約 664,602 件
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/8234.html
ぽけっとのなかのちいさなふしぎ【登録タグ ほ ニラP 初音ミク 曲】 作詞:ニラP 作曲:ニラP 編曲:ニラP 唄:初音ミク 歌詞 (PIAPROより転載) あなたは右のポケットに 何かを隠し持ってる 周りには見つからないように気を付けてる だけどあたし知ってしまったの ポケットの中の小さな不思議 ちょっと覗いた死んだような目 魚類 むしろ生きてるそれ魚類 どうやって飼ってるの あなたは右のポケットに 魚類を隠し持ってる 魚の生臭さを消すために消臭剤 全身にいつも浴びているわ ポケットの中の小さな宇宙 科学では解明出来ない 魚類 名前は付いてるの 魚類 散歩はさせてるの なんか気になる だって気になる ポケットのこと 魚類のことも あなたのことも 全部気になる ポケットの中の小さな不思議 ポケットの中の小さな宇宙 ポケットの中の小さな不思議 あたしにだけは教えてほしい 魚類 逃げても無駄だから 魚類 今日は一緒に帰ろう コメント 脳内リピートが止まらないw -- 名無しさん (2010-01-16 11 05 50) ナニコレ珍百系認定。w -- 名無しさん (2010-01-16 11 12 18) ぎょるーい♪の部分が忘れられないwwニラP本当に天才だと思う -- 名無しさん (2010-05-18 21 53 15) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/zuiun/pages/27.html
冬に灯る小さな花火 もういっそのこと大学から、家からも飛び出して旅に出ようかな。そして何にも縛られず、私の好きな場所、好きなことだけをして生きていこう―― ……なーんて、勉強に疲れた中高生の妄想みたいなことを思う。無理に決まってると胸中でつぶやいてため息を吐いた。 単位のためだけに受けている興味のない講義を聞き流し、楽譜をしまう。五線の湖の上を泳ぐおたまじゃくしを見ていたら、目眩がしてきた。 どうにもここ数日、頭の中で音が鳴らない。それどころか、気力すら全然起きない。 ……私、やる気なさすぎ。 どうしちゃったのかなぁ、と思うまでもなく原因はわかっていた。その原因を解決させない限り、私はふ抜けたままだろう。原因がわかってるなら、すぐにでも解決すればいいんだけど。 「そんな簡単なら、こんなことになってないってば……」 ぽつり、と口に出した言葉は、社会の仕組みと就職の大変さを語る教授の声に、くだらないと切り捨てられるようにしてかき消された。 ◇ ◇ ◇ 「おい、天然元気っ子。今日はやけに静かだな。変なもんでも食って腹壊したのか?」 講義が終わった教室で、まだ三時限目が残ってるけど帰っちゃおうかなー、とぼんやりしていたら、慎(しん)が話しかけてきた。 「あー、うん。そーかもね」 私がてきとうに返事すると、慎はやる気のなさそうな半眼を丸くしていた。 「おいおい、ホントに腹壊したのか? いつもなら『誰がお腹壊すようなもの食べるか!』って突っ込み返すのに」 「いや、別にー? ただ、疲れちゃったからもう帰ろっかなーって」 「はぁ?」 慎は怒ったように私を睨む。目つきが鋭いから睨んだように見えるだけなんだけど。 「次の講義、ピアノだろ? 音楽専攻の学科じゃないから基礎ばっかりなんだろーけどよ。でもお前が大好きなピアノだぞ? わかってるか?」 「うん、わかってる」 慎のちょっと怒ってるような顔を――でもホントは心配してくれてる顔を――見ながら、私は小さく頷く。 私の反応に呆気にでもとられたのか、慎は口をぱかんと開けて間抜けな顔をした。次第に閉じていく口はへの字を描いていた。お気楽な慎にしては珍しく、小難しい顔で腕を組んでいる。 「三月(みつき)、昼飯どーするんだ」 「あんまり食欲ないし、無くてもいいかなーって」 「……今日は、デザート食う日じゃなかったか?」 「ピアノの前だから食べてたの。ピアノやんないなら、食べなくてもいいよ」 別にどうでもいいよと、私は無感情に返す。 「いっつも、あんな美味そうに食ってるのにか?」 「うん、いいの」 慎は唸るようにして「ふーん」と返してきた。ちょっとだけ私から視線を外した後、削るように一度頭を掻き、ここ座るぞ、と私の隣に腰かけた。 「これ食え。飯抜くと太るっていうだろ」 下げていたビニール袋からサンドイッチを取って渡してきた。慎がよく買う、安い卵サンド。 「いいよ。慎の昼ごはんでしょ?」 「俺は三限なんもないからいいんだよ。ほら、人の好意を無下にしてんじゃねぇ。食え食えっ」 肘を付きながら、押しつけるようにして、しっしっと手で払う。そんな風に言われたら断るものも断れない。 「はいはい。じゃあ、ありがたく頂きますよ」 仕方ないわね、とため息ひとつ吐き出して。黙々と、慎からもらったサンドイッチを食べる。慎は私の食べる様子を、いつものやる気のなさそうな半眼で見ている。 「……夏の時と比べて、病気かってくらい静かだな、お前」 慎は唐突に、姿勢は変えないまま口だけを動かした。 おかしい、と私も前から感じていたことを改めて指摘され、叱られた時みたいに体を強張らせた。 「やっぱり……そう、だよねー」 「皆で花火なんかした時は、小学生かってくらい、はしゃいでたのによ」 夏休み、そんなこともしたなぁと私は思い返す。高校の友達と集まって、ねずみ花火に追いかけ回らされたり、ロケット花火を空高く打ち上げたり、色彩豊かな手持ち花火をのんびり眺めたり。楽しかったなぁ。 「どうしたよ。なんか悩みでもあんのか?」 「うん……まぁ」 「なんだ、寒くなってきたから体重でも増えたのか?……あぁ、デザート食わないのもダイエットか」 言い淀む私を見て恥ずかしい悩みだと思ったのか、慎はひひ、と嫌らしく口元を吊りあげて笑う。冗談だとわかっていても、私はムッと頬を膨らませてしまう。なんか、慎に言われるのは無性に気に食わない。……でも、サンドイッチってカロリーどんなだっけ。つい今日食べた物のカロリーを考えてしまう。 「おーい、三月ちゃーん? サンドイッチ見つめたまま、なに固まってるんだー?」 「えっ……? あ、うん。うんうん? サンドイッチって、カロリー高かったっけ、なんて考えてないよ?」 「あー……そうか。ちょっと腕上げろ。あぁ、バンザイじゃなくていいから。軽くでいい」 言われた通り、サンドイッチを両手で持ったまま肘を持ち上げるようにして腕を上げる。 なにする気なの、と訊こうとした瞬間。すぐに伸びてきた慎の腕が、私の脇腹をむにゅっと摘んだ。 「わひゃぁ!?」 無防備の脇腹を触られ、くすぐったさと肉を摘まれたというショックから、変な声を上げてしまう。 「ふむふむ。適度に肉も付いてて健康的な体だな。女としてはともかく、人間としてはいいと思うぜぇ?」 「なぁもぉうるさいっ! にやにやとイヤらしい顔してんじゃないわよ、このヘンタイ!」 いつまでもむにむにむにむにと摘んでいる腕をはねのけようと、慎に向けて腕を振る。おっと、とからかうように声を出しながら、あっという間に体を引いて避けられてしまう。 「おいおい。俺は『冬になって美味しいものがいっぱいで食べすぎちゃった~』とか言ってる三月のために、身体検査してやっただけだぞ? そんな怒られるようなことはないと思うぜ?」 「誰がそんなこと言ったのよ! 女の子の体触っといて、アンタはそんなことしか言えないのか!」 「いやだってお前……」 慎は顎に手をやり、じとーっと私を頭から足先まで見てくる。 「……大学生にもなって、そんな起伏のないなだらかな体の奴じゃ、なぁ?」 「なっ……!?」 真面目な顔をしたまま淡々と言われ、さすがに声を詰まらせる。いくら幼なじみの慎だからって、冗談でもなくそんな風に言われたら傷つく―― 「ま、スポーツブラでもなんでも試して、せめてAAからAぐらいにするんだな」 と、ちょっと泣きそうになった気持ちが瞬時に吹き飛んだ。慎はにやり、と口の端を持ち上げた、弄る時によくする意地の悪い笑みを浮かべ、私の胸を指さしてくる。 「ギリギリBくらいはあるわよ!」 たぶん、と心の中で付け足して。 くるくると回して遊んでいる指を、手の甲ごと思いっきりはたいた。私は仇のようにサンドイッチにかぶりつく。 「知らない間に、お前も成長してたんだな」 慎は憎ったらしい顔をしたまま、はたかれた手をぷらぷらと揺らす。からかってるんだろうその動作も、腹が立ってしょうがない。 「まったく、人のこと弄るだけならちゃっちゃと帰ってよ! 慎のばぁか!」 「はいはい、俺はそろそろ退散しますよっと」 あっさりと私の言葉に従い、慎は鞄を担いで席を立つ。離れる時、私の肩をぽんぽんと気遣うように叩く。 「それだけ言い返せれば十分だな」 してやったり、とで言いたいのか。ニッと無駄に良い笑顔を見せてきた。私はしてやられたように、慎の笑顔に驚いた顔を返してしまった。 「まったく、ホントにもぉ……」 離れてく慎の背中に、私は苦笑を向ける。 慎が教室を出ようと扉に手をかけた時、私は大声で呼び止める。 「慎!」 慎は顔だけをこちらに向け、なんだ? と表情だけで語る。 「ありがと!」 天然元気っ子らしく、私は飛び切り明るい笑顔で言ってやった。 慎はさっきと見せたのと同じ笑みを返し、ひらひらと手を振って教室から出て行った。 ◇ ◇ ◇ でも慎にもらった元気も、ピアノを弾き終わる頃には、空に霞んでいく煙のようにかき消えてしまった。 やっぱり、音楽に集中できない。他事がちらちらと頭の端を触り、心が定まらない。心が定まらなければ、音も定まらず。結局、私が鳴らしたのは乱れた行列のような、猥雑な音の群れ。全然旋律なんかじゃない。 ……こんなことじゃダメじゃない。しっかりしないと。 まだ大学に通って一年すらたってない。なのに、つまずいてたら叶う夢も叶えらんないよ。 気分転換でもしようと来た書店だけど、全然気晴らしにならない。もっと違う音楽でも聴こうと、一緒にやってるレンタルCDの方へと行く。 J-POP……って気分じゃないんだよなー。別に、愛だの恋だのが欲しい訳じゃないし。クラシックで落ち着きたいとこだけど、ピアノのことが浮かんで気分転換になりそうにないかも。うーん……ジャズ、ねぇ。いいんだけど、なんか違うんだよねー。あー、どーしよー…… 電車のラッシュを思い起こさせるほどCDが押し込まれた棚から、視線を外す。一息ついていると、明るく軽快な幸せと楽しさを運んでくるフレーズが聴こえてきた。 この曲は……We Wish You A Merry Christmasかぁ。そっか、もう一月もたたない内にクリスマスだっけ。 ……クリスマス、かー。去年は、確か高校の友達と過ごしたっけな―。仲の良い女の子三人で、誰がカッコいいだのもうちょっとどーすればいいのにだの、皆で騒いだっけ。うん。いいね、クリスマスソング。気分転換になるかも。 私はクリスマス・クラシックのCDを数枚借りた。頭の中で、さっき聴いたWe Wish You A Merry Christmasを弾く。 クリスマスへの期待、喜び、楽しみを奏でる音譜に釣られて、想像の鍵盤の上を心の指たちが踊る。想像だけど、ピアノを弾けていることに私は自然と笑みを浮かべていた。 店を出る前に、本屋の方をぐるっと見て回る。私は目に留まった、平積みされている一角で足を止めた。 積まれているのは、どれも就職の本だった。 適当に手にとっては、ぱらぱらとめくる。どれにも書かれている、就職の準備は今すぐ始めた方がいい、面接のしかた、SPI、TOIEC…… そして、週刊誌には就職率の低迷。採用氷河期の文字。 私はひと通り本に目を通すと、店を後にした。脇目も振らず自分の家へと急ぐ。 家へ着いたら、ただいまの挨拶もそこそこに自室へと入る。鞄と借りたCDを机に置き、コートをハンガーにかけて私はベッドへ倒れ込んだ。 抱き枕をぎゅっと力いっぱい抱きしめ、小さくなる。 小さくなって、出来る限り小さく体を丸めて――全部の力を抜いてため息を吐き出した。 就職……か。 ――私の通う大学は、そこまでランクの高い大学じゃない。どっちかって言えば、低い部類になるだろう。もちろん就職率も当り前のように低い。 色んなことに手を出して遊んでいたら、就職で苦労するのは目に見えている。私はペットショップにいる犬猫じゃないんだ。やることをやってなきゃ、雇ってくれる会社なんてあるはずない。 だから就職のために資格をとったり、勉強したりしたほうがいいんだろうけど…… ちらり、と視線だけを部屋の隅へ動かす。視線の先にあるのは、安くて音域が狭いキーボード。夜でも練習できるようにと昔に買ったものだ。ピアノは、一階の他の部屋に置いてある。 私は将来、ピアノに携わった仕事をしたい。そのために一応ピアノの授業がある、あの大学に通ってるし。 さすがに、プロのピアニストになりたい、だなんて無謀なことは思ってない。でも、ピアノの先生になれたらいいな、とは考えてる。自分の通うピアノ教室の先生の楽しそうな姿を見る度そう思ったんだ。 ……だけど、夢や希望なんかよりも、ただ就職できればいいと奔走している先輩たちの姿を見ていたら、不安になった。本当にピアノの先生になれるのかって。 いくらピアニストじゃないとはいえ、音大ぐらい出てないと人に教えるほど実力はつかない。才能がある人は音大なんていかなくても平気かもしれないけど、私は特に才能がある訳じゃない。ただ、小さい頃からピアノが好きで弾いてるだけ。 この大学を出たら、夢に近づくため自力で音大に通おうと思ってるんだけど……それも無謀にしか思えなくなっちゃった。どうしてかな、少し前までは絶対出来るって信じてたのに。 このまま夢が叶わず、ピアノの先生になれなかったら。それでも、社会は待ってくれない。ピアノや音楽に関係ないところでもなんでも、就職して働かなくちゃいけなくなるだろう。 就職する時になっても、私にピアノしか特技がなかったら――きっと、大変な目に合うだろう。 だから、少しでも就職しやすいよう何か資格でも取るべきなのかな、って考えてるんだ。 ……考えてるんだけど。私は……どうすればいいのかな。 ◇ ◇ ◇ 大学のホールの端にぽつりとある小さなテーブルで、ひとり資格の一覧本を眺めながらのろのろとお弁当をつまむ。 ため息を吐いたと同時に、後ろから頭を小突かれた。後ろを見ると、ビニール袋ぶら下げた慎がいた。 「よう。相変わらず悩んでるな、三月」 「やっほ。相変わらずコンビニ弁当なんだね、慎」 今日はおにぎりだ、と文句なのかよくわからない主張をしつつ、慎は向かいの席に座った。 「で、昨日俺が元気づけたはずのお前は今日も懲りずにお悩みを抱えてる訳だが。これにはどう返答すんだ、えぇ?」 「……いい資格、どれだと思う?」 私の返答に、怪訝そうにする慎は机に置いてある資格の本を一瞥する。 「あん? お前、ピアノの講師になりたいんだろ? なら、そーゆー資格じゃねぇの?」 「いや、ピアノ以外で」 慎はびくりとビニール袋に伸ばした手を止め、何か文句を言いたそうな表情で私を見る。 「……は? なんだ、違うもんにでも就職したくなったのか? 今までずっと、ピアノピアノって言ってたじゃねぇか」 「あはは。そうなんだけど、ね」 言葉を濁し、苦笑で誤魔化す。慎は、それを許してくれなかった。 「――怖気づいたのか?」 ストレートな言葉に私は告げる言葉をなくし、ただ強く唇を噛んだ。 ……そうだ。私はピアノの先生になれないのが怖い。 けど就職できないのもすごく怖い。夢を追いかけていると言いながら、私は現実に絡められて、思い切ったことが出来ずにいる。 「まぁ、仕方ねぇと思うよ? 俺は楽器なんかやったことねぇから、音楽ってすげぇ大変だってことしか知らねぇよ。音大も入るのすげぇ難しいみたいだしよ。そりゃ、怖気づきもするよな」 慎の言葉は慰めているようだったけど、当の本人はとても不機嫌そうだった。不満を我慢しているような……いや。気に食わないことがあり拗ねているような表情だった。 「そんでお前は怖気づいて、どうするんだ?」 変わらぬ、無感情にも思える瞳。でも、何かを訴えてる気がして。 「だから、他にも就職できるようにしようと……」 答えを口にしながら、私は慎から目を反らしてしまう。あんな瞳、今の私には応えられなかった。 私が目を反らしたと同時に、慎はため息を吐いた。 「諦めるのか?」 「そんなことしない!」 諦めると聞いた時、私はテーブルを叩いて慎を睨みつけていた。 「でも、現実お前はピアノ以外のことしようとしてるじゃねぇか」 慎の言葉にも怒気が孕んでいた。私が否定されたのに、何故か慎も怒っていた。 私を一番理解している彼に考えを否定され、カッとなっていた。慎が怒ったことに疑問を感じないほど。 「ただ他のこともしようとしてるだけじゃない! 誰もピアノを止めるだなんて言ってないでしょ!」 「今までピアノしかやってこなかった奴が、なに他のことやるとか言ってるんだ? テメェが他のことやれるほど器用だったら、こんな大学いねぇだろうが!」 慎の言うとおりだ。私がピアノもやって、資格も取って、なんて出来るはずがなかった。今まで学校の勉強すら両立できなかったんだから。 「頑張るだけよ! ピアノも資格も、全部頑張ってやるだけよ!」 「資格の勉強なんて頑張ってたら、ピアノの頑張りが減るっつってんだよッ。んなことしてても、全部中途半端で終わるっつの!」 「っ、やってみるまでわかんないでしょ!」 「わかるわ! 不器用なお前が、馬鹿みたいにピアノしかやってこなかったお前が、出来るはずねぇんだよ!」 そうだ。私はピアノしかしてこなかった。私にはピアノしかなかった。 「でも、やるしかないじゃない!」 いつの間にか、私の声は涙混じりになっていた。なにか、だだをこねてるみたいですごく格好悪い。そんな気がして、鼻をすすって目を拭う。瞳は、濡れていた。 「お前、ピアノも中途半端で終わることになるぞ! 頑張ってればなれたかもしれねぇピアノの先生も、なれなくなるかもしれねぇんだぞ!?」 ピアノしかない私は、ピアノで失敗することが怖かったんだ。人生を変えてしまうのような、失敗を。 「私、は……」 言葉は霞んで小さく消えていき、心は冷たく萎んでいった。もう、私に返せる言葉はなかった。 慎は私を静かに見つめる。ふと慎の顔を見て思う。彼の声は怒っていたけど、表情はどうだっただろうと。裏切られたような、ひどく悲しい表情じゃなかった? 「……昔」 ぽつ、と慎がつぶやいた。 「ピアノの先生になるんだ、って言ってたお前は、本当に嬉しそうでさ。すげぇ輝いてたよ」 慎が言ったのはいったい、いつのことだろうか。嬉しそうに夢を語ったのは、いくつの時だっただろう。高校? 中学? それとも小学校だったか…… 知らず、うつむいていた顔は上がり、慎を見つめていた。怒りはもう、すっかりと抜けてしまっていた。 「……今日の夜、家来いよ」 「え?」 「いいもん、見せてやるからよ」 じゃあな、とビニール袋からおにぎりひとつ出さず、慎は席を離れていった。 ◇ ◇ ◇ もう暦上も冬に入り、日が暮れるのは早い。日が出ている時間が短くなった分寒さも増し、吐いた息の暖かさが心地よいほどだ。 星が瞬く漆黒の空の下、団欒の光を灯す住宅街を、慎の家へと向かって歩く。 慎の家はゆっくり歩いて二、三分ほどの距離にあった。私はコートをはおり、マフラーを巻いていたが、そんな短い間でも寒さは厳しい。手袋をはめてこなかったことにちょっぴり後悔した。 後悔している間に、慎の家へ着く。インターフォンを鳴らすと、すぐに玄関の戸が開いて慎が出てきた 「お待たせ――って慎、なに持ってるの」 「んなもん、見りゃわかるだろ。花火セットだよ」 厭らしくにやりとする慎。わたしは慎の考えが読めず呆気にとられていた。 今の季節は冬。あともう少しでクリスマス。雪が降るんじゃないかという寒さ。なのにこのお気楽野郎は、そんな寒い中で縮こまりながら、花火をパチパチとやるつもりなんだろうか。 「いつまでたってもうじうじとなっさけないお前のために、俺がお前を楽しませてやるっつってんだ。さぁ、いつもの土手に行くぞ。あそこなら水汲めるし、ちょうどいいだろ」 「ちょ、ちょっと! 私、歩きなんだけど!」 「あぁ? 家すぐそこじゃねぇか。自転車ぐらい取ってこいよ……あー、でもめんどくせぇ。俺の後ろ乗れ。二人乗りだ、二人乗り」 自転車取ってくる、と車庫に入っていった慎に付いていけず、私は玄関でぽーっと立ち尽くす。 夜家に来いとだけ言っといて、いきなり土手へ花火しに行く? まったく、慎はなに考えてんのよ。私は、どんどんと勝手に物事を進める慎を待つほかなかった。 「……準備いいわねぇ」 土手に着いて早十分。慎はてきぱきと準備をこなし、花火を出来るまで整えていた。 簡単な遊びなら出来るくらい、広さのある川べりの縁の方に、水が入ったバケツを置く。 「寒い中、準備なんかに手間取ってられるかよ」 「ま、ごもっと」 こんな冬の夜中、なにもしないで立ってたらすぐに体が冷えてしまう。というか、自転車に乗ってただけで十分冷えてしまった。これ以上寒いのは、勘弁だ。 「ほれ、好きなの取れよ。ロケット花火とか、あんまり派手なのとか変に面白いヤツとかは無いけどな。そーゆーのは、夏の時使いきっちまってるし」 「ってことは、これ夏の時の残りなの?」 「あぁ。余ってたから持ち帰った」 そうだったんだ、と私の意識は小さめの花火セットに移っていった。 最初は、また馬鹿なことを、と思ったりもしたけど、実際ここまで来るとワクワクしてきた。 冬にやる花火。ミスマッチだけど、逆にそれがいい気がする。 「じゃあ、これから」 線香のように細い棒の先、床屋のバーみたいな紙が巻いてある、定番中の定番の花火を取り出す。 「うし、火着けるからこっち来い。風が当たんないよう、壁になれよ」 私と慎はバケツの傍らにしゃがみ込む。慎が私の持つ花火にライターで火を着けようする。私は花火が咲くのを今か今かと待った。 かちっ、かちっと幾度かスイッチ押し込む。次の瞬間、かちっと鳴った口の先から、火が吐き出される。日は、花火の先へと燃え移り――この寒空の下、色彩豊かな火花が、ぱちぱちぱちと爆ぜながら、ぱあっと咲いた。 「わぁ……!」 暗い闇夜の中、小さいけれど楽しい火が灯る。冬は空気が澄んでいるからだろうか。夏の時よりも、花火が綺麗に見えた。 「おい、火をくれよ。そっちの花火が終わる前にさ」 慎が取り出した花火の先をこっちに向けていた。 「はい、どーぞ」 「さんきゅ」 私は慎の持ってる花火に、私の花火を近付ける。たちまち火は慎の持っている花火へと移り、私の花火よりも激しく、噴き出すように緑色の火花を散らした。しゅごごごごご、とロケットのエンジンみたいに、花火は咲く。緑色だった火花は、次第に黄色、赤と変わっていく。 「三月、お前の花火消えてるぞ。次出せ、次」 「あ、ほんとだ。えっと、次は……っと」 「早くしろって、俺のも消えちゃうから!」 そんな感じで、私たちは花火を着け合いっこしながら楽しんだ。 勢いよく火が着いたけど、ほんの一時しか咲かないのや。湿気てたのか、まだ半分もの残ってるのに消えちゃったのとか。最初は弱かったけど、だんだんと激しく輝いていくのもあって。 確かに、ロケット花火みたいに派手なのはなかったけど、それでも十分な種類の花火があった。 「熱っ! 手に火がかかった!」 「あはは、なにやってんのよ」 「お前も食らえ、それっ」 「きゃ! こらっ、女の子に花火を向けるな! 火傷したらどうするのよ!」 「女扱いして欲しかったら、もうちょい幼いころより成長した体つきになるんだな」 「なっ……! 言ったなぁ~! 今日という今日は容赦しないんだから、ていっ」 「ちょ、おま! 花火を投げるな! さすがにそれは危ないわ!」 なんて、馬鹿なこともしつつ。 楽しい時間は、あっという間に終わりを迎えてしまった。 「あーあ、もう終わりか。でも、楽しかったー」 「いや、まだ終わりじゃないぜ? 花火の締めと言ったら、やっぱこれだろ」 取って置きだ、と慎が取り出したのは線香花火の束だった 「おぉ、線香花火まであったんだ」 「やっぱ、これをやんなきゃ花火じゃないだろ」 二人で一個ずつ、糸用に細い線香花火を持ちながら、同時にチャッカマンで火を着ける。今度は、あっさりと火が着き、線香花火が儚い光を灯しだす。 ぱち、ぱち……ぱちぱち…… 今にも落ちて力尽きてしまいそうな、弱々しい火花を散らしながら、線香花火は静かに咲く。 「……綺麗だね」 「……あぁ、そうだな」 抱えた膝の上に顎を乗せながら、言葉少なに、さっきほどまでと打って変わった儚い花火を眺める。 どうしてだろう。こんな小さな花火を見ているだけで、こんなにも穏やかになるのは。前、夏に花火した時も、こんな風だったっけ―― ぼんやりと考えていたら、ぽとりと火が地面に落ちてしまった。 「あっ……」 赤く燃えた火花は、地面の上にほんのちょっとの温もりを残して消えてしまう。その光景は、美しくももの悲しかった。 「次、やるか?」 「うん」 慎から渡された花火を持ち、私は火を着ける。 次に着けた線香花火は、最初だけ力強く輝き、あとは風に吹かれて消えてしまいそうなぐらい小さく灯った。 慎も一本目を落としたらしく、二本目に火を着ける。しばらくして、線香花火のように小さく、でもしっかりと聞こえる声で慎が訊ねてきた。 「少しは、元気出たか?」 私は線香花火から慎へと視線を変える。慎は線香花火を眺めたまま、優しく微笑んでいた。私も、そっと線香花火へ視線を戻しながら頷いた。 「うん、元気出たよ。これで、明日もちょっと頑張れそうな気がする」 私の言葉に、慎からの返事はなかった。線香花火が爆ぜる音だけが、小さく鳴った。 「……ピアノの先生になるんだ」 「え?」 唐突に、私がいつだろうか言った言葉を、慎がつぶやいた。 「これ言ったの、この前の花火の時だぜ? それも、今とおんなじように線香花火してるとき」 「……そう、だったけ」 「あぁ、そうだよ」 言われてみれば、言ってた気もする。高校の友達に、「やっぱりピアノの先生になるの?」と聞かれたとき、そう答えてた気がする。 「すげぇ嬉しそうにさ。綺麗に笑いながら言ってたよ」 「き、綺麗にって……」 普段、まったく言われないようなことを言われ、思わず照れてしまう。いつも、慎からはからかいの言葉しか聞かないから、ドキッとしてしまった。 「いつもはさ……いや、今まではさ。昔からお前は子供っぽいって思ってたけど、そん時にびっくりするぐらい綺麗でさ。あぁ、お前もこんなに大人っぽくなってたんだな、って思ったよ」 慎にしては珍しく、やけに素直に気持ちを話していた。ちょっと、照れたように笑う慎は可愛く見えて、なぜかドキドキと心臓が高鳴った。 「でも、よくよく考えたら、お前はすごく綺麗だったかもしれないな」 慎が花火から視線を私へと向け、見つめ合う形になる。慎の真っ直ぐな瞳を見て、私は驚くほど心を跳ねさせていた。 「お前が、夢を話してる時はさ」 「ゆ、夢……?」 「そ。ピアノを舞台で弾くだの、プロになるだの、先生になるだの。そうやって、夢を話してるときはすげぇ綺麗に見えてたよ。眩しいくらいに」 慎は少しだけ視線を外し、小さく苦笑いした。らしくねぇな、と漏らしながら。 「いつだっけなぁ。だいぶ昔、お前の部屋でキーボード教えてもらった時、こんな難しいもんを軽々と弾くお前を無茶苦茶すげぇって思ったよ」 私の部屋にある、小さなキーボードで、やったなぁ。でも、「出来ねぇ」とか「無理だって」とか言ってた慎が、そんなことを思ってたなんて。 「俺はさ、三月みたいに夢なんかないし。だから、夢を追ってる三月が綺麗に見えて、羨ましかったんだよ。だからかな……」 花火終わってるな、と慎は新しい線香花火を渡してくれた。私は、うんと花火をもらう。 新しく火を着けながら、慎は話す。 「三月が今みたいに夢を諦めかけてるのを見るのは、すげぇ嫌なんだ」 初めて聞く慎の思いに、私は驚いて目を丸くしてしまう。まさか、慎がそんな風に思ってるなんて、考えてみたこともなかった。 「自分勝手なこと言ってるな、って思うけどさ。小さい頃から言ってる夢なんだ。だから、傍で見てた俺としても、諦めて欲しくないんだよ」 照れたように笑っていた顔は、いつの間にかとても真剣なものへと変わっていた。そんな慎を見ていると、私も真面目になっていく。 「俺はさ、別に就職失敗してもいいじゃんかって思うんだ。そりゃ、就職も大事だと思うぜ? 働かなきゃ生きてけないからな。でも、そんな世の中だからさ、夢を追うってのはかけがえなくて、素晴らしいことだと思うんだ。ちょっとくらい失敗してもいいだろ、って思うくらいにはさ」 揺れるように輝く線香花火が、慎の言葉と重なって見える。例えすぐ火が落ちてしまっても、諦めず輝こうと燃えるその様が。 「夢って叶えるの大変だろ? なら、成功ばっかりするはずねぇじゃん。失敗だってあるに決まってる。だから、失敗するのを恐れちゃいけないって。むしろ失敗を乗り越えていく気じゃねぇとさ。まぁ、失敗するのは怖いと思うけど。……でも、負けないで欲しい、って思うんだ。俺が夢を持ってない分、三月には頑張ってほしいんだよ」 喋り続けて疲れたのか、慎は一度話を止める。頭を掻いて、私から顔を背けた。 「ただ……辛いときもあるだろうから、そん時ぐらいは、俺で良かったら、力になるぜ。勝手に、お前の夢が叶うことを期待してるんだしさ」 顔を背けたのは、恥ずかしかったからか。慎のとった可愛い行動に、つい笑ってしまう。 「笑ったりしてごめん。まさか慎がそんな風に思っててくれたなんて、びっくりしたよ。すごく嬉しい、ありがとっ」 心の底から出てくる嬉しさを、最高の笑顔にして慎へと送る。慎は苦笑気味に、そっか。良かったよ、と頬を掻いた。 慎は、最後の言葉とばかりに力強く話した。 「ゆっくりでもいいと思う。長い年月がかかってもいいと思う。だから、諦めず夢を叶えてくれよ。この、線香花火みたいに、最後の最後まで精一杯綺麗に輝いてさ」 ちょっと臭かったか、と口を押さえて慎は笑った。 うん。臭いかも、と私もいたずらっぽく笑った。 「やっぱり私、夢を諦めきれない。大好きなピアノ、仕事にしたいと思う。だから、頑張ってみるよ。線香花火みたいに、最後まで全力で」 「おう、頑張れよ。困ったり、辛かったりした俺に頼ってこい。助けてやるからよ」 拳で自分の胸を叩き、いつも通り口の端を持ち上げて笑う慎は、何故かとても格好よく見えた。 「うん、頼りにしてる! 私が就職に失敗したときとか、養ってねっ」 ハートが付きそうなぐらい、可愛らしく言ってあげる。さすがにこの言葉には、うっ、と詰まる慎。 「ま、まかせろ!」 「きゃ~! 慎、かっこい~」 その後も、わいわいと言いあいながら、残った線香花火を灯していく。 こんな儚く、消えそうな光でも、長く長く輝こうと頑張っている。 なら、この大切で大きな夢を抱える私は、線香花火よりも強く長く輝けるはずだ。 それに、慎もいてくれる。きっと、私は夢を叶えられる。 昔から想っている、大事な夢を。叶えたいと思う、心からの願いを。思い出させてくれた慎に、私はもう一度言う。 「慎、本当にありがとうっ」 これからも、私は頑張っていける。挫けないで、全力で、輝いていける。 線香花火に負けないくらいに―― 「……なあ、三月」 この前借りた、クリスマスソングのCDを、片耳ずつウォークマンで聴きながら帰っている途中、慎が改まったように切り出してきた。 「なーに?」 「もうすぐ、クリスマスなんだな」 「そうだね。去年は楽しかったけど、今年はどうなるかなー」 「……まだ、予定はなにも決まってないのか?」 「うん、決まってないよ」 「そうか……」 顎に手を当て、慎は小さくなにかをつぶやく。聞き取れなかった私は、どうしたんだろうと慎の顔を見る。 慎は私に視線を戻すと、まるで決心したような力強い声で言ったんだ。 「じゃあさ、今度のクリスマスは俺と……―― web拍手を送る
https://w.atwiki.jp/chaos-tcg/pages/1411.html
氷の小さな妖精「チルノ」 読み:こおりのちいさなようせい 「ちるの」 カテゴリー:Chara/女性 作品:東方混沌符 属性:水 ATK:0(+3) DEF:2(+2) Main 〔【スタンド】から【レスト】にする〕目標のキャラ1体に3ダメージを与える。この能力は1ターンに1回だけ発動できる。 C:そんな事は無いってば、最強だし! SC:どうだ! 参ったか illust:笹井さじ TP-064 C SC 収録:ブースターパック 「OS:東方混沌符 1.00 追加パック」 氷の小さな妖精「チルノ」 読み:こおりのちいさなようせい 「ちるの」 カテゴリー:Partner/女性 作品:東方混沌符 属性:水 ATK:3/6/9/12 DEF:4/6/8/10 Main 〔【スタンド】から【レスト】にする〕目標のキャラ1体に3ダメージを与える。この能力は1ターンに1回だけ発動できる。 うーん。最強ね。 illust:笹井さじ TP-064P 収録:ブースターパック 「OS:東方混沌符 1.00 追加パック」 ニコニコ直販特典
https://w.atwiki.jp/angevierge/pages/171.html
《小さな妖精 フローリア》 プログレスカード レベル1/赤/P6000/G4000/S0 【妖精】/【魔法】 リンクフレーム Σ 《起》[【フォール】]1枚引き、あなたの手札を1枚選び、捨札に置き、 他のあなたのプログレスを1枚選び、そのターン中、パワーを+1000。 花から生まれたフローリアにとって、花は仲間であり家族だ。 illust 優木きら 青蘭の聖少女で登場のレベル1の赤色のプログレスカード。 関連項目 《目覚めた可能性 日向美海》 収録 青蘭の聖少女 B1-079 C Q A Q. 山札が残り1枚の時にこのカードの能力を使いました。捨てる効果と山札のリメイクはどちらが先ですか? A. 山札リメイクののち、手札を捨てます。
https://w.atwiki.jp/renjodatabase/pages/74.html
分類:短編集 初出:別記(全て「オール讀物」) 初刊:2014年/文藝春秋 刊行回数:2回 入手:入手可(電子書籍あり) 解題 没後最初の刊行となった、2000年~2009年に「オール讀物」に発表された8編を集めた短編集。 表題作「小さな異邦人」は連城が生涯最後に発表した短編である。 表題作「小さな異邦人」は、二〇一三年十月に六十五歳で亡くなられた連城三紀彦さんが、生涯で最後に書き上げた短篇小説です。『造花の蜜』の大ヒットはまだ記憶に新しいところですが、同じ誘拐テーマを扱ったこの短篇も、冒頭の奇怪至極な謎から意外性に溢れた鮮やかな結末まで、ミステリの愉しみが凝縮されています。 二〇〇〇年から二〇〇九年にかけて書かれた円熟の八篇を収めた本書は、日本ミステリ界に一時代を画した連城さんの、まさに集大成と呼べる一冊。一人でも多くのミステリ・ファンにお読みいただきたいと願う所以です。 (「ハヤカワミステリマガジン」2015年1月号掲載「ミステリが読みたい!2015年版」より 執筆者:荒俣勝利) 本書は連城三紀彦の最後の作品集であるが、もうほれぼれするような短編が揃っている。初期の作風に近い甘美なエロスと死「白雨」、現実と夢の境界の綱渡り「冬薔薇」、目眩むようなどんでん返しの連続「蘭が枯れるまで」、深層意識がサスペンスを生む渾然たる「無人駅」、異様な設定とツイストのきいた巧妙な語りの表題作と連城三紀彦らしい短編が並ぶ。 テーマは時効、交換殺人、誘拐、記憶などお馴染みだが、プロットは先鋭的、それでいて連城らしい抒情をたたえ、どこまでも艶やかで、どこまでも狂おしく、どこまでもグルーヴにみちていて、もう陶然となる。このムード、この悲しさ、この切なさ。たまらないではないか。サスペンスの詩人ウールリッチ、どんでん返しの王者ディーヴァー、文芸的記憶サスペンスの巧者クックのファンなら必読だ。 (「朝日新聞」2014年4月6日掲載 池上冬樹「つややかで狂おしい短編集」より) 全八編を収めた本書は、冒頭の「指飾り」から七番目の「さい涯てまで」に至るまで、大人の男女の不倫な関係が絡む恋愛を背景としたものがほとんどだ。そして「蘭が枯れるまで」や「白雨」で描かれる母娘は、いずれも娘が母親を追いつめるような、冷えた関係がベースとなっている。だからこそ、「小さな異邦人」の明るさは目立つ。思えば、『幻影城』でデビューしたころは、「消えた新幹線」のようなユーモア・タッチのミステリも書いていたのだ。それがいつのまにか、男女の暗い情念を描くのが連城作品の特徴ということになってしまった。その連城の、いわば遺稿集に、こんな愛すべき、楽しい世界を描いた作品が残されていたとは、嬉しい驚きだ。 (中略) いずれの作品にも共通する、視点の錯誤と転換による意外性の演出、それを支える伏線の妙は、連城三紀彦という稀代の才能の持ち主が、巧い物書きである以上に、本格ミステリの世界の住人であったことを知らしめてくれる。 (『2015本格ミステリ・ベスト10』より 執筆者:横井司) 亡くなったことへの追悼票という側面は強いだろうが、「このミス」4位、「週刊文春」4位、「本格ベスト10」3位、「ミス読み」3位と年末のランキングでも高い評価を集めた。 各種ランキング順位 年間「このミステリーがすごい!2015年版」 4位 「週刊文春ミステリーベスト10」2015年版 4位 「2015本格ミステリ・ベスト10」 3位 「ミステリが読みたい!2015年版」 3位 収録作 指飾り 初出:「オール讀物」2000年11月号 雑誌時挿絵:三嶋典東 無人駅 初出:「オール讀物」2001年8月号 雑誌時挿絵:荻野大輔 蘭が枯れるまで 初出:「オール讀物」2002年7月号 雑誌時挿絵:荻野大輔 冬薔薇 初出:「オール讀物」2004年11月号 雑誌時挿絵:小泉孝司 風の誤算 初出:「オール讀物」2005年2月号 雑誌時挿絵:小泉孝司 白雨 初出:「オール讀物」2005年7月号 雑誌時挿絵:小泉孝司 さい涯てまで 初出:「オール讀物」2006年2月号 雑誌時挿絵:小泉孝司 小さな異邦人 初出:「オール讀物」2009年6月号 雑誌時挿絵:小泉孝司 刊行履歴 初刊:文藝春秋/2014年3月10日発行 ミステリー&恋愛小説の名手からの最後の贈り物 8人の子供と母親からなる家族へかかってきた1本の脅迫電話 「子供の命は預かった、3千万円を用意しろ」 だが、家には子供全員が揃っていた!? 生涯最後の短篇小説にして、なお誘拐ミステリーの新境地を開く表題作など全8篇 (単行本オビより) 単行本/316ページ/定価1600円+税/入手可/電子書籍あり 装画/小泉孝司 装丁/上楽藍 文庫化:文春文庫/2016年8月10日発行 高校二年生から三歳児まで、八人の子供と母親からなる家族の元へかかってきた一本の脅迫電話。「子供の命は俺が預かっている。三千万円を用意しろ」。だが、家の中には子供全員が揃っていた。果たして誘拐された子供とは誰なのか? 連城ミステリーのエッセンスが満載された、最後のオリジナル短篇集。 (文庫裏表紙より) 文庫/379ページ/定価830円+税/入手可 解説/香山二三郎 イラスト/浦上和久 デザイン/上楽藍 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/thmugen/pages/193.html
小さな百鬼夜行「伊吹 萃香」 小さな百鬼夜行「伊吹 萃香」 キャラクター シンボル:赤 必要コスト<赤:2 無:3> 攻撃力:8 耐久力:6 属性:鬼 強襲 《自動》:このカードは、開始フェイズでは活動状態にならない。 【赤:2 無:1】このカードを活動状態にする。 「酒が全然足りないよ~ 力もなにもでないよ~」 illus:ほた。 コメント さぼり癖が出てきた鬼。 強襲持ちなのは変わらないが、こちらのほうがより攻撃的。しかし、こちらは開始フェイズ時に活動状態にならないというデメリットが付く。 赤中心のデッキ構築であれば、1ターンに2回起こす、といったことも可能。しかし、そうした場合他のカードを使用できなくなってしまうので、あまり多用は出来ない。 一応相手ターンに3コスト浮かせておく事で攻撃力5以下のキャラクターの攻撃を牽制出来るのは太古の時代「伊吹 萃香」には無く、また江戸っ子気質な死神「小野塚 小町」にも似た強み。 関連 太古の時代「伊吹 萃香」 「百万鬼夜行」 萃符「戸隠山投げ」 さぼり仲間 江戸っ子気質な死神「小野塚 小町」 自力アンタップ 悪魔の妹「フランドール・スカーレット」 巫女さん「博麗 霊夢」
https://w.atwiki.jp/devlin/pages/19.html
『食の職』 迫川尚子『食の職 小さなお店ベルクの発想』ブルース・インターアクションズ、2010年8月20日発売 (目次) 食と職は、人と人をつなげるものですね。 そう。それこそが人生じゃないでしょうか。大げさじゃなく。 新宿駅という世界最大のターミナルの片隅で、 ベルクという小さな飲食店を20年間 営みながら、感じたこと、考えたこと、実際やってきたこと、 そのエッセンスをこの一冊に詰め込みました。 【要旨】1万人以上が立ち退き反対署名した驚異のお店の副店長が、社員&職人とともに書き下ろした1冊。 写真とベルクのあいだで/写真家迫川尚子公式サイト 『食の職』 BERG! 【ベルク YouTube】 『食の職』刊行記念トークイベント 2010.10.1 ジュンク堂書店新宿店 (2010-11-12 00 35) 木村衣有子の野営 ~観音うらメモ ●コーヒー (Wed.10.20.2010) ママンの女食いしん坊万歳! 「食の職」刊行トークイベントに行ってきました(^^) (2010-10-05 09 09 09) berceau azusa kawabata 『食の職』刊行記念トークイベント (10.01.2010) 感想や書評 木村衣有子の、観音うらメモ ○『もの食う本』は、新宿『BERG』でも買えます (Sat.12.17.2011) BERG! 木村 衣有子さんの新刊『もの食う本』にベルク本が紹介されました! (2011-12-17 01 10) tatsu kimura! 新宿ベルク (2012年1月15日日曜日) SSジョブズの読書備忘録 食の職 (2011.8.23) いいね~おいしいね~ 「食の職 小さなお店ベルクの発想(迫川尚子)」という本はとてもオススメ! (2011.07.15) 大阪の食のブログ 食の職-迫川尚子さん (2011年7月3日) RYU blog 「書籍を出す」という偉大なステップ (2011.04.29) KandaNewsNetwork 「職の食」迫川尚子著 新宿ベルク 「エッセン・ベルク」は本当におすすめ! (2011年4 月14日) 原動機 -文吾の日記 迫川尚子「食の職 小さなお店ベルクの発想」 (2011-03-10 22 14) 人間案内 食の職 (2011-03-07 19 27 03) あまのじゃくによるコノ漫画・コノ本が面白い 職へのこだわり本「食の職 小さなお店ベルクの発想」 (2011-02-25) 大野更紗 【book78】『食の職』迫川尚子@SAKO_BER。著者に頂いた。新宿駅東口ベルクのひみつ。職人さん手づくりのブランチ一皿にこだわりのコーヒーつきで、600円。画一的でなく、美味しく、安く、経営も程々。矛盾し、だからいとしい人の姿。食のみならず、はたらく、を考えさせられる一冊。 ( 8 10 PM Feb 23rd) @ twitter kamabun 迫川尚子「食の職 小さなお店ベルクの発想」読了。新宿にある個性的なビア&カフェの店ベルク副店長迫川さんの本。ベルクに商品を卸すコーヒー、ソーセージ、パンの3職人との談話が興味深い1冊。 (2月20日9時55分) @ twitter ほんからり ~本からいろいろリンク~ 『新宿駅最後の小さなお店 ベルク』の個人店が生き残るための四つの武器メモ書き (2011/01/17(月) 22 51) 中山マコトが贈る 営業責任者のための顧客獲得シンプルノウハウ 中華徳大の主人からのメッセージ。 (2011-01-10 21 30 00 ) Fukuma s Daily Record 書評:食の職 小さなお店ベルクの発想 (January 09, 2011) 心の中にキャリアスケープ ベルクにいってみました (2011年1月7日) 日記 食の職 (2011-01-05) 中山マコトが贈る 営業責任者のための顧客獲得シンプルノウハウ ベルクの迫川尚子さんと・・・。 (2011-01-02 23 30 08) 日経ビジネスONLINE ベルクの『食の職』に“妥協”の文字なし~(1)味で勝負する究極のファスト・フード店 (2010年12月27日) 日経ビジネスONLINE ベルクの『食の職』に“妥協”の文字なし~(2)「食の官能性」をとことん突き詰める (2010年12月27日) 日経ビジネスONLINE ベルクの『食の職』に“妥協”の文字なし~(3)「ベルクのうま味」が生み出すお客の連帯感 (2010年12月27日) 雪のひとひら 12月20日(月)「ベルク」のこと (2010年12月20日 23 33) 酒の写真と書物のブログ 『食の職 小さなお店ベルクの発想』 (2010.12.03 20 49) 廃車のことならマックへまかせろ! 負けるな ベルク (2010-11-19 13 48) 日刊サイゾー 戦うカフェ「ベルク」はルミネの"異物"? それでもファンに支持される理由とは (2010-11-19) BERG! 【掲載情報♪】 婦人公論 2010年11月22日号(11月6日発売) (2010-11-17 23 55) 『食の職』の書評を掲載 SAKO_BER(迫川尚子) 『食の職』トークイベント記念冊子届きました!川畑さん、稲葉さん、ありがとうございます。ベルクにてお客様にお配りいたしますね! @kwbtaz @twi178tter (Twitter 3 41 AM Nov 16th) LOVE!BERG!ベルク副店長・迫川尚子さんの著書『食の職』のwikiです。関連メディア記事や個人ブログのほとんどをリンクくださっています。『職の職』を読んだ方はぜひブログを書いてくださいね。wikiに反映されます。 devlin@ウィキ - 『食の職』 http //bit.ly/dtrwJq (Twitter 8 01 PM Nov 15th) 中山幸雄デジタルノート 迫川尚子『食の職 小さなお店ベルクの発想』(2010) (2010-11-13 13 59) Tomoko Miyazaki 『食の職』現在アマゾンで外食産業部門で第4位、カフェ部門で第4位です! (1 21 AM Oct 21st) ソフトバンク ビジネス+IT 【迫川尚子氏インタビュー】制約を踏まえて創造的な仕事を!、 (2) (2010年10月13日) ハヤカツ北海道移住への道 ~実現編~ ベルク本 その2 みーーっけ!(2010.11.07 15 38 31) Einen daHorn @artemis_moon こんにちは。ベルク本の評判を聞いたのです。かなり良いって。 Twitter (11 07 AM Oct 4th) 西宮生まれ、西宮育ち 西宮の不動産会社の社員が書くブログ 本「食の職」 迫川尚子著(2010年11月5日 20 02) この国の介護を支える会社になる! “ベルク”(2010年11月05日 06時35分10秒) cham_junmaikan ちゃむ 「食の職」を読むと、嫌でも「BERG」に行きたくなる。... (Twitter 7 21 AM Oct 31st) 古田靖 新宿ベルク迫川尚子さん「食の職」すげえおもしろかった Twitter (9 08 AM Oct 30th) ライター今泉愛子のブログ 安物を買うほどお金持ちじゃない(2010.10.24) 大阪の食のブログ 食の職 (2010年10月24日) WEB多事争論 ベルク迫川尚子さんのコレヨモ! (2010/10/21) ニュース - ブルース・インターアクションズ J-CASTモノウォッチにて『食の職~小さなお店ベルクの発想』が紹介!(2010.10.20) B級グルメランキング表 新宿 B級グルメを調べてみました(2010-10-20 10 00) J-CASTモノウォッチ 「立ち退き」渦中の新宿ベルク、1日1500人利用のワケとは(2010年10月19日) 私の多事争論 みんなでつくる新しいメディア― WEB多事争論 新宿の小さなお店ベルクからⅡ 立ち退きを通告され(2010/10/18) 私の多事争論 みんなでつくる新しいメディア― WEB多事争論 新宿の小さなお店ベルクからⅠ 「個」が混ざり合う場所(2010/10/16) 焙煎屋のブログ 食の職(2010年10月14日 16 12) ハピネス ホメオパシー フェアトレードのコーヒー(2010-10-13 07 23) 毎日新聞 サンデーらいぶらりぃ:池内 紀・評『食の職 小さなお店ベルクの発想』『木犀! 日本紀行』 (サンデー毎日 2010年10月10日号) 花鳥風月記 愚短想 番外編 「食の職」に触 @新宿駅ベルク (2010/10/9 午前 1 34) 大阪の食 食の職(2010-10-07 08 30 19) 久本ひろしのブログ 『食の職』 小さなお店ベルクの発想 迫川尚子 (2010年10月06日 20 54) 千恵子@詠む... 「食の職」(2010年09月28日) 続・週刊牧瀬 BERG! (2010年09月28日) Reason to be cheerful, part 3 「食の職」を読んで。(2010/09/24 15 14 51) えxぺのなかのひと。 ベルクさんの本読んで、自殺とか自傷の人を励ますのに、(9 18 PM Sep 23rd) Twitter 組立通信LLC 「ネットで売ったら?」前編 (2010年09月23日) 原宿・表参道.jp 新宿のオアシス、ビア&カフェ「ベルク」。毎日通おうかな。(2010.09.15) BERG! ベルク本2販売地巡礼~紀伊國屋書店新宿本店再び~ (2010-09-12 01 45) 帰ってきた「喫茶と軽食さくらい」 モテキ凛子とスパイクは新宿で職人ソーセージを食すのか(2010年 09月 05日) 釧路市中心市街地活性化への道 食の職 (2010年09月04日) 机上日記 3冊の本 (2010年09月04日) エキサイトニュース こだわりの「メニュー」と「味」に迫るベルク本第2弾 【後編】 (2010年9月3日) エキサイトニュース こだわりの「メニュー」と「味」に迫るベルク本第2弾 【前編】 (2010年9月3日) オレンジな日々 『食の職』(2010-09-02) 書籍の棚から 「食の職」(迫川尚子 著) (2010年08月27日16 31) レイバーネット ベルクの新刊紹介 『食の職~小さなお店ベルクの発想』 (2010-08-27 15 31 24) BERG! 8/25の朝日新聞のベルク記事はこちらです! (画像クリックで拡大) (2010-08-27 02 16) 中小企業診断士 福田 徹 ブログ 「食の職 小さなお店ベルクの発想」BERG@新宿駅の新刊(2010年08月26日) 朝日新聞 新宿駅東口、15坪のファストフード店 繁盛のワケは?(2010年8月25日) BERG! ベルク本2販売地巡礼〜ジュンク堂書店新宿店〜 (2010-08-25 01 46) BERG! ベルク本2販売地巡礼〜紀伊國屋書店新宿本店〜 (2010-08-25 01 35) BERG! 缶バッジ新作!”食の職”、のらカバ、ホットドックくんカラーバージョン♪ (2010-08-24 23 45) ちょっとそこまで お仕事情報33/「食の職」(2010年08月24日) Amazon.co.jp: カスタマーレビュー 食の職 (2010/8/24 - ) こうぼう 店は自分でやるもの (2010-08-22 08 08 06) LOVE BERG! ベルク本2『食の職』発売! (August 22, 2010) BERG! ”食の職”出版記念のお祝いを続々といただいています。 (2010-08-22 00 01) LOVE! BERG! 本日のメニュー 食の職 (2010年08月21日) BERG! 【速報】"食の職"本日発売です! (2010-08-20 11 49) 中山マコトの 一歩抜け出し、認められるヒント! 食の職。 (2010-08-20 11 46 46) 愛染恭介のやぶからぼう日記 ベルク本第二弾 (2010-08-20 03 44 03) BERG! 【本日発売!】 迫川尚子からご挨拶『食の職』出来上がりました!! (2010-08-20 02 21) BERG! ベルク本2”食の職”刊行記念♪限定缶バッチ発売♪105円です。 (2010-08-19 01 24) 中島孝志のキーマンネットワーク 「食の職」 迫川尚子著 ブルース・インターアクションズ 1680円 (2010-8-19) BERG! 【スタッフ今の写メ日記♪】 「食の職」表紙が完成! (2010-08-12 09 25) BERG! ベルク本2 『食の職~小さなお店ベルクの発想』カバー発表 (2010-08-08 23 06) BERG! 「食の職」発売間近。スタッフ今の写メレポート♪ (2010-08-08 09 29) BERG! 【告知】 ベルク本第二弾!『食の職~小さなお店ベルクの発想』8月下旬発売決定! (2010-08-03 01 21) トラックバックURL http //www9.atwiki.jp/devlin/tb/19.htmll
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/28628.html
【検索用 せかいけいしょうしょとちいさなしょうねん 登録タグ 2014年 VOCALOID せ セカイ系P 初音ミク 曲 曲さ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:セカイ系P 作曲:セカイ系P 編曲:セカイ系P 唄:初音ミク 曲紹介 曲名:『セカイ系少女と小さな少年』(せかいけいしょうじょとちいさなしょうねん) セカイ系少女シリーズ第4弾 セカイ系P6作目 歌詞 「ねぇ、恋したんだ」ってキミは言う。 大抵はいつだって笑えない 頭ん中ゆらりゆれるリズムに酔うんだ 「でも、恋したんだ」ってキミの言う 恋愛はいつだって空回ってさ 独り善がり、独善的な愛を語りだす。 「ねぇ、恋したんだ」って微笑むキミに 「恋したんだ」って言えない僕は 鈍感でさ 本音に気づけないんだ ねぇ 屋上見れば キミが立ってて 羽を生やして泣いている 小さな少年が僕の街に爆弾をひとつ落とした 当たり前の感情なんかじゃ届かない それでも階段を駆ける僕を見て キミはまたからり微笑んだ 作られたキミの表情は 笑えないな 「ねぇ、どうしたんだ」って僕は問うけど 「後悔はないよ」ってキミは言うだけ 「ねぇ、恋したんだ」って僕は請うけど 「もう愛はないよ」ってキミは言うだけ 大事そうに翼を撫でて 「化け物でしょ」と 太陽が二つ、空では咲いてた それだけつぶやいて少女はふわり羽ばたいて宙に浮いたんだ キミの言う「セカイ系」なんかはわからない それでもキミがいないこの街で生きるなら 僕はただキミと死にたいんだ 「行かないで」そっと手を取った 小さな少年が僕の街に爆弾をひとつ落とした 抱きしめたキミの体温すらわからない そのまま住み慣れた風景が溶けて 思い出に消えていったんだ 聞き飽きたキミの恋愛観 なつかしいね コメント いい! -- 名無しさん (2014-03-05 21 59 06) ハイセンスで好きです! -- DMP (2014-03-16 02 03 01) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/legends/pages/3715.html
「や・・・やめ、ろ・・・やめてくれ・・・!!」 月無き夜の住宅街に佇む、黒いスーツを着たサングラスの男 右手には、未来チックなモデルの銃 左手には、ぽたりぽたりと滴る真っ赤な血 そして、目の前には 「『やめろ』ぉ? よく言うねぇ、みぃんな自分で殺しといてさぁ?」 何かに腰掛けて楽しげに笑う、ショートヘアの少女 彼女は、小さな身体を乗せていたもの―――山積みになった黒服の屍骸から、ぴょんと飛び降りる 「ねぇ見てよこれぇ、ぜぇぇぇぇぇぇんぶ!テメェが1人でやったんよ、分かるぅ??」 手を広げて、にたにたと笑い続ける少女 彼女達の立つその地は、赤と黒で埋め尽くされていた 心臓を撃ち抜かれた黒服 顔の形が残らないほど殴られた黒服 首があらぬ方向に曲がっている黒服 「ち、違う! お、俺じゃ・・・俺じゃない!」 「じゃあ誰だっていうのかなぁ? ここに立ってるのはテメェだけ・・・だったらテメェだけっしょ?」 黒服に指を差しながら、口角を限界まであげている少女 「テメェはここで生き残った・・・つまりさぁ、 テメェは晴れて最強の黒服になれたっつーわけよぉ、嬉しいよねぇ? ヒャッハハハハハハハハ!!」 静まり返った住宅地に響く、狂った笑い声 「俺じゃない・・・俺じゃ、ない・・・・・・お前がやったんだぁ!!!」 激昂した黒服が、その笑い声を掻き消すように叫び、 少女に銃口を向け、己の怒りのままに引き金を引いた―――――――― 「アタシ、仮にも女なんだけどぉ?」 銃声が、虚しく響いた 「・・・・・・な・・・・」 黒服は、己の胸を撃ち、血を吐いてその場に仰向けに倒れた 「ヒャハハハハハハ! 馬っ鹿じゃなぁい!? アンタ今まで何見てきたのよぉ!?」 少女は罵り、穴の空いた胸を執拗に蹂躙する。口から大量の血を苦しそうに噴き出す 「知ってるぅ? 『インフルエンザは地球外のウィルス』なんだってさぁ?」 少女の背後に、液状の蛇のような竜のようなものがぬるりと現れた 「―――――――――ッ!!」 「人間って面白いよねぇ、自分が作った法螺話にあっさり殺されちゃうんだからさぁ! “エイリアンが作った”ぁ?“エイリアンが地球人を操る”ぅ?? ありえないってぇ!ヒャハハハハハ!!」 虫の息となった彼は言葉を発することもできず、液状の蛇に飲まれた―――否、「飲み込んだ」 「ま、インフルエンザをそんなに一杯飲んじゃったらどうなるかわかるよねぇ? 分かんない訳ないよねぇ?? だってここ、こんなに静かなんだもん! ・・・って、聞いちゃいないか、っヒャハハハハハハ!! ヒャァッハハハハハハハハハ!!」 物言わぬ躯達を踏み躙りながら、彼女は満足そうに高らかに笑って闇夜を歩いていった ...setzen Sie fort 前ページ次ページ連載 - 仄暗い魂
https://w.atwiki.jp/overthere/pages/18.html
U 《三重圭介》 《少女》 V 《バッチ》 《オーヴァ》 《男》 W 《ジェイ》 《私》 《兄》 X AA 《8月》 《12月》 《5月》 《7月》 U 《三重圭介》 「はあ、そんなものですかね……」 並行世界観測の第一人者。「魔力」や「加護」、「技術」に縁がなく、町の中心部で細々と暮らしている。 隣り合う異世界を観測し、干渉することで世界の真意に近づくことに寄与すること目的として発展した異界観測学に関する研究者。 《少女》 「整理整頓がなっていませんね。特に本を床に放っておくのはいただけない」 小さな身体を礼儀正しく折り目の付いた、紺色の軍服で包んでいる。 3勢力のなかでも異界からの「技術」を引き出した派閥のもの。超科学派。 V 《バッチ》 砂汽車『アジャカティ』、移動食堂の店主。汽車を持っている。オーヴァは彼に食事のツケが滅茶苦茶ある。 オーヴァの相棒である。 《オーヴァ》 砂汽車に『多世界モラールエンジン』を搭載し、要塞都市オーヴァゼアを脱出するのが目標。 移動食堂の厨房で働いている。 《男》 砂嵐の中、全く汚れた様子を見せない男。ハードビールを12個頼んだ。頼みすぎだ。 W 《ジェイ》 「そりゃ俺が作ってるからだよ。本物のチリビーンズはこんなもんじゃないぜ」 生粋のオクラホマ人。イベントの際、偶々オークランドに居合わせたために巻き込まれた。 イベントの時に能力を授かる。外部的要因で死ぬことがない。その能力により生き残り、そしてその能力のせいで街に捕らわれた。いくつかの職を経て、老年になったジェイは学舎の用務員に落ち着いた。そして、その能力のせいで私たちの飼育係を押し付けられた。 《私》 「辛いって?」 ジェイが務めていた学舎で育つ。 辛いという味を知らない。 兄の起こした騒乱、その隙に乗じて、人の形を模して学舎を抜け出した。 《兄》 私の兄。ジェイが務めていた学舎で育つ。 ハルシハーの蒼炎部隊と華麗で楽しい火力戦を繰り広げ、100人を殺し1000人を不具にして最後は千のフォルマに串刺しにされて死んだ。 X AA 《8月》 境界崩落以前は新人刑事だった移民一世の青年。本名はフランス語読みでオーギュスト。 住処も職も恋人も失い、異界の観光客を相手に個人のタクシードライバーとして生計を立てていた。 奇妙な求人広告に応募し、並行世界の自分達と出会う。 《12月》 並行世界の自分達からなる互助組織を率いる壮年男性。初代《12月》。知的で細身のアフリカ系。 《5月》 《12月》つきの秘書。本名はメイ。ダークスーツがよく似合う。 《7月》 並行世界の自分の一人。旦那と二人の子供がいる。ビックリドッキリメカ担当。《8月》のタクシーを近代化改修した。