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登録日:2022/07/16 Sat 17 13 00 更新日:2024/05/24 Fri 18 45 22NEW! 所要時間:約 15 分で読めます ▽タグ一覧 だいたいこいつのせい オメガコーポレーション ワッチャプリマジ! 哀しき悪役 小物界の大物 御芽河兄妹の不幸の元凶 御芽河阿智彦 改心 毒親 父親失格 独眼 眼帯 社長 緑川光 自業自得 黒幕? すべては奇跡のパワー、ワッチャのために 御芽河(おめが) 阿智彦(あちひこ)とは、ワッチャプリマジ!の登場人物である。 CV 緑川光 ◆概要 ワッチャプリマジ本作におけるライブと言っていい「プリマジ」を全面的にプロデュースしている「オメガコーポレーション」の社長。 右目にのみ片眼鏡を使用し緑色のメッシュが掛かった黒い髪をオールバックにした壮年男性である (若干髭がΩを逆にしたような或いは髪型含めてΩの形になるように見える)。 物腰は柔らかいが、まるで相手がいないかのように若干高圧的な雰囲気が見え隠れしている。 これまでのプリティーシリーズではありそうでなかったプリマジ全般を管理している組織の社長であり、 スタア、プリパラアイドル、プリチャンアイドル、プリマジスタ達が憩いの場として使ってきたプリズムストーンも恐らく御芽河コーポレーション傘下の店舗だと思われる。 休日であっても茶色の高価そうなスーツに身を包み、ほぼ必ず御芽河の会社かプリマジに関係する場所にいるなどワーカホリック気味なところがある。 プリマジではプリパラで言うメイキングドラマに当たる技術「プリマジイリュージョン」は魔法界の協力がないと出来ない関係上、 魔法界の代表であるフェスリダとは連携(提携契約?)を行なっていて1話は彼女との商談と握手をする場面で初登場した。 しかし、21話ではその前提を覆し、娘のあうるが開発した科学の技術により魔法界の協力なしにプリマジイリュージョンを実行し、成功させている。 これを受けてフェスリダをはじめとした魔法界の人間は彼の行動に疑問と不信を持ち始めている。 ◆活躍 前述通り第1話より登場。魔法界と連携してプリマジイリュージョンの作製に成功しているが未だにその真の目的は不明。 また、陽比野まつりをはじめとした新人プリマジスタの活躍に注目し、彼女達のライブを逐一モニターで確認したり、彼女達を集めて強化合宿を行わせたりしている (明言されていないが恐らく御芽河が費用を出しているものと思われる)。 その一方で合宿の様子は生中継されていて視聴率を気にしていたり、 まつり達5人の中で誰がナンバーワンかを決めるのが目的 (本人達には一切告げていない)らしく、最終的に5人が合同ライブを行うと決めた時に憤慨していた。 魔法界の住人であるマナマナと協力してプリマジを行なう彼女達の存在は貴重であるらしく、エンターテイナーに番狂わせは必要との信条があるのか、予想外の出来事が起こる度に笑みを浮かべている。 その一方で前年度のプリマジクイーンであるジェニファーとは何か深い関係があるらしく、高確率で共に行動をしているだけでなく彼女の過去についても何か知っている様子。 また、まつり達の事は一方的に知っているだけだったが(まつり達も一応御芽河コーポレーション社長である彼の事はテレビの中の人物として知っている)、27話でやっとまつり、みゃむと出会って会話を果たした。 二人に対して「素晴らしいプリマジだった。期待しているよ」と告げてはいるもののまつりの事は特に何とも思っていないらしく、その興味は人間界でも問題なく人間同様の姿で行動しているみゃむの方にあるらしい……。 28話ではみゃむにステージに立たせようとしたがみゃむを気遣い、 ひゅーいが代わりにプリマジを行なったため、一度みゃむからは手を引くことになった。 しかし、魔法界でもそれなりの地位があるひゅーいを自分の目的のためにステージに立たせたことでフェスリダとの関係に明確な亀裂が走ってしまい、 それ以降38話まで一緒にいるシーンは存在しない (対立関係が解消されたわけではないが、詳細は不明。互いに対立を明言しているわけではないため表にしていないだけか)。 39話「灼熱ドリーマー 御芽河阿智彦」 まさかの彼が主役を務める回である。 テレビ番組に出演する関係で彼の多忙な一日が紹介されているのだが、 のっけからニチアサ女児向けアニメとは思えぬ中年男性の全裸入浴シーンから始まる 「自分が行く道を他人のハンドルに任せるのって嫌いなんです」 実際には彼は常に専属の運転手にハンドルを握らせている。 「プリマジは夢そのもの。ライバルなんていらないんです」 前述の合宿の際にプリマジスタ同士を争わせ、勝者と勝者を応援している者に勝利と言う栄光と優越感を与える事こそエンターテイメントと語っている 「娘も十分成長しました。もう好きにやらせてます」 前述通り疑似ワッチャ充てん装置を開発させているし、そもそも彼女にプリマジをやらせているのもこの装置の試運転且つ運用及び陽比野まつりとそのパートナーであるみゃむのワッチャを利用するため。そして何より31話ではこれに反発した娘に激怒して関係が悪化している など、視聴者だけでなくあうるなどの劇中の人物からすら「お前が言うな」「胡散臭すぎる」と言われるような悪評を得る内容だった。 実妹やジェニファーにすら一発で嘘だとバレているにも拘らずずっと一緒にいるのにテレビに映っている姿を本当の父の姿だと信じ込んでしまった祈瑠君が哀れで愚可愛いという声が上がっている 第40話「You are MY Sunshine」 39話からの続きであり、ジェニファーの回想シーンがメインである。 そこではかつてリューメと呼ばれるマナマナの少女とパートナーだったが別れることになってしまったジェニファーを気遣って涙する姿を見せている。 ジェニファー曰く「彼のプリマジを愛する思いは本物よ。ちょっとダーティだけどね」 恐らくそれがジェニファーが阿智彦を信頼する理由なのだろう。 しかし、阿智彦の命令によりまつりの父親を調べていたあうるによってまつりの父親がかつて御芽河コーポレーションで働いていた阿智彦の旧友にしてライバルである「輝夜道人」であること、そしてげんざいあうるにやらせている研究がかつて道人に禁忌だと否定されたものだと暴かれてしまう。 「プリマジの発展、ジェニファーのためのリューメ奪還と言うのは表向きの理由で、本当はただこの人に勝って見返してやりたいだけじゃないのか?」 「黙れ!!どんな手段を取ってでも自分が正しいことを証明する。それがプリマジだ!!ジェニファーに新システムを使え」 「出来ない!チュッピをマナマナ化するシステムなんて危険すぎる!」 「ならみゃむを連れて来るだけだ。陽比野まつりと引き離してでもな」 「……」 この会話を聞いてしまったジェニファーは、万感の思いでプリマジを行なう。最後まであうるは拒否していたが祈瑠によって無理矢理起動されたシステムはやがて太陽のエレメンツを呼び出し、ジェニファーの体と一体化してしまう。 「素晴らしい。これぞ王道でもない邪道でもない……覇道!」 拍手しながら喜ぶ阿智彦だったが直後、ジェニファーの放った魔力が阿智彦を貫くのだった………… それからしばし出番がなかったが右目を失い、Ω印の眼帯をつけながら部屋に引きこもりながらも生きていた。 それまでの覇気や自信に満ち溢れた打算的な言動は完全に鳴りを潜め、唯の中年男性となっていたが、甘瓜みるきのライブを見て同じような状態から一歩前に踏み出ることを決意した祈瑠の説得を受け、あうるのライブを見た事で45話でついに完全復活。 さらにこれまで確執があった陽比野道人とも和解を果たし、かつてテレビで放った見せ掛けだけの言葉を真実にすべく、 息子娘たちに支えられかつての親友と共に自分が犯した罪の償いをすべく再び立ち上がったのだった。 ◆人間関係 御芽河あうる 娘。彼女が幼い頃までは仕事で忙しいもののまだ優しい父親をやっていたらしい。現在に関しても言葉尻は強いもののあうるの天才ぶりを高く評価し、彼女が活動拠点内で成績ナンバーワンを勝ち取った際にも当然だと言い放っては彼女から若干距離を置かれている。あうるからは「お父さま」と呼ばれるのだが、31話で意見の対立から彼女が命令を無視してからは関係が悪化している。 45話の和解以降は「お父さん」呼びに変わっているがどちらも笑みを笑みで返すいい親子関係となっている。 御芽河祈瑠 息子。普段は部下として侍らせているがお世辞にも扱いがいいとは言えず、祈瑠が何か進言をしたり、マスコミ対策にフィルムを奪うなどの割と適切な行為をしてもほぼ必ずと言っていい割合で全否定される(そして祈瑠はあうるに八つ当たりをするという悪循環)。 とは言え使える道具はすべて使うタイプである阿智彦が常に傍に置いているだけあって、恐らく全く才能がないわけではないと思われる。 阿智彦が毒親なのは間違いないが、祈瑠も祈瑠で父の本当の姿を一切見ようとしなかったりと問題がないわけではなくもしかしたら因果関係は逆かもしれない。 40話での失敗からしばらく家に引きこもっていたのだが、44話でみるきのライブを見た事で自分を肯定し、父の再起を支えることを決意。親子としても社長と秘書としても満ち足りた本来あるべき関係に戻ったのだった。 フェスリダ 同盟相手。1話からプリマジが行なわれる際にはほぼ必ず同席して見物しているのだが、前述通り21話であうるに作らせた疑似ワッチャ充てん装置によって魔法界の技術を一切使わずにプリマジイリュージョンをして見せてからは関係が悪化。 38話に至るまでの間一切同席することはなかった。 ちなみに彼女と瓜二つの姿を持つマツリダ婦人との関係は不明 (マツリダがこれまでのめが姉ぇポジションのため、立場的には社長と雇われ店長のような関係だと思われるが言及されていない)。 41話以降チュッピである阿智彦が起こした事で完全にチュッピを見下す事になったフェスリダだが、42話以降伝説とされたエレメンツコーデのヘブンズ化をプリマジスタ達が次々と達成したことで希望を取り戻したのか 46話にて再起した阿智彦の前に姿を見せこれまでの対立関係を解消、共にジェニファーを救出するために再び協力関係となった。 ジェニファー・純恋・ソル 前年度のプリマジグランドフェス優勝者。 彼女に対しては異常なまでに親身となっていて、あうる以上に父親のようなしぐさをしている そのため一部では愛人ではないかと言う声も 雨に濡れれば上着を貸し、車で送り迎えをするなど特別優しくしている。 阿智彦曰く「リューメを奪った魔法界の奴らを許さない」「必ず君とまたリューメを会わせて見せる」とのことだが……? 前述通り40話で阿智彦の嫉妬にまみれた本音を聞いてしまったことでワッチャの力で作った槍によって阿智彦を狙撃。 右目を奪ったことで完全に阿智彦を見限ったものと思われるが阿智彦に対して何も言及していないためその胸の内は不明。 陽比野まつり みゃむ 前述通りまつりに関しては1話でのデビューの時からほぼすべてのプリマジを観察している。だが、その真意はまつりのプリマジイリュージョンを起こすみゃむの力に注目していた。一時は息子に誘拐犯の真似事をさせてまでみゃむをステージに上げようとしたがひゅーいによって一時的にスカウトを取りやめることとなった。 もちろんそれでも諦めてはいないらしい…… 陽比野道人 まつりの父親らしき人物。31話の回想シーンで彼らしき人物と過去共にプリマジに関する研究をしていたらしいが……? 実は若い頃にプリマジの研究を共にしていた親友同士である。しかし阿智彦が禁忌に触れようとしたために彼は阿智彦の前から姿を消した。 39話ラストでまつりの父が道人であることを突き止め、過去のないまぜの感情が蘇ってしまい、40話での凶行に及んでしまう。 それからクソ重い百合と無駄に清々しい中年同士の薔薇がないまぜになってて胃もたれが起きると評判の46話でついに再会。互いにわだかまりを解消し、平身低頭の末に再び二人でまたサマメでプリマジをやろうと決意をするのだった。 ◆余談 担当声優の緑川氏はシリーズ初めての出演となる。 プリティーシリーズに於いて敵方の成人男性はレインボーライブの法月仁以来となる。 御芽河兄妹の父親だが妻に関しては不明。 だからジェニファーが愛人だとか言われている 女児アニメに登場する壮年のおっさんキャラと言う立ち位置でありながら妙に公式からはクローズアップされている存在であり、 重要なキャラクターだとは思われるが若干視聴者からはネタにされている。 えもパパと比較される事すらあるのは流石に可哀想だが シリーズ内でレギュラーキャラクターが五体満足の状態から体の一部(右目)を欠損してそのまま物語が進んでいくのは初である。 追記・修正は大番狂わせを演じてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] まつり達を差し置いてプリマジで最初にできた人物単独項目があち彦とは... -- 名無しさん (2022-07-16 19 53 54) 初見の時点で阿世知欽太郎や法月仁みたいなポジションだろうなと思った人 -- 名無しさん (2022-07-16 23 15 47) ↑法月に近いと思う -- 名無しさん (2022-07-17 08 58 55) 普段から父と一緒にいるくせにテレビ用に編集された綺麗な姿を信じて喜ぶ祈瑠くんおろかわいい…(あうるは一発で虚偽と見抜く) -- 名無しさん (2022-07-17 10 57 33) サマメあちひこを諦めない -- 名無しさん (2022-07-17 11 11 46) 掲示板とか見ると阿智彦みたいな奴結構いるよな。自分とは食い違いの意見があれば今の阿智彦みたいにそいつにだけ悪意を向けて自分だけが正しいみたいな奴ばかりだもん。 -- 名無しさん (2022-07-17 14 42 18) ジェニファーに制裁されたシーンはもう自業自得としか思えない -- 名無しさん (2022-07-24 19 43 57) 悪い意味でゴッサムのバーバラキーンとソフィアファルコーネをみたいな奴だ -- 名無しさん (2022-07-27 18 54 14) 阿智彦失明疑惑ザマァ -- 名無しさん (2022-08-07 18 58 04) とはいえマナマナに頼らないプリマジを目指す阿智彦がマナマナ至上チュッピ蔑視のフェスリダと睨み合ってた構図なので、いなくなられてもそれはそれで困る -- 名無しさん (2022-08-10 23 01 41) ただ溜め息しか出ないだけやってる事も外道の所業そのものだしある意味ゴッサムのバーバラキーンを10倍位糞にしたバージョン -- 名無しさん (2022-08-29 00 47 06) 4月にプリティーシリーズの新作やるけど、こいつみたいな小物なクズキャラだけは出さんで欲しいわ -- 名無しさん (2023-12-13 00 15 47) 名前 コメント
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※(おやっさん⇔アバンシモン&艦長女王⇔ペットヴィラ子の交錯宇宙) ドリルに弾かれた鉈が飛び、向こうの床に落ちた。鈍い金属音が打ちっぱなしのコンクリートの部屋に響く。 怯んだ隙にもう一人のシモンは胸倉を掴むと直ぐさま突き放した。不意に床に叩き付けられた衝撃でヴィラルは意識を失った。 「気分はどうだい、艦長さんよ?」 目を覚ますとヴィラルの顔を多元宇宙のシモンが覗き込む。腰の辺りに跨がったシモンは歪んだ笑いを浮かべた。 その顔に拳を叩き込もうと右腕を振り上げようとするが、頭上で縛り上げられていることに気付く。 ヴィラルは小さく舌打ちした。 「最悪だよ。」 「そうか、俺はサイコーの気分だ。」 言うや否やシモンは青いスペーススーツ越しにヴィラルの腹を撫でた。 「……っ!」 「真面目そうなツラしているくせにやらしい恰好してよ。」 感じて声を出すまいと堪えるヴィラルの表情を楽しみながらシモンは指をじわじわと胸に這わせた。 指は形のいい丘を登り、頂の辺りをふにふにと甘い刺激を与える。 「覚えてるぜ。お前、俺とアイツがしていると、いつも物欲しげに見ていたよな?」 声すら出さなかったものの、官能の形に眉を歪ませたヴィラルに気をよくしたシモンは次第に愛撫を胸全体に施していった。 「っ……違う!」 シモンの思うがままに胸を蹂躙されて、否定の言葉すら艶めいて聞こえる。 「あんなしわがれたオッサンじゃ、物足りなくならないか?」 「そんなこと……」 返す言葉が弱々しい。やはり図星か。気を紛らわすためにあらわになった淡い頂を吸い上げる。 「あっ……やめっ……」 舌先で転がすと声にならない悲鳴のような嬌声が部屋に響き渡った。 その頃の、超銀河ダイグレンの一室。 壮年の男が留守の女の部屋に単独で忍び込み、あろうことかそのベッドの中に潜り込んでその残り香を楽しんでいた。 「やっぱりヴィラルはいいにおいだなあ……」 シモンは布団の中で深呼吸をしては至福の笑みを湛えていた。 他人の部屋に不法潜入し匂いを嗅ぎ回る変態男を、汚いものを見るかのような目線で影から見つめる姿があった。 (もう一人の私はあの男のどこがいいというのだ?) 汚れた服を身に纏った男は無邪気に枕に抱き着いている。 (それにしても、自分の女が今頃犯されているとも知らずに、呑気なものよ。) 愚かな行為をしながら部屋の女主の帰りを待つ男を見てほくそ笑む。 まあいい。あの自分と同じ顔のムカつく女からこの男さえ奪えってしまえば…… 悔しがる姿を思い浮かべるだけでゾクゾクした。 照明を落とし、薄暗くなった中で羽織ったコートを脱ぎながらベッドへと歩み寄る。 「シモン……」 残されたのは透けるほど薄いシャツとショーツのみ。 見てくれは多少違えど声は変わらないのだから暗闇ならばどうせ区別は付かないだろう。 「……あれ、ヴィラルお帰り?」 ベッドの中で戸惑う男の隣に座り、時折胸を押し当てながら黙って彼の衣服を解く。 あらわれた肉体は年齢の割によく鍛えられていたことに少し驚いきつつ、肩口と上腕に柔らかく口付ける。 そこから腕を取って手の甲にも軽い口付け、更に人差し指を口に含んだ。 唾液を指全体に塗して指先に向かって嘗めあげたり、まるで口淫のように水音を立てながら吸い上げる。 一通りなめ回した後は中指にシフトし、指越しに視線で挑発した。 気持ちが乗ってきたのか男に手を引かれ、後ろから抱き込まれた。 「今夜はやけに積極的だな。」 あの男と同じ声で低く囁かれて、期待に肌が粟立つ。 「そういう気分なんだ……っ……」 首筋を舐められ身体が跳ねた。熱い舌先は耳の裏にまで及び、慣れない愛撫に身体の内側が疼く。 感じたことに気をよくしたらしく今度は耳に舌が侵入する。舌と吐息の熱にビクビクとどうしようもなく身体が反応してしまう。 「……う……あっ……」 流されてしまわないように逃れようともがいたが、腕はしっかりと腹に巻き付いて身動きすることも叶わなかった。 まだ何もされていないはずなのに鼓動ばかりが狂ったように早まる。 男の手が胸を薄布越しに掴み、やわやわと揉まれて形を変える。 耳から聞こえる男の呼吸、そして尻の布越しに押し当てられる熱いもの。全ての感覚にいつの間にか翻弄されていた。 再び指を差し出され両手で支えて丁寧に舐める。ごつごつした手はあの男のそれによく似ていた。 (アイツはこんな風に優しくしてはくれないがな。) 背中から包まれた人肌の温かさはあの男のものではないけれど。もしもこんな風に抱いてくれたならば。 切ない現実に思いを巡らせている隙にいつの間にか指が下着の中に潜り込んで熱の中心に触れようとしていた。 湿った指が肉のクレバスを這うとくちゃりと水音がした。声にならない悲鳴が吐息と共に出る。 股を割って指がゆっくりとあの場所に入れられて、行き場のない手がシーツを握りしめた。 「っ……ぃゃっ……あぁっ……!」 指だけで翻弄されてしまう自分の身体が俄かには信じられなかった。 内側を撫でる指を求め、肉は節操なく絞まり甘い蜜が内股を濡らす。 身体はただ熱くなるばかりで肌に薄布が纏わり付き、それがまた固くなった頂を苛めた。 「あッ……あぁ……アッ……!」 指を足されいよいよ限界が近づいて来た。シーツを握る手にじわりと汗が滲む。 いつものようにぐちゃぐちゃになるまで突き上げて欲しくて。 熱に火照った頭はとっくに理性など捨て去り、固く熱い男のモノをねだるように尻を押し付けた。 指を引き抜かれて圧迫から解放された熱の中心がじんと疼く。 ショーツをむしり取るようにして奪われ、仰向けにされて股を両手で開けられた。 あの男以外に身体を許したのは初めてで、いまさら生娘のように身が固まる。 眼前の男はすぐに手を下すような真似はせず、股を開けたままの恰好を愛でるように見つめていた。 視線で犯されている気がして顔に血が上って、内股にキスされて舌が中心に向かっていく。 「ひっ……やぁぁっ!」 あの男の手によって茂みの刈られたそこを舌がなめとり、驚いて内股を閉めようとする。 男は肉に挟まれるのもお構いなしに舌を動かし内側を執拗に責めた。 「やだっ……やっ……あぁッ……あああッ!」 頭を押し退けようとするが小刻みな刺激に力が入らなかった。 淫らな喘ぎを堪えようとすると舌先が肉芽を弄る。 皮を剥かれて唾液に転がされるたびに電撃が身体を駆け巡り、歓喜に酔いしれて熱い目尻から涙が零れた。 「あ……ぃゃああああああぁぁぁぁッッ!!」 上り詰めた快楽に意識を白く塗り潰され、意識を手放した。
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ピーターパン・シンドローム ◆7VvSZc3DiQ 【ピーターパン・シンドローム】 1983年にアメリカの心理学者、ダン・カイリー博士の著した『ピーターパン症候群』で提唱された精神疾患としての概念。 本著の中でピーターパン・シンドロームは「成長する事を拒む男性」として定義されている。 転じて、学説的見解とは相違するニュアンスではあるが「大人になりたくない子ども」を指すこともある。 類義語→【ネバーランド症候群】 ◇ あの、永遠に続くかと思われた夏の日。 じっとりと汗に濡れた制服が肌に張り付いているのを下敷きで扇ぎながら引き剥がし、帰り道で食べるアイスの事を考えている。 こんなに暑い日にはプールにでも行ってひと泳ぎと洒落込みたいところだ。 横目で眺めるクラスメイトの女の子たちの制服の下に中学生らしからぬ下着のラインが見えて、どきりとする。 最近になって、異性と話すのがどんどん苦手になってきた。 興味がないわけじゃなくて、興味がありすぎるからこそ、どう接していいのか分からない。 女の子と仲良くやってるクラスの人気者を少し羨ましく思いながらも、男同士で馬鹿をやってるほうが楽だった。 悩みなんて数えるのが馬鹿らしくなるほどいっぱいあって、だけど楽しいことはそれよりもっと多くて、毎日が輝いていたあの日。 こんな日々が、ずっと続けばいいと思っていた。 僕たちはあのとき、ずっと子供でいたいと思っていた。 ◇ 舞台に降りた闇の帳が、観客の集合と共に開かれた。 観客の年頃は皆揃って十代の前半。総勢五十を超える少年少女たちが、中央に座する巨大な椅子に臨む形で配置されていた。 自分たちが何故此処に居るのか、その理由を説明出来る者は彼らの中に誰一人としていない。 それどころか、一体どうやって此処に来たのか、どれだけの間此処に居るのか、何一つとして分からぬまま、彼らは此処に居る。 困惑と不安が喧騒となり、彼らの中で広がっていく。心細げに震える者、静観を決め込む者、怒りを露にする者―― その中の一人が、ふと気付いた。自分たちの頭上に、大きな物体がそびえていることに。 気付きは連鎖する――周囲の人間が視線を上へ向けているのに気付いた人間もまた、視線を上げる。 そこに在ったのは、巨大な石版だった。 黒い立方のそれには、表面に赤く塗られた文字らしきものが確認できる。 XXXXXX 01 SOUND ONLY ――声が響く。 『今から君たちには、とある【ゲーム】に参加してもらう。何、難しいことはない。 ルールは単純明快だ。最後の一人になるまで殺し合う――それが今より君たちを縛る、絶対にして唯一のルールだ』 壮年の男性を想起させる声質が告げたのは、何も知らない少年少女らにとってはあまりにも現実味のない現実だった。 ――おいおいおい、ふざけてんじゃねぇよ。 ――なんで私たちがそんなことやらなくちゃいけないのよ!? 多くの者達が口々に不満を爆発させる中、それを遮るように声は響く。 『……理由を欲するか。よろしい。ならばその振りかざした手を、己の首元へ伸ばしてみるといい。 ――あるだろう? そこに。君たちを縛る鎖が。君たちがもしもこの【ゲーム】からリタイアするというなら』 音と光と風と熱が、舞台の中心で炸裂した。 もし『声』の指示に従わないのならば、少年少女たちの首に巻かれた首輪が爆発するということを、『声』は示唆した。 そうなれば勿論、首輪の持ち主に訪れるのは確実な死だ。 生殺与奪を『声』の主に握られているということに気付いた少年少女たちは、にわかに静まり返った。 『今から君たちには、私たちが用意した盤上にて殺し合いを完遂してもらうことになる。 君たちに配られるのはこのバッグ――中身は、ランダムに配られるアイテム数個と、水と食料と、』 声が一旦途切れ、強調の意味を含んだイントネーションで次の言葉を始める。 『携帯電話だ。……君たちの中には、馴染みがない者もいるかもしれないが――心配する必要はない。 君たちは既に、携帯電話に関する知識を持っているはずだ。 この携帯電話が、君たちの生命線となる――ここからの説明は、よく聞いておくといい』 気付けば誰もが『声』に聞き入っていた。不満を漏らす者も怒りを叫ぶ者も、既にいない。 『声』は語る。この携帯電話は、君たちが【ゲーム】に参加するためには必要不可欠なアイテムであるのだと。 携帯電話の各種機能が、この【ゲーム】で生き残るために必要な機能となっていることを。 例えば、アドレス帳。ここに登録されている名前が共に殺し合いをする参加者たちの名前となっている。 インストールされているGPSソフトを使えば、会場の地図と自分の現在地を確認することが出来る。 夜間の行動時には、ライト機能を。時間の確認には内蔵時計を。 『また、【ゲーム】の途中経過を報告するために、六時間ごとに定時放送を行う。 それもまた携帯電話を通じて行うが、もし携帯電話を失くしてしまった参加者がいても、後からフォローを入れるというようなことはない。 ――これだけ説明すれば、この携帯電話がどれだけ重要なキーアイテムかはお分かりいただけるだろう』 但し、支給される携帯電話には制限されている機能もあると『声』は説明を続ける。 電話やメール、ネット接続などの通信に関する機能は基本的に使用できないと考えてもらって構わない。 条件が揃えば使用できるようになることもあるとだけ言っておこう、と。 『【ゲーム】が終了するのは、最後の一人が決まったときだ。優勝者には、相応以上の報酬が用意してある。 得られるのは、神にも等しい力だ。最後の一人になったとき、世界は君のものとなる』 神にも等しい力――? 馬鹿げている。何を言っているのか。 神に等しい力を持つということは、つまり、神になることと同義ではないか。 そんなこと、どこの誰が信じるというのだ。だが、『声』の言葉に嘘の色はない。 『――以上で、【ゲーム】についての説明を終わろう』 『それでは――』 『バトルロワイアル、開始だ』 『声』が途切れると同時、少年少女たちは一人また一人とその姿を消していく。 次に彼らが目を覚ましたとき視界に入ってくるのは見知らぬ景色。 最後に残る一人を除いて、もう誰もあの日常に戻ることなど出来ない。 此処より先の非日常に在るものは、僅かな希望と絶対的な絶望だ。 ◇ 僕たちは、大人になれない。 ◇ 【中学生バトルロワイアル 開始】 START 投下順 Next Wake up! dodo START 時系列順 Next Wake up! dodo
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もう、やめようよ ヴェイガンの最新鋭モビルスーツであるガンダムレギルスとの戦いにより大破してしまったAGE-3をベースに、AGEシステムが大幅な改修を施した機体。改修機であるが、新設計のフレーム、およびコアファイターとの簡略化された合体構造等、実質的には別機体であると言える。「FX」は「Follow X-rounder」の略で、高レベルのXラウンダーとして急速に成長していくキオの能力に合わせる形で設計された。原型機であったAGE-3は重武装・重機動機であったが故に、運動性や機動性が低く反応速度も遅いという欠点があり、運動性・高機動性を重視したヴェイガン側のモビルスーツとは極めて相性が悪かった。この事実から、機体の軽量化によって運動性・機動性の大幅な向上が行われ、AGE-3の意匠を残しながらも重厚な機体であったAGE-3とは対照的にスマートな印象の強い外観となっている。更には、新たに「サイコフォローシステム」という独自のシステムを搭載する事で、キオのXラウンダーとしての反応速度に追従出来る動作が可能となっている。一方、AGEシリーズの特徴であったウェア換装機能は唯一搭載されていないが、その代わりにXラウンダー専用の武器となる遠隔操作式の攻撃端末である「Cファンネル」の大型6基、小型8基が、各部のハードポイントに搭載されている。これは遠隔操作兵器であるビットを装備するギラーガやレギルスへの対抗策としてAGEシステムが作出した装備で、相手モビルスーツの一部のみをピンポイント攻撃する等、敵のパイロットを極力殺したくないキオの意向に沿った戦法を可能としており、更には一定周囲にループ展開させる事で攻防一体のビームバリアを形成させる芸当もこなせる。また、Cファンネル運用の関係上、コックピットコンソールもそれまでの連邦機体共通規格から独自のものに改められている。 スペック 分類 モビルスーツ 生産形態 改修機 型式番号 AGE-FX 全高 18.5m 重量 63.0t 原型機 ガンダムAGE-3 開発者 ロディ・マッドーナ、AGEシステム 所属 地球連邦軍(ディーヴァ所属) パイロット キオ・アスノ 初登場作品 機動戦士ガンダムAGE 第40話「キオの決意 ガンダムと共に」(2012年7月15日放送) パイロットプロフィール キオ・アスノ キオ編・三世代編の主人公。年齢13歳。素直で天真爛漫で心優しく正義感も強いという良い子を体現したような人物だが、その一方、世間知らずさや頑固な面もある。地球圏の都市「オリバーノーツ」にて家族と共に暮らしていたが、ヴェイガンの地球侵略が切っ掛けとなり、祖父フリット・アスノからガンダムAGE-3を託され、ヴェイガンとの戦いに身を投じていく。 生年月日A.G.151年、身長150cm CV 山本和臣/樋口智透(壮年期) 武装 ビームサーベル 両腕に内蔵されたビームサーベル。手持ち式ではなく、腕部から発生する。 スタングルライフル 本機の主兵装で、シグマシスライフルの発展型。砲身を変形させる事でチャージモードへ移行可能。 スタングルライフルチャージモード スタングルライフルを両手で構え、エネルギーをチャージさせて放つモード。 ダイダルバズーカ スタングルライフルに追加バレルを装着した状態。最終決戦であるラ・グラミス攻防戦において使用されたが、作中では一発も当たらず破壊されている。 Cファンネル AGE-FXを象徴する武装。全身に装備されたブレードを遠隔操作し、敵を切り刻む。 必殺技 FXバーストモード ラ・グラミス戦前に追加されたAGE-FXの特殊モード。Cファンネルの搭載部分から余剰エネルギーを青いビームサーベルとして噴出し、AGE-FX自体も同様に青白く光る。かつてのガンダムAGE-1タイタスを思わせる、全身にビームを纏った格闘戦特化形態であり、まさしく「全身がビームそのもの」になった状態。 ドラゴニュートの人形劇では… たまに登場する。家にある人形大体登場ムービーではガンダムF91と共にスタングルライフルを撃っていた。撮影にはHGUCのガンプラを使用している。 名台詞 「もう、やめようよ」 ヴェイガンに囚われてその地の民の暮らしを実際に見て、地球連邦とヴェイガンとの間の戦争終結を願うようになった後のキオの信念を代表する台詞。 「…もうやめよう? 僕達には分かり合える道があるはずなんだ。こんな事、もうやめようよ…」 第41話「華麗なフラム」より。ルナベース攻防戦において、フラムへの攻撃を止めた直後、彼女を説得する。 「じいちゃんは憎しみに駆られてるだけじゃないか! そんなの救世主じゃない! そんなの絶対に違う!!」 第44話「別れゆく道」より。「ヴェイガンの捕虜など処刑してしまえばいい」と発言したフリットに対して、彼を批判。劇中において明確にフリットに対して反抗した場面となった。 「子供だから言えるんだ! 子供だから言えるんだよ、じいちゃん! 何度でも言う! あなたもイゼルカントも間違っている!」 「あなたたちは、同じコインの裏表だ! 過去にとらわれ、過去を言い訳にして、憎悪と哀しみだけを広げている存在だ!」 小説版第5巻より。コロニー「セカンドムーン」に大量破壊兵器「プラズマダイバーミサイル」を放ってヴェイガンを根絶やしにせんとした祖父フリットへの痛烈かつ的確な批判。そして、キオはTV版と同じくXラウンダー能力で「FXバーストモード」を発動させてフリットを精神世界へと誘い、彼が守り切ろうとした大切な人達、さらに「フリットの中の英雄」と再び巡り合せたのであった。 余談 ガンダムシリーズの主役機としては初となる「赤色を一切使用していない」ガンダムでもある。 現実で発売された玩具のAGEデバイスには仮称の「AGE-4」としてデータが存在しており、番組放送初期から存在が示唆されていた事となる。 また、ガンプラと連動するアーケードゲーム『ガンダムトライエイジ』スタートダッシュガイドにはとても小さく「ガンダムAGE-FINAL」として記述されているのが確認できる。 AGE-1がRX-78ガンダム、AGE-2がΖガンダム、AGE-3がΖΖガンダムにコンセプトが相応していたのに対し、本機はνガンダムにコンセプトが相応していた機体である。他に例を挙げるなら、コズミック・イラの世界観に登場したストライクフリーダムガンダムと言える。 初期デザインでは、ライディーンなどのスーパーロボットや勇者シリーズのような口が開くギミックを取り入れる案が存在していた。本機のフェイス部が上下に別れているのはその名残。デザイナーの海老川氏によるとスタッフの間でも賛否両論があったらしく、議論している間に最終回を迎えて有耶無耶になったとのこと。 またボディの方ではサザビーをモチーフとしたアーマーを着せて、それを脱いだら本編のようなνガンダム風になるというアイデアもあった。 Cファンネルでヴェイガンのモビルスーツのコクピットを機体から切除する戦法が、ヴェイガン機のコクピット位置が頭部にある都合上、モビルスーツの頭部をピンポイントで刈り取っていく形となってしまった。視覚上のインパクトの強さが非常に強かったためか、視聴者からは某漫画のキャラクターに対する通称から取って「妖怪首おいてけ」と揶揄されたりした。
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ドラゴン:プレイナー・ドラゴン Planar Dragon 出典 Pathfinder #137 The City Outside of Time 88ページ プレイナー・ドラゴンは外方次元界に起源を持つが、ポータルなどを用いて物質界に移動する。そこで彼らは自身の家であった次元界を反映した隠れ家を再形成する。 年齢段階 トゥルー・ドラゴンの特殊能力、攻撃、その他のデータは、ドラゴンの成長につれて強大になる。この上昇はドラゴンの年齢によって12の年齢段階に区分される。基本的なデータは『表:ドラゴンの年齢段階』に記載されているように変動する。 年齢段階 年齢(歳) 脅威度 再度 ヒット・ダイス 外皮 ブレス攻撃 1 ワームリング(雛) 0~5 基本値 基本値 基本値 基本値 基本値 2 ヴェリー・ヤング(幼児) 6~15 基本値+2 基本値+1 基本値+2 基本値+3 基本値×2 3 ヤング(子供) 16~25 基本値+4 基本値+2 基本値+4 基本値+6 基本値×3 4 ジュヴナイル(少年) 26~50 基本値+5 基本値+2 基本値+6 基本値+9 基本値×4 5 ヤング・アダルト(青年) 51~100 基本値+7 基本値+3 基本値+8 基本値+12 基本値×5 6 アダルト(成年) 101~200 基本値+8 基本値+3 基本値+10 基本値+15 基本値×6 7 マチュア・アダルト(壮年) 201~400 基本値+9 基本値+3 基本値+12 基本値+18 基本値×7 8 オールド(老齢) 401~600 基本値+11 基本値+4 基本値+14 基本値+21 基本値×8 9 ヴェリー・オールド(大老) 601~800 基本値+12 基本値+4 基本値+16 基本値+24 基本値×9 10 エインシャント(太古) 801~1,000 基本値+13 基本値+4 基本値+18 基本値+27 基本値×10 11 ワーム(長虫) 1,001~1,200 基本値+14 基本値+4 基本値+20 基本値+30 基本値×11 12 グレート・ワーム(大長虫) 1,201+ 基本値+16 基本値+5 基本値+22 基本値+33 基本値×12 年齢段階:これは年齢段階の名称である。 年齢(歳):これはドラゴンの実際の年齢である。 脅威度:この列はドラゴンの基本脅威度への修正値である。 サイズ:これは年齢によって、ドラゴンの基本サイズがどれだけ増加するかを示したものである(超小型が小型に、小型が中型に、など)。トゥルー・ドラゴンはサイズが上昇したことによる通常の能力値上昇はしないが、かわりに『表:ドラゴンの能力値』が示すように、年齢段階によって能力値が上昇する。 ヒット・ダイス:これは成長によってドラゴンが得る追加のヒット・ダイスの数を示す。ヒット・ダイスが増加すれば、ヒット・ポイント、特技、技能ランクもドラゴンの基本攻撃ボーナスや基本セーヴ・ボーナスと共に上昇する。ドラゴンはヒット・ダイスごとに6+【知力】修正値に等しい技能ランクを有する。ヒット・ダイスによるドラゴンの能力値上昇は、ドラゴンの能力値上昇の総計にすでに加算されている(『表:ドラゴンの能力値』参照)。 外皮:これは年齢段階ごとにドラゴンの基本外皮ボーナスがどれだけ増加するかを示す。 ブレス攻撃/Breath Weapon:ドラゴンはそれぞれ基本ダメージを与えるブレス攻撃(『戦闘』参照)を有する。この倍率はドラゴンのブレス攻撃によって与えるダメージのダイスの数を増加させる。例として、2d6ポイントの[強酸]ダメージを与える基本ブレス攻撃を持つドラゴンのマチュア・アダルトは14d6ポイントの[強酸]ダメージを与える(×7の倍率による)。 年齢段階 【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】 1 ワームリング(雛) 基本値 基本値 基本値 基本値 基本値 基本値 2 ヴェリー・ヤング(幼児) 基本値+4 基本値-2 基本値+2 基本値+2 基本値+2 基本値+2 3 ヤング(子供) 基本値+8 基本値-2 基本値+4 基本値+2 基本値+2 基本値+2 4 ジュヴナイル(少年) 基本値+10 基本値-2 基本値+6 基本値+4 基本値+4 基本値+4 5 ヤング・アダルト(青年) 基本値+12 基本値-4 基本値+6 基本値+4 基本値+4 基本値+4 6 アダルト(成年) 基本値+14 基本値-4 基本値+8 基本値+6 基本値+6 基本値+6 7 マチュア・アダルト(壮年) 基本値+16 基本値-4 基本値+8 基本値+6 基本値+6 基本値+6 8 オールド(老齢) 基本値+18 基本値-6 基本値+10 基本値+8 基本値+8 基本値+8 9 ヴェリー・オールド(大老) 基本値+20 基本値-6 基本値+10 基本値+8 基本値+8 基本値+8 10 エインシャント(太古) 基本値+22 基本値-6 基本値+12 基本値+10 基本値+10 基本値+10 11 ワーム(長虫) 基本値+24 基本値-8 基本値+12 基本値+10 基本値+10 基本値+10 12 グレート・ワーム(大長虫) 基本値+26 基本値-8 基本値+14 基本値+12 基本値+12 基本値+12 戦闘 『表:ドラゴンの攻撃と移動速度』は、ドラゴンの持つ攻撃と与えるダメージを列挙している(―はそのサイズのドラゴンがその種の肉体武器を有していないことを表す)。ここに記されている他の能力はドラゴンが特定の年齢段階に達した時点で獲得される。 サイズ 飛行移動速度(機動性) 噛みつき×1 爪×2 翼×2 尾の打撃×1 押し潰し×1 尾による一掃×1 ブレス攻撃 直線状 円錐形 超小型 100フィート(標準) 1d4 1d3 ― ― ― ― 30フィート 15フィート 小型 150フィート(標準) 1d6 1d4 ― ― ― ― 40フィート 20フィート 中型 150フィート(標準) 1d8 1d6 1d4 ― ― ― 60フィート 30フィート 大型 200フィート(貧弱) 2d6 1d8 1d6 1d8 ― ― 80フィート 40フィート 超大型 200フィート(貧弱) 2d8 2d6 1d8 2d6 2d8 ― 100フィート 50フィート 巨大 250フィート(劣悪) 4d6 2d8 2d6 2d8 4d6 2d6 120フィート 60フィート 超巨大 250フィート(劣悪) 4d8 4d6 2d8 4d6 4d8 2d8 140フィート 70フィート 飛行移動速度:ドラゴンの飛行移動速度は、サイズによって、表に記されているように上昇する。 噛みつき/Bite:これは表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値の1.5倍を加えたダメージを与える主要攻撃である(2回以上の攻撃手段を有している場合であっても)。ドラゴンの噛みつき攻撃は、サイズ段階が1大きいかのような間合いを有する(超巨大サイズのドラゴンは+10フィート)。 爪/Claws:これは主要攻撃で、表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値を加えたダメージを与える。 翼/Wings:ドラゴンは、たとえ飛行中であっても、敵に翼を叩きつけて攻撃することができる。翼攻撃は表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値の1/2を加えたダメージを与える二次的攻撃である。 尾の打撃/Tail Slap:ドラゴンは毎ラウンド、尾で1体の敵をひっぱたいて攻撃することができる。尾の打撃は表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値の1.5倍を加えたダメージを与える二次的攻撃である(これは通常の二次的攻撃のルールの例外である)。 押し潰し(変則)/Crush:サイズ分類が超大型以上の飛行または跳躍しているドラゴンは、1回の標準アクションとして敵の上に着陸し、全身で敵を押しつぶすことができる。押し潰し攻撃はドラゴンよりサイズ分類が3段階以上小さい敵に対してのみ有効である。押し潰し攻撃はドラゴンの身体の下に収まる全てのクリーチャーに対して作用する。作用を受ける範囲内にいるクリーチャーは反応セーヴ(DCはドラゴンのブレス攻撃のものと同じ)に成功しなければならず、失敗すると押さえ込まれた状態になり、ドラゴンが上からどかなければ次のラウンド中に自動的に殴打ダメージを受ける。ドラゴンが押さえ込みを継続する場合、それは通常どおり戦技判定に成功しなければならない。押さえ込まれた状態の敵は、脱出しない限り毎ラウンド押し潰しによるダメージを受け続ける。押し潰し攻撃によるダメージは、表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値の1.5倍を加えたものである。 尾による一掃(変則)/Tail Sweep:サイズ分類が巨大以上のドラゴンは、1回の標準アクションとして尾を振り回して攻撃することができる。尾による一掃は、ドラゴンの接敵面の縁にある交差点の1つから、いずれかへの方向に広がる半径30フィートの半円形の範囲に作用する(超巨大サイズのドラゴンの場合、半径40フィート)。一掃の範囲内にいる、ドラゴンよりサイズ分類が4段階以上小さいクリーチャーが作用を受ける。尾による一掃は、自動的に表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値の1.5(端数切捨て)を加えたダメージを与える。作用を受けたクリーチャーは反応セーヴ(DCはドラゴンのブレス攻撃のものと同じ)を行うことができ、成功すればダメージを半減させることができる。 ブレス攻撃(超常)/Breath Weapon:ブレス攻撃の使用は1回の標準アクションである。 一度ブレスを使用したら、1d4ラウンド後まで再びブレス攻撃を行うことはできない。ドラゴンが複数の種類のブレス攻撃を有している場合でも、ブレスを使用できるのは1d4ラウンドに1回だけである。ブレス攻撃は必ずドラゴンに隣接するいずれかの交差点を起点にして、ドラゴンの選択した方向に向けて伸びる。ブレス攻撃の形状は直線型と円錐型があり、効果範囲の大きさはドラゴンのサイズによって異なる。そのブレス攻撃がダメージを与えるものである場合、範囲内に捉えられたクリーチャーは反応セーヴを行い、成功すればダメージを半分にできる。ブレス攻撃に対するセーヴDCは10+ドラゴンのヒット・ダイスの1/2+ドラゴンの【耐久力】修正値である。ダメージを与えないブレス攻撃に対するセーヴにも同じDCを用いるが、どのタイプのセーヴを行うかは個々の解説を参照すること。ドラゴンは組みついていたり組みつかれていたりする場合もブレス攻撃を使用できる。 ドラゴンの付随ルール ダメージ減少/Damage Reduction:ドラゴンは成長につれて、各ドラゴンの項目に示されているようにダメージ減少を獲得する。そうしたドラゴンの肉体武器はダメージ減少を克服するかどうかを調べる際に、魔法の武器として扱われる。 竜の超感覚(変則)/Dragon Senses:ドラゴンは有効距離120フィートの暗視と60フィートの非視覚的感知を有する。薄暗い光の中で人間の4倍の距離を見通し、通常の明かりの下で2倍の距離を見通すことができる。 畏怖すべき存在(変則)/Frightful Presence:ドラゴンの畏怖すべき存在はドラゴンの年齢段階×30フィートに等しい効果範囲を持つ。その他の効果はモンスターの共通ルールで詳述されている。 完全耐性(変則)/Immunities:全てのドラゴンは麻痺と睡眠の効果に対する完全耐性を有する。加えて、ドラゴンは年齢段階にかかわりなく、種族に応じてさらに1~2種類の攻撃形態に対する完全耐性を有する。その種類については個々の解説で述べる。 次元界の要素注入(超常)/Planar Infusion:ジュブナイル以上の年齢段階のプレイナー・ドラゴンは、全ラウンド・アクションとして周囲に影響を与えることができ、半径30フィート×ドラゴンの年齢段階が住処の次元界の延長として扱われる。これはその次元界の強度な属性的特性を課し、その次元界の魔法の増強と阻害の特徴を与え、ディスミサルなどの呪文や、その次元界を想起させる初級の感覚的効果を生み出す目的で原住として扱うか他次元界として扱うかに影響する。この効果は不動で、10日間またはドラゴンが死亡するか、再度この能力を使用するまで持続する。 呪文抵抗(変則)/Spell Resistance:年を経るに従って、ドラゴンは、個々の解説で示されているように呪文や擬似呪文能力への抵抗力を身につける。ドラゴンの呪文抵抗は11+脅威度に等しい。 呪文:プレイナー・ドラゴンはここの解説で示されているレベルのオラクルにしたがって呪文を修得しており、発動する。術者レベルは各段階に与えられているように年齢によって異なる。 プレイナー・ドラゴン:アポカリプス・ドラゴン Dragon(Planar), Apocalypse このドラゴンのねじれた体には、壊疽の傷がある。 出典 Pathfinder #137 The City Outside of Time 88ページ アポカリプス・ドラゴン Apocalypse Dragon 中立にして悪/竜(悪、他次元界) 基本データ 脅威度 8;サイズ 小型;ヒット・ダイス 10d12 移動速度 60フィート 外皮 +8;ブレス攻撃 円錐形、2d6[氷雪] 一般データ 【筋】21、【敏】14、【耐】15、【知】14、【判】15、【魅】14 生態 出現環境 どこでも(アバドン) 編成 単体 宝物 ×3 特殊能力 荒廃のとぐろ(超常)/Blight Coils:ドラゴンは、締めつけ能力でダメージを与える代わりに、目標を病毒能力に曝したり、1日が経過したかのように1つの病気によるダメージを与えることができる。 収縮筋(変則)/Constrictor:アポカリプス・ドラゴンには翼攻撃がないが、噛みつきはつかみ能力を得、収縮能力を得て、噛みつき攻撃に等しいダメージを与える。 魂飲み(超常)/Soul Drinker:ドラゴンは組みつき状態あるいは押さえ込まれた状態のクリーチャーが死亡する時、殺害されたクリーチャーのヒット・ダイス毎に1ラウンドの間グレーター・ヒロイズムの利益を得る。 魂略奪(超常)/Soul Reaver:ドラゴンは組みつき状態あるいは押さえ込まれた状態のクリーチャーにレイズ・デッドあるいは同様の魔法を使用する術者は、DC30の術者レベル判定に成功するか、呪文は失敗し物質構成要素を無駄にしなければならない。 不浄な頑健(変則)/Vile Fortitude:アポカリプス・ドラゴンは[氷雪]、[即死]効果、病気毒に完全耐性を持つ。 病毒(超常)/Virulence:ドラゴンのブレス攻撃によってダメージを受けたクリーチャーは同じDCで頑健セーヴに成功するか、潜伏期間なく溶死病に感染しなければならない。アダルト・ドラゴンの病気は1d6ポイントの【耐久力】ダメージを与える;これはエインシャント・ドラゴンの時点で1d8と3回の連続セーヴ成功に増加する。 年齢段階 特種能力 術者レベル ワームリング(雛) 不浄な頑健、病毒 ― ヴェリー・ヤング(幼児) 収縮筋 ― ヤング(子供) 荒廃のとぐろ 1レベル ジュヴナイル(少年) 畏怖すべき存在、次元界の要素注入 3レベル ヤング・アダルト(青年) ダメージ減少5/善、呪文抵抗 5レベル アダルト(成年) 病毒(1d6【耐】) 7レベル マチュア・アダルト(壮年) ダメージ減少10/善 9レベル オールド(老齢) 魂略奪 11レベル ヴェリー・オールド(大老) ダメージ減少15/善 13レベル エインシャント(太古) 病毒(1d8【耐】、3回セーヴ) 15レベル ワーム(長虫) ダメージ減20/善 17レベル グレート・ワーム(大長虫) 魂飲み 19レベル ヤング・アポカリプス・ドラゴン CR12 Dragon (Planar, Apocalypse), Young Apocalypse Dragon 出典 Pathfinder #137 The City Outside of Time 88ページ XP 19,200 中立にして悪/大型サイズの竜(悪、他次元界) イニシアチブ +5;感覚 竜の超感覚;〈知覚〉+20 防御 AC 24、接触10、立ちすくみ23(+14外皮、-1サイズ、+1【敏】) HP 147(14d12+56) 頑健 +13、反応 +12、意志 +12 完全耐性 [氷雪]、[即死]効果、病気、麻痺、毒、睡眠 攻撃 移動速度 60フィート、飛行200フィート(貧弱) 近接 噛みつき=+22(2d6+13加えてつかみ)、爪(×2)=+22(1d8+9)、尾の打撃=+20(1d8+13/19~20) 接敵面 10フィート、間合い 5フィート(噛みつきは10フィート) 特殊攻撃 ブレス攻撃(40フィートの円錐形、6d6[氷雪]加えて病気、DC 21)、締めつけ(2d6+13)、荒廃のとぐろ、病毒 修得済みのオラクル呪文 (術者レベル1;精神集中+4) 1レベル(4回/日)―プロテクション・フロム・グッド、レイ・オヴ・シックニング(DC 14) 0レベル(回数無制限)―ブリード(DC 13)、ディテクト・マジック、レジスタンス、スパーク 一般データ 【筋】29、【敏】12、【耐】19、【知】16、【判】17、【魅】16 基本攻撃 +14;CMB +24;CMD 35(対足払い38) 特技 《薙ぎ払い》、《クリティカル強化:尾の打撃》、《イニシアチブ強化》、《神速の反応》、《踏み込み》、《複数回攻撃》、《強打》 技能 〈はったり〉+20、〈飛行〉+12、〈知識:次元界、宗教〉+20、〈知覚〉+20、〈真意看破〉+20、〈呪文学〉+20、〈隠密〉+14、〈生存〉+20 言語 地獄語、共通語、竜語、奈落語 アダルト・アポカリプス・ドラゴン CR16 Dragon (Planar, Apocalypse),Adult Apocalypse Dragon 出典 Pathfinder #137 The City Outside of Time 88ページ XP 76,800 中立にして悪/大型サイズの竜(悪、他次元界) イニシアチブ +4;感覚 竜の超感覚;〈知覚〉+28 オーラ 畏怖すべき存在(180フィート、DC27) 防御 AC 31、接触8、立ちすくみ31(+23外皮、-2サイズ) HP 250(20d12+120) 頑健 +18、反応 +14、意志 +19 ダメージ減少 5/善;完全耐性 [氷雪]、[即死]効果、病気、麻痺、毒、睡眠;呪文抵抗 27 攻撃 移動速度 60フィート、飛行200フィート(貧弱) 近接 噛みつき=+30(2d8+18加えてつかみ)、爪(×2)=+30(2d6+12)、尾の打撃=+28(2d8+18/19~20) 接敵面 15フィート、間合い 10フィート(噛みつきは15フィート) 特殊攻撃 荒廃のとぐろ、ブレス攻撃(50フィートの円錐形、12d6[氷雪]加えて病気、DC 25)、締めつけ(2d8+18)、押し潰し、病毒 修得済みのオラクル呪文 (術者レベル7;精神集中+12) 3レベル(5回/日)―ビストウ・カース(DC 18)、コンテイジョン(DC 18) 2レベル(7回/日)―エイド、ダークネス、ディスフィギャリング・タッチ (DC 17) 1レベル(8回/日)―ドゥーム(DC 16)、エンデュア・エレメンツ、オブスキュアリング・ミスト、プロテクション・フロム・グッド、レイ・オヴ・シックニング(DC 16) 0レベル(回数無制限)―ブリード(DC 15)、ディテクト・マジック、ディテクト・ポイズン、ガイダンス、ライト、リード・マジック、スパーク 一般データ 【筋】25、【敏】10、【耐】23、【知】20、【判】21、【魅】20 基本攻撃 +20;CMB +24;CMD 44(48対足払い) 特技 《薙ぎ払い》、《クリティカル熟練》、《クリティカル強化:尾の打撃》、《イニシアチブ強化》、《鋼の意志》、《神速の反応》、《踏み込み》、《複数回攻撃》、《強打》、《疲労化クリティカル》 技能 〈はったり〉+28、〈飛行〉+15、〈威圧〉+28、〈知識:次元界、宗教〉+28、〈知覚〉+28、〈真意看破〉+28、〈呪文学〉+28、〈隠密〉+15、〈生存〉+28、〈魔法装置使用〉+28 言語 地獄語、共通語、竜語、奈落語 その他の特殊能力 次元界の要素注入(180フィート) エインシャント・アポカリプス・ドラゴン CR21 Ancient ApocalypseDragon 出典 Pathfinder #137 The City Outside of Time 89ページ XP 409,600 中立にして悪/大型サイズの竜(悪、他次元界) イニシアチブ +3;感覚 竜の超感覚;〈知覚〉+38 オーラ 畏怖すべき存在(300フィート、DC31) 防御 AC 40、接触5、立ちすくみ40(+35外皮、-4サイズ、-1【敏】) HP 406(28d12+224) 頑健 +24、反応 +17、意志 +25 ダメージ減少 15/善;完全耐性 [氷雪]、[即死]効果、病気、麻痺、毒、睡眠;呪文抵抗 32 攻撃 移動速度 60フィート、飛行250フィート(劣悪) 近接 噛みつき=+40(4d6+24/19~20加えてつかみ)、爪(×2)=+40(2d8+16)、尾の打撃=+38(2d8+24/19~20) 接敵面 20フィート、間合い 15フィート(噛みつきは20フィート) 特殊攻撃 荒廃のとぐろ、ブレス攻撃(60フィートの円錐形、20d6[氷雪]加えて病気、DC 31)、締めつけ(4d6+24)、押し潰し、魂略奪、尾による一掃、病毒 修得済みのオラクル呪文 (術者レベル15;精神集中+22) 7レベル(5/日)—ブラスフェミイ(DC 24)、コントロール・ウェザー 6レベル(7/日)—ヒール、プレイグ・ストーム(DC 23)、ワード・オヴ・リコール 5レベル(7/日)—クレンズ、ディスペル・グッド、フレイム・ストライク(DC 22)、プレイン・シフト (DC 22) 4レベル(7/日)—ディメンジョナル・アンカー、ディスミサル(DC 21)、ジャイアント・ヴァーミン、アンホーリィ・ブライト(DC 21) 3レベル(8/日)—ビストウ・カース(DC 20)、ブラインドネス/デフネス(DC 20)、コンテイジョン(DC 20)、ディスペル・マジック 2レベル(8/日)—エイド、ダークネス、デス・ネル(DC 19)、ディスフィギャリング・タッチ(DC 19)、サイレンス(DC 19) 1レベル(8/日)—ドゥーム(DC 18)、エンデュア・エレメンツ、オブスキュアリング・ミスト、プロテクション・フロム・グッド、レイ・オヴ・シックニング(DC 18) 0レベル(回数無制限)—ブリード(DC 17)、クリエイト・ウォーター、ディテクト・マジック、ディテクト・ポイズン、ガイダンス、ライト、リード・マジック、スパーク 一般データ 【筋】43、【敏】8、【耐】27、【知】24、【判】25、【魅】24 基本攻撃 +28;CMB +48;CMD 57(61対足払い) 特技 《薙ぎ払い》、《クリティカル熟練》、《過労化クリティカル》、《クリティカル強化:噛みつき、尾の打撃》、《イニシアチブ強化》、《鋼の意志》、《神速の反応》、《踏み込み》、《複数回攻撃》、《強打》、《ひっつかみ》、《疲労化クリティカル》、《急旋回》 技能 〈はったり〉+38、〈飛行〉+16、〈威圧〉+38、〈知識:神秘学、歴史、次元界、宗教〉+38、〈知覚〉+38、〈真意看破〉+38、〈呪文学〉+38、〈隠密〉+18、〈生存〉+38、〈魔法装置使用〉+38 言語 地獄語、共通語、竜語、奈落語 その他の特殊能力 次元界の要素注入(300フィート) これらのプレイナー・ドラゴンは、成長、生命、繁殖力の場所を破壊する。
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私の選んだ人 エピローグ 「偽りの言葉」 「これであたしの勝ちっ!キョン、罰ゲーム、分かってるわね!?」 「ああ、帰りに人数分のアイスだろ?わかったよ」 涼宮さんの「ハサミ」の形からそのままVサインに意味的な変化を遂げた手の形を諦めの目で眺めつつ、手の平を返し肩を竦めながら嫌そうにそう仰る彼をちょっと透視してみても、「やれやれ」としか書かれておりません。ですが彼は自分自身も騙し遂せますからね。1度フィルターの解除方法を森さんに教わった方が良いのかもしれません。 まぁ彼の場合は、瞳孔の伸縮が視認できる至近距離で透視すればフィルターを無視して本音を読み取れるのですが、彼に嫌がられるのであまり多用はできません。 それにしても、涼宮さんも「罰ゲーム」などと仰らず、直接…………あ。 罰ゲーム!? そ、そういえば、あの日の森さんの罰ゲームがまだ2つも残っていた……。しまった。要らない事を思い出したぞ。 当時森さんを苦しめていた原因が無くなった今、彼女には僕をいじるのに何の障害も無い。機関が問題にするのは機関員同士で実際に交際する事だけで、僕の一方的な感情に対してお咎めは無い。でも同時に、森さんには僕に嫌な思いをさせて恋心を醒めさせる一番大きな理由も無くなってはいるのだけど……。 いや。以前はクールだと思っていた森さんは実はかなり悪戯好きみたいだし、それになんというか、言い方は悪いけど少しサディスティックな所もある。そんな面白そうな事をみすみす見逃してくれたりはしないだろう。 そして森さんがすっかり忘れている可能性は……全く期待できない。 先週のあの事があるから忘れた事にしてくれる……可能性も無いだろう。変に気を遣ってギクシャクする事が無いように、逆にエスカレートするに決まっている。 さあて、嫌な予感がするぞ。今度はどんな方法で告白させられるのだろう。大体、「肌にイイから」って、あんな綺麗な肌を、あれ以上どうしようって言うんだ。 「あれ?古泉君じゃないわよ?罰ゲーム。でもなんか新鮮だわ。古泉君のびっくりした顔って」 あ、まずい。擬態が。 涼宮さんの前で擬態を解いてしまうなど、気が緩んでいるにも程があります。 団長席の上で胡坐を掻かれた涼宮さんは、腕を組み、少し驚かれた表情で僕に興味の眼差しを向けていらっしゃいます。 それに釣られ、長門さんをも含む皆さんの視線が僕に集中してしまいました。 「いえ、思い出した事がありまして。大した事ではありません」 「へぇ?……ま、いいわ。ところでさ、古泉君?」 「はい、なんでしょう?」 「また転校する予定なんて、無いわよね?」 瞬間、部屋の空気が凍り付きます。が、「僕」はショックを全く表に現さず、即答します。 「いえ、何故そうお考えに?」 「なんとなく。なんだけど、ちょっと前に急に不安になったのよね。今日会ったらなんか気のせいだった気もしたんだけど」 「……ははは。気のせいだろ。昨日今日の付き合いじゃないんだ。そんな予定があったら先に相談するだろ。な?古泉」 「あは。そ、そぉですよぉ。大丈夫ですよ。ね?ね?古泉くん」 「……」 明らかに動揺したお二方の必死のフォローにより、逆に疑りを深めた涼宮さんの眉間の皮膚が隆起しました。 「……本当にそんな予定あるの?あんた達すっごく変よ?まさか、あたしにだけ隠してるんじゃないわよね?」 「とんでもありません。その様な予定は誓ってありませんし、その場合には必ず真っ先に涼宮さんにお伝えいたしますよ」 「う~ん。まぁ、古泉君ならきっとそうしてくれるわよね。キョンとみくるちゃんの反応が気になるけど。ま、いっか」 相変わらず、空恐ろしい勘働き振りです。 って。ああもう、お2人さん!どうか、明らかに安堵するの止めて下さい!閉鎖空間が発生してしまうじゃないですか……。 それでも結局、涼宮さんは釈然としないながらもそれ以上は何も仰らなかった。僕達みんなを信じる。という事なのかな。 帰り道。 ナッツ入りチョコレートアイスバーを齧る涼宮さんと、ストロベリーのカップアイスを少しずつ口に運ぶ朝比奈さんが並び、その後にソーダアイスキャンディーを暫く眺めた後に一気に平らげた長門さんが続いています。そのまた後を、夏ミカンのシャーベットを黙々と崩している彼と、頂いたコーヒー味のコーンアイスを持つ僕が並んで歩いております。 ところで、先週月曜の昼休み、長門さんに色々訊ねた時の事をお話しましょう。 会話の内容全てをお伝えしようとすると長くなりますので、要約させて頂きます。 「強い感情を持つ対象に纏わるヒトの脳の記憶システム構造を利用し、15497回繰り返された昨年夏に、涼宮ハルヒを除くあなた達の脳内に蓄積された記憶の残滓が及ぼした影響を現象的に再現した」 「仮死状態から覚醒したあなたに対し、可及的速やかな伝達を要した情報は具体的な数値を含んでいたため、正確さを維持するためには高レベルの記憶強度を確保する必要があった。しかしそれは該当記憶の喚び出しを容易にしてしまい、予期できない再生トリガーを発生させる可能性を否定できなかったため、隠喩や元々あった記憶へのジャンプを利用する事でそれらを回避した」 「そう。わたしの部屋で不可視状態の喜緑江美里があなたの記憶操作を実行した。オセロをプレイしたのは、わたし」 「森園生と意識の回復に関連付けたあなたの想定未来のシチュエーションを、約362兆2715億3321万回消去、書き込みのシークエンスを実行し、推測される各シチュエーション・パターンの疑似記憶エコーを派生させ、最終的に第2次エコーまでの記憶リンクとノイズを解除又は消去する事で、トリガーとなるシチュエーションとの完全な一致無くしてはあなたが意識的に取り出すことのできない、あなた達がデジャヴュや既視感と呼称する現象に極めて似た状態の断片記憶を作為的に生み出した」 「あなたは新しい能力を与えられた訳ではない。安心していい」 こんな感じでした。 その際長門さんはJ・R・R・トールキンの不朽の名作をお読みだったのですが、「その本では恐らく長門さんの知りたい情報は得られません」などと無粋な事は言えませんでした。大変面白い本ですし、まあ、それはそれで良いかと。 それから、新川さんの上位人格は密かに長門さんに消して頂きました。正確に言うと完全には消せなかったようで、喚び出す為に必要だったキーワードを消去する事で、新川さんの「精神の深奥に封印した」そうです。 ついでに、僕の中の「彼」の記憶も消して欲しいとも思ったのですが、長門さんは「過去は容易に消すべきではない。それは現在の自分と未来への努力を否定するのと同じ事」と仰って、その話は終わりました。ただ、新川さん自身が僕達を透視して上位人格が存在した事に気付かないように、調整して頂けたそうです。 日曜日。要人警護のパーティ会場。 クラシックな内装の巨大なパーティホールに、タキシードとドレス姿の男女がひしめいている。 200人近くは居るかな。 天井から吊り下げられたシャンデリアなどの基本的な内装、食器、料理は非常に高価だが、廊下に飾られていた絵や、机などは金銭的価値はバラバラで、それでいて非常にセンスが良い。 これら全て、今回の護衛対象の持ち家の一部だ。 客達に給仕しているのは、この城と言っても過言では無い家に住み込みで働くハウスキーパー達らしく、年齢も性別もタイプもまちまち。共通しているのは全員知性を感じさせる目の光を持っている事だけで、顔やスタイルで選んでいない事は明らかだ。とても好印象。 彼は機関のパトロンであり、鶴屋氏の遠いご親戚でもあられる方で、今日が45歳の誕生日なのだそうだ。 どんな悪行をしたらこれほど金が集まるのか。と、思わず「彼」の真似をして言いたくなる所だけど、実際には、そもそも裕福だった家系と、自身の商才が素晴らしかっただけで、潔癖なまでにクリーンな事業にしか手を出さない人物らしい。 機関が本当にクリーンかは、僕には判断できませんが。 その上、本人の容姿も素晴らしく、日本人とイギリス人のハーフで渋い銀髪のハンサムな壮年男性。背も高く、人当たりも良く、相当キレ者との事。 それでいて未だ独身なのは、特に性癖が一般的でないという事ではなく、これは有名な事らしいのですが、大変な好色家だからだそうで。 毎月違う妾の誕生日を盛大に祝っているという噂すらあります。 曰く、「日本人の女性は最高」だそうです。……そこは感じが悪いですね。 その彼が森さんを大変気に入ってしまい、今までなんとかはぐらかして来た森さんも、相手が機関のパトロンという事もあり、今回のパーティへの招待は「警護」という名目であった上に、機関上部からの命令にタイミング的にも従わざるを得なかった。それが実際の所の様です。 まあ、彼の命を脅かす事が可能なヒットマンは、日本国内では機関ぐらいにしか居ないとの事ですが。何せ、警備も鉄壁を誇っていますから。 そんな男性、明らかにそれ以上を望むべくも無い様な完璧な男性が、森さんが受け容れるならば森さんを正妻に迎え、妾は全員十分な補償をした上で別れるとまで仰っているそうで。……はい。心中穏やかでないです。 ……ああ。弱った。 今日の僕の役割は護衛対象の命を守る事ではなく、森さんが『護衛対象』に口説かれるのを妨害する事で、僕にとっての「要人」は森さんという訳なのですが、どうなんでしょうね。森さんにとって、どうする事が幸せなんでしょうか。 まあ、僕がどう考えているかは別にしても、森さんはその様な誘いに乗る気は更々無いようで、僕は森さんの指示でこの様な場違い極まりないパーティに畏れ多くも彼女を『恋人』として「エスコート」して来た事になっているのですが、森さんが自分の事を自分で出来る人だという事は今更言うのも馬鹿馬鹿しい当たり前の事ですし、本当に僕が必要なのか疑問です。いえ、確実に不必要です。 機関はパトロンの方々にさえ機関法の内容を漏らす事はありませんので、機関員同士で交際できない事など知る由もありませんしね。一番簡単に納得して頂ける、断りの手段である事は確かです。 ですが、もし僕が失敗したら、僕が最初から居なかった場合と比較して返って悪い事態になるでしょうし、それに僕が弱っているのにはもう一つ理由が。 それは、この人が原因です。ええ。皆さんもうお解りでしょう? 来ました。森さん、その人です。 詳しく説明しますと、その完璧な体のラインに完全に一致したローズレッドのイブニングドレスに身を包んだ森さん。です。 イブニングドレスと聞いても馴染みが薄いかもしれませんが、端的に言うと、露出が多いんです。 胸元も背中もかなり大きく開いて、彼女の肌、まるで白磁のガラス質の層を表面に持つかの様な透明感の、それでいて弾力を感じさせるハリとツヤのある肌が大きく露わになっています。 その豊満な胸元には、視線を誘導する為にあるとしか思えない、一点のルビーが輝くシルバーのネックレスが下げられています。 頭には、小さな赤い宝石で出来た羽を閉じた蝶の様な形の髪留めがアクセントになっており、アップに纏められた黒髪はなんとも雅な光沢を放っていますし、それとは対照的な絹の様に滑らかな艶っぽい白いうなじが、絵画で云う視線誘導の効果が最も高い、明度の差が極端な衝突線を生んでいます。 そして彼女自身、普段の氷のオーラの代わりに温かく穏やかな雰囲気を放射しています。 こんな彼女が、完璧に、僕と「交際している」という演技をしている訳です。 バカップルよろしくベタベタしたりする訳では無いのですが、僕の背中は物理的にベタベタです。 スッと僕の隣に寄り添い立った森さんは、僕のグラスを持つ腕に白い手を乗せ、ちらりと僕を見る。その涼やかな目元に笑みの皺が寄る。そして、 「向こうの……」 と言いながら顔の向きを変え、少し離れたテーブルの近くに立つ壮年男女6名の一団に視線を飛ばした。 「……方々も機関の賛同者で強力なパトロンなの。私は1度だけお会いした事があるからちょっとご挨拶してくるわね。でもあなたは覚えられない方が良いからここで待ってて。5分くらいで戻ってくるわ」 と言うと、黒髪からフワリと漂う芳しい香りを残し、ウェイターの持つトレイからノンアルコール・シャンパンのグラスを一つ、優雅な所作で受け取ると、その壮年男女の一団に足を向けた。 彼女の身をピッタリ包むシルクのドレスの開いた背中から覗く綺麗な背筋と、歩く事で際立つウェストとヒップ、脚のカーヴから自制心を総動員してなんとか視線を外すと、周囲の男性も僕と同じ苦労をしている事が見て取れた。反対に女性達はハッキリとそのラインを凝視し、その目に羨望の色を浮かべている。なんと罪作りな造詣だ。 そして彼女を迎えた一団の中の男性達が不自然なまでに彼女の顔ばかり見ているのは、顔より下を見るとそれぞれの隣で穏やかな笑顔を見せている奥様方からの強烈な殺気を感じているからだろう。 しかし少し会話を続けると、彼女がミテクレだけではない事、自分の夫達では絶対に口説けそうにない事が解った為か、彼女らから夫に向けた殺気は消え失せ、休戦状態に落ち着いた様だ。 そのまま2分程経った頃、僕は些細ではあるが不思議な事に気付いた。 彼女の持つグラスの中の液体は減っているのに、その縁のどこにも唇の跡が残されていないのだ。口紅が付着しない理由は以前説明された通りだとしても、唇の跡は残らなければおかしい。 彼女がどんな魔法を使っているのか興味を持った僕が意識してそのグラスを注視していると、彼女はグラスに口を付けた後、周りの人々と明るく会話をしつつ、他の人に注意が移った一瞬を突いて、何気ない指先だけの動作で口を付けた跡を拭った。僕ももう少しで見逃す所だった。 成る程。手品のトリックを応用している訳ですか。流石ですね。 彼女は僕が注視していた事には「全く気付いていない」といった素振りで、誰かが言った冗談で明るく歯を輝かせ笑っていたが、もう一度同じ要領でグラスを拭う際に、悪戯っぽくキュートな笑みをチラッと僕に投げ掛け、微かに目を細めた。 さっきから、演技なんですよね、それ?その視線は。 ええ、蜜月にある恋人達が交わす視線そのものです。完璧です。僕、本気で胸が苦しいです。 僕が先程から弱っているのは、コレなんです。 コレのせいで、僕の彼女への想いを彼女自身に透視させない事が可能な状態には、最早程遠いんです。 そして、周囲の一連の流れに気付いた男性達から、僕に向けて冷ややかな空気が殺到した。どうも、一見僕が彼女に対して夢中なのではなく、その逆に見える事が腹立たしいらしい。そんな風に思われても困ります。実際は全く逆ですし。 しかも、更に大きな問題がある。 僕はこれから「護衛対象」の前で、こんな「高嶺の花」という言葉が正にしっくり来る森さんの恋人を演じなければならない。 ああ、弱った。 擬態は例によって、「するな」と釘を刺されているし。 ああ、僕は一体どうしたらいいんだろう。 もし僕が失敗して、僕が森さんの交際相手ではない事がばれてしまっても、森さんがわざわざそんな演技をしたという事実が、先方に森さんを諦めさせる十分な理由にはなるだろう。 しかしそれでは先方の面目が丸つぶれだ。機関への資金援助も凍結されかねない。 と、そこへ森さんが戻ってきた。 森さんは僕の耳元に顔を近づけると、返した手で口元を覆い、 「一樹、チャンスよ。アルファが近付いて来たわ。あなた演技なんてできそうにない状態だから、この際、向こうから諦めて貰いましょう。ちょっと来て」 こう囁くと、僕の腕に腕を絡める。ムニュっと。 あ、いえ。……その、はい。 そして、僕が歩くのに付いて来ている様に見せかけつつ、ドアを抜け、僕をテラスへ誘導した。 周りからの視線が痛い。 僕の腕から解いた手を、手摺りについた森さんは、暫く景色を値踏みするように眺めた後、こう言った。 「なかなかの景色ね。あの丘からの景色には劣るけど」 「……そうですね」 「あら、元気無いのね。どうしたの?こんなに綺麗な彼女が傍に居るのに」 「正に、それが原因かな」 「あら。悲しい事言うのね。私、傷付くわよ?」 またまた、冗談でしょう。と、言おうとしながら彼女の目を見ると、全く予想しなかった事が起きた。 ……辛うじてではあるものの、透視できる。 そして彼女の目にはこう書いてある。 「嘘は言ってない」 狼狽する以外に、僕に何ができただろうか。 そして、もっと驚くべき事が起きた。 無言の彼女は僕の正面に立つと、僕の両肩に手を載せ、背を伸ばし、顔を上向きにすると、目を瞑ったのだ。 それを見ても当然な事のようにも思ったし、全く理解できないようにも思った。 だから僕は何も考えず、ただ彼女と唇を合わせた。 その感触は秘密だ。僕だけの物にして置きたい。 …………。 顔を離した彼女は、僕の目を見つめ、優しく微笑んだ。 それはとても愛らしい微笑みだった。 口付けの感触を通して伝えられた気持ち。 それに加え、彼女のその微笑を見た時、僕はやっと理解した。 ああ、彼女はどうやら、本当に僕の事を想ってくれているんだ。と。 本当なら舞い上がるべきなんだろうけど、余り実感が伴わない。 それに、二人とも機関に所属する以上、恋愛関係は厳禁だ。交際が発覚すると色々と本当に厄介な事になる。 ただ、機関に所属していようと僕らも人間だ。恋愛感情を持つこと自体で罰則を受けたりはしない。 だから、もう黙っていよう。 心の内に秘め、2度と口にはしない。 機関が必要の無い世界になる、その日まで。 「今のはただの演技だから。勘違いしないように。解ってるわね」 そう。表向きには、そういう事にして置く必要がありますから。 でも、僕の胸の奥で消し損ねた火種がチロチロと炎の舌を出す。 「そういえば、あの日の罰ゲームがまだ2つも残ってたわよね」 「……そうでしたね」 「じゃあ、1つは機関法、と言うより「規律」の第27条が必要の無い日が来るまで、誰とも、交際しない事」 「……はい」 「もう1つは、その時まで取っておくわ」 「…………はい」 彼女の温かい微笑みを見ていると、強い衝動が僕の中に沸き起こる。 口にしたい。禁じられた言葉を。 今すぐ、もう一度彼女の唇に触れたい。 僕は果たして、一生来ないかもしれないその日を、待ち続ける事ができるのだろうか。 もしかしたら、1ヶ月後かもしれない。でも10年後かもしれない。20年後かもしれない。 それを僕らは待ち続けるべきなのだろうか。 機関法によれば、機関の人間同士でなければ、結婚すらできる……。 「一樹」 彼女の唇が動き、言葉を紡ぐ。 言葉は繋がる他の言葉と干渉して意味を生む。 意味は相手に伝わると新しい意味を生み、または伝えた通りに受け取られる。 「また、言うわよ。今度は理解して。……『禁則事項』、一樹、私アンタなんて全然愛してないの」 …………やはり僕は、待てない。 僕と森さ……。 いや。 僕と、……園生で、必ず機関を変えてやる。 月曜日、学校にて。 朝のホームルーム前に廊下を歩いていた僕は、涼宮さんと出遭った。 擬態しなければなりませんね。 「あ、古泉君!丁度良かったわ。古泉君は今週末の土曜日って何か予定ある?」 おっと。今週末は森さんにしごかれる予定でしたが、こちらが優先されますね。任務ですから。 「土曜日ですか。ええ、空けられます」 「って、何か予定あったの?アレ?……ん、ん~?」 涼宮さんは僕の顔をマジマジと眺めていらっしゃいます。……これはいけません。他の事を考えて……も、彼女のは透視ではなく、勘ですから無駄です。ああ、酷く悪い予感がいたします。……擬態しているのですから、落胆は表に出ていない筈なのですが。 「フ~~~ン?なるほどぉ~。古泉君、週末の新しいバイトがあるんならハッキリ言ってちょうだい。良かったじゃない。おめでとう!」 そう仰る涼宮さんのお顔は、もう、耳の先まで「ニヤニヤ」と書かれています。透視するまでもありません。何故、解ってしまわれるのですか?実際、森さんより怖いと感じてしまう瞬間があるのですが……。 「まあ、不思議探索は4人でも出来るから、たまにそっちの『都合が付かない時に』でも参加してくれればいいわよ。じゃっ!SOS団の皆にはあたしから言って置くから。古泉君は森林公園で美人のお姉さん……」 彼女はクイっと形の整った眉を片方吊り上げます。 「……じゃなくて、『とある生き物』とデートするバイトだってね!安心して。あたし口は固い方だから!そりゃもう、カワラ煎餅みたいにねっ!」 彼女は言い終わるなり、言葉に詰まり立ち尽くす僕を置いてダダッと走り出してしまった。 成る程。瓦煎餅ならば確かに硬いですね。ですが、随分と軽い。それに割ってしまう事も多そうだ。 それ以前に、その様な言い方では幾らなんでも彼ですら気付く……。朝比奈さんだけかな。気付かないのは。恐らく。……はぁ。 と、思ったのだが、階段の前で鶴屋さんと出くわした涼宮さんが、早速僕を指差しながら何やら楽しげに話している。 涼宮さん!?あなたはもっとこう、デリカシーが……ああ、いいや。もう好きにしてください。 ……やれやれ。 完 私の選んだ人リストページ
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登録日:2012/02/23(木) 01 38 05 更新日:2023/05/16 Tue 22 25 00NEW! 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 アニヲタ悪魔シリーズ ガンダム・バルバトス ソロモン72柱 バルバトス ロビン・フッド 中南米の国とは無関係 伯爵 力天使 堕天使 序列8位 悪魔 狩人 ◆バルバトス◆ 「バルバトス(Barbatos)」はユダヤ/キリスト教の伝承に由来する「神秘学」に生まれた悪魔の一人。 伝統的な「グリモア(魔導書)」の中にも登場する由緒正しい悪魔で「ソロモン72柱」では序列8位に置かれる、 30の軍団を率いる地獄の伯爵、或いは公爵であると考えられている。 【概要】 鷲の頭部を持つ男性であるとの記述もあるが、有名なのは狩人の姿で現れる悪魔であると云う事であろう。 猟銃か弓を携え、灰色のマントを羽織っているとされる他、深紅の房飾りの付いた緑の帽子、いやいや鉄兜を被っているとの伝承が残る。 黄道十二宮の内、人馬宮の方位に太陽がある時に、バルバトスは森の中に出現し、その後にはホルンを吹き鳴らす高貴な四人の王(?)と三隊の軍が付き従うと云う。 その姿から「悪魔界きっての狩人」とも言われるが、悪魔が狩りを楽しむか否かの検証は別問題であろう。 ……てゆーか聞くな。 隠された財宝を見つけたり、過去や未来の知識を持つとされており、その知識を得る為に召喚されるが、 人間同士の諍いを調停してくれると云う、やや悪魔らしからぬ力も発揮するとされている。 また「鳥のさえずり、犬の吠え声、牡牛の唸りを始め、生き物すべての声を理解する」ともされる 等、全体的には温和な、悪魔らしからぬ悪魔の一人でもある。 中世の悪魔学者によれば堕天した「力天使」もしくは「主天使」の一人であるとされる他、民間説話の英雄として名高いロビン・フッドの化身であるとの伝承までが残る。 ……悪魔らしくないのも当然かも知れない。 【主な登場作品】 ◆ゲーム『女神転生』シリーズ 上記の「元は天使」という逸話からか、「堕天使」のカテゴリーにて登場。 初出の『デビルサマナー』では『地獄の辞典』などで描かれているのと同じ「空飛ぶラッパを従え、銃を構えた壮年の狩人」の姿で登場。 その他の作品でも基本的には「銃を構えた悪魔(堕天使)」のイメージで描かれるが、何故か『デビルチルドレン』では白い頭と赤い体を持つ大蛇のような姿で登場する。 ◆メギド72 主人公の仲間の一人であり、初期配布キャラとして登場尾する金髪の美青年。 吟遊詩人を生業としており美人を見るやすぐ口説く軟派な男だが、思慮深く気遣いの出来る一面を持つ。 ゲーム中の性能としてはヒーラー役であり、バッファーの役割も担える。 ◆バルバトス・ゲーティア 『テイルズ オブ デスティニー2』のボスキャラ。 英雄をひたすら探しては狩るCV 強力わかもとなムキムキ斧ロン毛おじさん。 余りのインパクトから、ラスボスをはるかに上回る知名度で知られる。演者曰く「けったいなドン・キホーテ」。 詳しくは当該項目を参照されたし。 ◆ガンダム・バルバトス アニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するMS。 同作品の主人公機で300年前の「厄祭戦」と呼ばれる大戦で運用された72機のガンダム・フレーム採用機の内の一機。 「もっとだ…もっとよこせバルバトス!」 詳しくは当該項目を参照されたし。 ◆管制塔バルバトス スマートフォン向けゲーム『Fate/GrandOrder』のボスエネミーの一体。 「殺したかっただけで死んでほしくはなかった…」 詳しくは当該項目を参照されたし。 追記・修正は「悪魔」に助けられてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ???「ぶるあああッ!」 -- 名無しさん (2013-12-15 17 36 10) 某アイテムなんか使ってんじゃねぇさんの影響で凄まじいパワー型の悪魔だと認識されてるイメージ -- 名無しさん (2014-08-21 15 05 38) 元は民間で信仰された精霊や神なのかな?それにしても某物語のせいでとんでもない性格と認識されていてこの人魔界で苦笑いしてそうだな。 -- 名無しさん (2015-01-26 13 13 42) 悪魔だが天使の力が残ってる -- 名無しさん (2015-10-16 09 07 47) ↑成る程、だからGジェネのバルバトスは天使っぽかったんか。 -- 名無しさん (2015-10-16 09 49 31) ↑3ソロモン72柱の大半はキリスト教に貶められた神々だからな。神話の主神クラスもかなり混じってる。 -- 名無しさん (2015-10-16 12 54 57) またガンダム -- 名無しさん (2015-12-27 22 44 25) 『銃』を装備してるというごっつい個性があるせいでハンターだのガンスリンガーだの戦闘的な翻案が多いような。 -- 名無しさん (2015-12-27 23 17 03) ガンダムの方のバルバトスは72柱の記述を旨い事デザインに取り込んでおり「尖った嘴の鷲頭」「悪魔のツノ、または羽根飾り」「鉄の甲冑」「猟銃(滑腔砲)」、あとはマントがあれば完壁。・・・赴任先がアレすぎてすっかり君をぶち殺すガンダムだけどな! -- 名無しさん (2016-01-05 03 38 14) ↑第一~第三形態のガントレットは鉄腕ゲッツ(ロビンフッドのモデルの一人とされる人物)の義手がモチーフだったりして -- 名無しさん (2016-12-30 00 13 53) 殺したかっただけで死んでほしくなかった -- 名無しさん (2017-03-03 06 47 14) もっと死んで -- 名無しさん (2017-03-03 07 10 45) もっとよこせバルバトス!(素材を) -- 名無しさん (2017-03-03 08 06 42) お願いバルバトス!(わたしが行くまで)死なないで‼ -- 名無しさん (2017-03-03 13 02 06) フェイトとガンダムによって知名度が爆発的に上昇したなw -- 名無しさん (2017-04-08 13 28 18) 左門くんだと名前と矢だけの登場で本体が登場することなかったな・・・ -- 名無しさん (2018-05-27 17 08 06) 強力若本だったり機動兵器だったり乱獲対象だったりイケメン悪魔だったりする悪魔 -- 名無しさん (2018-09-29 09 07 58) カリブ海の島国のバルバドスは名前は似てるけど関係ない -- 名無しさん (2021-08-01 19 04 51) 魔入間ではバルバトス・バチコが出てるな。外見は少女だが、弓使いという分かりやすい特徴はそのまんま。 -- 名無しさん (2023-05-16 22 25 00) 名前 コメント
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冬木市内の、とある空き倉庫。 今夜、ここで二つの暴力団が交渉を行うことになっていた。 とはいえ、それは名目だけ。 よほど上手くいかない限り交渉が抗争に変わるであろうことは、どちらの組もわかっていた。 「向こうはまだこねえのか……」 「まるで来る気配がありません」 約束の時間の、5分前。 倉庫には、片方の組の人間しかいなかった。 相手が来ないことにしびれを切らしたこの場の責任者が部下に確認するが、やはりもう片方の組はまだ来ていないようだ。 「怖じ気づいて逃げ出したんでしょうか……?」 「それにしたって、一人もよこさねえってことは有り得んだろ。 そんな無様晒せば、明日から組員全員この世界で生きていけなくなる。 ここに来られねえほどの事件でもあったか?」 そんな会話をしていると、一人の組員が血相を変えて走ってくる。 「兄貴!」 「おう、来たか」 「いえ、来たことは来たんですが……。その、一人なんです」 「はあ?」 困惑する組員の前に、一人の男が姿を見せる。 「どうもどうも、時間ギリギリになってしまって申し訳ありません。 なにぶんこの街に来て日が浅いもので、迷ってしまいまして」 穏やかな口調で、男は語る。 高級なコートに身を包み、長い髪をしっかりと整えたその男の姿は、高い教養を持つ紳士にも見えた。 だが曲がりなりにも裏社会に身を置く暴力団員たちには、すぐにわかってしまった。 この男は、人殺しの目をしていると。 「あんた……あっちの組の人間じゃないだろ? いったい何者だ?」 「では、名乗らせていただきましょう。 あなた方の殲滅を依頼された、用心棒です」 男はそう言うと、奇妙な刺青が刻まれた両手をかざした。 ◇ ◇ ◇ 「やれやれ、他愛のないものですね。まあ、平和な国のチンピラではこの程度ですか」 倉庫の中に転がる無数の焼死体を眺めながら、男……ゾルフ・J・キンブリーは呟いた。 「あなたもそう思いませんか、キャスター」 続いて、キンブリーは相棒に声をかける。 彼は、この世界の人間ではない。聖杯戦争の参加者として、異世界から招かれた存在だ。 そして彼にあてがわれたのが、キャスターのサーヴァントだった。 「知るか、殺人鬼め。まったく、とんでもない男がマスターになってしまったものだ……」 キンブリーの問いかけに悪態で返すのは、豊かなヒゲを蓄えた壮年の男。 彼がキンブリーに召喚された、キャスターであった。 「私もあなたも、爆発に魅せられた男です。引かれあってもおかしくないでしょう」 「貴様と一緒にするな! 私は人殺しの道具とするために、ダイナマイトを作ったわけじゃない!」 「ええ、あなたは人殺しの汚名をすすぐために、社会に貢献した人物を称える賞まで作ったそうですねえ。 お優しいノーベルさん」 必死の形相のキャスターとは対照的に、キンブリーは楽しそうに笑う。 「そんなあなたが、なぜ今さら聖杯を欲するのです? 名誉なら充分に回復したのでは?」 「まだだ、まだ足りぬのだ。私が家族の命を犠牲にしてまで生み出したダイナマイトを、悪しき者として扱う人間がいてはならぬ! 聖杯にでもすがろう! 貴様のような外道に仕える屈辱も飲み込もう! 私は、一点の曇りもない名誉を望む!」 「その信念の強さ、実に素晴らしい……!」 キンブリーは、さらに喜色を強める。 彼にとって、人間の価値とは信念の強さだ。 そこに、善悪は問わない。 「ならば私と共に戦いましょう、ノーベル。 厳しい戦いの中でもその信念が折れぬこと、期待していますよ……」 【クラス】キャスター 【真名】アルフレッド・ノーベル 【出典】史実(19世紀) 【性別】男 【属性】秩序・中庸 【パラメーター】筋力:D 耐久:C 敏捷:D 魔力:D 幸運:C- 宝具:B 【クラススキル】 陣地作成:B 自らに有利な陣地な陣地「工房」を作成可能。 道具作成:B 魔力を帯びた器具を作成可能。 ノーベルは爆薬の作成に特化している。 【保有スキル】 黄金律:B 人生においてどれほどお金が付いて回るかという宿命を指す。 Bランクなら一生金には困らない。 爆発避け:A 誰よりも爆薬に精通した彼は、爆発に巻き込まれることはない。 むろん、自爆することもない。 爆発によるダメージを無効化する。 【宝具】 『我が人生は爆発だ(ボンバー・ボンバー)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1-30 最大捕捉:50人 爆発物の専門家としての彼の生き様が、戦闘用に昇華された宝具。 瞬時にして自分の周囲にダイナマイトをばらまき、全て同時に爆発させる。 レンジ外に逃げる以外に、回避する方法はない。 なお無差別攻撃であるため、使用の際は味方を巻き込まないよう注意が必要である。 『讃えよ、その叡智(ノーベル・プライス)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:視界内 最大捕捉:1人 ノーベル賞の設立者であるという逸話から生まれた宝具。 一定時間自分以外の誰かの知性を、「ノーベル賞を与えるにふさわしい」レベルまで引き上げる。 【weapon】 道具作成スキルで作った爆薬 【人物背景】 スウェーデンの化学者。 若い頃から爆薬の研究に没頭し、これまでに無く扱いやすい爆薬「ダイナマイト」を発明する。 その発明により巨万の富を得るが、ダイナマイトが軍事利用されたことにより「死の商人」との悪評も立つようになった。 それを気に病んだノーベルは、名誉のために死後遺産を使って世界に貢献した人物を称える賞を作るよう遺言を残す。 それが現在のノーベル賞である。 【サーヴァントとしての願い】 自分とダイナマイトの、完全なる名誉の回復。 【マスター】ゾルフ・J・キンブリー 【出典】鋼の錬金術師 【性別】男 【マスターとしての願い】 ノーベルの信念を見届ける。聖杯にかける願いはない。 【weapon】 現在は特にないが、いつでも爆発物を作れる。 【能力・技能】 「錬金術」 物質を分解・再構築し、別のものに作り替える技術。 キンブリーは特に、爆発物を作ることを得意とする。 発動には錬成陣と呼ばれる特殊な陣を描く必要があるが、キンブリーはそれを刺青として直接手の平に刻んでいる。 【人物背景】 アメストリス国の国家錬金術師。二つ名は「紅蓮の錬金術師」。 イシュバール戦線にて虐殺の限りを尽くした後、賢者の石の返還を拒み上官を殺害したため投獄。 しかしホムンクルスに戦力として目をつけられ、彼らの裏工作により釈放。 以降は軍人として行動しつつ、裏でホムンクルスの計画に協力する。 紛れもない外道だが独自の美学を持ち、強い信念を持つ人間に対しては敵対していても力を貸すこともある。 今回は死亡後より参戦。冬木市では裏社会の用心棒として活動している。 【方針】 聖杯狙い。
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私の選んだ人 エピローグ 「偽りの言葉」 「これであたしの勝ちっ!キョン、罰ゲーム、分かってるわね!?」 「ああ、帰りに人数分のアイスだろ?わかったよ」 涼宮さんの「ハサミ」の形からそのままVサインに意味的な変化を遂げた手の形を諦めの目で眺めつつ、手の平を返し肩を竦めながら嫌そうにそう仰る彼をちょっと透視してみても、「やれやれ」としか書かれておりません。ですが彼は自分自身も騙し遂せますからね。1度フィルターの解除方法を森さんに教わった方が良いのかもしれません。 まぁ彼の場合は、瞳孔の伸縮が視認できる至近距離で透視すればフィルターを無視して本音を読み取れるのですが、彼に嫌がられるのであまり多用はできません。 それにしても、涼宮さんも「罰ゲーム」などと仰らず、直接…………あ。 罰ゲーム!? そ、そういえば、あの日の森さんの罰ゲームがまだ2つも残っていた……。しまった。要らない事を思い出したぞ。 当時森さんを苦しめていた原因が無くなった今、彼女には僕をいじるのに何の障害も無い。機関が問題にするのは機関員同士で実際に交際する事だけで、僕の一方的な感情に対してお咎めは無い。でも同時に、森さんには僕に嫌な思いをさせて恋心を醒めさせる一番大きな理由も無くなってはいるのだけど……。 いや。以前はクールだと思っていた森さんは実はかなり悪戯好きみたいだし、それになんというか、言い方は悪いけど少しサディスティックな所もある。そんな面白そうな事をみすみす見逃してくれたりはしないだろう。 そして森さんがすっかり忘れている可能性は……全く期待できない。 先週のあの事があるから忘れた事にしてくれる……可能性も無いだろう。変に気を遣ってギクシャクする事が無いように、逆にエスカレートするに決まっている。 さあて、嫌な予感がするぞ。今度はどんな方法で告白させられるのだろう。大体、「肌にイイから」って、あんな綺麗な肌を、あれ以上どうしようって言うんだ。 「あれ?古泉君じゃないわよ?罰ゲーム。でもなんか新鮮だわ。古泉君のびっくりした顔って」 あ、まずい。擬態が。 涼宮さんの前で擬態を解いてしまうなど、気が緩んでいるにも程があります。 団長席の上で胡坐を掻かれた涼宮さんは、腕を組み、少し驚かれた表情で僕に興味の眼差しを向けていらっしゃいます。 それに釣られ、長門さんをも含む皆さんの視線が僕に集中してしまいました。 「いえ、思い出した事がありまして。大した事ではありません」 「へぇ?……ま、いいわ。ところでさ、古泉君?」 「はい、なんでしょう?」 「また転校する予定なんて、無いわよね?」 瞬間、部屋の空気が凍り付きます。が、「僕」はショックを全く表に現さず、即答します。 「いえ、何故そうお考えに?」 「なんとなく。なんだけど、ちょっと前に急に不安になったのよね。今日会ったらなんか気のせいだった気もしたんだけど」 「……ははは。気のせいだろ。昨日今日の付き合いじゃないんだ。そんな予定があったら先に相談するだろ。な?古泉」 「あは。そ、そぉですよぉ。大丈夫ですよ。ね?ね?古泉くん」 「……」 明らかに動揺したお二方の必死のフォローにより、逆に疑りを深めた涼宮さんの眉間の皮膚が隆起しました。 「……本当にそんな予定あるの?あんた達すっごく変よ?まさか、あたしにだけ隠してるんじゃないわよね?」 「とんでもありません。その様な予定は誓ってありませんし、その場合には必ず真っ先に涼宮さんにお伝えいたしますよ」 「う~ん。まぁ、古泉君ならきっとそうしてくれるわよね。キョンとみくるちゃんの反応が気になるけど。ま、いっか」 相変わらず、空恐ろしい勘働き振りです。 って。ああもう、お2人さん!どうか、明らかに安堵するの止めて下さい!閉鎖空間が発生してしまうじゃないですか……。 それでも結局、涼宮さんは釈然としないながらもそれ以上は何も仰らなかった。僕達みんなを信じる。という事なのかな。 帰り道。 ナッツ入りチョコレートアイスバーを齧る涼宮さんと、ストロベリーのカップアイスを少しずつ口に運ぶ朝比奈さんが並び、その後にソーダアイスキャンディーを暫く眺めた後に一気に平らげた長門さんが続いています。そのまた後を、夏ミカンのシャーベットを黙々と崩している彼と、頂いたコーヒー味のコーンアイスを持つ僕が並んで歩いております。 ところで、先週月曜の昼休み、長門さんに色々訊ねた時の事をお話しましょう。 会話の内容全てをお伝えしようとすると長くなりますので、要約させて頂きます。 「強い感情を持つ対象に纏わるヒトの脳の記憶システム構造を利用し、15497回繰り返された昨年夏に、涼宮ハルヒを除くあなた達の脳内に蓄積された記憶の残滓が及ぼした影響を現象的に再現した」 「仮死状態から覚醒したあなたに対し、可及的速やかな伝達を要した情報は具体的な数値を含んでいたため、正確さを維持するためには高レベルの記憶強度を確保する必要があった。しかしそれは該当記憶の喚び出しを容易にしてしまい、予期できない再生トリガーを発生させる可能性を否定できなかったため、隠喩や元々あった記憶へのジャンプを利用する事でそれらを回避した」 「そう。わたしの部屋で不可視状態の喜緑江美里があなたの記憶操作を実行した。オセロをプレイしたのは、わたし」 「森園生と意識の回復に関連付けたあなたの想定未来のシチュエーションを、約362兆2715億3321万回消去、書き込みのシークエンスを実行し、推測される各シチュエーション・パターンの疑似記憶エコーを派生させ、最終的に第2次エコーまでの記憶リンクとノイズを解除又は消去する事で、トリガーとなるシチュエーションとの完全な一致無くしてはあなたが意識的に取り出すことのできない、あなた達がデジャヴュや既視感と呼称する現象に極めて似た状態の断片記憶を作為的に生み出した」 「あなたは新しい能力を与えられた訳ではない。安心していい」 こんな感じでした。 その際長門さんはJ・R・R・トールキンの不朽の名作をお読みだったのですが、「その本では恐らく長門さんの知りたい情報は得られません」などと無粋な事は言えませんでした。大変面白い本ですし、まあ、それはそれで良いかと。 それから、新川さんの上位人格は密かに長門さんに消して頂きました。正確に言うと完全には消せなかったようで、喚び出す為に必要だったキーワードを消去する事で、新川さんの「精神の深奥に封印した」そうです。 ついでに、僕の中の「彼」の記憶も消して欲しいとも思ったのですが、長門さんは「過去は容易に消すべきではない。それは現在の自分と未来への努力を否定するのと同じ事」と仰って、その話は終わりました。ただ、新川さん自身が僕達を透視して上位人格が存在した事に気付かないように、調整して頂けたそうです。 日曜日。要人警護のパーティ会場。 クラシックな内装の巨大なパーティホールに、タキシードとドレス姿の男女がひしめいている。 200人近くは居るかな。 天井から吊り下げられたシャンデリアなどの基本的な内装、食器、料理は非常に高価だが、廊下に飾られていた絵や、机などは金銭的価値はバラバラで、それでいて非常にセンスが良い。 これら全て、今回の護衛対象の持ち家の一部だ。 客達に給仕しているのは、この城と言っても過言では無い家に住み込みで働くハウスキーパー達らしく、年齢も性別もタイプもまちまち。共通しているのは全員知性を感じさせる目の光を持っている事だけで、顔やスタイルで選んでいない事は明らかだ。とても好印象。 彼は機関のパトロンであり、鶴屋氏の遠いご親戚でもあられる方で、今日が45歳の誕生日なのだそうだ。 どんな悪行をしたらこれほど金が集まるのか。と、思わず「彼」の真似をして言いたくなる所だけど、実際には、そもそも裕福だった家系と、自身の商才が素晴らしかっただけで、潔癖なまでにクリーンな事業にしか手を出さない人物らしい。 機関が本当にクリーンかは、僕には判断できませんが。 その上、本人の容姿も素晴らしく、日本人とイギリス人のハーフで渋い銀髪のハンサムな壮年男性。背も高く、人当たりも良く、相当キレ者との事。 それでいて未だ独身なのは、特に性癖が一般的でないという事ではなく、これは有名な事らしいのですが、大変な好色家だからだそうで。 毎月違う妾の誕生日を盛大に祝っているという噂すらあります。 曰く、「日本人の女性は最高」だそうです。……そこは感じが悪いですね。 その彼が森さんを大変気に入ってしまい、今までなんとかはぐらかして来た森さんも、相手が機関のパトロンという事もあり、今回のパーティへの招待は「警護」という名目であった上に、機関上部からの命令にタイミング的にも従わざるを得なかった。それが実際の所の様です。 まあ、彼の命を脅かす事が可能なヒットマンは、日本国内では機関ぐらいにしか居ないとの事ですが。何せ、警備も鉄壁を誇っていますから。 そんな男性、明らかにそれ以上を望むべくも無い様な完璧な男性が、森さんが受け容れるならば森さんを正妻に迎え、妾は全員十分な補償をした上で別れるとまで仰っているそうで。……はい。心中穏やかでないです。 ……ああ。弱った。 今日の僕の役割は護衛対象の命を守る事ではなく、森さんが『護衛対象』に口説かれるのを妨害する事で、僕にとっての「要人」は森さんという訳なのですが、どうなんでしょうね。森さんにとって、どうする事が幸せなんでしょうか。 まあ、僕がどう考えているかは別にしても、森さんはその様な誘いに乗る気は更々無いようで、僕は森さんの指示でこの様な場違い極まりないパーティに畏れ多くも彼女を『恋人』として「エスコート」して来た事になっているのですが、森さんが自分の事を自分で出来る人だという事は今更言うのも馬鹿馬鹿しい当たり前の事ですし、本当に僕が必要なのか疑問です。いえ、確実に不必要です。 機関はパトロンの方々にさえ機関法の内容を漏らす事はありませんので、機関員同士で交際できない事など知る由もありませんしね。一番簡単に納得して頂ける、断りの手段である事は確かです。 ですが、もし僕が失敗したら、僕が最初から居なかった場合と比較して返って悪い事態になるでしょうし、それに僕が弱っているのにはもう一つ理由が。 それは、この人が原因です。ええ。皆さんもうお解りでしょう? 来ました。森さん、その人です。 詳しく説明しますと、その完璧な体のラインに完全に一致したローズレッドのイブニングドレスに身を包んだ森さん。です。 イブニングドレスと聞いても馴染みが薄いかもしれませんが、端的に言うと、露出が多いんです。 胸元も背中もかなり大きく開いて、彼女の肌、まるで白磁のガラス質の層を表面に持つかの様な透明感の、それでいて弾力を感じさせるハリとツヤのある肌が大きく露わになっています。 その豊満な胸元には、視線を誘導する為にあるとしか思えない、一点のルビーが輝くシルバーのネックレスが下げられています。 頭には、小さな赤い宝石で出来た羽を閉じた蝶の様な形の髪留めがアクセントになっており、アップに纏められた黒髪はなんとも雅な光沢を放っていますし、それとは対照的な絹の様に滑らかな艶っぽい白いうなじが、絵画で云う視線誘導の効果が最も高い、明度の差が極端な衝突線を生んでいます。 そして彼女自身、普段の氷のオーラの代わりに温かく穏やかな雰囲気を放射しています。 こんな彼女が、完璧に、僕と「交際している」という演技をしている訳です。 バカップルよろしくベタベタしたりする訳では無いのですが、僕の背中は物理的にベタベタです。 スッと僕の隣に寄り添い立った森さんは、僕のグラスを持つ腕に白い手を乗せ、ちらりと僕を見る。その涼やかな目元に笑みの皺が寄る。そして、 「向こうの……」 と言いながら顔の向きを変え、少し離れたテーブルの近くに立つ壮年男女6名の一団に視線を飛ばした。 「……方々も機関の賛同者で強力なパトロンなの。私は1度だけお会いした事があるからちょっとご挨拶してくるわね。でもあなたは覚えられない方が良いからここで待ってて。5分くらいで戻ってくるわ」 と言うと、黒髪からフワリと漂う芳しい香りを残し、ウェイターの持つトレイからノンアルコール・シャンパンのグラスを一つ、優雅な所作で受け取ると、その壮年男女の一団に足を向けた。 彼女の身をピッタリ包むシルクのドレスの開いた背中から覗く綺麗な背筋と、歩く事で際立つウェストとヒップ、脚のカーヴから自制心を総動員してなんとか視線を外すと、周囲の男性も僕と同じ苦労をしている事が見て取れた。反対に女性達はハッキリとそのラインを凝視し、その目に羨望の色を浮かべている。なんと罪作りな造詣だ。 そして彼女を迎えた一団の中の男性達が不自然なまでに彼女の顔ばかり見ているのは、顔より下を見るとそれぞれの隣で穏やかな笑顔を見せている奥様方からの強烈な殺気を感じているからだろう。 しかし少し会話を続けると、彼女がミテクレだけではない事、自分の夫達では絶対に口説けそうにない事が解った為か、彼女らから夫に向けた殺気は消え失せ、休戦状態に落ち着いた様だ。 そのまま2分程経った頃、僕は些細ではあるが不思議な事に気付いた。 彼女の持つグラスの中の液体は減っているのに、その縁のどこにも唇の跡が残されていないのだ。口紅が付着しない理由は以前説明された通りだとしても、唇の跡は残らなければおかしい。 彼女がどんな魔法を使っているのか興味を持った僕が意識してそのグラスを注視していると、彼女はグラスに口を付けた後、周りの人々と明るく会話をしつつ、他の人に注意が移った一瞬を突いて、何気ない指先だけの動作で口を付けた跡を拭った。僕ももう少しで見逃す所だった。 成る程。手品のトリックを応用している訳ですか。流石ですね。 彼女は僕が注視していた事には「全く気付いていない」といった素振りで、誰かが言った冗談で明るく歯を輝かせ笑っていたが、もう一度同じ要領でグラスを拭う際に、悪戯っぽくキュートな笑みをチラッと僕に投げ掛け、微かに目を細めた。 さっきから、演技なんですよね、それ?その視線は。 ええ、蜜月にある恋人達が交わす視線そのものです。完璧です。僕、本気で胸が苦しいです。 僕が先程から弱っているのは、コレなんです。 コレのせいで、僕の彼女への想いを彼女自身に透視させない事が可能な状態には、最早程遠いんです。 そして、周囲の一連の流れに気付いた男性達から、僕に向けて冷ややかな空気が殺到した。どうも、一見僕が彼女に対して夢中なのではなく、その逆に見える事が腹立たしいらしい。そんな風に思われても困ります。実際は全く逆ですし。 しかも、更に大きな問題がある。 僕はこれから「護衛対象」の前で、こんな「高嶺の花」という言葉が正にしっくり来る森さんの恋人を演じなければならない。 ああ、弱った。 擬態は例によって、「するな」と釘を刺されているし。 ああ、僕は一体どうしたらいいんだろう。 もし僕が失敗して、僕が森さんの交際相手ではない事がばれてしまっても、森さんがわざわざそんな演技をしたという事実が、先方に森さんを諦めさせる十分な理由にはなるだろう。 しかしそれでは先方の面目が丸つぶれだ。機関への資金援助も凍結されかねない。 と、そこへ森さんが戻ってきた。 森さんは僕の耳元に顔を近づけると、返した手で口元を覆い、 「一樹、チャンスよ。アルファが近付いて来たわ。あなた演技なんてできそうにない状態だから、この際、向こうから諦めて貰いましょう。ちょっと来て」 こう囁くと、僕の腕に腕を絡める。ムニュっと。 あ、いえ。……その、はい。 そして、僕が歩くのに付いて来ている様に見せかけつつ、ドアを抜け、僕をテラスへ誘導した。 周りからの視線が痛い。 僕の腕から解いた手を、手摺りについた森さんは、暫く景色を値踏みするように眺めた後、こう言った。 「なかなかの景色ね。あの丘からの景色には劣るけど」 「……そうですね」 「あら、元気無いのね。どうしたの?こんなに綺麗な彼女が傍に居るのに」 「正に、それが原因かな」 「あら。悲しい事言うのね。私、傷付くわよ?」 またまた、冗談でしょう。と、言おうとしながら彼女の目を見ると、全く予想しなかった事が起きた。 ……辛うじてではあるものの、透視できる。 そして彼女の目にはこう書いてある。 「嘘は言ってない」 狼狽する以外に、僕に何ができただろうか。 そして、もっと驚くべき事が起きた。 無言の彼女は僕の正面に立つと、僕の両肩に手を載せ、背を伸ばし、顔を上向きにすると、目を瞑ったのだ。 それを見ても当然な事のようにも思ったし、全く理解できないようにも思った。 だから僕は何も考えず、ただ彼女と唇を合わせた。 その感触は秘密だ。僕だけの物にして置きたい。 …………。 顔を離した彼女は、僕の目を見つめ、優しく微笑んだ。 それはとても愛らしい微笑みだった。 口付けの感触を通して伝えられた気持ち。 それに加え、彼女のその微笑を見た時、僕はやっと理解した。 ああ、彼女はどうやら、本当に僕の事を想ってくれているんだ。と。 本当なら舞い上がるべきなんだろうけど、余り実感が伴わない。 それに、二人とも機関に所属する以上、恋愛関係は厳禁だ。交際が発覚すると色々と本当に厄介な事になる。 ただ、機関に所属していようと僕らも人間だ。恋愛感情を持つこと自体で罰則を受けたりはしない。 だから、もう黙っていよう。 心の内に秘め、2度と口にはしない。 機関が必要の無い世界になる、その日まで。 「今のはただの演技だから。勘違いしないように。解ってるわね」 そう。表向きには、そういう事にして置く必要がありますから。 でも、僕の胸の奥で消し損ねた火種がチロチロと炎の舌を出す。 「そういえば、あの日の罰ゲームがまだ2つも残ってたわよね」 「……そうでしたね」 「じゃあ、1つは機関法、と言うより「規律」の第27条が必要の無い日が来るまで、誰とも、交際しない事」 「……はい」 「もう1つは、その時まで取っておくわ」 「…………はい」 彼女の温かい微笑みを見ていると、強い衝動が僕の中に沸き起こる。 口にしたい。禁じられた言葉を。 今すぐ、もう一度彼女の唇に触れたい。 僕は果たして、一生来ないかもしれないその日を、待ち続ける事ができるのだろうか。 もしかしたら、1ヶ月後かもしれない。でも10年後かもしれない。20年後かもしれない。 それを僕らは待ち続けるべきなのだろうか。 機関法によれば、機関の人間同士でなければ、結婚すらできる……。 「一樹」 彼女の唇が動き、言葉を紡ぐ。 言葉は繋がる他の言葉と干渉して意味を生む。 意味は相手に伝わると新しい意味を生み、または伝えた通りに受け取られる。 「また、言うわよ。今度は理解して。……『禁則事項』、一樹、私アンタなんて全然愛してないの」 …………やはり僕は、待てない。 僕と森さ……。 いや。 僕と、……園生で、必ず機関を変えてやる。 月曜日、学校にて。 朝のホームルーム前に廊下を歩いていた僕は、涼宮さんと出遭った。 擬態しなければなりませんね。 「あ、古泉君!丁度良かったわ。古泉君は今週末の土曜日って何か予定ある?」 おっと。今週末は森さんにしごかれる予定でしたが、こちらが優先されますね。任務ですから。 「土曜日ですか。ええ、空けられます」 「って、何か予定あったの?アレ?……ん、ん~?」 涼宮さんは僕の顔をマジマジと眺めていらっしゃいます。……これはいけません。他の事を考えて……も、彼女のは透視ではなく、勘ですから無駄です。ああ、酷く悪い予感がいたします。……擬態しているのですから、落胆は表に出ていない筈なのですが。 「フ~~~ン?なるほどぉ~。古泉君、週末の新しいバイトがあるんならハッキリ言ってちょうだい。良かったじゃない。おめでとう!」 そう仰る涼宮さんのお顔は、もう、耳の先まで「ニヤニヤ」と書かれています。透視するまでもありません。何故、解ってしまわれるのですか?実際、森さんより怖いと感じてしまう瞬間があるのですが……。 「まあ、不思議探索は4人でも出来るから、たまにそっちの『都合が付かない時に』でも参加してくれればいいわよ。じゃっ!SOS団の皆にはあたしから言って置くから。古泉君は森林公園で美人のお姉さん……」 彼女はクイっと形の整った眉を片方吊り上げます。 「……じゃなくて、『とある生き物』とデートするバイトだってね!安心して。あたし口は固い方だから!そりゃもう、カワラ煎餅みたいにねっ!」 彼女は言い終わるなり、言葉に詰まり立ち尽くす僕を置いてダダッと走り出してしまった。 成る程。瓦煎餅ならば確かに硬いですね。ですが、随分と軽い。それに割ってしまう事も多そうだ。 それ以前に、その様な言い方では幾らなんでも彼ですら気付く……。朝比奈さんだけかな。気付かないのは。恐らく。……はぁ。 と、思ったのだが、階段の前で鶴屋さんと出くわした涼宮さんが、早速僕を指差しながら何やら楽しげに話している。 涼宮さん!?あなたはもっとこう、デリカシーが……ああ、いいや。もう好きにしてください。 ……やれやれ。 完 私の選んだ人リストページ
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ドラゴン:プレイナー・ドラゴン Planar Dragon 出典 Pathfinder #138 Rise of New Thassilon 90ページ プレイナー・ドラゴンは外方次元界に起源を持つが、ポータルなどを用いて物質界に移動する。そこで彼らは自身の家であった次元界を反映した隠れ家を再形成する。 年齢段階 トゥルー・ドラゴンの特殊能力、攻撃、その他のデータは、ドラゴンの成長につれて強大になる。この上昇はドラゴンの年齢によって12の年齢段階に区分される。基本的なデータは『表:ドラゴンの年齢段階』に記載されているように変動する。 年齢段階 年齢(歳) 脅威度 再度 ヒット・ダイス 外皮 ブレス攻撃 1 ワームリング(雛) 0~5 基本値 基本値 基本値 基本値 基本値 2 ヴェリー・ヤング(幼児) 6~15 基本値+2 基本値+1 基本値+2 基本値+3 基本値×2 3 ヤング(子供) 16~25 基本値+4 基本値+2 基本値+4 基本値+6 基本値×3 4 ジュヴナイル(少年) 26~50 基本値+5 基本値+2 基本値+6 基本値+9 基本値×4 5 ヤング・アダルト(青年) 51~100 基本値+7 基本値+3 基本値+8 基本値+12 基本値×5 6 アダルト(成年) 101~200 基本値+8 基本値+3 基本値+10 基本値+15 基本値×6 7 マチュア・アダルト(壮年) 201~400 基本値+9 基本値+3 基本値+12 基本値+18 基本値×7 8 オールド(老齢) 401~600 基本値+11 基本値+4 基本値+14 基本値+21 基本値×8 9 ヴェリー・オールド(大老) 601~800 基本値+12 基本値+4 基本値+16 基本値+24 基本値×9 10 エインシャント(太古) 801~1,000 基本値+13 基本値+4 基本値+18 基本値+27 基本値×10 11 ワーム(長虫) 1,001~1,200 基本値+14 基本値+4 基本値+20 基本値+30 基本値×11 12 グレート・ワーム(大長虫) 1,201+ 基本値+16 基本値+5 基本値+22 基本値+33 基本値×12 年齢段階:これは年齢段階の名称である。 年齢(歳):これはドラゴンの実際の年齢である。 脅威度:この列はドラゴンの基本脅威度への修正値である。 サイズ:これは年齢によって、ドラゴンの基本サイズがどれだけ増加するかを示したものである(超小型が小型に、小型が中型に、など)。トゥルー・ドラゴンはサイズが上昇したことによる通常の能力値上昇はしないが、かわりに『表:ドラゴンの能力値』が示すように、年齢段階によって能力値が上昇する。 ヒット・ダイス:これは成長によってドラゴンが得る追加のヒット・ダイスの数を示す。ヒット・ダイスが増加すれば、ヒット・ポイント、特技、技能ランクもドラゴンの基本攻撃ボーナスや基本セーヴ・ボーナスと共に上昇する。ドラゴンはヒット・ダイスごとに6+【知力】修正値に等しい技能ランクを有する。ヒット・ダイスによるドラゴンの能力値上昇は、ドラゴンの能力値上昇の総計にすでに加算されている(『表:ドラゴンの能力値』参照)。 外皮:これは年齢段階ごとにドラゴンの基本外皮ボーナスがどれだけ増加するかを示す。 ブレス攻撃/Breath Weapon:ドラゴンはそれぞれ基本ダメージを与えるブレス攻撃(『戦闘』参照)を有する。この倍率はドラゴンのブレス攻撃によって与えるダメージのダイスの数を増加させる。例として、2d6ポイントの[強酸]ダメージを与える基本ブレス攻撃を持つドラゴンのマチュア・アダルトは14d6ポイントの[強酸]ダメージを与える(×7の倍率による)。 年齢段階 【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】 1 ワームリング(雛) 基本値 基本値 基本値 基本値 基本値 基本値 2 ヴェリー・ヤング(幼児) 基本値+4 基本値-2 基本値+2 基本値+2 基本値+2 基本値+2 3 ヤング(子供) 基本値+8 基本値-2 基本値+4 基本値+2 基本値+2 基本値+2 4 ジュヴナイル(少年) 基本値+10 基本値-2 基本値+6 基本値+4 基本値+4 基本値+4 5 ヤング・アダルト(青年) 基本値+12 基本値-4 基本値+6 基本値+4 基本値+4 基本値+4 6 アダルト(成年) 基本値+14 基本値-4 基本値+8 基本値+6 基本値+6 基本値+6 7 マチュア・アダルト(壮年) 基本値+16 基本値-4 基本値+8 基本値+6 基本値+6 基本値+6 8 オールド(老齢) 基本値+18 基本値-6 基本値+10 基本値+8 基本値+8 基本値+8 9 ヴェリー・オールド(大老) 基本値+20 基本値-6 基本値+10 基本値+8 基本値+8 基本値+8 10 エインシャント(太古) 基本値+22 基本値-6 基本値+12 基本値+10 基本値+10 基本値+10 11 ワーム(長虫) 基本値+24 基本値-8 基本値+12 基本値+10 基本値+10 基本値+10 12 グレート・ワーム(大長虫) 基本値+26 基本値-8 基本値+14 基本値+12 基本値+12 基本値+12 戦闘 『表:ドラゴンの攻撃と移動速度』は、ドラゴンの持つ攻撃と与えるダメージを列挙している(―はそのサイズのドラゴンがその種の肉体武器を有していないことを表す)。ここに記されている他の能力はドラゴンが特定の年齢段階に達した時点で獲得される。 サイズ 飛行移動速度(機動性) 噛みつき×1 爪×2 翼×2 尾の打撃×1 押し潰し×1 尾による一掃×1 ブレス攻撃 直線状 円錐形 超小型 100フィート(標準) 1d4 1d3 ― ― ― ― 30フィート 15フィート 小型 150フィート(標準) 1d6 1d4 ― ― ― ― 40フィート 20フィート 中型 150フィート(標準) 1d8 1d6 1d4 ― ― ― 60フィート 30フィート 大型 200フィート(貧弱) 2d6 1d8 1d6 1d8 ― ― 80フィート 40フィート 超大型 200フィート(貧弱) 2d8 2d6 1d8 2d6 2d8 ― 100フィート 50フィート 巨大 250フィート(劣悪) 4d6 2d8 2d6 2d8 4d6 2d6 120フィート 60フィート 超巨大 250フィート(劣悪) 4d8 4d6 2d8 4d6 4d8 2d8 140フィート 70フィート 飛行移動速度:ドラゴンの飛行移動速度は、サイズによって、表に記されているように上昇する。 噛みつき/Bite:これは表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値の1.5倍を加えたダメージを与える主要攻撃である(2回以上の攻撃手段を有している場合であっても)。ドラゴンの噛みつき攻撃は、サイズ段階が1大きいかのような間合いを有する(超巨大サイズのドラゴンは+10フィート)。 爪/Claws:これは主要攻撃で、表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値を加えたダメージを与える。 翼/Wings:ドラゴンは、たとえ飛行中であっても、敵に翼を叩きつけて攻撃することができる。翼攻撃は表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値の1/2を加えたダメージを与える二次的攻撃である。 尾の打撃/Tail Slap:ドラゴンは毎ラウンド、尾で1体の敵をひっぱたいて攻撃することができる。尾の打撃は表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値の1.5倍を加えたダメージを与える二次的攻撃である(これは通常の二次的攻撃のルールの例外である)。 押し潰し(変則)/Crush:サイズ分類が超大型以上の飛行または跳躍しているドラゴンは、1回の標準アクションとして敵の上に着陸し、全身で敵を押しつぶすことができる。押し潰し攻撃はドラゴンよりサイズ分類が3段階以上小さい敵に対してのみ有効である。押し潰し攻撃はドラゴンの身体の下に収まる全てのクリーチャーに対して作用する。作用を受ける範囲内にいるクリーチャーは反応セーヴ(DCはドラゴンのブレス攻撃のものと同じ)に成功しなければならず、失敗すると押さえ込まれた状態になり、ドラゴンが上からどかなければ次のラウンド中に自動的に殴打ダメージを受ける。ドラゴンが押さえ込みを継続する場合、それは通常どおり戦技判定に成功しなければならない。押さえ込まれた状態の敵は、脱出しない限り毎ラウンド押し潰しによるダメージを受け続ける。押し潰し攻撃によるダメージは、表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値の1.5倍を加えたものである。 尾による一掃(変則)/Tail Sweep:サイズ分類が巨大以上のドラゴンは、1回の標準アクションとして尾を振り回して攻撃することができる。尾による一掃は、ドラゴンの接敵面の縁にある交差点の1つから、いずれかへの方向に広がる半径30フィートの半円形の範囲に作用する(超巨大サイズのドラゴンの場合、半径40フィート)。一掃の範囲内にいる、ドラゴンよりサイズ分類が4段階以上小さいクリーチャーが作用を受ける。尾による一掃は、自動的に表に示したダメージにドラゴンの【筋力】修正値の1.5(端数切捨て)を加えたダメージを与える。作用を受けたクリーチャーは反応セーヴ(DCはドラゴンのブレス攻撃のものと同じ)を行うことができ、成功すればダメージを半減させることができる。 ブレス攻撃(超常)/Breath Weapon:ブレス攻撃の使用は1回の標準アクションである。 一度ブレスを使用したら、1d4ラウンド後まで再びブレス攻撃を行うことはできない。ドラゴンが複数の種類のブレス攻撃を有している場合でも、ブレスを使用できるのは1d4ラウンドに1回だけである。ブレス攻撃は必ずドラゴンに隣接するいずれかの交差点を起点にして、ドラゴンの選択した方向に向けて伸びる。ブレス攻撃の形状は直線型と円錐型があり、効果範囲の大きさはドラゴンのサイズによって異なる。そのブレス攻撃がダメージを与えるものである場合、範囲内に捉えられたクリーチャーは反応セーヴを行い、成功すればダメージを半分にできる。ブレス攻撃に対するセーヴDCは10+ドラゴンのヒット・ダイスの1/2+ドラゴンの【耐久力】修正値である。ダメージを与えないブレス攻撃に対するセーヴにも同じDCを用いるが、どのタイプのセーヴを行うかは個々の解説を参照すること。ドラゴンは組みついていたり組みつかれていたりする場合もブレス攻撃を使用できる。 ドラゴンの付随ルール ダメージ減少/Damage Reduction:ドラゴンは成長につれて、各ドラゴンの項目に示されているようにダメージ減少を獲得する。そうしたドラゴンの肉体武器はダメージ減少を克服するかどうかを調べる際に、魔法の武器として扱われる。 竜の超感覚(変則)/Dragon Senses:ドラゴンは有効距離120フィートの暗視と60フィートの非視覚的感知を有する。薄暗い光の中で人間の4倍の距離を見通し、通常の明かりの下で2倍の距離を見通すことができる。 畏怖すべき存在(変則)/Frightful Presence:ドラゴンの畏怖すべき存在はドラゴンの年齢段階×30フィートに等しい効果範囲を持つ。その他の効果はモンスターの共通ルールで詳述されている。 完全耐性(変則)/Immunities:全てのドラゴンは麻痺と睡眠の効果に対する完全耐性を有する。加えて、ドラゴンは年齢段階にかかわりなく、種族に応じてさらに1~2種類の攻撃形態に対する完全耐性を有する。その種類については個々の解説で述べる。 次元界の要素注入(超常)/Planar Infusion:ジュブナイル以上の年齢段階のプレイナー・ドラゴンは、全ラウンド・アクションとして周囲に影響を与えることができ、半径30フィート×ドラゴンの年齢段階が住処の次元界の延長として扱われる。これはその次元界の強度な属性的特性を課し、その次元界の魔法の増強と阻害の特徴を与え、ディスミサルなどの呪文や、その次元界を想起させる初級の感覚的効果を生み出す目的で原住として扱うか他次元界として扱うかに影響する。この効果は不動で、10日間またはドラゴンが死亡するか、再度この能力を使用するまで持続する。 呪文抵抗(変則)/Spell Resistance:年を経るに従って、ドラゴンは、個々の解説で示されているように呪文や擬似呪文能力への抵抗力を身につける。ドラゴンの呪文抵抗は11+脅威度に等しい。 呪文:プレイナー・ドラゴンはここの解説で示されているレベルのオラクルにしたがって呪文を修得しており、発動する。術者レベルは各段階に与えられているように年齢によって異なる。 プレイナー・ドラゴン:テュマルト・ドラゴン Dragon(Planar), Tumult このドラゴンは、さまざまなクリーチャーのパーツでできているようである。 出典 Pathfinder #138 Rise of New Thassilon 90ページ テュマルト・ドラゴン Tumult Dragon 混沌にして中立/竜(混沌、他次元界) 基本データ 脅威度 8;サイズ 小型;ヒット・ダイス 10d12 移動速度 60フィート、登攀60フィート、水泳60フィート 外皮 +8;ブレス攻撃 2d8[雷撃] 一般データ 【筋】17、【敏】14、【耐】19、【知】12、【判】15、【魅】14 生態 出現環境 どこでも(メールシュトローム) 編成 単体 宝物 ×3 特殊能力 適用形態(超常)/Adaptive Form:即行アクションとして、テュマルト・ドラゴンはこの能力を次に使用するまで、[強酸]、[氷雪]、[雷撃]、[火炎]、[音波]の選択したものに対する抵抗30を得る。 奇行的要素注入(超常)/Eccentric Infusion:テュマルト・ドラゴンの次元界の要素注入も呪文の暴走の特性を持つ。 エントロピーのブレス攻撃(超常)/Entropic Breath:テュマルト・ドラゴンのブレス攻撃は、ドラゴンの年齢段階の2倍に等しい量だけ、その範囲内の物体の硬度を永続的に減少させる。 変幻自在なブレス攻撃(超常)/Flexible Breath:ドラゴンはブレス攻撃で円錐形または直線状のいずれかに影響を与えることができ、[強酸]、[氷雪]、[雷撃]、[火炎]、[音波]によるダメージを与えることを選択できる。 変成ブレス攻撃(超常)/Transforming Breath:ドラゴンはフリー・アクションとして1日3回、ブレス攻撃でダメージを与えたクリーチャーや物体をポリモーフ・エニィ・オブジェクトとして変形させることができる。 現実歪曲(超常)/Twist Reality:1日3回即行アクションとして、ドラゴンは1d4+1ラウンドの間グレーター・クリエイト・デミプレインとして次元界の要素注入によって課せられる次元界の特性を変更できる。 当惑させる翼(変則)/Vexing Wings:ドラゴンは両方の翼攻撃で命中したクリーチャーに対するフリー・アクションとして裏技を試みることができる。 歪曲への抵抗性(変則)/Warpproof:テュマルト・ドラゴンは混乱状態、敵対的な変成術効果、石化に完全耐性を持つ。 年齢段階 特種能力 術者レベル ワームリング(雛) エントロピーのブレス攻撃、歪曲への抵抗性 ― ヴェリー・ヤング(幼児) 適用形態 ― ヤング(子供) 変幻自在なブレス攻撃 1レベル ジュヴナイル(少年) 畏怖すべき存在、次元界の要素注入 3レベル ヤング・アダルト(青年) ダメージ減少5/秩序、呪文抵抗 5レベル アダルト(成年) 当惑させる翼 7レベル マチュア・アダルト(壮年) ダメージ減少10/秩序 9レベル オールド(老齢) 奇行的要素注入 11レベル ヴェリー・オールド(大老) ダメージ減少15/秩序善 13レベル エインシャント(太古) 変成ブレス攻撃 15レベル ワーム(長虫) ダメージ減20/秩序 17レベル グレート・ワーム(大長虫) 現実歪曲 19レベル ヤング・テュマルト・ドラゴン CR12 Dragon (Planar, Tumult), Young Tumult Dragon 出典 Pathfinder #138 Rise of New Thassilon 90ページ XP 19,200 混沌にして中立/大型サイズの竜(混沌、他次元界) イニシアチブ +5;感覚 竜の超感覚;〈知覚〉+20 防御 AC 24、接触10、立ちすくみ23(+14外皮、-1サイズ、+1【敏】) HP 175(14d12+84) 頑健 +15、反応 +10、意志 +12 防御能力 適用形態;完全耐性 麻痺、睡眠、歪曲への抵抗性 攻撃 移動速度 60フィート、飛行 200フィート(貧弱)、水泳60フィート 近接 噛みつき=+20(2d6+10)、爪(×2)=+20(1d8+7)、尾の打撃=+18(1d8+10)、翼(×2)=+19(1d6+3) 接敵面 10フィート、間合い 5フィート(噛みつきは10フィート) 特殊攻撃 ブレス攻撃(40フィートの円錐形、6d8ダメージ、DC 23)、エントロピーのブレス攻撃、変幻自在なブレス攻撃 修得済みのオラクル呪文 (術者レベル1;精神集中+4) 1レベル(4回/日)―エントロピック・シールド、オブスキュアリング・ミスト 0レベル(回数無制限)―クリエイト・ウォーター、ディテクト・マジック、レジスタンス、スパーク 一般データ 【筋】25、【敏】12、【耐】23、【知】14、【判】17、【魅】16 基本攻撃 +14;CMB +22(+24裏技);CMD 33(35対裏技、37対足払い) 特技 《無視界戦闘》、《攻防一体》、《ホバリング》、《裏技強化》、《イニシアチブ強化》、《複数回攻撃》、《武器熟練:翼》 技能 〈軽業〉+15、〈はったり〉+20、〈登攀〉+15、〈飛行〉+12、〈知識:地域、自然、次元界〉+19、〈知覚〉+20、〈呪文学〉+19、〈水泳〉+15 言語 地獄語、共通語、竜語、プロティアン語 アダルト・テュマルト・ドラゴン CR16 Dragon (Planar, Tumult),Adult Tumult Dragon 出典 Pathfinder #138 Rise of New Thassilon 90ページ XP 76,800 混沌にして中立/大型サイズの竜(混沌、他次元界) イニシアチブ +4;感覚 竜の超感覚;〈知覚〉+28 オーラ 畏怖すべき存在(180フィート、DC25) 防御 AC 31、接触8、立ちすくみ31(+23外皮、-2サイズ) HP 290(20d12+160) 頑健 +20、反応 +12、意志 +17 防御能力 適用形態;ダメージ減少 10/秩序;完全耐性 麻痺、睡眠、歪曲への抵抗性;呪文抵抗 27 攻撃 移動速度 60フィート、飛行 200フィート(貧弱)、水泳60フィート 近接 噛みつき=+29(2d8+15)、爪(×2)=+28(2d6+10)、尾の打撃=+26(2d6+15)、翼(×2)=+27(1d8+5) 接敵面 15フィート、間合い 10フィート(噛みつきは15フィート) 特殊攻撃 ブレス攻撃(50フィートの円錐形、12d8ダメージ、DC 28)、押し潰し、エントロピーのブレス攻撃、変幻自在なブレス攻撃、当惑させる翼 修得済みのオラクル呪文 (術者レベル7;精神集中+12) 3レベル(5回/日)—ディスペル・マジック、サンズ・オヴ・タイム 2レベル(7回/日)—イーグルズ・スプレンダー、グレイス、シャター(DC 17) 1レベル(8回/日)—ブレス、エントロピック・シールド、オブスキュアリング・ミスト、レイ・オヴ・シックニング(DC 16) 、シールド・オヴ・フェイス 0レベル(回数無制限)―ブリード(DC 15)、クリエイト・ウォーター、ディテクト・マジック、ガイダンス、リード・マジック、レジスタンス、スパーク 一般データ 【筋】31、【敏】10、【耐】27、【知】18、【判】21、【魅】20 基本攻撃 +20;CMB +31(+36裏技);CMD 42(44対裏技、46対足払い) 特技 《無視界戦闘》、《攻防一体》、《クリティカル熟練》、《上級裏技》、《ホバリング》、《裏技強化》、《イニシアチブ強化》、《複数回攻撃》、《武器熟練:噛みつき、翼》 技能 〈軽業〉+20、〈はったり〉+28、〈登攀〉+18、〈飛行〉+15、〈知識:地域、自然、次元界〉+27、〈知覚〉+28、〈芸能:舞踏〉+25、〈呪文学〉+27、〈水泳〉+18、〈魔法装置使用〉+28 言語 地獄語、共通語、竜語、プロティアン語 その他の特殊能力 次元界の要素注入(180フィート) エインシャント・テュマルト・ドラゴン CR21 Ancient Dragon 出典 Pathfinder #138 Rise of New Thassilon 91ページ XP 409,600 混沌にして中立/大型サイズの竜(混沌、他次元界) イニシアチブ +3;感覚 竜の超感覚;〈知覚〉+38 オーラ 畏怖すべき存在(300フィート、DC31) 防御 AC 40、接触5、立ちすくみ40(+35外皮、-4サイズ、-1【敏】) HP 462(28d12+280) 頑健 +26、反応 +17、意志 +23 防御能力 適用形態;ダメージ減少 15/秩序;完全耐性 麻痺、睡眠、歪曲への抵抗性;呪文抵抗 32 攻撃 移動速度 60フィート、飛行 250フィート(劣悪)、水泳60フィート 近接 噛みつき=+39(4d6+21)、爪(×2)=+39(2d8+14)、尾の打撃=+36(2d8+21)、翼(×2)=+37(1d6+7) 接敵面 20フィート、間合い 15フィート(噛みつきは20フィート) 特殊攻撃 ブレス攻撃(60フィートの円錐形、20d8ダメージ、DC 34)、押し潰し、エントロピーのブレス攻撃、変幻自在なブレス攻撃、尾による一掃、変成ブレス攻撃、当惑させる翼 修得済みのオラクル呪文 (術者レベル15;精神集中+22) 7レベル(5回/日)—ディストラクション(DC 24)、ワード・オヴ・ケイオス 6レベル(7回/日)—アニマル・メッセンジャー、ハーム(DC 23)、ヒール 5レベル(7回/日)—ディスペル・ロー、インセクト・プレイグ、プレイン・シフト(DC 22)、ウォール・オヴ・ストーン 4レベル(7回/日)—ケイオス・ハンマー(DC 21)、ディスミサル(DC 21)、フリーダム・オヴ・ムーヴメント、タンズ 3レベル(8回/日)—デイライト、ディスペル・マジック、サンズ・オヴ・タイム、ストーン・シェイプ 2レベル(8回/日)—イーグルズ・スプレンダー、エンスロール(DC 19)、グレイス、レッサー・レストレーション、シャター(DC 19) 1レベル(8回/日)—ブレス、エントロピック・シールド、オブスキュアリング・ミスト、レイ・オヴ・シックニング(DC 18)、シールド・オヴ・フェイス 0レベル(回数無制限)—ブリードDC 17)、クリエイト・ウォーター、ディテクト・マジック、ガイダンス、リード・マジック、レジスタンス、スパーク 一般データ 【筋】39、【敏】8、【耐】31、【知】22、【判】25、【魅】24 基本攻撃 +28;CMB +46(+50裏技);CMD 55(57対裏技、59対足払い) 特技 《無視界戦闘》、《攻防一体》、《クリティカル熟練》、《上級裏技》、《ホバリング》、《裏技強化》、《イニシアチブ強化》、《神速の反応》、《複数回攻撃》、《強打》、《不調化クリティカル》、《武器熟練:噛みつき、爪、翼》 技能 〈軽業〉+27、〈はったり〉+38、〈登攀〉+22、〈飛行〉+20、〈知識:神秘学、地域、自然、次元界〉+37、〈知覚〉+38、〈芸能:演劇、舞踏〉+35、〈呪文学〉+37、〈水泳〉+22、〈魔法装置使用〉+38 言語 地獄語、共通語、竜語、プロティアン語 その他の特殊能力 奇行的要素注入、次元界の要素注入(180フィート) このプレイナー・ドラゴンは、ダイナミックで変化に富んだ場所を求め、その場所が興味をそそられなくなったときには、自分の気まぐれな意志を押し付ける。