約 664,602 件
https://w.atwiki.jp/sakiyuriyuri/pages/310.html
752 :名無しさん@秘密の花園:2010/01/10(日) 02 29 47 ID LbVhF0Hy 「智紀―――」 小さな身体が、するりとドアの隙間をすり抜け、智紀の部屋に入ってくる。 うさぎの耳のように長いカチューシャが目立つので、すぐに衣だとわかった。 「今日は、パソコンで何をしているんだ?」 一人の部屋に置くには少し大きいソファに、智紀がノートパソコンを使っていた。 衣が智紀の横に座り、パソコンの画面を覗く。 ネットゲーム・・・ではなく、牌譜だった。 「・・・次は、負けたくないから」 なんだかんだで、智紀も麻雀には本気だ。 そんなことを思いながら、衣は智紀と一緒に牌譜を見る。 「でも、智紀。昨夜もずっと牌譜を復習していただろう。睡眠は取ったのか?」 「大丈夫、十分」 ・・・と言ってはいるものの、明らかに寝不足っぽい智紀の顔。 いつも細いが、明らかに眠たそうな目。 昼食中も何回も欠伸をしていた。 「智紀、無理は良くないぞ。それに、女子にとって寝不足は敵らしい」 「女・・・にとって??」 「透香や一が言ってた。寝不足はお肌に悪いんだと」 「・・・あまり私には関係―――」 「関係大有りだ。だって」 衣の顔が智紀のすぐ前に迫る。 「智紀、綺麗だからこそ尚更、注意しないと駄目なんだ」 衣の言葉を受け、智紀が黙り込み、顔を背けてしまった。 「・・・」 「??・・衣、何か悪い事言った??」 「ううん・・・」 ちょっと嬉しかった。 あまりそんなこと言われたことないし。 ここに来る前は、ほぼ外との関わりを絶っていたけど、それでも自分の事は気になってた。 正確には、周りから見た自分。 外から見た自分。 自分は、皆からどう見えるんだろう??って。 「智紀、こっち向いて」 智紀が衣の方をゆっくり向いた。 その瞬間、軽く唇が触れ合った。 あまりドラマや漫画で見るキスとは違う。 赤ちゃんにしてあげるような――― 一瞬だけど、その一瞬の後、智紀の顔は見る見るうちに火照り、恥ずかしさと焦りを浮かべていた。 「衣・・・何を・・・」 「気にする必要は無い、女同士でもちょっとだけだったら大丈夫だ。一と透華なんか―――」 「あの二人は・・・」 智紀らしからぬ慌てっぷりだ――と、衣は感じた。 「ほら、今の智紀、可愛いぞ」 「・・・」 「どうした??」 「ううん・・・」 智紀もようやく悟った。自分がとても慌ててると。 「にしても、こんな事、衣どこで覚えた?」 「衣がって何だ、衣は子供じゃないぞ!智紀と同い年だ」 「・・ふふっ、そうね。ふぁ・・」 智紀が小さな欠伸をする。 「智紀、眠いのか?」 「ちょっと・・・」 「それじゃぁ、衣の膝枕で寝ればいい。いつも智紀がしてくれてるみたいに」 衣がそう言うと、智紀はこくりと頷き、小さな膝枕に頭を置いた。 「智紀の髪、綺麗」 「衣も、ね」 衣をいつも子供扱いしてた智紀だが、そのときは立場が逆転したのだった。 「ともきー、衣知らないー??」 コンコン 「あれ、ともきーいないの?入るよ?」 一が、智紀の部屋のドアを開ける。 「ともきー寝てたのか・・・って、衣もここにいたんだ」 そこには、衣の膝枕で眠る智紀と、そのままソファにもたれて眠っている衣がいた。 「・・・てか、何でともきーが衣の膝枕で寝てるんだろ」 一瞬起こそうと思ったけど、ちょっと珍しい光景だったので、一はしばらく二人を見ていた。
https://w.atwiki.jp/ff11_gameproject/pages/351.html
●武僧宅 都の家は、門構えこそ普通の一階建ての日本家屋だが、 裏にそこそこ大きめの空手道場を持っている。 空手道場に通っている子供達の掛け声が、奥から聞こえていた。 玄関は開け放たれ、子供達の靴が綺麗に並んでいる。 リューコは呼び鈴を鳴らそうとしていたが、 こういう場合、呼び鈴を鳴らしたとしても聞こえないらしく、 出てこないことを知っていたあたしは、勝手に玄関に入り、 靴を脱ぎそのまま家の中へ入った。 それを見ていたリューコが、「勝手に入ってはまずいのではないか?」と言って来たが、 あたしは何も言わずズカズカと廊下を奥へ進んでいく。 リューコは恐る恐る後に続いて中に入り、小さな声で失礼しますと言っていた。 リューコがおどおどしている姿を眺めるのも、なかなか楽しいものだ。 けど、足りない。リューコだけじゃ足りない。 からかう相手はリューコと都の二人じゃなきゃダメだ。 今日一日で全てが元通りになるとは思っていないけれど、 何もしないで待っていても、恐らく都は元には戻らない。 少し強引でも、力ずくでも、いつもの生活に戻したい。 道場へ行く前に、居ないだろうなと思っていたが、 いつもの都の定位置であるリビングを覗いてみた。 普段なら、TVを見たり漫画を見たりして笑っている都がそこに居て、 あたしに気付くと笑い涙を浮かべながら「いらっしゃい、しぃちゃん!」とか言ってくるのだが、 案の定リビングは静まり返っている。 部屋自体はきっちり整頓されているのだが、所々埃が溜まっているのがうかがえる。 この家の家事は全て都が一人でやっていた。 都の祖父は家事全般はまったくできない人なので、 事実上この家の機能は停止している状態になっている。 【村崎】「都の家族の話は聞いた事が無かったんだが、 ……その、聞かない方が良い事情だったりするのか?」 掃除がされていない部屋を見て思ったのだろう。 今、この家の生活観は無いに等しい。 【しのぶ】「杞憂する必要は無いよ。 都の両親は武者修行で、世界中を旅してる。 どこに居るかは都も知らないけど、 ちょくちょく絵葉書が届くみたいだから健全みたいだね。 あたしも小さい頃に、何度かしか会ったことないけど」 【村崎】「武者修行……って」 どんな反応をしたら良いか考えあぐねているのか複雑な顔をしている。 【しのぶ】「ほれ、そこの写真。都に似てる人と男の人が写ってるのあるでしょ? あれが、都の父親と母親。 ああいうのも一緒に送られてくるみたいだね」 あたしは写真立てに収まっている一枚の写真を指差した。 都の両親が満面の笑みでピースサインをし写っている。 後ろには、熊が倒れていた。 【村崎】「……熊相手に無傷なのか? なんだか、この親ありてこの娘ありといった感じだな。 あの子の全てが納得出来そうだ……」 【しのぶ】「でしょ?」 リューコは何かを考えているのか、うんうん云っている。 数分後、結局何も浮かばなかったのか、ため息を漏らした。 【村崎】「とりあえず、都をどうにかしないと、 この家も機能しないことは把握した。 我々で何とかせねばな」 【しのぶ】「どこまで出来るかは、分からないけれどね」 道場へ行くはずだったが、リビングで思ったより長居してしまったらしく、 道場から子供達が引き上げてくる音が聞こえてきた。 廊下では先生に或いは友達への、別れの挨拶が飛び交っている。 あたし達はリビングを出るとすぐ、白く長いヒゲを生やした道着姿の老人に出くわした。 【じっちゃん】「おお、しのぶちゃん!来てたのかい?いらっしゃい!」 【しのぶ】「こんにちは、じっちゃん。勝手にあがらせてもらってるよ」 【村崎】「はじめまして、村崎龍子と申します。 勝手にお邪魔して申し訳ありません」 あたしはいつも通りに、そしてリューコは深々とお辞儀をした。 【じっちゃん】「ああ、君が龍ちゃんかい!?都から良く聞いてるよ! な~に、遠慮は要らんさ!勝手にくつろいでいて構わんよ? しのぶちゃんなんか、自分の家のようにしてるんだから!」 【しのぶ】「自分ん家にいる時間より、 こっちに居る時間の方が長かったからね~、昔は。 今でも、ついただいまって言っちゃいそうになるよ」 じっちゃんは、「いつでもただいまと言ってくれて構わんよ! そんときゃ、お帰りって返事をするぞい?」と言って笑った。 その後、じっちゃんに都の様子を尋ねてみたが、 暴れなくなっただけで、他は以前と変わりは無いとの事だった。 【じっちゃん】「不甲斐無いが、君らに頼る他ない。 面倒をかけてすまんのぉ」 じっちゃんまで参っている状態か。 都の周りの人間のバランスが崩壊している気がした。 それだけ、あの子の存在感が大きかったということなんだろう。 あたしもその一人だけど。 【しのぶ】「OK、まあやるだけやってみるよ。 ちょっと時間は掛かるかもしれないけれど、 暫くあたし達に任せてよ」 リューコはあたしの言葉に続いて、黙ってしかし力強く頷いた。 じっちゃんが、お茶とお菓子を出すから持って行けと言ったが、 そんな雰囲気にはならないだろうからと断り、バランスブレーカー都の様子を見に行った。 都の部屋は玄関から入って、すぐ右側にある縁側を突き当たった所にある。 二人暮らしの割には家が大きく、毎日の掃除が大変だとよくぼやいていた。 しかし、雨戸こそ開いて風を通しているものの、いつも床板に艶があるのだが、 手入れをする者がいない今、端の方が少し埃や塵で薄っすらコーティングされている。 【しのぶ】「都がだめになるだけで、こんなになっちゃうとはね。 あの子には恐れ入った」 【村崎】「そこまで酷い状況でもない気がするが、 普段はそんなに綺麗に手入れがされているのか?」 【しのぶ】「加減を知らないからね。 普段なら、床が光ってるよ」 リューコは、「ふむ」と一度頷き、そして小声でこそこそと 「お爺様は、掃除はされないのか?」とあたしに耳打ちした。 【しのぶ】「ああ、ダメダメ。やらせたら大変なことになるよ。 間違いなく都の仕事が増えるね」 【村崎】「人のお爺様にも容赦が無いな、お前は。 もうちょっと言い方があるだろう」 【じっちゃん】「本当にもうちょっと優しく言ってほしいものじゃ……」 いつの間にか後ろに、じっちゃんが立っていて、 リューコは「うわっ!」と声を上げ驚いた。 話を聞いていたらしく、少しションボリしているじっちゃんが続けて言った。 【じっちゃん】「わしが掃除したら、余計に汚くしてしまうのは分かっておるから、 何もしないほうがいいと思ってのぉ……。 せめて、空気の入れ替えくらいはしておるが……。 都が元気になったときに怒られたく無いからのぉ」 【しのぶ】「何もしなかったら何もしなかったで、怒られそうだけどね」 【じっちゃん】「うぅぅ……」 【村崎】「お前なぁ……」 じっちゃんは肩を落とし手を目に当てて、いつもの泣いた振りをし、 リューコは呆れ顔で腕を組み、あたしを見つめている。 あたしはそれにニヤリと返した。 都の部屋の前に着き、じっちゃんが先に中に入り、 「都。しのぶちゃんと、龍ちゃんが来てくれたぞい」と声をかけた。 しかし、返事どころか反応も無い。 【じっちゃん】「都や、少しは食べないと元気は出ぬぞ?」 座卓に用意されていたお昼ご飯と思われるものを、じっちゃんが片付ける。 都の好物であるプリンすら手付かずのまま。 どんなに機嫌が悪かろうが、体調が悪かろうがプリンなら、即手を付けるはずなのに。 状態の悪さがこんな事で分かるとは、単純で分かりやすくて良いと思う一方、 事の悪さが思ったより深刻な事に気付き、改めて気を締めなおした。 じっちゃんは、「すまんが、後はよろしく」と言い、お昼ご飯を片付けに部屋を後にした。 プリンが残されていた事だけで、なんとなく予想はついていたが、 ベッドの上で正座を崩した状態で座り、手に持っている写真立てをじっと、 というより、ぼーっと見つめていた。 いや、見つめていると言う表現も当てはまらないかもしれない。 焦点が写真に行っている様で行っていない気もする。 意識ここに在らずといった感じだった。 リューコも予想はしていたようだが、どうしたらいいのかわからず、 じっと都を見つめたまま動けないでいる。 あたしも同じだった。 話しかけるのすら怖い。 拒絶とか、それに近い感じがあるのはわかる。 けれど、それは決してあたし達に対してではなく、 だけど、それが何に対してなのかはわからない。 それはつまり、都があたし達を認識していないという事でもある気がする。 【しのぶ】「リューコ。 正直に言うと、あたしはかなり楽観的だったかもしれない」 【村崎】「……左に同じ」 どうすればいいのか、皆目見当がつかない。 あたしはとりあえず都に近づき、そっと肩に触れてみたが、 都の体は何も反応しない。 リューコも同じように近づき、もう一方の肩に手を置いた。 そして、名前を呼んでみたが、まるで反応がなかった。 薄々感づいてはいた。 あたし達の声は届かないだろうと。 【村崎】「……っ、都!しっかりしろ!私達が分からないのか!?」 【しのぶ】「リューコ!」 【村崎】「都っ!後生だから、呼びかけに応じてくれ!」 【しのぶ】「リューコ!」 【村崎】「くっ…、お願いだ。悲しいのはお前だけじゃないんだ…。 お前までダメになったら、私達までダメになる…」 【しのぶ】「……」 リューコ、あたし達までダメになるのは都のせいじゃない。 それは、あたし達の心が弱いからで、むしろしっかりしなければいけないのは、 あたし達の方なんだよ。 しかし、涙を流し都にしがみ付いているリューコに、 それを言うのは酷な気がして、言葉に出す事が出来なかった。 じっちゃんの話によると、都は朝起きると、 ベッドに今の姿勢で座りずっと写真を眺めているらしい。 食事も時々ほんの僅かだが口にする事もあるらしく、 都自身このまま餓死して死ぬ気は無いのはわかった。 しかし、それは都自身の意思ではなく、食事中に話しかけても何も反応が無く、 どちらかと言えば本能的に食事を取り、生きようとしているようにもうかがえる。 今日一日の出来事だけ見れば絶望感すら漂っていたが、 本人の意思かどうかはこの際どうでもいいとして、 生きるつもりであることが見えればそれで良いとも思えた。 こんな状態なので、当然お風呂には入っていなくそれなりに汗臭かったので、 じっちゃんにお湯を用意してもらい、体を拭いてあげることにした。 じっちゃんも手伝うとか言い出してきたが、きっぱりと断りあたし達だけで着替えさせた。 本当は、着替えさせている間に少しは抵抗があるかと思ったのだが、 都は何の反応もせず、あたし達にされるがままだった。 リューコは友達を介護する事に、少し抵抗を感じていたようだ。 まあ、それは当然の気持ちなんだろうけれど。 そんな気分を紛らわすため、というわけでもないけど、 都の胸を揉んだりして悪戯していたらリューコが切れた。 【しのぶ】「都がこの事を覚えていたら、いくらでも仕返ししても良いよ。 だから早く元気になりな」 というと、リューコがあたしの気持ちを汲み取ったのか、怒りを収め都に笑いかけた。 【村崎】「たとえお前が覚えて無くても教えてやる。 仕返しなら手伝ってやるぞ?」 口にはしなかったが続いて、「だから早く元気になって戻って来い」と、 リューコは都の体を拭くことで伝えている気がした。 言葉では届かなくても、思いは伝わると信じて。 あたしも都の体に悪戯して思いをつたえ……。 【村崎】「だが、人の体で遊ぶな」 ちっ、リューコの癖に鋭いじゃないか。 着替えも終わり部屋を出ると、じっちゃんが障子の前で覗こうとしていたので蹴り飛ばしておいた。 庭に転がるじっちゃんを無視し、都ほどとはいかないが掃除をして帰ることにした。 【じっちゃん】「何から何まですまんのぉ」 【しのぶ】「じっちゃん一人じゃ心配だから、当分の間はあたしが来るよ」 【村崎】「私達で出来ることなら、なんでも協力します」 【しのぶ】「リューコは来なくて良いよ」 【村崎】「むっ、何だその言い方は」 【しのぶ】「インターハイの練習があるでしょ。 都の事も大事だけど、リューコはまずそっちを優先して欲しいね」 【じっちゃん】「何!そんな大事なことが! 龍ちゃんはインターハイを優先しておくれ!」 【村崎】「……お役に立てなくて申し訳ありません」 【じっちゃん】「気持ちだけで十分過ぎるぞい。 都は良い友達を持ったのぉぉぉぉおおお!!!!」 じっちゃんが大声で泣き始めたので、さっさと退散することにしよう。 【じっちゃん】「ああ、しのぶちゃん。ちょいとお待ち」 帰ろうとするあたし達を引き止めると、じっちゃんは花束を抱えてきた。 菊の花以外にも、色とりどりだが落ち着いた色合いの花が包まれていて、 それをあたしに預けた。 【しのぶ】「舞のところに持って行けって事ね。 引き受けたよ」 【じっちゃん】「もしかしたら、花を換えたばかりかも知れぬが、 庭に咲いておって綺麗じゃったでのぉ。 それは都が育てていた花じゃ」 【しのぶ】「わかった、それも伝えておく」 【じっちゃん】「いや、それはしのぶちゃんの所に咲いておった事にしておくれ。 もしかしたら都のことを……」 【しのぶ】「あの子に限ってそれは無いと思うけど、一応了解したよ」 あたし達は都の家を後にした。 【しのぶ】「リューコはどうする? あたしはこのまま舞の所に行くつもりだけれど」 【村崎】「ん……、すまぬが私は一度学校へ戻らねばならん。 午後の練習もしっかりやっておかないと、 舞の期待に答えられないからな」 【しのぶ】「うん、良い答えだね。 リューコはリューコにしか出来ないことをやって。 あたしはあたしにしか出来ないことを探す」 そしてあたし達はその場で別れた。 じりじりと肌を焼く音と、短い命を全力で疾走する蝉達の鳴き声が響き渡る中、 あたしは舞の家に向かった。
https://w.atwiki.jp/idolversus/pages/64.html
0001-033 カード名:【小さな英雄】南条光+ カテゴリ:アイドル タイプ:パッション 参加可能イベント:【サバイバル】 開催イベント 【マッチフェス】【サバイバル】 ポイント:7 特徴:《ヒーロー》・《変身》 【ステージに出る】自分のメダルエリアの表向きのカードを好きな枚数だけ裏返す。ターン終了まで裏返したカードのポイントを、全てこのアイドルのポイントに加える。 (ポイントがないカードは「0」ポイントとみなす) 「散っていった仲間たちがアタシに力をくれる…この戦い、絶対に負けられないな!」 ――――――南条光 illust.廾之 自分メダルエリアにあるアイドルを参照してパワーアップする能力を持つ。 一見すると強力だが光はパッションタイプのため、メダルエリアに【PROMETHEUS1】インベルなど ポイント10のアイドルがいる場合を除き、ぱっしょん☆ぱわー☆ちゃーじや課金の力に対費用効率で劣る。 ただし裏返す枚数に制限がないため、最大火力ではこちらに軍配が上がる。 「もうこれで終わってもいい だからありったけを」と言える状況でこそ真価を発揮できるだろう。 なお、メタカードである【イタズラっ子】小関麗奈の存在に注意。 関連カード 特訓前 【小さな英雄】南条光
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/15483.html
ちいさなじぶんとおおきなせかい【登録タグ 164CD 40㍍PCD 40㍍PCDソロ CD CDち 全国発売 全国配信】 前作 本作 次作 コタエアワセ 小さな自分と大きな世界 幸福指数 40mP 164 流通 全国 配信 発売 2011年7月20日 2012年8月27日 価格 ¥2,000(税込) ¥1,800 / 1曲¥150 レーベル QUAKE(EXIT TUNES) KARENT 出版元 ポニーキャニオン CD紹介 「LIFE SIZE NOTE」に引き続きリリースされる40mPのメジャーアルバム第二段。 「トリノコシティ」「妄想スケッチ」「キリトリセン」など、最近リリースしたヒット曲を余す事なく収録。 今回もぎた氏(イラスト)&arico.氏(ジャケットデザイン)のコンビが制作に携わっている。 ジャケットイラストのミクは40㍉㍍。 数量限定で初音ミク「40mm定規」ストラッププレゼント! 2012年にはKARENTレーベルよりダウンロード販売が開始された。 曲目 小さな世界 / 40mP feat. 初音ミク 夢地図 / 40mP feat. GUMI タイムマシン / 1640mP feat. 初音ミク 空中アクアリウム / 40mP feat. 初音ミク トリノコシティ / 40mP feat. 初音ミク それでいいなら / 40mP feat. GUMI からくりピエロ / 40mP feat. 初音ミク 妄想スケッチ / 40mP feat. 初音ミク キリトリセン / 40mP feat. GUMI 綺麗な世界 / 40mP feat. 初音ミク 396 / 40mP feat. 初音ミク フタリボシ(acoustic version) / 40mP feat. 初音ミク・GUMI 夏恋花火 / 40mP feat. GUMI 君の手、僕の手 / 40mP feat. 初音ミク 大きな世界 / 40mP feat. GUMI リンク 「小さな自分と大きな世界」公式ページ 40メートル走(作者ブログ) EXIT TUNES情報ページ KARENT:「小さな自分と大きな世界」 コメント 買い決定!! -- 名無しさん (2011-04-28 23 21 57) すっげぇ!欲しい。 -- 名無しさん (2011-04-28 23 51 45) 絶対に買う!! -- 名無しさん (2011-04-29 00 19 21) 40㍉㍍のミクって悶死するほど可愛いな・・・! -- mizuki (2011-04-29 00 57 52) 絶対買う!・・・けどコタエアワセと曲が被るのがなぁ。晴れのち桜も入らなそうだし -- 名無しさん (2011-04-29 03 24 29) 絶対に買ってやる! 欲しすぎる!! -- 卯月 (2011-04-29 17 32 43) wktkだぁー楽しみー -- 名無しさん (2011-04-29 19 19 23) え絶対買う。買わない理由がありません(笑)40mP大っっ好きです!!! -- 小百合 (2011-05-01 18 45 03) Step to you入って欲しい -- 名無しさん (2011-05-01 19 37 35) ケータイ同じ機種だww -- 名無しさん (2011-05-01 21 23 57) どの曲がアレンジされるのかな?新曲も楽しみ!!40mP好きだっ! -- 名無しさん (2011-05-05 10 41 10) ↑3 LIFE SIZE NOTEに入ってますよ -- 名無しさん (2011-05-10 17 26 23) 夏恋花火GUMIver楽しみです。 -- mizuki (2011-05-13 22 20 35) 夏恋花火嬉しいよー発狂しそう(黙 -- 名無しさん (2011-05-14 18 59 11) 欲しいぃぃぃぃ!・・・・・・けど金ない・・・(泣 -- 名無しさん (2011-05-14 19 33 31) 夏恋花火がめっさ楽しみ! -- 名無しさん (2011-05-15 21 09 45) タイムマシンが入るの?調教は全部40mPがやり直すの? -- 名無しさん (2011-06-02 11 51 38) GUMIの多さのワロタwwwGUMI好きだから買う予定♪ -- 名無しさん (2011-06-04 21 01 04) 古川本舗とkousのCDもまだなのに…次々と…うれしいけど待ち遠しすぎてため息でる… -- なつ (2011-06-07 14 09 08) フルで聴いたことあるのは紹介の3曲だけだからそれ以外超楽しみ -- 勿論紹介の3曲も。 (2011-07-02 17 03 21) 買うし!!!!!!!!!!!!!!!!! -- 謎のXさん (2011-07-05 09 36 44) 絶対買うぜ!! -- 名無しさん (2011-07-08 15 05 44) 後ろにネクサスのcdがある! -- 名無しさん (2011-07-10 10 39 30) 気付けばあと一週間!楽しみすぎて毎日そわそわ… -- 名無しさん (2011-07-13 10 08 41) 買わなきゃ -- 名無しさん (2011-07-14 06 10 58) まだかまだか -- 名無しさん (2011-07-17 13 01 31) 届いた!ボーナストラックありましたよ! -- 名無しさん (2011-07-19 16 02 27) Animateではもう買えるのかなぁー -- 名無しさん (2011-07-19 16 55 12) ↑メイトでフラゲしてきました。凄くいいです、ファンなら買った方が良い -- 名無しさん (2011-07-19 18 12 09) 届いたー最後びっくりした! -- 名無しさん (2011-07-19 19 27 22) CDケースに特典貼ってあった。ベタベタなんだが;; -- 名無しさん (2011-07-20 12 31 51) いい曲ぞろいで最高 -- 名無しさん (2011-07-20 13 00 56) 40mPオンリーとかやばい禿げそう -- 名無しさん (2011-07-20 14 01 33) 届いたーーー!!ストラップめっちゃかわいい!新曲たくさんだしどれも素敵すぎる。これは買うべき!40mP大好きだ!! -- 名無しさん (2011-07-20 16 00 54) ↑4曲はいい、特典もいいのにそれだけがな -- 名無しさん (2011-07-20 16 36 44) 夏恋花火のコーラスMEIKOさん? -- 名無しさん (2011-07-20 18 03 22) ↑×2 俺はまるごと別のケースに移したわ。あれやだよなー -- 名無しさん (2011-07-20 19 50 44) ↑×2シャノさんだよ。にしてもトリノコのGUMIコーラスがすごくいい! -- 名無しさん (2011-07-20 20 52 01) シークレットトラックなんぞ曲名わからんと困る だが素晴らしい -- siki (2011-07-20 21 24 37) ボーナストラックはtwitterで呟いている人がぽつぽついますね。ただ、一応ネタバレはちょっと待ってほしいみたいなのでココではシークレットという事で。 -- 名無しさん (2011-07-20 22 00 31) やっぱりケースのベタベタは取れないのかな? 自分はストラップとか付けたままにしてるから今のところは大丈夫だけど… -- 名無しさん (2011-07-21 14 14 55) ↑消しゴムを使うといいよ -- 名無しさん (2011-07-21 15 02 24) このCDで初めて164さんのミクの調教聴きました。素晴らしいですね。 -- ストラップの付け場所迷う (2011-07-22 12 32 36) べたべたはすぐ取れましたよ〜曲全部やばい!特典も豪華すぎる・∀・! -- 名無しさん (2011-07-22 20 58 39) 初めてボカロのCD買いましたが、これは大当たり!!40mP最高!! あと、べたべたにはセロテープが良い仕事をしてくれました -- 名無しさん (2011-07-23 18 48 54) ボーナストラックって・・・もしかして・・・これは!フェアリーテイルの?! -- 名無しさん (2011-07-23 20 51 34) 今日とりに行きました!!ベタベタは消しゴムを使うときれいに取れますよ!! -- 13歳 (2011-07-24 23 36 00) トリノコが衝撃!あと、ぎたさんのイラストがくあぁぁわいい!! -- 名無しさん (2011-07-25 12 56 44) トリノコはアレンジ結構変わりましたね。個人的には小さな世界と396がお気に入りですw -- 名無しさん (2011-07-25 23 20 24) わたしも小さな世界と396推しですwあと、それでいいならが綺麗でお気に入りです^^ -- 名無しさん (2011-07-27 19 32 13) あ・・・・・フェアリーテイルですなっ!今日アニメイトでゲットしました。本当にいいCDです。今年受験なんですけど買いに行きました(笑)。このCD聴きながら頑張ります。 -- 名古屋の受験生 (2011-07-29 13 15 03) 良い歌ばかりだね♪だけどなんでジャケ絵にGUMIたんが描いてないの?まるでミクだけのアルバムみたいじゃないッ!?GUMIちゃんの曲もいい曲いっぱい入ってるのに…(泣)そこがちょっと不満。。。 -- GUMIッ子 (2011-07-30 17 50 32) 特典のファイルって応募制? -- ねぇ太 (2011-08-01 20 56 34) Evidence って・・・追加して大丈夫なん・・・? -- 名無しさん (2011-08-05 17 42 27) ↑どなたか追加してしまっていたようですが、当該曲はご本人および関係者によるweb上公開が行われておらず、このWikiには登録できない曲であるため削除しました。登録の際のルールは守ってくださるようお願いします。 -- moto (2011-08-05 19 34 37) 夢地図にちょこっと晴れのち桜が入ってました。 -- 名無しさん (2011-08-06 09 35 13) 40mPを知らなかったけどタワレコで気になったから買ってみたけど大当たり。MP3プレーヤに早速入れて楽しんでます♪ -- 名無しさん (2011-08-07 23 31 49) 今日買ったー!! スゲーイイワーwww -- 水蓮寺 (2011-08-08 22 04 11) からくりピエロのゼンマイとオルゴールの音がばっさり無くなってる... -- 名無しさん (2011-08-12 11 33 48) ボーナストラックまた書き込んであったから削除しました。普通web上で発表されてない曲は書きこまないと思うんだけどなぁ -- 名無しさん (2011-08-12 11 40 48) 夏恋花火ホントいい曲^^ -- 名無しさん (2011-08-21 21 01 33) 夏恋花火が良すぎて本当に買ってよかったです(^^) -- 名無しさん (2011-08-23 00 58 14) 小さな世界めちゃくちゃ良かった!!! -- 名無しさん (2011-08-24 20 41 24) 欲しいです(///ω)ウハウハ 明日にでも買いに行きます。 -- ぼん×にぃ (2011-09-06 23 16 37) 買いました(^ω^)アンケートのプレゼントの期限っていつまでですか? -- 春猫☆ (2011-09-09 21 43 34) 396が1番好きな歌! -- 風丸彩香 (2011-09-13 18 02 18) クリアファイルきた!めっちゃ可愛いです!↑2まだ全然大丈夫だと思いますw -- GUMIッ子 (2011-10-13 18 23 43) 神なんですね分かります。本当にありがとうございました← -- やんちょん (2011-10-30 16 20 10) プレゼント用のバーコードって商品のどこについているんですか?いつも切り取っている紙のケースが付いていなかったのですが・・・ -- 困った (2011-11-06 19 54 39) 396が可愛すぎて禿げた -- 名無しさん (2011-12-15 05 37 25) シークレットトラックは自分の好きな曲でうれしかった -- 名無しさん (2011-12-15 12 23 34) 40mPって…いい曲ばっかだよなぁ…////// -- 乃愛 (2012-01-12 20 29 21) 買いたいっ!と言うか、買うっ♪ -- みさみさ (2012-02-05 16 45 43) 買いました!めっちゃよかったですw -- 40mPさん大好き人間 (2012-03-08 20 16 38) ↑17それについては本当に残念だった。このCD買ったのだってほとんどからくりピエロのゼンマイとオルゴール目当てだったから。いやマジで。もっとちゃんと早くに調べとけばよかったマジで -- MOも (2012-03-26 00 27 07) 買ったー綺麗な世界で泣いたわ -- にゃー (2012-04-01 09 13 54) どの曲も本当に綺麗で、心が洗われるようです。個人的には小さな世界が一番好きかも。 -- 華魅ひこーき☆ (2012-04-03 12 28 52) いい曲ーー!!!! めっさほしいねんww -- もかもかにしてやんよ (2012-04-15 16 36 55) ボカロに出会って一番初めに買ったのがこのアルバム。大好きです -- りんりんりんか (2012-04-24 18 23 19) 買いました!ミクのストラップ超かわいい!!学校につけていったら友達にいいな~っていわれました!ところで中に入っていたSecret Trackって何て曲ですか? -- えいえい (2012-04-26 18 15 58) ↑その曲の名は、"Evidence"っで、ござるよ!! -- がくぽ (2012-08-27 13 59 40) 小さな世界が大当たり過ぎて生きるのがつら・・くない。素敵。 -- 名無しさん (2012-11-06 01 07 35) ボカロにハマって初めて買ったCDです!GUMIが多くて嬉しいです! -- 1103 (2013-01-05 15 36 36) 妄想スケッチ出たw -- 隆象 (2013-01-26 13 17 34) 396が可愛すぎて萌え死ぬ -- 名無しさん (2013-05-14 17 56 31) 396好き!あの曲聞きながら宿題したら、何かはかどるんだよねwタイムマシンの次に好きかもしれない -- 名無しさん (2013-05-25 23 51 39) 夢地図が入ってるCDさがしてたんで、すごく嬉しいです! -- かのめこ (2013-06-20 22 22 12) シークレットトラックあったのに驚き! -- 名無しさん (2013-09-08 13 20 25) 涙腺が・・。 -- 名無しさん (2013-10-31 21 18 46) 買いました!! いい曲でした。 -- あなたの前に名無しさん (2014-10-08 17 16 22) 花火大会で私頭の中でずっと流れていた大・大・大好きな『夏恋花火』***どうか消えないで!『ご免、手痺れた』って言われた。□ -- 繧ュ繝?ぅ繝シ縺ョ豬エ陦」仆 (2015-07-30 08 31 50) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nekomimi-mirror/pages/562.html
小さな龍と猫の姫 二話 バーゼル=スティンガーは、ぼんやりと目を開いた。 湿った匂いのする場所だ、と思う。煙草で焼けてろくに匂いも嗅ぎ取れなくなった鼻でも、それぐらいは判る。ベッドの上に仰臥しているようだった。首をめぐらせると、陰鬱になりそうな光景が目に入る。 「……虫が好かねェな」 簡単に言えば、牢屋だった。恐らくは地下だろう。微かな気圧の変化と、窓のない石造りであることからそれを読み取る。魔洸照明が一つきり、天井にぶらぶらと揺れている。頼りない光を発するその光の球を、バーゼルは忌々しげに見上げた。 何の気なしに身体を起こそうとして、自分の内側から亀裂の入るような音を聞く。 ――そう、あれだよあれ。引きつるような感じで、曲がっちゃいけない方向に関節を曲げた時に似た、ピキィ、ってヤツだ。 バーゼルは唇の端を引きつらせながらベッドにそのまま倒れこんだ。 痛みで思考がクリアになる。 「……そうだったな」 思い出せば、記憶は十分に鮮明だった。顔面には一撃も食らわなかったためか、頭が熱を持って思考がまわらない、といったこともない。 自分はコンロンとかいうヒトのガキと殴り合いをして、真正面から何十発も――もしかしたら百何十発も拳を頂戴して、吹っ飛ばされて意識を失ったのだ。 「……ありゃ、ヒトじゃねえ」 オオカミは今更呆れたように呟いた。負けて悔しい、だとかその領域はとっくの昔に通り越している。悔しいと思う前に、よく生きていたと自分に感嘆するくらいだ。 あれはヒトというより自然現象に近いとバーゼルは思う。幾ら強いヤツでも、雨が降るのを止められるヤツはそうそういない。吹いてきた嵐を消すなんて芸当も聞いた事がない。 拳で嵐を起こせる存在に、何を持って抵抗しろというのだ? 「……やれやれ、物分りがよくなっちまった」 つまらなそうに舌を出すと、今度は身体に負担をかけないようにゆっくりと起き上がる。そうしたところで、上方で扉の軋む音。こつん、こつん、と足音が降りてくる。 ここに自分がいる過程は、多分そいつが知っているだろう。意識を失って、次に目を覚ますのが森の中ではなかった時点で、何者かがここに自分を運んだのであろうことは簡単に推察できる。 とりあえずはベッドの固さと殺風景なこの地下牢に文句を言ってやろうと待ち構えていたバーゼルは、十秒後にかぱりと口を開ける羽目になった。 姿を現したのは、ランタンを持ち、鉄格子の向こうで軽い驚きの表情を浮かべる女。その顔には見覚えがある――というよりは、一時期毎日のように共にいた時のことが、否応なしに思いだされる。 銀色の髪、ピンと立った耳。薄い唇に、感情の起伏に富んだ表情。ルビーのような赤い瞳。引き締まった身体に、控えめな胸。どこをどう見ようと、バーゼルの記憶の中にいる女と相違ない。 違いがあるとするならば、あのころ纏っていた襤褸服ではなく、フリルが山ほどあしらわれた侍女服に身を包んでいる、その程度であった。 「もう起きていたのですね。さすが、相変わらず身体だけは頑丈ですこと」 呆れたような口調はしかし、バーゼルが思わず眉を潜めてしまうほどに聞き慣れないものだった。 「……ステラ。手前、こんなところで何してやがる。それとその気持ちの悪い喋り方を止めやがれ」 「失敬ですわね。板についていると思いませんこと? この格好を見て私が何だかわからない貴方の脳は喩えようもない凡愚の器でございますわね。……あら、辛うじて喩えるものが見つかりましたわ、ふやけたパスタ」 バーゼルは思わず額に青筋を浮かべながら、頭をかき回すことで何とか耐え、怒りを胸の内側に引っ込めた。 「ミジンコよりは上に見てもらえてるみたいで万々歳だあな。……で、いい加減フザけんのは止めろ。状況の説明をよこせ。ここはどこで、お前は何をしてる。ついに頭がおかしくなったか?」 「ふざけてなどおりませんわ。ここはリア=アーセンクォルト様が住まわれる森の館。あらゆる不浄を寄せ付けず、心さもしい者には見つけることすら叶わぬ聖域。私、今はリア様に仕えておりますの 。それに頭が沸くのなら、どう考えても貴方の方が先ですわ」 「ほう、そいつは大層な話だな。〝あらゆる不浄を寄せ付けない館〟ってのはこの薄汚い石牢のことを言う訳か?」 「冗談ばかり申されますのね。絢爛を極める家と言えど、臭い物を放り込んで蓋をするための場所も必要ではございませんこと?」 口元に手を当て、くすくすとわざとらしい笑いをこぼす女に、バーゼルは顔をしかめて頭を掻いた。乱れた毛並みを繕い、深くため息をつく。 「……冷てえことを言うじゃねえか。八年だぞ」 「……」 八年。長い時間だ。二つの月を一人で見上げる夜は、いつも悲しいくらいに長かった。 「探したんだぜ。ステラ」 バーゼルは声のトーンを落とすと、思い声で言葉少なに語る。 少しの間沈黙が満ち、石牢が水を打ったように静まり返った。永遠と続くかに思われた静寂は、鉄格子の向こうで、呆れたように肩を竦める女によって破られる。 「……探してたなんて嘘ばっかり言っちゃってさ。アタシのことなんてどうでもよかったくせに」 少しかすれて甘い、作った声ではない地声。捜し求めて止まなかったあの日の彼女のものだ。虚飾し、取り繕った先ほどまでの口調とはまるで違う、しっくりと来る響き。 バーゼルは懐かしさのあまり、笑い出しそうになった。 「どうでもいいワケがねえだろうが。手前は俺の相棒だ。手前がいなくなってこっち、ろくな事がねえ」 「調子いいこと言ってるわよ。シャロンとアタシ、選べなかったくせに」 「う゛」 バーゼルは肉を喉に詰まらせたような顔をして、女を見た。返ってくるのはつんとそっぽを向きながらの流し目。 「甲斐性なし。臆病者。浮気性。貧乏性。八方美人。かっこつけ。ワイルドぶってれば女に困らないと思ってたら大間違いよ勘違い男。バカ。スケベ。脳筋。トンマ。ズボラ。大酒喰らい。穀潰し。万年発情期。喫煙者。眼帯ー」 『いー』を引き伸ばして歯を剥いてみせるその仕草は、もういい年をしている癖に子供のころのままだ。 「最後の二つは悪口でもなんでもねえだろうが! っつうかよくそこまでポンポンポンポン俺をバカにする言葉を出しやがるなあ手前はよお!!」 ベッドを降りてずかずかと近づこうとして、二歩目で沈んだ。全身が悲鳴を上げ、歩行を妨げる。 「……お……ぐあ……」 「ザマ見ろ。いいだけやられちゃってさ、カッコ悪いったらありゃしない」 けらけらけら、と腹を抱えて笑う女は、一昔前なら絶対に身に纏わないような服を着て牢の外に立っている。 ――ステラ=スティレット。 自分が盗賊となってからの十年を、絶えず傍で過ごした、白銀の毛並みのイヌ。――そして、八年前、物も言わずに自分の傍から雪のように消えた、女。 笑い声が、溶けるように薄れて、消える。赤い目が、どこか寂しそうな孤を描く。 「――あれから、シャロンとはどうしたのよ。うまく行ったんでしょ?」 「……」 シャロン。シャロン=バゼラルド。 酷く懐かしい名前。 バーゼルはボロボロのズボンのポケットを探り、床に座ってベッドに寄りかかった。くしゃくしゃのケースを取り出して、紙巻煙草を振り出す。歯で咥え、唇を巻く。指を鳴らすのと同時に、中指の 先に微かな炎を灯した。 「いなくなっちまったよ。手前と同じに」 申し訳程度の魔術の炎が、紙巻煙草の先端を炙る。じじ、と微かに煙草が引き攣れ燃えて、音を立てた。 「いなくなった……って、何よ」 微かに鉄格子の向こうでステラが瞳を揺らす。 バーゼルは紫煙を吸い込み、手を握りこむことで炎を消した。紙巻煙草がその肺活量に煽られ、早回しのように燃え尽きていく。長く長く煙を吐き、バーゼルは皮肉っぽい笑みを口元に形作った。 「愛想尽かされてな。逃げられちまった」 一瞬、不安げに揺れていたステラの瞳がきり、と細く絞られた。バーゼルはその瞬間、昔よく覚えた悪寒が背筋を這い登るのを感じる。 ――近くに居たら殴られてたな。間違いねェ。 「……へえ、そう。シャロンに逃げられたら次はアタシってこと? バカね、今までも度が過ぎたバカだと思ってたけど今度のは極めつけよ。もういいわ。アタシはお嬢様とシノ様と、あのヒトの分の夕食を作るから、ここで一人で瞑想してなさい。自分のバカさ加減を理解するまで、たっぷりとね」 「ヒト……だと? おい、ステラ、あのガキもここにいるのか?」 飛び出した思いもよらぬ一言に、バーゼルは目を丸くした。しかし問い質そうとしたそのときには、既にステラは背中を向けている。 「貴方が知る必要はありませんわ。〝レギオン〟の面々が助けに来るのをお待ちになったらいかが? 餓死する前に助けが来るといいですわね」 立ち戻った口調は、まるでそれ以上の会話を拒むかのよう。鼻白むバーゼルを一度も振り返らず、彼女は地下牢を出て行こうとしている。 バーゼルは声を絞り、言葉を吐き出そうとした。しかし、半端に開いた唇からは呼び止める一言さえ出てこない。 ずっと前からそうだ。 あいつが怒り、俺が意地になって、そのたびに擦れ違う。 ズボンの尻ポケットに指を掛けると、かさりと指先に当たる感覚。その紙片をつまみ出そうとして、バーゼルは動きを止める。ステラは階段を上るとき、一度だけ睨みつけるようにこちらを一瞥した。目には、幻滅と微かに寂しそうな色が乗る。 バーゼルが再び動き出そうとした瞬間には、彼女は短い銀糸を翻して階段を上っていった。 彼女の持つ明かりがなくなれば、地下牢には程度の低い魔洸照明だけが満ちる。 上方から、ドアの閉まる音が響いた。 「……畜生」 バーゼルは力を込め、これ以上ないほどゆっくりと立ち上がって、寝台に身を投げ出した。 計算高い自分が、もっと情報を集めてから喧嘩をしろ、と遅い文句を投げかけてくる。 ――知ったことかよ。 あの女を前にすると、いつも冷静ではいられなくなる。八年の時を挟んでさえ、一目でわかる位に、自分はステラの姿を見てきた。昔はもう、いやになるくらい傍に居たのに、今は檻に阻まれて手さえ届かない。 「……おい、シャロン、あいつは怒髪天だ。俺がどうすりゃいいか、教えてくれ」 呟きに答えるものは一人としていない。しみったれた石壁に染み込んでいくばかりだ。 今までも何人もの恨み言を吸い込んだであろう壁だけが、自分の呟きを聞いている。バーゼルは唇に咥えていた煙草を牢屋の隅に吐き捨てた。 煙が、隻眼に沁みた気がしたから。
https://w.atwiki.jp/angevierge/pages/586.html
《小さな幸せ 生嶋兎莉子》 プログレスカード レベル4/青/P10000/G4000/S1 【人間】/【動物】 リンクフレーム なし 《自》リンク-リンクステップ開始時【リンク(7)‐2ΩΩ】 そのターン中、このカードのパワーを+8000。 「す、すいませんはしゃいで。でもあの、私……すごく楽しいです!」 illust みわべさくら 少女たちの休日で登場のレベル4の青色のプログレスカード。 収録 少女たちの休日 E1-001 C
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/9690.html
GST/SE22-26 カード名:可憐な美少女 ルリ カテゴリ:キャラクター 色:青 レベル:2 コスト:1 トリガー:1 パワー:8000 ソウル:1 特徴:《ギガント》? 【永】 相手のターン中、他のあなたの《ギガント》?のキャラ1枚につき、このカードのパワーを+500。 ダンシングプチバイソーン! レアリティ:C 14/10/08 今日のカード
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/898.html
ちいさなたび ねずみたちのゆめ【登録タグ VOCALOID ち 初音ミク 曲 涼風P】 作詞:涼風P 作曲:涼風P 編曲:涼風P 唄:初音ミク 曲紹介 Orangeに続き、仙光花火の楽曲のセルフミクカバー。 歌詞 風の中に春の香りが 暖かい陽射しに心地よい空 小さな鞄に思い出を詰め どこへ行こうか 思いつくまま 小さな手に抱えきれない 楽しみと強さを持ち ゆっくりゆっくり歩いていく 急ぐ旅じゃない いつか行くあの山を越え あの雲が流れるままに 毎日が面白いんだ 僕たちのささやかなる夢 雨が降ったとても激しく 輝いた朝日に虹の掛け橋 一粒の水は流れ集まり あんなに遠くまで流れているよ かよわい手で支えきれない 運命の柱を持つ それでも仲間と力あわせ 共に生きよう いつか行く七つ海を越え 理想郷 桃源の地へ 毎日が冒険なんだ 僕たちのささやかなる夢 いくつもの谷・丘を越え 見たものはあの夢の中 怒りなど存在しない 優しさが溢れ 辿り着く新しい地へ 理想郷 桃源の地へ 悲しみが何一つ無い 小さな旅~ネズミたちの夢~ コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/vice2rain/pages/196.html
とても小さな恋の始まり その一 僕とあたしの平凡な出会い とっても平凡なお話。
https://w.atwiki.jp/soborodq10/pages/17.html
小さなメダルの入ってる黒箱の場所 オグリード大陸 ・ラギ雪原 A4 ・ガートラント領 C6 東側 ・ ガートラント城 会議室 ・ギルザッド D1 北 ・ グレン領西 G5 西側 プクランド大陸 ・オルフェアの町 サーカステント楽屋 ・オルフェアの町 裏町倉庫(盗賊の鍵で開く扉の中) ・リンクル地方 アルウェ王妃の別荘跡 (盗賊の鍵で開く扉の中の赤宝箱) ・メギストリスの都 C3 ・風車の丘 B4 エルトナ大陸 ・王都カミハルムイ北 C4 木箱の影(北のお城入る所ら辺) ・カミハルムイ城 B2 (馬小屋の裏) ・夢幻の森 C3 線路の下 ・捨てられた城 F2 ・呪われた大地 G5 (崖を歩いて降りて段差に落ちる) ウェナ諸島 ・ジュレリア地下廃坑 C1 (詩吟のほこら入口前) 西側 ・ヴェリナード城下町-第2層 D7 西階段横 ・ヴェリナード領北 C2 一番左上 地下迷宮入口の草の茂み ・ヴェリナード領西 A6 東側 難関 ・ヴァース大山林 D2 ヴァースのほら穴真下 ドワチャッカ大陸 ・サーマリ高原 B6 西側の半島の先 難関 ・ザグバン丘陵 F3 上中央 崖上 難関 ・ラニ大洞穴 F4 ・ボロヌス溶岩流 C5 右下崖下 CとDの境目にあり ・ボロヌスの穴 D6 その他 ラッカラン館 2階