約 702,558 件
https://w.atwiki.jp/theyarelies/pages/123.html
わからない 何で声をかけてくれるんだろう。 特に何があるわけでもない。 気になってしまう。 その人がどうしてそこまで声をかけてくれるのか。 善意?それには変わりないと思いたい。 厚意?それを示してくれているのかな。 ありがたいけれど、不思議に思ってしまう。 好意?どうなんだろう。分からない。でも親切かな?likeではあるのかも、ありがたいことに。親切。でも、決してloveじゃない気がする。他にそういう人がいるみたいだし。じゃあなんで昼の時間を割いてまで来てくれるんだろう?他にもしたいことがあるだろうに。なんかどうしても申し訳ない、そんな気分。もしその人の思う人に誤解されたら困るだろうに なんでだろう。 何でか昔のことを思い出す。あの時は遊ばれてたな。それででしょうか、こんな失礼極まりないなことを思ってしまうのは。善意の人なのに。でも決め付けはいけないような気もするし…どうお思いですか?でもそれは聞いてはいけない気がする なんででしょう。気になる。 猜疑心の塊でしょうか? いつのまにかこんなことしか思えなくなってしまった? 自分はこんなことしか思えていない? 善意もそれと受け取れない? なりたい自分になんてなれない気がしてきた。 人を信じることもできずに終わる… なんかさびしい人生。自分で言うのもなんだけど、そう思う。もしそれだけで終わるとしたら。でも… それで今日は終わり。 めくる 戻る 目次に戻る
https://w.atwiki.jp/16seiten/pages/1329.html
廃墟と化した街並みの中、爆音を切り裂いて一陣の疾風が駆け抜ける 風は水蒸気の雲を牽き、だがそれすら確認出来ぬ間に行く手を塞ぐ中年男性へと到達する 「ぐあぁぁぁぁぁッッ!!」 「田中ッ!?」 「田中さん、大丈夫か!?」 鎖鎌を構えていた中年が紙屑の如く宙を舞う様に、共に戦列を組んでいた青年と少年は戦慄する 「斎藤さん、今のは……」 「ああ……恐らくは超音速による衝撃波 ……少なく見積もって、奴の攻撃はマッハ3以上」 『然りだ、常命者(モータル) 我が触手は大気を割断し、鋼鉄すら軽々と打ち破る』 鎖を携えた青年の言葉に、先ほどの一撃を放ったものが答える その言葉は人のものに在らず、その姿もまた人とはかけ離れている 風船の如く風に乗る、歪に膨れ上がった半透明の胴体 無数に垂れ下がる触手に、時折走る七色の燐光 その身体は不自然なまでに脱力し、しかしそれが尚の事、不気味さを醸し出している 彼こそその名も高きビーストハザードの闘士、ヘカトンケイル三兄弟が一 地球最強のクラゲ、アイガイオンであった 「くそぉ、こいつら噂以上に強い……」 「うろたえるな、いっけい 焦れば敵の策に嵌るだけだ」 未だあどけなさを残す少年の額を、一筋の汗が流れ落ちる 握り締めた拳すら頼りなく感じ、いっけいは奥歯を固く噛み締めた 本来なら一刻も早く田中の無事を確認したい だが、そう出来ぬ理由があるのだ 『ははは、アイガイオンにばかりかまけて貰っては困るな』 『然り、何故となれば我等ヘカトンケレスは三位一体ゆえ』 田中を欠き、背中合わせとなった二人が相対している敵は三体 天に向けた触手を悪夢のように震わせ、ヤドカリを駆る異形の騎士 即ちヘカトンケレスが一、イソギンチャクのギュエス そして先程から不動のまま、三人を威圧感せしめていた城砦の如き偉容 ヘカトンケレスが一、サンゴのコットスである 「しかしまさか、三人同時攻撃で傷一つ与えられないとはな……」 表情には笑みを浮かべた斎藤だが、内心の焦りは隠しきれない 『フッ、恐らく三兄弟で最も防御に劣る我から各個撃破する算段であったのだろうが 人間らしい姑息な浅知恵であったな』 『我等は地球意思の代行者 故にこの身は星の加護を得ているのだ』 『貴公等、地球に見捨てられし穢れた人間共より、一筋たりとも傷を受ける道理は無い』 言葉と共に一歩、また一歩と包囲が狭められていく 「……くっ、こうなりゃヤケだ! 明楽流血闘術【王ノ朱(キング・クリムゾン)】ッッ」 「止めろ、いっけい!!」 斎藤の制止を押し切り、猛然と駆け出すいっけい 手首の流血より深紅の大剣を練成し、大上段の構えとともに跳躍する (全体重、全霊力を懸けた乾坤一擲 ……これで駄目なら後は無いッ) 「食らえェェェッッ!!」 果たして振り下ろされた剣はサンゴの堅牢な防御に食い込み ――しかし、ほんの数ミリでその威力を殺し尽くされてしまった 「なん……だと……」 「う、嘘だろう……ッ!?」 攻撃を放ったいっけい自身、信じられぬ思いだった 確かに今の一撃は渾身の、かつ会心の一撃であったはずなのだ だが、彼の全力を持ってすら、この相手には僅かな手傷しか負わせられないのである (――いかんッ、避けろいっけい!) 「えっ……?」 ガーベラゲートの内なる声に耳を傾けんとした刹那、 『……よくも、我が自慢の外殻に瑕をつけおったな…… 赦せぬッ、決して赦せるか常命者ゥッッ!!』 膨大な霊力の奔流が叩きつけられる 気がついた時には、いっけいの身体は大地に崩れ落ちていた 「いっけい! 大丈夫かいっけい……なッ!?」 駆け寄った斎藤の表情が瞬時に凍りつく 彼につられて視線を己が腹に向けると、信じがたいものが目に飛び込んできた 「なッ……何だよ、これ……」 思わず手を当てた自身の腹、その感触は硬く、そしてざらついている 『コットスの奥義は対象を貝殻同様に変容させる』 『つまり、貴公の下半身は既に死んだも同然』 『貴様には相応の罰だ、せめて苦しみのた打ち回って死ぬが良い常命者』 コットスの嘲笑と共に、いっけいの意識が朦朧とし始める 下半身という行き場を失った血液が、心臓の圧が、残された上半身で暴走し逆走しているのだ 「おご……、げぇ……ッ」 「いっけい!! ……貴様ら、よくも田中といっけいをッッ!!」 端正な顔を赤黒く染め、血の混じった吐瀉物を吐き散らす同志の姿に、斎藤の怒りが限界を超えた (こうなれば最早、計略も駆け引きもあるか! せめてこの一命に懸け、二人だけでも生かしてやるッッ) 憎悪の霊力が金輪に漆黒の輝きを宿し、鎖が蛇のように鎌首を擡げた 「……だ、駄目だ斎藤さん……! せめて斎藤さんだけは……ゴボッ……に、逃げ延びてくれぇ……ッ!!」 いっけいの文字通り血を吐く様な懇願を背中に、斎藤が致死の疾走へと踏み出す (……畜生ッ、誰か……! お願いだ……誰か斎藤さんを、田中さんを助けてくれぇ……!!) 「……誰かぁ……ッ」 ゴボリ、肺に残った最後の一息が、赤い流れとなって少年の口から零れ落ちた その瞬間、 「うむ、とくと聞きうけたぞ年少者よ!!」 処刑場と化した瓦礫の巷に、男の声が響き渡った 『『『何奴かッ!?』』』 見上げた三兄弟の頭上、崩れかけたビルの屋上に太陽を背負う一つの人影 「今の声って……ゴホ……ッ」 力強い音声が、少年に一片の生命力を分け与え、 「まさか、あの男か……」 隼の如くビルから飛び降りる動きが、青年の一歩を押し止め、 「ぐぇッ!?」 ついでに着地の衝撃が仮死状態の中年を蘇生せしめた 「さて、諸君――」 その身に纏う闘気は清澄、その身に纏う道服は精悍 一切の所作に隙は無く、一切の所作に澱みは無く そう、その姿こそ正に武道の体現、その姿こそ正に仙道の体現 「――この一戦、これよりこの蓮鳳がお引き受け致そう」 彼の名は蓮鳳 十六聖天が裏十二位、気孔師・蓮鳳である 昼のご挨拶 fin
https://w.atwiki.jp/g_hunter/pages/12.html
真昼のファルネーゼ 攻撃力 13,210 属性 光 体力 718,276 タイプ 近距離 防御力 275
https://w.atwiki.jp/foresanc/pages/95.html
とある昼の一時 [#eb6a4054] 「クリーマさんにメッセージのお届けですよぉーっと!」 スパティウムの一角の家に、一つの影が―― キキーーーーッ・・・ ドォン!; ――突っ込んだ。 「ん〜、また壊してしまいましたね。失敗失敗」 「毎度毎度のことですが、どうにかなりませんこと?」 「竜車と馬車と速達は急に止まれないのが信条なもので。」 「相変わらず調子のいいこと・・・。まあ、いいですわ。」 「心が広くて助かりますねぇ。はい、ご伝聞です。」 「ありがとう、確かに受け取りましたわ。」 いつもどおりのやり取り。 いつもどおりの手紙。 「お茶でもどうかしら?」 「あぁ、いいですねぇ。偶にはゆっくりするのも」 いつもどおりじゃない返答。 「あら。珍しいのね、貴方がゆっくりされるなんて。」 「まあ、そういうときもあっていいじゃないですか。」 「そう。なら、少々お待ちになって。」 どっかりとソファーに足を組む。 いつもは見なかった光景。 背中を向けてはいるが、非常に気になる。 「・・・・・・。」 「・・・・・・。」 沈黙が包む。 湯を沸かす火の音と、茶器のこすれる音だけが会話していた。 「・・・あの子は頑張っていますか?」 「えっ?・・・ええ、今日も一人で世話をしていますわ。」 「あの子が来てからもう20年経ちますねぇ」 「そんなに経っていませんわ。私はともかく、貴方もお生まれになっていませんでしょう?」 「あぁ、これは失礼。でも結構経ってますよね?」 「そうね・・・もう、6年くらいかしら・・・」 万物と言葉を交わす少年。 6年前、彼を襲った惨劇。 心も裂かれ、全てを恐れていた少年が、今では大きく変わったのだ。 「・・・貴方と会ったのも、それぐらいの頃だったかしら?」 「あぁ、そういえばそうでしたっけねぇ」 「呆れた・・・竜の群れに突っ込んで襲われていたのは何処の何方だったかしら?」 「さぁ、何方でしたでしょうか?」 「都合のいいこと・・・。まあ、いいわ。」 かちゃかちゃと茶器が音を奏でる。 こういう珍しい日は、いい茶葉を振舞ってもいいかもしれない。
https://w.atwiki.jp/nolnol/pages/412.html
産物系 のみ (のみ)【知行産物】 買値 売値 --文 75文 知行:物資−加工−産物LV1により生産可能 分類 価値 重量 特殊効果 知行産物 ? ? ? 材料 のみ 2 赤目砂鉄 4 煤竹 2 主な用途 名物系 LV2 青砥、珪石 LV4 長石、合砥 LV5 上白金 知行施設改良 LV2→3 鉱山(5)
https://w.atwiki.jp/aoari/pages/9352.html
産物系 のみ (のみ)【知行産物】 買値 売値 --文 75文 知行:物資−加工−産物LV1により生産可能 分類 価値 重量 特殊効果 知行産物 ? ? ? 材料 のみ 2 赤目砂鉄 4 煤竹 2 主な用途 名物系 LV2 青砥、珪石 LV4 長石、合砥 LV5 上白金 知行施設改良 LV2→3 鉱山(5)
https://w.atwiki.jp/darkdeath/pages/654.html
No.2302 奇跡「白昼の客星」 條件:早苗1 屬性:通常 咒力:2 攻擊:0 迎擊:2 命中:4 低速移動(1)
https://w.atwiki.jp/manasisrefrain/pages/53.html
ギミック 光の扉で通れない場所はボス上の出っ張りにロープが掛かっており、そこから降りる (11/18のアプデでロープ壊れています。現在は光の扉を開けられない模様。冒険者おじさんなんでいるのかしらん…。) 中央西側、遺跡の島(釣り場2箇所)に床スイッチあり 採取 普通 ボス 風元素晶核 風元素宝玉 雪白綿花 山岳綿花 ドロップ 昼夜共通 ひび割れた甲羅 カニの脚 堅大な甲羅 青緑甲羅 昼のみ 滑らかな皮 なめし皮 夜のみ アンダルサイト カーネリアン 採集 星月の亜麻 雪白綿花 桜の木 小枝 山岳綿花 鉄鉱石 方鉛鉱 宝箱 鉄鉱石 小枝 困難 ボス 風元素宝玉 雪白綿花 山岳綿花 白金の絹糸 風元素晶核 ドロップ 昼夜共通 カニの脚 堅大な甲羅 ひび割れた甲羅 浅海ガニのカニみそ 昼のみ なめし皮 夜のみ アンダルサイト 採集 雪白綿花 鉄鉱石 方鉛鉱 小枝 山岳綿花 宝箱 鉄鉱石 桜の木 方鉛鉱 小枝 挑戦 ボス ドロップ 採集 桃花源木 雪白綿花 宝箱 魚釣り ※「どのエサで釣れるのか」「昼夜どちらで釣れるのか」を知りたい場合は魚釣りを参考にしてください 場所1 黒貝、ソードテール、スナワニガメ、ブラッディパロット、砂漠スズキ、ハート貝、ラブフィッシュ 場所2 黒貝、ソードテール、ブラッディパロット、ラブフィッシュ 場所3 黒貝、ソードテール、紺碧ヒトデ、スナワニガメ、ブラッディパロット、デザートハンター、砂漠スズキ、ラブフィッシュ 場所4 黒貝、ソードテール、スナワニガメ、ブラッディパロット、デザートハンター、砂漠スズキ、ラブフィッシュ モンスター 昼 デザートハーピー×26 砂漠ヤドカリ×17 夜 土エレメント×26 砂漠ヤドカリ×17 ボス 暴れサボテン×1
https://w.atwiki.jp/karimura/pages/23.html
終日おk=○ 昼のみおk=昼 夜のみおk=夜 終日NG=× テーブルは 縦棒で くぎります
https://w.atwiki.jp/wixi/pages/159.html
ここは常春の緑で知られる涙断(なみだち)草原。 どんなに悲しい涙も、この広い広い緑の美しさに泣くのをやめて見惚れるという由来から付けられた名だ。 彼らはそこでキャンプをしていた。 魔王城を目指す勇者一行、そのメンバーは珍妙奇天烈。 勇者が二人に半龍人。さらには魔王という混沌ぶりだ。 もともと二つのパーティがひとつになった形で、テントも二つ並んでいる。 そして、そのうちのひとつ。 勇者ジョン・ディ率いる賢者の石組は――――――作戦会議をしていた。 力量に勝る相手に正面から突っ込んでも勝機は薄い。というか、無い。 ならばどうするのか。簡単だ。戦わなければいい。 そう、肝心なことは『戦わないこと』なのだ。何せ向こうはこっちより強いのだから、戦いになってしまったら勝てっこない。 戦わなければ勝つことはできないと憤る彼女をなだめすかして大人しくさせて、続ける。 『戦わない』とは、何も尻尾を丸めて大人しくしていろという意味ではない。一方的に攻撃できる手段を取れ、ということなのだ。 あらゆる武器も、武具も格闘技術も兵法も、結局のところはそこに焦点を置かれているといっても過言ではない。 つまり―――それこそが勝利への道を掴むということ。 彼女が挑むは、最強の剣士。 だがどれほど強い剣士であろうと、剣士である以上攻撃の届かない場所や距離は簡単に想像がつく。 ようは間合いの外から攻撃すればいいのだ。 平面の戦いでは駄目だろう。相手は身の丈ほどの大剣を持ち、なお目で捉えられないほどの速度で動くことができるのだから。 どんなに遠く離れていようと、まばたきする間に接近されてそれまでだ。 彼女は、接近戦ではとても彼には敵わない。 ……殴られようが噛み付かれようが涙目で睨まれようが、そこは認めてくれないと困る。 だが、考えてみて欲しい。 もし―――空中なら? 空高く飛び、そこから攻撃すればどうだろうか。 彼は一切の魔法は使えないという。 魔法使いなら地上からでも氷弾や火球を放ち狙撃されることもあろうが、 剣を振るうしか能のない剣士相手ならまさに一方的な戦いとなる。 勿論、灼炎龍ですら致命傷を与えられなかった彼だから、その強靭な肉体の前に有効な攻撃手段を持たない彼女が彼を倒すことは難しいだろう。 実戦と同じ、命のやりとりなら。 しかし、試合形式なら話は別だ。 例えばお互いの頭や首、実戦なら致命傷となる急所にアクセサリーをつけて、それを壊されたら負け、とか。 それなら彼がどれほど頑丈だろうが関係ない。一方的に攻撃できる彼女の勝利は揺るがない。 彼は仮にも勇者だ。 それに朴訥で生真面目な性格とは言え、今まで数々の魔獣を倒し魔王すら従えて、多少たりとも自尊心が芽生えないはずがない。 それを、元・火龍だろうが実戦でなかろうが、少女に負けたとなればどう思うだろうか? 少なくとも、言い訳くらいは聞いて――― 「―――みたくはないですか?」 「―――みたいですね」 リオルとジョンは顔を突き合わせてグッと腕を組みあった。 で。 「ふはははははッ!!ダメ勇者ヒロトよ、ここで会ったが百年目。私必殺・火龍天比翼(デラ・フューウ)の前に手も足も出まい!! SO!私は独りで戦っているに非ず!ジョンの作戦、リオルの力!二人で掴め勝鬨(かちどき)の声!!」 美しい大草原―――波立つ涙断草原を、 いや静かな眼を見上げてくる勇者ヒロトを逆に空中から見下ろして、リオルは高笑いしていた。 必殺と言ってもリオルがやったのは龍化して飛んだだけだが。 まだ試合開始してから、双方相手に攻撃は繰り出していない。 ヒロトもリオルの自信に何か秘策があると悟ったのか、街ではついぞ抜かなかったその大剣を抜き払っているが、それだけだ。 本番は、ここから。 そしてリオルの口上が終わり、いよいよ一方的な戦いが幕を開けた。 「新必殺ッ!!火龍焔華吼(デラ・センリィン)!!!!!」 「!!」 リオルが放ったのは、たった一発の火球。 火龍烈火吼(デラ・バーン)のように直線状の全てを焼き尽くすような炎の柱ではない。見た目もただの火球魔法と同じだし、 実際威力にしても、ヒロト相手にどれほどダメージを与えられるものか。 だが………今、試合中、狙うのはヒロトではない。 ヒロトの胸、心臓の位置に留められた魔よけのバッヂである。 それを壊せば、この試合はリオルの勝利なのだ。 リオルが放ったのは、この試合のために編み出した新技である。 ヒロトのことだ、生半可な攻撃では避けもしない。ただ弾かれておしまいだろう。 なら、それを逆手に取ってはどうか。 そう、例えば、着弾と共に―――――― (広範囲に拡散し、それぞれ爆発を起こして辺り一帯を襲う……。 これなら、いくらヒロトさんとといえども避けきれるものではない………ッ!!) ジョンはすでに小さくガッツポーズをしていた。 なるべく早く、一撃で。 それはリオル自身の魔力を無駄使いを防ぐことであり、 何より最強の勇者のプライドをへし折ってやるのに効果的な勝ち方なのだ。 ヒロトは思ったとおり避けようとしていない。 剣を下げ、昇り龍のように上空のリオルを見据えている。 「え?」 呟いたのは、ジョンとリオルの両方か。 ―――なんで目の前に迫る火球を見ていないのだ、この男は? 踏み込んだ足は地に穿たれた楔。呪文より早く確かな、大地との契約。 沈んだ腰は発射台。初めから跳ね上がっている投石器(カタパルト)に、巨岩を投げることが叶うものか。 黒い瞳は炎を見ない。龍人の少女を、その首に巻かれた炎蛇の首輪を、その先に広がる天空を映す。 しなやかだが筋肉で固められた両の腕に魔力の奔流が奔り、 振り上げられる“豪剣”は神速で空気を、風を、嵐を巻き起こし、さらにそれを斬り裂いて―――――― 「覇ぁぁああぁぁああああああッッッ!!!!!!」 ――――――まずはじめに襲ってきたのは突風だった。 気を抜くと全身が引き千切られそうになるほどの暴風に、リオルは体勢を整えようと必死にもがく。 そんな彼女のすぐ隣。 首筋に薄皮一枚隔てた距離を、 とてつもない“斬撃”がかすめていった。 吹き飛ばされて上も下もわからない視界の中で、切り裂かれて空中を舞うチョーカーと、割れた雲が見えた。 地面に叩きつけられ、暗幕に沈む意識が最後に認識したのは敗北したこと―――。 一撃で、最短で。 勝負は決したのだ。 決闘の終了を告げるゴングの代わりか。 真っ二つになった新必殺技が、その機能通りのド派手な爆発を起こしていた。 「んむ。何やら面白いことをしているな。くふぁ」 「……魔王さん。もう昼ですよ」 テントからやっと起きてきたリューが目をしょぼしょぼさせながら大きな欠伸をする。 「魔王とは呼ぶなと言うたはずだが?ま、どう呼ぼうがかまわんがな。 それに魔力の回復には睡眠が一番なのだ。で、何をやっている?」 「決闘……というか、試合ですよ。お互いにアイテムを身につけて、それを壊せたら勝ちっていう。 でもさっきリオルが負けちゃいましたよ。空飛んでたんですけど、一撃で」 きゅ~~、と目を回しているリオルをおぶって、ヒロトが歩いてくるのが見える。 それにしても剣を振ってあんな風を起こすなんて、魔法は使えなかったんじゃないのか、あの人は。 「使えんぞ。だがヒロトは剣圧によって衝撃波を出せるからな。貴様が見たのは“豪剣”の派生技よ。 まあ、この我の魔法障壁を砕くのだから大気くらい易々と斬ってのけるだろうさ」 ……本当に人間ですかあの人。 「………ふん。だいたい、空を飛んだだけで勝てる相手ならこの我が負けるはずなかろう。 ヤツはこと戦闘に関してのみでは歴代勇者でも最強だろうしな」 「……まぁ、そうかも知れませんね。まっすぐすぎて政治方面には向かなそうですけど」 「同感だ。だいたい、最前線で戦いたがる王など王ではない。王とは特に何もせぬのが一番なのだ」 ………それはお昼まで寝てた言い訳ですか? とは思っても言えないジョンであった。言ったら最後視界が暗転して、目を覚ますのが明後日辺りになりそうな気がする。 と、ふと違和感を覚えてジョンは何気なく尋ねてみた。 「我が負けるはず………ってリューさん、わざと負けたんじゃないんですか?」 「ぬ?何故我がそんなことをせねばならん。魔王の名に懸けて、あの決闘を手心で穢したりはせぬ」 「だって、リューさんヒロトさんのこと好きじゃないですか」 ………………………。 斬られた雲が千切れて流れ、新しい二つの雲になっていった。 風がそよそよと草原を揺らす。 ぽかぽかそよそよ。 足元ではバッタが静かに草を食んでいる。 ………………………………………………………………。 「ば、バババババババばばばばばばばばばばばばばばばばば!!!! 馬鹿を申すにゃッッッッ!!!!!!!!きさ、ききさささきさききっきさ貴様にゃ、あにゃにゃにゃ何を、 よま、まよよマヨ、世迷言を!!!!!」 わたわたと空中を引っ掻き、ぷるぷると首を振った後草を千切っては投げ千切っては投げ。 顔は熟れたトマトよりなお赤い。 ぷしぅうううう、と狼煙のような湯気を立ち上げ、リューはおそるおそるといった感じにジョンを見上げる。 「……………………………………………………………………………何故知っておる」 「すいません、それ、本気で言ってます?見てれば誰だってわかりますよ。口で言わなくったって、 口より多くモノを語るものもあるってことです」 「………………………ヒロトも知っているのか」 「いえ、あの人とはそういう話をしたことがないので」 「………気付いておらんだろうな。あの超弩級阿呆は」 「でしょうねぇ」 こちらに向かって歩いてくる影に目をやると、 何やらリオルの意識が戻って、またヒロトに襲い掛かっているようだった。 例によって剣は使わず、格闘でいいようにあしらわれているようだ。 「告白、しないんですか?」 「まさか。そんなことはせんよ」 「何故」 振り回される爪を受け流し、足払いで重心を崩して放り投げる。 躱し、伸びきった腕を掴んでまた放り投げる。 その顔は静かで、まるでこの草原を波立たせるそよ風のよう。 「ヤツは阿呆なんだよ。ひとつのことにしか集中はできん単細胞だ。 最近の戦い方を見てもわかる。 “豪剣”はヤツの生き方そのものだった。 ひとつのことしかできぬのならば、せめて全力を尽くす…そういうことらしい。 だがこの間少し失敗したらしくてな。それで、受け流す戦いなんてものを模索しているのさ。 ………流石に届かぬ相手にはまだ方法が見つからぬらしいがな。 そんな馬鹿者に、我の気持ちを伝えてなんとする?無駄に混乱させるだけさ。 ヤツが求めているのは魔王としての我だ。女としての我ではない………」 「リューさん」 「何、さっさと世界を変えればヤツもすることがなくなって、我の魅力に気付くだろうよ。 それまではせめて魔王としてヤツの傍にいながら、女を磨いているとするさ」 リオルは焦れて炎を使い始めたようだった。魔力消費が体術の比ではないというのに、仕方の無いことだ。 ヒロトも生身では捌けないと悟ったか、剣で次々と炎球を斬り刻んでいく。 彼なら簡単に避けられるだろうに、流れ弾で草原に穴が開かないようにとの配慮だろうか。 「………ちっちゃな女の子の姿で言われると違和感しかないですけどね」 「うるさいな。この恰好だって、己の“女”を抑えるための我なりの工夫なのだぞ」 「そうだったんですか?」 「うむ。魔力そのものは八割方回復しておる。まだしばらくはこの姿でいる予定だがな」 「子供の姿で女を磨いて、大変ですね。じゃあ、今日のお昼ご飯作るの手伝ってもらいましょうか」 途端にジャコウアゲハの幼虫を噛み潰したような顔をするリュー。 くすくすと笑いながら、ジョンはキャンプする時に作った簡単な竈に向かう。 「大丈夫ですって。何も爆発したりなんかしませんから」 「いやその、我は―――」 遠くの方で、でらばーん、とか女の子が叫んだ気がした。 うらうらうららか、さわやかな初夏の涙断草原。 双塔の爆風でたんぽぽが綿毛を飛ばす、そんな昼下がりであった。 お昼の決闘~新ジャンル「たんぽぽ」英雄外伝~ 完