約 702,972 件
https://w.atwiki.jp/boyfriendkari/pages/1282.html
生徒名簿 > 明神堅梧 >[カレのお家で]明神堅梧(SR) [カレのお家で]明神堅梧(SR) 攻魅力 2893 守魅力 2566 攻M 9302 守M 8249 コスト 14 卒業祝い 20000メン [カレのお家で]明神堅梧+(SR) 攻魅力 3472 守魅力 3079 攻2M 13637 守2M 12094 コスト 14 卒業祝い 30000メン [優しい眼差し]明神堅梧(SSR) 攻魅力 4340 守魅力 3849 攻4M 20500 守4M 18180 攻3M 20040 守3M 17771 コスト 14 卒業祝い 60000メン アピール 俺の計算に狂いはありません。 └King Princeタイプの攻魅力大UP ストーリー 目指せ数学の苦手克服 入手方法 [カレのお家で&思い出]フォーチュンキュピ(2015/03/23 16 00〜2015/03/31 17 59) 台詞 ボイス + ... [部分編集] ステップ1 おしゃべりタイム 俺でよければ力になりますよ。 おしゃべりタイム 何でも俺に聞いてください。 おしゃべりタイム 苦手なものは誰にでもあります。 デート電話コメント では、いつにしましょうか? ……いや、先に場所か? いえ、まず君に尋ねるところから……。 カレ自慢アピール 俺の計算に間違いはありません。 ステップ2 おしゃべりタイム 君に暗い顔は似合いません……。 おしゃべりタイム ふたりきりは、緊張しますよね。 おしゃべりタイム はっ、意識すると駄目になる! デート電話コメント いいに決まっています。考えないといけないことがたくさんありますね。まずは日付でしょうか。 カレ自慢アピール 俺の計算に間違いはありません。 ステップ3〜6 好感度レベルMAX い、いえでも、君は安心して俺を頼ってくれていいんです。いつでも応える自信はありますし、君のためなら俺は何だってできます。 おしゃべりタイム(ステップ2〜5) 君に暗い顔は似合いません……。 おしゃべりタイム(ステップ2〜5) ふたりきりは、緊張しますよね。 おしゃべりタイム(ステップ2〜5) はっ、意識すると駄目になる! おしゃべりタイム(ステップ6) 君に頼られる存在でいたい……! おしゃべりタイム(ステップ6) その、よければまた部屋に……! おしゃべりタイム(ステップ6) 君の部屋には……駄目ですよね。 デート電話コメント(ステップ2〜5) いいに決まっています。考えないといけないことがたくさんありますね。まずは日付でしょうか。 デート電話コメント(ステップ6) 俺の最優先事項は寸分の狂いもなく君です! 誘いを断る愚かな選択肢は存在しませんよ……! デート電話コメント(ステップ6) ……これだけで幸福に浸れそうになるだけに、当日が末恐ろしくもあり……いえ、楽しみです。 デート電話コメント(ステップ6) は、はい。き、緊張? し、してませんよ、まだ。じゃないとデートの日までに倒れそうですし。 カレ自慢アピール 俺の計算に間違いはありません。 マイページ + ... ステップ1 宿題くらい、俺が教えてあげますよ。 何事も基本を押さえることが大切ですから。 勉強なら、集中できる場所が1番です。 ステップ2〜3 どんな問題にも解き方、公式があります。 わからない問題は、俺に聞いてください。 理解すれば、数学は単純明快なものです。 ステップ4〜5 お見事、引っかけ問題でしたが、正解です。 数学なら俺に任せてください、[名前]さん。 やはり、[名前]さんは優秀ですね……。 ステップ6 俺の部屋で[名前]さんとふたりきり……。 恋の問題も正解を……なんでもありません。 自慢じゃありませんが、模試は常勝です。 人に教えるなんて、君が初めてですよ。 [名前]さんは、教えがいがあります。 登校 + ... [部分編集] 朝 ステップ1 おはようございます。朝から勉強ですか? ……宿題? 授業の数学なんて、俺とっては簡単なものですよ。 数学が苦手、ですか? 俺には理解できませんね……。 ステップ2〜5 朝から君に会えるなんて、今日はいい日になりそうです。 しかし、量だけ多い宿題というのも、厄介ですね。 模試の結果が全て! ……とは思っていませんよ。 ステップ6 高校のレベルで、俺にわからない問題はありません。 なんでも正解を出しますよ。……恋の問題以外なら。 ハハハ、俺なら、教師よりも詳しく教えてみせますよ! [名前]さんと一緒なら、授業も退屈せずに済みそうです。 [名前]さんなら、すぐに理解できると思いますよ。 放課後 ステップ1 俺の頭脳なら、どんな問題もすぐに解いてみせます! 俺の勉強法ですか? 大したことはしていませんよ。 この学校はイベントが多すぎるとおもいませんか? ステップ2〜5 適度な休息と糖分の補給。勉強には、これも大事ですね。 勉強は、集中できる場所ですることが肝心です。 もし良ければ、お昼は静かな場所で食べませんか? ステップ6 いつか俺のために弁当を……いえ、何でもありません。 数学の学習ソフトを作ることもできると思いますよ。 退屈な時間も、君がいれば悪く……なんでもありません! ふたりきりで勉強すれば、きっと集中できますとも。 もう少しでお昼ですね。それまで頑張りましょう。 夜 ステップ1 俺でよければ、いつでも勉強……教えてあげますよ? そろそろ遅いですし、帰らないと……送っていきますよ。 まったく……数をこなせばいいわけじゃないですよね。 ステップ2〜5 こんな時間まで一緒にいられるなんて……夢のようです。 ポテトチップスならありますよ。一緒にどうですか? 面倒でも、公式を覚えておけば後が楽になりますよ。 ステップ6 この時間が続けばいいのに……いえ、こちらのことです。 時間が掛かっても頑張る。[名前]さんらしいですね。 自分の部屋で緊張することがあるとは思いませんでした。 宿題も、あと少しで完成です。頑張りましょう! [名前]さんが相手なら、また喜んでお手伝いしますから。 デートの約束 + ... [部分編集] ステップ1 ええ。今なら特に構いませんが、どうしました? ……ひょっとして、何か困りごとですか? では、いつにしましょうか? ……いや、先に場所か? いえ、まず君に尋ねるところから……。 ええ、その日なら予定は空いています。例え問題があったとしても、必ず行きますとも……! ステップ2〜5 ちょうど宿題が終わりましたから、支障はありませんよ。まあ、俺にとっては余裕でしたけどね。 いいに決まっています。考えないといけないことがたくさんありますね。まずは日付でしょうか。 わかりました。その日が、素晴らしい1日になるよう磐石のデートコースを調べておきます……! ステップ6(1) 君からの電話が、迷惑なわけがありませんよ。むしろ……。そ、それで、今日はどうしました? 俺の最優先事項は寸分の狂いもなく君です! 誘いを断る愚かな選択肢は存在しませんよ……! 問題ありません。あ……もし、前日に大量の宿題が出たときは言ってください。俺も手伝います。 ステップ6(2) 俺もちょうど、電話しようか考えていたんです。まさか君から連絡してもらえるなんて……! ……これだけで幸福に浸れそうになるだけに、当日が末恐ろしくもあり……いえ、楽しみです。 その日なら、大丈夫だと思います。……そ、その、[名前]さんとのデート、楽しみにしています。 ステップ6(3) ええ、何も問題はありません。……仮にあったとしても、すぐに解決してみせますけどね。 は、はい。き、緊張? し、してませんよ、まだ。じゃないとデートの日までに倒れそうですし。 ええ、わかりました。その日までに、完璧なプランを用意しておきます。期待していてください。 デートコメント + ... 今日は俺が必勝プランをバッチリ考えてきました。どんな問題があっても大丈夫です。 この俺が見事な正解を導いてみせますよ。で、では、デートを始めるとしましょう……! カレ自慢 + ... [部分編集] 対決画面 ステップ1 俺の実力を見せてやりますよ。 ステップ2〜3 何の問題もありませんね。 ステップ4〜5 既に俺の勝利は確定しています。 ステップ6 今の俺に敵うとでも……? 勝利 ステップ1 予測した通りの盤石の勝利ですね、ええ。ふたりの時間は誰にも邪魔させませんよ。 ステップ2〜3 あの程度の相手に勝つのは、俺にとっては赤子の手をひねるより簡単なことですよ。 ステップ4〜5 俺の頭脳をもってすれば、この結果も当然というものです。では、行きましょうか。 ステップ6 俺がついていれば、何があっても安心ということです。おわかりいただけましたか? ステップ6 [名前]さんと一緒に勉強するのは、全国模試で完璧な成果を上げている俺なんですよ! 敗北 ステップ1 ……まさか、そんな……。……何かの間違いに決まってます! これは悪い夢だ! ステップ2〜3 君に情けない姿を見せてしまうとは……不覚です。今後は一層注意しなければ……。 ステップ4〜5 俺の頭脳が敗れるとは……。まだまだ磨きを掛ける必要がある、ということか……。 ステップ6 君の役に立てると思ったんですが……無様な姿を見せてしまいましたね。すみません。 ステップ6 まさか、浮かれて油断していたのか……? 俺としたことが、本当に情けない……。 告白タイム + ... [部分編集] 戦闘中台詞 ステップ1 この身の程知らずに、俺の頭脳がいかに優れているか見せてやりますよ。ええ、大丈夫です。 ステップ2~5 全国模試で常に上位であるこの俺に、本気で敵うと思ってるんですかね? いいでしょう。 ステップ6 勝利 ステップ1 フン……その程度で俺たちの邪魔をしようなんて、甘いですね。 ステップ2~5 すべての範囲を完璧に学んで、出直してもらいたいですね。 ステップ6 敗北 ステップ1 ステップ2~5 俺が敗れるなんて……。まさか、相手も天才だというのか……!? ステップ6 アルバイト + ... [部分編集] ステップ1 勉強とバイトの両立も、俺なら問題ありません。どちらも完璧にこなして見せますよ。 ステップ2〜5 何事も、地道な積み重ねが大切ですね。手間は掛かりますが、頑張りましょう。 ステップ6 俺は、君と一緒なら……バイトでも勉強会でも、大歓迎ですよ。さあ、始めましょう! 好感度MAX + ... [部分編集] 君の力になれると、すごく充実した気持ちになります。溢れそうなくらい、とても。 これはきっと、俺ひとりでは駄目で、他の誰でもない君だから得られた感覚です。 何というか、上手く説明できるか危ういことなど、君に関することだけなんですが――。 い、いえでも、君は安心して俺を頼ってくれていいんです。いつでも応える自信はありますし、君のためなら俺は何だってできます。
https://w.atwiki.jp/yurina0106/pages/939.html
タグ 歌 曲名 作品名 ジャンル カラオケ ひなき藍・立花あや 一緒にDO MY BEST!! D.C.II Fall in Love 明るい ひなき藍・立花あや with ~輝きのフィルム~ D.C.II Spring Celebration 明るい DAM/JOY
https://w.atwiki.jp/ggempirewiki/pages/156.html
特別なもの Lv1 メインの城にパン屋を所有。 10P
https://w.atwiki.jp/shinsen/pages/177.html
産物系 あさりのみそ汁【知行産物】 買値 売値 --文 文 知行:物資−加工−産物により生産可能(工房Lv3) 分類 価値 重量 特殊効果 知行産物 材料 生産数 2 アサリ 4 味噌 2 木椀 2 主な用途 知行施設改良 LV3→4 市 LV6→7 水田
https://w.atwiki.jp/truexxxx/pages/201.html
白昼のアラカルト・デュオ ◆0zvBiGoI0k ◆ 「三玖さん、大丈夫かな」 「姉妹があんな殺され方をしたんだ、無理もないだろう」 立香が気絶した三玖を個室に寝かせて看ている間、ミクニと猛田は玄関前に出ていた。 外の見張り。大声が出たわけじゃないがそれなりに騒いだし、宥めるにも同性の方が適してるだろうという、合理的判断あってのことだ。 言ってから記憶から消去しておきかった、惨殺体を目にした脳裏に蘇ってきてしまって、猛田は後悔した。。 シーツをかけて隠してあるが、あの死体は今も置かれている。嗅ぎたくもない異臭を漂わせて。 換気や清掃はしてあるからって、ホラー映画に出てくるクリーチャーじみた変死体が壁一つ隔てたところにあるなんて、想像しただけで気が滅入る。 この時の猛田は一分一秒でも早くこの家から離れたかった。外に出てるのはそういう意図もある。気絶してる三玖など放置して先に行きたいくらいだ。 中野三久という女は、高校生なだけあってかつての「キープ」より遥かに上物だったが、ああなっては使い物になるまい。 しかしそれはミクニも、そして立香も許すまい。かといって自分だけ出奔するのも自殺行為だ。お人好しと行動するデメリットを差し引いても、単独行動はリスクが高かった。 「どうした猛田、顔色が悪いぞ」 「っ当たり前だろ。あんな死体を見たら……」 ああ。本当に、あんな死体さえ見つけなければよかったのに。 心の中で毒づき、ますます気分を曇らせる。 「ああ、許せねえな。人を、三玖さんの妹をあんな風に殺すだなんて……いったい誰がやりやがったんだ」 「……は?」 自分が抱く気持ち悪さとはまったく別種の意味で同意を示したミクニに、思わず間抜けな声が出てしまった。 「は? ……ってなんだよ猛田。ジロジロ見て気持ちわりいな」 「……いや、何でもない。それよりあまり喋らないほうがいいだろう。俺達が騒いで敵をひきつけたら本末転倒だ。殺人者だって戻ってくるかも……」 「じゃあまずお前が黙れ! ったく……」 その場に座り込むミクニ。猛田も同じように座りそれ以降口を閉じて押し黙った。 考えたい事があり、自分一人で思考する時間が欲しかったからだ。 『お前が死んでからも、ラブデスター実験は続いていたんだよ』 立香達と接触するまでの道すがら、猛田が死んだ後の実験の推移をミクニは語って聞かせた。 月代とは違うもうひとつのラブデスター実験が行われていた、敬王大学付属中等部からの刺客による誘拐。 もうひとりの試験管、お見合い制度による告白、そこで巻き起こる事件の数々。 敬王から帰還した後にも、残された月代生徒が疑心暗鬼の末ほぼ全滅という惨事。 続く豪華客船でのイベント「キスデスター」。 それが終わった時点で生き残ったのは、ミクニやジウらを含めて二十人にも満たないという。 かつて用済みとして「排除」しようとしたらみ、配下にしていた熊本や美円は生還したようだが、そこは今はいい。 無関係の百何人が死のうと、どうでもいい。 別の学校の生徒なら尚更だ。同情するにも値しない。 だが常にその中心に位置し、荒波に揉まれながらも生き残ったミクニに対しては―――少なからず衝撃だった。 そんな目に遭ってもなお、こいつはあの時と変わらぬ正義感を発揮していた。 そして再会した猛田にさえも、変わらず手を差し伸べてきた。 そうした善人面は隠れ蓑には好都合で、そう計算してたからこそ同行を申し出た。 実験場での行いを洗いざらい暴露されたのには肝が冷えたが、それでも予定通りの流れだ。 だというのに、この気持ち悪さはいったい―――――― 「おい、猛田!」 「なんだ、黙ってろと言ったのはお前……」 「そうじゃねえって、上を見ろ!」 煩わしい声が割り込んできて考察が散り散りになった苛立ちは、ミクニが指差す天上を見て霧散した。 「何だ、鳥か、飛行機か……?」 空を一直線に横切る、黒い影。 暗がりであるのとその速さで禄に見きれなかったが、蝙蝠を人間サイズまで拡大したようなシルエットであった。 「近くに降りたみたいだな。よし、見てくるぞ」 「ば、あんな明らかに危険物に近付こうだなんて正気か!?」 「ほんの少し様子を見るだけだ。危ないと思ったらすぐ引き返せばいい。なんならお前は残ってりゃいいだろ」 忠告も聞かず、ミクニは着地地点へと向かって行く。 猛田は暫し憔悴した心持ちでそれを眺め、自分に言い聞かせるように吐き捨てて後を追った。 「―――クソッ。今お前が死んだら俺の立場が危うくなるからだぞ!」 結局答えを出す時間は与えられなかった。 そこからは中野姉妹が集まってきて騒がしくなり、沖田総司に刀を詰められ、目の前でミクニがジウに殺されてと、さんざ精神をかき乱されて、放置した疑問を取り出す暇もなかったからだ。 そして今。 猛田は漸く疑問を引っ張り出せる時間を与えられた。 未だ危機は去っておらず、盾になる備えも欠けた状態だが、今すぐに襲撃があるわけではない程度の安心だ。 すぐにでも追走するジウが現れてくるかもしれない恐怖こそ尽きないが、とにかくも心理的な余裕だけは戻ってきていた。 C-6は【美術館】と名付けられた施設。 一花と離れた場所からすぐ近くにあった大型のランドマークに身を寄せて、足を止めた口実に使った休憩を改めて果たしている最中だ。 外の土にバイクらしきタイヤの跡が残っていたのを立香が見つけたが争った形跡もない。 先客もおらずほぼ手つかずの館内をゆっくりと見て回っている。体力の回復を待っているのもそうだが、一花が戻ってくるまで手持ち無沙汰なのが現状だ。 「北斎にゴッホの芸術画、鎧兜にギリシャの出土品から詩集の原本……? なんか乱雑というか散らかってるというか。 ひょっとして触媒になるのかな、これ……」 前を行って陳列棚を物色する立香。 現在の彼女は元あった服を脱ぎ捨て、カルデア戦闘服なるコスチュームに着替えている。 体操選手が着るようなタイトな格好で恥ずかしげもなく外を闊歩しているのはなんとも言えない倒錯性を感じさせる。 前を見れば想像と違って意外と質量のある胸元が谷間だけ露出され、後ろからは引き締まった腰から尻、脚にかけてのラインがタイツで更に強調されている。 中野姉妹を間近にして目立たないが、立香もまたかなりの美少女である。常に表情に怯えがある面々よりも、余裕を保っていられる垢抜けた様はむしろ最も魅力的かもしれない。 そんな中の上、いや上の中から上の女が露出度の高い格好で微笑んでくるものだから、猛田の心中は生命と関わりない意味で穏やかではない。 つい、見入って生唾を飲み込んでしまう。 「くん───猛田くん?」 「ぉわあっ!?」 妄想していた顔が間近まで迫っていたのに気が動転して大声を上げてしまった。 広大で静謐な美術館内で猛田の声が長く反響する。 「やっぱり休んでいたほうがいいんじゃない? そんな長く見て回るわけにもいかないから二乃達のとこに戻っていても───」 「いいやいやいやぁ? まだなんてこともないですよ。立香さんほどじゃないが二乃さん達よりは異常事態にも慣れてますから。肉体労働よりは頭脳担当ですけど喋るにも体力はいりますしそれなら歩く分に回せばまだどうということは」 「そっか。色々やってんだもんね」 「いぅ───────っはい」 過去の失態を揶揄されたような気がして、喉がひきつってしまう。 彼女に限ってそんなつつきはしないとしてもやはりバツが悪くなる。猛田は立香にかける感情が単なる劣情のものだけでないと自覚していた。 どうしてこうも彼女が気になるのか。 ”決まってる。ミクニと同じで、この人も「死」に怯えちゃいない” 中野四葉の変死体を目撃した瞬間、猛田は情けなくも腰を抜かした。 跡形も死体が残らない「告白」失敗の爆死(クラッシュ)とはワケが違う。 精神を追い詰められて絶望から飛び降りて自殺するのなら、まだ人間らしい死だ。目の前に飛び込んできたソレは、そんなものを超越した破壊の惨状だった。 その中で迅速に行動したのが、先頭に立っていた立香であり―――猛田の後ろにいたミクニだった。 恐怖がないわけではないが、身が竦むより先に体を動かさなくてはならないと弁えてるような動作。 「告白」失敗以外でも、暴徒化した生徒の手で殺された生徒もいたとミクニは語っていた。 実験の終盤まで生き抜いたミクニはもう、生半可な「死」に対して臆することはない。 そんなミクニと同じく「死」に機敏に対応した立香。猛田の焦点とはつまりそこだった。 どことなく堅気には思えない振る舞いがある、謎めいた女。 彼女もミクニと同じく「死」を多く見てきたのだろうか。 分からない。「死」を知ったからといってそんなにも達観を持てるものなのか。 猛田は好みの女(キープ)ばかりを傅かせて支配する、愛の独裁者になりたかった。 だから邪魔者は「排除」してきたし、しようとした。自滅させ、駒の手で処罰させた。それで何人死のうが知ったことじゃなかった。 そうでもなければ、「死」など関わりたくもなかった。 初めて「死」に触れた、 引き返しがつかなくなったあの瞬間と同様に。 「……ん?」 なにか、決定的な閃きが頭を掠めたような気がしたが、それはすぐに煙になってかき消えてしまった。 振り返ってもなにが立ってるわけもなく、猛田はただ不可解に首をひねるしかなかった。 ◆ 一度目の定時放送が始まり、ミクニが愛月しのの名を聞いて狼狽する少し前─────。 「……そんなの、おかしい」 「そ、そう言われてもなー。残念ながら現在は召喚のご縁がなかったということなのでどうしようもないというか」 「織田信長がいる。上杉謙信がいる。豊臣秀吉の縁者に幕末の志士もいる。なのになんで武田信玄がいないの? ライバルの謙信までいるのに、絶対おかしい。あとオール信長ってふざけてるの?」 物静かな常時とは打って変わった三玖に、立香は「やべ。話題のチョイスミスった」と後悔していた。 共通の話題になりそうな戦日本の武将をとっかかりにしてみたが、三玖にとっては肝心要の武将が欠場してるのが大層納得いかないものらしい。 ずいずいと詰められていき、いまや人類最後のマスターは壁際まで追い詰められている。 そしてこちらに返せる答えは以上のものしかないので、甘んじて至近距離から睨み付けを受ける他ないのだった。 興味のある対象への変な方向にアグレッシブさは、姉妹の中で揃って備わってるのかもしれない。 隣の一花と二乃に助けを求める目線を向けるが我関せず、なんか面白そうだから放っておこうの意地悪い笑みしか返されない。無情也。 「そっぽ向かないで。まだ事情聴取中。ほら立香、ぜんぶ吐けば楽になるよ」 「えぇー……」 ぐいぐいと缶ジュースを頬に押し付けるやわらか尋問。 なし崩し的に集まった九人組のうちの四人が一室に集まった、ささやかな女子会。 そのうち三人、五つ子の三姉妹はそれぞれの近況を体外は知ってるので、必然の流れで部外者の、物珍しい秘密を抱える立香が的にされた。 「カルデ……アだっけ? その立香が行ってた施設って」 「献血に行ったら突然拉致されて北極まで連れてこられた? 完全に犯罪じゃない。訴えれば勝てるわよ絶対」 「安土桃山時代には行ったことないの? 邪馬台国には行ったけど真選組が支配した? なんで?」 「なんでかなぁ……うんほんとになんでだろうな」 先立っての情報交換で、レイシフトと特異点、カルデアとサーヴァント、BBとの関係性について説明はしていたが、三人はそれよりも身近な情報に食いつくものがあったようだ。 「で、色々あってバイトなのに一人で仕事してるってこと。うーん……女優の視点だけど大丈夫なのそこ? 給料ちゃんと出てる? 福利厚生しっかりしてる?」 「バイト……バイトぉ? まあ正式な職員じゃないからそうなのかもしれない……。あ、いちおう給料は入ってるけど、使い道がないから実感ないなぁ」 「しかも何人もの大人にマスター呼ばわりされてるとか……どこの執事喫茶かって感じよね。聞けば聞くほど胡散臭い場所にしか思えないんだけど」 「なにか誤解されてる気がする……ああ昔はよくわからないけど、今は皆いい人たちだよ。 それに主人(マスター)ていったって、単に契約上でそうなってるだけで本当に主なわけじゃないし。 ざっと200人ぐらいいるけどけっこうおっかないのもいてさ───」 「200以上の人にご主人様って呼ばれてるの?」 「あ」 話題がカルデアについてに移ってから、素人目の、客観的な視点でも、明らかに怪しい雇用形態に立香の身の心配をしていた一花達だったが、 途中の言葉に、なにか酷く勘違いな意味を抱いてしまった。 「ヤバイわね……この年で逆ハーレムとか。猛田のことどうこう言えないんじゃないかしら」 「いや違うからね? そもそもちゃんと女の人達もいるし───」 「ちゃんと女の人も?」 「あ゛」 火に 油 だった。 「……わーお、オープンというかなんていうか……ワールドワイドだね。国際的。 うんまあ、いいんじゃないかな? そういうのには寛容なのは。ところでもうちょっと三久から離れてもらってもいい?」 「待って、本人を置いて話を発展させないで。弁明、弁明の時間を下さい! しっかりまるっと誤解が解けるやつだから───!」 「などと言っておりますが、三久は?」 「……じゃあまず、信長と沖田が水着に着替えた理由について」 「ノッブはノリが熱盛になったからで大した理由はないかな。沖田さんは、ユニバース由来のジェットパックを装着して病気が治ったからって」 「ダメ。有罪」 「なぜに!?」 会場からの脱出、BBの撃破、バトルロワイアルの攻略、そのどれにも関わらない小さな枝葉。立香も教える重要性もないと黙っていた部分を、三人はこぞって聞きたがっていた。 それは、クラスメイトがひとり海外に旅行に出た感想を求めるような、程度の軽い会話で。 ひと夏の甘い夜を聞いて色めき立つような、少し下世話な雑談。 「ただ面白そうだから」というだけの、何の意味もない時間の過ごし方。 だから。 この時間はとても楽しかったと、立香は忘れず憶えている。 そして今。 美術館内のレストルーム、備え付けられたソファーで二乃と三玖は寄り添って座っている。 「疲れた」 「まあ疲れるわよね、うん」 その顔は両名憔悴していた。少し仮眠した程度では肩の重さを取り除けない。 殺し合いという環境。妹二人の喪失。長姉のいつもの独断専行。 気の休まらない時はなく、直接害意が襲わずとも鉋で削られる屑のように刻一刻と削られていく。 飛び散る血を吸い、響く叫びを浴びて 息を吸うだけで精力を奪っていく特異な空気を、この場所は孕んでいる。 「あっウォーターサーバーあるじゃん」 体重をかけていた二乃肩が上に上がって、支えを失った上半身が横に倒れるのをすんでのところで堪える。 固いソファの背もたれは痛くなるので避けていたけど、仕方なく背中を預ける。 前を歩いて遠ざかっていく二乃を見て、唇が何かを紡ごうと震える。自分の体重ひとつ支えるのにも不安で、心細かった。 「なによ壊れてるじゃない……こんだけ大がかりな仕掛けしといてケチ臭いわね」 結局何も発する事なく口を閉ざしたのは、情けなさを出すまいとする細やかな意地か。あるいは姉を気遣ってのものか。 自信家で家事が上手く利発な印象が強い二乃だが、その実家族に拘る臆病な面があるのを三玖は知っている。 一花や三玖が緩衝材になったといっても、相当に堪えてるはずだ。何も考えず寄りかかっていい余裕はない。それは、三人の誰もがそうなのだけど。 「うわ……なんでこんなところでもそれ持ってんのよ」 「白銀さんからもらった」 「誰それ」 「どこかの生徒会長。前に会って変な格好の女の子と別れた」 アイスボックスから取り出していた抹茶ソーダを見て、元の位置に座った二乃は露骨に顔を顰めた。 「たくさんあるし、あげよっか」 「いらないわよ。名前だけで胸焼けしそうだわ」 「この炭酸と渋みとの調和がいいのに……もったいない」 一口、二口と、乾いた喉を潤す。抹茶の深い苦味が舌内でシュワシュワと弾ける独特の味わいに、幾分か精神の均衡が戻ってきた。 満足げに頷きながら缶を傾ける三玖を見て、二乃が空の手を前に差し出した。 「ん」 「いらないんじゃないの?」 「いいから」 受け取ったニ本目のプルタブを開けヤケ気味に飲み下す二乃。 吹き出さない程度に何度か喉を鳴らして口を離すと、やはり渋い顔で。 「マッズ、思った通りの味だわ。苦い顔したくなる時には丁度いいわね」 「む……」 空元気でも充填はできたようだ。味の感想は不満なもののとりあえず気を抜ける。 「そういえば」 「ん」 「あの侍みたいな人。沖田さん」 「ほんとの侍みたいよ。やたら口調軽いけど」 「えー……」 「で、その沖田さんがなに?」 「二乃は最初に会ってから一緒にいたって言ってたけど」 「うん」 「フータローから乗り換えた?」 「はったおすわよあんた」 拳こそ出なかったものの、割と本気の怒気だった。 代わりに缶についた水滴を追った指で飛ばして三玖の頬を打つ。 「つめたっなにすんの」 「あんたがあり得ない失言するからよ。フー君ほったらかして浮気なんてするわけないじゃない」 「付き合ってもないくせに浮気とか……」 ここにきて自分が選ばれるのが既定路線みたいな物言い。この謎の自信の出どころは真面目に気になった。 「ていうかあんたはどうなのよ。まさか諦めた?」 「二乃は、諦めないだ。考えられない状況とか、そういうのじゃなく」 「当たり前でしょ。好きなんだもの。それが私の本心なんだから、捨てちゃったらそれこそどうにかなっちゃうわ」 「……二乃のそういう空気読まないところ、凄いよね。尊敬する」 「ほんとに褒めてんのかしら。馬鹿にしてないわよね」 「してない。してないよ」 自分の思いを偽って内にしまい込んでいたままじゃ、叶うなんて夢のまた夢。 自分を捨ててしまえば事故を保てず、生きていく事すらままならない。 意外と中々真理を捉えたような言葉だ。ただの恋愛脳にも聞こえるが。 「それに待つだけ待って、最後は置いてけぼりなんて、いやじゃない。 だから沖田さんにも、城戸さんに炭治郎にだって戻ってきて欲しいわよ」 「……色情魔?」 「どっからそんな言葉出てきたかぜーんぜんわかんないけど、要するに今度こそグーでいっていいのね?」 二度目の定時放送前。 振りかぶる腕を掴んで必至に抵抗する心を和ませる二人のじゃれあいが、何の意味もない泡沫の夢であると思い知らされる。 殺し合いから目を逸らす時間なんて与えないと突きつけられる事になる、数十分前の出来事である。 【C-6/美術館/1日目・昼】 【藤丸立香(女主人公)@Fate/Grand Order】 [状態]:体力消耗、背中に斬り傷(治療済)、令呪三角、カルデア戦闘服装備 [道具]:基本支給品一式、魔術礼装・カルデア@Fate/Grand Order、カルデア戦闘服@Fate/Grand Order、ランダム支給品1~2(確認済み)、ファムのカードデッキ@仮面ライダー龍騎 [思考・状況] 基本方針:殺し合いを止める。いつも通り、出来る限り最善の結末を目指す。 0:美術館で休息。沖田達と合流しつつ北上して資料を集める 1:自分だけでは力不足なので、サーヴァントか頼れそうな人と合流したい 2:三玖達みんなを守る。サーヴァントのみんなのことはどう説明したものかな……!? 3:BBと話がしたい 4:清姫については── [備考] ※参戦時期はノウム・カルデア発足後です。 ※原作通り英霊の影を呼び出して戦わせることが可能ですが、面子などについては後続の書き手さんにお任せします。 ※サーヴァント達が自分の知るカルデアの者だったり協力的な状態ではない可能性を考えています。 ※カルデア礼装は使用すると一定時間のインターバルがあります。 【猛田トシオ@ラブデスター】 [状態]:健康 [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3(確認済み) [思考・状況] 基本方針:優勝商品を手に入れる? 1.藤丸立香は俺に気がある? 2.藤丸立香、い、良い女だ…… 3.ミクニは── [備考] ※死後からの参戦 【中野二乃@五等分の花嫁】 [状態]:健康、精神的ショック [装備]:制服にカーディガン [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2 [思考・状況] 基本方針:好きな人と傍にいたい 1:沖田達と合流しつつ北上して資料を集める 2:PENTAGONはちょっと行きたかった、んだけど…… 3:四葉と五月を殺した相手への怒り。それを上回る四葉と五月への哀しみ。 [備考] ※修学旅行中(少なくとも79話ラスト以降)からの参戦。 【中野三玖@五等分の花嫁】 [状態]:首筋に引っ掻き傷(処置済み)、精神的ショック [道具]:基本支給品一式、四葉のリボン、誓いの羽織@Fate/Grand Order、ランダム支給品0~2(確認済み) [思考・状況] 基本方針:好きな人へ伝えたい 1:沖田達と合流しつつ北上して資料を集める 2:四葉と五月を殺した相手への怒り。それを上回る四葉と五月への哀しみ。 [備考] ※参戦時期は修学旅行中です。 Next ロストルームの紙片(1) Previous 鬼神爆走紅蓮隊・凛 前話 お名前 次話 I Wanna Be... 中野二乃 中野三玖 藤丸立香 猛田トシオ 目次へ戻る
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/530.html
――――― 水上騎馬戦――。 僕の知っている運動会の騎馬戦とは少々異なり、相手チームの額の鉢巻ではなく紅白帽を奪うことが目的だ。 もちろん、落馬することでも失格だ。 馬役を務める男性陣も浮力のおかげで、騎手の体重をそんなに意識することはない。 そのおかげで頭数に加えられた僕が前馬を務めることになっているんだから――。 「どうしてこうなったのかしら……」 「あ、それ僕も思ったよ」 「出場するとは聞いていたけど、まさか舞園さんと敵対するとはね……」 向こう側にいる舞園さんのチーム、アイドルユニットのメンバーがそれぞれ乗馬しているんだから。 『位置について、よーい!』 "パァァン!"と乾いたピストル音の合図と共に各員一斉に動く。 「交戦は控えましょう。まずは左に旋回して。そう……なるべくゆっくり」 「わかった。……っていうか、僕の癖っ毛を操縦レバーか何かと勘違いしてない? 何で握っているの?」 「気のせいよ、気のせい」 スタッフさんを含めた僕ら騎馬役の3人は霧切さんの指示に従う。 一見、戦局を見極める軍師っぷりを見せているように見えるが、実はそうでもない。 スタート前にアシスタントディレクターらしき人が霧切さんに近づき、何かを耳元で囁くようにして去っていったのを目撃したからだ。 ――――― 『今の人、何て?』 『番組プロデューサーさんからの伝言で"適当に逃げて舞園さんのチームに負けてください"……ですって』 『えっ、それって……』 『もとより、私もそのつもりで行く予定よ』 『どうしてさ?』 『ポッと出の代理が勝利を掻っ攫う光景を視聴者が望む? 咬ませ犬らしく負けて舞園さんに華を持たせるのがセオリーじゃない」 『……霧切さんはそれでいいの?』 『えぇ、もちろん』 ――――― そんなこんなで、いつの間にか孤立し最後の一人になっているようなシチュエーションになっていた。 メンバーの娘達が逃がさないように周りを囲み、舞園さんの騎馬隊がジワジワと近づいてくる。 チェックメイトまであと一歩だ。 しかし、舞園さんがここで予想外の行動に出る。 自分の左手の手袋を突然外して、霧切さんの足元にぶつけてくるのだった。 「……舞園さん。あなた、これが何を意味しているのかわかっていてやっているの?」 「もちろんです。霧切さんと一騎打ちをしたくて手袋を投げました」 「ナンセンスね。勝利まであと僅かなのに単騎で挑むなんて」 「やる気のない霧切さんをその気にさせるためです」 「……どういう意味かしら?」 「私、見てしまったんです。霧切さんがスタッフさんと打ち合わせしているところを」 「何のことかしら?」 「とぼけないでください。きっと、適当に逃げて負けてくださいって唆されたんでしょうけど、そんな霧切さんに勝ってもちっとも嬉しくありません」 「舞園さんが勝てばいいっていうシナリオは番組サイドと視聴者の意向に沿っていると思うけど?」 「それはテレビの都合です。だからアイドルの舞園さやかではなく、クラスメイトの舞園さやかとして決闘を申し込むんです」 「……そう。さすがにこの状況では拾えないけど、受諾と受け取ってほしいわ」 「ありがとうございます」 糸を張り詰めるような緊張感がプール全体に浸透した。 僕らと舞園さんの騎馬隊の動きに一挙一動、目が離せなくなった。 「みんな、チキンレースと洒落込みましょう?」 「うん」 「「おぅ!」」 そんな中、霧切さんが僕の癖っ毛を二回右方向に軽く引っ張った。 ――なるほど。ぶつかる直前、右に避けろってことか。 僕と霧切さんにしか分からない合図を確認してから前進する。 「「「うおぉぉぉぉっ!!」」」 「「「はあぁぁぁぁっ!!」」」 両者の騎馬隊が咆哮しながら突撃する。 そして前馬の僕らがぶつかる直前だった。 「今よ!」 「っ!?」 ――って、あらっ!? 右に動けない! どうして!? 困惑する僕を尻目に一人だけ右方向に重心をずらした霧切さんがバランスを崩してしまう。 「そこっ!」 「……っ!」 舞園さんはそのチャンスを逃すはずもなく、左腕を伸ばす。 だがそこは"超高校級の探偵"、バランスを崩しながらも舞園さんの腕を交わして生命線の帽子を守る。 が、舞園さんの腕は帽子ではなく別のものを掴んでいた。 「っ!?」 『あーっと!! ここでお約束の"ポロリ"です! 白チーム、万事休す!!』 そう、舞園さんの左手には霧切さんの水着である黒のトップスが握られていたのだった。 その"ポロリ"の隙を付いて追撃するのかと思いきや、舞園さんの騎馬隊は後退していく。 「大丈夫!? 霧切さ「見ないで!」……あだぁ!」 霧切さんの状態が心配になって後ろを振り返ったら頭を鷲掴みにされて無理矢理正面を向かされた。 例えるなら、グレープフルーツの果汁を絞るような力と捻りで頭を締め付けられている。 咄嗟に見れた光景は左腕で胸の周りをガードして顔を真っ赤にしている霧切さんだった。 「やられたわね、舞園さんに」 苦虫を噛み潰したような霧切さんの声が聞こえる。 きっといつものポーカーフェイスも今は保てず、不快感を顕にしているのだろう。 「ごめん、僕が動けなかったばかりに……」 「謝罪したところで今更水着が戻ってくるわけじゃないでしょう」 「うっ……」 「おそらく動けなかったのは舞園さんの前馬の人が妨害したんでしょうね。足を踏まれたんじゃないかしら?」 「えっ?」 思わず後退している舞園さんの前馬のジュニアアイドルを見る。 僕の視線に気づいたのか、ニヤリと笑みを浮かべる。 とてもお茶の間で見せるようなものとは異なる、陰惨な笑みだった。 僕を格下の相手と嘲るような負の感情がこもっているようなそんな笑みだった。 「片腕が使えない状態でもまだいける、霧切さん?」 「当然じゃない。むしろこれは舞園さんへのハンデよ」 「言うじゃない」 「やられっぱなしじゃ終われないのよ、私。苗木君、あなたもそう思わない?」 身長180cmくらいはあるであろう長身のジュニアアイドルをもう一度見る。 僕の足を踏んで小馬鹿にした相手を睨みつける。 「……そうだね。霧切さん、もう一度突っ込んでいい?」 「また足を踏まれて妨害されるかもしれないわよ?」 「そうかもね。でも、動けないわけじゃない」 「……なるほど。そういうことね」 「えっ、僕の作戦が何かわかったの?」 「当然じゃない、私を誰だと思っているの?」 「ははっ、"超高校級の探偵"だったね。失礼しました」 「……そういうわけでもう一度舞園さんに突進するわ。後は私と前馬の彼で何とかします」 「いいぜ。それにしても若いっていいなぁ……」 「同感。俺も青春時代にこんな娘が近くにいればねぇ……」 何故か後ろ馬のスタッフさん2人はしみじみとするのだった。 どうしてさ!? 「それじゃあ行きましょうか、最後に一花咲かせて潔く散りましょう?」 「「「おうっ!」」」 『両者再び睨み合って……突っ込んだあぁぁっ!!』 「「「うおぉぉぉぉっ!!」」」 「「「はあぁぁぁぁっ!!」」」 先ほどのチキンゲームの再現。 違うところは霧切さんの右手が僕の頭を掴んで離さないことだ。 僕の体を杖代わりに、片腕だけで不安定な重心を支えている。 霧切さんが、僕を頼っているという事実が嬉しくて、さきほどの汚名をすぐにでも返上したいくらいだ。 そして再び二つの騎馬隊が零距離に。 身長差20cmはあろうかという前馬同士の対面もこれで二度目。 左足に重みが掛かる感触も二度目を迎える。 「終わりです!」 舞園さんの左手が霧切さんの帽子を狙う。 霧切さんが僕の頭をプールに押し付けるような勢いで屈む。 僕も釣られるように水面に潜る。 次に僕の足を踏んでいる位置から相手の顔の位置を特定する。 そして―― 「……このぉ!」 「ぐおっ!?」 「……きゃっ!?」 水面から急激に頭を突き出す。 前馬の人の顎を目掛けて。 見事にヒットして、右腕からの二撃目を狙っていた舞園さんもよろめく。 「決めるわ!」 「っ!!」 その隙を見逃すほど、今日の霧切さんは優しくはなかった。 上空へと舞う水飛沫を突き破るように右腕を舞園さんへ伸ばす。 伸ばした先が舞園さんの被っている紅白帽ではなく――。 『おーっと! ここでまさかの"ポロリ返し"だぁ!! 目には目を! 歯には歯を! ビキニにはビキニをぉぉぉぉ!!!』 まさか舞園さんの水着だったとは――。 外道です、まさに外道です! 「……してやったわ」 満足気な声が僕のすぐ後ろから聞こえる。 ――っていうか、近すぎませんか霧切さん? 両肩に一つずつ、均等している圧力が掛かっているんですけどぉ!? 「きっ、きききききりぎぎりさん!? どうしてこんなに密着しているのかなぁ!?」 「仕方ないでしょう? ずっと同じ姿勢でいたから腕が痺れちゃったのよ。……ただの小休止よ」 「むしろ大休止でお願いしま「まだですっ!!」……えぇっ!?」 騎馬隊からの離脱、もとい飛翔しながら舞園さんは襲い掛かってきたのだった。 上空の太陽が舞園さんの身体に遮られ形を変える。 呆気にとられて僕らは動けなかった。 なす術なし。 「きゃっ!」 「うわあぁぁ!」 そして舞園さん渾身のボディプレスを喰らった。 二人の男女の悲鳴が野外プールに木霊した。 僕と霧切さんの悲鳴だった。 続く
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/534.html
――――― 「「はぁ……」」 プールサイドに体育座りする男女が同時に溜め息を吐いた。 僕と霧切さんだった。 先ほど行われた表彰式も終わり、会場の撤収作業が動き出そうとしていた。 僕の場合はやっと終わった、という安堵感から漏れ出た溜め息だ。 一方、隣の霧切さんの場合はと言うと――。 「探偵としてはあるまじき醜態よね……」 自嘲めいた溜め息だった。 「お爺様にどう釈明すればいいかしらね、苗木君……?」 「そんなの僕に聞かれてもわからないよ……」 「そうよね、聞いた私が馬鹿だったわ……」 そう言って顔を伏せ、貝のように閉じこもるのだった。 舞園さんと額をぶつけた拍子で付ける羽目になった冷えピタを隠すように――。 あの騎馬戦は結局、霧切さんも舞園さんも落馬したということで失格処分という結果になり、残るメンバーの生存から舞園さんの紅チームの勝利という形で終わった。 僕も霧切さんも負けたことでお役御免となったけど、着替える気力もなく水着姿のまま肩にバスタオルを掛けてこの状態のまま眺めていたわけだ。 もちろん、霧切さんと舞園さんの脱げた(もとい脱がされた)水着は回収し、二人とも着用している。 「隣、いいですか……?」 「舞園さん……。うん、いいよ」 「失礼しまーす」 そういって僕の左隣に舞園さんが座った。 まず一番気になることを聞いてみることにする。 「それで、結局僕らの騎馬戦ってどうなったの?」 「私と霧切さんのシーンはカットすることにして、それまでに決着がついたように編集してもらえるようです」 「そうなんだ、よかった……。それにしても大丈夫? 霧切さんとおでこぶつけたのに何ともないようにしていたけど」 「はい、平気ですよ。ぶつけたおでこは前髪で隠せましたし」 「本当? 腫れたりしてない? ……って、やっぱり少し赤く腫れてるね」 「ちょ、ちょっと苗木君っ!?」 「収録も終わったことだし僕、スタッフさんから冷えピタもらってくる……ぁ痛っ! 何するのさ、霧切さん!?」 「気安く女性の髪を触る野蛮な苗木君を嗜めていたところよ。舞園さんも気をつけなさい、人畜無害で羊の顔をしている苗木君も腹の中ではケダモノの狼を抱えているんだから」 「誤解を招くような言い方をしないでよ!?」 「以前あなたが教えたことをそっくりそのまま再現しただけじゃない、何がおかしいの?」 「言うタイミングってものに問題があるって言ってるの!」 「フフフッ……。苗木君のような狼さんなら私、襲われちゃっても構わないかも……?」 「えっ!?」 「よしなさい舞園さん。このラッキースケベ、さっきも舞園さんの胸に密着できたことで鼻の下を伸ばしながら気絶したのよ?」 「それは違うよ! 僕が直撃したのは胸をガードしていた腕で、肘が急所の米神にクリーンヒットしたから気絶したんだよ!」 「見苦しい言い訳とはよく言ったものね」 「事実だよ!」 「あ、あの二人とも大声で喧嘩はよした方が「「舞園さんは黙ってて!」」……はい」 舞園さんの仲裁を無視して、眉間に皺を寄せて霧切さんと睨み合う。 でも、そう長くは続かなかった――。 「……不毛ね」 「……同感」 「えっ、えっ?」 10秒も持たず同時に溜め息を吐いて、無益な争いだったと気づいたからだ。 この切り替えの早さには舞園さんも困惑しているようだ。 また冒頭のように体育座りをして二人同時に項垂れるのだった。 「これから二人はどうされるんです?」 「どうって……着替えたら学園に戻るんだけど?」 「よろしければ一緒に帰りませんか? マネージャーさんが車で送迎してくれるんですよ」 「えっ、いいの?」 「はい、一人乗ろうが三人乗ろうが変わりませんし」 「じゃあ、お願いしていいかしら……?」 「では着替えたら1階のロビーで待っていてくださいね」 「あ、舞園さん。借りたアロハシャツって衣装さんに返せばいいんだよね?」 「はい、そうしてください。ささっ、霧切さんも一緒に着替えましょー」 「ちょっと、無理に引っ張らないでよ……!」 舞園さんに腕を引っ張られながら去っていく霧切さんを見送る形で、僕だけが一人プールサイドに残った。 さっきまでの喧騒がまるで嘘のような穏やかさ。 運動会や文化祭が終わった後に感じる寂寥感とどこか似ている。 どこか儚げな光景だけど、目を閉じればその時の情景がありありと浮かぶような。 記録に残らない霧切さんの水着姿――。 写真でもいいから形に残しておけばよかったなぁと、今更ながらもったいない気持ちになる。 「舞園さんに頼んで未編集の映像とかコピーしてくれないかなぁ……」 後でこっそり相談してみることにしよう――。 ――――― 処変わって、希望ヶ峰学園構内。 日曜の夕方ということもあり僕らしか舗道を歩いておらず、寄宿舎までの道のりを三人の影だけが動いていた。 「暑い……。そして遠い……」 「同感ね。車を敷地内にも入れることが出来ればこんな思いはしないで済んだでしょうに」 「だったら霧切さん、学園長に直談判してください。交渉事は得意なんですよね?」 「嫌よ。個人的にあの男に頭を下げるのは願い下げよ」 「そんな殺生な……」 仏頂面を浮かべながらパタパタと持っている扇子で首筋を煽る霧切さんだった。 制服の首筋を結っているリボンを外し、一人人工的な風で涼んでいる。 僕も扇子か団扇でも携帯すべきかと思い悩んでいた矢先のこと、学園内に立地しているコンビニまで到達した。 「ねぇ、寄宿舎に戻る前にコンビニ寄っていい? アイス食べたいんだ」 「アイスを?」 「うん、小さい頃に市民プールで遊んだ後は決まってアイスを買い食いして帰っていた習慣があってね。久しぶりにそれをしたくなったんだ」 「いいですね、それ。霧切さんは?」 「私は別に構わないわ」 そうして僕の提案する寄り道に二人は賛同してコンビニへ入店する。 「うへぇ~、涼しい~」 「こうも過度に冷えると代謝機能に悪影響を及ぼしそうね」 「あ、それわかります。あまり長居はできませんね」 「はーい」 そういって冷凍庫の蓋を開けて商品をガサゴソと物色する。 そして僕はイチゴ味のカキ氷、舞園さんはメロン味のカキ氷、霧切さんは宇治金時をチョイスして会計する。 『ありがとうございましたー』 エアコンの効いたコンビニから自動ドアを潜った先にある外の熱気は重みが倍以上感じてしまう。 だけど、木べらで掬ったカキ氷を口に運べば納涼感を味わえた。 少しだけ大きい氷も舌の上で転がしてから小さくすることで嚥下する。 「うーん。やっぱり夏はアイスだよねぇー」 「そうね、食べている間は暑苦しさを忘れさせてくれるわ」 「ねぇねぇ苗木君、私の舌って緑色ですか?」 そんな中、"べーっ"としながら可愛らしく舌を出す舞園さん。 彼女の舌の表面はメロン味のシロップで緑色に変色していたのだった。 「うん、すっごく緑色だよ。舞園さん」 「でしたら苗木君のイチゴ味も味見していいです?」 「「えっ?」」 一瞬、何を言っているのかわからず頭が真っ白になった。 ――って、何で霧切さんまで驚くのさ!? 霧切さん、いつも僕の食べてる物とか飲んでる物を平気で集ってるよね? 「前から一度、一緒に違う味のカキ氷を食べたらどんな色になるか知りたかったんですよね」 「確かに……カキ氷って一度に二つ食べるものじゃないよね……」 「だから苗木君のイチゴ味をお裾分けして調べてみたいんですよ、協力してくれます?」 「うん、わかったよ。はい、舞園さん、"あーん"して」 「あーん……」 木べらの上に乗せた一口大のカキ氷を舞園さんの口へ運ぶ。 ――何だか母鳥が雛鳥に餌をやっている気分だ。 「うーん、美味しいです。どうです? 緑と赤が混ざってどんな色になってます?」 「一口食べただけじゃわからないよ……」 そんな苦笑を浮かべていた時、9時の方向から何かを突きつけられている気配がして振り向く。 「ねぇ、苗木君……。私の宇治金時を食べたら何色になるか試してみない?」 霧切さんだった。 彼女の持つ木べらの上には僕が舞園さんに味見させたように、小豆・抹茶・カキ氷がバランスよく乗せられていた。 「あ、いいよ。特に変化しないからいらな「さっさと食べなさい、アイスが溶けちゃうわ」……ゲボォ!」 「大丈夫ですか、苗木君!?」 霧切さん、それ食べさせるんじゃなくて喉に捻じ込んでいるだけだから! 抉るように捻じ込まないで! 咽るを通り越して吐きそうだったよ! 「ゲホッ、ゲホッ! あ、あぶなかった……」 「苗木君、ギブアンドテイクの法則に基づいてあなたのイチゴ味を味見したいの。協力してくれるわよね?」 「何を言っているんですか霧切さん。今度は私が苗木君に食べさせる番ですよ!」 「ちょ、ちょっと二人とも? 自分が買ったアイスを食べないと溶けちゃ「「苗木君は黙ってて!」」……すいません」 あれ、さっきも似たようなことがあったような――? このまま二人が言い争ってもいいことはないのが明白だ。 大岡越前もびっくりな仲裁案を出さなきゃ。 「だったらさ、こういうのはどうかな……?」 ――で、たどり着いた結論がこうなった。 「それじゃあいくよ、せーの」 「「「あーん」」」 僕のイチゴが霧切さんの口に、霧切さんの金時が舞園さんの口に、舞園さんのメロンが僕の口に同時に運ばれた。 三すくみの食べさせっこって見るのもやるのも初めてだ。 なんか、すごくシュールな光景だった。 「次は逆回転にして食べましょう。それなら異論はないわね?」 「はい、いっそのこと皆で同じ舌の色になればいいんですし」 「えっ、そういう目的だったの!?」 アイスを食べて涼む目的はどこに行ったのさ――!? さながら、泡沫の夢のように浮き出ては消える夏の出来事だった。 完
https://w.atwiki.jp/songtype/pages/59.html
別名:しの湖 アバやキャラクターが可愛いと評判である。 人当たりもよく、タイピングの腕前も相当なものである。 ロビ4、ロビ5あたりで身内と打つ機会が多いようだ。 【参考】 身長 162cm
https://w.atwiki.jp/wakan-momomikan/pages/4948.html
水呑み│和(陸奥)│鬼部│ http //wakanmomomikan.yu-nagi.com/momomi3/maki-4798.htm
https://w.atwiki.jp/wakan-momomikan/pages/5100.html
潮呑│和(和州)│獣部│ http //wakanmomomikan.yu-nagi.com/momomi3/maki-4951.htm