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ep.157「精神科医の叔父」「殺気」不思議な話・人怖を朗読・考察 朗読怪談 1.「精神科医の叔父」 2.「殺気」 参加メンバー Tomo Kimura K-suke その他 名前 コメント すべてのコメントを見る
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ゆずこちゃん
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親(父)心/2時間耐久/ガラの悪い叔父・顔が笑ってない/藁人形 512 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2009/02/14(土) 00 18 07 ID w1/JD9V2 「顔の表情を一切動かさずに大爆笑する人」の動画を見てつい。 いまだにヨハンだけ、帆崎とルルの関係を知らない(というのは次回の漫画で) ※豆食え元ネタ:(ttp //www.youtube.com/watch?v=F5cBfL-SQZA)
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~合宿4日目・朝・山小屋~ 律「…」 律「…ん」 律「…」 律「しまった!何時の間にか寝て…」 律「!」 律(やばい、もし奴が近くに居たら…) 律(…) 律(誰も…居ないのか?) 律「和…」 律「和、起きてるか?」 律「和、起きてたら返事をしてくれ!」 紬叔父「残念だな、寝てるよ」 律「!」 紬叔父「誰も居ないと思ったか?居ない訳が無いだろう」 律(くっ…) 紬叔父「喋るなと言ったはずだが、まあ良い」 紬叔父「食事の時間だ、これを食べろ」 紬叔父「手を使わなくても食べられるはずだ」 律(何だこれ?ゼリー飲料か?) 律(何が入ってるか分からないのに、素直に食べるはずがないだろ…) 紬叔父「毒でも入ってるんじゃないかと思っている様だが」 紬叔父「殺そうと思えば何時でも殺せるんだぞ?」 紬叔父「食べないのなら別にそれでも構わん」 紬叔父「そのまま衰弱死するだけの事だ」 律(確かにそうだ) 律(食べなくても結果は同じ、だったら少しでも体力を落とさない様に…) 紬叔父「そうだ、人間素直なのが1番だぞ」 律(何を言ってやがる) 紬叔父「さて、食べ終わった所で良い事を教えてやろう」 紬叔父「今食べた物の中には、丸一日は目を覚まさないであろう睡眠薬が入っている」 紬叔父「もっとも…次に眠った時が最後、二度と目を覚まさないだろうがな」ククク 律「何!どういう事だ?」 紬叔父「言ったままの意味だよ」 紬叔父「目隠しされていては隣りの状況も分からないだろうが」 紬叔父「もう1人のお友達は既に眠ってしまった様だな」 律「和…」 紬叔父「薬が効いてくるまでは約1時間」 紬叔父「私も暫くの間は退屈だ、話し相手になってやっても良いんだぞ?」 律「何でこんな事を…いや、そんな事を聞いても意味が無いな」 紬叔父「そうだな、全くの無意味だ」 律(何か…何でも良い、あたし達が助かる為の情報が欲しい) 律(こいつの計画に何か穴は無いのか?) 律(例えば…雪崩はどうなんだ?) 律(あれが偶然かどうかで、みんなが脱出出来る可能性が違って来るぞ) 律「それにしても、運が良かったな」 紬叔父「何がだ?」 律「偶然雪崩が起きるだなんて」 律「もしあれが無かったら、最初に脱出した2人が警察に駆け込んで」 律「お前もその時点で逮捕されてただろ?」 紬叔父「ああ、あの雪崩の事か…確かに運が良かった」 紬叔父「偶然にも花火が打ち上がるタイミングで雪崩が起きた様だが」 紬叔父「誰かが爆薬でも仕掛けたのかな?」ククク 律(駄目だ、それも計画的だったんだ…) 紬叔父「何故そんな事を聞いたのか当ててやろうか?」 紬叔父「今朝になって3人脱出したみたいだが、1人は帰って来た」 律(帰って来た?憂ちゃんは動けないだろうから、それを心配した唯か?) 律(じゃあ、澪と梓が…) 紬叔父「残った2人に期待しているんだろう?無駄だよ」 紬叔父「あの雪崩は歩いて越えられない位の規模で発生している」 紬叔父「それに途中で力尽きる様に、手も打ってあるからな」 律(そんな…もう、何も希望は無いのか…) 紬叔父「ん?これは…建物の中でも面白い事が起こっているぞ」 律(何だ?意識が遠のいて、何を言ってるのか…) 紬叔父「特別サービスだ、お前にも聞かせてやろう」 律(…この声は…唯…と…憂ちゃん) 紬叔父「こういう形で罠に引っ掛かってくれるとは…」 紬叔父「手間が省けて助かるよ」 律(…) 紬叔父「建物を離れた2人もそう長くは動けないだろう」 紬叔父「残る1人は籠の鳥だ、部屋から1歩も動くまい」 紬叔父「電話にしかけた罠も無駄になるだろうが、まあ良い」 紬叔父「…」 紬叔父「もう眠ってしまった様だな」 紬叔父「よし、先に建物を離れた2人を追う事にしよう」 紬叔父「あまり遠くまで行かれてしまうと、回収する手間も大変だからな」 … … … 律(…) 律(ふふっ…ふふふっ…) 律(最後に1つだけ…たった1つだけ…可能性ってやつが…見えて来たじゃないか…) ~建物の前~ 紬叔父「こんなに近くに倒れているとは…私は運が良い」 紬叔父「まずはこの2人を運んで、次は山小屋の3人だな」 ~山小屋~ 紬叔父「ふぅ、流石に4人を運ぶのは疲れるな」 紬叔父「怪我は大した事が無かった様だが…結果的に死ぬのは同じ事だったな、紬」 紬「2日目の昼、スキーが上手く滑れなくて…私はこの近くまで来てしまった」 紬「中がどうなってるのか覗いたら…叔父様、あなたが居た」 紬「何故って思ったけど、最初から私を殺す事が目的だったのね…」 紬叔父「そうだ、だが普通に殺してしまったのでは」 紬叔父「私も疑われてしまうのは判り切った事」 紬叔父「お前が此処を借りたいと言って来た時に、これは利用出来ると思った」 紬「あの小説も貸して、これを参考にして練習書きしてみると良いと言ったのは…」 紬叔父「当然この為だな、途中での修正作業もご苦労だった」 紬叔父「書き上がったシナリオを喜んで見せに来た時には、流石に笑ってしまったよ」 紬「叔父様、あなたの目的は全員を殺す事では無かったはずよ?」 紬「私は最初に書いたシナリオの通りに6人全員を殺そうとした…」 紬「絶望感を与えながら…生きたまま一箇所に集めて、最後にまとめて殺す」 紬「でも最後の段階で躊躇してしまって、罪の意識を感じて自殺してしまう」 紬「例え未遂であってもそれだけの事をすれば、お父様の名誉にも傷が付く」 紬「それで目的が達成されるはずじゃ無かったの?」 紬「そうすれば、建物に仕掛けた爆破装置を作動させないって」 紬「私以外の全員を生かして帰してくれるって約束だったのに…」 紬叔父「それを信じたのか?」 紬「…」 紬叔父「爆破装置は単なる脅しだったが、本当かどうかをすぐに調べる術は無い」 紬叔父「人質を1人手に入れるまでの時間稼ぎとしては、十分な効果があった」 紬叔父「私が此処に居た事で、全てが計画的だと思った時点で負けだったな」 紬叔父「お前の事だから、万が一を考えて従わざるを得なかっただろうよ」 紬叔父「だが、約束を信じていなかった事は丸分かりだ」 紬叔父「途中から妙に協力的になったが、そんな事で私は油断しない」 紬叔父「だからこそ何かをされる前に退場して貰った」 紬叔父「それに、例え最後までやり遂げる事が出来たとしても」 紬叔父「残りの6人には何か気が付かれている可能性がある」 紬叔父「生かして帰す気は最初から無かった、全員に死んで貰う予定だったんだよ」 紬(やっぱり…そういう事だったのね…) 紬(だからこそ、私はシナリオを修正する時に矛盾を作った…) 紬(それに…気が付いた?) 紬叔父「シナリオ通りに進めるのであれば、お前は生き残るつもりだった事になる」 紬叔父「であれば、誰か別の犯人役を用意しておく必要がある訳だ」 紬叔父「それはお前の提案した通り、平沢憂という娘にしておく」 紬叔父「犯人役として適しているかどうかは私には分からん」 紬叔父「だが、この偽装は100%見破られる事が前提だから何も問題は無い」 紬叔父「お前が誰か別に犯人が居ると思わせたい、そう考えた様にする為だからな」 紬(見破られても問題が無いだなんて…) 紬(ふふっ、別の意味で見破られる事には何も気が付いて無いわね…) 紬(これで少なくとも、私達7人の中に犯人が居なかった事は分かって貰えるはずよ) 紬(後は私達が生き残る為の、最後の希望には気が付かないで欲しい…) 紬叔父「この事件がどういう風に捜査されるのかは分からん」 紬叔父「このシナリオがある限り、偽装がすぐにバレる事は間違い無い」 紬叔父「そしてお前が大量殺人を企てたという推測が成り立つだろうが」 紬叔父「本当にお前にそれが出来るかどうかで、見解が分かれるかもしれない」 紬叔父「だが、どういう風に考えられても問題は無いんだよ」 紬叔父「睡眠薬で寝かせておいてそのまま焼死という事になれば」 紬叔父「死亡推定時刻は殆ど一緒、明らかに他殺と分かる死体は1つも無いのだから」 紬叔父「悪くとも、これを元にした遊びの延長上で起こった事故だと思われる」 紬叔父「事件・事故どちらであっても、お前が計画した事に変わりはない…完璧だよ」 紬叔父「さて、お前もそろそろ意識が無くなる頃だろうが…」 紬叔父「最後の1人をどうするか迷っている」 紬叔父「ここまで上手くいったんだ、下手に抵抗されたくはない」 紬叔父「参考までに意見を聞いておこう、どうすれば良い?紬」 紬「憂ちゃんは頭の良い子よ、下手に手出しをしたら…」 紬「やられる可能性、あるかもしれないわよ?」 紬叔父「その割には姉の話にショックを受けて、何も出来なくなってしまったな?」 紬(それは…唯ちゃんにあんな事を言われたら…当然よね…) 紬叔父「まあ良い、どうせこのまま動けずに焼け死ぬだけだ」 紬叔父「お前を処理した後は、そのまま此処を離れる事にしよう」 紬叔父「これ以上、此処に留まっているのは危険だからな」 紬(そうだわ…来る時には他の宿泊客に…紛れ込む事も出来た…) 紬(そのままこの山小屋に…隠れている事も出来たけど…) 紬(どうやって…此処から…脱出する…つもり…なの…) 紬叔父「この山小屋の存在はお前も知っていた様だが」 紬叔父「更に奥に行けば、山の裏側へ抜けるルートがあるのは知らなかったかな?」 紬叔父「最短で抜けられる様に、目印も予め付けておいた」 紬叔父「多少命懸けにはなるが、装備は万全だ」 紬叔父「今朝脱出した2人の様にはならないだろうよ」 紬(…) 紬叔父「眠ってしまったか…では、最後の仕上げをするかな」 紬叔父「お前を運び込んで発火装置をセット、それで終わりだよ」 紬叔父「恐らく事故だと考えられる可能性の方が高いだろうが」 紬叔父「事件だと考えられたなら、最後は罪の意識を感じて自殺という事になるかな」 紬叔父「紬、私はちゃんと約束を守ってやったぞ?」 紬叔父「もっとも、6人は死んでしまうという些細な違いはあったがな」ククク 紬(…) 紬(何を言ってるのか…もう…分からない…) 紬(でも…最後の希望には…まだ気が付いてない…それだけは…分かったわ…) ~合宿5日目・夕方・ペンション跡~ 紬叔父「何故だ…」 紬叔父「紬!何故生きている!」 紬「私だけじゃないのよ?」 紬「7人全員生きているわ」 紬叔父「…何故だ…馬鹿な!あり得ない!」 紬叔父「全員を集めて発火装置をセットしたはずだ!」 紬「全員?嘘でしょ」 紬「叔父様は油断して、1人だけ例外を作ってしまった」 紬叔父「例外?あの罠が作動しなかったのか?」 紬叔父「いや、そもそも最後の1人は歩けない状態だったはずだ!」 紬叔父「罠にかかろうとかかるまいと同じ事」 紬叔父「そのまま焼け死んでいなければおかしい!」 紬「実はね、罠自体は作動したのよ」 紬「憂ちゃんが唯ちゃんを想う力は私にも計算外だったわ」 紬叔父「では何故!」 紬「だから言ってるでしょ?例外が1人だけ居たって」 紬「罠自体は唯ちゃんを引っ掛ける為でもあったんだけど…」 紬「その唯ちゃんが自殺を考えたから」 紬「叔父様は油断してそれ以上は何もしなかった」 紬叔父「まさか…」 唯「そう、そのまさかだよ!」 唯「私はちゃんと生きてるからね」 紬叔父「お前は!妹が犯人だと思い込んで自殺したはずでは!」 唯「あ~、そう言えばそんな感じだったかな?」 唯「あれはもう、自分で自分を褒めてあげたい位の名演技だったね~」 唯「私だって、やる時にはやるんだよ?って感じかな」 ~合宿4日目・夕方・山の中~ ピピ…ピピ…ピピ…(お姉ちゃん、朝だよ~) 唯「…」 ピピ…ピピ…ピピ…(お姉ちゃん、朝だよ~) 唯「…はっ!」 唯「危ない危ない、ほんとに寝ちゃう所だった」 唯「目覚まし時計、持ってて良かったよ~」 唯「周りには…誰も居ないね」 唯「どうしよう、憂の事も気になるし」 唯「澪ちゃんとあずにゃんもどうなったか分からない」 唯「すぐに戻った方が良いのか、もう暫く待った方が良いのか…」 唯「…あれ?」 唯「そう言えば、とにかく遠くへって考えて歩いてただけだから…」 唯「戻る時の事、考えて無かったよ!」ガーン 唯「うわ~ん、どうしよう~」アセアセ ~合宿5日目・夕方・ペンション跡~ 唯「いや~、良く戻って来れたよね~」 紬「…危ない所だったのね」 紬「でも、良く修正したシナリオの矛盾に気が付いてくれたわ」 紬「流石は唯ちゃんね」 唯「憂のバッグにはそれとしか考えられない物が入ってた」 唯「でも、憂が犯人だなんてあり得ない」 唯「じゃあ誰が?って思ったんだけど…そこまでは私にも分からなかった」 唯「でもこれだけは分かったんだよ、犯人は私にそう思わせたいんだってね」 唯「それに、そんな風に思わせる位なんだから結果がどうなるのか気になるよね?」 唯「それを何処かで見てるんじゃないかなって思ったんだ」 唯「だから何とかして私が騙されてるフリをしたかった」 唯「普通に逃げ出しただけじゃ、誰かが見張ってたらアウトでしょ?」 唯「追いかけられない方法は何か無いかなって必死に考えたんだけど」 唯「上手くいったみたいだね~」 唯「その後も結構綱渡りだったけど」 唯「戻る途中で山小屋を見付けたのがラッキーだったよ」 唯「みんなを必死で起こして…まだ全然起き上がれる状態じゃ無かったけど」 唯「あの建物に居ると危ないってムギちゃんが教えてくれて…」 唯「私1人でみんなを頑張って運んだ」 唯「そのすぐ後で建物が燃え出したから、正に危機一髪だったね」 唯「やっぱり、私の日頃の行いが良かったからかな?みんなが助かったのは」 紬「…」 さわ子「…」 唯「…」 唯「嘘です、調子に乗りました…」 さわ子「そうね、唯ちゃん1人の日頃の行いじゃないと思う」 さわ子「みんなの仲の良さが最後に奇跡を起こした…そう思いたいわね」 12
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おろかモノの旅路>登場キャラクタ ハク・シュレット 立ち絵 oroka_haku_laf_up2.jpg 性別 男 年齢 21歳 ハクのカメラ 特徴 薄い黒のインナーに白のセーター。ズボンはデニムっぽい生地の長ズボン。普通の運動靴を履く。 黒い髪で短め。顔立ちは割りといい。 腰にポーチを巻いていて、そこにカメラが入っている。 性格は温厚。本人は気がついていないがかなりの天然。場を和ませる力を持つ。誰に対しても敬語を使う。 寒がりで、あまり寒い国へは行かない。好きなものは「辛くないカレー」苦手なのは「辛いカレー」 特記事項 酒が入ると人が変わる ハクの酒乱モードwでは、暴れる、壊す、という暴走を行なうw 本人の記憶はもちろん皆無 でも、しっかりとカメラは握ってたりする 行動特性 ハクは撮った写真を叔父に送る。 それで、叔父が今何を見たいんだろうって思って行動 もしくは、ハクは地図で叔父が訪れた場所を記録してある それをたどったり、途中どこかによって、話を聞いたりして進路を決める おろかモノになったきっかけ 「おろかモノ」になるきっかけを作ったのは叔父である。 叔父はハクが子供のころに、世界を見せる。叔父もまた「おろかモノ」だったからだ。 ハクはその叔父に憧れ、叔父のカメラを譲り受け「おろかモノの旅路」へと出ることになる。 小さいころから叔父の話を聞いていて、カメラも借りていたので実質は五歳から。 本格的に旅として出たのは十八歳の時。 登場作品 「春を呼ぶ紅」
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移り気 小学校何年生だっただろうか。 当時高校生だか大学生だった叔父に、自由研究の手伝いを頼んだことがあった。 紫陽花の花で土質がわかると何かの本で見て、花に詳しい叔父を頼ったのだ。答えはノーだった。 「紫陽花の花はあれじゃない。あれはただのガク」 そう言ってあしらわれた。 かじかんだ指先に凍える息を吐きかけながらふと、そんなことを思い出した。 あれから何年経っただろう、恒例と化した年末年始のアルバイトで僕は、叔父の経営する花屋にいた。接客の合間、延々と花束や鉢植えにつけるためのリースを作る。柊がささくれた指にチクチクと痛い。 「おじさーん、おじさんも手伝ってよ、一人じゃ終わんないよ」 お客が切れたので声をかけると、外から花屋に似つかわしくない男がずかずかと店内へ入ってきた。 「弘平くん、お店で大きい声を出さないでくれるかなー?」 貼り付けたような笑顔に向かって「お客さんいないよ」と言うと、僕の頭頂部に叔父の拳が振り下ろされた。 「痛い!すげー痛い!」 「俺は山のようなポインセチア様のお相手で忙しいんだよ、無駄口叩いてるヒマあったらとっととやれ、まだまだあるからな」 「もー、毎年毎年こんなにたくさん作って、売れなかったらどうすんの」 「毎年毎年売れてんだろうが。俺の店なめんな」 言いながら叔父は、完成済みのリースの中から一つを取り上げた。じっと細部を見て「よろしい」と頷く。 花屋からポインセチア屋へと化した店内で、近くにあった鉢にリースをあてがう。 「いいね。いやぁ、器用な甥がいて助かるよ」 「ホントに思ってる?」 「思ってる思ってる」 「じゃあ時給上げて!」 「お前なぁ!」 振り下ろされるであろう拳を避けようと大きく身をそらしたところで、肩口が後ろの棚へぶつかった。 丁寧に取引先を記した大学ノートが何冊かと、納品伝票、その隙間に一枚の写真が落ちてきた。ごめんと一言、それから無意識にまず写真を拾い上げた。 「だ」 誰、これ?そう聞こうとしたところで、叔父が血相を変えた。数歩の間を飛び込んで僕の手から写真を奪い取る。 結婚しない叔父、僕がバイトに来ることにいい顔をしない祖母、無作法を装って祖母を避ける叔父。 時々に感じていた冷めた違和感が、一枚の写真にするりと繋がっていった。 「…大事な人なの?」 「………そういうんじゃねえよ、これはただ」 「でもおじさん、」 「子供が口突っ込むんじゃねえ!……頼むから、聞かないでくれ」 そう僕に懇願しながら、叔父は震えてその場にしゃがみ込んでしまった。祈るように両手で写真を持ったまま。 僕が写真に手を伸ばすと、「俺は、お前の叔父なんだ。…頼むから何も聞かないでくれ」と、か細い声で言われた。無視して写真を摘むと、叔父の指が力無く離された。 写真を見る。 白い歯を見せて繊細そうに笑う叔父と、背の高い少年。二人ともまだ幼さが残る顔立ちで、それでも叔父の隣に立つ少年には精悍さが伺えた。 詰襟と、桜が妙に物悲しい、眩しい陽射しの中の二人。 「二年だ」 ぼそりと叔父が呟いた。 「十何年も前の、たった二年だよ」 「なんで、」忘れられないの、そう言おうとしてその言葉が余りに不適切なことに気付く。 叔父は僕の言葉を待たずに続けた。 「俺が悪いんだ。一緒に来てくれって、二人で暮らそうってあいつ、でも俺が」 子供のように小さくなっている叔父を見ながら、ふと紫陽花の花が頭を過ぎった。移り気な花、揺らぐ色。躊躇う心。 「…だって、好きだったんでしょ」 「…答えられなかったんだ、そう聞かれて。迷っちまった。まだ、子供だったんだ、……だって、俺は」 叔父は掌で目元をぐっと押さえたまま、ゆっくりと言葉を吐き出していった。どこからどう見てもそれは懺悔のようで、僕は胸の中に大切な何かがずしりと置かれるような錯覚に陥った。 「おじさん」 言葉が浮かばない。 「おじさん、なかないで」 そう言った自分の声が、今にも泣きそうになっていることに驚く。 「泣いてねえよ」 しゃがみ込んで鼻をすすりながら叔父が答える。 「せっかくこんなにポインセチアがあるのに、泣いてたらばかみたいだよ、おじさん」 「……祝福かよ、ガキが一丁前なこと言いやがって」 「あなたに幸福を、だよ」 僕の言葉にふ、と笑って叔父は、目元を何度か拭って立ち上がった。 「おじさんは、こんなにずっと、ちゃんと思ってる。移り気なんかじゃないよ」 ぽつりと呟くと、「生意気!」と、拳が降りてきた。 「痛いって!」 思わず頭を抑えてうずくまると、上の方からまた鼻をすするような声が聞こえてきた。 泣き虫だなんて、言ったらまた殴られるんだろう。 今日も明日も、揺らいでしまった少年にも。 全ての人に祝福を。メリークリスマス。 全部嘘だったんだ
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川合の叔父が死んだ。七十三、四にもなつてゐたらうか。この叔父は色素欠乏症ともいふべき、いはるゆ白子で、生れると直ぐ川合の籍に入れられ、A市在の禅寺に預けられた。私達の一族とは絶縁されてゐたが、この叔父のことを、私の母はひそかに「川合の」と呼んでゐた。 私の母を通じて僅かに交渉が保たれてゐたらしく、その母に代つて、私がこの叔父をA市在の小庵に訪ねたことが二度あつた。最初の時は祖母の遺物を持ち、二度目は本家の伯父の遺物を持つて。 旧制の高校生であつた私は、白線の帽子をかむり、霜降りの制服を着て、バスを降りた。盛夏のことで、バスが白い土煙を上げて走り去るのを、私は街道に立つて、暫く見送つてゐた。といふより、前方に小高い丘陵が連り、紺青の空に際立つて白い積雲が湧き上つてゐる、そんな風景の中をバスが次第に小さくなつて行つた、といふ方が正しいやうであつた。 丁度、川合の叔父が長い放浪生活を清算し、漸くA市在の小庵に住みついて間もない頃のことであつたので、自分がこの薄倖な宿命を負うた叔父を訪ねる唯一の肉親であるといふことが、私をひどくヒューマニスティックな気持にかりたててゐた。 私は教へられたやうに街道を折れ、白い埃を浴びた夏草が生ひ長(た)けてゐる小径を歩いて行つた。左手は段段畑になつてゐ、右の方には青い稲の伸び揃つた水田の風景が展けてゐた。径はいつか段段畑の間を縫つて、爪先上りになつてゐ、やがて私はあまり高くない山の麓(ふもと)に出た。山裾に沿つて小部落があり、藁葺(わらぶ)きの屋根が貧しげに傾いてゐたが、照り輝く太陽の中に、南瓜(かぼちや)の花は咲き、林間で鳴きしきつてゐる蟬の声が却(かへ)つてひどく静謐(せいひつ)なものを感じさせた。 私は両手に提げてゐた風呂敷包みと、酒壜(さかびん)の包みを地上に置き、顔の汗を拭いた。この一升壜は、私達の家に強い反感を抱いてゐるといふ、川合の叔父の機嫌を最初にとり結ぶため、私の母から無理に渡されたものである。この叔父もまた無類の酒好きの由であつたが、このやうに人間の弱点に露骨につけ入つて、少しも恥ぢるところのない母達の遣り方に、若い私は嫌悪を感じたが、私にもやはりその壜を打ち割るだけの勇気はなかつた。 四辺は強烈な陽光の中に音を消し、人影もなかつた。私は濃い影を路上に落して、呆然と立つてゐた。が、不意に、私の前へ一人の少年が走り出て来たので、漸く私は林泉寺への道を聞き、ふたたび両手に荷物を持ち上げた。 所所で丸木で土止めのしてある坂道を上つて行くと、山の中腹あたりに、それと思はれる土塀の門があつた。門を潜ると、さして広くない前庭を控へて小さい堂宇があり、その傍の古びた藁葺きの小屋が住居のやうであつた。が、その瞬間、私は凝然と目を据ゑた。乱れた総髪のやうな藁屋根の下の上(あが)り框(がまち)の上に白い僧衣の男が立つて、こちらを窺(うかが)つてゐる姿が見えたからである。私は足早にその方へ進んで行つた。 川合の叔父に相違なかつた。髪は黒く染めてゐる、皮膚も想像してゐたほどではなかつたが、顔面はやはり粉を吹いたやうに白かつた。その上、額は広く、鼻梁も高く、唇もまん中に深いくびれのある受け口で、紛(まぎ)れもない藤村の顔だつた。蟬の鳴く声の中に、どこかで筧(かけひ)の水が流れ落ちてゐる音が聞こえてゐる。私は一礼して言つた。 「川合の叔父さんですか。藤村の者です。三保の息子です」 川合の叔父は暫く無言のまま、私を見下してゐたが、漸(やうや)く怒気を含んだ声で言つた。 「何、藤村の者だつて」 叔父は居丈高になつて、私の前に立ちふさがつてゐるかのやうであつたが、そのいかにも誇張した格好は、やはり等しく小心な、藤村のもののやうでもあつた。 「まるで、仕合せを掻き集めたやうな顔をしてゐるぢやないか。帰つてくれ」 叔父は口を吊り曲げ、憎憎しげに言つた。瞬間、私はいきなり平手打ちに合つたやうな衝撃を受けた。言はば、不意に運命といでもいつたものの深淵を覗(のぞ)かされたやうで、私は今までの気負ひ立つた自分がいかに他愛ないかを知つた。この叔父が存在するといふことは、正義とか、愛などといふものの及ばないところで決定されたのではないか。私にとつて、それは恐怖に近い感情であつた。 「しかし、一体、何しに来たんだ」 「亡くなつた祖母の遺物を持つて来たのです」 「そんなものが、このわしに、何の関係があるんだ」 叔父は強情にさう言つたが、明らかに落ち着きを失つてゐた。殊更、叔父が私の提げてゐるものからその目を外さうとするので、叔父の意識が何に集中してゐるか、否応(いやおう)なしに知らされた。等しく恥しいことではあつたが、これが藤村の血であつた。 「でも、そればかりではないんです」 私は、しかし、口を噤(つぐ)んだ。 「ぢや、何のためだ」 「僕、叔父さんにお会ひしたかつたんです」 「何やと、このわしに、お前が会ひたかつた、といふのか」 「さうです。今も叔父さんがおつしやつたやうに、私は今まで全然苦労といふものを知らないのです。こんな恐しいことはないと思ふんです」 「うん、上れよ」 叔父は唇ばかり異様に赤い、その口許(くちもと)にふと微笑とも、羞恥ともつかぬものを浮かべたが、直ぐ背を向け、隣の部屋の方へ歩いて行つた。私も靴を脱ぐと、その後からその部屋に入つた。 隣室からは、裏山の大きな岸壁の迫つてゐる、岩の多い庭が見えた。庭は狹かつたが、岩と岩の間には砂が敷いてあり、岸壁の割れ目からは地下水が滲み出てゐたりして、清楚な感じだつた。檐(のき)近く、一株の南天樹が丈高く伸び、小さい、青い実の房をつけてゐた。 私は祖母の遺物を差し出した。さうして幾分の後めたさを感じながら、一升壜の首を握り、 「これ……」と、叔父の方へ顔を向けた時だつた。既に立ち上つてゐた叔父が、いきなり遺物の包みを足蹴にした。しかしそれは至つて弱弱しい蹴り方であつたのか、包みは緩(ゆる)く畳の上を転がつた。 「笑へ」 いかにも藤村の人間のすることらしく、年甲斐もなく、身振りばかり大袈裟(おおげさ)で、笑止千万なことだつた。しかし普通の者ならば、このやうな場合は、その顔は蒼白になつてゐたであらうに、自嘲にゆがんだ、この叔父の顔の皮膚は何の変化も起こさなかつた。 「笑つてくれ」 「私には笑ふことは出来ません」 「あんな者は親ぢやない。ある晩、一組の夫婦が、たんまり楽しみやがつたんだ。奴等にとつては、ただそれだけのことなんだ。ところが、その結果として、わしといふ、こんな人間が出来てしまつたんだ。わしこそたまつたもんぢやないわい」 祖母に代つて詫びたいとも思つて、私はこの叔父を訪ねて来たのである。そんな私の幼い感傷が、叔父のいかなる暴言も責めることは出来なかつた。私は微笑を浮かべて言つた。 「しかしさうおつしやれば、さうでない人間は一人もゐないぢやありませんか」 「違ふ。お前なんかに何が判るもんか。誰が、わしだけを、こんな体に産んだんだ。しかもそのわしをや、そのわしだけを踏みくちやにしておきやがつて、お前等は皆涼しい顔をしてやがるんだ。それが親といはれる者のすることか」 「それには、祖母も随分苦しんでゐたやうです」 「阿呆、さういふ甘つたれたことを言うてるから、そんな気楽な顔がしてられるんだ。奴等はな、わしが生きてゐることを憎んでゐたんだ」 叔父の語気は荒荒しかつたが、最早このやうな会話の続ける気持のないことは、私の膝の横にある一升壜を、わざと見まいと努めてゐることで判つた。私は自分の不愉快を忍んで言つた。 「でも、祖母は、叔父さんのために貯金を続けてゐたのですよ。ごく僅かづつでしたが、亡くなるまで。その包みの中にあるはずです。そして、これ、母が差し上げよと申しました」 「えつ、姉さんから、このわしに。まさか醬油ぢやあるまいね」 私はすつかり落胆した。しかし私は自ら求めてこの叔父を訪問したことを悔いはしなかつた。といふのは、私は私の再従兄弟(またいとこ)に当る少女に、窃(ひそ)かに好意を抱いてゐたが、叔父のこの一言で、私の心は決つた。この時分の血を濃くしてはならない。 「一寸(ちよつと)、待つとつてや」 叔父の白い粉を吹いたやうな皮膚の下で、はつきりと血の揺れるのが見えた。が、叔父は素早く遺物の包みを取ると、台所と思はれる方へ走つて行つた。 遠く雷の音が聞こえた。しかし私の坐つてゐるところからは濃い青空が見え、黒褐色の岸壁の露出した裏山は北西に当るのか、庭一面に強い陽がさしてゐる、その一つの岩の上に、強い色彩のとかげが首を持ち上げてゐた。 台所の方からは、何かを刻む包丁の音が聞こえて来たり、筧の水音が急に乱れたりしてゐたが、やがて叔父がビールに胡瓜(きうり)もみなどを添へて運んで来た。 「暑い時や。口濡らしには、ビールも一寸はいいもんだよ」 かういふ叔父の遣り方も、吝嗇(りんしよく)でありながら、至つて見えを張りたがる藤村家の性格そのままであるかと思はれた。が、叔父は先刻までとは打つて変り、機嫌は直つたやうだつた。 「さあ、一つ、冷えてるんだ」 叔父の言葉の通り、ビール壜にはこまかい露が結ばれてゐて、筧の水の冷たさが想像された。 しかし私は言つた。 「僕は、まだお酒はいただきません」 「そんなことをいふもんぢやないよ。ほんとによく来てくれたね。さあ、乾盃しよう」 私はコップにビールを受けた。しかし私はコップを差し上げただけで、下に置いた。 「そんなの駄目ぢやないか。ぐつと飲んでくれよ」 「ほんとに一度も飲んだことがないんです。僕はお酒は飲まないつもりです」 「そんなことで、藤村の人間といへるかね。それとも、わしのやうな者の酒は、飲んでくれんのかね」 私は少し面倒になり、また不意に好奇心も手伝つて、コップを取り上げると、思ひ切つて一口飲んだ。初めて飲んだビールはほろ苦かつたが、渇いた喉に冷たく、爽快な味を残した。 「へえ、ビールつて、ほんとにおいしいものですね」 私はさう言つて、重ねてコップを口にあてた。叔父は忙しく目をしばたたきながら、そんな私を見てゐたが、急に弱弱しい声で言つた。 「ほんとに初めてだつたのか。しかし藤村の人間は、遅かれ早かれ、どうせこいつからは逃げられんのやからね」 叔父は二杯目のビールを飲み干すと、自然に筋肉がたゆるむやうな微笑を浮かべて、一升壜を取り上げた。 「やつぱりわしはこつちにしよう」 叔父は一升壜の首を片手に握り、コップに酒を注いだ。その叔父の手つきは梟梟(たけだけ)しいとさへ見えた。 「この音、どうだい。わしに、これが、なかつたら、わしはどうなつてゐたか、わからんな」 叔父は一口酒を飲むと、らつきよを撮(つま)んで口に入れた。 「保夫君、わしがな、わしの体、といふより、わしの運命に気がついたのは、変な話だが、陰毛が生えた来た時のことなんだよ。それまでは、考へて見ると、気楽なものだつたが」 叔父はコップを口に含んでは、語り続けた。 「なかなかよい酒だね。京の南禅寺の金地院にゐたんだがね、十五の時だつた、風呂へ入らうとして、ふと見ると、白いものが生えてゐるんだ。それが陰毛だと知つた時・・…」 叔父はふつと噤(つぐ)んだ口へ、コップを持つて行つた。私は叔父の急に一変した態度を不思議に思はないでもなかつたが、コップを片手に持ちながら、まるで自分の運命を何とかして咀嚼(そしやく)しようとしてゐるかのやうな話し振りに、次第に引き入られて行つた。 「わしは親を恨んだよ。恨みながら、親が飢ゑるやうに恋しいんだよ。まだ十五だつたからね。つまりせめて恨みだけでも言ひたかつたんだね」 叔父はコップの酒を飲み干すと、右手で一升壜の首を握り、酒をコップに注ぐと、いかにも安心したやうにゆつたりとコップを左手に持つた。 「ところが陰毛は容赦なく伸びて、まつ白いのが房房と生え揃つたんだ。わしは悔しくつてね、ある日、便所へ入つて、白髪(しらが)染(ぞ)めで染めてみたんだよ、ところが、場所が場所だつたからか、すつかりかぶれてしまつてね。わしは醜く脹(は)れ上つたわしの陰部を見て、たうとう声を上げて泣いてしまつたんだよ」 私はいつかビールを飲み干してゐた。 「それからは、わしは自分を、親を、呪(のろ)つたんだ。師匠は自分の運命に甘えるな、つて言つたけれど、そんなもん糞喰(くそくら)へよ。その運命を負はされた者でなければ、この苦しみが判るか、とばかりにね。もつとも、師匠の言葉と思ふから腹が立つので、仏の声と聞かなければならなかつたんだらうが、そんなこと解らん」 「叔父さんの方が、本当です」 叔父はまた一升壜の首を握つて、コップに酒を注いだ。が、不意に、叔父は顔を上げて言つた。 「わしのやうな人間には、酒は、いや酒だけが生きる力になつてくれた。しかし君のやうな、幸福で、善良な人間には、或は酒は苦しみとなるのかも知れない。先刻、君は苦労を知らないと言つたが、どうだね、このかはいい奴を飲んでみる勇気はないかね」 自分などの思ひも及ばないやうな苦しみに生き堪へて来たこの叔父が、若い私には人生の苦行者のやうに思はれ、例へ悪魔の誘ひであらうとも、私はその言葉を拒むことは出来なかつた。 「はい、飲みます」 私はさう言つて、コップを差し出した。叔父は怒つたやうに無言で、酒を注いだ。私は酒を口に入れた。最初、私の舌端は生れて初めての味覚に、一寸不馴れなものを感じたが、直ぐにひどく甘美な味に溶けて、舌の上に染みた。 「うまいものなんですね。こんなうまいものとは知らなかつた」 「こりや、驚いた。さすがに藤村の息子だけのことはある。全く末恐るべきものがあるわい」 叔父は嬉しさうにさう言つて、またコップを口に当てた。 「わしが南禅寺を飛び出したのは、十八の時だつた。しかし親に捨てられるやうな人間が他人に愛されるはずはなからう。それからはもう破れかぶれ、酒だけが相手の生活だつたよ。金に困ると、例へば東京にゐた時だと、静岡、浜松、岡崎、名古屋といふ風に兄貴に宛てて無心の手紙を書いたもんだよ。無心といつてもわしの金だがね。兄貴の奴、わしが『ちよいと、ごめん』とばかり、白子顔出されるの怖いくせに、けちなもんだから、大垣とか、北陸からだと敦賀(つるが)とか、中国筋からだと大津とか、ぎりぎりのところへ来ると、局留めにして送つて来やがつたもんだよ。癇癪持ちの兄貴の奴、わしが近づいて来るにつれ、きつといらいらいしてやがるだらうと思つては、せめて憂さを晴らしてゐたもんだがね」 しかしこれはこの叔父の思ひ違ひであつた。伯父はいつも六甲の別荘にゐたので、この叔父の手紙に目を通すやうなことはなかつた。手紙は番頭から母に渡され、母の手で送金されてゐた。祖父がこの叔父に遺した金は私の母が預かつてゐたのである。 「わしは田舎町の居酒屋などでひとり酒を飲みながら、よう考へたもんだがね」 叔父はかなり酔ひを発してゐるらしく、色素が欠乏してゐる故か、頭髪の中の地肌まで異常に赤く、私は永くは正視することが出来なかつた。 「一回に射精する数は何億といふぢやないか。君、億などといふ数を人間が実感することが出来るだらうかね。しかも一回でだぜ。まさか一回でわしが産れたといふこともあるまいぢやないか。するとお母の胎内で、何十億もの親爺のお玉じやくしの中から、何もよりによつてこんなお玉じやくしがくつつかなくてもよいぢやないか。親爺がちよいと筒先をひねつてでもゐてくれたなら、こんなわしでないわしが生まれてゐたかも知れん。何十億の中の一つ、そんな馬鹿なことがあるもんかい」 何十億の中の一つ、しかも人間の力の及ぶ世界のことではない。最早、運命といふより他はなからう。しかし酔つた叔父の頭には、不倫な妄想ばかりが駆け廻るらしく、その論旨は定かでない。 「わしの誕生日は二月十四日だがね、すると、四月中旬の頃の暖かい晩のことだつたらうよ。お母までが、あんまりよくつてきつと夢中になりやがつたんだね。ふざけるない、こんなことで、わしといふ人間の不幸が作られたかと思ふと、わしは悔しいんだ」 叔父はひどく腹立たしげにさう言つたが、不意に、無気味な微笑を浮かべて、私の顔を覗き込んだ。 「保夫君、しかしね、こんなわしのところへでも来てもよいといふ女があるんやぜ。もちろん金、こら抓(つま)めるぞよ」 叔父はさう言つて、まつ赤な軟体動物のやうな自分の唇を、自分の手で抓(つ)ねり上げた。 「違ふ。断然、違ふ。貧しいが、心は美しい女なんだ」 「叔父さん、それはまたよいお話を伺ひました」 「馬鹿、わしが、このわしが、そんなことが出来るかい。梅干婆とは違ふんだぞ。丸ぽちやの、ぽてぽての子宮を持つた娘なんだぞ。もつとも二十九にはなるがね。若しも子供でも出来たらどうするんだ。その悔しさを知り過ぎてゐるこのわしが、そんな無責任なことは断じて出来ん。何が『よいお話を伺ひました』だ。だからお前なんか苦労が足りんといふんだよ」 叔父は自らの口惜しさを、何者へともなく当り散らすことによつて、更に自らを励ましてゐるかのやうだつた。或は祖母の胎内を、まつ先に立つて泳いで行つた、祖父のお玉じやくしにも似た奴は、色素欠乏症の因子ばかりでなく、尋常とはいひ難い小心、好色等等の遺伝因子を帯びてゐたのかも知れぬ。とすれば、この叔父の苦悩は、私などの想像も及ばぬほどの深いところに胚胎してゐるに相違ない。 藁屋根の下にくぎられた空はまだ明るく晴れてゐたが、太陽が山の向かふに廻つたのか、庭はいつの間にかすつかり翳(かげ)つてゐた。光を、従つて先刻までの濃い影も消してしまつた岩の風情は、ひどく閑楚に見えた。不意に、筧の水音を消して、近く蜩(ひぐらし)の声が聞こえて来た。 叔父は何故か急に口を噤んで、じつとコップの中を見入つてゐた。私はそのコップを持つた叔父の手が、辛うじて酒をこぼさぬ程度に揺れ動いてゐるのを眺めてゐた。 土塀の門を潜つた途端に、私は危く声を発するところだつた。目の前に立つてゐた幼女が、やはり強度の色素欠乏症であつたからである。幼女は三つか、四つばかりであらうが、髪はまつ白く、顔の皮膚はもとより白濁してゐて、その下には血の色が透いて見えた。視力も弱いのか、幼女はさも眩(まぶ)しさうに私の姿を見上げたが、直ぐ踵(きびす)を返して、走り去つて行つた。 「川合の」が結婚したことは、前に私は母から聞いたが、数年前、初めて川合の叔父を訪ねた時の、あの痛痛しい叔父の姿を思ひ出し、あのやうな激語もやはり空言であつたかと、むしろ人間といふものが哀れだつた。しかしそれにしても、どこか顔立も似た、幼女の姿には、私はあまりにも惨酷な、運命といふものを思はないわけにはいかなかつた。 「保夫君かい」 百衣の叔父が立つてゐた。私はその方へ歩いて行つた。やはり筧(かけひ)の水音が耳に入つた。 「おや、今度は二本かい」 以外にも明るい声で、叔父が言つた。私は酒の壜を二本提げてゐたのである。私は思はず苦笑を浮かべて言つた。 「いや、一本は僕のです。あれから、すつかり酒飲みになつてしまいましてね」 「さうか、さう来なくつちや面白うない。それでこそ藤村だよ」 私は隣りの座敷に通された。部屋の中央に塗り机が置いてあつた。庭には早春の陽があたり、灰白色の岩の上に赤い椿の花が落ちてゐる。丈長(たけた)けた南天樹も赤い見事な房を垂れてゐた。 「兄さんも悪いことだつたね。意外に早かつた」 叔父は上機嫌であるらしく、ひどく殊勝気でさへあつた。私は急いで用件を切り出した。 「伯父もなくなつたことですし、この際、叔父さんのお預かり金をお渡ししたいと母が申しますので、持参したのですが」 「えつ、このわしの、預り金だつて。それ、本当かね」 私は黙つて、小切手の入つた封筒を差し出した。伯父はひどく緊張した面持で、不意に、それを押し戴いた。 「どれ、ほんなら一つ、拝ましてもらはうかい」 「つきましては、少し申し憎いことですが、これで一切の関係がないといふ一書を戴(いただ)たいと、兄が申すのですが」 本家の伯父には子供がなく、私の実兄がその後を継いだのである。 「そんなこと、申し憎いもないが、この判子、贋(にせ)もんぢやないだらうね」 「多分、贋物ではないと思ひますが」 「そんなら安心。一書でも、二書でも書きますからな」 私は先刻から爽(さわや)かな風の音に耳を傾けてゐた。風声は初めは極めて微かに、遥かに遠くから響いて来るが、やがて風の波が盛り上るやうに押し寄せて来て、また次第に遠く遥かに吹き去つて行く。私の坐つてゐるところからは松の木は見えないが、裏山の末に吹く風の音かと思はれた。 「松風ですね」 「少しうるさいくらいでね」 松風の中にも、絶えず筧の水音は聞こえてゐる。 「どうしたか、少し遅いね」 「聞いてくれたかも知れんが、わしも、昨年、嫁を貰うてね」 思はず、私は叔父の顔を見た。しかし、先年訪ねた時の、あの苦しみなどといふものは跡形もなく消えてしまつたやうな、この叔父の顔を見てゐると、私は先刻の幼女については聞き兼ねた。 「お蔭さんで、ぼんも出来るし、わしもこれで、やつと一安心よ。わしはね、これで、まづ田を買はうと思ふんだ。食べ料さへあれば安心だからね。それから、果樹園だよ。最初に富有柿(ふいうがき)を栽培してやらうと思ふんだがね」 「お子さんは、男だつたんですか」 「さうよな。しかも、君髪もちやんと黒いんだよ」 「すると、さつき、表で、女の子に会つたんですが」 「君は知らなかつたのかい。あれは謙三の子だよ」 「えつ、謙三つて、謙三叔父ですか」 「さうともさ。あれは確か従兄妹夫婦だつたからね。当然のことだらうよ」 さう言へば、とさ叔母は祖母の弟の娘に当る。私は私達の一族の者の無智に腹を立てるより、自分達の血に慄然とした。 「わしは自分がこんな体に生れついたことに随分苦しんだものだ。でも、その苦しみのお蔭で、今のわしの喜びは誰にも想像つかないだらう。だから、わしはわしにあの苦しみと、この喜びとを与へて下さつた仏さまの御恩に、少しでもお応(こた)へするつもりで、章子といふのだが、あの子を育てて行きたいと思つてるんだよ。今はよい。まだ仏さまのやうなものだからね。しかし大きくなつてからの章子の気持を判つてやれるのは、このわしだけだらうからね」 潮騒のやうに吹き寄せて来て、また遠く吹き去つて行く松風の音の中で、私は叔父の言葉を聞いた。しかし、その時、土塀の門を潜つて、玄関の方へ入つて来る、子を負つた婦人の姿が見えた。直ぐ叔母とその一子であることが察しられた。叔父はその姿を見ると、急いで小切手を腹巻きの中にしまひ、急に落ちつきを失つて言つた。 「保夫君、これについては、一寸黙つといてや。いや、べつになんでもないんだがね」 叔母は玄関へ入ると、框(かまち)の上に後向きに腰を下し、子供を負つた紐(ひも)を解いた。子供は母の背を離れると、心もとない足取りで駆け寄つて来たが、私のゐることに気づいたからであらうか、両手を胸にあてて、立ち止まつてしまつた。その子の髪は黒く、皮膚の色も尋常で、その上、額は広く、鼻筋も通り、いかにも藤村の顔立だつた。 「どうだい。優秀だらうが。保夫君、どこか君に似てゐるぢやないか。さあ、おいで。お父ちやんのとこへおいで」 子供は叔父の膝の上に腰を下し、私の顔を見上げた。その瞳がいかにも黒く、澄んでゐた。そこへ叔母も入つて来た。叔母はさして美しいといふほどではなかつたが、去年の叔父の言葉を藉(か)りれば「ぽてぽて」と太り、温厚な性格に見えた。叔父が二人を紹介した。叔母は手拭をあてた項(うなじ)を低く下げて、挨拶をした。 「若い人には、長挨拶は苦手だよ。さあ、それよりお燗(かん)だ。随分長いことお預けを喰はされたんだからね。」 「まあ、こんなに夥(おびただ)しう頂戴しまして。ほんまに……」 「いや、一本は、保夫君、自分用を御持参になつたんだ。さあ急いだり、急いだり」 叔母の後姿を見送りながら、叔父は好色的な笑ひを浮かべて言つた。 「どうだい、わしにはちよいと過ぎたるものだらう」 「どういふ方なんです」 「ひどく貧乏な百姓の娘でね、五人姉妹の末つ子と来ちや、嫁に行くどころぢやないだらう。まあわしが買うたやうなもんだがね。曖昧屋(あいまいや)に売られようとしてゐるところを、そこは坊主だ。親に説教してね……」 叔母が盆を持つて入つて来た。すると、叔父は言葉を切つて、いきなり叔母のおいた盆の上から盃を抓(つま)み上げると、嬉しさうに言つた。 「さあ、お客さんから、酌してもらはう」 叔母が赤みを帯びた手に徳利を持ち、二人の盃に不器用に酒を注いだ。 「いよう、保夫君、堂堂と対等ぢやないか。では乾杯をしよう」 私は盃を上げて、酒を干した。 「これは見事、さすが君も藤村ぢやわい。飲みつぷりが違ふよ。さうだ、蕨(わらび)の塩漬でも持つておいで」 「ほんでも、ほんまもん……」 「いや、この連中はいつもうまいもん喰べ飽きてゐるから、却つてそんなもんの方がいいんだよ」 「そんなわけでもありませんが、蕨は結構ですね」 「ほうですやろか」 叔母は部屋を出て行つた。子供も叔父の膝から腰を上げて、その後を追つた。 「君、あれでね、生娘だつたんだよ。こればつかりは、思はぬ拾ひものでね、有難かつたよ。それに、働くことだけは、馬ほど働いてくれるよ」 「叔父さん、お愉(たの)しさうですね」 「いや、人間なんて全く情けないもんだよ。親を憎み、自分の出生を呪うて、全然救はれやうのないわしがつたのに、あいつを貰つた途端に、まるでうちやうてん、何も彼もけろりと忘れたやうになつてしまうたんだ」 叔母が蕨や、山芋や、そんな山菜の料理を運んで来た。蕨は採つたばかりのやうに青々としてゐた。 「蕨はこの辺に多いのでせうか」 「はい」 叔母は何故か血色のよい顔を更に赤くした。その喉下のあたりに、意外にも肌理(きめ)のこまかい、白い肌が覗いて見えた。叔父は徳利を一一(いちいち)振つてみて、その空になつたのを叔母に渡した。 「苦しみ方があんまりにひどかつたので、この喜びもこんなに弱いのかも知れんが、どんな有難い教へも救うてはくれなんだのに、あいつは、まるで手品使ひのやうに、このわしを幸福にしてくれたんだ。つくづく考へてみると、人間なんて阿呆なもんだ。口ではやけ糞のやうなことをいうてゐても、つまりは人肌恋しかつたのだ。いや、人の情といふものに、わしは餓鬼のやうに飢ゑてゐたんだよ」 叔父は私に酒を注いでは、自分の盃にも頻(しき)りに酒を満たした。日の丸の旗と朝日の旗を交叉させた、当時はどこの家にも見られた除隊記念の大きな盃であつたので、叔父は既に幾分酔ひを発したやうであつた。 「ねえ、君、女の体の一部の中へ、男の体の一部を入れる。こんなことが赦(ゆる)される」 叔母が子供を片手に抱き、新しい徳利を持つて入つて来た。叔父は言葉を切つて、叔母に言つた。 「もう、一本、空いたかい」 「いんえ、まだですの」 「駄目ぢやないか。若いくせに、そんなことでは。ぐつと干したり」 叔父はさう言つたが、ひどく嬉しさうに徳利を取つて、自分の盃に酒を注いだ。 「わしはね、君のやうな人の前で、決して猥(みだ)りがましい話をしようといふんぢやないんだ。わしは有難かつたんだ。勿体(もつたい)ない言ひ草かも知れんが、わしはこいつを抱いて、初めて仏さまが拝まれたやうに思ふんだよ。言ひ換へると、仏さまのお慈悲に抱かれて、縁あつて同行二人、どうやらこの世を渡つて行けるかと、やつとそんな安心を得られたやうに思ふんだよ」 叔父はぐつと酒を飲み干した。斜面に坐つた叔母の膝の上では、先刻から子供が乳を求めてゐるやうだつた。 「いかん、こないに大きいなつて」 叔母は小声で窘(たしな)めた、子供はひどく気弱く、叔母の胸に顔をあてた。すると叔父は駄駄つ子のやうに言つた。 「千代、さう言はないで、やつてくれよ。わし等だつて、好きなもん、飲んでるんだ。保だつて、飲みたいもん飲みたいだらうよ。よしよしぼんよ、貰つてやらうな」 叔母は無言のまま、しかし殆(ほとん)ど表情を変へることもなく、胸を開いて、乳房を出した。まつ白い乳牛のそれのやうな乳房の先には、黒い、大きな乳嘴(にゆうし)が突き出てゐた。欲望といふものには無抵抗に近い叔父、その叔父のいふなりになつてゐる叔母、私はそんな二人の生活をちらつと覗き見たやうで、あまり愉快なことではなかつた。しかしかなり酔ひを発した叔父は、その顔をだらしなく緩めて、私に言つた。 「実はね、君の名前から、一字だけ拝借しましてね、これの名前にしたんだよ」 叔父の藤村らしい善意とは判つてゐたが、私は肌を擽(くすぐ)られるやうな羞恥を感じないではゐられなかつた。しかし保は叔母の膝の上に跨(また)がつた脚を撥(は)ね上げて、ひどく満足さうである。その項(うなじ)の深い窪(くぼ)みまでが、いかにも藤村の家の者らしかつた。 「わしは、それまで、わしをこんな体に産んでくれた両親を恨んでゐたよ。しかし全く人間なんて他愛のないものなんだね。わしがあれほど憎んでゐた両親の行為と、同じことをした途端に、皮肉にも両親に対する恨みも、憎しみもすつ飛んでしまつたんだからね」 叔父はさう言つて、まるでそれ以上の言葉を発するあめにはより強い酔ひを必要とするかのやうに、立て続けに酒を呷(あふ)つた。 「親爺が悪いんぢやない。わしが悪いんぢやない。こればつかりは人間の力ではどうなるもんでもないんだ。こいつだつて、初めはひどく恥しがつてゐたが、一旦覚えてみると、長い間知らなかつただけに、格別好きになつてね。いや、これは、失敬」 叔父はちらつと叔母の方に目をやり、その口許に猥らな笑ひを浮かべた。しかし叔母は叔父の話を聞いてゐるのか、ゐないのか、伏目勝ちに乳を含ませてゐた。 「しかし、わしは、保夫君、これだけは信じてくれ、わしは子だけは、絶対につくらんつもりでゐたんだよ。これだけはほんとだ。仏さまに誓つてもよい。千代、さうだらう」 叔母は怪訝(けげん)さうに顔を上げ、膝から保を下すと急いで胸を仕舞つた。私はこの叔父が先刻から何を言はうとしてゐるのか、漸く了解できた。 「こんな体に産まれて、わしがどんなに苦しんだか、このわしが知り過ぎるほど知つてゐるんだ。そのわしが、このわしの子、ほしいなんて、このわしが、絶対に、思つたはずなかつたのに、あの時は、こいつがあんまり嬉しがりやがつたもんで、つい、その、あれが、外れてしまつたんやがな」 叔母は初めてその意味するものが何であるかを知つたらしく、赤く顔を染めて、膝を立てた。 「ほんな、嘘ばつかり、阿呆なことを言はんときやす」 途端に、叔母の着物がはだけ、膝裏の赤みを帯びた、太つた脚を覗かせたが、叔母は直ぐ立ち上り部屋を出て行つた。叔父は目的通り、すつかり酔ひが廻つたやうであつた。 「何、嘘だと、でつかい穴(けつ)を振つて、恥しがつてゐやがらあ。わしはこればつかりは、わしは嘘は言はん。けんど、わしは、親爺のやうに、へまはせんわい。とつさに、上手に、筒先ひねつてやつたもんだから、どうだい、こんなにかはいい奴が、飛び出して来やがつたぢやないかい。さあ、ぼん、ここへおいで。お父さんとこへおいで」 叔父は保を膝の上に抱き寄せ、片手で徳利を傾けた。しかしどれも空になつてゐた。叔父は大きな声を発した。 「千代、お燗を持つて来てくれ」 「いや、僕もすつかり廻りましたよ」 「阿呆、藤村みたい、けちけちしたこといふない。千代、じやんじやん持つて来い。無くなつたら買うて来い」 叔父は不意に思ひ出したらしく、丁度、秘密を窺(うかが)ふ少年のやうに、自分の懐中を覗いてから、首を縮めて言つた。 「これ、きつと内緒やぜ。君、酔うてしやべつたらあかんぜ。あんな田舎もん、こんなもん見たら目を廻してしまふからね」 叔母が新しい酒を運んで来た。叔父は自分の盃に注いでから、急いで私の盃に酒を注いだ。 「しかし、保夫君、わしは、あんな恐しいことはなかつた。産婆さんにわけを言つて、わしは、つききりに就いてゐたんだがね、わしは、わしは、もしもさうやつたら、殺して、殺してやる……」 一瞬、叔父の顔に兇悪な相が浮かんだ。或はこれさへも酔ひのために誇張された、藤村らしい思ひつきに過ぎなかつたかも知れないが、むしろ弛緩(しくわん)したやうな叔父の表情に、思はず若い私は戦慄した。 「それだけに、黒い髪の毛の頭が出て来た時には、わしは、泣けて、泣けて、ぼうと霞んだ中に、わしは確かに観音さまのお姿を見たんだ」 酒のために弛(ゆる)んだ涙腺からは、頻(しき)りに涙がにじみ出るらしく、叔父は目を、鼻を何度ともなく押へた。 「有難うてな、わしは、ほんまに、あいつの胯(また)ぐらに、手を合はせてゐたんだよ」 私もすつかり酔ひを発してゐた。その視線の中で、叔父は保を膝の上に抱いて、まるで痴情に溺れ切つてゐるかのやうである。 「引つついた、引つついた、蛸(たこ)引つついた、離さんぞう……」 私の頭には、あれから一度も顔を出さないあの章子の姿があつた。一体、章子はどこにゐるのであらうか。しかし私がそれを言ひ出してみても、どうなるものでもなからう。 庭はやはりもうすつかり翳(かげ)つてゐた。私は今に松の葉を鳴らして吹き寄せて来るであらう、遥かに遠い風声に耳を澄ましてゐた。 以後、私はこの叔父を訪ねる機会はなかつたが、川合の叔父は晩年もまづ幸福であつたといふべきであらう。戦後、母の許へ二三度ひどく慇懃(いんぎん)な無心の手紙をよこしたりしたことはあつたが、保も無事復員し、鉄道に出てゐる由であつたし、断種法による手術を受けた章子も、盲啞学校時代の男生徒と縁が結ばれ、今はS市にゐると聞いた。 しかし私は晩年の叔父や、叔母の姿は想像することもできないし、まして章子や、保の成人した姿は思ひ浮かべるすべもない。伯父の死は母の手紙で知つたが、叔母は健在なのであらうか。しかし、盛夏の日には筧の水音が聞こえてゐ、早春の日には松風が吹き頻つてゐた、あの岩の多い庭の風景は、今もはつきりと覚えてゐる。多分、庭だけは少しも変つてゐないのではないだらうか。
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【小日向あやめ】 「こんにちは、小日向あやめです」 「叔父さん、今日もお仕事?」 「うん、いいよ。手伝ってあげる。じゃあ、服を脱ぐね」 よろしく御願いします。▽ 【GM】 アルカディアの4エリア、一般生活エリアのごく普通の住宅に住む二人の家族。 家族と言っても、リアルで血のつながりのない、設定上の家族だ。 叔父と姪の二人暮らしである。 姪である小日向あやめは、叔父の帰りをリビングで漫画を読んで待っているのであった。▽ 【叔父】 「ただいま、あやめ。いい子にしてたかい?」ビデオ等の機材を持った20代前半ほどの外見の男が入ってくる 機材を置くと、あやめの目線に合わせ、頭を撫でる。仕事から戻ってきた時はいつもこうしている その姿はまるで本当の家族の様に嬉しそうに、自然な動きで撫でる ▽ 【小日向あやめ】 「叔父さん、おかえりなさーい」白いワンピースを翻し、叔父に抱きつく。上から見下ろすと、平らな胸のてっぺんがが首元の隙間から見えてしまう。▽ 【叔父】 「ふふ…あやめはいつも可愛いね」首元の隙間から突起を見ると口元を歪め、あやめを抱きながらソファーに座り 「……今日もあやめにお仕事を手伝って欲しいんだけど、協力してくれるかい?」ぽふ、ぽふと頭を撫でながら耳元でそっといつものように囁いて ▽ 【小日向あやめ】 「うん、いいよー」叔父が求める行為に嫌悪感を示すこともなく、快諾する。▽ 【叔父】 「それじゃ、行こうか」そういうとあやめを片手で抱いたまま立ち上がり、隅の床板を開く…その中は地下へ続く階段になっており、慣れたように下へと降りていく 地下室は撮影用の機材と、ベッド、ソファーなどが設えており、窓が無い以外は普通の部屋と遜色ない様に見える。片手で暖房器具の電源を入れるとカーペットを敷いた所にあやめをそっと下ろして ▽ 【小日向あやめ】 「この地下室、秘密基地みたいだよねー。はい、叔父さん、鍵」出入り口の扉の鍵を閉めると、鍵を叔父に渡す。あやめは鍵を持っておらず、叔父が扉を開くまで、外に出ることができない。▽ 【叔父】 「ん、ありがとう。この地下室は叔父さんの自慢だからね」鍵を受け取ると衣服の内ポケット奥深くに仕舞い込み、撮影機材の準備を始める▽ 【小日向あやめ】 「じゃ、服を脱ぐね」ワンピースを脱ぐと、生まれたままの姿になる。下着を一切着けておらず、秘部にも陰りもない。その姿を恥じらい隠すこともなく、部屋の隅にあったケースを持ってくる。 ケースの中には拘束具や淫具が入っており、それらを全部取りだして機材の方に転がすと、中にワンピースを入れてダイヤル式の鍵を掛けてしまう。この地下室にはあやめが着れそうな布類はもう一切無い。▽ 【叔父】 「あやめの身体は本当に綺麗だね……それに、素直でいい子だ。」機材の準備が整うと、一糸まとわぬあやめの姿を一枚収めてから適当な淫具をポケットに入れながらあやめに近づいて 「まずは、あやめの身体の準備を整えなくちゃ、ね」あやめの頭を一撫ですると、すすすすっと手を頬、首筋、背中と優しく撫でていき…そして、胸に手が触れると、やわやわとゆっくり揉みしだきながら撫で回していく ▽ 【小日向あやめ】 「えへへ~、照れちゃうな。ん……くすぐったい……お手ては縛らなくていいの?」褒められると嬉しそうに微笑んで。身体をに指が震えるとくすぐったそうに身震いするが、その場で堪える。▽ 【叔父】 「それは、これを着けてから……」両手でふに、ふにと胸を揉みしだくと、ポケットからローターを取り出すとあやめの乳首に当て、固定すると、スイッチを入れ微弱な振動を与える。▽ 【小日向あやめ】 「あん。ぷるぷる震えて、くすぐったくって、んん、気持ちいい……」トロンっと瞳が蕩けさせ、乳首を勃起させ、刺激を受け入れる。▽ 【叔父】 「可愛い顔がもっと可愛くなってるね…じゃあ、手錠を付けるよ」あやめの頬を撫で、ちゅっとキスをすると、あやめの手をとり、後ろに回すと、かちゃり、と手錠を着け鍵を掛ける 「で、今度はこっちも…」もう一つローターを取り出すと、振動させながらあやめの太ももに撫でるように押し当てていく ▽ 【小日向あやめ】 「ん……叔父さんに捕まっちゃった。あやめ、もう何されても逃げられないね……」囚われのお姫様を妄想するように、蕩けた声で。太ももには既に愛液がとろりと垂れ落ちていて。▽ 【叔父】 「そう、あやめは僕が捕まえちゃった……捕まったお姫様はこうやって気持ちいい事をさせられちゃうんだ」愛液を指で掬うと、クリトリスに塗りたくるように指で撫で回し、ローターを当て固定する 「さあ、そろそろ撮るよ。あやめの綺麗でえっちな姿を…」機材の方へ進むと、カメラとビデオを回し始める。▽ 【小日向あやめ】 「お姫様……あんっ」クリトリスを指で愛撫され、ローターを当てられると嬌声を漏らし、身悶える。きどうしたカメラとビデオを前に、秘部や乳房を隠すことなく、見せるように直立する。▽ 【叔父】 「いいよ、あやめ……可愛いよ…今度は椅子に座って足を開いてくれるかい」こく、と喉を鳴らしながらパシャッパシャッとカメラを鳴らし、あやめの身体をまるで舐め回すかのようにビデオで撮影していく。▽ 【小日向あやめ】 「うん……」椅子に座ると、足を開き、肘置きに膝をかける。愛液がトロトロと溢れる秘部が露わになり、無防備になる。まるで男を誘うように、ひくひくと秘部が動く。▽ 【叔父】 「あぁ……綺麗だよ、あやめ…すごくえっちなお姫様だ…」息を少し荒げながら、ジーッとビデオカメラでひくひく動いている秘所を重点的に撮影していく。撮影していくうちにだんだんと股間が膨らんでいくのが服の上からでも分かるようになっていって ▽ 【小日向あやめ】 「ん……あ、うん……」目がトロンと蕩け、身体がピンク色に火照り、幼い体躯ながら、雌のごとく雄を受け入れる雰囲気を醸し出す。▽ 【叔父】 「ふぅっ……あやめ…いいかい?」カメラでその小さな身体から発せられる危険な雌の雰囲気を収めると、ビデオを三脚に固定して。 股間はもうパンパンに膨れ上がり息を荒くしてしまって。▽ 【小日向あやめ】 「……ん、叔父さん、あやめを……犯すの?」股間を膨らませ、息を荒くして迫る叔父に、拙い口調で問いかける。▽ 【叔父】 「ああ…あやめがあまりにも可愛いから、我慢できなくなってね…」あやめを犯す前に言うお決まりの台詞を言いながら、あやめをお姫様抱っこしてベッドまで運ぶ。その間もあやめのお尻を撫でるように動かしていて。▽ 【小日向あやめ】 「あやめ、叔父さんに犯されちゃうんだ……」抵抗することなく、叔父に抱かれ、ベットまで運ばれる。時折ローターの振動で身体を震わせ、火照った身体を隠そうともせず、仰向けになる。▽ 【叔父】 「こんなにとろとろになってひくひくしてる割れ目と……とろんとした可愛いあやめの顔を見て、我慢なんて出来ないよ…」一旦手錠を外してあやめの手を前に持っていくと再び手錠で固定し、手元にあるローターのリモコンを弄って振動の強さをさらに強めて 「ここに叔父さんのを入れるよ…いいかい?」下を片手で脱ぎながら、もう片方の手であやめの割れ目にそっと指を浅く入れ、くちゅくちゅと掻き出すように指を動かしていく。▽ 【小日向あやめ】 「ダメ……って、言っても、叔父さんが無理矢理したら……あやめ、抵抗できない……乱暴に、犯されちゃう……」手錠はベッドの足に固定され、逃げることはできない。自分を追い詰めるような言葉を紡ぎながら、愛液で叔父の指を汚す。▽ 【叔父】 「そうだね……あやめはとらわれのお姫様………捕まってしまったお姫様はこれからどうなっちゃうのかな…?」下をすべて脱ぐとぼろんっと大きくそそり立つ肉棒が露わになり、あやめに主張するようにびくりと跳ねて。▽ 【小日向あやめ】 「悪い人に……無理矢理、乱暴に……犯されちゃう……」そうしてほしい、と言いたげに秘所は愛液を溢れさせ、叔父のものを受け入れる姿勢を示す。▽ 【叔父】 「ふふ…それじゃあ、悪い叔父さんが一杯、犯してあげるからね…いくよ、あやめ…」ぐっとあやめの腰を掴み、にゅるにゅると愛液を塗りたくるように肉棒を割れ目に暫く擦らせ、やがて、ぴたり、と狙いを定めると一気にずぷぅっと肉棒を押し広げるように中へと差し込んでいって ▽ 【小日向あやめ】 「ん……ふわぁ、あぁっ!!」幼い小さな膣が、叔父の肉棒をぎゅっときつく締め付ける。愛液が潤滑油となり、肉棒は膣の奥深くまで貫く。たまらず嬌声をあげてしまう。▽ 【叔父】 「あぁ……いいよ、あやめ…っ!」片手で腰を掴みながら、若干荒っぽくごしゅごしゅと腰を動かして膣壁をカリで擦りながら奥を叩いて、もう片方の手はローターのリモコンを握っていて、緩急を付けるように強さを調整していく。▽ 【小日向あやめ】 「ああんっ! ひゃ、あん、あ、ひゃああ」大の大人である叔父に荒っぽく腰を動かされ、小さな身体のあやめはそれに流されるまま、悲鳴に似た嬌声をあげ、叔父を喜ばせるために膣を締め付ける。▽ 【叔父】 「こんなにとろとろになりながら、きゅうきゅう締め付けてっ………あやめはえっちなお姫様だねっ…!」ゴツ、ゴツ、と奥を執拗に叩きながら締め付けにビクビクと肉棒を震わせ、締め付けに抗う様にむくむくと更に大きく膨らんでいく。▽ 【小日向あやめ】 「あ、やぁ、ん、あ、んんっっ!!」自由な足で叔父の胴を掴み、肉棒を膣から出さぬようにして、肉棒を締め付け、身体を淫らにくねらせる。▽ 【叔父】 「く、ぁっ…!僕の可愛いあやめっ…!もっとえっちにしてあげるからね…!」胴を掴まれるとコツコツと腰の動きを小刻みにして奥を何度も叩きつつ、あやめの腰を掴んでいた手をまるで調教するかのように肉棒が入っている辺りのお腹を撫でたり、下乳の辺りをつつーっと厭らしく撫で始める。▽ 【小日向あやめ】 「ひゃぁ、ん、あ、んんっ、だめ、もうだめぇ……!」既に焦らされて高まっていた官能は幼い体躯に溢れ、叔父の愛撫により容易く絶頂へといきそうになる。▽ 【叔父】 「ああっ……叔父さんも、もうっ…!奥に、一杯注いであげるからっ…!」びくびくっと肉棒が跳ねると、腰を打ち付ける動きを大きくして、あやめと自分を高みへ誘う様に出し入れする速度を一気に早めていく。▽ 【小日向あやめ】 「あぁんっ、膣内に! 叔父さんのが、一杯……んんっ!!」膣を広げるように圧迫する肉棒の感覚が、もうすぐ射精が行われることを察し、吐き出させるように締め付けていく。▽ 【叔父】 「う、ぁっ!あやめっ…あやめぇっ…!いくよっ、く、ううぅううぅっ!」締め付けに思わず声を漏らし、締め付けをこじ開けるかのようにズンッと奥まで突き入れると、びゅ、びゅるるぅっびゅくくぅぅっ!と熱く粘つく精液をあやめの幼い子宮に溢れるほどの量を注ぎ込み…それでいてパンパンに膨らんでいる肉棒が栓の様に溢れ出さないように塞いでいて▽ 【小日向あやめ】 「ひゃああん、膣内に、膣内に、あぁっ!!」膣内に放たれた精液を一滴も逃さぬよう、ぎゅっと足を胴に絡め、締め付けていく。小さな胸を見せつけるように背筋を逸らし、身悶える。▽ 【叔父】 「はぁっ……はぁっ…あやめ…v」射精しながらぐっぐっと腰を押し付け、精液をかき混ぜ、奥に塗りたくるようにして一滴残らず精液を注いで… 「素敵だったよ…あやめ…v」肉棒を挿れたままあやめを抱き上げると、ちゅっとキスして▽ 【小日向あやめ】 「ん……死んじゃうかと思うぐらい気持ちよかった……」汗だくになってぐったりしながらも微笑んで、キスを返す。▽ 【叔父】 「よかった…叔父さんも気持ちよかったよ…vそれに、あやめの可愛い姿もバッチリ撮れた」ちゅ、ちゅっと小刻みにキスしながらあやめに撮影していたビデオカメラを見せて ▽ 【小日向あやめ】 「うん、なんか……凄いね」語彙が少なく、美味く表現できず、そんな言葉になってしまう。拘束された小さな体躯の幼い女の子が、大きな大人が犯す、卑猥でインモラルな動画ができあがる。▽ 【叔父】 「あやめは人気だからね…こんなに可愛いから当然かもしれないけど」あやめを優しく撫で続けて 「疲れたろう?しばらくこのままゆっくりしようか」ローターを止め、手錠を外すも、肉棒はまだつながったままであやめをがっちり抱きしめながらシーツに潜り込む。▽ 【小日向あやめ】 「うん……ん、疲れちゃった……眠いかも……」そう言いながらも、すでにうつらうつらとしており、寝てしまいそうである。▽ 【叔父】 「よしよし、お休み、お姫様…」あやめが寝るまで優しく頭を撫で続けてあげて、自分も一緒に目を閉じる。▽ 【小日向あやめ】 「うん……おやすみ、叔父さん……」瞳を閉じると、すぐに健やかな寝息をして眠りにいってしまう。その合間も、肉棒をきゅっと締め付けていく。▽ 【叔父】 締め付けにはびくっと肉棒が跳ねる動きで応えながら、自分も眠りにつく。
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甥っ子と、おじさんと、おじさんの後輩と 「信じられないな……崎山さんとこうしているなんて」 「それは俺もだよ、そもそも男の子とつきあうことになるとはね」 「ジョシコーセーだったらよかった?これでもピチピチなんだけど」 「誘惑だなぁ、高校生とは清い交際を心がけるつもりだよ、前田さんと約束したしね」 崎山さんは叔父の会社の人だ。 半年前に家族会だとかに無理矢理引っ張り出されて、そこで運命の出会いを果たした。 初恋と気づくまでに一ヶ月、男性相手に悩むことさらに一ヶ月、叔父に相談するまで悩みに悩んでまた一ヶ月。 叔父はさすがにひどく驚いて「何かの勘違いだ」と頭ごなしに決めつけた。 胃を悪くするような思いで、夜もよく眠れなくて、やっと勇気を出して話したのに。 逆上した俺を見て、叔父は考え直してくれたらしい。 それからしばらくたった週末に、叔父は崎山さんとのアポを取ってくれた。 場所は遊園地だった。子供か! おまけに叔父までついてきて、あろうことか男3人で遊園地。 それでも俺は有頂天だった。崎山さんとデート! こぶ付きってとこが残念だけど気にしなかった。 絶叫マシンにいくつも乗って、観覧車(やっぱり3人で!)乗って、アトラクション見て、居酒屋行って飯食べて…… 「前田さん、生おかわりいきますか? それとも酒? 焼酎もいいのありますよ」 でも、俺が叔父を気にしなくても、崎山さんは叔父に気を遣うのだ。 当然か、叔父は会社じゃ崎山さんの先輩だし。 「あ……じゃ、生一杯。しかし今日はすまないね、崎山君。 こいつがどうしても遊園地に行きたいって言うからさ、ホント参ってたんだ。 俺ひとりじゃきついよな、遊園地……でも案外楽しかったし……今日は、助かった」 一応そういう設定になっているが、遊園地を決めたのは叔父なのだ。内心面白くない。感謝はするけど。 「いえいえ、俺ももう何年ぶりかなー。楽しかったですよ。鬼の前田さんの弱点がジェットコースターだっていう 特ダネもつかみましたし」 「わざわざあんなもの、作る奴の気が知れん」 「乗る方じゃなくて作る方がですか!……でも、苦手なら下で待ってれば良かったんじゃないですか?」 「……裕紀が心配だからな」 グシャグシャッと髪の毛をわしづかみにされた。やめてくれよもう。 あの時見てしまったことは一生の秘密だ。 帰るために席を立って、先に靴を履いた俺が何気なく振り返ると、叔父がひとり、まだ席に残っていた。 その手が、座布団におかれている。さっきまで崎山さんが座っていた席だった。 「叔父さん!何してるの、早く行くよ!」 俺は何食わぬ顔で叔父に声をかけ……それから数ヶ月、すったもんだの末に前田さんをゲットした。 叔父が悪いのだ。遊園地はデートのつもりだったのか。苦手なジェットコースターも崎山さんとなら乗ったのか。 知ってるけど言わない。勇気を出したのは俺の方だ。 叔父さん、ごめん。……ごめん。ありがとう。本当に……ごめんなさい。 甥っ子と、おじさんと、おじさんの後輩と
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718 :名無しさん@HOME:2008/12/27(土) 01 11 21 O 今年の正月も親戚の集まりに行かな・・・めんど その集まりなんですが高校生の時の話 田舎なんですが、一応親戚だけど遠縁なんでその集まりには参加していませんでしたが、その年は姉が結婚した縁で私もついて行くことになりました その席で義兄の叔父の嫁(後妻です)が膿家というんでしょうか・・・義息子達に殆どのおかずを横取りされていました それを見て思わず「うわぁ人前で!みったぐねぇっ」とうっかり大声で指を差してしまいました すかさず空気読め的な周りの視線 719 :名無しさん@HOME:2008/12/27(土) 01 14 21 O すると叔父嫁さんはスッと立ち上がり、シーンと凍った空気の中部屋を出て二度と戻りませんでした それを見た当主は、席での叔父家の嫁に対する発言も耳に入っていたらしく、重く受け止めたようでした 叔父一家は別室に呼ばれ、戻りことはありませんでした 宴会は何もなかったかのように再開して、正直居づらかったんですが引き留めにあって残りました 皆叔父達の嫁イビリには目に余るものがあったようですね 後日叔父は離婚と慰謝料を請求されました そして無事離婚が成立されたと聞いて数日、学校から帰ると家の前で叔父次男(短大生)待ち伏せしていました 「お前のせいで・・・」と睨んで来たので「バーカバーカ」と指差して笑ったらなみだ目で帰って行きました 720 :718:2008/12/27(土) 01 21 41 O DQN返しではなくただのDQNですね・・・ 2回にわけて書きこんでおきながらいろいろスレチ 板汚し失礼しました 日本語不自由で申し訳ない 724 :名無しさん@HOME:2008/12/27(土) 01 29 04 0 いやいや、気にしなくていいよ。 後妻のおかずをかっさらった叔父息子共、幼児かと思ったら次男が短大生かw そりゃそんなバカ連中は捨てられるわ。あなたは下手したらずっと奴隷扱いされた ままだったかも知れない叔父嫁さんを救った勇者だ。 725 :名無しさん@HOME:2008/12/27(土) 02 00 04 0 724 その通りだよ。 いくら叔父一家の内情が分からないにしても、一族揃っての場でやる事じゃなかった。 それを自然にやらかしたから、見た親族が家族関係を察したまでの事でしょ。 アホ次男もいい年こいて、逆恨みがバカだわ。 726 :名無しさん@HOME:2008/12/27(土) 02 05 28 0 718は叔父嫁さんからしたら救世主かもね でも、不良債権しかない相手と結婚するということは叔父嫁も低スペックなんだろうなと思う心の闇 727 :名無しさん@HOME:2008/12/27(土) 02 16 11 0 次男が睨んできたのは何なんだ。 本当は義ママの事、好きだったんだ。 それをお前は、オマエってか? 728 :名無しさん@HOME:2008/12/27(土) 02 19 27 0 おかず横取りする相手が居なくなったからだろwww 729 :名無しさん@HOME:2008/12/27(土) 03 05 20 0 横取りどころか、作ってくれる人がいなくなったからでは。 730 :名無しさん@HOME:2008/12/27(土) 03 08 32 0 728 おかずってwww 家事してくれる女手がいなくなって困ったんでしょ。 742 :718:2008/12/27(土) 09 58 49 O ナチュラルに方言で書いてしまった・・・ 自分でも読み返すとわかりづらいですね 簡単にいうと私の暴言がキッカケで叔父嫁さんは離婚を決意 そして、見て見ぬふりだった親戚達も、叔父家の嫁イビリの酷さを認めた話です その償いか、離婚の際は親戚一同で嫁のフォローに周り、かなりスムーズに進んだようです 親戚関係が一番わかりづらかったようですが、叔父は義兄の叔父です 親戚達も義兄方ですが、私の実家と遠縁でもあります 補足と言えるものかわかりませんが、やっぱり日本語不自由なレスですみません 誤字脱字も多かったですね・・・甥っ子のドリルで勉強し直してきます・・・ 765 :718:2008/12/27(土) 14 08 43 O すみません最後の補足です 次男がわざわざ出向いて文句言ってきたのは、慰謝料が叔父家にはひびいたせいらしいですね 借金はそれほどなかったんですが、支出が多く貯金が殆どなかったそうです 結局慰謝料捻出のため、家を売って遠くに引っ越しました 義兄は姉の旦那で間違いないです 遠縁と言っても先祖レベルです 甥っ子のドリル解いたら姉に怒られたので問題集買いに行ってきます 度々説明不足で失礼しました 次のお話→768