約 2,765 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4525.html
▽▽▽▽▽ あたしはタクシーを飛ばし、ようやく目的地の図書館にたどり着いていた。もうすぐ夜21時になろうとしているが、 さんさんと施設の明かりがついているところを見ると、古泉くんがうまくやってくれたみたいね。 「やあ涼宮さん、お待ちしていました」 「ありがと、古泉くん」 入り口で待っていた古泉くんと言葉を交わすと、あたしは図書館に駆け込んだ。 さすが古泉くんと言ったところだろうか、図書館の全てが開放状態になっていて、どこでも本を取り出せる状態になっていた。 しかし、礼を述べている暇はない。今はとにかく情報をかき集めないと。 「余り時間はありません。見るべきなのは医療関係のものでしょうから、そのカテゴリを集中的に探しましょう」 「そうね」 あたしと古泉くんは、医療の本が並んでいる場所に入り、一つずつ片っ端から開き始めた。 ただ、内容を一つ一つ読んでいる時間はとてもないから、とりあえずそれっぽい本の目次を見て、必要そうなところを 洗い出していく。 そんな作業をひたすら続けていたが、ふと時計を見てみるとすでに0時を回っていた。キョンが発病したのは 大体15時ぐらいだったから、あと15時間ぐらいしか残っていないことになる。 「これじゃ間に合わないわ。あたしは向こうの机で本を片っ端から読んでいくから、古泉くんはそれっぽい本があったら じゃんじゃんこっちに持ってきて」 「わかりました」 古泉くんの了承を確認すると、床に置いた本の山を持って机に向かった。 午前3時。あたしはすでに30冊以上の本に目を通していた。だけど、ダメ。治療法どころか、キョンの症状と 一致する病気の情報すら見つからない。 あたしは困り果てて、思わず天を仰いでしまった。あと、12時間しかないってのに、まだ手がかりすらつかめていない…… 「新しいのを見つけましたので、お持ちしました」 そう古泉くんが10冊ほどの本をあたしのそばに置く。あたしは弱気になっている自分の頭を一回こづいてから、 その本を手に取った。 この程度で参ってどうする。一番辛いのはキョンなのよ。あたしがしっかりしなくてどうする。 と、ここで古泉くんがじっとあたしを見つめているのに気がついた。時間がないので、あたしは本に視線を向けたまま、 「なに? 何かあったら教えて。どんな些細なことでもいいから」 「いえ……」 あたしの耳に返ってきたのは、ばつの悪そうな古泉くんの声だった。 しばらく答えるべきか迷っていたようだが、やがて意を決したようにまじめな口調で、 「涼宮さんに確認しておきたいことがあるんです」 「なに?」 「その……涼宮さんは恐らく心の底から彼のことを助けたいと思っているんですよね?」 またその話か。病院でもみくるちゃんに聞かれたのに、いったい何だって言うの。あたしの心はもう決まっている。 「それは十分承知しています。涼宮さんは彼を助けるためにはどんな努力も惜しまないでしょう。 その決意がどれだけ固いのかも理解しているつもりです」 「ならどういう意味なのよ」 ここであたしは古泉くんの言っていることの意図が読めず、一旦本から目を外し彼の方を見る。 古泉くんはどこか困ったような表情を浮かべていた。 「言い方を変えてみましょう。涼宮さんは彼をどうしたいのかと聞かれた場合、どう答えますか?」 「どうって……そりゃ、キョンを助けたい。他に言葉なんてないわ。約束したんだもん、絶対に助けるって。 それ以上に出せる言葉なんてないし、それで十分のはずよ」 「そう……ですか……」 古泉くんの表情は、病院でみくるちゃんが見せた物と同じだった。何か期待していた答えと違うという落胆。 わけがわからない。一体二人はあたしに何を期待しているってのよ。 「悪いけど、今はそんな話をしている場合じゃないわ。禅問答みたいなのはキョンを助けてからにしましょう。何か異論ある?」 「いえ……」 そう古泉くんは答えると、また本棚の方に戻った。 あたしが気がついていないだけで、実はどこか気持ちの問題があるのかも知れない。だけど、それがどうしたというのか。 そんなこと、キョンが助かれば何の関係もないはずだ。今はとにかくそれに全力を尽くす。あたしにできるのはそれだけだ。 翌朝7時。あたしたちは全ての本に目を通し終えた。 だが、結局何の手がかりも見つかっていない。 「ダメでしたね……」 古泉くんは疲れ切った表情で、床に座り込んでいた。あたしも本ばかり読んでいたせいか、目がチカチカしているのを 押さえ込むようにこすりつつ、 「……まだよ、まだまだ! 消去法は決して無駄じゃない。図書館がダメなら次に行けばいい。それだけの事よ!」 あたしたちは図書館を後にし、一旦部室に向かうことにした。 まだ諦めてたまるか。絶対に何か方法があるはずよ。それを見つけてやるわ。 ▼▼▼▼▼ 俺は朝日と物音に気がつき、目を開けた。 昨日は団長席で写真を眺めていたのまで憶えていたが、どうやらそれのまま眠ってしまったらしい。 頭を上げると頬にくっつていたハルヒの写真がへろりとはがれ、床に落ちていった。 それをすっと誰かが手に取り、俺に差し出してくる。 「落ちましたよ。大切な写真だからきちんと持っておかないとダメです」 少し間延びしたような声。見れば、朝日も反射してしまうような美しく可愛らしい笑顔があった。 メイド服に身を包んだその人は、朝日をバックにまさに天使といってもいい神々しさを醸し出している。 「昨日は大丈夫でしたか? 生徒会長の方には、僕の方から対応をお願いしておきましたので、 恐らく何の問題もなかったと思うんですが」 せっかくのエンジェル降臨を楽しんでいたというのに、優男のニヤケ声が俺の気分をぶちこわしてきやがった。 おいおい、せっかくだからもうちょっとエンジェルボイスの余韻に浸らせてくれよな。 「涼宮さんは少し遅れてくるそうです。病気の進行を少しでも遅らせられればと、コンビニでサプリメントを買ってくると 言っていました。昨日は一睡もしていないのに本当に大した体力ですよ」 ハルヒの奴、得体の知れないドリンクや薬物を買ってきたりしないだろうな。そんなものを呑まされたら病状が加速しそうだぜ。 部室にはすでに3人いた。唯一、俺に声をかけていない奴は無言のまま部室の入り口付近で俺の方をじっと見ている。 やれやれ。これは一体どうしたことか。 俺は一番近くにいた天使降臨な少女を呼び止め、 「またハルヒが何かやらかしましたか? そうでもなければ、こんなへんぴなところにある文芸部室なんかに 来たりはしないでしょう。人手不足とかいってその辺りに歩いている人間をとっつかまえて、強引に勧誘したんでしょうけど」 「えっ……?」 その可憐な少女の表情が困惑にゆがんでしまった。いかん、何かまずいことをいっちまったか? 少女は無理に取り繕ったような笑顔を俺に見せ、 「や、やだなぁ。キョンくん、冗談が過ぎますよ。あたしは朝比奈みくる、いつもここにいたじゃないですか」 「はい?」 何を言っているんだ、この少女は。こんな超絶美少女がいたら、SOS団に俺は喜んで参加しているぞ。 大方が俺がハルヒの奴に引っ張り回されるだけだからな、ここの活動は。 ……しかし、朝比奈みくるさんか。いい名前だ。 「えっと、まだ寝ぼけているみたいですね。目覚ましに良いお茶を買ってきたから、すぐにそれを入れますね」 そう言って手慣れた手つきでお茶を入れる準備を始めた。待て待て、お客さんにそんなことをやらせるわけにはいかないだろう。 「ちょっと待ってください。お茶なら俺が入れますよ。せっかく来てもらったってのに、それじゃ立場が逆じゃないですか」 「いいんですっ……良いから、あたしにやらせてくださいっ……!」 そうそのエンジェル少女は俺の言葉にとりつく島もない。 ほどなくして、お茶を入れ終えた少女はお盆に湯飲みを乗せ、俺に差し出してくる。仕方がない。 せっかく入れてくださったんだから、ここは素直にごちそうになりますよ。 俺はその熱々だが、喉を通すには熱すぎない絶妙なバランスの保たれたお茶をすすり始める。 これはうまい。俺が適当に入れたお茶とはまさに天と地の差だ。冗談抜きでSOS団の入って欲しくなってきたぞ。 とはいえ、ハルヒの強引な勧誘に俺が乗っかるわけにも行かないので、お茶を飲み終えるとその少女に深々と頭を下げつつ、 「ハルヒに変わって謝ります。こんな朝っぱらにそんなけったいな服装で部室に来させるなんて非常識にもほどがありますからね。 最近は大人しくなってほっとしていたんですが、また調子に乗りだしたみたいだから一つ言い聞かせておきますよ――」 がたん。 突如、その少女は手に持っていたお盆を床に落とした。そして、それを拾おうともせず…… 今度は部室中に、まるで小学生になるまえの子供が泣くような泣き声が響き渡る。 その少女がどでかい声を上げて泣き始めたのだ。 俺は突然のことに気が動転し、近くでこっちを見ているだけだった優男の方に近づいて、 「お、おい、俺ひょっとして何かまずいことをいっちまったのか。すまねえ、妙な病気にかかっているせいで、 ちょっと記憶が混乱しているんだ」 ――自分の言葉で思い出した。そうだ、俺は記憶と意識が徐々になくなっている病気にかかっているんだ。 何でこんな重要なことを忘れていたんだ? そうなるとまさか今ここにいる人たちは…… あたふたとする俺に、その男は答えようともせず目頭を強く押さえ、そのまま壁に寄りかかってしまった。 少女はひたすら泣き続けるだけだったが、優男の方はようやく口を開き、 「……覚悟はしていたつもりですが、この現実はあんまりです……いえ、あなたは何も悪くないんですよ。 全部、あなたを蝕む病気が悪いんです……」 苦悩に満ちたうめき声のような言葉を吐いてきた。 俺はさらに混乱を加速させてしまったが、さっき泣いている少女から返してもらった写真を見て、ようやく事態が飲み込めた。 そこにはどこかの海辺で泣いている少女・優男・じっと見つめるだけの無表情少女が映っていた。 全員水着姿で楽しそうに微笑んでいる。 ……そうか、俺はこの人たちのことをわすれちまったんだな。このくそったれな病気のせいで。 俺は軽く頭を抱えつつ、 「すまない。どうやら全員SOS団のメンバーみたいだな。俺がすっかり忘れちまった……だけで」 「キョンくんっ! 本当に憶えていないんですかっ!? あんなに一緒に……ずっと!」 泣いていた少女が俺の胸に飛び込んでくる。うれしさよりも罪悪感の方が強く募った。こんな事をされても、 俺はこの少女に対する感覚・記憶ともに何も呼び起こされないからだ。 「すいません。写真を見る限り、一緒にいたのはわかりますが、俺自身はもう……」 少女は、俺の言葉に床に崩れ落ちて泣きじゃくり始めた。 何もできない。何もして上げられない。 そして、何もしてあげようと言う気にもならなかった。人間らしい感情も酷く欠落しているのか。 今ならまだはっきりと認識できる。俺は着実に死に向かって進んでいるってな。 ほどなくして、優男が少女を抱きかかえるように立たせ、椅子へ導く。しばらく子供をあやすように少女に何か話しかけていた。 ようやく徐々に落ち着きを取り戻した少女を確認すると、その優男は俺の元にやってきて、 「状況を確認したいんですが、いいですか」 「……あ、ああ」 そいつはメモ帳を取り出し、 「まずここはどこですか?」 「SOS団の部室だ。元々は文芸部の物だったけどな」 「なら文芸部員は一人だけいましたが、誰だかわかりますか?」 「ん……すまん、憶えていない」 「では、今この部屋にいるあなた以外の人で、憶えている方はいますか?」 「さっきも言ったが、誰も知らない――思い出せない」 「ならば、このSOS団の団長は?」 「それは忘れたくても忘れないだろうな、我らが団長涼宮ハルヒ様だよ」 この答えに優男ははっとして、 「涼宮さん、涼宮さんのことは分かるんですか?」 「ああ、あいつのことならはっきりと憶えているぞ。それはもう入学式にぶっ飛んだ自己紹介をした時から、 昨日散々励ましてくれたことまでな」 俺が今言ったとおりでハルヒのことだけは、鮮明に記憶が残っていた。今記憶の糸をほじっても、ハルヒのことばかり 脳裏にかすめてくる。 ここで、ずっと黙ったまま俺を見つめていた無表情少女が俺に近づいてきた。そして、俺の両腕をつかむと、 「聞いて。突破口が見えたかも知れない」 ……どういうことだ? その無表情少女は瞬き一つしない瞳で俺を見つめながら続ける。 「わたしたちは記憶から消去されるほどプログラムによる浸食が続いているが、それでも涼宮ハルヒの事だけは はっきりと憶えているのはあまりに不自然。涼宮ハルヒが情報フレアを発生させ、あなたに干渉を行っているとしか 考えられない」 「悪い。思考能力も落ちているみたいだから、わかりやすくいってくれ」 頭の中が飽和状態のようになっているせいか、まともに考えられない。無表情少女はしばらく黙っていたが、 「プログラムの浸食を涼宮ハルヒは止めることができるかも知れない」 「つまり、ハルヒがあの神的変態パワーを使えば、俺を助けられるってのか?」 「そう」 俺は後頭部をかきながら、 「だが、どうしろってんだ。今からお前には凄い力があって――なんて説明しても信じるような奴じゃないぞ。 それに、あいつが願って俺が助かるっていうなら、とっくに助かっているはずだ。あいつの思い――俺を助けたいっていう気持ちは 鈍い俺だって強く感じ取っているからな」 「恐らく涼宮ハルヒの介入はプログラム内部で想定されていて、対抗措置が執られている。 だから、それを越える形で涼宮ハルヒがあなたの生存を願わなければ、効果はない」 助けたい以上の願い? なんだそりゃ、俺も思いつかないぞ。 だが、無表情少女の言葉に、エンジェル少女と優男がはっと気がついたように顔を上げる。 「あとは涼宮ハルヒにかけるしかない。彼女があなたをどうしたいのか、それを認識できるかが鍵となる」 ――そう無表情少女が言い切ったタイミングでハルヒが部室に現れた。 「ごめん、遅くなったわ!」 両手には山のようなコンビニの袋を抱えている。おいおい、どれだけ買ってきたんだよ。 「この際何でも買ってきたわ。贅沢いっている場合じゃないもんね。ほら、ビタミンとか亜鉛も大量に買ってきたわよ。 今すぐ残らず食べなさい」 「ちょっと待て。そんなチャンポンで喰ったら、別の病気でしんじまいそうだぞ」 ハルヒはコップに複数のサプリをじゃらじゃらと詰め込みながら、 「あんたの病気は一筋縄ではいかない、非常識な物なのよ! だったらこっちも非常識で対抗するしかないわ。 ほら、どんどん食べなさい。みくるちゃん、手伝ってあげて」 そう呼ばれたエンジェル少女が俺に来て、ハルヒの手伝いを始める。 その間に、優男がメモ帳片手にハルヒと話し始めた。一言一言を聞くたびに顔色が変わっていくのは、 俺がハルヒ以外のSOS団のことをすっかり忘れてしまったことを聞いているからだろう。 ――次にハルヒがとった行動は、ある意味必然でハルヒらしかった。 パアァンと気持ちのいいほどに、ハルヒが俺の頬をひっぱたいた音が部室内をこだまする。 「あんた……あんたって奴は……!」 続いて、俺のネクタイを締め上げ、 「どれだけみんながんばっているかわかってんの!? なのにあんたはホイホイと病気に任せて何でもかんでも忘れて! キョンを助ける、キョンを助けたいの! だから、あんたも少しはがんばってよ!」 「やめてくださいぃ!」 ここでエンジェル少女――ああ、朝比奈さんだったな――が俺とハルヒの間に割って入ってきた。 激高しているハルヒを盛んになだめようとしている。 だが、ひっぱたかれても罵られても、俺は怒りどころか反論すらわき起こってこなかった。 俺は朝比奈さんの肩をつかむと、 「いいですよ。ハルヒの言っていることは事実ですから。俺がこんなんだから、病気が簡単に進行――っ」 突然――俺の周りの世界が回転した。まるで回転型の絶叫マシンに乗ったかのように足下と視界がふらつき、 そのまま床に倒れ込む。 「キョンっ!」 そのまま頭から落下しそうになるが、すんでの所でハルヒがキャッチしてくれたおかげで難を逃れる。 しかし、強烈なめまいは収まる気配を見せず、もう立つことすらままならない。 「ああっ……どうしよう。ごめん、キョン。あたし、バカなことしちゃった。ごめん、本当にごめんなさい!」 ひっぱたたいたことについてだろう、ハルヒはしきりに謝罪の言葉を並べた。 だが、俺はハルヒを責める気なんて全く起きず、揺れる視界のなか、ハルヒの頬にすっと手を当てる。 「いいんだ。気にするなよ。お前は悪くないさ。あっさり忘れちまう根性なしの俺が悪いんだよ……」 「キョン……!」 ハルヒは痛いくらいにぎゅっと俺の頭を抱きしめてきた。かすかに触れた肌を通して、活発に動くハルヒの心臓の鼓動が 俺にまで伝わってくる。 「助けてあげる――絶対に助けるから!」 ハルヒはそう大声で俺に呼びかけた後、まるで周りに聞かれたくないのか、俺の耳元に口を寄せてきて、 「どこまでもついていってあげる。だから安心して……」 ▽▽▽▽▽ 午前8時。リミットまで残り9時間を切っている。 あたしはみくるちゃんと古泉くんにキョンを託すと、有希と二人で街に出た。登校してくる生徒の逆送して走るあたしたちの姿を 周りの人間が奇異の目で見てくるが気になんてしていられない。今日も平日だから授業はあるけど、 そんなものに出ている場合じゃないんだから。 あたしはもう藁にもすがる思いだった。医者もダメ、図書館で調べてもダメ、こうなったら有希の知っている古本屋をめぐって それっぽいものを探すしかない。神社で祈ったり、境界に駆け込んだりもしてみたらと頭を過ぎったけど、 それでキョンが直るとはとても思えないから止めた。今あたしがやらなければならないことは、 キョンを助ける方法を探すこと。祈っていても見つかるわけがない。 幸いなことに有希は本好きだったので、たくさんの古本屋を知っていた。それこそ、魔術書まで置いてありそうな物まで 置いてありそうな怪しげな店もあった。あと、昔あたしがいろいろ調べて回ったときに見つけていた、 民間療法も治療薬を売っている店も廻って効果のありそうな物を手当たり次第に確保するつもりだ。 駅前までつくと、あたしは有希を連れてタクシーに飛び乗った。とりあえず、メモを片手に行き先を運転手に指示する。 時計を確認すると、もう午前8時20分になっていた。この調子だと廻れる店はかなり限られてくる。 近場からどんどん目的地を潰して起きないと…… と、有希があたしの方をじっと見ていることに気がつく。 「なに? 有希」 「一つ確認したいことがある」 あたしはメモから目を離さず、口だけで答えた。 有希は続ける。 「あなたは彼のことをどう思っている?」 「好きよ」 何というかあっさりと本心が口に出てしまった――というか出てしまった。はっきり言ってしまえば、照れている余裕も あたしにはないと言うことである。 「キョンが好きだから助けたい。でなきゃ、ここまでやれないと思う。そう――あたしはキョンが好き。だから、助けたい」 「わかった。それを聞いて安心した」 そう有希は答えると、あたしから視線を外してじっと前を見つめ始めた。 ……この子がこんな事を聞いてくるなんて。やはりキョンの死が近づいて酷く動揺しているんだろうか。 まず一番近くにあった古本屋数軒を廻ってみたが、こぢんまりしているだけで、並んでいるのは大手の新古書店と 大して変わらない本ばかり並んでいた。時間をかけている余裕もないので、軽く本のタイトルだけを見回すと、 また次の目的に向かう。 「有希、もうちょっと変わったところはないの? こんなところじゃ図書館と大差ないわ」 「少し離れた場所に、変わった本を集めているところがある。そこに行けばいい」 そう言って、あたしが持っている地図を指さす。今の位置からかなり離れているところか。 それなら漢方薬とか売っている店を廻りつつ、そっちに向かった方が効率がいいか。 ――だが、こんな時に限って問題が発生する。乗っていたタクシーが渋滞に捕まってしまったのだ。 「裏道はないの!?」 あたしはどうにか回避できないのかと訪ねるも、この周辺ではこの時間帯は局地的に渋滞が発生していて、 例えここをうまくかわしても、他の場所で引っかかるだけらしい。なお目的地を記した地図を見せて食い下がったが、 運転手が出した結論は至って簡単な物だった。あたしの行きたいところへ最も早く、かつたくさん廻るなら走った方が早いと。 あたしは運賃を払うと、タクシーから飛び出し一目散に走り出した。息を切らせながら、全速力で走ること10分、 一番近くにあった薬を売る店に飛び込んだ。 ▼▼▼▼▼ あー、なん……だろ、か。頭が……ぼーっとしてきた。 「古泉くん! キョンくんの様子が!」 耳元で朝比奈さんの声が響く。しかし、それもまるでトンネルの中で話しているように、乱反射して聞こえてきた。 しばらくして、古泉と呼ばれる優男が、不安げな表情で俺をのぞき込んできた。 「大丈夫ですか? 何かしゃべれますか?」 「う、あーううあーいいい……」 俺の口は完全にろれつが回らなくなって来ていた。考えがまとまらない上に、まともにしゃべることもできなくなるとは。 いよいよ俺も終わりが近いらしい。 「死なないでください! お願いだから死なないでっ」 朝比奈さんが俺の頭をぎゅっと抱きしめてきた。全く俺は幸せ者だったんだな。 こんな人と一緒にずっと高校生活を送っていたんだから。 次第に視界も濁り始めた。もう二人の顔もまともに見えなくなってきている。 ……ハルヒ。もう俺はダメだよ。せめて最期にお前の顔は拝んでおきたい。だから、もう諦めて帰ってきてくれ…… ▽▽▽▽▽ 「そう……わかった。できるだけ早く戻る」 あたしは古泉くんからの連絡を聞き終えて、携帯電話を閉じる。 キョンの状態が限界に達しつつある。今は午前12時半。タイムリミットは3時間を切っていた。 しかし、目的の半分しか廻れていない上に、手に入った物と言えば適当に買いあさった漢方薬だけの状態だ。 古泉くんは電話の中でこういっていた。 キョンはあたしに会いたがっていると。少しでも顔を見たいと。 「…………っ!」 あたしはどうすればいいのか分からず、ただ無我夢中に走り出した。心臓が破裂するほどになっても足は止まらず、 肺は悲鳴を上げて酸素を求め続けている。 嫌だ。キョンに死んで欲しくない。 でも、このまま街中をさまよっていてももう解決策が見つかるとは思えない。 でも、ここで部室に戻ってもただキョンの死んでいく姿を見続けるだけになる。 あたしは……あたしはどうすればいいのよ! ――ふいに、限界に達した足がもつれ、アスファルトの道路の上を転がるように倒れ込んだ。 全身に強烈な痛みが走り、全神経にしびれが駆け抜けていく。 全身の酸素も足りないせいか、あたしは道路の上に突っ伏したまましばらく動けなくなった。 ほどなくして、あたしが倒れたのと見た野次馬たちがあたしを取り囲み始める。 あたしはある程度呼吸が落ち着いたことを感じると、すぐさま立ち上がろうとした――が足に来ているらしく、 全く立ち上がることができない。 と、ここで遅れてきた有希があたしの肩に手をかけ、 「手を貸す。立って」 「あ、ありがと……」 あたしは有希と二人三脚のように歩き出した。周りの野次馬たちも、無事を確認したのか次第に散っていく。 そのまま数十メートル歩いたところで、有希が突然立ち止まった。そして、あたしをじっと見て、 「部室に戻ることを推奨する」 「なにバカなこと言ってんのよ。今戻ったって何もできることがないじゃない!」 帰るならせめて手がかりだけでも見つけたかった。そうでなければ、必ず助けるというキョンとの約束を破ることになる。 だけど、有希は迷いのない口調で言った。 「このまま探しても手がかりが見つかるとは思えない。このままではあなたは彼の生きている姿を見ることなく、 別れを迎えることになってしまう。そうなればあなたはきっと後悔する。それに」 ――ここで一拍置いて―― 「彼の最期を見届けるのはあなたしかできない。わたしはあなたがそうするべきだと思っている」 あたしは有希の言葉に反論できなかった。 はっきり言ってしまえば、もうこれ以上街中をさまよったところで無駄だろう。ただの自己満足的な行為になってしまう。 例え手がかりが見つかったとしても、今からでは準備ができるとは思えない。突然、空から万能薬が降ってきて キョンがそれを飲んだらたちまち直ったなんて言うことにはなるわけがない。 それに本音を言えば、あたしはキョンと一緒にいたかった。これ以上離ればなれになっているのは耐え難くなってきている。 このまま最期まで逢えないという事態になれば…… アスファルトの乾いた地面に多数の水滴が落ちる。気がつけば、いつの間にか空は真っ黒に染まり、夕立がやってきていた。 その中の水滴にあたしの涙も混じって、地面に叩きつけられる。 あたし……何もできなかった。キョンがあんなになっているのに、なにもできなかった……! 「近くでタクシーを拾う。迂回していけば20分で部室まで戻れるはず」 有希の言葉にあたしはただ黙って頷くことしかできなかった。 猛烈に続く土砂降りの中、あたしたちは屋根付きのタクシー乗り場にたどり着き、そこでタクシーがやってくるのを待つ。 あたしはどうしようもない喪失感に染まり、有希の肩にしがみついたまま動けなかった。 辺りはまるで夜のようになり、自動車のライトがあたしたちを照らしていく。 ふと思い出す。みくるちゃんと古泉くんが言っていたことだ。 あたしはまだキョンに対して 何か遠慮しているところがあると言っていた。わからない。あたしはキョンが好きであることも認めているし、 助けたいというのは嘘のかけらもない心の底からの願いだ。なら、あたしに足りない物はなに? 「わたしも古泉一樹や朝比奈みくると同じ気持ちを持っている。彼に対して決定的に足りない何かがあなたにはある」 まるであたしの心を読んだかのように、有希がしゃべり出した。 足りない物。わかんないよ、有希。あたしの一体どこがいけないって言うの? 「あなたの彼に対する感情は全く問題ない。助けたいという気持ち、好きであるという愛情、どれをとっても固く強いもの。 過不足なく最良の感情を形成している」 「……ならいいじゃない。それがあたしの気持ちなんだから」 「それは違う。あなたはまだ到達できていない部分がある。その原因は恥ずかしさから来るものなのかもしれないし、 自分に対して――彼に対して遠慮しているからかも知れない。具体的なことはわたしにはわからない。 しかし、確実に言えることはあなたはもう一歩踏み出だせることに気がついていない」 あと一歩。好き、助けたい。この先がまだある……? 有希は続ける。 「これはわたしの推測。あなたはずっと彼に対して奇跡が起きることを望んでいた。 でも、あなたはその先が見えていないように感じる。奇跡の向こう側に存在しているものが」 ――奇跡の先にある……もの? ▼▼▼▼▼ あー、あはーははーハルーヒ、ハルー…… ▽▽▽▽▽ あたしは部室に戻ってキョンの変わり果てた姿を見て、思わず床に膝をついてしまった。 顔面蒼白になり、目は明後日の方を向き、口からはだらだらとだらしなくよだれが垂れている。 「あ……ああ!」 あたしは無我夢中で飛びつくようにキョンを抱きかかえた。 ごめん……こんなになるまで何もできなくて! 「ごめんなさい。いろいろ手を尽くしたんですけど、あたしにはなにも……」 そうキョンのそばでずっと看てくれていたみくるちゃん。ううん、もう十分よ。ありがと。 あとはあたしがキョンのそばにいるから。みくるちゃんは少し休んで。 すでに時間は午後13時半を廻っていた。あと2時間半でキョンの命は尽き果てることになる。 ……だけどもう打つ手はなくなった。少なくともあたしがここに戻ってきた時点で、キョンが助かる見込みはなくなった。 いや、最初から助けられる可能性なんて存在していなかったのかも知れない。あたしはただ自分を納得させるためだけに 街中を走り回っていただけで。 嫌な沈黙が流れる。時計が針を刻む音が耳につき、それがあたしの喪失感をじわりじわりと広げていった。 誰もなにも言葉を口にしない。 「あー、あハルはるひ……?」 唐突にキョンがあたしを見て口を開いた。たどたどしく、もう言葉として成り立っていない 「なに? キョン。大丈夫、あたしはそばにいるから大丈夫……」 「かか、かえ、かえ……って……き……くれ……た」 キョンはあたしの腕をつかみ、たどたどしい言葉を重ねる。次第にその手の力が入ってくるのを感じると、 まだキョンのあたしのことを憶えていてくれていることを感じ取り――たまらなくなった。 「帰ってきたよ。もうどこにも行かないから大丈夫……ずっとあんたのそばにいるから……!」 あたしは思わず強くキョンの頭を抱きしめ、止めどなく涙を流した。 助けられない。 約束を守れなかった。 キョンはこんなになってもあたしを見て……信じてくれている。 でも、あたしは何もできない…… ふと、あたしの脳裏にあることが過ぎった。 あたしにできること。 最後にできること。 それは…… 唐突に校内放送が流れ、有希、みくるちゃん、古泉くんの名前が呼ばれ、職員室へ来るように指示が出る。 3人とも微動だにせず、じっと黙ったままうつむいていたが、 「……大丈夫。キョンはあたしが看ているから行ってきて。向こうからこっちにやってこられて、 こんなキョンを教師たちが見つけたら大騒ぎになるから」 あたしは3人にそう告げると、ほどなくして部室から出て行った。 しばらくして、3人が戻ってこないことを確かめると、あたしはキョンを背負い部室から出る。 「あー、ああ……」 「大丈夫よ。ちょっと場所を変えるだけだから」 そう言ってキョンを安心させると、人目につかないように学校から外に出る。 そのまま平日昼であまり人通りのない坂道を降りていった。雨は上がったものの、未だに薄暗い空は まるで虚脱感で真っ黒に塗りつぶされたあたしの心を表しているかのようだった。 ……一緒よ、キョン。絶対にあんたを一人で逝かせたりしないから…… ▽▽▽▽▽ 午後2時半。あと30分でキョンはこの世からいなくなってしまうだろう。 あたしはキョンを背負ったまま、数十階の高層ビルの屋上に立っていた。北高からタクシーで 一時間ぐらいの場所にある新築のものだ。別にここを目指していたわけではなかったが、街中をさまよっているときに ふとこの高層ビルが目にとまったからここを選んだだけである。警備員やビル関係者に見つかるかと思ったが、 幸いなことに誰一人としてあたしの姿を気にとめる人はいなかった。まるであたしたちの姿が見えないのかと思ったぐらいだ。 夕立の湿気の篭もった冷たく強い風が自分の身体を叩きつけてくる。 「あーあー」 キョンはたまに声を上げるが、完全にものを言えなくなってしまっていた。たまに思い出したようにうなり声を上げるだけだ。 意識が混濁しているのか、あたしに背負われているということすらわからないらしい。 「あんたと出会ってからいろいろあったわね……」 あたしの脳裏に様々な思い出が過ぎる。 北高に入学した初日に見たあんた。 あたしの自己紹介に唖然としてマヌケな顔をこっちに向けていたわね。 あんたがあたしの髪型の変え方を見抜いたとき。 正直ちょっと悔しかった。前の席に座っていたからといって、ただの凡人のあんたに見破られたんだから。 SOS団設立のきっかけをキョンがくれたとき。 当時は余り考えなかったけど、今では凄く感謝している。あれがなければ、あたしは中学のときと同じ状態だったと思うから。 それからはいろんなことをした。 野球もした。 七夕もした。ついでにコンピ研の部長も探したっけ。 合宿で孤島にも行ったわね。あれは古泉くんにしてやられたわ。やり返してやったけど。 夏休みの終わりはこれでもかってぐらいに遊んだ。 映画の撮影もした。あれは……ごめん、ちょっと調子に乗りすぎたかも。 文化祭で歌うことになるとは思っていなかったわ。でも、結構気持ちよく歌えたからいいけどね。 コンピ研とゲーム対決して。 ラグビーを見に行って。 冬は…… 今までのことを思い出していくたびに、瞳から流れる涙の量が増大していく。もうぬぐう必要も感じない。 あたしは時計で時間を確認する。午後2時55分。思い出に浸っていたら、もうこんな時間になっていた。 すぐにキョンを背中から降ろし、抱えるようにして屋上の縁の部分に立った。真下には細い路地が通っている。 人通りも全くなく、自動車も走っていない。誰かにぶつかってしまうことはないだろう。 「あ、あー」 下を見つめていたあたしに、キョンが手をかけてきた。あたしの顔を確かめるように頬をなで回してくる。 あたしはとびっきりの笑顔を作って、 「大丈夫よ、キョン。あたしはここにいる。この高さならどうやってもたすかりっこないわ」 涙が瞳の中に溢れかえり、キョンの顔がゆがんで見える。瞬き一つするたびに、水滴が飛散することを感じた。 あたしはキョンをぎゅっと抱きしめると、 「一緒に逝こう……キョン」 そう言って空中に身を投げた―― ▽▽▽▽▽ ゆっくりと落下感が加速し始めるのを感じたとき、あたしの脳裏にあの言葉が過ぎった。 みくるちゃんが言った。 あたしがまだキョンに対して何か遠慮しているのではないかと。 古泉くんが聞いてきた あたしはキョンをどうしたいのかと。助けたいと素直に答えたら落胆した表情を浮かべていた。 有希が言った。 あたしの思いはまだ到達できていない部分があると。 最期まで分からなかった。 あたしはキョンが好き。 あたしはキョンに生きて欲しい。 生きてくれれば、またSOS団して楽しくやっていけるから 死んでしまえば、もうあのキョンのいる楽しい生活は戻ってこないから。 なにが問題だったのだろう。 なにが足りなかったんだろう。 ――不意に有希の言葉が脳裏に蘇る。 「これはわたしの推測。あなたはずっと彼に対して奇跡が起きることを望んでいた。 でも、あなたはその先が見えていないように感じる。奇跡の向こう側に存在しているものが」 奇跡の先にあるもの。 奇跡って言うのはキョンが生き延びるってことよね。 じゃあ、その先になにがある? 奇跡が起これば、続きができる。 だから、奇跡が起こって欲しい。 だから―― ――あたしの思考がはじけた。 あたしは…… 本当にバカだ…… こんな時になるまで気が付けないなんて本当にバカだ…… あたしはずっとキョンが生きて欲しいことばかり考えていた。 キョンが生きてくれれば、結果としてまだまだキョンと一緒にいられる。 SOS団として楽しく生きていける。 でもそれは違う。 間違っている訳じゃないけど、あたしの本心じゃない。 あたしは何を望んでいる? あたしは何を望んでいるから、奇跡が起こって欲しい? あたしは何を望んでいるから、キョンに生きて欲しい? 答えなさい、あたし! ――ゆっくりと身体が降下していくのを感じた―― ……一緒にいたいから。 キョンとずっと一緒にいたい! あたしの前の席に座っていて欲しい。 部室でぶーたら文句を言っていて欲しい。 不思議探検でどこかでこっそりとさぼっていて欲しい。 あの中途半端な笑みを見たい。 あたしの無理難題に文句を言って欲しい。 それだけじゃない。 ずっとそばに立っていて欲しい。 その内キスもしたい。 キスしてほしい。 抱きしめられたい。 抱きしめてあげたい。 キョンと一緒に、またみんなで孤島に行きたい。 キョンと一緒に、またみんなで映画を撮りたい。 キョンと一緒に、またみんなで文化祭を楽しみたい。 キョンと一緒に、また遠くに行きたい。 キョンがいなきゃダメなの! だから! お願い! ▼▼▼▼▼ 「――生きて!」 俺の頭に、ハルヒの声がはじけた。 どこからか吹き付けられる風が、痛みを憶えるほどに俺の全身にまとわりついてきている。 ゆっくりと目を開けてみる。 目の前にはなぜか涙が上に飛んでいくハルヒのドアップがあった。 その顔は涙でぐしゃぐしゃになってしまっている。 で、俺が真っ先に口に開いたのはこれ。 「……なんて顔してんだ、お前は」 俺に言葉に、ハルヒは反発して睨みつけてくるかと思ったが、逆に信じられないほどの笑顔入りの感激の表情に様変わりし、 「キョン……キョン……!」 そう言って俺の胸元に、抱きついてきた。 ああ、もう状況が分からん。なんなんだこれは。だれか説明してくれ。 ――って、今更気がついたんだが、俺たちもしかして落ちているのか!? 俺が素っ頓狂な声を上げると、ハルヒはおずおずとこちらを見上げて、 「ご、ごめん、ちょっと早まっちゃった……」 そう反省しきりのハルヒ。 おいおい、勘弁してくれ。じりじりと地面が近づいてきているぞ。あと十数秒で三途の川に落ちちまう。 だが、何となく見上げた上空を見て、俺はほっと胸をなで下ろした。 「あー、でも大丈夫だな。さすがはSOS団副団長様だよ」 「え?」 ハルヒがきょとんしたタイミングで俺たちの落下速度が大幅に落ちる。上空から降りてきた古泉が、 俺の身体をつかんでパラシュートを開いたのだ。 「……ぎりぎりでしたね。さすがにちょっと肝を冷やしましたよ」 古泉がはにかんだニヤケ顔を浮かべてくる。顔が近くて気色悪いが、まあ、今日は勘弁してやるか。 ほどなくして、地上の方で騒ぎが起こる。オフィスの窓や通行人たちが俺たちを指さして、何事かと言っているようだ。 そりゃ、いきなり高層ビルの屋上から人が落ちてきて、さらにパラシュートが開けば目立つだろうからな。 古泉は器用にパラシュートの進行方向を操作して、できるだけ人気のない方に向かって移動を始める。 「全くこんな大騒ぎを起こして、機関だけではもみ消すのは困難ですね。長門さんに助力を願わないと」 「おい、ハルヒがいるそばでその話は……」 俺が焦って古泉の口を止めようとするが、逆に古泉は俺の胸元のハルヒを指さしてきた。 見れば、さっきまでの泣き顔はどこへやら、幸せそうな顔ですーすーとハルヒが寝息を立てている。 俺はしっかりとハルヒを抱きかかえると、 「全く……こいつは人をこんなところに突き落としておいて……」 「涼宮さんはあなたのために徹夜で走り回っていたんですよ。まさか忘れたと言いませんよね?」 「言われんでもわかっているさ、そんなことは」 ついふてくされたように返す俺に、古泉は素直になったらどうです?と苦笑を浮かべる。ええい、無視だ無視。 俺の顔に太陽光が当てられる。見れば、分厚い雲の隙間から徐々に光が差し込み始めていた。 ふと、俺は思いつき、 「なあ古泉。お前ハルヒを付けていたのか? でなけりゃ、こんなタイミングで俺たちを助けられないだろ?」 「ええ、涼宮さんとあなたが部室から姿を消したときは卒倒しそうになりましたが、何とか再発見できましてね。 いやあ準備もぎりぎりでしたよ。高層ビルに入る姿を発見したとき、これはもう飛び降りしかないと思い、 あわててパラシュートの準備をしてもらいましたからね。昔にちょっと機関の訓練絡みでやった経験がこんなところで 役に立つとは」 お前の自慢話なんてどうでもいい。俺が聞きたいのは一つだけだ。 「もし――もしもの話だが、俺が復活しなかったら、ハルヒを助けたのか?」 「……さあ、どうでしょうか? きっとその時僕が感じたままに動くと思いますよ」 そう俺の問いかけをはぐらかして、苦笑を浮かべるだけだった。 ▼▼▼▼▼ 「で、何で俺は助かったんだ?」 俺は病院のベッドで、見舞いに来ていた長門に尋ねる。 その後、どうにかして現場を逃げ出した俺たちは、そのまま病院に直行することになった。 危機的状況は脱したとは言え、まだどこかに悪いところがあるかも知れないということで、現代医療の先端技術を駆使した 検査を片っ端から受けさせられ、その後には能力が戻った長門による未知の病原体・何とかプログラムが 残っていないかの検査も受けた。 結果はオールグリーン。俺は至って健康体であるということだ。やれやれ、ようやく一件落着か。 ただ、体力的な問題や念には念を入れてと言うことで、数日入院することになった。翌日、ようやく連絡の取れたオフクロ達も ついさっき見舞いに来たところだ。変な物を喰って食中毒になったということにしているが。 その後、朝比奈さん・古泉が見舞いにして、それと入れ替わりで長門がやってきた。で、俺はせっかくなんで、 ハルヒの奴がどうやって俺を救ったのか聞いてみることにした。 長門は首を少しだけ傾け、しばらく考える素振りを見せた後、 「抽象的な話になる。また事実ではなく推測でしかない。それでもいい?」 「構わん。教えてくれ」 俺の了承を確認すると、長門は続ける。 「あなたを蝕んだ破壊プログラムはあなたの生命活動を奪うという、その一点のみを狙った。 その点を標的にあなたの時系列的存在存続を切断するという手段。同様に涼宮ハルヒも途中までは あなたの生命活動が存続して欲しいという一点のみを願い続けた。点の消滅を避けようとしていた。 だが、それを予測していた破壊プログラムはそれを受け付けないように細工されていたと思われる」 何が変わって、俺は助かったんだ? 「涼宮ハルヒは、最後にあなたに未来があること願った。それは点ではなく線となる。破壊プログラムが点を抜き去ろうとした 点に対して、涼宮ハルヒはその上から線を引いた」 本当に抽象的な話だな、おい。 「現段階に置いても涼宮ハルヒの情報創造能力の詳細は不明。これはわたしの推測に過ぎない話。 だが、彼女があなたとともに先に進む――あなたが助かるという奇跡の先の存在に気がついたのは否定できない事実」 なるほどね…… ところでこんなふざけたことを仕掛けた奴は一体どこの誰なんだ? 長門は少しうつむき加減になり、 「情報統合思念体はわたしに情報操作能力を復元させた後でも、何も教えようとはしない。 しかし、有機生命体の死を点でしか捉えられないことを考えれば、仕掛けたのは情報統合思念体に他ならないと思う。 急進派が仕掛けたのか、主流派が考えを変えたのか。それとも別の意志が働いたのか。どちらにしても わたしがそれを知るすべはない」 長門の口が少しだけ重くなっていることに、俺は責任を感じていることを感じ取って、 「気にすんなって。お前を責めるどころか、責任があるとすら思ってねえよ。はっきり言わせてもらうが、 お前とお前のパトロンは完全に別物だ。俺の中ではな」 長門はこくりと頷く。ありがとうという感謝のサインだろう。 しかし、ハルヒが俺の未来を願うとはね。全くハルヒはまだ俺を引っ張り回したりないってのかよ。 どんだけ突っ走ればこいつは止まるんだか。 「今度はあなたが気がついていない」 はい? 「何でもない」 唐突にかけられた長門の言葉の意味が分からず間の抜けた声を上げる俺だったが、長門はそれ以上語ろうとしなかった。 しばらくして、長門はすっと立ち上がると、 「帰る」 そう言って外に出て行こうとする。俺は待てよ、と声を上げて、 「いろいろ心配かけちまったな。ありがとよ」 「わたしは何もしていない。お礼を述べるなら、涼宮ハルヒに言うべき」 そう言って俺の寝ているベッドのすぐ横を指さす。 そこには寝袋にくるまったハルヒの姿があった。幸せそうな笑顔で寝息を立てている。 まあ、なんだ。冬に入院したときと同じってことさ。俺が回復するまでここで一緒に寝泊まりするんだと。 俺はすっとハルヒの頬に手を当ててやる。あの時はここで起きたが、今は深い眠りに落ちているのか 目を覚ます気配を見せなかった。 ――お前が願ったとおり、ずっとそばにいてやるよ、ハルヒ。 ~~完~~
https://w.atwiki.jp/naianakikaku/pages/2526.html
いかせのごれ某所、公園。 そこにあるベンチに、一人の男が腰かけている。 身長、180センチ以上。その巨体から早朝の公園では一際存在が浮いており、彼の周囲だけ場違いな空気をかもしだしている。肩幅ががっちりとしており、それなりに鍛えている事が伺える。くすんだ色の金髪と、欧米人特有の白い肌。丸い眼鏡の奥で、蒼い瞳が覗いていた。 その威圧感だけで、何者も遠ざけてしまいそうな感じ。今は人気が無いだけだが、これがもし昼間だったらこの男の周囲には誰も寄り付かず、下手すれば居た堪れなくなった人間がその場から逃げだしていた事だろう。 そんな威圧感をものともせず、一人の少年が男の隣に腰掛けた。いかせのごれ高校の制服を着ており、童顔の優男だ。 「ロイドさん、お久しぶりー」 「おう、一ヶ月振りか」 「最近、何してました?」 「教師。受け持ちは英語。ってか、頭(カシラ)も俺を教師にして潜入させるとか、全く何を考えているんだか」 「後は?」 「幽霊狩ったり、夢限の空間に落ちたり、まぁ色々」 「可愛い子いました?」 「ノーコメ」 「えー何でですか、重要じゃないですかー」 「あのな、自分の学校の生徒がお前に食い荒らされてるとか、居た堪れなくなるわ。第一お前、何人か既に食ってるだろ」 「てへ」 「てへじゃねぇ」 「それはさておき、」 「置いとくのかよ」 「どうですか、ロクブツ学園は?」 「……ぶっちゃけ、やばい」 一呼吸間を置いてから、ロイドは言った。眼鏡に隠れた視線は空の方を向いており、彼が何を見ているのかアッシュには分からない。 「カルトラの刑務所にいた時、ここ程やべぇ場所は無いと思ったが、あそこも大概だな。ってか、離島じゃなくて街のど真ん中にある分、あそこのがやばいか。更に輪をかけてやばいのが、あんな場所で普通に勉強やってる無神経さだな。あの学校作った奴、とち狂ってるわ」 「……例えば、どんな風にやばいんです?」 「つい此間、レギオンが街中に出て大騒ぎになっただろ。あの時、あの亡霊共はあからさまにあの学校を避けてやがった。学校に敷いてある結界を嫌ったのか、それとも学校に奴らでも恐れる何かがいるのか……」 「へぇ。何だか、楽しそうですね?」 「そら、部外者はな。半日あそこで暮らしてる身分にもなってくれよ。最近じゃ、生きてる奴と死んでいる奴の区別がつかなくなってきた」 そう言って、ロイドは公園にあるトイレの方に視線を向けた。そこは特に、何も無い。だが、アッシュもそちらへ視線を向けている。二人の見る目はまるで、そこに何かが有り、それをしっかりと捉えているかのようだった。 「仲の良い人、出来ました?」 「まぁ、それなりにな」 「今度、紹介してくださいよ」 「全面的に拒否らせてもらうわ」 「えー」 ぷくっ、と頬を膨らませるアッシュを無視して、ロイドは立ち上がる。彼はくいっ、と眼鏡を持ち上げると、アッシュの方を振り返って見下ろした。 「それじゃ潜入調査、引き続きお願いします。くれぐれも、アースセイバーに見つからないように」 「ああ、努力する」 ≪経過報告Ver人面虎→双角獣≫ (本筋を離れ、番外の地で行われる人面虎の戦い) (彼の姿を見る者は誰も無い) (まさに、神のみぞ知る)
https://w.atwiki.jp/jinkou2/pages/128.html
男子キャラ人気調査 ◀ 投票は終了しました。 ご協力ありがとうございました。 順位 性格 投票数 棒グラフ(| = 3) 1位 陽 275 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 2位 宅 225 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 3位 優 174 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 4位 策 123 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 温 123 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 6位 蛮 122 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 実施期間 2017年10月12日〜2018年2月8日 コメント 古いコメントはこちらにあります。 女子人気以外はROMってたが一応宅推しだしなぁ…もうそろ頑張ろうかね - 名無しさん 2017-10-21 02 17 01 クソ - 名無しさん 2017-11-10 18 39 14 生理的に無理なやつが3位なんだが何で…? - 名無しさん 2017-11-10 18 40 08 男女合わせて4人目に100台達成したのがどっかのからあげクンとかもう盛大に草 - 名無しさん 2017-11-15 19 05 12 蛮「俺と策が最下位だと?どいつもこいつも…俺が何をしたって言うんだ」策「おや?そんな事を気にしていたのですか?」 - 名無しさん 2017-11-19 01 50 59 ほんとだ、同点は草 蛮さんは前回1位だったのになあ - 名無しさん 2017-11-19 03 27 19 何やこれwww蛮策は絶対同点でないといけない決まりでもあるんかwww - 名無しさん 2017-11-26 15 11 06 女子の方もなんか同じ現象が起きてる性格がチラホラある気がw - 名無しさん 2018-01-25 14 13 29 こっちもこっちて似たような結果になってんのに平和で羨ましいわ まぁ誰が何位でも気にならんしな - 名無しさん 2017-11-28 18 44 38 宅もやがて100行くんかな?どこぞの誰かさんと違って、コイツはそんなに嫌いな人居なさそうなのに前回は最下位だったヤツだしなんかいいね - 名無しさん 2017-11-30 22 08 20 策「ふむ…少し見ないうちに投票数が様変わりしているようですね。フフ…誰が何をしたのやら」 - 名無しさん 2017-12-10 01 37 13 おおいつの間にか男全員100票突破か。中間結果:陽156>優155>宅131>蛮114>策107>温105 前に比べると全員拮抗してきたな。 - 名無しさん 2017-12-10 10 50 22 まさか策男ですらも100行くとは(笑) - 名無しさん 2017-12-10 17 19 36 宅男「お願いーシンデ〇ラー夢は夢で終ーわれーないっ」 - 名無しさん 2017-12-12 08 26 01 まさか、凛ちゃんグッズはそういう…w - 名無しさん 2017-12-12 23 39 22 2日で70票近く激増するってどうなってんの・・・。 - 名無しさん 2017-12-14 10 44 38 何日か前の優男の票の動きもかなり凄かったような。何だ、それこそどこかの大型掲示板にでも晒されたのだろうか… - 名無しさん 2017-12-14 12 14 36 女子の方の一晩での激増もそうだけど、バックアップのアドレス一覧からして誰かが一人で入れ続けたっぽいね。 - 名無しさん 2017-12-14 17 46 16 名前
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2147.html
全く奇妙な状況と言わざるを得ない。仮にも学院の中を走るレオーネ・センチネルと言うのは何とも奇妙なものだろう。運転席に俺、助手席に コルベール、極めつけは後部座席のど真ん中に腰を下ろすルイズ。 「……凄いな、こんな鉄の塊が快適に走行するなんて」 コルベールの珍しいものを見たと言う感激と、驚嘆な様は横から見ていても少々奇妙な気がする。車を極当たり前のように乗っている俺達から すれば当たり前と言えば当たり前か。一方のルイズは絶対座りにくい場所であろう真ん中に深々と腰を下ろし、不審そうにきょろきょろと辺りを 見回している。もう少し可愛気持って車窓から風景覗いてれば良いのに、しかめっ面で見ている様は、バックミラーから丸見えな俺に笑いを 十二分に誘ってくれる。 「何笑っているのよ!使い魔のくせに!!」 誰でも笑うぜ。まぁ、リバティーシティじゃそう笑う事も少なかったが、久しぶりに色々な意味で笑わせてもらったよ。暫しの穏やかなドライブは 色々とストレス発散にはなったんだがな。 「……これをガレージに使っていいのか?」 倉庫……にしては結構立派な作りな建物まで案内された俺だが、コルベールはどうぞ使ってくれと言ってきた。条件として俺が使わない時には 色々と調べさせてくれと言う。 「それ位なら構わないぜ……でも部品弄るのは勘弁な。スクラップにされたら直せなくなるからな」 「大丈夫ですよ、外見からしか見ませんから」 倉庫に車を収めるとコルベールと別れ、俺はルイズの後をとぼとぼと付いて行く。寄宿舎にあるルイズの部屋が俺の隠れ家らしい。俺のプライドが 全く持って許さないが、このルイズの使い魔になっちまっている以上こうせざるを得まい。また元の世界に帰る為にも利用せざるを得まい。無駄に 長い螺旋階段を昇る最中、幾人かのこの学院の生徒を見かけるが、俺を見るなり一歩下がってまじまじと見据えてくる。先程ルイズの髪を引っ張り、 ある意味陵辱して大暴れした訳だから当然か。 「入りなさい」 暫く歩くとこのルイズの部屋についたのだろう、扉を開けて俺に入るように指示する。部屋に入ると、本当に良いところのお嬢様と言えなくもない、 中世としては結構高級感のある部屋だった。 「入ったは良いが、俺は何処にいればいいんだ?」 「適当に座っていなさい」 「じゃあ適当にくつろがせて貰うぞ」 俺は横にある木製の椅子に腰を下ろすと灰皿を取り出し、煙草に火を付け、そんな時間は経っていなかったが久々の一服に興じる。しかしながら何だ、 奇妙な空間だよな。この部屋の主はこの小娘と言って差し障りないルイズで、俺はその部屋で煙草を吸うなんてな……。 「げほっげほっ何なのよその煙は……」 すると、煙草の煙で咽ているルイズが多分ネグリジェだろう姿で俺の前に現われる……こいつ、俺を男と思って無いのか?だが同時に、今日着ていた 薄汚れた服を手に持っている。嫌な予感がする。 「私の服を洗いなさい」 「やっぱりか。良いぜ、全てを晒す勇気があるならな」 ルイズから服を奪い取り、机に一つ一つ並べてやった。御丁寧に上下の下着まで含まれてやがる。行き成りの俺の行動にルイズは慌てふためき、服を 取り返そうとするが、腕力で勝る俺から何一つ取り返せなかった。 「色気の無い下着だなぁ……うわ、この上着襟筋真っ黒じゃねぇか……ちゃんと身体洗ってるのかよ」 もうセクハラ以外の何者でもない言葉を嫌味ったらしく並べる。洗ってやっても良いがこう高圧的態度を取られればな、俺もこうなる。最も、服を 洗われるんだぜ?見てないところで同じ事されるぞ。 ――…ルイズ側。 うわああああっ!!何てことするんだこいつは!!下着に色気がない?身体の洗い方が足りない?余計なお世話よ!! 「服洗って欲しいんじゃないのか?」 何クールに確認してるのよ!……『 躾 』よ!躾てやる!!徹底的に躾てやる!! 「可愛気のねぇ女だな……全く。16歳で貧相で貧しい胸でちっこくてさ、頭悪い性格悪いじゃ男寄ってこねぇぜ?」 「……くっ!!」 事実よ!事実なだけに余計に腹が立つ!!……って、なんでそんな事知ってるのよ!! 「俺は必要な情報をキュルケとか言う胸のでかい女に聞いただけだが?」 おのれ……!! 「あんまりカッカカッカすんな、美容に悪いぜ」 まるで私を諭すかのように言うこいつの目は今まで良く見ていなかったが、雰囲気がそう見せるのだろうか冷たく、冷淡な空気が影のように浮かぶ。 ……正直、私が今まで会ってきた人には居ない、何と言うか異質な……上手く表現できないけど、そんな存在感……。 「まあいいわ……そう言えばアンタ、名前聞いていなかったわね……確か……」 「トニー・シプリアーニ」 即答してきた……あれ、確か……。 「え…いや、確かあんたの名前は……アントニオ・シプリアーニではなかったけ?」 「いや……そうは呼んでくれるな。トニーだ、トニー・シプリアーニ。そっちの名前は極身近な人間にしか呼ばせないんだ」 一瞬、こいつの顔が変わった。普通に喋る時は余り感情を露にしないけど……怖い。冷たい感覚が背中に滲んで……あまり触れて欲しく無さそうね。 「洗濯位はしてやるから纏めておけよ」 もう、返す言葉がないわ……。 「ところでルイズ、こんな事を聞くのはどうかと思うが、俺の食事はどんな按配なんだ?」 一通りコミュニケーションを取った後、こんな事を切り出してみた。食事を取った後にこの世界に飛ばされてきたが、もう結構な時間が経過した筈だ。 流石の俺も腹が減る。だが、当のルイズは 「え?…食事?」 呆気に取られたような様子でこう聞き返してくる……嫌な予感がしてきた。 「Mr.コルベールに聞いたが、食事はあんたがたメイジが用意するって聞いたんだが……」 「……自分の分も忘れてたわ」 最悪だ、何てこった。突然訳の分からない世界に飛ばされ、金も意味を成さず、右も左も分からんこの状況下で、このルイズが唯一の生命線にも関らず、 自分の食事の事すらも忘れてしまう有様だとは……。 「だ…大丈夫よ!使い魔用の食べ物くらいはあるわ!」 何て言って出て来た袋にはまぁ何とも名状しがたいもので、『人間じゃない』使い魔なら食いそうだろうけどな!! 「こんな不味そうなの、猫だってくわねぇよ」 冗談じゃねぇ!!エル・ブッロのポルノビデオじゃねぇんだぞ!!リアルでSMじゃねぇか!!……おいおい、これは相当クレイジーだな。仕方ない、 コルベールの所に 逃 げ る か ! 「………」 俺はルイズが何かを取りにそっぽ向いた刹那、隙を突いて外に出る。この学院内の構造は理解していないが取り敢えず逃げる。今ルイズに捕まっちまっ たら面倒な事になりそうだからな! 「!?……ま…待ちなさい!!」 自分の持っていた手榴弾1個と身近に有った棍棒のような棒切れを咄嗟に取り、無駄に長い螺旋階段を落ちるかのように駆け下りる。冗談じゃない、 黙っていたらあの『お仕置き』とも言えなくもない、あんな得体の知れないイカレた物を喰わされるぜ。後ろからはルイズの絶叫が聞こえてくるが 無視をする。 「……くっ!!」 螺旋階段を降り切った直ぐ先で、共に黒いマントをつけた金髪で胸元を開けている優男とロングヘアの黒髪の女がいちゃいちゃと乳繰り合っている。 マセガキ共が。無視しても構わないが……いや、こいつらメイジだ。ルイズが絡むと厄介、可哀相だがここは 寝 て い て も ら お う か ……!! 「……キャ……ああっ!!」 「……おお!?」 棍棒のような棒切れを手に持って一気に乳繰り合っている二人に近寄る。ロングヘアの女と目が合い、声を上げられそうになったが俺の手の方が 一瞬早かった。棍棒を一閃、フルスイングすると二人纏めてなぎ倒す。殺す気は更々ないので追い討ちで二人共々足蹴で留めた。 「すまんな、後で身体で借りは返すぜ」 気を失っている二人にこう声を掛けると俺は全力疾走で回廊を疾走、なんとか中庭に抜け出る道筋は見えた。だが、肝心のコルベールの部屋の在り処が わからない。そうこうする内に回廊の奥からルイズの絶叫が聞こえてくる。 「なんてこった」 しかし事態は収まってはいない。目の前の噴水前では、色々と教えて貰ったキュルケとどうしてもオッサンにしか見えない奴と談笑している。流石に さっきの優男とは行かないだろう。しかも後ろにはルイズが迫ってると分かれば、仕方ない。ここは全力疾走で抜け出る他あるまい……。
https://w.atwiki.jp/fateonsen/pages/306.html
【クラス】バーサーカー 【真名】柳生 宗章 【容姿】鋭い眼光の侍 【英雄点】45点(ステ25点・スキル20点):令呪3画消費 【HP】55/55(25+30) 【筋力】EX 8(10) 【耐久】A 5 【敏捷】A++ 7(8) 【魔力】E 1 【幸運】D 2 【スキル1】狂化 E 10点 物理攻撃時、補正値5を得る。物理防御と魔術防御時、補正値3を得る。 【スキル2】新陰流 A++ 5点 物理攻撃時、補正値4を得る。先制判定時、補正値3を得る。 【スキル3】吹雪の乱舞 EX 4点 先制判定時、補正値3を得る。最大HPを15増やす。 【宝具1】 雪徒花・逆風の太刀 (ゆきのあだばな ぎゃくふうのたち)1/1 【ランク・種別】A 対人秘剣 【効果】 物理攻撃時、補正値10を得る。先手を取っている場合、相手の物理防御の判定に補正値-3を与える。 【その他】混沌・中庸 人属性 泥 【設定】 【絆Lv1】 身長/体重 184㎝・77㎏ 出展/地域 史実・日本 属性 混沌・中庸 男性 戦国時代の剣豪 雪華の剣士にして不合理の男 【絆Lv2】 徳川家康に弟、柳生宗矩と共に出仕を請われるが、彼はこれを固辞し武者修行の旅の末に小早川秀秋に使える事になる。 小早川家断絶後は、中村一忠の家老 横田村詮の客将となる。村詮が同僚に謀殺された後、嫡男主馬助が反抗した際は義侠心を発揮し助力。 大いに奮戦するも最期は、吹雪の中で暴れに暴れ敵兵18人を切り捨て戦死する。 【絆Lv3】 一見柔らかい物腰に話し方の優男だが、自分が至高の一振りになる事を目標とし、それ以外は特に興味を持たない良く言えば求道的な男。 彼の生前からの従者としての在り方は「御恩と奉公」主が自分に利があるなら、此方も協力するという非常にビジネスライクなもの。 【絆Lv4】 ○新陰流 A++ 宗矩と違い奥義までは会得していない。 しかし、激しい武者修行や実戦で鍛え練られたその剣技は修羅の領域へと至る。 ○吹雪の乱舞 EX 彼の最期の闘いぶりが昇華されたスキル。 一度抜かれた刀は折れるまで、雪を散らしその残影が戦場を彩る。 【絆Lv5】 「雪徒花・逆風の太刀」 ランク A 種別 対人秘剣 レンジ 0〜20 最大補足 18人 ゆきのあだばなぎゃくふうのたち 不合理の轍を引きながらも、心は常に自由であれ 天の合理も地の道理も知らぬ存ぜぬーーただひたすらに己が法を以って鍛え続けた結果、柳生宗章の中で完成した求道の刃。 剣は生死の狭間に大活し、己の全てを宿し奮い繰り出す時こそ、雪の徒花は咲き誇る。 【「恩雪の華、月に映え」をクリアすると解放】 柳生 宗章は求道的ーー詰まる所自分の事をを第一とした独善的な男であったが、それと同時に誰かの心からの願いならば、どんなに不合理でも尽力する面も存在する。 何故なら彼の求める至高の一振りとは、所業理不尽諸々と、苦しさ辛さ流れる涙を全て全て斬り捨てれて然るべきだからだ。 だから、彼が真に刀を振るうべき時だと思った時には「御恩と奉公」を捨て、どんな状況でも共に戦ってくれるだろう。 とは言え彼が扱いやすいサーヴァントだと言うことは決してなく、自分に首輪を付けようものならば、どんな相手であろうと問答無用で噛み付く狂犬でもある。
https://w.atwiki.jp/foresanc/pages/1305.html
一茶 名前 焔咲 一茶(ほむらさき いっさ) 概要 輝石大陸 ステルディア、ラケルタ島白雨峰に住む人間と魔族のハーフの隠者。 鴻江叉岐羅の命の恩人であり、師匠。あの性格の彼が唯一頭の上がらない存在で、非常に慕われている。 オレンジ色の肩より少しくらい長い髪に赤い瞳、服装は大抵は和装(お気に入りは抹茶色の和服。大抵着流し姿)でいることが多い。 温厚な物腰が特徴的な優男であるが、剣術・符術・魔術に精通しており、白雨峰の隠者と呼ばれるその戦闘力は高い。 特に符術に関してはかなりの腕前を持ち、そこそこ強力な魔法でも詠唱無しでぼこぼこ放てる。 剣もそれなりだが、腕力はB程度。熟練の剣士相手には押し負ける。 海賊団「カナロア」所属の元フリーの暗殺者、朔夜こと焔咲 サクヤの実の兄(異母兄弟)。 性格 温厚でどこかぽわーとした雰囲気があり、とても抜けた所がある。 気さくで、人当たりがいい。また沈着であり、激昂するのは非常に少ない。 普段から内心では何を考えているかわからないと言われることが多く、その心の内は弟子であるサキラすら解らない。 可愛いもの好き(特に小動物)。 腹が黒い所があり、また本人は特に意識していないが弟子同様Sっ気がある(その矛先は大抵サキラに向く)。 非道に徹しきれず、囮になりながら自身を殺害しようとしたサキラ達を見逃したり、 龍の封印の解除に大量の供物を用意せず自身を供物にしようとしたりと甘さの残る行動が目立ち、 その行動理念も古の龍の力で脅しをかけた上での人と魔族の調和だったりと黒幕というには余りに優しすぎた。 主な技・魔法 弟子のサキラ、実弟のサクヤ同様、呪符を使った符術が中心。 「起爆札」 術者の意思で爆発する呪符を放つ。 時間差攻撃から罠、奇襲とシンプルながらも優秀な呪符。爆発の規模は術者の魔力に比例する。 「呪符・鉄鎖」 札から鎖を生やして何かを絡みとったり、移動に使う。 捕縛も可能で、一枚の札につきひとつの鎖しか出せないが、何枚もの札を用いればいくつもの鎖を操ることができる。 「呪符・光滅」 光の加護を持つ者を滅する呪符を放つ。天使や光属性を持つ者に特別なダメージを与える。 札は闇の魔法弾となって対象へ飛び、対象を滅する。 「呪詛・龍水破」 呪符を放ち、龍を模した激しき水流を相手にぶつける。 「呪符・凪風」 札の周囲に風が吹きすさぶ場を発生させ、攻撃から身を守る。 「呪符結界」 札の配置により効力が変化する結界を構築する。 呪符結界一覧 名称 枚数 強度 効果 壁 2 B 壁のような魔法障壁を生み出す。迷路も作れる。 匣 4 A ボックス型の結界を生み出す。 拒 8 S+ 凄まじく強力な結界を生み出す。外部からの干渉はほぼ受けないが、内部からの攻撃には脆い。 「光無き呪縛」 呪符・光滅を相手を取り囲むように配置して発動。 無数の闇の光弾が相手を囲んで檻を作り出し、包み込み、無に還す。 「鉄鎖荊裂」 呪符・鉄鎖を無数に発動させ、相手をがらんじめに捕らえ、引き千切る。 「縮小の呪印」 貼りつけた物体(生物は不可能)の大きさを縮小する呪符。 他にも多彩な符術、魔術、更には剣術を扱うことができる。 ちなみに サキラ君のお師匠さん。長編ラケルタ編の黒幕でもありました。色々の反省点の大きい敵キャラですが、大物感が少しでも出てれば何よりです。 ちなみに年齢は33。どこぞの変態とそんなに変わらないお歳です。 登録タグ ステルディア 亜人 人間 兄 剣 符 黒幕
https://w.atwiki.jp/yarusava/pages/201.html
「そして私の掌の上で踊れ」 ,ィ / ,// _、- , '/ /‐' ,、ン'/ , ./ レ ´ ー--...、.._ _iV _ _ _ =- r ' `ヽ三ニー- ニ -=ニ´ / /三 \\ヽ ミ、 _ =≧ー / / ンヘ\\ ヽ `ヽ ニ三三ェ- //i / // ,'i ヽ\\',、 ヽ <'´ !' / ; ' / ,' i i ヽ ヽ ミミ ヽ、 k-ニヽ、 / i l i i、 ',. ', ヽ ヽ ` ミヽ、 / ii l i L ' , i \、 _ ヽ 、 ヾ、 / /i i l i i f j、 ; ',ヾ ,rt j、\ i、\ _,rーァ'/'´ i ハ l lリ`=‐ヾ'、 、゙ヾ、ニノヽ ヾヽ、. ,r''" i.リ/リ ',゙ ゙ヽ .,! ; iヾ ',ヽ、``ー- / ', -、 i// l l゙、 、 .. .. ' l i!ヾl l lヽi ', `ヽ ∧ ', i i i i リ ヽ. ‐-- 、 / /リ / !/./ ' ' ゙ヽ ,' ヽ ', i 〈 ,i i .、 \\ .. ' / ! , ', ' .i 、 ヽ i 'ヽゞミヽ、ゞ `ニ ´ '' _,. -// i. ヽ、ヽヽ i ',ヽ、`ヽミヽ、 ,. -'´,. '´/ ノ /. iヽ \i .i!ヽ ` 、`'-、、、、、- ',ン'' /〃 i ヽ.\ ! ` ー-ー '´ , ' //. i ヽ、ヾ , ' / ' ',、 ゙゙'i\ヽ , ir' ヽ= 【名前】 L 【読み方】 える 【種別】 悪魔/魔王 【名称】 ロキ 【Lv.】 ? 【現状】 生存 【初登場】 2ndday 【AA出典】 DEATH NOTE 【人物】 遊び人風の格好をした優男。 やる夫達の前に幾度となく現れヤドリギを渡したり助言をしたりと様々な手段で関わる。 正体はウソ付きで有名な北欧神話の魔王ロキ。有名なトリックスターで、他の神族達からは嫌われているらしく、唯一の親友が『妖精王』であるブーンだった。 だが彼が『王の中の王』に殺されたため、ティターニアの助言もあり彼の死のたむけとして王位簒奪戦の内部で様々な工作を施す。 表向きやる夫達の誰かが運命の女王の関係者だと言っていたが、実際は翠星石が女王本人だと最初から知っていた。 「神」が「悪魔」に勝つという概念を運命の女王の力で組み替えることを目的としている。 工作をやりつくした後は自分の出番は終えたと姿を消したらしい。 その後傍観を決め込もうとしたが神霊バアルとなった翠星石につかまりヨーロッパの統治をまかされている。 彼は天使達による融通の利かない法を一蹴し、己が思いつく限りの邪悪な試みを封じる方法を提案。 無理なく、風通しの良い法案を作り上げた。 しかし、彼自身はもっと無茶や無理をして、混乱を楽しみたかったらしく、ストレス発散のために東京は銀座のバーへ赴き、思うがままにスイーツを胃袋に詰め込む姿が幾度となく見かけられたという。
https://w.atwiki.jp/fadv/pages/6.html
墜落 題名:墜落 作者:東 直己 発行:角川春樹事務所 2006.6.8 初版 価格:\1,900 ハードボイルドの創生期において、ぼくがよく感じていたのは、悪党が悪党でないな、ということだった。サム・スペードやフィリップ・マーローが闘うべき相手は、多くは、性格の弱い金持ちであったり、金に困った小市民であったり、女に騙された優男であるか、縄張り争いや跡目争いにけりをつけたがるヤクザの幹部であったりした。その悪さたるや、今の東直己作品に比べたら、まるでナイチンゲールかムイシュキン公爵みたいなものである。 悪はそれだけ手に負えなくなってきた、ということなのだろうか。この日本で、この札幌で、この現代で、ということなのだろうか。それとも、ハードボイルドがこれまであまり書かなかった悪こそが、より裏側深い闇の奥で連綿と続いてきた全く別の血の異常史の上になぞられてきたものなのだろうか? シリーズ前作『熾火』のラストシーンは、平凡な日常を離れ、平凡な色欲や物欲を離れ、もっと異常で、乾いて、理解不能な、別惑星の機械による、暴力へのただ単純な性向だけが、犯罪の形として提示されてしまった。それも別シリーズの二作までをも序章として絡ませた、作者としては異様な身の入れようで書かれた題材であった。 道警がらみの闇の奥深さだけであれば、まだ読者として太刀打ちもできたのだけれど、ここのところの東作品の探偵たちは偶然とは言え、あまりにも鬼畜の世界、修羅の時に出くわしてすぎているという気がする。 しかし東作品が予言したわけではないのだろうが、現代の日本を賑わす猟奇事件の数々は、まさに色欲や物欲を超えたところの鬼畜の世界、修羅の時を現出しているものであることも、確かに否定しきれないのだ。本書に登場するリンチ殺人は、まさに手軽に仲間を殺してしまう若者の集団狂気の世界であり、これが現実に起こり得たことは、ここ数年の文化の地平では、あまりにも印象深く実証されてしまっている。 この手の現代的な(?)理解不能な悪への怒りが、東直己という書き手の根底にあるだろう。この物語の場合は、守るべき娘を3人、妻を1人抱えた私立探偵の恐怖と不安に形を変えた怒りでもある。東直己は、殺人現場には出あわさないまでも、すすきのの夜の底で、多くの殺人鬼予備軍と呼べる、異なった価値観の人種に危険の匂いをあまりに頻繁に感じ取っているのかもしれない。 しかしだからと言って、殺人者が統計学的にこれほど沢山身の回りに存在する状況ということに関しては、正直そのまま納得するわけにはゆかない。ましてや一人の探偵の行動半径内で、かくも多くの殺人事件が発生する確率といってしまえば、いくら小説の世界でも異常だろうと思う。連続殺人事件ならばまだしも、複数のモジュラー型犯罪は、87分署のような警察捜査小説であればともかく、一人称の私立探偵小説としては少し異例すぎはしまいか。 ちなみにミステリーとしてのトリックについても、本書のそれは極めてリアリティに欠ける(ネタバレになるので詳細は書きません)。プロットのダイナミズムを優先し、サービス精神に走りすぎたゆえに、トリックそのものにまで無理をかけ過ぎたかと思われる。 他のミステリー大家が同種のトリックを作品の骨子にしたときに、いかに綿密に手をかけていたかを思うと、あまりにエンターテインメントを意識しすぎ無理をやりすぎると、せっかく重みのあった本シリーズの価値も急落するのではないかと、つい心配になってしまった。 (2006/07/17)
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/543.html
カトル・ラバーバ・ウィナー 登場作品 新機動戦記ガンダムW 年齢:15 兄弟スレでの扱い 原作同様ウィナー家の当主。また裏の顔としてエージェント・プリベンター04として活動している。 手に職を持っている為か学校に通っているネタは殆ど見受けられない。 中東に勢力を持つ地球圏有数の富豪であるウィナー家という原作の設定はそのままスレでも健在であり、本人の常識的かつ穏和な性格も合わさって 小ネタから長編までその財力を発揮する機会も多い。例えるならこち亀における中川のポジションである。 また公式で美少女顔であり、物腰の柔らかさや中の人が女性であるのも加えてロランらと共にこんなに可愛い子が女の子の筈がないネタ軍団の一人として登場する。 その際よく、ブロンド・丁寧語・中の人が女性・名前が「カ」から始まる三文字、と共通点が多いカリス・ノーティラスと 誤記されることがあるので、ネタを書くときは推敲を忘れないようにしよう。小柄な方がカトルで月モノがある方がカリスだ。 上記の性格・風貌やスパロボなどのゲーム作品での扱い(補給とか)などからとかく優男イメージが付きまとう彼だが 実のところガンダムパイロットの中ではヒイロとタメを張るレベルの特攻 クソ度胸型の過激な男である。 MSとは生身で狩るものと考えているのは彼とウッソ、ガロードぐらいなものであろう。非常識これに極まりとネタにされる。 しかもウッソは偶然かつ必要に迫られての状況、ガロードは仕事道具ありの状況に対して 彼は衝動的に、素手で、MSを駆け上がって、パイロットを腹パンでノックアウトした上そのまま(コクピットの高さから)ポイ捨てして、エアリーズを強奪した。 もはや何も言うまい・・・ 原作での扱い ガンダム04のパイロットとして地球に降下。OZとの孤独な戦いに身を投じる。 名前の由来は某赤い人の数多の偽名の一つと同じフランス語の「4」から。 気絶したヒイロからリリーナの幻影を感じ取ったり、「宇宙の心は彼だったんですね」などの名(迷)言など、NTかと思えるような描写も多い。 また家族構成が姉が29人とぶっ飛んでいる。これはカトルの父が性豪という訳ではなく、彼女達は試験管ベイビーであるため。 A.C.のコロニー第一世代は宇宙生活に適合する為(地球から宇宙に上がった女性の子宮に異常が生じ、胎児・母胎ともに死亡率が50%を越えた)に試験管ベイビーとして遺伝子調整を受けている。 その遺伝子調整を毛嫌いする風潮に反抗してポンポン試験管で娘を生んだのがカトルの父である。 彼はキチンと30人全ての子供を平等に愛しているが、その苛烈な生き方・主張、厳格な態度はカトルと喧嘩別れするのに充分であった。 似たもの同士は愛憎が深いものである。スレでもやはり親子仲は上手くいってないらしい。ちなみに父はEDという訳ではなくカトルは母親の子宮から生まれた(直後死亡) 主な乗機 XXXG-01SR ガンダムサンドロック・・・僕のサンドロック。 XXXG-01SR2 ガンダムサンドロック改・・・上記の改修機 主に登場したネタ 主な関係者 ヒイロ・ユイ・ガンダム・・・仲間 デュオ・マックスウェル・・・仲間 トロワ・バートン・・・仲間 張五飛・・・仲間 マグアナック隊・・・彼を信奉する屈強な男たち。マグアナックとは「家族」の意。 カミーユ・ビダン・ガンダム・・・俺も男だよ。男で悪いか ロラン・セアック・ガンダム・・・女装は趣味じゃありません 関連項目 女装 お金持ち link_anchor plugin error 画像もしくは文字列を必ずどちらかを入力してください。このページにつけられたタグ コメントはこちら 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/chaosdrama2nd/pages/715.html
《権智保管機関 G.A.T.E 》 概要 機関設立は1975年 創始者は元バスカヴィルにおける伝説ジョン・ワイズマン 表向き武闘派の構成員を揃えた人命保護団体という矛盾の塊のような組織だが、 その実は『バスカヴィル及び関連組織の根絶』を最終目的としている 『ノーマッド』と呼称されるこの組織は、総指揮官であるジョン老齢化によって現役引退し、 組織を引き継いだロビン・ガートルード?によって大幅な意識改革が成される 組織理念は『人類の生存権・選択の自由、及び文化の保持、知識を獲得する自由を保障すること』と定義され、 国家に帰属しない、全ての人民の為の組織『権智保管機関 G.A.T.E 』として『表向き』再結成されることとなった 活動資金を支えるスポンサーの多くは、一部国家首脳や『一社のみ』の元大手軍事産業 その他G.A.T.Eへの支援活動を公に秘している政府軍高官が一名 その他の収入源は名義を偽った『募金』。金銭面では非常に苦心している 所属している構成員は装備に頼らない『異能者』や『一流の実戦経験者』など少数精鋭の戦闘員 その他は殆どが医療チームなど非戦闘分野の一般職員のみ 活動資金の多くは近代兵器の恩恵を受けない為、 武器等のコストは大幅にカットされ人命保護に必要な施設維持や医療物資に割り耐えられている 主な活動内容は紛争地帯の人命救助 現地へ潜入し戦火の最中にある一般人の身柄を保護、『救助チーム』が脱出ルートから国外へ安全に搬送する 作戦行動中敵性戦力と遭遇した場合、勢力を問わず『迎撃チーム』が痕跡を残さずに無力化し救助チームを護衛する ここで重要になるのが『痕跡を残さない』こと 国家間の戦争であれ内乱であれ、国境を超え国土に侵入し攻撃を行う為一歩間違えれば一国家、 或いは対立する両国を敵に回しかねないというリスクが常に伴う この為、原則『輸送手段』以外の兵装は殆どが『現地調達』である ポータル 空間歪曲転送システム 特定の範囲内まで瞬間移動することを可能とする設置型の転送装置 ポータルとポータルの間を移動できる G.A.T.Eの象徴的装置で、物資の輸送に限らず『生物』の転送をも可能とする ポータルの種類は『メイン』と『サブ」の二種類 メインポータルは本部と各支部に存在するが台数が少ない 最大転送範囲『3,045 km』間の距離の移動が可能 サブポータルは『500km』間の移動を可能とする メインポータルは転送に必要なエネルギーを充填するまで3時間を要する サブポータルは1時間必要 何もスナック感覚に軽々に移動できるシステムではない 構成員 (追記編集自由) ニコラ 三代目総指揮官。 白髪に黒眼鏡が特徴の優男。イメージカラーはライムグリーン 重度のネットアイドルオタク、梲が上がらない青年 非戦闘員メンバーでは唯一『高度な魔術』が扱える種族魔法使い 戦闘面以外では非常に多彩でテクノロジーや医術にも精通する 経歴不明。『蒸発』した先代の置き手紙により総指揮官として指名されている クロサワ・ミラー 組織運営を担うニコラの右腕。ポストは『護衛チーム指揮官』 黄色人種と白人のハーフ。水の国出身で金髪と青目を理由に差別されており、 トラウマこそ払拭しているが当時の癖がそのまま青目を隠す為のサングラスを常備している 日本映画に詳しい ジギー・ハボック ペガサス国出身の運び屋 クロサワの依頼を受けGATEへ傭兵として常駐している サイバル経験が豊富な長期間遠征のプロとして活躍する メイヴィス・D・レイディア 『医療チーム』『護衛チーム』の双方に属するエース ポジションは『メディック』 戦闘と医療行為の両方を行える為単独行動を許可されている . .