約 3,179 件
https://w.atwiki.jp/prdj/pages/3748.html
ドラゴン:プレイナー・ドラゴン Planar Dragon 出典 Pathfinder #137 The City Outside of Time 88ページ プレイナー・ドラゴンは外方次元界に起源を持つが、ポータルなどを用いて物質界に移動する。そこで彼らは自身の家であった次元界を反映した隠れ家を再形成する。 年齢段階 トゥルー・ドラゴンの特殊能力、攻撃、その他のデータは、ドラゴンの成長につれて強大になる。この上昇はドラゴンの年齢によって12の年齢段階に区分される。基本的なデータは『表:ドラゴンの年齢段階』に記載されているように変動する。 年齢段階 年齢(歳) 脅威度 再度 ヒット・ダイス 外皮 ブレス攻撃 1 ワームリング(雛) 0~5 基本値 基本値 基本値 基本値 基本値 2 ヴェリー・ヤング(幼児) 6~15 基本値+2 基本値+1 基本値+2 基本値+3 基本値×2 3 ヤング(子供) 16~25 基本値+4 基本値+2 基本値+4 基本値+6 基本値×3 4 ジュヴナイル(少年) 26~50 基本値+5 基本値+2 基本値+6 基本値+9 基本値×4 5 ヤング・アダルト(青年) 51~100 基本値+7 基本値+3 基本値+8 基本値+12 基本値×5 6 アダルト(成年) 101~200 基本値+8 基本値+3 基本値+10 基本値+15 基本値×6 7 マチュア・アダルト(壮年) 201~400 基本値+9 基本値+3 基本値+12 基本値+18 基本値×7 8 オールド(老齢) 401~600 基本値+11 基本値+4 基本値+14 基本値+21 基本値×8 9 ヴェリー・オールド(大老) 601~800 基本値+12 基本値+4 基本値+16 基本値+24 基本値×9 10 エインシャント(太古) 801~1,000 基本値+13 基本値+4 基本値+18 基本値+27 基本値×10 11 ワーム(長虫) 1,001~1,200 基本値+14 基本値+4 基本値+20 基本値+30 基本値×11 12 グレート・ワーム(大長虫) 1,201+ 基本値+16 基本値+5 基本値+22 基本値+33 基本値×12 年齢段階:これは年齢段階の名称である。 年齢(歳):これはドラゴンの実際の年齢である。 脅威度:この列はドラゴンの基本脅威度への修正値である。 サイズ:これは年齢によって、ドラゴンの基本サイズがどれだけ増加するかを示したものである(超小型が小型に、小型が中型に、など)。トゥルー・ドラゴンはサイズが上昇したことによる通常の能力値上昇はしないが、かわりに『表:ドラゴンの能力値』が示すように、年齢段階によって能力値が上昇する。 ヒット・ダイス:これは成長によってドラゴンが得る追加のヒット・ダイスの数を示す。ヒット・ダイスが増加すれば、ヒット・ポイント、特技、技能ランクもドラゴンの基本攻撃ボーナスや基本セーヴ・ボーナスと共に上昇する。ドラゴンはヒット・ダイスごとに6+【知力】修正値に等しい技能ランクを有する。ヒット・ダイスによるドラゴンの能力値上昇は、ドラゴンの能力値上昇の総計にすでに加算されている(『表:ドラゴンの能力値』参照)。 外皮:これは年齢段階ごとにドラゴンの基本外皮ボーナスがどれだけ増加するかを示す。 ブレス攻撃/Breath Weapon:ドラゴンはそれぞれ基本ダメージを与えるブレス攻撃(『戦闘』参照)を有する。この倍率はドラゴンのブレス攻撃によって与えるダメージのダイスの数を増加させる。例として、2d6ポイントの[強酸]ダメージを与える基本ブレス攻撃を持つドラゴンのマチュア・アダルトは14d6ポイントの[強酸]ダメージを与える(×7の倍率による)。 年齢段階 【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】 1 ワームリング(雛) 基本値 基本値 基本値 基本値 基本値 基本値 2 ヴェリー・ヤング(幼児) 基本値+4 基本値-2 基本値+2 基本値+2 基本値+2 基本値+2 3 ヤング(子供) 基本値+8 基本値-2 基本値+4 基本値+2 基本値+2 基本値+2 4 ジュヴナイル(少年) 基本値+10 基本値-2 基本値+6 基本値+4 基本値+4 基本値+4 5 ヤング・アダルト(青年) 基本値+12 基本値-4 基本値+6 基本値+4 基本値+4 基本値+4 6 アダルト(成年) 基本値+14 基本値-4 基本値+8 基本値+6 基本値+6 基本値+6 7 マチュア・アダルト(壮年) 基本値+16 基本値-4 基本値+8 基本値+6 基本値+6 基本値+6 8 オールド(老齢) 基本値+18 基本値-6 基本値+10 基本値+8 基本値+8 基本値+8 9 ヴェリー・オールド(大老) 基本値+20 基本値-6 基本値+10 基本値+8 基本値+8 基本値+8 10 エインシャント(太古) 基本値+22 基本値-6 基本値+12 基本値+10 基本値+10 基本値+10 11 ワーム(長虫) 基本値+24 基本値-8 基本値+12 基本値+10 基本値+10 基本値+10 12 グレート・ワーム(大長虫) 基本値+26 基本値-8 基本値+14 基本値+12 基本値+12 基本値+12 戦闘 『表:ドラゴンの攻撃と移動速度』は、ドラゴンの持つ攻撃と与えるダメージを列挙している(―はそのサイズのドラゴンがその種の肉体武器を有していないことを表す)。ここに記されている他の能力はドラゴンが特定の年齢段階に達した時点で獲得される。 サイズ 飛行移動速度(機動性) 噛みつき×1 爪×2 翼×2 尾の打撃×1 押し潰し×1 尾による一掃×1 ブレス攻撃 直線状 円錐形 超小型 100フィート(標準) 1d4 1d3 ― ― ― ― 30フィート 15フィート 小型 150フィート(標準) 1d6 1d4 ― ― ― ― 40フィート 20フィート 中型 150フィート(標準) 1d8 1d6 1d4 ― ― ― 60フィート 30フィート 大型 200フィート(貧弱) 2d6 1d8 1d6 1d8 ― ― 80フィート 40フィート 超大型 200フィート(貧弱) 2d8 2d6 1d8 2d6 2d8 ― 100フィート 50フィート 巨大 250フィート(劣悪) 4d6 2d8 2d6 2d8 4d6 2d6 120フィート 60フィート 超巨大 250フィート(劣悪) 4d8 4d6 2d8 4d6 4d8 2d8 140フィート 70フィート 飛行移動速度:ドラゴンの飛行移動速度は、サイズによって、表に記されているように上昇する。 噛みつき/Bite:これは表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値の1.5倍を加えたダメージを与える主要攻撃である(2回以上の攻撃手段を有している場合であっても)。ドラゴンの噛みつき攻撃は、サイズ段階が1大きいかのような間合いを有する(超巨大サイズのドラゴンは+10フィート)。 爪/Claws:これは主要攻撃で、表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値を加えたダメージを与える。 翼/Wings:ドラゴンは、たとえ飛行中であっても、敵に翼を叩きつけて攻撃することができる。翼攻撃は表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値の1/2を加えたダメージを与える二次的攻撃である。 尾の打撃/Tail Slap:ドラゴンは毎ラウンド、尾で1体の敵をひっぱたいて攻撃することができる。尾の打撃は表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値の1.5倍を加えたダメージを与える二次的攻撃である(これは通常の二次的攻撃のルールの例外である)。 押し潰し(変則)/Crush:サイズ分類が超大型以上の飛行または跳躍しているドラゴンは、1回の標準アクションとして敵の上に着陸し、全身で敵を押しつぶすことができる。押し潰し攻撃はドラゴンよりサイズ分類が3段階以上小さい敵に対してのみ有効である。押し潰し攻撃はドラゴンの身体の下に収まる全てのクリーチャーに対して作用する。作用を受ける範囲内にいるクリーチャーは反応セーヴ(DCはドラゴンのブレス攻撃のものと同じ)に成功しなければならず、失敗すると押さえ込まれた状態になり、ドラゴンが上からどかなければ次のラウンド中に自動的に殴打ダメージを受ける。ドラゴンが押さえ込みを継続する場合、それは通常どおり戦技判定に成功しなければならない。押さえ込まれた状態の敵は、脱出しない限り毎ラウンド押し潰しによるダメージを受け続ける。押し潰し攻撃によるダメージは、表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値の1.5倍を加えたものである。 尾による一掃(変則)/Tail Sweep:サイズ分類が巨大以上のドラゴンは、1回の標準アクションとして尾を振り回して攻撃することができる。尾による一掃は、ドラゴンの接敵面の縁にある交差点の1つから、いずれかへの方向に広がる半径30フィートの半円形の範囲に作用する(超巨大サイズのドラゴンの場合、半径40フィート)。一掃の範囲内にいる、ドラゴンよりサイズ分類が4段階以上小さいクリーチャーが作用を受ける。尾による一掃は、自動的に表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値の1.5(端数切捨て)を加えたダメージを与える。作用を受けたクリーチャーは反応セーヴ(DCはドラゴンのブレス攻撃のものと同じ)を行うことができ、成功すればダメージを半減させることができる。 ブレス攻撃(超常)/Breath Weapon:ブレス攻撃の使用は1回の標準アクションである。 一度ブレスを使用したら、1d4ラウンド後まで再びブレス攻撃を行うことはできない。ドラゴンが複数の種類のブレス攻撃を有している場合でも、ブレスを使用できるのは1d4ラウンドに1回だけである。ブレス攻撃は必ずドラゴンに隣接するいずれかの交差点を起点にして、ドラゴンの選択した方向に向けて伸びる。ブレス攻撃の形状は直線型と円錐型があり、効果範囲の大きさはドラゴンのサイズによって異なる。そのブレス攻撃がダメージを与えるものである場合、範囲内に捉えられたクリーチャーは反応セーヴを行い、成功すればダメージを半分にできる。ブレス攻撃に対するセーヴDCは10+ドラゴンのヒット・ダイスの1/2+ドラゴンの【耐久力】修正値である。ダメージを与えないブレス攻撃に対するセーヴにも同じDCを用いるが、どのタイプのセーヴを行うかは個々の解説を参照すること。ドラゴンは組みついていたり組みつかれていたりする場合もブレス攻撃を使用できる。 ドラゴンの付随ルール ダメージ減少/Damage Reduction:ドラゴンは成長につれて、各ドラゴンの項目に示されているようにダメージ減少を獲得する。そうしたドラゴンの肉体武器はダメージ減少を克服するかどうかを調べる際に、魔法の武器として扱われる。 竜の超感覚(変則)/Dragon Senses:ドラゴンは有効距離120フィートの暗視と60フィートの非視覚的感知を有する。薄暗い光の中で人間の4倍の距離を見通し、通常の明かりの下で2倍の距離を見通すことができる。 畏怖すべき存在(変則)/Frightful Presence:ドラゴンの畏怖すべき存在はドラゴンの年齢段階×30フィートに等しい効果範囲を持つ。その他の効果はモンスターの共通ルールで詳述されている。 完全耐性(変則)/Immunities:全てのドラゴンは麻痺と睡眠の効果に対する完全耐性を有する。加えて、ドラゴンは年齢段階にかかわりなく、種族に応じてさらに1~2種類の攻撃形態に対する完全耐性を有する。その種類については個々の解説で述べる。 次元界の要素注入(超常)/Planar Infusion:ジュブナイル以上の年齢段階のプレイナー・ドラゴンは、全ラウンド・アクションとして周囲に影響を与えることができ、半径30フィート×ドラゴンの年齢段階が住処の次元界の延長として扱われる。これはその次元界の強度な属性的特性を課し、その次元界の魔法の増強と阻害の特徴を与え、ディスミサルなどの呪文や、その次元界を想起させる初級の感覚的効果を生み出す目的で原住として扱うか他次元界として扱うかに影響する。この効果は不動で、10日間またはドラゴンが死亡するか、再度この能力を使用するまで持続する。 呪文抵抗(変則)/Spell Resistance:年を経るに従って、ドラゴンは、個々の解説で示されているように呪文や擬似呪文能力への抵抗力を身につける。ドラゴンの呪文抵抗は11+脅威度に等しい。 呪文:プレイナー・ドラゴンはここの解説で示されているレベルのオラクルにしたがって呪文を修得しており、発動する。術者レベルは各段階に与えられているように年齢によって異なる。 プレイナー・ドラゴン:アポカリプス・ドラゴン Dragon(Planar), Apocalypse このドラゴンのねじれた体には、壊疽の傷がある。 出典 Pathfinder #137 The City Outside of Time 88ページ アポカリプス・ドラゴン Apocalypse Dragon 中立にして悪/竜(悪、他次元界) 基本データ 脅威度 8;サイズ 小型;ヒット・ダイス 10d12 移動速度 60フィート 外皮 +8;ブレス攻撃 円錐形、2d6[氷雪] 一般データ 【筋】21、【敏】14、【耐】15、【知】14、【判】15、【魅】14 生態 出現環境 どこでも(アバドン) 編成 単体 宝物 ×3 特殊能力 荒廃のとぐろ(超常)/Blight Coils:ドラゴンは、締めつけ能力でダメージを与える代わりに、目標を病毒能力に曝したり、1日が経過したかのように1つの病気によるダメージを与えることができる。 収縮筋(変則)/Constrictor:アポカリプス・ドラゴンには翼攻撃がないが、噛みつきはつかみ能力を得、収縮能力を得て、噛みつき攻撃に等しいダメージを与える。 魂飲み(超常)/Soul Drinker:ドラゴンは組みつき状態あるいは押さえ込まれた状態のクリーチャーが死亡する時、殺害されたクリーチャーのヒット・ダイス毎に1ラウンドの間グレーター・ヒロイズムの利益を得る。 魂略奪(超常)/Soul Reaver:ドラゴンは組みつき状態あるいは押さえ込まれた状態のクリーチャーにレイズ・デッドあるいは同様の魔法を使用する術者は、DC30の術者レベル判定に成功するか、呪文は失敗し物質構成要素を無駄にしなければならない。 不浄な頑健(変則)/Vile Fortitude:アポカリプス・ドラゴンは[氷雪]、[即死]効果、病気毒に完全耐性を持つ。 病毒(超常)/Virulence:ドラゴンのブレス攻撃によってダメージを受けたクリーチャーは同じDCで頑健セーヴに成功するか、潜伏期間なく溶死病に感染しなければならない。アダルト・ドラゴンの病気は1d6ポイントの【耐久力】ダメージを与える;これはエインシャント・ドラゴンの時点で1d8と3回の連続セーヴ成功に増加する。 年齢段階 特種能力 術者レベル ワームリング(雛) 不浄な頑健、病毒 ― ヴェリー・ヤング(幼児) 収縮筋 ― ヤング(子供) 荒廃のとぐろ 1レベル ジュヴナイル(少年) 畏怖すべき存在、次元界の要素注入 3レベル ヤング・アダルト(青年) ダメージ減少5/善、呪文抵抗 5レベル アダルト(成年) 病毒(1d6【耐】) 7レベル マチュア・アダルト(壮年) ダメージ減少10/善 9レベル オールド(老齢) 魂略奪 11レベル ヴェリー・オールド(大老) ダメージ減少15/善 13レベル エインシャント(太古) 病毒(1d8【耐】、3回セーヴ) 15レベル ワーム(長虫) ダメージ減20/善 17レベル グレート・ワーム(大長虫) 魂飲み 19レベル ヤング・アポカリプス・ドラゴン CR12 Dragon (Planar, Apocalypse), Young Apocalypse Dragon 出典 Pathfinder #137 The City Outside of Time 88ページ XP 19,200 中立にして悪/大型サイズの竜(悪、他次元界) イニシアチブ +5;感覚 竜の超感覚;〈知覚〉+20 防御 AC 24、接触10、立ちすくみ23(+14外皮、-1サイズ、+1【敏】) HP 147(14d12+56) 頑健 +13、反応 +12、意志 +12 完全耐性 [氷雪]、[即死]効果、病気、麻痺、毒、睡眠 攻撃 移動速度 60フィート、飛行200フィート(貧弱) 近接 噛みつき=+22(2d6+13加えてつかみ)、爪(×2)=+22(1d8+9)、尾の打撃=+20(1d8+13/19~20) 接敵面 10フィート、間合い 5フィート(噛みつきは10フィート) 特殊攻撃 ブレス攻撃(40フィートの円錐形、6d6[氷雪]加えて病気、DC 21)、締めつけ(2d6+13)、荒廃のとぐろ、病毒 修得済みのオラクル呪文 (術者レベル1;精神集中+4) 1レベル(4回/日)―プロテクション・フロム・グッド、レイ・オヴ・シックニング(DC 14) 0レベル(回数無制限)―ブリード(DC 13)、ディテクト・マジック、レジスタンス、スパーク 一般データ 【筋】29、【敏】12、【耐】19、【知】16、【判】17、【魅】16 基本攻撃 +14;CMB +24;CMD 35(対足払い38) 特技 《薙ぎ払い》、《クリティカル強化:尾の打撃》、《イニシアチブ強化》、《神速の反応》、《踏み込み》、《複数回攻撃》、《強打》 技能 〈はったり〉+20、〈飛行〉+12、〈知識:次元界、宗教〉+20、〈知覚〉+20、〈真意看破〉+20、〈呪文学〉+20、〈隠密〉+14、〈生存〉+20 言語 地獄語、共通語、竜語、奈落語 アダルト・アポカリプス・ドラゴン CR16 Dragon (Planar, Apocalypse),Adult Apocalypse Dragon 出典 Pathfinder #137 The City Outside of Time 88ページ XP 76,800 中立にして悪/大型サイズの竜(悪、他次元界) イニシアチブ +4;感覚 竜の超感覚;〈知覚〉+28 オーラ 畏怖すべき存在(180フィート、DC27) 防御 AC 31、接触8、立ちすくみ31(+23外皮、-2サイズ) HP 250(20d12+120) 頑健 +18、反応 +14、意志 +19 ダメージ減少 5/善;完全耐性 [氷雪]、[即死]効果、病気、麻痺、毒、睡眠;呪文抵抗 27 攻撃 移動速度 60フィート、飛行200フィート(貧弱) 近接 噛みつき=+30(2d8+18加えてつかみ)、爪(×2)=+30(2d6+12)、尾の打撃=+28(2d8+18/19~20) 接敵面 15フィート、間合い 10フィート(噛みつきは15フィート) 特殊攻撃 荒廃のとぐろ、ブレス攻撃(50フィートの円錐形、12d6[氷雪]加えて病気、DC 25)、締めつけ(2d8+18)、押し潰し、病毒 修得済みのオラクル呪文 (術者レベル7;精神集中+12) 3レベル(5回/日)―ビストウ・カース(DC 18)、コンテイジョン(DC 18) 2レベル(7回/日)―エイド、ダークネス、ディスフィギャリング・タッチ (DC 17) 1レベル(8回/日)―ドゥーム(DC 16)、エンデュア・エレメンツ、オブスキュアリング・ミスト、プロテクション・フロム・グッド、レイ・オヴ・シックニング(DC 16) 0レベル(回数無制限)―ブリード(DC 15)、ディテクト・マジック、ディテクト・ポイズン、ガイダンス、ライト、リード・マジック、スパーク 一般データ 【筋】25、【敏】10、【耐】23、【知】20、【判】21、【魅】20 基本攻撃 +20;CMB +24;CMD 44(48対足払い) 特技 《薙ぎ払い》、《クリティカル熟練》、《クリティカル強化:尾の打撃》、《イニシアチブ強化》、《鋼の意志》、《神速の反応》、《踏み込み》、《複数回攻撃》、《強打》、《疲労化クリティカル》 技能 〈はったり〉+28、〈飛行〉+15、〈威圧〉+28、〈知識:次元界、宗教〉+28、〈知覚〉+28、〈真意看破〉+28、〈呪文学〉+28、〈隠密〉+15、〈生存〉+28、〈魔法装置使用〉+28 言語 地獄語、共通語、竜語、奈落語 その他の特殊能力 次元界の要素注入(180フィート) エインシャント・アポカリプス・ドラゴン CR21 Ancient ApocalypseDragon 出典 Pathfinder #137 The City Outside of Time 89ページ XP 409,600 中立にして悪/大型サイズの竜(悪、他次元界) イニシアチブ +3;感覚 竜の超感覚;〈知覚〉+38 オーラ 畏怖すべき存在(300フィート、DC31) 防御 AC 40、接触5、立ちすくみ40(+35外皮、-4サイズ、-1【敏】) HP 406(28d12+224) 頑健 +24、反応 +17、意志 +25 ダメージ減少 15/善;完全耐性 [氷雪]、[即死]効果、病気、麻痺、毒、睡眠;呪文抵抗 32 攻撃 移動速度 60フィート、飛行250フィート(劣悪) 近接 噛みつき=+40(4d6+24/19~20加えてつかみ)、爪(×2)=+40(2d8+16)、尾の打撃=+38(2d8+24/19~20) 接敵面 20フィート、間合い 15フィート(噛みつきは20フィート) 特殊攻撃 荒廃のとぐろ、ブレス攻撃(60フィートの円錐形、20d6[氷雪]加えて病気、DC 31)、締めつけ(4d6+24)、押し潰し、魂略奪、尾による一掃、病毒 修得済みのオラクル呪文 (術者レベル15;精神集中+22) 7レベル(5/日)—ブラスフェミイ(DC 24)、コントロール・ウェザー 6レベル(7/日)—ヒール、プレイグ・ストーム(DC 23)、ワード・オヴ・リコール 5レベル(7/日)—クレンズ、ディスペル・グッド、フレイム・ストライク(DC 22)、プレイン・シフト (DC 22) 4レベル(7/日)—ディメンジョナル・アンカー、ディスミサル(DC 21)、ジャイアント・ヴァーミン、アンホーリィ・ブライト(DC 21) 3レベル(8/日)—ビストウ・カース(DC 20)、ブラインドネス/デフネス(DC 20)、コンテイジョン(DC 20)、ディスペル・マジック 2レベル(8/日)—エイド、ダークネス、デス・ネル(DC 19)、ディスフィギャリング・タッチ(DC 19)、サイレンス(DC 19) 1レベル(8/日)—ドゥーム(DC 18)、エンデュア・エレメンツ、オブスキュアリング・ミスト、プロテクション・フロム・グッド、レイ・オヴ・シックニング(DC 18) 0レベル(回数無制限)—ブリード(DC 17)、クリエイト・ウォーター、ディテクト・マジック、ディテクト・ポイズン、ガイダンス、ライト、リード・マジック、スパーク 一般データ 【筋】43、【敏】8、【耐】27、【知】24、【判】25、【魅】24 基本攻撃 +28;CMB +48;CMD 57(61対足払い) 特技 《薙ぎ払い》、《クリティカル熟練》、《過労化クリティカル》、《クリティカル強化:噛みつき、尾の打撃》、《イニシアチブ強化》、《鋼の意志》、《神速の反応》、《踏み込み》、《複数回攻撃》、《強打》、《ひっつかみ》、《疲労化クリティカル》、《急旋回》 技能 〈はったり〉+38、〈飛行〉+16、〈威圧〉+38、〈知識:神秘学、歴史、次元界、宗教〉+38、〈知覚〉+38、〈真意看破〉+38、〈呪文学〉+38、〈隠密〉+18、〈生存〉+38、〈魔法装置使用〉+38 言語 地獄語、共通語、竜語、奈落語 その他の特殊能力 次元界の要素注入(300フィート) これらのプレイナー・ドラゴンは、成長、生命、繁殖力の場所を破壊する。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4879.html
私の選んだ人 エピローグ 「偽りの言葉」 「これであたしの勝ちっ!キョン、罰ゲーム、分かってるわね!?」 「ああ、帰りに人数分のアイスだろ?わかったよ」 涼宮さんの「ハサミ」の形からそのままVサインに意味的な変化を遂げた手の形を諦めの目で眺めつつ、手の平を返し肩を竦めながら嫌そうにそう仰る彼をちょっと透視してみても、「やれやれ」としか書かれておりません。ですが彼は自分自身も騙し遂せますからね。1度フィルターの解除方法を森さんに教わった方が良いのかもしれません。 まぁ彼の場合は、瞳孔の伸縮が視認できる至近距離で透視すればフィルターを無視して本音を読み取れるのですが、彼に嫌がられるのであまり多用はできません。 それにしても、涼宮さんも「罰ゲーム」などと仰らず、直接…………あ。 罰ゲーム!? そ、そういえば、あの日の森さんの罰ゲームがまだ2つも残っていた……。しまった。要らない事を思い出したぞ。 当時森さんを苦しめていた原因が無くなった今、彼女には僕をいじるのに何の障害も無い。機関が問題にするのは機関員同士で実際に交際する事だけで、僕の一方的な感情に対してお咎めは無い。でも同時に、森さんには僕に嫌な思いをさせて恋心を醒めさせる一番大きな理由も無くなってはいるのだけど……。 いや。以前はクールだと思っていた森さんは実はかなり悪戯好きみたいだし、それになんというか、言い方は悪いけど少しサディスティックな所もある。そんな面白そうな事をみすみす見逃してくれたりはしないだろう。 そして森さんがすっかり忘れている可能性は……全く期待できない。 先週のあの事があるから忘れた事にしてくれる……可能性も無いだろう。変に気を遣ってギクシャクする事が無いように、逆にエスカレートするに決まっている。 さあて、嫌な予感がするぞ。今度はどんな方法で告白させられるのだろう。大体、「肌にイイから」って、あんな綺麗な肌を、あれ以上どうしようって言うんだ。 「あれ?古泉君じゃないわよ?罰ゲーム。でもなんか新鮮だわ。古泉君のびっくりした顔って」 あ、まずい。擬態が。 涼宮さんの前で擬態を解いてしまうなど、気が緩んでいるにも程があります。 団長席の上で胡坐を掻かれた涼宮さんは、腕を組み、少し驚かれた表情で僕に興味の眼差しを向けていらっしゃいます。 それに釣られ、長門さんをも含む皆さんの視線が僕に集中してしまいました。 「いえ、思い出した事がありまして。大した事ではありません」 「へぇ?……ま、いいわ。ところでさ、古泉君?」 「はい、なんでしょう?」 「また転校する予定なんて、無いわよね?」 瞬間、部屋の空気が凍り付きます。が、「僕」はショックを全く表に現さず、即答します。 「いえ、何故そうお考えに?」 「なんとなく。なんだけど、ちょっと前に急に不安になったのよね。今日会ったらなんか気のせいだった気もしたんだけど」 「……ははは。気のせいだろ。昨日今日の付き合いじゃないんだ。そんな予定があったら先に相談するだろ。な?古泉」 「あは。そ、そぉですよぉ。大丈夫ですよ。ね?ね?古泉くん」 「……」 明らかに動揺したお二方の必死のフォローにより、逆に疑りを深めた涼宮さんの眉間の皮膚が隆起しました。 「……本当にそんな予定あるの?あんた達すっごく変よ?まさか、あたしにだけ隠してるんじゃないわよね?」 「とんでもありません。その様な予定は誓ってありませんし、その場合には必ず真っ先に涼宮さんにお伝えいたしますよ」 「う~ん。まぁ、古泉君ならきっとそうしてくれるわよね。キョンとみくるちゃんの反応が気になるけど。ま、いっか」 相変わらず、空恐ろしい勘働き振りです。 って。ああもう、お2人さん!どうか、明らかに安堵するの止めて下さい!閉鎖空間が発生してしまうじゃないですか……。 それでも結局、涼宮さんは釈然としないながらもそれ以上は何も仰らなかった。僕達みんなを信じる。という事なのかな。 帰り道。 ナッツ入りチョコレートアイスバーを齧る涼宮さんと、ストロベリーのカップアイスを少しずつ口に運ぶ朝比奈さんが並び、その後にソーダアイスキャンディーを暫く眺めた後に一気に平らげた長門さんが続いています。そのまた後を、夏ミカンのシャーベットを黙々と崩している彼と、頂いたコーヒー味のコーンアイスを持つ僕が並んで歩いております。 ところで、先週月曜の昼休み、長門さんに色々訊ねた時の事をお話しましょう。 会話の内容全てをお伝えしようとすると長くなりますので、要約させて頂きます。 「強い感情を持つ対象に纏わるヒトの脳の記憶システム構造を利用し、15497回繰り返された昨年夏に、涼宮ハルヒを除くあなた達の脳内に蓄積された記憶の残滓が及ぼした影響を現象的に再現した」 「仮死状態から覚醒したあなたに対し、可及的速やかな伝達を要した情報は具体的な数値を含んでいたため、正確さを維持するためには高レベルの記憶強度を確保する必要があった。しかしそれは該当記憶の喚び出しを容易にしてしまい、予期できない再生トリガーを発生させる可能性を否定できなかったため、隠喩や元々あった記憶へのジャンプを利用する事でそれらを回避した」 「そう。わたしの部屋で不可視状態の喜緑江美里があなたの記憶操作を実行した。オセロをプレイしたのは、わたし」 「森園生と意識の回復に関連付けたあなたの想定未来のシチュエーションを、約362兆2715億3321万回消去、書き込みのシークエンスを実行し、推測される各シチュエーション・パターンの疑似記憶エコーを派生させ、最終的に第2次エコーまでの記憶リンクとノイズを解除又は消去する事で、トリガーとなるシチュエーションとの完全な一致無くしてはあなたが意識的に取り出すことのできない、あなた達がデジャヴュや既視感と呼称する現象に極めて似た状態の断片記憶を作為的に生み出した」 「あなたは新しい能力を与えられた訳ではない。安心していい」 こんな感じでした。 その際長門さんはJ・R・R・トールキンの不朽の名作をお読みだったのですが、「その本では恐らく長門さんの知りたい情報は得られません」などと無粋な事は言えませんでした。大変面白い本ですし、まあ、それはそれで良いかと。 それから、新川さんの上位人格は密かに長門さんに消して頂きました。正確に言うと完全には消せなかったようで、喚び出す為に必要だったキーワードを消去する事で、新川さんの「精神の深奥に封印した」そうです。 ついでに、僕の中の「彼」の記憶も消して欲しいとも思ったのですが、長門さんは「過去は容易に消すべきではない。それは現在の自分と未来への努力を否定するのと同じ事」と仰って、その話は終わりました。ただ、新川さん自身が僕達を透視して上位人格が存在した事に気付かないように、調整して頂けたそうです。 日曜日。要人警護のパーティ会場。 クラシックな内装の巨大なパーティホールに、タキシードとドレス姿の男女がひしめいている。 200人近くは居るかな。 天井から吊り下げられたシャンデリアなどの基本的な内装、食器、料理は非常に高価だが、廊下に飾られていた絵や、机などは金銭的価値はバラバラで、それでいて非常にセンスが良い。 これら全て、今回の護衛対象の持ち家の一部だ。 客達に給仕しているのは、この城と言っても過言では無い家に住み込みで働くハウスキーパー達らしく、年齢も性別もタイプもまちまち。共通しているのは全員知性を感じさせる目の光を持っている事だけで、顔やスタイルで選んでいない事は明らかだ。とても好印象。 彼は機関のパトロンであり、鶴屋氏の遠いご親戚でもあられる方で、今日が45歳の誕生日なのだそうだ。 どんな悪行をしたらこれほど金が集まるのか。と、思わず「彼」の真似をして言いたくなる所だけど、実際には、そもそも裕福だった家系と、自身の商才が素晴らしかっただけで、潔癖なまでにクリーンな事業にしか手を出さない人物らしい。 機関が本当にクリーンかは、僕には判断できませんが。 その上、本人の容姿も素晴らしく、日本人とイギリス人のハーフで渋い銀髪のハンサムな壮年男性。背も高く、人当たりも良く、相当キレ者との事。 それでいて未だ独身なのは、特に性癖が一般的でないという事ではなく、これは有名な事らしいのですが、大変な好色家だからだそうで。 毎月違う妾の誕生日を盛大に祝っているという噂すらあります。 曰く、「日本人の女性は最高」だそうです。……そこは感じが悪いですね。 その彼が森さんを大変気に入ってしまい、今までなんとかはぐらかして来た森さんも、相手が機関のパトロンという事もあり、今回のパーティへの招待は「警護」という名目であった上に、機関上部からの命令にタイミング的にも従わざるを得なかった。それが実際の所の様です。 まあ、彼の命を脅かす事が可能なヒットマンは、日本国内では機関ぐらいにしか居ないとの事ですが。何せ、警備も鉄壁を誇っていますから。 そんな男性、明らかにそれ以上を望むべくも無い様な完璧な男性が、森さんが受け容れるならば森さんを正妻に迎え、妾は全員十分な補償をした上で別れるとまで仰っているそうで。……はい。心中穏やかでないです。 ……ああ。弱った。 今日の僕の役割は護衛対象の命を守る事ではなく、森さんが『護衛対象』に口説かれるのを妨害する事で、僕にとっての「要人」は森さんという訳なのですが、どうなんでしょうね。森さんにとって、どうする事が幸せなんでしょうか。 まあ、僕がどう考えているかは別にしても、森さんはその様な誘いに乗る気は更々無いようで、僕は森さんの指示でこの様な場違い極まりないパーティに畏れ多くも彼女を『恋人』として「エスコート」して来た事になっているのですが、森さんが自分の事を自分で出来る人だという事は今更言うのも馬鹿馬鹿しい当たり前の事ですし、本当に僕が必要なのか疑問です。いえ、確実に不必要です。 機関はパトロンの方々にさえ機関法の内容を漏らす事はありませんので、機関員同士で交際できない事など知る由もありませんしね。一番簡単に納得して頂ける、断りの手段である事は確かです。 ですが、もし僕が失敗したら、僕が最初から居なかった場合と比較して返って悪い事態になるでしょうし、それに僕が弱っているのにはもう一つ理由が。 それは、この人が原因です。ええ。皆さんもうお解りでしょう? 来ました。森さん、その人です。 詳しく説明しますと、その完璧な体のラインに完全に一致したローズレッドのイブニングドレスに身を包んだ森さん。です。 イブニングドレスと聞いても馴染みが薄いかもしれませんが、端的に言うと、露出が多いんです。 胸元も背中もかなり大きく開いて、彼女の肌、まるで白磁のガラス質の層を表面に持つかの様な透明感の、それでいて弾力を感じさせるハリとツヤのある肌が大きく露わになっています。 その豊満な胸元には、視線を誘導する為にあるとしか思えない、一点のルビーが輝くシルバーのネックレスが下げられています。 頭には、小さな赤い宝石で出来た羽を閉じた蝶の様な形の髪留めがアクセントになっており、アップに纏められた黒髪はなんとも雅な光沢を放っていますし、それとは対照的な絹の様に滑らかな艶っぽい白いうなじが、絵画で云う視線誘導の効果が最も高い、明度の差が極端な衝突線を生んでいます。 そして彼女自身、普段の氷のオーラの代わりに温かく穏やかな雰囲気を放射しています。 こんな彼女が、完璧に、僕と「交際している」という演技をしている訳です。 バカップルよろしくベタベタしたりする訳では無いのですが、僕の背中は物理的にベタベタです。 スッと僕の隣に寄り添い立った森さんは、僕のグラスを持つ腕に白い手を乗せ、ちらりと僕を見る。その涼やかな目元に笑みの皺が寄る。そして、 「向こうの……」 と言いながら顔の向きを変え、少し離れたテーブルの近くに立つ壮年男女6名の一団に視線を飛ばした。 「……方々も機関の賛同者で強力なパトロンなの。私は1度だけお会いした事があるからちょっとご挨拶してくるわね。でもあなたは覚えられない方が良いからここで待ってて。5分くらいで戻ってくるわ」 と言うと、黒髪からフワリと漂う芳しい香りを残し、ウェイターの持つトレイからノンアルコール・シャンパンのグラスを一つ、優雅な所作で受け取ると、その壮年男女の一団に足を向けた。 彼女の身をピッタリ包むシルクのドレスの開いた背中から覗く綺麗な背筋と、歩く事で際立つウェストとヒップ、脚のカーヴから自制心を総動員してなんとか視線を外すと、周囲の男性も僕と同じ苦労をしている事が見て取れた。反対に女性達はハッキリとそのラインを凝視し、その目に羨望の色を浮かべている。なんと罪作りな造詣だ。 そして彼女を迎えた一団の中の男性達が不自然なまでに彼女の顔ばかり見ているのは、顔より下を見るとそれぞれの隣で穏やかな笑顔を見せている奥様方からの強烈な殺気を感じているからだろう。 しかし少し会話を続けると、彼女がミテクレだけではない事、自分の夫達では絶対に口説けそうにない事が解った為か、彼女らから夫に向けた殺気は消え失せ、休戦状態に落ち着いた様だ。 そのまま2分程経った頃、僕は些細ではあるが不思議な事に気付いた。 彼女の持つグラスの中の液体は減っているのに、その縁のどこにも唇の跡が残されていないのだ。口紅が付着しない理由は以前説明された通りだとしても、唇の跡は残らなければおかしい。 彼女がどんな魔法を使っているのか興味を持った僕が意識してそのグラスを注視していると、彼女はグラスに口を付けた後、周りの人々と明るく会話をしつつ、他の人に注意が移った一瞬を突いて、何気ない指先だけの動作で口を付けた跡を拭った。僕ももう少しで見逃す所だった。 成る程。手品のトリックを応用している訳ですか。流石ですね。 彼女は僕が注視していた事には「全く気付いていない」といった素振りで、誰かが言った冗談で明るく歯を輝かせ笑っていたが、もう一度同じ要領でグラスを拭う際に、悪戯っぽくキュートな笑みをチラッと僕に投げ掛け、微かに目を細めた。 さっきから、演技なんですよね、それ?その視線は。 ええ、蜜月にある恋人達が交わす視線そのものです。完璧です。僕、本気で胸が苦しいです。 僕が先程から弱っているのは、コレなんです。 コレのせいで、僕の彼女への想いを彼女自身に透視させない事が可能な状態には、最早程遠いんです。 そして、周囲の一連の流れに気付いた男性達から、僕に向けて冷ややかな空気が殺到した。どうも、一見僕が彼女に対して夢中なのではなく、その逆に見える事が腹立たしいらしい。そんな風に思われても困ります。実際は全く逆ですし。 しかも、更に大きな問題がある。 僕はこれから「護衛対象」の前で、こんな「高嶺の花」という言葉が正にしっくり来る森さんの恋人を演じなければならない。 ああ、弱った。 擬態は例によって、「するな」と釘を刺されているし。 ああ、僕は一体どうしたらいいんだろう。 もし僕が失敗して、僕が森さんの交際相手ではない事がばれてしまっても、森さんがわざわざそんな演技をしたという事実が、先方に森さんを諦めさせる十分な理由にはなるだろう。 しかしそれでは先方の面目が丸つぶれだ。機関への資金援助も凍結されかねない。 と、そこへ森さんが戻ってきた。 森さんは僕の耳元に顔を近づけると、返した手で口元を覆い、 「一樹、チャンスよ。アルファが近付いて来たわ。あなた演技なんてできそうにない状態だから、この際、向こうから諦めて貰いましょう。ちょっと来て」 こう囁くと、僕の腕に腕を絡める。ムニュっと。 あ、いえ。……その、はい。 そして、僕が歩くのに付いて来ている様に見せかけつつ、ドアを抜け、僕をテラスへ誘導した。 周りからの視線が痛い。 僕の腕から解いた手を、手摺りについた森さんは、暫く景色を値踏みするように眺めた後、こう言った。 「なかなかの景色ね。あの丘からの景色には劣るけど」 「……そうですね」 「あら、元気無いのね。どうしたの?こんなに綺麗な彼女が傍に居るのに」 「正に、それが原因かな」 「あら。悲しい事言うのね。私、傷付くわよ?」 またまた、冗談でしょう。と、言おうとしながら彼女の目を見ると、全く予想しなかった事が起きた。 ……辛うじてではあるものの、透視できる。 そして彼女の目にはこう書いてある。 「嘘は言ってない」 狼狽する以外に、僕に何ができただろうか。 そして、もっと驚くべき事が起きた。 無言の彼女は僕の正面に立つと、僕の両肩に手を載せ、背を伸ばし、顔を上向きにすると、目を瞑ったのだ。 それを見ても当然な事のようにも思ったし、全く理解できないようにも思った。 だから僕は何も考えず、ただ彼女と唇を合わせた。 その感触は秘密だ。僕だけの物にして置きたい。 …………。 顔を離した彼女は、僕の目を見つめ、優しく微笑んだ。 それはとても愛らしい微笑みだった。 口付けの感触を通して伝えられた気持ち。 それに加え、彼女のその微笑を見た時、僕はやっと理解した。 ああ、彼女はどうやら、本当に僕の事を想ってくれているんだ。と。 本当なら舞い上がるべきなんだろうけど、余り実感が伴わない。 それに、二人とも機関に所属する以上、恋愛関係は厳禁だ。交際が発覚すると色々と本当に厄介な事になる。 ただ、機関に所属していようと僕らも人間だ。恋愛感情を持つこと自体で罰則を受けたりはしない。 だから、もう黙っていよう。 心の内に秘め、2度と口にはしない。 機関が必要の無い世界になる、その日まで。 「今のはただの演技だから。勘違いしないように。解ってるわね」 そう。表向きには、そういう事にして置く必要がありますから。 でも、僕の胸の奥で消し損ねた火種がチロチロと炎の舌を出す。 「そういえば、あの日の罰ゲームがまだ2つも残ってたわよね」 「……そうでしたね」 「じゃあ、1つは機関法、と言うより「規律」の第27条が必要の無い日が来るまで、誰とも、交際しない事」 「……はい」 「もう1つは、その時まで取っておくわ」 「…………はい」 彼女の温かい微笑みを見ていると、強い衝動が僕の中に沸き起こる。 口にしたい。禁じられた言葉を。 今すぐ、もう一度彼女の唇に触れたい。 僕は果たして、一生来ないかもしれないその日を、待ち続ける事ができるのだろうか。 もしかしたら、1ヶ月後かもしれない。でも10年後かもしれない。20年後かもしれない。 それを僕らは待ち続けるべきなのだろうか。 機関法によれば、機関の人間同士でなければ、結婚すらできる……。 「一樹」 彼女の唇が動き、言葉を紡ぐ。 言葉は繋がる他の言葉と干渉して意味を生む。 意味は相手に伝わると新しい意味を生み、または伝えた通りに受け取られる。 「また、言うわよ。今度は理解して。……『禁則事項』、一樹、私アンタなんて全然愛してないの」 …………やはり僕は、待てない。 僕と森さ……。 いや。 僕と、……園生で、必ず機関を変えてやる。 月曜日、学校にて。 朝のホームルーム前に廊下を歩いていた僕は、涼宮さんと出遭った。 擬態しなければなりませんね。 「あ、古泉君!丁度良かったわ。古泉君は今週末の土曜日って何か予定ある?」 おっと。今週末は森さんにしごかれる予定でしたが、こちらが優先されますね。任務ですから。 「土曜日ですか。ええ、空けられます」 「って、何か予定あったの?アレ?……ん、ん~?」 涼宮さんは僕の顔をマジマジと眺めていらっしゃいます。……これはいけません。他の事を考えて……も、彼女のは透視ではなく、勘ですから無駄です。ああ、酷く悪い予感がいたします。……擬態しているのですから、落胆は表に出ていない筈なのですが。 「フ~~~ン?なるほどぉ~。古泉君、週末の新しいバイトがあるんならハッキリ言ってちょうだい。良かったじゃない。おめでとう!」 そう仰る涼宮さんのお顔は、もう、耳の先まで「ニヤニヤ」と書かれています。透視するまでもありません。何故、解ってしまわれるのですか?実際、森さんより怖いと感じてしまう瞬間があるのですが……。 「まあ、不思議探索は4人でも出来るから、たまにそっちの『都合が付かない時に』でも参加してくれればいいわよ。じゃっ!SOS団の皆にはあたしから言って置くから。古泉君は森林公園で美人のお姉さん……」 彼女はクイっと形の整った眉を片方吊り上げます。 「……じゃなくて、『とある生き物』とデートするバイトだってね!安心して。あたし口は固い方だから!そりゃもう、カワラ煎餅みたいにねっ!」 彼女は言い終わるなり、言葉に詰まり立ち尽くす僕を置いてダダッと走り出してしまった。 成る程。瓦煎餅ならば確かに硬いですね。ですが、随分と軽い。それに割ってしまう事も多そうだ。 それ以前に、その様な言い方では幾らなんでも彼ですら気付く……。朝比奈さんだけかな。気付かないのは。恐らく。……はぁ。 と、思ったのだが、階段の前で鶴屋さんと出くわした涼宮さんが、早速僕を指差しながら何やら楽しげに話している。 涼宮さん!?あなたはもっとこう、デリカシーが……ああ、いいや。もう好きにしてください。 ……やれやれ。 完 私の選んだ人リストページ
https://w.atwiki.jp/monsters/pages/183.html
S夢魔×人間♂ ◆IyobC7.QNk様 青年が愛しさを込めて名を呼ぶと、女は答えるのももどかし気に腕を伸ばして応じる。 白くしなやかな腕が日に焼けた青年の首筋に絡み付いた。 顔より先に密着した柔らかい双邱に青年の胸は高鳴る。 蜂蜜色をしたふわふわの髪が青年の口元に微かに当たり、次いで甘い匂いが鼻を擽る。 青年がいつもと同じ様に優しく囁くと柔らかく輝く髪の下から、女が視線を上げた。 金の睫毛が縁取る鮮やかな青い瞳が青年を見上げ、ぽってりとした唇が青年と同じ言葉を返し、恥ずかしそうに目を伏せる。 もう一度、同じ言葉を繰り返すと青年は女の答えを待ちきれずに抱き上げ唇を重ねた。 女は目を閉じ、ぎこちなく舌を這わせた。 温かく柔らかい素肌の感触に、女の背に回した腕に力が入る。 そんな青年に、女は少しまぶたを上げ拗ねた目を向けると、絡まっていた舌を離した。 しっとりと上気した肌が、青年を包む様にすがり付く。 互いの情欲に潤んだ瞳に誘われる様に、二人の男女は一つになり絡み合う。 灯の消えた部屋に窓からスルリと影が滑り込む。 個室の中に幼さを残す少女の声が響いた。 「全くもって、お決まりのパターンね。おんなじ言葉ばっかり繰り返して馬っ鹿みたい。 ──もっと欲望のままに姦っちゃえばいいのに、お上品ぶっちゃってさ」 呆れのにじんだ紅い双眸が瞬く。 声の主は背中の大きく開いた丈の短いドレスにスレンダーな身を包んだ、金髪の生意気そうなつり目をした美しいと言って申し分ない少女だった。 その華奢な身体に似合いのささやかな膨らみは、相応以上の細腰で強調されている。 優美な曲線から続く、すらりと伸びた先の折れそうな足首は身体を支えられるのかすら定かではない程に細い。 そして背にはパタパタと羽ばたく蝙蝠の翼とドレスの裾からは黒い尻尾が見え隠れし、ふわふわとした髪の中からは微かに捻れた角が覗いていた。 そのまま一直線に空中を進み、ベッド上で何度も同じうわごとを繰り返す男へと近づく。 「マヌケな顔」 しばらく青年を覗き込んでいたが、異形の少女はひょいと離れ肩をすくめる。 「やっぱり、あんまり好みじゃないな。しょうがない、頂くモノだけ頂いて……、──!」 何気なく漂いながら、くるりと向きを変えた少女の目に人影が映った。 気を抜きつまらなそうだった全身に緊張が走る。 窓を背に、退路を断ち構えていた人影を覗き込むように首を傾げた。 しかし光源を背にしているためその容貌は窺い知れない。 「──誰?」 「貴様が若者を誑かしている悪魔か」 少女の問いかけには答えず人影は低く野太い、威圧的な声を発した。 背の高い、がっしりとした体格がシルエットで浮かび上がっている。 月光を反射している後ろに撫で付けた髪には白髪が混じっているのが少女にも見て取れた。 「んー。言わせてもらえば悪魔じゃなくて夢魔なんだけどね。夢魔のイリス、それが名前。 それでオッサン、だれ? セイショクシャって奴? それともキシサマ?」 思案しながら、ゆらゆらとベッド上を移動する夢魔の手が眠る青年の頬に触れた瞬間、男から鋭い叱責が飛ぶ。 「息子に触れるな」 しかし夢魔はさあらぬ体で青年の脇へと降り立った。 その僅かな衝撃でベッドが軋んだが、青年は身体を痙攣させただけで、こんこんと眠り続けている。 「なるほどね、コイツの親父さんか。でもね、オッサン。 中途半端で放っとくとコイツの頭がパァになっちゃうよ。それでもイイの?」 男に見えるように自分の頭に向け細い指をくるくる回しながら足先で青年を指し示した。 「……元に戻せ、悪魔」 苦みばしった声音に夢魔はクスクスと笑う。 「いやーね。心配しなくても、そんな気はないわよ。コイツそんなに美味しくないし」 鼻歌混じりに寝たまま勃起している青年の一物に足を掛けた。 足の下からくぐもったうめき声が発せられる。 「貴様っ!」 男の発した怒声に夢魔が軽く飛び上がる。 「うるさいなぁ。焦れない焦れない。こうなったら一回出してあげないと戻らないの。 ──それとも、オッサンはアタシがアンタの息子に口か手でしてる所が見たいわけ?」 「くっ……」 口惜しそうに黙った男から視線を離し、夢魔は舌を伸ばして指先を舐める真似をしながらヒールの踵を盛り上がりの中心に添えてグリグリと刺激すると、青年がビクビクと二三度震え、そして動かなくなった。 「さて、コイツはこれでイイとして、オッサンはどうする?」 シーツに染みが拡がったのを確認し腕を組みベッドから降り立つと、媚びるのでも面白がるでもなく、夢魔は口の端を上げ薄く微笑んだ。 「……大馬鹿者めが」 苦々し気に吐き捨てられた言葉に気分を害したのか夢魔が反論する。 「オッサン。一応言っとくけどさ、コレはアタシたちのセンバイトッキョって奴だからね。 コイツを責めるのはお門違いってモンよ」 男は夢魔を無視して、安らかな寝息をたて始めた青年を一瞥すると、窓辺から退く。 その時、夢魔は初めて男の顔を見た。 月明かりに照らされた顔はコントラストのせいか、声以上の年齢を感じさせる。 年は壮年から初老に差し掛かる頃だろう。 彫りが深く、厳めしいが自信に満ちた風貌をしていた。 「何のつもり?」 男の行動を解しあぐね、訝しげに眉を顰めた夢魔に男は外を示す。 「悪魔とは言え、女姓。しかも子供を手に掛ける訳にはいかん。 ──行け。そして、ここには二度と近づくな」 その言葉に始めはキョトンとしていたが、意味を理解すると同時に夢魔は盛大に噴き出した。 転がり始めんばかりの勢いでキャラキャラと笑いながら額を押さえ肩を揺らす。 「っぷ、ははっ……はぁ、わかった。ぷっふふ、この部屋には、もう来ない。でもね」 小さく震え、よろめきながら窓辺へと歩み寄り、男とすれ違う瞬間、背伸びをして続きを囁いた。 夢魔の真骨頂とも言うべき、見た目に似合わぬ艶に満ちた魔声が男の耳の奥を擽る。 反応した男が振り返るよりも早く、心底楽しそうに笑いながら夢魔は夜の闇へと身を躍らせていた。 「まったねー」 無邪気に子供の如く挙げた腕を大きく振ると、反動で身体が揺れる。 しなやかな白い肢体は闇の中にポツリと輝いていたが黒い翼が空を打つ度に小さくなり、程なく元々小柄なその姿は闇に紛れ消えた。 ↑ 名前 コメント すべてのコメントを見る タグ … オヤジ 人間♂ 女性上位 微エロ 悪魔 !◆IyobC7.QNk
https://w.atwiki.jp/legends/pages/3101.html
紗江良の勘を理由に、2人は急いで病院に向かっている。 「この状況だと、病院はハンニバルの部下に襲われてるって、考えるべきか」 「それ以外に無いですよ。仮にも「組織」管轄の病院ですし、下手な事じゃビクともしないでしょうからぁ」 「だな」 全力疾走とはいかないまでも、かなりの速さで走りながら2人は会話をしていた。 実の所、想軌と紗江良の両人とも運動神経・スタミナ共に悪くない。 想軌は、黒服としての戦闘訓練を受けているし、彼の奥の手は体力を滅茶苦茶に消耗し筋肉を限界以上使用する事も有る。 紗江良の方は、戦闘技能を全く持っていないため、遮蔽物の無い場所で戦闘に成った場合、敵の攻撃を全て避け続ける事が必要になる。 勘で攻撃を察知できるとは言え、並大抵に出来る事では無い。 彼女は……闘う為の力を、全て避ける為の力に変えたと考えれば良いかもしれない。 そうこうしながら進んでいると、病院に居る筈の祐樹がククージィと共に、何処かへ走っていくのを見た。 想軌は単純に病院から逃げ出して来たのかと思ったが、紗江良には「誰かに、会いに行った」と勘が囁いている。 兎も角、彼らに合流しようと話しかける事にした。 その際に、自分達が知る筈の無い病院の事件に触れる事を言ってしまう想軌だったが、 「病院の方が、何か騒がしかったみたいだからな。病院の門から出てきた姿を見たから、怪我の一つでもしているかと思ったが…無傷のようだな」 と、言う事で何とか祐樹は誤魔化す事が出来た。 急いでいるらしい祐樹達は立ち去ろうとするが、今まで気に成って居た事を想軌が言う。 「…門条 天地、と言う青年を知っているだろうか?」 「………っ!」 その動揺ぶりから、やはり2人は無関係では無かったと想軌は思い。 紗江良は、病院で何かがあったのだと、勘じていた。 話している内に、祐樹達が急いでいたのは天地に会いに行く為だと分かり、同行することにした。 天地が診療所で倒れている事を聞き、嫌な予感が当たっていたと、2人は確信する。 「それで、何処の診療所なんだ?」 「北区にある診療所だと、聞いている」 「分かった、急ごうか」 診療所の場所に覚えを感じながら、想軌は祐樹達に付いて行く。 自分達の事をククージィが警戒しているのを、紗江良は気付いていたが気にした様子は無い。 彼から親としての愛情を感じているから、逆に内心で微笑ましく思っていたのかもしれない。 日が沈むにつれて見えて来た診療所から、想軌は都市伝説の気配を感じていた。 これに関しては予想出来なかった訳ではない。今の状況で、普通の診療所と言うのも違うだろう。 そう考えれば、診療所に覚えがあるのも不思議では無い。 学校町における都市伝説の関連施設として、この町での生活中に何処かで読み取って居たわけだ。 そんな事を考えていると、ちょうど診療所に到着した。 (なるほど、第三帝国か) 外壁に触れながら、想軌がさり気無く情報収集をしていると。 診療所の中から、女性が1人現れた。 「あぁ、広瀬 宏也から連絡は聞いている……が、そちらの男女は?」 4人を出迎えた一般的に美女と呼べる凛々しい女性――ドクターが、想軌と紗江良を警戒している。 自分達が予定外の来客だと理解しているので、2人も不満は無い。 しかし、このままと言う訳にもいかず祐樹が説明しようとしたとき、 「………夜分遅くに、申し訳ない」 背後から近づいてきた男性がそう言った。 灰色のコートを身に纏いサングラスで眼を隠した……壮年の男性。 その姿は、想軌を驚かせるには十分だった。 「組織」でも、かなりの知名度を持っているその男性の名は、朝比奈 秀雄。 悪魔の囁き事件の首謀者だった人物だ。その彼が、何故此処に来たのだろうか? その疑問は、次の秀雄の言葉で晴らされた。 「…ここに、門条 天地という青年が、いるはずだが」 「……ふむ?」 奇しくも、想軌達と同じ目的でやって来たらしい。 天地が、門条 晴海の関係者だと言うのは、紗江良の勘にも引っ掛かっていた。 なので、想軌と紗江良はそれで納得出来たが、知らないドクターは警戒を強めたようだ。 医師として、患者を訪ねる人物に注意を払っているのだろう。 もっとも、秀雄と同行して来たらしい青年が想軌達以外の全員と知り合いだったらしく。 「…彼について、問題はない。僕が保障する。彼は、あなた方にも、天地にも、害は与えない」 と、彼がとりなす事で警戒心を弱めた。 「…君が一緒とは。この男性は、門条 天地のどのような知り合いなのかね?」 「………昔の……友人、の、息子だ」 天地との関係を尋ねた質問に、苦しげな表情で秀雄は答える。 それを見て、紗江良は秀雄が門条 晴海に抱いていた感情(好意)を感じとっていた。 害は無いと判断したのか、ドクターはやれやれと言った仕種を見せる。 秀雄の存在に気を取られていた想軌と紗江良も、その様子を見て何とか会えそうだと安心した。 2人よりも、天地と逢う事を望んでいただろう祐樹と秀雄はなおさらだろう。 しかし、しかし、だ。 彼らの出会いは、しばし延期となってしまう。 「ッド、ドクター!」 「ミツキ?どうした?」 「…か、患者が!!」 病室から、ミツキと呼ばれた看護師が飛び出す。 彼女から都市伝説の気配を感じる想軌だが、今はそんな事よりもミツキの様子に嫌な予感を感じている。 彼女が出て来たのは、ドクターが天地の病室だと言った部屋。ならば、彼女の言った患者とは即ち……。 その場にいた殆んどの人間が、訪ねに来た青年を心配し部屋へと駆け寄る。 だが、その中に在るのは、もぬけの殻と成ったベッドと開け放たれた窓のみ。 患者である筈の、天地の姿は何処にも無かった。 (絶望に焦燥と疑念、そして僅かな希望……か) 天地の眠っていたベッドに自然に触れて、想軌は《残留思念》を読み取る。 むしろ部屋の状況に驚いていたからこそ、ベットに触れる動作に不自然さが無かったのかもしれない。 しかし、本人を直接読んだ訳でも無く正体を知られたくない祐樹が居るので、気付かれない程度にしか読み取れなかった。 (それでも、今の天地が精神的に危ないのは分かる。アイツには恩も有る、俺に出来る事はあるのか?) 続く
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1546.html
「おお。もう蕾がついとるやないか。」 「しかし、わしらがここに入ってからもうすぐ一年がたつのか。 なんか感慨深いのう。」 いわゆる学ランを着た体格のいい男達が話している。 時は三月、世間一般で言う卒業の季節だ。 一年間の出来事を思い返すのに、これほど良い季節もあるまい。 「……ああ。」 何か思うことでもあったのだろうか。 学帽を被っていた男、富樫が目元を隠すように深く被りなおす。 「……辛気臭くしてたらあいつらに笑われちまうぞ。 『まだまだ修行が足りませんね。君たちは』とか言ってな」 もう一人の男、虎丸はわざとかん高い声を作り、かつてのマジシャンの物真似をする。 「そうだな。今度入ってくる新入生のことでも考えるか。」 季節はもうすぐ春。 出会いの季節でもあるのだ。 キリキリキリ…… 弓を引く音がする。 巨漢の壮年が、回転する的に向かって弓を射ろうとしていた。 髪の毛こそないものの、その体は鍛え抜かれており、一種の美さえも感じさせる。 覇気に満ちたそのたたずまいは、とても60を過ぎているとは思えない。 彼こそが、男塾全塾生の生殺与奪の権すら持つ、 「わしが男塾塾長江田島平八である!!」 地を震わせる豪声と共に矢が放たれる。 一瞬の後、的に突き立った。 「ほう。今日はこれか。」 そばにいた髭を生やした教官が確認に走るよりも早く、江田島は己が射た的を その鋭い視力で確認していた。 「起立っ!!」 授業の掛け声に、学生たちは勢いよく立ち上がる。 掛け声をあげたのは、メガネをかけた田沢である。 「本日でいよいよ今年度最後の授業となる。 そこで、本日の科目は塾長がじきじきに選ばれた。 速やかにグラウンドに整列し、心して拝聴するように!!」 鬼ヒゲという仇名の通りの姿をした教官が声を張り上げる。 「なんだかごっつい嫌な予感がするのう。」 「まったくだぜ。」 頭の頂上部と左右のみにパーマをかけた松尾と、リーゼントで矮躯の秀麻呂がそのような会話を交わしながら 移動を開始した。 「わしが男塾塾長江田島平八である!!」 その大音声に、この一年間でなれたはずの猛者たちが泡を吹いてひっくり返る。 一方教官たちの中には、感涙の涙をこぼしている者すらいた。 (不思議なものだ。時々この声を聞かないと落ち着かなくなるなんてな) 一号生筆頭剣桃太郎は柄にもなくそんなことを考えていた。 「本日は直進行軍を行う!全員直ちに回れ右し、前進せよ!」 珍しく塾長が直々に指示を出す。 その言葉通り、一号生たちは行動を開始した。 その日平賀才人は浮かれていた。 つい、目の前に浮かび上がった、不思議な白い光に入ろうとするくらいに。 いよいよ飛び込もうと心を決めたその時、地響きがするのが聞こえた。 (うるさいな!何だよ!) せっかく入ろうとしたのを邪魔されて、少し不機嫌になった才人は、文句を 言おうと後ろを振り返り、 ……そして迷わず道を譲った。 やけに体格のいい、学ランを着込んだ男達が、ハンマーなど思い思いの獲物を手に持ち 障害物を粉砕しながら迫ってきたのだ。 (いくらなんでもこんな集団には近寄りたくない) 才人の本音である。 その男たちは、白い光の前で立ち止まった。 「押忍!!教官殿質問があります。ここに不審な光があるのですが、どのようにすればよろしいでしょうか。」 先頭近くにいた田沢が、飛行帽を被った教官に声をかけた。 するとその教官はその男を怒鳴りつけた。 「貴様ら前回を忘れたのか!!何があろうとも、前進以外に道はない!! 何じゃその目は!私怨などないわ! ええぃ。桃よ、一号生筆頭として手本をみせてやれ!!」 その声に、指名された桃は、押忍と短く声をあげると、迷わず飛び込んだ。 しかし、それはただの不審な光ではなかった。 いつまでたっても桃がその光から出てくる様子はない。 それどころか光が段々と弱まっているではないか。 これが尋常の事態であるはずがない。 そう判断した伊達は行動することにした。 「仲間を見捨てるな!全員桃に続け!」 その声に、固まっていた男たちは、弾かれたように直進を開始した。 「待て!お前達!」 飛行帽がそう叫ぶも、時既に遅し。 光は消え、飛行帽と才人以外の誰もそこには残っていなかった。 爆発が起きる。 しかし、先ほどまでとは違う手ごたえを感じていた少女は、己の召喚が成功したことを確信していた。 (やったのよ。ついに召喚に成功したわ。これでゼロなんて、もう誰にも言わせない!) 生徒達が騒ぐ中、その少女-ルイズは、ニヤニヤしそうになるのを必死にこらえながら、 煙が晴れるのを凝視していた。 そして目を見開いて口を大きく開けてしまった。 淑女としてあるまじき行為ではあるが、とがめるものは誰もいない。 みな、同じような姿をしていたからだ。 煙が晴れたあとには、むさ苦しい男達が何十人も折り重なっていたからだ。 男達の使い魔 第一話 完 NGシーン 雷電「こ、これはまさか!」 虎丸「知っているのか雷電!」 雷電「これぞまさしく、中国において六千年前より伝わる神隠死!」 神隠し。この言葉は日本でよく使われているが、実は起源は中国にあることを知るものは多くない。 古代中国において、春家義弐亞と戦斗千尋という男達がいた。この二人は拳の道においてのライバル であった。ついに長年の決着をつけようと、二人は決闘をすることになった。 互いに一歩も引かず、まさしく死闘を繰り広げる両者。最後の力を振り絞り、一撃を繰り出そうとした時 激しい光がその場に溢れた。 観客が目を見開いたとき、その場からは二人の姿だけが消えていたという。 後年、この片方の戦斗千尋が見つかった。本人はボロボロになっていたが、意識ははっきりしていたという。 そこで、春家義弐亞の行方を尋ねたところ、悔しそうに 「あいつは武離箕琉の盾となって死んだ」と意味不明の発言をしたという。 この逸話が日本に伝わり、突然消えた人間が帰ってくる話として 千と千尋の神隠し、となったのは実に興味深いことである。 余談ではあるが、近年の研究によって、この春家義弐亞という男の名前こそが、ハルケギニアという名称の 基となったのではないか、という説が支配的になってきた。このことからも分かるように、この二人は、 何者かによってハルケギニアに召喚された、と考えるのが一般的である。 民明書房刊「考察!千と千尋の神隠死」(平賀才人著)
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/4909.html
630 名前:秋名残・前1/3 :2010/12/03(金) 22 14 57 ID ??? ビーチャ「枯ーれー葉よ~♪ 枯ーれー葉よ~♪」 モンド「なに、その歌w」 ビーチャ「知らないのか? これは昔のいでででで!」 エル「こぉら! 口じゃなくて手を動かす!」 ルー「そーよ! わざわざアタシたちが手伝ってんですからね! ちゃっちゃと終わらせる!」 ビーチャ「ちゃっちゃと…って、言ってもよぉ…」 モンド「これは、ねぇ…」 毎度おなじみネオトピア連邦学園。 その校門から続く並木道を、舞い落ちる枯葉が埋め尽くそうとしている。 それは幻想的とも言える光景ではあったが―― ジュドー「ウチの学校、緑が多いのは良いんだけどさ。 こういう時、困るよねぇ」ガッサガッサ ――それを掃除する者にとっては、やる気のゲージをごりごりと削られる仕打ちである。 ビーチャ「言えてる」 モンド「あーあ、こんな事ならリーダー、サボるんじゃなかった」 ルー「うわぁ…ハマーンの授業サボったの? 怖いもの知らずにも程があるでしょー」 ジュドー「いや、しょうがないんだって! 今日のハマーン、すっげー怖かったんだから!」 ルー「? ハマーンが怖いのはいつものことでしょ?」 モンド「いやいやいやいや! あれは、そう言うんじゃないから!」 ビーチャ「これを見ろ!」つ 520 ルー「…うわーお」 ジュドー「てゆーかビーチャ、ちゃっかり写メってんのな」 ビーチャ「この事実を俺たちだけのものにはできん!」 エル「…字面だけみれば立派なこと言ってるみたいよね」 モンド「実際には不幸のお裾分けだけどね」 リィナ「もう! ルーさんまで手止めちゃって!」 イーノ「ほんとだね。 あ、ティファ、次はこっちね」 ティファ「はい」 フェルト「よいしょ」ガサガサ こちらは大雑把な他の者たちとは違い、丁寧に枯葉を集めて行く生真面目組。 リィナ「あ、すみません。 でも、いいんですか? お兄ちゃんたちは自業自得ですけど、お二人は別に罰当番じゃないんですよね?」 ティファ「はい」 フェルト「えっと、お付き合い? こう言うの、CBの仕事で慣れてるし…」 イーノ「それを言うなら、リィナだってそうでしょw」 リィナ「だって、お兄ちゃんたち、見張ってないとすぐ逃げ出すし…」 ティファ「皆でやった方が、早く済みます」 こくこくと頷くフェルト。 631 名前:秋名残・前2/3 :2010/12/03(金) 22 16 22 ID ??? ビーチャ「そもそも、ガロードの奴はドコ行ったんだよ!」 ジュドー「…愛しのティファさんを放って消えるなんて、珍しいな」 エル「まぁガロードは罰当番じゃないから、あんたたちが文句言う筋合いは無いんだけどね」 周りから見れば常に一緒に行動しているように見られるガロードとジュドーたちではあるが、 何かと授業を抜け出すジュドーたちとは違い、ガロードの出席率は高く、ほぼ皆勤である。 ルー「まー、あのガロードがティファと一緒に居られる機会を捨てる筈ないし」 ただし、居眠り、内職、ティファに見蕩れて上の空、等々、 授業態度は決して褒められたものではないのだが。 ジュドー「けど、自分から手伝うって言っといて、すぐにドロンはどうでしょね?」 ティファ「いいこと…」 エル「え?」 ティファ「いいことを、思いついたって…」 イーノ「いいこと?」 ルー「ってなんだろ?」 モンド「さあ?」 ビーチャ「いやな予感しかしない…」 ガロード「あ、そーいうこと言っちゃうわけ?」 ビーチャ「うわあ!」 ジュドー「おかえり」 ガロード「ただいま、…ってのも変か?」 朗らかに笑う少年に、ティファが駆け寄る。 そのまま熱い抱擁を交わして――などといった事が出来る二人でもなく。 立ち止まったティファにガロードが人好きのする微笑みかけると、 少女もその日本人形を思わせる整った面に、大輪の花が開いたような笑みを浮かべる。 エル「うっく」 ルー「…いーかげんこの子たちとの付き合いも長いけど」 モンド「むず痒いと言うか…」 リィナ「中てられちゃいますよねぇ…」(////) フェルト「(私もロックオンと…)」(////) ジュドー「ん? どした?」 イーノ「あはははは…」 ルー「………はぁ」 ジュドー「それで? いいことって何よ?」 ガロード「おう! ウッソの所から貰ってきた♪」 そう言って、少年は抱えていた箱を差し出した。 632 名前:秋名残・前3/3 :2010/12/03(金) 22 17 54 ID ??? キュピーーン!√ ハマーン(ネコミミOff)「この匂い…まさか!」 期末テストの問題を作成していたハマーンが、鋭い視線をモニターから上げる。 カトック「あんの悪がきどもがあっ!」 その視線の先を、カトックが年齢を感じさせない力強いスライドで走って行く。 ハマーン(ネコミミOff)「…あの方が行ったなら、大丈夫か」 そうして悩める女教師は、PCのモニターに視線をもどす。 ドズル・ザビ邸にて家令も勤める彼女の毎日は激務続きである。 問題用紙の作成はこの日の内に済まさねばならなかった。 ガロード「次も、そろそろ…かな?」ガサガサ エル「わーい!」 ジュドー「ほい、熱いから気をつけろよ」 カトック「くぉおらあああ! ガロードオオオオ!」 文字通り、地面を埋め尽くさんばかりだった枯れ葉もすっかり掃き清められた並木道。 ガロード「げげっ!」 アルミホイルに包まれた“焼き芋”を手に、不敵な少年が顔色を変える。 ずざざーーーっと砂煙を巻き上げて急停止するカトック。 カトック「貴様~~~、校庭で何をやっとるかー!」 その鬼の形相に、焚き火を囲む一同の顔が青ざめる。 だが。 マリュー「まーまー、カトック先生、そんな興奮なさらずに」 冬も間近なこの時期に、常夏の青空が似合いそうな、 そんな艶やかな声が壮年教師の怒気をフラッペのように溶かして行く。 カトック「ラミアス先生!?」 マリュー「ども~~♪」 ナタル「………」 カトック「バジルール先生まで…」 にこやかに手を振るマリューと、そしてさすがにばつが悪いのか、頬を染めて視線を逸らすナタル。 マリュー「ちゃあんと私たちが監督してますから! ここは課外授業の一環ってことで、一つ」 カトック「………」 マリュー「カトック先生?」 カトック「あー、焼き芋を握り締めた姿でなければ、納得もしたんですがね」 マリュー「あ、あら…ヲホホホホ」 カトック「教師が生徒に買収されてどうするんですかい… バジルール先生、口の横にイモが着いてますぜ」 ナタル「!!」 慌てて口元を拭うナタルであったが、その為に後ろ手に隠していた、 食べかけのサツマイモを晒してしまうのであった。
https://w.atwiki.jp/prdj/pages/3747.html
ドラゴン:プレイナー・ドラゴン Planar Dragon 出典 Pathfinder #137 The City Outside of Time 90ページ プレイナー・ドラゴンは外方次元界に起源を持つが、ポータルなどを用いて物質界に移動する。そこで彼らは自身の家であった次元界を反映した隠れ家を再形成する。 年齢段階 トゥルー・ドラゴンの特殊能力、攻撃、その他のデータは、ドラゴンの成長につれて強大になる。この上昇はドラゴンの年齢によって12の年齢段階に区分される。基本的なデータは『表:ドラゴンの年齢段階』に記載されているように変動する。 年齢段階 年齢(歳) 脅威度 再度 ヒット・ダイス 外皮 ブレス攻撃 1 ワームリング(雛) 0~5 基本値 基本値 基本値 基本値 基本値 2 ヴェリー・ヤング(幼児) 6~15 基本値+2 基本値+1 基本値+2 基本値+3 基本値×2 3 ヤング(子供) 16~25 基本値+4 基本値+2 基本値+4 基本値+6 基本値×3 4 ジュヴナイル(少年) 26~50 基本値+5 基本値+2 基本値+6 基本値+9 基本値×4 5 ヤング・アダルト(青年) 51~100 基本値+7 基本値+3 基本値+8 基本値+12 基本値×5 6 アダルト(成年) 101~200 基本値+8 基本値+3 基本値+10 基本値+15 基本値×6 7 マチュア・アダルト(壮年) 201~400 基本値+9 基本値+3 基本値+12 基本値+18 基本値×7 8 オールド(老齢) 401~600 基本値+11 基本値+4 基本値+14 基本値+21 基本値×8 9 ヴェリー・オールド(大老) 601~800 基本値+12 基本値+4 基本値+16 基本値+24 基本値×9 10 エインシャント(太古) 801~1,000 基本値+13 基本値+4 基本値+18 基本値+27 基本値×10 11 ワーム(長虫) 1,001~1,200 基本値+14 基本値+4 基本値+20 基本値+30 基本値×11 12 グレート・ワーム(大長虫) 1,201+ 基本値+16 基本値+5 基本値+22 基本値+33 基本値×12 年齢段階:これは年齢段階の名称である。 年齢(歳):これはドラゴンの実際の年齢である。 脅威度:この列はドラゴンの基本脅威度への修正値である。 サイズ:これは年齢によって、ドラゴンの基本サイズがどれだけ増加するかを示したものである(超小型が小型に、小型が中型に、など)。トゥルー・ドラゴンはサイズが上昇したことによる通常の能力値上昇はしないが、かわりに『表:ドラゴンの能力値』が示すように、年齢段階によって能力値が上昇する。 ヒット・ダイス:これは成長によってドラゴンが得る追加のヒット・ダイスの数を示す。ヒット・ダイスが増加すれば、ヒット・ポイント、特技、技能ランクもドラゴンの基本攻撃ボーナスや基本セーヴ・ボーナスと共に上昇する。ドラゴンはヒット・ダイスごとに6+【知力】修正値に等しい技能ランクを有する。ヒット・ダイスによるドラゴンの能力値上昇は、ドラゴンの能力値上昇の総計にすでに加算されている(『表:ドラゴンの能力値』参照)。 外皮:これは年齢段階ごとにドラゴンの基本外皮ボーナスがどれだけ増加するかを示す。 ブレス攻撃/Breath Weapon:ドラゴンはそれぞれ基本ダメージを与えるブレス攻撃(『戦闘』参照)を有する。この倍率はドラゴンのブレス攻撃によって与えるダメージのダイスの数を増加させる。例として、2d6ポイントの[強酸]ダメージを与える基本ブレス攻撃を持つドラゴンのマチュア・アダルトは14d6ポイントの[強酸]ダメージを与える(×7の倍率による)。 年齢段階 【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】 1 ワームリング(雛) 基本値 基本値 基本値 基本値 基本値 基本値 2 ヴェリー・ヤング(幼児) 基本値+4 基本値-2 基本値+2 基本値+2 基本値+2 基本値+2 3 ヤング(子供) 基本値+8 基本値-2 基本値+4 基本値+2 基本値+2 基本値+2 4 ジュヴナイル(少年) 基本値+10 基本値-2 基本値+6 基本値+4 基本値+4 基本値+4 5 ヤング・アダルト(青年) 基本値+12 基本値-4 基本値+6 基本値+4 基本値+4 基本値+4 6 アダルト(成年) 基本値+14 基本値-4 基本値+8 基本値+6 基本値+6 基本値+6 7 マチュア・アダルト(壮年) 基本値+16 基本値-4 基本値+8 基本値+6 基本値+6 基本値+6 8 オールド(老齢) 基本値+18 基本値-6 基本値+10 基本値+8 基本値+8 基本値+8 9 ヴェリー・オールド(大老) 基本値+20 基本値-6 基本値+10 基本値+8 基本値+8 基本値+8 10 エインシャント(太古) 基本値+22 基本値-6 基本値+12 基本値+10 基本値+10 基本値+10 11 ワーム(長虫) 基本値+24 基本値-8 基本値+12 基本値+10 基本値+10 基本値+10 12 グレート・ワーム(大長虫) 基本値+26 基本値-8 基本値+14 基本値+12 基本値+12 基本値+12 戦闘 『表:ドラゴンの攻撃と移動速度』は、ドラゴンの持つ攻撃と与えるダメージを列挙している(―はそのサイズのドラゴンがその種の肉体武器を有していないことを表す)。ここに記されている他の能力はドラゴンが特定の年齢段階に達した時点で獲得される。 サイズ 飛行移動速度(機動性) 噛みつき×1 爪×2 翼×2 尾の打撃×1 押し潰し×1 尾による一掃×1 ブレス攻撃 直線状 円錐形 超小型 100フィート(標準) 1d4 1d3 ― ― ― ― 30フィート 15フィート 小型 150フィート(標準) 1d6 1d4 ― ― ― ― 40フィート 20フィート 中型 150フィート(標準) 1d8 1d6 1d4 ― ― ― 60フィート 30フィート 大型 200フィート(貧弱) 2d6 1d8 1d6 1d8 ― ― 80フィート 40フィート 超大型 200フィート(貧弱) 2d8 2d6 1d8 2d6 2d8 ― 100フィート 50フィート 巨大 250フィート(劣悪) 4d6 2d8 2d6 2d8 4d6 2d6 120フィート 60フィート 超巨大 250フィート(劣悪) 4d8 4d6 2d8 4d6 4d8 2d8 140フィート 70フィート 飛行移動速度:ドラゴンの飛行移動速度は、サイズによって、表に記されているように上昇する。 噛みつき/Bite:これは表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値の1.5倍を加えたダメージを与える主要攻撃である(2回以上の攻撃手段を有している場合であっても)。ドラゴンの噛みつき攻撃は、サイズ段階が1大きいかのような間合いを有する(超巨大サイズのドラゴンは+10フィート)。 爪/Claws:これは主要攻撃で、表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値を加えたダメージを与える。 翼/Wings:ドラゴンは、たとえ飛行中であっても、敵に翼を叩きつけて攻撃することができる。翼攻撃は表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値の1/2を加えたダメージを与える二次的攻撃である。 尾の打撃/Tail Slap:ドラゴンは毎ラウンド、尾で1体の敵をひっぱたいて攻撃することができる。尾の打撃は表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値の1.5倍を加えたダメージを与える二次的攻撃である(これは通常の二次的攻撃のルールの例外である)。 押し潰し(変則)/Crush:サイズ分類が超大型以上の飛行または跳躍しているドラゴンは、1回の標準アクションとして敵の上に着陸し、全身で敵を押しつぶすことができる。押し潰し攻撃はドラゴンよりサイズ分類が3段階以上小さい敵に対してのみ有効である。押し潰し攻撃はドラゴンの身体の下に収まる全てのクリーチャーに対して作用する。作用を受ける範囲内にいるクリーチャーは反応セーヴ(DCはドラゴンのブレス攻撃のものと同じ)に成功しなければならず、失敗すると押さえ込まれた状態になり、ドラゴンが上からどかなければ次のラウンド中に自動的に殴打ダメージを受ける。ドラゴンが押さえ込みを継続する場合、それは通常どおり戦技判定に成功しなければならない。押さえ込まれた状態の敵は、脱出しない限り毎ラウンド押し潰しによるダメージを受け続ける。押し潰し攻撃によるダメージは、表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値の1.5倍を加えたものである。 尾による一掃(変則)/Tail Sweep:サイズ分類が巨大以上のドラゴンは、1回の標準アクションとして尾を振り回して攻撃することができる。尾による一掃は、ドラゴンの接敵面の縁にある交差点の1つから、いずれかへの方向に広がる半径30フィートの半円形の範囲に作用する(超巨大サイズのドラゴンの場合、半径40フィート)。一掃の範囲内にいる、ドラゴンよりサイズ分類が4段階以上小さいクリーチャーが作用を受ける。尾による一掃は、自動的に表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値の1.5(端数切捨て)を加えたダメージを与える。作用を受けたクリーチャーは反応セーヴ(DCはドラゴンのブレス攻撃のものと同じ)を行うことができ、成功すればダメージを半減させることができる。 ブレス攻撃(超常)/Breath Weapon:ブレス攻撃の使用は1回の標準アクションである。 一度ブレスを使用したら、1d4ラウンド後まで再びブレス攻撃を行うことはできない。ドラゴンが複数の種類のブレス攻撃を有している場合でも、ブレスを使用できるのは1d4ラウンドに1回だけである。ブレス攻撃は必ずドラゴンに隣接するいずれかの交差点を起点にして、ドラゴンの選択した方向に向けて伸びる。ブレス攻撃の形状は直線型と円錐型があり、効果範囲の大きさはドラゴンのサイズによって異なる。そのブレス攻撃がダメージを与えるものである場合、範囲内に捉えられたクリーチャーは反応セーヴを行い、成功すればダメージを半分にできる。ブレス攻撃に対するセーヴDCは10+ドラゴンのヒット・ダイスの1/2+ドラゴンの【耐久力】修正値である。ダメージを与えないブレス攻撃に対するセーヴにも同じDCを用いるが、どのタイプのセーヴを行うかは個々の解説を参照すること。ドラゴンは組みついていたり組みつかれていたりする場合もブレス攻撃を使用できる。 ドラゴンの付随ルール ダメージ減少/Damage Reduction:ドラゴンは成長につれて、各ドラゴンの項目に示されているようにダメージ減少を獲得する。そうしたドラゴンの肉体武器はダメージ減少を克服するかどうかを調べる際に、魔法の武器として扱われる。 竜の超感覚(変則)/Dragon Senses:ドラゴンは有効距離120フィートの暗視と60フィートの非視覚的感知を有する。薄暗い光の中で人間の4倍の距離を見通し、通常の明かりの下で2倍の距離を見通すことができる。 畏怖すべき存在(変則)/Frightful Presence:ドラゴンの畏怖すべき存在はドラゴンの年齢段階×30フィートに等しい効果範囲を持つ。その他の効果はモンスターの共通ルールで詳述されている。 完全耐性(変則)/Immunities:全てのドラゴンは麻痺と睡眠の効果に対する完全耐性を有する。加えて、ドラゴンは年齢段階にかかわりなく、種族に応じてさらに1~2種類の攻撃形態に対する完全耐性を有する。その種類については個々の解説で述べる。 次元界の要素注入(超常)/Planar Infusion:ジュブナイル以上の年齢段階のプレイナー・ドラゴンは、全ラウンド・アクションとして周囲に影響を与えることができ、半径30フィート×ドラゴンの年齢段階が住処の次元界の延長として扱われる。これはその次元界の強度な属性的特性を課し、その次元界の魔法の増強と阻害の特徴を与え、ディスミサルなどの呪文や、その次元界を想起させる初級の感覚的効果を生み出す目的で原住として扱うか他次元界として扱うかに影響する。この効果は不動で、10日間またはドラゴンが死亡するか、再度この能力を使用するまで持続する。 呪文抵抗(変則)/Spell Resistance:年を経るに従って、ドラゴンは、個々の解説で示されているように呪文や擬似呪文能力への抵抗力を身につける。ドラゴンの呪文抵抗は11+脅威度に等しい。 呪文:プレイナー・ドラゴンはここの解説で示されているレベルのオラクルにしたがって呪文を修得しており、発動する。術者レベルは各段階に与えられているように年齢によって異なる。 プレイナー・ドラゴン:ブリス・ドラゴン Dragon(Planar), Bliss この穏やかなドラゴンの羽のような形は、心地よい暖かさを放っている。 出典 Pathfinder #137 The City Outside of Time 90ページ ブリス・ドラゴン Bliss Dragon 中立にして善/竜(他次元界、善) 基本データ 脅威度 8;サイズ 小型;ヒット・ダイス 10d12 移動速度 60フィート 外皮 +9;ブレス攻撃 直線状、2d8[雷撃] 一般データ 【筋】15、【敏】14、【耐】17、【知】14、【判】15、【魅】18 生態 出現環境 どこでも(ニルヴァーナ) 編成 単体 宝物 ×3 特殊能力 変身(超常)/Change Shape:ブリス・ドラゴンはビースト・シェイプIVとして、あらゆる動物の姿となることができる。 癒やしの手(超常)/Lay on Hands:ブリス・ドラゴンはヒット・ダイスに等しいパラディンとして癒しの手を使用できる。 瞑想的な回復術(超常)/Meditative Restoration:1日1回全ラウンド・アクションとして、ドラゴンは隣接するすべてのクリーチャーにブレイク・エンチャントメント、グレーター・レストレーション、リザレクションの影響を与えることができ、各クリーチャーに異なる効果を選択できる。 慈悲(超常)/Merciful:癒やしの手を使用する場合、ドラゴンは追加の使用回数を費やし、選択したパラディンの慈悲を適用することができる。 仲裁(超常)/Peacemaker:爪攻撃でクリーチャーを攻撃した後の即行アクションとして、ブリス・ドラゴンは畏怖すべき存在と同じDCでカーム・エモーションズとしてクリーチャーを落ち着かせることができる。 清純(変則)/Pristine:ブリス・ドラゴンは能力値ダメージ、能力値吸収、[雷撃]、石化に完全体を持つ。 鎮圧の火花(超常)/Sedating Sparks:ドラゴンのブレス攻撃によってダメージを受けたクリーチャーはドラゴンの次のターン開始時まで踊る火花で輝く。輝いているクリーチャーは攻撃するたび4d6ポイントの[雷撃]ダメージを受ける。 鎮圧打撃(変則)/Subduing Strikes:ブリス・ドラゴンはペナルティなくブレス攻撃と肉体攻撃で非致傷ダメージを与えることを選択できる。 年齢段階 特種能力 術者レベル ワームリング(雛) 清純、鎮圧打撃 ― ヴェリー・ヤング(幼児) 変身 ― ヤング(子供) 癒しの手 1レベル ジュヴナイル(少年) 畏怖すべき存在、次元界の要素注入 3レベル ヤング・アダルト(青年) ダメージ減少5/悪、呪文抵抗 5レベル アダルト(成年) 仲裁 7レベル マチュア・アダルト(壮年) ダメージ減少10/悪 9レベル オールド(老齢) 慈悲 11レベル ヴェリー・オールド(大老) ダメージ減少15/悪 13レベル エインシャント(太古) 鎮圧の火花 15レベル ワーム(長虫) ダメージ減20/悪 17レベル グレート・ワーム(大長虫) 瞑想的な回復術 19レベル ヤング・ブリス・ドラゴン CR12 Dragon (Planar, Bliss), Young Bliss Dragon 出典 Pathfinder #137 The City Outside of Time 90ページ XP 19,200 中立にして悪/大型サイズの竜(他次元界、善) イニシアチブ +4;感覚 竜の超感覚;〈知覚〉+24 防御 AC 25、接触10、立ちすくみ24(+15外皮、-1サイズ、+1【敏】) HP 161(14d12+70) 頑健 +14、反応 +10、意志 +12 完全耐性 能力値ダメージ、能力値吸収、[雷撃]、麻痺、石化、睡眠 攻撃 移動速度 60フィート、飛行200フィート(貧弱) 近接 噛みつき=+19(2d6+9)、爪(×2)=+20(1d8+6/19~20)、尾の打撃=+14(1d8+9)、翼(×2)=+14(1d6+3) 接敵面 10フィート、間合い 5フィート(噛みつきは10フィート) 特殊攻撃 ブレス攻撃(80フィートの直線状、6d10[雷撃]DC22)、鎮圧打撃 修得済みのオラクル呪文 (術者レベル1;精神集中+6) 1レベル(5回/日)―リムーヴ・フィアー、サンクチュアリ(DC 16) 0レベル(回数無制限)―ディテクト・マジック、ディテクト・ポイズン、ガイダンス、ディテクト・イーヴル 一般データ 【筋】23、【敏】12、【耐】21、【知】16、【判】17、【魅】20 基本攻撃 +14;CMB +21(+23武器落とし);CMD 32(34対武器落とし、36対足払い) 特技 《鋭敏感覚》、《攻防一体》、《クリティカル強化:爪》、《武器落とし強化》、《イニシアチブ強化》、《自力生存》、《武器熟練:爪》 技能 〈交渉〉+22、〈飛行〉+12、〈治療〉+24、〈知識:自然、次元界〉+20、〈知覚〉+24、〈真意看破〉+24、〈呪文学〉+20、〈生存〉+24 言語 天上語、共通語、竜語 その他の特殊能力 変身、癒しの手(7d6、12回/日) アダルト・ブリス・ドラゴン CR16 Adult Bliss Dragon 出典 Pathfinder #137 The City Outside of Time 90ページ XP 76,800 秩序にして悪/超大型サイズの竜(他次元界、善) イニシアチブ +4;感覚 竜の超感覚;〈知覚〉+32 オーラ 畏怖すべき存在(180フィート、DC27) 防御 AC 32、接触8、立ちすくみ32(+24外皮、-2サイズ) HP 270(20d12+140) 頑健 +19、反応 +12、意志 +17 ダメージ減少 5/悪;完全耐性 能力値ダメージ、能力値吸収、[雷撃]、麻痺、石化、睡眠;呪文抵抗 27 攻撃 移動速度 60フィート、飛行200フィート(貧弱) 近接 噛みつき=+27(2d8+13)、爪(×2)=+28(2d6+9/19~20)、尾の打撃=+22(2d6+13)、翼(×2)=+22(1d8+4) 接敵面 15フィート、間合い 10フィート(噛みつきは15フィート) 特殊攻撃 ブレス攻撃(100フィートの直線状、12d10[雷撃]DC27)、押し潰し、仲裁、鎮圧打撃 修得済みのオラクル呪文 (術者レベル7;精神集中+14) 3レベル(6回/日)―ディスペル・マジック、ウィンド・ウォール 2レベル(8回/日)―ブルズ・ストレンクス、カーム・エモーションズ(DC 19)、ステイタス 1レベル(8回/日)―デスウォッチ、ディヴァイン・フェイヴァー、リムーヴ・フィアー、サンクチュアリ(DC 18)、シールド・オヴ・フェイス 0レベル(回数無制限)―クリエイト・ウォーター、ディテクト・マジック、ディテクト・ポイズン、ガイダンス、ディテクト・イーヴル、メンディング、ステイビライズ 一般データ 【筋】29、【敏】10、【耐】25、【知】20、【判】21、【魅】24 基本攻撃 +20;CMB +31(+35武器落とし);CMD 41(43対武器落とし、45対足払い) 特技 《鋭敏感覚》、《攻防一体》、《クリティカル熟練》、《上級武器落とし》、《クリティカル強化:爪》、《武器落とし強化》、《イニシアチブ強化》、《自力生存》、《不調化クリティカル》、《武器熟練:爪》 技能 〈交渉〉+30、〈飛行〉+15、〈治療〉+32、〈知識:地理、自然、次元界〉+28、〈知覚〉+32、〈真意看破〉+32、〈呪文学〉+28、〈隠密〉+15、〈生存〉+32 言語 天上語、共通語、竜語 その他の特殊能力 変身、癒しの手(10d6、17回/日)、次元界の要素注入(180フィート) エインシャント・ブリス・ドラゴン CR21 Ancient Bliss Dragon 出典 Pathfinder #137 The City Outside of Time 91ページ XP 409,600 秩序にして悪/巨大サイズの竜(他次元界、善) イニシアチブ +3;感覚 竜の超感覚;〈知覚〉+43 オーラ 畏怖すべき存在(300フィート、DC33) 防御 AC 41、接触5、立ちすくみ41(+36外皮、-4サイズ、-1【敏】) HP 434(28d12+252) 頑健 +25、反応 +17、意志 +23 ダメージ減少 15/悪;完全耐性 能力値ダメージ、能力値吸収、[雷撃]、麻痺、石化、睡眠;呪文抵抗 31 攻撃 移動速度 60フィート、飛行250フィート(劣悪) 近接 噛みつき=+37(4d6+19)、爪(×2)=+38(2d8+13/19~20)、尾の打撃=+32(2d8+19)、翼(×2)=+22(2d6+6) 接敵面 20フィート、間合い 15フィート(噛みつきは20フィート) 特殊攻撃 ブレス攻撃(120フィートの直線状、20d10[雷撃]DC33)、押し潰し、仲裁、鎮圧打撃、尾による一掃 修得済みのオラクル呪文 (術者レベル15;精神集中+24) 7レベル(5回/日)—ホーリィ・ワード(DC 26)、ウェイヴズ・オヴ・エクスタシー (DC 28) 6レベル(7回/日)—ファインド・ザ・パス、ヒール、ヒーローズ・フィースト 5レベル(8回/日)—ディスペル・イーヴル、ライフ・バブル(DC 24)、セレニティ(DC 26)、トゥルー・シーイング 4レベル(8回/日)—ディスミサル(DC 23)、フリーダム・オヴ・ムーヴメント、ホーリィ・スマイト(DC 23)、ライド・ザ・ウェイヴズ(DC 23) 3レベル(8回/日)—キュア・シリアス・ウーンズ 、ディスペル・マジック、シアリング・ライト、ウィンド・ウォール 2レベル(8回/日)—ブルズ・ストレンクス、カーム・エモーションズ(DC 23)、グレイス、レジスト・エナジー、ステイタス 1レベル(9回/日)—デスウォッチ、ディヴァイン・フェイヴァー、リムーヴ・フィアー、サンクチュアリ(DC 20)、シールド・オヴ・フェイス 0レベル(回数無制限)—クリエイト・ウォーター、ディテクト・マジック、ディテクト・ポイズン、ガイダンス、ディテクト・イーヴル、メンディング、レジスタンス、ステイビライズ 一般データ 【筋】37、【敏】8、【耐】29、【知】24、【判】25、【魅】28 基本攻撃 +28;CMB +45(+49武器落とし);CMD 54(56対武器落とし、58対足払い) 特技 《鋭敏感覚》、《攻防一体》、《クリティカル熟練》、《武器落とし打撃》、《上級武器落とし》、《上級呪文熟練:心術》、《クリティカル強化:爪》、《武器落とし強化》、《イニシアチブ強化》、《神速の反応》、《自力生存》、《不調化クリティカル》、《呪文熟練:心術》、《武器熟練:爪》 技能 〈交渉〉+40、〈飛行〉+16、〈治療〉+42、〈威圧〉+40、〈知識:地理、自然、次元界、宗教〉+38、〈知覚〉+42、〈真意看破〉+42、〈呪文学〉+38、〈隠密〉+18、〈生存〉+42 言語 天上語、共通語、竜語 その他の特殊能力 変身、癒しの手(14d6、23回/日)、慈悲、次元界の要素注入(300フィート) ブリス・ドラゴンは、野生生物と荒野の監視役を自任しており、ドラゴンの高い基準に満たない倫理観を持つフェイや魔獣を追い出すこともある。ブリス・ドラゴンはしばしば彼らの他次元界の空き地に難民を隔離し、必要としている人々に聖域と癒しを与える。
https://w.atwiki.jp/eiketsu-taisen/pages/1319.html
武将名 くろだながまさ 黒田長政 統一名称:黒田長政 生没年:1568~1623「脚光を浴びるのは俺だ。ここは俺がやらせてもらう!!」 黒田官兵衛の嫡男。始めは信長に仕え、本能寺の変以降は秀吉に仕えた。九州征伐や文禄・慶長の役にて活躍し、関ヶ原の戦いで東軍として参戦。島左近を破り諸将の裏切りを決意させたことから家康に一番の功労者とされた。 勢力 琥 時代 戦国 レアリティ N コスト 1.5 兵種 騎兵 武力 5 知力 6 特技 先陣 計略 琥煌の神速行(ここうのしんそくこう) 【琥煌:最大消費3】(計略発動時に消費した琥煌ゲージに応じて効果が変わる。発動後に琥煌ゲージが増加する)武力と移動速度が上がる 必要士気 4 効果時間 知力時間 Illust. 竜徹 声優 野宮一範 計略内容 カテゴリ 士気 琥煌 武力 知力 速度 兵力 効果時間 備考 琥煌 4 0 +3 - +50% - 8.3c(知力依存0.4c) - 1 +4 +60% 2 +5 +80% 琥煌 超 3 +7 +120% (最新Ver.2.0.0A) 調整履歴 修正Ver. 変更点 内容 備考 所感 バランス型の数値に先陣を備え、安定感がありつつも開幕に強い優秀なスペックの1.5コスト騎兵。 後述の計略も含め、どんなデッキでも活躍できることだろう。 計略は琥煌系の騎馬強化。 武力と速度が上昇する効果で、琥煌消費に関わらずこれ以上の追加効果はない。 とはいえ、武力と速度の上がるいわゆる神速計略と騎兵との相性は抜群で、士気も軽く小回りが効くため非常に扱いやすい。 0消費での琥煌ゲージ溜めは勿論、槍の少ないデッキなどを相手にする際には琥煌2・3消費で暴れまわることも可能。 大型琥煌計略のあとに残った琥煌を消費してマウントする戦術も強力で、開幕から終盤まで試合を通して活躍してくれることだろう。 解説 父譲りの文武に優れた才覚で、福岡52万石の初代藩主となった黒田官兵衛の嫡男。 幼少期には人質として信長の元に送られた。 父が寝返り(実際には説得に向かった先で幽閉されていた)を疑われた際には処刑されそうになったが、竹中半兵衛の機転によって救われる。 また、人質時代には秀吉・ねね夫妻に可愛がられ、ともに育った加藤清正や福島正則らとも親交を深めた。 長じてからは数々の戦で活躍。 熟慮断行の性格で父から優柔不断と責められる一方で、戦場では自ら槍を取って陣頭で奮戦。 時には無理攻めで敗北することもあったが、自身で敵将を組み討って勝利をもぎ取ったりもした。 特に関ヶ原の戦いにおいては、事前の諸将の東軍への引き込み、毛利・吉川ら西軍諸将の調略と地固めに奔走する一方で、 本戦では三成の本隊と激戦を繰り広げ、家老・島左近を討ち取るなど、正しく八面六臂の大活躍。 戦功一位と評価され、四十万石の大加増を受けた。 余りの活躍振りに、戦争を利用しての暗躍を試みていた父から叱責されたとの逸話も伝わる。 余談ながら、イラストでも被っている特徴的な兜は、戦国大戦で家宝(戦器)にもなった重要文化財の「大水牛脇立兜」。 後に不仲となった福島正則と仲直りのために兜を交換し、関ヶ原の戦いの頃にはこれまた特徴的な「一の谷形兜」を被って戦っていた。 (こちらも重要文化財であり、見た目のインパクトが非常に強く、一般的には黒田長政と言えばこちらの兜のイメージが強いと思われる) また、今作の戦器になっている「墨縄」は黒田長政の所有物。 文禄の役における碧蹄館の戦いの後に、立花宗茂と遠距離武器では弓と鉄砲のどちらが優れているかという勝負で使用された。 結果、弓の名手であった宗茂は見事的に命中させたが、長政は外してしまった。 長政は宗茂の主張を認め、その後両者の面目を保つために黒田長政の鉄砲「墨縄」と立花宗茂の弓「立左(りっさ)」を交換したという。 ハロウィンの贈り物の台詞の登場する「異見会」とは、長政が家臣らと行った対等の立場での意見交換会のことで、またの名を腹立たずの会という。 この会での発言については恨みを残さない、会の外で話さない、その場で腹を立てないことを始めに誓った上で互いに忌憚のない意見を出し合ったという。 会の中では家臣に歌が下手だと言われたり、長政が怒った雰囲気を見せたら家臣に「あれ?怒った?」とツッコまれて 「いやいや、怒ってないよ」と返したりといった逸話が残されている。 ハロウィンの台詞は後者の内容を基にしたものだろう。 大戦シリーズにおいて 豊臣家所属として、若年期のUCと壮年期(関ヶ原時)のRの2枚が存在。 どちらも騎馬隊かつ神速系計略を持っていた。 特にUCの方はコスト・兵種・武力・知力といったスペックや計略、果てはイラストレーターから声優・セリフに至るまで今回のものとほぼ同一。 自信家な性格もそのままで、戦国大戦プレイヤーには嬉しいリファインとなっている。 台詞 \ 台詞 開幕 言っておくが、俺は貴様より強いぞ └自軍に蒼063_竹中半兵衛 半兵衛殿!この長政、必ずや豊臣を支える武将となってみせます! └自軍に琥008_黒田官兵衛 父上!この長政の槍働きを見ていてくだされ! 計略 俺の力、今こそ天下に知らしめん! └絆武将 ここからは、一介の武人としての務めを果たさせてもらおうか! 兵種アクション 消えろ! 撤退 俺の負け……なのか!? 復活 軽く捌いてやろう 伏兵 本物の虎が目覚める時! 攻城 俺には俺の、戦い方があるんでな 落城 最後に立っていたのは、やはりこの黒田長政だったな 贈り物① どうだ、俺の力を認めたか?まあ、まだ父には及ばないがな…… 贈り物② 俺の武と知恵はお前のためにある。こんなものをくれなくてもな。 贈り物(お正月) - 贈り物(バレンタインデー) ふっ、惚れるのは俺の力と才能だけにしておけよ。 贈り物(ホワイトデー) 白い日だから白い餅……というのは安直だったか。でも俺にとってこれは大切なものなんだ。 贈り物(ハロウィン) 「異見会」を経て始めた祭りだ。なにがあっても俺は怒らんぞ……なにがあっても…… 友好度上昇 軽く捌いてやろう 寵臣 英傑たちの戦い、その勝敗を決するのはこの俺だろ └特殊 - 琥煌掛け声 \ 壱 弐 参 肆 伍 陸 台詞 ひとつ! ふたつ! みっつ! - - - 贈り物の特殊演出 会話武将 台詞 情報提供・誤った点に気付いた等、何かありましたら気楽にコメントしてください。 名前
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/559.html
登録日:2012/02/23(木) 01 38 05 更新日:2024/07/10 Wed 10 42 21 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 アニヲタ悪魔シリーズ ガンダム・バルバトス ソロモン72柱 バルバトス ロビン・フッド 中南米の国とは無関係 伯爵 力天使 堕天使 序列8位 悪魔 狩人 ◆バルバトス◆ 「バルバトス(Barbatos)」はユダヤ/キリスト教の伝承に由来する「神秘学」に生まれた悪魔の一人。 伝統的な「グリモア(魔導書)」の中にも登場する由緒正しい悪魔で「ソロモン72柱」では序列8位に置かれる、 30の軍団を率いる地獄の伯爵、或いは公爵であると考えられている。 【概要】 鷲の頭部を持つ男性であるとの記述もあるが、有名なのは狩人の姿で現れる悪魔であると云う事であろう。 猟銃か弓を携え、灰色のマントを羽織っているとされる他、深紅の房飾りの付いた緑の帽子、いやいや鉄兜を被っているとの伝承が残る。 黄道十二宮の内、人馬宮の方位に太陽がある時に、バルバトスは森の中に出現し、その後にはホルンを吹き鳴らす高貴な四人の王(?)と三隊の軍が付き従うと云う。 その姿から「悪魔界きっての狩人」とも言われるが、悪魔が狩りを楽しむか否かの検証は別問題であろう。 ……てゆーか聞くな。 隠された財宝を見つけたり、過去や未来の知識を持つとされており、その知識を得る為に召喚されるが、 人間同士の諍いを調停してくれると云う、やや悪魔らしからぬ力も発揮するとされている。 また「鳥のさえずり、犬の吠え声、牡牛の唸りを始め、生き物すべての声を理解する」ともされる 等、全体的には温和な、悪魔らしからぬ悪魔の一人でもある。 中世の悪魔学者によれば堕天した「力天使」もしくは「主天使」の一人であるとされる他、民間説話の英雄として名高いロビン・フッドの化身であるとの伝承までが残る。 ……悪魔らしくないのも当然かも知れない。 【主な登場作品】 ◆ゲーム『女神転生』シリーズ 上記の「元は天使」という逸話からか、「堕天使」のカテゴリーにて登場。 初出の『デビルサマナー』では『地獄の辞典』などで描かれているのと同じ「空飛ぶラッパを従え、銃を構えた壮年の狩人」の姿で登場。 その他の作品でも基本的には「銃を構えた悪魔(堕天使)」のイメージで描かれるが、何故か『デビルチルドレン』では白い頭と赤い体を持つ大蛇のような姿で登場する。 ◆メギド72 主人公の仲間の一人であり、初期配布キャラとして登場尾する金髪の美青年。 吟遊詩人を生業としており美人を見るやすぐ口説く軟派な男だが、思慮深く気遣いの出来る一面を持つ。 ゲーム中の性能としてはヒーラー役であり、バッファーの役割も担える。 ◆バルバトス・ゲーティア 『テイルズ オブ デスティニー2』のボスキャラ。 英雄をひたすら探しては狩るCV 強力わかもとなムキムキ斧ロン毛おじさん。 余りのインパクトから、ラスボスをはるかに上回る知名度で知られる。演者曰く「けったいなドン・キホーテ」。 詳しくは当該項目を参照されたし。 ◆ガンダム・バルバトス アニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するMS。 同作品の主人公機で300年前の「厄祭戦」と呼ばれる大戦で運用された72機のガンダム・フレーム採用機の内の一機。 「もっとだ…もっとよこせバルバトス!」 詳しくは当該項目を参照されたし。 ◆管制塔バルバトス スマートフォン向けゲーム『Fate/GrandOrder』のボスエネミーの一体。 「殺したかっただけで死んでほしくはなかった…」 詳しくは当該項目を参照されたし。 追記・修正は「悪魔」に助けられてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ???「ぶるあああッ!」 -- 名無しさん (2013-12-15 17 36 10) 某アイテムなんか使ってんじゃねぇさんの影響で凄まじいパワー型の悪魔だと認識されてるイメージ -- 名無しさん (2014-08-21 15 05 38) 元は民間で信仰された精霊や神なのかな?それにしても某物語のせいでとんでもない性格と認識されていてこの人魔界で苦笑いしてそうだな。 -- 名無しさん (2015-01-26 13 13 42) 悪魔だが天使の力が残ってる -- 名無しさん (2015-10-16 09 07 47) ↑成る程、だからGジェネのバルバトスは天使っぽかったんか。 -- 名無しさん (2015-10-16 09 49 31) ↑3ソロモン72柱の大半はキリスト教に貶められた神々だからな。神話の主神クラスもかなり混じってる。 -- 名無しさん (2015-10-16 12 54 57) またガンダム -- 名無しさん (2015-12-27 22 44 25) 『銃』を装備してるというごっつい個性があるせいでハンターだのガンスリンガーだの戦闘的な翻案が多いような。 -- 名無しさん (2015-12-27 23 17 03) ガンダムの方のバルバトスは72柱の記述を旨い事デザインに取り込んでおり「尖った嘴の鷲頭」「悪魔のツノ、または羽根飾り」「鉄の甲冑」「猟銃(滑腔砲)」、あとはマントがあれば完壁。・・・赴任先がアレすぎてすっかり君をぶち殺すガンダムだけどな! -- 名無しさん (2016-01-05 03 38 14) ↑第一~第三形態のガントレットは鉄腕ゲッツ(ロビンフッドのモデルの一人とされる人物)の義手がモチーフだったりして -- 名無しさん (2016-12-30 00 13 53) 殺したかっただけで死んでほしくなかった -- 名無しさん (2017-03-03 06 47 14) もっと死んで -- 名無しさん (2017-03-03 07 10 45) もっとよこせバルバトス!(素材を) -- 名無しさん (2017-03-03 08 06 42) お願いバルバトス!(わたしが行くまで)死なないで‼ -- 名無しさん (2017-03-03 13 02 06) フェイトとガンダムによって知名度が爆発的に上昇したなw -- 名無しさん (2017-04-08 13 28 18) 左門くんだと名前と矢だけの登場で本体が登場することなかったな・・・ -- 名無しさん (2018-05-27 17 08 06) 強力若本だったり機動兵器だったり乱獲対象だったりイケメン悪魔だったりする悪魔 -- 名無しさん (2018-09-29 09 07 58) カリブ海の島国のバルバドスは名前は似てるけど関係ない -- 名無しさん (2021-08-01 19 04 51) 魔入間ではバルバトス・バチコが出てるな。外見は少女だが、弓使いという分かりやすい特徴はそのまんま。 -- 名無しさん (2023-05-16 22 25 00) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/winterfate/pages/78.html
冬木市内の、とある空き倉庫。 今夜、ここで二つの暴力団が交渉を行うことになっていた。 とはいえ、それは名目だけ。 よほど上手くいかない限り交渉が抗争に変わるであろうことは、どちらの組もわかっていた。 「向こうはまだこねえのか……」 「まるで来る気配がありません」 約束の時間の、5分前。 倉庫には、片方の組の人間しかいなかった。 相手が来ないことにしびれを切らしたこの場の責任者が部下に確認するが、やはりもう片方の組はまだ来ていないようだ。 「怖じ気づいて逃げ出したんでしょうか……?」 「それにしたって、一人もよこさねえってことは有り得んだろ。 そんな無様晒せば、明日から組員全員この世界で生きていけなくなる。 ここに来られねえほどの事件でもあったか?」 そんな会話をしていると、一人の組員が血相を変えて走ってくる。 「兄貴!」 「おう、来たか」 「いえ、来たことは来たんですが……。その、一人なんです」 「はあ?」 困惑する組員の前に、一人の男が姿を見せる。 「どうもどうも、時間ギリギリになってしまって申し訳ありません。 なにぶんこの街に来て日が浅いもので、迷ってしまいまして」 穏やかな口調で、男は語る。 高級なコートに身を包み、長い髪をしっかりと整えたその男の姿は、高い教養を持つ紳士にも見えた。 だが曲がりなりにも裏社会に身を置く暴力団員たちには、すぐにわかってしまった。 この男は、人殺しの目をしていると。 「あんた……あっちの組の人間じゃないだろ? いったい何者だ?」 「では、名乗らせていただきましょう。 あなた方の殲滅を依頼された、用心棒です」 男はそう言うと、奇妙な刺青が刻まれた両手をかざした。 ◇ ◇ ◇ 「やれやれ、他愛のないものですね。まあ、平和な国のチンピラではこの程度ですか」 倉庫の中に転がる無数の焼死体を眺めながら、男……ゾルフ・J・キンブリーは呟いた。 「あなたもそう思いませんか、キャスター」 続いて、キンブリーは相棒に声をかける。 彼は、この世界の人間ではない。聖杯戦争の参加者として、異世界から招かれた存在だ。 そして彼にあてがわれたのが、キャスターのサーヴァントだった。 「知るか、殺人鬼め。まったく、とんでもない男がマスターになってしまったものだ……」 キンブリーの問いかけに悪態で返すのは、豊かなヒゲを蓄えた壮年の男。 彼がキンブリーに召喚された、キャスターであった。 「私もあなたも、爆発に魅せられた男です。引かれあってもおかしくないでしょう」 「貴様と一緒にするな! 私は人殺しの道具とするために、ダイナマイトを作ったわけじゃない!」 「ええ、あなたは人殺しの汚名をすすぐために、社会に貢献した人物を称える賞まで作ったそうですねえ。 お優しいノーベルさん」 必死の形相のキャスターとは対照的に、キンブリーは楽しそうに笑う。 「そんなあなたが、なぜ今さら聖杯を欲するのです? 名誉なら充分に回復したのでは?」 「まだだ、まだ足りぬのだ。私が家族の命を犠牲にしてまで生み出したダイナマイトを、悪しき者として扱う人間がいてはならぬ! 聖杯にでもすがろう! 貴様のような外道に仕える屈辱も飲み込もう! 私は、一点の曇りもない名誉を望む!」 「その信念の強さ、実に素晴らしい……!」 キンブリーは、さらに喜色を強める。 彼にとって、人間の価値とは信念の強さだ。 そこに、善悪は問わない。 「ならば私と共に戦いましょう、ノーベル。 厳しい戦いの中でもその信念が折れぬこと、期待していますよ……」 【クラス】キャスター 【真名】アルフレッド・ノーベル 【出典】史実(19世紀) 【性別】男 【属性】秩序・中庸 【パラメーター】筋力:D 耐久:C 敏捷:D 魔力:D 幸運:C- 宝具:B 【クラススキル】 陣地作成:B 自らに有利な陣地な陣地「工房」を作成可能。 道具作成:B 魔力を帯びた器具を作成可能。 ノーベルは爆薬の作成に特化している。 【保有スキル】 黄金律:B 人生においてどれほどお金が付いて回るかという宿命を指す。 Bランクなら一生金には困らない。 爆発避け:A 誰よりも爆薬に精通した彼は、爆発に巻き込まれることはない。 むろん、自爆することもない。 爆発によるダメージを無効化する。 【宝具】 『我が人生は爆発だ(ボンバー・ボンバー)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1-30 最大捕捉:50人 爆発物の専門家としての彼の生き様が、戦闘用に昇華された宝具。 瞬時にして自分の周囲にダイナマイトをばらまき、全て同時に爆発させる。 レンジ外に逃げる以外に、回避する方法はない。 なお無差別攻撃であるため、使用の際は味方を巻き込まないよう注意が必要である。 『讃えよ、その叡智(ノーベル・プライス)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:視界内 最大捕捉:1人 ノーベル賞の設立者であるという逸話から生まれた宝具。 一定時間自分以外の誰かの知性を、「ノーベル賞を与えるにふさわしい」レベルまで引き上げる。 【weapon】 道具作成スキルで作った爆薬 【人物背景】 スウェーデンの化学者。 若い頃から爆薬の研究に没頭し、これまでに無く扱いやすい爆薬「ダイナマイト」を発明する。 その発明により巨万の富を得るが、ダイナマイトが軍事利用されたことにより「死の商人」との悪評も立つようになった。 それを気に病んだノーベルは、名誉のために死後遺産を使って世界に貢献した人物を称える賞を作るよう遺言を残す。 それが現在のノーベル賞である。 【サーヴァントとしての願い】 自分とダイナマイトの、完全なる名誉の回復。 【マスター】ゾルフ・J・キンブリー 【出典】鋼の錬金術師 【性別】男 【マスターとしての願い】 ノーベルの信念を見届ける。聖杯にかける願いはない。 【weapon】 現在は特にないが、いつでも爆発物を作れる。 【能力・技能】 「錬金術」 物質を分解・再構築し、別のものに作り替える技術。 キンブリーは特に、爆発物を作ることを得意とする。 発動には錬成陣と呼ばれる特殊な陣を描く必要があるが、キンブリーはそれを刺青として直接手の平に刻んでいる。 【人物背景】 アメストリス国の国家錬金術師。二つ名は「紅蓮の錬金術師」。 イシュバール戦線にて虐殺の限りを尽くした後、賢者の石の返還を拒み上官を殺害したため投獄。 しかしホムンクルスに戦力として目をつけられ、彼らの裏工作により釈放。 以降は軍人として行動しつつ、裏でホムンクルスの計画に協力する。 紛れもない外道だが独自の美学を持ち、強い信念を持つ人間に対しては敵対していても力を貸すこともある。 今回は死亡後より参戦。冬木市では裏社会の用心棒として活動している。 【方針】 聖杯狙い。