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京太郎「修羅場ラヴァーズ」を適当にまとめたwikiです 基本はヤンデレと修羅場、たまにほのぼのな流れ 各校別まとめ 小ネタ 現行スレ シリーズは完結しました 長らく放置していてごめんなさい 新作は 1のモチベーションの回復次第…… 過去スレ 京太郎「修羅場ラヴァーズ」 京太郎「修羅場ラヴァーズ」健夜「幸せな、お嫁さん」 京太郎「修羅場ラヴァーズ」照「ずっとずっと、愛してる」 京太郎「修羅場ラヴァーズ」姫子「運命の、赤い糸」 京太郎「修羅場ラヴァーズ」明華「夢でも、あなたの横顔を」 京太郎「修羅場ラヴァーズ」一「キミと一緒に、抱き合って」 京太郎「修羅場ラヴァーズ」小蒔「あなたしか見えなくなって」 京太郎「修羅場ラヴァーズ」 由暉子「誰よりも、何よりも」 京太郎「修羅場ラヴァーズ」 淡「あーいらーぶゆー」 京太郎「修羅場ラヴァーズ」ネリー「大好きがいっぱい」 京太郎「修羅場ラヴァーズ」透華「永久に、美しく」 京太郎「修羅場ラヴァーズ」憩「ナイショのキモチ」 京太郎「修羅場ラヴァーズ」久「もうちょっと、近づいて」 京太郎「修羅場ラヴァーズ」揺杏「絶対無敵のラブラブラブ!」 京太郎「修羅場ラヴァーズ」憧「気が付いたら、目が合って」 京太郎「修羅場ラヴァーズ」爽「完全無欠のハッピーエンド!」
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名無しなんださんからのお題「カイオウ」 先に名前書いておくんでみんなにげてー by バスケの人 「うー!」 可愛らしい鳴き声を放つのはうーぱっく。 現在海の上を飛行中である。どうみてもごく普通のうーぱっく。 しいて普通と違う所をあげるとすれば、体長3m以上なことぐらいだろう その中に一人の男が寝そべっていた。 がっしりとした体の男だった。 うーぱっくの下には、何かが水面を泳いでいた。 それは帽子の上に乗り、オールを口で器用に動かして進んでいるまりさだった。 「しかし遠すぎるだろ。その修羅の国とやら。」 「うーぱっくがいてよかったね!!!」 この1人と一匹は海に浮かぶ島に向けて現在移動中だった。 事の発端はまりさからの話だった。 なんでもゆっくりも人もゆっくりできない国が海の向こうにあるという。 その国の名は『修羅の国』ゆっくりは生れてからずっと厳しい訓練をさせられ、大人になるまでの生存率は1パーセント という国。 なんとその国へ自分の群れのれいむが連れて行かれたとの事。一足早くふらんも助けに向かったらしい。 そして俺は暇だから付いていくことにした。 そんなこんなで島に到着。 見た感じ、真ん中に大きな山がそびえ立つ以外は普通の島である。 と、砂浜の向こうに一匹のゆっくりが倒れていた。 あの羽根は・・・・・・ふらんだ。 「どうしたのふらん!ゆっくりしてね!!!」 意外に素早い動きでふらんの元へ近づくまりさ。しかしどう見てもふらんの傷は致命傷である。 羽はボロボロ。眼は虚ろ。体のあちこちに切り傷があり、片腕が既に無くなっていた。 「ううぅ……ふらんまだがんばれるー。」 ふらんの傍には折れたれーばていん(鉄パイプ)が落ちていた。どうやら敵に折られたのだろう。 「おにーさん……おにーさんはしぬまえにげんきになれるわざがつかえるってきいたよ。ふらんにも」 言わずとも分かった。命を削る代わりに力を増大させる技だ。本当は使いたくないが、そう言うなら使おう。 「刹活孔! はあああああ!」 ふらんの肩に思いっきり指を突っ込む。 その瞬間 「うわああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」 ふらんはトラックにでも衝突したかのように思いっきり吹っ飛ばされていった。そのまま100m先の岩に衝突。 「……ありゃ死んだな。しかも星二つ美味しいです。」 「いみがぜんぜんわからないよ!!! ふらんをゆっくりさせてどうするのぉおお!!!」 「気にすんなまりさ。それよりふらんをここまで痛めつけた奴が居るはずだ。気をつけろよ。」 まりさは自信満々と言った顔で答えた。 「まりさにはドスからおしえてもらった『ゆすたーすぱーく』があるよ!ゆっへん!」 そういやそんな事もあったか。そりゃ余裕面できるわな 「このくにではどすすぱーくなどしらぬつうじぬよ!!」 「誰だお前は!!!」 突然の声に辺りを見回す、すると、10m先の大岩の上に一匹のゆっくりがいつの間にか乗っていたではないか。 金髪の髪のゆっくりだ。その周りには蜘蛛の巣のようなものが張られていた。 誰にも気付かれずにここまで近寄るその実力。男はここが油断を許されない地だと理解した。 「しんにゅうしゃをたいじしにきたゆっくり、スパイダーマぶぅうううううううう!!!」 思いっきりの右ストレートでゆっくりをぶっとばす。 そのまま海まで吹っ飛んだゆっくりはポチャンと海に落ちた。 「版権的に強敵だったな。早く行くぞまりさ。」 「ゆっくりりかしたよ。」 しかし雑魚でもふらんを倒すほどの強さ。 心の片隅に不安を残しつつ奥へ進んでいった。 その後も、数多の修羅と呼ばれるゆっくり達が襲いかかってきた。 「ふぃーばぁあああああああ!!!」 「ゲラゲラゲラゲラゲラ」 「おちろ、かとんぼ!」 「ふーじょん!」 全方向から雷や砲弾や炎や銃弾が降りそぞぐ。 それを男とまりさはお互いに背中を預けながら退けていった。 「ゆろーすぱーく!!!」 口から放たれた直線上のほそ長い光線が敵を貫き 「ゆーれりーずさん!!!」 まりさの周りに現れたビットが近づく物をぶっ飛ばす。 「ゆびるだむとーち!!!」 帽子から取り出した謎の瓶を投げつけると、たちまち敵は爆発した。 「っでなにみてるのぉおおおおおおお!!!おにーざんもでづだっでよおおおおおおおおおお!!!」 まりさはそう言って男の方を向く。男は板チョコ片手に座って携帯を弄っていた。 「ああ待て待て。今テトリス良いところなんだ。」 「いいがらでづだっでよねぇええええ!!!かずおおいんだよぉおおおおおおお!!!」 「あー待て待て。ああもう!なんで来ないんだよ長い棒!」 「だがらてつだってぇええええええええ!!!!」 そうして修羅達を蹴散らしたまりさ達は、なにやら大きなお城の前にたどり着きました。 中に入ってしばらくすると、何者かの影が見えた。 その影の大きさと形から行ってあれは…… 「に、人間だとぉ?」 「にんげんさんだね!どうしてここにいるのかな?」 近づくにつれて、その人間の顔が分かってきた。 髪を短く切ったちょび髭の男だ。 目の前まで来ると、その男は口を開いた。 「我が名はゼロ……」 「どうみても羅将ハンだろてめぇええええええええ!!!おぉぉぉ… くらいやがれぇ! 」 力を溜めた拳で目の前の敵を薙ぎ払おうとする男。 それと合わせるようにまりさも 「ゆろーすぱーく!!!」 結局二人の合体技で謎の男をなんとか撃破。 そのまま一行は先を急いだ。 そうして、やっとこの国を支配する『カイオウ』なる人物の元へたどり着い。 顔を兜で覆った謎のゆっくり。その傍にはあのれいむがいた。 「でいぶぅうううううううううう!!!」 「ばりざぁあああああああああ!!!」」 感動の再会である。ここまでの多くの犠牲(ふらん)を伴ったが、嬉しさのあまり涙するまりさ。 すると、兜をつけたゆっくりが話始めた。 「そいつをたすけたいかじゃおーん?」 「ゆ!あたりまえだよ!さっさとれいむをかいほうしてね!!!」 ガシャン!っと兜がひとりでに外れた。そこから現れたのは めーりんだった。 それも体中に傷を負い、明らかに常ゆっくりとは違う殺意を纏っためーりん。 そのめーりんがゆっくりと、しかし恐ろしいほどの威圧感と共に口を開いた。 「私は一向にかまわんッッ!!!」 「・・・まりさ。」 「ゆ?」 「必殺技だ。俺が許可する。やれ。」 「ゆすたーすぱーく!!!」 「じゃおおおおおおおおおおおおおんんん!!!」 まりさの口から放たれた極太光線は、めーりんを包みこみそのまま屋敷を破壊した。 「最後まで似たような展開だったな。」 「ゆぅ。そーだね。」 「とりあえずはやくおうちかえろうね!れいむおなかすいたよ!」 「……れいむ。」 男はひょいとれいむを持ち上げた。 「ゆぅ?」 れいむは頭の上に?マークを出しながらこちらを見ている。 「パクリ。うめえ。」 「でいぶのおがおだべないでぇええええええええ!!!!」 「おにーざんなにじでるのぉおおおおおおおお!!!」 【あとがき】 あとがき……そんなものはうちにはないよ?
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黒髪乱れし修羅となりて~凛 edition~ 「日向美ちくわ姫決定戦」霜月凛優勝記念 「ひなビタ♪」の霜月凛(CV 水原薫)による黒髪乱れし修羅となりてのカバー 8機種同時配信(pop n music éclale、GITADORA Tri-Boost、jubeat Qubell、REFLEC BEAT VOLZZA 2、MÚSECA、DanceDanceRevolution A、SOUND VOLTEX III GRAVITY WARS、BeatStream アニムトライヴ) BASIC MEDIUM HARD SPECIAL Level 4 6 8 10 Objects 170 291 418 628 BPM 150 TIME 2 05 Artist 日向美ビタースイーツ♪ Version VOLZZA2 動画 攻略 名前 コメント ※攻略の際は、文頭に[BASIC] [MEDIUM] [HARD] [SPECIAL] のいずれかを置くと、どの譜面に関する情報かが分かりやすいです。 コメント(感想など) 実際には曲名に「黒髪乱れし修羅となりて~凛 edition~」と、凛とeditionの間にスペースが入ってるようです -- 名無しさん (2016-04-23 23 23 01) 名前 コメント ↑攻略と無関係の曲に対するコメントはこちらでお願いします。あまりにもかけ離れた内容は削除される場合があります。
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11話 もしもムシャが修羅になったら エターなった めでてぇwwww 「めでたくねーよ! 今から始まるんだよ!!」 おっと失礼。えーと…ム……何とかさん。 「ムシャだ!」 あーそんな名前だったね。ごめんごめん、じゃ改めて…。 深夜の森の中に、周囲を古いレンガの壁で囲まれた広場があった。 ただの広場ではない、様々な「器具」が置かれていた。 首を固定し大きな刃を落として首を切断する器具。 縄を首にかけぶら下げる器具。 仰向けに固定し生きたまま臓物を取り除くための台――。 ここは処刑場。 その名の通り重罪人を死に至らしめるための刑具が数多く設置された場所。 刑具はいずれもかなり使い込まれた形跡があり、赤黒い染みが付着している物も多い。 心なしか、血の臭いや腐臭が広場には漂っていた。 純和風の鎧に身を包んだ男、ムシャは断頭台の傍で自分のデイパックの中身を確認していた。 そして取り出したのは鍔のない真っ直ぐな刀身を持った刀――直刀。 鞘から抜き出し月明かりに刀身を照らせば、ぎらりと光を跳ね返す。 剣術を得意とするムシャにとっては適性のある支給品であった。 次にムシャは名簿を取り出し中身に目を通す。 「アレックスにその仲間…ドラゴナスと死神五世もいるのか。あと…デスシープか」 名簿の中に7人、敵対する勇者とその仲間、自分と同じ魔王軍四天王の二人と魔王軍の中ボス級キャラの名前を発見する。 特にドラゴナスと死神五世は、空気扱いを受ける事も多かったが平時は実に仲良く付き合っていた。 名簿を閉じてデイパックに戻し、しばしムシャは考え込む。 殺し合い――リリア・ミスティーズと名乗る異様な雰囲気の女が開催する狂気の殺戮ゲーム。 いつものように鍛錬の後、就寝したはずが気がつけばこの状況だ。 首には爆弾内蔵の首枷がはめられ、誰も死なない状態が丸一日続けば全員死刑。 生きて帰れるのは最後まで生き残ったたった一人だけ。 否応なしに他者との殺し合いを強要される、まさに生き地獄。 ムシャは考える。 この殺し合いで自分はどうするべきか。 同じ四天王であり大切な仲間であるドラゴナス、死神五世、 そして魔王軍の一員で面識もあるデスシープ。 この三人を手に掛ける事など、まず無理。 勇者であるアレックスと、その仲間であるブライアン、ヘレン、ゴメスは、 いざとなれば始末する事など容易いし何の躊躇もない。 それは他の見ず知らずの参加者も同じ事。 それならば――。 源しずかは不気味な器具が幾つも設置されている広場に一人ぼっちにされ、涙目になっていた。 ただ、涙目になっている理由はそれだけではない。 彼女の大切な友達――ドラえもんが、首輪を爆破され殺された光景を目の当たりにしたためだ。 「ドラちゃん……どうして、あんな酷い事を……! 何でこんな事するの…!?」 殺し合いという恐ろしいゲームを人々に強制するリリアと名乗った女性に怒りがわく。 と同時に、この殺し合いに呼ばれている自分の友人達、 野比のび太、剛田武、骨川スネ夫の事が心配になった。 特にのび太はドラえもんとは強い絆で結ばれていた。今どうしているだろうか。 開催式での彼の悲痛の叫びはしずかの耳にも届いていた。 「のび太さん…武さんにスネ夫さん。早くみんなと会いたい。 …それにしても、ここ、何なの…?」 ギロチンや首吊り台など数々の処刑器具の展示場のような処刑場。 日本の東京で平穏に小学生として暮らしていたしずかにとって、 この場所は異界にも等しい場所であった。 さらに時刻は深夜、月明かりのみが刑場を照らしているという雰囲気が、 彼女の心細さをさらに増幅させる。 兎にも角にも一刻も早くこの場所から離れたかった。 しずかは出口を探して刑場を歩いて回った。 「……え?」 ふと、妙な音を耳にし、しずかの足が止まる。 ガチャ、ガチャ、という、今までの人生の中でも聞いた事のない音。 そしてその音はどんどん近付いてくる。前方からだ。 「な、何…?」 そしてその音の正体が明らかになる。 しずかの前方数メートルに、しずかにとっては 歴史の教科書や図書室の本の挿絵などでしか見た事ないような、 鎧武者の男が立っていたのだ。 手には月明かりを反射しぎらりと光る刀。 男は顔に面らしきものを被り表情は窺い知れないが、 明らかに尋常ならざる殺気を放っていた。 直感的にしずかは危険を察知し、踵を返して走って逃げようとした――が。 ザシュゥッ!! ゴトリ。 ドサ。 それはまさに刹那の出来事。 しずかの首が地面に落ち、次に切断面から血の噴水を噴き上げながら胴体が倒れた。 「……やっちまった」 鎧武者――ムシャはたった今殺した見知らぬ少女の亡骸を横目に見る。 よく見てみれば、恐らくまだ小学生くらいの子供のようだ。 こんな小さな子供を何の躊躇もなく殺したと同じ四天王のドラゴナスや死神五世に知られれば、 きっと自分は激怒されるだろう。失望されるだろう。 「だけど…俺はもう決めたんだ。 ドラゴナス、五世、デスシープ。お前らを生かすために、 俺はこのゲームに乗る…ッ!」 ムシャの決意は既に固まっていた。 修羅になるという決意。 仲間のために、血ぬられた道を行く決意を。 【源しずか@ドラえもん 死亡確認】 【残り43人】 【一日目深夜/D-6処刑場】 【ムシャ@VIPRPG】 [状態]:健康、決意 [装備]:直刀(血痕付着) [持物]:基本支給品一式 [思考]: 0:魔王軍の仲間を生き残らせる。それ以外は容赦なく殺す。 1:魔王軍の仲間とはできれば遭遇したくない。 ≪支給品紹介≫ 【直刀】 鍔のない、真っ直ぐな刀身を持った刀。 不意討ちは時々高難易度 時系列順 海賊と竜、反対の思考 不意討ちは時々高難易度 投下順 海賊と竜、反対の思考 GAME START ムシャ 主のため、自分のため、仲間のため GAME START 源しずか 死亡
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構え 鷹の構え 腕を上げ、いつでも上から攻撃できるようにする構え。 移動技:タックル 大鷲飛び 大鷲のような迫力で突撃する技。 移動技:その他 ハヤブサ 摩擦を可能な限り減らすことによってハヤブサの如く速さを一時的に手に入れる技。 縮地 最速の技。まるでテレポートのような速さで移動する。 心臓に負担が掛るため連発できない。 体当たり 龍殺し 気を鉤爪のようにして、体当たりと同時に腸を切り裂く技。 突き 啄み 指で柔い所を突き、肉を貫く技。 死狂い 両耳、両目を破壊する突き技。 非常に危険で相手の人生を簡単に壊してしまう。 掌打 意無 意識を無くす程の強烈な掌打を叩きつける技。 肘打ち ラリアット 精神破壊技 三鷹 常に三匹の大鷹に襲われているというとても精密な幻覚を追わせる技。 内功 覇気 相手の鎮圧に使える技。 怯える様子は天空から落とされる幼子が如く。 オカルト技:攻撃 三年殺し 相手の胃を弱らせ、三年後に確実に殺すという技。 膝蹴り 飛翔蹴り 跳躍し、凄まじい速度で膝を相手の顔面にぶつける技。 天狗落とし ピンポイントで鼻を複雑骨折させ、戦意を折る技。 蹴り技:ロー 蹴り技:ミドル 蹴り技:ハイ 蹴り技:ジャンプ 踏みつけ技 同時落下技 獲物狩り まるで鷹の狩りのように敵の肩を掴み、下敷きにしながら肩の骨を粉砕する技。 防御技 撹乱技 治療技 身体変化技:関節 身体変化技:筋肉・内臓 体重変化 その他
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全ての敵、シキ 「ん? お客さんかな……」 「――こんにちは」 ‐全ての敵、シキ その1 それは一切の過去も動機もなく、力も技も備えていない。 それは詞術(しじゅつ)も異能も、魔具の力すら持ち合わせていない。 それはただ一人の人間(ミニア)であって、ありとあらゆる現象の理由が存在しない。 とうに敗北した過去の残影に過ぎない。彼女は既に死亡している。 登場話 第一部 「全ての敵、シキ その1」 「全ての敵、シキ その2」 略歴 読み:すべてのてき、シキ 種族:人間(ミニア) クラス:魔王(アークエネミー) 魔王(アークエネミー)。この世に生きる全ての者にとっての敵。 その正体は彼方からの“客人”であり、本名は相原四季。 “客人”である柳の剣のソウジロウ・黒い音色のカヅキ・逆理のヒロト・哨のモリオらと同じ国の出身と目される。 ソウジロウ曰く、彼らの国は彼女のせいで滅ぼされたらしい。 あらすじから始まり小説を通して何度もその恐怖が描写されてきたが、第一部の最後にて満を持して登場。 “最初の一行”を戦いすらせずに壊滅させ、その異常性を読者に見せつけた。 しかしながら六合上覧開始時点ですでに死亡していることが明記されている。 外見 綺麗な声、黒く長い髪、真っ黒な瞳を持つ少女。 “最初の一行”と対峙した際はセーラー服を着て本を読んでいた。 能力 ――恐ろしい。 綺麗な声だと思った。それは寝室の中で、ごく普通に椅子に座って、ごく普通の人間(ミニア)の学士がするように、小さな書を読んでいた。 さあ、と風が吹き込んだ。外の世界に吹くのと同じ……この絶大な恐怖のない世界と、同じ風であるはずだった。 黒く長い髪がさらさらと揺れて、そして真っ黒な瞳が彼らを見た。 彼女は微笑んだ。 恐るべき魔王。全てを蹂躙する荒廃の悪魔。 あるいは形持たぬ、破滅という現象そのもの。 どれでもなかった。 + ただの少女だった。 「私は、人間(にんげん)だよ」 「大丈夫。怖がったりしなくてもいいんだよ。楽にしていいから。……ね?」 描写の限り、彼女本人には人間の少女以上の身体能力はないと思われる。 彼女が“本物の魔王”たる所以はひとえに、対峙したものをことごとく発狂させる絶対的な恐怖である。 “魔王の恐怖”に触れた生命は、自身や他者を「殺したい」「殺さなくてはいけない」と考えるようになり、彼女と戦うことも逃げることもできずに狂気的に自滅し合う。 “魔王の恐怖”は技術や詞術、異能の類ではなく、他者を操作する血鬼のような力でも、ましてや幻術の類でもない。 またそこには理由も原理もそして魔王自身の意思すら存在しない。 六合上覧開始時点で正体不明・対策なしという理不尽極まりない“現象”である。…本当に、だれが殺したんだよこいつ。 + そして――(第二部重大ネタバレ) 第八試合にて彼女の死の真相が判明した段階に至ってもなお、その恐怖に直接対抗する手段は存在していない……。 その他 + 現状判明している本物の魔王に関する情報(二部以降のネタバレ有り) 現状判明している本物の魔王に関する情報 客人であり人間。逆理のヒロトよりのちに彼方の国で生まれ、柳の剣のソウジロウが生まれる前にこちらの世界に来たと思われる。 セーラー服を着ていたらしいが彼方にいた時点で相当ヤバかったようなので本当に学校に通っていたかは謎。なおセーラー服自体には魔王の恐怖は残されていない。 すでに死亡していることが明言されており、死体や衣服の一部が登場していることからも間違いないと考えられる。しかしながら魔王の恐怖はいまだ残っており、最後の地では発狂した生物たちが逃げることもできずに彷徨っている。さらに、新たに最後の地に侵入した生物に関しても、多かれ少なかれ残存している恐怖に当てられて緩やかに発狂するらしいことが記述から読み取ることができる(*1)。 目的どころかどうやって生存していたのか(食料の調達とか、そもそも食事していたのかさえわからん)も不明。本を読んでいる姿が描かれているが、趣味なのか、何の本なのか、そもそも本当に読んでいたのか(*2)も不明。 現状、柳の剣のソウジロウの見立てによれば本物の魔王(の腕)を殺す手段は「事故死しかねェ」らしい。 書籍版Ⅷ末尾のQ&Aにおいて、魔王の恐怖は世界逸脱の力ではないという不穏な情報が判明している。もしこれが正しいと仮定したならば、一体彼女は何を理由として異修羅世界に飛ばされてきたのか? 魔王の恐怖 オゾネズマが「腕」を直接接触させようとしたこと、“最初の一行”が扉を開けた時点で発狂したことなどから、本物の魔王の肉体に対峙、接触することで一気に発狂が進むものと考えられる。 勿論、姿を直接見なければ大丈夫というわけではない。少なくともイジックやメレは遠巻きに魔王のいる建物や魔王軍を目視しただけで異常を感じ、恐怖によって攻撃ができない状態に陥っている。本物の魔王のいた時代は黄都のある大陸に関しては漫然とした恐怖が満ちていたような描写もある上、本物の魔王が倒されたことも漠然と認識できた(在りし日の恐怖が消えた)という描写もある。 書籍Ⅵ似て語られた本物の魔王がいた時代の状況例としては、・避難民を全て魔王軍の方向へ誘導していた通信不備の話・市兵が自発的に市民を虐殺した事件――のような事例が無数にあったらしい。やばい時代である。 「あらゆる生命の敵」と描写されているがその恐怖の対象の範囲は不明。色彩のイジックの知性を持たぬ屍魔や、恐怖の感情を持たないツーですら恐怖を感じたことから、知性や感情の有無関わらず心を持つ者すべてが対象と思われる。 現状、魔王の恐怖に耐性があるのは魔法のツーと移り気なオゾネズマのみである。また、漂う羅針のオルクトの歌は狂った人間の心をいやすことができるようだ。 ――と思われていたが、恐怖の回路を持たぬツーであっても本物の魔王の恐怖には抗えなかった。また死体の腕ですら、慣れたと語ったオゾネズマを自覚のないまま狂わせていた。まじでどうなってんの……。 客人の逸脱は「理由のない能力」であるがゆえか、外なるセテラの解呪も通用しない。ただし、物理法則以外の異能であれば効果があり、無効化可能であるらしいことが書籍Ⅵの描写にて判明している。つまり、魔王の恐怖は鳥が空を飛ぶような、魚が水中を泳ぐような、何の異常でも無いただあたりまえの現象だったということか? 本物の魔王に挑もうとする英雄の荷袋に揮発する毒を仕込んで魔王の毒殺を試みた者は、毒を仕込もうとした時点で狂気に侵され自分で毒袋を開けた。遠隔操作であれ、本物の魔王を知覚しない状態であれ、本物の魔王を倒そうと行動を起こした時点でその者は自分自身の行為を恐れて狂う。そのため直接対峙しない長距離からの攻撃はおろか、罠や策略で本物の魔王を倒そうとすることすら不可能である。 魔王軍 恐怖で発狂した生物の群れ。「どんな軍より、間違いなく弱かった」と言われる通りただの狂人の群れでしかなかったとみられる。お互いに勝手に自滅しあうので統制もなにもなかったのだろう。 しかし、魔王軍自体が恐怖を周囲にまき散らし拡大しながら侵攻してくること、魔王軍自体を撃退しやり過ごしたとしても後遺症的に恐怖が蔓延していくこと、たとえ直接の接触がなくとも伝聞などの情報だけで緩やかに恐怖が広がっていくこと(*3)から、まさに根本的な対処が困難な破滅をもたらす魔王の軍勢であったと思われる。 正気を失った狂人の集まりでしかないはずだが地平咆メレのいるサイン水郷には近寄らなかったようだ。 恐怖。恐怖だけがある。 恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。 「――そうだ。本の続きを読まなくちゃ」 十六修羅 客人 名前 コメント
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24話「修羅道を駆ける少女」 E-5の草原地帯。平坦では無く台地状になっており、所々に大きな岩や茂みが点在している。 学生服に身を包んだ、茶色のセミロングの髪を持つ少女、北沢樹里は、 月明かりの下、自分のデイパックを漁り支給品を確認していた。 出てきたランダム支給品は真紅の色に塗られた大型自動拳銃と、その予備マガジン五つ。 アタリを引いた、と、樹里は笑みを浮かべる。 次に名簿を確認する。何人かクラスメイトの名前があったが、ほとんどは全く知らない名前だ。 自分の足を奪った愛餓夫、自分を保護した海野裕也、その彼女であり裕也と自分を殺害した倉沢ほのかの名前は無い。 支給品を確認し終えた所で、樹里は自分の身体を確認する。 失ったはずの足は元通りになり自由に動かせる。そしてほのかに負わされた致命傷も綺麗に無くなり、 体力も十分、まさにベストコンディションである。 何より足が元通りになり、また走れるようになった事が、彼女にとって狂喜したい程喜ばしい事だ。 (また走れるようになって嬉しいけど、また殺し合いをする事になるなんて……) 首にはめられた首輪を指でなぞりながら溜息をつく樹里。 (でも、今度はちゃんとした武器もあるし、何より自分で動ける。前回と大きく違う点がそれ) 前回の殺し合いの時、彼女は歩行手段を失い他人の保護無しでは何も行動出来なかったが、 今回はしっかり自分の足で移動する事も出来るし前回は無かった武器もある。 この殺し合いにおいて自分はどうするべきか。 ダアン!! 「!」 樹里が思案している時、辺りに銃声が響き、樹里の向いている方向の前方数メートル先にある地面が抉れた。 驚いた樹里が振り向くと、そこには銃口から煙を噴き出す拳銃を震えた両手で構えた、 長い白髪をツインテールで束ねた若い女性、ルミーア・ホワイトが立っていた。 「ご、ごめんなさい、ごめんなさい、でも、私、死にたくないの」 白髪ツインテールの女性は震えた口調で言う。その表情からは恐怖の色が滲み出ていた。 「お願い、死んで!」 そしてルミーアは手にしたリボルバー拳銃――二十六年式拳銃の引き金を引き、樹里に向けて次弾を発射する。 だが、放たれた弾丸は樹里の頬を僅かに掠めるに留まった。 「えっ、な、何で当たらないの? ちゃんと狙ってるのに」 かなり近距離で狙って発砲しているのにも関わらず命中しない事に焦るルミーア。 彼女は知る由は無いが二十六年式拳銃は命中精度がかなり低い部類に入る拳銃なのだ。 ましてや銃に関して素人な彼女が扱えば、命中率は更に低くなる。 ドォン!! 「がっ、い、痛い……!」 ルミーアの腹部に激痛が走る。樹里が持っていたカーマインエッジでルミーアの腹部を撃ち抜いたのだ。 たまらず持っていた二十六年式拳銃を落とし、腹を押さえて崩れ落ち苦しむルミーア。 樹里はルミーアに近付き、銃口を向けてこう言い放った。 「死にたくないのはアンタだけじゃないんだよ」 直後に数発の銃声が周囲に響き、ルミーア・ホワイトは呆気無く絶命した。 「ふう、やっちゃったな……とうとう」 樹里がたった今殺害した名前も知らない女性の死体を見下ろしながら言う。 思っていた程罪悪感はわかない。もしかしたら既に壮絶な殺し合いを経験しているため感覚が麻痺しているのかもしれないと、樹里は思った。 女性が持っていたリボルバー拳銃と、デイパックを拾い上げる。 彼女、北沢樹里がこの殺し合いでどう動くべきか考えていたが、出した答えは「殺し合いに乗る」だった。 地図とデバイスを取り出して確認すると、今自分がいる場所はE-5の草原地帯。西の方角に行けば市街地があるらしい。 「街なら人も集まりやすいだろうね。よし、街に行ってみよう」 樹里は荷物を引っ提げて遠くに見える街の明かりを目指し歩き始めた。 樹里がルミーアを殺害する様子を茂みの陰から目撃していた人物がいた。 黒っぽいブレザーとスカートに身を包んだ、牛の耳と尻尾、爆乳を持った少女、中村アヤである。 「やっぱり、殺し合いは始まってるんだ……!」 自分にしか聞こえない程度の小声で呟くアヤ。 「どうしよう……伊賀さんや平池さんもいるみたいだけど、殺し合いに乗っていないとも限らないし、 っていうか何より、支給品がコレじゃあ……」 アヤの視線の先にあるのは地面の上に置かれた自分のランダム支給品、 自転車のチェーンと百円ライター。 これではとてもでは無いが襲われたりでもしたら一溜りも無い。 さっきの自分と同年代ぐらいの、別の学校の制服を着た少女のように、銃を持った敵に襲われたら殺されてしまう可能性が非常に高い。 幸いあの少女は自分には気付かず街がある方角へ歩き去ったようだが。 「私、運動神経鈍いし……ああ、殺されるしか無いのかな。 嫌だよぅ、死にたくない……グスングスン」 アヤは体育座りしたままスンスン泣き始めてしまった。 スンスン泣いたのは小学生の時友人達と一生懸命作った秘密基地に、 薄汚い野良狼が住み付いてしまった時以来だった。 【ルミーア・ホワイト@オリキャラ 死亡】 【残り 41人】 【一日目/深夜/E-5草原】 【北沢樹里@自作キャラでバトルロワイアル】 [状態]:健康、市街地に向け移動中 [装備]:カーマインエッジ@オリジナル(8/14) [所持品]:基本支給品一式、カーマインエッジの予備マガジン(5)、二十六年式拳銃@SIREN(4/6)、 ルミーア・ホワイトのデイパック [思考・行動]: 0:殺し合いに乗り、優勝を目指す。 1:市街地へ向かう。回収したデイパックの中身の確認もしたい。 2:クラスメイトとは出来れば会いたくは無い。 3:足、元に戻って嬉しいな。 [備考]: ※本編死亡後からの参戦です。 ※中村アヤの存在に気付いていません。 【中村アヤ@オリキャラ】 [状態]:健康、嗚咽、死への恐怖 [装備]:無し [所持品]:基本支給品一式、自転車のチェーン、百円ライター@SIREN(燃料残り:100%) [思考・行動]: 0:死にたくない。 1:これからどうしよう。 2:クラスメイト(伊賀榛名、平池千穂)は……。 ※E-5一帯に銃声が響きました。 ※E-5草原にルミーア・ホワイトの死体が放置されています。ルミーアの装備及びデイパックは、 北沢樹里が回収しました。 ≪オリキャラ紹介≫ 【名前】ルミーア・ホワイト 【年齢】21 【性別】女 【職業】大手家電メーカー事務員 【性格】基本的に明るいが、臆病な部分もある 【身体的特徴】白髪の長い髪をツインテールにまとめている。青い瞳。身体付きは中の上 【服装】OLっぽいスーツ 【趣味】買物、昼ドラ鑑賞 【特技】ブラインドタッチ 【経歴】ごく普通の家庭に生まれごく普通の人生を歩んできた 【備考】一般人 【名前】中村アヤ(なかむら・あや) 【年齢】18 【性別】女 【職業】高校生 【性格】おっとりしている、泣き虫 【身体的特徴】ハーフ牛獣人。桃色の長髪に牛の耳と角、尻尾。当然爆乳でスタイル抜群、可愛らしい 【服装】学校の制服である黒っぽいブレザーとスカートに白いニーソ 【趣味】映画観賞 【特技】記憶力はかなり良い 【経歴】高校一年の時の宿泊学習で伊賀榛名と同じ部屋だったが、 深夜に榛名に寝込みを襲われる(性的な意味で) 【備考】運動神経が著しく悪い上に手先が不器用、おまけに勉強も苦手だが、 なぜか記憶力だけは抜群 ≪支給品紹介≫ 【カーマインエッジ@オリジナル】 ガンナーであるレイ・ブランチャードが愛用する二丁拳銃の内の一つ。 レイが自作し、赤色に塗装された大型自動拳銃で、45ACPに酷似した実弾を使用する他、 レイ自身の魔力を弾丸にして発射する事も可能。 但しレイの魔力しか受け付けないようにセッティングしてあるので、 レイ以外の魔力を持った者や、魔力を持たない者が使用する際は実弾射撃しか出来ない。 ダブルカラムを採用し装弾数は多め。 【二十六年式拳銃@SIREN】 旧式の中折れ式リボルバー拳銃。 ゲーム中においては羽生蛇村にテレビ番組の撮影で訪れた元アイドルのリポーター・美浜奈保子が使用する。 現実の二十六年式拳銃は命中精度が悪いとの事だが……。 【自転車のチェーン】 自転車の駆動部に使われる頑丈なチェーン。 振り回す事で武器としても使えるが、腕などに巻き付ける事で防具にもなる。 【百円ライター@SIREN】 燃料が切れたら廃棄する方式の簡易ライター。 ゲーム中においては「ライター」と表記され、羽生蛇村小学校折部分校教諭・高遠玲子が、 屍人の手から教え子・四方田春海を救うのに使った。 BACK:WHITE OUT 時系列順 NEXT:寂しい芭蕉は、一人ぼっち BACK:WHITE OUT 投下順 NEXT:寂しい芭蕉は、一人ぼっち GAME START 北沢樹里 NEXT:嬉しさ噛み締める GAME START ルミーア・ホワイト GAME OVER GAME START 中村アヤ NEXT:ぱらいぞうにまうづ
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修羅場?3 241 ※ 1 ※ ――――はぁ……どうして、こうなったのだろう。 あいつがこの幻想郷にきたのは半年前の春。森をふらふらとさまよっているのを私が見つけた。 聞けば外の世界から迷い込んだ人間だというので、私用のついでに博麗神社に連れて行った。 「魔女なんて見たのは初めてだよ。本当に箒にまたがって飛ぶんだね」 と、変なところで感心していたのを覚えている。魔女ではなく魔法使いの人間だと訂正しておいた。 霊夢に預けて数日、あいつは結局もとの世界には戻らなかったようで、博麗神社の居候となっていた。 霊夢は霊夢で、労働力が確保できたと喜んでいるし、あいつはあいつでこっちの生活にあっさりと馴染んでしまっている。 はじめはアリス達と、『うら若き男女が一つ屋根の下』な状況を冷やかしたり心配したりしたものだが、そこはのほほんな二人のこと。 期待、もしくは懸念していたような事も起こらず、いつしか皆も全く気にかけなくなってしまった。 ――――私以外は。 気がつけばあいつの事を考えている。霊夢との間に何か起こりはしないかと、心がざわめく。 研究も放り出して、毎日博麗神社に顔を出してしまう。護身用の魔法を教えてやるぜ、なんて言って。 ちょっと困った顔をしながらも、時間を作ってつきあってくれたあいつ。 初めて自力で作ったスペルカードに感激してたあいつ。 穏やかで少し天然で、そして優しいあいつ。ちょっと優柔不断だけれど。 あいつの笑顔が忘れられない。できるならずっと見ていたい。ずっと隣にいたい。 どうしてこんなに好きになってしまったんだろう。でも、告げる勇気がどうしても出せない。 ここまで自分が恋に臆病だったとは。最後はひとり煩悶しながら眠りにつく毎日だった。 それから半年。桜の季節になった。 今年はどっかの死に損ない(むしろ生まれ損ないか)も余計な事をしなかったようで、例年どおりの春である。 花見をするのも例年どおり。毎夜博麗神社は、人間と人間以外が集まって騒いでいた。 この日私は、少し卑怯な事をした。 あいつの為に作った特別な魔法薬。少しだけ、人を正直にする薬。 あまり飲めないというあいつの杯に、隙を見て少しだけ混ぜる。 あいつの気持ちが知りたかった。今の私にできる精一杯だった。 それが、いけなかった。 ※ 2 ※ 「霊夢、好きだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 あいつの口から最も聞きたくなかった言葉。最も聞きたくなかった名前。 何の努力も自覚もなしに、力も人の心も、私が欲しいもの全てを手に入れる博麗の巫女。 私ははじめて、ほんのわずかな時間だけ、彼女を何の躊躇もなく憎んだ。憎んでしまった。 「……え?え?ちょ、ちょっとやめてよ○○さん、いきなりこんなとこで…」 慌てふためく霊夢の顔。少し赤くなっているのは、皆の前で恥ずかしいのか酔っているのか怒っているのか。 それとも、まさか霊夢も……なのか。 「ちょ……みんな見てるじゃない…!やめてったら……!」 私や霊夢の思いをよそに、あいつは高らかに叫んでくれた。 「そうだ! どうせ聞こえるなら、聞かせてやるさ! 霊夢!好きだァー!霊夢!愛しているんだ!霊夢ー! 幻想郷に来る前から 好きだったんだ! 好きなんてもんじゃない! 霊夢の事はもっと知りたいんだ! 霊夢の事はみんな、ぜーんぶ知っておきたい! 霊夢を抱き締めたいんだァ! 潰しちゃうくらい抱き締めたーい! 心の声は 心の叫びでかき消してやる!霊夢ッ!好きだ! 霊夢ーーーっ!愛しているんだよ! 僕のこの心のうちの叫びを聞いてくれー!霊夢さーん! 住処が同じになってから、霊夢を知ってから、僕は君の虜になってしまったんだ! 愛してるってこと!好きだってこと!僕に振り向いて! 霊夢が僕に振り向いてくれれば、僕はこんなに苦しまなくってすむんです 優しい君なら、僕の心のうちを知ってくれて、僕に応えてくれるでしょう 僕は君を僕のものにしたいんだ!その美しい心と美しいすべてを! 誰が邪魔をしようとも奪ってみせる!恋敵がいるなら、今すぐ出てこい!相手になってやる! でも霊夢さんがぼくの愛に応えてくれれば弾幕ごっこしません ぼくは霊夢を抱きしめるだけです!君の心の奥底にまでキスをします! 力一杯のキスをどこにもここにもしてみせます! キスだけじゃない!心から君に尽くします!それが僕の喜びなんだから 喜びを分かち合えるのなら、もっとふかいキスを、どこまでも、どこまでも、させてもらいます! 霊夢!君がスキマの中に素っ裸で入れというのなら、やってもみせる! 」(AAry 宴席の中心でずいぶんとおおげさに愛を叫ぶ○○。おおげさな奴……英語で言えばオーバーマンか? 神社を包む割れんばかりの拍手。顔を真っ赤にして俯く霊夢。握り締めた両拳がぷるぷる震えている。 ……あいつって…あんなに酒乱だったっけな? 「表現できたぜ……おれのハートを!究極の愛を!……表現できたぜェ~~~! 万雷の拍手をおくれ幻想郷のボケども」 なにやらうっとりした表情でギターをかき鳴らすジェスチャー。拍手がさらに大きくなった。 えーと……あれ?なんか性格が変わりすぎてないか?……薬が強すぎたかな? こっそり懐の瓶を取り出し、ラベルを確かめると、私自身の字ではっきりと『惚れ薬 ~男はオ・オ・カ・ミ☆~』と書いてあった。 しかもその上にかぶさるように『エロいよ危険!ギャラクティカ失敗作』と殴り書きしてある。 く……… 薬を間違えたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 「どうしたのよ○○さん…!酔ってるの?何か変よ?」 「ああ、君へのラヴに酔いしれているのさモンシェリ………僕の想い、受け取ってくれるね?」 「きゃっ…ちょっと……やっ!こら、どこ触ってるのっ!怒るわ、よっ…!」 有無を言わさず霊夢を抱き寄せる。薬のせいだと分かっていても、胸が痛んだ。 ……これはまずい、まずいぜ!この薬は過去に類を見ないずば抜けた失敗作だ! 一度里に下りた際、某半獣で試してみたところ、角を生やしアフロのヅラをかぶって暴走したあげく、 知己の不死人を一晩中(自主規制)しまくるという悲劇を生んだ。相手は三回くらい死んでたっぽい。 なぜアフロのヅラだったのかはいまだに謎である。教えて下さいゆでたまご先生。 そんなわけで、早く止めないと霊夢が(イチャスレはエロ禁止です)で(えっちなのはいけ(ry)に! ざわ…… ざわ…… そんな二人を、いい酒の肴とばかりに興味津々に見守る野次馬たち。生温い視線が集中する。 お前ら後で職員室な。 「ちょっとあんた達、何嬉しそうに見て…んっ……!ん、んん~~~~っ!」 ズキュウゥゥゥゥゥゥン!! 不意を突き、ありえない効果音を立てて唇を奪う○○。会場が一気にヒートアップした。 うわぁ…舌入れてる……すご…うらやましい………じゃなくて!……うらやましいぞ!(本音) 「○○くんの ごういんな キス!」 「おおーーーーーっと!れいむ、くちびるをうばわれたーーーーーっ!」 マイクを持って絶叫する放送席。いつの間に作ったんだ? 「いやーこれは過激ですねー、明日のトップ記事はもう決まりですねー」 「このシチュエーションをどう思いますか、解説のチルノさん?」 「さすが○○、あたい達に出来ないことを平然とやってのけるッ!そこにシビれる!あこがれるゥ!」 「……いや、あんたそういうキャラだったか?」 「そもそも“しちゅえーしょん”って何さ?何かのさなぎ?」 「……あんたもう黙ってろ」 「おおーーーーーーっと!れいむ、おしたおされたーーーーーーっ!」 解説の⑨と羽蟲を完全に無視して、実況役の天狗娘が職務をまっとうせんとばかりに叫ぶ。真面目なのか馬鹿なのか。 見れば霊夢が組み敷かれ、いまにも(子供は知らない方がいい)に突入しそうだ。うお、ドロワーズ脱がされてる。 かぶりつくギャラリーたち。実況もマイクを投げ出し、カメラを携えて飛んで来る。お前ら後で体育館裏な。 もはや半泣きで弱弱しい抵抗を続けるしかできない霊夢は、 いつもの超然とした雰囲気など微塵もない、ただの年頃の女の子に見えた。 「ちょっと……やっ…!こら、どこに手入れてるの…!ダメだってっばっ…」 「そうは言うがな霊夢。性欲をもてあます」 「いや…ねえお願いやめて……誰か助けて……!いやぁぁぁっ!魔理沙ぁっ!」 その一言で我に返る。……なに傍観してるんだ私は!とっととあいつを止めないと! 霊夢にばかり羨ましい目に……じゃなくて、既成事実を作られてたまるか!(どっちにしても本音) 「彗星『ブレイジングスター』!」 近くの桜に立てかけてあった愛用のホウキをひっ掴み、またがりながらスペルカードを宣言する。 言霊を受けて輝きを増すホウキ。私が魔力を解放してやると、光の尾を引きながら霊夢達に向けて真っ直ぐに突っ込んだ。 そのままの勢いで二人を弾き飛ばす。 「ぶべらっ!!」 「おおーーーーーーーっと、れいむ、ふっとばされたーーーーーーーーーっ!」 グシャッ! 吹っ飛ばされ、回転しつつ頭から車田落ちをする霊夢。すまん、ちょっとジェラシー入った。 通り過ぎたところで魔法を解除し急ブレーキ、ホウキから降りて霊夢に駆け寄る。 周りから起こるブーイングの嵐。お前らうるさい。 「(貞操は)大丈夫か霊夢?」 「……方法に難があるけど…とにかく助かったわ、ありがと」 乱れた裾と荒い呼吸と潤んだ瞳と上気した頬が妙に色っぽい。霊夢のくせに(ギリィッ)。 霊夢の手を引き、起こしてやる。握る手に思いっきり力がこもっているのは無意識のなせる業だ。 と、半ばまで立ち上がったものの、ぺたんとへたり込んでしまった。 「……霊夢?」 「……○○さん……いくら酔ってるからって…ぐすっ……ひどいよこんな事……」 げ、マジ泣き! 「そんな人じゃないって……ひっく、信じてたのに……」 「あー……ほら、あれだ!なんか理由があるんだよ!満月光線浴びすぎたとか!」 「ん……今日の月は上弦」 「あ、あー……んじゃ上弦光線だ」 「…………」 「とにかく、なんか浴びたんだ、うん。間違っても何かを飲んだせいなんかじゃないぜ!」 「…………ねえ魔理沙」 「な、なんだ?助けてやったお礼をリクエストできるのか?」 「あんたもしかして……… ○○さんのお酒に、何か混ぜた?」 ぎくっ! 「な……なななななんの事かさささっぱりアイドンノゥだぜ?」 「……全部あんたの仕業か」 ………こういう時のこいつの勘は鋭い。 全身からはジェノサイド巫女オーラつまりは殺気を噴き出しながら、ゆらりと立ち上がる霊夢。 これは………私、死ぬかもな。こんなことなら真正面から告白するんだった…… 「……って、○○はどこに落ちた?」 「話をそらすなっ」 「そうじゃない!あいつがいないんだって!」 「どうでもいいのそんな事は!どこかの草葉の陰で泣いてるわよ!」 「いや勝手に殺すなよ」 「そんな事よりも!」 どこから出したのか、お祓い棒を構える霊夢。笑顔がどす黒い。 「まずは魔理沙に、恥をかかせてくれたお礼をしないとね……ふふふふふ」 「う……お、お礼のリクエストはできるのか?」 「剥かれてから吊るされるか、吊るされてから剥かれるかの二択でどうぞ」 「そ、そいつは素敵だな。キャンセルできればもっとゴージャスで素敵だぜ?」 「あら、キャンセルもクーリングオフもない、ってのもシンプルで素敵じゃない?一括でお願いね」 あくまで笑顔のまま歩み寄る悪徳業者。さっきまでのか弱い乙女は何処に行った? 「ちょっっと待った!ちょ、ちょっと待った!!」 「You gotta remember♪ 今も夢符のかけらを手に あの頃のように (come on!) 光はなつ少女のハート♪」 歌いながら近寄るな。怖いから。 彼女の本気っぷりを、口ずさむメロディーが思い知らせてくれる。 ちなみに途中の『come on!』はギャラリーの連中だ。こういう時だけ結束固いよなお前達。 今にも「ケヒヒー」とか言いそうな、いやらしい笑顔でにじり寄ってくる霊夢。 グッバイ私の貞操……できればあいつにあげたかったな……… 「ケヒヒー」 あ、ほんとに言った。 「ちょっと!今のは私じゃないわよ!」 「んじゃ誰だよ?お前以外にそんな奇声を上げる巫女なんか見たことないぞ?」 「巫女に限定するなっ!」 「奇声を上げることは否定しないんだな」 「あー……あんたは一晩中悲鳴を上げたいみたいね?」 「…………ま、待て!ちょ、おま……!」 「問答無用!ケヒヒー!」 やっぱりお前じゃないか……いやそれよりも! 「待て霊夢!後ろ、後ろっ!うしろ見ろっ!」 「いまどきそんな手にひっかかるもんで…………わひゃぁっ!?」 「じゃ、僕は霊夢を一晩中いい声で鳴かせてやるとしようかな」 全く気配を感じさせず、いつの間にか○○が霊夢の背後に迫っていた。 背中につつーーーっと指を這わせる。 「うひゃぁぁぁぁぁぁぁっ!」 全力で走って逃げる霊夢。飛べばいいのに。 そんな霊夢に両腕を広げてゆっくりと近寄る○○。 「何を恥ずかしがっているんだいハニー。ほら、早く僕の大胸筋に飛び込んでおいで」 「来るな!寄るな!近付くなっ!」 「皆さんも僕らのゴールインを今か今かとお待ちかねだぞ。そうだろうみんな!」 「「「そーですねー!」」」 「ギャラリーを味方につけるな!あんた達もノるな!」 「さあ遠慮はいらない。今夜はたっぷりと愛しあおうじゃないか。ここの描写だけで一冊の本になるくらいに! タイトルは『REIMU特別編 SAGA』でいいかなー!」 「「「いいともー!」」」 「あんた達……いいかげんにしなさいっ!」 懐からお札を取り出す霊夢。さすがに突っ込み疲れて実力行使に出るようだ。 ひらたく言うとキレた。 「夢符『封魔陣』!」 懐からお札の束を取り出し、一斉に放つ。 呪力を帯びたお札が鎖のごとく連なり、○○を包囲する小結界を形成する。このまま結界を縮小し、縛り上げるつもりだろう。 完成してしまえば、常人が自力で解くことはまずできないのだが……なんだ、この胸騒ぎは? 「……甘い、甘いわ霊夢!だからお前は巫女なのだ!」 ○○は直立して腕を組んだまま、微動だにしない。……一体なんなんだ、あの東方キャラには不敗だとも言いたげなあの余裕は!? 「そんな紙切れで、僕のラヴ・エクスプレスから途中下車できるとでも思っているのか?」 「あら、切符を間違えたかしら!なら列車ごと止めるまでだわ!」 「残念、切符はここで切らせてもらう! 塔符『チェーンソー 15』!」 「な……スペルカード!?」 宣言と同時に、○○の周りに出現する無数の小さな鋼鉄の刃。 単体ではたいした威力も無いが、全ての刃を一定の軌道上に密集、高速運動させる事によって、 大木すらも切り落とす程の破壊力を生み出す。 あいつが自分の少ない魔力でも使えるものをと、外の世界の道具にヒントを得て作ったものだ。 嬉しい、ちゃんと活用してくれるなんて!魔法を教えて本当に良かった(恋する乙女の思考)! 「これが にんげんの サガか……」 紙は バラバラになった。 「うそ……」 さすがにスペカが破られる事態は想定していなかったらしい。霊夢が放心した瞬間を、あいつは見逃さなかった。 「では、乗り越し料金を払っていただこうか!」 「きゃあっ!」 低い姿勢でダッシュ、そのまま霊夢を押し倒し馬乗りになる! 「さあ、二人でめくるめく愛の幻想郷(終点)へ旅立とう!」 「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!いやっ、いやぁっ!」 「その通り!最初の『ケヒヒー』は僕だ!」 「そんな事誰も聞いてな……ひぃっ!そ、そそそそこはだめ…だって、ばっ………!」 「オレサマ オマエ マルカジリ」 お祓い棒でぽこぽこ叩かれているのを気にもかけず、霊夢に覆いかぶさってすりすりしている。 薬の効果で、だいぶ魔獣と化しているようだ。うん、看板に偽りなし。 「ちょ、ちょっと……なんとか…やんっ!なんとかしてよ魔理沙!あんたの…薬の、せいで、しょっ!」 「ええー、今助けたら私を吊るして剥くんだろ?いや、剥いて吊るすんだっけ」 「うっ………」 「愛の幻想郷…そうか行くのかボンボヤージュ(ぼそっ)」 「ううっ……」 「今すぐボーーンボヤージュ♪(T0KIOっ)」 「うううっ……」 「………お礼のリクエスt(ぼそっ)」 「ああもうっ!分かったわよ!返品可!送料込みっ!とにかくなんとかしてーーーーーっ!」 「よーし、商談成立!今助けてやるぜっ」 ホウキを構えて駆け寄り、大きく振りかぶる。愛する人に刃を向けるなんて……なんて悲しい運命のいたずらなのかしら。 ごめんね、れいむと(ごめんね、18さいみまんにはいえないの、ごめんね)されたくないの、ごめんね。 まさに後頭部にホウキを打ち込まんと“担いだ”と同時、それまで身体をまさぐっていた○○の両手が止まった。 「…………な、なに?」 「…………」 「………なんだ?」 妙な間が場を支配する。ギャラリー達の晩酌をする手すらも止まっている。つーかこの状況で普通に飲んでるお前ら凄いよ。 しばらくの後、霊夢の薄い胸板をぽんぽんと叩き 「……貧弱、貧弱ゥーッ!!」 「「うるさいわぁっ!」」 ゴシカァン! 霊夢の蹴り上げ(ゴシッ)と私のフルスイング(カァーン)が絶妙なタイミングで2hitコンボ、 ○○は「モルスァ」みたいなことを言いながらすごい勢いで飛んで行った。 そのまま桜の樹に激突し、動かなくなる。 「「幼児体型で何が悪い!」」 霊夢と綺麗にハモる。私達の禁忌に触れたその罪はあまりにも重かった。 巻き起こる拍手。賛同者は多いようだが、数人が余裕の笑みを浮かべているのが非常にむかつく。 大きけりゃいいってもんじゃないんだ!……くそっ、泣いてない、泣いてないぞ!泣いてないったら! 「んで、魔理沙」 「ん?」 乱れた巫女服を直しつつゆっくりと立ち上がる霊夢。 桜の下で転がっている○○に札を放ち、今度こそ封魔陣で縛り上げる。 「なんの悪ふざけ?○○さんにあんな変な薬飲ませるなんて」 「あ、いや、実はな……間違えてケダモノになる薬を……」 「私は動機を聞いてるの。○○さんに何をするつもりだったのよ?」 うあ……さすがは霊夢。一番答えたくない部分をピンポイントに以西把爾亜(いすぱにあ)剣術で突いてくる。 しかし、いくらなんでも馬鹿正直に 『カレの意中の人を聞き出す薬を飲ませるつもりだったの(はぁと)!○○とか好きだからー!』 なんて言えるわけがない! 「ふむ、『カレの意中の人を聞き出す薬を飲ませるつもりだったの(はぁと)!○○とか好きだからー!』ってところかしら?」 「なっ…!なんで一言一句正確に分かるんだよ!」 「勘よ」 「……なあ、なんかもう『勘が鋭い』では済まされないレベルだな」 「だって巫女だもの」 ……巫女関係あるのか? 「しかし、魔理沙もだなんて……困ったわね…」 「何が困るんだ?私がその……○○をす、好きになって、不都合でもあるのか?」 「いや、そんな事はない……んだけど………」 ちょいとばかり真面目な顔で考え込んでいる。珍しく、言葉を選んでいるようだ。 「ねえ魔理沙。もしも、もしもよ……○○さんのことを好きな人が他に居たとしたら…どうする?」 「えーっと……霊夢?それってまさか……」 「あ、あー…あたしじゃないわよ?だからもしもの話、って言ってるじゃないの!」 「じゃあ誰なんだよ」 「え、えっと、それは……ええと…そ、それは、神山満月ちゃん!」 「今日の月は上弦だぜ」 「じゃあ神山上弦ちゃんよ!」 「だから誰だよそれ」 「も……もう!うるさいわね!とにかく違うの!」 耳まで真っ赤にしてお祓い棒をぶんぶん振り回す霊夢。そのリアクションが全てを物語っている。 もしかしたらこいつ、恋愛感情とは全く無縁の生活してきた分、こういう事に関しては私より純情なんじゃなかろうか。 「ブルータス、お前もか……」 「だから違うって言ってるでしょ!ブルータスでもない!」 「嘘だなブルータス。顔に書いてあるぜ」 「うっ……そ、そんなの分かるわけないでしょ…」 「わかるさ。魔法使いだからな」 バチバチバチッ!ボゥッ! 霊夢との間に火花が散り、運悪く線上に舞い落ちた桜の花びらが炭と化す。 「しっかし、まさか霊夢もあいつが好きだったとはな。普段は顔に出さないから全く気付かなかったぜ」 「あんたこそ。あんた達、友達付き合いしてる様にしか見えなかったわ」 「あーそういや、やたらと魔法の講義中にお茶持ってきたり、そのまま一緒に話し込んだりしてたよなあ。 あれはさりげなくけん制してた、ってわけか」 「あんたこそ、魔法講義とか言って毎日押しかけて来て。私を見張ってるつもりだったのかしら」 「ほほーう、つまりお二人は恋のライバルだったわけですね」 「「さりげなくメモるな!」」 ゲゲシッ! 横からすい~っと寄ってきてペンを舐めていた天狗娘をダブルで蹴っ飛ばす。 「モルスァ」みたいなこと言いながらすごい勢いで(ry バチバチバチッ! 再びにらみ合い、火花を散らせる。ボタン連打で押し勝て! 「まったく……そうと知ってりゃ、大人しくしてなかったのにな! もっと遠慮なく二人っきりのあまぁ~いシチュエーションとか、あむゎ~いシチュエーションを作ってたぜ!」 「こっちこそ!馬鹿正直に晩御飯なんか食べさせないで、とっとと追い返せばよかったわ! そして新婚夫婦のようなアツアツのディナータイムを!」 「おいおい!その晩飯の食材は私も提供してただろっ!」 「一番食べてたのもあんたでしょ!三杯目にはそっと出し、って言葉知らないの!?」 「ああ知らないな!生憎そんな言葉が載ってる辞書は持ってないぜ!」 「色気より食い気、って言葉は載ってそうですよね」 「「戻ってくるな!」」 ゲゲシッ! 低空をふらふら飛んできてシステム手帳を開いていた天狗をダブル裏拳で吹っ飛ばす。 「モルスァ」みた(ry バチバチバチッ! 三度火花を散らせる私達。どんどん火力も上がっている。まさにPower of Love(大○ガス)。 「……とりあえず、こういう場合は」 「……ああ、やる事はひとつだよな」 「……○○さんへの告白権を賭けて」 「……恨みっこなしだぜ」 「「弾幕ごっこで、勝負!!」」 「……重要なのは○○さんが誰を好きなのか、だと思いますが」 「「水差すな!」」 天狗(ry 「モノ(ry ……そして、宴が始まった。 私と霊夢のガチ勝負だったのが、『貰えるものは貰っとけ』感覚で参加してきたギャラリー連中でバトルロワイヤルになったり、 気が付けばせんだみつおゲーム→アタック25→キャンディー掴み取り大会の流れになっていたり、 そのキャンディーを箱ごと亡霊姫が食い尽くしていったり、そいつを食い物の恨みとばかりに皆でぼこったり、 どさくさに紛れて○○の結界が解かれ、「俺は人間をやめるぞぉぉぉぉ!」と霊夢のドロワーズを頭にかぶって暴走を始めたり、 それを見てキレてしまい、夢想天生をぶっ放した霊夢にマスタースパークを撃ち返したあとはもう記憶に無い。 ――――はぁ……どうして、こうなったのだろう。 ※ 3 ※ 「……で、気が付いたら立っていたガンダムは霊夢と私だけだったわけだ」 「誰がガンダムよ」 「ああ、お前はジオングだったか。足なんて飾りだろ?」 「そういうあんたはゴッグで充分。なんともないわよ」 「いんや、私はZZだぜ?ハイメガ粒子砲もあるしな」 「……うん、話はよーく分かった。僕が酔いつぶれてる間に起こったことも、1年戦争が起こったことも分かった。 分かったからトリアーエズ、二人とも離れてくれないかな?」 朝からずっと、魔理沙と霊夢が僕の両腕にしがみついて離れないのである。 「やだ」 「嫌よ」 即答。離れるどころかよりいっそう力を込めてしがみついてくる。 「言ったでしょ?どっちかを選ぶまで離さない、って」 「私達の気持ちは伝えたはずだぜ?」 「とは言っても、ずっと君等の事は友達だと思ってたわけで……いきなり選べと言われても」 「あら、女の子にあんな恥ずかしいことさせておいて……責任とってくれないの?」 「そうだぞ。私だって……“はじめて”だったんだからな」 もじもじする霊夢&魔理沙。なにやら誤解を招く表現だが、別に変なことをしたわけではない。 簡単に言うと二人から同時に“愛の告白”というものをされてしまったのだ。 面食らう間もなく、早くどちらかを選べと迫ってくる二人。 あげく、答えるまで離さないと両腕をがっちりロックされて今に至る。 「いいから早く“ま・り・さ”って言っちゃえよ。楽になるぜ?」 「田舎のおふくろさんも『早く霊夢との間に出来た孫の顔が見たい』って泣いてるわよ?」 「お前には黙秘権も弁護士を呼ぶ権利もないんだ。さっさと『ああっ魔理沙さまっ』って言わないと、逮捕しちゃうぜ?」 「大丈夫よ。おつとめ中も籍は入れたままにしておくから。鳥居に黄色いハンカチ巻いておくわ」 ……僕は犯罪者か。 「似たようなもんだ。恋泥棒は重罪だからな」 「カツ丼食べる?」 「…………モノローグ読まないでくれ」 普通なら、可愛い女の子二人にに抱きつかれているというこの状況は喜ぶべきなのだろうが、 これではどう見ても捕獲です。本当にありがとうございました。 某黒服に捕まった灰色の地球外生命体と、今なら友好を結べる気がした。 「さあさあどっちなの?早く選んで」 「さあさあ選べ選べ」 左右からさあさあと共にぎゅうぎゅうと薄い胸が押し付けられる。いろんな意味であまり嬉しくない。 「「胸の話はするな!」」 「ぶるわぁっ!」 間髪入れずダブルでチャランボを決められた。……だからモノローグ読まないで。 「さあさあ」 「さあさあ」 「魔理沙?霊夢?」 「紅白?黒白?」 「連邦?ジオン?」 「アル責め?エド責め?」 「おすぎ?ピーコ?」 「まきますか?まきませんか?」 もう何を選ばせているのかもよく分からないまま詰め寄ってくる乙女達。 どう見ても拷問です。本当にありがとうございました。 「もちろん私よね?一緒に暮らしてるし、もう夫婦みたいなものだものね」 「私を選ぶに決まってるよな?お邪魔虫の妨害にも負けず、熱く激しく愛しあったもんな」 「あら、かつてゴ○と呼ばれてたのはあんたでしょ?お邪魔虫さん」 「ああ、あれはもう2代目が継いだんだ。主婦ならワイドショーくらい見ろよ」 「すぐに私達の家に入り込むところとかぴったりだったのに、残念ね」 「心配しなくても、もうすぐ“お前だけの家”になるさ」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…… 僕にしがみついたままにらみ合う二人。溢れるジェノサイド巫女&魔砲使いオーラつまりは殺気。 その間に立ってる僕に重い空気がのしかかる。首が痛い。 「……黒くてすばしっこい悪い虫は」 「……正妻気取りの春な頭に」 「駆除しなくちゃダメみたいね!」 「大奥のルールを教えてやるぜ!」 「はーなるほどなるほど。こうやって○○さんをめぐって事あるごとに二人が衝突、んで間の○○さんが痛い目にあう、と。 今後はこのラブコメ展開が続くわけですね」 「「お前がオチ担当か!!」」 軒下に潜んでノートパソコンでブログの更新をしていた天狗娘を、二人の弾幕が蜂の巣にする。 ――――「モルスァ」みたいなことを言いながら、すごい勢いで飛んで行った。 完 @@@@@@@@@@@@@@@@あとがき@@@@@@@@@@@@@@@@ 霊夢のリクエスト、見事に失敗。出来ない事言ってすいませんでした。 これでもはじめはシリアス書くつもりだったんですが… 何を受信したのやら。無駄に長いし。 妄想が暴走してネタだらけでもう何がなにやらになってますが、 少しでも楽しんでいただける部分があれば幸いでございます。ええ。 こんな長文妄想に付き合ってくださった皆様に愛を。 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 4スレ目 85-86 とある集落の一角。酒造を営みとする男の家。 「……さて、掃除はこの程度でいいか。次は───」 「私に酒を注ぐ時間ね。一本と言わず十本ぐらいよろしく~」 箒を片付けて振り向けば、卓袱台にはいつもの姿。いつの間に来たんだ? と毎度思うが、毎度なので驚きもしなくなっていた。 「勘弁してくれ、萃香。お客に出す品が減る一方じゃないか」 俺も休憩の為に座り、卓袱台に片肘をつく。 「私が認めるぐらい質がいい証拠だよ、あんたの酒は。それに、お得意様 ならここにいるじゃない」 ありもしない胸を張って自己主張されても、苦笑にしか変換できない。 「代金払ってくれないお得意様は御免蒙りたい所なんだけど」 「だ~か~らっ、お礼は"私"でしてあげるって言ってるじゃん。手伝いだろうが 材料萃めだろうが、夜のお供だろうが、ね。夜に関しちゃどーせ経験ないんでしょ? 楽しいよぉ~?」 擦り寄ってきた萃香に背中から抱きつかれ、首筋を生暖かい息がくすぐる。 ナイ胸とはいえ、こうもぐりぐりと押し付けられると…… 「なっ……何してるんですか萃香さん!!」 障子が開けて広々と見える庭から、鬼娘を怒鳴る声。 「ん~? なによ鴉、い・い・こ・と、してるに決まって───」 「してないしてない」 さすがに頭に血が昇りそうになったので萃香をどけ、庭から来た客人を迎えいれる。 「ようこそ、文さん」 「さんはいいですよ、文で結構です。本日はよろしくお願いします」 深々と頭を下げる文を、何が気に入らないのか不機嫌な表情のまま文を睨め付ける萃香。 普段はケラケラとおどけたり笑ったりしてる彼女だが……珍しい事だ。 「今日は"取材"ってやつを受ける予定だったんだ。ウチの酒をね」 「酒の、しゅざい?」 「コホンッ……はい、そうです。最近幻想郷で人気の高まっている芋焼酎『夢みる力』と 造り手のお兄さんを我が文々。新聞で特集するのですよ」 「……おにいさん? 随分親しい呼び方だね~」 眉間の皺が更に深くなり、声色も太くなる。何がそんなに気に入らないんだろう。 「はい、以前の事なんですが。この付近でちょっとした事件があって、お兄さんがその 目撃者で情報をたくさん貰いまして、それから仲良くさせて貰ってるんです。そのツテでは あるのですが、お兄さんのお酒も……って、またですかっ」 文の言葉なんか聴いちゃいない。さっき離れたと思えば、いつの間にやら正面から抱き つかれていた。 「ね~、こんな鴉の小娘におにぃ~さぁ~ん、なんて言われて嬉しいワケ?」 「こ、こむすめって……」 萃香の語気が強い。悪い事したのか俺は…… 「いや、まぁ、そうだな。嬉しいっていうか……悪い気はしないよ」 「へぇ~、そうなんだ」 「と、とにかくです! 今日はお兄さんに用事があるので、萃香さんはお引取り下さいっ」 文が俺と萃香の間に割って入り、引き離される。 「それでですね、お兄さん。少し遠い場所なんですが、綺麗な湖畔がありましてね」 説明に入るなり俺の側面に回り、右腕にしがみついてくる。わざとか天然か、柔らかい 双丘の感触が二の腕を挟み、どうにも意識してしまう。 「二人でゆっくり歩きながら、お話聞かせてもらえませんか? ほら、ここだと五月蝿いし」 明らかな挑発の意……文と萃香の視線がぶつかっているのが嫌でもわかる。 うーむ……空気が重い。なんで仲良くできんのか、この子達は。 「まぁまぁ、どこで話しようと問題ないから。萃香、すまないけど───」 「はぁ……わかった、待ってるよ」 俺が苦笑して謝ると、ため息をつきながら萃香も苦笑で返してくる。 「たーだーし、代わりに晩酌に付き合ってよね、"兄さん"?」 「は?」 三度目? また刹那の時がそれより短いか。目の前には萃香の笑顔。 身体は密着し、少し冷たくて、それでも気が緩む気持ちよさがある細い両腕が首元を 優しく覆い…… 上唇だけが軽く触れた。かすかな酒の香りが鼻腔を伝う。 「ちょ……えぇ!?」 文の驚く声で我に返る。ただ、状況が状況だけに声を失う。 全身を凍らせる俺を笑う萃香は既に庭の外にいた。 「それじゃ、また後でね兄さん。霊夢のとこにでも行って暇つぶし───」 「待ってください! いきなりあんな、き、キキキ、キスなんてぇ! それに"兄さん"て なんなんですかぁぁぁぁっ」 「ん? だって、悪い気しないんでしょ? ならいいじゃん」 と背中で文の怒りをいなして、そのまま空へと飛び立ってしまった。 なんつー破天荒な……しかし、さっきのって、キス、だよな……なんか、妙な気分だ。 「お兄さん? お兄さんっ」 「あっとと、すまない」 「もぉ~、今萃香さんのこと考えてましたね?」 「いや、まぁ……毎度ながら騒がしい奴だなってね。えっと……湖畔に行って取材だっけ? 今日はお店休みにしたから」 「え? そうなんですか!? じ、じゃあ、えええっと、他にも色々と景色のいいスポットが あるんですよ。息抜きにもなりますし、どうでしょうか!」 瞳を輝かせて迫ってくる文。その勢いに気圧されそうな感じだけど、断るような話でもない。 むしろ、ありがたい話じゃないか。 「わかった、ありがたく教えて貰うよ。」 「はい、お任せ下さい」 快活な笑顔で頷き、小さな声で『がんばるぞ~、負けないぞ~』と気合いを入れている。 こちらもできるだけ取材に協力しないといけないな。天狗達の競争ってのもあるみたいだし、 負けたくないのも肯ける。 「よし、行こうか。せっかくだし、ウチの酒もどうだい?」 「はいっ」 歩き回るには最適な陽気だ。こりゃ、外で呑む酒もひとしおってやつだな─── ○口出しシステムで割込みできます。 A:萃香の晩酌があるんだから、早めに取材切り上げて家に戻れよ B:文の取材といいつつ、このままデートってのも悪くないんじゃないか? C:文と一緒に博麗神社に酒もって行って、巫女に恩でも売っとけ (システムを使用する場合は[たけしの挑戦状]のパスワード爺様に殴り勝って下さい) この程度の技術ですが……( ´ω`)
https://w.atwiki.jp/777townforandroid/pages/1749.html
デザイン 機種 パチスロ北斗の拳 修羅の国篇 アニメーション あり スキル効果 北斗図柄揃いからプレイ開始 消費SP 50 入手方法 超神スキルフィギュアガチャ LvMAX経験値 ? 限界突破素材 限界突破先 限界突破元 備考
https://w.atwiki.jp/bitacolle7/pages/1230.html
名称:【修羅】双胴の鯱船長・赤鯱 レアリティ:☆7 属性 水 一覧番号 1600 入手先 入手先1:進化 【修羅】赤鯱入手先2:入手先3: レベル 1(99) HP 3064(4543) 攻撃力 652(967) 治癒力 84(124) コスト 7 売却価格 ??? 進化必要素材 進化先 必殺技:硫酸樽 必要ターン数 23(13) 効果(Lv1) 敵単体のHPを15%減らす。 効果(Max) 敵単体のHPを20%減らす。 リーダースキル:双胴の鯱 船長 水属性の攻撃力2.25倍かつ、66%の確率で4thリールの火を水に変化。