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日曜日。 今日は、先生と郊外にある大型ショッピングモールでデート。 そこはあたしが前から行きたいって先生にねだってた場所。 ようやく先生が車を出して連れてってくれたの。 ショッピングモールに着いたのはお昼すぎた頃。 お昼は車の中で、あたしが作ったサンドイッチを食べた。 本当は朝から行きたかったけど、先生が寝坊したからこんな時間になっちゃった。 もう!あ〜ちゃんは朝早くに起きてサンドイッチ作っちゃったくらい、ずっと楽しみにしてたのに・・・。 先生は寝すけなんだもん。 あたしだけが楽しみにしてる気がして、ちょっと寂しいよ。 先生は、あたしとのデート楽しみじゃないのかな?気になるよ・・・。 「のっち!このお店見てええ?」 あたしは可愛い雑貨屋さんがあったので、のっちと一緒にそこのお店に入った。 「あ〜、かわいいー!!」 そこには本当にかわいいネックレスが置いてあった。 一方、先生はこのお店は合わないらしく、向こうでぬいぐるみをいじって一人遊びしてた。 う〜ん、これ欲しいな・・・。 でもこの値段は高校生にはちょっと高いよな・・・。 本当は先生にプレゼントとして貰いたいけど、自分から催促するのってイヤラシイ感じだもんね・・・。 あーーー!!どうしよーーー!!欲しいーーー!! あたしが悶々と悩んでたら先生が声を掛けてきた。 「あ〜ちゃん、もうええ?違うお店行かない?」 「えっ・・・うん」 あたしは後ろ髪を引かれる思いで、そのお店を出た。 それからあたしたちは色んなお店を覗きながら、ショッピングモール内を歩き回った。 ちょっと疲れたから、フードコートで一休み。 飲み物を買ってテーブルに座る。 「あ〜ちゃん、ちょっとここで待ってて。」 「え?何?のっちどこ行くん?」 「あ〜、ちょっとトイレ♪」 「え?さっき行ったばっかじゃろ?」 「うん。でもまた行きたくなっちゃたのよ〜」 そう言って、先生はトイレへ行ってしまった。 もう・・・落ち着きないな〜。 あたしは手に持ったホットココアを口にする。 ふと、周りを見渡すと皆楽しそうな雰囲気。 あたしだけ一人、その楽しそうな雰囲気に取り残されてる感覚に陥ってしまう。 先生!!早く戻ってきて!!お願い!!寂しいよ・・・。 って、そう願っても先生はすぐに戻ってこなかった。 「いや〜、ごめんごめん。遅くなっっちゃわw」 程なくして、何故か満足げな表情で先生が戻ってきた。 「・・・遅いよ。どこのトイレまで行ってたん?」 あたしは不機嫌気味に訊いてしまった。 「ごめんね・・・。トイレ混んでたのよ〜」 先生はハノ字眉になって両手を合わせて謝ってきた。 なんだか、今日のデートは楽しくない・・・。 先生のコトは大好きなのに、どうしてだろ・・・。 「なんかお腹へらん?ちょっと早いけど晩飯食べて帰ろうか?」 先生が腕時計をチラっと見て話しかけてきた。 あたしもつられて携帯のディスプレイを見る。もう18時すぎだった。 「・・・うん」 あたしは素っ気無い返事をする。 「よっしゃ!じゃ、あ〜ちゃん何食べたい?」 そう言いながら、ショッピングモールの案内パンプレットをあたしに見せる。 「あ〜ちゃん、何でもええ・・・」 この人は、あたしが不機嫌なのを気づいているのだろうか? 「う〜ん、何でもいいか〜。それが一番困るんだよな〜」 ポリポリ頭を掻きながら、考える先生。 こういう『一番困るんだよな』って些細な言葉も、今は更に不機嫌を加速する燃料。 「んじゃ、ここでええ?」 先生が指さしたのは、レストラン階にある洋食屋さん。 あたしたちはそこの洋食屋さんへ向かった。 移動の最中は、先生が喋ってあたしが生返事する、微妙に気まずい雰囲気。 席に案内されて座る。 まだお店の中は混雑って状態ではなかった。 メニューを渡されて、先生はカレー、あたしはオムライスに決めた。 「すいませーん」 先生がお店の人を呼ぶ。 すぐにウエイターさんが駆け寄ってきた。 「えっと、オムライスと・・・」 先生がオーダーしてる時、 「彩乃!?」 何故かオーダーを取りにきたウエイターさんが、先生の下の名前を呼んだ。しかも驚いた様子で。 先生も自分の名前を呼ばれたのをビックリしたのか、ウエイターさんをガン見。 「あ!!あ〜・・・」 先生はウエイターさんの顔を見て最初驚いたが、すぐにその人の下の名前を呼んだ。 「え〜、久しぶりじゃん。何年ぶりだよ?元気してた?」 「うん、元気、元気。あれからだから、3、4年?」 「そっか・・・。ちゃんと教師になれたのか?」 「勿論!ちゃんとなったよwそっちは?」 「おいおい、見てわかんねーのかよwったく、相変わらず抜けてんな〜。俺、ここの店長やってんだよ!」 「あぁっ、ごめんw名札まで目に入らんかったわ。」 ウエイターさんと先生は会話が弾んでた。しかもすごく楽しそうに。 『ムカついた』『腹が立った』『悲しくなった』 そんな言葉で、全部混じったような感情になった。 たぶん、あの人は先生の過去を知っている人。 きっと、あたしの知らない先生を知っている人。 「今日は遊びに来たんだ?」 「うん。ここに一度来たいって言うからさ、車でね。」 「ふ〜ん、そうか・・・。妹?あれ?でも彩乃一人っ子だったよな?親戚の子か、何か?」 先生の過去を知る人が、あたしの存在に気づいて先生にあたしの正体は何か?と訊いてきた。 てか、先生一人っ子だったんだ。 それすらも知らないあたしって一体、先生の何なの? 「あ〜、うん。親戚の子・・・」 「ふ〜ん。このお姉ちゃん、アホだから一緒にいて大変でしょ?」 先生を茶化しながら、その人はあたしに話しかけてきた。 「・・・いえ。大変、じゃないデス・・・」 あたしは、その人の顔は見ずに、俯き加減で答えた。 「も〜、いいじゃろ。早く仕事に戻らんさい」 「おう、おう。わかったよw」 先生は促してその人を厨房へ行かせた。 「なんか・・・ごめんね」 ハノ字眉で謝る先生。今日の先生は『ごめん』ばっかり。 「もういいよ。別に謝らんくても・・・」 先生の『ごめん』を突っぱねてしまうあたし。 『のっち!あのウエイターさん誰なん?』って言えない自分が嫌。 余裕持って、素直に訊けない自分が嫌。 食事が出されても、あたしたちは会話もなく黙々と食べ続けただけだった。 こんな楽しくないご飯は始めてだよ・・・。 会計は先生が出してくれた。 あたしは自分の分のお金を渡したけど、先生は受け取らなかった。 「彩乃!!」 お店を出る時、またあの人が先生の名を呼んだ。 「ちょっと、待ってて」 先生はあたしを外に待たして、自分はお店に戻った。 外にいるから二人が何を喋っているかわからんけど、やっぱりすごく楽しそう。 なんだか、あたしといるより先生は楽しそう・・・。 はぁ、もう嫌だ。他の人と楽しくしてる先生は見たくない。早く帰りたい・・・。 「ごめん。さ、帰ろ」 あたしたちは車が止めてある地下駐車場へ向かった。 先生はいつもの様に先に、あたしを乗せてくれる。 今日はその優しさまでもが、憎らしく感じでしまう。 いつもは先生が座ったら、すぐにエンジンをかけるけど今日は違った。 先生は両手をハンドルに乗せて、ひとつ小さなため息をついた。 そのため息は、あたしに突き刺さる。 変な緊張が車内を支配する。 「・・・あの人は、大学の時に付き合ってた人。向こうから付き合ってくれって言われた。 付き合ってた期間はたぶん2年くらい。別れたのは、互いに忙しくなって自然消滅みたいな感じ。」 あたしは何も訊いてないのに、先生はいきなりあの人のコトを語り始めた。 「他に訊きたいコトは?」 この言葉に妙にカチンときた。 「・・・別にない。てか、あの人に興味ないし!知らんでいいよ!先生の過去なんでどうでもいいんよ!」 あたしは喧嘩腰に喋り始めてしまった。 「でも、あ〜ちゃん明らかに機嫌悪くなったじゃろ?じゃ、なんであんなピリピリしとったん?」 「のっちが、あ〜ちゃんのこと『親戚の子』って言ったからじゃ!!」 「・・・だって、それはしょうがないじゃろ。世間体があるけ」 「そんな事わかっとるよ!!子供扱いしないでよ!!」 あたしはとうとう泣き出してしまった。 「わかっとるよ!生徒でしかも同性ってことくらい!!でも、あ〜ちゃんは不安なの!! のっちが誰かと楽しそうに喋ったり、笑ったりしてるの見とうないの!!のっちがどっか行っちゃいそうで嫌なの!!」 あたしは今まで思っていたコトを、先生にぶつけてしまった。 先生は黙ってきいているだけ。 あたしはまだ続ける。 「あ〜ちゃんとのっちは付き合ってるけど、そんな事は、言えないのわかってる、けど、皆に知って欲しいの! でも、出来ない事はわかってるの!でもそうしないと、でも・・・」 あたしは自分でも何言ってるんだか、わからず子供の様に泣きじゃくってしまった。 「・・・他には?」 先生は涙で濡れてるあたしの頬を右手で拭いながら、穏やかに尋ねた。 「なんで今日寝坊したん?あ〜ちゃんすごく楽しみだったのに・・・のっちは、あ〜ちゃんとのデート嫌なん?」 「・・・嫌なわけないじゃん。のっちもすごく楽しみだったけど、試験問題作ってたら寝るの遅くなってね・・・。 って言っても、ただの言い訳だね。ごめんね、あ〜ちゃん。次からは絶対に寝坊せん。約束するよ・・・」 「・・・他には?」 「お店出る時、あの人と何喋ってたん?」 「連絡先訊かれた。でも断った。」 「・・・他には?」 「こんなビービーすぐ泣くあ〜ちゃん、めんどくさくないん?」 「めんどくさいくないよ。」 「・・・他には?」 「あ〜ちゃんの事、好き?」 「すげー、好き」 先生はそう言って、涙と鼻水でグジョグジョなあたしにキスをした。 いくら車の中といえども、もし誰かに見られたら大変なことになるのに、先生はキスをしてくれた。 先生と目が合った。二人してはにかんで笑った。 先生はティッシュボックスから2,3枚取り出し、それをあたしの鼻に当てた。 「はい、チーンして」 先生が鼻をかませてくれた。まるでお母さんみたい。 「スッキリした?」 あたしはコクリと頷いた。鼻もかんで、思ってることを先生に言ったら、鼻も心も本当にスッキリしてしまった。 「・・・不安になったら今みたいに、のっちにぶつけていいからね。それで安心するなら、のっちはあ〜ちゃんの不安を受け止めるよ」 ビックリするほどの、先生らしい優しい言葉だった。 その優しさでまた泣きそうになる。 「あ!!!」 先生が急に大きな声を出すから、涙が引っ込んだ。 「な、なに?」 「これこれ、渡すの忘れるとこだったわ〜。よかった、思い出して♪」 そう言ってあたしの手を取り、手のひらに小さなかわいい箱を乗せてくれた。 「何?これ?」 「いいから、開けてみて」 あたしはワケがわからず箱を開けた。 中にはあの可愛い雑貨屋さんにあった、ネックレスだった。 「えっ?え?のっち、これ?何で?」 あたしは軽くパニック。 「あ〜ちゃん、さっきこれすごく欲しそうな顔で見とったじゃろ?のっちからの、サプライズプレゼント!たまにはこういうのもいいじゃろ?」 「もしかして、トイレ行くふりして買いに行ったん?」 「あ?ばれた?」 「ありがとう、先生」 先生、ごめんね。過去に嫉妬しちゃって。勝手に不安になっちゃって。 先生は、ちゃんとあ〜ちゃんのこと見ててくれてたんだね。 「よっしゃ!じゃ、帰りますよ〜」 「は〜い」 やっぱり、先生とのデートは楽しい。 — Fin —
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PREV:リロの不安 前編 NEXT:リロの不安 後編 ストーリー 私……他の人と一緒にいること、多いでしょ……? リロ ああ、だからひとりでいるのを見かけて珍しいな、と私も思った ダピコ 誰かと一緒にいるときなら……普通に知らない人とも話せるんだけど…… リロ ひとりになると、なんか、急に不安になっちゃって……上手く、話せなくて…… リロ でも……いつでも誰かが……近くにいるわけじゃないから……このままじゃ、ダメだって…… リロ だから、今日はひとりで……カフェでお茶する、って特訓に来たんだ…… リロ なるほど……自分の欠点をなんとかしようと……すごいじゃないか ダピコ そ、そうかな……?コレくらい当たり前かなって……えへへ………… リロ それで……さっきは何を困っていたんだ? ダピコ あ、うん……来たはいいんだけどお洒落なカフェだったから…… リロ 雰囲気に、うってなって……お店の前でウロウロしてたら店員さんに気付かれて…… リロ 心の準備が出来る前にその……席に通してもらって…… リロ 注文が決まったら呼んで、って言われたんだけど…… リロ 席には呼び鈴みたいなの、ないし店員さん、忙しそうにしてるから声かけるの……気が引けて…… リロ なるほどなそれでキョロキョロしていたわけだな ダピコ 何も頼まないで座ってるのもプレッシャーになって……ほとんど……パニックだった…… リロ そこに私達がやって来たというわけか ダピコ うん……二人のおかげで少し落ち着いた………………ありがとう…… リロ 何も一気にやることはない少しずつ慣らしていくのがいいんじゃないか? ダピコ …………そうする……ん……【プレイヤー】デッキ出して、どうしたの……? リロ うん……?デュエマで負けた方が注文をするゲームをしよう、と? ダピコ 注文しないと、と気負うよりゲーム感覚の方が気軽に出来るはず……ということか? ダピコ …………たしかに……そっちの方が気持ちは楽かも…… リロ 一理あるが……【プレイヤー】はデュエマがしたいだけじゃ…… ダピコ ……それじゃ……デュエマ・スタート……! リロ 勝利時 勝負あり【プレイヤー】の勝ちだな ダピコ ……うん……それじゃあ……せっかくだし、ふたりの分も一緒に注文する…… リロ いいのか?それなら、私はカフェラテで……【プレイヤー】は…… ダピコ ……うん、わかった…………それじゃ…… リロ あ…………あのっ……!すみ…………ませんっ……! リロ はーい、ご注文でしょうか? 店員 うんっ……えっと……カフェラテと……エスプレッソと…… リロ しっかり注文できたなよくやったぞ ダピコ ん……ふたりが見守ってくれてたから…………ちょっと勇気、出た…… リロ ふふっ力になれたのなら何よりだ ダピコ 敗北時 ……私の勝ち……これなら、注文は……【プレイヤー】が? リロ おいおい、リロの練習のためのものだったのだろう? ダピコ これだと練習の意味がないんじゃないか? ダピコ うぅ……勝ったのに注文するの?……それはそれで、つらい…… リロ ……【プレイヤー】!今度はしっかり闘うんだぞ! ダピコ PREV:リロの不安 前編 NEXT:リロの不安 後編
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この政策を聞いている皆様の仲には、マンイーターに纏わる放送を聞いている方も居られると思います。 もう皆さんご存知だとは思いますが、その後の調査で判ったと事を含め、改めて告知したいと思います。 1:マンイーターの毒性は共和国のリワマヒ藩国に現れた遺跡と繁茂技術に由来するものであり、これを封じることでかの疫病の危険性を抑えることは可能である。 遺跡についてはPPG他、帝国の各部隊が共和国と共同で現在対応中である。 2:繁茂技術については既にリワマヒ藩国にて使用停止の手続きが行われている。そもそもマンイーターが爆発的に広まったのは、繁茂の技術と組み合わさったからであり、停止させた後に再度広がる危険性は殆ど無い。 これは農業の専門家が冷静に思考すれば自然と行き当たる結論でもあり、不正確な情報に惑わされて短絡的な行動を取るような事は控えるべきである。 3:マンイーターその物は、すでにレディと帝国各国の尽力により、無害化されている。特に、研究施設や医療品工場でも既に新種マンイーターの毒性を阻止する方策を実施済みであり、必要以上の心配は無用である。問題発生時には緊急輸送を行う手はずもある。 4:レディの最期の意志に応えるため、医療品工場を保有する藩国や市民病院を保有する各藩国、経済グループ加盟国、帝國共和国の区別無く協力し、ニューワールドでのこれ以上のマンイーター関連病の発生と蔓延を防ぐこととする。 5:越前藩国藩立学校卒業生の農業研究員を中心にシンクタンクを設立、経済グループやNACと協調し、今後の食の安全を確保・保証するための活動を指示する。 共和国には偉大な蟷螂が居られた。名をレディと言う。 彼女が命を賭けて食い止めた結果が、マンイーターの無毒化である。わが藩国はその行いのせめてもの恩返しとして、共和国の空を蒼龍で護った。 すでに経済グループの議長あさぎ氏を含め、医療品工場を持つ藩国の藩王の皆様とも協議し、有事の際には医療品を輸入する手筈を整えている。 その証拠が、http //p.ag.etr.ac/cwtg.jp/bbs2/27038である。これらの各国が協力し、全力で対応中である。当然ながら我が国も批准している。 また、医療費負担などで困る事が無いよう、20億の予算を用意した。 マンイーター関連にて治療が必要になった方の医療費は、藩国が負担する。 また、食の安全を証明するため、藩王夫妻を含む首脳陣で、危険と思われる食物の毒見を行う。勿論、皆様の前で、リアルタイムで、である。我々は偉大な女性の誇りに一点の不振も持たぬ事を、この行動で証明する。 皆様の不安もわかります。ですが。 一人の(敢えて一人と書きます)偉大なる女性の意地を。 どうか、忘れないでください。 あなたの信じる帝國は、彼女の意志を無駄にはしないでしょう。 そして、そのためにまず最初に危険に赴くのは、藩王他の首脳陣です。 そして、不安そうな人がいたら、大丈夫だと声をかけてあげて下さい。 帝國の正義は、護られるよと。 文責:ポレポレ・キブルゥ 検閲:御鷹(摂政・法官2級) 認可:セタ・ロスティフンケ・フシミ/クロ・エプイスペン・フシミ
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マスコミ 「happy news」のように、こんな中、希望がもてるニュースをやってるチャンネルがあればいいのに。被害のニュースみてると、本当につらくなってくるだけだから テレ朝さん、ドラえもんを30分だけでも流すことはできないんでしょうか…。 延々と生存者の名前を羅列したhappynewsがあってもいいと思う。 アイコンを花にかえて、ツイッター画面を花で染めませんか??こんなときだからささやかな幸せを。 こどもたちに絵を描く道具と場所を。悲しくてつらい絵になってしまうかもしれないけれど、吐き出すことができる。 子どもたちのために、ヒーロー、ヒロインの着ぐるみを送って少しでも元気に! 皆で笑顔になれるものを貼る企画、COME COME HAPPY運動!テリャ!! しばらくしてからでいいから、阪神淡路大震災を被災した芸人はチャリティーでLIVEしにいってほしい。 このつぶやきが吉本関係者に届いてほしい。 スティールパンなど、電気を使わずアナログで癒しの音が出る楽器を送るとかもいい気がします。 人が見て心安らぐような風景の写真や映像、可愛いイラストや絵画を一冊の本に製本して送ってあげたい。 アンパンマンとかドラえもんとかピカチュウとかプリキュアとか、不安な子どもたちへ向けてメッセージをもらうのはどうですか? プロの方が、夜怖くて眠れない被災者の方達のために、「被災地でもリラックスできる方法やマッサージ方法」を、ラジオで伝わりやすいように文章化して送る。 アニメのヒーローがラジオで子どもに避難所の名前を入れら応援メッセージを送る。 子供たちは精一杯大人を助けようとしています。良いことをしたら裏にシールが貰えるようなデザインはどうでしょうか。
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648 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/08/30(日) 01 24 17 ID VBLu33dI ジョナサンの妻、マリアは元・軍人だ。 二人はデバ共和国で勃発した第二次ザンジバル独立紛争の戦場で出会った。 ジョナサンは現地でNPOとして戦場での無差別医療に携わっていた。 連日報道されるキリング・フィールドが彼の使命感を燃え上がらせたのである。 事実、命を捨てる覚悟で来た戦場だった。 しかし、「戦場」はそんな使命感を吹き飛ばすような現実を彼に見せた。 一般市民、それも子供や老人ばかりが手遅れの状態で運ばれてくる毎日。 医療と言うより最期を看取ることしかできず、彼はまさに地獄を味わっていた。 後の妻、マリア・ソネンフィルドが彼の病院に運ばれてきたのはそんな時だった。 マリアはデバの元・宗主国、ケルン連邦から派遣されてきた部隊の兵士だった。 中尉であった彼女は、部下を率いて教会関係者を避難させる途中、敵の襲撃にあった。 シスターを庇って敵の攻撃を受け、瀕死の状態で彼女は彼の病院に運ばれてきた。 幸い、ほかの拠点と比べて設備も物資も充実していたため彼女は一命をとりとめた。 そのとき、一週間ほとんど寝ないで看病に当たったのが彼である。 短いものの美しい金髪と、真っ青な眼、鼻筋の通った美しい顔立ちに魅了されたのだ。 運ばれて一週間後、マリアは昏睡状態から目覚めた。 彼女は左腕を失い、腰の傷から歩くことはおろか立つことさえできない状態であった。 マリアは怒り、嘆き、悲しんだ。そして自殺すら考えていた。 しかしそんな時に、ただ静かに彼女を見つめながら「死ぬな。生きてほしい」と言われた。 そのたったひとことが彼女を救った。まだ若い、青年の看護士だった。 名前はジョナサン・アルスタインと聞いた。彼が一週間、寝ずの看病にあたってくれたことも。 マリアにとって、全てが奇跡のめぐり合わせに思えた。 ジョナサンは二度も私を救ってくれた。これが奇跡でなくて何なのだろう。 二日後、軍のヘリがマリアを基地に搬送するため迎えに来たとき、彼女は彼に付き添いを頼んだ。 ジョナサンは迷った後、こう答えた。 「こんな俺でも人を救えるときがある。君がそれを教えてくれた。だからもう少しここで頑張りたい。」 諦め切れなかった彼女は、上司に掛け合った。 父と懇意にしている上司は、重傷を負ったマリアの願いを聞き届けたようだ。 どうやったのか、次の日には、ジョナサンらNPOに国外退避命令が下った。 基地に来たジョナサンは、真っ先にマリアを訪れた。 訪れた彼にマリアは、自分も帰ること、そして退役することを伝えた。 「私は退役する。この体では戦えない。しかし国に帰っても私には生きる場所などあるのだろうか。」 「我々は無駄な介入者と非難されている。国民の目は冷たい。しかも私は働くことすら出来ない。」 「帰るべき家も無い。母は死に飲んだ暮れで元軍人の父親は私になぜ死ななかったと言う体たらくだ。」 「どうすればいい?君に言われて私は死ぬこともできない。いったいどうすれば・・・。」 青白い顔で、マリアは涙を流しながらジョナサンに問うた。 彼はただ静かに、黙って彼女の聞いていた。そして答えた。 「それなら、―もし君が良ければだが―僕と生きよう。僕が君の家になる。だから一緒に生きるんだ。」 二人はケルンに戻った後、結婚した。傷痍軍人との結婚は大反対され、半ば駆け落ちのような形だった。 絶望で空っぽになりかけた男と、彼が絶望と死の淵から救った女は互いを自らの半身のように想った。 しかし、女は常に、男が五体満足であり、それゆえ外で働くことを不安に思っていた。 男を疑うわけではない。しかし、自分の体で男が満足するとは思えなかったのだ。
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思ったより早く目が覚めてしまった。 目をこすりながらテントの外に出る。 「・・・。」 いよいよ今日は研究所に乗り込む日である。 正直自分は足手まといではないのか、と一瞬思ったが今は自分の腕を信じるしかなさそうだった。 大丈夫、と自分に言い聞かせる。 『おはよ~、よく眠れた?』 「そんなに、でも大丈夫。」 『ふ~ん。』 コロンは相変わらず私の周りを飛び回っている。 「いよいよ今日ね。」 『不安なの?』 「ちょっとだけ、でもコロンが居るから大丈夫。」 『あらそう、なら大丈夫ね、しっかり頼って頂戴。』 コロンは自分の胸をたたいた。 そしてため息をつくとこちらを向いた。 『じゃあ朝ご飯を食べましょ、そうしないと元気出ないわよ。』 戻る
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autolink RN/W16-053 カード名:不安げな眼差し 淳和 カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:1500 ソウル:1 特徴:《科学》?・《スポーツ》? 【自】[手札のクライマックスを1枚控え室に置く]このカードが手札から舞台に置かれた時、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、あなたは自分の控え室の《科学》?のキャラを1枚選び、手札に戻す。 【起】[このカードをレストする]あなたは自分のキャラを1枚選び、そのターン中、パワーを+500。 あ、えと、えっ!? レアリティ:R illust. 12/11/20 今日のカード。 収録中のシャロにパワーパンプ効果が付いたもの。 不要なCXを切って必要なカード回収し、おまけで必要に応じてパワーパンプができる。 自身のパワーからしてアタックには向いていないが、援護用に回せるなど舞台登場後に腐ることも余りなく、 万能なカードと言える。
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KI/S44-006 カード名:不安から確信へ 仁子 カテゴリ:キャラ 色:黄 レベル:2 コスト:1 トリガー:1 パワー:5000 ソウル:1 特徴:《キズナ》?・《不思議》? 【自】 このカードがリバースした時、このカードのバトル相手のレベルが相手のレベルより高いなら、あなたはそのキャラをストック置場に置いてよい。そうしたら、あなたは相手のストックの下から1枚を、控え室に置く。 【自】 絆/「真っすぐな性格 天河」 [①] (このカードがプレイされて舞台に置かれた時、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、あなたは自分の控え室の「真っすぐな性格 天河」を1枚選び、手札に戻す) 天河君て、やっぱり…… レアリティ:R ・関連カード カード名 レベル/コスト スペック 色 備考 真っすぐな性格 天河 3/2 9500/2/1 黄 絆先
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「ご…悟飯君、あの…どこに行く? 私はあまり知った施設がなくて……」 「あ、そうか…え、と」 北条沙都子が去ってから一時間程置いて、そろそろ危険はあるが自分達も動かねばならないと、悟飯も美柑も焦りだした。 少なくとも、美柑は乃亜の言う参加者の選定条件に見合う人物が数人いる。金色の闇を始め、セリーヌや学校のクラスメイトだって連れて来られているかもしれない。スタイルを考えるとナナも危ない。 あまり、じっとしている訳にはいかない。そこまでは思い、だが具体的にどう行動すべきか、明確に定められずにいた。 悟飯も同じく、無理やり定義すれば、セルかピッコロが年齢的に呼ばれなくはないが、やはり無理があるし、流石に赤ん坊のトランクスは居ないだろうと考えており、そういった意味では多少の余裕はあった。 だが、それ以上にシュライバーが、今もどこかで殺戮を続けている事に気が気ではいられない。 (美柑さんさえ、居なければ…今すぐにでも奴を……!! シュライバー、奴は何処に……奴と決着を) そこまで考えて、ふと我に返る。まるで今、自分はシュライバーとの戦いを望んでいるようだった。 (だ…駄目じゃないか……ぼ…僕はなんてことを……) 戦いは、そこまで好きではない。本音を言えばシュライバーだって殺したい訳じゃない。あんな奴でも、殺さないで済むならその方が良い。 それなのに、今、悟飯はシュライバーとの再会を心の何処かで望んでいた。 きっと、思いっきり戦っていれば何も気にしないで済む。この横に居る少女の慄きを肌で感じなくて済む。 (お…思いっきり戦ってしまったから……ユーイン君まで、ぼ…僕が死なせてしまったんじゃないか……! そ…そんなこと、考えてはいけないんだ) 拳を強く握りしめて、悟飯は心の中で己を叱責する。 「……お父さんが居るとしたら、きっと山ですよ。山で修行してると思うので、そこに向かおうかと」 「あの、さ……山に参加者が集まると思う? そのお父さんも、流石にこんな時に修行するかな」 「そ…それは……」 内面の戦闘欲求を振り払うように、悟飯なりに全力で頭を振り絞って考えた目的地だったが、美柑からはあっさり否定されてしまった。 「ごめん……なんか、私…今の嫌な感じだったね……」 「そ…そんなことは……」 「……」 「……」 美柑も代案を出せる訳でもなく、また二人は何も口にできる言葉が思い浮かばず黙ってしまった。 「し…支給品、支給品を見ましょうか!」 「そうだね……」 苦し紛れに口にしたのは、お互いの所有物の確認だった。美柑もこれ以上の沈黙に耐え切れず、その提案に同意した。 「―――な、なんだこいつ!!?」 悟飯がランドセルを開け、中を検めてると、黄色い奇妙な生命体がいびきをかいて寝っ転がっていた。 羽が生えて、丸い耳が二個頭のてっぺんにくっ付いていて、点みたいな目を閉じてぐーすか寝ている。 困惑しながら悟飯は、その生き物の臀部から生えた尻尾を指先で摘まみ上げる。 「か…可愛いかも……」 (お…女の子はこういうのが好きなのか……?) 取り合えず、この奇妙な生き物に、本当にとても手加減して優しくデコピンをする。 うめき声をあげながら、それは尻尾を持ち上げられた宙づり体制のまま目を見開いた。 「な、なんや!!? 痛いわ! どこのどいつや!?」 「関西弁なんだ……」 美柑は興味津々な様子で、呟いた。 ――― 「こ、殺し合いやて……!!? ウ…ウソやろ。こ…こんなことが。こ…こんなことが許されてええんか。 警察や、警察を呼び! 通報するんや!!」 その生き物はケルベロスと名乗った。 「僕達、訳の分からない島まで拉致されてしまって、外部とも連絡も取れないと思いますよ。取れたって警察が何とか出来るとは……。 多分、ここの参加者は別の平行世界から連れて来られてると思うんです。色々話したけど、なんだか社会常識が噛み合わなくて」 「平行世界? ……ああ、そんなら無理やな……」 (こ…この人、平行世界に明るいのか?) クロウカードならぬ、今はさくらカードを見張る封印の獣だの、意味不明な事を言っていたが経緯を聞くと支給品として殺し合いに巻き込まれたらしい。 「ケロちゃんは、ここに来るまでの記憶はないの?」 「その呼び方はカエルみたいやから……まあええわ。うーん、さくらの部屋で徹夜でゲームしとったさかい、ずっとその……眠っててなあ……」 ケルベロスの話では、彼が居候するさくらという少女の部屋で、最新ゲームを徹夜で遊び倒していたところまでは記憶があったが、気付いたらこの島へと連れ去られたようだ。 悟飯がランドセルを開けるまで殺し合いはおろか、シュライバーと悟飯が戦っていた事すらも知らなかった辺り、かなり本気の爆睡であることが伺える。 「話纏めると…乃亜っちゅうクソガキが殺し合いを開いてもうて、それが色んな平行世界を巻き込んだ大規模なもんにまで発展しとる訳か……」 仮にも稀代の魔術師クロウ・リードの創り出した使い魔、封印の獣ケルベロスだ。長年に渡り培った豊富な知識は、間違いなく支給品として有用な部類に入る。 その知識の中には、当然平行世界の概念も存在していた。 「悟飯の言う通り、きっと、平行世界からぎょうさん参加者を集めたんやと思うで…なんの目的で、蟲毒か……?」 ベターなとこだと、蟲毒などの呪術が浮かぶが、そういった魔力の気配は感じない。 だが、悟飯にも気を感知する能力があるらしいが、制限が掛けられているという。支給品のケルベロスにも同じ処置をされている可能性も高い為、断言はしきれないだろう。 「……ケルベロスさん、考えていても始まりません。先ずは何処かに向かって情報を集めませんか?」 「確かになぁ」 「ケロちゃん、私思ったんだけど…そもそも悟飯君のお父さんも本当に居るのかなって、だって…考えたら乃亜は子供しか呼んでないって言うのに……それにセルって人との戦いで死んじゃったっていうんだよ?」 「ん? それはわい初耳やでー」 「ケルベロスさん、もしかしたらお父さんはドラゴンボールで、こっそり生き返ってるのかもしれません。理由は分かりませんけど、容姿もその時に子供まで若返らせた可能性があると思うんです」 「せ、せやな……」 明らかに異常だ。直接話せばいい内容を、会話の経由地点にされている。 知人がいるとかどうとか、ケルベロスを確認する前に済ませておくべきであろう事を、今更になってようやく話し合っているとは。 (こいつら、もしかして二人で話せないんか? な…なんでや……さくらと小僧みたいなんちゃうやろし……美柑が大分怯えてるように見えるんやけど) 気まずい。 すっごい、滅茶苦茶、とっっっっっっっっっても、気まずい。圧倒的陽気さを誇る、ケルベロスを以てしても打ち消せない陰の気。 ちょっと話を聞いてみれば、殺し合いに乗った殺人者に襲撃を受けたらしくそれが原因のようだが、それにしても会話のやりとりすらぎこちないのは、この先が思いやられる。 「……ホグワーツも名前だけ見たら魔法を学べる学校みたいだから、ケロちゃんの知り合いのさくらさんや小狼さんも居るかも。ケロちゃんはどう思う?」 「それは、まあ……そうかもしれへんなぁ」 「海馬コーポレーション…ここは乃亜の苗字と同じですし、何か手掛かりがあるかも。 ケルベロスさん、どうでしょう?」 (わ、わいが…行先決めろって事なんか……?) もしかして、とんでもないとこに支給されたんじゃないか、たまらずケルベロスは溜息を吐いた。 ――― 「……」 「……」 (なんや、これ……なんやねんこれ……) ケルベロスは一先ず、海馬コーポレーションに向かう事に決めた。理由は単純で、自分達が居る位置が丁度島の真ん中にあったこと、それでいて微妙に海馬コーポレーションの方が近くに設置されていたから。 まずは海馬コーポレーションを調べて、それから島の中央を横断する形でホグワーツでも行けば良くないか、そう提案し二人は納得してくれた。 「…………ごはんとミカン、なんや二人とも美味しそうな名前やなぁ!」 道中、二人は沈黙、別に隙あらば話せとは言わないが限度があるやろとケルベロスは限界に達した。 二人とも食べ物を連想する名前であることに着目し、ケルベロスは起死回生の一手を放つ。 「……」 「……」 「あはっ、あははは……はは……」 何か突っ込めや、もう何でもええから。 そう悲痛な思いを叫びたかったが、今の二人には届かぬ思いだった。 「み…美柑さん」 「な、なに……? どうし…たの」 「さっき、お父さんが本当に居るかどうかって言ってましたよね」 乾いた笑いを浮かべるケルベロスを無視し、悟飯が意を決したように口を開いた。 「お父さんが死んだのは、僕のせいなんです」 怖がらせるのは分かっていたが、それでもちゃんと伝えておかなければいけないと、悟飯はセルゲームで孫悟空が命を落とすまでの経緯を詳細に話した。 16号の犠牲で悟飯の潜在能力が覚醒し、セルという最強の人造人間と地球の命運を掛けた戦いに臨み、相手を甚振り始めてしまったこと。 それは仲間達を痛めつけられたことと、16号を無惨にも殺害したことによる怒りが爆発し、制裁を加えようとした幼い少年の幼稚な正義感と傲慢だった。 セルは逆上し、最後は地球諸共自爆し、全ての生命を道連れにしようとしたのを、悟空が瞬間移動を使い、別の空間で爆破させ地球と悟飯を救った。そして、代償に悟空は命を落とすこととなる。 「―――ぼ…僕は……頭に血が上ると、いつもこうなってしまって……ユーイン君達を死なせたのも、僕のせいです。 シュライバーももっと早くに止めをさせていれば、こ…こんなことには」 「悟飯君……」 「た…多分、お父さんも、そんな僕に嫌気がさしてるのかもしれません……。ぼ…僕なんか顔も見たくなかったのかも……だから、ドラゴンボールで生き返った後、子供にまで若返ったのかもしれないんです。 だけど、本当に頼りになる人で、と…とても……強い人なんですよ。き…きっと、こんな殺し合いなんて何とかしてくれるくらいに……。 だ…だから……美柑さんも、安心してください……。お父さんの元まで、僕が美柑さんを守ってお連れしますから……その後は、お父さんなら僕なんかよりも――――」 その先に紡がれるであろう言葉を予想して、美柑もそれは言わせてはいけないと察して口を開けて……。 「あの蟲ガキにさっきの連中といい、本当に子供しかいないのね」 二人の会話は、新たな第三者に中断させられた。 黒いドレスを着た銀髪の少女。 最初に反応を見せたのは、他の誰でもないケルベロスだった。 「あの女の魔力……凄腕の魔術師なんてもんやない……あんた、もう人間やめとるやろ。何百年生きとるんや?」 「そんな間抜けな面の割に、怜悧ね。そうか、力を抑えた仮の姿といったところか……大層、高名な魔術師から創られた使い魔とお見受けするわ」 「美柑さん……下がって」 ケルベロスと少女のやり取りの間に、悟飯は身構え、後ろの美柑を庇うように一歩前に出る。 シュライバーから感じた禍々しさとはまた別の、嫌悪すべき邪悪な気を悟飯も感じ取っていた。系統で言うならば、少しルサルカの気に近い。 「あの、女魔術師と天使の女、それに憎たらしい眼鏡の小僧よりは楽しめそうね」 魔女、リーゼロッテ・ヴェルクマイスターの掌が翳され、球状の黒き炎が放たれる。 「魔閃光!!」 炎に瞬時に反応し悟飯は両手を額に重ねた。金色の光が集約し、一気に放出する。 光と炎が衝突、轟音と閃光を巻き上げ相殺した。 後ろに居た美柑が、あまりの眩さに目を閉じたその時、風を切る音共に人の気配を真横に感じる。 「……え」 瞬き一つの間に肉薄し、悟飯の背後にまで回り込んだリーゼロッテは、その指先から伸びた鋭利な魔爪を美柑の愛らしい顔面へと振るう。 「なに?」 だが、その腕は爪が美柑へと到達する寸前で、魔女の華奢な腕は反比例した鍛え抜かれた短い腕に掴まれる。 リーゼロッテが美柑の死を確信した時、また悟飯も既にリーゼロッテの死角へと回っていた。 その膂力たるや、魔女として人の皮膚を割き、肉を切り裂き、臓腑を素手で抉るのを容易とする魔女のそれを容易く抑え込むほど。 その拘束を振り払おうと、魔性の域にまである腕力に物を言わせて振るう筈が、まるで微動だにしないとは。 「この身に堕ちてから、純粋な力負けをするだなんて、そうはなかったわ」 悟飯が掴んだリーゼロッテの腕から、炎が燃え立つ。気を纏った悟飯の肉体すら焼きかねない高温度の炎、それはただの物理的な燃焼の域を超えていた。 炎が燃え移った片腕に気合を込め炎を吹き飛ばし消化する。そして、近くの美柑を抱き抱え跳躍し、リーゼロッテから距離を開けた。 「大丈夫なんか悟飯!?」 「ええ……美柑さんを頼みます」 後れて飛び寄るケルベロスに一瞥し、それから一足に悟飯はリーゼロッテへと踏み込む。 疾風もかくや、音すら置き去りにする爆発的な速度にリーゼロッテも目を見開き驚嘆した。 「―――!?」 更にリーゼロッテの視界が一つの掌に覆われた時、その顔面に光の波が迸る。 口から上の端麗な眼球、整った鼻立ちは一瞬で潰え、粉々の肉片へと姿を変えてしまった。 「……制限か」 シュライバーの時もあった違和感を、悟飯は改めて感じていた。 顔面そのものを完全に吹き飛ばす気だったが、破壊の規模は口より下の部位を残した程度。 今しがた殺害した魔女の骸、頭部を失くし、力なく背中から倒れていくのを見つめ―――そして映像の逆再生と思うような奇抜な動きで、頭部を失くした体がゆらりと起き上がる。 「くっ……!」 黒い一閃が悟飯の視界の中に描かれ、胸元の服を切り割いた。薄く赤い筋が胸板に刻まれ、数滴の血が滴る。 もし、僅かに反応が遅れていれば、胸を抉られ心臓を引き裂かれていたかもしれない。 悟飯は改めてリーゼロッテを睨みつける。この少女もシュライバーと同様、油断のならない危険な相手だ。 「フフ……殺し損ねたわね」 リーゼロッテは自分の指先に付着した悟飯の血を舐めながら、可笑しそうに笑う。 「今の制限されている私なら、首から消し飛ばせば殺せたかもしれないわよ?」 その笑みには、心底残念そうに、相手に対し期待外れであると嘲りが入れ混じっていた。 乃亜の言うハンデと、首輪を外される危険を考慮すれば、首を含めた攻撃であればリーゼロッテが死ぬ可能性は高い。 わざわざ、弱点を口にする大胆さに不気味さを悟飯は覚えた。だが、理屈としては矛盾はない。 狙ってみる価値はあるだろう。 「はあっ!!」 咆哮と共に、悟飯の足元に発生した圧力により亀裂が走り、クレーターを刻み込んだ。 風もなく悟飯の髪が揺らめき、白いオーラを纏うと爆発的な轟音と共にその姿が消える。次の瞬間、その拳がリーゼロッテの頬へと叩き込まれていた。 あまりの威力に人体の耐久を超え、不気味な笑みを浮かべたまま首が捻じれる。だがそれより下の四肢は未だ健在、その両腕を広げ悟飯を掴む。 眉間に皺を寄せながら、逆に悟飯はリーゼロッテの腕を掴み返し、目一杯力の限り肩ごと引き抜いた。 「やっぱり、不死身なのか、こいつ……!?」 栓を開けたように血が噴き出し、両腕を?がれた西洋の少女の姿は猟奇的な美しさをも醸し出す。さらに冒涜的なのは、人であれば生を留めぬ歪な変形を強要されながら、肉体は既に捻じれた首の修復を自動で行っていた事だ。 奪われた腕の代わりに首は元の位置へと再生し、己の血でまみれながら、頬まで裂けそうなまでの笑みで魔女は悟飯に微笑む。 更に血は、液状から硬質化し刃へと変質し、宙を舞い悟飯へと降り注ぐ。 「こんなもの」 手を翳し、気功波で全ての刃を撃ち抜き蒸発させる。 気の波が放出を終え、視界が開けた時、魔女は片腕の再生を終え黒い爪をその喉元へ付き立てんと肉薄していた。 避けるまでもない。魔女の魔手が届くより先に悟飯がリーゼロッテの懐へと迫り、その右拳を首元へと振るう。 リーゼロッテの自己申告を信じる訳ではないが、乃亜が殺し合いを成立させる為に首輪という枷を選んだ以上、それを外す事が可能となる首元への再生は阻害されるはずだ。 この一撃で、この禍々しい災厄の魔女を終わらせ、一人でも多くの犠牲者を減らす。そのような魂胆で放たれた拳から伝わるのは、肉を抉る感触ではなく―――。 「く…口で……」 美柑は信じられないものを見たショックで、声を震わせ思わず口を手で抑え悲鳴を殺した。 「こ、の……!!」 リーゼロッテは腰を屈め、口を大きく開けて悟飯の拳を歯で受け止めたのだ。 上下の歯は圧し折れ、砕け散り、削れ、その口は拳の大きさまで引き千切れ、頬は破れ、顎は外れ人間の開口する可動域を大きく上回る程こじ開けられている。 首の骨も乾いた音と共に罅割れ、だが悟飯の拳を止め、無惨なありさまになった顎の力で、固定してみせていた。 鼻から下は、血だらけのむき出しの骨と肉が露わになるなか、その双眸は悪戯に成功したような、あどけない無邪気さを秘めていた。 そして、再生を終えたもう片方の手と共に、地から這い出た悪霊のように手を伸ばす。 「うおおおおおォォォォォ!!!」 腕に気を集め、悟飯は腕力を底上げし全体重を乗せ、リーゼロッテの顎を殴り千切る。 めきめきと、骨が割れる音と皮と肉が捩れる水っぽい音が響く。下顎を抉られ、リーゼロッテは上顎のボロボロになった赤黒い口内を晒した。 痛みを感じないよう、痛覚が遮断されているのか。だからこそ、あんな苦痛を伴う戦い方を好んで行えるのか。 つまるところ、こちらの反応を楽しんでいるのだろう。己の体の異常性を見せ、それに畏怖をさせることを面白がっている。 「……もういい加減、本気を出したらどうだ」 まるでそれを見越したように、心底つまらなそうに悟飯は言った。 「そうね……まるで驚いてくれないんだもの。からかい甲斐がないわ」 再生を終えた口で、リーゼロッテは言葉を紡ぐ。 どんな猛者も不死の魔女には、相応に反応してくれたものだったが、悟飯のそれは慣れたものだった。 かつて戦った相手の中で、不死身の敵も居たのだろうか。 もし居たのなら、どう殺したのか問い詰めたいものだが、それに答えてくれる雰囲気でもない。 それに、このまま戯れを続けるのも飽いた。 「とても強くて、度胸もあって、勇敢な貴方に敬意を表して―――甘美な絶望に沈めて、殺してあげる」 幻燈結界(ファンタズマゴリア)を試すには丁度いい。 両手を翳し、魔力を込める。 やはり、普段以上に魔術の行使に手間が掛かる。特に幻燈結界には膨大な魔力と、戦闘時には長すぎる溜めが要る。 こうしてわざわざ時間を掛けねばならない為、多用は現実的ではなく、魔力の制限もあり連発も不可能、魔術の行使後に長時間の維持も無理だろう。 だが、悟飯は手を出す様子もなく、ただそれを見つめていた。 余裕のつもりか。この手の命知らずは、何人も見てきた。この少年も、卓越した強さから来る驕りに陥っているのだろう。 実験の鼠には丁度いい。 「か……め……」 対する悟飯は動じない。仁王立ちのまま、必殺の奥義の名を淡々と紡ぐ。 奴が不死身だとしても、再生が追い付かない程の圧倒的なエネルギーを叩き付けてやれば、殺せるはずだ。 セルのように体にコアがあるのなら、全身を破壊し尽くしてやるのも非常に効果的でもある。 大技勝負に持ち込んでくれたのは、悟飯としても望むところだった。 「は……め…」 それにだ。目の前の敵を前にして、大技を打ち合う緊迫感。 少しだけ、心が躍っていた。 この瞬間だけは、少女を守る為に戦うという建前がある。彼女から向けられる恐怖を、戦いで忘れることが出来る。 「なに、ぼさっとしてんねん! はよ逃げるで悟飯!!」 二者の激突に割り込むように、ケルベロスが声を荒げながら飛んできて悟飯を叩いた。 「な…なんですか……?」 「アホンダラ!! あれは黒魔術とかのそっちの系統のアカン魔術や! 分かりやすく言うたら呪いみたいなもんや、ひたすら災いやら不幸やらまき散らす傍迷惑で害悪なもんなんやで!! あれの効果が何かまでは知らんが、あんなもん触れんのが一番や!!」 長年魔術に触れてきたケルベロスには、例えそれが平行世界の魔術であっても、リーゼロッテの放つ幻燈結界の悪辣さと危険さを予見できていた。 クロウリードとは違い、あの少女は他社に災いを振り撒くために、誰かを傷付ける為に想像もできない程の膨大な時間を費やし、魔術を修めている。 まず、あんなものは関わるより先に逃げるが勝ちだ。 「……そんな呪いごと、あいつを消し飛ばしてみせますよ。あんな殺し合いに乗る奴がいるから、ユーイン君もスネ夫君も死んだんです……。 こんな奴は、ここで……奴の必殺技を破ってプライドを粉々にへし折ってから、殺してやる……!!」 数時間前に失くした幼い二人の命、殺し合いを開いた乃亜もだが、やはり許せないのはあんな口車に平気で乗り、人をゴミのように殺す殺人者達だった。 シュライバーに対し、思い返すだけで、爆発しそうな憎しみが沸く。今は目の前の魔女に対してもだ。 そんな奴等には、ありったけの力を解放し徹底的に痛めつけてやらなくてはいけない。 「ドアホウ!! そこまでして喧嘩に勝ちたいんか! 美柑守るのが目的とちゃうんか!! 手段と目的が入れ替わっとるやんけ!」 その小さな腕を全身で動かし、ほぼ突撃に近い体制でケルベロスは悟飯の頬にビンタを食らわした。 「悟飯が良くても、美柑が巻き込まれて酷い目合うゆうてんのや!!」 「―――ッ!?」 特に痛みはない。ただくすぐられたようなこそばゆさを感じ、悟飯は僅かに硬直した。 「……………………くっ」 「ぐえ!」 我に返ったように、ケルベロスを掴みランドセルに放り込む。それから後ろで怯えて震えていた美柑の元まで駆け寄り、承諾も得ないまま彼女を担ぎ上げる。 「馬鹿ね、もう遅いわ―――幻燈結界(ファンタズマゴリア)」 「スピードには自信があるんだ!!」 幻燈結界が完成するその間際、全身の気を爆発的に高め悟飯は美柑を連れ、この場から一気に離脱した。 悟飯が空中に飛び立ち、舞空術を使用する。制限により、ほんの僅かな時間のみの限定的な行使しか許されないが、スタートダッシュにより加速には十分活用できる。 「ちっ……なんて速さ…それに煩わしい制限ね」 幻燈結界の効果範囲が本来の距離より遥かに縮小されている。 その為、ほんの数㎝、僅かに幻燈結界の範囲外にまで離れた事で、悟飯達に幻覚を見せる事は叶わなかった。 既に悟飯達の姿も見えない。本人の言う通り、速さも大したものだ。 あれなら、海を渡るのに乗り物も必要ないわねと、リーゼロッテは苦笑を漏らした。 「効果範囲を見極められただけでも、良しとしましょうか」 特段、急ぐ必要もない。むしろ殺し合いはここからだ。ここから、大勢の子供達が精神を疲弊する。 その方が、幻燈結界も効き目は高い。 一度発動すれば、相手の心を読み、ある時は悪夢を見せ、ある時は理想郷すら幻の中で創り上げる最強の魔術の一つ。 精神を摩耗した参加者を相手に使用すれば、その心を弄び、凌辱し、甚振り、残忍に殺すなど容易い。 だが、行使にはそれだけの重い縛りが課せられていた。 「……あの炎」 適当に夜空を眺めてた時、海馬コーポレーションの方角から炎が迸るのが、小さく死人で来た。 こんな真夜中で、街灯もつかぬ暗闇だ。普段ならば誰も気づかないであろう炎は、今は暗闇の中でやけに目立って見える。 「眼鏡の小僧が居る方向もあの辺だったかしらね」 思い返せば、野比のび太達と一戦交えたエリアと海馬コーポレーションはそれなりに近い。 もしかしたら、のび太達がまたもや誰かと、交戦しているのかもしれない。 万が一、あの少年が生き延びたのなら、それでも精神に大きな傷は負っているに違いない。 その傷を抉るように、幻燈結界の実験がてら、遊んでやってもいいだろう。 「フフ…生きていられたらの話だけど」 【一日目/黎明/H-6】 【リーゼロッテ・ヴェルクマイスター@11eyes -罪と罰と贖いの少女-】 [状態]:ダメージ(大、再生中)、疲労(中) [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品×2、羽蛾のランドセルと基本支給品、寄生虫パラサイド@遊戯王デュエルモンスターズ(使用不可) [思考・状況]基本方針:優勝する。 1:羽蛾は見つけ次第殺す。 2:野比のび太も見つけ次第殺す。 [備考] ※参戦時期は皐月駆との交戦直前です。 ※不死性及び、能力に制限が掛かっています。 ※幻燈結界の制限について。 発動までに多量の魔力消費と長時間の溜めが必要、更に効果範囲も縮小されています(本人確認済み)。実質、連発不可。 発動後、一定時間の経過で強制解除されます(本人未確認)。 「う、ぐ……お、え……げほっ……!」 リーゼロッテから逃げ延びた後、悟飯が周りの安全を確認し美柑を降ろし、そして緊張の糸が切れた瞬間に激しい吐き気に襲われ嘔吐した。 数十分前に飲んだレモンティーと胃液と内容物が入れ混じった液体が吐き出され、その不快な匂いが鼻腔を刺激する。美柑の艶めかしい唇を吐瀉物と唾液が汚していく。 その嘔吐はリーゼロッテに対する生物的な嫌悪感からだった。自らの肉体の損壊を笑みすら浮かべ、楽しんで見せ付けてくるあどけない少女のグロテスク光景に、美柑は嫌悪感を示してしまった。 あの生々しい血飛沫と、肉を突き破って飛び出した白い骨、赤黒く飛び散る血肉の数々。思い起こすだけで、気持ち悪くなってくる。 「しっかりせえ、美柑……」 苦しそうな美柑の背中をケルベロスが小さな手でさする。 「あ…あの…美柑さん……」 狼狽える悟飯に答える余裕もなく、美柑吐き気に悶え返事が出来ない。 (そっか……わたし、リトでもない男の子に…おしっこ漏らしちゃったところも…ゲロ吐くところも見られちゃったんだ……最悪じゃん) 情けなくて、汚くて、臭くて、そんな人に見られてはいけないものを、もう二回も見られてしまった。 そう意識すると、瞳に涙が溢れ視界が歪んで見えてくる。 こんなこと、死んでしまったスネ夫やユーインに比べれば全然マシな方で、それなのに自分勝手に不幸だとか思ってしまう自分自身に嫌悪し、悲しくなって。 「ぅ、ぁ…う、ぅ……」 口からは吐瀉物の代わりに嗚咽が漏れ、頬を涙が伝う。 もう、何かもが嫌だった。 凄く気を遣ってくれている悟飯に、ぎこちない対応しか出来なくて、人が死んでるのに、彼に恥ずかしいところを見られたとか身勝手な事ばかり考える自分も。 平気で人が死んでいく、今の惨状も。 それを嘲笑いながら、楽しんでいる殺戮者たちも。 (わたし、もう分かんないよ……!) そして、そんな自分をずっと守ってくれる悟飯も。 とても、優しくて礼儀正しくて良い子なのに。戦うと凄く怖い。 さっきも、急に殺してやるなんて言い出して、怒りを露わにしながら、少し戦うのが凄く楽しそうに見えてしまった。 それはきっと気のせいだ。ただ、恐怖の中で美柑の中でバイアスが掛ったから、そう見えてしまっただけで、本当は必死で戦ってくれていたかもしれないのに。 ―――た…多分、お父さんも、そんな僕に嫌気がさしてるのかもしれません……。ぼ…僕なんか顔も見たくなかったのかも…… あの時の懺悔の告白には、重すぎる後悔が感じられて嘘ではないと美柑には思えた。 ―――こんな奴は、ここで……奴の必殺技を破ってプライドを粉々にへし折ってから、殺してやる……!! でも、あの怒りに満ちた言葉も嘘じゃない。 (どっちが……本当の悟飯くんなの……分からなくて、怖いよ……) あんなに優しく思えた男の子から、どうしてあんな憎悪に塗れた言葉が漏れるのか。 本当に同一人物なのか、ありえないのに美柑は疑ってしまう。 (……もう、無理……助けて、助けてよ……リト…怖いの、お兄ちゃん……) ――― 「あれは、しゃーないわ。わいからしても、あの女にほんまにビビり倒してもうたし、美柑がああなるのは仕方あらへん。 わいらは、ここで落ち着くの待ったろ。それも優しさや。まだ、悟飯には分からんかもしれんけどな、女の子は繊細なんや。男やし、喧嘩に夢中になるのは分かるが、もうちょい気を遣いや。 わいなんて、しょっちゅう、さくらに気を遣ってるさかい」 「は…はあ……」 「ええか? あと、魔術師との戦いは何も腕っぷしだけやあらへん。手数が腐る程あるジャンケンみたいなもんなんや、ヤバい時はヤバいと見極めな、何が起こるか分からへんで。 さっきの女みたいな奴の時は、無理して戦っちゃアカン。分かっとるか?」 ケルベロスの長い小言を聞きながら、悟飯は美柑の怖がり方や怯え方に動揺を隠せなかった。 今回は誰も死ななかった。だから、良かったとは言わないが、そこまで怖がらなくても……。ほんの少しだけ、悟飯はそんな風に思えてしまった。 今まで、悟飯が見てきた女性たちは、力が弱くて怖くても、例えばブルマは強い口調で言い返したり、母親のチチは時々実力行使に出るし、額にキスしてくれたクリリンの元カノのマロンちゃんも自由奔放過ぎた。18号も性格キツそうだし。 とにかく、悟飯の周りには気丈な女しかおらず、悟飯はそれを基準に考えてしまっていた。だからやはり、気遣おうにも美柑に上手く寄り添えない。 (どうしたら、いいんだ……僕の周りに居た女の人、みんな気が強すぎて参考にならないぞ……) 本当に分からない。美柑のような女の子をどう守ればいいのか、地球を守るよりも難しい。 もう、あまり小難しい事を考えたくないくらだい。ずっと戦っていた方が気が楽かもしれない。 また誰か、襲ってこないかな。 そんなことを考えてしまい、悟飯は自分自身に疑問を持つ。 自覚する程に、戦いへの抵抗が薄くなっている。 (ど…どうしたんだ一体……僕は……) 北条沙都子は、特に何の懸念もせず、それまでの雛見沢のようにいつも通り、悟飯にH173を盛った。 だがもしこれが、研究者である鷹野三四ならばこう推測しないだろうか。 雛見沢症候群の感染後のプロセスが、地球人とサイヤ人とで差異があるのでは、と。 人間の視点ではただの食糧でしかない玉ねぎなどは、犬猫からすれば毒であるように。また太古の生物にとって、酸素が本来は毒であったように。 生物の種によって、摂取したものが毒であるか否かは大きく変化する。 地球人、つまり雛見沢の住人たちの発症過程は十分なサンプルデータが揃っており、例外がでることはほぼありえない。 L1からL5+までの症状段階に分けられ、L5+に近づく程に末期症状となり、疑心暗鬼を悪化させ無差別な攻撃行為に出てしまう。 だがサイヤ人という、世界を越えた先の、更に宇宙人となれば、最早予知のしようがない。 そんなサンプルデータは、その世界の何処にも存在しないのだから。 それでも、十分な推理材料があれば予測は出来るだろう。 地球人と子を為せる程、DNA的には地球人に近い種族だが、若さを維持する期間が非常に長い。 上限はあるが死に掛ければ、そこからの回復で戦闘力が飛躍的に上昇する。 尻尾などがあり、条件を満たせば強力な大猿になり、優れた個体はスーパーサイヤ人という強化形態を取得し、ある場合では神の力すら取り込んだ形態を、ある場合では大猿の力を発展させた進化形態を。 共通するのは、サイヤ人という種は個体差も大きいものの、肉体が非常に戦闘という行為に特化し、またその精神性も戦いを非常に好みやすい。 やはり地球人とは異なる種なのだ。 雛見沢症候群は通常、地球人であれば疑心暗鬼を発端とし攻撃的になる。更に戦闘能力も飛躍的上昇しやすい。 高LVの発症者を見ると、身体機能も上昇している例が少なからずある。特に園崎詩音など、一度発症すれば雛見沢に於ける最凶の殺人者として、数多の人間を手に掛ける。 その異常性たるや、鷹野の計画を最も妨害している程だ。 つまり、攻撃性や戦闘機能を増加させるのであれば、戦闘に特化したサイヤ人に雛見沢症候群が干渉した場合、より戦闘に特化した変化を果たすのでは。 例えば戦闘行為を更に積極的に求め、もっと好戦的な思考に偏るといったように。 何なら、半分地球人の悟飯のことだ。従来の雛見沢症候群の症状も併発するかもしれない。 あくまで、もしかしたらの仮説ではあるが。 (シュライバーと戦ってから……き…気のせいか……) あるいは、全く別の可能性も考えられる。 戦闘民族としての性か、シュライバーとの戦いがきっかけで、悟飯のなかで戦いに対する変化が起きた可能性だ。 今までセルのように格下の相手を圧倒するか、逆にリクーム等の当時の格上相手に圧倒されるかの戦いが主であった。 そんな悟飯にとって、創造を繰り出したシュライバーという、全力を出した上で拮抗して戦える相手は初めてだった。 サイヤ人のDNAを持つ人造人間は、かつてこう言った。「戦いはこうやってある程度実力が近くなくては面白くない」と。 悟飯は生まれて初めて、実力が近い者同士の戦いの面白さを知ってしまったのだとしたら。 それがサイヤ人として、悟飯が辿る筈だった本来の世界線とは異なる、異質の変化を齎している可能性もある。 (しっかり……しないと……。 いま、戦えるのは……僕しかいないんだ。僕が美柑さんを守ってあげないと……お父さんと合流するまでは) 【H-7/1日目/黎明】 【孫悟飯(少年期)@ドラゴンボールZ】 [状態]:疲労(中)、ダメージ(小)、激しい後悔(極大)、SS(スーパーサイヤ人)、SS2使用不可、雛見沢症候群感染、普段より若干好戦的、悟空に対する依存と引け目 [装備]:ケルベロス@カードキャプターさくら [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2(確認済み、「火」「地」のカードなし) [思考・状況]基本方針:殺し合いを止める。 0:海馬コーポレーションに向かってみる。それからホグワーツも行ってみる。 1:お父さんを探したい。出会えたら、美柑さんを任せてそれから……。 2:美柑さんを守る。 2:スネ夫、ユーインの知り合いが居れば探す。ルサルカも探すが、少し警戒。 3:シュライバーは次に会ったら、殺す [備考] ※セル撃破以降、ブウ編開始前からの参戦です。 ※殺し合いが破綻しないよう力を制限されています。 ※SSは一度の変身で12時間使用不可、SS2は24時間使用不可 ※舞空術、気の探知が著しく制限されています。戦闘時を除くと基本使用不能です。 ※雛見沢症候群に感染しました。ただ発症はまだしていないため、特に変調はありません。 発症に至るかどうかは後続の書き手にお任せします。 ※原因は不明ですが、若干好戦的になっています。 ※悟空はドラゴンボールで復活し、子供の姿になって自分から離れたくて、隠れているのではと推測しています。 ※ケルベロスは「火」「地」のカードがないので真の姿になれません。 【結城美柑@To LOVEる -とらぶる- ダークネス】 [状態]:疲労(小)、強い恐怖、精神的疲労(極大)、リーゼロッテに対する恐怖と嫌悪感(大) [装備]: [道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3(確認済み、「火」「地」のカードなし) [思考・状況]基本方針:殺し合いはしたくない。 0:海馬コーポレーションに向かってみる。それからホグワーツも行ってみる。 1:ヤミさんや知り合いを探す。 2:沙都子さん、大丈夫かな…… 3:正直、気まずい。 4:リト……。 [備考] ※本編終了以降から参戦です。 【ケルベロス@カードキャプターさくら】 孫悟飯に支給。羽があり空を飛んで喋る、小さなぬいぐるみのような生き物。 封印の獣として、稀代の魔術師クロウリードに創り出された存在で、長年大阪にいた影響で原作本編時点では関西弁であり、非常に陽気。 更に天然だが、決して魔術に対する知見は決して低くはなく、真の姿にはなれないが、魔術戦では支給品として所持者に的確なアドバイスが期待……できるかもしれない。 039 注意一秒死は一瞬 投下順に読む 041 勝ち負けは一瞬で決まる 時系列順に読む 009 さぁ誰かを、ここへ誘いなさい 孫悟飯 056 BATTLE ROYALE 命尽き果てるまで戦い続ける者たち 結城美柑 018 思い描くは、ひとつの未来 リーゼロッテ・ヴェルクマイスター 055 愛を示す術を失いかけても
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autolink CS/S28-054 カード名:不安げな眼差し 風間くん カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:3500 ソウル:1 特徴:《幼稚園》?・《優等生》? ジャンケンマーク:グー 【永】あなたのストックが4枚以上なら、このカードはアタックできない。 懐かしいって、そんなにいいものなのかな? レアリティ:R 14/04/16 今日のカード。