約 16,448 件
https://w.atwiki.jp/macoto_trpg/pages/82.html
[部分編集] 概要 シナリオ製作者 XXXX様 バージョン 6版/7版 ジャンル ホラー/コメディ/脱出 シナリオタイプ オープン/クローズド 人数 xx人〜xx人 時間 xxh〜xxh シナリオ難易度 中/高 ロスト確率 中/高 特殊ルール あり/なし あらすじ 注意事項 探索者作成 シナリオ指定 学生/刑事/社会人 HO あり/なし/秘匿 HO1 HO2 その他情報 シナリオリンク [[]] 過去卓 日付 KP PL ロスト 1
https://w.atwiki.jp/dbrpalpha/pages/1067.html
キャラ名 作者 体力 TYPE LIFE 勝利数 ハイキューからの刺客、黒尾鉄朗(人間) BOSS 75 堅守高速 1 4 なかなか売れないエロマンガ(雑誌) 味餡 25 バランス 1 0 くりぃむしちゅーがボス討伐に向かう、上田晋也(人間) くりぃむ 5 堅守高速 1 0 イタリアン風NPC製スパゲッティー(食べ物) Com(コンピューター) 22 スピード 1 0 第726回ものまつりがスタートです! 現在黒尾鉄朗がタイトルを3回防衛しています! 挑戦者がタイトルを奪取するのか、チャンピオンが防衛記録を伸ばすのか!? 黒尾鉄朗の攻撃!(命中率95%/会心率5%)黒尾鉄朗、連続攻撃!!!黒尾鉄朗 「俺達は血液だ!滞り無く流れろ、酸素を回せ、『脳』が正常に働くために。」エロマンガに3のダメージをあたえた!!エロマンガに2のダメージをあたえた!! エロマンガ 「親に見つからない?」 残り体力( 黒尾鉄朗 75 , エロマンガ 20 , 上田晋也 5 , スパゲッティー 22 ) 上田晋也の攻撃!(命中率95%/会心率5%)上田晋也 「お前は今まで食べたパンの枚数を覚えているか?」スパゲッティーに1のダメージをあたえた!! スパゲッティー 「たとえ明日が苦しくてもまたその明日がある…!」 残り体力( 黒尾鉄朗 75 , エロマンガ 20 , 上田晋也 5 , スパゲッティー 21 ) スパゲッティーの攻撃!(命中率62%/会心率5%)スパゲッティー 「あたし、お芝居が好き!」上田晋也に1のダメージをあたえた!! 上田晋也 「URYYYYYィィィィ!!!!」 残り体力( 黒尾鉄朗 75 , エロマンガ 20 , 上田晋也 4 , スパゲッティー 21 ) エロマンガの攻撃!(命中率41%/会心率5%)エロマンガ 「ウシシッ(鼻血ブー)」 上田晋也はゆうゆうとかわした。上田晋也 「ノロいノロい。」 残り体力( 黒尾鉄朗 75 , エロマンガ 20 , 上田晋也 4 , スパゲッティー 21 ) 黒尾鉄朗の攻撃!(命中率95%/会心率5%)黒尾鉄朗 「俺達は血液だ!滞り無く流れろ、酸素を回せ、『脳』が正常に働くために。」スパゲッティーに4のダメージをあたえた!! スパゲッティー 「たとえ明日が苦しくてもまたその明日がある…!」 残り体力( 黒尾鉄朗 75 , エロマンガ 20 , 上田晋也 4 , スパゲッティー 17 ) 上田晋也の攻撃!(命中率91%/会心率18%)上田晋也 「お前は今まで食べたパンの枚数を覚えているか?」黒尾鉄朗に2のダメージをあたえた!! 黒尾鉄朗 「上田晋也、なかなかやるねぇ!」 残り体力( 黒尾鉄朗 73 , エロマンガ 20 , 上田晋也 4 , スパゲッティー 17 ) スパゲッティーの攻撃!(命中率95%/会心率7%)スパゲッティー 「あたし、お芝居が好き!」エロマンガに5のダメージをあたえた!! エロマンガ 「親に見つからない?」 残り体力( 黒尾鉄朗 73 , エロマンガ 15 , 上田晋也 4 , スパゲッティー 17 ) エロマンガの攻撃!(命中率41%/会心率8%)エロマンガ 「ウシシッ(鼻血ブー)」黒尾鉄朗に4のダメージをあたえた!! 黒尾鉄朗 「エロマンガ、なかなかやるねぇ!」 残り体力( 黒尾鉄朗 69 , エロマンガ 15 , 上田晋也 4 , スパゲッティー 17 ) 黒尾鉄朗の攻撃!(命中率95%/会心率9%)黒尾鉄朗、連続攻撃!!!黒尾鉄朗 「俺達は血液だ!滞り無く流れろ、酸素を回せ、『脳』が正常に働くために。」エロマンガに3のダメージをあたえた!!エロマンガに2のダメージをあたえた!! エロマンガ 「親に見つからない?」 残り体力( 黒尾鉄朗 69 , エロマンガ 10 , 上田晋也 4 , スパゲッティー 17 ) 上田晋也の攻撃!(命中率95%/会心率30%)上田晋也 「お前は今まで食べたパンの枚数を覚えているか?」黒尾鉄朗に2のダメージをあたえた!! 黒尾鉄朗 「上田晋也、なかなかやるねぇ!」 残り体力( 黒尾鉄朗 67 , エロマンガ 10 , 上田晋也 4 , スパゲッティー 17 ) スパゲッティーの攻撃!(命中率61%/会心率11%)スパゲッティー 「あたし、お芝居が好き!」 黒尾鉄朗はゆうゆうとかわした。黒尾鉄朗 「オイオイ、何処を狙って攻撃してるんだ?」 残り体力( 黒尾鉄朗 67 , エロマンガ 10 , 上田晋也 4 , スパゲッティー 17 ) エロマンガの攻撃!(命中率45%/会心率24%)エロマンガ 「ウシシッ(鼻血ブー)」 黒尾鉄朗はゆうゆうとかわした。黒尾鉄朗 「オイオイ、何処を狙って攻撃してるんだ?」 残り体力( 黒尾鉄朗 67 , エロマンガ 10 , 上田晋也 4 , スパゲッティー 17 ) 黒尾鉄朗の攻撃!(命中率95%/会心率13%)黒尾鉄朗 「俺達は血液だ!滞り無く流れろ、酸素を回せ、『脳』が正常に働くために。」上田晋也に2のダメージをあたえた!! 上田晋也 「URYYYYYィィィィ!!!!」 残り体力( 黒尾鉄朗 67 , エロマンガ 10 , 上田晋也 2 , スパゲッティー 17 ) 上田晋也の攻撃!(命中率95%/会心率42%)上田晋也が、殴ってきた!!!上田晋也 「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッッッ!!!」黒尾鉄朗に10のダメージをあたえた!! 黒尾鉄朗 「上田晋也、なかなかやるねぇ!」 残り体力( 黒尾鉄朗 57 , エロマンガ 10 , 上田晋也 2 , スパゲッティー 17 ) スパゲッティーの攻撃!(命中率69%/会心率14%)スパゲッティー、嫌いな味を襲う!!!スパゲッティー 「あたしには 演劇しかない…!」上田晋也に32のダメージをあたえた!! 残り体力( 黒尾鉄朗 57 , エロマンガ 10 , 上田晋也 -30 , スパゲッティー 17 )上田晋也のLIFEは0になった!上田晋也はスパゲッティが嫌いになってゲ○吐いて死んだ・・・上田晋也 「このきたならしい阿呆がァーーッッ!!」 エロマンガの攻撃!(命中率88%/会心率30%)エロマンガ 「ウシシッ(鼻血ブー)」スパゲッティーに7のダメージをあたえた!! スパゲッティー 「たとえ明日が苦しくてもまたその明日がある…!」 残り体力( 黒尾鉄朗 57 , エロマンガ 10 , スパゲッティー 10 ) 黒尾鉄朗の攻撃!(命中率95%/会心率15%)黒尾鉄朗 「俺達は血液だ!滞り無く流れろ、酸素を回せ、『脳』が正常に働くために。」エロマンガに2のダメージをあたえた!! エロマンガ 「親に見つからない?」 残り体力( 黒尾鉄朗 57 , エロマンガ 8 , スパゲッティー 10 ) スパゲッティーの攻撃!(命中率66%/会心率30%)スパゲッティー 「あたし、お芝居が好き!」 黒尾鉄朗は素早くかわした。黒尾鉄朗 「オイオイ、何処を狙って攻撃してるんだ?」 残り体力( 黒尾鉄朗 57 , エロマンガ 8 , スパゲッティー 10 ) エロマンガの攻撃!(命中率88%/会心率30%)エロマンガ 「ウシシッ(鼻血ブー)」スパゲッティーに7のダメージをあたえた!! スパゲッティー 「たとえ明日が苦しくてもまたその明日がある…!」 残り体力( 黒尾鉄朗 57 , エロマンガ 8 , スパゲッティー 3 ) 黒尾鉄朗の攻撃!(命中率95%/会心率15%)黒尾鉄朗 「俺達は血液だ!滞り無く流れろ、酸素を回せ、『脳』が正常に働くために。」エロマンガに2のダメージをあたえた!! エロマンガ 「親に見つからない?」 残り体力( 黒尾鉄朗 57 , エロマンガ 6 , スパゲッティー 3 ) スパゲッティーの攻撃!(命中率71%/会心率45%)スパゲッティー、腐ったにおいのスパゲッティを持ってきた!!!スパゲッティー 「あたしには 演劇しかない…!」黒尾鉄朗に34のダメージをあたえた!! 黒尾鉄朗 「スパゲッティー、なかなかやるねぇ!」 残り体力( 黒尾鉄朗 23 , エロマンガ 6 , スパゲッティー 3 ) エロマンガの攻撃!(命中率49%/会心率30%)エロマンガ 「ウシシッ(鼻血ブー)」 黒尾鉄朗はゆうゆうとかわした。黒尾鉄朗 「オイオイ、何処を狙って攻撃してるんだ?」 残り体力( 黒尾鉄朗 23 , エロマンガ 6 , スパゲッティー 3 ) 黒尾鉄朗の攻撃!(命中率95%/会心率15%)黒尾鉄朗 「俺達は血液だ!滞り無く流れろ、酸素を回せ、『脳』が正常に働くために。」スパゲッティーに4のダメージをあたえた!! 残り体力( 黒尾鉄朗 23 , エロマンガ 6 , スパゲッティー -1 )スパゲッティーのLIFEは0になった!スパゲッティーは食べられた・・・スパゲッティー 「演りたい…! いつか、紅天女を…!」 エロマンガの攻撃!(命中率49%/会心率30%)エロマンガ 「ウシシッ(鼻血ブー)」 黒尾鉄朗は素早くかわした。黒尾鉄朗 「オイオイ、何処を狙って攻撃してるんだ?」 残り体力( 黒尾鉄朗 23 , エロマンガ 6 ) 黒尾鉄朗の攻撃!(命中率95%/会心率15%)黒尾鉄朗 「俺達は血液だ!滞り無く流れろ、酸素を回せ、『脳』が正常に働くために。」エロマンガに4のダメージをあたえた!! エロマンガ 「親に見つからない?」 残り体力( 黒尾鉄朗 23 , エロマンガ 2 ) エロマンガの攻撃!(命中率54%/会心率45%)エロマンガ、興奮させる!!!エロマンガ 「ホッホッホフォオオオー!鼻血ブーー最高!」黒尾鉄朗に36のダメージをあたえた!! 残り体力( 黒尾鉄朗 -13 , エロマンガ 2 )黒尾鉄朗のLIFEは0になった!黒尾鉄朗は興奮して鼻血出て倒れた・・・黒尾鉄朗 「強くなったなエロマンガ、またどこかで戦おうぜ!」勝ち残ったのはエロマンガです!エロマンガが見事にものまつりを制覇しました!エロマンガ「エロマンガ本当最高!」 味餡「エロマンガ、大興奮!売り上げ1位!」 メアリー・リズム「エロマンガ、私が全部破棄してやるわw・・・」 ティノ(筆談)「エロマンガいらない・・・」 ネロール「ティノちゃんにはいらないけど俺はいるね」 ティノ(筆談)「ちょっと!!やめて!!□」 エロマンガ(ズコーッ!!) エロマンガ(破棄するなよ、このトップワンは俺だからな) 味餡「次の攻略ポイントは攻撃力が大事!」 エロマンガ(よーし、次のボスもいくぞ!)
https://w.atwiki.jp/lovetrick/pages/62.html
きっかけ by 243さん 1 ある依頼を解決した帰り道。 上田を気に入った依頼人の娘に食事をご馳走になり、 上田と奈緒子は家路についた。 「うーん、満足満足♪」 お土産のケーキの箱を振り回し、 奈緒子は幸せそうに微笑む。 その後ろ、1メートルほど離れたところに 上田が歩いていた。 「…もう少し遠慮したらどうなんだ?」 上田がため息をつく。 奈緒子が振り返り、さも 当然のように言い放った。 「あっちが遠慮するなって言ったんじゃないですか」 確かにそうなのだが、 奈緒子の食べっぷりは相変わらずだった。 超高級肉のフルコースだったのだから 無理もない。 「あんなに美味しいものは久しぶりに食べたなー。 上田のおかげだな。 感謝してますよ♪」 めずらしく素直な奈緒子に少し見とれ、 上田は視線を逸らした。 自分でも気付いていた。 最近、奈緒子を見つめることが多いこと。 体に触れたいと思っていること。 (いつからだろうか…) 「あっ、信号変わる!急げ上田っ」 走りだした奈緒子の腕を思わず掴んだ。 横断歩道の手前で、 信号が点滅し赤に変わる。 「上田っ…あーあ。ここの信号長いんですよ」 (しまった。腕を放すタイミングを逃してしまった…。 振り払ってくれ!) 上田の心の叫びも虚しく、 奈緒子は特に気にする事無く 車の流れを眺めている。 上田は戸惑い、手をそっと放そうとした。 細い腕。白い肌。 全てが愛しくなる。 上田の手はいつのまにか 「…上田さん?」 奈緒子が怪訝な目で見上げる。 (しまった…) 上田は慌てて手を離し、 無意味に腕を組んでみる。 「な、なんだ」 「お前…ケーキが欲しいのか?」 奈緒子はケーキの箱を両手で抱えて3歩下がった。 「…いや、それはお前のものだ」 上田が言うと 奈緒子は安心したように微笑み、 また上田の隣に並んだ。 (さっきより近いような…) 柄にもなく心搏数が上がる。 その時、いくつものクラクションの音が鳴り響いた。 「なんだ?」 「…上田さん、あの車ふらふらしてません?」 トラックが右に左に揺れ、 周囲のドライバーの邪魔をしている。 「居眠り運転…?」 奈緒子が呟いた時、 急にトラックの速度があがり こちらに向かってきた。 「うわっ…!!」 「奈緒子!!!」 「ん…、いたた…うーん?」 奈緒子はゆっくりと体を起こした。 目が覚めると、辺りに人だかりができている。 奈緒子は野次馬から少し離れたところに寝かされていた。 「助かったのか…。あっ、ケーキは!?」 ケーキの箱は奈緒子の足元のほうに置かれていた。 真っ白だった箱が少し黒くなっている。 箱を開け、奈緒子はがっくりとうなだれた。 「ううー、やっぱり崩れてる…」 8割方は奈緒子が振り回したせいで崩れたのだが…。 奈緒子はケーキの箱を抱え、改めて辺りを見回した。 トラックは自分達がいたところの信号機にめり込んでいる。 救急車とパトカーがやってきた。 「ドライバーの他に怪我人はいませんか!」 救急隊員の言葉に体を見やるが、 特に傷は見当たらなかった。 「よかった…。…。」 奈緒子は少し不安になっていた。 上田が近くにいない。 まさかトラックに巻き込まれたのだろうか? 奈緒子は野次馬を掻き分け、トラックに向かっていく。 「上田さんっ!おい上田!」 どこにもいない。 自分一人置いて、どこかに行ってしまったんだろうか。 「…上田さんっ!!」 叫んだ瞬間。 不意に肩を抱かれ、 奈緒子は人だかりに連れ戻された。 「こっちだ」 人の隙間を抜け、 先程自分が寝かされていた方に向かう。 「一人でうろつくな! タクシーを呼んでやったのに…」 「…うえだ…?」 奈緒子をタクシーに押し込み、運転手に行き先を告げると、 上田は奈緒子から手を離した。 「消毒してやるから家に来い」 「……」 奈緒子は俯いて、ケーキの箱を抱える手に力を込めた。 理由もわからないが、 目に涙が溜まっている。 何か口に出したら溢れてしまいそうだ。 「…どこか痛いのか」 首を横に振る。 「ケーキが惜しいのか」 頷きかけ、首を振る。 そんな悲しみじゃない。 悲しいより、嬉しい。 この人が、一番近くにいること。 いつも、誰よりも近くにいた。 誰よりも。 「…着いたぞ」 奈緒子は上田に体を支えられ、タクシーを降りた。 部屋の鍵が開けられ、 そのままベッドまで連れられる。 「座れ。足を出すんだ」 奈緒子はベッドの端に座り、 フレアスカートの裾を膝まで上げた。 膝の下を少しすりむいたようだ。 上田の手が足に触れ、 そっと消毒液を吹き掛ける。 冷たさと少しの痛みに、足がぴくんと跳ねた。 「痛かったか?」 奈緒子は首を振った。 上田は無言のまま奈緒子の足にガーゼをとめる。 「…ありがとう、ございます…」 消え入りそうな声。 これが限界。 NEXT>>
https://w.atwiki.jp/lovetrick/pages/146.html
第二ラウンド by 名無しさん 1 奈緒子は泣いた。 上田への思いと、一つになれなかった寂しさが辛かった。 奈緒子の頬に一筋の涙が流れる。 何故?上田が巨根で童貞だから?私が処女だから? 一晩中駅のトイレで泣き明かし、翌日部屋にもどると… そこにはワラビ餅を食べている上田の姿があった。 奈「なにしてるんですか?ってゆーか、どうして勝手に入るんですか?」 あれだけの醜態を晒した翌日に、よくこのへ屋に来てワラビ餅を食えるもんだ。 と奈緒子は思った。 次「いや、YOUに謝りたくて…」 奈「それが謝る態度か?。」 次「好物なんだよ!」 逆ギレする上田に呆れる奈緒子 奈「で…別に謝ってもらうようなことはないですよ。」 次「怒ってるだろ?俺が早かったから」 奈「別に」 次「ほら怒ってる。YOUは怒ると左右の目の大きさが変わるんだよ」 奈「え!?」 慌てて鏡を見る奈緒子 次「冗談だワハハハ」 相変わらずの上田の態度にしだいにイライラする奈緒子 奈「用がないなら帰って下さい」 次郎おもむろにワラビ餅をテーブルに置いて奈緒子に話し掛けた。 次「もう一度チャレンジしないか?」 奈「え?ここで?」 次「男女がまぐあうのに場所など関係ない。犬をみろそこらじゅう で交尾している」 「交尾って…犬と同じかよ?」と思った奈緒子ではあるが、それなりに嬉しかったようだ。 奈「でも、その…心の準備が…」 次「俺は万全だ。完全に予習してきたからな。」 奈「え?」 次「さあ、始めようか」 奈緒子の服を順番に脱がしていく次郎。奈緒子の体は恥ずかしさと嬉しさで震えている。 次「怖がらないで。僕に任せておけ」 全く根拠のない自信に圧倒される奈緒子。 いつもなら「貧乳」とバカにされるほどの貧乳だが、上田は丁寧に舐める。 「アッ…」奈緒子の口から声が漏れた。上田の手は奈緒子の秘部へと伸びて行った。 奈「上田さん。そ、そこは…」 奈緒子の顔は恥じらいとかすかな気持ち良さで真っ赤に染まっている。 上田は丁寧に奈緒子の身体を舐め、秘部に顔をうずめた。 「ウッ」奈緒子のあえぎ声が一段と大きくなる。 奈緒子自信、今まで自慰をしたことがなかったわけではない。 しかし、実際に他人に秘部を愛撫されるのは初めてなのだ。 奈(こんなに気持ちいいなんて…) 奈緒子は身体をくねらせ、上田の愛撫に応えた。 奈「こんなの初めて…気持ちイイ」 奈緒子のその言葉を待っていたかのように上田が挿入をはじめた。 奈(痛い…。でも…ガマンする。私…上田さんのものならなんでも受け入れる。) 奈「上田さん。好きです。」 奈緒子の目からは涙がこぼれる。 そして彼らは一つになった。 Next>>
https://w.atwiki.jp/lovetrick/pages/16.html
池田荘にて by ◆QKZh6v4e9wさん クーラーの存在しないアパートに戻ってくると部屋にはいつものように日本科技大学の教授が座っていた。 ほとんど乾いた下着類が押しやられた洗濯紐には万国旗が翻り、窓際には紙で作った花がいくつもとめられている。 上田は頭には赤と緑の厚紙製のとんがり帽子、首にはこの暑い最中に金ぴかのモールを幾重にも巻いていた。 「ハッピ~~ッ、バ~~スデ~~~!」 手にしたクラッカーの紐を引き、彼は白く輝く歯を見せた。 奈緒子は今更もう驚いた表情などみじんも見せなかった。 疲れた風情で足元に本日ゲットのパンの耳の袋を置く。 「なにやってるんですか上田さん」 上田は新しいクラッカーをとりあげ、またぽんとはじかせた。 「見ればわかるだろう。ハッピーバースデー」 「どう見てもクリスマスだ。やめろ暑くるしい」 上田の前にはケーキの箱や大きな鳥腿の照り焼き、シャンメリーなどが並んでいる。 それらをちらちらと気にしながら奈緒子は座った。 「何企んでるのか知らないけど、私の誕生日は今日じゃないですよ」 「なぜ貧乳、かつ水虫、かつ魚の目のyouの誕生日などを祝ってやる必要がある?そんな呪われた日なんかじゃない!今日はな、俺の誕生日だ」 「そうだっけ?」 「知らないのか。なんという認識不足だ」 上田は偉そうにとんがり帽子を揺らせた。 「ノーベル賞獲得の暁には、この上田次郎の生まれた日が国民の祝日に制定される可能性は非常に高いというのに」 「絶対にされませんから」 上田はまたクラッカーを取り上げて鳴らした。 「はははっ。誕生パーティーは楽しいなぁ」 「ちょっと待て。なんで私の部屋でやる?」 「you!」 びしっと上田は奈緒子の鼻先を指差した。 「余計な事を考えるな。常在餓鬼道のyouの前に食パン以外の高カロリーの食べ物が存在する、その奇跡だけに目を向けるんだ」 「つまり祝ってくれる友達がただの一人もいないんだな。まあいい、仕方ないから祝ってやる」 奈緒子は照りも美しく輝く腿肉に熱い視線を向けた。 「…でかい!奮発したな、上田。……誕生パーティーは楽しいなぁ、えへへへっ!」 「よし乾杯だ!」 上田はシャンメリーをグラスに注ぎ、奈緒子に渡した。 「上田次郎次期名誉教授のますますのご発展とご活躍を祈って!」 「明日にでも上田とのこの腐れ縁がさくっと切れますように」 二人はグラスを干した。 奈緒子は急いでグラスを置き、腿肉に手を延ばした。 上田のことである。いつ気が変わらないとも限らない。 「じゃ、遠慮なく!」 「待て!」 上田がその指先をクラッカーで抑えつけた。 「その前に、出してもらおうか」 「何をですか」 奈緒子の視線は一直線に腿肉だけに向かっている。 上田はにんまりと眼鏡の奥のつぶらな目を細めた。 「誕生パーティーで要求するものといえば、誕生日のプレゼントと相場は決まっているだろう」 「せこっ。いつも世話をしてやっているこの私から貢ぎ物をとるというのか、上田?水臭い奴だ……なっ、私たちの仲じゃないか」 「我々の間にそんな仲など存在しない!」 上田は腿肉を押しやり、奈緒子の指をつかみあげた。 「youがプレゼントはおろか普段二百円以上の持ち合わせすらない事は百も承知だ。大丈夫だ、今回は持ち合わせているもので勘弁してやる」 「亀とハムスターは譲らないぞ!」 「誰があんな生き物など!俺の狙いはな、山田」 上田は奈緒子の目の前にぐいと顔を近づけた。 聞き取りにくい低音が鼓膜をくすぐった。 「youだ」 「え?」 眉間に皺を寄せた奈緒子はまじまじと間近の上田の顔を眺めた。 その間にせこせこと膝で移動した上田は卓をおしやって腿肉を遠ざけてしまった。 「you……わかっているんだ、最初に出会った瞬間からyouが俺の事を密かに慕い、貧乳、いや、胸をいためているという事はな」 声は言いくるめるような騙くらかすような甘い響きを帯びている。 「う、上田。何を言っているんだ。何か悪いものでも食ったのか……にゃっ!?」 大きな手がそっと胸に這い上がってきたことに気付き、奈緒子は頬を赤らめた。 「さ、ささ触るなっ」 「恥ずかしがる事などあるものか。youの救いのない貧乳ぶりに関しては熟知しているから隠す必要もない。しかも男女間の行為のあらゆる資料を予習済みのこの俺だ。処女を捧げるにこれ以上の相手はいないぞ、山田奈緒子!」 「誰が処女だっ」 奈緒子は急いで身を捩ろうとしたが相手は通信教育で空手を極めるという非常識を体現する上田次郎である。 素早く腕を捻られてあっさり畳面に押し伏せられてしまった。 「ん~~~、いい匂いだ……you……リンスは何を使っている…?」 頬に乱れた黒髪の匂いをうっとりと嗅いでいる上田の表情と台詞に、奈緒子は不吉な既視感を覚えた。 「はっ……う、上田っ!?まさか、お前は例の怪し気なあれを服んで…」 「うむ、例のポ○モン島の媚薬成分をちょっとな。youのような貧乳を襲うにはやはりクスリの力が必要だ」 「ポ○モンじゃない。黒門島だ!」 「ふっふっふ……」 上田が笑い出した。 「ふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっ」 「意味もなく長々と笑うなっ」 「長く笑いたくもなるじゃないか……さっき、youも媚薬を服んだんだぞ。油断したな…」 「え」 奈緒子の顔から血の気がひく。 今しがた乾杯したシャンメリーに違いない。楽しい誕生パーティーにかこつけて、なんという卑劣漢か。 「上田!放せ、そこからおりろ」 「超即効性の媚薬だ。どうだ~、ドキドキしてきただろう…?」 「う」 上田の指がやけに不器用に奈緒子のブラウスの胸元を探った。釦をうまく外せないようだった。 「……うむ、急いではずすんだ、山田!」 「なんで私が?」 「強がるな……ほ~ら、youも、すっかり…目が潤んでいるじゃないか」 それはお前だろうと言いかけて、奈緒子は頬が熱い事に気がついた。 それどころかやたらでかい上田の重い躯がぴったり密着した部分も熱い。特に股間のあたりが熱い。 「い、いやだ。やめろ、上田」 「こうして間近で見ると…いや…わかっはていたが、よく見ると……可愛いぞ、 you」 奈緒子は耳を疑い、自分の正気を疑い、最後にはやはり上田の狂気に烙印を押す事にした。 Next>>
https://w.atwiki.jp/newgenreschool/pages/614.html
鮫子「ふぅ…お仕置きはこれくらいにして、アタシにもグラスいいかしら?」 友 「お、おう…その鮫子…ほれ」 鮫子「どうしたのよ?そんなにキョドっちゃって、挙動不審がデフォの友君らしいっちゃらしいけど」 俺 「絶妙に失礼だな…」 友 「その、久々に会って思ったんだが…鮫子」 鮫子「あ、そのくらいでいいわお酒、んで何?」 銀が俺の耳元に声をかける 銀 「口説くの?」 俺 「無いな、あいつは意外な所で義理堅い奴だからな」 銀 「?」 友 「お前…その」 鮫子「何よ」 友 「やっぱSキャラだよな」 鮫子「…」 友 「…」 ふふと笑いながら鮫子 鮫子「乾杯」 友 「かぁっ!か、カンパイ…」 銀 「あら?意外ね。派手にぶん殴るかと思ったわ」 俺 「友の足元…ヒールの踵が突き刺さってるだろ…昔は表情に血管が見えたが、今じゃ普通に笑顔だし」 そしてその足元に頭から煙を出したまま倒れてるツンバカの姿があった 脇谷 「ご、ごめんねぇ…遅れて」 軍師 「予想通りだから大丈夫よ、どうせ上田絡みでしょ…って何その背中の死体みたいなの」 えーじ「あ、上田ちゃんだ!おーい!上田ちゃーん」 えへへと笑いながら上田を席に着かせ、後ろの壁にもたれかけさせる 脇谷 「その、仕事が午前中に終わったみたいでね、一人で出来上がっちゃったみたいで」 軍師 「はぁ…今確か上田って作家してるのよね?」 脇谷 「そうだよ、で、私が上田担当なんだけど…相変わらず我侭のムラっ気仕事だから」 軍師はとりあえず脇谷のグラスを用意させ、ビールを並々と注いでゆく そして片手に自分のグラス、もう片手のグラスを脇谷さんに差し出す 軍師 「とりあえず、お疲れ様…脇谷さん」 脇谷 「えへへ、ありがとね。んじゃ乾杯♪そしてえーじも」 えーじ「うにぃ」 カランとグラスの触れる音が店内の喧騒に紛れて消えてゆく 上田 「うぃ~男なんて…ひいっく!」 軍師 「もしかして?」 脇谷 「だから飲んでたみたいなの…」 へへと苦笑いしながら脇谷はくいっとビールを傾ける ヤン 「お?大丈夫か?上田?」 上田 「うぅ~らいじょうぶ…」 ヤンデレが壁にもたれる上田に声を掛ける 脇谷 「あ、あはは。なんかお昼くらいから飲んでたみたいで」 ヤン 「駄目人間だなぁ、こいつは…上田?少し吐くか?」 上田 「んん…あらしを酔わせてどうするつもりなのよぉ…うへへ」 ヤン 「だっ!?どあああああ!!抱きつくな!臭ぇ!酒臭ぇぇぇ!!」 上田 「寂しかったよぉ~ねぇ!答えてぇ!」 ヤンデレの首元に絡みつく上田 それを引き剥がそうと必死のヤンデレ 上田 「恋は下心ぉ~愛は真心ぉぉ」 ヤン 「だぁぁぁ!意味わからねー!!」 その風景を見ながら脇谷 脇谷「あー桃色時空だね…座標見失ったヤマトって感じ」 軍師「つ、使えないわね」 上田「男は全て奴隷なのよぅ!!!!!」 ヤン「こ、声がでかいんだよっ!!」 店員の案内を受け、別の人間が予約スペースのほうに入ってくる 荒鷹「表まで声が…って上田ちゃんだよね…やっぱし」 日下「あ、あはは皆、お久しぶりだね」 古風「あら、皆様、お久しぶりです…」 OLさん風なスーツを着た荒鷹に大人しめのセーターにジャケットを着込んだ日下 そして相変わらずの着物姿での変態古風 三人は同じく上着を壁に掛け、席に座る プロ 「あ、お久しぶりですね、ささ、駆けつけ三杯♪」 日下 「い、いきなりは無理だよ…」 きちょ「古風さんも、ふふ子供さんは元気?」 変態古風、卒業の二年後付き人の橘と結婚 その後子供を出産、今や二児の母である 古風 「ええ、既にギンギンに立ってそこらじゅう駆け回って…大変です」 きちょ「へ、へぇ…何か色々凄そうね…」 相変わらず淑やかにおかしな人だなと冷や汗のきちょうめん その背後でいきなり金切り声が上がる 軍師 「何じゃこりゃー!!!!上田ぁぁぁぁぁぁ!!!」 脇谷 「お、怒らないでぇぇぇぇ!!!」 軍師 「ききききき…貴様私をぶぶぶぶぶ侮辱しているのか!!!!?」 上田 「んあ…えへへ、可愛いよねぇこれ」 軍師 「何だこの 『 深夜の防衛省・淫虐の制服組絨毯爆撃 』 とはー!!!」 脇谷 「あ、あははしょがないよ…エロ作家だし」 顔を真っ赤にする軍師にうにゃうにゃと眠りこける上田 暴れる寸前の軍師を抑えるように脇谷、そしてうっとりする変態古風 古風 「上田さん!防衛省シリーズの新刊ですか!?実に楽しみです…」 上田 「えへへぇ…しかも今回は主人公の女の子は黒髪のメガネを掛けた軍師っぽ」 既に鼻息も荒く軍師は飛び掛る寸前である その風景を見つめる荒鷹と日下とヤンデレ ヤン 「ほらよ、グラスに酒だ、まあ…上田はなんつーか相変わらずべらんめぇな奴だな」 荒鷹 「ふふ、そうだねーなんだかんだで結構仲間思いなのにね、こんな事しちゃうんだから」 日下 「だね、思い出しちゃったよ…あのホテルでの上田ちゃん」
https://w.atwiki.jp/truexxxx/pages/120.html
UNSTOPPABLE ◆HH8lFDSMqU MAP中央の山を迂回するルートでA-3にある研究施設を目指す上田と酒呑童子。 進み方としては二通り、山の東側を通り、山の北から廻るルート。 山の南を通り、西側を通過するルートの二つ。 彼らが選択したのは後者の方だった。 まずは目印になりそうな場所を経由して、研究施設を目指す。 基本はオリエンテーリングと同じ要領だ。 となると、その目印になりそうな場所は――『教会』となる。 「上田はんは偉い博識やなぁ」 「ハッハッハッ、この程度のこと歴史的天才の上田次郎に掛かれば簡単なことです」 (……皮肉のつもりやったんやけどなぁ) 白馬の手綱を握るのは上田。 酒吞童子はその上田の背中に捕まるように白馬に乗る。 抱きついてロマンチック? 否、背後を常に取っているのだ。 やろうと思えば、その爪で上田の背中から心の臓を一気に貫くこともできる。 だが、酒吞童子はやらない。 勿論、興が乗ればやるだろう。 しかし、今はやらなくてもいいだろう。 「……で、この『ゆーえすびー』やったっけ?」 「はい、そうです」 酒吞童子の手には何やら頑丈そうなケースに入ったものが握られている。 そのケース内には一つのユニバーサル・シリアル・バス・メモリ。 ……所謂、「USBメモリ」が収納されていた。 「ふぅん、そないモンをわざわざウチに?」 「それは酒吞童子さんだからです」 「なんで?」 「貴女は強い。だからこそ、そんな貴女からそのUSBを手に入れるのは容易ではない。 しかも、貴女はその名前も使い方を分からないでいる」 「ほうほう……確かにウチはこないモン興味ないわぁ……」 「つまり、そのUSBの中に恐らくは重要なデータが入っていると私は考えている!」 酒吞童子の強さは先程の沖田との戦いを見ていたので分かる。 免許皆伝レベルの通信空手や柔道や相撲を嗜んでいる上田では到底太刀打ちなどできない。 そんな強い彼女にこの頑強そうなケースに入った『USBメモリ』。 そこで上田次郎の灰色の脳細胞がエンジンが掛かった。 本来ならば『倒すかどうにかしなければならない存在』である鬼の酒吞童子。 その鬼が持っているアイテムが脱出するのに重要なものに違いない。 酒吞童子当人には恐らくはこのことを伝えられていない。 この殺し合いというドッキリ企画にリアリティを出すために鬼役の役者にそういう指示が出されているのだろう。 そう、上田次郎は確信した。 (しかし、残念だったな、BB。 この世界一の天才になんの相談もなく、こういうことをしてしまうからだ!) さらに上田は考えた。 テレビ的にこの名簿の人数なら2時間番組なら何か大きなアクションを起こさなければダイジェスト映像で流される可能性がある。 そういう尺を考えるとならば、自分の活躍は本来ならクライマックスであろう。 そこで先に首輪を解析するシーンを取ってしまい、あとは編集でどうにもできるであろう。 砂金のテレビの撮影技術やドッキリの仕掛け方も進化しているから、それくらい可能であろう、と。 その上田の根拠のない自信はどこから湧いてくるのだろうか? その自信の根拠。 これも上田次郎がこの殺し合いがドッキリ企画だと勘違いしているからである。 さらに酒に酔っているので、その思考はより飛躍的にナルシスト的になっている。 酒という燃料でさらにアクセルが入る。 完全に上田次郎の思考は完全にフルスロットル状態。 もう、止まらない。 なんか脳内のブレーキか何かが壊れてるんじゃないの? (BBよ、何故ベストを尽くさないのか!!) 遂にこの殺し合いの主催であるBBにすら脳内でダメ出しする上田であった。 もっとも上田にとってBBはこの殺し合いのディレクターかプロデューサー役のアイドルか何か程度としか認識していなかった。 だから、仕方ないのだ。 そんな上田次郎を見て、酒吞童子は嗤う。 このようなタイプの人間。流石に見たことがなかった。 若干だが、上田次郎という人間に興味が湧いてきた。 興味と言ってもほんの僅かなものでる。 一緒にいて、退屈はしないな程度の、ほんの些細なもの。 ま、その程度の興味などは塵芥の如く、ふぅっと一息で吹き飛ぶんですけどね。 ――――上田の背中に酒吞童子は爪を鋭く突き立てていた。 あと少し力を入れればさっくりと上田の身体を貫通していただろう。 しかし、酒吞童子はやらなかった。 ほんの僅かだが、上田に期待みたいなものがあった。 もしかしたら本当にこの首輪を解除してしまうのではなかろうか。 と、そんな期待をもの凄く低く見積もっていた。 当たればラッキー程度のくじ引きを引く程度の期待値を。 (ウチの力を抑えてるのは……じゃまくさい首輪か。 はたまたこの土地そのものにそういう力が働いているのどっちかやなぁ……) 酒吞童子として、そのどちらでも良かった。 もし前者で上田が本当に外してしまうことならそれこそ儲けものである。 そんなことを考えていると、彼女の背中に何かあったけぇものを感じた。 ふと、振り返ると、そこには……空が紅黄色に染まっていた。 所謂、朝焼け。 夜が終わり、朝が始まる。 ――――そんな時間があと少しで来る。 【E-4 道中/早朝】 【酒呑童子@Fate/Grand Order】 [状態]:健康、左頬に打撲 [装備]:普段の服、白馬@TRICK、USBメモリ@HiGH LOW [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~1 [思考・状況] 基本方針:楽しめそうなら鬼は鬼らしく楽しむ 1:ひとまず上田と行動する。 2:小僧(村山)と会って強くなってたら再戦する 3:沖田総司とも再戦したい。 [備考] ※2018年の水着イベント以降、カルデア召喚済 ※神鞭鬼毒酒が没収されているため、第一宝具が使用できません ※スキル「果実の酒気」は多少制限されています。 【上田次郎@TRICK】 [状態]:背中に本人も気付かない程度の出血、若干の酔い [装備]:スーツ [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3 [思考・状況] 基本方針:この島からの華麗なる脱出。 1:酒呑童子と行動する。 2:研究所に向かいたい。 [備考] ※参戦時期、未定。後続に任せます。 ※殺し合いをテレビの企画だと考えています。 USBメモリ@HiGH LOW 酒吞童子に支給 HiGH LOW本編では九龍グループが隠す機密データの入ったUSBメモリ。 このUSBメモリを巡り、RED RAINやTHE MOVIE2では雨宮兄弟と九龍グループで激しい争奪戦が行われた。 このロワ内では中身に何のデータが入っているかは不明。 Next それは遠雷のように Previous 紅蓮の華よ咲き誇れ 前話 お名前 次話 上田次郎のどんと来い、鬼退治 酒呑童子 君の知らないものばかり 上田次郎 目次へ戻る
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1842.html
【上田明也の綺想曲9~あそぼう~】 ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ ピチャリ…… ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ ゴシュゴシュ ゴシュ 金属と砥石がこすれ合う音が真夜中の台所に響く。 一心に刃物を研ぐ男の背中に電灯から薄ぼんやり落ちる影はどうしてか悪魔のように黒い。 ある人が見ればきっとこれを美しいと表現するだろう。 ある人が見ればこれをきっと麗しいと表現するだろう。 まるで真夏の陽光を一身に浴びたかのように白く輝く刃はその実、晩秋の霜より冷たい。 刃物を研ぐ男の後ろを一人の少女が通る。 「マスター、何やっているんですか?」 「刃物研いでいる。」 「刃物?村正か何かですか?」 「あれは研がなくても何故かいっつも最良の状態で鞘に収まっているよ。」 「都市伝説だからですかね?」 「多分いつも最良の状態で都市伝説として固定されているんだろうな。」 「成る程……。」 「解ったらさっさとベッドに戻れ。刃物を研ぐのは幼女を愛でるよりも楽しい。」 「……本当にどうしようもないですね。解りました。」 「ああ、ゆっくりお休み。都市伝説との戦いは忙しいからね。」 そう言ってメルを寝室に帰すと上田明也はまた刃物を研ぎ始める。 上田明也にとって刃物は幼女以上に心を落ち着かせる物だった。 彼は刃物が好きだ。 生物無生物どんな対象であれそれにツ―――と刃先が沈み込んでいく瞬間、 彼は刺した対象、刃物の制作者、そして彼自身の三者が一つになったような奇妙な一体感を得られるのだ。 それは人間には本来感じ取ることが不可能な感覚だ。 だから彼は刃物を選んだ。 彼は刃物が好きだ。 刃が対象を二つに裂くその瞬間、彼自身ができたての切断面を観測する人間になる。 それは彼にとってコウノトリやキャベツ畑を信じている無垢な少女に色々と教える快楽に似ている。 そんなこと実際にやれば子供を傷つける最低の行為だ。 それを彼は知っている。 だから手軽に同じ快楽を得られる刃物の方を選ぶ。 彼は刃物が好きだ。 使い込んで研げば研ぐほど鋭く切れ味を増していく。 それはまるで幼い女の子を完璧な幼女に育て上げるような喜びを彼に与える。 勿論、彼だってそんなこと本当に出来ないのは知っている。 だから手軽に同じ快楽を得られる刃物を選んだ。 ひとしきり刃物を研ぎ終わると上田明也はそれらを自分の臙脂色のコートの中にしまう。 何時でもそれが使えるようにだ。 寝室をのぞき込むとメルは寝息を立てて眠っていた。 上田明也はゆっくりと彼女に近づくと彼女の頬をつつく。 「む、むきゅうう………!」 可愛らしく呻いてメルが寝返りを打つ。 「やっぱり可愛いなあ、このロリ。」 そう呟くと上田はメルの二の腕をプニプニと揉み始めた。 肌にはツヤとハリが有るだけでなく吸い付くような弾力がある。 骨は細い。 子供なのだから当然だ。 「うへへへへ……。」 二の腕を揉まれると気持ちよさそうに笑うメル。 だらしなく口まで開けている。 「やっぱり二の腕が気持ちいいのか?だらしない顔しやがって。 この(ピー)な(ピー)め! ほら、おねだりでもしてみたらどうだ!」 ちょっとテンションが上がってニコニコしながらそんな事を呟く上田。 「Zzz………。」 しかしメルはおねだりではなくおねんねしていた。 「俺は何をやっているんだろう……。」 見た目だけとはいえ子供のメル相手に本当に何をやっているのかという後悔の念が急にわき上がった。 思い切り落ち込んでからメルの布団の中の香りを思い切り嗅ぎ、落ち込む自分を誤魔化す。 それからしばらくすると臙脂色のコートを着て上田は夜の町に繰り出した。 「変態過ぎるだろ俺………、常識的に考えろよ。」 彼も落ち込むときがあるのだ。 ビルが建ち並ぶ町のど真ん中で上田明也は天を仰いだ。 「月の見えない夜、か。」 その夜は雲が出ていて月が隠れていた。 真っ暗だった。 空を仰ぎながら上田明也は詰まらなさそうに呟く。 彼は嫌なことがあると誰にも言わずに散歩に出ることが良くあった。 そして、そんな時、彼はよくトラブルに巻き込まれた。 「キャアアアア!!!」 今日もそうだった。 路地裏から響く女性の悲鳴、それに息を荒くした若い男の呼吸音、そして殺気。 都市伝説と契約したことで感覚が鋭敏になっている上田明也は何が起きているか理解した。 しかし彼はそんな物に興味は示さなかった。 「うっせぇな……。」 誰かがどんなに必死でも彼には精々そんなもの。 悲鳴はすぐに止んだ。 しかし妙だ、悲鳴はすぐに止んだがさっきから犯人の男の物らしき殺気ばかりは続いている。 しかもそれは間違いなく上田に向けられているのだ。 まるで彼を挑発しているかのように、殺気は犯行現場から離れて彼を追いかける。 パチィン! パチィン! 上田が無視し続けていると今度は手を叩くような音が聞こえる。 「こちら鬼さん、手の鳴る方へ……、てか。 ――――――馬鹿にするのも大概にしろ。」 挑発的な男だ。 そう思った上田明也は先程の暗い気持ちも忘れて戦闘的な気分になる。 「誰だよ?善良な市民に喧嘩売っていると警察呼ぶぞ?」 むしろしょぼく見える脅し文句を彼は虚空に向かって吐きつける。 しかし答える人間は居ない。 上田明也は呆れたように首を振ると携帯を取りだした。 「あー、すいません警察ですか?」 仕方がないので警察に通報を始める。 ガサッガサッ! 上田の背後で紙袋を丸めるような物音がする。 「はい、実はなんでもないんです。」 そう言ってすぐに電話を切る上田。 これでは完全に悪戯電話だ。 「おい、あんた何やってるんだよ!折角会えたのにこれじゃあ意味ないじゃないか!」 なんだ、恐ろしい変態殺人鬼か。 上田明也はそう思って後ろを振り返る。 上田明也は口をポカーンと開いてしまった。 「折角会ったんだ。」 そう、そこには紙袋に左右不対称な目を書いて頭に被っている黒服の男が立っていた。 「遊ぼう、ハーメルンの笛吹き。」 男は上田に向けて手を伸ばした。 「――――――――――――おぞましい変態殺人鬼か!」 手持ちの拳銃で男を撃つ上田。 二、三発撃たれてよろける青年。 それを確認すると上田はいっきに近づいて先程研いだばかりの鉈を青年の肩に叩きつけた。 グシャア! 派手な音を立てて青年の肩から血が吹き出る。 青年は後ろにのけぞりながらも上田の目を真っ直ぐ見て 「あそぼうよ」 と言いながら倒れ込んだ。 「なんなんだこいつ?」 怪訝な顔をしながら男の服で鉈から血を拭き取る上田。 「僕と遊ぶとね。」 先程と同じ声が響く。 「新手の都市伝説か……。」 うんざりしながら上田が後ろを振り返ると先程殺した男と同じ顔をした男が立っていた。 「――――――みんな死んじゃうんだよ。」 後ろに引き下がりながら青年に向けて上田は銃弾を叩き込む。 その青年も簡単に死んだ。 「くそ、これはなんの都市伝説だ!?」 これだけの数は相手にしていられない。 その場から逃げ出す上田明也。 そしてあそぼうと言ってついてくる男達の群。 「あそぼ――――――!」 頭骨を砕き 「あそブフゥ!」 肋骨を両断し 「あそぼ……。」 大腿骨を撃ち貫いても男達の群は止まることを知らない。 「畜生……。これが数の暴力か?」 吹き出した返り血が彼の顔にべっとりとまとわりついては零れ落ちる。 しかし上田にはそれを拭く暇すらない。 鼠は先程からずっと呼んでいるが冬の為に動きが遅く、上田を守るにはとても足りない。 鼠の大群がここに来るまでに上田の方がやられてしまいそうだ。 「あそぼう」 「あそぼう」 「あそぼう」 「あそぼう」 上田の背後から声が響く。 「あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう」 いつの間にか上田は十字路で先程の青年とまったく同じ紙袋を被った男達に囲まれていた。 何本も何本も刃物を振るって応戦するがそれでも男達は近づいてくる。 とっくに銃弾は撃ち尽くし、ひたすら刃物で戦うしかなかったのだ。 「蜻蛉切!」 上田が村正蜻蛉切を抜き放つ。 すると突然、男達の動きが止まる。 それを奇妙に思いつつ蜻蛉切で目の前の男達を箸で挟まれた豆腐のように解体した。 戦いの中で彼の疲労はピークに達していた。 ピークに達してこそ居るがなぜだか身体だけは動き続ける。 まるで鬼のような表情で上田明也は目の前の青年を肉片に変え続けた。 刺して 切って 薙いで 抉って 何時の頃からだろうか? 上田明也の身体に変化が起きていた。 なんというか動きに無駄がなくなっている。 最小限の動きで敵を斬りつけ、最小限の動きで伸びる手足から身を躱す。 あと5cm近かったら捕まっていた、あと5cm遠かったら仕留め損ねていた。 そのギリギリのところをつく絶妙な動きで戦っている。 普段の蜻蛉切使用時とは明らかに異なる反応速度だ。 蜻蛉切の逸話には持ち主が戦場で傷を受けないという物がある。 今まで上田は何度もそれに助けられているが今回はそれとは何か異質の不気味さがあった。 彼の羽化の瞬間は突然だった。 「くく……ふふ、ふふふふ!ははははは!あっはっはっはっはっは!」 疲労の余り声も出なくなっていた筈の上田が高笑いを始める。 気でもおかしくなったのだろうか? しかしその瞳はいつも以上に強く真っ直ぐに見開かれていた。 紙袋の青年達は異常に気付き上田の周りからゆっくりと離れ始める。 「面白い、面白いから遊んでやろう。 村正だけじゃ足りないかぁ? そうだな、斬り殺してやる刺し殺してやる縊り殺してやる殴り殺してやる喰い殺してやる。 どんな形が良い?人間の尊厳たる自由意志だけは尊重してやるよ。 どのみちお前らは藁のように死ぬのだから。」 臙脂色のコートを脱ぎ捨てると中から大量の刃物が現れる。 それらの全てが上田明也自身の手で丁寧に丹念に研ぎ澄まされた刃物達。 それらの全てが上田明也自らの手で異常な愛情をそそぎ込まれた刃物達。 それらはまるで意志を持っているかのように上田明也の周りを浮遊する。 「例えば、このスローイングナイフ!」 浮遊するナイフの中から一つを手に取り投げつける。 それはまるでプロの野球選手が投げるストレートのように人の群に突き刺さり貫通してコンクリートの壁でやっと止まる。 「う、うわああああああ!!!!なんなんだお前はァ!?」 「あんなのハーメルンの笛吹きじゃないぞ!」 「逃げろ!ここは撤退だ!」 先程まであそぼうと言って上田に群がっていた袋を被った男達は必死で逃げ始めた。 「下らないことを言うね、神様だよ。」 周囲を飛んでいる刃物の中から適当な物を選ぶと上田は走り出した。 恐怖で逃げ惑う人々の群を後ろから悉殺するのだ!自分一人で! そう思うと上田明也の心は不思議なほど昂ぶっていた。 月のない夜なのに彼の目は獣のように爛々と煌めき、彼の周りを飛び交う刃物は星のような白金色に瞬いていた。 上田が二本のナイフを無造作に振り下ろすと黒服の身体がパックリと三枚に卸される。 断面からは鮮やかな血と暖かい内蔵が零れて潰れる。 しかし返り血が吹き出すその直前に上田は消えている。 「神様から逃げられると思うなよ?」 ゆらりゆらりと動き回りながら血走った目で黒服を殺し回る様はまるで幽鬼のようだ。 ――――――チチチチ! ――――――――――――チチチチチチチッ! 雪のせいで遅れたネズミ達が今になって到着する。 町中の鼠が集まって黒服を閉じ込められるだけのバリケードを作り上げていた。 「うわああああああああああああああ!!!」 サクッ サクッ サクッ サクッ 狂気と狂喜と歓喜と怪奇に支配された真っ赤な影が雪を踏みしめて黒服に向けてゆっくりと歩いてきた。 「なぁ、あはははははは!」 その声は既に上田明也のそれではない。 「“俺”と遊ぼうぜぇ?」 首をダランと曲げて先程捨てた血に染まったコートを再び着ながら一歩ずつ黒服に近づく。 「来るな!来るな!来るな!」 BANG! ガキン! 半狂乱で一人になった黒服――――――恐らく本体が銃を取り出して上田に向けて撃つ。 しかしそれは上田の周りをくるくると回る刃物によって簡単に弾かれてしまった。 「ハハハハハハハハハハハハ!脆い!脆いぞ!」 上田明也は村正を右手に持ち直すと真っ直ぐ振り下ろした。 次の瞬間、紙袋を被った黒服の青年の視界は真っ暗になった。 最後に見た上田明也は化け物以外の何者でもなかった。 「うふふ………。」 化け物は低い声で何時までも笑っていた。 翌日 上田明也はメルの寝ているベッドによりかかったまま突っ伏していた。 「………夢?」 それにしては生々しい夢だ。 起き抜けのはっきりしない頭を総動員させて上田明也は昨日のことを思い出す。 「それにしてもやけに生々しかった。」 どうやらメルの腕をぷにぷにしたところで寝てしまっていたらしい。 彼はそう思っていた。 「マスターどこで寝ているんですか?」 ベッドで寝ているメルが上田の頭をぽふぽふと叩く。 「いや、お前の匂い嗅いでたらそのまま寝ていたみたいだ。」 「変態ですね。」 「失礼な、ド変態だ。 幼女って甘い、というか乳臭い良い香りがするんだぞ。」 「一遍死ねば良い。マスターからは知らない都市伝説の匂いがしますよ。」 「うーん……、死ぬような夢なら見たけどな。 都市伝説を使う黒服の男達に追い回されて囲まれるんだよ。 そこから急に意識が無くなってさ…………。」 上田が自分の銃から弾が無くなっていることに気付いて首をかしげるのは数時間後のことである。 【上田明也の綺想曲9~あそぼう~ fin】
https://w.atwiki.jp/lovetrick/pages/166.html
不老不死 by 初代名無し さん 2 奈緒子は、近所の公園にいた。 1月1日の午前中、元旦である。 公園には子供やヤンママの姿もなく、奈緒子1人きりだ。 寂しげにブランコを揺らすその姿は、 まるで誰かの迎えを待っている子供のようだ。 友達が母親の声に、夕焼けの紅に帰路を急かされ帰っていく中、 誰も迎えに来てくれない事を知っていながら、 淡い期待を抱いてブランコを揺らす子供のようだ。 事実、奈緒子は孤独を感じていた。 振り返れば上田がいる、 そんなうっとうしくも幸せな生活を送っているにもかかわらず。 奈緒子は昨日の事を思いだしていた。 12月31日、大晦日である。 上田は喜々として落ち着かない。 まるでプレゼントをお預けされている子供のようだ。 「YOU、まだ準備できないのか? そろそろ出かけるぞ。」 準備万端の上田に対して、 奈緒子は出かける準備など全く出来ていない。 する様子もない。 「上田さんって毎年こんな事してるんですか?」 そんな奈緒子に、 上田は吐き捨てるように言い返す。 「あぁー、イヤだイヤだ。 これだから心の貧しい者はイヤなんだ。」 いいか、除夜の鐘と言うのはだな、 一年の節目であり、区切りとなる重要な行事なんだ。 百八つの煩悩を取り除く、実に重要な儀式なのだ。」 「あぁー、だから上田さんは毎年行くんですね。」 ムッとする上田をよそに、奈緒子は全く行く気がなさそうだ。 だが、上田はどうしても行きたい。 "習慣は人間に日々の正確さを与える"が信条であるし、 彼は、信心深く迷信深い純日本人だからである。 「うるさい。黙れ。 そもそもだな、我が上田家は先祖代々、熱心な仏教徒なのだ。 お婆ちゃまの命日には墓参りを欠かした事はないし、 除夜の鐘だけじゃない。 初詣にも必ず行ってるんだッ。」 「それって仏教か・・・?」 やはり奈緒子は全く興味が湧かない。 しかし、嫌がっても、結局上田に連れて行かれるのは分かっている。 奈緒子は渋々出かける準備をして、上田と出かけることにした。 時計の針が12時を回り、 日付だけでなく、年も2002年から2003年に変わった。 新しい1年の始まりである。 上田と奈緒子は新年を除夜の鐘を突きながら迎え、 マンションに帰ってきたのは1時を少し過ぎた頃だった。 「いやぁー、突いた突いたァ。 まさか、除夜の鐘があんなに燃えるものだったとは。 あの、はらわたに染みる感じが堪らないですね。 ねえ、上田さん。」 行くときは渋々だったが、 よっぽど除夜の鐘が気に入ったらしく、 奈緒子は興奮覚めやらぬ様子だ。 「・・・バカか、YOUは。 除夜の鐘はな、百八つって決まってるんだ。 それを、百八つ越えてもガンガン叩きやがって。 おかげで、私が住職さんに怒られたじゃないか。 はぁーナンマンダブナンマンダブ・・・。」 何か見えるのだろうか? 上田は天井を仰ぎ、手を合わせて拝んでいる。 住職に怒られたのが、よっぽど堪えたのだろうか。 しかし、奈緒子は全く他人事のようだ。 「まぁ、いいじゃないですか。 これで1年の区切りがついたんでしょ? だったら、イヤなことはサッパリ忘れて、 新しい気持ちで新年を迎えましょうよ。」 「・・・確かに。それも一理ある。」 奈緒子に上手く丸め込まれてしまった感の上田であるが、 まだ奈緒子に伝えなければならない事があった。 「これで2002年の行事は全て消化した。 では早速だが、今からは2003年最初の行事を執り行うぞ。」 奈緒子には見当が付かない。 「何ですか、最初の行事って?」 上田は拳で天を突き言い放つ。 「一年の計は元旦に有り! 姫始めだっ!!」 奈緒子は固まったつぶやいた。 「コイツ、 やっぱりバカだ・・・。」 ~ つ づ く ~ NEXT>>
https://w.atwiki.jp/lovetrick/pages/264.html
燃え盛る火の中で by 16さん 火に囲まれて、何分経ったのか。 考えなきゃ、考えなきゃ、助かる方法…。 頭がぼんやりしている。 立ちすくんでいると、上田が声を掛けてきた。 「最後に、お互い今までずっと言えなかったことを一言ずつ言い合おう」 「……はい」 お互い死にかけて助かったと思っていたのに、また火に囲まれるなんて。 くらくらする思考の中、上田の真剣な顔だけが鮮明に見える。 「山田。俺は今まで、ずっと君のことを」 「……はい」 「…す、っす…」 「……す?」 目を逸らそうとする上田に聞き返す。 本当は気付いてる。 言いたいことはわかってる。 知っていましたよ、ずっと。 「俺は、君が好きだよ。ずっと、ずっと前から」 「……」 とても小さな声だったけれど、私の目をまっすぐ見てくれた。 死にかけているこんな状況なのに、幸せな気持ちになってしまう。 「……俺は言ったぞ。次はyouの番だ」 「……私も。私も、ずっと前から好きですよ。上田さんが」 上田の体が私をそっと包み込む。 私も手を回してしがみついた。 「こんなとこで死ぬの嫌ですよ、後味悪すぎます」 「ごめん。youを守れなくて」 「…上田さんは、頭使わなくていいですよ。一緒に助かる方法は私が考えますから」 助かったら恥ずかしくなって、何事もなかったようにくだらない言い合いをする関係に戻ってしまうかもしれない。 でも素直になるんだ、もう一度ちゃんと好きって言うから。絶対に。 上田さんと一緒に生きていきたい。 「……熱い…」 頭が回らない。 息が苦しい。 目の前が暗くなってきた――― 「…嫌…!!」 ――あれ、息ができる。 見慣れた天井。 心臓がうるさく鳴っている。 「…はぁ…嫌な夢だった」 「どんな夢だ」 聞き慣れた声に視線を巡らす。 勝手にお茶を煎れてくつろいでいる大きな男。 「上田さん…?何勝手に上がり込んでるんですか」 「廊下に君が倒れてたから運んでやったんだよ。おそらく熱中症だな」 そういえば玄関を開けた記憶がない。 枕元に置かれた水やタオル。 頭の痛みに顔をしかめると、額の汗を上田がタオルで拭ってくれた。 「ところでyouはこんな話を知ってるか」 上田は団扇でこちらに風を送りながら、うさん臭い霊能力のことを語り始める。 どうせならお前が独り占めしている扇風機を向けろ。 でもそれが上田。ずっとずっと前から。 「…すき焼きおごってくれるなら、謎解き付き合ってあげます」 微笑みかけたら、上田はちょっと動揺してる。 それでいいんですよ。 余計なこと考えずに、私のこと好きでいてください。 ずっとずっと。