約 3,157,894 件
https://w.atwiki.jp/wiki6_byakumu/pages/751.html
#パイロット等はカイン=プレリュードと共通 時神カイン 時神カイン, ときがみかいん, (新神(カイン専用)), 1, 1 空陸海, 4, M, 10000, 500 特殊能力 変形=禁術陣展開 時神カイン(禁術使用) バリアLv3=時空封壁 テレポートLv2=時空移動 ステルスLv2=時を渡る者 ステルス無効化=時を見る目 追加攻撃=アンロック 時動術「キー」 @時動術「ロック」 20 時の加護 無効化=時 耐性=魔 有効=非表示 万 高位ユニット=非表示 5000, 300, 1100, 100 AAAA, ori_tko_171_c.bmp 時神術「スローダウン」, 0, 1, 4, 0, -, 20, -, AAAA, +5, 時反先撹 時動術「ロック」, 0, 1, 3, +40, -, 20, -, AAAA, +30, 時S 時動術「キー」,1400, 1, 2, -10, -, 60, 120, AAAA, -20, 時P憑 時神術「アクセレート」,1600, 1, 1, +10, -, 5, -, AAAA, +10, 時射術吹L0 時神術「ベンド」, 1700, 1, 3, +20, -, 10, -, AAAA, +20, 時貫L2劣 時神術「リコイル」, 1800, 1, 4, 0, -, 10, -, AAAA, +10, 時反吹L10 時神術「デイアンドナイト」,1900, 1, 5, 0, -, 50, 120, AAAA, +30, 時万光闇無 時神カイン(禁術使用) 時神カイン, ときがみかいん, (新神(カイン専用)), 1, 1 空陸海, 0, M, 10000, 500 特殊能力 変形=禁術陣封印 時神カイン ステルス無効化=時を見る目 禁術陣 無効化=時 耐性=魔 有効=非表示 万 高位ユニット=非表示 5000, 300, 900, 70 AAAA, ori_tko_171_c.bmp 時神禁術「グラスプ」, 1600, 1, 4, +10, -, 60, -, AAAA, +30, 時万SM投L3識 時神禁術「フリーズフレーム」, 1800, 1, 3, 0, -, 90, 120, AAAA, +10, 時万凍M扇L4識 時神禁術「ランダマイズ」,1900, 1, 3, +40, -, 90, 120, AAAA, +80, 時万転L10M全 時神禁術「ハンドフロムヘブン」, 2300, 1, 1, +20, -, 30, 130, AAAA, +10, 時万攻貫 時神禁術「ハンドフロムヘル」,2300, 1, 99, -10, -, 60, 130, AAAA, -10, 時万反引告 時神禁術「X・デスティニー」,2500, 1, 5, +10, -, 80, 140, AAAA, +40, 時万痛L2 #インフレしすぎたのでパワーダウンさせました。 #alias.txt 時の加護 抵抗力Lv8=時の加護 射撃強化Lv8=非表示 技量強化Lv6=非表示 回避強化Lv8=非表示 命中強化Lv4=非表示 EN回復Lv2=非表示 時の加護=解説 毎ターンEN20%回復し、状態異常になる確率が1/5。また、射撃、技量、回避、命中が上昇する。 禁術陣 抵抗力Lv4=禁術陣 EN消耗Lv1=非表示 射撃強化Lv12=非表示 技量強化Lv8=非表示 命中強化Lv8=非表示 回避不可=非表示 防御不可=非表示 ZOCLv10=非表示 3 禁術陣=解説 毎ターンEN10%消耗、回避防御不可になる。代わりに攻撃関係の能力が強化され、範囲3のZOCが付加される
https://w.atwiki.jp/niconicomugen/pages/6251.html
「もう終わりかぁ?ちったぁ骨のある奴かと思ったが、 ちぇっ、ただの見掛け倒しだったぜ!!」 SEGAの対戦格闘ゲーム『ゴールデンアックス・ザ・デュエル』の主人公。 『ゴールデンアックスIII』の主人公カイン・グリンダーもしくは『デスアダーの復讐』の主人公スタンブレードの子孫のようだ。 戦災孤児であったが、高名な剣士に拾われ、豪放磊落な剣技と生き方を教わり、成長した青年。 EDではゴールデンアックスを手に入れた後、仲間の元に帰り武勇伝を聴かせる彼の姿を見ることができる。 昇竜・波動・突進の三種の神器を持ち、バランスの取れた使いやすいキャラ。 通常技も火力・リーチ・判定・発生・ガードさせた時の有利フレームと高い次元で纏まっている。 ダッシュや歩きなどで、立ち中斬り・立ち大斬りが当たる間合いをキープし、相手の隙に立ち大斬りを見舞うのが基本戦術。 立ち中斬り→波動で削りつつ様子をうかがい、飛んできたら大昇竜で落とす。 やや崩し手段に乏しいため、飛び込みからのジャンプ大斬りでめくったり、しゃがみ大蹴り→波動や1F投げも使っていく。 プレイ動画 MUGENにおけるカイン・ブレード Werewood氏(現・Borewood氏)によるものが公開中。 mass氏のミラン・フレアーをベースとしているらしく、パワーゲージの仕様もそちらに準じたものとなっている。 基本的には原作を再現しつつ、チェーンコンボ等も可能になっているアレンジ仕様。 パワーアップ時のコンボ火力は中々のものだが、その分通常時の単発火力は控えめに設定されているようだ。 AIは中々強いものがデフォルトで搭載済み。 お家氏による外部AIも存在するが、氏のサイトではなくOneDriveにて公開されているので注意。 あと、何故かファイル名が「肉襦袢」になっている。 お家氏AIの挙動 + 大会ネタバレ FMNではセイバーのサーヴァントとして参戦。 並み居る強敵相手に一歩も引かず、無敗の剣士として一躍勇名を馳せる。 だがマスターの敗退に伴い、余力を残したまま無念の内に消滅してしまった。 「ザコを相手にしてる時間はねえんだよ! 金の斧持ってる奴、出てこい!!俺が最強の戦士、カイン様だぁ!!」 出場大会 伝統の作品別トーナメント MUGEN祭 大盛りシングルトーナメント 19XX年!4大勢力対抗!セルハラっぽいランダムタッグバトル!! 2011年公開キャラorAIでランセレタッグサバイバル 大規模!作品別 成長ランセレサバイバルバトル FMN 90年代格闘ゲーム 作品別チーム大会 80年代ランダムタッグバトル 友情の属性タッグサバイバル 90年代格闘ゲーム主人公ランダムフェスティバル 19XX年!ゲーム主人公ランダムタッグバトル 【MUGEN大祭】特盛りシングルトーナメント 更新停止中 最大規模!作品別 成長ランセレサバイバルバトル 削除済み 真冬のランセレサバイバルトーナメント 夏の作品別サバイバル
https://w.atwiki.jp/nanaitatrpg/pages/428.html
名前・カイン・クールス 性別・男 年齢・21歳 髪型・銀髪、長い髪を一つ結びにしている 瞳色・茶 容姿・上下黒のスーツ、メガネ。顔つきは整っているが目つきは若干鋭い。 細身で身長は180弱くらい。 備考・新任教師 得意技・憎まれ口 好きなもの・???(空欄になっている) 苦手なもの・面倒な事 うわさ1・動物にだけは優しいらしい うわさ2・酔っぱらうと色々凄いらしい
https://w.atwiki.jp/galeos/pages/476.html
インターフェロン(IFN)αなどのサイトカイン療法またはチロシンキナーゼ阻害剤で難治性だった転移性腎細胞癌に、IFNとともに癌関連抗原CA9の部分ペプチドを投与するワクチン療法が有望である可能性が明らかとなった。22人の患者を対象にしたフェーズ2臨床試験で、完全奏効(CR)などの抗腫瘍効果が確認され、安全性も高いことが示された。
https://w.atwiki.jp/pazdra/pages/5130.html
光属性、神タイプ/回復タイプ。レア度6でコストは40。Lv1時のステータス、HP572攻撃410回復217。最大Lvは50で経験値は500万タイプ -- 2014-03-27 21 11 03 スキルは -- 2014-03-27 21 11 33 ↑送信ミス、スキルは「裁きの瞑奏」Lv1でのターンは25。「2ターンの間、回復タイプの攻撃力を2倍にし、さらに受けるダメージを減らす」。ダメージ減少率は約35%です。 -- 2014-03-27 21 15 10 リーダースキルは「アイス・オブ・ヘブン」。「回復タイプのHPが1.5倍に、攻撃力は2.5倍になる」 -- 2014-03-27 21 16 05 ↑正しくは「アイズ・オブ・ヘブン」です。何度も間違えて申し訳ない -- 2014-03-27 21 16 39 ぐっじょぶ -- 2014-03-27 22 23 44 (こっちの方が強そうじゃない?) -- 2014-03-27 22 54 50 変態仮面 -- 2014-03-27 23 02 39 あ、サンダルフォンは、エヴァコラボで実装されるわけじゃないのね(笑) -- 2014-03-27 23 15 04 エヴァのサンダルフォンはマグマの中のやつだったっけ -- 2014-03-28 01 01 12 金子一馬がデザインしましたって言っても通じそう こっちの方がデザインは好き -- 2014-03-28 01 24 32 ↑わかる。 -- 2014-03-28 01 35 41 たしかにメガテンにいそうなデザイン -- 2014-03-28 04 02 40 バカヤロー サンダル兄さんだってポッキー意外の物を食べたくなるさ -- 2014-03-28 09 08 15 最初コイツがゴツンと出てきた時は吹いちまったが、見慣れてくるとスッキリして悪くないデザインだな。せんとくんみたいなもんか。 -- 2014-03-28 13 39 45 変態だー! -- 2014-03-29 09 52 37 これキモイから早く進化させたい。。。 -- 2014-03-29 16 06 20 全モンスターで一番かっけえよ! こんなん夜道で出くわしたら泣くわ -- 2014-03-29 19 45 38 ワンピースのエネル見える -- 2014-03-29 20 10 35 このサンダルフォンならメガテンのメタトロンと兄弟に見えなくも・・・双子の兄弟か・・・ -- 2014-03-29 20 22 51 メガテンのバフォメットだな。 -- 2014-03-29 21 47 17 ホロウ化の仮面こんなのじゃなかった? -- 2014-03-29 23 10 11 コクーンwww -- 2014-03-30 01 47 34 やっぱこのアイコン異彩を放ってるな -- 2014-04-01 16 43 39 イラストがシュールwww -- 2014-04-03 05 09 53 なにこの落花生 -- 2014-04-05 15 51 04 \テーレッテー/ -- 2014-04-20 16 14 29 ↑×6平子の虚化は仮面が長かったような気がする・・・ -- 2014-04-21 01 23 58 ピーナッツわろた -- 2014-04-29 14 02 42 シャドウハーツのデザインに似てる -- 2014-05-13 19 37 55 天帝カインだと思った -- 2014-05-14 21 55 15 見た目はマジでこっちの方が好き 進化させたくなかった -- 2014-05-28 01 09 17 これヤバくない?鉄仮面?綺麗なジェイソン? -- 2014-05-29 11 20 50 しかも脳波コントロールできる -- 2014-06-02 17 45 41 サンダルフォン良くわからないけど絵がワロタ -- 2014-06-08 00 15 22 新興宗教かよ -- 2014-06-13 21 07 59 一瞬某医者が頭に浮かんだ -- 2014-06-18 08 50 37 サンダルしか履かないからサンダルフォン -- 2014-06-21 21 26 39 こっちの絵の方が何かオーラがある -- 2014-07-13 00 34 45 肌色のストッキング被ってるみたいだな -- 2014-07-20 00 50 21 絵のインパクトは圧倒的にこちらのほうが上 -- 2014-07-20 21 11 38 やっとこのピーナッツ手に入れた -- 2014-07-22 00 15 18 アメコミのヒーローだろこれw -- 2014-08-26 23 52 22 セミに見えるな。 仮面ライダーの1種。 -- 2014-08-31 21 07 40 初めて卵から出てきたとき、インパクト強すぎてファッ!?ってなった -- 2014-09-28 15 27 51 カーリー -- 2014-11-01 05 52 11 1コンでいけた -- 2014-12-28 12 51 08 サンダル型の電話みたいな名前 -- 2015-02-15 15 20 28 ヴィーナス進化のために見に来たけどこいつの顔みてくそわろたwww出落ちすぎるwwww -- 2015-03-13 22 41 31 降臨初クリアしたけど卵から出てきて何事かと思ったわ -- 2015-03-24 19 06 04 進化後も悪くないが、こっちのが怪しくて好き。 -- 2015-05-13 02 01 51 いやすげーカッコいいだろ。究極進化はこっちよりのデザインでお願いします -- 2015-09-03 17 00 11 金子一馬っぽいと思うのは俺だけ? -- 2016-04-03 20 04 51 宝玉取り込んだ愛染に似たふいんき -- 2016-04-15 20 23 59 モルゲッソヨ像 -- 2018-02-12 00 07 27
https://w.atwiki.jp/teikokuss/pages/1081.html
というわけで、カインとクラウディアがいちゃいちゃするスケッチもこれでひと段落である。そしてイサラが本格的に登場したわけであるが、相変わらず古人という存在は重たいわけである。これでヤンデレっているわけではないというのだから、実際にヤンデレったらどれだけ迷惑なことやら想像もできない、と。 カインは、毎日一回は地上に出て、外の空気を吸い太陽の光を浴びるようにしている。ここモリアに着いてから二ヶ月が経ち冬も到来したが、まだ雪が積もることはない。はるか北のシャブリウス丘陵地帯なら、もう村々総出で雪かきをしている頃ではないだろうか。いくら戦傷を負ったといっても、後を一門の重臣らに任せたままにしてしまってよかったのだろうか。そうした鬱々とした思いにとらわれないようにするには、陽の光を浴びるのが最も効果的であったのだ。 彼の婚約者のクラウディアは、双性化措置に成功した後も各種の身体強化措置を受けているらしい。その具体的な内容については軍機事項という事で話してはくれなかったが、最初に出会った時とは随分と雰囲気が変わってきているのは確かであった。具体的には、声と物腰に重みが加わった。真面目な顔をして見つめてくる彼女は、思わず気後れしそうになるような迫力がある。本人は、それには全く気がついている様子はなかったが。 そして療養に訪れたカイン自身は、随分と身体が楽になっていた。元々が戦傷を負う前から、決して丈夫であったとはいいがたい身体であった。もし古人として生まれたのでなければ、幼少の頃に夭折していたのではなかったかと密かに思っているくらいには。その自分がここに来てから一度も倒れていない。三度の食事を残すこともなく、夜の眠りは深い。彼から見てアヴェナエ医師は、魔導師らしく常識というものが欠落している存在であったが、医者としての技量は非常に優秀である事は確かであった。 廃墟じみている古都モリアの街中を散策していると、街の中央部にある貯水池に出る。ここがまだ機能しているかどうかは知らない。だが、冬の薄雲の合間をぬうように陽射しが柱のように立ち並ぶ様は、とても幻想的で見ていて時間を忘れさせるほどのものがあった。 「陽射しが綺麗ですね」 水辺でぼんやりとしていたカインは、少し離れたところから突然声をかけられてびっくりしてしまった。 きょろきょろとあたりを見回すと、同じ様に水辺に立っている少女がいる。厚織りでフード付きの肩掛けで上半身を覆っていて、白い長靴下と茶色の長靴をはいていた。歳の頃は自分と同じくらいだろうか。紺色にも見える黒髪を中分けにし、あごのあたりで切り揃えている。肩掛けに織り込まれた紋様は、ヴェルミヘ河沿いに南下していった先のダルクス地方の住民のものであったような記憶がある。 「こんにちは。こちらへは留学ですか?」 「いえ、仕事です」 瞳の大きな目を細めて、太い眉を傾けて微笑んだ少女は、この魔導師達の都モリアにはそぐわない素朴さと可憐さを感じさせた。 「しばらく師の元で修行していましたが、ようやく一人前と認めていただけたんです」 微笑んだまま少女は、肩掛けの下から右腕を出してカインに向かってかかげて見せた。肩掛けの下は詰襟の上着と丈の短いスカートで、そしてその服の色は紺色であった。 「ようやく、あの方に消息をお伝えできるお許しをいただけました。オクセンシュルヌス・トゥルトニウス公カイン様」 「……あの方とは?」 それが誰かは、容易に想像がついた。そして、見た目だけは自分とそう変わらないはずの少女が、実は魔導八相に覚醒した導師であるとは、さすがに予想することさえできなかった。魔導八相に達した導師は、自らの見た目すら自在にできるという噂を聞いたことがあったが、それはまさに本当のことであるらしい。慎重に穏やかな表情を保ちつつ、カインは少女からできる限り話を聞きだそうとこころみた。 「クラウディアさんです。しばらくは、わたしの方からはお会いしには行けないとお伝え願えますでしょうか? ただ、わたしが元気だとお伝えいただければ嬉しいのですが」 「……君が、彼女の恋人の一人なんだ」 「いいえ、残念ですけれども、違います。あの方にとってわたしは、しばらく一緒にいただけの人間に過ぎないと思います」 「でも彼女は、君の名前を覚えている」 「はい」 わずかに顔をかたむけて微笑んでいる少女は、腕を肩掛けの下に戻してしまえばただの素朴で可憐な少女にしか見えない。いや、少女も魔導師である以上、相応に何がしかの秘密を抱えている身なのであろうが、それが何かは判らない。そして、それをカインにさとらせるつもりも無い様子である。 「部隊で一緒だったんだ」 「はい」 「そして、彼女が選ばれてここに来ることになったきっかけを作った」 「ふふ。それはクラウディアさんにお聞きしてみて下さい」 互いに穏やかな表情を保ちつつも、張り詰めた空気が満ちた沈黙の時が過ぎる。 「そろそろお時間ではありませんか?」 「そうだね。君は、これから?」 「はい。仕事です」 それでは、また機会がありましたらお会いいたしましょう。 そう言い残して、少女は、ふっとかき消すようにカインの前から消えた。しばらく少女のいた場所を見つめてから、カインはぽつりとつぶやいた。 「なら、名前くらいは教えてくれればよかったのに」 「ああ、イサラだ、きっと」 「ふうん、平民出身なんだ。じゃあ、本当に偶然なんだね、古人に生まれたのって」 「平民出の古人って、結構いるよ」 「そうなんだ。僕の周りには、大体由緒ある家柄の人しかいなかったから」 「それは君が一門宗主だからだよ。素性の知れない古人を近づけるわけにはいかないよ」 部屋に戻ってからカインは、クラウディアと一緒に食堂に夕食を食べにきていた。今日の料理は、羊のひき肉を小麦粉の皮でくるんで熱々のスープで煮たものに、パプリカや玉ねぎ、ニンニクで作ったソースをかけたものがメインである。二人は若いだけあって、山盛りのそれをぱくぱくと食べていた。 カインが少女についてクラウディアにたずねたのは、食事が終わってお茶になってからである。私室で二人きりの時に、もしかしたらクラウディアの恋人かもしれない相手についてたずねるのは気が引けたし、それが事の後ならばなおさらである。それに、腹がくちくなれば大抵の事で頭に血が上ったりはしない。 「それで、話を戻すけれど、イサラ、本当に紺色を着ていたんだ」 「うん。一人前になった、って見せてきたから、導師になったばかりなんだと思う」 「そっか。無事だったんだ。……安心した」 ほっと一息ついてから、眼鏡を外してまぶたをもんだクラウディアの表情は、心からの安堵が浮かんでいるように見えた。 「……あのさ、聞いていい?」 「なに?」 「彼女が、君の恋人の一人?」 「違うよ。うん、好意を持っていてくれたのは確かだと思うけれど、でも、結構怒られていたから。ああ見えてさ、怒ると本当に恐いんだよ、イサラって」 「ふうん、部隊では近衛騎士だったのに?」 「正確には、近衛騎士見習いだから。見習いなんて、新兵と同じだからね。教練係の従士や、段列の工部には怒られてばっかりだって。本当にどうやって引っぱってきたんだか、親衛連隊の先任従士長なんてすごい人を教練係として引っぱってきてさ、その人が恐いのなんの。言葉遣いは基本的に丁寧なんだけれど、もう目つきからして違うから。イサラも親方だったから、機体がからむと人間が変わってさ、機装甲整備用のこんなぶっといレンチで尻っぺたぶん殴るんだよ」 「滅茶苦茶だ」 のほほんとした雰囲気の中でカインは、慎重に言葉を選んでイサラについてクラウディアから聞き出していった。そして判ったのは、彼女が古人でありながら近衛騎士団付きの機装甲工部の親方で、機神整備については「神様」扱いされていたすごい人であったことと、彼女が軍機に関わる違反を行って憲兵隊に逮捕連行されていってから、消息が知れなかったこと、この二つである。 イサラについて語るクラウディアの口調には、敬意と懐かしさこそ含まれていても、慕情や恋愛の色は一切含まれてはいない。あの彼女の口調からすると、向こう側はクラウディアに随分と深い好意を抱いていた様子であるが、当の本人がこれではカインの懸念も思い過ごしのようである。 「でも、ちょっと安心した」 「ん? なんで?」 「せっかく、二人きりで何の気兼ねも無く一緒に過ごせているのに、水入りとか嫌だったから」 もう二月近くもこうして二人きりで過ごしているのに、こういう言葉を口にするのはまだ恥ずかしい。自分の頬が熱くなるのを感じつつ、カインは上目遣いでじっとクラウディアを見つめた。 そんな彼の視線に、だんだんとクラウディアも顔が赤くなってきて、照れたように笑って頭をかく。 「や、やだなあ。大丈夫、きっとまた二人きりの時間を作れるって」 「う、うん。それじゃさ、ここは人も多いし、部屋に戻ろうか」 「そ、そうだね。色々と復習とかしないといけないし」 真白い継ぎ目も何もない部屋の中央で、イサラは紺色の詰襟の制服を着て一人立っていた。部屋の壁全体が柔らかく光っているせいもあって、彼女の影すらぼんやりとしか床に映らない。 「一号機の組み立ては終了いたしました。次は起動試験を行い、これに成功いたしましたら、予定搭乗員の受け入れ試験の予備段階に移りたいと考えています」 誰もいないはずの部屋で、イサラは、すっと空間をなでて無数の図面を宙に投影した。そこには「黒の龍神(ニグレド・ドラクデア・ウヌム)」とも「レギナ・アトレータ」とも違う、全く新しい機体の設計図が描かれている。 「予定搭乗員の調整は、順調に進んでいるとの報告を受けています。起動試験の実施はいつ頃を予定していますか?」 「現在行っている最終調整の終了予定は54時間後となります。82時間後には起動試験の実施が可能となる予定です」 何も無い空間にイサラとは別の女性の声が響き、その問いに彼女は淡々と答えてゆく。 しばらく機体の起動試験について質疑応答が続き、最後に女性の問いがイサラに向けられた。 「何故、予定搭乗員に自己の消息を伝えようとしたのですか?」 「その質問は、わたしの行動が計画の支障となるという判断にもとづくものでしょうか? 予定搭乗員の意識に対して予測方向性を持たせ、情報が開示された段階での混乱を最小限にすることを意図しての行動です」 「公的にはそのように。では、これは貴女の師としての質問です。彼女に会う事が待てませんか?」 その声に感情の色は全く混じってはいない。だがイサラは、わずかに唇を噛むと、ゆっくりと息を吐いてから答えた。 「はい。出来ることならば、今すぐにでも会いに行きたいです。わたしは、あの人の為にこの計画に参加しました。あの人がこれから戦う戦場で、生き残れる機体を作るのが、わたしの望みです。そして、その事を、あの人に伝えたい。この機体は、あの人への私の想いそのものなのだ、と」 「判りました。ですが、その望みを許すわけにはゆきません。あくまで彼女と会うのは、カイン卿がここを去ってからです。ですが、その時に、その想いを伝える事は許しましょう」 「はい。ありがとうございます、我が師」 「本日は以上です」 イサラは、白い部屋から自分の執務室へと転移すると、周囲に誰もいない事を確認してからぎゅっと自分の身体を抱きしめた。しばらくそうしていてから、ゆるゆると息を吐き、心を落ち着かせると、目を通さなければならない書類が山積みの机へと向かう。ささやかな望みではあるが、しかしそれをかなえるためには、目の前の問題を一つ一つ着実に片付けてゆかねばならない。彼女の師は、冷徹ではあるが冷酷ではない。それが計画の支障にならないのならば、イサラの想いも許してくれるという。 「でも、まだ死刑判決が撤回されたわけではないんです」 ぽつりと呟いたイサラの声には、深い絶望の色がにじんでいた。 そう、彼女は、今年の冬、機神「黒の二」を司令部の許可無く違法に改造し、そための部品を書類操作によって違法に調達したことを理由に憲兵隊に逮捕され、軍事法廷において死刑判決を下されていた。今彼女がここにいるのは、それまでの機神に関わってきた経歴と、改造した「黒の二」の設計思想と機体性能が驚愕するべきものであったから、である。 イサラは、この新機神の開発計画において機体設計を担当し、計画が成功したあかつきには、恩赦が下されることが約束されていた。 つまり、計画進行中の現時点では、イサラは刑の執行が猶予されている死刑囚であることに違いはない。 「それでも、わたしは、この賭けに勝ちます」 イサラは、「黒の二」を違法に改造した時点で、自分が軍事法廷に引き出される事を覚悟していた。だがそれでも、自らの新機神についての設計思想と技術について軍上層部が正当に評価するならば、恩赦を勝ち取れる可能性がある事を予想してもいた。 「黒の零」事件によって、軍が既存の「黒の龍神」系列の機体を基として新機神を開発する計画を放棄せざるをえなくなった今この瞬間にしか、新機神開発に関わるチャンスはない。そしてそのチャンスも、並の手段では触れることすらかなわない。 機装甲の工部の親方ともなれば、機装甲の開発に関わり機体を設計する事が許されている地位である。だがイサラは、自分で一から機体を設計した経験がない。それは、彼女の見た目が少女の古人で、機神に懐かれ易く、機神整備については余人を持って換えがたいという技能を持っていたからに他ならない。彼女に新規に機体を設計させるよりも、ただでさえ扱いが難しい機神を任せた方がよいと軍も工部も判断したということである。 だが、イサラも必死の思いで努力して親方株を手に入れた職人である。一度だけでもいい、自分の手で新機装甲を開発し設計したい。その想いは巧妙に隠されてはいたものの、決して忘れられたことはなかった。そして、彼女の目の前に現れた、最初で最後のチャンス。 「貴女のためです。クラウディア」 それでも、あえて違法行為に手を染めさせるには、それ相応のきっかけが必要であった。 そしてそのきっかけこそ、イサラにとって生まれて初めての恋慕の想いであったのだ。 クラウディアへの想いが、いつの頃から形になったのかは、はっきりとは覚えていない。多分、トイトブルグ干渉戦争の最中、皆が空腹と寝不足の中であがいていた頃のことではないかと思う。「内戦」の時とは違う、国外での、それも敵地での遠征。段列であっても、いつ敵の襲撃を受けるか判らない中、なんとか「黒の二」を稼動させ戦場へと送り出す中で、皆がどれだけ殺気立っても悠然と振舞っていた少女。これが武家の名門の姫君というものか、と、心の底から感心したものであった。 彼女が何度難敵と戦い、その度ごとに機体を半壊させて帰投したか判らない。だが、それでも彼女へ平然と振る舞っていたし、機体を壊してしまったことをイサラに謝りもした。その度ごとに怒ってみせたものの、それでも彼女が生きて帰ってきてくれる事にどれだけ救われたことか。騎士の勝利は、騎士だけのものではないのだ。当然、騎士の敗北も、騎士だけのものではない。その騎士の駆る機体に関わった者、全ての勝利であり、敗北なのだから。 クラウディアが討たれない限り、自分達が負けることはない。それがいつの間にか段列の工部達の暗黙の了解となっていた。そして彼女は、皆の期待に応え、大きな勝利をもたらしてくれたのだ。その時から、彼女は、イサラにとっての心の主(あるじ)となったのであろう。 主のためならば、この身命をささげても悔いはない。そして、その想いが恋慕へと変わるのにさほど時間はかからなかった。 「お慕いしています。我が主」 もう一度自分の身を抱きしめたイサラは、熱の篭った蕩けた声でそう呟いた。 「我が想い、必ず貴女の元に届けます」 カインに療養の終了が告げられたのは、冬至の直前の事であった。 モリアも冬のさなかであり地上は雪で白一色に染まっている。そんな光景の中、襟と袖に毛皮のファーのついた外套を着て、毛皮帽の耳当てを下ろした格好で、カインとクラウディアは別れを惜しんでいた。 そしてそんな二人を、紺色の詰襟の制服姿でアヴェナエ医師が微笑んで見つめている。 「カイン卿、貴方の身体が元々虚弱である事をどうにかできるほど、我々の魔術は進歩してはいません。ですが、先の戦争での傷は完治した事は保証いたします」 「ありがとうございます、アヴェナエ師。僕は元老院があるので「帝都」へと戻らなくてはなりませんが、クラウディアのことをよろしくお願いします」 これまでの施療と、予後経過の観察について記されたカルテを入れた書類挟みをアヴェナエ医師から渡され、カインはしっかりとした視線で彼女を見つめ返した。 そんな歳若い一門宗主に向かって、歳若く理知的で美しい魔導師は、嬉しそうに微笑んでうなずいてみせた。 「そして、いつか貴方も覚醒して私達の一員となってくれる事を期待しています。カイン君」 「はい。先生」 「貴方は良い生徒だったわ。魔術でもベッドでも」 「なっ!? なんです、それっ!!」 「ふふ。そういうところはまだまだね」 くすくすと笑ったアヴェナエ医師の事を、カインは真っ赤になってにらみつけた。 頬を真っ赤にしてふくれているカインを見て、くすくすと笑っているクラウディアが口を開いた。 「わたしは、まだしばらく「帝都」に戻れそうにもないんだ。元気でね。無理はしないでくれると嬉しいかな」 「大丈夫。冬至の議会が終わったら一度封土に戻らないといけないけれど、春には辺境候就任式があるから、その前にこっちに寄れると思う。寂しいけれど、でもまた会えるから」 「うん。……きっとだよ」 「判ってる。約束するから」 「うん」 カインとクラウディアは、しっかりと抱き合うと熱い口付けを交し合った。 二人の頬は上気し、互いの唇から唾液が糸となって二人をつなげる。 「それで、部隊の皆に手紙を渡して欲しい。いいかな?」 「六通?」 「うん。教導隊長と、中隊長と、……恋人達。嫌?」 「ううん、構わない。……本当は、君から正式に紹介して欲しかったけれど」 「ごめん。でも、皆いい子だから」 「エウセピア、フェイト、無名、そしてアルファルデス、だっけ?」 「うん」 もじもじと済まなさそうな表情でお願いされては、カインも嫉妬のしようがない。それにクラウディアと出会ったのは、彼女らの方が先なのだ。そして、それぞれの間で培われてきた絆も、カインのそれとは比較のしようもない。 「それじゃ、また」 「うん、またね」 右手を振ってから馬車に乗り込んだカインに、クラウディアも手を振り返す。 馬車が森の中に消えるまで、彼女はずっと手を振り続けていた。 「それではクラウディアさん。あらためて貴女に紹介する方がいます」 「はい。アヴェナエ師」 二人きりになってすぐに、アヴェナエ医師は表情を真面目なものへと変えて、クラウディアに向き直った。同じ様にクラウディアも表情を変える。 「新機神の試作機は組み上がり、起動試験を行う段階にまで来ている事はすでに説明した通りです。貴女の双性化は成功し、あとは予後経過の観察の段階になりました。これから貴女の管轄は、強化調整班から機体設計班に移ります。では、設計班の主任を紹介します」 「お久しぶりです、クラウディア。また会えて嬉しいです」 「やっぱりイサラだったんだ。……お久しぶり。元気そうでよかった」 アヴェナエ師の隣に転移してきたイサラの姿をみとめて、クラウディアは、白い息を吐いて一言呟くと、にっこりと微笑んで右手を差し出した。それを握り返したイサラも、嬉しそうに微笑んだ。 「もう一度会えると信じていました。今度こそ、貴女に相応しい機体を用意します」 「本当に、もう。皆どれだけ心配したと思っているんだか。わたしだって、すごい心配したんだよ?」 「はい。だから、そのお詫びもかねてがんばっています」 「そっか。じゃあ、下に戻ろう。やっぱり外は寒いよ」 「そうですね。お茶を飲みましょう、二人きりで」 「そうだね。積もる話もあるし」 イサラはアヴェナエ医師に目礼すると、クラウディアの右手をしっかりと握ってその場から転移した。 あとに残ったアヴェナエ医師は、両手を腰にあてて軽く息をつくと、自分も次の仕事のために転移していった。
https://w.atwiki.jp/nanaitatrp/pages/118.html
名前・カイン・クールス 性別・男 年齢・21歳 髪型・銀髪、長い髪を一つ結びにしている 瞳色・茶 容姿・上下黒のスーツ、メガネ。顔つきは整っているが目つきは若干鋭い。 細身で身長は180弱くらい。 備考・新任教師 得意技・憎まれ口 好きなもの・???(空欄になっている) 苦手なもの・面倒な事 うわさ1・動物にだけは優しいらしい うわさ2・酔っぱらうと色々凄いらしい
https://w.atwiki.jp/dm-original/pages/198.html
堕天使カイン VR 闇 (8) 9000 クリーチャー:ダーク・エンジェル ■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、またはこのクリーチャーが破壊されたとき、自分の墓地から進化ではないクリーチャーを1体選び、タップしてバトルゾーンに出す。 ■W・ブレイカー フレーバーテキスト 瘴気によって魔境への結界防壁が崩れ、何体かの狂気なる堕天使が超獣世界に紛れ込んだ。 収録 幻龍編第2弾 漆黒の世界(ダークネス・ワールド) 作者 天照 評価・意見 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/narikiriitatrpg/pages/448.html
名前・カイン・クールス 性別・男 年齢・21歳 髪型・銀髪、長い髪を一つ結びにしている 瞳色・茶 容姿・上下黒のスーツ、メガネ。顔つきは整っているが目つきは若干鋭い。 細身で身長は180弱くらい。 備考・新任教師 得意技・憎まれ口 好きなもの・???(空欄になっている) 苦手なもの・面倒な事 うわさ1・動物にだけは優しいらしい うわさ2・酔っぱらうと色々凄いらしい
https://w.atwiki.jp/teikokuss/pages/1079.html
クラウディア古人化する、の回。そして「帝國」の古人もインモラルなことでは他の国の古人とそう変わりはしなかった、と。ぶっちゃけ古人の下が緩いのは万国共通なのである。 ゆらゆらとたゆとう中で、ぼんやりと意識が覚醒してゆく。我という存在が曖昧化してゆきつつ、もう一人の我が重ね合わされることで我という存在が明確化されていく。曖昧さと明確さの狭間で、相反する存在が一つの存在である我へと融合し昇華されてゆく感覚。我を我として認識するために必要なもの。それは境界。 まず最初に戻ってきたと感じたのは、柔らかな光を発している天井を認識する視界であった。ぼんやりとした明るさの中で、徐々に自分の肉体の感覚が戻ってくる。肌に張り付く服地、背中を支える寝台の布団、身体を覆っているシーツ、後頭部がうずまっている枕。記憶に無い薬品の臭い。しんとした無音の中で聞こえる心臓の鼓動。それらの感覚を統合させ、結び合わせる。ここに在るのは、わたし。 「意識は覚醒したようね。あなたの名前は?」 「クラウディア。クラウディア・セルウィトス・セルトリア」 右耳に聞こえる声に反応して自動的に言葉が口からつむぎ出される。そう、わたしは、クラウディア。 「自我は順調に確立中ね」 「……施術に問題は?」 「身体的には問題は確認されていないわ。精神的には今精査中。自分という存在に違和感は?」 「……視力が戻るという事はないのですか?」 その問いにクラウディアの右側の空間がゆらぎ、紺色の身体の線を浮き上がらせるような上着とスカートを着用し、白い前掛けを垂らしたアヴェナエ医師が顕現する。 「近眼の事? 戻せなくはないけれども、あなたは無意識的に「目が悪い」と自己認識しているから、今の段階では戻すわけにはいかないのよ。それはあなたという存在を確定するための認識の整合性を乱すから」 「わたしが認識できないわたしが存在し、そのわたしは、自分を「目が悪い」と認識しているから、その認識を乱すわけにはゆかない、ということでしょうか?」 「ええ、その理解で正しいわ。今はあなたという存在を改変された肉体に確定することが最優先事項だから、それ以外のことは全て後回しなの」 乳白色の何も無い部屋の中央に置かれた寝台の上で横になっているクラウディアは、この部屋もそのための装置なのだろうな、と思った。何も無ければ、それだけ五感から入ってくる情報は少なく、まだ安定化していないわたしという存在が、この肉体に馴染みやすくなる。今アヴェナエ医師が現れたのも、彼女という存在を脳が認識できるくらいまで、この肉体にわたしという存在が定着したからなのだろう。 「身体を起こしてみて」 アヴェナエ医師の指示に従って、クラウディアはゆっくりと頭を枕から上げ、両腕を後ろにそらし肘をついて、膝を立て、腹筋に力を入れた。はらりと身体を覆っていた掛け布が落ち、乳白色の木綿の服一枚をまとった上半身があらわになる。肉体の感覚はあっても、まだふわふわとしていて、何か現実感にとぼしい。目の前に持ってきた右手を握ったり開いたりして、この身体が自分のものなのだと理解し納得しようとした。 「では、また横になって」 言われるままに身体を寝台の上に横たえる。全身から力を抜いても身体が浮遊し落下してゆく感覚を感じずにいられる安心感。このまままぶたを閉じて眠りにつく事ができたならば、とても楽になれそうで。 「駄目よ。意識をはっきりさせて」 すかさずアヴェナエ医師の声が飛び、落ちかけたまぶたが上がり、意識が覚醒する。 そう、クラウディアは、眠るためにここにいるのではない。 「さあ、また身体を起こして」 今度は、先ほどよりもずっと意識せずに身体を起こすことができた。 何度も寝台の上で身体を起こしたり横たえたりしてゆくうちに、ようやく全身の隅々まで感覚がゆき渡ってゆく。右手の人差し指を唇にあて、そして歯を立てる。柔らかい。痛い。 「そろそろ大丈夫なようね。では今日はここまでにしましょう。転移するわ」 「はい」 軽く目を閉じ、意識を空っぽにする。そうした方が転移しやすいのだそうだ。 次の瞬間、無数の薬品の攪拌されたような臭い、流れてゆく空気の感触、部屋の外を複数の人間が行き来する音に全身がかき乱される。この感触は、何度やっても慣れることができない。クラウディアは、わずかに意識を緩ませて、五感の感度を鈍らせた。 「慣れつつあるようね」 「いえ、何度感じても慣れることはできそうにありません」 「そういう意味ではないわ。自分で自分の感覚の感度を調整したでしょう? そういう形で環境に適応してゆくことを覚えていることを言ったのよ」 「……そういえば、人間は自分の五感を操作なんてできませんでしたっけ。ここにいると、そんな当たり前の事すら忘れてしまいます」 「仕方が無いわ。だってここは、そういう場所なのだもの」 今日はもう帰っていいわよ。そうアヴェナエ医師に言われたクラウディアは、下着肌着を身に付け、黒い詰襟の服を着ると、アヴェナエ医師に一礼して部屋を出て行った。 正直、下着を穿く時から股間のものの感触に違和感を感じなくなっていることに気がついて、自分も随分と慣れたものだと思う。今こうして歩いていても、前ほど歩きにくいということもなくなった。自分が身体に慣れたのか、身体が自分に慣れたのか。 ようやく自分が喉が渇いていることに気がついて、クラウディアは、部屋に戻る前に一度食堂に寄ってゆくことにした。 アヴェナエ医師の診察室は、モリアの地下都市の中では比較的上層にある。彼女の研究室そのものは、ここモリアのはるか深いところにあるのだそうだが、そこへは転移することでしか入ることができないそうである。導師達は自分の研究室を物理的にも魔術的にも外界と隔離する事で、魔術行使の際に邪魔な雑音が混ざることを防いでいるらしい。 クラウディアを女性から双性へと変化させる措置も、そうした隔離された空間で行われているようである。断言できないのは、施術が行われている間は、彼女の意識は眠っていて、転移した先については一切判らないからである。施術の前後は、必ずあの乳白色の空間に転移して事前措置を行ってから眠りにつき、覚醒してから自分自身を再認識してから元の診察室へと転移して戻る。その繰り返しの毎日。そういえば、ここもリアに来てから何日経ったのだろうか。 「おつかれさま。今日はどうだった?」 「うん。昨日と同じ。でも、段々と慣れてきている気はする」 適当にあいている席につくと、その向かいにお茶の入ったマグカップを二個載せたトレイを持ってカインが座る。食堂の時計が示す時間は14時。昼食時が大体終わったあたりのようで、食堂には人影もまばらであった。 「カインは?」 「課題として出された本を読んでる。ここの図書館はすごいね。学術魔術関係なら「帝都」の元老院図書館よりも充実していると思う」 「そっか。いいなあ、わたしもずっとここで本を読んで過ごしたい」 両手をマグカップをはさみ、湯気があごにあたる感触を楽しみつつ、二人でお茶をすする。 「クラウディアは本当に本が好きだね」 「君も本は読むよね?」 「僕は、読まないといけないから。正直に言うとね、読みたいと思って読んだ本って、数えるほどしかないんだ」 「それは、多分かなり損をしているんじゃないかな? でも、機会はくると思うよ」 自分より歳下なのに、宗主として傾いた一門を支えねばならなかったのだ。他の子供たちよりも少し早く大人にならなければならなかった。そういう子は「学院」にもいた。あの背の高い綺麗な彼女は、今はどうしているのだろう? 「そうだね。……北方が安定すれば、落ち着ける時間も持てるだろうし」 お茶で唇を湿らせたカインが、そう少し寂しそうに笑う。その笑顔に胸がしめつけられるような気持ちになって、そして、身体がうずく。そんな自分を気づかれたくなくて、クラウディアは話題を変えた。 「そういえば、カインは、趣味は持ってるの?」 「趣味? うん、楽器を弾くのは好きかな。音楽も好きだよ。……演奏会か、ゆきたいな」 「そうなんだ。ちょっと残念かな」 「どうして?」 「わたしは、歌も楽器も全然駄目だったから」 クラウディアは、「学院」時代の友人らの顔ぶれを思い出して、少し寂しそうに笑った。歌が好きで、音楽が好きであった彼女達。その輪に入れず寂しさを覚えていたのも、今では懐かしい。 「そう」 少し困った様子で微笑んだカインが、それ以上は言葉を続けなくて、それは自分を気遣ってくれたからだと判るから、それが嬉しい。そして、その嬉しさが身体をうずかせる。なんてはしたない身体になってしまったのだろう。自分を想ってくれている皆も、いつもこんな気持ちを押し隠していたのだろうか? 「……部屋、戻ろう」 「……うん」 二人はマグカップに残ったお茶を飲み干すと、食器を戻して食堂から出ていった。 さらさらと服を脱ぐ衣擦れの音を背中に聞いて、カインは心臓がひときわ大きく鼓動を打った感覚に唾を飲みこんだ。互いに相手の着替えは見ない、という約束になっているから、振り返りはしない。だが、それだけに脳内ではクラウディアが服を脱いでゆく姿がありありと想像されてしまう。 カインは、急いで詰襟の服を脱ぎ、シャツも脱ぐと、下着姿になって寝台のシーツの中にもぐりこんだ。そしてクラウディアに背中を向けたまま、彼女がシーツの中に入ってくるのを待つ。彼女がシーツの中に入ってきたのは、すぐあとであった。そのまま互いに背中を合わせて呼吸を整えた。 「クラウディア?」 「……うん」 かき消えそうな声が返ってくると、カインはもぞもぞとシーツの中で身体の向きを変えてクラウディアを背中から抱きしめた。彼女も薄布の肌着と下穿きだけで、互いの体温と体臭がはっきりと感じられる。彼女の身体に回した両手を、彼女の手の平に重ねて、しばらく互いに互いの温もりを感じあう。 「……もっと背が低かったらよかったのに」 「すぐ、僕が伸びるから」 「ううん、そうじゃなくて、その、もっと可愛くなりたかった」 恥ずかしさを隠そうとして、そんな事を口にする彼女が限りなく愛おしい。彼女を抱きしめる腕の力を強めると、彼は互いの腰を密着させ、彼女のうなじに鼻先をすりつけた。 「今でもこんなに可愛いのに」 「……でも、背が低い方がもっと可愛いと思う」 「僕は、背の高い女の子が好きなんだ。それに、年上で、眼鏡が似合うなら、もう完璧なんだけど」 「……本当に?」 「うん。実は、今すぐにでも結ばれたいくらい。早く許しが出ないかって、そればっかり考えてる」 「……もう」 クラウディアの身体から緊張が解けたのを感じると、カインはそっと両手を動かして彼女の身体を布越しになでた。 「……ん」 「女の子って、柔らかいよね」 「筋肉、ついてるけど」 「でも、こんなに柔らかいよ?」 下げた手の平で、クラウディアのへその上あたりを少し強めに押す。彼女が少し力を込めたのか、カインの手の平は弾力で押し返された。 「……莫迦」 「うん」 身体をなでられるたびに、もぞもぞと動く彼女の感触がカインの熱く硬くなったものを刺激し、彼の体温を高めてゆく。互いの息がだんだんと荒くなっていって、それにあわせて彼の手も遠慮がなくなってゆく。 二人はそうやって互いをまさぐりあいながら、夕食までの時間を過ごした。 「……古人って、いつもこんな感じを我慢しているんだ」 「人によると思うけど、でも性欲が強いのは確かだと思う」 クラウディアは、シーツの中から右手を出してそこに粘りついている淫液をしげしげと見つめた。それが何か気がついたカインは、真っ赤になって彼女をにらみつけた。 「……ふきとりなよ」 「男の子って、大変だよね。こんなにべたべたなんだ」 「恥ずかしいなあ、もう」 真っ赤になっているカインのことをにやにやしながら見つめると、クラウディアは右手の白濁した粘液を丹念になめとり始めた。唖然としてそれを見つめている彼の前でそれを舌できれいにしてしまうと、彼女は彼の鼻先を舌でなめた。 「変な味」 「仕方ないだろ、その、……そういうものなんだから」 「でも、カインのなら、平気かな」 真っ赤になってもにょもにょしているカインを、クラウディアはそっとその豊かな胸の中に抱きしめた。肌着越しにも彼の呼吸を感じられて、こそばゆさと気持ちよさで嬉しくなる。 そっと彼の頭をなでながら、クラウディアはささやいた。 「わたしのはどんな味なのかな?」 「そんなの、わかんないよ」 クラウディア自身のは、まだ用を足すのにしか機能していない。触れられても気持ちよいが、だがそれだけである。 「わたしは、これからもっといやらしくなってゆくと思う。それでもカインは許してくれる?」 「そうなったら、これまで我慢してきたのをやめるだけだから」 「女の子、苦手じゃなかったんだ」 「苦手なだけで、嫌いじゃない。もう、すごいいやらしいこととかするから。ごめんなさいって言ってもやめないよ?」 「うん。……楽しみにしてる」 カインもクラウディアの背中に手を回してきて、抱きしめ返してくる。 二人は、そうやってずっと互いを感じあっていた。 「さて、お二人に来てもらったのは、多分予想通りです」 カインとクラウディアがモリアに来てから二十日間が過ぎた。その間にカインは魔道や魔導といった魔術についての造詣を深め、クラウディアは双性者である自分に慣れていった。そして、とうとう二人がそろってアヴェナエ医師の元呼び出される日がきた。 「カイン君が魔導の相に覚醒しなかったのは残念ですけれども、まあこの短期間で覚醒されていたら、逆に大問題になったでしょうからそれはそれでよしとしましょう。その「石」は差し上げますから、これからお教えた通りに認識を深めていって下さいね」 「はい」 「クラウディアさんは、よくこの短期間で双性者としての自己を確定しました。正直、予定よりも十日近く早かったわ。お疲れ様でした」 「ありがとうございます」 書類挟みをぱたんと閉じたアヴェナエ師は、あらためて二人に向き直った。 「さて、二人とも身体と心の準備はよいかしら? 一応双性者同士の性交渉について、一通りの事は教えましたけれども、実践してみないと判らないことがほとんどです。性交渉は、その通り互いの身体をつかったコミニュケーションよ。言葉で会話する時にも、表情や手振り身振りを交えるように、性交渉も、身体だけのものではないから」 「「はい」」 「最初の一週間は、二人で色々試行錯誤してみてください。その経験を元に私からアドバイスしますから。それから私も実践で色々と教えてあげます。ま、三人でというのも恥ずかしいでしょうけれど、すぐに慣れるわ」 「「え?」」 「言ったでしょう? 貴方達の性教育の実践も、私が担当するって」 いたずらっぽく微笑んだアヴェナエ医師に、カインもクラウディアも、ぽかんと口を開いてその言葉をなんとか理解しようとしている様子である。さすがにこれは二人とも想像の埒外であったようである。まあ、普通はそうであろう。いくら未経験者同士とはいえ、婚約者同士の交わりに割って入ろうというのであるから。こんな無粋な真似は普通ならばありえない。 「大人の古人というものがどれほどのものか、しっかり勉強していってね。「古人娼で城が建つ」というのは、伊達ではないってこと」 だが、魔導師であるアヴェナエ医師にとっては、そうした一般常識を通用しないようである。片目をつむった彼女は、本当に二人と関係を持つ事を楽しみにしている様子であった。