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「真冬、もう少しだけ辛抱していてくれ」 真冬からの返事はない。まだ脈はある。だからまだ助けられるはずだ。 犯人はもうわかった。 生徒会に恨みを持っている人物はあの人しか居ない。最悪会長さんも紅葉先輩、そして鍵もやられているのかもしれない。 「だった一人でもやってやる」 今からあの人がいる場所へ全速力で行って、倒して、解毒剤を奪って真冬に飲ませる。 これだけの行動に出たんだ。きっと罠を仕掛けているに違いない。 それでも間に合わせて見せる。 「900秒だ。900秒で全部終わらせてやる」 勢い良く扉を開いて踏み出した。 疲労感が体を重くする。 今思えば今まで何もしてこなかったあの学校が今日になって突然襲ってきたのはこのためなのかもしれない。 でも、そんなことは関係ない。 「教えてやるよ。椎名深夏を怒らせるってことがどれだけ恐ろしいってことかを」 廊下は走ってはいけない。そんなことぐらい分かっている。 でも今はそんな常識をあたしは消し去る。 頭の中の枷が外れた。もうあたしには一般常識なんて通用しない。 物理法則もなにもかもが今のアタシには通用しない。 世界はめまぐるしく過ぎ去っていく。 常識と日常に閉ざされた世界は、それら全てをぶっ飛ばした今のあたしには見えないものだ。 だから、常識ではないそれが目に入った。 そこは日常じゃなくて非日常だった。常識はなくて非常識な空間だった。 それは巡に似ていた。巡なのは間違いない、でも巡じゃない。 巡にとてもよく似た人は床一面に広げた紅いカーペットのようなものに横たわっていた。 でもそれも間違いだって近づいてから気づいた。 これはカーペットじゃない。ただ紅で床が染まっているだけだ。 「巡!! おい、しっかりしろ巡!!」 「深夏……ゴホッ」 「喋るな!! 傷は……あ、浅いから」 「自分の体よ、自分がいちばん分かっているから」 巡は巡だった。でも傷が深い。血が止まらない。 抱えると制服は紅く染まっていた。 「深夏、逃げて。今すぐ碧陽から逃げて」 巡はそんな事を言った。でも、そんな事出来るはずが無い。真冬の命が掛かっているんだ。 「そんなの出来ない。それにこんなことをした奴をあたしは」 「床の染みは守よ」 「!!」 「守は声も姿も必要ないからこんな目に遭ったの。だから深夏だけでも逃げて」 巡の顔色はどんどん悪くなっていく。声を出せていられるのもあと僅かだろう。 もう真冬を助けるためだけじゃない。宇宙兄弟の敵討ちだ。 「そんな事聞いて、逃げられる訳ないだろ。あたしの怒りは誰にも止められない」 「いいよ。私はあいつのこと憎んでいないから……」 「巡? おい、しっかりしろ。巡、死ぬな巡!!」 巡はあたしの腕の中で静かに息を引き取った。 泣いている場合じゃないのに、涙が流れてきた。急がなきゃいけないのに、急げない。 「巡、守、仇は必ずとるから」 涙を拭いて先に進んだ。あの人がいる場所まであと少しだ。 曲がり角を曲がれば目標はあと少しというところで、そこから先は非日常だと気づいた。 日常と非日常を分ける目印の様に彼はそこに倒れていた。 病的な白い髪は紅かった。男なのに細い腕は折れていた。 善樹だ。中目黒善樹だ。 「どうして」 彼はそう言い残して息を引き取った。 その言葉には恨みはない。疑問だけがあった。 曲がり角に人の背が見えた。 あの男が善樹や巡達を殺ったんだ。そんな確信があった。 それなのにあたしの足はここに来て男と遭遇することを怯えている。 この曲がり角を曲がればあたしに日常は永遠に崩壊する。 でも、進まなければなにも始まらない。 「今更何を怯えているんだ。あたしは椎名深夏!! こんなところで逃げたりはしない」 運命の曲がり角を曲がった。 そこにいた男の手は血で染まっていた。 予想はあった。 巡は恨んでいないと言った。 善樹はどうしてと恨みよりも疑問を優先させた。 それでも否定していたから思いつかなかった。こいつがここにいると誰よりもあたしが思いたくなかった。 「どうして……どうしてだよ。どうしてお前がっ!!」 「許してくれとも愛してくれとも言わないぜ、深夏」 「なんでお前が、お前があの三人を殺すんだよっ、鍵!!」 そこにいたのは他でもない鍵だった。 涙を流しそうなわけでもないのに、とても悲しい瞳をした鍵だった。 「答えろよ鍵!! どうしてなんだよ」 「深夏なら分かるだろう。こういう時どういう行動を取るべきか」 「あたしと戦うつもりか?」 「そうだ。安心しろ、深夏を傷つけることはしない」 「鍵、そこを今すぐどいてくれ。真冬の命が危ないんだ。あたしは藤堂先輩に会わなきゃいけない」 「分かっている。でも、だからこそ深夏を通すわけには行かない」 鍵が何を考えているのかなんて分からない。分かるのはここを通すつもりはないということだけだ。 それは真冬の命が掛かっていたとしても譲れないらしい。 鍵は悪い奴じゃない。いい奴だ。その鍵がこんな行動に出るなんてなにか理由があるんだろう。 でも、それはあたしには関係ない。 「鍵悪いがあたしは鍵を倒してでもここを進まさせてもらう」 「そうか。仕方ないな。深夏の相手は本当はしたくなかったけど」 「鍵、行くぜ。ここで決着をつける」 「ああ、来いよ深夏。相手をしてやるよ」 それは激闘だった。 四天王とか言っていた妙な連中との戦いよりも遥かに激しい激戦だった。 床には穴が開き、天井は崩れ、壁は砕け散る。割られた窓の硝子の破片が夕焼けで当たりを照らしている。 決着はついた。 「大丈夫か、深夏」 「鍵……杉崎、鍵」 あたしは床に伏して鍵を睨みつけていた。 鍵はあたしに攻撃してこなかった。徹底的にあたしの足止めに徹していた。 組合うことができれば倒せた。でも、鍵はあたしと正面からは戦わず体力を削る索に出た。 「卑怯だぞ鍵!!」 「目的が違うだろ。俺は深夏を傷つけずに終わらすこと。深夏は俺を倒すこと。その違いが深夏の不利に働いただけだぜ」 「くそっ」 鍵はあたしの戦う力を削ぐことを目的としていたみたいだ。 傷つけたくないという鍵の言葉は本当だった。でも今はその言葉がとても悔しい。 悔しいか深夏。でも、深夏の体調が万全だったら立場が逆転していただろうな。まあ、だからこその四天王なんだが」 「どういう意味だよ鍵!! まさか、あいつらは鍵が」 「……ああ、そうだよ。深夏封じのために俺が送った。そうじゃなきゃ深夏は倒せないからな」 「お前は、真冬のことがそこまで嫌いだったのか!? そんな殺したいほどに組んでいたのか!?」 「いや、真冬ちゃんは大事だ。でも、会長も大事だ」 「どういう事だ? まさか会長さんもやられたのか」 なんとか立ち上がって、鍵に尋ねた。やっぱり鍵も理由があってこんなことをしているんだ。 「話しすぎだな。まだ、立ち上がる体力が残っていたのか深夏」 「く、鍵。一緒に戦おう、そして真冬と会長さんを助けよう」 「その心配はいらないぜ深夏。会長も真冬ちゃんも深夏も俺が守るから」 「鍵、お前はどうなんだ? まさか、お前」 「……」 鍵のあんなに思いつめた表情はあの日以来だ。夏のあの日鍵に合った日以来だ。 二人を助けれなかったことで苦しんでいた頃の鍵の表情だ。 「ふざけるなッ。生徒会にはお前も必要なんだ。あたしが居て真冬がいて会長さんがいて知弦さんがいて、そしてお前が居る。それが碧陽学園生徒会だ」 「悪いな、その日常は今日限りだ。形ある物はいつか壊れるから」 「そんなことさせない!! 変わっていいものもある。だけど変わっちゃいけないものだってあるんだ」 「まだ戦えるのか。だけど無駄だ深夏。お前の動きは既に見切っている」 見切っている。鍵の言うようにあたしの攻撃は一度も鍵に当たらなかった。鍵は今までの付き合いでもうあたしの攻撃を見切っていたようだ。 全ての攻撃はさばかれてあたしは鍵に体力を消耗させられて倒された。 どれだけ素早く殴っても、どれだけ鋭く蹴っても、全て無効化される。 でも、それはさっきまでの話だ。 「さっきまでのあたしと同じと思うなよ。この怒りがあたしを強くする。もうお前にだって見切れない」 「やってみろよ。俺を倒すこともできないようだったら、真冬ちゃんを助けるなんてただの妄想だ」 「あたしのこの思いがその妄想を現実に変えてやる」 体中を感情が走る。これは怒りだけじゃない、あたしの中の仲間への強い想いと絆だ。それがあたしを次の段階へ進ませる。 あたしの体に収まりきらない力はリボンを引き裂いた。力を浴びた髪がなびく。 「なにっ、消えた!?」 「こっちだ鍵!!」 体はもうガス欠だ。でも、足りない分を補ってくれるのはあたしの仲間たちへの想いだ。だからあたしは戦える。 「これが未来へと繋がる友情の力だ。ライジングエア!!」 「ぐはっ。まさか、これほどとは」 「あたしが皆を守る。真冬も会長さんも紅葉先輩も、そして鍵!! お前があたしの事を守ろうとするようにあたしもお前を守る」 「うぅ、だけど深夏。俺は倒れるわけには行かないんだ。会長を守るためにも、真冬ちゃんを助けるためにも、お前のためにも俺はまだ倒れるわけにはいかないんだ!!」 鍵はまた立ち上がった。でも、今のあたしを倒せる力はもう残っていない。 「鍵、何度やっても同じだ。一人で全部背負い込もうとするお前が、ここに居ない仲間の力を借りて一緒に戦うあたしに敵う道理はない」 鍵はそこで両膝を突いた。その鍵にあたしは手を差し伸べた。 「何やってんだ。鍵、お前も一緒に行くぞ。真冬の解毒剤を探すんだ。そして会長を助けだすんだろ」 その手を鍵は掴んで立ち上がった。 「そうだな、俺は馬鹿だな。でもな深夏」 鍵が何かを言おうとした時だった。突然目を見開いた鍵は叫んだ。 「伏せろ!! 深夏」 でも鍵を倒したあたしの体の反応は鈍かった。そんなあたしを鍵は力づくで倒した。 ドンッ そんな音を背景にあたしの目に映ったのは衝撃を受けて、血が吹き出る鍵の姿だった。
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喧嘩上 党員リスト 更新日 家門Lv 家門名 ラダー 備考 09 8/8 15+3 こねこ鍋 0/0 脱党、引退等 09 8/3 28+3 黒魔道師 0/0 喧嘩上→Kingdom_Hertz 09 8/8 32+3 dreamskipper 0/0 喧嘩上→Kingdom_Hertz 黒魔道師、リボのアンドレショップ品を詐欺価格にて販売。 -- 名無しさん (2009-01-11 10 11 22) 初心者なんじゃね?w ルレッタで出る帽子だから高く出しちゃった!とかww -- 名無しさん (2009-01-11 10 20 22) いい人だろ -- 名無しさん (2009-01-13 12 33 26) 党首さんはとってもいい人ですよ。ELデモスレくれました。 -- ★アイス★ (2009-01-13 13 59 04) 課金アイテム毎日必死で売ってる厨古代チケット7.5Mはぼりすぎだろ 何考えてプレゼント換金してんだろwww強くなりたいの? -- 名無しさん (2009-03-23 22 17 56) ↑物くれたらいい人だって家畜だなwその内「ハムにされて売られるぞw」 -- 名無しさん (2009-03-24 09 45 01) ↑意味不明w ごめんよ党首。ふざけすぎましたヾ(;´▽`A``アセアセ -- ★アイス★ (2009-03-24 10 00 37) プレゼントで渡すって話だったのですが前払いしたのにまだアイテム届かないのですが 不安です -- 名無しさん (2009-03-24 18 53 09) 物乞いマイクしつこすぎだろ -- 名無しさん (2009-06-23 21 06 41) ここ・・・解散してね?w -- 名無しさん (2009-08-01 01 20 01) You,消えちゃいなよ!編集よろ~ -- 名無しさん (2009-08-08 02 23 23) こねこ鍋見かけたな・・・サブか?w -- 名無しさん (2009-12-07 01 11 14) 名前 コメント
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ゲーム王国編 第二話 【詞後硬直】 「無理、絶対無理。何これ、何なのこれ」 「何度も言わすな、『子泣き爺』だ」 「都市伝説じゃなくて妖怪じゃん! 水木しげるワールドの住人じゃん! こういうのは鬼太郎の仕事じゃん!」 『人面犬』と契約した翌日。 何故かはわからないが、都市伝説と戦うことになった。 都市伝説を憶えるのには実戦あるのみだとか言われたがそんなことはあるだろうか、いや、ない。 自慢じゃないが殴り合いの喧嘩どころか口喧嘩すらしたことない温厚な人間が実戦なんて無理。 というか、どうやって戦えってんだ。 「ヤバいヤバい、殺されるってマジで、死ぬって本気で」 「そう簡単に死にやしねえよ。殺させやしねえから安心しろ」 「怖い怖い怖い怖いいいいいいいい!」 「俺の話を聞け!」 あれだよ、『子泣き爺』って言えば泣き始めると巨大化して砂をかぶせてきて引っ掻いてちゃんちゃんこで窒息死させる無慈悲で残酷な凄い体臭の化物だよ。 子供の頃鬼太郎で見たことあるから間違いない。 ここで人生終了か、死んでしまうのか、もうあの無邪気な頃には戻れないのか。 だが。 だが、その前に。死ぬ前に。っていうかあれだ。 「死に……たく……ないいいいいいい!」 「ちょ、バカ、逃げんな!」 全速力でその場から逃げ去った。 こう見えても百メートルを十八秒くらいで走れる自信はある。 「逃げんなって言ってんだろ!」 あっという間に追いつかれ、首根っこを咥えて戻された。 徒競走で一位を取ったことのない経験がこんなところでも活かされるなんて。 「あああぁぁぁ~」 「言うこと聞けこの糞ガキ!」 「お前らみたいな万国ビックリショーの仲間になりたくねええええええ!」 ◆ □ ◆ □ ◆ 「お前達の仲間にはならない――そう言ったはずだが?」 同日、同じ場所。 時間だけが違った。先の時間が昼間なら今は夜更け。 ふたりの男が相対していた。 ひとりの名は江良井卓。 もうひとりの名は高城楓といった。〈ゲーム王国〉建国を目論む六人のうちのひとりである。 「敵にならないとの言葉を聞いていない」 だから、現れた。 シンプルな物言い。 「敵にはならん。勝手にしろ」 「……信用できない」 「ならばどうする」 単純に数だけで見ると江良井はひとり、彼らは六人。 江良井の能力である〈地獄の帝王〉を含めても――ふたり。数の上では優勢である。 「錨野はお前を敵にするなと言っていた。逆らうつもりはない」 彼らのリーダー格である錨野蝶助は、江良井だけは敵に回すなと厳命してある。 江良井の中に何を見出したのか多くは語らないが、単純な戦闘力だけではないようであることは確かだ。 無論、彼ら五人は錨野に逆らうつもりはないし、対峙するだけで汗が出てくるような江良井を敵に回そうとも考えない。 今こうして平然としていられるのはただの虚栄にしか過ぎない。 「ならそれでいいだろう。それとも――今ここで死ぬか?」 「――ッ!!」 江良井は何もしていない。ただ言葉を発しただけだ。 それなのに、体にかかるこの凄まじい圧は何だ。 都市伝説でも〈異常〉でもないこの見えない圧力は何だ。 純粋な殺意。純然たる殺意。憎悪や悲哀や恐怖や愉悦といった不純物のない、清流のように澄み切った混じりっけなしの殺意。 ふつふつと湧き上がる汗と脱兎のごとく逃げ出したい衝動をこらえ、高城が何かを口にすべく声を絞り出そうとした時――第三者が現れた。 「そうしてくれると助かります」 「な――」 現れたのは黒いスーツを身にまとう男。 言うまでもなく〈組織〉の黒服だ。 「とある契約者がこの付近で戦闘したとの報告があったので来てみましたが、それ以上のものが見つかりましたね」 「〈組織〉……!」 「如何にも。お初にお目にかかります。A-№107のナンバーを与えられている〈組織〉所属の黒服です」 「何の用だ」 「江良井卓さん、貴方の監視と高城楓さん、貴方達〈ゲーム王国〉の情報収集を担当しています」 口元に笑みを浮かべ、淡々と答える。裏がある笑みなのを隠そうともしないのは自信か否か。 「もっとわかりやすく言いましょう。――私は貴方達の敵です」 「そうか」 答えるが早いが、A-№107に真っ直ぐに突き進む。 その拳が黒服に届こうとした瞬間、その姿は消えた。 「意外に気の早い方だ。敵とは言いましたが戦いに来たわけではありません。少なくとも今日のところは、ですが」 「瞬間移動……?」 「私に課せられた命令はあくまでも貴方達の監視及び情報収集に過ぎません」 高城の問いに答えず、やはり淡々と口にするA-№107。 自身の拳が空を切った答えを探しているのか、何も言わぬ江良井。 そして続けざまに攻撃を仕掛けるべく走り出すと――電子的な音が高城から聞こえた。 いつの間に持っていたのか、右手に携帯ゲーム機を手にしていた。 音が聞こえると同時に標的を変えた江良井の手刀が高城の首筋に迫る瞬間―― 「『アメリカ村』発動」 高城の声が聞こえたかどうか、ふたりの男はこの場から消失していた。 ◆ □ ◆ □ ◆ 「死にたくないいいいいいいいいいいいいいいいい!」 「んだよ、ぎゃあぎゃあうるせーな」 首根っこを咥えられて『子泣き爺』のいた場所に引き戻されると、面倒臭そうに男がひとり立っていた。 中年――と呼ぶにはまだ若干早そうな、頭部が若干心許ないのを見るに中年のような。 「っと、何だお前」 『人面犬』を見て驚く男。そりゃそうだ、誰だって驚く。 って、隠さないとマズいんじゃないか? 「あー……その犬の契約者か」 「って驚いてないし!」 「んー、ま、確かに野良じゃない『人面犬』ってのは滅多にないかもな」 「いやいやいや、そっちじゃなくて『人面犬』そのものに驚こうよ!」 「都市伝説なんて驚くことじゃないだろ」 当たり前のことのように笑う男。 ああそうか、この男もどっかおかしいんだ。 「残念そうな人を見る眼で俺を見るのはよせ」 「いや、だって……なあ?」 「お前も契約者だな?」 「そうだけど?」 即答かよ、何なんだよ、知らない間に都市伝説ってこんなに市民権を得ていたのか。 きっと選挙とかもやってんだ。衆議院参議院の他に都市伝説議院ってのがあるんだよ。 「ゴロが悪いってーの」 「お前……その都市伝説どこで手に入れた? いや、質問を変えよう。――何と契約している?」 と、アホなことを考えていると『人面犬』が呟いた。 流石は犬なだけあって、都市伝説の臭いに敏感なようだ。 「そりゃ企業秘密だ」 「神、妖怪、噂、デマ、ネットロア……数多くの人外を見てきたこの俺でも初めてのタイプだ」 「何? そんなヤバいのこの人?」 「別に俺はヤバくねえよ」 「よく飲まれないな」 「そりゃそうだ」 何故か自信満々に男は答えた。 「飲まれにくくなる方法を俺らのリーダーから教えてもらったのさ」 「人の手柄じゃん! それ自慢するところ!?」 「そこはツッコミどころじゃねえ。――そんなことよりもお前、ここにいた『子泣き爺』はどうした?」 「消した」 あっけらかんと言い放つ男。 って消した!? あの化物を? 「お前の能力で、か?」 「イエス」 「その力は本当に都市伝説のものか?」 「イエス」 「どんな能力だ?」 「企業秘密」 「仲間がいるのか?」 「イエス」 「目的は?」 「企業秘密」 どうしよう……この置いてけぼりのやり取りにどう加わればいいんだろう。 『人面犬』の質問にイエスと企業秘密しか口にしないのを見るに絶対に怪しいのは間違いないんだけど、何がどう怪しいって聞かれると……。 犬は犬で何だか男相手に警戒してるようにも見えるし。 「っていうかさ」 「あん?」 「何だ?」 「あんた、何て名前なの?」 きょとんとした顔のふたり。いや、もう片方は犬だから一頭と数えるべきか。あれ、犬って一匹だっけ。 それは兎も角。この問いに、男はめっちゃ笑い出した。 「面白いヤツだな、お前さん」 笑いながら言われてもバカにされてるとしか。 「至村」 「?」 「俺の名前は至村賢ってんだ。〈ゲーム王国〉建国の為にこの町に来たのさ」 「目的……企業秘密なんじゃないの?」 ニヤリと屈託の無い笑顔で、男――至村賢は言った。 「だいじょぶだ」 続 前ページ次ページ連載 - 葬儀屋と地獄の帝王
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「そうか...かりんも知り合いが巻き込まれてるんだな」 「そうなの。アリナ先輩も連れてこられてるみたいなの。炭治郎もなの?」 「うん。神子柴に爆弾を投げて斬りかかった人がいただろう?あの人も俺の知り合いなんだ」 「あのきらきら筋肉男?」 (きらきら筋肉...宇髄さんのことか) 月光に照らされる路上に、少年少女の影が浮かんでいる。 竈門炭治郎と御園かりん。 この殺し合いで、互いに初めて会った者同士、行動を共にしていた。 かりんはこの殺し合いに恐怖を覚えていた。がたがたと、無意味に建物の隅で震え続けていたほどに。 彼女は魔法少女としてそれなりの修羅場は経験してきたが、それはあくまでも魔女という人外相手にだけ。 対人関係に関しての命のやり取りは皆無に等しい。 それも、魔法少女としてあまり強い部類ではない彼女だ。恐怖するのも無理はないといえよう。 そんな中、炭治郎と出会えたのは幸運だった。 彼がゲームに乗っておらず、彼女を気遣い優しく宥めてくれたお陰で、気持ちもどうにか落ち着かせることができた。 そしてようやく彼女は名簿に目を通し、知人もまた巻き込まれているのを知った。 七海やちよ。 かりんと同じく神浜市の魔法少女であり、7年の経験を有する超ベテランだ。 彼女とはグリーフシードの扱いにおいてひと悶着あり、険悪ではないものの苦手な人物だが、少なくとも言われたことは正しかったし、悪い人間ではないため合流しておくべきだ。 そして、アリナ・グレイ。 彼女もまた魔法少女であり、かりんの中学校の先輩でもある。 彼女は芸術思考の高い人間であり、良く言えば唯我独尊、悪く言えば自己中心的。傍から見れば、作品こそ素晴らしいものの、人格面に問題ありの狂人と烙印を押されることだろう。 けれどかりんは知っている。彼女が落書きと吐き捨てる絵を持ち込まれても、厳しい意見と共に納得も出来る評論を下してくれることを。 何度持ち込まれても、ただ見もせずに突っぱねることだけはあまりしなかったこと。 そして、なにより『怪盗少女マジカルきりん』を読み命の尊さを知ってくれていることを。 そう。誰に何を言われようとも、かりんにとってのアリナ・グレイは揺るがない。 例え世界がアリナを侮蔑の目で見ても、かりんはアリナを信じ続けるだろう。 絶対にアリナを死なせない―――かりんはこの殺し合いにおいてようやく前を向けるようになった。 一方の炭治郎もまた、かりんと出会えて幸運だと感じていた。 彼は全てに怒っていた。普段の彼らしくもなく、一目で怒っているとわかるほどに怒りの形相を浮かべていた。 こんな催しを開いた神子柴に。この会場に漂う血と怨念の匂いに。あの時、なにもできなかった自分に。 あのセレモニーで、どこかで見たことのある気がする鬼殺隊の青年が死んだ。 彼は無残にも首輪で爆死させられたが、しかし蘇生された後も勇敢に斬りかかってみせた。 その刃こそ届かなかったものの、死してなおこの殺し合いを止めたいという想いがあったのだろう。 宇髄と丸メガネの男もそうだ。 鬼殺隊の青年より遅れての到着ではあったが、彼らも己の命すら厭わず殺し合いを止めようとしていた。 それなのに自分はなんだ。 状況の把握で行動が遅れ、神子柴が隙を見せてようやく動くことができた。 判断が遅い。もしも自分も真っ先に檀上に上がれていたら、宇髄達よりも先に攻撃出来ていたら、彼らが神子柴を討ち、こんな催しも始まらずに済んだかもしれない。 ここに至るまでの全てが許せず、思考も冷静で無くなっていた。 そんな折に鼻孔をついたのが、建物の隅から漂ってきたかりんの恐怖の匂いだった。 炭治郎は鼻が利く。匂いを嗅げれば、その人がどういう感情なのかがある程度わかる。 その恐怖の匂いを嗅いだ時、一般市民までも巻き込んだのかと炭治郎の怒りは更に高まったが、一方でなんとしても守らねばとも思った。 それから一拍置き、『でもこんなに怒った人がいたらもっと怖がらせるんじゃないか』と彼の中の理性が働き、まずは自分が落ち着くように呼吸を整え、頭を冷やしてから彼女に接触することができた。 その甲斐もあり、こうしてかりんと和やかに接する時間が作れたのだった。 (かりんのお陰で名簿を確認できる余裕ができてよかった。ここにいるのは宇髄さんだけじゃない。善逸に伊之助、玄弥に時透君もいる。それに...鬼も) この会場には鬼殺隊の面々が自分以外にも呼ばれている。 善逸はきっと寂しがっているだろうな、伊之助は無暗に強さを見せびらかしていないといいけれどと心配はするものの、誰も殺し合いには賛同していないのは確信していた。 一刻も早く合流し、共に剣を並べたいと思う。 そして、鬼舞辻無惨率いる『鬼』。 彼らの討伐は鬼殺隊の悲願であり存在理由だ。 例え己の五体が砕けようとも鬼を斬り悲しみの連鎖を断ち切る。それが、数多の隊士の共通の想いだ。 恐らく鬼たちはこの殺し合いでも人を殺すだろう。必ず倒さねばならない。 ある程度の方針が定まった二人は、荷物を纏め立ち上がり、歩き出す。 不安にならないように声を掛け合いつつ、しかし目立たぬように声を潜めつつ。 そんな折だった。 「―――っ!」 炭治郎の鼻をつく、強烈な異臭。 近づいてくる。 何者だ。 いや、覚えがある。 今まで嗅いできた、血と臓物の臭い。 これは (―――鬼) 「貴様らもこの宴の贄か」 現れたのは、炭治郎の知る鬼、鬼舞辻無惨はおろか、妓夫太郎でも猗窩座でもなく。 しかし、彼らと遜色ない気配を放つ巨漢だった。 炭治郎は咄嗟に刀を構え、かりんを己の背に隠す。 「小僧。貴様は中々の手練れのようだな。そこの小娘とは面構えが違う」 男は炭治郎を見下ろし、愉悦に顔を歪める。 「ひとつ手合わせを願おうか。我が名はゾッド。不死者(ノスフェラトゥ)の通り名で呼ばれている」 男と視線が交差した瞬間、炭治郎は理解した。この男に、言葉は通用しないと。 「俺は鬼殺隊の一人、竈門炭治郎。...かりん。離れるんだ。俺がこいつを食い止めているうちに」 炭治郎は匂いで感じ取っていた。 この男は強い。少なくとも自分の知る柱の面々に匹敵し得るほどに。 戦えば、間違いなく自分はただでは済まないだろう。なんとしてもかりんだけでも逃がさねばならない。 「見くびるな小僧」 だがしかし、返答は今までの大人しめなものではなく。 今までとはうってちがい、強い語気だった。 「我はハロウィンが生んだ魔法少女、マジカルかりん。弱者の為に戦うのは我の役目!下がるのは貴様なのだ小僧!」 「駄目だかりん!その男は―――」 ずい、と前へと進み出たかりんに炭治郎は呼び止めようとするも憚られる。 変わっていた。かりんの姿は、いつの間にか摩訶不思議な衣装に包まれていたのだ。 (えっ?) 困惑する炭治郎を他所にゾッドはかりんへと目を向ける。 「その衣装...貴様、魔女か」 「魔女ではない。魔法少女だ!怪盗だがな」 「前線に出てくるのなら女子供といえど容赦はせんぞ」 「貴様こそ我が魔鎌、ジャックデスサイズの錆にしてやろう。それが嫌ならお菓子を渡して立ち去るがいい」 「よくぞ吼えた。ならばこれ以上の言葉は無粋!いざ、尋常に!」 ゾッドが駆け出し、炭治郎とかりんは覚悟を決める。 (恐いの...でも、私だって魔法少女なの。炭治郎を見捨てることなんてできないの!) (かりんは強がっているだけだ!けど彼女を逃がしている暇はない!俺がどうにか彼女を助けつつ、ゾッドを倒す!) ゾッドの刀と炭治郎の刀が交差し、戦いは始まった。 ☆ 響き渡る金属音。 それは一度で終わらず、ゾッドが剣を振るう度に鳴り響き、早さを増していく剣劇はまるで小さな竜巻かの如く余波を広げていく。 「わわわっ」 その余波に押され、後退をよぎなくされるかりん。 一方の炭治郎は、ただひたすらにゾッドの剣風を捌きどうにか耐えていた。 やがて始まる鍔迫り合い。 技術のみならず、純粋な力も大きく左右するこの状況に、ゾッドはホゥ、と小さく感嘆の声を漏らし、炭治郎は汗を流しながら歯を食いしばる。 「やはり貴様は筋がいい。我が剣をよくぞここまで受けられたものだ」 (くあああああ!重い!手が震えて仕方ない!俺は守りに専念してやっとなのに相手はまだ余裕だ!それにこの男の刀は...!) 炭治郎の目に映る刀身は燃え滾るように赤く、『悪鬼滅殺』の四文字が刻まれていた。 間違いない。ゾッドの持つ刀は鬼殺隊の炎柱、煉獄杏寿郎の日輪刀だ。 とはいえ、炭治郎の刀とてただの刀ではない。 純粋な日本刀―――しかし、ただの日本刀ではあらず。 人の身でありながら、数体の悪魔族(デーモン)と戦い、その身と引き換えに討ち果たし、見事守るべき者を守った教職員、大柴ソウスケの刀である。 持ち主の五体砕けようとも原型を留め続けたその刀、間違いなく日輪刀に勝るとも劣らない業物であろう。 刀の差はない。あるのは使い手だ。 剣術とは腕力がすべてではない。しかし、片手でも余裕があるのと両手で受けるのがやっとでは、確実に前者が有利である。 それも、炭治郎のように達人の手解きを受けてはいなくとも、数多の戦場で培ってきた技術があるのなら猶更だ。 (考えろ!考えろ!俺がこの男に勝つには―――!) 「むぅん!」 ゾッドの筋肉に筋が走り、さらに力は籠められる。 (まずい、押される!このままじゃ―――) 「もらった!」 ゾッドの背後にまわったかりんが、跳躍し斬りかかる。 その速度こそ炭治郎とゾッドには及ばずとも、充分に人を超えている。 「ムゥン!」 ゾッドは剣から片手を放し、かりんへと裏拳を放つ。 跳躍しているため、後退することもできず、鎌でゾッドの拳を受けたかりんは、そのまま後方へと飛ばされ壁に衝突した。 「かりん!」 「大丈夫なの!」 すぐに返された返事に焦燥は消え、この隙に反撃の準備へと入る。 ス ウ ウ ゥ ゥ ゥ 炭治郎の呼吸が変わる。 呼吸。この動作が、鬼殺の剣士の『型』の根幹を為す。 (この状況から出せる型はこれしかない!) 刀の角度を逸らし、ゾッドの剣をわずかに滑らせ、身体を捩じることで僅かな空間を作る。 そこから放たれるは ―――水の呼吸、陸ノ型 ねじれ渦 渦巻のような太刀筋をゾッドは剣を逆手に持ち返ることで難なく受け止める。 (まだ終わるな!止められるのはわかっていたんだ!) ―――水の呼吸、弐ノ型 水車 刀を打ち付けた反動で浮かび上がり、宙返りからの回転斬り。それも防がれる。 ―――水の呼吸、漆ノ型 雫波紋突き! 着地し、間もなく繰り出される、炭治郎の持つ型の中で最速の突き。尚も防がれる。 (何度防がれても構わない。何度も同じ個所に衝撃を与え続ければいつかは折れるんだ) 己より格上の相手にも武器破壊は有効である。剣士である以上、剣が無ければ殺傷力はどうしても落ちるからだ。 (折る。このまま攻め続けて) 『俺は俺の責務を全うする!!』 炭治郎の脳裏に不意に過った煉獄の影。 もしも彼がこの場にいれば、自分に構うことなく折れと断じるだろう。 だが、刀は持ち主の信念が込められたものだ。炭治郎の目に焼き付いたあの大きな背中に、信念に刃を振るうこと自体に一瞬だけ微かな拒否感を抱いてしまう。 そう。瞬きにも満たぬ一瞬だ。けれど、その一瞬が勝負の明暗を分けてしまう。 「―――ヒノカミ神楽」 「ヌゥン!」 ゾッドが身を捩じり、刀身の角度を変え炭治郎の突きを逸らす。 先の炭治郎と似たような受け流しだが、しかしゾッドは余力を充分に残していたのに対し、炭治郎は全力の突き。 それが逸らされれば嫌が応にも態勢は大きく崩れてしまう。 がら空きになった炭治郎の胴体目掛けて、ゾッドは刀を振り下ろした。 ―――トリックアンドトリート 炭治郎の身体を切断するはずだった刀は、音もなく消え去った。 「ぬっ」 「ははははは!貰ったのだ!」 高笑いを上げるかりんの手には、ゾッドが握っていた筈の日輪刀があった。 魔法少女には個々の固有魔法がある。 魔法少女・御園かりんの固有魔法は窃盗。対象の意識さえ逸れていれば、大抵のものを盗めるのである。 (と...盗れたの...私、やれたの!) 「すごい...凄いぞかりん!」 「フハハハハハ!マジカルかりんに盗めないものなどないのだ!!」 魔法のことを知らない炭治郎は純粋に驚愕と称賛を抱き、それを受けたかりんはエヘンと胸を張る。 「さあ、ぼさぼさ筋肉お化けよ。もはや貴様に戦う術はない。大人しく我らに従うのだ」 高揚した気持ちのまま、かりんはゾッドに降伏を迫った。 「...なるほど。個々で劣ろうとも、貴様ら二人が合わされば、俺より剣士としては一枚上手というわけか」 淡々と、悔しさなど微塵も見せぬほど平静にゾッドは一人言ちる。 「然らば貴様らであれば我が渇きを埋めることが出来るのか...試させてもらう」 ―――ゾワリ 炭治郎とかりんの全身に怖気が走り産毛という産毛が瞬く間に逆立つ。 彼らは感じ取っていた。 ゾッドから放たれる気配が今までとはまるで別物になっていくことに。 かりんは魔女の、炭治郎は上弦の鬼と相対した際の感覚を覚える。 メキメキとゾッドの身体が変化していく。 ただでさえ巨体だった身体が二回り以上大きくなり、全身が黒く硬い毛に覆われていく。 人間の様相を象っていた顔からは1対の巨大な角と牙が生え、臀部からは巨大な尻尾が生えていく。 その姿は、まさに悪魔。見る者全てに抱かせる感情は、恐怖。 「さあ...ここからが真の戦いだ。俺を失望させてくれるな」 ☆ メキメキと身体が軋む音がする。 振るわれた剛腕は獲物を捉え、勢いよく吹き飛ばしていく。 「炭治郎!」 吹き飛ばされた炭治郎に駆け寄る間もなく、ゾッドの巨腕がかりんへと振るわれる。 「わわっ」 咄嗟に回避するも追撃は止まらない。 休む間もなく振るわれる腕は、徐々にかりんを死へと近づけていく。 (このままじゃ駄目なの。どうにか反撃を...!) 痺れを切らしたかのように、ゾッドの両腕がかりんを挟み込むように振り下ろされる。 好機。 かりんは跳躍し、ゾッドの頭上を飛び越した。 (これなら振り返る前に間に合うの) 「キャンディーデススコ」 放とうとした魔法は、しかし腹部を襲う衝撃に中断される。 尻尾だ。ゾッドの鞭のように長くしなる尻尾がかりんの腹部を叩いたのだ。 かりんの身体は地面を跳ね、態勢を整える隙すら与えられず、ゾッドの殴打がかりんを襲った。 吹き飛ばされるかりんはそのまま立ち上がろうとしていた炭治郎へと衝突し、互いの骨を軋ませる。 「どうした。これまでか?これで終わりなのか貴様らは」 足音を響かせながら歩み寄るゾッドに、炭治郎はふらふらと身体をよろめかせながらも立ち上がる。 チラ、とかりんへと目をやれば、魔女っ子染みた衣装は元の服装に戻り、頭部と口端から血を流しくるくると目を回していた。 これ以上彼女を戦わせれば命に関わってくるだろう。 退くわけにはいかない。炭治郎は、刀を強く握りしめゾッドを見据えた。 「そうだ。それでいい。俺を退屈させてくれるな」 ニイィと口角を歪め、ゾッドは嗤う。 その笑みに、炭治郎の腹部が煮えるように熱くなっていく。 「退屈...?お前はなにを言っているんだ」 この閉鎖空間で強制された殺し合いに怯え、己の命を守る為に神子柴の言葉に従うのならばまだわかる。 だが、この男は『退屈』などと宣った。炭治郎にはそれが理解できなかった。 「戦いこそが我が愉悦。強者の血こそが俺の渇きを埋めるのだ。容易く散る命であるならば、せめて微かにでも俺の渇きを埋めてみせよ」 放たれた言葉は私欲そのものだった。 一方的で、横暴極まりない我欲。 炭治郎の腹部に留まっていた感情は、一気に脳天にまで噴出した。 「命はお前の玩具じゃない。失われれば二度と戻らないんだ。ゾッド、俺は命を踏みつけにするお前を絶対に許さない!!」 響く怒声に、しかしゾッドは微塵も怯まない。 愉悦の笑みも止まらない。 「グハハハハハ!俺を許さない?ならば貴様は何ができる!?」 「お前に誰も奪わせない!罪なき命がお前の欲に踏みつけられる前に、俺がお前の首を斬る!!」 「ならばこれ以上の問答は不要。俺の屍を踏み越えてみせよ!」 ゾッドの口上が終わると同時に、弾けるように炭治郎が駆け出す。 ス ウ ウ ウ ゥ ゥ ゥ 炭治郎の呼吸が変わる。 放たれるは、水の呼吸ではなく、もう一つの呼吸。 持久力と引き換えに破壊力を手に入れた、父から授かった呼吸法から放たれるは、攻撃の威力を一点に集中させる突き技。 ―――ヒノカミ神楽 陽華突 高速で迫る炭治郎の突きに、ゾッドは両腕を盾のように構えることで迎え撃つ。 剣が、ゾッドの右腕に突き刺さった。 (このまま型を切り替えろ!腕を斬るんだ!) 「ヒノカミ神楽―――」 炎舞。放たれる筈だったそれは、しかし剣が動かず。 ゾッドの筋肉は、貫かれてなお衰えず、炭治郎の剣を挟み込んでしまったのだ。 「この俺に守りの型を取らせるとは...貴様の命、渇きを埋めるに値する!」 ゾッドは空いた左腕で、炭治郎の腹部を狙う。 躱しきれない。炭治郎は己の死を覚悟する。 ドスリ、と鈍い音が響き炭治郎の腹部が赤く染まる。 が、しかし 「......!?」 ゾッドの手に、肉を割く感触は感じられなかった。当たったはずなのに、なぜ。 ドサリ、となにかが落ちた音がその答えを彼に伝えた。 落ちたのは、ゾッドの毛深く太い左腕だった。 ゾッドの腕の切断面から遅れて血が流れ、それを押し付けられた炭治郎は蹲り大きく息を吐く。 (いつの間に斬られた...?この小僧ではなく、あの小娘でもない。ならばこれは...) ゾッドの視界の端で、バサリ、と白の外套がたなびいた。 (乱入者か。俺の意識外からとはいえ、斬られた感触すら与えんとはな) ふらふらと立ち上がり、事態を遠目に見ていたかりんはぽつりと呟いた。 「ヒーロー...なの」 ☆ 堂島正はヒーローに憧れていた。 子供の頃にテレビで見た、世のため人の為に戦うかっこいいヒーローに。 それに一番近いのは医者だと思っていた。 どんな人間の命も救う。そんな正義の象徴のような人間がいるだけで、きっと世の中は良くなると信じていた。 けれど、事はそんな単純ではなかった。 医者とは命を扱う仕事である。当然ながら、手術のひとつとっても全てが成功するとは限らない。 難病の治療に成功したところで、同じ治療法で全ての人が救えるわけではない。 99%成功する手術でも、予期せぬ出来事で残りの1%を引き当ててしまうこともある。 あと数秒早く手術を始められれば助かったというケースもある。 結局のところ、人が一生のうちに救える人間の数など数えられる程度だ。 だから、救える時があれば救えない時もあると割り切るしかなかった。 とある少年が抱えていた、手術の成功率が5割の病気を治した時だって、特別嬉しく思えなかった。 その少年、佐神善との出会いが、堂島の価値観を少しだけ変えた。 最初は彼に対してもなにも感じていなかった。 退院してからも、病弱の幼馴染、糸葱(あさつき)シスカに会いに病院に通っていたのを見かけた時だって、時期に来なくなると思っていた。 けれど、彼は何度も足を運んでいた。毎週必ず、雨の日でも雪の日でも。小学生から中学生に、高校生になってもずっとお見舞いに足を運び続けた。 そんな彼に次第に興味を持った。 どうしてそこまで気を配ってやれるのか、食事でもしながら話を聞いてみたかった。 聞けば、大層な理由もなかった。『シスカに元気になってほしい』。ただそんな優しさだけで彼女のもとへ足を運んでいたと分かった時、堂島は嬉しくなった。 優しさに溢れた命を救うことが出来たんだという、医者の喜びに改めて向き合えた。 シスカに対してもそうだ。 彼女の病気は何度手術をしても治らなかった。堂島自身、先も長くないとどこか諦めていた。今でも完治する確率は低いと見立てている。 けれど、確信していた。 善の優しさがシスカの支えとなっており、ある晴れの日に彼らが手を繋いで退院してくれることを。 割り切っていたはずの感情が、再び蘇ってきた。 彼のような優しい命を救いたい。その優しさで傍の人を救ってほしい。そんな者がいれば、きっと世の中は綺麗になるんだと。 それが医者である自分の本来の願いだったのだと。 その一方でこうも思う。 彼らと真逆の、その一人がいることで何人もの命を害する者がいる。 そんな者達がいなくなれば、どれだけの命が救われるだろうと。 医者である以上、そういった者たちが運び込まれてくれば手術もするが、これから悪党に奪われる命を見捨てていいものか。 否。 悪という病巣は野放しにできない。 一人で全てを狩りつくすのは無理だとしても、恐怖を植え付けることで抑制することはできる。 だから、堂島は偶然手に入れた吸血鬼(ヴァンパイア)の力を使い、悪人を切り殺してきた。 悪に奪われるであろう命を穢させないために。悪事を働けば殺されるという恐怖を病巣共に植え付けるために。 『医者』という正義と『悪党狩り』という恐怖。その二つを象徴する存在であり続けることこそが、彼の望む『ヒーロー』の在り方だった。 そしてそれは殺し合いに巻き込まれても変わらない。 老婆の語った報酬、死者の蘇生には微かに心が傾いた。愛する家族を取り戻せるんじゃないかと。 けれど、そんなものはまやかしだ。所詮は老婆の掌の人形でしかない。 だから堂島の方針は変わらなかった。『悪を斬る』。当然、その悪にはあの老婆も入っている。 名簿には知った名が幾つかあった。 ドミノ・サザーランド。狩野京児。加納クレタ。芭藤哲也。そして―――佐神善。 クレタと芭藤は確かに死んだはずだが、この殺し合いの為にわざわざ蘇らせたのだろうか。なんにせよ、彼らは間違いなく人々に危害を加える。斬り捨てておくべきだ。 ドミノと狩野京児は燃然党の中では残忍残酷と評判が悪いが、民間人には被害を及ぼしたという話は聞かない。あの老婆を討つ為に手を組むことも考えよう。 再三警告しても善を戦いに巻き込む以上、一時休戦、以上の関係は作ろうとは思わないが。 そして善。彼は死なせない。必ず生かして返してみせる。 方針を定めた堂島の耳に、ほどなくして戦闘音が届く。 彼はすぐに吸血鬼の姿に変身し、急いで現場へと足を進めた。 もしも善がそこにいれば必ず戦っているだろう。死なせる訳にはいかない。 やがてたどり着いた先に見たのは、巨大な怪物に刀を構え対峙する少年。その背には傷ついた少女が倒れている。 「命はお前の玩具じゃない。失われれば二度と戻らないんだ。ゾッド、俺は命を踏みつけにするお前を絶対に許さない!!」 声が聞こえた。怪物に臆することなく響く、少年の声が。 「お前に誰も奪わせない!罪なき命がお前の欲に踏みつけられる前に、俺がお前の首を斬る!!」 遠目に見ていてもわかる。少年と怪物には如何ともし難い実力差がある。 あのまま戦い続ければ、確実に少年は死ぬ。 けれど、彼は立ち向かうのだろう。 剣を振るうことで救える命があるのなら、彼はその身を傷つけても戦うのだろう。 彼のように―――佐神善のように。 「...ハッハッハッ」 思わず笑いがこぼれる。 果たして生涯のうちに、あそこまで他人の為に身体を張れる人間に何人が出会えるだろう。 自分は幸運だ。善のような少年に二人も出会えたのだから。 「だったら、死なせる訳にはいかないな」 堂島は駆け出した。己の正義を貫く為に。『善』を摘む悪を罰する為に。 そして彼は―――怪物の左腕を斬り落とした。 ☆ 「素晴らしい剣技だ。俺の腕をこうも容易く断つとはな」 ゾッドは斬り落とされた左腕を拾い、切断面同士を合わせた。 すると、たちまち皮膚と筋繊維が修復され、左腕はあるべき場所へと戻った。 (ドミノと同レベルの再生能力か...吸血鬼ではないようだが) 堂島自身、吸血鬼という異端だが、ゾッドから発せられる禍々しい気配は今までに感じた類のモノではなかった。 ならば一体これは... (なんにせよ、思ったよりも手強そうだ) 「ありがとうございました。俺は竈門炭治郎と言います」 突然の異形の来訪者に面食らった炭治郎だが、ひとまずは助けてくれた礼を言おうと頭を下げた。 「あの、あなたはいったい...?」 困惑する炭治郎の問いに、堂島は仮面の奥で笑顔と共に返した。 「ヒーローさ」 【F-6/1日目・深夜】 【ゾッド@ベルセルク】 [状態]健康 [装備]なし [道具]基本支給品、ランダム支給品0~2、右腕に刺さった大柴ソウスケの日本刀@デビルマンG(炭治郎の支給品) [行動方針] 基本方針:本能の赴くままに戦う 1:乱入者(堂島)と戦う ※参戦時期は15巻くらいからです 【堂島正@血と灰の女王】 [状態]健康 [装備]なし [道具]基本支給品、ランダム支給品1~3 [行動方針] 基本方針:悪を滅ぼし正義を生かす。 1:炭治郎たちを救う。 2:善を生還させる。ドミノと狩野とは積極的に争うつもりはない。 ※参戦時期はドミノと内通の契約を結んだ辺りです。 【御園かりん@魔法少女まどか☆マギカシリーズ】 [状態]頭部出血(中)、全身にダメージ、気絶寸前、疲労(大)、煉獄杏寿郎の日輪刀@鬼滅の刃(ゾッドの支給品) [装備]なし [道具]基本支給品、ランダム支給品1~3 [行動方針] 基本方針:ゲームから脱出する。 0:アリナ先輩を探すの。七海やちよも恐いけど探すの... 1:炭治郎と行動するの。 2:ぼさぼさ筋肉おばけ(ゾッド)、恐いの... 3:ヒーローが現れたの...! ※参戦時期はアリナがマギウスに所属しているのを知る前からです 【竈門炭治郎@鬼滅の刃】 [状態]出血(中)、全身にダメージ、打撲(中)、疲労困憊 [装備]なし [道具]基本支給品、ランダム支給品0~2 [行動方針] 基本方針:殺し合いを止める。 0:ゾッドに怒り。被害が出る前に倒す。 1:善逸、伊之助、玄弥、時透、天元との合流。 2:かりんと行動し知人を探す。 3:鬼舞辻無惨を斬る。鬼を斬る。 ※参戦時期は柱稽古の辺りからです ※鼻が利く範囲が狭まっています。 Next [[]] Previous コイントス 前話 名前 次話 START ゾッド [[]] OP 堂島正 [[]] START 御園かりん [[]] OP 竈門炭治郎 [[]]
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フリーメイソン ■ フランスはメーソン・ユダヤ覇権と戦う(その1) 「ROCKWAY EXPRESS(2013.10.18)」より / ユダヤの問題では、2012年4月3日号「ユダヤの陰謀:正気の最後の瞬間」に明らかにされている通りだが、以下の記事でも同じユダヤ人のデイビッド・マサダがユダヤとフリーメーソンの問題を指摘している。 フリーメーソンは秘密結社と言われながら、半ば公然とした存在になっているし、だから怪しい組織ではない、という考え方をする人間もいるが、間違いなく霊的パワーを背後に持つ、反道徳的・反倫理的組織である。聖書でいう、「この世の神」が仕切る組織と言えよう。 この組織とユダヤ人とが密接に繋がって、現代世界を牛耳っている現実がある。フランス革命の背後にこのフリーメーソンが暗躍したし、アメリカ独立戦争以来アメリカを仕切ってきたのもこのフリーメーソンである。 これらの勢力にどう対処するか、というのが人類の最大の課題なのだ。キリストが真の道徳と真の愛を世界にもたらしたとすれば、フリーメーソンは反キリストの立場にある。だから彼らの志向するものは、反道徳的であり反倫理的であり、愛他主義ではなく利己主義であり、神的ではなく悪魔的である。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ●フランスはメーソン・ユダヤ覇権と戦う (その1) http //henrymakow.com/2013/10/frances-front-national-fights.html 【10月17日 by David Masada】 フランスはフリーメーソンと組織だてられたユダヤ人によって支配されている。一方は他方に奉仕するようになっている。フランス市民の意思、投票、歴史の存続、彼らの遺産、彼らの文化と祖先の宗教(カトリック)などはこの者たちには問題とならない。 彼らの狙いはあらゆるものの根源、あらゆる記憶、あらゆる過去に繋がるリンク、あらゆる宗教的意義の痕跡を、そして何にもましてフランス人の心に残る愛国心の切れ端を破壊することである。 だからこそ彼らはフランスの歴史の暗い面ばかりを常に強調するのであり、フランスの人々にユダヤ人とホロコーストの前に膝をまげて卑屈に追従するよう要請するのだ。 組織だてられたユダヤ人の狙いは、慈悲深く公平な権力を人類の福利にそしてその一般的福祉に役立てようというものではない。その狙いは神の代わりに自分たちが崇拝されるようにすることにある。 何世紀もフランスはキリスト教の砦であったし、ユダヤ人のグローバリストのアジェンダの前に立ちはだかるものであった。彼らは彼らの支配に挑戦するかもしれない、いかなる国家も残ることを願っていない。 組織だてられたユダヤ人の権力に対する渇望、金に対する貪欲さ、道徳と宗教的理想に対する無知などが全て、我々の現在の文化的死と破滅の背後にあるのだ。 ■進歩と変化 フランスでは、「進歩」と「社会的変化」の呼びかけの背後に、ユダヤ人が常にいることを知るだろう。 死刑の除去はユダヤ人弁護士のロベール・バダンテールによって始められた。堕胎法はユダヤ人のシモーヌ・ヴェイユによって導入された。「反人種差別」グループは全てユダヤ人が起こした(SOS人種差別はユダヤ人のジュリアン・ドライとハーレム・デジールによって創設された;それ以来会長は現在のサンディ・レオニに至るまでずっとユダヤ人である) すべての国に彼らは定着しているように、フランスのユダヤ人もその国の人々に圧力を掛け、彼らのルシファー(堕天使)的アジェンダに対する正当な抵抗をできなくさせるために多くの組織を作ってきた。 自主的存在としてのフランス人の存続は彼らにとっては問題とならない。それは彼らはただ自分たちをそれらの一部とは見做さないからだ。彼らの唯一の忠誠は彼らの部族的存在であるフリーメーソンに向かい、いくらかはイスラエルに向かうが、フランスやフランス人にではない。 ■ユダヤ・メーソン・コントロール このゆえに、彼らは国民戦線とその創設者のジャン・マリ・ル・ペンをナンバー1の敵としたのだ。ル・ペンはユダヤ権力の前に頭を下げることを拒否した。だから、彼はこのあらゆるものを左右する、そしてフランスとフランス人の運命をその手に握っている、丁度彼らがアメリカ人の運命を左右するようなオカルト・パワーと直面せざるを得なかったのだ。 歴史は手におえない;だから、彼らは若い世代に事実を教えない。(ユダヤ人フリーメーソン教育大臣のペロンはルイ14世、ナポレオン、フランソワ1世を昨年教科書から削除した・・・) 事態を明確にしておく。我々は当然のことだが個人について語っているのではない。我々はユダヤの金権とそのすべての代理的存在、主にフリーメーソン(ブナイ・ブリス、ビルダーバーグ、スカル・アンド・ボーンズ、CFR、三極委員会等)について語っているのだ。我々は今やその決着をつける時点に迫っている何世紀にも及ぶ破壊転覆のアジェンダについて語っているのだ。 イスラエルの外で、最も重要なユダヤ人人口の国はフランスとアメリカ合衆国である。これだけでも最近のフランス政府によって実施された戦争政策を説明することができる。 現在のフランス大統領はマラノ・クリプト・ユダヤ人のオランドである。 現在の外務大臣はユダヤ人のファビウスである。 現在の教育大臣はユダヤ人のペヨンである。 現在の財務大臣はユダヤ人のモスコビシである。 明らかに彼らは全て、フリーメーソンである・・・ 同じリストをメディア関連、大学、等々の人々について記すことができる。フランス人はこれらの事についてどんどん理解を深めている。しかし彼らはユダヤ人が、とりわけ経済の殆どの分野(特にメディア、文化、勿論銀行関連)で最高の地位についているのに、なぜそれほど彼らに対して邪悪になれるのか、理解することができないでいる。彼らユダヤ人は平均的フランス市民よりずっと高い地位を享受している。しかし彼らにとってそれはまだ充分ではないのだ。 ジャン・マリ・ル・ペンはブナイ・ブリスの高位メンバーによって、彼らの「思考コントロール」が失敗し、2002年に彼が選出されることを阻止することに失敗するのではと恐れていた、と告げられた;そして、何年も、国民戦線は組織だてられたユダヤ人の主要な懸念対象であった。それがメディアが国民戦線とその党首に対する中傷キャンペーンの背後の理由である。 フロン・レピュブリケン(共和戦線)はブナイ・ブリス(ユダヤ人だけのメーソン)の集会の時に別の反対党(社会党と国民運動連合【UMP】) によって設置されたものである。各党の間には、選挙の時に国民戦線に対する時にはいつでも投票を一致させるという合意事項がある(フランスではあらゆる部門における権力を維持するために市民の投票を迂回するというのが民主的倫理なのだ)。 これが社会党と左翼連中が選挙をモノにするやり方である。 ・・・・その2に続く ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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全白色テロルと戦へ(山本宣治氏の刺殺事件について) 山崎今朝彌 目には目、歯には歯、反動には反動 思想には思想力には力、白には白、黒には黒なら、テロに対する対策は自ら明瞭であります。但し其手段方法に付てはどうせ今茲に述べる事は出来ません。 私は解放四月号『山宣、××殉難追悼号』に可成詳しく氏等の殉難に就てコレから書くつもりでありますが結論は大体左記以上であらうと思ひます。要するに反動の反動です。 三月十五日の労働者農民葬を××の同葬上合併して世界的大々的にやること。 何んでもかんでも今後は総て反動的に左傾すること。 全て闘争の先頭に立つ者は若い者、労働者、体格のよい者、力の強い者、武器武術の達者の者、全く無茶の者、喧嘩の強い者、生命の不用の者でなくてはならぬ。其他は何も要せず。 此機を外さず水谷君一派の労農大衆党、労農一派の無産大衆党即ち片山君の所謂日本降参党の諸君は直ちに労農同盟に復帰して彼等に対して断乎たる決意を示す事。 日本大衆党は直ちに社会民衆党と合同し取敢ず分相応に労農同盟と復讐に関し攻守同盟を結ぶ事。 其他数有体略す。 <以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。> <旧仮名遣いはそのままとし、旧漢字は適宜新漢字に直した。> <底本は、『布施辰治著作集第14巻』(ゆまに書房、2008年)、底本の親本は『法律戦線』(生活運動社)8巻4号39頁(昭和4年(1929年)4月1日発行)>
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不幸だ (実 清太ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! 2人っきりだぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!! (清太 うるさい、黙れ、話しかけるな (実 そんなクールな清太も好きだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! 不幸すぎて笑うこともできない 笑い方も忘れてしまいそうだ 見ての通り、この俺、水無月 清太は、幼馴染の皮を被ったストーカーに絶賛付き纏われ中だ (清太 クールもクソもあるかっ!? ついてくるなっつぅのに! 地味にクラスで妙な噂立ってんだぞ!? (実 今更恥ずかしくもないだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?? (清太 てかお前ホントにうるさいぞ! 鼓膜が破れたらどうする!? (実 “俺の声で鼓膜は破れない”から大丈夫だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! (清太 くっそ、こいつ能力使いやがった! あぁ帰りたい、というか逃げ出したい 骨折ギリギリまで腕を締めあげられていなければ全力で逃げてるのに (実 ところで清太ぁ!! 子供にはどんな名前をつけたいんだ!? (清太 ハァ!? 何勝手にそこまで発展させてんだ!? そもそも結婚する予定もねぇし! (実 俺はお前の許嫁だろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! (清太 聞いてねぇわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? (実 既に清太の姉上様は勿論、父上様や母上様にも了承を――――――― 軽くとんでもない事を言った直後、実の足が突然止まった と同時に、俺の腕もようやく解放された とりあえず3、4歩離れるが、彼女が見ているのは俺ではなく、今歩いてきた道、つまり背後だった (清太 どした? (実 ・・・清太ぁ! ここでちょっと待っていてくれ!! それだけ言い残して、実は今来た道を全速力で走っていった (清太 いや何で待たなきゃなんないの!? 冗談じゃない やっと解放されたんだ、逃げるなら今の内だ 俺はそのまま、我が家へ向かって歩き出した 僅か3歩 それだけ歩いて、俺は止まった (清太 ・・・あぁもう! 何でこんな時に限ってあいつが心配になるんだよ! 訳が分からないまま、俺は実の後を追った (セキエ ホゥ、ドウシタ清太? 血ノ繋ガッテイナイ女子ノ尻ヲ追イ回スナド珍シイ 汝トモ在ロウ者ガ浮気カ? (清太 ちょっと黙ってろよ!? 吠えながら走るのは体力使うんだからな!? しっかし実の奴、何て足の速さだ! ちょっとしか目を話してないのにもう姿が見えない! (清太 セキエの、能力じゃ・・・邪気が篭って、ねぇと、感じ取れない、からなぁ・・・! だから、がむしゃらに走るしかない とは言っても道は単純だし、走っていれば追いつくだろう そう思いながら進んでいると、 (清太 なっ、分かれ道!? 右か、左か、それが問題だ って俺はハムレットか!? (セキエ 清太、右ダ (清太 その根拠は! (セキエ 勘 (清太 外れたら招致しないからな! セキエの指示に従い、俺は右方向に身体を向け、姿勢を保ちながらドリフトを決めた 身体が止まったと同時に、俺は右足を前に運んで追跡を再開した――― 「ばぁぁぁぁぁくねつ!! ゴォッドゥ!! フィンガァァァァァァァァァァァァァ!!!」 「甘いわァ! 『大噴火』ァ!!!」 燃える掌と滾る溶岩が相殺する どうやら見つけたらしい、目的の人物を 超厄介なおまけまでついてるけど (セキエ ム、清太、アノ娘ハ・・・ (清太 あの人も契約者だったのか・・・火音姉ちゃん 空出 火音(ソラデ カノン) 実の姉ちゃんで、凄く怖いことで有名 何が怖いって、妹である筈の実と廊下で擦れ違う度に大喧嘩を始める 2人とも声を揃えて『修行だ』と言ってるけど、教室を半壊させる修行って何なんだ あと、実と違って広島弁で喋る どうやらあいつの両親は広島出身で、姉ちゃんは広島生まれだけど、 実はこっちに来てから生まれたようで、その所為で標準語寄りらしい (実 石破天驚!! ゴォォォォッド!! フィンガァァァァァァァァァァ!!! (火音 『流星火山』!!! そんなことはどうだっていい 俺は掌に冷気を集中させると、その冷気の弾を2人の間に放り投げた 2人の攻撃を、大きな氷の塊が受け止めた 飛んできた方向を一瞬で見抜いて、実と火音姉ちゃんがこちらを睨んできた (実 清太ぁ! どうして俺達の邪魔をするんだぁ!? (火音 誰かと思ォたら貴様か小僧ォ!! ワシの妹を誑かしよってからにィ!! (清太 火音姉ちゃんそれ誤解だっ!? あと、ここで邪魔しなかったらここら辺全部焼け野原になるだろ!? (火音 それがワシに何の関係があるんじゃァ!? この人外魔境にのうのうと住みよるバカ者共が悪いんじゃろォがァ!! (清太 あんたその酷い性格いい加減直せよ!? 全く、自己中心過ぎるったらありゃしない でも溶岩が飛び出すって、どんな都市伝説なんだ? ところでさっきから置いてけ堀を食らってる姉ちゃんが2人も・・・ (清太 あれ? 見覚えのある2人だった 「あ、き、君、もしかして・・・」 「やっぱり! ソウルブラザーじゃないの!」 そこにいたのは、俺のソウルシスターである神崎 麻夜と、その姉ちゃ―――もとい、兄ちゃんだった (清太 久しぶりだね麻夜姉ちゃん! それと・・・えっと・・・ (少年 あ、自己紹介はまだ、だったね・・・僕は、神崎 漢 (清太 俺は水無月 清太。宜しくな漢兄ちゃん! (実 ん? 清太、知り合いなのか? (清太 あぁ、この前ちょっと――――って普通に喋れるんじゃねぇか!? いつも鼓膜が破れるくらいの大声で喋る癖に!? (実 しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? 俺の清太への愛が足りないと思われてしまうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!? (清太 寧ろ捨ててくれっ!? 普通に喋れよもう! (火音 貴様ァ、ワシのバカ妹の心を弄ぶのも大概にせんかァ!! (清太 だから誤解だっ!? こいつが勝手に俺につきまとtt (火音 問答無用じゃァ小僧ォ!! 火音姉ちゃんが飛び上がり、空中で身体を捻りながら軽やかに踵落としの態勢を取る それは俺に届く前に虚空にぶつかり、“何もない空間”に罅が出来て、 割れた空間から溶岩が噴き出して―――って (清太 危ねぇっ!? 咄嗟に俺は右手を水晶にして、掌を溶岩に向けて広げた 溶岩が触れた瞬間、それは何事もなかったかのように跡形もなく消え去った 良かった、流石にあれは邪気として感知されたようだ (火音 ほォ、妙な能力じゃのォ・・・潰し甲斐があるわァ!! (清太 っちょ、俺は別にあんたと戦う気は――― (実 姉者ぁ!! どうして俺の清太を虐めるんだ!! (火音 じゃかァしい!! 貴様を虐めちょるのはその小僧だろうがァ!! (実 違う! 清太は心の底では俺の事を想ってくれている!! それに俺は、清太が傍にいてくれるだけで嬉しいんだ!! 幸せなんだ!!! もうツッコむ気にもならない (実 清太を悪く言う奴はぁ!!! 例え姉でも地獄に堕ちろぉ!!! (火音 だから貴様はバカなんじゃァ!!! やばい、また喧嘩が始まるぞ このままじゃこの一帯は終わりだ! (清太 漢兄ちゃん! 麻夜姉ちゃん! この2人止めて!! (漢 え、えっと、そ、そんな、こと・・・ (麻夜 言われても・・・どうやって? それもそうだ こいつらどうやって止めたらいいんだ? (清太 ・・・とりあえず力尽くでいいから! じゃないと滅茶苦茶になるからっ! 何故か涙が出てきた 何でこんな危険な姉妹の為に全力尽くさなきゃなんないんだろう 結局、俺は漢兄ちゃんと麻夜姉ちゃんの協力を得て、 何とか2人の喧嘩を止めることに成功した 日が沈むまでの死闘だった ...see you NEXT 前ページ次ページ連載 - 邪気殺し
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《電光のメイス》[武器スタイル]Lightning Mace 君は2つのメイスを同時に使って戦う方法を体得しており、電光のごとき素早さで敵を打ち据える術を学んでいる。 前提条件: 《二刀流》、《武器熟練:ライト・メイス》、《迎え討ち》。 利益: 両手にそれぞれライト・メイスを持って戦っているとき、(訳注:どちらかの攻撃で)攻撃ロールがクリティカル可能状態となったなら、君は同じ攻撃ボーナスを用いて1回追加の攻撃を行なうことができる。 出典: 『戦士大全』p.113 武器スタイル特技: 最も高名なる戦士。彼はその独特な戦闘様式、得意とする武器の組み合わせ、そしてその人にその技ありと知れ渡る特別な戦闘術によってその名を馳せている。《強打》、《武器破壊強化》を学び、自分の腕力をどのように用いれば最上の効果が得られるかを見出す戦士、《攻防一体》や《武器落とし強化》を学び剣術の粋を修練する戦士は数多い。しかし、王国すべてを探しても《三日月の剣》の技を体得しているのはただ一人だろう。 武器スタイル特技は数多くの特技から利益を引き出す特技であり、多くは特定の武器の使用が必要となる。 関連項目 特技
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きょー凸が生み出した名言の一つ 根本的な説明を加えず、浅い段階で「でも共感できるよね?」といい、意見が大きく分かれる段階で共感喧嘩に持ち込む方法。コンドームちゃんの元来の意味から乖離し、きょー感喧嘩を多用するものが大量発生した。 要するに誤用である。 共感喧嘩
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すぐ近くのスピーカーから流れる無粋な機内放送で私は微睡みから急速に引き戻された 僅かな苛立ちと共に窓の外を眺めればそこには故郷の青くて虚ろな空がある 機内アナウンスは大雪の為の遅延を詫びていたが長旅で鈍化した私の思考にはそれらの遅れが些事にしか感じられなかったのだ そうして私は窓の外を行き過ぎるいくつもの雲の欠片を飽きることなく眺めていた さて、着陸待機の為に幾度空港の上を旋回したのだろうか 私以外の乗客は口々に文句を言っている しかしそれもまた今の私にはどうでもいいことだ 何故なら私は今まで見た夢のことで頭が一杯だったからだ 私は夢の中で少年に戻ってた まだ若くて美しかった母が居た。そして事故で亡くなった筈の弟が居た。私たちは皆、雲の上にあるラピュタという名前の国で幸せに暮らしていた そしてその国の王は父で、私と弟は父を崇める歌を母から習っていた その歌を歌いながら私は弟と遊んだ 時には月の裏側やアマゾンの森の最奥にある台地なんかに行って些細な冒険を楽しんだりもした そこに行くまでには白いカヌーを二人で漕いで空を飛ぶのだ このカヌーは城に住む魔術師の老人が整備をしてくれた この老人に習った魔術が私たちの旅を幾度も助けてくれたのを覚えている 懐かしい気持ちが私の身体の中に満ち溢れていた 私は人目も憚らずに夢で聞いた歌を歌い出す すぐにCAが駆けつけてくるが私は構わずに歌い続ける 次に男性が私の歌を止めようとしたが、既に私の喉は私のものではなくなっていた 皆が頭を抑えて苦しみ始める こんなに素敵な旋律なのに皆は何故泣き叫ぶのだろう ついに乗客の一人が私を絞め殺そうとしたその時、機内に悲鳴が木霊した 私は首を絞められながらも視界の隅に映った窓の外の光景を見て驚いた 巨人が飛行機の隣を飛んでいた 蒼く燃え盛るだけで実体の無い頭部、無数の木の枝を束ねて作った身体、異常にひょろ長い手足 青い光を身体中の隙間から発するそれは間違いなく夢に見た私の父だったのだ 私は彼に向けて手を伸ばし笑う 彼もこちらに手を伸ばして微笑む 飛行機の壁は容易く砕けて沢山の人々が空中に投げ出されていく どこからか聞こえる父を讃える為の大合唱の中、顔をひきつらせた沢山のなにも知らない愚者達が大地へと還っていく しかし私一人だけは全ての美しいものが存在する場所へと行くのだ そう、ラピュタへ