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総括所見:スペイン(OPAC・2007年) 第1回(1994年)/第2回(2002年)/第3回・第4回(2010年)OPSC(2007年) CRC総括所見日本語訳(国別)/CRC総括所見日本語訳(会期順) CRC/C/15/Add.28(2007年10月17日) 原文:英語(平野裕二仮訳) 原文は国連人権高等弁務官事務所のサイト(国別情報のページまたはCRC会期一覧ページ)を参照。 1.委員会は、2007年10月1日に開かれた第1276回会合(CRC/C/SR.1276参照)においてスペインの第1回報告書(CRC/C/OPAC/ESP/1)を検討し、2007年10月5日に開かれた第1284回会合において以下の総括所見を採択した。 A.序 2.委員会は、締約国の第1回報告書の提出を、提出の遅れは遺憾に思いながらも歓迎する。委員会は、国防省の上級代表を含むハイレベルな多部門型の代表団との建設的対話を評価するものである。 3.委員会は、締約国に対し、この総括所見は、締約国の第2回定期報告書に関して2002年6月4日に採択された以前の総括所見(CRC/C/15/Add.185)および子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する選択議定書に基づく第1回報告書に関して2007年10月5日に採択された総括所見(CRC/C/OPSC/ESP/CO/1)とあわせて読まれるべきであることを想起するよう求める。 B.積極的側面 4.委員会は、以下のことに評価の意とともに留意する。 (a) 選択議定書の批准時に締約国が行なった、軍隊への志願入隊に関する最低年齢は18歳である旨の宣言。 (b) 国際人権条約は国内法の一部を形成し、かつ国内裁判所による執行が可能である旨の、締約国による確認。 (c) 紛争を経験しているまたは紛争後の状況下にあるいくつかの国における、子ども兵士のリハビリテーションおよび再統合のためのプロジェクトに対する締約国の貢献。 (d) 子どもと武力紛争に関する事務総長特別代表への委任事項および安全保障理事会決議1539に対する締約国の支持。 (e) 欧州連合総務・対外関係理事会が2003年12月に採択し、かつ2005年に改訂された子どもと武力紛争に関する指針を促進するために締約国が行なっている努力。 5.委員会はさらに、締約国が、選択議定書に関連する国際文書(以下のものを含む)に加入しまたはこれを批准したことを称賛する。 (a) 国際刑事裁判所ローマ規程(2000年10月24日)。 (b) 最悪の形態の児童労働に関するILO条約(1999年)(2001年4月2日)。 (c) 子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する選択議定書(2001年12月5日)。 C.主要な懸念領域および勧告 1.実施に関する一般的措置 立法および実施措置 6.委員会は、志願入隊に関する最低年齢制限を18歳に引き上げることに対する締約国の支持を称賛する。委員会は、選択議定書上の犯罪が、締約国の刑法で、国際条約への言及によって間接的に対象とされていることに留意するものの、18歳未満の者の義務的徴募を犯罪化する具体的規定がないことを懸念するものである。 7.軍隊または武装集団への子どもの徴募および敵対行為における子どもの使用を防止するための国内的および国際的措置をさらに強化するため、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 子どもの徴募および敵対行為への関与に関わる選択議定書の規定の違反が締約国の法律で明示的に犯罪とされることを確保すること。 (b) これらの犯罪が、締約国の市民である者もしくは締約国と他のつながりを有する者によって、またはこれらの者に対して行なわれた場合の、当該犯罪についての域外裁判権を強化すること。 (c) 軍の規則、教範その他の訓令が選択議定書の規定および精神にしたがうことを確保すること。 普及および研修 8.委員会は、平和維持部隊の参加者を含む軍のすべての要員が、子どもの権利条約および選択議定書の規定を含む人権に関する研修を受けていることに、評価の意とともに留意する。しかしながら委員会は、子どもとともに働くすべての専門家集団が十分な研修を受けているわけではないことを懸念するものである。さらに委員会は、平和教育が学校における人権教育の一要素となっていることに満足して留意するものの、選択議定書に関する子ども、親および教員の意識が低いことを懸念する。 9.委員会は、締約国に対し、平和維持部隊要員を含む軍隊の構成員、ならびに、選択議定書に反する行為の被害を受けた子どもとともにおよびこのような子どものために働くすべての関連の専門家集団またはこのような子どもと接する可能性がある専門家(保健従事者、ソーシャルワーカー、教員、弁護士、裁判官、医療専門家、ならびに、とくに、子どもの庇護希望者、難民および移民のためにおよびこのような子どもとともに働く公的機関など)を対象として、選択議定書に関する研修活動を引き続き実施するよう、奨励する。 10.さらに委員会は、締約国が、とくに学校カリキュラムおよび人権教育を通じて、公衆一般ならびにとくに子どもおよびその親に対し、選択議定書の規定を広く知らせるよう勧告する。 2.武装解除、動員解除および社会的再統合に関してとられた措置 社会的再統合措置 11.委員会は、子どもからの庇護申請を処理するために締約国が行なっている努力に留意する。しかしながら委員会は、スペインへの到着前に徴募されまたは敵対行為で使用された可能性がある子どもの特定が不十分であること、および、このような子どもに関するデータが体系的に収集されていないことを懸念するものである。委員会は、このような子どもを特定することができなければ、ノンルフールマンの原則の違反につながる可能性があることを懸念する。 12.さらに委員会は、徴募されまたは武力紛争で使用された子どもの庇護希望者が、庇護手続について十分に情報を提供されておらず、かつ、その身体的および心理的回復ならびに社会的再統合のための学際的援助を提供できる特別な専門家に不十分な形でしかアクセスできていないことを、遺憾に思う。委員会は、オンブズマン事務所の重い作業負担により、子どもの最善の利益に悪影響が生じる可能性があることを懸念するものである。 13.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) その管轄内にある子どもの難民、庇護希望者および移民であって国外で徴募されまたは武力紛争で使用された可能性がある子どもを特定し、かつこのような子どもに関するデータを体系的に収集するための措置をとること。 (b) スペインにいる子どもの難民および庇護希望者であって敵対行為に関与した可能性がある子どもに特段の注意を払うとともに、子どもに対してその身体的および心理的回復ならびに社会的再統合のための十分な学際的援助を提供する目的で専門家を増員すること。 (c) 子どもの庇護希望者を対象としてヘルプラインを含む情報へのアクセスを向上させ、かつ、このような子どもが利用可能な法的助言サービス(オンブズマン事務所におけるものを含む)を強化すること。 (d) すべての自治州における選択議定書の全面的実施を保障すること。 (e) 子どもの送還に関する決定に際し、子どもの最善の利益およびノンルフールマンの原則が第一次的に考慮されることを確保すること。 14.これとの関連で、委員会は、締約国が、出身国外にあって保護者のいない子どもおよび養育者から分離された子どもの取扱いに関する委員会の一般的意見6号(2005年)に留意するよう勧告する。 3.国際的な援助および協力 武器輸出 15.委員会は、締約国がEU武器輸出行動規範(1998年)を支持しており、かつ違法な武器貿易を犯罪化したことを歓迎する。しかしながら委員会は、締約国の法律において、武器の販売を認めないための基準として、武器の最終目的地国で子どもが徴募されまたは敵対行為において使用されている可能性が具体的に挙げられていないことに留意するものである。 16.委員会は、締約国が、子どもが徴募されもしくは敵対行為において使用されていることがわかっているまたはその可能性がある国を最終目的地とする武器の販売について、具体的禁止規定を導入することを検討するよう勧告する。 国際協力 17.委員会は、武力紛争の影響を受けた子どもを保護しかつ支援するための多国間および二国間の活動に対する締約国の財政支援を称賛する。 18.委員会は、締約国が、とくに防止活動ならびに選択議定書に反する行為の被害を受けた子どもの身体的および心理的回復ならびに社会的再統合を促進することにより、武力紛争に関与した子どもの権利に対応するための多国間および二国間の活動に対する財政支援を継続しかつ強化するよう、勧告する。 4.フォローアップおよび普及 19.委員会は、締約国が、前述したすべての関連の専門家集団を対象として、選択議定書の規定に関する、すべての公用語による継続的かつ体系的な教育および研修を引き続き発展させるよう、勧告する。さらに委員会は、締約国が、とくに学校カリキュラムおよび人権教育を通じて、公衆一般ならびにとくに子どもおよびその親に対し、選択議定書の規定を広く知らせるよう勧告するものである。 訳者注/パラ10との重複(第2文)、公的機関への総括所見の送付等に関する勧告の遺漏は原文ママ。 20.加えて、選択議定書第6条2項にしたがい、委員会は、選択議定書、その実施および監視に関する議論および意識を喚起する目的で、締約国が提出した第1回報告書および委員会が採択した総括所見を公衆一般が広く入手できるようにすることを勧告する。 5.次回報告書 21.第8条2項にしたがい、委員会は、締約国に対し、選択議定書の実施に関するさらなる情報を、子どもの権利条約条約第44条にしたがって提出される、条約に基づく次回の定期報告書に記載するよう要請する。 更新履歴:ページ作成(2012年11月26日)。
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総括所見:ベトナム(OPSC・2006年) 第1回(1993年)/第2回(2003年)/第3回・第4回(2012年)OPAC(2006年) CRC総括所見日本語訳(国別)/CRC総括所見日本語訳(会期順) CRC/C/OPSC/VNM/CO/1(2006年10月17日) 原文:英語(平野裕二仮訳) 原文は国連人権高等弁務官事務所のサイト(国別情報のページまたはCRC会期一覧ページ)を参照。 1.委員会は、2006年9月22日に開かれた第1189回会合(CRC/C/SR.1189参照)においてベトナムの第1回報告書(CRC/C/OPSC/VNM/1)を検討し、2006年9月29日に開かれた第1199回会合において以下の総括所見を採択した。 A.序 2.委員会は、締約国の第1回報告書、文書回答および文書による追加情報の提出を歓迎する。委員会はまた、部門横断型のハイレベルな代表団との建設的な対話についても謝意を表するものである。 3.委員会は、締約国に対し、この総括所見は、締約国の第2回定期報告書に関して2003年1月31日に採択された以前の総括所見(CRC/C/15/Add.200)とあわせて読まれるべきであることを想起するよう求める。 B.積極的側面 4.委員会は、選択議定書で対象とされている権利を実施しかつその保護を強化するために締約国がとった措置に、評価の意とともに留意する。委員会は、とくに以下の措置を歓迎するものである。 (a) 子どものための国家行動計画(2001~2010年)。 (b) 女性および子どもの人身取引を防止する国家行動計画(2004~2010年)。 (c) 売買春の防止に関する部門横断型プログラム(2006~2010年)。 (d) ストリート・チルドレン、性的虐待を受けた子どもおよび有害かつ危険な条件下で働く子どもの防止および定住に関する全国プログラム(2004~2010年)。 5.さらに、委員会は以下の文書が批准されたことを歓迎する。 (a) 武力紛争への子どもの関与に関する子どもの権利条約の選択議定書(2001年12月20日)。 (b) 就業が認められるための最低年齢に関する国際労働機関第138号条約(1973年)ならびに最悪の形態の児童労働の禁止および撤廃のための即時の行動に関するILO第182号条約(1999年)(それぞれ2003年12月24日および2000年12月19日)。 C.主要な懸念領域および勧告 1.実施に関する一般的措置 普及および研修 6.委員会は、この点に関する締約国の活動にも関わらず、選択議定書が対象とする分野に関して公衆および国の職員の意識啓発を図るための措置が依然として不十分であることに留意する。委員会はまた、選択議定書が対象とする犯罪の被害者とともに活動する職員が、とくに被害を受けた子どもの回復および再統合に関していまなお十分なスキルを有していないことも懸念するものである。 7.委員会は、締約国が、住民、とくに子どもおよび親の間で――学校カリキュラムおよび適当な教材等も用いながら――選択議定書の規定を普及するための措置を引き続き強化するとともに、すべての専門家集団、とくに売買、人身取引、児童買春および児童ポルノの被害を受けた子どもとともにおよびこのような子どものために働く専門家集団を対象として、引き続き適切な研修を実施するよう勧告する。委員会はまた、締約国が、とくにユニセフに対し、この点に関わる技術的援助を求めるようにも勧告するものである。 データ収集 8.委員会は、この点に関して若干の進展が見られたとはいえ、選択議定書が対象とする問題についてのデータ収集が十分でも体系的でもなく、かつ十分な資源によって支えられていないことを懸念する。さらに委員会は、人身取引の分野では情報が利用可能とされているものの、子どもの売買、児童買春および児童ポルノの規模および範囲を評価するためにさらなる調査研究が必要であることに留意するものである。 9.委員会は、締約国が、子どもの売買、児童買春および児童ポルノの性質および規模に関する調査研究を行なうとともに、これらの問題に関する年齢別、男女別およびマイノリティ集団別のデータが体系的に収集されかつ分析されることを確保するよう、勧告する。このようなデータは、政策の実施状況を数値により評価するための必須手段を提供してくれるからである。 2.子どもの売買、児童ポルノおよび児童買春の禁止 現行刑事法令 10.委員会は、子どもの商業的性的搾取に関わる犯罪について新たな罪名およびより重い刑罰を導入した1997年および1999年のベトナム刑法改正、ならびに、法律を選択議定書に一致させるためのその他の努力を歓迎する。委員会はまた、2004年の子どもの保護およびケアに関する法律が、2005年青少年法とあいまって、18歳未満のすべての者を対象とするケアおよび保護について定めているという、代表団から提供された情報も歓迎するものである。しかしながら委員会は、刑法の一部規定(児童買春に関わる第254条~第256条を含む)においては16歳未満の者しか子どもとして言及されていないことを懸念する。さらに、委員会は以下のことを懸念するものである。 (a) 選択議定書第2条(c)および第3条1項(c)にしたがって児童ポルノを明示的に定義し、かつ十分に犯罪化する規定が存在しないこと。 (b) 刑法第46条で、犯罪(選択議定書が対象とする犯罪も含む)の実行者は、賠償の申し出を行なってそれが被害を受けた子どもまたはその家族によって受け入れられたときは刑を軽減されることができると定められていること。 11.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 選択議定書第3条に列挙されているすべての行為を、これが18歳未満のすべての者に対して行なわれたときには明示的に犯罪とするため、刑法および適当なときは他の法律を改正すること。 (b) 加害者に科しうる制裁と被害者が請求しうる賠償を明確に区別するため、刑法第46条を再検討すること。 (c) とくにユニセフに対し、この点に関わる技術的援助を引き続き求めること。 3.刑事手続 裁判権 12.委員会は、締約国の刑法の第6条2項で、場合により域外裁判権を行使することが認められていることに留意する。しかしながら、この規定が、選択議定書第4条2項および3項に掲げられたすべての具体的状況を対象としているのかどうかは明確でない。 13.委員会は、締約国が、この点に関する具体的情報(選択議定書第4条2項および3項にいう裁判権が行使された事件の件数も含む)を次回報告書で提供するよう勧告する。 犯罪人引渡し 14.委員会は、代表団から提供された、刑事訴訟法第343条が選択議定書第5条の規定にあわせて改正された旨の情報およびこの条に付された留保は不必要となったので撤回されるであろう旨の情報を歓迎する。 15.委員会は、締約国が、選択議定書第5条に付した留保の撤回を迅速に開始しかつ完了させるとともに、必要なときは、選択議定書が対象とするすべての犯罪に関わる犯罪人引渡しの法的根拠として同条を用いるよう勧告する。 4.被害を受けた子どもの権利の保護 選択議定書で禁じられた犯罪の被害を受けた子どもの権利および利益を保護するためにとられた措置 16.委員会は、児童買春およびセックス・ツーリズムが同国でますます問題となりつつあり、かつベトナムのセックスワーカーの少なくとも10%は子どもであると考えられている旨の情報に、懸念を表明する。 17.委員会は、締約国が、売買春の防止に関する部門横断型プログラム(2006~2010年)を十分に実施することも含む手段により、児童買春と闘うための努力を強化するよう勧告する。さらに、締約国は、とくに旅行業界を対象とする具体的戦略(子どもの権利および子どもを虐待する者に対して用意されている制裁についての具体的メッセージを含む)を策定することにより、セックス・ツーリズム関連の犯罪の増加に緊急に対処するべきである。 18.委員会は、労働・傷病兵・社会問題省(MOLISA)、女性同盟、青年同盟および人口・家族・子ども委員会を含む公的機関が被害者保護のための積極的プログラムを展開していることに留意しながらも、これらの努力の多くは十分な財源を欠いていることを懸念する。さらに、委員会は、ベトナムと中国およびカンボジアとの国境に沿って国境検問所に受入れ施設が設けられたこと、ならびに、人身取引または性的虐待の対象とされた女性および子どものための受入れセンターが設けられたことを歓迎する。しかしながら、委員会は以下のことを懸念するものである。 (a) 回復および再統合のためのサービスの提供範囲が限られており、かつ十分な訓練を受けた専門家が存在しないこと。 (b) 被害を受けた子どもとの再統合の過程で家族を援助するための措置が不十分であること。 (c) 刑法第254条~第256条との関連で、買春の被害を受けた16~18歳の被害者が法律上必ずしも被害者として扱われず、かつ行政上の制裁の対象とされる可能性があること。 (d) 選択議定書が対象とする犯罪的活動に対処する、専門の警察部隊、検察官または裁判官が存在しないこと。 19.委員会は、締約国が、被害を受けた子どもおよびその家族が十分なサービス(適当なときは身体的および心理的回復、社会的再統合ならびに賠償を含む)を利用できるようにするため、予算資源の配分に優先的に取り組むよう勧告する。この目的のため、委員会はとくに、被害を受けた子どもの社会的再統合ならびに身体的および心理的回復に関する活動を行なう者の研修を強化する必要があることを強調するものである(前掲パラ6も参照)。 20.委員会はさらに、選択議定書に基づくいずれかの犯罪の被害者である子どもがそのこと自体を理由として犯罪者にも処罰の対象にもされないこと、および、このような子どもがスティグマを付与されかつ社会的に周縁化されることのないようあらゆる可能な措置がとられることを、締約国が確保するよう勧告する。委員会はまた、締約国が、選択議定書が禁ずる慣行の被害を受けた子どもの権利および利益を刑事司法手続のあらゆる段階で保護するための措置を、引き続きとるよう勧告するものである。これとの関連で、委員会は、締約国が、とくに選択議定書第8条、および、子どもの犯罪被害者および証人が関わる事案における司法についての国連指針(国連経済社会理事会決議2005/20付属文書)を指針とするよう勧告する。とくに、締約国は以下の措置をとるべきである。 (a) 被害者である子どもの個人的利益に影響がある手続において、当該子どもの意見、ニーズおよび関心事が提示されかつ考慮されることを可能にすること。 (b) 子ども向けに設計された事情聴取室ならびに被害を受けた子どもの陳述の録音および録画を含む、子どもに配慮した手続を用いること。 (c) 審理の開始を遅らせることが子どもの最善の利益にかなう場合を除き、審理が実際的に可能なかぎり早期に開始されることを確保すること。 (d) 選択議定書が対象とする犯罪を捜査する特別班を設置するとともに、警察、検察官、裁判官および関係するその他の専門家を対象として、選択議定書が対象とする分野についての体系的研修を実施すること。 5.子どもの売買、児童買春および児童ポルノの防止 選択議定書に掲げられた犯罪を防止するためにとられた措置 21.委員会は、貧困、低開発およびあらゆる形態の搾取(子どもの売買、児童買春および児童ポルノを含む)にさらされる危険性との間に直接の関係があることを認め、「飢餓撲滅、貧困削減および雇用創出に関する計画」を歓迎するとともに、社会経済政策およびプログラムの実施において締約国が子どもに注意を向けていることを歓迎する。 22.委員会は、締約国に対し、財政レベルも含めて貧困削減戦略を引き続き十分に重視するよう奨励する。これとの関連で、委員会は、締約国が、とくに農村部および遠隔地において、所得創出プロジェクトも活用しながら、不利なおよび脆弱な立場に置かれた家族の能力を引き続き増進しかつ支援するよう勧告するものである。締約国はまた、選択議定書に掲げられた犯罪を防止することを目的とした社会政策およびプログラムの策定および実施に子どもの関与を得るための措置をとることも求められる。 23.委員会は、人口・家族・子ども委員会(CPFC)が、プラン・ベトナムと協力して、子どもがカウンセリングおよび援助を受けられるフリーダイヤルのチャイルド・ヘルプライン(受付時間は1日14時間)を設置したことを歓迎する。 24.委員会は、チャイルド・ヘルプラインを拡大し、24時間開設できるようにすることを勧告する。委員会はまた、締約国に対し、さらなる防止措置をとるとともに、意識啓発キャンペーンを実施する際、NGOと引き続き連携するよう奨励するものである。 養子縁組目的の売買の防止 25.委員会は、法務省国際養子縁組局の設置および2006年の政令第69号をはじめとする、不法な国際養子縁組を防止しかつ統制するためにとられた措置には留意しながらも、国内外の養子縁組の規律および実施について問題が根強く残っていることを懸念する。委員会はまた、養子縁組分野の法律に法的空白が存在することにより、選択議定書第3条1項(a)(ii)にしたがい、適用可能な国際法文書に違反する子どもの養子縁組の仲介者として行動する者の訴追および処罰が妨げられるであろうことも懸念するものである。 26.委員会は、子どもの養子縁組に関与するすべての者(仲介者を含む)が適用可能な国際法文書にしたがって行動すること、および、とくに国際養子縁組において当該養子縁組が関係者に不当な金銭上の利得をもたらすことがないことを確保するため、締約国が法改正を含むあらゆる適当な措置をとるよう勧告する。委員会はさらに、締約国が、国際的な養子縁組に関する子の保護および協力に関するハーグ条約(1993年)の締約国となる手続を完了させるよう勧告するものである。 6.国際的な援助および協力 法執行 27.委員会は、カンボジアとの二国間協定、人身取引対策協力に関する拡大メコン圏了解覚書(2004年)、女性および子どもの人身取引を防止する地域行動計画をはじめ、とくに人身取引対策の分野で締約国が調印した地域的協定および二国間協定に留意する。しかしながら委員会は、ベトナムが、とくに中国およびカンボジアを目的地国とする、性的搾取目的の人身取引(子どもの人身取引を含む)の供給源であることを懸念するものである。 28.委員会は、締約国が、女性および子どもの人身取引を防止する国家行動計画を十分に実施する等の手段により、性的搾取目的の人身取引と引き続き闘うよう勧告する。委員会はさらに、締約国に対し、子どもの売買、児童買春、児童ポルノおよび子どもセックス・ツーリズムをともなう行為を防止し、摘発し、捜査し、当該行為に責任を負う者を訴追しかつ処罰するための国際的な司法共助および刑事共助の活動を、引き続き強化するよう奨励するものである。委員会はまた、締約国が、国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人(とくに女性および子ども)の取引を防止し、抑止しおよび処罰するための議定書(2000年)を批准するようにも勧告する。 7.フォローアップおよび普及 フォローアップ 29.委員会は、締約国が、とくにこれらの勧告を関連の政府省庁、国民議会および人民評議会に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。 普及 30.委員会は、条約〔ママ〕、その実施および監視に関する議論および意識を喚起する目的で、締約国が提出した報告書および文書回答ならびに採択された関連の勧告(総括所見)を、インターネット等を通じ(ただしこれにかぎるものではない)、公衆一般、市民社会組織、若者グループ、専門家グループおよび子どもが広く入手できるようにすることを勧告する。 8.次回報告書 31. 第12条2項にしたがい、委員会は、締約国に対し、選択議定書の実施に関するさらなる情報を、子どもの権利条約第44条にしたがって提出される、条約に基づく次回報告書(提出期限・2007年9月1日)に記載するよう要請する。 更新履歴:ページ作成(2011年9月9日)。
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ガソリンなどの燃料不足が深刻になっている東北地方に向けた、首都圏からの「石油列車」が19日夜、盛岡市の盛岡貨物ターミナル駅に到着した。震災後初めてとなる列車による燃料の大量輸送。18両の貨車でガソリンと軽油計792キロリットルが運び込まれた。 石油列車はJR貨物が運行した。18日夜に横浜市の根岸駅を出発。東北本線や常磐線に不通区間があることから新潟、秋田と日本海側へ迂回し、青森経由で約26時間かけて到着した。 到着した燃料はいったん、地上のタンクに移した後、20日朝からタンクローリー車に積み替えて岩手県内などに届けられる予定だ。 (日本経済新聞 2011/3/19 22 04)
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