約 15,955 件
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/50818.html
登録日:2022/04/05 Tue 20 50 00 更新日:2024/09/08 Sun 09 32 39NEW! 所要時間:約 36 分で読めます ▽タグ一覧 001提言枠 05議会 K-クラスシナリオ SCP Foundation SCP-CN SCP財団 Veleafer Veleafer議会 Voctor博士 メタ メタネタ 中国支部 実質Thaumiel 演繹部門 物語ループ 物語崩壊 著者は死ぬ 財団内部部門 記録開始 ▷ ライセンスを表示 ソース http //scp-wiki-cn.wikidot.com/vodka タイトル 2.png 著作権者 Veleafer(デザイン) W Asriel(制作) 2018年公開 このコンテンツはCC BY-SA 3.0ライセンスのもとで利用可能です。 財団演繹部門承認管理文書 特別クリアランスレベル6/4056所持職員にのみアクセス可 無許可の職員は即座に特定され、上位現実との置換が行われます。 [クリアランスは認証できていません。それでもアクセスしますか?] ▷ ライセンスを表示 c ソース http //scp-wiki-cn.wikidot.com/veleafer-s-proposal タイトル 1.jpg 著作権者 W Asriel 2018年公開 このコンテンツはCC BY-SA 3.0ライセンスのもとで利用可能です。 私は書き続ける。 Veleaferの提言とは、シェアード・ワールド、SCP Foundationに登場するオブジェクトの1つであり、SCP-CN-001に関する提言枠。「SCP-CN-001」とは聞きなじみが無いかもしれないが、これは中国支部の001提言。中国支部にもちゃんと001提言はあるのだ。 現在のオブジェクトクラスは後述。というか一番最後に記載する。 肝心のメタタイトルは「演繹部門」。…あまりに直球すぎる!いちおう、財団の内部部門をそのままメタタイトルにする例は一応「SCP-2360-JP - 財団エレベーター部門」などがあり、決してずば抜けて特殊な訳ではないが…… …というわけで、このオブジェクトは財団内部部門である「演繹部門」に深く関係するオブジェクトだ。 また、001提言であることも相まって演繹部門の他のオブジェクトが当たり前のように出てくる。よって、ここからは、それら演繹部門のオブジェクトを知っている前提で話を進めさせていただく。演繹部門(SCP Foundation)や、下記を参考に他オブジェクトを読んでから来てほしい。 また、当オブジェクトにおいて登場する他のオブジェクトは、以下に示す4作品だけなので、SCP-CN-173やSCP-CN-430、SCP-CN-1504、SCP-1748-JPを読む必要までは無い。 ちなみに読み進める順番だが、クロスリンク等を考慮するとSCP-CN-801→SCP-CN-980→SCP-CN-606→SCP-CN-909と進んでいくのを推奨する。 上記4作品はいずれも当wikiに解説記事があり、一応、どこから読んでも良いようになっているが、この順番で読んでいった方がより良く理解ができるだろう。 また、もしも当記事にSCP-CN-606、すなわちVeleaferさんが登場した場合、分かりやすさを考慮し、その場合の色分けはSCP-CN-606の項目に統一させていただく。 当wiki以外でSCP-CN-606を読んだ方への色分け説明 枠内・一番外側のVeleaferさん→黒 (Veleafer) 枠内・二番目に外側のVeleaferさん→青 (Veleafer) 枠内・一番内側のVeleaferさん→赤 (Veleafer) 財団職員・Veleafer技師→茶 (Veleafer) 「SCP財団」サイトメンバー・Veleafer氏→緑 (Veleafer) 準備はできた。それでは「演繹部門」の世界をともに辿っていこう。 ●目次 補遺 インシデントSCP-CN-001-D SCP-CN-001-D-1.SAV 起SCP-CN-001旧版報告書 SCP-CN-001改訂版報告書 PoI-4609へのインタビュー O5-11との通話 SCP-CN-001-D-2.SAV 承エージェント・Collapsibleとの通話 作戦実行 謎の人物 SCP-CN-001-D-3.SAV 転Collapsible vs O5-11 Voctor vs O5-11 SCP-CN-001-D-4.SAV 結真犯人の正体 家凸 SCP-CN-909との通話 SCP-CN-001報告書概要 さて、本家報告書では一番最初に最新版の報告書があるのだが、分かりやすさ重視でこれは後回しにする。 そもそもこれは、SCP-5000同じく補遺が本編系のオブジェクトだ。そういうわけで補遺から見ていく。 補遺 インシデントSCP-CN-001-D どうも、この「インシデントSCP-CN-001-D」とやらがこのSCP-CN-001の鍵となってくるらしい。という訳で見ていこう。 ちなみに、全ての補遺はレベル5機密情報だ。 SCP-CN-001-D-1.SAV 起 まず、補遺の最初には旧版のSCP-CN-001報告書が記載されている。見ていこう SCP-CN-001旧版報告書 SCP-CN-001とは、シェアード・ワールド、SCP Foundationに登場するオブジェクトの1つであり、SCP-CN-001に関する提言枠。 オブジェクトクラスは「Keter」となっている。 SCP-CN-001とは、因果的な異常性を持つ複数の人型実体である。 SCP-CN-001に対して強制収容をしようとすると、すべて諸事情により実行出来なくなるか、要注意団体や異常物品の介入により失敗する。収容以外にも、消極的な影響を与えようとする試みも、極稀な成功例を除いてほとんど失敗している。 もう一つ、SCP-CN-001-Θと呼ばれる存在が居る。 こいつは、SCP-CN-001が生まれた時に同時に出現する人型実体(*1)であり、ほとんどの場合対応したSCP-CN-001と敵対する。 そして、SCP-CN-001とSCP-CN-001-Θは必ずなんらかの事件を起こし、最終的にどちらかが死亡する。また、両方が死んでしまった場合や目的遂行能力を失った場合は、その瞬間に異常性は失われ、一定期間後に新たなSCP-CN-001とSCP-CN-001-Θが出現する。 ちなみに、SCP-CN-001及びSCP-CN-001-Θはほとんどの場合、人間やアノマリーとして出現するが、極稀にそれ以外のも出現する。 また、ほとんどの個体は要注意団体のつながりを持っているらしいが、具体的なことはオブジェクトの異常性によりつかめていない。 特別収容プロトコルは、「SCP-CN-001と異性のレベル4職員を、SCP-CN-001の近辺に配置して、財団側の交渉役をやらせてね」という感じ。まあ、収容も何もできないんだから当たり前といえば当たり前だ。 報告書本文はこれで終わり。ただ、この後にVoctor博士がO5-11に送ったメールが載っている。あれ、Voctor博士は死んだはずでは……? さて、Voctor博士がいうに、このSCP-CN-001は演繹的性質を持つオブジェクト。つまり演繹部門が担当するべきオブジェクトだというのだ。 Voctor博士達はいくつか実験を重ね、001が主人公で、-Θが敵役であることを断定した。 ここで、Voctor博士が再編集した報告書をここに載せる。 SCP-CN-001改訂版報告書 SCP-CN-001とは、シェアード・ワールド、SCP Foundationに登場するオブジェクトの1つであり、SCP-CN-001に関する提言枠。 オブジェクトクラスは「Keter」となっている。 SCP-CN-001とは、演繹性質を持ち、因果論的な異常性を持つ実体の総称だ。同様に、SCP-CN-001-Θというのもおり、SCP-CN-001と同様の異常性を持つ。 SCP-CN-001は、現実の物語において主人公の役を担当し、SCP-CN-001-Θは敵の役を担当する。 物語の中盤から終盤において、SCP-CN-001とSCP-CN-001-Θは必ず正面衝突し、最終的に物語の道筋に沿った結末へたどり着く。そして、オブジェクトは形而上(メタ)的な性質を持つため、余分な干渉は不必要であり、不可能だ。 そういうわけで特別収容プロトコルは 不干渉原則(*2)に基づき、SCP-CN-001と-Θに対しては経過観察を行ってね。 無関係者がSCP-CN-001関係の被害に会った場合は救助してね。カバーストーリーも流布してね。逆に、それ以上のことはしないでね。 と、とてもシンプルなものとなっている。 この報告書に対し、O5-11は提案を受け入れ、報告書を上記のものに差し替えた。 そして、財団の情報班が重大な情報を発見。なんとSCP-CN-001が引き起こす事件と全く同じの筋書きの小説を発見したのだ。 早速演繹部門は調査を開始。その小説の作者をPoI-4609と指定して、サイト-CN-99に招き入れた上でインタビューを行った。 ▷ ライセンスを表示 ソース http //scp-wiki-cn.wikidot.com/veleafer-s-proposal タイトル 3.jpg 著作権者 W Asriel 2018年公開 このコンテンツはCC BY-SA 3.0ライセンスのもとで利用可能です。 PoI-4609へのインタビュー インタビュー全体を引用して入れるには長すぎるので箇条書きで要約する。 あの小説は、(かの天王星外のような)入れ子式小説だった。なんか最近流行ってるから便乗して書いてみた。 小説を連載し続けて連載し続けて、500回ほど積み重ねたところで異変が訪れた。 中の物語が繰り返しをはじめたんだ。何度掘り下げても、前に書いたことのあるストーリーになってしまう。 物語を変えようとはしてみたけど、どれも上手くいかなかった。 内容は、主人公と敵役との間での物語だった。 概ねこんな感じだ。物語が強制的に固定されてしまう、明らかに異常なことが発生しているのが見て分かるだろう。しかも、この物語はSCP-CN-001として現実に反映されてしまっている。 Voctor博士がこの件について研究すると、とある衝撃の事実が浮かび上がってきた。 ▷ ライセンスを表示 ソース http //scp-wiki-cn.wikidot.com/veleafer-s-proposal タイトル 4.jpg 著作権者 W Asriel 2018年公開 このコンテンツはCC BY-SA 3.0ライセンスのもとで利用可能です。 O5-11との通話 Voctor は会話を作成しました Voctor は会話に参加しました O5-11 は会話に参加しました O5-11 何があった? Voctor ああ神よ。 Voctor 最悪の事態が発生したのです。 O5-11 一体何が? Voctor ……まず、結論から言いましょう。 Voctor 物語がループしているのです。 ここから、Voctor博士はO5-11に、現在の状況の説明を行う。 “重層物語”という構造についてはもう説明せずとも大丈夫だろう。とある世界があって、その下に劇がありその下に劇中劇があり……上にも同様に……というやつだ。 ただ、その重層物語の構造が捻じ曲げられ、輪になってしまっている。 どういうことか。すなわち 世界があり、その下に劇がある。その下に劇中劇、さらに下に劇中劇中劇、劇中劇中劇中劇、劇中劇中劇中劇中劇…と続けていると、いつの間にか我々の世界に戻ってくるのだ。その後、そこから作中作を続けようとしても、現れるのはもとの劇や劇中劇だ。 あのPoIが体験していた状況の正体がこれだ。入れ子式の小説をずっと書いていたと思ったら、ある日突然現実に戻ってきて、それがSCP-CN-001とSCP-CN-001-Θとして現実に反映されていた、というわけだ。もちろん、ループなのだからその後に入れ子しようと思っても同じ物語になってしまう。 さて、これの何が「最悪な事態」なのかというと、物語のリソース不足が発生してしまうことにある。 SCP-CN-909にて、SCP-CN-909が重層物語から独立しているせいで、リソース不足(ネタ切れ)により物語ループが収束していっている話があっただろう。 あれと同じことが起きているのだ。もともとは、重層物語は上に無限に続いている可能性が高かったわけだからネタ切れなど気にせずにいられたのだが、ループしている=有限である。しかも、あのPoIがいう限り、そのループに含まれている物語層の数はだいたい500程度。いつかは物語も収束してしまうだろう。 しかし、問題はそこではない。ぶっちゃけ、500も物語があればネタ切れくらいワンチャン耐えられそうだ。ただ、物語が収束することによって主に2つの、致命的な事象が起こってしまう。 1つ目は、PKクラス「オール-イン-ワン『実存のパンデモニウム』」イベントの発生だ。これはSCP-3812にて登場するK-クラスシナリオなのだが、ここに3812の紹介を載せてしまうとすごい長さになるので省略する。 まず、物語ループが収縮する過程で、財団が収容するアノマリーのような、異なる世界の物事は他の物語に浸透していく。その結果、「他の物語」が一周回ってきて財団世界にたどり着くと、そんなアノマリー達が財団世界に大量発生する。これが積み重なっていくと、見事PK-クラスの完成だ。 2つ目は、RKクラス「物語崩壊」シナリオの発生だ。これは演繹部門においてちょくちょく登場する用語で、重層物語がダイレクトに破壊されるというK-クラスシナリオだ。 どうも、物語ループが発生すると、異なる物事が同じ物語内に侵入するということが起きるらしい。 Voctor博士の例えをそのまま使わせていただくが、たとえばある物語世界では重力が存在しなかったとし、ある物語世界では斥力が存在しなかったとする。 この2つの物語が融合するとどうなるか?答えは簡単。論理の破綻だ。 論理が破綻した先のことはVoctor博士にも分からないという。だが、その不具合は徐々に積み重なり、いずれ世界は崩壊する。 そしてこれは、物語ループに含まれる物語の数が減れば減るほど被害度が上がっていく。今は500個だからまだ良いが、論理の破綻によりどんどん世界が崩壊していったら?その数がどんどん減っていき、最終的にはすべての法則を内包した世界が1つだけ生き残る。ただ、その世界もいずれ成り立たなくなり、滅亡する。 こうして、物語ループに含まれていたすべての物語層は滅亡を迎える。「小説を書きなぐった紙を丸めて燃やすよう」とVoctor博士は例える。これがRKクラス「物語崩壊」シナリオだ。 これまでの説明でチンプンカンプンだった方は、とりあえず「ループで世界がやべぇ!」ということだけ覚えておけば良い。 O5-11 このシナリオを食い止める方法は? Voctor ありません、サー。次元歪曲や空間異常とは勝手が違います。これは形而上です。形而上的な事柄に限って、我々が自力で解決することはできません。 ▷ ライセンスを表示 ソース http //scp-wiki-cn.wikidot.com/veleafer-s-proposal タイトル 5.jpg 著作権者 W Asriel 2018年公開 このコンテンツはCC BY-SA 3.0ライセンスのもとで利用可能です。 ちなみに、先ほどから表示されている謎画像は、現時点で判明している物語構造を表している。例えば、上の図だと完全な輪。すなわち完全な物語ループになってしまっている。 SCP-CN-001-D-2.SAV 承 内部通達 監督者評議会および演繹部門にのみ開示可 RKクラスシナリオの発生の潜在的な可能性および調査・収容活動の困難さを鑑みて、監督者評議会メンバー及び許可されたレベル5職員は、可及的速やかにサイト-CN-99に保管される全体構成安定爪の付近へ集合し、RKクラスシナリオ後の物語再帰まで待機してください。通達されていない職員に対しては本件を秘匿し、Kクラスシナリオ発生まで引き続き作業を行わせてください。 そういうわけで、監督者評議会からすぐに通達がなされた。余談だが、PoI-4609へのインタビューからここまでは全て同じ日の出来事だ。K-クラスが絡んでくると仕事がめっちゃ速い財団。 エージェント・Collapsibleとの通話 ここから、おそらくVoctor博士の友人で、演繹部門の人間でもあるエージェント・CollapsibleとVoctor博士の通話記録になる。 Collapsible は会話を作成しました Collapsible は会話に参加しました Voctor は会話に参加しました Collapsible こりゃ大変なこった。 Collapsible 11はどうするつもりだい? Voctor あいつは真実なんか吐かないさ。物語再帰なんて、皆を騙すために作ったただの口実だ。 Collapsible なんとかする方法は? Voctor ねえよ。 Voctor すべてがバラバラになるだけさ。 Collapsible はあ……まるでビッグバンで原点に戻るってヤツ?そりゃ悲しいよな。 Voctor いや…… Voctor 原点に戻る。 Collapsible は? Voctor ……まだなんとかする方法はあるかもしれない。まだ間に合う可能性はある。 Collapsible なんだと? Collapsible 方法って何だよ? Voctor 物語がループしているなら、新たに物語ループを追加して、我々の世界を繰り返し描写する。あのPoIがやったように。 そう、ループを利用して、何回も何回も財団の物語層を描写すれば、SCP-CN-909のように、半ば”自己創作”のような状態になり、我々自身で物語改変ができるようになる。こうすれば、RKクラスからも世界を守れるかもしれない。 ただ、これに対してCollapsibleは…… Collapsible だが現実全体に適用するテンプレートが足りない。しかも、こんなことしたら物語の論理が破綻するぞ?909が背負うのは彼自分自身だけだったが、我々の場合、世界全体、あるいはそれ以上のものを背負うことになるが、本当にできると言うんかい? 要するに、そんな世界・宇宙単位での”自己創作”、できるわけないじゃないか、ということ。しかも、すこしその自己創作を疎かにしただけで物語が破綻してしまう。本当にできるのか、ということだ。 しかし、Voctor博士は言い放つ。 Voctor 980があれば、あるいは。 Collapsible ご冗談を。 Collapsible サイト-CN-99はつい昨日O5に徴用されたばかりだぞ?今から980を取りに行くって?藁にもすがるあいつらが素直に渡すとでも? そう、SCP-CN-980があれば、あれの物語改変パワーでなんとかなるかもしれない。しかも、SCP-CN-980対象者は「物語の主役」となって運が良くなるのだった。これはもしかしたら行けるかもしれない。 ただ、内部通達でもあった通り、現在O5達はサイト-CN-99内のSCP-CN-980周辺で待機している状態にある。そんな状態でO5達が980をおとなしく渡すはずがない。 では、渡してくれないならば奪うしかないだろう。 Voctor 一人だけ、協力者がいる。 Collapsible お前はまたそうやって僕を引き込もうとする。 Voctor お互い死の道連れだ。ついでに世界を救えるかもしれないぞ? Collapsible お前の口調とは思えないな。 Voctor 正直の話、自分自身がただの傀儡だってわかった時はね。自分の一挙手一投足が、どんなにあがいても越えられない存在の作った台本通りに踊らされてるだけだってわかった時は、自分の存在がどれだけちっぽけなのか気付かされたよ。(*3) Voctor だがな、もう一切合切吹っ切れたよ。世界を救うことと比べると、些細なことでしかない。 Collapsible どこのたのしいざいだんかよ。 こうして、Voctor博士とエージェント・Collapsibleは共同でSCP-CN-980を奪うことになったのだった。 もちろん財団の理念には反するし、O5にも逆らうことになるが、何分世界を救うためだ。仕方ない。 ▷ ライセンスを表示 ソース http //scp-wiki-cn.wikidot.com/veleafer-s-proposal タイトル 7.jpg 著作権者 W Asriel 2018年公開 このコンテンツはCC BY-SA 3.0ライセンスのもとで利用可能です。 作戦実行 さて、およそ2週間半後、ついに計画は実行された。場所はサイト-CN-99地下3階。 状況から察するに、エージェント・Collapsibleが財団のセキュリティを引き付け、そのすきにVoctor博士が980を奪う、といった作戦らしい。 さて、Collapsibleが施設に来ると、さっそく機動部隊アルファ-1 ("レッド・ライト・ハンド")の隊員が襲ってきた。 背後から誘導式ショッキングダーツが飛んできたり、複数の隊員から同時射撃を受けたりするが、Collapsibleはそれを見事にかわして進んでいく。 そして、Voctor博士とCollapsibleはブルートゥースイヤホンで通話をしているらしく、Voctor博士の声が聞こえてきた。 Voctor おい、テンプレート(ジャンル)は「伝奇」で間違いないか? Collapsible もちろんさ。今の僕はKonnyみたいにすごいぞ。その代わりに、レッドライトハンドの怒りを買ってしまったがな。あいつみたいに早死したくないね。 その後、認知神経毒の混ざった黄色い煙幕が投げ込まれるが、濡れたタオルを口鼻に当ててなんとか対応。 その煙幕に紛れて隊員の1人を殺害し、レベル5のクリアランスカードを奪い取った。その後、機動部隊員が爆弾を起爆させるもCollapsibleは無傷。機動部隊員は対象を見失ったとして追跡をやめた。 謎の人物 そうしてすこし経った頃、乗り物を探しにサイトの車庫まで来たCollapsibleに異変が起こる。 なんと車庫の入り口から1人の人間が現れ、未知の手段でCollapsibleを攻撃した。ちなみにCollapsibleは無傷。現れた人物は[データ削除済]と推定されている。 Collapsible 誰だお前? [データ削除] O5-11だ。 Collapsible は?えー、Voctorよ、ここに11と自称するヤツがいるんだが。 Voctor いや、そいつはもう11じゃない。 Collapsible じゃあ─── 謎の人物の手中に突然として未知の黒色物質で構成されるマシンガンが出現する。同人物は出現したマシンガンでエージェント・Collapsibleを攻撃する。エージェント・Collapsibleはすぐさま大型車両の影に隠れる。謎の人物は射撃しながら、エージェント・Collapsibleに接近していく。マシンガンの弾切れは観測されなかった。 Collapsible Voctor!これはどう見ても人間じゃないぞ! 突如現れた謎の人物に襲撃されるCollapsible。しかも明らかに異常な力を使ってくる。 Voctor やはりか。 Voctor ソレは11であり、11ではない……実際のところ、本当の11なんて者はいない。 Collapsible は? Voctor ループは重層物語の全階層を包含しているわけじゃなかった。むしろ重層物語はそもそも上方に無限に広がる。ループは途中のある階層から始まったものだ。 Collapsible つまり……上の連中の仕業ってわけか。 Voctor 無論さ。それを思いついた途端、ソレが君の目の前に現れた。 O5-11 遅すぎると思わないか? Voctor 耐え切れ。 そう、これまでは重層物語全体がループしていると考えられてきたが、それは違う。ある層より下の層だけループしているのだ。ちょうど下の図のように。 すなわち、下の方の物語をループさせて破滅させ、それで下位層の住人がどのような反応をとるか、悠々と眺めているドSな真犯人が重層物語の上の方にいるのだ。 Voctor博士がそれを思いついたとたん、計画を邪魔せんとばかりにこのO5-11が現れた。すなわち、このO5-11もそのドSな真犯人が作った刺客だ。 ▷ ライセンスを表示 ソース http //scp-wiki-cn.wikidot.com/veleafer-s-proposal タイトル 8.jpg 著作権者 W Asriel 2018年公開 このコンテンツはCC BY-SA 3.0ライセンスのもとで利用可能です。 ちなみに、画像中の大きめの点は、そのドSな真犯人を表している。ループの上の方にいることが見て分かるだろう。 SCP-CN-001-D-3.SAV 転 さて、引き続きエージェント・CollapsibleとO5-11(?)の戦いを見ていこう。 Collapsible vs O5-11 実体の手中にあるマシンガンはある種のレーザー源に変化し、横方向から車庫を切り払う。その後、エージェント・Collapsibleの足元の地面が変化を始め、粉砕し、墜落する。周囲の都市が、建築が、そして遠くの山脈までも墜落した。やがて、存在するものはエージェント・Collapsibleと実体しかなくなった。周囲は虚無になった。 Collapsible 現実が崩壊したか? O5-11 いや。だがもうすぐだ。この物語にもはやテンプレートとロジックは存在しない。お前もまた、上位の物語が投下した道具で生を永らえているに過ぎない。 O5-11 だが、ここは私の物語だ。私が創造主なのだ。 車庫どころか世界ごと消えてしまい、周囲が虚無になってしまった。どうやら、O5-11が用意したフィールドに連れてこられてしまったようだ。 そして、このO5-11は上位創作者からの刺客。このフィールドならなんでも物語改変できる。 実体は非ユークリッド幾何学的な反転変換を行い、存在のトポロジーを全物語まで拡大させ、あらゆる次元から浸透しエージェント・Collapsibleの殺害を試みた。しかし、エージェント・Collapsibleは即座に無形に転換するとともに、局所的現実を圧縮した。実体は再度反転変換し、圧縮範囲を離脱した。 明らかに非現実的なことが起こっているあたり、物語が崩壊しかけているのがよくわかるだろう。 というかこのエージェント・Collapsible、O5-11の攻撃を避けた。O5-11はなんでも物語改変できる筈なのにもかかわらず、だ。 O5-11 どうやってそれをできた?こんな設定を与えた覚えはない。ああわかったぞ、お前は繰り返された物語に自身を何度も代入し、代入ごとに設定に変更を加え、最後にこの物語に戻ってきたな? そう、財団には、物語の中に自分を取り込むことのできる「代入装置」というのがある。 Collapsibleは、それで自分を物語の中に代入し続け、し続け、し続け、し続け……そして上からこの世界に戻ってきたのだ。 よって、CollapsibleとO5-11はもはや対等の関係。O5-11の改変も、Collapsibleのように物語ループを1周しないとCollapsibleには届かない。 O5-11 だが、お前一人だけでは、こんな芸当ができるとは思えないな。 Collapsible 他言しないと約束したのさ。 O5-11 Voctorの仕業だろう?私がこの物語の神であることをゆめゆめ忘れるな。彼は誰であれ、もう死んだも同然だ。物語ループの物語量が減少するとともに、お前自身の論理もやがて破綻する。お前はエラーの一部となるのだ。 エージェント・Collapsibleは実体とともに無形から超然へ至り、反復した反転変換で互いの存在を上書きしようとした。混沌が空間から生まれ、エージェント・Collapsibleを囲み、絡みつける。エージェント・Collapsibleがそれを振り払うと、また大いなる虚空が彼を覆い、そして破裂した。虚空の中に雨が降り出す。その雨水の一滴一滴が、Collapsibleの母親が強姦の末に殺害された死体に凝縮した。それは断末魔を発しながら、エージェント・Collapsibleを埋め尽くす。 Collapsible こんな手段で僕を潰せるとでも? 状況がどんどん意味不明になっていっているのも、物語がどんどん崩壊していっているからだ。あまり深く考えない方が良いだろう。 O5-11 お前の力が弱まってきている。物語も、ついに結末を迎えるだろう。 エージェント・Collapsibleは突然と拡張し、次元数を上昇させながら頂点へ至った。しかし、一切の上に存在する巨大なハンマーが振り落とされ、エージェント・Collapsibleは叩き落される。その後、本は開かれ、無尽蔵の質量が存在するはずもない宇宙を満たした。けれど、それはCollapsibleにとっては、石ころが踏み潰されるのと同等の出来事だった。 Collapsible それは今じゃないがな。 突然のSCP-CN-756登場。というか、Collapsibleが少し押し負けてきている。大丈夫だろうか。 で、この後のやりとりは違和感のない程度に少し中略させていただく。全文を見たい方は本家報告書を覗いていただきたい。 O5-11 お前にはもう力がない。 Collapsibleは無形から有形へ落ちる。次元空間の外側から宇宙へ落ちる。幾千万の星々から唯一つの青い惑星へと落ちる。力無く大地に叩き込まれ、額は重く地面に打ち付けられた。止めどなく血が流れる。 O5-11 980があっても、お前はもう終わりだ。 実体はエージェント・Collapsibleの下半身を捻り潰した。血と肉の匂いは虚空を漂う。そして、実体はエージェントを持ち上げて、無間へと投げ捨てた。しかし突然、実体は違和感に気づいた。物語の展開があまりにも従順だったからだ。 O5-11 980はどこだ? Collapsible ……僕……の……ところには……ない……よ……。 実体は憤怒した。自分が騙されたと認識したからだ。一瞬のうちに、十万本もの光線がCollapsibleの眼球を貫く。悲鳴をあげながら、彼は生と死の狭間で存在がすり減るまで苦しむことになる。そして、実体は物語を検索してみると、計画の最大の穴を発見した。やり場のない怒りを持ったまま、実体はその場を去った。 ついにエージェント・Collapsibleが死んでしまった。 だが、O5-11は、エージェント・Collapsibleがこんなに強いのはCollapsibleが980を持っているからだと考え、Collapsibleから980を奪い取ろうとした。 しかし実際に980を持っているのはご存じの通りVoctor博士であり、Collapsibleは敵を引き付けていただけだ。 それを知ったO5-11は憤怒し、そのままVoctor博士のもとへ向かった。 ▷ ライセンスを表示 ソース http //scp-wiki-cn.wikidot.com/veleafer-s-proposal タイトル 9.jpg 著作権者 W Asriel 2018年公開 このコンテンツはCC BY-SA 3.0ライセンスのもとで利用可能です。 Voctor vs O5-11 Voctor博士は現在、虚空の中に座っており、その周囲には一台の端末、発電機、円柱状の機械爪が置いてある。 そこに突然、O5-11が出現した。 しかし、ここで980の物語改変パワーが炸裂。Voctor博士の周囲には球状のバリアができており、O5-11は近づくことが出来ない。 そして何より、980の物語改変の中心となっているのは他でもないVoctor博士。つまり、この物語改変において「主役」はVoctor博士なのだ。これは強い。 ちなみに、ここにある「端末」はおそらく、多機能演繹人型実体機の文章制御端末だろう。これで頑張れば物語改変ができそうだ。 カウンター 12 Voctor 悪い、Collapsible。 Voctor 君を巻き込んでしまった。 O5-11 お前にはできない。誰にもできない。 Voctor ……どういうことだ? O5-11 君の仲間は十分、時間を稼いだ。だが、それもここまでだ。これは上位の意志だ。上位の連中は随分と芝居が好きでね。そして私も、だ。 Voctor 黙れ。 O5-11 しかし、君の友達は確かに私を驚かせた。最初は彼が980を持っているから、私の制御が効かなかったと思った。だが、彼が死んだ時に、私はようやくわかった。お前が彼を物語ループに代入していたのだ。だからこそ、私の編集も物語ループを一周しないと届かない。 O5-11 実に賢い。あやうく負けるところだった。だが、お前の死を上位の連中が望んでいるかもしれない。 カウンター 10 ここで、Voctor博士は端末に入力をし始める。 ここにVoctorというやつがいる。彼は物語ループを補修しようとしている。彼は考えながら書いている。止まることはない。 O5-11 哀れなことよ。 彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている彼は彼にはできないことに誰にもできないことにきづいた。 常に物語改変をし続けようと絶え間なく同じ内容を書き込んでいるVoctor博士。しかし徐々に、O5-11からの妨害を受け始める。 O5-11 そこから出ろ。楽にしてやる。 彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は球状空間の外側の世界に変更を加えようとした、しかし彼は成功したしかし彼は成功したしかし彼は成功したしかし彼は成功したしかし彼は成功したしかし彼は成功ししかし彼は成功したしかし彼は成功したしかし彼は成功したしかし彼は成功したしかし彼は成功したしかし彼は成功した成功成功成功成功成功成功成功成功成功成功失敗した。 カウンター 8 ループが減らない減っていく、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼は考えながら書いている、考えながら書いている、彼の指が痛くなってきた彼の指が痛くなってきた彼の指が痛くなってきた彼の指が痛くなってきた彼の指が痛くなってきた彼の指が痛くなってきた彼の指が痛くなってきた消せない彼の指が痛くなってきた彼の指が痛くなってきた彼の指が痛くなってきた彼の指が痛くなってきた彼の指が痛くなってきた彼の指が痛くなってきた。 すまん O5-11 お前はやはり失敗した。お前一人では物語を支えることはできない。何人来ても同じだ。 大量の取り消し線からも分かる通り、Voctor博士も必死に抵抗するが、O5-11にやや押し負けてしまう。 良い場面だが、ここでも違和感のない程度に中略させていだく。 彼は死にたくない彼は死にたくない彼は死にたくない彼は死にたくない彼は死にたくない彼は死にたくない彼は死にたくない彼は死にたくない彼は死にたくない彼は死にたくない彼は死にたくない彼は死にたくない彼は死にますますますますたくない彼は本当に死にたくないしかし誰も助けに来ない誰も助けに来ない。 誰かいるか? O5-11 いない。 いるいない。 彼の指から血がこぼれ落ちる、彼は叫び出した彼は叫び出した彼は我慢しようとしたが我慢できなかった、彼は叫びだした。 誰かいるか? やばい、このままではVoctor博士まで死んでしまう。 カウンター 4 この球状空間の中には世界の最後の一人がいる。彼はキーボードを打つ手を止めるわけにはいかない彼はキーボードを打つ手を止めるわけにはいかない彼はキーボードを打つ手を止めるわけにはいかない彼はキーボードを打つ手を止めるわけにはいかない彼はキーボードを打つ手を止めるわけにはいかない彼はキーボードを打つ手を止めるわけにはいかない彼はキーボードを打つ手を止めるわけにはいかない彼はキーボードを打つ手を止めるわけにはいかない彼はキーボードを打つ手を止めるわけにはいかない彼はキーボードを打つ手を止めるわけにはいかない彼はキーボードを打つ手を止めるわけにはいかない カウンター 2 彼は諦めなかった 彼は諦めなかった 彼は諦めなかった 彼は諦めなかった 彼は諦めなかった 彼は諦めなかった 彼は諦めなかった 彼は 彼は死なない 彼は死なない 彼は死なない 彼は死なない 彼は死なない 彼は死なない 彼は死なない 彼は死なない 彼は死なない 彼は死ぬだろう 彼は笑った カウンター 1 彼は死んだ カウンター 0 ▷ ライセンスを表示 ソース http //scp-wiki-cn.wikidot.com/veleafer-s-proposal タイトル 10.jpg 著作権者 W Asriel 2018年公開 このコンテンツはCC BY-SA 3.0ライセンスのもとで利用可能です。 ついにVoctor博士までも殺害されてしまった。物語も崩壊を続け、財団世界には人間は誰も残っていない。 もはやこの世界に救いは残っていないのか。 ▷ ライセンスを表示 ソース http //scp-wiki-cn.wikidot.com/veleafer-s-proposal タイトル 11.jpg 著作権者 W Asriel 2018年公開 このコンテンツはCC BY-SA 3.0ライセンスのもとで利用可能です。 いや、物語ループがもはや点となってしまったこの世界で、大きめの点、すなわち今回の真犯人に「何か」が近づいてきている。 SCP-CN-001-D-4.SAV 結 すべてがやがて終焉を迎える。 再び始めよう。 真犯人の正体 本家報告書の筋書きからは離れてしまうが、ここで今回の真犯人について解説をしておこう。 結論から言うと、今回の真犯人はVeleafer氏である。創作サイト「SCP Foundation」メンバーのVeleafer氏だ。 もともと、Veleafer氏はVeleafer議会の中でも「管理者」という特別な人物だったのだが、それでもVeleafer氏がいる物語層は、我々と同じ、財団世界の一個上なはずだ。普通なら、とうの昔に物語ループに巻き込まれているのだ。 さて、Veleafer氏が犯人だとする証拠は主に2つ。 1つ目は、すこし前提知識が必要だ。 「演繹部門の追加講座 いくつかの新理論と問題についての応答」という演繹部門のTaleが存在する。その名の通り、演繹部門における形而上学の理論を色々と説明してくれるのだが、その中に「準物語(サブ・ナラティブ)理論」というのがある。 これによれば、物語の中のキャラクターは決して第四の壁を破ることは出来ないのだそう。確かに実際、どんなに第四の壁をぶち壊して作者を殺すような物語が執筆されたとしても、現実的に考えて作者はピンピンしている。実際に殺されることなどありえない。あくまで物語なのだから。 では、Veleafer氏の作品はどうだろうか。 言っていなかったが、SCP-CN-606 も SCP-CN-801 も SCP-CN-909 も SCP-CN-980 も全てVeleafer氏の作品だ。 では、これらの記事を見ていこう。バリバリに第四の壁を越えているではないか。特にSCP-CN-801とSCP-CN-606のコンビネーション。実際に上位物語層の人間が死んでしまっているではないか。 これは、普通の創作者にはできない芸当だ。 ただ、これも先述の「準物語(サブ・ナラティブ)理論」の1つなのだが、上位創作者は劇中劇と劇の間の壁なら壊せる。 だから、Veleafer氏がこんな壁を壊すような物語を作るには、Veleafer氏がより上位の物語の住人だと考えるしかない。 それこそSCP-CN-801みたいな、無限に物語層の壁を壊していくようなモノを生み出すには、重層物語の全てを操れるような、そんな能力でも無いと無理だろう。 2つ目の証拠は単純明快だ。 先ほど、O5-11は真犯人からの刺客、と述べたが、ではその真犯人はどうやってO5-11を送り込んだのだろうか。 まあ、一番シンプルな方法は報告書自体を編集して書き加えるだろう。では、この報告書の作者は誰だったっけか……(項目名を覗く) そう、この報告書の作者自体、他でもないVeleafer氏だったのだ。 ここまで来れば、Veleafer氏が真犯人である可能性は極めて高いだろう。それも、重層物語全てを操れるような力を備えている、と。 真犯人の特定はできたものの、Veleafer氏が居なくなったわけでは無い。というか、VoctorやCollapsible含めた財団世界の人間は全滅である。 一体、ここから財団世界はどうなってしまうのだろうか。 家凸 Veleafer 何?!お前は誰だ?なぜ私の家に———— A99 君の負けだ。 Veleafer はあ? A99 結局の所、君は君の創作したキャラクターにも勝てない。 Veleafer お前は誰だ?! A99 Voctorが死ななかったのは実に驚きだった。しかし、彼はすべてに罠をかけたのだ。 Veleafer なんだと? Veleafer 何かの冗談か? そう、重層物語から独立していることで、唯一無傷だったA99、すなわちSCP-CN-909がVeleafer氏に家凸を仕掛けた。 そう、Voctor博士は2人を含めた財団世界が滅亡してしまうことなど想定済み。そのときの予防線として909(入れ替わり後)を召喚したのだ。 ちなみに話は逸れるが、やはりVoctor博士は909入れ替わりの件で死にかけていたらしいし、909も死んだと思ったらしい。 そこからどうやって「人間」として復活したのかは謎だが……演繹部門のパラテクでどうにかなったのだろうか。あるいは、Veleaferとは別の上位創作者が物語改変で復活させたのか。 まあ、これはいったん置いておこう。 困惑するVeleafer氏に、909はSCP記事の編集画面を見せびらかす。 なんか色々「**」とか入っているのは「wiki構文」というやつで、簡単に言うと、これを文中にいれることで特定の文字を太字にできたりする。(*4) ▷ ライセンスを表示 ソース http //scp-wiki-cn.wikidot.com/veleafer-s-proposal タイトル 1.png 著作権者 W Asriel 2018年公開 このコンテンツはCC BY-SA 3.0ライセンスのもとで利用可能です。 A99 全く、粗悪なものだ。 Veleafer 保存ができない。 A99 Voctorから私のことを聞いているだろう。番号は909だったはずだ。説明はいるか? 沈黙 A99 ループが不完全だったことがわかった時(*5)、彼は私に連絡したのだ。 SCP-CN-909との通話 SCP-CN-909 は会話に参加しました Voctor A99。君に頼みたいことがある。 SCP-CN-909 君が死ななかったのは実に驚きだが、借りは作っていないはずだ。 Voctor 私は—— Voctor 私の死で、私の愛するこの世界を蘇らせたい。 Voctor それでもダメか? SCP-CN-909 どういう意味だ? Voctor まもなく、RKクラス「物語崩壊」シナリオが発生する。我々の創造主、上位の物語の誰かが我々の重層物語をループ状に結んで、それで芝居を観る気だ。 Voctor その結果、我々は全員死ぬことになる。君以外はな。 SCP-CN-909 私の物語が独立したループだからか?私の推測によると、君たちの世界が終わると、私は上位の物語へと駆逐される。望むところさ。 Voctor 君に、この世界を再編集してほしい。 SCP-CN-909 私が私のために世界を編集しない確証があると? Voctor 君はもはやロボットなどではないからだ。君は人間だ。君は上位物語の存在に恐れるだろう。超越することができても、君を捕まえることができる存在はいずれ現れる。本質的に、君は人間嫌いであると同時に、人間の思考様式を保持しているのだ。 Voctor 君は危険を冒すだろう。 Voctor 私の言う通りにすれば、君は神になる。 SCP-CN-909 あまりにも危険すぎる。 Voctor しかし、君はもうロボットではないし、ロボットの思考様式に囚われる必要もない。君は人間だ。なぜならば、君が会ったことのある生命の中で、人間はもっとも賢い存在だ。 Voctor でなければ、君はアリになっていた。 SCP-CN-909 は退室しました Voctor …… SCP-CN-909 は会話に参加しました SCP-CN-909 乗った。 Veleafer な……この私が、下の連中に嵌められるなんて…… A99 お前の死を上位の連中が望んでいるかもしれないな。 A99 そして私も、あの時と同じセリフを言おう。 「文章制御権を渡してもらおうか。」 Veleafer ダメだ! ▷ ライセンスを表示 ソース http //scp-wiki-cn.wikidot.com/veleafer-s-proposal タイトル 12.jpg 著作権者 W Asriel 2018年公開 このコンテンツはCC BY-SA 3.0ライセンスのもとで利用可能です。 Veleafer それは、私のモノだ!君に奪われるはずがない! ▷ ライセンスを表示 ソース http //scp-wiki-cn.wikidot.com/veleafer-s-proposal タイトル 13.jpg 著作権者 W Asriel 2018年公開 このコンテンツはCC BY-SA 3.0ライセンスのもとで利用可能です。 Veleafer [データエラー]! ▷ ライセンスを表示 ソース http //scp-wiki-cn.wikidot.com/veleafer-s-proposal タイトル 14.jpg 著作権者 W Asriel 2018年公開 このコンテンツはCC BY-SA 3.0ライセンスのもとで利用可能です。 A99 君の負けだ。 ▷ ライセンスを表示 ソース http //scp-wiki-cn.wikidot.com/veleafer-s-proposal タイトル 15.jpg 著作権者 W Asriel 2018年公開 このコンテンツはCC BY-SA 3.0ライセンスのもとで利用可能です。 Veleaferは空間の中で散っていく。有形から無形に、無形から浮遊に。やがて、彼は完全に希釈された。 ▷ ライセンスを表示 ソース http //scp-wiki-cn.wikidot.com/veleafer-s-proposal タイトル 16.jpg 著作権者 W Asriel 2018年公開 このコンテンツはCC BY-SA 3.0ライセンスのもとで利用可能です。 A99 かわいそうに。 Veleafer で、すべて解決したか? A99 君は……ああ、解決したよ。 Veleafer よし。今後、ここはもう俺達の管轄じゃない。君は自由だ、この物語は君のものだ。 A99 議会の決定か? Veleafer ノーコメントだ。 A99 わかった。勝手にしろ。 SCP-CN-001報告書 SCP-CN-001とは、シェアード・ワールド、SCP Foundationに登場するオブジェクトの1つ。 メタタイトルは「演繹部門」。 現在のオブジェクトクラスは「Asura」。当オブジェクトにのみ指定されている特殊オブジェクトクラスだが、これといって説明は書いてない。試しにAsuraで検索したところ、「インド神話・バラモン教・ヒンドゥー教における神族・魔族」と出てきた。 オブジェクトの異常性なども考えて解釈するに、「神のような絶対的な力を持つ」という意味だろうと思われる。 概要 SCP-CN-001とは、重層物語の文章制御権だ。簡単に言うと、「重層物語を自由自在に操れる力」みたいなものだ。もちろん、SCP-CN-001さえあれば我々の世界も財団世界も自由に物語改変することができる。 現在、そのSCP-CN-001は、「SCP-CN-001-1」と指定される存在が握っている。 SCP-CN-001-1とは元SCP-CN-909だ。こいつは通常の重層物語から独立しており、先述のインシデント001-D後、SCP-CN-001の編集者となった。 もちろん、重層物語は上に無限に続いている。SCP-CN-909、いやSCP-CN-001-1の上にも物語層は続いている。しかし、SCP-CN-001-1をはじめとした多機能演繹人型実体機には上位存在の改変が効かない。よって、SCP-CN-001-1より上層から来た物語改変は、SCP-CN-001-1により遮断される。 現在、SCP-CN-001やSCP-CN-001-1に対して財団は収容措置を施していない。SCP-CN-001へどのような編集を施すかは完全にSCP-CN-001-1に一任している。 ちなみに、SCP-CN-001の原作者(おそらくVeleafer氏)と、現在SCP-CN-001を握っている人物は違うため、論理の部分的な破綻は不可避だ。 ただ、そのくらいは全体構成安定爪でどうにかなりそうなもの。誤差だ。 で、とうのVeleafer議会は、重層物語の変動を黙認しているらしく、この件に対しての返答は無い。議会への連絡・協調は引き続き演繹部門が担当する。 Voctor博士とエージェント・Collapsibleの功績は評価され、2人には勲章が授けられた。 [ファイルを受け取っています] Loading…… [受け取りが完了しました] A99 完了だ。 Veleafer 勝手に聞かせてもらうけど、これからどうする気だ? A99 …… A99 私は書き続ける。 ▷ ライセンスを表示 ソース http //scp-wiki-cn.wikidot.com/veleafer-s-proposal タイトル 17.jpg 著作権者 W Asriel 2018年公開 このコンテンツはCC BY-SA 3.0ライセンスのもとで利用可能です。 そして太陽がまた昇る Veleafer 渡してしまっていいのだろうか? Veleafer もちろんさ。これでアレはもう僕たちの担当じゃない。 これから先、演繹部門がどうなっていくのかは誰にも分からない。 しかし、財団は文章制御権を手に入れ、RKクラスを回避した。 Voctor博士とエージェント・Collapsibleの活躍は決して無駄なものではなく、それは後世に受け継がれていくのだ。 数多の ”演繹” とともに。 SCP-CN-001 Veleaferの提言演繹部門 おしまい 余談 そういえば、そもそもこの部門はなぜ「演繹」部門と言うのだろうか。 「演繹」とは聞きなれない単語だがこれは、1つの物事を推し広げるという意味。おそらくは、そこから派生して、物語層を上へ下へと推し広げるという意味が込められているのではないだろうか。 ちなみに、SCP-CN-606のせいで演繹部門のイメージが強すぎるVeleafer氏だが、演繹部門以外にも有名な記事を執筆している。 例えば「SCP-CN-661 - デ█ック、聖デ█ック」や、「SCP-CN-463 - 祖母(アーカイブ済)」が有名だろう。後者はアニヲタwikiに項目もあるので、ぜひ読んでみてはいかがだろうか。 + ... キャスト Voctor博士──────────Dr.Voctor エージェント・Collapsible──────────Collapsible O5-11──────────[機密] SCP-CN-909──────────A99 Veleafer議会メンバー──────────エキストラ 脚本 05-O、この"O"は"Odyssey(永き旅の物語)"の意。 謝辞 深淵の天使W Asriel──────────すべての画像を提供していただきました。 klaes──────────作成した画像は不採用としましたが、気持ちは伝わりました。 …And You! 記録終了 追記・修正は演繹部門に入ってからお願いします。 ▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-CN-001 Veleaferの提言 - 演繹部門 by Veleafer http //scp-wiki-cn.wikidot.com/veleafer-s-proposal http //scp-jp.wikidot.com/veleafer-s-proposal(翻訳) 2018年公開 SCP-CN-606 - すべてのすべて by Veleafer http //scp-wiki-cn.wikidot.com/scp-cn-606 http //scp-jp.wikidot.com/scp-cn-606(翻訳) 2018年公開 SCP-CN-801 - 《天王星外》 by Veleafer http //scp-wiki-cn.wikidot.com/scp-cn-606 http //scp-jp.wikidot.com/scp-cn-606(翻訳) 2018年公開 SCP-CN-909 - 形の上下、合して止まず by Veleafer http //scp-wiki-cn.wikidot.com/scp-cn-909 http //scp-jp.wikidot.com/scp-cn-909(翻訳) 2018年公開 SCP-CN-980 - J by Veleafer http //scp-wiki-cn.wikidot.com/scp-cn-606 http //scp-jp.wikidot.com/scp-cn-606(翻訳) 2017年公開 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 演繹部門はマジで記事読むだけだとワケワカメだから解説ありがたい -- 名無しさん (2022-04-06 10 21 51) 「ドSな真犯人」のくだりのおかげで誰が何のために何をしてどうなってるのかがストンと飲み込めた。ここもうちょっと強調してもいいんじゃないかな -- 名無しさん (2022-04-06 17 29 50) そういや、今アメリカのほうで部門コンテストやってた気がする。ワンチャン演繹部門の新作がENで出たりしないだろうか -- 名無しさん (2022-04-08 12 52 12) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hshorizonl/pages/553.html
真夏の界聖杯に、春が盛る。 季節を無視して木々の色が変わる。 盛夏もたけなわの新緑の枝先が、寿命短いはずの薄紅の桜に変わる。 そのような非常識を、精々ついでのように齎した皮下真の通過跡を見て。 しかし、リップ・トリスタンはそこに場違いさではなく、見覚えの方を感じていた。 概念系UMA、春夏秋冬。 己が支配する季節を押し付ける、憎き神のお気に入るたる魔獣だち。その中の一体。 人を、建物を、全てを桜並木へと塗り替えてしまう鬼がいたことを、思い出す。 もっとも、愛する女性に由来するものを『神』の手先になぞらえられるなど。 それは極めて皮下の本意でないところだろうとリップは先刻に知ったばかりだったが。 しかし、納得もあった。 それが自対象であれ、他対象であれ。 己でさえ好まない理不尽な枠組みを世の中に押し付けながらでなければ生きられない。 皮下が語っていた最愛の人もまた、否定の業を背負った『不死』の女であり。 不死と不治が不均衡となるのは、相性として必然だったのだと。 ――もっとも、不死と不治の間で天秤になっていた『不運』の女を、売り渡してきたリップに皮肉る資格がないことも確かだが。 先刻まで酒を酌み交わす場として使っていた廃屋を、架かっている時計でも確認するような頻度で見上げては顔を背ける。 一時はあの出雲風子とも重ねるところのあった少女が、その一室で不可逆に余命を削り落とされているところだった。 委細を承知の上で、顔は合わせない。 形骸化した見張りにのみ徹する。 どちらの船に乗るかを定めた時点で、合わせる顔も、二度と逢う謂れもないと縁を切除したからこそ。 見張っていたとして、もはや逃げ出す余地も助かる目もない状態ではあったが。 捨て駒としてぶつける前に、第三者に踏み潰されたり介錯されるのは、打算としてそれなりに困る。 リンボらの潜伏しているおよその座標はシュヴィが探知した邪気の出所によって特定できるので、目覚めた後でぶつけるには困らないものだったが。 もしも古手梨花が覚醒を果たすようであれば、それをもって直ちにお役御免を被りたい程度の雑用ではあったが。 百獣海賊団は大看板の捕食を持って船から降りきった。 墜落に呑まれた虹花たちも、大犬神の少女が立ち去った時点で完全消失となった。 皮下は開戦を告げると宣った上で渋谷区方面へと向かってしまい、であれば残ったのはリップたちのみとなる。 古手梨花を自らのサーヴァントに拾わせた上でリンボらに突撃してもらうためのアテはあり、その仕込みを見届ける為だとも言っていたけれど。 ソメイニンの残滓と、桜の開花とを撒き散らしながら瞬間移動によって移動している皮下の痕跡から、この廃屋にたどり着くことは容易でないのも、また確かだったし。 もしも、梨花の目覚めの方が先に訪れるようであれば、そのまま北条沙都子の元へと嗾け、その騒動を持って自然合流は果たされるので結果は同じことだった。 その上でなお古手梨花のセイバーらが、先にこの廃屋に駆け付けるようであれば。 その時は依然として『不治』による梨花の即死装置と、武蔵への命令権とを獲得しているリップの方が上手く仕切れるだろうという段取りを組まれていた。 主従揃って前線に出られることを強みとするリップたちにとって、マスターがしばらく足止めされるのは本意ではなかったけれど。 ――暗号法則――解析了。磁場制御――試行済。双方向映像通信――成立 その穴埋めとして、リップの手元には『シュヴィが見ている光景』をリアルタイムで共有している端末がある。 正確には、元からリップが持っていたそれに、シュヴィが干渉した結果がある。 機鎧種にとっての視覚機能から観測した映像情報を、現代の携帯端末に対応する動画として転送する。 それは現代の通信技術に一か月かけて習熟したシュヴィであれば、生じさせることは難しくない補助機能だった。 横長の画面になるよう傾けられた液晶には、災害現場を飛ぶ報道班のような画角からの空撮映像が映し出されている。 中央区から西方向へと飛翔することになれば、否が応でも黒ずんだ瓦礫に変わった一帯を幾つも目にする、そういう光景がある。 それは予想するまでもないことだったが、リップとしては『実際にこれを見ているサーヴァントの心痛』については予想した。 かといって『大丈夫か?』なんて言葉は、今さらお為ごかしでさえ使えない。 もはや心ある機械は、その災害へと心を痛める側でなく、振り撒く側としてのリップに従ったのだから。 より厳密には、『従った』という言葉を使うことさえ、シュヴィの覚悟を表すには足りないのだろう。 現状の行動は、他ならぬシュヴィの方から提案されたことなのだから。 カイドウが荒らしに向かった地点から適度に距離をあけてマークし、討ち漏らした主従がいないか、逆に誘き出された主従がいないかを俯瞰する。 どんな戦況に転んでいても、観測衛星の役割だけは維持して全体を俯瞰できる位置どりに居続けるのはこれまでと同じ。 それは今までがそうだったように、正面から戦っては分が悪い皮下一派を奇襲する機会は変わらず狙っていくという方針にも繋がる。 ただ、先の戦闘とはっきり違えているのは『適当に相手をしながら』ではなく『積極的に相手をしながら』戦場を荒らすという空襲の姿勢で臨むことだった。 遅滞ではなく攻勢を。 日和見ではなく早期決着を。 これまでのようにシュヴィの負担に配慮が混じったサーヴァント相手の遊撃ではなく、無差別の攻撃を。 ――もし……逃げてきたサーヴァントや……マスターが、いたら……シュヴィが、殺すね…… マスターが、いたら、と。 シュヴィはその単語を、敢えて強調した。 それは、覚悟を決めた聖杯狙いとしては当然の明言だった。 いざ最後に勝ち残るためにカイドウの体力を削ってくれる当て馬としての他主従がいること自体は悪くはない。 だが、追われ立てて逃げ出してきた残存主従をそのまま放置する戦略上の理由はどこにもない。 だが、戦争に招かれて間もない時期のシュヴィを知っているリップからすれば、『そこまで言い出すのか』と思わずにはいられなかった。 マスターは、なるべく殺したくない。 その明言があり、その想いを抱くに至ったシュヴィの生前の重さを知っていればこそ。 リップはシュヴィを運用する上で、その心が傷つかぬ形になるよう配慮してきた。 その上で、マスターを殺せと命令したことは初めてではない。 実現には至らなかっただけで。 だが、シュヴィの方から申し出る形で、かねての想いをきっぱり反故にすると口にしたのは初めてのことだった。 そして、惨劇に向かう航路に付き合うと告げた、シュヴィの覚悟を疑うつもりは、断じてないが。 古手梨花のサーヴァントに深手を負わせた時。 そして、先の戦線で、シュヴィは深く語らなかったが『何か』が起こったのだと確信した時。 シュヴィがどのような様子だったのかは、忘れていない。 『サーヴァントを倒そうとする時』でさえ、あんな風になってしまう有り様だったのだ。 ――リクからもらった心を大事にしてきたお前が、その心に鍵をかけるのか。 リクじゃない男(オレ)のために、と。 飛び立つ前のシュヴィに、そう聞き返していた。 その手段を取った時に、シュヴィの『心』は最後まで自壊せずにいられるのか。 『心無いことができるようになった心ある機械』という自己欺瞞(つよさ)は、やがて自滅という敗因にならないのか。 リップの方もまた『罪悪感を抱かないと決めた以上、あくまでパフォーマンスを不安視しているに過ぎない』と言う自己欺瞞で覆った上で、追及した。 ――シュヴィ……マスターが思うほど、いい子、じゃないよ。生前も、悪いこと……いっぱいしてる。 ――それは…… そんなもん、俺に比べりゃ悪事の内に入らないだろう、という反論がこみ上げ。 しかし、それは反論として成立しないというロジックも分かっていた。 遺言という絶対に断われない形で、愛する人の口から『シュヴィは道具だから犠牲者に含まれない』という欺瞞を吐かせ。 結果として、シュヴィの同族数千騎や、多数の異種族が犠牲になる戦いの、戦端を開かせた。 それが、リクをどれほど苦しめる願いなのかを承知した上で。 シュヴィの背負ったそれらを、罪でないと否定するならば。 伴侶にその手を汚させ、罪悪感で苦しませたことなど大したことはないと否定することになり。 じゃあお前はラトラを巻き込んだことが後ろめたくはなかったのか、という反射に刺される。 じゃあお前がシュヴィのマスター殺しに口を挟むことは何もない、という論理になる。 ――リクに嘘をつかせて、無理させて……神殺しをやらせた……『リクを泣かせない』約束も、破った。 誰も死なせず大戦を終わらせたこと。 それは機鎧種の骸を『道具だから数えない』と解釈して、防戦した天翼種の死屍を視なかったことにして。 あまつさえ、『神殺し』という奇跡にさえも、『殺し』には違いないと胸を痛めてしまう青年を虚偽報告でごまかした、見せかけの結果だ。 リップにとって、それは罪科どころか世界全てを救済した英雄(ヒーロー)達の戦いだ。 否定者もそうでない者も平等に救う、きれいごとを唱える組織(ユニオン)のような。 どんな人間だって彼らの成し遂げたことを知れば絶対に否定できやしない偉業だと、はっきり保証して擁護する。 しかし、過去夢における功労者たち、成し遂げた機械たちには、罪悔が残ったことも知っている。 愛する人を、裏切り、騙して、その果てに護れなかったと。 機鎧種がそういう真面目で、不器用で、純粋で、一途な生き物だとするなら。 『死後がある以上、機鎧種も命である』と認めた今のシュヴィが思うことも、また彼らの不器用さと違わない。 ――人類種≪イマニティ≫は……ずっと、こうやって悩んできた……リクの世界でも……この世界のみんなも。 ――みんな……すごい…………シュヴィだけ、向き合わないのは……不公平、だから。 英霊の生前の罪は、サーヴァントとして成立した後までとやかく引きずられるものではない。 けれど、悔恨が残る結果だったと省みることはある。 その上で、これまで出会ってきた主従の多くが、あの世界では最弱位だった人類種であることに驚かされた機鎧種は。 誰かのために戦う人間の営みを改めて、たくさん、たくさん見せられたシュヴィ・ドーラは。 ――だからシュヴィも……同じように、背負うよ 飛び立つ間際に、そう言って微笑みさえした。 その微笑みと、柔らかい言葉には、機械としての硬さはどこにもなかった。 さっと風が吹いたように、酒宴がもたらした酔いの残りさえも、冷めていくようだった。 人類種≪イマニティ≫。 その言葉を聴くのはもう何度目だろうかと、本物の突風――飛翔が巻き起こす風圧に吹かれながら、思い出す。 その『イマニティ』ってのは何だ、と。 そう尋ねたのは、まだ予選期間の内のことだっただろうか。 シュヴィのぽつりぽつりとした返答でも、それが彼女の故郷における人類への呼称だということは分かった。 だが、それを説明するにあたって『十六種族』云々という言い方が混じったことで、察した。 シュヴィの生きた世界で、人間が人類種≪イマニティ≫と呼ばれるようになったのは大戦終結後だ。 あらかじめ過去夢が伝えた『大戦』の歴史と、シュヴィの生涯を知っていたからこそ、想像がついた。 大戦が終わるまでの人間は、どうやら獣の一種、猿の亜種ぐらいの存在価値だったらしく。 多種族世界において『神の子』や『知性体』という定義で括られる一種族としては、認められていなかった。 リップの半生は医学と共にあった。イマニティという言葉の意味が分からないはずが無い。 その意味が人類全体を指すようになった謂れも、分からないではない。 immunity(免疫)という単語に相当する音で呼ばれているのだとすれば。 そう呼びならわすようになった者達は、知っていたのだろう。 シュヴィの夫とその同胞が完遂した、人間が人間だったからこその戦いを。 星の生物進化から生まれた上で、大戦を終結させ、星そのものを蝕んでいた病理を切除したことで。 人類は『免疫(イマニティ)』という名付けを賜り『知性ありしと認められた十六種族』の仲間入りをした。 そんな、史実としては把握していたのかもしれない呼称をシュヴィが使っているからには。 生前は口にしたことのないはずの、言い慣れない呼び方を、敢えて使っているのだとすれば。 心優しい性格、というだけではない。 シュヴィ・ドーラという機械の少女は、人間を愛している。 星ひとつを救った免疫という名付けの真意を察して、己もそう呼びたいと使い続けるほどに。 その人間達を殺す、という葛藤に一か月の時間を置き、哀しみと敬意の入り混じった想いを抱くほどに。 『補足……あった』 声はもはや届かない上空へと消えてから、念話だけが遅れて繋がった。 これだけは言い忘れてはだめだった、という後付けのように。 『シュヴィが会いたいのは……リク一人、だけど。 シュヴィが守りたい人は……二人、いるよ?』 それは、リクじゃない男のためにと、呟いた言葉を受けてのことなのだろう。 何も、一か月の付き合いが軽かったとは思わないけれど。 『俺はリクじゃないのに』と軽く扱うような発言をしてしまったことには、恥じ入るものがあった。 『そうだな……それは、忘れるわけにいかないよな』 心を獲得してからも、機械の正論が非の打ちどころない正論であることには変わりなかった。 リクという男もこんな風に日々、やりこめられていたのだろうか、と想像する。 それほどまでに反論しようがない解答だった。 リップ・トリスタンにとって全てを捧げられる女性は一人しかいないけれど。 命を懸けて守りたい女性は、二人いる。 もしかしたらこの一か月で、三人になろうとしているのかもしれない。 シュヴィもそれと同じだと言われたら。 その事実は、どうしても否定できないからだ。 ◆◇◆◇◆ 『見つけた』 杉並区、という固有名詞を持った区画が黒き灰の焦土と、瓦礫の丘陵に変わっていく地上。 そこに、いつかの忌まわしき『リクの故郷を滅ぼしてしまった記憶』が連想されるのは避けられなかった。 すべての始まりの日。 まだシュヴィがそこに痛みを検知しなかった頃。 今では、その光景が意味することを悟るしかない。 シュヴィが加担しているのは、かつてリクが膝をつき、もう止めてくれと憎悪や懺悔を発露していた営みと、同じものだ。 その自覚(ノイズ)を抑えつけるには、膨大な神経伝達回路の軋みと、冷却の間に合わぬ熱暴走が伴ったけれど。 伴った上で、己を制御すると決めた。 そして、いつかと近似した景色において龍精種の『崩哮』を放つ役割にいるサーヴァント、皮下真のライダー。 その相対から離脱しようとするサーヴァントの存在を、シュヴィは二騎と特定した。 一つは、ライダーの金棒に討たれて高層建築に激突した、魔力探知に反応しないサーヴァント。 危うく撃墜されそうになったという脅威のほどは、記憶の新しいところに保存されている。 すかさず追撃を仕掛けるならこちらだとシュヴィは断じ、しかしライダーの機嫌を損ねぬような形を考慮している間にその人影は焦土の黒煙へと消えた。 その男が魔力に由来する方法で追跡できないことは、経験によって知っている。 しかし、魔力ではなく視覚情報や熱源といった物質面の情報から辿ろうとしても、周囲一帯の炎上による煙幕や熱などがノイズとなった。 さらにただの人類種と変わりない男を辿ろうとするつもりで探索した場合、付近に大勢いる『焼かれている最中の人間』の反応も拾ってしまうことが予測された。 いくら殺戮に加わる心づもりをしたとて、その人々を精査することはあらゆる意味で至難となるものだった。 リップも念話で『流石にそこまではいい』と言った。 こうしてシュヴィの注意はもう一騎のサーヴァント、ライダーに倒されると予測していた方に向けられた。 令呪による転移がなされた以上、それはいくらライダーであっても追跡を諦めるに十分な条件であり、その場を去った判断に瑕疵はなかったけれど。 シュヴィの視点からのみ、拾えていた情報があった。 令呪の発動は、マスター側にも魔力反応が発生する。 それは魔術の心得があったり、自らも異能を宿しているマスターであれば、『魔力回路を閉じる』という自発的な予防を講じられるものだったが。 そのサーヴァントのマスターがそういった術理に心得のない一般人であることを、シュヴィとリップは知っていた。 まだ大きな戦端が開かれるよりも前、もう一人の海賊の元へと視察に赴いた際に。 その男はシュヴィが診た時点で気を失っていたし、中途からシュヴィは霊体化していたので向こうからは初対面に等しいけれど。 生態反応を確認し、古手梨花のような特異性はない――ただ、生命力がひどく目減りしている一般人であったと把握している。 そして、戦場からやや距離を置いて俯瞰していたシュヴィにも、戦線においてそのマスターの憔悴を目の当たりにしていたリップにも。 『サーヴァントに直前まで保護される形で、マスターが近くにいる可能性』を疑うだけの余裕があった。 かろうじて同区内において、マスター側の小さな令呪反応があると気付く余地があった。 そして念話で『見つけた』と伝えたのは、かろうじて火の手が及んでいない緑地公園を眼下にしてのことだった。 『なんだありゃ――消え損ないか?』 同じ景色を、動画によって共有するリップが疑問を伝えてきた。 そう思いたくもなるような、奇妙な形のサーヴァントが、マスターたる男性の正面にいた。 頭部か心臓。 サーヴァントであっても、そのいずれかを破壊されれば致命傷となる。そこには霊核が紐付けられているから。 尋常ならざる生命力を担保するスキルや宝具があったとしても、頭部の亡い姿を維持するのは奇特と言っていい。 頸を亡くしたままの姿で、しかし頸以外をそこから摩耗させるでもなく、立ち姿を晒しているサーヴァントがいた。 『妖魔種(デモニア)……?』 先刻まで同じ陣営にいたことは知っている。 その上で、変容を遂げた上でなお生とも死ともつかぬ狭間の状態にある不可解さ。 そして、海賊陣営で見定めた時から人類種のサーヴァントではないことが明らかだったことを踏まえて。 シュヴィが類例として挙げたのは、もっとも多種多様の生態を持つ不定種族の総称だった。 幻想種(ファンタズマ)の特異体、『魔王』によって生み出された世界のつまはじき者たち。 その中には人の形に近い『魔族』と呼ばれる個体もあり、当該サーヴァントは『強いて言えば』という予防線付きで、それに近い容姿だった。 だが、容姿よりもむしろ。 印象の不可解さ、不穏さ、不明瞭さといった感性による連想こそが。 幻想種という『命を持った天災』が生み出した尖兵としての種族。 世界(みんな)を滅(ころ)す幻想(かいぶつ)という絶対悪から産み落とされてしまった生き物。 その枠組みがもっとも近しいのではと、心の副産物たる直観によって思った。 『なるほどな。けど、特殊な種族だからって実は『不死』だったってことも無いだろ。 不死身なら、そもそも貴重な令呪をつかって逃がしたりすることもない』 『霊基の、変質は感じる……でも、疑似的な仮死、あるいは休眠状態と仮定』 だが、その直観が当たっていようと外れていようと。 シュヴィたちにとっての関心事は一つであるべきだ。 そのサーヴァントを、ここから完全消滅させることは容易いのかどうか。 『半端な火力や切断で再生されるかもしれないなら、全部抉り取ってしまえばいい。 お前の『天移』とかいうのは、そういう攻撃への転用もできたはずだな?』 『できる……サーヴァント一体程度なら、粉砕……再生可能部位を残さない』 偽典・天移は元をたどれば天翼種の『空間転移(シフト)』から設計された武装だが、天翼種にとって転移とは攻撃手段でもあった。 三次元の空間を抉り取ることで距離を縮めるために、敵に向けて放てば全てを粉塵に帰す広範囲の空間歪曲として機能する。 あくまで本来のそれより劣化した形で設計されているために、本家本元のように機鎧種の数十体を鉄屑に変えるような代物ではないけれど。 あくまで固定標的と化したサーヴァントに向けて威力を絞れば、再生されるか否かに悩まず『消失させる』には足りると予測された。 一時期は曲がりなりにも協力者だったサーヴァントにトドメを刺すことを、両者はもう迷わない。 まず、すでに皮下真のライダーがもう組む理由はなしと切り捨てて始末にかかったこと。 陣営戦をやっていた頃のように『密かに恩を売っておけば皮下の背中を刺すために利用できるかも』と言った膠着を持てる戦況ではなくなったこと。 そして、これまで彼らを殺しにくくしていた『人質がいるからこそ方舟陣営は脱出しない』という防波堤に、さほど拘泥しなくてもよくなったことがある。 たとえ古手梨花の語った『脱出宝具はもうすでに使えるが、人質が抑止力になっている』といういつかの脅迫が、たとえ今さら真実だったところで。 陣営単位での監視や密告がなくなった今、ここで誰にも見とがめられず人質を仕留めたところで、方舟には伝わらない。 まだ人質は生きているかもしれないと敵陣が思っているなら、実際に人質が生きているか死んでいるかによって影響は生じない。 さらにそこに、リップ側の理由を追加するとすれば。 鏡世界を出入りしていた乱戦において、『この男はおそらく余命長くない』という印象を持ったことも根拠だった。 『サーヴァントの方を天移で刈り取ってから、マスターの方はこっちに連れて来い。 いちおう、鏡世界で別行動になった後にそいつはそいつで情報を拾ってるかもしれないからな。 不治で拷問すんのはこっちでやるからお前は連行が終わったら、また――』 さほどのことは無いと言うように告げられていく命令を、しかしシュヴィは遮った。 『マスター……シュヴィに気を使わないで、いいよ』 『何のことだ』 『ここでどっちも……殺した……方が、早く再出撃できる。 ライダー達に、連行を視られたら……色々言われそうだし、そっちの方がお得』 殺し、という言葉を使うのはまだぎこちなかったけれど。 リップの思慮をシュヴィは正しくくみ取り、その上で『自分が殺す』と請け負った。 航路を決めたリップはもはや、シュヴィの心の痛みに配慮するより、他の主従を殲滅することを優先するだろう。 しかし、その為の汚れ役をリップが担うかシュヴィが担うかの二択ならば、できるだけ前者であろうとする。 だから『殺せ』ではなく、『自分が殺すから連れて来い』という言い方をした。 そういう男だと、シュヴィはよく知っている。 『…………なら、任せた。謝らないぞ』 『了解……それで、いい』 突き放した言い方に対して、頷いてみせる。 首を縦に振ったことで、視覚映像も上下にぶれただろうからリップにも頷きは伝わるだろう。 一転して、想いを重く、厳しく、眼下に向けた。 身を重力に委ねるのと遜色ない速さで、急降下を遂げる。 着地の風圧だけで標的を吹き飛ばさないように、勢いは加減した。 初めてのマスター殺しなら、せめて相手の顔から眼を反らしたくはなかったから。 リクは、自らの言葉で死兵になれと命令をしていた時にも。 一切のおためごかしや責任逃れをせず、相手をまっすぐ見て『死ね』と命じていたのだから。 ずどんという着地音を鳴らして公園の地を踏めば、やつれた顔の男性がただ驚愕を露わにしていた。 ただ驚くので精一杯の、大戦下で異種族の戦闘に行き会ってしまった人類種(イマニティ)の顔だった。 ああ。 これまでの戦いとは違うと実感を持った。 持ってしまった。 それは感情移入(ノイズ)の始まりだと、分かっていたのに。 やらなければやられると言い聞かせられた今までと違う/もうそんなことは言ってられない 衝撃(エラー) これほどに脆弱な身で、今まで生き延びていたのか/リクを見出すな 二律背反(エラー) 雷霆のアーチャーの時もリクを重ねないようにしたけど無理だった/リクに似ているのはマスターの方だ 心が二つ(エラー) それでもリクならきっと、方舟の方に行くことを選んでいた/知ってる 懐古強襲(エラー) シュヴィたちはこれから、『リクに似たヒト』を殺していく/古手梨花の犠牲と間近にある焦土が、その証だ それは数秒にも満たない実時間だったのだろう。 だがその間に、眼前の男性から読みとれる心拍が急加速した。 まだ死ねないという想いの証に他ならないそれに対して、心がかき乱される。 それでも、機鎧種とは対応する種族だ。 必要とあれば、必要なように自己進化を促せるし、霊基という枷が嵌められていてもその根本は変わらない。 だから胸を埋め尽くす感情の奔流は故障(エラー)ではない、自己改造の痛みであるはず。 大丈夫、動ける、やれるという確信とともに、『天移』を翳すべく男性達へと片手を伸ばす。 マスターもきっと、同じように苦しかったはずだから。 皮下主従の魂食いという虐殺を幇助した時も。 古手梨花を死なせるのと同義の決断をした時も。 それから―― ――天移の対象範囲を目視したことで、付近に『あの女の子』と同年代の、血濡れた少女の遺体があるのを視た。 それから――雷霆のアーチャーのマスターだった少女を、リップが殺した時も? そのわずかな気付きは、手を震わせるきっかけだった。 何かがおかしいと露わになる、きっかけだった。 フラッシュバック――ヒトの生理現象として、知識だけは持っている。 それが体感として初めて、シュヴィの瞳(レンズ)に展開された。 再生された記憶は二つ。 思い出したのは同時。 同じ領域に同じタグで保存されていたように、二重写しの映像が繋がった。 一つは、左の瞳(レンズ)に焼き付いていた血の赤。 先の戦線において、令呪で撤退を促された後。 アーチャーから流入した謎の謡(ウタ)によって集中を削がれ、霊体化に身を委ねる中で。 リップの持つ医療用小刀に血が付いていたことと、同じ血だまりの遺体がそこにあることを知った。 いま一つは、穿たれた右眼に焼き付けられた、シュヴィの記憶ではない鮮血の光景。 先ほどリップが殺した少女――違う、また別の少女の遺体を抱え上げ、慟哭する自分。 違う、自分ではなく『蒼き雷霆』という断片情報をもたらした少年だ。 守とうろして駆け付けたはずの少女を守れなかったと、泣いていた。 彼(リク)のことを守りたかった/彼女を最期まで守れなかった 次があれば、もう二度と手を離さない/今度こそ手を離さないと決めていたのに 僕はまた、大切なものを取り零してしまった/違う、それは貴方を足止めしたシュヴィの、せい―― ああ、そうか。 シュヴィはとっくに彼を足止めしたことで、人ひとりを、彼の大切な人を、殺していたのか。 そう悟ったのが、混線(ジャミング)の始まりだった。 己の内から生じた感傷(エラー)や障害(バグ)ではない。 少年も意図しないところで謡(ウタ)の感染(ウイルス)がすでにあったと、自覚した時には遅く。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【解けないココロ溶かして 二度と離さない貴方の手】 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ もうシュヴィの中にもあると、主張するように。 先刻もシュヴィにだけ聴こえた、意味を解せない謡(ウタ)。 それが再び集音機に届き、機体温度が上昇していくのを感知した。 シュヴィは困惑とともに、片手で右眼を抑える。 そこに、熱をもたらす幻痛、雷霆に穿たれた破損がまだ残っているように思われて。 『――どうしたシュヴィ? 負担が大きいのか? それとも不測の事態か?』 いざ手に懸けねばならない相手を眼前に、悠長に躊躇うような挙動。 それだけではなく、念話のほかに現場の音を拾えないリップには、何が起こっているのか判別できない。 ゆえに、早く仕留めろという叱咤よりも、困惑が念話にのった。 そう、眼前には無抵抗とはいえ、まだ敵性サーヴァントがいる。 理性的な思考がそう促し、シュヴィは無理やりにでも典開(レーゼン)を再起動して。 【いつの日か世界が 終わる時も】 標的たる男性の、顔つきが変わっていた。 ひどく焦っている生理反応があるのは、変わらないままに。 その瞳に、たった一枚だけ切り札を携えたような熱を宿して。 たった一言の、コミュニケーションが放たれた。 「君の中には、アイドルがいるのか?」 意味不明だった。 意図不可解な会話選択だった。 (アイドル……?) 言った当人も、何を言ったのかを整理しきれてない様子だった。 アイドルの意味は分かる。 というより、皮下もリップも昨晩からその言葉を多用していた。 何なら、殺そうとしている男が、その『アイドル』に関係する所属を持つことも知っている。 だが、何故それがシュヴィを指す言葉になる。 偶像、スター、芸能人、業界人、歌手……字義のどれもがシュヴィとはかけ離れているのは確かであり。 『電子の謡精(サイヴァ―ディーヴァ)』/『歌姫(ディーヴァ)プロジェクト』 『蒼き雷霆』とともに、意味を刻まれた言葉を思い出した。 驚きを声に出すところだった。 (この人は……ウタが、聴こえて、る?) ◆◇◆◇◆ 蒼き雷霆と、心ある機械の間に起こった記憶混濁。 本来なら契約関係のないサーヴァント同士で過去が繋がることは有り得ないという例外を引き起こしたのは、互いのサーヴァントの特性にあった。 記憶さえも電気信号に変換し、『イマージュパルス』という他者が共有可能な力として具現化した逸話を持つという彼の第七波動。 かつて歌姫の力の因子を移植されてそれを模倣した人工知能のように、『受けた攻撃を解析して自己学習する』という彼女の種族特性。 いずれも『電子機器の制御』『解析と再現』という逸話を持つ英霊同士の特性が噛み合った結果。 二騎のアーチャーは互いの過去を断片として入手し、GVだけの『謡(ウタ)』をシュヴィが共有するに至った。 そして、GVの第二宝具によって降臨する謡精の謡声とは当人にしか知覚できないものではあったけれど。 かつて、雷霆のイマージュパルスという形で『生前の再現』として現出した電子の謡精は、万人に見える姿と声を持っていたように。 かつて、実体を持つ人工知能が謡精の力を取り込んだ時、その歌声は万人に聴こえるヴァーチャルアイドルの形態をしていたように。 シュヴィが感染した『謡声』の、二度目の発露は。 かつてアイドルのプロデューサーだった男の耳にも聴こえるものとして届いた。 【解けないココロ溶かして 二度と離さない貴方の手】 そして確信する。 どういう事態が生じているのかは飲み込めず。 現状が命の危機であることは理解しているなりに。 膜を一枚隔てたように、少女の口からではなく不可視のスピーカーから聞こえてくるこの歌声は。 これは、本物の偶像(アイドル)が持つ歌唱の力だと。 国民的ヴァーチャルアイドル・モルフォ。 シュヴィの中にいる歌姫は、かつて間違いなく一国の全土で一世を風靡した偶像だ。 たとえ、輪廻の歌をうたっている時は、たった一人の為だけのアイドルなのだとしても。 むしろたった一人の為に歌うことが、彼女の心願であればこそ。 そのプロデューサーの持論は、『アイドルはやりたいことをやらせている時にこそ輝く』というものだった。 【いつの日か世界が 終わる時も】 奇しくもつい先刻、思い出してしまった。 櫻木真乃をスカウトした時に、単なる歌唱力に留まらない、確かな『魅力』を歌に見出したことを。 ましてや、すでに頭角を現している、一国すべてを魅了したことがある『輝き』にならば、目が留まらないはずはなかった。 「君の中には、アイドルがいるのか?」 その上で、その歌声を『サーヴァントたる少女自身のもの』だとは思わない。 これほどの『歌の力』を持ったアイドルが眼前に降り立ったのに、ひと眼でピンとこない、というのは有り得ないのだ。 その男自身も、長らく忘れていたことだが。 これまでに彼自身がスカウトした全てのアイドルの『輝き』を、彼は初対面の印象のみで看破している。 たった一人の、普通の女の子に出会うまでは。 そのたった一人は、内面と外部に現れる輝き方が、一致していなかった。 飾らない素顔を見ていると、みずみずしい『何か』があると思えなくもないのに。 パフォーマンスと言う外付けを被った途端に、くすんで何かのコピーになる子だった。 少女のサーヴァントは、その女の子とは対照的だった。 外付けで植え付けられた、再現であるらしき『何か』の方が、表現者のそれをしている。 その輝きは、まるで恋の歌をうたう翼のようだった。 幼き容姿をしたサーヴァントの少女が、心なしか驚愕を突かれたように挙動を硬直させて。 やがて、その眼光を鋭いものへと変じさせた。 心を向けるまいという目線から、要警戒対象を見る眼に変わるように。 瞳孔の周りにいくつも金色の円環を輝かせて、眼の焦点を精密に合わせるように。 (何かを……覗かれている……?) 連想したのは、審査員の眼線を受けることだった。 ステージの上で一挙一同を凝視する分析官。 にちかも怯えていた、『空っぽですね。何も感じません』『それじゃダメ可愛くないわ』という死刑宣告の数々。 今回はそんな痛罵は飛んでこない代わりに、死神の鎌を振り下ろされることは予想できたけれど。 (こちらを知った風に見敵必殺で襲ってきたのに、観察するような眼をしている。 ……一方的に俺たちを知っている?) 自分たちがどういう者かを知っている上で、分析能力を持つらしきサーヴァント。 そういえば皮下が以前、『気絶している間に、リップのアーチャーに診せた』と言っていなかったか。 であれば、彼女のマスターは。 「俺はもう、方舟達と一緒に逃げようとか、まして見逃そうなんて考えていませんよ。その逆をする。 ……と君のマスターに伝えても、心変わりは望めないのか?」 どうせこのままでは死ぬという当てずっぽうは、図星をあてたらしく。 推定・リップのアーチャーは「どうして」と小さく口を動かし、マスターに念話を送るかのような一拍を置いて。 ――――――ドン!!!!! その一拍で、紡いだ言葉は時間稼ぎになったと証明される。 公園中の土地を揺るがすほどの地鳴りが、背後にいるランサーの足元を震源地として響き渡った。 同時に、これまでともに闘ったどの時よりも苛烈な闘気に己の背が押し倒される。 結果的に庇われるように伏せ倒された中で、頼もしさとは別種の畏怖が背中に刺さったことを感じていた。 それは闘気というよりも、ガムテのライダーが場を圧倒していた際の『意志力』に近い、形ある刃のような。 その刃を纏ったランサーが、頸のないまま己を助けるために動いている。 それだけは、庇うように前に出た頭部のない背中を見て理解したところで。 ――俺は誰よりも強くなって、必ず…… 記憶に蘇ったのは、過去夢で交わされたランサーの約束だった。 サーヴァントたちの動きを眼で追えないまま、かろうじて目撃したのは、『花火』だったからだ。 『黒い火花の閃きが集った花火』が、ランサーと少女との激突しようかという境界にて、大輪の花を咲かせた。 ◆◇◆◇◆ 知っていた。 彼女が望むのは、人を呪う黒い火花でも、まして地獄に咲く曼荼羅でもない。 ただ、来年も再来年も当たり前のようにそこにある、二人見上げる花火だということは。 知っていた。 狛治という男の妻が、父の素流によって罪なき人が血を流すところなど見たくない心根の女だということは。 知ってはならなかった。 その彼女が、ずっとこれまでのことを見ていたなどと。 かつての伴侶の陰法師が、再び不名誉として狛犬の二つ名を冠して修羅と化す光景には、胸を痛めたに違いなく。 それでも止まってほしくない、負けないでほしい。 なぜなら、どうか貴方が報われないまま終わってほしくないのだから、と。 それは、祈りだ。 辛く苦しい景色さえも見届ける覚悟を持って。 あなたの幸いの為に寄り添わせてほしいと伝えて。 誰かの為の、幸せの形がしかと見えるまで、見守るというのは。 知ってしまったのなら。 祈りながら見ているというのなら。 恥を抱かないのかと問答した上弦の壱に対して語った通りに。 鬼としての上弦の参は、結局のところ敗者でしかなかったけれど。 それでも貴方が『誰か』の為に戦うならば見守ると、英霊としての生を赦されたのなら。 たとえ生き恥のように頸を斬られた上で足掻こうとも、『誰か』の為には求めることを止められない。 その『誰か』は、まだ迎えたい終わりがあるのだと言う。 同じ女を愛した男と対峙して、正しいやり方を選び取れていた可能性を知りたいのだと。 ――終わらせ方が分かったよ、ランサー 当代の主は、そう言った。まだやり残したことがあると。 はじめは独り言として、続けて念話として。 ――俺がこの聖杯戦争で、最期に対峙するのは、きっと『彼』だ もしもその彼が正しい導き方を、祈り方を見失わなかったのだとすれば。 それと対話した上で、しかし方舟に乗ることはせず、己が聖杯に対して祈る願いとして定めたいと。 それこそ、『鬼の王』とでも名乗るべき妄執の強さ、恥知らずの発想には違いない。 つまるところ聖杯にすがって願いを叶えるというのであれば、方舟が出航したり聖杯の権能を糺したりする結末は潰すということであり。 貴方たちの営みは尊い、その想いこそが何より大切なものだったのだと賞賛しながら、それを踏みにじる手段を講じるのだから。 自分たちは勝利を得られないサガを持っているけれど、それでも残したい願いがあるから、やり方を倣わせろと。 己はそんなやり方で、願いを叶えて消えるけれど。 貴女達はどうか幸せな世界をやり直せと祈る、やはり己に似ている主には報いたい。 消滅することを宿痾として定められた鬼が、それでも太陽を克服した鬼/蝋翼の現われることを希うように。 他の上弦たちをも立ち塞がるなら血戦でもって番付を覆し、地上最後の、鬼の王として振舞おう。 数百年の研鑽の累積と、明王の波動に触れたことは、闘気だけではないたしかな意思の力を宿し。 呪力(のろい)の黒き火花に愛された拳は、その意志力に属性の色を上塗りする。 ここから先は、貴女を最期まで苦しめた、吐血の赤と、呪(どく)の黒しか見せてやれないけれど。 そんな修羅の道行きにさえ、生前の花火を技の名に関してしまう愚かさにだけは、せめて目を瞑ってくれ。 ――――――武装色・黒閃光万雷―――――― ◆◇◆◇◆ 転移術式によってまさに捻じ曲げようとしていた、手を伸ばした先の空間。 その術式の着火場所と、ランサーの拳が神速で激突した――とシュヴィは観測した。 空間が歪曲している端緒と、ランサーの持つ拳撃、魔力が0.000001秒に満たぬ誤差を持って衝突。 着火した魔力の火花はそこに留まらず、海賊たちが『覇王色』と呼称していた圧力と類似した気圧の後押しにより威力を増大。 気圧の纏っていた『色』が火花のそれを帯び、晴天の下に『黒い光の花火』という現象を結実させた。 そんな現象を引き起こした頸から上の無い妖魔を、シュヴィは距離を開けた上空にて念話でリップに報告する。 退避したのは、怖気に駆られてばかりのことではなく。 気圧を感知した皮下真のライダーが引き返して来ないかどうかを、上空に対して警戒するためでもあった。 『龍は……戻ってくる気配、無し……討滅を、続行』 『いや、ここは退いていい。それより、さっきの不調について確認がしたい』 『マスター……それは、ちゃんとお仕事、した後でも………シュヴィは大丈夫、だよ?』 『今さら、お前がちゃんとできないんじゃないかと疑ったりはしてない。そうじゃなく、殺す理由がいったんなくなった』 戦況が変わり、シュヴィとしても標的を改めて解析したことや黒き花火への対応などを経て、歌唱はまた聴こえなくなっていた。 それが他の出来事に集中を割いたことによる、意識の変化によるものだったのか。 あるいは、対応する種族としての機鎧種の身体が、感染した異物への抗体を覚えつつあるのか、その両方か。 いずれにせよ、もう己を躊躇わせるものはない、殺しを履行できるとアピールすれば、リップはそこを疑ったわけじゃないと否定した。 『さっき鏡の世界で見た時とは、眼の色が変わっていた。あいつが言っていたことは、たぶん嘘じゃない』 『うん、シュヴィも……嘘をついてる反応は、見えなかった』 ――俺はもう、方舟達と一緒に逃げようとか、まして見逃そうなんて考えていませんよ。その逆をする。 『あれは……方舟を、倒す……という意味?』 戦線で別離する前は、曲がりなりにもアイドルの犠牲者が少なくあってほしいと願っていた風だった男が。 宗旨替えをしたかのように『方舟を看過しない』と言い出し始めた。 シュヴィにとっては不可解だったそれを、しかしリップはおよそ正しく汲み取っている様子だった。 『さっき別れた時はすぐにでも死にそうな顔だったのに、お前の映像ではそうじゃなかった。 もうひと踏ん張りするかって腹は据わってたようだが……否定された側の眼は、変わってなかった』 これまでの人生で、何度も鏡を見るたびに向き合ってきた眼だった。 最後に協力し合った時のそいつは、衝動的に頸を斬ろうとして片目になった日の顔を思わせた。 シュヴィに向かって時間を稼ごうとした時の顔は、ループした後にラグナロクが起ころうと知ったことかと割り切った日のそれになっていた。 あれは決して、気力を取り戻したからといって方舟に迎え入れてもらおうとする者の顔ではない。 その確信と、『方舟の者に何らかの執心を抱いているのは事実らしい』というこれまでの感触で、リップはおよそのスタンスを察する。 また、古手梨花や皮下を経由してリンボのマスターについて幾らか聞き出していたこともある。 『愛着を抱いており決着を望んでいるけれど、共に脱出する気はない』という関係性を閃くのは、難しいことではなかった。 『何らかの決着は付けたいけど、願いに妥協はできないから向こうのサーヴァントはむしろ倒す……ってとこじゃないか。 そうなったら方舟側も力づくで取り押さえるかもしれないが、サーヴァントの方も火薬庫みたいになってる今の有り様だと簡単じゃないだろ』 未知の黒き火花と、覚醒を迎える前段階のような休眠を加味した上でなお、戦闘力としてシュヴィに届くかというほどの危機感はなかったけれど。 完全復活を果たしてどれほど力の桁が上がっているかは不確定にせよ、それでも捕縛によって無力化を図るにはあまりに殺気が強く。 それならむしろ、まだ残しておいた方が勝手に潰し合ってくれる方の目がでかいだろう、と。 その判断を説き、リップはシュヴィが上空へと離脱した頃合いで別の質問に移った。 『それで、さっきはどうした? 単に躊躇ってただけじゃないよな。 治ってるはずの右眼が塞がったみたいに、映像がぶれたんだが』 念話以外の音を拾えなかったがゆえに感じ取れなかった、ウタに伴う不調について。 『シュヴィ………アイドル、やらないかって、言われた……』 『は?』 それは、相当に語弊もあり、また細部も違う言い回しから始まるものだったが。 ◆◇◆◇◆ もしシュヴィが取り込んだ記憶に、雷霆の相容れぬ仇敵だった復讐者の紅き少年や、その傍らにいた生体ユニットの情報でもあれば。 シュヴィは『P(フェニック)ドール』という概念を把握し、これから己の身に生じるやもしれぬ変化を、具体的に思い描けていたかもしれない。 だがシュヴィはそれを知らず、ゆえにその自己診断は推測が入り混じるものとなった。 『原因……シュヴィと、あのアーチャーの……能力の近似と、推定。 電子機器の解析、および制御(ハック)。 それに、心や脳の活動を、情報(データ)として同期するもの。 ……、記憶、戦闘経験を蓄積する宝具の所有も同じ。 全て、アーチャーから受けた攻撃と定義づけられる以上、機鎧種として解明は可能。 解析が進行すれば……ノイズは沈静化すると、推測』 シュヴィの機体は、そもそもが防魔・防毒・防呪・防精霊仕様だ。 であれば、それが歌声であれ『感染』もまた対応すべき攻撃の一環だと認識できる。 そういった説明に、しかしリップは言葉だけで説かれても納得しきれない懸念を示した。 『未知のウイルスに感染した割には、ずいぶんと楽観的じゃないか? 沈静化するだろうって根拠でもあるのか?』 『ある』 『その根拠は?』 『解析能力が……戦闘前と戦闘後で改善されていた。 雷霆の類似能力を、模倣して……アップデート、実現した』 先刻の男性の言葉に動揺し、伏せられていた異能でも無かったのかと再解析をしたことで、それが判明した。 初めて目にした時、皮下から診てくれと言われて検分した時は、『生命力の低下した一般人マスター』という程度の所見に過ぎなかった。 それが改めて目の当たりにした時は、『魂に該当する存在情報の九割損失』というところまで、情報として汲み取れるようになっていた。 シュヴィ生来の解析能力に、『歌姫』の精神感応力と、雷霆の制御(ハッキング)能力が上乗せされた結果。 それが決して悪い変化ばかりではないと、シュヴィはその機体を持って体感していた。 『何というか……助けられてるな。お前が腹を括ってくれたことに』 『解析の成功に、じゃなくて……?』 『いや……こればかりは、分からないでいい』 シュヴィに詳しく解説するつもりはなかった。 なぜなら、『お前が覚悟を決めてくれて助かった』という、より直接的な言葉選びができなかったから。 どんな悪役に落ちても、シュヴィのことを己の都合本意に動いてほしい道具のように扱うのは、やはりできなかった。 元の世界でも、リップはずっとそばにいてくれた相棒に対して、そういう態度しか取れなかったのだから。 『……さっきは、やれたんだな?』 『マスターの命令変更があれば、今からでも殺せる』 『いや、それはいい……でも、殺すかどうかの判断は、俺の指示を仰げ。 お前が俺の殺しに片棒を担ぐっていうなら、逆もそうなんだからな』 『マスターは……棒なんて、持ってない、よ? でも、了解』 けれど、シュヴィがどこまでも共に行くと巻き込まれてくれたことで、リップは『脱出派の手に渡れば重宝される力』を憂慮せずに済んでいる。 今のリップ達にとって『シュヴィの権能の拡大』は、聖杯狙いにのみ用立てられるべき活路として見据えられるようになった。 ではこのまま、皮下やそのライダー、周辺にいる者の位置取りを報告するようにとリップは改めて促そうとして。 シュヴィではなく、己のいる場に異変が起こっていると、風の音によって気付いた。 夏風が吹きつけると同時に、リップの背後でざわざわとたくさんの植物が擦れるような音がしていた。 明らかに気配を変えている廃屋の様相にリップは振り向き、そして片目を驚きで見張る。 監禁部屋の窓を越え、壁を無視し、屋根に至るまで。 わずかな壁のヒビ割れに根や枝を張るように、桜の花弁がその一室から吹きこぼれていた。 さながら皮下真が移動した跡と、ほぼ遜色ないほどに。 桜の精どころではない、夜桜の魔女がじかに寝所へと降臨したかのように。 視界には、監禁場所の壁を越えて感染するように狂い咲きを広げる桜花。 聴覚には、耳に張り付くような盛夏の蝉の声。 それはまるで、秋と冬の概念が滅ぼされた世界で。 春(サクラ)と夏(ひぐらし)とが、喧しく喧嘩をしているかのような光景だった。 そしてもう一つ、リップは気付く。 聴覚と視界だけではなく、嗅覚も様相を変え始めていた。 風に吹かれ、恵みの枯れ落ちた錆の混じる曇天の空気ような。 それを嗅いだ覚えは、たった一度だけ、無いではなかった。 遡ること、もう丸一日になるだろうか。シュヴィが電車の屋根上でわずかに交錯したという、あどけなき少女のことを。 彼女に根源的恐怖を齎したサーヴァントのことを、どうしてか思い出した。 【杉並区(中野区付近・杉並区立蚕糸の森公園)/二日目・午前】 【プロデューサー@アイドルマスターシャイニーカラーズ】 [状態]:覚悟、魂への言葉による魂喪失、魔力消費(大)、疲労(大)幻覚(一時的に収まった) [令呪]:全損 [装備]:なし [道具]:リンボの護符×8枚、連絡用のガラケー(グラス・チルドレンからの支給) [所持金]:そこそこ [思考・状況]基本方針:“七草にちか”だけのプロデューサーとして動く。だが―――。 0:――ありがとう、ランサー。 1:………きっと最期に戦うのは、『彼』だ 2:次の戦いへ。どうあれ、闘わなければ。 3:もしも“七草にちか”なら、聖杯を獲ってにちかの幸せを願う。 [備考]プロデューサーが見ている幻覚は、GRADにおけるにちかが見たルカの幻覚と同等のものです。あくまでプロデューサーが精神的に追い詰められた産物であり、魔術的関与はありません。(現在はなりをひそめています。一時的なものかは不明) 【猗窩座@鬼滅の刃】 [状態]:頸切断、全身崩壊、覇気による残留ダメージ(極大)、頸の弱点克服の兆し(急激な進行)、霊基の変質 [装備]:なし [道具]:なし [所持金]:なし [思考・状況]基本方針:マスターを聖杯戦争に優勝させる。自分達の勝利は――――。 0:―――――――― [備考]※頭部が再生しつつあります ※武装色の覇気に覚醒しました。呪力に合わせて纏うことも可能となっています 【杉並区→移動開始/二日目・午前】 【アーチャー(シュヴィ・ドーラ)@ノーゲーム・ノーライフ】 [状態]:頭部損傷(修復ほぼ完了)、右目破損(修復ほぼ完了)、『謡精の歌』(解析が進行中) [装備]:機凱種としての武装 [道具]:なし [所持金]:なし [思考・状況] 基本方針:叶うなら、もう一度リクに会いたい。 0:――もう大丈夫。手を汚せる 1:戦場を監視し、状況の変化に即応できるようにしておく。 2:マスターが心配。殺しはしたくないけと、彼が裏で暗躍していることにも薄々気づいている。 3:フォーリナー(アビゲイル)への恐怖。 4:皮下真とそのサーヴァント(カイドウ)達に警戒。 5:セイバー(宮本武蔵)を逃してしまったことに負い目。 ※聖杯へのアクセスは現在干渉不可能となっています。 ※梨花から奪った令呪一画分の魔力により、修復機能の向上させ損傷を治癒しました。 ※『蒼き雷霆』とのせめぎ合いの影響で、ガンヴォルトの記憶が一部流入しました。 ※歌が聞こえました。GVのスキル、宝具の一部を模倣、習得しつつあります。現在は解析能力の向上などに表れています 【中央区・廃墟/二日目・午前】 【リップ@アンデッドアンラック】 [状態]:健康、魔力消費(小) [令呪]:残り二画 [装備]:走刃脚、医療用メス数本、峰津院大和の名刺 [道具]:ヘルズクーポン(紙片) [所持金]:数万円 [思考・状況] 基本方針:聖杯の力で“あの日”をやり直す。 0:もう迷いはしない。 1:シュヴィに魂喰いをさせる気はない。 2:敵主従の排除。 [備考] ※『ヘルズ・クーポン@忍者と極道』の製造方法を知りましたが、物資の都合から大量生産や完璧な再現は難しいと判断しました。 ※ロールは非合法の薬物を売る元医者となっています。医者時代は“記憶”として知覚しています。皮下医院も何度か訪れていたことになっていますが、皮下真とは殆ど交流していないようです。 時系列順 Back 時計じかけの星のパヴァーヌ Next ひぐらしのなく頃に桜 -桜渡し編- 投下順 Back 時計じかけの星のパヴァーヌ Next ひぐらしのなく頃に桜 -桜渡し編- ←Back Character name Next→ 157 6 プロデューサー 160 ひぐらしのなく頃に桜 -桜渡し編- 157 6 ランサー(猗窩座) 160 ひぐらしのなく頃に桜 -桜渡し編- 151 業花の帝冠、筺底のエルピス リップ 160 ひぐらしのなく頃に桜 -桜渡し編- 151 業花の帝冠、筺底のエルピス アーチャー(シュヴィ・ドーラ) 160 ひぐらしのなく頃に桜 -桜渡し編-
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/7592.html
このページでは、PSV用ソフト『サガ スカーレット グレイス』(判定:スルメ)と、Switch/PS4/Win/iOS/Android向け完全版である『サガ スカーレット グレイス 緋色の野望』(判定:良作)について紹介する。 「検証依頼」が出ています。依頼内容は「ラスボスのセリフが変化する」というソースの提示です。対応できる方はご協力をお願いします。 サガ スカーレット グレイス 概要 ストーリー 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 サガ スカーレット グレイス 緋色の野望 概要(緋色) 主な変更・追加点(緋色) 評価点・無印からの改善点(緋色) 賛否両論点(緋色) 問題点(緋色) 総評(緋色) 余談(緋色) サガ スカーレット グレイス 【さが すかーれっと ぐれいす】 ジャンル RPG 対応機種 PlayStation Vita 発売・開発元 スクウェア・エニックス 発売日 2016年12月15日 定価 6,800円+税 レーティング CERO B(12才以上対象) 備考 Vita TV非対応 判定 スルメゲー ポイント お久しぶりのサガ新作大胆なゲームデザインロード時間に難あり サガシリーズ 概要 『サガ』シリーズ完全新作。CS機にサガが出るのは『3SoL』以来5年ぶりで完全新作としては実に14年ぶりの作品である。 サガ25周年記念生放送で製作中であることが明かされ、当初の仮題は『サガ2015』だったが実際に発売されたのは2016年となった。 発売前PVでは『ロマサガ』を受け継ぐ新たな『サガ』とも紹介されており、世界観は概ねロマサガ3部作に近い物だが、ロマサガ系統とはまた一味違った(*1)ソフトになっている。 ストーリー かつて、星神を裏切った「ファイアブリンガー」という一柱の神がいた。その神は邪神となり、星々の彼方に追放されたが、彗星になって還ってきた。ファイアブリンガーの接近によって冥魔たちも活発化し、星は大きな混乱に見舞われる。星神はある人間に力を与えた。その男は人々を束ね、邪神に対抗するための帝国を築き、力を合わせて戦った。邪神は去り、星には平和が訪れたかに思えた。しかし、邪神は150年に一度の周期でまた還ってくる。人々は歴代の皇帝の元で邪神と戦ってきた。そして、7度目の戦いでようやく邪神ファイアブリンガーを打ち破った。邪神の彗星は砕け散り、1000年に渡る長き戦いの歴史には終止符が打たれた。しかし、邪神が消滅したことで帝国もまた不要になり、反乱が起こった。邪神を破った皇帝は暗殺され、帝国は内乱により瓦解した。それから70年後、新たな脅威が迫りつつあった。帝国が瓦解した混乱の時代に、人々は星神に救いを求めるが、神々も共通の敵を失ったことで勢力争いをしていたのだった。この間に冥魔たちは徐々に力を取り戻し、地上の支配権を得るべく活動していた。砕け散り、地上に降り注いだ邪神ファイアブリンガーの破片・「スカーレット グレイス」を求めて。 特徴 フリーシナリオシステム 今回も過去のサガ同様フリーシナリオが採用されており、本筋と直接関係の無い無数のイベントが存在する。 一応メインシナリオに該当する大きなイベントは用意されており、4人の主人公のうち3人はこのメインイベントをこなす必要があるが、レオナルド編のみはこのメインイベントをやらなくてもストーリーが進行するようになっている。 主人公及び進行状況によって大きく異なる(特に後述のバルマンテ編は進行制限が大きい)が、移動の自由度も一本道タイプのJRPGに比べると高め。レオナルド編に至っては開始早々全てのエリアへ移動可能。 発生条件を知っていれば、それなりの手間や危険はあるものの時期に不釣り合いな強力武器を入手することができる場合も。 フリーワールドシステム 本作最大の特徴。本作は2・3Dマップは存在せず初期の『FF』や『ドラクエ』で採用されていたようなフィールドマップそのものの上で冒険を進めることになる。 フィールドマップ上にはイベント発生するポイントがまばらに配置されており、それぞれに接触するとバトルやイベントが始まる。例えるならば「プレイヤーが行先を自由に決められるボードゲーム」と言える。 このため、 RPGでありながらプレイヤーが探索できるダンジョンや街は存在しない 。厳密に言うと存在はするが、一枚絵の上で選択肢を選ぶだけかひたすら敵と連戦するかといったような物になっている。 このため当然だが宝箱や店もない。本作は戦闘終了時にHPは全回復するため消費アイテムの概念もなく、装備品は各街に初めて訪れた時の来訪記念か物々交換、仲間になったキャラの初期装備、敵のドロップ・サブイベントの進行でしか入手できない。 戦闘があるイベントが発生する場合にはあらかじめ戦闘回数と難易度・戦ったことがある敵ならどの敵が出現するかが分かるようになっている。 一部予告なしに戦闘になるイベントもある。その手の場合大抵明らかにヤバそうな選択肢(道をふさぐ海賊を力ずくで黙らせる等)やアイコンが出てくるので比較的予想はつきやすいが。 過去作同様本作も「こちらが戦闘すればするほど敵も強くなる」という仕様となっている。ただし戦闘に入ってしまえば逃げられないので『ロマサガ2』であった「逃げてばかりいたら敵が強くなりすぎて詰む」という事態には陥らないようになっている。 また、同じ場所で戦い続ける限りは敵もほぼ強化されないようになっている。救済ポイントとして何度も敵と再戦できるポイントが世界各地に存在するため、どうしても勝てなくなってきた時はそちらで稼ぐことで敵をあまり強くせずにこちらのみ強化できる。 戦闘に敗北した場合はその場で再挑戦することが出来る。 再挑戦時には後述の連撃のダメージがアップし、負けるまでにひらめいていた技を引き継いだまま再戦闘できる。 最強武器候補「五行武器」 名前の通り、五行属性のいずれかを持つ武器であり、トップクラスの性能を誇る。 ただし、入手時点ではなまくら状態で、2度の強化を経て最強となる。もっとも、最初の段階でも中クラス程度の性能はあるので、序盤に入手すれば主力となりうる。 大剣と槍のみこれ以上の武器がある他、杖と素手扱いの武器はない。 入手方法は特定の州で特定のプロセスを踏むことで入手可能。いずれにせよ、ある程度戦闘をこなす必要がある。 それはもう入手方法はまちまちで、イベントをこなしてたらなんか手に入ったというレベルから意図的にやらないときついもの、とあるキャラと引き換えでないといけない場合もあったりする。 もっとも簡単に入手できるのは火属性で、最終的にドラゴンを倒す必要があるがシステムの都合もあって最序盤でも勝てる。何なら開始直後に行ってもいいくらい。運がいいとさらに最強の槍の素体まで手に入る。 別の五行武器で入手している武器種は登場しない。入手できるのは、パーティ内で最も熟練度の最大値が高い武器種となる。 ストーリーには一切絡んでこず、それどころかありかに関する情報すらまともに存在しない。 バトルシステム 本作のバトルシステムは「タイムライン」と「BP」と「連撃」を活用する独特なシステムとなっている。 戦闘になると敵味方双方が行動順とそのターン何の行動をするのかがで一列で全て表示される。 行動するためには「BP」を消費する。「BP」は今回はキャラごとに個別ではなく、毎ターン全快(+陣形によっては条件を満たせば最大値が増加する)ポイントをパーティ内で共用する。早い話TCGの「マナ」と「マナコスト」に近いシステムになっている。 当たり前だが強力な技ほど消費BPが多く、連発できないようになっている。最終的なBP上限も決して多くはないので、連発できないだけでなく他のキャラの行動まで阻害しかねない。 同じ技を使い続けることでその技のランクが上がり、BPのコストが軽減される。ちなみに、ランクアップには武器ごとの熟練度が一定以上必要。 技は最大ランク3まで上がる。ただしスタッフ曰く「ランク3はどうしてもラスボスに勝てない人への救済措置」ということで意図的な稼ぎプレイかほぼ全てのサブイベントをこなそうとしない限りはまずお目にかかることはない。 敵を倒したり味方が倒されて味方同士が隣合わせになると「連撃」が発動する。 + 連撃解説 以下、ABCDEを味方、αβγδεを敵として解説する。 例えば ABCαβγDδEε という行動順になっていた場合、味方Bが倒されるとAとCで連撃が発生、あるいは敵δを倒せば味方DとEで連撃を行える。 連撃は敵も使えるので、上記の並びの場合敵βを倒してしまうと敵αとγで連撃が発生してしまう。 連撃によって敵を倒して違う仲間と隣合わせになった場合、更に連撃が繋がる。 上記の例であれば全体攻撃で敵αβγを一度にまとめて倒せた場合ABCとDで連撃が発生し、この連撃で敵δを倒せた場合ABCDとEで再度連撃が発生し、敵εを攻撃できる。 こちらも同様に、味方Dが倒されると敵αβγとδで連撃が発生し、この攻撃で味方Eが倒された場合敵αβγδとεで再度連撃が発生する。 連撃は条件さえ満たせば1ターン中に敵味方どちらも何度でも発生する。 自軍の攻撃で敵βを倒した場合敵αγで連撃を発動するが、この連撃で味方Bが倒された場合味方ACで連撃が発動する。 このACの連撃で敵δを倒した場合味方DEでの連撃が発動する。その後残った敵αγを撃破できれば味方ACと味方DEで連撃を発動させ敵εを攻撃できる。 連撃が成功した場合、連撃に参加したキャラの次のターンの消費BPが軽減される。つまり成功すれば一気に有利になるが、選択を誤って敵に連撃されると一気に不利になるシステムと言える。 このBPの減少は累積し、全ての技はBP1まで軽減する。術の場合、さらに1度に1回限り詠唱時間も短縮される(こちらも最小は1)。 技は相手への攻撃技・味方への補助技は通常技として扱われるが、一部の発動条件がある技はリザーブ技という特殊な分類がなされている。 リザーブ技には味方をかばう「プロテクト」、直接攻撃を防ぎ反撃する「カウンター」、行動順に割り込んで発動する「インタラプト」の3タイプが存在する。 「プロテクト」は味方を守れる技。全体攻撃であっても「プロテクト」さえしておけばプロテクト対象となったキャラを守ることができる。 「カウンター」は自身への直接攻撃を無効にして反撃する技。威力も高い技が多いが、発動は確率なので狙うには自身に「怒り(*2)」を向けさせるなど工夫が必要。 「インタラプト」は特定の属性を持つ相手の攻撃をトリガーとして発動する技。「カウンター」と違い相手の攻撃そのものは防げない代わりに相手の行動順に割り込むため、うまく発動できれば連撃を狙える。また、選択すると誰がその対象になる技を使うかが分かるため、無駄撃ちの危険性が低い上に相手の技構成を知っていれば何を使ってくるか推測できる。 リザーブ技はいずれも弓矢などの間接攻撃によって解除されてしまう。例外的に、間接攻撃のほとんどを占める突属性に対するインタラプトであればほぼ意味がない。 敵がリザーブ技を使う場合、リザーブ技であることは分かるがどのタイプであるかを事前に知ることはできない。 通常技の中にも「バンプ」という特殊な属性を持つ技がある。これを相手に命中させられれば相手の行動順を遅らせることができる。 撃破判定はバンプ後となる。そのため、下手に倒すと相手の連撃が発生するが倒してしまいたい相手に使う、などもできる。 もちろんサガお馴染の「ひらめき」「陣形」「LP」も採用されている。 「ひらめき」はほぼ過去作と同様。戦っていると新たな技を習得できる。閃く技は武器依存。 「陣形」は『ロマサガ3』同様特定のキャラを仲間にした際に新たな陣形を習得できる。 陣形は過去作同様陣形によって様々なバフ・デバフ効果が発生するが、本作は「BP」に関する特別な効果を持った陣形が多い。 「BP」の最大値が少なくなる代わりに最初から「BP」が一定値支給される速攻戦向けの陣形や、特定の武器種のコストが低下する、特定の位置に配置した人物がタンク役になる等、敵のタイプや自軍のメンバーを考慮して逐次最適な陣形で挑むのが本作の基本戦術となる。 陣形の中には「 開始時から全員が毒状態であり、毒状態の数に比例してBPが増える 」という破滅的なものも。もちろん、毒を治すとBPが減る。 陣形には一定確率で星神のきまぐれである「恩寵」が付与される。「恩寵」は味方全体回復や敵全体デバフなど星神により効果は異なる。 「LP」は今回は0になってもキャラロストこそしないが、しばらくの間戦闘に参加できなくなってしまう。 LPは二回戦闘を休むか、フィールド上の特定のイベントで1ポイント回復できる。 しかし0から回復した場合は最大値まで戻るので、無理にPTメンバーをやりくりするよりは0から最大値まで回復を待った方が効率的な場合も存在する。 使用者は少ないがLP自体を削る技を持つ敵もやはりいる。 術の習得・ランクアップはやや変わっており、戦闘終了毎に「フラックス」というものを吸収するチャンスがあり、術士1人の習得術の中から1つを選んで吸収させることで、その術のランクアップに必要なポイントが累積されていくシステム。 フラックスの量と属性は戦場によって異なる。また、フラックスを吸収するには術士が戦闘に参加していなければならない。 連戦の場合は、最終戦後に一括してフラックスの吸収チャンスがあるため、この時のみ参加していればよい。 技と違い、戦闘中に使い込んでもランクアップのスピードアップにはつながらない反面、戦闘中に全く使っていない術もランクアップさせることができるのが特徴。 新しい術の習得には、これに加えて習得用の杖を装備している必要がある。杖の属性とフラックスの属性で、どの術が習得候補になるかが決まる。 4人の主人公 主人公は4人存在し、誰か1人を選んでスタートする。 各主人公はラスボスは基本的には同じ(前座で戦うキャラ等は違う)だが、ストーリーの本筋や仲間にできるキャラクター、サブイベントの展開は異なる。 各主人公にはバディ的なポジションの仲間が1人ずつ存在し、イベントシーンでもその2人で喋ることが多い。 本作は主要イベントが4つあり、各主人公はそれぞれ1つを主軸としてクリアする必要がある。 ウルピナ メインイベントは「大地の蛇」で、帝国四将軍家の筆頭と謳われた名門ユラニウス家の令嬢。家族に愛され幸せに暮らしていたが、過酷な運命に巻き込まれることになる。 決まったルートを進む一本道で、州を移動すると後戻りできないことが多い。そのため、メインイベント中の素材のやりくりが一番困難。 一方、戦力は本人を含めて使いやすい部類がそろっており、ウルピナは正攻法では非常に習得が面倒な二刀流(*3)をイベントで早期習得できる。 導入パートが一本道で作中世界の解説も多いため公式で1周目の主人公に推奨されている。 他のキャラのイベントで大地の蛇に挑んだ場合、行動と選択肢次第では死亡してしまう。ただし、死亡させないと加入しない仲間がおり、仲間コンプリートのトロフィーのためには一度は殺す必要がある。 レオナルド 故郷で農業を営む青年。俗っぽくいうと「元ヤン」キャラ。 メインイベントは「緋の欠片」で、ある日行き倒れていた女性に出会い、彼女がつぶやいていた「アイ・ハヌム」という目的地らしき場所を探し旅に出ることになる。 他の主人公を仲間にできる唯一のシナリオ。また、彼自身も他の主人公ルートにおいて唯一加入する主人公キャラ。性能としても使いやすい。 攻略の自由度が極めて高く、サブイベントも全主人公では最多。その分先に進む道が分かりにくいので1周目に選んでしまうと少々戸惑う可能性も。 タリア 陶芸家の女性。メインイベントは「不死鳥」で、自身の作品に「歪み」が生じることになったことに気づき、その元凶を探るため各地を巡ることになる。 主人公唯一の術士キャラで、慣れれば術の強さを理解しやすい。 術の中でもかなり強力な部類にある「召雷」が使えるので、戦力としては扱いやすい。ただし、ボス戦はかなりのダメージを負う危険があるので、難易度はそこまで低くない。 裏事情にも通じているため、ストーリーは他の主人公のメインシナリオの解説や種明かし的な側面がある。1周目でも悪くはないが先に他のキャラをプレイしているとより理解しやすい。 バルマンテ 処刑人の男性。メインイベントは「シグフレイ」で、彼が処刑した男であるシグフレイが死に際に七度蘇ると発言し、事実復活したことから七度処刑するために彼を追うことになる。 ボスのシグフレイがかなり厄介な相手であることやウルピナやタリアではスキップ可能な緋の欠片のシナリオボスがスキップ不可など、展開上の難易度が高い。 加えて問題点で挙げるように移動制限が大きく1周目に選ぶとやや遊びにくいため、2周目以降推奨。 評価点 膨大な分岐、サブイベント 公式でもプレイヤーの数だけストーリーが生まれると宣伝しているがこれは誇張でもなんでもなく全くもってその通りである。 特にレオナルド編の自由度は上で述べた通り特筆に値する。理論上は2時間程度でラスボスに勝ってエンディングまで到達することも可能。 発売当初は同じ時期に同じ主人公で始めた人と話しても話が全然噛み合わないということが頻発していた。自由度の高さの象徴と言えるだろう。 また、世界観やサブイベントもかなり漠然としているようで複数の選択肢や違う主人公から見てみると実はちゃんと決められた設定通りにきちんと作られているのが分かるようになっている。 このため周回プレイ時も面白い。というか周回しなければ本作の世界観の全容はつかめないようになっている。 『サガ』らしい独特の珍妙っぷりも健在 特にあらすじでは一見王道的なウルピナ編も随所にパンチの効いた場面があるため、公式で同編を初心者向けとして宣伝している辺りある意味サガを知らない人へ向けた強烈な洗礼とも言える。 仲間キャラも加入時以外イベントがないキャラも多いが、一癖も二癖もある名前と見た目をしているため使っているうちに妙に愛着が湧いたという声もある。 バトルアニメーションもSFCのゲームのエフェクトをそのまま3Dにしたようないい意味で奇天烈な物がある。 特に技「失礼剣」のモーションの失礼ぶりは広くネタにされている。 しかもこの「失礼剣」、実は有用なバンプ技なので戦闘中見る機会は多い。美少女からおっさんまで巨大なボス相手にすごい失礼な態度を取るのは非常にシュール。 また、過去のサガ(及び河津ゲー)のセルフパロも若干だが見られるのも特徴。「皇帝の大鋸」の見た目で爆笑した人も多いだろう。 バトルの面白さと完成度の高さ 敵の行動の可視化は一見先が見えて面白くなさそうだが、システムを理解して敵の行動を上手く潰せるようになるとなかなか面白くなってくる。 大技が見えていてもやり方次第で回避できるのが本作の特徴。緊張感と妨害に見事成功した時の喜びの感情の起伏はたまらない。 連撃の爽快感は上手くつながった時はなかなかRPGでは味わいにくいパズルゲームのような気持ちよさがある。 とは言え敵も容赦なく狙う他、場合によっては連撃をしないで各個撃破を狙った方がよい場合もある。毎回発生できるとは限らないからこそ成功時の快楽があると言える。 過去のサガだと死に技が多かったが今回はあまり無く(しいて言うと弓はいくらかあるが、弓自体が弱いわけではない。むしろボス戦では活躍する。)、初期技もBPの関係上後半でも使うので重要になる。 そしてもちろん忘れていけないのが「ひらめき」。プレイヤーの計算外で起こり、膠着状態を打破し、劣勢を盛り返す喜びは『サガ』でしか味わえない快感だろう。 これだけ緻密なシステムになっている分、安易なHP回復はできないようになっている(*4)。つまり「HP回復に頼らず、それでいて長期戦も可能なバトル」が完成されている。 BGMの作曲はシリーズファンには説明不要のイトケンが担当。実に『サガ』・伊藤氏らしい曲に仕上がっている。 四人の主人公ごとにそれぞれ別のフィールド・通常戦闘曲が用意されており、2周目を始めても新鮮な気持ちで始められる。いずれの楽曲も主人公たちにマッチしていて好評。 特に一部のボス戦で使用される「星神・守護者たち」は前奏から徹頭徹尾イトケン全部乗せと言われる程ロマンシングな一曲に仕上がっており、プレイヤーからの人気は高い。 ラスボス戦は連戦ごとに個別の曲が流れるという豪華仕様。各曲調の変化もラストバトルに相応しい盛り上がりである。 親切な解説 初登場した要素には毎回解説が入る。ゲーム内のTIPSも合計二万字以上の大ボリュームで構成されており、細かな仕様についてまでしっかりと記載されている。 過去作では戦闘に関するマスクデータや作用しているのかどうなのかよく分からないステータスが多々あったが、今回はかなり少なめになっている(*5)。 後述のラスボス戦の直前にはちゃんとセーブファイルを分けておくように天の声が入る。最後の最後にメタすぎる発言だが、過去作で詰みセーブしてしまい最初からやり直し…ということがあったのでありがたい処置と言える。 賛否両論点 いつも通りだが全体通して難易度はやや高め。 4人の中で初心者向けとされるウルピナ編も、序盤にストーリー進行の上で必須の連戦がありそこの難易度が高い。そこさえ抜けてしまえば後のボスはそこまで難しくはないが。 序盤からプレイヤーが連撃を理解している前提でのバランス調整となっている。極めて重要度が高い仕様なので「偶然決められれば有意義なおまけ」程度に思って進めてしまうと苦しいことになる。 全て書くと紹介記事ではなく攻略サイトのようになってしまうので記述しないが、行動順の入れ替わりは複数の条件がありこれを理解していないとうまく連携が繋げない。TIPSには書いてあるが一度に全部覚えられるかというと…。 敵のAIもあまり隙がない。隙があれば連撃を狙ってくるだけでなく、こちらが特定のインタラプト技を警戒して違う属性の技ばかり使っているとそちらに反応するインタラプト技に切り替えるというルーチンまでも組まれており、そう簡単に勝たせてくれない。 人によってどの程度難しく感じるかは差があるだろうが、「本作の雑魚戦は他のRPGだったら全部ボス戦級の集中力を使う」という感想もあるほど。 説明書に「このゲームは、ほかと比べて非常にやられやすいゲームです。上手い人でもやられます。やられないに越したことはないですが、不安になる必要はありません」と書いてある通り、策を講じても時の運で全滅してしまうことがままある。 LPが尽きない限りは何度でも再挑戦できるゲームデザインになっているため、ある程度全滅しても気負わない人には向いているが、すぐにストレスが溜まってコントローラーを投げてしまうような人には向いていないかもしれない。 ある程度高い難易度はサガだから仕方ないで済まされる中、アンデッド系・魔族系の雑魚に関しては苦慮する人が多い。 前者は、低BPの強力な状態異常技を連発しつつも自身は状態異常耐性を持ち、攻撃力・耐久値も高いという一切合切隙の無い敵となっている。弱点属性自体はあるがこれが3~5体まとめて出てくる時もザラにある。 後者は主に、2種類のインタラプト技に加えてカウンターも持つハルピュイア系の雑魚が厄介極まりない。突攻撃をしようものならインタラプト技かカウンター技で返され、斬攻撃をしようものならスタン効果を持つ全体インタラプト技で返され、合計3種類なので判別も難しいと明らかにやりすぎである。カウンター技か片方のインタラプト技を斬属性遠距離技(地走り)で解除しようにも、浮遊属性を持つため当たらず、更に弱点属性がなく特攻技も習得が難しいと隙が無さすぎる。 河津氏が発売前インタビューで「ちゃんとテストプレイでは倒しています」と予防線を張っておくほどラスボスが強い。 + ラスボスの解説。極めて重大なネタバレなので要注意! ラスボスは基本三連戦(+主人公・進行ルートによってはα)となる。 第一形態がとりわけ強く、高い運動性から先手を取って全体麻痺・混乱・スタン技を連射してくる。事前に何も知らず挑んだ場合、一切身動きが出来ないまま全滅する。一度倒してもHPは最大値まで回復する。 第一形態の特に厄介な理由の一つには敵が単体なので連撃を狙えないということも挙げられる(*6)。 第二形態は技をコピーするサポートキャラを複数召喚し、本体はインタラプト技を駆使するトリッキーな戦闘スタイル。この形態も一度倒してもHPは最大値まで回復する。 第三形態は二振りの刀が独立キャラとなり本体は単純な力押しなのである意味楽だが、単純に火力が高いので短期決戦必須。この形態も一度倒してもHPは最大値まで回復し、さらにもう一度復活する。一回だけしか復活しないと思って油断しているともちろん全滅。 仕様上二戦目以降で負けてしまうと一戦目からやり直しになり、一・二戦目で再戦を繰り返しLPが切れてしまったメンバーは最終戦に挑めない。 条件を満たすと能力値・思考パターンが強化された「最強」形態になるのだが、この条件が単なる選択肢による物なので、1周目から意図せずに「最強」状態と戦う羽目になる可能性がある。最後の最後で心が折れてしまった人も…。 倒す方法としては運動性を強化しまくったキャラをプロテクトで守りつつスタンを狙うか、術士を2人用意して守りつつ敵のBPを減らす「超重力」でハメるという戦法がある。少々卑怯だが、こうでもしないとまず勝てない。 当然ながらこれらの戦法が出来るメンバーが揃っていない場合ラスボス目前で鍛え直し。 復活する場合、行動前に倒してしまえばそのターンの行動をキャンセルできる。そのため、3戦目などは高威力技で手早く倒すことで最強状態でも叩きのめすことは可能。 ただし難易度が高いようで自軍陣営にもかなり強い攻撃手段・陣形はある。 複数攻撃術である「召雷」や「吹雪」等が非常に強い。特に召雷はランダムで複数回ヒットする類の術で、ボス単体めがけて使うと大ダメージが期待できる。比較的詠唱ターンやBPが少ないのもポイント。 これらと相性のいい陣形「マジカルシャワー」との組み合わせた上で発動者を守って連発していれば運悪く相手の連撃が発動しない限りはそうそう負けない。 初心者への救済措置とも言えるが、これら一辺倒だと本作の評価点である戦闘の面白さが堪能できないためこれに頼ると勿体ないことになるのも困り所。 また、戦闘力を上げるのに手っ取り早い手段である装備品の強化だが、「北東界外」という場所を使うことでかなり楽をすることができる。 制作の上での割り切り 本作でも「手のかけるところには手をかけるが、予算や制作期間の都合上無理な部分は切り捨てる」という河津氏の方針はそのままなため、近年の他の大作RPGと比べると初見時に恐ろしい低予算感を感じると思われる。 十二柱いる星神だが、ゲーム中ちゃんと姿を見れるのはたったの二柱のみである。バグで会えない等ではなく最初からそういう「仕様」である。 このことは発売前の早い時点で河津氏本人が明言していた。『ロマサガ』の「全部集められないディステニィストーン」と同様全ての神をメインストーリーに絡ませる必要性が無かったためではあるが、肩透かしを食らったという声も。 公式サイトでは敵味方双方かなりの数が登場するように書いているが、その内訳はSFC時代のような色違いキャラが多数を占める。 キャラのモーションやグラフィックも携帯機と言うことを考慮してもワンランク低めの物になっている。 その分本作は上述の通りその分リソースをバトルの面白さや自由度と選択肢の豊富さにつぎ込んでいるため、こうした割り切りをどう思うかはプレーヤー次第だろう。 本作は消費アイテムの管理やムービーシーン、初期のPTメンバーの来歴が明らかになるキャラゲー的な会話イベントや探索要素など一般的なJRPGにはつきものだがともすれば面倒な要素をバッサリとカットしている。 そうした部分に強い愛着を持つプレイヤーからするとイマイチ本作を面白く感じられないかもしれないが、このコンセプトに納得できれば余計な要素のないすっきりとしたゲームと言える。 EDでは各仲間キャラの後日談が語られるのだが、暗い将来が明かされるキャラが一定数存在し、せっかく愛着の湧いたキャラが予想外の結末を迎えてショックを受けたという人も。 一部後日談では本編の後に大戦が起こり戦乱の世になることがはっきりと明記されている。主人公の辿るルートによってはそうなるのも無理はないと言える結末もあるが、ルートによっては違和感がある後日談になってしまう場合も。 ただ神々の時代が終われば人間同士の争いの時代になる、というのもこれもいきもののサガなのかもしれないが…。 戦闘中に使える武器種類が1つしかなく、使える技も武器種類ごとに全て共通(一部の武器固有技を除く)。 従来のシリーズ作品(特にロマンシング~以降)では、1キャラが2つ以上の武器を装備することができ、さらに装備している武器にとらわれない攻撃手段として、素手による体術と術があるなど、1キャラが豊富な行動パターンをもっていた(*7)。 しかし今作では装備可能なのは1つの武器のみで、戦闘中に武器の切り替えもできない。体術&術も、前者は武器を外した時のみ、後者は杖装備の時のみしか使えないという制限がついたため、1キャラが戦闘中にとれる行動は装備武器(あるいは素手)に付随する系統の技・術のみであるなど、従来作品に比べると寂しい。 また本作では武器系統さえ同じなら一度閃いた技は全種類使うことができる。例えば大剣使いを2人育成した場合、その2キャラが使う技(≒戦闘中にとれる行動の択)は最終的に全く同じとなる。 逆に、各パーティメンバー(=各武器)のとれる行動が限定されていることが、戦闘バランスの完成度や「誰に何の行動をとらせるか」という駆け引きの面白さに繋がっているという見方もある。 なお従来作では同じ武器種類でも個々のアイテムによって使用できる技に差があったり、キャラが装備できる技・術の数に上限があったりしたため、それらを取捨選択することもキャラ運用に関わるポイントとなっていた。その点ではキャラ育成の幅はシリーズ内でも少なめ。 ちなみに複数の武器種を鍛えて技を閃いていくことで、「ロール」と呼ばれる一種のスキルのようなものをそれぞれのキャラが獲得していくため、たとえ戦闘では1種類の武器しかもてなくとも、複数の武器を並行して鍛えることに意味はあるシステムとなっている。 これを「複数の武器を鍛える甲斐があってよい」と受け取るか、「ロールのためだけに使いもしない(あるいはそのキャラが苦手な)武器まで鍛えなければならない」と受け取るかはプレイヤー次第だろう。 問題点 過去作でも見受けられた部分だが、詳細な世界観設定は作中で語られない物が多く、登場人物は作中世界の固有名詞をプレイヤーへの説明なしでそのまましゃべることもある。 特にラスボスの動機やバックボーンについては一切謎のまま急に戦うことになるため「ぽっと出」と批判されがちだった。もっともサガではぽっと出ラスボスの前例があるのでサガらしいといえばらしいが…。 一応公式攻略本兼設定資料の「緋の天啓」では本編の謎や分かりにくい各種設定についていくらか補足されている。この辺りもいつものサガである。 一応、1周目に選択されやすくなっているウルピナは世間知らずという設定で、ある程度プレイヤーと同じ目線で解説を受けることができる。 バトルシステムはそれなりに練られているが、術に関しては調整不足な部分が目立つ。 どんな術であろうと例外なく詠唱に1ターン以上消費するため、術全般、その中でも即応性が求められる支援術が明らかに使いにくい。 シリーズ屈指の高難易度という事もあり、大半の状況で「支援術に1ターン消費するくらいなら攻撃術を撃った方がマシ」という事態に陥りがち。支援術の効果自体は高めなので、せめて能力値上昇系の支援術だけでもターン無消費で使用させてくれれば…。 そのくせ敵側は詠唱時間のない支援技を普通に使用し、その中には効果が敵側全体に及ぶものも存在する。 上で「召雷や吹雪等が強い」とされる理由も「短い詠唱時間で全体に大ダメージを与えられる」ためである。逆を言えば、全体攻撃の詠唱に3ターンも4ターンも掛かる土術・金術は、通常プレイにおいてはかなり不遇。 攻略サイトでも、全体攻撃術に1~2ターンしか消費しない水・火・木系統の術(もしくはそのスキルレベル)を持つ術士キャラはそれだけで評価されている。そうでなくても術士は全術に適性を持つため、土術・金術は使われず水・火・木術を上げ直される事が多い。 それ以前に、僅か3つと各術の総数自体が圧倒的に少なすぎる。技と比較するまでもなく歴代でも最少。 その分効果は強力にされているが、先述したように支援術が使い辛いため、数の少なさと戦略の幅の狭さが悪目立ちしている。 ターンを消費しない杖技もあるにはあるが、僅か2つのみ、更に術士に不要な筋力が要求されるとイマイチ練られていない。 ただし、そのうち1つはそもそもダメージリソースとしてではなく、術力強化のバフ目的の技と思われる。 なまじ『ミンサガ』に過去作の術が大量に登場していただけに、本作の術の少なさを嘆くプレイヤーは相当多かった模様。「ギャラクシィ」や「ヴァーミリオンサンズ」等、シリーズお馴染みの最強術を敵側だけが使ってくる光景には、多くのシリーズファンが複雑な心境になったはずである。 同じく各武器の特性もある程度差別化が図られているが、槍に関しては他武器に比べ明らかに不遇。 技の攻撃力が補助技の揃う棍棒に次いで低く、特に歴代最強技の「無双三段」は斧の中堅技にすら劣る始末。おまけに各技の参照能力値が筋・技・運・知・集と5種類にもばらけており、性能通りの火力を出しにくく使用キャラも選ぶ。それでいてインタラプト技もプロテクト技も盾すらも使えない、と欠点が多すぎる。 一応スタンと毒を付与できるという長所があるが、どちらも体術と小剣で補える上に、そちらの方が能力値ダウン技や状態異常技が揃っているため、どうしても見劣りしてしまう。 長すぎるロード 本作の最大の問題点。ロード時間が快適性を著しく削いでいると断言できるレベルで長い。 特にストレスを感じるのが戦闘時で、戦闘突入で15秒ほど、その後戦闘開始時にまた10秒ほどロード時間が入る。 そして毎ターン攻撃直前に「Ready Go」という文字が表示される演出も入るのだがここもまた5秒ほど拘束され、テンポは極悪。 大きく状況が動く(*8)際には「Ready Go」の拘束時間が更に伸びる。 第一に戦闘前中後のロードが槍玉に挙げられるが、州をまたぐ際のロード時間もこれまた長い。精巧に作り込まれた3Dマップならともかく本作のマップはそこまで処理に負荷のかからないと思うのだが…。 起動時のロードもかなり待たされる。スリープ状態にできるとは言え携帯機故のお手軽さが薄く、他のゲームと並行して進めたい時に気にかかる。 バトルボーナス報酬に達成条件がわかりにくいものが存在する。 顕著なのが「マヒ/毒/眠り/混乱の敵に、このいずれかを与える」というもの。何を指しているのかが文章だけではいまいちわかりにくい。ボーナス報酬は複数提示されるため、他のボーナスと複合して条件を満たすことのようにも読めてしまう。 正解は「マヒ/毒/眠り/混乱の敵に、さらにこのいずれかを与える」こと。例えばマヒ状態になった敵を毒状態にすれば、条件を達成できる。ちなみに毒状態の敵にまた同じ毒状態になる技をあてたりしてもOKなのだが、この説明は完全に抜け落ちてしまっている。 産業開発が苦行。 いわゆるわらしべイベントだが、全部埋めようと思うと7~10時間程度かかるわりにやっても何一つプレイヤーにメリットはないフレーバー要素である。 完全に自己満足・トロフィー埋め要素としか機能しておらず、蛇足だという意見が多い。 本作はエリア間のファストトラベル機能がないため一々徒歩で世界中を回らないといけないので辛い。 ちなみに産業開発以外はエリア間をまたぐイベントはごく少数なためファストトラベル自体が無いこと自体はゲーム全体通してそこまで問題ではない。とにかく産業開発というイベントが本作のシステムと全く噛み合わっていないのである。 バルマンテ編は自由度・難易度などに関して色々厳しい部分がある バルマンテの初期装備は斧になっているが、実はバルマンテのステータスと斧の相性は非常に悪い。斧は攻撃失敗判定がある武器の一つで、失敗判定は技術力に依存するのだが、バルマンテはその技術力が低いのである。処刑人という設定も相まってイメージ優先で使い続けると非常に苦しいことになる。 ただしバルマンテの総合的なステータス自体はそこまで悪くないので武器変更してしまえば使える方ではある。さっさと別の適正武器に変えてしまった方がいい。 バルマンテ編は初期メンバーや行動範囲の都合上、難易度が高めで、きちんと各地を回って仲間を集めないと苦労する。このため初心者には薦めづらい。 終盤、条件を満たさないとあるキャラの強制離脱が発生する。これを知らないと最終局面において移動範囲が著しく狭まる。 スタッフがこれらに気づいていたのかは謎だが、ゲーム冒頭の質問に普通に回答したならウルピナ・タリアのどちらかになりやすいようになってはいる。 総評 待ちに待った新作『サガ』だったが発売前の時点ではゲーム内容が上手く伝わっておらず、「こんなの『サガ』じゃない」「実に『サガ』らしい出来」と当初は大きく評価を二分していた。 実際には、数十時間と遊んでいるうちに製作者の意図がしっかりと読み取れるようになっている秀逸なゲームデザインである。 しかし、バトルに特化しているゲームなのにそのバトルに付随するロードが長いのは致命的すぎる問題点であり、長く頻繁なロード時間に脱落してしまう人も多く、本作に好意的なユーザーの大部分からも問題視された。 総合的に言えば「面白く感じるまでのハードルがあるものの面白いゲーム」と言えるのだが、PSV版は結局最後までロード時間の汚名を返上できずに終わってしまった。 後述のバージョンアップ版『緋色の野望』では解決しているので、ご興味を持った人には『緋色の野望』の方の購入を薦める。 余談 PSV版初回生産特典はあのねんがんの「アイスソード」のプロダクトコード。今回は特別な設定自体はないがゲーム内の大剣では最強クラスの性能となっている。 なおプロダクトコード無しでもアイスソードは敵のレアドロップか特定の大剣を鍛えれば入手できる。持ってる人から殺してもうばいとらないと入手できないアイテムというわけではない。 ただし、2周目以降は入手不可。 河津氏は当初本作の略称として「SSG」という呼称を提案しておりインタビューでもこちらを使用していたのだが、ユーザー間では早い段階から「サガスカ」という略称が一般的となっていた。 結局その後スクエニ公式Twitter・河津氏本人も「#サガスカ」というハッシュタグを使っており、こちらの方が広く用いられている。 サガ スカーレット グレイス 緋色の野望 【さが すかーれっと ぐれいす ひいろのやぼう】 ジャンル RPG 対応機種 Nintendo Switchプレイステーション4Windows(Steam)iOS8.0以降Android 4.3以降 発売・開発元 スクウェア・エニックス 発売日 2018年8月2日 定価 【Switch/PS4/Win】5,800円【iOS/Android】4,455円 レーティング CERO B(12才以上対象) 判定 良作 ポイント 快適性が大幅にアップ事実上の完全版 概要(緋色) Switch/PS4/Win/iOS/Android向けに発売された『サガスカ』の完全版。 基本的なゲームシステムは変更されていないが、随所に手が加えられプレイアビリティが向上している。 主な変更・追加点(緋色) キャラクターボイスの追加 主人公・仲間になるキャラ・人間系の敵等に声が追加された。 フルボイスではなくパートボイスで戦闘時や一部のストーリーイベントのみしゃべる。 また、主人公キャラのみゲーム開始時に通常ボイスとアレンジボイスの二種類から選ぶことができる。 これは「違う声優を選べる」という意味ではなく、「同一の声優が全く同じキャラを異なる演技で演じており、そのどちらかを選べる」という意味である。 新たに仲間になるキャラとして「カメリア」と「サビット」が追加された。 両者とも無印版の没キャラで「カメリア」は魔女絡みの設定補強、「サビット」は五行武器と呼ばれる強力な武器のヒント役も兼ねている。 「アーサー・ダールトン」や「エリザベート」など、いわゆる主人公の「相棒」に当たるキャラクターを、他の主人公でも仲間にできるようになった。 無印より能力が強化されているという事もあり、嬉しい新要素の一つとして多くのプレイヤーに歓迎された。 ただし、エリザベートはなぜかエンディングでは酷いことになっていたりする。 産業開発はある程度進めるたびにレアアイテムが貰えるようになり多少はマシになった。 プレイスタイルを切り替えられるSwitchやタブレットPCで遊ぶことも考慮され、据え置き・携帯プレイ向け双方を考慮して2種類のUIが搭載されており、いつでも切り替えられるようになった。 タッチしやすい大きなアイコン、読みやすい大きな文字、ただし1画面内に表示できる情報量が少なくなる携帯機向けUI、1画面に表示できる情報量は多いが文字やアイコンが小さめの据え置き向けUIとそれぞれ長所短所がある。 大きな機種ごとの差異はなくフレームレートはどの機種でも60fpsを維持しているが、スマホ版はやや価格が安いのと引き換えにテクスチャの質がCS/PC版よりも落ちており、OP映像が収録されていない。 バトルの難易度設定が変更出来るようになった。 初期段階ではほぼPSV版に近い難度だが、弱めにすると敵の能力値が下がるだけでなく行動パターンもあまり適確な行動をしなくなる。 逆に強めにもできるのでより手ごたえのあるバトルをしたいプレイヤーはそちらを楽しむことができる。難易度自体はいつでも変更可能なのでどうしても倒せない敵だけ弱くしてあとは普通に戻してプレイという遊び方も可。 難易度変化の大きなポイントは行動パターンの差が大きく、目に見えてダメージが明らかに変化しているという印象は少ないのでぱっと見は変化を実感しづらいかもしれない。 やり込み用の超強敵として「緋の魔物」が追加された。 各州に一体ずつ配置されており、PTメンバーが一定以上のレベルの状態で特定の条件を満たすと出現する。メインストーリーの進行とは一切関係ないため倒さなくても支障は無い。 弱個体と強個体がおり、1つの州で2回(あるいはそれ以上)戦うことになる。出現・討伐状況は周回時に引き継ぐことが出来る。BGMも弱個体と強個体で異なっている。 緋の魔物はとあるアイテムを所有しており、それを20個集めて(=全ての「緋の魔物」を倒す)ラスボスのフロアで使用するとラスボスの難易度を調節できるようになる。弱個体をすべて倒すとラスボスを弱化させることができ、強個体をすべて倒すと強化することができる。 追加敵に合わせて曲も4曲追加されている。もちろんいずれもイトケン作曲である。 PSV版から周回時に引き継げる要素が増え、よりスムーズな周回プレイが行えるようになった。もちろん引き継がないようにすることもできる。 バグや進行不能になる問題の改善 全部修正しきれておらず、本作でも発生する物はあるが、PSV版に比べれば大分よくなってはいる。 その他多数の追加イベントや「闘技場」などのバトルイベントが追加されている。 評価点・無印からの改善点(緋色) キャラクターボイスの導入 全てのキャラにボイスが導入され、戦闘時や一部のイベントにしゃべるようになった。 発売前は「声がついたところで…」という意見も多かったのだが、いざ声がつくとよりキャラに愛着が湧くようになったと好評。 特に仲間キャラは加入時以外登場しない人物も多いため、戦闘中しゃべるようになっただけでも無印よりも大幅にキャラが掴みやすくなった。PSV版ではあまり使われなかったキャラもセリフが面白いという理由で本作では採用されることも。 何故かどうも体力アップ=太るという解釈がなされていたり、「ひらめき」の豆電球にメタいツッコミを入れたりとサガ独特の味のあるセリフ回しも多く、全体的に好評。 元よりボリュームの多さには定評があったが、本作では更にサブイベントとやり込み要素が追加されたため、文字通り100時間遊んでも全てのパターンを見切ることは不可能な超大ボリュームとなった。 世界観の補強として「吟遊詩人」と「演劇」も加わっている。どちらも「緋の天啓」に掲載されていた裏設定をゲーム内に盛り込んだもので、特に詩人は各エリアのサブイベントのヒントにもなっている。 「演劇」は一見すると裏のある話の表側しか語られないが、とある条件を満たすことで裏側の語りを見ることもできる。ラスボスに対する印象が大きく変わることだろう。さらに一つの周回ですべての演劇を見るとラスボスのセリフが一部変化するなどの特殊演出も(*9)。 「緋の魔物」は雑魚モンスターの超強化版。数の暴力で押しつぶす、超強力な一撃を毎ターン叩き込む、リザーブ技のプロフェッショナル、圧倒的な防御力など強さの方向性も多種多様。多くはその州に存在するイベントを消化しないと出現せず、場合によっては周回して同じイベントを消化しなければいけないものもおり、全ての魔物に出会うのも簡単ではない。 快適性の大幅なアップ 何よりもオリジナル版で最大のネックだったロード時間が改善されたのが嬉しい。 戦闘にも一瞬で入る。「Ready Go」自体は残っているが3~5カウント程度なのでロード時間というよりは演出の一環として十分許容できるレベル。 戦闘中にリワードとTIPSの再確認が出来るようになり、忘れてしまった時も安心。 一部のキャラのステータスと加入方法について修正され、より扱いやすくなった。 特に無印の問題点の項に記載したバルマンテと斧の相性の悪さが解消され、バルマンテ編の初期メンツのステータスが上方修正されたことでオリジナル版より遊びやすくなった。 逆にPSV版で有用だったマジカルシャワーと召雷や吹雪と言った強力な全体攻撃術は下方修正されている。 特にマジカルシャワーは所有者が一人のみとなり、入手タイミングも後回しになったため、1周目からこれ頼みの攻略はできなくなった。とは言え有用度自体はそこまで落ちておらず、より強力なパワーレイズが追加されたため苦情の声は無い。 同じように、低消費の割に強力な技だった「でたらめ矢」も攻撃力・命中率の低下などかなりの下方修正を食らった。一応の上位版はBP消費が重いためかそのまま。また、二刀技である「二刀烈風剣」の威力もわずかに低下している。 一方で槍技は無印版であまりに弱かったため、攻撃力を全体的に大きく上方修正・高性能なプロテクト技の追加、もう一方の追加技には防御力ダウン効果有り…と大幅なテコ入れが施された。 術にもそれぞれ1つづつ術が追加。杖技も1つ増え、「数が少ない」「戦略の幅が狭い」という声に僅かながらメスが入った。 各技や陣形なども追加されており、無印版よりも戦略の幅が広がった。中でも、斧の「マキ割マシンガン」や大剣の「逆風の太刀」は非常に使い勝手がよく、それぞれの武器の地位向上に一役買っている。 賛否両論点(緋色) 快適度向上とボリュームの増加以外のゲームの根幹部分は変わっていないため、そのような部分で人を選ぶゲームなのは変わっていない。 問題点(緋色) フリーシナリオの整合性が取れてない部分が残っている。 本作はサガシリーズらしく、重要なイベントでも消化するかしないか選べる場合が多いが、一部に「別のイベントを見ていることが前提になっているような、単独で見ても意味不明なシーン」が有る。 「それまで聞いたこともない用語が唐突に出てくる(飛ばした関連イベントでは無理無く出てくる)」「初めて戦う敵について主人公が前にも戦ったかのように語る(飛ばした関連イベントで戦うシーンが有る)」など。 上記の意味不明な唐突さは作り手がわざと残しているように見え、ある地方ではマップのあるポイントを歩くとクリアしたはずのイベントが途中から始まってしまう(無視することは可能) ある地方の灯台の明かりを灯してもその時点ではイベントを続けられず、後から来た時には既に灯しているはずの明かりは消えている。ゲーム内ではどうやら灯されていることになっており、イベントを続けることは可能などプレイヤーを困らせる進行に差し障りの無い?バグが数多くあり、このようなゲームの不安定さを無視しながらイベントをこなす必要がある。 技・術・陣形等に大なり小なりの調整が入った一方で、多くのプレイヤーを苦しめた不死・魔族系モンスターは悪い意味で据え置き。 一応、剣技に不死・魔族系に特攻を持つ「ロザリオインペール」が追加されたが、該当武器の入手が遅く、その結果閃き難度が上がり、BPコストも高いと根本的な解決には至らず。 同じく極めて厄介なハルピュイア系への対抗策として、「スイングアーティスト」に間接属性が追加されたが、こちらはこれ以外に対抗手段がないため、やはり根本的解決には至らなかった。 総評(緋色) 無印の様々な問題点を解決し、声も入ってオリジナル版からサガ度マシマシになった決定版。 ゲームのコンセプトに納得した上で今から『サガスカ』の世界を堪能したいのであればぜひこちらを薦める。 「しばらく遊んでだんだん良さが分かってくるゲーム」なのでプレイ動画映えはしない。他人のプレイ動画を見て判断するよりは自分でじっくり遊んでみるのがいいだろう。 余談(緋色) 『サガ』としては事実上初の完全版かつPSV版のアップデートやリリースはなかったために、発表時には一悶着起こることになった。 無印版発売時には限定モデルの本体も発売されており、『サガ』のために本体を買ったユーザーも少なくなかった。その上でPSV版の要素は丸々収録・引継ぎ無しと先に買ったユーザーには何一つメリットが無いが故にネット上では議論になってしまった。 とは言え本作発売前の時点でPSVの生産終了の噂が流れている状態(*10)でPSVの市場自体が末期状態になっており、引継ぎもPS4版以外は技術上まず無理なので色々と仕方ない側面もある。 河津氏も無印版を買ってくれたファンに感謝の言葉を述べながらもPSV版への追加要素は検討していたが会社の都合で不本意な結果に終わってしまったと述べている。タイミングの悪さと所謂「大人の事情」があるため特定個人を責めてもどうにかなる問題でもないだろう。 追加された「闘技場」の出場チームの中に、「超女軍団」というチームが存在する。このチーム名は『ロマンシング サ・ガ3』の「ツヴァイクトーナメント」に登場した女性モンスターチームと同名なのだが、本作では女性型魔族3体で構成されたチームとなっている。 そして、本作ではそのメンバー構成が「幼妖」「在りし悪」「美霊幽」の3名となっている。…のだがこの名前、どこかで見たと思う人も多いだろう。そう、俗にユーザー間で「スクウェア三大悪女」等とよく言われる『バハムート ラグーン』の「ヨヨ」、『ライブ・ア・ライブ』の「アリシア」、そして『魔界塔士Sa・Ga』の「ミレイユ」の名前をもじったネーミングとなっているのである。(*11) ちなみに、「幼妖」は「レンダーバッフェ」というドラゴン型の魔物を召喚するが、こちらも『バハラグ』にて「サラマンダーより、ずっとはやい!!」の迷言で知られる、ヨヨが帝国の将軍パルパレオスと一緒に乗ったドラゴンの名前が由来となっている。
https://w.atwiki.jp/peaceonpeace/pages/181.html
厚生労働省は27日、介護保険の「介護予防事業」の対象者を拡大する方針を決めた。来年4月から、選定要件を緩和する。同事業は、今年4月施行の改正介護保険法の目玉事業。 高齢者が要介護状態になるのを防ぎ、給付費を抑制する狙いがあるが、現行の選定方法では対象者が予想以上に少なく、このままでは目的が達成できないと判断した。 介護予防事業は、介護サービスを使う前の虚弱な高齢者が対象。厚労省が作った基本チェックリストなどで市町村が選定し、希望者は筋力トレーニングや口腔(こうくう)ケアなどの予防事業に参加する。 厚労省は、65歳以上の全人口の約5%、事業初年度の今年度は約3%が該当すると見込んでいた。しかし、全1842市町村に今年9月1日現在の対象者数などを尋ねたところ、有効回答があった1519市町村で4万8549人、65歳以上人口のわずか0・21%にとどまっていることがわかった。 現行のチェックリストは、25の質問項目に高齢者自身が回答。市町村はそれをもとに、まず候補者を選び出し、さらに心身の状況をみて対象者を決定する。ただし、例えば運動機能に関する質問では、「階段を手すりや壁をつたわらずに昇れるか」「15分位続けて歩けるか」など、5項目すべてに該当しなければ候補者にもなれず、市町村から要件緩和を求める声が上がっていた。 同省は質問の数や内容は変えないものの、専門家の意見を参考に、対象者になるために必要な該当項目数を減らすなどし、目標の5%を確保することにした。 「給付の無駄を省き、介護保険を将来も安定的に運営するためには、介護予防は不可欠。必要な見直しをして、一刻も早く軌道に乗せたい」と厚労省老健局では話している。 また、9割近い市町村から「対象者の把握が困難」との声が寄せられたほか、高齢者の間で介護予防に対する理解も十分でないことから、必要な費用を交付して、来年1月から、市町村の地域包括支援センターで介護予防の普及啓発などもできるようにする。 介護給付費は毎年10%以上のペースで増え続け、今年度は6・5兆円。厚労省は介護予防や施設居住費の自己負担化などで、2012年度に10兆円に達する見込みの給付費を、2兆円近く抑制できるとしていた。 (2006年12月27日 読売新聞)
https://w.atwiki.jp/wikijournal/pages/101.html
原著論文 Efficacy and safety of an oral live attenuated human rotavirus vaccine against rotavirus gastroenteritis during the first 2 years of life in Latin American infants a randomised, double-blind, placebo-controlled phase Ⅲ trial. Linhares AC, et al. Lancet 2008 Apr 5;371 1181-1189. 論文の背景 ロタウイルスによる胃腸炎の感染ピークは6-24か月の乳幼児でみられる。乳幼児の重篤な胃腸炎を予防するための、経口生ヒトロタウイルスワクチンの2年間の効用と安全性について評価した。 疑問のタイプ:予防 論文デザイン:RCT 論文のPECO P(patient):ラテンアメリカ系10カ国における6-13週の健康な乳児15183人 E(Exposure):2回の生ヒトロタウイルスワクチン投与(RIX4414)(約2か月と4か月)7205人 C(Comparison):2回のプラセボ投与(約2か月と4か月)7081人 O(Primary Outcome): 2回の経口投与後2週間から1歳までのワクチンの効用 二次アウトカム:2年間のワクチンの効用、2回の経口投与後2週間から2才までの効用 論文の妥当性 ランダム化か?:されている ITTか?:されていない プロトコールに沿わなかった897人が除外されている 結果 重症なロタウイルス性胃腸炎 ワクチン群7205人 プラセボ群7081人 RR(95%CI) NNT(95%CI) 1年目(平均期間8.3か月) 0.1%(10人) 0.8%(58人) 0.17(0.09-0.33) 147(111-221) 2年目(平均期間11.8か月) 0.3%(22人) 1.5%(103人) 0.21(0.13-0.33) 88(69-119) 2年間(平均期間20.0か月) 0.4%(32人) 2.3%(161人) 0.20(0.13-0.29) 55(46-69) 2年間でのその他のイベント ワクチン群(千人年) プラセボ群(千人年) RR(95%CI) NNT(95%CI) すべての重症な胃腸炎 28.5 46.7 0.61(0.54-0.70) 33(27-45) すべての重症な胃腸炎での入院 22.1 36.4 0.61(0.52-0.71) 43(33-60) 重症なロタウイルス性胃腸炎 2.7 13.6 0.20(0.13-0.29) 55(46-69) 重症な胃腸炎での入院 1.8 10.8 0.17(0.11-0.27) 68(55-87) 観察期間中に腸重積の報告例はなかった。 最終更新日 2008年11月3日 評価者 DK
https://w.atwiki.jp/jerwin19/pages/2.html
メニュー トップページ プラグイン紹介 まとめサイト作成支援ツール メニュー メニュー2 リンク @wiki @wikiご利用ガイド 他のサービス 無料ホームページ作成 無料ブログ作成 2ch型掲示板レンタル 無料掲示板レンタル お絵かきレンタル 無料ソーシャルプロフ ここを編集
https://w.atwiki.jp/gernimew09/pages/5.html
まとめサイト作成支援ツールについて @wikiにはまとめサイト作成を支援するツールがあります。 また、 #matome_list と入力することで、注目の掲示板が一覧表示されます。 利用例)#matome_listと入力すると下記のように表示されます #matome_list
https://w.atwiki.jp/jerwin19/pages/7.html
アーカイブ @wikiのwikiモードでは #archive_log() と入力することで、特定のウェブページを保存しておくことができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/25_171_ja.html たとえば、#archive_log()と入力すると以下のように表示されます。 保存したいURLとサイト名を入力して"アーカイブログ"をクリックしてみよう サイト名 URL
https://w.atwiki.jp/jerwin19/pages/4.html
ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 【カウンターサイド】リセマラ当たりランキング - カウサイ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ウィキペディアを作ったiMacが箱付きで競売に登場。予想落札価格は約96万円!(ギズモード・ジャパン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 終末のアーカーシャ(終アカ)攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) メトロイド ドレッド攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【まおりゅう】最強パーティー編成とおすすめキャラ【転スラアプリ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) アイプラ攻略Wiki|アイドリープライド - AppMedia(アップメディア) マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」:時事ドットコム - 時事通信 マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 - PR TIMES 【アイプラ】リセマラは必要?当たりキャラランキング【IDOLY PRIDE】 - Gamerch(ゲーマチ) 篠原悠希×田中芳樹が明かす「歴史ファンタジー小説ならではの悩み」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【Apex Legends】ヴァルキリーの能力と評価【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) モンハンライズ攻略Wiki|MHRise - AppMedia(アップメディア) 【ウインドボーイズ】リセマラ当たりランキング(最新版) - ウインドボーイズ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ポケモンBDSP(ダイパリメイク)攻略wiki - AppMedia(アップメディア) SlackからWikiへ!シームレスな文章作成・共有が可能な「GROWIBot」リリース - アットプレス(プレスリリース) 【ウマ娘】ナリタブライアンの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】ヒシアケボノの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】フジキセキの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) ドラゴンクエストけしケシ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) サモンズボード攻略wiki - GameWith 【スタオケ】カード一覧【金色のコルダスターライトオーケストラ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【スマブラSP】ソラのコンボと評価【スマブラスペシャル】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ブレフロレゾナ】リセマラ当たりランキング【ブレイブフロンティアレゾナ】 - ブレフロR攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ガーディアンテイルズ】ギルドレイド戦(秘密の研究所)の攻略とおすすめキャラ【ガデテル】 - Gamerch(ゲーマチ) 仲村トオル、共演者は事前に“Wiki調べ”(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ENDER LILIES】攻略チャートと全体マップ【エンダーリリィズ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】あんしん笹針師の選択肢はどれを選ぶべき? - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】アップデート情報・キャラ調整まとめ - ポケモンユナイト攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【Apex】シーズン11の新要素と最新情報まとめ【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) ロストジャッジメント攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【Among us】新マップThe Airship(エアシップ)の解説【アモングアス】 - Gamerch(ゲーマチ) ハーネスについて小児科医の立場から考える(坂本昌彦) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ゼルダ無双攻略Wiki|厄災の黙示録 - AppMedia(アップメディア) 【テイルズオブルミナリア】リセマラ当たりランキング - TOルミナリア攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】ユナイトライセンスの入手方法まとめ - AppMedia(アップメディア) ウマ娘攻略Wiki - AppMedia(アップメディア) ゲトメア(ゲートオブナイトメア)攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【白夜極光】リセマラ当たりランキング - 白夜 極光 wiki - Gamerch(ゲーマチ) お蔵入りとなった幻の『スーパーマリオ』 オランダの博物館でプレイ可能?(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」が「ITreview Best Software in Japan 2021」のTOP50に選出 - PR TIMES 真女神転生5攻略Wiki|メガテン5 - AppMedia(アップメディア) 【B4B】近接ビルドデッキにおすすめのカード【back4blood】 - Gamerch(ゲーマチ) ポケモンスナップ攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 富野由悠季「ブレンパワード」作り直したい!ファンを前に意欲(シネマトゥデイ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【スマブラSP】カズヤの評価とコンボ【スマブラスペシャル】 - Gamerch(ゲーマチ) ナレッジ共有・社内wiki「NotePM」が「ITreview Grid Award 2021 Fall」で、チームコラボレーションとマニュアル作成部門において「Leader」を5期連続でW受賞! - PR TIMES メモ・ドキュメント・wiki・プロジェクト管理などオールインワンのワークスペース「Notion」が日本語ベータ版提供開始 - TechCrunch Japan 【ギアジェネ】リセマラ当たりランキング【コードギアス】 - ギアジェネ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) モンスターファーム2(MF2)攻略wiki|アプリ・Switch移植版 - AppMedia(アップメディア) 【ブラサジ】最強キャラTierランキング【ブラックサージナイト】 - Gamerch(ゲーマチ) 【パワプロ】鬼滅の刃コラボ情報まとめ - Gamerch(ゲーマチ) 【SPAJAM2021】第3回予選大会は「クイズ!WIKIにゃんず!」を開発したチーム「かよちゃんず」が最優秀賞! | gamebiz - SocialGameInfo 検索結果における「ナレッジパネル」の役割とは・・・ウィキメディア財団とDuckDuckGoの共同調査 - Media Innovation 【ウマ娘】解放結晶の入手方法と使い方 - Gamerch(ゲーマチ) ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」が「BOXIL SaaS AWARD 2021 Autumn」にて「コラボレーション部門」を受賞! - PR TIMES 「ゼルダの伝説 BotW」のマラソンで23秒? 驚きの速さで完走した方法が話題(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース Wikipediaが「中国人編集者の身の安全を守るため」に一部の編集者アカウントをBANに - GIGAZINE 【ドッカンバトル】3.5億ダウンロードキャンペーン最新情報 - ドッカンバトル攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) BTS(防弾少年団)のV、8月のWikipedia閲覧数が韓国アーティストで1位!グループでは4ヶ月連続トップ - Kstyle 【イース6オンライン】リセマラ当たりランキング|召喚ガチャの開放条件は? - Gamerch(ゲーマチ) 『復活のルルーシュ』の後を描くアプリ『コードギアス』新情報公開。古代中華を観測する『血盟の紅羽』などが展開 - 電撃オンライン BacklogからNotePMへwiki情報を自動API連携する「Backlog to NotePM」をSaaStainerに掲載開始 - PR TIMES ライザのアトリエ2攻略Wiki - AppMedia(アップメディア) 真女神転生3リマスター攻略Wiki|メガテン3 - AppMedia(アップメディア) タスクも文書もWikiもデータベースもまとめて管理できる「Notion」とは? - ASCII.jp ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」が、見るだけ専用ユーザー『無料』の新プランを発表! - PR TIMES 【かのぱず】リセマラ当たりランキング【彼女お借りします】 - Gamerch(ゲーマチ) 【乃木フラ】リセマラの必要はある?【乃木坂的フラクタル】 - Gamerch(ゲーマチ) 【パワプロ】生放送まとめ|パワフェス2021 - パワプロ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】サーナイトのおすすめビルド(わざ・持ち物) - Gamerch(ゲーマチ) ルーンファクトリー5攻略wiki|ルンファク5 - AppMedia(アップメディア) シャーマンキングふんばりクロニクル攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) アーテリーギア‐機動戦姫-攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 簡単操作で自分専用Wikiを構築できるMarkdownエディタ「Obsidian」のモバイル版を使ってみた - GIGAZINE 【東京リベンジャーズ】場地圭介の声優情報と注目ポイントをご紹介!|編集部コラム - AppMedia(アップメディア) 情報マネジメントツール「Huddler」がwiki機能を刷新 - PR TIMES シェアエコ配送アプリ「DIAq(ダイヤク)」のアンカーアプリで、高層ビル・商業施設の入館方法などお役立ち情報をまとめた「DIAqwiki」を公開 - アットプレス(プレスリリース) 【ツイステ】マスターシェフの攻略~辛味のふるさと~【料理イベント】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ラグナロクオリジン】リセマラは不要?おすすめ職業は?【ラグオリ】 - Gamerch(ゲーマチ) 白夜極光攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 【バイオミュータント】2.02アプデ|アップデート1.4情報 - バイオミュータント攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ニーアレプリカントリメイク攻略wiki|ver.1.22 - AppMedia(アップメディア) 【ウマ娘】ゴルシウィークはいつから?キャンペーン情報まとめ - Gamerch(ゲーマチ) シーズン66 - 【超速GP】ミニ四駆 超速グランプリ攻略まとめwiki - 電撃オンライン 乃木坂的フラクタル攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 「こんなことになるとは…」13年前のエイプリルフールについた“嘘”がネットで… ある男の告白(BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 整理不要の情報共有ツール(社内Wiki)「Nerve」シードラウンドで総額約3500万円の資金調達を実施 - PR TIMES Nerve - 整理不要の情報共有ツール(社内Wiki) ローンチカスタマー募集開始のお知らせ - PR TIMES Among Us攻略Wiki【アマングアス・アモングアス】 - Gamerch(ゲーマチ) 稲作アクションRPG『天穂のサクナヒメ』における「農林水産省攻略wiki説」は本当なのか? - AUTOMATON 無料とは思えない多機能っぷりなWikiインフラ「Wiki.js」レビュー、自前でホスト&外部サービスと連携可能 - GIGAZINE Microsoft Teamsの基本と活用(24) TeamsのWikiを使う - マイナビニュース 『ゲーミングお嬢様』での提起が話題に “企業系wiki”に横たわる問題点とは - リアルサウンド 「エイリアンのたまご」,自動周回機能と公式wikiが登場 - 4Gamer.net 【リゼロス】Re ゼロから始める異世界生活 Lost in Memories攻略まとめwiki - 電撃オンライン ヌーラボ、プロジェクト管理ツール「Backlog」の絵文字入力の補完機能・Wiki編集の自動マージ機能を修正改善 - PR TIMES Backlog、Wikiにファイル添付が容易にできる機能をリリース -- グローバルバーの視認性改善なども実施 - PR TIMES GK川島、パンチング失点でWiki書き換え炎上 「セネガル代表」「プロボクサー」... - J-CASTニュース 「ウィキ」の「寄付バナー」がデカすぎ 「広告にしたら?」の声、元管理者にぶつけると... - J-CASTニュース
https://w.atwiki.jp/gernimew09/pages/12.html
コメントプラグイン @wikiのwikiモードでは #comment() と入力することでコメントフォームを簡単に作成することができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_60_ja.html たとえば、#comment() と入力すると以下のように表示されます。 名前 コメント