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――――――――。 ――――。 今日は、かなりドキドキしながら学校へ出向いた。ひょっとしたら斉藤が女体化してしまっているかもしれない。そうしたら、どうしよう。そのことばかりを考えていたのだ。 素数を数えても落ち着かないし、手のひらに人と書いて飲み込んでも落ち着かない。深呼吸も無駄だったし、ましてや無機物に例えたところで言葉を発してくるから意味は皆無だった。 だけれど私の心配を他所に斉藤は一昨日と寸分かわらぬ姿で「おはよー」と言ってきた。どうして昨日連絡をよこさなかったのかというと、それすら出来ないほどに休んだ原因である下痢・腹痛が凄かったらしい。今日も少し腹痛の気があるらしく、お腹をさすっていた。 女体化の可能性はというと、運がいいのか悪いのかどうやら昨日が斉藤の誕生日だったらしい。おめでとうと同時にご愁傷さまと告げておいて。 兎に角それによりだいぶ平静を取り戻した私だが、やはりもうひとつのとても大きな比重を持つ心配事は消えてくれなかった。 ――三上が女体化してしまう可能性。三上の誕生日は遅い。少なくともあと一年弱待たなければ危険年齢から脱出することは出来ないままで、それまでに風邪を引かない保証などどこにもない。 更に言えば、突発的に女体化してしまう可能性も有る事を考慮すると尚更早く手を打つ必要があった。 私が、三上に告白する。そして行為を要求する。それだけでいいはずなのだけれど、それがうまくいかない。普通に会話する分には平気(前とはちがってかなりドキドキするけれど)なんだけれども、どうしても告白は勇気が出ない。三上と並んでいるときに「好き」とか「告白」とかいう単語が耳に入ってくるだけでもカチカチになってしまう始末だった。 だから、恵奈ちゃんに相談した。私の持っている知識は男から見た女でしか無かったから。女から見た女という面で、ある種の躾をしてもらいたかったのだ。 そして今現在いる場所は恵奈ちゃんの部屋。ちょうど私の部屋の一個上の階に位置する部屋である。 こんなに近いとは思っていなかった。それでも怖いわけだから、送り迎いを恵奈ちゃんに頼んでるけれど……。 「でね、実奈ちゃん。男の子っていうのはね、やっぱり家事をする女性に弱いと思うんだよね」 恵奈ちゃんの机を挟んでの講義に「うん」と頷く。 「その点……実奈ちゃんは三上くんにお弁当を用意してあげてるようだけど、それだけじゃ足りない! もうマンネリ化してしまってるかもしれないのですよ!」 「そ、そうかな?」 言うと、恵奈ちゃんは元気よく「そう!」と言い放ち、 「だから、いっそ夕飯も作ってあげてですね」 「あの、夕飯は……作ってる、よ?」 ポカーンとした恵奈ちゃんの表情。鳩が豆鉄砲食らったような顔、とでも形容しようかと思えてしまったほどだった。 恵奈ちゃんは「コホンっ!」と仕切り直しすると、 「じゃあ……朝ごはんも作ってあげるのですよ! 実奈ちゃん、朝はなに食べてるのかな?」 「えっと、普通にスクランブルエッグとか、焼き魚とか……かな?」 「いいよ! すっごくいいよ! まさに、家庭的な娘って感じだよねっ!」 恵奈ちゃんの目がキラキラしている。って……このパターンは…… 「それ、恵奈ちゃんの萌え属性なんじゃない?」 休み時間毎に話をしていると、いやでもそういう単語が頭に入ってくる。うん、別に嫌ではないよ? ただ、それは図星だったようで、恵奈ちゃんは少しばかり顔を引きつらせ、 「な……なんでわかったのかなぁー、実奈ちゃん」 「初めて私に話しかけてきたときと同じ感じがしたんだよ、恵奈ちゃん」 そう言うと初めて己の感情の高ぶりに気付いたようで、 「そんな事言ってると……抱きしめちゃうぞ!?」 とか言ってきた。もちろんこれに対しての返事は決まっている。 「いいよ? 恵奈ちゃんいい香りするし、柔らかいし、その……胸大きいから気持ちいいし……」 本当に、恵奈ちゃんに抱きしめられると安心するというか。三上のそばにいるときと同等の安心を得られる事がつい最近発覚したのだ。それに、私より明らかに大きいその胸は、心地が良い、の一言に尽きる感触で。何時までもその場所に頭をうずめていたいという気持ちすら起こさせる。 「んー……。寝ちゃうからダメだね」 「えー?」 欠点としては、なにやら睡眠薬効果が有るらしく、抱きしめられると私は寝ずには居られないのだ。おかげで何度か授業を聞きはぐってしまっている。気持いいからいいんだけどね。 「埒があかないから、話しを戻すよ実奈ちゃん!」 「うん」 相変わらずとびっきりの笑顔で私に告げる。 「三上くんに朝ごはんを作ってあげよう! そうすれば、三食一緒にいるわけだから、ベッドインがしやすく……」 「――ッ!」 とたんに顔が熱くなる。一瞬で想像してしまったのだ。私と三上が……一緒に寝ることを。寝れる気がしない。 「それぐらいじゃないと三上くんは兎に角。実奈ちゃんの踏ん切りが付かないんじゃないかな?」 「……仰るとおりです」 思わず、頭をさげる。 「少なくとも、そーだね……一日お泊りしてもらうっていうのはどう?」 「うぇ!? そんな、いきなり? 今日じゃ、ない、よね?」 またしても熱を感じ、動揺する私に向かって恵奈ちゃんは、 「なーに言ってるの実奈ちゃん。……今日に決まってるじゃー、ないですか」 ある意味冷徹とも取れる発言をしたのだった。 ――――――――。 ――――。 自室。普通なら落ち着けるはずの場所だろう。安息の地、という場所でもある。いや意味は同じだけれどさ。 でも。今私は最高に緊張している。心臓がバクバクしている。顔に熱が溜まりきって、汗が出てくる。それに、思考も安定しないような気がする。 なんでこんなに緊張しているのか。今部屋に三上がいるからである。 ――否。それだけでは理由になってないよね。 正確には、恵奈ちゃんから言われたとおりあの後直ぐに三上を部屋に誘った。もちろん、夕飯を作るという名義で。実際、それもあるけれど本当の理由は“三上を部屋に泊まらせる為”で。 どうやって話しを切りだそうか、と躍起になっているけれど結局恥ずかしいから想像すら出来ていないというのが現状。 想像以上におぼつかない手つきでエプロンの紐をほどき、脱ぐ。 ふたり分のご飯を机に並べ、考える。 どうやって誘うのがいいのだろうか。普通に「今日泊まっていかない?」では駄目だろうか? ……駄目だ。どう考えてもそれで三上が承諾するはずがない。 じゃあ、言い訳を付けよう。「今までだって泊まったことは有る」。……ボツ。今と今までとは勝手が違うよ。 どうすれば、――どうすれば、 「どうしたんだ実奈?」 「――いひゃぅッ!」 心臓の鼓動が、リミッターでも解除されたかのように加速した。ああ、寿命近づいたかな、とかとりとめのない事を考えているが、実際はそれくらいしか考えられないほど焦っていて。 ついでにこんなことでビビっている姿を見られたというのも既に恥ずかしい事象の範疇に入っていて、もう頭から火を吹くのを通り越して爆発でもしてしまいそうになった。 「どうした、実奈!?」 異常な反応を見せた私を三上は心配してくれたのか、声を荒げる。 「い、いや。大丈夫。うん。大丈夫だよ?」 荒い息で返事をした。三上はというと滅茶苦茶訝しげな表情でこちらを見据え――、 「……何か心配事あったら俺に言えよ?」 言えないよ! 絶対、言えないよッ! 「三上の女体化を食い止めたいから、とりあえず今晩私の部屋に泊まってもらいたいんだけど、どうかな?」なんて相談できないよ! でもとりあえず形だけは「うん」と返事をしておく。 どうしよう、どうしよう、どうしよう! 余計言いづらくなっちゃった。もうこのまま倒れこんでもいいかもしれない。それぐらい恥ずかしい。 もう三上の顔は直視が出来ない状況で、明らかに顔が真っ赤に染まってしまっているのもわかる。 そんな最中――三上の手のひらが私のおでこに、 「――ひぅ!?」 「熱は、無い、のか? 大丈夫なのか?」 全ッ然、大丈夫じゃないよ? 主に三上の所為で。でも私は口をパクパクさせることしか出来なくて。 いや、動けないんでもの。触られた瞬間全身の筋肉が硬直して、そこから硬直を治す力が根こそぎ持って行かれた。 しかも、発言から察するに、明らかに紅潮しているのを気づかれている。 それを考えると余計に身動きが取れなくなり。 「ぁ――……か……」 意味不明な言葉が口から出てしまう始末だった。 「どうしたんだ、実奈? お前……全然大丈夫じゃないよな? 今日も何かやられたのか? 男に、何か」 その瞬間、私は名案を思いついた。そうだよ。初めっから、そうやって誘えばよかったんじゃないか。 緊張を解(ほぐ)すように、言葉を紡ぐ。 「あ、あの、さ。三上?」 「なんだ? 実奈」 名前を呼ばれるだけでも緊張ってするんだね。 今まであまりの緊張の中に居たから気がつかなかった。 「怖い、からさ」 「怖い? ……なにが、だ?」 そう言うと三上はちょっと不安そうな顔をした。 大丈夫だよ、三上の事じゃないから。 私は三上を嫌いになったりしないし怖いとも、思ってないから。 ――ああ、今の恥ずかしい! 「一人で……居るの、が。すっごく……寂しいの。……だからさ、今日――」 ものすごく恥ずかしい、誘いの言葉。いうだけでとろけてしまいそうだけれど、それを口にする。 「今日さ、私の部屋に……泊まっていって、よ」 ――――――――。 ――――。 お風呂に入ったあと、体も心もゆでダコのようになってしまった私は、汗ばむ手と焦る心を必死に抑えふたり分の布団を並べた。 別にベッドも有るのだけれども、それじゃなんにも出来ない気がしたから。だから「寂しいから、と……隣で寝て!」と無理を言い布団を二枚敷くという結論に至った。 ――で、今私の背中には、同じく背中を向けた状態の三上が居る。心臓が早鐘を打つ。胸がはちきれそうな、そんな感じがした。 息もかなり荒くなってしまっていて、さとられないようにするのがやっとだ。 三上はピクリとも動かない。寝てしまったのだろうか? でも、それじゃ、困る。どうしても“しなければ”。後悔なんてしたくない。私は、私は。 「ねぇ……三上?」 「どうした?」 小さくつぶやくと、きちんと声が帰ってきた。良かった。寝ていない。 どうしよう? どうやって誘うのが、一番いいのだろうか? ハッキリ言わせてもらえば、三上は「女体化を食い止めたい」という理由じゃ、行為をしてくれない気がする。 絶対に断られる。だから、結局は言わなければならないことがある。けど、今言うのも、ものすごく恥ずかしい。 段階を踏んで言わなければ行けない言葉。すっとばすことは不可能で、第一段階に立とうと思った。 「あの、さ。呼び方、だけど……。み、三上は私のことを実奈って名前で呼んでくれてるじゃない?」 「そう、だな」 まずは、呼ぶ名前。『ノーノー。私のことは恵奈って呼んで。そんなお固い敬語じゃ嫌なのです!』不意に、恵奈ちゃんのそんな言葉が頭をよぎる。今まで、今でも。私は三上のことをずっと苗字で呼んでいた。だから、携帯電話でそうしたように、言葉でも。 「……悠希って、呼んでも……いい、かな?」 「べ、別に……構わないけど」 良かった。よく考えれば勝手に悠希って呼べばよかったのかもしれないけれど、否定的な顔をされるのは嫌だ。これで、段階を一つ、踏めた。 大丈夫――大丈夫。落ち着いて、そうすればきっと大丈夫。 「どうしたん、だ? 急、に」 悠希が切れ切れにそんな事を言って来る。 駄目だ。悠希の言葉を聴いただけで、私の心臓はより一層血を送り出すことに力を入れてしまう。 勇気を出せ――、頑張れ。心なしか恵奈ちゃんがそう言ってくれているような、そんな気もした。だから、頑張るよ。 「悠希は、さ。私がどうして女体化しちゃったか、知ってるでしょ?」 「えっと……告白する勇気がなかった、からか?」 「……正解。いっつも……いつも。私は結局告白する勇気が出なくて。そのたびに後悔して、さ」 必死に言葉を搾り出す。 「馬鹿なんだよね、結局。何度も何度も、告白出来なくて失敗して。……ううん、そんなの失敗じゃないよね。だって、行動してないんだもん……」 悠希は黙っている。そりゃ、突然こんな事を言い出したらそうなっちゃうよね。 多分私だって同じことを言われたら、なんにも言えなくなっちゃうと思う。悠希に言われたら、多分死んじゃうと思うけど。 「私はね、……もう後悔したくないんだよ」 「ま、実奈? いったい……」 鈍いなぁ……。そろそろ気付いてくれても、いいと思うよ? 少なくとも私は。こうも鈍いと、思わずいいたいこともとどまっちゃうよ。 でも、それじゃ、ダメなんだ。言わなきゃ行けない。楽観視して後悔は絶対にしたくない、この気持に嘘偽りは無かったから。 「私はね、悠希。……ゆ、悠希の、事、ね」 迷惑かもしれない。元男にそんな事を言われたら、気味が悪いかもしれない。 「こんなふうに思っちゃってるのはおかしいかもしれないけどさ……私は……その!」 一言、それだけ。たった一言。 「私は……悠希……、あなたの、ことが、大好き、です……」 それは、精一杯の告白だった。 ――――――――。 ――――。 場は硬直していた。もちろん、私の一言により。言った本人の私ですら緊張で、完全に硬直していた。 口を開くことすら出来なくなってて、只々布団に顔を埋める。 「え……な……、……え?」 それは悠希も同じだったみたいで。言葉にならない言葉を、さっきから繰り返していた。 「え……ま、な?」 「嫌……だった、かな……」 ここまで来ると、いっそ行動出来た。相変わらず背中を向けたままだけれど、言う。 「迷……わ、く、だった? ご、ごめ……」 「な、なに、謝ってるんだよ」 今はどんな言葉でも、胸に突き刺さってきて。怖い。否定されるのが、突き放されるのが、怖い。そんな思いで胸中がいっぱいになる。 だから、悠希の言葉がとても怖く感じて。否定的な考えだけが頭をめぐる。 「ごめ、……ん、ね。後悔は……したく、ない、から」 「だから……」 「悠希の、さ。返事、聴かせて……」 悠希の言葉を遮りそう言った。もちろん、返事は怖い。断られるかもしれない。受け入れてもらえないかもしれない。マイナスな思考。 突き返される、その言語が怖い。 「実奈……」 ちょっと間延びするだけでも、その時間は永遠のように感じられて、どうしてこうも長い時間の中に居るのか、不安になる。 答えが怖い。布団に潜り込もうとする体を必死に押さえつけ、それで聴く準備をする。 「……俺なんかで、いいのかよ」 悠希から帰ってきたのはそんな言葉で。 「私は……ね。悠希に沢山感謝してるの。何度も、何度も助けてくれて。でもその過程で悠希以外の男の子は……怖いって、体が心が、否定するようになっちゃって。でも、悠希だけは特別だったんだよ?」 そう。特別だった。その特別を私は“普通”で片付けようとしていて。でも、 「悠希がいなくなったときに、初めてわかったの。“私は悠希が居ないとなんにも出来なくなっちゃったんだ”って。現に、外を歩くときも、悠希が居ないと怖くてダメに成っちゃった」 只々、私の思いを信じてもらうために言葉を紡ぐ。その思いを悠希は受け入れないかもしれないけれど、もう止まれない。 「だから、ね。こうして寝ているのもすっごく嬉しい。なのに、“俺なんか”なんて、言わないでよ……」 「だったら……」 悠希が口を挟んできた。その言葉はどこか刺があり、思わず萎縮する。 「だったら、さ。謝るの、やめろよ。俺はまだ答えを返してない。なのに、そんなの、実奈が勝手に結論づけちまってるじゃねぇか」 そして「俺は、」と話を続ける。 「……俺は、いや、“俺も”。好き、だよ、実奈の事が」 聴いた瞬間、私の頬を、何かが伝う。久しぶりな感覚に一瞬戸惑う。 只々嬉しかった。“好き”だと行ってもらえたことに。 悠希の言葉はそれだけでは終わらなかった。 「お前が女体化して、初めてご飯を作ってくれたとき、俺は思わずみとれてた。反則だよ。知り合いとは言え、美少女がさ、親しげに接してくれるなんて。俺が実奈の買い物に付き合ったのだって、休みたいのが目的じゃない。純粋に、手伝ってあげたい。そう思っちまったんだ。だからこそ、お前が公園で“あんな目”にあってるのが許せなかった。殺してしまおう、そうすら思えた……」 一区切りして、悠希は更に続ける。 「その後も、お前は色々と世話を焼いてくれて。ほんと、どうにかなっちゃいそうだった。いつか自分は襲っちゃうんじゃないだろうか、とか、な。最低だよな、そんなこと考えてたなんて。……いつか、告白しようとは思ってた。でも、男から告白されてどうなるんだろう、って思って。俺のことが怖くなってしまうのではないか、そんな考えだけが頭を回ってて。 だから、本当に、嬉しい。実奈が、俺のことが好きだって事がわかって、さ」 頬を伝う生暖かいそれは、何時までも止まらず、私は目を閉じていた。 ――嬉しい。 「実は、さ。今日も本当はドキドキしてたんだ。色々と、な。隣り合わせで寝るって事自体、心臓に悪すぎるんだ。だから今、俺やばいかもしれないんだよ……」 「なに……が?」 問いかける。悠希も私も、声が震えていた。 「も、元男のお前にだからこそ告げる、ぞ? ひ、引くな、よ?」 「わかった、よ。……大丈夫」 なにを言い出すのか。ゴクリと生唾を飲むその口すら震えていて。 「襲っちまいたいって……衝動に、駆られてるんだ。実奈、助けて、くれ」 「え……、ど、どうい、う」 つまり、悠希は私を襲いたいって……うぇ!? 「ゆ、悠希?」 万々歳なのだろうか? これで襲われれば、私は、いつまでも男な悠希と一緒に居られるわけで、否定する要因なんてとうに存在していなかった。 「わた、しは……その、えっち、も構わ、な……い、よ?」 体はサウナにいるかのごとく熱され、もうどこから熱を発散すればいいのかも分からなくなっていた。 そんな中、震える言葉で言う。 「ゆ、うき……」 「実奈、や、めてくれ。本当に、我慢が、出来なくなるっ……」 その声は、必死に欲望を押さえつけているのがわかる声で。 「……じゃあ、そ、その、さ。キス、だけでも、しよう?」 「実奈ッ――!」 言い終わるのが早いか、悠希は私に覆いかぶさるようにして居て。 その行為に、不思議と恐怖は無かった。 ――――――――。 ――――。 悠希の唇が、私の唇に覆いかぶさる。とうに心臓の鼓動など聞こえなくなり、耳に届くのはふたり分の呼吸だけだった。 「――はぁ……、んぅ……!」 荒い呼吸と唾液の混ざり合う水音が聞こえる度に、頭は真っ白に、なんにも考えられなくなってしまい。 「ゆぅ……きぃ……! ふぁ……!」 名前をだしただけなのに、それだけでも強い快楽が私の体を包み込む。どうしたらいいのか、わからない。 ――もっと長く……。しかし、その思いは通じず、悠希は私に覆いかぶさるような体勢をやめた。 「ぇ……、ゆぅ……き?」 「ごめん、な」 言われている意味がわからなかった。どうして、謝ってるのか。なんで謝られているのか。 「気、使わせちまってたんだろ? ……ごめん」 「なに、が……?」 頭は真っ白で、他のことを考えていることなど出来ない状況で。 言われている言葉の意味など考えもしないで、ただ快楽を求めていた。 「ごめんな、実奈……。斉藤の件だよ。アイツは女体化しなかったけど、もし……俺が女体化したらとかそういう事、考えてたんだろ?」 見抜かれていたのか? その悠希の一言で、頭の中は一気に色が付き、思考回路が正常のものへと戻った。 もし。もしも本当に私の意図を汲み取っているのだとしたら“謝っていること”についての説明が一切出来ていない――。 そんな事を考えていて。 「ど、いう……こと?」 私はまだ荒い息で訊く。 「俺が、俺が女体化してしまったら、お前はきっと自分の所為とか思うに違いない。だから、償おうとか、思ってるんだろ……」 途方も無いほど間違っている想像を聴いてしまった。 「それは、ちが……、わた、しは……」 違う! 私の話を……きちんと……。でも、それは悠希の堅い言葉に遮られて。 「どこが。普通は、告白の直後にその、行為になんて及ばないだろ」 それは、確かに悠希に女体化してほしくないって言うのも有ったけど、違う! だからハッキリ言わなければ、いけない。……いけないのに。 「俺が女体化しちまうのは、俺の所為だから。……だからお前が無理に食い止める必要とかは……」 悠希は好き勝手に言って。気に食わない。久しぶりかもしれない。 「だから、な。――そんな、辛いことすること、無いから」 私の意見を聴いていてくれていた悠希だからこそ、この発言は許せない。 「自分の体を大切に――」 「悠、希……」 悠希は止まってくれない。なら、止めるしか、無い。 「――悠希!」 喝を入れるつもりで、上半身を起こした。けど思ったより体は安定していなくて、倒れそうになった私は、思わず悠希に抱きつく形になり。 ――その瞬間、こらえていたものが溢れ出した。 ポロポロポロポロ……。目から溢れ出るそれは尽きることを知らない、無尽蔵な泉のようで、悠希のシャツを濡らし始めて。 「ま、実奈!?」 「…………ば、か」 シャツを握り発したのはそんな一言で。 「どうしたんだ、よ、ま――」 「――馬鹿ッ!」 一言発しようとする度にしゃくりがそれを邪魔する。 「う、ふぇ……ば、か! ゆぅ、きの馬鹿!」 今まで抑えていた感情が、気持ちが全てが決壊した。 「わた……しが、……どん、なに苦し、かったか! 知らないくせにッ!」 「ま、な……?」 「ど、して!? にょた、いかするの、が……誰、の所為、とか……せき、にんとか! そんなの……かんけ、い、ない!」 力任せの言葉を悠希にぶつける。 「だめ、なの? ゆ、ぅ……き」 私は悠希に問いかける。精一杯が続いているせいか、勢いも無くなってきているけれど、それでも頑張って。 「なに……が」 「……す、すきな、ひと、が、すきな……ひとに、男のまま、で居て……ほしいって思うのは……だめ、なの?」 「実奈……」 「わだ……、私、は、悠希に、女の子になって、欲し、くない、から……。だから――」 一瞬、なにが起こったのかわからなかった。ふわっとした感覚。よく似た感覚を知っていたけれど、それとは違う。 「実、奈……。ごめん、な。俺は、なんにもわかってなかったんだな……」 気がついたときには、既に腕が背中に回っていて。そうか、抱きしめられてるんだって理解した。 ――――――――。 ――――。 二対の布団の片方。そこに、仰向けに横たわる私。そして上に覆いかぶさる形の悠希がいた。 「ゆぅ……き……。キス、し……て?」 悠希に、催促する。私自身は、もうストッパーと思しきものは外れてしまっていて。恥ずかしいという感情もマヒしているに等しかった。だから、幸せを求められればそれでいい。 「……むぅ、……はぁ、んぅ……」 ゆっくりと近づいてきた悠希の柔らかい唇に、私の唇が重なった。 そして、口の隙間に、舌が侵入してくる。 悠希の舌は、口腔の上部を撫で、私の舌と絡みつき――、 「んぅ……! ふぅ……ぁ!」 ディープキスがここまで気持ちいいものとは思っていなかった。頭の中はもう、キスで一杯になってしまっていた。 「あぅ……もっと……」 舌と舌が絡みあう、水音が響き渡る。その音は部屋内だけではなく私の脳内でも反響して、ますます変な気分になる。 一旦、唇が離れる。 「平気、か?」 「う、ん……」 少し冷静になったからか、体の異常に気付いた。 股が濡れている。これが愛液って……やつ、なの、か? そのことを認識したとたん、キスだけでは物足りないという感情に駆られた。 「悠希……もっと、いろんな、ところ、を見、て……」 そう言いながら、カチカチの指を動かしてワイシャツ風の根巻きのボタンを外していく。根巻きがなくなったそこには一週間前までは無かった双丘が有り、申し分程度にそれを包みこむブラジャーが顕になった。背中に手を回し、ブラジャーのホックを外す。手慣れたものだ。かれこれ5日は着け外しをしているのだ。当然と言えた。 ゴクリと生唾を飲み込む音が聞こえる。 「ち、さくてごめ、な?」 思わずそんな事を言ってしまった。かろうじてBと言われた、下手をすればAになりうるこの胸のサイズだから、結構コンプレックスになってたりするんだ。 「俺は、サイズで決めたりはしないぞ?」 悠希はそう言って、私の頭を撫でた。こうやってされるのは、かなり嬉しかったりする。なんだか、とっても可愛がられている気がするんだ。 私の頭を撫でていたその腕が離れ、胸に移動する。 「ひゃぅ……んっ……」 乳房を軽く包まれただけだというのに、キス以上の気持よさが伝う。 声をこらえていることは当然ながら出来なかった。 「ふにゃぁ! ぁぅ……」 悠希に乳房を揉まれる。大きな手が、小さな胸を何度も行き来する。そのたびに体が小刻みに動いてしまって。 そして悠希が、訊いてきた。 「……ここ、触っても、いい、か?」 そう言って指さしたのは、紛れもない私の、淡い色をした乳首で。 改めて見ると小さめのそれは、私から見てもわかるほどに立っていた。 「いぃ、よ……」 「じゃあ……触、るぞ」 指先が、乳首に触れ―― 「――ひゃぁぅ! ん、はぅ……だ、めぇ……」 あまりの快感に、体がついて行けていない。心と体が離れそうになる。 「ダメだったか?」 「ちが、……あんまり、気持ち、よか、った、から」 息も絶え絶えに、否定する。 そうしないと悠希はここでやめてしまいそうな。そんな気がした。 「大丈夫、なん、だな?」 「だい、じょうぶ。もっと、おね、がい……」 一声悠希が何かを言った。聞き取れなかったが、次の瞬間、両手の指が私の乳首をつまみ、 「――――――――ッ! んぅ、は、――あぅ!」 今までで一番強い快感に、エビ反りになる。 こんなんじゃ、そう、にゅうは出来ないかも、しれない……。 そんな事を思った時だった。 ――ふと、悠希の股間に目が動いた。男の頃は、私にも付いていたアレ。二日に一回は、だしてくれと唸るどう仕様も無い物。 他人のなんてみたくもないと思っていた。けれど、相手が悠希なら、そんな気持ちは一切感じ無い。 「悠希……勃ってる、ね」 「――んなっ! そ、そりゃ勃つだろ……」 その返事に私は思わずクスっと笑う。そして、悠希が怯んでいるスキに上体を起こし、 「ねぇ……下、脱いでよ」 そう言うと、悠希は顔を真赤にさせて。 「脱がないなら……私が脱がすよ? ……男のズボンなんて、脱がすの楽ちんなんだから」 悠希が硬直してしまってるから、そう言いつつ手を伸ばす。しかしその手を掴まれて、 「い、いい! 自分で脱ぐから!」 そうして立ち上がる。 ――立ち上がると、勃起してるのがよくわかった。私の体で、興奮、してくれてるってことがわかって、嬉しい。 ズボンを脱ぐと、チラチラこちらを見ながらもパンツを下ろした。 「大きい、ね。……お、おちん、ちん」 言っていて、ものすごく恥ずかしかった。でも、それは言われた側も同じだったらしい。 「俺だけがぬぐって、ずるくない、か?」 はっとした。両者が脱がなければ、行為は成立しないんだ。そう言えば、実感はわかないけれどこれが自分に入ってくるのだっけ。そう思うと、少し怖くなる。 入るのだろうか? 結構な大きさだけれど。 ――なるようになるだろう。私はそう割り切った。 「脱がせてくれる、の?」 私が男だった頃は、脱がせてって言うシチュは結構好きだった。だから、同じかどうかはわからないけれど悠希にもそれを試す。 悠希はどうしたらいいのかわからないようで、どぎまぎしつつも、私の腰に手を伸ばす。 根巻きのゴムに触れ、横に伸ばされ、布を下にずらされる。今まで見せたことなど無かったパンツが顕になる。 そして――、 「すごく、濡れてるな」 「――い、言うなっ」 クチュ……。という音が響く。 「ひゃ……!」 「大丈夫か? ちょっと触れただけだぞ?」 分かっている。ちょっと、指先が触れただけ。それも、パンツの上から。なのにこんなに感じていて。 最初はキスですら強いと思ったのに、その快感は下に行けば行くほど強いものになっていて。 「だい、じょ、ぶ」 「……そう、か」 悠希は、パンツのゴムを、さっきと同じように掴むと“片足だけ”脱がした。 「悠希……もしかして、そういう……」 「う……」 当たりだったらしい。所謂最後まで脱がさないで途中でパンツを残しておく派なのだ。私は……ずらし派だったかな? ……私のことはどうでもいいね。 「指、挿れるぞ」 頷いて返す。恥丘を撫でるように指を移動し、その過程でエビ反りになる。 けれど、指は止まらない。 ヌルリと、指が愛液にまみれた陰部へと挿入される。 「――――――い、ぁ! ――ふぁ……んぅ、――あぅ!」 そして、一瞬指が止まる。 「その、まま、ほぐして、く、れ……」 「いい、のか? すごくキツそうだ、ぞ」 「そ、しないと、後で入ら、ない! ふぁぁ……!」 私は指が入っているだけで既にあふれんばかりの快楽に襲われているというのに、やせ我慢でそんな事を言った。 当然、指は私が指示したとおり、動きまわり。 「ん、んぁ……ぁ! ひぃぁ! や、だ」 そこで歯を食いしばる。これ以上言ってしまうと、耐えられないかもしれないから。 でも、そこで止めたことで、悠希は気付くことなくほぐし続け。 「あぅ、ひ、それ、いゃあ――!」 結局、体は心に負けてしまっていた。 「い、や、ふぁ……こわ、れ、ぁ――」 体が、心が壊れてバラバラになってしまいそうだった。イキたい。男の頃ならば、そんなにかからずイケたのに、女の今では、こんなに強い刺激でもイク事が出来ない。 それがとてもつらかった。 「実、奈! もう、俺……そろそろ……」 悠希の苦しそうな声を聴き、股間部に視線をずらす。すると、我慢汁でたらたらになって、ビクビク言っているソレが有り。 「ゆぅ、き……きて……いい、よ」 次の瞬間、何かが切れたかのように、悠希が完全に覆いかぶさり。 「挿れ……る、ぞ……」 「ん……」 先っぽが、私の所にあたる。 ――ヌルヌルしている。すっごい我慢汁だった。 「ひぅ……だい、じょ、ぶ?」 「あ、ああ……大丈夫、だ」 必死に挿入使用としている悠希がとても愛らしく見えて。 そして、挿った。 nn 「あ、ぅ……ひ、……や、ぁ!」 すぐそこの、悠希の背中に両手を回し、気づけば自ら腰を浮かして、完全に繋がろうと。 竿の部分が、徐々に私の膣に挿ってくる。 「――――――――ッ! ぁ、あぅ――ゆぅ、きぃ!」 中程まで、挿る。壊れてしまいそうな体で、がっしりと悠希に捕まる。そして互いに腰が動き。 「あっ、あぁああああ、ひぃ――壊れ、やぅ! ――壊れ、る! うぁぁ!」 「ま、なっ! お、俺……も、う」 徐々にピストン運動は激しくなり。腰が打ち合う音と、愛液と我慢汁の水音、荒い息、喘ぎ声が最高に感度を高めて。 「いッ――、ゆ、……き! い、イク、いっちゃう、よぉ、助け、壊れ――」 「実奈! ま、な!」 絶頂の最中からは、よく覚えていなかった。
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【検索用 しあわせになれるかくしこまんとかあるらしい 登録タグ 2013年 BeatStream CHUNITHM D4DJ Groovy Mix DanceDanceRevolution NexTone管理曲 SOUND VOLTEX VOCALOID VOICEROID YouTubeテンミリオン達成曲 YouTubeミリオン達成曲 maimai wogura うたたP し ミリオン達成曲 大合奏!バンドブラザーズP 曲 曲さ 殿堂入り 結月ゆかり 鳥居羊】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:鳥居羊 作曲:うたたP 編曲:うたたP イラスト:wogura 動画:うたたP 唄:結月ゆかり 曲紹介 人生は糞ゲー 曲名:『幸せになれる隠しコマンドがあるらしい』(しあわせになれるかくしこまんどがあるらしい) スペシャルサンクスとしてmitsunari氏が参加している。 うたたPメジャー1stアルバム『みんな幸せにな~れ!』収録曲。 2014年12月24日、自身3曲目となるミリオンを達成。現在ボカロオリジナル曲でミリオンを達成している曲の一つである。また結月ゆかりが含まれたオリジナル曲で初のミリオンを達成した曲である。 歌詞 難易度:EASY →↓↑→→↓→→↑↑↓↓←→←→ →↓↑→→↓→→↑↑↓↓←→←→ →↓↑→→↓→→↑↑↓↓ちょっと、↑にためて下さい。 難易度:NORMAL →↓↑→→↓→→↑↑↓↓←→←→ →↓↑→→↓→→↑↑↓↓← 回転 一回転 →↓↑→→↓→→↑↑↓↓←→←→ →↓↑→→↓→→↑↑↓↓ 回転 反転 一回転 むちゃぶりじゃないか 不可能 可能 とにかくやれって 命令ばかり なせばなるって 精神ローン マイナスばかり 貯まって 馬鹿 ばか バカ 難易度:HARD →↓BAXYLR↑↑↓AYLRA →↓↑→AXYR↑↑↓↓← 回転 一回転 →↓BAXYLR↑↑↓AYLRA →↓↑→AXYR↑↑↓↓ ちょっと? 間違えないで下さい。 むちゃぶりじゃないか 学校 会社 頭ごなしの 命令ばかり なせばなるって 精神ローン マイナスばかり 貯まって 馬鹿 ばか バカ まだまだ大丈夫! いけますよね? 難易度高すぎるかもしれませんけど、 あなたなら出来るでしょう?^^ 居残り 補修 出張 残業 とにかくやってもらわないと・・・ トテモコマリマス 難易度:INSANE 居残り 補修 出張 残業 宿題 課題 テスト 卒論 依頼 任務 命令 責任 納期 期日 提出 明日 部活 試合 練習 勝利 業者 商談 接待 成立 進学 就職 転職 面接 回転 反転 一回転 後輩 先輩 先生 上司 →B↓AY↑L→ 友人 同僚 彼氏 彼女 ↑↑↓↓←→YL 疲労 心労 問答無用 SELECT START ABYL RX→← ↑↓同時押し むちゃぶりじゃないか 不可能 可能 とにかくやれって 命令ばかり なせばなるって 精神ローン マイナスばかり 貯まって 馬鹿 ばか バカ むちゃぶりじゃないか 学校 会社 頭ごなしの 命令ばかり なせばなるって 精神ローン マイナスばかり 貯まって 馬鹿 ばか バカ →↓↑→→↓→→↑↑↓↓←→←→ →↓↑→→↓→→↑↑↓↓←→←→ リセット コメント + コメント 2013 動画から書き起しましたが、終わり当たりの色が、無しの方が良ければコメントお願いします。 -- 名無しさん (2013-07-01 17 46 06) きたーーーー!!2ヶ月待ったww -- 名無しさん (2013-07-01 17 48 51) はっやwwありがとう!追加乙! -- 名無しさん (2013-07-01 17 58 06) (☝ ՞ਊ ՞)☝の顔文字で指が動画と違いますが打てる文字の中で見つかりませんでしたので、代替的に汎用されている文字の方を使っております -- ↑3追記 (2013-07-01 17 59 25) 追加乙! 速いwww -- 歌胤 (2013-07-01 19 42 15) ゆかりいいいいいいいいいいいい -- 名無しさん (2013-07-01 20 49 14) PVキタ! -- 茉莉花萌華 (2013-07-01 22 02 46) 相変わらず仕事が早いっすねぇw乙ッス! -- 騎士 (2013-07-02 02 57 24) ゆかりん最後・・・ -- HALKA (2013-07-02 12 48 44) ゆかりん駄目だ!そのリセットボタンを押してはいけない! -- 竜奇 (2013-07-02 14 07 48) 後輩 先輩 先生 上司 の後のところ、何回聞いても →B↓A に聞こえるんだけど俺の耳が悪いのかな -- 名無しさん (2013-07-02 20 16 10) 史上最低の弾幕って何すかと思ったらそういうことね…………しかし、4時間で6万再生って速くないかな? -- リスナーの一人、ただそれだけ。 (2013-07-02 21 11 25) ↑2修正しました -- 名無しさん (2013-07-02 21 19 12) うたたにしてはめずらしく良曲 -- 名無し (2013-07-03 16 02 39) むずい あー RISET -- 名無しさん (2013-07-06 17 12 18) 色無い方がいいです・・・ -- 名無しさん (2013-07-06 18 35 25) 一さん乙です -- 名無しさん (2013-07-06 21 49 23) 色無しの希望が出ましたので戻すことにしました。 -- 名無しさん (2013-07-07 18 12 03) わぁい -- 名無しさん (2013-07-07 22 09 17) ゆかりん凄い! -- ゆかか (2013-07-07 23 05 10) 友人 同僚 彼氏 彼女のあとY右YLでは? -- 名無しさん (2013-07-10 21 41 31) キター\(^o^)/ -- いがる (2013-07-10 22 43 52) こんなんホントにあったら無理ゲすぎるわwww -- しっぽ (2013-07-12 05 16 26) ↑むしろ「むちゃゲ」www -- eleven (2013-07-13 15 18 06) セクシーゆかりんかわいい -- 名無しさん (2013-07-13 16 40 04) ボカロだから歌える曲でそ -- うにゃ (2013-07-13 19 26 28) こんなゲームあったら終わるwwww -- 名無しさん (2013-07-15 10 31 01) これヤバイwゆかりちゃんかわいい! -- 深亜 (2013-07-15 11 29 47) うわあ、はまるわww -- あいるんるん (2013-07-19 11 48 19) 一回聴いただけなのに耳に残ってる… -- 名無しさん (2013-07-19 21 02 26) ↑↓同時押しは無理だよゆかりん( ´Д`) -- 十字キー没 (2013-07-21 14 00 41) 本当人生って糞ゲーだよな -- 名無しさん (2013-07-22 23 18 14) ゆかりたん可愛いいいいい -- コノ廃@しづsと語り隊 (2013-07-23 21 32 06) PVの最後のリセットのとこちょっと怖い… -- いちご大福 (2013-07-24 10 49 02) とにかくやれって人生そんなもんなのかな?? -- 癒亜李 (2013-07-28 10 09 01) 何だ、この曲・・すげぇ← -- 名無しさん (2013-07-30 02 45 44) セクシーな姿が見たくて正確なコマンドをコメントしようとしたのは僕だけではないはず!・・・と思いたい。 -- 奈多那蛇 (2013-08-09 18 55 30) リセットの自分に銃むける結月ゆかりがめっちゃ好きです。あれ萌えます。あのシーン好きです。「先輩 後輩 先生 上司 ~↑↓同時押し」 -- 緑鳥巡 (2013-08-11 17 48 48) 正直ナトコロ見タイデス -- w (2013-08-11 19 50 46) すげぇ... -- 雨音 鈴 (2013-08-15 17 18 54) いやー本当に助かります。乙です。 -- 名無しさん (2013-08-16 22 47 23) →↓↑→ →↓→→ ↑↑↓↓ ←→←→ →↓↑→ →↓→→ ↑↑↓↓ ←→←→ →↓↑→ →↓→→ ↑↑↓↓ ちょっと、↑にためて下さい。 の部分好きd((殴 -- 名無しさん (2013-08-16 22 50 56) みんなはあれだよね、セクシーな姿見たくてコメントしたよね、うん。俺だけじゃない。俺だけじゃ。 -- 赤坂サカス (2013-08-16 23 06 31) 左右左右の繰り返しがとくにサイコー! -- neikurauti (2013-08-18 22 49 57) ゆかりんの声と合っててすごいいい!! -- ー (2013-08-28 17 39 23) なんかハマったwww -- 咲塚 (2013-08-28 18 26 07) この精神ローンってとこ、精神論と掛けてる? -- 無理無茶無謀 (2013-09-07 01 38 09) 笑顔で狙撃なだけに正に笑撃のラストwww -- えな (2013-09-20 23 34 06) 補修って、補習じゃないの? -- 小桜 つぼみ (2013-09-24 07 01 56) 喋りもゆかりなのか? -- 名無しさん (2013-10-08 23 30 18) 「リセット」が、何か好き♪ -- カンノ (2013-10-11 18 10 23) 結月ゆかりかわいい大好き本、出ないかな -- 名無しさん (2013-10-13 21 04 42) ならんのかーいっ -- 名無しさん (2013-10-13 21 07 52) この歌好きだわww 中毒った(笑) -- ナンシー (2013-10-14 21 25 39) 覚えたいけど覚えれないw中毒だわこの曲ww -- 無糖 (2013-11-12 21 19 35) テンポがいいですね~ -- 春 (2013-11-19 16 58 36) ゆかり様ーー!ヤバいっす。ヤバいっす。ヤバいっす。← ブフォーーーーーーーーー!!!!!! 『本日未明、埼玉県住みのマインさんが鼻血でぶっ飛ぶと言う事故がありました。マインさんは鼻血の大量出血により危険の状態だそうです(笑)』← それくらいヤバイです/////// -- マイン (2013-11-22 23 23 25) 本当に、人生というものは糞ゲーね。 -- 黒猫 (2013-11-23 18 53 44) この歌は、中毒性が、ありますねwwww -- 名無しさん (2013-11-25 21 27 24) ゆかりんかわいいめちゃめちゃかわいい -- 美結 (2013-12-09 20 46 49) やっぱうたたPさんの曲はすげえなぁ…(色んな意味で。いい意味で)。 -- 前田1706 (2013-12-09 21 16 46) 前に友達とカラオケ行ったときこの曲歌ったら、最初の方の歌詞が矢印で驚かれたw この曲は本当に中毒性ハンパないと思うw でも、確かに学校とかって頭ごなしの命令ばっかりな気がする… -- 瑠璃香 (2013-12-14 22 05 47) + コメント 2014 後輩 先輩 先生 上司 →B↓AY↑L→ これBいらなくない??? -- 名無しさん (2014-01-15 17 48 48) 謎の中毒性www -- 琥珀 (2014-01-26 18 20 59) コマンドの時のゆかりさんの声がなんか癖になる -- 名無しさん (2014-01-27 00 57 11) ↑3 歌詞の話でしたら、確か入ってたはずです。違ったらすいません・・・ -- 名無しさん (2014-01-27 11 51 25) 喋りのところはボイスロイドのゆかりさんですね -- ゆかりさん大好き (2014-02-04 16 38 09) リセットはダメーーッ! #128166; -- 邪神王 (2014-02-25 21 44 23) いいね! -- 名無しさん (2014-03-10 22 20 30) これは歌なのか(笑) 初めて聞いた時はビックリした。でも、くせになりますね!! -- 安達太良山 (2014-03-29 07 53 39) リセットの時頭に銃やってたよね!大丈夫か? -- 優雅 (2014-04-19 00 33 39) この歌最高( 'ω')b -- 桜花 (2014-04-28 15 18 23) ゆかりん可愛いっす -- みつき (2014-04-29 18 03 52) 歌というより暗号みたいだけど・・・意外にもハマる! -- タナカモチコ (2014-06-11 18 22 58) すごい中毒!!頭にこれがずっと残ってるのも違和感あるけど…w -- 回転反転、一回転っ! (2014-06-17 20 43 14) この曲の解釈てどうなるんですかね? 幸福シリーズってうたたPさんの1stアルバムが発売された時点で終了したの? -- 隠しコマンドの入力に失敗して不幸になった名無しさん (2014-06-17 21 15 57) 無理ゲーwww -- 名無しさん (2014-07-11 06 37 31) この人の曲はボカロじゃないと出来なさそう 人には歌えない -- 名無しさん (2014-07-18 23 44 15) リズム感すごい!!(゜ロ゜ノ)ノ -- ゆき (2014-08-19 22 49 17) 回転反転一回転のところ超好きぃぃぃ!!ほんとゆかりん可愛いい!!! -- 名無しさん (2014-08-24 10 12 40) マイナスばかり溜まって馬鹿バカバカ…のところ好き! -- 蓮華 (2014-08-25 14 09 48) 後半の居残り~が大好き -- しがみゆ (2014-09-01 22 21 39) 前から少し気になってたんですが、woguraさんは男性?女性?どっちかな。分かる人教えてください! -- 名無しさん (2014-09-05 20 45 20) す、すごい…。猛烈にハマった(*^◯^*) -- 名無しさん (2014-09-07 11 30 04) この曲めっちゃ好き。ハマる! -- ↑2の人はそれを知ってどうするの? (2014-09-07 12 23 45) 回転反転一回転の部分がすげぇ好き。 -- 名無しさん (2014-09-12 16 47 52) ゆかりんがクセになった -- 貴志部凪人@HQセッター推し (2014-10-01 20 38 00) 意味不明・・・。 -- ネウ (2014-10-05 11 32 14) こういうの、好きなんですよね~ゆかりちゃんも好きですし♪ -- HALU (2014-10-26 12 26 00) あーいい。こういうの好き( -- らく (2014-10-26 13 57 47) は、速い... 中毒だわわわ( _ )ゆかりん可愛い #128152; -- 紅姫 (2014-11-08 16 44 17) うたたPさんの曲好き❤ハマるわこの曲。 -- おかゆ (2014-11-17 17 13 12) 頭に残る! -- 紅 (2014-12-07 08 37 08) うたたさんいいわぁ・・・ -- 名無しさん (2014-12-07 20 46 05) ゆかりちゃんの声いいですね…(*´∇`*) うたたさんの曲は中毒性高くてハマりますww 最後の「リセット」は衝撃でした…!! -- ひなたん (2014-12-15 18 53 35) この歌大好き!! -- モナ (2014-12-16 17 15 50) この歌マジで大好きw -- 楓 (2014-12-16 18 53 23) ゆかりに共感。 -- 焼き茄子 (2014-12-20 13 49 25) これは…永遠に幸せになれる気がするわね。 -- 焼き茄子 (2014-12-20 13 52 06) 難しいー -- 名無しさん (2014-12-20 15 15 40) ゆかり初のミリオンおめでとう -- 名無しさん (2014-12-24 01 00 37) ゆかりたんおめでと~~!!うたたPさんもおめでと!!この曲大好きです!!! -- 暇人 (2014-12-24 01 06 40) ミリオンおめでとうございます。初めて聞いた時衝撃受けました(色々な意味で)。 -- 御坂 (2014-12-24 10 11 13) ミリオンおめでとう!!この曲大好き☆ -- 名無しさん (2014-12-26 15 40 44) ゆかりちゃん初のミリオンおめでとおおぉ!!うたたPさんもゆかりちゃんも大好きだよー!!! -- みょあ (2014-12-26 16 37 29) + コメント 2015-2016 ミリオン嬉しすぎる!おめでとうございます(≧∇≦) -- 名無しさん (2015-01-06 10 11 54) ミリオン一覧をみてたらゆかりがミリオンとってた!!! -- ようかん (2015-01-06 15 26 44) コレ全部入力しろ言われたらキレるわ(笑)「ちょっと、間違えないでください」って言われたら狂うわ(笑) -- ギンタマン (2015-01-17 18 54 28) ゆかりん可愛すぎぃ!! セクシーな姿見たいww -- とりま (2015-02-07 20 42 28) ゆかり大好き -- 名無しさん (2015-06-08 18 50 48) 最後の拳銃のシーンが地味に怖い -- 黒猫 (2015-08-14 09 03 16) かっこいい曲です!共感できる!人生なんてムチャブリバカリ・・・。 -- ドスグロイテンシ (2015-09-25 23 51 46) チョーかっこいい〜!! -- 名無しさん (2015-11-28 23 01 04) ちなみにPVではPS1のコントローラーらしきものを持っているが、このコマンドで「上下同時押し」以外を入力可能な公式系コントローラーは今のところ任天堂系のSFC~WiiU・DS・3DSだけだったりする(PS系はボタンが○□△×。それ以外はSELECTやSTARTがないものが殆ど) -- 名無しさん (2016-01-06 16 24 26) 中毒なりましたwww -- 名無しさん (2016-01-18 17 02 39) ゆかりちゃん(∩˃o˂∩)♡ -- 鈴猫* (2016-02-11 08 30 37) ゆかりの私服可愛い -- 名無しさん (2016-02-11 08 38 20) リセットゆかりんかわいい(#^^#) -- 名無しさん (2016-07-29 23 38 32) てゆーかよくぞリセットまで押し続けたゆかりさん -- 蒼空 (2016-08-09 01 01 51) コマンドって何? -- 名無しさん (2016-08-09 09 23 07) サビにToulouseのドロップがそのまんま使われてて感動した -- 湯ふいん (2016-08-20 18 29 52) これを課題やってる時に聞くと追い詰められ感が凄いからはかどる。 -- 闇音 クロ (2016-08-20 18 36 44) この曲を聴く度に3DSでの入力に挑戦するがいつも出来ない -- 名無しさん (2016-08-22 13 35 24) ↑分かる!やった事ある!難しいですよね…w -- 闇音 クロ (2016-08-22 16 13 12) 一回転のとこで指がひっかかるのである -- 名無しさん (2016-08-22 18 53 55) ヤバ -- びゃくだん (2016-08-26 19 49 13) 楽しいです!! -- 針鼠 (2016-08-26 23 09 55) 大好きです!! -- 櫻宮 (2016-08-26 23 24 34) 人生を表してるような感じでなんか好き♪ -- 猫耳 (2016-08-27 03 17 47) うたたPさんの曲、大好きです‼ -- 常式p (2016-09-06 19 57 37) バンド譜公開されてないのかな -- 名無しさん (2016-11-01 20 16 19) 実際やってみやましたけど結構かんたんでした -- みかん畑 (2016-11-18 21 23 17) 幸せになれる隠しコマンドがあるらしい最高 -- 名無しさん (2016-11-29 20 15 56) サイコー -- 神 (2016-12-07 17 06 13) なりません。で面白かった。最後のリセットで、「おわっ」ってなったww(*^ω^*) -- ポテトまる★ (2016-12-20 23 03 35) こうゆうのすき -- 「こいけ」「こ」 (2017-01-07 21 12 49) CHUNITHMに入りました!良い曲です! -- ツゥ? (2017-01-29 16 09 22) →↓↑→→↓→→↓→→↑↑↓↓・・・難しい -- 名無しさん (2017-02-11 09 51 28) 難しすぎんだろ!wでも何か聞き入っちゃう曲! -- 名無しさん (2017-02-11 10 58 11) 永遠に幸せになる方法見つけましたとともに大好き! -- 名無しさん (2017-02-11 12 23 03) はまったw -- ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃねーか、完成度高けーなオイ (2017-02-20 19 35 34) これ…………。覚えるの大変そうだね……………………。 -- 不正直。 (2017-03-22 16 16 53) 以外に難しいなハハハ、中毒になるくらいにヤバいんだけど(笑)覚えるのが一苦労になるな(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)(笑) -- ナイトメア (2017-04-11 15 51 37) 昔使ってたps2のコントローラーでやってみたが無理だった。無茶振りじゃないかッでも十字キーは陥没しなかった -- 名無しさん (2017-04-11 19 34 30) ゆかりんあかん!それは人生リセットボタンや!(殴) -- 名無しさん (2017-04-24 18 22 44) 聞くと出社拒否起こしそう -- 名無しさん (2017-08-09 22 30 48) DDRに収録おめ!歌詞通りに矢印踏ませてくるとは… -- 名無しさん (2017-08-10 09 30 26) 曲に合わせて手ぇ動かしてたらめっちゃ見られたw -- 虚触傷 (2017-08-12 20 07 06) 最後のコマンドは引き金か…やるしかない -- INSANEプレイヤー (2017-12-19 19 24 00) もう神曲ハイ -- ユカリ (2018-02-19 23 08 04) ゾクッってする・・・・ -- カラ松ガールズ (2018-03-23 21 29 46) かっこいい! -- ナナシ (2018-12-21 15 31 11) 社会に教えられた幸せになる方法に従っているのに一向に幸せになれない。ってことか…… -- 名無しさん (2019-09-04 00 52 16) 幸せになれなくてちょっと可哀想 -- 名無しさん (2019-10-10 16 42 43) リセットする直前が難易度EASYと同じなのが意味深 -- 名無しさん (2019-10-14 02 40 22) 電波ソング感🙄 -- 名無しさん (2020-07-21 07 14 12) 洗脳系最強曲 -- なりあさ (2021-06-12 21 25 12) リズム感好きすぎる……。ゆかり様の代表曲TOP10には絶対入る中毒声! -- オワタ(°▽°) (2021-06-13 14 12 26) 難易度INSANEのとこムズすぎwww -- no name (2021-09-01 00 19 45) ええな -- 名無しさん (2021-10-31 09 59 11) →↓↑→→↓→→↑↑↓?↓? 「回転反転一回転」好き -- 如月流華 (2021-11-24 14 06 03) リズミカルに目が死んでいった -- 名無しさん (2021-11-24 23 06 15) 回転反転一回転のノリすき!! -- 名無しさん (2024-01-29 14 33 08) 太鼓の達人の来年の段位道場の十段の新曲はこれかな〜と -- 名無しさん (2024-01-29 14 48 49) リセット(やり直し☆) -- ( *´꒳`* ) (2024-03-16 23 14 12) 面白 -- っg (2024-03-22 16 00 49) 最後、自分から銃撃ってた -- *********** (2024-03-27 21 25 47) **** -- *********** (2024-04-08 19 28 45) うううう…中毒になりましたww神曲 -- ももも (2024-05-25 20 47 13) これこそミクササイズに最も合いそうな楽曲だが、なぜ収録しなかった? -- 名無しさん (2024-05-25 22 22 22) あれ…?この曲、聴いてたら朝に… -- なーくんなぁぁぁう! (2024-06-06 15 00 31) 名前 コメント
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『幸せ愛犬生活』 小猫っていうより、小犬よね、ランカちゃんって――― ソファの上で、雑誌の特集を斜め読みしていたシェリルは、ぼんやりとそんなことを思う。 シェリルの隣には「かまって、かまって」オーラを纏った、緑の髪の小犬、ランカがいる。 「シェリルさーん」 かわいらしい甘い声を出して、シェリルの右腕にやんわりとしがみつきながら、その顔を腕に擦りつけるランカ。 「ランカちゃん、ステイ。」 言われた通りにランカは、その動きを止めてシェリルを嬉しそうに見つめる。 「もー、シェリルさん、私、犬じゃないですよ。」 そんなことを言いながらも、従順にシェリルの言葉に従っているランカ。 おまけに、怒っているかと思えば、その顔は緩みきった笑顔で。 あるはずのないシッポが大きく左右に揺れるのがシェリルには見えるようだった。 (どう見たってかわいい小犬よね。) その姿に微笑みながら、シェリルが頭を撫でてやると、 嬉しそうに微笑んで気持ちよさそうに目を閉じる。 「これのどこが犬じゃないのよ、ランカちゃん。」 少し意地悪くそう言って見せると、ランカは頬を膨らます。 「シェリルさんがそういう扱いをするから、こうなっちゃうんです。」 「あたしのせいだって言うの?ランカちゃんのくせに生意気ね。」 これは別にケンカでもなんでもなく。 ランカは頬を膨らませて見せているだけで、その顔には笑みが浮かんでいて。 シェリルはシェリルで、そんなかわいらしいランカを楽しんでいるだけで。 そう、これは『バカップル』と呼ばれるやりとりに過ぎない。 「だいたい、シェリルさんの手が気持ちよすぎるから、こうなっちゃうんです。」 頭を撫でていた手が頬を擽るように撫でると、 ランカは“にへら~”という言葉がピッタリな笑みを浮かべてそう言った。 「当たり前でしょう?あたしはシェリル、シェリル・ノームなんだから。」 なんの答えにもなっていないような理由を、胸を張って自信たっぷりに言うシェリル そんなシェリルに瞳を輝かせ、見えないシッポをぶんぶんと左右に揺らしながら、 憧れの眼差しを向けるランカ。 「やっぱり素敵ですシェリルさん・・・かっこいい!!!」 「ふふん、当たり前でしょう?ランカちゃん。」 賞賛のご褒美と言わんばかりに、シェリルは艶やかな笑みを浮かべて、 ランカの唇にキスを1つプレゼントする。 それだけで、ランカは真っ赤になって一瞬その動きを止めたかと思ったら、 あるはずのないシッポが、千切れんばかりに左右に振れ出すのがシェリルには視えた。 「シェリルさ・・・」 「ランカちゃんストッ・・・」 飛びつこうとするランカの勢いに危険を察知したシェリルは、その行動を止めるべく手を前にかざす。 が、一瞬遅かった。 「シェリルさんっ!!!シェリルさーん♪♪♪」 ソファに押し倒されたシェリルの上で、まさに小犬よろしく甘えるランカ。 「ちょ、こら、ランカちゃん・・・も・・・くすぐったい・・・くすぐったいってば・・・」 素肌に触れる緑の髪や無意識に脇腹を撫でてくる手に、シェリルはくすぐったさに堪えきれず身をよじる。 「も・・・、こら、ランカちゃん・・・ステイ・・・ステイっ!!」 なんとかその手に手を重ねてそう言うと、ランカの動きが止まる。 それに安心し、呼吸を整えて見上げれば、 そこには捨て犬よろしく、今にも“きゅーん”と声を上げてしまいそうなランカがいた。 思わずシェリルはそのかわいさに息をのむ。 (ダメよ、ここで負けたら。躾が大事だってさっきの記事に書いてあったもの。) 『時に厳しく接し、きちんと躾ることを心がけましょう。』 さっき読んでいた雑誌で特集されていた“幸せ愛犬生活”の一文がなぜかシェリルの脳裏によぎると、 瞳を閉じてその文章を実行すべく決意を固める。 「ランカちゃ・・・」 瞳を開き、凛々しい表情で注意しようとしたシェリルの鼻に、“ちゅ”と何かが触れる。 「え・・・」 何が起きたのわからずに目を見開くシェリルに、続けざまに同じような感触。 至近距離でランカの視線とぶつかると、ランカがこれ以上にないくらいの嬉しそうな微笑みを見せた。 「ちゃんと、動いてませんよ。」 そう、体はその位置にあった。 動いたのはシェリルの方。 注意しようと体を起こしたその時を見計らって、 ランカがシェリルの整った綺麗な鼻のてっぺんにキスをしたのだ。 しかも二度も。 “ちゅ” いや、三度も。 「ちゃんと言うこと聞いてますよね?シェリルさん。」 かわいらしい笑みを浮かべて甘えた声でそう言うランカに、シェリルはその頬をピンクに染める。 そんなシェリルの鼻のてっぺんにまたキスをするかと思いきや、 今度はかわいらしく、舌先でその鼻を舐めて見せるランカ。 あまりのことに惚けるシェリルに、ランカは緑の髪を犬耳のように器用に動かすと、 「わんっ♪」 などと、少し恥ずかしそうにかわいらしく吠えてみせた。 そして、ランカは顔を赤くしながら、なんとも言えないほど、 嬉しそうに幸せそうにシェリルに微笑んでみせる。 その微笑みは、シェリルだけが見ることができる特権。 「・・・・・・」 「シェリルさーん♪♪」 シェリルの瞳には、あるはずのないシッポを千切れんばかりに振っているランカが視える。 つけくわえて、ちゃんと主人の言うこと聞いていることに、『褒めて褒めて』オーラと熱い眼差しも。 (どう見たって小犬だわ・・・) そんなことを思いながら口もとに笑みを浮かべると、シェリルは起こした体をソファに戻した。 四つんばいの状態で、自分を見下ろすランカに手を伸ばして、頭をポンポンと軽く叩き撫でてやるシェリル。 「はいはい、ランカちゃんはいいコね。」 「えへへ~、もー、シェリルさん、私、犬じゃないですよ。」 どこまでも緩んだ頬に、気持ち良さそうに瞳を閉じて言い返されたところで、否定になどまったくならない。 そんなランカに笑みを零して、シェリルは愛情こめて名を呼んでやる。 「ランカちゃん」 優しさと温もりがつまった綺麗な声に聴き入って、ゆっくりと瞳を開くランカ。 その瞳には、ランカだけが知っているシェリルの優しい微笑み。 一瞬ドキッとして元に戻った頬を真っ赤に染めたかと思うと、すぐにその頬は緩みきる。 「シェリルさ~ん♪」 「よくできました。」 そう一言。 そして“ちゅ”とランカの額にシェリルの唇が触れる。 緑の髪が犬耳のように驚きと嬉しさにピコピコと上下に動く姿にくすっと笑って、シェリルはランカの耳元で囁いた。 「ランカちゃん、ゴー。」 楽しそうなシェリルの声。 待ちに待ったご主人様の合図に、喜びを爆発させる小犬よろしく、 ランカは瞳を輝かせ、満面の笑顔でシェリルに飛びついた。 『愛犬はあなたのたいせつなパートナーです。 愛情をもって接すれば、必ず愛犬はその愛情に応えてくれます。 それを忘れずに、あなたのたいせつな愛犬(パートナー)とともに、 楽しい“幸せ愛犬生活”を過ごしましょう!!!』 続き
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★スティルン(なラヤマ) このホームページの管理人をやってます。 ぇ~とリア友しか呼ばないので、堅苦しい感じなしでいきたいです。 最近はなラヤマを愛用してます。 正直、全く盛り上がってないしでき立てほやほやなわけで・・・・ はい。グダグダなので。 ★愛が奏でる風(名前でわヵるよね?) 愛は大切です。 鳴りやむことのないように! と願ってつけました。 愛とは時に心地よいもので苦しいものであります。 全部ひっくるめて、幸せです。 なんヵすいません
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『幸せなあまあま』 20KB 制裁 自業自得 ゲス 都会 独自設定 13作目 寒いと美味しいよね 辺り一帯に甘く香ばしい香りが広がっている。右手に力を入れて鉄板を開くと中できつね色に焼きあがったたいやきを取り出した。 「いらっしゃいませなのぜ~、おいしっくてしあわせ~なたいやきさんなのぜ~!焼きたてなのぜ~!」 保温トレーに全て移動させると、鉄板についているカスをすべてこそぎ取った。 「3つください!」 「ありがとうございます、300円になります!」 お金を受け取ってたいやきを渡すと、小学生と思しき女の子は受け取って笑顔を浮かべた。 「ありがとうございますなのぜ~!」 足元から再び声がする、女の子はその声の元を見て微笑むと、たいやきを詰めた袋を抱えて友達の下へ走り去った。 私は今この公園でたいやきを焼いている、アルバイトで始めた事だが比較的簡単で今は一人で任されてる。 「おいまりさ、こいつをやるぞ!」 自分の足元に焼くときに出たたいやきのカスを置いてやると、屋台の前からこちら側に飛び込んでくる者が居る。 「ゆわぁ!おにいさん、ありがとうなのぜ!」 金髪に黒いトンガリ帽子――ゆっくりまりさである。 まりさは早速たいやきカスを口に入れると、喜びの声を上げた。 「いただきますなのぜ、むぐむぐ……!」 私が仕事をさせてもらって居るこの公園は、市の片隅にあり都心にしては比較的大きな公園で、半分が整備された自然公園になっている。 現代の自然公園の宿命として野良ゆっくりが住み着く事が避けられなかったここだが、何度かの駆除と園内のゆっくりゴミ箱の設置によって酷いヤツらは淘汰され比較的大人しい野良ゆっくりが住み着き、飼いゆっくりを散歩に連れてきても大丈夫な場所になっていた。 しかしゆっくりの宿命として、やはり甘い物に惹かれるのか今も草むらに隠れてこの屋台を見ているゆっくりの視線を感じている。もちろん、この場所に来て傲慢に要求などしようものなら、直ぐ横にあるゆっくりゴミ箱行きである。 その例外が今私の足元に居るまりさである。もちろんこいつが私の飼いゆっくりであったりするわけではない。 この場所は公園内の自然が豊かな場所――ゆっくりの住処になっている場所――とは離れており花壇やベンチがあり人が多いため野良ゆっくりが居るには厳しい場所である。 人間に見つかって駆除される事も多いし、花壇という誘惑に乗ってしまえば待っているのは一斉駆除だ。 今残っているのは大体それを理解した頭の良い個体であるため、この場所には近づかないか、来ても隠れて見守るくらいである。 そんな野良ゆっくりがこの場所に来る唯一の理由は人間への訴えである。人間に頼み込み飼いゆっくりにしてもらおう、そう考えるゆっくりにとっては良い場所である、もちろんやり過ぎれば即駆除のリスクは有るのだが。 まりさもそんなゆっくりの一匹だった。しかし元飼いゆっくりで有ったのか物腰が丁寧なまりさは客が居ないときの私の話相手となり、今では客引きを手伝ってもらう代わりに鉄板に残るたいやきのカスを与えていた。 「ゆぅ、なかなかまりさを飼いゆっくりにしてくれる人間さんが居ないのぜ……」 他のゆっくりを刺激しないように、屋台の影で食べていたまりさが食べ終わったのか愚痴を零す。 元飼いゆっくりだったこのまりさには公園での生活は決して楽ではなかったのか、公園に来てから今まで人間への訴えを行っているまりさだが、早3ヶ月成果は上がっていない。 「まぁ、一応生活は出来てるんだろ」 「ゆぅ、お兄さんのおかげなのぜ!」 この公園のゆっくりは自然公園部分で食料を採っているらしいが、このまりさにはそれはきついのだろう、私の手伝いで貰える物がまりさの生命線である。 しかし、その代わりにまりさの体は他の野良と異なり、ある程度の清潔さを保っていた。 性格だって決して悪くないし、頭もそれなりである。以前何故捨てられたのか分からないが元金バッジだったらしい、こいつなら飼いゆっくりの座に戻れるかも知れない。 「まぁ頑張んな、お前なら飼いゆっくりに戻れるかもな」 「がんばるのぜ、まりさはきっと飼いゆっくりになってみせるのぜ!そうしてしあわせ~なあまあま、たいやきさんをむーしゃむーしゃするのぜ!」 私の前に初めて出てきたときから、まりさは他のゆっくりと同じようにたいやきに夢中であった。他のゆっくりと異なるのはそれを要求してこなかったくらいである、違ったら今はゆっくりゴミ箱の中に居ただろう。 彼女達の中身が餡子な事に関わりがあるのか、ゆっくりにとってたいやきは食べるととても幸せになれるらしい、たまに食べた飼いゆっくりが躾も忘れて叫んでいる。 まりさも当然餡子の入ったたいやき本体を欲しがっているが、調子に乗っては不味いので与えていない。 「そうか、飼いゆっくりになれたらたいやきも買えるな!」 「そうなのぜ、お兄さん!いつかたいやきさん――しあわせ~なあまあまを食べさせて欲しいのぜ!」 これはたいやきをくれという意味では無く、飼いゆっくりになって買いに来るという事だろう。私は気分よく答えた。 「あぁ、分かった。何時か幸せなあまあまを食べさせてやるぞ~」 「約束なのぜ、お兄さん!」 「それじゃあお兄さん、まりさはまたおきゃくさんを呼ぶのぜ!」 そう言って屋台の前に戻るまりさ、今ではまりさは屋台の前で客引きを行い、偶にゆっくりを連れた人が居ると飼いゆっくりにして欲しいと頼むのを続けている――お客様へのお願いは厳禁にしている。 まりさも気づいているのだろう、この公園に住む野良ゆっくりから飼いゆっくりになった例は少ないながらも存在する。 しかし、それは一人で来ている人間に頼み込んでなれるものでは無い、飼いゆっくりを連れた人間の飼いゆっくりに見初められてなれるものなのだ。 この公園は飼いゆっくりを連れて散歩に来る人の多い場所である、当然の結果として飼いゆっくりに手を出す野良など居ない。 大体この公園までを連れてきてやる飼い主は飼いゆっくりに甘く、野良と遊びたいと言われれば、安全な事もあって許してしまう。 そうやって遊んだ飼いゆっくりに見初められ、自身も飼いとなった野良はいくらかは居るのだ。 お、公園の奥の親子連れの子供がこっちを見ている。これはお客様かもしれない。 「いらっしゃいませなのぜ~!あったかくてあまあまなたいやきさんなのぜ~!」 まりさの客引きの声が響いていた。 「ありがとうございます、400円になります、ハイ確かに……ありがとうございました~!」 まりさの遥か上でお兄さんの声が響き渡った。たいやきさんが売れたのである、お客さんが袋を受け取って居る。 袋から漏れ出す甘い臭いにまりさの口の中でよだれが溢れたが我慢して飲み込む、お客さんの連れの女の子がまりさを不思議そうに見つめている。 「ありがとうございますのぜ~!」 まりさがお礼を言うと、女の子が驚いた。 「ねぇパパすごいよ、このお店まりさが働いている!」 服の裾を引っ張られた父親は娘の態度に苦笑を漏らしていいた。まりさは笑顔を送りつつ思う、この子なら飼ってくれるかも知れない、見ていた限り父親は娘に甘そうである――強請られてたいやきを買ってしまうくらいには――頼んでみようか。 しかしまりさの冷静な部分がそれを押し留めた、お店のお兄さんとの約束である「お客さんに飼いゆっくりにしてくれと頼んではいけない!」、もしお店のお兄さんに見捨てられればまりさがこの公園で生きることは不可能だろう。 まりさは断腸の思いで自分の事を話の種にしながら去っていく親子を笑顔で見送った。 まりさは元々金バッジのかいゆっくりであった。あの生活はまさに天国だった、暖かいおうち何時も十分に食べられる食事、外に出ても金バッジを光らせていれば他の飼いゆっくり達からも認められるし、野良はひれ伏す。 まりさはとてもゆっくりと生活していたし、自分がゆっくりする事で飼い主さんもゆっくりしてくれると信じていた。 しかし、それは裏切られた、ゆっくりしていたまりさはある時飼い主さんに罵声を浴びせられ金バッジを毟り取られこの公園に捨てられたのだ。 この公園で待っていたのは信じられない生活であった。おうちは汚い穴しか無い、食事は不味い草だけ、しかも見下していた野良ゆっくり達が群れのようなものを作っており色々と五月蝿いのだ。やれあそこには行くなとか、あのお花さんは食べてはいけないとか、何で金バッジのまりさが野良に指示されなくてはいけないのだ。 この生活から抜け出る方法は一つしかない、飼いゆっくり――あの天国に戻るのだ。 まりさは人が集まる場所で人間さんに頼み込んだが、金バッジである事を訴えても頷いてくれる人は居ない。 さらにその場所には食べられる草さんが無く食料までも不足してしまう――美味しそうなお花さんを食べようとしたらの野良ゆっくり達に止められ制裁されそうになった。 人間さんに頼むにはその場所に居なくてはいけない、しかしその場所にはごはんさんが無い。そんな状況への救いはそこでお店さんをやっているお兄さんだった。 まりさ達にとって宝石でもあるあまあま、それを作っているお兄さんは公園の野良の間では有名であった。 しかしそこに近づいたゆっくりはゆっくりの奈落に捨てられるという、甘い臭いに誘われる様にお店の前まで行ってしまったまりさ、お兄さんの目に危険な光が宿った。 まりさがしたのはお願いだった、あまあまをくれでは無い、まりさは飼いゆっくりだった時にお店について聞いていた。 それの手伝いをさせてくれないかと頼み込んだのだ、お兄さんの目に驚きの光が灯り危険な光が消える。 その時からまりさはお店のお兄さんの手伝いを始めた。ある時はお客さんを呼び込み、お客さんが居ないときお兄さんの話し相手をする、そうしてあまあまの切れ端を貰う事にしたのだ。 この方法は上手く回った、この場所で飼い主になる人間さんを待てるし食料の心配も無い、お店のお兄さんが許している事もあり野良達もこれには何も言えない。 まりさの唯一の不満はたいやきさんが食べられないことだった、もらえるのは切れ端だけでこれもとても美味しいのだが、食べた瞬間しあわせ~には成らない。 何時か飼いゆっくりに戻ってあのあまあまを食べてやる、まりさは決意を新たにした。 「あぁ、分かった。何時か幸せなあまあまを食べさせてやるぞ~」 「約束なのぜ、お兄さん!」 そうだ何時か飼いゆっくりになってしあわせ~なあまあまを食べてやる。 まりさはお店のお兄さんの手伝いをしていないとき、お兄さんのお店が出ない日は公園に来る飼いゆっくりと遊ぶ事にしていた。 この公園に来てから時間で簡単に飼いゆっくりに戻る事は出来ないと理解していたまりさは、ゆっくりした人間さん――飼いゆっくりを連れた人間さんに狙いを絞っていたのだ。 元金バッジの飼いゆっくりとして教育を受けていたまりさは、公園の野良の中では際立ってゆっくりしたゆっくりに見え、遊ぼうとする飼いゆっくりは少なくない。 その場合、大体飼い主は端っこのベンチに座って待っており、まりさは飼いゆっくりと2人だけで遊ぶ事が出来きた。 こうなればゆっくり同士の世界である。 「ゆぅ、まりさはとってもゆっくりしているね♪」 「れいむこそとってもゆっくりしているのぜ!」 まりさが今遊んでいるのは、よくこの公園に来る銀バッジのれいむである。飼い主が溺愛しているのかれいむは様々な物を貰っており少し太っているが髪は漆黒に輝きおリボンは真紅にきらめく美ゆっくりであった。 まりさはれいむのお飾りを見て銀バッジのゆっくりかと見下していたが、れいむが様々な物を持ったゆっくり――いわば富豪ゆっくりである事は認めていた。 現にれいむは体にはゆっくり用の靴を履いており、公園に来るときは専用のスィーに乗り、暑い日はおリボンに固定する日傘までしていたのである。 そのれいむはどうやらまりさに好意を持っているらしく、この公園に来るとまりさの所に来ていた。 ある時などお店で手伝いをしていたまりさを呼び出したほどである。お店のお兄さんは笑顔で送り出してくれたが、あの日は貰えるあまあまが減ってひもじい思いをしたのだ。 まりさとしても富豪れいむを無下にする訳にはいかない、我慢して付き合っていた。 「ゆぅ……ま、まりさ!れいむはまりさとずっといっしょにゆっくりしたいよ!」 なんと富豪れいむがプロポーゆしてきたのである。まりさもこれには驚いた、好意を持たれているのは知っていたがまさかれいむがそこまで考えて居るとは。 しかし、その後の話を聞いてまりさの考えは決まった。なんと、れいむは飼い主さんの許可まで得ていたのである。 富豪れいむの飼い主さんは、れいむとまりさが遊んでいるときベンチでニコニコ笑っているお姉さんだが、れいむが望むのであればまりさとれいむを番にし、まりさを飼いゆっくりにしてくれるらしい。 一度は失ったと思っていた飼いゆっくりの座、そこから救いの手がまりさに伸ばされてきたのである。まりさの心は決まった。 「れいむ……まりさもれいむとずっといっしょにゆっくりしたいのぜ!」 「ありがとうございました~またよろしくお願いします!」 お客さんにたいやきを渡すと、保温ケースに残った量を目で確認し、私は新しいたいやきを焼くべくタネの入っている缶を手に取った。 鉄板の金型にタネを流し込みつつ、私は屋台の片隅、お客さんから見えない場所に集められているたいやきのカスに目をやり溜息をつくとそれをゴミ袋に入れた。 このカスを喜んで喰っていた者、この屋台で手伝いをしていたまりさは既に居ない。 ある時突然に来なくなったのである、あれから既に1ヶ月、もしかして死んでしまったのだろうか。心配して帰りなど公園の中を目で探すようにしたがそんな事で見つかるわけが無い。 焼け具合を確認しタネが焼けて生焼けの面に泡が立ち上っているのを確認すると、餡子のタッパーを取り出し、中に入れる餡子を一つ一つ投入する。鉄板の4分の1に並べると同じようにカスタードクリームを並べ鉄板を折り返した。 何かが焼ける音がして、甘く香ばしい香りと煙が周囲に広がった。 金属音を残して鉄板が開かれると金型から奇麗に焼きあがったたいやきが姿を現す、たいやきに付いているカスを取ると一箇所に集めた。 やはり必要ないのに集めてしまう、あのまりさはどうしているのだろう、出来れば夢であった飼いゆっくりに戻れてこの公園から居なくなったのであって欲しい。 たいやきを取り外しつつ、私はまりさの為に願った。 ある休日、私は何をするでもなく普段仕事場にしている公園に足を運んでいた。 普段屋台を出している場所では今日は別の者がたいやきを焼いている、そちらに目をやると相手も気が付いたのか目礼してくる。 私も同じ動作を返し思わず笑ってしまった、なんで仕事が休みの日に仕事場に来ているのだろう。 公園の入り口の自販機で買った缶コーヒーを飲み干すと缶をゴミ箱に叩き込む、そうだ今日は公園の奥自然公園の方まで行ってみよう。 そんな気まぐれを起こした私は普段は行く事の無い自然公園を目指した。 森の中に伸びた遊歩道、木漏れ日が私の前に斑の道を作って居る。このまま進めば自然公園の中心にある大きな池に着くだろう。 のんびり散歩としゃれ込んでいた私はと歩いている途中で悲鳴の様なものを耳にした。まさか、通り魔でも出たのか? 思わず遊歩道を外れると森の中に入り込んだ私は、思わず気が抜けてしまっ、た悲鳴の様なものは確かに悲鳴であった――しかしそれはゆっくりのものだったのである。 この公園に暮らしている野良は、大半は人間に駆除されないように出来る大人しいやつなの悲鳴など珍しい。 安心して踵を返そうとした私は思わず凍り付いてしまった、木の隙間からその先で蠢いているゆっくり達が見える。 ゆっくりが3匹、なにやら揉めている様だ。その中心に居るまりさ、そのまりさを見た私は雷でも落ちたかのようなショックを受けた。 私の屋台を手伝ってくれていたあのまりさであった。体や帽子はあの時とは見違えるほど奇麗になっており、帽子には銅バッジが輝いている。 飼いゆっくりに戻れたのか、本来ならそう言って祝福してやりたいものだが、まりさの態度が私の動きを止めてしまった。 「ゆあぁん?このまりさ様に何か文句あるのぜ?」 間違いなくあのまりさであった。まりさは顔を歪めて隣の野良ぱちゅりーを押しのけている。 「むきゅ……まりさ、やめてちょうだい!」 「そうよ!ありすやぱちゅりーがなにをしたっていうの?」 まりさはぱちゅりーを踏みつけながらありすを睨みつける。 「分からないのかぜぇ?お前らはこのまりさ様に色々とうるさかった身の程知らずなゆっくりなのぜぇ!」 「だからまりさ様がせいっさいしてやるのぜ!」 「むきゅ、あれはまりさがこのこうえんでくらすために……ひつようなことを!」 「うるさいのぜ!」 まりさがぱちゅりーの上で跳ねる、踏みつけられたぱちゅりーが嗚咽を漏らしクリームを吐いた。 「金バッジのまりさ様に意見しようって根性が気に入らないのぜ!」 「えぶぅゆげぇ、エレエレ」 「やめなさい、まりさ!それいじょうするとぱちぇが!」 「ゆあぁん?飼いゆっくりのまりさ様のする事に、野良ふぜいが文句あるのかぜ?」 その言葉にありすがたじろぐ、未だに苦しんでいるぱちゅりーの上から降りたまりさはありすに詰め寄った。 「ゆっひっひっひ、飼いゆっくりに手を出したらこの公園さんにいっせいくじょなのぜ!」 「ゆっ、そ、それはっ!」 「まぁ昔の事はこれくらいで勘弁してやるのぜ!それと……ありすにはもらうものがあるのぜっ!」 「ゆぅ、なにをするの!?やめなさいっ、このいなかもの!いやあぁぁぁ!」 私は木の裏に周り目を逸らした、心を落ち着けるようにして遊歩道まで戻る。 暫くすると木の間から一台のスィーが出てきた、乗っているのはあのまりさである、思わず声をかけた。 「おい!まりさ」 「ゆっ!?……なんなのぜ、ゆぅ、お兄さんなのぜ!」 スィーを止めて訝しげな視線をこちらに送っていたまりさは、合点したようにこちらにやって来る。これで他ゆんの空似という可能性も消えてしまった。 「久しぶりだなまりさ、飼いゆっくりになれたのか、おめでとう!」 「ありがとうなのぜ、まりさは飼いゆっくりに戻ったのぜ!はにーのれいむの飼い主さんがまりさも飼ってくれたのぜ!」 朗らかに笑うまりさの顔は先ほど森の中で見たものとは似ても似つかない、昔のまりさを思い出し私の心の中にも暖かいものが灯った。 「よかったなぁ、まりさ。そうだ、今ならもうたいやきを買えるんじゃないか?食べたかったんだろ、幸せなあまあま!」 今日は私は休暇だが、まりさも銅バッジの様だしお金は持っていないだろう、後日飼い主といっしょに来ればいい。 いや、久しぶりの再会だ、飼いゆっくりに成れた事のお祝いに私が奢ってやろうか、そうまりさに言おうとした私は、 「ゆっはっはっは、お兄さん何言ってるのぜ!」 まりさの大笑いに押し留められた。 「まりさはもう飼いゆっくりなのぜ、あんな安物のたいやきさんなんか食べなくても、チョコレートさんでも、チーズケーキさんでも好きなものをむーしゃむしゃできるのぜ!」 「そ、そうか……」 「またすぐに金バッジさんに戻るのぜそうしたらしあわせ~なあまあまさんなんていくらでもむーしゃむしゃできるのぜ!」 そう言って笑い続けるまりさに私は何も言う事が出来なかった。 その時はそれで別れた。その後も何度か公園にスィーで入ってくるまりさを見かけることがあったが、私から声をかける事は無かった、まりさの方から来る事も無かった。 しかし公園に住む野良達の間で、元この公園に住んでいて現在飼いゆっくりになったまりさが様々な暴力を振るっているという噂は広がり、私の元にまで流れてきていた。 まりさは痛む体を引き摺り公園の中を進んでいた、どうしてこんな事になったのだろう。 苦しい野良生活から抜け出し戻れた飼いゆっくりとしての生活、再び訪れた夢のような生活にまりさは満足していた。 れいむの飼い主はまりさにも比較的優しかったしれいむとの仲も良好、バッジこそ銅だったがまりさには問題ではなかった。 一人での外出も許され、暇が出来るとスィーを使ってあの忌まわしい公園にも遊びに行った。 まりさが公園で生活していたとき何かと五月蝿かったお隣のぱちゅりー、美ゆんだが優等生ぶっていたありす、お花さんを食べているのを邪魔したれいむそんなゆっくり達へ復讐する事にしたのだ。 人間さんによる一斉駆除を恐れる公園のゆっくり達にとって飼いゆっくりのまりさに逆らう事など出来ようも無かった。 まりさはゆん生の絶頂にあった、何でも適うおうちにそれなりの番、お外に出れば人間さんのけんりょっくによって野良相手に何でもする事が出来る。 しかしそんな生活にも崩壊というのはやって来る。番のれいむが子ゆっくりを産んだ後まりさをそれほど重要視しなくなった事もあったのかもしれない、まりさの楽しみは何と言っても公園に行く事になっていた。 公園ではまりさは正に王様であった、野良達はまりさを恨みながらも飼いゆっくりであるまりさに手を出すことは出来ない。 以前この公園で感じた不満を全てぶつけるようにまりさは行動していた。 その行いがある日飼い主さんにばれたのである。どんな形で耳に入ったのかはわからないが、飼い主さんはまりさの行いに激怒すると、お帽子のバッジを引きちぎり、公園にまりさを捨てた。番のれいむもそれには何も言わなかった。 「まったく、こんなゲスゆっくりだとは思わなかった!」 その言葉と共に公園に投げ出される、痛みと共にまりさの記憶の奥底から同じような台詞が浮かび上がってきた。 あぁ、そんな言葉を昔言われた気がする……あれはそう、一番初めにまりさを飼ってくれた、ペットショップでまりさを買ってくれた……。 そんな事を考えている間に飼い主さんは立ち去ってしまい、まりさは公園に取り残された。 再び野良生活に戻ったのだ、以前住処にしていた場所に戻ったまりさを待っていたのは野良ゆっくり達の凄まじい憎悪であった。 お隣のぱちゅりー、ありす、れいむ、それ以外にも様々なゆっくりからまりさに恨みの言葉と暴力がぶつけられた。 人間さんを刺激しないように暮らしている公園のゆっくり達は本来大人しい、そんな彼女達にも抑えられないほどの物がまりさに突き刺さった。 「ゆひぃ、ゆふぅまりざはまりざはじなないのぜ!もういじどがいゆっぐりに……」 命からがら逃げ出したまりさはボロボロの体を引き摺り、公園の広場に辿り着いた。 何故だかとても懐かしい感じがする、既に片目には木の枝が刺さり、もう一方の目は霞んでいる。体中に殴られた痛みが走り、既に這いずる形でしか移動できない。お下げは引きちぎられお帽子は確認できないが酷い有様だろう。 何とか明るい方向を目指していたまりさは、懐かしい甘く香ばしい香りを感じ取った。 「ゆぶぅ、あばあば、あばあばなのぜ!」 それに縋りつくようにそちらを目指して進む、大きなものの前まで来ると、香りはいっそう強くなった。 目の前に大きな影が現れる、それは人間の……おそらくお兄さんであった。 「おでがいじまず、まりざにあばあばをぐださい!」 影は動かない。 「おでがいじます、ばりざはがいゆっぐりでじだ、がらださんをなぼじでぼういちど!」 その時遥か上の方の影が動いた、殴られると一瞬怯えたまりさの目の間に甘い臭いを放つ小さな物がいくつか置かれる。 まりさはむしゃぶりついた、食べた瞬間に体に甘い味が広がる。 「むーしゃむしゃ、しあわせ~!」 昔受けた教育も忘れて叫んだ、少し体も回復する。 「まりさ……美味しいかい?幸せなあまあまだろう……」 お兄さんが聞いてくる、まりさは霞む目でそちらを見つめて答えた。 「ありがとうございます!しあわせ~なあまあまです!」 霞んでいるので分かりづらいが、お兄さんは微笑んでいるようだ、良かったゆっくりした人間さんだ。 貰えたあまあまも幸せなあまあまである、まりさは何故かそのあまあまに懐かしいものを感じた。 「そうか……良かった……これで約束が果たせた」 上を向いたまりさに向って何か大きな物が振り下ろされた。 公民あき 後書き ここまで読んでいただき、ありがとうございました。 今回はタグに悩みました、一瞬「愛で」にしようかとも思ったのですが。 たいやきを焼いている描写については基本素人なので、間違いなど有るかもしれません。 何だか長編を書いていると自分の文章が冗長に思えてきます。前作今作と練習も兼ねて20KBを目標に書いてみたのですが。 しばらく試してみる意味で、数KB以内の短いのにしてみるかも知れません。 おかしな点など教えていただければ幸いです。 過去作品 anko2700 そして新記録 anko2703 ゆっくり公民 ~奴隷制~ anko2720 ゆっくり公民 ~カースト制~(前編) anko2721 ゆっくり公民 ~カースト制~(中編) anko2722 ゆっくり公民 ~カースト制~(後編) anko2764 ゆっくり公民 ~農奴制~(春) anko2765 ゆっくり公民 ~農奴制~(夏) anko2766 ゆっくり公民 ~農奴制~(秋) anko2767 ゆっくり公民 ~農奴制~(冬) anko2802 ゆっくり公民 ~奴隷解放~(前編) anko2803 ゆっくり公民 ~奴隷解放~(中編) anko2804 ゆっくり公民 ~奴隷解放~(後編) anko2814 黒い穴 anko2826 とてもたくさん(300) anko2841 ゲスの連鎖 anko2849 サムライゆっくり anko2878 海に浮かぶ楽園 anko2902 イベント前の加工所 anko2913 でゅえる・ゆっくり
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とある人間の里にある小さな小屋。そこに一匹のドスまりさがいた。 小屋は中にドス以外の何も見当たらず、入り口の戸すらも無い。正確にはドスの正面方向にあるはずの壁そのものが無い。ドスパークで消し飛ばしてしまったためだ。 ドスの下半身、人間の顔で言えば顎から下に当たる部分は太く大きな鎖で何重にも縛られており移動は完全に封じられている。 事の起こりは一ヶ月前だった。 春になり冬眠から明けたドスを、突然に人間の群れが襲った。 人間はゆっくりにとって天敵の一つとも言える。が、自分ならば話は別。そうドスは思っていた。人間なんていくらかかって来ようが返り討ちにする自信があった。 ところが人間達は決してドスの正面には回らず、遠く間合いを離して辛子の塗られた鉄矢を執拗に打ち込んでくる。 スパークを放っても当たらず、踏み潰してやろうにも相手は近づいてこない。冬眠があけたばかりで体力が充分でなかったことも災いした。 力では劣ってるはず、絶対に負けるはずのない。そう思っていた人間。 そんな人間相手に結局、一人も倒せなかったどころかカスリ傷の一つすらつけられずドスは囚われの身となった。 人間の真の恐ろしさはその知恵と統率力。ドスはそのことを思い知らされた。 そうして一ヶ月の間、ドスはこうして小屋に囚われている。 初めの内はまだ幾分か力が残っていたということもあり、体を揺らし、大声をあげ、スパークを放ちドスは暴れた。 しかし小屋には誰も訪れない。 誰も訪れないということは即ち、食べ物も手に入らないということ。 何せドス自身は移動を封じられているのだ。舌の伸ばせる範囲、と言うよりそもそも小屋の中には何物も置かれてはいない。 虫か鼠かでもまぎれ込んでくれればそれを捕らえることもできたろうが、おそらくは駆除の薬でも仕込んであるのだろう、ただの一匹すら見られない。 結局ドスは飲まず食わずのままでただ耐える以外、何もできはしなかった。 それが一ヶ月、である。しかも捕まったのは冬眠明けで空腹の時。このような状況下、普通のゆっくりであればとうに餓死している。ドスだからこそ耐えられたのだ。 だがそれももう限界。意識が朦朧として気を失おうとするたびに、いやこのままここで眠ってしまえばもう二度と目が覚めないかもしれない、そんな恐怖に襲われ必死に目を開ける。 そうしてそのせいで余計に体力を消耗し、また意識が薄らいでいく。そんな繰り返し。 もう自分はダメかもしれない。そう覚悟したある日。 「食事だぞ」 一月ぶりに他者の声をドスは聞いた。 ○○○ ★★★ それからドスの生活は一変した。 相変わらず下半身は頑丈な鎖に覆われており自分で動くことはできない。だがもう食事に困ることはない。大勢の人間がドスの世話をしてくれるのだ。 朝昼晩、三食決まった時間に出てくるのはもちろんのこと、ドスがおなかがすいたと言えばいつでも沢山の食事を人間が持ってきてくれた。 それだけではない。暑い時にはドスの体を冷たい水に浸した布でふいてくれる。扇でもって風を起こして当ててくれる。寒いと言えば今度は上等な毛布が出てくる。 何もすることがなく暇だと言えば、優しそうな女の人達が来て一緒に歌を唄ってくれる。色々なお話も聞かせてくれる。 それもただ単に面白いだけのお話のみならず、ゆっくりにはとても思いつかない人間ならではの餌の獲り方など、様々な実用的な知識も聞かせ教えてくれた。 寝る前と起きた後には櫛で髪を梳いてくれた。帽子が少しでも汚れれば綺麗に洗ってくれる。 自分で自由に動けないのは確かに辛い。けれどもそれを除けばドスは、人間の里にいながらとてもゆっくりとした時間を過ごすことができた。 そうして時は流れ、季節は春から夏へ、夏から秋へと移り変わり。 「ゆっゆーっ!」 冬ももう目前の寒く暗い空の下に元気なドスの声が響いた。一体何ヶ月ぶりか、ドスはその戒めを解かれ、自身の力で動き回ることのできる幸せを噛み締めていた。 そんなドスに向けて、里長である初老の男性が寂しそうな顔で声をかけた。 「あなたとは今日、ここでお別れです」 「ゆっ?」 何を言われたのかわからずに体を傾けて疑問の意を見せるドス。里長は続ける。 「あなたはこれから里を出て、そうして森に戻らねばならないのです」 「ゆっ!? なんで? ドスはもっと、にんげんさんたちといっしょにここでくらしたいよ!」 そんなドスの言葉に、けれど里長は首を横に振って応じる。 「なんで? なんでっ! もっともっと、ここでゆっくりし――」 「もしそれを望むならっ」 ドスの言葉を強い口調で遮る里長。 「……里にいたいと言うのなら、その時はまた、あなたの体を鎖で繋ぎとめねばならない。自由を奪わねばならない。 良いのですか? それでも」 「ゆっ、うぅ〜……」 そんなことを言われてはもう、ドスは黙るしかなかった。 たくさんの人間達に世話をされる生活。何の足りぬ物もない満ち足りた、ゆっくりした生活。ただ一つ、自分で自由に動き回れないということを除けば。 けれどもその『ただ一つ』こそが、元々が野で生きてきたドスにとっては非常に辛いことであったのも確かなのだ。 なればやはり、ここは言われた通りに里を出て森に帰るべきなのかもしれない。だが。 「でも、でもぅ……。もうすぐふゆだし……」 暗い空を見上げて不安げな声を出すドス。それを見て、里長は穏やかに微笑みかけた。そうしてその頭を優しくなでながら言う。 「大丈夫ですよ。 ここでの生活であなたの体は以前にも増して大きく立派になった。効率の良い食べ物の獲り方だって教えました。 今のあなただったら大丈夫、ちゃんと冬を越せますよ」 「ゆっ。 そ、そうだね……!」 里長の言葉に、ドスは心を決めた。 「にんげんさんっ、いままでおせわになりましたっ!」 体をグニャリと前方に折り曲げ感謝の言葉を伝える。 「さようなら。どうか、どうか末永くお元気で」 手を振る里長に背を向けドスは森へと帰っていった。 ☆☆☆ ☆☆☆ 「ぶじだったんだね、ドス!」 里を出たドス。その前に無数のゆっくり達が姿を見せた。それはドスの率いていた群れのゆっくりであった。 冬眠明けのドスが人間に捕らえられたそのすぐ後、何とかしてドスを助けようと、まずは群れのサブリーダーであるれいむとまりさのつがいが里に侵入した。 だが二匹とも戻っては来なかった。 その後も多くのゆっくり達が仲間の様子を探ろうと里に忍び込んだ。 脆弱なれど繁殖力は高く、数だけは大量にいるゆっくりである。それこそ毎日毎日、何組ものゆっくりが里に向かった。 そうして結局、誰一匹として帰っては来なかった。 もはや打つ手はない。ドスのことは諦めるしか。いつしかそんな空気が群れの中に漂うようになっていった。 けれども今ここにドスは帰ってきたのだ。群れはリーダーの帰還に湧いた。 「それにしても、さすがはドスだね」 歓喜の輪の中、一匹のれいむが言った。 「にんげんさんをどれいにしちゃうなんて!」 人間に捕まったドス。一体里でどんなにか酷い虐待を受けていたことだろうか。 そう思っていたところが、帰ってきたその姿は傷一つ無いどころか以前にも増して大きく立派になっている。帽子も綺麗だ。 これは即ち、ドスは人間の里で非常にゆっくりした生活を送っていたということを意味するのである。 それに先ほどのぞき見た里の様子、人間がドスに対し優しく穏やかな言葉と表情で別れを告げていた。 こうした事実からゆっくり達の餡子は判断したのだ。 捕まったドスはその力でもって逆に人間達を奴隷にし、そうしてとてもゆっくりとした時間を満喫していたのだと。 「すごいぜドス! ぐずでまぬけなにんげんなんかめじゃないぜ!」 「それにこのおおきくてたくましいからだ。とってもとかいてきでステキだわ!」 「むきゅう、これならもしほかのむれのドスとケンカになっても、よゆうでかてそうね」 群れのゆっくり達は口々にとても強くてゆっくりした自分達のリーダーを褒め称える。 けれどもそんな様子を前に、ドスはただぼうっとした顔を見せているだけ。 「おなか、すいたなぁ」 ドスが呟いた。 「ゆっ? そうだね」 ドスのことばにれいむが反応する。 もう冬も間近のこの時期、しかしドス救出に躍起になっていたこの群れは未だに冬篭りの準備に取りかかりさえしていなかった。 野生のゆっくりにとって、これは本来ならば致命的とも言える事態。普通の方法で餌を集めていてはもう間に合わず、冬を越せずに群れの壊滅は免れない。 けれどこのゆっくり達はとてもゆっくりとしていた。少しも慌ててなどいなかった。 だって、自分達には最強無敵のリーダーがいるのだから! 「ドス、にんげんのさとにせめこもうぜ!」 若いまりさが気勢を上げた。それに呼応して周りのゆっくり達も騒ぎ始める。 「ゆっ! そうだね! どれいのにんげんさんたちに、れいむたちのごはんをよういしてもらおうねっ!」 「おウチもよういしてもらわなきゃ。いなかくさいのはダメよ。わたしにふさわしいとかいてきでアーバンなおウチでなきゃ!」 「わたしはごほんがほしいわ。にんげんさんのさとならきっと、たくさんのごほんがあるわよね」 人間を奴隷にしたウチのリーダー。並のドスよりも大きくて強いリーダー。もしかしたら妖怪と戦いになったって。 群れのゆっくり達は浮かれていた。自分達の群れは今、幻想郷で最強のゆっくり集団となったのだ。 手始めにここら一帯、いつかは幻想郷全土を自分達のゆっくりプレイスにしてやる! 「あ〜〜」 野望に沸き立つゆっくり達。 けれどもドスは答えない。ただ虚ろな目で奇妙に間延びした声を上げながら、騒ぎ立てるゆっくり達を見下ろしている。 やがて。 「いただき、まぁす」 「ゆっ?」 ドスはゆっくりとその大きな口を開いた。 ●●● ○○○ 「食事だぞ」 一月ぶりに他者の声をドスは聞いた。 声の主は若い男。彼は。 「ゆっ! れいむはなんにもしてないよ! さっさとりかいしてね! りかいしたらさっさとここからだしてね!」 「いまならみのがしてやるぜ! だからさっさとまりさたちのゆうことをきいて、ここからだすんだぜ!」 蓋のされた水槽を持っていた。中にはれいむとまりさが一匹ずつ。 二匹はドスが率いていた群れのサブリーダーであり、捕まったリーダーを助けるために人間の里へと侵入した。 しかし所詮は餡子脳。 二匹はたまたま見かけた民家、その開け放たれた窓から流れる良い匂いに釣られて侵入、机の上に並べてあった食べ物を食い散らかした。 その後、満腹になった二匹は、あろうことか逃げ出しもせずにその場で眠りこけるという、野にいきるものとしてあり得ないレベルの醜態をさらす。 ちょっとした用で部屋を空にしていた家の主が戻ってきて、驚きの声を上げたのを聞いてようやく目を覚ます。そうしてお決まりのおウチ宣言。 当然のごとくそんなものが聞き入れられることなどなく、二匹は捕まって今日まで狭い水槽に閉じ込められ生かされてきた。 「ゆっ、ドス!?」 男は水槽をドスの前に置く。リーダーの存在に気付いた二匹が声を上げた。 「ドスッ! たすけにきたんだぜ! だからさっさとこのにんげんをやっつけて、まりさたちをたすけるんだぜ!」 何か文章としておかしなことを口走るまりさ。だがドスは答えない。 「ゆっくりしてないでさっさとするんだぜ! ドスパークだぜっ!」 身勝手なことをわめき立てるまりさだが、ドスは一向に答えない。答えられない。 クズ野菜とは言え食べ物を与えられ生かされてきた二匹とは違い、ドスは一月もの間何も口にしていないのだ。スパークを打つ力どころか、声を上げることもできはしない。 そうした事情は知らぬ二匹ではあったが、それでも今のドス、やつれしぼんだ体に太く頑丈に絡みつく鎖、その様子を見れば大体の状況は理解できるはず。 にも関わらず、れいむもまりさも我が身のことしか考えずに理不尽な言葉を叫び続ける。 「なんでゆっくりしてるの? ドスはれいむたちのリーダーなんだよ!? れいむたちをたすけるぎむがあるんだよっ!?」 ドスは動かない。動けない。 「まったく、やくにたたないリーダーだぜ! こんなやくたたずのリーダーはさっさとしぬべきだぜっ!」 騒ぎ立てる二匹の上、男が水槽の蓋を取った。そうしてれいむをむんずとつかみ上げる。 「ゆゆっ!?」 男の顔の高さまで持ち上げられるれいむ。 「おそらをとんでるみた――」 お決まりのセリフを言い切る間も無く。 がぶりっ。 「ゆっぎゃあああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」 男の口がれいむの頬を齧り切った。 「おぎょっ、ぎょ、おぎょおぼぼぼ!」 一瞬で体の三分の一を失ったれいむ。激痛に顔は歪み、露になった口内では舌が痙攣し言葉にもならぬ呻き声を吐き出す。 「やべへっ、やべ、えいふをはべないでっ!」 もはやまともに動かすことも適わぬその口を、それでも必死に回して助けを懇願するれいむ。 だが男はそんな言葉にまるで耳を貸さず。 「うっめ!」 「ぎょわいへ!?」 齧る。 「うっめ!!」 「ゆぎゅぶぉぎゅ!!」 食す。 「これめっちゃうっめッ!!」 「ぎょ……ぼ……ぶぶぷププププ――」 歓喜の叫びを上げながられいむの体を貪っていく。 「むーしゃむーしゃ」 幸せそうな笑顔でゆっくりと口を動かす男。元々大きくもないれいむの体は、断末魔らしい断末魔を上げることすらできずにこの世から消え去った。 「しあわせー♪」 口からリボンを吐き出し、そうして男は満足げに息をつく。 「ゆああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛――ッッ!!??」 伴侶の無残な最期を目の当たりにして、まりさの中に込み上げてきたのは怒りでも悲しみでもなく、ただただ恐怖のみであった。 「ゆるじでぐだざい゛ー! なんでもゆうごどぎぎまずがらっ! づよぐでがじごいにんげんざま、どうが、どうがまりざだげはだずげ――!?」 男はその言葉には何一つ反応を示さず無言のままでまりさを掴み。 「ゆぎびひいいィィィイ!?」 その底部、ゆっくりのいわば足に当たる部分を齧りとった。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛――――ッ!? まりざのあ゛んよがああああ!!」 焼けるような痛みの中でまりさは呪った。自分は何も悪いことはしていないというのに、何でこんな理不尽な目にあわねばならないのか。 れいむだ。れいむが食べ物に釣られたせいで、バカみたいに居眠りこいたせいで、だから捕まったんだ。そう、まりさは死んだ伴侶を呪う・ それにこのドス。リーダーのくせにあっさり人間なんかに捕まって、今も自分だけゆっくりして助けてくれない。そう、まりさはドスを呪った。 「……ゆっ?」 持ち上げられていたまりさの体が不意にドスの前へと下ろされた。 一体何が起こったのか。目を白黒させているまりさをよそに男は小屋から出て行ってしまった。 「ゆ……。 ――ゆへっ」 なぜだかわからないが自分は助かったのだ。そう理解したまりさ。思わず歪んだ口から笑い声がもれる。 「ゆへっへっへっへっ。やっぱにんげんはどじでおろかでまぬけだぜっ!」 数十秒前の命乞いの言葉にあった人間への評価をさっさと180度反転させて、その愚行を嘲笑う。 とは言え今の状況、人間はいなくなったものの底部が齧られ、このまま独力で逃げ出すのは不可能。 下手に動けば餡子がもれ、せっかく拾った命をどぶに捨てる羽目になりかねない。 「ドス、ドスッ!」 まりさは目の前のドスに向かって叫ぶ。自身の力で動けないのならドスに助けてもらえば良いだけのこと。そう思って声を上げる。 ドスのやせ細った体だとか、動きを封じる鎖だとか、そんなものは一切考慮に入れずただ自分の身の安全だけを考えて叫び続ける。 「ドス! あのにんげんがかえってくるまえに、さっさとまりさをたすけてもりへかえるんだぜ!」 ドスは答えない。 「ドス! なにゆっくりしてるんだぜ!? はやくだぜ! きこえないのかだぜッ!?」 その通り。ドスにはもう聞こえていなかった。体力の消耗が激しすぎるのだ。目もほとんど見えなくなっている。 目の前にあるモノが何なのか、それが何を言ってるのか、耳も目ももうまともに働かず、餡子脳も判断思考の力を失いかけている。 「――――! ――――っ!!」 ここにあるのはなんなのだろう。ドスにはもうわからない。 けれども先ほど、薄れゆく視覚と聴覚とが捉えた光景と音。 幸せそうにナニかを頬張る男の姿、そうして喜びと満足とを乗せたあの明るい声。 そうか、そうなのか。ドスはゆっくり理解した。 目の前のコレは、さっきのアレなのだ。 「ゆ?」 少し調子の外れたまりさの声。目の前のドスが口を開け、その舌を伸ばしてきたのだ。 ノロマなドスめ、やっと動いてくれたか。けれどもこれで。まりさは思った。これで自分は助かる、と。 ★★★ ●●● ゆっくりにはとても思いつかない人間ならではの餌の獲り方。 それを覚えたドスが野に帰って後、この里ではそれまで日に何度も発生していたゆっくりによる田畑や家屋への被害がパタリと無くなった。 そうして里の人間達は皆、末永く幸せに暮らしたと言う。 めでたし、めでたし。 (作:おっ゜て)
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「幸せになる様に」【投稿日 2007/10/25】 カテゴリー-斑目せつねえ 註:やおいです。激しい描写はないですが、苦手な方はご注意を。 俺、斑目晴信は今、笹原完二と二人で、笹原の部屋へと歩いている。 笹原の部屋に遊びに行くのはこれで何度目だろうとふと考えた。数えてみるが分からない。 「どうしたんですか斑目さん?」 ぼーっと考え事をしていた俺に、笹原が聞いてきた。「何でもねぇよ」と返して、又前を見て歩く。 歩きながらの話題は、昨日放送していたアニメの事、最近連載が始まった漫画の事。二人とも好きな事に関してなら何時間でも話していられる。 笹原が、口を動かしている俺を見て嬉しそうな顔をした。何かを噛み締める様な、そんな顔を。 それに気づいた俺は、ふいっと笹原から目を反らす。 自分の顔が赤くなったのが分かって、ますます笹原の方を見れなくなる。 急に黙りこんだ俺に不審そうな顔をした笹原だが、部屋についてしまった為それを追求しようとはしなかった。 笹原は、俺をどう思っているのだろうか? 一ヶ月前、俺は笹原に告白された。 それを、俺はまだはっきりと答えていない。 友人としては好きだと思う、悪い奴ではないし。 何も言わない俺と、告白前と変わらず過ごす笹原は、正直凄いと思う。俺だったら、告白すら出来ないだろうから。 笹原の部屋に入ると、俺はいつも座るテーブルの前に陣取った。笹原は飲み物を用意している。 最近、笹原と居ると、何となくあいつが俺を本当に好きだとゆう事が分かってきた。 態度とか、視線とか、言われなければ分からなかっただろうけど。 何で、俺なんだろう? 何度も繰り返された疑問。 こんなおたくで(笹原もだが)、顔も体も全然女みたいでも無くて……。 男と付き合う何て一度も考えた事が無かったから、最初は笹原がからかってんのかと思ってたけど、そうでもなくて……。 「何難しい顔してるんですか?」 いつの間にか、マグカップを持った笹原が俺の前に立っていた。テーブルにそれを置いて俺の正面に座る。 「笹原……」 理由を聞いてみたいと思った。今まで、俺なんかを誰かが好きになるなんて無かったから。 でも、聞くのは、怖い。 眉を寄せてそれ以上何も言えない俺を見て、笹原がため息をつく。 「すいません」 「えっ?」 笹原の言葉に、俺はまぬけな声を出す。 「俺、あんな事言って、斑目さんに迷惑かけてますよね……」 ついっと伏せられた笹原の目。手はマグカップをきつく握っている。 迷惑……では無い様な気がした。 だから俺は口を開く。 「違う、そうじゃねえ」 笹原が再び俺を見る。 「何で、俺が好きなの?」 意を決して聞く。 「理由が、分からない」 俺が言い終わると、みるみる笹原の顔が赤くなった。 何度か瞬きを繰り返し、笹原はぐっと俺の方へ身を乗り出す。 「全部、です」 「!!」 今度は俺の方が真っ赤になった。カッカと熱い顔から、湯気さえ出ている気がする。 「斑目さんの、気を使って自爆しちゃう所とか可愛いですし……」 カワイイデスカ。 「優しい所や、押しに弱い所も萌えます……」 モエチャウンダ。 「もちろん、キャラ作ってる所も好きですよ?」 …………。 笹原は、デレデレと絞まりの無い顔をしていた。 「俺は……」 心が、冷たくなっていくのが分かる。 「俺は、嫌い」 そう言った瞬間、笹原の肩がビクンと震えたのを、余裕の無い俺は気づかなかった。 「俺は、俺の、そうゆう所、嫌い」 両手を握り締めて、下を向く。 気を使うのは、自分が傷つかない為だ。 自爆するのは、コミュニケーションが下手なせいだ。 優しく見えるのは、臆病だからだ。 そして何より、キャラを作るのは、そんな情けない自分を見られたく無いせいだ。 趣味だけに生きられれば良いとうそぶいていても、趣味以外の事になると何も出来なくなる。 出来ない事は、「おたくだから」と言い訳して、逃げ道を作って見ないふりをした。 「斑目さんが、キャラ作ってるのって、自分が嫌いだからですか?」 笹原の声に、頷く俺。 「それに、楽だから……」 本当は、誰にも言いたく無い、でも、言いたかった言葉。 「キャラを作っておけば、それ以外は見られなくて済むだろ?」 強調された部分を見れば、人はそれだけで俺を判断する。そうすれば、それ以上、誰も入って来ない。 こんな無様な俺を、見られなくて済む。 笹原は何も言わない。 痛い程の沈黙が流れる。 言ってしまった。 きっと呆れられたに違いない。俺だって、こんな滑稽な自分が嫌になる。 ふと、俺の頬に何かが触れた。 顔を上げると、いつの間にか笹原が目の前まで来ていて、ボンヤリと、これはこいつの手なのかと思う。 「俺、好きです」 …………? 「そうやって、斑目さんが隠してる所も」 笹原は、何を言ってるんだろう。 「ねぇ、斑目さん」 オロオロと揺れる俺の瞳を笹原が捕える。 見た事の無い、真剣な表情。 「斑目さんがキャラなんて作らなくても、誰も斑目さんの事を嫌いになんてなりませんよ」 ゆっくりと紡がれる言葉。 「斑目さん、良い所沢山あるじゃないですか!」 そんな言葉が、何故かストンッと、心に落ちた。 「そう……、かな?」 泣き出しそうなのを我慢して、俺はぎこちなく笑う。 スッと笹原が更に近づいて来たと思ったら、背中に腕が回された。 力を込めた笹原の腕が暖かい。 こいつの言う事を、信じてみても良いかな……。 今は素直にそう思う。 でも、もうそろそろ離れてくんないかな。 「あ―――――っ!もう!!」 笹原が耳元で叫んだ。 「何で斑目さんはそんなに萌える事言いますか!?」 声の大きさにキンキン言ってる耳に、何かとんでも無い言葉が聞こえて来る。 「斑目さんが何の為にキャラ作ってるかなんて、多分皆にバレバレですよ?それを悩んでるなんて!」 俺、ヒドイ事言われてねえ?結構コンプレックスなんですケド? って、バレバレ!? バレバレなのか!!? 「でも、それを俺に言っちゃうって事は、フラグですよね?」 は? 硬直している俺の顔を、笹原が覗きこんだ。 半目になり、異様に鼻の穴を膨らませたその顔に、俺は何故か冷や汗が止まらない。 「フラグが立ったって事は、OKって事ですよね?」 「何が?」 OK? OKって? パニックになっている俺の顔に、笹原の顔が近づいて来る。 目を閉じて。 ああ、そうゆう事か……。 ……… ……… ……… ボグウッ!! 俺は思いきり笹原の頭をぶん殴った。 「何すんですか!」 「それはこっちの台詞だっ!」 良い事言ったと思ったらこいつは! 「フラグが足りないんですか?」 それ何てエロゲキャラ? もう一度笹原を殴りながら、俺は盛大にため息をついた。 その後、二人がどうなったかは、神のみぞ知る。 って事にしといてくれ……。 終わり
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シャイニング・ハーツ ~幸せのパン~ メモリアルブック ムック発売日:3月22日 パンを食べながら読みたくなるメモリアルブック TVアニメーション『シャイニング・ハーツ ~幸せのパン~』全13話をはじめ、 Blu-ray DVD各巻に収録の『ル・クール業務日誌』や版権イラスト集、設定資料まで網羅したメモリアルブック。 リック役の神谷浩史さん、アミル役の伊藤かな恵さん、ネリス役の相沢舞さん、 エアリィ役の三上枝織さんの撮り下ろしフォト コメントと川崎監督インタビューも見逃せない!! ここを編集 2012年7月放送開始。 http //shining-world.jp/heartsTV/ 監督 川崎逸朗 原作 SEGA シリーズ構成 川崎逸朗 キャラクター原案 Tony キャラクターデザイナー 松本圭太 サブキャラクターデザイナー・総作画監督 八尋裕子 プロップデザイナー 小谷杏子、常木志伸 美術設定 青木智由紀、イノセユキエ 美術監督 池信孝、温水陽子 色彩設計 田中美穂 撮影監督 大庭直之 特殊効果 村上正博 編集 植松淳一 音響監督 長崎行男 音響効果 山田稔 録音調整 中野陽子 音楽 菊田裕樹 アニメーション制作 Production I.G 脚本 川崎逸朗 谷村大四郎 絵コンテ 川崎逸朗 演出 森之宮彩花 鳥羽聡 やしろ駿 石原あゆむ 政木伸一 頂真司 丸山由太 蔵本穂高 小野葉渡 川崎逸朗 作画監督 八尋裕子 宮川智恵子 頂真司 ふくだのりゆき Hwang Mi JUNG 田畑昭 小谷杏子 武田欣弘 青山正宣 永田正美 植田実 桜井正明 竹上貴雄 青野厚司 飯飼一幸 長田絵里 山崎輝彦 松尾真彦 沼津雅人 寒川歩 嶋田俊彦 ■関連タイトル Blu-ray シャイニング・ハーツ~幸せのパン~第1巻 初回限定版 シャイニング・ハーツ ~幸せのパン~ メモリアルブック やまと SIF EX シャイニング・ハーツ シャオメイ PVC塗装済み完成品 OP・EDテーマ 時世界~トキセカイ~・ふわっふわっのまほう 原作版ムック シャイニング・ハーツ ビジュアル設定資料集 Tony画集 トニーズアートワークス フロムシャイニングワールド 原作版ドラマCD 「シャイニング・ハーツ」 パズル1000ピースきまぐれ黒猫盗賊 シャオメイ コトブキヤ いたずら怪盗 シャオメイ 1/6スケール PVC塗装済み完成品 コトブキヤ ローナ 1/8スケール PVC塗装済み完成品 Max Factory シャオメイ 1/7スケール PVC塗装済み完成品 コトブキヤ ルフィーナ 1/8スケール PVC塗装済み完成品 コトブキヤ マキシマ 1/8スケール PVC塗装済み完成品 ハイクオリティ HQ胸部立体マウスパッド ルフィーナ&ネリス フィギュア・ホビー:シャイニング・ハーツ 原作ゲーム PSP the Best シャイニング・ハーツ 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Blu-ray 魔女見習いをさがして Blu-ray「どうにかなる日々」Blu-ray Happy-Go-Lucky Edition 初回限定生産 Blu-rayDisc付き 『ラブライブ! スーパースター!!』「始まりは君の空」【みんなで叶える物語盤】 BEM~BECOME HUMAN~豪華版Blu-ray Blu-ray 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 10th Anniversary Compact Collection Blu-ray ぐらぶるっ! 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