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はくちょう座61番星 B 名称 はくちょう座61番星B 構成 連星の一員 星座 はくちょう座 太陽からの距離 11.4光年 実視等級 5.21 絶対等級 8.32 スペクトル型 K4.7~7.0Ve 変光 閃光星 質量 太陽の0.63倍 半径 太陽の0.67倍 可視光での明るさ 太陽の25分の1 全波長での明るさ 不明 表面温度 不明 年齢 太陽より古い 重元素比 不明 自転周期 不明 近隣の星 ly - [[]]
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ミニゲーム 最終更新日時 2023/04/09 13 44 52 ここを編集 ランキング狙いとダイヤ消費と ミニゲームダイヤ効率 ショップ 全部で5種。 釣り→金鉱→バスケ→ゴルフ→レースと各3日で順繰り。 ダイヤなし獲得Pt目安。 ミニゲーム Pt 釣り 67500~87750 金鉱採掘 800~1200 バスケ 22500 ゴルフ 40500~67500 レース 75000~249300 ランキング狙いとダイヤ消費と ミニゲームは各3日で5種のため15日周期で同じミニゲームがプレー可能。 そして、ミニゲームは前回ダイヤで購入したアイテムは次回の同じミニゲームに持ち越し可能。 限定ランクは、各3日で3種。つまり、特定のミニゲームと重なるのは3回に一回。45日周期。 限定ランクのダイヤ消費はミニゲームでのダイヤ消費アイテム購入でもカウントされる。 そのため重なった回のミニゲームではランキング上位を狙うのはライバルが多い。 これらの理由から、ダイヤランクと重なったときのミニゲームでアイテムを購入し、次回または次々回にアイテムを持ち越してランキング上位を狙うと効率が良いかもしれない。 バスケのランキングがおとなしい都市では一度試してみるのも一興。 ミニゲーム ダイヤ購入アイテム持ち越し可否 釣り 不可 金鉱採掘 可能 バスケ 可能 ゴルフ 不可 レース 可能 ミニゲームダイヤ効率 釣り・バスケ・ゴルフ・レース・金鉱のイベント交換アイテムの必要貨幣数は全て同じ。 つまり、イベントでのPt獲得量によってアイテム交換効率が変わる。 金鉱の鉱区更新、ゴルフのパワー+50以外はアイテム交換目的でのダイヤ使用は効率が悪いと思われる。 ダイヤを消費するときはきちんとランキング報酬を考えて実行すると良い。 例)不動産契約書 x8 ダイヤ直購入 不動産契約書 x8 = ダイヤ x4300 イベ貨幣で交換 不動産契約書 x8 = イベ貨幣 x12800 レース イベ貨幣 x12800 = ダイヤ x5120 バスケ イベ貨幣 x12800 < ダイヤ x3420 ゴルフ(パワー+50) イベ貨幣 x12800 < ダイヤ x2560 釣り(伝説) イベ貨幣 x12800 < ダイヤ x3600 金鉱(鉱区更新) イベ貨幣 x12800 < ダイヤ x1600 イベント Pt/ダイヤ コメント レース 2.5 ジェットで+5m/s *5sec/10ダイヤ バスケ 3.75 初級ボールで+50Pt(Swishで75)/20ダイヤ ゴルフ 2.5 木のクラブで+25M/10ダイヤ 5~6 金のクラブ&ゲージMAXで+1000~1200/200ダイヤ 釣り 3.75~ 伝説釣り針+1500(タコ10匹)/400ダイヤ 金鉱 2.0 白銀の鍬+200/100ダイヤ 8.0~ 鉱区更新+50x16/100ダイヤ
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フーリエ変換 フーリエ変換を飽きるまで学ぶページ. フーリエ級数 一般に,三角関数の積分において とすると である.また,このとき任意ので定義された周期関数が, のように,単純な三角関数の和であらわせるとする. このとき,この式の両辺に,を任意の正の整数としてをかけ,さらにについてで積分すれば, となるが,このとき,奇関数の積分であることから, および である. よって上の式は となり,またはじめに述べた性質より以外の項が積分により0になるため ここでよりをに置き換えればフーリエ級数について を得る.
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タグ *分光連星 *肉眼で見える星 *連星系 * 名称 カシオペヤ座ミュー星 カシオペヤ座30番星 グリーゼ53 mu Cassiopeiae mu Cas 30 Cassiopeiae 30 Cas HIP 5336 HD 6582 HR 321 Gliese 53 Gl 53 GJ 53 LHS 8 NSV 405 位置 星座 (con): 01:カシオペヤ座 座標 (cor): 01:01h 08m 16.3942s, +54d 55m 13.221s (J2000, SIMBAD ICRS) 02:01h 04m 55.70s, +54d 40m 33.0s (B1950, SIMBAD FK4) 固有運動 (pm): 01:3421.90 masy/yr, -1600.35 mas/yr (SIMBAD) 視線速度 (rv): 01:-97.2±0.9 km/s (SIMBAD) 02:-98.1 km/s (Cat-GJ 1991, *A) 年周視差 (plx): 01:132.42±0.60 mas (SIMBAD) 02:134.5±2.9 mas (Cat-GJ 1991, *A) 03:127±3 mas (Johnson Wright 1983) 距離 (dis): 01:7.55±0.03 pc (C plx01, SIMBAD) 02:24.63±0.11 ly (C plx01, SIMBAD) 連星 連星系: 01:*カシオペヤ座ミュー星AB 構成天体: 01:*カシオペヤ座ミュー星A 02:*カシオペヤ座ミュー星B 距離 (odis): 軌道長半径 (osma): 01:1.009±0.016 s (Drummond et al. 1995) 02:7.62±0.16 AU (C osma01+plx Cat-HIP 1997) 公転周期 (op): 02:22.98 yr (Cat-SB9 2004-2009 1977) 03:21.43 yr (Cat-SB9 2004-2009 1991) 01:21.753±0.069 yr (Drummond et al. 1995) 軌道離心率 (oec): 02:0.3 (Cat-SB9 2004-2009 1977) 03:0.61 (Cat-SB9 2004-2009 1991) 01:0.561±0.017 (Drummond et al. 1995) 軌道傾斜角 (oin): 01:106.8±0.9 deg (Drummond et al. 1995) 測光 スペクトル型 (sp): 01:G5Vb (SIMBAD) 02:G5VI (Cat-GJ 1991, *A) 03:G5Vp (Cat-NSV 2004) 04:G5VI (Johnson Wright 1983) 見かけの等級V (v): 01:5.12 (SIMBAD) 02:5.17 (Cat-GJ 1991, *A) 03:5.21-5.15 (Cat-NSV 2004) 見かけの等級B (b): 01:5.82 (SIMBAD) 02:5.86 (C v02+bv02, Cat-GJ 1991, *A) 色指数B-V (bv): 01:0.76 (C v01+b01, SIMBAD) 02:0.69 (Cat-GJ 1991, *A) 変光星型 (vrt): Suspected (Cat-NSV 2004) 変光範囲 (vrr): 5.21-5.15 (Cat-NSV 2004) 変光幅 (vra): 変光周期 (vrp): 物理的性質 絶対等級V (abs): 01:5.73 (C plx01+v01, SIMBAD) 02:5.81 (Cat-GJ 1991, *A) 03:5.64 (Johnson Wright 1983) 全波長の光度 (lum): 可視光での明るさ (br): 質量 (mas): 半径 (rad): 01:0.76 Rsol (Johnson Wright 1983, *AB) 温度 (tmp): 01:5420 K (Johnson Wright 1983, *AB) 重力 (grv): 重元素比 (met): 自転速度 (rtv): 自転周期 (rtp): 彩層の活動 (cha): 年齢 (age): 追加情報 E101:空間速度UVW:-41 km/s, -156 km/s, -34 km/s (Cat-GJ 1991) E102:空間速度UVW:-43 km/s, -158 km/s, -35 km/s (Fuchs Jaheriss 1997) E202:色指数U-B:0.09 (Cat-GJ 1991, *A) E203:色指数R-I:0.28 (Cat-GJ 1991, *A) 注釈 *A) 恒星Aの値。 *AB) 恒星ABを分離せずに求められた値。
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【解答】ばねで連結された2物体 【問題】 ばねで連結された2物体 (1) Aが壁を離れるのはばねが自然長のときだから,求める速さとしてエネルギー保存により, (2) 右向きを正にとり,A,Bの座標を,加速度をとおくと,運動方程式は, 辺々引いて, これは,相対変位の運動方程式である。したがって周期は, (3) 運動量保存により,両者の重心は速さ の等速度運動をする。ばねが最も縮んだときにA,Bともに重心に対して相対速度0になるから,ばねの最大縮みを とおくとエネルギー保存により, となる。
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これは、実際には起こらなかった出来事、でも本当にあった出来事。 今のみんなは知らない出来事、でも、みんなが見た出来事。 壊れてゆく世界で、人々がもがいた記憶。 第1周期 施し 自転車で走行中、下り坂ではスピードが出がちになる。ペダルを漕ぐ労力が不要になるし、風があたって心地よい。 もし、その先に交差点があったらどんなことが起こる可能性があるかはみんな分かるだろう。更に、そこがブロック塀などで先が見えないようになっている場合はなおさらだ。 ふと通過しようとした瞬間に、車が見える。イメージしただけでもぞっとするね。 その時のスピードにもよるだろうけども、「あっ」と思ったとこでブレーキすら間に合わないようなこともあろう。 眼前に迫ってくる車が見えた次の瞬間には、既に病院に搬送されていて、ちょうど顔の傷の縫合をしている真っ最中だった。 ……という上記の一行は知人の体験談である。 僕からすればなかなか恐ろしい話を、知人は平気な顔で言っていた。もう過ぎ去った事だから、当然その時の感覚を寸分狂わず覚えている訳はないだろう。 『喉元過ぎれば熱さ忘れる』とは言ったもので、たとえ苦しかったとしても、それが過ぎればもう大丈夫なのだ。 そう、過ぎてくれれば。 今現在の僕は、そんな知人が経験したものよりもっと恐ろしい状況の中に放り込まれているのかもしれないね。 何がどうなった結果なのかさっぱりわからないけれども、気付くと僕はベッドのようなものに寝かされていた。突然現れたこの状況に動揺しながら周りを見回すと、医師や助手と思われる姿が数人見えた。それに、医療器具らしきものも見える。どうやらここは手術室のようだ。 僕も、先述したような状況にあるのだろうか。医師や看護師が慌ただしく動き回る中、オシロスコープの音が聞こえる。現在の自分の心拍数は安定しているらしい、……今収集すべき情報はそれじゃない。 どうして僕はこんなところにいるのだろう。必死に今日の自分の行動を遡ってみると、登校途中で記憶は途切れている。 知人のように、突然の交通事故に巻き込まれて、今から治療のが行われる直前なのだろうか。それにしても痛みやそれに類する感覚はない。麻酔を打たれているようにも感じないのだが、 違う。 絶対にそれはおかしい。 そう言わざるを得ないような状況が、目の前で展開していた。 とりあえず、これから行われるのは手術ではないことが判明した。 この国の、しかも手術室で行われるとは考えられないほどに考えられないほどに非人道的なことが行われようとしていた。 ひどく呼吸が乱れ始めた。当然のことながら、オシロスコープから発せられる音の周期も変わってくる。 これから、僕は、表現のしようのない残虐な殺され方をするのだ。 自然と身体が動き始める。震える、では語弊があるかもしれないというくらいの動きだ。無意識化で逃避しようとしていた。 身体までもが冷静さを失った状態になって初めて気づいた。手術台に寝かせられているだけかと思っていた(普通はそうであるから当然といえば当然)けども、手も足も首も手術台にベルトでしっかりと固定されていたのだ。 更に恐ろしい事に、今から処置を始めようとしている医師たちは、何をどう間違えているのか、メスやハサミを逆手で握っている。 自分の命の危機を感じるには十分だと思うのだけど、まだ足りないかな。 「く、来るな!!」 僕は必死に抵抗し、ベルトか自分の手足、どちらが先に千切れるかを競うように激しく体を動かして回避を試みたが、どうやら間に合いそうに無かった。 僕がいくら叫んだところで、彼らは止めるつもりは微塵もないらしかった。 一人が突然、必死にもがく僕の腹部にハサミを突き立てた。 その痛みは、先程までの恐怖感すら吹き飛ばしてしまっていた。どう表現すればいいかと言われても、『腹部を刺された痛み』というもので不足はないのではないだろうか。 気を失うことさえ許さなかった。これが終わるまで、苦しみ続けなければならないなんて、 刺したハサミを抜き、また別のところに突き立てる。次にはメスが刺しこまれる。 いっそ殺してほしい、そんなことさえ、考えてしまっていた。 いくら叫んだところで、痛みは決して和らぐことはない。でも、それしか出来ることはなかった。血を吐きながら、滅多刺しにされながら声を上げることしか、 ――― 「瞳孔が開いたままです。心拍数も乱れています」 「このままでは危険です。中止した方がよろしいのでは?」 ――― カルスト地形のように穴だらけになっている腹部(だったところ)に更に深くハサミを突き刺し、中をえぐっていく。亀裂から血液が噴き出し、臓器がこぼれてきた。 早く殺してほしかった。なんて願望を抱いているのだろう、という立場の自分はもういなくなっていた。でも、誰も僕にとどめを刺してくれなかった。 もう抵抗も出来なくなっていた。手足はもう自分ですら制御できず、滅茶苦茶に痙攣するだけだった。 段々と寒くなってきた。結構な量の血液を失っているからだろうか。そろそろ失血死が近いのかもしれない。内側から体が冷えていく中で次に見たのは、臓器を引きずり出されていく光景だった。 ――― 「呼吸が停止しています」 「このままでは身体がもちません、危険です」 「もう時間が無いんだ。続けなさい」 「……分かりました。引き続き安定剤の投与を」 ――― 「…あぁぁぁ………」 もう抵抗することすらできなくなっていた。 ただただ続く苦しみに対して僅かに反応するだけであった。 もう呼吸はしていなかった。「呼吸」の「呼」さえ出来なくなった肺をさらに潰して、声にならない声を吐き出すだけだった。 大きく開いた穴に、誰かが手を突っ込んでいる。その瞬間、僕はかつてない多量の吐血をしていた。今の僕の口は、ただ血を流している傷と大して違いはなかった。 もう消えてしまいそうな視界に僅かに映っていたのは、医師(の姿をした殺戮者)の手に握られていた、僕の心臓だった。 それは大きく脈打っていた。当然だ、それはさっきまで僕の中に ………… その場面で映像は途切れた。 次のシーンでは、そのような苦痛は微塵もなかった。 「はぁっ……はぁっ……」 目覚めた瞬間から、ひどく乱れた呼吸であった。 胸に当てた右手には、心臓が激しく脈打っている感覚が確かにある。 ……夢? 落ち着こうと深呼吸をしていたが、全く落ち着くことはなかった。荒々しくも力強い呼吸をしていないと、酸素が欠乏してまた気を失ってしまいそうだった。 胸に手を当てたままあたりを見回す。今度は手術台ではなくちゃんとしたベッドで寝ていた、それに加えて誰もいなかったという状況がようやく僕の心を落ち着かせてくれた。 簡易ベッドに薄いマットとシーツを敷いただけの、正直に言えば寝心地の悪いものだったがそれでも今なら満足できた。 呼吸の周期がようやく安定したところで、一つ大きく息を吐くと、力の入らない体に鞭打ち何とかして身を起こした。 「うう…………」 見回すと、此処はちゃんとした病室のようだ。病院なら安心していいという訳では無かった、さっきまでの悪夢の舞台であった手術室が、同じ病院のでないという確証はなかった。 でも、さっきまでのアレと比べたら、随分と穏やかじゃないか。 音を発しているのは自分以外は存在しない、静寂。その中で、呼吸という動作を確認するように大きく息を吐いた。 とても非現実的な、それでも恐ろしいほどにリアルな夢だった。あんな苦しみは一度たりとも味わいたくなかったというのに。 それが果たして本当に夢だったのか、確認しないで入られなかった。いつの間にか着替えられていたバスローブのような薄い服の下を確認したが、腹部に穴は開いていないし、それらしき傷跡も全く見られない。これなら、夢であったと言ってもいいだろう。 「夢で、良かった」 本音を言えば、夢であったとしてもあの様なことを経験すると言うのは良くないに決まっているのだけれども。 言葉にした次の瞬間、僕は両手で口を塞いだ。しかし、指の隙間からは絶えず嗚咽がこぼれていった。 酷く怖かった。 あんな殺され方をするなんて嫌だった。 さっきまでの恐ろしい経験と、それがこれからも続くかもしれないという恐怖に頬を濡らした。 どれくらいの間泣いていたのかは分からないが、しばらくしつようやく気分も落ち着いたことで、自分の周辺を見るだけの視野を取り戻すことが出来た。 まず最初に、、僕はどうしてここにいるのかについて考えてみた。 ここで目を覚ますまでの記憶は曖昧だ。何時ものように学校へ向かい……それ以降がさっぱり思い出せない。 誘拐? それならどうして縛るとかして僕を拘束しないのだろう。 「……」 分からないことをいつまでも考えているより、他に何か出来るはすだ。部屋を見回し、それによって得られる情報に期待しよう。 「誰もいない……のかな」 いくらなんでも静か過ぎやしないだろうか。今僕がいる部屋には4つのベッドが並べられているが、隣のベッドはおろか他のベッドに誰もいない。 だけども、布団やシーツなどはたたまれたままと言うことを考えると、まだこの部屋は病室として十分に機能しているはずだ。 ふと、枕の横に僕の携帯があるのが見えた。それを手にとり、開いてみる。そこに表示されている待ち受け画面は僕が設定したもので間違いない。特にこれをいじられた痕跡は見られなかった。ただひとつ僕をがっかりさせたのは、画面左上に表示された圏外というに文字だった。 携帯は無事だったものの、いくら部屋を探しても制服とカバンは見つからなかった。教科書やノートを失うのは大きな痛手だが、今現在の状況を考えると致し方ないのかもしれない。流石に命とノートを天秤にかけるのは間違いであるような気がするんだ。 しばらくベッドの上で座ったままでいたのだけれども、何も起こらないようだった。 誰もこないうちにここから動くべきだと考えた。ベッドを降りると、床の冷たさが直接皮膚を通じてきた。 ひとまず様子を伺いながら廊下に出た。一歩ずつ歩み出るたびに、ぺたぺたという音だけが響いている。人影は全く見られない。 普通の病院であれば、他の患者や看護師や見舞いの人がいる筈なのに。ストレッチャーが転倒したまま放置されているこの光景が、果たして機能している病院の姿であるというのだろうか。 でも、蛍光灯が照らしていると言うことは、ここに電力が供給されているということであって、すなわち誰かが利用していたということにはつながらないだろうか。 ますます分からない。これが誘拐監禁ならば、どうして僕は着替させられて、一人病室に放置されていたのだろう。 僕は、随分と変な事件に巻き込まれてしまったようだ。 しばらく歩いても、状況は全く変わらなかった。 物が散乱したまま放置されている、人の姿は見られない、そんな光景がどこまでも続いていた。 ひとつ補足しておくと、散らかっているとは言ったが、汚れていはいない。つまりここは普段から利用されていたと考えていいだろう。何かが起こってここにいた人が一斉に出て行ったのかもしれない。 ……その何かが非常事態だということは分かるが、一体どうしたのだろう、拉致してきた僕すら放っておいて。 「ただ散らかってるだけじゃなさそうだね」 ついつい口に出してしまうくらい、辺りが静かすぎて不安だった。 書類が満載されたいかにも重たそうな棚が倒れて扉を塞いでいる。偶然だったとしても、それが2つも3つも同じ状態にはなかなかなるまい。逃げ道を塞ぐためと考えても間違いではないと思う。 次第に、誰もいないということが不安要素へと変わっていた。進路の途上にある部屋の一つ一つの様子を伺いながら歩いていた。 とある部屋を横切ろうとしていた時だった。 ガラス越しに、女の子の姿が見えた。私と同じ服を着ている。僕は急いで近づき、ガラスをコンコンと叩いて向こうに存在を知らせた。 「君もここに連れてこられたのかい?」 向こうもこっちに気付いて駆けよってきた。僕の質問に返答することなく、必死にガラスを叩いて何やら叫んでいるように見える。助けを求めているようだった。 だが、彼女は叫んでいるのは目に見えて分かるというのに、その声が殆ど聞こえてこない。むしろガラスを叩くその音しか聞こえない。 彼女の背後が突然明るくなった。その光源は部屋を挟んで反対側で上がる炎だった。 それに気付いた彼女はパニックに陥り、叩き続けて手から出血していてもお構いなしさらに激しくガラスを叩いていた。その表情は、死の危機に直面したそれだった。 でも、僕と彼女を隔てるガラスは厚く、傍らに倒れていた椅子を持って思いきりぶつけてもひびが入るだけで割れない。 「ダメだ! ガラスが割れない!」 僕も彼女も必死になって窓を割ろうとしたが、二人が講じた手段のすべてが通用しなかった。馬鹿に頑丈なガラスだった。どうして病院でこんなガラスを使う必要があるんだい? 目の前のことばかり考えていたせいで、僕は重大なミスを犯してしまっていた。 一体何を考えているんだ僕は、自分が必死に叩いている窓のすぐとなりには扉があったではないか。 これをいまさらと考える? いや、まだ間に合う。 しかし、ここでも棚が倒れて向こう側から塞がれていて開けることができなくなっていた。 僕は扉がある方を指さし、棚をどけるよう必死に訴えた。彼女にそれが伝わったらしく、それに気付いて駆けだした瞬間だった。 女の子の後ろに黒い人影が見えた。誰なのかは分からないけれども、助けてくれる人であるかは分からない。自分の命がかかっているのであれば、まず疑う。 だから、逃げてと叫ぼうとした。 したのだけれども、声になる前に何かが弾けてガラスが真っ赤になり、彼女はゆっくりと倒れて見えなくなった。 「あ……」 目眩がした。何が起こったのか、その時は分からなかったし、分かろうとしなかった。 透明で、分厚くて、冷たい、ガラスの板を流れ落ちていくその赤い液体を、反対側からただぼんやりと見ていた。 「ど、どうして……」 まさか、目の前で銃殺というものが起こってしまうなんて思わなかった。 あの背後から迫っていた人は、どこからか逃げてきた彼女を探していて、それで、連れ去ってしまうものだと、思っていた。そう思っていたから、逃げてと言おうとしたけど、こうなるなんて、 そのショックもあったが、助けることができなかったショックの方が大きかった。罪悪感すら感じられた。なぜあんなにもたついたのだろう。目の前にある頑丈なガラスに悪戦苦闘していないで最初にあの扉の存在に気づいていれば間に合ったかもしれないのに。 「……はぁ」 あまりに混乱して、座り込んでしまった。事態は思った以上に深刻だった。僕は命の危機にさらされていたのだった。 ここは別の国なのだろうか、まさかフィクションの世界に放り込まれてしまったのだろうか、これ自体も夢なのだろうか、いや、最後の候補はただの願望に過ぎなかった。 目の前で起こった殺人を見て、僕の身体は立つ力を失っていた。 先程僕が見た光景が何度も何度も繰り返して再生される。 私と同年代の女の子が殺された。 どうして。 どうして殺される必要があったんだ。 落ち着いている暇なんてここには無かった。さっきの銃を持った人物が僕の姿を確認したことはほぼ確実だろう。 あの子と同じ服を着ている僕も狙われていないとは限らなかった。緊迫感が高まったところで、僕には先程までの自分とほぼ変わらない「早くここから出ないと」という程度の具体性に乏しい思考しかなかった。 震える足に無理矢理力をこめて壁伝いに立ちあがった。少なくとも、早くここから動いた方がいいということだけは正しいと思っていた。 血だらけになっているガラスを背に、再び歩きだした。 その間も、今僕が持ち出した一般常識では到底回答出来なさそうな疑問が頭の中を粘液のようにゆっくりぐちゃぐちゃと流動していた。 何の為に病院にあのガラスが必要なんだろうか? 外部への漏洩を恐れているのか? あの人物はいったい何が目的で彼女を殺したのかか? いわば『秘密組織』のようなものがこの施設を所有していたのだろうか。まさかとは思いながらも、もう落ち着いていられない自分の思考で納得のいく回答はそれ以外なかった。 ショックから立ち直れたわけでは決してなかった。無意識下で必死に忘れようとしていたようであったけれども、目に焼き付けられたあの場面が意識の中に根を張るようにして離れてくれなかった。 それでも過去のことに浸っている場合ではなく、歩いている限り状況はさらに進んでいく。足を止めると、まるで足の裏に接着剤でも付けられたかのようにもう二度と動けなくなりそうでたまらなかった。 だから、通路の先で機関銃が落ちているのが目に入ってしまっても、それを通り過ぎるつもりだった。でも、足が止まってしまった。ああ、止まってしまったのは仕方ないのだけれども、僕はこれをどうしたいのだろうか。 どうしてこんなところに落ちているんだという疑問はほとんど感じられなかった。それよりも、これを拾うべきか否かで迷っていたのだ。 これを持つ必要性は果たしであるのだろうかとか、こんなもの映画などでしか見たこと無いから正しい使い方なんて知らない等と思ったものの、先程のような命の危機にさらされた場合は何か身を守る手段が無いとどうにもならなくなってしまう。 「本当に、この世界はおかしなことになっているよ」 そう言いながらも拾ってしまう僕もどうかしているよ、多分。 思っていたよりもとても重たい、金属の塊のようなものであることは見た目でも分かるけれども、実際に持ってみた時の重みは想像以上のものだ。これを持って歩きまわっているだけで相当な体力を消耗しそうだ。ああ、だから軍隊では訓練するのだったね。 不思議なことに、また自分の意思で歩き始めることが出来た。武器を持っている。使い方は詳しくは分からないけども、何か心強かった。 その黒く輝く金属の塊を両手で大事に抱えながら歩いていると、前方に人がいるのが見えてきた。さっきの兵士ではないようであった。 でも、安心するどころか、出会わなければよかったとすら思えた。 上半身が裸であったことはこの状況からすればそれほど問題ではない。 その人が、血まみれになっていて、かつ床を這っていたことが、僕に危機感をもたらした。 まるで最初からそうであったかのように違和感のない、実に滑らかな4足歩行だ。そして4本の「足」をせわしなく動かしながら、猛烈な勢いで僕に迫ってきた。 「来ないでくれ」 銃口を向ける。流石に普通の人であれば、驚いたり怯えるといった反応をするだろうけども、今回はそうではなかった。 その人(の形をした何か別の何かであってほしい)は全く動じなかった。僕の精一杯の威嚇にもお構いなしにこちらへどんどん迫ってきた。 銃すら恐れないのか、それとも、これがどういったものであるかを知らないのか。 息遣いも聞こえてくる。猛然と迫ってくる姿は、僕を獲物として捕らえようとするそれのような気がしてたまらなかった。 僕は、もう限界だった。 「来ないでくれと言ってるじゃないか!!」 自分でも、一体どうしたのかよく分からない。傍から見れば、僕が手にした機関銃で銃撃しているというのは一目瞭然なのだが、どうして無意識下で扱えていたのだろう。 暴れるように激しく振動する機関銃の銃口をその人に向け続けた。 決して見たくない光景なのに瞬きが出来なかった。視界の真ん中で、先程まで人だったそれは風に飛ばされた布切れのように千切れ、舞い、やがて微塵になっていった。 最早それは固体である部分の方が少ないようにも見えた。何もかもがぐちゃぐちゃに混ざり合い そうして、廊下はまた静かになった。 「ああ……」 目の前にできた血だまりをぼんやりと見つめた。 「早く醒めてくれ」 機関銃を落とし、それに続くように力無く座り込むと、また涙が溢れ出てきた。 第2周期へ
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概要 ウネピの戦いとは、ラドリザン1253年3周期24日目年、ラグライナ帝国とクレアムーンの間で行われた戦いである。 戦場の舞台となったウネピは、クレアムーンへ向かう街道の中で視界の広い草原地帯である。 戦闘に至るまでの背景 map01.JPG ラグライナ帝国、ガルデス共和国、クレアムーンを中心とした戦乱は、ついに「にらみ合い」から、本格的な戦闘へと突入していった。 ラグライナ帝国の勢力は既に共和国、クレアを凌駕していた為、2勢力は手を結び、ラグライナ帝国は同時に2つの敵を相手にせざるを得なかった。 ほぼ同時期に共和国戦線ではモンレッドの戦いが起き、一触即発から本格的な戦闘へと突入していたが、クレア戦線も、このウネピの戦いにより、クレアムーン本土を目指す戦いが幕を開ける。 両軍の戦力 攻撃側 守備側 ラグライナ帝国軍 軍勢 クレアムーン軍 総兵力48000 兵力 総兵力32000 ラディス 総指揮 柊飛鳥 軍師 成瀬風華 主要参戦者 ラディス グレイアス 紅 カレン アリサ 柊飛鳥 成瀬風華 エアード 援軍 ヴェルナ ユーコ 戦闘経緯 数で劣るクレアムーン軍は、帝国軍の挑発をひたすら無視して防御に徹する。 しかし、にらみ合いから数日後、突如この地に長雨が降り始める。 長雨は想像以上に続き、両軍の間で病で倒れる兵が相次ぎ、軍馬にも伝染病が蔓延した。 更に土砂崩れまで起き、両軍は戦いどころではなくなり、ついに一度も刃を交えることなく軍勢を撤退させることとなった。 しかし、ラグライナ帝国軍は本国へは帰らず、それまで、あまりにも小規模だった為、帝国に狙われることのなかった「自治都市シュツットガルド」へ進軍。シュツットガルド軍はこれに反抗したが、帝国の主力部隊の前に半壊、ラグライナ帝国に毎年貢物を送るという、実質上の傘下となることで講和し、ようやく軍勢を退けた。 これまで眼中になかったシュツットガルドへの電撃的な進軍は、クレアムーンとの本格的かつ長期的な戦いを見据えて、帝国軍の行動可能な街道を1本でも多く確保する為であった。 その後、街道の復旧を待って、6周期18日目、ラグライナ帝国軍は再びウネピへと進軍、情報を聞いたクレアムーン軍も迎撃部隊を送り、両軍は再び対峙することとなった。 一旦は引き上げている為、これを第2次ウネピの戦いとする場合もあるが、ラグライナ帝国軍は本国には戻らず、そのままシュツットガルド、ウネピと行軍しているので、ここまでの一連の行動を全て含めてウネピの戦いとひとくくりにするのが一般的である。 今度は真正面から激突した両軍。 カレン部隊が先陣を切り、クレアムーンのエアード部隊と激突、これを合図に両軍が一気にぶつかるが、成瀬風華はこの戦いで戦才を見せ、紅の突撃をよくしのいだ。 数では勝っているが、連携よく守りを固めるクレアムーン軍を押し切れないラグライナ帝国軍、そこにクレアムーンは援軍であるヴェルナ、ユーコが到着する。 この援軍到着は、攻守を入れ替え、クレアムーン軍が押し戻し始め、ここが唯一の勝機と、総指揮官である柊飛鳥が帝国軍本陣を目指して一気に南下する。 しかし、援軍を加えても総兵力で勝っている帝国軍は、ラディスの追いついた采配で混乱することなくこれに対処、更に、援軍による本陣強襲は、成瀬風華部隊を突破できずに、再編のためたまたま後退していた紅部隊という壁によって防がれる。 両軍共に、この辺が限界と察し、撤退の合図を送り、クレアムーン軍はウネピの地を守り抜いた。 だが、帝国軍は今度も帰国せずに陣を作って部隊を再編、8周期11日目、両軍は再び激突した。 クレアムーン軍は兵力で劣りながらも奮戦し、この攻撃もかろうじて撃退するものの、帝国軍が更なる増援部隊を派遣した為、これ以上の戦闘継続は不可能と判断、ウネピの地から後退し、帝国軍の旗がウネピに立てられることとなる。 戦いの結末 戦いが終わった後、ウネピの地の占領したのはラグライナ帝国軍であり、間違いなく勝者は彼らであった。 だが、その内容は、彼らの矜持としては決して許されるものではない、「二度攻めて落とせず、最終的に数にものを言わせ様と準備していたら、敵軍が自発的に後退した」というものであった。 これは、クレアムーンの月風麻耶が狙っていた帝国軍をとにかく疲弊させながら引き込む、という戦略の一環であり、長い目で見れば目的を達したのは、クレアムーンということになる。(ただし、月風麻耶の狙いそのものは聖都の変で実現しなかった)
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[東方]情報通 INDEX 1.歴史 幻想郷史 吸血鬼異変 紅霧異変 春雪異変 三日置きの百鬼夜行 永夜異変 六十年周期の大結界異変 第二次月面戦争 2.地理 概要 地図考察 3.文明 [[ http //www9.atwiki.jp/shimajimanet/pages21/.html] 4.幻想郷の不思議 [[ http //www9.atwiki.jp/shimajimanet/pages22/.html] 5.幻想郷の不思議 [[ http //www9.atwiki.jp/shimajimanet/pages23/.html] 声明 整合性について 認知度について 総則
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完全武装イベントの詳細を記載するページです。 種別 内容 種類 通常イベント クールタイム/開催周期 不定期? 開催期間 概要 指定条件をクリアしてポイントを稼ぎ、タスクとランキングで競う 詳細 目標ポイント達成に応じて報酬が手に入るポイントに応じたランキング報酬もある領主宝石評価ポイントが1上昇:5ポイント。英雄装備精錬エナジー石を1個消費:800ポイント。 報酬 報酬テーブル参照 必要アイテム 研磨材、強靭な合金、設計図面 備考 報酬テーブル 一定ずつ、各個人でポイントに応じた報酬が得られる。 目標ポイント 報酬 100 2000 7500 16000 ランキング報酬 その他 a
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1.火星のテラフォーミング 1930年,オラフ・ステープルドンの『最後にして最初の人類(Last and First Men)』によって示された太陽系惑星の地球化というアイデアはジャック・ウィリアムスンの1942年の作品『シーティー・シップ(Seetee Ship)』においてテラフォーム(Terraform)と名づけられた。 当時,SF小説の幻想でしかなかったこの壮大な計画は,カール・セーガンの The Planet Venus(1961) によって科学の道を歩み始める。 当初,人々の関心は,地球の双子星といわれていた金星に向けられた。しかし,米ソ冷戦下での熾烈な宇宙開発競争の結果,金星は決して地球の双子星ではなく,濃厚な大気と灼熱の太陽光が降り注ぐ死の星であることが明らかになった。次に人々が注目したのは火星である。 1973年,カール・セーガンは火星のテラフォーミングについて述べた論文において「長い冬モデル」を発表した。 その後の調査研究により,彼の推算ほど楽観的な結果は得られないことが明らかになるが,この時彼の示したモデルは,その後の火星テラフォーミングの基礎理論として受け継がれることになる。 20世紀末のNASAマーズ・ダイレクト計画に端を発する火星移民計画は,21世紀に宇宙開発でイニシアチブを握った某国により,膨大な資金投入の下で開始された。 人類最大の協調,科学の勝利と賞賛を受ける一方で,明らかな蛮勇,神の摂理に悖るなど批判され,賛否交々言われ続けたこの計画は,人類の救世主,世界の警察を自負する某国の軍事的圧力を背景に力強く推し進められた。 某国の採った計画は,セーガン理論を基礎とするクリス・マッケイの「火星の修復計画」に大筋で沿い,環境変化の加速装置としてマーチン・フォッグらの手法を援用するものである。 具体的には,第一局面としてマッケイらのいう生物学的手法によりレゴリスや極冠中の二酸化炭素を解放し,火星大気の密度と温度を上昇させる。 濃密な二酸化炭素の大気が火星を覆い地球と同程度の大気圧になれば,人類は気密服を着なくとも,酸素マスクさえあれば火星地表で活動が可能になる。 第二局面として,そのような環境下の火星に対し,人類を段階的に移住させる。 この火星人類がフォッグらの緩やかな工業的手法によって環境変化を加速させるというものである。 某国による始まりの日からおよそ100年後,火星には遺伝子操作されているとはいえ,植物が繁茂していた。 そして未だ環境調整用コロニー等の気密空間に限られるが,人類の居住可能な環境に変化していた。ここに来て,計画は第二局面に至ったのだった。 2.火星暦 1 sol ≈ 24 39 35 (ex. 1 day ≈ 23 56 04) 1 o.p.≈ 668.59 sols Summer year = 334 sols Winter year = 334 sols 28 sols by a month, 26 sols on Feb. Bis. years +1 sols on Feb. by 4 years and +2 sols by 20 years 火星の自転周期は約24時間39分35秒である。また,公転周期は686.97(地球)日である。火星における日単位はsolを用いる。 この日単位は西暦1976年,NASAによるバイキング計画において採用されて以来,伝統的に使用されている。 公転周期を火星日数で表現すると668.59(火星)日となる。 公転周期が地球の1.88倍であるため,火星の四季は地球の2倍近い長期間となる。 くわえて,地軸が約25度と地球(23.4度)よりも傾斜しているため,日寒暖差,季節寒暖差は地球よりも大きい。 火星暦は人類の入植開始年を紀元としている。火星暦は以下の要件にて設定された。 火星に入植した人類は,半公転1年とし,公転の前半と後半をそれぞれ夏年,冬年とした。 1火星年334solsを地球同様に12ヶ月で割ると(334/12=28-2),1ヶ月は28日になる。2月のみ26日である。 また,0.59sol/o.p.のズレを補正するため,4年(2o.p.)毎の2月末日に閏日1日を加えた。 さらに,0.18sol/閏年のズレを補正するため,20年(5閏年)毎に2月28日を設けた。 入植当初,懸念されたこととして,地球と比較しておよそ40分長い1日のために起こるバイオリズムの変調があった。 実際,入植初期においては少なくない人々がこの変調に苦しめられた。変調は身体に対して様々な症状となって現れた。 それらは総称して「火星病」と言われた。 しかし元来,人類のバイオリズムが25時間周期であったために,時間の経過にともない,また世代を経るにともない容易に順応できた。 それよりも社会,経済をはじめとして,地球人類との間に発生する日付感覚のズレこそが問題であった。 その名残として,現在の火星では地球暦(グレゴリウス暦)を併記することがある。 それは,地球人類がグレゴリウス暦と自身の民族暦(例:ヒジュラ暦,和暦,民国暦等)の双方を用いる感覚と同様である。 3.ユニット 火星では単にユニット(unit)と呼称される一種の自律機械が普及している。 ユニットが火星で汎用的に利用されるようになった要因は,植民開始当初における労働力と工業生産能力の不足という極めて現実的な課題にある。 火星人類が直面したのは,テラフォーミングが完全でないために火星環境は人類が屋外作業活動を直接行うには過酷すぎるという問題であった。 植民を持続・発展させるためには各種の屋外作業活動は不可避である。 もともと少ない火星労働人口の有効活用のため,当然の帰結として人ないしは人工知能の指揮の下,屋外作業を行う自律機械の導入が考えられた。 もちろん,これらの問題は当初から予見されており,地球から輸送された各種の作業機械が屋外作業任務に充てられた。 しかし,拡大する植民規模に対して十分な機能・規模をもった作業機械を大量に導入することは困難であった。 主たる原因は地球-火星間の輸送に関するコスト・物理的制約である。 さらに火星環境の過酷さは機械製品にとっても同様であり,作業機械の故障は頻繁に生じた。 メンテナンスに必要な代替部品の供給も数ヶ月待たなければならない状況が続いた。 現地生産による対応が協議されたが,当時の火星における工業生産能力は微々たるものであり,一朝一夕で地球と同等の作業機械を量産することは適わないと判断された。 ここで一案として浮かび上がってきたのがモジュラーロボット(modular robot)の利用である。 モジュラーロボットはモジュールユニット(module unit)と呼ばれる小型の自律機械から構成される一種の群ロボットである。 このモジュールユニットが火星における「ユニット」の語源となっている。 ユニット単体は自律機械としては比較的単純な機能しか持たず,例えば地球でよく見られるヒューマンサイズロボットが備える程度の高次機能や複雑な構造すら持たない。 サイズは概ね人間の膝丈程度のものから,最大でも数メートルオーダー程度のものである。 モジュラーロボットがその特徴を発揮するのは,群ロボットと同じく複数のユニットが集合体として振る舞った場合である。 一般的な群ロボットとモジュラーロボットが異なる点は,各ユニットに結合・乖離の機構が備わっているということであろう。 ユニット同士を結合・乖離させることで,モジュラーロボットは自身の形状・規模を組み替えることが可能である。 作業環境や目的に応じて形状・規模を変化させることで,様々な任務に対応する汎用性の高いロボットであるといえる。 また,均質なユニット同士によって構成されたモジュラーロボットは,故障が生じた際に故障したユニットを切り捨て,健常なユニットと置き換えることができる。 これにより,部分的な故障により,全体としての機能を失わずに済むという利点をもつ。 これらモジュラーロボットの特徴,すなわち環境適応性(Adaptability),多機能性(Multifunctionalty),拡縮性(Scalability),耐故障性あるいは故障補償(Fault tolerance)は過酷な火星屋外環境において実用性が高いものと考えられた。 しかし,何よりも火星生産設備で十分製造可能であることが評価された。 前述したように構成要素であるユニット単体は単純な機能・構造で済む。試行錯誤の後,数種類のユニットが火星各所で生産されるようになった。 均質なユニットは量産効果が効きやすく,輸送やメンテナンスコストのかかる地球製の高機能自律機械に対して次第に流通量及び価格面で圧倒し,最終的にこれらを市場から駆逐した。 今日,火星ではユニットと呼ばれる小型の自律機械が無数に利用されている。これらユニットは相互に結び付きあるいは離れる。 ときには生物の群れのように分散・協調して行動し,ときには集合してあたかも巨人のように振る舞っている。 火星はロボットの利用に関しても独自の生態系を築くに至ったといえるだろう。 Oecumenarium © 2006- Sacra*Enn All right reserved.