約 6,361 件
https://w.atwiki.jp/yagee/pages/16.html
「あ」 相沢美奈子(a) 朝倉泉(え) 熱田ゆい(N) 雨宮京助(N) 雨宮敬子(え) あやめ型ロボット(プロトタイプ3号機)(a) 井笠京(え) 井川三朗(え) 一色幸恵(N) 歌登民(え) 内部慶二郎(え) 王滝真(え) 大湊(し) 大西知美(a) 奥山歩(え) 奥山翔(え) 尾小屋螢(え) 「か」 北勢慶一郎(え) 協田三紗(え) 頸城恵(え) 黒野恋花(N) 「さ」 西大寺鼓(え) 酒井紫苑(え) 坂川睦(え) 佐世保(し) 下津井圭輔(え) 白瀬美雪(N) 仙北慧(え) 「た」 高田恵子(a) 田中瑞香(a) 樽見さやか(N) 築地祐樹(N) 九十九里津海(え) 土合まひる(え) 栃尾啓吾(え) 「な」 中村律子(N) 根室拓(え) 沼尻馨(え) 「は」 橋本和美(a) 花巻繋馬(え) 保田亀造(え) 本間秋絵(し) 「ま」 舞鶴(し) 向丘楜(え) 村岡美由紀(a) 守山(し) 「や」 魚染瀬槇(え) 山口霞(え) 横須賀(し) 「ら」 「わ」
https://w.atwiki.jp/renjodatabase/pages/347.html
分類:短編小説 初出:「オール讀物」1997年8月号 雑誌時挿絵:藤塚光子 収録短編集:『火恋』 あらすじ 「チャンが、このクーラーを壊したに違いない(チャン・マスト・ハヴ・ブロークン・ザ・クーラー・オン・パーパス)」 彼は、額から垂れ落ちる汗ともう三十分も続いている道路の渋滞とにいらだった指で、カー・クーラーのスイッチをひねり回した。 玲子は夫のハロルドが浮気をしているマカオのホテルで、夫への別れの手紙を書いていた。そこへ、ひとりの青年が話しかけてくる……。 登場人物 ハロルド・ピーターソンイギリス出身の建築家。 玲子ハロルドの妻。 張容明(チャン・ロンミン)中国人の使用人。 超理尽(チャオ・リーヂン)玲子にマカオのホテルで話しかけてきた青年。 解題 (スタブ) 関連作品 『火恋』収録作「情人」 「騒がしいラヴソング」 「灰の女」 「火恋」 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/mmjoke-hotel/pages/8.html
あ 有馬浩之 …… フロント か 日下部悠太 …… フロント 小林洋一 …… ナイトマネージャー さ ジェニファー …… 玲子の愛する子供 進藤玲子 …… 703号室の客 た 豊口万里江 …… 保育士
https://w.atwiki.jp/wrtb/pages/6574.html
宇宙人ネッドのトークショー 名前:Earth to Ned 配信:2020年9月4日 - 概要 地球*に興味を持った宇宙人のネッドとコーネリアスが、有名な地球人を招いてインタビューし、地球の文化について学ぶトークショー。毎回著名なスターがゲスト出演している。Disney+オリジナル番組。 マペット制作はジム・ヘンソン・クリーチャー・ショップ*。ケビン・クラッシュ*、ブライアン・ヘンソン*といったおなじみのパペティアが出演している。 エピソードリスト 米 日 邦題 原題 米国 日本 1 1 ネッド、トークショーを始める Late Night Ned 2020年9月4日 2020年9月11日 2 9 コメディーの世界 Laugh Your Ned Off 2020年9月4日 2020年9月11日 3 7 憧れのスターウォーズ I've Got a Ned Feeling about This 2020年9月4日 2020年9月11日 4 4 ナイト・オブ・ザ・リビング・ネッド Night of the Living Ned 2020年9月4日 2020年9月11日 5 2 ネッドの初めてのペット A Ned's Best Friend 2020年9月4日 2020年9月11日 6 6 @テレビのネッド @NedFromTV 2020年9月4日 2020年9月11日 7 3 芸術の謎 The Ned-aissance 2020年9月4日 2020年9月11日 8 5 ネッドのスポーツ教室 Nothin' But Ned 2020年9月4日 2020年9月11日 9 8 働きなさい、ネッド! You Better Work, Ned! 2020年9月4日 2020年9月11日 10 10 ネッド:ザ・ミュージカル Ned The Musical 2020年9月4日 2020年9月11日 11 16 おやすみネッド、いい夢を Dream a Little Dream of Ned 2021年1月1日 2021年1月8日 12 11 ネディ賞授賞式 The Neddies 2021年1月1日 2021年1月8日 13 12 ネッドのストレス解消法 Transcendental Neditation 2021年1月1日 2021年1月8日 14 14 90年代のパーティーシーンにようこそ Party Like It's Nineteen Ninety Ned 2021年1月1日 2021年1月8日 15 19 世界の謎に挑む Alien vs. Nedator 2021年1月1日 2021年1月8日 16 13 恋するネッド Ned Over Heels 2021年1月1日 2021年1月8日 17 17 1番のごちそう Ned vs. Food 2021年1月1日 2021年1月8日 18 18 サイバーネディクス CyberNedics 2021年1月1日 2021年1月8日 19 15 大きくなぁれ、ネッド Growing Up Ned 2021年1月1日 2021年1月8日 20 20 地球最後の日? Like Father, Like Ned? 2021年1月1日 2021年1月8日 キャスト ネッド ポール・ラッグ* 間宮康弘 コーネリアス マイケル・オーステロム* 駒谷昌男 ベティ コリーン・スミス* 原島梢 クロッド 白石兼斗 ゲスト アンディ・リクター 山口勝平(#1) ギリアン・ジェイコブス* ブリドカットセーラ恵美(#1) アパルナ 米田えん(#1) ブライアン 関口雄吾(#1) キャンディス 川上ひろみ(#1) ゲスト ポール・シアー* 坂口候一(#2) マリア・バンフォード 慶長佑香(#2) クリステン・シャール 原島梢(#2) 意地悪トースター 川上ひろみ(#2,3) ゲスト レジー・ワッツ* 後藤光祐(#3) ビリー・ディー・ウィリアムズ 若本規夫(#3) BB-8* -(#3) ヴィンセント 斎藤志郎(#3) ゲスト イーライ・ロス* 後藤敦(#4) リル・レル・ハウリー 武田幸史(#4) タイラー 藤井隼(#4) ゲスト ビンディ・アーウィン* (#5) ロバート・アーウィン* (#5) ジェニー・スレイト (#5) ゲスト ネネ・リークス* 斎藤恵理(#6) マイケル・イアン・ブラック* 真殿光昭(#6) 少女 寺西はる(#6) 川上ひろみ(#6) ゲスト トーマス・レノン 多田野曜平(#7) レイヴン・シモーネ 枝元萌(#7) ヘブル・ブラントリー* 内野孝聡(#7) 陰謀論ファン 八百屋杏(#7) ゲスト ジョエル・マクヘイル* 三木眞一郎(#8) ジーナ・カラーノ* 鷄冠井美智子(#8) ジョーイ・ムニョス* 内野孝聡(#8) ゲスト レイチェル・ビルソン* 坂本真綾(#9) ル・ポール 太田哲治(#9) メリッサ 岸本百恵(#9) ゲスト レイチェル・ブルーム 勝生真沙子(#10) テイ・ディグス 中井和哉(#10) オリヴィア・ロドリゴ 宇山玲加(#10) ジョシュア・バセット 佐々木拓真(#10) ゲスト ジニファー・グッドウィン 小林沙苗(#11) アラン・テュディック 多田野曜平(#11) ブルック・スプロール* 大井麻利衣(#11) ゲスト ダーシー・カーデン* 岡田恵(#12) オリヴァー・ハドソン* 森宮隆(#12) ハワード・ファイン* 丸山壮史(#12) アリソン 三重野帆貴(#12) ゲスト イヴェット・ニコール・ブラウン 石田嘉代(#13) ジャック・マクブレイヤー 花輪英司(#13) ゲスト ケヴィン・スミス* 新田英人(#14) アイシャ・タイラー 根本圭子(#14) ベン・シュワルツ 後藤ヒロキ(#14) ゲスト シェリー・シェパード* 梅田貴公美(#15) ペン・ジレット 楠見尚己(#15) テラー -(#15) 女性 竹村知美(#15) 給仕 木村隼人(#15) ゲスト アリソン・ハニガン 大坂史子(#16) ベン・フェルドマン 小田柿悠太(#16) エリザベス 東内マリ子(#16) ゲスト ロイ・チョイ* 山野井仁(#17) ブレンダ・ソング 新井里美(#17) 娘 書上春菜(#17) ゲスト メイム・ビアリク 野一祐子(#18) マーガレット・チョー 鯨エマ(#18) ネバートロンE22 中井美琴(#18) ヘルプデスク 若林佑(#18) ゲスト モリー・リンクウォルド* 小島幸子(#19) クリス・コルファー* 石井真(#19) グレース・ヴァンダーウォール 伊瀬茉莉也(#19) 動画の女性 泊明日菜(#19) ゲスト ティグ・ノタロ 浅野まゆみ(#20) ジェイソン・リッター 泰勇気(#20) キース 林大地(#20) キャロライン ニケライファラナーゼ(#20) 男性アナウンサー 佐治和也(#20) 吹替版翻訳:亀井玲子*(#1,2,8,10,13,18)、池田美紀*(#4,6,9,12,14,16,19)、村上美智子*(#3,7,11,15,17,20)、演出:神本忠弘*
https://w.atwiki.jp/tarowa/pages/432.html
寄生獣 ◆ew5bR2RQj. 田村玲子は走っていた。 膝をへその辺りまで上げながら疾走する姿は、まるでオリンピックに出場する陸上選手のようである。 黒いミニスカートから下着が見え隠れしているが、彼女にそれを気にしている素振りはない。 それどころか、全力疾走しているにも関わらず彼女は無表情だった。 無表情を顔面に貼り付けた美女がオリンピック選手並の速度で疾走する様は、見る者が見れば笑いを誘うのかもしれない。 だが、彼女にはふざけているつもりは一切なかった。 「そこまでだ」 空から降りてくる声。 同時に彼女の目の前を、木の上から着地した者が塞ぐ。 「随分と手こずらせてくれたな、だが、もう終わりだ」 あくまで冷静を装いながら、目の前にいる者は言葉を紡ぐ。 だが、実際は燃え滾るような憤怒を隠していることに玲子は気付いていた。 寄生生物は特殊な脳波を発しており、同じ寄生生物ならばそれを受信することができる。 特に殺意や怒りははっきりと伝わってくるため、彼女は必死に逃げていたのだ。 「……その左腕はどうしたのだ?」 目の前に降りてきたのは、後藤だった。 「志々雄という人間に斬られた」 後藤の姿は化け物そのものだった。 全身の筋肉が露出したような姿で、両脚はまるでダチョウのようだ。 右腕は肘から下が枝分かれしていて、それぞれが鎌のような形状を取っている。 この時点で、彼が他の参加者とコミュニケーションを取る気がないことが伺えた。 そして、左腕はない。 その理由を語る口調は淡々としたものだが、内側にはやはり屈辱感が渦巻いている。 最強だと自負していた彼が、よりにもよって人間に遅れを取ったのだ。 無理もないだろう。 「お前の片腕を斬り落とす程の人間か、興味深いな」 「ああ、だがお前に研究させる暇はない、あの人間は俺が殺す」 「元からそのつもりはないさ、そんな人間に私が勝てると思うか?」 「そうだな」 今は完全ではないが、後藤は五体の寄生生物からなる存在だ。 その強さが他とは一線を画することは、彼を産みだした彼女自身が一番よく理解している。 そんな彼を圧倒した人間に興味はあるが、戦闘にもつれ込めば確実に負けるだろう。 「それで……お前はどうしようというのだ?」 幼児に尋ねるような、そんな口調で問いただす玲子。 しばらくした後、後藤が自分の子供のような存在であることを思い出して自嘲した。 「さっきも言っただろう、志々雄を殺す」 「万全の状態で負けたのだろう、今のお前が勝てるのか?」 「確かに今の俺では勝てないだろう、だからこうやってお前を追ってきたのだ」 耳元まで裂けた口が、嗜虐的に歪む。 「田村玲子、お前の頭を寄越せ」 やはりか、と玲子は脳内で思考する。 自分より格上の存在に宣戦布告されたにも関わらず、彼女さは冷静を崩していない。 展望台を去った後、彼女は舗装された道路を使って市街へと向かった。 特に理由があったわけではないが、強いて言うならば他の参加者が多そうだからだろう。 道中は誰にも会わなかったが、もうすぐ市街に辿り着くというところで一つの死体を発見した。 ルパンとの約束があるため捕食はしなかったものの、他の参加者の痕跡があったことに彼女の心は震えた。 多くの参加者が脱落しているとはいえ、未だ半分近くが生き残っている。 答えそのものは導き出せずとも、ルパンのように切欠を授けてくれる参加者はいるかもしれない。 いや、いてもらわなくては困る。 あんな退屈な人間の道楽に参加させられたのだ、これくらいの報酬は期待してもいいだろう。 そんなことを考えながら、彼女は歩行を再開しようとする。 いや、再開しようとして足を止めた。 寄生生物が発信する脳波を受信し、思わず足踏みをしてしまったのだ。 泉新一が死亡した以上、この脳波の主は後藤以外に有り得ない。 この脳波が殺意で色濃く塗り潰されていることに気付いた時、彼女は来た道を逆走しだした。 脳波の受信半径は三百メートル以内であり、つまり半径三百メートル以内に後藤がいるということ。 自分では抗いようのない存在が、明確な殺意を抱いて迫ってきている。 逃げない理由はない。 その後は森林部を利用して撒こうと奔走したが、やはり後藤は戦闘に特化した生物だ。 あっという間に追い付かれてしまった。 「そうか」 後藤の姿を見た時、彼女は一瞬でその目的を理解できた。 彼は元来から好戦的な性格であったが、その攻撃性は人間へと向けられていた。 それが同族である自分に向けられたとなれば、その理由は限られてくるだろう。 「分かった」 それが当然のことであるかのような軽い口調で、玲子は自らの命を捧げる旨を示す。 いや、実際に彼女にとってこれは当然の決断であった。 左腕を失ったとしても、まだ後藤は四体の寄生生物を統合している。 それに対し、自分は頭部にいる一体だけ。 規格外といってもよく、真正面から戦ったとして万に一つの勝ち目すらない。 故に抗うことは無駄。 逃げ切れなかった時点で、既に彼女にとっては詰みなのだ。 「抵抗しないのか、まぁ構わん」 不満そうに玲子を一瞥した後、後藤は枝分かれして触手のようになった右腕を伸ばす。 その触手は死刑台のギロチンにも等しかったが、彼女は何の感慨も抱くことはない。 ――――お前さん達が人間の言葉を理解出来んのは、上手く擬態して人間を楽に食っちまう為か? ――――そんな理由じゃ……さぁみしいだろ ない、はずだった。 「一つだけ聞かせてほしい」 玲子の言葉に、伸びてくる触手がぴたりと止まる。 「なんだ?」 「私を取り込んだ後、お前はどうする?」 質問を投げかけた瞬間、後藤は嘲るように玲子を見る。 「決まっているだろう、志々雄真実を殺す」 「その後は?」 「……そうだな、そろそろ参加者も淘汰されてきた頃だ 今、生き残っている人間どもは、それなりの力を持った者たちだろう」 一呼吸置いた後、咆哮を上げるように猛々しく後藤は言った。 「そいつらを一人残らず殺す! 前に貴様は言っていたな、我々は何のために生まれてきたのだと 俺にとっては戦いこそが生きる意味だ! 目的だ! そのためにもお前の頭を取り込ませてもらう!」 叫ぶと同時に、加速した左腕が襲う。 無表情を貼り付けたまま、迫りくる触手を見据える玲子。 ――――お前さん達の頭が良いのは、人間とこうして話をする為……って思いてぇじゃねぇか 彼女の顔から、一本の触手が伸びた。 「どういうつもりだ」 研ぎ澄ました牙のように尖った双眼で、後藤は自らの左腕の先端を見る。 そこは輪切りにでもされたかのように先端が欠け、ゴポゴポと血液が零れ落ちていた。 「悪いな、後藤」 「どういうつもりだと聞いている!」 「気が変わった、ただお前に喰われるのはやめだ」 斬り落とされた肉片が後藤の右腕に戻るのを見ながら、玲子は変形させた顔面をゆっくりと戻す。 「何故だ!」 「さぁ、私にもよく分からない」 怒り心頭の後藤を、たった一言で一蹴する玲子。 「だが、一つだけ言えることがある」 「なんだ……!」 「人間の社会には司法という制度があり、罪を犯した者は裁かれる そして償いきれぬ大罪を犯した者には、法の裁きという名目で死刑が下される」 「何が言いたい!?」 「やり過ぎた個体は、同族からも弾き出されるということだ」 玲子の顔面が再び変形し、先端に眼球を貼り付けた二本の触手が蠢く。 「戦うために同族を襲う個体などあってはならない、お前はやり過ぎだ、ここで私が死刑を下す」 抑揚のない淡々とした口調。 その内側に確固たる意思があることに、彼女自身も薄っすらと気付いていた。 先程語った言葉に、嘘偽りは一切ない。 だが、それだけでは後藤に立ち向かう理由にはならなかった。 玲子が後藤に立ち向かった一番の理由。 それは後藤が全ての参加者を殺すと語った時、不意にルパンの顔が頭に思い浮かんだからだ。 何故彼の顔が浮かんだかは分からないが、後藤が言葉通りの行動を起こすならばルパンにもその凶刃を及ぶのだろう。 その光景を想像した時、全身の毛が逆立つような悪寒が走った。 万に一つの勝ち目が無かったとしても、立ち向かわなければならないような気がしたのだ。 「そうか……まぁいい、一度はお前と戦ってみたいと思っていた」 「随分と自然な笑い方だな、人間らしさが板についてきたじゃないか」 激情に駆られていたはずの後藤の顔は、いつの間にか愉悦に歪んでいる。 笑うという動作は、猛獣が獲物を見つけた時に牙を見せる様から来ているらしい。 今の後藤の顔を見て、思わず納得してしまう。 万に一つの勝ち目はないが、億に一つの勝ち目ならばあるかもしれない。 後藤の右腕は喪失し、玲子は咲世子の鍛え上げられた肉体を得ている。 実力的なアドバンテージならば、確実に狭まっているはずだ。 あとは創意工夫次第。 寄生生物でも指折りと評された頭脳に、合計三人分の支給品。 咲世子から奪ったファムのデッキや、侍風の男が残した二つの道具。 これらを有効活用すれば、億に一つの勝ち目を掴むことができるかもしれない。 否、掴まなければならないのだ。 「ルパン、これは正当防衛に入るだろう?」 「何を言っている?」 「いや、なんでもない」 「そうか、それでは行くぞ!」 裂けた口から牙を剥き出しにしながら、後藤は勢いよく地面を蹴り上げた。 ☆ ☆ ☆ 「ああ……もう!」 シャナの機嫌は最悪だった。 役に立たない参加者を駆逐しようと西に向かったのが、今から半日以上も前の話。 鬱蒼と生い茂る森林や山中を駆けずり回ったが、苦労に見合った対価を得ることができなかったのだ。 生きている参加者は一人もおらず、人と呼べるのは美術館前の惨殺死体だけ。 真司との接触で元から機嫌を損ねていたため、今の彼女は苛立ちが最高潮に達していた。 (そう、無駄足踏んだからイライラしている) 自らに言い聞かせるように、シャナは心中で言葉を述べる。 自分自身を納得させようと必死な、そんな物言いであることに彼女は気付いていなかった。 ちょうど山頂に到着した辺りの頃だろうか。 太陽が空の頂点に達すると同時に、禁止エリアと死者の名を告げる二回目の放送が始まった。 一回目の時と同様、禁止エリアを覚えるためだけの放送。 死者の名前や数など、路傍に転がる小石とも大差ない。 そう、思っていた。 『泉新一』 一番最初に告げられた死者の名前。 鈍器で思い切り殴られたような強い衝撃が、彼女の頭蓋を走り抜けた。 数秒の間、シャナは茫然自失する。 そして意識が戻った時、去来したのは燻るような怒りだった。 「……」 新一と一緒に過ごした時間は三時間にも満たない。 一時的に共闘していたものの、最終的に喧嘩別れのような形で袂を分かった。 だから、彼が死んだところで自分が感傷に浸るはずがない。 そもそもフレイムヘイズは死を超越した存在ではあり、感傷などとは無縁の存在である。 真司の戯言が目立っていたが、冷静に振り返れば新一の言葉も癪に障った。 むしろ、死んで清々すると言ってもいいくらいだ。 「なんで」 そのはずなのに、胸の中にあるもやもやが消えない。 路傍に転がる小石のはずなのに、何故か切り捨てることができない。 (なんで、なんでよ) なんで―――― 「……バカじゃないの」 そう、吐き捨てる。 新一に向けて言ったのか、自分自身に向けて言ったのか。 彼女には、よく分からなかった。 「死んじゃったら、終わりじゃない」 お人好しで無鉄砲な新一のことだ。 翠星石か真司の身代わりになったのか、あるいは自分より格上の相手に返り討ちにあったか。 どちらにしても、彼が”バカ”であることに変わりはない。 死は全ての生物が最終的に辿り着く到達点であり、存在の力が喰われることはまるで違う。 それでも居なくなるということに変わりはない。 死ねば人は記憶や記録になり、いずれはそれすらも無くなってしまう。 だから、自分の命だけは絶対に捨ててはいけない。 自分の命と対等のものなどこの世にはない、そんなもの在ってはならないのだ。 「あぁ、もう、ムカツク」 混迷に陥っていく思考を放棄し、シャナはずかずかと歩き出す。 右手には槍、左手には盾を添えてながら。 新一が死んでも、彼女の目的は変わらない。 多くの参加者と接触し、その人物が役立ちそうなら生かし、そうでないなら殺して首輪を回収する。 そして、城戸真司はいつか殺す。 間近にあった樹木の枝を槍で切り払い、彼女は鬱蒼と生い茂る森の中に進んでいった。 それから彼女は会場の北西エリアを散策し、同時に色々な施設を回った。 劇場、美術館、廃洋館、展望台。 だが見つけたのは惨殺死体と首輪、美術館にこれ見よがしに飾られていたカードキーだけ。 短い時間で多くの施設を回る必要があったため、各施設の細かいところまでは調べていない。 もしかしたら他にもあったのかもしれないが、それを探している余裕はなかった。 (なんで誰も居ないのよ……) 今のシャナは、森の中を通って市街部に向かっている。 市街部には施設が集中しており、参加者の多くはそこにいるのだろう。 力のない参加者が西側に潜んでいると予測したが、どうやらアテが外れたようだ。 弱い癖に生意気だと、シャナは心中で毒づく。 歩きやすい道路を使わなかったのも弱者を炙り出すためだが、やはり誰にも会うことはなかった。 「……音?」 静寂を保っていた森の奥から、木の枝が折れるような音がシャナの耳に届く。 フレイムヘイズでなければ聞き取れなかったであろうほど小さな物音なため、だいぶ遠くにいるのだろう。 市街部とは逆方向に行く形になるが、他者との接触の機会とあれば逃す術はなかった。 相手に気取られぬよう、気配を消しながら進むシャナ。 近づいていく内に、物音ははっきりと認識できるようになっていく。 先ほどまで音源は移動していたようだが、今は物音ともに一箇所に止まっている。 代わりに男と女が会話する声が届いていた。 この時間帯まで生き残っているとなれば、両者ともそれなりの力は備えているのだろう。 役に立つ参加者であることを期待しながら、シャナはゆっくりと歩を進める。 そして、ついに声の主が視認できる位置まで到達した。 (あれは田村玲子?) 出会った時と服装は違っているが、あの顔は間違いなく田村玲子だ。 頭部を変形させ人を喰う寄生生物。 首輪の解除に役立たない危険人物と判断し、一度は抹殺しようとした参加者だ。 槍の柄を深く握り締め、シャナは田村玲子の影に隠れている参加者を見る。 その人物が役立ちそうなら保護、役立たないなら田村玲子ごと抹殺。 そんな算段の下、彼女は視線を逸らす。 そして、絶句した。 (なんなの、あれ) 左腕が欠けていて、代わりに右腕の肘から下が二つに裂けている。 全身の筋肉が剥き出しになっており、それを隠すための衣服は殆ど無い。 申し訳程度にズボンを履いている程度だ。 他にも口が避けていたり、目が四つもあったりと、その異様を枚挙する手段には事欠かない。 恐怖を抱くことはなかったが、あまりのグロテクスさに気分を害してしまう。 紅世の徒でもあそこまで趣味が悪い者はなかなかいない。 (あれも寄生生物なの?) 会話を聞いている内に、あの生物の名前が後藤であることが判明する。 田村玲子の口から、後藤が寄生生物であることも語られた。 だが、寄生生物にしても後藤は異質過ぎる。 泉新一に田村玲子と二人の寄生生物をシャナは見てきたが、彼らは変形できるパーツが一箇所だけだった。 しかし、後藤は何箇所も変形している。 もしかしたら全身が寄生生物と化しているのかもしれない。 これだけでも十分異様だが、後藤を最も異様であると思わせているのはその精神だ。 泉新一や田村玲子は会話する余地があったが、後藤にはそれが全くない。 彼の眼光は戦闘狂が放つものであり、彼自身も自らが戦うために生まれてきたと告げている。 僅かに言葉を交わしたら、すぐにでも襲い掛かってくるだろう。 役に立つかどうかの問題ではない。 後藤を蔓延らせておいたら、首輪の解除に役立つ参加者も皆殺しにされてしまう。 何としてでも、ここで抹殺するべきだ。 (でも、あれに勝てるの?) 贄殿遮那があれば、今すぐにでも殺しに行っただろう。 だが今の彼女の得物は、使い慣れない長槍と盾だ。 泉新一や田村玲子とは応戦できたが、あれに対抗できるかどうかは分からない。 首輪解除に役立つ人間を生かすために戦って、自らが死んでしまっては元も子もないのだ。 (どうするべきなの) 田村玲子は最初は黙って喰われるつもりだったが、最終的に決裂したようだ。 一触即発と呼ぶに相応しい状況であり、すぐにでもこの周辺は戦場になるだろう。 フレイムヘイズとして、彼女が取る行動は―――― ☆ ☆ ☆ 田村玲子、後藤、シャナ。 一人の寄生生物に、一体の寄生生物、そして一人と一体に深い関わりを持ったフレイムヘイズ。 彼ら、彼女らが一同に介した時、起こりうる出来事とは―――― 【一日目夕方/D-6 森林部】 【田村玲子@寄生獣】 [装備]篠崎咲世子の肉体、黒の騎士団の制服@コードギアス 反逆のルルーシュ [支給品]支給品一式×3(玲子、剣心、咲世子)、しんせい(煙草)@ルパン三世、手錠@相棒、不明支給品(0~2)、双眼鏡@現実、 ファムのデッキ@仮面ライダー龍騎、首輪×2(咲世子、劉鳳)、着替え各種(現地調達)、シェリスのHOLY隊員制服@スクライド、 黒の騎士団の制服@コードギアス 反逆のルルーシュ [状態]ダメージ(大)、疲労(小)、数カ所に切り傷 [思考・行動] 0:後藤を殺す。 1:新たな疑問の答えを探す。 2:茶髪の男(真司)を実際に観察してみたい。 3:正当防衛を除き、人を食わない。 4:ルパン……? ※咲世子の肉体を奪ったことで、彼女が握っていた知識と情報を得ました。 ※シャナ、茶髪の男(真司)を危険人物だと思っています。 ※廃洋館で調達した着替え各種の内容は、後続の書き手氏にお任せします。 【後藤@寄生獣】 [装備]無し [支給品]支給品一式×3(食料以外)、前原圭一のメモ@ひぐらしのなく頃に、不明支給品0~1、カツラ@TRICK、カードキー、知り合い順名簿 三村信史特性爆弾セット(滑車、タコ糸、ガムテープ、ゴミ袋、ボイスコンバーター、ロープ三百メートル)@バトルロワイアル [状態]疲労(中)、左腕(三木)欠損、ダメージ(小) [思考・行動] 0:田村玲子を殺し、その身体を取り込む。 1:会場内を徘徊する。 2:志々雄真実を殺す。 3:強い奴とは戦いたい。 [備考] ※後藤は腕を振るう速度が若干、足を硬質化させて走った際の速度が大幅に制限されています。 【シャナ@灼眼のシャナ】 [装備]:ゲイボルグ@真・女神転生if...、ビルテクター@仮面ライダーBLACK [支給品]:基本支給品(水を一本消費)、首輪(剣心)、カードキー [状態]:健康、力と運が上昇、イライラするんだよ…… [思考・行動] 0:後藤を抹殺するか、それとも…… 1:首輪を解除できる人間とコキュートスを探す。首輪解除が無理なら殺し合いに乗る。 2:首輪解除の邪魔になるような危険人物には容赦しない。 3:市街部に行く。 4:真司に対する苛立ち。彼が戦いを望まなくなった時に殺す。 5:玲子の首輪に関心、次に会ったら殺す。 6:主催者について知っている参加者がいれば情報を集める。 時系列順で読む Back 飢える魂 Next 0/1(いちぶんのぜろ) 投下順で読む Back 急転直下 Next It was end of world(前編) 130 運命の分かれ道 田村玲子 140 寄り添い生きる獣たち 127 死せる者達の物語――I continue to fight 後藤 113 惑いのフレイムヘイズ シャナ
https://w.atwiki.jp/nagami/pages/15.html
3 査読付き論文 3-1 大学院時代 Fumio Toda, Hisakazu Miyamoto, Shiro Kikuchi, Reiko Kuroda and Fuji Nagami (1996) Enantioselective Photocyclization of 2-Arylthio-3-methylcyclohexen 1-ones to Dihydrobenzothiophene Derivatives in an Inclusion Crystal with an Optically Active Host. J. Am. Chem. Soc., 118, 11315-11316. Umemura, K., Nagami, F., Okada, T., and Kuroda, R. (2000) AFM characterization of single strand-specific endonuclease activity on linear DNA. Nucleic Acids Research, 28, e39. Fuji Nagami, Giampaolo Zuccheri, Bruno Samorì and Reiko Kuroda. Time-lapse Imaging of Conformational Changes in Supercoiled DNA by Scanning Force Microscopy. Anal. Biochem., 300, 170-176(2002). 4 学会発表 4-1 大学院時代(domestic) 長神風二、四ノ宮美保、黒田玲子 「ビチアゾール・アクリジンハイブリッド化合物によるDNA高次構造変化の解析」(口頭) 日本化学会 第12回 生体機能関連化学シンポジウム 1997年9月 宮本久一、菊池史郎、戸田芙三夫、黒田玲子、長神風二 「2-アリールチオ-3-メチルシクロヘキセン-1-オンの不斉光環化反応」(口頭・共著) 日本化学会 第1回有機結晶部会シンポジウム 1997年9月 長神風二、黒田玲子、梅村和夫、岡田孝夫 「ビチアゾール・アクリジンハイブリッド化合物によるDNA高次構造変化のAFMによる解析」(口頭) 日本化学会 生体機能関連化学シンポジウム(第13回)1998年9月 長神風二、黒田玲子、梅村和夫、岡田孝夫 「ビチアゾール・アクリジンハイブリッド化合物による光依存性DNA高次構造変化の解析」(口頭)日本化学会春季年会 1999年3月 4-2 大学院時代(international) 長神風二、黒田玲子、梅村和夫、岡田孝夫 Conformational Changes in DNA Induced by Hybrid Bithiazole-Acridine Compounds as Studied by AFM (Oral) JRCAT国際シンポジウム 1998年11月 R. Kuroda, F. Nagami, T. Okada, K. Umemura AFM Characterization of S1 Nuclease Activity to Nicked Linear DNA (poster) The Biophysical Society, Annual Meeting (USA) 1999年2月 長神風二、黒田玲子、梅村和夫、岡田孝夫 AFM Characterization of S1 Nuclease Activity to Nicked Linear DNA JRCAT国際シンポジウム 1999年11月
https://w.atwiki.jp/freegamemusic/pages/117.html
概要 曲一覧 概要 作者:奥山 キイチ(kiichi) サイト:OK Homepage ジャンル:RPG 動作機種:Windows RPGツクール2000製。ジョプリン、ドビュッシーのものを除く楽曲は全て自作。解説はこちら 2003年にラウンジで公開した電波系デフォ戦RPG。 MIDI素材の使用、改変等はご自由に。 曲一覧 ファイル名は(曲名).midまたはMID 曲名 備考 作曲者 プラスティカ 奥山 キイチ(kiichi) 無垢なる混沌 羊水の海 盗賊の巣窟 何処でも無い場所 ベア・サイケデリア ボス戦 腐った細道 羊水の海(夜明けの玄関 Ver.) 非・雑魚パストリアス ボス戦 醜い町 やっつけ仕事 灰色の夕日 胎動の白いざわめき 愛無き菩提樹 暗い暗い思い出の淵 夢 苔むした石 八咫鳥 鏡と鏡 通常戦 夜明けの汽笛 勝利の宴 大怪獣 砂の星 汚れた湿原 オルゴール 血の踊り子 ラスボス戦 亜麻色の髪の少女 Debussy Mapleleaf Rag - Scott Joplin エンディング Scott Joplin
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/1380.html
365 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] :2009/10/11(日) 20 36 19 ID Fh07qOuG *** お父さんが死んだ。 車に撥ねられて死んだ。 お父さんはもう居ない。 もう何もお話はできない。 酔っぱらったお父さんの愚痴を聞くこともできない。 家族全員でご飯を食べることもこれからはない。 もう、二度と。 白と黒がいっぱいの部屋。そして私も白くて黒い。黒くて白い。 たくさんの人が居る。見たことがある人も居る。知らない人も居る。 私はただ座ってる。今、どんな顔をしているのかしら。 無表情? 泣いてる? 怒ってる? それとも、顔から目以外の全部のパーツが抜け落ちちゃったのかしら。 それでも、別に、構わないわ。 もう、全部おしまいなんだから。 お父さんは死んだ。私が殺した。 あの雨の日、置き去りにしちゃったせいで。 大好きだった。お父さんもお母さんも弟も妹も。 みんなとずっと仲良く暮らしたかった。 でも、もうそれは叶わない。 お母さんとお父さんは一生離ればなれ。 弟と妹はどこかに行っちゃった。 私は、ひとごろしの私は、もう誰とも一緒に居られない。 ――そう。 私を必要としてくれる人なんて、どこにもいない。 だからもう、私なんか。 私なんか、潰れちゃえ。 367 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] :2009/10/11(日) 20 37 04 ID Fh07qOuG *** 「もう俺のことは放っておいてくれ」 ぶっきらぼうに言い放つと、正面の席に座る彼女の顔が曇った。 「どうしてそんなことを言うの? まだわからないじゃない。まだ、諦める必要なんかない」 「……わかってないんだな」 そう、彼女はまだ信じている。 俺の折れた腕が治ると。また、以前のように動かせるようになるのだと。 それどころか、俺が必ず復帰するのだろうとすら思っている。 いいや、思っているだけではない。 今までの彼女の口ぶりからすると、確信しているのだ。 俺がまた、ロードレースで勝利するのだと。 「やめたんだよ、俺は」 「やめたって、何を? はっきり言わなくちゃわからないよ」 「……ロードレースをだ」 「レースが何?」 「だからっ!」 わかっているくせにとぼけた振りをする。 こいつの考えなんかわかってる。 俺を煽って、俺の負けん気を起こさせようというのだ。 そんな手には乗らない。 もう二度と復帰はできないんだから。 「治らないなんて、お医者さんは言ってなかったんでしょう?」 「動かせるようにはなる、ただ以前と同じようにはいかない。 ……そう言っただろ、俺が、自分で! お前に!」 腹が立つ。 なんでこいつはここまで俺にかまうんだ。 幼なじみだからか。 まだ俺が諦め切れていないって、見抜いてるっていうのかよ。 「復帰したって、もう以前みたいに走ることなんかできない。 遅いんだよ、俺は! お前が知ってる俺じゃないんだ! あのレースはベストの状態だった。それでも全国じゃアイツに負けた! もう、自転車に乗ったって――」 ――勝てない。 その決定的な一言を言おうとして―― 368 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] :2009/10/11(日) 20 37 30 ID Fh07qOuG 「勝てるよ、私にはわかるもの」 ――そんな、何の疑いも持たない幼なじみの言葉が聞こえてきて、口が止まった。 「あなたが誰よりも自転車が好きだって知ってる。 誰よりも速くないといけない、自分より速い人間なんて許せない。 私は知ってるよ、あなたの気持ち。 そして、今の遅い自分を許せないってことも、わかってるつもり」 どうしてわかってるんだよ。 いつもすっとぼけた顔してるくせして。 「勝ちたいんでしょう。だったらまだ続けて。 今のあなたより強い人がいても、必ずあなたはその人より強くなる」 ああ、そうだよ。まだ終わりたくない。 もっと勝ちたい。勝ちを譲りたくない。 もう負けない。他の誰にも負けたくない。 「あなたが自分を信じられないなら、代わりに私があなたを信じてあげる。 あなたは、強くて、そして――速いわ」 この女は、いったいどこまで俺のことを―――― 369 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] :2009/10/11(日) 20 38 38 ID Fh07qOuG 「さっきからなにぶつぶつ言ってるのさ、ジミー?」 少女に小声でそんなことを言われ、向かい合って座っている俺の顔が曇った。 「邪魔しないでくれないか。今いいところなんだ」 「いや、あそこのお兄ちゃんとお姉ちゃんの話のナレーションをしてるのはわかるけど。 恥ずかしいよ、それ。ジミーってばもしかしてチュウニビョウ?」 「意味分かって言ってるのか知らないけど、小学校も卒業してない玲子ちゃんに言われたくはないな」 たしかに同席している人間としては突っ込まざるを得ない行動だったかもしれないが。 俺と玲子ちゃんがいるのは、先日入院した病院の待合室である。 退院したからといって二度と病院に行かなくていいわけではない。 怪我の治り具合を見るために医者に来るよう言われれば、行かなくてはならない。 それは別にいいのだ。 俺だって自分の腕が元通りになるなら何度でも病院に足を運ぶつもりだ。 検査の終わった後に寄った待合室で玲子ちゃんと会うのだって構わない。 この病院に来たからには、この子と遭遇したって何ら不思議はない。 しかし、目の前で青春ドラマのワンシーンを実演してもらうのは困る。 俺と同じく、白い三角巾で腕をつるした同年代の男に注意を向けてしまったのがまずかった。 さっさと立ち去って帰路に着いていれば、妙な空間になった一室から去るタイミングを逃さずに済んだのに。 あるもんなんだな、目の前で青春されることって。 席を立つことも許されてない感じがしたよ。 だから、理不尽に感じた俺がついつい勝手なナレーションを入れてしまっても何も悪くないはずだ。 どうせあの二人には俺らなんか眼中にないだろうから。 370 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] :2009/10/11(日) 20 39 32 ID Fh07qOuG 約五分後、絶賛青春中カップルが立ち去り、再び待合室は俺と玲子ちゃんだけとなった。 紙コップに注がれたぬるいコーヒーを喉を潤し、話しかける。 「……で、どこまで話してたっけ?」 「えーっと…………あれ、ボクのお母さん、いやジミーのことだっけ、あれ?」 「いいや、玲子ちゃんの話だったな」 「え? ボクそんな話してた?」 「うん。あそこまで堂々と自分のパンツについて語ってくれるとは思わなかった」 「え? ええ? えー……」 玲子ちゃんが思い出すように天井を見上げ、顎に人差し指を当て、最後に俯いた。 コーヒーをもう一度胃に流し込む。少し苦い。 コップを机に戻した途端、玲子ちゃんが立ち上がり叫んだ。 「言ってないし! ジミーにボクのパンツの色なんか教えないし! それ教えてボクに何の得があるの!」 ――ふうむ。 「見られたいという欲求を叶えてくれる?」 「無いってば!」 「実は黒を穿いているのに白と言っておくことで、 俺にサプライズを提供する喜びを得られる、とか?」 「ジミーを喜ばせても別に嬉しくない!」 「うーん、じゃあさっきは白と言っていたけど実は――」 「今日のは白だって! さっきからしつこいよ、ジミー!」 「ほうほう、玲子ちゃんは白を穿いているのか」 「……………………あ」 しまった、という顔を浮かべる玲子ちゃん。 そしてわなわなと拳を揺らし、椅子に乱暴に腰掛けた。 「学校でもスカートの中見られてないのに……」 「高校生に口で勝とうなんて言うのが甘いんだよ。 玲子ちゃん、わかりやすいからなあ。熱くなりやすいし」 「ううう~。こないだからジミーに見られてばっかり。 もうボクお嫁さんにいけない……」 「安心して。いざとなったら俺がもらってあげたりしないから」 「あはははは、なんだかすっごくむかつくよ、ジミー」 371 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] :2009/10/11(日) 20 40 28 ID Fh07qOuG コーヒーもなくなったので、玲子ちゃんいじりはそろそろやめて本題に入ることにした。 「さっきの話の続きだけどさ。ほら、俺に玲子ちゃんのお母さんと会ってくれないか、って」 「うん、そう。……やっぱりダメ?」 「ダメ」 「どうしてさ。お母さんどうしても連れてきて、ってボクに言ってたんだよ。 それぐらいジミーに会いたがってたんだから」 「悪いけど、本当にダメなんだ」 会いたくないんだ。 せっかく昔のことを無かったことにできそうなのに、いまさら蒸し返したくない。 伯母がどんなことを言ってきても、耐え続けることはできそうにない。 愛想笑いを浮かべながらの会話を続けていられるまで、気持ちの整理がついていない。 ふとした拍子に堪忍袋の緒が切れて、怒りをぶつけてしまうかもしれない。 何も知らない玲子ちゃんを前にして、そんなことはしたくない。 この子にとっては、きっと良いお母さんなんだから。 「理由を言ってよ。ボク、ちっとも納得できない」 「聞いても納得できないと思うよ、君には」 「いいから言ってよ。それから判断するから」 そのまま話せば長くなる。けど、短く言うこともできる。 俺は玲子ちゃんのお母さんが嫌いなのだ、と。 しかし、それをこの子に伝えてしまっていいのか。 母親が嫌われているなんて、子供にとっては嬉しくなんかないだろう。 おそらくだが、昔の俺だって母を悪く言う人は、良く思っていなかった。 どうすればいい? なんて答えればいいんだ。 372 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] :2009/10/11(日) 20 41 40 ID Fh07qOuG 「……ねえ、ジミー。もしかして」 悲しそうな目で玲子ちゃんが見つめてくる。 目に力がこもっていない。 「ボクの、お母さんのこと」 一言ずつ、絞り出すようだった。 次に来る言葉がなんであるかわかっている。 母親思いの純真な少女に言わせるべきではない、そんな台詞。 けれど静止の声は出ない。 止めて、俺の口から言ったところで、この子が傷つく結果は変わらないのだから。 「嫌い、だった……?」 もしかしたら俺は、嘘でも否定しておくべきだったのかもしれない。 もっとも、そのことに気付いたのは玲子ちゃんの問いに対して頷いた後でのことだったのだが。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/38095.html
登録日:2017/10/17 Tue 23 08 04 更新日:2024/06/12 Wed 00 37 18 所要時間:約 9 分で読めます ▽タグ一覧 1994年 RAMPO SS ゲーム セガサターン ファンタジー ミステリー 奥山バージョン 明智小五郎 映画 本木雅弘 江戸川乱歩 竹中直人 隠れた名作 香川照之 黛バージョン 夢こそ、まこと 『RAMPO(ランポ)(英 The Mystery of Rampo)』は、94年に公開された日本のファンタジー、ミステリー映画。 松竹映画、制作、配給。 【概要】 名探偵明智小五郎の生みの親であり、本格派から子供向けまで、数々の推理、冒険小説や幻想的な物語を著した他、海外の探偵小説の翻訳や新人作家の発掘にも尽力した日本ミステリー界勃興の立役者たる、探偵小説家江戸川乱歩の生誕100周年 松竹創業100周年を記念して制作された。 乱歩の著作の内から複数のタイトルが原作として挙げられてはいるが、それらの作品の映像化というよりは、乱歩の生きた当時と、乱歩の描いた猟奇耽異の世界を再現することに注力されている。 乱歩作品の映像化というと明智小五郎が主人公となる場合が多く、実際に本作にも本木雅弘が演じる明智小五郎が登場して来るが、主人公はあくまでも竹中直人が演じる江戸川乱歩自身であり、物語の大筋も乱歩が自分の作品から抜け出て来たような人物や事件との邂逅の末に現実と夢の境目が崩れ、乱歩が自らの創作の世界に誘われる……と云うものになっている。 当初はNHKのドラマ制作で実績のある黛りんたろう監督に依頼されて映画が完成されたが、その出来を30代半ばの若さながらも当時の松竹の名物プロデューサーとしてマスコミに発言を多く取り上げられ、業界内で高い発言力を持っていた奥山和由が気に入らず撮り直しを要求したが聞き入れられなかったことから、自らメガホンを取って70%もの追加撮影を敢行した末に別の映画として完成させている。 こうして生まれた二つの『RAMPO』は、何と片方が封印されることもなく、別々の映画館で同時に封切られて、各々『黛バージョン』『奥山バージョン』としてソフト化もされた。 特に『奥山バージョン』では数々の実験的な試みが為されており、映像や舞台装置に意図的に当時に話題となっていたサブリミナル効果や1/fゆらぎ効果を盛り込んでいると喧伝され、映画館での上映時にも館内に香を炊く等、無意識の感覚下に訴え掛けるような演出も用いられている。 ……これらの、サブリミナル等の効果については、現在では疑問視されている要素も多いものの、当時の世間を賑わせたオウム真理教の事件の影響等もあってか、WOWOWで放映された際には大幅にカットされる案件となっている。 尚、内容の面白さは勿論のこと、そうした話題性もあってかヒット作となった本作だが、後に奥山が松竹映画から放逐されたこと等の影響からか、他の奥山プロデュース作品と同じく公開以降のソフト化の機会に恵まれておらず、有名タイトルにもかかわらず国内ではDVD化されていない等、現在では知る人ぞ知る隠れた名作となってしまっている。 両バージョンの評価としては解りやすいが些かドラマ的で安っぽいのが『黛バージョン』 解りにくいが重厚で魅力的なのが『奥山バージョン』とされている。 『奥山バージョン』では更に翌年に未公開シーンを加えて再編集し、千住明の音楽を加えた『インターナショナルバージョン』も発売された。 『黛バージョン』と『奥山バージョン』は内容的にはかなり違うので両バージョン(『インターナショナルバージョン』も加えれば三つ)を納めた円盤化がいつの日にか実現して欲しいものである。 【物語】 日本では初とも呼べる本格推理小説を執筆して認められ、その後も数々の猟奇的な事件を描いた作品により人気作家となったものの、戦時下の世相により著作が次々と発禁処分を受け、新作『お勢登場』も検閲により発禁処分となった江戸川乱歩(演 竹中直人)は失意の内にあった。 そんな中、乱歩を励まし、何とか新作を書かせようとする後輩で担当編集者の横溝正史(演 香川照之)が乱歩に奇妙な話を持ってくる。 発禁処分を受けたばかりの『お勢登場』……その、物語をなぞるように夫殺しを疑われ、世間に後ろ指を指される境遇にある美貌の寡婦……静子(演 羽田美智子)の噂話を。 横溝に乗せられるままに静子の姿を垣間見て虜となった乱歩は、静子本人との邂逅の中で彼女の境遇に同情。 そこで、今度は犯人として描いていたお勢=静子を救う目的で小説の執筆を開始。 静子を明智小五郎に救わせようとした乱歩だったが、イマジネーションの中の明智小五郎(演 本木雅弘)は乱歩に対して「指図は要らない」と言い放つ。 そして、乱歩の前から忽然と姿を消す静子……。 現実と空想の世界の境界が曖昧になる中で静子が自らの生み出した幻想の世界に囚われたことを知った乱歩は、彼女を救い出すべく自らも自らの幻想の中に旅立つのだった。 ……そして、明智小五郎は静子が後妻として迎え入れられた大河原侯爵家に降り立つ。 果たして、明智は静子による侯爵殺害の謎を暴けるのか、そして、乱歩は静子を幻想の世界より救い出すことが出来るのか。 【主な登場人物】 ■明智小五郎(本木雅弘) 架空の名探偵。 乱歩が創造した存在であり、幻想の世界での分身の筈であったが、物語の中盤で乱歩を拒絶する。 果たして、その意図は……? 映画では宿敵怪人二十面相と共に、既に銀幕のヒーローとしても定着している存在のようである。 ■江戸川乱歩(竹中直人) 流行作家。 斯界の大御所として持て囃されてはいるが、当人は少年時代から変わらぬ夢見勝ちで繊細な精神の持ち主。 自らの夢の産物たる作品が次々と発禁処分を受けることに心を痛めており、そんな中で邂逅した美しい静子に惹かれていく。 ■横溝正史(香川照之) 雑誌編集者。 乱歩にとっては小説家としての後輩にあたるが、現在は乱歩の担当編集者として口喧しく煽り、いじけやすい乱歩の尻を叩いて原稿を催促する日々を送っている。 乱歩の気分転換になればと、様々な話を持ってくる。 ■静子(羽田美智子) 美貌の寡婦で、発禁になったばかりの『お勢登場』のヒロインお勢のイメージに完全に合致して乱歩を動揺させる。 小説同様に夫殺しの疑いを掛けられて息詰まるような生活を送っており、そんな中で邂逅した乱歩の存在に安らぎを覚える。 物語の途中で現実世界から消失する。 ■大河原侯爵(平幹二郎) 幻想の世界の住人。 静子を後妻として迎えていた。 傷付いた明智に興味を持ち、屋敷に逗留させる。 ■オープニング・ナレーション(ブルース・ジョエル・ルービン) 【その他の登場人物】 ■検閲課官吏(佐野史郎) ■帝室美術館門番 / カフェの主人(岸部一徳) ■骨董屋主人(江戸家猫八) ■執事藤森(高城淳一) ■運転手(チャーリィ湯谷) ■女中頭 / 根津界隈の主婦(樹木希林) ■円タクの運転手(マルセ太郎) 【ゲスト】 『奥山バージョン』では、一部キャストとスタッフの変更の他、要所やパーティーの出席者として当時の著名人が特別出演している(役名が当人を意識したものが多いのがミソ)。 普段の戦闘服のままでパーティーに混じっているルーク参謀や、乱歩好きで知られる大槻ケンヂが台詞付きで出演しているのはこっちのバージョンである。 ■円タクの運転手(大槻ケンヂ) ■プロデューサー田川(三浦友和) ■ホテルのボーイ(加藤雅也) ■スチルカメラマン(別所哲也) ■歌手(阿部寛) 詩人(秋元康) 大興行主(荒戸源次郎) 女流画家(池田理代子) 文士(大下英治) マダムR(奥谷禮子) 映画女優(菊池麻衣子) 二枚目俳優(木村一八) 出版社・総帥(見城徹) 河田町の御令嬢(河野景子) 工學博士(坂村健) 文豪(佐木隆三) 伯爵夫人(山東昭子) 侯爵夫人(残間里江子) 仏蘭西國・御令嬢(ジュリー・ドレフュス) 芸能評論家(須藤甚一郎) 新聞社社主(筑紫哲也) 大店・御曹司(堤康二) 山の手夫人(寺田理恵子) 女流作家(林真理子) 大店・御曹司のフィアンセ(早見優) 大スター(原田芳雄) 大日本帝國・陸軍将校(原吉実) 巨匠(深作欣二) 芸能評論家(福岡翼) 芦屋の御令嬢(水野晶子) 河田町の御令嬢(八木亜希子) 映画の明智小五郎(山口裕) 映画の怪人二十面相(吉川英一) 謎の大魔王(Sgt.ルーク篁III世参謀) 豪傑(若松孝二) 【ゲーム】 セガサターン初期に『RAMPO』として、アドベンチャーゲーム化。 『夢見館』風の推理アドベンチャーとして紹介されている。 本筋自体は映画とは関係無いが、竹中直人、香川照之、羽田美智子がゲームの方にも出演している他、映画の一場面がムービーとして流れる。 また、ゲームの方では渡辺典子がヒロイン兼、案内役としてプレイヤーを導く。 ポリゴン黎明期で、それも、ポリゴンが苦手と言われるサターンながらグラフィックの評価や短いながらもストーリーの評価は高く、知る人ぞ知る「隠れた名作」となっている。 扱う題材がややインモラルで、謎解きもそこそこ難しい為か18歳以上推奨。 【アニメパート】 『奥山バージョン』ではオープニングナレーションの追加や、前述の実験的な演出、豪華ゲストの特別出演の他、オープニング部分にスタジオ4℃制作の『お勢登場』のアニメーションが追加されている。 追記修正に夢中になりすぎて、ミイラになるなよ、明智君。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 間違っても「ランボー」ではない -- 名無しさん (2017-10-20 12 40 40) コロコロコミックでやってた漫画でもない -- 名無しさん (2017-10-20 12 53 00) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/pangyapmc/pages/62.html
投稿者一覧 +じょにぃ+ +式+ ../ULTiMATE .光. F-9 FANTM Ginga☆ Q001 azoon lycee(はーと) madan miyukichi777 rabiman upstream♪ usato ^^アツシ^^ (くち)エクレア (だめだ)レイ (ほし)心ちゃん (ほし)邑餡 (ほね)ピン (むふ)ちるぅ 【玲奈♪】 ♪†隼人†♪ ♪イラン♪ †Project† †ぱぉぱぉ♪† あやせちゃん あゆちゃ♪ えっだーまめ お嬢(ぐっど) かやちん24 けあふりぃ こっちぃ(それ) すず(かさ) ばんきう-R ぱんがちゃ ぴっぴ(おんぷ) ぶまぉ ほむぃ(ひょえ) まなまな☆☆ まみむめがね まりす(はーと) みぃ やまかま ゆりぽんです らんらんるーしあ るるエース わんこ アルモンド ウーロン・レイ ヴェスペル ウメ. オリビエポプラン サイクロンpsgp シベリー バカずきん ヒーロ・ドギー ポテト(けーき) ポンタラン ミジンコMk-Ⅱ メイレ2 ラビ_りんす 悪代カーン 綾坂ちなみ 綾小路阿凛 何か妖怪? 芽琉☆ 銀座(ほし)横丁 呉丸 秋山玲 緒方けい 新宿舞姫 青空しょって♪ 竹取の翁 天使さくら 日果林檎 味噌っ子 妖怪さいとー 五光石 名前 コメント