約 65,782 件
https://w.atwiki.jp/sasasa123/pages/1051.html
初心者におすすめのテンプレまとめ 前提 ここで言う初心者とは「テンプレを組むことについての初心者」のことを指します。 テトリスを始めてまだ数日というような方にはテンプレはまだ早かったりするかもしれません... テンプレを組むためには最低限ネクストが見える程度、最低限の平積みができる程度の実力がついてからをおすすめします このwikiでは確定や循環などテトリスの専門用語を多用します。意味が分からない時はここで参照してください。 用語、略語一覧 また、テンプレを組むには7種1巡というテトリスのルールを理解している必要があります。 7種1巡についても用語、略語一覧のページで説明されているので確認しましょう。 難易度 そのテンプレを簡単な使い方をした時に要求される能力 セットアップ率 ★★★で75%前後、★★★★で100%、★★★★★で片側100% 最高火力 ネクストの運が良い時にラインを送れる量 地形 運に依らずに地形が安定するかどうか 使用可能期間 プレイヤーが成長していく中でテンプレの強さが限界を迎えるまでの期間の長さ 最後に、このページではテンプレを難易度の順番に載せています いきなり難しいテンプレから始めようとすると習得が大変になることがあるため、「これを覚えたい!」というのが特にない方は実力に合った難易度のテンプレから選んでみましょう 初心者、初級者向けにおすすめのテンプレ 0. 平積み 難易度 2 セットアップ率 ★★★★★ 最高火力 ★★☆☆☆ 地形 / 使用可能期間 中 覚えることが何もない 最初から中盤に入ることができるので地力が伸びやすい 1. ステーブルレストアv.fast 難易度 1 セットアップ率 ★★★★★ 最高火力 ★☆☆☆☆ 地形 ★★★★★ 使用可能期間 長 セットアップ率100% JLOの循環を練習できる + 初心者向け説明 一巡目 Tをホールドしたまま100%組むことができます。 最後に2ライン消ししましょう また、屋根をつけてTSDをうつこともできますが、穴を作ってしまうので注意しましょう 二巡目以降 このテンプレは一巡目でもう終わりで、 二巡目からは色々なことができます 分かりやすいように例を置いておきます ※例なのでこう組む必要はありません 2. SIOループ 難易度 1 セットアップ率 ★★★☆☆ 最高火力 ★★★★☆ 地形 ★★★★★ 使用可能期間 中 半永久的にTSDを打てる パフェがとれることがある 見た目が美しい + 初心者向け説明 一巡目 JとLが早いと組むことができます。 最後にTで2ライン消ししましょう 二巡目以降 二巡目は20.0%の確率でパフェがあります パフェがないときはメカニカルTSDをすることができます メカニカルTSDは無理にやると火力を受けすぎて刺さることがあるので、実戦なら適度なところで止めて掘るようにしましょう 3.確定DT砲 難易度 3 セットアップ率 ★★★☆☆ 最高火力 ★★★☆☆ 地形 ★★★★☆ 使用可能期間 中 形を覚えやすい 内側に開いていて掘りがやりやすい 4. アトラス積み 難易度 3 セットアップ率 ★★★★★ 最高火力 ★★★★☆ 地形 ★★☆☆☆ 使用可能期間 短 セットアップ率100% TST→TSTができる 5. カーリング積み 難易度 3 セットアップ率 ★★☆☆☆ 最高火力 ★★★★☆ 地形 ★★★★☆ 使用可能期間 長 初心者から上級者まで広く長く色々な使い方ができる パフェ率99.68%の地形が組める + 初心者向け説明 一巡目 Iを置けたら組むことができます SZを置いてからIは回転入れできないので注意しましょう 二巡目 地形を安定させる3パターンの組み分け カーリング積みは2巡目にとても色々な積み方ができます。 形によってはパフェがあるので、2巡目の積み方を色々研究してみても面白いかもしれません 回転入れ カーリング積みなどの端開けTDは左屋根の向きで組むことが多いです。 左屋根の向きで組んでいる場合、DT砲などの回転方向とは逆で右回転を使うので注意しましょう。 6. 開幕DT砲(あずにゃん砲) 難易度 4 セットアップ率 ★★★☆☆ 最高火力 ★★★★☆ 地形 ★★★☆☆ 使用可能期間 中 形を覚えやすい 非常に操作性が良い 二巡目を終了した時にTSTが埋まらないことがある 地形が少し難しい + 初心者向け説明 一巡目 Jを置けたら組むことができます。 Jが遅い時は組むのを諦めましょう + 少し慣れてきた人へ 一巡目には循環があります。 これも使うことでセットアップ率を上げることができます(75.83%→81.39%) このパターンは横移動や回転なしで組むことができ、とても速度を出すことができます 二巡目 JとLの場所を固定しましょう。 右側は以下のパターンを使って埋めることができます Tミノは最後までホールドします 回転入れ DT砲は複雑な回転入れをします まずはTをこの位置にもってきて、 ↓左回転 ↓ソフトドロップ ↓左回転 + あずにゃん砲の代替案、補完テンプレ あずにゃん砲の代替案、補完テンプレ 二巡目にTSTを埋められるテンプレ AntiRotationDT 難易度 4 セットアップ率 ★★☆☆☆ 最高火力 ★★★★☆ 地形 ★★★★☆ 使用可能期間 中 回転を使わずに1巡目を組める 組み分けが簡単 DTTDがやりやすい 地形が安定している + 初級者向け説明 一巡目 あずにゃん砲が組める条件に+Iが早いと組むことができます 二巡目 QT砲 難易度 3 セットアップ率 ★★★★☆ 最高火力 ★★★★☆ 地形 ★★★☆☆ 使用可能期間 中 セットアップ率が高い DTTDがとてもやりやすい まとめうちができない 8段パフェが狙えることがある + 初心者向け説明 一巡目 セットアップ率 94% J土台/O土台 TとZが両方速い時に組むことができません 二巡目 JをホールドしたままTSDをうてます + 開幕DT砲(Z違い) 開幕DT砲(Z違い) 一巡目 開幕DT砲でZが遅い時はここにZを置いてみてはどうでしょうか 二巡目 なんと1パターン確定でこの形を組むことができます →Zミノの回転入れ 補完がとれているテンプレ 開幕DT砲(T土台) 難易度 5 セットアップ率 ★★★☆☆ 最高火力 ★★★★☆ 地形 ★★★★☆ 使用可能期間 中~長 開幕DT砲(あずにゃん砲)と合わせてセットアップ率が100%になる 地形が安定している パフェ阻止のために2ライン消しに切り替えられる + 初心者向け説明 一巡目 ZとTが早いと組むことができます。 以下の順番で置くと事故が起きないでしょう 二巡目 二巡目は以下のパターンが組めます Sが遅い時は上のパターン(確定)、早い時は下のパターンを組みましょう Tミノは最後までホールドしましょう 7. Mr. T-Spin s STD 簡単に火力が出せる 地形が内側に開いていて刺さりにくい 難易度 4 セットアップ率 ★★☆☆☆ 最高火力 ★★★★☆ 地形 ★★★☆☆ 使用可能期間 中~長 8. リライアブルTSD 難易度 6 セットアップ率 ★★★☆☆ 最高火力 ★★☆☆☆ 地形 ★★★★☆ 使用可能期間 長 TSDを打てるテンプレとしてはセットアップ率が高い 派生が多い 9. ベーカリーTD 難易度 6 セットアップ率 ★★★☆☆ 最高火力 ★★★★★ 地形 ★★★★★ 使用可能期間 長 地形が安定している 組み分けが簡単 2巡目の操作性が良い TSDパフェ率が比較的低い 10. 山岳積み2号(Lミノ固定) 難易度 7 セットアップ率 ★★★★☆ 最高火力 ★★★★☆ 地形 ★★★☆☆ 使用可能期間 中 反転と合わせてセットアップ率100% ソフトドロップが少し多い + 初心者向け説明 一巡目 このテンプレは反転した形と併用して100%組むことができます それぞれJを置けたら確定/Lを置けたら確定します。 (ネクストのJミノとLミノの場所を見て、Jミノのほうが早いと上のパターン、Lミノのほうが早いと下のパターンが組めます) 二巡目 二巡目はSとOの順番を見ます。 Sのほうが早い場合1番目、Oのほうが早い場合2番目、慣れてきたら3番目も狙いましょう この組み分け方はホールドのLミノを1か所に固定することができます。 + 反転 + 三巡目 三巡目 三巡目はパフェをとることができます。 ただし、パフェは派生として一つの選択肢であることを理解しておきましょう 理想形 理想形は2つの塊を埋めるイメージでパフェをとります。 置き方の例 + パターン一覧 準理想形 この地形はOとLを固定することでほとんどのパフェを網羅できます。 置き方 + パターン一覧 + 山岳積み2号の代替案 山岳積み2号の代替案 反転と合わせてセットアップ率100% ドット砲 難易度 5 最高火力 ★★★★☆ 地形 ★★★☆☆ 使用可能期間 短 理想形を組める確率が高い 全体でソフトドロップが少し多め ガムシロ積み 難易度 7 最高火力 ★★★☆☆ 地形 ★★★☆☆ 使用可能期間 長 理想形を組める確率が高い 全体的に操作性が良い 理想形が組めない時に地形が難しくなる パフェが非常に難しい 11. SingleYou 難易度 7 セットアップ率 ★★★☆☆ 最高火力 ★★★☆☆ 地形 ★★★★☆ 使用可能期間 長 2巡目以降確定のルートが非常に多く存在する ソフトドロップを減らすのが難しい 長く使っていくうえで引き出せるポテンシャルが高い + 初心者向け説明 一巡目 OがZより早いと組むことができます Jミノは回転入れできます 二巡目 二巡目は非常にたくさんのルートがあります その中から2つを紹介します ルート1(S-DQ) ルート2(ピラミッドSDTD) + ピラミッドSDTD 三巡目 確定でTDアタックができます 1パターン確定 他のルートを知りたいという方はここを参照してください! 一巡目T横 一巡目T縦 このテンプレは一巡目にTSSをうった後地形が良くなるので、2巡目から平積み(63積みなど)をするというのもありでしょう 初級者向けのテンプレ ここからは覚える難易度が少し高いテンプレになります テンプレを1つ以上組めるようになって、まだ他にも気になるものがあるという方におすすめです 13. くろみつ砲 難易度 6 セットアップ率 ★★★☆☆ 最高火力 ★★★★★ 地形 ★★★☆☆ 使用可能期間 長 組み分けをする時に考えることが少ない パフェが分かりやすい 1巡目のセットアップ条件が分かりにくい + 初級者向け説明 一巡目 JやLが早めだと組みやすいです 二巡目 二巡目はSとOの順番を見ます。 Sのほうが早い場合1番目、Oのほうが早い場合2番目、慣れてきたら3番目も狙いましょう 14. オリーブ積み 難易度 7 セットアップ率 ★★☆☆☆ 最高火力 ★★★★★ 地形 ★★★★★ 使用可能期間 長 パフェ性能・速度・地形の安定感全てで高い性能を誇るテンプレ 1巡目のセットアップ条件が少し分かりにくい 15. 伯父砲 難易度 7 セットアップ率 ★★★☆☆ 最高火力 ★★★★☆ 地形 ★★★★☆ 使用可能期間 中 理想形のTSDパフェ率が高い 慣れるまでは1巡目が難しい 16. にはち砲 難易度 7 セットアップ率 ★★☆☆☆ 最高火力 ★★★★☆ 地形 ★★★☆☆ 使用可能期間 長 2巡目に必ずTSTを打てる S→T→パフェを狙える 17. BT砲 難易度 9 セットアップ率 ★★★★★ 最高火力 ★★★★★ 地形 ★★★☆☆ 使用可能期間 短~中 反転込みセットアップ率100% 5巡目のパフェまでの派生が安定する パフェを阻止された時でも高い火力を出せる ミノ順によっては発火が3巡目になることがある 18. はちみつ砲(Jホールド) 難易度 10 セットアップ率 ★★☆☆☆ 最高火力 ★★★★★ 地形 ★★★★★ 使用可能期間 最大 完璧に組み分けをできると全テンプレの中でも最高の出力を発揮できる パフェが分かりやすい 難しい組み分けをしようとすると事故を起こすことがある 地形が安定している 19. Loyal TD(Sホールド) 難易度 10 セットアップ率 ★★☆☆☆ 最高火力 ★★★★★ 地形 ★★★★☆ 使用可能期間 中~長 I始動 組み分けが単純 感覚的にパフェをとりやすい 補足 開幕テンプレにはここに載っているものに限らずとても色々なものがあります さらにここに載っていない初心者向き・初級者向きのテンプレもまだまだたくさんあるので まだ興味がある方はぜひ実戦テンプレ一覧を見てみてください コメント欄 テンプレを使ってみた感想や質問、他におすすめのものなど是非気軽に使ってください! この欄作ってみたはいいけどコメント全然こない... -- ABABC (2024-06-11 05 04 14) TTパフェとかくろみつ砲(新月積み)も良いと思います(超主観) -- れみ◆ふぇんたにる。 (2024-08-01 02 56 09) くろみつ砲いいですね TTパフェみたいな亜種はそもそもが実戦で使いにくいかも? -- ABABC (2024-08-06 03 26 30) アトラス積みいいですね。 あと山岳積み三号や七篠積みとかどうですか -- マルゲリータ (2024-08-30 12 59 58) 三号は二号のところにひっそりいたりします 七篠積み1巡目難しいけどどうしようかな -- ABABC (2024-09-14 02 14 14) 何時に編集しているんですか 開幕パフェはやめた方がいいのではないでしょうか なおさら初心者に向いていない気がする -- マルゲリータ (2024-09-14 02 23 07) グラビティーTD とか -- マルゲリータ (2024-09-14 02 25 36) パフェ積みは自分が初心者だった時の記憶からわりとパフェがとれることを知ってるんですよね 1巡目が簡単なのでテンプレを楽しんでもらいたいという意図もあったりして入れてます なおさらというのはちょっと気になるので聞いてみてもいいですか -- ABABC (2024-09-21 07 09 02) パフェ積み組むなら1st Bagが確定するやつ組んだほうが良い気がする -- 大晦日江璃 (2024-09-21 12 09 03) 開幕パフェ不利説論者なので... でも理論パフェ率60%で直列が来る確率を考えると有利とれる確率が相当低いなと考えています。 -- マルゲリータ (2024-09-21 21 03 03) そっかぁ おすすめって対戦で使う前提のものだから対戦で微妙なものって確かにあんまりよくないですね -- ABABC (2024-09-24 12 25 33) レイアウトが新しくなってる! Mr. T-Spin's STDはずっと使っていけると思います。(TDテンプレが流行っている中でパフェをつぶせるので) -- マルゲリータ (2024-09-26 17 22 31) このテンプレは上位帯で使うとなると柔軟性(地形)の面で難があってTDにあんまり有利はとれないんです ただ考え直してみると1巡目の土台がいいような気がしてきたので中~長にしようと思います! -- ABABC (2024-09-26 22 46 48) さじSDとかさぎSDとかどうですか? -- マルゲリータ (2024-09-27 16 32 14) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/fadv/pages/2578.html
禍根(検屍官シリーズ) 題名:標的 上/下 原題:Flesh And Blood (2014) 作者:パトリシア・コーンウェル Patricia Cornwell 訳者:池田真紀子 発行:講談社文庫 2015.12.21 初版 価格:各\1,250- 何年も読んでいない時期があって、それを少しずつ読み始めて、やっと最新作に追いついた。読んでみれば、なるほど読み進むシリーズである。何年もブランクがありながら、シリーズ・レギュラーは、マリーノ、ベントン、ルーシーの三人くらいで、しかもヒロイン、ケイ・スカーペッタは、あまりにも個性的な彼らと非常に強固な運命共同体を作っているので、人間関係問題についてはこの四人の間だけがずっと続いていてわかりやすいシリーズなのだと言える。シリーズを中断したけれど、時間を置いてひさびさに手に取りたいという読者には安心のシリーズである。 しかし検屍官シリーズも22作目を数えるそうである。年末には新作を読まないと年を越せないという読者もいるくらいの人気作品である。嘘だと思うならクリスマス前後の書棚の平積みコーナーを眺めてみるがよい。他の文庫本を圧倒する勢いで物量攻勢に出ているのが目立つことだろう。シリーズ発進の頃の勢いはけっこうなものだった。普段ミステリを読みもしない富良野のスナックの店員ですら何冊もシリーズを追いかけて読んでいた。面白い、のだそうである。事件も人間関係も。 四人の個性を揃えたのはまずは成功だったろう。そして科学捜査という言葉に最初に唾をつけたような作品も。当時、殺人事件の死体を解剖する人、などという役回りはミステリの主役になり得なかった。しかし、現在ではどこもかしこも科学捜査流行りで、検死医や鑑識官は壇上に引き出されて大忙しである。時代は直観から科学へと確実に遷移したのだ。 さてそうした科学に纏わる、どちらかと言えば男性的なイメージを持つハードアイテムをミステリの最前線に持ち上げた功労者の一人が間違いなくパトリシア・コーンウェルである。美人女性作家で、元警察記者で元検視局のコンピューター・アナリストという経歴を持つ彼女は、等身大のヒロイン、イタリア系のケイ・スカーペッタという美人検屍官を世に送り出した。 その頃のシンプルなサイコと科学捜査の対決構図は、その後、ケイやベントンの所属する組織をより強力な物語のファクターとして、組織内、組織間の目まぐるしい対立構図や策謀に満ちた闇を描くことで、単純な善悪対決にとどまらぬ混沌の様相を呈してくる。ヒロイン自らが騙され、心に傷を負うエピソードや、警察組織に属する優秀な一匹狼刑事マリーノとの距離感が常に人間関係にひずみを生み出す。天才少女でFBIにも所属したことのある姪のルーシーは未だにケイの愛情故の悩みの種であり続ける。 本書では狙撃が主題となる事件に幕を開ける。まるでスティーブン・ハンターばりの分析が見られる点で、より男性的な小説イメージが強い。さらに思いもよらぬ犯人像に、またかとシリーズを股にかけるツイストの存在に驚愕。男性的な科学捜査とハードウェアの描写が、ケイがイタリア料理を作る女性的シーンと混交して不思議な魅力を作り出す。 微細な描写と、濃密な時間の流れ(たいていが一日か二日の事件で一作が終わる)、そして最近は、二作連続で、レギュラー陣総出演でのエンディングが用意されるあたり、作者にもずいぶん余裕が見られるようになったと、ぼくはほっとして巻を閉じることができるのである。 (2016.3.11)
https://w.atwiki.jp/fadv/pages/2039.html
標的 題名:標的 上/下 原題:Flesh And Blood (2014) 作者:パトリシア・コーンウェル Patricia Cornwell 訳者:池田真紀子 発行:講談社文庫 2015.12.21 初版 価格:各\1,250- 何年も読んでいない時期があって、それを少しずつ読み始めて、やっと最新作に追いついた。読んでみれば、なるほど読み進むシリーズである。何年もブランクがありながら、シリーズ・レギュラーは、マリーノ、ベントン、ルーシーの三人くらいで、しかもヒロイン、ケイ・スカーペッタは、あまりにも個性的な彼らと非常に強固な運命共同体を作っているので、人間関係問題についてはこの四人の間だけがずっと続いていてわかりやすいシリーズなのだと言える。シリーズを中断したけれど、時間を置いてひさびさに手に取りたいという読者には安心のシリーズである。 しかし検屍官シリーズも22作目を数えるそうである。年末には新作を読まないと年を越せないという読者もいるくらいの人気作品である。嘘だと思うならクリスマス前後の書棚の平積みコーナーを眺めてみるがよい。他の文庫本を圧倒する勢いで物量攻勢に出ているのが目立つことだろう。シリーズ発進の頃の勢いはけっこうなものだった。普段ミステリを読みもしない富良野のスナックの店員ですら何冊もシリーズを追いかけて読んでいた。面白い、のだそうである。事件も人間関係も。 四人の個性を揃えたのはまずは成功だったろう。そして科学捜査という言葉に最初に唾をつけたような作品も。当時、殺人事件の死体を解剖する人、などという役回りはミステリの主役になり得なかった。しかし、現在ではどこもかしこも科学捜査流行りで、検死医や鑑識官は壇上に引き出されて大忙しである。時代は直観から科学へと確実に遷移したのだ。 さてそうした科学に纏わる、どちらかと言えば男性的なイメージを持つハードアイテムをミステリの最前線に持ち上げた功労者の一人が間違いなくパトリシア・コーンウェルである。美人女性作家で、元警察記者で元検視局のコンピューター・アナリストという経歴を持つ彼女は、等身大のヒロイン、イタリア系のケイ・スカーペッタという美人検屍官を世に送り出した。 その頃のシンプルなサイコと科学捜査の対決構図は、その後、ケイやベントンの所属する組織をより強力な物語のファクターとして、組織内、組織間の目まぐるしい対立構図や策謀に満ちた闇を描くことで、単純な善悪対決にとどまらぬ混沌の様相を呈してくる。ヒロイン自らが騙され、心に傷を負うエピソードや、警察組織に属する優秀な一匹狼刑事マリーノとの距離感が常に人間関係にひずみを生み出す。天才少女でFBIにも所属したことのある姪のルーシーは未だにケイの愛情故の悩みの種であり続ける。 本書では狙撃が主題となる事件に幕を開ける。まるでスティーブン・ハンターばりの分析が見られる点で、より男性的な小説イメージが強い。さらに思いもよらぬ犯人像に、またかとシリーズを股にかけるツイストの存在に驚愕。男性的な科学捜査とハードウェアの描写が、ケイがイタリア料理を作る女性的シーンと混交して不思議な魅力を作り出す。 微細な描写と、濃密な時間の流れ(たいていが一日か二日の事件で一作が終わる)、そして最近は、二作連続で、レギュラー陣総出演でのエンディングが用意されるあたり、作者にもずいぶん余裕が見られるようになったと、ぼくはほっとして巻を閉じることができるのである。 (2016.3.11)
https://w.atwiki.jp/cleaning_wiki/pages/54.html
その1:狭い空間に効率良く収納したい その2:利用しやすさを優先する 補足 その1:狭い空間に効率良く収納したい (1)まず大きさ別に並べる。その次に同じ大きさの中で左右にジャンル分けする。 特にハードカバーでA5・B6を分けると有効。わずかな差でA5では入らない棚も B6なら入る場合がある。また菊倍判(楽譜など)とA4本の棲み分けも有効。 (2)なるべく無駄な空間が無いように可動棚を組む。 (3)本棚に入るものは本が最優先。次に一定期間ごとに増える雑誌類。 その他の書類、ノート、ファイル、アルバム、CD、ビデオなどは なるべく専用棚・専用段を作る。 あまりぎゅうぎゅう詰めに入れない。文庫1冊分の隙間が残る程度が適当。 重い本はなるべく最下段あるいはしっかりした固定棚の段に入れる。 無理な重さの本を一度に入れない。薄い中板、細いダボネジの棚がたわむようなら、 本を分散させるか棚板を組み替えて一回りサイズの小さな本を入れる。 本の横置き・平積みは厳禁。 なるべく二重に置かない。やむを得ず置く場合は大きな本の前に小さな文庫本を 置くなどして、奥の可視性を保つ。 本の前にアクセサリー類を並べない。写真立て等を置く場合は1段につき1個までとし、 本を取り出す際すぐに避けられるようにする。本の前に小物をたくさん並べるのは論外。 ただし本が一冊も入っていない/または大分空いている棚にアクセサリーを並べるのは可。 要らないダボネジをはめたままにしない。端の本を取る時に引っかかり本が傷つく。 辞書は一番手の届きやすいところに置くのが鉄則。学生なら教科書/参考書/ノートも同様。 ただし机の上に立てて並べるのはお勧めできない。その分作業スペースが狭くなるので。 その2:利用しやすさを優先する 本棚を買う時はしっかりしたものを選ぶ。中途半端な安物だと重さに耐え切れずゆがむ。 その際に板の材質だけでなくダボネジの太さなどもチェックする。 漫画、CD、ビデオなどをコレクションしている人は、奥行きの薄い本棚や専用ラックを 置くことを検討するのも良い。 二重置きや横積みが増えてきたらそろそろ満杯サイン。 要らない本や雑誌を捨てるか、だめなら新しい本棚を買いましょう。 本棚と他の家具の間のちょっとした隙間は、細長い隙間家具を置くと大分有効に使える。 サイドオープン棚を使うのも一案。机の横に置いて使える。辞書や教科書、参考書など すぐに取り出したいものを置くのに都合が良い。 ブックエンドを活用すると便利。特に簡易オープンラックで側板が無い場合は必須。 なるべく直射日光に本を当てない。日焼けして色が褪せる。 そういう場所に本棚を置かない。 やむを得ず置く場合は、新規の本棚なら扉付きなどを検討するのも良い。 デザインにもよるがカバー布を掛けるか突っ張り棒とカフェカーテンなどで対処を。 ただしどちらも取出しの邪魔にならないように。 部屋そのものにレースのカーテンを常に掛けておくのも良いし、 本棚に陽の当たる部分の窓だけカフェカーテンをかける手もある。 長期収納する本は紙魚(しみ)やカビに注意。本は湿気を吸いやすい。 一番よくないのが押入れに横積みに収納する方法。カラーボックスを使うだけで大分違う。 作り付けの棚や洋室クローゼットを使う場合はたわみに注意。場合によっては補強するか、 無理せず本棚を使う。 補足 【部屋のディスプレイ】という観点や【保存状態を最優先したい】場合もあるだろうし、 すべての条件を満たすのは難しい。 また、本は増えるものだから 後から入れる空間を確保して構想することが必要。 あらかじめギュウギュウ詰めにしてあると、 新規に購入した本が そこいら中に散らばることになる。 尚、本の整理中は必要以上に中を見てはいけない。読みふけって数時間が消える。
https://w.atwiki.jp/fadv/pages/2169.html
暁に立つ 題名:暁に立つ 原題:Split Image (2010) 著者:ロバート・B・パーカー Robert B. Parker 訳者:山本博訳 発行:早川書房 2010.12.15 初版 価格:¥2,000 パラダイス警察署長ジェッシィ・ストーンのシリーズと女性探偵サニー・ランドルのシリーズが、本書で合流する。無念なことに、パーカーはこの作品を最後に他界してしまったので、どちらのシリーズにとっても、この作品が最終作となってしまった。逆に言えば、ここで二つのシリーズが合流しておいてよかったと言えるかもしれない。特に最終章を読み終わるときに、ぼくはそう感じた。突然死と伝えられる作者であるが、無意識のうちに、作家の魂がシリーズを閉じようとしていたのかもしれない。 ジェッシィもサニーも、恋愛と結婚については今一つうまくゆかず、ともにカウンセラーに世話になり、心のケアを必要としている状況だから、少なくともこの事件を契機に二人のライフ・ストーリーに共に節目が着いてゆくのは偶然ではない。スペンサー&スーザン・シルバーマンのシリーズのように完成された自信、そして折り合いのついた愛情生活に辿り着くには、シリーズはさほど冊数を重ねていないのだから、とりあえずはあまりの不安定には折り目をつけて置いた方がいい。 さて本書。大西洋に面する港町パラダイスを舞台に、二つの殺人事件(警察:ジェッシィ担当)と、一人の少女を怪しげな教会から救い出す依頼(探偵:サニー担当)が展開する。二人の男女主人公の他に、スペンサー・シリーズのレギュラー陣も登場するのが魅力。スーザン、リタ・フィオーレ、ヒーリィ。 基本的には感情表現の文章を入れ込むことのないパーカーだが、サニー・ランドルが主体となるパーツのみ、彼女の感情を第三者視点で書き込んでいる。文体が違うのだ。そもそもパーカーが女性を主人公に女性目線での小説を書き始めたとき、そのこと自体が話題になったのだが、既に確立されていたパーカー小説作法からの脱却のようなものもパーカー自身は胸に思い描いていたのかもしれない。本書のサニーの叙述は、スペンサーやジェッシィとは異なる味わいがあるので、最後にこの辺りも確かめておきたい。 本シリーズでは、荒事は主としてサニーの相棒パイクが引き受ける。性的マイノリティでもあるパイクは、セックスそのものが主題となる本書のテーマにとって、一つの遠慮がちに記述されたバリエーションであるかに見える。本書の中で印象の深い、美しい一卵性双生児の姉妹については、ミステリの一つの道具立てとしても、本書の複雑な人間関係の中を遊泳する奇妙な精神的フリークとしての印象的構図であるようにも見えるのだが、かつてのハードボイルドであればあり得なかったようなモダン・セレブの現代ならではの頽廃が浮き出てきそうだ。 スペンサーの方は仕事も恋愛関係も盤石の安定を誇るけれど、そもそも仕事や恋愛関係の不安定から始まったジェッシィの方は、まだまだ安定には程遠く、酒やカウンセラーの力を借りて何とかやり過ごしている感が否めない。ソロで仕事をするスペンサー&スーザンに比べると人間関係のストレスがもっとあってもおかしくないのだが、パーカーの作品では職場内でのストレスは、他の警察小説作家ほどには取り上げられない。ジェッシィは、恵まれていると思う。 プロットが極度の多重構造でないこと、シンプルなミステリ仕掛けであることも、パーカー作品の特徴。むしろシンプルさを誇る。年に二三本のシリーズを一本ずつ上梓できていたのも、その辺りのタイトさの故だろう。重たい作品が多い昨今と比べると、この時代は、このサイズの翻訳ハードカバーがそれなりに売れていた。翻訳小説が日本の書店の平積み台から姿を消してしまいがちな現在、パーカーの貢献度は今さらながら光って見える。長い年月の作家活動しかもたらし得ない積み上げの実績そのものだ。 (2019.05.15)
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/1680.html
佐々木「『ワンピース』…?ふーん、最近書店で平積みになっているのをよく見かけるけど結構な人気タイトルみたいだね」 キョン「結構どころか相当だな、佐々木は読んだことないのか『ワンピース』?」 佐々木「僕はあまり漫画を読まないからね…いや、見ないといったほうがいいかな」 キョン「確かにお前は漫画ってイメージじゃないな…どっちかっていうと純文学とか難しそうな本を読んでそうだが」 佐々木「ふーん、キョンの僕に対するイメージはそんな感じなのか、…残念だがキョン、僕は純文学も難しそうな本も好んでは読まないよ」 キョン「そうかい」 佐々木「とはいっても誰もが一度は耳にしたことのあるタイトルはざっと読んだつもりだよ、…例えばそうだね『ノルウェイの森』とか、キミも読んだことはあるんじゃないか?」 キョン「…いや、確かにその名前は聞いたことはあるが読んだことはないな、せめて『我輩は猫である』とかにしてくれ、…読んだことはないが」 佐々木「くっく、キミらしいね」 キョン「それにしても意外だな『好んでは読まない』って、お前は文学少女とは言わないがかなり本を読んでそうなイメージがあったんだが…」 佐々木「またイメージかい?…ふむ、今度じっくりキミの僕に対するイメージとやらをお聞かせ願いたいのだが…、そうだね、本はそんなに読まないんだ」 佐々木「もちろん本は好きだよ、でも昔と違ってゆっくり読書をする時間がないんだ、…いや正確にいうと読書をする時間を僕が勝手になくしていると言ってもいい…」 キョン「…勉強か」 佐々木「うん…こればっかりは、どうしてもね…」 キョン「…」 キョン「…じゃあもし時間があったとしてだ、佐々木はどんな本を読むんだ?『好んで読む本』だ」 佐々木「え?あ、ああ…どんな本…か…」 佐々木「…」 キョン「?」 佐々木「…キョン、この一連の会話の中での『本』をキーワードとしたキミの僕に対するイメージを、僕は大いに尊重したい」 キョン「?」 佐々木「…つ、つまりだね、僕は本をたくさん読んでしかも純文学やキミがいった難しい本を好んで読んでいる、これでいいじゃないか」 キョン「…?」 キョン「スマン、佐々木、ちょっと何を言っているのか分からない…お前にしては珍しくだ、…えーと、…実際は読んでないんだよな?」 佐々木「…」 佐々木「読んでるよ」 キョン「…え?読んでるのか?…さっき『これでいいじゃないか』って…」 佐々木「それは揚げ足というものだよキョン、いつからキミはそんなに底意地が悪くなったんだい?」 佐々木「僕の知っているキミはもう少し人に優しいイメージがあったんだが…」 キョン「あ~わかった、スマン、もうこの話はよそう」 佐々木「それが賢明だよキョン」 キョン「…にしてもイメージねえ…今度佐々木の俺に対するイメージをじっくりお聞かせ願いたいものだ」 佐々木「ふむ、お互い同じ考えという訳だ、どうだい?今度と言わず今からでもじっくり話し合うというのもいいと思うのだが」 キョン「なら家に来るか?久しぶりに昔みたいに一晩中語り明かすか、ちょうど今日は親も妹も親戚の家に泊まりらしいからな」 佐々木「そ、そうかい…じゃ、じゃあ僕は一旦家に帰って荷物を持ってくるよ」 キョン「おう、そうか、じゃあまた後でだな」 佐々木「う、うん、それじゃキョンまた後で///」 キョン「…あ、佐々木」 佐々木「?」 キョン「家に『ワンピース』あるから今晩読んでみろよ、面白いぜ?」
https://w.atwiki.jp/fadv/pages/1625.html
チャイルド44 題名:チャイルド44 上/下 原題:The Child 44 (2008) 作者:トム・ロブ・スミス Tom Rob Smith 訳者:田口俊樹 発行:新潮文庫 2008.09.01 初版 2009.1.25 7刷 価格:上\705/下\667 十年に一度の傑作という作品は本当にある。それはもしかしたら万人が認める作品ではないかもしれない。もしかしたらベストセラーですらないかもしれない。しかしそういう作品にはやはり巡り合いたいと願う。 新潮文庫の海外小説は新人作家発掘への飽くなきチャレンジを細く長くだが、現在も続けている。娯楽小説界にとって一つの係留索のようなものであり、そのため、時にこれはというような傑作を掘り出して見せる。 傑作の存在に最初はあまり多くの人が気づかない。傑作の匂いを嗅ぎつけるには、どんな能力が必要なのだろうかと、ぼくは常日頃悩む。判断材料の良し悪しを問われるかもしれない。ぼくにとっての判断材料はあまりこれと言った確実なものがない。帯の文句には何度騙されてきたか知れない。カバーのシックさ、クールさにも。それらに較べると翻訳者により判断するという一つの方法は、けっこうヒット率が高いように思われる。 本書はかのローレンス・ブロックの翻訳で知られる田口俊樹。そこで本を手に取るまでは行ったものの、スターリン体制化のソヴィエトの時代、あの連続殺人事件に関わる、といっただけで、今さらサイコ・スリラーでもないだろう、とぼくは本を書棚の平積みコーナーに戻してしまったのだ。 『このミス』でこの作品が2008年度海外部門の一位に輝いたときも、ぼくはさほど衝動を受けなかった。最近富に選択傾向に距離を感じるようになっているぼくにとって『このミス』は全然絶対的な価値を持たないでいるのだ。なので、一位になった作品くらいは気が向いたときに読んでおこう、くらいの気持ちでとりあえず買ったのだった。それが年末の『このミス』に触発されて年明けて冬の真っ只中。 それでも、ぼくはこの作品を手に取らない。結局読み始めたのは、単身赴任先から月に一度だけ帰る札幌への航空機の中、真夏の八月のことだった。 ところが、読み始めるや否や、ぼくは作品世界に捉えられることになる。1950年代のソヴィエトというある種、何もかもが極度に懐疑的な時代に展開するその物語の苛烈さに。人間たちの命の重さ、罪深さに。まさにこれは十年に一度の傑作ではないのかという実感に捉われながら、ぼくは札幌の我が家に到着してからも、カウチに横になってずっとこの本に捉われ続けた。 上下巻を一日一冊ずつ二日間で読み終える。そのストーリーの重たさが一つの魅力なのだが、その重心を象るものは、警察官である主人公が弱き人民に対し持つ権力の重さであり、夫婦、親子の愛という以上に生存への渇望の激しさであり、それらの日常生活に染み入ってくる社会的懐疑の深さである。国が、上司が信じられぬ中で、主人公は連続殺人事件の真相に触れてゆく。鉄路をめぐる殺人事件の奥を探る行為は、記憶をめぐる失った兄への追悼の儀式でもあるかのようだった。 この作家は、イギリス人の母とスウェーデン人の母との間に生まれた1979年生まれの29歳だという。信じがたい才気だ。読者の側がいかに知らぬ時空だとは言え、その時代の重さを感じさせてやまない圧迫感に似た小説の持つ迫力を、青年と言っていいような年齢の新人作家が書いたのだと言う。まさにこれは天才の仕事なのかもしれない。 (2010/04/04)
https://w.atwiki.jp/neco1/pages/13.html
妖怪シリーズ ・百器徒然袋ー雨 ・姑獲鳥の夏 その他 ・続巷説百物語 *百器徒然袋ー雨* 【りみ】 私はミステリーの短編集というのが好きです。そして妖怪シリーズではえのさんが大好きです。私の好きな要素が二つあわさった「百器徒然袋ー雨」はもうおもしろくないはずがないっ!と思って読んだら、期待を裏切らない予想以上のおもしろさでした。 3作品収録されていますが、ドンドン榎木津パワーが炸裂していきます(笑)そして、京極堂も壊れていきます(笑)彼が「恋は盲目だよ」と言ったときはマジでのけぞりました。彼の口からそんな言葉が発せられるとは・・・。 それはさておき(苦笑)出てくるキャラクターのパワーがとにかくすごいです。めちゃくちゃなようでえのさんの言ってることというのは決して的をはずしたものではなくて、真実なんですよね。たまにおかしなことも口走ってますが(笑)そこがえのさん魅力の1つなのでしょう *姑獲鳥の夏* 【りみ】 小学生くらいのときから「ゲゲゲの鬼太郎」が好きでした(笑)夏休みになると夕方から再放送される「ゲゲゲの鬼太郎」を喜々として見てたのを覚えてます。それは大きくなった今でも変わらなくて(笑)妖怪が好きなので、妖怪小説と銘打たれた京極さんの本を本屋で平積みになってるのを目にして思わず手に取ってしまいました。 当時の私はほとんど小説を読まない人間だったのですが、余程ヒマだったのか(笑)表紙に引かれたのか(笑)「姑獲鳥の夏」を買ってしまいました。今にして思えば、これも京極堂に導かれたのかもしれないですね(笑) 初めて手にしたときは「ちょっと厚いな~。すぐ読めるかなあ」って感じでした。妖怪シリーズを読破した現在では「姑獲鳥の夏」が薄く見えてしかたがないですが(笑)実際読みはじめるとするすると読めてあっという間に読み終わりました。最初の京極堂の蘊蓄にもやられたし、関君がどうなってしまうのかはらはらしながら読み進み、最初は不思議に思えた事件も解決してみればまさに「この世には不思議なことなど何もないのだよ」って結末にすっかり京極ワールドに魅了されました。 *続巷説百物語* 【りみ】 私の2002年初の本です! 久しぶりの京極ワールドだったのですが、めちゃくちゃおもしろかったです! これは『巷説百物語』の続きで、また、百介と又市とおぎんなどが出てきて、暴れ回ってくれます!最近、ミステリ以外の本を読んでいたせいか、全てにきっちり説明付けてくれるのがとても気持ちよくて、まるで足裏マッサージしてくれてるようでしたよ!!(笑)かゆいところまで見事に手が届いていて、思わず「ああっ!」と悶絶しそうになりました!とにかく気持ちがいいです! しかしこの本、とにかく分厚い!初めの「野鉄砲」は62ページと読みやすい長さだったので、「あぁ、短くて分かりやすい♪」なんて思っていたら、読者を慣らすように、以下どんどんページ数が多くなっていきます!「狐者異」110ページ、「飛縁魔」126ページ、「船幽霊」148ページ、「死神」246ページ。ね?長くなっているでしょう?これに最後の締めくくり「老人火」64ページを加えて、計761ページです!読み終わったときには腕の力がついたような気になりました(笑)。しかも「老人火」は最初の「野鉄砲」と同じような枚数にも関わらず、とても短く感じました!これぞ京極マジック!慣れって恐ろしいですね~(^_^;)
https://w.atwiki.jp/910moe/pages/484.html
出版社営業×書店バイト 結局のところ、ほぼ日参するあいつに根負けして初回10だけ平積み、てことになった。 マイナー出版社の無名作家のエッセイなんて普通売れると思わないだろ。 蓋を開けてみればそのまさかだったわけだけど。 「こんにちは」 相変わらず汗びっしょりでやってくる。 変わったところと言えば最近心なしか嬉しそうな気がする。 「数字、見てもらえますか?」 「60入りの57売れ。残が3。ああ、少し展開広げるから30ほど追加してくれってさ」 「ありがとうございます!」 嬉しそうに笑って深々と頭を下げる。 俺じゃねーよ。社員がそういったんだっての。どう見ても5つは年下の俺に敬語使うなって。 ああイライラする。 「じゃあ、展開広げていただくお礼に飲みにでも行きませんか?」 なに言いだすんだと思ったけどタダ酒タダ飯の誘惑にかなうはずもなく。 バイトが終わった後こいつと飲みに行く羽目になった。 遠慮なんかするもんか。どうせ経費で落ちるんだし、と普段自腹では飲まない 高い酒ばかりガンガン飲んでやった。 しこたま飲んでしこたま酔ったらしい。 目覚めたら見覚えのない天井が見えた。 「あー……?」 顔を動かすと心配げに覗き込むあいつと目が合った。 「ここ……?アンタんち…?」 「はい…お送りしようと思ったんですけど住所とか知りませんし。」 すみません、と頭を下げた。だから何でいちいちそこで謝るんだよ。 思考は霞がかかったようにぼんやりとしているけどベッドで眠ったせいか 意外と身体はすっきりしている。 「シャワー貸して。気持ち悪ぃし。」 ありがとうもごめんなさいも言わず傲慢に言い放つとあいつはあわてて立ち上がり、 風呂の用意を始めた。 俺はというとやはりありがとうもごめんなさいも言わず無言でシャワールームに向かう。 一通り身体を洗って、タオルを巻きつけた格好で出て行くとあわてたようにパジャマを 持ってこられた。 「着替え置いておいたのに。そんな格好で風邪でも引いたら……」 顔が真っ赤になってる。クーラーまでついてるってのにまだ暑いとか言うのか? 差し出されたパジャマを受け取らず「いらねー」とだけ言ってベッドに戻った。 「それよかアンタもシャワー浴びれば?つーか汗臭いし」 慌てたようにシャワールームに向かった。滑稽な奴だ。 仕事だけじゃなく普段から友達にもぺこぺこしてんじゃないか?そんなことを考える。 酔って余りまわらない頭にもうちょっとからかって遊んでやろうか、なんて考えが浮かんだ。 巻きつけたタオルを中途半端に身体にかけてベッドに寝転がる。 しばらくするときっちりとパジャマを着たあいつが出てきた。 裸同然の俺を見て目を丸くしている。 「……何か着ないと風邪引きますよ…。」 目を逸らしてうつむいて弱々しい声で言う。ここから見てもよくわかるぐらい真っ赤になっている。 男の裸ぐらいで真っ赤になるな。それともまだ暑いのか? 「別にいらねー。それよか寝るんだろ?来いよ。」 「私は床で寝ます、それより……。」 先ほど差し出してきたパジャマをしつこく押し付けてくる。 押し付けながらも必死に顔を逸らしてこちらを見ないようにしている。 腕を引っ張ってやったらバランスを崩してあっさりと俺の上に覆いかぶさってきた。 「あ……!す、すみません!」 慌てて起き上がろうとするあいつの腕を掴んだまま、空いた方の手で股間を撫で上げてやる。 予想はしてたけど、しっかり勃ってる。 「すっげぇガチガチじゃん。俺見て欲情した?」 「すみません……。」 「ヤラせてやろうか?」 八方美人×人付き合い不器用
https://w.atwiki.jp/21silverkeys/pages/17.html
《日本刀》パチュリー・ノーレッジ&セイバー◆HQRzDweJVY ――ぺらり。 アーカム。 それはアメリカ合衆国の北東端、マサチューセッツ州にあるとされる地方都市の名だ。 際立った観光名所があるわけでもない、似たような都市ならばアメリカ国内に三桁はあるだろう普通の都市。 だがそんな何処にでもある街を特別たらしめている施設がある。 その名はミスカトニック大学。 かのアイビー・リーグにも名を連ねる、歴史ある名門大学の一角である。 特にその附属図書館には40万冊を超える貴重な蔵書が所蔵されており、多くの学生や教授が入り浸っている。 そして当たり前のことではあるが、そんな図書館も閉館後は全くの無人になる。 ――ぺらり。 だがその無人のはずの館内に頁をめくる音が響き渡る。 音の主は図書室の一角で平積みにされた本を読んでいる一人の人物。 卓上ランプに照らされたその顔は、未だ10代の年若い少女のものだ。 その細い首に下げられたネームプレートには『Patchouli Knowledge』と書かれている。 パチュリー・ノーレッジはミスカトニック大学に通う学生だ。 彼女は『どうしても調べたいものがある』と教授陣に頼み込み、泊まりこみで調べ物をしているのだ。 稀覯本も多い附属図書館では通常このような行為が許されることはない。 だが東洋の五行説を発展させた革新的論文を発表した"七曜の魔女"――神秘学科の新星に対する教授陣の期待と信頼はそれを可能にしたのだ。 ――ぺらり。 そんな彼女が手にしているのは半ば風化しかかった表紙の一冊の本。 年代を感じさせるそれを、少女の白く細い指が優しくめくっていく。 新たな頁をめくるごとに少女は新たな知識(せかい)と出会う。 それは少女にとって日常であり、何者にも代えがたい幸福な時間だった。 「――おい、いつまでこんな所に籠ってる気だ」 だがそんな至福のひとときをぶち壊しにする無粋な声がここにはあった。 本棚の影から歩み出たその男は、図書館の主のように振る舞う少女とは逆に、何もかもがこの場所に似つかわしくない格好をしていた。 アーカムには珍しいモンゴロイド系の顔立ちに、図書館というインドア空間に似つかわしくない筋骨隆々の肉体。極めつけはその身を包む時代錯誤な東洋の鎧甲冑だ。 だがその男はある意味誰よりも今のこの街(アーカム)にふさわしい存在と言えるのかもしれない。 何故ならば男は人間ではない。 どこかの人類史に刻まれた英霊――サーヴァントと呼ばれる超常存在なのだ。 パチュリーは不機嫌そうな表情を隠そうともしない男に、感情のこもらない視線を一瞬だけ向ける。 「何か不満があるような口ぶりね、セイバー」 「ああ、大いにある。そもそもあんた本なんざ読みふけって、聖杯戦争について理解してんのか?」 「ええ、理解しているわ。貴方は私の従僕(サーヴァント)。上下関係ははっきりしているわね。 だったら私の読書の邪魔をしないで頂戴」 少女はそう言うだけ言って、再びページをめくる作業に戻る。 その行動はセイバーの神経を逆なでした。 「……何のつもりだ。俺達は飾って楽しい美術品じゃねぇんだぞ」 セイバーは己のマスターに鋭い視線を向ける。 その視線の先にいれば、大の大人でもまるで剥き身の刃を向けているかのような殺気にも似た威圧感を受けただろう。 「まったく……誤解があるようね」 だが少女は涼しい顔で視線を受け止める。 「私は美術品になんて興味はないわ。 レミィやあの黒いのみたいに変なものを集める趣味なんてないもの。 私にとって刀は刀。無銘だろうと贋作だろうと切れればよし。 特に貴方は美術品としては大した価値はないでしょうに」 パチュリーのその言葉にセイバーは驚きの表情を浮かべる。 「あんた……」 「ええ、さっき調べたわ。 刀なんてあの半霊が持ってるのぐらいしか見たことなかったけど、色々あるのね」 少女が先ほど手にしていた本。それは19世紀の日本刀の目録だ。 「貴方が貴方であるように、魔女には魔女の役目がある。 貴方が力を持って道を開くというのなら、無限の知識を糧に前へと進む……それが魔法使いの挟持というものよ。 そしてある賢者は言ったわ。"彼を知り己を知れば百戦殆うからず"……そう、知は戦を凌駕する」 セイバーが机上に目をやれば平積みにされた本の中にはこの街の歴史書や観光マップらしきものもある。 これから先のことも考えてはいるらしい。 「それに貴方もサーヴァントの端くれでなら理解しているでしょう。 ――この街はすべてがおかしい。これから先、何も起こらないなんてことは決してありえない」 "魔法使い"であるパチュリーは知っている。 一見平穏に見えるこの街には混沌とした異常な魔力が充満していることを。 そしてそれがありえないほどに不自然かつ危険な状態であることを。 例えるなら今のアーカムはまるで奇妙な器になみなみと注がれたニトログリセリンだ。 少しショックを与えるだけで、劇的な変化を起こし――そして二度と元には戻らない。 「……安心しなさい。時が来れば思い切り戦わせてあげるわ。 そしてそのまま戦場で散りなさい」 パチュリーのそれは彼を"使い潰す"、という宣言にほかならない。 だが対するセイバーは口の端を釣り上げていた。 獰猛な笑み。己の強さを証明する機会というエサを目の前にした獣の笑みだ。 そしてその笑みを浮かべたまま、虚空へと姿を消した。 一方で少女は再び手元に視線を落とし、読書を再開する。 その姿は一位時間前と少しも変わらない。そしてこのまま変わらないだろう。 ……この街で、何かが起こるまでは。 【マスター】 パチュリー・ノーレッジ@東方Project 【マスターとしての願い】 ??? 【能力・技能】 魔法を使う程度の能力 精霊魔法を得意としており、7つの属性を自在に操る。 ただし運動は苦手のため、詠唱しきれないこともある。 飛行 少女は空を飛べる。当然のことである。 【人物背景】 紅魔館の魔女。 一見して人間の少女のようであるが"魔法使い"という種族の妖怪であり、年齢は百歳を超えると言われている。 基本的に自らの図書館から動かない本の虫であるが、用があれば出歩くこともある。 様々な知識をため込んだ知識人ではあるのだが、異変の犯人と遭遇していながらスルーしたり、サポート時に話す情報がことごとく役に立たなかったり、と若干天然の気がある。 一方で運動は苦手であり、喘息気味で呪文詠唱すらおぼつかないこともある。 【方針】 不明。 【クラス】 セイバー 【真名】 同田貫正国@刀剣乱舞 【パラメーター】 筋力:B 耐久:B 敏捷:C 魔力:E 幸運:E 宝具:D 【属性】 混沌・善 【クラススキル】 対魔力:D~D+ 一工程(シングルアクション)によるものを無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。 日本刀という幻想によって補正が加えられており、 相手が日本人、もしくは日本に縁のあるサーヴァントである場合限って一時的にブーストが掛かる。 【保有スキル】 刀剣男士:C 付喪神の一種とされる日本刀の化身。 少年から青年まで様々な男性の姿を取る。 同ランク相当の『戦闘続行』、『心眼(偽)』スキルを発揮する。 勇猛:B 威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。 また、格闘ダメージを向上させる効果もある。 猿叫:C 示現流やタイ捨流などの肥後・薩摩地方の剣術に多く見られる独特の叫び声。 裂帛の気合とともに剣気を叩きつけるアクティブスキル。 対象は精神で判定を行い、失敗した場合、回避行動にマイナス判定がかかる。 【Weapon】 日本刀・無銘 自身の本体と類似した幅広の太刀。 飾り気は少なく実用性重視。 【宝具】 『兜割』 ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人 セイバーの持つ斬鉄の逸話の顕現。 天覧試合にて見事鉄兜を五尺ほど傷つけ、セイバーの名を天下に広く知らしめた。 筋力判定に成功した場合、相手のあらゆる防御行動を無効化した一撃を加える事ができる。 対コスト効果に優れた対人宝具。 【人物背景】 九州の刀工の作である同田貫をモチーフとした刀剣男士。 質実剛健を絵に描いたようないかつい外見は、少女漫画風の絵柄が多い刀剣乱舞勢でも一際目を引く。 指揮なども嫌がる純粋な脳筋であり、美術品として愛でられるのを好まず、武器として戦うことを望む。 【サーヴァントとしての願い】 戦場で戦う。ただそれだけ。 BACK NEXT Saber02 《植物学》芳乃さくら&セイバー 投下順 Archer01 《図書館》鷺沢文香&アーチャー Saber02 《植物学》芳乃さくら&セイバー 時系列順 Archer01 《図書館》鷺沢文香&アーチャー BACK 登場キャラ NEXT パチュリー・ノーレッジ&セイバー(胴太貫正国) OP 運命の呼び声~Call of Fate~