約 2,231,578 件
https://w.atwiki.jp/chaina_battle/pages/603.html
教科書疑獄事件(きょうかしょぎごくじけん)は、1902年(明治35年)に発覚した、学校の教科書採用をめぐる教科書会社と教科書採用担当者との間の贈収賄事件である。この時期までの学校教科書は検定制だったが、この事件をきっかけに国定化され、第二次世界大戦終戦まで続いた。 概要 事件の背景 明治期の学校教科書は、当初認可制であった。その後、政府が1886年(明治19年)に「教科用図書検定条例」を定め、翌1887年(明治20年)5月に「教科用図書検定規則」を定めたことで、教科書会社が発行した教科書を検定する制度が実施されるようになった。当時の小学校教科書は、各道府県ごとに審査委員を配置し、道府県単位で検定された教科書の採択を行うようになった。 そのような状況の下で、教科書会社による採択働きかけや売り込みなどの活動も激しくなっていった。教科書採択をめぐって不正行為があるという疑惑は、たびたび新聞紙上で取り上げられるようになった。 事件発覚 1902年(明治35年)秋、教科書会社社長が列車内に自分の手帳を置き忘れた。手帳に贈賄の事実関係が記されていたことから事件が発覚した。 当局は1902年12月17日、贈収賄事件の一斉摘発に乗り出した。このことによって、県知事や文部省の担当者、府県の採択担当者、師範学校校長や小学校長、教科書会社関係者など、40道府県200人以上が摘発された。うち152人が予審に付され、116人が有罪判決を受けた。また、教科書疑獄事件に関係した会社が発行する教科書は採択禁止となった。 影響 教科書疑獄事件発覚以前から、文部省は教科書国定化を計画していた。また帝国議会でも、事件発覚以前に複数回にわたり、教科書国定化の建議が提出されていた。 事件の発覚によって、政府は一気に教科書国定化をすすめることとなった。事件発覚翌年の1903年(明治36年)には、小学校教科書国定化の法案が成立し、国定教科書が導入された。 事件を扱ったテレビ番組 NHK特集『明治教科書疑獄事件 ‐ 国定化への道 ‐』(1982年5月10日 NHK) 関連項目 国定教科書 出典 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』_2008年8月23日 (土) 14 18。
https://w.atwiki.jp/hopbworld/pages/24.html
概要 この世界に関する出来事を記した書物が沼社によって出版された。教科書とも言われる。 その他 この教科書は第一章で終わっている。原因としては沼社の倒産などが挙げられる。 また、南米承継戦争終結時には記念として近代の教科書が作成された。
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/160.html
子どもの権利委員会・一般的討議勧告:親が収監されている子ども 一般的討議勧告一覧 (第58会期、2011年) 原文:英語〔PDF〕 日本語訳:平野裕二 I.背景(略) II.要旨(略) III.勧告 29.委員会は、2011年の一般的討議のすべてのパネリストおよび参加者による貴重な意見等に、評価の意とともに留意する。このような〔親が収監されている〕状況に置かれた子どもの権利の尊重、促進および充足について、国その他の関連の主体に対する政策上および実務上の指針を提供するという目的のもと、かつ一般的討議の際に行なわれた議論を考慮に入れながら、委員会は以下のことを勧告する。 拘禁に代わる措置 30.委員会は、親および主たる養育者の量刑を決定する際、可能なときは常に拘禁刑に代えて社会内処遇刑が言い渡されるべきであること(公判前および公判段階における場合も含む)を強調する。拘禁に代わる措置が利用可能とされるべきであり、かつ、当事者である子ども(たち)に対して種々の刑が及ぼす可能性のある影響を全面的に考慮しながら事案ごとの考慮に基づき適用されるべきである。 親の収監が子どもに及ぼす影響 31.委員会は、いずれかの親が収監される子どもの権利が、親の逮捕の瞬間から、手続に関与するすべての主体(法執行機関、刑務所で業務する専門家および司法機関を含む)によって、かつ手続のあらゆる段階で考慮されることを、締約国が確保するよう勧告する。 32.委員会はまた、締約国に対し、人権および子どもの権利を遵守した逮捕手続に関するもっとも望ましい実務のあり方を明らかにすることも求める。親の逮捕が子どもの面前で行なわれる場合の法執行ならびに逮捕時にその場にいなかった子どもに対する適切な情報提供および支援に関する要綱を確立しかつ実施する際には、これらの実務のあり方が基礎とされるべきである。 発達および差別の禁止に対する子どもの権利 33.委員会は、親が収監されている子どもも他の子どもと同一の権利を有していることを強調する。委員会はさらに、このような状況に置かれた子どもがスティグマから保護されることを確保するための措置がとられるよう勧告するものである。このような子どもは、自ら法律に抵触したわけではない。すべての子どもは、親とともにいる権利、ならびに、家族生活に対する権利および発達に資する社会的環境に対する権利を有している。このような文脈において、委員会は、子どもを収監されている親とともに生活させることと拘禁施設外で生活させることのどちらが子どもの最善の利益をより尊重することになるかについての決定は常に個別に行なわれるべきことを勧告するものである。 収監されている親とともに生活する子どもについて 34.委員会は、締約国が、収監されている親とともに生活する子どもに対し、十分な量および質の社会サービス(保健および教育上の便益を含む)が提供されることを確保するよう、勧告する。 親が収監されているとき施設外に残される子どもについて 35.委員会は、親の一方または双方から分離されている子どもが、子どもの最善の利益に反しないかぎり、定期的に親双方との個人的関係および直接の接触を保つ権利を尊重するという、条約に基づく締約国の義務(注2)をあらためて指摘する。 (注2)子どもの権利条約第9条3項。 プライバシーに対する権利 36.親が収監されている子どもに対して(とくにより重大な犯罪の場合に)向けられることの多いスティグマおよびこの点に関するメディアの責任を認識し、委員会は、締約国が、親が収監されている子どもの権利を全面的に遵守するプライバシー保護法を制定しかつ執行するよう、勧告する。 家族問題 収監されている親とともに生活する子どもについて 37.委員会は、締約国が、収監されている親とともに子どもを生活させることによってその子どもの最善の利益がよりよく充足される可能性がある状況を十分に考慮するよう、勧告する。その際、収監時の全般的環境、および、乳幼児期における親子の接触の特別な必要性に対する十分な考慮が全面的に顧慮されるべきである。さらに、そのような決定は、司法機関による再審査の余地を設け、かつ子どもの最善の利益を全面的に考慮しながら行なわれるべきことが勧告される。子どもは双方の親と接触する権利を有しているので、収監との関係でこのような収容が決定される場合には、拘禁施設外で生活している親および他の家族構成員との接触の便宜を締約国が図るべきことが、さらに勧告されるところである。 親が収監されているとき施設外に残される子どもについて 38.委員会は、それが子どもの最善の利益にかなうときは、子どもが定期的にその親と面会する権利を有することを強調する。このような文脈において、委員会は、面会に際して子どもの尊厳およびプライバシーに対する権利が尊重されることを確保するための措置がとられるべきことを勧告するものである。 39.委員会は、締約国に対し、収監されている親に関わる警備上の問題および政策において当事者である子どもの権利が考慮されることを確保するよう、促す。このような文脈において、委員会は、締約国が、収監されている親と定期的に面会する子どもの権利を確保するよう、勧告するものである。委員会はさらに、締約国が、可能なときは常に、そのような面会が子どもにやさしい環境で行なわれるための配慮(通学のような子どもの生活の他の要素を妨げることのない時間帯に、かつ強固な関係の構築または維持に資する長さの面会を認めることも含む)を行なうよう、勧告する。子どもと収監されている親との間に必要な情緒的絆を子どもにやさしい環境で促進する目的で、拘禁施設外での面会を許可することも検討されるべきである。 40.委員会は、締約国に対し、親が刑を言い渡されかつ収監されたときは常に、親と面会する子どもの権利を考慮するよう勧告する。その際、締約国は、親との面会および接触に対する子どもの権利を促進する目的で、可能なときは常に、収監されている親をその子どもの近くの施設に収容するよう努めるべきである。収監場所の決定の結果として相当の距離が生じる場合ならびに(または)関連の旅行費用および生活費が発生する場合、締約国は、面会に関連する旅行費用その他の費用の負担を容易にし、かつ(または)当該費用を補助するよう促される。 子どもの意見の尊重 41.委員会は、締約国および関連の主体が、子どもに影響を与えるすべての決定において意見を考慮される子どもの権利を全面的に顧慮するよう、勧告する。 代替的養護 42.親の収監またはその他の形態の刑事司法制度への関与の結果、子ども(たち)の居宅または養育者が一時的にまたは恒久的に変更される状況にあっては、委員会は、子どもの代替的養護に関する指針(注3)を参照し、かつこれにしたがうよう勧告する。 (注3)国連総会第64会期「子どもの代替的養護に関する指針」(A/RES/64/142、2010年2月24日)。右記より入手可能:http //www.unicef.org/french/videoaudio/PDFs/100407-UNGA-Res-64142.en.pdf 〔日本語訳PDF〕 資金 43.収監によって国の金銭的その他の支援の受給資格が解除される可能性があり、かつこれによって被収監者の子どもに悪影響が生じるおそれがあることを認識し、委員会は、締約国に対し、支援の解除は個別に行なわれるべきこと、および、そのような決定を行なう際には子ども(たち)の最善の利益が第一次的に考慮されるべきであることを、勧告する。 情報の共有 44.子どもは逮捕時にその場にいたかどうかに関わらず情報に対する権利を有していること、および、締約国は、子どもの最善の利益を考慮する一方で、情報または情報の共有の申請が関係者にいかなる不利な結果ももたらさないことを確保する義務を負っていることを強調し、委員会は、締約国が、親または適当なときは家族の他の構成員に対し、収監されている親の所在に関する不可欠な情報(とくに死刑が関連する状況の場合)および子どもに対して利用可能とされる支援の詳細に関する情報を提供するよう、勧告する。委員会はさらに、当該情報が、子どもにやさしい方法で、かつ必要であれば異なる言語および形式によって提供されるべきことを勧告するものである。 45.委員会は、締約国が、親が収監されている子ども(親とともに拘禁施設にいる子どもおよび親の拘禁中施設外に残されている子どもの双方)の人数の記録を収集しかつ保管するとともに、当該情報を、そのような子どもが必要とする支援の提供に役立つような形式および方法で利用可能とするよう、勧告する。 代替的連絡手段 46.収監されている親と面会する子どもの権利(上述)を補完するものとして、委員会は、締約国が、技術的に可能なかぎり、電話、ビデオ会議その他の連絡手段を通じて子どもと収監されている親との間のさらなる定期的接触を促進するとともに、これに関連する費用が法外なものとならないことを確保するよう、勧告する。 専門家の研修 47.委員会は、刑事司法手続のあらゆる段階で子どもとともに/子どものために働く専門家、および、親が収監されている子どもと接する可能性があるその他の専門家(教員およびソーシャルワーカーなど)が、親が収監されている子どもに対していかなる必要な支援も適切に提供できるようにするための研修を受けるべきことを、勧告する。 IV.結論 48.2011年の一般的討議への参加者および情報提供者に対する謝意をあらためて表明しつつ、委員会は、親が収監されている子どもに関わるあらゆる状況において上述の勧告を十分に考慮する必要があることを強調する。上述の勧告に加え、委員会はさらに、すべての締約国および関係する主体が、2010年12月21日〔ママ〕に国連総会で採択された「女性被拘禁者の処遇および罪を犯した女性のための社会内処遇措置に関する国連規則」(「バンコク規則」)(注4)を全面的に考慮しかつ遵守する必要があることを、あらためて強調するものである。 (注4)国連総会第65会期「女性被拘禁者の処遇および罪を犯した女性のための社会内処遇措置に関する国際連合規則(バンコク規則)」(2010年10月6日)。右記より入手可能:http //www.unhcr.org/refworld/docid/4dcbb0ae2.html 更新履歴:ページ作成(2012年2月21日)。
https://w.atwiki.jp/2010s138/pages/61.html
みんなのオススメ教科書、参考書を教えてください フランス語 フラ語入門 わかりやすいほどにもホドがある! 見た目は簡単そうだけど、意外とかっちり文法の説明してくれてるのでオススメ。 自習に向くと思います。 数学1 大学生の微積分 中身は(なつかしの)チャートみたいな感じ。 ただまだほとんどやってないのでよくわかりません、ごめんね笑 数学2 基礎からわかる!しっかりわかる!! 線形代数ゼミ 参考書の中では比較的重いほうだとおもうけど、これ以外だと説明不足で困りそう・・・? きちんと読めば普通にわかります。 教科書はカスだから教科書買わずにこっちだけってのも普通にアリだと思う笑 …と思ってたけど、内容が思った以上に薄くてあかんかも。 計算方法とかは載ってるからいいけど、それ以外のところは困るかも。 力学 物理学序論としての力学 初心者むけ。読み物的で式の省略が多いが古典力学の内容が一通り網羅されている ランダウ=リフシッツ理論物理学教程 初心者は手を出してはいけない。 理学部の3,4年むけ。 熱力学 フェルミ熱力学 典型的な熱力学の教科書。問題の解はついてない。安い。 情報 生命科学 英語 電磁気学 化学
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/325.html
子どもの権利委員会・一般的討議勧告:人権擁護者としての子どもの保護およびエンパワーメント 一般的討議勧告一覧 (第79会期、2018年) 原文:英語 日本語訳:平野裕二 5.勧告 DGD〔一般的討議日〕の討議に基づき、委員会は、人権擁護者である子どもの保護およびエンパワーメントを強化するための指針を締約国その他の関係者に提示することを目的として、以下の勧告への支持を表明する。これらの勧告は、主に第一義的な義務を負う主体である国に宛てられたものだが、国内人権機関、委員会および国連、市民社会、メディア、民間セクターならびに大人の役割についても考慮している。 5.1 国 5.1.1 一般的勧告 国は、人権擁護者である子どものため、これらの子どもが、自己の権利に関連するすべての事柄について、進んで、全面的にかついかなる恐怖も感じることなく意見を表明できる安全な空間をつくりだすためにあらゆる適切な措置をとるべきである。国は、人権擁護者である子どもを、いかなる形態の脅迫もしくは報復またはこのような脅迫もしくは報復の恐怖からも保護することが求められる。 国は、人権擁護者である子どもの意見が、これらの子どもに影響を与えるすべての事柄についての意思決定過程で正当に考慮されることを確保するべきである。 国は、人権擁護者である子どもの家族に対し、人権擁護者である子どもの保護およびエンパワーメントに際して役割を果たすための支援を提供するべきである。 国は、保護のための措置が、人権擁護者である子どもの活動範囲(オンライン空間におけるものを含む)を狭めるために利用されないことを確保するべきである。 5.1.2 立法、政策および実施 国は、人権擁護者(人権擁護者である子どもを含む)の保護およびエンパワーメントに関する包括的な法律および政策を策定しかつ採択するべきである。その際には、脆弱な状況にある子ども(人道状況下にある子ども、代替的養護を受けている子ども、先住民族の子どもおよび障害のある子どもを含む)にとくに注意を払いながら、ジェンダーおよび年齢に配慮したアプローチを統合することが求められる。国は、国内法の枠組みにおいて条約が遵守され、かつ子どもが人権擁護者として自由に行動することが認められることを確保するべきである。 国内法は、人権擁護者である子どもの意見に基づいて策定され、かつこれらの意見を包摂するべきである。国は、法律案を作成するにあたり、子どもたちを代表するグループ、子ども主導の団体および子ども参加のための機構(子ども議会など)と協議し、かつその勧告および要望を考慮することが求められる。 国は、必要な人的資源、技術的資源および財源を配分することにより、人権擁護者である子どものための法律および政策が効果的に実施されることを確保するべきである。 5.1.3 表現の自由および意思決定への参加 国は、人権擁護者である子どもが、自己の意見を表明し、かつ意思決定過程に参加できるように具体的、包括的かつ適切な情報を受け取ることを確保するべきである。国は、さまざまな手段(インターネットを含む)によって、すべての子どもを対象として無償のかつアクセスしやすい情報が提供されることを確保するよう求められる。 国は、脆弱な状況にある人権擁護者である子ども(障害のある子ども、人道状況下にある子ども、代替的養護を受けている子ども、貧困下で暮らしている子どもならびにマイノリティおよび先住民族である子どもを含む)も、自己の見解を自由に表明でき、かつ、自己に関わるすべての事柄への積極的参加を容易にするためのジェンダーおよび年齢にふさわしい支援を提供されることを確保するべきである。 国は、子ども議会および子ども参加のための他のあらゆる機関が、明確なかつ意味のある権限ならびに十分な人的資源、技術的資源および財源を与えられ、かつ、差別なくすべての子どもにとってアクセス可能でありかつ包摂的であることを確保するべきである。 5.1.4 教育 国は、人権擁護者としての子どものエンパワーメントにおいて教育が果たす役割を認識するとともに、普遍的な、無償のかつ質の高い教育を確保するためにあらゆる適切な措置をとるべきである。 国は、子どもが人権教育(子どもの権利および人権擁護者に関する国連宣言についての教育を含む)を受けることを確保するべきである。 国は、子どもが自己を表現し、自分の見解を発展させ、他人に耳を傾け、かつ主体的市民になることを学ぶ学習プロセスのきわめて重要な構成要素として、学校における子ども参加を確保するべきである。 学校カリキュラムにおいては、子どものエンゲージメントおよび子どもの前向きな人生設計を図ることが目指されるべきである。学校カリキュラムは、子どもたちの現実に関連したものであるべきであり、かつ、子どもたちが置かれた文脈およびそのニーズにあわせて恒常的に更新されるものであることが求められる。 国は、教育に紛争管理ツールが含まれ、かつ、非暴力的なやり方による対立(いじめおよびハラスメントなど)の解決が子どもたちに教えられることを確保するべきである。学校職員は、肯定的な、非暴力的なかつ参加型の形態の教育および規律維持を行なうための適切な研修を受けるべきであり、かつ、子ども同士の暴力に対処するために懲罰的措置だけを用いることはないようにすることが求められる。 5.1.5 環境 国は、環境問題に関する勧告に取り組み、かつそのような勧告を行なう環境人権擁護者である子どものために、安全でエンパワーメントにつながる環境を提供するべきである。 国は、環境人権擁護者である子どもに関する肯定的な言説(メディアにおけるものを含む)を促進するとともに、環境政策および環境プログラムの決定および実施に子どもおよび若者が参加するための便宜を図るべきである。 国は、環境人権擁護者である子ども(土地権、汚染、気候変動および天然資源へのアクセスについて取り組んでいる子どもを含む)が脅迫、ハラスメントおよび暴力から保護されることを確保するべきである。 国は、環境人権擁護者である子どもが組織する活動(広報および意識啓発の取り組みなど)を支援するとともに、このような子どもによるメディアへのアクセスの便宜を図るべきである。 5.1.6 オンラインへのアクセスおよびオンラインでの保護 国は、人権擁護者である子どものために、安全で自己の可能性を発揮できるオンライン空間(安全なオンライン・プラットフォームへのアクセスを含む)およびオンラインでの安全に関するトレーニングを提供するべきである。 国は、インターネット・プロバイダおよびインターネット企業がすべての子どもを対象とする接続可能性およびアクセス可能性を推進すること、ならびに、安全な環境が(障害のある子どもにとっても)明確でありかつアクセス可能であることを確保するべきである。 国は、情報通信テクノロジー企業に対し、オンラインにおける子どもの保護のための取り組みおよびツールの開発およびモニタリングに子どもたちの関与を得ることを奨励するべきである。 5.1.7 救済機構へのアクセス 国は、人権擁護者である子どもが、人権侵害の苦情を報告しかつ申し立てる目的で、国レベルおよび国際的レベルの子どもにやさしい苦情申立て機構にアクセスできることを確保するべきである。 国は、人権擁護者である子どもが、自己の人権の侵害に関する苦情を委員会に提出して実効的救済を求められるようにするため、通報手続に関する子どもの権利条約の選択議定書の批准を検討するべきである。 5.1.8 委員会への報告 国は、委員会に対する定期報告書において、人権擁護者である子どもの状況ならびにこれらの子どもの保護およびエンパワーメントのためにとった措置についての情報を提供するべきである。 国は、委員会に対する締約国報告書の作成に、人権擁護者である子どもが自由に参加する機会を奨励しかつ提供するべきである。 国は、委員会に対する報告プロセスへの子どもの参加を妨害し、またはこのような参加に干渉するべきではない。 5.2 子どもオンブズパーソンおよび国内人権機関 子どもオンブズパーソンおよび国内人権機関は、自己の任務および行なっている活動についての情報を、人権擁護者である子どもの間で普及するべきである。 子どもオンブズパーソンおよび国内人権機関は、人権擁護者である子どもといっそう緊密に協働するよう奨励される。 子どもオンブズパーソンおよび国内人権機関は、人権擁護者である子どもが人権侵害について報告しかつ救済を求めることを支援するべきである。 5.3 子どもの権利委員会 委員会は、締約国に対し、人権擁護者である子どもを保護するための法律を策定し、採択しかつ実施すること、および、そのような法律の策定および実施へのこれらの子どもの参加を確保することを勧告するべきである。 委員会は、引き続き、人権擁護者である子どもとのコミュニケーション回路を拡大するとともに、委員会の報告プロセスがすべての子ども(周縁化された集団の子どもを含む)にとってアクセスしやすいものとなることを確保するためにさらなる努力を行なうべきである。 委員会は、人権擁護者である子どもの保護およびエンパワーメントを国内法および国際政策に統合する方法について各国に指針を示すにあたり、人権擁護者の状況に関する特別報告者との協力を強化するべきである。 委員会は、望ましい実践、ならびに、条約およびその選択議定書の効果的実施に対するこれらの子どもの貢献を認知することにより、人権擁護者である子どもに関する肯定的な言説を促進するべきである。 5.4 国際連合 国際連合は、人権擁護者である子どもに対し、これらの子どもが国連人権システムに効果的に関与できるようにするための国際連合関連の情報を提供するとともに、子どもたちに対し、子どもが理解できる言語および形式で、年齢にふさわしい時宜を得た情報を提供するべきである。 国際連合は、子どもの権利に関連する活動への人権擁護者である子どもの参加を促進するとともに、直接のまたはバーチャルな子どもの関与を容易にするための、子どもにやさしいプラットフォームおよびプロセスを整備するべきである。 条約機関は、報告書の提出および会合への参加等を通じ、締約国〔報告書〕の審査への人権擁護者である子どもの参加を促進するよう奨励される。 条約機関は、締約国に対し、人権擁護者である子どもの保護およびエンパワーメントのための法律を採択する必要性を強調する勧告を行なうよう奨励される。 5.5 市民社会 市民社会は、人権擁護者である子どものエンパワーメントを図り、これらの子どもと協働し、その取り組みを支援し、かつその活動に関する情報を普及するよう奨励される。 市民社会は、子どもの権利および人権擁護者に関する知識を、すべての子どもがアクセス可能な形式も用いながら、さまざまな受け手を対象として促進するべきである。 市民社会は、人権擁護者である子ども(とくに女子)に対する肯定的態度の促進に貢献するべきである。 市民社会は、監視、報告およびアドボカシー活動を含む自らの人権活動への、人権擁護者である子どもの参加を確保するべきである。 市民社会は、人権侵害の報告および救済の追求に関して人権擁護者である子どもを支援するべきである。 市民社会は、人権擁護者である子どもに関与する際、これらの子どもの人権活動に及ぼされるいかなる悪影響も最小限に留めるためにあらゆる警戒措置をとるべきである。市民社会には、人権擁護者である子どもを、いかなる形態の脅迫もしくは報復またはこのような脅迫もしくは報復の恐怖からも保護することを目指すことも求められる。 5.6 メディア メディアは、人権擁護者である子どもの肯定的イメージを促進し、かつ子どもが行なう人権活動について報道するよう奨励される。 5.7 民間セクター 企業およびドナーは、自己の活動が人権擁護者である子どもに対して直接間接に害を及ぼさないことを確保するとともに、関連するときにはこれらの子どもの人権活動を促進するべきである。 企業およびドナーは、地方レベルにおける自らの活動の計画および実施への、人権擁護者である子どもの持続的なかつ意味のある参加を確保するべきである。 5.8 親、家族構成員、コミュニティの構成員および子どもとともにまたは子どものために働く大人 大人は、子どもの権利に関する情報を積極的に求め、子どもの保護およびエンパワーメントにおける自らの義務について学ぶとともに、子どもが人権擁護者として行動するときにはそのことを認識し、かつこれらの子どもたちから示唆を受けるべきである。 大人は、人権擁護者である子どもまたは人権擁護者になりたいと考えている子どもを尊重しかつ支援するべきである。 大人は、人権擁護者である子どもが意見を表明するための空間をつくりだし、意思決定過程へのこれらの子どもの参加を促進し、かつ、自己に影響を与える事柄においてこれらの子どもの意見が正当に考慮されることを確保するべきである。 更新履歴:ページ作成(2020年3月5日)。
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/288.html
子どもの権利委員会・一般的討議勧告:子どもの権利の促進における家族の役割 一般的討議勧告一覧 (第7会期、1994年) 原文:英語(PDF) 日本語訳:平野裕二 F.子どもの権利の促進における家族の役割についての一般的討議 (略) 188.一般的討議のしめくくりにあたり、委員会はいくつかの予備的結論に達した。以下、要約する。 189.子どもの権利の促進における家族の役割についての一般的討議により、親の責任および権利、国が家族および個々の家族構成員に提供すべき支援および援助、ならびに、家族という全般的枠組みにおける子どもの状況ならびにその基本的権利および自由に関連する多様な問題について詳細に検討することができた。 1.家族とは何か 190.さまざまな発言に基づけば、単一の家族概念が存在すると主張することは困難なように思われる。家族は、経済的および社会的諸要因ならびに支配的な政治的、文化的または宗教的伝統の影響を通じて多様な形で形成されてきたのであり、当然のことながら異なる課題または生活条件に直面している。したがって、一部の種類の家族または家族状況(すなわち、核家族、拡大家族、生物学的家族、養子縁組家族またはひとり親家族)のみが国および社会からの援助および支援を受けるにふさわしいと考えることは受け入れられるだろうか。家族または家族生活が決定的な社会的価値を認められるのは特定の事情がある場合に限るなどと考えることは可能だろうか。そのような判断はどのような基準に基づいて行なわれるのか――法的基準か、政治的基準か、宗教的基準か、またはその他の基準か。実際には子どもの人間性の尊厳にとって本質的な諸権利を享受する機会が、特定の条件が満たされた場合にしか子どもに与えられないという見方に賛成することなど、可能だろうか。 191.こうしたさまざまな疑問は、差別の禁止の原則のきわめて重要な価値を、一般的討議の最前面に位置づけるものであるように思われる。 2.家族における子どもとはどのような存在か 192.伝統的に、子どもは、扶養される立場にある、不可視かつ受け身の家族構成員と捉えられてきた。子どもは最近になってようやく「目に見える存在」となり、さらに、意見を聴かれ、かつ尊重される空間を子どもに与えようとする運動も大きくなりつつある。対話、交渉、参加が、子どもたちのための共同行動の最前線に位置づけられるようになってきた。 193.そうなると家族が、子どもを含む個々の構成員の1人ひとりが民主主義を経験する第一段階のための理想的な枠組みとなる。これは夢にすぎないのだろうか、それともやりがいのある貴重な任務としても構想されるべきだろうか。 194.多くの課題が残されているのは周知のとおりである。経済的なもの、社会的なものまたは文化的なもののいずれであるかにかかわらず、家族をとりまく外的事情および家族のなかで生じている緊張に鑑み、子どもが家族のためにおよび家族といっしょに働くものであるとされる状況や、女子が、幼い段階から母親としての「役割」に備えるよう奨励されて、きょうだいの面倒を見ることおよびあらゆる家事について母親の代わりをすることが期待される状況等は、いまなおしばしば生じている。家族にはプライバシーがあるのだから、自動的に、親には「将来の市民を責任のあるやり方で育てること」について十分な情報に基づく正しい判断をする能力が備わっているという前提のもと、子どもが虐待、ネグレクトおよび身体的不可侵性に対する権利の無視の対象とされることも多い。 195.子どもの最善の利益という本質的原則を遵守し、かつ意識啓発、広報および教育のための積極的キャンペーンを活用することにより、子どもの尊厳に反し、子どもの調和のとれた発達にとって有害であり、または子どもによる基本的権利の効果的享受を妨げる、広く蔓延している偏見および文化的または宗教的伝統を変えていけるのではないかという希望が表明された。 3.家族のない子どもとはどのような存在か 196.討議では、家族がない場合の子どもの現実はどのようなものかという、「通常は忘れられている」問題も取り上げられた。このような場合に、保護の制度は改善されるだろうか。そもそも子どもの最善の利益が評価されることはあるのだろうか。何らかの形で子どもが参加する余地はあるのか。子どもの声に耳を傾けるものはいるだろうか。差別を防止し、かつこれと闘うことは可能だろうか。端的にいえば、基本的人権および自由の枠組みのなかで、このような子どもの状況に真剣に対応していくことはそもそもできるのだろうかということである。 197.これらのあらゆる疑問は、当然のことながら、国レベルでも、国際協力の枠組みのなかでも、さらなる掘り下げ、さらなる研究および討議ならびに具体的なプログラムおよび戦略の策定を進めていくことを奨励するものである。条約は、これらのあらゆる疑問についての共通の参照軸であり、かつ示唆を与えてくれる文書であることが再確認された。さらに、条約はすべての家族構成員の基本的権利を個別に検討し、かつその尊重を確保するためのもっとも適切な枠組みでもある。 198.子どもの権利は自律的に捉えられていくことになるだろうが、子どもの権利は、親および家族の他の構成員の権利が承認され、尊重されかつ促進される文脈においてこそ、とりわけ意味のあるものとなる。そしてこれこそが、家族そのものの地位および尊重を促進していく唯一の方法である。 199.委員会は、今回の討論が、この重要な問題に関する今後の検討および行動において触媒としての役割を果たすのではないかという希望を表明した。 200.子どもの権利条約の実施において委員会および他のすべてのパートナーによって今後確保されるべきフォローアップは、今回のテーマ別一般的討議の重要な結論をさらに発展させていくことに資することになろう。 201.行なわれた貢献および検討された現実の重要性に鑑み、委員会は、今回の一般的討議のフォローアップを確保すること、および、この目的のため、1995年1月に開催予定の第8会期で議論するワーキングペーパーを作成することを決定した。 更新履歴:ページ作成(2017年2月17日)。
https://w.atwiki.jp/shomen-study7/pages/976.html
教科書
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/236.html
子どもの権利委員会・一般的意見14号:自己の最善の利益を第一次的に考慮される子どもの権利(第3条第1項) 前編 一般的意見一覧 子どもの権利委員会 第62会期(2013年1月14日~2月1日) CRC/C/GC/14(2013年5月29日/原文英語〔PDF〕) 日本語訳:平野裕二〔日本語訳全文(PDF)〕 目次 I.はじめに(パラ1-9)A.子どもの最善の利益:権利、原則および手続規則(パラ1-7) B.構成(パラ8-9) II.目的(パラ10-12) III.締約国の義務の性質および範囲(パラ13-16) IV.法的分析および条約の一般原則との関係(パラ17-45)A.第3条第1項の文理分析(パラ17-40)1.「子どもにかかわるすべての活動において」(パラ17-24) 2.「公的もしくは私的な社会福祉機関、裁判所、行政機関または立法機関によって」(パラ25-31) 3.「子どもの最善の利益」(パラ23-35) 4.「第一次的に考慮される」(36-40) B.子どもの最善の利益と条約の他の一般原則との関係(パラ41-45)1.子どもの最善の利益と差別の禁止に対する権利(第2条)(パラ41) 2.子どもの最善の利益と生命、生存および発達に対する権利(第6条)(パラ42) 3.子どもの最善の利益と意見を聴かれる権利(第12条)(パラ43-45) V.実施:子どもの最善の利益の評価および判定(パラ46-47) → 以下、子どもの最善の利益 後編A.最善の利益の評価および判定(パラ48-84)1.子どもの最善の利益を評価する際に考慮されるべき要素(パラ52-79) 2.最善の利益の評価における諸要素の比較衡量(パラ80-84) B.子どもの最善の利益の実施を保障するための手続的保護措置(パラ85-99) VI.普及(パラ100-101) 「子どもにかかわるすべての活動において、その活動が公的もしくは私的な社会福祉機関、裁判所、行政機関または立法機関によってなされたかどうかにかかわらず、子どもの最善の利益が第一次的に考慮される。」 子どもの権利条約(第3条第1項) I.はじめに A.子どもの最善の利益:権利、原則および手続規則 1.子どもの権利条約第3条第1項は、子どもに対し、公的領域および私的領域の双方における自己に関わるすべての行動または決定において、自己の最善の利益を評価され、かつ第一次的に考慮される権利を与えている。さらに、同規定は条約の基本的価値観のひとつを表明するものでもある。子どもの権利委員会(委員会)は、第3条第1項を、子どものすべての権利を解釈しかつ実施する際の、条約の4つの一般原則のひとつに位置づける [1] とともに、特定の文脈にふさわしい評価を必要とする動的な概念としてこれを適用している。 [1] 「子どもの権利条約の実施に関する一般的措置」に関する委員会の一般的意見5号(2003年)、パラ12、および「意見を聴かれる子どもの権利」に関する一般的意見12号(2009年)、パラ2。 2.「子どもの最善の利益」の概念は新しいものではない。それどころか、この概念は条約以前から存在するものであり、1959年の子どもの権利宣言(第2項)、女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(第5条(b)および第16条第1項(d))、ならびに、諸地域文書ならびに多くの国内法および国際法にすでに掲げられていた。 3.条約は、他の条文でも子どもの最善の利益に明示的に言及している。第9条(親からの分離)、第10条(家族再統合)、第18条(親の責任)、第20条(家庭環境の剥奪および代替的養護)、第21条(養子縁組)、第37条(c)(勾留中における成人からの分離)、第40条第2項(b)(iii)(法律に抵触した子どもが関与する刑事上の問題についての法廷審理に親が立ち会うことを含む手続的保障)である。子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する条約の選択議定書(前文および第8条)ならびに通報手続に関する条約の選択議定書(前文ならびに第2条・第3条)でも、子どもの最善の利益に言及されている。 4.子どもの最善の利益の概念は、条約で認められているすべての権利の全面的かつ効果的な享受および子どものホリスティックな発達 [2] の双方を確保することを目的としたものである。委員会はすでに、「子どもの最善の利益に関するおとなの判断により、条約に基づく子どものすべての権利を尊重する義務が無効化されることはありえない」と指摘した [3]。委員会は、条約上の権利に優劣は存在しないことを想起するものである。条約に定められたすべての権利は「子どもの最善の利益」にのっとったものであり、いかなる権利も、子どもの最善の利益を消極的に解することによって損なうことはできない。 [2] 委員会は、締約国が、「子どもの身体的、精神的、霊的、道徳的、心理的および社会的発達を包含する」「ホリスティックな概念」として発達を解釈するよう期待している(一般的意見5号、パラ12)。 [3] 「あらゆる形態の暴力からの自由に対する子どもの権利」に関する一般的意見13号(2011年)、パラ61。 5.子どもの最善の利益の概念を全面的に適用するためには、子どもの身体的、心理的、道徳的および霊的不可侵性を確保し、かつその人間としての尊厳を促進する目的で、すべての主体の関与を得ながら、権利基盤アプローチを発展させていくことが必要である。 6.委員会は、子どもの最善の利益が三層の概念であることを強調する。 (a) 実体的権利:争点となっている問題について決定を行なうためにさまざまな利益が考慮される際、自己の最善の利益を評価され、かつ第一次的に考慮される子どもの権利であり、かつ、ひとりの子ども、特定のもしくは不特定の子どもの集団または子どもたち一般に関わる決定が行なわれるときは常にこの権利が実施されるという保障である。第3条第1項は、国家にとっての本質的義務を創設したものであり、直接適用(自動執行)が可能であり、かつ裁判所で援用できる。 (b) 基本的な法的解釈原理:ある法律上の規定に複数の解釈の余地がある場合、子どもの最善の利益にもっとも効果的にかなう解釈が選択されるべきである。条約およびその選択議定書に掲げられた権利が解釈の枠組みとなる。 (c) 手続規則:ひとりの子ども、特定の子どもの集団または子どもたち一般に関わる決定が行なわれるときは常に、意思決定プロセスに、当該決定が当事者である子ども(たち)に及ぼす可能性のある(肯定的または否定的な)影響についての評価が含まれなければならない。子どもの最善の利益を評価・判定するためには手続上の保障が必要である。さらに、ある決定を正当とする理由の説明において、この権利が明示的に考慮に入れられたことが示されなければならない。これとの関連で、締約国は、幅広い政策問題に関する決定であるか個別事案における決定であるかに関わらず、決定においてこの権利がどのように尊重されたか――すなわち、何が子どもの最善の利益にのっとった対応であると考えられたか、それはどのような基準に基づくものであるか、および、子どもの利益が他の考慮事項とどのように比較衡量されたか――を説明することが求められる。 7.この一般的意見において、「子どもの最善の利益」という表現は上述の3つの側面を網羅するものとする。 B.構成 8.この一般的意見が対象とする範囲は条約第3条第1項に限定されており、子どものウェルビーイングに関わる第3条第2項、ならびに、子どものための施設、サービスおよび便益が定められた基準を遵守すること、および、当該基準が遵守されるようにするための機構が整備されることを確保する締約国の義務に関する第3条第3項については対象としていない。 9.委員会は、この一般的意見の目的を述べ(第II章)、締約国の義務の性質および範囲を明らかにする(第III章)。また、条約の他の一般原則との関係を示しながら、第3条第1項の法的分析も提示する(第IV章)。第V章では、子どもの最善の利益の原則の実際上の実施についてもっぱら取り上げ、第VI章では一般的意見の普及に関する指針を提示する。 II.目的 10.この一般的意見は、条約の締約国が子どもの最善の利益を適用しかつ尊重することを確保しようとするものである。この一般的意見は、とくに個人としての子どもに関わる司法上および行政上の決定その他の行動における、また子どもたち一般または特定の手段としての子どもたちに関わる法律、政策、戦略、プログラム、計画、予算、立法上および予算上の発議ならびに指針――すなわちあらゆる実施措置――の採択のあらゆる段階における、正当な考慮の要件を明確にする。委員会は、この一般的意見が、子どもに関係するすべての者(親および養育者を含む)が行なう決定で指針とされることを期待するものである。 11.子どもの最善の利益は動的な概念であり、常に変化しつつあるさまざまな問題を包含するものである。この一般的意見は、子どもの最善の利益を評価・判定するための枠組みを提示するものであり、特定の時点における特定の状況下で何が子どもにとって最善かを明らかにしようと試みるものではない。 12.この一般的意見の主な目的は、自己の最善の利益を評価され、かつこれを第一義的な考慮事項として、または場合によっては最高の考慮事項として(後掲パラ38参照)扱われる子どもの権利についての理解およびその適用を強化するところにある。この一般的意見の全般的目的は、権利の保有者としての子どもの全面的尊重につながる、真の態度の変革を促進することである。より具体的には、これは以下のことに関連する。 (a) 政府がとるすべての実施措置の立案。 (b) ひとりのまたは複数の特定の子どもについて、司法機関もしくは行政機関または公共団体がその代表者を通じて行なう個別の決定。 (c) 子どもに関わるまたは子どもに影響を与えるサービスを提供する市民社会団体および民間セクター(営利組織および非営利組織を含む)が行なう決定。 (d) 子どもとともにおよび子どものために活動する者(親および養育者を含む)がとる行動についての指針。 III.締約国の義務の性質および範囲 13.各締約国は、自己の最善の利益を評価され、かつ第一次的に考慮される子どもの権利を尊重しかつ実施しなければならず、またこの権利を全面的実施するためにあらゆる必要な、慎重なかつ具体的な措置をとる義務を負う。 14.第3条第1項は、締約国に対して3つの異なる態様の義務を課す枠組みを定めたものである。 (a) 公的機関がとるすべての行動、とくに子どもに直接間接に影響を与えるあらゆる実施措置、行政上および司法上の手続において、子どもの最善の利益が適切に統合されかつ一貫して適用されることを確保する義務。 (b) 子どもに関わるあらゆる司法上および行政上の決定ならびに政策および立法において、子どもの最善の利益が第一次的に考慮されたことが実証されることを確保する義務。これには、最善の利益がどのように検討・評価され、かつ決定においてどの程度重視されたかを説明することも含まれる。 (c) 民間セクター(サービス提供部門を含む)または子どもに関わるもしくは子どもに影響を与える決定を行なう他のいずれかの私的機関による決定または行動において、子どもの利益が評価され、かつ第一次的に考慮されることを確保する義務。 15.規定の遵守を確保するため、締約国は、条約第4条、第42条および第44条第6項にしたがって多くの実施措置をとり、かつ、あらゆる行動において子どもの最善の利益が第一次的に考慮されることを確保するべきである。このような措置には以下のものが含まれる。 (a) 国内法その他の法源を再検討し、かつ必要なときは改正することによって、第3条第1項を編入し、かつ、すべての国内法令、州または準州の立法、サービスを提供するまたは子どもに影響を与える民間機関または公的機関の活動を規制する規則、ならびに、あらゆるレベルにおける司法上および行政上の手続において、子どもの最善の利益を考慮する要件が、実体的権利としても手続規則としても反映されかつ実施することを確保すること。 (b) 国、広域行政圏および地方のレベルにおける政策の調整および実施において子どもの最善の利益を擁護すること。 (c) 自己に関連しまたは影響を与えるすべての実施措置、行政上および司法上の手続において、自己の最善の利益を適切に統合され、かつ一貫して適用される子どもの権利を全面的に実現するため、苦情申立て、救済または是正のための機構および手続を設置すること。 (d) 子どもの権利の実施を目的としたプログラムおよび措置のための国内資源の配分、ならびに、国際援助または開発援助を受けている活動において、子どもの最善の利益を擁護すること。 (e) データ収集を確立し、モニタリングしかつ評価する際に、子どもの最善の利益が明示的に説明されることを確保するとともに、必要なときは子どもの権利の問題に関する調査研究を支援すること。 (f) 子どもに直接間接に影響を与える決定を行なうすべての者(子どものためにおよび子どもとともに活動する専門家その他の者を含む)に対し、第3条第1項およびその実際の適用に関する情報および研修の機会を提供すること。 (g) 第3条第1項で保護されている権利の適用範囲が理解されるよう、子どもに対しては子どもが理解できる言葉で、ならびに子どもの家族および養育者に対して適切な情報を提供するとともに、子どもが自己の視点を表明し、かつ、子どもの意見が正当に重視されることを確保するために必要な条件を整備すること。 (h) 子どもが権利の保有者として認識されるようにするため、マスメディアおよびソーシャルネットワークならびに子どもたちの関与を得ながら行なう広報プログラムを通じ、自己の最善の利益を評価され、かつ第一次的に考慮される子どもの権利の全面的実施を阻害するすべての否定的な態度および物の見方と闘うこと。 16.子どもの最善の利益を全面的に実施する際には、以下の要素が念頭に置かれるべきである。 (a) 子どもの権利の普遍性、不可分性、相互依存性および相互関連性。 (b) 子どもは権利の保有者であるという認識。 (c) 条約の世界的な性質および対象範囲。 (d) 条約上のすべての権利を尊重し、保護しかつ充足する締約国の義務。 (e) 経時的な子どもの発達に関わる行動の短期的、中期的および長期的影響。 IV.法的分析および条約の一般原則との関係 A.第3条第1項の文理分析 1.「子どもにかかわるすべての活動において」(In all actions concerning children) (a) 「すべての活動において」(in all actions) 17.第3条第1項は、子どもに関わるすべての決定および活動においてこの権利が保障されることを確保しようとするものである。すなわち、子ども(たち)に関連するすべての活動において、子どもの最善の利益が第一次的に考慮されなければならない。「活動」という文言は、決定のみならず、すべての行ない、行為、提案、サービス、手続その他の措置を含む。 18.行動をとらないこと、すなわち不作為もまた「活動」である(たとえば、社会福祉機関が子どもをネグレクトまたは虐待から保護するための措置をとらなかった場合)。 (b) 「にかかわる」(concerning) 19.この法的義務は、子どもに直接間接に影響を与えるすべての決定および活動に適用される。したがって、「にかかわる」とは、第一に、ひとりの子ども、集団としての子どもたちまたは子どもたち一般に直接関わる措置および決定をいい、第二に、たとえ子ども(たち)が措置の直接の対象ではない場合でも、子ども個人、集団としての子どもたちまたは子どもたち一般に影響を及ぼすその他の措置をいう。委員会の一般的意見7号で述べたように、このような活動には、子どもを直接対象とするもの(たとえば保健、ケアまたは教育に関わるもの)のみならず、子どもたちおよび他の住民集団を対象とする活動(たとえば環境、住宅または交通機関に関わるもの)も含まれる。したがって、「にかかわる」という文言は非常に広義に理解されなければならない。 20.実際のところ、国が行なうすべての活動は何らかの形で子どもたちに影響を与えるものである。だからといって、国が行なうすべての活動に、子どもの最善の利益を評価・判定する完全かつ公式なプロセスが組みこまれる必要があるわけではない。しかし、ある決定が子ども(たち)に重要な影響を及ぼす場合には、子どもの最善の利益を考慮するために保護の水準を高め、かつ詳細な手続を設けるのが適当である。 したがって、子ども(たち)を直接の対象としない措置との関連では、「にかかわる」という文言の意義は、当該活動が子ども(たち)に与える影響を評価する目的で、個別事案の事情に照らして明らかにされなければならない。 (c) 「子ども」(children) 21.「子ども」とは、条約第1条および第2条にしたがい、いかなる種類の差別もなく、締約国の管轄内にある18歳未満のすべての者をいう。 22.第3条第1項は、個人としての子どもに適用され、締約国に対し、個別の決定において子どもの最善の利益を評価し、かつ第一次的に考慮する義務を課すものである。 23.ただし、「子ども」(children)という文言は、自己の最善の利益を正当に考慮される権利が、個人としての子どものみならず、子どもたち一般または集団としての子どもたちにも適用されることを含意している。したがって、国は、子どもたちに関わるすべての活動において、集団としての子どもたちまたは子どもたち一般の最善の利益を評価し、かつ第一次的に考慮する義務を有する。このことは、すべての実施措置についてとりわけ明らかである。委員会は、子どもの最善の利益は集団的権利としても個人的権利としてもとらえられていること、および、この権利を集団としての先住民族の子どもに適用する際にはこの権利が集団的文化権とどのように関連しているかについて検討する必要があることを強調する [4]。 「先住民族の子どもとその条約上の権利」に関する一般的意見11号(2009年)、パラ30。 24.だからといって、子ども個人に関わる決定において、その利益が子どもたち一般の利益と同一であると理解されなければならないというわけではない。むしろ、第3条第1項は、ある子どもの最善の利益は個別に評価されなければならないことを含意している。個人および集団としての子ども(たち)の最善の利益を明らかにするための手続については、後掲第V章で説明している。 2.「公的もしくは私的な社会福祉機関、裁判所、行政機関または立法機関によって」(By public or private social welfare institutions, courts of law, administrative authorities or legislative bodies) 25.子どもの最善の利益を正当に考慮する国の義務は、子どもが関係するまたは子どもに関わるすべての公的および私的な社会福祉機関、裁判所、行政機関ならびに立法機関を包含する包括的な義務である。第3条第1項では親については明示的に言及されていないものの、子どもの最善の利益は親の「基本的関心となる」(第18条第1項)。 (a) 「公的もしくは私的な社会福祉機関」(public or private social welfare institutions) 26.この文言は、狭義に解釈され、または厳密な意味での社会機関に限定して解されるべきではなく、その活動および決定が子どもおよびその権利の実現に影響を及ぼすすべての機関を意味するものとして理解されるべきである。このような機関には、経済的、社会的および文化的権利に関するもの(たとえばケア、保健、環境、教育、ビジネス、余暇・遊び等)だけではなく、市民的権利および自由に対応する機関(たとえば出生登録、あらゆる場面における暴力からの保護等)も含まれる。私的な社会福祉機関には、営利組織であるか非営利組織であるかに関わらず、子どもによる権利の享受にとって重要であるサービスの提供において役割を果たしており、かつ政府のサービス機関に代わって、または政府のサービス機関と並存する選択肢のひとつとして活動している民間セクター組織も含まれる。 (b) 「裁判所」(courts of law) 27.委員会は、「裁判所」とは、すべての場面におけるすべての司法手続――職業裁判官によるものか素人裁判官によるものかは問わない――および子どもに関わるすべての関連の手続をいうものであって、そこに限定はないことを強調する。これには、調停、仲裁および斡旋の手続も含まれる。 28.刑事事件においては、最善の利益の原則は、法律に抵触した(すなわち、法律を犯したとして申し立てられ、罪を問われ、または認定された)子どもまたは法律と(被害者または証人として)関わりを持った子ども、および、法律に抵触した親の状況から影響を受けている子どもに適用される。委員会は、子どもの最善の利益を保護するとは、罪を犯した子どもに対応する際、刑事司法の伝統的目的(禁圧または応報等)に代えて立ち直りおよび修復的司法という目的が優先されなければならないということである旨、強調する [5]。 [5] 「少年司法における子どもの権利」に関する一般的意見10号(2007年)、パラ10。 29.民事事件においては、父子関係の確定、子どもの虐待またはネグレクト、家族再統合、施設入所等に関する事件で、子どもが直接または代理人を通じて自己の利益を擁護しようとする場合がある。子どもは、たとえば、養子縁組または離婚に関する手続、子どもの人生および発達に重要な影響を及ぼす監護権、居所、面会交流等の問題に関する決定、および、子どもの虐待またはネグレクトに関する手続において、裁判による影響を受ける場合もある。裁判所は、手続的性質のものであるか実体的性質のものであるかに関わらず、このようなすべての状況および決定において子どもの最善の利益が考慮されるようにしなければならず、かつ、子どもの最善の利益を効果的に考慮したことを実証しなければならない。 (c) 「行政機関」(administrative authorities) 30.委員会は、あらゆるレベルの行政機関が行なう決定の範囲はきわめて広く、とくに教育、ケア、保健、環境、生活条件、保護、庇護、出入国管理、国籍へのアクセスに関する決定を包含するものであることを強調する。これらの分野で行政機関が行なう個別の決定は、あらゆる実施措置の場合と同様、子どもの最善の利益によって評価され、かつ子どもの最善の利益を指針とするものでなければならない。 (d) 「立法機関」(legislative bodies) 31.締約国の義務が「立法機関」にも適用されるとされていることは、第3条第1項が、個人としての子どもだけではなく子どもたち一般にも関連するものであることをはっきりと示している。いかなる法令および集団的協定――子どもに影響を与える二国間・多国間の貿易条約または平和条約等――の採択も、子どもの最善の利益によって規律されるべきである。自己の最善の利益を評価され、かつ第一次的に考慮される子どもの権利は、子どもにとくに関わる法律のみならず、あらゆる関連の法律に明示的に含まれるべきである。この義務はまた予算の承認にも適用されるのであり、予算の準備および策定に際しては、それが子どもに配慮したものとなるようにするため、子どもの最善の利益の視点を採用することが必要になる。 3.「子どもの最善の利益」(The best interests of the child) 32.子どもの最善の利益の概念は複雑であり、その内容は個別事案ごとに判定されなければならない。立法者、裁判官、行政機関、社会機関または教育機関は、条約の他の規定に則して第3条第1項を解釈・実施してこそ、この概念を明確にし、かつ具体的に活用できるようになる。したがって、子どもの最善の利益の概念は柔軟性および適応性を有するものである。この概念は、当事者である子ども(たち)が置かれた特定の状況にしたがって、その個人的な背景、状況およびニーズを考慮に入れながら個別に調節・定義されるべきである。個別の決定については、子どもの最善の利益は、その特定の子どもが有する特定の事情に照らして評価・判定されなければならない。立法者による決定のような集団的決定については、子どもたち一般の最善の利益は、特定の集団および(または)子どもたち一般の事情に照らして評価・判定されなければならない。いずれの場合にも、評価および判定は、条約およびその選択議定書に掲げられた権利を全面的に尊重しながら進められるべきである。 33.子どもの最善の利益は、子ども(たち)に関わるすべての事柄に対して適用されるべきであり、かつ、条約または他の人権条約に掲げられた諸権利間で生じる可能性のあるいかなる矛盾を解決する際にも考慮されるべきである。子どもの最善の利益にのっとった、可能性のある解決策を特定することに注意が払われなければならない。このことは、国には、実施措置を採択する際、すべての子どもたち(脆弱な状況に置かれた子どもたちを含む)の最善の利益を明らかにする義務があることを含意するものである。 34.子どもの最善の利益の概念は柔軟なものであることから、個別の子どもの状況を敏感に受けとめ、かつ子どもの発達についての知識を発展させていくことが可能になる。しかし、都合のいいように使われる余地が残る場合もある。子どもの最善の利益の概念は、たとえば人種主義的政策を正当化しようとする政府および他の国家機関によって、監護権をめぐる紛争で自分自身の利益を擁護しようとする親によって、また面倒を引き受けられず、関連性または重要性がないとして子どもの最善の利益の評価を行なおうとしない専門家によって、濫用されてきた。 35.実施措置との関連では、あらゆる行政レベルにおける立法および政策策定ならびにサービス提供で子どもの最善の利益が第一次的に考慮されることを確保するために、子どもたちおよびその権利の享受に影響を及ぼすいかなる法律、政策または予算配分の提案についてもその影響を予測するための子どもの権利影響事前評価(CRIA)、および、実施の実際の影響を評価するための子どもの権利影響事後評価という継続的プロセスが要求される [6]。 [6] 「子どもの権利条約の実施に関する一般的措置」に関する一般的意見5号(2003年)、パラ45。 4.「第一次的に考慮される」(Shall be a primary consideration) 36.子どもの最善の利益は、あらゆる実施措置の採択において第一次的に考慮されなければならない。「される」(shall be)という文言は国に対して強い法的義務を課すものであり、国は、いかなる活動においても、子どもの最善の利益が評価され、かつ第一次的考慮事項として適正に重視されるか否かについて裁量を行使できないということを意味する。 37.「第一次的に考慮される」事項という表現は、子どもの最善の利益は他のすべての考慮事項とは同列に考えられないということを意味する。この強い位置づけは、子どもが置かれている特別な状況(依存、成熟度、法的地位、および、多くの場合に意見表明の機会を奪われていること)によって正当化されるものである。子どもが自分自身の利益を強く主張できる可能性はおとなの場合よりも低く、子どもに影響を与える決定に関与する者は子どもの利益について明確に意識していなければならない。子どもの利益は、強調されなければ見過ごされる傾向にある。 38.養子縁組(第21条)については、最善の利益の権利はさらに強化されている。これは単に「第一次的に考慮される」事項(a primary consideration)ではなく、「最高の考慮事項」(the paramount consideration)なのである。実際、子どもの最善の利益は養子縁組についての決定を行なう際に決定的要素とされなければならないが、これは他の問題についての決定においても同様である。 39.ただし、第3条第1項は幅広い状況を対象とするものであるため、委員会は、その適用について一定の柔軟性を認める必要性を認識する。いったん評価・判定された子どもの最善の利益が、他の(たとえば他の子ども、公衆、親等の)利益または権利と相反するおそれもある。個別に考慮された子どもの最善の利益と、子どもたちの集団または子どもたち一般の最善の利益とが相反する可能性があるときは、すべての当事者の利益を慎重に比較衡量し、かつ適切な折衷策を見出すことによって、事案ごとの状況に応じて解決が図られなければならない。他者の権利が子どもの最善の利益と相反する場合も同様である。調和を図ることができないときは、公的機関および意思決定担当者はすべての関係者の権利の分析および比較衡量を行なわなければならない。その際、自己の最善の利益を第一次的に考慮される子どもの権利とは、子どもの利益が、単に複数の考慮事項のひとつとして扱われるのではなく、高い優先順位を与えられるということである点を念頭に置く必要がある。したがって、子どもにとって最善と思われる対応がより重視されなければならない。 40.子どもの最善の利益を「第一次的に」とらえるためには、あらゆる活動において子どもの利益がどのように位置づけられなければならないかについて意識し、かつ、あらゆる状況において(ただし、とくにある活動が関係する子どもに否定しようのない影響を与える場合に)これらの利益を積極的に優先させることが必要である。 B.子どもの最善の利益と条約の他の一般原則との関係 1.子どもの最善の利益と差別の禁止に対する権利(第2条) 41.差別の禁止に対する権利は、条約上の権利の享受に関するあらゆる形態の差別を禁止するという消極的な義務ではなく、条約上の権利を享受する効果的かつ平等な機会をすべての子どもに対して確保するため、国が適当な積極的措置をとることも求めるものである。そのためには、現実の不平等の状況を是正するための積極的措置が必要となる場合もある。 2.子どもの最善の利益と生命、生存および発達に対する権利(第6条) 42.国は、人間の尊厳を尊重し、かつすべての子どものホリスティックな発達を確保する環境をつくらなければならない。子どもの最善の利益の評価・判定にあたっては、国は、生命、生存および発達に対するその子どもの固有の権利が全面的に尊重されることを確保しなければならない。 3.子どもの最善の利益と意見を聴かれる権利(第12条) 43.子どもの最善の利益の評価には、子どもに影響を与えるすべての事柄について自由に自己の意見を表明し、かつ表明された意見を正当に重視される子どもの権利の尊重が含まれなければならない。このことは、やはり第3条第1項と第12条との切っても切れない関係を強調した委員会の一般的意見12号でもはっきりと述べられている。これら2つの条項は補完的な役割を有しており、前者が子どもの最善の利益の実現を目指す一方で、後者は、子どもに影響を与えるすべての事柄(子どもの最善の利益の評価を含む)において子ども(たち)の意見を聴きかつ子ども(たち)を包摂するための方法論を提供している。第12条の要素が満たされなければ、第3条の正しい適用はありえない。同様に、第3条第1項は、自分たちの生活に影響を与えるすべての決定における子どもたちの必要不可欠な役割を促進することにより、第12条の機能性を強化している [7]。 一般的意見12号、パラ70-74。 44.子どもの最善の利益および意見を聴かれる子どもの権利が問題になっている際には、子どもの発達しつつある能力(第5条)が考慮に入れられなければならない。委員会はすでに、子ども自身の知識、経験および理解力が高まるにつれて、親、法定保護者または子どもに責任を負うその他の者は、指示および指導を、子ども自身の気づきを促すための注意喚起およびその他の形態の助言に、そしてやがては対等な立場の意見交換に、変えていかなければならないことを明らかにした [8]。同様に、子どもが成熟するにつれて、その意見は、その子どもの最善の利益の評価においていっそう重視されるようにならなければならない。赤ちゃんおよび非常に幼い子どもも、たとえ年長の子どもと同じ方法で自己の意見を表明しまたは自己を主張することができない場合でも、自己の最善の利益を評価される、すべての子どもと同じ権利を有する。国は、このような子どもの最善の利益を評価するための適当な体制(適当なときは代理人を含む)を確保しなければならない。意見を表明できない子どもまたは意見を表明する意思のない子どもについても同様である。 前掲、パラ84。 45.委員会は、条約第12条第2項で、自己に影響を与えるいかなる司法的および行政的手続においても、直接にまたは代理人を通じて意見を聴かれる子どもの権利が定められていることを想起する(さらに詳しくは後掲第V章B参照)。 (子どもの最善の利益 後編へ続く) 更新履歴:ページ作成(2013年6月10日)。
https://w.atwiki.jp/genesis-ticket/pages/471.html
【用語名】 教科書 【読み方】 きょうかしょ 【詳細】 劇中で度々葵・トーリが懐から取り出しては地面に叩きつけているもの。 続けざまに取り出すこともあり、どうやらボケのためにストックしているらしい。 時々、どうやって仕込んでいたのかわからない場所から取り出すこともある。 何の教科書かは不明。
https://w.atwiki.jp/jinzo/pages/16.html
輸液・・補液っていつまでたっても漠然としてわからないですよね。 そんな輸液・補液の理解を深めるための本・教科書をご紹介します。 そもそも輸液って? 輸液(ゆえき)とは、水分や電解質などを点滴静注により投与する治療法である。 <wikipediaより> 輸液の鉄板の本を教えて まずそろえたい一冊 ■輸液療法の進め方ノート<おすすめ度・・・★★★★★> <画像クリックでamazonに移動します> 輸液・補液の教科書の新定番で、もはや鉄板と言ってよいでしょう。 内容、わかりやすさ、カバーする範囲、全て兼ね備えています。もし輸液・補液関連で 一冊だけ購入するのであればこちらをおすすめします。 読み物としても優れていますし、実践的でもある稀有な本です。 古典・教養レベルの大定番 ■輸液を学ぶ人のために<おすすめ度・・・★★★★★> <画像クリックでamazonに移動します> はい、出ました。 輸液の世界の古典です。 超古代から存在する輸液・補液関連の先駆け的な書籍です。昭和を感じるイラスト・構成がなんともいえない良い趣です。 しかし、それだけ古代から存在するということは、これだけ多くの本が出版される中で生き残ってきたということでもあり名著であるということです。 教科書的な感じではなく対話形式の読み物としてすらすらと内容が入ってきてます。 読み物として一度は読んでおいて方がいいでしょう。 オーベン世代でも読んだことがある人はまじで多いっす。 その他の輸液の本は? ■シチュエーションで学ぶ輸液レッスン<おすすめ度・・・★★★★☆> <画像クリックでamazonに移動します> 個人的には一押しです! 本当にわかりやすくて、これまで輸液・補液でほかの本で挫折していたとしてもこの本ならばわかる、とういこともあるような書籍です。 ただ、アマゾンの在庫が安定しないためもし在庫があればぜひ手にとってみてください。 ■輸液ができる、好きになる―考え方がわかるQ Aと...<おすすめ度・・・★★★★★> <画像クリックでamazonに移動します> 本と一緒にPC上で使える計算ソフトが付属します。 輸液の基本知識を、Q&A形式で学ぶことができるので 具体的・かつ実践的ですね。 演習問題もあるので読むだけではなく、自分で知識をアウトプットして 身に着けていくこができます。 いい本。 ■酸塩基平衡、水・電解質が好きになる―簡単なルールと...<おすすめ度・・・★★★★☆> <画像クリックでamazonに移動します> 輸液でいろんな面倒な計算をしなくてはいけないと思いつつもなかなか臨床の場では できないことも多いかと思います。 しかし、体液について、水・電解質について理解を深めることで 直感的に、考え方に基づいて輸液をオーダーできるようになったらベターです。 そんな輸液の具体的な実際の考え方をわかりやすく、非常に柔らかい文章で教えてくれる本です。