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登録日:2019/06/09 Sun 20 10 31 更新日:2024/06/23 Sun 19 15 46NEW! 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 おっさんホイホイ アーム筆入 サンスター文具 シンプル ベストセラー ペンケース ポリカーボネイト ロングセラー 丈夫 文具 文房具 昭和時代 最強 筆入れ 筆箱 象が踏んでも壊れない 超耐久 頑丈 アーム筆入とは、サンスター文具が1965年に発売した業界最強の筆入れ(筆箱)である。 (画像出典 サンスター文具ホームページ ,2019/6/9) 概要 上の画像を見ればわかる通り、シンプルなプラボディの箱型筆入。 内部に内蓋が入っており2段構造になっていて、鉛筆なら10本程度収納できる。 ……以上。筆入としての性質はこれだけ。 デザイン面で目新しい点があるわけでも、人気キャラクターとかが描かれているわけでも、収納力に特筆すべきものがあるわけでも、子供が喜びそうな派手なギミックが搭載されているわけでもない。 では、なぜこうして個別項目があり、そしてこれが業界最強と呼ばれているかというと…… 象が踏んでも壊れないから。 象が踏んでも壊れないから。 象が踏んでも壊れないから。 ''象 が 踏 ん で も 壊 れ な い か ら で あ る。'' 今まで、これほど端的、かつキャッチーに「筆入としての耐久性」を表現したキャッチコピーがあっただろうか? CMでは百聞は一見に如かず、ということでか 生きた象を連れてきて本当に筆入を踏ませるが、それでも壊れていないことをアッピールする というインパクト抜群の映像をお茶の間に流していたのだ。 ちなみに耐久力は 1.5トン 。象が片足を乗せた程度なら、たわむぐらいで絶対壊れない。 実は単純に筆入としての性質を見ても、シンプルな分余計な機能が無く使い勝手は上々。 というのも当時は「秘密基地ブーム」なるものに乗って「6面展開」だとか「隠し扉」だとかやたらと凝りに凝ったギミック付きの筆入が主流で、かえって使い勝手が悪いものが多かった。 そこに来て「鉛筆と消しゴムとその他細々したものが入ればOK」という、ある意味割り切ったこのシンプルさは大いに受け、耐久性も相まってサンスター文具のヒット商品となったのだった。 現在ではCMこそ放映されていないものの、いまだ現役で生産・販売されており、ベストセラーにしてロングセラー商品である。 ちなみに筆入との付き合いが始まる小学生は何かと物を壊しがちだが、余裕で6年は使える耐久性の高さもあってか、学校指定の文具になっている地域もあるようだ。 逸話 素材はポリカーボネイト。開発部の人が、暴走族が信号機に石を投げているのに信号機が割れない映像を見て、「あの素材で筆入れを作ったら売れるんじゃないか」と思ったのが始まりらしい。 開発当時、サンスター文具上層部からは 「耐久性が高すぎて買い替え需要が無くなるのではないか」 という懸念まで示された。実際はCMもあってヒット商品になったが。 CM放映当時、とある国会議員から 「象が踏んでも壊れないなんて嘘に決まっている。過剰宣伝をやめろ」 とクレームが来たらしい。しかし実際に(さすがに象は連れて行けないので) 金槌100本と筆入れ100個 を議員の下に持参して耐久力を見せたところ納得してくれて、逆に 「これは必ず売れるからPTAから推薦をもらいなさい」 とアドバイスをしてくれたとのこと。 「壊れない」と宣伝されれば逆に壊したくなるのが小学生男子という生き物。普通に踏みつけるのは序の口で、 床に置いた筆入に机の上から飛び降りて骨折した というアホな事故まで起きたらしい……。 当時は流行ったためパチモノも大量に出回った(当時は商標関係の意識が良くも悪くも緩かった)。 三十二文(ジャイアント馬場の両足)で踏んでも壊れない 筆入とか。が、パチモノはポリカーボネイトの純度が低くすぐに壊れたそうな。それより当時の小学生にはジャイアント馬場と象がほぼ同じ強さと認識されていたことが衝撃だが。 基本小学生用なので、鉛筆以上の太さのものは物理的に入らない。そのため大人が買って使うには少々使い勝手が悪い。ただ、もったいないが中敷きを取ってしまえば物入としては十分使える。 追記・修正は象が踏んでも壊れないパソコンでお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 懐かしすぎる… -- 名無しさん (2019-06-09 20 51 39) ちなみに象の足の裏は凄くやわらかい -- 名無しさん (2019-06-10 01 08 09) 象が踏んでも云々以前に鉛筆を個別にぶっ指す場所があって、キャップ無しの鉛筆がランドセルの中で暴れても芯がほぼ折れることはないという優れたデザイン。極端に大きくなければ三角定規やコンパスも入れられるから冗談抜きにコレ1個で6年以上戦える。 -- 名無しさん (2019-06-10 01 40 01) 国会議員の良きライバル感 -- 名無しさん (2019-06-10 09 13 11) ゾウが踏んだ場合接地面積が大きいのに対し、椅子の脚などだと接地面積が小さいため少ない重量で壊れる場合もある。「壊した」のを武勇伝にしたはいいが親に次買ってもらえない子供がいたというのをどっかで聞いた。 -- 名無しさん (2019-06-10 10 05 35) ジャイアント馬場と象がほぼ同じ強さと認識されていた←えっ、違うの!? -- 名無しさん (2019-06-10 17 38 24) 金槌100個も用意する必要あったのかよw10個もありゃ議員さんも試すのに相応しい一本選べるだろw -- 名無しさん (2019-06-10 18 10 37) ↑2 そりゃわざと壊したんだから、親としては新しいの買う気なくすだろうよ -- 名無しさん (2019-06-10 23 45 24) ↑2デモンストレーションってのは派手で大げさじゃないと意味がないのよ -- 名無しさん (2019-06-11 13 19 18) 確か中敷きないと耐久力ガッツリ落ちるんだっけ -- 名無しさん (2019-06-11 23 02 46) 母ちゃんが「クラスメイトが踏んだら普通に壊れた」と云ってたけど、パチモンやったんやろな -- 名無しさん (2019-06-30 16 30 26) 床に置いた筆入れに机の上から飛び降りて骨折した←ありゃま -- 名無しさん (2021-12-31 17 56 43) 名前 コメント
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原告準備書面(7)全文2007年03月30日その1 http //minaki1.seesaa.net/article/37375160.html 原告準備書面(7)全文2007年03月30日その1 原告準備書面(7)全文2007年03月30日その2 原告準備書面(7)全文2007年03月30日その3 原告準備書面(7)全文2007年03月30日その4 原告準備書面(7)全文2007年03月30日その1 序 はじめに第1 「慶良間列島作戦報告書」と「集団自決命令」について1 資料と被告ら主張の問題点について 2 ①乙35の1、乙35の2「米軍作戦報告書が掲載された沖縄タイムス」について原本ではない二次資料性について 米軍資料の特殊性と情報戦について 3 ②「慶留間島」と「座間味島」 4 ③「命令」について英文和訳の不正確性について 「tell 人 to ~」 の訳の誤りについて 「Japanese soldiers」なる主語について 「山中に隠れ、米軍が上陸してきたときには自決せよと命じた」について 被告ら主張の前提の誤りについて 「Jap」という語について 沖縄タイムス掲載英文の正確な訳について (8)「commit suicide」の記載について 結論 5 座間味村「座間味島」の記載について 2007年03月30日 沖縄集団自決冤罪訴訟第8回口頭弁論原告準備書面 序 はじめに 第1 「慶良間列島作戦報告書」と「集団自決命令」について 1 資料と被告ら主張の問題点について 被告らは、準備書面(7)の第1の1(米軍の「慶良間列島作戦報告書」-「軍の自決命令」の存在)において、①乙35の1、乙35の2の「米軍作戦報告書が掲載された沖縄タイムス」を基に、②本件「座間味島」・「渡嘉敷島」における集団自決、及び③軍の「命令」の存在を主張している。 しかし、以下に詳述するように、「米軍作戦報告書が掲載された沖縄タイムス」の記事(乙35の1、乙35の2)は、いずれも本件における「原告梅澤少佐」ないし「赤松大尉」による「座間味島」ないし「渡嘉敷島」における集団自決「軍命令」の存在を立証するものでは到底ない。むしろ、注意深く読めば、それは、「軍命令」が存在しなかったことを示しているす証拠というべきものである。 2 ①乙35の1、乙35の2「米軍作戦報告書が掲載された沖縄タイムス」について 原本ではない二次資料性について まず、そもそもの問題は、被告らの主張は、沖縄タイムスに一部分が掲載されたのみで、全文でもなく、どのような文脈の中で記載されたかも判らないものを、乙35の2の林教授の見解意見をも混在させた上で議論している点である。 被告らが主張するように、米軍の公文書である「作戦報告書」に記載があるというのならば、まず、そもそも、乙35の2に見られる特定の意見を持つ林教授の見解意見を除いた形で、純粋に文書から、どのようなことが読み取ることが出来るかという作業が必要となるはずである。 しかも、乙35の1、乙35の2に記載の英文は、本件とは関係がない座間味村「慶留間」「げるま」と読む。)島のものであって、肝心の座間味村「座間味島」に関する作戦報告書については、沖縄タイムスの記事(乙35の1)にも、林教授の論説(乙35の2)にも、林教授が訳したとみられる(以下にも述べるが、この翻訳も恣意的であると言わざるを得ない。)訳文の記載しかないのである。 米軍資料の特殊性と情報戦について それをおいても、被告らの主張によると、対象となっているのは米軍の「作戦報告書」ということである。被告らの主張は、米軍資料が全て「正しく」「中立的」に記載されていることが当然の前提となっているが、当時の敵国の、しかも、自らの部隊の戦果を報告する目的(当然、公文書という形で部隊の武勲を公的に表すことで、それは後に軍人としての評価に繋がるものである。)を有する「作戦報告書」が、その文書の性質から、「正しく」「中立的」に記載されているとは、到底言えないのである。そして、米軍は、対日本戦において、極めて情報戦略を重視していたことが今日では明らかになっている。沖縄出身者を含む多くの日系二世(アメリカ人である。)が通訳尋問役として活躍しているのであり、この点においても尋問の結果の記載が「正しく」「中立的」なものとして受け入れることには慎重にならなくてはならない。 当時、アメリカとしては、「正義のアメリカ軍」、「不正義の日本軍」という図式を必要とし、これを情報戦略として利用していたことは忘れてはならない。そのことは、占領統治下において書かれた「鉄の暴風」にも貫徹されている図式である。図式から事実を主張することが、「真実」を如何に見失うかということは、被告らの主張に共通するものである。 また、乙35の1、乙35の2の沖縄タイムスに記載された英文が真実「作戦報告書」ならば、それは軍人により書かれたということであり、当然軍隊の性質、軍隊の命令形式等を踏まえた形で書かれていることになる。その英文を米国軍人により書かれたものという視点からみれば、後述するように、乙35の1、乙35の2の沖縄タイムスの記事は、むしろ、「軍命令」はなかったということを浮き彫りにするものと言うべきである。 3 ②「慶留間島」と「座間味島」 乙35の1、乙35の2の沖縄タイムスの記載、特にその英文の記載は、そもそも、「慶留間島」(げるまとう)のもので、本件とは何ら関係がない。被告らの主張は、乙35の1、乙35の2の沖縄タイムスの記事においては、記載の上からも一応区別されているものを、一緒くたにしている。「慶良間」(けらま)列島(これは、座間味島、渡嘉敷島、慶留間島が含まれる)の中にある「座間味島」、「渡嘉敷島」とは異なる「慶留間島」を混同させるような被告らの主張は、極めて不誠実なものであり、姑息であるといえよう。 正確にいえば、座間味村は、座間味島、慶留間島、阿嘉島を含むものであるが、本件で問題となっているのは座間味村「座間味島」と渡嘉敷村「渡嘉敷島」での集団自決なのである。乙3・11頁からも明らかなように「慶良間島」 (※1)には大下戦隊長が、「阿嘉島」には野田戦隊長が、特攻戦隊長として赴任し、特攻断念後、守備隊長となっていたのであった(尚、慶良間島(※2)でも、阿嘉島でも集団自決は確認されていない。(※3))。 (※1)(※2)どちらも慶留間島が正しく、原告の誤記と思われる。(※3)阿嘉島では集団自決は行われたが手榴弾不発により未遂に終わった。慶留間島では53人(全住民の約半数)が手榴弾などで集団自決している 4 ③「命令」について 英文和訳の不正確性について さて、上記問題点をひとまず置くと、大切なことは、乙35の1、乙35の2の沖縄タイムスの記事に断片的に掲載されている英文のみから、どのようなことが読み取ることが出来るかである。英文を仔細に検討すると、それが「軍命令」を立証するという被告らの主張は、いよいよ怪しくなるばかりである。むしろ、この英文を正確に読めば、慶良間島においても「軍命令」がなかったことを示す証拠と言うべきものとなる。 乙35の1、乙35の2に掲載されている翻訳文は、林教授の訳であるが、極めて恣意的な翻訳となっており、軍命令が存在するとの自己の見解を投影し、英文本来の意味をねじ曲げたものとなっている。 対象の英文原文は、次のようなものである。 「Japanese PW’s consisted of approximately 100 civilians, Two inclosures were established, one for males and one for women and children. Civilians, when interrogated, repeated that Japanese soldiers , on 21 March, had told the civilian population of Germa to hide in the hills and commit suicide when the Americans landed. Interrogation also revealed that Japs had been in much greater strength on the island but had been evacuated to Okinawa in early March.」 この英文につき、林教授は、第1文、第2文のみを取り出し、次のように訳している。 「約百人の民間人をとらえている。二つの収容施設を設置し、一つは男性用、もう一つは女性と子ども用である。尋問された民間人たちは、三月二十一日に、日本兵が、慶留間の島民に対して、山中に隠れ、米軍が上陸してきたときには自決せよと命じたと繰り返し語っている」(乙35の2) そして、林教授は、この自らの翻訳文を基に、「軍命令」の存在を主張しているのである。しかし、林教授による翻訳文は、英文和訳としても大いに不正確なものであった。 「tell 人 to ~」 の訳の誤りについて まず、文法と語彙の問題である。最も肝心な「命じた」と訳している部分である。 「tell 人 to ~」は、「say to 人」若しくは「Do ~」 と言い換えるのが普通であり、乙35の1の見出しのように「軍命」と訳すには、全く不適切な言葉である。 「tell」の訳について、今日最も一般に使用されていると考えられるジーニアス英和辞典をみると、「tell」の「基本義」は、 「情報を言葉で相手に伝える」 であり(甲C8・1957頁)、そこから、「話す;伝える」「知る」という大きな意味が派生し、更に「話す」から「口外する」「言いつける」「・・・しなさいと言う」という意味が派生することになるのである(甲C8・1957頁)。命令の意味合いは、その延長上に派生するものであり、地位の上下を要しない「ask」(頼む) や「require」(要求する) より、強い意味合いがあるとされていることに留意すべきである。 他方、「命令する」という単語を、これも今日一般に使用されていると考えられるジーニアス和英辞典でみると、 「order」、「command」、「direct」、「instruct」 という単語が示されているが(甲C9・1774頁)、「tell」は記載されていない。上位の者が下位の者に言いつけることをいう「命令する」という日本語からは、「tell 人 to ~」は示唆されないのである。 甲C9・1774頁の「direct」の記載において、「order、commandより弱く、instructより強い」(甲C8・550頁「direct」にも「command 、orderほど強い命令ではないが、instructより強い」と同様の説明がされている。)と命令の強弱についても説明がされている。これも言葉の「原義」「基本義」をもってすれば、自ずと分かることである。 「order」の「基本義」は、「順序正しさから生まれた規律」であり、ここから、「規律・秩序」が派生し、更に「命令」(決まりに従うような指示を出すこと)という意味が派生する(甲C8・1375頁)。 「command」の「原義」は、「まったく(com)任せる(mand)→指揮権をゆだねる」である。ここから、「〈権力者が〉〈事を〉命ずる」「〈人に〉・・・するよう命令する(order)」という意味になるのである(甲C8・392頁)。「order」と「command」との関係は、「order」がより一般的な用語であり、「原義」「基本義」からすれば、どちらかというと「command」の方が強い意味を有することになろう(甲C10)。 「direct」の「基本義」は、「ある場所・方向へ直接導く」であり、ここから、「向ける」→「道を教える」、「指導する・監督する」、「指図する」という意味が派生するが(甲C8・550頁)、上記和英辞典で「命令する」という意味を有するとされながらも、英和辞典では、項目としては、「命令する」という意味は挙がっておらず、「指図する」という訳の項目の中の例文で「The policeman directed that the crowd proceeded slowly」を「警官は群衆にゆっくり進むように命令した」と訳しているものがあるだけである(つまり、この「命令」は「指図する」と言い換えることが出来ることを辞書自体が示しているのである。)(甲C8・550頁)。 念のため「instruct」の「原義」は、「上に(in)積む(struct)→積み上げる→築く→教える」と派生し、意味の項目としては、「指示する」「(細かく)指図する」の項目の中にこれらを強調する黒文字にして、強調されない白文字で「命令する」が入っているのである(つまり、この「命令する」は、「指示する」「指図する」と言い換えることができるものである。)(甲C8・1028頁)。 以上からすると、上記和英辞典で「命令する」の意味を有する語を強弱で並べると、 command >order>direct>instruct ということになる。「tell」の「基本義」は、上記に述べたように、 「情報を言葉で相手に伝える」 であるが、これは、上記「direct」の「基本義」である「ある場所・方向へ直接導く」より、更に働き掛ける力は弱い。「原義」からすれば、「instruct」の「教える」に近い。和英辞典において「命令する」という意味で、「tell」「require」「ask」を掲載していない意味は、このことをもってしても分かるはずである。「命令する」を英訳する場合に、多義的でしかも、本来の「基本義」からすれば、「direct」より弱い意味しか有していない「tell」を使用するのは不適切ということになるのである。 つまり、「tell」(「tell 人 to ~」)は、「命令」の広い意味を持ち一般的な語でもある「order」や、上下関係に立ち、権力(権限)のあるものが公式(正式)に命令を下し、服従を予定することが前提となる言葉である「command」(本来の軍命令といえば、これである。)や「order」よりは「命令」の意味は弱く、監督や指示を与える(しかし服従を予期している)語である「direct」という直接「命令」という意味が導かれる語よりは極めて弱く、上下関係にない者同士の強い要求や依頼(「require」「ask」)のニュアンスを有するのである(この点について纏めた辞書としては、甲C10の説明が詳しい)。本件の英文は、軍人によるものであり、この用語の使い分けについても当然理解した上で「tell」を用いているものと考えられる。軍隊の文書というものは、その性質上極めて用語の使い分けには厳しいものだからである。軍人が、民間人に対する「軍命令」(command)は存在しないことが前提で(民間人は、軍の部下ではない。)、より弱い意味で多義的な「tell」を敢えて使用している――「order」でも「direct」でも「instruct」でもなく―― 英文について、「命令」と前後の意味も考えずに訳すのは明らかに間違いというべきものである。 即ち、敢えて「tell 人 to ~」の用法を使用している原文は、軍による自決命令の存在を否定することを示すものというべきなのである。 本件における「tell 人 to ~」は、せいぜい「direct」より更に弱い意味を持つ「instruct」(教える、指図する、指示する)のニュアンスを持つ「しなさいと言った」と訳すのが、その文脈からも英文本来のニュアンスからも正しい翻訳であり、「tell 人 to ~」を、その前後の意味、語自体のニュアンスの違いも考えずに「命令」と訳し、そこから「軍命令」の存在を読み込むことは明らかに誤りである。 「Japanese soldiers」なる主語について 林教授も、この英文の主語が、複数形であることを認めている(乙35の2)。 そのことは、翻訳文で命令とされたものが、特定の命令者による「命令」ではく、複数の「soldiers」によるものであることを示唆している。つまり、ここから直ちに軍による「命令」を読み取ることは出来ない。 「soldiers」という言葉は、それを軍人が使用したとなれば、特別な意味を持つ。「soldier」は、兵士一般を指す一般的な用語であり、士官(将校ともいう)「下士官」も含むものである。この言葉自体が誰と特定して言っている語ではないのである。本件「原告梅澤少佐」なり「赤松大尉」のような特定の将校が「命令」を出したというのであれば、例えば、将校である高級士官の意味を含む「officer」を用いているはずであるが、これらの言葉は使用されていない。翻って考えれば、この英文は、部隊の功績を示す「作戦報告書」である。仮に非道な命令を日本軍の「officer」がしていると確認出来れば、積極的に「officer」と記載しているはずであるが、そう記載されてはいないのである。(※1) この「Japanese soldiers」という主語は、特定もされない一般的な「日本の兵隊達」と訳すのが普通であり、組織的な命令の存在が想定されていたとは到底思えないのである。 【引用者註】(※1)命令伝達者は将校じゃなかったのではないか?確か、慶留間島には将校は中隊長少尉1名だけだから、命令伝達者は将校でなかった可能性は高い 「山中に隠れ、米軍が上陸してきたときには自決せよと命じた」について 林教授による上記翻訳文は、原文自体から考えれば無理があり、そこに軍命令を読み込みたいが余りの恣意的な訳であると言わざるをえない。 まず、「when the Americans landed」は、「to hide in the hills and commit suicide」の「to hide in the hills 」(山に隠れろ)まで係るものと解するのが自然である( 「commit suicide」の前に「to」がないのは、これを一連の状況として理解すべきものであることを示唆している)。ところが、林教授の訳文は、「commit suicide」に「to」が省略されていることを敢えて看過し、「to hide in the hill」と「commit suicide」を分断している。「when ~」が両方に係るとして翻訳すれば、「アメリカ軍が上陸したときは」、「山に隠れ、そして自決しなさい」「と言った(tell)」ということになる。「山に隠れろと命令した」と訳するのは明らかにおかしい。この英文は、「to hide」と「(to)commit suicide」とが共通して「tell 人 to ~」の構文を採っており、「tell 人 to ~」も両者の動詞として共通する意味を持たさなければならないのであるが、林教授は、「tell 人 to ~」に「命令」の意味を持たせたいためだけに、敢えてこの訳文では、「to hide」(隠れろ)を分断させているのである。 仮に、軍による「自決命令」が出ているのであれば、住民に「隠れなさい」と言うことはおかしい。兵士達が、住民に対し、強制的な自決「命令」の遂行を妨げるかのように「山に隠れなさい」と言っていること自体、「軍命令」を否定する証拠というべきである。何故「隠れなさい」と言ったかは、後述するが、占領軍の地元住民に対する非道が、国際法の存在に拘らずよく見られることから、まず自分の命・名誉を守るためにこの対処をアドバイスしたのである。 つまり、訳文としては、「Japanese soldiers」(日本の兵隊達は)は、「アメリカ軍が上陸したときは、山に隠れなさい、(そしていざとなったら)自決しなさいと言っていた。」と訳すのがニュアンス的にも正当である。(※2) 【引用者註】(※2)原告代理人の説を容れて素直に読めば、「アメリカ軍が上陸したら山に隠れ自殺しなさいといわれた」ということになるのだが、それは原告有利なのだろうか? それに、何時の間にか「いざとなったら」というキーワードが密輸入されている。 被告ら主張の前提の誤りについて 被告らの主張、そして乙35の1、乙35の2の沖縄タイムスには、わざとかは知らないが、あたかも占領軍であるアメリカの「善」を当然の前提にしている点が見受けられる。 林教授の意見にも、次のような箇所がある。 「日本の宣伝、つまりアメリカ軍は殺人者であり、男たちは殺し女は強かんすると教え込んでいた宣伝に従ったものであることが、すぐにわかった」(乙35の2) 「米軍に保護された島民たちからは、家族を殺したことを悔い、山に隠れている人たちに本当のことを話して死なずに家に戻るように話したいとはっきりと言う人たちが何人も出てきたということも書かれている。捕虜になることを恥辱と信じ、お国のために殉じようとしていたならば、こういう意識にならなかっただろう。」(乙35の2) 上記林教授の意見には、「日本は、『アメリカ軍は(事実はそうでないのに)殺人者』と嘘の宣伝をしており、実際にも米軍は島民を保護することは当然であった」旨の、正にアメリカの「宣伝」を前提としている点で失当であり、この点を当然の前提とすると、上記日本兵達が島民に何故「山に隠れなさい」と言ったのか、何故「自決しなさい」と言ったのかが見えて来ない。 忘れてはならないのは、占領軍が現地の民間人に対して非道な仕打ちをしていたことは、第二次世界大戦前当時、そしてその後のアメリカ軍、ソ連軍、国民党軍、中国共産党軍、ベトナム戦争の際の韓国軍、人民解放軍のチベット・東トルキスタン侵略の例を持ち出すまでもない。当時のアメリカ軍、イギリス軍の非道についても、歴史的にも否定しがたい事実であることである(この一例が、甲B21の『リンドバーグ日記』に記載された数々の事例である。)。アメリカ軍が上陸する前に、このことを知る軍人一般が、住民に対して(まず)「山に隠れなさい」そして、いざとなったら「自決しなさい」と言ったことは、当時の状況に照らして、非道なものとして非難すべきものではない。アメリカ軍が上陸する前に、その非道を語り、その対処を言うことは、当時の認識としては決して間違ってはいないのである。 アメリカ軍の日本の捕虜、投降者に対する非道は、「リンドバーグ日記」(甲B21)にも記載されている。若干引用しておく。 「わが軍の将兵は日本軍の捕虜や投降者を射殺することしか念頭にない。日本人を動物以下に取扱い、それらの行為が大方から大目に見られていたのである。」(甲B21・532頁)。 「われわれは声を限りに彼らの残虐行為をいちいち数え立てるが、その一方で自らの残虐行為を包み隠し、ただ単なる報復措置として大目にみようとする」(甲B21・533頁)。 著者リンドバーグは、こうも言っている。 「とにかく投降した場合は必ず殺されると考えるようになれば、最後の一兵まで戦い抜くだろう」(甲B21・548頁)。 この言葉は、何故に日本軍が投降を躊躇し、住民に積極的に投降を勧めなかったか、何故に日本軍が客観的には(若しくは後から振り返ってみて)勝ち目のない戦いを続けたのかを考える上で留意すべき視点を提供している。勿論、この裁判は歴史認識を問う場ではない。しかし、「山に隠れて、自殺せよ」という事前の日本兵達のアドバイスが、「日本軍の嘘の宣伝」を基にしたものであるとする被告らの主張に見られる前提は、必ずしも事実に合致しないものであり、俄に承服し難いものであることを指摘しておく。 「Jap」という語について 林教授の翻訳文にない英文の第三文には「Jap」という語が登場する。これが、日本人を侮蔑的軽蔑的差別的に表現する語であることは周知のことである。公文書においても、この表現を使用する当時のアメリカの本質が見受けられるものである。公民権運動が戦後の1950年代後半から始められたこと、当時アメリカ人であったはずの日系人が強制的に収容されたこと等の例をとるまでもなく、当時のアメリカは、極めて人種差別的な側面が強い国家であることを忘れてはならない。 リンドバーグがその日記(甲B21)に記しているように、アメリカ軍には、日本人を「動物以下」のものとする偏見が満ちていたのである。 この面からも、乙35の1、乙35の2の沖縄タイムスに紹介されている「慶良間列島作戦報告書」の内容は、割り引いてみる必要がある。 沖縄タイムス掲載英文の正確な訳について 以上を踏まえて、乙35の1、乙35の2の沖縄タイムスに記載された下記の英文を正確に訳せば、次のとおりとなる。 「Japanese PW’s consisted of approximately 100 civilians, Two inclosures were established, one for males and one for women and children. Civilians, when interrogated, repeated that Japanese soldiers , on 21 March, had told the civilian population of Germa to hide in the hills and commit suicide when the Americans landed. Interrogation also revealed that Japs had been in much greater strength on the island but had been evacuated to Okinawa in early March.」 訳:「日本人の収容所には、おおよそ100人の民間人が含まれていた。二つの収容所が設置され、一つは男性用と女性・子供用である。尋問された時、民間人達は、3月21日に、日本の兵隊達は、慶留間(げるま)の島民に対して、アメリカ軍が上陸したときは、山に隠れなさい、そして、自決しなさいと言った、と繰り返し言っていた。 尋問では、ジャップは、慶留間島ではるかに(恐らく3月始めより前にはとの比較)大きな軍隊を保持していたが、3月始めには沖縄本島に撤退したとも伝えている。」 訳文としては、「to hide」の動詞を訳出する必要がある以上、「tell 人 to~」を「命令」と訳するわけにはいかない。そして、「tell 人 to ~」は、そもそも、「軍命令」の意味は有しない。 「tell 人 to 」の訳は、せいぜい「direct」より更に弱い意味を持つ「instruct」(教える、指示する、指図する)の意味しか有さない「人に~しなさいと言う」の意味である。 「山に隠れなさい」ということは、前述した通り「隠れる」ことで命・名誉を守りなさいという言葉であり、これは「自決命令」の遂行を妨げる言葉である。仮に軍からの「自決命令」が出ているのであれば、兵隊達が「山に隠れなさい」というわけがない。つまり、原文は、「自決命令」が存在しないことを示す証拠である。「commit suicide」の記載を含む第二文は、日本兵が、住民に対して自決を「しなさいと言った」という行為を批判するため、敢えて掲載したものではないかと推測されるのである。 (8)「commit suicide」の記載について 先程も述べたが、この英文は「作戦報告書」である。アメリカ軍の部隊の功績を記載する必要がある。第三文では、3月始めに日本軍が沖縄本島に撤退していたということも記されている。それにも拘らず、当該アメリカ軍部隊としては、日本軍撤退後の慶留間島における部隊の功績を書く必要があるのである。それが、第二文である。 「commit suicide」に関する住民の証言が「作戦報告書」に記載された理由は、キリスト教の宗教的側面を排除して考えることは出来ないと思われる。 「commit」(犯す)とあるように、自殺はキリスト教では大罪である。課せられた神の試練を自ら放棄する強く責められる行為である。恐らく、報告書に記載があるのは、キリスト教的観念を前提に、自殺という神を恐れぬ行為を、民間人に軍人が勧めたというニュアンスが含まれ、これを敢えて記載することで、敵国日本の悪性をアピール出来るものということであろう。キリスト教的観念からは、そもそも、「山に隠れろ」まではいいとしても、「自殺しろ」と他人に言うことは、異常な奇異感を覚えるということになる(奇異感を覚えないとすれば、日本人だからである。)。 自殺、特に切腹行為を理解し難い西洋人に容易に理解出来るように努めた名著がある。言うまでもなく、新渡戸稲造の「武士道」である。新渡戸稲造は、「武士道」において、 「私は自殺の宗教的もしくは道徳的是認を主張するものと解せられたくない。しかしながら名誉を高く重んずる念は、多くの者に対し自己の生命を絶つに十分なる理由を供した。」 と記載している。ここで、新渡戸は、自殺を是認する主張としては受け入れないで欲しい旨記載しているが、日本以外、特にキリスト教圏での自殺観について埋め難い考えの違いを吐露しているのである。 被告らは、軍が出した戦時訓などを引用し、「自殺は強制されなければされない」旨の主張をしているが、そうではないのである。民衆は愚純ではない。根底にあるのは、日本における自殺観とキリスト教圏における自殺観との埋め難い考えの違いである(集団自決を生き残った村民たちの証言を読んでいて感じるのは、誰かに命じられたというより、むしろ皆で一緒に死にたいという心情であり、神への反逆ではなく、世間に背を向けて心中する家族の心理状態に近いものである。)。 恐らく、「部隊報告書」に第二文が記載された意味は、次の理由からである。 慶留間島にはジャップの大きな戦力はなかったが(3月始めに撤退していると書いている。)、(撤退後の)3月21日にも、民間人に軍人が、(キリスト教的正義に反する)「自殺」を指図している(このような慶留間島で、部隊は戦ったのである)。 この第二文は、キリスト教的正義感を持つアメリカ人に、神をも恐れない日本軍の悪性をアピールするものである。 結論 以上から明らかなように、乙35の1、乙35の2の沖縄タイムスの記事は、本件における「軍命令」の存在を立証するものでは到底ない。むしろ、その英文は「軍命令」を否定するものとさえ読めるものである。林教授の和訳については、本件で対象となっていない「慶留間島」(それは「座間味島」でも「渡嘉敷島」でもない。しかも、そこでは、集団自決は報告されていない。)における日本兵達による占領軍の非道という前提事実を踏まえてされた島民に対するアドバイスについて、構文的にも恣意的に解釈されたもので、本件においては何ら意味がないものである。 渡嘉敷島と座間味島で発生した集団自決における「軍命令」の有無が問題となっている本件において、これを証明するものとして、そもそも集団自決が発生してもいない慶良間島において兵隊達が島民に語った言葉(それを命令と翻訳するには大いに疑問がある)を記載した英文を「軍命令」の証拠として提出していること自体、被告らが主張している「軍命令」の根拠が極めて乏しいこと露呈するものであると言わざるを得ない。 5 座間味村「座間味島」の記載について 既に述べたことであるが、本件の対象となる座間味村「座間味島」に関する部分については、乙35の1、乙35の2の沖縄タイムスの記事には、そもそもの英文自体が記載されておらず、林教授の意見を交えた和訳と、事実と意見自体を区別しない論説によっているのであり、そもそも真偽を論じるに適切ではない。 しかし、この沖縄タイムスの記事をよく読むと、林教授自身、座間味村「座間味島」について、「軍命令」はなかったことを自認する意見を記載している。つまり、林教授は、座間味の報告書について、 「明らかに民間人たちは捕らわれないために自決するように指導されていた」 という訳文を記載し、それを基に、 「『集団自決』がおきた直後の時点において、慶留間島では複数の日本兵から米軍上陸時には自決せよと命じられていること、座間味でも島民たちが自決するように指導されていたことが、保護された島民たちの証言で示されている。」(乙35の2) との意見を述べている。 林教授によれば、「慶留間島」は「命令」で、「座間味」は「指導」であったということになる。恐らく「座間味」の原文は、「tell 人 to ~」よりもニュアンスが更に弱い特定の言葉を使っているのであろう。 そして、林教授は更にいう。 「日本軍を中心とする戦時体制が島民の生命を犠牲にしたことがよくわかる。部隊長の特定の命令があったかなかったという命題だけに『集団自決』の議論を限定し、日本軍の名誉回復をはかろうとする企てが、いかに視野の狭い、木を見て森を見ない愚論であるか、米軍資料を読みながら改めて感じた。」(乙35の2) 被告らは、既に、この資料においても論点を恣意的に移そうとしている。 被告らは、「沖縄ノート」が引用した沖縄戦史、「太平洋戦争」が記載する「部隊長の特定の命令」(軍命令)を出したとする非道な元隊長の行為について、非難し続けて来たはずである。 被告らは、当時の戦時体制について非難する前に、事実は事実と認め、誤りは誤りと認め、謝罪し、記載を書き直すことで、非情な軍命令を下したと非難された元隊長の名誉を回復することが先決であろう。言うまでもないが、裁判は、歴史観を議論する場ではない。この裁判では、被告らの著作が「『原告梅澤少佐』、『赤松大尉』が非道な軍命令を出した」と非難したことが、果たして事実に基づくものかどうかが問われているのである。当時の戦時体制や日本軍の沖縄戦についての考察や非難は、別のところでなされる問題である。 index | 次へ
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ナイフエッジ・デスマッチ 解説 8名で送る小規模なシングルトーナメント。なお、 男はいない。 全員後退のネジが外れているため、どんなに殴られても後ろに下がらない。 具体的には、後退できないし、何らかの都合でノックバックする場合も逆方向に書き換えられる。 また、ジャンプしたり浮いたりしたら即座にY座標も0にされる。 意外な技が効果がなかったりと、なかなかおもしろい。 登場人物 + ... 翡翠 琥珀 シオン・エルトナム・アトラシア 弓塚さつき レン 暴走アルクェイド 白レン 有間都古 コメント 名前 コメント マイリスト
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エバーミング エバーミング本文 解説: 2005年度のKCG学園祭こと、11月祭の部誌用として筆。 冒頭の導入部分は高校時代からのストック。 ちなみに、エバーミングとは死化粧のこと。 元々は、遠縁の親戚の葬式から得た感慨を筆に載せた雑記。 それを、同人ゲーム、刻無(熱血屋)や、ミトドケビト(EarthWell)のOPムービーに触発され、文章化したもの。 同項に、福西由香とその祖母に対する雑記(高校3年時の部誌に収録)がある。 当初はもっと普通の、新人死神の初仕事云々、と言った感じのものにするつもりだったものの、終わらない鎮魂歌を歌おう(偽与謝野区役所)と全く同じ構成だったために、泣く泣く凍結。(まぁ、ありがちっちゃあアリガチだしね) 自身、独特の世界観を持つ文章を書くことが多いので、「SFとかサイバーパンクじゃない、普通の世界を舞台にした物語を一作上げたい」と思い、携帯の片隅で少しずつ捏ねていたものを、今回発掘して完結させた、という行。 内容的なものに言及すると、 大源として、俺と彼女は死神ではありません。 俺が死神、死神と連呼しているものの、実際、彼らはただの汎百な幽霊です。 故に、俺と彼女は他の死神物と違って、体系化されたルールや特別な能力を持ちません。 誰が死ぬか、何処で誰が死んだか、というのも、分かりません。 だから、福西由香は自殺するかどうかは“分かりません”。 (支倉智之の項については、彼女の経験。長年死を見ていたので、病気や老衰については、ある程度、現実の医者と同程度には判断出来る) また、誰かを見送ることによる収益も存在しません。 それが、他の死神モノと、これを大きく分ける1ファクターかと。 まぁ、それが今回の脚本で有用か、成功か、と言えば、やはり否フラッグを上げざるを得ないわけなのですがっorz 元来の脚本では、俺が見送られる側でした。 彼女とともに死人を見送るものの、その何も出来ないという無力な自分に嫌気がさして、あの世へと行くという。 それに際して、冒頭で述べられた俺=スプリンターだという設定を活かすつもりで。 書いていくうちに、俺や彼女を活かすより、世界をメインに添えて書いた方が素敵かなぁ、などと思って方向修正。 また、俺が思ったよりヘタレてくれなかったのも要因の一つ。 まぁ、でも、当初の思惑的には乙ったものの、最終的にはウマくまとまったんじゃないかな、と思います。 # 「あ"ぁ?」だけキャラクタとして浮いているのは、初めはそれを言わせたかっただけだから。 正直、全体として見ると合わないなぁ、と思うものの、あの冒頭シーンは普通にお気に入りなので、変えずに突貫。今は後悔している(ぇ # 彼女が見届け人をやってるのは、幽霊である自分がここにいる必要定義のため、そして暇潰しのため。 初めの脚本では、一人で寂しいので仲間を増やしたいと言う彼女の思惑が、俺を見届け人とした発端だった。 # ミトドケビトは、まんまにまんま過ぎるけど、製作中止に対する哀悼も込めて使ってみました。 畜生。物凄く期待してたのに。 # ラストシーン一個前の、分からないが、少なくとも~、の項、分からないが、で切れてたのもいい思い出です。畜生。 「あ"ぁ?」も、縦書きにしたせいでおかしくなったりも――ちくせぅ。 締め切り前にPCが逝くとか、原稿紛失とか色々あったけど、それでも校正はキッチリしようよ、俺。 # お前、せめて最期は幸せな記憶をって言いたいだけちやうのかと。 ……ごめん、ものっそい言いたかった。 でも、そのシーンを端的に現すいい表現だと思ったんだ。 ネタいしね。 参考リンク 偽与謝野区役所 http //www.niseyono.com/ (言わずと知れたFLASHの有名処。素敵) 熱血屋 http //www.nekketuya.com/ (実は、刻無の完全版買ってないのよね。未プレイ。凛と言えば、遠坂よりも、こっちの出水凛の方が数倍好き。メイドおぶじ俺。シャーリーとタメ張ってますお) EarthWell http //mirror.fuzzy2.com/earthwell/ (本家が消えているので、体験版などの置いてあるミラーページ。OP素敵杉。後、音楽は同人ゲームの中で一番好きだなぁ、ココ) とりあえず解説長すぎ。 後、参考リンクに自前の思想入れ過ぎ。 (※この感想はあぜさんに以前送ったものを、手直しもせずにコピペしたものである。さて、エバーミング読みました。感想遅れたのは、感想書くために何度も読み直していたせいです、はい。チャットでファービーだのギズモだのと話していて、集中力が少々欠いた状態で書いているので、おかしなところとかあるかと思います(何やってんの?)。一応何度か見直したのですが、見逃してたりしたらご勘弁を…。あとは批判も自分が出来てないところも、言ってるかもしれません。というか普通に言っちゃってますね(汗)。そこの辺りもご勘弁を…。まずは良いところから…。全体的に話の流れは綺麗にまとまっていて、不自然に感じるところはなくて良かったですね。タイトルも実にセンスが輝いてますね。よく考えてつけておられる。一人称の使い方もしっかりとしており、台詞も誰が話しているのか、しっかりと分かって良かったですよ。人物描写も短く、分かりやすくされておられる(福西由香の分も描写が欲しかったところですが)。最後に一言。続編はないのですか?(ぉ)では良いところもあれば、やはり悪いところもあるという事で…。次は悪いところを(というより私が気になったところを)。「死ってのは、この不均等な世界で唯一平等に訪れるものだ、なんて言われているけど、悼んでもらうだけで、でない人とはまったく違うでしょう?」この台詞で「でない人とは」とありますが、ここは略さずに「そうでない人とは」とはっきり書いて欲しいですね。あるいは、「もらえる人と、もらえない人とでは」と、はっきり比較する二つを持ってくるなどしてはどうでしょうか?全体的に気になったのは、改行をもう少ししてもいいかと思いますよ。文字が改行されずにずらっと並んでいると、読みづらく読むものの気力を削ぎます(私は平気でしたが)。一文ごとに改行ぐらいの気持ちで行なってもいいでしょう。それから長すぎる一文が結構ありますが、これも先程と同じ理由で読みやすくするために、二文に分けるなどするといいでしょう。逆に短い文章で、読点いらないだろうと思う文がちらほら見受けられました。その中で気になった二つがこちら。その1:福西由香は、自殺志願者だという。その2:それは、静かな拷問だった。後者の方は別にあっても良いかなと思いますが、ここは息継ぎさせずにすらっと読ませた方が良いと思ったので。読点について気になる点がもう一つ。つけなくていい場所について、必要な場所についていない文があるかなと。あとは回想?などのシーンでの台詞は『』で囲った方がいいですよ。「」では今話している台詞と間違えたりするので…。さて、人物描写にも触れておきますが、本来なら主人公視点で話が進むので、外見の描写がいるのは死神っ子(すいません。勝手にそう呼ばせてもらってます)と、福西由香のみですが、この話では主人公が最初に死亡しているので、主人公の視点から見た主人公の外見の描写が出来るわけです(ややこしいな…)。折角なんでそういったものも書くと、 名前 コメント すべてのコメントを見る
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朝、起きると、まず体がグラリとした。 なんかおかしいなー、と思った矢先に、頭に痛みがズキズキとあるのに気づいた。 なんかやっぱ変だと思って、ちょうど憂が部屋に来たので、私は体の不調を柔らかく訴えてみた。 急に憂がこの世の終わりみたいな顔をしたかと思うと、マッハで部屋を出て、マッハで手に体温計を持って部屋に戻ってきた。 そんなことはないと否定する私を一喝して、憂は私の体温を測って、体温計の液晶を見て憂が出した答えが、 「今日は学校休みなさい!!」 そんなぁ。 ――――と、いうのが今朝の話。 ……あ、携帯震えてる。メールかな。 只今の時間、午後6時ちょっと過ぎ。平日。学校は、部活……もう終わったのかな。流石に。 ボーッとする視界を振り切り、携帯に手を伸ばす。送り主は澪ちゃんなのに、『軽音部面々より』と、メールの文頭には書いてある。 読んでみると、『今日は学校休んで残念だ』、とか『あんま心配させるなよ』とか、メールに書いてある。 その優しさにポワポワしてると、最後のほうに、何やら意味深な二文が。 『ちなみに、私たち先輩3人で相談した結果、そちらに使いを送ることにした。見舞いには行かないが、明日は学校に来いよ』 見舞いに来てくんないだなんて!!そんな!!裏切られた気分!!ショック!!! りっちゃんの時には来てくれてたじゃん……、とか熱ってる頭でボーッと考えていると、ふと思考を止まらせる。 『使い』って何? そう思った瞬間、その疑問を遮断させるように、部屋のドアがコンコン、と鳴った。 返事をする元気はあまりない。でもとりあえず生きてるよと暗示させるために小さく「あーい……」と返事してみた。 多分憂だろうなー、ごはんかなー。おなかすい…… 「し、失礼します」 「たぁぁぁああぁぁあずにゃああああん!!??」 「うわぁ、なななななんですかーーーー!!??」 なんとなんと、部屋に申し訳なさそうに入ってきたのは愛しのあずにゃんではないですか!! わああすごい。夢かな?夢?痛い?痛くない!! 「ちょ、唯先輩、何自分のほっぺなんてつねってんですか。大丈夫ですか?」 「えっ!?あ、うん!へいきへいき。だいじょーぶだよー」 どうやら無意識のうちにやっちゃってたらしい、確認。 もー、とあずにゃんは怒ってるようだけど、ドアの閉め方はすごく丁寧なところを見ると、あんま怒ってないみたい。 ベッドで横になってる私に近づくと、あずにゃんは、ずい、と持っていた紙袋を目の前に差し出した。 「これ、軽音部のみなさんからです。って、まぁ、今日のティータイムのお菓子なんですけど……」 「お菓子!本当!?わ~今日食べられないって思っててすっごく残念だったんだ~。ありがとうっ」 袋を受け取り中を見る。ケーキ屋さんみたいな入れ物に入ってるから、ケーキかなぁ。まぁ、今は食べる元気なんてないけどね……、残念。 「……唯先輩、ホントに熱あるんですか?なんか、すごい元気ですけど」 「えっ。やだな、ホントだよぅ。ああ~頭が痛い~っ」 「今更ですかっ。……まぁ、唯先輩らしいですね。ふふっ」 猫みたいに笑うあずにゃんは、なんというか、やっぱりかわいい。 おっと、いけない。こんなこと思ってたらまたあずにゃんになんか言われるね、顔に出ちゃうから。危ない危ない。 「でも、その調子だと、あんま悪くなさそうで安心しました。今朝、憂すっごく暗かったんで、なんかすごく大変な状態なのかと」 「憂は大袈裟だからね~。仕方ないよ」 私も、今朝の憂の慌てぶりを思い出し、少し苦笑する。 それを見たあずにゃんが、おんなじように苦笑して、私のそばに座る。 「やっぱ、顔赤いですね、唯先輩」 「え!?そ、そう?」 あずにゃんの顔が近いれす!!ヤバい!!なんで近づけるの!!?うっひょうなんか変なテンションになってきたよう……!! 「熱、何度くらいですか?」 「え?う、う~ん……。39、とか?」 「高っ!!ちょ、大変じゃないですか!!」 えっ、なんか今テキトーに頭に出た数字言っただけなんだけど……。 てゆうか、何度とか、そんなの一回寝たら覚えてないよう……。 「だ、だめです!ちゃんと寝てないと!!ほら、布団ちゃんとかぶって!!」 「うにゃ、あずにゃん、大袈裟だよ~」 「大袈裟なんかじゃないです!唯先輩が、もしいなくなっちゃったりしたら……」 「したら?」 あっ、と小さく呟いて、口元をおさえる。 すると、あずにゃんの顔がみるみる赤くなっていく……、わぁすごい。なんで赤くなってるんだろう。かわいいけど。 「ななな、なんでもないです!!とにかく、寝るんです!!」 「あわわ、分かったって、あずにゃ~ん」 あんまりにも必死に私を寝かそうとするので、仕方なくそれに応じる。 でも、あずにゃんが折角来てくれたのに、ゆっくり寝ちゃうなんて、そんなの勿体ないよね……。 「ところであずにゃん、今日はなんであずにゃんだけなの?」 なので、あずにゃんとお話タイムにすることにします。 「へ?あ、ええと。なんか、他の先輩方が、そのほうがいいって……」 「他って、軽音部の?」 「はい。私は、皆さんとで行ったほうがいいと思ったんですが、なんか、私一人だけのほうが唯先輩が喜ぶって……」 はぁ、なるほど。流石澪ちゃんたち。私の好みを知ってるなぁ。 でもなんか、事を率先して決めたのがムギちゃんなような気もするけど。はて、なぜだろう。風邪で変になっちゃったのかな?私。 まぁ、嬉しいことには変わりないけどねっ。 「で、あのう、先輩……」 「んぅ?なに?」 あずにゃんが改まってもじもじとしながら、言葉を選んでいる。 女の子座りで、手をもじもじとさせるのは、ずるいと思うんだ、あずにゃん。 「わ、私だけで、良かったのでしょうか?」 「ん?なにが?」 「だ、だから、そのぅ。……お見舞い……」 ああ、なんだ、そんなことかぁ。 流石にまだ体がダルいので、手だけあずにゃんのほうに伸ばして、やや下を向いているツインテールな頭の中心部をなでなでしてあげる。 「うん。あずにゃんが来てくれて、あずにゃんとお話しできて、すっごく嬉しいよ」 だってあずにゃんの表情は誰よりも心配そうで、 私がそれほど体調が悪くないと分かると、ものすごく安心した顔をしてくれて、 そんなあずにゃんに、来てほしくなかったなんて、心にもないこと、言える訳がない。言う必要もないしね。 するとあずにゃんは、一瞬驚いたような顔をして、かと思うと、またいつものような、 「はいっ!」 とかわいい笑顔を、私に見せてくれるのでした。 うん、やっぱあずにゃんが来てくれて、よかった。皆に感謝しないとなぁ。 でも、あんまり嬉しいから、やっぱり愛の抱擁をやろうと思ったのに、拒むのはなんでだい、あずにゃん。 あ、私がまだ風邪治ってないからか……。あうう。 「早く風邪治してくださいね、唯先輩」 「あーい……」 「待ってますから」 ん?誰が?何を?……あれ、あずにゃん、どこ行くの?え?憂と話してくる?ああ、そう……。 …………なんであずにゃん、顔赤かったんだろう。風邪うつっちゃたかなぁ。いやいや、ううん……。 ……早く風邪治そう、私。あずにゃんのために、ね。 おわり 唯先輩流石に39は高すぎっす… -- (名無しさん) 2014-08-27 22 46 33 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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トップページ 新聞論評 新聞論評 2009 新聞論評 20091102 This Page 2009年11月02日 締 切 新聞論評 学籍番号1814090 氏名 河本和樹 1.新聞情報 見出し グリー初の2位浮上 発行日 2009年10月28日 新聞社 日本経済新聞、朝刊 面 数 12面 2.要約 SNS3位のグリーが9月末会員数2位のDeNAを上回った。グリーは釣りゲームを中心にCMや街頭広告を積極的に展開。利用料を無料にして釣り具などのアイテムで収益を得る手法で人気を集めた。現在会員数は1512万人である。(99文字) 3.論評 現在SNSの業界はこうなっている第一位ミクシィ1714万人(6月末時点)第二位グリー1512万人(9月末)第三位DeNA1510万人(8月末)といった具合である。グリーは8月末の時点から1カ月で75万人も会員数を伸ばしている。 私は3社とも会員になっているが、最近ではどこも変わらなく思えてきた。どのSNSも現在ではゲームやアプリを無料ででき、課金などをすれば、さらにアイテムなどを変えたりするといった状況である。そのため、今はこの3社は差別化するのが非常に難しくなっていると感じる。ゲームを主体にSNSを展開してきたのは、DeNaのモバゲータウンが最初で、そのあとにグリーが出てきた状況だった。 最近ではミクシィまでも、アプリを展開していき、サービスを広げている。確かに最近はSNSでゲームができることが人気を得ているが、それだからと言ってそれを新しいサービスにするのはどうかと思う。いつの時代もそうだが、差別化は重要である。人気だからといってあやかっていては、成長はそこで止まってしまう。そのため、今後はある分野に特化しているSNSを作り、その特化しているサービスを更に成長させていく必要があるのではないだろうか。 現在SNSはどこも同じものだとユーザに思われているだろ。その結果今後会員数が減っていく恐れがあるため、差別化は必要であると考える。 差別化の例を挙げると、ショッピングに特化したSNSを作ったり、このSNSは「こういった目的を立てて運営しています」という形にし、その目的に関連した機能を追加していく形にした方が良いと感じる。他のSNSで人気の機能があってもその機能をコピーするのは間違いだと考える。サービスを差別化すれば、広告もより独自のSNSに関連した広告を出しやすくなるので。プラスの影響がでるのではないだろうか。(747文字) 4.コメント 論評の部分ですが 現在SNSの業界はこうなっている第一位 ←落ち着いてください。 ゲームやアプリを無料でできて→でき、で良い。 変えたり→買えたり それだからといって→「それ」はいらないと思います。 改行がおかしい部分があります。 強いといった様に→といった風に の方が自然。 これからはそのSNS独自…→これからはSNS独自のサービス でいいと思います。「その」はいらない。 よく見直しましょう。 差別化が難しいという論評で、河本くんは独自のサービスを展開して~という締めくくりになっていますが、河本くんの思う独自のサービスとはなんでしょうか? しかし、独自性のサービスをどんなに謳っても、昔キヌガサというSNSがあり、それは時代を先取りしすぎたかあまりにも異色のSNSだったために、今は廃れているという話を聞きました。 論評で、業界第2位とのことですが、モバゲータウンやグリーを始めとするモバイルに特化したSNSは、今や中高生の出会いの温床となっています。規制はしているものの、規約に違反する人達がたくさん登録し、業界2位に浮上するというものも、大変な皮肉ですよね。 SNSに未来はない。 -- (so-do) 2009-11-02 16 10 28 so-doさん ありがとうございます。修正しました。 現在はある程度SNSは知名度があるので、逆に昔の「キヌガサ」みたいに 独自のSNSの方が人気が出ると思います。 確かにまだ規制を無視して違反している人はたくさんありますね。 個人的にはSNSは出会い系サイトにはなってほしくないですね。 -- (河本和樹) 2009-11-04 00 15 33 so-doさんがあげた修正点で、修正できていない点があります。もう一度確認してください。 ~するのが結構難しく・・・と話し言葉を使っている部分があるので注意しましょう。また、読点の位置が不適切で、言い回しもおかしいところが多々あります。「いつの時代もそうだが・・・」の一文は、たとえば「SNSに限らず、どの企業にとっても差別化を図ることは重要だ。「何でもできるSNS」を目指すのではなく、「ある分野に特化したSNS」を目指し、その強みを訴求していく必要があるのではないだろうか。」のように二文にわけた方が主語と述語がはっきりするので、読んでいる人に伝わりやすいですよ^^ 文章は流れも大事ですが、一文一文が適切かどうかということも大事だと思います。書き切った後、初めて読む人にも理解できるかを考えながら確認しましょう! -- (平岡裕樹) 2009-11-04 01 54 45 DeNAの釣りゲームがグリーの釣りゲームの著作権を侵害しているということで裁判で争う構えのようです。論評にあるとおり、ゲームありきのSNSのはじまりはDeNAですが、釣りゲームを最初に配信したのはグリーだそうですね。「どちらが先に著作権を侵害したか」という論争にもなりそうです。so-doさんのいうとおり、こんなことしていたらSNSに未来はないと思います。配られたパイを奪い合うのではなく、新たに作り出してほしいです。 -- (平岡裕樹) 2009-11-04 02 18 32 ゲームやアプリを無料でできて→でき、で良い。 変えたり→買えたり それだからといって→「それ」はいらないと思います。 改行がおかしい部分があります。 強いといった様に→といった風に の方が自然。 これからはそのSNS独自…→これからはSNS独自のサービス でいいと思います。「その」はいらない。 が修正されていません。どこを修正したのですか。 追加された文章ですが 例えば~いない。となっていますが、例えばを使うなら 例えば~いないだろう。とした方がいいと思います。 2文目が意味不明。 差別化が必要というのは、私たちユーザーの側に立った主張だと思いますが、河本くんの追加した文章だと、SNS運営に広告を打ち出しやすいようにーと運営する側の差別化主張となっています。 今までは、アプリを始めとしたサービス内容で差別化という主張だったのに、いきなり話が飛びすぎだと思います。 一貫性を持った論評をしてください。 平岡裕樹さんが指摘している通り、文章的な言い回しはそちらを参考にしてください。 そして、文頭を一文字あけることや、文字数を書いていないこと、基本的なことができていないでいます。 きちんと確認しましょう。 -- (so-do) 2009-11-04 11 53 56 分かりました修正します。 私に毎回コメントくれるのは ありがたいのですが、他の人にも コメントをしてはどうですか? 私ばかりに、否定や、修正コメントを しているので、悪意を感じる時があります。 -- (河本和樹) 2009-11-05 00 55 24 文頭は一文字空けて書いています。しかし アップしたら、その空きが消えてしまうため、 そうなっているだけです。更に文字数も書いていましたが、 コメントが多く治しているうちにそうなってしまます。 前の論表には文字数はきちんと書いているため、 「文章の基本的なことができていない」言われるのはあまりにも 酷くないでしょうか。 -- (河本和樹) 2009-11-05 01 10 38 名前 コメント すべてのコメントを見る
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2010年6月19日 日本のミステリの海外での出版(主に英訳)について特集した『ミステリマガジン』2007年6月号(早川書房公式サイト)を最近読んだので、その内容紹介。 特集 面白さは国境を越える――ニッポン小説の実力 <特集記事> マーク・シュライバー/Mark Schreiber (高山真由美訳) 「日本ミステリ英訳史――受容から創造へ」(pp.20-23) ジェフ・キングストン/Jeff Kingston (高山真由美訳) 「宮部みゆきに見る現代日本――Shadow Family(『R.P.G』)を読む」(pp.24-26) 川村湊 「村上春樹の"人生"というゲーム」(pp.28-31) 冲方丁 「輸出することは驚きを輸入することである」(pp.32-33) 香山二三郎 「この日本ミステリを輸出せよ!」(pp.34-35) <アンケート> 「海を渡った作家たち」 (pp.36-39) 池井戸潤、大沢在昌、金原ひとみ、北村薫、栗本薫、法月綸太郎、原尞、光原百合 (海外で作品が出版されている作家にアンケート) <インタビュー> 「日本の面白さをアメリカへ――ヴァーティカル社、酒井社長に訊く」(pp.40-45) (2001年に創立、2003年より日本の小説をアメリカで刊行するようになったヴァーティカル社の社長酒井弘樹氏へのインタビュー。インタビュアーはミステリマガジン編集長。) <資料篇> 早川書房編集部編 「ニッポン小説英訳本リスト」(pp.46-50) (現在入手可能なミステリ、現代小説、エンターテインメントを中心にリストアップしたものだとのこと) 「日英対訳で読むニッポン小説」(pp.52-55) (桐野夏生『グロテスク』、東野圭吾『秘密』、横溝正史『犬神家の一族』、北方謙三『棒の哀しみ』、乃南アサ『凍える牙』の原文の一部とその英訳部分を掲載している。) メモ ◆マーク・シュライバー 「日本ミステリ英訳史――受容から創造へ」 1956年、チャールズ・E・タトル社から江戸川乱歩の短編集"Japanese Tales of Mystery and Imagination"出版 1978年、"Ellery Queen s Japanese Golden Dozen The Detective Story World in Japan" 夏樹静子や戸川昌子による小説は10作以上が英訳出版されている。(※2人合わせて、という意味か??) 『Wの悲劇』の英訳時には、著者本人が、日本語版には出てこないアメリカ人女性を主役のひとりとして新たに追加している。 桐野夏生『OUT』は、英語版は約13万部の売り上げ、ドイツ語版は5万7千部以上の売り上げ。 ◆冲方丁 「輸出することは驚きを輸入することである」 小説というのは漫画やアニメ、実写映画と違って、言葉の壁が大きいから海外での出版はそう簡単なことではないよなあと以前から思っていたが、そんな自分の考えがあまりにも狭すぎることに気付かされたのが冲方さんの次のことば。引用箇所最初の二文には感動すら覚えた。 引用(p.33) 「書籍は恵まれた商品である。言語の壁しか問題がない。食肉規制でどれほどの企業が打撃を受けたか。排ガス規制を乗り越えるためにどれほどの投資が必要か。血のにじむ努力で海外販路を形成してきた多数の日本企業の戦いを考えれば、翻訳家を雇うことにどんな苦難があるのか? 自国内でのみ売ることを考えた商品に未来はない。どんな作品にも、何かアピールできる力があるはずである。日本の全出版社が積極的翻訳体勢に入ることを切に念願する。」 この記事に表紙写真が付されているドイツ語版「マルドゥック・スクランブル」はこちら。 http //www.amazon.de/dp/3453521765 http //www.amazon.co.jp/dp/3453521765/ ◆<アンケート> 「海を渡った作家たち」 池井戸潤、大沢在昌、金原ひとみ、北村薫、栗本薫、法月綸太郎、原尞、光原百合 以下の7項目についてアンケートを取っている。 (1) 海外に紹介されたきっかけを教えてください。 (2) 翻訳が刊行された国からの反応はありましたか? (3) ご自身の作品で、海外にアピールすると思う点は? (4) 逆に、理解されるのが難しいと思う点は? (5) 翻訳のチェックはしましたか? (6) 出来あがった本を見た感想は? (7) 今後、海外の市場を意識して作品を書きますか? (2)は、やはり把握していらっしゃらない作家さんが多いようだった。翻訳の契約が済んだらそれで終わりではなく、出版社の方でその後の売れ行きや現地での感想なども作者にフィードバック出来たらいいのになあと思う。 ◆<インタビュー> 「日本の面白さをアメリカへ――ヴァーティカル社、酒井社長に訊く」 Vertical公式サイト: http //www.vertical-inc.com/ 創刊時の作品は『グイン・サーガ』や『リング』など。 部数は、一番少なかった時で5000部、多かったので初版20000部。 英訳が10万部を越えたミステリ作家は桐野夏生のみ。 北方謙三作品はわりと評価が高い。 「一度英語版がつくられることによって、販路が世界に広がっていくんですね。〈グイン・サーガ〉は英語版からドイツ語訳されたものが出て、ドイツでけっこう売れているようです。」(p.45) 「いい英語の版ができれば、確実に世界にもっと出ていくという道筋がビジネス・モデルの中で出はじめています。」(p.45) ◆早川書房編集部編 「ニッポン小説英訳本リスト」 「作品は、現在入手可能なミステリ、現代小説、エンターテインメントを中心にリストアップした。」(p.46)とのこと。 ミステリ作家に限らず、エンターテインメントなどを含む日本の小説家の英訳作品リスト。作家名ABC順に挙げられている。 リストで挙げられている作家名は以下の通り(元のリストでは分けられていないが、便宜的にミステリ作家・作品とそれ以外を分けて示す。もちろん、厳密に分けられるものではない) あ行 内田康夫 1冊、江戸川乱歩 2冊、大沢在昌 1冊、奥田英朗 1冊 か行 貴志祐介 1冊、北方謙三 3冊、桐野夏生 2冊 さ行 佐々木譲 1冊※、島田荘司 1冊、鈴木光司 6冊、瀬名秀明 1冊 た行 高木彬光 3冊、戸川昌子 4冊 な行 夏樹静子 5冊、西村京太郎 1冊、乃南アサ 1冊 は行 東野圭吾 1冊、船戸与一 1冊※ ま行 松本清張 3冊、宮部みゆき 3冊 や行 横溝正史 1冊 あ行 赤坂真理 1冊、池澤夏樹 2冊、江國香織 1冊、奥泉光 1冊(石の来歴)、小野不由美 1冊(月の影 影の海) か行 金原ひとみ 2冊、菊地秀行 6冊、栗本薫 3冊(豹頭の仮面、荒野の戦士、ノスフェラスの戦い) さ行 桜井亜美 1冊、塩野七生 3冊、妹尾河童 1冊 た行 高千穂遙 1冊、高橋源一郎 1冊、田口ランディ 1冊、多和田葉子 1冊、筒井康隆 2冊(家族八景、ポルノ惑星のサルモネラ人間) は行 灰谷健次郎 1冊 ま行 村上春樹 13冊、村上龍 4冊、森岡浩之 3冊 や行 山田詠美 2冊、山田太一 1冊、よしもとばなな 7冊 「※印」をつけた2冊については、2週間前にamazon.comを見ながら自分で作った「英訳された日本の推理小説/ミステリ」リストから漏れていたので、この『ミステリマガジン』のリストを見た後に追加させていただいた。 なお、『ミステリマガジン』のこの特集については、taipeimonochromeさんが発売当時(2007年4月)にブログで記事を書いていらっしゃいます。 http //blog.taipeimonochrome.ddo.jp/index.php?m=20070427 「日本ミステリの海外刊行」へ戻る
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407 ruuj ruuj 四〇七年 ルージュの月 ルージュの日 メル暦という暦が使われている。ルージュの月ルージュの日は、グレゴリオ暦の11月13日頃に当たる。 tu et durne e 5 sel iten lamsae bezet l at alagel im xelt e ruuj, xel nainan sein mix lexn t alklax i seelarna t arbazard le landir melsel, ke atu taxel. 元日を待ち望むアルバザードの中央アルナ市から救難信号を受けて警官たちがそこへ急行したのは、ルージュの月に舞い降りた、例年よりも早い初雪の日から五日が経った夜のことである。 形式主語構文が使われている。tuは意味のない形式主語(仮主語)で、真主語はxel以下。 「tu et durne...」は「tu et im durne...」と考えてよい。 メル暦の元日はグレゴリオ暦の12月1日頃に当たり、この日は元日まで残り半月ほどである。 二つ目のツンク(,)は、重文(「~して、…する」)を作るツンク。ここでは「nainan~melsel」と「ke atu taxel」を重文化している。 日本語の小説の地の文は基本的に過去形(タ形)で書かれるが、アルカの小説の地の文は基本的に現在形で書かれ、過去形が使われるのは地の文の時点よりも前の時点のことを述べるときである。したがって、現在形で書かれていても、和訳の際には過去形(タ形)に訳すことがある。ただし、本サイトでは、臨場感を出すために現在形で和訳した方がよいと思われる箇所では、敢えて現在形(ル形)に訳している。 【補足】etは主題も表せるので「tu et durne...」でも文法的に誤りではないが、かなり稀な用法であり、著者も「tu et im durne...」とした方がよかったかもしれないと述べている。 くだんのetですが、アルカには珍しい主題の用法です。 おっしゃるとおり、tu et im durneとしても構いません。 というか、今考えるとそっちのほうが良かったかもしれません。 冒頭なので詩的な表現に走らせすぎました。 (著者からfarasへのメール, 2012/05/22) luus ke atu kont lo tio vei felan tovat xok maldel. 学生が騒いで喧嘩しただけだろう、彼らはそう思いつつもそこへ向かった。 tioはloに係っているとも、文頭純詞として後続する節全体に係っているとも解釈できる(純詞はこのように文中に挿入されることもある)。 xokは「互い」という意味の名詞。「vei felan tovat xok」を直訳すれば「数人の学生が互いに喧嘩した」ということ。 maldelは、mald(yulを騒がせる)の動副詞。現在の文法では主格動副詞「maldanel」あるいは再帰動副詞「maldastel」とするのが厳密には正しいが、当時は動副詞が基本的に一種類(-el)しかなく、意味は文脈で補っていた。ここでは「騒いで」の意味。 【補足】この文のtioについては著者曰く「動詞loにかかりますが、純詞の挿入ということで実際には節全体にかかるとみなすこともできます」(著者からfarasへのメール, 2012/05/28)。しかし、p.28の「yuna lo, tio sol tyu stas fan asiz e」などを見るに、tioは後続する節に係る文頭純詞で、loとは修飾被修飾の関係にないと考えるのが自然に思われる。 son luus na vem, ku vil em fi ka xe felez. それゆえ彼らは怯えて、とある教室で何も言えなくなってしまった。 「ku vil em」は、kuに二つの法副詞vil(~できない)とem(~するようになる)が付いている。 omi e felez es rig vamel. 教室の戸が乱暴に破壊されていた。 rig(yulを壊す)の前にes(継続相の繋辞)が付いて、rigを自動詞化している。直訳すれば「教室の戸が乱暴に壊れている」。 yan elen sein es lufabad al aks. そして机が床に散乱していた。 fok tu aks til eri hanel. しかもその床には血が一面に広がっていた。 直訳すれば「しかもその床は、広く血を持っていた」。つまり、広い範囲に血があったということ。 taik xe felan vortes ka lat e felez kont eri es ekx i jam. 更には、ある学生が教室の入口で胸から血を流して死んでいた。 yan frem tu, xa sol vortmain alt le tan sabes fels. そしてその近くには、やはり制服を着たもう一つの死体があった。 倒置文。主語がsol以下、述語動詞がxa、目的語がfrem tu。 fremは格詞「~の近くに」。 tanを含む4つの副詞(tan, hot, as, tis)は、格詞や接続詞の後に置かれると、後続する節全体に係る。ここでは「やはり」と訳出した。 im tu durne, nainan sein alkik 1 felan del falsan ilia. その夜、警官たちは唯一生き延びた一人の生徒を救助した。 delは同格句を導く接続詞。ここでは「1 felan」と「falsan ilia」が同格。直訳すれば「唯一の生き残りである一人の生徒」。 falsanはfals(~を生き延びる)の主格分詞(名詞用法)で、「生き延びた者」の意。 tal lu allfis, ku yuu pefel a nainan. しかし、彼女は廃人化しており、一言として警官に言葉を返すことはなかった。 lfisやallfisは、無標でそれぞれ「生きている」,「廃人化している」という経過相を表す。 「ku ~ pefel」は「返して~と言う」の意味の頻出表現。「~と言葉を返す」や「~と返す」と訳すことが多い。 「yuu」は零の代詞と呼ばれるもので、英語の「nothing」や「nobody」に相当する。 taik lu ov vil minj tis. その上、小指すら動かすことができなかった。 「小指しか動かせない」とするのは誤訳。「小指しか」ならばtisではなくhotが用いられる。 mon lu lfis, tal si kolo mon yun leeves atolas. 生きてはいるが、まるでこの世を去ってしまっているかのように、意識は不明瞭だ。 「mon ~, tal …」は「確かに~だが…」というときの定型表現。 yunは格詞「~であるかのようだ」で、副詞節を導いている。直訳すれば「アトラスを去ってしまったかのように、はっきりとした意識を持っていない」。 「leev atolas(アトラスを去る)」は「死ぬ」の婉曲表現。アトラスは地球に相当する惑星で、作品の舞台アルバザードはこの星にある国の一つであり、アルカはこの星の国際共通語である。 3 felan xa pot felez, xel felan le vortes ka lat, les allfis, fok les vortes frem falsan ilia. 教室の中には三人の生徒がいた。入り口で死んでいた生徒と、廃人化している彼女、それとその唯一の生存者の傍で死んでいた生徒。 xel以下は主語「3 felan」の同格句。一文で訳すと主語が長すぎるため、ここでは二文に分けて訳した。 lesは先行詞を内包した関係詞(品詞は接続詞)。英語で「what I need(私が必要としているもの)」というときなどのwhatと同様に使われるが、無生物にしか使えないwhatに対し、lesは生物にも使うことができる。 ala to at sod a luus 3 felan sei.... 一体何がその三人の生徒に起こったのだろうか…… alaは疑問詞とともに用いられる文頭純詞。答えを求めず、相手や事態について非難、糾弾する文を作る。 「luus」と「3」はともにfelanに係っている。 seiは不確実な意志や推量を表すときに用いられる文末純詞。
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今では誰も触らないピアノ。こいつを弾けるのは僕とお姉さんだけ。 僕も昔習っていたけど、やめた。弾くたびに死んだお姉さんを思い出してしまうから。 でも、久しぶりに弾いてみようかな・・・? 『ドー』 低くも高くもない音が響く。僕だけにしか聴こえないように静かに響く。 けど、少し音が悪いかな・・・。やっぱ何年も放置していたからかな。 皆、ピアノしか弾けないお姉さんを思いだしたくなかったんだね。きっと。 そして後片付け。寝ている家族に聞こえないようにゆっくりと。 どうか起きませんように・・・。 自分の部屋に戻り、携帯の待ち受け画面を開く。たまにメールが入っているときがあるからだ。 「今日は入ってないね・・・。よかった・・・」 僕は携帯を左手に、大きなため息をついた。 過去にメールの相手をしていて朝を迎えた事があったからだ。 ようやく寝れると思えば着信。そしてまた着信。この繰り返し。 僕の返信文は約五文。けど、あいつの返信文は約二文。たまに顔文字だけで帰ってくることもある。 『チャ チャラチャラチャラ チャ チャ』 携帯をたたもうとした時だった。弟がまた勝手に設定したのであろう『笑点』のテーマ曲が流れる。 メールの受信音だ。 慌てて受信したメールを開く。そのメールの送信者は他ならぬ、例のあいつからだった。 『いよぅ! モララー君! 今夜メールの相手してくれないか?』 勘弁してくれ。僕は即座にそう思った。 まだ馴染んでいない携帯を片手に、あたふたと返信メールを打つ。 『一分以内に理由を百字以上で述べてくれたら相手してやる。出来るかい? ギコ君』 小さくため息をついて携帯をたたもうとした時だった。 再びあの受信音が、部屋に鳴り響く。 「どんだけ早いんだよ・・・。あいつには他人を思いやる気持ちがないのかよ」 そう呟きながらも、メールを開く。 驚いた。 『…』が十一個。そして最後に『馬鹿』と。 お前に言われたくねえよ。 そう思いながら返信メールを打つ自分がいた。 「モララー、起きなさい。モララー」 暗闇の中、母の声が聞こえた。 しかし、優しいその声が鬼と化すのは、時間の問題だろう。 「モララー! いつまで寝ているつもりなの!? 今何時だと思ってるの!」 突然聞こえた罵声に、僕は飛び起きた。 そして時計に眼を向ける。 『八時十五分』 なんだ、授業が始まるまで後四十五分もあるじゃないか。 朝の会が始まるのも後十分もある。まだまだ時間があるじゃないか。 飛び起きた体は、再び布団の中に倒れる。 慌てて損した。 「大丈夫、大丈夫・・・。まだまだ時間があるから」 小さく舌打ちが聞こえてきた。 怒るとしわ、増えますぜ。 「何言ってんの!? 学校まで十五分かかるのよ!」 学校まで・・・? そうか、ここは学校じゃないのか。 まぁ、そうだな。参観日以外、学校に親が居るわけないし。 と、言うことは、ここは家らしい。 「やべぇっ!」 手に力を入れる。けど、うまく力が入らない。 その手には携帯があった。待ち受け画面がメールの着信を知らせている。 ・・・そんなのどうでも良い! 慌てて、開いたままの鞄にかけよる。嬉しい事に準備は整っていた。 「ラッキィ」 なるべく小さく、母に聞こえないように呟く。 「ほら、早く!」 けど、聞こえてしまったようだ。なんて地獄耳。 玄関でなんとか靴を履く。 急いでるときに限って、なかなか履けないんだ。 ノブに手をかけたとき、母が静かに僕を呼び止めた。 「何?」 反射的に問いかける。 静かに母は、僕にマスクを差し出す。 「ほら、貴方は肺が弱いでしょう。それに外は空気がすごく汚れているから・・・」 母が差し出したマスクがまだ、風邪のときに使う普通のマスクでよかったと思った。 「いってきます!」 ドアが閉まる。 どこからか。いってらっしゃい、と声が聞こえた。 「よう! 今日も相変わらず遅いな、モララー君」 「五月蠅い。それと、『も』は余計だ」 教室に入ったとたん、ギコが声をかけてくれた。 僕はあまり目立たないせいか、友達は勿論、会話をする人すら少ない。 だから、こうして声をかけてくれるギコに感謝している。 ……照れくさいので口には出さないけど。 「でよ、昨日はごめんな」 ギコのその言葉に耳を疑った。 昨日、ギコは僕に謝るようなことをしただろうか。 「どうして?」 即レスで聞き返した僕にギコは頬を赤めて言う。 「いや、昨日のメールのことでさ、途中で寝ちまってよ。……だから返信できなかった・・・」 そんな深刻そうに誤られても、こっちが困るんですけど・・・。 「ううん、気にしてないよ。同じくらいに僕も寝ちゃったし」 これは嘘ではない。 どちらにしろ、互いに仕方がないと思う。 メールが途切れたのは午前二時ごろ。どんなに寝るのが遅い人でももう寝ていると思う。 僕はギコと高らかに笑いながら自分の席に着く。 「話し変わるけど、いい加減マスクとったら?」 口元に何か違和感があるなと思っていたらマスクか。 「ありがとう、でも取らないよ」 僕は皆と違って肺が弱いから。 すぐに「ぜんそく」とか起こすし。 外の空気、周りの環境には人一倍、敏感なんだ。 「・・・今日の体育、また休むのか」 うん。ギコに分かるよう大きく頷いた。 僕だって外を走り回りたいさ。皆と一緒に体育受けたいさ。 でも・・・無理なんだ。 「でもね、その代わりに音楽は頑張っちゃうんだから!」 ギコは、にっこり笑って頷いてくれた。 とうとう体育の時間がやってきた。お腹がきりきり痛くなってくる。 そこに、モナーとガナーがやってきた。 「よう、ヘボモララー。今日も体育休むモナか?」 「うっわぁ、ズルイわねぇ」 二人はからかいの眼で僕を見つめてくる。僕は目線をそらすことしかできなかった。 そして、皮肉げに笑いながら、教室を出て行った。 全く感じの悪い兄妹だ。 「モララー!」 ギコの声だ。 「どうしたの? ギコ?」 作り笑いを見せた。どうしてここで君が出てくるの、そう思いながら返事を返した。 ギコはしばらく間をおいて言う。いつもより潤った眼で。 「お前……。どうして言い返さないんだよ」 もしかして、僕の心配をしているのか? いや、そんなわけないか。 ギコ、君もあの兄妹と同じ人間なんだ。外見だけじゃ裏は分からない。 「だって、言い返したって無意味じゃないか」 「どうして」 わからない。そんなの、わからない。 その前に、君が僕を心配する理由も分からない。僕と君は他人でしょ? ただ、友達という見えない何かで結ばれているだけ。 君は僕でも、僕は君でもない。君は君、僕は僕なのだから。 じゃあ、ギコ。 「君にはわかるのかい」 「なにを」 「僕の気持ち。僕の心」 勝手にしてろ。 ギコは、それだけ言うと教室から出て行った。 目の錯覚だろうか。君が泣いているように見えた。 その反面、ドアを閉めた音が、とても冷たかった。痛いほど冷たかった。 「・・・先生」 「ん? どうした」 頭痛がする。吐き気がする。 息を大きく吸った。症状は余計に酷くなる。 「気分が悪いので早退してもいいですか」 その後、先生がどう頷いたか。僕は知らない。 僕はそのまま気を失ってしまったから。 真っ暗闇の中、どこからかピアノの音が聞こえてきた。 間違いない。 この音は、家にあるピアノの音だ。 たとえ、そうでなくても、まだ体育の時間だし、そうだとしても、ピアノは僕しか弾けないはずだ。 おかしい。 起きて、確かめに行こうかな・・・? そう思ったものの、身体は動いてくれなかった。何かに縛られているように動かなかった。 今でも音は続いている。 やめろ、やめろ。今すぐ弾くのをやめろ。そのピアノに触るんじゃない。 ずっと訴えていた。心の中で。ずっと。 やめろ。聞こえないのか。やめろと言っているんだ。さもなくば殺すぞ。 聞こえるはずがないと分かっていた。けれど、心が勝手に暴走しはじめていた。 音がピタリと止む。 もしかして、聞こえちゃったのかな。 冷や汗が背を伝った。 << TOP 長編TOP >>
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このSSは『【けいおん!】唯×梓スレ 2』というスレに投下されたものです http //changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1247988782/l50 500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/23(日) 00 44 26 ID qT+BuVTF 朝、起きると、まず体がグラリとした。 なんかおかしいなー、と思った矢先に、頭に痛みがズキズキとあるのに気づいた。 なんかやっぱ変だと思って、ちょうど憂が部屋に来たので、私は体の不調を柔らかく訴えてみた。 急に憂がこの世の終わりみたいな顔をしたかと思うと、マッハで部屋を出て、マッハで手に体温計を持って部屋に戻ってきた。 そんなことはないと否定する私を一喝して、憂は私の体温を測って、体温計の液晶を見て憂が出した答えが、 「今日は学校休みなさい!!」 そんなぁ。 ――――と、いうのが今朝の話。 ……あ、携帯震えてる。メールかな。 只今の時間、午後6時ちょっと過ぎ。平日。学校は、部活……もう終わったのかな。流石に。 ボーッとする視界を振り切り、携帯に手を伸ばす。送り主は澪ちゃんなのに、『軽音部面々より』と、メールの文頭には書いてある。 読んでみると、『今日は学校休んで残念だ』、とか『あんま心配させるなよ』とか、メールに書いてある。 その優しさにポワポワしてると、最後のほうに、何やら意味深な二文が。 『ちなみに、私たち先輩3人で相談した結果、そちらに使いを送ることにした。見舞いには行かないが、明日は学校に来いよ』 見舞いに来てくんないだなんて!!そんな!!裏切られた気分!!ショック!!! りっちゃんの時には来てくれてたじゃん……、とか熱ってる頭でボーッと考えていると、ふと思考を止まらせる。 『使い』って何? そう思った瞬間、その疑問を遮断させるように、部屋のドアがコンコン、と鳴った。 返事をする元気はあまりない。でもとりあえず生きてるよと暗示させるために小さく「あーい……」と返事してみた。 多分憂だろうなー、ごはんかなー。おなかすい…… 「し、失礼します」 「たぁぁぁああぁぁあずにゃああああん!!??」 「うわぁ、なななななんですかーーーー!!??」 なんとなんと、部屋に申し訳なさそうに入ってきたのは愛しのあずにゃんではないですか!! 501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/23(日) 00 48 18 ID qT+BuVTF わああすごい。夢かな?夢?痛い?痛くない!! 「ちょ、唯先輩、何自分のほっぺなんてつねってんですか。大丈夫ですか?」 「えっ!?あ、うん!へいきへいき。だいじょーぶだよー」 どうやら無意識のうちにやっちゃってたらしい、確認。 もー、とあずにゃんは怒ってるようだけど、ドアの閉め方はすごく丁寧なところを見ると、あんま怒ってないみたい。 ベッドで横になってる私に近づくと、あずにゃんは、ずい、と持っていた紙袋を目の前に差し出した。 「これ、軽音部のみなさんからです。って、まぁ、今日のティータイムのお菓子なんですけど……」 「お菓子!本当!?わ~今日食べられないって思っててすっごく残念だったんだ~。ありがとうっ」 袋を受け取り中を見る。ケーキ屋さんみたいな入れ物に入ってるから、ケーキかなぁ。まぁ、今は食べる元気なんてないけどね……、残念。 「……唯先輩、ホントに熱あるんですか?なんか、すごい元気ですけど」 「えっ。やだな、ホントだよぅ。ああ~頭が痛い~っ」 「今更ですかっ。……まぁ、唯先輩らしいですね。ふふっ」 猫みたいに笑うあずにゃんは、なんというか、やっぱりかわいい。 おっと、いけない。こんなこと思ってたらまたあずにゃんになんか言われるね、顔に出ちゃうから。危ない危ない。 「でも、その調子だと、あんま悪くなさそうで安心しました。今朝、憂すっごく暗かったんで、なんかすごく大変な状態なのかと」 「憂は大袈裟だからね~。仕方ないよ」 私も、今朝の憂の慌てぶりを思い出し、少し苦笑する。 それを見たあずにゃんが、おんなじように苦笑して、私のそばに座る。 「やっぱ、顔赤いですね、唯先輩」 「え!?そ、そう?」 あずにゃんの顔が近いれす!!ヤバい!!なんで近づけるの!!?うっひょうなんか変なテンションになってきたよう……!! 「熱、何度くらいですか?」 「え?う、う~ん……。39、とか?」 「高っ!!ちょ、大変じゃないですか!!」 えっ、なんか今テキトーに頭に出た数字言っただけなんだけど……。 てゆうか、何度とか、そんなの一回寝たら覚えてないよう……。 「だ、だめです!ちゃんと寝てないと!!ほら、布団ちゃんとかぶって!!」 「うにゃ、あずにゃん、大袈裟だよ~」 「大袈裟なんかじゃないです!唯先輩が、もしいなくなっちゃったりしたら……」 「したら?」 502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/23(日) 00 51 24 ID qT+BuVTF あっ、と小さく呟いて、口元をおさえる。 すると、あずにゃんの顔がみるみる赤くなっていく……、わぁすごい。なんで赤くなってるんだろう。かわいいけど。 「ななな、なんでもないです!!とにかく、寝るんです!!」 「あわわ、分かったって、あずにゃ~ん」 あんまりにも必死に私を寝かそうとするので、仕方なくそれに応じる。 でも、あずにゃんが折角来てくれたのに、ゆっくり寝ちゃうなんて、そんなの勿体ないよね……。 「ところであずにゃん、今日はなんであずにゃんだけなの?」 なので、あずにゃんとお話タイムにすることにします。 「へ?あ、ええと。なんか、他の先輩方が、そのほうがいいって……」 「他って、軽音部の?」 「はい。私は、皆さんとで行ったほうがいいと思ったんですが、なんか、私一人だけのほうが唯先輩が喜ぶって……」 はぁ、なるほど。流石澪ちゃんたち。私の好みを知ってるなぁ。 でもなんか、事を率先して決めたのがムギちゃんなような気もするけど。はて、なぜだろう。風邪で変になっちゃったのかな?私。 まぁ、嬉しいことには変わりないけどねっ。 「で、あのう、先輩……」 「んぅ?なに?」 あずにゃんが改まってもじもじとしながら、言葉を選んでいる。 女の子座りで、手をもじもじとさせるのは、ずるいと思うんだ、あずにゃん。 「わ、私だけで、良かったのでしょうか?」 「ん?なにが?」 「だ、だから、そのぅ。……お見舞い……」 ああ、なんだ、そんなことかぁ。 流石にまだ体がダルいので、手だけあずにゃんのほうに伸ばして、やや下を向いているツインテールな頭の中心部をなでなでしてあげる。 「うん。あずにゃんが来てくれて、あずにゃんとお話しできて、すっごく嬉しいよ」 だってあずにゃんの表情は誰よりも心配そうで、 私がそれほど体調が悪くないと分かると、ものすごく安心した顔をしてくれて、 そんなあずにゃんに、来てほしくなかったなんて、心にもないこと、言える訳がない。言う必要もないしね。 503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/23(日) 00 54 00 ID qT+BuVTF するとあずにゃんは、一瞬驚いたような顔をして、かと思うと、またいつものような、 「はいっ!」 とかわいい笑顔を、私に見せてくれるのでした。 うん、やっぱあずにゃんが来てくれて、よかった。皆に感謝しないとなぁ。 でも、あんまり嬉しいから、やっぱり愛の抱擁をやろうと思ったのに、拒むのはなんでだい、あずにゃん。 あ、私がまだ風邪治ってないからか……。あうう。 「早く風邪治してくださいね、唯先輩」 「あーい……」 「待ってますから」 ん?誰が?何を?……あれ、あずにゃん、どこ行くの?え?憂と話してくる?ああ、そう……。 …………なんであずにゃん、顔赤かったんだろう。風邪うつっちゃたかなぁ。いやいや、ううん……。 ……早く風邪治そう、私。あずにゃんのために、ね。 おわり すばらしい作品をありがとう