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円柱を描画します。 GLUTには、そのような機能はありませんので自作します。 円柱と言っても、上の面の円(正多角形)と側面の長方形と 下の面の円(正多角形)の組み合わせに過ぎません。 上面は上方向に、側面部分は中心から面の方向に、下面は下方向に 法線を設定してあげます。 ファイル main.cpp main.cpp #pragma comment(linker, /SUBSYSTEM WINDOWS /ENTRY mainCRTStartup ) #include GL/freeglut/freeglut.h #include math.h #define WIDTH 320 #define HEIGHT 240 //回転用 float anglex = 0.0f; //青 GLfloat Blue[] = { 0.0, 0.0, 1.0, 1.0 }; //ライトの位置 GLfloat lightpos[] = { 200.0, 150.0, -500.0, 1.0 }; //円柱 void cylinder(float radius,float height,int sides) { double pi = 3.1415; //上面 glNormal3d(0.0, 1.0, 0.0); glBegin(GL_POLYGON); for(double i = 0; i sides; i++) { double t = pi*2/sides * (double)i; glVertex3d(radius * cos(t), height, radius * sin(t)); } glEnd(); //側面 glBegin(GL_QUAD_STRIP); for(double i=0;i =sides;i=i+1){ double t = i*2*pi/sides; glNormal3f((GLfloat)cos(t),0.0,(GLfloat)sin(t)); glVertex3f((GLfloat)(radius*cos(t)),-height,(GLfloat)(radius*sin(t))); glVertex3f((GLfloat)(radius*cos(t)),height,(GLfloat)(radius*sin(t))); } glEnd(); //下面 glNormal3d(0.0, -1.0, 0.0); glBegin(GL_POLYGON); for(double i = sides; i = 0; --i) { double t = pi*2/sides * (double)i; glVertex3d(radius * cos(t), -height, radius * sin(t)); } glEnd(); } void display(void) { glClear(GL_COLOR_BUFFER_BIT | GL_DEPTH_BUFFER_BIT); glViewport(0, 0, WIDTH, HEIGHT); glMatrixMode(GL_PROJECTION); glLoadIdentity(); //視野角,アスペクト比(ウィンドウの幅/高さ),描画する範囲(最も近い距離,最も遠い距離) gluPerspective(30.0, (double)WIDTH / (double)HEIGHT, 1.0, 1000.0); glMatrixMode(GL_MODELVIEW); glLoadIdentity(); //視点の設定 gluLookAt(150.0,100.0,-200.0, //カメラの座標 0.0,0.0,0.0, // 注視点の座標 0.0,1.0,0.0); // 画面の上方向を指すベクトル //ライトの設定 glLightfv(GL_LIGHT0, GL_POSITION, lightpos); //マテリアルの設定 glMaterialfv(GL_FRONT, GL_DIFFUSE, Blue); //回転 glRotatef(anglex,1.0f,0.0f,0.0f);//X軸を回転 cylinder(30.0,50.0,10); glutSwapBuffers(); } void idle(void) { anglex+=0.2f; Sleep(1); glutPostRedisplay(); } void Init(){ glClearColor(0.3f, 0.3f, 0.3f, 1.0f); glEnable(GL_DEPTH_TEST); glEnable(GL_LIGHTING); glEnable(GL_LIGHT0); } int main(int argc, char *argv[]) { glutInitWindowPosition(100, 100); glutInitWindowSize(WIDTH, HEIGHT); glutInit( argc, argv); glutInitDisplayMode(GLUT_RGBA | GLUT_DOUBLE); glutCreateWindow( 円柱を描画 ); glutDisplayFunc(display); glutIdleFunc(idle); Init(); glutMainLoop(); return 0; }
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いつか、どこかであった、誰かの物語。 ■壁画を展望できる、物語の中心へ。 ■壁画を展望できる、南側の円柱2へ。(【?】の話) ■壁画を展望できる、南側の円柱3へ。(【あず】の話) ■人物を展望できる、南の門の中心へ。 ■目次 春海① 春海② 春海③ 春海④ 春海⑤-1 春海⑤-2 嵯峨 春海① 嵯峨 春海② 嵯峨 春海②-2 【春海 (Harumi)】① [人物/Agility-Monk] 聖職者の父と騎士の母との間に生まれた。 幼い頃は、母の姿に憧れ「妹たちを守るのは私だもん!」と言って、母を師に剣の修練を重ねていた。 そうして迎えたノービスから剣士への転職…幼少期の全てを剣技に費やしていた少女には、頼るべき友も、祝ってくれる仲間もいなかった・・・。周りにはギルドの仲間に祝福される剣士の姿が・・・ 「・・・別にいいもん。一人でだって強くなれるもの!」 自分の心に嘘をつきつつ、一人で強くなろうとする少女がむかったのはフェイヨンであった。 「父さんがアコライトの頃は、エルダウィローを狩って修練を積んでいたんだよ。」 「それって私でも倒せる?」 「ん~・・・まだ早いんじゃないかな。まずはポポリンで腕試しだね。無理をしないように、ゆっくりでいいんだからね?」 「わかった。」 「ポポリンより強いなら、もっと修練度があがるじゃん」 少女にはまだ、エルダウィロの強さがわかっていなかった・・・。 「さてと、この先ね」森に入った瞬間、足元に魔方陣が輝いた。 「・・・?なにかしらこれ」 降り注ぐ火の玉(FB) 「くっ・・・こんなことで負けるもんですか!」 Vitalityも鍛えていたおかげで、一撃で倒れ臥すことはなかったが危機である事にかわりは無い・・・ 「こんなに強いだなんて・・・とにかくこの場を切り抜けなきゃ・・・」 「大丈夫ですか?」 「?!」 いつのまにか商人(Merchant)が近くに来ていたらしい。 「手伝いますよ」 (なにこの人・・・でも、やられたくないし・・・) 「お願い!」 「・・・ふ~ん、Vit騎士を目指してるんだ。でも、ここらへんはまだきついんじゃない?」 「私ははやく強くなりたいんだ!」 「・・・強くなるだけなら、修練つめば誰だってなれるよ。」 「その修練を積むために」 「一人で?」 「・・・」 「一人で強くなるって、途中で目的を失うんじゃないかな?」 「・・・」 「・・・そうだ、うちのGのメンバーにVit騎士がいるからうちのGに入らない?」 「・・・・・・足手まといになるだけだよ」 「大丈夫、みんなが助けてくれるよ」 「Gの名前は?」 「『にゃんこ温泉』っていうんだ」 一人で強くなろうとした少女は、こうして仲間と呼べる人たちと巡り合うことになった。 【春海 (Harumi)】② [人物/Agility-Monk] それはまだ、森の中でのことであった。 「あ、しまった」 さきほどから共に狩りをしていた商人がつぶやいた。 「どうしたの?」 「いや、ちょっと家から電話があって…。…あ~すぐに帰って来いってさ…」 「あらら…」 「うちらの溜まり場は首都の噴水広場の南西だから。行けばわかると思うよ」 「うん、行ってみるね」 「それじゃ」 蝶の羽を使い、彼は行ってしまった。 「…さてと」 周りにモンスターがいないことを確認しつつ、少女は思いを巡らせていた。 「はぁ…どうしようかな…」 助けてもらった手前、考えさせてくださいとも言えず返事をしてしまったが 「装備ももらっちゃったし…」 (「前は騎士やっててさ装備売りに出してたんだけど、これ売れ残りだからあげるね」) 義理と見知らぬ場所への畏れとの間で、少女が見つけ出した答えは 「とりあえず、首都に向かおう!」 妥協案であった。 「やっぱりにぎやかね~」 ミッドガルド王国の首都、プロンテラ。街の路上では、商人たちが密集して露店を開いている。 「…フェイヨンから来るには、ちょっと出費が痛いけどね…」 露店を眺めつつ、よさそうな武器を見つけては、値段を見てためいきをつく… 「…もう少し安ければいいんだけどな~」 どうやら露店で売っているものは希少価値が高いらしく、これ以上は安くならないとのことだ。 「…武器屋、武器屋…と、ここか」 露店の商人の話では、まず店で売っているものから買ったほうがいいらしい。 -いらっしゃいませ- 噴水広場の北東、プロンテラ武具屋。騎士団の本拠地だからであろう、騎士用の装備が整っている。 「…でも、やっぱり高いのね…」 店内には、少女の他にも客が見うけられる。ギルドの溜まり場にもなっているようだ。 『すいません、代わりに買っていただけませんか?』 『はいはい、いいですよ~』 ?代わりに買ってとはどういうことなのだろうか… 『はい、どうぞ』 『ありがとうございました。こういう時はDCが便利ですね~』 『ですね~。安く買えますからね』 「安く」 その言葉を聞き逃す少女ではなかった。 「…あの、すみません」 「はいはい」 「店売りのものを買って頂きたいのですが…」 「あ~いいですよ。どれがいいですか?」 「槍騎士を目指しているので、安い槍を1本…」 「へ~槍騎士志望なんだ」 「はい。でも、今のところ武器が短剣しかなくて…」 「槍ねぇ…。僕も槍騎士なんだけど、槍はいいねぇ」 「BdSがかっこよかったので…」 ふと、彼のギルドを確認してみた。「にゃんこ温泉♪」…偶然なのか、運命なのか… 「…あの、そのギルドに○○さんという商人さんがいらっしゃいますよね?」 「いるけど、今はいないみたいだね。どうしたの?」 「今日その方に、フェイヨンの森で助けていただいたのです」 「へぇ~やるねぇ」 「あの、それで、『うちのギルドにはVit騎士がいるからおいでよ』と言われたのですけど」 「あ、それ、僕」 …どうやら、このギルドに行くことは運命なのであろう。安易な妥協などでは、それに逆らうことはできないようだ。 「今の時間帯なら、人も多いだろうし、さっそく行こうか」 「はい、よろしくお願いします!」 --噴水広場南西-- 「ここがうちの…というよりも、うちらの溜まり場。今は7ギルドくらいが集まってるよ」 「うわ~多いんですね~。…あの…そこで固まってる方は、大丈夫なのですか?」 「ん?ああ、あの人なら大丈夫。いつもああやってるから。」 「はぁ…そうなのですか…」 なんとなく彫像と化してそうなシルクハットのプリーストは 「あと、その人、いちおうギルドマスターだから」 偉い人らしい。 「今度新しく入った春海さんです。槍騎士志望だそうです。」 「みなさん、よろしくお願いします」 『よろしくね~』 「とりあえず、みんなで自己紹介をしていかないと、誰が誰だか分かんないはずなので」 総勢12人ほどであろうか、溜まり場の方々から自己紹介大会となった。 「だいたい、いいかな…。今いない人も夜にはやってくるだろうから」 「はい、みなさんよろしく きゃっ!」 いつの間にやら背後に人がまわっていた。 「いいね~新人てのは実にいいね~」 「ちょっ、何するんですか!」 「さわさわ」 「やめてください!」 「あ~、そのWizさんは、そういう人だから、気にしない方がいいよ」 「あうう…」 彼はどうやら溜まり場内でも高い修練度を誇っているWizらしい… 「まぁ、いろんな人がいるから、楽しいところだよ」 本当にこのギルドに入ってよかったのだろうか… 少女は、運命とやらを多少恨めがましく思った。 【春海 (Harumi)】③ [人物/Agility-Monk] 別れと言うものは突然に訪れるものである。 少女が溜まり場に来てから数ヶ月、槍騎士へと転職し、溜まり場に妹たちを呼び寄せ、日々自己の修練を積んでいた。 そんなある日、Wizardとなった下の妹(すでに少女よりも修練度が上であった)が、血相を変えて帰ってきた。 「お姉ちゃん、大変だよ!」 「まずは落ち着きなさい。ほら、深呼吸して……いったい何があったの?」 「あのね…、にゃんこギルドが解散しちゃうかも」 「!?」 少女は驚きのあまり二の句が告げなかった。 妹の話によると、昨夜アルデバランから家に帰る途中、溜まり場によったそうだ。明け方に近いこともあってか、溜まり場には同僚のWizと「例の」Wizとその相方のPriestさんしかいなかったそうだ。 「でね、私が『BOSS狩ってみたい』って言ったら、『じゃあ、ゴスリンでも狩りに行ってみようか』って言われたの」 ゴスリン…正式名称「ゴーストリング」、怨念の塊ともいわれ、普通の武器では傷をつけることもできないという。むろん、少女にとっては相対することなどかなわないモンスターである。 「Wizardなら、他の職業よりも簡単に倒せるんだって」 『Wizardなら』というよりも、彼の強さの方が大きいだろう。普段の言動にはやや難があるが、腕は確かである。 「いちおう狩れたんだけど、そのあと溜まり場に戻ってきて、こんなことを言って帰っていったの」 『じゃ、みんなありがとね。今まで楽しかったよ』 「…何よそれ、まるでもう冒険やめるみたいな帰り方じゃない!」 「そうなの…だから相方のPriestさんに聞いてみたの。そしたら」 『彼ね…冒険者を辞めるんだって。お姉さんに渡したいものがあったんだけど、あなたから渡しておいてくれる?…私もこの溜まり場を離れるから…』 「……」 「で、お金を預かってきてるんだけど」 「……」 少女は何の返事もできなかった。いや、返事をする気力すら失ってしまったのかもしれない… 「…ギルドをどうするとか、聞いてない?」 唯一口に出せたのは、その一言だけであった。 「私は何も聞いてないけど…」 少女が所属する「にゃんこ温泉♪」はギルドマスターがいない。いないというより旅に出てそのまま戻ってこないというのが正しいのかもしれない。その間のギルドの運営を任されていたのが、かのWizardなのであったのだが… 「…明日は忙しくなりそうね…」 妹に聞かせるでもなく、ポツリと言葉が出た。 翌日、にゃんこ幹部であり、溜まり場同盟ギルドのひとつ『小さな世界』のギルドマスター☆に、昨夜のことを報告した。 「…ん~」 ☆はひとしきり考えた後 「とりあえず、無双のマスターにも報告して、善後策を考えよう」 その夜、緊急会議が開かれた。 昨夜の報告にはじまり、今後のことが話し合われた。 ひとまず避難ギルドを設立することで一応の合意を得たが、誰が設立するかで揉めることとなった。が、 「彼の資産を引き継いでる春ちゃんでいいんじゃない?」 この一言によって議題は決した。 「…わかりました。謹んでお受けいたします」 こうして少女は、避難ギルド『にゃんこ旅館♪』のギルドマスターとなった。 かつて、一人で強くなろうとした少女は、その対極の位置であるところまできてしまったのである。 だが、今回のことは、少女の心に深い傷を残すことになったのも事実であった… 【春海 (Harumi)】④ [人物/Agility-Monk] ギルドマスターとなった少女であったが、あの一件以来、自己修練を積むために外に出ることがなくなっていた。 「お姉ちゃん、少しは狩りに行こうよ~」 下の妹がしきりに誘うが、少女はそんな気にはなれなかった。 例の一件、同じギルドの者であったのに、かのWizが悩んでいたことにも気づかなかった己の不明さを恥じていた。それに… 「お父さんの面倒は私が見ておくから、行って来た方がいいよ」 「ん…ありがと…。でも、そんな気になれないの…」 ひと月ほど前から、少女の父は病の床にいた。 聖職者である父は 「これで土に還る事も、また主の思し召しなのだろうさ…」 と言って、母の写真を見ている。 「むこうで、母さんと会えるだろうしね」 「縁起でもないことを言わないでよ」 「いやいや、また会えるかと思うと、すこしは気が楽になるよ」 誰の目から見ても、父の命が長くないことは明白であった。 「…ねぇ父さん。なんでPriestになったの?」 今のうちに、聞けることは何でも聞いておきたかった。 「ん~今となっては理由は覚えてないなぁ。でも、Priestだからこそ、できたこともたくさんあった」 そういって少女の頭をなでてきた。 「かわいい娘が3人もできたしね」 「…お母さんが死んだとき、自分は無力だと思わなかった?」 そう、無力。結局何もできないのだ。誰かが悩んでいようと、助けることなどできはしないのだ。 「無力…か。確かにそう思わなかったこともない。『おれに力がないばかりにすまない…』ってね。でも、母さんは笑ってこう言ったよ。『あなたはちゃんと助けてくれましたよ。私のことで悩んでくれている、解決しようとしてくれる。それだけで力になっていますから…。誰でも助けることができるわけではないけども、その心だけで十分です』」 そこまで言って父は、ふ~と大きく深呼吸をした。 「無力だなんてわかりきってることさ。でも、無力なことと助けないとこには、大きな隔たりがあることも忘れちゃいけない。自己満足と言われるだろうけど、誰かのことで悩み、傷つくことは、決して無駄なことじゃないよ」 そう言って少女の頭をぽんぽんと叩くと 「もう寝なさい。父さんは大丈夫だから」 と目を閉じた。 3日後、父はそのまま目を開けることはなかった。 「お姉ちゃん、ここらへんのものものはどうするの?」 「ん~使えるものだけ残して、あとは売ってしまいましょ」 葬儀も終わり、少女と妹たちは家の中を掃除していた。 「お父さんの服も売っちゃうの?」 「……」 父の服、セイントローブ。プパcを装着しエルニウムによって精錬までされているものだ。 「他の装備は私が使えるけど、お姉ちゃんたちも、これは着れないものね」 「ん…それはとっといてもらえるかな」 「いいけど、どうするの?」 「ちょっとね…」 前々から考えていることがあった。だが、ギルドマスターとなったことで諦めていたことでもあった。 「るみ、ここの片付けまかせてもいい?」 「いいけど、どうしたの?」 「ちょっと行かなきゃいけないとこがあるの。あずと二人でお願いね」 「わかった~。いってらっしゃ~い」 もう迷うこともない。少女が決心して向かった先は…プロンテラ大聖堂 5時間後 「ただいま」 「あ、お姉ちゃんおかえ…」 「?どうしたの?」 「…だって、どうしたのその格好?」 妹たちが驚くのも無理はない。帰ってきた少女の姿は騎士ではなかった。 「これならセイントローブも着れるでしょ」 「だからって、騎士をやめなくても…」 「一からやり直すのよ」 そう、少女はプロンテラ騎士団に騎士職免状を返上し、Acolyteへと転職したのだ。 「で、お父さんみたくPriestになるの?」 中の妹(彼女も2度転職をしている)が聞いてきた。 「私は父さんのように、祈りで救うようなことはできないから…」 以前から考えていたこと、それは 「Monkになろうと思うの」 もう自分を無力だなんて思わない。それが自らが信じたものへの誓いの言葉であった。 【春海 (Harumi)】⑤-1 [人物/Agility-Monk] 「ねぇあず姉、何でローグやめちゃったの?」 時計の針は既に、深夜をむかえようとしている。今日は(といってもすでに『昨日』であるが)久方ぶりに家に帰ってきた長女「春海」を囲んでの夕餉であった。テーブルの上には、空になった酒瓶が5、6本転がっている。 「そういえば私も聞いたこと無いや。あず、何で?」 はるも援護に入る。 「ん、あぁ、その事ね…」 はるもるみも興味津々といったふうににじりよっていく。 あずは飲みかけのグラスを置いて、腕を組んで暫し考え 「えーと…飽きたから~~」 「…」「…」 2人とも「え~そんなのが理由なの~?」という顔で見ている… 「だって私が飽きっぽい性格だっていうのは知ってるだろ?」 「あずが飽きっぽい性格なのは十分知ってるけどさ…」 「うん、ちょっと期待はずれというか何というか…」 2人の返答が終わらないうちに、あずは椅子から立ち上がり腰布の位置を直しつつ 「ま、ちょっと飲みすぎたみたいだし先に寝るわ」 と、裾を翻して自分の部屋へと向かっていった。 「るみ、どう思う?」 「絶対あやしい、何かあったに違いないって」 あずが自室に戻った後も2人であーだこーだと理由を推察していたが 「「…飽きたでいいのかな…」」 で落ち着いた。 「そうだはる姉、どこ行ってきたの?」 7本目の瓶が空になり、8本目を注ぎつつ聞いてみた。 「あれ、夕食のときに言わなかったっけ?」 「…いきなりストレートで2本空にしたでしょ、1人で」 「…ソンナコトモアッタカナァ」 「まったく…ふらっと2週間くらい出かけて、ふらっと帰ってきて…」 グラスに残った酒をぐいっと飲み干し 「だいたい、はる姉もあず姉も家の事ほっぽらかしてどっか行って、食料や衣服や収集品の売買その他もろもろぜーーんぶ私にやらせて……」 「る、るみ…ちょっと飲みすぎじゃない?」 「…………ぐぅ」 言うだけ言って寝てしまった。 「まったくもぅ…」 はるは羽織っていたコートをるみにかけ、後片付けに取り掛かった。 一通り片づけが済んだ頃には、時計の針は3時をさしていた。 「さて…私も寝ないと」 居間の灯りを落として、自分の部屋へと向かった。 「…寝れない…」 ベッドに入ったまでは良かったが、はるは中々寝付けなかった。 「…私がやったことは間違ってたのかな…」 2週間前、カピトリーナ修道院を訪れていたはるに仕事の依頼が来た。 「では、リヒタルゼンという街に向かえばよろしいのですね?」 「うむ、他の者にも頼んでおるが人手は多いほどよいからな」 修道院の長直々の依頼である。 「事は大きくなりそうですか?」 「わからぬ…それも含めて調べてきて欲しい」 「了解しました、ただちに向かいます」 シュバルツバルド共和国を支える街のひとつ、リヒタルゼン。いや「支える街のひとつ」というよりも、ここが共和国の心臓部であろう…。 この街には共和国最大の企業「レッケンベル」本社がある。この世界の根幹にすら関わっているという噂がある大企業だ。 『どうも生命倫理に背いた研究が行われているとの話があってな』 『もしそのような事があった場合、そしてそこで神に仇名すモノが生まれ出でていた場合、我らはその職務に従わねばならん』 「(まずは聞き込みからしないと…)」 5日かけて街の人に話を聞いたが、それらしい話は聞けなかった。 そもそも街の雰囲気が、そのような暗い話をするようなものでは無かった。 「でも、どこか造られた明るさだ」 街を歩いてみてそう感じた。確かに美しい街ではある。が、どこか嘘のある美しさだ…。 そんな折、街の中央にあるホテルの宿泊客から、貧民街と呼ばれている街の存在を聞かされた。 「(そっちに行ってみるとするか…)」 【春海 (Harumi)】⑤-2 [人物/Agility-Monk] 翌日、貧民街に向かった。途中に警備員がいたが、修道院から発行された通行証を見せるとあっさり引き下がった。 壁の向こう側を見た時はたいして驚きもしなかった。 「(あぁ…やっぱりか…)」 いらないもの、不要なものを切り捨て隠し「美しさ」を造り上げた街。それは傍目から見れば「美しい」だろう。だが虚構でもある…。 そしてそこで聞いた話は陰鬱なものであった。 研究所で仕事があると言われ、ついて行った者のほとんどが帰ってこないという話…。 帰ってこないだけで、レッケンベルで働いている者もいるらしい。が、やはり怪しい…。 「大きな声では言えないけど、そこの土管から研究所内に入れるよ」 貧民街で聞き込みを開始して3日目、潜入できるとの情報を得た。 「(確証を掴むためにも行くしかない、か…)」 土管の中を進みつつ今までの話を総合して考えていた。 「(人体実験、失敗、残留思念体との結合…この研究所の中にいるのは元人間たち……)」 ぴたりと足を止める。どうやらこの先が研究所の内部のようだ…。 「…私は…彼らを倒さなくてはいけないのか…」 頭に言霊がよぎる。 『神の声を世に伝えるべく 与えられた肉体を持つ 私たちモンクは 神罰の代行者であり 神の代弁者である 私たちの使命は 神に仇名す 死ぬことさえできぬ者 愚かな者等を 消滅させること』 モンク転職の際、授けられた言霊…。魂の救済では無く、あくまでも神罰… 「…覚悟を決めてかかるしかない、か」 はるは意を決して内部へと侵入した。 〔三段掌!!〕〔連打掌!!〕〔猛龍拳!!〕 次々に襲い掛かってくる人、人、人… 「すごい数…それに…」 彼らは皆1次職の姿をしている。だが桁違いの強さだ…。 〔ニューマ〕〔指弾!〕〔発勁!!〕 「ふぅ…」 目視範囲に誰もいなくなった事を確認し、座り込む。 「…あんまりいい気分じゃないや」 いくら神罰の代行とは言え、事情を知った後では技が鈍る…。 「まぁそろそろもど ザシュッ 不意に横から薙ぎ払われた。 「くうっ…〔ヒール〕」 とっさに避けたものの、盾は壊され左腕も思うように動かなくなった…。明らかに今までとは違う攻撃である…。 〔〔トゥーハンドクイッケン〕〕 …その声には聞き覚えがあった。 〔〔マグナムブレイク〕〕 「(そんな…まさか…)」 ぎりぎりのところで攻撃をかわしつつ、彼女の顔を見る。 〔〔バッシュ〕〕 間違いなかった。 間違うはずもなかった。 間違えるわけがなかった。 剣の師でもある彼女の事を…。 彼女は紛れも無く 「お母さん…」 母であった。 はるが12の頃に亡くなって以来、約10年を経ての再会。 だがそれは望まぬ再会…。 はるは攻撃しようにもできなかった。否、できる訳が無かった。 例えそれが望まぬ再会であったにせよ、ようやく会えた母である… 無音の時間が過ぎていく。 再び言霊が頭をよぎる。 拳を握り締め、構えを取る。 「お母さん……ごめんね…」 〔気功!〕〔気功!〕〔気功!〕〔気功!〕〔気功!〕 気弾を生成し 「私が父さんなら、魂の救済をできたんだろうけど」 〔爆裂波動!!〕〔気功!〕〔気功!〕〔気功!〕〔気功!〕〔気功!〕 さらに力を丹田に込める。 「でも、私は神罰の代行者なの」 その刹那〔残影!!〕間合いを詰める。 斬撃をかわし〔三段掌!!〕 「私には他に救う手段が無いの」 〔連打掌!!〕 「だからせめて」 〔猛龍拳!!〕 「私の手で…」 〔阿修羅覇凰拳!!!〕 「…さよなら…お母さん…」 その瞬間、彼女は少し微笑んだように見えた… それが一昨日のことだ。 一滴、涙がこぼれた。 「…せめて、神罰ではなく救済であらんことを…」 祈りつつ、また涙が頬を伝って落ちた…。 【嵯峨 春海 (Saga Harumi)(るみ)】① [人物/Wizard] るみには二人の姉がいる。一人は騎士になり、もう一人はRogueになった。 「お姉ちゃん、私も冒険にでるー」 「だめ」 「なんでよ~」 「まだちっちゃいでしょ。もうすこし大人になってからじゃないと」 「お姉ちゃんのけち」 姉妹のやりとりを聞いていた父は 「1次職はまだ早いだろうけど、Noviceにならいいんじゃないか?」 「ちょっと父さん」 「はるにだってわかるだろ。言い出したら聞かないのは3人そろっていっしょだからな」 「やった~、冒険者だ~」 姉たちの話を聞いて、いつか外の世界で冒険しようと思っていた。その第一歩を踏み出すことができて嬉しかった。 「るみは何になりたいの?」 中の姉であるあず姉が聞いてきた。 「んんとね…何になろうかな?」 「早めに決めておいた方がいいわよ。あとあと苦労するから…」 そう言ったあず姉の後姿に影が落ちたのを、私は見てしまった… 「明日私が、溜まり場に連れて行こうか?」 溜まり場!はる姉が所属してるギルドの溜まり場はいろんな人たちがいると、いつも聞かされていた。せくはらする人のこととか、動かない人のkととか、すごい人のこととか。 翌日、私は溜まり場に連れて行ってもらった。 「はじめましてです。いつもお姉ちゃんたちがお世話になってます」 「う~ん、いいねぇ、さわさわ」 …どうやらこの人がせくはらする人のようだ。周りからも「えろWiz」と呼ばれてるし… 「…魔法使いって楽しいですか?」 「楽しいよ~。こうやってさわれr[スピアスタブ!] …とりあえずはる姉の槍で吹っ飛ばされたのでよしとしよう。 「あら、Wizardになるのです?」 話を聞いていた優しそうな(でも威厳のある)お姉さんが声をかけてくれた。 「Wizardの事でしたら何でも聞いてくださいね」 天使の羽のHBをつけて、とても優しそうなお姉さんだ。 「(あんな風な人になりたいな~)私、魔法使いになりたいです!」 「そうか、おれのようにな[ブランディッシュスピアー!] …さっき、はる姉にふっとばされた人が、今度はもっとすごい技をくらったようだ。 「いい、るみ。あの人みたくなっちゃだめだからね」 私は槍でふっ飛ばされたくないです。 とりあえずはMagicianにならないといけないようなのだけど、まだ小さいと言われ、転職は先のことになった。 【嵯峨 春海 (Saga Harumi)(るみ)】② [人物/Wizard] 今日は待ちに待ったMajicianへの転職のとき。 『じゃあ混合液をつくってもってきてね』 どうやらフェイヨン水溶液が必要らしい。 「はる姉ちゃん、フェイヨン水溶液持ってる?」 「ん~持ってないけど、セーブポイントがフェイヨンだから買ってくるね」 「ありがと~」 -1時間後- 「はい、これだけでいいの?」 「うん、大丈夫だよ~。いってきま~す」 -30分後- 「…ただいま…」 「転職おめ…あら…まだなの?」 「あのね…入れるもの間違えちゃって…[黒い液体]ができちゃった…」 「…もういっこ水溶液買ってくるから待っててね」 「あうぅ…」 -10分後- 「ただいま、買ってきたわよ」 「…お姉ちゃん、さっきは1時間かかったよね…」 「エ、ナンノコトカシラ。道ニナンテ迷ッテナイワヨ」 「…いってきま~す」 「せめて何かつっこみなさいよ」 -40分後- 「ただいま~、転職できたよ~」 「おめでとう、これであなたも冒険者の一員ね」 「ありがとう~。ギルドのみんなにも報告に行かなくちゃ」 -溜まり場- 「無事転職できました~」 『おめでと~、転職祝いにこれあげるね』 と言って手渡される、転職祝いの品の数々。そんな中に[ギルド要請]が… 「?このギルド要請ってどなたですか?」 「あ~ごめんごめん。間違えて出しちゃった」 要請を出したのは☆さんだった。 「どうしましょう?」 「ん~別に。入りたければ入ってい[ギルドへ入りました]」 「よろしくお願いします」 Majicianに転職できたし、ギルドにも入ったし、次はめざせWizardだー! さっそく修練度をあげてこよ~っと 〔次回、「FW修練、迫りくる昆虫軍団」でお会いしましょう〕 【嵯峨 春海 (Saga Harumi)(るみ)】②-2 [人物/Wizard] 〔予定の変更 「ROの不思議」「SS風なので、名前付です」〕 モンク はる ダンサ あず Wiz るみ プリ 六条(りく) 1・精錬の不思議 るみ「ねぇ、お姉ちゃん。聞きたいことがあるんだけど」 はる「何?」 るみ「防具の精錬にエルニウムを使うよね?」 はる「そうだよ」 るみ「エルニウムって金属だよね?」 はる「…説明にも『金属』ってあるしね…。それがどうかしたの?」 るみ「メイルとか盾に使うならわかるんだけど、コートとか布地でできたものってどうしてるのかな?」 はる「…それはあれよ。ほら、防弾チョッキみたく、繊維がエルニウムに」 るみ「その分重くならないのはどうして?」 はる「…ええと……横領?」 るみ「え」 あず「二人して何話してるの?」 はる「あら、お帰りなさい」 るみ「あづ姉おかえり~」 はる「かくかくしかじかでね」 あず「ふ~ん…あ~そういえば」 はる「?」 あず「私、前にローグやってたけど、そのときの転職試験で暗号伝えなきゃいけなかったのさ」 あず「で、その内容が『ホルグレンは 精錬代を 横領 してはいない』だったんだけど…」 るみ「…なんとなく怪しいね…」 はる「精錬代は横領してなくても、エルニウムやオリデオコンを横領してるかもね…」 あず「はる姉…何かあったのか?ちょっと黒いよ」 はる「ん~、この間 りく が本を精錬しようとして失敗したんだって。結構費用がかかったって言ってたからね…」 あず「…本の精錬ってどうやるんだろう」 はる「本の背表紙じゃない?」 あず「え」 はる「だから、本の背表紙をオリデオコンで強化して、こう本の角でガツーンと」 るみ「…すっごく痛そう…」 あず「+10とかになったら、本全部がオリデオコンで出来てたりして」 るみ「…それって本って言うのかな?」 はる・あず「さぁ…」 2・Wisの不思議 るみ「Wisってどういう仕組みなのかな?」 はる「ケータイ」 あず「いや、はる姉。それはさすがに…」 はる「でも、耳打ち拒否とかできるし、友達登録してると[FRIEND]って出るし」 あず「せめて『魔法だ』くらいにしとこうよ」 はる「じゃあ糸電話」 あず「『じゃあ』じゃない!」 るみ「ギルドの人と話すのはどうなってるのかな?」 はる「1人1台ノートPCをもってて…」 あず「待てはる姉、ケータイ以上に世界観が壊れるぞ」 3・カプラサービスの不思議 るみ「カプラさんのとこの倉庫サービスって、どこに倉庫があるのかな?」 はる「横とか後ろの家が、実は倉庫とか?」 あず「どこのカプラさんを通しても物引き出せるよね…」 はる「…カプラさんのエプロンのポケットが実は、四次元ポケットで」 あず・るみ「…」 はる「そんな冷たい目で見ないでー」 4・ミルクや果物の不思議 るみ「ミルク売ってるけど、乳牛がいない気がするのは気のせい?」 あず「どこかに大酪農園があるんじゃない?肉も売ってるし、野菜も売ってるし、果物も売ってるし」 はる「お花はプロンテラの花畑からとってるのよね」 あず「…え?」 はる「西門のとこと南門のとこと、ヴァルキリーレルムのところと」 あず「確かに生えてるけど…」 はる「それとも、フローラかしら?」 あず「いや、あれ『食人植物の花』だから」 5・プロンテラとグラストヘイムの不思議 るみ「騎士団のところで水道の虫討伐やってたよ~」 あず「あれって一応上水道なんだよね…」 るみ「プロンテラの人たちって、水が飲めないのかな?」 あず「ん~…プリーストが大勢集まって『アクアベネディクタク』やってるんじゃない?もしくはセージが集まって『デリュージ』とか」 るみ「水不足解消のためにみんながんばってるんだね」 はる「ただいま」 あず・るみ「おかえりなさい」 るみ「どこ行ってきたの?」 はる「臨公でGHまでね…そういえばプロのマークとGHのマークって似てるのよね」 あず「そうだっけ?」 はる「どっちも『双頭の鷲?鷹?』に見えるんだけど」 るみ「今度行ったら確かめてみよ~っと」 ■壁画を展望できる、物語の中心へ。 ■壁画を展望できる、南側の円柱2へ。 ■壁画を展望できる、南側の円柱3へ。
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【解答】円柱の段差乗り上げ 【問題】 円柱の段差乗り上げ 突起との衝突時に受ける撃力は,突起まわりのトルクを持たないので,突起まわりの角運動量は衝突前後で保存される。衝突直後の角速度をとすると, 衝突後のある時刻における,突起と中心を結ぶ半径の仰角として,エネルギー保存則により 突起を越える限界において,のときより について整理すると, 題意に沿う範囲は, となる。 ぎりぎり乗り上げたところ()
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台車上の円柱面を上る小球 これも,かつてJavaでつくったシーンの再現。台車に乗り移った小球が円柱面を上る。 【問題】 図のように半径 の円柱面をもつ質量 の台車に,質量 の小球がある初速度をもって乗り移る。重力加速度の大きさを とし,摩擦や抵抗は無視できるものとする。 (1) 小球が台車の最上点(円柱面の中心の高さ)までちょうど上るために必要な初速を求めよ。 (2) (1)が成立するとき,円柱面を降りた小球が台車を離れた直後の,小球と台車の速さを求めよ。 ※Algodooの設定は,。 【解答】台車上の円柱面を上る小球 Algodoo シーン http //www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload act=open pageid=219 file=Ashika.phz
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■壁画を展望できる、物語の中心へ。 ■壁画を展望できる、南側の円柱へ。(【はる】と【るみ】の話) ■壁画を展望できる、南側の円柱3-2へ。(【あず】の話その2) ■人物を展望できる、南の門の中心へ。 【安土 春海】① 【安土 春海】② 【安土 春海】③ 【安土 春海】④ 【安土 春海】⑤ 【安土 春海(あず)】①[人物/Dancer] 「ねぇあず姉、何でローグやめちゃったの?」 時計の針は既に、深夜をむかえようとしている。今日は(といってもすでに『昨日』であるが)久方ぶりに家に帰ってきた長女「春海」を囲んでの夕餉であった。テーブルの上には、空になった酒瓶が5、6本転がっている。 「そういえば私も聞いたこと無いや。あず、何で?」 はるも援護に入る。 「ん、あぁ、その事ね…」 はるもるみも興味津々といったふうににじりよっていく。 あずは飲みかけのグラスを置いて、腕を組んで暫し考え 「えーと…飽きたから~~」 「…」「…」 2人とも「え~そんなのが理由なの~?」という顔で見ている… 「だって私が飽きっぽい性格だっていうのは知ってるだろ?」 「あずが飽きっぽい性格なのは十分知ってるけどさ…」 「うん、ちょっと期待はずれというか何というか…」 2人の返答が終わらないうちに、あずは椅子から立ち上がり腰布の位置を直しつつ 「ま、ちょっと飲みすぎたみたいだし先に寝るわ」 と、裾を翻して自分の部屋へと向かっていった。 背後からは非難の声が上がっているが、無視することに決めた。 部屋に入り年代ものになったベッドに腰を下ろす。ランプを灯し、残り火で煙草に火をつけ燻らせる。 あずにとって、就寝前の至福の時である。 「…何で…か」 煙をはいて余韻にひたる。 「まったく…昔の事を思い出しちゃったじゃないか…」 それは、あずがまだRogueであった頃の事。その日もミョルニル山脈廃鉱で一攫千金を夢見て狩りをしていた。 「そーれ[スティール]」 確かな手応え、これはいけた!と思った。手に握り締めた物を見[ランタン]獲得。 「……」 しばし呆然。 「…なんでレアが出ないんだー(でないんだー)(デナインダー)…」 むなしく叫びだけが木霊した…。すでに袋には山盛りのランタンが入っている。 「はぁ…レア運の無さは家系かな……帰ろう」 とぼとぼとその場をあとにしようと[ドスン] 「きゃあ」「ぐは」 何かが降って来た。 「あ、あの…ごめんなさい…」 その何かはあずの上から謝ってきた。 「…謝るのはいいから、とりあえずおりてくれる?」 「あ…ごめんなさい…」 おりてからも平謝りをしている。 そんな彼女に、あずは水筒から水を手渡した。 「ほら、まずは落ち着いて」 手渡された水を一気に飲み干し 「ふぅ…ありがとうございます……わたくし紅月(ホァン・ユィエン)と申します」 「私は安土春海だ、『あず』と呼ばれてる」 「なら、わたくしの事も『ホァン』と」 入物を返しつつ自己紹介をした。炎のように紅い髪に紅い目、名は体をあらわす、といった感じだ。 「ホァンもレア目当て?」 「ですわ、スティールが使えるので[ジュル]を狙いに…でも」 「「たまるのは[ランタン]ばかり…」」 お互いに顔を見合わせ、ため息をついた…。 「あら、もうこんな時間に…わたくしはここで失礼いたしますね」 「うん、それじゃあね」 「はい、またどこかでお会いしましょう」 荷物入れから[蝶の羽]を取り出し、ホァンは姿を消した。 「さてと…私も帰らないと…」 荷物入れから[蝶の羽]を…羽を…羽……。 「忘れてきちゃった…仕方が無い、歩いて帰るか…」 「まさか、それがあんなことになるとはね…」 2本目の煙草に火をつけつぶやいた。 【安土 春海(あず)】②[人物/Dancer] 「ええと…右に行って左に行って…つきあたりまでまっすぐ行って…」 手元の地図を頼りに行ったり来たり… 「…あれ?ここ行き止まりだっけ…」 あずは完全に迷っていた。 「落ち着こう…確か迷路では右手を壁につけば出れるはず…」 さらに2時間経過。 「…ここは…どこなんだろう…」 すでに疲労困憊、そんな時にワープポータルの光を見つけた。 「や、やった…ようやく外に出れるよぅ…」 喜び勇んで飛び乗る。そして外には緑の広がるミョルニル山脈の光景が 「…ここは外だよね?」 無かった。 あずの目に飛び込んできたのは、薄汚れた空気、茶色の山、油の匂い、遠くからはかすかに機械音が聞こえてくる。 その街の名は、この時点であずが知っているはずもない街、[シュバルツバルド共和国]の[アインブロック]その鉱山地域である[アインベフ]であった。 「まぁ…街ならカプラサービスもいるでしょ…」 とりあえず、街の散策に乗り出した。が、 (尾行されている…) さきほどから、つけられている気配がする。 (むぅ…悪いけどストーキングされるのは好みじゃないんでね)[ハイディング!][トンネルドライブ!] 尾行者をまくため、姿を隠した。 ちょうど良い空家が見える。あずはその小屋の中に飛び込んだ。 「ふぅ…それにしても…」 [トンネルドライブ]状態を解除し、懐から煙草を取り出し一息つく。 「ここはどこなんだ…それに、私をつけていたのは…」 「吸い過ぎはは体によくありませんよ」 「!?」 その声に、2本目にのばしていた手がとまった。 [クローキング]を解除して現れたのは紅い髪。 「ホァン…どうしてここに?」 「またお会いしましたね、あず」 そういってホァンは微笑んだ。 【安土 春海(あず)】③[人物/Dancer] 「さて、早速ですけど…あず、何も聞かずにこの場を立ち去っていただきたいのです」 「早速というかいきなりだな…質問してもいい?」 「だめです」 にべもなく却下するホァン。 「でも少しくらい…」 「…世の中には、知らないほうが幸せだということもあるのですよ…」 「…あいにく、好奇心だけは旺盛でね」 「わたくしは…せっかくできた友人をなくしたくないだけです」 「でも…!?」 急に辺りの空気が変わった。重くのしかかるような空気に…。 「(…ホァン)」 「(だから…言ったのですのに…)」 ますます空気が重くなる。 「(ここまできたら、何か説明が欲しいんだけど?)」 「(…いけません)」 小屋を取り囲む気配がある。そいつらが空気を重くしているようだ…。 「(…でも、事情を知る知らないってのは外の連中には関係なさそうなんだが?)」 「(…しかし…)」 重い空気がさらに重く…むしろこれは 「(これだけ殺気漂わせてるんだ、せめて何か聞きたいんだがなぁ…)」 「(…)」 「(ひとつ…ふたつ……計9人か…私は4人くらいは相手にできるけど)」 「(いけません、これ以上巻き込むわけにはまいりません…)」 「(でもねぇ…私もむざむざやられたくはないんでね)」 そう言って、短剣を握り締める。 「(言っとくけど、決意は固いからね?)」 それを聞き、ホァンは唇をかみ締め何か逡巡していたが 「(わかりました…わたくしが5人受け持ちましょう)」 「(そうこなくっちゃ)」 互いに武器を手に取り 「(あず)」 「(ん?)」 「(必ず…生きて会いましょうね)」 「(あぁ…もちろんだよ)」 [ハイディング!][トンネルドライブ!][クローキング!] (さて…あぁは言ったものの…) あずは敵の姿が見える位置まで接近した。 (なにものなんだ、こいつらは…) 敵の姿は…黒だった。漆黒を体現したような鎧、服…全身が黒ずくめである。クルセイダーを黒くしたような鈍重そうな印象を受ける。それに加えて (武器は無し…素手…Monkなのか?) 手持ちの武装を一切していない。 (まぁ…相手がなんであれ、やるしかない!) 敵に接近し、Rogueの必殺スキル[バックスタブ!]を放った。 どぅ、と倒れ伏す黒の塊…すぐさま[ハイディング]で身を隠す。 (残りは3人か…) 近場にいた2人目を[バックスタブ]で打ち倒す。 そして3人目を手にかけ《サイト》「くぅ!?」 3人目を倒せたものの…置き土産の《サイト》で燻り出されてしまった。 あずの姿を確認した残り1人の黒の塊は <das Ziel die Bestatigung der Anfang beseitigen> 謎の言葉を発し、こちらを向いた。 「へっ、ガチでやってやろうじゃないか!」 あずは負ける気がしなかった。なぜなら (あの鎧で高速移動なんてできるわけがない!) という計算があったからなのだが……現実は非情なものだ。 黒の塊は、予想をはるかに超える速度であずに迫ってきた。 「なっ」 そして大きく腕を振りかぶり、唸りを立てて振りぬかれた。 「むぅ…」 ぎりぎりのところでかわしたが、2撃目がすでに迫っていた。 足元を蹴り、大きな弧を描いて後方に着地する。あずが居た場所は2撃目によってクレーターと化していた。 (まずいわねぇ…) 速度だけは勝っていると予想していたが、こうも簡単に覆されてしまった。 (だけど…) 3撃目を加えようと黒の塊が迫る。 「…ったく、高かったんだからね!」 盾をフリスビーの用量で投げつける。避ける様子も無く片手で落とされ 「でも、姿は見えなくなったでしょ」 盾を投げると同時にその真後ろを駆けていたのだ。一瞬の隙をついて、首筋に向かって短剣をつきたてようとした。 だが、盾を落とした腕が有得ない速さで戻ってきた。 「な…そんな、まさか!」 首筋につきたてられるはずの剣が深々と腕に刺さる。だが、そこまで。黒の塊は何事も無かったかのように追撃を加える。 (くぅ…残りの短剣は……3本か) 紙一重の見切りをしつつ、予備の本数を数える。 大振りな攻撃であるためか、避けるのはそう難しいことでは無い。隙を窺いつつ回避に専念する。 ふいに、黒の塊の動きがとまる。あずが訝しんでいると≪sich verstecken≫と言い、姿を消した。 (…逃げたわけではなさそうだねぇ…) 相変わらず気配だけはする。その気配を頼りに敵の位置を探る………背後に気配。 「!」 振り向きざまに短剣をつきたてようとしたが 「いない!?」 黒の塊はすでに正面にまわっていた。 「ちぃっ!」 地面を蹴って後方に逃れようとした。だがすでに見抜かれていた。 着地地点に向かって猛然と突込み、すでに攻撃態勢を整えている。空中では避けようが無い…。 (ホァンごめん…約束…守れそうにないや……) あずに向かって、その黒い腕が振りぬかれる。 だが、破局のときは訪れなかった。あずの命を消し去るはずであった腕は、すでに無くなっていた。 <?!!> 黒で覆われた顔からは、その表情を窺い知るできないが事はできない。が、驚愕している様子はわかった。その顔も、次の瞬間には消し飛んでいた。膝を突き倒れる黒の塊。 「ふぅ…間一髪でしたわね…」 「ありがとうホァン…」 「さて…いろいろと説明がほしいなぁ」 「…聞いた後で後悔をするかもしれませんが、それでもよろしいのです?」 「聞かずに後悔するより、聞いて後悔するほうがいい」 「…わかりました、ではこのワープポータルに乗ってください」 【安土 春海(あず)】④[人物/Dancer] 着いた先は[シュバルツバルド共和国]の首都[ジュノー]であった。 「で、さっきの街はなんてところなの?」 問いかけるあずにホァンは 「そうですわね…あのベンチでお話しますわ」 と、木々に囲まれたベンチを指差した。 「ここは、わたくしのお気に入りの場所なのですよ」 確かにここは心地よい。[ジュノー]が高所にあるためか、空気が澄み風も穏やかである。眼下には雲がたなびいている。しばし、その心地よさにあずも身を任せた。 「…あの街は[アインベフ]と呼ばれています」 重い口を開き、ホァンが話し始めた。 「わたくしたちは、ある方からの依頼を受けて調査を行っているところなのです」 「今日襲ってきたあれは?」 「あれは…まだ正式な名前はわかりません。ですがわたくしたちの間では[レッケンベル兵]と呼んでいます」 [レッケンベル]。その名にはあずも聞き覚えがあった。確か[ガーディアン]の作成に携わっていた企業だ。 「そうして調査中であったわたくしの下に『あやしげなローグがいる』と情報がはいりました」 「…あぁそれが私だったわけか」 「後をつけさせ、似顔絵からあずだという事がわかりましたので、わたくしが出向いたのですけど…」 「ああいう事態になっちゃった、と」 「本当なら、ああなる前にここに移動して頂きたかったです」 「まぁ…結果として良かったからいいんじゃない?」 「何を言っているのですか!あそこであずにもしもの事があったら…わたくしは…」 「う…ごめん…」 「現時点でお話できることはここまでですわ」 「…まぁ依頼内容まではさすがに話せないだろうからね…」 「はい」 そう言ってにっこり微笑む。 「しばらくは、ジュノー近辺にも近寄らないほうがよろしいかと存じます」 「あぁそうしておくよ…」 「ではこの辺で…」 「あ、もうひとつ」 立ち去ろうとするホァンを引きとめ 「『わたくしたち』とか『わたくしの下に』とかって出てきたけど、ホァンって何者なの?」 とたずねた。 ホァンは、小首を傾げてちょっと照れくさそうに 「そうですわね…肩書きとしては非公認ギルド「Finsternis」のギルドマスターですわ」 「!!!?」 「…少し驚きすぎではありませんこと?」 「あ、あぁ…かなり驚いた…」 「ふふふ…ではまた会いましょうね」 踵を返してホァンが立ち去る。 「またね、ホァン」 そうしてその場を離れた2人。 だが、あずの足は[プロンテラ]ではなく[コモド]に向かっていた… 「ただいま~」 「あず姉、おかえ…」 帰ってきた姉の姿を見て、るみは固まった。 「ええと…あず姉だよね?」 「そうだよ?」 「なんで弓使いに…」 「ん~…ローグ飽きた」 「…ちょっとお父さん、何か言ってやってよ」 父に同意を求めるるみ、だが 「うーん…父さんは何も言えないなぁ…」 「どうして?」 「父さんも、Priestになる前は商人だったからね」 衝撃の事実に驚く、るみ。 「…わたしはずっとWizard続けよう…」 3本目の煙草に手をのばした。 「吸い過ぎは体に良くありませんよ」 不意に窓の外から声がした。月の光の下、紅い髪が煌いている。 「ホァン、いつ来たの?」 「つい先ほどですわ、窓から失礼いたします」 そう言って窓からするりと入ってきた。[ジュノー]で別れた後も2人は連絡を取り続け、交友を重ねていた。 「今日は…この間の依頼の件?」 「はい、ある程度まとまったのでご報告に参りました」 小脇に抱えていた大き目の封筒をあずに手渡す。中に入っている資料に目を通しつつ 「いつも悪いねぇ…依頼金無しの仕事なのに」 と詫びた。本来なら依頼金を支払わなければならないのだが 「わたくしとあずの仲ですもの、問題はありませんわ」 と、いつもただなのである。 「それで…あの男の正体とか、下手人の話とかはわかった?」 首を横に振るホァン。 「いいえ…やはり非公認の…しかも暗殺専門のギルドに関しては、絶対的な情報が少ないですわ」 「やっぱりねぇ…」 「ただ、この間の事件においては被害にあった貴族が『こうして私は無事であったのだから、不問に処そうではないか』と」 「ふむ…ある程度、危険度は下がったわけか…」 「ですが、油断は禁物です…『表』と『裏』が関わって、良い結果を生んだことはほとんどありませんのですから…」 「「でも」」 「わたくしたちのような例もありますわね」「私らみたくなるかもよ」 顔を見合わせ笑い出す2人。 「ふふ…ではここで失礼させていただきます」 「あいよ、今度は仕事抜きで会おうね」 「ええ、ぜひとも」 と言って、また窓から出て行った。 ずっと手に持っていた3本目の煙草を箱に戻し、ベッドに横になる。 「さて…明日りく姉のところに行かなくちゃな…」 ランプの灯りが消え辺りは闇に包まれた…。 【安土 春海(あず)】⑤[人物/Sage] 「るみ、魔法を使うのって難しいの?」 ある朝、唐突にあずが尋ねてきた。 「いきなりなんなのよ~…まだ眠いのに…」 まだ部屋で熟睡していたるみは寝ぼけ眼で姉を見る。 「…あ~…1つ聞きたいんだけど…」 「何?」 「またなの」 「そう、また」 そこにはDancerの姿は無く、Magicianの姿があった。 「はぁ…まぁいいか…じゃあ朝ごはん食べたらね」 「了解、るみ師匠」 2週間後 「よし、[ジュノー]行ってくる」 「いってらっしゃい…ってSageになるの?」 「…何よ、その『似合わなーい』って顔は」 「ソンナコトオモッテナイヨ」 「…まぁ行ってくる、今日はフリュが来るんでしょ?」 「うん、ここのところMagicianが多くて嬉しいよ~」 満面の笑みのるみを置いて[ジュノー]へと急いだ。 「ここに来るのも1年ぶりか…」 高地の[ジュノー]の風を受けながら呟く。あれから後[アインベフ][リヒタルゼン]への通行が許可され、今では多くの冒険者で賑わっている。 「ですが、念のため護衛に参りましたわ」 そう言って、傍らにはホァンがやって来ていた。 『魔法アカデミーにようこそ、我々は君の転職を歓迎するよ』 アカデミーの学長からSageの制服が手渡され、無事転職の儀を終える事ができた。 「あず、おめでとうございます」 「ありがと、ホァン」 さっそくもらった制服に着替え始める。 「(…こないだの件は根が深いようだね)」 「(えぇ…どうやらただの暗殺未遂事件では無いようですわ)」 「(表面上はとりあえず納まったようだけど…)」 「(…実は、まだ公式発表の段階では無いのですが、全公式ギルドへ依頼が出されるそうです)」 「(全部…それはまた大掛かりな・・・)」 「(いずれまた会いましょう)」 「(うん)」 この事が公になるのはそれから更に2ヵ月後であった…。 ■壁画を展望できる、南側の円柱の中心へ。
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■壁画を展望できる、物語の中心へ。 ■壁画を展望できる、南側の円柱へ。(【はる】と【るみ】の物語) ■壁画を展望できる、南側の円柱2-2へ。(【フリューリング】の物語) ■人物を展望できる、南の門の中心へ。 【名も無き者】① 【?】① 【?】② 【?】③ 【?】④【京極 春海】① 【名も無き者】① [人物/Asassin] 昼間の喧騒もどこへやら、深夜ともなれば首都プロンテラといえど人通りはほとんどない。時折、酒場から出てきた酔っ払いがいる程度だ。 ガス灯の明かりも小さく、闇に生きる者にとっては格好の時間である。 魔力を施された城壁によって、外に蠢くモンスター達は中に入ることはできない。それによって住人は安心して暮らすことができる… いや、例外があった。何も人の命を奪うのがモンスターだけの特権ではない。それと同じくらい古き歴史を持つ者たち、暗殺者(Asassin)である。 今でこそトリスタン3世によって(その力を人に向けないことを絶対的な契約として)職業として認められてはいるものの、「人を殺す」という技術を持っていること、そして、表向きはともかくとして、今でも依頼遂行をする非公認のアサシンギルドが存在することは、上級下級を問わず、貴族たちの間では公然の秘密であった。 「ちっ、失敗か…?なっ、まさか!」 その日もいつものように依頼を遂げるため、ある貴族を襲撃した。男の役目は目付の目付、すなわち完全な監視役である。 今回の任務は簡単に済むはずであった。何しろエリート暗殺者として育てられた二名でチームを組んでいるのだから。 それゆえ監視の監視である男にとっては、暇な任務であったはずだった。しかし… 「まずいランディー!作戦変更だ」 「我らの存在を知られるわけにはいかない。皆殺しだ・・・」 「・・・・!!」 「ちぃっ!!」 「私の命が目的なら、妻と娘は見逃してくれ!頼む!!」 「何をしている!早くやれっ!!」 「くそっ!この期に及んで躊躇するとは使えない奴だ!!」 「ぐぅ・・・な、なぜだぁ・・・」 「う・・・裏切り・・者・・・」 「おいおい、マジかよ」 男にとっては信じられない光景であった。まさか彼女が裏切るとは… だが、そんなことは言ってられない。ここで彼女を、ランディーを取り逃がしてしまえば、次に追われるのは自分である…。 「おい何をしている、追うぞ」 「(…やはり、か)」 たかが貴族一人を襲うのに監視を2人もつけるとは大仰な、と思っていたが、どうやら裏では相当大きな力が動いているらしい…。 男のほかにも監視役がいた。 「まったく、厄介なことをしてくれるな、あの女は」 まったくである。おかげで同業者を追うという面倒な任務が増えてしまった。 「お前は右から回りこめ、俺は左から追う」 「了解した」 同業者を追うというのは一番厄介な任務である。なにしろ互いの技は熟知されているし、追跡・撹乱など読みあいになってしまうからだ。 「だがまぁ、やるしかない、か」 男は、ナイトメアの魂のこもったカタール『裏切り者』を装備した。 「ほんとはこんなことに使いたくはなかったのだけれどな…」 男の記憶でも、依頼を投げ出し逃亡した同業者は数えるほどしかいない。そのほとんどは相討ちになったという。追跡者にも逃亡者にも生存者がいないため確認が取れないのだ…。 ゴッ 何かが足に当たった。 人の腕のようだ。 「…」 男にはそれだけで状況が読み取れた。この太さからいって、監視役のものであるのは間違いない。つまりそれは… カキーン 冷たい金属音が静かな街に鳴り響く。 アサシンどうしの戦いほど静かな、そして冷酷なものは無いだろう。 詠唱も無ければブラックスミスのように気合の声をあげるわけでもない。 ただ刃の打ち合う音だけが聞こえるだけである。 キーン 数十合ほど打ち合いになり拮抗した状況になった。 「なぁ、ひとつ聞きたい」 男はランディーに尋ねた。通常のアサシン同士の戦いでは有り得ない事である。ランディーは一瞬驚いたようだがすぐに 「いいだろう、死に逝く者の望みだからな」 冷徹に切り返した。 「このまま逃げれるとでも思っているのか?」 「ふん、よくある問いだな」 彼女の刀に力がこもる。 「わたしは逃げ切ってみせる」 「…アサシンとして育てられた貴女に帰る場所があるとでも?」 「……」 この問いには答えず、ただ刀に力が入るだけであった。 そう、いくら逃げおおせたとしても、帰る場所も無い生粋のアサシンにとって、逃亡はただの放浪に過ぎない。 「…俺は逃亡を遂げたある一人のアサシンを知ってる」 [[へっざまぁねぇな]] 「そいつは追跡から逃れることには成功したが、自分で命を絶っちまった」 [[逃げたは良いものの、何をしたらいいかわからねぇ]] 「そしてこう言ったよ」 [「俺には守るべきものも誇るべきものも無いのになぁ…どうやら俺が逃げたがっていたのは「人を殺すアサシン」ということからだったらしいぜ」] 聞いているのか無視しているのか、ランディーに反応は無い。 「…いいだろう」 考え込んでいたのか、不意にランディーは声を出した。 「逃げおおせて見せるさ、『殺人者としてのアサシン』からな!」 拮抗が解けた。 急激なラッシュだ。 か わ し(腹部に右の短剣が刺さった)き れ な い [クローク!] 男はアサシンの技、[クローキング]で姿を隠した。本来なら追撃に用いるのであるが、今は隠れるだけで手一杯である。 …しばらく彼女は様子を窺っていたようだが、追撃できないと判断したのか、その場を立ち去った。 「…手加減したのかはしらんが、逃げて見せるさ、どこまでもな」 立ち去る瞬間、そう言っていた様な気がした。 それが男の最後の記憶であった。 【?】① [人物/?] 男は深い闇の中にいた。 「……ら…だってば」 誰かが話をしているらしい。 「もし…ら、どうす…」 声からして女のようだ。 「そのときはそのときよ」 「りく姉、いくらなんでもまずいでしょ」 「傷ついた人を助けるのは聖職者の役割よ」 「はる姉やるみ姉が聞いたら何て言うか考えて見なさいよ」 「はるちゃんもるみちゃんも同意してくれるよ」 「…りく姉、場所考えていってよ。連れてきたのがわたしらの家だったらまだいいけど、ここ、セラ師匠の神殿だよ。師匠にまで迷惑かけるんだよ!」 「セラさんだって『よろしいですよ』って言ってくれるよ」 「だいたいこんな傷だらけのアサシンが怪しくないわけないじゃない!」 「でも~…」 どうやら命は残っているようだ。二人(おそらく姉妹だろう)の会話から大体の状況は把握できた。 「お姉ちゃん、お薬買って来たよ~」 部屋のドアが開き、二人の妹らしき子どもが入ってきた。 「くーちゃん、ありがとう」 「この人、まだ起きないの?」 「そうね…だいぶ傷が深かったし、まだだと思うよ」 「服とか洗濯しておいたから、お姉ちゃん干すの手伝って~」 「はいはい…ケイここお願いしていい?」 「あ~いってきな、何かあったら知らせるから」 「お願いね」 「ちい姉お願いね~」 バタン、とドアが閉まった。どうやら一人だけ残っているようだ。 「(今がチャンスか)」 武器が無くとも女一人倒すのに苦労はしな 「…言っとくが、私はりく姉のように甘くは無いからな」 「(!)」 「いつまで寝た振りをしているつもりだ?それとも女一人だからとなめているのか?」 「……いつから気づいていた?」 「お前が気づいていた頃からだ」 どうやらケイと呼ばれているこの女は、相当修練を積んでいるようだ。 「私はお前がどんな人物であろうと構わん、が、師匠やりく姉、くーに危害を及ぼすようなら…消す」 最後の一言にこめられた殺意は、数多の任務をこなしてきた男を震わせるものであった。それはもはや恐怖と言っても過言ではなかった。 「あぁ了解した」 そう言って、ケイという女を見てみた。金色の髪、いかにも魔力を持っていそうな帽子、そしてWizardの制服… 「あんたウィザードか」 「みりゃわかるだろ?」 そう言うと近くのいすを引っ張り出して書を読み出した。 「…ずいぶんと冷たいな?」 「当たり前だ、アサシンを信用するほどお人好しではないからな」 書から目を離さずに返答してきた。 「信用してない割りに無防備だな?」 ケイは杖すらもってない。部屋には彼女ただ一人。 「…仕方が無かろう、りく姉の言いつけだしな、それに…」 そこで言葉を切って男を見た。いや、見据えた。 「けが人を縛り付けておくほど、私は外道でもない」 それだけ言ってまた書に目を落とした。 「…なぁ」 「しつこいやつだな、本に集中できないではないか」 「怪しいと思っているなら、なんで騎士団に通報しない?」 書を読む手を止め、 「通報してほしいなら届け出るが、そのほうがいいのか?」 一瞥もせずに言い放った。 「アサシンは信用ならないんじゃないのか?」 「…職業を差別する気はまったく無いが」 もう書を読むのを諦めたのか、それを机の上に置き、こちらを向いた。 「夜中に傷だらけで倒れていたアサシンを怪しむな、というほうが無理だと思うが、どうかな?」 「…まぁそりゃそうだ」 「アサシンだからといって非難する気は無い。溜まり場にもランディーさんのようにすごい人もいるのだからな」 「…ほう」 「私はまだあまり話したことが無いが、それでもその強さは見るべきものがあると思っている」 「(ふっ、運命と言うものはどこで交わるかわからんものだな)」 「ん?何か言ったか?」 「いや、なんでもない。そうだ、おれはどのくらい眠っていた?」 「ん、かれこれ半年というとこかな」 「…ならお前の姉とのやりとりは」 「あぁ、わざとだよ。お前さんが目覚めたのに気づいたからな」 「ふっ食えない女だ」 「食われたくも無い、お断り願おう」 「(…当面は安心していいようだが、いずれここを逃げ出さなければ)」 「…何を考えているかは知らんが、目覚めたことを伝えてくるぞ」 「あぁ(ちょうどいい、今なら逃げれるだろう)」 〔大地の精霊よ、我に敵を拘束する力を!ストーンカーース!!〕 「なっ、お前」 「どうせ逃げると思うのでな、石化させてもらうぞ」 「・・・」 男はこの女だけは敵に回さないようにしようと、石化する直前に決意した。 【?】② [人物/?] 〔精霊に魅入られし者に神の癒しを リカバリー〕 頭上に神聖文字が浮かんだ。体の隅々にまで[神の癒し]が行き渡るのがわかる。 「(人の命を奪って生活していたおれに、[神の癒し]とはな…)」 その運命の皮肉(あまりの滑稽さ)に自嘲の笑みがこぼれた。 「石の中はどうだったかな?」 …どうにも皮肉を言わないと気がすまないらしい、このケイと呼ばれている女は… 「おかげさまで、静かなところだったよ」 「そうかそうか、ならもう一度入ってみるか?」 …精一杯の皮肉を込めたつもりだったが、あっさり流されてしまった。どうにもこの女にはいいようにあしらわれてしまう… 「あの…お体の方は大丈夫ですか?」 おれとケイの会話におずおずと入ってきたのは「りく姉」と呼ばれていた(想像通り)Priestだった。 「まだ気分が優れないようでしたら、横になっていたほうがよろしいですよ」 ケイと違い、こちらはとても優しい。職業柄というよりも、もともとの性格なのだろう… 「いや、お気遣いありがとうございます。できればこのあと、貴女と二人っきりになりたいものですね」 「…?」 何のことやら、という感じで小首を傾げられた。そしてケイは 「りく姉、こいつ石の中のほうが好きだってさ」 片手にレッドジェムストーンを持ち、いつでも詠唱いけるよと言わんばかりにこちらを睨んでいる… 「だめだよケイちゃん、そんなことしちゃ」 やはり彼女は優しい。…比較対象がひどすぎるのかもしれないが 「生きてる間はだめだよ~」 訂正だ…それなりに似てはいるようだ… 【?】③ [人物/Asassin] 2人が部屋から出て行った後(もちろん出て行く時に「おとなしくしてるか石の中がいいか、選びな」と聞かれたのは言うまでも無い)とりあえずはベッドに横になっていた。が、 「…やはりのんびりはしていられないな…」 洗濯の終わった服に身を包み、カタールを手に取り部屋から抜け出した。 「!」 その感覚に、ケイは紅茶を飲むのをとめた。 「ケイちゃんどうしたの?」 ケイの挙動に疑問を感じりくがたずねる。 「なんでもないよ、りく姉」 残った紅茶を飲み干し 「それであず、下手人とかはわかったの?」 目前にいるあずに聞いた。 「ん~…それがいまいちはっきりしないんだよね」 あずはお茶請けに出されたクッキーを平らげつつ、紙片を渡した。 「その報告書にある通りだけど、事件そのものは未遂で終わってるし、暗殺されかけた当の貴族が『この通り生きているので大丈夫です』の一辺倒で、調査自体が進展してないんだってさ」 と、ここまで言ってカップを空にする。 「あずお姉ちゃん、お代わりどうぞ」 くーが代わりのカップを差し出す。 「ありがと、くーちゃん、……」 「な、何?あずお姉ちゃん」 カップを受け取った後もじっとくーを見るあず。 「いやさ…普通、末の妹ってこう可愛いものだよなぁと思って…」 「るみお姉ちゃんだって可愛いと思うけど」 あずは全力で首を横に振り 「いやいや…もうとっくに可愛げなんて消え去っちゃったよ…」 と、るみが聞いたら大魔法乱舞劇になりそうな事を言ってのけた…。 「あずちゃん、あの人の事はどう?」 3人のやりとりを黙って聞いていたりくがたずねた。 「うーん…それがねぇ」 脇に置いてあった袋の中から1枚取り出し 「今回の件とは直接関わりは無いけど、暗殺などの重大事には実行犯と目付け役っていう組み合わせで行うんだって」 「まぁそうだろうな、背信して逆に雇われかねんからな」 ケイがうなずく。 「で、ここにいるやつがどっちかは分からないけど、少なくとも関わっていることは確かだろうね」 「なら、ここに置いていても大丈夫だね~」 りくのその言を聞いて、あずとケイは同時にため息をついた。 「あ、あれ?私何かおかしい事言った?だって事件は不問に近いんでしょ?」 「あのね、りく姉。事件そのものは不問でも、組織としてはまだ動いているんだよ」 あずもそれに続く。 「『失敗者には死を』の言は今でも通用するって事。実行犯であろうと目付けであろうと、追っ手が掛かっていることは間違いないだろうね」 「しばらく身辺に気をはらってね」 あずが帰り支度をはじめ 「あ、買い物ついでに送っていくわね」 「私もついてくー」 と、りくとくーも出かけていった。 「ふぅ…」 家に残るはケイ1人だけ。…いやもう1人いた。 「…お前は、タヌキ寝入りとクローキングで盗聴が趣味なのか?」 「なんだ、やっぱりばれてたか」 クローキングを解除し、男が姿を現した。 「部屋の出入り口に結界をしいてたからな」 「おやおや…用心深いことで」 「だが解せんな、逃げ出す事は出来たろうに…」 ケイは怪訝そうに男を見る。 「なーに、ちょいと情報を仕入れたかっただけさ」 「…まぁいい。出て行くというのならさっさと出て行ってもらおうか」 「ずいぶん冷たいねぇ、せめてお茶の1杯でも出してくれてもいいだろ?」 と、カップを指差した。 「ふ…招かれざる客に出す義理は無い。お前がいることで周囲にまで危険が及ぶというのは、分かりきっていることだろう?」 「まぁな……その点ではあず?が言ったことが的を得ている」 「なら即刻立ち去れ」 「命令かよ…どうせなら『ご無事で』とか『神のご加護を』とか優しい言葉の1つくらい」 「無い」 ためらいも無く言い放った。 「即答か、せめて考えるそぶり位してくれたって…」 「……無い!!!これでいいか?」 「…もういい、諦めた」 男は踵を返して居間から出て行こうと 「あぁそうそう」 と言って立ち止まった。ケイは冷たい視線を送り 「何だ、まだあるのか?」 と聞いた。 「まぁそうトゲトゲするなって…俺ばかり情報もらってばかりだったからな、1つ教えておこうと思ってな」 「いらん」 「まぁ聞けって…今回の件で、俺は目付けの目付けだ」 「…ふむ、なら現場にあった死体が実行者か?」 「いや、あれが目付けだ。実行者は別にいる…で、だ」 「なんだ?」 「それなりに衝撃的な事実を知ることになるが構わんか?」 「…お前が勝手に話してるだけだろう」 「そうか…なら言うぞ。実行者として選ばれたのはランディーだった」 【?】④【京極 春海】① [人物/Asassin/Wizard] 「なっ…あのランディーさんが…」 いつもは冷静なケイも、さすがに動揺を隠せなかった。 「まぁ、俺は今のランディーのことは知らんが、事実を述べただけだ」 事も無げに男は言う。 「加えて言うなら、日数的に見てもそろそろ追手が迫ってる頃だろうな…無論俺にもだが」 「…こうしちゃいられない」 足元に置いてあった杖を取り出立しようとしたが 「おいおい、お前さんが行ったところでどうしようもないだろ」 男に押し止められた。 「そこをどけ」 「やめときな、多少心得はあるようだが本職には勝てん」 「いいからどけと言っている」 「むざむざ死にに行くようなもんだぞ?」 「可能性が0じゃないなら行く意味がある!」 「まったく頑固者だな…っておい!!」 気付いたときには詠唱は完成していた。 〔大地の精霊よ、我に敵を拘束する力を!ストーンカーース!!〕 「私の邪魔をするというのならお前も敵だ」 石化した男を置いてケイは急ぎ足で出て行った。 だが、すでに遅かった。 「…ったく、あいつのせいで…」 神殿の結界を壊し侵入しようとしているのだろう。そこかしこで結界術式の綻びが感じ取れる。 「まず、結界を修復しないと…」 1つ、また1つと術式を修復していく。だが、ケイにできるのはここまで。術式の再構成ができるのは、ケイの師Sera'Arkだけである。それが意味するものは 「ちっ…破られたか…」 破綻である。 「でも、だいぶ数は減ったようね…」 修復前に感じ取れた人数は18人。だが、今感じ取れたのは5人… 「なら…連携される前に…潰す」 〔地の精霊よ 我が怨敵を足止めせよ クァグマイア!〕 〔水の精霊よ 永氷と為りて凍てつかせよ フロストダイバー!〕 〔風の精霊よ 我に神の雷の力を ユピテルサンダー!〕 「はぁ…はぁ…残り2人…」 傷こそ負っていないものの、さすがに魔力が枯渇してきた。術式構成ができるのも残り数発分であろう…。 「あまり、無駄撃ちはできない…」 短剣がとんで〔氷の壁よ 我を守れ アイスウォール!〕きた。壁に阻まれ短剣が落下する。 「くぅ…そろそろ限界か……」 頭痛がする、目眩がする、何より魔力がもう無い… その瞬間を見計らっていたかのように、2つの影が襲い来る。 「(やれるとしたら…これしか無い…)」 『この術式は禁呪です、確実に命を削りますからね…もし使うことがあるのならば、最後の手段でしょうね…』 「(セラ師匠ごめんなさい…禁を…破ります!)」 杖を振りかざし、術式を構成していく。すると、ケイの周りに赤色の魔方陣が現出した。あまりの突然の出来事に影が動きを止める。 〔我 ヴァルハラに在たる戦乙女に申す 我が内に在りし生命力を魔力と換え〕 赤い魔方陣が回転する。ゆっくりと、だが確実に速度を増していく。 禁呪…それは生命力そのものを直接魔力に換えるもの。即ち、自らの命を削って魔力を生み出す諸刃の剣… 〔今一度 敵を討つ力を!〕 魔方陣が爆縮し、ケイに集約される。ゆったりとした動作で再びケイは術式を構成していく。 動きを止めていた影が再び動き 〔暁の王よ その栄位なる力を持って 全ての敵を散らし給え! Load Of Vermilion!!!!〕 一瞬眩い光が辺りを包む。そして光がおさまった後には、ケイ以外誰も残ってはいなかった。 1人立ち尽くしていたケイも、糸が切れたように倒れこんだ… 石化が解け、男はすぐさま外に飛び出した。 「ちぃ…ケイのやつ余計なことを」 神殿の扉を開けた瞬間、眩い光が辺りを包む。 光がおさまり、倒れ伏しているケイを見つけた。急ぎ駆け寄る。 「おい、ケイ!」 返事が無い。揺さぶってみるが一向に反応が無い。 「ちくしょう…」 「後は私に任せてください」 いつの間にか背後に人がいた。男が振り向くと、そこには神々しいまでの艶やかさをもった女性が立っていた。 「誰だ、あんた?」 「そうですね…ここの主とでも言いましょうか…」 「主…ってことはあんたが師匠さんか」 外套で体を隠しているため職業までは窺い知ることはできないが、まず間違いないだろう。 「なら、あんたならこいつを助けることができるんだよな?」 「えぇ…ですが…」 「俺にできることがあるのなら言ってくれ!」 「…その決意は絶対ですか?」 「あぁ…結局俺は何もできなかったんだ…せめて…」 それを聞いて何かを考え込んでいたが 「わかりました、あなたの全て、使わせていただきます」 「…ん…」 ケイが目を覚ましたのはそれから3日後であった。 「おう、眠り姫のお目覚めか」 「…まだ夢の中のようだな…それも悪夢のようだ」 頭をぶんぶんと振り、眠気を覚ます。 「いきなりご挨拶だな」 「…残念だが現実か…」 乱れた髪をなおしつつ、声のするほうを見ると 「…なんだその姿は?」 そこにはAsassinの姿は無かった。代わりに見慣れぬMagicianの姿があった。 「あぁ…話すとそれなりに長くなるんだが」 「簡潔に話してもらおう…私が倒れた後の話も含めてな」 「俺にも細かいことはわからんが…」 『禁呪によって体内のエーテルを無理やり消費したのです』 『失ったエーテルを他から補充するしか無いのですけど…』 「てな感じでな」 「…つまりあれか、お前がその「他から」ということか?」 「まぁな」 やれやれ、といった感じに両手を広げる。 「なぜそこまでする…」 「なぜって…そりゃあ…」 「お前が暗殺者を生業としているのなら、そのまま立ち去ればよかったろうに…私の生死など構わずな!」 そう言い放つケイを見ると、かけ布団の端を掴み肩を震わせている。 その様子に男はため息をつき 「あのなぁ…目の前で死に掛けている女性をほっとくほど、俺はひどい男でも」 「私なんかのために…そんなことをする必要なんて…!」 ケイの声は、段々と涙声になっていく。 「そんなネガティブに考えるなよ、俺は新しい職と名前をもらえて嬉しいんだぜ?」 「でも…」 「でもでもうるさい!…弱気なケイは、ケイらしくないぞ」(でも、どこかあいつに似てるな…) その言葉を聞き、ケイは袖で涙を拭った。 「ふん……誰が弱気になったと言った?この大馬鹿が!」 「そこまで言うかよ…」 「それで、新しい名前というのは?」 「あぁ、師匠さんがつけてくれたんだがな」 『新しい姿になったのです。名前も新しくしましょうね』 『そうですね…古語で【フリューリング】というのがありますね…それにしましょ』 「【フリューリング】?意味は?」 「[春]だとさ、ケイたちと同じというわけだ」 「ふ…そうか…」 「これからよろしく頼むぜ『先輩』」 「私の教え方は手厳しいぞ?覚悟しておけ」 そう言ったケイの顔には笑みが浮かんでいた。 ■壁画を展望できる、物語の中心へ。 ■壁画を展望できる、南側の円柱へ。
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【解答】中空円筒と円柱の微小振動 【問題】→ 中空円筒と円柱の微小振動 (1) 下図のように円柱重心の最下点からの角変位を,円筒との接点を基準とした回転角をとする。 ラグランジアンは, ここに,は円柱の慣性モーメント である。また,すべらずに転がる条件は, となる。 を消去し,微小角近似した上で,ラグランジアンの定数項および定数因子を省いて 微分して得られる円柱の運動方程式は したがって,角振動数と周期は, となる。 (2) 下図のように,つり合い位置で鉛直下方となる半径を基準とした角変位をとる。 また,は(1)と同様にとる。 ラグランジアンは, すべらずに転がる条件から 水平方向の運動量保存により, 微小角近似した上で,ラグランジアンの定数項および定数因子を省いて 微分して得られる運動方程式は, したがって,角振動数および周期は, となる。 Algodooの設定は, である。例によって精度を上げるために巨大化した。
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プレミアム・ミズリード円柱コーナーポット 2009年3月23日 (月) 今まで使ってきたキッチンのコーナーポットの中で一番のお気に入りです。 これは優れ物。 新潟県・株式会社ヨシカワの物。18-8ステンレス製です。 汚れやすいシンクインポケットの新しいかたち。 中身が見えないのでシンクまわりもスッキリ、クリーンに。 たまったゴミもスマートに片付けられます。フタ付きですから匂いもカット。 フタ裏にフックが付いているので本体に引っ掛けられます。 足付きなのでシンクを汚さず水切れもスムーズ。 完璧です。 モダンでスタイリッシュなシステムキッチンには、細部にまでこだわりたい。 美しいキッチンをさらに上質に。 シンクインポケットの新しい形。 これはおススメです。 3675円で購入。 普通の日記 かなえキッチン : ごはん日記 2009年03月
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■壁画を展望できる、物語の中心へ。 ■壁画を展望できる、南側の円柱へ。(【はる】と【るみ】の物語) ■壁画を展望できる、南側の円柱2へ。(【?】の物語) ■人物を展望できる、南の門の中心へ。 【フリューリング】① 【フリューリング】① [人物/Magician] 「ほら、どうした、この程度でへばるのかい?」 疲れ果て、がくっと膝を突いたフリュに、情け容赦なくケイが罵声を浴びせる。 「ぜぃ…ぜぃ……そ…そんな事を言ったってよぅ…」 フリュは、杖を魔力増幅の為ではなく、体の支えとして使うしかないほど疲弊しきっている。 「まったく…しょうのないやつだ…」 巨大な両手杖[スタッフ・オブ・ソウル]を軽々と取り回し、息ひとつ乱さずフリュのもとに向かうケイ。その姿を見てフリュは 「…ったく…ばけものだな…」 と、呟いた。独り言のはずだった。 が、何時の間に近寄られたのか、がしっと襟首を捕まえられ 「……ほぅ?ばけもの、だって?」 返答しだいでは生かしておかぬ、と言わんばかりの殺気を放つ…。 「ナ、ナニモイッテマセン」 「よろしい」 ケイはぱっと手を離し、その拍子にしりもちをつくフリュ。 「…じゃあ、次は[フロストダイバー]を撃ってもらおうか」 「へいへい…」 逆らうわけにもいかず、詠唱を開始する。 〔水の精霊よ 永氷と為りて凍てつかせよ フロストダイバー!〕 疲れているとはいえ、たしかに魔法は発動した…ただし、あらぬ方向に向かって… 目標を大きく外れ、近くを通りがかった人物に襲い掛かる[フロストダイバー] 「この、ばかものが!」 ケイが、前に出ようと疾走するが…。 「くうっ…」 一般人を傷つけてしまえば言い訳はできない。最悪の場合、騎士団に連行され…処刑だ…。 「(それだけは避けなくては……だけど…)」 とても間に合いそうに無い…最悪の事態を、ケイは覚悟した…。 〔術式探索 反式展開 マジックロッド!〕 不意に、[フロストダイバー]が消失した。 「(…あれは…Sageの抗魔呪文…)」 「ちょっと、誰の仕業?」 聞き覚えのある声。 「…あぁ、あずごめん」 ケイは神殿の森の影から顔をだした。 「ケイ姉…いくらなんでもご挨拶じゃない?」 口を尖らせて非難するあず。 「いや…やったのは私じゃないんだがな…」 「え?じゃあ誰が…」 ガサガサと音を立ててケイの後方からフリュがやっとこ追いついた。 「ケイ、さっきのはうまくできてたろ?…なんか怒ってるように見えるんだが…」 「できてないよ、この、大馬鹿が!」 「ぐはぁ」 べしぃっと平手で張り倒されるフリュ。 「…まったく……あぁあず、さっきのはこいつの仕業だ」 と、張り倒したフリュを指差す。が、すでにいない。 「やぁお嬢さん、怪我は無かったかい」 「…は、はぁ…」 何時の間に起き上がったのか、あずの手を握っている。 「いやいや…俺ともあろう男が女性を傷つけてしまうところだったとは…不覚!」 「おい、フリュ」 「ここは、お詫びの証としてお茶でも奢らせてくれないか?この先にいい店を見つけてね」 「…また石化したいのかい?」 すでに魔力をたぎらせ、準備万端だぞ?と言わんばかりだ。さすがに石化の恐ろしさを(2度も)味わっているフリュは 「!! メッソウモゴザイマセン 」 と、言うほか無かった…。 「じゃあ今すぐその握った手を離すんだな」 「あ、あぁ……ん、その箱は…」 あずが抱えている箱を訝しげに見るフリュ。 「…何ですか?」 「いや…俺の勘違いだったようだ、気にすんな」 あずは、なんだろうこの人、といった感じに小首をかしげる。 「…ケイ姉、この箱の事で相談があるんだけど…」 「あぁ、じゃあ中で話そうか」 「よし、美女に囲まれ休憩だ「お前は居残りで練習しておけ」 フリュの戯言を遮ってケイが宣告を下す。 「…鬼」 「何か言ったか?」 「わかったわかった、修練しとくよ…」 ぶつくさと文句を言いつつ、おとなしくケイの言葉に従うフリュであった…。 「とは、言ったものの…休憩もせんとね」 フリュはタバコに火をつけ一服していた。ふ~っと煙を吐き出しわっかを作る。 「…しかし…気になるなぁ…」 さっきの箱の事を考える。見た目の怪しさもそうだが 「気配が良くなかったなぁ…」 中に何が入っているのかは分からない。が、あまり好ましくないものであるような気がした。 「まぁ…俺が心配したところでどうしようもない、か……で、だ」 煙草を地面に落とし、足でぐしぐしと残り火を押し消す。 「いつまで俺見張られてるのかな~?」 「…あら、気づかれてましたの?」 木陰から、紅い髪を漂わせて女アサシンが姿を現す。 「まぁな、こっちも訳ありでね…そういう気配には鋭いんだ」 「さすが…という所なのでしょうか」 「…てかな、あのセージ娘を口説いてる時に2人分の殺気を感じたんだよ」 「あらあら、どうせならナイフの1本でも投げればよろしかったかしら?」 フリュは、やれやれ、といった感じに頭を抱えこむ。 「やめてくれ…そういうのはケイだけで十分だ」 そう言って、胸元のポケットの煙草ケースから2本目を取り出す。口にくわえ火をつけようと 「吸いすぎではありません?」 マッチを擦る手が止まった。 「なんだ、あんた煙草が苦手なのか?」 「いいえ、ただのお節介ですわ」 「おうおう、ありがたいねぇ…だが吸う」 シュッと音を立てて燐が燃え盛る。口にくわえた煙草から一条の煙がたなびいた。 「ふぅ~…で、なんであんたがこんなところにいるんだ?」 「…わたくしが誰だかご存知なようですわね」 「まぁな、実際にお目にかかったのは初めてだがな…『紅炎のアサシン』さん」 木に寄りかかって腕組みをし、穏やかな笑顔をこわさない紅髪のアサシンに向かって、二つ名で呼びかけるフリュ。 「名前を知られている、というのは裏の者にとって、あまり有難いことではありませんわね」 「あんたのところは情報専門だろうし、頭首みずから潜入して、なんてことも無いからいいんじゃないか」 「そういうことにしておきますわ」 「で、質問だ…何が目的だ」 「ただの護衛ですわ」 表情ひとつ変えずに答える。 「はぁ…護衛ねぇ……とてもそんな大物には見えなかったけどな」 「大物かどうかは関係ありません、大切な友人ですもの」 「……あんたと友人ってだけで、相当大物だと思うんだがな…」 それを聞いて、ふふ、と微笑むホァン。思わぬ笑みに、まだ半分残っていた煙草を落としてしまった。 「ちっ…もったいねぇことしちまったぜ…」 3本目を取り出そうとして…視線に気づく。 まだ吸うのですか?というような…無言の脅迫…。 「わかったわかった、吸わないからこっちをじっと見るのはやめてくれ…」 「あら、別にかまいませんのよ?」 「いや、やめとく……時にあんた、あの箱について知ってることは?」 「今朝見つかったことと、封印がされていること、この2点だけですわ」 「情報量としては大差ないか…」 「わたくしは調査のためにアマツに向かいます、その間、あずの事をお願い致します」 急に口調を改めて、深々と礼をする。 「あ、あぁ、わ…」 わかった、と返事をするのをさえぎるかのように 「手を出したら、生半可な死に方では済ましませんことよ?」 脅迫つきの願いをされた。 ホァンと別れ、神殿に戻ったフリュ。 「あぁフリュ、あずは今夜泊まっていくってさ…手を出したら消滅してもらうけどね」 「よろしくね~」 「(神よ!俺に安住の地は無いのですか!)」
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円柱形模型製作 必要リスフィルムは7枚。少ない。コスト削減には大きな効果か。 (座標変換) 円柱形の弱点: 星がゆがむ(最悪、縦1に対して横0.83の曲率の星ができる) 一点集中型ダメージに弱い 長所 枚数が少なくて済む 製作が簡単 フジのハイリソドール(¥2230)、スーパー富士フィックス(¥790)、富士酢酸(¥600)購入。