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987 :名無しさん@HOME:2011/08/15(月) 22 42 47.92 0 叔母がその昔やったそうです。 私一家・叔父一家・祖母(以下トメ)は同じ町内で近距離別居でした。 叔父嫁(以下叔母)はトメにひどくいびられていたそうです。 母はいいお家のお嬢さんだったからトメもいびられなかったそうですが、 叔母はトメ判定でいびってもいいお家の娘だったらしいです。 叔母がいびられる、叔父と父がトメを〆るの繰り返しで 叔母が子どもを生んだ頃にはトメはすっかり大人しくなっていました。 ある日叔父子が幼稚園から行方不明になりました。 私が学校から帰ったら大人がいっぱい集まっていて、 もしかしたら誘拐かもということで警察の人もいました。 幼稚園で遊んでいたはずなのに、叔母が迎えに行ったときは居なかったそうです。 「え、でもお昼過ぎに叔父子とお婆ちゃん(トメ)一緒にいたじゃん!」 ちょうど学校の窓から二人が歩いてるところを私、見てたんですよね。 叔父と叔母がすごい勢いでトメに詰め寄り、叔母は包丁持ち出してトメを脅して トメは叔父子を連れ出して山に置き去りにしてきたことを白状しました。 叔父子はその後すぐ発見されました。 私はてっきりトメは逮捕されて牢屋に入ると思ってたのに、 身内のことだからか、なぜか老人施設に行くということで話が付いてしまったようです。 トメは私にも「お父さんにお婆ちゃんを施設に入れないでとお願いして」と頼んできましたが、 「お父さんは牢屋に入れてくれって言ったのに、施設で済むなんてよかったじゃん!」と返したら泣き崩れていました。 988 :名無しさん@HOME:2011/08/15(月) 22 43 45.52 0 それから3,4日たって、トメが行方不明になりました。 叔父子の騒ぎの後なので消防団もやる気がなくて、まあそのうち帰ってくるんじゃないの?って感じでした。 その夜叔父夫婦がうちにきて、私は叔父子と遊んでいました。 叔父子が寝てしまったのでこっそり大人の話を聞きに行ったら、父と叔父が叔母に土下座してました。 「どうか子どもを犯罪者の子どもにしないでくれ」「本当なら自分たちがやることだ」 「叔父子のことを考えてください」みたいなことを言ってました。 しばらくして両親が車で出掛けて、トメをつれて帰りました。 叔母、トメを拉致って車で山中に捨てて来たらしいです。 トメはそのまま施設に入れられ私は2度と会うことはありませんでした。 何年か前に「そういえばトメはどうしてるの?」と母に聞きました。 トメは施設でまだらボケになって亡くなったそうです。 両親と叔母夫婦で、そのまま火葬場でお骨にしてお墓に入れるために持って帰る途中・・・ お骨どっかに忘れてきちゃったそうです。 何箇所か心当たりには電話したもののみつからず、4人とも積極的に探す気にはならずに 「トメも合わせる顔がないだろうからこれでよかったんだよ」で落着したんだとか。 読みにくい文章ですみません。 989 :名無しさん@HOME:2011/08/15(月) 22 48 08.59 0 988 親類他にもいると思うんだけど、納骨式とかどうやってごまかした? 新しい骨壷にゴミとかいれてそれっぽく沈鬱な表情して・・・とか? あ、うちの姑の時の参考に、とかそんな理由で聞いてるんじゃないですよw あくまでも後学のために、ええ。 990 :名無しさん@HOME:2011/08/15(月) 22 50 54.34 0 納骨式やらなければいいだけじゃね 991 :名無しさん@HOME:2011/08/15(月) 22 54 09.12 0 ごまかすも何もしてないんだと思うが。 そして息子夫婦の他にはトメの最期を気にかける者もいなかったということでしょう。 992 :名無しさん@HOME:2011/08/15(月) 22 56 17.37 0 孫を山に捨てる老女がどうなろうがってところだわな 993 :987:2011/08/15(月) 22 58 02.47 0 私もトメの死を知らなかったくらいなので、何もしてないんだと思います。 実家にお仏壇があって、祖父以前のご位牌はありますが トメのものはありません。 もちろんお墓にもトメの名前はありません 次のお話→210-15
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~食堂~ 紬「そう、そんな事があったの…良かったわね」 和「ええ…」 紬「それで、りっちゃんは今どうしてるの?」 和「寝ちゃったわ」 和「風邪を引かない様に布団はかけてあげたけど」 和「ちゃんと被ってるかどうか心配だから、これを飲んだらすぐに戻るわね」 紬「そんな事言わずに、もう1杯どうかしら」 紬「結構自信があるのよ?紅茶の淹れ方」 和「そうね、ほんとに美味しいわね…それに、体が温まるわ」 和「もう1杯、頂こうかしら」 紬「ええ、どうぞ」 和「昼間はあんな事言っちゃったけど、ごめんなさい」 和「やっぱりお礼を言わせて貰うわ、紬、ありがとう」 紬「うふふっ、どういたしまして」 紬「後は、全部私が悪かった事にしちゃえば良いって事ね」 和「紬…やっぱり私、律には全部正直に言いたいわ」 和「全部正直に言ってから…それから律の事、好きだって言いたい」 紬「りっちゃんが和ちゃんの気持ちを受け止めてくれたとしても」 紬「和ちゃんはこの状況があったから、吊り橋効果のおかげだって思っちゃうから?」 和「ええ…その…通り…よ…」 紬「そんな事は無いと思うんだけどな…」 紬「でも、確かに焦る必要は無いかもしれないわね」 紬「和ちゃんの恋は始まったばかりなんだから」 紬「ゆっくりと気持ちを確かめていくのも良いかも…」 紬「…」 紬「和ちゃん?」 和「…」 紬「和ちゃん?」 和「…」 ユサユサッ…ユサユサッ… 和「…zzz」 紬「そう…やっと、寝てくれたのね…」 紬「ごめんなさい、和ちゃん」 紬「今実行しているシナリオ、最初に和ちゃんにも見せたわよね?」 紬「私と役を交換してしまうと…」 紬「1つ目のシナリオ、そのまま実行出来ちゃうのよ」 ~山小屋~ 和「うっ…」 紬「気が付いたかしら?和ちゃん」 和「紬…その声は紬なの?」 紬「ええ、私よ」 和「此処は何処?真っ暗で何も見えないんだけど」 紬「和ちゃんには話したわよね、あの建物の奥にある山小屋の中よ」 和「山小屋の中…」 和「ちょっと待って、暗いのは夜だからって思ったけど」 和「私、目隠しされてるの?」 紬「そうみたいね」 和「それに何?どうして動けない訳?」 紬「だって和ちゃん、手も足も縛られているんだもの」 紬「動ける訳がないじゃない」 和(この展開…何処かで見た記憶が…) 紬「でも和ちゃんは流石ね、こんな状況なのに冷静で居られるなんて」 紬「まるでこうなる事が分かってたみたい」 和(やっぱり…) 和「紬、あともう1つだけ聞くわ」 紬「何?」 和「私の状況は理解した…紬、あなたも私と同じ状況なの?」 紬「違うわね」 和「…」 和「そう…つまり私は…」 和「紬が見せてくれた1つ目のシナリオ、その最初の犠牲者って訳ね」 紬「その通りよ」 和(思い出して来た、あのシナリオ通りなら次の犠牲者は確か…) 和(律!律になる!) 和(でも、まだ紬の目的は分からない) 和(単に私だけを狙ってという事も考えられる) 和(そうじゃ無かったとしても、私だけを狙う様に…) 和(私だけを恨む様に、紬を怒らせてみる?) 紬「他に聞きたい事は?」 和「今の所は別に、何も無いわね」 紬「あら?どうして私がこんな事をするのか、聞きたくないの?」 和「ええ、聞きたくないわ」 和「言いたかったら言う、言いたくなかったら言わない、それだけの事でしょ?」 和「何か言いたい事があるのなら、勝手に言ってれば良いんじゃないの」 紬「…」 紬「和ちゃん、そんな言い方って酷いと思うな」 紬「そんな風に言われたら…私、いじめたくなっちゃうじゃない」 和「良いわよ、やれば良いでしょ」 紬「ええ、たっぷりといじめてあげるわ…」 紬「和ちゃんの大好きな…大好きなりっちゃんをね」 和「!?」 和「待って!紬!律は止めて!」 紬「和ちゃん、りっちゃんだけじゃないのよ?みんな一緒にいじめてあげる」 和「じゃあ紬は、あのシナリオを本気で…」 紬「ええ、実行する気よ?」 和「そんな…」 和(だとしたら…駄目、紬の事は誰も疑ってない) 和(みんなこのまま…捕まってしまう…) 紬「もう夜が明けて来たみたいね」 紬「今夜のお楽しみに備えて、私はもう寝る事にするわ」 紬「和ちゃん、ラストの瞬間まではちゃんと生かしておいてあげるから…」 紬「じゃ、おやすみなさい」 ガチャッ 和(隣の部屋に行ったの?) 和(でも、今ほんの少しだけど足音が…) 和(足音が2つ聞こえた気がするのは…気のせい?) 紬「りっちゃんを説得して連れ出す自信は無いけど…でもね」 紬「連れ出すだけなら…お芝居じゃ無かったら、そんな回りくどい方法は必要無い」 紬「それは今夜にでもやらせて貰うわ」 紬「残った4人は…憂ちゃんの怪我は予想外だったけど、シナリオの修正は出来る」 紬「脱出を目指すなら、澪ちゃんと梓ちゃんだけね」 紬「もしそうなったら2人には途中で眠って貰う、町までは辿り着けない」 紬「歩いて行ける距離なんてたかが知れてるわ」 紬「眠っている所を連れ帰す事もそんなには難しくはないはず」 紬「唯ちゃんは憂ちゃんを置いては行けないから此処に残ると思う」 紬「警戒もしてるでしょうから、まずは2人を引き離した方がやり易いわね」 紬「唯ちゃんには憂ちゃんを犯人だと思い込ませれば、一緒には居られないはずよ」 紬「多分1人になりたいと思うから、そこを襲いましょ」 紬「もし1人にならなかったら、絶対に部屋を出たくなる罠を仕掛けておくの」 紬「憂ちゃんは動けないから、そのまま放っておいても構わないわ」 紬「それで全てが終わる…そう、全てが終わるのよ」 ~合宿3日目夜・食堂~ バチンッ 律「何だ?停電か!?」 律(落ち着け、落ち着くんだ…) 律(…) 律(確か、部屋の入り口の壁に懐中電灯があったよな?) 律(まずは壁を探して…よし、この壁伝いに行けば安全だな) 律(そろ~っと、そろ~っと…段々目も慣れて来たな) 律(ん?何だ?…誰か居る!) ゴツンッ 律「痛っ!」 紬「りっちゃん、痛いじゃない…」 紬「ちゃんと前を向いて歩かないと駄目よ?」 律「え?」 律「む…」ムギュッ 紬「りっちゃん、大声を出さないで?」 紬「今大声を出すと危険よ、分かった?」 律「…」コクコク 紬「じゃあ、手を離すわね」 律「ぷは~」 律「ムギ!無事だったのか!」 紬「し~っ、大声を出しちゃ駄目って言ったでしょ?」 律「あ、そうだったな」 紬「うふふっ、りっちゃんは素直だから…大好きよ」 律「は?何だよいきなり…て、照れるじゃないか///」 グサッ ポタッ…ポタッ…ポタッ… 律「え?」 律「ちょっと待てよ、ムギ…」 律「な、何でだよ…」 ~合宿5日目・夕方・ペンション跡~ さわ子「この事件の犯人は、1人しか考えられません」 紬叔父「まさか、紬が犯人だと言うんじゃないでしょうね?」 さわ子「紬さんはこの合宿の発案者、条件としてはぴったりですね」 紬叔父「馬鹿な!紬がそんな事をする訳が無い!」 さわ子「…」 さわ子「ふふっ…ふふふっ…」 紬叔父「…何がおかしいんですか?」 さわ子「いえ、この事件の犯人の事を哀れんでいるんですよ」 さわ子「計画通りに行ったと思っているんでしょうけど」 さわ子「何て馬鹿なんだろうって」 さわ子「憂ちゃんを犯人に仕立て上げるなんて、本当にお馬鹿さん」 さわ子「計画的?突発的?」 さわ子「そんなの、全く関係無いんです」 さわ子「憂ちゃんがみんなを殺そうとするだなんて…」 さわ子「そんな事、絶対にあり得ないんですよ」 さわ子「それに、唯ちゃんはそのまま死なせてあげてですって?」 さわ子「笑ってしまう位にあり得ない」 さわ子「もし本当に唯ちゃんが自殺しようとしたら」 さわ子「憂ちゃんなら例え可能性が0であっても唯ちゃんを助けて欲しい」 さわ子「探し出して欲しいって言うはずです」 さわ子「もっと笑ってしまうのは…その程度の事、私にだって分かるんです」 さわ子「みんなの事を何時も見守っている紬さんであれば」 さわ子「それが分からないなんて事、絶対にあり得ない」 さわ子「あの子達はとても深い絆で結び付いてる」 さわ子「それが犯人には全く理解出来ていなかった様ですね」 紬叔父「さっきから何を…いや、何が言いたいんですか?」 さわ子「簡単な事ですよ、紬さんを含めて此処に集まった7人に犯人なんて居ません」 さわ子「犯人はそれ以外で、この合宿の事を知っていた人物」 さわ子「もちろん私ではありません」 さわ子「私は合宿期間中には此処から遠く離れた学校に居ました」 さわ子「それは多数の方が証言してくれます」 さわ子「それに第一、私が犯人だったらこんなヘマはしませんから」 紬叔父「…」 さわ子「消去法で考えれば…誰が犯人なのか、お分かりになりますよね?」 さわ子「この事件の犯人は…」 紬「犯人は叔父様!あなたよ!」ズビシッ 紬「…」 紬「き、決まったわ!」ジーン さわ子「…」 さわ子「それ、普通に考えたら私の台詞でしょ…」 紬「ごめんなさい、さわ子先生」 紬「どうしても言ってみたかったんです」ウフフ さわ子「そこの木の陰でずっとタイミングを見てたのはこれだったのね…」 紬「美味しい所だけ貰っちゃいました」 紬叔父「つ、紬…」 紬「どうして生きてるの?って顔をしてるわね」 ~合宿3日目・夜・食堂~ 律「何でだよ…」 紬「りっちゃん…い、痛い…」 律「何でムギが…ムギが、刺されてるんだ…」 紬叔父「大声を出さないのは紬の言った事を守っているから…では無さそうだな」 紬叔父「人間、あまりにも予想外の出来事が起きた場合、意外と声は出ないものだ」 紬叔父「まあ叫んで貰っても構わないんだが…」 紬叔父「その場合は2人共、今すぐに死んで貰う事になるぞ」 紬「嘘…どうして…約束が…違…う…」ドサッ 律「ムギ…」 律「嘘…嘘だろ?」 紬叔父「嘘では無い、これは現実の出来事だ」 紬叔父「このままでは紬は失血死する」 紬叔父「死なせたくなければ大声を出すな、話を良く聞け」 律「あ、ああ…ど、どうすれば良いんだよ…」 紬叔父「紬は私が担いで行く、お前は私の後を付いて来い」 紬叔父「言っておくが、もし何か変な事を考えたら…紬の命は無いものと思え」 紬叔父「おっと、私がそれを言うのはおかしいな…言い方を変えよう」 紬叔父「真鍋和とかいう娘の命は無いものと思え」 律「和…和だって!?」 紬叔父「大声を出すなと言ったぞ?」 律「あ、ああ…わ、分かったよ…」 紬叔父「よし、では行くぞ」 ~山小屋~ 律「和!」 和「その声は…律?」 律「生きて、生きてたんだな…」 紬叔父「感動のご対面だな」 … … … 律「縛った上に目隠しか、手も足も出ないとはこの事だな…」 紬叔父「口を開くのはそこまでだ」 紬叔父「次に口を開いたら、二度と閉じる事は出来なくなると思え」 律(…) 律(いっそ大声で叫ぶか?) 律(必死だったからどれ位歩いたのか分からないけど) 律(建物まで声が届けばあるいは…) 紬叔父「言っておくが、今更大声を出しても無駄だぞ?」 紬叔父「あの建物まで声が届く程、此処は近くない」 紬叔父「雪がこのまま降り続ければ足跡を辿る事も出来なくなる」 紬叔父「此処を見付ける事もまず不可能だな」 律(随分と色々喋ってくれるんだな…) 律(まあ、今更何をしても無駄だって事だろうけどよ) 律(それよりムギは、ムギは無事なのか?) 紬叔父「紬の事が気になるか?」 紬叔父「止血はしておいたが、どうだろうな」 紬叔父「残りは4人、人数が少なくなればこちらとしてもやりやすくなる」 紬叔父「2~3日生きていてくれれば何の問題もない」 律(くっ…) 律(何か言ってやりたいけど、今は何を言っても無駄だ) 律(状況を整理して考えるしかない) 律(犯人はこいつ1人なのか?) 律(だったら、何時かは此処から離れるはずだ) 律(そうすれば、和から色々と聞く事も出来る) 紬叔父「1つだけ言っておこう」 紬叔父「私は暫くの間、此処を動かないぞ?」 律(動かない?どうしてだ?) 律(此処から動かなかったら、建物の中に居る4人には何も出来ないぞ?) 紬叔父「4人が1つの部屋に集まってるな」 紬叔父「脱出の相談をしているが…ふふっ、無駄な事だ」 律(見てもいないのに、何でそんな事が分かる?) 律(いや、見てるのか?) 律(監視カメラだ!) 律(気付いてたんだ…あたしも、他のみんなも) 律(でもあれはムギの仕業だと思って、誰も何も言わなかった) 律(合宿を出来るのはムギのおかげだから、その位のいたずらは許してやろうって) 律(その内みんな忘れてしまって…) 律(まさかこんな事に利用されているとは…) 律(このままじゃ4人が危ない) 律(何か、何か手は無いのか?) 律(何か、手は…) 11
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募集状況 ライター…中田 富山 ◆15lIZBDwz6 絵師…kotomi☆富山高知絵&千葉文?@神奈川民 ◆L0xAywte/Q 確認日時:2012.06.04 現在募集はありません ストーリー (前ライターさんが残していったものです 引継ぎor新規作成 ご自由にそうぞ) ■第一幕 □日常の世界 某商業会社に勤める主人公。 退屈なリーマン生活。 □冒険へのいざない 突如、上司から出張命令。 富山県高岡市へ行ってほしいとのこと。 □冒険への拒絶 心の中では拒絶するも。 上司命令でNOとは言えないので、行くことになる。 □メンター ***ここで富山の名所を知る 同僚に行きたくないことを愚痴る。 磯貝は富山の名所を説明するなどして、主人公を元気づける。 □第一関門 嫌がっても仕方がないので、前向きに行こうと考える。 話によると一か月の出張とのことなので、期間は長くない。 ~~~ここまで10kb~~~ □試練、仲間、敵対者 宿泊ホテルの近くの薬局で買い物。そこにはヒロインがアルバイトをしていた。 ドジを踏んでミスをして、印象に残る。 週末に富山見学に繰り出した先で、直美と一緒に居るヒロインを発見。 声をかけるが、ヒロインから異様に警戒されてしまう。 直美からもあしらわられ、ひとまず退散する。 その後、しばらくして財布を落としてしまったヒロイン一向に遭遇。(落としたのはヒロイン) ここで一緒になって、真摯に探す姿に警戒心を多少解かれる。 お礼代わりに、後日観光案内を頼むと了承される。 そこから親しくなっていく。 ヒロインは天然で抜けているところが多々あり、また男に対して警戒心が強い。 ヒロインの家には招待されず、話を持ちかけても拒否される。 イベント内容 ・ヒロインと直美と三人で富山観光。高岡コロッケ食べる。 ・直美の家に、ヒロインと一緒に遊びに行く。 ・ヒロインと二人で富山観光。二上山万葉ラインへドライブ。二上山の悪王子伝説を聞く。射水山神社へ。二上山からの夜景。 ~~~ここまで40kb~~~ □もっとも危険な場所への接近 ヒロインは両親を亡くし、叔父の元で生活していることを知る。 叔父からは虐待を日常的に受けている、性的虐待も。 →この話は直美から聞く。 叔父はヤクザの一味であり、もし警察に行ったらヒロインの身が、そして直美の身が危ないと脅されている →この話はヒロインから聞くが、直美も薄々足枷になっていると勘付いている。 すっかり主人公を信頼するようになった直美は、ヒロインのことを助けてほしいと相談する。 また、大切にしてほしいとお願いしてくる。 ~~~ここまで50kb~~~ そしてある日、待ち合わせた時間になってもヒロインが来ない。 →途中、ヒロイン視点。叔父に襲われるところで主人公視点へ。 気になって電話するも出ない、直美に聞いても知らない。 胸騒ぎがして色々な場所を探すが、一向に見つからない。 まさかと思って、主人公は直美に聞いているヒロインの家へ向かう。 ■第二幕 □最大の試練 セントラルクライシス ヒロインは叔父に処女を奪われる。 その後レイプが続いている最中、主人公が駆けつけて助け出す。 ヒロインの家は高岡市の外れにあり、後ろには二上山がある。 ヒロインを抱きかかえて、レイプされたヒロインを気遣い、人目を避けて二上山へと逃げ込む。 ヒロインは心に深い傷を負って、泣いてばかりいる。 ここで主人公は告白して、ヒロインを守ることを誓う。 今すぐは無理だが、貯金をして、いつか東京で一緒に住もうと誘う。 それまでは、直美にかくまってもらおうように言う。 当然叔父から離れれば、大学生活を続けることは厳しくなる。 □報酬 ヒロインは男の人に対する警戒心が薄れるようになる。 主人公は生活に明確な目的が出来る。 また、付和雷同な性格も多少は改善される。 □帰路 数日後に出張帰還の一か月が迫ってくる。 叔父から離れ、ヒロインは少しは回復した様子。 ~~~ここまで70kb~~~ ■第三幕 □復活 クライマックス ヒロインの叔父と対決。 ヒロインを守ると決意した主人公は、叔父を特定の場所に呼び出す。 やってきた叔父と話し合い、ヒロインを解放しろと持ちかける。(ヒロインもついてくる。) 逆上した叔父は携帯していた刃物でヒロインに襲い掛かり、主人公が庇って怪我をする。 騒ぎを聞きつけた近所の人が警察に通報し、叔父は捕まる。 □宝を持っての帰還 警察の調べの結果、叔父はヤクザとの繋がりなんてないことが判明。 主人公は出張が終わって東京に帰るが、お金を貯めてその内迎えにくることを約束する。 ヒロインと別れる。 クライマックスとセントラルクライシスを入れ替えるのもありか? キャラクター 琴宮 千鶴 本作ヒロイン。 20歳で茶髪のポニーテール。幼い頃に両親を亡くして、叔父と二人で暮らしている。薬屋でアルバイト。 長所:他人に流されない、非常にマイペースである。穏やかで温和な性格。 短所:ぼんやりしていることが多々あり、ドジや物忘れが多い。また、マイペースであるため空気も読めない。男性に対して心を許していない節がある。 藤里(フジサト) 本作主人公。 20後半で中肉中背。喫煙者で、あごひげを生やしている。 長所:空気を読んだ言動ができる。物事に対して慎重。 短所:付和雷同な性格で、自分の意思を通せない。少し臆病。 薮沼(ヤブヌマ) 藤里の上司。メタボで禿散らかした頭。 磯貝(イソガイ) 藤里の同僚。同期。藤里の良き理解者で相談役でもある。前半メンター役。 水白 亀齢(ミズシロ キレイ) 千鶴の同級生。一人暮らしをしている。親が会社を経営しているため、お金持ち。後半メンター役。 氏山 今勝(ウジヤマ イマカツ) ヒロインの叔父。母親の兄であるため、ヒロインとは苗字が違う。ヘビースモーカーで、ひげがぼうぼう。
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自分は叔父に呼ばれ彼の家に行くことになった。溜息が漏れる 正直叔父の事は好きではない。人間的に彼が嫌いと言うわけではない。多少変人な所を除けばいい人だ。 腕を組んで考え込んでるうちに叔父の集落に着いた。 叔父の家は四方を生け垣に囲まれて大きな邸宅と蔵を何個も建ててるこの集落でも一番大きさだ。 何でも製菓業でひと山あてたとかで羽振りがいいらしい。なんとかの加工場に出資してるとか… 家の前で掃き掃除をしている下女を捕まえて用件を伝える。母屋の中で待つように言われたので 屋敷の中に案内された。客間に通され待ってる間は適当に出された茶を啜りながら調度品を眺めていた そうしていると勢いよく襖が開けられ威勢のいい声をあげて叔父が入ってきた 「よっ、待ってたぞ坊!最近会っとらんかったなぁ!本家の様子はどうだ? お前にコレとかできたか?そうだ、分家のバァさんまだくたばっておらんか?」 叔父は次から次へと話を変えるので何を言ってるか理解するのに時間がかかる これも叔父が変人と言われる由縁の一つであるが、こんなの可愛いものである 「そうそうお前に実は見せたいもんがあってな!オイ!だれか書斎からすぐにアレもってこいアレ!」 しばらくすると使用人の一人が小走りでこちらへ来る音が聞こえた。部屋に入る使用人が両手でようやく 抱えられるほどのかなり大きな本を持って入ってきた 「今日お前を呼んだのはなコイツを見せる為なんだ」 自分は天を仰ぎ露骨に表情を歪めて見せた。叔父は全く意に介してないが.... 叔父が変人と言われる最大の理由は蒐集家…ただの壺とかならまだ良いだろう 彼が集めるのは処刑道具やら曰くつきの異国風の恐ろしげな絵やら、誰も飾っておきたくないような物を集めるのが好きなのだ。 子供の頃叔父に女性が火に焼かれて苦悶の表情に顔を歪めてる絵を見せられて未だにトラウマとなっている 「安心せい坊、こいつはお前でも気にいると思うぞ」 そういって持ってきた書物を開いてみせた。 「どうだ凄いだろ!」 のぞいてみると....何ととんでもない物がそこにあった! 思わず叫び声をあげて飛びのいてしまった 肌色のひらべったい布みたいなものが本に透明な膜を被せられて張り付いていた。 数か所に大小の穴がついていた。何か見覚えがある... これは....の顔面の皮だ。つまりデスマスクと言うやつだ 「ハーッハッハ驚おきおったな。よく見てみな、ホレ」 叔父が促すので恐る恐るのぞく,,,,しかしよく見たら人のデスマスクではない。 有るべきはずの人間の鼻の穴がないし、それに人間にしては顔の造りがおかしい。それに間近で見ると人の皮ではない 「こいつはゆっくりのツラの皮だ。本当の人間の物なんぞいくらワシでも集めるのは無理だからなハッハッハ!」 確かにこれはゆっくりの皮だ。ご丁寧にリボンもそえてあり、それがゆっくり霊夢の物であることがわかった 「コイツはゆっくりの加工場で死んだ奴の皮を譲ってもらった奴だ。なかなか迫力があるだろ」 パッとみれば本当に人の皮かと思える程だ。その皮には目を見開いていて死に際の苦悶の表情がたたえられており今にも喋りだしそうな迫力だった 「こいつは生きたまま中身の餡を抜かれて死んだ奴の顔だ。まぁこいつはほんの序の口だ。こいつなんてどうだ」 ページをめくるとそこにはさらにおぞましい様子の物があった 最初はは判別がつかなかったが、しばらく見てると顔面が異様に歪んでおりまるで別の生き物様に見える 「これはプレス機に潰されたもんだ。中々良い顔してるだろ」 他には小さな潰れた子供の皮の横に目の部分だけがふやけた苦悶の表情を浮かべたゆっくり魔理沙の顔 とても信じられないと言った表情で泣き叫んでいる時の様子のゆっくりれみりゃの顔 ページを一面に広がっている物は水を吸って広がったゆっくりパチュリーの顔だ どこかだらしない表情を浮かべてているのは発情中のゆっくりアリスを殺した物 初めのうちは嫌悪感を持っていたのに、この世の物と思えない顔をしているゆっくりの表情に自分の意識が吸い込まれるような感覚がした ページを開きながら、デスマスクの解説をする叔父の語りはヒートアップしている。 そうこうしてる内に日が暮れるまでそれを自分は見ていた 「おや!もう夕方か。そろそろ帰らんと危ないな。いやぁ~スマンスマンついつい語りん込んでし回ったワイ。もう遅いし今日は泊まってくか?」 自分にも稼業があるので休むわけにはいかない叔父に丁重に断って帰る事にした。それに歩いて行っても暗くなるまでには帰れるはずだ。 帰り道に何で残酷なものが苦手な自分がこんな時間になるまで見れたのか不思議に思った。 そういえば昔男なのに押し花に嵌まってた事があったのを思い出した 押し花は作ってってしまえばその美しさは永くに残る 同じ花でも一つ一つが別々の美しさを持っていた。 ゆっくりも死に際によってみせる表情は様々だ。 今まで厄介者として潰していたが、できるだけ苦しませて死なせたらどんな表情を遺すだろう... そう考えると居ても立っても居られなくなった。そうだうちの家の周りに野生のが何匹かいたな....
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【2ch】 62 名前: 本当にあった怖い名無し Mail: 投稿日: 05/11/20(日) 08 44 28 ID: +TA9CGer0 漏れの叔父の話しです。 叔父は、よく猫を殺していたんだが(訳も無く殺していたわけじゃないけど) ある時夢の中で猫の閻魔さまと周りにはその家来らしき猫がいたそうな、 その猫の閻魔さまに火を焚かれた鉄板の上に乗せられて焼かれて、閻魔さまの 尻尾が上になると飛び上がり、下にすると落ちて、尻尾が動く度に叔父は、猫に 自由自在に動かされいた。 夢の中で叔父は、猫達に謝りましたが、その数日後自動車事故で3ヶ月の入院をした。 叔父は猫の祟りだと思っている。 猫をむごいことをした人で、最後は癌で死んでいる人を三人知っている・・偶然かな
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フローレンス 基礎情報 概要 王国を出た、SVLが行き着く先、フローラル王国の王女。 父である国王を、叔父による毒殺で、母である王妃を自らの目の前でこれまた、叔父に丸め込まれた兵士に刺殺され、自らも毒を盛られるが、もともと、毒に強い体質のため、体調を崩す程度で済んだ。 その後、魔女として叔父である伯爵の名によって火あぶりにされかけたところを、カルバスで折り返しているSBLの状況を怪しんだ当時の主師の登場で助けられる。(その後暇人集団に両親を蘇生されている。) その際蒼藍王国王である遥夢と出会い、お互いがお互いとあまり見もそっくりということに驚き、正式な友好関係を築く。これが、後の三姫同盟の礎となる。叔父のクーデターから二ヶ月たち、父の後を継ぎ即位するも、自らはいまだ、未熟であるとして、王を名乗らずいまだ、王女のままである。 即位後も叔父にたびたび命を狙われるも、現在では、三姫同盟の盟主の一人として、精力的に活躍し、命を狙う叔父を適度に笑いながら痛めつけ、楽しむと言った、遥夢と似た感覚の持ち主に成長している。 しかし、痛めつけられても狙い続ける彼女の叔父もタフである。 本名 フローレンス・ローレンス・フォン・レインゲルト・フローラル(レインゲルト族の国フローラルの王フローレンス・ローレンスの意) 性別 女性 種族 レインゲルト族 一人称 私 身体情報 身長172.46cm 体重46.32kg 血液型B 髪型ショートボブ 性格 かなり活発で勝ち気だが、相次いで、信頼していた者に両親を殺害されたため人間不信に陥った上でネガティブ。最近Sっ気が出てきた 能力設定 見ただけで毒の混入の有無を見破るだけの能力 戸籍情報 出生地 フローラル王国王都フローラ 生年月日 青歴1936年9月30日 現在住所 フローラル王国王都フローラ王城 職 フローレンス王国第65代国王息女 最終学歴 王立アカデミー
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プレイヤー:くなし データ:私立序院学園(HC-another) 名前:楠 由香(くすのき ゆか) 身長:163cm 体重:58kg 3サイズ:96(E)/58/94 学年・クラス:高校3年C組 地位:便器(男性の命令に服従しなくてはならない)→妊婦(出産に備えて陵辱されづらい) 年齢・誕生日:9/18(おとめ座) 18歳 所属:生徒会 部活:剣道部→飼育部(出産係) 設定 両親が不幸に合い、一人暮らしの叔父(当時32歳)の元で暮らすことになった過去を持つ。 叔父は一見、品行方正公明正大な良人物だったが、内心は由香が肉奴隷としての素質を持つことに気づき、 自分専用の肉便器として仕立て上げるために当学園に中学時代編入させる。 由香本人も叔父は(親として)好きであったし、学園自体も対外的には学費免除のマンモス校であったため、 叔父の負担にならず将来良い職につけるだろうと喜んで編入。 が、編入後、1週間で処女喪失。学園の実態を知る。 叔父に助けてもらおうと連絡を取るも、なぜか学園外へ連絡をとれず、途方にくれた。 現在は高校3年。卒業まであと1年。 なんとか無事に卒業し、叔父の元へかえりこの学園を告訴しようと内心野望に燃えている。 経歴 出産経験2回(高校1年時と高校2年時)→子供は学園に引き取られた。→母乳体質 生徒会所属→実質は生徒会備品→理事長の監視下にある実験体の一人 剣道部(中学時代より)→レギュラー→腱を切られて動きづらくなり退部→飼育部に引き取られる 卵巣改造→哺乳類は全て妊娠対象→現在は犬を妊娠中 コンセンサス NG→肉体切断・肉体破壊・人体外観の異型化・大便を伴うスカトロ 大好き→便器・精液・搾乳・獣姦・輪姦・出産 PLより とりあえず適当に作ってみました。 後にHCにコンバートの可能性もあります。
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叔父が亡くなってから早一年が経った。 当時はショックのあまりに時が止まったように感じたけど、時間が経つと只単に、過ぎ去った過去として頭の中で処理されてしまう様だ。思い出とはそんなもん。 叔父はリビングでお気に入りのウイスキーを嗜んでいた時に突然心筋梗塞になってしまい、それからまもなく、天に召されてしまったらしい。 色んな事が積み重なりまくって、山と言うよりピラミッド並のあの仕事量の中でその訃報を聞いて、僕はどこかで頭のネジが吹っ飛んでしまった。 叔父の存在は子供の頃の僕にとっては、掛け替えの無い人だった。ある意味、両親以上に僕は叔父の事を好いていたと思う。 子供の頃の話だ。中学に入る前の、社会に付いて何も知らないし知る必要も無かった最高な小学生だった頃。 僕と両親は、一年の内に何度か叔父の家に遊びに行っていた。両親からすればたまに顔を合わせなきゃいけないみたいな、めんどくさい事柄だったんだろうけど僕からすれば違う。 叔父はアンドロイドと呼ばれる、人の形をしたロボットの機械部分の上から様々な細工を施し、人間らしい外見にする仕事……カバーフェイスと呼ばれる仕事に就いていた。 叔父は滅多に言葉を話さない偉く寡黙な人だったが、僕には何時も優しくしてくれた。 両親から分からない様にお菓子をくれたりお駄賃をくれたり、また、仕事場で間近に仕事内容を見せてくれ、僕はそんな叔父の横顔を見て何時か僕もカバーフェイスになりたい。 そう、思っていた。結果? 社会の荒波は僕に夢というサーフィンをさせてはくれない。どっかで大きく転倒した挙句、僕はしがないプログラマーに就いている。今は無職だけど。 あまり僕はそういう業界には詳しくないんだが、叔父がカバーを手掛けたアンドロイドはその筋の人からこう評されていた。 まるで人間そのモノの様に美しい、と。生憎僕にはその言葉がどれだけ高尚なのかは分からない。 ローンを組んでおり今にもエンストして煙を出しそうなボロ車……というか愛車を走らせながら、僕は今その叔父が住んでいた家へと向かっている。 叔父は一族の中ではかなり変わり者というか、歴代で一人だけカバーフェイスという仕事に就いており、尚且つ非常に寡黙な上に妻も子供もいない、ガチで独身貴族だった。 加えて叔父はカバーフェイスの仕事に専念する為にわざわざ山奥を探して、そこで凄まじく過疎地な場所で仕事場であるガレージがくっ付いた一軒家で暮らしていた。 車で行くと3時間掛かる上、当り前だがバスも電車も無い、とてもじゃないが徒歩じゃほぼ半日かかるそんな場所に、叔父は暮らしていた。 それにしてもどこを見ても木、木、木ばっかだ。代わり映えしない木しかない、ザ・森って感じの場所。 何故だか分からないけど、子供の時にはこの景色に偉くワクワクしていた。動物とかがいるかもってワクワクしていたのかもしれない。 こんな場所に熊だの狼だの居たって話は全く聞かなかったから、恐らく居ないんだろう。ホント、子供の頃って何にでも感動でき……。 ……ん? 何だろう、あの子。 ふと、木々の間から佇んでこちらを見ている、一人の女の子……いや、スラッとしてるから少女と言った方が良いか。その少女の姿が目に映った。 少女は鮮烈な赤にワンポイントの白い刺繍が入ったワンピースを着ており、僕の事を無表情のまま、顔を動かして観察しているかのように眺めている。 こんな所に民家なんて……というか叔父以外に人がいるって話は聞いた事がない。……気持ち悪いなぁ。 僕は頭を振ってその少女の事をくしゃくしゃと紙を丸めてゴミ箱に放り投げる様に、記憶から忘れようとする。だけど妙だ。 バックミラー越しに見える女の子の顔を見ていると、何故だかずっと昔に、会った様な気がしてならない。 気のせいだろう。木だけに。 Ghost of Machine Beginning 1/3 ガタガタと不安な音を立てる愛車を停車させて、少し力を加えたら吹っ飛びそうな位ガタついてるドアを開く。 ……はぁ、懐かしい。一面を森に囲まれた中でポツンとあるせいか感じる異様感。およそ十数年振りだ。懐かしさとあれ、こんな家だったっけ? という微かな疑問が同時に浮かぶ。 僕の目の前には叔父が居なくなって以来、1年ほど放置されている叔父の一軒家が僕との再会を喜んでいるのかいないのか、ドンと構えている。 叔父の好みなのかは定かではないが、その家は2階建ての木造建築になっていて、当時の記憶だと木の温かみと合間から入って来る風がとても居心地のいい家だった。 二階は確か寝室になっていて、僕と両親が遊びに来た時にだけ使用されていた。叔父は1階での自室で寝ていたから。 ポケットから専用の鍵を取り出して差し込み、ドアノブを回す。まだ全然昼間だというのに、陽が射しこまない家の中は薄暗く、寒く感じる。 一軒家とは思えないリビングの広さにキッチン、一人暮らしではかなり贅沢な気がするバスルームに……あぁ、昔と全く変わってない。 叔父は僕が成人になる間でも、この家で黙々と、カバーフェイスとして働いて暮らしてきたんだな。そう思うと、僕の胸は不思議と熱くなってくる。 ギシギシと音を立てる階段を昇っていくと2階が見えた。本当に何一つ変わっていない……。涙出てきそう。 1階に降りて家を出て、そのすぐ隣にあるガレージ……というと味気ないから、工房に入ってみる。 質素な、だけどかなり大きなプレハブ小屋であるその建物を見て、一気に僕の中で懐かしさが込み上げてくる。ここでいつも叔父はカバーフェイスとしての仕事を全うしていたんだ。 子供心にその時の仕事をしている叔父の横顔は、とてもカッコいいと思っていた。作業中の過程は直ぐに頭の中に浮かんでくる。 機械部分を傷つけない様に、特製のシリコン素材を被せながら余計な部分を切っていき、滑らかに削っていく。段々無機質な機械が、人間の様な顔と体になっていく。 一切のブレが無い、完成された過程はまるで芸術作品を見ている様だった。叔父の手腕は職人のそれというより、芸術家のそれと言った方が近いと思う。 しかし叔父が芸術家ではなく職人である理由は、依頼さえ受ければ、どんなアンドロイドだって作り上げる事だ。鍵を刺して、早速中へと入ってみる。 叔父は依頼者から要望があれば、少女から少年、女性に男性、果ては老人から幼い子供まで自在に作りだす、業界ではかなりの実力者だったと聞く。 壁面を見ると、依頼者から受けた依頼を行う際に、その依頼の元となる顔のモデルが幾つも立て掛けられているのに気づく。十代から九十代、子供から老人まで。 子供の頃はこの原型が怖くて仕方なかった。こう、のっぺらぼうみたいな感じがして。正直今でもかなり怖い。 それにしても……叔父という持ち主を失い、貰い手も決まらずにそのまま放置されている工具や道具が収納された所狭しと並ぶ棚を見ると悲しくなってくる。 一応まだこの家も工房も、そしてこの道具も僕の一族のモノだ。正確には叔父と血縁関係にあった、僕のお父さんのだけど。 誰か叔父と同じカバーフェイスに就いてる人がいれば良かったんだけど……と、誰かの気配を感じて振り返るとドンピシャ。 「その様子だと本当に懐かしそうだね、祐一君」 そこにはオレンジ色のサングラスと、蓄えた白い髭と髪が印象的な、紳士という言葉を具現化した様な叔父様が立っていた。 僕は歩きだしてその叔父様に軽く頭を下げて、挨拶を交わす。 「お久しぶりです、秋山さん。先月は色々と、お世話になりました」 「いやいや、俺はただあいつの死期を見届けたかっただけだよ。法事云々はそのついで」 そう言って秋山さんは口元の端々を二ヤリとさせる、シニカルな笑みを浮かべた。 この人の名は秋山了次さん。人付き合いに疎い叔父が認める友人であり、また叔父に代わって、依頼者からの依頼を受け継ぎ、経由する仕事をしていた人だ。 秋山さんは僕の両親とも顔馴染みで、僕は小さい頃から色々とお世話になっていた。今でも時折、何かあると飲みに行くついでに相談したりする。 「あいつの工房、結構広いだろ? ここであいつは休む事無く、アンドロイドを作ってたんだよなぁ」 と言いながら煙草を一本口に咥えて話す秋山さんの横顔は、物悲しい。思えば叔父が秋山さんと話している時は、普段見せない様な笑顔を見せていた気がする。 思えば僕にとって叔父は、子供の頃の思い出として、非常に無口ながらも、優しく接してくれた人という記憶は在るものの、それ以外の面については何も知らなかった。 両親の都合で都内に引っ越した僕は、エレベーター式の進学校に進学する事になった。中学に上がる頃になると、僕たち家族は自然と叔父の家に行かなくなった。 たまに両親が電話越しに連絡する程度で、わざわざ会いに行くのが億劫だったのかもしれない。僕自身も学校の勉強に追われて、叔父の事が記憶からだんだん薄れていく。 その過程で忘れられない様々な出来事……言い方を変えれば級友達との修学旅行とかそういう思い出が出来る事に、叔父の影はひっそりと消えていった。 やがて僕は偉く苦労しながらも就職し、一層日々を生きる事に必死になっていた。仕事をしていく中で、僕は色々な事を置き去りにしていき、人としての感情を忘れていった。 そんな時に叔父の訃報が入った。最初は非常に失礼ながらピンとこなかったというか、正直誰だったっけ……と思ってしまった。 だけど母さんの話を聞く内に段々記憶が蘇ってきて、何故だか分からないけど、僕の目から涙が溢れ出てきた。どうしてなのかは分からない。きっと感情の抑制が利かなかったと思う。 それにもしかしたら心のどこかで、存在を忘れていた叔父に対する謝罪の気持ちがあったのかもしれない。今でも罪悪感が心の中で呻いている。 叔父の葬式に参列し、棺の小窓から叔父の顔を見る。遺影と比べても眠っている様に見えるほど変わっていなかった。今すぐにでも起きるんじゃないかって位。 目を瞑った永遠の眠りに就いているその顔は、とても安らいでいて、僕はありがとう、ありがとうと泣きながら心の中で何度も唱えた。 今回叔父の一軒家に訪れたのは、そんな叔父との思い出を振り返る為だ。もう何十年も前に来たのに一軒家の中は全く変わっていなくて一種の感動を覚える。 しかし僕がここに来たのは思い出を振り返るだけじゃない。僕が来た目的はもう一つ……あるのだ。秋山さんは一服すると、僕に顔を向けて、行った。 「それで祐一君、この前話してくれた事だけど」 「君、本当にここに住むつもりなのかい?」 そうなのだ。僕が一軒家を訪れた理由は、この家が移住可能かどうかを確かめる為だ。僕は叔父からこの家を引き継ぎたい。真剣に。 少し過去の話をすると、僕が就職した職場はまぁ最悪だった。消化できてもいないのに積み上がる仕事、高圧的な上司、やる気の無い部下、残業手当皆無な黒に黒な会社。 その会社は結構大手でかつ、外面だけは中々イメージの良い会社だったが実際は真っ黒にも程があった。ここら辺は就職出来れば良いやと軽く考えた僕の甘さに過ぎない。 約5年ほど勤めていたが、今から1週間前位に僕は仕事中にイスごとぶっ倒れた。原因は、重度の過労。 流石に会社は空気を呼んだのか、僕が1週間程、心身を安らげる為の有給を申し出ると受諾してくれた。いや……受諾じゃないな。 上司は仏頂面のまま、有休届けを出した僕に一枚の書類を渡した。その紙の内容は思いだしたくないが率直に言えば、僕は解雇された。理由は人員削減。爆笑。 だけど仕事を辞めた事で、僕は凄く清々しい気分になった。あの人工的な地獄にはもう耐えられなかったから。それにあれ以上勤めていればホントに過労死しかねない。 それと、仕事詰めで毎日パソコンと向きあってていて只でさえ病むのに、僕にはあの都会特有の、冷たく重い雰囲気が嫌で嫌でしょうがなかった。 大人げないというか馬鹿な我儘だと笑ってくれても構わない、けど、嫌なモノは嫌なのだ。だから僕は交通とか生活の利便性が高い都会より、どこか何も無い田舎に……住みたい。 そんな事を思いながら新しい自宅を探そうとしていた時、ふと思った。 その条件に当てはまる家に、叔父は住んでいたなと。故に、今日である。 「はい。準備が整ったら、転居しようかなと」 「けれどここって本当に何にもないぞ? それに交通の便が……」 「それなら心配無いですよ。仕事辞めましたし……騒がしいのは嫌いだから」 秋山さんが心配するのも無理はない。両親に相談した時も同じ様な心配をされた。もっとキツイ感じで。 立地条件が悪すぎるとか交通の便が自家用車しかないとか、そして何より早く仕事を見つけろとか。 流石に26歳にもなってそこまで口出しされるとかなりイラッときた僕は、それ以降両親には相談せず勝手に移住への段階を進めた。まぁ最初からそうしてりゃ良かったんだが。 僕自身の事を決めるのは僕自身だ。誰にもそれを咎める権利は無いだろうし、否定する理由も無い、 するとこの前の一回忌の法事の時、両親は僕に思い止まって欲しかったのか、秋山さんに僕の引っ越しについての相談をしたようだ。 まぁ秋山さんは僕の引っ越しには割と好意的だったので、そこら辺は良かったけど。 秋山さんは僕が叔父の家に住みたいという相談には普通に乗ってくれた。乗ってくれたはいいが、一応心配してくれてるのか本当にいいのか? と心配してくれた。 色んな意味で条件が悪すぎるし、何より交通の便が悪すぎるし、本当に木以外何も無いよ、と。 それでも、と僕は強引なくらい住みたい旨を伝えた。すると秋山さんは僕にこう言ったのだ。 「なら一回くらい、足を運んでみたらどうかな。それから決めても、遅くはないだろう」 今日が、その日である。 実際に来てみると、蘇って来る郷愁と、周囲の森という森に胸を打たれた。尚更僕の意思は固くなる。 こんなに静かで車は愚か人の気配さえ無い場所なら、僕はゆっくりと何にも邪魔されずに眠れそうだ。パソコンはもとよりテレビすらないがそれがまた良い。 やっぱりココが良い。僕は秋山さんに伝える。 「やっぱココに住みますよ、僕は。凄く落ち着くんですよ、ここ」 煙草の煙が灰色の天井へと伸びてはうっすらと消えていく。秋山さんは口から煙草を話し、取り出した携帯灰皿に灰を落とすと、僕に苦笑いしながら言った。 「……君が決めたのなら、俺から言う事はないな。ただ、祐一君、一つ良いかな」 一つ……? 一つってなんだろう。僕は深く頷いて、それを聞く。 「あいつのガレージだが、何時も綺麗にしておいてくれないか。それがあいつの……左京に対する共養になるからさ」 「……勿論ですよ。曲がりなりにも叔父さんの家だったんだし……。今日帰るまでにやっておきます」 「頼んだよ」 そう言って、秋山さんは笑った。その笑顔には、哀愁が滲んでいた。 秋山さんが帰るのを見送り、僕は再び工房へと戻る。 そういや叔父の遺品は僕と両親、それに親戚達で引き取ったが、工房に置かれている工具はそのまま放置されている。 僕達の一族には、叔父の様な仕事をする人が全然いない為、誰も扱えない。しかも遺品だから売る訳にはいかないだろうという事で扱いに困っている。 前もって話を付けている為、一度止められていたガスや電気、水道は使える様になっている。 後はくまなく掃除をして、自宅の家具とかを引っ越し業者に頼んで運んできて貰うだけだ。 ふー……背を伸ばしながら工房を出て、周囲の緑一色な風景に目をやる。この一軒家をグルリと囲んでいる森の中は、暗く先が見えない。 まだ昼間の時間帯なのに、暗く茂る森の中は見ようによっては何が居るのかが分からず実に不気味だ。だけど空気はとても澄んでいて、気持ちが良い。。 気のせいだとは思うけど、都会に染まって黒くなってしまった体が、白く浄化されていく様な感覚を覚える。 そうだ……どうせだから森の中を歩いてみようかな。日光浴だ。 僕は近くの森の中へと足を踏み入れた。空から入り込んだ日光のコントラストが、木々を照らしていて幻想的で美しい。揺らいでは返る光の海みたいだ。 動物……はいないと思う。けれど小動物程度なら見かけるかも知れない。足元を見ると行列を組んだ蟻がせっせと食料を運んでいる。上手く言えないけど、良いな、こういうの。 叔父は何かアイディアとかに詰まった時は、こういう所を歩いていたのだろうか。そう思うと、妙に感慨深い。 ……ん? ここに来る時に見かけた……あの、少女だ。木に背中から寄りかかって、空を眺めている。僕に気づいている様子は無い。 ……幽霊とかじゃないよな。声を掛けてみようか……僕は軽い好奇心から、少女へと近づく。と、少女が僕に気付いたのか、空に向けていた視線を僕に向けてきた。 少女の外見は背丈から察する小学……中学生くらい? 着ているワンピースは結構新しめで、黒いおかっぱ頭でかつ、黒く大きな目、顔立ちはとても幼い。 僕が近づいても少女は動こうとせず、僕の事を見ているだけ。何も言わない。……怖がらないのかな。変なおっさんが近づいてきても。 僕は少女の目の前に立ってしゃがみ、少女の目線に合わせて、聞いた。 「君、お父さんとお母さんは?」 考えた末にこう聞いた。お家は? と聞くと危ない気がするから。僕の質問に、女の子は首を大きく横に振った。むむ……どういう事だ? と思ったが、見ず知らずの男に素直に素性を話せないかもしれない。質問を変えよう。……とは思ったものの。 何と質問すれば良いんだろうな。少しばかり僕は悩んで、女の子に聞いた。 「それじゃあ、名前は?」 女の子は僕の目を見つめ返したまま、その外見と同じ舌ったらずで甘い声で返答した。 「私、ユーコ」 「ユーコちゃんか……。君……はどこから来たのかな」 ユーコちゃんは僕の質問に少しばかり俯かせると、ゆっくりと顔を上げると共に、何処かに指を指した。 僕はその方向へと目を向ける。あれ? ユーコちゃん……ちょっと良いかな。君が指を指しているその場所は、僕が今から住む、叔父の家なんだけど。 不思議に思って振り向くと、ユーコちゃんは居なくなっていた。おかしいなぁ……。歩くなりなんなりすると音が聞こえる筈なんだけど。 ……くっ、頭が痛い。僕はズボンのポケットから薬を出して腰のホルダーに差し込んだペットボトルの水を薬ごと、喉に流し込んだ、 過労が祟ってぶっ倒れた時に、僕はよりによって軽度の偏頭痛を患ってしまった。 それほど重くは無いけど、何か予期せぬ事が起こって頭痛が起こった場合、処方された頭痛薬を飲む様に言われている。 もう少し僕に行動力と怒りがあればあの会社に対して労働組合とかに入って仕返ししたかもしれないが、僕にはそんな度胸も元気も無い。 代わりに都会という雁字搦めの窒息しそうな檻の中から、この開放されている、本来人間が住む様な場所へと自然そのモノな場所に移り住む事に決めたのだ。 仕事なら大学時代の友人という伝手がいるから、中途採用って事で仕事を紹介して貰えば良い。 金なら妻はおろか子供さえいないから、ちびちび暮らしてけば仕事が見つかるまでには貯蓄した金で余裕で暮らしていける。引っ越し代はちょっとばかし痛かったが、必要な出費だ。 このまま工房を掃除して家に帰るしか無いが、なんとなくこの場所を離れたくない。とはいえ家具や寝具も無い家で一夜を過ごす程、僕は物好きじゃない。 よし、叔父の仕事場を綺麗にしよう。これから住ませて貰う上での、叔父に対する挨拶として。 トランクの中に詰め込んだ箒やらの掃除道具を持って、工房の中へと入る。 秋山さんが言う様に、叔父が一人で仕事をするにはかなり大きいというか広い気がする。真ん中には叔父の仕事場である、アンドロイドを寝かせる作業台。 その奥、入って右側には工具が所狭しと置かれて埃を被っている4段重ねの棚に、用途が分からないけど仕事に使うであろう、大きな器具。 左側には素材となるシリコンが(今は無いけど)掛けられていたスペースに、目や指などのスペアが入っている棚、そして並べられているマスク。 早速片づけに入ろう。まずはと、僕はその作業台の上の埃を掃きながら、バケツに水を汲んで拭く事にした、 一人だで掃除していると嫌にというか、当り前ではあるがとても時間が掛かる。作業台を掃除するだけでも、もう半日が過ぎてしまった。 気づけば空は陽が落ちていて、森の中どころか森さえ暗くなっていて、幽霊やお化けでも出てきそうなおどろおどろしい雰囲気へと様変わりしている。 というか暗くなると運転しにくくなる。今日はこれくらい良いだろう。僕は床をサーッと掃いて、掃除道具を入り口近くに置く。 引っ越しが区切りつくまでずっと掃除だ。ドアを開けた瞬間、何かが上からバサバサと音を立てて落ちてきて、ビビって振り返る。 ……ノート? 地面には上のどこから落ちてきたのか分からないが、茶色く表紙が変色したノートが1冊落ちていた。 恐る恐る拾って中を開くと、表紙と同じくボロボロでかつ茶色くくすんでいて、良く目を凝らさないと読めないほどの文字が1ページにびっしりと書き込まれている。 怖いというか凄く気持ち悪いというか……というか掃除してた時はこんなノート無かったよな……。……早く帰ろう。寒くなってきた。ノートを作業台の上に置く。 愛車を走らせていると、来た時と同じくユーコちゃんが僕の方を向いて木の前で佇んだまま、僕を見ていた。 もしかしたら、いや、もしかしたらではなく、あの子は幽霊かもしれない。けれど幽霊にしても不思議に怖い感じはしない。むしろ……いや、無いな。 只単に叔父の家が懐かしく感じただけだ。出来たら明日は見たくないなぁと思いつつ、僕は山道を走り抜けた。 次の日も僕は車を飛ばして、叔父の家へと向かう。用件は言わずもがな、工房の掃除と、ついでに一軒家を掃除しようと思う。 一軒家の中は思ったよりもずっと綺麗だった。綺麗だったと言っても、見えない汚れや埃が転がっていると思う。そういうのは完全に綺麗にしておかないと、僕としては気が済まない。 家からありったけの掃除道具をトランクに詰め込んで、引っ越しの手配が完全に整う前に全ての掃除を仕上げるつもりだ。大事の前の小事だ。 俄然やる気になりながら、僕は愛車を停車させた。ドアを開けて外に出て……と。 「また来たの?」 「はい? って、うわぁっ!」 ビビって思わず振り返りながら尻餅を付いてしまった。音も無く背後に居るなんて……本気で幽霊みたいじゃないか、君は。 良くみればこのユーコという子は人間っぽくない。肌が雪みたいに真っ白だし、こう……雰囲気が浮世離れしている気がする。それに昨日と同じワンピースだし。 ……何を怯えてるんだ、僕は。幾らそういう存在だからって、僕は普通の成人男性だ。こんなのに怯えていては大人としての威厳が廃る。 僕はしゃがんでユーコちゃ……別にちゃん付けしなくていいや。ユーコに怖がったのをなるべく悟らせないように自分自身が出来る中でも最も冷静な声で言った。 「……良く分からないけどお父さんとお母さんが心配するから、早くお家に帰りなさい。ここは森に囲まれてて何が出てくるか分からないから」 「そこが家だよ」 と言ってユーコは叔父の家を指差す。全くこの子は何を言っているんだ……。叔父には僕と同じく、妻はおろか子供もいなかった筈だ。 それに僕の親戚の子供にはこんな子はいない。全く知らない子。そんな子が、叔父の家を自分の家と自称している。 これは厄介な問題だな……。一体どうすれば、この子は自分の家が叔父の家でない事に気付いてくれるんだろう。 ……ちょっと賭けてみるか。僕はユーコに念を押す様に低い声で言った。これで付いてこなければいいんだけど。 「分かった。けど、僕は今から掃除をするからその邪魔はしないでくれよ。いいかい?」 僕の言葉にユーコは大きく頷いた。……え、付いてきちゃうの? いかん、冷静にだ、冷静に。 掃除道具を抱えて、僕は叔父の家へと歩き出す。その横でトコトコとユーコは付いてくる。あぁ……ホントに何なんだ、君は。 とは言え邪魔されたら敵わん。一軒家に入る前に僕は立ち止まり、ユーコにもう一回言う。 「それじゃあ今から掃除するから、そこら辺に居ててくれ。念を押すけど、邪魔はしないでくれ。分かったね」 信じなさいよと言った感じで、ユーコは何も言わずに僕を見上げる。はぁ……変な事になっちゃったなぁ。 ドアを開けると、ユーコは靴を脱いで近くの壁に背を付けてぺたんと座った。そして何をするでもなく、視線を宙に漂わせている。 なんだ、少々薄気味悪いけど、普通に素直な子じゃないか。良かったよかった。僕は時折その視線が気になるものの、気にせず掃除をする。 にしても幽霊にしてははっきりしすぎてないか、君は。幽霊ならこう、ぼんやりとしていてくれ。二本足で歩く事くらいは許すけど。 ってどうでもいい。掃除に専念しよう。ユーコの事を気にせず、僕は掃除機にスイッチを入れる。にしても埃というか汚れがひどいな。相当時間掛かるぞ。 掃除し始めて半日が過ぎた。凄いとまでは行かないけど、掃除機と雑巾掛けをしたお陰で、床はかなり綺麗になった。少なくとも埃の存在は確認できない。 掃除とはいえここまで体を動かしたのは久しぶりだ。固くなってカチカチになってる筋肉をほぐしながら上にマット引かなきゃと思いながら、愛社から飼ってきた弁当を持ってくる。 と、そうだ……。ユーコが本当に幽霊かどうかを確かめる方法があった。未だに微動だにせず、座り続けているユーコに僕は聞いた。 「お腹空かないのか、ユーコ?」 僕の言葉にユーコは表情を変えないまま、答えた。 「だって私、アンドロイドだもん」 予想だにしないユーコの返答に、僕の口はポカンと開いていた。あぁ、だからか……だからさっきから妙な違和感を感じていたのか。 考えてみりゃあ人間って感じがしないもんな。だけど幽霊みたいなゾワッとする様な感覚も無いし。いやー納得な……いや、待て。 そんなアンドロイドが、叔父の家に何の用なんだ。 叔父はもうお墓の中に居て、アンドロイドは作れない筈だ。それに秋山さんからアンドロイドがいるだなんて話は聞いてない。 「ユーコ……」 前を見ると、何時の間にかユーコの姿は無かった。煙みたいにドロンと消えてしまったみたいだ。 窓の所まで近寄って探してみるが、ユーコの姿はどこにも見えない。悪いキツネなんかにでも化かされ馬鹿にされた気分だ。 ちぃ、また頭が痛い……。薬を取り出して一錠飲む。昨日から思ってるんだが、一向に思い出せない事がある。 僕はユーコと、どこかで会っている。しかし何時会っているかが全く思い出せない。記憶から抜け落ちている。 朧げで不確かで不明瞭なその記憶を思い出す度に、頭がズキズキと痛くなる。 工房を掃除して帰ろう……。1階は大体終わったから、2階は明日だ。 工房の掃除をしていると、叔父が如何にこの仕事に真摯に打ちこんでいたかがぼんやりと分かって来る。 長年使いこまれていて、色々な傷と言う名の月日が刻まれている作業台に、汚れてしまってはいるが、丁寧に手入れされている道具。ホントに叔父はこの仕事が好きだったんだな。 そんな事を思いながら掃除していると、頭の片隅にあのノートの事が過ぎった。あのノートには何が書かれていたんだろう。 作業台に乗ったままのそのノートを手にとって、パラパラと捲ってみる。ふむ……何々? この字、叔父の字じゃない? 叔父はスラスラと字を書くけど、仕事柄からか性格からかは分からないが綺麗で読みやすい、几帳面な字だ。 このノートに書かれている字は丸っこくて癖があり、ぶっちゃけ読みにくい……子供の字だ。真面目に目を凝らさないと、とてもじゃないけど読めない。 たす……たすけ……たすけて? 助けてって書いてあるのか。次の文字はにげ……にげたい、逃げたいか。間に文字があるけど、ぐちゃぐちゃにに滲んでいて解読不能。 ますますどういう事か分からない。他のページを捲ると同じ様な字がびっしりと。 ユーコにしろこれにしろ、何だかとんでもない事になってる気がしないでもない。というか悪いとは思うけど、叔父の事が薄気味悪く感じる。 何でこんなノートを持っているのか、そしてあのユーコってのが何なのか、恐怖を感じる半面、僕の中の知的好奇心が激しく興味を抱いている。 思えば叔父について僕は両親から教えられてる面以外についてあまり知らないのだ。アンドロイドの制作者って事くらいで。 秋山さんから聞くと寡黙だけど意外と享楽的で穏やかな人物だったと聞くが、あくまで秋山さんから聞いた範囲であって、叔父が本当にそんな人物だったのかは分からない。 ノートを閉じて我に返ると、僕は叔父の秘密に深く触れてしまったそうで自己嫌悪になる。 しかし罪悪感は感じるけれど、僕は正直ユーコと、このノートに強い興味を抱いてしまった。止まりたくはない。 掃除間際、彼女に会ったら色々と聞いてみようと思う。驚かされた分、僕は真実を知りたい。どうせ仕事を止めて掃除くらいしかする事が無いんだ。 帰ってこのノートを読もう。僕はノートを腕に抱えて、一度愛車に戻ろうとした、と。 噂をすれば、か。気づけばユーコが入口に立っていた。後ろに手を回して、僕がノートを読んでるのを見ていたかの様に。 僕はユーコに話しかけた。昨日からずっと無表情だけど、何故だかユーコの顔は憂いてる様に感じる。 「なぁ、ユーコ。君が生まれたのって、ここなのかい?」 ユーコは僕の質問に答えない。答えないが、小さな口でボソッと、何か言った。 聞き取れず、僕は声を上げて聞いた。聞きたい。何でも良いから君の話を。 「ユーコ? 何か言ったかい?」 僕がそう聞いた途端、ユーコは踵を返して走り出してしまい、そのまま森の中へと消えてしまった。 追いかけようとしたけど子供でアンドロイド? なせいかその足は速く、すぐに見えなくなってしまった。むむむ。 まぁ良いや。今日はこの辺で掃除を終わらして、帰ってノートを読む事にしよう。 今日の分の掃除を終えて愛車に乗り込み鍵を回したが、一向に掛からない。おいおい、トラブルか? 何度か回してみるが、エンジンはうんともすんともいかない。 頼む、掛かれ……掛かれぇ……! 願う、が、やっおぱ駄目か。これ以上回したら本気で愛車が壊れてしまいそうだ。参ったなぁ……本当に参った。 幸いな事に携帯は通じるので一先ず業者に連絡を付けよう。それで明日、コイツを引っ張って貰う。今日は車の中で野宿だな……。 どうせだからノートを読んでみよう。ライトを付けて助手席に乗せたノートに目を通す。 一先ず通して読んでみよう。意識をノートに集中して、のめり込む様に読んでいく。ふむ……。 『覚えてない?』 『私、遊んでみたかった。子供の、頃から』 『ずっと、待ってた』 『ゆーいち』 「筒井さーん。筒井祐一さーん」 ……目が、覚める。誰かがガラスを叩く音。ガラスを見れば、作業服を着た男の人が軽く窓ガラスを叩いていた。……業者さんか。 見上げると太陽が入ってきて眩しい。そうか……朝が明けたのか。どうやらノートを読んでいる内に眠ってしまっていた様だ。 手元を見ると閉じてあるノート。気付かない内に読み終えてしまっていたのか、ただ単に眠くなって閉じただけなのか。まぁどっちでも良い。 ノートを助手席に置いてドアを出て、済まなそうに軽く頭を下げながら趣旨を説明する。業者さんは僕の話を承諾する。 「ではご自宅の方へとお運びします。後に代わりのお車が来ますので、そちらにお乗りください」 「分かりました。すみません」 業者が愛車を引っ張っていくのを見送りながら、大あくびをする。手元にはちゃんとノート。 まだ掃除をする時間は……つーか時間なら腐るほどあるや。何か眠いや……叔父さんすみません、ちょっと仮眠してから掃除します。 一軒家の中に入り、窓からユーコが見える様に奥の壁に背を付ける。 作りはしっかりしてるから、雨漏りだとか強風だとかそういう心配をする必要はまずない。流石叔父の家だと思う。 床に指を付けて滑らすと、まだまだ埃が付いている。もっと念入りに掃除しないと駄目だなぁ……。 窓から入り込んでくる日だまりが射しこんできて僕と床を照らす。自然の光って朗らかで優しくて大好きだ。僕はその光を浴びる様に顔を上げた。 前に見える森に心が休まる。 ……居た。僕は立ち上がって窓際まで歩き、その少女へと声を掛けた。 少女は僕に対して表情を変えないまま、目を向けている。その目に映ってるのは僕か、それとも別の何かか。 「ユーコ、そんな所に居ないで中に入ったらどうだい?」 ユーコは何も言わない。僕も、何も言わない。ただ、見るだけ。 僕から近づけば良いんだけど、僕は彼女から近づいてきてほしいと思って家から出ない。僕とユーコは互いに見つめあっていた。 すると根負けしたのか、ユーコからこっちに歩いてきた。無表情だけど、若干ムッとしてるみたいに見えて少し可愛い。 ユーコが入ってきたので僕はその場に座って、入ってきた彼女に話しかけた。 「あのさ、ユーコ。君は自分をアンドロイドと言ったけど、ならアンドロイドっていう証明をしてくれないかな」 僕の問い掛けにユーコは何の迷いも無く、自分の首を取った。そして生首の断面を僕に遠慮なく見せてきた。中には隙間無く機械がぎっしりと詰まっている。 ユーコの行動にギョッとするが、確かにアンドロイドの様だ。ユーコは首を何度も調整しながら首を締めると、そっと壁に寄り掛かった。 そうだ……驚いてる場合じゃない。僕には聞きたい事があったんだ。 「君がアンドロイドである事は信じるよ、疑って悪かった。けど……昨日から聞きたかったんだけど、何で君はここを自分の家だというんだい?」 一瞬、ユーコの顔が曇った様に見えた。僕は構わず、言葉を続ける。 「こう言うと君を傷つけてしまうかもしれないが……僕の記憶の中では、君と、ここに住んでいた人との接点がまるで無いんだ。不思議だな、と思ってね」 キ―ンと、頭に鈍い痛みが広がっていく……。薬を取り出し一錠。くそっ、何でこんな時に頭が痛くなるんだ……! ユーコは足で小さく円を描きながらちょっぴり、僕に首を向けて、小さな声で言った。 「私は……私には、ここしかないから」 「……どういう事だい?」 僕の質問に、ユーコは答えない。答えない代わりに、その目は僕が持っているノートに注がれている、様に感じる。 ノート……? 僕は手元にあるノートの上部を持って黄門様みたいな感じでユーコに見せながら、聞いた。 「これが何か?」 「……持ってたんだ、あの人。捨てて欲しかったのに」 え? ユーコの言葉の意味が分からず、僕は素で聞き返していた。ユーコは僕から顔を背けた。これが何か……掴めるきっかけになるのか? 僕はユーコの変化を見逃さず、意地悪だとは思いながらも更に聞いてみる。本当に気になって気になって仕方がない。 「教えてくれ、ユーコ。これが君にとっての何なんだい?」 僕の質問にユーコは一転、機械の様な……いや、機械なんだけど、冷たく無表情な表情に戻った。……これがそれほど、君にとって触れられたくない物なのか?。 だけど僕は何も言わないでノートを差し出す。この際何でも良い。君の口から、真実が聞きたい。 「……いじわるな人は嫌い」 ユーコ? ユーコは僕に背を向けると、一軒家から出ていった。僕は慌てて立ちあがり、声を掛けた。 「待ってくれ、ユーコ!」 「……待ってたのに。ずっと」 ……え? そのままユーコは走り出して、森の中へと消えてしまった。僕はその場に立ち尽くしていた。 彼女が何者で、叔父が何を隠しているのか、そして何より、待ってたって意味が何なのか、今の僕には何一つ、訳が分からない。 只、一つだけどうしてもはっきりさせたかった事がある。それは、ユーコと叔父の関係性だけだ。 もし叔父が僕が考える中で最も最悪な可能性に当て嵌まっているなら、僕は如何すれば良いかが分からない。 とは言え叔父は僕の叔父だ。只そんな真実があった。って事だけは認めるだけで何を如何こうするつもりは無い。只、僕は純粋に知りたいだけなんだ。 ノートと、ユーコと、そして叔父が、何を隠していたのかという事を。 くっ……何だ……スゲー頭痛い……。壁に背を付けて、僕は目を瞑った。さっきから鐘の音みたいな重低音が、頭の中で響いている。 薬を二錠飲む。これで収まってくれればいいんだけど、二日続けて野宿なんてなぁ……。まぁ、屋根があるだけマシか。 子供の頃の記憶ってつくづく当てにならないんだなと思う。ユーコについて何か思い出せそうで全く思い出せない。 それにしても僕は……僕は彼女と昔に会っている? それも叔父の元に遊びに来ている時に。どういう事なんだ? 彼女の事を両親がユーコの事を口に出す事は無かったし、叔父さんがユーコの事を口に出した覚えは無い。ますます頭痛が痛くなる。 今日はここで夜を明かそう。1日位飯を喰わなくったって死にゃしない。雨とか振る様な天気でも無い。 可能な限り、自分自身の記憶の紐を紐とこう。もしかしたら、何か見つかるかもしれない。 じっと目を閉じると、何となく何かが浮かんでくる。僕はそのまま、眠りに落ちた。 君は誰なの? 「私は 君は?」 僕は……僕は祐一。左京叔父さんとは昔からアレなんだ。 「へぇー……良いなぁ。私もあの人のホントの娘だったら良かった」 ホントの娘ってどういう意味なの? 「……誰にも言わないって約束してくれる?」 「私ね……」 目を、開ける。 ……何かが、分かったかもしれない。 ↓ 感想をどうぞ(クリックすると開きます) +... 名前
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自分は叔父に呼ばれ彼の家に行くことになった。溜息が漏れる 正直叔父の事は好きではない。人間的に彼が嫌いと言うわけではない。多少変人な所を除けばいい人だ。 腕を組んで考え込んでるうちに叔父の集落に着いた。 叔父の家は四方を生け垣に囲まれて大きな邸宅と蔵を何個も建ててるこの集落でも一番大きさだ。 何でも製菓業でひと山あてたとかで羽振りがいいらしい。なんとかの加工場に出資してるとか… 家の前で掃き掃除をしている下女を捕まえて用件を伝える。母屋の中で待つように言われたので 屋敷の中に案内された。客間に通され待ってる間は適当に出された茶を啜りながら調度品を眺めていた そうしていると勢いよく襖が開けられ威勢のいい声をあげて叔父が入ってきた 「よっ、待ってたぞ坊!最近会っとらんかったなぁ!本家の様子はどうだ? お前にコレとかできたか?そうだ、分家のバァさんまだくたばっておらんか?」 叔父は次から次へと話を変えるので何を言ってるか理解するのに時間がかかる これも叔父が変人と言われる由縁の一つであるが、こんなの可愛いものである 「そうそうお前に実は見せたいもんがあってな!オイ!だれか書斎からすぐにアレもってこいアレ!」 しばらくすると使用人の一人が小走りでこちらへ来る音が聞こえた。部屋に入る使用人が両手でようやく 抱えられるほどのかなり大きな本を持って入ってきた 「今日お前を呼んだのはなコイツを見せる為なんだ」 自分は天を仰ぎ露骨に表情を歪めて見せた。叔父は全く意に介してないが.... 叔父が変人と言われる最大の理由は蒐集家…ただの壺とかならまだ良いだろう 彼が集めるのは処刑道具やら曰くつきの異国風の恐ろしげな絵やら、誰も飾っておきたくないような物を集めるのが好きなのだ。 子供の頃叔父に女性が火に焼かれて苦悶の表情に顔を歪めてる絵を見せられて未だにトラウマとなっている 「安心せい坊、こいつはお前でも気にいると思うぞ」 そういって持ってきた書物を開いてみせた。 「どうだ凄いだろ!」 のぞいてみると....何ととんでもない物がそこにあった! 思わず叫び声をあげて飛びのいてしまった 肌色のひらべったい布みたいなものが本に透明な膜を被せられて張り付いていた。 数か所に大小の穴がついていた。何か見覚えがある... これは....の顔面の皮だ。つまりデスマスクと言うやつだ 「ハーッハッハ驚おきおったな。よく見てみな、ホレ」 叔父が促すので恐る恐るのぞく,,,,しかしよく見たら人のデスマスクではない。 有るべきはずの人間の鼻の穴がないし、それに人間にしては顔の造りがおかしい。それに間近で見ると人の皮ではない 「こいつはゆっくりのツラの皮だ。本当の人間の物なんぞいくらワシでも集めるのは無理だからなハッハッハ!」 確かにこれはゆっくりの皮だ。ご丁寧にリボンもそえてあり、それがゆっくり霊夢の物であることがわかった 「コイツはゆっくりの加工場で死んだ奴の皮を譲ってもらった奴だ。なかなか迫力があるだろ」 パッとみれば本当に人の皮かと思える程だ。その皮には目を見開いていて死に際の苦悶の表情がたたえられており今にも喋りだしそうな迫力だった 「こいつは生きたまま中身の餡を抜かれて死んだ奴の顔だ。まぁこいつはほんの序の口だ。こいつなんてどうだ」 ページをめくるとそこにはさらにおぞましい様子の物があった 最初はは判別がつかなかったが、しばらく見てると顔面が異様に歪んでおりまるで別の生き物様に見える 「これはプレス機に潰されたもんだ。中々良い顔してるだろ」 他には小さな潰れた子供の皮の横に目の部分だけがふやけた苦悶の表情を浮かべたゆっくり魔理沙の顔 とても信じられないと言った表情で泣き叫んでいる時の様子のゆっくりれみりゃの顔 ページを一面に広がっている物は水を吸って広がったゆっくりパチュリーの顔だ どこかだらしない表情を浮かべてているのは発情中のゆっくりアリスを殺した物 初めのうちは嫌悪感を持っていたのに、この世の物と思えない顔をしているゆっくりの表情に自分の意識が吸い込まれるような感覚がした ページを開きながら、デスマスクの解説をする叔父の語りはヒートアップしている。 そうこうしてる内に日が暮れるまでそれを自分は見ていた 「おや!もう夕方か。そろそろ帰らんと危ないな。いやぁ~スマンスマンついつい語りん込んでし回ったワイ。もう遅いし今日は泊まってくか?」 自分にも稼業があるので休むわけにはいかない叔父に丁重に断って帰る事にした。それに歩いて行っても暗くなるまでには帰れるはずだ。 帰り道に何で残酷なものが苦手な自分がこんな時間になるまで見れたのか不思議に思った。 そういえば昔男なのに押し花に嵌まってた事があったのを思い出した 押し花は作ってってしまえばその美しさは永くに残る 同じ花でも一つ一つが別々の美しさを持っていた。 ゆっくりも死に際によってみせる表情は様々だ。 今まで厄介者として潰していたが、できるだけ苦しませて死なせたらどんな表情を遺すだろう... そう考えると居ても立っても居られなくなった。そうだうちの家の周りに野生のが何匹かいたな....
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押し入れの匂いのするおじさん受け 孝叔父さんは、一緒に暮らしていた叔父のお母さん、つまり僕の祖母が亡くなってから、 すっかり駄目人間だった。 「聡史、また孝に持って行ってくれる?」 僕の母は、実の弟である叔父さんをひどく心配して、3日に一度の割合で おかずやら何やらを僕に持たせるのだ。 幸いというか何というか、僕の学校は家から1時間もかかるが、叔父さんの家に近い。 つまり僕は、3日に一度の割合で叔父さんを訪ね続けて、もうすぐ1年になろうとしている。 「――聡史君、いつもすまないね。姉ちゃんにもよろしく言っておいて」 叔父さんは、相変わらずちゃんと食べてるんだかわからない様相で、でも笑顔で、僕を招き入れる。 これでも随分よくなったとは思う。祖母が亡くなった直後は憔悴して、ボンヤリして、まるで頼りなかった。 長男ということで喪主を務めたが、ほとんどひと言も話さない喪主だった。 うちの父が代理のようにあれこれと動き回っていた。 (嫁さんでももらっていればなあ……)(お母さんも心配なことだろう……) そんなささやきが親戚連中から上がるのは当然だった。これで大学講師が聞いてあきれる。 ……でも、叔父の喪服姿はちょっと印象的だった。 いつもボサボサ一歩手前の長めの髪をちゃんと流して……なんというか、格好良かった。 いや、違うな。 綺麗だった、というのは変だろうか。 「姉さんと義兄さんにはすっかりお世話になりっぱなしだ、今度の一周忌もほとんど手配してくれたよ」 持ってきたおかずで一緒に晩飯を食べながら、孝叔父さんが言う。 「僕は昔から親戚づきあいとか苦手なんだ。母さん……聡史君のお祖母ちゃんにまかせっきりだった」 「それって跡取り息子としては駄目なんじゃない?」 約1年間聞き慣れたような弱音を、これもいつものような文句で返してあげる。 「みんな心配してるんだってよ? 母さんが言ってた。お嫁さんもらわなきゃ、だって」 叔父は苦笑する。これも繰り返されたいつもの会話だ。 「お祖母ちゃんが死んでまだ1年だよ? そんな気にはなれないな」 叔父はいわゆるマザコンというやつだったのだろうか、と時折思う。 黙っていればそこそこ格好いいし、並収入高身長なんとやら、という お手頃物件のはずなのに、浮いた話がない。 「……どうしたの。僕なんか変? そんなに見つめられると照れるな」 気がつくと叔父の顔を凝視していたようで、慌てた。 「そ、そういや母さんにさ、孝叔父さんの喪服を見てこいって言われてたんだ、 ちゃんと一周忌に着られるよう準備しておけ、って」 その押し入れはナフタリンとカビ臭かった。 喪服は、祖母の布団やら洋服やらがきっちり納められた横に、紙袋入りで放置されていた。 「初盆は……着てたよね?」 「一応たたんだつもりだけど。駄目だったかな」 「駄目でしょう!? お盆暑かったのに!」 「着てみようか」 止めるまもなく上着を羽織る、と「あー駄目だね」 所々にうっすらと白いカビが生えていた。そもそもの押し入れの臭いの元凶っぽい。 「クリーニングで落ちるかな……」 「叔父さんー、もう、早く脱いだ方が良いよ、ほら」 きったねー、とか言ってるあいだにおかしくなって、僕は笑いながら叔父の上着を脱がせにかかった。 「危なかった、姉ちゃんが言ってくれなかったらこれで一周忌出るところだった」 「ちょー、駄目だよ、勘弁して」 手に当たる肩が骨っぽい。叔父の背は、こんなに薄かったか。 葬式の姿がよみがえる。あの端正な姿。 ふと、息詰まる感覚に襲われた。 「叔父さん……早く、結婚した方がいいよ。しっかりしなきゃ」 無理矢理上着を剥がした。……その裾を、叔父の細い手がつかむ。 「僕は結婚したくないんだ。もうきっと、しっかりなんてできない。仕方を忘れたよ。 ……聡史君が、ずっと面倒見てくれるといいのにな」 俯いたまま呟いた叔父は、およそ色っぽくない押し入れの臭い。