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ろくばん-慶光院 六- 「わたしは・・・ろくばん・・・」 「たんさんすい・・・飲みたい・・・」 創作注意事項 創作では好きに出しちゃって大丈夫です カラー・服装アレンジ自由です!キラキラは無いので注意! ネタもパロディもOK! 目次 概要人物像 容貌・服装 女児符号女児符号 『六遊病』 ボイス動画 概要 愛称 ろくばんちゃん 本名(?) 慶光院 六(けいこういん りく) 年齢(?):11歳(推定) 身長:141cm 一人称:わたし 二人称:きみ(~~ちゃん) 好きな物:画像編集、炭酸水 二つ名:夢からの使者、裏九(りく) 人物像 いわゆる「アナザーきゅーばんちゃん」。 きゅーばんちゃんが居眠りしていた時に見た「自分が2人に分身してコマ撮りの撮影と編集を分担する夢」から抜け出して現世に現れた。 無口、無表情だが無害。オリジナル同様好奇心が強いが、気になったものはまじまじと見つめるのが好き。 夢の中で生まれた存在なので名前は無かったが、きゅーばんちゃんに「ろくばんちゃん」こと「慶光院 六」と名付けられた。 喫茶店「オウマがトキ」でバーテンダーを務めている。 好物は炭酸水で、これをくれた人にはよく懐く。本人曰くこれがある限り無限に生きられるらしい。 容貌・服装 (リニューアル版) 目の色・髪の色・服の色はきゅーばんちゃんをそのまま反転したカラー。 目にキラキラが無く、無表情。 リニューアル版より、リボンの形状が変わり、服にダメージ加工が入った。本人曰くオシャレのつもりらしい。 女児符号 女児符号 『六遊病』 「女児符号・・・発動・・・六遊病」 読みは「ムユウビョウ」。 高速移動能力とその残像による影分身を可能とする。 ボイス動画
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女児ズ短編小説・玲亜編 『虹翔る片翼』 誰も居ない教室の隅、掃除用具ロッカーの中。 隙間からうっすら差し込む光のお陰で、辛うじて目の前のものは見える。 「.........はぁ........はぁ...........」 「...............ん......ぅぅ.......」 二人分の吐息が重なり合い、ロッカーの中で微かに反響する。お互い堪えてはいるものの、狭苦しさと隠しきれない緊張感のせいで、呼吸は次第に荒さを増していく。 「ね、ねえ初ちゃん...........やっぱり、私出た方が良いかな..........?」 「だ、大丈夫、これくらい平気だよ........」 私と玲亜は今、お互いに抱き合うような形で狭いロッカーの中に居る。何故こんな状況になってしまったのか...話せば少し長くなるけれど、一度時間を遡るとしよう。 ................................. .................................................... 「よう、今日もかくれんぼしよーぜ!」 きっかけはみっちゃんの一言だった。最近、放課後に学校内だけを使ったかくれんぼが私達の間で流行っている。 「良いねー!玲亜ちゃんと初ちゃんも一緒にやろ!」 「ふふ、良いよ。初ちゃんは?」 「うん、この前は用事で参加出来なかったし入れて貰おうかな。」 みっちゃん、旭、丸菜、月那、最近よく話すようになった蟹乃 群鮫さん、そして玲亜と私。今日は7人でかくれんぼすることになった。 「「「ジャンケンポン!」」」 「あっ、ウチが鬼やな!よーし、3秒で全員見つけたるわ!」 「いやどんなスキルだよそれ。」 鬼になった群鮫さんが30秒数えている間に、私達は隠れ場所を探し始めた。 「何処が良いかな..........あっ」 私は、教室にある掃除用具ロッカーに目をつけた。ちょうど人一人分が入れるスペースはあるし、身を隠すにはもってこいの場所だ。 「よし.........」 ロッカーの扉を閉め、息を潜める。外から微かに聞こえるカウントは既に半分を切っていた。他の誰かが教室に入ってくる様子もなく、これは簡単にやり過ごせるんじゃないかと内心ほっとしながら鬼を待つ。 「26、27、28..........」 そろそろ始まる、そう思った時。 ガラッ!と勢い良く教室のドアを開ける音がした。 「誰か、来る....?」 小さな足音が、どんどんこちらに近づいてくる。そして、足音が止まると同時に、私が中に居るロッカーのドアが思い切り開け放たれた。 「あっ!」 「えっ」 足音の主は玲亜だった。ロッカーに隠れようとしたのだろう、私という先客が居たせいで、玲亜はその場で固まってしまう。 「30!もーうえーえかー?」 群鮫さんの声がした。その瞬間、私は思わず玲亜の身体を抱き寄せてロッカーに連れ込み、再びドアを閉めた。そして、自分でも何をしているか分からないまま、「もう良いよ!」とだけ叫ぶ。 「...........っ、危なかった.............」 「....い....ちゃ........苦し.........」 「あっ、ごめん!」 苦しげな玲亜の声に、慌てて抱きしめる力を緩め小声でそう謝ると、自分がたった今何をしでかしたのか、そして自分達が今置かれている状況にやっと理解が追いついた。 「あ...........こ、これ....って.............」 力を緩めたとはいえ、狭いロッカーの中で私は玲亜を抱きしめていた。玲亜も玲亜で、咄嗟に私の服を掴んだのか、しっかりと握った手を離していない。 「...........っ!」 状況が分かった途端、私は自分の頬が熱を帯びていくのを感じた。いやいや、いくら何でもこれはマズい。仲の良い同級生と、狭い空間で抱き合うなんて。 「ご......ごめん.........私................」 「...............」 玲亜は何も答えない。しまった、絶対引かれた.......最悪だ..................そう思っていると。 「......ありがと.......初ちゃん................」 辛うじて聞き取れるくらいの小声で、玲亜はそう言った。ふと玲亜の顔を見ると、玲亜も顔を赤くして俯いている。恥ずかしそうながらも、嫌そうな様子ではなかった。 「...........ちょっとだけ、我慢出来る......?」 「うん.................」 こうして、私と玲亜はそのままロッカーに二人で隠れ続けることになったというわけだ。 ...................................................... ................................. 「鬼、来ないね........」 「あはは、こういう時に限ってなかなか見つけて貰えないよね.....」 私にしがみつきながら、玲亜が困ったように笑う。こうして近くで見ていると、玲亜って綺麗な顔してるんだな........なんて、思わず呑気な事を考えてしまう。 「ほんと、ごめん.......私のせいで」 「ううん、先に居たのは初ちゃんでしょ?私こそごめんねだよ。」 「そんな、玲亜は全然.........」 刻一刻と時間が過ぎていく。それでも、この教室に鬼が探しに来る気配は全くない。 「.......苦しくない?」 「ん....もう慣れた。それに....」 私より少し背が低い玲亜は、上目遣いで私の顔を見つめてきた。 「初ちゃんが守ってくれてる感じがして、ちょっと安心してる。」 「........っ................」 また顔が熱くなる。一体何処でそんな台詞覚えてくるんだろう。私はそんな柄じゃないよ.... 「ねえ初ちゃん?」 「な、何?」 「もし.....このまま、誰も来なくて.......ずーっと二人で此処に居ることになっちゃったら、どうする...........?」 「えっ....................と.........その.............」 予想もしていなかった質問に、私は言葉を詰まらせてしまう。すると、先に玲亜の方から口を開いてきた。 「私はね、初ちゃんが一緒なら平気かなって。」 「私が......一緒なら.........?」 「こんな狭い場所で、もしたった一人だったら.....誰にも見つけて貰えないんじゃないかって、不安で泣いちゃうかもしれない。けど........初ちゃんと一緒なら、何となく安心するんだよね。」 少しだけ、玲亜が私を抱きしめる力が強くなった。嫌なら離したって良いのに、ロッカーに入ってから玲亜はずっとこの状態だ。 「私....そんなに大した人じゃないんだけどな.......」 「そんなの関係ないよ。初ちゃん、後から来た私のことこうして匿ってくれたし.....他の皆に、私がこうやって抱きついてたことをからかったりもしないタイプでしょ?」 「か、からかうなんてそんな、私がやっちゃったことだし......!」 「しーっ、ちょっと声おっきいよ。」 「あっ....ご、ごめん.........」 緊張で上擦ってしまった声を、何とか抑え込む。玲亜はクスクスと笑い、私を落ち着かせようと背中をとんとんと叩いてくれた。 「........私ね、こう見えて結構自分一人で抱え込んじゃうタイプなんだ。周りに心配かけたくなくて、それで自分の中に溜め込みすぎちゃう、みたいな.......」 そういえばそうだった。前にクラスがピンチに陥った時も、確かに玲亜は皆の前で決して落ち込んだり弱音を吐いたりする様子は見せなかった。 「皆と居る時は平気なんだけどね.....一人になると、溜め込んだものが一気に溢れてくるんだ。誰にも吐き出せなかった不安とか、不満とか........それで最後は、ネガティブな考え方に陥っちゃうことが多くてね...........」 「.......................」 そうだったんだ.......いつも落ち着いている玲亜も、私が知らないところではそんな苦しみをずっと抱えていたんだ。こんなに仲が良いのに、全然気付けなかった。 「誰かに相談すれば良いのに、って思うでしょ?私ってばそれがなかなか出来ないんだよね。どんな返答されるか不安で......」 「.....分かるよ、その気持ち。親身になって聞いてくれる人ばかりじゃないからね。」 「うん.......クラスの皆のことは信用したいけど、それでも......ね。....でも」 玲亜は再び、私の方に顔を向ける。 「でも、初ちゃんの前でならこうやって話せるんだ。何でかは分からないけど.....不思議と、安心するっていうか。どんなに不安な状況でも、初ちゃんと一緒なら落ち着ける。だから、今も平気で居られるんだよ。」 「.....................!」 私も、玲亜の顔を見つめ返す。玲亜の大きな茶色の瞳が、薄明かりに照らされて僅かに潤んでいる。表情だけなら微笑んでいるように見えるけど、それが精一杯の作り笑顔なことくらいすぐ分かる。玲亜は今も、何かに苦しんでいる.....私はそう悟った。 これで良いのか? 苦しんでいる友達が目の前に居るのに。 今にも泣き出しそうなのに。 ただ見ているだけで、それで良いのか? 「きゅ、急にごめんね、変なこと聞いて。ちょっと....最近溜まってたからさ。こんな状況にでもならないと話せな.....わぷっ!」 気がつくと、私も玲亜をさっきより強めに抱きしめていた。玲亜の頭に手を添え、絞り出すような声で囁きかける。 「もっと...........話して良いよ。」 「え........?」 「玲亜の苦しみも、悲しみも..........私が全部受け止める。君にとって、私が信頼出来る存在なら.......私も、それに応えるから。」 これ以上、玲亜の辛い顔を見たくない。悲しい思いもしてほしくない。 だから。 「だから...............もう我慢しないで...................玲亜が壊れちゃったら、私.......耐えられないよ........................」 私に力があるのなら。 自分の友達にとって、本音を打ち明けられる存在で居られるのなら。 私は、玲亜の心の支えになってあげたい。翼が片方しかなくたって良い、その翼で玲亜を孤独から救ってあげたいんだ。 「初.......ちゃん...................」 玲亜も、私の身体を抱きしめ返した。何度も「ありがとう」と繰り返すその声は、次第に涙声に変わっていく。 「泣いて良いよ..........いっぱい泣いて......また笑顔を見せて.......................」 私も目が熱くなる。けど、此処で泣いたら駄目だ。玲亜を笑顔にする為に、私が笑顔にならなくちゃ。 教室に響く時計の秒針の音と、玲亜のすすり泣く声が重なる。私はその音を聞きながら、かくれんぼしていることも忘れて玲亜を慰め続けていた。 ............................ ............... どれくらい時間が経っただろう。しばらく泣いていた玲亜は、再び顔を上げて此方を見つめてきた。 「...........ありがとう、すっきりしたよ。だいぶ気持ちが軽くなった気がする。」 「良かった........もし辛いこととかがあったら、またいつでも相談してね。」 「うん、ありがとう初ちゃん。信頼してるよ....♪」 玲亜はすっかりいつもの笑顔に戻っていた。私も安心して、抱きしめていた腕をゆっくり解いていく。 「....って、かくれんぼの途中だったよね。結局誰も来なかったけど........」 「一回出てみる?これだけ長い間見つからずにいたんだし、ほぼ私達の勝ちでしょ。」 「そうだね、流石にそろそろ......あっ」 そう言いながら、私がロッカーを開けると。 「え、な........えっ?」 いつの間にか、群鮫さん達全員がロッカーの前で大集合していた。 「ちょ、ちょっと!いつから居たの?」 玲亜が私の後ろから顔を出してそう言うと、涙で顔をびしょびしょに濡らした群鮫さんがハンカチを片手に答えた。 「ぐずっ、いやな、探しにきたはええねんけど表から二人の話が丸聞こえでな、開けるに開けれへんくってずっと聞いてたんや.....」 「うぅ.....ごめんね玲亜ちゃん、あたし達玲亜ちゃんの気持ちも知らないで..........」 旭も泣きべそをかきながら、玲亜にぎゅーっと抱きついてきた。 「そ、そんな、気にしないで.....というか全部丸聞こえだったんだ.....そっちの方が恥ずかしい..........」 「そうだよ、てっきり探しに来ないのかと思ってた......はぁ.............」 ようやく緊張感が解けたせいか、私は近くの椅子に座りこんでしまった。 「.......おい、初。」 そんな私を、みっちゃんが横目でジトッと見つめてくる。 「な、何?」 「......玲亜に言ったこと、嘘じゃねえんだよな。」 「勿論..........嘘なんか言わないよ。」 「だったら、頼んだぞ。あいつは初を選んだんだ、もしヘマしたらぶっ飛ばすからな。」 「....うん、分かってる。みっちゃんにとっても、玲亜は大切な友達だもんね。」 「......うっせ」 ぶっきらぼうに答えながら後ろを向き、みっちゃんは鼻を擦った。ちょっとだけ泣いていたのかもしれない。 「とりあえず、今回のかくれんぼは初ちゃんと玲亜ちゃんの勝ちだね!」 「くっそー、ええ話さえなければウチが勝ってたのになぁ。」 「あはは、また明日もやろうよ。今度は私も鬼やってみたいな。」 そんな話をしつつ帰る準備をしていると、再び玲亜が近づいてきてこっそり囁いた。 「今日はありがと、初ちゃん。かっこよかったよ♪」 その瞬間、私はまたぼふっと顔が熱くなった。鏡を見ないでも分かるくらい赤くなった顔を皆に見られないよう、私は足早に教室を出た。 「あっ、初ちゃん待ってよー!」 「おい置いてくなって!」 もう夕方なのに、随分と賑やかな廊下。皆と一緒に追いついてきた玲亜の笑顔に、私も照れながら笑顔を返してみせた。 FIN.
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女児ズ短編小説・アリア編 『黄昏時の図書室で』 チャイムが鳴ると同時にホームルームが終わり、皆それぞれ帰る準備を始めた。 「初ちゃーん、一緒に帰ろー?」 旭が私を呼ぶ。だけど、私は首を横に振った。 「ごめん、今日はもう少し居残るつもりだから先に帰ってて良いよ。」 「そっか、じゃあまた明日!」 「うん、また明日ね。バイバイ。」 走り去る旭に手を振り、私は鞄を背負って図書室に向かう。 今日は、お母さんが仕事で帰りが遅い。だから家に帰っても私一人で、正直寂し....じゃなくて、退屈だから図書室で時間を潰そうと考えていた。此処なら、他の人が居るお陰で私一人にはならないし。 「って言っても、読みたい本とか特にないけどね.....宿題でもしようかな、っと。」 机の上にノートと教科書を広げ、私は宿題を始めた。 図書室は好きだ。理由はその日によって違うけど、一人になりたいと思った時はいつも此処に来る。気持ちを落ち着かせたり、自分を見つめ直したり.....大袈裟な言い方だけど、私にとっては人生の休憩所みたいな場所でもある。 「................」 時計の秒針が動く音と、本のページをめくる音、そしてノートに文字を書き込む鉛筆の音。それ以外は聞こえない静かな空間で、私は黙々と宿題を進めていた。 ............................... .............. 「....終わった。」 ノートを閉じ、私は小さく呟いた。 外を見ると、空はすっかりオレンジ色に染まっている。そろそろお母さんも帰ってくるだろうし、私も帰ろう。 「......ん?」 鞄を持って立ち上がると、隣の机で誰かが本を読んでいるのに気づいた。青色の長い髪、何処か物憂げそうな赤い瞳、スラッとした長い足..... クラスメイトの本木朋 アリアさんだ。 「.......アリアさん。」 読書の邪魔したら悪いかなと思いつつも、小声で呼びかけてみる。すると、アリアさんは2秒程間を開けて此方に視線を向けた。 「............音羽さん。」 「今日も本読んでるの?」 「....うん、私の数少ない楽しみだから.....」 アリアさんは読書家だ。教室でもよく難しそうな小説を読んでいて、他の人と話しているところはあまり見たことがない。机の上には、何冊も分厚い本が置いてある。 「......これ、全部読んだの?」 「.........ううん、まだ。これを読み終わってから。」 そう言って、アリアさんは読んでいた本の表紙を私に見せる。その本すらも、まだ半分も読めていない様子だった。 「時間をかけて読む方が好きだから......多分、今日は他の本読めないかも。」 「今読んでるその本はどうするつもり?」 「借りる。私も、そろそろ帰ろうと思っていたから。」 本にしおりを挟んで閉じ、アリアさんはゆっくりと立ち上がる。そして、机に取り置きしていた本を片付け始めた。 「私も手伝うよ。」 「....良いの?」 「うん、その方が効率的でしょ?」 「........ありがとう。」 いつも無表情なアリアさんが、少しだけ戸惑っているように見えた。 「あっ、ごめん。余計なお世話....だったかな?」 「......ううん、全然.....」 アリアさんは足早に本棚に向かい、元あった場所に本を片付けた。私もアリアさんに聞きながら本を片付けていく。 「この本棚にあるの、難しい本ばっかりだね。」 「難しい.....かな。私はいつも読んでるから、何も思わないけど.....この本とか、もう5回目だし。」 「そうなんだ。.......アリアさんは凄いな....」 「......別に、難しい本が読めるから凄いってわけじゃないと思うけど......」 「それもあるけど....何ていうか」 私はアリアさんの目を見つめ、少しだけ口元を緩めながら言った。 「自分の好きなことに熱中出来るって、凄いことだと思う。同じ本を何度も読んだり、難しい本を難しいって思わなくなるくらい沢山読んだり......さっきだって、あんなに集中して読んでたし。それって、アリアさんが自分の好きなことに一生懸命夢中になってるってことでしょ?」 「.............」 アリアさんは少し驚いて、そして僅かに頬を赤くした。 「.......初めて。」 「え?」 「私のこと.....そこまで評価する人。」 「あっ、ご、ごめん!偉そうだったよね!何様目線で話してるんだろ私.....」 「そうじゃないの、その.......私みたいな暗い人の良いところを見つけて、あんなに一生懸命話してくれる人なんて.......居なかったから........」 「..............」 私はアリアさんの手を取り、今度はもっと明るく笑って見せた。 「だったら、私がもっと沢山見つけるよ。アリアさんの良いところ。今話したこと以外にも、きっとまだまだあるはずだから。」 「え........?」 「私も嬉しいんだ、普段あんまり話さない人とか、ちょっと気が合わないなって人の良いところを見つけられた時って。それを見つけたことがきっかけで、前より仲良くなれることもあるかもしれないしね。」 「.....................音羽さん........」 「初って呼んで良いよ。私もこれからはアリアって呼ぶ。アリアと友達になって、アリアの良いところをもっと見つけたい。....どうかな?」 アリアは目線を僅かに逸らし、また少し戸惑う。けど、またすぐに目線を合わせ、ゆっくりと頷いた。 「.....私、も.........初さんの良いところ、見つけたい......初さんと、仲良くなりたい.......」 「.......うん!これからもっと仲良くなろうね、アリア!」 私の言葉に、アリアは嬉しそうに笑う。今まで見たこともない笑顔。アリアって、こんなに笑顔が素敵なんだ。また一つ、良いところを見つけた。 「二人とも、そろそろ閉めるわよ。」 図書室の管理を担当する先生が、私達にそう呼びかけてきた。 「帰ろ、アリア。」 「......うん。その....また、明日。」 「こちらこそ、また明日♪」 明日はもっと、明後日はそれよりも沢山、アリアとお話出来たら良いな。 そう思いながら、私はアリアと一緒に図書室を後にした。 FIN.
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ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………!!! 私ひとりきりになった、青空学園。 空は、不気味なほどに晴れ渡っている。 地面が、揺れる。 いいえ、これは……この世界そのものが、 揺れている……! 「……いよいよ、と言ったところかしら」 私と猫は、何よりも重要な事を伝えずに、 彼女たちを送り出してしまった。 それは……確証がなかったから、 というのもある。 Dr.マッドの持つ禁忌符号の力は、 もはや私達の想像もつかないレベルに到達している可能性があったから。 そして、何よりも。 余りにも、残酷すぎたからだ。 無垢で純粋な1人の少女に、 「世界のために自ら命を絶ってくれ」 なんて、言えるわけがない。 例え、その代償に世界が滅びてしまう としても。 私達には、言えるはずがなかった。 「……はもはもちゃん………………」 この夢の世界を作り出したのは、Dr.マッド。 それは間違いない。 だけど、この世界の中心にいるのは 彼女ではない。 Dr.マッドが、これほどまでに夢の世界を作る事に執念を燃やすようになった、理由。 それが、はもはもちゃんだった。 詳細は、「かつてどこかの世界線でDr.マッドが経験した事」だから、分かりようもない。 それでも、私達は直感で感じていた。 明らかに、この世界には意図的に作られた作為……歪みがある。 物語で表現するなら、所謂「主人公」。 この世界には、最初から主人公がいたのだ。 主人公が立てた作戦は紆余曲折はあれど必ず成功し、主人公の戦いは苦戦はしても必ず勝利する。「そういうもの」なのだ。 ……これが創作物ならば、 「そういうもの」として納得できたかも知れない。 でも、ここは現実だ。 例え夢の世界であっても、数ある現実のひとつのはずなのだ。 なのに、「彼女」はまるで主人公のように、様々な苦難を乗り越えてきた。まるで主人公のように、様々な戦いの中心にいた。 はもはもちゃんこそ、この世界を存続させるための要石。彼女がいる限り、Dr.マッドを倒す事も、世界の上書きを止める事もできないだろう。 ……この世界を崩壊させるには、彼女の死が必要不可欠なのだ。 しかも、単なる死では、「物語上必要なピンチ」にしかならず、Dr.の禁忌符号によって復活させられてしまう可能性がある。 つまりは。 Dr.マッドが想定すらしていない死。 本来、はもはもちゃんが絶対にするはずがない、死に方。 ………………自殺を、しなくてはならない、という事だ。 ……私達は、酷い保護者だった。 考えてみれば、彼女達には辛い思いばかりさせてしまった。 外敵から守ってきたと言えば聞こえはいいけれど……彼女達を狭い結界の中に閉じ込め、 食料も碌に与えてあげる事もできず、教えた事と言えば戦い方くらいだ。 ……これではまるで、牢獄ではないか。 「牢獄、良いじゃないか。 この世界にはもう、ここ以外にまともな場所など残ってはいない。誰も文句など言わないだろうさ」 「……あなた…………閉じ込めておいたのに、抜け出したのね」 星降 純乃。 私から見れば今でも可愛い子供だけれど、 猫の仇でもある。 ……どうせあいつの事だから死んではいないだろうけど。 「なぜ彼女達を送り出した? 私は止めようとした。お前達はただ、彼女達をむざむざ死にに行かせたようなものなんだぞ!どの道Dr.マッドの計画は止められない。 ならば、私達はここで安寧の時を過ごしていれば、それで良かったじゃないか!!」 「…………そうね。あなたの考えは正しいわ。 私も猫も、あの子達がDr.を止められるとは 思っていなかった。だけど、それでも…… 信じてみたかったの。 あの子達が持つ、可能性を」 「可能性?それは何か? はもはもちゃんが、全てを察して、自殺してくれるかもって可能性の話をしているのか!?ふざけるな!!!お前達が余計な事をしなければ、全て上手く行ったんだ!! 私は、ここでの暮らしが本当に気に入っていたんだ。 ……そうさ、私は全てを知った上でここに来た。最初はどんなものか見てやろう、くらいの気持ちだったさ。だが……ここの空気は、他のどこよりも、穏やかだったんだ。 子供達も、本当に楽しそうに笑っていた。 こんな絶望的な状況で、だ。 ここは…………救いだった。絶望しか知らない、教えられていない私にとって、本当に救いだったんだ!!」 純乃ちゃんの独白は、嘘など微塵も感じない本気のものだった。 「……やっぱり、あなたはDr.に『造られた』女の子だったのね」 「あぁそうさ。私達はいわば『舞台装置』。 物語をうまく回すための、歯車でしかない。 そんな事は承知の上だ。だが、それでも。 私達はこの世界に生を受けた。 それならばこの生を謳歌したいと思う事は、 間違っているのか!?せっかく見つけた安寧の場所を壊したくないと思う事は…………! 間違いなどでは、なかったはずなのに……」 純乃ちゃんは、がくりと膝から崩れ落ちた。 あぁ、私達は…………なんて、酷い保護者だったのだろう。 子供達の純粋な幸せを願うのなら。 見たこともない「現実の世界」の事なんて忘れて、この夢の世界が現実と入れ替わる事を、受け入れれば良かったのだ。 だけど、私達はそうしなかった。 世界を救うという大義名分を掲げて、 子供達を、救いのない戦いへと追いやった。 死地へと、送り出してしまった。 「ふ……ふふふ……」 そうだ。滅ぶべきは、私達だったんだ。 私は、私は…………何を、しているんだ。 「あははははははは!!! あはははははははははははは!!!」 涙も、出てこない。 愚かな自分と、アイツなりに子供達の事を真剣に考えていた猫がしでかした事は。 子供達を、見殺しにしただけじゃないか。 揺れが、激しくなる。 ギギギ……ガコン!!! 校舎の屋上に設置してあった巨大な貯水タンクの固定が外れ、こちらに向かって落下してくる。 かつての自分なら、こんなものに潰されても すぐに復活できた。だけど、力が衰えた今の私は……恐らく蘇る事はできないだろう。 最期の時を迎えるために、目を閉じる。 愚かな自分への罰は、 これでも軽すぎるくらいだ。 …………………………。 ………………? 「はぁっ、はぁっ、はぁ……っ!」 ふと目を開けると、膝をついたまま、 手をこちらにかざした純乃ちゃんがいた。 「何を、しているんだ……お前!!」 「なに、って……純乃ちゃん、 あなたこそ…………。タンクを異界に飛ばして、私を助けてくれたの……?」 「目の前で、救える命を見殺しにするほど、 私はっ……非道ではないつもりだ……!」 息も切れ切れに、純乃ちゃんはこちらを見据える。 お前はどうだ、と言いたげな様子だ。 「私、は…………」 「今からでも間に合うかも知れない。 私は子供達を助けに行く。 Dr.マッドに叛旗を翻すことになるとしても」 「くっくっくっ、良いのぉ良いのぉ。 雨降って地固まる、というやつじゃな。 わざわざタンクを落とした甲斐があったというものよ」 「……なっ!?お前、は…………!!」 第9章(前編)へ
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朝河 木乃 更新日:2023/01/22 Sun 14 15 56NEW! タグ一覧 料理系女児 眼鏡 創作注意事項 ネタやパロディOK 各種創作に自由に使ってOK 服装のアレンジ可、髪型のアレンジ可 眼鏡だけは絶対に外さないこと 『美味しいものを食べてこその人生、料理なら私に任せてね♪』 『でもやっぱり美味しいものにはビールだよねっ!』 (イラスト あどそんさん) プロフィール 人物像ソルブレ時空における人物像 お料理七番勝負における人物像 容姿・服装 趣味 女児符号 各作品での活躍 関連人物/項目等家族 レストラン『スタァライト』 交遊関係 マグナオウガ 青空町 女児ズお料理七番勝負 関連イラスト 中の人 プロフィール 愛称 木乃ちゃん 年齢 12歳 誕生日 3月22日 身長 クラスで真ん中よりちょっと後ろ辺り 体重 ナイショ♪ 一人称 私 二人称 【下の名前】+ちゃん 両親の呼び方 パパ、ママ 好きなもの カレーライス・子どもビール 嫌いなもの トマト・算数の授業 趣味 料理・温泉/スーパー銭湯巡り 好きな言葉 『食べるって生きること』 絵文字で表すと:🍳 人物像 こどもビールと料理を愛する眼鏡っ娘女児。 食べた栄養が全部胸に行ってるんじゃないかってくらい女児達の中では胸が大きい部類に入る。 家はレストラン『スタァライト』を営んでおり、料理人である両親の影響もあり料理が大得意。 調理実習等のときは水を得た魚如くイキイキとしてる。 (中の人が流行に乗れなかったのと今更考えるのが面倒な都合上)女児達の中でも『女児符号』など超能力的なものは全く発現していない、数少ない普通の女児。 それゆえ料理したり後方支援がメインになるが有事の際は秘技・フライパン二刀流を駆使して戦う。 基本的に誰に対してもニコニコしているが、なぜか人外グループに対しては塩対応を通り越し挨拶代わりに包丁を投げつける。 (なお中の人補正のせいもあり成長していくにつれて、ぶっきらぼう というか…だんだんと口調が悪くなっていく模様) ぶっちゃけると、キャラクターとしてはものすごく動かしにくい部類だな!! 現状『モブ以上メイン未満』な感じなのでどんどん使ってくれて良いのよ? ソルブレ時空における人物像 容姿はとくに変わらないが、性格が180°変わっており 一人称は『アタシ』 二人称は『名前呼び捨て』 口癖は『このすっとこどっこい!!』 と、とにかく口調が男勝りになっている。 (fateのモードレッドをイメージしてもらうとわかりやすい) 他の女児ズたちとは別行動をとり、自ら開発した特機『マグナオウガ』を駆り機鬼の調査・討伐をしている。 『敵の敵は味方』が行動理念のため協力することもあれば対峙することもある。 お料理七番勝負における人物像 こちらでは容姿に少し変化があり、白衣を脱ぎ捨てシェフスーツを着込み、性格もちょっと真面目モードとなっている。 そして物語の黒幕でもある 容姿・服装 髪型 ポニーテールで前髪は真ん中で分けてる(色は黒に近い濃紺) 服装 上はシャツ、下はスラックス等パンツスタイル シャツの上には常に白衣を着ている(理由はカッコいいから) 趣味 料理 両親の影響もあり腕はピカイチ、誰が言ったか『ゆで卵からフルコースまで』 料理のレパートリーは同年代の女児達に比べ豊富である。 『美味しいものを食べてこその人生』を信条とするため、たまに給食センターに乗り込むことも… 温泉/スーパー銭湯巡り どこがとは言わないが、浮きます。そりゃもうプカプカと。 『風呂は命の洗濯』が合言葉。 女児符号 発現なし 各作品での活躍 『それは、ひとつのありようで』 特に目立った活躍はない 『女児忍』 むらサメちゃんと共に兵士達相手に大立ち回りを繰り広げる 女児纏でコーティングした武器は中華鍋とお玉とフライパン 『烈日灼光ソルブレイリオン』 登場予定…? 関連人物/項目等 家族 父 朝河 恭一 母 朝河 優妃 後述するレストランを夫婦で営んでいる。 お父さんはフレンチを基本になんでも作り、お母さんは家庭料理系がメイン。 レストラン『スタァライト』 『ゆで卵からフルコースまで』をキャッチコピーとする、木乃ちゃんの両親が営むレストラン。 ランチはもちろんのこと、特別な日のディナーからパーティー料理まで幅広いレパートリーを網羅する。 メニューに無いものも材料があれば作ってくれるらしい。 営業時間は11 00~15 30、17 00~21 30 毎週日曜日が定休日 金曜日限定のランチメニュー『スペシャルカレー』が特に人気。 店舗見取り図 交遊関係 しおんちゃん よく一緒に居ることが多い マグナオウガ 烈日灼光ソルブレイリオンに登場予定未定の木乃ちゃんが乗る特機 青空町 女児ズお料理七番勝負 気が向いたら書いてくやつ。 関連イラスト (イラスト あどそんさん) (イラスト ライジングさん) (イラスト Kの⑨番さん) (イラスト 猫丸又三郎さん)
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アナザーアンコ イラスト提供 奇桜八重先生 タグ一覧 アナザー女児 オウマがトキ 悪役 狂気 符号保持者 うちの子に声がついたよ! アナザーアンコの声優 柚春マツリ様のTwitter アンコのアナザーの姿。 今の段階ではモノクロ協奏曲第四話に登場している程度。 容姿・服装 イラスト提供 るっち先生 赤黒い目以外はアンコとそっくりであるが、その顔に浮かぶ表情はアンコとは全く似ておらず、すさまじく恐ろしい。 異能 女児符号では無いアナザーアンコの特殊能力。 両手を色々な物に変えることが出来る。 ①クサナギノ剣 イラスト提供 くりたちゅ先生 手を剣に変形させる。アナザーアンコのお気に入りらしい。禍々しい剣だが切れ味は意外と悪く、殆ど打撃重視。 ②アイギスノ盾 表面に鏡がついた丸盾。 防御の時に使う。 この鏡を見つめ続けると身体が石になるとか何とか。 ③ナニカノ爪 イラスト提供 シヴァ化け猫先生 アナザーの隠し玉。 手を別の生き物の姿に変える。切れ味鋭い。破壊力抜群。殺傷能力ありあり。 セリフ例や他人の呼び方 イラスト提供 あどそん先生 一人称: ワタシ 俺 あたしゃ 私 等々その時の気分により変わる 二人称: 基本呼び捨て セリフ例 「ぎゃははははは!ワタシに勝てると思った?」 「あのやろう!俺をバカにしやがった!!許さねぇ殺してやる!」 「情けない本体を持ってあたしゃ虚しいよ」 「私ったらほんとにダメな子・・・」 女児符号 女児符号 マッド・ミート(泥肉) 念じた物を泥に変える事が出来る。 女児符号 『覚醒符号』 満たされぬアモンの銭袋 本体が音羽初に出会ったことでアナザーにも発現した能力。 ランクはSランクで、強欲な悪魔の『アモン』 覚声機は異能で作り上げた棍棒。 この機械に向かって叫ぶと、叫び声を聞いた全てのものの本能を刺激する。 彼女が一声あげれば、最強にして最弱の軍団が駆けつける。 金で手に入り、金で動くもの全てが彼女の味方だ。 彼女の覚声機を奪うにはより大きなものの根本を崩すことが必要になるだろう。 彼女自身はその大きな翼と爪が護り、更にその周りを捕食獣が護りを固める。 更には親しいものが、彼女の叫びを聞いてしまっただけのものが、通りすがりの何も分からぬものが、彼女に支配され護っているのだから。 加速符号 プレデター(捕食獣) アナザーの切り札。 現段階では詳細不明 関連イラスト 頂いたイラスト 坂裏庵先生作 金田八 龍助先生作 山上下先生作 奇桜先生作 タマモーシャ先生作 KMD先生作 シヴァ化け猫先生作 登場予定作品 モノクロ狂想曲 | | | | | | | | | | | Birds of a feather flock together. すこふぃ先生 提供 アナザープラム りびんぐすいーつって奴に恨みを抱いてるみたい。なんか協力したら良いことあるかなぁ? ぺムスカ先生 提供 アナザーのじゃ猫達 遊び相手~!んふふ楽しいなぁ。殴り合い楽しいなぁ♪ 沢山いるからさぁ、なんか協力したら凄いこと出来そうじゃなぁぁいい? アナザーマリネッタ おともだち♪
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(黒は虹色に似合わないけれど) 更新日:2020/03/27 Fri 22 53 16 タグ一覧 リリムムとよその子SS 天使と悪魔は同じ空を見上げられるか 「今日の給食はオムライス!無藤さんはオムライス好き?」 「……はぁ、まぁ食べられるものは基本好きです」 私はよく声をかけてくれるこの女性を見ながら言った。 ここは保健室。私は体調が悪くなって、時々ここに駆け込む。 この人……虹富玲亜さんとは、偶然にもこの場所で出会ったんだった。 数週間前引っ越してきた私は、学校に通いこそすれ、授業にはそんなに出ていなかった。 世間体だけは気にする母に押し込まれたのだが、同級生と言う物が怖いので、ちっとも嬉しくなく、苦痛ばかりだ。 ずっと保健室にいると、保健の先生から母さんに告げられてしまうから、ここも安心はできないけど、沢山の目がある教室よりは、幾分か気は楽だ。 「おーい玲亜!いつまで保健室にいるんだよ!」 「今そっち行く!それじゃあ無藤さん。またお話ししましょう」 「うん、ありがとう虹富先輩」 声の主……多分水無月先輩に呼ばれた虹富先輩は、私に笑いかけて去っていった。 私は枕に頭をつける。他人と話すのは疲れるけど、ちょっと楽しい。 自分の考えを言うのは苦手。殴られるかもって思ってしまうから。でも、殴らないで話を聞いてくれる人は好き。そう言う人となら、話すのも楽しい。ちょっとだけだけど。 だから、気まぐれでいい。また次も話してくれないかな、なんて、虹富さんに言うのは悪いことだろうか? 「今日はね、ちょっと提案があるんだけど」 また別の日、同じ場所。いつもの位置。私はベッドに腰かけて、虹富さんは椅子を運んで隣に座ってる。 「無藤さん、女児符号って知ってる?」 「ガール……ズ…コード?」 聞きなれない言葉だ。 「知らないんだね。女児符号って言うのは……」 虹富先輩が話してくれたのは、全く現実味の無い話だった。 「そんな物が……」 私をからかっているのかと思ったけど、虹富さんの目は本気だ。 「私の女児符号は『自愛空間』防御壁なんだけど、傷を治す力もあるの」 私は虹富さんの考えた事が分かった。 「だから、無藤さんの傷も治せるんじゃないかと思って」 「それなら是非…その……よろしくお願いします……」 私の返答に、虹富さんは安心したかのように微笑んだ。 「よかった、ちゃんと入れたね」 若干薄い水色の光に包まれた虹富先輩が、嬉しそうに言う。 「確かに凄いです……もう痛くなくなってる」 「……そう」 私は腫れていた腕をさすり、煙草を押し付けられて出来たお腹の火傷跡を見ながら言った。 本当に光のドームが出てきた事は驚いたが、だよロリ犬だったり、オウマがトキだったり、非日常的な事もあるんだと知った私は、さほど驚く事はなかった。 それにしても、この場所は居心地がいい。 まるでだよロリ犬の腕の中みたいに気持ちが穏やかになる。 「虹富先輩は……」 気づくと、私は声に出していた。 「虹富先輩はなんで私なんかに優しくしてくれるの……?」 それは出会った時から感じてた疑問。虹富さんは傷だらけで薄汚れて無愛想な自分なんかに、どうして優しく声をかけてくれるんだろう。 虹富さんの行動は、介抱する自分に酔っているお母さんとも違うし、元々人間が大好きなだよロリ犬とも違う気がした。 虹富さんの目が丸くなり、悲しげに閉じ、また開けられた。 「無藤さんが助けて欲しそうだったから……かな?」 虹富さんの発言に、今度は私が驚いた。 「話し相手が欲しい。誰かと友達になりたい。誰か私を見て!……って言ってるみたいだったから」 虹富さんは私の目を見て微笑んだ。 「私で……良かったかな?ムムちゃん」 私の目に、自然と涙が溜まっていた。 「はい……勿論です……玲亜先輩」 私はまた他人に救われた気がした。
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オレ達バトル組は、対機人班だ。 とにかくできる限り機人をブッ壊して、 時空転移装置への道を切り開く!! 「おらおらおらおらおらぁっ!!!!」 『女児力』をフルに使い、全力のパンチを連続で繰り出す。 元々強力だったはもはもの力を乗せたパンチで、機人がゴミのように吹き飛んでいく。 砲弾すら弾く装甲だろうが、今のオレに砕けない物は、ない!! 「アもちゃんすごい……! でも、わたしも負けてられないっ!『暁天』!!」 ライジングは符号と女児力の切替が速く、 それを活かしたスピード戦闘が持ち味だ。 『暁天』の力で高速で飛び回って敵を翻弄し、 その隙を突いて『女児力』で粉砕する。 「はああああぁっ……!! だぁらっしゃああああああっ!!!!」 ズガガガン!!! バッテリーを破壊され、その場に崩れ落ちるいくつもの機人。強固な装甲も、成長した今のオレ達にとっては紙同然だ。 「はーい、ツボ押しますねー!痛かったら 言ってくださーい!……なんちゃって☆」 ひゆきがトン、と親指で機人の外装を突く。 すると、瞬時に機人のボディがガラガラと 崩れ去る。今までにも何度か見て来た、 『親・指・秘』の力だ。 「ギギギギギィィ!!」 「その声、もう聞き飽きたよー。 はい、サクッと行っちゃうねっ」 五月は雨の力を乗せた刀を構え、機人の攻撃を器用に捌きつつスパスパと斬り落として 行く。『女児力』は使っていない様子だが、 それであの強さは圧倒的だ。 ──────────── 「子供達が頑張っておるようじゃ。 こちらも気張らねばの」 「えぇ。……それにしても、まさか私と あんたが、この現代でまた行動を共にする事になるなんてね。しょーじき、びっくりよ」 「カカカ、オヌシは子供達がおらんとすぐに気が抜けるのぉ。ホレ、いつもの優しいお母さんムーブはどうした?」 「うっさいわね。いいから早く全力を出しなさい。アレと対峙するんなら、それくらいの覚悟しないとすぐに消されるわよ」 「……ウム、流石はこの世界の創造主なだけあるわ。あのドス黒いオーラ、見た目よりも厄介そうじゃ」 ついに、Dr.マッドが地上へと現れた。 ワシらは純乃の準備が整うまで、注意を引きつける役割を買って出た。 ヤツにとってワシや神楽坂は、永遠に続くはずの理想郷を壊した張本人。視界に入れば即殺しに来るじゃろうからの。 「+××××××+お前だけは、#°# ×許さない。 今すぐに )())))))消しテやる」 「できるものならやってみるがよい。 目的も何も見失った今のオヌシなんぞに、 負けはせん」 「ガアアアアアアアッッッ.-//-+!!!!」 黒いオーラがDr.の身体から離れ、 まるで人のように形を作り襲って来る。 アレには触れない方が良さそうじゃの。 「ふっ!」 攻撃を回避して、オーラの人形が触れた箇所を確かめる。 …………空間ごと、削り取られておる、か。 夢を操る能力と、夢を破壊するオーラ。 まさか、精神を傷つけられる事でここまで 厄介な存在になるとはの。 ……どれだけ、ヤツがはもはもちゃんの 存在を大切にしておったかが分かる。 「猫!!なにボーッとしてるの!! 後ろ!!!」 「なッ…………!!」 気付けばすぐ後ろに、オーラの人形が迫っていた。 まずい……回避が間に合わん……ッ! ゾブッ……。 「ッガァッ!!」 脇腹を、削り取られた。 ……まずい。予想通りと言うべきか、 全く再生する気配がない。 この世界の支配権は、あちらにある。 『アレ』が破壊したものは治すことはできん、 というわけか……ッ!! 「ぬっ……ぐ……!」 流石に傷が深すぎる。 ……いつも冗談で言うておったが……本当に、 衰えたものよな……! この程度のダメージで、動く事ができんとは……!! 「猫!!戦えないなら早く逃げなさい!!」 「逃げられるもんなら……ッ、 逃げて、おるわ…………!!」 何体ものオーラの人形が迫る。 ……これは、年貢の納め時、かの。 「───『結界拳法』:壱の段!!」 ドッ!!!! 人形が、まとめて吹き飛ばされる。 「神楽坂…………!! オヌシ……ッ、まだ戦えたのか……!?」 「戦える、なんて立派なものじゃないわ。 結界を拳に纏わせてブン殴っただけ。 見ての通り、私の結界も削り取られてしまう みたい。……付け焼き刃の力よ。まともな 戦闘力なんて、期待しないで」 「……カカカ、ないよりは遥かにマシじゃ。 スマンが、今はロクに動く事もできん。 他の部位から肉を移動できんか試してはみるが……」 「……アンタ、衰えたとか言ってるけど 今でも十分気持ち悪いわよ。子供達には 見せないようにしなさい」 再び、無数のオーラ人形が迫る。 神楽坂は拳と足に結界を纏わせ、迎え撃つ。 さらに眷属の蝙蝠を操り、敵の注意を逸らして翻弄する。 「子供達を助けるための時間稼ぎなら、 いくらでもやってやるわ!!Dr.マッド! 今の貴女は、ただ自棄になって全てを破壊しようとしているだけ。子供達を、守りたいんじゃなかったの!?」 「%# #はもはもちゃんヲ……殺したのは お前ら だろうが (()!!!!!!」 やはり、今のヤツとは会話を試みるだけ 無駄じゃな。 とにかく時間稼ぎに徹するべき、か。 ──────────── 「着いた!これが……時空転移装置……!」 さっきはチラッと見えた程度だったが、いざ目の前に立つと……デカい。しかも作った奴の性格が出ていると言うべきか、ゴテゴテと継ぎ接ぎのように機械が付け足されていて、 どう見てもまともな装置には見えない。 「これを……どう使えば良いんだろ……」 流石のえるも見た事のない機械を前にして、 戸惑い気味の様子だ。だがコイツは作戦の要、 うまく行かなきゃ全員お陀仏だ。 「える、まずはコンソールを開け。 ここから操作できる。そこから先は、 私にも詳しくは分からないが……」 「純乃さん、これ、触ったことあるの?」 「あぁ、私はこの場所で生まれた。 コイツにも触った事はある。 お前も使い方は知っているだろ、御滴」 ……え…………何を言ってんだ? ここで、生まれた……? 「……チッ、軽くバラしちまうんだもんナ。 あぁ知ってるサ、だがアチキも絡繰仕掛けは得意じゃねェ。コイツをいじくるのは無理ってもんだぜ」 「み、御滴ちゃん……どういう事っ!?」 「アチキも純乃も、ここでDr.マッドに『造られた』人間だって事でィ。この世界での、 オタクらの生活をサポートするためにナ。 だから現実の世界にゃアチキらは存在しねェ。夢の世界にしか存在しない、マ、言っちまえばオリキャラみたいなモンって事サ」 「Dr.マッドが純乃ちゃんや御滴ちゃんを……作った……!?そんな、いくら禁忌符号の力がすごいからって、人間を作り出すだなんて無茶苦茶な……」 「言ったろ、ここは強い願望が現実になる世界だってナ。とどのつまり、Dr.はそれほどまでにこの世界の、いや、オタクらの平穏を祈ってたって訳サ。 他の人間がいない世界で、それでも健やかに生きて行けるように、アチキや純乃を送り込んだ。いざって時の助けにするため、現実世界では実現し得ない強力な符号…… 『仮定符号』を与えられてナ」 第9章(後編)へ
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ひゆき-明沢 緋雪- 「ツボ押ししちゃうよ!痛かったら言ってね♪」 「はわわっ!?押し間違えちゃった!?」 創作注意事項 創作では好きに出しちゃって大丈夫です カラー・服装アレンジ自由です ネタもパロディもOK! 目次 概要人物像 容貌・服装 趣味 女児符号女児符号:『親・指・秘』 加速符号:『娘・指・止』 概要 愛称 ひゆきちゃん 本名 明沢 緋雪(あけざわ ひゆき) 年齢:11歳 誕生日:12月25日 身長:145cm 一人称:私 二人称:あなた(~~ちゃん) 好きな物:マッサージ、おしゃれ 嫌いなもの ヘビ、毛虫 二つ名:癒し系指圧師 人物像 常識人で優しく頑張り屋だが、少々ドジっ子。きゅーばんちゃんと仲が良く、好奇心の強さで暴走しがちな彼女のストッパー的役割だが、だいたい止められていない。 整体師の母親から受け継いだ、身体の「ツボ」に関するあらゆる知識とそれらを押す魔法の指を持つ。 疲れを癒すツボや腰を抜かすツボ、笑いや涙が止まらなくなるツボ、かゆくなるけどどこがかゆいのかわからないツボなど様々なツボを知り得ており、不審者をツボ押しで撃退したこともあるらしい。 容貌・服装 (カラー参考) 緑の目をしており、茶色のポニーテールを緑の大きなリボンで留めている。 下部がフリル状になった上着が彼女のお気に入り。 趣味 疲れたり、肩がこっているお友達にマッサージを行っている。 ドジっ子のためか、指が滑ってうっかり間違ったツボを押してしまうことがあるそうだ・・・。 女児符号 女児符号:『親・指・秘』 「いくよ・・・いち、にの、さん!えいっ」 読みは「オヤユビヒメ」。 身体の「ツボ」を探す要領で物体に触れ、「ツボ」のような部分を見つけ出し、親指に力を溜め押し込むことで、一瞬で破壊する。 その気になればダイヤモンドも破壊できるのではないかと推測されるが、「もったいなくて出来るわけない」とのことである。 なお生き物には効果がない。 加速符号:『娘・指・止』 「みんな、集まって・・・お願い!」 読みは「コノユビトマレ」。 人差し指を空にかざすことで、離れた場所にいる仲の良い女児達の深層心理に働きかけ、彼女のいる場所に無意識に集まるように指令を送る。 友達が増えるほど集まる人数も増え、異なるバースの子を連れて来ることも可能らしい。
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木藤響子 プロフィール 本名木藤 響子(キトウ キョウコ) あだ名 キキ 年齢 12 血液型 B 身長 145㎝ 体重 39㎏ 瞳の色 黄色 髪の色 黄色 誕生日 8/17 性格 やんちゃでフリーダム 趣味 筆箱やランドセルをデコる事。ロックを聴く事。 将来の夢 ネールアーティスト マキナ・ソロル デウスから受け取ったタクトで変身する。 雷のような形の剣で敵を倒す。 意味は姉妹人形 女児符号 女児符号 ソル・シレークス(太陽の火打ち石) 高速で移動する事が出来る女児符号。 足と地面が擦れ合う度に火花が散る。 高速で移動し、摩擦熱で熱くなった足で蹴りをお見舞いする。 加速符号 他の人との関係 ノノ ボケッとしていてイライラする時もあるが、何時ものほほんとしているから落ち着く。親友かもしれない。 ココ 一番のライバル。勉強でも体育でも負けたくない相手。なのだが、ココからはあまり敵視されておらず、友達として見られている。 ナナ 何となくいけすかないやつ。いつもツンと澄ましているが、実は無理しているんじゃないかと思っている。 他の人の呼び方 心愛 野々花 リリ 瑠璃 理子 ムム デウス 響子 奈美 ミミ エクス ココっち ノノっち リリ ルルっち リリっち ムム デウス あたし ナナっち ミミ エクス 木藤響子 リリとムムの先輩的存在。ノリが良く、よく二人と遊んでくれる気さくなお姉さんだ。 プロフィール 身長 153㎝ 体重 41㎏ ファッション ロック 現在の仕事 コンビニのアルバイト店員 売れないバンドのボーカル マキナ・クレクスント キキの新たな力。雷の剣を二つ扱え、剣先から稲妻が出せる。 意味は成長する機械 他の人との関係 ノノ 大好きな親友。趣味は違うが一緒にいると落ち着く。 ムム 昔の自分を見ているようで気になる存在。 頭をグシャグシャに撫でたりハグしたりとスキンシップを良くする。ムムは嫌がっているように見えるが内心喜んでいる。