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前ページ千年まって 翌朝。 ヒサメはゆっくりと目を開けた。瞳だけを動かし、周囲を見つめ――「!!」 あわてて飛び起きる。「わっ……。 どうしたの?」 ワンテンポ遅れて、やや頓狂な声が上がる。 見ると、シグレがちゃぶ台のそばに座っていた。 すだれの隙間から淡く差し込む朝の日差しに、その横顔が照らされる。「どう……って……」 口ごもりつつ、ヒサメは再び辺りを見回した。 何も変わったところは無い。枕も頭の下にあった。「夢……?」「どうかしたの?」 呟くヒサメの顔を、寄って来たシグレが覗き込む。 ヒサメが黙っていると、その顔が必要以上に接近してきた。「ああああ! なんでもないってば!!」 手近に合った枕で、ヒサメはそれをどつきたおす。「てば、って! てば、って言われても! 俺聞いたの二回目だし! ヒサメ答えたの一回目だし!」 多少寝癖のついた頭を抑えつつ、シグレが抗議の声を上げる。 それを見て、ヒサメはわずかに頬を緩めた。その身体から、やっと緊張が抜ける。「自分は喋りだすと止まらないくせに、人の答えを待てないシグレが悪いのっ」 そう言いつつも微笑んで、彼女はシグレの頭をさすった。 何か言いたげな彼の目を、しかし笑顔で黙殺する。 それはごく穏やかな、朝の風景だった。 土産物を買い、クリコタウンを出る事になったのは昼を過ぎてからの事だった。「結局あんみつ食べ損ねちゃったなー……」 温泉饅頭を片手に、ヒサメは不満そうに声を上げる。 現在地はメインストリート、町の門まで約200メートル。「帰ったら喫茶店でパフェおごるからさ……機嫌直してよ、ね?」 町に伝わる伝承を扱った、分厚い本を抱えてシグレは苦笑した。「デラックスね」 すかさずそう返すヒサメ。 時雨はその笑みの苦味成分を更に倍増させる。 が、いつも通りにやや遅れて歩くシグレの顔が、彼女から見える筈も無い。「――ヒサメ」「?」 唐突に名前だけを呼ばれて、ヒサメは振り返る。 町を出るまで後一歩、というようなところで、だ。『貴女は私から逃げられない』 そう口にする彼の瞳は、異様なルビー色だった。 ページの先頭へ戻る
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■黄金の箱争奪戦(2009年8月20日) 09 25 (SUTONA) はじめて巡視倒した! 09 25 (suragu) おめー 09 25 (makop) おめでとうー 09 25 (me-rinn) おめー 09 25 (tatibana1018) おめっとー 09 25 (SUTONA) スラグさん。つ「撤退」 09 28 (suragu) 軽く仮眠しようかな。 09 28 (SUTONA) つ「撤退」 09 29 *nick suragu → suraguZzz 09 29 (SUTONA) ちょ・・・! 09 29 (po-tan_) もう・・・諦めようよ 09 30 (SUTONA) わかりました・・・・ 09 30 (mutuki) 巡視忘れてたw 09 31 (po-tan_) 巡視倒したー!黄金の鍵なんてないぞ! 09 31 (suraguZzz) とっておけばいずれ値上がりするさ。 09 31 (mutuki) 鍵なんて拾ったことないです 09 31 (po-tan_) は、寝言!? 09 32 (suraguZzz) Zzz 09 32 (tatibana1018) 93000金貨かぁ 09 33 (SUTONA) SUTONAさんも黄金の宝箱でした 09 33 (po-tan_) お 揃 い だ ね ! 09 33 (mutuki) SUTONAさんの次の役職は黄金の箱か 09 34 (mutuki) そんなに狙われた(ry 09 34 (tatibana1018) 巡視マスコット? 09 34 (SUTONA) 嫌です 09 35 (mutuki) 今SUTONAさんの城襲えば宝物庫に黄金の宝箱あるらしいよ! 09 36 (SUTONA) しっかり本城の方にしまってます。 09 36 (makop) 巡視SUTONAのリスト 地形 座標 距離 主城 (-231|-316) 608 09 36 (SUTONA) なんですかそれは! 09 37 (mutuki) 争奪戦ハジマタ 09 39 (po-tan_) いま、奪いに行きます 今、ここに黄金の箱を巡る熱き戦いが幕を開ける…
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千年帝国の鷹篇 聖魔戦記の章 (2004) トラックNo. 曲名 アーティスト名 JOYSOUND DAM 備考 1 Sign〈インストゥルメンタル〉 平沢進 配信中 - 22 Sign-2 平沢進 - -
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名称 時期 内容 報酬 情報 備考 憑石研究『食虫植物の憑石』 二章~ ケイブローパーの憑石入手 5解放ポイント1000シリン カドラ廃坑跡B1Fカドラ廃坑跡B2F黒狐団アジト 他 憑石研究『猫獣人の援石』 二章~ レイーネの援石入手 5解放ポイント青色の強化結晶*51000シリン エルフの集落黒狐団アジトの抜け道(狩場) 憑石研究『邪鬼の援石』 三章~ ホスログの援石入手 10解放ポイント2000()シリン カドラ廃坑跡B4Fカドラ廃坑跡B5Fオリヴドの宮B6F 他 憑石研究『水精の援石』 三章~ ティエネーの援石入手 10解放ポイント青色の強化結晶*52000シリン カドラ廃坑跡B3F 憑石研究『炎半蛇の援石』 五章~ フレイムナーガの援石入手 15解放ポイント黒色の強化結晶*55000シリン 火竜の山 憑石研究『下級悪魔の援石』 五章~ レッサーデーモンの援石入手 15解放ポイント緑色の強化結晶*55000シリン エルモンの宮B1F深淵の間B5F 他 憑石研究『第九位天使の援石』 六章~ エンジェルの援石入手 20解放ポイント赤色の強化結晶*510000シリン カドラ廃坑跡B9Fカドラ廃坑跡B12F 憑石研究『第八位天使の援石』 六章~ アークエンジェルの援石入手 20解放ポイント黒色の強化結晶*510000シリン カドラ廃坑跡B9Fカドラ廃坑跡B12F 憑石研究『半蛇の援石』 七章~ エルザリィの援石入手 25解放ポイント緑色の強化結晶*520000シリン 東館B5F寂れた洋館1F 他 憑石研究『機械弓猫獣人の援石』 七章~ 機械弓使いの援石入手 25解放ポイント赤色の強化結晶*520000シリン 東館B5F 他 憑石研究『大型悪魔の憑石』 九章~ カノンの憑石入手 30解放ポイント赤色の強化結晶*530000シリン カドラ廃坑跡B10Fカドラ廃坑跡B11F琉璃の座閣 憑石研究『泡油土精の憑石』 九章~ 泡油アースマンの憑石入手 30解放ポイント赤色の強化結晶*530000シリン カドラ廃坑跡B11F 憑石研究『擬人精霊の援石』 終章 グロス・ワルキューレの援石入手 35解放ポイント黒色の強化結晶*550000シリン ヴィーンゴールヴ宮殿~干戈の口~ 他 憑石研究『翼付擬人精霊の援石』 終章 フェスプニーレの援石入手 35解放ポイント白色の強化結晶*550000シリン凝氷の青錫杖*1 ヴィーンゴールヴ宮殿~干戈の口~ 他 憑石研究『神脈巨人の憑石』 終章 神脈の溶巨人の憑石入手 35解放ポイント黒色の強化結晶*550000シリンガイストフラウト*1 ヴィーンゴールヴ宮殿~暁天の塔~ 憑石研究『赤土偶天使の援石』 2周目序章~ 天使マズナルの援石入手 50解放ポイント白色の強化結晶*5100000シリンストレングバレ*1 機工の封鎖外殻~上層部~ 他 憑石研究『狩娘の援石』 2周目序章~ 斬排の狩娘の援石入手 50解放ポイント黒色の強化結晶*5100000シリン 黄金樹の谷~巨木の回廊~ 他 憑石研究『偽魂絶魔の援石』 偽魂絶魔ヴィダの援石入手 50解放ポイント契約の狂錫杖*1300000シリン アルマの途 AP02 憑石研究『偽魂屍姫の援石』 偽魂屍姫シュティアの援石入手 50解放ポイント魔暴の焉笛*1300000シリン アルマの途 AP02
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夜空にかかる黄金への虹 ―――― 「 」 「こんにちは、蒼星石。 もれは翠星石の友達のシオといいます」 「 」 「雪華綺晶が護神像の中に侵入してきた時に 開けた穴を使って、貴女に語りかけています」 「 」 「もれは、できれば。 貴女にレオの助けになってほしいと思うす」 ――――――――。 二人の少年、二人の戦士が 一面に並び立つ賢者の群れへと立ち向かう。 「レオ、この数をどこまで減らせられる?」 「半分くらいは。だが減らせても、本体が特定できねえ。 そして、分裂体に混じって強烈な一撃を繰り出してくるから それに対処するとまた、相手の逃走を許しちまう」 「俺に考えがある」 桐山の前方に立っていた数十体のヨキが ハルワタートの水に包まれた千銃の銃撃乱射に体を穿たれる。 破裂し、消えていくヨキの像を尻目に 桐山とレオは背中合わせにレオへと問う。 「おまえ…………杉村の技は使えるか?」 「いや。無理だ。 あんなんできるわけねえだろ、人間業じゃねえ」 「俺ならば、できる。気がする。半分くらいは」 地面と並行に飛来してくる 千の手を切り落とし、殴り潰し。 レオは首を振った。 「言うねえ……それで? 俺にどうしろと」 「お前のアールマティに集めた風を 喰わせる。分身体の弱点は耐久性だ。 超広範囲の技を炎と混ぜてぶつければ蹂躙できるはず」 「やれるか? おまえに」 桐山は額を指でさりげなく触れて、答えた。 「俺には七原を通じてのチャン記憶もある」 背中越しに桐山はレオの肩をこつん、と叩いた。 「おまえは杉村の友達なんだろう。 なら、これでやれるはずだ。 あいつは、俺の知る限りで最強の赤き血の人間だった」 レオからは桐山の表情がよく読み取れない。 肩に感じた小さな感触だけ。 他のすべての感覚は目の前のヨキの群れに集中させていた。 だから、僅かながらの実から得た直感で動くしかない。 「じゃあ、任せたぜ」 「オーケイだ。レオナルド、まずは時間を稼いで俺を守れ」 その言葉を合図にレオは ヨキ軍団から桐山を守るために、炎のかすみを展開した。 ――― 「ひとぉつ、聞きたいのですが。 蒼星石はどーしてヨキ先生に力を貸しているので?」 「 」 「ふーむ、なるほどなるほど。 じゃあ、貴女は自分の姿を確かなものにしたいから。 アリス・ゲームの、闘いのルールに従うと」 「 」 「じゃあ、提案す」 少年の形をした魂魄は、 白の茨に巻きつかれ、吊るされた少女に言った。 「闘いを無くすと約束したら。 貴女はそこから出てくれますか?」 「 」 「いいえ、違うす。 雪華綺晶はもう殺されてしまいました。 だからそれは貴女が創った鳥籠なのですよ」 ――――― レオは掌に、宙を逍遥させていた 焔龍の熱を全て込める。 熱量だけで産み出されるエネルギーの余波に大気がひれ伏す。 右手に握りしめたエディアール家の刀に 帯状に纏わりつかせれば。 それは太陽の鳥と同義に空を凪ぐ。 腰に構えて、抜けば周囲を薙ぎ払う 炎の竜巻。唸りを上げて荒れ狂う龍の舞い。 桐山を中心に据えての絶対防御の炎の壁。 力の多くを消費する技、 長くは維持することが出来ない。 周囲を取り囲むヨキに 中へと入ることは出来ない。 触れれば、ではなく近づけば蒸発する炎。 「よくやった。レオ」 両手を合わせ、精神を研ぎ澄ませていた桐山が その手を離し、大きく広げた。 羽ばたく両腕に巨大な風が集まってくる。 外套がはためき、装甲にまとう水が波のように揺らめく。 「行くぞ」 レオは龍の頭部に変質している左手を 掲げ、桐山が集めた風を喰らう。 スープを飲み干すようにあっさりと、 大きく開いた口で喰した龍の左手。 炎の竜巻は霧散し、 レオと桐山の前に広がるのは 眼前から地平線まで埋め尽くされるヨキの群れ。 レオの左手の頭部から、 アシャの焔と桐山の風の混成が吐き出された。 風を喰らった炎は勢いと体積を増して 炎の嵐は台風のように根本から生き物を引き剥がしていく。 分身体には到底耐えられない災害。 夜闇を燃やすのだから、暗闇に逃げる術もない。 燃えたキャンパスの大地に残るのは 本体であるヨキ一人のみ。 ならば、分裂よりも先に仕掛ければ倒すことは可能。 桐山とレオが眼を凝らして 本体のヨキを見つけださんとする。 そのとき、ふたりの少年の頬を一陣の風が撫でた。 風が吹いてきたのは二人の真上、上空から。 巨大な半分の月、黄金に輝く瞳の如き深遠さを湛えた宝珠。 それを背に浮かんでいたのは黒き血の賢人ヨキ。 レオと桐山の背筋を戦慄が走った。 何時からそこにいた? 気づかないはずがない。 「歴史の道標は、デウスと通じていた。 それと同じく。私は女神と通じていた。 正確には、女神の配下である今亡き導師達とではあるけれど」 燐光から産まれ落ちるは無限の手。 クシャスラの烈風が籠手となって二人へと落ちる。 「女神は答えを求めている」 黄金を背に蒼き燐光がヨキの周囲で瞬く。 「ローザミスティカと玉があれば、 スプンタ・マンユは女神の愛する者への変化をも可能」 手が伸ばされる。 “人”を属性とするスプンタ・マンユの 根源的力。意志に足掻く人の象徴。 「“世界”に変化しただけのことさ」 桐山とレオの命の灯火が握りつぶされようとした。 眼では追いつかないほどの攻撃の量。 不意を打たれ、齎された雪崩に意識を刈り取られそうになる。 だが、ふたりの命は未だ喪われず。 小さな盾が手の雪崩を防いでいた。 「キク……!?」 硬化力場を少年たちの前で 展開していたのは機械の賢人・キク。 だが、無傷で防御していたわけではない。 硬化力場も瞬く間に削られていき。 指先から静かに装甲が剥がれ落ちていった。 「……勝つ方法はまだある。 黒き血の少年。赤き血を受けた者よ。 お前に更なる血の祝福を享受することが出来るのなら」 「おまえ、何を言って……」 「雛苺のローザミスティカには、 杉村弘樹の血の記憶があるはずだ。 それを地下に流れる血の水脈を媒介にすれば レオナルド・エディアールは真の赤き血の祝福を得られる。 我が最後の力をもって、地下の水道に干渉しよう」 キクの手が砕け散り、 破片が花びらのように レオの頬へと張りついた。 「桐山和雄。赤き血の少年よ」 「…………なんだ?」 「神を頼む」 ここから見えるのはキクの背中のみ。 腕が肘半ばまで砕け壊れていく様がわかるのみ。 「わかっている」 それを最後に、キクは無限の手に呑まれ。 砕けた体はスプンタ・マンユの養分となる。 しかし、キクの死は 同時に地下の水道の決壊を呼び寄せる。 “願い”を吸い、運ぶ助けとするために 地下を流れていた低純度の血液の流れが吹き出す。 暗闇に赤色の橋がアーチ状にかかった。 その血をまともに浴びた二人は髪がぐっしょりと濡れ。 そしてレオナルド・エディアールの手には 再び雛苺のローザミスティカが握られている。 ローザミスティカを通じて、レオの体に力が漲ってくる。 卵の殻を破って翔び立つ鳳のように。 船出する旅人が受ける風に心が開放されるように。 「今、気づいた。 この宝石に、あいつの血がこびりついていたんだ」 掌でローザミスティカを転がし 眼を細めて、笑みを浮かべるレオ。 アールマティと合体したことで フード状になっていた頭部装甲から覗く頭髪は、 血の影響で薄赤色に染まっていた。 頬には紋章のような刻印が刻まれ、 それは全身へと及んでいた。 「レオ……?」 「大丈夫だ。悪いな、さっき渡したばかりなのに」 「別にいい。それで、大丈夫なんだな?」 レオは脚を大きく開く。 未来の友が紡ぐ完全合体の恩恵と 今の友が祈りによる祝福の刻印。 「ああ、負ける気がしねーよ」 左腕を大きく振るう。 さすれば空が裂け、喰われ、咀嚼される。 空間が喰われ、ヨキとレオの距離が肉薄する。 「新たに手に入れた機械の賢人の力。 さあ――――定めの決着をつけよう。防人の少年よ」 「おお!!」 ―――― 「ローザミスティカは――」 「はい?」 「僕達のローザミスティカは元はひとつだった。 翠星石と僕のローザミスティカは ひとつのローザミスティカだった」 「うん」 「翠星石は変化した。 成長したんだと思う。 君と出会い、防られ、世界を広げてね」 「大丈夫」 「だから、僕と翠星石はもう、合わさることは――」 「大丈夫すよ、蒼星石。 だからもれがいるす。 友達が、いるんすよ。 凹んだ所はもれが埋めます。 尖った所はもれが包みます。 アリス・ゲームっていう鏡は、必要ないのです」 だから、と彼は言った。 「貴女たち双子は、一緒です」 手を、純白の茨に縛られた彼女へと―― ――― 左手を伸ばす。 龍の顎がヨキを喰わんとする。 しかし、喰らうのは空間のみ。 無数の手の乱打がレオの攻撃を逸らす。 神の祝福、人の血に流れる想いの力を形にし。 アールマティの喰らう能力は概念の域に達していた。 「我がスプンタ・マンユは既に属性が “人”から“世界”へと昇華している。 “大地”の護神像、“炎熱”の護神像アシャ。 偽なる龍の力を持つ龍騎。どこまで届く?」 「どこ、までもだよ! ヨキぃぃぃぃっ!」 裂帛の気合を込めた焔の喰の雨あられ。 背後からは桐山からの援護射撃が。 ヨキは世界に己の身を変化させ、避ける。 「逃がすかよ!!」 瞬時に炎の嵐を展開し、 永続的焔の竜巻を超広範囲に展開し。 顕現点を潰しにかかった。 「逃げてはいないよ」 しかし、ヨキが現れたのはレオの目の前。 肌と肌が触れ合いかねない近さ。 近すぎる。攻撃すらできないほどに。 だがこれならばヨキの方も同じはず。 レオの予想とは反対に、 彼の両腕を拘束される感触があった。 両の腕を掴み、雁字搦めにされていた。 精密な動き。 今までの半ば力任せのものとはまるで違う。 動けない。動けるまでの時間が足りない! この赤き血の祝福をもってしても、まだ!! 「くそっ……」 「お別れだ。シオの親友よ」 蒼き燐光が輝き。 レオの顔のすぐ側で、終わりを告げる手が……。 レオの左手、翠色の光が輝く。 大地の決壊防ぐ大樹の輝きが。 炎の種となる儚き枝葉のまたたきが。 レオの左手に、強く、強く。 怯んだのは、ヨキではなく。スプンタ・マンユ。 攻撃の発露が確かに遅れ。 それが、レオの脱出を招いた。 拘束より逃れたレオは、 無我夢中で左手をスプンタ・マンユへと翳す。 左手が何かをつかむ。暖かな温もりを掴む。 掴んだ手を強く握りしめ。抜き放つ――――!! 「その道を選ぶか……蒼星石……!」 歯噛みするヨキの声が耳に届く。 届いても、気にはしない。 ただ、ただ、レオは叫ぶ。 「健やかに、伸びやかに」 両の腕を交差する。 左腕は翠色に輝き。 右腕は蒼色に瞬く。 レオの左手は龍の頭部から、 こんこんと炎の泉が湧き出る焔の源となり。 レオの体を螺旋に包み。 「意志を吹かせ。輝きを燃やし」 「闘争のルールを否定するのかい。蒼星石。 お前が、己の存在意義を確立することを諦めると……?」 天へと伸びる焔は大樹の形となる。 生命の木にもその姿は通じていた。 「想いの火花を茂らせて――」 レオの右腕にあるのは庭師の鋏。 鋏が閉じて、開いて。 それとともに大樹の先が分かたれて、それぞれが龍へとなる。 「光の示す――方向へ!!」 7つに分かたれた、炎の大樹より変異した龍。 「金、色に光り……蛟……産み出す庭師の……剪……! 神の武具の再現……? 《窮極(アリス)》へ、近づいたというのか」 七色の焔龍が、ヨキへと襲いかかる。 一体一体が銀嶺以上の力を持つ偉容なるドラゴン。 炎は虹色に煌めき。夜空に七つの虹がかかる。 「ローザミスティカに翻意されようと。 我が“願い”に一点の曇はなし!」 手が虹色を捕まんと夜空を駆ける。 星々無き、月光のみが照らす暗闇を 七色の龍とスプンタ・マンユがぶつかりあう。 宙を飛び、己の身を万華鏡にうつろわせ。 手と龍がぶつかりあう余波が 世界は闇すら関与できない振動に震えた。 一匹、屠った。 消費される力は甚大。 二匹目、三匹目も屠る。 「我が二千年越しの大願。 我が友を尽く死に至らしめた運命。 乗り越えずには、いられないのだよ!」 「笑わせんなよ、賢者! 運命なんて知るか。 疾走って広げりゃ、知らん内に運命なんて遙か後ろだ!!」 四匹目を屠ると同時に、 意識外の角度から疾風の影がヨキへと迫る。 ヨキの腹部を黒き血に塗れた騎士の剣が貫く。 「……赤き血の……少年!」 「俺を忘れるなよ」 最後のスプンタ・マンユの力の爆発が、 桐山を吹き飛ばし、無量大数が五匹、六匹目も貫く。 断末魔も残すことなく霧散する龍。 最後の七匹目が見つからない。 「どこだ、虹よ!! 彼岸へとかかる橋よ!」 大地が割れ。空が斬り裂かれ。 ヨキは必死にレオの姿と七匹目を探す。 衝撃波と血の余韻に絶世の美貌は著しく損なわれ。 忙しげに賢者の目が動きまわる。 「何処に…………」 「此処だ!」 声のした方は、月の座す方角。 振り向くと、ヨキの眼に映るのは黄金月を背負う少年。 腕に長大なる神々しき輝きを纏っていた。 「金色の……龍……本命は、黄金か!?」 「そうだ!!」 月から産まれたかのように雄大なる龍は空を泳ぎ。 黄金の龍がヨキの体を喰らう。 一口で丸ごと、ごくりと。 「……終わったか?」 起き上がった桐山の隣に着地した レオは静かに首を振った。 「いや、まだだ」 その言葉が証明するように。 黄金の龍は地に落ち、大気へと溶けていった。 レオは脚を前後に大きく開いて腰を落とす。 左腕を曲げ、拳を鼻の高さに持ち上げる。 黄金龍より飛び出したのは螺旋に回転するスプンタ・マンユ。 防御を捨てて、攻撃に全てを注いだ不退転の形。 「技を借りるぜ、杉村」 特攻型スプンタ・マンユがレオの体を 粉微塵にしようと直進する。 まっすぐに、曲がることなく。 「左腕はカタパルト、右腕はロケット」 手首の回転で、特攻形の直撃をすんでに逸らし。 側面から、左腕の肘に沿えていた右の拳を、腰の動きと対応し、 後ろ足で大地を蹴って、解き放つ。 「―――――――――崩拳!!!!!」 炎が凝縮された拳の一撃。 螺旋の機械鎧は穴が穿たれ、罅が走り。 スプンタ・マンユが壊れ行こうとする。 「まだだ。黒色の解放のために。 私は、運命からの解放を諦めは!」 拳はヨキの体には未だ足りず。 妄執の賢人は最後の力を振り絞り、レオへと千手を伸ばす。 レオの周囲に煌めき瞬く白雪の結晶。 「大した意志だ。あんたはすげえよ、ヨキ先生。 けど、この左手はあいつの左手だ。 あいつの左手に、あんたは負ける!!」 だが、レオは左手を突き出す。 黒赤色のアシャの手はドラゴンの手へと変わり。 ぐわり、と口が大きく開いた。 「―――――――喰!!!!!」 閉じられ、ヨキの体からスプンタ・マンユが飛び出す。 半壊したそれはよたよたと弱々しく飛び回り、 桐山のハルワタートがあっさりと水で砕き喰らい尽くした。 ひとり、遺されたヨキは仰向けに倒れ、 月を見上げ、息も絶え絶えに言ノ葉を紡ぐ。 こぽり、と口の端から黒色の血の泡が産まれた。 「赦せ。我が同胞たちよ」 「……馬鹿だな。あんたも。 二千年の恨みなんて捨ててもよかったじゃねえか」 腹部からとめどなく血が流れ。 翡翠色ではない黒曜石の血が大地を濡らしていた。 体中にはレオによる咬み傷がある。 もう、助からない。 「……それは、できない。 私は……革命の亡霊なのだから。 蒼星石のように、在り方を変えられはしない」 「あんたはシオの父親のダチだったんだろ。 なら、忘れて今の世界で生きれば良かったんだ」 ヨキは弱々しく、首を振り。 薄れゆく視界の果てで、何かを求めて、 月へと千ではないひとつの手を伸ばした。 「赤き血の人と交わる世界に、私の居場所はない。 ……行くがいい。若人たちよ。 辿り着く果ても識らぬままに、明日へと」 そうして、二千年の怨嗟を抱え続けた賢人は力尽きた。 ヨキの手は届くことなく大地に帰った。 賢人の死を看取り、 少年たちは傷だらけの体を引きずり、顔を見合わせた。 「この先、どうする」 「闘いの、決着を」 黄金の半月を見上げ、 レオと桐山は歩き出した。 地面が震え、空気が泣き。 世界中の機械が集結する南東の空へと二人は行く。 【ヨキ 死亡確認】 【キク 死亡確認】 【残り四人】 【D-6/一日目/夜】 【桐山和雄@バトル・ロワイアル】 [状態]:疲労(大)、ダメージ(中)、重傷(治療済み) 、 精神に重大な負傷(徐々に回復)、 「愛」の概念を思い出しました 「孤独」の概念を思い出しました。 「誇り」の概念を知りました。 「後悔」を知りました。 [装備]:カードデッキ(ナイト)、サバイブ(疾風)@仮面ライダー龍騎 、 ハルワタート@waqwaq(キクとクシャスラを喰らったスプンタ・マンユを完食) [道具]:基本支給品×4、たくさん百円硬貨が入った袋(破れて中身が散乱している)、手鏡 水銀燈の首輪、水銀燈の羽、デリンジャー(2/2)@現実、 首輪探知機@オリジナル、 千銃@ブレイブ・ストーリー~新説~、基本支給品、 ブーメラン@バトルロワイアル 、レミントンM870(8/8) 、レミントンM870(7/8) レミントンM870の弾(16発)、 神業級の職人の本@ローゼンメイデン、めぐのカルテ@ローゼンメイデン [思考・状況] 基本行動方針:アリスゲームを守る。そのために影の男を殺す。 1:闘う。 【備考】 ※参戦時期は死亡後です。 ※リュウガのカードデッキは破損しました。 ※ローザミスティカと深く通じ合えば思い出すという形で記憶の継承ができます。 それ以上のなにかもありえるかもしれません。 ※ブレイブ・ストーリー~新説~側の事情をだいたい把握しました。 ※ジュンの裁縫セットは壊れました。 ※ジュンの技術を修得しましたが本人ほどの異常な才能はないので技量は劣ります。 ※小四郎の忍術を修得しました。 ※今の桐山では”願い”インストールに耐えることができません。 もし強行すれば桐山は”七原秋也”になります ※コトは死にました。 ※白髪鬼のアイテムはいくつかキクが持っています。 【レオナルド・エディアール@WaqWaq ワークワーク】 [状態]:壊れた心は記憶と赤き血で癒され、 親友との明日を取り戻し、 胸に抱くは翠の「安らぎ」と鉄の「勇気」、 雛は卵を割って祝福を運び、 蒼と白の装甲は暴食の顎、 背後に従えるのは神の武具の再現、 赫炎のジャバウォック、 スケアクロウは賢人を砕いて進む@ロワイアル×ロワイアル [装備]:アシャ×アールマティ×カントリーマンの玉×翠星石のローザミスティカ×蒼星石のローザミスティカ×雛苺のローザミスティカ×仮面ライダー龍騎(SURVIVE) エディアール家の刀@waqwaq [道具]:基本支給品一式 [思考・状況] 基本行動方針:走り続け、『世界』を広げよう 1:闘う。 ※由乃の返り血を浴びています。 小さな勇気の物語 投下順 いつか巡りあう君へ 小さな勇気の物語 時系列順 いつか巡りあう君へ たった一度与えられた 命はチャンスだから ヨキ GAME OVER レオナルド・エディアール いつか巡りあう君へ 桐山和雄
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黄金のご馳走 依頼主 :ダストマン789 ボ・ブ(外地ラノシア X21-Y17) 受注条件:レベル48~ 概要 :第789洞穴団の採掘地のダストマン789 ボ・ブは、欲しいものがあるようだ。 ダストマン789 ボ・ブ 「ワガハイ 声を大にしーて いいたいのであーる。 ゾ・ガの手下たちーが 羨ましいーと! ゾ・ガの手下に なりたいのではなーい! 奴らが喰っているメシが 気になるのであーる! いいもの喰ってるーに 違いないのであーる! しかーしヤツーラ メシを大事に 「第13洞穴団の金壺」に隠しておーり ワガハイたちにーは 見せもしないのであーる! 悔しいーが ワガハイでは金壺を開けるどころーか 近づくこともできないのであーる・・・・・・。 されーどワガハイ ひとつ手がかりを耳にしたのであーる! 「アルケミスト13 ガ・ジ」・・・・・・アヤーツこそ鍵。 どうも 金壺についーて 知っているようなのであーる。 アヤーツに 詳しい話を聞いてみるのであーる。」 ダストマン789 ボ・ブ 「「アルケミスト13 ガ・ジ」に話を聞いーて 「第13洞穴団の金壺」の中身を ワガハイに よこすのであーる!」 アルケミスト13 ガ・ジと話す アルケミスト13 ガ・ジ 「「第13洞穴団の金壺」を 開けるーの? あれーは とても大事なもーの。 開けるーの 結構大変だーよ? 開けるためーの 「金壺の鍵」は 「くすんだ大壺」に入ってて 隠されてるーよ。 「ウ・ガマロ武装鉱山」を隅々 探すことだーね。 たしーか 「くすんだ大壺」には 見張り番いるーよ。 そいつやっつけないーと きっと開けられなーい。 それーに 「第13洞穴団の金壺」も 「ウ・ガマロ・ガーディアン」が 守ってるはずーよ。 やっつけないーと 落ち着いて開けられないーよ。」 アルケミスト13 ガ・ジ 「「第13洞穴団の金壺」を 開けるにーは 「金壺の鍵」が 必要なのーよ。 どこかーに 隠されていーる 「くすんだ大壺」に入ってるけーど 見張り番いるかーら やっつけないーと ダメだーよ。」 くすんだ大壺を調べて13オーダー・パトロールマンを討伐 (13オーダー・パトロールマン 「このカギ わたさなーい!」) くすんだ大壺を開けて金壺の鍵を入手 第13洞穴団の金壺を調べてウ・ガマロ・ガーディアンを討伐 第13洞穴団の金壺に金壺の鍵を使い蠢く物体を入手 ダストマン789 ボ・ブに蠢く物体を渡す ダストマン789 ボ・ブ 「とってきたのであーる? さすがオヌーシ! でかしたのであーる! ワガハイに 中身をよこすのであーる!!」 (蠢く物体を渡す) ダストマン789 ボ・ブ 「こ これーは・・・・・・なんと「黄金ミミズ」!? 全コボルド族垂涎の 食材なのであーる!! ・・・・・・ムシャムシャ・・・・・・ウマイ ウマイのであーる! 信じられんのであーる! こんなウマイものーを 独占しておったなーど・・・・・・ ゾ・ガの一味を ますます許せなくなったのであーる!!」 金壺の鍵:第13洞穴団の金壺の鍵 蠢く物体:ウネウネと動く金色の物体
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あらすじ タケルらが乗った列車が向かっていた鉄橋が爆発。 黄金バットのシルバーバトンが急を知らせたため、列車は難を逃れたが、タケルはナゾーに捕らえられ、基地に連行される。 ナゾーは列車に積まれた金の延べ棒を奪い、基地の建設に使おうとしていたのだ。 さらに、魔女オセロの力を借り、黄金バットのライバル、暗闇バットを死の国から甦らせる。危うし、黄金バット!
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黄金の羅針盤 ~翔洋丸桑港航路殺人事件~ 1990年発売 (リバーヒルソフト) ストーリー 太平洋上を順調に航海する豪華客船・翔洋丸。 その船の甲板にある樽の中から、白骨死体が発見された。 航海中の客船を舞台として巻き起こる殺人事件に、私立探偵・籐堂龍之介が挑む。 操作方法 コマンド選択式 作品解説 藤堂龍之介(1920)シリーズ第二弾 関連項目 藤堂龍之介(1920)シリーズ 琥珀色の遺言 外部リンク 配信サイト(有料) レトロゲーム総合配信サイト プロジェクトEGG (PC-9801版) 攻略サイト おいら的あの頃ゲーム(あの頃ゲーム・エッセイ)
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