約 18,598 件
https://w.atwiki.jp/sysd/pages/4659.html
本店:福岡市東区松田一丁目5番7号 アウトレット ミスターマックス 【商号履歴】 株式会社MrMaxHD(2017年9月1日~) 株式会社ミスターマックス(1980年8月~2017年9月1日) 平野電機株式会社(?~1980年8月) 株式会社江東容器(1950年12月8日~?) 【株式上場履歴】 <東証1部>1994年12月16日~ <福証>1986年4月1日~ <大証1部>1994年9月 日~2003年9月14日(上場廃止申請) <大証2部>1987年4月 日~1994年 月 日(1部に指定替え) 【合併履歴】 1979年8月31日 平野電機株式会社 【沿革】 当社(昭和25年12月8日設立)は、昭和54年8月31日を合併期日として、福岡県田川市本町7番20号所在の平野電機株式会社(実質上の存続会社)の株式額面金額を変更するため、同社を吸収合併いたしました。合併前の当社は休業状態であり、従って、法律上消滅した旧平野電機株式会社が実質上の存続会社であるため、特に記載のない限り、実質上の存続会社に関して記載しております。 昭和25年1月 有限会社平野ラジオ電気商会を設立 昭和36年3月 平野電機株式会社に改組 昭和54年8月 平野電機株式会社(旧商号 株式会社江東容器)と合併 昭和55年8月 平野電機株式会社を株式会社ミスターマックスに商号変更 昭和59年8月 株式会社ミスターマックスを株式会社MrMaxに商号変更 昭和61年4月 福岡証券取引所に上場 昭和62年4月 大阪証券取引所市場第二部に上場 昭和63年9月 福岡市東区に本社移転 平成3年11月 決算期を8月20日から3月31日に変更 平成4年4月 POSシステムの導入 平成6年9月 大阪証券取引所市場第一部に上場 平成6年12月 東京証券取引所市場第一部に上場 平成7年7月 POR(荷受け時点管理)システムの導入 平成8年4月 東京本部設置 平成12年9月 国際標準化規格ISO14001を取得 平成12年10月 子会社2社(株式会社ピーシーデポマックス及び株式会社ネットマックス)を設立 平成15年3月 西日本物流センター開設 平成15年9月 大阪証券取引所市場第一部上場を廃止 平成15年10月 関東物流センター開設
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/277.html
総括所見:イギリス(第5回・2016年) 第1回(1995年)/第2回(2002年)/第3回・第4回(2008年)英領香港(当時、1996年)/英領マン島(2000年)/イギリス海外領土(2000年) OPAC(2008年)/OPSC(2014年) CRC総括所見日本語訳(国別)/CRC総括所見日本語訳(会期順) とくにパラ76~77との関連で、国連のプレスリリース "Calais camp French and UK Governments fell well short of their child rights obligations – UN experts"(2016年11月2日付)も参照。 CRC/C/GBR/CO/5(2016年7月12日)/第72会期 原文:英語(平野裕二仮訳) 原文は国連人権高等弁務官事務所のサイト(国別情報のページまたはCRC会期一覧ページ)を参照。 I.序 1.委員会は、2016年5月23日および24日に開かれた第2114回および第2115回会合(CRC/C/SR.2114 and 2115参照)において大ブリテンおよび北アイルランド連合王国の第5回定期報告書(CRC/C/GBR/5)を検討し、2016年6月3日に開かれた第2132回会合(CRC/C/SR.21324参照)において以下の総括所見を採択した。 2.委員会は、締約国における子どもの権利の状況についての理解を向上させてくれた、締約国の第5回定期報告書および事前質問事項に対する文書回答(CRC/C/GBR/Q/5/Add.1)の提出を歓迎する。委員会は、締約国の多部門型の代表団との間に持たれた建設的対話に評価の意を表するものである。 3.とくに断らないかぎり、この所見の各パートに掲げられた勧告は、大ブリテンおよび北アイルランド連合王国の政府、ならびに、関連の権限がそれぞれの管轄下にあるときは、ウェールズ、スコットランドおよび北アイルランドの権限委譲行政地域の政府ならびに海外領土および王室属領の政府に宛てられたものである。 II.締約国によりとられたフォローアップ措置および達成された進展 4.委員会は、諸国際文書の批准またはこれへの加入が行なわれたこと(条約の批准の効力がジャージー代官管轄区に適用されるようになったことを含む)、ならびに、子どもの権利に関連するさまざまな分野で締約国より進展が達成され、かつ、前回の審査以降、多くの新報ならびに制度上および政策上の措置が採択されてきたことを歓迎する。 III.主要な懸念領域および勧告 A.実施に関する一般的措置(第4条、第42条および第44条第6項) 留保 5.委員会は、締約国が、海外領土および王室属領に対する条約の一部条項の適用可能性に関する留保、とくに以下の留保を維持していることを遺憾に思う。 (a) ケイマン諸島に対する第22条の適用可能性。 (b) すべての属領(ピトケアン諸島を除く)に対する第32条の適用可能性。 (c) すべての属領に対する第37条(c)の適用可能性。 6.委員会は、1993年のウィーン宣言および行動計画に照らし、当該海外領土および王室属領の政府が、条約に付したすべての留保の撤回を検討するよう勧告する。 立法 7.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 条約の原則および規定が国内法に基づいて直接に適用可能とされかつ司法判断適合性を有するものとされることを確保するっため、国および権限委譲行政地域のレベルでならびに海外領土および王室属領において、国内法を速やかに条約に一致させること。 (b) 聖金曜日協定〔1998年4月10日のベルファスト合意〕で合意された北アイルランド権利章典の制定を速やかに進めること。 包括的な政策および戦略 8.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 「協働、さらなる達成」(Working Together, Achieving More)と題された全英レベルの戦略(2009年)を改訂して条約のすべての領域を網羅するとともに、その全面的実施を確保すること。 (b) イングランドおよび北アイルランドで前掲戦略を実施するための包括的行動計画を採択すること。 (c) スコットランドにおいて、「正しい対応を」(Do the Right Thing)と題された行動計画(2009年)および国家人権行動計画(2013~2017年)の全面的実施を確保すること。 (d) ウェールズにおいて、子ども・若者プログラム(2015年)の全面的実施を確保すること。 9.委員会は、その際、締約国が、戦略および行動計画の実施のために十分な人的資源、技術的資源および財源を配分し、明確な時間軸ならびに監視および評価のための枠組みを定め、かつ、もっとも被害を受けやすい集団に属する子どもに特段の注意を払うよう勧告する。 子どもの権利影響評価 10.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 子どもに影響を与える法律および政策(国際開発協力に関するものを含む)を策定する際に子どもの権利影響評価を組織的に実施する制定法上の義務を、国および権限委譲行政地域のレベルで導入すること。 (b) 当該評価の結果を公表し、かつ、提案する法律および政策でその結果がどのように考慮されたかを明らかにすること。 調整 11.委員会は、締約国が、締約国全域で条約の実施の効果的調整を確保するべきである旨の前回の勧告をあらためて繰り返す。委員会は、この目的のため、締約国が以下の措置をとるよう勧告するものである。 (a) 各権限委譲行政地域、海外領土および王室属領において、条約の実施に関わるあらゆる活動を諸部門全体を通じて調整する明確な任務および十分な権限を与えられた適切な制定法上の機関を、高い省庁間レベルに設置すること。 (b) 当該調整機関に対し、その効果的活動のために十分な人的資源、技術的資源および財源を配分すること。 (c) 国レベルにおける条約の実施の調整および評価を強化すること。 資源配分 12.委員会は、近年の金融政策および資源配分が、子どもが自己の権利を享受する際の不平等を助長し、不利な状況に置かれた子どもに不均衡なほどの影響を与えていることを深刻に懸念する。 13.条約第4条ならびに持続可能な開発目標のターゲット10.2および10.4にしたがい、委員会は、締約国に対し、子どもの貧困の根絶ならびにすべての管轄地域内および管轄地域間の不平等の縮小にとくに焦点を当てながら、子どもの権利の実施のために利用可能な資源を最大限配分するよう促す。委員会は、このような取り組みにおいて、締約国が以下の措置をとるよう勧告するものである。 (a) 子どものための資源がどのように配分されかつ使用されているか、予算全体を通じて追跡するためのシステムを実施することにより、国家予算の策定において子どもの権利アプローチを活用すること。 (b) 子どもたちとの対話を含む公的対話を通じ、透明なかつ参加型の予算編成を確保すること。 (c) 積極的是正のための社会的措置を必要とする可能性のある、不利なまたは権利を侵害されやすい状況に置かれた子どもに関する予算科目を定めるとともに、当該予算科目がたとえ景気後退の時期にあっても保護されるようにすること。 (d) 子どもの権利に直接間接に関連する分野で、予算上および経済上の意思決定手続および結果(緊縮財政措置に関わるものを含む)についての子どもの権利影響評価を恒常的に実施すること。 (e) 条約の実施に割り当てられる資源の配分の十分性、効率性および公平性を監視しかつ評価する機構を設置すること。 データ収集 14.委員会は、北アイルランド政府が、条約のあらゆる分野を網羅し、かつ、国際連合人権高等弁務官事務所が刊行した「人権指標:測定・実施ガイド」(Human Rights Indicators A Guide to Measurement and Implementation)に掲げられた概念上および手法上の枠組みを考慮に入れた、子どもの権利指標枠組みを速やかに完成させるよう勧告する。 独立の監視 15.委員会は、締約国の4つの権限委譲行政地域に設置されている子どもコミッショナーの独立性が高められたこと、および、子どもの権利の促進および保護を確保するために多くの取り組みが行なわれていることを歓迎する。にもかかわらず、委員会は、北アイルランドおよびウェールズのコミッショナーの権限がいまなお限定されており、かつ、スコットランドのコミッショナーが、個々の子どものための調査を実施する任務の行使を開始していないことを懸念するものである。 16.子どもの権利条約の実施に関する一般的措置〔訳者注/「子どもの権利の保護および促進における独立した国内人権機関の役割」の誤り〕に関する委員会の一般的意見2号(2002年)に照らし、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 人権の促進および保護のための国家機関の地位に関する原則(パリ原則)にしたがい、設置されている子どもコミッショナーの独立性をさらに強化するとともに、これらの機関が、とくに子どもからまたは子どもに代わって申し立てられる子どもの権利侵害に関する苦情を受理しかつ調査できるようにすること。 (b) すべての法域のコミッショナーに対し、その任務を効果的なかつ調整のとれたやり方で遂行するために必要な人的資源および財源を配分すること。 国際協力 17.国際開発協力との関連で、委員会は、締約国が、援助受領国で営利企業が運営している授業料の安い私立の非公式学校に資金を拠出していることを懸念する。このような学校の数が急激に増えていることは、教育の低水準化、無償のかつ良質な公立学校への投資の減少および援助受領国における不平等の深まりを助長し、授業料の安い学校にさえ手の届かない子どもを置き去りにしてしまう可能性がある。 18.委員会は、締約国が、自国の国際開発協力において、無償の義務的初等教育に対する権利をすべての者に保障することに関する支援が援助受領国に提供されることを確保するよう勧告する。そのための手段として、締約国は、公立学校における無償のかつ良質な初等教育を優先し、営利目的の私立学校に資金を拠出しないようにし、かつ、私立学校の登録および規制を推進するべきである。 子どもの権利と企業セクター 19.企業セクターが子どもの権利に与える影響に関わる国の義務についての一般的意見16号(2013年)を参照しつつ、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) ビジネスと人権に関する第1次国家行動計画の改訂版に、子どもの権利に関する明示的な視点(企業が子どもの権利に関するデュー・ディリジェンス〔相当の注意〕を履行しなければならない旨の要件を含む)を統合すること。 (b) 企業セクターが、公共調達との関連も含めて子どもの権利を遵守することを確保するための規制を定め、かつ実施すること。 B.子どもの定義(条約第1条) 20.委員会は、締約国が、すべての権限委譲行政地域、海外領土および王室属領で最低婚姻年齢を18歳に引き上げるよう勧告する。 C.一般原則(条約第2条、第3条、第6条および第12条) 差別の禁止 21.委員会は以下のことを懸念する。 (a) 平等法(2010年)の多くの規定で、年齢差別からの保護の対象から子どもが除外されており、かつ、北アイルランドでは、年齢差別に関する法案で16歳未満の子どもが除外されていること。 (b) テロ対策のためにとられている措置が、透明性を欠いているために公衆の信頼を得られておらず、かつ、子ども(とくにイスラム教徒の子ども)に対して差別的なまたはスティグマを付与する効果を有していると広く捉えられていること。 (c) 特定の集団に属する子ども(ロマ、ジプシーおよびトラベラーの子ども、その他の民族的マイノリティの子ども、障害のある子ども、養護の対象とされている子ども、子どもの移住者、庇護希望者および難民ならびにレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーおよびインターセックスの子どもを含む)の多くが、メディアにおけるものを含む差別および社会的スティグマを引き続き経験していること。 22.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 年齢を理由とする差別からの保護を18歳未満のすべての子どもに提供するため、法律の適用範囲を拡大する可能性を検討すること。 (b) テロ対策および過激主義対策のためにとられている措置(「防止戦略」(2011年)を含む)の実施状況を評価し、かつ当該措置の実施がいかなる集団の子どもに対しても差別的なまたはスティグマを付与する効果を持たないことを確保するための監督機構(定期的な第三者審査を含む)を強化すること。 (c) 差別およびスティグマ化に対する意識啓発その他の防止活動を強化するとともに、必要であれば、被害を受けやすい状態に置かれた子どもたちのために一時的な特別措置をとること。 23.委員会は、締約国が、メディアを含む社会における、「子ども時代に対する不寛容」ならびに子ども(とくに思春期の子ども)に対して向けられる公衆の否定的態度に対応するために緊急の措置をとるべきである旨の前回の勧告を想起する。 24.委員会は、若干の改善が見られたにもかかわらず、一部の子どもに対する法的差別が海外領土で残っていることを懸念する。 25.委員会は、英国政府が、海外領土の各政府に対し、移住者である子どもを含む「非現地人」(non-belongers)および婚外子に対する法律上の差別を完全に廃止するようさらに奨励することを勧告する。 子どもの最善の利益 26.委員会は、自己の最善の利益を第一次的に考慮される子どもの権利が、とくに代替的養護、児童福祉、出入国管理、庇護希望者および難民としての認定、刑事司法の分野ならびに軍隊において、子どもに影響を与えるすべての立法事項および政策事項ならびに司法決定にいまなお反映されていないことを遺憾に思う。さらに、一部の海外領土ではこの権利を保障する法律上の規定が設けられていない。 27.自己の最善の利益を第一次的に考慮される子どもの権利についての一般的意見14号(2013年)を参照しながら、委員会は、締約国が、領域内のあらゆる場所で以下の措置をとるよう勧告する。 (a) この権利が、すべての立法上、行政上および司法上の手続および決定、ならびに、子どもに関連し、かつ子どもに影響を与えるすべての政策、プログラムおよびプロジェクトに適切に統合されかつ一貫して適用されることを確保すること。 (b) 公的権限を有するすべての関係者に対し、あらゆる分野で子どもの最善の利益について判断し、かつそれを第一次的考慮事項として正当に重視することに関する指針を提供するための手続および基準を定めること。 生命、生存および発達に対する権利 28.委員会は以下のことを懸念する。 (a) 調査研究の結果、締約国における乳児および子どもの死亡(自殺を含む)は社会的および経済的剥奪の水準と関連性を有していることが明らかになっていること。 (b) 子どもが関わる不慮の死亡または重傷事故を検証するための機構が、締約国のほとんどの場所で設置されておらずまたは運用されていないこと。 29.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 乳児および子どもの死亡の根底にある決定要因(社会的および経済的剥奪および不平等を含む)に対処すること。 (b) 子どもが関わる不慮の死亡または重傷事故(締約国の全領域に設けられた拘禁施設、ケアのための施設および精神保健ケア施設で生じたものを含む)について、第三者による公的な検討が自動的に行なわれる制度を導入すること。 子どもの意見の尊重 30.委員会は以下のことを懸念する。 (a) 子どもに影響を与える問題についての政策立案において子どもたちの意見が組織的に聴かれていないこと。 (b) 4つの全法域で行なわれた法律扶助の縮小に関する改革が、自己に影響を与える司法上および行政上の手続で意見を聴かれる子どもの権利に悪影響を及ぼしているように思われること。 (c) 北アイルランド、ウェールズ、モントセラト、タークス・カイコス諸島またはジャージー代官管轄区で、若者議会が設置されておらずまたは運用されていないこと。 (d) 自己に影響を与える事柄(家事手続におけるものを含む)について、ソーシャルワーカー、審査官、有償養育者、裁判官、法律に抵触した子どもを支援する職員またはその他の専門家によって意見を聴いてもらえないと感じている子どもが多いこと。 31.意見を聴かれる子どもの権利についての一般的意見12号(2009年)を参照しながら、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 地方および国のレベルで法律、政策、プログラムおよびサービス(差別、暴力、性的搾取および性的虐待、有害慣行、代替的養護、セクシュアル/リプロダクティブヘルス教育、余暇および遊びに関するものを含む)を立案する際に、子どもが主体的にかつ意味のある形で参加できるようにするための体制を設置し、かつ子どもの意見を正当に重視すること。低年齢の子どもおよび被害を受けやすい状況に置かれた子ども(障害のある子どもを含む)の関与を得ることに対し、特段の注意が払われるべきである。 (b) 関連の改革によって司法にアクセスする子どもの権利に悪影響が生じないことを確保する目的で、イングランド、ウェールズおよびスコットランドで行なわれた法律扶助改革の影響を評価し、かつその再検討を速やかに進め、かつ、北アイルランドおよびジャージー代官管轄区で提案されている改革について子どもの権利影響評価を実施するとともに、これらの評価および再検討への実効的な子ども参加を保障すること。 (c) 自己に影響を与える問題についての国家的な立法過程に子どもたちが実効的に関与するための常設フォーラムとして、すべての権限委譲行政地域および領土で速やかに若者議会を設置すること。 (d) 子どもが、子どもとともに働くすべての専門家によって、形式的にではなく真に意見を聴かれ、かつその意見が正当に重視されることを確保すること。 32.委員会は、子どもに対して16歳から投票権を認めるべきであるという要求が増えており、かつ、スコットランドでは地方選挙およびスコットランド議会選挙について16歳および17歳も投票年齢とされたことに留意する。 33.委員会は、締約国および権限委譲行政地域に対し、投票年齢について子どもたちと協議するよう奨励する。委員会は、投票年齢を引き下げる場合、権利の行使は市民性の一環として自律性および責任をもって行使されるべきものであるという認識を子どもたちが早くから持つことを確保する目的で、投票を支えるものとしての積極的なシティズンシップ教育および人権教育が実施されること、ならびに、このような措置が不当な影響力を持たないことを、締約国が確保するよう勧告するものである。 D.市民的権利および自由(第7条、第8条および第13~17条) 出生登録および国籍 34.委員会は、移住者である子ども(とくに当該領土で出生した子ども)が出生証明書を取得する権利を保障する目的で、締約国が、海外領土に対し、地方立法および英国国籍法の改正を奨励するよう勧告する。 思想、良心および宗教の自由 35.委員会は、公的資金を得ているイングランドおよびウェールズの学校において、「完全にまたは主として広くキリスト教的性質を有する」毎日の宗教的礼拝への参加を生徒が法律で要求されており、かつ、子どもは第6学年に達するまで親の許可なくそのような礼拝に出席しない権利を有していないことを懸念する。北アイルランドおよびスコットランドでは、子どもは、親の許可なく集団的礼拝に出席しない権利を認められていない。 36.委員会は、締約国が、公的資金を得ている学校における集団的礼拝への義務的出席に関する法律上の規定を削除するとともに、子どもが、学校で行なわれる宗教的礼拝に出席しない権利を独立して行使できることを確保するよう、勧告する。 結社および平和的集会の自由 37.移動および平和的集会の自由に対する子どもの権利を全面的に保障する目的で、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 若者の集まりを解散させるために用いられる音声機器(いわゆる「モスキート音発生装置」)の、公的空間における使用を禁止すること。 (b) 反社会的行動への対応および群衆の解散を目的として子ども(10~11歳の子どもを含む)に対して使用されている措置についてのデータを収集するとともに、これらの措置の使用の基準および比例性を監視すること。 プライバシーに対する権利 38.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 子どもに対する、法律に基づかない職務質問および所持品検査を禁止すること。 (b) 法律に基づく職務質問および所持品検査が、比例性を満たし(その際、子どもの年齢および成熟度を考慮するものとする)、かつ差別的でないやり方で行なわれることを確保すること。 (c) 子どもに対して行なわれる職務質問および所持品検査についての、年齢、性別、障害、地理的所在、民族的出身および社会経済的背景別に細分化されたデータを恒常的に収集し、分析しかつ公表すること。 E.子どもに対する暴力(第19条、第24条第3項、第28条第2項、第34条、第37条(a)および第39条) 拷問および他の残虐なまたは品位を傷つける取扱いまたは処罰 39.委員会は以下のことを懸念する。 (a) 4つの権限委譲行政地域において、警察が子どもに対してテーザー銃(北アイルランドの場合には減エネルギー弾)を使用していること。 (b) イングランドおよびウェールズで拘禁下にある子どもに対する抑制措置その他の制限的介入措置の使用が増えていること、および、締約国のその場の地域における抑制措置の使用に関するデータが存在しないこと。 (c) イングランド、ウェールズおよびスコットランドで、青年犯罪者施設の秩序および規律を維持する目的で身体的抑制措置が用いられており、かつ施設環境に置かれた子どもに対して苦痛を与える手法が用いられていること、ならびに、北アイルランドで、施設環境における抑制措置の使用の包括的見直しが行なわれていないこと。 (d) 学校で、心理社会的障害のある子ども(自閉症の子どもを含む)に対して抑制措置および隔離措置が用いられていること。 40.あらゆる形態の暴力からの自由に対する子どもの権利についての委員会の一般的意見13号(2011年)および持続可能な開発目標のターゲット16.2を参照しながら、委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) テーザー銃のような放電性の武器、減エネルギー弾(北アイルランド)および他のいかなる有害な装置についても子どもへの使用を禁止するとともに、当該禁止の実施を監視する目的で、これらの装置の使用に関する年齢別のデータを組織的に収集しかつ公表すること。 (b) 入所施設か通所施設かを問わず、あらゆる施設環境において、規律の維持を目的として子どもに対して用いられるすべての抑制手段を廃止し、かつ、子どもに苦痛を与えることを目的とするいかなる手法の使用も禁止すること。 (c) 子どもに対する抑制措置が、もっぱら自傷他害を防止する目的で、かつ最後の手段としてのみ用いられることを確保すること。 (d) あらゆる施設環境(教育施設、拘禁施設、精神保健施設、福祉施設および出入国管理施設を含む)における子どもの規律の維持および行動管理が適切であるかどうかを監視する目的で、子どもに対する抑制措置その他の制限的介入措置の使用に関する細分化されたデータを組織的かつ恒常的に収集しかつ公表すること。 体罰 41.体罰その他の残虐なまたは品位を傷つける形態の罰から保護される子どもの権利についての一般的意見8号(2006年)および前回の勧告を参照しながら、委員会は、締約国に対し、すべての権限委譲行政地域、海外領土および王室属領において以下の措置をとるよう促す。 (a) 「合理的懲罰」などのあらゆる法的抗弁を廃止すること等を通じ、優先的課題として、家庭におけるあらゆる体罰を禁止すること。 (b) あらゆる学校および教育施設ならびにその他のあらゆる施設およびあらゆる形態の代替的養護における体罰が明示的に禁じられることを確保すること。 (c) 子育てにおける体罰の使用が一般的に受け入れられている状況を解消する目的で、積極的かつ非暴力的な形態のしつけおよび規律の維持、ならびに、人間の尊厳および身体的不可侵性に対する子どもの平等な権利の尊重を促進するための努力を強化すること。 暴力、虐待およびネグレクト 42.委員会は、イングランドおよびウェールズの重大犯罪法(2015年)で導入されたもののような、親密な関係および家族関係における強制的および支配的行動を捕捉するための新たな家族間虐待罪の導入を歓迎する。しかしながら委員会は、以下のことを懸念するものである。 (a) 女性および女子に対するドメスティックバイオレンスおよびジェンダーを理由とする暴力が広く蔓延しており、かつ、このような形態の暴力が、被害者としてであるか目撃者としてであるかにかかわらず、子どもに悪影響を与えていること。 (b) 子ども青年法(1933年)において、子どもが、児童虐待およびネグレクトに関する刑法の適用上は16歳未満の者として定義されていること。 (c) 子どもに対する暴力への対応および家事手続において子どもの意見が正当に尊重されていないこと。 43.一般的意見13号および持続可能な開発目標のターゲット16.2を参照しながら、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 18歳未満のすべての子どもを児童虐待およびネグレクトから保護する目的で、子ども青年法(1933年)を改正すること。 (b) あらゆる場面における子どもに対する暴力(ドメスティックバイオレンス、ジェンダーを理由とする暴力、虐待およびネグレクトを含む)についての組織的なデータ収集および情報の記録、ならびに、関連部門間での情報および付託事案の共有を強化すること。 (c) ソーシャルワーカーを増員し、かつ、子どもに対する暴力に対応するソーシャルワーカーの能力を強化すること。 (d) 暴力への対応(刑事手続および家事手続におけるものを含む)で当事者の子どもの意見を正当に重視すること。 (e) 女性に対する暴力およびドメスティック・バイオレンスの防止およびこれとの闘いに関する条約の批准を検討すること。 性的搾取および性的虐待 44.委員会は、子どもの性的搾取および性的虐待に対応するためにとられた措置(「WePROTECT」をモデルとする国家的対応を含む)、ならびに、部門横断型の行動計画ならびに関連の指針およびツール(ウェールズ)ならびにこの現象に関する第三者調査(北アイルランド)への子どもおよび市民社会による力強い参加を歓迎する。しかしながら委員会は、以下のことを懸念するものである。 (a) 近年、子どもの性的搾取および性的虐待のうち有名人によるもの、組織暴力集団によるものおよび施設環境におけるものが広く行なわれているという訴えがあること。 (b) オンラインにおける子どもの性的搾取および性的虐待のリスクが高まっていること。 (c) このような搾取および虐待を防止し、発見しかつこれに対応する取り組みにおいて、子どもの意見が十分に尊重されていないこと。 (d) 子どもの性的搾取および性的虐待の訴追率が低いこと。 45.委員会は、締約国(権限委譲行政地域、海外領土および王室属領を含む)が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 義務的通報等も通じ、あらゆる場面における子どもの搾取および虐待についての包括的なかつ細分化されたデータを組織的に収集しかつ公表すること。 (b) 国および権限委譲行政地域のレベル、海外領土ならびに王室属領において、効果的な防止、早期の発見および介入を確保するための、子どもの搾取および虐待(オンラインにおけるものを含む)に関する包括的なかつ部門横断型の戦略を策定しかつ実施すること。 (c) 北アイルランドでの子どもの性的搾取に関するマーシャル調査勧告を実施すること。 (d) 性的搾取および性的虐待の被害を受けた子どもまたはそのおそれがある子どもを支援するための包括的サービスをさらに発展させること。 (e) 子どもの性的搾取および性的虐待を摘発しかつ訴追する法執行機関および司法機関の能力を強化し、かつ、被害を受けた子どもに実効的な救済措置を提供すること。 (f) 性的搾取および性的虐待からの子どもの保護に関する欧州評議会条約の批准を検討すること。 有害慣行 46.委員会は、イングランドおよびウェールズで重大犯罪法(2015年)が制定されたことにより、裁判所が、女性性器切除の被害を受ける可能性のある子どもまたは実際に被害を受けた子どもを保護するための保護命令を発布できるようになったことを歓迎する。しかしながら委員会は、以下のことを懸念するものである。 (a) 女性性器切除を含む有害慣行の影響を受けている子どもの人数、および、締約国の一部地域で行なわれている16~17歳の女子と男子の強制婚が相当数にのぼること。 (b) インターセックスの子どもに対し、十分な情報に基づく同意を与えられるようになる前に医学的に不必要な手術その他の治療(これは不可逆的な影響をともなうことが多く、かつ深刻な身体的および心理的苦痛を引き起こしうるものである)が行なわれる事案があり、かつ、このような事案において救済および補償が行なわれていないこと。 47.有害慣行に関する一般的意見18号(2014年)を参照しながら、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 16~17歳の子どもの婚姻が、例外的事情がある場合にのみ、かつ、当事者である子どもの全面的な、自由な、かつ十分な情報に基づく同意を基礎として行なわれることを確保するために効果的措置をとること。 (b) 有害慣行の問題に対応するための防止措置および保護措置を継続しかつ強化すること。これには、データの収集、関連の専門家の研修、意識啓発プログラム、被害を受けた子どもに対する保護およびケアの提供、ならびに、そのような行為を実行したとして有罪と認められる者の訴追が含まれる。 (c) 何人も乳児期または児童期に不必要な手術または治療の対象とされないことを確保し、当事者である子どもに身体的不可侵性、自律および自己決定を保障し、かつ、インターセックスの子どもがいる家族に対して十分なカウンセリングおよび支援を提供すること。 (d) そのような治療の被害者に対して救済措置を提供すること。 (e) さまざまな性的多様性ならびに関連の生物学的および身体的多様性について、またインターセックスの子どもに対する不必要な介入がもたらす影響について、医療専門家および心理専門家を教育すること。 あらゆる形態の暴力からの子どもの自由 48.委員会は以下のことを懸念する。 (a) とくにレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーおよびインターセックスの子ども、障害のある子どもならびにマイノリティ集団に属する子ども(ロマ、ジプシーおよびトラベラーの子どもを含む)に対する、ネットいじめを含むいじめが依然として深刻かつ広範な問題となっていること。 (b) 北アイルランドにおいて、子どもが、準軍事的な攻撃に関与する非国家的主体によって行なわれる暴力(銃撃を含む)およびそのような非国家的主体による勧誘に直面していること。 49.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 人権について教育すること、学校における多様性の尊重に関する生徒および職員の能力構築を図ること、生徒の紛争解決スキルを向上させること、学校におけるいじめの発生状況を恒常的に監視すること、ならびに、いじめの解消を目的とする取り組みおよび監視に子どもの関与を得ること等の手段により、学校におけるいじめおよび暴力に対処するための努力を強化すること。 (b) デジタルメディアと子どもの権利に関する一般的討議を踏まえてまとめられた勧告に照らし、子どもたち、教員および家族を対象として情報通信技術の安全な利用に関する研修を実施し、ネット上のいじめが同世代の仲間に及ぼしうる深刻な影響に関する意識を子どもたちの間で高め、かつ、ネットいじめと闘う努力にソーシャルメディア業者のいっそうの関与を得ること。 (c) 移行期の司法および刑事司法関連の措置等も通じ、準軍事的な攻撃に関与する非国家的主体によって行なわれる暴力およびそのような非国家的主体による暴力的活動への勧誘から子どもを保護するための即時的かつ効果的な措置をとること。 F.家庭環境および代替的養護(第5条、第9~11条、第18条第1~2項、第20条、第21条、第25条および第27条第4項) 家庭環境 50.委員会は、必要とする層への保育の提供に関して締約国および権限委譲行政地域で優れた実践が行なわれていることを認知する。しかしながら委員会は、保育費用が高いことが子どもおよびその家庭環境に与える悪影響について懸念を覚えるものである。 51.委員会は、締約国および権限委譲行政地域政府が、保育および家族支援に対する資金拠出が最近減らされたことについて厳格な子どもの権利影響評価を実施し、かつ、必要とするすべての者が保育サービスを利用できるようにする目的で家族支援政策を修正するよう、勧告する。 家庭環境を奪われた子ども 52.委員会は以下のことを懸念する。 (a) イングランド、ウェールズおよび北アイルランドで養護の対象とされる子どもの人数が増えており、かつスコットランドで養護の対象とされる子どもの割合が高いこと。 (b) 早期介入措置が適切な時期にとられなかった事案、親に対して十分な家族支援が提供されなかった事案、および、子どもを養護の対象とする決定において子どもの最善の利益が適正に評価されなかった事案があること。家族の経済的状況を理由として、または里親家族の方が子どもにとってより有益な環境を提供できる可能性があるという理由で、子どもが生物学的家族から分離されているという報告もある。 (c) 養護の対象とされている子どものソーシャルワーカーが頻繁に交代しており、かつ子どもがしばしば年に2つ以上の家族への措置を経験していて、子どもの生活のあらゆる側面に悪影響が生じていること。 (d) 子どもが生物学的家族から離れた場所に措置され、家族の接触を維持できない状態に置かれていること、および、きょうだいが適切な理由もなく相互に分離されていること。 (e) 北アイルランドにおいて子どもが閉鎖型施設に措置されていること。 (f) 里親養育または施設養護を離脱する子どもが、将来計画に関するものを含む適切な支援およびカウンセリングを受けておらず、しばしば元養育者から遠く離れた場所で生活しなければならなくなっていること。 (g) 北アイルランドにおける養子縁組手続が依然として時代遅れのままであり、かつ条約に一致していないこと。 53.子どもの代替的養護に関する指針(総会決議64/142付属文書)に対して締約国の注意を喚起しつつ、委員会は、貧困を直接かつ唯一の原因とする環境が、子どもを親による養育から分離することの唯一の正当化事由とされることがあってはならないことを強調する。委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告するものである。 (a) 親および法定保護者(インフォーマルな親族養育者を含む)が子どもの養育責任を果たすにあたって適当な援助を与えるための努力を強化すること。 (b) 家族からの子どもの分離が、常に徹底的な調査の対象とされ、子どもの最善の利益にしたがって、かつ最後の手段としてのみ行なわれることを確保すること。 (c) 可能な場合には常に、子どもに対し、生物学的な親およびきょうだいとの接触を容易にするような措置先を見つけること。 (d) 北アイルランドにおける閉鎖型施設が最後の手段として、かつ可能なもっとも短い期間でのみ用いられることを確保するとともに、そのような施設に繰り返しまたは長期間滞在することになる理由に対処し、かつ閉鎖型施設に代わる選択肢を発展させること。 (e) ソーシャルワーカーの交代を控え、かつ不必要な措置変更が行なわれないようにするための努力を含め、養護の対象とされている子どもが安定した生活を送れるようにするためにあらゆる必要な措置をとること。 (f) 養護および移行のための計画について早い段階から子どもへの情報提供および子どもとの相談を行なうとともに、養護を離脱する者に対し、居住、就労または継続教育に関するものを含む十分な支援を提供すること。 (g) 北アイルランドにおける養子縁組および子ども法案の承認および制定を速やかに進めること。 親が収監されている子ども 54.委員会は、裁判所と子ども保護機関との間の協力が不十分であるために、親が収監刑を言い渡されてそのまま収監され、子どもが適切なケアを受けられないまま取り残される場合があることを懸念する。 55.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 子どもが見守る者のいない状況に置かれることを回避する目的で、子どものいる者が収監されるときは常に子ども保護機関への通告が行なわれることを確保すること。 (b) 親である者に刑を言い渡す際には子どもの最善の利益を第一次的に考慮し、親が子どもから分離されることにつながる刑を可能なかぎり回避すること。 G.障害、基礎保健および福祉(第6条、第18条第3項、第23条、第24条、第26条、第27条第1~3項および第33条) 障害のある子ども 56.委員会は以下のことを懸念する。 (a) 障害のある多くの子どもが、人生における個人的決定(支援および将来の選択を含む)において自分の意見が正当に重視されていないと考えていること。 (b) 障害のある多くの子どもがいまなお特別学校または普通学校内の特別班に措置されていること、ならびに、多くの校舎および学校施設が障害のある子どもにとって全面的にアクセシブルなものになっていないこと。 (c) 成人期への移行のための支援の提供が十分さ、適時性または十分な調整のいずれの要件も満たしておらず、かつ、その際、障害のある子どもによる十分な情報に基づく決定が確保されていないこと。 57.障害のある子どもの権利についての一般的意見9号(2006年)を参照しながら、委員会は、締約国が、障害に対する人権基盤型アプローチを採用し、障害のある子どものインクルージョンに関する包括的戦略を確立し、かつ以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 自己に影響を与えるすべての意思決定(人的支援および教育へのアクセスならびにその選択に関するものを含む)において自己の意見を表明し、かつその意見を正当に重視される障害のある子どもの権利が全面的に尊重されることを確保すること。 (b) インクルーシブ教育をさらに発展させ、特別施設および特別学級への子どもの措置よりもインクルーシブ教育が優先されることを確保し、かつ、普通学校を障害のある子どもにとって全面的にアクセシブルなものとするための包括的措置を確立すること。 (c) 関連諸部門全体を通じて立法、政策およびプログラムの調整を図ることにより、障害のある子どもに対し、成人期への移行のための包括的かつ統合的なサービスパッケージを十分に早い段階から提供するとともに、サービスの設計に関して障害のある子どもの関与を得ることならびに利用可能な選択肢についての助言および情報を提供することにより、移行における個人的選択に関する、障害のある子どもによる十分な情報に基づく決定を確保すること。 健康および保健サービス 58.委員会は、保健サービスへのアクセスおよび保健関連のアウトカム(結果)に関して不平等が存在し、ロマ、ジプシーおよびトラベラーの子ども、その他の民族的マイノリティに属する子ども、移住者である子ども、貧困下および貧困地域で暮らしている子ども、養護および身柄拘束の対象とされている子ども、HIV/AIDSとともに生きている子どもならびにレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーおよびインターセックスの子どもに悪影響が生じていることを懸念する。 59.到達可能な最高水準の健康を享受する子どもの権利についての一般的意見15号(2013年)を参照しながら、委員会は、締約国、権限委譲行政地域の政府、海外領土ならびに王室属領が、以下の要素を備えた、子どもの健康に関連する包括的なかつ部門横断型の戦略を策定するよう勧告する。 (a) 利用可能な資源が最大限に配分され、かつ、しっかりした監視機構が設けられること。 (b) 保健関連のアウトカムおよび保健サービスへのアクセスに関する不平等に強い焦点が当てられること。 (c) 健康に関わる根本的な社会的決定要因への対処が行なわれること。 精神保健 60.委員会は、精神保健サービスの向上のために国および権限委譲行政地域の双方のレベルで行なわれている重要な努力を歓迎する。にもかかわらず、委員会は以下のことを懸念するものである。 (a) アルコール、薬物および有害物質の濫用に関連するものを含め、精神保健上のニーズを有する子どもの人数が締約国全域で増加していること。 (b) 過去10年間、北アイルランドで子どもの自殺件数が着実に増加してきたこと。 (c) 精神保健上の病態を有する子どもが、しばしば自宅から遠く離れた場所で治療を受けており(イングランドおよびスコットランド)、子どもに特化した十分な配慮および支援を受けておらず、成人用施設に措置されており、または精神保健診療所の空きが不足しているという理由で警察の留置施設に収容される場合さえあること。 (d) イングランド、ウェールズおよびスコットランドで新たに目標として定められたまたは計画された待期期間の短縮が、インフラ(専門家および診療所/センターの数)が整備されていないために実際には実現できない可能性があること。 (e) 精神保健サービスの向上に対する相当量の投資が、必ずしもサービスの質の向上にはつながらないこと。 (f) コミュニティを基盤とする治療的サービスが十分に発展していないこと。 (g) 16歳未満の子どもが、同意のない医学的治療との関連も含めて、イングランドおよびウェールズの意思能力決定法(2005年)ならびに北アイルランドの意思能力決定法(2016年)に基づく保護から除外されていること。 61.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 被害を受けやすい状況に置かれた子どもに正当な注意を払い、かつ主要な根本的決定要因を網羅しながら、子どものライフコース全体を通じて細分化された、子どもの精神保健に関する包括的データを恒常的に収集すること。 (b) 子どもおよび青少年のための精神保健サービスへの力強い投資を進めるとともに、明確な時間枠、達成目標、測定可能な指標、効果的な監視機構ならびに十分な人的資源、技術的資源および財源をともなった戦略を、国および権限委譲行政地域のレベルで策定すること。このような戦略には、よりリスクの高い状況に置かれている子ども(貧困下で暮らしている子ども、養護の対象とされている子どもおよび刑事司法制度に関わりを持たされている子どもを含む)に特段の注意を払いながら、これらのサービスの利用可能性、アクセス可能性、受け入れ可能性、質および安定性を確保するための措置を含めることが求められる。 (c) 精神保健上のニーズを有する子どもを成人精神病棟または警察署に措置することを速やかに禁止するとともに、年齢にふさわしい精神保健上のサービスおよび便益が提供されることを確保すること。 (d) 精神保健上の病態を有する子どものための、コミュニティを基盤とする治療的サービスを支援しかつ発展させること。 (e) とくに入院および同意のない治療との関連で、16歳以上の子どもの精神保健に関わる治療事案において子どもの最善の利益および意見が正当に考慮されることを確保するため、精神保健に関する現行法を見直すこと。 62.委員会は、国立保健研究所およびケア・エクセレンスによって、注意欠陥・多動性障害および関連の障害の診断および管理に関する新たな指針が刊行されたことを歓迎する。しかしながら委員会は以下のことを懸念するものである。 (a) メチルフェニデートその他の向精神薬を与えられている子どもの実数が利用可能とされていないこと。 (b) 行動上の問題を有する子ども(6歳未満の子どもを含む)への精神刺激薬および向精神薬の処方件数が、これらの薬の有害な作用に関する証拠が増えているにもかかわらず、相当に増加しているという報告があること。 63.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 子どもに対して処方される向精神薬(リタリン、コンサータ等)の量および頻度に関するデータを恒常的に収集し、かつ当該データを透明なものとすること。 (b) 薬の処方が最後の手段として、かつ子どもの最善の利益の個別評価を行なったうえで初めて実行されるようにすること、ならびに、子どもおよびその親に対し、そのような医学的治療の副作用の可能性および医学的治療に代わる選択肢について適切に情報提供が行なわれることを確保すること。 (c) 注意欠陥・多動性障害の診断またはこれに関連する診断について独立の専門家がモニタリングを行なうシステムを確立するとともに、診断の正確性を向上させることも目的として、このような診断の増加の根本的原因に関する研究を実施すること。 思春期の健康 64.委員会は、審査対象期間中、締約国における10代の妊娠が着実に減少してきたことに、評価の意とともに留意する。しかしながら委員会は以下のことを懸念するものである。 (a) 10代の妊娠率がいまなお欧州連合の平均よりも高く、かつ貧困度の高い地域ではさらに高くなっていること。 (b) 人間関係およびセクシュアリティに関する教育がすべての学校で必修とされているわけではなく、その内容および質が学校によって異なっており、かつ、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーおよびインターセックスの子どもが自己のセクシュアリティに関する正確な情報にアクセスできていないこと。 (c) 北アイルランドにおいて、中絶があらゆる場合に違法とされており(ただし、妊娠の継続が母の生命を脅かす場合を除く)、かつ制裁として終身刑が科されること。 65.子どもの権利条約の文脈における思春期の健康と発達についての一般的意見4号(2003年)および一般的意見15号(2013年)を参照しながら、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 不平等の縮小に特段の注意を払い、かつ思春期の子どもたちの参加を得ながら、思春期の子どもを対象とする包括的なセクシュアル/リプロダクティブヘルス政策を策定しかつ採択すること。 (b) 意味のあるセクシュアル/リプロダクティブヘルス教育が、締約国のすべての地域のすべての学校(アカデミー、特別学校および青年拘禁施設を含む)で必修学校カリキュラムの一部とされることを確保すること。このような教育においては、セクシュアル/リプロダクティブヘルスに関する秘密の守られる保健ケアサービス、避妊手段、性的虐待または性的搾取(性的いじめを含む)の防止、そのような虐待および搾取を受けた場合に利用できる支援、ならびに、セクシュアリティ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーおよびインターセックスの子どものセクシュアリティを含む)についての、年齢にふさわしい情報が提供されるべきである。 (c) 北アイルランドにおいてあらゆる場合の中絶を非犯罪化するとともに、女子が安全な中絶および中絶後のケアサービスにアクセスできることを確保する目的で法律の見直しを行なうこと。中絶に関する決定においては、子どもの意見が常に聴かれ、かつ尊重されるべきである。 栄養 66.委員会は以下のことを懸念する。 (a) 締約国の多くの地域で子どもの過体重および肥満が広く蔓延していること。 (b) 子どもの食料安全保障に関する包括的データが存在しない一方で、一部の調査研究は、無償の学校給食プログラムなどの現在利用可能なプログラムでは子どもの飢えに対する効果的対応になっていない可能性があることを示していること。 (c) 母乳育児率が著しく低いこと、完全母乳育児を6か月間続けている女性はわずか1%であること(2010年)、および、母乳代替品の販売促進の規制が不十分であること。 67.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 子どもの不十分な食料安全保障および栄養不良の根本的原因を特定するため、子どもの食料安全保障および栄養に関するデータ(母乳育児に関連するものを含む)を組織的に収集すること。 (b) 子どもの食料安全保障および栄養に関する政策およびプログラム(学校給食プログラムを含む)ならびに乳幼児を対象とするプログラムの有効性を恒常的にモニターしかつ評価すること。 (c) 母乳育児が子どもの健康に影響を及ぼすすべての政策分野(肥満、一部の非感染性疾患および精神保健を含む)で母乳育児を促進し、保護しかつ支援するとともに、「母乳代替品の販売促進に関する国際基準」を全面的に実施すること。 環境保健 68.委員会は、大気汚染が高い水準で生じていることを懸念する。これは、締約国における子どもの健康に直接影響するとともに、締約国および他の国々の双方でさまざまな子どもの権利に影響を及ぼす気候変動の悪影響を助長するものである。 69.持続可能な開発目標のターゲット1.5を参照しながら、委員会は、締約国(権限を委譲された事柄との関連では権限委譲行政地域を含む)が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) とくに学校近辺および住宅地で大気汚染の水準を引き下げるための計画の規模を拡大し、かつその実施を速やかに進めることを目的として、適切な技術的資源、人的資源および財源をともなった明確な法的コミットメントを確立すること。 (b) 新たな気候変動戦略等を通じて、かつ国際的な気候変動プログラムおよび財政支援の枠組みのなかで、国内的および国際的な気候変動適応・緩和戦略の中心に子どもの権利を位置づけること。 生活水準 70.委員会は、以下のことを深刻に懸念する。 (a) 子どもの貧困率が依然として高く、障害のある子ども、障害のある人のいる家族または世帯で暮らしている子ども、多子世帯および民族的マイノリティ集団に属する子どもが不均衡なほどの影響を受けており、かつ、ウェールズおよび北アイルランドの子どもがもっとも影響を受けていること。 (b) 福祉改革・就労法(2016年)により子どもの貧困法(2010年)が改正され、2020年までに子どもの貧困を根絶するという制定法上の目標、および、英国政府ならびにイングランド、スコットランドおよびウェールズ各政府が負っていた子どもの貧困戦略策定義務が廃止されたこと。 (c) 最近行なわれた税額控除法(2002年)、福祉改革法(2012年)および福祉改革・就労法(2012年)の改正により、世帯のニーズにかかわらず、子ども税額控除および社会給付(「世帯給付上限」および「寝室税」)の受給資格が制限されたこと。 (d) 審査対象期間中に、子どもの被扶養者がいるホームレス世帯の数がイングランドおよび北アイルランドで増えており、かつ、4つの法域のすべてで、一時宿泊施設に滞在するホームレスの家族(乳児がいる家族を含む)の数も増えていること。 (e) スコットランドにおいて、ロマ、ジプシーおよびトラベラーの子どものための、十分なかつ文化的配慮のある宿泊施設が依然として不十分であること。 71.委員会は、持続可能な開発目標のターゲット1.2(貧困削減)に対して締約国の注意を喚起するとともに、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) 定められた時間枠および測定可能な指標をともなう具体的達成目標をあらためて設定する等の手段により、子どもの貧困根絶についての説明責任を確保するための明確な機構を設置するとともに、締約国全域における子どもの貧困削減の恒常的な監視および報告を継続すること。 (b) 貧困削減に関する締約国の戦略および行動計画(新たに策定された「ライフチャンス戦略」を含む)において子どもに明確に焦点が当てられることを確保するとともに、権限委譲行政地域における子どもの貧困削減戦略の作成および実施を支援すること。 (c) 2010年から2016年にかけて導入された、社会保障および税額控除に関するさまざまな改革が子ども(障害のある子どもおよび民族的マイノリティ集団に属する子どもを含む)に与える累積的影響について、包括的評価を実施すること。 (d) 必要なときは、これらの改革が異なる集団の子ども(とくに被害を受けやすい状況に置かれた子ども)に及ぼす異なる影響を考慮に入れながら、自己の最善の利益を第一次的に考慮される子どもの権利を全面的に尊重する目的で、当該改革を修正すること。 (e) イングランド、ウェールズおよびスコットランドにおいて、公的機関が子どもを一時宿泊施設に長期間措置することを禁ずる法的規定を厳格に実施するとともに、北アイルランドでも同様の法律を制定すること。 (f) ホームレスの削減のために必要な措置をとるとともに、物理的安全、十分な空間、健康への脅威および構造的危険(寒さ、湿気、熱および汚染を含む)からの保護ならびに障害のある子どもにとってのアクセシビリティを備えた十分な住居へのアクセスを、すべての子どもに対して漸進的に保障すること。 (g) スコットランドにおいて、トラベラーに対して安全かつ十分なサイトを提供する、制定法に基づく地方当局の義務を導入するとともに、計画および意思決定のプロセスにおいて、子どもたちを含むロマ、ジプシーおよびトラベラーのコミュニティの意味のある参加を確保すること。 H.教育、余暇および文化的活動(第28条、第29条、第30条および31条) 教育(職業訓練および職業指導を含む) 72.委員会は、教育達成度における不平等のギャップが徐々に縮小しつつあること、および、退学措置の使用が減少していることを歓迎する。しかしながら委員会は、以下のことを懸念するものである。 (a) とくに男子、貧困下で暮らしている子ども、ロマ、ジプシーおよびトラベラーの子ども、障害のある子ども、養護の対象とされている子どもならびにニューカマーの子どもについて、教育達成度の面で相当の不平等が根強く残っていること。 (b) 退学または停学の措置の対象とされた子どものうち、男子、ロマ、ジプシーおよびトラベラーの子ども、カリブ海諸国系の子ども、貧困下で暮らしている子どもならびに障害のある子どもの人数が不均衡なほど多く、かつ、スコットランドを除き、退学または停学に対する不服申立ての権利を認められているのは障害のある子どもだけであること。 (c) 障害のある子ども、とくに心理社会的障害またはその他の「特別な教育上のニーズ」を有する子どもが、行動の統制のため、しばしば「非公式な」停退学または「学校外授業」の対象とされていること。 (d) 子どもの規律のために隔離室が用いられていること。 (e) 北アイルランドで、宗教による学校分離が根強く残っていること。 (f) 貧困下で暮らしている多くの子ども(とくに男子)が就学前の段階で期待される言語的発達水準に達しておらず、その初等教育に悪影響が生じ、かつ人生を通じた発達が妨げられていること。 73.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 子どもの社会的背景または障害が学校の成績に及ぼす影響を少なくし、かつ締約国のすべての地域で真にインクルーシブな教育に対するすべての子ども(正規の教育を受けた経験がないニューカマーの子どもを含む)の権利を保障するための努力を増進させること。これとの関連で、イングランドにおけるアカデミーおよびフリースクールの設置および運営を緊密に監視し、かつ必要であれば規制するとともに、北アイルランドにおける初等学校後教育について規制のない入学試験が行なわれている慣行を廃止すること。 (b) 懲戒措置としての退学または停学は最後の手段としてのみ用いるものとし、「非公式な」停退学の慣行を禁止しおよび廃止し、ならびに、学校においてソーシャルワーカーおよび教育心理学者と緊密に協力することならびに仲裁および修復的司法を活用することにより、停退学の件数をさらに減少させること。 (c) 子どもに対し、停退学に対する不服申立ての権利が認められ、かつ、資産を有さない者を対象とする法的な助言、援助および適切なときは代理人が提供されることを確保すること。 (d) 隔離室の利用を廃止すること。 (e) 北アイルランドにおいて、全面的統合教育制度を積極的に促進するとともに、混成教育が社会的統合の促進につながることを確保する目的で、その提供状況を、子どもたちの参加を得ながら緊密に監視すること。 (f) 持続可能な開発目標のターゲット4.2(良質な乳幼児期発達サービスへのアクセス)に留意しながら、乳幼児期の発達に関する包括的かつホリスティックな政策に基づいて乳幼児期のケアおよび教育を発展させかつ拡大していくことに対し、十分な人的資源、技術的資源および財源を配分すること。その際、もっとも被害を受けやすい状況に置かれた子どもに特段の注意を払うこと。 (g) 子どもの権利教育を必修とすること。 休息、余暇、レクリエーションならびに文化的および芸術的活動 74.委員会は、遊びに関する政策を採択し、かつ、関連の法律および他の関連の政策に子どもの遊ぶ権利を体系的に統合しようとしてウェールズ政府が進めている取り組みを歓迎する。しかしながら委員会は、以下のことを懸念するものである。 (a) イングランドで遊び・余暇政策が撤回され、かつ、北アイルランド、スコットランドおよびウェールズで遊び・余暇政策のための資金が十分に拠出されていないこと。 (b) 子どもの遊びおよび余暇のための場所および設備(とくに、障害のある子どもならびに周縁化された状況および不利な状況に置かれた子どもを対象とするアクセシブルな場所および設備)ならびに思春期の子どもが交流する公共空間が不十分であること。 75.休息、余暇、遊び、レクリエーション活動、文化的生活および芸術に対する子どもの権利についての一般的意見17号(2013年)を参照しながら、委員会は、締約国(権限委譲行政地域の政府を含む)が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 十分かつ持続可能な資源をともなう遊び・余暇政策を採択しかつ実施すること等により、余暇および休息に対する子どもの権利ならびに子どもの年齢にふさわしい遊びおよびレクリエーション活動に従事する権利を保障するための努力を強化すること。 (b) 子ども(障害のある子どもならびに周縁化された状況および不利な状況に置かれた子どもを含む)に対し、遊びおよび交流のための安全、アクセシブルでインクルーシブなかつ禁煙の空間、ならびに、そのような空間にアクセスするための公的移動手段を提供すること。 (c) コミュニティ、地方および国のレベルにおける遊び政策ならびに遊びおよび余暇に関連する活動の計画、立案およびその実施状況の監視に、子どもたちの全面的関与を得ること。 I.特別な保護措置(第22条、第30条、第32条、第33条、第35条、第36条、第37条(b)~(d)および第38~40条) 子どもの庇護希望者、難民および移住者 76.委員会は、締約国が2010年に行なった、出入国管理目的での子どもの収容をやめる旨の決定を歓迎する。にもかかわらず、委員会は以下のことを懸念するものである。 (a) 子どもの庇護希望者(年齢について争いがある者を含む)についての信頼できるデータが依然として利用可能とされていないこと。 (b) 保護者のいないすべての子どもが、出入国管理手続および庇護手続の過程で独立後見人または法的助言にアクセスできているわけではないこと。 (c) 「年齢鑑別」(Assesing Age)に関する内務省の庇護訓令に基づき、子どもが身体的外見に基づいて成人と鑑別される可能性があること。 (d) 子どもが庇護手続の過程で収容される場合(締約国への入国直後の短期収容施設における収容を含む)があり、かつ、年齢について争いがある子どもの庇護希望者が成人用施設に収容される場合があること。 (e) 締約国の内外にあって保護者のいない子どもおよび養育者から分離された子どもの難民が家族再統合の制限に直面していること。 (f) 子どもの庇護希望者、難民および移住者ならびにその家族が、教育および保健ケアのような基礎的サービスへのアクセスについて困難に直面しており、かつ窮乏状態に陥る危険性が高い状況に置かれていること。 (g) 出入国管理法(2016年)において、養護の対象とされている保護者のいない子どもであってその出入国管理法上の地位が非正規または未解決である子どもに認められていた、養護を離脱する際の支援の受給資格が廃止され、かつ、「退去強制先行・不服申立てはその後」体制が採用されて、移住者は滞在の不許可に対する不服申立てをイギリス国外からしか行なえなくなったこと(当該退去強制によって子どもの移住者の家族の統合が阻害されるおそれのある場合を含む)。 (h) 子どもが、十分な保障措置のないまま出身国または常居所地国に送還されていること。 77.出身国外にあって保護者のいない子どもおよび養育者から分離された子どもの取扱いについての一般的意見6号(2005年)を参照しながら、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 庇護を希望している子ども(年齢について争いがある子どもを含む)の人数に関する細分化されたデータを組織的に収集しかつ公表すること。 (b) 締約国全域で、保護者のいない子どもおよび養育者から分離された子ども全員を対象とする、制定法上の独立後見人を設置すること。 (c) 年齢鑑別は、重大な疑いがある事案に限って、学際的かつ透明な手続を通じ、あらゆる側面(鑑別対象者の心理的および環境的側面を含む)を考慮に入れながら実施すること。 (d) 子どもの庇護希望者および移住者の収容をとりやめること。 (e) 欧州連合ダブリンIII規則の実施等を通じ、締約国の内外にあって保護者のいない子どもおよび養育者から分離された子どもの難民の家族再会を促進する目的で、庇護政策を見直すこと。 (f) 子どもの庇護希望者、難民および移住者が基礎的サービスにアクセスできるようにするための十分な支援を提供すること。 (g) 条約との整合性を確保する目的で出入国管理法(2016年)を見直すこと。 (h) 子どもの送還が、十分な保障措置(子どもの最善の利益に関する正式な判断、効果的な家族追跡、リスクおよび安全に関する個別アセスメントならびに受け入れおよびケアのための適切な手配を含む)が整っている場合にかぎって行なわれることを確保すること。 少年司法の運営 78.委員会は、刑事責任に関する最低年齢の引き上げについてスコットランド政府が開かれた姿勢を示していること、および、これらの問題について検討し、かつ協議のための勧告をとりまとめる諮問グループが2016年に設置されたことに留意する。委員会はまた、2016年に成立する予定のモントセラト刑事司法法案によって同最低年齢が10歳から12歳に引き上げられ、かつ刑事犯罪に問われた子どもの権利を保護するために少年司法制度改革が行なわれる見込みであること、および、バージン諸島が、国際連合児童基金(ユニセフ)カリブ海諸国事務所の援助を得て、包括的な少年司法戦略の策定を計画していることにも留意するものである。しかしながら委員会は、以下のことを懸念する。 (a) 刑事責任に関する最低年齢が依然として、スコットランドおよびタークス・カイコス諸島では8歳、締約国の残りの地域では10歳のままであること。 (b) 一部の子どもの審理が成人裁判所で行なわれていること。 (c) 子どもを対象とする終身刑(イングランドおよびウェールズでは「女王陛下の御意による拘禁」、北アイルランドでは「国務長官の随意のままの拘禁」およびスコットランドでは「期限のない拘禁」)が、罪を犯した者が18歳未満のときに行なわれた殺人について必要刑とされていること。 (d) 身柄を拘束されている子どもの人数が依然として多く、かつ、そのなかでも民族的マイノリティの子ども、養護の対象とされている子どもおよび心理社会的障害のある子どもが不均衡なほど多いこと、および、拘禁が常に最後の手段として用いられているわけではないこと。 (e) 子どもが、成人を対象とする場所と同じ自由の剥奪場所に収容される場合があること。 (f) 身柄を拘束されている子どもにとって、教育および保健サービス(精神保健サービスを含む)へのアクセスが不十分であること。 (g) 青年犯罪者施設等において、身柄を拘束されている子どもを対象として隔離(独居拘禁を含む)が用いられる場合があること。 79.少年司法における子どもの権利にについての一般的意見10号(2007年)を参照しながら、委員会は、締約国に対し、少年司法制度(すべての権限委譲行政地域、海外領土および王室属領におけるものを含む)を条約その他の関連基準に全面的に一致させるよう勧告する。とくに委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告するものである。 (a) 受け入れ可能な国際基準にしたがって刑事責任に関する最低年齢を引き上げること。 (b) 法律に抵触した子どもへの対応が18歳に達するまで常に少年司法制度のなかで行なわれること、および、ダイバージョン措置が子どもの犯罪記録に記載されないことを確保すること。 (c) 子どもに対する、18歳未満のときに行なわれた犯罪についての必要的終身刑を廃止すること。 (d) 拘禁は最後の手段として、かつ可能なもっとも短い期間で用いられるべきである旨の制定法上の原則を確立するとともに、拘禁が特定の集団の子どもに対して差別的に用いられないことを確保すること。 (e) あらゆる拘禁場所で、子どもの被拘禁者が成人から分離されることを確保すること。 (f) すべての子どもを直ちに独居拘禁から解放し、あらゆる場合における独居拘禁の使用を禁止し、かつ、子どもの拘禁施設における隔離措置および孤立化措置の使用について恒常的査察を実施すること。 犯罪の被害者および証人である子ども 80.委員会は、犯罪の被害者または証人である子どもが出廷して反対尋問を受けなければならないことを深刻に懸念する。 81.委員会は、締約国が、捜査時に行なわれる被害者または証人である子どもの事情聴取のビデオ録画を標準的対応として導入し、かつ、事情聴取のビデオ録画が法廷で証拠として認められるようにすることを勧告する。 子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する選択議定書についての委員会の前回の総括所見および勧告のフォローアップ 82.委員会は、人身取引に反対する行動に関する欧州評議会条約が批准されたことおよびこの分野で新たな法律が制定されたこと(現代的奴隷制法(2015年)、人身取引・搾取法(北アイルランド、2015年)および人身取引・搾取法(スコットランド、2015年)を含む)、ならびに、制定法上の独立後見人が、北アイルランドでは保護者のいないすべての子どもを対象として、またイングランドおよびウェールズでは人身取引の被害を受けた可能性があるすべての子どもを対象として、導入されたことを歓迎する。委員会はまた、子どもに対するあらゆる形態の暴力(子どもの性的虐待、性的搾取および人身取引を含む)との闘いに対するイギリスの決意にも留意するものである。にもかかわらず、委員会は依然として以下のことを懸念する。 (a) 18歳に達するまでのすべての子どもが、選択議定書で対象とされているすべての態様の犯罪から保護されることを確保するための措置、および、締約国全域(権限委譲行政地域を含む)の国内法で、選択議定書で対象とされているすべての犯罪について、双方可罰性の基準を満たさなくとも域外裁判権を設定しかつ行使できるようにするための措置が、何らとられていないこと。 (b) 選択議定書で対象とされている犯罪の被害を受けた子どもおよびそのような犯罪の被害を受けるおそれのある子どもを特定しかつ付託するためのシステムが脆弱であること。 (c) 人身取引の被害を受けた子どもが、いまなお、人身取引との関係で行なうことを余儀なくされた犯罪を理由として訴追される場合があること、および、人身取引の被害を受けた子どもが有する、独立後見人を任命される権利が締約国で全面的に運用されているわけではないこと。 (d) 2015年に制定された諸法律で、選択議定書で対象とされている犯罪からのさらなる保護が18歳に達するまでの子どもに提供されている一方、イングランドおよびウェールズの性犯罪法(2003年)および性犯罪(北アイルランド)令(2008年)について、18歳未満のすべての子どもに全面的かつ平等な保護を提供することを目的とした改正が行なわれていないこと。 83.委員会は、締約国が、子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する選択議定書についての締約国の第1回報告書に関する総括所見(CRC/C/OPSC/GBR/CO/1)に掲げられたことを全面的に実施すること、とくに締約国が以下の措置をとることを勧告する。 (a) 18歳に達するまでのすべての子どもが、選択議定書で対象とされているすべての態様の犯罪から保護されること、および、締約国全域(権限委譲行政地域を含む)の国内法で、選択議定書で対象とされているすべての犯罪について、双方可罰性の基準を満たさなくとも域外裁判権を設定しかつ行使できることを確保すること。 (b) 現行の子ども保護手続に備わっている、人身および搾取の対象とされた子どもを特定するための全国付託機構を強化すること。 (c) 訴追を行なわない明確な義務を定める等の手段により、選択議定書で対象とされている犯罪の被害を受けた子どもの権利を保護するための機構および手続を確立するとともに、このような子どもが、法執行機関および司法機関によって、犯罪者ではなく被害者として取り扱われることを確保すること。 (d) 刑事司法手続における、権限のある制定法上の後見人の任命を実際に運用すること。 (e) 18歳に達するまでのすべての子どもが、選択議定書で対象とされているすべての態様の犯罪から保護されることを確保する目的で法改正を行なうこと。 武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書についての委員会の前回の総括所見および勧告のフォローアップ 84.委員会は、以下のことを依然として懸念する。 (a) 締約国が、選択議定書第1条に関する、適用範囲の広い解釈宣言を維持していることにより、一定の状況下で、敵対行為が行なわれている地域への子どもの配備および敵対行為への子どもの関与が認められる可能性があること。 (b) 志願入隊に関する最低年齢(16歳)が変更されておらず、かつ、イギリス常備軍への最近の入隊者の20%を子どもの志願兵が占めていること。 (c) 陸軍委員会が、人員不足を回避するための18歳未満の要員の採用数の増加を支持しており、かつ、これらの新規入隊者のなかで、権利を侵害されやすい状況に置かれた集団出身の子どもが不均衡なほど多いこと。 (d) 志願入隊に関する保障措置が、とくに、18歳未満の新規入隊者の大多数の識字水準が非常に低く、かつ、子どもの申請者およびその親または保護者に提供される説明資料で入隊後のリスクおよび義務について明確な情報提供が行なわれていないことに照らして、不十分であること。 (e) 軍隊において、子どもの新規入隊者が、成人新規入隊者についての最低期間よりも長い、最低2年間の軍務に就くことを要求される場合があること。 85.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 全般的により高い法的基準を通じて子どもの保護を促進するために、自国の立場の見直しを検討し、軍隊への入隊に関する最低年齢を18歳に引き上げること。 (b) 軍隊に子どもを積極的に採用する政策を再検討し、かつ兵員募集の実務において18歳未満の者が積極的に対象とされないことを確保するとともに、軍の新兵募集担当者による学校へのアクセスが厳格に制限されることを確保すること。 (c) 18歳未満の者の採用に際し、入隊が真に自発的なものであり、かつ新規入隊者ならびにその親および法定保護者の完全に十分な情報に基づく同意を基礎として行なわれることを確保する目的で、選択議定書第3条で要求されている保障措置を強化するとともに、採用によって民族的マイノリティおよび低所得家庭の子どもに差別的影響が生じないことを確保すること。 (d) 軍に入隊した子どもに適用される最低軍務期間が成人の新規入隊者に適用される期間を超えないことを確保すること。 86.委員会は、「捕虜とされた者に関する合同軍事教義公刊1-10」(Joint Doctrine Publication 1-10 for Captured Persons、第2版、2011年10月)によれば、特別な保護を享受できるのは15歳未満の子どものみとされていることに、懸念とともに留意する。 87.委員会は、締約国が、選択議定書についての委員会の前回の勧告のうち捕虜とされた子ども兵士に関するもの(CRC/C/OPAC/GBR/CO/1、パラ29)を、18歳未満のすべての子どもを対象として実施するよう勧告する。 J.通報手続に関する選択議定書の批准 88.委員会は、締約国が、子どもの権利の充足をさらに強化する目的で、通報手続に関する子どもの権利条約の選択議定書を批准するよう勧告する。 K.国際人権文書の批准 89.委員会は、締約国が、子どもの権利の充足をさらに強化する目的で、まだ締約国となっていない中核的人権文書、とくにすべての移住労働者およびその家族構成員の権利の保護に関する国際条約、強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約、経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約の選択議定書、および、市民的および政治的権利に関する国際規約の選択議定書を批准するよう勧告する。 L.地域機関との協力 90.委員会は、締約国が、締約国および他の欧州評議会加盟国の双方における〔子どもの権利〕条約その他の人権文書の実施に関して欧州評議会と協力するよう勧告する。 V.実施および報告 〔訳者注/IVが抜けているのは原文ママ〕 A.フォローアップおよび普及 91.委員会は、締約国が、この総括所見に掲げられた勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。委員会はまた、第5回定期報告書、事前質問事項に対する締約国の文書回答およびこの総括所見を同国の言語で広く入手できるようにすることも勧告するものである。 B.次回報告書 92.委員会は、締約国に対し、第6回・第7回統合定期報告書を2022年1月14日までに提出し、かつ、この総括所見のフォローアップに関する情報を当該報告書に記載するよう慫慂する。報告書は、2014年1月31日に採択された委員会の条約別調和化報告ガイドライン(CRC/C/58/Rev.3)にしたがうべきであり、かつ21,200語を超えるべきではない(総会決議68/268、パラ16参照)。定められた語数制限を超えた報告書が提出された場合、締約国は、前掲決議にしたがって報告書を短縮するよう求められることになる。締約国が報告書を見直しかつ再提出する立場にないときは、条約機関による審査のための報告書の翻訳は保障できない。 93.委員会はまた、締約国に対し、国際人権条約に基づく報告についての調和化ガイドライン(共通コアドキュメントおよび条約別文書についてのガイドラインを含む)に掲げられた共通コアドキュメントについての要件(HRI/GEN/2/Rev.6, chap.I参照)および総会決議68/268のパラ16にしたがい、最新のコアドキュメントを、42,400語を超えない範囲で提出することも慫慂する。 更新履歴:ページ作成(2017年1月13日)。
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/202.html
総括所見:シリア(第3~4回・2011年) 第1回(1997年)/第2回(2003年)OPSC(2006年)/OPAC(2007年) 国連のプレスリリース〈UNITED NATIONS CHILD RIGHTS COMMITTEE APPALLED AT DELIBERATE TARGETING OF CHILDREN IN SYRIA〉(2012年5月31日付)も参照。 CRC総括所見日本語訳(国別)/CRC総括所見日本語訳(会期順) CRC/C/SYR/CO/3-4(2012年2月8日) 原文:英語(平野裕二仮訳) 原文は国連人権高等弁務官事務所のサイト(国別情報のページまたはCRC会期一覧ページ)を参照。 1.委員会は、2011年9月22日に開かれた第1646回および第1647回会合(CRC/C/SR.1646 and 1647参照)においてシリア・アラブ共和国の第3回・第4回統合定期報告書(CRC/C/SYR/3-4)を検討し、2011年10月7日に開かれた第1668回会合において以下の総括所見を採択した。 I.序 2.委員会は、締約国における子どもの状況についての理解の向上を可能とする、第3回・第4回統合定期報告書ならびに事前質問事項(CRC/C/SYR/Q/3-4/Add.1)に対する文書回答および締約国報告書に関する追加情報(CRC/C/SYR/3-4/Add.1)の提出を歓迎する。委員会は、同国で最近起きた事件にも関わらず予定通りに報告書を発表するために締約国が行なった努力を評価するものである。委員会はまた、ハイレベルなかつ部門横断型の締約国代表団との間にもたれた、建設的かつ双方向的な対話も評価する。 II.締約国によるフォローアップ措置および達成された進展 3.委員会は、以下の法令が採択されたことに留意する。 (a) 非常事態を解除する2011年4月21日の立法令第161号。 (b) シリア憲法および国際条約で保障された人権および基本的自由としての平和的デモ行進の組織に関する、2011年4月21日の立法令第54号。 (c) シリア国民たるクルド人の地位について定める2011年4月7日の立法令第49号。 (d) 強姦犯が被害者と婚姻したときはいかなる刑も免除すると定めていた刑法第508条を改正する、2011年1月3日の立法令第1号。 (e) 人身取引の禁止に関する2010年1月の立法令第3号。 (f) 民間部門における労働関係について定める2010年の法律第17号。 (g) 名誉犯罪を行なった者の刑の免除規定を削除する、2009年7月1日の立法令第37号。 (h) 締約国が条約第20条および第21条に付した留保を撤回する、2007年2月の立法令第12号。 (i) 特別なニーズを有する人に関する2004年7月の法律第34号。 4.委員会はまた、締約国が以下の国際人権条約を批准したことも歓迎する。 (a) 障害のある人の権利に関する条約(2009年)およびその選択議定書(2009年)。 (b) 国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する、人(とくに女性および子ども)の取引を防止し、抑止しおよび処罰するための議定書(2009年)。 (c) 国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する、陸路、海路および空路により移民を密入国させることの防止に関する議定書(2009年)。 (d) 傭兵の募集、使用、資金供与および訓練を禁止する条約(2008年)。 5.委員会はまた、以下の制度上および政策上の措置も歓迎する。 (a) 国家子ども保護計画(2005~2007年)。 (b) 2004年6月2日の首相令第2896号による国際人道法国家委員会の創設。 (c) 法律第42/2003号によるシリア家族問題委員会の創設。 III.条約の実施を阻害する要因および困難 6.委員会は、締約国で2011年3月以降に生じ――そしていまなお生じ続け――、かつシリアの人民、とくに子どもたちに影響を与えている特異な事件が、条約で定められた、子どもが有するすべての権利の実施を妨げる主要な要因であるとの見解に立つものである。これとの関連で、委員会は、2011年3月の反乱開始以来行なわれてきた子どもの権利の重大な侵害(恣意的な逮捕および拘禁、デモの際の子どもの殺害、拷問ならびに不当な取扱いを含む)に関する、信頼でき、裏づけがありかつ一貫した報告をめぐって、最大限の懸念を表明する。委員会は、締約国に対し、国際人権法上の義務は継続していること、および、条約上の権利はいかなるときにもすべての子どもに適用されることを想起するよう、求めるものである。委員会はまた、締約国に対し、締約国は自国の住民を保護する第一次的責任を負っており、したがって、民間人に対する過度のおよび致死的な力の行使を停止し、かつ子どもに対するさらなる暴力(殺傷を含む)を防止するための即時的措置をとるべきであることを想起するようにも求める。 7.委員会は、占領下にあって子どもの権利が侵害されているシリア領ゴラン高原においてシリア人の子どもの権利を確保する際の困難に関する、締約国の重大な懸念を共有する。 IV.主要な懸念領域および勧告 A.実施に関する一般的措置(条約第4条、第42条および第44条6項) 委員会の前回の勧告 8.委員会は、締約国の第2回定期報告書に関する委員会の総括所見(CRC/C/15/Add.212)を実施するために締約国が行なった努力を歓迎する。にもかかわらず、委員会は、委員会の懸念表明および勧告に、不十分にしかまたはまったく対応されていないものがあることを遺憾に思うものである。 9.委員会は、締約国に対し、第2回報告書に関する総括所見の勧告のうちまだ実施されていないものまたは十分に実施されていないもの、とくに、留保、立法、データ収集、市民社会との協力、差別の禁止、婚姻に関する法定最低年齢、ドメスティックバイオレンスおよび少年司法に関わる勧告に対応するため、あらゆる必要な措置をとるよう促す。委員会はまた、締約国に対し、この総括所見に掲げられた勧告を十分にフォローアップすることも促すものである。 留保 10.締約国が条約第20条および第21条に付した留保を撤回する根拠となる2007年2月の〔立法〕令第12号の採択は称賛しながらも、委員会は、締約国が、条約に対する一般的留保および第14条に対する留保を維持していることに、懸念とともに留意する。これらの留保は、条約の趣旨および目的と両立しない。 11.委員会は、前回の勧告(CRC/C/15/Add.212、パラ8)を繰り返し、締約国に対し、条約に対する一般的留保および条約第14条に対する留保の撤回を検討するよう奨励する。 立法 12.子どもの権利法案に条約のすべての規定が統合される旨の締約国の説明には積極的側面として留意しながらも、委員会は、同法案が2006年以来採択待ちの状態であることに懸念を表明する。委員会はまた、法源が異なる法律、とくに制定法、慣習法および身分関係法が適用されていることにより、自国の法律を条約の原則および規定と調和させようとする締約国の努力が損なわれる可能性があることについての懸念(CRC/C/15/Add.212、パラ9)も、あらためて表明するものである。委員会は、条約のすべての原則および規定がまだ国内法に編入されておらず、かつ、条約に反する法律、とくに女子および婚外子を差別する法律が依然として効力を有しているという、さらなる懸念を表明する。 13.委員会は、締約国に対し、子どもの権利法案を速やかに法律として成立させるとともに、当該法案が、条約のすべての原則および規定を編入し、かつ締約国の領域で暮らしているすべての子どもに適用されることを確保するよう、促す。委員会はまた、締約国に対し、現行国内法の枠組み(慣習法または身分関係法を含む)が条約と一致することを確保することも促すものである。この目的のため、委員会は、子ども法案が成立した際には条約と一致しないすべての法律より優位に立つものとされること、および、とくに女子および婚外子の権利に影響を与えている差別的規定が廃止されるべきことを勧告する。 調整 14.委員会は、条約の実施を調整する公的機関として2003年にシリア家族問題委員会が設置されたことを歓迎するとともに、設置以降、同委員会が実施してきた多数の研究および活動を称賛する。しかしながら委員会は、同委員会の権限および省庁および政府機関との関係について定めた明確な規定がないことを懸念するものである。委員会はまた、シリア家族問題委員会が他の14県にいかなる支所も有していないことも懸念する。 15.委員会は、締約国が、諸部門間および諸県間の調整を担当する上級機関としてのシリア家族問題委員会の権限をいっそう明確に定めることにより、同委員会を強化するよう勧告する。これとの関連で、委員会は、締約国が、すべての県にシリア家族問題委員会の支所を設置するとともに、同委員会に対し、調整、監視および評価の役割を履行するための十分な人的資源、財源および技術的資源を提供するよう、勧告するものである。 国家的行動計画 16.委員会は、国家子ども保護計画(2005~2007年)以後、条約に関する包括的な実施戦略が2007年以来存在しないことを懸念する。委員会はまた、2005~2007年の計画の主要な活動の一部(国レベルで家族保護部局を設置することならびに子ども保護シェルターおよび子どもヘルプラインを創設することなど)がまだ実行されていないことも懸念するものである。 17.委員会は、締約国が、子どもに関する包括的な政策および戦略を策定しかつ実施するとともに、子どもに関する関連の国家的行動計画、または、条約のあらゆる側面を網羅した、子どもの権利の実施のためのその他の同様の枠組みを採択するよう、勧告する。委員会は、締約国に対し、国家子ども保護計画(2005~2007年)のうち未実施のままとなっている行動を完了させ、かつ家族保護部局、子ども保護シェルターおよび子どもヘルプラインを設置するためにあらゆる必要な措置をとるよう、奨励するものである。 独立の監視 18.委員会は、条約上の権利の充足における進展を恒常的に監視することを任務とし、かつ子どもからの苦情を受理しおよびこれに対応する権限を与えられた独立の機構の設置に向けた重要な進展が見られないことについての懸念(CRC/C/15/Add.212、パラ15)をあらためて表明する。 19.委員会は、子どもの権利の促進および保護における独立した国内人権機関の役割に関する委員会の一般的意見2号(2002年)に照らし、締約国に対して、子ども担当部局を備えた国内人権機関の一部として、またはより望ましい形としては別個の機構(たとえば子どもオンブズパーソン)として、条約上の権利の充足を監視することおよび自己の権利の侵害に関する子どもの苦情に子どもにやさしくかつ迅速なやり方で対応することを目的とした、適正な資源を与えられ、かつ領域全体で活動することのできる独立の機構を設置するよう、促す。 資源配分 20.委員会は、社会部門への資源配分の水準が低いこと、子どもに対する配分額についてほとんど情報が提供されなかったこと、および、資源の配分および効果を子どもの権利の視点から監視する能力が欠如していることを、依然として懸念する。委員会はまた、汚職を禁ずる立法規定および2010年に実施された全国的な汚職反対キャンペーンにも関わらず、汚職が締約国で依然として蔓延しており、かつ子どもの権利の実施の増進につながりうる資源が流用され続けていることも懸念するものである。 21.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) 予算全体における子どものための資源の配分および使用の追跡システムを実施し、もって子どもに対する投資を目に見えるものとすることによって、国家予算の策定において子どもの権利アプローチを活用すること。委員会はまた、締約国に対し、いずれかの部門における投資が子どもの最善の利益にどのように貢献しているかに関する影響評価のためにこの追跡システムを活用することも促すものである。その際、当該投資が女子および男子に与える異なる影響が測定されることを確保することも求められる。 (b) 予算上のニーズに関する包括的評価を実施し、かつ、子どもの権利に関わる指標の格差に漸進的に対処する分野への明確な配分額を定めること。 (c) 条約第4条にしたがい、子どもの権利の実施のために十分な予算資源を配分するとともに、とくに社会部門に配分される予算を増額すること。 (d) 積極的な社会的措置を必要とする可能性がある不利な状況または脆弱な状況に置かれた子ども(とくに2011年3月以降の動乱の被害者)に関する戦略的予算科目を定めるとともに、これらの予算科目が、たとえ経済危機、自然災害その他の緊急事態の状況下にあっても保護されることを確保すること。 (e) 汚職と闘い、ならびに汚職を効果的に摘発し、捜査しおよび訴追する制度的能力を強化するための即時的措置をとること。 (f) 「子どもの権利のための資源配分――国の責任」についての一般的討議(2007年を受けた委員会の勧告を考慮すること。 データ収集 22.委員会は、シリア家族問題委員会との協力のもと、中央統計局が2008年に子どもデータ部を創設したことに留意する。しかしながら委員会は、このデータ収集システムが全面的に稼働しているわけではなく、かつ、子どもに関する、信頼できかつ時宜を得た統計データが締約国で利用可能とされていないことを遺憾に思うものである。このことは、首尾一貫し、かつ証拠に基づいた子ども政策の策定に悪影響を及ぼす。 23.委員会は、締約国に対し、子どもデータ部が全面的に稼働し、かつ、子どもの権利の実現に関して達成された進展の分析を促進することおよび条約実施のための政策およびプログラムの立案に役立てることを目的とした、条約の全領域に関するデータ(とくに年齢別、性別、民族別、地理的所在別および社会経済的背景別に細分化されたもの)を収集することを確保するため、必要な措置をとるよう促す。締約国は、収集される情報に、脆弱な状況に置かれた子ども(女子、障害のある子ども、貧困下にある子どもおよび路上の状況にある子どもを含む)に関する最新のデータが含まれることを確保するべきである。委員会はさらに、締約国に対し、国のあらゆるデータベースに登録された子どものプライバシーを保護するための政策を策定しかつ実施するよう、促す。 普及および意識啓発 24.委員会は、条約を普及し、かつすべての段階の学校カリキュラムに条約の原則および規定を漸進的に含めるために締約国が行なっている努力を歓迎する。しかしながら委員会は、とくに子どもとともにおよび子どものために働く専門家、メディア、親ならびに子どもたち自身の間で、条約に関する知識が依然として限られていることを懸念するものである。 25.委員会は、締約国が、公衆一般ならびにとくに子どもとともにおよび子どものために働く専門家、メディアならびに子どもたち自身の間で組織的に条約を普及しかつ促進するための努力を強化するよう、勧告する。 研修 26.子どもとともにおよび子どものために働く一部職種の専門家を対象として研修が行なわれていることおよび子どもの保護に関する高等教育学位が大学から付与されていることには評価の意とともに留意しながらも、委員会は、このような養成教育および研修が依然として不十分であり、かつ、子どもとともにおよび子どものために働くすべての専門家ならびに法執行機関、ならびに、条約に関する意識が限られたままである軍隊および治安部隊ならびにジャーナリストが対象とされていないことを、懸念する。 27.委員会は、締約国が、条約の原則および規定に基づいた教育および研修プログラムの質を向上させるための努力を強化するよう、勧告する。このような取り組みは、裁判官、弁護士、法執行官、軍隊および治安部隊、ジャーナリスト、公務員、子どもを対象とする施設および拘禁場所で働く職員、教員、保健ケア従事者(心理学者を含む)ならびにソーシャルワーカーなど、子どものためにおよび子どもとともに働くすべての専門家集団を対象として行なわれるべきである。委員会は、締約国に対し、とくに国連人権高等弁務官事務所および国連児童基金(ユニセフ)の技術的援助を求めるよう、奨励する。 市民社会との協力 28.委員会は、締約国が、とくに人権団体(子どもの権利について監視している団体を含む)の登録および認可を拒否することにより、その活動を引き続き制限していることに深い懸念を表明する。委員会は、人権活動を行なっている非政府組織の構成員が一貫して脅迫、いやがらせ、身体的攻撃および逮捕の対象とされていること、および、2011年3月の抗議行動勃発以降、多くの人権擁護者が拘禁されまたは失踪していることを、とりわけ懸念するものである。 29.委員会は、締約国に対し、正当かつ平和的な人権擁護活動との関連で拘禁されているすべての人を即時釈放し、かつ、どのような状況に置かれているのか不明なままのすべての人権擁護者の所在を確認するよう、強く促す。委員会はまた、締約国に対し、人権擁護者(子どもの権利侵害を報告して締約国による適切な行動を求める人々を含む)およびその活動を促進しおよび正当に認知し、ならびに、非政府組織(NGO)が民主的社会の諸原則に一致する方法で安全にその役割を果たせることを確保するための具体的措置をとることも、促すものである。 B.子どもの定義(条約第1条) 30.委員会は、1957年身分関係法で定められた、男子の最低婚姻年齢(18歳)と女子のそれ(17歳)との格差に関する懸念(CRC/C/15/Add.212、パラ23)をあらためて表明する。委員会はまた、身分関係法がさらに低い年齢の婚姻さえ認めていることも、深刻に懸念する。同法は、当事者である子どもが婚姻について前向きであり、「身体的に成熟」しており、かつ父または祖父の同意があるときは、裁判官に対し、男子の婚姻年齢を15歳まで、かつ女子の婚姻年齢を13歳まで、引き下げることを認めているためである。 31.委員会は、締約国に対し、女子の最低婚姻年齢を男子のそれまで引き上げて18歳とすることによって男女間の最低婚姻年齢の格差を是正するとともに、早期婚を容認する身分関係法の規定を廃止するよう、促す。 C.一般原則(条約第2条、第3条、第6条および第12条) 差別の禁止 32.委員会は、締約国において女子に対する法的および社会的差別が根強く残っていることに懸念を表明する。とくに委員会は、女子の相続権に関わる規定など、身分関係諸法に掲げられた差別的規定について懸念を覚えるものである。委員会はまた、差別的な態度およびジェンダー役割の定型的固定化を変革するために締約国がとってきた措置が不十分であることも懸念する。 33.委員会はまた、クルド人の子ども(とくに女子)、遠隔地に住んでいる子ども、施設養護を受けている子ども、婚外子および路上の状況にある子どもの差別についても懸念を表明する。 34.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) 女子を差別する法規定を廃止するとともに、女性差別撤廃委員会の勧告(CEDAW/C/SYR/CO/1、パラ28および34)にしたがってジェンダー役割の定型的固定化と闘うための公衆教育プログラム(オピニオンリーダー、家族およびメディアと協力しながら組織されるキャンペーンを含む)を通じ、社会的差別を撤廃するためにあらゆる必要な措置をとること。 (b) 婚外子を差別するすべての法規定を改正すること。 (c) 差別にさらされている子ども(とくに不利な立場に置かれた前掲集団に属する子ども)の状況を注意深く監視するとともに、この監視の結果に基づき、これらの子どもに対するあらゆる形態の差別の撤廃を目的とする、具体的かつ対象の明確な措置(差別是正のための積極的社会措置を含む)を掲げた包括的な戦略を策定すること。 子どもの最善の利益 35.委員会は、子どもの最善の利益の一般原則が、子どもに関わるすべての法律に編入されているわけではなく、したがって立法上、行政上および司法上のすべての手続または子どもに関わる政策およびプログラムにおいて適用されているわけではない旨の懸念(CRC/C/15/Add.212、パラ28)をあらためて表明する。 36.委員会は、締約国に対し、すべての立法上、行政上および司法上の手続ならびに子どもに関連しかつ子どもに影響を及ぼすすべての政策、プログラムおよびプロジェクトにおいて、子どもの最善の利益の原則が適切に統合されかつ一貫して適用されることを確保するための努力を強化するよう促す。司法上および行政上のあらゆる判決および決定の法的理由も、この原則に基づくものであるべきである。 生命、生存および発達に対する権利 37.委員会は、同国で2011年3月に始まった抗議行動との関係で100名以上の子どもが殺害され、これよりもさらに多くの子どもが怪我をし、かつ、これらの子どもの死亡については締約国が(軍隊を通じて)直接かつもっぱら責任を負っている旨の、信頼でき、裏づけがありかつ一貫した情報について、最大限の懸念を表明する。委員会はまた、拷問の結果として拘禁中に死亡した子どもの事案が多数報告されていることも、深く懸念するものである。委員会は、抗議行動開始以降に行なわれた人権侵害を調査するため、検事総長を委員長とする特別司法委員会が設置されたことに留意する。しかしながら委員会は、この司法委員会がその任務を客観的に、公正にかつ透明なやり方で遂行するために必要な独立性を欠いていること、および、その調査結果がまだ公表されていないことに、懸念を表明するものである。 38.委員会は、締約国に対し、子どもの殺傷を防止するためのあらゆる必要な措置(軍隊および治安部隊に対する明確な命令を含む)を最優先課題としてとるよう、強く促す。委員会はまた、人権高等弁務官および事務総長の見解と軌を一にして、2011年3月以降行なわれた人権侵害に関する速やかな、独立した、効果的かつ透明な調査を求めるものである。これとの関連で、委員会は、締約国に対し、人権理事会が2011年8月22日の決議S-17/1によって設置した国際調査委員会に全面的に協力し、かつ無制限のアクセス権を同委員会に対して与えるよう、促す。 子どもの意見の尊重 39.委員会は、意見を聴かれる子どもの権利を実施するためにさまざまな取り組みが行なわれていること、ならびに、とくに、締約国報告書の起草過程に子どもが包摂されたことおよびデリゾール県でパイロット事業として子ども議会が設置されたことを、歓迎する。しかしながら委員会は、子どもに対する社会の伝統的態度により、とくに家庭および学校において子どもの意見の尊重が引き続き制約されており、かつ、子どもが自己に影響を与える司法上および行政上の手続において意見を聴かれることを確保するために締約国がとった措置が不十分であるという懸念(CRC/C/15/Add.212、パラ30)を、あらためて表明するものである。 40.一般的意見12号(2009年)に照らし、委員会は、締約国に対し、意見を聴かれる子どもの権利を全面的に実施するために適当な措置をとる自国の義務を想起するよう求める。委員会は、司法上および行政上のあらゆる手続においてこの権利が尊重されおよび実施することを確保し、ならびに、意見を聴かれる子どもの権利の価値に関する理解を子どもが出席するすべての施設および社会のあらゆるレベル(とくに家庭、コミュニティおよび学校のレベル)で増進する目的で、締約国が、おとなおよび子どもを対象とする意識啓発活動および研修を含む効果的措置をとるよう、勧告するものである。 D.市民的権利および自由(条約第7条、第8条、第13~17条、第19条および第37条(a)) 国籍 41.委員会は、シリア国民たるクルド人の地位について定める2011年4月7日の立法令第49号を歓迎する。しかしながら委員会は、この立法令の利益を得られるのは「外国人」(アジャーニブ)として登録されているクルド人のみであり、「マクトゥーミーン」として知られる無国籍のクルド人は利益を得られない可能性があることを懸念するものである。委員会はまた、外国人と婚姻したシリア人の子に対してシリア国籍の取得権を否定するシリア国籍法(1969年法律第276号)第3条の改正がいまなお議会による承認待ちの状態であることも、懸念する。 42.委員会は、締約国には、条約第2条および第7条にしたがい、締約国の領域内にあるすべての子どもが、子どもまたはその親もしくは法定保護者の性別、人種、宗教または民族、社会的出身もしくは地位に関わらず登録されかつ国籍を取得する権利を有することを確保する責任があることを、想起する。したがって委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促すものである。 (a) シリアで出生したクルド人親のすべての子(マクトゥーミーンとして知られる無国籍のクルド人の子どもを含む)が速やかにシリア国籍を取得し、かつその権利を差別なく享受することを保障するため、即時的措置をとること。 (b) 外国人と婚姻したシリア人母の子が母の国籍を取得できるようにするため、国籍法の改正を進めること。 (c) 無国籍者の地位に関する条約(1954年)および無国籍の削減に関する条約(1961年)を批准すること。 出生登録 43.委員会は、すべての子どもが出生時に登録されることを確保するために締約国が行なった努力、とくに出生登録を義務化した2007年の身分関係法(1957年法律第376号)改正に、積極的側面として留意する。しかしながら、委員会は以下のことを懸念するものである。 (a) 身分関係法によれば、イスラム教徒の女性とイスラム教徒ではない男性との婚姻は効力を有しないものとされ、したがってこのような婚姻関係のもとで生まれた子の認知および登録が常に行なわれるわけではないこと。 (b) 婚外子は父との関係を確立することができず、このような状況が子の遺棄およびその後の施設措置にしばしばつながっていること。 (c) 強姦もしくは近親婚によって生まれた子または婚外子を登録したいと希望する母親は、子の懐胎の事情に関する調査を開始するため、警察による報告書を申請しなければならないとされていること。 (d) 遠隔地で生まれた子どもの出生登録に関して依然として問題が生じていること。 44.委員会は、締約国に対し、締約国で生まれたすべての子どもの効果的登録を、その出身に関わりなく、かついかなる差別もなく確保するための努力を強化するよう、促す。この目的のため、委員会は、締約国に対し、身分関係法を改正し、宗教等が異なる夫婦間のすべての婚姻を全面的に承認し、かつ、婚外子および遠隔地の子どもの保護および適正な登録を目的としたあらゆる必要な措置をとるよう、促すものである。 思想、良心および宗教の自由 45.委員会は、締約国が、ウィーン宣言および行動計画にしたがい、かつ自由権規約委員会の一般的意見22号(1993年)を考慮し、条約第14条に関する留保を撤回の方向で、かつ子どもの思想、良心および宗教の自由のあらゆる形態の侵害を撤廃する目的で精査するべきである旨の勧告(CRC/C/15/Add.212、パラ8)を、あらためて繰り返す。 表現ならびに結社および平和的集会の自由 46.委員会は、表現の自由ならびに結社及び平和的集会の自由に対する子どもの権利が実際には尊重されていないこと、および、締約国が、デモ中の子どもの保護を親に依拠していることに懸念を表明する。委員会は、南部の街であるダルアで、校舎の壁にペンキで反政府的な落書きを行なったとして罪に問われた8~15歳の児童生徒の集団が2011年3月に逮捕されかつ隔離拘禁の対象とされたことを、とりわけ懸念するものである。 47.委員会は、締約国に対し、条約第13条および第15条にしたがい、表現ならびに結社および平和的集会に対する自由の、すべての者(親、教員および治安部隊を含む)による全面的かつ効果的実施を確保するために、あらゆる必要な措置をとるよう促す。 適切な情報へのアクセス 48.委員会は、子どもが利用可能な書籍および新聞の欠乏により、適切な情報への子どもによるアクセスがしばしば制約されていることに懸念を表明する。メディアおよびインターネットを通じて伝えられる、暴力およびポルノグラフィー関連の有害な情報にさらされることから子どもを保護するために締約国が行なっている努力には積極的側面として留意しながらも、委員会は、メディアならびに文学作品および芸術作品に対して行なわれている政府の検閲が、適切な情報にアクセスする子どもの権利の制限を助長していることを懸念するものである。 49.委員会は、締約国が、とくに新聞、図書館、ラジオおよびテレビへのアクセスを増強することによって子どもの情報へのアクセスを向上させ、かつ子どもが有害な情報から保護されることを確保するための努力を強化するよう、勧告する。委員会はまた、締約国に対し、子どもが、国境に関わりなく、口頭、手書きもしくは印刷、芸術の形態または子どもが選択する他のあらゆる方法により、あらゆる種類の情報および考えを求め、受けかつ伝える権利を有することを確保するようにも促すものである。 拷問または他の残虐な、非人道的なもしくは品位を傷つける取扱いもしくは処罰 50.委員会は、抗議行動に関連して拘禁されている際に受けた拷問および四肢切断の結果、多くの子どもが死亡したと報告されていることに、深い懸念を表明する。委員会はまた、子どもがいまなお拘禁され、かつ拷問の危険にさらされていると報告されていることも懸念するものである。委員会は、司法の独立の欠如に関して拷問禁止委員会が表明した懸念(CAT/C/SYR/CO/1、パラ12)を共有するとともに、職務中に行なわれた人権侵害について責任を有する治安機関および情報機関を訴追から免除する立法令第14/1969号および第69/2008号が、やはり独立の調査を阻害し、かつ子どもの拘禁および拷問を継続させる助長要因となる可能性があることに、懸念とともに留意する。 51.委員会はまた、一部の学校が締約国の保安隊によって拘禁施設として使われているという一貫した報告があることにも、重大な懸念を表明する。 52.委員会は、締約国に対し、抗議行動に関連して2011年3月以降に恣意的な逮捕および拘禁の対象とされたすべての子どもを即時にかつ無条件で釈放し、学校を拘禁施設として用いるのをやめ、かつ、人道法および区別の原則の遵守を厳格に確保するよう、強く促す。委員会はまた、締約国に対し、立法令第14/1969号および第69/2008号を廃止し、子どもの恣意的拘禁および拷問の事案を透明、客観的かつ公正なやり方で調査し、かつ、これらの人権侵害の責任者を裁判にかけることも、促すものである。委員会はまた、締約国に対し、拷問の被害を受けた子どもに対してケア、心理社会的回復、再統合および補償のための対応を行なうことも促す。 体罰 53.学校における身体的暴力および言葉の暴力の使用を禁じた教育省通達は歓迎しながらも、委員会は、教員および親による体罰が、刑法および身分関係法第170条によって明示的に認められており、かつ家庭、学校および代替的養護の現場で広く用いられていることを、依然として懸念する。委員会はまた、代替的養護の現場および刑事施設における懲戒措置としての体罰が明示的に禁じられていないことも、懸念するものである。 54.体罰その他の残虐なまたは品位を傷つける形態の罰から保護される子どもの権利に関する委員会の一般的意見8号(2006年)に照らし、委員会は、前回の勧告(CRC/C/15/Add.212、パラ37)を想起するとともに、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) 体罰を認めている身分関係法第170条および刑法の諸規定を廃止すること。 (b) 家庭、学校および代替的養護の現場ならびに刑事施設における体罰を、法律により、かつこれ以上遅延することなく、明解に禁止すること。 (c) 体罰を禁ずる法律が効果的に実施され、かつ、子どもの不当な取扱いに責任を負う者に対し、法的手続が組織的に開始されることを確保すること。 (d) 体罰に対する一般的態度を変革する目的で、この慣行の有害な影響(身体的および心理的影響の双方)に関する持続的な公衆教育キャンペーン、意識啓発キャンペーンおよび社会的動員キャンペーンを、子ども、家族、コミュニティおよび宗教的指導者の関与を得ながら導入するとともに、体罰に代わる手段として積極的な、非暴力的なかつ参加型の子育ておよび規律を促進すること。 (e) 暴力および他の形態の虐待に対する防止戦略の立案および実施において、子どもたちを含む社会全体の関与および参加を確保すること。 E.家庭環境および代替的養護(条約第5条、第18条(1~2項)、第9~11条、第19~21条、第25条、第27条(4項)および第39条) 家庭環境 55.委員会は、子どもの権利法案が採択されれば男女の子どもの監護年齢が18歳に定められる旨の、締約国の説明を歓迎する。しかしながら委員会は、2003年に改正された身分関係法にしたがい、離婚の際に母が監護権を保持できるのは、息子について13歳までかつ娘について15歳までにすぎないことを懸念するものである。委員会はまた、妻には扶養と引き換えに夫にしたがう義務があること、および、子を連れて国外に渡航したいと考える母は、子の父、または父がいない場合には子の父方の親族の承認を求めなければならないことも、懸念する。 56.委員会は、締約国に対し、母および父が子について平等を基礎とする責任を共有すること、および、女子に対する責任と男子に対する責任との間になんらの差異もないことを確保するために必要なあらゆる措置をとるよう、促す。委員会はさらに、締約国に対し、身分関係法の規定を改正して、女性が子の父または子の父方の親族の事前の承認を得ることなく子を連れて国外に移動する自由を認めるよう、促すものである。 家庭環境を奪われた子ども 57.委員会は、現在進められている、代替的養護のためのサービスおよび施設に関する評価を歓迎する。しかしながら委員会は、コミュニティを基盤とする選択肢が依然として著しく限られており、したがって施設措置が頻繁に活用されていることに、懸念とともに留意するものである。委員会はまた、代替的養護施設が十分な訓練を受けた職員を欠いており、かつ労働社会問題省による監視も不十分であることも懸念する。さらに委員会は、親のわかっている孤児と親のわからない孤児が別々の養護施設に隔離されていること、および、孤児院に措置された子どもが養育懈怠、隔離その他の形態の不当な取扱いを受けている事案があることを、深刻に懸念するものである。 58.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) とくに農村部において、コミュニティを基盤とする代替的養護を発展させること。 (b) すべての代替的養護施設が登録され、かつ独立機関により監視されることを確保すること。 (c) 代替的養護の現場で働くすべての職員が十分な訓練を受けることを確保すること。 (d) 親のわかっている孤児と親のわからない孤児が別々の養護施設に隔離される状態を解消すること。 (e) 代替的養護施設への子どもの措置を定期的に再審査し、かつ子どもを自己の措置の再審査に全面的に参加させること。 (f) 施設措置された子どもが虐待または不当な取扱いを受けたすべての事案を調査すること。 (g) 婚外子の遺棄およびその後の施設措置を防止するため、婚外子に適用される法律を見直すこと。 (h) 子どもの代替的養護に関する指針(2009年12月18日の総会決議64/142付属文書)を考慮すること。 子どもに対する暴力(虐待およびネグレクトを含む) 59.締約国がドメスティックバイオレンスに関する全国的監視機関および家族保護部を設置しようとしていることには留意しながらも、委員会は、国内法にいまなおドメスティックバイオレンスを犯罪とする具体的規定が設けられていないこと、および、家庭内で広く行なわれている虐待およびネグレクトと闘うための具体的措置が限定的であることを、懸念する。 60.あらゆる形態の暴力からの自由に対する子どもの権利に関する一般的意見13号(2011年)に照らし、委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) ヨーロッパ・中央アジア地域協議(リュブリャナ(スロベニア)、2005年7月5~7日)の成果および勧告を考慮し、ジェンダーに特段の注意を払いながら、子どもに対する暴力に関する国連研究の勧告(A/61/299)の実施を確保する等の手段により、子どもに対するあらゆる形態の暴力の撤廃に優先的に取り組むこと。 (b) 同研究の勧告、とくに子どもに対する暴力に関する事務総長特別代表が強調した以下の勧告を締約国がどのように実施しているかに関する情報を、次回の定期報告書で提供すること。(i) 子どもに対するあらゆる形態の暴力を防止しかつこれに対処するための国家的な包括的戦略を各国で策定すること。 (ii) あらゆる場面における、子どもに対するあらゆる形態の暴力の明示的な法的禁止(ドメスティックバイオレンスの明示的禁止を含む)を、国レベルで導入すること。 (iii) データを収集し、分析しかつ普及するための全国的システムおよび子どもに対する暴力に関する調査研究事項を強化すること。 F.障害、基礎保健および福祉(条約第6条、第18条(3項)、第23条、第24条、第26条および第27条(1~3項)) 障害のある子ども 61.委員会は、特別なニーズを有する人に関する法律第34号(2004年)の公布、障害と闘うための国家計画(2008年)の採択、および、障害のある子どもの状況を向上させるために行なわれた多数の取り組みを歓迎する。しかしながら委員会は、障害のある子どものケアおよびリハビリテーションのためのサービスを提供しているのが主として市民社会組織であること、および、障害のある子どものためのプログラムおよび計画に対して締約国が配分している資源が不十分であることを、懸念するものである。 62.障害のある子どもの権利に関する一般的意見9号(2006年)に照らし、委員会は、締約国に対し、障害のある子どもが条約上のすべての権利を享受することを確保するとともに、この目的のため、障害のある子どものためのプログラムおよび計画を全面的かつ効果的に実施するために必要な人的資源、技術的資源および財源を配分するよう、促す。委員会は、締約国が、いインクルーシブ教育の質の向上をとくに重視するとともに、非公式な教育プログラム、および、さまざまな障害種別に応じた包括的かつ定期的な教員研修をさらに発展させるよう、勧告するものである。 健康および保健サービス 63.委員会は、乳幼児死亡率および妊産婦死亡率の削減における締約国の目覚ましい成果、および、母子保健ケア・サービスにすべての人がアクセスできるようにするために締約国が行なっている継続的努力を歓迎する。しかしながら委員会は、以下のことについて懸念を表明するものである。 (a) 保健サービスへのアクセスに関していまなお地理的格差が存在し、子どもの居住地域によってその健康状態に相当の偏差が生じていて、遠隔地に住んでいる子どもがとくに不利な立場に置かれていること。 (b) 国民総生産に占める保健支出の割合が3.2%を超えておらず、かつ保健に投じられるひとりあたり総支出が減少していること。 (c) 子ども専門病院の数が不十分であること。 (d) 重度の発育阻害状態にある子どもの割合が高いこと。 (e) 母乳育児率がきわめて低い水準にあること。 64.委員会は、締約国が、以下のことを目的とする努力を強化するよう勧告する。 (a) 遠隔地に住んでいる子どもを含むすべての子どもが良質な保健サービスに平等にアクセスできることを確保する目的で、とくにプライマリーヘルスケアを重視しながら、保健部門に配分される財源および人的資源を増加させること。 (b) 子ども専門のサービスを提供する病院を増設すること。 (c) 栄養に関わる教育および相談サービスの質を向上させるとともに、優先的介入の対象となる特定の地域、地区および子ども集団を決定すること。 (d) 国家的な母乳育児委員会を設置し、かつ母乳育児の実践に関するデータを体系的に収集するとともに、同時に、「母乳代替品の販売促進に関する国際基準」が執行され、赤ちゃんにやさしい病院が推進され、かつ看護師の養成および研修に母乳育児が含まれることを確保すること。 (e) 引き続き、ユニセフおよび世界保健機関(WHO)の技術的協力を求めること。 思春期の健康 65.委員会は、青少年の健康状態を向上させるために締約国が行なっている取り組み(とくに、青少年とともに働く保健従事者を対象として保健省が行なっている研修プログラム、および、デリズールにおける思春期保健センターの設立)を歓迎する。しかしながら委員会は、若者にやさしいリプロダクティブヘルス・サービスの利用可能性が限定されており、かつ、リプロダクティブヘルス、HIV/AIDSを含む性感染症ならびにタバコ、アルコールおよび薬物を消費することによる健康上の影響に関する青少年の知識が不十分であること、および、締約国における青少年の状況に関する情報および統計データが欠乏していることを、懸念するものである。 66.委員会は、締約国に対し、子どもの権利条約の文脈における思春期の健康と発達に関する委員会の一般的意見4号(2003年)を参照するよう求めるとともに、秘密が守られ、かつ若者にやさしい保健サービスの利用可能性を国全域で高め、リプロダクティブヘルス・サービスの利用可能性を増進させ、かつ、思春期の女子および男子を対象とした性教育およびリプロダクティブヘルス教育を促進するよう、促す。委員会はさらに、締約国に対し、青少年の薬物濫用、アルコール依存症およびタバコの使用を防止するための努力を強化するよう、求めるものである。 有害慣行 67.委員会は、2009年7月1日の立法令第37号により、女性および女子に対して名誉犯罪を行なった者の刑の免除規定が削除されたことを歓迎する。しかしながら委員会は、早期婚および強制婚が多数行なわれており、かつこの現象を抑制するための適切な措置がとられていないことを懸念するものである。 68.委員会は、締約国に対し、以下のことを目的とする即時的措置をとるよう促す。 (a) 名誉犯罪の加害者に対し、これらの犯罪の重大性にふさわしい制裁が与えられることを確保すること。 (b) 早期婚および強制婚を禁止するとともに、裁判官に対し、男子の婚姻年齢を15歳まで、かつ女子の婚姻年齢を13歳まで引き下げることを認めた身分関係法の規定を廃止すること。 (c) 早期婚および強制婚の有害な影響に関するすべての関係者(コミュニティの指導者および宗教的指導者を含む)の感受性および識見を高めることにつながる意識啓発プログラムおよび教育プログラムを立ち上げ、かつ、ジェンダーに配慮した同様の指導用資料および教科書を開発すること。 (d) 早期婚および強制婚を解消するための具体的措置ならびに名誉犯罪の加害者に対して宣告された制裁についての包括的情報を、次回の定期報告書において提供すること。 生活水準 69.委員会は、もっとも不利な立場に置かれたおよび周縁化された家族を保護するために国家社会扶助基金が設置されたことには留意しながらも、貧困の構造的決定要因に対応するためのより持続的な戦略が採択されていないことを依然として懸念する。委員会はまた、天然資源の劣悪な管理および劣化により、農村部から都市部への絶え間ない移住が生じ、かつ、相当の経済成長率にも関わらず締約国における貧困発生率の増加が助長されてきたことも、懸念するものである。委員会は、生活水準の地域格差とともに、乾燥地帯および亜乾燥地帯に住んでいる子どもおよび家族、遊牧民の子ども、ならびに、劣悪な質の空気および汚染された飲料水にさらされているスラム居住の子どもの貧困状況について、特段の懸念を覚える。 70.委員会は、締約国に対し、もっとも不利な立場に置かれたおよび周縁化された子どもの状況ならびに子どもの生活水準の地域格差の縮減に引き続き焦点を当てながら、貧困および周縁化の構造的決定要因に対応するよう、奨励する。委員会はまた、締約国に対し、子どもの権利を確保する目的で、天然資源(とくに水資源)の管理を向上させるために必要なあらゆる能力構築措置をとることも、促すものである。 G.教育、余暇および文化的活動(条約第28条、第29条および第31条) 教育(職業訓練および職業指導を含む) 71.委員会は、就学、識字および初等教育におけるジェンダー格差解消の分野で多年にわたり達成されてきた相当の進展について、締約国を称賛する。委員会はまた、遠隔地で働く教員に対する奨励金、遠隔地および砂漠地帯の子どもにサービスを提供するための移動学校の導入、ならびに、難民である多数の子どもが教育にアクセスできるようにするための措置およびこれらの子どもを対象とした職業訓練も、歓迎するものである。しかしながら委員会は、以下のことを懸念する。 (a) 高校の中退率および留年率が高く、かつ、とくに早期婚および強制婚ならびに家事労働への女子の参加を理由として、女子のほうが男子よりもはるかに学校を中退する可能性が高いこと。 (b) 学校カリキュラムの質が低く、かつ子どもの生活および将来等との関連性も薄いこと。 (c) 無国籍であるクルド人の子どもが中等学校および大学への就学に際して困難に直面しており、かつ障害を有している場合にインクルーシブ教育を受けられないこと。 (d) 体罰および心理的暴力がいまなお子ども時代のしつけの手段とみなされており、かつ、教員および管理者が代替的形態のしつけおよび規律維持の手段の活用について十分な訓練を受けていないこと。 72.教育の目的に関する一般的意見1号(2001年)に照らし、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) とくに、女子に影響を与えている不平等および学校への資源の配分との関連で、教育へのアクセスおよび教育に対する権利の全面的享受に関わる諸県間および諸地区間の格差を縮減するための努力を強化すること。 (b) 教育の質を向上させるとともに、学校における留年および未修了を助長する要因に対応するための具体的措置をとることにより、子どもが学校教育を修了することを確保すること。 (c) 中退者、とくに女子および遠隔地の子どもを対象とする適当な職業教育またはセカンドチャンス教育の体制を向上させること。 (d) クルド人の子どもが、障害、ジェンダーその他のいかなる事由に基づく差別もなく、インクルーシブ教育を含む教育に対する権利を効果的に享受できることを確保すること。 (e) 学校における体罰を解消するためにあらゆる必要な措置をとるとともに、適切な公衆教育および専門家の研修を通じ、積極的な、参加型のかつ非暴力的な形態の規律維持を確保すること。 (f) 学校で子どもにやさしいアプローチを発展させるとともに、子ども、親およびコミュニティによる、意思決定および学校運営への効果的参加を確保すること。 H.特別な保護措置(条約第22条、第30条、第38条、第39条、第40条、第37条(b)~(d)および第32~36条) 庇護希望者および難民である子ども 73.委員会は、難民である子どもが子どもにやさしいセンター、プライマリーヘルスケアおよび教育にアクセスできることを確保するために行なわれている継続的努力について、締約国を称賛する。しかしながら委員会は、少なくとも7000名のパレスチナ難民(子どもを含む)が、治安部隊が2011年8月に行なったキャンプおよび周辺地域への激しい砲撃により、ラタキアのエルラメル地区に位置するキャンプから避難せざるを得ず、かつこれらの軍事作戦中に数名の難民が殺害された旨の、一貫したかつ裏づけのある報告について深い懸念を覚えるものである。 74.委員会はまた、庇護希望者および難民に関わる法律上および制度上の枠組みがいまなお設けられていないこと、および、難民である子どもおよびその家族が身分証明書類の入手に際して困難に遭遇しているために、場合により、これらの子どもおよびその家族が無国籍となりかつ(または)出身国に強制送還されていることも、懸念する。委員会は、加えて、難民である子どもが送還手続中に家族から分離された事案が報告されていることを懸念するものである。 75.委員会は、締約国に対し、難民キャンプ内外における軍事作戦を中止し、かつ人道機関が難民に全面的にアクセスできるようにするよう、強く促す。委員会はまた、締約国に対し、難民および庇護希望者のための国内法の採択手続を加速させることも促すものである。委員会は、締約国に対し、以下の措置をとることも促す。 (a) 難民である子どもおよびその家族が、その登録および身分証明書類の迅速な処理を保障されることを確保すること。 (b) 子どもまたはその家族構成員を国外追放その他の手段により出身国に強制送還することによって、外国人の子どもをその家族から分離しないようにすること。 (c) 1951年の難民の地位に関する条約および1967年の同議定書の批准を検討すること。 (d) 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)との協力を継続しかつ強化するとともに、子どもの庇護に関する2009年のUNHCR指針を参考にすること。 経済的搾取(児童労働を含む) 76.ディーセントワーク・パイロットプログラムおよびあらゆる形態の児童労働の撤廃のための国家的プログラムの存在には留意しながらも、委員会は、児童労働の現象がとくに農村部で増加していること、および、労働活動に従事するために学校を中退する子どもが増えていることに、深い懸念を表明する。委員会はまた、以下のことも懸念するものである。 (a) 児童労働の発生状況に関する情報および最新の、細分化されたかつジェンダー別の統計データが利用可能とされていないこと。このことは、この現象に対応する締約国の能力に影響を与えている。 (b) 使用人として子どもを採用することを禁じた法律があるにも関わらず、シリア人の女子ならびに東南アジアおよび東アフリカ出身の女子が、ときには奴隷類似の条件下で家事使用人として働いており、かつ性暴力を含むあらゆる形態の搾取にさらされていること。 (c) 15歳以上の子どもについては危険な労働を行なうことが認められていること。 (d) 法律を執行し、かつ労働法の尊重状況を効果的に監視する労働監察官の能力が弱いままであること。 (e) 家業および農業部門で働く子どもが労働法制による保護の対象とされておらず、そのため搾取および教育に対する権利の否定にさらされることが多いこと。 77.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) 子どもの経済的搾取を防止するためにいっそう積極的な措置をとること。そのための手段として、とくに、児童労働の力学を理解し、かつ児童労働の根本的原因および危険に全国的に対応する勧告の裏づけとする目的で、信頼のできる有効なデータを収集すること。 (b) 家事労働者として働く子どもが置かれた状況に遅滞なく対応するためにあらゆる必要な措置をとるとともに、これらの子どもを搾取しかつ虐待する者を訴追すること。 (c) あらゆる部門における労働搾取から子どもを十分に保護し、かつ子どもが危険な労働を行なうことが認められないことを確保する目的で、労働法を改正すること。 (d) フォーマル部門およびインフォーマル部門の双方における児童労働法の実施を効果的に監視する労働監察官の能力を強化すること。 (e) 児童労働を撤廃するためのあらゆる努力に、子どもたちおよび子ども団体代表を含めること。 (f) 家族の生存のために働かなければならない子どもに対し、教育の機会を提供すること。 (g) 公衆教育プログラム(オピニオンリーダー、家族およびメディアと協力しながら組織されるキャンペーンを含む)を通じて、児童労働の悪影響に関する意識啓発を図ること。 路上の状況にある子ども 78.委員会は、路上の状況にある多数の子どもが複合的形態の虐待および差別にさらされており、かつ、これらの子どもの状況に対応するための適当な、十分なかつ緊急の措置がとられていないことを、懸念する。 79.したがって委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 根本的原因について正確な理解を得る目的で、路上の状況にある子どもの境遇について体系的評価を行なうとともに、次回の報告書で委員会に対して情報を提供すること。 (b) この現象の発生を防止しかつ削減するため、当事者である子どもたちの積極的関与を得ながら包括的政策(そこでは根本的原因への対応が行なわれるべきである)を策定しかつ実施すること。 (c) NGOとの調整を図りながら、路上の状況にある子どもたちに対し、必要な保護、十分な保健ケア・サービス、教育その他の社会サービスを提供すること。 (d) 子どもたちに対し、自分の身を守る方法および搾取する者を告発する方法に関する十分な情報を提供すること。 (e) 家族との再統合が子どもの最善の利益にかなうときは、そのためのプログラムを支援すること。 性的搾取および虐待 80.委員会は、子どもの性的搾取について重い刑罰(刑法で定められた12年以上の収監刑を含む)が規定されていること、および、強姦犯が被害者と婚姻したときはいかなる刑も免除すると定めていた刑法第508条が2011年1月3日の立法令第1号によって廃止されたことに、積極的対応として留意する。しかしながら委員会は、締約国に在留するイラク人女子で売春を強要される者の人数が増えていること、締約国がますます子どもセックスツーリズムの目的地国と成りつつあること、および、売買春に関与した子どもがしばしば犯罪者として扱われていることを、懸念するものである。 81.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 包括的な戦略を通じて性的虐待および搾取を防止しかつ終わらせるため、あらゆる必要な措置をとること。そのための手段として、とくに、加害者の訴追ならびに公開討論会の開催および公衆教育プログラム(オピニオンリーダー、家族およびメディアと協力しながら組織されるキャンペーンを含む)の実施を進めること。 (b) 性的虐待および搾取の被害者が犯罪者として扱われず、かつ回復および再統合のための適切なプログラムおよびサービスにアクセスできることを確保すること。 (c) とくにWHOおよびユニセフの援助を求めること。 売買および取引 82.委員会は、国連国際組織犯罪防止条約を補足する、人(とくに女性および子ども)の取引を防止し、抑止しおよび処罰するための議定書が批准され(2009年)、人身取引の禁止に関する立法令第3号が公布され(2010年)、かつ、人身取引被害者のための2つのシェルターがダマスカスおよびアレッポに設置されたことを、歓迎する。しかしながら委員会は、子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する選択議定書に基づいた委員会の勧告(CRC/C/OPSC/SYR/CO/1)の実施について締約国が達成した進展が限定的であることを懸念するものである。委員会はさらに以下のことを懸念する。 (a) 新法で人身取引の明確な定義が定められておらず、かつ、人身取引の被害を受けた子どもの発見、事情聴取および付託に関する明確な手続が設けられていないこと。 (b) 選択議定書の規定にしたがって子どもの売買および児童ポルノを犯罪化する具体的規定が国内法に存在しないこと。 (c) 一時婚の慣行が根強く残っており、12歳という低年齢の女子までが金銭と引き換えに婚姻のために差し出されていること。 (d) 人身取引関連犯罪を捜査しおよび処罰し、人身取引が行なわれていることについて公衆に情報を提供し、ならびに法執行官を対象として人身取引対策研修を行なうために締約国が行なっている努力が限定的であること。 (e) 人身取引の被害を受けた子どもが売春容疑で告発され、かつ少年拘禁施設に送致されまたは人身取引元の国に送還される事案があること。 83.委員会は、締約国に対し、子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する選択議定書に基づいた委員会の勧告を実施するためにあらゆる必要な措置をとるよう、求める。委員会はまた、締約国に対し、以下の措置をとることも促すものである。 (a) 人身取引対策法を改正して人身取引の定義および付託手続について明確な定めを置くとともに、法執行官を対象として、人身取引対策法に関する研修を体系的に行なうこと。 (b) 以前に勧告されたとおり(CRC/C/OPSC/SYR/CO/1、パラ15(a))、選択議定書で対象とされているすべての犯罪を明示的に定義しかつ犯罪化する目的で刑法を改正すること。 (c) 一時婚が女子の身体的および精神的健康ならびに全般的ウェルビーイングに与える悪影響に関する子ども、家族およびコミュニティの意識を高める等の手段によって一時婚の問題に対応するとともに、このような婚姻を組織した者に対して法的手続がとられることを確保すること。 (d) 人身取引を防止するための、とくに情報交換を通じた、国際協力、地域間協力ならびに出身国、通過国および目的地国との二国間協力に関する努力を増強すること。 (e) 子どもの人身取引を行なった者を積極的に訴追しおよび処罰し、人身取引の被害を受けた子どもを保護し、ならびに、人身取引の被害を受けた子どもが今後は刑務所または非行少年を対象とする矯正センターに送致されないことを確保すること。 (f) 搾取および人身取引の被害を受けた子どもの身体的および心理的回復ならびに社会的再統合を確保するための努力を強化すること。 (g) 子どもとともにおよび子どものために働くすべての者を対象として、知識を高め、かつ子どもの人身取引の防止に役立ちうる研修および意識啓発プログラムが行なわれることを確保すること。 武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書に基づいたフォローアップ 84.委員会は、子どもの徴募および敵対行為への参加に関連した武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書の違反を法律で明示的に禁止し、かつ国際刑事裁判所ローマ規程を批准するべきであるという委員会の勧告(CRC/C/OPAC/SYR/CO/1、パラ9(a)および(d))をあらためて繰り返す。 少年司法の運営 85.委員会は、締約国と国連開発計画との間で、少年司法制度の増進を目的とした「少年司法事業文書」が調印されたこと(2010年2月)に、積極的措置として留意する。しかしながら委員会は、以下のことを懸念するものである。 (a) 2003年の立法令第52号によって7歳から10歳に引き上げられた刑事責任年齢が、依然として国際的に受け入れられる水準よりもはるかに低い水準に留まっていること。 (b) 少年法(1974年法律第18号)の適用対象が15歳未満の子どものみであること。 (c) 警察から不当な取扱いを受けた子ども、および、更生施設における収容中に強姦その他の形態の性的虐待にさらされた子ども(とくにバブムサラ少年更生施設に収容されている女子)の事例が一般的に報告されていること。 (d) 拘禁施設における子どもと成人との分離が必ずしも保障されていないこと。 (e) 条約の規定に関する法執行官および少年司法制度関係者の知識が依然として限られたままであること。 86.委員会は、締約国が、少年司法制度を、条約の規定(とくに第37条、第39条および第40条)、ならびに、少年司法の運営に関する国連最低基準規則(北京規則)、少年非行の防止に関する国連指針(リャド・ガイドライン)、自由を奪われた少年の保護に関する国連規則(ハバナ規則)および刑事司法制度における子どもについての行動に関する指針を含む他の関連の国際基準および少年司法における子どもの権利に関する委員会の一般的意見10号(2007年)に全面的にしたがったものとするべきである旨の、前回の勧告(CRC/C/15/Add.212、パラ53)をあらためて繰り返す。これとの関連で、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告するものである。 (a) 刑事責任に関する最低年齢はいかなる場合でも12歳未満と定められるべきではないことを考慮しながら、刑事責任に関する法定年齢を国際的に受け入れられる水準まで引き上げること。 (b) 少年法(法律第18号)の保護をすべての子どもに拡大すること。 (c) いかなる子どもも、法律に関わることになりまたは法律に抵触した際に虐待および拷問の対象とされないことを、とくに逮捕および捜査の段階において確保すること。 (d) 子どもの拘禁が最後の手段としてのみかつ可能なかぎり短い期間で行なわれること、および、拘禁が法律を遵守して行なわれることを確保すること。 (e) 可能なときは常に、ダイバージョン、保護観察、カウンセリング、地域奉仕または刑の執行猶予のような、拘禁に代わる措置を促進すること。 (f) 子どもがけっして成人とともに収容されないこと、これらの子どもに対して安全なかつ子どもに配慮した環境が与えられること、および、これらの子どもが家族と定期的接触を維持し、かつ食料、教育および職業訓練を提供されることを確保すること。 (g) いずれかの形態で自由を奪われた子どもに対し、措置決定の再審査を受ける権利を認めること。 (h) 専門の少年裁判所を国全域に拡大し、少年司法裁判官を養成し、かつ、警察隊、裁判官およびソーシャルワーカーを対象とする、少年司法制度および拘禁に代わる措置に関する技術的能力および知識を強化することを目的とした包括的な研修プログラムを発展させるための努力を強化すること。 (i) 少年司法に関する機関横断パネルおよびその構成組織(国連薬物犯罪事務所、ユニセフ、国連人権高等弁務官事務所およびNGOを含む)が開発した技術的援助ツールを利用するとともに、同パネルの構成組織に対し、少年司法の分野における技術的援助を求めること。 犯罪の証人および被害者の保護 87.委員会はまた、締約国が、十分な法律上の規定および規則を通じ、犯罪の被害を受けたおよび(または)犯罪の証人であるすべての子ども(たとえば、虐待、ドメスティック・バイオレンス、性的および経済的搾取、誘拐ならびに人身取引の被害を受けた子どもならびにこのような犯罪の証人。このような犯罪には、2011年3月の抗議行動以降に国および国以外の主体によって行なわれたものも含まれる)が条約で求められている保護を提供されることを確保し、かつ、子どもの犯罪被害者および証人が関わる事案における司法についての国連指針(2005年7月22日の経済社会理事会決議2005/20付属文書)を全面的に考慮するよう、勧告する。 I.国際的および地域的人権文書の批准 88.委員会は、締約国に対し、強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約、ならびに、経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約、市民的および政治的権利に関する国際規約、女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約および拷問および他の残虐な、非人道的なまたは品位を傷つける取り扱いまたは刑罰に関する条約の各選択議定書を含む、すべての中核的人権文書に加入するよう奨励する。 J.フォローアップおよび普及 89.委員会は、締約国が、とくにこれらの勧告を国家元首、最高裁判所、議会、関連省庁および地方当局に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。 90.委員会はさらに、条約ならびにその実施および監視に関する議論および意識を喚起する目的で、締約国が提出した第3回・第4回統合定期報告書および文書回答ならびに関連の勧告(総括所見)を、インターネット等を通じ(ただしこれにかぎるものではない)、公衆一般、市民社会組織、若者グループ、専門家グループおよび子どもが同国の言語で広く入手できるようにすることを勧告する。 K.次回報告書 91.委員会は、締約国に対し、第5回定期報告書を2015年8月13日までに提出し、かつこの総括所見の実施に関する情報を当該報告書に記載するよう、慫慂する。委員会は、委員会が2010年10月1日に採択した条約別調和化報告ガイドライン(CRC/C/58/Rev.2 and Corr.1)に対して締約国の注意を喚起するとともに、締約国が、今後の報告書は当該ガイドラインにしたがうべきであり、かつ60ページを超えるべきではないことを想起するよう求めるものである。委員会は、締約国に対し、報告ガイドラインにしたがった報告書を提出するよう促す。ページの制限を超えた報告書が提出された場合、締約国は、前掲ガイドラインにしたがって報告書を見直し、かつその後再提出するよう求められることになる。委員会は、締約国に対し、報告書を見直しかつ再提出することができないときは、条約機関による審査のための報告書の翻訳は保障できないことを想起するよう、求めるものである。 92. 委員会はまた、締約国に対し、2006年6月の第5回人権条約機関委員会間会合で承認された統一報告ガイドライン(HRI/MC/2006/3)に掲げられた共通コア・ドキュメントについての要件にしたがい、最新のコア・ドキュメントを提出することも慫慂する。条約別報告書および共通コア・ドキュメントは、一体となって、子どもの権利条約に基づく調和化された報告義務を構成するものである。 更新履歴:ページ作成(2012年6月25日)。/前編・後編を統合(10月20日)。
https://w.atwiki.jp/butchake/pages/55.html
第111回「ぶっちゃけ、歌姫対決@じゃこナイト!」 2011年01月09日配信 再生時間:49分41秒 パーソナリティ ハラダ ナル ハラダとナルのじゃこナイト 今回はノーカットです。 ぶっちゃけレイディオ的名曲歌姫対決!平野綾vs水樹奈々はこれをもって終了であることが告げられ、新コーナーの内容が発表される。 ハラダとナルが流した曲リスト泉こなた(CV 平野綾)「第八話 MONKEY MAGIC(ドラマパート)」「TVアニメ『らき☆すた』エンディングテーマ集 ~ある日のカラオケボックス~」から。アニメ「らき☆すた」第8話エンディング。 泉こなた(CV 平野綾)、柊かがみ(CV 加藤英美里)、柊つかさ(CV 福原香織)、高良みゆき(CV 遠藤綾)「もってけ!セーラーふく【メタボ対策Mix】」「もってけ!セーラーふくRe-Mix001~7 burning Remixers~」から。 泉こなた(CV 平野綾)、柊かがみ(CV 加藤英美里)、柊つかさ(CV 福原香織)、高良みゆき(CV 遠藤綾)「もってけ!セーラーふく Bak-Bak-Bakoon!! mix」「らき☆すたRe-Mix002~『ラキスタノキワミ、アッー』【してやんよ】~」から。 水樹奈々「DISCOTHEQUE」「Trickster」から。アニメ「ロザリオとバンパイア CAPU2」オープニングテーマ。 平野綾「MonStAR」「MonStAR」から。いろんな番組とタイアップしている。「アニたま」、「もえがく★5」など。 キョン(CV 杉田智和)、コーラス:涼宮ハルヒ(CV 平野綾)「倦怠ライフ・リターンズ!」「涼宮ハルヒの憂鬱 キャラクターソング Vol.9 キョン」から。 水樹奈々、合いの手 杉田智和「恋の抑止力」前半は「カズラジ。」第4回から。後半は「HEAVENS DIVIDE/恋の抑止力」から。ゲーム「メタルギアソリッド ピースウォーカー」の挿入歌。 緒方理奈(CV 水樹奈々)「POWDER SNOW」「POWDER SNOW」から。アニメ「WHITE ALBUM」の挿入歌。 ロナ(CV 平野綾)「EleC☆TriCk(セリフ.ver)」「EleC☆TriCk」から。アニメ「ファイト一発!充電ちゃん!!」キャラクターイメージソング。→第105回の名曲歌姫対決 平野綾vs水樹奈々(未)で使われた。 水樹奈々「ETERNAL BLAZE」(ライブ音源)←いつのライブ?「ETERNAL BLAZE」から。アニメ「魔法少女リリカルなのはA s」オープニングテーマ。→こちらも第105回の名曲歌姫対決 平野綾vs水樹奈々(未)で使われた。 謎のアンコール音源 水樹奈々「Justice to Believe(MUSEUM STYLE)」「THE MUSEUM」から。「Justice to Believe」はゲーム「WILD ARMS the Vth Vanguard」のオープニングなどで使用されている。通常の「Justice to Believe」は間奏がこれより短い。 涼宮ハルヒ(CV 平野綾)、長門有希(CV 茅原実里)、朝比奈みくる(CV 後藤邑子)「ハレ晴レユカイ」「@Lantis NonStop Dance Remix Vol.1」から。
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/323.html
子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書の実施に関するガイドライン 一般的意見一覧 参考:Explanatory Report to the Guidelines regarding the implementation of the Optional Protocol to the Convention on the Rights of the Child on the sale of children, child prostitution and child pornography(Interagency Working Group, September 2019)〔PDF〕 CRC/C/156 配布:一般(2019年9月10日) 原文:英語(PDF) 日本語訳:平野裕二(日本語訳PDF) 子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書の実施に関するガイドライン [注] [注] 委員会が第81会期(2019年5月13~31日)に採択。 I.はじめにA.子どもの売買および性的搾取に関連する最近の進展 B.さまざまな国際的関係機関からの勧告の増加 II.ガイドラインの目的 III.一般的実施措置A.立法 B.データ収集 C.包括的な政策および戦略 D.調整、監視および評価 E.資源配分 F.普及および意識啓発 G.研修 IV.選択議定書が対象とする犯罪の防止A.一般的措置 B.旅行および観光の文脈における子どもの売買および性的搾取の防止 C.オンラインの子どもの売買および性的搾取の防止 V.選択議定書が対象とする犯罪の禁止 VI.制裁 VII.裁判権および犯罪人引渡し VIII.被害を受けた子どもの、法的手続における援助および保護に対する権利A.一般的所見 B.カウンセリング、通報および苦情申立ての機構 C.刑事司法手続への参加 IX.被害を受けた子どもの、回復、家族および社会への再統合ならびに補償・賠償に対する権利 X.共助および国際協力 I.はじめに A.子どもの売買および性的搾取に関連する最近の進展 1.子どもの権利条約(1989年採択)ならびに子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書(2000年採択)は、子どもの権利の促進および保障を図り、かつ売買、性的搾取および性的虐待から子どもを保護する、もっとも包括的な国際法文書である。しかしこれらの条約が採択されたのは、情報通信技術(ICT)[1] およびソーシャルメディアの発展および普及の度合いがいまよりもはるかに低く、かつ、子どもに対する性犯罪が、今日ではしばしば存在するデジタル環境との緊密な結びつきを有していない時代であった。条約および選択議定書はデジタル環境においても全面的に関連性を有しておりかつ適用されるものだが、その規定は今日の現実にあわせて解釈しなければならない。 [1] 「ICT」という用語は、ラジオ、テレビ、携帯電話ならびにコンピューターおよびネットワークのハードウェアおよびソフトウェアを含む、あらゆる通信機器またはアプリケーションを包含する。 2.ICTの急速な発展および普及は、人権の前進を加速し、かつ不平等を削減する大きな機会を提供してくれるものである。同時に、この発展は、売買および性的搾取の危険にさらされる子どもの増加にもつながってきた。これは、性犯罪者にとっては、性的目的で子どもとつながって子どもを勧誘し(「グルーミング」)、ネット上で行なわれる子どもの性的虐待をライブのビデオストリーミングで視聴しかつこれに参加し、子どもの性的虐待表現物(「セクスティング」〔訳者注〕により製造された自撮りコンテンツを含む)を頒布し、かつ子どもに対する性的強要を行なう新たな道を開くものである。加えて、このような技術は、犯罪者が相互につながり、かつ暗号化された情報を共有する新たな機会を提供するものであり、また選択議定書で対象とされている犯罪を遂行しまたは容易にするためのダークネットの利用は、法執行に新たな課題を突きつけている。インターネットへのアクセスが前例のないレベルで拡大しつつある世界にあって、子どもが性的に搾取されまたは商品として買われかつ売られる危険性はかつてなく高まりつつある。 訳者注:「子どもが自ら作成した性的コンテンツを携帯電話経由で他の者に送る行為」(後掲パラ42参照)。 3.グローバル化し、かつ可動性が高まりつつある世界にあって、旅行および観光の文脈における子どもの売買および性的搾取は増大しつつある脅威である。子どもに対して性犯罪を行なう旅行者は、国境を越えて渡航するのであれ自国内で旅行するのであれ、脆弱な状況に置かれた子どもにこれまでよりも容易にアクセスできるようになっており、その際にはしばしばダークネット上にある匿名の橋渡し役のネットワークが利用される。 4.子どもに対する性犯罪のジェンダーの側面は、選択議定書の実施に関わるもうひとつの重要な一面である。被害者の大多数は女児であるとはいえ、最近の調査では、ネット上の子どもの性的虐待表現物で描かれている子どもには相当の割合で男児が含まれていることがわかっている。性的搾取および性的虐待の被害を受けた男児のための支援体制は、いまなおきわめて少ない。 5.委員会は、選択議定書の実施を監視する任務に基づき、子どもの権利に関する国際的および地域的文書で用いられている用語の一部(「児童ポルノ」または「児童買春」など)が徐々に置き換えられつつあることを認識する。このような変化の背景にある理由のひとつは、これらの用語には誤解を招き、かつ子どもがこのような慣行に同意しうることをほのめかすことによって、これらの犯罪の重大性を損ない、または避難の矛先を子どもに向けさせてしまう可能性があることである。このことに照らし、委員会は、締約国およびその他の関係者に対し、子どもの性的搾取および性的虐待の防止ならびにこれらの行為からの保護に対応する立法および政策の策定で用いる用語法についての指針として、「性的搾取および性的虐待からの子どもの保護に関する用語法ガイドライン」[2] に注意を払うよう奨励する。 [2] http //luxembourgguidelines.org/english-version 参照。 B.さまざまな国際的関係機関からの勧告の増加 6.委員会は、その総括所見、一般的意見13号(あらゆる形態の暴力からの自由に対する子どもの権利、2011年)、同14号(自己の最善の利益を第一次的に考慮される子どもの権利、2013年)、同16号(企業セクターが子どもの権利に与える影響に関わる国の義務、2013年)および同17号(休息、余暇、遊び、レクリエーション活動、文化的生活および芸術に対する子どもの権利、2013年)などで、ならびに子どもの権利とデジタルメディアに関する2014年の一般的討議の文脈において、デジタルメディアおよびICTが子どもたちの生活に及ぼす相当な影響を考慮してきた。さらに、人権理事会は、2016年、1日をかけて子どもの権利について討議する恒例の会合のテーマとして情報通信技術と子どもの性的搾取を取り上げた。 7.各国は、持続可能な開発目標を通じて、子どもたちに投資する意思および子どもたちが暴力を受けないですむ世界を確保する意思を明らかにした。これらの目標のなかには、女性および女児に対するあらゆる形態の暴力を解消すること(ターゲット5.2)、最悪の形態の児童労働(子ども兵士の徴募および使用を含む)の禁止および解消を確保するための即時的かつ効果的な措置をとるとともに、2025年までにあらゆる形態の児童労働を終わらせること(ターゲット8.7)、ならびに、子どもに対する虐待、搾取、人身取引およびあらゆる形態の暴力ならびに子どもの拷問を終わらせること(ターゲット16.2)などもある。これらのターゲットを網羅する選択議定書の効果的実施は、持続可能な開発目標の達成にも貢献しうるものである。 8.選択議定書の実施に関するこのガイドラインは、関連する関係機関(国家、専門性を有する国内的および国際的非政府組織および政府間期間ならびに国連専門機関を含む)との一連の協議の成果である。 II.ガイドラインの目的 9.このガイドラインの主な目的は次のとおりである。 (a) デジタル環境の発展に照らし、かつ子どもの売買および性的搾取に関する、選択議定書の採択以降の知識および経験の増加に鑑み、選択議定書の実体規定ならびにさまざまな現代的形態の子どもの売買および性的搾取に関する理解の深化を促進すること。 (b) 締約国による、選択議定書のより効果的な実施を可能とすること。 (c) 選択議定書が売買および性的搾取からの子どもの保護(これらの犯罪がICTによって容易になっているか否かを問わない)を増進させる文書であり続けることを確保すること。 10.このガイドラインには、選択議定書上の義務の履行を向上させるために締約国が行なっている取り組みおよび努力を支援しかつ強化するという目的もある。これには、選択議定書に基づいて提出されるべき第1回報告書に関する改訂ガイドライン(CRC/C/OPSC/2、2006年採択)ならびに定期報告書の形式および内容に関する条約別指針(CRC/C/58/Rev.3、2014年採択)に定められた委員会への報告に関連するものも含まれる。 III.一般的実施措置 11.委員会は、選択議定書の規定を実施するためのいかなる措置においても、条約、とくに第2条、第3条、第6条および第12条に掲げられた一般原則ならびに子どものプライバシー権の尊重が全面的に遵守されるべきであることを強調する。条約はまた、子どもが自己の権利について年齢にふさわしいやり方で情報を提供されること、子どもが自己に影響を与えるすべての事柄について自由に意見を表明する権利を有すること、および、これらの意見が子どもの年齢および成熟度にしたがって正当に重視されることも要求している。 12.締約国は、立法措置および政策措置の立案プロセスおよび実施に子ども参加を含めるための努力を行なうべきである。その際には、子どもたちの意見が差別なく考慮されること、および、子どもたちと協議を行なう大人が、年齢にふさわしく、かつジェンダーに配慮したやり方で協議を進めるために必要な訓練および資源を与えられることを確保することが求められる。 13.委員会は、締約国が、選択議定書を実施するためのいかなる措置においても、その特性、事情および(または)生活状況のために売買および性的搾取の被害をより受けやすい立場に置かれている可能性がある子どもたちのことを具体的に考慮するよう奨励する。このような子どもには、女児、男児、その他のジェンダーまたは性的自認および性的指向の子ども、障害のある子ども、施設にいる子ども、移住者である子ども、路上の状況にある子ども、ならびに、脆弱なまたは周縁化されたその他の状況にある子どもが含まれる。 A.立法 14.委員会は、選択議定書で対象とされている犯罪が処罰されない状況と闘う必要性が切迫していることを強調する。選択議定書を実施するための立法措置においては、第3条に挙げられているすべての行為(これらの行為の未遂を含む)が明示的に網羅されるべきである。性的搾取目的の子どもの売買のみならず、臓器移植を目的とするもの、強制労働に従事させることを目的とするものおよび養子縁組が子どもの売買に相当する状況を禁止することに注意を向けるよう求められる。 15.委員会は、締約国に対し、「子どもの売買」の国際法上の定義は「人身取引」のそれと同一ではないことを想起するよう求める。子どもの売買は何らかの形態の商業的取引を常にともなうが、子どもの人身取引についてはこれは要件とされない(たとえば欺罔、実力または誘拐による子どもの人身取引)。さらに、人身取引には子どもを搾取するという意図された目的が常に存在するが、このような目的は子どもの売買については構成要件とされていない(ただし、それでも売買は搾取的効果を持ちうる)。このような区別は、犯罪の評価、加害者の訴追および被害を受けた子どものために用意されている対応にとって重要である可能性がある。 16.立法措置をとるに際しては、自然人および法人双方の責任が含まれるべきであり(第3条)、選択議定書で対象とされているすべての犯罪について域外裁判権が設定されるべきであり(第4条)、かつ、犯罪人引渡し(第5条)ならびに物品の押収および没収(第7条)に関する明確な条件および規則が定められるべきである。 17.立法を通じて、救済へのアクセスを確保するとともに、性的搾取および性的虐待の事案に対応しかつ被害者を保護するための、子どもおよびジェンダーに配慮し、秘密が守られかつ安全なカウンセリング、通報および苦情申立ての機構が利用できることを保障することは、きわめて重要である。 18.委員会は、締約国に対し、選択議定書上の犯罪を構成する行為で搾取された子どもが国内法によって犯罪者とされず、被害者として扱われることを確保するよう促す。 19.委員会は、締約国が、法的枠組みを定めるにあたって技術的進展を考慮に入れるよう勧告する。このような考慮は、当該枠組みの適用可能性が今後の発展によって減殺されないことを確保し、かつ新たに生ずる懸念(ネット上で行なわれる新たな形態の売買および性的搾取を含む)に関連する抜け穴を回避するために必要となる。この問題の性質が常に変化しつつあることに照らし、締約国は、自国の法律上および政策上の枠組みが急速に変化する現実に適合したものであることを保障するため、立法および政策を定期的に評価し、かつ必要に応じて改定するべきである。 B.データ収集 20.委員会は、締約国に対し、選択議定書で対象とされているすべての問題に関するデータの収集、分析、モニタリングおよび影響評価ならびに普及のための包括的かつ体系的な機構を発展させかつ実施するよう、促す。重要な点として、データ収集は関連するあらゆる関係機関(国の統計部局および子どもの保護機関を含む)との間で調整されるべきであり、かつ、国の異なる機関間でデータの食い違いまたは矛盾が生じないよう、データは中央で集約されるべきである。委員会はとくに、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) データに対する細分化アプローチをとり、これらの犯罪がさまざまな集団の子どもにどのように影響を及ぼしているかについて取り上げること。最低限、データは性別、年齢および搾取の形態別に細分化されるべきである。 (b) 子どもがデジタルメディアおよびソーシャルメディアにどのようにアクセスし、かつこれらのメディアが子どもの生活にどのように影響を及ぼしているかについてのデータ、ならびに、ICTにアクセスしかつICTを利用する際の子どものレジリエンスに影響を及ぼす要因についてのデータを収集すること。 (c) 報告された事案、起訴、有罪判決および制裁の件数(被害者に提供された救済の件数も含むことが望ましい)に関するデータを収集すること。これらのデータは、犯罪の性質(オンラインおよびオフラインの活動に関わる性質を含む)、加害者および加害者と被害者の関係の種別ならびに子どもの性別および年齢別に細分化されているべきである。 (d) 広域行政圏または地方(たとえば自治体)のレベルでデータが収集されている場合、共通の指標および統一データ収集システムを発展させること。 21.あらゆるデータは、プライバシーに対する子どもの権利を正当に尊重しながら収集されるべきである。 C.包括的な政策および戦略 22.締約国は、選択議定書で対象とされているすべての問題をホリスティックかつ分野横断的なやり方で明示的に含めた、包括的な国家的政策および戦略を策定するべきである。このような政策および戦略は、子どもの権利の実施もしくは暴力からの子どもの保護を目的とするより幅広い国家的行動計画のひとつの要素とすることも、個別の具体的文書とすることもできる。 23.委員会は、締約国に対し、子どもの保護のための政策および戦略の増進において金融機関、銀行、テレコム事業者、インターネット・プロバイダー、スポーツ団体、旅行・観光業界および非政府組織が果たしうる役割ならびに「ビジネスと人権に関する指導原則:国際連合「保護、尊重および救済」枠組みの実施」の活用に対し、いっそうの注意を払うよう奨励する。 D.調整、監視および評価 24.締約国は、選択議定書の実施に関連するすべての活動の調整の任を負う国レベルの機構を指定するべきである(いずれかの省もしくは国内人権機関のような既存の機関の一部とすることも、子どもの性的搾取の根絶を目的とする独立の機関とすることもできる)。この調整機関に対しては、選択議定書をとくに実施するという明確な任務と、部門横断的にかつ国、広域行政圏および地方の各レベルで必要な措置をとりかつ調整を行なう十分な権限(事案の付託および被害を受けた子どもに対する効果的支援のための枠組みを確保する権限も含む)を与えることが求められる。 25.締約国は、前掲政策および戦略の実施の監視および評価を定期的にかつ透明なやり方で実施し、かつ、その成果に基づき、必要に応じて政策および戦略を修正するべきである。評価の結果は公表することが求められる。 E.資源配分 26.委員会は、締約国が、このガイドラインで詳しく述べられているような形で選択議定書を実施するための具体的かつ明確な予算配分を確保するとともに、子どもの権利実現のための公共予算編成に関する委員会の一般的意見19号(2016年)に掲げられた指針に留意するよう、勧告する。 27.締約国は、選択議定書の規定の実施を目的とする政策、戦略および機構に配分されるすべての人的資源、技術的資源および財源の水準を保障するべきである。摘発および報告のための機構、刑事捜査、法的援助、補償ならびに選択議定書で対象とされている犯罪の被害を受けた子どもの身体的・心理的回復および社会的再統合を担当する機関に対しては、具体的に資源を配分することが求められる。 F.普及および意識啓発 28.選択議定書の趣旨および規定に関する理解を増進するため、締約国は以下の措置をとるべきである。 (a) 防止措置に関する教育および意識啓発ならびに選択議定書で対象とされているすべての犯罪の有害な影響(これらの犯罪がICTを通じて容易にされまたは実行される場合を含む)に関する教育および意識啓発のための、長期的なプログラムおよびキャンペーンを発展させかつ実施すること。 (b) 国、広域行政圏および地方のレベルの政府職員、あらゆる関連の専門家集団および子どもと日常的に接する他のあらゆる者ならびに公衆一般(とくに子どもおよびその家族を含む)の間で、選択議定書の規定に関する情報を体系的に普及すること。広報資料は受け手に合わせたものであるべきであり、子どもに対しては年齢にふさわしく、かつ子どもに配慮した情報が提供されるべきである。 (c) すべての者(とくに子どもをケアしている者)の間で、さまざまな形態の子どもの売買、性的搾取および性的虐待、ならびに、これらの行為を発見しかつ被害者を特定する方法、ならびに、既存の通報機構および子どもが被害者であると考える合理的な理由がある場合のその利用方法に関する十分な知識を促進すること。 (d) 教育制度のあらゆる段階の子どもが包括的な性教育を受けることを確保すること。学校に通う子どもに対し、売買、性的搾取および性的虐待の危険性ならびにオフラインおよびオンラインで自分を守る手段について学ぶための適切な資料が提供されるべきである。教育プログラムには、子どもが助けおよび支援を求め、かつ性的虐待かんするサインを安全にかつ秘密が守られるやり方で送る具体的かつ実際的な方法についての情報を常に含めることが求められる。 (e) 正規の学校制度の外にいる子どもを対象とし、かつこれらの子どもに手を差し伸べるための措置をとること。 (f) メディアに対し、被害を受けた子どもおよび証人である子どものプライバシーおよび身元を常に保護しながら、子どもの売買、性的搾取および性的虐待のあらゆる側面に関する適切な情報を適切な用語を使って提供するよう奨励すること。 G.研修 29.あらゆる関連の専門家を対象とする教育および継続的研修ならびに家族および養育者に対する支援の提供は、選択議定書の実施のためのいかなる措置においても不可欠な要素として位置づけられるべきである。締約国は以下の措置をとるよう求められる。 (a) 子どもとともにまたは子どものために働くあらゆる関連の専門家および集団を対象として、選択議定書の規定およびその実施に関する体系的かつ的を絞った分野横断的研修(対象とされている犯罪を特定しかつこれに対処する方法、ならびに、子どもの被害者およびサバイバーをケアする際に子どもおよびジェンダーに配慮したアプローチを促進する方法に関するものを含む)が実施されることを確保すること。 (b) 選択議定書で対象とされている犯罪の被害を受けた子どもへの、被害者中心であると同時にサバイバー主導の効果的対応に関する研修を奨励すること。 (c) 子どもおよびその家族の間でオンライン・リテラシーおよびオンラインの安全を拡大しかつ危害への対応を促進する目的で、非政府組織との協力および戦略的パートナーシップを強化し、かつその専門性およびアドボカシーのための資料を活用すること。 (d) 獲得された知識およびスキルが、被害者の特定および選択議定書で対象とされている犯罪からの子どもの保護を効果的に進めるために実行に移されていることを確保する目的で、研修活動の定期的評価を実施すること。 30.専門的研修が必要な特定の集団との関連で、締約国は以下の措置をとるべきである。 (a) 子どもを対象とするさまざまな形態の教育(スポーツ活動および文化活動を含む)の仕事をしている教員その他の専門家が、子どもの売買、性的搾取および性的虐待に関する子どもへの教育および子どもとの話を効果的に行なえるようにするための十分な研修を受けることを確保すること。 (b) 保健ケア専門家、ソーシャルワーカーならびに子ども福祉および子どもの保護の専門家を対象として、サインを受けとめかつ報告し、かつ性的搾取または性的虐待の被害者である可能性がある子どもに子どもおよびジェンダーに配慮したやり方で対応するための研修を実施すること。 (c) 選択議定書で対象とされている犯罪(これらの犯罪がICTを通じて容易にされまたは実行される場合を含む)を捜査するすべての警察部署ならびに検察官および司法機関を対象として、被害を受けた子どもを特定しかつこのような子どもに子どもおよびジェンダーに配慮したやり方で対応し、かつICT関連の事件およびデジタル証拠を扱うための研修を実施すること。 IV.選択議定書が対象とする犯罪の防止 A.一般的措置 31.選択議定書の締約国は、選択議定書で対象とされている犯罪を防止するための法律、行政措置ならびに社会政策および社会プログラムを採択しまたは強化し、実施しかつ普及する義務を負う。 32.子どもの売買および性的搾取の防止にあたり、締約国は、これらの問題を助長し、当たり前のように見せまたは固定化している可能性があって具体的な意識啓発措置を必要とする根本的原因に注意を払うべきである。これらの犯罪の重要な側面であって、締約国が的を絞った具体的な努力を行なわれなければならない側面は、性犯罪者および経済的利益を得る者の双方の間に存在する、性的搾取および虐待のために子どもを求める需要にある。需要と闘うための努力においては、オンラインかオフラインかにかかわらず、さまざまな形態の搾取および虐待への対応がとられるべきである。 33.委員会は、締約国に対し、選択議定書で対象とされている犯罪の被害を受けるおそれがある子ども(とくに脆弱な状況に置かれている子ども)を特定し、支援しかつモニタリングし、かつ、防止プログラムおよび被害を受ける可能性がある子供の保護を強化するために、必要なあらゆる措置をとるよう勧告する。この目的のため、締約国は以下の措置をとるべきである。 (a) 選択議定書で対象とされている犯罪を防止するための効果的なかつ的を絞った立法上、政策上および行政上の措置を発展させかつ採択する目的で、これらの犯罪の性質、規模、根本的原因および子どもへの影響を分析しかつ評価するための研究を実施すること。 (b) 脆弱な状況に置かれた家族の経済的エンパワーメントを可能とするため、社会的保護および金銭的支援(所得創出活動を含む)を提供すること。 (c) あらゆる有害慣行を防止しかつ終わらせるとともに、児童婚など、子どもの売買、性的搾取または性的虐待に相当する可能性のある慣行に特別な注意を払うこと。有害慣行の防止においては、男児および女児に影響を及ぼす異なる慣行への対処が十分にとられることを確保するため、ジェンダーの視点が要求される。 (d) 選択議定書で対象とされている犯罪の防止およびこれらの犯罪との闘いにおいて、民間セクターの関連の主体が積極的役割を果たすことを確保すること。 34.子どもの売買、性的搾取および性的虐待の防止における重要な一般的措置のひとつとして、締約国は、子どもと直接接触する仕事に就こうとするすべての者のスクリーニングを要求するべきである。 B.旅行および観光の文脈における子どもの売買および性的搾取の防止 35.調査研究により、子どもは、計画的虐待を実行するために国境を越える渡航型犯罪者から性的搾取および性的虐待を受けるおそれがある一方、自国内で出張または観光のために旅行する犯罪者、および、旅行前には性犯罪の実行を計画していなかった可能性がある「機会便乗型」犯罪者の被害者となるおそれも同様にあることがわかっている。違法な養子縁組も、旅行および観光を装ってまたは口実として実行される場合がある。 36.旅行および観光という特定の文脈においてこのような犯罪を防止するため、締約国は以下の措置をとるべきである。 (a) 旅行および観光の文脈における子どもの売買および性的搾取の有害な影響に対する注意を促すため、旅行・観光業界を対象とする意識啓発およびアドボカシーを行なうこと。そのための手段として、とくに、世界観光機関の世界観光倫理憲章を広く普及しかつ同憲章への署名を奨励し、かつ、「旅行および観光における性的搾取から子どもを保護するための行動規範」を促進すること。 (b) 旅行・観光セクターのステークホルダーとの連携を強化するとともに、当該業界が、たとえば旅行および観光の文脈における子どもの売買および性的搾取を防止するための具体的な企業方針および企業戦略を採択しかつ執行することを通じて、責任をとることを確保すること。宿泊業者、旅行代理店、ツアーオペレーター、運輸会社、航空会社、バーおよびレストランのような旅行・観光関係者は、不注意によるものであるか否かを問わずしばしばこのような犯罪の実行の仲介者となってしまうのであり、子どもの性的搾取の防止およびこのような性的搾取との闘いにおいて積極的役割を果たすべきである。 (c) 旅行および観光の文脈における子どもの売買および性的搾取と闘うための、テクノロジーを基盤とする解決策(犯罪者およびその仲介者のビジネスモデルを阻害するための、関連の犯罪に対する支払いのブロッキングおよび支払い追跡のための新たな手法など)の発展をリードしうるICT企業と提携すること。 (d) 国境を越えた情報交換および有罪判決を受けた犯罪者への渡航制限などを通じ、子どもに対する性犯罪で有罪判決を受けた者が他国で再犯することの防止のための措置を検討すること。 C.オンラインの子どもの売買および性的搾取の防止 37.締約国は、自国の実施措置を通じ、オンラインの子どもの売買、性的搾取および性的虐待を防止しかつこれらに対処するべきである。子どもの売買、性的搾取および性的虐待のあらゆる表れ方(これらの犯罪がICTを通じて容易にされまたは実行される場合を含む)が十分に網羅されていることを確保するため、国家的な法律上および政策上の枠組みを評価することが求められる。 38.これらの犯罪に関する理解を深めるためにオンラインに特化した分析、調査研究および監視が行なわれるべきであり、またオンライン犯罪への対応は関連の業界および組織と密接に連携しながら発展させられるべきである。 39.子どもの売買、性的搾取および性的虐待の事件に関する意識、知識および通報を増進させるための公的教育プログラムにはオンラインに特化した側面が含まれるべきであり、また法執行官、弁護士、検察機関および司法機関の専門家を対象とする専門研修には、オンラインの問題のみならず、被害者特定技法および救済活動を容易にしてくれるオンライン・ツールも扱う具体的構成要素が含まれるべきである。 40.締約国は以下の措置をとるべきである。 (a) 親、教員およびその他の養育者に情報および支援を提供し、かつこれらの人々と連携することにより、親、教員およびその他の養育者が、子どもがICTにアクセスしかつICTを利用する際に支援、助言および保護を提供し、かつオンラインでの安全・対処戦略をとる能力構築を援助できるようにすること。 (b) 遭遇する可能性があるリスクを回避し、このようなリスクに対して十分に反応し、かつ必要に応じてオンラインの通報ツールを利用することに関して子どもを援助することによって、自分自身(および仲間)をよりよい形で保護する子どもの能力を増進させるため、オンラインでの行動および安全に関する必修教育が学校で行なわれることを確保すること。 (c) 子どものデータがどのように収集・保存・活用され、かつ他者とどのように共有されている可能性があるかに関する情報および保護のための戦略(個人情報を保護する方法および時宜を得た効果的な警告のための機構を利用する方法を含む)に関する情報を、意味のある、かつ子どもおよびジェンダーに配慮したやり方で提供すること。 (d) 搾取的行動およびこのような行動を通報しかつやめさせる方法についての子どもたち自身のアイデアおよび知識を共有するよう、子どもたちの奨励、関与の推進およびエンパワーメントを図るとともに、防止および保護のための戦略において子どもたちの提案を考慮すること。 (e) 十分かつ効果的なサービス機関および専門機関が整備され、かつ、オンラインでの疑わしい行動または子どもの性的搾取もしくは虐待の事件に関する通報が子どもまたは大人からあった場合には常に迅速な対応をとれることを確保すること。 41.画像およびビデオのような子どもの性的虐待表現物がオンラインでいつまでも流布される可能性があることを考慮し、委員会は、このような表現物の継続的流布が、被害を受けた子どもに対する危害を固定化させることに加え、子どもを性的対象と捉える見方を助長し、かつ、子どもに性的関心を有する者たちの間で、他にもたくさんの人間が同じ関心を共有しているのだからこれは「当たり前」のことだという考え方を強めてしまうおそれがあることに対し、締約国の注意を強く喚起する。そこで委員会は、締約国に対し、インターネット・サービス・プロバイダが、その防止措置の一環として、このようなコンテンツを可能なかぎり早く統制下に置き、ブロックしかつ削除することを確保するよう、促すものである。 42.委員会は、子どもが自ら作成した性的コンテンツを携帯電話経由で他の者に送る「セクスティング」に対応する必要があることに、締約国の注意を喚起する。セクスティングは若者同士のプレッシャーの産物であることが多いように思われ、ティーンエイジャーは、ある程度まで、セクスティングは「当たり前」であるとますます考えるようになっている。このような行為そのものは、それ自体で常に違法または不法となるわけではないものの、そこには多くの危険性がともなう。子どもの性的画像には、子ども本人の意思を超えてまたは意思に反してオンラインまたはオフラインで容易に拡散される可能性、削除がきわめて困難となる可能性ならびにいじめの文脈および性的強要の目的で利用される可能性があり、これは子どもに対して深刻なかつトラウマ性の影響(自殺を含む)を及ぼしかねない。この複雑な問題に対しては慎重な注意を向けることが必要であり、委員会は、締約国に対し、子どもを保護する明確な法的枠組みを確立するとともに、防止のための努力を通じ、他人および自分自身の画像を拡散することの重大性について子どもが教育されかつ認識することを確保するよう、奨励する。 V.選択議定書が対象とする犯罪の禁止 43.選択議定書第3条の実施のためには、選択議定書に含まれるすべての犯罪を禁じた実体刑法の採択が必要である。委員会は、第3条の遵守が、各締約国がこれに関連して自国の法体系および法的実践の詳細を考慮しなければならない事項であることを認識する。 44.第3条は、締約国が、最低限、自国の刑法で全面的に対象とされることを確保しなければならない行為および活動を列挙している(これらの犯罪が、国内でもしくは国境を越えてまたは個人的にもしくは組織的に実行されるものかを問わない)。委員会は、締約国に対し、子どもに対する性犯罪を実行するために新たに誕生した手段および方法が用いられた場合でも十分な対応がとれることを確保するための新たな規定を刑法に導入するよう、奨励するものである。 45.委員会は、締約国に対し、選択議定書第3条(2)にしたがい、このようないずれかの行為の未遂および共犯またはこのようないずれかの行為への参加も刑法の対象とされるべきであることを、想起するよう求める。 46.子どもの売買は、選択議定書において、子どもがいずれかの者または集団により報酬または他の何らかの対償のために他の者に譲渡されるあらゆる行為または取引と定義されている(第2条(a))。これには子どもを他の場所に移動させる行為がともなう場合もあるが、これは必要条件ではない。「報酬または他の何らかの対償」は子どもの売買の中核的要素であり、取引の一環として金銭の支払いが行なわれるのが通例である。報酬の受け取り手については具体的に定められていないものの、子どもを譲渡する者または集団である可能性がもっとも高いことになろう。ただし、子どもの売買にからんでその他の理由または見返りが存在する場合もありうる(親による債務の支払い、子どもに教育もしくは職業訓練を受けさせるという相手方の約束、またはその他の種類のよりよい未来の提示など)。 47.第3条(1)(a)(i)に基づき、子どもの売買との関連で行なわれる行為または活動であって犯罪化されなければならないものには、以下の目的で行なわれる提供、移送または収受が含まれる。 (a) 子どもの性的搾取。委員会は、この法的規定はあらゆる形態の性的搾取および性的虐待(これらの行為がICTを通じて容易にされる場合を含む)を網羅するものであるという見解に立つ。 (b) 利得を目的とする子どもの臓器の譲渡。このような譲渡の目的が「利得」であることを明示することが重要である。子どもの臓器の合法的な譲渡には、利得を目的としない費用がともなう場合もありうる。 (c) 強制労働に子どもを従事させること。 48.委員会は、子どもを提供しまたは収受する行為にはICTの利用を通じて行なうものも含まれることを強調する。 49.子どもの売買および取引は重複する場合もありうるが、その国際法上の定義は異なる。委員会は、選択議定書にしたがい、締約国には上記のすべての目的で行なわれる子どもの売買を明示的に犯罪化する義務があることを強調するものである。 50.第3条(1)(a)(ii)に基づき、養子縁組に関する適用可能な国際法文書に違反する子どもの養子縁組への同意を仲介者として不適切な形で引き出す行為は、子どもの売買として犯罪化されなければならない。このような活動の禁止を目的とする規定は、次に掲げる、この要件の2つの中心的要素を反映したものであるべきである。 (a) 「養子縁組への同意を……不適切な形で引き出すこと」という文言は、具体的には、子どもの養子縁組への同意を不誠実または不適当なやり方で得ることを意味する。第2条(a)に基づく子どもの売買の定義に照らし、報酬または他の何らかの対償を通じてこのような同意を得ることも、「同意を……不適切な形で引き出すこと」のひとつの形態である。 (b) 「適用可能な国際法文書に違反する」という文言に関して、委員会は、締約国が、国際的な養子縁組に関する子の保護および協力に関するハーグ条約(1993年)第21条の遵守を要件とするよう勧告する。 51.委員会は、子どもの売買は児童婚を背景として行なわれる場合もあることに、締約国の注意を喚起する。委員会は、締約国が、いかなる形態の子どもの売買も回避するため、規制を含むあらゆる措置をとるよう勧告するものである。 52.同様の懸念は、やはり子どもの売買を助長する可能性がある代理出産との関連でも存在する。委員会は、この慣行が行なわれている締約国に対し、代理出産契約に基づく子どもの売買を回避するため、規制を含むあらゆる措置をとるよう奨励するものである。 53.選択議定書は、買売春において子どもを搾取する犯罪を「児童買春」として対象としており、これを報酬または他の何らかの対償のために性的活動において子どもを使用することと定義している(第2条(b))が、このような性的活動がどのようなものかについては明らかにしていない。委員会は、このような性的活動には、最低限、かつ実際に行なわれるものであるかまたはそのように装うものであるかにかかわらず、子どもを関与させるあらゆる形態の性交および意図的な性的接触(すべての関係者の性別を問わない)ならびに子どもの性器または陰部を扇情的に露出させるあらゆる行為が含まれるべきである。 54.選択議定書における「児童買春」の定義は、子どもが報酬または他の何らかの対償のために行なわれる性的活動に同意できること、または子どもが常に報酬または他の何らかの対償の受け取り手であることを示唆するものとして理解されてはならない。現実には、子どもは、法律的に妥当するいかなる形でも、自分自身の性的搾取に同意することはできない。さらに、このような報酬または他の何らかの対償はいずれかの第三者に支払われまたは与えられる場合もあるのであり、子どもが何かを直接受け取ることはない場合もしばしばあるほか、「対償」が食料または居住場所のような基本的生存ニーズの形で提供されることもある。 55.有力な見方によれば、「児童買春」という用語は、子どもに実際に起こることを正確にとらえきれておらず、これが正当な形態のセックスワークを含意するものと解釈される可能性または子どもへの責任転嫁を助長する可能性があるものである。委員会は、締約国に対し、「児童買春」という用語の使用を可能なかぎり避け、これに代えて「買売春における子どもの性的搾取」という用語を用いるよう、奨励する。委員会は加えて、締約国が、「売春する子ども」や「子どものセックスワーカー」のような用語を使わず、これに代えて「買春される子ども」または「買売春において搾取される子ども」を用いるよう、強く勧告するものである。 56.締約国は、買売春におけるいかなる形態の子どもの性的搾取(ICTの利用を通じて行なわれるものを含む)も、法律で禁止するべきである。選択議定書第3条(1)(b)は、買売春の目的で子どもを提供し、取得し、斡旋しまたは提供する行為の犯罪化を要求している。このような行為は、報酬または他の何らかの対償のために行なわれる場合には、買売春における子どもの性的搾取に該当する。委員会は、報酬または他の何らかの対償を約束することも、当該報酬または対償が実際には支払われずまたは与えられなかった場合であっても、犯罪を構成するのに十分であると考えるべきであることを強調するものである。 57.インターネットは、とくにウェブサイトまたは携帯アプリを通じて子どもが買売春の広告対象とされる場合に、国際的保護の枠組みにとっての新たな課題を提起する。委員会は、締約国に対し、買売春の目的で子どもを提供し、取得し、斡旋しまたは提供することの禁止にはICTの利用を通じて行なわれるこれらの行為も含まれることを、自国の刑事法制度において明確にするよう促す。 58.買売春における子どもの性的搾取には、商品化された「関係」も含まれる。これは、現金、物品または利益との引換えに性的行為が行なわれるものであり、経済的生存もしくは機会、学業成績または社会的地位と結びついていることが多い。しばしば「取引としてのセックス」という不適当な名称で呼ばれるこのような「関係」に18歳未満の子どもが関与させられている場合、その子どもは、報酬または他の何らかの形態の対償をともなう商業的なまたは商品化された性的活動に従事することに対して子どもは法的同意を与えられないことをもって、搾取の被害者ととらえられるべきである。子どもがこのような形態のセックスに同意したという、犯罪を行なった者からなされる可能性のあるいかなる主張も、法的には妥当性を有しない。 59.旅行および観光における子どもの性的搾取――「児童セックスツーリズム」という不適当な名称で呼ばれることが多い――も選択議定書で対象とされている犯罪に含まれるのであり、締約国は、このような慣行をなくすための措置をとるよう要求される。犯罪を行なう者は、外国人の旅行者である場合もあれば国内の旅行者である場合もあり、また旅行者である場合もあれば長期滞在客である場合もある。 60.子どもの性的虐待表現物は、選択議定書第2条において「児童ポルノ」として対象とされており、実際のまたはそのように装ったあからさまな性的活動に従事する子どもをいかなる手段によるかは問わず描いたあらゆる表現、または主として性的目的で子どもの性的部位を描いたあらゆる表現と定義されている(第2条(c))。委員会は、締約国が、最近の発展にのっとり、「児童ポルノ」という用語を可能なかぎり避け、「ポルノ的パフォーマンスおよび表現物における子どもの使用」、「子どもの性的虐待表現物」および「子どもの性的搾取表現物」のような他の用語を用いるよう、勧告する。 61.「いかなる手段によるかは問わず」という条件は、オンラインおよびオフライン双方のさまざまなメディアで幅広い表現物が利用可能となっていることを反映するものである。このような表現物がオンラインで流布されることはますます増えており、締約国は、自国の刑法の関連規定であらゆる形態の表現物が対象とされること(選択議定書第3条(1)(c)に列挙されたいずれかの行為がオンラインで実行される場合を含む)を確保するべきである。 62.「そのように装ったあからさまな性的活動」という文言には、性的にあからさまな行為に従事しているように見える子どもを描きまたはその他の方法で表現した、オンラインまたはオフラインのあらゆる表現物が含まれる。さらに、「主として性的目的で子どもの性的部位を描いたあらゆる表現」もこの犯罪の定義に該当する。ある表現が主として性的目的を意図したものまたは主として性的目的で利用されるものか否かを確定することが困難である可能性のある場合、委員会は、当該表現が使用される文脈を検討することが必要であると考えるものである。 63.委員会は、実在しない子どもまたは子どものように見える者が性的にあからさまな行為に参加している様子を描いたオンラインおよびオフラインの表現物(描画およびバーチャル表現を含む)が大量に存在すること、ならびに、そのような表現物が尊厳および保護に対する子どもたちの権利に深刻な影響を及ぼしうることを、深く懸念する。委員会は、締約国に対し、子どもの性的虐待表現物(児童ポルノ)に関する法律上の規定に、実在しない子どもまたは子どものように見える者の表現を含めること(とくにそのような表現が子どもを性的に搾取する過程の一環として使用される場合)を奨励するものである。 64.委員会は、締約国に対し、ポルノ的パフォーマンスに参加するよう子どもを勧誘しもしくは子どもに強要する行為またはそのようなパフォーマンスに子どもを参加させる行為、このような目的から利益を得る行為もしくはこのような目的でその他の方法により子どもを搾取する行為、および、子どもが参加しているポルノ的パフォーマンスに事実を知りながら出席する行為を犯罪化するよう奨励する。 65.選択議定書第3条(1)(c)は、締約国に対し、「児童ポルノ」を製造し、配布し、頒布し、輸入し、輸出し、提供し、販売しまたは性的搾取目的で所持する行為の犯罪化を義務づけている。委員会は、締約国が、このような表現物の単純所持を、禁止規定に例外を認める可能性(職業上の必要性――これは法律で明確に定義されるべきである――によりこのような表現物の所持が正当化される場合など)を適正に考慮しつつ、犯罪化するよう強く勧告する。 66.選択議定書第9条(5)にしたがい、締約国は、議定書に掲げられた犯罪を宣伝する表現物の製造および所持を犯罪化するべきである。たとえば、いかなる方法であれ子どもの性的搾取を促進するオンラインまたはオフラインの媒体を挿みこむあらゆる行為(広告またはコマーシャルなど)が犯罪化されなければならない。 67.もっぱら自分自身のために、あるいはボーイフレンドもしくはガールフレンドまたは(しばしば「セクスティング」を通じて)より幅広い同世代の集団とシェアするために、自分の性的部位の表現などの性的画像を製造する子どもが増えている。選択議定書が「児童ポルノ」としているもの(これは犯罪を構成する)と、子どもが自分自身を表現した自撮りによる性的なコンテンツまたは表現物を製造する行為は、区別されなければならない。委員会は、このような表現物が自撮りで製造されたものであることにより、子どもが被害者として扱われるのではなく責任を有するとみなされるおそれが高まりうることを懸念するとともに、子どもは自分自身の画像を製造したことについて刑事責任を問われるべきではないことを強調する。このような画像が、子ども本人の意思に反し、強要、恐喝またはその他の形態の不当な圧力の結果として製造されたときは、子どもにそのようなコンテンツを製造させた者が裁判にかけられるべきである。その後、このような画像が子どもの性的虐待表現物として配布され、頒布され、輸入され、輸出され、提供されまたは販売されたときは、これらの行為について責任を有する者の刑事責任も問われるべきである。 68.性的目的での子どもの勧誘を指す用語として「グルーミング」がしばしば用いられる。これは、オンラインまたはオフラインでの性的接触を容易にする目的で、直接またはICTの使用を通じて子どもとの関係を確立するプロセスを指すものである。グルーミングすなわち性的目的での子どもの勧誘は、選択議定書では明示的に対象とされていないものの子どもの性的搾取の一形態であり、選択議定書で対象とされている犯罪を構成する場合がありうる。たとえば、子どものグルーミングには子どもの性的虐待表現物(「児童ポルノ」)の製造および配布がともなうことが多い。 69.子どもに対する性的強要(「セクストーション」と呼ばれることもある)とは、子どもが、その子どもを描いた性的表現物をたとえばソーシャルメディアでシェアするという脅しのもと、性的交渉、金銭その他の利益を与えることに無理やり合意させられる行為態様である。この行為態様はグルーミングおよびセクスティングと結びついていることが多く、委員会は、加害者からのより過激な、暴力的な、嗜虐的なかつ品位を傷つける要求が増加しているために子どもたちが過酷なリスクにさらされていることを懸念する。 70.委員会は、子どもが性的活動を目撃させられることもあることに留意するとともに、締約国に対し、性的目的で子どもに性的虐待または性的活動を目撃させる意図的行為を、たとえ子どもがそのような行為への参加を強いられなくとも、犯罪化するよう奨励する。 71.性犯罪と闘うための立法上その他の措置においては、罪を犯した大人と子どもが明示的に区別されるべきであり、後者の更生可能性をとくに重視することが求められる。性犯罪の定義および禁止について考える際には、子どもおよび青少年を、その特別な地位ゆえに、刑事司法制度に引きこまないようにすることが重要である。子どもは常に特別制度において対応されるべきであり、そこでは、適切な場合にはダイバージョンによって子どもを治療サービスに付託すること、および、前科の記録または登録簿への登載を回避することが求められる。 72.委員会は、18歳未満の子どもはいかなる形態であれ自分自身の売買、性的搾取または性的虐待にけっして同意できないこと、および、締約国は、18歳未満のいかなる子どもに対して実行されたものであっても、選択議定書で対象とされているすべての犯罪を犯罪化しなければならないことを強調する。搾取的または虐待的な性的行為に対して子どもが同意したという推定は、いかなるものも無効とされるべきである。 73.締約国は、同年代の青少年が行なった同意に基づく性的活動を犯罪化するべきではない。 VI.制裁 74.委員会は、選択議定書第7条に基づき、締約国が、選択議定書に基づく犯罪を実行しまたはその便宜を図るために用いられたあらゆる物品および当該犯罪から生じた収益の押収および没収に対応するための措置をとり、かつ、当該犯罪を実行するために用いられた施設の閉鎖を目的とした措置をとる義務を負っていることを想起する。この点に関する国際協力も保障されるべきであり、またこのような押収または没収を求める他の締約国からのいかなる請求も実行されるべきである。 75.選択議定書で対象とされている犯罪を実行しまたは容易にするためのICTの利用が増えていることに鑑み、締約国は、このような犯罪を実行するために利用されるさまざまな電子的手段(ハードウェアおよびソフトウェアの双方を含む)に緊密な注意を払わなければならない。委員会は、これらの、このような犯罪を実行する新たな方法に対して選択議定書第7条を適用する必要があることを強調するものである。このような新たな方法では、伝統的用語法にいう物理的施設ではないチャットルーム、オンライン・フォーラムその他のオンライン空間のような、オンラインの「施設」が用いられる場合もある。 76.選択議定書で対象とされている犯罪の捜査中に証拠を収集する方法、当該証拠を保存する方法、場所および期間ならびに当該証拠へのアクセス権を持つ者について、明確な規則および手続が定められるべきである。委員会はまた、締約国に対し、証拠、とくに子どもの性的虐待表現物(これが流布されることは、もともとの犯罪が実行された後も、長期にわたり被害者が再被害を受け続けることにつながりうる)の廃棄に関する明確な規則を定めることも勧告するものである。 77.子どもの売買および性的搾取は子どもの権利を深刻に侵害するものであり、被害を受けた子どもに長期にわたる悪影響を及ぼす。委員会は、締約国に対し、選択議定書第3条にしたがい、選択議定書で対象とされているすべての犯罪を、自国の刑法に基づき、その重大な性質を考慮した適当な刑罰によって処罰できるようにするよう、促すものである。 78.犯罪の共謀、犯罪への参加および犯罪の未遂は区別されるべきである。選択議定書で対象とされている犯罪の実行におけるこれらの異なる役割は、それぞれ国内刑法で犯罪化することが求められる。 79.締約国は、選択議定書で対象とされている犯罪の実行、未遂、共謀または当該犯罪への参加について、刑事法、民事法または行政法に基づいて法人の責任を問えることを確保しなければならない。締約国は、自社のサーバーで提供されている子どもの性的虐待表現物をブロックしかつ削除するICT企業の責任、そのようないずれかの犯罪のための支払いを意図した金銭取引を阻止しかつ拒否する金融機関の責任、子どもを保護するための措置をとるスポーツ産業および娯楽産業の責任、ならびに、子どもの性的搾取の便宜を図らないようにする旅行・観光セクター(オンライン旅行代理店および予約サイトを含む)の責任を、法律で定めるべきである。 VII.裁判権および犯罪人引渡し 80.前掲第V節で取り上げたように、締約国は最低限、選択議定書第3条(1)に掲げられているすべての犯罪について、当該犯罪が自国の領域においてまたは自国に登録された船舶もしくは航空機において行なわれた場合(当該船舶または航空機の所在を問わない)の刑事裁判権を設定しなければならない。このような裁判権により、国は、加害者とされる者または被害者が自国の国民であるか否かにかかわらず、これらのすべての犯罪を捜査しかつ訴追することが可能になる。必要なときは、国は加害者とされる者の国際逮捕状を発布できる。委員会は、締約国に対し、この義務を遵守するための法律の整備を確保するよう促すものである。 81.委員会は、締約国に対し、被害を受けた子どもを発見しかつ救出する警察の捜査能力を拡大し、かつ、法執行機関が身分秘匿捜査の訓練を受けかつこのような捜査を実行できるようにするよう促す。このような捜査は、子どもの性的虐待表現物の製造および配布のような犯罪を捜査するうえできわめて重要である。委員会はまた、締約国に対し、この点に関する国際協力を強化するとともに、子どもに対する犯罪に対処するために国際刑事警察機構(インターポール)が開発してきた専門的スキルおよびリソースを活用するよう、奨励する。 82.選択議定書第4条(2)にしたがい、各締約国はまた、犯罪を行なったとされる者が自国の国民もしくは自国の領域に常居所を有する者である場合または被害者が自国の国民である場合にも、選択議定書で対象とされている犯罪であって自国の領域外で実行されたものについての裁判権(域外裁判権)を設定するべきである。国は、域外裁判権に基づき、上記の基準が満たされているときは犯罪を行なったとされる者の捜査および訴追を開始することができる。このような対応をとるために、犯罪を行なったとされる者が当該国の領域にいる必要はない。犯罪者の捜査および訴追について第一次的責任を負うのは犯罪実行地である国だが、犯罪を行なったとされる者の国籍国または常居所国も捜査および訴追の権限(犯罪を行なったとされる者の国際逮捕状の発布も含まれる場合がある)を有する。 83.域外裁判権に関する法律について、委員会は、締約国に対し、被害を受けた子どもが国民ではないものの自国の領域に常居所を有している場合の事件も含めるよう奨励する。 84.締約国は、双方可罰性要件を撤廃し、選択議定書で対象とされている犯罪であって他の国で実行されたものについて、たとえ関連の犯罪が当該国では犯罪化されていない場合でも域外裁判権を行使できるようにするべきである。双方可罰性の原則は、不処罰を可能とする空白を法律につくり出すものであり、適用されるべきではない。 85.域外裁判権は、子どもの売買または性的搾取を構成する犯罪を行なった者が他国に渡航する可能性が高い場合(臓器取引もしくは違法な国際養子縁組のための売買または旅行および観光における性的搾取の場合など)に、とりわけ重要となる。搾取は、犯罪を行なった者が犯罪発生国を離れるまで発覚しない場合があるため、締約国が犯罪者を訴追できることを確保することが不可欠である。 86.委員会は、締約国に対し、最低限、犯罪を行なったとされる者が自国の領域内におり、かつ当該犯罪が自国の国民によって行なわれたという理由でその者を他の締約国に引き渡さない場合には、選択議定書で対象とされている犯罪であって国外で実行されたものについて裁判権を設定しなければならないこと(第4条(3))を想起するよう求める。委員会は、締約国に対し、この義務を遵守するために必要なあらゆる法改正を行なうよう促すものである。国境に抜け道が多数存在し、犯罪を行なった者が異なる国々で容易に移動しかつ行き来できる状況においては、不処罰と闘うため、地域的な法執行および司法協力が不可欠となる。 87.委員会は、子どもに対する性犯罪を実行する目的でのICTの利用が増えていること、および、領域性にとっての新たな課題が生じていることを懸念する。犯罪を行なう者は、たとえば、ある国にいながら、子どもが他国で性的虐待を受けている様子をライブストリーミングで視聴し、注文を出すことさえできる。いまなお広く存在する、「実際の」行為がなければ処罰されないというこのような状況に効果的に終止符を打ち、かつICTを利用して犯罪を実行した犯罪者が訴追されることを確保するため、委員会は、締約国に対し、選択議定書で対象とされているすべての犯罪について普遍的裁判権を設定すること、すなわち、犯罪を行なったとされる者または被害者の国籍または常居所国にかかわらずこのような犯罪を捜査しかつ訴追できるようにすることを奨励するものである。さらに、委員会は、選択議定書で対象とされている犯罪の多くはICTの利用を通じて実行しまたは容易にすることも可能であり、これらの犯罪がこのような形で行なわれた場合にも裁判権の対象とされなければならないことを想起する。 88.委員会は、第5条に基づき、選択議定書で対象とされている犯罪についての犯罪人引渡しに関して次のような規則が定められていることを想起したい。 (a) 選択議定書は、そこで定められている犯罪について締約国間で犯罪人引渡しを行なうための十分な法的根拠を提供している。したがって、これらの犯罪に関するかぎり、かつ第5条(2)にしたがって、締約国は、引渡しの請求に応じることができるようにするために他の締約国と犯罪人引渡し条約を締結する必要はない。 (b) 条約の存在を犯罪人引渡しの条件としていない締約国は、第5条(3)にしたがい、相互間でこのような犯罪を引渡し犯罪とみなすべきである。 (c) このような犯罪は、第5条(4)にしたがい、かつ締約国間における犯罪人引渡しの実行上、その発生地のみならず、第4条にしたがって裁判権を設定することを求められている国の領域においても行なわれたものとして取り扱われるべきである。加えて、締約国は、犯罪を行なったとされる者が自国民であるという理由で引渡しを行なわない場合、第5条(5)に基づき、引渡しか訴追かの義務にのっとって当該国民を訴追するための措置をとるよう求められる。 89.委員会は、締約国に対し、選択議定書で対象とされているいずれかの犯罪の未遂ならびに共犯および当該犯罪への参加に対しても犯罪人引渡しを適用するよう奨励する。 VIII.被害を受けた子どもの、法的手続における援助および保護に対する権利 A.一般的所見 90.委員会は、刑事司法制度を子どもにとってよりアクセシブルかつ好意的なものとするうえで締約国が達成してきた相当の進展を認識するとともに、子どもが刑事司法制度を利用できるようにエンパワーメントを図る効果的な方法を見出すことの重要性を強調する。このことは、いまなお刑事司法制度に関わりまたは刑事手続に参加することが稀である、選択議定書で対象とされている犯罪の被害を受けた子どもにとって、とりわけ妥当するものである。 91.委員会は、締約国およびその他の関係者に対し、法的手続において援助および保護を受ける子どもの権利を確保する際の指針として、「子どもの犯罪被害者及び証人に関わる事項における正義についてのガイドライン」を活用するよう奨励する。 92.委員会は、締約国に対し、子どもの行為能力にかかわらず、被害を受けた子どもが情報を提供される権利および年齢にふさわしくかつジェンダーに配慮した方法で意見を聴かれる権利を確保するよう促す。被害を受けた子どもおよびその親、保護者または法定代理人に対しては、加害者とされる者に対する刑事告訴について十分な情報に基づく決定を行なうのに役立つよう、必要なすべての情報がこれらの者の理解できる言語で提供されるべきである。このような情報には、これらの者の権利、刑事手続におけるその役割ならびに参加のリスクおよび利点に関する情報が含まれる。これらの者が法的手続に参加することになった場合、定期的に最新状況を伝え、遅延に関する説明を行ない、主要な決定について協議し、かつ審判または公判の前に十分な準備ができるようにするべきである。 93.委員会は、締約国に対し、条約第3条および自己の最善の利益を第一次的に考慮される子どもの権利についての一般的意見14号(2013年)にしたがい、犯罪を行なったとされる者の刑事訴追における第一次的考慮事項として子どもの最善の利益を採用するよう促す。この文脈においては子どもの回復およびウェルビーイングが正当に考慮されるべきであり、被害者に対し、刑事手続に関与するようになる前に必要な支援を受けるための一定の期間を認めることがまず必要になるかもしれない。この点は、犯罪を行なったとされる者」が子どもの家族構成員である場合および子どもをいずれかのまたは複数の家族構成員から分離しなければならない場合には、いっそう重要となりうる。このような事案では、きょうだいに対する適正な考慮も必要である。 94.被害を受けた子どもの証言への依存を軽減するため、委員会は、締約国に対し、犯行現場の証拠物(デジタル証拠を含む)および法廷へのそのような証拠の提出ならびに証拠規則(子どもの性的虐待事件における遮蔽法など)を全面的かつ効果的に活用するよう、強く奨励する。同様の趣旨で、委員会は、締約国に対し、被害者による告訴がなくとも検察機関が捜査を開始できるようにするよう促すものである。 B.カウンセリング、通報および苦情申立ての機構 95.選択議定書で対象とされている犯罪の被害を受けた子どもは、自分に対して行なわれたことを通報する可能性がとりわけ低く、または犯罪が行なわれてから何年も経てからでなければ通報しない場合もある。このように何があったかを明らかにしにくいことの背景には、恐怖感、恥辱感または罪悪感などのさまざまな理由が存在し、これは加害者が自分の知り合いであるためであることも多い。このことに照らし、委員会は、締約国が、このような犯罪については時効を設けないよう勧告する。時効が定められている場合、委員会は、締約国に対し、犯罪の特有の性質にあわせて時効を修正し、かつ被害者が18歳に達するまで時効の期間が開始しないことを確保するよう、促すものである。 96.委員会は、締約国に対し、自分の言うことが信用され、かつ安心して話せると子どもが感じられる環境づくりに資する援助および保護の枠組みを用意するよう促す。とくに、締約国は次のことをするべきである。 (a) 被害を受けた子どもによる虐待の事実の開示を促進するため、広く利用可能で、容易にアクセスでき、子どもおよびジェンダーに配慮した、かつ秘密が守られる、子どもを対象とする心理社会的カウンセリングおよび通報のための機構を設置すること。このような機構は法律で規制されるべきであり、かつ、子どものケアおよび保護に責任を負う主体、機関および施設について明確に定められるべきである。このような機構には、子どもが通報するための回路(オンラインおよび電話によるヘルプラインその他の窓口など)ならびに子どもの保護制度、法執行制度および司法制度を含めることが求められる。このような機構は、子どもが、自分がもっとも安心だと感じられる方法で(たとえ匿名であっても)助けを求め、かつ性的虐待を受けた場合には通報できるようなものであるとともに、性的にあからさまな自撮りコンテンツに関しても助言または助けを求められるようなものであるべきである。 (b) バーナフス(Barnahus「子どもの家」)または子どもにやさしくかつ多職種の専門家が関わる同様のワンストップセンターのような、子どものケアおよび保護のための介入(治療サービスおよび医療サービスの提供によるものを含む)を行なうさまざまな主体が結集するモデルを活用し、被害を受けた子どもおよび目撃者である子どものためのサービスを、1か所の安全な場所に一元化すること。このような場所は、被害を受けた子どもおよび目撃者である子どもが、安全な環境で、子どもおよびジェンダーに配慮した、専門的かつ効果的な、これらの子どもの最善の利益を常に保全する対応を享受できることを確保するための、多職種の専門家による機関横断的連携の機会を提供するものである。 (c) 人権保障に責任を負う国家的機関(国家人権機関またはオンブズパーソンなど)に対し、子どもからの苦情申立てを子どもおよびジェンダーに配慮したやり方で受理し、調査しかつこれに対応するとともに、被害者のプライバシーおよび保護を確保し、かつ被害を受けた子どものための活動の監視、フォローアップおよび検証を行なう具体的権限を付与すること。 (d) 上述したすべてのサービスへのアクセスは犯罪に関連するいずれかの手続に子どもが参加するか否かにかかわらず保障されることを、法律により疑問の余地なく明確にすること。 C.刑事司法手続への参加 97.委員会は、締約国に対し、選択議定書で対象とされている犯罪の被害を受けた子どもに刑事司法手続のあらゆる段階で適切な支援および法律相談を提供しかつその権利および利益を保護する義務、ならびに、子どもの最善の利益が第一次的に考慮されることを確保する義務を想起するよう求める。このような義務には次のものが含まれる。 (a) 法的手続および捜査手続が子どもおよびジェンダーに配慮したものであることを確保するとともに、関係職員が個々の子どもの具体的ニーズに合わせてこれらの手続を修正できるようにすること。証拠価値を高め、かつ子どもの二次被害を回避するため、子どもにやさしい環境において、エビデンスに基づく標準手続にしたがって司法面接が実施されるべきである。犯罪を行なったとされる者との対峙および複数回の面接は避けることが求められる。委員会は、子どもの証言が適正手続の条件のもとで法廷外において聴取し、かつ法廷で証拠として認容されるようにすることを勧告する。警察官、裁判官、検察官および弁護士は、子どもの権利および子どもにやさしい司法措置に関する訓練を受けているべきである。 (b) 捜査および公判手続において被害を受けた子どものプライバシーを保護するとともに、被害を受けた子どもを脅迫および報復から適切かつ十分に保護されることを保障するための法律上および実務上の措置を確保すること。 (c) 刑事司法手続の間、被害を受けたすべての子どもに対し、無償の法的援助(子どもの代理人として、国内法制度に応じ、弁護士もしくは訴訟後見人または他の資格のある代弁者を任命することを含む)および十分な訓練を受けた専門家(児童精神科医、心理学者およびソーシャルワーカーなど)による精神保健上の支援を提供すること。 (d) 可能なときは、公判中、被害を受けた子どもが出廷することなく聴聞されることを可能にするために適切な通信技術を活用すること。このことは、子どもに対して国外で実行された選択議定書上の犯罪に関わる司法手続において、他国にいる被害者の証言を聴聞できるようにするために必要不可欠となる。このような技術的手段が利用可能でない場合または公判の際に子どもがその場にいることがどうしても必要な場合、締約国は、たとえば子どもと被告人を交互に出廷させるなどの対応により、子どもが加害者とされる者と対峙しないことを確保するべきである。 (e) 加害者とされる者が親、家族構成員、他の子どもまたは主たる養育者であるときは、必要に応じて特別な予防的措置をとること。このような措置においては、子どもの告白が、子ども自身の状況および犯罪に関与していない他の家族構成員の状況の悪化ならびに子どもが経験したトラウマの悪化につながるべきではないことが、慎重に考慮されるべきである。委員会は、締約国に対し、被害を受けた子どもではなく加害者とされる者を分離することを検討するよう奨励する。分離は、子どもによって、処罰として経験される可能性があるためである。 98.委員会は、子どもにやさしい司法の中核的原則のひとつが手続の迅速性であることを再確認する。選択議定書で対象とされている犯罪の通報後の対応は、遅れるべきではない。子どもの売買、性的搾取および性的虐待に関する事件は、優先的進捗管理、連続審理その他の手法を通じて迅速に進められるべきであり、遅延は、子どもの意見および最善の利益を考慮した後でなければ認められるべきではない。 99.委員会は、締約国に対し、上述した援助および保護のための措置を、刑事手続、民事手続および行政手続に関与する子どもの被害者および証人に対しても適宜適用するよう、強く奨励する。 IX.被害を受けた子どもの、回復、家族および社会への再統合ならびに補償・賠償に対する権利 100.委員会は、締約国に対し、被害を受けた子どもに救済を提供すること、これらの子どもが自己の受けた危害について補償・賠償を得られるようにすることならびにこれらの子どもの回復および再統合を可能にすることは犯罪を行なった者を処罰するのと同じぐらい重要であり、選択議定書第9条(3)および(4)に基づく義務であることを想起するよう求める。委員会は、この目的のため、締約国が次の措置をとるよう勧告するものである。 (a) 被害者の医療ケア、社会的再統合ならびに身体的および心理的回復のための関連サービスに、当該サービスを必要とするすべての子どもが全国的に無償でアクセスできること、ならびに、当該サービスを提供する者が公認の訓練を受けかつ必要な専門性を有していることを確保すること。 (b) 締約国の領域内にいる外国人の被害者も対象として、緊密にモニタリングされる公判後の再統合サービスを含む包括的な連続的ケアおよび支援を発展させること。 (c) 被害を受けた子ども1人ひとりについてどのような形態の補償・賠償が望ましいか、その子どもの具体的状況、個人的見解および人生展望に応じて注意深く検討すること。加えて、または金銭的補償に代わる手段として、被害者に長期的に利益を与えうる、教育および(または)所得創出活動のための金銭的その他の支援という形態で補償を行なうこともできる。 101.オンラインで行なわれた性的搾取および虐待を発見したとしても、必ずしも犯罪を行なった者および被害を受けた子どもが特定可能な形で明らかになるとは限らない。締約国は、共助および国際協力ならびにインターポール等も通じて被害者の特定を強化し、かつその救出および帰還の指針を示すための明確な措置をとるべきである。締約国はまた、犯罪を行なった者を特定するためにも、画像分析システムを含む同様の手段を活用することが求められる。 102.選択議定書で対象とされている犯罪を実行しまたは容易にするためにICTが利用された事件では、多くの場合、子どもの性的虐待表現物という形で永久に記録が残る。委員会は、このことが子どもの回復および再統合に継続的影響を及ぼしうることについて深く懸念するものである。締約国は、このような状況に関する意識を高めるとともに、必要に応じて長期的な社会サービスおよび心理サービスを提供するための十分な措置をとるよう求められる。 103.子どもの性的虐待を描写した表現物がオンラインで存在し続けかつ流布され続けることには、子どもに対するスティグマを悪化させ、かつ子どもおよびその家族が感じる可能性のある恥辱感を高めることにより、家庭およびコミュニティへの再統合をより困難にするおそれもある。委員会は、締約国が、子どもが関わる有害な表現物へのアクセスおよびそのシェアが続くことを防止するため、このような表現物をブロックしかつ削除するための迅速かつ効果的な手続を用意するよう勧告する。このような手続は、法執行機関および通報用ホットラインならびに民間セクター(とくにインターネット・サービス・プロバイダおよびソーシャルネットワーク)と連携しながら設けられるべきである。 104.締約国は、法的援助の提供または国が運営する補償制度の設置等を通じ、被害者が、その経済的状況にかかわらず、法的措置を通じて補償・賠償を請求できるようにするとともに、被害者が、当該犯罪に関与していたことを理由に補償・賠償を受ける資格がないとみなされないことを確保するべきである。このような法的手続が民事訴訟に基づくものである場合、当該手続に、刑事手続について述べたものと同一の子どもおよびジェンダーに配慮した措置を適宜統合することが求められる。 105.補償・賠償の問題は、子どもの売買、性的搾取および性的虐待がICTの利用を通じて実行されまたは容易にされた事件において、とりわけ複雑なものとなる。子どもは、カメラの前で性的虐待を受けるときだけではなく、他者がその虐待の画像その他の表現にオンラインでアクセスするたびに深刻な危害を受けるのである。子どもの性的虐待表現物で描写された被害者に対する賠償が制定法により要求されている国でさえ、裁判所にとって、各視聴者が子どもに支払うべき賠償額を算定するのは困難であることが明らかになっている。 106.有罪判決を受けた加害者から被害者が賠償を受けられる可能性を高めるため、締約国は、手続の早い段階で被告人の資産の特定および差押えをできるようにするとともに、被害者が没収財産から支払いを受けられるようにする目的でマネーロンダリング法を改正するよう、奨励される。補償・賠償措置は国際基準に則って執行されるべきである。 107.委員会は、締約国に対し、犯罪を行なった者の捜査および訴追が、正義を手にする被害者のリハビリテーションの手段としても機能し、かつ抑止を通じて他の同様の犯罪の防止にもつながる可能性があることを想起するよう求める。この文脈において、委員会は、締約国に対し、選択議定書で対象とされている犯罪に対する責任の履行を確保することおよび不処罰と闘うことに関する政治的意思を示し、かつ積極的に行動するよう奨励するものである。 X.共助および国際協力 108.委員会は、締約国に対し、自国が、選択議定書第6条(1)に基づき、議定書で対象とされている犯罪に関わって進められる捜査または刑事手続もしくは犯罪人引渡し手続との関連で、相互に最大限の援助(これらの手続のために必要であり、かつ自国が提供することのできる証拠の取得に関する援助を含む)を与えなければならないとされていることを想起するよう求める。具体的には、締約国は、犯罪捜査に役立つ可能性がある情報を共有するとともに、自国の領域における捜査を容易にすることに対して可能なあらゆる方法で貢献するべきである。 109.選択議定書第10条の規定にしたがい、締約国は、よい幅広く、選択議定書で対象とされている犯罪の防止、発見、捜査ならびに当該行為に責任を負う者の訴追および処罰のために協力しなければならないとされている。このような協力では、とくに、発見および通報のための効果的制度、情報共有ならびに犯罪の証拠(電子証拠を含む)の時宜を得た保全および送達が対象とされるべきである。協力においては、回復、再統合および帰還に関する被害者への援助も適宜対象とすることが求められる。 110.委員会は、締約国に対し、選択議定書ならびに性的搾取および性的虐待からの子どもの保護を目的とするその他の法的文書の規定を国際的援助の増進を通じて実施するにあたり相互に援助(社会的および経済的開発、貧困根絶プログラムならびに教育の完全普及のための支援を含む)を行なうための適切な措置をとるよう奨励する。 111.委員会は、締約国に対し、国家機関、法執行機関、司法当局その他の関係機関が関与する二国間および多国間の協定を締結するよう、強く奨励する。犯罪を行なった者の特定、捜査および裁判所における訴追ならびに被害者の特定を可能とするための技術的ツールを開発する目的で、民間セクターおよび専門の非政府組織とのパートナーシップも確立されるべきである。 112.締約国は、国境を越えて実行された犯罪の証拠への権限保有者によるアクセスの便宜を図ることによって、いっそうの協力を通じ、子どもの売買、子どもの性的搾取および性的虐待(オンラインおよびオフラインのどちらで行なわれたものも含む)の実効的捜査および訴追を妨げる障壁を取り除くべきである。 113.委員会は、締約国に対し、売買および性的搾取から子どもを保護するための国内的および国際的連合体を支援し、かつ、犯罪ネットワークおよび加害者の捜査および訴追における効果的協力を確保するよう奨励する。 更新履歴:ページ作成(2019年2月4日)。
https://w.atwiki.jp/dreamnine/pages/1615.html
番号 ★ 名前 番号 ★ 名前 番号 ★ 名前 番号 ★ 名前 3497 3 佐藤 達也(S3+) 3498 2 高橋 信二(S3+) 3499 2 平井 正史(S3+) 3500 2 比嘉 幹貴(S3+) 3501 1 原 拓也(S3+) 3502 1 中村 一生(S3+) 3503 1 伏見 寅威(S3+) 3504 1 宮崎 祐樹(S3+) 3505 1 戸田 亮(S3+) 3549 4 八木 智哉(招待/あの夏のヒーロー) 3689 6 金子 千尋(S3++) 3701 5 金子 千尋(S3++) 3713 3 金子 千尋(S3++) 3734 5 井川 慶(TS/赤SS) 3813 6 平野 佳寿(S4) 3825 5 平野 佳寿(S4) 3837 3 平野 佳寿(S4) 4009 5 平野 恵一(S4/青SS) 4010 5 平野 恵一(S4) 4011 4 東野 峻(S4)
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/206.html
総括所見:オーストラリア(第4回・2012年) 第1回(1997年)/第2回・第3回(2005年)OPAC(2012年)/OPSC(2012年) CRC総括所見日本語訳(国別)/CRC総括所見日本語訳(会期順) CRC/C/AUS/CO/4(2012年8月28日) 原文:英語(平野裕二仮訳) 原文は国連人権高等弁務官事務所のサイト(国別情報のページまたはCRC会期一覧ページ)を参照。 1.委員会は、2012年6月4日および5日に開かれた第1707回および第1708回会合(CRC/C/SR.1707 and 1708参照)においてオーストラリアの第4回定期報告書(CRC/C/AUS/3-4〔ママ〕)を検討し、2012年6月15日に開かれた第1725回会合(CRC/C/SR.1725参照)において以下の総括所見を採択した。 I.序 2.委員会は、委員会の報告ガイドラインにしたがって提出された締約国の第4回定期報告書(CRC/C/AUS/4)、および、委員会の事前質問事項に対する文書回答(CRC/C/AUS/Q/4/Add.1)を歓迎する。委員会は、締約国の多部門型代表団との建設的対話を評価するものである。 3.委員会は、締約国に対し、この総括所見は、武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書(CRC/C/OPAC/AUS/CO/1)および子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する選択議定書(CRC/C/OPSC/AUS/CO/1)に基づく締約国の第1回報告書に関して採択された総括所見とあわせて読まれるべきであることを想起するよう求める。 II.締約国によりとられたフォローアップ措置および達成された進展 4.委員会は、以下の立法措置がとられたことを積極的対応として歓迎する。 (a) 締約国のすべての法律について、その可決前に、オーストラリアが加盟している7つの中核的国際人権文書で認められまたは宣言された人権および自由との両立性評価が行なわれなければならないと定めた、2011年・人権(議会精査)法(2011年)。 (b) 子どもが双方の親と意味のある関係を持つ権利を、これが安全である場合には引き続き促進する一方で、家族法制度における子どもの安全を優先させる、2011年・家族法改正(家族間暴力およびその他の措置)法(連邦法)。 (c) 乳幼児期の教育およびケアについて国レベルの質的枠組みを定めた、2010年・教育およびケアサービス国家法。 5.委員会はまた、以下の文書の批准またはこれへの署名も歓迎する。 (a) 子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書(2007年)。 (b) 拷問および他の〔残虐な、〕非人道的なまたは品位を傷つける取扱いまたは刑罰に関する条約の選択議定書(2009年)。 (c) 障害のある人の権利に関する条約(2009年)。 (d) 障害のある人の権利に関する〔条約の〕選択議定書(2009年)。 (e) 女性に対する〔あらゆる形態の〕差別の撤廃に関する条約の選択議定書(2008年)。 6.委員会はまた、以下の制度的措置および政策措置も歓迎する。 (a) 「女性およびその子どもに対する暴力を減少させるための国家計画(2010~2022年)」(2010年)。 (b) 「オーストラリアの子どもの保護のための国家枠組み(2009~2020年)」(2009年)。 (c) 「国家乳幼児期発達戦略」(2009年)。 (d) 全国若者フォーラムの創設(2008年)。 (e) アボリジナルおよびトレス諸島民の子どもに関わる「盗まれた世代への国家的謝罪」(2008年)および「忘れられたオーストラリア人およびかつての子ども移民への、総理大臣による国家的謝罪」(2009年)。 (f) 「不利な立場に置かれた先住民族の格差縮小のための国家的統合戦略」(2008年)。 III.主要な懸念領域および勧告 A.実施に関する一般的措置(条約第4条、第42条および第44条6項) 委員会の前回の勧告 7.前回の報告書に関する総括所見(CRC/C/15/Add.268)を実施するための締約国の努力は歓迎しながらも、委員会は、そこに掲げられた勧告の一部について十全な対応がとられていないことを懸念する。 8.委員会は、締約国に対し、第2回・第3回統合定期報告書についての総括所見に掲げられた勧告のうちまだ実施されていないもの(とくに条約第37条(c)への留保、立法、調整、子どもの意見の尊重、結社の自由、体罰および少年司法の運営に関するもの)に効果的に対応するため、あらゆる必要な措置をとるよう促す。 留保 9.委員会は、前回の勧告(CRC/C/15/Add.268、パラ8)にも関わらず、締約国が、条約第37条(c)に付された留保を撤回していないことを遺憾に思う。委員会は、当該留保の背景にある論理と条約第37条(c)の規定との間に矛盾はなんら存在しないように思われるため、第37条(c)に付された締約国の留保は不必要である旨の見解(CRC/C/15/Add.268、パラ7)を、あらためて繰り返すものである。委員会はさらに、締約国がその留保において表明している懸念については、 自由を奪われたすべての子どもが、「子どもの最善の利益に従えば成人から分離すべきでないと判断される場合を除き」成人から分離されるものとし、かつ子どもは「家族との接触を保つ権利を有する」と定めた第37条(c)によって十分に配慮されている旨の見解を、あらためて繰り返す。 10.委員会は、1993年のウィーン宣言および行動計画に照らし、締約国が留保の全面的撤回に向けた努力を継続しかつ強化するべきである旨の前回の勧告(CRC/C/15/Add.268、パラ8)を、あらためて繰り返す。 立法 11.委員会は、条約の諸側面を実施するためのいくつかの法律を連邦および州のレベルで通過させる目的で締約国が行なってきた努力に、積極的対応として留意する。しかしながら委員会は、締約国の国内法において条約に全面的かつ直接の効力を与える包括的な子どもの権利法が国レベルでは引き続き存在しないこと、および、そのような法律を通過させた州が2つしかないことを、依然として懸念するものである。この文脈において、委員会はさらに、締約国が連邦制をとっていることから、このような法律が存在しない結果として領域全体における子どもの権利の実施に断片化および不整合が生じており、そのため、同様の状況に置かれた子どもが、どの州または準州に居住しているかによって権利の充足の度合いが異なるという事態に陥っていることに、留意する。 12.委員会は、締約国が、国内法および国内実務を条約の原則および規定と一致させ、かつ、子どもの権利が侵害された際に効果的救済措置が常に利用可能とされることを確保するための努力を強化するべきである旨の前回の勧告(CRC/C/15/Add.268、パラ10)を、あらためて繰り返す。さらに委員会は、締約国が、条約および諸選択議定書の規定を全面的に編入し、かつ締約国の領域全域におけるこれらの規定の一貫した直接適用についての明確な指針を提示する、国レベルの包括的な子どもの権利法の制定を検討するよう勧告するものである。 調整 13.委員会は、2007年の政権交代後も、家族・住宅・コミュニティサービス・先住民族問題大臣が子どもの権利に関する国レベルの責任を引き続き負っている旨の、締約国の説明に留意する。しかしながら委員会は、連邦制によって、条約の一貫した実施のための活動の調整に関する実際的課題が生じており、その結果、締約国の州および準州における条約の実施に相当の格差がもたらされていることを、依然として懸念するものである。 14.委員会は、締約国が、条約の実施に責任を負う機関および省庁の政策および戦略の一貫性を領域全域で確保することについてオーストラリア連邦諸政府評議会に助言を提供する、十分な人的資源、技術的資源および財源を有する専門的な機関または機構の設置を検討するよう、勧告する。委員会はまた、家族・住宅・コミュニティサービス・先住民族問題省に対し、子どもの権利に関する調整責任を果たすための具体的権限、能力および資源が提供されるべきことも、勧告するものである。 国家的行動計画 15.「女性およびその子どもに対する暴力を減少させるための国家計画」、「オーストラリアの子どもの保護のための国家枠組み(2009~2020年)」および「国家乳幼児期発達戦略」の採択には留意しながらも、委員会は、条約を全体として実施するための包括的な国家的行動計画が存在しないこと、および、これらの計画の実施を連携させる明確な機構が設けられていないことを、依然として懸念する。 16.委員会は、締約国が、条約の原則および規定を全般的に実現するための、かつ州および準州が同様の計画または戦略を策定するための枠組みとなりうる包括的戦略を、子どもおよび市民社会と協議しながら策定しかつ実施するよう、勧告する。委員会はさらに、締約国が、この包括的な戦略および行動計画の実施のために十分な人的資源、技術的資源および財源を配分するよう、勧告するものである。 独立の監視 17.委員会は、締約国のすべての州および準州において子どもコミッショナーまたは独立の監視機関が設置されていることを評価する。委員会はまた、締約国が、国家子どもコミッショナー(NCC)の設置のための法律を提出したことも歓迎するものである。しかしながら委員会は、NCCに対して当初配分される支援が、とくに子どもからまたは子どもに代わって提出される苦情に対して十全かつ迅速な対応および救済を行なう実効的能力を与えられることとの関連で、その任務の全面的実現を確保するためには十分でないことを、懸念するものである。さらに委員会は、独立の立場から子どもの権利を監視する既存の機構および他の関連の制度に、アボリジナルおよびトレス諸島民の代表が十分に存在しないことを懸念する。 18.子どもの権利の促進および保護における独立した国内人権機関の役割に関する委員会の一般的意見2号(2002年)および条約第4条を考慮にいれながら、委員会は、国家子どもコミッショナーに対し、十分な人的資源、技術的資源および財源が提供され、かつ、子どもからまたは子どものために提出される苦情に子どもに配慮したやり方で迅速に対応することとの関連も含めて職務を効果的に遂行するために必要な免責が保障されることを確保するため、締約国が適切な措置をとるよう勧告する。さらに委員会は、アボリジナルおよびトレス諸島民のコミュニティで子どもの権利が効果的に監視されることを確保するため、締約国が、国および(または)州/準州のレベルでこれらのコミュニティの子どもの問題を担当する副コミッショナーを任命することを検討するよう、勧告するものである。 資源配分 19.締約国が世界でもっとも豊かな経済国のひとつであり、かつ相当量の資源を子ども関連のプログラムに投資していることを心に留めつつ、委員会は、締約国が、国および州/準州段階の予算の策定および配分に関して子どもに特化したアプローチを用いていないことから、子どもに対する投資の効果および予算的観点からの条約の全般的適用状況を明らかにし、監視し、報告しかつ評価することが実務上不可能となっていることに、留意する。 20.「子どもの権利のための資源配分――国の責任」に関する2007年の一般的討議の際に委員会が行なった勧告に照らし、かつ条約第2条、第3条、第4条および第6条を強調しながら、委員会は、締約国が、国、州および準州の段階で子どものニーズを十分に考慮し、関連の部門および機関において子どもに明確な配分を行ない、かつ具体的な指標および追跡システムを備えた予算策定手続を確立するよう、勧告する。加えて委員会は、締約国が、条約の実施に充てられる資源の分配の有効性、妥当性および衡平性を監視しかつ評価するための機構を設置するよう、勧告するものである。さらに委員会は、締約国が、積極的な社会上の措置を必要とする可能性がある不利な状況または脆弱な状況に置かれた子ども(たとえばアボリジナルおよび(または)トレス諸島民系の子どもならびに障害のある子ども)を対象とした戦略的予算科目を定めるとともに、これらの予算科目が、たとえ経済危機、自然災害その他の緊急事態の状況下にあっても保護されることを確保するよう、勧告する。 データ収集 21.委員会は、条約の実施に関連するデータの収集を向上させるためにオーストラリア統計局が行なっている継続的活動、とくに、子どもの発達およびその背景に焦点を当てた「オーストラリアの子どもに関する縦断的研究」および「先住民族の子どもに関する縦断的研究」を歓迎する。委員会はまた、「オーストラリア乳幼児期発達指標」、および、政府の資金により障害のある人々に提供されているサービスについての全国的に比較可能なデータの対照など、データ収集に関して締約国が進めている取り組みにも、積極的対応として留意するものである。しかしながら委員会は、これらのデータが、民族性、子どもの難民、移民および国内避難民、子どもの虐待およびネグレクトならびに性的搾取の被害を受けた子どもといった、条約の重要な分野について細分化も分析もされておらず、かつ乏しいかまたは入手不可能であることを、依然として懸念する。 22.委員会は、締約国が、とくに特別な保護を必要としている状況に置かれた子ども別の細分化が可能になるような方法で条約のあらゆる分野に関するデータが収集されることを確保するために既存のデータ収集機構を強化するべきである旨の、前回の勧告(CRC/C/15/Add.268、パラ20)をあらためて繰り返す。この点について、委員会は、このようなデータにおいて18歳未満のすべての子どもが対象とされ、かつ民族性、性別、障害、社会経済的地位および地理的所在に特段の注意が払われるべきことを、具体的に勧告するものである。 普及、意識啓発および研修 23.委員会は、締約国が、自国の報告書および他の条約機関の報告書を司法長官のウェブサイトで利用可能とする取り組みを行なっていること、全国子ども・若者法律センターに資金を提供していること、および、全般的に人権教育を促進していることを、評価する。しかしながら委員会は、子ども、子どもとともにまたは子どものために働く専門家および一般公衆の間で条約に関する意識および知識が引き続き限られていることを、依然として懸念するものである。 24.委員会は、締約国が、提案されている国家人権教育行動計画の中核的目標のひとつに、子どもの権利に関する公衆教育を含めるよう勧告する。委員会はさらに、締約国が、学校カリキュラム、および、子どもとともにまたは子どものために働くすべての専門家を対象とする養成研修プログラムに、人権および条約に関する必修モジュールを含めることを検討するよう、勧告するものである。 国際協力 25.委員会は、締約国が、2016-2017年度の政府開発援助(ODA)の水準を現行の対国民総所得(GNI)比0.35%から0.5パーセントに引き上げる意図を有していることに、積極的対応として留意する。しかしながら委員会は、締約国の経済発展が先進的状況にあるにも関わらず、この水準が、GNPの0.7%をODAに支出するという国際合意目標よりも相当に低いことを遺憾に思うものである。委員会はまた、締約国が、すべてのODAプログラムが開発に対する人権基盤アプローチに一致することを求める具体的政策を定めていないことにも留意する。 26.委員会は、締約国に対し、持続可能な開発を確保し、かつすべての援助受領国が自国の人権法上の義務を履行できることを保障する目的で、可能な場合には子どもの権利に焦点を当てながら、開発援助に関するすべての政策およびプログラムについて一貫した人権アプローチをとるよう、促す。委員会は、締約国が、その際、援助プログラムに対する子どもの権利基盤アプローチを導入するとともに、当該援助受領国に関する子どもの権利委員会の総括所見を考慮するよう、提案するものである。さらに委員会は、締約国に対し、ODAに関する国際合意目標(対GNP比0.7%)を達成するためのロードマップの実施を加速するよう促す。 子どもの権利と企業セクター 27.委員会は、コンゴ民主共和国、フィリピン、インドネシアおよびフィジーなど、子どもが立退き強制、土地の収奪および殺害の被害を受けている国々での深刻な人権侵害にオーストラリアの鉱山会社が参加しかつ加担しているという報告について懸念を覚える。さらに委員会は、オーストラリア企業がタイで経営している漁業企業で国際基準に違反する児童労働および子どもの労働条件が見られるという報告について懸念を覚えるものである。さらに、オーストラリア鉱業協会による、持続可能な環境に関する自主的行動規範(「不朽の価値」)が存在することは認知しながらも、委員会は、オーストラリアの鉱山企業による直接間接の人権侵害を防止するうえで当該行動規範が不十分であることに、留意する。 28.「保護・尊重・救済」枠組み報告書を採択した2008年4月7日の人権理事会決議8/7および2011年6月11日の人権理事会決議14/7(いずれの決議も、ビジネスと人権との関係を模索する際に子どもの権利が含められるべきことに留意している)に照らし、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 説明責任、透明性および人権侵害の防止を向上させる目的で、締約国の領域または海外で行なわれた人権(とくに子どもの権利)の侵害に関する、オーストラリア企業およびその子会社の法的責任を確保するための法的枠組み(民事法、刑事法および行政法)を検討しかつ修正するとともに、監視機構、調査体制およびこのような侵害の是正措置を確立すること。 (b) 子どもの権利の尊重、人権侵害の防止および人権侵害からの保護ならびに説明責任を確保する目的で、オーストラリア企業またはその子会社が活動している国々との協力を強化するための措置をとること。 (c) 子どもの権利侵害の発生を防止するための措置がとられることを確保する目的で、自由貿易協定の締結に先立って人権影響評価(子どもの権利影響評価を含む)が実施される慣行を確立するとともに、オーストラリア輸出信用機関が、海外投資を促進するための保険または保証を提供する前に、人権侵害のリスクに対処できるようにするための機構を設置すること。 B.一般原則(条約第2条、第3条、第6条および第12条) 差別の禁止 29.「オーストラリア国民――オーストラリアの多文化政策」および締約国の「反差別のための国家的パートナーシップおよび戦略」は歓迎しながらも、委員会は、人種差別全般が依然として問題となっていることに、懸念とともに留意する。委員会は、とくに以下のことを懸念するものである。 (a) 基礎的サービスの提供およびこのようなサービスへのアクセス可能性の観点から、ならびに、刑事司法制度および家庭外養護の対象とされることが相当過剰であることも含め、アボリジナルおよびトレス諸島民の子どもが深刻かつ広範な差別に直面していること。 (b) とくに子どもの保護、発達およびウェルビーイングの観点から「格差縮小」に掲げられた目標を推進するためのプログラムの有効性について、独立の評価が行なわれていないこと。 (c) 生徒の就学・出席促進措置として、学校を無断欠席している子どもの親について福祉給付金の懲罰的減額が認められていることも含め、締約国のノーザンテリトリー緊急対策法案(2007年)が懲罰的性質を有していること。 (d) アボリジナルおよびトレス諸島民に影響を与える政策立案、意思決定およびプログラム実施プロセスにおいて、当事者との協議および当事者参加が不十分であること。 (e) 性的指向またはジェンダーアイデンティティを理由とする差別からの保護を提供する連邦法が存在しないこと。 30.条約第2条にしたがい、委員会は、締約国が、子どもによる権利の享受に関して存在する格差を定期的に評価するとともに、当該評価に基づき、差別的格差を防止しかつこれと闘うために必要な措置をとるべきである旨の前回の勧告を、あらためて繰り返す。委員会は、その際、締約国が、意識啓発その他の差別防止活動を、このような活動を学校カリキュラムに統合し、かつ必要なときは脆弱な状況に置かれた子ども(アボリジナルおよびトレス諸島民の子どもならびに非アングロサクソン系オーストラリア人の子どもを含む)のための積極的差別是正措置をとること等も通じて強化するよう、勧告するものである。さらに委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) アボリジナルおよびトレス諸島民の子どもおよびその家族によるサービスへのアクセスの格差に対応するため、緊急の措置をとること。 (b) 「格差縮小」に掲げられた各目標の、とくに子どもの保護、発達およびウェルビーイングの観点からの策定、計画、実施および見直しについて報告するため、「アボリジナル・トレス諸島民運営グループ」の設置および当該グループに対する資源の提供を検討すること。 (c) ノーザンテリトリー緊急対策法案(NTERB)(2007年)、とくにそこに掲げられた生徒の就学・出席促進措置について、NTERB上の措置が均衡のとれた、かつ形式および効果の両面で非差別的なものとなることを確保する目的で、徹底した評価を実施すること。 (d) アボリジナルおよびトレス諸島民に影響を与える政策立案、意思決定およびプログラム実施プロセスへの、当事者の効果的かつ有意味な参加を確保すること。 (e) 性的指向またはジェンダーアイデンティティを理由とする差別からの保護を提供する連邦法を制定すること。 子どもの最善の利益 31.委員会は、子どもの最善の利益の原則が広く知られておらず、かつ、あらゆる立法上、行政上および司法上の手続ならびに子どもに関わりかつ子どもに影響を与える政策、プログラムおよびプロジェクトにおいて、この原則が適切に統合されておらず、かつ一貫して適用されていないことを懸念する。この文脈において、委員会は、庇護希望者、難民および(または)入管収容の状況下にある子どもの最善の利益の原則に関する理解およびその適用が不十分であることを、とくに懸念するものである。 32.委員会は、締約国に対し、子どもの最善の利益の原則が広く知られ、かつ、あらゆる立法上、行政上および司法上の手続ならびに子どもに関わりかつ子どもに影響を与える政策、プログラムおよびプロジェクトにおいてこの原則が適切に統合されかつ一貫して適用されることを確保するための努力を強化するよう、勧告する。これとの関連で、締約国は、子どもの最善の利益に関する判断指針を示す手続および基準をすべての分野で策定するとともに、当該手続および基準を官民の社会福祉施設、裁判所、行政機関および立法機関に対して普及するよう奨励されるところである。司法上および行政上のあらゆる判決および決定の法的理由もこの原則に基づくものであるべきであり、子どもの最善の利益の個別評価において用いられた基準を明らかにすることが求められる。委員会は、この勧告の実施にあたり、庇護希望者、難民および(または)入管収容〔の状況〕下にある子どもについての政策および手続において子どもの最善の利益が正当に優先されることを確保することに対し、締約国が特段の注意を払わなければならないことを強調するものである。 子どもの意見の尊重 33.委員会は、締約国が、政府、青少年部門および若者間のコミュニケーション回路としてオーストラリア若者フォーラムを設置したことを歓迎する。しかしながら委員会は、15歳未満の子どもおよび(または)アボリジナルまたはトレス諸島民系の子どもの意見を考慮するための場が引き続き不十分であることを、依然として懸念するものである。委員会はさらに、学校において、自己に影響を与える方針および意思決定への、意味がありかつエンパワーメントに基づいた子ども参加を促進するための機構が不十分であることを懸念する。さらに委員会は、締約国の1958年・移民法(連邦法)において、出入国管理官が、家族とともにやってきた子どもの事情聴取を家族とは別に行なうことを義務づける規定が設けられていないことを懸念するものである。 34.委員会は、意見を聴かれる子どもの権利に関する委員会の一般的意見12号(2009年)に対して締約国の注意を喚起するとともに、締約国が、条約第12条にしたがい、意見を聴かれる子どもの権利の実施を引き続き確保するよう勧告する。委員会は、その際、締約国が、あらゆる行政段階ならびに家庭、コミュニティおよび学校(生徒評議会を含む)において、脆弱な状況下にある子どもに特段の注意を払いながら、意味がありかつエンパワーメントに基づいたすべての子どもの参加を促進するよう、勧告するものである。さらに委員会は、1958年・移民法において、移住プロセスのあらゆる段階で子ども(非正規移住の状況にある子どもを含む)の意見の尊重が保障されることを確保するため、締約国があらゆる必要な措置をとるよう勧告する。 C.市民的権利および自由(条約第7条、第8条、第13~17条、第19条および第37条(a)) 出生登録 35.委員会は、出生登録との関連でアボリジナルが直面している困難について懸念を覚える。とくに委員会は、識字水準の低さ、出生登録の必要性および利点に関する理解の欠如ならびに公的機関が提供する支援の不十分さから生じる、出生登録を妨げる要因が解決されていないことを懸念するものである。委員会はさらに、出生証明書に事務管理費が課されることが、経済的に不利な状況にある人々にとって追加的障害となっていることに、懸念とともに留意する。 36.委員会は、締約国に対し、出生登録の重要性に関するアボリジナル住民の意識を高め、かつ非識字者による出生登録の便宜を図るための特別な支援を提供する等の手段により、オーストラリアで生まれたすべての子どもが出生時に登録され、かつ登録の障壁となる手続的要因を理由として不利な立場に置かれる子どもがひとりも出ないことを確保するために、出生登録プロセスを子細に見直すよう促す。委員会はさらに、締約国に対し、出生証明書を子どもの出生時に無償で発行するよう促すものである。 アイデンティティの保全 37.委員会は、アボリジナルおよびトレス諸島民の多数の子どもが家庭およびコミュニティから分離され、かつ、とくにその文化的および言語的アイデンティティの保全を十分に促進しない養護の対象とされていることを懸念する。委員会はさらに、親が締約国で市民権を放棄しまたは喪失した場合に子どもの市民権も取り消されうることに留意するものである。 38.委員会は、締約国が、自己のアイデンティティ、名前、文化、言語および家族関係に対するアボリジナルおよびトレス諸島民の子どもの権利の全面的尊重を確保する目的で、国連自由権規約委員会および先住民族の人権および基本的自由の状況に関する特別報告者等からも勧告されたとおり、「彼らを家庭に」報告書の勧告の実施における進展を検討するよう、勧告する。条約第8条に関して、委員会はさらに、締約国が、いかなる子どもも、その親の地位に関わらずいかなる根拠によっても市民権を剥奪されないことを確保するための措置をとるよう、勧告するものである。 結社の自由 39.委員会は、一部の州および準州の地方立法において、グループで平和的に集まっている子どもおよび若者の警察による排除が認められていることに関する前回の懸念(CRC/C/15/Add.268、パラ73(e))をあらためて表明する。 40.委員会は、締約国が、若者が一部の場所に集まることに関連している可能性がある問題に、警察による対応および(または)犯罪化以外の措置によって対応するとともに、この点に関わる法律の見直しを検討するべきである旨の、前回の勧告(CRC/C/15/Add.268、パラ74(h))をあらためて繰り返す。 プライバシーの保護 41.委員会は、オーストラリア情報コミッショナー事務所が、子どもの個人情報の取扱いにおけるオーストラリア・プライバシー法の適用についての指針を明らかにしたことに、積極的対応として留意する。しかしながら委員会は、締約国で、子どものプライバシー権を保護する包括的法律が定められていないことを懸念するものである。さらに、1998年・プライバシー法(連邦法)に基づき、プライバシー権侵害についての苦情を聴取する権限がオーストラリア情報コミッショナー事務所に与えられていることには留意しながらも、委員会は、子どもに特化し、かつ子どもにやさしい機構が設けられていないこと、および、利用可能な機構は政府機関および政府職員ならびに大規模な民間組織に対する苦情に限られていることを、懸念する。委員会はまた、ウェスタンオーストラリア州およびノーザンテリトリーの法律で「反社会的行動」を行なった者(未成年者を含む)の個人的詳細の公表が認められていることも含め、刑事手続に関与した子どものプライバシー保護が不十分であることも、懸念するものである。さらに委員会は、保健サービス、とくにセクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスに関するサービスを受けている子どものプライバシー権が確保されていないことを懸念する。 42.委員会は、締約国が、プライバシー権を掲げた包括的な国内法の制定を検討するよう勧告する。委員会はまた、締約国に対し、プライバシー侵害に対する苦情を申し立てる子どもを対象とする、子どもに特化し、かつ子どもにやさしい機構を設置するとともに、刑事手続に関与した子どもの保護を強化することも促すものである。とくに委員会は、締約国に対し、2010年・禁止行為命令法(ウェスタンオーストラリア州)のような、罪を犯した子どもの詳細の公表を認めた法律を廃止するよう、促す。 体罰 43.委員会は、前回の勧告(CRC/C/15/Add.268、パラ36)にも関わらず、家庭ならびに一部の学校および代替的養護現場における体罰が、いわゆる「合理的な懲戒」という名目のもと、締約国全域で合法とされているままであることを遺憾に思う。 44.委員会は、締約国が以下の措置をとるべきである旨の前回の勧告(CRC/C/15/Add.268、パラ36)をあらためて繰り返す。 (a) すべての州および準州において、家庭、公立および私立の学校、拘禁センターならびに代替的養護現場における体罰を明示的に禁止するため、あらゆる適切な措置をとること。 (b) 体罰の悪影響に関する意識啓発を図りつつ、積極的かつ非暴力的な形態のしつけおよび規律ならびに子どもの権利の尊重を促進することを目的とした意識啓発キャンペーンおよび教育キャンペーンを、子どもの関与を得ながら強化しかつ拡大すること。 45.加えて委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告するものである。 (a) 「合理的な懲戒」が子どもの暴行の告発に対する抗弁として用いられないことを確保すること。 (b) 子どもとともにまたは子どものために働くすべての専門家(法執行官、医療専門家、教育専門家を含む)を対象として、子どもに対する暴力のあらゆる事案の速やかな発見、対応および通報のための研修が行なわれることを確保すること。 (c) ドメスティックバイオレンスと体罰との間に存在する可能性がある関係についての、独立の立場からの研究の実施を検討すること。 子どもおよび女性に対する暴力 46.委員会は、同国において女性および子どもに対する高い水準の暴力が蔓延していることに重大な懸念を覚えるとともに、ドメスティックバイオレンス、合法的な体罰、いじめおよび社会におけるその他の形態の暴力の共存が相互に関連しあっており、状況の段階的拡大および悪化が助長されている固有の危険性があることに留意する。委員会は、以下のことをとりわけ懸念するものである。 (a) アボリジナルの女性および子どもがとくに影響を受けていること。 (b) 障害のある女性および女子の不妊手術が行なわれ続けていること。 (c) 被害を受けた子どもが家族と再統合した場合の監視システムが存在しないこと等の理由により、ドメスティックバイオレンスの被害を受けた子どもの再統合プログラムが依然として不十分であること。 (d) 家族構成員が暴力の加害者である事案および(または)女性が被害者ではなく加害者である事案に注意が向けられておらず、かつこのような事案に関する具体的手続も設けられていないこと。 (e) 学校、インターネットその他の状況で行なわれる子どもへの暴力に対応するためにとられている既存の措置について、定期的かつ体系的な評価が行なわれていないこと。 47.条約第19条および第37条(a)に基づく締約国の義務、ならびに、あらゆる形態の暴力からの自由に対する子どもの権利に関する委員会の一般的意見13号(2011年)を強調しながら、委員会は、締約国に対し、暴力を減少させるための一般的枠組みとして連邦法を策定するとともに、州および準州段階における同様のかつ補完的な法律の制定を促進するよう、促す。委員会はまた、締約国が、「女性およびその子どもに対する暴力を減少させるための国家計画(2010~2022年)」に基づく規定を実際に運用するため、以下のような措置を含む具体的行動計画を採択することも、勧告するものである。 (a) アボリジナルの女性および子どもの間で高水準の暴力が振るわれることを助長する要因が十分に理解され、かつ国および州/準州の計画でこれらの要因への対応がとられることを確保すること。 (b) 障害の影響を受けており、かつ同意ができない女性および女子の不妊手術を防止するための厳格な指針を策定しかつ執行すること。 (c) ドメスティックバイオレンスの被害を受けた子どもに対し、家族再統合と同時に効果的なフォローアップ支援を確保するための機構を設けること。 (d) いずれかの親または他の家族構成員が加害者である事案についての代替的対応を発展させること。 (e) 具体的諸計画のなかで、かつ「オーストラリアの子ども保護のための国家枠組み」の3か年行動計画の一環として、学校における体罰およびいじめ、インターネットを通じての暴力ならびにその他の場面における暴力を含む暴力対策の実施状況を監視すること。 48.子どもに対する暴力に関する国連研究(A/61/299)およびあらゆる形態の暴力からの自由に対する子どもの権利に関する委員会の一般的意見13号(2011年)に関して、委員会はさらに、締約国に対し、以下の措置をとるよう奨励する。 (a) 子どもに対する暴力に関する国連研究の勧告の実施を確保する等の手段により、ジェンダーに特段の注意を払いながら、子どもに対するあらゆる形態の暴力の撤廃に優先的に取り組むこと。 (b) 同研究の勧告、とくに子どもに対する暴力に関する事務総長特別代表が強調した以下の勧告を締約国がどのように実施しているかに関する情報を、次回の定期報告書で提供すること。(i) 子どもに対するあらゆる形態の暴力を防止しかつこれに対処するための国家的な包括的戦略を各国で策定すること。 (ii) あらゆる場面における、子どもに対するあらゆる形態の暴力の明示的な法的禁止を、国レベルで導入すること。 (iii) データを収集し、分析しかつ普及するための全国的システムおよび子どもに対する暴力に関する調査研究事項を強化すること。 D.家庭環境および代替的養護(条約第5条、第18条(1~2項)、第9~11条、第19~21条、第25条、第27条(4項)および第39条) 家庭環境 49.家族に提供される支援を強化しようとする締約国の継続的努力は歓迎しながらも、委員会は、養護を受けている子どもの人数が増え続けていること、および、保育の利用可能性および質が依然として不十分であることを懸念する。 50.委員会は、締約国が、すべての家族タイプおよびすべての子どもを対象として現在とられている措置の有効性を体系的に評価するよう、勧告する。委員会は、その際、締約国が、とくに民族、ジェンダー、社会経済的地位および地理的所在の別に細分化されたデータを収集し、かつ、養護措置の対象とされる子どもの割合の減少および(または)上昇と、これらの子どもの家族に提供されている措置との相関を明らかにするよう、勧告するものである。委員会はさらに、このような評価の知見が、現行の家族支援プログラムを強化するための適切な措置(良質な保育施設が利用できかつ過度な負担を求められないこと、家族援助給付が十分であること、および、最近承認された有給親休暇の取得資格が妥当であることを確保することも含む)を締約国が実施する際の指針としても散られるべきことを、勧告する。 家庭環境を奪われた子ども 51.委員会は、家庭外養護措置の対象とされる子どもの人数が相当に増加しており(2005年から2010年にかけて約51%増)、かつ、子どもの養護措置につながる基準および決定を記録した全国的データが存在しないことを、深く懸念する。委員会はまた、締約国の家庭外養護制度の不十分さおよびそこで生じている人権侵害について広く報告されていることも、深刻に懸念するものである。これには以下のものが含まれる。 (a) 子どもの不適切な措置。 (b) 養育担当者のスクリーニング、研修、支援およびアセスメントが不十分であること。 (c) 養護の選択肢の不足していること。家庭を基盤とする養育担当者への支援が貧弱であること、および、養護によって悪化する(または引き起こされる)精神保健上の問題が存在すること。 (d) 健康、教育、ウェルビーイングおよび発達の面で、養護を受けている若者にとっての成果が一般住民層の場合よりも芳しくないこと。 (e) 養護を受けている子どもの虐待およびネグレクト。 (f) 18歳に達して養護を離れる子どもに対して提供される、準備のための支援が不十分であること。 (g) アボリジナルおよびトレス諸島民の子どもがしばしばコミュニティ外に措置されていること、および、これとの関係で、アボリジナルの養育担当者を増員する必要があること。 52.委員会は、締約国に対し、子どもの虐待およびネグレクトが大規模に行なわれている根本的原因を検討するためにあらゆる必要な努力を行なうとともに、子どもが養護措置の対象とされる理由についての全般的データを、このような子どもの人数を減少させる目的で当該理由への対応を行なうために明らかにするよう、促す。委員会はさらに、締約国が、とくに、家庭外養護措置の対象とされる子どもの人数を減少させる目的でもっとも脆弱な立場に置かれた家族を明確にし、かつ必要なときは家庭を基盤とする養護を優先させることにより、現行の家庭支援プログラムを強化するための措置をとるべきである旨の前回の勧告を、締約国に対してあらためて繰り返すものである。さらに委員会は、締約国に対し、代替的養護に措置されている子どもの状況を向上させるために必要なあらゆる人的資源、技術的資源および財源を提供するとともに、以下の措置をとるよう、求める。 (a) 条約第25条で求められているとおり措置の定期的審査を行なうとともに、その際、子どもの不当な取扱いの兆候にとくに注意を払うこと。 (b) 保育ワーカーおよび家庭外養護の養育担当者の選抜、研修および支援に関する基準を策定するとともに、これらの養育者の定期的評価を確保すること。 (c) それぞれの子どもが有する個別のニーズに対して効果的対応が行なえることを確保するため、ソーシャルワーカーを増員すること。 (d) 養護を受けている子どもに対し、保健ケアおよび教育への平等なアクセスを確保すること。 (e) ネグレクトおよび虐待の事案を通報し、かつ加害者に対して相応の制裁を与えるための、アクセスしやすく、効果的な、かつ子どもにやさしい機構を設置すること。 (f) 移行の計画に早い段階から関与できるようにし、かつ離脱後にも援助を利用できるようにすることにより、若者に対し、養護を離れる前に十分な準備の機会および支援を提供すること。 (g) 「先住民族の子どもの措置に関する原則」を全面的に実施するとともに、代替的養護を必要とする先住民族の子どものための適当な解決策を先住民の家族内で見出すため、先住民族のコミュニティ指導者およびコミュニティとの協力を強化するべきである旨の、委員会の前回の勧告を遵守すること。 養子縁組 53.委員会は、締約国の8か所の法域のうち、養子縁組前の養子(12歳以上)の同意を要件としている法域が3か所のみであることを懸念する。さらに委員会は、養子縁組手続が子どもの最善の利益を最高の考慮事項として進められていないことを懸念するものである。 54.委員会は、同意および養子縁組手続における法定代理人へのアクセスに関する規定を全面的に実施し、かつ養子縁組手続における決定が子どもの最善の利益を最高の考慮事項として行なわれることを確保するという、〔子どもの権利〕条約および国際的な養子縁組に関する子の保護および協力に関するハーグ条約に基づく義務を遵守する目的で、締約国が、すべての州および準州が必要に応じて養子縁組法を改正することを確保するための措置をとるよう、勧告する。 虐待およびネグレクト 55.委員会は、子どもが双方の親と意味のある関係を持つ権利を、これが安全である場合には引き続き促進する一方で、家族法制度における子どもの安全を優先させることとした、国レベルの家族法の改正を歓迎する。しかしながら委員会は、ドメスティックバイオレンスの発生率が引き続き高いこと、および、子どもとともにまたは子どものために働く専門家(医師その他の医療従事者および教員を含む)による虐待およびネグレクトの可能性がある事案を認識しかつこれに対応するために締約国がとっている研修アプローチが依然として不十分であることに、留意するものである。 56.委員会は、脆弱性が高まった状況にある家族に支援を提供し、かつ、家庭における子どもの虐待およびネグレクトならびに暴力を防止しまたは緩和するため、締約国が早期介入アプローチ(出産前の機関における介入も含む)を優先させるよう勧告する。委員会はさらに、締約国が、このような早期介入アプローチを補完する形で、スティグマをともなわない模範的実務方針およびプログラム(虐待の被害を受けた子どもが、子どもの保護に関わる意思決定のさまざまな段階で、集中的な家族支援サービス等も通じ、家族と前向きに再統合できることを優先させかつ支援するもの)の全国的検証を行なうよう、勧告するものである。 E.障害、基礎保健および福祉(条約第6条、第18条(3項)、第23条、第24条、第26条、第27条(1~3項)) 障害のある子ども 57.委員会は、締約国が実施した、生産性委員会による障害者支援制度のアセスメント(2011年7月)を評価する。しかしながら委員会は、同委員会の知見に留意しつつ、現行の障害者支援制度は「十分な資金を得ておらず、不公正であり、断片化されていて非効率であるとともに、そこでは障害のある人々にほとんど選択権がなく、適切な支援に確実にアクセスできるという保障もなく、また障害のある子どもは、決定的に重要な時宜を得た早期介入サービス、人生の移行期の支援、および、家族または養育者の危機および崩壊を防止するための十分な支援をしばしば受けられていない」という懸念を共有するものである。さらに、締約国が5年をかけて障害児教育基準(2005年)を実施してきたことには留意しながらも、委員会は、障害のある子どもの教育到達度と障害のない子どものそれとの間に相当の格差があることを依然として懸念する。この報告書〔総括所見〕ですでに述べた非治療的不妊手術に関する懸念をさらに敷衍させる形で、委員会は、そのような不妊手術を禁止する法律が定められていないことが差別的であり、かつ障害のある人の権利に関する条約第23条(c)に違反していることを、深刻に懸念するものである。さらに委員会は、締約国の法律において、障害を理由として移民申請を却下することが認められていることを懸念する。 58.障害のある子どもの権利に関する委員会の一般的意見9号(2006年)に照らし、委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) 障害のある子どもを、そのニーズに差別的ではない方法で効果的に対応するために速やかにかつ正確に特定する目的で、障害に関する明確な法律上の定義(学習障害、認知障害および精神障害に関するものを含む)を定めること。 (b) 障害のある子どもの養育に関する親のための支援措置を強化するとともに、そのような養護の措置が検討されるときは、当該検討が子どもの最善の利益の原則を全面的に顧慮しながら行なわれることを確保すること。 (c) 障害のある人の権利に関する条約にしたがった社会モデルアプローチを採用し、障害のある子どもが平等を基礎として社会に完全かつ効果的に参加することを阻害する態度面および環境面の障壁に対応するとともに、障害のある子どもとともにまたはこのような子どものために働くすべての専門家に対してしかるべき研修を行なうこと。 (d) とくに地方段階で必要な専門的資源(すなわち障害の専門家)および財源を利用可能とするためにいっそうの努力を行なうとともに、コミュニティを基盤とするリハビリテーション・プログラム(親支援グループを含む)を促進しかつ拡大すること。 (e) 障害のある子どもが教育に対する権利を行使できることを確保し、かつ、障害のある子どもを可能なかぎり最大限に普通教育制度に包摂する体制を整える(そのための手段には、資源に関わる現在の不備を具体的に明らかにするための障害児教育行動計画の策定を検討することも含む)とともに、障害のある子どもの教育上のニーズに対応するための措置の実施に関する、具体的日程をともなう明確な目標を定めること。 (f) 障害の有無に関わらず、すべての子どもの非治療的不妊手術を禁じる差別禁止法を制定するとともに、厳格に治療上の理由に基づく不妊手術が行なわれるときは、これが子ども(障害のある子どもを含む)の自由なかつ十分な情報に基づく同意の対象とされることを確保すること。 (g) 移民法および庇護法を含む締約国のすべての法律において、障害のある子どもが差別されず、かつ障害のある人の権利に関する条約第23条に基づく締約国の法的義務が遵守されることを確保すること。 健康および保健サービス 59.委員会は、締約国における子どもの健康水準が全般的に満足のいくものであることを評価する。しかしながら委員会は、農村部および遠隔地に住んでいる子ども、家庭外養護を受けている子どもならびに障害のある子どもの健康に関わる格差、ならびに、とくにアボリジナルの子どもと非アボリジナルの子どもとの間にある健康状態の相違について、懸念を覚えるものである。 60.委員会は、締約国が、脆弱な状況に置かれた集団に属する子ども(とりわけ先住民族の子どもおよび遠隔地に住んでいる子ども)にとくに注意を払いながら、すべての子どもが保健サービスに対する同一のアクセスおよび同一の質の保健サービスを享受できることを確保するため、あらゆる必要な措置をとるべきである旨の前回の勧告(CRC/C/15/Add.268、パラ48)を、あらためて繰り返す。委員会はさらに、締約国に対し、保健面で現在存在する欠陥の重要な根本的原因である社会経済的不利益に対処するよう、促すものである。 61.さらに委員会は、締約国が、すべての保健専門家を対象とした、子どもの権利に関する義務的研修の実施を支援するべきであるという、健康への権利に関する特別報告者の勧告を検討するよう、勧告する。 母乳育児 62.委員会は、子どもが生後6か月になるまで完全母乳育児を続ける母親がおよそ15%にすぎないことを懸念する。2007-2008年度予算で母乳育児の教育および支援に特別資金を配分した締約国の取り組みは歓迎しながらも、委員会は、締約国で「母乳代替品の販売促進に関する国際基準」が効果的に執行されていないことを依然として懸念するものである。 63.委員会は、働く母親による産後6か月の完全母乳育児を支援するような改正を検討する目的で、締約国が、新たに定められた有給親休暇制度ならびに他の関連の立法上および行政上の措置を見直すよう、勧告する。委員会はまた、「母乳代替品の販売促進に関する国際基準」およびその後の関連決議を実施するための監視機構を設置することも勧告するものである。さらに委員会は、締約国が、「国家母乳育児戦略」に十分な資金を提供し、かつ、「国家母乳育児戦略」の実施において利害関係者としての産業代表の参加を得る慣行を取りやめることにより、母乳育児の促進、保護および支援に優先的に取り組むよう、勧告する。締約国はまた、「赤ちゃんにやさしい病院」イニシアティブをさらに促進し、かつ看護師研修に母乳育児を含めることを奨励するべきである。 精神保健 64.委員会は、精神保健に対する締約国の資金拠出水準が依然として他の先進諸国よりも相当に低いことから、精神保健サービスを求める子どもおよび若者が、そのようなサービスへのアクセスの制限およびサービスを受ける際の相当の遅延にしばしば直面していることを、懸念する。この文脈において、委員会は、オーストラリア保健福祉研究所が2010年に刊行した保健研究で述べられている、劣悪な精神保健は子どもおよび若者にとっての健康問題の筆頭であり、かつ0~14歳の子ども(23%)および15~24歳の若者(50%)の疾病負荷を助長する最大の要因である旨の懸念を、共有するものである。さらに委員会は、締約国全域で、とりわけアボリジナルのコミュニティで若者の自殺率が高いことを懸念する。委員会は、締約国のウェスタンオーストラリア州が、注意欠陥・多動性障害(ADHD)および注意欠陥性障害(ADD)の治療のために現在用いられている薬の有効性を調査する研究を実施したことに、積極的対応として留意する。しかしながら委員会は、現行の診断手続では、これらの障害に関連する潜在的な精神保健上の問題への対応が十分に行なわれない可能性があり、その結果、ADHDおよびADDと診断される子どもの相当な増加および(または)このように診断された子どもに対する精神刺激薬の誤処方が生じていること(これは深刻な懸念の対象である)を、依然として懸念するものである。 65.子どもおよび若者にやさしい精神保健上の支援およびサービスへのアクセスが重要であることを強調し、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 子どもおよび若者の精神保健上の問題が高い割合で発生していることの直接間接の原因に対応するための措置をとることにより、オーストラリア保健福祉研究所の保健研究をフォローアップすること。その際、とりわけ有害物質濫用、暴力および代替的養護現場におけるケアの質の不十分さと関係する自殺およびその他の障害に、とくに焦点を当てること。 (b) 早期介入サービスの利用可能性および質を向上させること、教員、カウンセラー、保健専門家および子どもと働くその他の専門家の研修および職能開発を進めること、ならびに、親に対して支援を提供することのために、具体的資源を配分すること。 (c) 精神保健上の問題のリスクがとくに高い子どもおよびその家族を対象とする専門的保健サービスおよび重点対象戦略を発展させるとともに、このようなサービスを必要とするすべての者に対し、その年齢、性別、社会経済的背景、地理的出身および民族的出身等を正当に考慮しながらアクセス可能性を確保すること。 (d) 上記の勧告の計画および実施にあたり、これらの措置の策定について子どもおよび若者と協議すること。同時に、家族およびコミュニティの支援の向上を確保し、かつ関連のスティグマを削減する目的で、精神保健に関する意識啓発を進めること。 (e) 子どもに対する精神刺激薬の処方を注意深く監視するとともに、ADHDおよびADDと診断された子どもならびにその親および教員に対し、より幅広い心理的、教育的および社会的措置ならびに治療を提供するための取り組みを進めること。また、子どもが行なう可能性のある精神刺激薬の濫用を監視する目的で、物質のタイプおよび年齢にしたがって細分化されたデータの収集および分析を行なうこと。 HIV/AIDSならびにセクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルス 66.委員会は、締約国の若者の間で性感染症(STI)感染率が顕著に増加していること、および、セーフセックスを実行する若者の割合が低いと報告されており、かつHIV/AIDS以外のSTIに関する意識水準が低いことを、深く懸念する。委員会はさらに、アボリジナルの人々および社会経済的にもっとも不利な立場に置かれた地域の人々のSTI感染率がはるかに高いことに、留意するものである。 67.子どもの権利条約の文脈における思春期の健康と発達に関する委員会の一般的意見4号(2003年)を強調しながら、委員会は、締約国が、青少年に対し、とくにHIVおよびこれに加えて他のSTIとの関連で性およびリプロダクティブヘルスに関する教育を提供するための努力を強化するとともに、とくにアボリジナルおよび社会経済的に不利な立場に置かれたコミュニティの間で、避妊手段、カウンセリングおよび秘密が守られる保健サービスのアクセス可能性を向上させるよう、勧告する。 生活水準 68.資格のある親(臨時雇用、パートタイム就労および季節就労の女性を含む)に対して18週間の有給親休暇を認める制度が最近承認されたことを歓迎する。しかしながら委員会は、この制度が、多くの世帯にとって十分な所得ではない可能性がある全国最低賃金の水準に固定されており、かつ、完全母乳育児のために必要な6か月よりも短いことに、懸念とともに留意するものである。締約国において貧困線下で生活している人々の割合が、とくにアボリジナル住民、移民および庇護希望者ならびに障害のある人々の間では約12%であることにかんがみ、委員会は、さまざまな態様の補助金、税の控除および還付ならびに低所得家庭を対象とするその他の支援を含む一連の措置がとられていることに、評価の意とともに留意する。にもかかわらず、委員会は、これらの措置が、援助を必要としているすべての家庭にとって公平に利用可能なものとなっておらず、かつ、居住場所その他の差別につながる要因による区別なしに提供されているわけでもないことを、依然として懸念するものである。 69.委員会は、親(とくに母親)が、新生児のケアおよび母乳育児を行ないながらなお十分な生活費を得られるようにすることを確保するために有給親計画制度を注意深く監視するとともに、18週の有給期間経過後、乳幼児の良質なケアを維持し、かつ少なくとも生後6か月まで母乳育児を継続できるようにするための適切な便益を利用可能とするよう、勧告する。委員会はまた、締約国が、貧困の決定要因に関する理解の向上を可能とするホリスティックな反貧困戦略を策定し、当該戦略を社会的および地理的に位置づけ、かつ、ジェンダー、年齢、出身、居住場所、教育水準およびこれに類する他の要因にしたがった具体的措置をとるべきである旨の、経済的、社会的および文化的権利に関する委員会の勧告(E/C.12/AUS/CO/4、パラ24)にも賛成するものである。 70.アボリジナル系オーストラリア人を対象とする住宅改修資金の追加、および、アボリジナル系オーストラリア人の社会経済的条件の向上を目的とする「格差縮小」戦略は歓迎しながらも、委員会は、締約国において子どもおよび若者のホームレスが多数発生しており、国が提供する社会宿泊施設も定員面で厳しい制約に直面していることを、深く懸念する。さらに委員会は、締約国が、さまざまな集団の特定のニーズを反映する、文化的に適切な住宅サービスを提供できていないことを懸念するものである。 71.委員会は、締約国が、子どもおよび若者のホームレスの問題に対応するための取り組みの再検討を迅速に行なうとともに、この問題に対応するための枠組みを、子どもおよび若者の具体的経験を正当に考慮しながら向上させかつさらに発展させるための指針として、この再検討の知見を活用するよう、勧告する。さらに、その際、締約国が、アボリジナルの子ども、新規来住コミュニティの子ども、養護から離脱しようとしている子どもならびに地方コミュニティおよび遠隔地の子どもを対象とする具体的戦略を策定することも勧告されるところである。委員会はさらに、締約国が、ホームレスとなるおそれがある子どもおよび若者のニーズに対する反応性を強化するため、教育、所得支援、保健制度、障害者サービス制度および雇用制度を含む社会サービスならびにこれらのサービス間の調整を向上させるよう、勧告する。 親が収監されている子ども 72.締約国が、裁判所に対し、言い渡す刑が有罪判決を受けた者の家族に及ぼす「蓋然的効果」を考慮するよう求める法律を有していることには積極的側面として留意しながらも、委員会は、アボリジナル系オーストラリア人の収監率が人口比に照らして著しく過剰であること、ならびに、とりわけ深刻なこととしてアボリジナルの女性が過剰に収監されている結果、その子どもが、文化的に適切ではない代替的養護先に一時的にかつ不安定な形で措置される事態がしばしば生じていること、および、家族再統合率が低いことに、懸念とともに留意する。 73.「親が収監されている子どもの権利」に関する一般的討議(2011年)の際に行なわれた委員会の勧告を参照し、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 危険な状況にある家族に支援サービスを提供することによって収監を防止し、かつ、子どもの収監および家族構成員からの分離を回避する目的でダイバージョンその他の代替的措置を活用するため、あらゆる司法上および行政上の体制を見直すこと。 (b) 犯罪の根本的原因に対処し、かつ危険な状況にある家族に対して防止サービスおよび早期介入サービスを提供することを促進する、重点対象プログラムの実施に対して資源および支援を提供すること。 (c) 子どもの最善の利益にかなうときは、子どもが収監されている期間全体を通じ、親子間の関係の維持に対して資源および支援を提供すること。 (d) 逮捕時にその場にいたかどうかに関わらず情報を知らされる子どもの権利を尊重しかつ充足するとともに、子どもからの情報または情報の共有の申請が、子どもの最善の利益を考慮し、かつ関係者にいかなる不利な結果ももたらさないようにしつつ、子どもにやさしいやり方で対応されることを確保する義務を履行すること。 F.教育、余暇および文化的活動(条約第28条、第29条および第31条) 教育(職業訓練および職業指導を含む) 74.委員会は、締約国の「国家先住民族教育行動計画(2012~2014年)」および「先住民族の乳幼児期発達に関する国家的パートナーシップ協定」を歓迎する。しかしながら委員会は、先住民族の子どもおよび遠隔地に住んでいる子どもが教育へのアクセスに関して深刻な困難に直面しており、アボリジナルの生徒の識字水準、計算能力水準その他の達成水準がアボリジナル以外の生徒よりも相当に低いままであることについての前回の懸念(CRC/C/15/Add.268、パラ59)を、あらためて表明する。委員会はさらに、このような状況が、教育制度において、英語話者ではない子どものニーズに対応する十分な措置がとられていないことによって悪化していることを懸念するものである。そのため、このような子どもが不就学、出席不良および中退により陥りやすく、かつ中等段階教育を修了する可能性も低くなる状況が生じている。 75.委員会は、個々のアボリジナル教育戦略が、従前の政策の成功を基礎とし、かつアボリジナル・コミュニティ、教育部門、コミュニティ団体および専門家集団(ソーシャルワーカー、研究者、ヘルスワーカーおよび警察など)の連携に基づく長期的アプローチにのっとって進められることを確保するため、締約国が、「格差縮小」政策枠組みのなかで、州および準州の政府の効果的な調整および監督を行なうよう、勧告する。委員会はさらに、締約国が、国および州の双方の段階で二言語教育モデルを保護しかつ促進するための、十分な人的資源、技術的資源および財源を確保するよう勧告するものである。 乳幼児期のケアおよび教育 76.委員会は、締約国の子どもの教育・ケア品質管理庁が乳幼児期の教育およびケアに関する「全国品質枠組み」の実施および監視を行なっていること歓迎する。しかしながら委員会は、4歳未満の子どもを対象とする乳幼児期のケアおよび教育が引き続き不十分であることに留意するものである。さらに委員会は、締約国における乳幼児期のケアおよび教育の大部分が民間の利益追求機関によって提供されており、その結果、ほとんどの家族にとってそのサービスが手の届かないものとなっていることを懸念する。委員会はさらに、このようなサービスを提供する主体がかなりの割合で民間機関であることから、「乳幼児期のケアおよび教育に関する全国品質枠組み」の適用および遵守が限定されていることを懸念するものである。 77.委員会は、締約国が、以下の措置をとること等により、乳幼児期のケアおよび教育の質および範囲をさらに向上させるよう勧告するものである。 (a) このようなケアが、子どもの全般的発達を包摂するホリスティックなやり方で提供されることを確保し、かつ親の能力を強化することも目的としながら、0~3歳の子どもに対するこのようなケアの提供に優先的に取り組むこと。 (b) 国営施設か民間施設のいずれによるものであるかに関わらず、無償のまたは手が届く範囲の乳幼児期ケアの提供を考慮することにより、乳幼児期のケアおよび教育の、すべての子どもにとっての利用可能性を高めること。 (c) 乳幼児期のケアおよび教育を提供するすべての主体が「乳幼児期のケアおよび教育に関する全国品質枠組み」にしたがうことを確保すること。 学校のいじめ 78.「全国学校安全枠組み」および「いじめ。絶対だめ!」プログラムなど、学校におけるいじめと闘うために締約国がとっている措置は歓迎しながらも、委員会は、いじめが引き続き広範に行なわれており、現行の枠組みではあらゆる形態のいじめに全面的に対応するうえで不十分であることが明らかになっていることを、依然として懸念する。 79.一般的意見13号を参照しつつ、委員会は、締約国が、とくに、すべての学校において教職員を対象とする教育的および社会教育学的手法を導入しかつ強化すること、親および子どもの関与を得ること、学校計画の適切な監視体制を確立すること、ならびに、いじめの事案を調査しかつこれに対応する能力を強化することによって、学校におけるいじめを防止しかつこれに対応するための努力を継続しかつ強化するよう、勧告する。 G.特別な保護措置(条約第22条、第30条、第38条、第39条、第40条、第37条(b)~(d)および第32~36条) 子どもの庇護希望者および難民 80.委員会は、入管収容施設に収容された子どもおよび脆弱な立場に置かれた家族を代替的形態の収容(コミュニティを基盤とする収容体制および入管通過収容を含む)に移行させるために締約国が行なっている努力に留意する。しかしながら委員会は、以下のことを深く懸念するものである。 (a) 締約国の移民法が、庇護希望者もしくは難民である子どもまたは非正規移住の状況にある子どもについて、期間制限がなく、かつ司法審査の対象とされない義務的収容を定めていること。 (b) 庇護手続および難民認定手続において子どもの最善の利益が第一次的に考慮されておらず、かつ、考慮される場合にも、最善の利益の判断について十分な訓練を受けた専門家による対応が一貫してとられているわけではないこと。 (c) 保護者のいない未成年者の法的後見が、入管収容および難民認定ならびに査証申請についても責任を負っている移民・市民権大臣に委ねられる場合に、利益相反が生じるおそれが大きいこと。 (d) 2011年8月の高等法院決定(原告M70/2011 対 移民・市民権大臣事件)において、締約国がマレーシアとの「難民交換」を試みたことは、庇護希望者が保護の必要性評価のための効果的手続にアクセスできるようにし、庇護希望者に対して難民認定が行なわれるまでの保護を提供し、かつ、難民資格を認められた者について出身国への自主的帰還または第三国定住が行なわれるまでの保護を提供する国際法および国内法〔上の義務〕に違反すると判示されたにも関わらず、締約国が引き続き、庇護申請および難民申請をいわゆる「領域外処理」の対象とする政策を追求していること。 81.委員会は、締約国に対し、出入国管理および庇護に関する法律を条約その他の関連の国際基準に全面的に一致させるよう、促す。締約国は、その際、出身国外にあって保護者のいない子どもおよび養育者から分離された子どもの取扱いに関する委員会の一般的意見6号(2005年)を考慮するよう、促されるところである。さらに委員会は、前回の勧告(CRC/C/15/Add.268、パラ64)をあらためて繰り返す。これに加え、委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促すものである。 (a) 庇護希望者もしくは難民である子どもまたは非正規移住の状況にある子どもを収容する政策を再検討するとともに、入管収容が行なわれるときは、当該収容が期間制限および司法審査の対象とされることを確保すること。 (b) 移民および庇護に関する法律および手続において、すべての出入国管理手続および庇護手続で子どもの最善の利益が第一次的考慮事項とされることを確保するとともに、最善の利益の判断が、最善の利益認定手続について十分な訓練を受けた専門家によって一貫して行なわれることを確保すること。 (c) 保護者のいない移民の子どものための独立した後見/支援制度を速やかに設置すること。 (d) 原告M70/2011 対 移民・市民権大臣事件における高等法院判決にしたがうとともに、とくに、庇護希望者に対する十分な法的保護を確保し、かつ、庇護申請のいわゆる「領域外処理」および「難民交換」の政策の試みを確定的に放棄すること。また、最善の利益の判断が行なわれることなくアフガニスタンに送還された子どもの苦境に関する報告書の評価を行なうこと。 さらに委員会は、締約国が、国連難民高等弁務官「国際的保護に関するガイドライン第8号:1951年条約第1条A(2)および第1条Fに基づく子どもの庇護申請」の実施および難民の地位に関する1967年議定書の批准を検討するよう、勧告する。 少年司法の運営 82.委員会は、以前の勧告にも関わらず、締約国の少年司法制度が国際基準に一致するためにはいまなお相当の改革が必要であることを遺憾に思う。とくに委員会は以下のことを懸念するものである。 (a) 締約国によって、刑事責任に関する最低年齢を引き上げるための措置がなんらとられていないこと(CRC/C/15/Add.268、パラ74(a))。 (b) 精神疾患および(または)知的欠陥を有している子どもであって法律に抵触した者が、司法手続によらない適切な代替的措置を用いて対応されることを確保するための措置がなんらとられていないこと(CRC/C/15/Add.268、パラ74(d))。 (c) 18歳未満の者を対象とする義務的量刑法(いわゆる「三振アウト法」)が、ウェスタンオーストラリア州刑法にいまなお存在すること(CRC/C/15/Add.268、パラ74(f))。 (d) 締約国の州であるクイーンズランド州の刑事司法制度において、法律に抵触した17歳の子どもが全員が引き続き成人として審理されていること(CRC/C/15/Add.268、パラ74(g))。 83.さらに、委員会は以下のことを懸念する。 (a) 17歳の者の大多数はより幅広い受刑者集団から分離されて収容されているとはいえ、成人矯正センターに収容される子どもの事例がいまなお存在すること。 (b) 締約国のカンバイ青年拘禁センターおよびビンベリ拘禁センターにおいて、子どもの被拘禁者の虐待が行なわれたという報告があること。 84.委員会は、締約国が、少年司法制度を、条約、とくに第37条、第39条および第40条、ならびに、少年司法の運営に関する国連最低基準規則(北京規則)、少年非行の防止に関する国連指針(リャド・ガイドライン)、自由を奪われた少年の保護に関する国連規則(ハバナ規則)および少年司法における子どもの権利に関する委員会の一般的意見10号(2007年)を含む他の関連の基準と、全面的に一致させるよう勧告する。さらに委員会は、以下の措置をとるよう求めた前回の勧告をあらためて繰り返すものである。 (a) 刑事責任に関する最低年齢を国際的に受け入れられる水準まで引き上げることを検討すること(CRC/C/15/Add.268、パラ74(a))。 (b) 精神疾患および(または)知的欠陥を有している子どもであって法律に抵触した者に、司法手続によらずに対応すること(CRC/C/15/Add.268、パラ74(d))。 (c) ウェスタンオーストラリア州の刑法体系における義務的量刑を廃止するための措置をとること(CRC/C/15/Add.268、パラ74(f))。また、ビクトリア州で同様の法律を制定することの断念を検討すること。 (d) クイーンズランド州において、17歳の子どもを成人司法制度の対象から除外すること(CRC/C/15/Add.268、パラ74(g))。 (e) 罪を犯したすべての子どもが独自の矯正センターに収容されることを確保するため、必要な人的資源、技術的資源および財源を配分すること。 (f) 青年拘禁センターにおける虐待の事案を調査しかつこれに対応するための、アクセスしやすく効果的な機構を速やかに設置すること。 H.国際人権文書の批准 85.委員会は、締約国に対し、子どもの権利の充足をさらに強化する目的で、通報手続に関する子どもの権利条約の選択議定書およびすべての中核的人権文書(強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約、すべての移住労働者およびその家族構成員の権利の保護に関する国際条約、および、家事労働者に関する国際労働機関第189号条約を含む)に加入するよう、奨励する。 I.フォローアップおよび普及 86.委員会は、締約国が、とくにこれらの勧告を政府、議会、広域行政機関および適用可能なときは地方政府に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。 87.委員会はさらに、条約およびその実施に関する議論および意識を喚起する目的で、締約国が提出した第4回定期報告書および文書回答ならびに関連の勧告(総括所見)を、インターネット等を通じ(ただしこれにかぎるものではない)、公衆一般、市民社会組織、若者グループ、専門家グループおよび子どもが同国の言語で広く入手できるようにすることを勧告する。 J.次回報告書 88.委員会は、締約国に対し、この総括所見に掲げられた勧告の実施およびフォローアップに関する具体的情報を記載した第5回・第6回統合定期報告書を、2018年1月15日までに提出するよう慫慂する。委員会は、2010年10月1日に採択された委員会の条約別調和化報告ガイドライン(CRC/C/58/Rev.2 and Corr.1)に対して注意を喚起するとともに、締約国が、今後の報告書は当該ガイドラインにしたがうべきであり、かつ60ページを超えるべきではないことを想起するよう求めるものである。委員会は、締約国に対し、当該ガイドラインにしたがって報告書を提出するよう促す。ページの制限を超えた報告書が提出された場合、締約国は、前掲ガイドラインにしたがって報告書を見直し、かつその後再提出するよう求められることになる。委員会は、締約国に対し、報告書を見直しかつ再提出することができないときは、条約機関による審査のための報告書の翻訳は保障できないことを想起するよう、求めるものである。 更新履歴:ページ作成(2012年10月23日)。
https://w.atwiki.jp/mangaka/pages/6920.html
由希子 -輝くいのち-をお気に入りに追加 由希子 -輝くいのち-のリンク #blogsearch2 Amazon.co.jp ウィジェット 由希子 -輝くいのち-のキャッシュ 使い方 サイト名 URL 由希子 -輝くいのち-の報道 和泉由希子 公式ブログ - あいのり友達 - Powered by LINE - lineblog.me 和泉由希子 公式ブログ - 相関図 - Powered by LINE - lineblog.me 効率よくポイ活するコツは「二重・三重取り」!|Mart(magacol) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 愛された弟が自宅死「何のための43年か」 絶望した姉は声を上げた [新型コロナウイルス] - 朝日新聞デジタル 研究職をキャリアの選択肢に。ロレアルが若手女性科学者を奨励する授賞式を開催 - MASHING UP 江口拓也さん、斉藤壮馬さん、花江夏樹さん、梅原裕一郎さん出演の「プロラジ生特番~SolidS編~」から、配信を終えた4人へのインタビューが到着! - アニメイトタイムズ 表紙&巻頭大特集は、「ハリー・ポッターの世界へ 魔法使いになりたい」! とじこみふろくは、ミナリマポストカード3枚セット&鏡リュウジ×ミナリマ ルーン・カード! MOE1月号、12月3日発売! - PR TIMES TVアニメ『TSUKIPRO THE ANIMATION 2』第10話の場面カットを初公開! 公開済みのあらすじ&ゲストキャラクター情報とあわせてお届け♪ - アニメイトタイムズ 【九州版】地上波釣り番組全紹介(11月29日~12月5日)「釣りびと万歳」では、RENAが難敵ハガツオと真っ向勝負! (2021年11月29日) - エキサイトニュース つくって食べて楽しいレシピ!堤人美さんの「トマトのごろごろ鍋」|Mart(magacol) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース こだわりフランス産ショコラと旬のフルーツのマリアージュ ショコラづくしの「サザンタワーダイニングで楽しむデザートコース」~小田急ホテルセンチュリーサザンタワー~:時事ドットコム - 時事通信 和泉由希子 公式ブログ - とっても楽しかった! - Powered by LINE - lineblog.me 岡山で芥川作品「杜子春」をダブルキャストで上演 現代を生きるとは何か(みんなの経済新聞ネットワーク) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 小川あん、松本哲也作・演出の舞台『東京』に出演 劇団・小松台東の実験的公演(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース Makuakeでの先行販売開始から2週間で応援金額1000万円達成!ペットと乗れるEバイク【モペット】が販売代理店を募集開始!:時事ドットコム - 時事通信 わかやま新報 » Blog Archive » 35人1団体を表彰 衛生分野功労に知事感謝状 - わかやま新報オンラインニュース 母になった篠田麻里子さんが思う「人に頼るということ」|Mart(magacol) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 12月4日は「プロポーズ革命の日」 配信イベントでは鷹にプロポーズする人も…一体どうなる?(まいどなニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース キーワードは“室内”道内冬物商戦最新事情|NNNニュース - 日テレNEWS24 和泉由希子 公式ブログ - ボクシング! - Powered by LINE - lineblog.me 篠田麻里子さんが語る「母になった今、思うこと」|Mart(magacol) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 乳がんワクチン、臨床試験が初めて開始に。|Society & Business|Society & Business|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン) - フィガロジャポン 元国会議員・宮崎謙介さんに聞く「ママの再就職支援!知っておきたい3つの制度」|Mart(magacol) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 病床確保や経営状況の「見える化」求める意見 - m3.com 自民・後藤氏7選、長野4区 2区は立民・下条氏5選 - 産経ニュース 命を守る ながせ候補/長野4区 立民・川田議員が応援/市民連合街宣 - しんぶん赤旗 〈衆院選スピーク〉お金心配せず学びを 4区 長瀬由希子氏 - 47NEWS 初めての衆院選、投票に行きますか? 九産大生6人座談会㊤ - 西日本新聞 匿名劇壇『10年分の短編集』福谷圭祐+石畑達哉+松原由希子が劇団の10年を語る。「10年間をみんなで振り返る、アルバムのような作品に」 - http //spice.eplus.jp/ 衆院選長野県内小選挙区の序盤情勢【4区】 後藤氏を長瀬氏追い上げ|信毎web - 信濃毎日新聞 くらし最優先の政治に/長野4区 ながせ由希子候補 - しんぶん赤旗 「I・G・Cバスト」水着3グラドル、艶やか部位くすぐり対戦動画に視聴者歓喜! - ニフティニュース 信濃毎日新聞|2021衆院選 長野県内ニュース特集|長野県小選挙区4区 開票結果 - 信濃毎日新聞 長野4区・ながせ予定候補が私鉄長野県連と政策協定 - しんぶん赤旗 21総選挙激戦/県民の苦しみに心寄せ/長野4区 ながせ由希子 新/統一予定候補に期待 街の空気が違う - しんぶん赤旗 漢方診療によるコロナ感染後遺症患者のための「Long COVID漢方外来」を開設 - PR TIMES 迫る衆院選、埋没回避へ野党が躍起 - 中日新聞 防災学べる旅館 展示コーナーや体験型講習会 群馬・伊香保温泉 - 毎日新聞 - 毎日新聞 長野4区 ながせ氏が野党統一予定候補に/市民連合と政策確認書 - しんぶん赤旗 4区の共産・長瀬氏が市民連合と確認書に調印 - 47NEWS 河路由希子、人気グラドルユニット・sherbetのライブ活動休止に「これが最後というのが悲しい。また集まってやりたい」(デビュー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース sherbet・河路由希子「フレッシュなNEOに追い越されそうで怖い」 - 東スポWeb 温帯低気圧に変わっても油断禁物 17日(金)は九州北部で暴風の恐れも(気象予報士 君島 由希子 2021年09月15日) - tenki.jp 「おうちクリスマス」にぴったりのクリスマスケーキ2種が登場!~小田急ホテルセンチュリーサザンタワー~:時事ドットコム - 時事通信 フォーカスMいてきま。 和泉由希子 公式ブログ - lineblog.me 「冷たいおでん」は注目のオレンジワインと相性抜群!【平野由希子さんレシピ】(集英社ハピプラニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「本気を感じる」と反響/地域巡り対話重ねる/長野4区 ながせ予定候補 - しんぶん赤旗 十日町名物のそば スイーツに 「繁蔵 田麦そば」 若い世代にPR - 新潟日報 仏壇も浸水 仏具店では修理に追われる【佐賀県】|佐賀のニュース・天気|サガテレビ - サガテレビ 「ニューズ・オプエド」に、特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウス理事長の三木由希子氏と、プロゴルファーのタケ小山氏が生出演!アンカーは、ザ・ニュースペーパーの福本ヒデ氏が務めます! - PR TIMES 8月のスイカとミントのサラダ(フィガロジャポン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【平野由希子さん】まろやかで味わい深いテキーラには牛肉料理を一緒に(集英社ハピプラニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 九州北部記録的大雨続く 年間雨量の4割到達の地域も(気象予報士 君島 由希子 2021年08月14日) - tenki.jp 『家庭画報』編集長、2021年「かがわ21世紀大賞」を受賞。香川漆芸と海外ハイブランドとのコラボレーション企画で伝統工芸の未来とイメージアップに貢献 - PR TIMES 8月のスイカとミントのサラダ|平野由希子の季節のおつまみ|平野由希子の季節のおつまみ|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン) - フィガロジャポン 九州 前線停滞 この時季としては異例の長雨に警戒を(気象予報士 君島 由希子 2021年08月11日) - tenki.jp 枝豆のフムスで夏を味わう|平野由希子の季節のおつまみ|平野由希子の季節のおつまみ|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン) - フィガロジャポン 心リセットする「歩行と森林のマインドフルネス」が始まりました。 【岐阜県下呂市四美の森コース】と【上呂天空遊歩道コース】の2コース - valuepress 自民党と一騎打ち、市民と野党心一つに ながせ予定候補の勝利必ず/長野4区オンライン演説会 小池氏訴え - しんぶん赤旗 鹿児島・宮崎・熊本に大雨特別警報 命を守る行動を!(気象予報士 君島 由希子 2021年07月10日) - tenki.jp 九州北部 週末にかけて大雨に警戒を(気象予報士 君島 由希子 2021年07月07日) - tenki.jp 「ワクチンなんかええ」野宿者の接種 同行記者が見た壁 - 朝日新聞デジタル 桃モッツァレラに山椒を加えて|平野由希子の季節のおつまみ|平野由希子の季節のおつまみ|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン) - フィガロジャポン 取材先でおこられ、正座!『家庭画報』編集長・千葉由希子 (2021年6月14日) - エキサイトニュース 平野由希子が教える、自宅で手軽につくれる「夏麺レシピ」(Pen Online) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 和泉由希子、今期初の卓内トップ「せっかくAリーグに戻れたので残留したい」/麻雀・女流桜花Aリーグ | ニュース - AbemaTIMES 和泉由希子 公式ブログ - 今日も麻雀 - Powered by LINE - lineblog.me 「ママドクターの会」を主宰する大西由希子さん|人・ひと・ヒト|連載・特集|Medical Tribune - Medical Tribune (会員登録) さくらんぼのパスタでロゼの泡を|平野由希子の季節のおつまみ|平野由希子の季節のおつまみ|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン) - フィガロジャポン 【5/24(月)20 00】EX風林火山新メンバーオーディション #1 【和泉由希子 vs 一井慎也 vs 中田花奈 vs 木原浩一】 - mj-news.net 6年間の集大成。グラビア界の人気者が揃った「sherbet」が全国ツアーをスタート! (1/2) - ASCII.jp 途上国の教育、日本は支援増を 松吉由希子氏 - 日本経済新聞 デジタル法案 個人情報は守られる? 専門家2人に聞く - 東京新聞 ホワイトアスパラで味わう、春の贅沢|平野由希子の季節のおつまみ|平野由希子の季節のおつまみ|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン) - フィガロジャポン 地方議会の驚愕実態…懲罰処分のトップ当選女性町議が“怒りの反撃”に出たワケ(伊藤 博敏) @gendai_biz - 現代ビジネス コロナ議事録4会議のみ 政府、15件義務化せず NPO法人「情報公開クリアリングハウス」三木由希子理事長の話 - 毎日新聞 ソラ豆とリコッタチーズのパスタで春の軽やかさを|平野由希子の季節のおつまみ|平野由希子の季節のおつまみ|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン) - フィガロジャポン 和泉由希子 公式ブログ - 昨日と今日 - Powered by LINE - lineblog.me 5カ国語操る新所長 応募200人、原点は南米スラム街 - 朝日新聞デジタル おいしい発酵バターでイチゴのタルティーヌ|平野由希子の季節のおつまみ|平野由希子の季節のおつまみ|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン) - フィガロジャポン 和泉由希子 公式ブログ - みこみこ - Powered by LINE - lineblog.me 九州 18日にかけて平地も大雪の恐れ(気象予報士 君島 由希子 2021年02月17日) - tenki.jp パンデミック克服 病院の統合・再編を 津田塾・伊藤氏 (写真=共同) - 日本経済新聞 冬から春へ、ゴボウとセリのキーマカレー|平野由希子の季節のおつまみ|平野由希子の季節のおつまみ|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン) - フィガロジャポン sherbet・河路由希子が防犯啓発活動に協力「一緒に防犯対策しましょう!」 - iza(イザ!) 巣ごもりの日々、ビールのおともに韓国風フライドチキン|平野由希子の季節のおつまみ|平野由希子の季節のおつまみ|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン) - フィガロジャポン ユリ根とカラスミで作る、冬の炊き込みご飯|平野由希子の季節のおつまみ|平野由希子の季節のおつまみ|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン) - フィガロジャポン 九州 10日にかけて大雪注意(気象予報士 君島 由希子 2021年01月09日) - tenki.jp 九州 元旦の天気 初日の出は見えるかな?(気象予報士 君島 由希子 2020年12月31日) - tenki.jp 九州 あす31日にかけて大雪や暴風などに警戒を(気象予報士 君島 由希子 2020年12月30日) - tenki.jp 赤ワインと醤油で煮る鴨料理|平野由希子の季節のおつまみ|平野由希子の季節のおつまみ|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン) - フィガロジャポン 和泉由希子 公式ブログ - たのしかた - Powered by LINE - lineblog.me 柿とモッツァレラにかけるスパイスは......?|平野由希子の季節のおつまみ|平野由希子の季節のおつまみ|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン) - フィガロジャポン 簡単でヘルシーな菊芋チップス|平野由希子の季節のおつまみ|平野由希子の季節のおつまみ|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン) - フィガロジャポン 栗のリゾットで深まる秋を|平野由希子の季節のおつまみ|平野由希子の季節のおつまみ|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン) - フィガロジャポン 声優・岩居由希子『コナン』歩美役つかんだ“1万円拒否” タクシー代より「次の仕事で呼んで」 - ORICON NEWS 暑い日のスープ|平野由希子の季節のおつまみ|平野由希子の季節のおつまみ|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン) - フィガロジャポン 【連載】『平成29年度卒業記念特集』第13回 小島由希子/女子バスケットボール - wasedasports.com フランス産アスパラガスを手に入れて「リゾット」|平野由希子の季節のおつまみ|平野由希子の季節のおつまみ|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン) - フィガロジャポン 「ふきのとうのオイル漬け」の作り置き|平野由希子の季節のおつまみ|平野由希子の季節のおつまみ|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン) - フィガロジャポン 由希子 -輝くいのち-とは 由希子 -輝くいのち-の58%は食塩で出来ています。由希子 -輝くいのち-の24%は媚びで出来ています。由希子 -輝くいのち-の6%は愛で出来ています。由希子 -輝くいのち-の4%は罠で出来ています。由希子 -輝くいのち-の3%は花崗岩で出来ています。由希子 -輝くいのち-の2%は小麦粉で出来ています。由希子 -輝くいのち-の2%はミスリルで出来ています。由希子 -輝くいのち-の1%は野望で出来ています。 由希子 -輝くいのち-@ウィキペディア 由希子 -輝くいのち- 楽天売れ筋ランキング レディースファッション・靴 メンズファッション・靴 バッグ・小物・ブランド雑貨 インナー・下着・ナイトウエア ジュエリー・腕時計 食品 スイーツ 水・ソフトドリンク ビール・洋酒 日本酒・焼酎 パソコン・周辺機器 家電・AV・カメラ インテリア・寝具・収納 キッチン・日用品雑貨・文具 ダイエット・健康 医薬品・コンタクト・介護 美容・コスメ・香水 スポーツ・アウトドア 花・ガーデン・DIY おもちゃ・ホビー・ゲーム CD・DVD・楽器 車用品・バイク用品 ペット・ペットグッズ キッズ・ベビー・マタニティ 本・雑誌・コミック ゴルフ総合 掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ 由希子 -輝くいのち- このページについて このページは由希子 -輝くいのち-のインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新される由希子 -輝くいのち-に関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
https://w.atwiki.jp/talesofdic/pages/9356.html
地名・地形:アビス 外殻大地フィールド 街・村 ダンジョン その他 外殻大地 フィールド 東ルグニカ平野 西ルグニカ平野 パダン平原 南ルグニカ平野 東アベリア平野 ザオ砂漠 西アベリア平野 パダミヤ大陸 シルバーナ大陸 北ルグニカ平野 ラーデシア大陸 イスパニア半島 キュビ半島 西ホド諸島 ロニール山脈 ホド諸島 街・村 光の王都 バチカル 食料の村 エンゲーブ 城砦都市 セントビナー 国境の砦 カイツール カイツールの軍港 流通拠点 ケセドニア 砂漠のオアシス 鉱山の街 アクゼリュス 音機関都市 ベルケンド ベルケンド港 ダアト 第四石碑の丘 ローレライ教団総本山 ダアト ダアト港 ケテルブルク港 銀世界 ケテルブルク シェリダン港 職人の街 シェリダン 水上の帝都 グランコクマ 監視者の街 ユリアシティ ナム孤島 ダンジョン タタル渓谷 チーグルの森 フーブラス川 コーラル城 バチカル廃工場 ザオ遺跡 デオ峠 アクゼリュス第14坑道 ワイヨン鏡窟 アラミス湧水洞 神託の盾本部 テオルの森 メジオラ高原 シュレーの丘 イニスタ湿原 ザレッホ火山 ロニール雪山 アブソーブゲート フェレス島廃墟群 レムの塔 ラジエイトゲート(ホド浮上後) 栄光の大地 エルドラント(ホド浮上後) ネビリムの岩 キノコロード ワイヨン鏡窟奥地 深淵のレプリカ施設 その他 陸上装甲艦 タルタロス 連絡船 キャツベルト ローテルロー橋 地核
https://w.atwiki.jp/chibifantasy2/pages/735.html
2010お正月 期間 2010.01.01 ~ 2010.01.10 イベント内容 門松でかぽよと門松でかぽよ多から秘湯への案内笛を手に入れ、 干支の牛から虎への交代を手助けする。 MAP 道具屋 セリアローズ城下町 アイテム名 値段 備考 福袋小 100G 1月11日からアイテム欄にある状態で、道具屋→箱開封で開ける事が出来ます。 福袋大 2000G 1月11日からアイテム欄にある状態で、道具屋→箱開封で開ける事が出来ます。 依頼 港町ライナ 依頼 依頼品 契約金 報酬 レア報酬 依頼品入手先 備考 私の牛乳と交換しよう! 風呂上り牛乳2個 120G Lv1イチゴ牛乳60EXP60GOLD コーヒー牛乳60EXP60GOLD 温泉フェアリーDrop 常駐化? カニーにょを交換してくれ! カニーにょ? 150G Lv1ナイスカニヘッド 不明 捕獲 セリアローズ城下町 依頼 依頼品 契約金 報酬 レア報酬 依頼品入手先 備考 カニを食べたい! カニの身3個 300G Lv1チビ湯スリッパ青100EXP 200GOLD チビ湯スリッパ桃100EXP 200GOLD カニーニョ?Drop 仕立て 港町ライナ 仕立て屋 完成品 レア完成品 委託金 材料 材料入手先 備考 ゲン もっちーに三世 不明 600G おはし とりもっち 青こたみん (赤こたみん?) 捕獲 ゲン もっちーに三世 不明 600G おはし とりもちっち? 青こたみん (赤こたみん?) 捕獲 とりもっち と とりもちっち? の 仕立て完成品は同じ物です セリアローズ城下町 仕立て屋 完成品 レア完成品 委託金 材料 材料入手先 備考 ニーナ チラリズムタオル 不明 1200G セクシータオル 温泉フェアリーDrop 常駐化? 限定モンスター出現エリア 期間中、蒼い草原Lからガンタン平野Aへ行く事ができます。 ガンタン平野A⇔B⇔C⇔D⇔E⇔F 場所 出現モンスター レベル ガンタン平野A 門松ぽよ 竹あおむー 門松ぴよこ門松ぽよ増 2~5 ガンタン平野B 門松ぽよ 竹あおむー 門松ぴよこコマぽよ 5~8 ガンタン平野C 門松ぽよ 竹あおむー 門松ぴよこコマあおむー とりもっち 門屋のまっつん 門松でかぽよ? 7~10 ガンタン平野D 門松ぽよ 竹あおむー 門松ぴよこコマぴよこ とりもっち 門屋のまっつん 10~13 ガンタン平野E 門松ぽよ 竹あおむー 門松ぴよこししまいくん とりもちっち? 12~15 ガンタン平野F 門松ぽよ 竹あおむー 門松ぴよこししまいくん とりもちっち? 門松でかぽよ多? 15~18 期間中、門松でかぽよと門松でかぽよ多のDrop「秘湯への案内笛」を使うと秘湯への抜け道Bへワープできます。 使用するときは30G以上持っていないと、ワープに失敗し「秘湯への案内笛」は消えてしまいます。 戦闘数が0の状態で使用する事をおすすめします。 秘湯への抜け道B→虎の湯→ガンタン平野A(全て一方通行) 場所 出現モンスター レベル 秘湯への抜け道B 温泉ちびちゃる 温泉ちゃるママ 門屋のまっつん ししまいくんカニーにょ? 青こたみん 赤こたみん 20~25 虎の湯 温泉ねちゅ 温泉ちゃるママ 温泉イノ? 温泉フェアリー チッシー カニーにょ? うっしー 25~31 虎の湯のうっしーDrop「干支バトン」がアイテム欄にあると虎年モンスターが出現するようになります。 代わりにうっしーは出現しなくなります。バトンタッチです。 場所 出現モンスター レベル 虎の湯 温泉ねちゅ 温泉ちゃるママ 温泉イノ? 温泉フェアリーチッシー カニーにょ? うっしー 25~31 男性のみ:虎之助 女性のみ:虎美 男女共:タイガー温泉 期間中、CPアイテム「ぽよの年賀状2010Lv1」(1個5CP 11個で50CP)を使うとガンタンぽよ平野へワープできます。 ワープ代金はかかりません。 戦闘数が0の状態で使用する事をおすすめします。 →1月3日に修正され、戦闘回数は0でスタートできるようになりました。 2010お正月祭りのキーアイテム、秘湯への案内笛をDropする 門松でかぽよと門松でかぽよ多の出現が多いというのが売りなのですが、 1個もGET出来ない事もあるので確実ではありません。 最大戦闘回数104回まで戦闘する事をおすすめします。 ガンタンぽよ平野→ガンタン平野A(全て一方通行) 場所 出現モンスター レベル ガンタンぽよ平野 門松ぽよ 門松ぽよ増 門松隠れぽよ コマぽよ門松でかぽよ? 門松でかぽよ多? 12~15 2010お正月モンスター 2010お正月アイテム? 2010お正月福袋?