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amazonで探す @楽天で #セクシー田中さん を探す! 日22日テレ 2023.10.22~2023.12.24 6.1% 公式HP wikipedia instagram 前 CODE-願いの代償- Hulu NETFLIX dTV PrimeVide U-NEXT TVer Paravi DMMTV youtube検索 / dailymotion検索 / bilibili検索 1 昼は地味なOL、夜はベリーダンサー田中さん 2023/10/22 7.2% 2 朱里の復讐計画!無神経なクズ男に怒りの鉄槌! 2023/10/29 5.8% 3 蘇る恥じらいの記憶!田中さん、無神経男と過ごした空白の夜! 2023/11/05 6.0% 4 四十肩の苦難!踊れない私なんてただのおばさんよ! 2023/11/12 5.8% 5 推しの聖地へ!田中さんの実家にみんなでお泊まり! 2023/11/19 5.8% 6 田中京子40歳、ファーストキスを半分奪われました 2023/11/26 5.4% 7 初デートで脳内バクハツ!無神経男泥酔で靭帯損傷。 2023/12/03 6.0% 8 家政婦のタナカさん。幸せの瑠璃色のスカーフ 2023/12/10 6.5% 9 キスしていい?田中京子一世一代の告白!? 2023/12/17 6.6% 10 ラストダンス 退屈な毎日を変える魔法 2023/12/24 5.6%
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2011年7月4日 新第1話:妖しきものの名 テレビ東京:25時30分〜 夏目貴志:神谷浩史/ニャンコ先生・斑:井上和彦/夏目レイコ:小林沙苗/藤原塔子:伊藤美紀/藤原滋:伊藤栄次 笹田純:沢城みゆき/西村悟:木村良平/北本篤史:菅沼久義/アオクチナシ:京田尚子/黒い大きな妖怪:白熊寛嗣 2011年7月11日 第2話:浮春の郷 テレビ東京:26時00分〜 夏目貴志:神谷浩史/ニャンコ先生・斑:井上和彦/夏目レイコ:小林沙苗/田沼要:堀江一眞/西村悟:木村良平 北本篤史:菅沼久義/カナワ:星野貴紀/サグメ:小林美奈/三篠:黒田崇矢/一つ目の中級妖怪:松山鷹志 牛顔の中級妖怪:下崎紘史 2011年7月18日 第3話:偽りの友人 テレビ東京:25時45分〜 夏目貴志:神谷浩史/ニャンコ先生・斑:井上和彦/藤原塔子:伊藤美紀/藤原滋:伊藤栄次/笹田純:沢城みゆき 西村悟:木村良平/北本篤史:菅沼久義/柴田克巳:細谷佳正/村崎:折笠富美子/夏目貴志(少年時代):藤村歩 子供:金田アキ 2011年7月25日 第4話:幼き日々に テレビ東京:25時30分〜 夏目貴志:神谷浩史/ニャンコ先生・斑:井上和彦/藤原塔子:伊藤美紀/笹田純:沢城みゆき/西村悟:木村良平 北本篤史:菅沼久義/夏目貴志(少年時代):藤村歩/木の上の妖怪:大浦冬華/親戚のおじさん:山本兼平 おじさん:松山鷹志/カップルの男:村田太志/カップルの女:持月玲依/女子生徒:金田アキ/男子生徒:石橋美佳 男子生徒:根来彰子 2011年8月1日 第5話:蔵にひそむもの テレビ東京:25時30分〜 夏目貴志:神谷浩史/ニャンコ先生・斑:井上和彦/田沼要:堀江一眞/多軌透:佐藤利奈 慎一郎(少年時代):波田野由衣/メナシの妖怪:渕崎ゆり子/痩男の妖怪:赤城進/タタラの妖怪:太田哲治 小妖怪:下崎紘史/額傷の妖怪:菅生隆之 2011年8月8日 第6話:人ならぬもの テレビ東京:25時30分〜 夏目貴志:神谷浩史/ニャンコ先生・斑:井上和彦/空想のレイコ:小林沙苗/藤原塔子:伊藤美紀 名取周一:石田彰/柊:雪野五月/羽の妖怪:中村千絵/河童:知桐京子/的場静司:諏訪部順一/七瀬:土井美加 女:世戸さおり/牛頭の妖怪:下崎紘史/着物の女妖怪:根来彰子 2011年8月15日 第7話:祓い屋 テレビ東京:25時30分〜 夏目貴志:神谷浩史/ニャンコ先生・斑:井上和彦/名取周一:石田彰/柊:雪野五月/羽の妖怪:中村千絵 的場静司:諏訪部順一/七瀬:土井美加/女呪術師:世戸さおり/封じられた妖怪:西尾将/女将:知桐京子 2011年8月22日 第8話:子狐のとけい テレビ東京:25時30分〜 夏目貴志:神谷浩史/ニャンコ先生・斑:井上和彦/藤原塔子:伊藤美紀/藤原滋:伊藤栄次/安井:中孝介 子狐:矢島晶子/寒神:加藤精三/ヒノエ:岡村明美/ちょびひげ:チョー/一つ目の中級妖怪:松山鷹志 牛顔の中級妖怪:下崎紘史/子供:知桐京子/子供:土屋真由美 2011年8月29日 第9話:秋風切って テレビ東京:25時30分〜 夏目貴志:神谷浩史/ニャンコ先生・斑:井上和彦/藤原塔子:伊藤美紀/田沼要:堀江一眞/多軌透:佐藤利奈 笹田純:沢城みゆき/西村悟:木村良平/北本篤史:菅沼久義/辻:高坂篤志/ヒノエ:岡村明美 ちょびひげ:チョー/一つ目の中級妖怪:松山鷹志/牛顔の中級妖怪:下崎紘史/男子生徒:村田太志 男子生徒:岡部涼音/石を手渡す女子生徒:持月玲依/憑依された女子生徒:波田野由衣/女子生徒:土屋真由美 2011年9月5日 第10話:割れた鏡 テレビ東京:25時30分〜 夏目貴志:神谷浩史/ニャンコ先生・斑:井上和彦/田沼要:堀江一眞/多軌透:佐藤利奈/北本篤史:菅沼久義 田沼の父:松本保典/田沼に憑いた妖怪:生天目仁美/金槌を持った妖怪:中野健治/教師:山本兼平 男子生徒:岡部涼音/女子生徒:小見山佳巳 2011年9月12日 第11話:映すもの テレビ東京:25時30分〜 夏目貴志:神谷浩史/ニャンコ先生・斑:井上和彦/田沼要:堀江一眞/多軌透:佐藤利奈/北本篤史:菅沼久義 一つ目の中級妖怪:松山鷹志/牛顔の中級妖怪:下崎紘史/田沼に憑いた妖怪:生天目仁美/病を患った妖怪:新垣樽助 金槌を持った妖怪:中野健治/老いた妖怪:又村奈穂美/吹雪の妖怪:金田アキ/吹雪の妖怪:根来彩子 2011年9月19日 第12話:帰る場所 テレビ東京:25時30分〜 夏目貴志:神谷浩史/ニャンコ先生・斑:井上和彦/藤原塔子:伊藤美紀/藤原滋:伊藤栄次/西村悟:木村良平 北本篤史:菅沼久義/髪の長い一つ目妖怪:沢海陽子/三つ目の妖怪:下崎紘史/獅子顔の妖怪:岡部鈴音 親戚のおにいさん:櫻井孝宏/親戚のおじさん:高瀬右光/親戚のおばさん:知桐京子 2011年9月26日 第13話:夏目遊戯帳終 テレビ東京:25時30分〜 夏目貴志:神谷浩史/ニャンコ先生・斑:井上和彦/藤原塔子:伊藤美紀/藤原滋:伊藤栄次/田沼要:堀江一眞 多軌透:佐藤利奈/笹田純:沢城みゆき/西村悟:木村良平/北本篤史:菅沼久義/三篠:黒田崇矢/ヒエノ:岡村明美 ちょびひげ:チョー/紅峰:渡辺美佐/一つ目の中級妖怪:松山鷹志/牛顔の中級妖怪:下崎紘史/河童:知桐京子 子供:金田アキ 第1期→夏目友人帳 第2期→続 夏目友人帳 第3期→ココ 第4期→夏目友人帳 肆 第5期→夏目友人帳 伍 第6期→夏目友人帳 陸
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誤爆 810:学籍番号:774 氏名:_____:2011/05/29(日) 00 47 45.86 ID ??? 359うおおおおおおおおおおお有難うございます!こんなアレンジのペイパードールがあったとは!達郎さんのライブ用特別アレンジはどれも原曲を超えるクオリティで本当に驚かされますね。。。この回の先週と来週もライブ特集と番組内で言ってますけどその音源も持っているのでしたらよしなに!よしなに!811:学籍番号:774 氏名:_____:2011/05/29(日) 00 48 42.50 ID ???ぎゃああああああああ誤爆したったwwwwwwwwwwww813:学籍番号:774 氏名:_____:2011/05/29(日) 00 54 44.43 ID ???ttp //logsoku.com/thread/toki.2ch.net/natsumeloj/1304249471/367ずいぶんとマニアックなところにいるんだな815:学籍番号:774 氏名:_____:2011/05/29(日) 00 57 08.37 ID ???見つけちゃらめええええええええええええええええええええええええええええ!! ゆら 926 :学籍番号:774 氏名:_____ :sage :2011/07/30(土) 05 02 13.00 ID ??? 京子ちゃんが嫁なら性的な部分抜きにしても最高に楽しいと思うんだ マジ天使過ぎるね 927 :学籍番号:774 氏名:_____ :sage :2011/07/30(土) 05 03 46.03 ID ??? 俺は朝からなんつー誤爆を・・・・忘れてくれ・・・・・ 【ゆるゆり】歳納京子ちゃんは金髪かわいい 919 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/30(土) 05 02 38.45 ID ptYLDqYKP 京子ちゃんが嫁なら性的な部分抜きにしても最高に楽しいと思うんだ マジ天使過ぎるね あのお方 967 :学籍番号:774 氏名:_____ :sage :2012/02/22(水) 04 05 13.73 ID ??? http //www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2669744.jpg おら満足かしにてえ あのお方AA ┏━━━━━━━━┳━━━━━━━━┓┃ D ┃ 2011 ┃┣━━━━━━━━╋━━━━━━━━┫┃ D ┃ 2011 ┃┣━━━━━━━━╋━━━━━━━━┫┃ D ┃ 2011 ┃┣━━━━━━━━╋━━━━━━━━┫┃ C ┃ 2011 ┃┣━━━━━━━━╋━━━━━━━━┫┃ D ┃ 2011 ┃┣━━━━━━━━╋━━━━━━━━┫┃ D ┃ 2011 ┃┣━━━━━━━━╋━━━━━━━━┫┃ D ┃ 2011 ┃┣━━━━━━━━╋━━━━━━━━┫┃ D ┃ 2011 ┃┣━━━━━━━━╋━━━━━━━━┫┃ D ┃ 2011 ┃┣━━━━━━━━╋━━━━━━━━┫┃ D ┃ 2011 ┃┣━━━━━━━━╋━━━━━━━━┫┃ D ┃ 2011 ┃┣━━━━━━━━╋━━━━━━━━┫┃ C ┃ 2011 ┃┣━━━━━━━━╋━━━━━━━━┫┃ D ┃ 2011 ┃┣━━━━━━━━╋━━━━━━━━┫┃ D ┃ 2011 ┃┗━━━━━━━━┻━━━━━━━━┛
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月曜の朝はいつにも増してうだるい朝だった。俺は基本的に冬より夏のほうが好みの人間だが、こんなじめじめした日本の夏となると、どちらが好きか十秒程度考え直す可能性も否定できないくらいに微妙である。途中で出くわした谷口や国木田とともにハイキングコースを登頂したが、校門に辿り着く頃にはシャツが既に汗ばんでいた。ハルヒの判断は懸命である。長門がいない上にこの暑さでは、映画撮影などやってられん。 二年の教室に入って自分の席に着くと、後ろでスタンバっていたハルヒが肩を叩いてきた。 「ねえキョン、夏休みにやらなきゃいけないことって何だと思う?」 「ああ、そういや、もうそんな季節だな。俺にとってはどーでもいいことだけどよ」 「何よそれ」 「失言だ。忘れてくれ。それで何だって?」 俺は教室内を見回しながら訊いた。今日もとりあえず危険人物はいないが、このままいったら夏休み中の俺はブルー一色に染まること間違いなしだ。 「夏休みにやらなきゃいけないことよ。時間は刻一刻と過ぎていくんだから、常に次のことを考えてないと生きていけないわ」 「次のことまで考える余裕があるなんてうらやましいね。そんなもん、夏休みが来たときに考えればいい」 ハルヒは俺の意見を無視して一人で目を輝かせ、 「とにかく合宿は不可欠よね。てか、決まっちゃったし。そしてプールと花火大会とバイトと……」 「あと宿題な」 「何よそれ、夏だってのにシケてるわねえ」 そんなこともない。永遠に終わらない夏とどっちがいいかって言われたら俺は迷わず宿題を選択するぜ。 「やっぱ夏よ、夏! 高校に入るまでこんなに夏休みを待ち遠しく思ったことなんてないわ」 「へえ。高校の夏休みってのはそんなに面白いもんだったか?」 ハルヒは俺の問いに自然に――本当にごく自然に――答えた。 「SOS団で騒げるんだもん。楽しいに決まってるじゃん!」 俺は一瞬言葉を失って、妙な空白があった後にああそうだよなと相槌を打った。俺の笑顔は引きつっていたことだろう。 古泉の言っていたことはそんなに的外れではないのかもしれなかった。 楽しさの対象が宇宙人でも未来人でも超能力者でもないことを、ハルヒは自ら断言したのだ。悪いことじゃない。俺の目の前でハルヒが屈託なく笑ってやがるのも一年前にはありえなかった光景だと思えば、ハルヒの状態は確実によくなりつつあるということになる。 そこで俺ははたと考え込む。 しかしそれは、いったい誰にとってなんだろうか。ハルヒの精神が落ち着いてきていい状態だというが、それは誰にとっていいんだ? 俺にとってか。それともバイトが減る『機関』にとってなのか。 ハルヒがどこにでもいるフツーの女子高生になっちまうことを俺は本当に望んでいるか? 俺だけではない。朝比奈さんも古泉も、本当にそう望んでいるのだろうか。もし個人個人の持つ雑多な事情から解放されたとしたら、その答えは変わるかもしれん。少なくとも古泉はそう言っていた。 SOS団という謎の団体に俺は何かを感じていたのだった。もちろんそのSOS団は休日に遊ぶ仲間の集まりなんかではない。宇宙人の長門と未来人の朝比奈さんと超能力者の古泉と、ハルヒと、そして俺がいる団体こそがSOS団なのだ。いつの間にヒマな高校生の集まりに成り下がっちまったんだ。 そう思ってから、俺はまた頭をかきむしった。たった今、俺は、成り下がるという言葉を無意識に用いて、休日に遊ぶ仲間の集まりという意味でのSOS団を否定してしまっていたのだった。肩書きはどうあれ朝比奈さんと長門と古泉がいればいいという、そのきれい事のような考えだけでは割り切れないような感情が俺の奥底に、確かにあった。 ハルヒは何の迷いもない顔をしている。ただ、その銀河群が入っていそうな瞳の輝きが少し薄れているだけだ。惜しみなく部室専用スマイルをふりかけるハルヒを、俺はただぼんやり眺めていた。 * ハルヒの一年時のメランコリーをリアルな感じで悟りつつある俺は、結局昼休みまで動く気力が出なかった。 一年前の春、何で宇宙人に固執するんだと訊いた俺に、そっちのほうが面白いじゃないのと当然のように答えたハルヒはどこへ行っちまったのか。窓の外を眺めているとなぜか思考が巡りに巡ってしまうようなので、俺はシャーペンをつかんで黒板に焦点を合わせ、授業を受けるべくしていた。 昼休み、俺が後ろを振り向くとハルヒはすでにおらず、おそらく学食か購買へ行ったものと思われる。 俺もそろそろ部室に行かねばならんだろうと思っていると、谷口と国木田が近づいてきた。 国木田は俺の顔をまじまじ見て、 「キョンさあ、最近疲れてるのかなあ」 唐突な指摘の質問に俺は多少びっくりしながら、 「そうかもしれんな。ハルヒといれば誰だってこうなるぜ」 もっとも昨日今日の疲れはハルヒパワーが全開であるための疲れではないというのは胸の内に収めておく。むしろハルヒが騒ぎ立ててくれていたら俺の疲れも多少は癒されていたというか、俺の心のわだかまりも忘れることができたのかもしれん。 谷口が俺の頭をポンポンと叩いてきた。 「まったく、うらやましい野郎だ。たとえ相手が涼宮だとしても、女と一緒にいて遊び疲れたってのは贅沢の極みをいく悩みだぜ。ああくそ、俺、もういっそのこと涼宮でもいいから狙っちまおうかなあ。おめーら、まだ付き合ってねえんだろ?」 何を血迷ってるんだ。他の女なら俺が紹介できる限りでしてやるから、ハルヒだけはやめておけ。あの狂気にやられて、生活を狂わされちまった実例がお前の目の前にいるんだよ。ハルヒは常人が相手にできるような奴ではない。奴と同じくらい狂ってる人間か、あるいは釈迦並の寛大さを持ち合わせた奴じゃないと無理だ。 「いいや、そんなことはない。あいつだって一応は女だ。ひっくり返せばけっこう常識的な人間だぜ。これはなあキョン、涼宮と五年間も一緒のクラスでいる俺の境地に達したから解ることなんだ。あいつは、けっこうまともな人間だ」 まともな人間ね。谷口の言葉すら煩わしく感じた。そんなことは俺だって知ってるんだよ。 そりゃよかったなと適当に返事をして、俺は弁当箱を持って立ち上がった。 「あれキョン、教室で食べないのかい?」 「部室で食うよ。悪いな」 とにかく今はハルヒのことで頭を悩ませている場合ではない。いや、そういうと何か変わりつつあるハルヒに後ろめたいのだが、俺の頭のデキは誰もが知るとおりである。そんなたくさんのことに気を回していたらパンクしちまう。 チープでありきたりな描写で申し訳ないのだが、俺にはこの時すでに予感があった。 窓の外の世界が、二年五組の風景が、ハルヒが、もっと言うと俺の目に入るすべてのものが妙な嘘っぽさを纏っていた。平べったい風景となって不協和音を奏でていた。嵐の前の静けさというアレである。 そしてまた、その静けさは嵐によって吹き飛ばされるのである。空虚な時間は現実のどんな出来事によってでも、軽く夢世界のものになり得る。 俺は弁当を持って部室に向かった。心臓が知らぬ間に激しく鼓動していた。理由は解らん。 長門のクラスをのぞいてみたが、やはりというか、長門の姿は発見できなかった。 最初は歩いていたのがやがて早足になり、小走りになったところで部室に到着した。部室棟二階コンピ研の横、木製の扉。 そこで、地獄を見た。 * 俺は愕然とした。発する言葉もない。口をあんぐりと開けて首を回し、最後には頭を抱えて床に崩れ落ちた。 予感は当たった。当たってしまった。 ハルヒの精神が変わりつつあるという俺の憂鬱の発生源は瞬く間に消え去って、代わりに暗い未来予知が的中してしまった予言者のような沈黙が俺の心を支配した。 俺に否はないと断言できるが、それでどうしたという話である。現実は淡々と、ただし深く突き刺さる。 部室から、朝比奈さんのコスプレ一式がハンガーラックごと消え失せていた。 誰かが動かしたのだろうか。まとめてクリーニングに出したとしてもハンガーラックまでなくなることはないだろうし、俺はそんなのが楽観論にすぎないことを知っている。もしそのクリーニング説が本当だったのだとしたら、俺はそのクリーニングに出した奴をすぐさま訴えてやろう。精神衛生上よろしくないにも程があるぜ。 何をするともなしにゆらゆらと部屋の中を徘徊する。 ハードカバーがどっさり入っていたはずの本棚はがら空きである。遠い昔の記憶のような錯覚を受ける先週の金曜日、長門がいたときにやった七夕の竹だけはいまだに部室の窓にもたれかかっているが、長門と、そして朝比奈さんの願い事が書かれた短冊だけはなくなっていた。朝比奈さんが長門と同様の現象に見まわれたという証拠だった。 さらに、横の棚には急須がない。ポットだけはあるものの、よく見ると棚に乗っているのは茶葉ではなくてインスタントコーヒーである。普段は誰が淹れているのか知らんが、朝比奈製のお茶よりもおいしいようなことはないだろうね。ハルヒでも俺でも古泉でも、朝比奈さんのスキルはそう簡単に獲得できるものではない……。古泉? ハッとして振り向いた。そこには古泉が持ち込んだ古典的ボードゲームの数々が―― あった。 俺は深く息を吐いた。消えた長門の例からすると、そいつにまつわる物体がなくなっていると本人も消えているらしいから、古泉がこよなく愛するボードゲームがあるということは、古泉はまだ消えていない可能性が高い。 カチャリ。 突如、ドアノブを回す音がして部室の扉が開いた。 「やあどうも」 軽快を気取るような声をして入ってきたそいつには、いつものハンサムスマイルに少し苦笑が混じっている。すべてを知り合った仲間に自らの失態を告げるときのような、自嘲めいた微笑みである。 「よほどあなたに連絡を取ろうかと思っていましたよ。もうその必要もないでしょうが。さて、お気づきですか?」 ああ。嫌なことにたった今気づいてしまったところだ。 「ええ、そうです。とうとう二人だけになってしまいました」 その言葉はどう解釈すればいいんだろうかね。場合によっては殴るぜ。 「冗談です」 古泉は肩をすくめるお決まりのポーズを取り、団長机に置かれているデスクトップパソコンに歩み寄った。 俺は古泉にうさんくさい視線を投げかけながら、 「何が起こってるんだ。朝比奈さんもいなくなっちまったのか?」 「ええ、どうやらね。それに朝比奈さんだけではないようです。僕の組織が監視していた何人かの未来人が、今朝を持って一度にいなくなりました。ついでに橘京子の組織からも連絡を受けました。藤原という未来人もいなくなったらしいですよ。情報統合思念体製のインターフェースが消えたときとまったく同じ状態です」 しかしそこは未来人だから、未来に帰ったとかそういうことはないのかな。 「あなたは朝比奈さんから何を聞いたんでしょうか。時間平面がねじ曲がっていてTPDDの使用は不可能、と朝比奈さんは言っていたように思いますが。未来にも過去にも逃げることはできません。朝比奈さんも、まず間違いなく誰かに消されたんですよ。おそらく、周防九曜にね」 そんくらい俺も解ってる。 「じゃあ仮に犯人を九曜だとしても、あいつはいったい何を企んでるんだ。宇宙人を消し、未来人を消してさ。世界征服か?」 古泉はデスクトップパソコンを操作して立ち上げてから俺に目を戻すと、さあどうでしょうと首を傾げた。 「周防九曜が犯人であるということに異論はありませんが、目的がそんな単純なものだとは信じがたいですね。そうだったら、長門さんが以前やったように世界改変を行えばいいだけの話です。重ねて言いますけど、今回のこれは世界改変ではありませんよ。元の世界から宇宙人や未来人を引き抜いただけです」 じゃあ何のためにやったんだ。目的もなしに行動するような奴は少ないぜ。あいや、九曜ならその少ないの中に入るかもしれんが。 「目的は僕には解りませんね。涼宮さんに近づこうとしているのか、SOS団を崩壊させようとしているのか、あるいは邪魔者を排除してから何かをするつもりなのか。どちらにしろ、どうせ僕たちには対抗策などありません。長門さんや朝比奈さんを活殺自在にできるような存在にはね」 「お前にしては珍しく悲観的な意見だな」 「そうでしょうか。これも一種の作戦だと思いますけど。僕だったら無駄な対抗策を打って時間稼ぎをするよりも、残されたヒントを使って謎を解き明かし、新たな可能性を模索するほうを選択しますよ」 そう言って古泉がワイシャツのポケットから取り出したのは紛れもない喜緑メッセージである。生徒会議事録の最終ページで見つけたその文章には何かのパスワードが書かれているが、それはとうとう答えが解らなかったんじゃないのか? 土曜日に貸してやったのに解らないって言ってきやがったじゃねえか。 「そんなことはありません。この世にはね、深く考えてみれば解ける問題と絶対に解けない問題があるんですよ。たとえば宇宙の真理を一般人に答えろと言ってもまず無理でしょうが、この地球上で証明されている簡単な計算なら一般人でも……」 いいから解答が出たのか出ないのか答えやがれ。お前と話していると無駄な思考能力ばっかりついていって、肝心の答えが見つからないような気がしてならん。 「申し訳ありません。答えというか予測ですが、たぶん正しいというものなら出ましたよ。もちろん、このパスワードの在処がね。」 古泉が黙ってデスクトップパソコンを指さしているので、俺は近づいてのぞき込んでみた。 画面の真ん中にキテレツなマークがあって、ページにはメールアドレスとカウンタだけが取り付けられている。モニタが嫌々表示しているように見えるそれは、SOS団のサイトページだった。 「これか?」 と俺。 「そうです。ここのページは過去にも疑似情報操作のようなものを受けていますからね、もしやと思っていましたが、当たってしまいましたよ。長門さんが消される直前か消された後か、どちらにしろ仕掛けを作りやすかったんでしょう。ほら、カーソルをここに当てると」 古泉はカーソルをハルヒ作のSOS団エンブレムに乗せた。すると矢印のカーソルが手の形のカーソルに変わる。なんと、いつの間にかクリックできるようになっていた。ハルヒが俺にやらせずにこんな芸当ができるとは思いがたいし俺はこんな仕様にはしていないし、第三者の仕業で間違いない。 クリックすると案の定パスワード入力ページが現れた。password? と書かれているだけの、質素なページ。 「とまあ、この画面までは昨日までに『機関』のメンバーで考えて判明していたんですが。ただしこのパスワードというのがどうにも解らなくてね。このコピーには『password・すべての始まりを記せ』と書いてあるもので、ビッグバンやら宇宙やら、そのままこの文を入力してみたりもしたんですが、どれもダメでした。ちょっとこれは僕にはお手上げですね」 よくここまで辿り着いたもんだと感心していたが、それを聞いて呆れ返ったね。 すべての始まり? そんなもんは最初っから解っている。 それはビッグバンなんかじゃない。宇宙意識があったことでも、未来から人間がやってきたことでも、赤玉に変身する超能力者が現れたことでもない。少なくとも、俺にとってはな。 喜緑さんのこのメッセージは他の誰に宛てられたものではないのだ。生徒会長でも長門でも朝比奈さんでも古泉でもなく、そしてハルヒにでもない。俺が見つけたのだから、おそらく、俺が読むことを想定して書かれたものだ。 そうとなったら答えは一つである。すべての始まりは、こいつと出会ってからさ。 俺は古泉をどかしてキーボードに手を伸ばすと、その名前をタイプした。 つまり、『涼宮ハルヒ』と。 エンターキーを押すと、ロックが解除されたというメッセージが流れて別のページにジャンプした。 「ほう、さすがですねえ。なるほどあなたにとっての始まりは涼宮さんですか。なるほど、周防九曜や他の宇宙意識には抽象的で理解できない質問と解答です」 古泉がほざいているが、無視して液晶を食い入るように見つめる。ロードの時間がもどかしい。マウスを指でカチカチ叩く。とっととしろ。 出た。 『橘京子を連れてこの場所へ。わたしはここにいる』 それだけだった。ページのほとんどが白で埋め尽くされており、その真ん中あたりにかのような文字が活字体で羅列されていた。何だこれは。 わたしはここにいる。 ハルヒ(実際には俺)が四年前、東中のグラウンドにラインカーで白線引いて書いたアレだ。どっかの宇宙に宛てた奇妙な絵文字の意味がこれだったらしい。 俺は長く息を吐いた。間違いない。このメッセージは長門が作成したものだ。わたしはここにいる、と書かれていると教えてくれたのは他ならぬ長門だったのだ。 しかし、どういうことだ。 わたしはここにいる。 そして、橘京子。古泉とは異なる力を持つ超能力者。今回は共闘宣言をしてきたが、信用しきれない部分もある。そいつを連れてこの部室に来いと言うのか。意味が解らん。 もう少しヒントが欲しかった。そうでなけりゃ、パスワードなんかいちいちかける必要もなかろうに。スクロールしてみたが隠し文字はなかった。 「これだけですか?」 俺に訊くな。 「しかし、これだけでも取るべき行動の情報は得られましたね。長門さんらしいと言うべきか、最低限でも必要なことだけは明記してくれています。二文目はオマケのようなものですよ」 「橘京子をここに連れてくるってか」 あまり気分のいいことではなかった。当然気乗りもしないし、疑心暗鬼にさえ陥るかもしれない。 なにしろ、橘京子はついこの間まで敵対していたのだ。古泉の組織とは平行線で交わることはないなどと抜かしてやがったが、今になって急に考えを変えてきた。 しかし、さすがにほいほい信用できるものではないね。SOS団の命運がかかっているのだから、ついこの間までの敵を味方としてアジトに連れ込むのはどうかと思うぜ。 「あなたはそう言いますけど」 古泉が反論した。 「昔の立場関係というのは現在になってみればまったくどうでもいいことなんですよ。大切なのは現状です。特にこの場合はね。橘京子が味方になってくれる。客観事実だけを受け止めるのなら歓迎すべきことじゃないですか」 「確かにそうだけどな。けど俺が言いたいのはそこんとこじゃないんだ。土曜日に橘京子と会って話して、SOS団側につくって言われた。そんでもって今日はこのメッセージを見つけたんだ。橘京子を連れてこいってな。まるであいつが味方なのが前提みたいに書かれてるじゃないか」 「なるほど。それで」 言わなくても解るだろう。都合がよすぎるんだ。 古泉は数秒だけ首を捻っていたが、やがて微笑に戻るとどうでしょうねと言った。 「都合がいいのはあなたの仰るとおりですが、それはあくまで都合という観点で見たらの話です。あなたは、その都合というのは低確率が連続する問題だと信じているようですが、そうでなかったらどうでしょう。確率など関係なく、誰かの手によってそうなるように仕組まれていたとしたら」 「何が言いたい」 「これは僕の予想に過ぎませんが、橘京子の一派は何かをつかんでいると思うんですよ。もちろん彼女のつかんでいる情報はこちらには回ってきませんし、それはあくまで敵対組織同士だからです。ただ、彼女はそれをつかんだ上で合理的に行動している。SOS団に味方するというのも何か意味があるからです。おそらく、彼女はこのメッセージがなくとも、真相を知っていたんですよ。この事件を解決するためには自分の存在が必要不可欠だとね。たぶん土曜日、あなたと会って話す前から」 俺は土曜日の橘京子を思い出していた。 そういえば奴は佐々木に謝罪していたな。俺たちと会うために時間とルートを調整させてもらっていた、とか。さらにあの日の目的は俺たちに共闘を宣言することにあったといっても過言ではないだろう。 それもすべてを見越しての行動だったのか。ということは、あいつは長門がどんな目に遭っているかの詳細を知っていたということなのか。土曜日の時点で。 「いえ、これはあくまでも僕の推測に過ぎませんから。あまり深く考えないで下さいよ」 「そりゃいいが、どっちにしろやることは決まったな。橘京子に連絡を取るんだ」 「それが……」 古泉は困ったような顔になった。 「できないんですよ」 「…………何っ?」 できない。橘京子と連絡を取れないってのか。おいおい、どういうこった。 「彼女たちの組織に実体はありません。ですから正確に言えば組織ですらないんですけどね。いつも、ばらばらなんですよ。僕たちの『機関』に情報を提供してくれる場合でも匿名性のある手段しか使いませんからね。もちろん、自慢ではありませんが僕や『機関』は彼女の携帯電話の番号は知りませんし、どこに住んでいるかも知りません」 そんな……。じゃあ、あいつをメッセージ通りここに連れてくることなんか不可能じゃないか。 俺が顔面蒼白なのに比べ、古泉はずいぶんと落ち着き払っていた。おかしいくらいに。 「ですから、彼女たちからやって来るのを待つだけです。彼女は長門さんが作ったと思われるこのメッセージは知らないでしょうが、もっと核心に近いことをつかんでいるはずです。おそらく、土曜日にあなたの前に現れたように、何か必要があったらここにも現れるでしょう。自分が僕たちにとって必要不可欠の存在であるということも見通しているでしょうから。ただし、それがいつかは解りません。ですから、僕たちはひたすら待つわけです」 何をお前、そんなすがすがしい顔してやがる。いつかも解らねえ救助を待ってたら、大抵はのたれ死ぬぜ。そんなのは、白骨死体となって発見されたあまたの冒険者が証明してくれてるだろうが。それでもいいのかよ。俺は嫌だね。 「ふふ。どうしてだろう、不思議と怖くはないんですね。こういうスリルに憧れていたのかもしれません。――あなたは『二年間の休暇』を知っていますよね」 「いきなり何を言い出しやがる」 「本のタイトルですよ。『十五少年漂流記』とも呼ばれますが」 「それがどうかしたか?」 「分析してみると、僕の感情はあれに近いものなのかもしれないと思いましてね。彼らが辿り着いたのは孤島ですから、まっとうな手段では脱出不可能です。最終的には外部の人間に発見されて助けられるわけですが、僕のおかれた状況もちょうどそんな感じだと思ったんですよ。推察を巡らして手を尽くし、自分の力ではどうしようもないと悟ったとき、僕は、以前は、絶望するに違いないと思っていました。しかし意外でしたね。違いました。全然そんなことはない。むしろ気が晴れましたよ」 気でも狂ってるんじゃないかと言いかけてその言葉を呑み込んだ。マジで気が狂ってるんだろう。俺か古泉か、どっちかがな。 古泉はしばらく部室の窓の外を眺めていたが、やがて振り返ると真面目な表情に戻っていた。 「長門さんが突然消えて、その原因がはっきりしないまま朝比奈さんまで同様の現象に見まわれてしまったらしい。いや、宇宙人と未来人が、と言ったほうがいいでしょうね。そこまでいったら次に何がくるか、あなたなら解りますよね」 「超能力者か」 「あるいは、あなたです」 古泉のいつになく刺々しい声が冷酷に響いた。俺が目を逸らすと、古泉は真面目な話ですよと言った。 「土曜日にお話しした僕の最後の仮説――覚えてますね。僕たちは何者かに消されるのを待つ身なのかもしれない。それが、もしかすると真相なのかもしれません。時間の差はあっても、僕もあなたもやがては消されます」 古泉の複雑そうな横顔を、俺はぼーっと眺めていた。 超能力者が消えるなら橘京子も一緒に消されちまうんじゃないかと言おうかと思ったがやめた。そんな仮説に意味はないし、そういう仮定をする必要もない。古泉の言うとおり、橘京子が現れるのをただ待っているしかないのだ。先方が事情を承知しているなら、後は奴の慈悲深さに期待するだけである。しかしきっと、いるかも解らん神様よりはアテにできるだろうよ。いや微妙なところか。 「じゃあ」 俺がしばらくだんまりをやっていると、古泉がドアに向かって歩き出した。ドアノブに手をかける。 俺は咄嗟に口を開いた。 「古泉、てめえ明日もここにいろよ。消え失せたりするなよ」 一瞬古泉の手が静止したが、それでも特に答えることなく扉を開けて出ていった。その背中を見送って、しばらくSOS団サイトを表示しているパソコンを眺めていた。やがてチャイムが鳴ったので帰ろうかと思ったところで、弁当を食っていないのに気づいた。 * 「遅かったじゃないの。あんた昼休み中何やってたのよ」 授業開始直前にスライディングセーフを果たした俺は、特に何もすることなくそのまま五時限目六時限目をやり過ごした。もう少ししたら授業も夏休み前モードに切り替わって楽になるのだが、今のところは追い込み漁的な授業が続いていてちっとも心が安まらん。俺の場合、課外活動とその他の時間が一番疲れるのだから、授業中は睡眠学習を許可するよう教師も取りはからうべきである。 疲れという概念を本気で知らなさそうなのはハルヒくらいであって、俺の苦労も知らないハルヒの問いに、俺はだれた声で部室とだけ答えた。 「お前は何やってたんだ、昼休み中」 何となく訊いてみる。 「学食から帰ってきたら、ずっと窓の外眺めてたわ。気分で」 「何考えてたんだ。明日の天気か?」 「合宿のことよ。何して遊ぼっかなーと思って」 明日の天気と答えられても困るが、合宿のことと答えられても俺はなんだかため息を吐きたい気分だった。UFO召喚の儀式について、と答えられたら反応が違っていたかもしれない俺を一瞬思って、何を血迷っているのだと頭を振った。 「話は変わるけどさ」 俺はそう切り出し、 「去年の文化祭のときの映画撮影を覚えているよな。朝比奈さ……じゃない、どんな映画だったか言ってみてくれないか?」 「映画撮影?」 俺の予想が正しければ、ハルヒは間違ってもみくるちゃん主演の、とは言い出さないはずである。古泉の仮説通りなら、朝比奈さんはもとからこの世界にいなかったことになっているのだ。いないはずの人物が映画の主演をできるわけがない。というか、朝比奈さんがいなかったらハルヒは映画撮影なぞをやる気はなかったかもしれん。 やはり、ハルヒはいぶかしげな顔をした。 「何よそれ。そんなのはやった覚えがないわね。あ、でも面白そうじゃない。映画撮影かあ。なあにキョン、今年の文化祭か何かで映画を発表でもするつもりなの?」 「別に」 適当に受け流す。 どうやら古泉の仮説は正しかったらしい。朝比奈さんは長門と同じように消えちまっているという証明である。 俺は質問を変えた。 「じゃあ、SOS団の団員は最初っから三人だけだったかな。俺とお前と古泉。違うか?」 「何なのよ、キョン。そんな当たり前なことを訊いて。机の角に頭をぶつけて記憶喪失にでもなってるんじゃないの? あるいは頭がおかしくなってるのかしら」 ああ、その可能性は今回はまったく考慮してなかった。しかし古泉たちも記憶が俺と同じなのだから、黙殺でいいと思うね。 「なあハルヒ。俺さあ、金曜日の朝もこんなことを訊いてなかったっけ? あの時は長門有希って女子のことについてだった気がするが」 「どうだったかしらね。そうねえ……言われてみればそういう気がしないでもないけど……ところでキョンあんたいったい何なのよ。言いたいことがあるならはっきり言いなさい。遠回しな訊き方されるとすっごく気持ち悪いんだから」 一瞬、いっそのことすべてを率直にゲロってしまおうかと考えてから放棄し、ため息とともに何でもないと常套句を吐いて前に向き直った。 不意に、恐ろしいまでの虚無感が押し寄せてきた。感覚はそろそろ麻痺しちまっているが、時々、思い出し笑い並の唐突さでやってくるこれは吐き気を伴うまでになっている。 ホームルームが終わったら朝比奈さんと仲のいいはずだった鶴屋さんのところに行ってみようかとも思ったが、面倒になってやめた。 ホームルーム中、俺は机に伏せて微動だにしなかった。 * この日の放課後は特に何もなかった。 もっとも、長門や朝比奈さんがいなくなる以上に何かあってもらっては困るのだが。 この日は本当に、朝比奈さんがいないと部室で腹に入るものがとたんにまずくなることを実感したね。物理的にも、精神的にも。インスタントコーヒーだってたまにはいいだろうが、朝比奈さんのいないこのSOS団では、コーヒーは欲しかったら自分で淹れろという規律が存在しているようであり、自分で淹れたコーヒーを自分で飲んだところで味も素っ気もない。 無論そう感じるのは俺のコーヒースキルが劣っているからということにとどまらず、部室にいる人員にも問題があった。やっぱりこの部屋にいるのがハルヒと男二人だけってのは寂しいものなのだ。長門の読書姿でも、朝比奈さんのお茶汲み姿でも、それがSOS団の象徴になっていたということを改めて思い知らされた。 結局この日は喪失感が大きすぎて何もやる気がしなかった。古泉がヤケ気味に囲碁対戦を申し入れてきやがったが、今日ばかりは断らせてもらうぜ。 そんなこんなで、ハルヒはパソコンに向かっていたり雑誌を読んでいたりで、古泉は完全に持て余して詰め将棋状態、俺はパイプ椅子で半分以上茫然自失としているという、ある種異常とも言える本日の部活動は、うだうだの暑さが引いてきた頃に校内に響きわたったチャイムをもって終了した。 そうとなればもうこの部室にいるわけにもいかず、やがてして俺らは大量の生徒とともに校門から吐き出されることになった。俺はハルヒの後をセンサーで感知して動くロボットみたいに追い続ける。三人で、今の俺にとってはくそどうでもいいようなことを会話しながら、いつもの駅前に着くと、そこでまた明日と言って二人と別れた。 古泉もハルヒも、やがて街の雑踏の一部と化す。 * 家に戻った俺は、それでもまだ茫然としていた。ショックが大きすぎたのだろうか。 そんなのは言うまでもなく当たり前である。ただでさえ長門と朝比奈さんが消えてしまったショックはひどいのに、さらにこれ以上誰かを失う可能性が示唆されているというのだ。古泉はそう言っていたし、それは俺も納得せざるを得ない。明日仮に古泉が消えていたとしても、それはもはや、俺にとって驚愕すべき事態ではなくなっているのだ。 ではそうならないために俺は何ができるか。それはただ、待つことである。橘京子が助けに来るのを待つだけである。今日、それを自覚されられてしまった。 正直言って、俺は参っていた。 だだっ広い暗闇の中に置き去りにされて、それでも俺はそこから一つの希望を見いだした。その糸をたどっていって、ようやくはっきりした光明が差したのだ。SOS団のウェブページに現れた文章がそれである。橘京子を連れてこい。 それが俺たちの力では不可能だと悟ってしまった。橘京子の連絡先も所在も一切不明なのだ。どうしようもない。ただ俺たちは、橘京子が早く現れてくれることに運命を託したのだ。橘京子がライオンで俺たちは狙われたシマウマといったところか。別に橘京子が俺を殺そうと思っているわけではないだろうし立場関係的には間違っているだろうが、それでも活殺自在という根本において大差はない。手を下すのが自分か別の誰かかという違いがあるだけである。 だがシマウマというのは決して気分のいいものではない。俺は人間であるが故に知性というものに持ち合わせがあり、いいんだか悪いんだか知らないが、無抵抗に殺されるような真似はできるだけ回避するようにできちまっている。 そこで俺は思いついた。人智の発想さ。 誰か、橘京子の連絡先を知っていそうな奴はいないか、と。 思いついたね。そんときはおおいに笑みがこぼれた。 俺はそんなことを夕食を食べながら、風呂につかりながらずっと考え倒していた。おかげで、食事中はひたすら黙し続けて体調を心配されたり、風呂から出たときは全身がゆでダコのように真っ赤になっちまった。 風呂上がりですぐさまコードレスフォンを手にして自室にこもった。妹がふとどきにも俺の部屋でシャミセンと戯れてやがったがエサで釣って追い出してやった。たやすいもんだ。 電話は何回かコールした後、繋がった。 『もしもし』 「もしもし。ああ、俺だ」 とか言ってからナントカ詐欺を思い出したが、相手には無事に伝わったようだった。 『ああ、キョンか。こんな時間に、しかも僕に電話してくるとは珍しいね。何か急な用件でもあるのかな』 「まあな」 物わかりがよくて助かる。 俺が電話をかけたのは土曜日に再開を果たした人物の一人――つまり佐々木だった。 当然である。橘京子と俺の共通の知り合いで、しかも俺が絶対的な信用をおける奴など佐々木をおいて他にいないのだ。 「佐々木、お前にも用件の心当たりはあるだろ」 佐々木はしばし考えるふうな沈黙をおいて、 『そうだな、未来人が突如として消え去ってしまったことについて、かい? 橘さんから聞かされたよ。いやあ驚いたね。みんながみんなこういうののジャンルはファンタジーだと言うが、僕にしてみればホラー以外の何者でもない』 「ああそうだ。そのことについてだ。お前に訊きたいことがあってな」 『ほう、何だい。僕はそんな重要情報は持っていないと思うけどね』 それでも佐々木は好態度を示してくれるので俺は話しやすかった。こういうのがコミュニケーションスキルにおいて佐々木と他の連中との違いなんだろうね。 とはいえ、いくら佐々木でもパスワードの内容とか詳しいことまで喋るわけにはいかなかった。そこらへんは適当にごまかして、いろいろ手を尽くした末という表現に変換し、長門のものらしいメッセージを発見したこと、それによると長門を救うには橘京子が必要不可欠であるらしいことを話した。そして肝心の橘京子の連絡先を俺たちの誰もが知らないという、一見コメディである。 「ということでだ佐々木。率直に訊くがお前、橘京子の連絡先を知らないか?」 『それが用件というわけかい』 「その通りだ。知ってたら教えてくれ、頼む」 『いや、知らないんだ。お役に立てなくて申し訳ないが』 ちくしょう。 頼みの綱がまた一本切れた。残ったのはもはや、ただの恐怖でしかない。 「橘京子から教えられてないってのか」 『まあそういうことになるだろう』 「電話番号とかそういうのじゃなくていい。住所とか地名とか、名前でもいい。何か知らないのか?」 『申し訳ないが』 佐々木は同じ言葉を繰り返し、俺が黙り込んでいると電話の向こうで少し笑った。 『驚いたことに、僕から橘さんに連絡したことは一度もないんだ。さすがは橘さんと言うべきかな。味方にも連絡先を教えずに警戒するとは周到だよ』 暗い心のまま佐々木の言葉を聞いていたら何だか呆れてきた。 「お前は、そんな奴を信用してつるんでたのか。自分の連絡先も教えないようなヤツを」 『それはしょうがないことだ。誰にも、これは譲れないというものはあるからね。人はみんな、そういうことを承知した上で他人と付き合っている。承知できないか、承知できる範囲が狭い人間はどうしても他人と距離が開いてしまう。だから僕は橘さんのそういう考え方をできるだけ理解しようと努めているんだ。仲間としてね。キョン、たぶんそれはキミにも言えることなんじゃないかな』 俺は半分頭を素通りする情報を捉えようと電話機を握り直した。 「俺があの超能力者と一緒にされるのはあまり気分がいいもんじゃねえな」 『キョンが橘さんだと言っているわけではない。キミは橘さんの立場にも僕の立場にもなりうるだろうね。SOS団という団体の中で』 だったら俺は間違いなく佐々木よりのスタンスである。三者三様の理屈と考えを噛み砕いた上で俺の考えというものを構築していかねばならんのだから大変極まりない。さらに俺にはハルヒの理屈と考えまでもがのしかかるのだ。もちろんあいつにはあいつなりの理屈があってその上で理論ができているのだから、黙殺するわけにはいかない。 『だからさ、キョン。SOS団の人員と同じように橘さんにも事情がある。もちろん僕や僕の仲間の未来人、周防九曜さんにもね。個人の理屈や考えという観点から考えるのなら、彼女が連絡先を教えてくれないというのに許せないという感情を抱くのは彼女がかわいそうだ』 しかしそうは言ってもな、佐々木。事実は事実だし義務というものもある。俺にとって橘京子は信用をおけない存在で、SOS団のメンツは仲間なのだ。 『言っておくが、キミにとって橘さんは敵だろうが僕にとっては仲間だ。それに僕からすればキミたちの団体のメンバーは信用のおけない存在かもしれない。キョン、常に条件は対等なんだ』 俺がどう反論を試みようかと思っていると、佐々木は急に声を詰まらせた。次に発せられた声が涙声のように聞こえたのは、さすがに俺の耳がおかしいのだと思う。 『橘さんを信じてやって欲しい。これは橘さんの仲間であって、キミが信用してくれている僕からの願いだ。だからキミは今日、僕に電話をかけたんだろう。……頼むよ、彼女はきっとすぐに現れる。だから彼女を責めないでくれ』 「しかし……じゃあ、お前は完全に橘京子を信用してるんだな。すぐに現れると言い切れるんだな?」 『それは少々語弊があるけどもね。ここで人生論を持ち出すほど僕はえらい人間じゃないが、しかし僕には僕の人生があって、僕は仲間についていくことしかできない人間だ。彼女の思っていることを全部見通せる気はしない。だけれど、僕にはそう信じる義務があるのだと思うよ』 俺は嘆息した。これで俺は佐々木を信用する気になった。橘京子を頼る決心ができちまった。 それからしばらく、佐々木と人生論について語り合った後電話を切った。何となく、これから先も佐々木には到底かないそうにない気がしたね。あいつはとんでもない人間だ。 ついでに古泉にも電話してやろうかと思ったが、突如津波が押し寄せるように睡魔がやって来たのでやめた。携帯電話をしまってから部屋の電気を消すと、部屋には静寂がおとずれた。俺はだるい暑さに抱かれて暗い天井を見ながら、さっきの電話のことをしきりに考えていた。 人の事情を承知できる範囲が狭い奴は、どうしても他人と距離が開いちまう。 橘京子と連絡を取るのが不可能だと思い知った後しばらくして熱が冷めたら、その言葉だけがまだ、いやに熱を持ち続けていると気づいた。ハルヒのことが真っ先に頭に浮かぶのはどうしてだろうね。ハルヒにももちろん事情はあるのだ。あいつにはあいつなりの考えがあるし、それは常に変化している。一年前と同じことを考えているわけもない。どこぞのペットの猫よりも気まぐれに、妙な情にほだされることもある。それがいっそう俺をいらだたせるのだ。 考えるべきは消えてしまった長門と朝比奈さんの謎についてであるべきが、なぜかそのことに頭が取られているうちに眠りに落ちた。
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和氣あず未【わきあずみ】 和久井優【わくいゆう】 分島花音【わけしまかのん】 鷲崎淳一郎【わしざきじゅんいちろう】 鷲崎健【わしざきたけし】 和田京子【わだきょうこ】 和多田美咲【わただみさき】 渡辺ふとし【わたなべふとし】 渡部優衣【わたなべゆい】 和田昌之【わだまさゆき】 渡会一仁【わたらいかずひと】 和地つかさ【わちつかさ】 和氣あず未【わきあずみ】 「セカンドショットアワーインフォメーション」の初代ナビゲーター。「和氣あず未と鈴木絵理のハートフルラジオ!」、「あにトレ! EX ラジオ燃焼系」の元パーソナリティの一人。「野中藍・石川由依のラジオ Operating System」の2代目アシスタントの一人。 愛称はあじゅじゅ。1994年9月8日生まれ。O型。 あず未は本名で長野県の安曇野市からきている(ただし、出身は東京都)。 「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 3rdLIVE シンデレラの舞踏会」には養成所の名誉会長にあたる津川雅彦からフラワースタンドが届いたこともある。 2023年8月10日にゲームを通じて親交のあった相手との結婚を発表した。 和久井優【わくいゆう】 「本気!アニラブ」の7期水曜担当。 愛称はリスナーから募集した「ポットちゃん」(*1)。 字面だけだと男に間違われる。1995年1月24日生まれ。B型。身長166㎝。 劇団ひまわり所属(*2)のアイカツ!声優。Twitterやブログはやっていない。→2018年8月にTwitterアカウント開設。 よく喋り、よく笑い、そしてよく泣く。アニラブのAG-ON初回版はオール新録にも関わらず30分オーバー、最終回では放送開始時点でもう泣いていた。 趣味はクラッシックバレエ、書道、日本武道、ウクレレ(ただし弾けない)。インドア派。 家事にこだわりがあり、兄2人に弟1人家族の影響もあり潔癖症で掃除が大好き。 部屋が汚れる為、アイカツ!初回放送で呼んだくらいで人は普段は呼ばない。クリスマスは一人でパーティーをやる。 家でスパゲティを作ろうとパスタ製麺機を買おうとしたが価格が余りにも高くて買えず、その代わりに手回し式のシュレッダーを購入。生地を入れて麺を作ろうとしたものの詰まってしまい、作れたのは麺3本だけだった。 「三者三葉」で共演した西明日香曰く「今村彩夏ちゃんも変な子だけど、和久井優ちゃんも変な子。今村ちゃんには色々言えるが、劇団ひまわりが怖いので和久井ちゃんにはあんまりツッコめない」 分島花音【わけしまかのん】 「A G ARTIST ZONE THE CATCH」の月曜2代目(2015.07~2016.06)パーソナリティの一人。 シンガーソングライター、チェリスト、イラストレーターで、月曜「THE CATCH」タイトル画面に使用されているイラストも手がけた(*3)。J-POP初のチェロ・ボーカリストと言われている。 超!A G+では2h金曜、「三澤紗千香のreal oneself」などにゲスト出演していたが、月曜ESDの担当終了に伴ない岸田教団 THE明星 ロケッツのichigoと「THE CATCH」月曜を担当することになった。 大人しい喋り方で相方のことをナチュラルにdisるなど、割とトークが特徴的。 三澤紗千香のデビュー曲「ユナイト」(アニメ『アクセル・ワールド』ED)の作詞を担当した。 ミスタードーナツでバイト経験がある。 「THE CATCH」のCM中にichigoと自給自足の話をしてフリートークで、これから資源、何もかもが不足、欠乏する未来を見て農業に着目している。 ichigo「花音、美人だけどポンコツだよね。美人じゃなかったらビンタしてたよ」 鷲崎淳一郎【わしざきじゅんいちろう】 鷲崎健の兄。舞台照明を手がける会社の社長も務めている。 近年は、「ヨルナイト×ヨルナイト」木曜の年最初の放送(1月の初回、年1回)の収録回に必ずゲスト出演し、約1時間にわたって弟とひたすら駄弁るのが恒例となっている。 一般人(業界用語でいう素人)なのだが、弟と丁々発止のトークを繰り広げる高い話術を持ち(仲の良い兄弟なら当然とも言えるが…)、歌も上手い。 鷲崎健【わしざきたけし】 「鷲崎健のヨルナイト×ヨルナイト」のパーソナリティ。「思春期が終わりません!!」「ワシザキスタイル*ヨシオカモード」のパーソナリティの一人。「A G ARTIST ZONE THE CATCH」の金曜4代目、地上波「鷲崎健・白井悠介のRADIO X計画」の元パーソナリティの一人。 過去に「超ラジ!」(金曜)→「A G ARTIST ZONE 2h」金曜(2010.10.08~2015.04.03、番組全期間)→「A G ARTIST ZONE THE CATCH」初代(2015.04.10~2016.04.01)金曜、「えじけん」、「POARO大喜利アワー」、「ソードアート・オンエアー」、「ソードアート・オンエアー2」、「アニキン〜Satellite Radio」、「A G 超RADIO SHOW〜アニスパ!〜(・プラス)」、「ジェンガでナイト!」、「オムニボット ナイト!」などを担当。 ラジオ屋兼、ミュージシャン兼、声優のイベント周りで司会をする人。過去にアニスパで『自分の職業を一言で説明する言葉がない』とリスナーから募集した際には、フリーコメンテーター、ヨイショイスト、せいし(*4)、コバンザメ、イベント整備士、SMAP(*5)、鹿威し、鷲崎健(職業ジャンル名)という案が来たが、全てボツになった。 文化放送に住んでいる説と東中野に住んでいる説がある。 アゴと髭と眼鏡がアイデンティティ。眼鏡は以前は伊達だったが現在は度入り。飛ぶ鳥。痛風持ち。一晩で3000万集める男。 以前は「関智一の税金対策」と自虐していたが現在は「杉田智和の税金対策」と自虐している。 イケメンではない。 あこがれの人(?)はガウォーク。 三澤紗千香の保護者。 喜多村英梨・井口裕香・上坂すみれと、ラジオパーソナリティを見定める眼力に定評がある。 「洲崎西」の殴り合いトークに惚れ込んで収録現場に潜入したところ、目の前でdisりトークの痛烈なパンチを喰らった。 2hからTHE CATCHにリニューアルした際にメールアドレスも変更になったが、「take(アットマーク)joqr.net」となり、文化放送で「タケ」といったら大竹まことではなく鷲崎健ということになった。 歌唱力とギターの腕前、作曲のセンスなどミュージシャンとしての能力は非常に高いのだが、日曜昼(2019.03までは金曜夜)に放送されている地上波の生ワイド「楽器天国〜ガキパラ〜」(「スパカン」の後継番組)のパーソナリティで「めちゃイケ」などでもおなじみの武田真治は外見と楽曲とのギャップに未だに納得していないらしく、「ガキパラ」に出演する度に失礼芸が展開される。 ニコニコ生放送において声優やアニメ関連の番組司会も多く務めており、2009年から開始したMay'nと司会を務める木曜夜の番組(*6)はタイトルを変えながら8年も続いている。番組内でゲストや観客が騒ぐと「うるせぇぞぉ!!!」などとキレたり、初期には番組の途中で茶番芸もあった。 和田京子【わだきょうこ】 「青野菜月と和田京子のらじぽっ!」→「吉野楓と和田京子のらじぽっ!」→「里大哉と和田京子のらじぽっ!」→「こだまと和田京子のらじぽっ!」→「井上奈菜と和田京子のらじぽっ!」→「鍋田雅希と和田京子のらじぽっ!」→「前田佳奈江と和田京子のらじぽっ!」→「永坂有理と和田京子のらじぽっ!」のパーソナリティの一人。「本気!アニラブ」4期月曜パーソナリティ。 A Gアカデミー卒業生。 地味。アニラブでは半年間ジングルで地味と煽られ続け、最終的に地味を受け入れた。 画伯。美術の成績は10であったとのこと。 和多田美咲【わただみさき】 「千本木彩花・和多田美咲・赤尾ひかるのようこそ!グリーンハーベスト」、「ガールズジョッキー・ラジオステークス」の元パーソナリティの一人。 愛称は「わっちゃん」。身長149cm。 赤尾ひかる的には、映画「独裁者と小さな孫」の孫役であるダチ・オルヴェラシュヴィリに似ているらしい。 アイドルと洋服が好き。好物はスイカ。 学生時代は柔道部でマネージャーをしており、白米を10合炊いてカクカクした三角おにぎりを早く大量に握るのが特技になった。YouTubeで「わっちゃん☆寝る」ゲーム実況動画をあげている。 渡辺ふとし【わたなべふとし】 →ふとし 渡部優衣【わたなべゆい】 「れい ゆいの(文化放送)ホームランラジオ!」(*7)のパーソナリティの一人。「楠田亜衣奈・渡部優衣の気分上等↑↑」(*8)の元パーソナリティの一人。 主な愛称は「ゆい㌧」、「Y㌧」、「破壊神」。 松嵜麗からは「阪神(さん)」と呼ばれる。その名の通り阪神タイガースの熱狂的ファンであり、打順を考えたり、番組以外のイベントでも阪神ネタを放つほどである。「気がついたら甲子園にいた」2017年の開幕戦勝利を知るやホムラジ放送中にもかかわらずTwitterで「とらほー」した。 その一方で、通称にあるとおり”破壊神”でもある。冷蔵庫やベッドのような物理破壊はもちろんのこと、ニコ生の配信という電磁的なもの、更にはアイマスライブを襲撃しようとした台風まで破壊したことも。 母親がなかなかに厄介なため、LINEをブロックする。 ホムラジの西武プリンスドーム取材回では、相方の松嵜麗がヤクルトの山田哲人選手へのインタビューでガチガチに緊張しているその横で、こっそり山田選手の匂いをくんかくんかしていた。 2016年5月20日放送のホムラジでは放送中スマホで阪神戦の途中経過ばかり気にしていたが、延長12回に阪神が勝ち越しを許すと撃沈。番組スタッフによって長谷川のび太のワイプ画面で隠されるという「配慮」がなされるもトドメの2失点を取られて完全死亡。挙句、EDでソロデビューアルバム収録曲を初オンエアするとサビで「ファイア♪ファイア♪」(炎上)と流れるミラクルまで起きた。松嵜「今このスタジオはすごい空気になっている、察してね(イケボ)」 アルバムのリリースイベントでは、場所が横浜だったにも関わらず阪神タイガースの球団歌である「六甲おろし」を歌う。そしてアルバムリリース当日はKoboスタ宮城(仙台)でのホムラジのイベントに参加して野球観戦とまったくブレない。 2017年3月10日には日本武道館でミリオンライブの公演が行われるためホムラジには出演しないはずであったが、終演後に武道館から文化放送に直行して番組終盤にブース内に乱入。ライブ直後のハイテンションで、スワローズ談義に花を咲かせていた松嵜とゲストの桃井はるこを呆れさせた。本人曰くWBC(Watanabe Budokan から Come)。 2017年10月14日には甲子園にクライマックスシリーズファーストステージを観戦に行ったところ、試合終了後のニコニコ顔がTigers aiのカメラにバッチリ写った。 身長は高い(167cm)が貧乳。楠田や(当時)同じ事務所の山口立花子と3人で銭湯に行ったときに楠田から「胸を探したけど見つからなかった」「背中が恐竜みたい」と身体について散々弄られ、2016年の七夕の願い事に「おっぱいが大きくなりますように」と書いたほどだった。 2016年8月1日、楠田と同時にJTBエンタテインメントからダンデライオンへ移籍期限ギリギリでの移籍。同日は弟にお子さんが誕生し阪神おばさん伯母になるという思い出深い日となった。 和田昌之【わだまさゆき】 「和田昌之のWADAX Radio」→「和田昌之と長久友紀のWADAX Radio」→「和田昌之と金子有希のWADAX Radio」のパーソナリティの一人。 アニメの企画・プロデュース会社「エクスアーツジャパン」の代表。 渡会一仁【わたらいかずひと】 「鷲崎健のヨルナイト×ヨルナイト」の木曜ディレクター。 言わずと知れた暴力温泉ディレクター。DVとはディレクション&ヴァイオレンスの意。 A Gアカデミー 声優&パーソナリティーコースの主任講師。 ラジオに情熱があり、スタッフやキャストに対してすごく厳しい(伸びしろがある、素質がある人限定)。 今では丸くなり、金曜2h開始3分前までブースに入って鷲崎健と一緒に歌を歌ったりしていたこともあった。 和地つかさ【わちつかさ】 「アクターズゲート きらきら☆トライアングル♬」の元パーソナリティの一人。 A Gアカデミー声優 ラジオパーソナリティコース16期生。 本職はグラビアアイドル。バスト90のHカップという巨乳で、藤田由美子からは「みちち(未知のお乳の略)」と名付けられた。 2016年の正月番組にお色気系ドッキリの仕掛け人として登場、その巨乳ぶりが注目され、最新DVDが一時Amazonランキング1位になるなど話題になった。 かなりの酒豪。
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ハトリ タンサン PROFILE 別名:羽鳥タンサン 1994年生まれ A型 男 年齢:14(A2)⇒15(A3-M1)⇒16(M2) 好き:10thレア イナクト ジンクス 漫画 嫌い:コンボ 特技:逆立ち 所属:府釜中学(A2-M1)⇒府釜高校(M2) ミキオのクラスメイト。 初心者のくせに態度だけはでかく、自分のことをエースだと言っている。 初登場となるSeason2の最後の大会では、京子のカウンターフリーダムの前にシリーズ中最速である1話キッカリで負ける。 台詞 「そうかい…俺を知らない。ならじっくり教えてやるぜ!俺はフリプレでも負け知らずのスペシャル様なんだよーッ!!」 #55 自信満々に言うが、煉を目標に特訓を続けた京子の前にあっけなく散る。 デッキ まだ駆け出しのプレイヤーのため、緑以外のカードは極端にも持っていないため緑中一筋。 ミキオから貰った10thイナクトを愛用しており、デッキは「イナクト単」一択。 好きなカード AEUイナクト(デモカラー)《10th》 AEUイナクト(指揮官機) ジンクスⅢ(コーラサワー機) カティ・マネキン 作者から 最初はガキじゃなくて青年風のキャラだったんですが…なぜかミキオの取り巻きっぽいガキにw モチーフはまぁ、コーラとバルサムを足したようなの。名前は今までにないくらいの即席。正直公旗のように読みで合わせればよかったんだろうけど…炭酸です(汗
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《アリス(085)》 キャラクターカード 使用コスト1/発生コスト2/黄/AP40/DP40 【探偵】/【NEET探偵事務所】 このカードは、イベントカードがプレイされた場合、手札に戻る。 (相手球団だけでなく、太陽と大気の全てがぼくの敵だ。) 神様のメモ帳で登場した黄色・【探偵】【NEET探偵事務所】を持つアリス。 イベントカードがプレイされた時にこのカードをバウンスする効果を持つ。 コスト1でAP・DP40と非常に高いが、イベントカードを使われると手札に戻ってしまうデメリットを持つ。 適当なコンバットトリック1枚で対策されてしまい、こちらのイベントカードにも反応してしまうため、非常に扱いにくい。 《アリス(086)》と比べても、アクティブがないため何もできないままバウンスしてしまう可能性が高い。 後に自分のイベントカードには反応せず、コスト0の《赤座 あかり&歳納 京子(208)》が登場した。 今となっては非常に使いにくいため、このカードにお呼びがかかることはないだろう。 カードイラストは第9話「あの夏の二十一球」のワンシーン。フレーバーはその時のアリスのセリフ。 関連項目 《赤座 あかり&歳納 京子(208)》 《アリス(086)》 収録 神様のメモ帳 01-085 編集
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真っ青な空の下の河川敷で、一人の少年が寝そべりながらカセットを聴いている。 そこへ彼の母が近づいてきた。 「貴史、トラック来たから手伝ってちょうだい!」 貴史はラジカセの電源を切って母の方へ走っていった。 「旦那!この荷物はどこへ?」引越しセンターの男が貴史の父に問いかける。 「じゃぁ、悪いが2階に運んどいてくれ」 「はいよっ!」荷物を運んでいる男は貴史の存在に気づき、声をかけた。 「兄ちゃん、ブレイン好きなのか?」荷物のダンボールからはみ出ているポスターを見て聞いた。 「ええ、まあ・・・。」シャイな貴史はこれだけしか言えなかった。 引越しセンターの男はニヤリと貴史に微笑み、いそいそと荷物を持っていった。 ブレイン・・・、つい最近衝撃的なデビューを果たしたロックバンドだ、彼らに憧れバンドを始める少年も大勢いた。 貴史もブレインのファンだった、しかし彼は今までサッカーに夢中になっていて、音楽のことに関してはなんの知識もなかった。 だから彼は愛用している小さなラジカセでブレインの曲を聴く程度だった。 「ふぅ~、やっと引越しが終わったわね。」夜も更け、荷物を全て運び終わった村上家は一息ついていた。 「貴史、明日から新しい学校だな、友達できるといいな」 父の言葉に貴史は何も返さず、自分の部屋に入っていった。 貴史は決して悪い男ではなかった、運動神経もよく、頭も良かった。 しかし非常に暗かったのだ。だから人と話すことはなく、友達といえる人は一人もいなかった。 貴史はベッドに入ってなにか考え事をしていた。 やがて貴史の視線は引っ越してきて一番最初に貼ったブレインのポスターにいっていた。 翌日、寝坊した。 両親に怒鳴られながら、朝ごはんも食べずに自転車をこいだ。 学校には迷わず着いたものの、間に合わず。 「えー、千葉から転校してきた村上君だ。さぁ、君も挨拶して!」いらいらしながら先生は貴史の背中をポンと叩いた。 「えっと・・・村上貴史です・・・よろしくおねがいします・・・」貴史にはこれだけで精一杯だった。 「じゃぁお前はあそこの席だ」 貴史は先生の指差すほうへ歩いていく。 「さて、ホ-ムルームを始める・・・」貴史が席に着いたのを確認すると、先生はホームルームを始めた。 先生の目を見計らって、貴史を後ろの席の奴がつんつん突いてきた。 「何だよ・・・」 貴史は嫌々振り向くと、ボタンを全部開け、真っ赤なTシャツを着、髪の毛を逆立てた妙に目つきの悪い男がこちらを見ていた。 「やるじゃねぇか、転校初日から遅刻なんてよ」 「いや・・・」貴史は男と校舎の屋上で話していた。 高所恐怖症の貴史はその高さと、この悪い雰囲気を漂わせた男に呼び出されたことでビクビクしていた。 ポンッ!と男は貴史の肩に両手をのせてきた。 ドキドキと貴史の胸が高鳴る。 「・・・・・・」なみだ目で男と見つめ合う貴史。 「気に入ったぜ!お前!」その瞬間に貴史は男の腕から解放された。 「貴史ってったか、俺赤間!赤間大地!」 貴史はだんだんと落ち着きを取り戻し、そっと赤間を見る。 「俺よ~、力と威厳はあるんだけど、友達いなくってさ~、ずっとだれか転校してくんの待ってたのよ! そしたらタカ、お前転校してきたってわけよ!」 彼は力強く腕を組み、青空を見つめながら大きな声で喋っていた。 「タカ・・・?」 「お前なかなか骨のありそ~なやつだからさ!友達になってやんよ!」大地はまた貴史の肩を両腕でしっかりとつかんだ。 「あ、あの・・・赤間さん」 「大地でいいよ!」 「だ、大地・・・さん」 「さんいらない!さんいらない!」 「だ、大地・・・」貴史は苦笑いでそう言った。 放課後、二人は部活を見学していた。赤間も部活に入っていなかったので貴史に付き添った。 まずはサッカー部を見た。 「君、蹴ってみる?」と、キャプテンらしき人が言ったので、貴史は無言でボールを受け取り、サッカーゴールを見た。 するとたまたま立っていたゴールキーパーが貴史に蹴ってみろという合図をしたので、貴史は思い切り蹴ってみた。 するともの凄いスピードでボールはグランドを駆け抜け、みごとにゴールに入れて見せた。 ア然・・・。その場が一斉に静まり返った。 大地もこれには驚いた。 「すげ~じゃね~かタカ!見直したぜ!」 「うぐっ!」貴史は大地に背中を強く叩かれた。 「おい、お前サッカー部は入らないか!?」キャプテンらしき男が言った。 貴史もいいかなと思った、その時、 「だめだめ!俺サッカー嫌いだもん、走るの嫌だもん。悪~なぁキャプテンさんよ」 両手を振りながら大地は貴史とサッカー部の間に入った。 「どけよ!お前なんか誘っちゃいねーよ!俺たちは貴史くんを誘ってんだ!どけよ!」 「どけだぁ~?お前一体誰に向かって言って・・・。」 たちまち取っ組み合いの喧嘩になった。 貴史は止めようと思ったが、無意識のうちにグランドを出て、校門まで来ていた。 「何なんだよあれ、全く、いい迷惑だ」ぶつぶつ言いながら歩いていると、どこからかブレインの曲が流れていた。 「何だろ・・・」貴史は音のするほうへ歩いていった。 校舎の中だった。廊下にブレインの曲が響き渡る中、キーボードの音がブレインとは別に聞こえている。 音のする教室に着いた。 ドアには今にもはがれそうな、セロテープでとめてある紙に汚い字で軽音楽部と書かれていた。 「何だろ・・・。」貴史はドアを開けた。 開けた瞬間にキーボードの音は消え、一人の少年が驚いたようにじっとこちらを見つめている。 数秒の沈黙の中、ブレインの曲だけが静かに流れていた。 「もしかして、新入部員・・・?」 「いや・・・」困った顔で返事をした貴史だったが、視線を横にずらすと目に入ったブレインのポスターを見て、困惑の表情が消えた。 「そっかぁ~、転校生かぁ~、わかるなぁ~。」 「え?」 貴史は二人並んで窓辺に座っていた。 「いや、俺も中学校の時にね。」 「そうだったんだ。」 貴史はなんとなく嬉しい気持ちになった。 「ブレイン好きなの?」 貴史はポスターを見ながら聞いた。 「好きだ何てもんじゃないよ~LoveだぜLove。毎日ここでブレインの曲練習してんだぜ!」彼が自慢気に言う。 「さっきのって、ブレインだったんだ。」 「え、わかんなかった?」 「ちょっとね・・・。」 「あぁ~あっ!」彼は右手で顔を隠し、上を向いた。 「やっぱ無理だよなぁ~、ブレインてさ、人気はあるんだけど楽譜とか売ってないからさぁ、わかんなくって」 「テレビにも出てないよな、ホント、謎のアーティストだよ」貴史が嬉しそうに言うと。 「君も?」 「ああ、毎日聴いてるよ」 「だよなぁ~!」 「どの歌が好き?」 このとき貴史は初めて生き生きと喋っていた。 「誰のファンなのよ?」 滅多に喋らず笑顔も見せない少年が 「え~、マジで??」 心の底からコミュニケーションを楽しんでいた。 「高いな・・・」 貴史はその少年、森守と学校の近くにある楽器店にいた。 「モリ、これでも一番安いのか?」貴史はピカピカ輝いているエレキギターを見つめている。 「ブレインの使ってる種類だろ?ジャガーだとこれくらいはあたりまえだよ」 「そうか・・・」 (ジャガーのギターってあんなに高いんだ・・・)貴史は一人、朝来た道を自転車を引いて歩いていた。 (でも、やっぱブレインはすごいなぁ、どこにでもファンがいるんだ) そんなことを考えながら歩いていた貴史に、一匹の猫が近づいてきた。 貴史は以前、猫を飼っていたことがあったので、猫の前にしゃがんだ。 「お前どこの猫だ?かわいいなあ」貴史が猫を優しくなででいると、後ろから女の声がした。 「チロ!」猫はその声のする方へ一目散にかけていった。 貴史が後ろを振り向くと、同じくらいの女の子がこっちをみていた。 貴史は悪いことをしたのかと思って、すぐに立ち上がった。 「ご、ごめん・・・、かわいい猫だね」 「フランスに?」貴史は出会った女の子、京子と帰り道の河川敷を歩いていた。 「ええ、バレエのプロになるにはすごく近道なの。でも親が許してくれなくて、やっぱり無理なんだって、諦めかけてるんだけどね」 「プロ目指してるんだ、バレエ上手なんだね。」貴史が微笑みかけると、京子は無言で首を横に振った。 「でもさ、諦めることはないと思うよ、夢があるから毎日が楽しいんだし」 「そう思う?そうだよね。私諦めるの早かったね」 「そうだよ、だからもう一度両親にお願いしてみれば?」 「うん!私やってみる!」京子は貴史に微笑みかけると、チロを抱いて走り去っていった。 「頑張って!」貴史はその後姿に言った。 貴史はベッドにもぐっていた。 (あぁ~、お小遣いじゃ足りないしなぁ~、ど~しよっかなぁ~) 感情のままに動いた足が布団を蹴飛ばしていた。 「あ、いけね・・」貴史は布団をなおした。 ふいに視線がブレインのポスターに向けられる。 (夢があるから毎日楽しいか・・・) 「夢ね・・・」貴史は再び布団にもぐりこんだ。 ジジジジジ・・・・!!! し~ん・・・ 目覚ましの音がやっとやみ、貴史は目を覚ました。 「8時かぁ~・・・。」 貴史は昨晩机に座りながら眠ったらしく、起きた瞬間に勉強をしているかのような姿勢になった。 しかし机にひろがっているのはアルバイトに関する広告ばかりだった。 貴史は立ち上がり、何枚か広告を持って家を飛び出していた。 自転車をこぎ、電車に揺られ、長時間歩き、一軒一軒アルバイト先を当たっていた。 帰り道、いつしかの河川敷で貴史は溜息をついていた。 河に向かって投げた小石がピシャピシャと5回ほど跳ねて沈んでいく。そのたびに貴史の心も沈んでいった。 貴史は最後にもう一度小石を投げるとゆっくりと立ち上がり、下を向いてのそのそと歩き出した。 そこへ一台の自転車が現れた。夕刊を積んでいるところを見ると、新聞配達らしい。 貴史は下を向いて歩いていたので、自転車の存在に気づかなかった。 そして不運なことに、自転車側もよそ見をしたり、大声でブレインの歌を歌ったりなどで貴史の存在に気づかなかった。 たちまち激突した。 貴史は軽く飛ばされ、相手は自転車から放り投げられた。 二人は河川敷に向かって、転がり落ちた。 「って~~・・・」二人がそう言う。 「悪~な・・・、ケガはね~か?」新聞配達の男が聞く。 「大丈夫・・・」貴史はそう言いながら滑り落ちてきた自転車に積まれている夕刊をみた。 「新聞配達・・・」 二人は貴史の家とは正反対の方向の大きな大きな坂道を歩いていた。 「でもなぁ、聞いてみるだけだからな、うちは人手足りてんだから」自転車をひきながら新聞男、良が言う。 「頼むよ、どうしてもお金が必要なんだから」 「まさか、カツアゲか?」冗談で言う。 「いや、ちょっと、ほしいものがあって」 「へぇ~、・・・ん?」 貴史と良の足は止まった。 チンピラたちが道をふさぎ、貴史たちを見つめている。 「通行料はらいなよ~。」背の高い男が言った。 「何だぁ?お前ら」良が自転車を止めて前に進んでいく。 貴史はビクビクしながらそれを見ていた。 「払わないの?払わないならシメちゃうぞ」真ん中のパーマがかった男が言った。 「やってみろよ!」良は7人に飛び掛った。 貴史はとっさに逃げようと思ったが、3人ほどの人数に回りこまれた。 「おい!何やってんだ!?」大地が貴史を囲んでいた奴を次々に薙ぎ払っていった。 「大地・・・」 「タカ、何だコイツらは?」 「知らない・・・、急に絡んできたんだ」 「そうか、タカ、一暴れしよ~ぜ!」 「は?」 「聞いてみるだけだからな」3人は新聞社に来ていた、新聞社といっても小さなところだった。 「ああ、頼む」と貴史。 「右、じゃね~や、左に同じ」と貴史の右に立つ大地。 「ふぅ~・・・」良は溜息をつきながら2人を中へ案内した。 「良、遅かったなぁ、また喧嘩か」通りかかった良の先輩が、3人の顔を見て言った。みごとに3人とも腫れ上がっている。 「はは、室長どこっすか?」 「さっき印刷室にいたよ」 「どうもっす」良は軽く一礼すると、「こっちだ」と2人を案内した。 部屋中に印刷機の音が響いていた。 「室長、ちょっとお話が・・・」良は部屋の入り口にいた中年の男に言った。 「ん?」男は3人の醜い顔を見て「う~ん・・・」と唸った。 それから1ヶ月が経った。 貴史、大地は放課後、たった一人の軽音楽部を訪れていた。 「入部届けね、はい、確かに受け取りました」貴史と大地は森に入部届けを手渡しした。 「で、どうする?楽器はここにはないぜ?」 森の言葉に、貴史と大地は顔を合わせ、微笑み、背中からギターを一本ずつ森に見せた。 「ジャガーのギターじゃないか!すごい、しかもブレインのデザインと同じだ!」森は驚いた。 「これで、バンドが組めるね」嬉しそうに貴史が言った。 「うん!」森も大地も笑顔溢れていた。 ガラガラガラッッッ!! その時、勢いよく部屋のドアが開いた。 「遅れました~」良だった、偶然同じ高校だったので、貴史が誘ったのだった。 「良!」 3人は新しいメンバーを加え、早速演奏することにした。 「では行きます、曲はブレインで、ストライクゾーン」良の合図により、演奏が始まった。 ジャンジャン・・・。 ラーラーララー・・・。 しかし貴史と大地はうつむいたまま演奏を始めようとしなかった。 「ストップ、ストーップ」良は森に言うと、2人に駆け寄った。 「ど~しちゃったのよ~、え~?」 「実は俺たち・・・」と貴史。 「弾けないんだ・・・」と大地。 「はぁ~~??」 「いいか?じゃぁ次はE、Eいってみるからな?Emに人差し指足しただけだから、行くぞ?」 良は一生懸命貴史と大地に教え、森は一人離れて自習練に励んでいた。 「はい、次はC~♪」 日もすっかり暮れ、あたりは薄暗くなっていた。 4人は駐輪場で話していた。 「うお~!指が痛ぇ~!!」 「我慢しろ、そ~やってうまくなってくんだ。アコギなんてもっと痛いんだぞ」良が大地の肩をポンと叩いて言った。 「でもやっぱりいいね、大勢で一つのことをやるっていうのは」 「いい気分だな今日は!」 「おれもそう思う、部員が一日で3人も増えちゃったもんね~」 「そっちかー!」大地が笑いながら森をボンボン叩いていた。 その後しばらく喋って、4人は別れた。 「いってきまーす!」貴史は自転車にまたがって母に言った。 「ちょっと貴史!お弁当は!?」 「あ、あ、いってきまーっす!!」貴史は母からお弁当をもらうとすぐに出発した。 「貴史、朝練だって?」ネクタイを締めながら父が言う。 「軽音楽部に入ったらしいけど・・・あの子ちゃんと弾けるのかしらね?」 「生き生きしてていいじゃないか」ネクタイを締めながら父が言う。 「そうね。さてと、洗濯でもしようかしら」 「あ、あの、母さん?ネクタイ締めてほしいんだけど・・・いっちゃった・・・」 「よ~、タカ!」教室に入るなり、大地が貴史に声をかけた。 「おう大地、昨日はギター練習したかよ?」 「いや、昨日は寝ちまってよ、それに夜だと近所迷惑になるしな」 「電気通さなきゃ大丈夫だろ」 「そっか」 二人は荷物を机に置き、用具をしまいながら話していた。そのうち、貴史が机の中になにか入っていることに気づいた。 (手紙・・・?)貴史は読んでみた。 "授業後 屋上で待ってる”これだけだった。 貴史は何事か見当もつかなかったので、手紙のことは大地には黙っておいたが、部活には遅れるとだけ言っておいた。 「只今より、軽音楽部の練習を始めます!」 「は~い!」森の一声に大地と良が返事をする。 「大地、貴史は?」 「何か、遅れるってよ」 「ふーん、じゃぁマンツーマンで特訓だな、大地」 「お、おう」 (ギター弾きて~!)貴史は屋上に立っていた。 「遅いなあ」誰かを待っているかのようなセリフを言ったとたん、ビュッ!と貴史の足元にほうきが飛んできた。 カランカランッ! 貴史は飛んできた方向を見た。 「あっ!」そして驚いた。 「ごめんね~、遅れちってよ・・・あっ!」 「先公にたばこ没収されててよ・・・んっ?」 でてきたのはこの前のチンピラたちだった、彼等が貴史を呼び出したようだ。 しかし何やら様子が変だった。呼び出した本人達が貴史を見て驚いていた。 「お前等、この前の・・・」 「じゃぁもしかして・・・お前が村上貴史か?」 「そうだ、これよこしたのお前たちなんだな?」貴史は例の手紙を見せた。 「その通りだよ貴史くん」 「てめ~、大将の女に手出しやがって!」 「何のことだよ」 「しらばっくれんじゃねぇ!京子ちゃんのことだよ!」 「京子・・・ああ、別に手なんか出してなんかねぇさ!」 「この野郎・・・やっちまえ!」 一番背の高い男、大将の一声で残りのチンピラが貴史を囲み、あっという間に貴史は気を失ってしまった。 「あーっ!違う違う!何回言ったらわかんだよ!それはGだって言ってんだろ?Cを弾けって言ってんだよ!」 「だから、そうじゃないって!人差し指はここだろ!」 「ちゃんと弦押さえろ!音が出てないんだよ!」 大地に対する良の熱心な指導には決して悪気はなかったのだが、ついに大地が反抗した。 「もういいよ!どうせできなくったって死にゃしねーよ!」 「何言ってんだよ!俺たちチームじゃねぇか!お前一人のせいでメチャメチャになっちまうよ!」 良がこう言った後、大地はギターを乱暴に置き、 「あ~そうかい、じゃぁやめてやるよ!モリ!俺は退部するぜ!」 こう言い残すと大地は部屋を後にした。 「はぁ・・・」 「まぁ気を落とすなよ、そのうち戻ってくるって!」森が言った後、大きな足音が近づいてきた。 「ほら、戻ってきた、おかえり~」 「うるせぇ!ギター忘れたんだよ!」大地はギターを持つと、また去っていった。 「全く・・・」 「まぁまぁ」 「だいたい、貴史はどこ行ったんだよ!」 日がどんどん暮れていくにつれて貴史はどんどん眠くなっていた。 顔を血だらけにし、ずっと屋上に寝そべったままだったのだ。 「ちきしょう・・・!」 「結局貴史は来なかったな」 「大地も戻って来なかったしな」良と森の会話の背後で、「ゲホゲホッ!」と咳払いが聞こえた。 「貴史!」良と森は驚き、すぐさま近寄った。 「誰にやられたんだよ!?」 「この間の・・・あのチンピラに・・・」 「ええ?あいつ等、この学校だったのか・・・!野郎ォ!!」良は拳を思い切り握った。 「気にするな、じゃぁまた明日な」そう言うと貴史は良と森の手を振り解き、自転車にまたがった。 「貴史!」良は貴史を大声で呼んだが、貴史に聞こえなかったのか、無視されたのか、貴史は振り向かなかった。 「ただいま・・・」貴史は誰にも聞こえないように小さく言うと、自分の部屋にこもった。 (ちきしょう!)くっと床を睨みつけるが、視線をすぐ上に向ければ、輝かしきブレインがこちらを見て笑っていた。 貴史はブレインをみつめ、無意識にギターを手にした。 ポロロン・・・ ポロロン・・・ 貴史はギターを弾いて、いら立つ気持ちを少しずつ治めていった。 次の日、大地は休んでいた。 貴史は昨日の大地と良の一件を知らないので、風邪かなと思う程度だった。 「では、今から軽音楽部の練習を始めます」 「・・・・・・」森の号令に、貴史はいつもだが、いつも元気の良い良が無言のままだった。 「貴史、ケガ大丈夫?」 「うん、もう大丈夫」 「大地は?」 「休んだ」 「そっか」森は良に視線をやった。 今までに見たことのない、良の沈んだ顔だった。 「リョオ」森の声にやっと気づき、なにやら考えていた良がやっと口を開いた。 「よし、貴史、始めるぞー」良は一人、いつも練習している窓際に向かって歩いていた。 貴史は森と目を合わせ、急いで良についていった。 ポロロン・・・ ポロロン・・・ 「上達したな、貴史」 「昨日朝まで弾いてたんだ、ギターを弾くと、心が落ち着く、嫌なことをみんな忘れられるんだ」 貴史のなにげない言葉に、良は納得した。 「お二人さん~」そこへ森がやってきた。 「お二人はブレインの曲の中で何が一番好き?」 「ストライクゾーン」声を合わせていった。 「だよね~」森は何枚か紙を持ってきていて、それを貴史と良に渡した。 「お、これは!」 「ブレインの、ストライクゾーンの楽譜だ!」 「すげー!こんなものがあったなんて!」 「へへ~、昨日徹夜して作ったんだよ!」 「え!すげーな森!」 「いやいや、良、早速弾いてみてくれ」 「おう!任せとけ!」そういって良は楽譜を譜面台に置いた。 しかし不運なことにそのとき風が吹き、たまたま開いていた窓から楽譜が外へ飛んでいってしまった。 「あー!」 「しまった!」 3人はあわててベランダに出て下を見た。 「あった、あそこだ!」貴史が指を指した。 「すまねぇ!ちょっととってくるわ!」良は急いで部屋を出て行った。 「あったあった」良は楽譜に駆け寄った。 「ん?」楽譜まであと数歩というところまで行ったが、良の視線は変わっていた。 「あいつら・・・!」そう、貴史をやったチンピラグループがいたのだ。 「おい!」次の瞬間、良はグループの大将に蹴りを入れていた。 「いてぇ!」その声を聞いた他のチンピラが良の存在に気づいた。 「てめぇ!何しやがんだ!」 「お前等こそ、俺のダチをよくもやってくれたなぁ!」 「あ、こいつ村上貴史の仲間だぜ!」 「何だって!?」 「このぉ、やりやがったなぁ!みんな、やっちまえ!」ようやく立ち上がった大将が命令する。 激しい喧嘩の音、そして飛び交う大きな声に、2階にいる軽音楽部員の2人が気づき、下を見る。 「リョオ!」貴史と森は急いで下へ下りていった。 「お、貴史くんじゃ~ん、またやられに来たの?」 「大丈夫か?リョオ・・・」貴史は良をかばうように立ち、チンピラたちを睨んだ。 「この野郎・・・!」貴史が飛びかかろうとした時だった。 「まぁ待てよタカ」 「ん?」 大地だった、しかも金属バットを持っている。 「大地!」 「久々に遅刻しちまったぜ」大地は貴史ににっこり笑って見せると、チンピラたちをキッと睨んだ。 「おい、今日んところは見逃してくんね~かな、こっちは部活があるんでよ!」 大地は金属バットを大きく上に上げて見せた。 「そ、そうだな・・」 「また、またなっ・・タカちゃん・・・」 そういうとチンピラたちはビクビクしながら去っていった。 大地はそれを見届けると落ちている楽譜を拾い、良に渡した。 「先生、ギター教えてください」 「大地・・・」良と大地はしっかり握手をし、仲直りをした。 「リョオ、俺なぁ、昨日の夜から今までずっと練習してたんだぜ!練習の成果見てくれよな!」 「お、じゃぁ・・・」良は3人の顔を見て言った。 「じゃぁ合わせてみるか!」 「おー!!」 「おおぉぉぉぉぉ~~~!!スッットッライクッゾォォンッ!!」良の合図で演奏が始まった。 それから何日か過ぎた・・・ ガラガラガラッ!! 「ちーっす」元気よく部室に入ってきたのは良だった。 「おい、もうちょっと、静かに、入ってきたら、ふんっ!ど~なんだよ!」 自分のギターの手入れをしながら大地が言った。 「あれ?モリは?」 「まだ来てない」貴史が良に近づきながら言った。 「ったく、しゃーねー部長さんだぜホント」 良が背中からギターを下ろした時、 「おーい!おーい!」森が大急ぎで入ってきた。 「なんだなんだ?」 「はぁ、はぁ、あのさ、伊賀先生がね、今度の学園祭で、4人で演奏しないかって!」森が息を切らしながら言った。 「おぉー!!俺たちが!?」 「学園祭で!?」 「演奏できんのか!?」 「うん!」 「よっしゃぁぁー!!」4人とも大興奮であるが、そこへ貴史が水をさすように言う。 「でも、伊賀先生って・・・」 「俺たちの担任じゃね~か?」 「そう。貴史たちの担任であり、この軽音楽部の顧問でもあるんだ!」森が貴史と大地に言う。 「この部活、顧問がいたのか!?」すっとんきょんな顔で良が言った。 「まあいいじゃない!学園祭で演奏できるんだからさ!」 「そうだな!顧問なんていてもいなくても同じだもんな!」 「そういうこと言うなよ」 「でもよ、なんかプロになった気分だな!」 「な!ブレインになった気分だぜ!」 「俺たちだけのステージだ・・・!」 「わくわくするなあ!」 それぞれの想いを胸に、貴史たちは早速ステージの内容を決めることにした。 「何演奏する?何歌いたい?」 「おい、それよりチーム名だろ」 「やっぱ俺ブレインの曲がいいな、今までも練習してきたし」 「俺もそう思う」 「待て、チーム名が先だ」 「何曲くらい演奏できるかなあ?」 「えっとね、伊賀先生は2時40分くらいから始めてくれって言ってたよ」 「おいおい!学園祭は3時までだぞ!20分しかねーじゃねぇか!」 「20分でもいいじゃない、俺たちのステージに変わりはないんだからさ」 「おーい!!」 急に立ち上がった大地を3人が注目した。 「M、S、M、A、俺たち4人の苗字をイニシャルにした文字だよ。」 「これを並べ替えてチーム名を作るのか~。」 「なあ大地、チーム名なんか別に後でもいいんじゃねぇか?」 貴史が満足気な大地に言った。 「何言ってんだよお前~、大切なことなんだぞこれは~」 「ム、ムスマ・・・」 「そう読むのか?」 「さあ・・・」 「MAMSだとどうよ?」 「マ、マムス・・・?」 「何だそれ?どういう意味だ?」 「さぁ・・・」 「でもいいんじゃねぇか?マムス」 「うん、いいと思う」 「どこが?」 「俺は何でもいいよ」 「じゃぁ決定だな、俺たちはマムスだ!」 「やっぱ変だぜおい」 その後俺たちが過ごした時間はあっという間に過ぎていった。 どんな格好で演奏するのか? 何を演奏するのか? 曲のつなげ方は? ここのソロがほしい。 みんな真剣に話し合った、もちろん俺もだ。 正直言って、今迄で一番楽しかったかもしれない。 俺にとって赤の他人と過ごす時間がこんなに楽しいと感じられたのは生まれて初めてだった。 ただ一緒にいられればいい、そう思った。 今俺には友達がいる、そして大好きなロックがある。 神様、この人たちとの出会いをありがとう・・・。 「よしわかった、じゃぁ俺はストライクゾーン歌うわ」 「おう、その間に俺たちはパワー溜めてるからさ」 「パワー・・・?」 「うん・・・まあいいや」 楽しそうにステージの構造を練っている良、大地、貴史のそばに森がやって来た。 「ねえ、ちょっと曲作ってみたんだけどさ」 「曲?」森の言葉に、みんな手を止めて駆け寄る。 「俺たちの、オリジナルってわけか?」 「ブレインの曲じゃないんだよな?」 「もちろん!」良と大地の言葉に胸を張って森は言って見せた。 「マムスの曲、"ブレインに憧れて”!」 「はぁ~?」 「ブ、ブレインに憧れてだぁ?」 「何じゃそりゃ?」 「いいか?俺たちが今こうやってるのも全て、俺たちがブレインに憧れてるからなんだぞ? ブレインに憧れてたからこそ俺たちは出会うことができたんじゃないか」 「いや、俺はたまたまタカが前の席に転校してきて、たまたまリョオと出会って、たまたまタカと一緒にギター買ったんだけど・・・」 「俺は河川敷で貴史ひいちまって、んでバイト紹介して・・・」 「とにかく!俺たちがブレインに憧れてることに変わりないじゃないか!俺たちは学園祭でもブレインの曲を主にやるんだからさ!」 「そうだな」 「まあいいや、楽譜ちょうだい」 森が3人に楽譜を配ると、4人は急に静まり返った。 「ランランラン・・・」 「フンフフーン・・・」 「なるほど、いい曲だな、お前すげーよ!」 「タイトルはちょっと変だけどな」 「うん、とても高校生とは思えないよな!」 「へへへ」 「よし、じゃぁ俺サビの部分歌うわ」 「いや、俺が・・・」 「じゃぁ俺が一番歌うよ」 「じゃぁ俺は二番か」 良、大地、貴史は次々に自分のパートをとっていった。 「おいモリ、三番作ってくれ、お前のパートなくなっちまったからよ」という良の言葉に 「いや、俺音痴だから、いい」 「こんな曲作れるってのに、音痴なもんか!なぁ?」 「うん」大地と貴史も音痴を否定する、そこで良は考えた。 「じゃぁこの一番歌ってみろよ」 「わかったよ、そのかわり笑わないでくれよ」 「笑わない笑わない!」 「笑いません」 「よし、俺たち演奏するからよ、頼むぞ・・・」 「おう」 ジャァァァーン・・・ ジャァァァーン・・・ ジャァァァーン・・・ ジャァァァーン・・・ キィィィィィィン・・・ キィッ・・・ キィィィィィィン・・・ キィィィィィィン・・・ トゥリララーン・・・ ガァァァーン・・・ 「あ゛お゛い゛ぞら゛は あ゛ぁ゛っ゛ どごま゛でー づづい゛でい゛る゛の゛がー じろ゛い゛ぐも゛ば~♪」 「こりゃぁひでぇな・・・。」 「わざとっぽいけどな」 「ああ」 「最後まで歌わせてやれ、これで最後かもしれんぞ・・」 「どごま゛でもー!!」 そして本番前日・・・ 「えぇ~、いよいよ明日は本番です。今日は真っ直ぐ帰って、早く寝て、明日のステージを最高に盛り上げましょう!」 部長挨拶として森が一言言うと、4人は円陣を組んだ。 「おい、これは明日でいいんじゃねぇか?」 「いや、雰囲気が雰囲気だ、やっちゃお~ぜ」 「よし・・・・・明日のステージ・・・絶対に成功させるぞォォォォォォ!!!!」 「オラァァァァッ!!!」 (いよいよ明日かぁ~)貴史は胸を躍らせ、帰り道を歩いていた。 そこへ京子の猫がやって来た。 「お~、チロ~!」貴史はチロを抱き上げた。 「久しぶりだな~、元気にしてたかオイ!」貴史がチロを激しく撫でていると、京子がやって来た。 「貴史くん」 「あ、お久しぶりです」 いつしか二人は、この前二人が別れた場所、河川敷辺りを歩いていた。 「あの、京子さん」 「はい?」 「俺、明日学校の学園祭で、ギター弾いて歌うんですよ!」 「え?貴史くんが?」 「はい!」 「すごいね~、ギター弾けるんだあ」 「ええ、まあ・・・あの、見に来ませんか?」 「是非!」 「あ、ありがとうございます!」 貴史にとって、女の子とまともに喋ることは初めてだった。 貴史は高鳴る胸の鼓動を “恋” だとは思わなかったが、とてもいい気分だったことに間違いないだろう。 「貴史ー!ご飯よー!」村上家中に、この声が響き渡るが、貴史の返事はなかった。 何故なら貴史は自分の部屋でギターを弾き鳴らし、振り付けも激しく、大声で歌っていたからだ。 ジャァァーン! ジャァァーン! ジャァァーン! ジャッ! ジャッ! ジャァァーン! ジャァァァァーン!!! ガチャッ! 「貴史ごは・・」 貴史「あ、母さん・・・」 時が止まった・・・。 そして迎えた学園祭当日。 「うぉぉぉぉっ!!スッットッライクッゾォォンッ!!」良の一声でマムスのステージは唸りをあげた! ジャァァーン!! ジャァァーン!! キャァァァー!! 一曲目、成功。 思わず4人とも客ではなく、メンバー一人一人の顔を見ていた。 貴史ももちろんそうだった、そしてメンバーを見終えると次に観客を見た、すると一番後ろの席に京子が座っているのがわかった。 (来てくれたんだ・・・)貴史は嬉しかった。 「二曲目~、オンリーダァーッシュッッ!!」良の合図で二曲目、オンリーダッシュが始まった。 ジャァァーン! ジャァァーン! ジャァァーン! ジャッ! ジャッ! ジャァァーン! ジャァァァァーン!!! キャァァァー!! 「センキュ~ッ!センキュ~ッ!」大地が一声、そして観客席から一斉にアンコールがかかる。 アンコール! アンコール! 「へへっ!アンコールだってよ」良がマイクのスイッチを切って大地に言う。 「俺たちだけのマムスサウンド、聴かせてやるかぁぁぁっ!!」 「行くぜぇぇぇーーー!!俺たちのォー、オリジナルソング!!ブレインにあこが・・・」 「あぁーっっ!!」 その時だった、急に貴史が叫んだのだった。 驚いたあまりに、観客はおろか、同じステージの3人まで静まり返ってしまった。 なぜ貴史が叫んだのか、全員が貴史の視線の先を見た。 それは京子があのチンピラグループに連れ去られているという光景だった。 あちらもこちらの視線に気づき、思い切り走り出した。 思わず貴史まで走り出した、そう、観客を薙ぎ払いながら・・・! マムスサウンドに酔いしれた観客のムードは一気に消え去り、ざわざわとざわめき始めた。 「一体何なんだよなの野郎ォは!?」大地がステージを降りた。 「おい!お前アンコール曲はど~すんだよ!?」良が聞いた。 「ど~するもこ~するも、逃げるっきゃねぇ~だろぉが!」 大地は貴史の走っていった方向へ向かって走り出した。 「ちっ!しゃぁぁねぇぇなぁ、パ~ティ~はお預けだっ!ごきげんよ~!!」 良も観客をなぎ払い、大地を追った。 「あ~、も~、ど~すんだよも~!!」森も走った! 大地、良、森はすっかり貴史を見失ったが、貴史はチンピラたちを追い詰めていた。 場所はあの河川敷だった。 「お前たち、京子さんをどーするつもりだっ!」 「貴史くん!助けて!」京子は大将に腕を捕まれ、自由に動けなくなっていた。 「貴史、お前が俺の京子に手を出したからいけないんだ!」 「出してないって行ってるだろ!」 「じゃぁなんでステージすっぽかしてまで追っかけて来るんだよ!」 「うぅ・・・!」何も言えなかった、それから貴史は何を言われても黙り込んでしまった。 しかししばらくすると、「京子さん!」誰かがやって来た。 やけに背の高い男だった。青色のスーツを着ている。 「京子さん!どうしたんですか!?」考えられないこの光景に、彼はしどろもどろしていた。 「お前、誰だよ!」大将が聞いた。 「俺は京子さんのフィアンセだ!その手を離せ!」 「フィ、フィアンセ?」大将はショックのあまり力が抜け、京子を離してしまった。 「京子!」 「徹さん!」 さっぱりわけがわからなかった、それは貴史にも同じことだった。 (あの大将はもともと、京子さんのなんでもなかったのか・・・?) (じゃぁ俺も京子さんの・・・) 貴史は心の中でそう思った、そかしそれは大将も同じだった。 「お前・・・俺の勘違いだったみたいだな・・・」いつの間にか大将が隣に来ていた。 「だから言っただろ・・・」 二人は京子を見た。 二人の視線に気づいた京子はそっと口を開いた。 「貴史くん、私これからフランスへ行くの・・・、徹さんと一緒に。 貴史くんと大将のおかげで決心がついたのよ、両親も説得できたしね」 (貴史くんと・・・大将・・・?)貴史も大将も同じことを考えていた。 「夢があるから毎日が楽しい・・・その言葉にどれだけ勇気づけられたことか・・・二人とも本当にありがとう!」 (・・・・・まてよ、もしかして・・・俺とこいつは・・・) (同じことを考えてたってことか?) 二人は顔を見合わせた。 「じゃぁ何で京子さんを連れ出したりしたんだよ!?」 「お前が学園祭に託けて京子さんのフランス行きを止めようとしたからだろ!」 「はぁ?なんで俺が止めるんだよォ!」 「お前が京子さんを自分のものにしようとしたからだろ!?」 「なんだと!?との野郎ォ!」 「やめろ!」 「リョオ・・・」いつの間にかそこには良を始めとする3人が来ていた。 「貴史、お前わかったか?」良の一言に、貴史は食って掛かった。 「全くわけわかんねぇよ!」 「ようするにだなぁ、お前と大将は同じことしてたんだよ。 どっちも京子さんが好きで、お互い取りあっこしてたってわけだよ」 「と、取りあっこ?」 「そうだよ。お前はその気がなくたってな、こっちから見りゃ立派な取り合いなんだよ。」 「俺はただ・・・!」 「貴史!お前、恋したことねぇだろ」 「な、何を・・・」 「よぉく覚えとくんだな、それが恋ってやつだ。人は恋をして強くなってくんだ」 そう言うと良は京子と徹に近づいた。 「後は俺たちでなんとかしますから、急いで空港行ってください。まだ間に合うはずですから」 「ああ、悪いね。じゃぁ、行こうか京子」 「・・・・・」 「京子?」 「貴史さん!」 貴史はゆっくりと振り向いた。 「アンコール曲・・・聞き損ねちゃった・・・、聞かせて・・・くれるかな・・・?」 貴史は微笑んだ。
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花房牧生 濱野京子 はやみねかおる
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メガロカード 名前 ランク 属性 MAXレベル 攻 体 コスト 信頼度 技 効果 クマメガロ C メガロ 1 700 2570 3 2 クマッチ UC メガロ 1 920 3150 6 2 女子高生 クマッチ R メガロ 1 1300 4130 11 3 悪魔男爵 クマッチ SR メガロ 1 1750 5300 16 4 左手がうずく クマッチ SPR メガロ 1 2050 6080 21 5 ザリガニメガロ C メガロ 1 850 2310 3 2 ザリー UC メガロ 1 1070 2890 6 2 女子高生 ザリー R メガロ 1 1450 3870 11 3 魔術師 ザリー SR メガロ 1 1900 5040 16 4 宇宙忍者? ザリー SPR メガロ 1 2200 5820 21 5 クジラメガロ C メガロ 1 750 3090 3 2 シロナガ UC メガロ 1 970 3670 6 2 女子高生 シロナガ R メガロ 1 1350 4650 11 3 常敗無勝 シロナガ SR メガロ 1 1800 5820 16 4 AAA級メガロ シロナガ SPR メガロ 1 2100 6600 21 5 アリクイメガロ C メガロ 1 900 2310 3 2 モハメド・クイ UC メガロ 1 1120 2890 6 2 女子高生 モハメド・クイ R メガロ 1 1500 3870 11 3 ヘビー級メガロ モハメド・クイ SR メガロ 1 1950 5040 16 4 無差別級メガロ モハメド・クイ SPR メガロ 1 2250 5820 21 5 ウマメガロ C メガロ 1 850 2440 3 2 ヴァンダレイ・シウマ UC メガロ 1 1070 3020 6 2 女子高生 ヴァンダレイ・シウマ R メガロ 1 1450 4000 11 3 フェザー級 ヴァンダレイ・シウマ SR メガロ 1 1900 5170 16 4 バンタム級 ヴァンダレイ・シウマ SPR メガロ 1 2200 5950 21 5 クラゲメガロ C メガロ 1 750 2700 3 2 クラゲメガロ UC メガロ 1 970 3280 6 2 紫色に腐乱したクラゲメガロ R メガロ 1 1350 4260 11 3 血色の良いクラゲメガロ SR メガロ 1 1800 5430 16 4 変態なクラゲメガロ SPR メガロ 1 2100 6210 21 5 ウサギメガロ C メガロ 1 900 2570 4 2 ウサギメガロ UC メガロ 1 1120 3150 7 2 脇を固めるウサギメガロ R メガロ 1 1500 4130 12 3 ヤンキーに憧れるウサギメガロ SR メガロ 1 1950 5300 18 4 寂しいと死んじゃうウサギメガロ SPR メガロ 1 2250 6080 23 5 シャドウメガロ【ハルナ】 C メガロ 1 960 2010 4 2 シャドウメガロ【ハルナ】 UC メガロ 1 1180 2600 7 2 シャドウメガロ【ハルナ】 R メガロ 1 1560 3600 12 3 シャドウメガロ【ハルナ】 SR メガロ 1 2010 4770 18 4 シャドウメガロ【ハルナ】 SPR メガロ 1 2310 5580 23 5 シャドウメガロ【ユー】 C メガロ 1 910 2270 4 2 シャドウメガロ【ユー】 UC メガロ 1 1130 2870 7 2 シャドウメガロ【ユー】 R メガロ 1 1510 3870 12 3 シャドウメガロ【ユー】 SR メガロ 1 1960 5050 18 4 シャドウメガロ【ユー】 SPR メガロ 1 2260 5860 23 5 シャドウメガロ【セラ】 C メガロ 1 1010 1880 4 2 シャドウメガロ【セラ】 UC メガロ 1 1230 2460 7 2 シャドウメガロ【セラ】 R メガロ 1 1610 3460 12 3 シャドウメガロ【セラ】 SR メガロ 1 2060 4630 18 4 シャドウメガロ【セラ】 SPR メガロ 1 2360 5440 23 5 シャドウメガロ【友紀】 C メガロ 1 710 2660 4 2 シャドウメガロ【友紀】 UC メガロ 1 930 3270 7 2 シャドウメガロ【友紀】 R メガロ 1 1310 4270 12 3 シャドウメガロ【友紀】 SR メガロ 1 1760 5470 18 4 シャドウメガロ【友紀】 SPR メガロ 1 2060 6280 23 5 シャドウメガロ【サラス】 C メガロ 1 1060 2340 5 2 シャドウメガロ【サラス】 UC メガロ 1 1280 2930 8 2 シャドウメガロ【サラス】 R メガロ 1 1660 3930 13 3 シャドウメガロ【サラス】 SR メガロ 1 2110 5110 19 4 シャドウメガロ【サラス】 SPR メガロ 1 2410 5920 24 5 シャドウメガロ【大先生】 C メガロ 1 1010 2600 5 2 シャドウメガロ【大先生】 UC メガロ 1 1230 3200 8 2 シャドウメガロ【大先生】 R メガロ 1 1610 4200 13 3 シャドウメガロ【大先生】 SR メガロ 1 2060 5390 19 4 シャドウメガロ【大先生】 SPR メガロ 1 2360 6200 24 5 シャドウメガロ【歩】 C メガロ 1 930 2280 4 2 シャドウメガロ【歩】 UC メガロ 1 1150 2870 7 2 シャドウメガロ【歩】 R メガロ 1 1530 3870 12 3 シャドウメガロ【歩】 SR メガロ 1 1980 5050 18 4 シャドウメガロ【歩】 SPR メガロ 1 1980 5050 23 5 シャドウメガロ【京子】 C メガロ 1 1130 2220 5 2 シャドウメガロ【京子】 UC メガロ 1 1350 2800 8 2 シャドウメガロ【京子】 R メガロ 1 1730 3800 13 3 シャドウメガロ【京子】 SR メガロ 1 2180 4970 19 4 シャドウメガロ【京子】 SPR メガロ 1 2180 4970 24 5 シャドウメガロ【夜の王】 C メガロ 1 780 2670 4 2 シャドウメガロ【夜の王】 UC メガロ 1 1000 3280 7 2 シャドウメガロ【夜の王】 R メガロ 1 1380 4280 12 3 シャドウメガロ【夜の王】 SR メガロ 1 1830 5470 18 4 シャドウメガロ【夜の王】 SPR メガロ 1 1830 5470 23 5