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廃墟で待つもの 廃墟で待つもの街の外れに/出現カード/ボス/備考 空虚な空/出現カード/ボス/備考 他を寄せ付けぬ闇/出現カード/ボス/備考 謎の使者と悪しき炎/出現カード/ボス/備考 コメント HP、防御力、被ダメージはあくまで参考の値です。正確な値ではないので注意してください。 被ダメージは同属性の場合に関するデータです。こちらが有利な場合には50%に、不利な場合には150%ほどのダメージになります。 初回の攻撃までのターンはランダムです。 街の外れに 【 必要魔道士ランク 初段 消費魔力 17 バトル数 5 経験値の目安 735 ゴールドの目安 3330 】 出現カード カード名 ランク HP 防御力 攻撃力 攻撃ターン 攻撃対象 備考 雷斧のケンタウルス C+ 250(対火) 3 全体 雷鳴のガイコツ剣士 C+ 250(対火) 1 単体 赤い猫戦士 ニャオル C+ 500(対火) 1 単体 2ターンの間火属性ダメージを50%軽減 アムールサボサボ C+ 200(対火) 2 全体 2ターンの間水属性ダメージを50%軽減 プラズマ・ホーンワーム C+ 600(対火) 3 単体 スキル:残HPの50%を削る (最大HPの最も高いキャラ対象) 出現カード情報を編集 出現パターン 出現パターン情報を編集 ボス ボス情報を編集 備考 空虚な空 【 必要魔道士ランク 初段 消費魔力 17 バトル数 5 経験値の目安 730~800 ゴールドの目安 3347~3680 】 出現カード カード名 ランク HP 防御力 攻撃力 攻撃ターン 攻撃対象 備考 雷斧のケンタウルス C+ 250(対火) 3 全体 雷鳴のガイコツ剣士 C+ 250(対火) 1 単体 赤い猫戦士 ニャオル C+ 500(対火) 1 単体 2ターンの間火属性ダメージを50%軽減 アムールサボサボ C+ 200(対火) 2 全体 2ターンの間水属性ダメージを50%軽減 プラズマ・ホーンワーム C+ 600(対火) 3 単体 スキル:残HPの50%を削る (最大HPの最も高いキャラ対象) 出現カード情報を編集 出現パターン パターン 備考 整備中 出現パターン情報を編集 ボス ボス情報を編集 備考 他を寄せ付けぬ闇 【 必要魔道士ランク 初段 消費魔力 17 バトル数 5 経験値の目安 975 ゴールドの目安 4346 】 出現カード カード名 ランク HP 防御力 攻撃力 攻撃ターン 攻撃対象 備考 雷斧のケンタウルス C+ 250(対火) 3 全体 雷鳴のガイコツ剣士 C+ 250(対火) 1 単体 赤い猫戦士 ニャオル C+ 500(対火) 1 単体 2ターンの間火属性ダメージを50%軽減 アムールサボサボ C+ 200(対火) 2 全体 2ターンの間水属性ダメージを50%軽減 プラズマ・ホーンワーム C+ 600(対火) 3 単体 スキル:残HPの50%を削る (最大HPの最も高いキャラ対象) 出現カード情報を編集 出現パターン 出現パターン情報を編集 ボス ボス情報を編集 備考 謎の使者と悪しき炎 【 必要魔道士ランク 初段 消費魔力 21 バトル数 5 経験値の目安 940 ゴールドの目安 4346 】 出現カード カード名 ランク HP 防御力 攻撃力 攻撃ターン 攻撃対象 備考 雷斧のケンタウルス C+ 250(対火) 3 全体 雷鳴のガイコツ剣士 C+ 250(対火) 1 単体 赤い猫戦士 ニャオル C+ 500(対火) 1 単体 2ターンの間火属性ダメージを50%軽減 アムールサボサボ C+ 200(対火) 2 全体 2ターンの間水属性ダメージを50%軽減 プラズマ・ホーンワーム C+ 600(対火) 3 単体 スキル:残HPの50%を削る (最大HPの最も高いキャラ対象) 出現カード情報を編集 出現パターン 出現パターン情報を編集 ボス ボス情報を編集 備考 コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
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廃墟の大森林 [解説] 聖王国の南部域の都市フェアドレーゲンの真南方向、自由都市同盟国境にまたがるように存在する旧人類の都市跡。 数十の高層建築物が夥しい植物によって覆われて、今なお形を留めているその様は、文明の脆さと自然の凄まじさを顕著に表していると言える。 ここは言ってみれば『禁忌の地』の飛び地である。 全体を覆い尽くした植物と、この場所に住み着き繁殖した魔獣、地下施設を徘徊する鋼魔獣によって探索は困難を極め、今なお旧人類の遺産が数多く眠ると予想されている。 [地形] この場所は東西に12km、南北に8kmの広さを持ち、地表、高層建築物、地下空間によって構成されている。 地表部分 鬱蒼と生い茂った草木によって視界が悪い上、小型〜大型魔獣が徘徊している。 高層建築物や地下への出入口は、だいたい植物によって覆い隠されている。 高層建築物 中は狭い為に機兵や従機では入れず、その上で中は小型魔獣の巣窟、外壁側も中型の魔獣が張り付いていたりして危険。 植物に覆い隠された部屋などがいくつも存在する。 地下空間 それなりに広い通路と小空間で成り立っている為、従機での探索は可能。 ただし通路は迷路のように張り巡らされており、機械兵士や小型鋼魔獣が出現する。 ガス溜まりや水没した部屋などがある。
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位置、作成者 MAPID ???? oudn 氏 (腹滑り --)(BGM 091 ※スローペース) 主な仕掛け、キャラクター 建造物入口 →光建 出口 →横断歩道 その他 ↑光建 ↓横断歩道 何かあるかと思いきや 何も起きません・・・ ヘーベルハウスは関係無いだろ!いいかげんにしろ!! \ハーイ/
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廃墟に巣くうもの 取得アイテム: 分岐 取得アイテム: 取得アイテム: 分岐 取得アイテム: 取得アイテム: 取得アイテム: 強敵宝: 報 酬: 攻 略: 20%回復 ボス戦 名前 HP 種族 弱点 耐性 攻撃方法 作戦 物攻 物防 魔攻 魔防 俊敏 異防 回避 下記 下記 攻撃: 攻略: 登場敵 名前 HP 種族 弱点 耐性 攻撃方法 作戦 物攻 物防 魔攻 魔防 俊敏 異防 回避 ランダムアイテム
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鏡の廃墟 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 鏡の廃墟1 フロンティアの時代 2 空京 3 廃墟マニア? 4 窓のない城 5 黒い石碑 6 フォーマルハウトセキュリティサービス 7 その夜 1 フロンティアの時代 空京市内。開発の槌音と喧騒が、止まらない街と呼ばれるこの街の活気を示すドラムのように響いている。 パラミタが出現してから十数年。停滞していた世界は、変わった。 地球にはもう未開の地などない-だれもがそう思っていた。エベレストの山頂も観光地になり、利用価値の少ない海溝の奥でさえ探査艇のライトが照らし出す21世紀初頭、世界の常識をぶち破る事件が起きたのだ。 日本上空に突如出現した空中大陸、パラミタ。 最初は恐怖交じりだったら新しい大地の出現に、世界が熱狂するまでさほどの時間はかからなかった。 十五世紀の大航海時代、十九世紀のアメリカ西部開拓時代、そして二十一世紀はパラミタ開拓の時代だ! 日本が自分の領空に出現したパラミタを自領土と宣言したときは、流石に国連の多くの国は鼻白んだが、合衆国がそれを認めるとなし崩しに主要先進国はそれを認める方向に走り、日本にパラミタ開拓の協力を申し出た。 アメリカの支持には、日本との間に何かの内約があったという噂もあるが、それは別の話だ。ともかく、多くの国がパラミタへの調査に手を結び-そして失敗した。 パラミタは、地球人類を拒んだ。パラミタの周囲には巨大な龍が遊弋し、近づいた輸送機や戦闘機を片っ端からその炎で太平洋に叩き落し続けた。 ようやく上陸した少数の部隊は、信じられない災害や未知の病気を報告し消息を絶った。 夢の大地なのか、ただの地獄なのか。まるでファンタジー映画のような映像を、各国のニュースは毎日のように流し続け、意地になった国々が諦めるまで多くの命が失われていった。 -結局、必要なのは、そんなものではなかったのだ。 パラミタが出現してから、世界で数万人に一人が、これまでない超常現象を体験することになる。 不思議な霊的存在と交信し、その霊的存在が実態化し、交信者と縁を結ぶ。遺跡で掘り出されるようになった古代の機械が目を覚まし、話しかけた。 最初は失笑を呼ぶだけだったおとぎ話のような事象が何度も確認されるうち、世間はそれを現実と認めるようになった。 契約を求めた存在は、自分たちはパラミタの種族であると名乗り、縁を結んだ数万人に一人の地球人は「コントラクター」と呼ばれ、彼らだけがパラミタに何事もなく上陸できたのだ。 それは、これまで地獄の業火に埋め尽くされたパラミタへの道が何事もなかったかのように開かれたということだった。ただし、コントラクターにとってだけ- 最初は細々と空輸されていたコントラクターが拠点を築き始めると、恐ろしい勢いでパラミタの開拓は始まった。 パラミタ原住民が細々と作っていた村は切り開かれ、いまや巨大な都市となり、パートナー契約をしなくても入り込める結界があり、日本と特殊な空間結合をした新幹線が空京に乗り入れている。 そこを基点に、遠くへ、未知の大地を、もっと多くの実りを- それは、そんな新しいフロンティア時代の物語である。 2 空京 空京駅からさほど遠くないビルのフロアの四分の一を1F~4Fまでぶち抜いたドーナツ店。 ミスタードーナル。 最近地球から出店してきたこの大資本ファーストフードは、空京の若者が気軽に利用している人気店の一つだ。 強気の出店は見事に当たり、今日も多くの客がやってきている。 「あっ!と、おおおお!」 情けない声を上げながら、一人の少年が二階の隅でよろけた。 テーブルに着こうとしたときにテーブルにトレイをぶつけ、ぼとっとドーナツが床に落ちた。 「ああ…もったいない」 恨めしそうに床のドーナツを見やる少年は、天良高志。17歳という年齢の割りに、外見は幼く、まだ中学生といっても通じるかもしれない。 ツァンダにある空京蒼空学園の生徒で、彼もコントラクターの一人である。 もっとも、蒼空学園には多くのコントラクターがやってきているので、10年前なら奇跡のような存在だった彼も、このパラミタではちょっと特殊な学生、というだけになっているのだが。 ツァンダ、とくに蒼空学園はパラミタで重要な空輸拠点になっている。しかしこの喧騒や、地球の大都市がそのままやってきたような、品物の豊富さはさすがにツァンダでは味わえない。 時々やってきて、地球の新しい品物を探すのに、空京でなければ、と多くの若者が思っている。 天良は今日、数人の友人と一緒に空京にやってきた。店をバラバラに見ているうちに、友人は三々五々ツァンダに帰っていく。 残った友人の初島伽耶とここで待ち合わせして情報交換でもして帰るか、そんなつもりでいたのに。折角のドーナツが。 「良ければ」 そんな声が聞こえて、天良が横のテーブルを見ると、皿にのったドーナツを差し出している少年がいた。中学生だろうか。薄い茶色の髪に透けた茶色の瞳が穏やかに笑っていた。 「いや、それは」天良が断ろうとすると、買いすぎたんだ、普段はパートナーと一緒に来るから、そのつもりで居てね、とはにかむように笑った。 ということは、彼もコントラクターなのだ。彼の名は鬼院尋人。タシガンにある中東系出資の地球系学舎、薔薇の学舎の生徒だと名乗った。同じテーブルに付いて歓談するうち、早速意気投合した二人は早速携帯の番号を交換することにした。 「暇なら今度の土曜日にツァンダに来てみないか?ちょうどその日は学園から校外に出るんだ。その前に蒼空学園も見てもらえるし」 「いいね。蒼空の人と今まであまり話す機会はなかったからね。どこかにいくのかい?」 鬼院の質問に、少し天良は迷った。よく考えると、これはかなり変な用件な気がする。 「実は廃墟見学に…」 「廃墟?」 「ツァンダの校外の森に気になる建物があって、そこに潜入を…」 鬼院は目を丸くする。これは確かにかなり変だ。 天良が少し困ったとき目の前に赤いミニスカートの少女がトレーを鳴らして着席した。 3 廃墟マニア? 4 窓のない城 5 黒い石碑 6 フォーマルハウトセキュリティサービス 7 その夜
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ルインズ 廃墟の奥へ 題名:ルインズ 廃墟の奥へ 上/下 原題:The Ruins (2006) 作者:スコット・スミス Scott Smith 訳者:近藤純夫 発行:扶桑社ミステリー 2007.02.29 初版 価格:各\733 あの頃『シンプル・プラン』に熱狂した人ならば、この作家の存在を忘れることは決してないだろう。シンプルなストーリーなのに、そのくらいインパクトを残した世界的スリラーの傑作である。サム・ライミ監督により映画化されもした。残念ながら映画のほうは未鑑賞なのだが、あの小説的傑作への映画化に対する期待と恐れとの葛藤が自分の中で強すぎて、手元にはだいぶ以前からDVDがあるというのに、鑑賞の勇気が未だに持てないでいるのだ。 スコット・スミスに関して言えば、二作目の噂さえ入手できないままに、長年月を経過してしまっていた。しかし、あの伝説のスリラー作家は、今度はまたとんでもない作品を引っさげて復活してきたのである。巻末解説によれば、二作目を何度も何度も書こうとしたのの、どれも巧く行かず、脚本に逃げた。しかし脚本の方も、どれ一つとして完成させることができず、結局、プロットへのこだわりをやめて、先を考えずに書き出した作品である本書が、ついに13年ぶりの二作目として生まれたのだそうである。 それもそうだろう。この作家の粘着力の強いディテール描写ぶり、と言ったらまるで病的にさえ感じられるほどである。プロットを組み立てて書く、というよりも語りを始めることで、物語が生成してゆくタイプの作家なのではあるまいか。 事件や物語そのものは、ちょっとしたことに端を発する小さなものであるが、一つ一つの出来事を積み重ねてゆくうちに、どんどん深みにはまって行く登場人物たちの恐怖心理、情動の不安定といったところが次第に研ぎすまされてゆく。そのあたりの描写と言ったら、もう尋常ではない。 心理学と文学とをカレッジで学んだという作者経歴だけあって、心が異常な方向へ動いてゆく時の人間の不可解さにより、物語そのものが捻じ曲がって行く狂気の凄みに関しては、ある種天才を感じさせるものがある。まさしく大御所スティーヴン・キングが、その才能を桁外れだと絶賛するだけのことが確かにある。 さて、本書『ルインズ 廃墟の奥へ』だが、ほぼタイトル通りで、数人の登場人物たちが、あるきっかけからジャングルの奥地にある廃墟へ迷い込んでゆき、そこで地獄の釜の蓋を開けてしまう、という集団恐怖小説である。 メキシコ、マヤ族の農地の奥に、インディ・ジョーンズが登場しそうな古代の廃墟が眠っているという。とにかくその場所が、とにかく怪しい。最初から、周囲の人物に注意され、止められるほど怪しいのだが、何がそれほど危険で、緊張の原因となっているのか、その正体は、なかなか露わにならない。 正直、ぼくがこの作家に期待していたのは、こうした秘境ものではなく、コーエン兄弟好みの一作目を彷彿とさせる犯罪小説であった。しかし、そういう路線とはまるで異なり、ホラーという点への徹底こだわりぶり見せつけてくれる今回のスコット・スミスは、現実的恐怖からは180度方向を変えて、この手の直球型秘境冒険ホラー小説を作ってしまったのである。 その上、『ルインズ』というタイトルからは、廃墟そのものを想像してしまうのに、実際に登場人物たちがぶつかるのは、廃墟というよりは、ある特殊な自然環境の数々であり、ある強力な正体不明の敵である。興を殺ぐので、詳しいことについては書けないのだが、少し意外なほど独創的な敵を相手にしているうちに、登場人物たちは過酷な状況を自らも作り出していってしまう。 外部の強大な敵という以上に、自滅という言葉が似合いそうなほどに、自らの心の中の敵のほうが手ごわく感じられる点は、やはりあの『シンプル・プラン』のスコット・スミス健在なり! と懐かしさ、嬉しさとで、目を細めてしまいそうである。 ぼくは、ホラーそのものの読者ではないのだが、あの『シンプル・プラン』の作者の二作目、という視点にこだわって、本書では彼らしさを随所に捉える歓びを感じつつ、読み進めて行った。圧倒的な物語の求心力もさることながら、語り口の巧さ、物語のシンプルで揺るぎない一貫性。そうしたこちら側の期待に十分こたえてくれる超面白小説だったことが、何よりも嬉しかった。再会に乾杯! と行きたいところだ。 (2008/04/20)
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『廃墟にて』 23KB 愛で 6作目。 ☆虐待なし。 ☆ネタ被りあったらすみません。 瓦礫を軽く足で除けた。 コンクリート片はごつり、と音を立てて朽ちかけた壁にぶつかると、少しの破片を散らしながら壁に身を寄せるようにして動きを止めた。 僕は今廃墟に居る。山奥に存在していて、規模はこの国の中でもかなり大きい。 山の麓の町から車で2時間くらいかかり、かつては相当な数の人々が暮らしていたらしい。 その廃墟群の中の一つ、昔学校として機能していたらしい建物の中に僕はいる。 年に2、3回くらいだが、僕は休日を使ってここへ定期的に来る。 別にそういう仕事をしているわけでも、何かやるべきことがあって来ているというわけでもない。 ここに住んでいた事もなく、勿論これから住む予定もない。 ただ単純に廃墟が好きで来ている。 「廃墟」という単語はしばしばオカルトじみた都市伝説たちと結び付けられるが、僕はそういうものには興味が無い。というか苦手だ。オカルトを積極的に語ることはしないが、お化けや幽霊の存在は薄ぼんやりと信じているし、暗闇の中を歩くのには人並みに抵抗がある。 この廃墟にも霊的な噂がないわけではなかったが、暗くなる頃にはさっさと帰ってしまうのでまったく気にならなかった。 この廃学校はそういう層の人たちには少しだけ有名で、夏になると若者がわざわざ車で肝試しに来ることがある。 廊下を歩いていると壁にスプレーで落書きがされていたり、机や生活用品が明らかに人為的に壊された形で転がっていたりする。 僕は最初はこういったものに嫌悪感を覚えたが、こうしたものも大きな時間の流れの一つだと思うと――理解し難いものであるのは変わらないが――あまり気にならなくなった。 こうしたもので、廃墟が持つ神聖さが損なわれることはないからだ。 廃校の中は変わらず明るく、常に清潔な静けさに包まれていた。 僕は廃墟が好きだ。 廃墟にて ここだけではなく、いろんな廃墟に立ち入ってきた。 廃墟に入って僕がすることは特に何もない。ただ眺め、どこかちょうどいい所に腰を掛け、煙草を吹かすくらいだ。 当然のことだが吸殻は持って帰る。 そこにあるものを弄ることは極力しないし、何かを持ち帰ることもなければ捨てることもしない。 僕は廃学校の一室に入ると古びた椅子に腰を掛け、いつも通り煙草に火をつけた。 僕が好きな時間の一つだ。 昼下がりの廃校は、至るところから陽の光が差し込んでいてとても明るい。 僕が少し動きまわっただけで辺りの埃が舞い上がり、それらが光を受けてきらきらと閃いて見えた。 木張りの床から這い出る雑草や天井から突き出す枝なんかを見ていると、全く別の世界にいるような、不思議な錯覚を覚える。 その錯覚は僕の中ではとても複雑なもので、それは退廃的な感情だったり、過去へのノスタルジーだったり、普通の生活では見ることのない新鮮な風景への好奇心だったりを喚起させるものだった。 そういう、言葉では表し難い複雑な心地よさが、更に僕を不思議で無垢な気持ちにさせた。 僕が生まれる前に人々が生活していたこの廃墟は、遥か昔の生活と、全てのものが迎えるであろう未来の予感とを具体的に見せてくれる、時代を超えた存在のように思える。 過去と現在、そして未来を全て内包しているこの場所は、どこか神聖な雰囲気を持って僕を迎えてくれるし、僕の方もそういう風にこの廃墟に対して振る舞う。 こういう趣味は万人に理解されるものではないということはわかっているし、かといってそれに対して特別な自意識を持つことはない。 理解してくれる人は少ないかもしれないが、僕はこういった廃墟に僕なりの敬意を持って入っている。 僕にとってここは、「神聖」な場所だ。 こうした、何かのためでもなく何をするわけでもない「目的と理由の無い趣味」が僕は好きだ。 何かの拍子で誰かにこの廃墟の趣味を話すと(積極的に話すことは無いが)、「目的がわからない」とか「意味が無い」とか皆口をそろえて言う。 僕にとってはスポーツやゲームも本質的には同じように思えるのだが、反論することはなかった。 そういった目的だったり意味だったりは――少なくともこの趣味においては――僕の中で完結してさえいれば十分だからだ。 敢えて述べるとすれば、僕はこの空間の光を見るためにここに来ている。 こういう風に他人に説明したことはないが、僕には理由はそれで足りた。 僕は本当に単純に、廃墟が好きだ。 葉がぎっしりと詰まった煙草を一本、時間をかけて吸い終わると、腰掛けていた椅子がぎい、と鳴った。 携帯灰皿に吸殻を詰め込みながら辺りの様子を眺めていると、差し込んでくる光が薄いオレンジに変わり始めているのがわかった。 僕が椅子から立ち上がり部屋を出ようとすると、「廃墟では聞こえてはいけない音」がしているのに気付いた。 その音は僕がいた部屋を出て左手の奥、体育館から響いていた。 僕はそれにかなり動揺して、腰のベルトにぶら下げたホルスターに静かに手を掛けた。 ホルスターには護身用の警棒が入っていて、そのずしりとした鉄の重量が僕の手を震えさせた。 手はじっとりと汗ばみ、体の中の血流が加速していくような錯覚があった。 僕がいる廊下にまで聞こえてくるそれは、人が会話するような「声」だった。 廃墟を見に来たり「探検したり」する上で最も危険なものが3つある。 一つ目は薬品等。 廃墟の特徴にもよるが、例えば今僕がいる学校だと、理科室や保健室など、薬品が多く存在していると予想される場所には絶対に近づいてはいけない。割れた薬品などが交じり合って、どんな状態であるのか全く予測できないからだ。それは複数人で来た場合でも同じで、今の僕のように単独で来た場合なら近づくのはもっての外だ。 二つ目は足場の崩落。 廃墟の経年劣化は非常に激しい。 コンクリートの床であっても妙にふかふかしていたり、足元で少しでもみしり、と音がしたらそこは通るべきではない。 日光と植物たちが作る天然の落とし穴は非常に分かりづらく、そして気まぐれだ。その廃墟がいかに大きいものであっても、2階以上に行きたいのであればかなり警戒していく必要があるし、そもそも基本的に行くべきではない。 そして三つ目が、僕が警棒に手を掛けた理由だ。 こういった廃墟では、幽霊のような「死んでいる人間」よりも「生きている人間」の方が怖い。 場所によってはホームレスが住み着いていたり、「何か理由があって廃墟に身を隠す必要がある人間」がいても別におかしいことではない。もちろん人間だけではなく野犬でも十分な脅威になりえる。 探索している中で少しでも「つい最近人が居たような跡」を見つけたりすると急いでその場を離れるし、今のように警戒しながら少しづつ退路へ向かって歩くこともあるのだが、護身用の警棒を意識的に使おうとしたのはこれが初めてのことだった。 本来はこうした気配を感じたらさっさと逃げるべきで、それが一番だと僕自身思うのだが今回は事情が違った。 僕がこの廃学校に入る際、今声がしている体育館の脇のところに車を停めていたからだ。 逃げ帰るにしても、体育館の近くを通ることは避けられなかった。 窓から外へ出て大きく迂回することも出来なくはないのかもしれないが、ここは山のど真ん中だ。 廃校の外は僕の背の丈よりも大きな草が隙間なく群がっていて、迂回するとなると今度は遭難や野生生物と遭遇する危険も付きまとってくる。恐らくそれが最悪のパターンだ。 仮にそういう心配が無かったとしても、「迂回すれば声の主に見つからない」という確証を得ることは出来なかった。 警棒の入ったホルスターをベルトの背中側にずらした後ボタンを外し、いつでも抜けるようにした。 もし声の主が「マトモ」な「人間」で、僕が警棒を持ったままその人と出会ってしまったら今度は僕の方が「危ない人」になってしまうので、少なくとも僕のほうが相手の存在を確認するまでは隠している必要があった。 こんな場所で「こんにちわ」とすれ違うだけで済むことはない。こちらが幽霊でも危険人物でもないということを説明するためにも、多少は話す必要がある。 そもそも単独でこんなところに来ていること自体すでに怪しく見えるのだろうが、とりあえず「僕は廃墟マニアです」くらいは言わなくてはいけない。 こうした物は、本来は出番が全く無いのが理想だ。 僕は今まで幸運なことに警棒を出す状況に立ち会うことはなかった。今までは。 専ら万が一の護身のためにしか持っていなかった警棒が初めて「役に立ってしまう」かもしれない目の前の状況に、僕の心臓は暴れ出していた。 僕は少しづつ少しづつ、ブーツのコツコツという音が廊下に響かないよう、体育館の方へ歩いていった。 廊下に響く声は僕が体育館に近づくにつれて大きくなり、それは僕の心臓の音も同じだった。 体育館の入口付近まで来た。声の主が僕に気づくような雰囲気は無く、このまま見つからないようこっそりと脇を通り去ってしまえばいい。そう思っていた。 会わずに済むのであれば、それが一番いいのだ。 僕はなんとかここまで気付かれずに来れた幸運と自分の用心深さに感謝しつつ、細心の注意を払ってまた一歩踏み出そうとした。 その瞬間。体育館の入り口からぽよん、とした音と共に何かが飛び出してきた。 僕が驚き固まっていると、その何かは僕に気が付き、目があった。 飛び出してきたそれは、ゆっくりだった。 「……。…?」 『……。』 「?…………!………!・!・!・!…にっ…」 目の前に現れたゆっくりれいむは、僕と10秒ほど見つめ合ったあと、恐怖と驚きの表情を浮かべ叫んだ。 「にっ!!!にんげんさんだぁぁぁぁっっ!!!」 ぎゃあぎゃあと喚きながら体育館の中へ逃げ込んで行ったれいむを見届けると、僕はさっきまでの声の主はゆっくりのものだったということ、そしてそれを警戒していた自分の洞察力の無さに脱力してしまった。 会話の内容をきちんと聞いていればこんな苦労はしなかったのに。 一気に緊張が解けた僕が体育館の中を覗きこんでみると、そこには50匹ほどのゆっくりの群れがいた。 群れは体育館の奥の方に一塊になっていて、それぞれがもぞもぞと動いている様子を遠くから見ると何か気味の悪い大きな肉塊のように見えた。 その塊の一番端、僕から近いほうにいるれいむがどうやらさっき僕と「遭遇」したれいむのようだった。 れいむは群れに向かって何かを叫び、慌てふためいているように見えた。 れいむの叫びを聞いた群れたちの反応は様々だったようだ。 「にんげんさん」つまり僕と戦おう、と息巻く声もあれば、さっさと逃げる準備をしたほうがいい、といった声も聞こえてきたが、それらはあくまで少数意見であって、殆どのゆっくりたちは人間への恐怖で竦みきってしまい、混乱していた。 僕が覗きこむのをやめ、入り口に姿をあらわすとその混乱は更に大きなものとなった。 「ゆんやあああああああああああああっっ!!!」 「どぼじで、どぼじで…」 「もうごごばゆっぐじでぎないいいいいいいいいいいっっ!!!!!!!!!」 「ににに、にんげん!きゃきゃってきょい!まりちゃがたたきゃってりゅしゅきにみんにゃにげりゅにょじぇ!」 「でいぶぅぅぅぅ!!お”ばえ”の”ぜい”でみ”づがっだん”だぁぁぁぁぁぁっっ!!!」 「ゆっぐじにげるよ!ずーりずーり!ずーりずーり!」 そうした様子を眺めていると、一匹のまりさが僕に近づいてくるのがわかった。 立ち尽くす僕をとても怖がっているのが表情でわかる。まりさは僕の足元まで来ると、ぎこちない笑顔を浮かべて話しかけてきた。 「に、にんげんさん?ゆ、ゆっくりしていってね。」 『ゆっくりゆっくり。安心しろ、僕はお前らに興味は無い。』 「ゆっ…?」 僕はこの廃校に来ている理由を可能な限りゆっくりにもわかるように話した。 まりさが僕の廃墟への気持ちを理解することはやはり出来なかったが、僕がゆっくりを虐待する趣味がない人間であることは伝わったようだった。 少し言葉を交しているうちに、このまりさが群れの長であるということがわかった。 僕が虐待をしない人間だということを知るとまりさの顔はパッと明るくなり、未だ収まらない混乱を落ち着けるべく群れの方へと跳ねていった。 それから20分程経ち、僕とまりさは少しの間「会談」をした。 会談といっても僕が群れの様子や今まで経緯を訊いているだけだったが、まりさは一つ一つ丁寧に答えた。 山奥の廃校の屋上から見る自然はとても綺麗で、僕は廃校に来るといつもここで景色を見ている。 体育館付近にある階段とは逆方向にある元入り口側の階段は比較的劣化が少なく、やや遠回りになるのだが割と安全にこの屋上に来れる。 初めてそれを発見し屋上に辿り着いたときは僕はとても感動した。 夏には屋上のコンクリートに陽炎が立ち上り、その先に緑がきらめいて見える。 秋には絨毯のような紅葉が一面に広がり、夕陽がそれを照らすと神々しさすら覚えた。 冬は廃墟へ繋がる山道が閉鎖されてしまうので来れないのだが、きっと綺麗な風景があるのだろう。 そして今のような春先には、雪解けの水がここまで流れてきているような、瑞々しくも冷たい空気が肌を抜ける。 まりさは屋上に来るのは初めてだったようで、この景色に圧倒されながらも僕にいろんなことを話した。 体育館のステージの下の物置に住んでいて、人間や動物が来るといつもはそこに隠れていたみたいだった。 そこはインターネットやオカルト本の中でも「夜な夜な幽霊が集まり会話している」という噂があって、「絶対に近寄ってはいけない場所・危険度MAX」である、と有名なポイントだった。 ゆっくりの会話を何か違うものだと誤解する人間は僕だけじゃなかったということにホッとして、噂の実態のあっけなさに笑った。 僕は廃墟をとても静かに歩くので、誰も僕が居ることに気付かず、隠れられなかったみたいだった。 長まりさは妊娠していて、もうすぐ生まれるということも話してくれた。 よく見てみると、確かに少しだけ腹が膨らんでいた。それを確認する僕を嬉しそうにまりさは見ていた。 僕の方も、僕が思う廃墟の素晴らしさを語ってみたが、まりさはきょとんとした顔をするだけだった。 「でも、まりさもここがだいすきなのぜ。みんなも、ここがだいすきなのぜ。」 山の向こうに見える夕陽が本格的に沈み始めたころ、まりさは僕に気を遣ったのか否か、僕に笑顔を向けてそういった。 お互いが感じている「好き」は意味合いが違うということはわかっていたが、それでも僕は、僕が好きな廃墟を好きと言うまりさがなんとなく嬉しかった。 僕はここの「神聖さ」にすっかり惚れ込んで何をするでもなくここにいるが、まりさたちは「生きていくため」にここに居る。 僕には具体的な目的は無いが、まりさたちにはそれがある。 そういった「好き」のベクトルが違うことはわかっていたが、それぞれどちらの方が正しいのかということはわからないし、考えるつもりもなかった。 思い方は違えど、僕たちはそれぞれの愛し方でここを愛している。僕はそれで十分だった。 僕はまりさの笑顔に応えるようにして少し微笑んだ後、表情を正してまりさにある問いをぶつけてみた。 『なあ、まりさ。もしここが失くなったら、どうする?』 「ゆっ……!?」 まりさの表情が一変した。僕が、ここを壊しにやってきたと思ったらしい。 『ああ、いや違うよ。「もし」って話だよ、「もし」。例えば。』 僕の弁明を聞くとまりさはホッとした表情を浮かべ、少し考えてから語りはじめた。 「まりさはまりさがうまれたときから、ここにいたのぜ。むれのなかでまりさがいちばんとしうえさんだから、みんなもそうなのぜ。」 「だから、まりさたちはおうちのつくりかたがわからないのぜ。えっとうだって、ここがゆっくりしてたからいままでゆっくりできたのぜ、でもおそとだときっとつらいのぜ…。」 「もしここがなくなったら、おそとでどうやってくらせばいいか、わからないのぜ…」 『…そうか。』 「でも」 まりさが僕の方に向きなおして言った。 「まりさたちは、ここがすきなのぜ。このゆっくりぷれいすがえいえんにゆっくりするときは、まりさもここでずっとゆっくりしたいのぜ。それくらい、だいっすきっなのぜ!たぶん、むれのみんなもおなじきもちなのぜ!」 『そうか…。』 「そうなのぜ!しあわせーも、ふしあわせーも、みーんなこのゆっくりぷれいすでしてきたのぜ。」 まりさが胸?を張って僕にそう言った。 「……ゆん?どうしたのぜ、にんげんさん…?」 何も言わない僕を見て、まりさは不安そうに言った。 『……実はな。』 僕は今まで言うまいとしていたが、まりさの顔を見ていると遂に耐えられなくなってしまって、まりさにある事実を告げた。 『ここ、来月壊されるんだ。』 決定事項だった。元々がかなりの規模のものだったのでテレビや新聞でも報道され、「常連」の僕としても衝撃的だった。 相当な費用がかかるので何十年も放ったらかしのままだったのだが、遂に今年予算のアテがついたらしい。全て壊されることが決まって「しまった」。 今まで僕はゆっくりに良くも悪くも興味はなかった。 ここが壊され、その瓦礫にゆっくりたちが潰されたとしてもそれも自然の流れの一つだと思っていたし、もし何かの拍子で助かったとしてもそれに対して何か思うということは無かっただろう。 死が近づく恐怖におびえて暮らすよりも、何も知らず唐突に死を迎えたほうが幸せなのでは、とすら思っていた。 こうしてまりさと話をするまでは。 この一連の会話の中でなんとなくまりさに情が移ってしまって、可能ならこの「僕の趣味を理解する存在」を助けてやりたい、と思ってしまっていた。 それを聞いたまりさの表情はどういう感情のものなのか、僕にはわからなかった。 今までゆっくりに対して何かを感じたことはなかったのだが、僕はまりさと群れたちが急に可哀想に思えてしまい、ある提案をした。 『まりさ、もし良かったら、外の暮らしを勉強してみないか。』 「ゆ…」 僕の提案は、野生の暮らしを僕が教えてやろう、というものだ。 ゆっくりに詳しいわけではなかったが、最近はゆっくりに関しての色々な書籍がある。漫画もあれば、ゆっくりの生態について詳しく書いてある学術本のようなものも、大きい書店に行けば置いてある。 インターネットでもそれは調べられるし、幸いここの取り壊しが始まるまで一ヶ月は猶予がある。 休日を使うのであと何回かしか来れないが、それでも野生として暮らしていく準備としては十分だろう。 狩りは野生と変わらずしてきたのだ。家の問題さえ解決させれば、きっとうまくいくはずだ。僕はそう思った。 僕はまりさの次の言葉を待った。 「ゆゆ…ま、まってほしいのぜ…むれのみんなとも、おはなししなきゃならないのぜ。」 確かにそうだ。いかに長といっても、「ゆっくりぷれいす」がなくなるとなれば長だけで決定するわけにもいかないだろう。 次の休みを使ってここにくるのは正直面倒でしかなかったが、とりあえずまた来週ここに来ることをまりさに約束して廃校を後にした。 カーラジオから流れてくる「戦後工業を支えてきた〇〇鉱山が壊されるまで、ついに一ヶ月切りましたね」と話すラジオDJの明るい声が、妙に冷たいもののように感じた。 その一週間、僕は仕事を終え家に帰るとゆっくりの生態について調べた。 野生の生き方は勿論、僕なりに越冬の成功法なんかを考えたりもした。 ホームセンターで簡単な木片や小さめのスコップなんかも買ってきておうちの作り方を思索したり、生活に適した間取りをメモ帳に書いてみたりもした。 おうちを無事建てられたとしても、食料は一から集め直す必要があるはずだ。ある程度落ち着くまでは何回か見に行ってやろうと考え小さいチョコの詰め合わせなんかを車のトランクに入れておいたり、野生の群れとして決めておくべき掟も僕なりに考え、まりさに教えてやろうとメモにした。 そうして一週間が経ち、僕は車の後部座席に色々な資材を積んで廃校へと向かった。 『まりさー、まりさー?』 僕が体育館で呼びかけると、まりさはぽよん、という音とともに奥から現れた。 まりさは、僕の手にあるスコップや木片を見ると少し悲しそうな顔をした。 僕がそれを訝しがると、まりさの後ろから群れのゆっくりたちがぞろぞろと出てきた。 『どうした、雁首揃えて。決心はついたか。』 「…にんげんさん、まりさたちみんなできめたことなのぜ…」 そう切り出したまりさは、群れのゆっくりたちをゆっくりと見渡した。 よく見てみると、群れのゆっくりたちの表情は様々だった。 瞳を潤ませているものや、なにか清々しい顔をしたもの、困惑の表情を浮かべているもの。 僕はすっかり「野生講座」の準備をしてきていたので、それらの表情に僕は戸惑った。 「…まりさたちは、ここにのこるのぜ…。」 まりさはたっぷりと時間を置くと、僕にこう宣言した。 僕は驚き、何も言えないでいた。それを見たまりさは少し困ったような表情を浮かべた後、 「ごめんなさいのぜ…」 とだけ言った。 「にんげんさんがくるまで、まりさたち、いっぱいはなしあったのぜ。そしたら、こうきまったのぜ。まりさたちは、やっぱりここがだいっすきなのぜ。だから…のこるのぜ。」 『大好きって言ってもさ。死ぬんだぞ、ここにいたら。』 「わかってるのぜ。でも、やっぱりえいえんにゆっくりするのも、ここがいいのぜ。」 ここの退廃的な空気に酔わされたか。僕の中に理不尽な怒りがこみ上げてきていた。 『野生でも頑張れば生きれるかもしれないだろ。そうなるように僕がしてやるって言ってるんだ。』 「だれかがいきのこったとしても、それがだれになるのかはわからないのぜ…そうしておそとでしぬより、すきなゆっくりぷれいすでしにたいのぜ……。みんな、そういっているのぜ……それはまりさも、おんなじなのぜ。」 「にんげんさん、ごめんなのぜ。でも、まりさたちはみんなこれでいいのぜ。ほんとうにありがとうなのぜ。」 僕は車で山を降りていた。後部座席に積んできた資材やら道具やらを廃校に置き去りにして。 僕の苛立ちは収まらず、それは運転にも現れていた。 「ゆっ!ゆゆっ!!ゆゆゆっ!?」 車がカーブを通る度に、後部座席の赤まりさがカーブの方向へ転がっていた。 ―――――――――― 「そのかわり、いっこだけまりさたちのわがままをきいてほしいのぜ…」 「このおちびちゃんはたすけてあげてほしいのぜ。うまれたばっかりの、かわいいかわいいまりさにのおちびなのぜ。」 『一匹でいいのか。』 「これも、むれのみんなできめたのぜ。いちばんわかいゆっくりだけはたすけたいって。にんげんさんにおねがいして、ひとゆだけたすけてもらおうって。」 「…おちびがおおきくなったら……まりさたちがここにいたことをおしえてあげてほしいのぜ。」 「……さぁ、おちびがねてるあいだにいってほしいのぜ。にんげんさん、ほんとうにありがとうのぜ…」 ―――――――――― それから更に一週間が経った。 僕の家に住むこととなった赤まりさはとても素直だった。 ゆっくりを飼うのは初めてのことだったのだが、トイレや食事のマナー、その他の礼儀など僕が考えていたよりもずっと早く覚えた。 正直拍子抜けだった。 それについて尋ねてみると、赤まりさが言うには「生まれてくる直前にそう教えられた」らしい。母親の腹越しに、そう諭された、と。にんげんはゆっくりしてる、にんげんのいうことをきけばゆっくりできる、と。そういうことを赤まりさは言った。 胎教というものなのだろうか。 僕はそういうものに詳しくはなかったが、目の前の赤まりさを見ていると、長まりさたちのはっきりとした意志が感じられた気がした。 うちに来てすぐの頃はかなり寂しがっていたがそれにも段々と慣れたようで、赤まりさはどんどんと成長していった。 そうした赤まりさのかなり「ゆっくりした」様子を見ても、僕の苛立ちは収まらなかった。 何故まりさたちはあんな選択をしたのだろう。 街にいる野良たちを見てもわかる。ゆっくりは無様でもなんでも生きようと必死で、生きてさえいればどうでも良いといった表情でうろつき、人間に命乞いをし、結果殺されている。 その「ゆっくり」が、何故わざわざ…。 いくら考えても結論が出ないような、もやもやした感情は僕の頭の中から消えることはなかった。 愛する場所を捨てるよりも、そこで死ぬことを選んだゆっくりたちは、今どんな表情をして生活をしているのだろう。 僕はそういうことに思いを巡らせたが、ついに僕には結論を出すことは出来なかった。 その頃には赤まりさはすっかり自分の出自を忘れてしまっていて、それに興味を示すことも無くなっていた。 それから3週間が経った。僕は休日を使って、赤まりさを助手席に乗せて山へ向かった。 隣の山から見る、森に囲まれた廃墟群は雲のように砂煙が立ち上っていて、はっきりと輪郭を捉えることは出来なかった。 その様子はまさしく「天界」のような神々しさがあったし、コンクリートの塊たちを崩す重機械の轟音はまるで世界の終わりを告げているような雰囲気があった。 僕は、向こうの山の廃墟が崩れるさまを見る赤まりさの様子をうかがってみた。 赤まりさは何が起こっているのか、視線の先にあるものが一体何なのか、わかっていないようだった。 「おにいしゃん、ありぇはにゃんにゃのじぇ?」 僕はどう応えるべきか少し戸惑った。 崩れ去る廃墟を見る赤まりさの目は、純粋な疑問とは少し違うものだったからだ。 その赤まりさの憧憬のような表情に、僕は何を言うべきかとても迷った。 『僕が好きだった場所だ。』 「そうにゃにょじぇ?まりちゃもにゃんだきゃ、あしょこぎゃしゅきなきがしゅるのじぇ。」 『そうか。』 このまりさが大きくなったら、僕は真実を言うだろうか?言ったとしても、それに何の意味があろうか?古里を失ったことだけを伝えることに、何の意味が? それでも僕は言わなくてはいけない時が来るのだと思う。僕はそういうことをまりさと約束してしまったからだ。 【おちびがおおきくなったら、まりさたちがここにいたことをおしえてあげてほしいのぜ】 それを最低限、叶えてやる必要がある。 「おにいしゃん!」 僕が考えていると、赤まりさが話しかけてきた。 「まりちゃ、あしょきょにいっちぇみちゃいのじぇ!!」 赤まりさは目をキラキラさせて僕に言った。 『そうか。』 僕は少し黙ってまた考えた後、短くそれだけ答えた。 誰しもに捨て去られた廃墟の奥に住むゆっくりたちは、他のゆっくりとはどこか違った雰囲気を持っていた。 それは、この赤まりさも同じ事だった。 僕は今まで、ゆっくりたちが廃墟を愛するのは、何か具体的な理由があるのだと思っていた。 食べるため、寝るため、育てるため、生きるため。 それは誤解だったのかもしれない。 彼らが廃墟に対して持つ感情は、僕のような人間が思う神聖さや郷愁と、全く同じものだったのではないだろうか? まりさたちは廃墟に対して、僕と同じ愛し方をもって接していたのか。 赤まりさの目を見て、そんな考えが浮かんだ。 僕のもやもやした感情が晴れ、まりさたちがあそこに残った気持ちがなんとなくだがわかった気がした。 「同好の士」の愛娘を託されてしまった僕は、山の麓へ車を走らせた。 家に帰る車の中で、赤まりさに廃墟の良さを語ってみようと思った。 「下界」まであと2時間。 今までに書いたもの anko4491 鬼(き)ゆん anko4495 おいしゃさんありすとすっきりしたおみず anko4509 さくやの世界 anko4515 ゆつぼかずら anko4523 14日分の友情 ~~~~~~~~~~ ここまで読んでいただきありがとうございました。
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廃墟に花を・・・。 名前 供える 今日来ていただいた人数 - 人 昨日来ていただいた人数 - 人 いままで来ていただいた人数 - 人
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458 名前: NPCさん 04/08/06 19 01 ID ??? 先日コンベに行った。 マスターがへたくそだった、シナリオはまあ普通だとしてダンジョンが単調で しかも戦闘も単調、んで一番もにょったのが GM「棚があるよ」 PL「どんなものがあるの?」 GM「ダイス振ってみて」 これです。ダイスを振らないと棚の描写がされないのです、ずっとこんな感じ で「おいおい、描写は無いのかよ。きちんと描写しようぜ」というにはGMが 気弱そうな感じではばかられるのです。 もうね!なんていうか・・・もにょった! 471 名前: NPCさん 04/08/06 20 47 ID ??? うちのGMみたいだな。 PL「GM、この辺になにかある?」 GM「えーと、知覚判定を」 PL「成功」 GM「目の前に焼き払われて廃墟と化した村がある」 PL「おいっ!」 『廃墟の村』の存在を、目の前まで来て気づかない上、 判定に成功しないと知覚できないってのは…… 一応、補足。PL達は濃霧などにまかれていたわけではない。 加えてその村はパーティが向かっていた『PCの故郷』であったりする。 ……判定に失敗していたらどうするつもりだったんだ、GM。 スレ28
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imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 【好奇心は猫をも殺す】初島伽耶(ういしま・かや) ねえねえ、ツァンダの北東の森に、いい感じの廃墟があるの知ってる? 夕方になると、その廃墟で「水をくれ~」とか「これを届けてくれ~」なーんてううめき声や、悲鳴が聞こえるんですって! 本物かな~。すごいよね!あたし、写真取りに行ってみたいんだけど、一緒に行ってくれない? やっぱ、あたしだけじゃ怖くてさ。 シナリオ作成者から 少人数用ホラー風味シナリオです。 問題の廃墟は、ツァンダから少し離れた森の中にひっそりと佇んでいます。 地球人の入植以前のものらしいのですが、詳しいことはよく分かっていません。 さっぱりした気性の気性の初島に協力するもよし、もしかしたらあるかも知れない宝を見つけるもよし、廃墟に踏み込む理由は参加者にお任せします。 一旦シナリオが始まってしまうと、プレイヤーは強制的な危機状況に陥りますが、その中にいくつか分岐を準備してお待ちしています。 この廃墟は幽霊屋敷なのでしょうか。それとも何かの犯罪のカムフラージュなのでしょうか。 マスター:パステル作戦 セッション参加人数最大:最大2名 セッション予定日時:2009/07/04 21 30-23 00(予定) セッション会場:Ajax Chat for TPRG キャラクターシート(フォーマルハウト・セキュリティサービス。ツァンダエリア調査隊) 隊長(ピートマイナー・高梨) (HP40/40 SP10/10 語5理5体15音5美5家5社10攻25魔5防15魔防0 カルスノウト(近)+ツインスラッシュ(天良としての能力) または アサルトカービン(遠)+スプレーショット(隊長としての能力)) 副隊長(クロフォード・アイルマン) (HP40/40 SP10/10 語5理5体15音5美5家5社10攻25魔5防15魔防0 ランス(近)+チェインスマイト(鬼院としての能力) または アサルトカービン(遠)+スプレーショット(副隊長としての能力)) アロイーネ・ジークパウト(28) (HP40/40 SP10/10 語5理5体15音5美5家5社10攻25魔0防15魔防0 アサルトカービン(遠)+スプレーショット) 民間警備会社フォマルハウトセキュリティサービス所属。優秀な女軍人。性格は温和。 マイケル・マクミニター(25) (HP20/40 SP10/10 語5理5体15音5美5家5社10攻25魔0防15魔防0 アサルトカービン(遠)) 民間警備会社フォマルハウトセキュリティサービス所属。典型的軍人。角刈り。シナリオ開始時に発熱している。 フォスフィード・ケレンディッタ(24) (HP40/40 SP10/10 語5理5体15音5美5家5社10攻25魔0防15魔防0 アサルトカービン(遠)) 民間警備会社フォマルハウトセキュリティサービス所属。体術に優れた軍人。通信担当でもある。角刈り。 クラーク・アイネマン(35) (HP5/40 SP10/10 語5理5体15音5美5家5社10攻25魔0防15魔防0 アサルトカービン(遠)) 細身でドイツ系。ショート。プライドの高い拍車肌。地質学専門。シナリオ開始時に既に重篤な病気で高熱を出している。 ミート・サドラー(31) (HP15/15 SP0/0 語10理20体5音5美5家5社10攻5魔0防0魔防0 小型ピストル(遠)) 黒目がねで丸顔の軍医。落ち着いた性格。 カロリン・サマルバート(19) (HP10/15 SP0/0 語20理10体5音5美5家5社10攻5魔0防0魔防0 ショットガン(遠)) ヲタ大嫌いの超天才。ちびっこ。比較文化学、言語学、歴史学に高い造詣を持ち、さらにネットワークエンジニアを兼任。シナリオ開始時に発熱している。 狭山光男(42)(HP10/15 SP0/0 語20理10体5音5美5家5社10攻5魔0防0魔防0 ショットガン(遠)) メガネでオタ。長髪。生物博士。カードキャプターさくらを毎日見ないと精神が落ち着かない。 キャラクターシート(PCチーム) 天良(セイバー) (HP58/58 SP12/12 語3理6体16音10美5家6社14攻25魔8防23魔防5 カルスノウト(近)または大太刀互換(近)+ツインスラッシュ) リリー(プリースト) (HP48/48 SP7/7 語7理6体12音11美6家9社9攻22魔10防22魔防7 光条兵器(ホーリーメイス互換(近))+ヒール・光条兵器) 鬼院(ナイト) (HP60/60 SP16/16 語5理5体16音7美8家2社14攻24魔7防24魔防2 ランス(近)+チェインスマイト) 西条(ウイザード) (HP41/41 SP28/28 語12理17体6音6美6家4社11攻14魔29防12魔防9 エンシャントワンド(近)+火術・吸精幻夜) 初島(プリースト) (HP45/45 SP17/17 語8理6体9音10美6家7社14攻22魔10防22魔防7 ホーリーメイス(近)+ヒール) リプレイはこちら 現在予約1名です.あと1名先着で予約を受けますのでここにコメントをつけて予約してください. -- パステル作戦 (2009-07-04 09 07 05) 僕、参加します。 -- zuzu (2009-07-04 21 20 07) プレイ開始しました。 -- パステル作戦 (2009-07-04 21 50 49) 名前 コメント