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【種別】 高校 【読み方】 しょうせいがくいん 【所在県】 埼玉県 【登場作品】 マウンド 【初出】 六十三話 【解説】 会田高校の夏の県大会初戦の相手。 エース鮫田大智擁する新興勢力で、創部4年目にして県ベスト4に輝く。 しかし、秋の大会では鮫田が登板せず予選負けしている。 【元ネタ】 特に無し 【生徒】 鮫田大智 山嵜賢人 大塚正也 小川京一 斉藤順 江川元彦 黒岩憲史 小山鉄哉 松淵修
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14 古新戦 混合 神奈川大 中央大A 横国大A 北里大学 法政大C 青山学院 2−3 2−3 2−3 0−5 4−0 1−3 勝敗 ● ● ● ● ○ ● オーダー表 14 古新戦 神奈川大 早稲田A 理科大B 立教大学 幹事 早稲田C 横国青山 4−0 2−3 1−3 4−1 2−3 1−4 勝敗 ○ ● ● ○ ● ● オーダー表
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メンバーが作成したSSを格納するページです。随時更新予定。 【幕間 悪魔の入学式】 【幕間 罪の咎は満ち足りたり(前編)】 【幕間 個人レッスンⅠ】 道筋 【幕間 英雄の慟哭】 【幕間】おいでよヴィルヘニア魔道学院 【幕間 ソドムの罪】 【幕間 ノーチェスの罪】 【幕間 悪魔の入学式】 【幕間 悪魔の入学式】 ヴァン・ハティという男は真面目であった。前日に魔導街に泊まった時、いつもよりも3時間ほど早く入眠した。それに加え、使い魔のミミルにきちんと時間通りに起こしてくれるように頼んだ。 当日。目覚めたヴァンは、式典の間だけと、エドアルドに念押しされて窮屈なベストを着込み、ヴィルヘニアの生徒として相応しい格好で式典に望んだ。 事前準備も完璧だったヴァンは、すんなりと指定された席に予定時間の10分前に座ることが出来た。 「..........................................」 5分後。彼の胃に異変が起こる。原因は幾つか思い当たる。 前日にヨシュアと同じ部屋だったら外で寝た方がマシと氷の風を吹かせて一悶着した事、 結局同じ部屋に泊まることになり、一生修学旅行気分で話しかけてくるヨシュアの相手をしていたこと、 朝起きたら隣のベッドで寝ていたはずのヨシュアが何故か自分の布団に潜り込んで毛布を全部ひっぺがしていたこと。 そして当の本人は十中八九寝坊していること。色々あるが、1番の理由は過度の緊張であろう。兎に角、怒りと、腹痛を堪えながらなんとか耐え忍ぶことにした。そこまで長いとは聞いていないし、大丈夫だろう。 入学式が始まり、遅刻してきたヨシュアが此方を見ると、凄く嬉しそうな笑顔を向けてきたこと以外は、特にこれといった事件は起こらなかった。 「続いては、来賓の方々から、新入生への祝いの言葉を賜ります。まずは、イーグァス大陸魔導連合より、会長の━━━━━━━━」 プログラムによると、来賓の挨拶の後に、在校生、教師陣による祝砲があり、入学式は終了するらしい。これを耐えればこの地獄から開放される。 「━━━━以上。魔術総合管理委員会、委員長。へターニア・ヴィルベッド・カノン」 「............(めっっっっっっちゃ長かった......)」 新入生達からしてみればどこの馬の骨とも知らぬ者達の、面白くもない話をたっぷり1時間半聞かされ、既に精神力は0に近かった。 加えてそろそろ胃も限界が近い。しかし、あと数分、数分でいいのだ、と、気を強くもったヴァンは、あまり刺激を与えないように背筋を伸ばす。と、 「むにゃむにゃ......ヴァン............それは食べ物じゃねぇぞ............」 どさり、肩になにかがのしかかってくる感覚があった。そう、1人目が話し出してから5分と持たずに熟睡していたヨシュアが、あろうことが自分の身体を枕にしていたのだ。 「..................」 極限の怒りと、羞恥心、襲い来る腹痛。それらを天秤に乗せて、ヴァンが選んだ答えは━━━━ 「すみません......具合が悪いので...........外に行ってもいいですか............」 ヨシュアの頭を思い切り殴り付けてから、近くにいた教員に泣く泣くそう、話しかけることだった。 Written by お触りマン 上へ 【幕間 罪の咎は満ち足りたり(前編)】 【幕間 罪の咎は満ち足りたり(前編)】 この世には決して覆せない事象がある。この世には決して辿り得ない場所がある。"才能の坩堝"。有り得ざる力。例えば、六道を見渡す眼。例えば、神の溺愛を受けた身体。例えば、罪の咎を克服した魂。他者と比べて、特別な能力を授けられた者達。神代に至る、奇蹟の鍵。 輪廻転生とは、即ち、魂の浄化である。その存在が犯した業を来世で精算する行い。業は、運命となってその者に降り注ぐ。その運命を巡る旅路を、人は人生と呼び、それを繰り返すことで人の魂は真に赦されるのだ。 罪を精算し、魂の巡礼を終わらせた者は、原初の魂、なんの穢れもない、あるがままの姿に戻る。これを"先祖返り"と呼び、先祖返りが他の者と比べてスペックが高いのは、業を精算したことによるアドバンテージがあるからである。 しかし、この世界には、運命を超克することにより、原初の魂に回帰する者がいる。即ち、運命という業に囚われず、あるがまま、真に己の為に生きることができる者。それは罪の精算を終わらせずに、魂を浄化するに至ったに等しい。まさに神をも恐れぬ大偉業。凡百の枷を乗り越え、己が運命に仇なす者。その男の名は━━━━━━ 時は神代に遡る。黄昏の英雄、ヴィルヘン率いる勇士達が、4つ目の厄災を下した頃。ノーチェ領の僻地。人も魔も寄り付かぬ死の土地に佇む豪邸。原初の呪い。虚無を宇宙に見出し、神を呪った三使徒の一家。ウェイトリー家の屋敷から、運命は始まる。 [某刻 ウェイトリー家 地下実験場にて] 「遂に、遂に、完成したぞ......!!!ふふふふ、ふは、ふははははは!!!」 「......どうされたのですか、父上」 薄暗い地下。外道、極悪。ありとあらゆる人の業を煮詰めたような痕跡が、色濃く残る場所で、狂気に身を窶してもなお、その両眼に意思の炎を灯した初老の男が、派手な笑い声を上げる。その様子を半ば呆れたように見ていた傍らの男━━━━金の瞳に、新緑の髪を持ち、不健康そうな顔色をしている━━━━は、気だるげに尋ねる。 「ウォーデン。お前も見ていただろう?これがあれば、"我が神"を降臨させることが出来るぞ!!」 「......しかし、父上。それではノーチェ神の怒りを買います。それに、現時点ではまともに扱える者がおりません」 ウォーデンと呼ばれた男は、言っても無駄なことを理解した面持ちで、気だるげに進言した。それを聞いた初老の男は、手に持っていた魔導書を掲げ、高らかに笑う。 「何を言う。他の者などにやらせるか。この大偉業は、ボル・ウェイトリーただ1人のもの。しかし、この術式が完遂した暁には、ウェイトリー家の跡取りとなるお前にも、継承せねばならんな」 「......光栄の極み。このウォーデン、父上とウェイトリー家の繁栄のために、全てを捧げる所存であります」 戯言のように唄う男━━━━ボル・ウェイトリーに対し、ウォーデンは対話を諦め頭を垂れる。何の因果か、この男は、父というものに、永遠に恵まれないのだろう。 「決行は明日の深夜。儂は暫し工房に籠る。お前はあの女......確か名前は......」 「......オディール、でございます、父上」 「あぁ、確か、そんな名だったかの。まぁあの出来損ないにも使い道がある。今日は食事を取らせるな。表にも決して出してはならぬ。分かるな?ウォーデン」 「............承知しました。ですが明日は凶星が出ると、僕従の天文士から......」 ウォーデンのその言葉を聞いたボルは、その笑みに、より一層の狂気を浮かべた。 「だからこそ、だ。"アレ"の力が弱まり、我が神の側面が最も強く出る刻こそ、儀式に相応しい。......わかったならもう行け。お前に閑暇を楽しむ権利などないのだからな」 まるで犬猫でも追い払うかのように、そう告げたボルはウォーデンに背を向けて作業に熱中し始めた。その背中を見て、溜息を吐くことすら億劫になったウォーデンは実験室を後にした。 ━━━━━━━━ [オディールとの会話の後] 「......父上の術式では、オディールの命が失われる。ウェイトリー家の秘奥。代償を差し出すことにより深淵に触れる奇跡。あれは不完全なものだ。やはり、俺がやるしか......」 この男は、自身の妹の身を案じてなどいない。ウォーデンが気にしていたのは、対価が奇跡の規模と釣り合っていないという点だ。オディールは特別だ。だが、彼女の魂だけでは叶えられないもの。それを無理やり帳尻合わせて術式を組上げているのだから、行えば、無意味に使徒の魂が消費されることになる。そんな事、ウォーデンが見過ごせるはずがなかった。 「......なに。簡単な事だ。要はあの女を生贄にするのではなく、別のものを代償に設定すれば良い。......ろくに奇跡も使えない、無能な人民が幾ら減ったところで、俺の損失にはならないからな。くっくっ......そうだ。どうせならあのイカレオヤジも勘定に入れてやろう。............しかし、あの規模の術式に割り込むには相当な労力が必要だな......どうしたものか」 そんな事を考えながら1人、夜の町を歩いていると、気がつけば、孤児院の前まで辿り着い てしまった。ここは、種族間の争いで肉親を無くした身寄りのない子供たちが集められた拠り所だ。孤児院の設立にあたっては、ウェイトリー家も出資しており、オディールもよくここに来ては子供たちの面倒を見ている。 「......孤児院か。全く、母上も何を考えているのだか。オディールが"あのように"産まれてきてからは、気が触れたように、うわごとを繰り返す人形になったかと思えば、いきなり慈善事業に家の金をつぎ込み出すのだから。あの父上も母上の言うことには何も口を出さない。..........いや待てよ......これは............」 不満げな顔で愚痴を漏らしていたウォーデンは、ふと、孤児院の壁に取り付けられた窓ガラスに目を向ける。そこにはまだあどけない顔をして眠る数十人の子供たちが見えた。 「............なるほど。母上は実にいい仕事をしてくれた。くくくっ......神など信奉するものでは無いと思っていたが......今回ばかりは、運命とやらに感謝せねばならないな」 月を仰ぎ、戯言のように呟けば、声を押し殺し、嗤う。男の名は、ウォーデン。ウォーデン・ウェイトリー。呪いの使徒、虚ろなる奇跡の一族にして、自らの罪を生きながらに超克したもの。運命の簒奪者。彼の特異性は、己の咎を、他者に、来世に押し付けることにより、今代において罪なき魂へと至ったこと。 「全て。全て。人の業も、罪も、俺を縛ることは出来ない。では、聖戦を始めるとするか」 又の名を"穢れなきウォーデン"。原初の回帰者である。 Written by お触りマン 上へ 【幕間 個人レッスンⅠ】 【幕間 個人レッスンⅠ】 ヴィルへニア魔導学院。グラウンド。土埃を巻き上げて、実戦形式の"指導"を行っている男が1人。男は空を踏みつけて加速しているような挙動で、赤髪の生徒に容赦ない拳を浴びせていた。 「ぐぁっ!?」 「ガードが甘い!」 正面に飛んできた拳を腕をクロスに組んで受け止めた男子生徒━━━ヴィクトリアは、その指摘のとおり、そのまま腕ごと後方に弾き飛ばされる。 「くっそう............反則ではないのか......!」 「あん?これでも加減してやってんだよ。見てから反応してたんじゃ間に合うわけねぇだろ。頭使え。次にどういう動きをするのか予測しろ」 たん、と華麗な着地を決めた教師━━ジウ・ネは、首を片手で抑えて捻りつつ、悪態をつくヴィクトリアに向かって吐き捨てる。 「それが出来たらこんなに苦労していないだろう......!」 「なら、できるまで努力しろ。"お前も"魔力にまだ頼りすぎてる。自分の五感を研ぎ澄ませ」 王族の膨大な魔力の暴力をもってすれば、知覚能力を大幅に上げることはできる。実際、今も使っているのだが、だからこそそこに隙が生まれる。見えるが故に、追ってしまう。それに頼り、見えているから大丈夫という慢心が、甘えを生む。貴族や王族にありがちな、当たり前の景色の穴を突いてくるのだ、ジウという男は。 「むぅ......くそ......我もジウと同じくらい速く動ければ......!」 「なんか言ったか?ほら立て。もう一本だ。へばってんじゃねぇぞ」 そう言いながら距離をとるジウの背中を忌々しげに見つめ、立ち上がると構え直すヴィクトリア。規定の位置に戻ったジウが突っ込んでくるのを合図に、防護魔法で身体を強化。知覚能力を底上げする。 「やはり速い......!!何故だ、なぜあそこまでの機動力が............」 宙を縦横無尽に飛び回るジウに目をぐるぐるさせながら視線を合わせる。流れるような動きは、まるで重力を感じさせない。それでいて、加速は不規則。いつ飛んできてもおかしくないという確信がある。 「......なんだ......?あれは飛行魔法............いや............"繋ぎ目"が全くない......!!」 ヴィクトリアの言う、繋ぎ目とは、飛行魔法を断続的に使っているであろう、ジウの挙動に本来はあるべき、隙、のようなものだ。一瞬空中で制止し、重力の影響を受けて落下しそうになったところに、もう一度飛行魔法を使う。ヴィクトリアの仮説は正しかった。 だが問題は、空中での制止時間が見当たらないというところだ。一度も止まらずに、断続的に飛行魔法を使い続ける。方法として考えられるのは、飛行魔法のブーストが切れかける直前にタイミングよく次の飛行魔法を使うことと、もう1つ。 「まさか......切り替えているのか......!?あの一瞬で......!?」 飛行魔法のブーストが切れる直前、それまで断続的に使用していたものを、持続的な使い方に切替える。これなら理論上は空中で滑らかな挙動をすることが可能である。音ゲーで例えるなら、乱打ノーツの最後の1つを、長押しノーツにほんの少しだけ切り替えている、ようなものである。 説明するのは簡単だが、これは片手で針の穴に糸を通すような所業である。それに加え、空中という自由な動きが制限される場で、何度もそれを繰り返している。なんの意図があってその技術を極めたのか、王族である彼には分からない。だけど現に、その謎技術の前に苦しめられているのは事実である。 「おらっ!ぼーっとすんな!」 「......っ!!!」 その結論に至った瞬間か、頭上からジウの声が聞こえたと思えば、強烈な蹴りを叩き込まれる。ジウは一撃を加えたと見るに、ヴィクトリアが反撃する前に再び空中に戻ってしまった。 「くそ......!理屈がわかってもどうしようもないぞ!!我ではあそこに届かない......!」 そう。技の理屈を理解出来ても、本題はもっと別のところにある。つまり、どうやってあの初期のリオレウスのような男を撃ち落とすか、という点である。 「考えろ......!我の強みはなんだ............偉大なる先祖から貰った魔力量......?だが身体強化ではあそこまで跳べない......跳べたとしてもその後がない!」 「気ぃ抜くんじゃねぇ!」 思考を続けるヴィクトリアの背に、ジウの強烈な一撃が加えられる。思わず、頭が真っ白に成りかけるが、何とか気合いで堪えたヴィクトリアは、朦朧とする視界の中にそれでもジウを捉え続けた。 「アイツ......!!ええい!!もうどうにでもなれぇぇぇ!!!」 頭に血が登ったヴィクトリアは、全ての考えをかなぐり捨て、最大強化をもって宙に飛び上がる。それを予測していただろう、ジウは少し身を翻してそれを避けようとし、 「......あ?」 思わず間抜けな声を出した。なぜなら、そのまま落ちていくであろうヴィクトリアの身体が、ジウに向かって弾丸のように飛んできたからである。 「おい!何やってんだ!!」 そのままもつれ合うようにして2人の体は地に叩きつけられる。ジウの方はすぐに体制を建て直し、油断ならない目つきでヴィクトリアを睨みつける。ヴィクトリアは徐に立ち上がると、砂だらけの顔で、にやりと、口角を上げた。 「ふふふふ......ふはははは!驚いたかジウ!俺の待つ超魔力で身体強化し、跳躍した後、爆炎魔法を"後ろ"に放って加速したのだ!!」 それは咄嗟に出たもの、ヴィクトリアの意地の産物ではあったが、ジウを驚愕させるくらいの効力はあったらしいことに、満足気に笑うヴィクトリア。さらに、全身に力を込めたヴィクトリアは、上体を前に倒れ込むような格好の奇妙な構えをとる。 「だがさっきのでコツを掴めたぞ!そして欠陥もわかった!つまり、さっきの動作を、"同時"に行えばいいのだ!!」 「あ?何言ってやがる......」 つまり、瞬間的に超強化した脚力に、爆炎魔法による爆風を加える。その速度は、 「いくぞ新技、【紅焔加速(レッドアクセル)】!!!!!」 「な━━━━」 ジウの反応速度を越えた 「ぐぁっ!??」 「はわっ!!??」 その筈、なのだが。付け焼き刃の技術。制御が出来ずにヴィクトリアの身体は全速力でジウの横をすり抜けていき、 壁に、激突した ━━━━━━━━━━━━ 「ったく......バカなことばっか考えやがって......」 医務室にて、ベッドに寝かせられたヴィクトリアを、呆れた目で見つめるジウは、今はぐっすりと眠っているヴィクトリアに、ため息混じりにそんな言葉を吐いた。 「じゃ、俺はこれで。バカが世話になります」 医務室の教師に礼を言って、医務室を出ていくジウ。安静にしていれば大丈夫だということで、バカは頑丈だな、ともう一度呆れながら。 「こんにちは師匠。弟が迷惑をかけたみたいで、申し訳ないです」 「......レオルロードか。その呼び方は止めろって言ってるよな。お前に言われると嫌味に聞こえんだよ」 医務室を出て、廊下を進む彼に、爽やかに話しかける者がいた。炎の獅子を傍らに連れている男の名はレオルロード・ソレイユ・オスト。オスト家の王位継承権第1位であり、歴代の当主候補の中で、最も優秀だと噂される男。あのバカ、ヴィクトリアの次兄でもある。 「それはすみません。それで......弟は無事ですか?」 「あぁ、手に負えねぇほどのバカだが......身体は頑丈らしい」 「それは......ふふふ、ヴィクトリアらしいというか。昔から木登りとか、外で遊ぶのが好きな子でしたから」 微笑を浮かべ、穏やかな口調で語るレオルロードに、ジウはなんとも言えない視線を送った。それに気づいたレオルロードは少し首を傾げたが、またいつも通りの表情に戻る。 「......じゃあ、俺は講義があるからよ」 「ええ、ではまた」 今度は明確に呆れた表情を浮かべたジウは、レオルロードの横を通って廊下の向こうへと歩いていく。 「......優秀でしょう?僕の弟は」 ふと、行き過ぎたジウに向かって、レオルロードが言い放つ。それは、半ば確信を得ているような、芯のある声色だった。 「......"まだまだ"荒削りだ。お前には及ばねぇよ。それじゃあな、俺は行くから」 「......相変わらず、素直じゃないですね」 ぶっきらぼうな教師の、未来を期待しているかのような言葉に、嬉しそうな笑みを浮かべたレオルロードは、彼もまた同じように、廊下の向こうへと去って行った。 Written by お触りマン 上へ 道筋 _道筋_ 「…では、これで……3世代目まで何とか護ってくださいよエイゴークさん。」 「いいんだけどよォ…嬢ちゃんコイツァ……いや、野暮ったいことはなしだな!お前さんが良しとしたことだ、俺も良しとしよう!じゃっ、次に会うのは俺の孫か!それまで達者な!」 エイゴーク領地から立ち去る彼女の後ろ姿を見る。 自分が与えられ、管理し統治し平和を維持するための最後の使命。 「嬢ちゃん、お前さんは…何を背負っちまったんだ。」 リリアーナは聖女としての彼女の名だ。 三女神が引き起こしそして英雄の手によって決着を迎えた戦争、それが終わり平和が訪れていた。 生き残った7人を王とし、国とし再建を使命とした彼らとは違い、残った4人はとある島で次世代を育てるための機関を作るためみんな一生懸命動いている。 自分は残った4人だ。 ただ少しの時間、期間だけ時間を頂くようにした。 自分の使命を果たすため、自分自身に課した使命を果たすために。 「これで全員…あとは……頑張るしかないよね、 ははっ…はぁ…ヴィル、君は結構とんでもない決断をしたんだよ。 …でも任せて、君が信じる仲間の1人なんだ、 君の失態なんてさせないから。」 そしてリリオという賢者としての名も彼は持つ。 彼は/彼女は人々の思いと理想を背負うことにした。 そうすることで信仰を守ろうとした。 壊れかけた民衆の三女神への信仰心を修復する為、彼女は聖女として巡り、賢者として助力した。 人々の荒んだ心は再びあの厄災を産むかもしれない。 信じれなくなったものたちは新たな戦を始めるかもしれない。 王へとなった彼らはその責務と業務に縛られるならば、いちばん自由な立場となった自分がそれを果たさなければならない。 「…時間、たりないなぁ…」 いくつも手段はある。 いくつもの道がある。 どれもどれも生命の冒涜で、命を蔑む手法。 「でも、君なら許してくれるだろ…へへっ…いや、許してはくれないかな。」 戦争で荒れた道を歩む。 屍で汚れた道を歩む。 ここで多くの友が死んだ、多くの民が死んだ。 赤く染まったこの大地がいつか、花と植物たちが暮らす豊かな土地に戻る日を願って、その足を動かす。 「シルヴィス君、君も頑張るんだろ…? なら私も頑張らないとね…へへっ……よぉし!」 ぱんっと頬を叩く。 気を引き締めよう、今から歩む道はとても険しい。 そしてとても多忙になる。 なら、頑張るしかないのだ。 Written by お触りマン 上へ 【幕間 英雄の慟哭】 【幕間 英雄の慟哭】 神代、聖戦の後、1人の男が、多くの血が流れた荒野で膝を着いていた。 悪獣を討った。虚無を殺した。深淵を滅した。誰もが男を英雄だと称えた。救世主だと崇めた。男の苦悩など、知る由もなく。 何千、何万の"敵"を屠り、大勢の仲間の骸を積み上げ、親友の命さえも代償に、手に入れたのは、空虚な名誉と、混沌とした未来。 街で1人殺せば罪人だが、戦場で100人殺せば英雄? 否、断じて否である。結局、何人殺そうが、何処で殺そうが、何を殺そうが、人殺しには変わりない。 悪を正し、正し、正し、自分の行いが正義かさえも分からずに、ただ、悪と言われたものを殺した。 男は結果として世界を救ったのかもしれない。終わりの見えない争いに、終止符を打ったのかもしれない。 だが男は、正義ではなかった。抱えきれない賞賛と、憎悪を一身に受けて、尚も挫けなかっただけだ。何度心が折られようが、何人の仲間が死のうが、歯を食いしばって立ち上がっただけの、ただの人間だ。それなのに、英雄などと、祀り上げられてしまった。 故に男は、嘆くことも、退くことも、折れることも赦されない。男は希望であり、最後の砦であったから。六つの厄災を打ち払った"巡礼"の旅も、三柱の偽神を封じた聖戦も、ただの1度も、弱音を吐くことすら、男はしなかった。できなかった。 男の名はヴィルヘン。黄昏の英雄、ヴィルヘン。ただの人間であり、英雄であり、導きの星であった。人の時代を切り開いた、輝ける光であった。 「━━━━━━━━━━━━」 男は、荒野の砂を掴む。血と、汗と、涙と、遺骨が混ざった、聖戦の負の遺産。それから拳を叩きつけ、 慟哭した その咆哮は、亡き友を憂いたものなのか、自分の無力を呪った詩なのか、絶望の声なのか。今となっては、確かめる術もない。 男が膝を着いたのはこの一度きり。男はその後、三女神という、信仰対象を失い、混沌としたこの地を収め、自らは未来へ希望を託し、学院を創り上げた。男が治世を離れ、肉体が滅び去ってすぐ、英雄の空席を狙う者達が台頭。再びの戦火が広がった。しかし、男の遺志は、確実に次代へと受け継がれていた。 黄昏の英雄の名は、現代まで語り継がれ、その勇姿は、生き様は、今も尚、多くの者の希望であり、光である。然して、彼の苦悩を知る者はいない。語られない、悲劇の英雄の詩。だが、きっと、彼も、そんなものは望んでいないだろう。 何故なら、英雄とは、己の身を賭して、魂を捧げ、顔も知らない誰かの笑顔と日常の為に、巨悪と戦うものを指すからだ。 「......俺は、本当に美しいものを見た。だから今度は、皆がそれを見つけて、その為に、笑って、泣いて、怒って、何気ない日常を、謳歌できるような世の中にしたいんだ。 俺の目指す正義は、きっと誰かにとっての悪なんだろう。 だから俺は......英雄としてじゃなくて、ただの人間として、戦う。人の大切なものを、守るために。次の時代に、受け継ぐ為に。 "████" 、そんなに心配しなくても、俺は大丈夫だよ。ああ、だから━━━━━━」 "だから、泣きそうな顔で、俺を見るのは、やめてくれよ、な?" これは遠い昔のお話。男が英雄になった始まりの物語。決して語られることのない、いつか見た理想の夢。 英雄ヴィルヘンの、最後の後悔。彼らの冒険譚は、波乱と苦悩に満ちた旅路であったが、それはまた、別の機会に。 上へ 【幕間】おいでよヴィルヘニア魔道学院 ヴィルヘニア魔道学院のとある一日の記録。ヨシュア、リンダ、ヴァンの三馬鹿と、問題児ヴィクトリアはある問題を抱えていて・・・? [幕間 おいでよ魔道学院] 此方の世界でいう、3月頃に当たる頃。卒業シーズンであり、教師はみんな頭抱えるほど忙しい季節である。新入生の人数や出自などの把握、シラバス、履修登録の管理、卒業式の準備、クラス編成に、新学期に向けての最終調整etc...... ここにも頭を抱えている教師が1人。蜥蜴皮のヤンキーのような出で立ちをした男だ。 ジウ「えーと......今年の留年者リストは......ローザデコラ22人、ビオレッタ8人、リリア13人か......退学したのは......くっそ......これ今日中に終わんねぇぞ......」 魔道学院ヴィルヘニアは完全な実力主義である。出自に関係なく、無能は排除され、優秀な人材だけが残る。まぁ、一部例外はあるのだがそれはそれ。留年者は毎年この位出るし、退学する者も当然いる。特に、自分の受け持っている生徒が留年やら退学やらした日には、何故かとばっちりを受けるのが教師である。とはいえ、毎年入ってくる人数の方が圧倒的に多いのでそこまで重要視されるファクターでは無いのだが、この男は元来の気質でどうも見て見ぬふりはしておけないらしく、余計なタスクを増やしているのだ。 ジウ「......よし、ちょっと休憩入れるか。あんまり根詰めても......あ?」 と、デスクから立ち上がった彼の耳に、爆発音が届く。中庭の方だ。面倒事の気配を感じつつ、それでも窓に近づきそちらを見やった。 ━━━━━━ [中庭] ヴィクトリア 「はーなーせ!!!我の邪魔をするな!!!」 リンダ 「だめですう!!落ち着いてくださいヴィク様!!」 ヨシュア 「くっそ!!離せヴァン!従者とはいえこれ以上は許さねぇぞ!」 ヴァン 「だから従者じゃねぇよ!!落ち着けバカ!!」 中庭では、4人の生徒が土煙が舞い上がる中、何やらわちゃわちゃしていた。どうやらある2人の生徒の揉め事のようだ。1人は赤髪の派手な出で立ちの男。男は黒髪ツインテールの少女に取り押さえられじたばたしている。 もう1人は制服をこれでもかと着崩し明るい茶色の長髪を後ろでまとめた我の強そうな男。男も、白髪に黒い角を持つ青年に羽交い締めにされていた。 どうしてこうなったのか。遡ること半刻━━━━━━ 昼休み。中庭にも多くの学生が集い、束の間の休息を満喫している。そんな中、中央に鎮座する噴水のベンチに腰掛けた4人の男女がいた。 ヴィクトリア 「リンダ。お前成績は」 リンダ 「みなまで言ったらだめですう!私も焦ってるんですよお!」 ヴァン 「............ヨシュアお前.....」 ヨシュア 「..................(無言で頭を抱える)」 そう。ここにいる4人のうち、3人は落ちこぼれ寄りの生徒である。方や王族、かたや貴族であるのだが......出自で成績を恵んでくれるほどこの学院は甘くない。 ヨシュア 「ヴィクトリア!!お前はいいよな!!王族だもんな!!!本当にやばくなったら親のコネでどうにかできるんだろ!??」 ヴィクトリア 「そんなわけがあるか!!我もジウに直談判したが一蹴されたのだ!「お前だけ特別扱いするわけねぇだろアホ」って!」 リンダ 「そうですう!ヴィク様は狡をしようとして失敗したから開き直って頑張ってるんですよお!」 ヴァン 「勉強しろよお前ら......」 あまりにもIQの低い会話に呆れながらアイスクリームを舐めている青年は、そこの3人とは違い真面目に勉学に励んでいるので特に成績が危ない訳ではない。じゃあなんでそこのアホ共に付き合ってるの?と聞かれると近くにいても厄介だが、放っておくともっと危険だから、という理由である。極端な話、ストッパーが居ないのだ。勿論、どっかの性悪商人やポンコツ魔道具使いとか三下ムーブ貴族とかもいるにはいるのだが............ ヨシュア 「......けど真面目にどうすっかなぁ。留年だけはしたくねぇしよ」 ヴィクトリア 「無論、我もだ!留年などしたら、母上と父上に今度こそ連れ戻されてしまうからな!はっはっは!」 リンダ 「......あっそういえば噂に聞いたんですけどお。すごい魔法を開発して、それが認められれば単位が免除されるとか何とか......」 ヴィクトリア 「何?!!?それは本当かリンダ!」 リンダ 「うわっ!急に大声出さないでくださいよう。 そうですねえ、私も先輩から聞いた話なのでなんとも言えませんが...... 過去に、色んな事情で成績不振になった生徒が、その時自分が開発してた魔法を学会で発表したら、すごい良い評価を貰って、学院側もそれを受けて成績をねじ曲げたとか......」 隣で大声を出したアホ赤髪に顰めっ面を向けつつ、間延びした口調で話す。因みにこれは半分合っているが、半分は嘘である。当時の学年首席━━━━ロクステリア・ヴィルベッド・カノンは、死霊魔術における、魂の作り方を根本から変えてしまうような研究を行っていた。それは当然学会に持ち込まれ、魔術界隈を騒然とさせるのた。だが、そのせいで学院の方の出席点が足りないという事態に陥った彼女は、その次のテストで全て満点、A評価の成績を取り、授業のレポートを全学科分提出し、更に自分の研究の応用を学院の上層部に実演して見せるという力技でねじ伏せたのだ。 ヴィルヘニア魔道学院では、実力が全て。流石に上層部も認めざるを得なかったらしく、特別に出席点を免除した。恐らく後輩達に語り継がれ、その過程で都合のいい部分だけが残ったのだろう。 ヨシュア 「よし!これは早速やってみるしかねぇな!ここにいる4人の合同開発ってことにしちまえば全員助かるだろ!」 ヴァン 「は?なんで俺もやる前提なんだよ......やらないからな?」 リンダ 「それはダメですよう。バン君に協力してもらわないと私たちレポートはさっぱりなんですからあ」 ヴィクトリア 「..............................」 と、3人が議論をしている中、先程まで元気だった赤髪は黙りこくって神妙な面持ちをしていた。そして、暫くして徐に口を開く。 ヴィクトリア 「......いや、我はやらないぞ」 ヨシュア 「..................は?なんで?お前が1番乗り気だったじゃん?」 リンダ 「どうしたんですかあ。ヴィク様」 ヴァン 「そうか。ようやく真面目に勉強する気になったか。ちょっと気味が悪いが、コイツらの目を覚ませてやれ」 ヴィクトリア 「いや、我が昔に開発した爆炎の星という魔法は禁域指定されているのだ。つまり、我はわざわざ新しい魔法を開発する必要は無い」 ヨシュア 「............????どういうことだ?」 第2種禁域指定魔法。彼の作りだした、詩を詠うことで、半径500mのランダムな地点で爆発が起きる魔法である。制御は出来ないが、破壊力は凄まじく、ブラックリストにぶち込まれたもの。要するに、魔法の価値を公に認められているのだ。 ヴィクトリア 「決めたぞ!!我は『爆炎の星』のレポートを提出する!!これならあの学院長も認めざるを得ないだろう!よし!!」 ヨシュア 「てめぇまさか抜け駆けする気か!!!させるわけねぇだろ!!!」 リンダ 「1人だけ狡いですう!!!」 ヴァン 「いや無理だろ............」 立ち上がり、後者の方へ走って行こうとするヴィクトリアの前に、ヨシュアとリンダが立ち塞がる。少し眉を顰め、ため息をつくと、腕を組みつつ尊大に尋ねる。 ヴィクトリア 「我の邪魔をするというのか?大体、お前は自業自得だろう、ヨシュア。リンダは......そうだな。我の方につくなら一緒に研究した、ということにしてやる」 リンダ 「わぁーい!勿論ですう!そもそもリンダは最初からヴィク様の味方ですよう!!」 ヨシュア 「あってめ......リンダ!!お前杖取り出しかけてただろ!」 ヴィクトリア 「で、どうするのだ?引き下がるというのなら.....我は寛大な心で見逃してやろう!」 ヨシュア 「......はぁ?調子乗んなよヴィクトリア。お前、ジウセンセイから一本も取れねぇじゃねぇか」 ヴィクトリア 「それを言えばお前だってそうだろ!!ええい!いいから退け!もうすぐ昼休みが終わってしまう!」 ヴァン 「..................(いつ終わるんだろうこの茶番という顔)」 暫く睨み合いを続けていたヴィクトリアとヨシュアだったが、その均衡を破ったのは、ヨシュアだ。 ヨシュア 「......そうか。ならいいだろう。お前がここを通りたいってんならなぁ......俺とヴァンを倒してからにしろ!!!」 ヴァン 「!!!!!????」 ヴィクトリア 「ほう。我に挑むというのか。いいだろう。......リンダ暫し下がっていろ。格の違いというのを見せてやる」 リンダ 「はあい!頑張ってください!」 ヴァン 「待て俺はやらないから......っ!!??あぁもう!!頭ローザ共が!!!」 ヴァンが必死に抗議しようとした直後、凄まじい魔力の奔流がヴィクトリアから放たれ、周囲に熱風ような波動が広がる。見ると、ヴィクトリアが宝剣(レプリカ)を抜いていた。堪らず叫ぶヴァン。こうして彼はまた馬鹿共の争いに巻き込まれることになる。 ヨシュア 「......っ!相変わらずデタラメな魔力量だぜ......!!なら、先手必勝!!」 ヴィクトリア 「我が爆炎の魔法よ!!来たれ!!」 リンダ 「うわっ!?ちょっとヴィク様それはまずいですう!!」 ヴァン 「くそっ......!おいリンダ離れろ!!」 ヴィクトリアの宝剣から放たれた紅蓮の炎と、ヨシュアの杖より放たれた黄金の雷が衝突し、大爆発を起こす。爆風に煽られ、土煙が舞い、噴水が半壊した。その後に立つのは、未だに闘志を滾らせる2人と、どうにか爆発の余波から身を守ったリンダとヴァン。このままでは大変なことになると、バカ2人を止めに入ることに。同時刻、胃痛蜥蜴先生の耳に爆発音が届く。そして今に至る━━━━━━━━ 上へ 【幕間 ソドムの罪】 英雄の時代。英雄が王となり、統治した時代。そして、その権力を巡り、水面下で骨肉の争いが起きた。血族同士で殺し合う、暗黒の時代。倫理に反した魔法が、大量に作られた時代。そして、魔術の解明。女神への信仰心の薄れ。人が、英雄と、神の境目で苦悩した時代である。 [ある教会にて] 木漏れ日の下。涼風が吹き抜ける度に、木の葉が揺れ落ちる。よく手入れされた庭は、管理者の几帳面さ、慈愛を感じる。 「〜〜〜♪」 ガラスの隙間から漏れ出るのは、修道女達が奏でる賛美歌。その奥で、笑みを浮かべた少女がオルガンを弾いている。鳥は生命の悦びを囀り、リスや、兎などの小動物達は、無邪気に駆け回る。穏やかな時間。神代、人が人と争っていた時代では、考えられないような平和が底にはあった。 「............けっ」 だが光あれば、影もまた、顕在する。今しがた、教会の中を覗き見て、不満げに吐き出した男は、この時代の闇、影の象徴のような存在。とある狂った研究者が生み出した、生命の冒涜を体現するもの。人は彼を"忌まわしきソドム"と呼ぶ。 「気に入らねぇ。何が女神だ......」 忌々しげに男が呟けば、空間の魔力が張り詰める。小鳥は慌てて飛び立ち、小動物達は何処かに隠れてしまう。吹き抜ける風も、何処か怯えているようだった。 全てが憎かった。憎悪、怨嗟、怨讐、復讐。その為に生きると誓った。自分を生み出した男も、それを肯定した世界も、何もかもが赤く染まって見えた。 「......もう、また貴方ですか。此処には来ないで欲しいと、先週言ったはずですが」 「............あん?堅ぇこと言うなよ、シスター」 と、思考の渦に囚われ始めた彼の背後から、声を掛けるものがいた。それは■■■■で■■■■の色をした瞳の■■■のシスターだった。彼の腹違いの妹である。だが、2人ともそんな事は知る由もない。彼が知っているのは、目の前のシスターが、彼の父親、つまり、ソドムを生み出した魔法使いに近い場所にいるということだけ。 「貴方が来るとみんな怖がるんです。って、先週もこのやり取りしませんでしたか?」 「.....おいおい。お前が来ていいって言ったんだろ?"私に会いたくなったら来てください"って」 「それは私に会いに来るのは構わないということで、教会に来ていいってことじゃありません!家の場所もお教えしたはずですが?」 はぁ、と呆れたように息を吐いた女は、そのまま庭にある物干し竿に掛かった白いシーツを、丁寧に畳み、バケットの中にしまった。男はその様子を、屋根の上に登って眺めていた。 「......なぁ、お前、いつまでシスターなんだ?いい加減そんな仕事放り投げて、俺の物になれよ」 「............これは......私に与えられた、使命ですから。無碍にすることは出来ません。というかなんなんですか貴方は。1ヶ月前、いきなり現れたかと思えば、いきなり求婚してくるなんて......」 彼の目的は父親への接近と、復讐。その足掛かりとして女に取り入ろうと思ったのだが、如何せん手段が思い浮かばなかった。魅了、洗脳の魔法は何故か効かないし、物にも釣られない。ならもう、落として自分の番にしてしまった方が早いと思ったのだ。そう、最初は、本当にそれだけだった。 「いいじゃねぇか。一目惚れだ。でも、シスター様はお優しいことで、俺の正体を知って、邪険にしなかったのはお前だけだぜ?」 「それは......貴方が悪い訳では無いですし、貴方は私たちに特に危害を加えようとはしませんでしたから......」 「でも俺は......悪魔だ。人の悪意が産み落とした存在。シスター様的にはその辺は大丈夫なのか?」 屋根から飛び降りると、男は女の頬に、黒い手袋、礼装で覆われた掌を当てる。女はそれを力なく振り払えば、目を伏せて言葉を続ける。 「悪魔だなんて......それは周りの人達が勝手に......」 「じゃあ」 女の言葉を遮って、男は、振り払われた手を、もう片方の手で抑える。それから力を込めると、するり、とそれを外す。途端に男の掌は、端の方から、粒子になって崩壊していく。 「これでも、俺が、お前と同じ人間だと、言えるか?」 「............!!」 女は驚いたように目を見開き、だが、崩れゆく男の手をそっと握って、優しく微笑んだ。今度は男が目を見開く。その姿に、ありもしない幻想を見たから。 「......それでも......それでも、貴方は......穢れてなんていません......ほら............こんなにも......」 「............やめだ。お前と話してると、......分からなくなる」 男は視線を逸らし、手袋を付け直すと、吐き捨てるように呟いて、女から離れる。触れていた温もりが消えて、冷たい温度だけが、身体を蝕んでいく。泡沫の魂。拒絶された存在。まるで、太陽の下を歩く事を罪とされた、怪物のようで。そんな彼にも赦しを与えるのは、或いは、"許してくれるのなら"、もう一度、輪廻を望む。 「邪魔したな。俺は帰る」 「あっ............」 それだけ、ぶっきらぼうに告げると、門を潜って教会の外へと歩いて行く。女が声を漏らし、呼び止めようと追い掛けても、その時には男の姿は何処にも見当たらない。本当に、世界から消失してしまったかのように。 「......きっと、また会えますよね。━━━━━━フェンリス様」 それは、失われた名前。1人の悪魔が、聖女に恋をした悲劇。呪われた魂の罪。その精算。永劫に囚われる、地獄の輪廻。きっと、それこそが、彼らに架せられた、罰なのだろう。 上へ 【幕間 ノーチェスの罪】 時は神代。神の存在は人と共にあり、故に、人の力もまた、神に準じるものであった頃。異なる女神を崇拝する3種族の争いは、ますます苛烈になっていった。 [ウェイトリー家にて] 「こんな所にいたのか。空など見上げても、何も見えはしないだろう?」 「......(お兄様。お目覚めですか)」 ウェイトリー家。ノーチェスの称号を戴く、宵闇の女神の使徒。その一族。その魔法は、奇跡は、混沌、闇、虚数に通ずる。洋館造りの妖しい邸にて、バルコニーで星空を見上げる少女に声を掛けた者がいた。 「......全く。あまり夜風にあたるものでは無いぞ、オディール。たたでさえお前は━━━━」 「......(申し訳ありません、お兄様。でも、私、誰かに呼ばれているような気がして......)」 男の名は、ウォーデン。かの大神の忌み名を冠する、魔道の申し子。現代に産まれていれば、間違いなく世を覇することになったであろう、深淵に通ずる秘術を修めた者。だがしかし、この時代においては、其れは、凡庸な才とされていた。 男は苦言を呈しながらも、バルコニーに佇む少女の傍らに立ち、同じように星屑で彩られた空を見上げる。 「......確かに、今宵の星は、いつもよりも輝いて見える。ノーチェ神の祝福を感じるな。お前が影響を受けるのも、無理はない」 「............(やはり、ですか。私にははっきりとは見えませんが......それでも、星々が叫んでいるように思うのです。それと、宵闇の女神様の......怒りを)」 この時代において、神は当たり前のように、人に干渉した。特定の個人を寵愛し、庇護し、加護を与えるなんてことは珍しくない。少女もまた、女神に見初められた1人。それも、呪いのように、苛烈な愛を受けた者。少女の眼は生まれつき、光を映さない。その対価に、本来ではありえない神秘性、神性をその身に宿す、聖女。言い換えれば、半人半神。 そして、宵闇の魔法の大家であるウェイトリー家において、魔法が使えない、出来損ない。否、其れは、少女の能力不足というわけではない。寧ろ、その逆。余りにも高い神秘性のせいで、人の技術が肌に合わないと言うだけ。その身を侵す魔力を、少女に宿る奇跡は許さない。 「......怒り?ほう。それは......つまり、近々大きな争いが起こりうると......そういうことか?」 「............(そこまでは分かりません。だけれど......何かしらの大きな災いが、すぐ側まで迫っているような......恐ろしい気配を感じます)」 少女は星を見つめながら、ビクリと身体を震わせた。其れは女神の怒りを"真近"で受けたからに他ならない。 「............もう夜も更けた。これ以上は身体に障るぞ、オディール。さぁ、寝室に戻るのだ」 「............(......はい。お兄様)」 そんな少女の様子を眺めていた男は、溜息と共に、言葉を吐き出し、少女に手を差し伸べる。少女は男に手を引かれ、寝室まで導かれると、その小さな身体を白いシーツの上に沈みこませた。 「......オディール。分かっているとは思うが、あまり心配を掛けさないでくれ。父上は最早手に負えず、母上も狂ってしまわれた。お前とて、ノーチェ神の加護がなければ、満足に出歩けない身。これはお前だけの問題では無いのだ」 「............(ごめんなさい......私の所為で......お兄様に要らぬ心労をかけさせてしまって)」 「..................なに、お前を責めている訳では無いのだ。いいか?オディール。お前は俺の、たった1人の大切な妹なのだ。兄が妹の身を案ずるのは当然。気に病むことは無い」 男は幼子を寝かせつかせるように、少女の頭を優しく撫でながら、穏やかな声色で告げる。ベッドランプの明かりだけが、柔らかな輪郭で、妹を見つめる男の影を映し出していた。 「............(お兄様......優しいお兄様。私はお兄様の妹になれて......幸せです......)」 「............俺も、お前の兄でよかったよ、オディール。............さ、今日はもう休むといい。俺は父上の様子を見てくる。お前は何も心配せずに眠るといい。お前には、偉大なる宵闇の加護があるのだから」 「............(はい......おやすみなさい、お兄様......)」 男の言葉を聞いて、その鼓動に触れて、安堵の表情を浮かべた少女は、その微睡みに身を任せて、眠りの世界に誘われた。暫くすれば、穏やかな寝息が響き始める。それを見計らって、男はベッドの端から腰を上げると、明かりを消して、寝室を後にする。 「.........あぁ、オディール。本当に、本当に、お前の兄でよかったよ。......お前のお陰で......我が神は御降臨なさるのだから。......くく......精々、今だけは平穏な夢に溺れるといい。偽りの優しさに、心を許すといい。いずれ、全てが終わる、その時までは、俺はお前の兄でいよう」 少女は、後に、虚無の聖女と呼ばれる使徒となり、数多の英雄を屠り、そして、非業の死を遂げた。呪いと、悪意と、汚辱に満ちた、正しく、無数の願いを虚無に帰した魔女に相応しき最後。故に、その魂は巡り、遂には死ぬことも能わず。星屑の礼拝堂にて、永劫に囚われることとなる。 未だ幼さの残る寝顔をした少女は、己が辿る運命を知らない。そして、あの男も。その罪と想いに気づくまでは、彼らの輪廻は続くのだろう。 上へ
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wiki更新メモ 世界観や授業内容、キャラクターページに追加や修正を加えたときにどうぞ。 最新の10件以前のものは過去ログを参照してください。最も新しい更新は赤字です。 ※過去ログへの移動、赤字化は手動編集です。 世界観>「帝国」についての記述を別ページに移動。「世界観」に加筆、「魔法技術」、「種族」をそれぞれ追加。「大陸に存在する国や地域」にラクトレア、南洋群島を追加。極東王朝に加筆・修正。 -- 4 (2011-08-14 04 28 42) 帝国とは>「都市・自然環境」に、ルドベキア、トリビウム、エスティバリス、ラクトフォート、鉱山妖精の里、フューム、デルフィニウム、ナイアス河、カロト・ルフィス、樺の森、パトラ大河をそれぞれ追加。迷いの森に追記。「各種施設」に施法院、立法省、監察省、護法省をそれぞれ追加。騎士学院に加筆。「軍隊」に加筆・修正。 -- 4 (2011-08-14 04 32 58) メニュー>「Stella s Memo」を作成。 -- 4 (2011-08-14 13 48 57) 世界観>「種族」に追記。 -- 4 (2011-08-14 14 02 24) 授業一覧>「先天性魔眼と後天性魔眼」のリンクミスってた…(∵) -- 4 (2011-08-15 22 10 48) 登場人物>「ククリ・ヒトトセ」に追記。 -- 4 (2011-08-16 00 07 29) 授業一覧>「東方の操影術」に追記。 -- 4 (2011-08-20 13 29 45)} 登場人物>ティト、グレンの身長を修正。接点まとめ(身長別)の方も。 -- mt (2011-08-22 22 08 15) 寮塔>各塔にキャラクター追加・談話室追加 -- 4 (2011-09-22 16 41 56) 寮塔>炎・風・土の塔にキャラクター追加 -- 4 (2011-09-23 21 07 54) 年間予定>冬の行事に燈心祭、年末大掃除、期末考査、進級準備休暇の項目を追加。 -- mt (2011-12-01 20 38 18) 帝立魔道学院とは>帝立魔道学院の授業一覧に、新たに増えた授業を追加。 -- mt (2011-12-08 23 54 24) 帝立魔道学院とは>帝立魔道学院の授業一覧に、新たに増えた授業を追加。 -- ・w・ (2011-12-21 00 59 50) 帝立魔道学院とは>帝立魔道学院の授業一覧に、新たに増えた授業を追加。「世界観」「寮塔」「帝立魔道学院とは」のページに加筆。 -- えにし (2011-12-24 00 51 46) 帝立魔道学院とは>帝立魔道学院の授業一覧に、新たに増えた授業を追加。 -- mt (2011-12-28 01 58 00) 登場人物-一覧のページを追加。 -- えにし (2012-01-16 23 30 31) 登場人物・接点まとめにアンジュ・ジーナ・シリル・ルドルフを追加。 -- mt (2012-02-20 01 08 16) 名前 コメント +過去ログ8月分 接点まとめ>「学年別」を追加。登場人物から「学年別」を削除。登場人物の各ページのレイアウトを統一修正。テンプレートを微修正。 -- 4 (2011-08-01 10 54 46) 登場人物>ネリネガに追記。 -- 4 (2011-08-07 18 22 32) 登場人物、寮塔、設定まとめに新キャラを5人 -- amyu (2011-08-10 19 51 48) 登場人物>ヨアヒム・アディス・ヒルダ・ラヴァ追加。接点まとめ等にも。 -- えにし (2011-08-11 06 00 56) 寮塔>各塔の部屋割の表記を画像に変更。 -- 4 (2011-08-11 19 00 57) 登場人物>ソフィア追加。接点まとめ等にも。 -- 4 (2011-08-11 22 24 51) 登場人物>amyuのキャラにできるだけ画像をアップロード -- amyu (2011-08-12 01 09 30) 登場人物>ジュジュ追加。接点まとめ等にも。 -- 4 (2011-08-12 09 54 10) 登場人物>ラトゥシュ追加。接点まとめなどにも。 -- 雨響 (2011-08-12 17 01 59) 授業一覧>「先天性魔眼と後天性魔眼」「占星術」のページを作成、「精霊王と神格幻獣」「降霊術」「魔獣討伐実習」に追記。 -- 4 (2011-08-13 07 59 25) 帝立魔道学院とは>年間予定の欄を削除。 -- 4 (2011-08-13 07 59 39) 寮塔>風の塔にラトゥシュとジュジュを追加。 -- 4 (2011-08-13 07 59 52) メニュー>「年間予定」追加、内部の表記も大幅変更。現在「春の行事」「夏の行事」まで執筆完了。 -- 4 (2011-08-13 08 00 25) 年間予定>「秋の行事」「冬の行事」の執筆完了。 -- 4 (2011-08-13 11 58 28) 帝立魔道学院とは>ページ上部にページ内リンクを作成。学院概要を加筆修正。エンブレムの表示形式変更。施設に「第一校庭」「第二校庭」「正面庭園」を追加、「聖廟」に加筆。各種制度・規則を追加。 -- 4 (2011-08-13 12 00 53) 登場人物>「公式の登場人物」の???に加筆、ロートホルン、ティモル、アンジェリカを追加。 -- 4 (2011-08-14 04 25 55) +過去ログ7月分 特殊用語>サンディとかサンディエゴとか -- 4 (2011-07-06 01 40 33) 特殊用語>14へ行く -- ・w・ (2011-07-15 21 26 14) 帝立魔道学院とは>期末考査について -- 4 (2011-07-21 11 48 32) 登場人物 他>「ククリ・ヒトトセ」を追加 -- 4 (2011-07-23 21 59 20)} 登場人物>アラゴン姉妹、リコ、アルマント追加。接点まとめなどにも。 -- amyu (2011-07-29 21 58 38 登場人物>モニカ、グレン、ルーファスィール追加。接点まとめ等にも。 -- mt (2011-07-31 20 51 42) +過去ログ6月分 小話>amyuのをよっつ更新 -- amyu (2011-06-01 16 27 39) 登場人物>作者別/五十音順/課程別に分類 -- 4 (2011-06-02 12 17 54) 小話>「接点まとめ」から課程まとめを削除 -- 4 (2011-06-02 12 18 15) 世界観>「帝国」の「監察省」に少し加筆。 -- 4 (2011-06-02 12 34 00) 小話>「果実の香り」更新 -- ・w・ (2011-06-02 18 31 02) 登場人物>「ジャック・グレイス」観念して更新 -- ・w・ (2011-06-02 18 31 28) 帝立魔道学院とは>「魔人形の闘技大会」更新 皆喜べ騒げ!! -- ・w・ (2011-06-02 18 32 45) 登場人物>mtのキャラ3人の内容を加筆・修正。 -- mt (2011-06-02 21 23 00) 世界観>「騎士学院」に情報追加。 -- 4 (2011-06-03 20 22 21) 世界観>「魔道学院」へのリンク追加 -- 4 (2011-06-03 20 24 39) 登場人物>「カフラマーン・イブン・ハディード」更新。リアンヌに加筆 -- ▽・×・▽ (2011-06-04 04 57 22) 寮塔>各寮エンブレム追加 -- 4 (2011-06-05 00 43 17) 帝立魔道学院とは>「エンブレム」追加 -- 4 (2011-06-05 01 20 01) 帝立魔道学院とは>「概要」に加筆修正 -- 4 (2011-06-05 01 28 17) 小話>今までのログを投下 -- 4 (2011-06-05 20 35 51) 授業一覧>「錬金術」追加 -- 4 (2011-06-07 01 48 27) 寮塔>鍵についてのツイートを追加 -- 4 (2011-06-07 01 51 35) ▽・×・▽のキャラの内容に加筆 -- ▽・×・▽ (2011-06-07 05 52 11) Menu>項目名を「Menu」から「Main」に変更 -- 4 (2011-06-07 09 44 37) Menu>「特殊用語」を追加。各自必要に応じて編集してください。 -- 4 (2011-06-07 09 45 23) Menu>「接点まとめ」追加。小話内のリンクは削除。 -- 4 (2011-06-07 17 11 24) 小話>いくつか更新 -- ・w・ (2011-06-07 18 10 46) 登場人物>「ギルフォード・ルドマンシェ」修正・加筆。 -- @廿x廿@ (2011-06-07 23 03 54) 接点まとめ>分岐つくりました。えにしさんに敬礼(∵)ゝ -- 4 (2011-06-08 18 45 47) ユージンの部屋を水の塔303→304に移動。身長別まとめのヴァネッサの表記が違っていたのを修正。 -- mt (2011-06-08 19 15 41) 寮塔>ファウストの部屋を風の塔204号室→203号室に移動。きれいな魔の三角形になりました。 -- amyu (2011-06-09 00 18 12) 世界観>「白霧の森」に加筆。 -- 4 (2011-06-09 23 21 48) 世界観>「帝国」「迷いの森」「カージナル大公国」加筆。「帝国の魔道大家について」と「幻獣と異界の生き物について」のツイートまとめを追加。 -- 4 (2011-06-10 09 57 41) 世界観>ページ末に杖についてのツイート追加。 -- 4 (2011-06-10 09 58 15) 寮塔>ページ末に門限についてのツイート追加。 -- 4 (2011-06-10 09 58 49) 授業一覧>「精霊魔法」「列国魔法騎士団について」にツイート追加。 -- 4 (2011-06-10 10 08 27) 登場人物>「公式の登場人物」に「剣術代理講師」、「ビシャス=クロム」追加。 -- 4 (2011-06-10 10 48 36) 帝立魔道学院とは>「初等部」を「基礎初等部」に修正 -- 4 (2011-06-13 10 28 58) 授業一覧>授業を18種類追加、表記を変更 -- 4 (2011-06-13 11 48 59) 授業一覧>「魔人形作成と操術」「魔人形精製と操術」にツイート追加 -- 4 (2011-06-13 13 25 27) 世界観>全体を大幅に加筆修正。 -- 4 (2011-06-13 14 25 15) {帝立魔道学院とは>前文に「皇都の南西に位置する」の一節を追記 -- 4 (2011-06-13 14 26 49) 授業一覧>「暗殺術」にツイート追加 -- 4 (2011-06-13 18 20 47) 帝立魔道学院とは>「年間予定」に「教養考査」「白の月の月喰日」「冬期休暇」を追加 -- 4 (2011-06-14 20 21 27) いろんなところに色々追加(アバウトすぎる説明) 主に世界観とか帝立~とか登場人物の公式のところとか。 -- 4 (2011-06-16 01 39 37) 世界観>「賢者の塔」の位置が間違っていたので修正。 -- 4 (2011-06-16 11 34 37) 授業一覧>「触媒魔法」にツイート追加。 -- 4 (2011-06-16 22 15 03)} 世界観>「異界について」「幻獣と異界の生き物について」のツイート追加。 -- 4 (2011-06-20 00 34 59) 帝立魔道学院とは>「履修お披露目」にツイート追加。 -- 4 (2011-06-20 00 35 22) 登場人物>「フィヨーラ」、接点まとめ等を更新。 -- mt (2011-06-20 19 39 56) 登場人物>シェリアルリティア追加 -- amyu (2011-06-21 02 48 34) 接点まとめ>シェリアルリティア追加 -- amyu (2011-06-21 02 48 54) 登場人物>リィシア微修正 -- えにし (2011-06-27 21 18 20) 登場人物>エドワード追加。その他接点まとめ等にも。 -- 4 (2011-06-29 20 39 20) 登場人物>ティト追加、接点まとめ等にも。 -- mt (2011-06-30 19 34 53) +過去ログ5月分 帝立魔道学院とは>初等部の最終年が判明したので追加 -- 4(∵) (2011-05-28 07 58 55) 誓いの対価による魔力増幅>情報追加 -- 4(∵) (2011-05-28 08 05 27) 帝立魔道学院とは>項目「主な行事」を作成 -- 4(∵) (2011-05-28 08 11 45) 治癒・浄化魔法>情報追加 -- 4(∵) (2011-05-28 08 31 11) 帝立魔道学院とは>行事の関連ツイートをイベントごとに整理 -- 4(∵) (2011-05-28 08 37 20) 神聖魔法>情報追加。「神聖魔法は、「魔法」と言いながら~」 -- 4(∵) (2011-05-28 08 40 16) 帝立魔道学院とは>施設に「騎獣舎」追加。 -- 4(∵) (2011-05-28 08 51 37) 世界観>皇都、魔道協会、賢者の塔について情報追加。 -- 4(∵) (2011-05-28 09 36 42) 授業一覧>「対抗魔術」追加。 -- 4(∵) (2011-05-28 09 40 49) 寮塔>火の塔を炎の塔に変更 -- 4(∵) (2011-05-28 16 23 44) メニュー>「異世界の魔術師が携える杖ったー」追加 -- 4(∵) (2011-05-28 20 22 19) 小話>「まもる」更新 -- ・w・ (2011-05-28 22 33 52) 小話>amyuの書いたものをむっつ更新……もっとこまめにした方が良いわね -- amyu (2011-05-29 13 09 51) .
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10 オール学生団体戦 9/12 @川崎市民プラザ 相手 一橋大学 東京都市大学付属高校 藤枝明誠高校 日本大学 本郷中学 結果 2-3● 5-0○ 3-2○ 2-3● 4-1○ 順位 学校名 1位 立命館大学 2位 岩手高校 3位 日本大学 4位 東京大学 5位 横浜高校 6位 麻布高校 7位 開成高校 8位 早稲田大学 9位 10位 青山学院大学 10 オール学生団体戦オーダー表
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トマス・ライサンダー no image 性別 男 出身地 - 家族構成 - 年齢 - 国籍 エレボニア帝国 職業 教員 初登場 【閃】序章 所属 トールズ士官学院 登場作品 【閃】 人物紹介 -
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県立北高校が建っているそのふもとにある一流女子高等学校。 周防九曜がここの制服を着用していたことから、周防はここの生徒ではないかと思われる。 4巻 消失では、涼宮ハルヒや、古泉一樹が通っていた。その時は、一流進学校になっていた。
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学院! メイジとメイド その① 朝、先に目を覚ましたのは承太郎だった。 承太郎がまずした事は窓を開けて換気をし、空を見上げる事だった。 さすがに朝になっては月は見えない。だが昨晩、確かに月はふたつあった。 「…………」 どうしたものかと思って、承太郎はルイズを見る。スヤスヤと眠っていた。 そういえば昨晩、下着を洗濯しろとか言っていたが冗談じゃない。 小言を言われる前に退散しようと、承太郎は部屋を出た。 ――と、廊下にある戸がひとつ開き、中から扇情的な美女が現れる。 「あら? どちら様かしら」 「…………」 「あっ、もしかしてルイズが召喚したっていう使い魔? へぇー、本当に人間なのね」 感心したように承太郎を見る美女だったが、どこか馬鹿にした態度があった。 「ねえあなた、名前は? 人間なら名前あるんでしょう?」 「……空条承太郎だ」 「クージョージョータロー? 変な名前。 私はキュルケっていうの、そしてこの子が私の使い魔、フレイムよ」 キュルケの背後から現れたのは尻尾に火が点いた巨大なトカゲだった。 「火竜山脈のサラマンダー、好事家に見せたら値段なんかつかないわよ?」 「ほう、そいつはすごいな」 何気なく承太郎がフレイムの頭に手を伸ばすと、フレイムは嬉しそうに頭を撫でさせた。 それを見てキュルケが、今度は馬鹿にした含みを持たず素直に感心する。 「へえ、フレイムが懐くなんて。それに……結構いいルックスしてるじゃない」 キュルケの周囲には常に美形に分類される男子が群がっている。 だがこの男承太郎は彼等とは違い、男前である。そして理知的な眼差し。 「惜しいわねぇ。あんた平民じゃなかったら人気者になれたかもよ?」 「興味ねぇな。ところでキュルケ、訊ねたい事があるんだが」 「なぁに?」 笑い声でルイズは目を覚ました。誰だろう、朝っぱらから。 あくびをしてベッドから出て、毎朝の習慣として顔を洗い服を着替える。 「ん~……何か忘れてるような」 着替え終わってから、床に落ちている毛布を見て思い出す。 自分が、平民を召喚した事を。 「……あいつ、どこ行ったのよ?」 疑問に答えるように、ドアの外で話し声が聞こえる。 よく聞こえないけど、承太郎かもしれない。ルイズはドアを開けた。 承太郎がキュルケと楽しそうに談笑していた。 ルイズの怒りがメラメラと燃え上がる。 それはもうクロスファイアーハリケーンスペシャルの如く。 「ちょっと! 私の使い魔と何してんのよ!?」 「あーらルイズ、お寝坊さんね」 キュルケがルイズに視線を移しニヤニヤと笑う。 承太郎は相変わらずの無表情でルイズを見た。何を考えているのか全然解らない。 「ジョジョ、ジョータロー。あんた、キュルケと何してたのよ」 「別に……学院や寮の事で幾つか質問していただけだぜ」 「それにしては楽しそうだったじゃない」 「プッ」 吹き出したのはキュルケだ。承太郎は視線をそむけて帽子のつばを下ろす。 「な、何よ?」 状況が解らないルイズは一人苛立ちをつのらせる。 「まあいいわ。じゃあお先に失礼、平民君もがんばってね」 手を振りながら立ち去るキュルケの後姿をルイズはギリギリと睨んだ。 「何よあれ。ジョータロー! キュルケには金輪際近づいちゃ駄目よ!」 「それより……いいのか? そろそろ朝飯の時間らしいぜ」 「え? あ、そーじゃない! ジョータロー、ついてきなさい」 トリステイン魔法学院の食堂は敷地内で一番背の高い真ん中の本塔にあった。 そこへの道中、ルイズは承太郎に使い魔だという自覚を持たせるため話をする。 「まったく。いい事? あなたは私の使い魔なんだから、 私より早く目が覚めたのなら私が寝坊しないようちゃんと起こしなさい! それから、あんたがいるって忘れてたから、自分で着替えちゃったじゃない」 「……ガキじゃねーんだ、着替えは自分でするもんだろ」 「貴族は下僕がいる時は自分で服なんか着ないのよ」 「……男に服を着せろと言っていて……何とも思わねーのか?」 「思わないわよ。あんた、使い魔じゃない」 「…………」 呆れたような承太郎の態度にルイズはカチンと来た。 一方承太郎も、恥じらいというものを知らないルイズに呆れていた。 空条承太郎十七歳。好みは日本人的な女性。つまり大和撫子。 ルイズのような傲慢でわがままな貴族のお嬢様など問題外だった。 それはルイズの方からも言える事で、 こんな無愛想で無口で威圧的でしかも平民の男なんて微塵も眼中に無い。 しかし、である。しかし自分の使い魔なのだから、主従関係はしっかり教え込みたい。 どっちが上で、どっちが下か。それを教えるために、朝食の待遇を決めた。 学年別に分けられたテーブルすべてにいくつものローソクが立てられ、 花が飾られ、フルーツが盛られたかごが乗っている。 『アルヴィーズの食堂』と呼ばれるここは、まさに貴族のための絢爛豪華な食堂だった。 当然それぞれの席の前に並ぶ食事も貴族らしい物が並んでいた。 朝っぱらからワインまである。 「ほう、なかなかうまそうじゃねーか」 少し上機嫌になった承太郎を見て、ルイズは胸の内で「フッフッフッ」と笑う。 この平民、メイジと同じ食事を食べられると思っている。そして腹を空かせている。 せいぜい盛り上がるといい、とルイズは思った。 席に着いたルイズ。承太郎はその隣に座ろうとして、ルイズに手で止められる。 そして、ルイズは床を指差した。そこには皿が一枚。 申し訳程度に小さな肉のかけらが浮いたスープ、皿の端っこに硬そうなパンが二切れ。 一方テーブルの上には豪華な料理がズラズラと並んでいる。 「…………」 承太郎は無言で抗議の視線を向けた。ルイズはしてやったりと笑う。 「あのね? ほんとは使い魔は、外。あんたは私の特別な計らいで、床」 始祖ブリミルと女王陛下にお祈りをしてから、ルイズ達は食事を始めた。 承太郎も始めた。あっという間に無くなった。全然足りない。 「……おい、てめーの飯を少し分けろ」 「仕方ないわね」 ルイズはホックホクの鶏肉、の皮を剥いで承太郎の皿に落とす。 「中身が見当たらねーが……」 「癖になるから、肉は駄目」 「…………」 ルイズは勝ち誇った笑みを浮かべて、床に座る承太郎を見下ろした。 どうだ、ご主人様に逆らったら食事すらままならないのだ。 自分の立場を思い知るがいいわ、と。 しかし承太郎は文句ひとつ言わず立ち上がり、スタスタと食堂から出て行ってしまった。 鳥の皮にすら手をつけず。 「……何よ、あの態度。後でお腹空いたって言っても何も上げないんだから」 そう呟いて、ルイズはホックホクの鶏肉を食べようとフォークを伸ばした。 カチン。フォークが皿を叩く。 「あれ?」 なぜか鶏肉が無くなっていた。 まさか承太郎が、と思ったが、 彼はずっとコート(学ラン)のポケットに手を突っ込んでいた。 ルイズは首を傾げる。 食堂から出た承太郎は、学ランの中から未開封のワインの瓶と、 いくつかのフルーツを取り出した。 口をもぐもぐと動かしながら。 「なるほど……貴族の料理だけはある」 そう、承太郎は自身が持つスタンド……スタープラチナの能力で、料理を盗んだのだ。 油で濡れていて持ち運びにくい鶏肉は大胆にも食堂の中で口の中に放り込み、 それを頬張りながら学ランの中に隠しても学ランが汚れそうにない食べ物、 すなわちフルーツとワインをかっぱらったのだ。 承太郎はまずリンゴを丸かじりにし、ワインを瓶ごとあおった。 「やれやれ。いつまでもこうして飯を盗む訳にもいかねーし、どうしたもんかな」 食べながら、承太郎はある事を考えていた。 食べ物を盗んだ時、スタープラチナの姿がメイジ達に気づかれないよう、 余所見をしているところを狙って素早く盗んだ。 ――スタンドはスタンド使いにしか見えない。 だからそんな事をする必要はまったく無い。 だが、相手がメイジだとしたらどうだろう? スタンドは生命のエネルギー。精神力が具現化したもの。 などと言われているが、科学的にどうこう説明をつけられるものではない。 もしメイジが持つ魔力だとか能力だとかでスタンドを見る事ができたら? このハルケギニアに自分以外のスタンド使いがいるかは解らない。 だがメイジはいる、確実に。 果たしてメイジと戦う事になった場合、スタンドはどこまで通用するのか? 最強のスタンド、ザ・ワールドを破ったスタープラチナとはいえ、 まったく未知の概念である魔法が相手ではどうなるか解らない。 自分の腕に、スタンドに、実戦経験に自信はある。 だが――ここ、ハルケギニアでそれがどこまで通用するのかは未知数。 (……考えすぎ、か。 俺達があれだけ連続してスタンド使いと戦ってきたのは、 DIOを倒すという目的があったからだ。DIOが刺客を送ってきたからだ。 だが……ここには敵対するような相手はいねえ。 野生のバケモノがいたとしても、学院の中にいれば安全だろう。 突然こんな所に召喚されちまって警戒心が強まっているのか……? ここでは平和にすごせるといいんだがな。 その方が元の世界に戻る方法を探すのもはかどるってもんだ) しばらくして、朝食を終えた生徒達が教室へ移動を始める。 ルイズは承太郎を連れて教室へ向かった。 教室には、クラスメイトが召喚した様々な使い魔がいた。 で、教室の椅子はメイジの席であり、承太郎が座る席は無かった。 仕方なく承太郎は教室の一番後ろに行き、壁を背もたれにして立つ。 その後シュルヴルーズという土系統のメイジの教師がやって来て、 生徒達に魔法の基礎をおさらいさせたりした。 魔法には四大系統というものがある。 『火』『水』『土』『風』 そして今は失われた伝説の『虚無』 これ等の話は承太郎の興味を刺激した。そして思い出す、使い魔が選ばれる理由を。 コルベールという禿教師が言うには、 サモン・サーヴァントは今後の属性を固定し、専門課程へ進むものだという。 キュルケの系統は『火』……だから『火』のサラマンダーが召喚された。 とすると、ここに召喚されている生物は皆、四系統の属性に分類されるはず。 では……自分は何系統の使い魔なのだろう。 人間。火、水、土、風、どれに分類されるかと言えば……水? 人体の70%は水でできているのだから。 だが、自分はスタンド使いだ。スタンド能力も込みで召喚された。 火系統ならマジシャンズレッドのアブドゥルを、 土系統ならザ・フールのイギーを召喚できたかもしれない。 ――もっとも双方故人であるため、召喚される事は決してありえないが。 だとしたら自分のスタープラチナは何系統だろう。 能力は……時を止める。 しかしDIOとの戦いが終わってから、何度か時間停止を試してみたものの失敗している。 DIOと戦っている最中にのみ精神力が高まり、時間停止を可能にしていた……という事か。 時を操る。四系統のどれにも属さない。 ならば虚無……と考えて否定する。すでに失われた伝説の系統というではないか。 承太郎が思案しているうちに教室がざわめき出す。 理由はルイズが前に出て錬金の魔法をやる事になったかららしい。 (ルイズ……か。あいつが何系統のメイジなのか解れば、俺の系統も解るって訳だ) 承太郎はちょっとした好奇心を抱いた。 どの系統に属されようがスタープラチナの能力は変わらない。 だが分類できるのならいったい何に分類されるのか興味はあった。 爆発した。 「…………」 あまりに突然の事だったので、承太郎は伏せるのが精いっぱいだった。 他の生徒達が伏せているのを見て不審には思っていたが、いきなり爆発とは。 爆心地はルイズ。 この後、承太郎は『ゼロのルイズ』という二つ名を覚える事となった。 戻る 目次 続く
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蝦夷に所属する学園。 交戦条件 日にちを5日まで進める。 降参条件 北端寺子屋を先に制圧する。
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かんせいがくいんだいがく 自作 関西にある名門大学を表す「関関同立」。 2つの「関」が表すのは、「関西大学」と「(何)大学」でしょう? タグ: Quizwiki 索引 あ~こ 荒牧周平