約 4,150,784 件
https://w.atwiki.jp/marurowa/pages/162.html
残されたものは一つ ◆Wott.eaRjU 「はぁ、どうなるのかな……僕」 デイバックを背負って、眼鏡を掛けた少年が暗闇を歩く。 彼は殺し合いが始まった直後、空き家に身を寄せていたが次第にもの寂しさを感じていた。 危険な事はわかるがそれでもせめて、周囲の光景が変化すれば気が紛れるかもしれない。 そう考え、彼は襲われてもいつでも逃げられる準備をしながら、取り敢えず線路を目印に沿って早足で歩いていた。 彼の名は桜田ジュン。現在はとある事情により所謂引き籠りを続けている中学生。 唐突にギラーミンという男により殺し合いに巻き込まれた現状。 まるで漫画やアニメのような筋書きに則った出来事をどうするか。 今のジュンが考えるべき事はその事だけであり、他の事については碌に考えが回らない。 只、もし参加者の中に警察の人が居れば自分を保護してくれるかもしれない――と、半ば願望に似た感情はあったが。 また、既にモンスターボールは説明書とやらを見つけ、使い方はわかった。 そのため思わぬ形で出す事になったエイバムことエーたろうとやらは、モンスターボールに戻してある。 但し、ジュンは滅多な事でなければモンスターボールを使う気はない。 気味の悪い紫の毛色、馬鹿でかい頭部と大きく発達した両耳、そしてまるで三つの指が生えたような長い尻尾。 猿の一種のように見えるがどれをとっても異常であり、ジュンの常識を超えている。 説明書に『ポケモンの一種』とは書いてあるものの、肝心のポケモンが何かは特に書かれていなかった 更にこれはギラーミンが用意した品の一つであり、必ずしも自分にとって得になるという保障もない。 よって必要以上にモンスターボールは使わない事を決め、今はズボンのポケットに収まっている。 「何か良い考えが浮かぶかとは思ったけど……駄目だ、何も浮かばない……浮かぶわけないだろ。 こんなわけわかんない場所じゃ……」 線路に則した歩道を、ある程度の辺りまで歩いた所で思わず零れた呟き。 歩行と思考、警戒に意識を傾け過ぎていたため此処がエリアF-1の中心である事も気づいていない。 また、最早時間の間隔すらも忘れかけ、ジュンは時計を取り出して確認する気にもなれなかった。 単身外へ出歩き始めた事を、後悔し始めるが既に時は遅し。 必死に周囲に気を配り、怪しい人間が居ないか探るが己の疲労が高まるばかりで、碌に安心も出来ない。 少し眼を放せばその間に……一度でもそう思ってしまえば恐怖心を拭いさるのは容易ではない。 段々と歩幅の間隔も狭まり、視線すらも俯きがちになっていた。 まるで自分には不釣り合いな、重い荷物を背負わされているような感覚がこびりつく。 投げ出したい。 さっさと何処かにでも投げ捨てて楽になりたい。 本音を言ってしまえばたった一言で終わってしまう。 元々体力にも自信があるわけではなく、ジュンが早々に根を上げるのは特に可笑しい話でもない。 だが、楽になりたいと言葉にするのは容易だが実際に行動へ移すとなるとわけが違う。 優勝してギラーミンに頼んでここから抜け出す? 考えるだけでも馬鹿らしい。 ジュンには人を殺す力もなく覚悟もなく、何より自分がそこまで行動力があるとは思っていない。 ならば楽になるにはどうするか。 思い当たる節はある事はある。 毎朝、姉が学校に行った後に一人で行う朝食で何度も耳にしたキーワード。 あの時は自分には関係のない話だと思っていた。 自分には自分の部屋という誰にも侵されない領域がある。 他の同世代の奴らとは違って、ずっと此処で生きていればいい。 自分達を放り出し、外国にでも行ってしまった両親達も流石に生活費ぐらいは、これからも送ってくれると思っていたから。 だから、今までのジュンには明確なイメージは出来なかった。 毎日毎日飽きもせずに、大勢の人が色々な方法で行っているらしい行為―― ――自殺という最後の手段を。 「――ッ」 無意識的に奥歯で自分の舌の感触を確かめた。 予想以上に弾力があるような気がする。 コリコリと、分厚いゴムを触ったのに近いような感じ。 いつだったかはわからない。 テレビかネットでは確か舌を噛み切れば、自分の命を絶つ事が出来るらしい。 切断面を境目に残った方の肉片が丸まり、そのまま喉を塞いでしまう。 酸素を吸いたくても吸う事は出来ずに窒息状態に陥り、やがて待つものは死という結末。 怖いとは思う。 きっと舌を噛み切ってしまった時には、口の中で苦い鉄の味が広がるに違いない。 美味い筈もない。 ただただ嫌悪を催す臭いなど、出来れば嗅ぎたくない。 だが、それでも映画のワンシーンで見かけるような拳銃や刃物での殺害に較べれば未だましではと思いもした。 嫌なのは一瞬の事。 只、あまり発達してない顎の力を使って、力の限り噛み潰せばいいだけ。 一思いにやってしまえば――この地獄から逃れる事が出来る。 しかし、ジュンの身体は一向に動きを示さない。 「……無理だよ、僕にはそんな度胸もないんだ……そんなものがあれば学校にだって……!」 そう。ジュンには自らの命を絶つ程の行動に伴う覚悟はない。 普段のジュンならば絶対に言わなかったであろう、自分の不登校に関しての弱音すらも吐き捨てた。 いつしか歩みは完全に止まり、その場に一人立ち尽くす。 まるで全身から力が抜けきった、抜け殻のような様子さえも今のジュンからは見て取れる。 耐え切れない不安を、どうにか振り落としたく思うが、ままならない。 代わりに崩れ落ちたのはジュンの身体。 遂には歩道の真ん中で頭を抱えながら蹲る。 全くの無防備と言えるその姿を親切心に注意してくれる者も居る筈もなく、ジュンもそこまで気が回らない。 確かに震え、自分の意に反するかのようにざわめくちっぽけな体躯を必死に抑えつけるのに意識を傾ける。 どうにもならない現実、止まらない恐怖や後悔、そしてふつふつと湧き上がる疑問。 何故、自分がこんな目に遭わないといけないのか。 答えらしい答えは見つからず、『運が悪かった』という言葉だけでは納得がいかない。 だが、いつまでも此処に留まるわけには、時間を無駄にするべきではない事もジュンはおぼろげに感じていた。 「兎に角、あの真紅とかいう人形に会おう……もしかしたら何か良い方法があるかもしれない……」 未だ共に過ごした日は浅い、奇妙な少女人形――真紅。 胡散臭い奴ではあるが、それでも赤の他人よりは信頼は大きい。 現実から目を背ける様に、たった一人だけの知人である真紅との合流をジュンは深く心に刻みつける。 そう思い始めた先にほんの少しずつ冷静さが蘇り、ジュンは大きく深呼吸を行い、やがてゆっくりと立ちあがった。 が、その時、視界に見慣れない影がある事にジュンは漸く気づいた。 「だ、誰――」 長身、黒髪の男。 パッと見ただけでも、男の着込んだ服装はジュンの常識ではあまり馴染みはない。 甲冑、西洋の騎士が着装する鎧に似ているが、それでいてどこか和の風味も漂わせる。 しかし、ジュンに男の外見についてあれこれ考える時間はなかった。 こうしている間にも、刻一刻とジュンには別の事について決断を迫れている。 男に対する疑問の声を上げ終わる前に、ジュンは無我夢中で右腕を突き出す。 自分でも驚くぐらいに早く、一度乱暴にポケットに突っ込んでから。 お目当てのモンスターボールを、焦りのために生じた汗に塗れた右手で掴み終わってから――ジュンは精一杯の威嚇を行おうとした。 理由は目の前の男が片手に握り締めた一物。 鋭い切っ先を引っさげた、赤黒い槍を男がジュンに向けて走ってきていたのだから。 『止まれ!』と、大声で叫ぶと同時にモンスターボールを使えば男の動きは鈍るかもしれない。 反射的に後ろへ身を傾けながら、ジュンはそう思い立ったが――ふいに彼の右腕に何かが走る。 そう。所詮、ジュンは只の中学生であり、彼の身体能力、反応の速さは男のそれらと比べものになっていなかった。 「う、うわあああああああああああああ!!」 絶叫。 冷静な状態なら、自分がこれほど大きな声を出せたのかと思う程に、ジュンの叫びが周囲に響く。 走ったものは電撃のような痛み、乱暴に己の一部を引き裂かれた感覚。 見れば自分の右手の甲から何かどす黒いものが更に赤みを帯びながら、生えている。 痛い。 声を出してしまう程に感じる痛みから、それは自分の右腕を刺し貫いた槍の矛先である事がわかった。 槍は右腕で掴んでいたモンスターボールごとジュンの右手を刺し貫き、モンスターボールの成れの果てからは不気味な液体が滴り落ちている。 そこで何が起きたか想像するだけでジュンは気分が悪くなり、密かに心の奥底で謝った。 何故なら、今のジュンには酷な言い方であったが自分の身の方が心配であったから。 「痛い! 痛い! 痛いよ……なんで、なんでこんなコトするんだ!? 僕が……一体何をしたって言うんだ!?」 男から一刻も早く離れるために、無我夢中に右腕を引き抜く。 幸いモンスターボールが衝撃を和らいでくれたせいか、ジュンの力でも引き離す事は出来た。 しかし、刺された右腕を己の身に引いた瞬間、更に傷口から大量の血を失い、ジュンの表情は思わず引きつった。 段々と肌からは血色が失われ、確実にジュンの命の灯を奪ってゆく。 必死に自分の不運さを言葉にして呪うが、男は答えない。 只、全身を伝う恐怖と痛みでグシャグシャに歪んだジュンの顔を凝視し、無表情に槍を構え直す。 ジュンが零れ落とすのは涙、男が零れ落としたように見えるのは一切の感情。 ジュンがしきりに放出するものは叫びに似た言葉、男が只、黙って秘めるものは明確な殺意。 無反応な男により一層の恐怖を覚えるジュンは、必死に助けを願い続ける。 誰でも良い。 出来るものならば誰か、誰かに自分を助けて貰いたい。 たとえ身なりは悪く、近寄りがたい大人でも構わない。 昔、テレビで見た事があるような、正義の味方が駆けつけてくれたらどんなに良いことか。 そう。今にも自分か名前も知らない男の後ろから駆け寄って――夢のような話をジュンは無性に信じたかった。 だが、ジュンの耳に、視界に飛び込んだものは彼が望んでいたものとは違っていた。 「――すみません」 誰に対して謝ったのだろう。 ジュンが疑問を抱いた矢先に、男が動いた。 速い。さっきよりももっと速い。 距離が近いせいなのかもしれないとおぼろげながらに思った。 右胸を押し潰すように迫ってきた痛みをハッキリと受け止めながら。 「あ――――」 不思議とあまり声は出ない。 いや、正しくは出す暇すらもなかった。 男が勢いを乗せて繰り出した剛槍――ゲイ・シャルグの切っ先がジュンの一点を突き進む。 真っ直ぐに差し出されたゲイ・シャルクがジュンの肉を裂き、赤一色に染まり、心の臓を貫く。 痛い。 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。 声に出して、この痛みを訴えてやりたいのにそれすらも行う力がない。 声の代わりに出たものは己の吐血。 身につけていたパーカーが朱色に染まり、口の中で苦味が広がる。 全身から大事な何かが抜けていくのがわかり、思わず掴むように手を伸ばした。 伸ばした手に広がる赤い血だまりをぼんやりと見つめ、ジュンは口をパクパクと動かす。 眼の淵からどろりと、感触の悪い液体が零れ出ているような気がしたがその流動は止まる事はなくジュンの頬を伝う。 それはゆっくりと、ジュンの全てを奪う痛みの速さと反比例の関係を保つかの如くに動き続ける。 やがて男は突き出した筈のゲイ・シャルグを、ジュンの胸から勢い良く引き抜く。 あまりにも悲痛な顔で泣き叫ぶジュンに同情したのか。 違う。 ジュンの代わりに抜いてやったかのように見えた動作には優しさは見られない。 只、これ以上は必要ないから、と告げるような淡々とした挙動。 付着した血を振り払うためかゲイ・シャルクを器用に振り、男は矛先を下に向ける。 そしてジュンの身体も動く。 ジュンが意識したわけでもないし、男がそう意図したわけでもない。 極自然に、既に両の脚では支えきれなくなり、ジュンはゲイ・シャルグの矛先に頭を向けて前のめりに倒れ伏す。 歩道に打ちつけたショックで額が切れ、更に出血が起きたのをジュンは息苦しさに咽びながら理解する。 両肩を震わせ、なんとか楽な体勢を取ろうと身体中をくねらせるがもうどうしようもない。 涙や唾液や胃液、そして鮮血が入り混じった溜まりに浸されながら、ジュンは何もかもが手遅れなのだと実感した。 (嫌だ……こんなの嫌だ…………) だが、受け入れたくはない。 このまま死にたくない。 未だ……生きたい、自分の人生を歩みたい。 もしかすれば学校に行けるようになるかもしれない。 そんな自分の未来を少しでも見てみたい――言葉に出来ない、言葉にしたい希望が喉まで来ているのだがそれ以上押し出ようとはしない。 両腕を、グシャグシャに潰された右腕すらも足掻くように必死に動かす。 自分の下に広がる歩道帯に手を伸ばすが、柔土で出来ているわけでもなく碌に掴む事も叶わなかった。 その行動の末の結果が、自分の全てを否定されたような気がしてジュンの表情が一段と崩れる。 そう思った矢先に一際大きな嗚咽をあげて、込み上げていた赤黒いものを外へ吐き出す。 何も出来ない。 結局、何も出来なかった自分を再びちっぽけな存在なのだと確認し、ジュンはやがて身を委ねる。 見知っている人物の顔が順々に浮かんでは消えてゆき、これが走馬灯なのかとぼんやりと思いながら―― (僕は……………) ジュンの意識はゆっくりと深き闇へ沈んでいった。 【桜田ジュン@ローゼンメイデン:死亡確認】 ◇ ◇ ◇ 「先ずは一人、と言ったところでしょうか」 ジュンの命を奪ったゲイ・シャルグを携えて、彼のデイバックを漁って謎のカギと忍術免許皆伝の巻物仮免を手に入れた男がそう呟く。 ベナウィ。 それが男を示す名前であり、かつてはケナシコウルペという国の侍大将であり騎兵衆隊長としての肩書きも持っていた人物。 しかし、今のベナウィは違う。 現在はこの殺し合いの参加者の一人、ハクオロが治めるトゥスクルの騎士。 そして、ハクオロの生還のためにはどんな事も、どんな命も辞さない覚悟を返り血で染めた騎士甲冑を纏い、そう決めていた。 「後戻りなど出来ない、するつもりもありません」 何も抵抗してこなかった。 いや、抵抗出来なかったジュンの命を蹴落した事にも既に後悔はない。 態々奇襲という策は取らずに、真正面から挑んだのはベナウィの気真面目さによるもの。 自分が何をするまでもなく蹲っていたところ余程この状況に怯えていたのだろう。 無理もない。 ベナウィにも一切の動揺がないわけでもなかった。 突然突きつけられたこの状況は、特に年端もいかぬ少年や少女には耐えがたいものだと想像には難しくもない。 そんなあまりにも哀れな姿を見て、自分は凶槍を奮う頃合いを、若干遅れたと言われれば完全に否定出来る保証はない。 己の力を過信するつもりはないが、もしそうでなければもう少し早く終わらせる自信がベナウィにはあった。 だが、これからのベナウィにはそんな小さな迷いのようなものは絶対に生じないだろう。 何故なら、既に一人の命を奪う事はやり遂げた。 秘めた想いの果てに奮ったゲイ・シャルグで他人の命を引き換えに、己の為すべき事を為す覚悟は更に強まっている。 途中で断念する事は出来ない。 投げ出してしまえば、自分に肉と血を捧げる形となったジュンが報われない。 一国に仕える騎士や兵士ではなく、守られるべき存在であったジュンには殺される覚悟もなかっただろうから。 やがて惨劇が行われた路線を沿うのを止め、ベナウィはある建物の前で立ち止まる。 それはエリアE-2に位置する一つの駅。 ベナウィの住む世界には駅という施設はなく、列車という概念もない。 故にベナウィは興味があった。 駅たる施設には一体どういう意味合いが隠されているのだろう。 騎馬の一頭でも其処で繋がれているかもしれない。 もし現実の話であるならば騎兵であるベナウィにとってこの上なく利点がある。 気づいた時は既に歩き始めてかなり経っており、エリアD-1の辺りを歩いていた。 更に此処は慣れない地形のため、先ずは最寄の駅とやらに続く道に辿り着き、其処を辿って目的地を目指す。 時間が制限されているわけでもなく、確実に迷う事のない道を取り、ベナウィは歩き、そしてジュンと出会ったというわけだ。 入り口に足を踏みしめ、ベナウィは駅内に侵入する。 「この身が朽ち果てる、その時まで――必ず」 そこに迷いはない。 【E-2 駅入り口 1日目 釈明】 【ベナウィ@うたわれるもの】 [状態] 健康 甲冑に返り血 [装備] 破魔の紅薔薇(ゲイ・シャルグ)@Fate/Zero、腰に和道一文字@ONE PEACE [道具] 支給品一式 シゥネ・ケニャ(袋詰め)@うたわれるもの 忍術免許皆伝の巻物仮免@ドラえもん 謎のカギ [思考・状況] 1 聖上を生き残らせるため、殺し合いに加担 2 かつての仲間を優先的に殺したい 3 駅内を探索する。出来れば馬も欲しい。 ※破魔の紅薔薇:あらゆる魔力の循環を遮断する事が可能で、対象に刃が触れた瞬間その魔術的効果をキャンセルする。ただし、魔術そのものを根元から解除するわけではない。破壊される、触れてから一定時間経過などすると効果は解除される。 ※『忍術免許皆伝の巻物仮免@ドラえもん』 ハテノハテ星雲にあるアミューズメントパーク・ドリーマーズランド における忍者の星における忍者の免許皆伝のための実地試験の 忍術が少し使えるようになる巻物。使える術は次の3つ 壁抜けの術 その名の通り壁をすり抜ける事が出来る。しかし厚すぎる壁は越えられない バッタの術 バッタのように高く飛ぶことが出来る。だいたい一般家庭における屋根裏までが限度 ネズミ変化の術 少しの間、小さなネズミの姿になることが出来る。ある程度時間がたつと元の姿に戻ります。 ※『謎のカギ』 詳細不明、何のカギでどこに使うのかは後続の書き手におまかせします。 「あーさむさむ……なんでワイがあんな目にあわなあかんねん!」 黒スーツ、いかにも堅気の職に就いてないと言わんばかりの風貌の男が愚痴る。 両肩を抱く様にトボトボと歩く男はウルフウッド、ニコラス・D・ウルフウッド。 世界を渡り歩く巡回牧師は表の顔であり、裏の顔は一流の殺し屋。 GUNG-HO-GUNSの一員、ミカエルの眼で殺人術を叩きこまれた男だがウルフウッドは此処に来て以来災難に見舞われている。 けったいな殺し合いに巻き込まれたと思えばいきなりのダイブ。 水。それもかなり冷たい水が張り巡らされた湖への理不尽な突入。 当然、身体中は水浸しになり、折角支給された銃器も使いものにならなくなった。 無事であった円盤は何故だか使う事も出来ずに、全くどうしようもない。 やばい。代謝機能の異常強化により、そこらのトーシローよりしぶとく生き残る自信はある。 だが、武器がなければ心細い。 そう。心細過ぎる。 知り合いの金髪トンガリのノーテンキな奴は『な、なんとかなるさ!』とでも言うかもしれないが、生憎ウルフウッドは違う。 きっちりと身の装備を整えて、たとえば敵に対し頭に二発、心臓に二発銃弾を叩き込めるような準備はしておきたいものだ。 「べーくっしゅい! あーあかん、風邪でも引いたらどないしてくれるんじゃボケェ!」 よってウルフウッドは、何処かに手頃な武器はないかと、辺りを手当たり次第に散索していた。 ちなみに地図はよれよれで、文字の所々が消えており、良く眼を凝らせば何処に何があるかはわかる。 そのため自分が居る位置はわかっていたが、特にこれといって目的地もない。 そんな時、ウルフウッドはふと疑問に思った。 地図の端はどうなっているのだろう、と。 そのまま此処から脱出でも出来たら儲けの至り。 まあ、そんな甘い話は転がってないだろうとは思うが、ウルフウッドは取り敢えず試していた。 湖に落ちたのはエリアE-8、其処から東に向けて前進。 途中で小さな河川を通って歩きやすそうな道路を踏みしめて、また前進。 未だ完全に水気は抜けず、ひんやりとした冷たさを感じながらも、またまた前進。 どうなるかはわからないが、やばいと感じれば一目散に逃げればいいだけの話。 逃げ出す事はウルフウッドにとって慣れ親しんだ行為であり、身体が覚えている。 平和ボケのトンガリ――ヴァッシュ・ザ・スタンピードと馬鹿をやり合った旅で何度もそんな羽目に陥った。 そう。何度も何度もやってられるかー!と叫んだ旅の中で。 「まあ、なんや。トンガリは……多分大丈夫やろ。あいつはそうそう死ぬタマやあらへんし」 そしてヴァッシュもこの殺し合いに呼ばれている事は、デイバックに入っていた名簿でわかっている。 一言で言えば甘い男。 ウルフウッドにとってはあまりにも危うく、己の命を今にも投げ捨てそうな様子さえある。 たとえ全身に銃弾を受けたとしても、一つの愛を、誰かの幸せを守れればそれでいい。 本気でそう思っているような男だが、ヴァッシュの銃の腕は抜きん出ており、他にも様々な力を保持している。 GUNG-HO-GUNSの一人、『チャペル』という名で呼ばれるウルフウッドはヴァッシュを彼の兄、ナイブズの元へ連れてゆく仕事があった。 故にこんな良くわからない場所でのヴァッシュの死は避けておきたい。 気に掛かるのはヴァッシュが誰か見ず知らずの他人ですらも庇い、己の命を散らせるような事を仕出かす事だ。 殺し合いをしろと宣告されているため、異常な状況に慣れていない人間には激しく動揺している者も居るだろう。 慎重に行動しなければ後ろからバッサリと……いっても可笑しくはない。 幾らヴァッシュといえども首を切られるなどの致命傷を受けてしまえば、彼とて死からは免れないであろうから。 流石に向こう見ずな行動は取らず、少しは慎重に動くだろうとウルフウッドは推測する。 「……あかん、前言撤回や。ムッチャ想像出来るで、おい……」 だが、ウルフウッドが見せたものは冷や汗が流れ始めた表情。 自分では否定したものの、一瞬でその自信は何処かへ消え去ってしまった事によるもの。 幾ら状況が過酷なものであっても、ヴァッシュはやる。 一人でも多くの人間を守るためには、どんな痛みすらもヘラヘラとした笑いで誤魔化す。 そう。ヴァッシュはそういう男なのだ、とウルフウッドは次第に呆れ返ったような顔をつくりながら、確認するように胸中で思う。 やがてヴァッシュの事より、一人の男の方をウルフウッドは考えだした。 名簿に載っていた、ウルフウッドが知っているもう一人の名前の事を。 「それよりも、リヴィオ……生きておったんか」 リヴィオ・ザ・ダブルファング。 いつも泣いてばかりであったが、優しい心を持っていた少年。 ウルフウッドと同じ孤児院で育ち、そしてある事件を境目に姿を消してしまった男。 『ザ・ダブルファング』という名称にウルフウッドには聞き覚えがないが、どうにもあの泣き虫リヴィオの気がしてならない。 そして同時に嫌な胸騒ぎがしていた。 孤児院から殺し屋養成の人材として引き取られ、やがて名前を貰った自分のように――。 これ以上、自分のような殺すためだけの全てを注ぎ込まれた人間が出せないためにも。 そう思い立ち、己の師であり諸悪の根源でもあった、マスターチャペルを事故に見せかけて殺したのは遅すぎたのだろうか。 答えは一向に出ず、それが遅すぎたと言われるのもウルフウッドにはどうにも堪えられない。 兎に角、このリヴィオ・ザ・ダブルファング――恐らくあのリヴィオに間違いない――には必ず会うべきだ。 堅く心に留め、歩き続けていたウルフッドはやがて行き着く。 数十分前程に、敢え無く命を落とした桜田ジュンの元へと。 「……運が悪かったな、坊主」 ウルフウッドが足を止めたのは一瞬の事。 もう少し早く此処に着いて居ればジュンの命を救えたかもしれないが、関係ない。 確かにジュンは未だ若い年齢であり、不憫だとは思うがウルフウッドとは接点はゼロ。 所詮、他人が一人死んでしまっただけの事であり、ウルフウッドは仇打ちをしてやろうなどという気はこれといって起きなかった。 そう。自分の生を生きるだけで精一杯なのに、他人の事にまで首を突っ込むなど自殺行為に等しい。 良くも悪くもヴァッシュとは反対の価値観の持ち主であり、それゆえにウルフウッドは次の行動に移る。 ランタンを取り出して、辺りに小さな光を齎す。 光に浮かんだジュンの姿を確認。 しっかりとデイバックを背負っている事も見て取り、ウルフウッドは近寄った。 中腰の体勢でうつ伏せに倒れているジュンの遺体の後ろへ手早く回る。 密かに、こっそりと『堪忍なぁ』と小声でジュンに謝りながらウルフウッドは何か銃器を得るために、荷物漁りを始めた。 「あかんか、そらぁ持ってたとしても殺ったヤツが持っていたんやろなぁ……」 デイバックを器用にジュンの身体から取って、探ってみるが碌なものはない。 残っていた名簿や地図は一応回収したが、一丁の拳銃も見当たらない。 着用していた衣服も調べた所、ご丁寧に『桜田ジュン』と女の字で書かれたため、名前はわかったがどうでもいい。 予想していた事だが、現実を突きつけられるとショックはあるものだ。 ならばもういいだろう。 そう思い、デイバックをジュンの背中にでも戻してやり、立ち去ろうとウルフウッドは顔を上げようとする。 そんな時、ふとウルフウッドの視界に映るものがあった。 「ん? なんや……」 力なく倒れたジュンが伸ばした左腕の先に赤い線が走っているのをウルフウッドは見つける。 赤い線の正体は言うまでもなく、滴り落ちた血液。 ジュンの胸部を起点として円心状に広がっている血だまりによって、指にでも血液が付着したのだろう。 ウルフウッドは血の線が何かの文字を描いているように見えた。 死ぬ前に何かメッセージでも残したのだろうか。 たとえば自分を殺した人物への恨み事が、それともその人物の名前か。 若しくは只、簡潔に『死にたくない』といったような自分の不運さを嘆いたものかもしれない。 死者が最期に遺した言葉を見てやろうなど、あまり趣味の良い話ではないがウルフウッドは一応牧師の職に就いている。 ついさっき死んだと思える人間が果たして、どんな気持ちであの世とやらに逝ったのか。 小さな興味ではあるが、どうせ荷物漁りまでもやってしまったのだから、とウルフウッドはランタンを向ける。 ハッキリと、地面に何が書いてあるのかを確認するために。 きっと力がなくなっていく身体を無理に使い、書いたのだろう。 所々、不自然に歪んで汚い字ではあったがウルフウッドはその両眼で、その血文字を焼きつけた。 ――『おねえちゃん』と書かれた文字を 「――ッ!」 なんでもない。 きっと仲の良い姉に宛てた言葉だったのだろう。 そうだ。服に態々名前を書いてくれる程に世話焼きの姉への言葉に違いない。 ありふれた文字であり、なんら可笑しくはない。 だが、ウルフウッドは自身でも驚くほどに衝撃を覚えた。 「あかん……あかんぞ、ニコラス。オドレはもう手一杯なんや、銃も碌に持ってないオドレが……あのトンガリのような真似は無理やろうが!」 思わず上げた叫び声。 現実を見定めろという声と、激しい感情を訴える自分の声が正面からぶつかり合う。 死んだ少年が桜田ジュンだとわかったせいではない。 そんな名前は聞いた事がないし、ウルフウッドが気に留める事はない。 只、考えるだけで全身が震えてしまった。 万が一の話だ。もし死んでしまったのがあの孤児院に居た誰かだったら。 いつも一人ではトイレに行けず、自分に連れて行ってくれるように頼んだ少年でもいい。 猫を追いかけて、屋根にまで上ってしまい、泣きべそをかいたあの少女でもいい。 あの中の誰かがこんな風に死んでしまったら。 憐れむ程にか細い文字で遺したら。 『二コにぃ』と、自分に対しての最期の言葉を遺したら、果たして自分は何を想うだろう か―― きっと――解き放つだろう。 滾らせて、あまりにも膨張させた想いを連ねて拳を叩きつけるに違いない。 しかし、その事はジュンの死とは関係ない。 そう。関係ない筈なのだが――ウルフウッドはなかなか落ち着かなかった。 やがて、ウルフウッドは徐に立ち上がる。 両の拳は固く握りしめ、鋭い眼光は雄々しさを印象付けるもの。 そう思いきや、ウルフウッドは踵を返し、歩き出す。 「ええか、今回だけや。乗りかかった船や……期待せんで待っとれ。 なぁ、坊主……」 何でも一人で背負い込む子と、親代わりの保母にかつて評された男が。 一人の少年が最期に残した言葉に、風変りな男がこれまた風変わりな形で応える形となる。 そう。ウルフウッドにとって危険と成り得る人物。 ウルフウッドの言葉は、そこに名も知らない一人が新たに入った事を意味していた。 【F-1/中心部/一日目/黎明】 【ニコラス・D・ウルフウッド@トライガン・マキシマム】 [状態]:健康 [装備]: [道具]:基本支給品(地図と名簿は二つずつ) デザートイーグル50AE(使用不能) SPAS12(使用不能) スタンドDISC『スター・プラチナ』 [思考・状況] 1:襲われたら返り討ち、必要以上に危険な事に首は突っ込まない。 2:ヴァッシュとの合流、リヴィオとの接触 3:ジュンを殺害した者を突き止め、状況次第で殺す。 4;武器を手に入れる、出来ればパ二ッシャー 【備考】 ※リヴィオは自分が知っているリヴィオだと思っています。 ※まだループには気づいていません ※どこへ行くかは次の方にお任せします。 ※参戦時期は未定です 時系列順で読む Back 輪廻-ロンド- Next 一人では解けない 真実のパズルを抱いて。 投下順で読む Back 輪廻-ロンド- Next 一人では解けない 真実のパズルを抱いて。 一人の夜 桜田ジュン 死亡 あり得る事、成し得る事、求め得る事…… ベナウィ 想いは簡単に届かない ニコラス・D・ウルフウッドの受難 ニコラス・D・ウルフウッド ネズミの国
https://w.atwiki.jp/multiple/pages/79.html
残されたものは一つ ◆Wott.eaRjU 「はぁ、どうなるのかな……僕」 デイバックを背負って、眼鏡を掛けた少年が暗闇を歩く。 彼は殺し合いが始まった直後、空き家に身を寄せていたが次第にもの寂しさを感じていた。 危険な事はわかるがそれでもせめて、周囲の光景が変化すれば気が紛れるかもしれない。 そう考え、彼は襲われてもいつでも逃げられる準備をしながら、取り敢えず線路を目印に沿って早足で歩いていた。 彼の名は桜田ジュン。現在はとある事情により所謂引き籠りを続けている中学生。 唐突にギラーミンという男により殺し合いに巻き込まれた現状。 まるで漫画やアニメのような筋書きに則った出来事をどうするか。 今のジュンが考えるべき事はその事だけであり、他の事については碌に考えが回らない。 只、もし参加者の中に警察の人が居れば自分を保護してくれるかもしれない――と、半ば願望に似た感情はあったが。 また、既にモンスターボールは説明書とやらを見つけ、使い方はわかった。 そのため思わぬ形で出す事になったエイバムことエーたろうとやらは、モンスターボールに戻してある。 但し、ジュンは滅多な事でなければモンスターボールを使う気はない。 気味の悪い紫の毛色、馬鹿でかい頭部と大きく発達した両耳、そしてまるで三つの指が生えたような長い尻尾。 猿の一種のように見えるがどれをとっても異常であり、ジュンの常識を超えている。 説明書に『ポケモンの一種』とは書いてあるものの、肝心のポケモンが何かは特に書かれていなかった 更にこれはギラーミンが用意した品の一つであり、必ずしも自分にとって得になるという保障もない。 よって必要以上にモンスターボールは使わない事を決め、今はズボンのポケットに収まっている。 「何か良い考えが浮かぶかとは思ったけど……駄目だ、何も浮かばない……浮かぶわけないだろ。 こんなわけわかんない場所じゃ……」 線路に則した歩道を、ある程度の辺りまで歩いた所で思わず零れた呟き。 歩行と思考、警戒に意識を傾け過ぎていたため此処がエリアF-1の中心である事も気づいていない。 また、最早時間の間隔すらも忘れかけ、ジュンは時計を取り出して確認する気にもなれなかった。 単身外へ出歩き始めた事を、後悔し始めるが既に時は遅し。 必死に周囲に気を配り、怪しい人間が居ないか探るが己の疲労が高まるばかりで、碌に安心も出来ない。 少し眼を放せばその間に……一度でもそう思ってしまえば恐怖心を拭いさるのは容易ではない。 段々と歩幅の間隔も狭まり、視線すらも俯きがちになっていた。 まるで自分には不釣り合いな、重い荷物を背負わされているような感覚がこびりつく。 投げ出したい。 さっさと何処かにでも投げ捨てて楽になりたい。 本音を言ってしまえばたった一言で終わってしまう。 元々体力にも自信があるわけではなく、ジュンが早々に根を上げるのは特に可笑しい話でもない。 だが、楽になりたいと言葉にするのは容易だが実際に行動へ移すとなるとわけが違う。 優勝してギラーミンに頼んでここから抜け出す? 考えるだけでも馬鹿らしい。 ジュンには人を殺す力もなく覚悟もなく、何より自分がそこまで行動力があるとは思っていない。 ならば楽になるにはどうするか。 思い当たる節はある事はある。 毎朝、姉が学校に行った後に一人で行う朝食で何度も耳にしたキーワード。 あの時は自分には関係のない話だと思っていた。 自分には自分の部屋という誰にも侵されない領域がある。 他の同世代の奴らとは違って、ずっと此処で生きていればいい。 自分達を放り出し、外国にでも行ってしまった両親達も流石に生活費ぐらいは、これからも送ってくれると思っていたから。 だから、今までのジュンには明確なイメージは出来なかった。 毎日毎日飽きもせずに、大勢の人が色々な方法で行っているらしい行為―― ――自殺という最後の手段を。 「――ッ」 無意識的に奥歯で自分の舌の感触を確かめた。 予想以上に弾力があるような気がする。 コリコリと、分厚いゴムを触ったのに近いような感じ。 いつだったかはわからない。 テレビかネットでは確か舌を噛み切れば、自分の命を絶つ事が出来るらしい。 切断面を境目に残った方の肉片が丸まり、そのまま喉を塞いでしまう。 酸素を吸いたくても吸う事は出来ずに窒息状態に陥り、やがて待つものは死という結末。 怖いとは思う。 きっと舌を噛み切ってしまった時には、口の中で苦い鉄の味が広がるに違いない。 美味い筈もない。 ただただ嫌悪を催す臭いなど、出来れば嗅ぎたくない。 だが、それでも映画のワンシーンで見かけるような拳銃や刃物での殺害に較べれば未だましではと思いもした。 嫌なのは一瞬の事。 只、あまり発達してない顎の力を使って、力の限り噛み潰せばいいだけ。 一思いにやってしまえば――この地獄から逃れる事が出来る。 しかし、ジュンの身体は一向に動きを示さない。 「……無理だよ、僕にはそんな度胸もないんだ……そんなものがあれば学校にだって……!」 そう。ジュンには自らの命を絶つ程の行動に伴う覚悟はない。 普段のジュンならば絶対に言わなかったであろう、自分の不登校に関しての弱音すらも吐き捨てた。 いつしか歩みは完全に止まり、その場に一人立ち尽くす。 まるで全身から力が抜けきった、抜け殻のような様子さえも今のジュンからは見て取れる。 耐え切れない不安を、どうにか振り落としたく思うが、ままならない。 代わりに崩れ落ちたのはジュンの身体。 遂には歩道の真ん中で頭を抱えながら蹲る。 全くの無防備と言えるその姿を親切心に注意してくれる者も居る筈もなく、ジュンもそこまで気が回らない。 確かに震え、自分の意に反するかのようにざわめくちっぽけな体躯を必死に抑えつけるのに意識を傾ける。 どうにもならない現実、止まらない恐怖や後悔、そしてふつふつと湧き上がる疑問。 何故、自分がこんな目に遭わないといけないのか。 答えらしい答えは見つからず、『運が悪かった』という言葉だけでは納得がいかない。 だが、いつまでも此処に留まるわけには、時間を無駄にするべきではない事もジュンはおぼろげに感じていた。 「兎に角、あの真紅とかいう人形に会おう……もしかしたら何か良い方法があるかもしれない……」 未だ共に過ごした日は浅い、奇妙な少女人形――真紅。 胡散臭い奴ではあるが、それでも赤の他人よりは信頼は大きい。 現実から目を背ける様に、たった一人だけの知人である真紅との合流をジュンは深く心に刻みつける。 そう思い始めた先にほんの少しずつ冷静さが蘇り、ジュンは大きく深呼吸を行い、やがてゆっくりと立ちあがった。 が、その時、視界に見慣れない影がある事にジュンは漸く気づいた。 「だ、誰――」 長身、黒髪の男。 パッと見ただけでも、男の着込んだ服装はジュンの常識ではあまり馴染みはない。 甲冑、西洋の騎士が着装する鎧に似ているが、それでいてどこか和の風味も漂わせる。 しかし、ジュンに男の外見についてあれこれ考える時間はなかった。 こうしている間にも、刻一刻とジュンには別の事について決断を迫れている。 男に対する疑問の声を上げ終わる前に、ジュンは無我夢中で右腕を突き出す。 自分でも驚くぐらいに早く、一度乱暴にポケットに突っ込んでから。 お目当てのモンスターボールを、焦りのために生じた汗に塗れた右手で掴み終わってから――ジュンは精一杯の威嚇を行おうとした。 理由は目の前の男が片手に握り締めた一物。 鋭い切っ先を引っさげた、赤黒い槍を男がジュンに向けて走ってきていたのだから。 『止まれ!』と、大声で叫ぶと同時にモンスターボールを使えば男の動きは鈍るかもしれない。 反射的に後ろへ身を傾けながら、ジュンはそう思い立ったが――ふいに彼の右腕に何かが走る。 そう。所詮、ジュンは只の中学生であり、彼の身体能力、反応の速さは男のそれらと比べものになっていなかった。 「う、うわあああああああああああああ!!」 絶叫。 冷静な状態なら、自分がこれほど大きな声を出せたのかと思う程に、ジュンの叫びが周囲に響く。 走ったものは電撃のような痛み、乱暴に己の一部を引き裂かれた感覚。 見れば自分の右手の甲から何かどす黒いものが更に赤みを帯びながら、生えている。 痛い。 声を出してしまう程に感じる痛みから、それは自分の右腕を刺し貫いた槍の矛先である事がわかった。 槍は右腕で掴んでいたモンスターボールごとジュンの右手を刺し貫き、モンスターボールの成れの果てからは不気味な液体が滴り落ちている。 そこで何が起きたか想像するだけでジュンは気分が悪くなり、密かに心の奥底で謝った。 何故なら、今のジュンには酷な言い方であったが自分の身の方が心配であったから。 「痛い! 痛い! 痛いよ……なんで、なんでこんなコトするんだ!? 僕が……一体何をしたって言うんだ!?」 男から一刻も早く離れるために、無我夢中に右腕を引き抜く。 幸いモンスターボールが衝撃を和らいでくれたせいか、ジュンの力でも引き離す事は出来た。 しかし、刺された右腕を己の身に引いた瞬間、更に傷口から大量の血を失い、ジュンの表情は思わず引きつった。 段々と肌からは血色が失われ、確実にジュンの命の灯を奪ってゆく。 必死に自分の不運さを言葉にして呪うが、男は答えない。 只、全身を伝う恐怖と痛みでグシャグシャに歪んだジュンの顔を凝視し、無表情に槍を構え直す。 ジュンが零れ落とすのは涙、男が零れ落としたように見えるのは一切の感情。 ジュンがしきりに放出するものは叫びに似た言葉、男が只、黙って秘めるものは明確な殺意。 無反応な男により一層の恐怖を覚えるジュンは、必死に助けを願い続ける。 誰でも良い。 出来るものならば誰か、誰かに自分を助けて貰いたい。 たとえ身なりは悪く、近寄りがたい大人でも構わない。 昔、テレビで見た事があるような、正義の味方が駆けつけてくれたらどんなに良いことか。 そう。今にも自分か名前も知らない男の後ろから駆け寄って――夢のような話をジュンは無性に信じたかった。 だが、ジュンの耳に、視界に飛び込んだものは彼が望んでいたものとは違っていた。 「――すみません」 誰に対して謝ったのだろう。 ジュンが疑問を抱いた矢先に、男が動いた。 速い。さっきよりももっと速い。 距離が近いせいなのかもしれないとおぼろげながらに思った。 右胸を押し潰すように迫ってきた痛みをハッキリと受け止めながら。 「あ――――」 不思議とあまり声は出ない。 いや、正しくは出す暇すらもなかった。 男が勢いを乗せて繰り出した剛槍――ゲイ・シャルグの切っ先がジュンの一点を突き進む。 真っ直ぐに差し出されたゲイ・シャルクがジュンの肉を裂き、赤一色に染まり、心の臓を貫く。 痛い。 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。 声に出して、この痛みを訴えてやりたいのにそれすらも行う力がない。 声の代わりに出たものは己の吐血。 身につけていたパーカーが朱色に染まり、口の中で苦味が広がる。 全身から大事な何かが抜けていくのがわかり、思わず掴むように手を伸ばした。 伸ばした手に広がる赤い血だまりをぼんやりと見つめ、ジュンは口をパクパクと動かす。 眼の淵からどろりと、感触の悪い液体が零れ出ているような気がしたがその流動は止まる事はなくジュンの頬を伝う。 それはゆっくりと、ジュンの全てを奪う痛みの速さと反比例の関係を保つかの如くに動き続ける。 やがて男は突き出した筈のゲイ・シャルグを、ジュンの胸から勢い良く引き抜く。 あまりにも悲痛な顔で泣き叫ぶジュンに同情したのか。 違う。 ジュンの代わりに抜いてやったかのように見えた動作には優しさは見られない。 只、これ以上は必要ないから、と告げるような淡々とした挙動。 付着した血を振り払うためかゲイ・シャルクを器用に振り、男は矛先を下に向ける。 そしてジュンの身体も動く。 ジュンが意識したわけでもないし、男がそう意図したわけでもない。 極自然に、既に両の脚では支えきれなくなり、ジュンはゲイ・シャルグの矛先に頭を向けて前のめりに倒れ伏す。 歩道に打ちつけたショックで額が切れ、更に出血が起きたのをジュンは息苦しさに咽びながら理解する。 両肩を震わせ、なんとか楽な体勢を取ろうと身体中をくねらせるがもうどうしようもない。 涙や唾液や胃液、そして鮮血が入り混じった溜まりに浸されながら、ジュンは何もかもが手遅れなのだと実感した。 (嫌だ……こんなの嫌だ…………) だが、受け入れたくはない。 このまま死にたくない。 未だ……生きたい、自分の人生を歩みたい。 もしかすれば学校に行けるようになるかもしれない。 そんな自分の未来を少しでも見てみたい――言葉に出来ない、言葉にしたい希望が喉まで来ているのだがそれ以上押し出ようとはしない。 両腕を、グシャグシャに潰された右腕すらも足掻くように必死に動かす。 自分の下に広がる歩道帯に手を伸ばすが、柔土で出来ているわけでもなく碌に掴む事も叶わなかった。 その行動の末の結果が、自分の全てを否定されたような気がしてジュンの表情が一段と崩れる。 そう思った矢先に一際大きな嗚咽をあげて、込み上げていた赤黒いものを外へ吐き出す。 何も出来ない。 結局、何も出来なかった自分を再びちっぽけな存在なのだと確認し、ジュンはやがて身を委ねる。 見知っている人物の顔が順々に浮かんでは消えてゆき、これが走馬灯なのかとぼんやりと思いながら―― (僕は……………) ジュンの意識はゆっくりと深き闇へ沈んでいった。 【桜田ジュン@ローゼンメイデン:死亡確認】 ◇ ◇ ◇ 「先ずは一人、と言ったところでしょうか」 ジュンの命を奪ったゲイ・シャルグを携えて、彼のデイバックを漁って謎のカギと忍術免許皆伝の巻物仮免を手に入れた男がそう呟く。 ベナウィ。 それが男を示す名前であり、かつてはケナシコウルペという国の侍大将であり騎兵衆隊長としての肩書きも持っていた人物。 しかし、今のベナウィは違う。 現在はこの殺し合いの参加者の一人、ハクオロが治めるトゥスクルの騎士。 そして、ハクオロの生還のためにはどんな事も、どんな命も辞さない覚悟を返り血で染めた騎士甲冑を纏い、そう決めていた。 「後戻りなど出来ない、するつもりもありません」 何も抵抗してこなかった。 いや、抵抗出来なかったジュンの命を蹴落した事にも既に後悔はない。 態々奇襲という策は取らずに、真正面から挑んだのはベナウィの気真面目さによるもの。 自分が何をするまでもなく蹲っていたところ余程この状況に怯えていたのだろう。 無理もない。 ベナウィにも一切の動揺がないわけでもなかった。 突然突きつけられたこの状況は、特に年端もいかぬ少年や少女には耐えがたいものだと想像には難しくもない。 そんなあまりにも哀れな姿を見て、自分は凶槍を奮う頃合いを、若干遅れたと言われれば完全に否定出来る保証はない。 己の力を過信するつもりはないが、もしそうでなければもう少し早く終わらせる自信がベナウィにはあった。 だが、これからのベナウィにはそんな小さな迷いのようなものは絶対に生じないだろう。 何故なら、既に一人の命を奪う事はやり遂げた。 秘めた想いの果てに奮ったゲイ・シャルグで他人の命を引き換えに、己の為すべき事を為す覚悟は更に強まっている。 途中で断念する事は出来ない。 投げ出してしまえば、自分に肉と血を捧げる形となったジュンが報われない。 一国に仕える騎士や兵士ではなく、守られるべき存在であったジュンには殺される覚悟もなかっただろうから。 やがて惨劇が行われた路線を沿うのを止め、ベナウィはある建物の前で立ち止まる。 それはエリアE-2に位置する一つの駅。 ベナウィの住む世界には駅という施設はなく、列車という概念もない。 故にベナウィは興味があった。 駅たる施設には一体どういう意味合いが隠されているのだろう。 騎馬の一頭でも其処で繋がれているかもしれない。 もし現実の話であるならば騎兵であるベナウィにとってこの上なく利点がある。 気づいた時は既に歩き始めてかなり経っており、エリアD-1の辺りを歩いていた。 更に此処は慣れない地形のため、先ずは最寄の駅とやらに続く道に辿り着き、其処を辿って目的地を目指す。 時間が制限されているわけでもなく、確実に迷う事のない道を取り、ベナウィは歩き、そしてジュンと出会ったというわけだ。 入り口に足を踏みしめ、ベナウィは駅内に侵入する。 「この身が朽ち果てる、その時まで――必ず」 そこに迷いはない。 【E-2 駅入り口 1日目 釈明】 【ベナウィ@うたわれるもの】 [状態] 健康 甲冑に返り血 [装備] 破魔の紅薔薇(ゲイ・シャルグ)@Fate/Zero、腰に和道一文字@ONE PEACE [道具] 支給品一式 シゥネ・ケニャ(袋詰め)@うたわれるもの 忍術免許皆伝の巻物仮免@ドラえもん 謎のカギ [思考・状況] 1 聖上を生き残らせるため、殺し合いに加担 2 かつての仲間を優先的に殺したい 3 駅内を探索する。出来れば馬も欲しい。 ※破魔の紅薔薇:あらゆる魔力の循環を遮断する事が可能で、対象に刃が触れた瞬間その魔術的効果をキャンセルする。ただし、魔術そのものを根元から解除するわけではない。破壊される、触れてから一定時間経過などすると効果は解除される。 ※『忍術免許皆伝の巻物仮免@ドラえもん』 ハテノハテ星雲にあるアミューズメントパーク・ドリーマーズランド における忍者の星における忍者の免許皆伝のための実地試験の 忍術が少し使えるようになる巻物。使える術は次の3つ 壁抜けの術 その名の通り壁をすり抜ける事が出来る。しかし厚すぎる壁は越えられない バッタの術 バッタのように高く飛ぶことが出来る。だいたい一般家庭における屋根裏までが限度 ネズミ変化の術 少しの間、小さなネズミの姿になることが出来る。ある程度時間がたつと元の姿に戻ります。 ※『謎のカギ』 詳細不明、何のカギでどこに使うのかは後続の書き手におまかせします。 「あーさむさむ……なんでワイがあんな目にあわなあかんねん!」 黒スーツ、いかにも堅気の職に就いてないと言わんばかりの風貌の男が愚痴る。 両肩を抱く様にトボトボと歩く男はウルフウッド、ニコラス・D・ウルフウッド。 世界を渡り歩く巡回牧師は表の顔であり、裏の顔は一流の殺し屋。 GUNG-HO-GUNSの一員、ミカエルの眼で殺人術を叩きこまれた男だがウルフウッドは此処に来て以来災難に見舞われている。 けったいな殺し合いに巻き込まれたと思えばいきなりのダイブ。 水。それもかなり冷たい水が張り巡らされた湖への理不尽な突入。 当然、身体中は水浸しになり、折角支給された銃器も使いものにならなくなった。 無事であった円盤は何故だか使う事も出来ずに、全くどうしようもない。 やばい。代謝機能の異常強化により、そこらのトーシローよりしぶとく生き残る自信はある。 だが、武器がなければ心細い。 そう。心細過ぎる。 知り合いの金髪トンガリのノーテンキな奴は『な、なんとかなるさ!』とでも言うかもしれないが、生憎ウルフウッドは違う。 きっちりと身の装備を整えて、たとえば敵に対し頭に二発、心臓に二発銃弾を叩き込めるような準備はしておきたいものだ。 「べーくっしゅい! あーあかん、風邪でも引いたらどないしてくれるんじゃボケェ!」 よってウルフウッドは、何処かに手頃な武器はないかと、辺りを手当たり次第に散索していた。 ちなみに地図はよれよれで、文字の所々が消えており、良く眼を凝らせば何処に何があるかはわかる。 そのため自分が居る位置はわかっていたが、特にこれといって目的地もない。 そんな時、ウルフウッドはふと疑問に思った。 地図の端はどうなっているのだろう、と。 そのまま此処から脱出でも出来たら儲けの至り。 まあ、そんな甘い話は転がってないだろうとは思うが、ウルフウッドは取り敢えず試していた。 湖に落ちたのはエリアE-8、其処から東に向けて前進。 途中で小さな河川を通って歩きやすそうな道路を踏みしめて、また前進。 未だ完全に水気は抜けず、ひんやりとした冷たさを感じながらも、またまた前進。 どうなるかはわからないが、やばいと感じれば一目散に逃げればいいだけの話。 逃げ出す事はウルフウッドにとって慣れ親しんだ行為であり、身体が覚えている。 平和ボケのトンガリ――ヴァッシュ・ザ・スタンピードと馬鹿をやり合った旅で何度もそんな羽目に陥った。 そう。何度も何度もやってられるかー!と叫んだ旅の中で。 「まあ、なんや。トンガリは……多分大丈夫やろ。あいつはそうそう死ぬタマやあらへんし」 そしてヴァッシュもこの殺し合いに呼ばれている事は、デイバックに入っていた名簿でわかっている。 一言で言えば甘い男。 ウルフウッドにとってはあまりにも危うく、己の命を今にも投げ捨てそうな様子さえある。 たとえ全身に銃弾を受けたとしても、一つの愛を、誰かの幸せを守れればそれでいい。 本気でそう思っているような男だが、ヴァッシュの銃の腕は抜きん出ており、他にも様々な力を保持している。 GUNG-HO-GUNSの一人、『チャペル』という名で呼ばれるウルフウッドはヴァッシュを彼の兄、ナイブズの元へ連れてゆく仕事があった。 故にこんな良くわからない場所でのヴァッシュの死は避けておきたい。 気に掛かるのはヴァッシュが誰か見ず知らずの他人ですらも庇い、己の命を散らせるような事を仕出かす事だ。 殺し合いをしろと宣告されているため、異常な状況に慣れていない人間には激しく動揺している者も居るだろう。 慎重に行動しなければ後ろからバッサリと……いっても可笑しくはない。 幾らヴァッシュといえども首を切られるなどの致命傷を受けてしまえば、彼とて死からは免れないであろうから。 流石に向こう見ずな行動は取らず、少しは慎重に動くだろうとウルフウッドは推測する。 「……あかん、前言撤回や。ムッチャ想像出来るで、おい……」 だが、ウルフウッドが見せたものは冷や汗が流れ始めた表情。 自分では否定したものの、一瞬でその自信は何処かへ消え去ってしまった事によるもの。 幾ら状況が過酷なものであっても、ヴァッシュはやる。 一人でも多くの人間を守るためには、どんな痛みすらもヘラヘラとした笑いで誤魔化す。 そう。ヴァッシュはそういう男なのだ、とウルフウッドは次第に呆れ返ったような顔をつくりながら、確認するように胸中で思う。 やがてヴァッシュの事より、一人の男の方をウルフウッドは考えだした。 名簿に載っていた、ウルフウッドが知っているもう一人の名前の事を。 「それよりも、リヴィオ……生きておったんか」 リヴィオ・ザ・ダブルファング。 いつも泣いてばかりであったが、優しい心を持っていた少年。 ウルフウッドと同じ孤児院で育ち、そしてある事件を境目に姿を消してしまった男。 『ザ・ダブルファング』という名称にウルフウッドには聞き覚えがないが、どうにもあの泣き虫リヴィオの気がしてならない。 そして同時に嫌な胸騒ぎがしていた。 孤児院から殺し屋養成の人材として引き取られ、やがて名前を貰った自分のように――。 これ以上、自分のような殺すためだけの全てを注ぎ込まれた人間が出せないためにも。 そう思い立ち、己の師であり諸悪の根源でもあった、マスターチャペルを事故に見せかけて殺したのは遅すぎたのだろうか。 答えは一向に出ず、それが遅すぎたと言われるのもウルフウッドにはどうにも堪えられない。 兎に角、このリヴィオ・ザ・ダブルファング――恐らくあのリヴィオに間違いない――には必ず会うべきだ。 堅く心に留め、歩き続けていたウルフッドはやがて行き着く。 数十分前程に、敢え無く命を落とした桜田ジュンの元へと。 「……運が悪かったな、坊主」 ウルフウッドが足を止めたのは一瞬の事。 もう少し早く此処に着いて居ればジュンの命を救えたかもしれないが、関係ない。 確かにジュンは未だ若い年齢であり、不憫だとは思うがウルフウッドとは接点はゼロ。 所詮、他人が一人死んでしまっただけの事であり、ウルフウッドは仇打ちをしてやろうなどという気はこれといって起きなかった。 そう。自分の生を生きるだけで精一杯なのに、他人の事にまで首を突っ込むなど自殺行為に等しい。 良くも悪くもヴァッシュとは反対の価値観の持ち主であり、それゆえにウルフウッドは次の行動に移る。 ランタンを取り出して、辺りに小さな光を齎す。 光に浮かんだジュンの姿を確認。 しっかりとデイバックを背負っている事も見て取り、ウルフウッドは近寄った。 中腰の体勢でうつ伏せに倒れているジュンの遺体の後ろへ手早く回る。 密かに、こっそりと『堪忍なぁ』と小声でジュンに謝りながらウルフウッドは何か銃器を得るために、荷物漁りを始めた。 「あかんか、そらぁ持ってたとしても殺ったヤツが持っていたんやろなぁ……」 デイバックを器用にジュンの身体から取って、探ってみるが碌なものはない。 残っていた名簿や地図は一応回収したが、一丁の拳銃も見当たらない。 着用していた衣服も調べた所、ご丁寧に『桜田ジュン』と女の字で書かれたため、名前はわかったがどうでもいい。 予想していた事だが、現実を突きつけられるとショックはあるものだ。 ならばもういいだろう。 そう思い、デイバックをジュンの背中にでも戻してやり、立ち去ろうとウルフウッドは顔を上げようとする。 そんな時、ふとウルフウッドの視界に映るものがあった。 「ん? なんや……」 力なく倒れたジュンが伸ばした左腕の先に赤い線が走っているのをウルフウッドは見つける。 赤い線の正体は言うまでもなく、滴り落ちた血液。 ジュンの胸部を起点として円心状に広がっている血だまりによって、指にでも血液が付着したのだろう。 ウルフウッドは血の線が何かの文字を描いているように見えた。 死ぬ前に何かメッセージでも残したのだろうか。 たとえば自分を殺した人物への恨み事が、それともその人物の名前か。 若しくは只、簡潔に『死にたくない』といったような自分の不運さを嘆いたものかもしれない。 死者が最期に遺した言葉を見てやろうなど、あまり趣味の良い話ではないがウルフウッドは一応牧師の職に就いている。 ついさっき死んだと思える人間が果たして、どんな気持ちであの世とやらに逝ったのか。 小さな興味ではあるが、どうせ荷物漁りまでもやってしまったのだから、とウルフウッドはランタンを向ける。 ハッキリと、地面に何が書いてあるのかを確認するために。 きっと力がなくなっていく身体を無理に使い、書いたのだろう。 所々、不自然に歪んで汚い字ではあったがウルフウッドはその両眼で、その血文字を焼きつけた。 ――『おねえちゃん』と書かれた文字を 「――ッ!」 なんでもない。 きっと仲の良い姉に宛てた言葉だったのだろう。 そうだ。服に態々名前を書いてくれる程に世話焼きの姉への言葉に違いない。 ありふれた文字であり、なんら可笑しくはない。 だが、ウルフウッドは自身でも驚くほどに衝撃を覚えた。 「あかん……あかんぞ、ニコラス。オドレはもう手一杯なんや、銃も碌に持ってないオドレが……あのトンガリのような真似は無理やろうが!」 思わず上げた叫び声。 現実を見定めろという声と、激しい感情を訴える自分の声が正面からぶつかり合う。 死んだ少年が桜田ジュンだとわかったせいではない。 そんな名前は聞いた事がないし、ウルフウッドが気に留める事はない。 只、考えるだけで全身が震えてしまった。 万が一の話だ。もし死んでしまったのがあの孤児院に居た誰かだったら。 いつも一人ではトイレに行けず、自分に連れて行ってくれるように頼んだ少年でもいい。 猫を追いかけて、屋根にまで上ってしまい、泣きべそをかいたあの少女でもいい。 あの中の誰かがこんな風に死んでしまったら。 憐れむ程にか細い文字で遺したら。 『二コにぃ』と、自分に対しての最期の言葉を遺したら、果たして自分は何を想うだろう か―― きっと――解き放つだろう。 滾らせて、あまりにも膨張させた想いを連ねて拳を叩きつけるに違いない。 しかし、その事はジュンの死とは関係ない。 そう。関係ない筈なのだが――ウルフウッドはなかなか落ち着かなかった。 やがて、ウルフウッドは徐に立ち上がる。 両の拳は固く握りしめ、鋭い眼光は雄々しさを印象付けるもの。 そう思いきや、ウルフウッドは踵を返し、歩き出す。 「ええか、今回だけや。乗りかかった船や……期待せんで待っとれ。 なぁ、坊主……」 何でも一人で背負い込む子と、親代わりの保母にかつて評された男が。 一人の少年が最期に残した言葉に、風変りな男がこれまた風変わりな形で応える形となる。 そう。ウルフウッドにとって危険と成り得る人物。 ウルフウッドの言葉は、そこに名も知らない一人が新たに入った事を意味していた。 【F-1/中心部/一日目/黎明】 【ニコラス・D・ウルフウッド@トライガン・マキシマム】 [状態]:健康 [装備]: [道具]:基本支給品(地図と名簿は二つずつ) デザートイーグル50AE(使用不能) SPAS12(使用不能) スタンドDISC『スター・プラチナ』 [思考・状況] 1:襲われたら返り討ち、必要以上に危険な事に首は突っ込まない。 2:ヴァッシュとの合流、リヴィオとの接触 3:ジュンを殺害した者を突き止め、状況次第で殺す。 4;武器を手に入れる、出来ればパ二ッシャー 【備考】 ※リヴィオは自分が知っているリヴィオだと思っています。 ※まだループには気づいていません ※どこへ行くかは次の方にお任せします。 ※参戦時期は未定です 時系列順で読む Back 輪廻-ロンド- Next 一人では解けない 真実のパズルを抱いて。 投下順で読む Back 輪廻-ロンド- Next 一人では解けない 真実のパズルを抱いて。 一人の夜 桜田ジュン 死亡 あり得る事、成し得る事、求め得る事…… ベナウィ 想いは簡単に届かない ニコラス・D・ウルフウッドの受難 ニコラス・D・ウルフウッド ネズミの国
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1352.html
「ほれ」 「ニャン♪」 「ほら」 「ニャウ!」 「パンくずを口の中に突っ込んで、飲み込ます!」 「ミーーーーーーーー!?」 「逆立ちでも食えるのか?」 「ケフッ!?」 「食べてる最中に鼻を塞いだらどうなる?」 「ミュ……!」 「鳥を食べている最中に、苦い葉っぱとすりかえる!」 「エヒッ!?」 「サンドイッチだぁ!」 「ニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャ!」 そんなこんなで色々していたら結局サンドイッチを全て子猫に食わせてしまっていた。 色々してみたが結局最後には普通に食べさせてしまった。変な食べさせ方に飽きたというのもあるんだが。 さすがの子猫も腹が一杯になったのか丸くなってあくびをしている。あれだけのことをしたのによく逃げずに食べきったものだ。 それだけ腹が空いていたのか、それともマゾの気でもあるのか。どうでもいいけどな。 しかし寝るのはいいんだが私の足の上で寝ないで欲しいな。重くは無いが邪魔だ。 すこしガヤガヤした声が聞こえる食堂での食事が終わって皆が出てきたのだろう。 ルイズの場所に行かなければいけないな。 ルイズの場所に行こうと立ち上がる。子猫は私の足で眠っていた。 立ち上がる前に起こすとか除けるだとかしなかったので子猫は地面に落ちた。 しりもちをついた様な格好で目をパチクリさせている。 「じゃあな。色々楽しかったぞ」 猫にそう告げ食堂へ向かった。猫にそんなことを言うのは少し変だと思ったが、楽しんだからいいかなと思った。 最後に子猫を振り返ると子猫はこちらをじっと見ていた。 「あんたどこに行ってたのよ!」 ルイズの元へ戻ると早速文句を言われた。 「外に食べに行ってたんだ。席が空いてなかったからな。というかちゃんとそう言って食堂を出ただろう」 文句を言われるのは想定の範囲内だ。 別に驚くようなことではない。 「その後わたしは椅子を持ってくればいいって言ったわ」 「そうなのか。聞こえなかった」 「……もういいわ。今度から気をつけてくれればいいから」 「わかったよ」 そのような会話を交じわしながらルイズと教室へ向かった。 教室へ入ると何故かルイズのクラスメイトたちが私たちを取り囲んだ。 一体なんだってんだ?そう思っていると、 「ねえルイズ、あなたたち、授業を休んでいったいどこに行っていたの?」 取り囲んでいたうちの一人が腕を組み偉そうに言ってきた。 ああ、なるほど。休んでいた間に色々噂が立ったのか。ルイズにギーシュ、キュルケにタバサと、一気に4人も休んだからな。 教室を見渡すとタバサとキュルケとギーシュがすでに席についていた。 タバサは本を読んでおり、キュルケは化粧を直しており、ギーシュは調子に乗っている。 そして私たちと同じように取り囲まれていた。 しかし、タバサとキュルケは答える様子が無い様ですでに回りも諦めている。 ギーシュは周りにちやほやされて調子に乗っている。何故か腕には包帯がグルグル巻きにされており腕が吊られている。 あ、顔が完全に治ってるな。歯も欠けたはずなのに治ってる。よかったなギーシュ、どうでもいいが。 でも、聞くにしてもタバサとキュルケは喋りそうにないからな、ギーシュはわからないが。 それで新たに現れたルイズに矛先を変えたのか。しかしたかだか休んだくらいでこれほどまでに大騒ぎする様なもんなのかね。 五月蠅くて堪らない。 「きみたち、ぼくに聞きたいかね?ぼくが経験した秘密を知りたいかね?困ったウサギちゃんたちだな!あっはっは!」 ギーシュがさらに調子に乗ってそんなことを言い始めた。 調子に乗っている証拠に足まで組んでいる。 あのバカは本当に正気か?あれは王女の密命だぞ。それをこんな大勢に話すつもりなのか? あの情報がばれたらどうなるかわかっているのだろうか? キュルケやタバサはまだいい。途中参加で結局任務の内容はわからなかっただろう。 しかしギーシュは違う。ルイズと王女の話を盗み聞きしていたから任務内容を結構細部まで知っている。 ルイズもそれに気がついたのか、人壁掻き分けギーシュに近づくと吊ってる腕を思いっきり引っ叩いた(私にはそう見えた)。 「ノォォォォオオオオオオオオオオオオオオォォォォォオオオオオオオウッ!!!!」 ギーシュが叩かれた場所を押さえ椅子から転げ落ちる。可哀想に…… 暫らく転げまわり落ち着いたのか立ち上がる。その目に若干だが涙が浮かんでいた。 「なにをするんだね!きみも見ただろう、この怪我の酷さを!まだ治ってないんだよ!」 「うるさいわね。あんたが姫さまに嫌われないようにしてあげたのに」 「どういうことだい!?」 「口が軽いと姫さまに嫌われるってこと」 ルイズがそういったとたんギーシュがはっとした顔になり黙ってしまった。さすが王女のファンだな。王女に嫌われることはしないか。 しかし皆が注目している時に言ったのがいけなかった。 王女を引き合いに出されたせいか再びルイズを取り囲みやいのやいの言い始めた。五月蠅いのでルイズを無視し適当な席に着く。 しかしそれで騒音が聞こえなくなるわけではない。 「ルイズ!ルイズ!いったい何があったんだよ!」 「どうしてそこで姫さまが出てくるんだよ!」 「血管針って正直わけわかんねえよ!」 「魔法衛士隊の隊長と一緒に出かけたのはわかってるんだぞ!」 「俺パピヨンマスク手に入れたんだ!」 「同級生なんだから教えてくれてもいいでしょ!」 「お前らのやってることは、全部すべてまるっとどこまでも、お見通しだ!」 「どんな手柄立てたんだよ!」 やれやれ、どうしてこうガキっていうのは騒ぐのが好きなのか。 「なんでもないわ。ちょっとオスマン氏に頼まれて、王宮までお使いに行ってただけよ」 ルイズは質問攻めに耐えかねたのか適当にでもいいから答えることにしたようだ。 「ねえギーシュ、キュルケ、タバサ、そうよね」 ルイズは他の3人に同意を求める。 キュルケは意味深げな微笑を浮かべ、磨いた爪の滓を吹き飛ばした。それはなにかありましたと言ってるようなものじゃないのか? ギーシュは素直に頷いた。しかしさっきまでの態度から信じるものはいないだろう。 タバサは我関せずといった具合に本を読んでいる。こいつも私と同じで静かにして欲しいと思ってると思う。 やがてルイズも喋らないとわかり取り囲んでいた者たちは次々に席に戻って行った。 しかしみんなして隠し事をするルイズに腹が立ったらしく口々に文句を言っていた。 「どうせ、たいしたことじゃないよ」 「だよな。期待して損しちまったよ」 「血管針ってそういう意味だったのか」 「どうせ目立ちたくて一芝居打ったんだろ」 「お前それパピヨンマスク偽者じゃん!スケキヨ伯爵のマスクだよ!怖すぎる!」 「ルイズなんてどうでもいいしねー」 「ま、まず~い!ばれていたのか!」 「こんな奴に手柄が立てれるかよ」 ……どうでもいいこと言ってるやつらいないか? 「そうよね、ゼロのルイズだもんね。魔法のできないあの子に何か大きな手柄が立てられるなんて思わないわ!」 巻き髪の少女が大きな声で言う。 「フーケを捕まえたのだって、きっと偶然なんでしょう?あの使い魔が、たまたま破壊の杖の力を引き出して……」 巻き髪はそれはそれはイヤミったらしく言う。 ルイズはそれを聞きながら唇を噛み締めていた。怒鳴り返さないのが不思議だ。 でも反論したって巻き髪の言う通りだしな。アルビオンに行った際もルイズは全く役に立ってなかった。むしろ足手まといだ。フーケの時もだ。 フーケを捕まえたのも偶然だしな。 ロケットランチャーも偶然この世界にあったものだし、使い方がわかったのも偶然ガンダールヴになったからだ。 だからフーケを倒せれたのは偶然と言えなくも無い。 窓から外を見る。そこから1本の木が見えた。それを見ながら、植物のように静かに生きたい、ぼんやりとそう思った。 ルイズへの文句は教室にコルベールが入ってきたことにより中断され皆が席に戻った。 そして授業が始まった。
https://w.atwiki.jp/namagakihotel/pages/49.html
小ネタ/脳内漏れてるシリーズ 489 :名無し募集中。。。:2012/06/11(月) 20 34 17.59 0 生田<今日は生ガキDAYですね 新垣<関西人はテレビで娘。が3番組も見れるのだ 生田<今日は生ガキDAYですね(大事なことなので2回言います) 490 :名無し募集中。。。:2012/06/11(月) 21 31 35.93 0 生田はよく括弧内が漏れてるよね 492 :名無し募集中。。。:2012/06/11(月) 21 56 44.17 0 新垣<今からご飯食べに行くけどみんな何食べたい~? 田中<とんこつラーメン!(ガキさんと半分こするっちゃ) 道重<生田は何食べたい? 生田<私は新垣さんを食べたいです(パスタなんてどうですか?) 新垣<ん? 道重<生田、逆!逆! こうですかわかりません><; 493 :名無し募集中。。。:2012/06/11(月) 22 02 22.97 0 道重<りほりほさゆうさT着てくれてるの!完全に懐いたの! 鞘師<次期リーダーだし媚び売っとかないとなぁ気持悪い笑顔でこっち見んじゃねえよ(本当にこのTシャツ可愛いです!いっつも道重さんと一緒ですよ!) 497 :名無し募集中。。。:2012/06/11(月) 22 51 24.80 0 生田<私と氷どっちが好きなんですか!? 新垣<生田に決まってんじゃん。私だって本当は生田が大好き大好き世界一大好き(そりゃ普通に氷でしょw) 道重<ガキさん、逆!逆! 505 :名無し募集中。。。:2012/06/11(月) 23 25 18.11 0 田中<あ、里沙ちゃん(あ、ガキさん) 新垣<れいな・・・(田中っち・・・) 道重<やなの!殺伐のほうが楽しいの!!(二人とも、逆!逆!) 520 :名無し募集中。。。:2012/06/12(火) 00 10 18.54 0 新垣<生田はこの服とあっちの服どっちが好き~? 生田<それよりも私は新垣さんが…(この服が好きですけど) 新垣<えっ? 生田<あっ、いえ何でもないです!えりなはこの服好きです! 新垣<……… 生田<あの、新垣さん? 新垣<…私も生田が好きだよ 生田<えっ、あの、ええ? 新垣<聞こえなかった? 生田<…に、新垣さあああん!!! HAPPY END
https://w.atwiki.jp/suka-dqgaesi/pages/1174.html
748 :1/3:2008/02/12(火) 09 42 37 0 二日に一回ウトを置いて夕飯凸してくる近所のトメ。 何でウトを置いてくるかというと、息子宅に凸するのをウトが反対してるから。 でもわざわざウト分の夕飯を作るのも、ウトを一人にするのも そのせいで夫婦仲が悪くなっても、ケンカが絶えなくても、 息子に「いい加減にしろ!」と怒られても、 嫁いびりの為、かわいいムチュコタンが 鬼嫁に酷い物を食べさせられてないか監視するためなら屁でもない。 誰が何を言っても無駄なので私はまあ放置。 私が作った物にキーキーと文句つけるトメと、それに苛ついてる夫も放置。 またトメが来て「私今まで息子にそんな物食べさせた事無いわよ!」とキーキー文句、 夫が帰ってきて舌打ちしてイライラ、私無表情。 そこへウトが来て「いい加減にしろ!!」とトメを怒鳴りつけ、 トメも負けじと「息子の家に来て何が悪いの!」と怒鳴り返し、 夫も「迷惑だし気持ち悪いんだよ!二度と来るな!」と怒鳴り、トメが泣く。 私はといえば、このケンカも3回目なのでまた無表情。 「そんなに私が悪い訳!?一番悪いのは嫁子でしょ!こんな物しか作れなくて!」 という言葉にガンガン怒られたトメが売り言葉に買い言葉で 「ああそうよ!年寄りが全部悪いんでしょう!嫁子様ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした!!」 と言ってきたので、びっくりした顔で 「ええっ!迷惑だってちゃんと分かってたんですか!? えっと・・・あの、じゃあ何でここまで怒られても家に入り浸るんですか? 今まで迷惑じゃないと思ってるから押しかけてくるんだと思ってましたぁ!」 ウトと夫が笑いそうになり、トメが切れてキーキー言い出した。 749 :2/3:2008/02/12(火) 09 43 58 0 また売り言葉に買い言葉で 「二度と来てあげないわよ!」とぬかしおるトメ。 「わあ良かったぁ~wトメさんが来ると夫も不機嫌になるしぃ、ウトさんはかわいそうだしぃ、 トメさんは夫に嫌われてかわいそうだしぃ、ウトさんもトメさんの事怒ってるしぃ、 離婚とかされても家じゃ絶対引き取ってあげないしぃ、 そしたらトメさん孤独死なんだなぁって思ってぇ、でもしょうがないしぃ~」 今までろくに文句すら言わなかった嫁の反撃に遭いちょっと驚くトメ。 気を取り直して 「・・・あんたね、夫の実家から疎まれる恐ろしさを分かってないようね・・・」 とものすごいガンつけ。 「ええー?例えばどんなですかぁ?離婚させられちゃうとか~? 昔と違って今離婚されても平気だしぃ、そちら様の法事やら何やら行かなくて良いなら嬉しいしぃ?」 「昔はね!」と昭和初期の嫁の辛さを、まるで自分の事の様に語るトメ。 「ええ!だってトメさんしょっちゅう自分の実家行ってるじゃないですか! 平成を謳歌してるトメさんも夫実家から疎まれちゃえば楽ですよぅ? 大トメさんは優しいからアレですけどぉ、 ウト兄さん(トメ苦手)に今の状況を説明したらぱっちん☆って疎まれますってぇ~w」 何かもう我ながらこの言葉使いがむかつくんだがw 首かしげて上目使いでほんっときしょいw トメもきっとそう思ってたと思うw んでトメは何か喚いて泣きながら帰って行った。 夫が謝罪するので「子は親を選べない」と慰める。 750 :3/3:2008/02/12(火) 09 45 33 0 次の日、トメクローンのトメ姉から怒りの電話があり、しばらく静聴。 そして「もしかして夫実家から疎まれる恐ろしさってこの電話ですかぁ? 恐ろしいですねぇ~アハハハw あ、夫実家じゃないやwトメ姉さんは夫実家の人間じゃありませんしねw トメ実家ですねw夫実家からはとっても大事にされてますからぁwアハッ」 電話叩ききられたけど屁のカッパ。 もうすでに引っ越し先が決まってるんだよね。 ちょっとずつ荷物を持ち出してる所で、住所はトメに知らせない。 ウト実家へは手紙で状況を知らせる事になっていて、 手紙も書いて出すばかりになってる。 ちゃんと 「こういう状況ですので住所をお知らせ出来ない事をお許し下さい」と書いておいた。 せいぜい「息子をここまで追い詰めた鬼母」と 夫実家に疎まれて下さいよっと。 まあ引っ越すと言っても仕事の関係もあるから隣の市なんで ウトさんとは交流を持ち続ける予定ではあるけど。 752 :名無しさん@HOME:2008/02/12(火) 09 46 57 0 748 GJ!!! しかしなんて自爆トメ 753 :名無しさん@HOME:2008/02/12(火) 09 49 23 0 ぱっちん☆wwww 確かにむかつくがGJw 754 :名無しさん@HOME:2008/02/12(火) 09 51 43 0 もうこれは病院に入れた方が良いレベル しかしGJ!!! 次のお話→769
https://w.atwiki.jp/orikyara3rd/pages/495.html
ガンマニアな元警官・女の私立探偵・性別不明の科学者というちぐはぐトリオ、お互いが互いに依存している双子、エクソシスト詐欺師、自称魔法使いの明るい女の子、ポジティブシンキングのバスケ部………等など。 この人たちはもとより敵意がなかったり、協力の意思があったりして友好な関係を組めた。 もちろん、出会った人達のみんながみんなそうだったわけでもない。こんなワケわからん世界に飛ばされてきたんだ、当然「信ずるものは我が身のみ」な奴も居た。 初日に出会った氷・雷能力ペアなんかもこの部類でいいだろうし、炎を纏う人外さんもいた。この人外さんとは戦わずに逃走した結果、命をかけた鬼ごっこになった。最終的には逃げ切ってやったがな。 そんな面白い出会いをしてきた俺ですが、現在、これまでの出会いを霞ませる強さを持った方とエンカウントしています。 それはミニスカートからのびる生足がまぶしい、警察の制服を着たにこやかに笑う女性。 澄んだ大きな目、快活そうに見せるウェーブのかかった綺麗な髪、スラリとした四肢、抜群のプロポーション。同世代の女性が嫉妬で般若と化してもおかしくない、世の男性の理想を体現したかのような、美しさも可愛さも兼ね備えた人物。 だ が バ ズ ー カ 装 備 。 「ほらほらほら!もう少し私を楽しませてみなさいよ!!」 爆発するビルの一部、散乱する瓦礫、巻き上がる粉塵、笑う彼女。 気が付けば、辺り一帯は廃墟と化していた。 「どうしてこうなった…」 俺の嘆きはバズーカの発射音に書き消された。 約20分前まで話はさかのぼる。 15食の食料のうち、14食は食べてしまったので次の食料を探すことにした。ラストは今日のランチだ。 「安定して供給される飯が食いたいなぁ…」 元来順応性は高いので、飛ばされてきてからも何とか生活できている。しかし、いつ襲われるか分からない恐怖と銃の重さ、そして何よりも安定した衣食住と娯楽がないことがだんだんと精神を蝕んでいった。 「暇と贅沢は人を殺す毒薬、なんてね…」 これだけ暇だと哨戒中にも関わらず、つい歌を歌ってしまう。 あるー晴れーた日ーのことー♪ まほーいじょーのユーカイが♪ 緊張感がない? そりゃそうさ、ずっと警戒していたら精神が擦りきれちまう。 「限りーなくー 降りそーそぐー♪」 ライフルを構えるのを忘れてそのまま無警戒でビルの角を曲がる。 「「ふかのーじゃないわー♪」」 自分の声じゃない声が乱立するビル群にこだました。 「ハルヒかわいいよねー、ハレ晴レユカイのダンス覚えちゃったし」 「っ!」 慌ててG36を構えてダットサイトを覗く。 前方、クリア。後方、クリア。右方…左方もクリア。というか人影がない。 「あはは、かぁわいい。そんなに慌てちゃって!」 「どこのどなたかは存じ上げねぇがな、話しかけるなら姿を見せなきゃマナー違反だろ。姿を見せないんなら電話しろ電話ァ!!」 「ハイハイ…っと!」 ヒュタッ、と音を立てて進行方向の約20m先に突如として現れたのは女性。 「電話番号知らないからねー。姿を見せちゃいました♪」 「……そんで?いきなり話しかけてきて何の御用だ?」 「いやー話しかけるつもりは無かったんだけど、懐かしいなーって思ってね」 「はーん、あぁそう。んで?さっきまでどこにいた」 「う・え♪」 上ぇ?と上方を見ると、ビルの窓が一枚だけ空いていた。 「あれ何階だ?15?」 「ん?18」 「お、おう…」 まずい、コイツ相手にしたらいけないヤツだ。 「足腰強いんだな、能力?」 「さぁね?」 「………まあ、特に何の用があるって訳でも無いみたいなので、俺はこれで」 「フフ、待ちなさいって」 あぁぁ、嫌な予感がする! 今思えば、どうして振り切って逃げなかったのか。どうして 「なんなんスか…」 なんて構っちゃったのか、小一時間問い詰めたい。 「私ね、暇なのよ」 「俺もですよ。ネットもゲームも無ければ遊ぶ友人もいない」 「それでね、私戦うのが好きなの。バトルマニアなの」 「そうですか、俺は平和主義ですけどね」 「それでね、私武器を持ってるの」 「そうですか、俺も持ってますけどね」 「それでね、死んでほしいのよ。暇潰しのために」 「そうですか、嫌ですけどね。そんなんで死ぬのは」 数瞬にらみ合いが続いたあと、反射的に伏せた。体が勝手に動いた、というのは本当にあるらしい。 直後、激しくうるさい何かが体の真上を通過していき、後方にあるビルの一部を轟音と共に吹き飛ばした。 「……………は?」 「次、いっくよ~♪」 その女性を見ると、肩に担いだ長い筒の狙いを伏せたこちらにつけていた。 なりふり構わずにさっき曲がって来た角に飛び込む。 飛び込んだ瞬間、背中を掠めるように飛んでいく何か。 チラリと角から覗くと、砲身がこちらを向いた。 「げぇっ、ロケット砲!?」 「愛用のバズーカよ!」 そう言ってまた一撃。今度は自分が隠れたビルの後ろ向かいのビルに着弾。…まずい、退路の一つを潰された。道が瓦礫で封鎖されてしまった。 「反撃するぞ!正当防衛だからな!」 ビルの陰からG36だけを出して弾をバラまく。 …手応えなし。全弾明後日の方向へ飛んでいったらしい。 だが、今の行動が彼女に火を点けたらしい。 「やっぱそうこなくっちゃ!!どんどん行くよ!」 次々と撃ち込まれる砲弾は盾代わりのビルの角の上の方にすべて着弾し爆発。 限りなく降り注ぐのは瓦礫とガラス片だったってオチか、なんてこった全く! 「死んでも文句言うなよ!?」 いったん瓦礫を避けるためにビル陰の奥に引っ込んでいたが、タイミングを見計らって手榴弾を投擲し、瓦礫を盾代わりにしながらライフルを連射する。 バズーカ砲を撃たれ、避けるように隠れ、装填の隙をついてライフルを撃つ。そんな応酬がいくらか続いた。 ―――で、最初の方の場面に戻る、と。 「ほらほらぁ!亀みたいに引っ込んでたら落ちてくる瓦礫とか爆風とかで死んじゃうよ!」 「だぁぁぁっ!!お前もうバズーカ撃つのやめろ!!」 「やーだよっ!唯一の武器なのに」 「お前、バズーカ砲の歴史知ってたら人に向けて撃たねぇわ普通は!」 「知らなくてもトリガーは引けるじゃない」 あまりの正論に反論できなくなってしまった。ぐぬぬ…。 さて。彼女が隠れているビルに大量にロケットを撃ち込み、瓦礫と破片で殺す戦法をとってくれたお陰で、ビルの2階のこちら側の壁が破壊されている。そして瓦礫が階段代わりになっているので、容易に2階に上れるのだ。 「瓦礫が階段になってる今がチャンスか…」 もちろんビルの2階を移動中にロケット弾を撃ち込まれたら、まぁ間違いなく死ぬ。 でも、このまま続けているよりは生存率は上がる…かも。ならば腹をくくってやるしかない。 まずはスモークグレネードで敵の目を塞ぐ。時間差で2個投擲して、効果をより長く継続させる。 「きゃー手榴弾!伏せ―――って煙 ゲホッ 何も見えな ゲホゲホ 」 よし、GO!! 瓦礫を駆け上がり、2階を走り抜ける。 彼女が居る横あたりに来て、一時停止。煙が晴れるのを待つ。 「くっそー騙したな!?喰らえっ!!」 彼女にとっては恐らく俺が居るであろうところへ直接ロケット弾を撃ち込んだ。…こっちに来てなかったら死んでたわ。 作戦続行、スタングレネード投擲!…で、すかさず耳を指でふさいで目をきゅっとつむり、伏せる。自分もダメージを喰らいたくない。 「装填中のところを邪魔して悪いが…」 パン!!と乾いた音がして、スタングレネードが爆ぜた。 「キャアアァァァァ!!!!目がぁぁぁぁ!!」 目と耳が一時的に死んだんだ、パニックにもなろう。 ためらいなく2階から飛び降り、彼女に接近する。飛び降りる音が聴かれないためのスタン。スモークだったら聴かれてしまうからな。 暴れている彼女の背後にこっそり接近し、首に腕を回す。ここまで来たら後は一瞬。 「そぉい!!」 「きゅっぷい」 意識を刈り取って作戦完了。 ぼろっぼろのビルたちの谷間に女性を一人気絶させておくと何をされるか分かったものじゃないので、被害を受けていないビルの中に寝かせておく。もちろんバズーカ砲も忘れない。 「何しに来たんだっけ…」 戦いに来たわけではないのは覚えて…メシだ。メシ集めなきゃ。 様々な過程を省きに省いて結果だけを報告すると、あの後たまたま入ったビルに大量の食料備蓄があり、段ボール6箱分をとりあえずもらって帰った。これで20日は余裕か? 「あのビル、覚えとこ。貴重な食料倉庫だ」 日没も過ぎたし、寝る準備するか。 そういえば、こっち来てから生活パターンが平安時代みたいなんだよね。日没と共に就寝し、日の出と共に起床という。 「肩凝り治ったし、戻っても続けよう…」 ではおやすみなさい。
https://w.atwiki.jp/dangan_eroparo2/pages/104.html
澪田 唯吹と日向 創が恋人同士になってしばらく後。 二人が砂浜で遊んでいた時、木の上に大きな椰子の実を見つけた。 ぜひ食べてみたいという澪田とともに幹を蹴ったり石を投げつけたりして実を落としたものの、これが思った以上に硬い。 どうやって割ったものかと二人思案しているときに、辺古山 ペコと九頭龍 冬彦が近くを通りがかった。 助けを求めたところ、辺古山は快く自らの超高校級の剣術でもって椰子の実を叩き割り、中のほの甘い果実を食べられるようにしてくれた。 四人で砂浜に座り、瑞々しいココナッツを食べて改めて親交を深めたのだった。 日が暮れた後、日向と澪田はいつものごとくコテージへしけこんだ。 先程食べたココナッツも美味かったが、やはり澪田の作る肉じゃがが一番だなあ、などと日向が考えていると、 殊更に厳しい表情を作った軽音部員がにじり寄ってきた。 「とーころで創ちゃーん。さっき、海岸でココナッツ食べた時……やけにペコちゃんのこと、チラチラ見てなかったっすかー?」 「え、そんなことないだろ。だって、あいつは……」 「いいや見てました。唯吹の目はごまかせないっすよー。 ダメじゃないっすか。創ちゃんは唯吹と付き合ってるのに、そんな、よその女の子に色目使ったりして。 気の多い創ちゃんには、お仕置きっす!」 どーん、と効果音を口にしながら澪田は日向をベッドへ押し倒す。 手早くズボンと下着を降ろし、自らも上半身裸になると、ニンマリ笑って言った。 「ペコちゃんの胸、結構大きかったっすよね。あれだけあったら、きっと挟んだりとか出来るっすよねー」 言いながら、澪田は自身の薄い胸を魅せつける。 どれだけ寄せて上げても他の学友たち(西園寺を除く)に及ばない小さな胸を日向の男性器に押し当てる。 フラットな見た目の割に柔らかい感触や、可愛らしいおっぱいで擦られている独特の刺激が背筋を走り、彼を奮い立たせる。 スカートや髪が普段のままで、身体の上半分だけ裸という澪田の姿も、どこか背徳的で扇情的だった。 愛しい恋人に半裸で迫られて勃起しない男はいない。 慎ましやかな胸で硬くさせられた陰茎を見て澪田は至極嬉しげに笑った。 「たはー、お仕置きだってのに、もうこんなにしちゃって。創ちゃん、結構ヘンタイっすね」 「そう言われても、な……」 「まったくもー。これは創ちゃんのためでもあるんすよ。 なんせ、ペコちゃんの相手はあの冬彦ちゃんっすからね。 あんまり近寄ると、お前俺の女に何しとんじゃぁーって怒られるっすよ」 「や、さすがにそれは無いんじゃないか」 「分からないっすよー。色恋は人間を狂わせるっす。迂闊なことはしちゃいけないっすよ」 妙に真実味のある彼女の言葉に少し気圧されたが、胸骨で圧迫されカリ首が僅かに埋まるくらいの乳肉で左右からムニムニされたり、 また谷間から離れて、硬くしこった乳首で裏筋を擦られたりすると、なんだか酷くいけないことをしているようで激しく興奮する。 正直なところ、日向は澪田の薄くて小さな胸ではパイズリなんて決してできないものだと思い込んでいた。 しかし実際におっぱいで責められてみると、このちょっと被虐的な遊びが気持ちよすぎて背筋がゾクゾクしてしまう。 酷く楽しそうな、普段日向と遊んでいる時とそう変わらない笑みを浮かべながら胸で搾精してくる澪田が魅力的過ぎて、 どんどん追い詰められてしまう。 未成熟な肉体に弄ばれているような錯覚で、大量の我慢汁が漏れる。 そこそこ背丈があって肉付きも悪くないのにおっぱいだけ妙に小さいというのが澪田のチャームポイントなわけだが、 実際にそれで愛撫されてみるとこれが非常に抗いがたい。 本当なら、うっすら盛り上がった肉でぷにぷにされる気持ちよさは手で握られて扱かれるそれよりもずっと劣るはずだ。 しかし澪田の胸で、申し訳程度に膨らんだおっぱいとコリコリ凝った乳首とで擦られてみると、恋人に愛されているという感覚が余りに耐え難い。 胸と胸元を透明な粘液でべたべたにされて、澪田はますます上機嫌になった。 「おやおや。唯吹のちっちゃい胸でこんなビクビクさせちゃって。 他の娘のもっと大きなおっぱいでされたら……どうなっちゃうんすかねー?」 「別にどうも……澪田のムネだから、こんなになってんだよ」 「……へへっ。そういう事言ってもらえると……正直嬉しいっす。やっぱちょっと、ヘンタイっぽいすけど」 「澪田……」 「でも別にいいっすよ、変態さんでも。……だって創ちゃんは唯吹の運命の人っすもんね。運命なら、しょうがないっすよ」 軽い口調の裏に隠された澪田の深い愛情を感じ取ったように思えて、日向はもう我慢がならなくなった。 僅かな肉を集めて亀頭を包み込もうとしてくれている彼女に訴えかけると、物も言わずそのまま一気に愛撫を強めてくれた。 カウパーで滑りの良くなった肌が、竿から先端までを撫で回す。 柔らかい刺激だけではなく、小さな可愛い乳首の硬い感触も時折混ざり、予想の付かない快楽がますます彼を追い詰める。 浅い谷間でむぎゅっと挟まれた時、上目遣いで嬉しげに、薄いムネで彼を射精させられるのが楽しくてしょうがないといった表情の澪田が余りに愛しすぎて、 そのまま我慢できずに絶頂してしまった。 「……っ!」 「わっ、出て……うはー、すごい勢いっすね……」 ちょっと呆気に取られるのも無理は無いくらい、大量の精液が勢いよく澪田の胸に降り注ぐ。 膨らみも谷間も無いおっぱいに精子が張り付き、その場に留まることができずに腹の方へ垂れ落ちていく。 喉元の方まで届く長く勢いある射精を終えると、澪田は口角を釣り上げた。 「……お仕置きだって言ってたのに。唯吹のまな板でこんなに出しちゃって、ちょっと情け無いっすよ創ちゃん」 「いや、しょうがないだろ……」 「だーめだめ。ムネにやられてこんなに喜んでるヘンタイさんにはお仕置き続行っす。 次は……そうだ、こっちでしてみるっす」 そう言って澪田はスカートの中へ手を入れ膝を浮かし、一枚の布を抜き取った。 言うまでもなくそれは、さっきまで履いていたパンツ。 ワインレッドの生地にチェックの模様が入った、オシャレかつ活発な澪田の印象によく似合った下着だった。 「それは……?」 「ふっふふーん。次はこれで、創ちゃんを愛してあげちゃうっすよ」 両手で広げられたその薄布は一部分が酷く濡れており、なんとも言えない蠱惑的な香りを放っている。 股の部分、色が変わるほど湿っている辺りをまだ萎えていなかった日向の亀頭に当て、 竿全体にパンツを絡みつかせて、順手で握りそのまま扱き上げ始めた。 どぎつい見た目と活発な言動に反して芯のしっかりした澪田のこと、肌を重ねあう仲になっても過剰に乱れたりすること無く、 これで結構高校生らしい、スタンダードなエッチを繰り返してきていたため、いきなりのパンツ手コキに彼は度肝を抜かれた。 女性の秘所を包む下着は見た目以上に繊細な布地が用いられており、亀頭や竿に押し付けられて優しく擦られると、 ただ単に手で扱かれるよりもずっと気持ちいい。 しかもそれが恋人の、澪田のものであり、まだ履いていた時の体温と湿気がたっぷり残っている脱ぎたてのものであり、 べっとりしたいやらしい粘液に浸されているものと来れば、射精直後のものであってもすぐに追い詰められてしまう。 悦びを隠しきれずに我慢汁を漏らし始めた日向を澪田が嗤う。 「あーあ、たかがパンツでこんなにしちゃってぇ。創ちゃん、いよいよヘンタイさんっすねぇ」 「や、やめろ、恥ずかしいだろ……」 「いやっすよー。もっともーっと恥ずかしがらせてあげちゃうっす。何処へもお婿さんへ行けないように、ね……」 尿道口から分泌されるカウパーを親指で亀頭粘膜へ塗り込めながら、しゅっしゅとリズミカルに扱き立てる。 さすがは超高校級の軽音部員といったところか、指使いは滑らかかつ流麗で、 初めての手コキでも引っ掛かったりすることもなく、とてもうまく性感を高めてくれている。 しかし自身の大事な部分をパンツにくるまれるのは気持ちいいだけでなく極めて恥ずかしいことで、 扱かれ続けていると恥ずかしさと気持ちよさがない混ぜになって、もはや自分がどちらを感じているのかすら分からなくなりそうな恐怖を覚えた。 「創ちゃんの、唯吹の手の中でひくひくしてる……そんなにパンツがいいんすか? 女の子のパンツ大好きなんすか?」 「な、わけないだろ……」 「そうすか~? そんな事言っといて、部屋から唯吹のじゃないパンツが出てきたりしたら許さないっすよぉ」 万が一にもそんな事は無いと思うが、竿を握られていては満足に反論もできない。 我慢汁がパンツの淫液と混ざり合って、一回しごくごとにぬちゃぬちゃと淫らな水音を立て始めるともう忍耐力が尽きかける。 頬を赤らめ、じっと陰茎を見つめながら熱心に手コキされ続けると、もう出さずにはいられなくなってきた。 「澪田……!」 「もうダメ? 出ちゃうっすか? パンツでしーこしーこされて、いっちゃうんっすか? いいっすよ。 唯吹のパンツで射精しちゃう創ちゃんの恥ずかしい顔、見せて……!」 上目遣いの、やけに真剣な眼差しが痛い。 パンツに犯されて絶頂するまでを観察されて顔が真っ赤になるのを感じたが、逃げることも耐えることもできない。 搾られるまま、日向はパンツの中に射精した。 一回目と比べても多めの精液が、薄布の中に撒き散らされる。 射精している性器をぎゅっと握りしめられ、出てくるザーメン全てをパンツで受け止められ、 痙攣するような吐精が終わった後も尿道に残ったザーメンを竿の根本から扱き上げるようにして搾り出され、 それもきちんとパンツに染み込まされ、やっと解放された。 「……いっぱい出たっすねぇ。びっくりっすよ。まさか創ちゃんが、ここまで唯吹のパンツ好きなんて」 「……別にそうじゃないって、言ってるだろ……」 「はいはい、っと。うししっ、このパンツ、もうベタベタで履けないから……創ちゃんにあげるっすよ。大事にしてね……なんて、ね」 机の上に置かれたパンツは白い液体塗れで、もう何の使い道も無さそうだが、少なくとも彼を興奮させる役には立った。 「唯吹のひんにゅーでいかされて、パンツでもいかされて……創ちゃんはーずかしっ。 そんな情けなーい創ちゃんと一緒に居られるのは、きっと唯吹だけなんすよね……ぬふふ」 「なあ、散々しといて何なんだが……別に、俺は澪田以外の女の子には興味ないぞ」 やっとの思いでそう言うと、彼女の表情が変わった。 日向の顔をじっと見て、答える。 「……それ、ホントっすか?」 「ああ。言ってたじゃないか、俺が澪田の運命の人なんだって。 だから、俺は澪田以外の子と付き合うつもりなんか、全然無い、……!?」 言い終わるより先に、唇を塞がれた。 上半身裸でパンツを履いていない澪田が、自分にキスしている。 軽く目を閉じて、唇をこじ開け唾を啜り舌を絡め合う深い口付けを貪っている。 ちゅっちゅという甘い音だけが、耳に届いていた。 「ちゅ、……ぅ、ちゅる、ぇるる……あふ、そうっすよね……創ちゃんは、唯吹だけ見ててくれるんすもんね…… じゅ、るる……ふ、ごめん、酷いことして……」 「いいよ、なんだかんだで気持ちよかったし……それに、まだ終わらないだろ?」 そう聞いてこくりと頷いた唯吹は一旦顔を離し、身体を上げてスカートを持ち上げ、キスで再び勃起した男性器を捕らえる。 パンツに染みこむことすら出来なかった愛液が粘膜と絡んでくちゅりと鳴る。 唯吹の発情を示すその音が淫らすぎて、日向はもう彼女以外見えなくなった。 「創ちゃん……愛してる。創ちゃんが一番好き。だから……いいっすよね?」 「うん。俺も好きだよ。だから、しよう」 返事もせず、澪田は日向の上に跨って陰茎を咥え込んだ。 二回射精した後のものに、きつい締りが襲う。 まだまだ男に慣れないところもあるが、ここのところ頻繁に使っているせいで急激にその女性性を開花させている膣肉が、粘液を絡めて男性器を抱きしめる。 三回目の酷使に呻く声とようやく訪れた挿入の刺激に喘ぐ声が重なった。 「っ……!」 「あうっ、創ちゃんの、いつもごつごつして、すごいっす……!」 涎を一筋垂らして唯吹は腰を使い出した。 女子高生の若々しい肉が男を責める。 十分すぎるほど濡れた襞に擦られ、ただ悶絶していた日向に澪田が顔を近づける。 と、またしても口寂しい少女は唇を奪ってきた。 男を組み伏せて騎乗位で腰を振りながら、器用にも上半身でくちづけ。 ちゅるちゅるいう唾の音が肉体と精神両面で日向を責めたてた。 「はふ、あぅ、ちゅぱっ……あふふ、やっは、はひめひゃんとのきふ、きもひいぃ……あむ、ちゅるる、えるる……」 「……」 たっぷり唾を絡めて唯吹の舌が日向の口内へ侵入してくる。 唇を割り開いて粘膜を撫でてくるその舌に己のそれを合わせ、 性器同士の交わりでだけでは飽きたらぬと言わんばかりに激しく吸い合い、唾を飲ませ合う。 付き合いだして以来何十回とキスしてきたが、いまだに慣れない。 何度澪田とキスしても、気持ちよくて楽しくて、もっともっと吸いたい思いで頭がいっぱいになる。 何より彼にとって嬉しいのは、その思いを澪田も共有してくれているらしいことで、セックスの最中こうしてキスしないことは今まで皆無だった。 「あ、む、ちゅ、い、ひぃ、らめ、いぶき、もう、ちゅ、いっひゃ、う、いぐ……!」 「俺も……!」 いよいよ限界が近づいてきて日向は自分からも腰を使い出した。 澪田の女性器に下から自分自身を打ちこむ。 狭い膣に勢いよく突き込むと、粘液と粘膜の暖かさと周囲から迫る柔らかい肉の圧力と奥から吸い上げられるような感覚が激しすぎて、 いきそうになっていても腰の動きを抑えることができない。 愛液の飛沫をまき散らして、それでも口は離さないまま彼女は叫んだ。 「ん! う、む、……ちゅる、や、もう、いく、いぐ……いっひゃ、うんんっ!」 上の澪田の動きが一瞬止まり、膣が急激に締まる。 感じやすい貧乳を刺激されていたせいで先に一人でいってしまったようだが、まだ射精に至っていない日向は止まれない。 全身の力を抜いて唇だけで吸い付いてくる彼女の体を支え、思い切り突き上げた。 「……にゃ、はぅ、やめ、いぶき、いまいっへ ……あむ、ちゅるる、らめ、ちゅーも、えっちもきもひよすぎ……」 虚ろな瞳の澪田が愛しすぎて止まれない。 何処へも逃げられないように抱きすくめて強く口を吸って、キスで酔わせて股ぐらを打ちあげる。 一度絶頂しても解放されずに更に犯される澪田は涎と愛液を垂れ流しにして、もうロクに意味の通らない言葉しか呟かない。 「い、いって、や、あふ、すき……すきすき、はひめひゃんしゅき…… や、いぐ、またいっひゃう、ちゅ、うぅう、ふふ、ちゅーきもひい……」 こんな澪田は可愛すぎて射精せずにはいられない。 きゅんきゅんいうおまんこに答えて、奥に突っ込んでそのままいった。 今までで一番多い精液が澪田の狭い膣から子宮口へ注ぎ込まれ、孕ませるために侵していく。 膝で軽く日向の腰を挟み、離れないようにした澪田は胎に広がる精液の感触にうっとりと微笑んだ。 「ちゅるる、あ、出てる……はじめちゃんの、せーし……たぷたぷいってる……」 性欲を満たされてもキスしたい欲求は留まらないらしく、そう言って澪田はまた唇に吸い付いてくる。 いくらキスしても一向に飽きの来ないエロいクチに、日向ももう虜だった。 翌日。 日向は同級生にして超高校級の王女、ソニア・ネヴァーマインドのコテージへ呼び出されていた。 唐突な召喚命令に戸惑う彼を、王女はじっくりと観察し、その後何か得心が行ったように頷いた。 「やはり。前から気になってはいたのですが、日向さんの特徴……ノヴォセリック王国に伝わる英雄のものと一致します」 「英雄?」 「はい。特徴の無い顔をしたその男は、王女とともに黄金のマカンゴを捕え、二人で国を治めたと……そういう伝承が、あるのです」 「特徴の無い、て……あんまり嬉しくないな」 「日向さん! この島を出たら、私とともに……」 ソニアがそこまで言った時、コテージの扉がリズミカルに叩かれた。 熱く激しく刻まれる8ビートに発言を遮られた彼女は、少し逡巡していたがやがて入口へ向かい、扉を開けた。 「おーっすソニアちゃん! 創ちゃん探してるんすけど、知らないっすか?」 立っていたのは澪田。一見いつもと同じく明るい感じだが、日向には何となく迫力というか、強い闘気のようなものが感じられた。 「お、いるじゃないっすかー。ちょっとソニアちゃん、創ちゃん借りていくっすねー」 「え!? ちょ、ちょっと澪田さん!」 ソニアの制止も聞かずに、澪田は日向の腕を掴んで無理やりコテージの外へ引っ張りだす。 人気のない砂浜まで連行されて、ようやく日向は言った。 「な、なんだよ、いきなり……」 「なんだも何もないっすよ! 昨日は『唯吹だけ愛してる』みたいな事言っといて、誘われたらホイホイついて行っちゃうなんて、酷いじゃないっすか!」 「誘われ……? って、どういうことだよ」 「分かんないんすか? 唯吹が助けなかったら創ちゃん、ソニアちゃんに口説かれてたっすよ。 もしかしたら、祖国に来て欲しいとか親に会って欲しいとか、そういう話になってたかも……」 「そんなバカな。確かに英雄がどうとか言ってたけど、でも相手は王女様だぞ。俺みたいな……」 「もー、ホントに分かってないんすねー。 ……あーあ、これはもう、お仕置き決定っすね。うん。ニブイ創ちゃんは、やっぱり唯吹がしっかり守って、躾けてあげなきゃいけないんすね……ぬふふ」 どことなく獰猛な笑みを浮かべた澪田が、日向を握る手の力を強める。 今夜も気持ちよく辱められそうな予感に、震えた。
https://w.atwiki.jp/kokigame/pages/470.html
とらいあんぐるハート3 349 名前: 名無したちの午後 投稿日: 02/01/02 03 09 ID 5vkMwRY9 ガイシュウツかもしれんが、、、 とらは3のフィアッセの手コキがなぜかツボで萌え。抜けた。 あの手コキCGの表情も(・∀・)イイ!! 12 名前: 名無したちの午後 投稿日: 01/10/20 00 27 ID GkH/Owu0 愛がある手コキはいいよね。フィアッセは発射CGがないのが残念 関連レス
https://w.atwiki.jp/mustnotsearch/pages/3645.html
修正議論で変更されたワードがここに書かれます。 ワード名変更議論会で変更されたワードは右メニューにあります各回ワード名変更議論会のページをご確認ください。 - 目次 名前変更されたら行ワードの一覧ロシア 睡眠実験 ロブノール 核実験 ロンドンの黒魔術師 リサイクル食用油 ロスセタス レッドブル 飲みすぎ 関連項目 名前変更されたら行ワードの一覧 ロシア 睡眠実験 【記事名】ロシア 睡眠実験 【種別】名称変更 【依頼日時】2019/10/13 【修正依頼内容】 率直なため「ロシア 睡眠」に名前を変更するべき。 【結果】賛成多数のため変更 ロブノール 核実験 【記事名】ロブノール 核実験 【種別】名称変更 【依頼日時】2020/01/12 【修正依頼内容】 スペルミスのためロブノール 核実験→ロプノール 核実験に変更。 【結果】賛成多数のため変更 ロンドンの黒魔術師 【記事名】ロンドンの黒魔術師 【種別】名称変更 【依頼日時】2020/07/22 【修正依頼内容】 現在は調べてもヒットしないため、ページ名を「all spirit and nowhere to go」に変更する(ブラクラや"ロンドンの黒魔術師が作った"として有名なのは『all spirit and〜』のページであり、当該の記事もこのページを指しているため)。 【結果】賛成多数のため変更 リサイクル食用油 【記事名】リサイクル食用油 【種別】名称変更 【依頼日時】2021/10/06 【修正依頼内容】 このワードで検索しても出てこないので、地溝油に変えるべき。 【結果】賛成多数のため変更 ロスセタス 【記事名】ロスセタス 【種別】名称変更 【依頼日時】2023/02/04 【修正依頼内容】基本的に「ロス・セタス」と言われているので名称をそちらに変更すべき。 【結果】賛成多数のため変更 レッドブル 飲みすぎ 【記事名】レッドブル 飲みすぎ 【種別】名称変更 【依頼日時】 2023/10/01 【修正依頼内容】 現在このワードでは該当動画がヒットしないためワード名を 「レッドブル 2L」に変更すべき 【結果】賛成多数のため変更 関連項目 名前が変更されたワード一覧あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行 英行A~F 英行G~L 英行M~S 英行T~Z 数字行 その他記号行
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/4784.html
58 名前: NPCさん [sage] 投稿日: 2009/04/26(日) 16 34 01 ID ??? よし、ではまとめ読んでて思い出した昔のネタでも落としてみるよ俺 今から12~3年前、 さいたま市の狛犬じゃなくて狛兎な神社近くで開かれたコンベに行ったのよ で、行ったら開かれてない、時間ぎりぎりだからかスタッフも居ない その日はしかたなく帰って、次回にスタッフに聞いたら 『会場の係員の手違いで二重予約、で勝手に予約取り消された』 と…これが本当だったら係員が困ったちゃんだよね? ちなみに思い出した元はスレ99の『開催されなかったコンベ』ですわ http //www6.atwiki.jp/kt108stars/m/pages/1645.html?guid=on 61 名前: NPCさん [sage] 投稿日: 2009/04/26(日) 19 03 24 ID ??? 60 そう思うならもう少し盛り上げたほうが良くないか?2時間も放置されている状況では、説得力が無い。 58 確かめようが無いが、実際には主催者側のミスでコンベンションが登録されてなかったのかもな。 知らずに来る人の為に一人くらいスタッフが待機していた方が良かったのかも知れん。 コンベンション情報の登録ミスで、数人来ていたけどコンベンションが開かれなくて諦めて帰ったのは苦い思い出だ。 別のコンベンションで名称が変えられていて、気付かずに帰ってしまった事もある。 スレ223