫でると、冥は嬉しそうに頭を擦り寄せてきた。 おそらく彼女は、しばらく前に御剣が自身の万年筆のペン先をダメにしてしまった事を覚えていたのだろう。 検事に任官した時から愛用していたものと、同じメーカーのものをきちんと用意してくれるあたりも、普段から彼女が自分のことを気に掛けてくれている証に思え嬉しくなる。 「しかし、私の誕生日は明後日だが」 彼女の誕生祝いは欠かしたことはないが、己の誕生日などすっかり忘れていた御剣はその事にようやく気づいた。 「だって、レイジ明日から出張に行っちゃうでしょう?」 御剣の胸元に顔を寄せていた冥は、顔を上げると拗ねたように眉を寄せた。 それについてあまりいい感情を持っていないらしいという事は、きっと彼女は当日一緒に祝いたかったのだろう。 前倒ししてでも祝おうとしてくれる彼女が愛しくて、細い身体を抱きしめた。 「なるほど。それで今日は早く帰れと言ったのか」 昨夜のうちに厳命されていたので、勤めだして初めてじゃないかというくらい早く、陽のあるうちに帰宅したのだが、どうやらそういう事情だったようだ。 「どうせ明日は朝早いんだから、いいじゃない」 御剣に苦笑されて、一応は無理を言った自覚があるのか、少し恥ずかしそうに言葉を濁した。 それならば、と御剣は身を横たえていたソファからゆっくりと起きあがる。 「ではせっかくの時間を無駄にはできないな。ディナーはどこに行きたい?」 その言葉に、冥も慌てて身を起こす。 「あっあのね、私ね」 「?」 「時間、無駄に出来ないのでしょう?だから、私、あの、‥‥ご飯、作ろうと思って」 「‥‥‥‥」 「材料、買ってあるの。‥‥こ、この私が作ってあげるんだから!喜びなさいよ!」 御剣は想定外の事態に、真っ赤になった冥の顔を凝視していたが、やがてふっと表情を綻ばせた。 「当然だ。君の手料理なんて、これ以上のプレゼントはあるまい」 彼の笑顔に気を良くしたのか、冥もにっこりと微笑むと、さっそく立ち上がった。 「じゃあ、ちょっと待っててね。大丈夫、あなたの好きなメニューにするから」 「私も行こう」 キッチンに向かう冥の後を御剣が追うと、彼女は怪訝な顔で振り向いた。 「? あなたに手伝って貰っても手間が増えるだけなんだけど‥‥」 「‥‥それぐらい心得ている。ただ君を側で見ていたいだけだ」 すると冥はさっと頬を染め、俯きがちに馬鹿ね、と言った。 「あぁそうだ、大事な事を忘れていた」 「?」 御剣の言葉に動きを止めた冥に、彼は顔を寄せながら告げた。 「ありがとう」と。 K.Kの日記(7ページ目) ============================== *月*日 電話を全然取り次いでもらえなくなってきた。 傾向は分かってる。 おとなしい感じの男の事務官が出ると間違いなく取り次いでもらえない。 もう1人、声が高めの事務官がいるので、彼が出るとたまに取り次いでもらえる事がある。 でもこの人は電話係じゃないっぽいから、あまり期待はできない。 返信はあまりもらえないけど、メールにしようかな。 手紙もあまり返事がもらえなかったけど、筆無精なのかしら。 でも、読んでもらえるだけで私は嬉しい。 K.Kの日記(8ページ目) ============================== *月**日 突然、メールが送れなくなってしまった。 今日3度目のメールを送ろうとした時だ。 一時間前に送った時は問題なかったのに。 送信先サーバーのエラーみたい。 どうなってるのかしら、検察のネットワークメンテナンスは! 後で冥さんに電話して聞いてみよう。 ______________________________ side.M 「これでいいですよ」 最後にマウスをクリックしてウィンドウを閉じると、男は顔を目の前のモニタから上げた。 「ありがとう、森屋君」 横でその様子を見ていた冥が労いの言葉を掛ける。 「念のため確認してみますから」 森屋事務官はまた目線をモニタに向けると、メーラーを立ち上げた。 「これで外からのメールは取れなくなるのね」 「外部ネットワークからの送信メールをサーバーで受信拒否させてます。内部なら、問題ないですよ」 受信トレイが業務メールのみなのを確認しながら、森屋は簡単に解説した。 「‥‥やっぱり、多い、わよね」 「多いです」 きっぱりと断言すると、森屋は先ほどサーバーから取得した受信履歴を開いて見せた。 「一日に少なくても10通は越えてます。別に私用メールは構いませんけど、実務に支障をきたすのは‥‥」 そうなのよ、と冥も申し訳なさそうに頷いた。 「仕事のメールが埋まっちゃって、選り分けるだけで時間をくうんだもの。困るわ」 せがまれてアドレスを教えたのはいいものの、その回数は日に日に増えていて、頻繁な時は10分置きに届いたりもするようになっていた。 とうとう無視しきれなくなった冥は、ネットワークに詳しい森屋に相談を持ちかけたのだ。 その時、小さなベル音がオフィスに響いた。冥のプライベート用携帯電話だ。 「鳴ってますよ」 「分かってるわよ!」 冥は少し慌ててデスクに置かれていた小さな機体を手に取る。 このベル音はここのオフィスの人間には聞き慣れた音だ。 彼女は、親しい彼からのメールに、この涼やかなベルの音を鳴らすよう設定している。 何度か小さな液晶画面に目を走らせて読み返した後、すぐにボタンを操作しだした。 仕事にしろプライベートにしろ、はっきり優先順位を付けて事によっては容赦なく無視、もしくは後回しに行動する彼女でも、このベル音の後はしばらく携帯画面とにらめっこだ。 いじらしいもんだ、と思いつつ、事務官は冥のマシンを仕事の環境に戻していく。 そうこうしているうちにメールの返信も終わったらしく、冥は何事もなかったように携帯電話をしまって、森屋の方を向いた。 「でもこれで大丈夫よね。さ、仕事に戻りましょう」 当面の些細な問題が解決してすっきりした冥は、サクサクと仕事の続きを始めだす。 「‥‥一応、御剣検事にお話しておいた方がいいですよ」 サブデスクに追いやられながら、森屋は念のため意見を申し立てておいた。 冥はどうして?と首を傾げるので、どうやらこの事態をそれほど異常には感じていないらしい。 経験のない事にはとことん疎い人なのだと、この短い付き合いの中で感じていた森屋は、あまり彼女が事を大げさに捉えて不安にならないように、言い回しを変えて忠告しておいた。 「‥‥御剣さんは検事にあった事は全部把握しておきたいでしょうから」 しばらくして、「‥‥そうかしら」と上司の小さな小さな声が聞こえた。 自分の仕事に集中している振りをしていたので、彼女の表情までは見えなかったが、きっと真っ赤に頬を染めてそっぽを向いていただろう事は想像できた。 森屋はそうですよ、と素っ気なく返事をし、とりあえず自分からも御剣検事に進言しておこうと決めると、本当に仕事に集中するためデスクに向かった。 K.Kの日記(9ページ目) ============================== *月**日 やっぱり冥さんに取り次いでもらえない。 今日は捜査で戻らないというので、思い切って電話に出た事務官にメールのことを聞いてみた。 どうやら検察全部で外部ネットワークが使えなくなったらしい。 冥さんだけじゃなかったみたいだ、良かった。 となるとまともに接触がもてるのが手紙だけになっちゃう。 なんとかして会いたいなぁ。 K.Kの日記(10ページ目) ============================== *月**日 今日は仕事も休みだったので、検察庁に冥さんを訪ねていった。 門前払いを喰らわされた。 今時一般人立ち入り禁止なんて流行らないわよ。 時代は開かれた行政、開かれた法曹、でしょ。 でも偶然御剣検事に会えて、話ができた。 そりゃ冥さんに会えなきゃしょうがないんだけど。 どっちにしろ、今日は出掛けてていなかったらしい。なんだ。 訊ねた事は伝えてくれるらしいから、上手くすれば冥さんから連絡があるかもしれない。 でもこっちからの連絡方法は教えてくれなかった。ケチ。知ってるくせに。 ______________________________ side.M 廊下をそれぞれの目的地へと向かいながら、2人の男は軽く息をついた。 「助かった。礼を言う」 御剣が半歩後ろを歩く森屋に声をかけた。彼は恐縮しきってぶんぶんと頭を振る。 「いえいえ!‥‥出しゃばった真似をしまして‥‥」 「いや、正直なんと答えたものかと‥‥」 先ほど、外から戻った森屋は正面ホールの受付前で女性に声をかけられた御剣を目撃。 仕事の関係かとも思ったが、相手が若い女性なこともあって、場合によっては己の上司に報告せねばなるまいと近づいたのだが、どうやら様子がおかしい。 しかも相手の要望が目の前の男ではなく、その上司自身であるらしいと感づいた瞬間、咄嗟に口を挟んでいたのだ。 『今日は狩魔検事はご不在です』と。 まさか彼女が件の“ご友人”とは思いもよらず。 「スゴイですね、わざわざここまで訪ねてくるなんて」 御剣はドッと疲れたように肩を落とした。 「普通、機密事項を扱っている施設は一般出入り禁止だろう。それを、受付に理不尽だと食いついていた」 自分もその対象だったのだから、情報の機密性は分かっているだろうに、と何やらぶつぶつと言い募っている。 「第一、検察だろうが一般だろうが、本人の了承なしに勝手に個人情報を教えるわけにいかないのは当然のモラルではないか」 どうやら、冥の携帯電話番号を教えろとせがまれたのを断った時、物凄い顔で非難されたのを根に持っているようだ。 仕事の上では見てるこっちがハラハラするほど不貞不貞しい態度を崩さない男なのに、検事という肩書き以外のところでは変なコトで傷ついていたりする。 「でも、意外と普通の人でしたね」 まぁ、若くて人並み以上の容姿を持つ女性に対し、初見で悪い感情を持つ男はいない。さらに彼女は並みどころか、かなり魅力的な顔立ちをしていたことを思い出しながら、森屋は何故か感心したように呟いた。 それを聞いて、御剣はふんと軽く鼻を鳴らす。 「女性を見た目で判断すると痛い目をみるぞ、森屋君」 御剣は職業上、過去関わった事件で華宮霧緒がいかなる悪癖を持っているかを調べ尽くしている。 しかも、それが改善の兆しがない事も、現在進行形で身を持って体験している。 まさか自分の身内が“そういう対象”に見られる事になるとは思ってもみなかった。 不埒な腹積もりで近づく男ならいくらでも蹴落としてやるが、さすがにこういうのにはどう対処していいか謀りかねる。 「‥‥よぉく肝に銘じときます」 霧緒の度重なる冥への接触を思い出し、森屋は少しげっそりとした気分になった。 「僕もなるだけ力添えしますから、頑張ってくださいね」 軽い激励のつもりだったが、なにやら御剣はあたふたと慌てたようだ。 「なっ、何がだ。事務官」 「決まってるじゃないですか。‥‥狩魔検事を大事にしてあげてください」 あまり言われ慣れてないのか、普段絶対に態度を崩さない彼が、うぅとかああとかなにやら呻いて返事に困る姿に、少し愉快な気分になった。 そんな心の内を感じ取ったのか、御剣は顔を真っ赤にして彼独特の射抜くような視線で睨んできたので、森屋は思わず表情を引き締める。しかし、 「‥‥随分、協力的だな」 と皮肉をこぼすのが精一杯のようだ。 そりゃあ、と森屋は日頃の上司の態度を思い返す。 「彼女の機嫌を損ねない事が、うちのオフィスの平和を保つ一番の秘訣、ですから」 切実な森屋の言葉に、思わず御剣はぽん、と彼の肩を叩いた。同情された。 その時、ふいに涼やかで良く通る声が二人の背中に降ってきた。 「あら、随分気が合うみたいね」 ぎょっと2人が振り返ると、横手の保管室から出てきたらしい冥が、斜め後方に立っている。 御剣と会っている時に良く見せる柔らかい表情をしているので、どうやら今の話を聞かれた訳ではないらしい。 森屋はホッと胸を撫で下ろしたが、御剣は話題の主の登場に戸惑っている。 「? ?」 どういう事だ?と不可解そうな御剣に、さっきのお返しとばかりに一つアドバイスを送っておいた。 「“嘘も方便”っていうでしょう、御剣検事」 K.Kの日記(11ページ目) ============================== *月**日 48日ぶりに冥さんから電話がきた! ここのところ仕事が忙しかったらしくて、わざわざ謝ってくれちゃった! 私は別に、冥さんとお話できるだけでいいんだけど。 仕事の話を聞いて欲しいってお食事に誘ったら、OKがもらえた。 時間が空いたらメールすると言われたけど、待ってられないので4日後に約束を取りつけた。 冥さんの時間が空くことなんて、ないに決まっている。 とはいっても実際、相談にのってもらうほどの問題も無い。 今一番の悩みの種は、少しでも冥さんとお近づきになる方法だもの。 無駄な時間を嫌う人だから‥‥。 4日後までに何か話題を考えておかなきゃ! K.Kの日記(12ページ目) ============================== *月**日 冥さんとランチの約束の日、3日前。 話すこと。 ・○×社の営業と話が噛みあわないこと → 大人しく話をさせるテクニックを聞く ・企画部の◎○が私に気がありそうなこと → セクハラトラブルの相談になる? ・今度の製作発表会のこと → ‥‥‥ 〈他にもごちゃごちゃ会話フローチャートが書いてあるが割愛〉 どうしよう。せっぱ詰まって困ったことがない。 ※プライベートの携帯番号かメアドを必ず聞き出すこと!〈太赤字で〉 K.Kの日記(13ページ目) ============================== *月**日 冥さんとランチの約束の日、2日前。 今日は散々だった。 クライアントの新しい担当者が完全な前世代の男尊女卑信者! 現場の女なんてお飾りくらいにしか思ってないんだ。 しかも馴れ馴れしく身体にも触ってくるし! 触られたトコ、まだ気持ち悪い気がする。 世間よりは対等に仕事ができる職場だと思ってたのに、まだこういう人もいるのね。 この事、冥さんに聞いてもらおうかな。 そう言えば冥さんのところはどうなのかしら。 女性の法律家も増えてきたと何かで見た気がするけど、それでも一、二割だって言うし。 国家公務員なんて堅くて世間に疎い特権意識の固まりみたいな人もいるみたいだから、 イヤな思いしてなければいいんだけど。 あ~、急に心配になってきた! やっぱり明後日はこの事話そう。 何とか冥さんの状況とかも聞き出さなくっちゃ。 K.Kの日記(14ページ目) ============================== *月**日 たった1時間8分しか会っていられなかった‥‥。 でも夢の様な1時間8分だった~(はぁと) 52日ぶりの冥さんはやっぱりキレイで、うっかり12分くらいは見とれちゃってた。 なんてもったいないコトを‥‥、でもキレイだったからいいか。 それにしても検事って何て忙しいのかしら。 今日だって検死が終わったからって呼び出されていっちゃったし(よりにもよって検死なんて!) 時間さえあれば一日中だってご一緒したいのに! おかげで用意した話題が全然できなかった。 一つだけ、セクハラ紛いの扱いを受けた事だけは話せたけど。 やっぱり冥さんもオトコ中心社会に思うところがあるみたいで、たっぷりグチを言い合って盛り上がっちゃった。 さすがに冥さんに不埒な真似をするようなヤツはいないみたいだけど、体制的なものに不満があるみたい。 冥さんはキレイなうえに優秀なんだから。もっと全面的に任せてくれればいいのに。 ホント、オトコなんてろくなモンじゃないわ。 もし私の冥さんが本当にセクハラを受けていたらと思うとゾッとする。 そんなバカがいようものなら、私が冥さん直伝のムチで張り倒してやるんだから。 そう言えば最近、あまり自主練してないな。 おさらいしたい、って冥さんにお願いしてみようかしら‥‥。 快挙達成!!! つ、い、に!冥さんのケータイ番号をゲットしました。 「どうしても困ったことがあったらかけていいわよ」、って。いいわよ、って! 私の話を聞いて心配してくれたのね。 今すぐにでもかけたい!けどけど「どうしても」って言われてるし、下手に馴れ馴れしくして疎まれてもイヤだし。 「困ったこと」って、「冥さんに電話したくでもできない」事に一番困ってるんですけど。 うぅ~どうしよう~~~。でも嬉しい~~!! ______________________________ side.M 「‥‥それでね、肩を触られたりするんですって。信じられないわよね」 口早に捲し立てながら、冥は目の前の人物に訴えかける。 「女性を一体何だと思ってるのかしら。そんな不躾なオトコ、見つけたらただじゃおかないんだから」 確かに彼女の視界内でそんな所業が行われようものなら、それが誰であろうと鞭の叱責を受けるのは確実だろう。 それがモチロン彼女本人に対してであっても同様なのも明白なので、今のところ実行に移す勇者は現れないようだが。 「本当、オトコなんてろくなもんじゃないんだから」 昼に食事に外へ出てきて何か言い含められてきたのか、一度火がついた彼女の苛立ちは収まらないらしい。 「大体どうしてこう何でも男性優位にできてるのかしら。個体能力で差別するならば分かるけれども、ただ性別で分けるっていうのには納得いかないわ」 この間だってね、と冥は続ける。 「新規の案件を余所へ回されたのよ!“キミのとこには無理かな”ですって!私の担当では不満だとでも言うの!?」 「それは‥‥キミのオフィスの許容量を考えての事ではないのか?」 憤慨している冥を見かねて、今まで黙って彼女の話を聞いていた御剣が口を挟んだ。 「でも!行った先は川前さんのところよ。うちよりあっちの方が案件抱えてるじゃない」 川前オフィスはキャリア10年弱の検事のチームで、検察世代的には冥達と同じくらいだ。 同クラスの検事なのに、仕事を回されてしまったのが悔しいらしい。 まぁその理由が別に能力的な差異ではないと、容易に想像はつくのだが。 「そうは言うが、キミは残業をしないだろう」 そう、冥は基本的にきっちり定時にオフィスを閉める。 仕事とプライベートをしっかり分ける欧米らしい感覚と言えばそうなのだが、慢性的に人材不足の国家公務員としては、普通はやりたくても出来ない事だ。 必然的に仕事の処理数は違ってくるし、急ぎの案件なら余計に頼みづらくなるだろう。 それに、ここの上司や同僚達は揃いも揃って彼女に甘い。 任せればカンペキな仕事をしてくるし、それも驚くほど早く処理できるから、腕に文句は付けられない。 何より若いオンナノコだし無理させるのも可哀想だからと、どちらかといえば優遇されていると言える。 それを「女性蔑視だ」などと言い掛かりをつけられても困るだろうに。 案の定というか、冥の返答と言えば、 「当たり前でしょう。ハードワークを押しつけるなんて、レディはもっと丁重に扱うべきだわ」 こんな感じで。 一体どうしろと言いたいところだが、こんな壮大なムジュンにも御剣がつっこめるハズがない。 何と言っても冥に一番甘いのは彼だったりするのだから。 「‥‥それで?」 「え?それでって?」 御剣に促されて、冥はきょとんと目を瞬かせた。 「いや、わざわざこちらに向かって言うくらいだから、何か私に対して含むところがあるのかと思ったのだが」 「え?」 数拍ぽかんとしていた冥だったが、ハッと気付いて慌てて否定する。 「ち、違うわ!別に貴方の事じゃなくて、ただ、こういう事があったって聞いて欲しかっただけで‥‥!」 あわあわと真っ赤になって釈明する冥は、何だか動揺しているようだ。 思いがけず言い掛かりをつける格好になって、御剣の機嫌を損ねたと思ったのか。 「うん?」 「レイジは、‥‥レイジはそんな事なくて‥‥、ちゃんと、紳士だもの‥‥」 段々と小さくなる声でぼそぼそと言い訳をする冥が可愛くて、ニヤニヤ笑いが抑えられない。 思わず悪戯心が頭を擡げる。 「きゃっ‥‥!」 ふいにヒップに走った感触に、冥は小さな悲鳴を上げた。 「こんな事をしても?」 その原因である御剣はにやりと不遜に笑いかけ、なおも冥の引き締まった臀部をまさぐる。 「もう‥‥バカ!」 ぺしり、とヒップに伸ばされた手を叩くが、無理に引き剥がそうとはしない。 「レイジのは‥‥ただエッチなだけじゃない‥‥」 冥は嫌がる風でもなく、さらに一歩、御剣に近づいた。 むしろ逆に擦り寄るように彼に身体を寄せる。 「でも、」 と言うと、冥の感触を楽しんでいる御剣をキッと見つめる。 「他の女に触るようなら、鞭のフルコースなんだから!」 「ふふふ‥‥」 可愛い独占欲を覗かせる冥を微笑ましく思いながら、彼女を引き寄せる。 「大丈夫だ。私はただ愛しいキミに触れたいだけなんだから」 いけしゃあしゃあと言ってのける御剣の言葉に、冥は顔を赤くしながらも満更ではない様子であった。 <スレにて連載中>
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4/23に行われるランキングバトルの参加者は下記に参加表明をお願いします 上手くいけば最大8Pゲット出来るのでまだまだ総合優勝のチャンスがある! 目標は打倒くコ 彡!人類の力を終結させてくコ 彡を排除するぞ! 結果 1位和香 2位いかむん 3位雪花 4位癒奈 ワンチャンあればMVP取れるぅ~♪ -- かりさん (2011-04-22 07 41 07) 咲夜さん愛してる -- 雪花 (2011-04-22 20 12 08) プロフ名変えたし気分も変えて蝶猛るよ -- さらさらんど (2011-04-23 01 20 13) |=ω=)いつまでもイカだとオモウナヨ -- |=ω=) (2011-04-23 12 26 09) 時間出来たのでやります -- すわぁ (2011-04-23 19 51 24) ぐま! 間に合いそうなので参加です -- 和香 (2011-04-23 20 02 51) 初参加ですが、よろしくです! -- 天気職人 (2011-04-23 21 09 25) おまえら死んだ -- れくさ (2011-04-23 21 53 46) 名前 コメント
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数日後の午後の「成歩堂法律事務所」。 所長室から成歩堂が出てきた。手には書類が入っているらしい茶封筒を持っている。 「ちょっと裁判所行って来るね」 「うん?書類ならあたしが……」 「いや、ついでに調べたい資料があるから」 「そっか。行ってらっしゃい」 留守番頼んだよ、と言い残して事務所の主は外に出る。 春の日差しがデスクワーク漬けの目に眩しい。並木の桜は大方散ってしまっていて、それが少し寂しかった。 「あ。ついでに買い物も頼めばよかったよ」 真宵が一人ごちたのは、それから数分後のことだった。 裁判所の地下にある資料室を出たのは、成歩堂がそこを訪れてから二時間が経とうという頃だった。 (すっかり入り浸っちゃったな。早く帰らないと……) 自然と急ぎ足になる彼の歩みは、しかし、ロビーへと続く階段を上がりきる前に止まった。 (げっ……、あの遠目にも派手な赤いスーツは……) 今日は公判日だったのか、と成歩堂は苦い顔をする。 自分にとって、今一番会いたくない人物がそこにいた。 御剣怜侍。 例えばここで目が合ってしまえば、立ち話とまではいかなくとも、挨拶ぐらいはしなければならない。何しろ自分と彼は友人同士なのだから。しかし、成歩堂はそれを避けたかった。御剣本人に罪はないのだが。 友人として側にいることを選んだ。熱情は心の底にしまって鍵をかけた。 忘れようとしているのに、今言葉を交わせば、視線を合わせれば、また迷いに捕らわれそうで怖かった。 成歩堂は御剣の様子を見る。 数人の刑事らしい男に囲まれて何やら話し合っている。糸鋸刑事もいた。 幸い、こちらには気づいていないようだ。 (ここを出るなら今だな) 素早くエントランスへ向かう。 後ろが気になる。でも振り向いてはいけない。 早く外に出たい。けれど走るわけにはいかない。 そんなことで頭がいっぱいだった成歩堂は、だから勿論気づかなかった。その背中に注がれる、御剣の視線に。 「……んじ!御剣検事!」 隣に立つ刑事の声にはっとする。 「どうかしたんスか?」 「……いや、何でもない」 ちらりとエントランスを見やって、青い後姿が消えてしまったのを確認した。 「検事は働きすぎっス。疲れているっス!」 声の主を横目で睨んだ。 「ほう……、面白いジョークだな」 「あ、いや、あの……。すいませんっス……」 無論、本気で怒ったわけではない。この刑事がいつも自分の心配をしてくれていることは知っている。 ただ、他の事に気を取られた、とは言いたくなかった。 階段で一瞬、立ち止まった成歩堂に気づいた。それからロビーを横切る彼を見て、何となく、自分は避けられたんだと思った。 (被害妄想だな……) 成歩堂が自分に気づいたのは確かだ。声を掛けずに通り過ぎたのはこちらに気を使ってのことだろう。 (うム。普通に考えれば分かることだ) 気にする必要はない。 下らない思考は溜息で吹き飛ばした。 「署に戻るぞ。捜査会議だ」 戻る 次へ
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異なる次元に存在する平行世界。雪儚の出身地。 詳細は不明だが、 成人し3姉妹を授かったレイやセレナの姿が確認されており、 こちらの世界より20年近く時系列の進んだ世界であると考えられる。 但し、紫苑と典人の姉弟関係が兄妹に逆転していたり、 紫音が存在していなかったりするので、厳密には未来というわけではない。 黒翼の信仰がかなり進んでおり、その侵攻によって多くの命が奪われた。 ユーリが自分の次元に帰還した後、御剣家の存在する街が教団率いる黒翼の襲撃を受けたことで、御剣家・クロの連合軍と黒翼軍が開戦。 黒翼の圧倒的強さにより総大将と思われるレイを始めとし、雪儚を除いた御剣家は全員戦死したが、 彼らの奮闘が刻んだダメージと慢心によって黒翼はクロに封印され、連合軍側の勝利ということで大戦は一応の決着を見た。 だが、戦後も黒翼の威光は衰えず、あまりに希望の見えない世界を目の当たりにしたクロは雪儚自身の新たな幸せを願い、生き残った彼女を説得して現代へ送り込む。 その後の異世界の行く末を知る者は誰もいない・・・。
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No. タイトル 登場人物 場所 作者 -014 御剣怜侍&ランサー 御剣怜侍&ランサー(ジェイド・カーティス) ◆zzpohGTsas 001 トリックとマジック 御剣怜侍&ランサー(ジェイド・カーティス) UPTOWN RANDALL ◆zzpohGTsas 003 セイヴァーたぶらかし ミュカレ&セイヴァー(ジェダ・ドーマ) MIDTOWN RED HOOKMIDTOWN WAYNE TOWER ◆zzpohGTsas 007 What I`m made of 広川剛志&アーチャー(エシディシ)オズワルド・コブルポット&セイバー(後藤) MID TOWN FORT CLINTONMID TOWN COLUMBIA PT ◆zzpohGTsas 008 Feel A Fear ライダー(バットマン)アーチャー(ジャスティス) UPTOWN BAY SIDE ◆zzpohGTsas 010 僕らはこの街がまだジャングルだった頃から 犬養舜二&キャスター(戦極凌馬) MIDTOWN WEST SIDE ◆zzpohGTsas 014 唯我 エンリコ・プッチ&バーサーカー(セリュー・ユビキタス) SOUTH CHANNEL ISLAND ◆zzpohGTsas
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スコア シンデレラ・リーグ 大阪-福岡8回戦 わかさスタジアム京都(大阪3勝5敗) 福岡 000 201 011-5 大阪 011 001 001-4 (福)小板橋、○力田、H宇佐美、S御剣龍-皇后崎 (大)八十嶋、Hアキラ、●大和、川嶋-鹿島 戦評 京都での一戦。大阪先発は八十嶋、福岡先発は小板橋。 2回裏、5番鹿島が先制のソロホームラン。3回裏、一死満塁で3番善行寺の犠牲フライで1点を追加。 4回表、福岡は無死満塁からの押し出し四球で1点を返すと、8番佐伯がスクイズを決めて同点に追いつく。なおも一死二・三塁のチャンスだったが、ここは八十嶋が踏ん張る。 6回表、再び無死満塁で佐伯が併殺打を放つ間に逆転すると、大阪も6回裏、一死から4番伊達のソロホームランで同点に追いつく。 8回表、一死から6番皇后崎がソロホームランで再び突き放す。 9回表、二死一塁で3番大友がタイムリーツーベースで2点を勝ち越し。 9回裏、一死一塁から7番阪宮がタイムリーを放つ反撃を見せるが、最後は御剣龍が投げきり試合終了。大阪の連勝は5でストップ。 責任投手・本塁打 [勝] 力 田 1勝1敗 [S] 御剣龍 11S [敗] 大 和 1勝1敗1S [本] 鹿 島 2号 伊 達 6号 皇后崎 4号 試合詳細 +... 打撃成績 +... 投手成績 +...
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スコア シンデレラ・リーグ 大阪-福岡12回戦 阪神甲子園球場(大阪3勝9敗) 福岡 130 000 110-6 大阪 210 100 000-4 (福)○坂崎、H力田、H宇佐美、S御剣龍-二神、皇后崎 (大)●八十嶋、筑紫-鹿島 戦評 大阪先発は八十嶋、福岡先発は坂崎。 1回表、二死二塁から4番古宿のタイムリーヒットで1点を先制。 1回裏、一死一・二塁から4番阪宮がタイムリーツーベースで同点。5番ダリアの二ゴロの間に走者が生還し逆転。 2回表、八十嶋のコントロールの乱れを突き二死満塁とすると2番風間の2点タイムリーで今度は福岡が逆転。なおも二死満塁として再び4番古宿がタイムリー。 2回裏、一死二・三塁で1番伊達が犠牲フライを放ち、大阪も追いすがる。 4回裏、一死三塁として再び1番伊達がタイムリー。同点に追いつく。 7回表、一死二塁で4番古宿がこの3本目のタイムリー。 8回表、無死満塁で併殺の間にもう1点を取る。 そうなると後は福岡自慢のリリーフ陣の出番。8回を宇佐美、9回を御剣龍が悠々と投げきり福岡が勝利した。 責任投手・本塁打 [勝] 坂 崎 5勝1敗 [S] 御剣龍 22S [敗] 八十嶋 5勝2敗 [本] 試合詳細 +... 打撃成績 +... 投手成績 +...