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#blognavi 事故だったのだ。殺すつもりなどなかった。 第一不死身ではなかったのか。自負していたじゃないか。 あいつが悪いんだ。 俺は、どうにか戦えるように深月を利用した訓練をしていただけなのに。 世界の危機に成り果てたとか、言いやがって。 真夏も護れなかったくせに。 何が裁きの光だ、何が輝く闇だ。 ずらされて返されて自分が消し飛んでいれば世話はない。 頼むから、全部冗談だと言ってくれ。 いつもみたいに無傷で目の前に出てきてくれ。 俺がライラックを殺したなんて馬鹿げた話はなかったことにしてくれ。 頼むから 本当に頼むから カテゴリ [来訪] - trackback- 2011年10月27日 00 35 46 #blognavi
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戦場の帰趨 ◆ZimMbzaYEY コックピットハッチを開き砂中に埋もれた機体から一人の男が顔を出す。周囲を見渡し敵がいないことを確認すると装甲の確認に入る。 いたるところに銃痕が散らばりあちらこちらにへこみが見えている。資材か何かあれば補強したほうがよさそうな感じではある。 だが先ほどチェックした内部システムと合わせてみて戦闘に問題はなさそうだった。 ただしEN残量には気を配る必要がありそうだ。 パチパチパチ・・・とスイッチが規則的に入り小気味いい音をたてていく。 「システム、異常なし。よし!ブラックゲッター、起動する」 黒いゲッターは再び起動する。その進路は東南東、目的地はG-6基地。 地中から姿をあらわしゲッターは行動を開始した。 「まったく補給ポイントってなどこにあるんだ?」 愚痴をこぼしながらモンシアは南下していた。 仮に補給ポイントを見つけられなくともG-6地区の基地には何かしらの資材がおいてあるだろうとの算段での南下だ。 補給ポイント見つからないこと以外は順調。既にG-5地区まで移動し目の前には大きな川が流れている。 近くには橋も見当たらない。 「やれやれ・・・浅いといいんだがな・・・」 ため息をつくとヘビーアームズは川に入っていった。 E-5地区の橋を渡りF-5地区南東から森林に足を踏み込んだバーニィは川を越えてくるヘビーアームズを目撃する。 背中にヒヤッとしたものを感じたが相手の動きに変化はない。 こちらのレーダーに反応がないことからおそらく相手のレーダーもこちらを捉えてないものと推し量れる。 大丈夫。まだ見つかってない。心を落ち着ける。 仕掛けるか? 先の戦闘と外見からさっするに相手は中・遠距離砲撃戦の機体。こちらは近距離格闘戦中心の機体。加えてさっきは近づくことすらできなかった。 ならばここはやりすごして逃げるか? 敵機の進路方向から推測するに目的地は一緒。おそらく目的も同じ補給だろう。戦闘痕も見て取れる。つまり相手も疲弊しているということだ。 ここでむざむざと相手に補給を譲って次に会うときこちらが不利になる必要はない。 仕掛けるべきか・・・仕掛けぬべきか・・・。仕掛けるべきだろうな――― そう決めると川を渡り終えD-5地区へと向かっていく敵機の尾行を開始した。 ヘビーアームズが周囲の様子をうかがう。汗が頬を伝って滴り落ち、鼓動が早くなる。緊張が体を支配する。目標から・・・目が離せない。 (大丈夫、相手に不自然な動きはない・・・大丈夫) (まだ見つかってない・・・平気だ・・・) 『大丈夫』『平気だ』と相手が周囲を気にするたびに何度も何度も自分に言い聞かせる。 尾行開始から約二十分。すでに森林は抜け二機はG-6基地内へ入り込んでいた。 建物の影に身を潜めレーダーに写らないように距離をとって目標を追っていく。 身をかがめつつ用心深く建物の角を曲がると左前方に開けた土地と小型の箱のような装置が目に入った。補給ポイントだ。 一瞬気を取られたが急いで視線を標的に戻す。しかし、そこにいるはずの標的は姿を消していた。 「あぶねえ。あぶねえ。なんつー索敵範囲の狭さだ」 無数にある建物の陰に身を隠したヘビーアームズの中、モンシアは一人愚痴っていた。いつの間にか後ろにつかれていたことがどうにも気に食わない。 まぁ、それも気づいたからよしとすることにしてモンシアは今後の方針を自問する。 (さてと・・・どうしますかねっと、モンシアさんよぉ・・・) 決まっている。危ないストーカーさんにはご退場いただくのみである。 一度こちらを襲ってきた相手。戦闘開始前に通信をつなげ降伏を促す必要も気もなかった。 一度残弾を確認し相手の様子をうかがう。こちらを見失って若干慌てている様子が見て取れた。 はじめるか―― そう腹をくくった瞬間にはもうホーミングを放っていた。そして、相手の回避行動を見極めてガトリングガンの掃射を浴びせる。 その後も絶えず射撃ポイントを変えこちらの位置を悟られないようにしながら建物の影に隠れた敵を炙りだし誘導していく。 絶え間なくゲッターの装甲は火花を散らす。しかし、そのことごとくは装甲の表面で弾かれていた。その様子を見てモンシアは憎々しげに呟く。 「チッ!予想通りやっかいな装甲だぜ」 遠距離射撃からは致命傷を与えられないことは半ば予想通りだった。 残弾が多ければ話は別だが(戦闘後補給をおこなうことを前提としても)、 いつまでも雨あられと打ち込めない現状相手にそれなりの損傷を与えるためには零距離射撃しかなかった。 そのための接近の手段はもう考えている。 あとは仕掛けるときを待ちつつ敵を追い込むだけだった。 断続的な銃撃にさらされゲッターは翻弄されていた。しかも絶え間なく移動しているのか発射位置の特定も難しい。 しかし、これでいい。敵機は補給ポイントを探していた。それはつまり残弾かENの残量が少ないことを意味している。 補給ポイントを確認した今惜しみなく撃ち込んできている現在なるべく相手の残弾は減らしておきたかった。 それに逃げ回ってりゃそうそう死ぬこともないだろう。 とはいえ相手の技量は高く、決して少なくない量の弾をすでに浴びせられている。いかに強固なゲッターの装甲といえど金属疲労が起こり始めていた。 もう敵の残弾はもう十分に減らしたはずだ。それに前回のガトリングの射線から大雑把に相手の位置も把握できた。 なによりこれ以上食らうのはゲッターといえど危ない。 仕掛ける――― これまでの逃げの姿勢から一転、ゲッターのブーストをフル稼働させバーニィは突撃を開始した。 「ここで突撃だと・・・何考えて・・・。しまった!」 その動きから直感的に相手の意図を読み取ったモンシアもプランを短縮して勝負をかけることを決意する。 ここで出し惜しみしても意味はない。相手がうとうとしている手が決まる前に勝負をつける必要があった。 マイクロミサイルの残弾全てをゲッターの進路に広域散布しさらに残ったホーミング二基も撃ち込む。 ゲッターのレーダーが熱源反応に埋め尽くされる。 異常なほどの量のマイクロミサイルがゲッターとその周囲を破壊していくがゲッターはひるまず最大速度で駆け続けマイクロミサイルの雨を抜けた。 前方に標的を確認。あと200m・・・100m・・・・・・30、20、10、いまだ! 「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 気合と共にトマホークを一閃。補給ポイントを破壊する。あとはこの戦域から一旦離脱するだけだ。 直後、警報がコックピット内に響き渡る。熱源反応が三つ、何かが背後から迫ってくる。 背中に悪寒が走る。ホーミングが爆煙を裂いてあらわれた。振り返りざま一基目をトマホークで切り払い続いて飛来する二基目を強引にかわす。 そして、その直後を狙って三基目の熱源―――ヘビーアームズの胸部ガトリングとダブルガトリングガンが至近距離で一斉に火を噴く。 その直撃を受けたゲッターは完全にバランスを崩され仰向けにひっくり返る形で地に崩れ落ちた。 「クソッ!まだ・・・」 「いや、チェックメイトだ。坊主、変な気起こすなよ。いくら固くてもコックピットを直に撃たれりゃ話は別だろ?」 オープンチャンネルをかいしてここで始めて通信が入る。 起き上がろうとしたゲッターの鼻先に銃口が突きつけられ、胸部からその姿を覗かせているガトリングはゲッターの胴体を狙っていた。 全身から嫌な汗が一斉に吹きだしてくる。動いたら撃たれる。その恐怖がかろうじて気が動転しそうになるのをおさえつけていた。 勝敗は決した。 今回、ベルナルド・モンシアがたてていた作戦は第一段階で敵を撒き姿を隠し、第二段階で敵を補給ポイントから離れるように誘導。 続く第三段階でマイクロミサイルを広域散布。第二段階の誘導はこのとき補給ポイントに損害を与えないためである。 そして最終段階で先ほどのマイクロミサイルと弾速を調整したホーミングの爆煙と熱源反応を隠れ蓑に接近、 至近距離からの射撃で相手をしとめるというものであった。 対してバーナード・ワイズマンの策は第一段階でなるべく相手の残弾を削り、第二段階で補給ポイントを破壊。 第三段階でそのまま一時離脱しその後交戦と離脱を繰り返し相手を消耗させるというものである。 結果的にはモンシアは補給ポイントに急速接近をし始めたバーニィを確認して第二段階を切り上げ最終段階に移行。 バーニィを取り押さえるも補給ポイントは破壊されていしまうということとなった。両者の思惑の完遂率は共に50%といったところだろうか・・・。 そして現在、モンシアはゲッターを片足で踏みつけ銃口を鼻先に突きつけている。その状態のまま残弾チェックをおこなっていた。 「クソッ!・・・まったく憎々しい小僧だぜ」 「・・・・・・どういうつもりだ?なぜ撃たない?」 「気は落ち着いたようだな・・・。何、ちょいと情報収集したいだけだ。遺言ぐらいは聞いてやるぜ」 ここからは情報収集の時間だった。 「そうだな・・・。まずは所属と姓名から名乗ってもらおうか・・・」 「・・・・・・」 「どうした?別に俺はこのままさようならでもいいんだがな・・・」 「・・・ジオン軍サイクロプス隊所属・・・バーナード・ワイズマン伍長」 (ジオン・・・デラーズ・フリートの連中か・・・) 「サイクロプス隊?聞いたことねぇな・・・ここに連れてこられた経緯は?」 「わからない。ガンダムとの交戦中から意識が途切れ・・・気づいたらここにいた」 その後、暫くの間ここで遭遇した他の機体の情報、首輪や主催者についてなどいくつかの質問をうけバーニィそれに答えていった。 「ハンマー持ちの赤い機体か・・・」 (わざわざこいつを生かしておくってことはゲームに乗った連中じゃなさそうだな・・・) そして暫くの沈黙の後モンシアの口がひらく 「何か言い残すことはあるか?」 「・・・サイド6に・・・ジオンによる核攻撃があったかどうか教えてく・・・・・・」 「サイド6?おいおい、あそこは中立コロニーだろ?お前さんに何の関係が・・・」 「頼む・・・教えてくれ・・・」 相手の様子に眉をひそめるも自身の記憶を思い返してみる。そういえば一年戦争の末期にそんな作戦があったというのを軍のデータで見た気がする。 たしか――― 「俺の記憶に残っているかぎりだが、そのジオンの作戦は失敗に終わったはずだ」 通信機越しに相手が安堵のため息を吐くのが聞こえてきた。 「ありがとう・・・」 「さて、そろそろ・・・」 唐突に現実に引き戻され忘れかけていた自身の状況を思い出す。奥歯が噛み合わず音をたてる。 「さよならだ」 (これで終わりなのか?いや、まだだ。まだ俺は全てのカードを切ったわけじゃない!!) 最後の引き金がひかれる瞬間、バーニィは無我夢中でゲッターを動かす。そしてあらん限りの声を振り絞り叫んだ。 「ゲッタアアァァァビイイイィィィィィィム!!」 銃弾と閃光が交錯しあたりに爆音が響き渡る。 弾丸は障害物に当たり火花を散らし、ゲッタービームは進路を阻むもの全てを抉り取りまっすぐ大空へ伸びていった。 G-6基地の廃墟と化した一角に一機の人型機動兵器が別の一機を見下ろしただずんでいる。 「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハ・・・ハハ・・・やった。やったぞ!」 そのパイロットの息は荒く呼吸は落ち着かない。 一度相手の機体を確認する。右半身が吹き飛んでいる。動いていない。動くはずがない。 自然に笑いがこみあげてきた。強敵を打ち倒した充実感と高揚感に体が満たされる。 ついで機体のチェックを始める。山ほど撃ち込まれたせいか損傷がひどい。 なかでも頭部は最後の一撃で前面の右側にヒビが生じている。一度しっかりと整備をするべきだ。 ふと気づくと体の興奮は既に冷めていた。もう一度相手を見やる。 決意を固め参加者を殺すことに迷いはない。 しかし、いざ人を殺して見るとやはり心のどこかに割り切れないものがあるのを感じる。こればっかりは慣れるしかなかった。 「戦場なんだ・・仕方ないだろ・・・。誰だってやらなきゃならないと思ったことをするだけなんだ・・・」 言い訳をするように呟くとゲッターは沈黙した敵機からピエロの仮面を剥ぎ取りヒビの入った箇所にあてがうと背を向け整備可能な場所を探しに歩き出した。 「詰めが・・・甘いな・・・」 大破したヘビーアームズのコックピットの中モンシアは生きていた。 しかし、その体から血が溢れ出し滴り落ちシートを瞬く間に染め上げていく。 (不死身の第四小隊が・・聞いて・・・あきれるぜ・・・) どれほどの傷なのか。だがまだ死んではいない。死んでいなければ闘えるということだ。 傷口の周辺を縛り上げ止血をおこなう。 (まったく・・詰めが甘い・・・やつも・・・・・俺も・・・な・・・) ふっと、目の前の光景が遠のいていくような感じにモンシアは襲われた。 【バーナード・ワイズマン(機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争) 搭乗機体:ブラックゲッター(真(チェンジ!)ゲッターロボ 地球最後の日) パイロット状況:頭部に軽い傷 現在位置:G-6基地 機体状態:装甲に多数のへこみ 戦闘に若干の支障(整備をおこなえば問題はない) マント損失 、エネルギーを3/4程度消費 第一行動方針:機体の整備をおこなう 第二行動方針:ゲッターを使いこなす 最終行動方針:優勝する 備考:頭部に生じているヒビをヘビーアームズのピエロの仮面で隠している】 【ベルナルド・モンシア (機動戦士ガンダム0083 Stardust Memory) 搭乗機体:ガンダムヘビーアームズ改(新機動世紀ガンダムW~Endless Waltz~) パイロット状態:気絶中 負傷(負傷の度合いに関しては次の書き手の方にお任せします) 現在位置:G-6基地 機体状態:大破(運用不能) 第一行動方針:傷口の手当て 第二行動方針:機体を手に入れる 最終行動方針:???】 【初日 17 40】 BACK NEXT 薄氷の同盟 投下順 混乱 『歌』に振り回される人達 時系列順 血に飢えた獣達の晩餐 BACK 登場キャラ NEXT 楽勝! バーニィ 煮えきらぬ者 閃光 モンシア ゲスト集いて宴は始まる
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俺「ストライクウィッチーズだと……? 261-302 ソレは、飢えていた。 飢えて、飢えて、仕方がなかった。 この砂と岩の大地では自らを構成するマナがほとんどない。 ゆえにソレは移動を始める。自らの糧を求めてひたすらに。 ~サハラ砂漠 連合国軍補給路~ 太陽が容赦なく照りつけ、 熱い砂が舞うこの道は、最前線であるハルファヤ峠はもちろん 各地に補給物資を運ぶ生命線である。 今日も大量の物資を積んだ補給部隊がこの道を通っていた。 「暇だ・・・」 トラックの助手席でひとりの若者が呟く。 「おうおう、くさってんじゃねえか二等兵、どうしたい?」 運転席の恰幅のいい中年の兵長が声をかける。 「退屈なんです。 毎日毎日、補給品はこんで砂漠を行ったり来たりするだけなんて。 俺は人類を守るために軍にはいったのに。」 「ははは!女に持てたいってのもあるんだろ? まぁ確かに退屈だが補給品がなきゃ前線の連中が戦えなくなっちまう。 そうならないために俺達が必要されてるのさ。 ほら、立派に人類を守ることに貢献してんだよ。 それになんにしたってこの仕事は安全だしな。」 「はぁ、でもどうせなら、 俺はウィッチと一緒に戦って一匹でも多くのネウロイを倒したいんです。」 「若いねぇ、おっそうだウィッチといえば・・・」 そういって兵長は懐から写真を取りだし二等兵に渡す。 写真には一人の女性と5才くらいの女の子がこっちに笑いかけている姿が写っていた。 「俺の嫁さんと娘だ。ふたりとも美人だろ?嫁さんは元ウィッチでな。 娘もその才能があるみたいなんだ、ウィッチになる子はみんな美人だし、 きっと将来は誰もが振り向く別嬪さんになるだろうさ。」 「は、はぁ・・・そうですか(たしかに可愛いけど)」 「なんだぁその反応は? まぁいい。俺はこの任務が終わればはれて服務期間終了。国に帰れるんでね。 いまからふたりに会えるのが楽しみで仕方ないんだよ。」 そうしてしばらく兵長はやれ嫁の飯は天下一品だとか、 娘が学校でいい成績をとったらしいとか、そんな家族自慢を始めた。 ソレは飢えていた。 ひたすらに進んでも、求めるものが手に入らない。 途中で出会った同胞すら喰らったというのにまるで足りない。 無駄なエネルギーを消費しないよう、こうしてじっと砂の中に身を潜める。 ふと、近くに何かがたくさん動いているのを感じた。 なんだろうか?ソレは知覚を鋭くさせて動いているものを探る。 するとなんと大量のマナの波動を感じ取った。 これを逃す手はない。ソレは行動を開始した。 その自慢話に二等兵が飽きてきた頃それは起こった。 「でな、娘がおおきくなったらパパのお嫁さんになるのっていうんだよ。 それがまたかわいっ、て危ねぇ!」 突如目の前を走っていた別の補給トラックが空へと舞い上がる。 兵長は巧みにハンドルを操作して落ちてくる残骸と、トラックを打ち上げたナニカを避ける。 「くそ!なんだってんだ。」 「兵長、アレ!」 二等兵が指差す方を見てみると、 先ほどのナニカが自分たちの後ろにいた護衛の装甲車を掴み上げていた。 そしてそのナニカはしばらくして興味を失った子どものように装甲車を放り投げた。 装甲車は地面に激突して爆発炎上する。 「なん・・・だってんだよ、いったい。」 呆然とするふたり。ナニカは砂の中に潜っていく。だがこれで終わりではなかった。 「KySHAAAAaaa!!!」 今度は先ほどとは比べ物にならない震動を伴って巨大な物体が姿を表した。 ~オアシス 大天幕~ 朝早くからこの場には、 このオアシスを代表する戦力である各ウィッチ隊のメンバーが揃っていた。 そこにロンメル、パットン、モントゴメリーの3将軍が入ってくる。 全員が敬礼した。 「朝早くからご苦労。楽にしてくれ。 ……今日集まってもらったのは緊急を要する任務を君たちに託すためだ。 詳しくはモントゴメリー中将、たのむ。」 ロンメルがモントゴメリーに場所を譲る。 「おほん、3日前、ここから東80km程の地点で我が軍の補給部隊が襲撃を受けた。」 彼の参謀が現場の拡大写真を貼り出す。そこには無惨に破壊された車両が写っている。 「この通りだ。現場には瘴気の残留が確認されている。」 「つまり、これはネウロイの仕業いうわけですか?」 フレデリカが尋ねる。 「その通り、敵は前線からほど遠いこの補給路を攻撃したことになる。 その数は少ないだろうが相手が補給部隊とはいえ、これだけのことをやってのける奴だ。 かなりの強敵であることが予想される。」 発言を終え、ロンメルが再び壇上に立つ。 「この補給路は最前線にいる兵士たちの生命線だ。 ここを抑えられてはまともに戦えん。 ゆえに可急的速やかにこれの安全を確保することが今回の君たちの任務だ。」 「要はクソッタレのネウロイを見つけ出し、ぶっ殺す。いつもと同じさ。」 そうパットンが締めくくった。 「なにか質問は?」 圭子が手をあげる。 「敵の姿はどのようなものでしょうか」 モントゴメリーが答える。 「分からん。」 「分からない?」 「そうだ。襲われた部隊に生存者はおろか死体すら確認できなかったからな。 残された残骸から分かっていることはヤツらに巨大な個体がいること、 ビーム発射能力があることくらいだ。」 「ではどうやって敵を発見するのでしょうか?」 マイルズが質問した。 「囮の補給部隊を用意する。それにこの補給路を走らせ、 それに奴らが食いついた時を狙って空と陸から奇襲をかける。 他に質問は?なければこれで終わりだ。」 「作戦開始は1030だ。各自装備を整えておけよ!」 ソレは飢えていた。 いや、自身を構成するマナは十分に足りている。飢えているのは別のことだ。 あのときマナの塊を運んでいる奴らを襲ったことき、自分に何かをぶつけてくる奴がいた。 以前喰った同胞の知識に寄れば、ニンゲンというらしい。 鬱陶しいので叩き潰すと、驚いたことに、なんとそいつらにはマナが豊富に含まれているではないか。 すぐさまそのマナを取り込んでみる。 ウマイ。こんなマナはいままで喰ったことがない。 もっと欲しい!もっともっとニンゲン欲しい!! そうしてソレはよりウマイものを喰いたいという欲求を覚えてしまった。 その欲求にしたがうままにソレはニンゲンを捕まえ、喰らった。 何体かのニンゲンを喰らってみると、動かなくなったニンゲンより動いてるほうがウマイ。 それに種類によっても違うらしい。とくに先ほど手に入れた知識によると、 ウィッチとかいうニンゲンはいま喰ったやつらよりももっとおいしそうだ。 ウィッチ、喰ってみたい。 その欲望に飢えていた。 ~連合国軍補給路~ 対瘴気用の装備をした兵士たちが乗った偽装補給部隊が件の補給路を走る。 それのいくらか後方に、各陸戦ウィッチが乗ったトラックが続き。 上空にはマルセイユたちが何時でも降下、援護できるように用意している。 「そろそろ予定地点だ気を抜くな!」 その言葉を聞いて俺は装備を確認する。 俺の装備はいつもの対装甲拳銃と新しく作ってもらった大きなハンマー。 このハンマーは戦車の装甲パネルを改造したもので、 先が尖っているために叩き潰すよりは断ち切る感覚で使える。 それに加えて医薬品(自分には必要ないが念のため)や水、食料が入ったバックパックだ。 「ねぇ俺、今回の敵ってどんな形をしてると思う?」 それらを点検する横でシャーロットが、 ティーゲルをいつでも発進できるようにスタンバイさせながら俺に尋ねる。 「う~ん、 すくなくともここ最近戦った固定の型をもったやつらとは違うと思う。 あいつらビーム打てないし、このあいだのはぐれみたいな奇形型じゃないかな?」 「そっか……」 「不安?」 「うん。いままでの敵ならコアの場所も分かるし、何体かやっつけてるから 自信はあるんだけど……知らない敵と戦うのは、怖いよ。」 そういてシャーロットは黙ってしまった。 「えっと、敵がどんなやつだとしても、 マイルズ少佐とかマルセイユさんたちがいっしょにいるし、僕も頑張る。 たから……その……きっと大丈夫だよ。」 俺はなんとかシャーロットを励まそうとするが上手く言葉にすることができない。 でも真剣に自分を励まそうとしてくれるその姿はちょっとかわいらしく見えた。 「うん……ありがとう、俺、ちょっと元気でた。」 シャーロットの顔をに笑顔が戻る。 ガシャァアアアアアン!! 『!!』 「前方の囮に敵が食いついた!全機、すみやかに降車。戦闘開始!」 ニンゲンを襲った場所の近くにいい寝床があった。 その寝床に身を休めながらソレは考える。 どうやったらウィッチを食べられるだろうか? ウィッチは数が少ないらしくそう簡単には出てきそうにないようだ。 それを自分の前に引きずり出すにはどうしたらいいだろうか? 知識によればニンゲンにはヒトジチなるものを助けようとするらしい。 ウィッチもニンゲンだ、これは使えるかもしれない。 なので保存食の意味も込めて何体かのニンゲンを喰わずにとっておいた。 でもあとはこれをどうすればヒトジチになるのかがまだ分からない。 悩んでいるソレの知覚にまたしてもニンゲンを襲った場所に、襲ったのと同じやつが 近づいているのを感じる。 とりあえず、思考をやめて、ソレもう一度ニンゲンを襲うことにした。 それに知識によれば、何でかしらないがヒトジチは多い方がいいらしい。 ~上空~ 「タコ……?」 上空から囮の部隊に食いついた敵をみて、 圭子はいま自分が見ている敵の姿に最も近いものを思い浮かべる。 丸い頭とそこから生えた本黒い触手が見えるだけで8本。 その姿はまさにタコだった。 扶桑海事変以前、ネウロイの形は動植物の形をしたものが多数確認されたそうだが、 こいつもそのひとつだろうか。 「気持ち悪い……」 「そうだねティナ。うん……これはクルものがあるわ。」 「そんなに気持ち悪いですか?食べるとおいしんですよ、タコ。」 扶桑人の自分と真美はまだしも、カールスラント人のマルセイユとライーサには 生理的に受け付けない姿らしく、できるなら直視したくなさそうである。 そうこうしている内に地上部隊がネウロイとおもわしきもの(まあ何にせよ敵だ)と交戦を始める。 「下でも始まったわね。」 「ねぇケイ、私パスしてもいいか?正直あんなのに近づきたくないんだが……」 「だめよハンナ、さあ援護にいくわよ!」 嫌そうなマルセイユをたしなめつつ、地上軍を援護しに圭子たちは降下していった。 ~地上~ 「ロックンロール!!」 機動力に優れたパットンガールズが先陣を切る。 向かってくる触手を回避しながら砲弾を敵の体に叩き込んでいく。 彼女たちの動きに翻弄されるネウロイに側面から マイルズが彼女の部下とともに横列体形をつくり斉射を浴びせる。 「KsyaAAAAAAAAAAAAAAA!!」 ネウロイは身を捩って砲撃のダメージを軽減しようとしつつ、 マイルズたちに向かって触手を槍のように突き出す。 「させない!」 その槍をティーゲルの大出力で増幅されたシャーロットのシールドが受け止め、 「でりゃぁぁああああああああ!!!」 俺が勢いよく振り下ろしたハンマーで叩き潰し、切断する。 「GYAAAAAAAAAA!?」 触手を断ち切られたネウロイは悲鳴をあげて数歩後ろに下がる。 しかしやられっぱなしでは済まそうとしなかった。 「! 全車、敵の動きに注意、何か仕掛けてくる!!」 ネウロイは体を震わせると、体表から大量の小型機が飛び出す。 小型機の形は蛾のようなもの、蜘蛛のようなものがおり、 前者は空を飛びながらビームを発射し、後者は高速でウィッチたちに接近してくる。 「うぇ、キモイ……」 パットンガールズ最先任のパトリシアがその場のウィッチたちの心情を代弁する。 シャカシャカと砂地を這いずってこちらに迫ってくるネウロイの姿は乙女たちの 心にかなりのダメージを与える。 「こっち、こないで!」 ひとりが撃った砲弾が蜘蛛型ネウロイに着弾する。 するとネウロイは砲弾によるもの以上の威力で爆発してみんなをひるませる。 「ど、どうなってるのよ!」 文句を言ってもネウロイの足は止まらない。一体がこちらに取り付こうと飛び上がった。 「みんなに、手を出すな!!」 こんどは俺が蜘蛛型をハンマーで吹っ飛ばす。 吹っ飛ばされたネウロイはそこでまたしても強烈な爆発を起こす。 「なるほどそういうこと……全機、フォーメーションD! 連中の体は爆弾そのものだ。取り付かれたらもろとも自爆されるわよ!!」 マイルズの声に応じてみんながティーガーを中心に円陣を組んで敵を迎撃する。 その上空には蛾型のネウロイが迫り、地上をビームでなぎ払おうとする。 「残念、出直してこい。」 ビームが放たれる直前でネウロイは上空からマルセイユたちが打ち落とした。 本体のタコ型がマルセイユたちを撃ち落そうとビームを発射する。 しかしそのビームは直前で回避され、そのかわりに、 「だりゃああぁあああああ!!」 回り込んでいた真美が持つ40mm対空砲が叩き込まれた。 その間に蜘蛛型の処理を終えた地上部隊がもう一度攻勢に転じだした。 ソレは困惑していた。 ヒトジチと食料を手に入れにきたつもりだったが、そこで思わぬことに遭遇した。 地上に姿を現したと同時に今までにない衝撃が自分を襲った。 なにがあったのか確認してみると、今までのニンゲンとは形の違うやつがそこにいた。 手に入れた知識にてらしあわせるまでもない、ウィッチだ。 求めていたものが自分から飛び込んできたのだからこれほど嬉しいことはない。 すぐに捕まえようとするが上手く行かない。 とくにニンゲンじゃないもののようなニンゲンは自分の手足を切り落としてくれるので、 鬱陶しいことこの上ない。 そうしているうちに空からもウィッチがやってきて、自分に無視できないダメージを与えてくる。 このままではまずい、さっさと逃げるべきだ。それでも一体ぐらいウィッチを捕まえたい。 とくに空を飛んでいるやつでその中でももっとも強いマナの波動を持ったやつ。 あれを捕まえられないだろうか。 「く、いい加減倒れろ!」 マルセイユがいまだ倒れない敵に向かって悪態をつく。 戦闘が開始されてから20分ほどたち、 最初にネウロイがあらわれた補給路からある程度はなれたところに戦場は移っていた。 ネウロイは真美の40mmを喰らってもいまだ健在で、その触手を振り回し、 定期的に小型を作り出したり、ビームを放ったりしていた。 いくら敵がしぶとくても倒れるまで銃弾を叩き込むことを信条とするマルセイユだが、 これほど長引くと手持ちの弾の残弾が気になりだす。 「ああ、気持ち悪、さっさと終わらしてシャワーを浴びたい。 コアさえ露出すれば一撃で片をつけられるんだが……!」 チャンスをうかがうマルセイユの視線の先では、 俺がもう何度目かになる触手の切断を行っている。 触手が切断されると、ネウロイはその触手を庇うように引っ込める。 その時、偶然にもシャーロットが放った砲弾がその触手にあたり軌道が逸れ、 いままで触手が邪魔で狙えなかったタコの顔の部分に着弾し、爆発する。 「見えた、コアよ!」 圭子が叫ぶ。 砲弾が爆発した地点には、捜し求めていたネウロイのコアが赤く輝いていた。 だが射角が厳しくこのままではどこからもコアを狙えない 「あんまり気は進まないけど、仕方ない、私が行く!」 「ティナ!?」 そういってマルセイユはライーサが止める間もなく急降下をかけ、 ストライカーの性能をフルに使って蠢く触手を回避しコアに肉薄する。 「kySaaAAAAAAAAA!!」 「これで終わりだ!」 彼女が手に持つMG34が火を噴き、撃ちだされた銃弾はコアに直撃する ……はずだった。 「な、うそ!」 さっきまでそこにあったコアが着弾寸前でネウロイの体内深くに引き込んでしまった。 予想外の事態にマルセイユの判断が鈍る。 「ハンナ、逃げて!」 圭子が叫ぶと同時にネウロイの触手がマルセイユを捉えようとする。 瞬間的に気を取り戻した彼女が逃げようとストライカーに魔法力を込める しかし焦りから通常はかけない急激な負荷に、ストライカーがついて行けずに咳き込んでしまった。 「しまっ……ぐっ!!」 ネウロイの触手がマルセイユを捉え締め付ける。 「ぐはっ……くそ、離せ、この変態!!」 MGを打ち込むしかし触手は一方に緩む気配がない。 すると今度はバチバチという音が当たりに響く。 「何を……あぐっ!あああぁぁぁぁあああああ!!」 ネウロイが電気を発生させ、触手を伝わらせてマルセイユの体に流し込んだ。 かかった! かなり危なかったけど、あの一番つよいマナの波動をもったウィッチを捕まえた!! その溢れんばかりのマナの波動は、それを捕まえた手に伝わって自分を興奮させてくれる。 はやく寝床に連れて帰って、おいしく頂こう。 「く、全機!マルセイユを救え!!」 地上軍が火力を集中させてマルセイユを捉えている触手を狙うが、 ほかの触手に阻まれてうまくいかない。 「真美、触手を狙える!?」 「ダメですこの銃じゃ威力がありすぎます!」 上空から狙おうにもMGでは威力不足だし、40mmではマルセイユを巻き込んでしまう。 「僕が行きます!」 そういうと俺はネウロイに向かって走り出す。 俺を叩き潰そうとする触手を避け、 さらにその触手によじ登りネウロイの体の上を駆け抜ける。 とうぜんながら俺を払い落とそうと他の触手が迫るが、それは手に持ったハンマーで弾いた。 そうやって、やっとのことでマルセイユのもとにたどり着く。 「マルセイユさん!しっかりしてください!!」 「う……ぁ……」 「だめか、気を失ってる……くそ、離れろよこいつ!」 俺は彼女を捕らえている触手を引き剥がそうとするが生半可な力では剥がれない。 「ならこいつで!!」 そういうと俺はハンマーを振りかぶって叩きつけようとする。 しかし、ネウロイが次の行動に出るほうが早かった。 ネウロイは触手を砂に突き刺して、穴を掘るように動かすと、 砂を流動化させ、砂の中にある自分の巣へ逃げ帰ろうとする 「う、うわわわ!」 バランスを崩して触手にしがみつく俺。 そんなことはお構いなしにネウロイは潜っていき、 マルセイユと俺ごと砂の中へと消えてしまった。
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俺「ストライクウィッチーズだと……? 261-302 ソレは、飢えていた。 飢えて、飢えて、仕方がなかった。 この砂と岩の大地では自らを構成するマナがほとんどない。 ゆえにソレは移動を始める。自らの糧を求めてひたすらに。 ~サハラ砂漠 連合国軍補給路~ 太陽が容赦なく照りつけ、 熱い砂が舞うこの道は、最前線であるハルファヤ峠はもちろん 各地に補給物資を運ぶ生命線である。 今日も大量の物資を積んだ補給部隊がこの道を通っていた。 「暇だ・・・」 トラックの助手席でひとりの若者が呟く。 「おうおう、くさってんじゃねえか二等兵、どうしたい?」 運転席の恰幅のいい中年の兵長が声をかける。 「退屈なんです。 毎日毎日、補給品はこんで砂漠を行ったり来たりするだけなんて。 俺は人類を守るために軍にはいったのに。」 「ははは!女に持てたいってのもあるんだろ? まぁ確かに退屈だが補給品がなきゃ前線の連中が戦えなくなっちまう。 そうならないために俺達が必要されてるのさ。 ほら、立派に人類を守ることに貢献してんだよ。 それになんにしたってこの仕事は安全だしな。」 「はぁ、でもどうせなら、 俺はウィッチと一緒に戦って一匹でも多くのネウロイを倒したいんです。」 「若いねぇ、おっそうだウィッチといえば・・・」 そういって兵長は懐から写真を取りだし二等兵に渡す。 写真には一人の女性と5才くらいの女の子がこっちに笑いかけている姿が写っていた。 「俺の嫁さんと娘だ。ふたりとも美人だろ?嫁さんは元ウィッチでな。 娘もその才能があるみたいなんだ、ウィッチになる子はみんな美人だし、 きっと将来は誰もが振り向く別嬪さんになるだろうさ。」 「は、はぁ・・・そうですか(たしかに可愛いけど)」 「なんだぁその反応は? まぁいい。俺はこの任務が終わればはれて服務期間終了。国に帰れるんでね。 いまからふたりに会えるのが楽しみで仕方ないんだよ。」 そうしてしばらく兵長はやれ嫁の飯は天下一品だとか、 娘が学校でいい成績をとったらしいとか、そんな家族自慢を始めた。 ソレは飢えていた。 ひたすらに進んでも、求めるものが手に入らない。 途中で出会った同胞すら喰らったというのにまるで足りない。 無駄なエネルギーを消費しないよう、こうしてじっと砂の中に身を潜める。 ふと、近くに何かがたくさん動いているのを感じた。 なんだろうか?ソレは知覚を鋭くさせて動いているものを探る。 するとなんと大量のマナの波動を感じ取った。 これを逃す手はない。ソレは行動を開始した。 その自慢話に二等兵が飽きてきた頃それは起こった。 「でな、娘がおおきくなったらパパのお嫁さんになるのっていうんだよ。 それがまたかわいっ、て危ねぇ!」 突如目の前を走っていた別の補給トラックが空へと舞い上がる。 兵長は巧みにハンドルを操作して落ちてくる残骸と、トラックを打ち上げたナニカを避ける。 「くそ!なんだってんだ。」 「兵長、アレ!」 二等兵が指差す方を見てみると、 先ほどのナニカが自分たちの後ろにいた護衛の装甲車を掴み上げていた。 そしてそのナニカはしばらくして興味を失った子どものように装甲車を放り投げた。 装甲車は地面に激突して爆発炎上する。 「なん・・・だってんだよ、いったい。」 呆然とするふたり。ナニカは砂の中に潜っていく。だがこれで終わりではなかった。 「KySHAAAAaaa!!!」 今度は先ほどとは比べ物にならない震動を伴って巨大な物体が姿を表した。 ~オアシス 大天幕~ 朝早くからこの場には、 このオアシスを代表する戦力である各ウィッチ隊のメンバーが揃っていた。 そこにロンメル、パットン、モントゴメリーの3将軍が入ってくる。 全員が敬礼した。 「朝早くからご苦労。楽にしてくれ。 ……今日集まってもらったのは緊急を要する任務を君たちに託すためだ。 詳しくはモントゴメリー中将、たのむ。」 ロンメルがモントゴメリーに場所を譲る。 「おほん、3日前、ここから東80km程の地点で我が軍の補給部隊が襲撃を受けた。」 彼の参謀が現場の拡大写真を貼り出す。そこには無惨に破壊された車両が写っている。 「この通りだ。現場には瘴気の残留が確認されている。」 「つまり、これはネウロイの仕業いうわけですか?」 フレデリカが尋ねる。 「その通り、敵は前線からほど遠いこの補給路を攻撃したことになる。 その数は少ないだろうが相手が補給部隊とはいえ、これだけのことをやってのける奴だ。 かなりの強敵であることが予想される。」 発言を終え、ロンメルが再び壇上に立つ。 「この補給路は最前線にいる兵士たちの生命線だ。 ここを抑えられてはまともに戦えん。 ゆえに可急的速やかにこれの安全を確保することが今回の君たちの任務だ。」 「要はクソッタレのネウロイを見つけ出し、ぶっ殺す。いつもと同じさ。」 そうパットンが締めくくった。 「なにか質問は?」 圭子が手をあげる。 「敵の姿はどのようなものでしょうか」 モントゴメリーが答える。 「分からん。」 「分からない?」 「そうだ。襲われた部隊に生存者はおろか死体すら確認できなかったからな。 残された残骸から分かっていることはヤツらに巨大な個体がいること、 ビーム発射能力があることくらいだ。」 「ではどうやって敵を発見するのでしょうか?」 マイルズが質問した。 「囮の補給部隊を用意する。それにこの補給路を走らせ、 それに奴らが食いついた時を狙って空と陸から奇襲をかける。 他に質問は?なければこれで終わりだ。」 「作戦開始は1030だ。各自装備を整えておけよ!」 ソレは飢えていた。 いや、自身を構成するマナは十分に足りている。飢えているのは別のことだ。 あのときマナの塊を運んでいる奴らを襲ったことき、自分に何かをぶつけてくる奴がいた。 以前喰った同胞の知識に寄れば、ニンゲンというらしい。 鬱陶しいので叩き潰すと、驚いたことに、なんとそいつらにはマナが豊富に含まれているではないか。 すぐさまそのマナを取り込んでみる。 ウマイ。こんなマナはいままで喰ったことがない。 もっと欲しい!もっともっとニンゲン欲しい!! そうしてソレはよりウマイものを喰いたいという欲求を覚えてしまった。 その欲求にしたがうままにソレはニンゲンを捕まえ、喰らった。 何体かのニンゲンを喰らってみると、動かなくなったニンゲンより動いてるほうがウマイ。 それに種類によっても違うらしい。とくに先ほど手に入れた知識によると、 ウィッチとかいうニンゲンはいま喰ったやつらよりももっとおいしそうだ。 ウィッチ、喰ってみたい。 その欲望に飢えていた。 ~連合国軍補給路~ 対瘴気用の装備をした兵士たちが乗った偽装補給部隊が件の補給路を走る。 それのいくらか後方に、各陸戦ウィッチが乗ったトラックが続き。 上空にはマルセイユたちが何時でも降下、援護できるように用意している。 「そろそろ予定地点だ気を抜くな!」 その言葉を聞いて俺は装備を確認する。 俺の装備はいつもの対装甲拳銃と新しく作ってもらった大きなハンマー。 このハンマーは戦車の装甲パネルを改造したもので、 先が尖っているために叩き潰すよりは断ち切る感覚で使える。 それに加えて医薬品(自分には必要ないが念のため)や水、食料が入ったバックパックだ。 「ねぇ俺、今回の敵ってどんな形をしてると思う?」 それらを点検する横でシャーロットが、 ティーゲルをいつでも発進できるようにスタンバイさせながら俺に尋ねる。 「う~ん、 すくなくともここ最近戦った固定の型をもったやつらとは違うと思う。 あいつらビーム打てないし、このあいだのはぐれみたいな奇形型じゃないかな?」 「そっか……」 「不安?」 「うん。いままでの敵ならコアの場所も分かるし、何体かやっつけてるから 自信はあるんだけど……知らない敵と戦うのは、怖いよ。」 そういてシャーロットは黙ってしまった。 「えっと、敵がどんなやつだとしても、 マイルズ少佐とかマルセイユさんたちがいっしょにいるし、僕も頑張る。 たから……その……きっと大丈夫だよ。」 俺はなんとかシャーロットを励まそうとするが上手く言葉にすることができない。 でも真剣に自分を励まそうとしてくれるその姿はちょっとかわいらしく見えた。 「うん……ありがとう、俺、ちょっと元気でた。」 シャーロットの顔をに笑顔が戻る。 ガシャァアアアアアン!! 『!!』 「前方の囮に敵が食いついた!全機、すみやかに降車。戦闘開始!」 ニンゲンを襲った場所の近くにいい寝床があった。 その寝床に身を休めながらソレは考える。 どうやったらウィッチを食べられるだろうか? ウィッチは数が少ないらしくそう簡単には出てきそうにないようだ。 それを自分の前に引きずり出すにはどうしたらいいだろうか? 知識によればニンゲンにはヒトジチなるものを助けようとするらしい。 ウィッチもニンゲンだ、これは使えるかもしれない。 なので保存食の意味も込めて何体かのニンゲンを喰わずにとっておいた。 でもあとはこれをどうすればヒトジチになるのかがまだ分からない。 悩んでいるソレの知覚にまたしてもニンゲンを襲った場所に、襲ったのと同じやつが 近づいているのを感じる。 とりあえず、思考をやめて、ソレもう一度ニンゲンを襲うことにした。 それに知識によれば、何でかしらないがヒトジチは多い方がいいらしい。 ~上空~ 「タコ……?」 上空から囮の部隊に食いついた敵をみて、 圭子はいま自分が見ている敵の姿に最も近いものを思い浮かべる。 丸い頭とそこから生えた本黒い触手が見えるだけで8本。 その姿はまさにタコだった。 扶桑海事変以前、ネウロイの形は動植物の形をしたものが多数確認されたそうだが、 こいつもそのひとつだろうか。 「気持ち悪い……」 「そうだねティナ。うん……これはクルものがあるわ。」 「そんなに気持ち悪いですか?食べるとおいしんですよ、タコ。」 扶桑人の自分と真美はまだしも、カールスラント人のマルセイユとライーサには 生理的に受け付けない姿らしく、できるなら直視したくなさそうである。 そうこうしている内に地上部隊がネウロイとおもわしきもの(まあ何にせよ敵だ)と交戦を始める。 「下でも始まったわね。」 「ねぇケイ、私パスしてもいいか?正直あんなのに近づきたくないんだが……」 「だめよハンナ、さあ援護にいくわよ!」 嫌そうなマルセイユをたしなめつつ、地上軍を援護しに圭子たちは降下していった。 ~地上~ 「ロックンロール!!」 機動力に優れたパットンガールズが先陣を切る。 向かってくる触手を回避しながら砲弾を敵の体に叩き込んでいく。 彼女たちの動きに翻弄されるネウロイに側面から マイルズが彼女の部下とともに横列体形をつくり斉射を浴びせる。 「KsyaAAAAAAAAAAAAAAA!!」 ネウロイは身を捩って砲撃のダメージを軽減しようとしつつ、 マイルズたちに向かって触手を槍のように突き出す。 「させない!」 その槍をティーゲルの大出力で増幅されたシャーロットのシールドが受け止め、 「でりゃぁぁああああああああ!!!」 俺が勢いよく振り下ろしたハンマーで叩き潰し、切断する。 「GYAAAAAAAAAA!?」 触手を断ち切られたネウロイは悲鳴をあげて数歩後ろに下がる。 しかしやられっぱなしでは済まそうとしなかった。 「! 全車、敵の動きに注意、何か仕掛けてくる!!」 ネウロイは体を震わせると、体表から大量の小型機が飛び出す。 小型機の形は蛾のようなもの、蜘蛛のようなものがおり、 前者は空を飛びながらビームを発射し、後者は高速でウィッチたちに接近してくる。 「うぇ、キモイ……」 パットンガールズ最先任のパトリシアがその場のウィッチたちの心情を代弁する。 シャカシャカと砂地を這いずってこちらに迫ってくるネウロイの姿は乙女たちの 心にかなりのダメージを与える。 「こっち、こないで!」 ひとりが撃った砲弾が蜘蛛型ネウロイに着弾する。 するとネウロイは砲弾によるもの以上の威力で爆発してみんなをひるませる。 「ど、どうなってるのよ!」 文句を言ってもネウロイの足は止まらない。一体がこちらに取り付こうと飛び上がった。 「みんなに、手を出すな!!」 こんどは俺が蜘蛛型をハンマーで吹っ飛ばす。 吹っ飛ばされたネウロイはそこでまたしても強烈な爆発を起こす。 「なるほどそういうこと……全機、フォーメーションD! 連中の体は爆弾そのものだ。取り付かれたらもろとも自爆されるわよ!!」 マイルズの声に応じてみんながティーガーを中心に円陣を組んで敵を迎撃する。 その上空には蛾型のネウロイが迫り、地上をビームでなぎ払おうとする。 「残念、出直してこい。」 ビームが放たれる直前でネウロイは上空からマルセイユたちが打ち落とした。 本体のタコ型がマルセイユたちを撃ち落そうとビームを発射する。 しかしそのビームは直前で回避され、そのかわりに、 「だりゃああぁあああああ!!」 回り込んでいた真美が持つ40mm対空砲が叩き込まれた。 その間に蜘蛛型の処理を終えた地上部隊がもう一度攻勢に転じだした。 ソレは困惑していた。 ヒトジチと食料を手に入れにきたつもりだったが、そこで思わぬことに遭遇した。 地上に姿を現したと同時に今までにない衝撃が自分を襲った。 なにがあったのか確認してみると、今までのニンゲンとは形の違うやつがそこにいた。 手に入れた知識にてらしあわせるまでもない、ウィッチだ。 求めていたものが自分から飛び込んできたのだからこれほど嬉しいことはない。 すぐに捕まえようとするが上手く行かない。 とくにニンゲンじゃないもののようなニンゲンは自分の手足を切り落としてくれるので、 鬱陶しいことこの上ない。 そうしているうちに空からもウィッチがやってきて、自分に無視できないダメージを与えてくる。 このままではまずい、さっさと逃げるべきだ。それでも一体ぐらいウィッチを捕まえたい。 とくに空を飛んでいるやつでその中でももっとも強いマナの波動を持ったやつ。 あれを捕まえられないだろうか。 「く、いい加減倒れろ!」 マルセイユがいまだ倒れない敵に向かって悪態をつく。 戦闘が開始されてから20分ほどたち、 最初にネウロイがあらわれた補給路からある程度はなれたところに戦場は移っていた。 ネウロイは真美の40mmを喰らってもいまだ健在で、その触手を振り回し、 定期的に小型を作り出したり、ビームを放ったりしていた。 いくら敵がしぶとくても倒れるまで銃弾を叩き込むことを信条とするマルセイユだが、 これほど長引くと手持ちの弾の残弾が気になりだす。 「ああ、気持ち悪、さっさと終わらしてシャワーを浴びたい。 コアさえ露出すれば一撃で片をつけられるんだが……!」 チャンスをうかがうマルセイユの視線の先では、 俺がもう何度目かになる触手の切断を行っている。 触手が切断されると、ネウロイはその触手を庇うように引っ込める。 その時、偶然にもシャーロットが放った砲弾がその触手にあたり軌道が逸れ、 いままで触手が邪魔で狙えなかったタコの顔の部分に着弾し、爆発する。 「見えた、コアよ!」 圭子が叫ぶ。 砲弾が爆発した地点には、捜し求めていたネウロイのコアが赤く輝いていた。 だが射角が厳しくこのままではどこからもコアを狙えない 「あんまり気は進まないけど、仕方ない、私が行く!」 「ティナ!?」 そういってマルセイユはライーサが止める間もなく急降下をかけ、 ストライカーの性能をフルに使って蠢く触手を回避しコアに肉薄する。 「kySaaAAAAAAAAA!!」 「これで終わりだ!」 彼女が手に持つMG34が火を噴き、撃ちだされた銃弾はコアに直撃する ……はずだった。 「な、うそ!」 さっきまでそこにあったコアが着弾寸前でネウロイの体内深くに引き込んでしまった。 予想外の事態にマルセイユの判断が鈍る。 「ハンナ、逃げて!」 圭子が叫ぶと同時にネウロイの触手がマルセイユを捉えようとする。 瞬間的に気を取り戻した彼女が逃げようとストライカーに魔法力を込める しかし焦りから通常はかけない急激な負荷に、ストライカーがついて行けずに咳き込んでしまった。 「しまっ……ぐっ!!」 ネウロイの触手がマルセイユを捉え締め付ける。 「ぐはっ……くそ、離せ、この変態!!」 MGを打ち込むしかし触手は一方に緩む気配がない。 すると今度はバチバチという音が当たりに響く。 「何を……あぐっ!あああぁぁぁぁあああああ!!」 ネウロイが電気を発生させ、触手を伝わらせてマルセイユの体に流し込んだ。 かかった! かなり危なかったけど、あの一番つよいマナの波動をもったウィッチを捕まえた!! その溢れんばかりのマナの波動は、それを捕まえた手に伝わって自分を興奮させてくれる。 はやく寝床に連れて帰って、おいしく頂こう。 「く、全機!マルセイユを救え!!」 地上軍が火力を集中させてマルセイユを捉えている触手を狙うが、 ほかの触手に阻まれてうまくいかない。 「真美、触手を狙える!?」 「ダメですこの銃じゃ威力がありすぎます!」 上空から狙おうにもMGでは威力不足だし、40mmではマルセイユを巻き込んでしまう。 「僕が行きます!」 そういうと俺はネウロイに向かって走り出す。 俺を叩き潰そうとする触手を避け、 さらにその触手によじ登りネウロイの体の上を駆け抜ける。 とうぜんながら俺を払い落とそうと他の触手が迫るが、それは手に持ったハンマーで弾いた。 そうやって、やっとのことでマルセイユのもとにたどり着く。 「マルセイユさん!しっかりしてください!!」 「う……ぁ……」 「だめか、気を失ってる……くそ、離れろよこいつ!」 俺は彼女を捕らえている触手を引き剥がそうとするが生半可な力では剥がれない。 「ならこいつで!!」 そういうと俺はハンマーを振りかぶって叩きつけようとする。 しかし、ネウロイが次の行動に出るほうが早かった。 ネウロイは触手を砂に突き刺して、穴を掘るように動かすと、 砂を流動化させ、砂の中にある自分の巣へ逃げ帰ろうとする 「う、うわわわ!」 バランスを崩して触手にしがみつく俺。 そんなことはお構いなしにネウロイは潜っていき、 マルセイユと俺ごと砂の中へと消えてしまった。
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登録日:2012/02/15(水) 23 05 12 更新日:2024/01/28 Sun 11 57 31 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 0083 オーストラリア ガンダム ガンダムUC ガンダム施設項目 ガンダム試作2号機 コロ落ち シドニー シャンブロ デラーズ紛争 トリントン基地 トリントン湾岸基地 ラプラス戦争 地球連邦軍 基地 左遷 核弾頭 機動戦士ガンダム 災難続き トリントン基地/トリントン湾岸基地とは、『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で』(小説)、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』及び『機動戦士ガンダムUC』(OVA)に登場する地球連邦軍の基地。 所在地は、オーストラリア東部のシドニー湾(*1)北方。 ▽目次 概要【トリントン基地】 【トリントン湾岸基地】 出来事【一年戦争】 【デラーズ紛争】 【ラプラス戦争】 主な人物 主な兵器【兵器:一年戦争時】 【兵器:デラーズ紛争時】 【兵器:ラプラス戦争時】 概要 【トリントン基地】 基地内部に核兵器貯蔵施設が存在し、戦時条約である南極条約で使用が禁止されている核弾頭が保管されていた。 核兵器貯蔵施設は核爆発にも耐える程の強度。 その為、稼動テストの為にガンダム試作1号機と核弾頭搭載のガンダム試作2号機が運ばれた経緯がある。 一年戦争時は、戦略的価値の低い後方支援基地として扱われていた。 しかし、実はこの時点から既に核兵器が貯蔵されていた(核兵器は宇宙世紀の初期にすべて廃棄・解体した「ことになっており」、一応使うつもりはなかったのだが)。 「戦略的価値の低い後方支援基地」という評価も、目立たせないため・敵に狙われないためにあえてそんな情報を流していただけである。 下記のトリントン湾岸基地との間には、大規模な市街地が広がっている。 【トリントン湾岸基地】 トリントン基地付近のシドニー湾に面した基地。 宇宙世紀0096年には、ジオン残党による襲撃を受けるが… どうもジオン軍はこれらの基地が気になって仕方ないらしい… 出来事 【一年戦争】 キシリア直属の特殊部隊「マッチモニード」が、核の奪取を目論みトリントン基地を襲撃した。 しかしことに気付いた連邦軍オーストラリア方面軍上層部と、その麾下の遊撃部隊「ホワイト・ディンゴ」の奮闘と、 さらにマッチモニードの暴走をよしとしないジオン軍のヴィッシュ・ドナヒューの共闘により(ホワイトディンゴ側はそれを認識していなかったが) ドムのみで構成されたマッチモニードをジムで壊滅させ、基地の防衛に成功した。 ちなみにこの際、重要な情報にアクセスできる権限パスワードがその対象者の誕生日という杜撰なセキュリティである事が判明している。 【デラーズ紛争】 稼動テストの為に、アナハイム・エレクトロニクス社からガンダム試作1号機とガンダム試作2号機が基地に運び込まれる。 宇宙世紀0083年10月に、アナベル・ガトーによる試作2号機強奪事件が発生。 その際、トリントン基地のテストパイロットコウ・ウラキが試作1号機に搭乗し、試作2号機の追撃に加わるが、逃走を許してしまう。 これにより、デラーズ紛争が勃発した。 なお、試作2号機強奪時に基地も攻撃を受けており、ザメルによる長距離砲撃が直撃した司令部施設が崩壊。そこ詰めていた司令以下の要員も壊滅しており、2機のガンダムを搬入したアルビオンの艦長を務めていたエイパー・シナプス大佐へ臨時に指揮権が委譲されていた。 更に基地襲撃および追撃戦初期段階でディック・アレンを始めとした所属パイロットを多数失う損害も出しており、アルビオンが基地を発った時は実質的に基地機能を失っていたと言える。 第二次ネオジオン戦争期においてはルナツーに旧世紀の核兵器が貯蔵されたことになっているが、一部はトリントン基地から移されたのだろうか。 また、この時の連邦軍ロンド・ベルも某所から博物館レベルの核弾頭を受け取っているが、その出所は案外ここかもしれない。 (なんの因果かこれらも強奪されてしまっている) 【ラプラス戦争】 過去の不祥事と戦略的価値の低さのために核の保有もなく軍部内からも忘れられるほど正真正銘の寂れた基地となっている。 ただし、OVA『機動戦士ガンダムUC#OVA|機動戦士ガンダムUC』では、南部にトリントン湾岸基地が確認される他、両基地の中間に位置する場所に市街地が広がっている為、寂れた基地という印象は薄い。 その性質から、人材や兵器も厄介払いとでも言うべき有り様で、配備されている兵器もジェガンの様な最新兵器ではなく、数世代前の旧型・型落ち品ばかり。 その内容たるや、MSだけでもエゥーゴやカラバ、ティターンズも含めた連邦系MSのごった煮状態であり、またMS以外の兵器も一年戦争時またはそれ以前の物が多数混在するという、グリプス戦役時のジャブローを思わせる様な状況である。 職員達(幹部、指揮官、パイロット、整備兵等)もその殆どが元ティターンズ出身者を筆頭とした左遷組または軍の問題児、厄介者もしくは落ちこぼれや無能という、まさにこの世の果てといった荒涼ぶりを呈している。 とはいえ、そんな中でもジムII・セミストライカーや同じタイプに改修したネモといった現地改修機も存在する。 また、当時は保管されていたバイアラン数機をベースにし最新ではなく既存の技術で改造する「MS単独滞空能力向上計画」が稼働しており、それに基づくバイアラン・カスタムの製作に基地の大半の人員が従事、熱中していた(*2)。 ユニコーンガンダムのLa+プログラムが提示する座標ポイントがトリントン基地である事に伴い、ガランシェールの助けを借りたバナージ・リンクスが訪れる。 同時期、トリントン基地は砂漠から、トリントン湾岸基地はシドニー湾からジオン残党軍軍が進行。 奇襲により、ジオン残党軍の優勢だった。 ロニ・ガーベイが操る巨大MAシャンブロにより、市街地は壊滅。多くの市民が虐殺された。 そして、ジオン残党軍は、各基地を強襲。湾岸基地には水陸両用MSが、トリントン基地には空と陸の両方からMSが襲撃し防衛隊を蹂躙。 このまま双方の基地はジオン残党軍に制圧される…かと思われた。 だが、トリントン湾岸基地のバイアラン・カスタムが出撃した事により形勢逆転。更に多数のジムⅡやネモやジムⅢも出撃し一気に連邦軍が優位に立つ。その後残党軍は多数の犠牲を出すも撤退。(*3) シャンブロはトリントン基地の破壊を進めていたが、ユニコーンガンダムとデルタプラスの活躍で沈黙、連邦軍は、両基地の防衛に成功した。 ※上記展開はOVAによるもの。 原作小説ではシャンブロによる侵攻はダカールで、バンシィによるユニコーンガンダム拿捕後のガルダ合流の橋頭保となったのがトリントン基地となっている。 なのでこちらで幾つかの旧ジオン軍MSが登場している。おおよそのMSは一致しているが、バイアラン・カスタムは出てこないし、バンシィによる猛攻でいくつかの機体が撃破されているなど相違点がある。 更に漫画版である『バンデシネ』では原作小説とOVA版を折半した様な形となり、トリントン基地攻防戦ではバイアラン・カスタムの二号機にリディ・マーセナスが搭乗したり、ザクⅠ・スナイパータイプによる狙撃でラー・カイラムの主砲とエンジンが破壊されるなど、それぞれの描写を良い意味で改変している。 主な人物 ◇コウ・ウラキ 『0083』主人公。ナイメーヘン士官学校を卒業後、編入されたテストパイロット。 序盤は未熟さと経験不足が目立ったが、ガンダム試作2号機強奪事件と試作2号機追撃を経て精神的にもパイロットとしても成長する。 デラーズ紛争後は軍事裁判に掛けられ懲役1年の判決を受けるが、ガンダム開発計画の抹消に伴い罪状も消滅したため釈放。北米オークリー基地へ左遷された。 ◇サウス・バニング テストパイロット部隊の隊長で、一年戦争時代からのベテランパイロット。 厳しくも優しい性格でテストパイロット達や一年戦争に所属していた問題児だらけの部隊「不死身の第四小隊」をまとめ上げていた人格者だが、女性にだらしない性格が災いしたのか妻とは別居中。 ガンダム試作2号機追撃に参加するが、原作では理不尽な死を遂げる。『Rebellion』でも経緯こそ異なるが戦死を遂げてしまう。 ◇チャック・キース コウと同期のテストパイロットで、彼とは悪友であり親友、そして女房役。 なんだかんだで面倒見が良く陽気な性格で、見渡す限り荒野のトリントン基地を見たときには「俺の青春が終わった…」とうなだれていた。 コウについていく形で追撃作戦に参加し、否応なしに戦場で成長する事となる。アルビオン隊の一員としてデラーズ紛争を駆け抜けた後は北米オークリー基地へ赴任しており、釈放されたコウを出迎える。 ◇カレント 「ふん、バニングのスケベ野郎に手柄を渡すもんかい」 トリントン基地の守備隊隊長。階級は大尉。テストパイロット部隊の隊長バニング大尉に嫉妬していた。 二号機追撃の任を受けていた所を待ち伏せされ撃破された。 彼のバニングを揶揄する発言はあながち間違っておらず、彼の女性にだらしない性格は基地内でも有名だったのだろうか…。 ◇ディック・アレン バニングの部下でテストパイロット、試作一号機のバックパックを装備したジム(早い話パワードジム)のテストを任されるなど 腕は確かだったと思われるが、試作二号機の追跡中にバズーカでコムサイを狙撃しようととしたところ、突如現れたドムにコックピットにバズーカを接射されミンチとなった。 余談だが彼の狙撃中すぐ横にいたキースは初の実戦で精神的な疲弊がピークに達しかけていたせいか、周辺警戒を行っていない。 ◇ラバン・カークス 同じくバニングの部下だがテストパイロットには任命されていない。そのため旧型のザクⅡに乗せられているのをボヤいていた。 デラーズフリートの襲撃で格納庫から出撃直後に、ゲイリーの駆るドム・トローペンによってコクピットごと両断されて戦死した。 その死はキースに実戦の恐ろしさを体感させる事となった。 ◇ディエス・ロビン U.C.0096当時のトリントン基地配属のメカニックマン。 上記の「MS単独滞空能力向上計画」は彼が提唱した立案書で、主にその計画に基づいた作業をしている。 本性は元ティターンズパイロットのドナ・スターで、グリプス戦役時代にテロ行為から連邦政府高官を救援した軍律違反を問われていたのだが、当時からの上官であるゼフテラ・ベルク中佐の計らいで戦死扱いにされ事なきを得ている。 ガンダムUC劇中では顔及び声が付かないが、バイアラン・カスタム1号機に自ら搭乗してジオン残党軍を相手に猛威を奮った。 主な兵器 【兵器:一年戦争時】 マッチモニードやホワイト・ディンゴの兵器については各項目を参照。 【兵器:デラーズ紛争時】 ジム改 パワード・ジム ザクⅡ ガンダム試作1号機 ガンダム試作2号機 【兵器:ラプラス戦争時】 ◇トリントン基地・トリントン湾岸基地の兵器 MSジムⅡ、ジムII・セミストライカー ジムⅢ アクアジム ガンタンクⅡ ガンキャノン・ディテクター ネモ ネモⅢ バイアラン、バイアラン・カスタム バーザム改 その他の兵器対MS誘導弾リジーナ 61式戦車 プチモビルスーツ(プチモビ) セイバーフィッシュ ヒマラヤ級航空母艦 ホバートラック ◇ジオン残党軍の兵器 MAシャンブロ トリントン湾岸基地襲撃(水陸両用)ゼー・ズール ズゴック ゾゴック ザク・マリナー カプール トリントン基地襲撃(空挺)ベースジャバー、ド・ダイ、ドダイⅡ ガルスK ガルスJ マラサイ ザクキャノン ザクⅠ・スナイパータイプ、ファットアンクル改 イフリート・シュナイド トリントン基地襲撃(陸上)ザクⅡ改 ドム・トローペン ドワッジ ディザート・ザク デザート・ゲルググ グフ重装型 追記・修正、お願いします △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] トリントンじゃないけど、オーストラリアはギレン暗殺計画でも出てたな ジオン側(上層部じゃなくて前線兵士とか)から見たコロニー落としやBC兵器って視点はもっとあっても良いと思う(シーマ様のアレとか) -- 名無しさん (2014-03-19 01 20 39) ドムに襲撃される事に定評のある基地 -- 名無しさん (2014-05-24 11 49 35) 何かの呪いかな -- 名無しさん (2014-09-18 12 09 42) 核弾頭が保存されてることは極秘・・・のはずなのだがマッチモニードにあっさりバレてるあたり「まさかこんな田舎に核があるとは誰も思うまい」という目論見は見事に外れてるとしか・・・ -- 名無しさん (2014-11-12 19 51 01) UC0083の時点でバレバレ 一年戦争からよく襲われてるもんね -- 名無しさん (2015-02-12 17 30 09) トリントン基地とトリントン湾岸基地って、別の基地だったのか。知らなかった。どうして二つも基地作ったんだろう? -- 名無しさん (2015-07-03 15 13 44) 一年戦争時に核弾頭保管用の極秘施設として内陸に建設されたのがトリントン基地、戦後に再建された連邦海軍の拠点として整備されたのが湾岸基地ってところじゃないかな -- 名無しさん (2021-09-11 00 24 37) さびれた基地と言う割には市街地が近くに広がっている。資源開発でもやってるの? -- 名無しさん (2021-11-09 01 58 19) 核融合を実用化してMSを動かしてる時代に宇宙世紀以前の核兵器をこっそり保管しておく必要あるのかね。どうせやるならこっそり新造して保管じゃダメなのか -- 名無しさん (2022-09-10 16 06 18) オーストラリアの連邦軍は一年戦争中も戦後もアデレード基地の方が本丸でトリントンはオーストラリアの中でも僻地…なんだけどギレンの野望とUCの影響でトリントンばかり有名になって中にはオーストラリア最大or最有力の基地だと勘違いするガノタも増えた。閃ハサ映画でアデレードに注目が集まる際にアデレード基地も出してもらえればこの誤解も減るかな -- 名無しさん (2023-06-08 17 21 52) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/vermili/pages/496.html
発言者:どこにでもいるちんけな小悪党だった男 対象者:本物の「光」を体現する不死身の英雄 ファヴニル・ダインスレイフが運命の出会いの際に欲望竜としての産声を上げた台詞。 どこにもでいる小悪党で視界にさえも映っていないかのように他の悪党諸共叩き斬り、そのまま背を向けて進撃を開始しようとした英雄に対して告げようとした、恋する乙女の告白のような言葉。 本気で生きても夢が叶う保障などどこにもないのだから必死に生きることなど馬鹿らしいと、 だから自分のように楽に甘い汁を吸いながら生きるのが賢い生き方なのだとしてきた、どこにでもいる小悪党だった男。 しかし、そんな男の価値観は、己の所属組織を壊滅させた 「真実心の底から怒り、本気で生きている男」の、光り輝く意志の力を目の当たりにしたことで一変する…… ああ、あの男は本気で怒っているのだ。挑んでいるのだ。 勝利(まえ)へ、勝利(まえ)へと全存在をかけて、全身全霊を込めて限界を超え続けて、 “もし”とか“たら”とか”れば”といった甘えが一切存在する余地などなく本気で意志の力を滾らせているのだと。 総身を感動が打ち貫き、そしてその男と比較して自分のこれまでの在り方に小悪党は深く羞恥を抱く。 自分はこれまで俗的な事であれ何であれ、物事に心血を注ぎ込み、本気で生きようとしたことがあっただろうか?と…… 努力が報われる保証などない? 意志の力でなんとかなるなど夢物語? なんと、なんという馬鹿な勘違いだ。今目の前にそれを体現する実例がいるではないか。 昨日までの自分自身に対する怒りが止まらない。 そうしてその英雄の雄姿を男は必死に目に焼き付けようとする。 人間は不断の努力で、あれほどまでに限界を超えられる。 人類は意志の力で、どこまでも不可能を可能にするのだと――― 「待て―――待ってくれ、不死身の英雄(ジークフリード)。俺を置いていかないでくれ」 血だらけで這いずりながら男は、死への恐怖など意識の外に投げ捨て、雄々しい背中へと必死に手を伸ばそうとする。 しかし、そんな懇願に対して英雄は今の貴様では自分の敵にはなりえないと告げるかのように再び進撃を開始する。 そうして、小悪党だった男は生き延びて竜としての産声をあげる。あの日に見たあの背中に追いつくのだと。 英雄が「真実本気で怒り、討たんとするに相応しい敵」になるのだと……。 ガニュメデスもこんな感じで堕ちていったんだろうな -- 名無しさん (2017-03-11 09 27 10) 英雄はかっこいいからな、仕方ないさ! -- 名無しさん (2017-03-11 09 27 59) でも英雄を支えられるような立派な人間になりたい!なガニュメデス氏とおじさんじゃ真逆だよね -- 名無しさん (2017-03-11 09 31 42) ガニュメデス君は総統の覚悟と言う炎に対する良い薪になっただろうけどおじさんは死ねよ塵屑だろうからな -- 名無しさん (2017-03-11 09 33 32) ガニュメデスさんは総統からの評価も高いだろうしな。死ねよ塵屑として消しとばされそうなのは元カノのメンヘラ馬鹿女の方だし -- 名無しさん (2017-03-11 09 46 00) おじさんはこういう恋する乙女みたいな台詞があるから可愛気があるけど糞眼鏡はガンマレイぶち込まれて興奮してるHENTAIだからなぁ -- 名無しさん (2017-03-11 09 51 08) おじさんとガニュメデスさんはホモだからネタになるけど女だったらちょっと可愛い気がする、糞眼鏡はどうあがいてもサイコ過ぎて…… -- 名無しさん (2017-03-11 09 52 56) ↑3婚約者の死に自分の責任があると思いそうだからそこまで辛辣にはならなそう。その境遇に確かに酌量の余地はある。だがその悪行は看過できんみたいな感じで -- 名無しさん (2017-03-11 09 55 01) ↑それこそヘリオスがナギサを斬った時のように「あの世で彼と幸せになってくれ」と言われて総統に斬られそう。なお死後に恋人と再会後 -- 名無しさん (2017-03-11 10 00 04) ガニュメデス「シズル!君、総統に斬られたんだって!?なんて羨ましい!!」 -- 名無しさん (2017-03-11 10 03 16) 総統はガニュメデスのこと苦々しく思ってるだろうな。果てなく往くのは自分とカグツチだけで皆は普通に生きて幸せになってくれって感じだから、死の瞬間にすら英雄に目が眩んで恋人を思いもしないとか罪深さに歯軋りするレベル -- 名無しさん (2017-03-11 10 04 45) あの人破綻者ではあるけど、一般人の幸せには理解があるからな。自分の信者たちと違って -- 名無しさん (2017-03-11 13 58 17) ↑2 それこそヴェンデッタで言ってた、一人で進む理由だよな。 -- 名無しさん (2017-03-11 14 04 47) 積極的に他人を巻き込まないからな。そういう意味ではカグツチも不必要に巻き込まないけど -- 名無しさん (2017-03-11 14 09 46) もしたらればとか天元突破とかの表現があったり高濱はグレンラガン好きなんだな -- 名無しさん (2017-03-11 14 34 38) 光の奴隷達は明らかに間違った進化を続ける螺旋族みたいなものだしな。聖戦とかアンスパが危惧したスパイラルネメシスそのものだし -- 名無しさん (2017-03-11 14 37 43) ↑2前に理想の兄でカミナの兄貴を挙げてたしな -- 名無しさん (2017-03-11 14 41 23) 待ってーーー待ってよ、アッシュ。私を置いていかないで -- 特異点のナギサちゃん (2017-03-11 14 41 51) 待ってーーー待ってください、アッシュ様。どうか私を置いていかないでくださいませ -- 墓前のアヤ・キリガクレ (2017-03-11 14 44 58) 待ってーーー待ってよ、アッシュ君。私を置いていかないで。私の永久不変になってくれると約束したじゃない -- 木陰で寄り添うミステル・バレンタイン (2017-03-11 14 45 44) ガハッ(吐血) -- 名無しさん (2017-03-11 15 09 06) 吐血トリニティはやめろォ -- 名無しさん (2017-03-11 15 17 16) 高濱がどれだけドSかがよくわかるトリニティ -- 名無しさん (2017-03-11 15 25 01) グランドで主人公の墓参りしてるのにヒロイン全員爽やかでユーザーもいい話だなーで終わった昏式は優しかった・・・? -- 名無しさん (2017-03-11 15 26 09) EDのアヤさんはもう区切りをつけた後だったけどアッシュが息を引き取るときにはミリィやチトセネキも今はそっとしておいてあげよう……ってなる感じで涙で夜を明かしたんだろうなって…… -- 名無しさん (2017-03-11 15 32 53) 何故、悲しむ必要がある?彼はヒロインの『英雄』になれたんだぞ? -- 糞眼鏡もどき (2017-03-11 15 38 39) ↑「「「冥界賛歌トリニティ!!!!」」」 -- 滅びを奏でる三女神 (2017-03-11 16 00 49) この時点で不死身の英雄って評価な辺り、おじさんの総統LOVEホンマ凄い -- 名無しさん (2017-03-11 16 52 52) だってこの時の総統まだ生身だったのに銃弾の嵐食らってもそれがどうしたとばかりに突き進んでいるから…… -- 名無しさん (2017-03-11 16 53 52) ↑4確かにヒロインズの英雄にはなったがな、その末路が墓にパトラッシュに特異点とかおかしいだろ!! -- 名無しさん (2017-03-12 00 23 20) 勝者は報われるべきって糞眼鏡の思想からすると激憤ものではアッシュの末路×3 -- 名無しさん (2017-03-12 00 24 39) なお、原因は全部お前のせいという -- 名無しさん (2017-03-12 00 26 50) 糞眼鏡の思想的には報われるべきアッシュが糞眼鏡の行いによって報われてないと...やっぱりどうしようもないわあの眼鏡 -- 名無しさん (2017-03-12 00 27 29) ↑だってあの眼鏡は総統が報われる 頑張って人が報われるって差別してんだもん。同じ光の奴隷でもおじさんなんか本気なら誰しも平等に評価すんのに -- 名無しさん (2017-03-12 01 52 53) ↑差別してるわけじゃ無くて点数方式評価だからぶっちぎり一位の総統が一番報われてほしいだけで、総統より高得点の奴が居たらそっちを優遇するだろう -- 名無しさん (2017-03-12 02 11 24) 眼鏡のアッシュくんへの理想は総統の後継者となる事 どのルートもそれを本人が拒否しちゃったからね、しょうがないね -- 名無しさん (2017-03-12 06 43 06) 邪竜おじさんはこの台詞といい何かチトセに似てるんだよな。初恋拗らせた感と突き抜けた男らしさに好感抱いてしまうというか… -- 名無しさん (2017-04-12 06 18 34) 初恋拗らせた(ホモ)なんだけどネ! -- 名無しさん (2017-04-12 10 16 56) チトセニキっておじさんみたいなキャラだったのだろうか... -- 名無しさん (2017-04-12 10 29 28) 更新履歴が「閣下と同じであるのなら……ああ、そうだな。悪くない」→「あるわけねえだろ、そんなものッ」→「待てーーー待ってくれ、不死身の英雄。俺を置いていかないでくれ」の流れは見ていて秀逸だった。何が起きたんだよお前ら -- 名無しさん (2017-04-17 20 25 30) チトセさんの記事の方で彼女を動物に例えるなら竜だろうと言ったら本気おじさんの名前を出されたことがあったんだが、こうして本気おじさんの記事でも関連性について言及する声があると知って何かを感じずには居られない -- 名無しさん (2017-05-21 15 42 59) つまりチトセニキとは本気おじさんだった...? -- 名無しさん (2017-05-21 17 54 52) 才能がなくて男ならチトセニキも本気ニキに堕ちそう -- 名無しさん (2017-05-21 18 09 12) ↑どう変わってもゼファーさんの貞操の危機は不変なんだろうな… -- 名無しさん (2017-05-21 18 12 55) チトセニキのままだったらそれぞれ光と闇の男の尻を追いかけた天(大気)と地(地形)のホモ二人という構図に… -- 名無しさん (2017-07-23 21 17 25) ↑ 天・地、そして人……か? 最後の一人に追っかけられるのは師匠かあるいは…… -- 名無しさん (2017-07-28 16 32 29) ヘリオスさんが師匠と片翼の絆を穢すなと憤っておられるぞ。…師匠とアッシュは親子みたいな健全な感じであってホモという生々しさは有りません(断言 -- 名無しさん (2017-10-27 21 44 00) ↑2次回作で「人」のホモが現れるんですね、わかります。(スパァ) -- 名無しさん (2017-10-28 16 20 15) ↑2俺このwiki見て何で腐女子が嫌われてるのか分かったよ...何でもかんでもホモ扱いして本当に空気読めてないからなんだな...それはそうとアッシュとヘリオス、師匠、グレイ辺りの男の友情は良かったのでホモは削ってもこっちは3作目以降も残して欲しい -- 名無しさん (2017-10-28 17 54 53) 男の言うlight的ホモと女の言うホモは全然違うと思うぞ -- 名無しさん (2017-10-28 18 08 49) 師匠をホモ扱いは男女関係なくてめー作品プレイないだろ案件じゃないかな... -- 名無しさん (2017-10-28 18 42 39) ここで言うホモは性愛関係ないから -- 名無しさん (2017-10-28 20 21 17) 教皇か、それに次ぐ権力を持つ究極の叩き上げラスボスさんが人ホモ候補だろうか?天のホモが気象操作、地のホモが地形操作だし、人のホモは民衆の心を操作するって感じで -- 名無しさん (2017-10-28 21 16 41) 天のホモ地のホモで草生えまくる -- 名無しさん (2017-10-28 21 23 00) ↑2天地人の三位一体(トリニティ)。これぞ、ホントのホモニt(ガンマレイレイザー!) -- 名無しさん (2017-10-28 21 46 04) まだだ。すべては勝利を掴むために、今こそ俺はホモニティを掲げよう! -- 名無しさん (2017-10-28 21 48 19) ↑閣下は馬鹿三人組を更正させる側ダルォ!? -- 名無しさん (2017-10-28 21 50 21) 残念ながら閣下の力でも真正のバカは更生しない。その証拠がパチモンアマツである -- 名無しさん (2017-10-28 21 59 20) 自分が見逃してやった小物が大物に成長して帝都に害をもたらしたと知ったら総統はどう思うんだろうか -- 名無しさん (2017-10-28 22 02 27) ↑見逃してやったというか、そもそも眼中になかったし・・・ -- 名無しさん (2017-10-28 22 09 08) ↑3アッシュでも光の奴隷(ヘリオス)はともかく、光の亡者(ギルベルト ダインスレイフ)の更正は無理だったし、これを成し遂げたら、アッシュ以上の偉業になるな。 -- 名無しさん (2017-10-28 22 23 26) ↑まあヘリオス説得できたのは無限の時間があったからだし、もし糞眼鏡と本気おじさんとも話し合える時間があればわんちゃんあったかも・・・いや、ないかな・・・ -- 名無しさん (2017-10-28 22 28 08) あとアヤ・ミステル√では天地人を知り尽くしてなかったからな。もしヘリオス説得アッシュが眼鏡とおじさんに対峙してたらもしかしてたかもしれなくもないかもしれない -- 名無しさん (2017-10-28 22 37 25) 三作目で光の亡者更生ルート来る-?光の亡者が主人公か味方キャラか、それともいつも通り敵キャラかは知らんけど。 -- 名無しさん (2017-10-28 22 43 41) 光更生という大枠が近いのをヘリオスさんでやっちゃったから、二番煎じ感否めないしなさそう -- 名無しさん (2017-10-28 23 09 19) 光を愛する大地のホモ、闇を愛する天空のホモ。そして狭間に揺蕩う海原のノンケ -- 名無しさん (2017-10-29 00 12 16) 蓋を開けるとホモ達より話題になってるバカップルすげえ -- 名無しさん (2017-10-29 00 25 40) ↑3じゃあ、ヘリオスを次回作主人公にしよう、そうしよう。(暴論) -- 名無しさん (2017-10-29 13 31 57) 光については奴隷も亡者も眷属もやり切った感あるしなぁ -- 名無しさん (2017-10-29 13 37 56) やっぱり闇だよ闇。光は素晴らしいものだっていう固定観念を打ち崩してきたから、今度はなんか作中よさげに見えてた闇も普通に迷惑で屑なものだっていうのを表現していくんだよ -- 名無しさん (2017-10-29 15 05 47) ギルベルト「待てーーー待ってくれ、不死身の英雄。私を置いて逝かないでくれ」 -- 名無しさん (2017-10-29 15 08 52) ナギサちゃんの行かないではかわゆかったのにこの糞ホモどもは(クソデカため息) -- 名無しさん (2017-10-29 15 10 21) てゆーかこれまんま三本指見たときのアイザックだよね -- 名無しさん (2018-01-27 17 18 57) アイザック「待てーーー待ってくれ、三本指。俺を置いていかないでくれ」 違和感ないな -- 名無しさん (2018-07-14 22 47 39) 「誰かの為に/Hero's」で邪竜おじさんもう完璧に報われちゃったな…… -- 名無しさん (2019-07-16 20 26 23) あそこまで報われた敵キャラもそういないだろうってくらいの報われぶりだった -- 名無しさん (2019-07-16 20 38 28) 邪竜おじさん→あれ程焦がれていた閣下との対決を果たす 糞眼鏡→大好きな閣下にまた命令して貰えた、アッシュに許された 報われスギィ! -- 名無しさん (2019-07-16 20 58 39) 「光は光で素晴らしい」 byケルベロス 真面目に味方だとこれほど力強い奴らはいないぞ、制御クッソ大変だけど -- 名無しさん (2019-07-16 23 49 47) 今の糞眼鏡はアッシュを勝者として認めて服従してるから制御出来るぞ -- 名無しさん (2019-07-17 02 29 56) 糞眼鏡は自分の信念に絶対背かないから一回でも勝てばちゃんと敗者として従ってくれるんだよな。まぁその一回勝つが至難の業なんだけど -- 名無しさん (2019-07-17 02 36 28) 二人とも所業邪悪だが頑張ってたのも事実だからまああれくらいは報われてもいいのか? -- 名無しさん (2020-04-09 20 05 08) 閣下、一緒に征きましょう!エリュシオンへ -- 名無しさん (2020-06-03 01 01 09) 「総統と一生に逝くのは、この私だと言ったでしょうが!」 -- 名無しさん (2020-06-03 01 02 54) 名前 コメント
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#blognavi ライラックが死ぬ。冗談にもほどがある。 闇の空中要塞スノビズム、空中に浮かぶ城を見た時、 ライラックはそんなことを言っていた。 城内は迷宮になっていて、チームアトリと月影に乗り込んでもらった。 しばらくしてライラックと刹那以外のメンバーが底部分から放り出され、 さらに時がたった後、城が黒い光に包まれ、消滅した。 その黒い光の中からライラックと刹那が落ちてきて、間一髪で抱きとめたのだが、 刹那は無傷、ライラックの心臓は止まっていた。 蘇生はどうにか成功したが目を覚まさなかった。 ライラックを蝕んでいるのは強力な毒らしい。 刹那の話によると、あの城の奥には人間の集団がいて、ライラックのことを 知っている様子だった、ということだ。戦いの中刹那が捕らえられ、 人質にされたためにライラックは自ら毒を受けたのだと刹那は語った。 それを見て相手が油断した時にライラックが刹那を外に放り出し、 自分は残った命の炎をすべてプラーナに変えて、あの黒い光を放った ところで刹那は気を失ったそうだ。 ライラックをネコバスに載せようとしたが、無意識の抵抗に根負けした。 流馬と二人がかりで引き剥がそうとしたが、ついに俺の手首を放ことはなかったのだ。 ライラックの勇者としての執念が、俺の手首に青黒い痣として残った。 博士の見立てでは特効薬的な解毒剤はなく、ライラックが毒に 打ち克つ可能性は多くて四割という話だった。 絶対的なプラーナ不足で深月を使うことももうできない。 俺にできることはライラックの不死身という名乗りを信じることだけだった。 カテゴリ [終末] - trackback- 2010年02月21日 22 20 24 #blognavi
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俺「ストライクウィッチーズねぇ……」 5-127,132 ~501戦隊基地 脱衣所~ 「ここが脱衣所です。ここで服を脱いでもらって、お風呂はその先になります。」 「ありがとうございます。芳佳さん、すみませんねこんなことしてもらって。」 「いえ、坂本さんが提案してくれたことですから。」 あの笑劇的(誤字にあらず)な出会いの後、 俺はこの501戦隊の戦闘指揮官:坂本美緒少佐に引き合わされ、自分の事情を話した。 彼女はその話に半分呆れながらも上官に伝えてくれると約束してくれ、 その間に身だしなみをととのえるよう、俺に風呂を勧めたのだ。 そしてその場所まで芳佳に案内してももらい、今にいたる。 「お風呂からあがったらさっきの場所に来てくださいね? たぶんそのころならミーナ中佐も帰ってきてるだろうし……」 「何から何まで申し訳ないです……それではまた後で。」 そう言って俺たちは分かれた。 俺と分かれたあと芳佳は本日の仕事である洗濯物を干す作業にもどった。 「おはよう、芳佳ちゃん。」 「おはよう、リーネちゃん。」 洗濯場にはすでに彼女の親友リネット・ビショップが洗い物を干し始めているところだった。 「ごめんね、おくれちゃって。」 「ううん、大丈夫だよ。それで芳佳ちゃん、さっきの人は?」 リーネはそういって朝方にあったぼろぼろの青年のことを聞く。 「さっきお風呂に案内してきたよ? でもなんであんなにぼろぼろになるまで迷子になってたんだろ……あれ?」 ふと空を見上げると、輸送機が一機こちらにやってくるのが見える。 「あれはJU52……ミーナ中佐が帰ってきたんだ。」 その輸送機はそのまま滑走路に降り立ち、ハンガーへと入ってくる。 ふたりはいったん作業を中断し、ミーナの出迎えにむかった。 ~格納庫~ 「お帰りなさい、ミーナ中佐!あれ?」 「ん?……君、誰?」 輸送機のハッチが開き中に乗っていた者が外へ出てくる。 芳佳はそれと同時に出迎えの言葉をかけたが、その相手は自分のしらない人だった。 「わ、わたしは宮藤芳佳です。あの、あなたは?」 「私?私はハンナ・ユスティーナ・マルセイユ。 悪いけど、サインはしない主義なんだ。」 覇気に満ち溢れた笑顔で彼女はそういった。 ~501戦隊基地 ブリーフィングルーム~ 「あった、さっきの人だ。すごい、本に載ってるんだ~」 芳佳は人物図鑑をめくりながらそういった。リーネが読み上げる。 「えっと、ハンナ・マルセイユ、カールスラント大尉 第31飛行隊「ストームウィッチーズ」所属で200機撃墜のスーパーエース!」 「200機……すごーい。」 そんな数を落とせるのはこの501戦隊のカールスラント勢だけだと思っていた 芳佳は感心の声をあげる。 「しかも容姿端麗で、カールスラントにとどまらず世界中に彼女のファンが多数! それに近年、戦災孤児を引き取って育てていることで福祉の面からの支持も多い。 通称「アフリカの星」……ですって」 「アフリカの星!かっこいいな~サイン欲しい……あれ、アフリカ?」 そういえばさっき案内した俺という名の青年は、 たしか「アフリカ」という名の部隊の所属と言っていなかったか? なにか関係があるかもと、と後で聞いてみることした。 その後、 芳佳はシャーリーにマルセイユのサイン拒絶主義について聞かされてがっかりしたり、 バルクホルンから昔の彼女について聞かされたりして時間を潰した。 しばらくして、ようやくミーナがマルセイユをつれて現れる。 「みなさん、もう知ってる人もいるだろうけどあらためて紹介します。 こちらはハンナ・マルセイユ大尉、今回の作戦のため、 はるばるアフリカから来てくれました。みんなよろしくしてあげてね。」 「よろしく。」 さっき会ったときのように不遜な態度でそう言う彼女の姿が、バルクホルンの堪にさわった。 「おい、お前、なんでここにいる。」 「おいおい、聞いてなかったのか?今回の作戦の手伝いさ。」 「今回の作戦に参加するのは私とハルトマンのはずだ!」 馬鹿にされてさらに声を荒げるバルクホルン。 「ふたりとも、そこまでにしなさい。」 「しかしミーナ、なぜこんなヤツを!」 「上層部からの支持です。それに彼女のパートナーはあなたよバルクホルン大尉。」 「なっ!私がこんなやつの……」 「無理だな」 バルクホルンが言い切る前にマルセイユが口を挟む。 「バルクホルン、あんたじゃ私のパートナーはつとまらない……」 「どういうことだ。何が言いたい……!」 「言葉通りさあんたの実力じゃ私の背中を預けるには値しない。 作戦の成功はもちろん、 私は絶対に生きて帰らなきゃならないんだ。それがあの子との約束でね。 そして私の背中を守る、それが出来るのは……。」 そういって獲物を捕らえた猛禽のような瞳でエーリカをみつめる。 「どこをみている?……おまえの上官を上官と思わないその態度……変わってないな!!」 使い魔の耳と尻尾を出してバルクホルンはマルセイユに掴みかかる。 「ふんっ、今は同じ階級だ!」 それに対してマルセイユも同じように対応し、 ふたりの魔法力がぶつかり合って周囲に破壊をもたらし始めた。 「きゃっ!」 「よ、よそでヤレーー!!」 その余波で周りのみんなにも被害が出るが、ふたりはやめる気がない。 「ストーープッ!!わかったよ、わたしがマルセイユのパートナーをやるよ。 それでいいんだろ。」 エーリカの言葉にようやくふたりは争うのをやめた。 「ハルトマン……」 「オッケーだ。楽しみだなハルトマン?……ふふっ」 そういってマルセイユは勝ち誇った笑みをうかべたのだった。 「はぁ、ではほかに彼女に質問があるひとはいるかしら?」 「あ、はい!」 ミーナの言葉に芳佳が手をあげる。 「あ、あの、マルセイユさんは「アフリカ」って名前の部隊をご存知ですか?」 「ん?ああ知ってるぞ、わたしの31飛行隊もその戦闘団の一部だ。それがどうかしたのか?」 「あ、いえ、さっき「俺」って名前の男の人が来て、 その「アフリカ」所属だって言ってたから何か関係があるのかと思ってって……マルセイユさん?」 芳佳の言葉を聞いたとたんマルセイユが信じられないことを聞いたとばかりに硬直する。 「マルセイユ大尉?」 その姿にミーナが心配になって声をかける。 すると突然マルセイユはその場から駆け出し、芳佳の胸倉をつかむと彼女に詰め寄った。 「おい、お前、その名前をどこで聞いた!」 「うわっ、え、えっと、だからさっき会ったって……」 「じゃあアイツはこの基地にいるのか?……どこにいる、言えっ!!」 物凄い剣幕の彼女をだれも止めることができない。 「えっと、ぼろぼろだったからお風呂に案内して……ってマルセイユさん!」 芳佳の言葉を最後まで聞かずに彼女は部屋を飛び出していった。 「な、なんだったんだ?」 先ほどまでとうってかわった様子のマルセイユにバルクホルンは呆然としてしまう。 「……」 「シャーリーさん?どうかしたの?」 腕を組んで考え込んだシャーリーにミーナが尋ねる。 「ん、いや……ところであいつ、風呂の場所わかるのか?」 「あ!」 「とりあえず、後を追いましょう。」 ~501戦隊基地 中庭~ 「迷った……」 風呂を堪能させてもらい、替えの服として整備員のつなぎに身をつつんだあと、 俺はブリーフィングルームを目指して脱衣所を出た。 つれてきてもらった道をそのままなぞればよかったはずなのだが、 それはこの男、生来の方向音痴が発動してすっかり道に迷ってしまった。 「はぁ、どうしようかな……ん?」 途方に暮れていると向こうから小さな女の子が走ってくるのがみえた。 その子は自分の前まで来たところで躓き、転んでしまう。 「だ、大丈夫かい……?」 「うっ、うぇ、ぐすっ、うぇぇ。」 転んだときに膝をすりむいた痛みで、その子は泣き出しそうになる。 「ああ、よしよし、泣かないで、えっとほら、痛いの痛いの飛んでけ~!」 なんとかして俺はその子に泣き止んでもらおうと必死に努力する。 「うぇぇ、ひっくっ、ぐす、ぐすん、ぐす……」 そのかいもあってか何とか本格的に泣き出してしまう前にその子の涙をとめることに成功する。 「よしよし、うん、泣かなかったね、えらいよ~」 「ほんと?アンジェ、えらい?」 「ああ、えらいとも!きっとご両親もほめてくれるさ。」 「おかーさんが?うん、じゃぁアンジェ泣かないもん。」 そういってその子は顔を手で拭いだす。 俺はその顔を手に持っていたタオルで拭いてやりながらその子の容姿に思いをはせる。 「(この子、髪の色こそ黒いけど、髪形も顔の形もどこかティナさんに似てるような……?) ……ねぇ、君はどこから来たの?」 ここは軍事基地だ、 こんな子がここにいるのはあきらかにおかしいので、その旨を尋ねてみる。 「えっとね、アンジェ、おかーさんといっしょにあふりかからきたの!」 「へぇー、すごいね、お兄さんも昔アフリカにいたんだよ。」 「ほんと?」 「うん。ほんとほんと、ところで君のお母さんって……」 「俺!!」 「えっ!?」 突然呼びつけられて振り向くとそこには息をきらせ、肩を上下させてこちらを見つめる マルセイユがいた。 「えっ、ティナ、さん?なんで……?」 「それはこっちのセリフだ!……ねぇ、ホントに俺なの……?」 信じられないものをみたという表情でマルセイユがそう尋ねる。 「おかーさん!」 「はい?」 ぱぁっと雲の向こうから太陽が現れたような笑顔で女の子がマルセイユに駆け寄って行く。 「アンジェ!?部屋にいなさいって言ったでしょ!!」 「ごめんなさい、おかーさん♪」 「まったく……ってそう、ねぇ俺、幽霊じゃないんだよね?」 女の子を抱き上げるながら、もう一度マルセイユが俺に問う。 「えっ、ええ、はい……生きてますよ。」 「俺……!」 我慢しきれなくなってマルセイユは俺の胸に飛び込む。 俺は思わずそのからだを抱きしめた。 「死んだと思ってた……ほんとに、ほんとに生きてるんだね。」 「はい、約束しましたから……ごめんなさい帰ってくるのが遅くなって。」 「ううん、いいの……ねぇ、俺、帰ってきたらなんでもしてくれるっていったよね。」 「ええ、言いましたね。」 「じゃぁ、キスして。」 そう言って彼女は俺を見上げる。 「うぇっ!こ、ここでですか!?」 「そう、今、ここで。」 「で、でも、ほら誰かにみられたら、そ、そうです、その子がいますよ!?」 「 ? ねぇ、おかーさん、きすってなに?」 「ふふっ、そっかアンジェは知らないよね。 そうね、あなたにはまだ早いかもしれないけど、ま、いいか。 じゃあキスがどんなものか見せてあげる。 ……ほら、俺、早くしなさい。それとも約束をやぶるつもり?」 「うっ!……わかりました。それじゃぁいきますよ?」 「うん……んっ……」 そういって女の子の目の前で、ふたりの距離はゼロになった。 そのふたりを祝福するかのように空には番の鳥が高く高く飛んでいった。 俺とマルセイユがキスを交わしたその時、 飛び出していったマルセイユを追いかけてきた501のみんなが中庭に姿を現した。 「ま、マルセイユさ~ん、待ってくださっええっ!?」 「はぁ、はぁ、芳佳ちゃん、どうしたの……はわわ!」 「うそ~!?」 「おい、ハルトマンじゃまだ……な、なんだって……?」 「あらあら……」 「こ、これは……」 「さ、サーニャ、見ちゃ駄目ダ!」 「え、エイラ、なにが起きてるの?」 目の前の光景にみんなが口々に声をあげる。 「やっぱりあの噂はホントだったのか……」 「むっ?シャーリー、何か知ってるのか?」 やっと納得がいったというふうに頷くシャーリーに坂本が尋ねる。 「ん、ああ噂だよ、あのマルセイユに実は恋人がいるってはなしさ。 まぁそいつは3年前に死んだって聞いてたけど……生きてたらしいな。」 「そうなのか……」 視線を戻した先では泣き出してしまったマルセイユの背中を叩いて慰めている俺の姿があった。 「うぅ……ぐすっ……」 「ああ、ほら、泣き止んでくださいよ……まいったな。」 泣き続けるマルセイユを宥めながら、俺はどうしようと途方に暮れる。 「おかーさん?どこかいたいの?」 女の子が心配そうにたずねる。 「ん……ううん、どこも痛くないよアンジェ、心配してくれてありがとうね?」 「ほんと?よかったぁ!」 女の子の顔に笑顔が戻った。 「あ、あの~、ティナさん、ちょっといいですか?」 「ん?なに?」 「その、お母さんってどうことです?」 「ああ、そういうこと、そりゃ、私が生んだから。」 「……え?」 「お前がいなくなった後、しばらくしてからだけどな。」 表向きには戦災孤児を引き取ったことになってるんだけどね。 と、彼女はいたずらが成功した子どものように笑った。 「とにかくこの子は私の子だよ。ほら、アンジェ、挨拶しなさい?」 「うん! えっと、『アンジェリナ・シャルロッテ・マルセイユ』です。 よろしくお願いします、おにーちゃん。」 「え、ええ、よろしく……あの、そうなると父親はもしかして……?」 「他にいると思ってるの?お父さん?」 「あ、やっぱり?」 「 ? おにいちゃんがアンジェのおとーさんなの?」 ふたりの会話を聞いていたアンジェリナが尋ねる。 「そうさ、アンジェのお父さんのことについては話しただろう? それがこいつさ。」 「えっと、そうみたです。あの、アンジェちゃん?」 「ふわぁあ~~~!」 マルセイユの言葉にアンジェリナの顔に光が増していく。 「アンジェ、ずっとおとーさんが欲しかったの!」 「そうなのかい?……アンジェちゃんは僕がお父さんでも、いいのかな?」 「うん!」 「そっか……じゃあ、これからよろしくね?」 「うん、おとーさん!!」 <マルタ島攻略戦終了後> ~輸送機 カーゴ~ 「あ、そうだ。俺、アフリカについたら覚悟しといてね。」 「はい?何をです?」 突然何かを思い出したマルセイユは俺にそういった。 「私を孕ませたことで、おっさんたちから話があるとおもうから、 たぶんそれだけじゃなくて、ケイたちも話したがるだろうし。」 「それはつまり……」 「うん、せっかく帰ってきたんだから、死んじゃだめだぞ?」 「……はい……」 このあとアフリカについた俺は統合戦闘団「アフリカ」のみんなだけじゃなく。 駆けつけたアフリカ全将兵から、ぼっこぼこにされたのだった。 ~エジプト カイロ~ 「はぁ、いままで何度も死にかけたけど、今度ばかりは駄目かと思いましたよ……」 「はっはっは!まぁ、あのアフリカの星をモノにしたんだ。 それくらいは痛い目みてもらわんとな!」 葉巻をスパスパと吹かし、俺の背中をバンバンと叩きながらながらパットンが笑う。 「ふん、出会い頭に拳を叩き込んだヤツが言うことではないなパットン。俺君、一本どうだい?」 タバコを吹かしながらロンメルがパットンに皮肉を言う。 「あ、いただきます。」 俺はロンメルからタバコを受け取り、火をつける。 マルセイユの趣味に付き合った結果、俺もかなりの愛煙家になっていた。 「君が言えた口かね?副官が止めなかったらその腰の拳銃を叩き込もうとしていたくせに。」 ゴホゴホとこの中では唯一煙を呑まないモントゴメリーがそういった。 「ハンッ!そういうおまえさんはどうなんだモンティ、 アフリカ中の将兵に情報を流したのはお前さんだろうに。」 こんどはパットンがそういって茶化した。 「あはは、あれはそういうことだったんだ……」 遠い目をしながら俺がそう呟く。 アフリカ将兵の『親父の一撃』は凄まじく、最終的には戦車まで繰り出してきたほどだ。 正直アンジェリナが止めてくれなかったらホントに死んでたかも…… もしあの子が、実は俺とマルセイユの娘だとばれたらどうなるのかは予想がつかない。 「ま、とりあえずこれでおまえさんも義理は果たしたんだ、 もう文句をつけるヤツもいないだろうよ。とにかく、今夜は飲もうや。」 話を切り替えて将軍たちは俺の帰還祝いと酒盛りをはじめる。 すると…… 「おとーさん!」 4人がいるラウンジにアンジェリナが入ってきた。 「おや、アンジェ、どうしました?」 「帰ってくるのが遅いからっておかーさんが迎えにいけって。」 「おお、アンジェちゃん、どうだいいっしょに、お菓子もあるぞ!」 「ふむ、ジュースはあったかなモントゴメリー。」 「ああ、この間取り寄せた最高のものがある。さてと子供用の椅子は……」 突然やってきた孫娘の姿に将軍たちがデレデレになる。 「わぁあ、あ、でもケイおねーちゃんが夜におじいちゃんたちから 食べ物もらっちゃだめっていってたからめー。」 そういってアンジェは将軍たちの誘いを断る。 「うぅむ、そうか、虫歯になったらまずいしな。 いや、それにしても言いつけをちゃんとは守れるとはえらいな。さすがワシの孫!」 とパットンが言い、 「おいパットン、ドサクサ紛れに何を言ってるんだ私の孫だぞ?」 ロンメルがそれに続き、 「ふたりとももう酔ったのか?アンジェリナ君は私の孫に決まってるだろう。」 モントゴメリーが場に止めをさす。 「あ、あはは、ロンメル将軍って酒飲んでませんよね……」 俺の突っ込みは綺麗に無視される。 「……抜けぇい、貴様等ぁ!!」 不毛な言い争いについにパットンがキレた。 『望むところだ!!』 ロンメルとモントゴメリーがそれに応じて立ち上がる。 しかし、 「ケンカしちゃめーーー!!」 「うっ!!」 アンジェリナの声に3人の動きが止まる。 「ケンカしちゃめーなのよ、みんな仲良くしなきゃめー!!」 『ご、ごめんなさい……』 「…ぷっ、くすくす……」 俺はその姿に噴出しそうになるのを堪える。 人類の英雄達も、孫娘には勝てないか。 「ふぅ……じゃぁすみません。呼ばれてるみたいだし、続きはまた今度ということで。」 「まぁ、仕方あるまい、子供もいるんだ、くれぐれも節度のある付き合いをな。」 「はい、じゃあアンジェ、行きましょうか?」 「うん!あ、そうだ、アンジェおとーさんに言うことがあったんだ。」 「ん?なにかな、アンジェ?」 俺が尋ねるとアンジェは片手を腰に当て、もう片手で俺を指差して怒りはじめた。 「おとーさん!昨日の夜おかーさんのこといじめてたでしょ。」 「いっ!?」 『ブフォッ!?』 アンジェリナの爆弾発言に場の空気がシベリアもかくやと凍結する。 「ア、アンジェ、見ていたんですか!?」 「ううん、何してたのかはアンジェ見てないよ? でもおかーさんがやめてっていってたのにやめてあげなかったでしょ。 ずっとおかーさんの泣き声が聞こえてたもん。」 「い、いやそれはティナさんがそういうプレイがしてみたいっていうから……はっ!?」 ぷりぷりと怒る自分の娘を何とか誤魔化し、 なだめようとする俺の背筋にドライアイスのように冷たい悪寒が走る。 それと同時に俺の肩に手が置かれた。 「俺君、ちょっと詳しく聞かせてもらおうか…… ああ、アンジェちゃん、マルセイユ君に伝えてくれるかな、 いまからおじいちゃんたちは君のお父さんととっても大事な話があるから、 お父さんはしばらく帰れないって。」 「えーっ!、でもおかーさん怒るし……」 「ほら、明日なんでも欲しいもの買ってあげるから、ね?」 「……わかった。じゃぁおとーさん早めに帰ってきてね!」 「ちょ、ちょっとアンジェ、僕を置いてかないで……」 俺の哀願もむなしく愛娘は扉の向こうに消えていった。 「さぁ、俺、覚悟は、いいな?」 「あ、あはは、はい……」 その日結局俺は帰ってこなかったそうだ。 おしまい オリキャラ設定 『アンジェリナ・シャルロッテ・マルセイユ』 表向きはマルセイユが引き取った戦災孤児。 実際は俺とマルセイユの実の娘。 容姿はマルセイユをそのまま小さくした感じで、髪の色が俺と同じ黒色をしている。 母親の遺伝によりアホ毛搭載。 年齢のわりに成長が早く、すでに5歳くらいの思考力もある女の子。 おかーさん大好きっこでアフリカの将兵の心のオアシスとなっている。 最近帰ってきたおとーさんのことも大好き。 「アフリカ」のいろんな人に囲まれながらすくすくと成長中。ウィッチの片鱗あり。 3将軍の壮絶な決闘の末、ロンメル将軍が名づけ親となっている 後日談後の『俺』 身長が伸び、1945年次のマルセイユより少し高めの身長になっている。 42年時の失踪時、たまたま降ってきた岩に押しつぶされず、地底湖に逃げ込む。 その後地下水脈を流れつつ地上に出る出口を発見、 このあとはずっとアフリカのトブルクを目指して放浪するが、 いつもの方向音痴で各地をさまようことになる。 45年に501戦隊基地に到着。その後アフリカに帰還。 帰還後は陸戦ウィッチの随伴歩兵隊の一員として行動する。 娘の何気ない一言で癒されたり、命を狙われたりする今日この頃。
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俺「ストライクウィッチーズねぇ……」 5-127,132 ~501戦隊基地 脱衣所~ 「ここが脱衣所です。ここで服を脱いでもらって、お風呂はその先になります。」 「ありがとうございます。芳佳さん、すみませんねこんなことしてもらって。」 「いえ、坂本さんが提案してくれたことですから。」 あの笑劇的(誤字にあらず)な出会いの後、 俺はこの501戦隊の戦闘指揮官:坂本美緒少佐に引き合わされ、自分の事情を話した。 彼女はその話に半分呆れながらも上官に伝えてくれると約束してくれ、 その間に身だしなみをととのえるよう、俺に風呂を勧めたのだ。 そしてその場所まで芳佳に案内してももらい、今にいたる。 「お風呂からあがったらさっきの場所に来てくださいね? たぶんそのころならミーナ中佐も帰ってきてるだろうし……」 「何から何まで申し訳ないです……それではまた後で。」 そう言って俺たちは分かれた。 俺と分かれたあと芳佳は本日の仕事である洗濯物を干す作業にもどった。 「おはよう、芳佳ちゃん。」 「おはよう、リーネちゃん。」 洗濯場にはすでに彼女の親友リネット・ビショップが洗い物を干し始めているところだった。 「ごめんね、おくれちゃって。」 「ううん、大丈夫だよ。それで芳佳ちゃん、さっきの人は?」 リーネはそういって朝方にあったぼろぼろの青年のことを聞く。 「さっきお風呂に案内してきたよ? でもなんであんなにぼろぼろになるまで迷子になってたんだろ……あれ?」 ふと空を見上げると、輸送機が一機こちらにやってくるのが見える。 「あれはJU52……ミーナ中佐が帰ってきたんだ。」 その輸送機はそのまま滑走路に降り立ち、ハンガーへと入ってくる。 ふたりはいったん作業を中断し、ミーナの出迎えにむかった。 ~格納庫~ 「お帰りなさい、ミーナ中佐!あれ?」 「ん?……君、誰?」 輸送機のハッチが開き中に乗っていた者が外へ出てくる。 芳佳はそれと同時に出迎えの言葉をかけたが、その相手は自分のしらない人だった。 「わ、わたしは宮藤芳佳です。あの、あなたは?」 「私?私はハンナ・ユスティーナ・マルセイユ。 悪いけど、サインはしない主義なんだ。」 覇気に満ち溢れた笑顔で彼女はそういった。 ~501戦隊基地 ブリーフィングルーム~ 「あった、さっきの人だ。すごい、本に載ってるんだ~」 芳佳は人物図鑑をめくりながらそういった。リーネが読み上げる。 「えっと、ハンナ・マルセイユ、カールスラント大尉 第31飛行隊「ストームウィッチーズ」所属で200機撃墜のスーパーエース!」 「200機……すごーい。」 そんな数を落とせるのはこの501戦隊のカールスラント勢だけだと思っていた 芳佳は感心の声をあげる。 「しかも容姿端麗で、カールスラントにとどまらず世界中に彼女のファンが多数! それに近年、戦災孤児を引き取って育てていることで福祉の面からの支持も多い。 通称「アフリカの星」……ですって」 「アフリカの星!かっこいいな~サイン欲しい……あれ、アフリカ?」 そういえばさっき案内した俺という名の青年は、 たしか「アフリカ」という名の部隊の所属と言っていなかったか? なにか関係があるかもと、と後で聞いてみることした。 その後、 芳佳はシャーリーにマルセイユのサイン拒絶主義について聞かされてがっかりしたり、 バルクホルンから昔の彼女について聞かされたりして時間を潰した。 しばらくして、ようやくミーナがマルセイユをつれて現れる。 「みなさん、もう知ってる人もいるだろうけどあらためて紹介します。 こちらはハンナ・マルセイユ大尉、今回の作戦のため、 はるばるアフリカから来てくれました。みんなよろしくしてあげてね。」 「よろしく。」 さっき会ったときのように不遜な態度でそう言う彼女の姿が、バルクホルンの堪にさわった。 「おい、お前、なんでここにいる。」 「おいおい、聞いてなかったのか?今回の作戦の手伝いさ。」 「今回の作戦に参加するのは私とハルトマンのはずだ!」 馬鹿にされてさらに声を荒げるバルクホルン。 「ふたりとも、そこまでにしなさい。」 「しかしミーナ、なぜこんなヤツを!」 「上層部からの支持です。それに彼女のパートナーはあなたよバルクホルン大尉。」 「なっ!私がこんなやつの……」 「無理だな」 バルクホルンが言い切る前にマルセイユが口を挟む。 「バルクホルン、あんたじゃ私のパートナーはつとまらない……」 「どういうことだ。何が言いたい……!」 「言葉通りさあんたの実力じゃ私の背中を預けるには値しない。 作戦の成功はもちろん、 私は絶対に生きて帰らなきゃならないんだ。それがあの子との約束でね。 そして私の背中を守る、それが出来るのは……。」 そういって獲物を捕らえた猛禽のような瞳でエーリカをみつめる。 「どこをみている?……おまえの上官を上官と思わないその態度……変わってないな!!」 使い魔の耳と尻尾を出してバルクホルンはマルセイユに掴みかかる。 「ふんっ、今は同じ階級だ!」 それに対してマルセイユも同じように対応し、 ふたりの魔法力がぶつかり合って周囲に破壊をもたらし始めた。 「きゃっ!」 「よ、よそでヤレーー!!」 その余波で周りのみんなにも被害が出るが、ふたりはやめる気がない。 「ストーープッ!!わかったよ、わたしがマルセイユのパートナーをやるよ。 それでいいんだろ。」 エーリカの言葉にようやくふたりは争うのをやめた。 「ハルトマン……」 「オッケーだ。楽しみだなハルトマン?……ふふっ」 そういってマルセイユは勝ち誇った笑みをうかべたのだった。 「はぁ、ではほかに彼女に質問があるひとはいるかしら?」 「あ、はい!」 ミーナの言葉に芳佳が手をあげる。 「あ、あの、マルセイユさんは「アフリカ」って名前の部隊をご存知ですか?」 「ん?ああ知ってるぞ、わたしの31飛行隊もその戦闘団の一部だ。それがどうかしたのか?」 「あ、いえ、さっき「俺」って名前の男の人が来て、 その「アフリカ」所属だって言ってたから何か関係があるのかと思ってって……マルセイユさん?」 芳佳の言葉を聞いたとたんマルセイユが信じられないことを聞いたとばかりに硬直する。 「マルセイユ大尉?」 その姿にミーナが心配になって声をかける。 すると突然マルセイユはその場から駆け出し、芳佳の胸倉をつかむと彼女に詰め寄った。 「おい、お前、その名前をどこで聞いた!」 「うわっ、え、えっと、だからさっき会ったって……」 「じゃあアイツはこの基地にいるのか?……どこにいる、言えっ!!」 物凄い剣幕の彼女をだれも止めることができない。 「えっと、ぼろぼろだったからお風呂に案内して……ってマルセイユさん!」 芳佳の言葉を最後まで聞かずに彼女は部屋を飛び出していった。 「な、なんだったんだ?」 先ほどまでとうってかわった様子のマルセイユにバルクホルンは呆然としてしまう。 「……」 「シャーリーさん?どうかしたの?」 腕を組んで考え込んだシャーリーにミーナが尋ねる。 「ん、いや……ところであいつ、風呂の場所わかるのか?」 「あ!」 「とりあえず、後を追いましょう。」 ~501戦隊基地 中庭~ 「迷った……」 風呂を堪能させてもらい、替えの服として整備員のつなぎに身をつつんだあと、 俺はブリーフィングルームを目指して脱衣所を出た。 つれてきてもらった道をそのままなぞればよかったはずなのだが、 それはこの男、生来の方向音痴が発動してすっかり道に迷ってしまった。 「はぁ、どうしようかな……ん?」 途方に暮れていると向こうから小さな女の子が走ってくるのがみえた。 その子は自分の前まで来たところで躓き、転んでしまう。 「だ、大丈夫かい……?」 「うっ、うぇ、ぐすっ、うぇぇ。」 転んだときに膝をすりむいた痛みで、その子は泣き出しそうになる。 「ああ、よしよし、泣かないで、えっとほら、痛いの痛いの飛んでけ~!」 なんとかして俺はその子に泣き止んでもらおうと必死に努力する。 「うぇぇ、ひっくっ、ぐす、ぐすん、ぐす……」 そのかいもあってか何とか本格的に泣き出してしまう前にその子の涙をとめることに成功する。 「よしよし、うん、泣かなかったね、えらいよ~」 「ほんと?アンジェ、えらい?」 「ああ、えらいとも!きっとご両親もほめてくれるさ。」 「おかーさんが?うん、じゃぁアンジェ泣かないもん。」 そういってその子は顔を手で拭いだす。 俺はその顔を手に持っていたタオルで拭いてやりながらその子の容姿に思いをはせる。 「(この子、髪の色こそ黒いけど、髪形も顔の形もどこかティナさんに似てるような……?) ……ねぇ、君はどこから来たの?」 ここは軍事基地だ、 こんな子がここにいるのはあきらかにおかしいので、その旨を尋ねてみる。 「えっとね、アンジェ、おかーさんといっしょにあふりかからきたの!」 「へぇー、すごいね、お兄さんも昔アフリカにいたんだよ。」 「ほんと?」 「うん。ほんとほんと、ところで君のお母さんって……」 「俺!!」 「えっ!?」 突然呼びつけられて振り向くとそこには息をきらせ、肩を上下させてこちらを見つめる マルセイユがいた。 「えっ、ティナ、さん?なんで……?」 「それはこっちのセリフだ!……ねぇ、ホントに俺なの……?」 信じられないものをみたという表情でマルセイユがそう尋ねる。 「おかーさん!」 「はい?」 ぱぁっと雲の向こうから太陽が現れたような笑顔で女の子がマルセイユに駆け寄って行く。 「アンジェ!?部屋にいなさいって言ったでしょ!!」 「ごめんなさい、おかーさん♪」 「まったく……ってそう、ねぇ俺、幽霊じゃないんだよね?」 女の子を抱き上げるながら、もう一度マルセイユが俺に問う。 「えっ、ええ、はい……生きてますよ。」 「俺……!」 我慢しきれなくなってマルセイユは俺の胸に飛び込む。 俺は思わずそのからだを抱きしめた。 「死んだと思ってた……ほんとに、ほんとに生きてるんだね。」 「はい、約束しましたから……ごめんなさい帰ってくるのが遅くなって。」 「ううん、いいの……ねぇ、俺、帰ってきたらなんでもしてくれるっていったよね。」 「ええ、言いましたね。」 「じゃぁ、キスして。」 そう言って彼女は俺を見上げる。 「うぇっ!こ、ここでですか!?」 「そう、今、ここで。」 「で、でも、ほら誰かにみられたら、そ、そうです、その子がいますよ!?」 「 ? ねぇ、おかーさん、きすってなに?」 「ふふっ、そっかアンジェは知らないよね。 そうね、あなたにはまだ早いかもしれないけど、ま、いいか。 じゃあキスがどんなものか見せてあげる。 ……ほら、俺、早くしなさい。それとも約束をやぶるつもり?」 「うっ!……わかりました。それじゃぁいきますよ?」 「うん……んっ……」 そういって女の子の目の前で、ふたりの距離はゼロになった。 そのふたりを祝福するかのように空には番の鳥が高く高く飛んでいった。 俺とマルセイユがキスを交わしたその時、 飛び出していったマルセイユを追いかけてきた501のみんなが中庭に姿を現した。 「ま、マルセイユさ~ん、待ってくださっええっ!?」 「はぁ、はぁ、芳佳ちゃん、どうしたの……はわわ!」 「うそ~!?」 「おい、ハルトマンじゃまだ……な、なんだって……?」 「あらあら……」 「こ、これは……」 「さ、サーニャ、見ちゃ駄目ダ!」 「え、エイラ、なにが起きてるの?」 目の前の光景にみんなが口々に声をあげる。 「やっぱりあの噂はホントだったのか……」 「むっ?シャーリー、何か知ってるのか?」 やっと納得がいったというふうに頷くシャーリーに坂本が尋ねる。 「ん、ああ噂だよ、あのマルセイユに実は恋人がいるってはなしさ。 まぁそいつは3年前に死んだって聞いてたけど……生きてたらしいな。」 「そうなのか……」 視線を戻した先では泣き出してしまったマルセイユの背中を叩いて慰めている俺の姿があった。 「うぅ……ぐすっ……」 「ああ、ほら、泣き止んでくださいよ……まいったな。」 泣き続けるマルセイユを宥めながら、俺はどうしようと途方に暮れる。 「おかーさん?どこかいたいの?」 女の子が心配そうにたずねる。 「ん……ううん、どこも痛くないよアンジェ、心配してくれてありがとうね?」 「ほんと?よかったぁ!」 女の子の顔に笑顔が戻った。 「あ、あの~、ティナさん、ちょっといいですか?」 「ん?なに?」 「その、お母さんってどうことです?」 「ああ、そういうこと、そりゃ、私が生んだから。」 「……え?」 「お前がいなくなった後、しばらくしてからだけどな。」 表向きには戦災孤児を引き取ったことになってるんだけどね。 と、彼女はいたずらが成功した子どものように笑った。 「とにかくこの子は私の子だよ。ほら、アンジェ、挨拶しなさい?」 「うん! えっと、『アンジェリナ・シャルロッテ・マルセイユ』です。 よろしくお願いします、おにーちゃん。」 「え、ええ、よろしく……あの、そうなると父親はもしかして……?」 「他にいると思ってるの?お父さん?」 「あ、やっぱり?」 「 ? おにいちゃんがアンジェのおとーさんなの?」 ふたりの会話を聞いていたアンジェリナが尋ねる。 「そうさ、アンジェのお父さんのことについては話しただろう? それがこいつさ。」 「えっと、そうみたです。あの、アンジェちゃん?」 「ふわぁあ~~~!」 マルセイユの言葉にアンジェリナの顔に光が増していく。 「アンジェ、ずっとおとーさんが欲しかったの!」 「そうなのかい?……アンジェちゃんは僕がお父さんでも、いいのかな?」 「うん!」 「そっか……じゃあ、これからよろしくね?」 「うん、おとーさん!!」 <マルタ島攻略戦終了後> ~輸送機 カーゴ~ 「あ、そうだ。俺、アフリカについたら覚悟しといてね。」 「はい?何をです?」 突然何かを思い出したマルセイユは俺にそういった。 「私を孕ませたことで、おっさんたちから話があるとおもうから、 たぶんそれだけじゃなくて、ケイたちも話したがるだろうし。」 「それはつまり……」 「うん、せっかく帰ってきたんだから、死んじゃだめだぞ?」 「……はい……」 このあとアフリカについた俺は統合戦闘団「アフリカ」のみんなだけじゃなく。 駆けつけたアフリカ全将兵から、ぼっこぼこにされたのだった。 ~エジプト カイロ~ 「はぁ、いままで何度も死にかけたけど、今度ばかりは駄目かと思いましたよ……」 「はっはっは!まぁ、あのアフリカの星をモノにしたんだ。 それくらいは痛い目みてもらわんとな!」 葉巻をスパスパと吹かし、俺の背中をバンバンと叩きながらながらパットンが笑う。 「ふん、出会い頭に拳を叩き込んだヤツが言うことではないなパットン。俺君、一本どうだい?」 タバコを吹かしながらロンメルがパットンに皮肉を言う。 「あ、いただきます。」 俺はロンメルからタバコを受け取り、火をつける。 マルセイユの趣味に付き合った結果、俺もかなりの愛煙家になっていた。 「君が言えた口かね?副官が止めなかったらその腰の拳銃を叩き込もうとしていたくせに。」 ゴホゴホとこの中では唯一煙を呑まないモントゴメリーがそういった。 「ハンッ!そういうおまえさんはどうなんだモンティ、 アフリカ中の将兵に情報を流したのはお前さんだろうに。」 こんどはパットンがそういって茶化した。 「あはは、あれはそういうことだったんだ……」 遠い目をしながら俺がそう呟く。 アフリカ将兵の『親父の一撃』は凄まじく、最終的には戦車まで繰り出してきたほどだ。 正直アンジェリナが止めてくれなかったらホントに死んでたかも…… もしあの子が、実は俺とマルセイユの娘だとばれたらどうなるのかは予想がつかない。 「ま、とりあえずこれでおまえさんも義理は果たしたんだ、 もう文句をつけるヤツもいないだろうよ。とにかく、今夜は飲もうや。」 話を切り替えて将軍たちは俺の帰還祝いと酒盛りをはじめる。 すると…… 「おとーさん!」 4人がいるラウンジにアンジェリナが入ってきた。 「おや、アンジェ、どうしました?」 「帰ってくるのが遅いからっておかーさんが迎えにいけって。」 「おお、アンジェちゃん、どうだいいっしょに、お菓子もあるぞ!」 「ふむ、ジュースはあったかなモントゴメリー。」 「ああ、この間取り寄せた最高のものがある。さてと子供用の椅子は……」 突然やってきた孫娘の姿に将軍たちがデレデレになる。 「わぁあ、あ、でもケイおねーちゃんが夜におじいちゃんたちから 食べ物もらっちゃだめっていってたからめー。」 そういってアンジェは将軍たちの誘いを断る。 「うぅむ、そうか、虫歯になったらまずいしな。 いや、それにしても言いつけをちゃんとは守れるとはえらいな。さすがワシの孫!」 とパットンが言い、 「おいパットン、ドサクサ紛れに何を言ってるんだ私の孫だぞ?」 ロンメルがそれに続き、 「ふたりとももう酔ったのか?アンジェリナ君は私の孫に決まってるだろう。」 モントゴメリーが場に止めをさす。 「あ、あはは、ロンメル将軍って酒飲んでませんよね……」 俺の突っ込みは綺麗に無視される。 「……抜けぇい、貴様等ぁ!!」 不毛な言い争いについにパットンがキレた。 『望むところだ!!』 ロンメルとモントゴメリーがそれに応じて立ち上がる。 しかし、 「ケンカしちゃめーーー!!」 「うっ!!」 アンジェリナの声に3人の動きが止まる。 「ケンカしちゃめーなのよ、みんな仲良くしなきゃめー!!」 『ご、ごめんなさい……』 「…ぷっ、くすくす……」 俺はその姿に噴出しそうになるのを堪える。 人類の英雄達も、孫娘には勝てないか。 「ふぅ……じゃぁすみません。呼ばれてるみたいだし、続きはまた今度ということで。」 「まぁ、仕方あるまい、子供もいるんだ、くれぐれも節度のある付き合いをな。」 「はい、じゃあアンジェ、行きましょうか?」 「うん!あ、そうだ、アンジェおとーさんに言うことがあったんだ。」 「ん?なにかな、アンジェ?」 俺が尋ねるとアンジェは片手を腰に当て、もう片手で俺を指差して怒りはじめた。 「おとーさん!昨日の夜おかーさんのこといじめてたでしょ。」 「いっ!?」 『ブフォッ!?』 アンジェリナの爆弾発言に場の空気がシベリアもかくやと凍結する。 「ア、アンジェ、見ていたんですか!?」 「ううん、何してたのかはアンジェ見てないよ? でもおかーさんがやめてっていってたのにやめてあげなかったでしょ。 ずっとおかーさんの泣き声が聞こえてたもん。」 「い、いやそれはティナさんがそういうプレイがしてみたいっていうから……はっ!?」 ぷりぷりと怒る自分の娘を何とか誤魔化し、 なだめようとする俺の背筋にドライアイスのように冷たい悪寒が走る。 それと同時に俺の肩に手が置かれた。 「俺君、ちょっと詳しく聞かせてもらおうか…… ああ、アンジェちゃん、マルセイユ君に伝えてくれるかな、 いまからおじいちゃんたちは君のお父さんととっても大事な話があるから、 お父さんはしばらく帰れないって。」 「えーっ!、でもおかーさん怒るし……」 「ほら、明日なんでも欲しいもの買ってあげるから、ね?」 「……わかった。じゃぁおとーさん早めに帰ってきてね!」 「ちょ、ちょっとアンジェ、僕を置いてかないで……」 俺の哀願もむなしく愛娘は扉の向こうに消えていった。 「さぁ、俺、覚悟は、いいな?」 「あ、あはは、はい……」 その日結局俺は帰ってこなかったそうだ。 おしまい オリキャラ設定 『アンジェリナ・シャルロッテ・マルセイユ』 表向きはマルセイユが引き取った戦災孤児。 実際は俺とマルセイユの実の娘。 容姿はマルセイユをそのまま小さくした感じで、髪の色が俺と同じ黒色をしている。 母親の遺伝によりアホ毛搭載。 年齢のわりに成長が早く、すでに5歳くらいの思考力もある女の子。 おかーさん大好きっこでアフリカの将兵の心のオアシスとなっている。 最近帰ってきたおとーさんのことも大好き。 「アフリカ」のいろんな人に囲まれながらすくすくと成長中。ウィッチの片鱗あり。 3将軍の壮絶な決闘の末、ロンメル将軍が名づけ親となっている 後日談後の『俺』 身長が伸び、1945年次のマルセイユより少し高めの身長になっている。 42年時の失踪時、たまたま降ってきた岩に押しつぶされず、地底湖に逃げ込む。 その後地下水脈を流れつつ地上に出る出口を発見、 このあとはずっとアフリカのトブルクを目指して放浪するが、 いつもの方向音痴で各地をさまようことになる。 45年に501戦隊基地に到着。その後アフリカに帰還。 帰還後は陸戦ウィッチの随伴歩兵隊の一員として行動する。 娘の何気ない一言で癒されたり、命を狙われたりする今日この頃。