約 3,180 件
https://w.atwiki.jp/shintouroku/pages/423.html
Ore-rugeiyuオーレ・ルゲイエ夜魔デンマーク----------出典----------民間伝承、アンデルセン童話 デンマークの夢魔の一種。 アンデルセンの童話に登場する眠りの精。 壮年の男性や、道化師の姿で現れる。足音を立てないよう靴下だけを履いており、必ず手に傘を持っている。 良い子には楽しい夢を、悪い子には退屈な眠りや悪夢を見せるとされる。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/6454.html
427: フィー :2020/10/02(金) 23 16 21 HOST KD106158246105.ppp-bb.dion.ne.jp 萌えと燃えのミーム。何時もの憂鬱ムーブでとても安心。 でもここは漆黒世界。 そして相対しているのは漆黒の合衆国なんだよね。 「この報告書は本当の事なのですか?」 俄かには信じられないと、何かの間違いであって欲しいと思いながらも壮年の男は報告者に確認する。 「残念ですが、全て確認が取れています」 それに答える報告者は沈痛な表情のままさらに続けた。 「資料にもあるように米合の上流・中流階級の初等教育に絵や漫画を多用した教科書が確認されています。楽しく学べて、覚えやすい。学習速度が上がったと評判も良いようです」 ここまでなら日本でも少なからず行われている。合衆国のように全面的に使用するような状態にはなっていないが有用性は分かっていることだ。 「米合はこちらの同人誌や商業誌から得た知見をフルに用い、自分の利益ではなく公共の利益を優先するよう、合理的に判断し最大利益を得るにはどうするか、諸外国の体制に比べいかに米合の体制が効率的かをあらゆる場所に仕込んでいます」 「娯楽用の書籍にもその形跡が見られます。例えば、こちらはよくある大切な人とその他大勢を天秤にかけてどちらを取るかという選択を突きつけるものですが、大切な人を選んだ結果大規模な被害を出した上げく選んだ相手も死んでしまう展開となっています。さらに、こちらも、こちらも、こちらも!多かれ少なかれ同様の思想誘導が見られるのです!」 報告を受けていた壮年の男は興奮する報告者を宥めるように問いかけた。 「いや、しかしそれは話の展開として我が国の書籍にも同様な物はいくつも有るでしょう?確かに影響は有るかもしれませんがこの手の思想教育はあの国の国是とも言える物。今更気にしすぎても仕方ないと思いますが」 「いえ、これだけでしたらおっしゃる通り少なからず今までの延長です。逆行者が書いた物から未来の知見を透かして学ばれたとしても許容範囲ですがもう一つの方、我が国のSFや戦記物、挙句にファンタジー作品に登場する技術や発想を流用された技術開発が進んでいることの方が大問題なのです」 これには報告を受けていた男も痛む頭に手を当て同意せざるを得なかった。 「まさか娯楽作品をまともに正面から解析するとは。たしかに、考えてみれば我々の作った書籍には多分に未来の発想が含まれています。大半はモノに成らないでしょうが一部は実用化されてしまうのでしょうね…」 報告者は頷きながら続ける。 「これの性質の悪い所は対策が打てない事です。国内の創作活動を制限するなど完全に自分の首を絞めることになりますからできませんし、流出を制限しようにも物が一般流通品では絶対にどこかから漏れます」 深くため息をつきながら壮年の男は窓の外を遠い目で見る。 「我々はただ、自分たちが楽しむために、そして多くの人が楽しめる様に娯楽分野の発展を願っただけなのに、どうして…」 合衆国はいつもあなたを見ています。 全てを学習し力を蓄えいつか北米大陸を統一することを目指して。 429: フィー :2020/10/02(金) 23 19 26 HOST KD106158246105.ppp-bb.dion.ne.jp 久しぶりに書いたのがコレなのもどうかと思いますが、 前の議論にも出てましたがこんな感じですよね。 タイトルとしては「漆黒世界の娯楽業界」で。 では、また名無しに戻ります。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/161.html
八日目 ゆっくり霊夢はぬくもりに包まれていた。 それにぽかぽかと暖かい。 まるで、お母さんにくっついて眠っているみたいだ。 「お母さん……」 呟くゆっくり霊夢の黒髪を優しく梳く、柔らかな手のひら。 頭を撫でてくれるその手はとても暖かで、ゆっくりとした気分にしてくれる。 でも、霊夢の頭に浮かぶのは疑問。 手のひら? 「お母さんじゃない……」 違和感を感じて、ゆっくりと目を覚ます。 霊夢は自分が見知らぬ場所にいることをすぐに理解した。 燃え盛る暖炉と、その炎の色に彩られた調度品、特に品のいい棚にずらりと並べられた人形たち。 「あら、目が覚めたの?」 頭上から囁きかける女性の声に、霊夢はそっと上を見上げた。 綺麗な女の人が霊夢をのぞきこんでいた。 少女らしさを残す青い服とカチューシャが可愛らしい。絹糸のような金色の髪は暖炉の炎を映してほんのり赤みがかっていた。 アリスだった。 ゆっくり霊夢を膝の上にのせて、その頭を撫で続けている。 どっかで見たような。でも、思い出そうとするアリスの手のひらが優しく頭をなでつけて、いまいち思い出せない。 「おねえさん、誰? ここは天国なの? おねえさんは天使?」 思いつくままに話しかけると、アリスはくすくすと笑い出した。 「天使なんて嬉しい間違いだけど、残念ながら違うわ。私は魔法使い。そして、ここは私の家よ」 魔法使い? ゆっくり霊夢の疑問に答えるかのようにアリスが指を鳴らすと、棚から人形が一体、ふわりと動き出す。 「ゆっ!」 驚いて叫んだゆっくり霊夢の前に差し出されたのは皿に盛られたクッキー。香ばしい色にふっくらと焼きあがっている。 「おなか、空いてないかしら?」 「う、うん!」 言われるまでもなく、ぺこぺこだったお腹。 頭からお皿つっこんで、ばりばりと貪る。 「うっめ!!! メッチャうっめこれ!!!」 床に欠片を撒き散らす犬食いだったが、アリスは気を悪くした素振りもない。 「ごちそうさま!」 「どういたしまして」 ぺろりと平らげた霊夢を優しげに見つめた。 すると、人形がまた一体とんできて、空になったお皿を下げていく。 霊夢はその姿を見て、ようやく自分を井戸から救い上げた天使の正体に気づいた。 「おねーさんが、助けてくれたんだね、ありがとう!!!」 「一応はそうなるわね。でも本当にお礼を言う相手は私じゃないわ」 ちらりと、部屋の隅に視線を向けるアリス。 霊夢はその視線を追って、そこでおとなしくしているゆっくり魔理沙に気がついた。 井戸の中の魔理沙かと、霊夢は思わずアリスの膝を飛び降りて魔理沙の元へ転がっていく。 「まりさ! ……あれ、でも、違う」 すぐに気づいた。井戸の中で一緒に苦しみながら生き抜いた魔理沙じゃない。別の個体。アリスの飼うゆっくり魔理沙は、なぜだか泣きそうな表情で縮こまっていた。 霊夢は自分のほっぺたを見る。魔理沙が繋がっていたその部分には、押し当てられたガーゼと包帯。魔理沙の姿はいなくなっていた。 どこにいったのだろう。ハテナが浮かぶゆっくり霊夢。 「あなたと一緒にいたゆっくり魔理沙は治療中よ」 その様子を察して、アリスが説明をしてくれる。 「治療中?」 「そうよ。ゆっくりと治さないといけないの。私たちがお見舞いにいくとゆっくりできないから、治るまでゆっくり待ちましょう」 あの魔理沙の様子を思い出して、霊夢は納得してしまう。 いますぐ会って、助かった幸せを分け合いたいけど、それは後でもできること。 でも、一目会わせてくれてもいいのになとアリスをちらりと見るが、相手は命の恩人。言い出すのも気がひけた。 アリスはじっとゆっくり霊夢を見つめている。 「どころで、あなたはこれからどうするの?」 「ゆ?」 「まだ体が相当痛んでいるはずよ。うちに元気になるまでいてもいいのだけど」 アリスの言うとおり、疲労の蓄積からゆっくり霊夢の体はずっしりと重くて激しく動くと倒れこんでしまいそう。 優しいアリスに、おいしいお菓子、暖かい家。アリスの優しい提案に従うのも悪くなかった。 けれど、今は一刻も早く会いたいのは心配させているお母さん霊夢。 「ありがとう、おねーさん! でも、うちにかえるね!」 「そう」 予想していた答えなのだろう。アリスは簡素な相槌を返して、椅子から立ち上がる。そして、廊下へ続く扉をあける。 その向こうには外へと通じる玄関が見えた。 「ゆっくりしてもらえないのは残念だけど、そういうことなら仕方ないわね」 微笑みかけてアリスに促され、ゆっくり霊夢は外へ進みだす。 玄関の扉を開くと、そこには小春日和の秋の光景。 直接感じられる自然に、霊夢は心の底から外に戻ってきたことを実感する。 そして、一刻も早くこの大地が繋がる母親の元へ、家族の元へ帰りたい。 「おねーさん、そっちの魔理沙、助けてくれて本当にありがとう! また遊びに来るからね、ばいばい!」 気ぜわしいお別れの言葉を残して、草原へ駆け出すゆっくり霊夢。 背の高い藪の向こうに見えなくなるまで、アリスは手をふっていた。 見送ってから、足元のゆっくり魔理沙を両手で抱えあげる。 魔理沙はされるがままに身動き一つしない。 「あなたのお願いどおりにしてあげたわ。よかったわね」 だけど、アリスの言葉にとうとうこらえきれず、震え始める。 ゆっくり魔理沙の頭に浮かぶのは、呆然とした表情で井戸の底へ消えていった同種の最期の姿。 「どうじでっ! ゆっぐり魔理沙の方をだずげでぐれながっだのおお!」 「あら? 二匹ともって言わなかったから、一匹だけ助けてということだと認識していたわ」 出来の悪い弟を叱る姉のような口調で、ゆっくりを諭すアリス。 あんぐりと、魔理沙は口開いて自分の過去の言葉を思い返す。 「だめよ、言葉は正確に使わないと。あなたの言葉が、お仲間を一匹殺しちゃったじゃない」 「あ゛あ゛あ゛……」 もちろん、アリスの単なるこじ付けだが、ゆっくり魔理沙は衝撃のあまり目を見開いて言葉を失っていた。 「しっかりして、魔理沙。それとも、水浴びする? 目がさめるわよ」 ぴくりと、魔理沙の体が反応する。 「今回の魔理沙は長持ちしているからあまり使いたくないけどね」 「いいい、やあああ、だああああああ!!!」 泣き叫ぶ魔理沙の声に、うっとりと頬を赤らめて抱きしめるアリス。 本当に井戸に沈めて、その絶望の声を聞かないと満足できなくなるまであとどれほどだろうか。 遠めには、仲睦まじくみえる一人と一匹ではあった。 一目散に帰路を急ぐゆっくり霊夢。 地面を踏んで、自分の意思のまま前へ進める幸せ。 疲れきった体も、いまはその喜びに昂ぶっていた。 絶え間なく弾み続け、家族の待つ家まあと一息。 目の前にはっきりと見えてきた懐かしい光景に、霊夢の胸が熱くこみあげてくる。 「ゆっくりーっ!」 何処までも届けとばかりに、高らかに声を張り上げた。 時をおかず、藪をかき分ける複数の音。リズミカルに弾むゴムまりのよう響き。 「ゆっくり帰ってきたっ!」 「ゆーっ!」 「ゆっくりしすぎだよ!」 霊夢の姉妹たち5匹が姿をあらわす。 驚きと喜びに、ぼよんぼよんと飛び跳ねる姿も軽やか。 その姉妹たちを前にして、霊夢は立ち尽くしていた。見つめる先には、姉妹の後方からゆっくりやってくる大きな 膨らんだ姿。お母さん霊夢だった。 「ゆっ! ゆっ!」 いつものように体を揺すりながら近づいてきて、霊夢へ向ける優しい眼差し。 全身を重くのしかかるような疲労に耐えて、ずっと気を張って堪えてきた霊夢もとうとう崩れ落ちる。 大きくてふくよかな体が、霊夢の体を支えていた。 「お゛っ、お゛があ゛ざーん!!!」 赤子のようにお母さん霊夢にかけよって、びったりと体をよせる。 そのまま、わんわんとひたすらに、この七日間の悪夢を洗い流すかのように泣きじゃくった。 「ゆっくりくっついていってね……」 「ゆっくり泣いていってね……」 「ゆっくりしていってね……」 釣られて滂沱の涙を流す姉妹たち。よりそって、一団にかたまる饅頭たち。 草原に響く幸せそうな嗚咽。 風切り音を鳴らす木枯らしですら、今は不思議と暖かい。 「あのね、ひどいところでゆっくりしてた……」 自分がどんな体験をしてきたか伝えようとして、井戸の底で感じた恐怖を思い起こして言葉に詰まる霊夢。 言わなくていいとばかりに、お母さん霊夢の肉厚のほっぺたがゆっくり霊夢の唇に押し当てられる。 みんなの中にいると、もうあの悪夢は完全に終わったのだと今更ながらに強く実感できた。 積み重ねられ、心を押しつぶしていたストレス。それらが今、解けて消えていく。 みんなの体温を感じながら、霊夢はアリスの家の暖炉のぬくもりを思い出していた。 「あのね、魔法使いさんに助けてもらったの」 ゆっくり霊夢の言葉に、向かい合っていたゆっくり姉妹が小首を傾げる。 「魔法使いさんって、あのおじさんたち?」 「ゆ?」 何をいっているのと、ゆっくりたちの視線を集めるが、当のゆっくり霊夢はきょとんとした表情で、前を見つめている。 その視線を追った。 そこには、穏やかそうな年配の男を先頭に、体格のいい壮年の男と、痩せた青年の三人がこちらへ近づいてきていた。 年配の男は愛想のいい笑いを浮かべて、片手をこちらへ陽気に振っている。 「どうも、どうも」 「ゆ?」 男の言葉に顔を見合わせるゆっくり霊夢姉妹と、ゆっくりお母さん。 誰の知り合いだろう。 視線を交わしあってガヤガヤと確認しあい、ようやく誰の知り合いでもないと判明したとき、男たちはあと十歩ほどの距離まで近づいていた。 「おじさんたち、だれ?」 「ゆっくりしにきたの?」 ゆっくりたちが口々に問いかけると、その歩みをとめて三人は視線を交錯させる。 よく見ると、男たちは妙な格好だった。 三人とも大きな篭を背負っている。野草を摘みにきたにしては、あまりのも大きな篭。それに、持っている棒も不思議だった。 棒の先に針金が輪の形にのびている。 痩せた青年が手持ち無沙汰に棒の中ほどを握ったり話したりしているが、そのたびに針金の輪はきゅっと締まったり、広がったりと動いている。 おそらくは、その輪に獲物をひっかける狩りの道具だろうか。だが、いのししや熊を捕らえるには少し貧弱な構造だった。 輪の大きさも中途半端。あれにすっぽり収まるのは、ゆっくりたちぐらいのものではないか…… ひっきりなしに道具をいじってゆっくりの注目を集めていた痩せた青年の肩を、となりの壮年の男が軽く叩く。 「目の前ではやめろ」 「あ、すいません、主任」 青年はばつの悪い笑顔で上司に謝る。 年配の男の背後で、こそこそと言葉を交わす二人だった。 ちらと年配の男が後ろを見やる。一瞬、男の眉間に筋が走って二人の会話を止めるが、向き直ったときには完璧な笑顔が張り付いていた。 ほのかに漂いはじめる不穏な気配。 まず、男たちの不審さにはっきり気づいたのはお母さん霊夢だった。 「ゆっ!」 短く強い声をあげて、子供たちを家の方へ押し流す。 逃げろという合図。 だが、お母さんどうしたのときょとんとしたゆっくりもいて、動き出そうとしない。 お母さん霊夢はほとんど体当たりに近い仕草で再び娘たちを突き飛ばした。 「ゆっ!!!」 「うっ、うあああん!」 鬼気迫る声に追い立てられるように走り出すゆっくり姉妹たち。 せっかく、お母さんの体にもたれ疲労を癒していた霊夢も逃げていく。 あんまり驚いたのか、姉妹のうち最も幼いゆっくり霊夢が一匹だけ家とまるで違う方向へ走り出したが、追いかけて連れ戻す余裕は無い。 重いからだをのったりのったり跳ねながら、体に鞭打って走っていく。 人間たちは、しかしすぐに動き出そうとはしなかった。 「よし、はぐれたのは私が追う。お前たちは残りを追い込め」 てきぱきと指示を飛ばして、年配の男は幼いはぐれゆっくりを探して森の奥へ歩き出す。 小走りですらない悠然とした足取り。 「了解」 「わかりました」 短く答えた壮年の男と青年もかけだすようなことをしなかった。 ゆっくりたちの消えた方角へ連れ立って進みだす。 草むらのを必死にぴょんぴょんと跳ねながら逃げるゆっくり。その草陰から覗く頭を視界にとらえて、男たちは追い込みを開始した。 家族からはぐれた幼いゆっくり霊夢。 しかし、それは悪い選択ではなかったかもしれない。 ゆっくり霊夢が逃げ込んだのは森の中。 視界を遮る木々、足元に生い茂るシダの一群。隠れられるスペースは沢山あった。 ましてや、幼く小さな体なら、見つけ出すのは困難を極めるだろう。 森へ霊夢を追いかけてきた年配の男は、こっちを自分が受け持って正解だった安堵する。 この男がゆっくりに関わったキャリアは、この奇妙で愚かな生き物が幻想郷で発見されてからの年月とほとんど同じ。 男は最も手馴れていた。 年配の男はゆっくり霊夢の小ささから齢を割り出し、その性向を経験則から探り出す。 ゆっくり霊夢が消えた場所で大きく息を吸った。 「もういいかーい?」 それは、童遊びかくれんぼの鬼の言葉。 森の中にわんわんと響いて、やがて静まり返る。 男はすぐ様、用意していた次の言葉を森の奥へ投げかけた。 「じゃあ、探すぞー!」 「まっ、まーだだよ!」 幼いゆっくりの声が右前方から聞こえて、年配の視線を引く。 男の歩き方が代わった。 爪先立ちに、柔らかな草の上を音もなく進む。 「もういいかーい」 「まーだだってば! ゆっくりしてね!」 アクティブ・ソナー代わりの呼びかけに、怒ったようなゆっくり霊夢の返事。 男は完全にあたりをつけ、周囲で最もよい枝ぶりの樫の木へ向かった。 悠々とそびえたつ巨木。 その幹にぽっかりとあいたウロを塞ぐ、黒い物体が一つ。 ウロに逃げ込もうとして、顔がはまってしまったゆっくり霊夢。 男はその背後に寄り添うように立つ。 「もういいかい?」 年配の男は静かに降伏を促す。 「ひっく……まあだだよおおおおお!」 鼻をすするゆっくりを、男は優しく抜き取った。 両手に抱えられていやいやをするゆっくり霊夢。 「まだなのにいいい! ゆっくりじでよおおお!」 泣き叫ぶゆっくりを力任せに押さえ込んだりはしない。 片腕でそのぷよぷよの体を確保すると、空いた手でゆっくりを優しく撫でる。 「よしよし、それじゃあお母さんのところに行こうね」 「お、おがあざんのどごろお?」 「ああ、あの後誤解が解けてね。君を探して欲しいと頼まれたんだ」 途端に、ぱあと花咲くようなゆっくりの笑顔。 悪い人に捕まったという現実より、本当はいい人に助けてもらって家に帰れるという夢想。幼い心は、もっとも幸せそうな答えに飛びついてしまう。 全て、年配の男の睨んだとおり。 「おじさん、早く帰ろうね!」 「よし、一緒に帰ろう」 年配の男とゆっくりは、仲良くゆっくりの巣穴へと続く帰路を急ぐのだった。 「主任。野生のゆっくりの巣って、初めて見ましたよ」 「俺も初めてだ」 青年と壮年の男性が、深い藪の奥ひっそりと隠れていた横穴を感慨深げに見つめていた。 ゆっくりと同じ地面を這う視線でなければ見つけられない、ゆっくりが最もゆっくり出来る場所。 しかし、もはやそこはゆっくりたちのスウィートホームではなかった。 二人の男が見つめる前で、横穴の入り口を外からぴっちり自らの体で塞ぐのはお母さん霊夢。息を吸い込みぱんぱんに膨らんだ顔。それをぎゅぎゅうと家の入り口につっこんで、中の様子はまるで伺えない。 耳を澄ますと、かすかに漏れてくる娘たちのゆーゆーという怯えた声。 年配の男の読みどおり、逃がして泳がせたことは正解だった。 その巣の中には、家から出るにはまだ小さな霊夢の姉妹を含めて、ほとんどが揃っているようだ。 一匹逃げ出してはいたが、二人の上司である年配の男が追ったのだからもう捕まっているころだろう。 ここは、まさにゆっくり一家の最後の砦。 決死のゆっくりたちにも対して、男たちの声はのんびりとしていた。 「あんな育ったゆっくり霊夢も初めてですよ」 家の出入り口を塞いで、蟻一匹も通すものかと踏ん張るお母さん霊夢。青年はその後ろ姿を指差していた。 壮年の男は腕を組んだまま、その巨体を見てため息を吐き出す。 「俺は前に捕まえたことがある。何度でも使える繁殖の母体として重宝できると思ったんだがな……」 「あ、いい考えっスね」 男の呟きに、痩せた青年は軽薄そうに賛意を示す。 「けどな、種付け役のゆっくりアリスがあまりにも貪欲すぎて何回ももたなかった。他の種と自然交尾を試みても時間がかかりすぎるということで、結局は普通の魔理沙や霊夢、みょん、ちぇん種をアリスに襲わせた方が効率がよかったんだよ。せっかくの提案も、ボツっちまった」 恐らく、ボツとなったのは男のアイデアだったのだろう。忌々しげにお母さん霊夢を見下ろす。 「本当に使いようが無いゆっくりだよ、こいつは」 壮年の男の言外に満ちた苛立ち。 青年は逆らわない方が賢明だと目ざとく気づく。 「確かに。あんなでっかいと加工用の台にもはまらないですし、あれはかなり歳をとっているんでしょ。中身に老廃物が混じって食中毒なんか起した日には、うちは傾きますよ」 なるべく、同僚の意向に沿う言葉を並べる。 「傾く前に、俺たちがあの人にぶち殺されるだろうけどな」 壮年の男は、年配の男が消えていった方向をちらりと見た。 「こええ」と、青年はわざとらしく肩をすくめてみせる。 その仕草がよほど滑稽だったのか、壮年の男はいかつい顔にニヤリと精悍な笑いを浮かべた。 「よし、じゃあやるぞ」 言うなり、担いでいた篭を地面に下ろす。 そのまま、篭の中に入れていた木の棒を取り出す。 肉屋が肉を柔らかくするための肉叩き棒。それを棍棒サイズまで大きくしたようなものを両手で掴みあげていた。 男の目線の先には、後ろを向いた膨れゆっくりの姿。 男は静かにその棍棒を振り上げようとしていた。 穴の中。ゆっくり霊夢たちは息を潜めている。 井戸に引き続いて、狭い空間に閉じ込められていたゆっくり霊夢。 だが、あれほどの悲壮感は感じていなかった。 家族がこれほど近くにいて、守ってくれるお母さんがいる。穴の中へやさしい微笑を浮かべていてくれる。 それがどれほどみんなの心を支えてくれることか。 いつもお母さん霊夢はそうやってみんなを守ってくれた。 蛇や野良犬に襲われたときも、相手が諦めるまでてこでも動かなかったお母さん。 今回だって、きっと大丈夫。 だから、家の中で大きくなるのを待っている、まだ手のひらサイズの幼い霊夢たちも怯えてはいなかった。家族がほぼ全員集結したことが何かのお祝いと思ったのか、楽しげにぴょんぴょんとのみのように跳ね回っている。 「ゆっくりおねーちゃん、ひさしぶりー!」 自分にまとわりつく幼い霊夢たちが可愛らしい。 ここは井戸の中とは違う。きっとなんとかなるはず。 霊夢が希望にすがりつこうとしたその時だった。 ぺったん。 餅つきのような重い音が響く。 「ゆっ!」 お母さん霊夢の笑顔が、ぶるんぶるんと波打った。 「おかあさん!?」 駆け寄るゆっくり霊夢たち。 だが、傍によるまでにお母さん霊夢は元の笑顔。 「ゆっ! ゆっ!」 何事もなかったかのような顔で娘たちを安心させようとしている。 しかし、外の方で明らかに何かがはじまろうとしていた。 「よっ」 軽妙な掛け声とともに棍棒が振り下ろされる。 棍棒の向かう先は、後ろを向けて娘たちを守るゆっくりお母さん。 そのふくよかな体に棍棒がめりこみ、餅つきのような重い手ごたえが手首に響く。 お母さん霊夢はぷよんぷよんと、その衝撃に体を波立たせるが一向に動こうとはしなかった。 男は棍棒を再び振り上げ、まったく同じ場所にもう一度振り下ろす。 小気味いい打撃音が響いて、ゆっくりお母さんの体が波立った後も、苦痛からかぷるぷると震えていた。 「慣れてますね」 感心したような青年の言葉に、男はその手を止める。 「加工所ができたときは、みんなこうやって餡をひりだしていたんだよ」 言いながら、再び振り下ろす。 「ぷぷっ!」 短い、これまで聞いたことのない音がゆっくりお母さんから鳴った。 「お前も覚えておけ。これが聞こえてきたら、そろそろってことだ」 頼りない後輩に、知らず実地指導に熱が入る壮年の男。面倒見のいい人柄がにじみ出るほほえましい光景だった。 わざと青年に見えやすいよう、ゆっくりと振りかぶる。 野外教習の教材はゆっくりお母さん。 ぷっくりと背中が赤黒い痕が浮かび上がっていた。 巣の中では緊張が増していく。 「ぷぷっ!」 空気が抜けるような音が母親の口からもれて、ゆっくり霊夢たちは色めき立っていた。 「……ゆ!」 だが、お母さん霊夢の満面の笑顔は変わらない。 ただ、顔に脂汗がじんわりと浮かんでいた。 「おなかいたいの?」 青ざめる霊夢姉妹の間を抜けて、幼い豆霊夢がお母さんの傍によりそう。 笑顔をその幼い豆霊夢に向けようとしたその時、何度目かわからない重い振動が襲ってくる。 ゆっくり霊夢たちは聞いた。水風船をつぶしてしまったときのような、ぷっしゃあという水っぽい破裂音を。 そして見た。ゆっくりお母さんの口から吹き出す餡子の濁流を。 「ゆううううううう!」 幼いゆっくりが押し流されて横を転がり過ぎていくが、霊夢たちは母親から目を離せない。 盛大に餡をまきちらして、口の端から餡の流れた跡、目からはぼとぼとと餡の涙。 満面の笑顔。 「お、お゛があ゛ざーん!!!」 餡子まみれになった霊夢たちの絶叫が、狭い家の中を幾重にも反響していた。 「お、手ごたえあり」 男が嬉しげに呟いたとおり、あれほど頑強に出入り口を塞いでいたゆっくりお母さんは、ふにゃりと体を歪ませていた。 次第に、男の棍棒を振り下ろす手つきが、大降りから小刻みなものに変わっていく。 「あとはこう、均等になるように叩いていけばあらかたの中身が吐き出されていく」 叩くたびに、ぷっ! ぷっ! と噴出す餡子の音。ゆっくり霊夢たちの悲鳴。 やがて、ほとんど均されてまっ平らとなる。もう、巣への侵入を遮るものは何も無い。 「後はお前がやれ」 「あー、汚れそうな仕事は僕ですかー」 主任の命令に、おどけたような苦情を言って、巣の中を覗き込む青年。 いつの間にか絶命したゆっくりお母さんを踏みつけ完全に餡子を噴出させると、うわんうわんと泣き叫ぶ餡子まみれのゆっくりたちが見えた。 餡に服が汚れるのも厭わず青年は顔を巣へつっこむ。 母親の死に様に我を失っているうちに、完全にふさがれたゆっくりたちの逃げ道。 「ちっこいのを含めて、七匹はいますね」 後は捕まえるだけとばかり、男は無造作に中へと手を伸ばす。 巣の中に侵入してきた人間の手。 ひぎゃあとゆっくりの体裁も投げ捨てて、ゆっくり姉妹たちは家の奥へ奥へ、必死に体をよせる。 幼い霊夢が姉たちの圧力に、ゆゆゆと顔をひしげて泣いていた。 手の傍にいるのは、井戸から生還した霊夢一匹だけ。涙をのみこんで、憤懣やるかたなしとその手を睨みつけていた。 穴の中をのぞきこむ青年の下には、潰されたお母さんの体。笑顔を張り付かせたままの死骸。 井戸の中で切望して、ようやく奇跡的に取り戻したものが、もはやどうしようもない姿でそこにあった。 ぷるぷると霊夢の体が震える。 「お、お゛があ゛ざんを、がえじでねええええ!」 渾身の力をこめて、侵入者の手に噛みつく。 「ゆっ!」 「がえぜええっ!」 その声が母親を殺された怒りを煽られたのか、奥のほうから三匹ほどのゆっくり霊夢も加勢して、侵入者のうでにがぶり。 れみりゃの肉を千切ったゆっくりの口の力。だが、あの肉まんもどきと人の皮はまるで違った。 「うはは! 甘噛みされてくすぐったい!」 節くれだってごつごつとした男たちの手には、ゆっくりたちの口撃など何の役にも立たない。 むずがゆさに、青年の身をよじらせただけ。 「何を懐かれているんだ、お前は」 「あ、すいません」 言いながら青年が腕をふると、あえなくぽとぽとと振り落とされるゆっくりたち。 なおも噛み付こうと口をあけた一匹のゆっくりの顔が、青年の手に真正面からわしづかみにされる。 そのまま、一気に巣の外へ引きだされる、有無を言わさぬ腕力。 「ゆっ、ゆっくり離してね!」 その声も急速に遠ざかり、巣の外へ。 流れ作業でそのゆっくりを受け取った壮年の男は、篭へ放り込んで上から分厚い板をかぶせ、体重を上からのせる。 「ぐるじいいい!」 十分に平べったくなったところで、板を篭に固定させてゆっくり一匹目の捕獲に成功する。 なるべく沢山のゆっくりを持ち運べるよう男たちが工夫したポータブルゆっくり篭。 「はずじでえ! じぬうう!」 苦しさでわんわんと泣き叫ぶが、潰れる寸前でとめてるので実に安全。 続けて捕獲しようと穴へ手をのばすものの、男たちの意図に気づいて逃げどうゆっくり霊夢たち。手の届かない 巣の奥に積み重なって、ぶるぶると震えている。 「あ、主任。あの棒をください」 「ほらよ」 最初に持っていた彼の仕事道具、先に輪のような針金をつくりつけた棒を取り出し、青年の手に持たせる。 巣の中へ差し入れられる奇妙な棒。 針金の部分を静かに上からゆっくりたちのにかぶされて、わっかの中に二匹ほどのゆっくり霊夢が納まったその時。 男の手首が棒の仕掛けを引くなり、瞬時に締まる針金のわっか。 「む、むぎゅううううう!」 ゆっくりという台詞まで潰された、凄まじい締め付けが二匹をとらえていた。 男の腕力のまま、ひょうたん状になるまでくびれたゆっくり霊夢たち。 呆然と見つめる姉妹たちに見送られ、巣の外へと運び出されていく。 後はもう作業だった。 棒が差し込まれるたび、泣き叫ぶことも許されず、うめき声だけを残して消えていく姉妹。 今の気持ちを、井戸で感じていた絶望とまったく同じだと霊夢が気づいたとき、すでに巣に残されているのはそのゆっくり霊夢一匹だけだった。 広々としてしまった我が家で、霊夢はもう逃げる素振りもしようとはしない。 もう、沢山だ。 もう、どうなってもいいや。 どんな形でもいいから、早く終わってしまえばいいのに。 空っぽの心で、終わりのときを待ち続ける。 だが、なかなか終わりを告げる棒が差し込まれてこない。 一人ぼっちでひたすらに立ち尽くす霊夢。 「戻ったぞ」 男たちの手を止めたのは、年配の男の声だった。 「わーい、おうちだー!」 その手の中で若いゆっくり霊夢がはしゃいでいる。 「おじさん、もういいよ! ゆっくりおろしてね!」 無邪気に呼びかけるゆっくり霊夢。 それど、その楽しげな表情もゆっくり姉妹がぎゅうぎゅうに詰め込まれた篭を見つけるまでだった。 「おじさん、あ゛れ゛、な゛に゛!」 年配の男はゆっくりの質問を気にもとめず、その手のゆっくりを壮年の男へと手渡す。 壮年の男は有無を言わさず、手馴れた手つきで篭に押し込む。 「ゆっぐりいいい! ぐるじいい!」 涙に歪む顔が、必死に年配の男を探した。 「おじざん! おじぐらまんじゅうはじだぐない! 出して! おいかけっこであそぼ!!!」 無視する。 男たちは遊びではなく、仕事をしにきているのだから。 あえなくトーテムポールの一員にされていくゆっくり。 やがて「ゆ゛っ」と苦しげに吐き出して震えるだけの状態になった。もう、ゆっくりたちの運命は決まったのだ。 年配の男は、収穫したゆっくりたちに視線を走らせる。 「ところで、母体の膨れたゆっくりはどうした?」 「ああ、邪魔だったので潰しときました。使いようがないですから、アレは」 壮年の明快な回答に、一斉に「ゆ゛っ”! ゆ゛っ!」と感極まったゆっくりたちのうめき。 悲しみと怒りのアンサンブルは、男たちに届かない。 「おいおい」 年配の男は、壮年の男を見つめて大きなため息。 「無闇に取り捲って、いらないのを潰すだけが私らの仕事じゃないだろう」 諭すような静かな物言い。 だが、受け止める壮年の男は雷鳴が鳴り響いているかのように、がたいのいい体を縮めていた。 「逃がしとけば、またどこかで新しい家族を生んでもらえるものを……」 「す、すいません。考えが浅かったです」 「ああ、次から気をつけなさい」 壮年の男を恐縮に追い込んでから、年配の男は再び気のいい笑顔に戻る。 「これで全部か?」 「あと、一匹いますよ。今、捕まえますんで」 その返事は壮年の男ではなく、穴にもぐっていた青年が返した。 「いや、それはいい。放っておけ」 年配の男の言葉に、部下たちは意外な表情を浮かべて振り返る。 「母体の霊夢の代わりに残しておけ」 「でも、こいつがあの膨れゆっくりになるまで大分かかりそうですよ」 不満げな壮年の男に、年配の男はゆっくりかぶりを振る。 「目先を追うな。あえて損を選んで将来の利益を守る必要もある。農家が土地が痩せるないために休耕田を設けるようにな」 部下たちに心構えを伝えて、年配の男はゆっくりの詰まった篭を軽々と背負う。 慌てて、壮年の男がもう一つの篭を背負い、青年は穴から餡子まみれの体を引き抜く。 ゆゆゆ……と、蠢くゆっくりたちとともに、男たちは帰路についた。 「大漁だな」 がっしりと食い込む篭の重みに、男たちはまさに嬉しい悲鳴。 「まったく、アリスさんのおかげだ」 年配の男の言葉に部下たちは頷く。 アリスの勧めで、家族の元へ一目散に向かうゆっくり霊夢をつけていた三人。 見事に一家揃って拿捕することに成功した。 おまけに「仲のいいゆっくり一家だけでつくりました」と売り出せる付加価値つき。 今日も実にいい仕事をした。 男たちは悠々と加工所へ向け、気分よく道を急いだ。 家にひとり残されたゆっくり霊夢は、長い間放置されていた。 日差しが傾き、山々の陰に隠れるころ、ようやく男たちが立ち去ったことに気づく。 恐る恐る外にでた。 家族の誰かが逃げ出して、帰ってくるのを出迎えるために。 だが、外にも誰もいなかった。 空に広がる黄昏が暗く藍色に染まり、夜の境界を踏み越えても誰も戻ってこない。 とぼとぼと中に戻る。 自分ひとりで過ごすには、あまりにも広い横穴。 家族たちで押し合いへし合いしていた頃には狭いと感じていたのに、今は閑散として寒々とした光景。 真ん中にお母さんがいて、姉妹たちが円になって体温をわけあう。 そんな風に寒さを耐えることは、もうできないのだ。 霊夢は静かに泣いた。 泣き続けて、ふと思い出したのは井戸の苦しさを必死に耐えた魔理沙。 そうだ、魔理沙が治療を終えてうちに遊びにきたら、そのままうちに住んでもらおう。 同じ苦しさをわけあった魔理沙となら、この寂しさが少しぐらいはまぎれるかもしれない。 自分はまだ、何もかも奪われたわけじゃない。 早く、魔理沙こないかな…… 友達の姿を思いながら、霊夢はそっと目を閉じる。 つかれきった心を癒すかのように、ゆっくりと友達の夢を見ていた。 (第四話 にんっしんっ魔理沙に続く) あとがき どうも、長々とごめんなさい。 ゆっくり加工所を書いてからいろんな人のゆっくりいじめを読めるようになったのが何よりも嬉しくて、思わず読みふけって書くのが遅くなりました。 次回は四話の前に、笑えていじめやすそうなゆっくりみょんを題材に軽いものを書いてみますね。 小山田 選択肢 投票 しあわせー! (17) それなりー (0) つぎにきたいするよ! (0) 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/sengoku4/pages/19.html
基本情報(E)Empires追加要素 紹介 攻撃方法(S)攻撃方法(少年期) (S)攻撃方法(壮年期) 武将解説・性能考察武将解説 性能考察 武器データ基本性能 名称等の説明・故事来歴 技能考察 (II)技能盤 衣装 コメント欄 基本情報 名前 真田幸村(さなだゆきむら) 二つ名 日の本一の兵 アクションタイプ チャージ攻撃タイプ(S)チャージ攻撃(改)タイプ(壮年期) 使用条件(通常版) 最初から使用可能 (II)使用条件(4-II) 最初から使用可能 (S)使用条件(真田丸) 来福寺宅でほら貝を渡す(少年期)第七章以降(青年期)第十四章以降(壮年期) 推奨メイン対象 くのいち・武田信玄・石田三成・直江兼続・真田信之・(S)真田昌幸(壮年期)・(S)茶々・(S)佐助 推奨パートナー対象 くのいち・武田信玄・石田三成・直江兼続・真田信之・(S)真田昌幸(壮年期)・(S)茶々・(S)佐助 (S)推奨メイン対象(少年期) くのいち・真田昌幸(青年期)・佐助 (S)推奨パートナー対象(少年期) 真田昌幸(青年期) (S)推奨メイン対象(壮年期) くのいち・茶々・佐助 (S)推奨パートナー対象(壮年期) 茶々・佐助 声優 草尾毅(青年期・壮年期)斎藤佑圭(少年期) 無双奥義文字 勇 秘奥義・皆伝文字 焔 公式動画 『戦国無双4』真田幸村 (S)少年期・青年期・壮年期ですべての音声内容が異なる。青年期は従来の物を基本的に用いているため、青年期の分類表記は原則割愛。 (E)Empires追加要素 生没年 1567-1615 登場年 1582 采配 9 智謀 6 政治 6 政略 赤心勧誘 騎馬隊突撃・参 戦場策 騎馬隊突撃・参 紹介 通常版 信濃の豪族・真田家の若武者。もののふとしての信義を重んじ、たとえ困難な状況にあっても己の信じた道を貫こうとする。兄である信之とは幼い頃から仲がよく、敬意と信頼を寄せている。 少年期 少年期の幸村の姿。持ち前の向上心から日々鍛錬に励み、真田家の役に立てるよう努力を怠らない。本作では無双武将として操作ができる。 青年期 真田昌幸の次男。兄の信之とともに真田家のために武功を立てる若武者。その人柄ゆえに仲間たちからは慕われ、その武ゆえに敵からは恐れられる存在へと成長した。大人になった幸村は、父や兄の背を見て己の守るべきものについて深く考えることになる。 壮年期 大坂城において、豊臣方の要であるもののふ。関ヶ原の戦い後、九度山での蟄居生活を経て、武芸だけでなく軍略に熟達した武者となった。「真田丸」と呼ばれる出丸を築き、徳川軍を撃退、家康の目前にまで迫ったその武勇は後世に語り継がれている。 攻撃方法 武器 十文字槍 通常攻撃 範囲・攻撃スピードともにスタンダードな性能。 N1~3 テンポよく槍で切りつける。 N4~7 ∞の文字を描くように連続で攻撃。 N8 勢いよく槍を振りぬき、ヒットした敵をその場にダウンさせる。 チャージ攻撃 槍の長所を活かした広範囲なものから、集中的なダメージを狙えるものまで全体的に使いやすい。 C2 下から敵を打ち上げ、自身も少しジャンプする。 C2-2 自身も飛び上がり、1回追撃する。 C2-3 さらに追撃し、槍で地面に叩き付ける。 C3 槍の柄で、ヒットした敵を気絶させる。 C3-2 槍を構えつつ突進する。ヒットした敵はゆっくり崩れ去るため、追撃可能。 C3-3 槍を大きく振りつつ、自身諸共周囲の敵を打ち上げる。ジャンプチャージに移行可能。 C4 槍を広範囲に振り、吹き飛ばす。 C4-2 吹き飛ばす前に、槍の連続突きを行う。 C4-3 さらに多くの連続突きを行う。 C5 横薙ぎに払い、真空波を発生させる。ガード崩し。 C5-2 逆方向に薙ぎ払い、竜巻を発生させる。 C5-3 正面の敵を貫き、後ろに叩き付ける。投げ扱いでガード不能。 神速攻撃 前作までのC1の強化版といった感がある。槍を使った攻撃なので範囲は優秀。 S1~3 左右を交互に槍で薙ぎつつ、高速で前方に突進する。 S4~5 同上。 S6 横に一回転しつつ槍を振り、敵を吹き飛ばす。 神速強攻撃 全体的に使い勝手はよい。また、SS6ががかなり優秀で、どの種類の兵でも制圧できる強さ。 SS2 右斜め上に向かって、切り上げる。 SS3 一回転してから地面を叩き、衝撃波で敵を吹き飛ばす。 SS4 SS2と同じ。 SS5 SS3と同じ。 SS6 敵を斬り上げ、自身も飛び上がって下方に連続突きを行った後、〆の一撃で地面に叩き付ける。チャージ攻撃判定もあり、そのまま特殊技でキャンセル可能。(II)4-IIでは仕様が変更され、キャンセルは出来なくなった。 ジャンプ攻撃 横に槍を振る。中々に範囲は広い。 ジャンプチャージ 地面を槍で貫く。 騎乗攻撃 槍なのでリーチに問題はないが、突き主体ゆえに隙のなさの代償として範囲が狭い。 R1~3 右側を交互に薙ぎ払う。 R4~7 突きの連打。ここからは範囲が狭い。 R8 最後の一突き。 RC2 上に打ち上げる。 RC3 強打して敵を気絶させる。 RC4 強く振りぬく。連打よりはこちらに派生した方が良い。 無双奥義 無双奥義(前半) 左右を交互に薙ぎ払いつつ前進。操作もし易い万能技。 無双奥義(後半) 「燃やし尽くせ!」横一線に薙ぎ払い、地を這う火砕流を発生させる基本2ヒット。 無双秘奥義 紅蓮属性が付加されたほか、前半の薙ぎ払い回数が増加。 無双奥義・皆伝 飛び上がって地面を槍で貫き、その場に巨大な火柱を発生させる。火柱は多段ヒットするためこれも万能。 特殊技 槍を構えて力を溜めた後、前方に突進する。紅蓮属性付加。溜めなくても突進はするが、紅蓮属性が付加されなくなる。なお、チャージ攻撃後はすぐに溜まるため、一種のキャンセル技・疑似影技としても使える。ジャンプチャージは特殊技キャンセルの対象外だが、この技は例外でキャンセル可能。 影技 槍による突撃。 殺陣 槍による三連撃。 無双極意 固有属性は紅蓮。 (S)攻撃方法(少年期) 武器 木の棒 アクションレベルが少年期では成長しないため、青年期のアクションの初期段階とほぼ同一。 青年期と比べ攻撃のスキが大きいため、特殊技でのキャンセルが重要。 (S)攻撃方法(壮年期) 武器 十文字槍 通常攻撃 範囲・攻撃スピードともにスタンダードな性能はそのまま。 N1~3 テンポよく槍で切りつける。 N4~7 ∞の文字を描くように連続で攻撃。 N8 勢いよく槍を振りぬき、ヒットした敵をその場にダウンさせる。 チャージ攻撃 改に変更されたため、C6以下多くの追加モーションがある。従来とは異なり、衝撃波系の技が増えているのが特徴。 C2 下から敵を打ち上げ、自身も少しジャンプする。 C2-2 自身も飛び上がり、1回追撃する。 C2-3 さらに追撃し、槍で地面に叩き付ける。 C2-4 炎上する一撃でさらに下方を薙ぎ払う。着地時の安全を確保しやすくなった。 C3 槍の柄で、ヒットした敵を気絶させる。 C3-2 槍を構えつつ突進する。ヒットした敵はゆっくり崩れ去るため、追撃可能。 C3-3 槍を大きく振りつつ、自身諸共周囲の敵を打ち上げる。C3-4と効果が重なるため、ジャンプチャージに移行は出来なくなった。 C3-4 槍を構えて地面へと突撃し、火柱を上げる。皆伝の小型版。 C4 槍を広範囲に振り、吹き飛ばす。 C4-2 吹き飛ばす前に、槍の連続突きを行う。 C4-3 さらに多くの連続突きを行う。 C4-4 さらに連続突きを追加。 C4-5 左回転して薙ぎ払った後に追加入力で右に体を戻して円盤状の炎を発射。横に狭いが射程は良い。 C5 横薙ぎに払い、真空波を発生させる。ガード崩し。 C5-2 逆方向に薙ぎ払い、竜巻を発生させる。 C5-3 正面の敵に槍を突き刺す。ガード不能。 C5-4 突き刺したまま敵を大回転させた後、放り棄てる。大回転では敵を巻き込むが、後ろ投げは無くなる。 C6 振り上げる形で左方向から深紅の特大衝撃波を放つ。 C6-2 前方に衝撃波を放ちつつ突進。 C6-3 地面に槍を突き立てて火柱を上げる。 C6-4 突きと衝撃波の猛烈なラッシュ。 神速攻撃 チャージ攻撃とは異なり、据置のまま。優秀なのは変わらない。 S1~3 左右を交互に槍で薙ぎつつ、高速で前方に突進する。 S4~5 同上。 S6 横に一回転しつつ槍を振り、敵を吹き飛ばす。 神速強攻撃 こちらも続投。やはりSS6が高性能である。 SS2 右斜め上に向かって、切り上げる。 SS3 一回転してから地面を叩き、衝撃波で敵を吹き飛ばす。やはり広範囲。 SS4 SS2と同じ。 SS5 SS3と同じ。 SS6 敵を斬り上げ、自身も飛び上がって下方に連続突きを行う。追加入力でジャンプチャージに移行する。 ジャンプ攻撃 横に槍を振る。中々に範囲は広い。 ジャンプチャージ 地面を槍で貫く。 騎乗攻撃 神速攻撃と同じく、こちらにも変更点は無し。 R1~3 右側を交互に薙ぎ払う。 R4~7 突きの連打。ここからは範囲が狭い。 R8 最後の一突き。 RC2 上に打ち上げる。 RC3 強打して敵を気絶させる。 RC4 強く振りぬく。連打よりはこちらに派生した方が良い。 無双奥義 無双奥義(前半) 槍を左右交互に振るいつつ前進。従来とは槍の構えと振るい方が異なり、やや本多忠勝の奥義(前半)に近い荒々しいものに。だんだん巻き込んだ敵が遅れてきて一部当たらなくなるが、後半ではしっかりカバーできるので問題なし。 無双奥義(後半) 「勝利を我が手に!」三連撃で前方を薙ぎ払う。 無双秘奥義 前進距離が延長される。紅蓮属性も付加。 無双奥義・皆伝 槍を縦方向に一閃し、特大の縦方向の衝撃波を放つ。前方への攻撃範囲は大幅に拡大したが、火力面は青年期の2/3程度に落ちている。といってもフル強化していればオーラ付き無双武将も余裕で撃破可能である。 特殊技 槍を構えて力を溜めた後、前方に突進する。紅蓮属性付加。溜めなくても突進はするが、紅蓮属性が付加されなくなる。なお、チャージ攻撃後はすぐに溜まるため、一種のキャンセル技・疑似影技としても使える。 影技 槍による突撃。 殺陣 槍による三連撃。 無双極意 固有属性は当然ながら紅蓮。 武将解説・性能考察 武将解説 戦国時代の北信濃の大名・真田昌幸の次子。村松殿と真田信之の実弟。 幸村は講談や書物などでの名(読み間違いか)であり、本来の諱は信繁。 武田家滅亡後に独立を余儀なくされた真田家をその武勇と軍略で支え、 二度にわたる上田城の戦いでは徳川家康・徳川秀忠の父子を苦戦させた。 後、蟄居先の九度山を脱出し、大坂城に入る。 大坂方五人衆の一人として、大坂夏の陣では徳川本陣まで吶喊し家康を追いつめたが、力尽き斃れた。 後、勇武で名高い島津の者からすら「日の本一の兵」と称された戦国乱世最後の英雄。 戦国無双シリーズの顔となる主人公的キャラ。 見慣れた武田信玄との師弟関係は、あくまでも創作であるが、 信玄の弟である信繁(彼の本来の名の由来である)の存在が、本作ではあらゆる意味で弟たる彼の存在に影を落としている。 そして、今回は実兄の信之との別離と兄弟対決の構造がクローズアップされたこともあり、 従来作とは少しイメージが変わっているかもしれない。 作中では本シリーズでは定番の石田三成・直江兼続との「義トリオ」が再結成された。 新規無双武将の大谷吉継は義理の父であるが、今回は言及なし。 (II)4-IIでは、同作に大坂方の新規無双武将が居なかったこともあって、 大坂の陣の豊臣方がなく、相対的に出番は乏しくなった。 どちらかというと、主人公兼ラスボスといった感のある扱いとなっている。 とはいえ、弟としての地位から「絆の章」、義トリオの一員という意味では「大樹の章」で存在感を示している。 (E)Empiresでは、戦国最後の戦いの主役という史上の位置づけのため生没年が遅く、過去年代のシナリオではほぼ不在扱い。 反面、「大坂の陣」シナリオは彼が実質中心人物である。 また、ファンの間で色々取り沙汰された渓(竹林院)も姫武将として登場し、「信繁」としての姿が強まった。 因みにこの渓なのだが、史実での夫婦にもかかわらず相性が悪い設定となっている。 恐らくファンへの配慮だと考えられる。 能力的には、折角の采配9が空回り気味なのが辛い。 智謀を伸ばし、騎馬隊突撃を効率的に提案させられるよう図りたい。 猛将らしからぬ赤心勧誘の政略は、十勇士を募ったことに由来するのであろう。 「関東勢百万と候らえ、男は一人もなく候!」 (S)真田丸は、彼の四十八年の生涯を綴る作品である。 そのため、不動の主役扱いとなるのは当然であるが、シリーズ初となる要素が目白押しの豪華極まる内容となっている。 演出として登場した少年期の姿が操作可能になったほか、シリーズでも初となる壮年期の姿が描かれた。 従来のモデルも青年期版として一新され、三世代に亘る姿が描かれることとなった。 これにより、無双シリーズ特有の若武者姿から、より伝統的な史書・軍記に見られる名将・真田信繁(幸村)へと人物像が一気に接近している。 さらに、壮年期ではシリーズ初となるアクションタイプの改型への変更が発生し、 多くの新技が使用可能となった点も見逃せない。 一方、作中における人間関係も大幅に刷新され、父の昌幸や姉の村松殿が登場し、より正確な真田家の一員としての生涯が描かれた。 これにより、上記の信玄との師弟関係や島左近との兄弟弟子関係が父へと正式返還されることとなった反面、 新たに登場した佐助との主従関係、ひいてはヒロイン・茶々との関係が描かれている。 また、大坂方の将として、残りの大坂方五人衆全員も同時に固有武将化したことも忘れてはならないだろう。 武士の意地に殉じるがために死に場所を求めた幸村像とは異なり、本作の幸村の戦いは守るべき者のための戦いである。 そのためか、本作の彼は常に前向きで心挫けることは無い。 本作の幸村像は、「日の本一の兵」というよりも作品自体のRPG的要素と相俟って、どこか「伝説の勇者」といった趣がある。 また、本作の姉妹作にあたるオールスター作品『無双☆スターズ』にも当シリーズの顔役・総代として参戦。 異世界の皇子・志貴の下で活躍をしている。 同作では、本作の壮年期幸村とは異なる、4-II改というべき新たなアクションを作られているため、 興味のある方は是非プレイのほどを。 性能考察 デフォカーソルキャラらしく、スタンダードでどの技も使い勝手がよく戦いやすい。 前作までのC1があまり使い道がなかった幸村にとって、新アクションの「神速攻撃」は有難味のある存在であり、 これまで以上に操作性・総合力の高いキャラに仕上がっている。 チャージは浮かせる技が多いため、固有属性の紅蓮や破天との相性が抜群。 特殊技はチャージ攻撃の隙を消す影技の一種として応用可能であり、集団戦で活用したい。 対武将戦は、C2とガード不能のC5で余裕のある戦いが出来るだろう。 (S)壮年期 真田丸ストーリー終盤において専用のアクションタイプへと変化。それに伴う新技追加が極めて重要。 C2とC3では従来の隙が消える方向で新技が追加された一方、C4とC5はより威力を高める新技が追加されている。 更に、完全新技のC6系統は、高難易度でこそ真価を発揮する猛撃である。 無双奥義は後半に連撃が追加されて威力がアップしている。 無双奥義・皆伝は性能が別物になっており、火力面では青年期に劣るが、範囲が前方に大きく拡大された。 ストーリーの都合上、一人で戦うことが多くなるが、その不利を一切感じさせない大幅な強化といえよう。 まさしく、「日の本一の兵」の名に相応しい戦いが可能となる筈である。 (S)少年期 第七章からは真田幸村(幼年)を使用可能である(探索は第三章からプレイ可)。 アクションレベル1の状態で固定であり、無双極意は使用不可、武器鍛工はできない。 青年期と比べてリーチが短く、攻撃後のスキも大きい。 性能でいえば最弱キャラなのは間違いないが、縛りプレイとして高難易度に挑むのも一興。 無双奥義や影技は使えるし、青年期以降と同様にチャージと特殊技の連携攻撃は可能で、ちゃんと紅蓮属性も乗る。 騎乗メインならば安全なのはもちろん、C3やC4からの特殊技を軸に、影技や無双奥義を駆使して戦えばクリアは可能だろう。 武器データ 基本性能 武器名 攻撃力 備考 紅牙飛燕 35 基本武器 炎槍素戔鳴 124(44) 猛攻4 勇猛5 破天4 真髄5 不動4 背水4 紅蓮5 克己5彼の立ち位置に相応しい、総合力の高い武器。特にC2による空中戦が破天と紅蓮で強くなる。 神槍五十猛尊 144(44) 猛攻5 神撃5 明鏡4 怒髪5 不抜4 紅蓮5 閃光5 克己5こちらも総合型の武器。明鏡と神撃+怒髪を活かし、極意で暴れた後に皆伝で締めるという戦い方が決まる。 (II)炎槍素戔鳴・紅蓮 93(44) 紅蓮86 烈空81 体力75 攻撃87 防御82 馬術80 無双増加74 攻撃範囲76通常版に引き続く、総合型の内容。 (II)神槍五十猛尊・閃光 93(44) 閃光61 凍牙58 体力62 防御61 敏捷62 馬術64 練技増加52 攻撃範囲58閃光は兎も角として、凍牙が相性的に最悪。 (II)神槍五十猛尊・紅蓮 93(44) 紅蓮95 金剛84 体力85 攻撃96 敏捷80 無双増加82 練技増加86 攻撃速度83修羅が無いこと位しか欠点のない、上位総合型。 (S)木の棒 17~38 基本武器(少年期のみ) (S)紅牙飛燕 17~38 基本武器 (S)炎槍素戔鳴 267(46) 紅蓮86 烈空81 攻撃強化87 攻撃範囲76 勇猛90 神撃79 明鏡74 真髄83本作でも安定して総合力の高い武器。明鏡と真髄を兼備した極意中心の戦いが可能だが、妨害系属性が無いのが気がかり。 (S)神槍五十猛尊 274(46) 閃光89 凍牙84 攻撃強化90 攻撃範囲86 攻撃速度89 神撃92 心眼84 明鏡88凍牙の相性難が相変わらず響く上、修羅も勇猛も無いのは流石に厳しい。 (S)真田信繁の槍 284(46) 紅蓮92 金剛86 攻撃強化94 攻撃速度83 勇猛91 破天79 真髄89 迅閃82修羅が無いこと以外に欠点が見当たらない、超即戦力。 名称等の説明・故事来歴 紅牙飛燕 2からある幸村の武器の名前。 飛燕(ヒエン)は飛んでいるツバメの事で、素早く動く事物の例えとして使われる事がある。 炎槍素戔鳴 日本神話に登場する神・素戔嗚尊(スサノオノミコト)から。 素戔嗚尊は荒ぶる神として知られ、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)退治が有名。 その他にも、粗暴な行為をして高天原(タカマガハラ)を追放された話や、 荒野だった葦原中国(アシワラノナカツクニ=日本)に樹木を植えるよう指示した話など多くの伝説を残している。 神槍五十猛尊 日本神話に登場する神・五十猛神(イソタケル)から。 五十猛神は素戔嗚尊の息子で多くの樹木の種を携えていた事から、林業の神として信仰がある。 また、土の船を作って海を渡ったという伝説から、航海安全や漁業の神としても信仰がある。 木の棒 少年期の幸村が修行に用いた木の棒。 後の得物である十文字槍を象り、長い棒と短い棒を十字に組み合わせている。 通常版の時点では回想演出の一環でしかなかったが、本作では実際に使用可能。 真田信繁の槍 NHK大河ドラマ『真田丸』で用いられた真田信繁(幸村)の槍をゲーム本編で再現した物。 初回特典の衣装・DLC軍馬とセットで運用し、作中の名場面に思いを馳せたい。 技能考察 技能名 相性 備考 猛攻 ○ 主体であるチャージ攻撃の強化の為に攻撃力の底上げを図るのもいいだろう。 風撃 ○ 元々長いリーチを更に伸ばすか、リーチは元々十分あると判断して他の技能を優先するかはそなたの判断次第だ。 勇猛 ◎ 属性付加のような派手さは無いが、対武将戦において極めて優秀な技能だ。天下無双を志すならば必須であろう。 波撃 △ 私にはあまり意味が無いぞ。義姉上にはよいかもしれぬが。 神撃 ◎ 奥義、皆伝ともに強力だ。高難易度ほど無双は重要故にこれがあれば大きな力となろう。闘志よ、炎と燃えろ! 破天 ◎ C2を中心とする空中技は私の十八番だ。 迅閃 ○ 私の神速攻撃は優秀だ! 神速攻撃主体で行くなら付けてもよいが、私よりかは兄上の方が適しているであろう。 明鏡 ○ 無双極意の効果時間が長くなるのは貴重だ。徳川を相手にするならもってこいの技能であろう。 真髄 ○ 無双極意の強化は、純粋な戦力強化になる筈だ。 怒髪 ○ 奥義は、攻防双方に役立つだろう。 堅守 ○ チャージ攻撃タイプは隙が多いため、守りを固めたいところだ。 不動 ◎ チャージ攻撃の隙対策として、理想的といえるだろう。 滅流 × 敵の属性攻撃などほぼ皆無。わざわざ枠を割くほどではありませぬ。 波断 △ あっても困る事は無いが、それよりかは他の強力な防御系技能が必要であろう。 堅忍 ○ 敵将の攻撃は脅威だ。高難度では生死を左右するだろう。 不抜 × 花の如くに散るべし! とは、自身を無駄に危機に晒すことではありませぬ。 背水 × 闘志 ○ ゲージ回収技能は一つは欲しいところです。私の個性とも矛盾はしないでしょうし。 闘魂 ○ 再臨 ○ 最後まで戦い抜くための、保険にはなりましょう。 俊敏 ○ 馬上での戦いは不利が多いため、損にはなりますまい。 破竹 ○ 神速攻撃で雑兵を蹴散らせるため、恩恵を受けやすいです。 快進 ○ 覚醒 ○ 有効ですが、奥義をフル回転できなくなるのが残念です。 騎戦 × 長篠の屈辱から、何を学ぶべきか… 練騎 × 薬活 ○ どちらかというと、味方を助ける技能です。戦い方次第かもしれません。 騎神 ○ 移動と同時にゲージの回復が出来るのは効率的。 霊験 ○ 道具・家宝次第ではありますが、役に立つのは必定。 克己 ◎ 己を克服し、もののふの意地を貫き通さん! 属性技能については、属性の頁を参照。 回収用技能四種は全員同一の効果なので割愛。 (II)技能盤 特徴 備考 四角形・八分型 開始位置は上。 衣装 名称 入手方法 備考・特徴 通常衣装 初期搭載 戦国無双4 戦国無双衣装 初回特典シリアルコード 『戦国無双』通常衣装 特別衣装 DLC 白いタキシード (E)追加衣装 DLC 浴衣。 (S)NHK大河ドラマ『真田丸』衣装 DLC 赤備えの具足。 (S)NHK大河ドラマ『真田丸』衣装2 DLC 平服。 コメント欄 この掲示板はツリー方式です。レスをする時は、レスをしたい記事の先頭をクリックして選択してから書き込んで下さい。 それをしないとツリー表示されず、新規投稿になってしまいます。他の人が不快になる様な投稿は控えましょう。質問は質問掲示板で行いましょう。 サムライトルーパーでも主人公の真田遼の声やってましたね - 名無しさん 2018-01-10 01 14 43 C5-4ですが後ろ投げ出ましたよ。C5-3で刺した後、C5-4への入力が無ければ後ろ投げへ移行するようです。 - 名無しさん (2018-03-21 01 59 51) 真田丸Vita版だとC5の空中振り回しで毎回処理落ちが発生する - 名無しさん (2018-03-24 22 16 28) C5-3が使いにくいな。既存のモーションをコピペして作ったかのような継ぎ接ぎ感がする - 名無しさん (2019-06-09 19 43 23) 真田丸の幸村、最終的に、攻撃強化、攻撃速度、勇猛、神撃、明鏡、神髄、金剛、修羅の8つに固まったわ。神撃は破天か間接で最後まで迷ったが - 名無しさん (2019-06-16 21 57 24) 無双奥義や皆伝の強化なら神撃じゃなくて追加チャージの強化にもなる間接でもいいし、騎乗無双やC2C4強化にもなる破天でも大差ないと思うが - 名無しさん (2019-06-16 22 00 43) 名前 全てのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/109.html
中篇 八日目 ゆっくりれいむはぬくもりに包まれていた。 それにぽかぽかと暖かい。 まるで、お母さんにくっついて眠っているみたいだ。 「お母さん……」 呟くゆっくりれいむの黒髪を優しく梳く、柔らかな手のひら。 頭を撫でてくれるその手はとても暖かで、ゆっくりとした気分にしてくれる。 でも、れいむの頭に浮かぶのは疑問。 手のひら? 「お母さんじゃない……」 違和感を感じて、ゆっくりと目を覚ます。 れいむは自分が見知らぬ場所にいることをすぐに理解した。 燃え盛る暖炉と、その炎の色に彩られた調度品、特に品のいい棚にずらりと並べられた人形たち。 「あら、目が覚めたの?」 頭上から囁きかける女性の声に、れいむはそっと上を見上げた。 綺麗な女の人がれいむをのぞきこんでいた。 少女らしさを残す青い服とカチューシャが可愛らしい。絹糸のような金色の髪は暖炉の炎を映してほんのり赤みがかっていた。 アリスだった。 ゆっくりれいむを膝の上にのせて、その頭を撫で続けている。 どっかで見たような。でも、思い出そうとするアリスの手のひらが優しく頭をなでつけて、いまいち思い出せない。 「おねえさん、誰? ここは天国なの? おねえさんは天使?」 思いつくままに話しかけると、アリスはくすくすと笑い出した。 「天使なんて嬉しい間違いだけど、残念ながら違うわ。私は魔法使い。そして、ここは私の家よ」 魔法使い? ゆっくりれいむの疑問に答えるかのようにアリスが指を鳴らすと、棚から人形が一体、ふわりと動き出す。 「ゆっ!」 驚いて叫んだゆっくりれいむの前に差し出されたのは皿に盛られたクッキー。香ばしい色にふっくらと焼きあがっている。 「おなか、空いてないかしら?」 「う、うん!」 言われるまでもなく、ぺこぺこだったお腹。 頭からお皿つっこんで、ばりばりと貪る。 「うっめ!!! メッチャうっめこれ!!!」 床に欠片を撒き散らす犬食いだったが、アリスは気を悪くした素振りもない。 「ごちそうさま!」 「どういたしまして」 ぺろりと平らげたれいむを優しげに見つめた。 すると、人形がまた一体とんできて、空になったお皿を下げていく。 れいむはその姿を見て、ようやく自分を井戸から救い上げた天使の正体に気づいた。 「おねーさんが、助けてくれたんだね、ありがとう!!!」 「一応はそうなるわね。でも本当にお礼を言う相手は私じゃないわ」 ちらりと、部屋の隅に視線を向けるアリス。 れいむはその視線を追って、そこでおとなしくしているゆっくりまりさに気がついた。 井戸の中のまりさかと、れいむは思わずアリスの膝を飛び降りてまりさの元へ転がっていく。 「まりさ! ……あれ、でも、違う」 すぐに気づいた。井戸の中で一緒に苦しみながら生き抜いたまりさじゃない。別の個体。アリスの飼うゆっくりまりさは、なぜだか泣きそうな表情で縮こまっていた。 れいむは自分のほっぺたを見る。まりさが繋がっていたその部分には、押し当てられたガーゼと包帯。まりさの姿はいなくなっていた。 どこにいったのだろう。ハテナが浮かぶゆっくりれいむ。 「あなたと一緒にいたゆっくりまりさは治療中よ」 その様子を察して、アリスが説明をしてくれる。 「治療中?」 「そうよ。ゆっくりと治さないといけないの。私たちがお見舞いにいくとゆっくりできないから、治るまでゆっくり待ちましょう」 あのまりさの様子を思い出して、れいむは納得してしまう。 いますぐ会って、助かった幸せを分け合いたいけど、それは後でもできること。 でも、一目会わせてくれてもいいのになとアリスをちらりと見るが、相手は命の恩人。言い出すのも気がひけた。 アリスはじっとゆっくりれいむを見つめている。 「どころで、あなたはこれからどうするの?」 「ゆ?」 「まだ体が相当痛んでいるはずよ。うちに元気になるまでいてもいいのだけど」 アリスの言うとおり、疲労の蓄積からゆっくりれいむの体はずっしりと重くて激しく動くと倒れこんでしまいそう。 優しいアリスに、おいしいお菓子、暖かい家。アリスの優しい提案に従うのも悪くなかった。 けれど、今は一刻も早く会いたいのは心配させているお母さんれいむ。 「ありがとう、おねーさん! でも、うちにかえるね!」 「そう」 予想していた答えなのだろう。アリスは簡素な相槌を返して、椅子から立ち上がる。そして、廊下へ続く扉をあける。 その向こうには外へと通じる玄関が見えた。 「ゆっくりしてもらえないのは残念だけど、そういうことなら仕方ないわね」 微笑みかけてアリスに促され、ゆっくりれいむは外へ進みだす。 玄関の扉を開くと、そこには小春日和の秋の光景。 直接感じられる自然に、れいむは心の底から外に戻ってきたことを実感する。 そして、一刻も早くこの大地が繋がる母親の元へ、家族の元へ帰りたい。 「おねーさん、そっちのまりさ、助けてくれて本当にありがとう! また遊びに来るからね、ばいばい!」 気ぜわしいお別れの言葉を残して、草原へ駆け出すゆっくりれいむ。 背の高い藪の向こうに見えなくなるまで、アリスは手をふっていた。 見送ってから、足元のゆっくりまりさを両手で抱えあげる。 まりさはされるがままに身動き一つしない。 「あなたのお願いどおりにしてあげたわ。よかったわね」 だけど、アリスの言葉にとうとうこらえきれず、震え始める。 ゆっくりまりさの頭に浮かぶのは、呆然とした表情で井戸の底へ消えていった同種の最期の姿。 「どうじでっ! ゆっぐりまりさの方をだずげでぐれながっだのおお!」 「あら? 二匹ともって言わなかったから、一匹だけ助けてということだと認識していたわ」 出来の悪い弟を叱る姉のような口調で、ゆっくりを諭すアリス。 あんぐりと、まりさは口開いて自分の過去の言葉を思い返す。 「だめよ、言葉は正確に使わないと。あなたの言葉が、お仲間を一匹殺しちゃったじゃない」 「あ゛あ゛あ゛……」 もちろん、アリスの単なるこじ付けだが、ゆっくりまりさは衝撃のあまり目を見開いて言葉を失っていた。 「しっかりして、まりさ。それとも、水浴びする? 目がさめるわよ」 ぴくりと、まりさの体が反応する。 「今回のまりさは長持ちしているからあまり使いたくないけどね」 「いいい、やあああ、だああああああ!!!」 泣き叫ぶまりさの声に、うっとりと頬を赤らめて抱きしめるアリス。 本当に井戸に沈めて、その絶望の声を聞かないと満足できなくなるまであとどれほどだろうか。 遠めには、仲睦まじくみえる一人と一匹ではあった。 一目散に帰路を急ぐゆっくりれいむ。 地面を踏んで、自分の意思のまま前へ進める幸せ。 疲れきった体も、いまはその喜びに昂ぶっていた。 絶え間なく弾み続け、家族の待つ家まあと一息。 目の前にはっきりと見えてきた懐かしい光景に、れいむの胸が熱くこみあげてくる。 「ゆっくりーっ!」 何処までも届けとばかりに、高らかに声を張り上げた。 時をおかず、藪をかき分ける複数の音。リズミカルに弾むゴムまりのよう響き。 「ゆっくり帰ってきたっ!」 「ゆーっ!」 「ゆっくりしすぎだよ!」 れいむの姉妹たち5匹が姿をあらわす。 驚きと喜びに、ぼよんぼよんと飛び跳ねる姿も軽やか。 その姉妹たちを前にして、れいむは立ち尽くしていた。見つめる先には、姉妹の後方からゆっくりやってくる大きな 膨らんだ姿。お母さんれいむだった。 「ゆっ! ゆっ!」 いつものように体を揺すりながら近づいてきて、れいむへ向ける優しい眼差し。 全身を重くのしかかるような疲労に耐えて、ずっと気を張って堪えてきたれいむもとうとう崩れ落ちる。 大きくてふくよかな体が、れいむの体を支えていた。 「お゛っ、お゛があ゛ざーん!!!」 赤子のようにお母さんれいむにかけよって、びったりと体をよせる。 そのまま、わんわんとひたすらに、この七日間の悪夢を洗い流すかのように泣きじゃくった。 「ゆっくりくっついていってね……」 「ゆっくり泣いていってね……」 「ゆっくりしていってね……」 釣られて滂沱の涙を流す姉妹たち。よりそって、一団にかたまる饅頭たち。 草原に響く幸せそうな嗚咽。 風切り音を鳴らす木枯らしですら、今は不思議と暖かい。 「あのね、ひどいところでゆっくりしてた……」 自分がどんな体験をしてきたか伝えようとして、井戸の底で感じた恐怖を思い起こして言葉に詰まるれいむ。 言わなくていいとばかりに、お母さんれいむの肉厚のほっぺたがゆっくりれいむの唇に押し当てられる。 みんなの中にいると、もうあの悪夢は完全に終わったのだと今更ながらに強く実感できた。 積み重ねられ、心を押しつぶしていたストレス。それらが今、解けて消えていく。 みんなの体温を感じながら、れいむはアリスの家の暖炉のぬくもりを思い出していた。 「あのね、魔法使いさんに助けてもらったの」 ゆっくりれいむの言葉に、向かい合っていたゆっくり姉妹が小首を傾げる。 「魔法使いさんって、あのおじさんたち?」 「ゆ?」 何をいっているのと、ゆっくりたちの視線を集めるが、当のゆっくりれいむはきょとんとした表情で、前を見つめている。 その視線を追った。 そこには、穏やかそうな年配の男を先頭に、体格のいい壮年の男と、痩せた青年の三人がこちらへ近づいてきていた。 年配の男は愛想のいい笑いを浮かべて、片手をこちらへ陽気に振っている。 「どうも、どうも」 「ゆ?」 男の言葉に顔を見合わせるゆっくりれいむ姉妹と、ゆっくりお母さん。 誰の知り合いだろう。 視線を交わしあってガヤガヤと確認しあい、ようやく誰の知り合いでもないと判明したとき、男たちはあと十歩ほどの距離まで近づいていた。 「おじさんたち、だれ?」 「ゆっくりしにきたの?」 ゆっくりたちが口々に問いかけると、その歩みをとめて三人は視線を交錯させる。 よく見ると、男たちは妙な格好だった。 三人とも大きな篭を背負っている。野草を摘みにきたにしては、あまりのも大きな篭。それに、持っている棒も不思議だった。 棒の先に針金が輪の形にのびている。 痩せた青年が手持ち無沙汰に棒の中ほどを握ったり話したりしているが、そのたびに針金の輪はきゅっと締まったり、広がったりと動いている。 おそらくは、その輪に獲物をひっかける狩りの道具だろうか。だが、いのししや熊を捕らえるには少し貧弱な構造だった。 輪の大きさも中途半端。あれにすっぽり収まるのは、ゆっくりたちぐらいのものではないか…… ひっきりなしに道具をいじってゆっくりの注目を集めていた痩せた青年の肩を、となりの壮年の男が軽く叩く。 「目の前ではやめろ」 「あ、すいません、主任」 青年はばつの悪い笑顔で上司に謝る。 年配の男の背後で、こそこそと言葉を交わす二人だった。 ちらと年配の男が後ろを見やる。一瞬、男の眉間に筋が走って二人の会話を止めるが、向き直ったときには完璧な笑顔が張り付いていた。 ほのかに漂いはじめる不穏な気配。 まず、男たちの不審さにはっきり気づいたのはお母さんれいむだった。 「ゆっ!」 短く強い声をあげて、子供たちを家の方へ押し流す。 逃げろという合図。 だが、お母さんどうしたのときょとんとしたゆっくりもいて、動き出そうとしない。 お母さんれいむはほとんど体当たりに近い仕草で再び娘たちを突き飛ばした。 「ゆっ!!!」 「うっ、うあああん!」 鬼気迫る声に追い立てられるように走り出すゆっくり姉妹たち。 せっかく、お母さんの体にもたれ疲労を癒していたれいむも逃げていく。 あんまり驚いたのか、姉妹のうち最も幼いゆっくりれいむが一匹だけ家とまるで違う方向へ走り出したが、追いかけて連れ戻す余裕は無い。 重いからだをのったりのったり跳ねながら、体に鞭打って走っていく。 人間たちは、しかしすぐに動き出そうとはしなかった。 「よし、はぐれたのは私が追う。お前たちは残りを追い込め」 てきぱきと指示を飛ばして、年配の男は幼いはぐれゆっくりを探して森の奥へ歩き出す。 小走りですらない悠然とした足取り。 「了解」 「わかりました」 短く答えた壮年の男と青年もかけだすようなことをしなかった。 ゆっくりたちの消えた方角へ連れ立って進みだす。 草むらのを必死にぴょんぴょんと跳ねながら逃げるゆっくり。その草陰から覗く頭を視界にとらえて、男たちは追い込みを開始した。 家族からはぐれた幼いゆっくりれいむ。 しかし、それは悪い選択ではなかったかもしれない。 ゆっくりれいむが逃げ込んだのは森の中。 視界を遮る木々、足元に生い茂るシダの一群。隠れられるスペースは沢山あった。 ましてや、幼く小さな体なら、見つけ出すのは困難を極めるだろう。 森へれいむを追いかけてきた年配の男は、こっちを自分が受け持って正解だった安堵する。 この男がゆっくりに関わったキャリアは、この奇妙で愚かな生き物が幻想郷で発見されてからの年月とほとんど同じ。 男は最も手馴れていた。 年配の男はゆっくりれいむの小ささから齢を割り出し、その性向を経験則から探り出す。 ゆっくりれいむが消えた場所で大きく息を吸った。 「もういいかーい?」 それは、童遊びかくれんぼの鬼の言葉。 森の中にわんわんと響いて、やがて静まり返る。 男はすぐ様、用意していた次の言葉を森の奥へ投げかけた。 「じゃあ、探すぞー!」 「まっ、まーだだよ!」 幼いゆっくりの声が右前方から聞こえて、年配の視線を引く。 男の歩き方が代わった。 爪先立ちに、柔らかな草の上を音もなく進む。 「もういいかーい」 「まーだだってば! ゆっくりしてね!」 アクティブ・ソナー代わりの呼びかけに、怒ったようなゆっくりれいむの返事。 男は完全にあたりをつけ、周囲で最もよい枝ぶりの樫の木へ向かった。 悠々とそびえたつ巨木。 その幹にぽっかりとあいたウロを塞ぐ、黒い物体が一つ。 ウロに逃げ込もうとして、顔がはまってしまったゆっくりれいむ。 男はその背後に寄り添うように立つ。 「もういいかい?」 年配の男は静かに降伏を促す。 「ひっく……まあだだよおおおおお!」 鼻をすするゆっくりを、男は優しく抜き取った。 両手に抱えられていやいやをするゆっくりれいむ。 「まだなのにいいい! ゆっくりじでよおおお!」 泣き叫ぶゆっくりを力任せに押さえ込んだりはしない。 片腕でそのぷよぷよの体を確保すると、空いた手でゆっくりを優しく撫でる。 「よしよし、それじゃあお母さんのところに行こうね」 「お、おがあざんのどごろお?」 「ああ、あの後誤解が解けてね。君を探して欲しいと頼まれたんだ」 途端に、ぱあと花咲くようなゆっくりの笑顔。 悪い人に捕まったという現実より、本当はいい人に助けてもらって家に帰れるという夢想。幼い心は、もっとも幸せそうな答えに飛びついてしまう。 全て、年配の男の睨んだとおり。 「おじさん、早く帰ろうね!」 「よし、一緒に帰ろう」 年配の男とゆっくりは、仲良くゆっくりの巣穴へと続く帰路を急ぐのだった。 「主任。野生のゆっくりの巣って、初めて見ましたよ」 「俺も初めてだ」 青年と壮年の男性が、深い藪の奥ひっそりと隠れていた横穴を感慨深げに見つめていた。 ゆっくりと同じ地面を這う視線でなければ見つけられない、ゆっくりが最もゆっくり出来る場所。 しかし、もはやそこはゆっくりたちのスウィートホームではなかった。 二人の男が見つめる前で、横穴の入り口を外からぴっちり自らの体で塞ぐのはお母さんれいむ。息を吸い込みぱんぱんに膨らんだ顔。それをぎゅぎゅうと家の入り口につっこんで、中の様子はまるで伺えない。 耳を澄ますと、かすかに漏れてくる娘たちのゆーゆーという怯えた声。 年配の男の読みどおり、逃がして泳がせたことは正解だった。 その巣の中には、家から出るにはまだ小さなれいむの姉妹を含めて、ほとんどが揃っているようだ。 一匹逃げ出してはいたが、二人の上司である年配の男が追ったのだからもう捕まっているころだろう。 ここは、まさにゆっくり一家の最後の砦。 決死のゆっくりたちにも対して、男たちの声はのんびりとしていた。 「あんな育ったゆっくりれいむも初めてですよ」 家の出入り口を塞いで、蟻一匹も通すものかと踏ん張るお母さんれいむ。青年はその後ろ姿を指差していた。 壮年の男は腕を組んだまま、その巨体を見てため息を吐き出す。 「俺は前に捕まえたことがある。何度でも使える繁殖の母体として重宝できると思ったんだがな……」 「あ、いい考えっスね」 男の呟きに、痩せた青年は軽薄そうに賛意を示す。 「けどな、種付け役のゆっくりアリスがあまりにも貪欲すぎて何回ももたなかった。他の種と自然交尾を試みても時間がかかりすぎるということで、結局は普通のまりさやれいむ、みょん、ちぇん種をアリスに襲わせた方が効率がよかったんだよ。せっかくの提案も、ボツっちまった」 恐らく、ボツとなったのは男のアイデアだったのだろう。忌々しげにお母さんれいむを見下ろす。 「本当に使いようが無いゆっくりだよ、こいつは」 壮年の男の言外に満ちた苛立ち。 青年は逆らわない方が賢明だと目ざとく気づく。 「確かに。あんなでっかいと加工用の台にもはまらないですし、あれはかなり歳をとっているんでしょ。中身に老廃物が混じって食中毒なんか起した日には、うちは傾きますよ」 なるべく、同僚の意向に沿う言葉を並べる。 「傾く前に、俺たちがあの人にぶち殺されるだろうけどな」 壮年の男は、年配の男が消えていった方向をちらりと見た。 「こええ」と、青年はわざとらしく肩をすくめてみせる。 その仕草がよほど滑稽だったのか、壮年の男はいかつい顔にニヤリと精悍な笑いを浮かべた。 「よし、じゃあやるぞ」 言うなり、担いでいた篭を地面に下ろす。 そのまま、篭の中に入れていた木の棒を取り出す。 肉屋が肉を柔らかくするための肉叩き棒。それを棍棒サイズまで大きくしたようなものを両手で掴みあげていた。 男の目線の先には、後ろを向いた膨れゆっくりの姿。 男は静かにその棍棒を振り上げようとしていた。 穴の中。ゆっくりれいむたちは息を潜めている。 井戸に引き続いて、狭い空間に閉じ込められていたゆっくりれいむ。 だが、あれほどの悲壮感は感じていなかった。 家族がこれほど近くにいて、守ってくれるお母さんがいる。穴の中へやさしい微笑を浮かべていてくれる。 それがどれほどみんなの心を支えてくれることか。 いつもお母さんれいむはそうやってみんなを守ってくれた。 蛇や野良犬に襲われたときも、相手が諦めるまでてこでも動かなかったお母さん。 今回だって、きっと大丈夫。 だから、家の中で大きくなるのを待っている、まだ手のひらサイズの幼いれいむたちも怯えてはいなかった。家族がほぼ全員集結したことが何かのお祝いと思ったのか、楽しげにぴょんぴょんとのみのように跳ね回っている。 「ゆっくりおねーちゃん、ひさしぶりー!」 自分にまとわりつく幼いれいむたちが可愛らしい。 ここは井戸の中とは違う。きっとなんとかなるはず。 れいむが希望にすがりつこうとしたその時だった。 ぺったん。 餅つきのような重い音が響く。 「ゆっ!」 お母さんれいむの笑顔が、ぶるんぶるんと波打った。 「おかあさん!?」 駆け寄るゆっくりれいむたち。 だが、傍によるまでにお母さんれいむは元の笑顔。 「ゆっ! ゆっ!」 何事もなかったかのような顔で娘たちを安心させようとしている。 しかし、外の方で明らかに何かがはじまろうとしていた。 「よっ」 軽妙な掛け声とともに棍棒が振り下ろされる。 棍棒の向かう先は、後ろを向けて娘たちを守るゆっくりお母さん。 そのふくよかな体に棍棒がめりこみ、餅つきのような重い手ごたえが手首に響く。 お母さんれいむはぷよんぷよんと、その衝撃に体を波立たせるが一向に動こうとはしなかった。 男は棍棒を再び振り上げ、まったく同じ場所にもう一度振り下ろす。 小気味いい打撃音が響いて、ゆっくりお母さんの体が波立った後も、苦痛からかぷるぷると震えていた。 「慣れてますね」 感心したような青年の言葉に、男はその手を止める。 「加工所ができたときは、みんなこうやって餡をひりだしていたんだよ」 言いながら、再び振り下ろす。 「ぷぷっ!」 短い、これまで聞いたことのない音がゆっくりお母さんから鳴った。 「お前も覚えておけ。これが聞こえてきたら、そろそろってことだ」 頼りない後輩に、知らず実地指導に熱が入る壮年の男。面倒見のいい人柄がにじみ出るほほえましい光景だった。 わざと青年に見えやすいよう、ゆっくりと振りかぶる。 野外教習の教材はゆっくりお母さん。 ぷっくりと背中が赤黒い痕が浮かび上がっていた。 巣の中では緊張が増していく。 「ぷぷっ!」 空気が抜けるような音が母親の口からもれて、ゆっくりれいむたちは色めき立っていた。 「……ゆ!」 だが、お母さんれいむの満面の笑顔は変わらない。 ただ、顔に脂汗がじんわりと浮かんでいた。 「おなかいたいの?」 青ざめるれいむ姉妹の間を抜けて、幼い豆れいむがお母さんの傍によりそう。 笑顔をその幼い豆れいむに向けようとしたその時、何度目かわからない重い振動が襲ってくる。 ゆっくりれいむたちは聞いた。水風船をつぶしてしまったときのような、ぷっしゃあという水っぽい破裂音を。 そして見た。ゆっくりお母さんの口から吹き出す餡子の濁流を。 「ゆううううううう!」 幼いゆっくりが押し流されて横を転がり過ぎていくが、れいむたちは母親から目を離せない。 盛大に餡をまきちらして、口の端から餡の流れた跡、目からはぼとぼとと餡の涙。 満面の笑顔。 「お、お゛があ゛ざーん!!!」 餡子まみれになったれいむたちの絶叫が、狭い家の中を幾重にも反響していた。 「お、手ごたえあり」 男が嬉しげに呟いたとおり、あれほど頑強に出入り口を塞いでいたゆっくりお母さんは、ふにゃりと体を歪ませていた。 次第に、男の棍棒を振り下ろす手つきが、大降りから小刻みなものに変わっていく。 「あとはこう、均等になるように叩いていけばあらかたの中身が吐き出されていく」 叩くたびに、ぷっ! ぷっ! と噴出す餡子の音。ゆっくりれいむたちの悲鳴。 やがて、ほとんど均されてまっ平らとなる。もう、巣への侵入を遮るものは何も無い。 「後はお前がやれ」 「あー、汚れそうな仕事は僕ですかー」 主任の命令に、おどけたような苦情を言って、巣の中を覗き込む青年。 いつの間にか絶命したゆっくりお母さんを踏みつけ完全に餡子を噴出させると、うわんうわんと泣き叫ぶ餡子まみれのゆっくりたちが見えた。 餡に服が汚れるのも厭わず青年は顔を巣へつっこむ。 母親の死に様に我を失っているうちに、完全にふさがれたゆっくりたちの逃げ道。 「ちっこいのを含めて、七匹はいますね」 後は捕まえるだけとばかり、男は無造作に中へと手を伸ばす。 巣の中に侵入してきた人間の手。 ひぎゃあとゆっくりの体裁も投げ捨てて、ゆっくり姉妹たちは家の奥へ奥へ、必死に体をよせる。 幼いれいむが姉たちの圧力に、ゆゆゆと顔をひしげて泣いていた。 手の傍にいるのは、井戸から生還したれいむ一匹だけ。涙をのみこんで、憤懣やるかたなしとその手を睨みつけていた。 穴の中をのぞきこむ青年の下には、潰されたお母さんの体。笑顔を張り付かせたままの死骸。 井戸の中で切望して、ようやく奇跡的に取り戻したものが、もはやどうしようもない姿でそこにあった。 ぷるぷるとれいむの体が震える。 「お、お゛があ゛ざんを、がえじでねええええ!」 渾身の力をこめて、侵入者の手に噛みつく。 「ゆっ!」 「がえぜええっ!」 その声が母親を殺された怒りを煽られたのか、奥のほうから三匹ほどのゆっくりれいむも加勢して、侵入者のうでにがぶり。 れみりゃの肉を千切ったゆっくりの口の力。だが、あの肉まんもどきと人の皮はまるで違った。 「うはは! 甘噛みされてくすぐったい!」 節くれだってごつごつとした男たちの手には、ゆっくりたちの口撃など何の役にも立たない。 むずがゆさに、青年の身をよじらせただけ。 「何を懐かれているんだ、お前は」 「あ、すいません」 言いながら青年が腕をふると、あえなくぽとぽとと振り落とされるゆっくりたち。 なおも噛み付こうと口をあけた一匹のゆっくりの顔が、青年の手に真正面からわしづかみにされる。 そのまま、一気に巣の外へ引きだされる、有無を言わさぬ腕力。 「ゆっ、ゆっくり離してね!」 その声も急速に遠ざかり、巣の外へ。 流れ作業でそのゆっくりを受け取った壮年の男は、篭へ放り込んで上から分厚い板をかぶせ、体重を上からのせる。 「ぐるじいいい!」 十分に平べったくなったところで、板を篭に固定させてゆっくり一匹目の捕獲に成功する。 なるべく沢山のゆっくりを持ち運べるよう男たちが工夫したポータブルゆっくり篭。 「はずじでえ! じぬうう!」 苦しさでわんわんと泣き叫ぶが、潰れる寸前でとめてるので実に安全。 続けて捕獲しようと穴へ手をのばすものの、男たちの意図に気づいて逃げどうゆっくりれいむたち。手の届かない 巣の奥に積み重なって、ぶるぶると震えている。 「あ、主任。あの棒をください」 「ほらよ」 最初に持っていた彼の仕事道具、先に輪のような針金をつくりつけた棒を取り出し、青年の手に持たせる。 巣の中へ差し入れられる奇妙な棒。 針金の部分を静かに上からゆっくりたちのにかぶされて、わっかの中に二匹ほどのゆっくりれいむが納まったその時。 男の手首が棒の仕掛けを引くなり、瞬時に締まる針金のわっか。 「む、むぎゅううううう!」 ゆっくりという台詞まで潰された、凄まじい締め付けが二匹をとらえていた。 男の腕力のまま、ひょうたん状になるまでくびれたゆっくりれいむたち。 呆然と見つめる姉妹たちに見送られ、巣の外へと運び出されていく。 後はもう作業だった。 棒が差し込まれるたび、泣き叫ぶことも許されず、うめき声だけを残して消えていく姉妹。 今の気持ちを、井戸で感じていた絶望とまったく同じだとれいむが気づいたとき、すでに巣に残されているのはそのゆっくりれいむ一匹だけだった。 広々としてしまった我が家で、れいむはもう逃げる素振りもしようとはしない。 もう、沢山だ。 もう、どうなってもいいや。 どんな形でもいいから、早く終わってしまえばいいのに。 空っぽの心で、終わりのときを待ち続ける。 だが、なかなか終わりを告げる棒が差し込まれてこない。 一人ぼっちでひたすらに立ち尽くすれいむ。 「戻ったぞ」 男たちの手を止めたのは、年配の男の声だった。 「わーい、おうちだー!」 その手の中で若いゆっくりれいむがはしゃいでいる。 「おじさん、もういいよ! ゆっくりおろしてね!」 無邪気に呼びかけるゆっくりれいむ。 それど、その楽しげな表情もゆっくり姉妹がぎゅうぎゅうに詰め込まれた篭を見つけるまでだった。 「おじさん、あ゛れ゛、な゛に゛!」 年配の男はゆっくりの質問を気にもとめず、その手のゆっくりを壮年の男へと手渡す。 壮年の男は有無を言わさず、手馴れた手つきで篭に押し込む。 「ゆっぐりいいい! ぐるじいい!」 涙に歪む顔が、必死に年配の男を探した。 「おじざん! おじぐらまんじゅうはじだぐない! 出して! おいかけっこであそぼ!!!」 無視する。 男たちは遊びではなく、仕事をしにきているのだから。 あえなくトーテムポールの一員にされていくゆっくり。 やがて「ゆ゛っ」と苦しげに吐き出して震えるだけの状態になった。もう、ゆっくりたちの運命は決まったのだ。 年配の男は、収穫したゆっくりたちに視線を走らせる。 「ところで、母体の膨れたゆっくりはどうした?」 「ああ、邪魔だったので潰しときました。使いようがないですから、アレは」 壮年の明快な回答に、一斉に「ゆ゛っ”! ゆ゛っ!」と感極まったゆっくりたちのうめき。 悲しみと怒りのアンサンブルは、男たちに届かない。 「おいおい」 年配の男は、壮年の男を見つめて大きなため息。 「無闇に取り捲って、いらないのを潰すだけが私らの仕事じゃないだろう」 諭すような静かな物言い。 だが、受け止める壮年の男は雷鳴が鳴り響いているかのように、がたいのいい体を縮めていた。 「逃がしとけば、またどこかで新しい家族を生んでもらえるものを……」 「す、すいません。考えが浅かったです」 「ああ、次から気をつけなさい」 壮年の男を恐縮に追い込んでから、年配の男は再び気のいい笑顔に戻る。 「これで全部か?」 「あと、一匹いますよ。今、捕まえますんで」 その返事は壮年の男ではなく、穴にもぐっていた青年が返した。 「いや、それはいい。放っておけ」 年配の男の言葉に、部下たちは意外な表情を浮かべて振り返る。 「母体のれいむの代わりに残しておけ」 「でも、こいつがあの膨れゆっくりになるまで大分かかりそうですよ」 不満げな壮年の男に、年配の男はゆっくりかぶりを振る。 「目先を追うな。あえて損を選んで将来の利益を守る必要もある。農家が土地が痩せるないために休耕田を設けるようにな」 部下たちに心構えを伝えて、年配の男はゆっくりの詰まった篭を軽々と背負う。 慌てて、壮年の男がもう一つの篭を背負い、青年は穴から餡子まみれの体を引き抜く。 ゆゆゆ……と、蠢くゆっくりたちとともに、男たちは帰路についた。 「大漁だな」 がっしりと食い込む篭の重みに、男たちはまさに嬉しい悲鳴。 「まったく、アリスさんのおかげだ」 年配の男の言葉に部下たちは頷く。 アリスの勧めで、家族の元へ一目散に向かうゆっくりれいむをつけていた三人。 見事に一家揃って拿捕することに成功した。 おまけに「仲のいいゆっくり一家だけでつくりました」と売り出せる付加価値つき。 今日も実にいい仕事をした。 男たちは悠々と加工所へ向け、気分よく道を急いだ。 家にひとり残されたゆっくりれいむは、長い間放置されていた。 日差しが傾き、山々の陰に隠れるころ、ようやく男たちが立ち去ったことに気づく。 恐る恐る外にでた。 家族の誰かが逃げ出して、帰ってくるのを出迎えるために。 だが、外にも誰もいなかった。 空に広がる黄昏が暗く藍色に染まり、夜の境界を踏み越えても誰も戻ってこない。 とぼとぼと中に戻る。 自分ひとりで過ごすには、あまりにも広い横穴。 家族たちで押し合いへし合いしていた頃には狭いと感じていたのに、今は閑散として寒々とした光景。 真ん中にお母さんがいて、姉妹たちが円になって体温をわけあう。 そんな風に寒さを耐えることは、もうできないのだ。 れいむは静かに泣いた。 泣き続けて、ふと思い出したのは井戸の苦しさを必死に耐えたまりさ。 そうだ、まりさが治療を終えてうちに遊びにきたら、そのままうちに住んでもらおう。 同じ苦しさをわけあったまりさとなら、この寂しさが少しぐらいはまぎれるかもしれない。 自分はまだ、何もかも奪われたわけじゃない。 早く、まりさこないかな…… 友達の姿を思いながら、れいむはそっと目を閉じる。 つかれきった心を癒すかのように、ゆっくりと友達の夢を見ていた。 (第四話 にんっしんっまりさに続く) あとがき どうも、長々とごめんなさい。 ゆっくり加工所を書いてからいろんな人のゆっくりいじめを読めるようになったのが何よりも嬉しくて、思わず読みふけって書くのが遅くなりました。 次回は四話の前に、笑えていじめやすそうなゆっくりみょんを題材に軽いものを書いてみますね。 小山田
https://w.atwiki.jp/30mmcolors/pages/171.html
ウィリアム・ウォルター 緋盾騎士団の団長補佐で財務担当で、アラン・ザイールの執事兼教員係。スーツにジャケットを羽織り、メガネをかけた壮年の男性 あらゆる銃火器に精通し、騎士団内の後方部隊の『リアガード隊』を統括している。 アランとクロエの仲には介入せず、遠巻きに優しく見守っている 機体:シェルノヴァ バトラス
https://w.atwiki.jp/ova-v/pages/231.html
雨が降っている。 多くの雨が降っていた、青年は傘を差していて、喪服を着ていた。 そこは墓地であった。今は雨のせいでくすんで見える芝生も、晴の日にはきっと眩しく輝くだろう。その墓地の中でも、特に奥まったスペースに、老人と少女の身体は収められていた。 濃い緑の垣根によって、その場所が周囲から視線に晒されることはまずもって無い。そこはある意味においては終着地点の様相を呈していた。周囲からは閉ざされていて、ここから先へはどこへも進むことができない。そういう場所だった。 参列者は既に立ち去ったあとで、青年の他には、ただ一人の壮年の男性だけが立っていた。眼鏡を掛けていた。 お互いに、暫くの間視線を交わすことはなかった。 しかし、あるタイミングにおいて二人は同時に視線を差し向ける。 ざあざあと音がしている。 「エンリカは――」 壮年の男が口を開く。 「休日にはよく出かけていました、何をするとは言ってくれませんでしたが……。それは、ひょっとして貴方と一緒にいたのかな」 「そうですね」 青年は返答した。 そこからまた沈黙が始まった。雨の音だけが、その場の欠落を埋め続けている。 やがて、男がまた口を開く。 「正直、色々と思うところはあります。 でも、貴方以上に上手くやれる人間も、結局はいなかったのでしょうね。それだけは、確かなことなのだと思います」 男はそう言った。 そして、一つ会釈を青年へと行う。 それを境にして、男は踵を返した。雨の中で湿った草を踏みしめる音だけが暫く響く。その音もまた、青年の聴覚から少しずつこぼれ落ちていく。 そのようにして青年は一人になった。 雨が全てを埋めていた。雨は降り続けていた。 ふいに、青年が自ら傘を傾ける。当然彼の身体は冷たい水気に覆われることとなる。 彼の身体を、小さな感触が絶え間なく叩き続けていた。 前髪が垂れ下がり、彼の目元を覆っている。 そして彼の口元が動く。さようなら、と呟いている。 投稿者:Cet
https://w.atwiki.jp/openfantasy/pages/130.html
トン・チン・カン 竜の国出身の有名な鍛冶屋 隻眼に所々傷の目立つ紫の鱗が特徴のワイルドな火竜の竜人 そのブレスの火力と鍛えられた怪力で金属以外にも様々な素材を用いて武具を作ってくれる 壮年で頑固な性格であり、気に入った相手にしか作ってくれないがその性能は折り紙つき ちなみに孫に対してだけは竜人が変わったかのように甘いとか… 関連
https://w.atwiki.jp/burabura/pages/177.html
立体ボーイ 立体アートの創作勝負! 独創 96 75 リズム論者 千切り勝負! 学問 112 65 スーパー店員 相手よりも多く勧誘せよ! 話術 99 75 エイギョーマン 腕相撲マシーンの腕を倒せ! 腕力 126 87 タマヨメ 手毬歌勝負! 持久 100 78 壮年ゲーマー フィギュアスケートゲームで勝負! 独創 持久 30 7 芸人見習い 漫才の相方をこなせ! 話術 44 シンボウゲーマー ボクシキングで勝て! 持久 39
https://w.atwiki.jp/manjyu/pages/153.html
名前:レヴ 性別:なし(サンプリングの声は男性) 年齢:起動後2年 フェリシアのブレスレットに搭載された高性能AI。 自我を有しているかのような高度な思考とコミュニケーションが可能であるほか、 戦闘中はクレスタの操縦系に接続してナビゲーションを努める。 固定された姿は持たないが、冷静沈着な壮年男性といった雰囲気。 関連リンク フェリシア・ファルネシア