約 241,205 件
https://w.atwiki.jp/orzblog02/pages/3.html
更新履歴 取得中です。 ここを編集
https://w.atwiki.jp/orzblog02/pages/2.html
メニュー トップページ プラグイン紹介 メニュー メニュー2 リンク @wiki @wikiご利用ガイド 他のサービス 無料ホームページ作成 無料ブログ作成 2ch型掲示板レンタル 無料掲示板レンタル お絵かきレンタル 無料ソーシャルプロフ ここを編集
https://w.atwiki.jp/animalrowa/pages/173.html
それは不幸な出会いなの? ◆w2G/OW/em6 満月の下、夜空に舞う小さな影が一つ。 (おおおおお落ち着けッ! 落ち着くんだ俺~~~ッ!) 支給されたバイオリンに乗って空を舞って、ひとしきり騒いだ後。 パニックだったチョッパーの心には、ようやく状況確認をする余裕が出来ていた。 (こ、こういう時は……えーと……そうだ、ウソップが前言ってたぞ! KOOLになるんだ! KOOLに……KOOLになるんだ! チョッパー!) 仲間が言っていた(ちょっとうさんくさい)言葉を思い出し、未だ飛び跳ねる心臓を無理矢理落ち着かせる。 (このバイオリン……空島の貝みたいなのが入ってるんじゃないのか? きっと袋から出した時にスイッチか何かを触っちゃったに違いない。もう一度スイッチを探せば…… よし大丈夫! なんとか地上に戻れそうだ!) 心の中で適当に考察をして、地上へ降りる方法を考える。 ―――彼とて数々の戦いをくぐり抜けてきた麦わらの一味の一員である。 元々臆病な性格ではあるが、落ち着くことさえ出来れば場への順応の速さはそれなりのものだ。 少しだけ希望を見出したチョッパーは、着地場所を見つけるべく眼下を見下ろす。 黒々とした夜の海が広がっていた。 「…………。」 数秒後、自分の置かれた新たな状況を理解して。 満月の下、絶叫を上げながら夜空に舞う小さな影が一つ。 ◇ 薄暗い室内に、一瞬だけ眩い光が満ちる。 「……む?」 光が収まり、部屋の中で怪訝な声を上げた人物の姿が露わになる。 違和感に顔をしかめたのは、筋骨隆々とした体型と、それに微妙に不釣り合いな獣耳と尾を持つ男性……人間の姿に変身したザフィーラ。 シエラとの戦闘にて痛手を負った彼は、怪我の手当をする為にE-2南の保健所へと来ていた。 保健所には僅かながら医療道具があり、応急処置程度なら十分できそうだったのだが……獣の姿のままでは消毒どころか包帯を巻くことすらできない。 その為、魔力の消費を抑える獣形態から人間形態へと変身したのだが…… (魔力の消費が大きい……?) 変身する瞬間に感じた魔力の負荷、それが普段変身する時と比べると異常なまでに大きいものであった。 同時に感じた強い違和感……魔力の流れを感じるに、原因は枷として嵌められた首輪か。 (恐らく獣に戻る時の負荷も同じ様なものだろう。 この分だと、魔力を回復しなければ3、4回が限度……あまり頻繁には姿を変えられんな) キュウビの元へ至る手段よりも、まずは首輪を解除する方が先決と考え直す。 その為にはまず別の首輪を手に入れ、構造を調べる必要がある。 死体から手に入れるか、もしくは殺し合いに乗った者から奪うか……後者の方法は出来れば取りたくはない。 いかに殺し合いの場であれど、相手が他者への殺意を持っていたのであれど。 彼の主がそれを良しとする事はないのだから。 「まあいい、とりあえずは怪我の手当てを……」 わざわざ人間の姿に変身した理由を思い出し、あらかじめ収集していた医療品を手に取る。 集めたそれは薬だけでもいくつもの種類があり、薬とは縁の無いザフィーラにはどれが何の薬だかさっぱり見当がつかない。 まずは傷の消毒だろうか、治療などはシャマルの領分だからよく分からん……と慣れない事に考えを巡らせていた矢先。 ―――ぎゃあああああああああああああああああ……… 確かに聞こえた悲鳴に、耳がぴくりと動く。 (……近いな) 欲を言えば左前足(変身した今は左腕だ)の手当てだけでもしておきたかったが、見過ごす訳にもいくまい。 包帯を雑に巻いて血止めだけし、窓から外へと飛び出す。 警戒しつつ辺りを見回す。悲鳴が聞こえた方角には………海。 (空を飛べるのか、それとも海を泳いでいるのか……) 泳ぎの最中であんな大声が出せるとはあまり思えない。おそらく翼を持つ鳥の類か、自分の様に魔法を使う者だろう。 再び戦いになることも考慮しつつ、ザフィーラは地を蹴る。 満月の下、夜空を駆ける影が一つ。 ◇ (だっ、だから落ち着くんだ俺ーーーっ! また慌ててどうするんだ! KOOLに! KOOLになんなくちゃ!) 海上に出てしまったことについてもひとしきり騒いだ後。 再びチョッパーは、なんとか状況確認ができる程度の落ち着きを取り戻していた。 (今進んでる方角は、多分北か東かのどっちかだ。 地図ではどっちの方角にも陸はあった……つまり無理に方向転換せず、このまま直進していれば陸に辿り着ける! な、なんだ……そんなに慌てることもないじゃないか……あはは……) 少しだけ安堵して前を見る。 前方には、彼が予想していた通り陸地が見えていた。 そして、その陸地からこちらに飛んでくる立派な体格の男も見えていた。 (え……えーーーーーっ!?!?) 思いがけない事態にバイオリンの上で手足をわたわたと動かす。 バランスを崩しかけ、慌ててしっかりとバイオリンに掴まりなおす。 ここは海の上……落ちたら最後、悪魔の実の能力者である自分は溺れ死ぬしかないのだ。 いやそれよりも、目の前の光景をどう説明しよう。 (あ、あいつ空飛んでる……悪魔の実の能力者か? でも犬っぽい動物の耳生えてるけど、イヌイヌの実じゃあ空なんか飛べないぞ!? 二つ以上の能力者はいないし……じゃあどうして……?) 「……さっきの悲鳴はお前か?」 自分にかけられたらしき声にハッとする。 いつのまにか、獣耳の男がすぐ近くまでやって来ていた。 ……方法は分からないが、バイオリンに乗ってけっこうな速度で飛んでいる自分と平行するように飛んでいる。 「ぎゃああああああああああああ!?!?」 思わず絶叫。 突如上げられた大声に空中で男が飛び退き驚いた顔でこちらを見た。 その間バイオリンは飛び続け、距離はすぐ開いていく……が、チョッパーからすればそんなこと気にしている場合ではない。 (お、落ち着け! ただの動物系の能力者の人間なだけかもしれないじゃないか! 動物と間違えられて連れてこられただけで…… 飛んでるのは、空島の神官みたいに足の裏になんか付けてるんじゃないか? うん、きっとそうだ……そうに違いない!) 「おい……! 待て……!」 首を巡らせて後ろを見れば、獣耳男がこちらへと飛んできている。 わざわざ声をかけてきているという事は…… (殺し合いには……乗ってないかもしれない? うん、きっとそうだ! そうに違いない!) もしかしたら仲間になってくれるかも……と、淡い期待を抱きながらバイオリンを掴みなおし。 ―――蹄の形をした手がバイオリンの弦に触れ、小さく音が鳴る。 バイオリンから出ていたジェット噴射が、ピタリと止まった。 「………え?」 直後―――バイオリンはチョッパーを乗せたまま重力のままに落下し始めた。 「ぎ……ぎゃあああああああああああーーーーーっ!?!?」 「………おいっ!」 絶叫を上げ落ちていくチョッパーに、追って来ていた獣耳男が助けようと手を伸ばす。 しかし……その声も、その光景も、『海に落ちる』という危機に、パニックが頂点に達しているチョッパーには届いていなかった。 (な……何でだ?何でいきなり止まっちゃったんだ!? は、早く!早くまた飛ばないと!海に、海に―――――ッ!) 手当たり次第にバイオリンのあちこちをいじる、早く早くと急かす声ばかりが頭の中に響く。 ―――――♪ めちゃくちゃに触った弦が、小さく音をたてた。 (ん?) 音楽に精通している者が聞けば、奏でられた音が『レ』であったと分かっただろう。 しかし、音が何の音だか分からずとも……オリンの作ったバイオリンは、魔器としての性能を発揮する。 『ジ』はジェットのジ、『ミ』はミサイルのミ、『ド』はドリルのド、そして『レ』は…… 「……バイオリンが、光っ――――?」 バイオリンから突如放たれたレーザー……その閃光が獣耳男を直撃した。 小さな爆発が起こり、その姿が爆煙にかき消される。 (な……何なんだ今の……? バイオリンから……ビーム?) 連続して起こる突然の出来事。 だが、思考はぼんやりと目の前で起きた出来事を考察していた。 (俺がバイオリンを触って……そしたら、ビームが出て……あれ? ってことは……俺が……あいつを……撃っ……?) 思考が結論に辿り着く寸前。 ドシンと背中に強い衝撃が走った。 ◇ 「な、なんだここ……」 自分が落ちたのは、海の上にせり出した細い鉄橋の上だった。 両脇に鉄の線が引かれ、木の板が一定間隔に並んでいる……つまり。 「線路?」 口に出してから思い出す。 最初に自分がいた離れ小島のような部分と、本島とでも言うべき大きな陸地の間には電車が通っている……そう地図に記されていたはずだ。 もといた場所からは北に進んでいたらしい……それよりも。 「あ、危なかった……海に落ちたら俺、終わりだもんな……」 改めて自分は運が良かったと思い、胸をなで下ろす。 とはいえ、ここでじっとしている訳にもいかない。いずれ電車が来たら、轢き殺されるか海に落とされるだけだ。 早いとこ陸に向かおう、バイオリンを持ち直し…… ごとり、と。 大事なことに気づいてバイオリンを取り落とした。 (あ、あいつ……あの空飛んでた獣耳男ッ!あいつは、あいつはどこにいったんだッ!?) 慌てて周囲を見回す……自分のように、線路の上にはいない。 空を見上げる……ただ月と星があるばかり。 (じゃあ……海に? あいつ、海に落ちたのか!?) そっと線路から身を乗り出して暗い海を覗きこむ。 分からない……月明かりでは、海などただの闇にしか見えなかった。 (あいつはきっと動物系の悪魔の実の能力者。海に落ちて無事でいられるはずがない。 溺れてるなら、水の音ぐらい聞こえそうだけど……まさか、もう沈んで……!?) だとしたら……自分には、もうどうしようも出来ない。 溺れた人に対する処置なら分かる。しかし溺れている人を救う事は、能力者でありカナヅチである自分には出来ないのだ。 (俺の……俺のせい? 俺が、バイオリンでビームを出して…… そのせいであいつ、海に落ちて……?) 傍らに転がっているバイオリンを見る。 初めて見た時は綺麗で立派な物に思えたそれが、いまは得体の知れないモノに見えた。 「う、わ」 認めたくなかった。 故意ではないとしても、自分のしたことから目を背けたかった。 「うわああああああああああああああああああああ!!!!!」 気がつけば、チョッパーは駈け出していた。 あの得体の知れないバイオリンから、少しでも遠ざかりたかった。 自分のせいで誰かが死んだかもしれないなんて……そんな事、もう『二度と』したくなかった。 【F-2/海上の線路/一日目/黎明】 【トニートニー・チョッパー@ONE PIECE】 【状態】強いパニック、罪悪感 【装備】なし 【所持品】支給品一式、不明支給品0~2(未確認) 【思考】 基本:殺し合いからの脱出、可能ならキュウビの撃破 0:とにかくバイオリンから遠ざかりたい 1:仲間を集める ※参戦時期は少なくともフランキーを仲間にしてからです。 ※ザフィーラ(名前は知らない)を動物系悪魔の実の能力者と誤解しています。また、自分のせいで海に落ちてしまったと思っています。 (………行ったか) 頭上を何者かが走る音を確かめ、ザフィーラは『鉄橋の下から』顔を出す。 海の上を走る電車用の鉄橋は、海上とは1mほど上に位置している。 彼は今までその鉄橋の下に潜み、上にいる小さなトナカイ……チョッパーの動向を窺っていたのだった。 飛行魔法を解除し鉄橋の上に降り立つと、そこに置かれたままだったバイオリンを手に取る。 (見たところ魔力の反応はしないが……バイオリンからレーザーとは、どんな仕掛けになっているのやら。 とっさの障壁で防げる程度の威力だったは助かったがな……) 一応持っていくか、とデイバックへバイオリンをしまう。 (しかし……あの様子を見るに、あの鹿の様な獣は殺し合いには乗っていないのか?) ザフィーラが鉄橋の下に身を隠していた理由。 それは、チョッパーが殺し合いに乗っているか否かを確かめる為。 脅えた様な動向を見せていたとはいえ、いきなり砲撃を受けた以上……脅えが演技だった可能性も否定はできなかった。 それを確かめるべく、レーザーを防御した時の爆煙に生じ、様子を窺っていたのだが…… (あの様子だと、本当に脅えているだけのようだな。 ……少し酷な事をしてしまったようだな) 警戒はするに越したことはなかったのだが……やはり、少々罪悪感が浮かぶ。 (追いかけて……落ち着いた頃を見計らって、事情を話すか) 見ると、あの鹿の姿は随分と遠くまで走り去っていた。 (速いな、追いつくのには骨が折れそうだ) 走るよりも飛んだ方が速い……ザフィーラは地を蹴り、再び夜空を駆ける。 彼が用心のために取った行動が、走り去るトナカイの心にどれほどの傷をつけたのか……その事に、気付かぬまま。 【F-2/海上の線路/一日目/黎明】 【ザフィーラ@魔法少女リリカルなのはシリーズ】 【状態】:人間形態、疲労(小)、魔力消費(中)、左前足(左腕)に裂傷(包帯で止血) 【装備】:なし 【所持品】:支給品一式(不明支給品1~3)、ブロンズハチェット@聖剣伝説Legend of Mana、ハーメルのバイオリン@ハーメルンのバイオリン弾き 【思考】 基本:キュウビの打倒。殺し合いからの脱出 0:チョッパーを追いかける、落ち着いたら事情を説明し謝罪。 1:アルフ、ユーノの捜索 2:殺し合いに乗っていない動物の保護 3:シエラを警戒。可能なら説得する? ※参戦時期はAs本編終了後、エピローグ前です。 ※シエラが別の参加者のために殺し合いに乗ったと知りました。 ※チョッパー(名前は知らない)は、殺し合いには乗っていないと判断しました。 ※変身の際の制限に気付きました。変身する時の魔力消費は休憩しなければ3~4回程度と考えています。 ※E-2保健所内の医療品は一室に集められています。 ただし集めたのがザフィーラなので、医療とは関係ない物が混ざっている可能性もあります。 時系列順で読む Back 勘違いの産物 Next Train Train Runnin 投下順で読む Back 勘違いの産物 Next Train Train Runnin 017 好奇心は身を滅ぼす トニートニー・チョッパー 048 Beyond the Sword 013 終端の宴と異世界の騎士 ザフィーラ 048 Beyond the Sword
https://w.atwiki.jp/orzblog02/pages/9.html
関連ブログ @wikiのwikiモードでは #bf(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するブログ一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_161_ja.html たとえば、#bf(ゲーム)と入力すると以下のように表示されます。 #bf
https://w.atwiki.jp/orzblog02/
@wikiへようこそ ウィキはみんなで気軽にホームページ編集できるツールです。 このページは自由に編集することができます。 メールで送られてきたパスワードを用いてログインすることで、各種変更(サイト名、トップページ、メンバー管理、サイドページ、デザイン、ページ管理、等)することができます まずはこちらをご覧ください。 @wikiの基本操作 用途別のオススメ機能紹介 @wikiの設定/管理 分からないことは? @wiki ご利用ガイド よくある質問 無料で会員登録できるSNS内の@wiki助け合いコミュニティ @wiki更新情報 @wikiへのお問合せフォーム 等をご活用ください @wiki助け合いコミュニティの掲示板スレッド一覧 #atfb_bbs_list その他お勧めサービスについて 大容量1G、PHP/CGI、MySQL、FTPが使える無料ホームページは@PAGES 無料ブログ作成は@WORDをご利用ください 2ch型の無料掲示板は@chsをご利用ください フォーラム型の無料掲示板は@bbをご利用ください お絵かき掲示板は@paintをご利用ください その他の無料掲示板は@bbsをご利用ください 無料ソーシャルプロフィールサービス @flabo(アットフラボ) おすすめ機能 気になるニュースをチェック 関連するブログ一覧を表示 その他にもいろいろな機能満載!! @wikiプラグイン @wiki便利ツール @wiki構文 @wikiプラグイン一覧 バグ・不具合を見つけたら? 要望がある場合は? お手数ですが、メールでお問い合わせください。
https://w.atwiki.jp/jewelry_maiden/pages/228.html
https://w.atwiki.jp/sinsougou/pages/1364.html
第1編シン・アスカパート 日中の太陽から照り付ける日差しが、人で賑わう波止場を照らす。 ドルファン王国が招集した大量の傭兵を始めとする様々な人間が入国し、港とその周囲は喧騒に包まれていた。 「まあ、なにはともあれ、ようやくドルファンに着いたんだよな。」 騒ぎ合う人ごみの中を通りながら、黒髪赤眼の男、シン・アスカはため息交じりに呟く。 上着は青を基調とした首周りが緩めの立襟に、下は黒のズボン、というこの国の傭兵としては標準的な制服をその身にまとった男である。 一見すると独り言のようだが、あいにく彼にそのつもりはない。 シンが言葉を向けた先は、その頭のすぐ上を浮遊する羽を生やした妖精モドキだ。 それは言うなればおとぎ話にでてくるような存在。 赤い翼を背中に生やし、少女の形をしながらも身の丈は手のひらに収まる程でしかない『それ』は、 シンの頭の少し上からこちらを見下ろしている。 「ええ。色々ありましたが、ここまでくれば一安心ですね、主様。」 『それ』の口から響いたのは活力に満ちた、それでいて良く通る美しい声。 それでそいつがシンに答えた言葉のうち、『色々』という部分について思いを巡らせてみると、 思わず彼は軽い眩暈を起こしそうになった。 「どうなさったのですか? 主様。」 訝しむように問うてくる妖精モドキ。 それに対して、主と呼ばれた赤眼の男は少し物憂げに答えた。 「これまでの事を思い返してたのさ、よくあんなに無茶をしたもんだって。」 そんなシンの様子を見て、妖精モドキは何やら得心が行ったとでもいうかのように、うんうんと何度も頷く。 「まったくです。私が説明して差し上げたどうやら異世界に転移したらしい、という事実をどうしても信じられず、 船中を右往左往した挙句、文明度や様式の違いから信じざるを得なくなり、 船がドルファン傭兵志願者をたくさん乗せた便だった事から成り行きで傭兵志願者、って事にしたんですよね。」 「仕方ないだろ。あの時はああするしかなかったんだから。」 シンは斜め上を飛ぶ妖精モドキに嘆息しつつ釈明した。 無論、彼にも言い分はある。 「大体な、俺だってそんなすぐに信じられるわけがないだろ? 目を覚ませば知らない場所にいて、いきなり異世界に転移したみたいです、とか見知らぬ女の子に言われて、しかもその女の子は自分の事をMSだなんていうんだから。」 「あの時はショックでした……。主様ったら私が言う事を全く信じてくれないんですから。」 シンの言葉に対し、何やら宙に浮かぶ妖精モドキはプラチナブロンドの髪を振りながら、ヨヨヨ、と嘆くような仕草を見せる。 「当たり前だろ、MSがいきなり人間になったとか言われて、信じられるわけがないさ。 ……まあ、目の前で妖精形態に変化されたり、その状態で光の翼を展開されたりしたら、さすがに信じざるをえなかったけどな。」 その時の情景を思い出しつつ、心なし憮然としながらシンは答える。 あれだけの光景を見せられれば、シンとしてもとりあえず人外の存在である事は認めざるを得なかった。 そして彼女が妖精形態に変化したとき、その背中に光の翼があった事も相まって、 全体的な配色がかつていた世界における愛機にどことなく似ている事を感じさせた。 ZGMF-X425デスティニーに。 濃いブルーを基調とする、ゆったりとした女性用の長袖上着に、穏やかな白色の長スカートをまとったその姿は、 等身大になってみると、印象的なプラチナブロンドと金の瞳、涼やかな目元と美貌が相まって、どこか良家のご令嬢かと感じさせる。 「……無論その中身は大きく違うんだけどな。」 「主さま、何か私に失礼な事を考えてません?」 思わず考えの末尾を口に出していたシンに、空中の妖精モドキはジト目で聞いてきた。 「な、何でもないさ。」 「本当ですか~?」 「ああ、本当だよ。とにかく、これからもよろしくな、運命。」 黒髪赤眼の男は元愛機の追求をかわし、その名前を呼んで強引に会話の流れを断ち切った。 よく晴れた日差しの中、シンは片手に地図を広げながら運命と一緒に今いる街、ドルファン王国の首都であるドルファン首都城塞内を歩く。 無骨なハイテク建築資材によって街並みが彩られるプラントと違い、辺りでは所々に煉瓦を使用したレトロな感じの建物が立ち並び、 移動手段としては自動車を始めとするメカニック製品ではなく、大地を蹄で打ち付ける音を響かせながら疾走する馬車の姿があちこちで見受けられた。 まさに異世界、と呼ぶにふさわしい光景である。 地球の歴史もCEから遥かに遡ってみれば同じような風景があったのかもしれないが、そんな事はシンにとってはなんの慰めにもならない。 あるいは歴史学者を志望し、タイムスリップを夢見る人間であったなら、今自分がいるのは狂喜する情景であるのかも知れず、 あまり歴史に関心のないシンとしては、出来ればそういう人間と立場を交換してもらいたい気分だった。 「思えば遠くにきちゃったんだな……。」 「何をたそがれているんですか、主様。」 逃避しかかった心は、上空の妖精モドキからの突っ込みで無情なる現実に引き戻された。 出入国管理局のチェックがあった港を抜け、今シン達が目指しているのは、この国に雇われた傭兵達が住む事になる宿舎である。 なんでも、この国ドルファンは現在隣国の内陸国プロキアと戦争状態にあり、戦力の増強の為に傭兵を世界中から招集したらしい。 戦功目覚ましき者は騎士に叙する、という破格の条件までつけて。 騎士制度にはうるさいとされるドルファン王国をして、このような措置をとらせた背景には、 相手のプロキア側に味方した一つの傭兵騎士団の存在があった。 それこそがこの世界の西洋圏でも最強と誉れ高い、傭兵騎士団ヴァルファヴァラハリアンである。 彼らはプロキアに雇われるや否や、ドルファン王国の国防前線拠点ともいえる、国境都市ダナンを即日で陥落させ、 その精強さを否応なく見せつけた。 震えあがったのはドルファン王国の首脳部である。 本来なら堅城として知られるダナンで敵を防ぐはずであったのに、それを即日で陥落させられた。 その為、国土のもともと広くないドルファンは首都城塞に至るまでの防衛拠点を失い、首都に敵を寄せ付けない為には野戦で迎え撃つしかなくなったのだ。 それは最強と噂高い傭兵騎士団を擁するプロキア軍に対し、真っ向から挑む事を意味していた。 かくしてドルファン王国は戦力の増強の為、なりふり構わず傭兵の招集に乗り出す事になったのである。 「なったのである!」 「いきなりなんだよ、運命。」 「いえ、こういう時は力強く締めるのがいいかと思いまして。」 「なんなんだよ、それ。」 ちなみに、運命は妖精形態になるとシン以外の者には見えなくなるので、 周囲から何もない所に話かける変質者と見られない為にも、会話に関しては周囲に対する細心な注意が必要であったりする。 しかしながら、運命のこの妖精モドキの姿が他の者に見えた場合、それはそれで厄介な事になるのは必然な為、 シンとしては心に折り合いをつけざるをえなかった。 シンは何やら充足した顔の運命を半眼で見やりつつ、とりあえず思う所を口に出した。 溜息の発生と同時に。 「しっかし、こんな世界に来ても戦争はあるんだな。 世の中なんてどこも変わらないのかよ。」 「まあそうおっしゃらずに、主様。 おかげで主様のようにこの世界では縁もゆかりもない人間であっても、 衣食住が保証されるばかりか、出世の可能性まである道があるのですから。」 「そういう問題じゃないだろ、運命。」 シンは腹立たしげに足元にあった小石を蹴飛ばす。 そう、何の事はない。 ほかならぬシン自身もそのドルファン王国の傭兵の一人であり、戦争の当事者になるのだから。 あらためてシンは自身が身にまとうものを見返す。 それはザフトレッドをあらわす赤服ではなく、青を基調とした首周りの緩やかな立襟と黒のズボン。 この国の傭兵となった者が支給される標準的な制服。 乗っていた船がドルファン王国への傭兵応募者達を大量に乗せた船だった事から、成り行きでシンもその中に紛れた。 傭兵になれば衣食住が保証されるという話は、この世界では根無し草にすぎないシンにとって魅力的なものであったし、 そうとでも言わずにいれば下手したら密航者として裁かれる可能性もあった。 だとしても、こんな異世界に来てまでも戦争をする事の不快さを全て飲み干せたわけではない。 異世界に来てしまった事に対する戸惑い、もとの世界には容易に帰れないかもしれないという落胆、 縁もゆかりもない異世界でただ己の生活の為に戦争をしなければならないという状況に対する不満、 それらがシンの中で苦い感情のミックスジュースを構成し、その不快な味わいは容易に飲み干される事なく胸中にわだかまる。 簡単には割りきれそうにない感情の中、シンは思わず言葉で不快さを吐きだしていた。 「こんな世界に来ても戦争か。正直やってられないな。」 そう言いながらシンが街中の十字路を通り抜けようとしたその時だった。 「きゃっ!」 不意にシンの身体に衝撃が走り、女の小さな悲鳴と物音が聞こえる。 思わずその方向を向くと、うずくまる一人の少女の姿が見えた。 年のころなら、シンと同じくらいだろうか。 学生らしき服装の、黒髪を三つ編みにした少女。 その顔はいまだ地に伏せられ、表情を伺うこともできない。 「おい、あんた大丈夫か?」 心配になったシンは思わず手を差し伸べる。 すると、目の前の少女の顔が不意にあげられた。 そしてシンの視界に、人形のような端整な顔立ちに、何かを見通したような静かな赤瞳の眼差しが現れる。 シンと同じ赤の瞳でも、少女のそれはまるで高級な宝石のように沈着な輝きを放ち、 端整な顔立ちとあいまって、どこか大人びた美しさを感じさせた。 その姿にシンは思わずみとれ、少年と少女、二人の赤瞳が一瞬の間、無言のまま重なる。 やがて三つ網の少女は、シンの格好を見て不意に視線をやや細めた。 「あなた……傭兵?」 空気を静かに通り抜けていくような、落ち着いた声で少女はシンに問う。 「あ、ああ。」 意識をあわてて現実に引き戻し、少年はその問いを肯定する。 そうしながらも、シンは内心で自身の胸の鼓動が早くなっている事に戸惑っていた。 408 :みつナイ出番創出委員会:2010/09/15(水) 21 58 16 ID HWxoSu2A 返答を受け、少女は小さく頷くと再び口を開く。 「私はライズ・ハイマー。できれば、あなたの名前を教えてもらいたいわ。」 「俺は……シン、シン・アスカだ。」 少女の問いに対する答えが、自然にシン自身の口から流れでた。 その時、少女に向けて差し伸べたままになっていたシンの片手の掌に、不意にやや固めの感触が感じられた。 視線を下げた先にあったのは赤い革手袋に包まれたライズの掌、それがシンの差し伸べた手をとっている。 黒髪赤瞳の男は、その手を我知らず自然に握り返していた。 それは永遠ならざる生を歩む二つの存在の邂逅。 異なる世界に生き、異なる道を進んでいた二人の、本来はありえなかったはずの出会い。 それが互いにどのような未来をもたらすのか、小さな二人はいまだ知らぬまま。 「そう、シンっていうの。」 二人の視線を重ねたまま、三つ網の少女が、静かに少年の名前を復唱する。 今ここに二つの運命が交錯した。 第2話へ
https://w.atwiki.jp/ff11_gameproject/pages/41.html
主人公名前未定の為、○○に。 シーフの名前は史布代(仮) ひとまず担任はシャントット。 主人公はまだ転校してきたばかり、という設定にしてある。 学園の校門が閉まるまであと五分。 俺が今走っている位置から学園までは…走って、およそ7分ちょい…。 「くそっ!朝から全力ダッシュかよ――!」 普段いつも仕事をしてくれている目覚ましが、今日に限ってストライキを起こしやがった。 つかえねぇ目覚ましだ、おかげで朝飯食う時間が無かったじゃねぇか。 つっても、いつも朝飯食う時間が無いのは言うまでも無いが。 「寝、寝起きに全力でダッシュは…きっついな…ハァ…ハァ…」 そこの角を曲がれば、あとはひたすら真っ直ぐだ。 ――ギリギリだが、なんとか間に合いそうだな…。 (SE)何かにぶつかった音 ドンッ! 角を曲がった瞬間、何かが後ろからぶつかった。 「い、いてて…」 何かが後ろからぶつかってきたおかげで、顔を電柱に強打した。 「ごめんごめん、大丈夫?急に出てきたから避けられなかったよ」 「あ、あぁ…鼻が強烈にいてぇけど、なんとか大丈夫だ」 と、言いながら後ろを振り向いたら…そこには青い髪の女の子がいた。 「そう?良かった良かった。綺麗に顔面から電柱にぶつかったからさ~ 心配したよ~」 心配してると言ってるわりには、随分口調が軽いのが気になるが、まぁいいか…。 「そっちこそ大丈夫か?見た感じ、怪我はしてねぇみたいだけど」 「うん、私は大丈夫。って、同じクラスの○○君だよね?」 どうも見覚えがあると思ったら、同じクラスの奴だったらしい。 「そうだけど…えっとキミは、同じクラスのー…えーっと…」 「史布代だよ。席離れてるから、話す機会あんまり無かったもんね、しょうがないよ」 あぁそうだった、そういえばそんな名前だったな。 「すまん、まだ顔と名前が一致しない奴が多くてさ」 「あー。転校してきたばっかりだもんねー、すぐに覚えちゃうよ みんな個性強いからさー、あはは」 確かに、クラスの奴らは個性強いな。 「あ、そうそう…曲がり角は注意しなきゃだめだよ? 車がスピード出して走ってきたら危ないし」 そんなことを、俺を轢いた本人が言うのはどうかと思うが…。 「どう考えてもそれは俺の台詞だろ…」 あぁ、そういえば何か忘れてるな。 「あーっと…もう行かないと、学園送れちゃうよ?」 「やべ…遅刻寸前だったんだ!」 校門がが閉まるまで…あと1分!?無理だろ、どう考えても…。 「それじゃ、おっさきに~!」 女の子は軽快に学園までの道を走っていった。 「お、おい!って、はやっ!!」 「あーあ、完全にアウトかよ」 校門の前で風紀委員の不二子さんが仁王立ちしているのが見える。 「あ、あー…不二子さん!おはようございます!今日も綺麗ですね!」 不二子さんの鋭い眼光が突き刺さる。 「最近、ここで良く会うな」 「そうですねぇー、奇遇ですねー…そ、それじゃ!」 爽やかな笑顔で不二子さんの横を通り過ぎようとすると、肩をつかまれた。 「おい、貴様…他に言う事があるんじゃないか?」 「え、えーっと…愛してます!」 「!?」 ――よし、不二子さんが硬直してる!行くなら今しかない… 「それじゃあ、ホームルームに遅れるので、この辺で…」 「おい…逃がすとでも思ったのか? あのような心の篭ってない告白などで、取り乱すはずがなかろうが」 ――やっぱダメだったか…。大人しく怒られよう…。 「すいません…以後気をつけます…」 「はぁ…全く、転校したばかりといえど遅刻はしないように」 不二子から、少しづつ怒りが抜けていく。 「はい、すいません…」 「ほら、生徒手帳を出せ。担任の先生に渡しておくから、取りにいくように」 ――朝からひどい目にあったぜ…。そういえば、史布代は大丈夫だったんかな。 ガラガラー…っと教室に入る。 「あら、○○君?ワタクシのホームルームに遅れるとは…毎日良い度胸ですこと」 担任のシャントット先生が微笑んでいる。 ――そうだった…不二子さんをなんとかやり過ごしても、シャントット先生がいたんだった…。 「えーっと…すいません遅刻しました」 「謝らなくて良いんですのよ?ちょーっとモルモットになっていただくだけですから」 こりゃあ、相当怒ってるな…。 「明日は遅刻しないよう気をつけます!う、美しいシャントット先生!」 「…」 ここ数日でシャントット先生への対抗策を編み出した。おそらく…これでいけるはずだ。 「今、何と?」 「はい、『美しい』シャントット先生…と」 やたらと美しいを強調する。 「次遅刻したらモルモットですわよ。席についてよし」 「はい、美しいシャントット先生ありがとうございます」 「あー…まだ1時限目もまだだっつーのに…すげーつかれた」 朝から全力で学園まで走ってきたのと、不二子さんとのやりとり。 はてはシャントット先生への『美しい』とか…。意外とこれは体力を消費するな。 ま、モルモットにされなかっただけマシと言えばマシか。 「おっ、なんとか無事みたいだねー」 誰かと思い振り向いてみると、史布代だった。 「史布代か…史布代はどうだった?あそこからじゃ完全に遅刻だったろ?」 あの曲がり角から学園までは、一本道ではあるが…一分じゃ到底無理だ。 「ううん、ギリッギリでセーフだった。結構危なかったけどねー」 うそだろ…あそこから学園まで走って間に合ったのか? 「たしかに史布代速かったよな、あっという間に見えなくなったし」 「へへへ、手先が器用なのと足が速いのが自慢なんだー」 史布代がえっへん。と胸を反らして自慢している。 胸は平均サイズやや下くらいだな。うん。 「次からはさー、もう少し早起きしないとダメだよ」 「いや、今日はたまたま目覚ましがな…」 そう、元はと言えばあの目覚ましが原因なんだ。あの目覚ましさえ鳴っていれば――。 「えー?だってほとんど毎日遅刻してない?」 痛い所を突いてきた。しかし、朝の二度寝はヤメられそうにない…。 だって、朝の二度寝ほど気持ち良いモノなんてないだろ?そうだよな? 「え、えーーっと…あ!そろそろ一時限目始るぞ!」 教室の時計を見ると、もう一時限目の始る時間だったので、とりあえず話題を変えてみた。 「あ、ホントだ…じゃっ、またあとでねー」 「おう、またあとでな」 意見あればどうぞ
https://w.atwiki.jp/putihedora/pages/134.html
ヘドラとの一件以降、怪獣はぱったりと姿を見せなくなった。ヘドラによる自然バランスの崩壊を原因と予測した瑞穂准将の読みは正しかったようで、おかげでM機関にはつかの間の休暇が訪れた。 事後対応に追われる上層部とは違って、一般小隊などの兵士はゆったりとした時間を過ごすことができた。木の葉のさえずりが、心地よい眠りを誘う。 このところ、頻出する怪獣に碌な睡眠時間さえ取れていなかった尾崎小隊の面々。あれから一週間―――長い戦いという束縛からの解放感もあるのだが、日常から何かが抜け落ちたような脱力感が何をするにもやる気を起こさせない。 「そういえばー、ヤメタランスとかいう怪獣もいたよな」 携帯ゲーム機を弄りながら誰にでもなく話しかける信二。 「え、そうでしたっけ?初めて知りましたけど」 いつもは真面目な怜でさえ作業が手につかないようで、机に突っ伏して目蓋を重くしていた。 「いるんだよ、ふざけた顔しててさ…体中からなまけ放射能なるものを撒き散らしてるんだそうな」 「だったら、この状況はその怪獣のせいですかー? 何気に展開と文体もまた怠慢になってきてますし…」 「いや、それはない! つか、展開と文体って」 「どうしてです?」 怜があくび交じりに質問した瞬間、遠くのほうで声が聞こえる。 「うおらお前らっ! 真面目に仕事しろ!!」 あの張りのある声…熊坂教官だ。今時流行らない、見事な熱血教師。 「やだねー、あつっくるしい人は」 やれやれと首を振ってらっしゃいますが、それは先日のアナタにもいえるのではないでしょうか、信二さん。 「あ、そういや今日ゆみっちは?」 「サボって学校行きました」 「…後で雷落ちるかもな、この辺」 「そうですね…でも、学校に行くだけ立派だと思いますよ」 今更気づく。そういえば、ゆみに『休み』という日はないのではないだろうか。戦いと学校の板ばさみ。そう考えると、案外気楽そうに見えてそうでもないのかもしれない。 ―――いつか、ゆみに休日をプレゼントしようかな。いつも助けてもらっているお礼に。 きっとゆみの事だから、小さな子供にはしゃぐだろうな。いつがいいだろう 「そうだ…今度、皆でどこか行きません?海とか」 「お、いいじゃねえか!今年は特に暑いし、きっと盛り上がるだろうな! うん、れぃちんもたまにはいい提案しれくれるじゃない」 「たまにはで悪かったですね。 それより、そろそろ仕事したほうがよくないですか?」 静奈さんは瑞穂准将の手伝い、松本さんは修行とか何とか言って、どこかへ姿を消した。自分達だけ仕事をしないのでは、申し訳が立たない。 「いいっていいって、気にしなさんな。俺が許す」 「いや、気にしますよ」 「じゃ、ビール買ってきて。チューハイでも可」 「どうしてそうなるんですかっ」 ―――そういえば、どうして私は海なんて提案したんだろう…泳げないのに。 世界を紅に染める夕刻。 「はー、終わった終わった」 堅苦しい学校も放課後を向かえ、美里はんっ、と大きく伸びをした。 「今日はゆみも訓練お休みってことだし、皆でどっか行こうか」 …まぁ、お休みが嘘だってことはわかってるんだけど。ゆみは嘘をつくとき、左肩をさする癖がある。大方、訓練か何かが嫌になって抜け出してきたのだろう。それにしても、そういった癖というのは、本人にはわからないものである。 「…どうかしたの、ゆみ?」 返事のないことを不思議に思って振り向くと、ゆみはしゃがみこみながら必死に鞄の中を覗き込んでいた。 「え、あ、いやなんでもないよ」 ほら、またさすってる。 「困ってるなら言ってよ。いつからの付き合いだと思ってる?」 「え、あ、うん…」 歯切れのよくない声で、ゆみは喋り始めた。 「え、じぇっとじゃがー君が消えた!? …って、あの人形?」 「うん…」 ゆみのお父さんの形見という、あの古ぼけた人形。ゆみは、今にも泣き出しそうな顔で俯いていた。 「べ、別にいいじゃん…また買えば」 「だ、ダメだよそんなのっ!あれはお父さんの大事なものなんだから!」 一転して迫力のある声で反論される。 ―――それにしても、私にはどうしても形見というその感覚が理解できない。例えその人に所縁のあるものであろうと、その人自身がそこにいるわけではない。所詮は幻以下の妄想だ。そんなものに固執したって、その人は帰ってくるわけではないのだから…。 「ゆみ、その人形だけど―――」 「よし、その人形、俺たちで探してやろうぜ」 それは、第三者の声だった。 「く、工藤くん!?いつの間に…」 「まぁ気にするな。それよりゆみ。その人形がいかに大切か、俺にはよっくわかったぜ!だから、人形探し、俺も協力してやる」 「ほ、ホント!?」 つぼみの花が満開になったみたいに、ゆみの表情が一気に明るくなる。 「え、デートは…」 「馬鹿野郎、今はそんな場合か!」 工藤君、多分に熱血漢すぎるのがタマに傷なんだよね…。でも、ゆみがこのまま悲しい想いのままなのは嫌だから、人形探しには賛成する。 「しょうがないな…それじゃ、私も手伝う」 「あ、ありがとうっ、二人ともっ!」 手を握り、ゆみは感激した。ここまで感激されては、探し出す他選択肢はないだろう。 私達は二手に分かれることにした。片方の校舎をゆみ、もう片方の校舎を私と工藤くんが探すことになった。 「そうは言っても…人形が勝手にどこかへいったりするかな?」 そもそも人形が動くことはない。つまり、誰かに盗まれたということになる。…しかし、あんな人形を一体誰が? 「そうだなぁ…ひょっとしたら、マニアの間では価値があるものなのかもな。それで、売りさばくために盗んだとか」 「もしその盗んだ人が、ものすごい強そうな人だったらどうしよう? もしゆみみたいにミュータントだったら、思いっきりボコボコにして取り返せるんだけどなぁ」 私が冗談めいた話をした途端、急に工藤くんの顔が険しくなった。しまったと思った。彼の前では、ミュータントの話は禁句だったということを、私はすっかり忘れていた。 「…ね、ねぇ……どうして、そこまでミュータントが嫌いなの?」 分かりきったことを、私は聞いた。 彼は中学時代、陸上部のエースの座を奪われてしまった。その人物こそが、ミュータントだったのだ。結果は歴然で、工藤君の築き上げてきたものを皆の心から忘れ去らせてしまうには、十分な演出だった。 「…別に、逆恨みとかじゃないんだ」 呟くように彼の口からこぼれた答えは、私の予想とは大きく違っていた。 「ただ、嫌いなんだよ。努力もせず、才能だけで勝ち誇っているヤツが。力も知恵も、自分の努力で作ってくもんだ。生まれに恵まれただけで優劣が決まるなんて、あってたまるものか」 語る彼のまなざしは、燃え上がる炎のような何かを宿していた。 「……だから、和泉のことは振ったんだ」 昔のことを思い出していた。和泉怜という人物に出会ってから、しばらくのこと。「好きな人が出来た」と、頬を真っ赤に染めながら相談してきた怜。珍しく、自身げのない声で、もじもじと指を弄りながら。 しかし、告白した男はあっさりとその怜の想いを突っぱねてしまった。それどころか、あろうことか次の日この私に「好きだ」などと迫ってきたのだ。はっきり言って気が引けた。結局はOKを出してしまったのだが、あの時ほど気まずい思いをしたことはない。それ以来、怜は学校を度々休むようになった。「仕事が忙しくって、たまにしか学校にこれなくなった」なんて言っていたけれど。きっと、胸が潰れる思いだったに違いない。そして、親友だったはずの私を恨んだに違いない。 それからしばらく―――怜が学校を中退するまで、私達は以前と何の変わりもなく親友として付き合った。ゆみはもちろん気づいていなかっただろうけど。きっと怜は、私に気遣っていたんだと思う。だから、時々不安になるのだ。今も、怜は私を恨んでいるじゃないか、って。 私も、『和泉』と呼ぶようになった。これが私なりの距離の置き方である。だが尚更、怜の想いが気になってしょうがなかった。だからつい、この前もゆみに聞いてしまった。『和泉は元気?』と。 工藤くんは、押し黙ったまま何も語ろうとしない。これが、彼なりの答えなんだろう。 ―――だが、疑問も残る。 「だったら…どうして、ゆみの事は助けてあげようとするの?」 ゆみだってミュータントだ。その事実は、和泉となんら変わりない。すると、彼は答えた。 「あいつは、馬鹿だからさ」 「は?」 思わず、きょとんとする。 「馬鹿だから、才能とか自分の力とか、何にもわかっちゃいねえ。それなもんだから、あいつはいつも人に追いつこうと必死で努力しようとしてやがる。それが馬鹿みたいで、なんとなく笑えるんだよな」 さっきとは違い、一点の曇りもない微笑みを見せる工藤くん。 「その気持ち…なんとなく分かるかな」 私もまた―――そんなひたむきに頑張ろうとするゆみの姿に、惹かれたのかもしれない。きっと、いつも空席の椅子にゆみが座っているのを見ると嬉しくなるのは、そのせいだろう。 「…それじゃ、さっさと見つけちゃおっか、人形」 「ああ、そうしよう」 私達は、次の教室の扉を開いた。 「ここにもいない」 何度同じ台詞を口にしただろう。ゆみは半ば焦りながらため息を漏らす。ロッカー、机の中、カーテンの裏、窓の外―――教室中くまなく探すが、一向に見つかる気配はない。 「ここもダメ」 こうして、次の教室に向かう、これの繰り返し。傍から見れば変質者にも見て取れるが、幸い日の落ちきった校舎にはほとんど生徒の影はなかった。 と、そのとき。 「あっ」 ゆみは、目の前に転がる何かに目を奪われた。それは小さなもので、くたびれた赤や黄のストライプに、銀…もう古ぼけて灰色になってしまった、道化の顔。 それは紛れもなく、今まで探していた人形のじぇっとじゃがーくんだった。 「な、なぁんだ、私が落としちゃってたのかぁ…後で二人に謝らないと」 それでも、とりあえずは一安心のゆみ。今度は落とさないように気をつけよう、と心に想いながらじゃがーくんに手を伸ばす。だが。 ―――え? 今、確かにじゃがーくんに手を伸ばしたはずなんだけど。何故か、人形は伸ばした手よりも右にあった。 「つ、つかれてるのかな…」 あはは、と乾いた笑い声をひとつ、もう一度手を伸ばす。今度はおそるおそる、慎重に。 ささっ。 「う、動いた…?」 確かに今、目の前でじゃがーくんが横に移動した。 ゆみの顔が青ざめた。そっちのネタにはめっぽう弱いのだ。じゃがーくんの視線が、いつもと違い、今にも襲い掛かってきそうな不気味なものに見える。 「ひっ…!」 今にも悲鳴を上げそうなゆみだったが、ふとじゃがーくんの下に何かあることに気がついた。液体のように見えながらも、しっかりと固形を保つ物体。そういえば最近、こんなようなものをどこかで見たような…。 「きゅ?」 『それ』は、なんとも愛くるしい声を発した。人形のような愛嬌を振りまきながら、『それ』はひょこひょこと廊下の奥へと這っていく。 つぶらな瞳とその声にしばらく呆気に取られていたゆみだが、ハッと気づいた頃にはじゃがーくんもろとも既に遥か遠くへ消えていた。 そして、今頃になって思い出す。ドロドロとしたあの特異な姿―――ヘドラだ! 「待てこのーっ!」 そうと分かれば容赦はいらない。ゆみは全速力で小さなヘドラのたどった道を駆け抜ける。まるで新幹線みたいな速さだ。まもなくして、ヘドラと、それに抱えられたじゃがーくんの姿が見えた。ヘドラだけに、移動速度はそう速くないようだ。今更になって焦っているようだが、もう遅いというものだ。 「つかまえたっ!」 一瞬の早業。小さなヘドラとじゃがーくんは、あっという間にゆみの腕の中に収まった。直も抵抗しようとじたばたもがくヘドラだが、ゆみの見た目からは想像もつかないような力の前にはなす術もない。 「全く、こんな所まで怪獣がいるなんて…これじゃサボってきた意味ないじゃん……」 とにかく、今度こそこれで一安心である。さあ、二人を見つけて帰るとしよう。 だが、それは浅はかだった。ヘドラに気を取られたゆみは、突き当りから歩いてきた人物に気がつかなかったのだ。 「げっ、どいてどいてそこの人!」 「え?」 ―――打ち付けられたような衝撃が、頭を襲った。更に、衝撃でバランスを崩し、尻餅をつく。 「イタタタタ…」 同時に襲い来る二つの痛みに悶絶していると、脇にいたヘドラは軽やかに階段を下りていってしまう。 「あっ、ちょっとまっ―――」 言いかけて、ゆみはぶつかってしまった人物のことを思い出した。 そこに倒れていたのは、黒縁メガネのおとなしそうな少年。持っていたと思われる分厚い本の山の中で、ピクリとも動かず突っ伏していた。 「も、もしも~し…」 肩をゆする。が、反応なし。これはひょっとして、非常にまずいのでは…? 「と、とりあえず保健室!」 ヘドラのことは一旦忘れ、ゆみはその男の子を抱え一路保健室を目指した。 「ほんとごめんね」 ベッドに腰掛ける少年に恥ずかしそうに頭を下げるゆみ。どうやら、保健医は出張中でいないらしい。 「え、あ、いや…別に」 彼もまた、ぎこちない笑みを浮かべる。見るからにおとなしそうな少年は、なんだか居心地悪そうにあちこち視点を動かす。 「あの…大丈夫?」 「う、うん、大丈夫…じゃあ、僕はこれで」 歯切れの悪い声で、そそくさと立ち上がる彼。 「あっ、ダメだよ。まだ安静にしてないと」 それを制止するゆみ。 不気味なまでに静まり返った空気。何か話題を振りたいものだが、この空気の中では言葉が詰まってしまう。まったく、この女の子も余計な事をしてくれたものだ。引き止めたなら、何か話題くらいないのかよ…。 ―――ああ、早く誰か来い。そうすれば、適当なこと言って帰れるのに。 「そういえば…さっきまで何してたの?部活?」 痺れを切らしたのか、女の子が質問する。同じように、この空気に気まずさを感じていたのだろう。他愛のない質問だが、今この状況を打破するにはこの際どんな話題でもいい。 「図書室の整理。委員の仕事でさ」 こんなことをしてる場合じゃないのに。今日は家庭教師もあったんだった。帰ったら親父になんて言い訳すればいいのか…。 「そうなんだ。偉いね」 そういって微笑む彼女。無垢な微笑みだ。だが、逆にそれが腹立たしくもなった。 「…偉くなんかないよ。なし崩し的にやらされるハメになっただけだから。…いつもそうだ」 「え?」 そうだ、いつも自分のことを決めるのは他の誰かだ。自分でいうのもなんだが、僕は気が弱いほうだ。だから、つい遠慮して自分の考えはいつも後手に回る。 それもこれも、全てあの高慢な親父のせいだ。あれをしろコレをしろ、お前の進路はこうだ、全てにおいて親父の意見が絶対優先だった。小さな頃からそれが当然のように育てられてきた僕にとって、自分の意見を持つことがどんなに大変なことだったろう。おかげで、中学校では碌な友達もできないまま卒業式まで過ごした。周囲からは『真面目だが暗い子』として見られ、一時期は虐められもした。この大戸高校まで耐えてこられたのは、ある意味で奇跡だ。 親父は何もわかっていない。自分の価値観でしか物事をみてないんだ。その価値観が、どれだけ僕を苦しめているかも知らないで…! 結局、この高校でも友達と呼べる友達はほとんどいない。どうせ付き合っても疲れるだけだ、と割り切ることにした。これも―――親父に植え付けられた価値観のひとつ。道を選ぶ力のない無様な自分…。周りに愛想笑いしかできない自分が情けなかった。 この腹立たしい想いは、そんな上辺だけじゃない、純粋な笑みを浮かべることが出来るこの気楽な少女への、羨望と嫉妬の感情なのかもしれない。 「あの…どうかした?」 はっ、と気づくと、女の子は心配そうな面持ちで僕の顔を覗き込んでいた。しかも、その距離は息遣いがわかるほど眼と鼻の先で、思わず僕は仰け反ってしまう。 「だ、大丈夫大丈夫…」 この子は何を考えているんだろう…。天然?それとも、誰もいないことを計算して誘っているのか?後者だとしたらますます帰る必要がある。 「眉間にしわ寄せてたから…どこか、苦しいのかと思って」 「そうじゃないけど…ちょっとね」 おっと、これで終わりにするわけにはいかない。辛いことまで思い出して作った話題だ、続けなければ僕自身が浮かばれない。 「そういう君は、何をしていたの?」 「えっ、ああ私は…」 そういって彼女が取り出したのは、小さな古びた人形だった。 「これを、探してたの」 「こ、これは…人形?それも、随分昔の物みたいだけど」 こんなもののために自分が負傷したと思うと、なんだか損な気分になる。 「うん…お父さんの、形見で」 …形見? ということは、既にこの子の父親は――― 「あの、ひょっとして、聞いちゃいけないことだったかな…?」 「え、ああいいのいいの!気にしないで。 だから、すごく大切な人形なんだ、これ。色とか、落ちちゃってるけど」 そういって苦笑する彼女。 「そんなにそれが大切?」 うん、と無邪気に笑顔を振舞う彼女。 「お父さんね、私が小さいときにお母さん亡くしちゃってるから、私の事で色々苦労してて。ほら、女の子のことって男の人には結構わからなかったりするから…。でもね、すごく頑張ってくれて、大切にしてくれて。だから、私もこのお人形、大切にしようって」 「あ、でも落としちゃうなんて結局大切にしてないよね、だめだな私…あはは」 ―――このとき、不謹慎にもこの子が羨ましいと思った。いや、正確に言うと… 「いいじゃないか…親父がいなくたって」 「え?」 「そんなに父親が好き?」 「え…」 少し間をおいて、彼女は「うん」と答える。さっきとは違う、戸惑うような返答だった。 「そう…。僕は嫌いだよ。あれをしろこれをしろと五月蝿く言うし…僕の将来さえ押し付けようとする、親父が。…僕からすれば、君が羨ましいくらいだ」 「そんな…」 「君は大切されたからわからないんだろうけど…僕の親父はそんな暖かいものは何一つくれはしなかった。所詮親なんて、自分の理想を子供に押し付けるだけの奴らなんだ。結局は自分達の立場ことしか考えちゃいないんだよ」 ―――何故、こんなにも熱くなっているのだろう。 親のことを楽しそうに語る彼女に腹が立ったのか。それとも、親の顔を思い出させた彼女に腹が立ったのか。気がつけば僕は、彼女にとっての『親』という存在をまるでわざと否定するように言い散らした。小さく俯く少女。 ああ、何やってるんだ僕は。 質量を持っているように重苦しい空気が流れる。何も言葉にすることができない。ひょっとしたら、この子はこのまま泣き出すんじゃないだろうか。そう考えたら、わずかな罪悪感がこみ上げてきた。 だが、彼女は泣かなかった。そして、静かに語るように呟く。 「…そんなこと、ないと思うよ。あなたのお父さんだって、アナタのためを思って―――」 「そんなの、綺麗ごとじゃないか」 親父が僕のためを思っているならば、僕はもうこれ以上構ってくれないことを願う。 「別に、親のことが嫌いでもいいよ。だけど―――」 「…何」 「育てようとする努力…それだけは、誰もが持ってると思うから。それだけは、わかってあげてほしいかな」 玄関。満点の星空の中、僕達はそれぞれの帰路につこうとしていた。 「じゃあ…またね」 「うん…また」 ―――不思議な女の子だったな。最初は何にも考えてないようにみえたけど、結構色んなことを考えていて。でもやっぱり無用心に男の目の前に出たりして、天然なところもあって。―――もっとも、もう話すことはないだろうけど。 「あ、そういえばさー」 歩き出してから少しして、再び聞こえた彼女の声。 「何?」 「君、名前は? 私、家城由美子!皆はゆみって呼んでるよ。あなたは?」 名前、か。久しく、他人に名前を教えることなんてしてなかった。ひょっとして、この子…ゆみさんとなら。 「田口、健太―――」 本当に不思議な子だった。 でも、僕と違う価値観を持った彼女に、なんとなく僕は――― 「ねぇ…あの子と、友達になれるかな。なんだか…あの子なら、一緒にいても楽しい気がするんだ。……ね、ミニラ―――」 宙に吸い込まれて、言葉は消えた。真珠のように光り輝く星空は、その想いをいつまでも見守っていた。 「あれ?それにしても、何か忘れているような…」 その頃。 「げっ、もう学校閉まるよ!ていうかゆみもどこにもいないし!」 「ったく、どこにいやがるんだ犯人は!急ぐぞ美里!!」 M機関のエアポートに、一機のジェット機が着陸しようとしていた。降下するに連なって、雲は逆に登っていくように見える。銀の機体が雲を抜けると、眼下には宝石をちりばめたような美しい夜景が広がっていた。 そんな様子を、根岸ユイは無愛想な顔つきで眺めていた。 九話へ戻る 一覧へ戻る 十一話へ進む
https://w.atwiki.jp/orzblog02/pages/5.html
更新履歴 @wikiのwikiモードでは #recent(数字) と入力することで、wikiのページ更新履歴を表示することができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_117_ja.html たとえば、#recent(20)と入力すると以下のように表示されます。 取得中です。