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《闇よりの降臨者/A person of advent from darkness》 名前の由来:特にない!(ぇ 遊戯王:基本的にはビートダウンorコントロールデッキを使う。最近パーミッションのような相手の行動を制限したり、相手の戦術を徹底的に狂わせるデッキが好きだが、あまり作れてなかったりする。 趣味:遊戯王、音楽鑑賞、ピアノ。バラードや、明るい曲、迫力のある曲を好む。最近はの「茜空(レミオロメン)」や、夏目友人帳主題歌である「一斉の声(喜田修平)」、同じく夏目友人帳のエンディングテーマである「夏夕空(中孝介)」にはまっている。ピアノの腕は遊戯王と同じでまだまだ未熟。時々作曲とかもしているが、おそらく他の人から見れば変な曲。アレンジも適当。 職業:学生。今年で13歳。 その他:変なところだけ運がいい。プレイングミスも多い。自分にとって1番のストレス発散法は遊戯王だと思っている。最近は自分が厨2病であることに自覚を持ち始めた。 プロフリンクなど 闇よりの降臨者
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香霖堂───この舞台の施設の一つとなった、森近霖之助が経営する古道具屋。 多数の雑貨が乱雑する店は、いまや店仕舞いをせざるを得ない状況になっていた。 焼け焦げた跡、焼けた黒猫と、仁王立ちの今にも叫びそうなサイボーグ軍人の死体、 これらだけでも、十分に人を招き入れることに抵抗がある凄惨な光景と化していた。 そして何よりも、この店の店主が既に、物言わぬ存在の一人になっているのだから...... 殺し合いの中でギャンブルと言う奇妙にして、 ただのギャンブルでありながら八雲藍と熾烈な戦いを経て、 生き残った者の名前は、ジョセフ・ジョースター、因幡てゐ。 勝者、と言うには少々憚られる。彼等の目的は藍を説得することだ。 しかしそれは叶わず藍は止まることはなく、三人もの仲間を失ってしまった。 人は何かを得る為に何かを賭け、戦う。だが彼等が得たものは、虚しい勝利に近い。 故に、彼等を勝者と称えるべきではない。彼等はガッツポーズで喜べるわけがない。 目先の戦いは終わり、ほんの僅かながらの休息を手に、今は放送を待つ。 てゐは見張りがてら外へ、ジョセフは店の中で寝転がって休んでいる。 解毒剤を飲んだとは言え、麻痺毒で起き上がれないだけでもあるのだが。 休んでる間、ジョセフは三人を横目で見ながら思っていた。 この殺し合いに呼ばれてから最初に出会った少女、橙。 無邪気で外見相応の、文字通りの子猫みたいな子だった。 彼女との出会いが、今に至るまでの半日に及ぶ行動の始まりだ。 解毒剤を飲むことが出来たのは、彼女の抵抗があったからだ。 絶体絶命のジョセフを助けてくれた恩人、霖之助。 気を失う寸前にてゐと話し合って、冗談に聞こえないゾッとするような会話、 そして、此処で再会した時ぐらいしか、彼とはまともに会話をすることがなかった。 故に彼がどういった人物だとかは、余り詳しくは分かってはいない。 けれど、彼が不条理なこの世界で抗い続けた事で、てゐは勝利を掴めた。 それを知っているわけではないのだが、ジョセフは敬意を表さずにはいられない。 シュトロハイム───殺し合いに招かれる前からの知己。 祖国の為なら足の二本や三本どころか、カーズに真っ二つにされた下半身と、 カーズを火山に突っ込んで、その後に失った両足も合わせれば、 計六本の足を失おうとも、祖国の為に戦い続けた誇り高きドイツ軍人。 死体でありながら、すぐ傍で存在感を放っており。今にも動き出しそうである。 今こうしていられるのは、三人のお陰だ。 誰一人、無駄な死ではない。彼等のお陰で、二人は生きていられる。 キィィィ─────ン…… どこからともなく聞こえてくる、耳障りな音。 ジョセフは気を失ってたので、初めて聞く音だ。 『やあ、久し振りだね……参加者の諸君。第一回目の放送時と変わらず、荒木飛呂彦だ。 』 全ての元凶ともいえる諸悪の根源の声が、会場中へと広がっていく。 放送を聴き損ねるような状況でもないので、二人は聞き逃すことはしない。 特に、ジョセフは第一回の放送は察したシーザー以外は又聞きのようなものだ。 情報が正しくなければ、本来味方になりうる人物からも疑われかねない。 心理戦で相手の隙を突くジョセフにとって、情報は武器である。 その武器を捨て置くなんて事は、絶対にしない。 『これにて、第2回放送を終了するよ、』 声は消えて、雨音だけが二人の鼓膜を刺激する。 そんな中─── ドンッ!! ジョセフが床を強く叩く。 許せない。DIOにプッチ、荒木に太田、そして見ている事しか出来なかった自分に。 チルノはDIOに何かされただけだ、こいしもまだ引き返せたはずだと言うのに。 自分を自嘲気味に疫病神と言ったが、彼が関わった人物の殆どがこの殺し合いの犠牲者と化した。 その上で、プッチ、DIO、柱の男は今も生きている。疫病神どころか、死神にすら思えてくる。 外では音にてゐが反応するが、何の音かはおおよそ察しており、まだ店に戻らない。 彼女も似た考えだ。彼女も出会ったブチャラティの死を知り、幸運とはなんなのかと思う。 幸運の能力を使ったのはジョセフとブチャラティのみだが、彼女と出会う事自体が、本来は幸運なのだ。 けれど、此処では制限されてるのか、彼女が出会った者はどうなった? ブチャラティも、こいしも、チルノも、 先のギャンブルで関わった三人も、藍でさえも生き残ると言う幸運には至らなかった。 自分の幸運は幸運ではなく、他人の幸運を吸い上げ、他人にカスをつかませてだけではないのかと。 倒すべき存在は未だ健在。そして、他にも乗った参加者はいるのだろう。 けれど、二人が目指すは荒木達を倒し、殺し合いを打破する異変解決だ。 DIO達はその道中の敵に過ぎない。前途多難の道で先は思いやられるが、 ジョセフは元からそのつもりとして、てゐも相棒と共に行くと決めた。 自分達が疫病神だと、死神だと思おうとも、諦めることは───ヒーローの資格は失いはしない。 特に何事もなく放送が終了し、店の中へとてゐは戻る。 中に戻れば、ジョセフが軽く準備運動で体を動かしており、 「よし、治ったみてぇだな。」 麻痺毒が大分消えたことを確認する。 多少動きは鈍いが、十分もしないうちに治るはずだ。 先の怪我は短時間で治るはずもないが、調子はまだ良いほうだろう。 「しっかし、俺ってなんでこう毒に縁があんだろうなぁ~~~。 お祓いとかあてにしねえ性質だが、一度やっておいた方が良い気がするぜ。」 改めて彼は思う。人生に三度も誰かに毒を入れられた経験など、 このジョセフ・ジョースター以外に恐らくいないだろう。 ・・・・・・人生で何度も墜落をやらかすことについては、 三度目の経験がまだないので特に思わない。 「知り合いに巫女がいるよ。お祓いついでに貧乏神と悪霊を付属してくれるかもね。」 「それぜってぇ、お祓いじゃあねえだろ。」 「じゃあ緑の方に頼む? あっちも何処か頭のネジ外れてるけど。」 幻想郷で頭のネジが外れてない人間など、殆どいないだろう。 外の世界の常識から消えていった存在が集う場所の住人のだから、当然だが。 「外れてない奴はいねえのか?」 思えば、霖之助も気絶する前に物騒なことを口走っていたわけだ。 まともな奴はいないのかと、ジョセフは突っ込まざるを得ない。 「お坊さんならあんまりネジ外れて・・・・・・」 ふと、比較的幻想郷でも常識人たる存在を思い出す。 あれはまともな方だろうと思っていたが、風の噂で、 バイクに乗って駆けていたと言う、はっちゃけた話も聞いたことがある。 風の噂なので、真偽は不明だが。 「ないよね?」 「いや、俺が知ってるわけねーだろ。」 漫才のような雰囲気ではあるが、周りには文字通りの死屍累々。 端から見れば、二人のやってることはなんと不謹慎と思うだろう。 しかし、この場にいた人物の死だけでなく、助けたかった人や出会った存在の死。 二人とも、自分が思っている以上に精神的なダメージは大きいものとなっている。 気が滅入ってる今こそやっておかなければ、ずるずる引きずってしまいそうだった。 とは言え、いつまでも続けるつもりもなく、一息つけばジョセフは真面目な顔つきへと変わり、 「・・・・・・やるか。」 「だね。」 ジョセフがそう言うとてゐも頷き、 散乱するディパックや支給品をテーブルへと集めていく。 ついでに、集める間にこれまでおろそかにしてた情報交換をする。 一応、シュトロハイムと出会った時にもしたのだが、その時は時間軸のずれのせいで、 どうにもそっちに話が行ってしまい、永遠亭の仲間や柱の男について話せていなかった。 と言っても、互いに動く分には問題はなく、散乱すると言ってもそう遠い場所ではない。 柱の男や永遠亭の身内の話を終える頃には、テーブルに多数の支給品が纏められる。 シュトロハイムに刺さってる薙刀は、今すぐ使うわけでもないので一先ず保留。 とは言え、此処を発つなら、敵に使わせないためにも引き抜かねばならない。 橙のディパックから出てきたのは、先ほどの悲劇の引き金とも言える焼夷手榴弾。 威力の強さは、嫌と言うほど理解してるので、二人は使いたくない印象が強い。 エシディシの時以上に残酷な趣味だが、ゲス野郎にかましてやるものとしては上質で、 柱の男はともかく、プッチとDIOに対しては比較的通用するだろう。 「藍のは───ってぬおおおおおっ!?」 次のディパックをてゐが確認していると、驚嘆しながら咄嗟に飛びのく。 その余波が続いたのかのように更に後ろへ、壁際まで後ずさりし、やがてぶつかる。 結構痛そうな音を出していたが、今はそれを感じてる場合ではなかった。 「なんだぁ? びっくり箱でもあったのかぁ~?」 ビビったてゐににジョセフはやけながら藍のディパックに手を突っ込む。 髪の毛のような奇妙な感触を感じながら掴んで引っ張り出し、それを見た瞬間、 「───うおおおおおっ!?」 『それ』には申し訳ないと思いつつも、投げるように手放し、同じように飛びのいて、距離を取る。 投げられたそれは僅かに跳ねた後、床を軽く転がって、やがて止まる。 藍が『これ』を持ってきているとは、てゐはともかく、ジョセフは予想していた。 しかし、あの激戦のせいで、完全にこの存在を忘れてしまった。 出てきたものは───誰かの首。 彼等は知らないが、宮古芳香と呼ばれた者の首である。 「す、すっかり忘れてたぜ・・・・・・あるって思ってたのによぉ~~~~。」 「他にも首は・・・・・・ない、か。」 そっとディパックの中をのぞいてみるも、 同じように首が入っているというわけではなかった。 基本支給品は入っていたものの、死体の首と一緒に入っていた支給品。 しかも、藍は紙に首が入ると知らなかった以上、紙にいれていない。 故に、首から流れた血がディパックや支給品に染み込み、異臭が結構酷い。 使いたいと言う気は起きず、芳香の首は投げ捨てたことを謝りつつ、霖之助の側の椅子に置く。 シュトロハイムのも特にめぼしいのはなく・・・・・・と言うよりめ、ぼしい物は既にくすねた。 彼のディパックから蓬莱の薬をくすねたからこそ、あのギャンブルが成立していたのだが。 残るは霖之助のディパックのみ。此方も基本支給品があり、そして─── 「持ってるって言ってたなぁ、そういえば。」 出てきた一枚のディスクを見て、てゐがまじまじと眺める。 自分が持っていたディスクと、殆ど変わりはしない円盤。 けれども、彼自身がスタンドディスクと言っていたものだ。 スタンドディスクであるのは間違いないだろう。 「何だそりゃ? どっかで見たような、ないような・・・・・・」 ホワイトスネイクにディスクを抜かれた時の記憶はあるにはある。 だが、殆ど昏睡状態だったので、おぼろげな記憶しかない。 「これ? 頭に突っ込めばスタンドが使えるようになる奴。 アンタが戦ってた聖職者いたじゃん。あいつの傍に立ってた奴も多分スタンドだよ。」 「ああ、あの時の円盤か。あれスタンドって言うのか・・・・・・んで、スタンドってなんだ?」 「って、知らなかったのね。」 プッチと戦ってた時、ジョセフはある程度互角に戦っており、 てっきりスタンドのことは理解しているものだと思っていた。 故にてゐは先ほどの情報交換で、スタンドディスクについては特に説明していない。 「といっても、私も殆ど分かってないよ。自分の精神が形になった存在って聞いた。」 最初にブチャラティと出会った時も、 大した説明は受けているわけではない。 ドラゴンズ・ドリームは自我(と別の誰かの意志の残滓)を確立しているが、 かといってスタンドの基本を説明をしてくれるわけでもなく。 「とりあえず、誰でもスタンドが使えるアイテムって事。 もう少し細かい情報交換もしたいけど、試しに使ってみる? これを額に文字通り突っ込むだけで、スタンドは出すことが出来るから。」 てゐにはすでにドラゴンズ・ドリームがある。 他のスタンドを使いこなせる自信もないので、ジョセフに投げるように渡す。 使えば間違いなく混沌を齎すスタンド『サバイバー』が入ったディスク。 嫌な予感がしたから霖之助が避けていた、なんてことを彼等が知るはずがない。 地雷前提のため、スタンドの細かい説明書の類すらないのでは、使わない理由がなく。 「そうだな、試しに使ってみるか。」 ディスクを入れた瞬間、全てが手遅れとなるスタンドなどと知らず、 ジョセフは遠足を前にはしゃぐ子供のように楽しみにしながら、 ディスクを頭にはめ込む─── 「って待てよ?」 ───寸前、ジョセフの手が止まる。 「あの眼鏡の兄ちゃん、戦えたのか?」 「へ? どうしたのさ、急に。」 「いやね、考えてみたらスタンドが身につくってことは、 プッチの野郎を思い出すと、分身を作るようなもんだろ? つまりだ、単純に言って一人で二人の戦力になれるってこった。 なら、普通は使うのが当然じゃあないのか? 何で態々ディパック眠ってるんだ? んで最初に考えたのが、眼鏡の兄ちゃんはこれを必要としないぐらい強かったか、だ。」 戦いが避けられない以上、自衛できるものなら装備するに越したことはない。 特に、自分が弱いと認識しながら主催者へ出来る限り抗っていた彼が、 生き残るために使うか、誰かに渡して使わせるのが、普通の見解になる。 自分に装備する時間も、誰かに渡しておくぐらいの時間はあったはずだ。 けれど装備せず、誰かに渡すこともしないまま放置する理由とは何か。 ジョセフはそれを考えていた。 「いんにゃ、あの店主はからっきしだよ。 戦うなんて無理無理。この殺し合いで最下位狙えるよ。」 危険地帯に足を運ぶなんて無茶な事をしているが、 能力も、本人の身体スペックも常人とさほど変わらない。 あるとすればその能力と知識の豊富さによる、頭の回転の早さだろう。 「じゃあ、こいつを使わなかった理由が別になるのか。 なんでこれを使わなかったのか・・・・・・大体三つになるな。 頭に入れる事を知らなかったか、使えないスタンドか、使う場面が来なかったか。」 いずれにしても、チルノと対峙した時にはったりでやりすごす理由にもなりえる。 これだけでは、ディパックに入っていた答えにはたどり着かない。 「あの店主は見ただけで道具の名前と用途が分かる能力があるけど、あくまで用途。 例えば、これで言えばスタンドを得るディスクって説明が出るかもしれないけど、 『頭に挿し込む事で』って言う部分は分からないんだよね・・・・・・あ、説明書入ってた。」 ディパックを漁れば、普通に使い方を記された紙きれが出てくる。 道具の用途はわかれど、使用方法が分からない能力でも、 これなら使用することは出来るだろう。 「これが頭に挿すものだって分かってて使わなかったか・・・・・・」 残るは二つ。使えないスタンドか使う場面がなかったか。 前者は単純にして明快、後者は戦闘において不向きなスタンドであったのかもしれない。 「あー、考察してるところ、悪いんだけどさ。」 考えているジョセフへ、ばつが悪そうにてゐが手を挙げる。 「何だ?」 「あいつ、スタンドが何か知らなかったっぽいよ?」 『僕の支給品は『スタンドDISC』なる物と『賽子』の3つセットだ。 正直どう扱った物か、使いあぐねている。『スタンド』などと言われてもまるで意味が分からないしね。』 支給品を開示したあの時、彼はそう言った。 スタンドと言う単語は知っていたようではあるが、 同時に、スタンドが何かを理解しているわけでもなかった。 てゐはブチャラティと出会ったからこそ、スタンドに理解があったようなものだ。 二人が出会ったスタンド使いは他にはプッチだけで、プッチも説明はしていない。 てゐだけが唯一スタンドを知っていたことになるが、彼の前では口にしておらず、 霖之助の口ぶりからも、スタンド使いとも出会っていない。となると、 彼がスタンドが何かを知る機会は、恐らく一度もなかった事になる。 もしかしたら香霖堂へ行く間に誰かと出会えていたかもしれないが、 彼がこの道具を使ってないところを見るに、その可能性は低いだろう。 「え、そうなの?」 「と言うわけで、ディスクがあるのはそういうこと。 ってか、それを気にして今更どうなるっての、ジョジョ。」 「ま、それもそうだな。なんにしても頭に入れちまえば答えは出るってことだな。」 ある意味、ジョセフの言うことは正しい。 入れてみればどんなスタンドかは操作すれば分かる。 鬼が出るか蛇が出るか、ジョセフはそのディスクを─── 放送を聞きながらも、トラサルディーへと向かう永琳。 死者は十八人と多数ではあるが、余り思うところはなかった。 確かにシュトロハイムは死亡してしまった。協力者が減ったのは痛い。 けれど、彼女の目的はあくまで永遠亭のメンバーの脱出である。 『残念ね』程度にしか思わず、優曇華が襲った藍の脱落を気にしたぐらいか。 どちらかといえば、生存者についての方が思うところは多い。 殺したと妹紅が言った輝夜含めて、永遠亭の者は呼ばれていない。 輝夜は殺したと言った妹紅の戯言は気にせずとも、身を案じる以上安堵の息を吐く。 妹紅は禁止エリアによる自滅を回避し、柱の男も四人とも生存している。 厄介な敵は揃い踏みだが、接触を考えているDIOも生存しているようなので、 特に支障をきたすような状況ではない。 幸い、伝言要因としてはリンゴォがまだ生きている。 てゐや輝夜に会えていれば幸運と思いながら、 川沿いに走り続け───あるものを見つけた。 川の近く、禁止エリアへ向かう時にはなかった死体を見つける。 誰と認識できるかも怪しい、全身焼け爛れた姿は常人なら目を背けるものだ。 医者である以上死体も見てきた、惨い死体でも、目を背ける事もなく直視することは出来た。 たかがギャンブル、されど壮絶な戦いを経た末に死亡した、八雲藍の死体。 優曇華から八雲藍の情報は聞いてこそはいるが、これでは彼女だと認識は無理だ。 今後、何かしらで更に死体が必要になっても、損傷が激し過ぎてサンプルには不向き。 支給品があれば回収したかったが、周囲にはない。なので放っておこうとは思ったが、 力尽きた死体なのに、なぜか腰が少し浮いた状態で曲がっており、永琳は死体を仰向けにする。 「これは・・・・・・腕?」 仰向けにすれば、死体に鉄製の腕が突き刺さっていた。 それが突っかかっていたことにより、僅かに腰が曲がっていただけだ。 香霖堂での戦いでシュトロハイムが飛ばした、鉄製の右腕。 使いにくいが鈍器や防具、或いは義手としての運用が可能だろう。 彼女は医者だ、義手による手術も設備があれば出来なくはない。 ・・・・・・もっとも、この腕が義手としての機能を果たせるかは疑問だが。 持ち運ぶのにも特に困らないので、死体から引き抜き、それを紙にしまう。 少し時間は費やしたものの、目的地は殆ど目と鼻の先のようなものだ。 トラサルディーまでもうすぐの所。香霖堂から漏れる灯りを見つける。 空は暗雲により暗く、灯りは陽が沈んだ夜間のように、よく目立つ。 明らかに人がいると知らせており、無用心極まりない感想を抱いた。 なので、あれは誘蛾灯、もとい罠と言う可能性が極めて高い。 傘を閉じて、静かに窓から軽く顔をのぞかせ、内部の様子を探る。 危険人物ならば逃げる。そうでなければ接触を図る。ただそれだけだ。 数分の時間と、雨に濡れるぐらいの損失ならば、特に気にはしない。 「す、すっかり忘れてたぜ・・・・・・あるって思ってたのによぉ~~~~。」 「他にも首は・・・・・・ない、か。」 中を覗けば、出会った参加者から名前すら挙がらなかったてゐが、背丈が高い男と一緒にいた。 同時に、今しがた死亡と分かったシュトロハイムが仁王立ちで薙刀に貫かれ、 他にも死体と、死体か分からない参加者も近くにいる。 (この光景は、どっちなのかしら。) 永琳は考えた。 てゐ達は乗っているのか。てゐ達が身を護った結果、こうなったのか。 てゐ達が来る頃にはこの店は既にこうなってたのか。加害者、被害者、第三者。 推測は無数、しかし全てにおいて確実性にかけていて、情報が足りなさ過ぎる。 此処で何がおきたのかをある程度把握しなければ、今入るのは愚行と言うもの。 また、男もシュトロハイムの言うジョセフ・ジョースターの挙げた特徴に近いが、 今のところ確信は持てない。まだグレーの段階として、永琳は警戒を続ける。 「って待てよ?」 「あの眼鏡の兄ちゃん、戦えたのか?」 「へ? どうしたのさ、急に。」 再び顔を覗かせれば、誰かの話をしている。 てゐは何時も通りで、妹紅と違って未だ正常のようだ。 けれど、どこか逞しいというか、精悍な顔つきに感じる。 以前の彼女ならば、そういう表情は見受けられなかった。 『未来』の彼女なのか、それともこの殺し合いで成長したのか。 「え、そうなの?」 「と言うわけで、ディスクがあるのはそういうことだよ。 ってか、それを気にして今更どうなるっての、ジョジョ。」 ジョジョ───ジョセフ・ジョースターのあだ名と聞いている。 シュトロハイムが言っていたジョジョと言うのは、彼で間違いないだろう。 けれど、まだ接触しない。彼は安心できる人物と、断言するのにはまだ早い。 優曇華が乗らないと思っていた藍に襲われ、彼女も乗っていないと思っていた妹紅に襲われた。 この極限の状況下では、人は短時間で見違えて変化する。良い意味でも、悪い意味でも。 思い込みはしない。思い込むのは何よりも恐ろしい。 「ま、それもそうだな。なんにしても頭に入れちまえば答えは出るよな。」 妹紅のような事態には陥ってはなさそうだ。てゐとの会話も、スムーズに進んでいる。 声をかける分には安全だ。てゐの仲介もあれば、敵ではないことは示せるはず。 問題は、まだこの惨状の元凶かどうかがいまいち分かっていない事だ。 時間軸のズレもあいまって、知己でも口論や何かしらの問題が起きかねない。 完全なシロとは言い切れない現状、確信を持つ手段を画策していると─── 「ところで、アンタは何時まで俺達を見てるつもりだ? まさか隙が出来るまでずぅ~~~~っと壁に張り付いてるのか?」 頭に円盤状のものを突っ込もうとした寸前、 男が視線を窓───すなわち、彼女へ向けなら言葉を紡ぐ。 (!?) 「え、誰かいるの? ってかなんでいるって分かるの?」 てゐは全く気づいてなく、焦った表情でジョセフの視線の先の窓へ視線を向けた。 別に、永琳は隠密行動に長けているわけではないが、かといってしくじった覚えもない。 答えは、永琳やてゐの知識の外にあるものだ。 「ヒヒ、ちょっとした波紋の応用ね。」 ジョセフはスタンドについて殆ど知らないが、てゐもまた波紋について殆ど知らない。 二人からはデイバッグに隠れて見えないが、ジョセフの左手にはペットボトルの水が渦を巻いている。 波紋によるレーダーを用いて、少し前から誰かが隠れていることには気がついていた。 ただ、首の件で呼吸が乱れて機能を失い、気づく事が出来たのは、ディスクを挿し込む寸前。 ディスクを入れた時どうなるかは分からない。もしかしたら一瞬だが視界が見えなくなるとか、 そういう一瞬でも何かしらの隙が出来たらまずい。故に、その寸前に適当な雑談に興じた。 無論、相手に悟られないように突拍子もない話ではなく、今までの話に繋がるような内容で。 適当に話をして、様子を伺う。誰かいることは分かったが、敵なのか味方までは分からない。 敵ならば隙を突くだろうと、ディスクを入れる素振りを二度も見せたが、まだ出てこない。 味方だとしても、この死屍累々の状況を誤解してもおかしくはなく、下手に刺激も出来なかった。 けれど、いつまでも放って置くわけにも行かないので、ジョセフは声を掛ける。 (敵意はなさそうだし、素直に従った方がいいわね。) 見つかってる以上、隠れるだけ無駄と言うもの。 警告してくる以上、乗っている可能性もないだろう。 無駄に長引かせては余計に疑われてはかなわないので、 素直に近くの玄関から姿を見せる。 「あ、お師匠様!!」 半日と言う、長い年月を生きるてゐにとって、瞬きに過ぎないような時間。 余りにも短い時間のはずが、何十年ぶりに再会する友人のような気分を感じた。 やっと会えた永遠亭のメンバーにてゐは駆け寄るも、 「感動してるところ悪いのだけど、拭くものってないかしら。」 聞き耳立てるために傘はしまったので、永琳はいまやずぶぬれである。 足元に水溜りは当然で、今も髪やら手やら、雫は絶え間なく落ちていく。 「りょ、了解!」 普段の関係を忘れることはなく、てゐは足早に店を散策する。 話には聞いていたが、上司と部下と言う立場は想像がつかず、 今のてゐの行動に、ジョセフは唖然としてしまう。 「シュトロハイムから聞いているわ、ジョセフ・ジョースター。 この文字通りの死屍累々の状況の説明、してもらえるかしら?」 「あ、ああ。わかった・・・・・・」 唖然としているところ、すぐに現実に引き戻され、 二人はテーブルについて説明を始めた。 青年会話中...... 「てゐが生きてるのは、貴方達のお陰なのね・・・・・・礼を言うわ。」 てゐが持ってきたタオルで顔を拭きながら、永琳は言葉を紡ぐ。 仲間との脱出こそ最優先で、他人が脱落しても構わない考えだが、 だからといって、身内を助けられた者へ礼が言えない人物ではない。 この場にいた者達のお陰で、てゐは今もこうして生きていられる。 その事については、彼女は本心からジョセフへ、死者に感謝している。 (シュトロハイムの右腕が刺さっていたのは、その八雲藍か。) 窓の位置で分かりにくかったが、シュトロハイムの右腕はない。 先ほど拾ったのも右腕で、右腕が彼ので、先の死体が八雲藍なのはおおよそ察した。 けれど、それらは大した問題ではない。ただの一つの過程を知ったに過ぎない。 (それよりも、問題なのは───彼等。) 一方で、二人の目的であるこの異変の解決は、彼女を悩ませた。 脱出優先であることから、そのことについては賛成ではある。 だが、異変解決の荒木と太田の打倒は、能力を奪う機会が失われるかもしれない。 或いは、能力の奪う手段を確立する前に解決されて、終わってしまうのではないか。 現在は何にも至ってない白紙の計画ではある以上、気にするほどではないとは思うが、 それは此方も同じ事で、爆弾のことについても余り調べきれていない。 どうするか。穏やかな表情ではあるものの、内心は少し焦っている。 「お師匠様の動きは何時も通りって感じだね。ほい、ジョジョも。」 タオルの他にもお茶を出しながら、てゐは言う。 戦力よりも人脈や情報収集を優先。厄介な相手はいたが、 誰かしらと出会っても激戦に至る事はなく、やり過ごす。 月の頭脳と謳われた彼女らしい立ち回りは、流石と言うべきだ。 ・・・・・・無論、実験の為に色々やったことはある程度伏せているが。 「おう、サンキューな・・・・・・って何だこれ?」 「何って、お茶だけど? ああ、ジョジョって紅茶派?」 「ああ、お茶ね・・・・・・ってゴミ入ってるじゃあねえか!」 「茶柱だアホ! 寧ろ立ってたら良いことあるんだよ!」 ギャーギャー騒ぐ二人を見ながら、思索をめぐらせる。 もしも、トントン拍子で異変を解決されてしまえば、目的は達成できない。 かといって中止させたり、妨害させるのも難しい。やりすぎれば乗っていると疑われるし、 何より、相手は脱出させたいてゐだ。てゐを死なせないように補佐しながらも、 異変解決もすぐにはさせないが、それでも解決を目指し、荒木と太田から能力の奪取。 凄まじい難題だ。輝夜の難題の一つにでも組み込まれても良いのではないかと思えるほどに。 そう考えていると、視界の隅に映る、一人の参加者だった存在。 「そういえば、あの首だけど・・・・・・」 永琳が視線を向けるは、霖之助の隣の椅子に置かれた、芳香の首。 「あれか? あれは藍が持ってた奴だが・・・・・・知り合い、だったのか?」 先ほどの放送で呼ばれた名前と、 妹紅が呟いていた人物の名前が一致し、 なおかつ破いた写真に写っていた少女。、 「いえ、知らないわ。さっきの話で出てこなかったから聞いただけよ。」 けれど、別に関係ない事だ。 妹紅を戻したいと思うつもりはなく、『アレ』は最早手遅れだ。 彼女がどういう人物だったか知った所で、なんら意味はない。 自分にとっては、知己でもなんでもないのだから。 「さて、と。ひと段落着いたところで・・・・・・」 話も一通り終わり、ジョセフは机に置いたディスクを手にする。 「それにしても、そういう手段で得られるのもあるのね。 スタンドについてはリンゴォから聞いてはいたけれど。」 「今度は邪魔がないように、確認してと。」 いい加減使ってみようと、波紋探知機でも人数はこの場にいる者の数だけ。 誰からも妨害はされることはないはずだ。 「それを終えたら、トラサルディーに向かっても良いかしら? 輝夜が待っているかもしれないから。」 「おう、分かったぜ。」 今度こそ額へディスクを運ぶ。 そしてディスクを挿し込み、悲劇を─── 「ん?」 「え?」 「へ?」 ───招かなかった。 まだ、ジョセフの額にディスクは入っていなかった。 挿し込む寸前に、三人はあるものに気づき、声を上げて止まった。 声を上げた理由は───音だ。静かにうなり声を上げる、機械音。 三人が音の元凶となる場所へ視線を向け、視線の先にあるものは─── パソコン。 デスクトップのタイプの、白を基調とした古めのパソコン。 何もしていないのに勝手に起動し、音を立てながら立ち上がる。 「何だぁ? このテレビみてーな箱は。」 パソコンなんてジョセフの時代には存在しない。 だから、テレビのような物体としたものとしか認識できなかった。 「店主がいつか言ってた式神だね。操作方法知らないけど。」 てゐは何度か通った以上、これが何かは聞き及んでいる。 もっとも、店主自体がこれの用途は分かってただけで、 使い方を分かっていたかは、今となっては分からないが。 起動し、質素な緑だけの背景の画面へと切り替わる。 スタート画面やら何やらも後を追って出てくるが、 二人には使い方が分からないので、あぐねてしまう。 「これ、私が操作しても良いかしら?」 とは言え、此処で悩んでも仕方がない。 悩む二人をよそに、永琳がパソコンの前の椅子へと座る。 「アンタ、こいつが何かわかるのか?」 「分からないけれど、なんとなくは分かるわ。」 医者であるが故に、機械にも多少の心得はある。 あくまで多少レベルであって、パソコン自体操作したことはないので、ほぼ直感だ。 けれど、二人よりかは間違った行動もしないだろう。 「俺達じゃあ出来るわけでもねえし、任せるぜ。」 自分達が特に出来ることもないので、操作は永琳に任された。 マウスを、カーソルを動かしてパソコンの画面内を動く。 ジョセフもてゐも、パソコンと言うものが分かってないので、 物珍しげに永琳が操作しているところを画面を見つめる。 『まるで子供みたい』と、微笑を浮かべながら、永琳はパソコンを操作する。 デスクトップのショートカットアイコンがあったのは、メールボックス。 スタート画面を押すと、幾つか項目は出てくるも、どれを指してるか分かりにくい。 外的要因で電源がついたものだ。恐らくは目立つ存在に何かしらあるのだろう。 目立つといえば、ショートカットアイコンが唯一存在する、メールボックス。 カーソルを合わせクリックするも、右でクリックしたことで更に項目が確認され、 余計にどれを選べば良いかわからなくなったが、今度は左クリックでメールボックス押す。 右クリックで出てきた項目は消え、メールボックスが開かれる。 メールボックスを開けば、案の定メールが一件入っている。 タイトルは─── 『ジョセフ・ジョースターへ。太田、といえば分かるよね?』 【D-4 香霖堂/真昼】 【ジョセフ・ジョースター@第2部 戦闘潮流】 [状態]:精神消耗(大)、胸部と背中の銃創箇所に火傷(完全止血&手当済み)、てゐの幸運 [装備]:アリスの魔法人形×3、金属バット [道具]:基本支給品、毛糸玉、綿、植物油、果物ナイフ(人形に装備)、小麦粉、三つ葉のクローバー、香霖堂の銭×12、スタンドDI SC「サバイバー」 [思考・状況] 基本行動方針:相棒と共に異変を解決する。 1:太田!? ってか、俺を名指し!? 2:こいしもチルノも救えなかった・・・・・・俺に出来るのは、DIOとプッチもブッ飛ばすしかねぇッ! 3:シーザーの仇も取りたい。そいつもブッ飛ばすッ! [備考] ※参戦時期はカーズを溶岩に突っ込んだ所です ※東方家から毛糸玉、綿、植物油、果物ナイフなど、様々な日用品を調達しました。この他にもまだ色々くすねているかもしれません。 ※因幡てゐから最大限の祝福を受けました。 ※永琳、てゐと情報交換しました 【因幡てゐ@東方永夜抄】 [状態]:黄金の精神、精神消耗(大)、頭強打 [装備]:閃光手榴弾×1、スタンドDISC「ドラゴンズ・ドリーム」 [道具]:ジャンクスタンドDISCセット1、蓬莱の薬、基本支給品、他(コンビニで手に入る物品少量) [思考・状況] 基本行動方針:相棒と共に異変を解決する。 1:太田!? 2:暇が出来たら、コロッセオの真実の口の仕掛けを調べに行く 3:柱の男は素直にジョジョに任せよう、私には無理だ [備考] ※参戦時期は少なくとも星蓮船終了以降です(バイクの件はあくまで噂) ※制限の度合いは後の書き手さんにお任せします。 ※蓬莱の薬には永琳がつけた目盛りがあります ※永琳、ジョセフと情報交換しました (まさか、太田が直接接触してくるなんて・・・・・・!) 流石に予想外だった。 こんなにも早く、しかも向こうからの接触。 (もっとも、主催者と関わりのある人間は既に複数いるのだが。) これからどうするか悩んでいた矢先にこれだ。 しかも、異変解決に臨むジョセフを名指ししている。 話を切り上げて、トラサルディーは向かってる場合ではなくなった。 太田は一体、何をするのか、それは月の頭脳をもってしても分からない。 分かることは一つ。彼女の目的は───輝夜の難題を超えるであろう難題ということだけ。 【八意永琳@東方永夜抄】 [状態]:精神的疲労(小)、かなり濡れている(タオルで拭いてる) [装備]:ミスタの拳銃(5/6)@ジョジョ第5部、携帯電話、雨傘、タオル@現地調達 [道具]:ミスタの拳銃予備弾薬(残り15発)、DIOのノート@ジョジョ第6部、永琳の実験メモ、幽谷響子とアリス・マーガトロイド の死体、永遠亭で回収した医療道具、基本支給品×3(永琳、芳香、幽々子)、カメラの予備フィルム5パック、シュトロハイムの鉄製右 腕@第2部 [思考・状況] 基本行動方針:輝夜、ウドンゲ、てゐと一応自分自身の生還と、主催の能力の奪取。 他参加者の生命やゲームの早期破壊は優先しない。 表面上は穏健な対主催を装う。 1:・・・・・・どうする? 2:レストラン・トラサルディーに移動 3:輝夜の捜索、一応リサリサの捜索 4:しばらく経ったら、ウドンゲに謝る 5:柱の男や未知の能力、特にスタンドを警戒。八雲紫、藤原妹紅に警戒。 6:情報収集、およびアイテム収集をする 7:計画や行動に支障が出ない範囲でシュトロハイムの事へ協力する 8:リンゴォへの嫌悪感 [備考] ※参戦時期は永夜異変中、自機組対面前です。 ※シュトロハイムからジョセフ、シーザー、リサリサ、スピードワゴン、柱の男達の情報を得ました ※『現在の』幻想郷の仕組みについて、鈴仙から大まかな説明を受けました。鈴仙との時間軸のズレを把握しました ※制限は掛けられていますが、その度合いは不明です ※『広瀬康一の家』の電話番号を知りました ※DIOのノートにより、DIOの人柄、目的、能力などを大まかに知りました。現在読み進めている途中です ※『妹紅と芳香の写真』が、『妹紅の写真』、『芳香の写真』の二組に破かれ会場のどこかに飛んでいきました ※リンゴォから大まかにスタンドの事は聞きました ※てゐ、ジョセフと情報交換しました ○永琳の実験メモ 禁止エリアに赴き、実験動物(モルモット)を放置。 →その後、モルモットは回収。レストラン・トラサルディーへ向かう。 →放送を迎えた後、その内容に応じてその後の対応を考える。 →仲間と今後の行動を話し合い、問題が出たらその都度、適応に処理していく。 →はたてへの連絡。主催者と通じているかどうかを何とか聞き出す。 →主催が参加者の動向を見張る方法を見極めても見極めなくても、それに応じてこちらも細心の注意を払いながら行動。 →『魂を取り出す方法』の調査(DIOと接触?) →爆弾の無効化。 ※テーブルに橙、シュトロハイム、霖之助、藍のディパック(中は全員基本支給品のみ)、賽子×3、トランプセット(JOKERのみト リックカード)、マジックペン、焼夷手榴弾×2、飲みかけの茶が入った湯飲み(ジョセフのだけ茶柱)@現地調達が置かれています 店内に橙の死体、霖之助の死体、秦こころの薙刀が突き刺さったまま仁王立ちのシュトロハイムの死体があります また、霖之助の側の椅子に宮古芳香の首が鎮座してます 川の近くに藍の死体があります 166:悪の救世主 投下順 168:星屑の巡り 絆げ靈夢の紅蒼詩 ――『絆』は『約束』―― 166:悪の救世主 時系列順 168:星屑の巡り 絆げ靈夢の紅蒼詩 ――『絆』は『約束』―― 136:白兎巧師よ潮流に躍れ ――『絆』は『相棒』―― ジョセフ・ジョースター 169:Hail 2 U! 136:白兎巧師よ潮流に躍れ ――『絆』は『相棒』―― 因幡てゐ 169:Hail 2 U! 146:迷いを断て!白楼剣! 八意永琳 169:Hail 2 U!
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クエスト関連14 各種イベント、NPCの台詞などを書き込む場所です。 当然ながらネタバレ要注意。 古来よりの政略 白刃よ蘇れ 古き傷跡の主 望み尽きる事も無く 親書と大使 古の刃 古来よりの政略 ■受領■ おぅ、お前らか! ついに来たぜ、“公女”の駒だ! 俺に知り合いに貴族街で働いてる奴がいてな、 ソイツの主人が駒の持ち主だ。 ったく苦労したぜ、お前らの為にな! どうにか根回しして説得して、 ついに約束取り付けたからよ! どれ、手持ちの駒出してみな。 1、2、3、4…? アレ、1個足りねぇな。 … …やべぇ。 お前らまだ残りの1つは 手に入れてねぇのか? しまった! 俺ぁすっかり 勘違いして、すぐ持って行くって 言っちまったじゃねぇか! チキショウ…こうなったら仕方ねぇ。 お前ら3時間以内に、 絶対残りの1つ手に入れて来い! バカヤロウ、こちとら酒場の信用に 関わるんだ、お前らだって 二度とねぇチャンスだろ! ほら走って行って来い! 何とか宜しくたのんだぜ! ラガード公宮 おお、これは冒険者どの。 折り良く参られた、丁度そなたらに 伝えねばならぬ事があってな。 実は昨夜、我らの下へ不審な 投げ文があったのじゃ。 「金色の駒、更に1つ手に収めたり。 治むる者よ(ギルド名)に告げ、 樹海にて待つ」 これは間違い無く、 そなたらに宛てた文じゃろう。 何故我らに届いたかは知らぬが… 不穏な事さえ無ければ良い、 この類に関してはそなたらの方が 我らよりも専らじゃからな。 そなたらで、 よしなに計らってくれまいか。 ご活躍に期待しておるぞ! 20階C-4 クアナーン 君たちは開けた森を進み、 見慣れた人物を見付け出す。 男は此方に気付き、 軽く手を上げて君たちに応えると、 自ら歩み寄って来る。 「ん…(ギルド名)、 主に預けた手紙は届いたか? 文が稚拙ですまなかった」 君たちが手紙の内容に触れると 翼人の長は振り返って手近な仲間を 呼び、何かを持って来させる。 「君らが立ち去ってから森でまた 飾り物を見付けたのだ。 欲しがっていたから拾っておいた」 長の差し出した物は紛れも無い、 金細工の駒だ! 君たちは翼人たちに礼を告げ、 駒を手に入れてその場を後にする! 金細工の駒“騎士”を手に入れた 酒場からの依頼に必要な 金細工の駒が全て揃った! ■報告■ おぅ、お前ら! まってたぜ、早くしろ! おおっ、やったじゃねぇか! 1、2、3、4、5… 確かに全部あるぜ! おし、俺ぁコレ持ってちょっくら 行って来るからちょっと待ってろ。 店番たのむぜ! おぅ、お待たせ! いやぁ危なかった、 約束の時間ギリギリだったぜ。 ほらよ、約束の“公女”の駒だ! これでお前らは全ての駒を1度は 手にした事になるな。 お疲れさん! 次回も宜しくたのんだぜ! ハマオⅢを手に入れた 金細工の駒“公女”を手に入れた 白刃よ蘇れ ■受領■ よぉ、お前らか。 その依頼受けてくれねぇかな。 なぁに、ちょいと厄介でな。 依頼主は有名なギルド…って言っても 今やお前らより有名なギルドなんざ いる筈もねぇんだがさ。 まぁ、とにかく樹海を探索してる 剣士からの依頼でな、 愛用の斧がボロボロなんだと。 樹海の有名な砥ぎ師に斧を磨いて来て もらいてぇって話だが… こっからが肝でな。 その砥ぎ師に武具を磨いてもらうには 刃を研ぐ砥石と金が必要だ。 ところがこのどっちも、 依頼された側が負担しろってんだよ。 砥石は良いが、金もだぜ? 報酬に自信があるのか知らねぇが、 ちょいと非常識だろ? 俺も困っちまってな。 まぁお前らが受けてくれるなら 俺ぁ少しは気が楽だがよ、 是非に何とかしてやってくれや。 砥ぎ師は21階の中央辺りに 出るって聞いてる、 一応預かった斧は渡しとくぜ。 じゃ、宜しくたのんだぜ! 鋼鉄の戦斧を手に入れた 21階D-5 君たちは新緑の樹海を思わせる 城の通路を抜けて、 1つの小部屋へと辿り付く。 さほど広くは無い空間の中央に、 男が1人、部屋を物色するかの様に 上を見上げている。 男は君たちに気が付くと ゆっくり此方を向き直り、 声を掛ける。 「…こんにちわ、冒険者だね」 相手の素っ気ない様子に戸惑いながら 君たちが挨拶を返すと、 男は言葉を続ける。 「ねぇ、この部屋どうかなぁ。 ”お店”ってヤツになると思う? 君たちの”お店”ってどんな感じ?」 君たちが矢継ぎ早の質問に 言葉を失うと、男はその様子に気付き コロコロと笑い出す。 「あ、ゴメンゴメン。 考え事してたからつい… で、僕に用があるわけ?」 君たちは酒場で受けた依頼を 覚えているだろうか? 樹海の砥ぎ師に刃こぼれした斧を 磨いてもらって来て欲しい、 という内容のモノだ。 砥ぎ師はこの階にいると聞いた筈だ。 君たちは依頼の話を切り出して、 彼の反応を待つ。 真白銀の塊と金を持ってない 「ふぅん…僕、樹海の砥ぎ師だけど? お金と砥石は持参って条件、 忘れちゃった?」 「1000エンと真白銀の塊、 ちゃんと持って来ないと、 砥いであげられないよ? あ、ちなみに真白銀の塊は、 空飛ぶ城の白い騎士を ゴツンってやれば取れるから この部屋を”お店”にするんだ、 しばらく此処にいるから、 行って来て良いよ、じゃあまたね」 男はそれだけ話終えると、 再び何事かを呟きながら 部屋の天井を見渡し始める。 どうやら彼に武具を砥いで もらう為には、必要な物を 集めるしかなさそうだ… 君たちは此方に目もくれない彼に 軽く挨拶して、 その場を立ち去る事にする。 真白銀の塊と金を持ってる 「ふぅん…僕、樹海の砥ぎ師だけど? お金と砥石、持って来たようだね、 じゃあ始めるから武具出して?」 男は君たちの差し出した斧を手に、 何度か指先で刃を確かめると、 床にしゃがみ込んで作業を始める。 「ねぇ、そこにいると邪魔。 集中出来ないから、部屋から出て。 この階でもブラブラしてて 1日もあれば出来るから、 そうしたら取りに来て欲しいな。 あんまり遠くまで行かないでね」 君たちは彼の言う通り、この階で 1日を過ごし、仕上がった武具を 取りに来るしか無い。 21階で1日経過させてD-5に行く 君たちが部屋へ入ると、 作業はすっかり終わった様で、 砥ぎ師は床に寝転んでいる。 「ああ、来たの? 遅いよ、もうとっくに出来ちゃった。 そこにあるから持ってって」 君たちは彼の足元に転がった斧を 拾い上げ、その刃を見て驚く。 刃は鏡の様に磨き上げられ、 試しに触れてみる事さえ 恐ろしさを感じる! 礼を言い、部屋を出かけた君たちを 砥ぎ師が此方も見ずに呼び止める。 「…ねぇ、荷物の中にある剣、 どっかで拾ったの? それ、今磨かせてよね…」 君たちは荷物の中に剣がある事を 思い出し、背袋の中身を 見透かされた事に驚き振り返る。 砥ぎ師は君たちの驚きなど 意にも介さず、寝転がったままで 早く行けと君たちに手を振った。 鋼鉄の戦斧を手に入れた ■報告■ おっ、帰って来たか。 お疲れさん、砥ぎ師の方は どうだった? …おお、こりゃすげえ。 錬金術でも掛けたみてぇに ピカピカしてやがるぜ。 こりゃあの剣士が指名したのも 無理はねぇ腕前だな! ついでにお前らの武具も磨いてくりゃ 良かったんじゃねぇのか? はははははっ! ほれ、これが今回の報酬だ。 大事に使えよ! 次回も宜しくたのんだぜ! ハマオⅡを手に入れた 古き傷跡の主 ■受領■ よぉ、その依頼受けんのか? そりゃ大公宮からの調査依頼だ、 やっといて損はねぇぜ。 何でも最近6階の南側で、 尋常じゃねぇ暑さになる日があってな。 お抱えの学者が調べた結果、 …何つったか、地熱の上昇? が確認されてんだとさ。 こんな現象が起こるなんて、 何か原因があるに違いねぇってんで お前らにお鉢が回って来たワケだ。 だがなぁ…この依頼主は何組か 他のギルドも行ってんだが てんで手掛かりもナシ、だ! どうせお前らだって専門じゃねぇ。 時間の無駄かも知れねぇから、 適度なトコで諦めろや。 んじゃ、宜しくたのんだぜ! 冒険者ギルド 会話するを選択(1度目) む…(ギルド名)か。 何か用か? 6階南側の地熱? … … …まさかな。 ああ、何でも無い。 気にするな。 会話するを選択(2度目) 何だ、まだ私に用があるのか。 6階の地熱の原因? そんな物を私に聞いてどうする。 … … …。 …話すことは何もない。 会話するを選択(3度目) …お前たちも執念深いな。 いいだろう、話してやる。 その思いが正義である事を祈るよ。 もう何年も昔の事だ。 先の話と同じ様に6階で地熱の上昇が 確認された事があった。 調査に行ったのは私とその仲間… 当時では最強といわれたギルドで 公国最強と呼ばれた精鋭だった。 私たちは6階の南側に 隠された森があると結論付け 入り口の調査を始めた。 調査は多くの階に渡り、 丁度我々が9階を 調べていた時の話だ… …あれは悪夢だ。 ほんの一瞬だった。 突然吹いた突風と熱が我々を襲い、 気付けば仲間が1人、倒れていた。 我々は応戦した。 視界を覆う真紅の翼、漆黒の鋭い角、 幾重にも突き出た棘… 仲間は次々と倒れて行った。 尾に砕かれ、爪に切り裂かれ、 炎に焼かれて行ったのだ。 私たちに為す術は無かった。 どんな武器も効かず、 どんな術式も通用しない。 残ったのは私だけだ。 私は半身に生涯消えぬ爪痕と … …この顔の傷を負った。 ギルド長が兜を外す … … … … … …。 奴は化け物だ、 お前たちが勝てるとは思えない。 否、人間風情が勝利するなど、 到底おこがましいのかも知れぬ。 良いか、調査をするのは構わん。 だがもし奴に会えば、 お前たちの命は無い。 逃げる事は恥では無い、 それを心して調査に向かえ。 …私の話は以上だ、 これ以上話す事は何もない。 6階E-6 深紅の壁を抜けた瞬間、 恐ろしいまでの熱気が頬を焼く! 隠された森の最奥、高々とそびえる 深紅の壁に囲まれたその空間は、 炎の様な熱さだった。 足元の土は燃えるように熱く、 君たちを取り込む空気は 遠くから揺らぐ程に熱を帯びている。 6階南側で確認された地熱の異常は、 間違い無くこの場所が原因だろう。 依頼の達成は間近だ! 君たちはこの部屋をくまなく調べ、 更に原因を追求する必要がある。 部屋の中央を調べる 部屋の中央を調べた君たちは、 足元に落ちている何かに気付き、 それを拾い上げる。 …それはひと抱えもある 丸みを帯びた巨大な紅色の石版だ ともあれ、これを持ち帰れば 地熱の原因を解き明かす 手掛かりくらいにはなるだろう。 既に熱気にやられ、頭がもうろうと していた君たちは限界を感じ、 その部屋を出る事にする。 クエストは完了だ! 時間のある時に酒場を訪れ、 報告を行いたまえ! 紅色の石版を手に入れた 冒険者ギルド 素顔のギルド長 なっ…! ばばば馬鹿者っ! ノックも無しに 突然入って来る奴があるか! … …まぁいい。 お前たちには既に 見られてしまったしな。 それで地熱の件はどうだったのだ。 ん? 何だ… ヘルムを被らんのは不満か? 良いから続けろ、もう面倒だ。 それとも何か、私の素顔など、 見るに耐えないか? フフフフフ… … …ふむ、なるほどな。 やはり9階に入り口があったか。 奴め…ついに居場所を掴んだ… お前たちの辿り着いた場所は、 間違い無く、奴の棲家だろう。 この紅色の板、お前たちはこれを 何だと思っていたのだ? これはな…奴のウロコだ。 忘れる筈も無い、あの時我らの前に 舞い降りた化け物よ… 良いな、(ギルド名)。 奴の事は私とお前たちの秘め事だ。 この件は私が片付ける! 一切の手助けは無用。 口外すればお前たちとて、 命は無いと思え。 …礼を言うよ、(ギルド名)。 お前たちのお陰で私の汚点を 償う事が出来るかも知れない。 ■報告■ おっ、戻ったのか。 …オイ、お前ら、 ちょっと痩せたんじゃねぇか? あ? 隠された森が地熱の原因だと? 何だ、じゃあお前らその森に入って のぼせて帰って来たってワケか! ま、のぼせただけならいいさ。 とにかく依頼は達成だな、 大公宮には俺から報告しておくぜ! …あ? 渡す物がある? 何だこりゃ、石板か。 良いって、んなモン面倒くせぇ! 出しに行くと色んな紙書かされて 俺がメンドウなんだよ。 隠された森で拾ったんだから、 結構良いモンなんだろ? お前らにくれてやるよ。 ホレ今回の報酬だ! しっかり受け取りな! じゃ、次回も宜しくたのんだぜ! ソーマⅡを手に入れた 望み尽きる事も無く ■受領■ へっ、現れたな(ギルド名)。 …あぁ? 化け物みたいに言うな? はははっ! 違ぇねえ、こりゃ悪かった。 丁度お前らを待ってたモンだから ついついってヤツだ。 その依頼、お前ら宛てなんだ。 この前剣士からの依頼で砥ぎ師に 会いに行ったの覚えてるか? あの砥ぎ師がな、 何だかお前らと約束したってんで 依頼出して来やがったんだ。 あ? 約束の内容? 何だそりゃ、俺が知る訳ねぇ だろうがそんなモン。 …って言うか、 お前ら約束した本人だろ? 何か覚えてねぇの? あーあ、もういい。 とにかくお前らはゼラチン質の黒核 を6個と、それから…何だっけ? おっとそうだ、紅色の石板ってのを 持って砥ぎ師んトコに行け! 以上だ! 宜しくたのんだぜ! 素材が揃う 酒場の依頼に必要な素材が、 全て集まった! 21階D-5(素材を揃えた) 君たちが城の小部屋を訪れると、 部屋の中央に1人の男が 胡座をかいて座っている。 「ああ、来たの? 遅いよ、この前の約束、 忘れちゃった?」 君たちが何と答えた物か 思案してると、 彼は面白そうに語り出す。 「君たちの持ってる剣、 神の森にあったヤツでしょ? 勝手に抜いたんだ」 予想もしない男の言葉に 君たちは更に言葉を失う! 男はと見ると、君たちの様子を 覗き込み、やがてコロコロと笑い出した。 「別に良いじゃん、 欲しかったんでしょ? その剣、僕らの村では ”神の鍵”って呼ばれてた。 まぁ、お話で聞いただけだけど 今さ、この森騒がしいじゃない。 これも神様が怒ったせい? 君たちって何か知らないの?」 男は一旦言葉を区切り、 話に飽きた様に 大きくため息を吐く。 「まぁどうでもいいや! その剣、磨かせてよ。 必要な物、伝えといたよね?」 君たちは男の態度に面食らいながら 紅色の石板とゼラチン質の黒核を 荷物から取り出す。 「うんうん、それでやってみるよ。 ちょっと待ってて、 すぐ砥げると思うからさ」 男は君たちの手から材料を引ったくり 後ろを向いて、散らばっていた器具を かき集め始める。 「…ダーメだっ、 全っ然砥げてないや!」 小一時間もしただろうか、 男はふて腐れた顔で振り返り、 一振りの剣を此方へ差し出す。 「この鱗ならどれだけ硬い剣 でも砥げると思ったんだけどなぁ… 黒核じゃ酸が足りないのかな? …あ、君たちまだいた? もう帰っていいよ、じゃあね」 男はそれだけ告げると、 床に寝転び、何事か考え込む様に 呟き続ける。 預けた剣は錆や汚れは取れたものの、 剣として使うにはあまりに 切れ味が悪そうだ。 君たちはその剣を荷物へしまい込み、 その場を後にする。 鈍色の剣を手に入れた ■報告■ おぅ、戻ったな。 お疲れさん! 仕事はどうだったんだ? あ? 剣が砥ぎたかったみてぇだ? 金も払わないのにかよ、何だそりゃ… まぁ、中には仕事が命って奴も いるから、別に否定はしねぇが。 …職人の性ってヤツかねぇ? 俺には全く分からねぇ。 遊んで暮らせりゃそっちの方が良いに 決まってんじゃねえか。 なぁ? ははははっ! まぁ何でもいいや、 ホレ、今回の報酬だ! 次回も宜しくたのんだぜ! アムリタⅢを手に入れた 親書と大使 ■受領■ おう、来たかお前ら! そうそう、それだ。 その依頼受けてくんねぇか。 そりゃ大公宮からの仕事なんだがな、 結構上まで登らなきゃ ならねぇらしくてな。 そんなトコまで登ってる奴らなんて ほとんどいやしねぇ、お前らが やってくれると助かるんだよ。 まぁ詳しくは大公宮まで、だ。 何、内容は大した事ねぇって 聞いてるから大丈夫だろ。 じゃ、宜しくたのんだぜ! ラガード公宮 おお冒険者どの、何用で参られた。 …ふむ、依頼の件とな。 そなたらが行ってくれるか。 実は先だってそなたらが樹海で 出会った翼持つ者の事じゃ。 大公宮は彼らとの友好を考えておる。 彼らも警戒してはおる様じゃが、 敵対するでも無いしな。 今は互いに怯えも有り、 袖は触れども深い付き合いは無い。 じゃがこのままではラチも明かぬ。 そこで我らは翼持つ者たちに対し 親書を奉ろうと思うのじゃ。 ところが彼らの住まうは遥か樹海。 おいそれと衛士隊で行き着くとは 思えぬ次第でな…。 じゃがそなたらは彼らと心を通わせ、 その存在を知らしめた者。 そなたらより適任の者はおらぬ。 どうかこの親書を携え、 彼らの下を訪れてはくれまいか。 ご活躍に期待しておりますぞ! 大公宮の親書を手に入れた 20階 君たちがこの階に入るとすぐに 森に響く剣戟と怒号が聞こえる! 物音に見上げると君たちの頭上を 槍を掴んだ翼人が飛び去る所だ。 その様は危機感に満ち、 まるで森全体が戦場と化した様な 空気に包まれている! 君たちはこの森に何が起こったのかを 確かめる為に翼人の村へ歩を進めても いいし、素通りしても構わない。 20階B-4 君たちは、かつて翼人に力を貸し、 ハルピュイアなる魔鳥を打ち倒した その部屋へと足をふみ入れる。 広間では今正に、命を削る死闘が 演じられている最中だった! 眼前に暴れ回る巨大な魔物に 幾人もの翼人が飛び掛り、 次々と弾き飛ばされている! 君たちは反射的に武具を引き抜き、 戦闘に備えて身構える! 此方に気付いた魔物は、 君たちを次の標的と定めた様だ! さぁ、戦いたまえ! 神森からの来訪者を倒す 君たちの一撃はついに 魔物の急所を貫き、魔物は 断末魔の絶叫を残して息絶える! 君たちが荒い息を吐き、死骸から 武具を引き抜く頃、見慣れた顔が 君たちの横へ歩み出る。 「来ると思ったよ(ギルド名) 我らと君らは家族、 イサの流れが我らを結んでいる」 君たちはこの騒ぎが何事か、 翼人の長に問い掛けてみる事にする。 「突然、魔物が現れたのだ。 見た事も無い奴で、 此方も対応が遅れた 最近はこの辺も騒がしい。 禁忌の扉を開いたからな あれ以来、魔物は森を抜け 時に我らの村へさえやって来る 今し方の様にだ。」 君たちは長の言葉が途切れるのを 待って、自分たちの用件を 切り出す事にする。 君たちは大公宮で預かった親書を 荷物から取り出し、 それを翼人の長へと手渡す。 「我らの民にはまだ、 土の民を受け入れぬ者もいる。 だが全てはイサの流れ… 土の民の長には、 良い返事だと伝えてくれ。 私は君らと共に歩むと決めている これを君らに受け取って貰おう、 我らの知る限り、始めて見る、 世界樹その物のつぼみだ つい先日、禁忌の扉を開いた時分に 突如、我らの聖地に現れてな。 これは我らと君らの絆を証す物だ」 翼人の総意は分からないが、 だが少なくとも目の前の男は、 街との共存を選んでくれた様だ。 君たちは翼人の長に礼を言い、 掌ほどもあるつぼみを受け取ると、 その場を立ち去る事にする。 新たにモンスターを発見しました! 神森からの来訪者 ■報告■ よぉ、帰ったか。 で、どうだったんだ? ”翼持ち”の反応は… …友好? ホントかよ! そりゃ良いぜ、はははっ! 何がってお前ら、街は戦争に なるんじゃねぇかって、 みんな不安がってんだ。 こんなめでてぇ事はねぇ、 今夜は祝いだ、呑み尽くすぜ! ははははっ! おっとそうか、報酬忘れてたぜ! ホレ、これはお前らの取り分だ、 大事に使うんだぞ、若造! 次回も宜しくたのんだぜ! ネクタルオールⅡを手に入れた 古の刃 ■受領■ おう、お前らか。 そりゃ依頼って言うより大公宮から お前らへの呼び出しだな! ウチぁ掲示板じゃねえぜ! …と言いてぇ所だが、 ま、仲介料は入るからな。 最近お前らスッカリ森人間に なっちまって姿形も滅多に 見当たらねぇ。 たまにはゆっくり休まねぇと、 仕舞いにゃ脳まで 樹になっちまうぜ? はははははっ! ま、便りの無しは無事な証拠ってか。 とっとと大公宮行って来い! ラガード公宮 ふむ、何用かな冒険者どの。 おっと、これは失礼した、 この老体が呼び立てたんじゃな。 いや、正確に言うとそなたらを 呼んだのは我らでは無い。 たった今、客人が来ておってな、 そなたらとは旧知の仲じゃ、 積もる話もあるじゃろう。 但しこの場は大公宮じゃ、 宮外の人間のみでの密談は 固く禁じられておる。 …さて、この老体はちと、 書を取りに行こうかの。 しばし戻らぬが、気にする事は無い。 …話が長引きそうであれば その様に知らせるんじゃな。 もう1冊、書を取りに参るでな。 良いな? くれぐれも、 密談は禁止じゃからな? カッカッカッカ…! クアナーン 「ふふ…良い長を持ったな、 (ギルド名)よ。 心優しき汝らの長に 父なるイシュ、母なるイシャの 加護があらん事を。 さて、良い話と悪い話がある。 …そうだな、良い方からにしよう。 私は今朝方、夢を見た。 君らの持つ、神の鍵に関する事だ。 ”王の王たる緑を求めよ。 森の猛き者共、光を導かん…”」 “神の鍵、雷鳴に因りて命を成し 氷嵐に因りて影を得る。 その真、炎を断ちて揺らぎ出でぬ” 我らにとって夢は神聖なる物、 何か得る所あらば 役に立てるといい。 さて、問題も1つある。 …此方が悪い知らせだ。 神の森から湧き出る魔物は、 既に我らの力で抑えられる 限界を超えた。 間も無く奴らの力は神樹全体に及び、 やがて君らの街も、 奴らに飲み込まれるだろう。 …だが、神の鍵を引き抜き、 彼らが目覚めたのなら、 その逆もまた道理。 約された訳でも無い、 その先に待つのが何か、 それは私にも分からん。 …だが、賭ける価値はある。 そうは思わないか? 滅びがイサの流れならば、 我らの抗いも1つのイサの流れ。 ふふ…我ながら妙な理屈だが。 我らは君らに出会い、受け入れる事と 同様に抗いも大切だと知ったのだ。 急げ(ギルド名)、 我らは君らと共にある。 大臣 さて、どうじゃな。 そろそろ取りに参る書も無いぞ? …ふむ、済んだ様じゃな。 では冒険者どの、 御身の成す事を成すが良いぞ。 この老体は何も存ぜぬ。 じゃが、そなたらは大公様の、 ひいてはこの国の変えた者… そなたらを信じずして誰を信じると 言うのじゃ。この老体、体は衰えても 我が目が節穴とおは思ってはおらぬ。 ご活躍に期待しておりますぞ! 16階 樹海へ足をふみ入れた君たちは、 背袋に違和感を感じ、 その口を開く、 するとどうだろう! 鈍色の剣が、淡い緑色に光に 包まれているではないか! 君たちは大公宮で聞いた 翼人の長の言葉を 覚えているだろうか? ”王の王たる緑を求めよ。 森の猛き者共、光を導かん…” ”神の鍵、雷鳴に因りて命を成し 氷嵐に因りて影を得る。 その真、炎を断ちて揺らぎ出でぬ” もしこの剣が”神の鍵”ならば、 この言葉が剣の目覚めを 意味しているのかも知れない! 17階A-6 …突然、君たちの周りに、 黒い霧の様な物が現れ、 渦を巻いて回り始める! それは青白い電流を帯び、 まるで君たちを中心に発生した 雷雲の様に成長して行く! 雷雲はしばしの間君たちを取り巻き やがて吸い込まれる様にに 君たちの背袋へ消えた。 …君たちが背袋の口を開くと、 鈍色の剣のまとう光が、 金色に変わっている! 先程の雷雲は、鈍色の剣と 何か関係があるのだろうか… 13階A-5 …突然、辺りに風が吹き、 それは君たちを巻き込む様に 渦を成し始める! 吹き付ける風は雪を巻き起こし、 まるで激しい吹雪の様だ! 吹雪はしばらく君たちを取り囲み、 やがて吸い込まれる様に、 君たちの背袋へと消えて行く。 …君たちが背袋の口を開くと、 鈍色の剣のまとう光が、 青白く変わっている! 先程の吹雪は、鈍色の剣と 何か関係があるのだろうか… 道を進み掛けた君たちは、 背袋に異変に気付き、 慌ててそれを投げ下ろす! 一体何が光っているのだろう? 背袋は激しい光に包まれ、凄まじい 閃光を残してやがて静かになる。 君たちが恐る恐る口を開くと、 形を変えた鈍色の剣が目に入る! それはかつて君たちが27階で見た 荘厳な輝きを取り戻し、 力に満ちている! 君たちは見事に翼人の伝承を 解き明かした! クエストは完了だ! 時間のある時に酒場を訪れ、 報告を行いたまえ! 翼神の剣を手に入れた ■報告■ よぉ、仕事は終わりか? 何だか分からねぇが、 無事にお疲れさんって訳だ。 行ったきり帰って来やしねぇから、 どうしたモンかと大公宮に訊いたら、 放っとけと来たモンだからな! 仕事の完了もどうしたモンやら 分からねぇし、とりあえずお前らの 帰りを待ってたって訳だ。 ま、お前らの顔見りゃ何かしら 成し遂げて来たってのは分かるさ。 ん? バカヤロウ、こちとら 酒場のオヤジだぜ! そんな事も 分からなくて仕事やってられっか。 で、お前らが持って来る剣か何かを 預かる様に言われてんだが、 その背負ってんのがそうか? ふぅん…“翼持ち”の剣ね、 何だか分からねぇが、 ご大層な事で。 ま、いいや。 とにかくコレを届けりゃ いいんだよな? よし、これで依頼は完了だ。 ほれ、報酬だぜ! んじゃ、 次回も宜しくたのんだぜ! アクセラⅡを手に入れた
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【天界よりの来訪者】 儀式使い耶麻斗の儀式デッキの一つのシナトのデッキ。 手札消費が激しいがその威力は半端ない。 シナトの破壊力があれば攻撃表示のモンスターなど怖くないのでシルクラが一枚。 抹殺の使徒や月の書を入れたり、お触れを入れてもいいかもしれない。 デッキレシピまるまるコピペで使っても構いませんが、手を加えたら面白いかもしれないです。 連絡などいりませんので勝手に持ってってくださいなー デッキ枚数40枚 モンスター:魔法:罠=20:18:2 クリッター センジュ・ゴッド センジュ・ゴッド センジュ・ゴッド ソニックバード ソニックバード ソニックバード マンジュ・ゴッド マンジュ・ゴッド マンジュ・ゴッド 魂を削る死霊 天界王 シナト 天界王 シナト 天界王 シナト 賢者ケイローン 賢者ケイローン 冥府の使者ゴーズ 神獣王バルバロス 神獣王バルバロス 神獣王バルバロス 地割れ 死者蘇生 大嵐 ハリケーン サイクロン 早すぎた埋葬 ビッグバン・シュート ビッグバン・シュート ビッグバン・シュート 奇跡の方舟 奇跡の方舟 奇跡の方舟 地砕き エネミーコントローラー エネミーコントローラー エネミーコントローラー シールドクラッシュ 洗脳-ブレインコントロール 聖なるバリア-ミラーフォース- 激流葬
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【名前】闇よりのエージェント 【大きさ】成人男性並み~20メートル 【攻撃力】どんなものでも闇よりのエージェントには破壊できない 【防御力】非存在生物なので干渉できない 【素早さ】成人男性並み 【特殊能力】生物に『死』を与える 自分が念じた生物に死を与える どのような形であれ、生物を殺すこと ようするに相手が死ぬような死を与える 【戦法】死を与える
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地獄よりのしもべ モンスター 暗黒の海流兵 ノーマル エレキッズ ノーマル 火炎木人18 ノーマル ガガギゴ ノーマル ギコバイト ノーマル グレート・アンガス ノーマル 人造木人18 ノーマル 大木炭18 ノーマル 悪魔ガエル ノーマル 異次元の偵察機 ノーマル ウイングド・ライノ スーパーレア エンド・オブ・アヌビススーパーレア 火口に潜む者 ノーマル きつね火 ノーマル 偉大魔獣 ガーゼット スーパーレア 紅蓮魔獣 ダ・イーザ スーパーレア ゲール・ドグラ ノーマル 執念深き老魔術師 ノーマル 瞬着ボマー ノーマル 水陸両用バグロス Mk-3 レア 精気を吸う骨の塔 ノーマル 聖鳥クレインレア 超熱血球児 ノーマル パーフェクト機械王 ハイパーハンマーヘッド ノーマル 憑依装着-アウス レア 憑依装着-ウィンレア 憑依装着-エリアレア 憑依装着-ヒータ レア プロミネンスドラゴンレア ヘル・ドラゴンウルトラレア ペンギン・ナイトメア レア マーメイド・ナイト ノーマル 魔装機関車 デコイチ レア 魔導雑貨商人 レア 魔力吸収球体 ウルトラレア ミラージュ・ドラゴン ノーマル 名工 虎鉄 レア 海竜-ダイダロス ウルトラレア アクア・ドラゴン ノーマル 黒き人食い鮫 ノーマル 魔装騎士ドラゴネス ノーマル 魔導騎士ギルティア ノーマル F・G・D ウルトラレア スター・ボーイ ノーマル ネクロフェイス ウルトラレア 壺魔人 ノーマル 裁きの代行者 サターンスーパーレア 魔法カード 古のルール ノーマル 罠カード 砂漠の裁き ノーマル 死霊ゾーマ ノーマル 畳返し ノーマル 転生の予言 ノーマル 物理分身 ノーマル 憑依装着や炎属性が入ったパック。
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「ひよりの場合」 風車が、まわる。 「風車じゃないっス、示現視武装冷却ファンっス」 「知るかんなもん」 なんとかファン、略して風車がまわる。 なんかゴツイアーマーの背後にくっついてぶんぶんと。 「大体なんで二人きりになってアニメなんだよ…」 「いいじゃないっスか、そもそも沈黙のほうが私としては不得手で…。話し止ったら緊張するし」 色気もなんもない。 彼女らしいと思うが、多少切ない。 久方ぶりに家に呼ばれた男としては 大なり小なり邪な劣情の五つくらいは所有してるものだし。 「やらし~」 「やかまし」 柔らかなベット、涼しい室内。 大音量の4chスピーカー、隣に座る彼女。 俺。 「はぁ…」 まぁいいか。
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闇よりの使者 ◆LuuKRM2PEg アルハザードを舞台としたバトルロワイヤルという名目の、殺し合い。 プレシア・テスタロッサの手によって始められてから、既に二四時間が経過していた。 辺りは闇に包まれ、風が冷え切っている。 星々は輝いているが、それを見上げる者は誰一人としていない。 そんな空の下で、一つの建物がメラメラと音を鳴らしながら、燃え上がっていた。 静寂を破る火炎は闇を照らし、二つの人影を映し出す。 一人は、黒いマスクで顔を覆い、同じ色のスーツとマントに身を包む男、キング。 またの名を、魔王ゼロ。 本来は、世界を変えようと決意した少年、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの仮初の姿。 しかし今は、己の快楽の為に戦うカテゴリーキングの位が与えられたアンデットが、ゼロの名を名乗っていた。 その仮面を被るキングの前に立つのは、アンジール・ヒューレー。 本来は、遥か彼方の宇宙より地球に飛来した生命体、ジェノバの細胞を人間に埋め込む計画、ジェノバ・プロジェクトによって生まれた男。 しかし厳密には、ミッドチルダに流れたライフストリームと呼ばれるエネルギーから、ジェイル・スカリエッティが生み出したコピー。 アンジールは、ゼロと名乗る仮面を被った男の言葉に、困惑を感じていた。 この人物は、自分のことを『プレシア・テスタロッサ』が送り込んだ者と言った。 そして、手を組むのなら死んだ妹たちを生き返らせてみせるとも。 だが、そんなことは自分を騙す為の戯言で、本当は隙を突いて殺そうと企んでいるかもしれない。 しかし、ゼロは愛弟子であるザックス・フェアの名前や、既に折れたバスターソードの事を知っていた。 もしかしたら、この男と組めばクアットロ、チンク、ディエチの三人を、本当に生き返らせることが出来る――? (いや、ここには奴もいた。もしこいつが奴と出会ったとすれば……!) 思い出されるのは、既に名前が呼ばれたかつての親友、セフィロス。 可能性は低いが、あの男がゼロに情報を売った可能性もある。 だが、今はそんなことはどうでもいい。 この男をどうするか。 もしも、自分を殺そうと企むのなら、答えは一つのみ。 連戦によって体に疲労を感じるが、死力を尽くせばあの奇妙な盾も砕けるはず。 自分の世界では、バリアやマバリアといった魔法も存在する。 攻撃を防いだ防壁も、それと同じ種類か。 「何を迷っている? アンジール」 アンジールが思考を巡らせていると、仮面の奥から低い声が響く。 それは鼓膜を刺激し、彼の意識を発生源に向けた。 地獄の業火を思わせるような炎を背に立つゼロの様子は、まさに「魔王」と呼ぶに相応しい。 テロリストの仮面を被るキングは、アンジールの様子を尻目に言葉を続けた。 「先程の放送を聞いただろう? 貴様の愛する妹たちはもう誰もいない。皆、殺されたんだよ」 「――黙れッ!」 「だから決めろと言っている! 貴様は何の為に戦うか! 貴様が求める物は何か! そして、貴様は何を決意した!?」 激高は、呆気なくかき消される。 闇の中で響くゼロの言葉によって、アンジールの勢いは止まった。 表情から怒りが消えていき、再び元に戻る。 その様子を、マスクの下から眺めるキングは、笑みを浮かべていた。 しかしそれを声には出さない。 変声機があるから誤魔化せるかもしれないが、面倒は御免だ。 最も、そうなった場合はアンジールを始末すればいいだけのこと。 だがそれでは仮面ライダーカブト、天道総司の思い通りになる。 奴の狙いに嵌るのは、気に食わない。 今やるべきことは、餌をぶら下げる事。 「君が抱くクアットロへの思いはその程度か!? 君とチンクの絆はこの位で揺らぐ程度か!? 君がディエチに感じている愛情はこの程度か!?」 キングは、放送で呼ばれたナンバーズの名前を次々に言った。 そして、警戒心を解かせる為に「君」を使う。 一人一人告げる度に、アンジールの表情が崩れていった。 何ていう愚かなことか。 調べてみると、この三人はサイボーグらしい。 ならば、鉄屑で出来たガラクタの人形ということだ。 そうなると目の前にいるアンジールとは、人形にしか愛情を向けられない、愚かな男ということになるだろう。 このような奴の弟子になったザックスという人物は、哀れかもしれない。 出来ることなら、今のアンジールの顔をカメラに収めておきたいが、それは我慢だ。 もしも、タイトルを付けるのなら『ガラクタの人形を姉妹と呼ぶ、愚かで哀れな男』だろう。 仮面の下で笑みを作るキングは、愚かで哀れなアンジールを揺さぶるために言葉を続けた。 「そしてこの事実をオットーは知っている! 彼女もまた、姉妹の死に心を痛めているはずだ!」 「ッ……!?」 「君がやらずして、誰が妹を生き返らせるのだ!? 思い出せ。君にとって、妹とは何だ!」 ――アンジール様が生き返らせてくれる。私は、そう信じています―― ゼロの怒号を聞いた途端、アンジールの脳裏に一つの光景が浮かび上がる。 ようやく再会できた、クアットロの姿。 そして、彼女が言った最後の言葉。 ――私だけじゃありません。きっとディエチちゃんも、チンクちゃんも、そう信じているはずです―― ――だからお別れは少しの間だけです。私達のためにも、アンジール様は……このデスゲームで最期の一人になってください……―― アンジールの中で駆け巡るのは、クアットロの声。 傷だらけの体にも関わらず、彼女は残る力を振り絞って、自分に託した。 クアットロと、チンクと、ディエチと、また一緒に暮らせるという願いを。 ――……またお会いできる時を楽しみにしています―― 彼女はこの言葉を残して、逝ってしまった。 全ては、自分の力が足りなかったせいで起こってしまった、忌々しい数時間前の出来事。 そしてプレシアの元にいるオットーも、この事を知っているはず。 彼女はきっと、いや絶対に不甲斐ない自分に失望し、憎んでいるに違いない。 だが、どんな罵りだろうと甘んじて受けるつもりだ。 二人は黙り込み、炎が燃える音だけが響く。 そんなアンジールの様子が気に食わないキングは、次のアクションを起こした。 「…………所詮、君はその程度の男か」 「何……?」 「今の君を見たら、妹たちはどう思うだろうねぇ……?」 三回目の放送で名前が呼ばれた、キャロ・ル・ルシエの時のように、誘惑する。 今のアンジールなど、手に落ちるまでそれほど時間は要らない。 キングは確信を持ちながら、目の前の男を揺さぶり続ける。 「最も、君が一人で戦い続けるというのなら、私は別に……」 「待てッ!」 濁ったような声を、アンジールはかき消した。 仮面の下で、キングが笑みを浮かべていることを気付かずに。 「いいだろう……お前と手を組んでやる」 「良い返事が聞けて嬉しいよ、交渉成立だな」 「だが、分かっているだろうな……」 「心配は要らない。約束は必ず守る。でなければ、こんな話は持ち出さない」 アンジールは微かな可能性に賭けて、この男の提案を受け入れた。 キングが自称する魔王の名が、ゼロの名が、プレシアの配下であることが。 そして、妹達を生き返らせるという褒美が、全て嘘であることを知らずに。 屈強な兵士が、ただの人形と成り果てた事実に、キングは歓喜を覚える。 しかしそれを表に出すことは、しなかった。 「ではまずは、逃げ出したあの二人を追おう。市街地に向かうのはその後だ」 キングは提案を出すと、歩を進める。 その後ろを、アンジールは歩いた。 (ハハハハハハッ! 残念だったね、カブト。 君の狙いは外れたよ!) 心の中で大笑いしながら、キングは天道に対して侮蔑の感情を抱く。 あの男にバッグを少しだけ奪われた事と、ジョーカーで遊べなくなったのは残念だが、これで御相子だ。 それ以上に、高町なのはには仮面ライダーデルタに変身するという、楽しみも待っている。 正義の味方を気取っている女が、あれを使って暴走するようなことになればどうなるか。 どうせベルトの毒が生み出す快楽に溺れ、狂った挙句に人を殺すに違いない。 ならば、その様子を携帯のカメラに残してやろう。 (そして、ウルトラマンメビウス……死んじゃったんだね、君。弱いくせに王様に刃向かったから、罰が当たったんだな!) 先程の放送で呼ばれた、ヒビノ・ミライの名前。 恐らく、自分が遊んだ際にアンジールに殺されたんだろう。 諦めないなどと戯言を言っておきながら、この結果だ。 所詮、中途半端な力しか持たない弱者だったということ。 ウルトラマンであろうと仮面ライダーであろうと、自分に抗うなど無理だということだ。 (そういや、放送の時間が十分だけ遅れてたな……) キングは充足感を覚えている一方で、疑問を感じている。 放送の時間が、少しだけ遅れていたのだ。 これまでは、一秒のズレもなくプレシアは情報を伝えている。 それが今回に限って、何故遅れていたのか。 (どうなってるんだ?) 一方で、アンジールもまた考えている。 先程の放送では、七人の名が呼ばれた。 クアットロの名前以外は、呼ばれても関係ない。 自分のやるべき事はただ一つ。 愛する妹達の命を、取り戻すこと。 だが、アンジールにとって気がかりなことが一つだけあった。 それは、呼ばれなかった名前が存在すること。 (あの男……生きていたのか) 三度に渡って戦いを繰り広げた、あの男が生きていたこと。 自分と同じように、望まぬ運命によって望まぬ力を得てしまった、あの男が生きていたこと。 自分の境遇と重なって見えた、あの男が生きていたこと。 そして、自分の手で望まぬ運命を断ち切った、あの男が生きていたこと。 妹達を守る盾の役割を託した、あの男が生きていたこと。 (いや、もう関係ない……俺は悪魔になると決めた。ならば、あの男も例外ではない) アンジールは心の中で呟くが、あの男の顔が頭の中で思い浮かんでしまう。 振り払おうとするが、消えることはない。 続くように、あの男の声が聞こえた。 ――そんな方法で家族を守ったとして……その人達が喜ぶのか!?―― ――やっぱ……馬鹿みてぇか、俺?―― ――……もう無理なんだ……意志だけじゃあ抑えきれない……もう言うことを聞かない……今すぐにでも離れてくれないと……僕は、君を、殺してしまう……―― それらは、アンジールの中で次々と蘇っていく。 覚悟はとっくに決めたはずなのに、何故こんな声が聞こえるのか。 今の自分にとっては、雑音に等しい。 消えろ。消えてしまえ。 ――だって君も見逃してくれたじゃん―― ――ついさっきビルに叩き付けられた時のことだよ。……確実にトドメを刺せる状況だったのに君は攻撃しなかった。その借りを返しただけさ―― アンジールは念じるが、消えることはない。 それどころか、声はより一層増えていく。 そして、苦笑を浮かべるあの男の顔も。 声に比例するかのように、疑問も徐々に増えていく。 だが、今はそれに気を取られている場合ではないはずだ。 やるべき事は、妹達の蘇生。 アンジールの頭の中で浮かぶ男の顔。 もしも、もっと早く出会えてたら手を組めたかもしれない男。 戦場にも関わらずして、自分を助けようとした男。 そして、今もどこかにいるはずの男。 ――ヴァッシュ・ザ・スタンピードの顔と声が、アンジールの中で浮かび上がっていた。 【2日目 深夜】 【現在地 D-2】 【キング@魔法少女リリカルなのは マスカレード】 【状態】健康 【装備】ゼロの仮面@コードギアス 反目のスバル、ゼロの衣装(予備)@【ナイトメア・オブ・リリカル】白き魔女と黒き魔法と魔法少女たち、キングの携帯電話@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【道具】支給品一式、おにぎり×10、ハンドグレネード×4@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ボーナス支給品(未確認) 【道具①】支給品一式、RPG-7+各種弾頭(照明弾2/スモーク弾2)@ACE COMBAT04 THE OPERATION LYRICAL、トランシーバー×2@オリジナル 【道具②】支給品一式、菓子セット@L change the world after story 【道具③】支給品一式、『SEAL―封印―』『CONTRACT―契約―』@仮面ライダーリリカル龍騎、爆砕牙@魔法妖怪リリカル殺生丸 【道具④】支給品一式、フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具⑤】支給品一式、いにしえの秘薬(空)@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER 【思考】 基本:この戦いを全て無茶苦茶にする。 1.まずはアンジールと共に天道総司を追跡する。 2.他の参加者にもゲームを持ちかけてみる。 3.上手く行けば、他の参加者も同じように騙して手駒にするのもいいかも? 4.『魔人ゼロ』を演じてみる(飽きたらやめる)。 5.はやての挑戦に乗ってやる。 【備考】 ※キングの携帯電話には『相川始がカリスに変身する瞬間の動画』『八神はやて(StS)がギルモンを刺殺する瞬間の画像』『高町なのはと天道総司の偽装死体の画像』『C.C.とシェルビー・M・ペンウッドが死ぬ瞬間の画像』が記録されています。 ※全参加者の性格と大まかな戦闘スタイルを把握しています。特に天道総司を念入りに調べています。 ※八神はやて(StS)はゲームの相手プレイヤーだと考えています。 ※PT事件のあらましを知りました(フェイトの出自は伏せられたので知りません)。 ※天道総司と高町なのはのデイバッグを奪いました。 ※デイバッグを奪われたことに、気付きました。 ※十分だけ放送の時間が遅れたことに気付き、疑問を抱いています。 【アンジール・ヒューレー@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使】 【状態】疲労(中)、深い悲しみと罪悪感、脇腹・右腕・左腕に中程度の切り傷、全身に小程度の切り傷、願いを遂行せんとする強い使命感 【装備】リベリオン@Devil never Strikers、チンクの眼帯 【道具】無し 【思考】 基本:最後の一人になって亡き妹達の願い(妹達の復活)を叶える。 1.ゼロ(キング)と共に、参加者を殺す。 2.参加者の殲滅。 3.ヴァッシュのことが、微かに気がかり。(殺すことには、変わりない) 【備考】 ※ナンバーズが違う世界から来ているとは思っていません。もし態度に不審な点があればプレシアによる記憶操作だと思っています。 ※『月村すずかの友人』のメールを確認しました。一応内容は読んだ程度です。 ※オットーが放送を読み上げた事に付いてはひとまず保留。 ※キングが主催側の人間だと思っています。 Back 第四回放送/あるいは終焉の幕開け(後編) 時系列順で読む Next 救済N/EGO~eyes glazing over Back 第四回放送/あるいは終焉の幕開け(後編) 投下順で読む Next 救済N/EGO~eyes glazing over Back Mの姿/マイナスからのリスタート アンジール・ヒューレー Next Round ZERO ~MOONLIT BEETLES Back Mの姿/マイナスからのリスタート キング Next Round ZERO ~MOONLIT BEETLES
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「どうしよう…。あぁ~、どうしたらいいの~」 ひよりんこと田村ひよりは、自室のベッドで頭を抱えて悩んでいた。 明日はパティとこうちゃん先輩に加え、○○先輩も一緒に買い物ついでに遊びに行く約束をしている日なのだ。 「せっかく○○先輩と(二人きりではないにしても)デートなのに…」 「何で今日に限って可愛い服が全部ナフタレン臭いッスか~!」 普段から同人活動まっしぐらなひよりは、部屋ではどてらやジャージを愛用している。 平日はもっぱら制服なので、余所行き用の服は長い間タンスにしまわれていたのだ。 そしてつい先日、なかなか着ないタンスの服に虫が付かないよう、母が防虫剤を入れ替えたばかりなのである。 「なんてタイミングの悪さ…orz」 このままでは制服で行くしかなくなる。 (せめて休みの日ぐらい、○○先輩の前では可愛くいたかったのに…) ひよりは美人ではないかも知れないが、決して不細工と言われる程でもない。 が、パティやみゆきといった、所謂トップクラスに囲まれているせいで、自分に対して自信が持てなくなっていたのだ。 「仕方ないか…。制服で行こう…」 諦めを込めた溜め息を吐き、メガネを机に置いてそのままベッドに俯せになる。 (…先輩…) 桜藤祭が終わってから、ひよりは○○の事を意識するようになっていた。 (…何でだろ…? 何でずっと気になっちゃってるんだろ…?) 当然ながら、ひよりは時間のループを知らない。 そのループの中で○○は、一度ひよりに想いを告げている。 だが、例のごとく時間がループした為に、ひよりの中に淡い想いだけが残ったのだ。 (確かにいろいろお世話になってるけど…) (好きになる要素がなかった訳じゃないけど…) ○○の事を思い返しながら、ひよりは毛布をかぶる。 (…ううん、違う。何で好きになったかで戸惑ってるんじゃない…) (先輩を…、人を好きになる事が、こんなに切ないなんて知らなかったんだ…、私…) 寝返りをうち、まどろんでいく事を自覚しながら、○○の顔を頭に描いていく。 (…先輩は私の事をどう思ってるのかな…) 明日に一抹の不安と期待を抱えつつ、ひよりは深い眠りへと落ちていった。翌日の駅前。そこにはラフな格好をしたパティ、こうと○○がいた。 「いや~、先輩すみません! 今ちょうど個人と漫研とで締切被っちゃいまして」 「分かってるよ。それもう100回くらい聞いた」 「あはは~、そうでしたっけ?」 「その続きは『修羅場なもんですから、ひよりんは当分貸せません! 漫研のが終われば貸すんですけどね~』…だろ?」 「オー! 流石○○! 記憶力バツグンネ!」 パトリシアさんが親指をグッと立てて笑う。 「だから100回も聞けば覚えるって。…それよりも、田村さんには言ってないよね?」 「先輩がひよりんにぞっこ…」 「わぁ! こんなとこで大声で言うなよ!」 「あちゃ、すいません。でも大丈夫ですよ。私達は言ってないですし、ひよりんも気付いてないみたいですから」 「オージョーギワガワルイネ!」 「それ用途違う。まぁバレてないなら良いけどね」 「大丈夫ですって! 先輩がこうして居るのも、漫研の手伝いでかたが付きますから」 「ホントハひよりんト早ク遊ビタイカラ手伝ッテルンデスネ?」 「うぐっ…」 言葉に詰まる俺をパティさんと八坂さんがからかっていると、田村さんが制服姿でやって来た。 「すいません、お待たせしたっす…」 「ひよりん遅いよ! …って、何で制服なのさ?」 「こうちゃん先輩…、乙女にはいろいろあるっすよ…」 「腐ッテマスケドネー」 「パティうっさい。っつかここに居る4人は皆腐ってるじゃん」 「俺を数に入れるんじゃない」 「先輩冷たい~。一緒に腐りましょうよ~」 「何だ腐るって…。ほら田村さんも来たし、買い物に行こうよ」 「そうですね。では近くの画材屋さんに行きましょうか」画材屋に行く道中、ひよりは物思いに耽っていた。 (皆オシャレだな~…) (こうちゃん先輩は白を基調にして赤をあしらった服か…。先輩スタイル良いから赤が良く映えて似合うなぁ…) (パティもオシャレにしてるし、少し胸元とか大胆過ぎない? って感じ…) (○○先輩もカッコいい~。私服だと凄い大人びて見えるんだ…) (それなのに私は制服って…。何だか一人浮いてる感じ…) (…来なきゃ…良かったかな…) ハァッ…。と溜め息をもらしながら歩いていると、突然○○に声を掛けられた。 「どうしたの? 何か元気ないみたいだけど」 「うひゃあ! せ、先輩? ど、どうしたんですか?」 「うん? いや、どうしたって聞かれたら…、田村さんが元気無さそうだなーと思った、かな?」 「え? あ、いや、何でも無いッスよ! ネタを考えてただけっす」 「そう? でも歩きながら考えると危ないよ」 「そうなんですよね。この前も歩きながら考えてたら、電柱におでこぶつけちゃいましたから」 「うわ…、痛そう…。おでこにぶつけたって、この辺り?」 そう言いながら、○○はひよりのおでこを優しく触る。瞬間、ひよりは自分の顔が真っ赤になるのを感じた。 (はひゃ!? せ、せせせ先輩の手が!) ○○としては、特に凄い事をしている認識は無いが、 免疫のないひよりには赤面するのに充分だった。 「ん? もしかして熱があるんじゃない? 顔赤いし、おでこも熱いよ?」 「そ、そうですか? じ、じゃあ私、今日はお先に失礼しますね! こうちゃん先輩、パティごめんなさい! 私帰るっす~!」 そう言いながらひよりは全力で来た道を逆走していった。 恥ずかしかった。地味な自分があの中にいる事が。 何より○○の隣りにいる事が恥ずかしかった。 (あんなにカッコいい人の隣りに私がいちゃダメっ! こんな地味な私が…) 確実に恋愛フィルターがかかっているが、ひよりにはどんな男性よりも素敵に見えていた。全力で走ったせいか、部屋に辿り着くと、その場にへたりこんでしまった。 少し落ち着いてくると、どうしようもなく胸が切なくなってきた。 どうして自分は地味なんだろう どうしてもっと綺麗じゃないんだろう どうしてスタイルが良くないんだろう 気付くとひよりは泣いていた。嗚咽を噛み殺しながら、ひよりは一人で泣いていた。 (○○先輩…、…先輩ぃ…) 胸の奥から込み上げて来る切なさを抱え、ひよりは一人で泣き続けた。 一方その頃の○○達は、喫茶店に3人でいた。ただし、○○は椅子の上に正座させられている。 「○○先輩…」 恐ろしくドスの効いた声で八坂こうが呟く。 「ひよりんに一体何をしたんですか!」 「オージョーギワガワルイネ!」 「だから用途が違う。…俺は何もしてないよ! おでこをぶつけたって言ってたから、その…、ちょっとおでこ撫でたけど…」 「…本当ですか…?」 「ホントだよ! …やっぱりイヤだったのかな…」○○から話を聞いたこうは考えた。 (これが本当だとしたら、イヤと言うより恥ずかしかった可能性が高いか…) (ひよりんは自分を過小評価するところがあるから…) (普段と変らない自分と、普段と違うあたし達を比べたのかも…) (……知らない間に気合い入っちゃってたかな…) こうは自分とパティの格好を見る。決して派手では無いが、自分達の魅力を引き出す格好をしている。 (…諦めたつもりだったんだけどね…。ゴメンよひよりん) 心の中で謝りつつ、こうは口を開く。 「こうなったら取るべき方法は一つです! 先輩は今からひよりんの家へダッシュです!」 「え! いや、しかし女の子の家に突然押しかけるのは…」 「先輩!!」 テーブルを叩き、こうはいつもより真剣なまなざしで○○を見る。 「今行かないと、ひよりんを失う事になりますよ! 良いんですか!?」 脅しでも何でもなかった。こうはひよりの性格上、今日がこのまま過ぎてしまったら○○を避ける可能性がある事を知っていた。「……っ!」 言葉を無くす○○に、こうは続けて言う。 「ひよりんが好きなんじゃないですか? 大切なんじゃないですか!?」 「大切だ! 誰よりも大切だよ!」 弾かれたように立ち上がり、こうの問い掛けに答える。その眼は、迷いも曇りもなかった。 「…行ってあげて下さい。きっと待ってますから」 「分かった。ありがとう、二人とも」 伝票を掴み、颯爽と喫茶店を後にする○○を、こうとパティは黙って見つめていた。 どれくらい泣いただろうか。気が付けば部屋は暗くなっていた。 (…随分泣いてたっすね…) 涙が枯れ果てるかと思う程泣いていたが、○○の顔を思い浮かべると、また一筋の雫が流れた。 (誰かを好きになるのって、こんなに辛かったんだ…) (こんな想いなら…、いっそ無い方が…)♪ずっと探してたんだ~♪運命の人ってやつを~♪ 携帯の着うたが鳴り始める。○○用に設定した曲「かおりんのテーマ」だ。 (…○○先輩…?) 慌てて携帯を取るが、泣き続けていた為、喉を2、3回鳴らしてから電話に出た。 「…もしもし…?」 『あ、田村さん。俺だよ、○○です』 「はい、先輩どうしたんですか?」 『いや、田村さん、様子はどうかなって思ってさ。今大丈夫?』 「…はい、心配をおかけしましたっす」 『そう、良かった。それでね、少し話したい事があるんだけど、良いかな?』 「へ…? 別に大丈夫ですけど…。何ですか?」 『うん、じゃあちょっと失礼して…』 (ピンポ~ン) (…まさか…) ドタドタドタドタ! …カチャッ 「やあ」 「…え?」 片手を上げてにこやかに挨拶する○○がそこにいた。「…何してるっすか?」 「田村さんに会いに来たんだよ」 俺がそう言うと、田村さんは嬉しそうな、悲しそうな、どちらともつかない顔をした。 「…立ち話もなんですから…、どうぞ」 最初より幾分沈んだ感じがした。 「? …うん、じゃあお邪魔するね」 部屋に通された後、田村さんはお茶を入れて来ると言って部屋から出て行った。 (何だか元気無かったな…) そう考えて、頭を振る。 (俺まで沈んでどうする!) 気持ちを切替え部屋を見渡す。割りと和風な感じの部屋だ。 (…同人誌が山程入れてある棚があるな…) (自分の書いたのと、他のサークルのやつかな?) さすがに物色するわけにはいかず、大人しく座っていると、田村さんがお茶を2つ持って戻ってきた。「あ、ありがとうね。熱は大丈夫?」 「はい、ご心配をおかけしましたっす」 どこかよそよそしい。 (さっきから目線も合わせてくれない…。八坂さん達に言われて来たけど…) (…どうすりゃ良いんだ? あれか? 玉砕してこいって事なのか?) 八坂さんに言われた事を思い返す。 『今行かないと、ひよりんを失う事になりますよ! 良いんですか!?』 (…失うなんて絶対にイヤだ。…だけど、どうしすればいいのか全然分かんないよ…) 「先輩…、何かお話があったんじゃないんですか?」 「あ~、うん。そうなんだけど…。ほら、熱があったみたいだから心配で…」 そう言った途端、田村さんの顔が更に曇った。「あ~、うん。そうなんだけど…。ほら、熱があったみたいだから心配で…」 ひよりは複雑だった。 (先輩が来てくれたのは嬉しいッスけど…) (先輩はどうゆうつもりで来たんだろう…) 自分の好きな人が心配してくれる。それだけで嬉しいはずだが、ひよりが喜べない理由はそこにあった。 『自分に好意を抱いてくれているから』という発想は、マイナス全開の自信の無さから、最初から選択肢になかった。 (後輩に対する優しさだったら…、私…) 「…田村さん? もしかして…泣いてたの?」 声にハッとして顔を上げると、すぐ目の前に○○の顔があった。 (……っ!) 何でこんなに簡単に踏み込んでくるのか。ある意味無神経とも言えるこの行動に、ひよりの胸の奥にあったものが溢れ出してしまう。 「…何で…、何でなんですか?」 「後輩だから気に掛けてるんですか?」 「知り合いだから優しいんですか?」 「…私は…、私はそんな優しさならいらないです!」 「だって…! だって私は…! 先輩が好きなんですから!」「だって…! だって私は…! 先輩が好きなんですから!」 一気に捲し立てる田村さんの言葉を聞いて、○○は愕然とした。 同時に自分の鈍さと無神経さを呪った。 何で自分は気付けなかったのか。 どうして田村さんをここまで傷つけてしまったのか。 「…ゴメンよ…」 自然と口から出たのは謝罪の言葉だった。心の底から出た言葉、大切な相手を傷付けた事に対する言葉だった。 「…分かってるッス…」 その言葉を聞いたひよりは、拒絶の言葉だと勘違いしてしまう。 「え? いや、違うんだよ!田村さんが嫌いとかじゃなくて、むしろ…」 「…いいッス…。私なんか地味ですし…、胸なんかペチャンコだし…、おでこ広いし…」 「好かれる訳がないのは分かってるッス…」 慌てて○○が否定するが、ひよりはただ「いいッス…」を繰り返すだけである。 「ひよりっ!」 自分が何をされたか理解するのに幾らかの時間を必要とした。 とてもテンポの早い何かが聞こえる。 自分の顔が、何かに押しつけられている。 暫くして、自分が○○の腕に抱き締めている事に初めて気付いた。「…せ、先輩…?」 「…しっ。静かに…」 「…………」 「聞こえる? 俺の鼓動…」 「…はい」 「凄いドキドキしてるでしょ?」 「緊張してるんだよ。…大切な人を抱き締めてるから」 「…え…?」 顔を動かし○○を見上げる。 「田村さんがちゃんと言ってくれたのに、俺が言わない訳にはいかないよね」 「よく聞いててくれよ? …俺は、田村さんが好きだ」 あまりにも衝撃的な事が続いたため、ひよりは半ば放心して○○の顔を見ていた。 「…田村さん…?」 「ぅひゃい! な、何ですか?」 慌てるひよりを○○は優しい目で見つめ、抱き締めていた手をさらに大きく、優しい手つきで包む。 「もう一度言うよ。好きだ…、大好きだよ…田村さん…」 ひよりは夢を見ているのではないかと疑った。 (なんだかボ~ッとするし…、夢なんだ…) 抱き締められている感覚を夢だと勘違いし、夢ならば何でも聞いてしまえ、と口を開く。 「でも…、先輩さっき『ゴメン』って…」 「それは、自分が意図して無いとは言え、大切な人を傷付けてたんだよ? 謝らないとダメだろ?」 「だけど…、私なんか地味だし…。パティやこうちゃん先輩に比べてスタイルだって…」 「俺には、どんな女の子より可愛いく見える」 「それに覚えてる? 劇の代役をやる時、沢山資料を用意してくれたでしょ?」 (…あれ? でも代役って、かがみ先輩足挫いてなかったような…。…でも確かにそんな事もあったような…?) 「あれが嬉しかったんだよ。不安で不安で仕方の無かった時に、誰より親身になって応援してくれたから」「…な、何だか恥ずかしいッスね…。今の格好も充分恥ずかしいッスけど…」 「あはは、ゴメンね? でも、もう少しこのままでもいいかな?」 「…別に構わないッスけど…」 ひよりはまだ○○の気持ちに半信半疑のようだった。少し考えた○○は、ひよりのおでこを撫でながら声を掛ける。 「じゃあ一つ証拠をあげるよ」 「…証拠…?」 そう呟いた時、ひよりはあごを持たれ、唇を○○の唇で塞がれていた。 「むぅ…っ!?」 少し長めに唇を吸われ、その後何度か啄むようなキスを終えて、二人の顔が離れる。 「……はぁっ……」 「これが証拠じゃ…、ダメかな…?」 「…い、いきなり過ぎるっすよ…。…先輩…、ドSっすね…」 「そうかな…? こんな俺はイヤ?」 「…好きッス。Sなところも含めて、全部…」 「そう、良かった」 にっこりと優しく微笑む○○の顔をひよりは見つめる。 この時初めて『夢にしては長い』と思った。「あれ…?」 「どうしたの? 田村さん」「…先輩、ちょっと私の頬をつねって欲しいッス」 「え? いくら俺がSっぽいからって、田村さんがMにならなくても…」 「ち、違うッスよ! ちょっとで良いんでお願いです」 「う~ん、じゃあ抓るよ?」 優しく、軽い痛みを覚えるくらいで、頬を抓られる。 「…痛い…」 もちろん、のたうち回る程では無いにしろ、痛みを感じたのは確かである。 「じゃあ…これ、夢じゃない…?」 「当たり前だよ。ファーストキスを夢オチにされたくないな」 「えぇぇぇ!」 「ど、どうしたの?」 「夢じゃないッスか? だ、だってさっき先輩、私の事好きって…」 「? そうだよ?」 さらりと肯定する○○を驚きの目で見る。よくよく自分の体勢を確認すると、夢だと思っていた『抱き締められている』体勢になっている。 「じゃ、じゃあさっきの告白も…、き、きき、キスも…」 「夢なんかじゃない。ちゃんとした現実だよ。…田村さんは、夢の方が…、よかったかな…?」 「……そんな事…ないっす…」恥ずかしそうに顔を伏せながら、抱き締められていた体勢から、ひよりが腕を○○の背中に回し、『抱き合う』体勢になる。 「だって…私も…、先輩が好きッスから…」 ようやく通じた淡い想い。一時はこの想いのせいで、胸が引き裂かれそうな程切なくなった。 『こんな想いをするくらいなら…』と思ってしまう事もあった。 だけど、今は違う。この想いのお陰で、こんなにも満ち足りた気持ちになれた。 この想いがあるから、今、愛される幸せを感じられた。 ○○からの想いを温もりと共に感じ、ひよりは知らず涙を流していた。 (嬉しい涙って、こんなに気持ち良いんだ…。ありがとう、先輩…。私を選んでくれて…) 「先輩…」 「何?」 「これは夢じゃないッスよね?」 「まだ言ってるの? そんなに俺が信じられないかな?」 「いえ! 違うッス! ただ、夢じゃないなら一つお願いが…」 「ん?」 「ひより…って呼んで欲しいっす。さっき…、呼んでくれましたよね…?」 「ん? あぁ、勢いでつい…ね」 「呼んで欲しいっす」 「いやしかし、いきなりって何か恥ずかしいだろ?」 「呼ぶっす」 「いや…、だからね…?」「呼ばないなら、次の同人誌は○○先輩と白石先輩の18禁を…」 「愛してるよ、ひより」 「……はい、私も…愛してます…」 「…まったく…。まさか無理矢理呼ばせるとはね…。こうなったらいつでも名前で呼ぶからな!」 「の…、望むところっす!」 とても恋人の会話に聞こえず、二人は同時に笑い出す。 「あはははっ! これから先も、こうして一緒に笑えたらいいね」 「もちろんッス! …でも、浮気はしないで下さいッスね…」 「あぁ、もちろんだよ。じゃあ…、誓いのキスをしようか?」 「あぅ…、またキスっすか? …嬉しいからいいっすけど…」 目を閉じ○○に顔を向ける。少し待っていると、おでこに軟らかい感触が感じられた。 「…おでこ?」 「うん、あんまり可愛かったからつい…」 「でこが可愛いって…。何か複雑っす」 お互い顔を見合わせクスッと笑い合う。 きっとこれから先もずっとこうだろう。何気ない会話でお互い笑い合える。 そんな素敵な二人でいられるよう、ひよりは想いを込めて告げた。 「○○さん…」 「大好きッス!」 FIN おまけ カランカランカラン… パティとこうは、○○が出て行った扉を眺めていた。 「あとは先輩が上手くやるだけね」 「…………」 「…? パティ?」 「オージョーギワガワルイネ…」 「だからそれは用途が…」 そこまで言って、こうは口をつむぐ。パティの目から大粒の涙が溢れていたからだ。 「…パティ…」 「…ひよりんハワタシノベストフレンドデス…」 「ダカラ…ひよりん二ハ笑ッテイテ欲シカッタンデス…」 「○○ナラキットひよりヲ幸セニスルッテワカッテル…」 「ダケド…、ソウ想エバ想ウ程、胸ガ苦シクナッテ…」 こうには何となく分かっていた。パティも○○に好意を寄せていた事。 そして、ひよりんの為に一生懸命その想いを押さえていた事も。 嗚咽を堪えるパティの頭を優しく抱え、落ち着かせるように頭をなでる。 「うん…、辛かったね…、パティ…」 その一言で押さえていたものが決壊したのか、一気に声を上げて泣き出した。 「今は泣いちゃいなよ。無理しないで、全部出しな、ね?」 「ウッ…ウゥ…、ウゥァァァァァァン!」 (○○先輩…、可愛い後輩二人の苦悩と涙の分は、きっちりお返ししてもらいますからね!) (…ついでにアタシの分もね) こうは泣きじゃくるパティをなだめつつ、妖しく目を光らせるのだった。 後日、こうとパティは顔面にシューズとビンタの跡をつけた○○に、ケーキバイキング5万円分奢ってもらう事になるのだが、それはまた別のお話。 FIN
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闇よりの罠(OCG) 通常罠 自分が3000ライフポイント以下の時、 1000ライフポイントを払う事で発動する。 自分の墓地に存在する通常罠カード1枚を選択する。 このカードの効果は、その通常罠カードの効果と同じになる。 その後、選択した通常罠カードをゲームから除外する。 墓地再利用 罠 罠除外 同名カード 闇よりの罠(OCG)