約 1,992,806 件
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/16.html
子どもの権利員会:総括所見:日本(武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書) 第1回(1998年)/第2回(2004年)/第3回(2010年)/第4-5回(2019年)OPSC(2010年) CRC総括所見日本語訳(国別)/CRC総括所見日本語訳(会期順) CRC/C/OPAC/JPN/CO/3 配布:一般 2010年6月11日 原文:英語(PDFファイル) 【日本語仮訳:子どもの権利条約NGOレポート連絡会議】(注:リンクは訳者による補足である。また、原文では勧告部分が太字になっているが、ここではパラグラフ番号のみを太字とした。) 子どもの権利委員会 第54会期 2010年5月25日~6月11日 武力紛争への子どもの関与に関する子どもの権利条約の選択議定書第8条に基づいて締約国が提出した報告書の検討 総括所見:日本 1.委員会は、2010年5月28日に開かれた第1513回会合(CRC/C/SR.1513参照)において日本の第1回報告書(CRC/C/OPAC/JPN/1)を検討し、2010年6月11日に開かれた第1541回会合において以下の総括所見を採択した。 序 2.委員会は、締約国の第1回報告書および事前質問事項(CRC/C/OPAC/JPN/Q/1/Add.1)に対する文書回答の提出を歓迎するとともに、部門を横断した代表団との建設的対話に謝意を表する。 3.委員会は、締約国に対し、この総括所見は、2010年6月11日に採択された、条約に基づく締約国の第3回定期報告書についての総括所見(CRC/C/ JPN/CO/3)および子どもの売買、子ども買春および子どもポルノグラフィーに関する子どもの権利条約の選択議定書に基づく第1回報告書についての総括所見(CRC/C/OPSC/JPN/CO/1)とあわせて読まれるべきであることを想起するよう求める。 I.積極的側面 4.委員会は、子どもの権利、とくに武力紛争に関与しまたはその影響を受けている子どもの権利の分野で活動している国際機関に対する、締約国の財政的貢献を歓迎する。 5.委員会は、締約国がそれぞれ以下の文書に加入しまたはこれを批准したことを称賛する。 (a)1949年8月12日のジュネーヴ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(議定書I)(2004年8月31日)。 (b)1949年8月12日のジュネーヴ諸条約の非国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(議定書II)(2004年8月31日)。 (c)国際刑事裁判所ローマ規程(2007年7月17日)。 II.実施に関する一般的措置 普及および研修 6.人権法および国際人道法の普及をともなう行事が軍隊のために開催されている旨の締約国の情報には留意しながらも、委員会は、締約国が、定期研修の一環としてまたは国際平和維持軍に参加するための準備において、自衛隊を対象として選択議定書の原則および規定に関する研修を行なっていないことに、懸念とともに留意する。委員会はまた、徴募されまたは敵対行為において使用された可能性のある子どもとともに活動する専門家のうち一部の職種に属する者が十分な研修を受けていないこと、および、選択議定書に関する公衆一般の意識が低いことも懸念する。 7.委員会は、選択議定書第6条第2項に照らし、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a)議定書の原則および規定が一般公衆および国の職員に対して広く周知されることを確保すること。 (b)軍の関係者全員が選択議定書の原則および規定に関する研修を受けることを確保すること。 (c)徴募されまたは敵対行為において使用された可能性のある子どもとともに活動するすべての関連の専門家集団、とくに教職員、医療従事者、ソーシャルワーカー、警察官、弁護士、裁判官およびジャーナリストを対象として、議定書の規定に関する意識啓発、教育および研修のための体系的プログラムを発展させること。 データ 8.委員会は、締約国が、子どもの難民(保護者がいるか否かを問わない)の人数、および、締約国の領域内にいるこのような子どものうち徴募されまたは敵対行為において使用された者の人数に関するデータを収集していないことを遺憾に思う。委員会はまた、自衛隊生徒の応募者の社会経済的背景に関する情報が存在しないことにも留意する。 9.委員会は、締約国に対し、根本的原因を明らかにしかつ防止措置を整える目的で、締約国の領域内にいる子どものうち徴募されまたは敵対行為において使用された者を特定しかつ登録するための中央データシステムを設置するよう促す。委員会はまた、締約国が、そのような慣行の被害を受けた子どもの難民および庇護希望者に関する、年齢、ジェンダーおよび出身国ごとに細分化されたデータが利用可能とされることを確保するようにも勧告する。委員会は、締約国に対し、条約に基づく次回の定期報告書において、自衛隊生徒として採用された者の社会経済的背景に関する情報を提供するよう求める。 日本政府のコメント 委員会は、締約国に対し、条約に基づく次回の定期報告において、自衛隊生徒として採用された者の社会経済的背景に関する情報を提供するよう求めている。しかし、防衛省は2009年4月に自衛隊生徒の採用を廃止しており、要請された情報を提供することはできない。 III.防止 人権教育および平和教育 10.委員会は、平和教育との関連も含め、あらゆる段階のあらゆる学校のカリキュラムで締約国が提供している具体的な人権教育についての詳しい情報が存在しないことに、懸念とともに留意する。 11.委員会は、締約国が、すべての児童生徒を対象とする人権教育およびとくに平和教育の提供を確保するとともに、これらのテーマを子どもの教育に含めることについて教職員を研修するよう勧告する。 IV.禁止および関連の事項 立法 12.委員会は、選択議定書に違反する行為を訴追する目的で児童福祉法、戸籍法および労働基準法のような法律を活用できる場合があるという締約国の情報に留意する。委員会はまた、締約国から提供された、このような行為は刑法上のさまざまな罪名で告発できる旨の情報にも留意する。しかしながら委員会は、軍隊もしくは武装集団への子どもの徴募または敵対行為における子どもの使用を明示的に犯罪化した法律が存在せず、かつ敵対行為への直接参加の定義も存在しないことを、依然として懸念する。 13.子どもの徴募および敵対行為における子どもの使用を防止するための国際的措置をさらに強化するため、委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a)刑法を改正し、選択議定書に違反して子どもを軍隊または武装集団に徴募すること、および敵対行為において子どもを使用することを明示的に犯罪化する規定を含めること。 (b)軍のすべての規則、教範その他の訓令が選択議定書の規定にしたがうことを確保すること。 裁判権 14.委員会は、締約国の法律に、選択議定書違反の行為に関する締約国の域外裁判権の推定について定めた規定が存在しないことに留意する。 15.委員会は、選択議定書上の犯罪を構成する行為についての域外裁判権を確立するため、締約国が国内法を再検討するよう勧告する。 V.保護、回復および再統合 身体的および心理的回復のための援助 16.委員会は、国外で徴募されまたは敵対行為において使用された可能性がある子ども(子どもの難民および庇護希望者を含む)を特定するためにとられた措置が不十分であること、および、そのような子どもの身体的および心理的回復ならびに社会的再統合のための措置も不十分であることを遺憾に思う。 17.委員会は、締約国が、とくに以下の措置をとることにより、日本にやってきた子どもの庇護希望者および難民のうち国外で徴募されまたは敵対行為において使用された可能性がある者に保護を提供するよう勧告する。 (a)子どもの難民および庇護希望者のうち徴募され、または敵対行為において使用された可能性がある者を、可能なかぎり早期に特定すること。 (b)このような子どもの状況のアセスメントを慎重に行なうとともに、選択議定書第6条第3項にしたがい、その身体的および心理的回復ならびに社会的再統合のための、子どもに配慮した学際的援助を提供すること。 (c)移民担当機関内に特別訓練を受けた職員が配置されることを確保するとともに、子どもの帰還に関わる意思決定プロセスにおいて子どもの最善の利益およびノン・ルフールマンの原則が第一次的に考慮されることを確保すること。これとの関連で、委員会は、締約国が、出身国外にあって保護者のいない子どもおよび養育者から分離された子どもの取扱いに関する委員会の一般的意見6号(2005年)、とくにパラ54~60に留意するよう勧告する。 VI.フォローアップおよび普及 18.委員会は、締約国が、とくにこれらの勧告を、防衛省をはじめとする関連の政府省庁、国会議員その他の関連の公的機関に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。 19.委員会は、選択議定書、その実施および監視に関する意識を促進する目的で、締約国が提出した第1回報告書および委員会が採択した総括所見を、公衆一般およびとくに子どもたちが広く入手できるようにすることを勧告する。 日本政府のコメント 第1回定期報告書および事前質問事項に対する文書回答は、委員会への提出後直ちに、英語および日本語により、インターネットを通じて公衆に提供された。したがって、日本政府はすでに必要な措置をとっている。 VII.次回報告書 20.第8条第2項にしたがい、委員会は、締約国に対し、選択議定書およびこの総括所見の実施に関するさらなる情報を、条約第44条にしたがい、子どもの権利条約に基づく第4回・第5回統合報告書(提出期限は2016年5月21日)に記載するよう要請する。 更新履歴:ページ作成(2010年6月17日)。/パラ9および19に日本政府のコメントを追加(2011年10月4日)。
https://w.atwiki.jp/fbleiflsd/pages/108.html
最近子どものことを考えない親が増えてきたなと思いました。 姑にしてもそうですが、5人も子どもを産んでおいて、 孫のことは全く考えていません。 夜遅くなったら、子どもの生活リズムが崩れて大変なのに、 夜に誕生パーティーとかをやろうとします。 本当にそういった態度を取られると腹が立ちます。 そんなことをやりたいのなら、勝手に自分たちだけやってくれと思いました。 本当にやっていられませんよ。 結婚するということは一体何なんだろうと思いました。 オイシックス らでぃっしゅぼーや パルシステムの比較 コラリッチはシミしわが気になるアラフォーに最適です 24hコスメはマリエも愛用しています ミュゼプラチナムのプラセンタわき脱毛体験
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/14.html
子どもの権利委員会:総括所見:日本(第3回)〔後編〕 (子どもの権利員会:総括所見:日本(第3回)〔前編〕より続く) 5.家庭環境および代替的養護(条約第5条、第18条(第1~2項)、第9~11条、第19~21条、第25条、第27条(第4項)および第39条) 家庭環境 50.日本社会で家族の価値が不朽の重要性を獲得していることは承知しつつ、委員会は、親子関係の悪化にともなって子どもの情緒的および心理的ウェルビーイングに否定的影響が生じており、子どもの施設措置という結果さえ生じていることを示す報告があることを懸念する。委員会は、これらの問題が、高齢者と乳幼児のケアとの間で生じる緊張、ならびに、貧困がとくにひとり親世帯に及ぼす影響に加え、学校における競争、仕事と家庭生活の両立不可能性等の要因から生じている可能性があることに留意する。 51.委員会は、締約国が家族を支援しかつ強化するための措置を導入するよう勧告する。そのための手段としては、子育ての責任を履行する家族の能力を確保する目的で男女双方を対象として仕事と家庭生活との適切なバランスを促進すること、親子関係を強化すること、および、子どもの権利に関する意識啓発を図ることなどがあげられる。委員会はさらに、社会サービス機関が、子どもの施設措置を防止するためにも、不利な立場に置かれた子どもおよび家族に優先的に対応し、かつ適切な金銭的、社会的および心理的支援を提供するよう勧告する。 親のケアを受けていない子ども 52.委員会は、親のケアを受けていない子どもを対象とする、家族を基盤とした代替的養護に関する政策が存在しないこと、家族から引き離されて養護の対象とされる子どもの人数が増えていること、小集団の家庭型養護を提供しようとする努力にも関わらず多くの施設の水準が不十分であること、および、代替的養護施設において子どもの虐待が広く行なわれているという報告があることに、懸念とともに留意する。これとの関連で、委員会は、遺憾ながら広く実施はされていないものの、苦情申立て手続が設けられたことに留意する。委員会は、里親が義務的研修を受け、かつ増額された手当を受給していることを歓迎するが、一部類型の里親が金銭的支援を受けていないことを懸念する。 53.委員会は、第18条に照らし、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a)子どもの養護を、里親家庭、または居住型養護における小集団編成のような家庭的環境のもとで提供すること。 (b)里親養護を含む代替的養護現場の質を定期的に監視し、かつ、あらゆる養護現場による適切な最低基準の遵守を確保するための措置をとること。 (c)代替的養護現場における児童虐待を調査し、かつその責任者を訴追するとともに、虐待の被害者が苦情申立て手続、カウンセリング、医療的ケアその他の適切な回復援助にアクセスできることを確保すること。 (d)金銭的支援がすべての里親に提供されるようにすること。 (e)「子どもの代替的養護に関する国連指針」(国連総会決議A/RES/64/142参照)〔厚生労働省仮訳(PDF)〕を考慮すること。 養子縁組 54.委員会は、養親またはその配偶者の直系卑属である子どもの養子縁組が司法機関による監督または家庭裁判所の許可を受けずに行なえることに、懸念とともに留意する。委員会はさらに、国外で養子とされた子どもの登録機関が存在しないことを含め、国際養子縁組が十分に監督されていないことを懸念する。 55.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a)すべての養子縁組が司法機関による許可の対象とされ、かつ子どもの最善の利益にしたがって行なわれること、および、養子とされたすべての子どもの登録機関が維持されることを確保するための措置をとり、かつこれを効果的に実施すること。 (b)国際養子縁組についての子の保護および協力に関するハーグ第33号条約(1993年)の批准を検討すること。 児童虐待およびネグレクト 56.委員会は、虐待防止のための機構を定めかつ執行する、児童虐待防止法および児童福祉法の改正等の措置を歓迎する。しかしながら委員会は、民法上の「親権」概念によって「包括的支配」を行なう権利が与えられていることおよび親が過大な期待を持つことにより、子どもが家庭で暴力を受けるおそれが生じていることを依然として懸念する。委員会は、児童虐待の発生件数が増え続けていることに、懸念とともに留意する。 57.委員会は、締約国が、以下のものを含む措置をとることにより、児童虐待の問題に対応する現在の努力を強化するよう勧告する。 (a)虐待およびネグレクトの否定的影響に関する公衆教育プログラム、ならびに家族発達プログラムを含む防止プログラムを実施し、かつ、積極的な、非暴力的形態のしつけを促進すること。 (b)家庭および学校で虐待の被害を受けた子どもに十分な保護を提供すること。 6.基礎保健および福祉(条約第6条、第18条(第3項)、第23条、第24条、第26条および第27条(第1~3項)) 障がいのある子ども 58.委員会は、締約国が、障がいのある子どもを支援し、学校における交流学習を含む社会参加を促進し、かつその自立を発達させることを目的として、法律の採択ならびにサービスおよび施設の設置を進めてきたことに留意する。委員会は、根深い差別がいまなお存在すること、および、障がいのある子どものための措置が注意深く監視されていないことを、依然として懸念する。委員会はまた、必要な設備および便益を用意するための政治的意思および財源が欠けていることにより、障がいのある子どもによる教育へのアクセスが引き続き制約されていることにも留意する。 59.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a)障がいのあるすべての子どもを全面的に保護するために法律の改正および採択を行なうとともに、進展を注意深く記録し、かつ実施における欠点を明らかにする監視システムを確立すること。 (b)障がいのある子どもの生活の質を高め、その基本的ニーズを満たし、かつそのインクルージョンおよび参加を確保することに焦点を当てた、コミュニティを基盤とするサービスを提供すること。 (c)存在している差別的態度と闘い、かつ障がいのある子どもの権利および特別なニーズについて公衆の感受性を高めること、障がいのある子どもの社会へのインクルージョンを奨励すること、ならびに、意見を聴かれる子どもおよびその親の権利の尊重を促進することを目的とした、意識啓発キャンペーンを実施すること。 (d)障がいのある子どものためのプログラムおよびサービスに対して十分な人的資源および財源を提供するため、あらゆる努力を行なうこと。 (e)障がいのある子どものインクルーシブ教育のために必要な便益を学校に備えるとともに、障がいのある子どもが希望する学校を選択し、またはその最善の利益にしたがって普通学校と特別支援学校との間で移行できることを確保すること。 (f)障がいのある子どものためにおよびそのような子どもとともに活動している非政府組織(NGO)に対し、援助を提供すること。 (g)教職員、ソーシャルワーカーならびに保健・医療・治療・養護従事者など、障がいのある子どもとともに活動している専門的職員を対象とした研修を行なうこと。 (h)これとの関連で、障がいのある人の機会均等化に関する国連基準規則(国連総会決議48/96)および障がいのある子どもの権利に関する委員会の一般的意見9号(2006年)を考慮すること。 (i)障がいのある人の権利に関する条約(署名済み)およびその選択議定書(2006年)を批准すること。 メンタルヘルス 60.委員会は、著しい数の子どもが情緒的ウェルビーイングの水準の低さを報告していること、および、親および教職員との関係の貧しさがその決定要因となっている可能性があることを示すデータに留意する。委員会はまた、発達障がい者支援センターにおける注意欠陥・多動性障がい(ADHD)の相談数が増えていることにも留意する。委員会は、ADHDの治療に関する調査研究および医療専門家の研修が開始されたことを歓迎するが、この現象が主として薬物によって治療されるべき生理的障がいと見なされていること、および、社会的決定要因が正当に考慮されていないことを懸念する。 61.委員会は、締約国が、子どもおよび思春期の青少年の情緒的および心理的ウェルビーイングの問題に、あらゆる環境における効果的支援を確保する学際的アプローチを通じて対応するための効果的措置をとるよう勧告する。委員会はまた、締約国が、ADHDの診断数の推移を監視するとともに、この分野における調査研究が製薬産業とは独立に実施されることを確保するようにも勧告する。 保健サービス 62.委員会は、行動面に関わる学校の期待を満たさない子どもが児童相談所に送致されることに、懸念とともに注目する。委員会は、専門的処遇の水準(意見を聴かれる子どもの権利の実施および子どもの最善の利益の考慮を含む)に関する情報が存在しないことを懸念するとともに、成果の体系的評価が利用されていないことを遺憾に思う。 63.委員会は、締約国が、児童相談所システムおよびその作業方法に関する独立の調査(リハビリテーションの成果に関する評価も含む)を委託し、かつ、このレビューの結果に関する情報を次回の定期報告書に含めるよう勧告する。 HIV/AIDS 64.委員会は、HIV/AIDSその他の性感染症の感染率が上昇していること、および、これらの健康問題に関する思春期の青少年向けの教育が限定されていることに懸念を表明する。 65.委員会は、締約国が、学校カリキュラムにリプロダクティブ・ヘルス〔性と生殖に関わる健康〕教育が含まれることを確保し、かつ思春期の青少年に対して自己のリプロダクティブ・ライツ〔性と生殖に関わる権利〕に関する情報(10代の妊娠およびHIV/AIDSを含む性感染症の予防に関するものを含む)を全面的に提供するとともに、思春期の健康および発達に関する委員会の一般的意見4号(2003年)を考慮に入れながら、HIV/AIDSその他の性感染症の予防のためのすべてのプログラムに思春期の青少年が容易にアクセスできることを確保するよう勧告する。 十分な生活水準に対する権利 66.対話の際、委員会は、すべての子どもを対象とする改善された子ども手当制度が2010年4月から施行された旨の情報を提供されたが、この新たな措置が、貧困下で暮らしている人口の割合(15%)を、生活保護法およびひとり親家庭(とくに女性が世帯主である世帯)を援助するためのその他の措置のような現在適用されている措置よりも効果的に低下させることにつながるかどうか評価するためのデータは、利用可能とされていない。委員会は、財政政策および経済政策(労働規制緩和および民営化戦略等)が、賃金削減、女性と男性の賃金格差ならびに子どものケアおよび教育のための支出の増加により、親およびとくにシングルマザーに影響を与えている可能性があることを懸念する。 67.委員会は、締約国が子どもの貧困を根絶するために適切な資源を配分するよう勧告する。そのための手段には、貧困の複雑な決定要因、発達に対する子どもの権利およびすべての家族(ひとり親家族を含む)に対して確保されるべき生活水準を考慮に入れながら、貧困削減戦略を策定することも含まれる。委員会はまた、締約国に対し、親は子育ての責任を負っているために労働の規制緩和および流動化のような経済戦略に対処する能力が制約されていることを考慮に入れるとともに、金銭的その他の支援の提供によって、子どものウェルビーイングおよび発達にとって必要な家族生活を保障することができているかどうか、注意深く監視するよう促す。 子どもの扶養料の回復 68.子どもの扶養料の回復を図ることを目的とした民事執行法の制定(2004年)には留意しつつ、委員会は、別居または離婚した親(出国した者を含む)の多く(ほとんどは父親)が扶養義務を果たしていないこと、および、未払いの扶養料を回復するための現行手続が十分ではないことを懸念する。 69.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a)婚姻しているか否かに関わらず、両方の親がその子どもの扶養に公平に貢献すること、および、いずれかの親が義務を履行しない場合に扶養義務が効果的に回復されることを確保する、現行の法律および措置の実施を強化すること。 (b)新たな機構(すなわち、債務不履行の親の扶養義務を履行し、かつ、その後、適切な場合には民事上または刑事上の法律を通じて未払金を回収する国家基金)を設立し、扶養料の支払いがこの機構を通じて回復されることを確保すること。 (c)親責任および子の保護措置についての管轄権、準拠法、承認、執行および協力に関するハーグ第34号条約(1996年)を批准すること。 7.教育、余暇および文化的活動(条約第28条、第29条および第31条) 教育(職業訓練および職業指導を含む) 70.委員会は、日本の学校制度によって学業面で例外的なほど優秀な成果が達成されてきたことを認めるが、学校および大学への入学を求めて競争する子どもの人数が減少しているにも関わらず過度の競争に関する苦情の声があがり続けていることに、懸念とともに留意する。委員会はまた、このような高度に競争的な学校環境が就学年齢層の子どものいじめ、精神障がい、不登校、中途退学および自殺を助長している可能性があることも、懸念する。 71.委員会は、学業面での優秀な成果と子ども中心の能力促進とを結合させ、かつ、極端に競争的な環境によって引き起こされる悪影響を回避する目的で、締約国が学校制度および大学教育制度を再検討するよう勧告する。これとの関連で、締約国は、教育の目的に関する委員会の一般的意見1号(2001年)を考慮するよう奨励される。委員会はまた、締約国が、子ども同士のいじめと闘う努力を強化し、かつそのような措置の策定に子どもたちの意見を取り入れるよう勧告する。 72.委員会は、中国系、北朝鮮系その他の出身の子どもを対象とした学校に対する補助金が不十分であることを懸念する。委員会はまた、このような学校の卒業生が日本の大学の入学試験を受けられない場合があることも懸念する。 73.委員会は、締約国に対し、外国人学校への補助金を増額し、かつ大学入試へのアクセスにおいて差別が行なわれないことを確保するよう奨励する。締約国は、ユネスコ・教育差別禁止条約の批准を検討するよう奨励される。 日本政府のコメント 「各種学校」として認可されている外国人学校のほとんどは、実際には自治体による補助を受けている。さらに、これらの学校の卒業生が日本の大学入学試験を受験する資格がない場合がある旨の委員会の懸念については、中等学校を修了した者または同等の学力を有する者は、国籍に関わらず、誰でも大学入学試験の受験資格を有する。外国人学校の卒業生に関しては、以下の基準を満たす者は誰でも大学入学試験の受験資格を有するところである。 1)母国によって高等学校相当の課程を有する旨認定されている日本の外国人学校を卒業した者。 2)国際的な評価団体の認定を受けた外国人学校の12年の課程を修了した者。 3)大学が行う個別の入学資格審査により、高等学校を卒業した者に相当する以上の学力を有していると認められた者。 したがって、委員会の懸念は誤解に基づくものである。 74.委員会は、日本の歴史教科書においては歴史的出来事に対する日本側の解釈しか記述されていないため、地域の異なる国々出身の子どもの相互理解が増進されていないという情報があることを懸念する。 75.委員会は、締約国が、検定教科書においてアジア・太平洋地域の歴史的出来事に関するバランスのとれた見方が提示されることを確保するよう勧告する。 日本政府のコメント 小中高校で使用される教科書に適用される教科書検定制度において、政府は歴史または歴史的事件に関する一定の見方を決定する立場にはない。民間企業が制作・編集する教科書の欠陥(明らかな誤りや著しく均衡を書いた記述など)を、審査時における客観的な学問的知見その他の適切な資料に照らして指摘するのは、政府関係者ではない研究者等から構成される教科書用図書検定調査審議会である。審査は、とくに他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことを目的とする教育基本法と、近隣のアジア諸国との間の国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされているべきである旨の指針を掲げる、〔文部科学〕省の教科用図書検定指針である。したがって、日本の歴史教科書が、歴史的事件に関して日本の解釈のみを反映しているため、他国の児童との相互理解を強化していないという委員会の懸念は当を得ていない。 日本政府は、歴史教育の適正な実施を通じ、日本と世界に関する理解を深め、近隣諸国を含む他国との相互理解および相互信頼を強化しようと努めているところである。 遊び、余暇および文化的活動 76.委員会は、締約国が休息、余暇および文化的活動に対する子どもの権利を想起するよう求めるとともに、公共の場所、学校、子ども施設および家庭における子どもの遊び時間その他の自主的活動を促進しかつ容易にする取り組みを支援するよう勧告する。 8.特別な保護措置(条約第22条、第38条、第39条、第40条、第37条(b)および(d)、第30条ならびに第32~36条) 保護者のいない難民の子ども 77.委員会は、犯罪活動の疑いが存在しない場合でさえ庇護希望者の子どもを収容する慣行が広く行なわれていること、および、保護者のいない庇護希望者の子どもをケアする機構が確立されていないことに懸念を表明する。 日本政府のコメント 「犯罪行為の疑いがない場合でも庇護申請児童を収容する慣行が広く行われていること」に対する委員会の懸念については、犯罪的活動に数えられる退去強制事由もなく庇護申請児童が収容されることは考えにくい。また、「慣行が広く行われている」という点については、これらの児童の収容はやむを得ない場合に限られている。したがって、委員会の懸念は事実誤認に基づくものである。 78.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a)庇護希望者の子どもの収容を防止し、このような子どもの入管収容施設からの即時釈放を確保し、かつ、このような子どもに宿泊所、適切なケアおよび教育へのアクセスを提供するため、正式な機構の確立等を通じて即時的措置をとること。 (b)公正かつ子どもに配慮した難民認定手続のもと、子どもの最善の利益が第一次的に考慮されることを確保しながら、保護者のいない子どもの庇護申請の処理を迅速に進めるとともに、後見人および法定代理人を任命し、かつ親その他の近親者の所在を追跡すること。 (c)国連難民高等弁務官(UNHCR)の「子どもの最善の利益の公式な決定に関するガイドライン」および「難民の保護およびケアに関するガイドライン」を考慮しながら、難民保護の分野における国際基準を尊重すること。 人身取引 79.委員会は、人身取引を刑法上の犯罪と定めた刑法改正(2005年7月施行)および2009年の「人身取引対策行動計画」を歓迎する。しかしながら委員会は、同行動計画のために用意された資源、調整および監視のための機関、ならびに、人身取引対策がとくに子どもに与える影響についての情報が存在しないことに留意する。 80.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a)とくに子どもの人身取引に対応するための措置の効果的監視を確保すること。 (b)人身取引の被害者に対し、身体的および心理的回復のための援助が提供されることを確保すること。 (c)行動計画の実施に関する情報を提供すること。 (d)国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人、とくに女性および子どもの取引を防止し、抑止しおよび処罰するための議定書(2000年)を批准すること。 性的搾取 81.委員会は、締約国の第2回定期報告書の審査後にも留意された、買春によるものも含む子どもの性的搾取件数が増えていることに対する懸念をあらためて繰り返す。 82.委員会は、子どもの性的搾取の事件を捜査しかつ加害者を起訴するとともに、性的搾取の被害者に対してカウンセリングその他の回復援助を提供する努力を締約国が強化するよう勧告する。 少年司法の運営 83.委員会は、2000年の少年法改正においてどちらかといえば懲罰的なアプローチが採用され、罪を犯した少年の権利および司法上の保障が制限されてきた旨の、締約国の第2回報告書(CRC/C/104/Add.2)の検討を受けて2004年2月に表明した前回の懸念(CRC/C/15/Add.231)をあらためて繰り返す。とりわけ、刑事責任年齢〔刑事処分年齢〕が16歳から14歳に引き下げられたことにより、教育的措置がとられる可能性が低くなり、14~16歳の多くの子どもが矯正施設への収容の対象とされている。また、重罪を犯した16歳以上の子どもは刑事裁判所に送致される可能性があり、審判前の身体拘束〔観護措置〕期間は4週間から8週間に延長され、かつ、非職業裁判官制度である裁判員制度は、専門機関である少年〔家庭〕裁判所による、罪を犯した子どもの処遇の障害となっている。 日本政府のコメント パラ83の「起訴前勾留」(pretrial detention)は、パラ84ないし85(g)にいう「起訴前勾留」とは明らかに異なる概念であるので、「観護措置」(protective detention)に訂正されるべきである。 84.委員会はさらに、成人刑事裁判所に送致される少年の人数が顕著に増加していることを懸念するとともに、法に抵触した子どもに認められている手続的保障(弁護士にアクセスする権利を含む)が制度的に実施されていないため、とくに自白の強要および不法な捜査実務が行なわれていることを遺憾に思う。委員会はまた、少年矯正施設における被収容者への暴力が高い水準で行なわれていること、および、少年が審判前に成人と勾留される可能性があることも懸念する。 85.委員会は、締約国に対し、少年司法における子どもの権利に関する委員会の一般的意見10号(2007年)を考慮に入れながら、少年司法制度を条約、とくに第37条、第40条および第39条、ならびに、少年司法の運営に関する国連最低基準規則(北京規則)、少年非行の防止のための国連指針(リャド・ガイドライン)、自由を奪われた少年の保護に関する国連規則(ハバナ規則)および刑事司法制度における子どもに関する行動についてのウィーン指針を含む少年司法分野のその他の国連基準と全面的に一致させる目的で、少年司法制度の運用を再検討するよう促す。とりわけ委員会は、締約国がとくに以下の措置をとるよう勧告する。 (a)子どもが刑事司法制度と接触することにつながる社会的条件を解消するために家族およびコミュニティの役割を支援することのような防止措置をとるとともに、その後のスティグマを回避するためにあらゆる可能な措置をとること。 (b)刑事責任〔刑事処分〕に関する最低年齢との関連で法律を見直し、従前の16歳に引き上げることを検討すること。 (c)刑事責任年齢に達していない子どもが刑法犯として扱われまたは矯正施設に送られないこと、および、法に抵触した子どもが常に少年司法制度において対応され、専門裁判所以外の裁判所で成人として審理されないことを確保するとともに、このような趣旨で裁判員制度を見直すことを検討すること。 (d)現行の法律扶助制度の拡大等により、すべての子どもが手続のあらゆる段階で法的その他の援助を提供されることを確保すること。 (e)可能な場合には常に、保護観察、調停、地域奉仕命令または自由剥奪刑の執行停止のような、自由の剥奪に代わる措置を実施すること。 (f)(審判前および審判後の)自由の剥奪が最後の手段として、かつ可能なかぎり短い期間で適用されること、および、自由の剥奪がその中止の観点から定期的に再審査されることを確保すること。 (g)自由を奪われた子どもが、審判前の身体拘束の時期も含め、成人とともに収容されず、かつ教育にアクセスできることを確保すること。 (i)〔(h)〕少年司法制度に関わるすべての専門家が関連の国際基準に関する研修を受けることを確保すること。 マイノリティまたは先住民族の集団に属する子ども 86.アイヌ民族の状況を改善するために締約国がとった措置には留意しながらも、委員会は、アイヌ、コリアン、部落その他のマイノリティの子どもが引き続き社会的および経済的周縁化を経験していることを懸念する。 87.委員会は、締約国に対し、民族的マイノリティに属する子どもへの差別を生活のあらゆる分野で解消し、かつ、条約に基づいて提供されるすべてのサービスおよび援助に対し、このような子どもが平等にアクセスできることを確保するため、あらゆる必要な立法上その他の措置をとるよう促す。 9.フォローアップおよび普及 フォローアップ 88.委員会は、とくに、これらの勧告を高等〔最高〕裁判所、内閣および国会の構成員ならびに適用可能な場合には地方政府に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。 総括所見の普及 89.委員会はさらに、条約、その実施および監視に関する意識を促進する目的で、第3回定期報告書、締約国が提出した文書回答およびこの総括所見を、公衆一般、市民社会組織、メディア、若者グループ、専門家グループおよび子どもたちが、インターネット等も通じ、日本の言語で広く入手できるようにすることを勧告する。 日本政府のコメント 第3回定期報告書および事前質問事項に対する文書回答は、委員会への提出後直ちに、英語および日本語により、インターネットを通じて公衆に提供された。したがって、日本政府はすでに必要な措置をとっている。 次回報告書 90.委員会は、締約国に対し、第4回・第5回統合報告書を2016年5月21日までに提出するように求める。報告書は120ページを超えるべきではなく(CRC/C/118参照)、かつこの総括所見の実施に関する情報が記載されるべきである。 91.委員会はまた、締約国に対し、2006年6月の第5回人権条約機関委員会間会合で承認された統一報告ガイドライン(HRI/MC/2006/3)に掲げられた共通コア・ドキュメントについての要件にしたがい、最新のコア・ドキュメントを提出するよう求める。 更新履歴:ページ作成(2010年6月17日)。/パラ72「子どもを対象とした補助金」を「子どもを対象とした学校に対する補助金」に修正。(同)/パラ57(e)「障害の子ども」を「障害のある子ども」に、パラ84「手続的保障(弁護士にアクセスする権利を含む)が制度的に実施されているため」を「……実施されていないため」に修正。(6月21日)。/関連パラグラフに日本政府のコメントを追加(2011年10月4日)。
https://w.atwiki.jp/kodomonomachi/pages/21.html
*子どもがつくるまち「ミニさくら」 「遊びのまち」だから子どもたちは面白く、楽しく、自発的にミニさくらの“まちづくり”に参画し創造性を発揮する。結果として「職業や社会の仕組みの体験的な学習」の効果もあるが主目的ではない。 子どもたちは、受付で市民カードを手に入れて「ミニさくら市民」となり、職安でやりたい仕事を選び、選んだ仕事場(ブース)で、好きなだけ働く。そして労働時間に応じた給料を独自通貨<モール> で、銀行で受け取り、自由に使うことができる。 *目次 1 概要 2 歴史 3 仕事ブース 4 大人の会議(例) 5 子どもの会議(例) 6 話題(例) 6.1 (始まりの頃の特筆すべき点) 6.2 (現在の特筆すべき点) 6.3 (外部の協力者) 7 参考文献 8 関連項目 9 外部リンク *概要 当市のこどものまち「●●●●●●」は●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●という特徴を持つ。 *歴史 第1回 2002年 3月28日~31日 中志津中央商店街 (主催:NPO佐倉こどもステーション) 第2回 2003年 3月21日~24日 七井戸公園自由広場 (主催:ミニさくら実行委員会) 第3回 2005年 3月27日~4月2日 中志津中央商店街 (主催:NPO子どものまち) 第4回 2006年 3月24日~27日 中志津中央商店街 (主催:NPO子どものまち) 第5回 2007年 3月23日~26日 中志津中央商店街 (主催:NPO子どものまち) 第6回 2008年 3月27日~30日 中志津中央商店街 (主催:NPO子どものまち) *仕事ブース それぞれの仕事場では大人のサポーターが、子ども達の活動を見守りながらもサポートする。一度、開催場所は変わったが商店街で開催し、地域の人も子どものまちを目の当たりにする。そのために地域住民、商店主、付き添いの父母や祖父母など様々な大人への対応が大きな課題である。 例年用意される、または少数回でも特徴的に設置された仕事ブースは、次の通り。 市役所、市議会、銀行、職安、大人の学校、清掃局、警察、看板や、ちっちゃい子センター、放送局、新聞社、病院、市場、手作り工房、ギフトショップ、チョコバナナ、手打ちうどん、わたがしや、タクシー芸能プロダクション、竹とんぼ屋、リサイクル工房、ちんどん屋など *大人の会議(例) こどものまちを主催する大人による会議は、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。 ●●月 ●●●●●●として開催 ●●月 ●●●●●●として開催 ●●月 ●●●●●●として開催 *子どもの会議(例) こどものまちの主役である子どもによる会議は、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。 ●●月 ●●●●●●として開催 ●●月 ●●●●●●として開催 ●●月 ●●●●●●として開催 *話題 **(始まりの頃の特筆すべき点) ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。 **(現在の特筆すべき点) ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。 **(外部の協力者) ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。 *主催団体 任意団体「NPO子どものまち」 子どもが主役になって生き生きと主体性を発揮できる体験活動 「こどもがつくるまち”ミニさくら”」や「こどもの居場所“ワイワイ広場”」などの開催・発展・普及を促進し、子どもたち一人一人が夢や希望を持って、主体的に生きていける地域社会の実現を子どもたちとともにめざして活動しています。 事務局: 〒285-0843 佐倉市中志津4-1-7 Tel 043-488-2839 / Fax 043-463-0196 kodomonomachi@yahoo.co.jp *参考文献 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。 *関連項目 ●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●● 写真 https //photos.app.goo.gl/Zu2xLpwCGt7D93hX9
https://w.atwiki.jp/nanakura/
連日のようにニュースで人を殺したという物騒な声が聞こえてきます。 なぜ人が人を殺せるんでしょうか。 まずはその神経を疑います。 その中でも子どもの虐待のニュースを見ると自分のことのように胸が苦しくなります。 親が自分の子どもを虐待して死なせたという事件は本当に悲しくなります。 なぜ虐待してしまうのか。 その心はまったくわかりません。 もちろん育児は楽しいばかりではありません。 時にイラッとしたり子どもに八つ当たりをしたくなるときもあります。 でもなぜ自分より小さくて非力な子どもに死なせるほどの傷を与えることができるんでしょう。 もちろん悪いことをしたらダメと叱るのはしつけの一環で当然のことです。 それが行き過ぎると手遅れになることもあります。 周りに自分の理解者や同じ悩みを持つ人がいないのかもしれません。 そういった環境を作れない人もいると思います。 でも取り返しがつかなくなる前に対処できないものかと思えてなりません。 子どもは自分の感情をぶつけていい相手ではありません。 子どもは自分が産んだからといって好きに扱っていいものでもありません。 1人の人間なんです。 1人でも多く虐待される子が減ることを願うばかりです。 この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます。 ブラジリアンワックス、男が通うなら…
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/323.html
子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書の実施に関するガイドライン 一般的意見一覧 参考:Explanatory Report to the Guidelines regarding the implementation of the Optional Protocol to the Convention on the Rights of the Child on the sale of children, child prostitution and child pornography(Interagency Working Group, September 2019)〔PDF〕 CRC/C/156 配布:一般(2019年9月10日) 原文:英語(PDF) 日本語訳:平野裕二(日本語訳PDF) 子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書の実施に関するガイドライン [注] [注] 委員会が第81会期(2019年5月13~31日)に採択。 I.はじめにA.子どもの売買および性的搾取に関連する最近の進展 B.さまざまな国際的関係機関からの勧告の増加 II.ガイドラインの目的 III.一般的実施措置A.立法 B.データ収集 C.包括的な政策および戦略 D.調整、監視および評価 E.資源配分 F.普及および意識啓発 G.研修 IV.選択議定書が対象とする犯罪の防止A.一般的措置 B.旅行および観光の文脈における子どもの売買および性的搾取の防止 C.オンラインの子どもの売買および性的搾取の防止 V.選択議定書が対象とする犯罪の禁止 VI.制裁 VII.裁判権および犯罪人引渡し VIII.被害を受けた子どもの、法的手続における援助および保護に対する権利A.一般的所見 B.カウンセリング、通報および苦情申立ての機構 C.刑事司法手続への参加 IX.被害を受けた子どもの、回復、家族および社会への再統合ならびに補償・賠償に対する権利 X.共助および国際協力 I.はじめに A.子どもの売買および性的搾取に関連する最近の進展 1.子どもの権利条約(1989年採択)ならびに子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書(2000年採択)は、子どもの権利の促進および保障を図り、かつ売買、性的搾取および性的虐待から子どもを保護する、もっとも包括的な国際法文書である。しかしこれらの条約が採択されたのは、情報通信技術(ICT)[1] およびソーシャルメディアの発展および普及の度合いがいまよりもはるかに低く、かつ、子どもに対する性犯罪が、今日ではしばしば存在するデジタル環境との緊密な結びつきを有していない時代であった。条約および選択議定書はデジタル環境においても全面的に関連性を有しておりかつ適用されるものだが、その規定は今日の現実にあわせて解釈しなければならない。 [1] 「ICT」という用語は、ラジオ、テレビ、携帯電話ならびにコンピューターおよびネットワークのハードウェアおよびソフトウェアを含む、あらゆる通信機器またはアプリケーションを包含する。 2.ICTの急速な発展および普及は、人権の前進を加速し、かつ不平等を削減する大きな機会を提供してくれるものである。同時に、この発展は、売買および性的搾取の危険にさらされる子どもの増加にもつながってきた。これは、性犯罪者にとっては、性的目的で子どもとつながって子どもを勧誘し(「グルーミング」)、ネット上で行なわれる子どもの性的虐待をライブのビデオストリーミングで視聴しかつこれに参加し、子どもの性的虐待表現物(「セクスティング」〔訳者注〕により製造された自撮りコンテンツを含む)を頒布し、かつ子どもに対する性的強要を行なう新たな道を開くものである。加えて、このような技術は、犯罪者が相互につながり、かつ暗号化された情報を共有する新たな機会を提供するものであり、また選択議定書で対象とされている犯罪を遂行しまたは容易にするためのダークネットの利用は、法執行に新たな課題を突きつけている。インターネットへのアクセスが前例のないレベルで拡大しつつある世界にあって、子どもが性的に搾取されまたは商品として買われかつ売られる危険性はかつてなく高まりつつある。 訳者注:「子どもが自ら作成した性的コンテンツを携帯電話経由で他の者に送る行為」(後掲パラ42参照)。 3.グローバル化し、かつ可動性が高まりつつある世界にあって、旅行および観光の文脈における子どもの売買および性的搾取は増大しつつある脅威である。子どもに対して性犯罪を行なう旅行者は、国境を越えて渡航するのであれ自国内で旅行するのであれ、脆弱な状況に置かれた子どもにこれまでよりも容易にアクセスできるようになっており、その際にはしばしばダークネット上にある匿名の橋渡し役のネットワークが利用される。 4.子どもに対する性犯罪のジェンダーの側面は、選択議定書の実施に関わるもうひとつの重要な一面である。被害者の大多数は女児であるとはいえ、最近の調査では、ネット上の子どもの性的虐待表現物で描かれている子どもには相当の割合で男児が含まれていることがわかっている。性的搾取および性的虐待の被害を受けた男児のための支援体制は、いまなおきわめて少ない。 5.委員会は、選択議定書の実施を監視する任務に基づき、子どもの権利に関する国際的および地域的文書で用いられている用語の一部(「児童ポルノ」または「児童買春」など)が徐々に置き換えられつつあることを認識する。このような変化の背景にある理由のひとつは、これらの用語には誤解を招き、かつ子どもがこのような慣行に同意しうることをほのめかすことによって、これらの犯罪の重大性を損ない、または避難の矛先を子どもに向けさせてしまう可能性があることである。このことに照らし、委員会は、締約国およびその他の関係者に対し、子どもの性的搾取および性的虐待の防止ならびにこれらの行為からの保護に対応する立法および政策の策定で用いる用語法についての指針として、「性的搾取および性的虐待からの子どもの保護に関する用語法ガイドライン」[2] に注意を払うよう奨励する。 [2] http //luxembourgguidelines.org/english-version 参照。 B.さまざまな国際的関係機関からの勧告の増加 6.委員会は、その総括所見、一般的意見13号(あらゆる形態の暴力からの自由に対する子どもの権利、2011年)、同14号(自己の最善の利益を第一次的に考慮される子どもの権利、2013年)、同16号(企業セクターが子どもの権利に与える影響に関わる国の義務、2013年)および同17号(休息、余暇、遊び、レクリエーション活動、文化的生活および芸術に対する子どもの権利、2013年)などで、ならびに子どもの権利とデジタルメディアに関する2014年の一般的討議の文脈において、デジタルメディアおよびICTが子どもたちの生活に及ぼす相当な影響を考慮してきた。さらに、人権理事会は、2016年、1日をかけて子どもの権利について討議する恒例の会合のテーマとして情報通信技術と子どもの性的搾取を取り上げた。 7.各国は、持続可能な開発目標を通じて、子どもたちに投資する意思および子どもたちが暴力を受けないですむ世界を確保する意思を明らかにした。これらの目標のなかには、女性および女児に対するあらゆる形態の暴力を解消すること(ターゲット5.2)、最悪の形態の児童労働(子ども兵士の徴募および使用を含む)の禁止および解消を確保するための即時的かつ効果的な措置をとるとともに、2025年までにあらゆる形態の児童労働を終わらせること(ターゲット8.7)、ならびに、子どもに対する虐待、搾取、人身取引およびあらゆる形態の暴力ならびに子どもの拷問を終わらせること(ターゲット16.2)などもある。これらのターゲットを網羅する選択議定書の効果的実施は、持続可能な開発目標の達成にも貢献しうるものである。 8.選択議定書の実施に関するこのガイドラインは、関連する関係機関(国家、専門性を有する国内的および国際的非政府組織および政府間期間ならびに国連専門機関を含む)との一連の協議の成果である。 II.ガイドラインの目的 9.このガイドラインの主な目的は次のとおりである。 (a) デジタル環境の発展に照らし、かつ子どもの売買および性的搾取に関する、選択議定書の採択以降の知識および経験の増加に鑑み、選択議定書の実体規定ならびにさまざまな現代的形態の子どもの売買および性的搾取に関する理解の深化を促進すること。 (b) 締約国による、選択議定書のより効果的な実施を可能とすること。 (c) 選択議定書が売買および性的搾取からの子どもの保護(これらの犯罪がICTによって容易になっているか否かを問わない)を増進させる文書であり続けることを確保すること。 10.このガイドラインには、選択議定書上の義務の履行を向上させるために締約国が行なっている取り組みおよび努力を支援しかつ強化するという目的もある。これには、選択議定書に基づいて提出されるべき第1回報告書に関する改訂ガイドライン(CRC/C/OPSC/2、2006年採択)ならびに定期報告書の形式および内容に関する条約別指針(CRC/C/58/Rev.3、2014年採択)に定められた委員会への報告に関連するものも含まれる。 III.一般的実施措置 11.委員会は、選択議定書の規定を実施するためのいかなる措置においても、条約、とくに第2条、第3条、第6条および第12条に掲げられた一般原則ならびに子どものプライバシー権の尊重が全面的に遵守されるべきであることを強調する。条約はまた、子どもが自己の権利について年齢にふさわしいやり方で情報を提供されること、子どもが自己に影響を与えるすべての事柄について自由に意見を表明する権利を有すること、および、これらの意見が子どもの年齢および成熟度にしたがって正当に重視されることも要求している。 12.締約国は、立法措置および政策措置の立案プロセスおよび実施に子ども参加を含めるための努力を行なうべきである。その際には、子どもたちの意見が差別なく考慮されること、および、子どもたちと協議を行なう大人が、年齢にふさわしく、かつジェンダーに配慮したやり方で協議を進めるために必要な訓練および資源を与えられることを確保することが求められる。 13.委員会は、締約国が、選択議定書を実施するためのいかなる措置においても、その特性、事情および(または)生活状況のために売買および性的搾取の被害をより受けやすい立場に置かれている可能性がある子どもたちのことを具体的に考慮するよう奨励する。このような子どもには、女児、男児、その他のジェンダーまたは性的自認および性的指向の子ども、障害のある子ども、施設にいる子ども、移住者である子ども、路上の状況にある子ども、ならびに、脆弱なまたは周縁化されたその他の状況にある子どもが含まれる。 A.立法 14.委員会は、選択議定書で対象とされている犯罪が処罰されない状況と闘う必要性が切迫していることを強調する。選択議定書を実施するための立法措置においては、第3条に挙げられているすべての行為(これらの行為の未遂を含む)が明示的に網羅されるべきである。性的搾取目的の子どもの売買のみならず、臓器移植を目的とするもの、強制労働に従事させることを目的とするものおよび養子縁組が子どもの売買に相当する状況を禁止することに注意を向けるよう求められる。 15.委員会は、締約国に対し、「子どもの売買」の国際法上の定義は「人身取引」のそれと同一ではないことを想起するよう求める。子どもの売買は何らかの形態の商業的取引を常にともなうが、子どもの人身取引についてはこれは要件とされない(たとえば欺罔、実力または誘拐による子どもの人身取引)。さらに、人身取引には子どもを搾取するという意図された目的が常に存在するが、このような目的は子どもの売買については構成要件とされていない(ただし、それでも売買は搾取的効果を持ちうる)。このような区別は、犯罪の評価、加害者の訴追および被害を受けた子どものために用意されている対応にとって重要である可能性がある。 16.立法措置をとるに際しては、自然人および法人双方の責任が含まれるべきであり(第3条)、選択議定書で対象とされているすべての犯罪について域外裁判権が設定されるべきであり(第4条)、かつ、犯罪人引渡し(第5条)ならびに物品の押収および没収(第7条)に関する明確な条件および規則が定められるべきである。 17.立法を通じて、救済へのアクセスを確保するとともに、性的搾取および性的虐待の事案に対応しかつ被害者を保護するための、子どもおよびジェンダーに配慮し、秘密が守られかつ安全なカウンセリング、通報および苦情申立ての機構が利用できることを保障することは、きわめて重要である。 18.委員会は、締約国に対し、選択議定書上の犯罪を構成する行為で搾取された子どもが国内法によって犯罪者とされず、被害者として扱われることを確保するよう促す。 19.委員会は、締約国が、法的枠組みを定めるにあたって技術的進展を考慮に入れるよう勧告する。このような考慮は、当該枠組みの適用可能性が今後の発展によって減殺されないことを確保し、かつ新たに生ずる懸念(ネット上で行なわれる新たな形態の売買および性的搾取を含む)に関連する抜け穴を回避するために必要となる。この問題の性質が常に変化しつつあることに照らし、締約国は、自国の法律上および政策上の枠組みが急速に変化する現実に適合したものであることを保障するため、立法および政策を定期的に評価し、かつ必要に応じて改定するべきである。 B.データ収集 20.委員会は、締約国に対し、選択議定書で対象とされているすべての問題に関するデータの収集、分析、モニタリングおよび影響評価ならびに普及のための包括的かつ体系的な機構を発展させかつ実施するよう、促す。重要な点として、データ収集は関連するあらゆる関係機関(国の統計部局および子どもの保護機関を含む)との間で調整されるべきであり、かつ、国の異なる機関間でデータの食い違いまたは矛盾が生じないよう、データは中央で集約されるべきである。委員会はとくに、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) データに対する細分化アプローチをとり、これらの犯罪がさまざまな集団の子どもにどのように影響を及ぼしているかについて取り上げること。最低限、データは性別、年齢および搾取の形態別に細分化されるべきである。 (b) 子どもがデジタルメディアおよびソーシャルメディアにどのようにアクセスし、かつこれらのメディアが子どもの生活にどのように影響を及ぼしているかについてのデータ、ならびに、ICTにアクセスしかつICTを利用する際の子どものレジリエンスに影響を及ぼす要因についてのデータを収集すること。 (c) 報告された事案、起訴、有罪判決および制裁の件数(被害者に提供された救済の件数も含むことが望ましい)に関するデータを収集すること。これらのデータは、犯罪の性質(オンラインおよびオフラインの活動に関わる性質を含む)、加害者および加害者と被害者の関係の種別ならびに子どもの性別および年齢別に細分化されているべきである。 (d) 広域行政圏または地方(たとえば自治体)のレベルでデータが収集されている場合、共通の指標および統一データ収集システムを発展させること。 21.あらゆるデータは、プライバシーに対する子どもの権利を正当に尊重しながら収集されるべきである。 C.包括的な政策および戦略 22.締約国は、選択議定書で対象とされているすべての問題をホリスティックかつ分野横断的なやり方で明示的に含めた、包括的な国家的政策および戦略を策定するべきである。このような政策および戦略は、子どもの権利の実施もしくは暴力からの子どもの保護を目的とするより幅広い国家的行動計画のひとつの要素とすることも、個別の具体的文書とすることもできる。 23.委員会は、締約国に対し、子どもの保護のための政策および戦略の増進において金融機関、銀行、テレコム事業者、インターネット・プロバイダー、スポーツ団体、旅行・観光業界および非政府組織が果たしうる役割ならびに「ビジネスと人権に関する指導原則:国際連合「保護、尊重および救済」枠組みの実施」の活用に対し、いっそうの注意を払うよう奨励する。 D.調整、監視および評価 24.締約国は、選択議定書の実施に関連するすべての活動の調整の任を負う国レベルの機構を指定するべきである(いずれかの省もしくは国内人権機関のような既存の機関の一部とすることも、子どもの性的搾取の根絶を目的とする独立の機関とすることもできる)。この調整機関に対しては、選択議定書をとくに実施するという明確な任務と、部門横断的にかつ国、広域行政圏および地方の各レベルで必要な措置をとりかつ調整を行なう十分な権限(事案の付託および被害を受けた子どもに対する効果的支援のための枠組みを確保する権限も含む)を与えることが求められる。 25.締約国は、前掲政策および戦略の実施の監視および評価を定期的にかつ透明なやり方で実施し、かつ、その成果に基づき、必要に応じて政策および戦略を修正するべきである。評価の結果は公表することが求められる。 E.資源配分 26.委員会は、締約国が、このガイドラインで詳しく述べられているような形で選択議定書を実施するための具体的かつ明確な予算配分を確保するとともに、子どもの権利実現のための公共予算編成に関する委員会の一般的意見19号(2016年)に掲げられた指針に留意するよう、勧告する。 27.締約国は、選択議定書の規定の実施を目的とする政策、戦略および機構に配分されるすべての人的資源、技術的資源および財源の水準を保障するべきである。摘発および報告のための機構、刑事捜査、法的援助、補償ならびに選択議定書で対象とされている犯罪の被害を受けた子どもの身体的・心理的回復および社会的再統合を担当する機関に対しては、具体的に資源を配分することが求められる。 F.普及および意識啓発 28.選択議定書の趣旨および規定に関する理解を増進するため、締約国は以下の措置をとるべきである。 (a) 防止措置に関する教育および意識啓発ならびに選択議定書で対象とされているすべての犯罪の有害な影響(これらの犯罪がICTを通じて容易にされまたは実行される場合を含む)に関する教育および意識啓発のための、長期的なプログラムおよびキャンペーンを発展させかつ実施すること。 (b) 国、広域行政圏および地方のレベルの政府職員、あらゆる関連の専門家集団および子どもと日常的に接する他のあらゆる者ならびに公衆一般(とくに子どもおよびその家族を含む)の間で、選択議定書の規定に関する情報を体系的に普及すること。広報資料は受け手に合わせたものであるべきであり、子どもに対しては年齢にふさわしく、かつ子どもに配慮した情報が提供されるべきである。 (c) すべての者(とくに子どもをケアしている者)の間で、さまざまな形態の子どもの売買、性的搾取および性的虐待、ならびに、これらの行為を発見しかつ被害者を特定する方法、ならびに、既存の通報機構および子どもが被害者であると考える合理的な理由がある場合のその利用方法に関する十分な知識を促進すること。 (d) 教育制度のあらゆる段階の子どもが包括的な性教育を受けることを確保すること。学校に通う子どもに対し、売買、性的搾取および性的虐待の危険性ならびにオフラインおよびオンラインで自分を守る手段について学ぶための適切な資料が提供されるべきである。教育プログラムには、子どもが助けおよび支援を求め、かつ性的虐待かんするサインを安全にかつ秘密が守られるやり方で送る具体的かつ実際的な方法についての情報を常に含めることが求められる。 (e) 正規の学校制度の外にいる子どもを対象とし、かつこれらの子どもに手を差し伸べるための措置をとること。 (f) メディアに対し、被害を受けた子どもおよび証人である子どものプライバシーおよび身元を常に保護しながら、子どもの売買、性的搾取および性的虐待のあらゆる側面に関する適切な情報を適切な用語を使って提供するよう奨励すること。 G.研修 29.あらゆる関連の専門家を対象とする教育および継続的研修ならびに家族および養育者に対する支援の提供は、選択議定書の実施のためのいかなる措置においても不可欠な要素として位置づけられるべきである。締約国は以下の措置をとるよう求められる。 (a) 子どもとともにまたは子どものために働くあらゆる関連の専門家および集団を対象として、選択議定書の規定およびその実施に関する体系的かつ的を絞った分野横断的研修(対象とされている犯罪を特定しかつこれに対処する方法、ならびに、子どもの被害者およびサバイバーをケアする際に子どもおよびジェンダーに配慮したアプローチを促進する方法に関するものを含む)が実施されることを確保すること。 (b) 選択議定書で対象とされている犯罪の被害を受けた子どもへの、被害者中心であると同時にサバイバー主導の効果的対応に関する研修を奨励すること。 (c) 子どもおよびその家族の間でオンライン・リテラシーおよびオンラインの安全を拡大しかつ危害への対応を促進する目的で、非政府組織との協力および戦略的パートナーシップを強化し、かつその専門性およびアドボカシーのための資料を活用すること。 (d) 獲得された知識およびスキルが、被害者の特定および選択議定書で対象とされている犯罪からの子どもの保護を効果的に進めるために実行に移されていることを確保する目的で、研修活動の定期的評価を実施すること。 30.専門的研修が必要な特定の集団との関連で、締約国は以下の措置をとるべきである。 (a) 子どもを対象とするさまざまな形態の教育(スポーツ活動および文化活動を含む)の仕事をしている教員その他の専門家が、子どもの売買、性的搾取および性的虐待に関する子どもへの教育および子どもとの話を効果的に行なえるようにするための十分な研修を受けることを確保すること。 (b) 保健ケア専門家、ソーシャルワーカーならびに子ども福祉および子どもの保護の専門家を対象として、サインを受けとめかつ報告し、かつ性的搾取または性的虐待の被害者である可能性がある子どもに子どもおよびジェンダーに配慮したやり方で対応するための研修を実施すること。 (c) 選択議定書で対象とされている犯罪(これらの犯罪がICTを通じて容易にされまたは実行される場合を含む)を捜査するすべての警察部署ならびに検察官および司法機関を対象として、被害を受けた子どもを特定しかつこのような子どもに子どもおよびジェンダーに配慮したやり方で対応し、かつICT関連の事件およびデジタル証拠を扱うための研修を実施すること。 IV.選択議定書が対象とする犯罪の防止 A.一般的措置 31.選択議定書の締約国は、選択議定書で対象とされている犯罪を防止するための法律、行政措置ならびに社会政策および社会プログラムを採択しまたは強化し、実施しかつ普及する義務を負う。 32.子どもの売買および性的搾取の防止にあたり、締約国は、これらの問題を助長し、当たり前のように見せまたは固定化している可能性があって具体的な意識啓発措置を必要とする根本的原因に注意を払うべきである。これらの犯罪の重要な側面であって、締約国が的を絞った具体的な努力を行なわれなければならない側面は、性犯罪者および経済的利益を得る者の双方の間に存在する、性的搾取および虐待のために子どもを求める需要にある。需要と闘うための努力においては、オンラインかオフラインかにかかわらず、さまざまな形態の搾取および虐待への対応がとられるべきである。 33.委員会は、締約国に対し、選択議定書で対象とされている犯罪の被害を受けるおそれがある子ども(とくに脆弱な状況に置かれている子ども)を特定し、支援しかつモニタリングし、かつ、防止プログラムおよび被害を受ける可能性がある子供の保護を強化するために、必要なあらゆる措置をとるよう勧告する。この目的のため、締約国は以下の措置をとるべきである。 (a) 選択議定書で対象とされている犯罪を防止するための効果的なかつ的を絞った立法上、政策上および行政上の措置を発展させかつ採択する目的で、これらの犯罪の性質、規模、根本的原因および子どもへの影響を分析しかつ評価するための研究を実施すること。 (b) 脆弱な状況に置かれた家族の経済的エンパワーメントを可能とするため、社会的保護および金銭的支援(所得創出活動を含む)を提供すること。 (c) あらゆる有害慣行を防止しかつ終わらせるとともに、児童婚など、子どもの売買、性的搾取または性的虐待に相当する可能性のある慣行に特別な注意を払うこと。有害慣行の防止においては、男児および女児に影響を及ぼす異なる慣行への対処が十分にとられることを確保するため、ジェンダーの視点が要求される。 (d) 選択議定書で対象とされている犯罪の防止およびこれらの犯罪との闘いにおいて、民間セクターの関連の主体が積極的役割を果たすことを確保すること。 34.子どもの売買、性的搾取および性的虐待の防止における重要な一般的措置のひとつとして、締約国は、子どもと直接接触する仕事に就こうとするすべての者のスクリーニングを要求するべきである。 B.旅行および観光の文脈における子どもの売買および性的搾取の防止 35.調査研究により、子どもは、計画的虐待を実行するために国境を越える渡航型犯罪者から性的搾取および性的虐待を受けるおそれがある一方、自国内で出張または観光のために旅行する犯罪者、および、旅行前には性犯罪の実行を計画していなかった可能性がある「機会便乗型」犯罪者の被害者となるおそれも同様にあることがわかっている。違法な養子縁組も、旅行および観光を装ってまたは口実として実行される場合がある。 36.旅行および観光という特定の文脈においてこのような犯罪を防止するため、締約国は以下の措置をとるべきである。 (a) 旅行および観光の文脈における子どもの売買および性的搾取の有害な影響に対する注意を促すため、旅行・観光業界を対象とする意識啓発およびアドボカシーを行なうこと。そのための手段として、とくに、世界観光機関の世界観光倫理憲章を広く普及しかつ同憲章への署名を奨励し、かつ、「旅行および観光における性的搾取から子どもを保護するための行動規範」を促進すること。 (b) 旅行・観光セクターのステークホルダーとの連携を強化するとともに、当該業界が、たとえば旅行および観光の文脈における子どもの売買および性的搾取を防止するための具体的な企業方針および企業戦略を採択しかつ執行することを通じて、責任をとることを確保すること。宿泊業者、旅行代理店、ツアーオペレーター、運輸会社、航空会社、バーおよびレストランのような旅行・観光関係者は、不注意によるものであるか否かを問わずしばしばこのような犯罪の実行の仲介者となってしまうのであり、子どもの性的搾取の防止およびこのような性的搾取との闘いにおいて積極的役割を果たすべきである。 (c) 旅行および観光の文脈における子どもの売買および性的搾取と闘うための、テクノロジーを基盤とする解決策(犯罪者およびその仲介者のビジネスモデルを阻害するための、関連の犯罪に対する支払いのブロッキングおよび支払い追跡のための新たな手法など)の発展をリードしうるICT企業と提携すること。 (d) 国境を越えた情報交換および有罪判決を受けた犯罪者への渡航制限などを通じ、子どもに対する性犯罪で有罪判決を受けた者が他国で再犯することの防止のための措置を検討すること。 C.オンラインの子どもの売買および性的搾取の防止 37.締約国は、自国の実施措置を通じ、オンラインの子どもの売買、性的搾取および性的虐待を防止しかつこれらに対処するべきである。子どもの売買、性的搾取および性的虐待のあらゆる表れ方(これらの犯罪がICTを通じて容易にされまたは実行される場合を含む)が十分に網羅されていることを確保するため、国家的な法律上および政策上の枠組みを評価することが求められる。 38.これらの犯罪に関する理解を深めるためにオンラインに特化した分析、調査研究および監視が行なわれるべきであり、またオンライン犯罪への対応は関連の業界および組織と密接に連携しながら発展させられるべきである。 39.子どもの売買、性的搾取および性的虐待の事件に関する意識、知識および通報を増進させるための公的教育プログラムにはオンラインに特化した側面が含まれるべきであり、また法執行官、弁護士、検察機関および司法機関の専門家を対象とする専門研修には、オンラインの問題のみならず、被害者特定技法および救済活動を容易にしてくれるオンライン・ツールも扱う具体的構成要素が含まれるべきである。 40.締約国は以下の措置をとるべきである。 (a) 親、教員およびその他の養育者に情報および支援を提供し、かつこれらの人々と連携することにより、親、教員およびその他の養育者が、子どもがICTにアクセスしかつICTを利用する際に支援、助言および保護を提供し、かつオンラインでの安全・対処戦略をとる能力構築を援助できるようにすること。 (b) 遭遇する可能性があるリスクを回避し、このようなリスクに対して十分に反応し、かつ必要に応じてオンラインの通報ツールを利用することに関して子どもを援助することによって、自分自身(および仲間)をよりよい形で保護する子どもの能力を増進させるため、オンラインでの行動および安全に関する必修教育が学校で行なわれることを確保すること。 (c) 子どものデータがどのように収集・保存・活用され、かつ他者とどのように共有されている可能性があるかに関する情報および保護のための戦略(個人情報を保護する方法および時宜を得た効果的な警告のための機構を利用する方法を含む)に関する情報を、意味のある、かつ子どもおよびジェンダーに配慮したやり方で提供すること。 (d) 搾取的行動およびこのような行動を通報しかつやめさせる方法についての子どもたち自身のアイデアおよび知識を共有するよう、子どもたちの奨励、関与の推進およびエンパワーメントを図るとともに、防止および保護のための戦略において子どもたちの提案を考慮すること。 (e) 十分かつ効果的なサービス機関および専門機関が整備され、かつ、オンラインでの疑わしい行動または子どもの性的搾取もしくは虐待の事件に関する通報が子どもまたは大人からあった場合には常に迅速な対応をとれることを確保すること。 41.画像およびビデオのような子どもの性的虐待表現物がオンラインでいつまでも流布される可能性があることを考慮し、委員会は、このような表現物の継続的流布が、被害を受けた子どもに対する危害を固定化させることに加え、子どもを性的対象と捉える見方を助長し、かつ、子どもに性的関心を有する者たちの間で、他にもたくさんの人間が同じ関心を共有しているのだからこれは「当たり前」のことだという考え方を強めてしまうおそれがあることに対し、締約国の注意を強く喚起する。そこで委員会は、締約国に対し、インターネット・サービス・プロバイダが、その防止措置の一環として、このようなコンテンツを可能なかぎり早く統制下に置き、ブロックしかつ削除することを確保するよう、促すものである。 42.委員会は、子どもが自ら作成した性的コンテンツを携帯電話経由で他の者に送る「セクスティング」に対応する必要があることに、締約国の注意を喚起する。セクスティングは若者同士のプレッシャーの産物であることが多いように思われ、ティーンエイジャーは、ある程度まで、セクスティングは「当たり前」であるとますます考えるようになっている。このような行為そのものは、それ自体で常に違法または不法となるわけではないものの、そこには多くの危険性がともなう。子どもの性的画像には、子ども本人の意思を超えてまたは意思に反してオンラインまたはオフラインで容易に拡散される可能性、削除がきわめて困難となる可能性ならびにいじめの文脈および性的強要の目的で利用される可能性があり、これは子どもに対して深刻なかつトラウマ性の影響(自殺を含む)を及ぼしかねない。この複雑な問題に対しては慎重な注意を向けることが必要であり、委員会は、締約国に対し、子どもを保護する明確な法的枠組みを確立するとともに、防止のための努力を通じ、他人および自分自身の画像を拡散することの重大性について子どもが教育されかつ認識することを確保するよう、奨励する。 V.選択議定書が対象とする犯罪の禁止 43.選択議定書第3条の実施のためには、選択議定書に含まれるすべての犯罪を禁じた実体刑法の採択が必要である。委員会は、第3条の遵守が、各締約国がこれに関連して自国の法体系および法的実践の詳細を考慮しなければならない事項であることを認識する。 44.第3条は、締約国が、最低限、自国の刑法で全面的に対象とされることを確保しなければならない行為および活動を列挙している(これらの犯罪が、国内でもしくは国境を越えてまたは個人的にもしくは組織的に実行されるものかを問わない)。委員会は、締約国に対し、子どもに対する性犯罪を実行するために新たに誕生した手段および方法が用いられた場合でも十分な対応がとれることを確保するための新たな規定を刑法に導入するよう、奨励するものである。 45.委員会は、締約国に対し、選択議定書第3条(2)にしたがい、このようないずれかの行為の未遂および共犯またはこのようないずれかの行為への参加も刑法の対象とされるべきであることを、想起するよう求める。 46.子どもの売買は、選択議定書において、子どもがいずれかの者または集団により報酬または他の何らかの対償のために他の者に譲渡されるあらゆる行為または取引と定義されている(第2条(a))。これには子どもを他の場所に移動させる行為がともなう場合もあるが、これは必要条件ではない。「報酬または他の何らかの対償」は子どもの売買の中核的要素であり、取引の一環として金銭の支払いが行なわれるのが通例である。報酬の受け取り手については具体的に定められていないものの、子どもを譲渡する者または集団である可能性がもっとも高いことになろう。ただし、子どもの売買にからんでその他の理由または見返りが存在する場合もありうる(親による債務の支払い、子どもに教育もしくは職業訓練を受けさせるという相手方の約束、またはその他の種類のよりよい未来の提示など)。 47.第3条(1)(a)(i)に基づき、子どもの売買との関連で行なわれる行為または活動であって犯罪化されなければならないものには、以下の目的で行なわれる提供、移送または収受が含まれる。 (a) 子どもの性的搾取。委員会は、この法的規定はあらゆる形態の性的搾取および性的虐待(これらの行為がICTを通じて容易にされる場合を含む)を網羅するものであるという見解に立つ。 (b) 利得を目的とする子どもの臓器の譲渡。このような譲渡の目的が「利得」であることを明示することが重要である。子どもの臓器の合法的な譲渡には、利得を目的としない費用がともなう場合もありうる。 (c) 強制労働に子どもを従事させること。 48.委員会は、子どもを提供しまたは収受する行為にはICTの利用を通じて行なうものも含まれることを強調する。 49.子どもの売買および取引は重複する場合もありうるが、その国際法上の定義は異なる。委員会は、選択議定書にしたがい、締約国には上記のすべての目的で行なわれる子どもの売買を明示的に犯罪化する義務があることを強調するものである。 50.第3条(1)(a)(ii)に基づき、養子縁組に関する適用可能な国際法文書に違反する子どもの養子縁組への同意を仲介者として不適切な形で引き出す行為は、子どもの売買として犯罪化されなければならない。このような活動の禁止を目的とする規定は、次に掲げる、この要件の2つの中心的要素を反映したものであるべきである。 (a) 「養子縁組への同意を……不適切な形で引き出すこと」という文言は、具体的には、子どもの養子縁組への同意を不誠実または不適当なやり方で得ることを意味する。第2条(a)に基づく子どもの売買の定義に照らし、報酬または他の何らかの対償を通じてこのような同意を得ることも、「同意を……不適切な形で引き出すこと」のひとつの形態である。 (b) 「適用可能な国際法文書に違反する」という文言に関して、委員会は、締約国が、国際的な養子縁組に関する子の保護および協力に関するハーグ条約(1993年)第21条の遵守を要件とするよう勧告する。 51.委員会は、子どもの売買は児童婚を背景として行なわれる場合もあることに、締約国の注意を喚起する。委員会は、締約国が、いかなる形態の子どもの売買も回避するため、規制を含むあらゆる措置をとるよう勧告するものである。 52.同様の懸念は、やはり子どもの売買を助長する可能性がある代理出産との関連でも存在する。委員会は、この慣行が行なわれている締約国に対し、代理出産契約に基づく子どもの売買を回避するため、規制を含むあらゆる措置をとるよう奨励するものである。 53.選択議定書は、買売春において子どもを搾取する犯罪を「児童買春」として対象としており、これを報酬または他の何らかの対償のために性的活動において子どもを使用することと定義している(第2条(b))が、このような性的活動がどのようなものかについては明らかにしていない。委員会は、このような性的活動には、最低限、かつ実際に行なわれるものであるかまたはそのように装うものであるかにかかわらず、子どもを関与させるあらゆる形態の性交および意図的な性的接触(すべての関係者の性別を問わない)ならびに子どもの性器または陰部を扇情的に露出させるあらゆる行為が含まれるべきである。 54.選択議定書における「児童買春」の定義は、子どもが報酬または他の何らかの対償のために行なわれる性的活動に同意できること、または子どもが常に報酬または他の何らかの対償の受け取り手であることを示唆するものとして理解されてはならない。現実には、子どもは、法律的に妥当するいかなる形でも、自分自身の性的搾取に同意することはできない。さらに、このような報酬または他の何らかの対償はいずれかの第三者に支払われまたは与えられる場合もあるのであり、子どもが何かを直接受け取ることはない場合もしばしばあるほか、「対償」が食料または居住場所のような基本的生存ニーズの形で提供されることもある。 55.有力な見方によれば、「児童買春」という用語は、子どもに実際に起こることを正確にとらえきれておらず、これが正当な形態のセックスワークを含意するものと解釈される可能性または子どもへの責任転嫁を助長する可能性があるものである。委員会は、締約国に対し、「児童買春」という用語の使用を可能なかぎり避け、これに代えて「買売春における子どもの性的搾取」という用語を用いるよう、奨励する。委員会は加えて、締約国が、「売春する子ども」や「子どものセックスワーカー」のような用語を使わず、これに代えて「買春される子ども」または「買売春において搾取される子ども」を用いるよう、強く勧告するものである。 56.締約国は、買売春におけるいかなる形態の子どもの性的搾取(ICTの利用を通じて行なわれるものを含む)も、法律で禁止するべきである。選択議定書第3条(1)(b)は、買売春の目的で子どもを提供し、取得し、斡旋しまたは提供する行為の犯罪化を要求している。このような行為は、報酬または他の何らかの対償のために行なわれる場合には、買売春における子どもの性的搾取に該当する。委員会は、報酬または他の何らかの対償を約束することも、当該報酬または対償が実際には支払われずまたは与えられなかった場合であっても、犯罪を構成するのに十分であると考えるべきであることを強調するものである。 57.インターネットは、とくにウェブサイトまたは携帯アプリを通じて子どもが買売春の広告対象とされる場合に、国際的保護の枠組みにとっての新たな課題を提起する。委員会は、締約国に対し、買売春の目的で子どもを提供し、取得し、斡旋しまたは提供することの禁止にはICTの利用を通じて行なわれるこれらの行為も含まれることを、自国の刑事法制度において明確にするよう促す。 58.買売春における子どもの性的搾取には、商品化された「関係」も含まれる。これは、現金、物品または利益との引換えに性的行為が行なわれるものであり、経済的生存もしくは機会、学業成績または社会的地位と結びついていることが多い。しばしば「取引としてのセックス」という不適当な名称で呼ばれるこのような「関係」に18歳未満の子どもが関与させられている場合、その子どもは、報酬または他の何らかの形態の対償をともなう商業的なまたは商品化された性的活動に従事することに対して子どもは法的同意を与えられないことをもって、搾取の被害者ととらえられるべきである。子どもがこのような形態のセックスに同意したという、犯罪を行なった者からなされる可能性のあるいかなる主張も、法的には妥当性を有しない。 59.旅行および観光における子どもの性的搾取――「児童セックスツーリズム」という不適当な名称で呼ばれることが多い――も選択議定書で対象とされている犯罪に含まれるのであり、締約国は、このような慣行をなくすための措置をとるよう要求される。犯罪を行なう者は、外国人の旅行者である場合もあれば国内の旅行者である場合もあり、また旅行者である場合もあれば長期滞在客である場合もある。 60.子どもの性的虐待表現物は、選択議定書第2条において「児童ポルノ」として対象とされており、実際のまたはそのように装ったあからさまな性的活動に従事する子どもをいかなる手段によるかは問わず描いたあらゆる表現、または主として性的目的で子どもの性的部位を描いたあらゆる表現と定義されている(第2条(c))。委員会は、締約国が、最近の発展にのっとり、「児童ポルノ」という用語を可能なかぎり避け、「ポルノ的パフォーマンスおよび表現物における子どもの使用」、「子どもの性的虐待表現物」および「子どもの性的搾取表現物」のような他の用語を用いるよう、勧告する。 61.「いかなる手段によるかは問わず」という条件は、オンラインおよびオフライン双方のさまざまなメディアで幅広い表現物が利用可能となっていることを反映するものである。このような表現物がオンラインで流布されることはますます増えており、締約国は、自国の刑法の関連規定であらゆる形態の表現物が対象とされること(選択議定書第3条(1)(c)に列挙されたいずれかの行為がオンラインで実行される場合を含む)を確保するべきである。 62.「そのように装ったあからさまな性的活動」という文言には、性的にあからさまな行為に従事しているように見える子どもを描きまたはその他の方法で表現した、オンラインまたはオフラインのあらゆる表現物が含まれる。さらに、「主として性的目的で子どもの性的部位を描いたあらゆる表現」もこの犯罪の定義に該当する。ある表現が主として性的目的を意図したものまたは主として性的目的で利用されるものか否かを確定することが困難である可能性のある場合、委員会は、当該表現が使用される文脈を検討することが必要であると考えるものである。 63.委員会は、実在しない子どもまたは子どものように見える者が性的にあからさまな行為に参加している様子を描いたオンラインおよびオフラインの表現物(描画およびバーチャル表現を含む)が大量に存在すること、ならびに、そのような表現物が尊厳および保護に対する子どもたちの権利に深刻な影響を及ぼしうることを、深く懸念する。委員会は、締約国に対し、子どもの性的虐待表現物(児童ポルノ)に関する法律上の規定に、実在しない子どもまたは子どものように見える者の表現を含めること(とくにそのような表現が子どもを性的に搾取する過程の一環として使用される場合)を奨励するものである。 64.委員会は、締約国に対し、ポルノ的パフォーマンスに参加するよう子どもを勧誘しもしくは子どもに強要する行為またはそのようなパフォーマンスに子どもを参加させる行為、このような目的から利益を得る行為もしくはこのような目的でその他の方法により子どもを搾取する行為、および、子どもが参加しているポルノ的パフォーマンスに事実を知りながら出席する行為を犯罪化するよう奨励する。 65.選択議定書第3条(1)(c)は、締約国に対し、「児童ポルノ」を製造し、配布し、頒布し、輸入し、輸出し、提供し、販売しまたは性的搾取目的で所持する行為の犯罪化を義務づけている。委員会は、締約国が、このような表現物の単純所持を、禁止規定に例外を認める可能性(職業上の必要性――これは法律で明確に定義されるべきである――によりこのような表現物の所持が正当化される場合など)を適正に考慮しつつ、犯罪化するよう強く勧告する。 66.選択議定書第9条(5)にしたがい、締約国は、議定書に掲げられた犯罪を宣伝する表現物の製造および所持を犯罪化するべきである。たとえば、いかなる方法であれ子どもの性的搾取を促進するオンラインまたはオフラインの媒体を挿みこむあらゆる行為(広告またはコマーシャルなど)が犯罪化されなければならない。 67.もっぱら自分自身のために、あるいはボーイフレンドもしくはガールフレンドまたは(しばしば「セクスティング」を通じて)より幅広い同世代の集団とシェアするために、自分の性的部位の表現などの性的画像を製造する子どもが増えている。選択議定書が「児童ポルノ」としているもの(これは犯罪を構成する)と、子どもが自分自身を表現した自撮りによる性的なコンテンツまたは表現物を製造する行為は、区別されなければならない。委員会は、このような表現物が自撮りで製造されたものであることにより、子どもが被害者として扱われるのではなく責任を有するとみなされるおそれが高まりうることを懸念するとともに、子どもは自分自身の画像を製造したことについて刑事責任を問われるべきではないことを強調する。このような画像が、子ども本人の意思に反し、強要、恐喝またはその他の形態の不当な圧力の結果として製造されたときは、子どもにそのようなコンテンツを製造させた者が裁判にかけられるべきである。その後、このような画像が子どもの性的虐待表現物として配布され、頒布され、輸入され、輸出され、提供されまたは販売されたときは、これらの行為について責任を有する者の刑事責任も問われるべきである。 68.性的目的での子どもの勧誘を指す用語として「グルーミング」がしばしば用いられる。これは、オンラインまたはオフラインでの性的接触を容易にする目的で、直接またはICTの使用を通じて子どもとの関係を確立するプロセスを指すものである。グルーミングすなわち性的目的での子どもの勧誘は、選択議定書では明示的に対象とされていないものの子どもの性的搾取の一形態であり、選択議定書で対象とされている犯罪を構成する場合がありうる。たとえば、子どものグルーミングには子どもの性的虐待表現物(「児童ポルノ」)の製造および配布がともなうことが多い。 69.子どもに対する性的強要(「セクストーション」と呼ばれることもある)とは、子どもが、その子どもを描いた性的表現物をたとえばソーシャルメディアでシェアするという脅しのもと、性的交渉、金銭その他の利益を与えることに無理やり合意させられる行為態様である。この行為態様はグルーミングおよびセクスティングと結びついていることが多く、委員会は、加害者からのより過激な、暴力的な、嗜虐的なかつ品位を傷つける要求が増加しているために子どもたちが過酷なリスクにさらされていることを懸念する。 70.委員会は、子どもが性的活動を目撃させられることもあることに留意するとともに、締約国に対し、性的目的で子どもに性的虐待または性的活動を目撃させる意図的行為を、たとえ子どもがそのような行為への参加を強いられなくとも、犯罪化するよう奨励する。 71.性犯罪と闘うための立法上その他の措置においては、罪を犯した大人と子どもが明示的に区別されるべきであり、後者の更生可能性をとくに重視することが求められる。性犯罪の定義および禁止について考える際には、子どもおよび青少年を、その特別な地位ゆえに、刑事司法制度に引きこまないようにすることが重要である。子どもは常に特別制度において対応されるべきであり、そこでは、適切な場合にはダイバージョンによって子どもを治療サービスに付託すること、および、前科の記録または登録簿への登載を回避することが求められる。 72.委員会は、18歳未満の子どもはいかなる形態であれ自分自身の売買、性的搾取または性的虐待にけっして同意できないこと、および、締約国は、18歳未満のいかなる子どもに対して実行されたものであっても、選択議定書で対象とされているすべての犯罪を犯罪化しなければならないことを強調する。搾取的または虐待的な性的行為に対して子どもが同意したという推定は、いかなるものも無効とされるべきである。 73.締約国は、同年代の青少年が行なった同意に基づく性的活動を犯罪化するべきではない。 VI.制裁 74.委員会は、選択議定書第7条に基づき、締約国が、選択議定書に基づく犯罪を実行しまたはその便宜を図るために用いられたあらゆる物品および当該犯罪から生じた収益の押収および没収に対応するための措置をとり、かつ、当該犯罪を実行するために用いられた施設の閉鎖を目的とした措置をとる義務を負っていることを想起する。この点に関する国際協力も保障されるべきであり、またこのような押収または没収を求める他の締約国からのいかなる請求も実行されるべきである。 75.選択議定書で対象とされている犯罪を実行しまたは容易にするためのICTの利用が増えていることに鑑み、締約国は、このような犯罪を実行するために利用されるさまざまな電子的手段(ハードウェアおよびソフトウェアの双方を含む)に緊密な注意を払わなければならない。委員会は、これらの、このような犯罪を実行する新たな方法に対して選択議定書第7条を適用する必要があることを強調するものである。このような新たな方法では、伝統的用語法にいう物理的施設ではないチャットルーム、オンライン・フォーラムその他のオンライン空間のような、オンラインの「施設」が用いられる場合もある。 76.選択議定書で対象とされている犯罪の捜査中に証拠を収集する方法、当該証拠を保存する方法、場所および期間ならびに当該証拠へのアクセス権を持つ者について、明確な規則および手続が定められるべきである。委員会はまた、締約国に対し、証拠、とくに子どもの性的虐待表現物(これが流布されることは、もともとの犯罪が実行された後も、長期にわたり被害者が再被害を受け続けることにつながりうる)の廃棄に関する明確な規則を定めることも勧告するものである。 77.子どもの売買および性的搾取は子どもの権利を深刻に侵害するものであり、被害を受けた子どもに長期にわたる悪影響を及ぼす。委員会は、締約国に対し、選択議定書第3条にしたがい、選択議定書で対象とされているすべての犯罪を、自国の刑法に基づき、その重大な性質を考慮した適当な刑罰によって処罰できるようにするよう、促すものである。 78.犯罪の共謀、犯罪への参加および犯罪の未遂は区別されるべきである。選択議定書で対象とされている犯罪の実行におけるこれらの異なる役割は、それぞれ国内刑法で犯罪化することが求められる。 79.締約国は、選択議定書で対象とされている犯罪の実行、未遂、共謀または当該犯罪への参加について、刑事法、民事法または行政法に基づいて法人の責任を問えることを確保しなければならない。締約国は、自社のサーバーで提供されている子どもの性的虐待表現物をブロックしかつ削除するICT企業の責任、そのようないずれかの犯罪のための支払いを意図した金銭取引を阻止しかつ拒否する金融機関の責任、子どもを保護するための措置をとるスポーツ産業および娯楽産業の責任、ならびに、子どもの性的搾取の便宜を図らないようにする旅行・観光セクター(オンライン旅行代理店および予約サイトを含む)の責任を、法律で定めるべきである。 VII.裁判権および犯罪人引渡し 80.前掲第V節で取り上げたように、締約国は最低限、選択議定書第3条(1)に掲げられているすべての犯罪について、当該犯罪が自国の領域においてまたは自国に登録された船舶もしくは航空機において行なわれた場合(当該船舶または航空機の所在を問わない)の刑事裁判権を設定しなければならない。このような裁判権により、国は、加害者とされる者または被害者が自国の国民であるか否かにかかわらず、これらのすべての犯罪を捜査しかつ訴追することが可能になる。必要なときは、国は加害者とされる者の国際逮捕状を発布できる。委員会は、締約国に対し、この義務を遵守するための法律の整備を確保するよう促すものである。 81.委員会は、締約国に対し、被害を受けた子どもを発見しかつ救出する警察の捜査能力を拡大し、かつ、法執行機関が身分秘匿捜査の訓練を受けかつこのような捜査を実行できるようにするよう促す。このような捜査は、子どもの性的虐待表現物の製造および配布のような犯罪を捜査するうえできわめて重要である。委員会はまた、締約国に対し、この点に関する国際協力を強化するとともに、子どもに対する犯罪に対処するために国際刑事警察機構(インターポール)が開発してきた専門的スキルおよびリソースを活用するよう、奨励する。 82.選択議定書第4条(2)にしたがい、各締約国はまた、犯罪を行なったとされる者が自国の国民もしくは自国の領域に常居所を有する者である場合または被害者が自国の国民である場合にも、選択議定書で対象とされている犯罪であって自国の領域外で実行されたものについての裁判権(域外裁判権)を設定するべきである。国は、域外裁判権に基づき、上記の基準が満たされているときは犯罪を行なったとされる者の捜査および訴追を開始することができる。このような対応をとるために、犯罪を行なったとされる者が当該国の領域にいる必要はない。犯罪者の捜査および訴追について第一次的責任を負うのは犯罪実行地である国だが、犯罪を行なったとされる者の国籍国または常居所国も捜査および訴追の権限(犯罪を行なったとされる者の国際逮捕状の発布も含まれる場合がある)を有する。 83.域外裁判権に関する法律について、委員会は、締約国に対し、被害を受けた子どもが国民ではないものの自国の領域に常居所を有している場合の事件も含めるよう奨励する。 84.締約国は、双方可罰性要件を撤廃し、選択議定書で対象とされている犯罪であって他の国で実行されたものについて、たとえ関連の犯罪が当該国では犯罪化されていない場合でも域外裁判権を行使できるようにするべきである。双方可罰性の原則は、不処罰を可能とする空白を法律につくり出すものであり、適用されるべきではない。 85.域外裁判権は、子どもの売買または性的搾取を構成する犯罪を行なった者が他国に渡航する可能性が高い場合(臓器取引もしくは違法な国際養子縁組のための売買または旅行および観光における性的搾取の場合など)に、とりわけ重要となる。搾取は、犯罪を行なった者が犯罪発生国を離れるまで発覚しない場合があるため、締約国が犯罪者を訴追できることを確保することが不可欠である。 86.委員会は、締約国に対し、最低限、犯罪を行なったとされる者が自国の領域内におり、かつ当該犯罪が自国の国民によって行なわれたという理由でその者を他の締約国に引き渡さない場合には、選択議定書で対象とされている犯罪であって国外で実行されたものについて裁判権を設定しなければならないこと(第4条(3))を想起するよう求める。委員会は、締約国に対し、この義務を遵守するために必要なあらゆる法改正を行なうよう促すものである。国境に抜け道が多数存在し、犯罪を行なった者が異なる国々で容易に移動しかつ行き来できる状況においては、不処罰と闘うため、地域的な法執行および司法協力が不可欠となる。 87.委員会は、子どもに対する性犯罪を実行する目的でのICTの利用が増えていること、および、領域性にとっての新たな課題が生じていることを懸念する。犯罪を行なう者は、たとえば、ある国にいながら、子どもが他国で性的虐待を受けている様子をライブストリーミングで視聴し、注文を出すことさえできる。いまなお広く存在する、「実際の」行為がなければ処罰されないというこのような状況に効果的に終止符を打ち、かつICTを利用して犯罪を実行した犯罪者が訴追されることを確保するため、委員会は、締約国に対し、選択議定書で対象とされているすべての犯罪について普遍的裁判権を設定すること、すなわち、犯罪を行なったとされる者または被害者の国籍または常居所国にかかわらずこのような犯罪を捜査しかつ訴追できるようにすることを奨励するものである。さらに、委員会は、選択議定書で対象とされている犯罪の多くはICTの利用を通じて実行しまたは容易にすることも可能であり、これらの犯罪がこのような形で行なわれた場合にも裁判権の対象とされなければならないことを想起する。 88.委員会は、第5条に基づき、選択議定書で対象とされている犯罪についての犯罪人引渡しに関して次のような規則が定められていることを想起したい。 (a) 選択議定書は、そこで定められている犯罪について締約国間で犯罪人引渡しを行なうための十分な法的根拠を提供している。したがって、これらの犯罪に関するかぎり、かつ第5条(2)にしたがって、締約国は、引渡しの請求に応じることができるようにするために他の締約国と犯罪人引渡し条約を締結する必要はない。 (b) 条約の存在を犯罪人引渡しの条件としていない締約国は、第5条(3)にしたがい、相互間でこのような犯罪を引渡し犯罪とみなすべきである。 (c) このような犯罪は、第5条(4)にしたがい、かつ締約国間における犯罪人引渡しの実行上、その発生地のみならず、第4条にしたがって裁判権を設定することを求められている国の領域においても行なわれたものとして取り扱われるべきである。加えて、締約国は、犯罪を行なったとされる者が自国民であるという理由で引渡しを行なわない場合、第5条(5)に基づき、引渡しか訴追かの義務にのっとって当該国民を訴追するための措置をとるよう求められる。 89.委員会は、締約国に対し、選択議定書で対象とされているいずれかの犯罪の未遂ならびに共犯および当該犯罪への参加に対しても犯罪人引渡しを適用するよう奨励する。 VIII.被害を受けた子どもの、法的手続における援助および保護に対する権利 A.一般的所見 90.委員会は、刑事司法制度を子どもにとってよりアクセシブルかつ好意的なものとするうえで締約国が達成してきた相当の進展を認識するとともに、子どもが刑事司法制度を利用できるようにエンパワーメントを図る効果的な方法を見出すことの重要性を強調する。このことは、いまなお刑事司法制度に関わりまたは刑事手続に参加することが稀である、選択議定書で対象とされている犯罪の被害を受けた子どもにとって、とりわけ妥当するものである。 91.委員会は、締約国およびその他の関係者に対し、法的手続において援助および保護を受ける子どもの権利を確保する際の指針として、「子どもの犯罪被害者及び証人に関わる事項における正義についてのガイドライン」を活用するよう奨励する。 92.委員会は、締約国に対し、子どもの行為能力にかかわらず、被害を受けた子どもが情報を提供される権利および年齢にふさわしくかつジェンダーに配慮した方法で意見を聴かれる権利を確保するよう促す。被害を受けた子どもおよびその親、保護者または法定代理人に対しては、加害者とされる者に対する刑事告訴について十分な情報に基づく決定を行なうのに役立つよう、必要なすべての情報がこれらの者の理解できる言語で提供されるべきである。このような情報には、これらの者の権利、刑事手続におけるその役割ならびに参加のリスクおよび利点に関する情報が含まれる。これらの者が法的手続に参加することになった場合、定期的に最新状況を伝え、遅延に関する説明を行ない、主要な決定について協議し、かつ審判または公判の前に十分な準備ができるようにするべきである。 93.委員会は、締約国に対し、条約第3条および自己の最善の利益を第一次的に考慮される子どもの権利についての一般的意見14号(2013年)にしたがい、犯罪を行なったとされる者の刑事訴追における第一次的考慮事項として子どもの最善の利益を採用するよう促す。この文脈においては子どもの回復およびウェルビーイングが正当に考慮されるべきであり、被害者に対し、刑事手続に関与するようになる前に必要な支援を受けるための一定の期間を認めることがまず必要になるかもしれない。この点は、犯罪を行なったとされる者」が子どもの家族構成員である場合および子どもをいずれかのまたは複数の家族構成員から分離しなければならない場合には、いっそう重要となりうる。このような事案では、きょうだいに対する適正な考慮も必要である。 94.被害を受けた子どもの証言への依存を軽減するため、委員会は、締約国に対し、犯行現場の証拠物(デジタル証拠を含む)および法廷へのそのような証拠の提出ならびに証拠規則(子どもの性的虐待事件における遮蔽法など)を全面的かつ効果的に活用するよう、強く奨励する。同様の趣旨で、委員会は、締約国に対し、被害者による告訴がなくとも検察機関が捜査を開始できるようにするよう促すものである。 B.カウンセリング、通報および苦情申立ての機構 95.選択議定書で対象とされている犯罪の被害を受けた子どもは、自分に対して行なわれたことを通報する可能性がとりわけ低く、または犯罪が行なわれてから何年も経てからでなければ通報しない場合もある。このように何があったかを明らかにしにくいことの背景には、恐怖感、恥辱感または罪悪感などのさまざまな理由が存在し、これは加害者が自分の知り合いであるためであることも多い。このことに照らし、委員会は、締約国が、このような犯罪については時効を設けないよう勧告する。時効が定められている場合、委員会は、締約国に対し、犯罪の特有の性質にあわせて時効を修正し、かつ被害者が18歳に達するまで時効の期間が開始しないことを確保するよう、促すものである。 96.委員会は、締約国に対し、自分の言うことが信用され、かつ安心して話せると子どもが感じられる環境づくりに資する援助および保護の枠組みを用意するよう促す。とくに、締約国は次のことをするべきである。 (a) 被害を受けた子どもによる虐待の事実の開示を促進するため、広く利用可能で、容易にアクセスでき、子どもおよびジェンダーに配慮した、かつ秘密が守られる、子どもを対象とする心理社会的カウンセリングおよび通報のための機構を設置すること。このような機構は法律で規制されるべきであり、かつ、子どものケアおよび保護に責任を負う主体、機関および施設について明確に定められるべきである。このような機構には、子どもが通報するための回路(オンラインおよび電話によるヘルプラインその他の窓口など)ならびに子どもの保護制度、法執行制度および司法制度を含めることが求められる。このような機構は、子どもが、自分がもっとも安心だと感じられる方法で(たとえ匿名であっても)助けを求め、かつ性的虐待を受けた場合には通報できるようなものであるとともに、性的にあからさまな自撮りコンテンツに関しても助言または助けを求められるようなものであるべきである。 (b) バーナフス(Barnahus「子どもの家」)または子どもにやさしくかつ多職種の専門家が関わる同様のワンストップセンターのような、子どものケアおよび保護のための介入(治療サービスおよび医療サービスの提供によるものを含む)を行なうさまざまな主体が結集するモデルを活用し、被害を受けた子どもおよび目撃者である子どものためのサービスを、1か所の安全な場所に一元化すること。このような場所は、被害を受けた子どもおよび目撃者である子どもが、安全な環境で、子どもおよびジェンダーに配慮した、専門的かつ効果的な、これらの子どもの最善の利益を常に保全する対応を享受できることを確保するための、多職種の専門家による機関横断的連携の機会を提供するものである。 (c) 人権保障に責任を負う国家的機関(国家人権機関またはオンブズパーソンなど)に対し、子どもからの苦情申立てを子どもおよびジェンダーに配慮したやり方で受理し、調査しかつこれに対応するとともに、被害者のプライバシーおよび保護を確保し、かつ被害を受けた子どものための活動の監視、フォローアップおよび検証を行なう具体的権限を付与すること。 (d) 上述したすべてのサービスへのアクセスは犯罪に関連するいずれかの手続に子どもが参加するか否かにかかわらず保障されることを、法律により疑問の余地なく明確にすること。 C.刑事司法手続への参加 97.委員会は、締約国に対し、選択議定書で対象とされている犯罪の被害を受けた子どもに刑事司法手続のあらゆる段階で適切な支援および法律相談を提供しかつその権利および利益を保護する義務、ならびに、子どもの最善の利益が第一次的に考慮されることを確保する義務を想起するよう求める。このような義務には次のものが含まれる。 (a) 法的手続および捜査手続が子どもおよびジェンダーに配慮したものであることを確保するとともに、関係職員が個々の子どもの具体的ニーズに合わせてこれらの手続を修正できるようにすること。証拠価値を高め、かつ子どもの二次被害を回避するため、子どもにやさしい環境において、エビデンスに基づく標準手続にしたがって司法面接が実施されるべきである。犯罪を行なったとされる者との対峙および複数回の面接は避けることが求められる。委員会は、子どもの証言が適正手続の条件のもとで法廷外において聴取し、かつ法廷で証拠として認容されるようにすることを勧告する。警察官、裁判官、検察官および弁護士は、子どもの権利および子どもにやさしい司法措置に関する訓練を受けているべきである。 (b) 捜査および公判手続において被害を受けた子どものプライバシーを保護するとともに、被害を受けた子どもを脅迫および報復から適切かつ十分に保護されることを保障するための法律上および実務上の措置を確保すること。 (c) 刑事司法手続の間、被害を受けたすべての子どもに対し、無償の法的援助(子どもの代理人として、国内法制度に応じ、弁護士もしくは訴訟後見人または他の資格のある代弁者を任命することを含む)および十分な訓練を受けた専門家(児童精神科医、心理学者およびソーシャルワーカーなど)による精神保健上の支援を提供すること。 (d) 可能なときは、公判中、被害を受けた子どもが出廷することなく聴聞されることを可能にするために適切な通信技術を活用すること。このことは、子どもに対して国外で実行された選択議定書上の犯罪に関わる司法手続において、他国にいる被害者の証言を聴聞できるようにするために必要不可欠となる。このような技術的手段が利用可能でない場合または公判の際に子どもがその場にいることがどうしても必要な場合、締約国は、たとえば子どもと被告人を交互に出廷させるなどの対応により、子どもが加害者とされる者と対峙しないことを確保するべきである。 (e) 加害者とされる者が親、家族構成員、他の子どもまたは主たる養育者であるときは、必要に応じて特別な予防的措置をとること。このような措置においては、子どもの告白が、子ども自身の状況および犯罪に関与していない他の家族構成員の状況の悪化ならびに子どもが経験したトラウマの悪化につながるべきではないことが、慎重に考慮されるべきである。委員会は、締約国に対し、被害を受けた子どもではなく加害者とされる者を分離することを検討するよう奨励する。分離は、子どもによって、処罰として経験される可能性があるためである。 98.委員会は、子どもにやさしい司法の中核的原則のひとつが手続の迅速性であることを再確認する。選択議定書で対象とされている犯罪の通報後の対応は、遅れるべきではない。子どもの売買、性的搾取および性的虐待に関する事件は、優先的進捗管理、連続審理その他の手法を通じて迅速に進められるべきであり、遅延は、子どもの意見および最善の利益を考慮した後でなければ認められるべきではない。 99.委員会は、締約国に対し、上述した援助および保護のための措置を、刑事手続、民事手続および行政手続に関与する子どもの被害者および証人に対しても適宜適用するよう、強く奨励する。 IX.被害を受けた子どもの、回復、家族および社会への再統合ならびに補償・賠償に対する権利 100.委員会は、締約国に対し、被害を受けた子どもに救済を提供すること、これらの子どもが自己の受けた危害について補償・賠償を得られるようにすることならびにこれらの子どもの回復および再統合を可能にすることは犯罪を行なった者を処罰するのと同じぐらい重要であり、選択議定書第9条(3)および(4)に基づく義務であることを想起するよう求める。委員会は、この目的のため、締約国が次の措置をとるよう勧告するものである。 (a) 被害者の医療ケア、社会的再統合ならびに身体的および心理的回復のための関連サービスに、当該サービスを必要とするすべての子どもが全国的に無償でアクセスできること、ならびに、当該サービスを提供する者が公認の訓練を受けかつ必要な専門性を有していることを確保すること。 (b) 締約国の領域内にいる外国人の被害者も対象として、緊密にモニタリングされる公判後の再統合サービスを含む包括的な連続的ケアおよび支援を発展させること。 (c) 被害を受けた子ども1人ひとりについてどのような形態の補償・賠償が望ましいか、その子どもの具体的状況、個人的見解および人生展望に応じて注意深く検討すること。加えて、または金銭的補償に代わる手段として、被害者に長期的に利益を与えうる、教育および(または)所得創出活動のための金銭的その他の支援という形態で補償を行なうこともできる。 101.オンラインで行なわれた性的搾取および虐待を発見したとしても、必ずしも犯罪を行なった者および被害を受けた子どもが特定可能な形で明らかになるとは限らない。締約国は、共助および国際協力ならびにインターポール等も通じて被害者の特定を強化し、かつその救出および帰還の指針を示すための明確な措置をとるべきである。締約国はまた、犯罪を行なった者を特定するためにも、画像分析システムを含む同様の手段を活用することが求められる。 102.選択議定書で対象とされている犯罪を実行しまたは容易にするためにICTが利用された事件では、多くの場合、子どもの性的虐待表現物という形で永久に記録が残る。委員会は、このことが子どもの回復および再統合に継続的影響を及ぼしうることについて深く懸念するものである。締約国は、このような状況に関する意識を高めるとともに、必要に応じて長期的な社会サービスおよび心理サービスを提供するための十分な措置をとるよう求められる。 103.子どもの性的虐待を描写した表現物がオンラインで存在し続けかつ流布され続けることには、子どもに対するスティグマを悪化させ、かつ子どもおよびその家族が感じる可能性のある恥辱感を高めることにより、家庭およびコミュニティへの再統合をより困難にするおそれもある。委員会は、締約国が、子どもが関わる有害な表現物へのアクセスおよびそのシェアが続くことを防止するため、このような表現物をブロックしかつ削除するための迅速かつ効果的な手続を用意するよう勧告する。このような手続は、法執行機関および通報用ホットラインならびに民間セクター(とくにインターネット・サービス・プロバイダおよびソーシャルネットワーク)と連携しながら設けられるべきである。 104.締約国は、法的援助の提供または国が運営する補償制度の設置等を通じ、被害者が、その経済的状況にかかわらず、法的措置を通じて補償・賠償を請求できるようにするとともに、被害者が、当該犯罪に関与していたことを理由に補償・賠償を受ける資格がないとみなされないことを確保するべきである。このような法的手続が民事訴訟に基づくものである場合、当該手続に、刑事手続について述べたものと同一の子どもおよびジェンダーに配慮した措置を適宜統合することが求められる。 105.補償・賠償の問題は、子どもの売買、性的搾取および性的虐待がICTの利用を通じて実行されまたは容易にされた事件において、とりわけ複雑なものとなる。子どもは、カメラの前で性的虐待を受けるときだけではなく、他者がその虐待の画像その他の表現にオンラインでアクセスするたびに深刻な危害を受けるのである。子どもの性的虐待表現物で描写された被害者に対する賠償が制定法により要求されている国でさえ、裁判所にとって、各視聴者が子どもに支払うべき賠償額を算定するのは困難であることが明らかになっている。 106.有罪判決を受けた加害者から被害者が賠償を受けられる可能性を高めるため、締約国は、手続の早い段階で被告人の資産の特定および差押えをできるようにするとともに、被害者が没収財産から支払いを受けられるようにする目的でマネーロンダリング法を改正するよう、奨励される。補償・賠償措置は国際基準に則って執行されるべきである。 107.委員会は、締約国に対し、犯罪を行なった者の捜査および訴追が、正義を手にする被害者のリハビリテーションの手段としても機能し、かつ抑止を通じて他の同様の犯罪の防止にもつながる可能性があることを想起するよう求める。この文脈において、委員会は、締約国に対し、選択議定書で対象とされている犯罪に対する責任の履行を確保することおよび不処罰と闘うことに関する政治的意思を示し、かつ積極的に行動するよう奨励するものである。 X.共助および国際協力 108.委員会は、締約国に対し、自国が、選択議定書第6条(1)に基づき、議定書で対象とされている犯罪に関わって進められる捜査または刑事手続もしくは犯罪人引渡し手続との関連で、相互に最大限の援助(これらの手続のために必要であり、かつ自国が提供することのできる証拠の取得に関する援助を含む)を与えなければならないとされていることを想起するよう求める。具体的には、締約国は、犯罪捜査に役立つ可能性がある情報を共有するとともに、自国の領域における捜査を容易にすることに対して可能なあらゆる方法で貢献するべきである。 109.選択議定書第10条の規定にしたがい、締約国は、よい幅広く、選択議定書で対象とされている犯罪の防止、発見、捜査ならびに当該行為に責任を負う者の訴追および処罰のために協力しなければならないとされている。このような協力では、とくに、発見および通報のための効果的制度、情報共有ならびに犯罪の証拠(電子証拠を含む)の時宜を得た保全および送達が対象とされるべきである。協力においては、回復、再統合および帰還に関する被害者への援助も適宜対象とすることが求められる。 110.委員会は、締約国に対し、選択議定書ならびに性的搾取および性的虐待からの子どもの保護を目的とするその他の法的文書の規定を国際的援助の増進を通じて実施するにあたり相互に援助(社会的および経済的開発、貧困根絶プログラムならびに教育の完全普及のための支援を含む)を行なうための適切な措置をとるよう奨励する。 111.委員会は、締約国に対し、国家機関、法執行機関、司法当局その他の関係機関が関与する二国間および多国間の協定を締結するよう、強く奨励する。犯罪を行なった者の特定、捜査および裁判所における訴追ならびに被害者の特定を可能とするための技術的ツールを開発する目的で、民間セクターおよび専門の非政府組織とのパートナーシップも確立されるべきである。 112.締約国は、国境を越えて実行された犯罪の証拠への権限保有者によるアクセスの便宜を図ることによって、いっそうの協力を通じ、子どもの売買、子どもの性的搾取および性的虐待(オンラインおよびオフラインのどちらで行なわれたものも含む)の実効的捜査および訴追を妨げる障壁を取り除くべきである。 113.委員会は、締約国に対し、売買および性的搾取から子どもを保護するための国内的および国際的連合体を支援し、かつ、犯罪ネットワークおよび加害者の捜査および訴追における効果的協力を確保するよう奨励する。 更新履歴:ページ作成(2019年2月4日)。
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/239.html
国連・子どもの権利委員会の勧告:条約広報措置・人権教育関連(日本) 関連:国連・子どもの権利委員会の勧告:教育一般関連(日本) 第1回総括所見(1998年) (条約広報措置) 11.この点における締約国の努力は認めながらも、委員会は、条約の原則および規定、ならびにとくに子どもは権利の全面的主体であるという考え方を条約が重視していることに関する幅広い意識を、社会のあらゆる層において子どもにも大人にも同様に普及しかつ促進するためにとられた措置が不充分であることを懸念する。委員会はまた、条約がいかなるマイノリティの言語でも入手可能とされていないこと、および関連の専門家グループに対して子どもの権利に関する研修を行なうためにとられた措置が不充分であることも、懸念する。 33.委員会は、条約の規定が子どもおよび大人の双方によって広く知られかつ理解されることを確保するために、締約国がさらなる努力を行なうよう勧告する。あらゆる専門家グループを対象として、子どもの権利に関する体系的な研修および再研修のプログラムが組織されるべきである。このような専門家グループには、警察および治安部隊の構成員ならびにその他の法執行官、司法職員、弁護士、裁判官、教育のあらゆる段階における教師および学校管理者、ソーシャルワーカー、中央または地方の行政職員、子どもをケアする施設の職員、ならびに心理学者を含む保健従事者および医療従事者が含まれる。委員会は、権利の全面的主体としての子どもの地位を強化するため、条約をすべての教育機関のカリキュラムに盛りこむよう勧告する。委員会はさらに、条約全文をマイノリティの言語で入手可能にし、かつ必要な場合にはマイノリティの言語に翻訳するよう勧告する。 (教育) 23.委員会は、条約第29条に従い、人権教育を体系的に学校カリキュラムに導入するために締約国がとった措置が不充分であることを、懸念する。 44.委員会は、締約国に対し、条約第29条に従って、人権教育を体系的に学校カリキュラムに含めるために適切な措置をとるよう勧告する。 (文書の普及) 49.最後に、委員会は、条約第44条6項に照らし、締約国が提出した第1回報告書および文書回答を広く一般公衆が入手できるようにし、かつ、報告書を関連の議事要録および委員会がここに採択した総括所見とともに刊行するよう勧告する。そのような幅広い普及は、政府、議会および関係の非政府組織を含めた一般公衆の間で、条約ならびにその実施および監視に関する議論および意識を喚起するようなものであるべきである。 第2回総括所見(2004年) 広報および研修 20.委員会は、裁判官、教職員、警察官、矯正施設職員、保護観察官および出入国管理官を対象として締約国が実施している研修活動を歓迎する。しかしながら委員会は、子どもおよび公衆一般、ならびに子どもとともにおよび子どものために働いている多くの専門家が条約およびそこに体現された権利基盤型アプローチについて充分に理解していないことを、依然として懸念するものである。 21.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 公衆一般および子どもを対象として、条約、およびとくに子どもが権利の主体であるということに関する意識啓発キャンペーンを強化すること。 (b) 子どもとともにおよび子どものために働いているすべての者、とくに教職員、裁判官、弁護士、議員、法執行官、公務員、自治体職員、子どもを対象とした施設および拘禁場所で働く職員、心理学者を含む保健従事者、ならびにソーシャルワーカーを対象として、条約の原則および規定に関する体系的な教育および研修をひきつづき実施すること。 (c) 意識啓発キャンペーン、研修および教育プログラムが態度の変革、行動および子どもの取扱いに与えた影響を評価すること。 (d) 人権教育、およびとくに子どもの権利教育を学校カリキュラムに含めること。 子どもの意見の尊重 27.子どもの意見の尊重を向上させようとする締約国の努力には留意しながらも、委員会は、子どもに対する社会の伝統的態度により、家庭、学校、その他の施設および社会一般における子どもの意見の尊重が制限されていることを依然として懸念する。 28.}委員会は、条約第12条にしたがい、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 家庭、裁判所および行政機関、施設および学校ならびに政策立案において、子どもに影響を及ぼすあらゆる事柄に関して子どもの意見の尊重を促進しかつ子どもの参加の便宜を図ること。また、子どもがこの権利を知ることを確保すること。 (b) 子どもに影響を及ぼすあらゆる事柄に関して意見を考慮されかつ参加する子どもの権利について、とくに親、教育者、政府の行政職員、司法関係者および社会一般に対し、教育的情報を提供すること。 (c)(略) (d)(略) 文書の普及 57.委員会は、条約第44条6項に照らし、締約国が提出した第2回定期報告書および文書回答を広く公衆一般が入手できるようにするとともに、関連の議事要録および委員会が採択した総括所見とともに報告書を刊行することを検討するよう勧告する。このような文書は、政府、議会および一般公衆(関心のある非政府組織を含む)のあいだで、条約ならびにその実施および監視に関する議論および意識を喚起するため、広く配布されるべきである。 第3回総括所見(2010年) 広報、研修および意識啓発 23.委員会は、子どもとともにおよび子どものために活動している専門家ならびに一般公衆の間で条約に関する意識を促進するために締約国が行なってきた努力には留意するものの、これらの努力が十分ではないこと、または条約の原則および規定を普及するための計画が実行に移されていないことを依然として懸念する。とりわけ、子どもおよびその親に対して情報をより効果的に普及することが緊急に必要である。委員会はまた、子どものためにおよび子どもとともに活動している専門家の研修が不十分であることも懸念する。 24.委員会は、締約国に対し、子どもおよび親の間で条約に関する情報の普及を拡大するよう奨励する。委員会は、締約国に対し、子どものためにおよび子どもとともに活動しているすべての者(教職員、裁判官、弁護士、法執行官、メディア従事者、公務員およびあらゆるレベルの政府職員を含む)を対象とした、子どもの権利を含む人権に関する体系的かつ継続的な研修プログラムを発展させるよう促す。 総括所見の普及 89.委員会はさらに、条約、その実施および監視に関する意識を促進する目的で、第3回定期報告書、締約国が提出した文書回答およびこの総括所見を、公衆一般、市民社会組織、メディア、若者グループ、専門家グループおよび子どもたちが、インターネット等も通じ、日本の言語で広く入手できるようにすることを勧告する。 武力紛争選択議定書・第1回総括所見(2010年) 普及および研修 6.人権法および国際人道法の普及をともなう行事が軍隊のために開催されている旨の締約国の情報には留意しながらも、委員会は、締約国が、定期研修の一環としてまたは国際平和維持軍に参加するための準備において、自衛隊を対象として選択議定書の原則および規定に関する研修を行なっていないことに、懸念とともに留意する。委員会はまた、徴募されまたは敵対行為において使用された可能性のある子どもとともに活動する専門家のうち一部の職種に属する者が十分な研修を受けていないこと、および、選択議定書に関する公衆一般の意識が低いことも懸念する。 7.委員会は、選択議定書第6条第2項に照らし、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a)議定書の原則および規定が一般公衆および国の職員に対して広く周知されることを確保すること。 (b)軍の関係者全員が選択議定書の原則および規定に関する研修を受けることを確保すること。 (c)徴募されまたは敵対行為において使用された可能性のある子どもとともに活動するすべての関連の専門家集団、とくに教職員、医療従事者、ソーシャルワーカー、警察官、弁護士、裁判官およびジャーナリストを対象として、議定書の規定に関する意識啓発、教育および研修のための体系的プログラムを発展させること。 人権教育および平和教育 10.委員会は、平和教育との関連も含め、あらゆる段階のあらゆる学校のカリキュラムで締約国が提供している具体的な人権教育についての詳しい情報が存在しないことに、懸念とともに留意する。 11.委員会は、締約国が、すべての児童生徒を対象とする人権教育およびとくに平和教育の提供を確保するとともに、これらのテーマを子どもの教育に含めることについて教職員を研修するよう勧告する。 フォローアップおよび普及 18.委員会は、締約国が、とくにこれらの勧告を、防衛省をはじめとする関連の政府省庁、国会議員その他の関連の公的機関に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。 19.委員会は、選択議定書、その実施および監視に関する意識を促進する目的で、締約国が提出した第1回報告書および委員会が採択した総括所見を、公衆一般およびとくに子どもたちが広く入手できるようにすることを勧告する。 性的搾取議定書・第1回総括所見(2010年) 普及および研修 14.委員会は、選択議定書の規定に関する意識啓発活動が不十分であることに、懸念とともに留意する。 15.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a)選択議定書の規定が、とくに学校カリキュラムおよびキャンペーンを含む長期的な意識啓発プログラムを通じ、とくに子ども、その家族およびコミュニティを対象として広く普及されることを確保すること。 (b)議定書第9条第2項にしたがい、議定書に掲げられた犯罪の有害な影響および被害者が利用可能な救済手段についての意識を、研修および教育キャンペーンを通じ、子どもを含む公衆の間で促進すること。 (c)選択議定書に関連する諸問題についての意識啓発活動および研修活動を支援するため、市民社会組織およびメディアとの協力を発展させること。 16.委員会は、法執行機関および矯正機関を除き、選択議定書に関する専門家の研修が不十分であることを懸念する。 17.委員会は、締約国が、選択議定書が対象とする犯罪の被害を受けた子どもとともに活動するあらゆる専門家集団を対象とした、選択議定書の規定に関する体系的なかつジェンダーに配慮した教育および研修を強化するよう勧告する。 総括所見の普及 45.委員会は、選択議定書、その実施および監視に関する意識を喚起する目的で、報告書および締約国が提出した文書回答ならびに採択された関連の勧告(総括所見)を、公衆、市民社会組織、メディア、若者グループおよび専門家グループが広く入手できるようにすることを勧告する。さらに委員会は、締約国が、とくに学校カリキュラムおよび人権教育を通じ、選択議定書を子どもたちに周知させるよう勧告する。 更新履歴:ページ作成(2014年1月17日)。
https://w.atwiki.jp/kodomonomachi/pages/20.html
ミニいちかわ ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● 目次 1概要 2歴史 3仕事ブース 4大人の会議(例) 5子どもの会議(例) 6話題(例) 6.1(始まりの頃の特筆すべき点) 6.2(現在の特筆すべき点) 6.3(外部の協力者) 7参考文献 8関連項目 9外部リンク 概要 当市のこどものまち「●●●●●●」は●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●という特徴を持つ。 南北に長い市内全域をカバーするため、地域の大型公園を利用し、2会場・各2日間開催。1日平均1,250人の子どもが市民となる(2007年は4日間で5,000人)。 歴史 第1回 行徳駅前公園 2003年11月15日・16日 第2回 行徳駅前公園 2004年10月16日・17日 第3回 行徳駅前公園 2005年10月15日・16日、 大洲防災公園 10月22日・23日 第4回 行徳駅前公園 2006年10月 7日・8日、 大洲防災公園 10月14日・15日 第5回 行徳駅前公園 2007年10月 6日・7日、 大洲防災公園 10月13日・14日 第6回 行徳駅前公園 2008年11月 1日・2日(予定) 大洲防災公園 11月 8日・9日(予定) 仕事ブース 2008年は、子どもたちが考えた市役所各課を作る予定。子どもたち一番人気の「どろぼうブース」についても、しくみを企画中。 例年用意される、または少数回でも特徴的に設置された仕事ブースは、次の通り。 公共系 市役所各課・ 職安・ 銀行・ 大人の学校・ ミニいち学校・ 警察・ 新聞社・ 放送局・ レンタル文具・ どろぼう 等 工房・サービス系 プニプニ風船工房・ ゲームセンターとカジノ・ フェイスペインティング・ 手作り楽器屋さん・ ぽんぽんアクセサリー 等 食べ物系 ぐるぐるパンや・ ファミリーマーヨ・ スイーツ春巻き・ そーすせんべい屋、 ネコのクレープやさん、 ケッキー屋、 等 市長 各会場1日目は選挙運動と選挙、2日目に就任。 大人の会議(例) こどものまちを主催する大人による会議は、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。 ●●月 ●●●●●●として開催 ●●月 ●●●●●●として開催 ●●月 ●●●●●●として開催 子どもの会議(例) 約半年前から子どもたちと準備を進め、当日も中高生・青年がスタッフとなり、まちの運営に携わる。2008年は、公募で集まった小学生が(本物の)市役所見学をきっかけにミニいちかわに必要な課について話し合い、環境課・住民課(総合案内)などを作る事に。また子ども店長として自分が作りたいブースを準備していく。 ●●月 ●●●●●●として開催 ●●月 ●●●●●●として開催 ●●月 ●●●●●●として開催 話題 (始まりの頃の特筆すべき点) ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。 (現在の特筆すべき点) 大人への理解を深めるため、またスタッフとして積極的に巻き込むため、大人の学校を卒業したらスタッフになれる。 2008年は幼児付き添いの親に向けての学校も設立予定。 (外部の協力者) ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。 主催団体 (特非)市川子ども文化ステーション 「子どもたちが自主的、創造的、文化的な体験活動を行ない、豊かな人間性を育む地域社会づくりに寄与すること」を目的に、・子ど もの舞台芸術の創造、鑑賞、普及・子どもの自主的な遊びの体験・子育て支援・子どもの権利条約の啓発など、子ども参画の様々な 活動を展開。2006年9月「市川子ども文化ステーション」に名称 変更。 事務局: 〒272-0137 市川市福栄2-9-22-101 Tel/Fax 047-395-7670 i_ccs@icnet.ne.jp http //www.gekijyo.jpn.org/ 参考文献 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。 関連項目 ●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●。
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/26.html
子どもの権利委員会・一般的意見13号:あらゆる形態の暴力からの自由に対する子どもの権利(2) あらゆる形態の暴力からの自由に対する子どもの権利(1)より続く IV.第19条の法的分析(続き) A.第19条第1項(続き) 2.「養育中に〔監護を受けている間に〕」(while in the care of …) 33.「養育者」(caregivers)の定義。委員会は、子どもの発達しつつある能力および漸進的自律を尊重しつつ、それでも18歳未満のすべての者はいずれかの者による「監護を受けて」いる、またはそうあるべきであると考える。子どもが置かれる状態は3つしか存在しない。法律上成年として扱われる [13] か、主たる養育者もしくはそれに代わる養育者の監護下にあるか、または国の事実上の監護下にあるかである。第19条第1項にいう「養育者」(「親、法定保護者または子どもの養育をする他の者」)の定義は、子どもの安全、健康、発達およびウェルビーイングについて明確な、承認された法的、職業倫理的および(または)文化的責任を有する者をすべて対象としている。主として、親、里親、養親、イスラム法のカファラにおける養育者、保護者、拡大家族およびコミュニティの構成員、教育・学校および乳幼児期支援の関係者、親が雇用する保育者、レクリエーションおよびスポーツのコーチ(若者グループの監督者を含む)、職場の雇用主または監督者、ならびに、養育者の立場にある(政府系または非政府系の)施設職員(たとえば保健ケア、少年司法ならびにドロップインセンターおよび居住型養護施設の責任者であるおとな)である。出身国外にあって保護者のいない子どもの場合、国が事実上の養育者となる。 [13] 委員会が過去に締約国に対して行なった、女子および男子の双方について婚姻年齢を18歳に引き上げるべきである旨の勧告(子どもの権利条約の文脈における思春期の健康と発達に関する一般的意見4号(2003年)、パラ20)にしたがい、かつこのような状況下にある子どもが不当な取扱いをとくに受けやすいことにかんがみ、委員会は、第19条が、早期婚および(または)強制婚を通じて成年に達したまたは成年擬制の対象とされた18歳未満の子どもにも適用されると考える。 34.養育現場(care settings)の定義。養育現場とは、「恒久的な」主たる養育者(親もしくは保護者等)またはそれに代わるもしくは「一時的な」養育者(教員または若者グループの指導者等)の監督のもと、子どもが一定期間(短期、長期、繰り返しまたは一度きり)を過ごす場である。子どもはこれらの養育現場間を非常にしばしばかつ柔軟に移動することが多いが、これらの現場間を移行中の子どもの安全(たとえば登下校中、または水、燃料、食料もしくは動物の餌を取りに行くとき)については、主たる養育者が依然として――直接に、または代理的養育者との調整および協力を通じて――責任を負う。子どもはまた、養育現場で物理的監督を受けていない間(たとえば目が届かない場所で遊んでいるとき、または監督されないままネットサーフィンをしているとき)も、主たる養育者またはそれに代わる養育者による「養育中」であると見なされる。通常の養育現場として挙げられるのは、家庭、学校その他の教育施設、乳幼児の養育現場、学童保育所、余暇施設、スポーツ施設、文化施設およびレクリエーション施設、宗教施設ならびに礼拝所などである。医療施設、リハビリテーション施設およびケア施設、労働現場ならびに司法現場では、子どもは専門家または国の関係者の監護下に置かれ、これらの者は子どもの最善の利益を遵守し、かつ保護、ウェルビーイングおよび発達に対する子どもの権利を確保しなければならない。やはり子どもの保護、ウェルビーイングおよび発達が確保されなければならない第3のタイプの現場として、近隣地域、コミュニティ、ならびに、難民および紛争や自然災害により避難を余儀なくされた人々のためのキャンプまたは居留地がある。[14] [14] 子どもに対する暴力に関する国際連合研究が、子どもに対する暴力が生じている現場について記述している。「子どもの代替的養護に関する指針」〔PDF〕に掲げられた詳細な指針も参照。 35.主たる養育者またはそれに代わる養育者が明らかでない子ども。第19条は、主たる養育者もしくはそれに代わる養育者、または子どもの保護およびウェルビーイングの確保を委託された他の者がいない子ども(たとえば、子どもが筆頭者である世帯の子ども、路上の状況にある子ども、親が移民として他国にいる子どもまたは出身国外にあって保護者のいない子ども [15] 等)にも適用される。締約国には、たとえこのような子どもが里親家庭、グループホームまたはNGOの施設のような物理的養育現場の環境にいない場合でも、事実上の養育者または「子どもを監護する」者としての責任を負う義務があるのである。締約国は、「子どもに対してその福祉に必要な保護およびケアを確保する」義務(第3条第2項)および「一時的にもしくは恒久的に家庭環境を奪われた子ども」に対して「代替的擁護を確保する」義務(第20条)を有する。このような子どもの権利を保障する方法にはさまざまなものがあるが、家庭のような養育体制を組むことが望ましく、かつこのような子どもが暴力にさらされるおそれとの関係で慎重な検討が行なわれなければならない。 [15] 委員会の一般的意見6号(2007年)、パラ7の定義参照。 36.暴力の加害者。子どもは、主たる養育者もしくはそれに代わる養育者による、かつ(または)養育者がその暴力等から保護すべき他の者(たとえば近隣住民、子どもの仲間および見知らぬ者)による暴力を受ける場合がある。さらに、子どもは、専門家および国の関係者が子どもに対する自己の権力をしばしば悪用する多くの現場(学校、居住型施設、警察署または司法施設等)で暴力にさらされるおそれがある。このような環境はすべて第19条の適用範囲なのであり、同条の適用は養育者が個人的文脈で振るう暴力にかぎられるわけではない。 3.「(措置を)とる」(shall take …) 37.「とる」(shall take)は締約国の裁量の余地をいっさい残さない用語である。したがって締約国は、すべての子どもにこの権利を全面的に保障するための「あらゆる適当な……措置」をとる厳格な義務を負う。 4.「あらゆる適当な立法上、行政上、社会上および教育上の措置」(all appropriate legislative, administrative, social and educational measures) 38.実施および監視に関する一般的措置。委員会は、子どもの権利条約の実施に関する一般的措置についての一般的意見5号(2003年)に対し、締約国の注意を喚起する [16]。委員会はまた、締約国が、子どもの権利の保護および促進における独立した国内人権機関の役割に関する一般的意見2号(2002年)も参照するよう求めるものである。このような実施措置および監視措置は、第19条を現実のものとするうえで必要不可欠である。 [16] とくにパラ9(必要とされる措置の範囲)、パラ13および15(留保の撤回および適格性)ならびにパラ66および67(条約の普及)を参照。 39.「あらゆる適当な……措置」。「適当な」という文言は政府のあらゆる部門を横断する広範な措置を指しており、あらゆる形態の暴力を防止しかつこれに対応するために、これらの措置が活用されかつ効果的なものとされなければならない。「適当な」という文言を、一部の形態の暴力は受け入れられるという意味だと解釈することはできない。統合的な、一貫した、部門横断的なかつ調整のとれた制度が必要であり、そこでは第19条第1項に掲げられた一連の措置が全面的に編入され、かつ第2項に列挙された介入策が全面的に網羅されていることが求められる。持続的なかつ調整のとれた政府の政策および体制に統合されない散発的なプログラムおよび活動は、かぎられた効果しか持たないことになろう。ここに掲げた措置の策定、監視および評価においては、子ども参加が必要不可欠である。 40.立法上の措置とは、立法(予算を含む)ならびに実施および執行のための措置の両方を指す。これは、枠組み、制度、機構ならびに関係機関および権限を有する担当官の役割および責任について定めた、国、州および自治体の法律ならびにあらゆる関連の規則から構成される。 41.以下の措置をまだとっていない締約国は、とらなければならない。 (a) 条約の2つの選択議定書、ならびに、子どもの保護について定めた他の国際的および地域的人権文書(障害のある人の権利に関する条約およびその選択議定書、ならびに、拷問および他の残虐な、非人道的なまたは品位を傷つける取り扱いまたは刑罰に関する条約を含む)を批准すること。 (b) 条約の趣旨および目的に反する、またはその他の形で国際法に反する宣言および留保を見直しかつ撤回すること。 (c) 条約機関その他の人権機構との協力を強化すること。 (d) 第19条および条約のホリスティックな枠組みにおけるその実施のあり方にしたがって国内法を見直しかつ改正するとともに、子どもの権利に関する包括的政策を定め、かつ、あらゆる場面におけるあらゆる形態の子どもに対する暴力の絶対的禁止ならびに加害者に対する効果的かつ適当な制裁 [17] を確保すること。 (e) 子どもに対する暴力を終わらせるために採択された立法および他のあらゆる措置を実施するため、十分な予算配分を行なうこと。 (f) 被害者および目撃者である子どもの保護ならびに救済措置および賠償への効果的アクセスを確保すること。 (g) 関連の立法において、メディアおよびICTに関わって子どもの十分な保護が定められることを確保すること。 (h) 子どもおよび子どもを養育している者に対し、統合的サービスを通じて必要な支援を提供することによって最適な積極的子育てを促進する、社会プログラムを確立しかつ実施すること。(i) 法律および司法手続(権利を侵害されたときに子どもが利用可能な救済措置を含む)を子どもにやさしい方法で執行すること。 (j) 子どもの権利に関する独立の国内機関を設置しかつ支援すること。 [17] 「制裁」との関連では、「加害者」には自己危害を行なう子どもは含まれない。他の子どもに危害を加える子どもの処遇は、教育的かつ治療的なものでなければならない。 42.行政上の措置には、あらゆる形態の暴力から子どもを保護するために必要な政策、プログラム、監視および監督制度を確立する政府の義務が反映されるべきである。これには以下のものが含まれる。 (a) 国および地方の政府レベル(i) 子どもの保護に関する戦略およびサービスを調整する、政府の中央機関を設置すること。 (ii) 国および地方のレベルの実施機関を効果的に運営し、監視しかつその説明責任を履行させる目的で、機関間運営委員会に参加する関係者の役割、責任および関係を明らかにすること。 (iii) サービスの地方分権化の過程でその質、説明責任および公平な配分が守られることを確保すること。 (iv) 子どもの保護(防止を含む)のために配分された資源を最善の方法で活用するため、体型的かつ透明な予算策定プロセスを実施すること。 (v) 世界的基準に一致する形で作成され、かつ国内で定められた目標および目的にあわせて修正されかつそれを指針とする指標に基づき、諸制度、サービス、プログラムおよび成果が体系的に監視および評価されること(効果分析)を確保する目的で、包括的かつ信頼できる全国的データ収集システムを確立すること。 (vi) 独立した国内人権機関に支援を提供するとともに、子どもの権利オンブズマンのような、子どもの権利に関わる具体的権限を有する機関が設けられていない場合にはその設置を促進すること [18]。 (b) 政府機関、職能団体および市民社会組織のレベル(i)(自己主体感および持続可能性の奨励につながる参加型プロセスを通じて)以下のものを策定および実施すること。a. 機関内および機関横断型の子ども保護政策。 b. 子どもの養育に関わるすべてのサービスおよび現場(保育所、学校、病院、スポーツクラブおよび居住型施設等を含む)を対象とした、専門職倫理綱領、プロトコール、了解覚書およびケア基準。 (ii) 子どもの保護のための取り組みに関わって学術的な教育訓練機関の関与を得ること。 (iii) 良質な調査研究プログラムを推進すること。 [18] 一般的意見2号、とくにパラ1、2、4および19を参照。 43.社会上の措置は、保護に関わる子どもの権利の履行に対する政府のコミットメントを反映し、かつ対象が明確な基礎的サービスを提供するようなものであるべきである。このような措置は、国、および国の責任のもとで活動する市民社会関係者の双方が開始および実施できる。このような措置には以下のものが含まれる。 (a) たとえば以下のような、リスクを低めかつ子どもに対する暴力を防止するための社会政策上の措置(i)子どもの養育および子どもの保護に関わる措置を社会政策制度の主流に統合すること。 (ii) 被害を受けやすい立場に置かれた集団(とくに先住民族およびマイノリティの子どもならびに障害のある子どもを含む)によるサービスへのアクセスおよびその権利の全面的享受を阻害する要因および状況を特定しかつ防止すること。 (iii) 危険な状況にある家族への金銭的および社会的支援を含む貧困削減戦略。 (iv) 公衆衛生および公の安全、居住、雇用および教育に関わる政策。 (v) 保健サービス、社会福祉サービスおよび司法サービスへのアクセスを向上させること。 (vi) 「子どもにやさしいまち」づくり。 (vii) アルコール、違法な薬物および武器への需要およびアクセスを低下させること。 (viii) 子どもの養育および保護のための世界的基準を策定、促進および執行する目的で、マスメディアおよびICT産業と連携すること。 (ix) マスメディアが制作する情報および資料のうち子どもの人間の尊厳および不可侵性を尊重しないものから子どもを保護すること、家庭その他の場所で生じた子どもに影響を与える出来事についての、再被害化につながる報告の流布を差し控えること、および、関係当事者全員が検討できる多様な情報源の活用を基盤とする専門的調査方法を推進することを目的とした、指針を策定すること。 (x) 公衆の間で子どもおよび子ども時代に関する適切なイメージが保持されることを支援するため、子どもたちがメディアで意見および期待を表明する機会、ならびに、子ども向け番組に関与するだけではなく、レポーター、アナリストおよびコメンテーター等としてあらゆる種類の情報の制作および伝達に参加する機会を提供すること。 (b) たとえば以下のような、子どもを個別に支援するための社会プログラム、および、子どもの家族その他の養育者が最適かつ前向きな子育てを行なうことを支援するための社会プログラム(i) 子どものためのプログラム:保育、乳幼児期発達および学童保育プログラム。子どもおよび若者のグループおよびクラブ。困難(自己危害を含む)を経験している子どもを対象とした、カウンセリングによる支援。訓練を受けた者が対応する、24時間かつフリーダイヤルのチャイルド・ヘルプライン。定期的審査に服する里親家族サービス。 (ii) 家族その他の養育者のためのプログラム:心理社会的および経済的課題に対応するための、コミュニティを基盤とする相互援助グループ(たとえば子育てグループや少額融資グループ)。家庭の生活水準を支えるための福祉プログラム(一定年齢に達した子どもへの直接給付を含む)。雇用、住居および(または)子育てに関して困難を抱えている養育者への、カウンセリングによる支援。ドメスティック・バイオレンス、アルコールもしくは薬物への依存その他の精神保健上のニーズに関わる課題を抱えている養育者を援助するための治療プログラム(相互援助グループを含む)。 44.教育上の措置では、子どもに対する暴力を容認および助長する態度、伝統、慣習および行動慣行に対処するべきである。これらの措置は、メディアおよび市民社会の参加も得て、暴力に関する開かれた対話を奨励するようなものであることが求められる。また、子どもの生活、スキル、知識および参加を支え、かつ養育者および子どもに接する専門家の能力増進につながるようなものであるべきである。このような措置は、国、および国の責任のもとで活動する市民社会関係者の双方が開始および実施できる。具体例としては以下のようなものがあるが、これにはかぎられない。 (a) すべての関係者向け:前向きな子育てを促進し、かつ、暴力を容認または奨励する否定的な社会的態度および慣行と闘うための、オピニオンリーダーやメディアを通じた広報プログラム(意識啓発キャンペーンを含む)。子どもにやさしくかつアクセスしやすい形式による、条約、この一般的意見および締約国報告書の普及。ICTの文脈における保護について教育および助言するための措置の支援。 (b) 子どもたち向け:ライフスキル、自己防衛および特定のリスク(ICTに関わるものならびに前向きな友人関係を発展させる方法およびいじめと闘う方法に関わるものを含む)に関する、正確な、アクセスしやすい、かつ年齢に応じた情報を提供し、かつエンパワーメントを図ること。学校カリキュラムその他の方法を通じ、子どもの権利全般、および、とくに意見を聴かれ、かつその意見を真剣に考慮される権利についてのエンパワーメントを図ること。 (c) 家族およびコミュニティ向け:親および養育者を対象とした、前向きな子育てに関する教育。特定のリスクおよび子どもに耳を傾けかつその意見を真剣に考慮する方法に関する、正確かつアクセスしやすい情報の提供。 (d) 専門家および諸機関(政府および市民社会)向け:(i) 子どもとともにおよび子どものために働くすべての専門家および非専門家(教育制度の全段階の教員、ソーシャルワーカー、医師、看護師その他の保健専門職、心理学者、弁護士、裁判官、警察官、保護観察官および刑務所職員、ジャーナリスト、コミュニティワーカー、居住型施設の養育担当者、公務員および公的機関の役職者、庇護担当官ならびに伝統的指導者および宗教的指導者を含む)を対象として、第19条および実践におけるその適用に対する子どもの権利アプローチについて、初任時および任期中に一般的研修および役割別研修(必要な場合には部門横断型の研修も含む)を行なうこと。 (ii) このような研修の規制および認証を目的として、教育訓練機関および職能団体と連携しながら、公的に認められた証明制度を発展させること。 (iii) 条約が、子どもとともにおよび子どものために働くことが予定されているあらゆる専門家の教育カリキュラムの一部となることを確保すること。 (iv) 「子どもにやさしい学校」その他の(とくに子ども参加の尊重を含む)取り組みを支援すること。 (v) 子どもの養育および保護に関する調査研究を推進すること。 B.第19条第2項 「当該保護措置は、適当な場合には、……を含む」(such protective measures should, as appropriate, include …) 45.介入策の範囲。ホリスティックな子ども保護システムにおいては、各締約国の社会文化的伝統および法体系を考慮に入れながら、第19条第2項に掲げられた諸段階のすべてにわたって包括的かつ統合的な措置を用意することが必要である。 [19] [19] 「子どもの代替的養護に関する指針」〔PDF〕で参照可能な詳細な指針も各段階で考慮に入れられるべきである。 46.防止。委員会は、子どもの保護はあらゆる形態の暴力の積極的防止およびあらゆる形態の暴力の明示的禁止から開始されなければならないことを、これ以上ない調子で強調する。国には、子どものケア、指導および養育に対して責任を有しているおとなが子どもの権利を尊重および保護するために必要なあらゆる措置をとる義務があるのである。防止には、あらゆる子どもを対象として、暴力と無縁な、尊重に基づく子育てを積極的に促進し、かつ子ども、家族、加害者、コミュニティ、制度および社会のレベルで暴力の根本的原因に的を絞るための、公衆衛生上その他の措置が含まれる。子ども保護システムの開発および実施においては、一般予防(第一次予防)および対象を明確にした予防(第二次予防)が常に至高の課題として重視されなければならない。防止措置は、長期的には最大の効果をもたらすものである。ただし、防止に対してコミットメントを示したからといって、暴力が起きたときに効果的対応をとる国の義務が軽減されるわけではない。 47.防止措置には以下のようなものが含まれるが、これにはかぎられない。 (a) あらゆる関係者向け:(i) あらゆる形態の暴力の寛容および容認を固定化する態度(ジェンダー、人種、皮膚の色、民俗的または社会的出身、障害その他の力の不均衡を含む)に異を唱えること。 (ii) 創造的な公的キャンペーン、学校教育およびピア・エデュケーション、家庭、コミュニティおよび施設における教育的取り組み、専門家および専門家グループ、NGOならびに市民社会を通じて、子どもの保護に対する条約のホリスティックかつ前向きなアプローチに関する情報を普及すること。 (iii) 子どもたち自身、NGOおよびメディアを含む社会のあらゆる部門とのパートナーシップを発展させること。 (b) 子どもたち向け:(i) 子どもによる諸サービスおよび救済手続へのアクセスを容易にするため、すべての子どもを登録すること。 (ii) 自己の権利に関する意識および社会的スキルの発達ならびに年齢にふさわしいエンパワーメントを通じて子どもたちが自分自身および仲間を守れるよう、支援すること。 (iii) 養育者による支援以上に特別な支援を必要としていると判断された子どもの生活に、責任のある、かつ信頼されるおとなを関与させる、「メンター」プログラムを実施すること。 (c) 家族およびコミュニティ向け:(i) 安全な環境で子どもにケアを提供する家族の能力を支えるため、子どもの権利、子どもの発達および前向きなしつけの方法に関する知識に基づく望ましい子育てのあり方を親および養育者が理解し、擁護しかつ実践することを支援すること。 (ii) 産前産後のサービス、家庭訪問プログラム、良質な乳幼児期発達プログラム、および不利な立場に置かれた集団を対象とする所得創出プログラムを提供すること。 (iii) 精神保健サービス、有害物質濫用治療サービスおよび子ども保護サービス間の連携を強化すること。 (iv) とくに困難な状況に直面している家族を対象として、レスパイト(一時的休息保障)・プログラムおよび家族支援センターを提供すること。 (v) 家庭で暴力を経験してきた親(ほとんどは女性)およびその子どもを対象として、シェルターおよびクライシス・センターを提供すること。 (vi) 子どもの私的関係および家族関係に不当に介入することは避けつつ、事情に応じ、家族の結合を促進しかつ私的場面における子どもの権利の全面的行使および享受を確保する措置をとることにより、家族への援助を提供すること。[20] (d) 専門家および諸機関(政府および市民社会)向け(i) 防止の機会を特定し、かつ調査研究およびデータ収集に基づいて政策および実践に示唆を与えること。 (ii) 参加型のプロセスを通じ、権利を基盤とする子ども保護政策および手続ならびに専門職向けの倫理綱領およびケア基準を実施すること。 (iii) とくに、施設措置および身柄拘束を最後の手段としてかつ子どもの最善の利益にかなう場合にのみ用いるようにする目的でコミュニティを基盤とするサービスを発展させかつ実施することにより、養護現場および司法の現場における暴力を防止すること。 [20] 自由権規約委員会、子どもの権利に関する一般的意見17号(1989年);欧州人権裁判所、オルソン対スウェーデン事件(第1号)判決(Olsson vs. Sweden (No.1), Judgment of 24 March 1988, Series A No.130)、パラ81;米州人権裁判所、ベラスケス・ロドリゲス対ホンジュラス事件判決(Velasquez Rodriguez vs. Honduras, Judgment on the Merits, 10 January 1989, Series C., No.3)、パラ172。 48.特定(identification)[21]。これには、(対象を明確にした防止の取り組みのきっかけとするために)特定の個人または子どもおよび養育者の集団のリスク要因を明らかにすること、および、(できるかぎり早期に適切な介入策を行なうきっかけとするために)現実に起きている不当な取扱いの兆候を発見することが含まれる。そのためには、子どもと接触するすべての者が、あらゆる形態の暴力のリスク要因および指標について認識し、そのような指標を解釈する方法について指導を受け、かつ適切な行動(緊急保護の提供を含む)をとるために必要な知識、意思および能力を有していることが必要である。子どもに対しては、生じつつある問題が危機的段階に達する前に合図を送る機会が、かつ、おとなに対しては、たとえ子どもがはっきりと助けを求めない場合でもそのような問題を認知しかつ行動する機会が、できるだけ多く提供されなければならない。障害のある子どものように、代替的コミュニケーション手段を用いていること、移動できないことおよび(または)無能力者と見なされていることを理由としてとくに被害を受けやすい状況に置かれている、周縁化された集団の子どもについては、とくに警戒が必要となる。このような子どもが他の子どもとの平等を基礎として問題を伝達しかつ合図を送れることを確保するため、合理的配慮が行なわれるべきである。 [21] パラ48以降は、非公式なおよび慣習的な司法制度の手続にも適用可能である。 49.通報(reporting)[22]。委員会は、子ども、その代理人その他の者が子どもに対する暴力を通報するための、安全な、十分に広報された、秘密が守られかつアクセスしやすい支援機構(24時間のフリーダイヤルによるホットラインおよびその他のITCを活用するものも含む)、すべての締約国が発展させるよう強く勧告する。通報機構の設立には、(a) 苦情申立ての利用を促進するための適切な情報を提供すること、(b) 調査および裁判手続に参加すること、(c) さまざまな状況にとって適切で、かつ子どもおよび一般公衆に広く周知された処理手順を策定すること、(d) 子どもおよび家族のための関連の支援サービスを設置すること、および、(e) 通報制度を通じて寄せられる情報を受け取りかつその処理を進める要員を訓練し、かつ継続的支援を提供することが含まれる。通報機構は、主として懲罰的な対応のきっかけとなるのではなく、公衆衛生上の支援および社会的支援を提供する援助志向サービスと組み合わせて設けられなければならず、かつそのようなサービスとして紹介されるべきである。意見を聴かれ、かつその意見を真剣に考慮される子どもの権利が尊重されなければならない。すべての国で、子どもと直接関わる専門家に対し、少なくとも暴力の事例、疑いまたはリスクの通報が要求されるべきである。通報が善意で行なわれたときは通報した専門家の保護を確保する手続が設けられなければならない。 [22] 「子どもの犯罪被害者および証人が関わる事案における司法についての指針」も参照。 50.付託(referral)。通報を受理する者に対しては、対応の調整を担当するいずれかの機関に対してどのような場合にかつどのような方法で問題を付託するのかについて、明確な指針および訓練が与えられるべきである。これにしたがい、子どもが(即時的または長期的)保護および専門的支援サービスを必要としていると判断されたときは、訓練を受けた専門家および行政職員が部門間の付託を行なうことも考えられる。子ども保護システムで働く専門家は、機関間協力および連携手順について訓練を受けていなければならない。このようなプロセスでは、(a) 子ども、養育者および家族の短期的および長期的ニーズについて(子どもならびに養育者および家族の意見表明を促し、かつそれを正当に重視しながら)参加型かつ分野横断型のアセスメントを実施すること、(b) アセスメントの結果を子ども、養育者および家族と共有すること、(c) これらのニーズを満たすための一連のサービスに子どもおよび家族を付託すること、および、(d) 介入策が妥当であったかについてフォローアップおよび事後評価を実施することが行なわれることになろう。 51.調査(investigation)。暴力の事案の調査は、子ども、代理人または第三者のいずれによって通報されたかに関わらず、役割別のおよび包括的な研修を受けた有資格の専門家によって行なわれなければならない。そこでは、子どもの権利を基盤とした、かつ子どもに配慮したアプローチをとることが必要である。厳格な、しかし子どもに配慮した調査手続は、暴力が正確に特定されることを確保するうえで役立ち、かつ行政手続、民事手続、子ども保護手続および刑事手続のための証拠を提供する一助となろう。調査のプロセスを通じて子どもにさらなる害を及ぼすことにならないよう、最大限の配慮が行なわれなければならない。そのため、すべての関係者には子どもの意見表明を促し、かつその意見を正当に重視する義務がある。 52.処遇(treatment)。「処遇」は、暴力を経験した子どもの「身体的および心理的回復ならびに社会的再統合を促進する」ために必要な多くのサービスのひとつであり、「子どもの健康、自尊心および尊厳を育む環境の中で」行なわれなければならない(第39条)。これとの関連で、(a) 子どもの意見表明を促し、かつその意見を正当に重視すること、(b) 子どもの安全、(c) 直ちに安全な場所に措置しなければならない可能性があること、および、(d) 実施される可能性がある介入策が子どもの長期的ウェルビーイング、健康および発達に及ぼす予測可能な影響に対して注意が払われなければならない。子どもに対しては、長期的なフォローアップ・サービスとともに、虐待が明らかになるのと同時に医学的、精神保健的、社会的および法的サービスおよび支援を提供しなければならない場合もある。家族集団会議その他の同様の実践を含む広範なサービスが利用可能とされるべきである。暴力の加害者、とくに子どもの加害者のためのサービスおよび処遇も必要とされる。他の子どもに対して攻撃的な子どもは、愛情に満ちた家族環境およびコミュニティ環境を奪われていることが多い。このような子どもは、欲求不満、憎悪および攻撃性を植えつける子育て環境の被害者と見なされなければならない。教育的措置が優先されなければならず、そこでは子どもの向社会的態度、能力および行動を向上させることが目的とされなければならない。同時に、家庭および近隣地域におけるこのような子どもおよびその他の子どものケアおよび支援を促進する目的で、このような子どもの生活環境が検討されなければならない。自己危害を行なう子どもについては、これは重度の心理的苦痛の結果であり、かつ他の者による暴力の結果である可能性もあることが認められている。自己危害は犯罪として扱われるべきではない。介入は支援的なものでなければならず、いかなる意味でも懲罰的であってはならない。 53.フォローアップ(follow-up)。以下の点が常に明確にされなければならない。すなわち、(a) 通報および付託からフォローアップに至る全過程において、子どもおよび家族に対して責任を負う者、(b) とられる一連の措置の目的(これについては子どもおよびその他の関係者と十分に議論されなければならない)、(c) 介入策の詳細、実施期限および延長の提案、ならびに、(d) 措置の見直し、モニタリングおよび評価のための機構および日時である。介入の諸段階で継続性を確保することは必要不可欠であり、これはケースマネジメント・プロセスを通じて最善の形で達成できる可能性がある。効果的援助のためには、参加型プロセスを通していったん決定された措置が不当に遅延しないようにすることが必要である。フォローアップは、第39条(回復および再統合)、第25条(処遇および措置の定期的審査)、第6条第2項(発達に対する権利)および第29条(発達に対する意思および期待を提示するものとしての教育の目的)の文脈において理解されなければならない。子どもが双方の親と接触することは、子どもの最善の利益に反しないかぎり、第9条第3項にしたがって確保されるべきである。 54.司法的関与(judicial involvement)[23]。常に、かつあらゆる場合に、適正手続が尊重されなければならない。とりわけ、子どもの保護およびさらなる発達ならびに最善の利益(および加害者による再犯のおそれがあるときは他の子どもの最善の利益)が意思決定の第一義的目的とならなければならず、かつ、状況によって正当と考えられる、もっとも侵害度の少ない介入策が考慮されなければならない。さらに、委員会は以下の保障を尊重するよう勧告する。 (a) 子どもおよびその親に対しては、司法制度または他の権限ある公的機関(警察、移民担当機関または教育機関、社会機関または保健ケア機関等)により、迅速かつ十分な情報提供が行なわれるべきである。 (b) 暴力の被害者である子どもは、司法手続全体を通じて、その個人的状況、ニーズ、年齢、ジェンダー、障害および成熟度を考慮に入れた、かつその身体的、精神的および道徳的不可侵性を全面的に尊重する、子どもにやさしくかつ子どもに配慮した方法で取り扱われるべきである。 (c) 司法的関与は、可能であれば、前向きな行動の奨励および否定的行動の禁止を積極的に行なう、予防的なものであるべきである。司法的関与は、部門の枠を超え、かつ調整のとれた統合的アプローチのひとつの要素であるべきであり、子ども、養育者、家族およびコミュニティとともに働く他の専門家を支援しかつその活動を容易にするとともに、子どもの養育および保護に関わって利用可能な一連のサービスへのアクセスを促進することが求められる。 (d) 暴力の被害を受けた子どもが関与するあらゆる手続において、法の支配を尊重しながらも、迅速性の原則が適用されなければならない。 [23] 「子どもにやさしい司法に関する欧州評議会閣僚委員会指針」(2010年11月17日採択)、「子どもの犯罪被害者および証人が関わる事案における司法についての指針」および国連総会決議65/213〔司法の運営における人権〕も参照。 55.司法的関与は以下の要素から構成される場合がある。 (a) 家族集団会議、代替的な紛争解決のしくみ、修復的司法および親戚知己協定のような、通常の手続とは異なる調停的対応(手続において人権が尊重され、説明責任が果たされ、かつ訓練を受けたファシリテーターが進行を担当する場合)。 (b) 具体的な子ども保護措置に結びつく、少年裁判所または家庭裁判所による介入。 (c) 刑事法上の手続(とくに国の関係者が法律上または事実上免責されるという広範に行なわれている慣行を廃するため、厳格に適用されなければならない)。 (d) 子どもの不当な取扱いが疑われている事案の処理において行なわれた懈怠または不適切な行動に関する、専門職に対する懲戒手続または行政手続(倫理綱領またはケア基準の違反を理由とする職能団体の内部手続、または外部手続)。 (e) さまざまな形態の暴力に苦しむ子どもを対象として補償およびリハビリテーションを確保するための、司法的命令。 56.適切な場合には、暴力の被害を受けた子どものために、少年または家族専門の裁判所および刑事手続が設けられるべきである。これには、障害のある子どもの平等かつ公正な参加を確保する目的で司法手続における配慮が行なえるよう、警察、司法機関および検察官事務所に専門部局を設けることも含まれうる。子どもとともにおよび子どものために働く専門家ならびにこのような事案に関与する専門家は全員、さまざまな年齢層の子どもの権利およびニーズならびに子どもに合わせて修正された手続に関する、具体的な分野横断型研修を受けるべきである。他分野連携アプローチを実施する一方で、守秘義務に関する専門職の規則を尊重することが求められる。子どもをその親または家族環境から分離する決定は、それが子供の最善の利益である場合以外には行なわれてはならない(第9条および第20条第1項)。ただし、加害者が主たる養育者である暴力事案の場合、前掲の子どもの権利に関わる保障を踏み外さないかぎりにおいて、かつ重大性その他の要因次第で、社会的および教育的処遇ならびに修復的アプローチに焦点を当てた介入措置のほうが、もっぱら懲罰的な司法的関与よりも望ましいことが多い。被害者への補償、ならびに、救済機構および上訴機構または独立の苦情申立て機構へのアクセスを含む、効果的な救済措置が利用可能とされるべきである。 57.効果的な手続(effective procedures)。第19条第1項および第2項で言及され、かつ制度構築アプローチ(パラ71参照)に統合された保護措置を実施するためには、その執行、質、妥当性、アクセス可能性、効果および効率性を確保するための「効果的な手続」が必要となる。このような手続には以下のものが含まれるべきである。 (a) 必要に応じて処理手順および了解覚書による権限を与えられた、部門横断型の調整。 (b) 体系的かつ継続的なデータ収集・分析の開発および実施。 (c) 調査研究課題の策定および実施。 (d) 子どもおよび家族のための政策、手続および成果に関わる測定可能な目標および指標の策定。 58.成果指標は、暴力の発生件数、発生率および態様もしくは程度にもっぱら焦点を当てた狭いものに留まるのではなく、権利を有する者としての子どもの前向きな発達およびウェルビーイングに焦点を当てるべきである。暴力の根本的原因を明らかにする際および是正のための一連の措置を勧告する際には、子どもの死因審査、重傷事案審査、審問検死および系統的検討も考慮されなければならない。調査研究は、相互補完性を最大限にするため、子どもの保護に関する既存の国際的および国内的知識体系をもとに発展させ、かつ学際的および国際的連携を活用しなければならない。 → -あらゆる形態の暴力からの自由に対する子どもの権利(3)へ続く 更新履歴:ページ作成(2011年5月22日)。
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/325.html
子どもの権利委員会・一般的討議勧告:人権擁護者としての子どもの保護およびエンパワーメント 一般的討議勧告一覧 (第79会期、2018年) 原文:英語 日本語訳:平野裕二 5.勧告 DGD〔一般的討議日〕の討議に基づき、委員会は、人権擁護者である子どもの保護およびエンパワーメントを強化するための指針を締約国その他の関係者に提示することを目的として、以下の勧告への支持を表明する。これらの勧告は、主に第一義的な義務を負う主体である国に宛てられたものだが、国内人権機関、委員会および国連、市民社会、メディア、民間セクターならびに大人の役割についても考慮している。 5.1 国 5.1.1 一般的勧告 国は、人権擁護者である子どものため、これらの子どもが、自己の権利に関連するすべての事柄について、進んで、全面的にかついかなる恐怖も感じることなく意見を表明できる安全な空間をつくりだすためにあらゆる適切な措置をとるべきである。国は、人権擁護者である子どもを、いかなる形態の脅迫もしくは報復またはこのような脅迫もしくは報復の恐怖からも保護することが求められる。 国は、人権擁護者である子どもの意見が、これらの子どもに影響を与えるすべての事柄についての意思決定過程で正当に考慮されることを確保するべきである。 国は、人権擁護者である子どもの家族に対し、人権擁護者である子どもの保護およびエンパワーメントに際して役割を果たすための支援を提供するべきである。 国は、保護のための措置が、人権擁護者である子どもの活動範囲(オンライン空間におけるものを含む)を狭めるために利用されないことを確保するべきである。 5.1.2 立法、政策および実施 国は、人権擁護者(人権擁護者である子どもを含む)の保護およびエンパワーメントに関する包括的な法律および政策を策定しかつ採択するべきである。その際には、脆弱な状況にある子ども(人道状況下にある子ども、代替的養護を受けている子ども、先住民族の子どもおよび障害のある子どもを含む)にとくに注意を払いながら、ジェンダーおよび年齢に配慮したアプローチを統合することが求められる。国は、国内法の枠組みにおいて条約が遵守され、かつ子どもが人権擁護者として自由に行動することが認められることを確保するべきである。 国内法は、人権擁護者である子どもの意見に基づいて策定され、かつこれらの意見を包摂するべきである。国は、法律案を作成するにあたり、子どもたちを代表するグループ、子ども主導の団体および子ども参加のための機構(子ども議会など)と協議し、かつその勧告および要望を考慮することが求められる。 国は、必要な人的資源、技術的資源および財源を配分することにより、人権擁護者である子どものための法律および政策が効果的に実施されることを確保するべきである。 5.1.3 表現の自由および意思決定への参加 国は、人権擁護者である子どもが、自己の意見を表明し、かつ意思決定過程に参加できるように具体的、包括的かつ適切な情報を受け取ることを確保するべきである。国は、さまざまな手段(インターネットを含む)によって、すべての子どもを対象として無償のかつアクセスしやすい情報が提供されることを確保するよう求められる。 国は、脆弱な状況にある人権擁護者である子ども(障害のある子ども、人道状況下にある子ども、代替的養護を受けている子ども、貧困下で暮らしている子どもならびにマイノリティおよび先住民族である子どもを含む)も、自己の見解を自由に表明でき、かつ、自己に関わるすべての事柄への積極的参加を容易にするためのジェンダーおよび年齢にふさわしい支援を提供されることを確保するべきである。 国は、子ども議会および子ども参加のための他のあらゆる機関が、明確なかつ意味のある権限ならびに十分な人的資源、技術的資源および財源を与えられ、かつ、差別なくすべての子どもにとってアクセス可能でありかつ包摂的であることを確保するべきである。 5.1.4 教育 国は、人権擁護者としての子どものエンパワーメントにおいて教育が果たす役割を認識するとともに、普遍的な、無償のかつ質の高い教育を確保するためにあらゆる適切な措置をとるべきである。 国は、子どもが人権教育(子どもの権利および人権擁護者に関する国連宣言についての教育を含む)を受けることを確保するべきである。 国は、子どもが自己を表現し、自分の見解を発展させ、他人に耳を傾け、かつ主体的市民になることを学ぶ学習プロセスのきわめて重要な構成要素として、学校における子ども参加を確保するべきである。 学校カリキュラムにおいては、子どものエンゲージメントおよび子どもの前向きな人生設計を図ることが目指されるべきである。学校カリキュラムは、子どもたちの現実に関連したものであるべきであり、かつ、子どもたちが置かれた文脈およびそのニーズにあわせて恒常的に更新されるものであることが求められる。 国は、教育に紛争管理ツールが含まれ、かつ、非暴力的なやり方による対立(いじめおよびハラスメントなど)の解決が子どもたちに教えられることを確保するべきである。学校職員は、肯定的な、非暴力的なかつ参加型の形態の教育および規律維持を行なうための適切な研修を受けるべきであり、かつ、子ども同士の暴力に対処するために懲罰的措置だけを用いることはないようにすることが求められる。 5.1.5 環境 国は、環境問題に関する勧告に取り組み、かつそのような勧告を行なう環境人権擁護者である子どものために、安全でエンパワーメントにつながる環境を提供するべきである。 国は、環境人権擁護者である子どもに関する肯定的な言説(メディアにおけるものを含む)を促進するとともに、環境政策および環境プログラムの決定および実施に子どもおよび若者が参加するための便宜を図るべきである。 国は、環境人権擁護者である子ども(土地権、汚染、気候変動および天然資源へのアクセスについて取り組んでいる子どもを含む)が脅迫、ハラスメントおよび暴力から保護されることを確保するべきである。 国は、環境人権擁護者である子どもが組織する活動(広報および意識啓発の取り組みなど)を支援するとともに、このような子どもによるメディアへのアクセスの便宜を図るべきである。 5.1.6 オンラインへのアクセスおよびオンラインでの保護 国は、人権擁護者である子どものために、安全で自己の可能性を発揮できるオンライン空間(安全なオンライン・プラットフォームへのアクセスを含む)およびオンラインでの安全に関するトレーニングを提供するべきである。 国は、インターネット・プロバイダおよびインターネット企業がすべての子どもを対象とする接続可能性およびアクセス可能性を推進すること、ならびに、安全な環境が(障害のある子どもにとっても)明確でありかつアクセス可能であることを確保するべきである。 国は、情報通信テクノロジー企業に対し、オンラインにおける子どもの保護のための取り組みおよびツールの開発およびモニタリングに子どもたちの関与を得ることを奨励するべきである。 5.1.7 救済機構へのアクセス 国は、人権擁護者である子どもが、人権侵害の苦情を報告しかつ申し立てる目的で、国レベルおよび国際的レベルの子どもにやさしい苦情申立て機構にアクセスできることを確保するべきである。 国は、人権擁護者である子どもが、自己の人権の侵害に関する苦情を委員会に提出して実効的救済を求められるようにするため、通報手続に関する子どもの権利条約の選択議定書の批准を検討するべきである。 5.1.8 委員会への報告 国は、委員会に対する定期報告書において、人権擁護者である子どもの状況ならびにこれらの子どもの保護およびエンパワーメントのためにとった措置についての情報を提供するべきである。 国は、委員会に対する締約国報告書の作成に、人権擁護者である子どもが自由に参加する機会を奨励しかつ提供するべきである。 国は、委員会に対する報告プロセスへの子どもの参加を妨害し、またはこのような参加に干渉するべきではない。 5.2 子どもオンブズパーソンおよび国内人権機関 子どもオンブズパーソンおよび国内人権機関は、自己の任務および行なっている活動についての情報を、人権擁護者である子どもの間で普及するべきである。 子どもオンブズパーソンおよび国内人権機関は、人権擁護者である子どもといっそう緊密に協働するよう奨励される。 子どもオンブズパーソンおよび国内人権機関は、人権擁護者である子どもが人権侵害について報告しかつ救済を求めることを支援するべきである。 5.3 子どもの権利委員会 委員会は、締約国に対し、人権擁護者である子どもを保護するための法律を策定し、採択しかつ実施すること、および、そのような法律の策定および実施へのこれらの子どもの参加を確保することを勧告するべきである。 委員会は、引き続き、人権擁護者である子どもとのコミュニケーション回路を拡大するとともに、委員会の報告プロセスがすべての子ども(周縁化された集団の子どもを含む)にとってアクセスしやすいものとなることを確保するためにさらなる努力を行なうべきである。 委員会は、人権擁護者である子どもの保護およびエンパワーメントを国内法および国際政策に統合する方法について各国に指針を示すにあたり、人権擁護者の状況に関する特別報告者との協力を強化するべきである。 委員会は、望ましい実践、ならびに、条約およびその選択議定書の効果的実施に対するこれらの子どもの貢献を認知することにより、人権擁護者である子どもに関する肯定的な言説を促進するべきである。 5.4 国際連合 国際連合は、人権擁護者である子どもに対し、これらの子どもが国連人権システムに効果的に関与できるようにするための国際連合関連の情報を提供するとともに、子どもたちに対し、子どもが理解できる言語および形式で、年齢にふさわしい時宜を得た情報を提供するべきである。 国際連合は、子どもの権利に関連する活動への人権擁護者である子どもの参加を促進するとともに、直接のまたはバーチャルな子どもの関与を容易にするための、子どもにやさしいプラットフォームおよびプロセスを整備するべきである。 条約機関は、報告書の提出および会合への参加等を通じ、締約国〔報告書〕の審査への人権擁護者である子どもの参加を促進するよう奨励される。 条約機関は、締約国に対し、人権擁護者である子どもの保護およびエンパワーメントのための法律を採択する必要性を強調する勧告を行なうよう奨励される。 5.5 市民社会 市民社会は、人権擁護者である子どものエンパワーメントを図り、これらの子どもと協働し、その取り組みを支援し、かつその活動に関する情報を普及するよう奨励される。 市民社会は、子どもの権利および人権擁護者に関する知識を、すべての子どもがアクセス可能な形式も用いながら、さまざまな受け手を対象として促進するべきである。 市民社会は、人権擁護者である子ども(とくに女子)に対する肯定的態度の促進に貢献するべきである。 市民社会は、監視、報告およびアドボカシー活動を含む自らの人権活動への、人権擁護者である子どもの参加を確保するべきである。 市民社会は、人権侵害の報告および救済の追求に関して人権擁護者である子どもを支援するべきである。 市民社会は、人権擁護者である子どもに関与する際、これらの子どもの人権活動に及ぼされるいかなる悪影響も最小限に留めるためにあらゆる警戒措置をとるべきである。市民社会には、人権擁護者である子どもを、いかなる形態の脅迫もしくは報復またはこのような脅迫もしくは報復の恐怖からも保護することを目指すことも求められる。 5.6 メディア メディアは、人権擁護者である子どもの肯定的イメージを促進し、かつ子どもが行なう人権活動について報道するよう奨励される。 5.7 民間セクター 企業およびドナーは、自己の活動が人権擁護者である子どもに対して直接間接に害を及ぼさないことを確保するとともに、関連するときにはこれらの子どもの人権活動を促進するべきである。 企業およびドナーは、地方レベルにおける自らの活動の計画および実施への、人権擁護者である子どもの持続的なかつ意味のある参加を確保するべきである。 5.8 親、家族構成員、コミュニティの構成員および子どもとともにまたは子どものために働く大人 大人は、子どもの権利に関する情報を積極的に求め、子どもの保護およびエンパワーメントにおける自らの義務について学ぶとともに、子どもが人権擁護者として行動するときにはそのことを認識し、かつこれらの子どもたちから示唆を受けるべきである。 大人は、人権擁護者である子どもまたは人権擁護者になりたいと考えている子どもを尊重しかつ支援するべきである。 大人は、人権擁護者である子どもが意見を表明するための空間をつくりだし、意思決定過程へのこれらの子どもの参加を促進し、かつ、自己に影響を与える事柄においてこれらの子どもの意見が正当に考慮されることを確保するべきである。 更新履歴:ページ作成(2020年3月5日)。