約 4,073,281 件
https://w.atwiki.jp/seisoku-index/pages/99.html
・・・・・・・・・・・・・・・・・・一方「…」ヒリヒリフレンダ「…絹旗が本気だったら頭が潰れたトマトみたいになってたわよ」絹旗「…」フレンダ「…しっかし…これじゃ駄目ね…バーベル持ち上げるのに10kgのバーで挫折したようなもんね」絹旗「人のことをバーベルっていうのやめてくれませんか?頭潰しますよ?」 一方(…)一方(…能力を使えば簡単に持ち上げられる…だが使いたくねェ)一方(……そりゃァ俺が麦野さンの好みの男になるためってのもあるが…そォじゃねェ)一方(俺が麦野さンを持ち上げる…麦野さンを支えてやれるかどォかだ……)一方(…オシ)一方「オイ、チビガキ。もう一回やンぞ」絹旗「え!?」フレンダ「大丈夫なの?」一方「…意地があるンだよ…男の子にはなァ!!!」絹旗「らびっと…」フレンダ(あー…1+1を答えられないアニメの主人公みたいな台詞ね)一方「ォラ、早く手ェ回せ」グイッ絹旗「ちょっ……重いとか言わないでくださいよ!?」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一方「クッ……もォ一度いくぜ…」絹旗「だ、大丈夫ですか?」フレンダ(かっこいい台詞言ったと思うけどやることは女子中学生を持ち上げる事だもんなぁ…)一方「スゥー……ンがあああああああああああああァ!!!!!!!!」グォッ絹旗「ひゃぁっ!!」フレンダ「おー!持ち上がったー!」一方「ハァ…ハァ……クカカッ!一旦持ち上げちまえばこっちのモンだなァ!あンまし重くねェぞォ!!」絹旗「ちょっ!…まぁいいでしょう。超がんばりましたね」フレンダ「ま。よく出来ましたって所ね」一方「まァな。…よっ」サッ絹旗「あ…どうも(…もう少し抱っこしててくれてもいいじゃないですか…まったく…)」フレンダ「いやー、それにしてもいきなり持ち上がるものね」一方「コツを掴めばこっちのモンだ……膝を曲げて腰を落とす…腕で持ち上げようとすンから駄目で 体の前を上げようとするときに体の後ろ側を落とせば持ち上がる…体で持ち上がるってやつだ」絹旗「…それって普段無意識に重たいものを持ち上げる人なら出来そうですが」フレンダ(やっぱりどっかの坊ちゃんだから重たいもの持ったことないのね)一方(ずっとベクトル操作で重力や腕の力を変えてたかンな…体の使い方なンて気にもしなかったぜェ…) 一方「ンで…麦野さンはコイツのどン位重てェンだ?」フレンダ「…それ麦野の前で言ってみ?包丁か何かで刺されるわよ」一方「…気ィつけンぜ…」絹旗「まぁ…体重はそんなに変わらないと思いますよ」フレンダ「でも絹旗と違って出てるところは出てるって訳よ」絹旗「フレンダ。私がお姫様だっこしてあげますよ」フレンダ「嫌よ。どうせあんたの事だからパイルドライバーとかかけるんでしょ」一方「ン…こンな時間か。オィ、麦野さンと滝壺を起こしに帰ンぞ」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一方「ンじゃ、テメェら滝壺起こしに行け。俺ァ麦野さンを」フレンダ「いやいや、私が」絹旗「あなた達だと麦野が色々と危ないと思いますので私が行きます」一方「…まァいいけどよ…ンじゃ金髪。テメェが滝壺起こしに行け」フレンダ「いやいや、そこはあんたが行きなって…料理の配膳やっとくから」一方「そォかい。そンじゃ忘れた頃にかかりそうな罠に気ィつけンぜ」フレンダ(くそっ…ラビットって罠や危険に対する察知力が半端じゃないわね…) 一方「オィ、起きろ」コンコン一方(…相変わらず起きねェか)一方「邪魔すンぜ」ガチャ滝壺「…」スースー一方「…ン、やっぱ罠か…見えてンのは全部ダミーで本物はドアが閉まった時に出てくるな」一方「オラ、起きr…ン?(…ここで滝壺持ち上げられたら麦野さンももしかしたら…)」一方(…)一方(まァ、寝込み襲う訳じゃねェし…やってみンか。とりあえず布団剥がすか)バサッ滝壺「…」スースー一方(…まず…指を組ませて首にかけて…)滝壺「ん…」一方(起きンか?…まァ変な事じゃねェしいいよな)一方(肩に手ェ回して…膝に手ェ入れて…)一方(腰を落としてっと…結構コイツ軽そォだな…) 一方「(オシ…)スゥー…ンガアッ!!!」グォッ滝壺「…」スースー一方(あァ?…簡単に持ち上がるよォになりやがった…コツ掴ンだのかァ?)一方「…ククク…カカカカッ……!!こりゃァいけるンじゃねェのかァ!?カカカッ!!」滝壺「…ん…らびっと?」一方「おォ、悪ィな。こンな体勢でy」ちゅっ滝壺「……あれ?」一方「…あァ?」滝壺「…本物だ」一方「……とりあえず顔でも洗ってけ…ドアは閉めンなよ」滝壺「うん」トテトテ一方(……寝ぼけてたのかァ?……人の頬にキスしといてアイツ何も思わねェのかよ…) 一方(…まァ…麦野さンじゃねェけど悪くねェな)一方(待てよ…麦野さン…?)一方(……)一方(…)一方()一方(あああ…!!!)一方(がぎぐっ……!)一方(げっ…!げっ…!げっ…!)一方(ごごごっ……!)一方(チビガキ…!やっちまったァ…!迂闊…!圧倒的迂闊…!ミスを…!チビガキに行かせるべきじゃなかった…!)一方(…チクショォ。まァいい…明日は…カカカッ!)麦野「ん…なんだか寒くなってきたわね…」絹旗「麦野ー…って珍しいですね。今日起きてるなんて」麦野「あーおはよう。まぁスポンサーからの依頼っていうモーニングコールがあったからなぁ」絹旗「で、今日は仕事ですか」麦野「そ。まぁ後で伝えるわ。とりあえずご飯にしましょ」 作者コメントすみませんラビットの最後の台詞は「明日の寝起きには」って事です。麦野の誕生日は「今日」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「「「「「ごちそうさまー」」」」」麦野「はいはい聞いてー。今日は仕事があるわよー」フレンダ「やった!最近腕が鈍ってきたと思ってたとこでさー」絹旗「で、概要は?」麦野「まぁ、簡単に言ってしまえばあるブツが狙われるからそれの警護ね」絹旗「今日から警護ですか」麦野「そ。襲ってくるまでずっと待機。でも早めに襲ってきたらぶち殺してオシマイ。結構給料良いわ」一方(チッ…早めに叩かなきゃ駄目じゃねェか…)麦野「…でもブツが結構やばいものらしくてねー…学園都市の機密にかかわるものだとかだって。 だから他の暗部組織が強奪しに来る可能性は高いわ。滝壺。今回はあなたも来なさい」滝壺「わかった」フレンダ「で、結局そのヤバイ物って何よ」麦野「まぁ…なぜ連中が狙ってるかよく知らされてないけど どうも素粒子を掴めるものらしいわ」 作者コメントだいぶ原作の話の改変、独自解釈を混ぜてありますのでご容赦下さい。画面の女「…という訳で、超微粒物体干渉吸着式マニピュレーター。コレを守る事」フレンダ「…ピンセットって言う割には冷蔵庫みたいな形ね」絹旗「きっとそのうち冷蔵庫から本物のピンセットみたく超小型化されるんじゃないでしょうか」麦野「あんたらそろそろ静かに聞きなって…」画面の女「それじゃ回線を切るわよ」プツッ一方「…そろそろ場所だ。麦野さン、どォすンだ?」麦野「今回は1週間の定時警備ね。私がピンセットのある部屋の待機場所にいるわ。今日はフレンダと組む 絹旗と滝壺はラビットの車で待機。一日毎にフレンダと絹旗のポジションは交代」絹旗「…私一人で滝壺を守ってていいんですか?」麦野「あら嬉しくないの?一人前って事なのに」絹旗「…そうじゃないですけど…」麦野「…フー…いい?惚れた奴には命掛けるもんなんだよ」絹旗「ちょ!麦野!」一方(惚れたやつに命掛ける?麦野さンは俺の為に危険を冒して任務してンだよなァ?…って事はよォ… つまり俺ァ麦野さンに惚れられてるかもしンねェよなァ!!)ニタニタ絹旗「ちょ!ちょっと!ラビット!!超勘違いしないでくださいよ!!私は別にラビットの事なんか…」一方「ち、違ェっての!!俺ァ麦野さンが心配で…」絹旗「えっ」一方「…はァ?」フレンダ(……麦野と二人っきりだけど、このコントが見れないのは惜しいなぁ…)滝壺(…柏餅食べたいなぁ) 麦野「それじゃ行って来るわ。行くわよフレンダ」フレンダ「あいよー」一方「…麦野さン、金髪」麦野「?」フレンダ「何よ」一方(…)一方「……気ィ付けろよ」麦野「…?…ぷっ、あははははははは!!はー…わかったわかった。せいぜい気をつけるわ」フレンダ「あんたねぇ…麦野に向かって何言ってるのよ…」一方「…あァそォだったな。悪ィ」麦野「はー……ラビット」麦野「ありがとね」一方(!)麦野「それじゃ。勤務終了まではここで待機ね。じゃ」バタン一方「…」滝壺「…らびっと?」絹旗「そんなに嬉しかったんですか?」一方「あ、あァ…」絹旗「…?」一方(……チクショォ、何も不安が無ェのに…何で嫌な予感がすンだよ…) 一方「…とりあえず弁当と飲み物取ってくンぜ。お前ら何が良いンだ?」絹旗「え、えーっと。じゃあミルクティーで」滝壺「…ほうじ茶」一方「あァ…行って来ンぜ」ガチャ滝壺「…」絹旗「ハァ…麦野の誕生日に仕事とはついてませんね」滝壺「うん…でも誕生会は仕事終わったらやろう?」絹旗「ええ、そうですけど…麦野にも秘密でしたからね…ちょっと残念に思ってるかもしれませんね」滝壺「…」絹旗「思えば…アイテムで誰かの誕生日を祝おうとするっていうのも初めてですね…」滝壺「らびっとが説教してからだね」絹旗「あの時からアイテムも変わりましたよ…なんだか壁が壊れた感じです」滝壺「…きっとらびっとは今までも何か大きな壁を壊してきたんじゃないかな」絹旗「…壁、ですか」滝壺「多分、らびっとが杖を突いてるのもそのせいなんだと思う」 麦野「さてと…」フレンダ「やっと二人っきりねー!麦野ぉー!」麦野「はいはい。二人っきり二人っきり」フレンダ「もー…つれないなぁ…」麦野「大体アンタにはラビットが居るんでしょ?」フレンダ「…は?」麦野「アンタ達昨日は隠れてデートしてたじゃない」フレンダ「だから違うって!」麦野「あーあー。私ってばラビットに恨まれるかしらねー。彼女との時間を取っちゃって。 ラビットもあんた等好きだしアンタ達もラビット好きだしねー」フレンダ「(ハァ…仕方ない)…もしかして麦野ってさ」麦野「ん?」フレンダ「私達に嫉妬とかしてる?(ここはカマかけて探りを入れつつ話題を転換ね)」麦野「…」フレンダ(…あれ?地雷?)麦野「…」バチン!バチバチバチバチッ!!フレンダ「ヒィッ!!ちょ、ちょっと待って!そんなつもりじゃ!」麦野「ハァ…違うっての。ホラ」フレンダ「…これは?……能力?」麦野「レベル5ってのは最高地点だけど最終地点ではない…開発し尽くしたって訳じゃないって事よ」フレンダ「…なるほど。使いようによっては使えるわね」麦野「さ、アンタもさっさと準備にとりかかりなさい」フレンダ「あいよー…って(さっきの話を上手くごまかされた気がする…)」 絹旗「…」滝壺「…」絹旗(…麦野といい滝壺といい気まずいですね…)滝壺(…)絹旗(フレンダとなら別に気まずくは無いと思いますが…)滝壺(…)絹旗(ラビットとだったら……気まずいでしょうね…)滝壺(…)絹旗(…)チラッ滝壺(…)ボー絹旗(…何を考えているんでしょうかね)滝壺(チョウチョって小さい体でどうやって飛んでるのかな…)絹旗(うーん…何を考えているかわかりませんね)滝壺(…)絹旗(…いい機会ですし、ちょっと訊いてみますか)絹旗「あの、滝壺」滝壺「なに?」絹旗「滝壺はラビットの事、好きなんですか?」滝壺「うん、好きだよ」絹旗(…ある意味超予想通りでしたが…正直訊いてどうするって感じですね)滝壺「?」 絹旗「ラビットが麦野が好きだっていうのは?」滝壺「知ってるよ」絹旗「…そうですよね」滝壺「…でも」絹旗「でも?」滝壺「…人が人を想う事に見返りは求めない」絹旗「!」滝壺「私はらびっとを支えたいし、応援してる」絹旗「…そう、ですよね」滝壺「…だからといって」絹旗「…?」滝壺「…(……)」絹旗「…なんですか」滝壺「…うさぎさんはね、動物の中で一番性欲g」絹旗「それはもういいですっ!!…まったく」一方「チクショォ…弁当重てェ……いや、これもチビガキを抱っこした要領でやりゃァ良いンだ… この持ち方も何か工夫すりゃァ良い持ち方があるハズだぜ…」 ガチャ一方「…ォラ、弁当と飲み物だ」絹旗「どうも。ご苦労さまでした」滝壺「ありがとう、らびっと」一方「チッ…結構研究所の売店ってのは遠いンだな」絹旗「あ…やっぱり私が行っておいた方がよかったでしょうか」一方「テメェは滝壺を守ンなきゃだろ。それにこォいうのは三下の仕事だ」滝壺「…いただきます」ハムハム 一方「それに、体のトレーニングになンしなァ」絹旗「あー、今日やった麦野を抱く練習ですか」滝壺「!!…ゴホッ!」一方「オイオイ、大丈夫かァ?」滝壺「うん…大丈夫」絹旗「!!(これは…滝壺…あの時の仕返しです)」絹旗「そうそう。今日の誕生日の超サプライズでラビットが麦野を抱くんですよ」滝壺「!!」 一方「あー…まァな?」滝壺「らびっと…それ本当にやるの?無理やりやったら麦野傷つくよ?」一方「あァ。確かに麦野さンは嫌がるかもしンねェが…まァ怒ってもせいぜいビンタか暫く口聞いてくれなくなンかだろ」滝壺「…お願いらびっと、それだけは考え直して」一方「あァ?なンでだよ。わざわざ今日のために練習したンだぜェ?」滝壺「練習…?」絹旗「ええ、私が今朝、ラビットの逞しい腕で抱かれました」滝壺「」一方「オイオイ、逞しいってそンな…」絹旗「いいえ、私がラビットの首に手を回したとき、心なしか首周りも逞しく思えました」滝壺(らびっとの首に手を…)一方「まァ…抱えンのに随分苦労したけどよ」滝壺「か、抱えるって…」絹旗「そうです。(あ、ラビットが持ってきたこの弁当って)俗に言う駅弁ですね」滝壺「」 絹旗「さ、早いところ食べましょう。冷めてしまいます」モキュモキュ一方「オゥ」モグモグ滝壺「…」一方「オイ、食わねェのか」モグモグ絹旗「食べないと体に毒ですよ?」モキュモキュ滝壺「い、いただきます」ハムハム絹旗「いやー、まったく…ラビットは本当にうさぎ並みですね。一回抱くたびにすごく体力消耗するのに 終わってすぐに『もォ一回だァ!』って何度も私を求めてきたじゃないですか」モキュモキュ滝壺「」ポロッ一方「オイ、飯こぼしたぞ。気ィつけろ。(うさぎって体力あるもンなのかァ?)」モグモグ滝壺「う、うん…」ヒョイッ パクッ一方「普通に拾って食うな」モグモグ絹旗(あれだけ言ってもまだ…案外精神力強いんですね、滝壺…)モキュモキュ一方「あァ、お姫様だlt」絹旗「あー!ラビットォー!それは一般的に『お姫様…』ではなく『姫始め』と言うのが普通ですよぉ!!!」一方「そォなのか。ンじゃチビガキ、後で麦野さンに姫始めする練習させてくれ」滝壺「」絹旗「ええ、構いませんよ(ふふふ滝壺…これで私の苦痛がわかりましたか)」滝壺「………らびっと」一方「あァ?」滝壺「姫始めがまだで練習って事は、絹旗とは本番までやってないってこと?」 絹旗(がぎぐっ……!!しまった!耳年増が脳内で暴走した結果臨界超えましたかっ…って何言ってるか自分でもわかりませんが)一方「オイ、チビガキ…練習って言ったけどよォ…本番ってのは麦野さンを抱くことじゃねェのか?」滝壺「そっか、らびっとは知らないんだね」一方「!!お前は知ってンのか!」絹旗「ちょ!ラビット落ち着いてください!」一方「テメェ、姫始めってのは本番があるとか聞いてねェぞォ!!」滝壺「…多分きぬはたは本番をする事が怖かったんだと思う」絹旗(…なんか面白そうなので黙ってましょう) 一方通行(今更年上好きとか言えねェよなァ・・・) 3スレ目その1
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/147.html
事の始まりは少女の何気ない一言だった。 「ショッピングというものに行ってみたいってミサカはミサカは頼んでみたり」 「あァ?」 茶色いショートカットの少女は病院のベットに掛かるテーブルの上に乗っていた。 青色のワンピースに身を包み、頭頂部から出ている一本の毛が風も無いのに揺れている。 其れに対して眉を顰めるのは少女の目の前でベットに横たわる白髪の少年だ。 見ただけでは男か女か判別不可能の中性な顔立ちと体つき。 学園都市内にその異名を轟かす白の最強能力者―――"一方通行"。 その最強の能力者は現在、目の前の少女を見て面倒臭そうに首を傾げていた。 少女は一方通行の次の言葉を待つかのように輝いた瞳で一方通行を見ている。 「……」 「お?お?もしかして好感触?ってミサカはミサカはかなーり期待してみる」 「寝ろ」 「いえーい!なんか久しぶりに聞いたよ、ってミサカはミサカは久しぶりに拳をつき上げてみたり!」 打ち止めはヤケクソ気味に拳を天に向かって突き出すが、一方通行はそれを面倒臭そうに見ていた。 「そもそも、俺ァまだ動けるような状態じゃねェだろうがよォ」 一方通行は八月三十一日にとある事件に巻き込まれ普通なら死んでもおかしく無いような傷を負っている。 その事件とは、この目の前の少女―――"打ち止め"を中心に起こった事件だった。 とある研究員が埋め込んだウィルスに侵されていた打ち止めを一方通行が自らの傷と引き換えに助けた。 端的に言ってしまえば、そんなところだ。 その間にも色々な話が詰め込まれているのだが、今は割愛するとしよう。 しかし、そのウィルスを消す際に記憶も一緒に消去された筈の少女は事もあろうに自らその記憶を補完して こうして目の前でにこやかな笑顔を一方通行へと向けていた。 その上、何故か事件の後も済し崩しに一緒にいる形となっていた。全く持って謎である。 「あ、その点については大丈夫、ってミサカはミサカは胸を張りつつ言ってみる」 「あン?」 打ち止めはなにやらベッドから飛び降りると病室の隅へと向かう。 其処には何時の間にやら黒い紙袋が置いてあった。 怪しい。とにかく怪しい。 レベルを強いて言うならば、開けるな危険のオーラを醸し出すほどの怪しさだ。 というか、黒い紙袋なんてとてもじゃないが普通の生活では滅多に御目にはかからないだろう。 そして、打ち止めはご機嫌に鼻歌を歌いつつ黒い紙袋の封を開け、中へと手を突っ込んだ。 暫く中を探っていた打ち止めだったが、何か見つけた様に笑顔になり、腕を紙袋から引っこ抜く。 その手にあるのはチョーカーの様な黒い帯の付いた小型の携帯音楽プレーヤーのようなものだった。 じゃーん、と黒い帯の先に付いた小さい棒状の機械の様な物を揺らしつつ一方通行へと向き直る。 「何だァそりゃ」 「演算補助のための変換機ってミサカはミサカはもったいぶらずに答えて見る」 加えて言うが一方通行は八月三十一日の事件で傷を負い、その最強の所以たる能力の大半を失っている。 現在ではこの視線の先でほれほれ、と楽しそうに変換機と呼ばれた物体を揺らす少女と、 その姉妹の様な存在である"妹達"によって演算能力の大半を補っている状態だったりする。 「よし」 「おぉ、アナタがそこまで良い笑顔を見せるなんて始めてかもってミサカはミサカは喜びを体で表現してみたり」 一方通行は彼を知る者が見たならば、即座に裸足で逃げ出すようなとてつもなく良い笑顔で頷きを一つ。 「そこに直りやがれ、クソガキ」 「ひゃっほう、やっぱりこうなるのねー!ってミサカはミサカは現実から目を背けずに嘆いてみる」 打ち止めは其の場でよよよ、と座りながら手で顔を隠して嘘泣きをし始めた。 一方通行は気にせずに寝転がり、頭まで全身を布団で包んで寝る準備をし始める。 「あーッ!ってミサカはミサカは指差して驚いて見る!人が嘆いているのに放置して寝ようとするだなんて、 それでも人なの!?ってミサカはミサカは抗議してみたり!というか、これはアナタのためでもあるんだよー! ってミサカはミサカは必死に叫んでみる!」 「あン?俺のためだァ?」 「そうそう、ってミサカはミサカは内心ホッとしつつ正座してみる」 今まさに飛び掛らんとしていたのか、打ち止めはベッドに掛かるテーブルの上に乗っていた。 そのまま打ち止めは正座しつつ目を閉じて腕を組み、尤もらしく何度か頷く。 「実はリハビリも兼ねてたりするのってミサカはミサカはあのカエル顔のお医者さんが言ってたって言ってみる」 ほほゥ、と一方通行は改めて体を起こし、打ち止めを見やる。 「で、本音は?」 「暇だからどこかに連れてって、とミサカはミサカは正直に本音を――って、ふぎゅっ!?あ、やめてやめて。 布団でくるむのは御勘弁をってミサカはミサカはなんだか前も言ったことあるような台詞を言ってみるー!」 結局カエル顔の医者が回診に来るまでこの馬鹿騒ぎは続くのであった。 ○ そして現在。 「なんで、こうなりやがンだァ!いきなり蒸発するかァ、普通よォ!?」 多くの人々が出歩く街の中心で、病院着から私服に着替えた最強の能力者は天に向かって叫ぶ。 詰まるところ、連れ添いであるはずの打ち止めと完全無欠に離れ離れになっていたのだった。 その叫びを聞いて一部過去に彼を襲撃して返り討ちになった不良達がすいませんでしたー!、等と 叫んで逃げて行くが、一方通行はそれらは全く気にせずに周囲を見渡した。 見渡す限りの人、人、人、馬、人。 見事に人だらけである。正直気が滅入った。 打ち止めの身長はそこらの小学生と変わらない。 この人の多さでは埋もれてしまい、見つけるのはとてもでは無いが無謀というものだ。 しかし、一方通行は、そんな事など知らないとばかりに足を動かし始める。 「あァ、なンでこンなトコで居なくなりやがンだァ……俺に恨みでもありやがンのかァッ!?」 恨み言を吐きつつ、一方通行は身体の状態も気にせず突っ走りはじめた。 速い。 地面に敷き詰められたアスファルトを砕くとまではいかないが、相当強い踏み込みの音が周りに響く。 その音に驚き、道を開ける人々。 一方通行は打ち止めを探して周りを見渡しつつ、モーゼの十戒の様に割られた人の群れの中を走っていく。 しかし、それでも人の流れというものは常に変化するものだ。 「きゃぁっ!?」 突如響く悲鳴。 走ってでもいたのか、開いた道のど真ん中に飛び出して一方通行にぶつかり、勢い良く尻餅をつく少女。 「あァ?悪りィな、ぶつかっちまったかァ?」 一方通行はそれを見て、自らにかかる慣性を適当に反射分散させて急ブレーキをかけた。 一応、一方通行も僅かばかりの礼儀作法というものは身に付けているのだ。 それでも、打ち止めと出会ってから大分マシになったという程度だが。 「あたた……うぅ、あなた、あぶな――ひッ!?」 「あン?」 少女は一方通行の姿を見るといきなり怯えた表情になり、固まってしまった。 一方通行は訝しげな顔をして目の前の少女を見る。 紺色の、前のチャックを開けたジャージを着込み、長髪を後ろで二つに結った髪型。 その髪の下には今にも泣き出しそうな怯えた少女の顔。 どこかで見た事があった、と一方通行は思う。しかも、極最近に。 「ひ、あ……」 一方通行が首を捻りながら誰だったか、と考えている間、少女は起き上がろうともせずに固まっていた。 どうやら腰が抜けているようだ。 ちなみに一方通行には怖がられる心当たりはありすぎる程あったりするので相変わらず気にしてはいない。 その間にも一方通行は思考を走らせ、記憶を掘り起こす。 学園都市最高の頭脳を持つ一方通行の記憶力は伊達では無い。 目の前の少女と一致する姿を検索する。 そうして数秒後、該当したのは―――、 「あァ、そうだ。オマエはあれか。あン時の三下かァ?」 ビクリ、と少女の肩が跳ね上がる。 少女は咄嗟に立ち上がって逃げようとするが、一方通行はそれを許さない。 逃げようとする少女の両肩を掴むと、少女が以前に見た事があるような邪悪な笑みを浮かべて言った。 「丁度良い。オマエ、確か"空間移動"出来たよなァ?ちょっとやって貰いてェ事があンだけどよォ」 一方通行の目の前では、少女が寒さに震えるハムスターの様に涙目で凄い勢いを付けつつ頷いていた。 突然だが、結標・淡希は"空間移動"の亜種である"座標移動"という珍しい能力の持ち主である。 簡潔に言えば、手で触らずとも物体を座標Aから座標Bまで移動させる事が出来るという能力だ。 しかし、結標の肩をガッシリと掴んでいる最強――"一方通行"の能力はその更に上を行っている。 その能力とはあらゆる力の"ベクトル"の操作。 ありとあらゆる攻撃を跳ね返し、己の力を倍加する能力はまさに最強の名に相応しいものだ。 その最強は現在結標の肩をガッシリと掴んでいた。 その表情はとても嬉しそうだ。 まるで獲物に狙いを付けた肉食動物の様な獰猛な笑み。 ……あ、死んだ。 結標は知らず絵的に真っ白になった。 金属を叩く音でも鳴らしたら良く響きそうな程の静寂が満ちる。 周囲の雑踏などまるで気にしない。 というか、まるでどこかのステージの様に結標と一方通行の居る場所は開けていた。 なんだか他人が遠い。 今居るのは狩人と獲物の二匹のみである。アデュオス、この世。こんにちはあの世。 一方通行は魂の抜けている結標の肩から手を離しつつ、凶悪な笑みを引っ込めた。 どうやらもう逃げる心配は無い、と思ったようだ。 魂が抜けたままの結標は勿論、なんの反応も寄越さない。 「ンじゃ、いっちょ高く飛ばせ」 いきなりの命令系。 この少年、能力どころか性格まで理不尽のようだ。 ハッ、と一方通行の声をきっかけに意識を三途の川付近に飛ばしていた現実へと戻ってくる結標。 見上げてみれば、辺りをキョロキョロと見回している一方通行が目に入った。 何か探し者だろうか、と結標は呆然とした頭で首を傾げるが、その様子に気づいた一方通行は、 「トロトロしてねェでさっさと飛ばせ」 「と、飛ばす?」 イライラしたような視線を向けられて思わずたじろぐ。 結標は状況を理解しようと脳が全力回転するがまだ結果を導き出すまでには至っていない。 地響きがしたと思ったら誰かとぶつかり、注意の一つでもしてやろうかと思ったら、目の前には最強の能力者。 これはなんの悪夢だろうと思う。 「だァーから、とっとと飛ばせつってンだろォが!」 「は、はひっ」 声が思わず上擦る。 しかし、結標は、そんな事すら気になら無い程混乱したまま能力を行使した。 勿論そんな状況で使った能力が上手く行くはずもなく。 「……」 一方通行がぽふ、と地面に着地した。 総飛距離十センチ。結標・淡希、夢の新記録である。 「あァ~……」 一方通行は呆れた様な顔で声を出した後、表情をすぐさまとてつもなく良い笑顔に切り替る。 そして、結標を首だけ動かして見下ろし、 「よォし、いっぺン死んでみっかァ?」 「ごごごご、ごめんなさいぃー!」 涙目のまま左右へと凄い勢いで顔を横に振る結標。 それにしてもこの結標、ビクビクである。 「次はねェと思え?」 「うぅぅ……なんなのよぉ……」 良い笑顔のまま肩を叩く一方通行。なにやら肩がビリビリと痺れる。 顔を向けて見れば、なにやら一方通行の手から青白い火花が出ていた。 「生体電気って、やろうと思えば結構出力出るンだよなァ」 「つ、謹んで受けさせていただくであります、ハイ!」 尻餅をついたまま思わず敬礼をしてしまう。 かなり間抜けな格好の上に涙目と合わさって何やら一種の同情すら感じさせる光景だ。 実際、周囲の人々の哀れみの視線が痛い。 「悪りィな。ちっとバカがどっかにいっちまったもンだからよォ」 「悪いと思うなら最初から―――」 「血行を良くしてやンのもオツだよなァ?」 「と、飛んでけーっ!」 即座に計算式を組み上げて一方通行を空高くに"座標移動"させる。 先ほどまで一方通行が立っていた位置の遥か上空で、彼は何かを探すように周囲を見渡している。 ……そういえば、"バカ"って誰の事かしら……? 目の前から一時的にとは言え、悪夢が消え去り少しはまともな思考になる。 一方通行が探すような重要人物。 ……まさか、あの資料に載っていた女の子? 写真で見た一方通行を支える少女が脳裏に浮かぶ。 成る程、必死になるわけだ。 あの少女が居なくなればあの学園都市最強は最強ではいられないのだから。 そう、仮初でも"目的"が無ければ生きていられない、今の結標の様に。 「……」 少しだけ。ほんの少しだけ、何故だか結標は一方通行に親近感を覚えた。 ……何を馬鹿な。一方通行は復讐すべき敵なのよ。敵。 頭を振ってその考えを振り払う。 罅割れた心を支えるために必死になって否定する。 それを認めたらまた心が砕けてしまいそうだから。 「っと、いやがらねェ。あのクソガキ……どこに行きやがったンだァ?」 唐突に軽い足音を立てて着地してくる一方通行。 十何メートルは飛ばしたはずなのにほとんど音も無く着地してくるなんてやっぱり化物だ。 一方通行はコチラへと向き直り、何故か少しだけ驚いた顔をする。 何かおかしい事でもあっただろうか、と首を傾げるが該当件数は零だ。 ふと、一方通行は表情を切り替える。 予想もしない表情、僅かながらも自然な笑みを漏らすものへとだ。 「あァ?まだ居やがったのか、三下」 「は、え?」 思わぬ一方通行の表情と言葉に呆然とする。 それもそうだろう、先程まで一方通行は遥か上空だったのだ。 そんな状態で人探しとなれば、下にいる雑魚の事など、彼が気にすることはまずないだろう。 それでも結標は逃げずに残っていた。 心配されたとでも、一方通行は思ったのだろうか。 実際はそんな事考えてもおらず、ただ単に考え事に耽っていただけなのだが。 「まァ、取り敢えずはだ――」 一方通行はそのまま愉快そうに背を向け、片手を上げた。 そのまま一歩歩き出して、呆然とする結標へと声をかける。 「――"アリガトウ"ってなァ。手伝い、感謝するぜ、三下」 思わぬ発言だった。 絶対にお礼なんて言うはずが無いと思っていた人物からの不意打ち。 しかし、結標は何故か少しだけ、ほんの少しだけその言葉に妙な安らぎを覚えた。 今はまだその妙な安らぎこそが結標の求めるもの、必要とされたいという願いの延長だという事も わかってはいないのだが――確かに結標の心に一つの強い願望が生まれた。 その少しの、ほんの少しの妙な安らぎを、もっと欲しいと思ってしまったのだ。 だから、計算なんかよりも先に体が動いた。 「ちょ、ちょっと待って!」 「あン?」 気づいた時には結標は何故か一方通行の腕を掴んでいた。 キョトンとした顔で振り向く一方通行。 弾き飛ばされないトコロを見ると、どうやらぞんざいに扱う気はないらしい。 「なんだァ、三下。もう用はねェぞ?」 「そ、そうじゃなくて……」 思わず手を離して、もそもそと結標は口の中で呟く。 一方通行は呼び止められた事に少しだけイライラしているようだったが、 取り敢えずはその様子を訝しげに見るだけだ。 結標は深呼吸を一つ。思い切り勢いをつけて一方通行を指差しながら告げる。 「わ、私も人探しを手伝うから、携帯番号教えなさい!」 「……はァッ?!」 間を置いて、考えを纏め、思わず間抜けな声を雑踏の中で上げる一方通行。 もう結標にも何がなんだかわからなかった。 ○ 「あれ?ってミサカはミサカは首を傾げてみたり」 青いワンピースを着込んだ幼い少女は、とある歩行者用道路の上で可愛らしく首を傾げた。 薄い茶色というよりもオレンジ寄りのショートカットに頭頂部で揺れる髪の毛。 ただいま現在進行形で自分で絶賛迷子中の"打ち止め"はうーん、と唸り始める。 「やっぱり離れ離れになってるんだなぁ、あっはっは、ってミサカはミサカは自暴自棄になってみる」 腰に手を当て、豪快に笑う打ち止め。 色々いっぱいいっぱいなのだ。 「はぁ……って、ミサカはミサカは一人寂しく溜息をついてみたり」 しかし、その強がりもいつまでも続くわけでは無い。 一頻り笑った後に来る虚無感。簡単に言えば虚しいだけだったりする。 「待てや、この馬鹿猫ぉおおおお!何時まで走らせる気だ、ぜぇぜぇ、おおおおおお!」 何か暑苦しい叫び声が打ち止めの向いている方向。 その右側に並ぶビルの間、恐らくは路地裏へと続く道から気合の声と共に凄まじい足音が聞こえてくる。 そして飛び出してくる毛並みの良い猫とツンツン頭の少年。 一瞬何事かと思ったが、ツンツン頭の少年の方には覚えがあった。 打ち止めが直接会ったわけでは無い、しかし、確かに覚えがある顔だ。 約一万人の同じ遺伝子を使って作られたクローン"妹達"。 その一万人が己の能力を使い構成するミサカネットワークにより、打ち止めは少年を知っていた。 上条・当麻。 その右手に"最強"であろうと殴り倒すような力を秘めた"最弱"だ。 つい数週間前に起こった事件でも"妹達"の一人、一〇〇三二号、御坂妹が世話になった少年だった。 「うぉおおおおおおおーッ!」 太陽を背景に猫へと飛び掛る少年。 そのまま見事に猫を抱きしめ、地面を二転、三転。停止する。 「……ミサカはミサカは思わぬデッドヒートに言葉を無くしてみる」 「あだだだ、つぅ、肘擦り剥いたぁ~」 むしろ其の程度で済んでいるのはおかしいと思うのだが。 呆然としている打ち止めを余所に猫を抱きかかえて起き上がる少年。 打ち止めはそれよりも先に動きを取り戻し、少年へと駆け寄った。 そのまま笑顔で頭を撫でている少年へと声をかける。 「大丈夫?ってミサカはミサカは優しげに心配してみたり」 「ん?あぁ、大丈夫って、ミサカ?ミサカって……ってうぉい、御坂妹が小さくなってやがる!?」 「む、失礼な。これでも一応ミサカは立派なレディだよ?ってミサカはミサカは胸を張りつつ主張してみる」 猫が暴れるが上条は全く動じない。 というよりも目の前の小さくなった御坂妹こと打ち止めに視線が釘付けになっていた。 「ど、どういう事でせうか!?これは狸型ロボットの新兵器のせいでございますか!?そうなんですね!?」 「あのー、もしもーし、聞こえてるー?ってミサカはミサカはジト目で手を振ってみたり、聞いて無いですか、そうですか、 ってミサカはミサカは疲れたように肩を落としてみる、よよよとミサカはミサカは嘘泣きもしてみたり」 暫くの間、猫が暴れる音と、少年の叫び声、そして少女の落胆の声が響いていた。 道を行く人々が変な視線を送ってくるが気にしもしないそんな二人と一匹の組み合わせであった。 一方其の頃、かなり離れた場所で結標が一方通行に対してある種の爆弾発言を放っていたのを打ち止めは知らない。 学園都市のとある商店街。 其処を疾風のように走り去る一つの人影があった。 「ああぁあああああ―――ッ!」 馬鹿みたいな叫び声が商店街に響く。 道を行く人々の幾人かが驚きの表情で人影を見るが、その時には既に遥か遠くに走りさった後だった。 その人影の正体――結標・淡希は顔を真っ赤にして走っていた。 結標は数十秒前までの出来事を思い起こす。 『あァ?なんで俺がオマエに携帯の番号なんか―――』 『良いから教えて!』 あの爆弾宣言から暫く固まっていた両者だったが、先に沈黙を破ったのは一方通行の方であった。 しかし、一方通行の発言はすぐさま結標の悲鳴にも似た叫びに掻き消される。 結標は自分でも何を言っているのかわからなくなりつつも、必死に一方通行を睨みつける。 顔を真っ赤に染めた涙目の表情で迫られ、流石の最強も怯んだのか渋々と言った感じでポケットに手を突っ込む。 一方通行の取り出した携帯を見るなり、結標も慌ててジャージの上着ポケットから携帯を取りだす。 そして、互いの登録情報を交換して即座に、 『そ、それじゃ、見つかったら連絡するわ!じゃあね!』 『あ?って、速ェな、ォイ!?』 そのまま背を向けて走り去っていってしまったというわけだ。 そして、現在に至る。 正直なトコロ、結標は混乱していた。 一体自分は何を考えているのか、それすらもわからないのだ。 いや、本当はわかっているのだろう。 しかし、それを認めてしまっては、それをキッカケに己の心を"以前"の様に自分で壊しかねない。 それとは別の理由もかなりの割合で混じっている気もするのだが、それには目を向けようともしない。 ……これは敵の情報を知るため!知るためなのよ! そう自分に言い聞かせてなんとか心の均整を保つ結標。 その間にも彼女の疾走は止まらない。 ついには商店街を抜け、道路へと出た。 目の前にはアスファルトで固められた道路とそれを渡るための横断歩道。見上げてみれば信号が設置してある。 結標は信号を碌に見ずにそのまま横断歩道を渡りきる。 途中、なにやら叫び声と共に車のクラクションが鳴り響く。どうやら赤信号だったらしい。 渡った場所から少し走ると今度は緑が豊かな公園へと突入した。 と、ふと其処で結標は足を止める。 そして、ジャージの上着ポケットから携帯を取りだす。 二つ折りになるタイプの携帯を開き、幾つか操作をして電話帳を開いた。 緊張のためか顔が真っ赤になっているが、それは走ったせいだと自分を納得させた。 「えぇっと……一方通行の電話番号は……」 確認、確認、と携帯を弄り回す結標。 そういえば本名知らないわね、などと思いつつ見覚えの無い名前を探して行く。 暫くの間、平日のためか誰も居ない公園に携帯のボタンを押す電子音が響いた。 しかし、一方通行の本名と思わしきものは一向に見つかる気配が無い。 ……? 首を傾げる結標。 もう一度見るが、やはり見慣れた感じのする名前しか並んでいない。 例えば、一方通行とか。 「………」 見間違えたのかと、目を擦ってもう一度画面を見直す。 『一方通行 プロフィール』 「って、そのまま!?」 期待を大きく裏切る変化球に思わず叫びを上げる結標。 まさか呼び名をそのまま自分の携帯に登録するなど夢にも思わないだろう。 面倒臭がってこんな風にしたのだろうか、それとも名前すら忘れたか。 後者はなさそうなので恐らくは前者だろう、と結標は結論を出すと携帯を閉じて上着へと仕舞った。 深呼吸を一つ。 酸素を取り入れ、冷静になるため、脳を正常化させた後、すぐさま全力回転させ始める。 よし、と気合を入れるために声を上げる。 まずは状況の整理。 一つ、少女を探しだして、一方通行に連絡する。 二つ、少女から一方通行の弱点を聞きだす。 三つ、少女を一方通行へ引き渡し、褒めて貰う。 実は未だに冷静ではない思考の結標であったが、全く気にする様子もなく顎に手を当てて考えるポーズをとる。 ……問題はどうやってあの子を探すかよね。弱点を聞きだすとしたら一方通行より先に見つけなきゃいけないし。 一方通行がアレだけの上空から探したのに見つからなかったのだ。 恐らくは、かなり遠く。 もしくは何かビルの影になる様な場所に居るかのどちらかだろう。 取り敢えずは、 「足を使うしかないわね」 そう言って結標は早速一歩踏み出す。 何か踏みつけた。 「ひゃぁっ!?」 「だーうー」 何事か、と結標は妙な感触のした地面を見る。 其処にはなにやら白い衣装に身を包んだ少女が倒れていた。 なにやら力無く倒れる少女の身を包む衣装は良く見れば昔見た本に乗っていた修道女の服の様にも見える。 その暫定修道女は情けない声を上げつつ、コチラを見やる。 「お~な~か~す~い~た~」 「……」 捨てられた子猫のような目と言うのが、この場合の表現としては正しいだろう。 実際、少女の脇の下辺りから子猫が出てきて『いきなりすまないね、お嬢さん』的な視線を送っている。 この場合、飼い主と猫と見るべきだろうが、なんとなく結標には逆に見えた。 猫が保護者で少女が子猫っぽいのだ。 「おなかすいたって言ってるんだよ?」 「えぇっと……」 今度は体を引き摺るようにしてコチラへと方向転換する少女。 猫の方はしっかり少女の背中の上に避難している。 「……」 目の前の少女はなんなのだろうか、と結標は考える。 ……シスター、かしら?神学系の学校はこの辺りには無かったと思うけど。 それにしても妙な衣装だと思う。 なにしろ妙に豪奢な布を強引に安全ピンで止めている様な状態なのだ。 見た目としてはかなり豪華さと仕上げのバランスが悪い。 なんらかの意味合いがあるのだろうか、と結標が少女を凝視していると少女は、 「あのー、もしもし、聞いてる?」 「あ、ごめんね。なにかしら?」 ハッと思考の海に埋没していた結標は現実に戻ってくる。 それと同時に困ったような笑みを浮かべて目の前の暫定修道女である少女の目を見た。 綺麗な碧眼に腰まではありそうな銀髪。 どこをどう見ても日本人ではなさそうであったが、どうやら日本語は通じるようだ。 「えっと、とうまが道端で困ってたおばあさんの猫を探して走り去っちゃったから、お昼ご飯がないの」 とうま、というのはどこかで聞いた事があったが、取り敢えずは保護者の事だろう、と結標は納得する。 「大変ね。それで、私はどうすればいいのかしら?出来る限りの事なら手伝うわよ?」 すっかり子どもの相手モードに入った結標は笑顔を浮かべつつ腰を落として少女の顔を見る。 整った可愛らしい顔だ、と結標が評価を下していると少女はパッと顔を輝かせるように表情を変えた。 要求の予想は大体ついていた。 恐らくは、保護者である"とうま"という人物を一緒に探して欲しいとかそういうものだろう。 見た目でしか判断出来ないが、この年頃の少女は強がりと同時に寂しがり、怖がりでもあるのだ。 ……人探しなら、コチラの探し人も見つけられて一石二鳥というものだし。 結標は頭の中で人探しの計算も整えつつ、少女の次の言葉を待つ。 少女は流石に初対面の人になにかを要求するのは躊躇っているのか、モジモジとした後、 「ほ、ほんとう?」 「ええ、本当。お姉さんになんでも言ってみなさい?」 やはり躊躇いがちに聞いてくるが、結標は至って笑顔で応える。 こういう子の相手は怖がらせてはいけない。 笑顔で、優しく語りかけて上げるのが重要なのだ。 「それじゃあ……」 言葉を続ける少女。 なんとなく力がさっきより失われているようにも見える。 そして、飛来した少女の言葉は少々結標の予想とは違うものであった。 「なにか、食べ物を分けてほしいかも……げふ」 その言葉を最後にまた倒れ伏す少女。 暫しの間。 それほど長く無い間の後結標は思わず頬を書きつつ困ったような表情で苦笑いを一つ。 なんだか今日はまだまだ忙しくなりそうであった。 ○ 「つまりアナタはおばあさんにこの猫を届けるの?ってミサカはミサカは並んで歩きつつ聞いてみる」 「ミサカはミサカは、って重複してるよなぁ――まあ、そうだな。家までの地図も貰ってるし」 打ち止めと上条・当麻はとある商店街の道路を並んで歩いていた。 先程、上条が歩道で、ついに猫を捕獲した時に出会ったのだが、最初は随分と驚いた。 なにしろ、知っている少女が頭二つ分ほど縮んだように見えたのだ。 それはもう、新手のスタンド攻撃とかそういうものかー!などと意味不明な事を叫びそうになるほどだった。 なんとか落ち着き、自己紹介を済ませ、逃げようとした猫を確保するのに数十分。 随分と時間が経ってしまった。 周りでは、昼時だからか、この都市の象徴は科学だというのに無駄に熱い売り文句を叫ぶが響いている。 『安いよ安いよ!今ならこのサーモンピンクの河豚から取り出した実験食材がたったの――』 訂正しよう、やはり此処も例に漏れず科学万歳な場所のようだ。 その事実に半場安心しつつ、上条当麻は隣に並ぶ少女を見やる。 つい一ヶ月とちょっと前に知り合った少女達、御坂妹を含む約一万人の"妹達"。 その"妹達"全員に会ったわけでは無いが、この目の前の少女はなんとなく"妹達"の中でも特殊な気がした。 なんとなくあの"妹達"独特の雰囲気とは違い、妙に活発的な雰囲気が漂っているのだ。 今も物珍しそうに辺りを見回しては、変な物に興味を惹かれているようだ。 「おぉ、あれなんて中々格好良いかも、ってミサカはミサカは埴輪を見つつ目を輝かせてみる!」 本当に楽しそうだなぁ、と上条は笑顔で打ち止めの指さした方向を見る。 其処には、山積みにされた、妙にリアルに人の顔を模した埴輪があった。 正直、それが山積みになっている景色は不気味を通り越してある意味、荘厳だ。 「はは……」 思わず笑顔が引きつる上条。 やはりこの少女の感性は特殊で、少々斜め上に行っているようだ。 「おぉ、あれも珍しい!ってミサカはミサカは駆け寄って行ったりするー!」 楽しそうに左右に展開する店の前に飾られた展示品などの前を行ったり来たりする打ち止め。 どうやら出かけたりするのは稀らしい、と上条は微笑ましい光景を見つつ思う。 猫が腕の中で欠伸をかく。 どうやら追いかけている間に良きライバルとかそういうものと思われてしまったらしい、妙に友好的だ。 「まぁ、取り敢えずは……」 今日は平和だなぁ、と何か記憶の隅で蠢く白い悪魔の存在を敢えて忘れつつ、上条は空を見上げる。 取り敢えずは商店街の空はテントの様な物で隠されていて見えなかった。 視線を戻せば、打ち止めがまだまだ元気そうに走り回っていた。 そういえば、と上条は頭の隅に引っかかった事を言葉にする。 「そういやさ、お前、一体誰と此処まで来たんだ?」 「あ、そうそう。とミサカはミサカはアナタの下へ戻ってきつつ頭の中で情報を整理してみたり」 独特な口調にもそろそろ慣れ始めた上条の腕の中で猫が鳴く。 再び上条の横に並んだ打ち止めは自分が何故一人で居たか、何故相方が迷子になったか。 その理由を、色々改変しつつ話始めるのであった。 ○
https://w.atwiki.jp/jlgc/pages/23.html
イングランドの地方自治体における事務配分は図表3-5のとおりである。一層制の地方自治体においては消防・警察など広域の事務組合で行う事務以外の全ての事務を行っている。一方、二層制の地方自治体においては、ディストリクトは住宅、ごみ収集、レジャー・レクリエーションなどの限られた事務を行い、カウンティは、教育、社会福祉、道路等の事務を行っている。このため、地方自治体間で所管業務が重複していることはほとんどない。 スコットランドとウェールズの地方自治体は一層制のため、下記項目のほとんどの業務を担当している。 北アイルランドについては、地方自治体の権限が限られているので、レジャー、ごみ処理、ごみ収集、環境のみ担当し、それ以外は北アイルランド自治政府が担当している。 なお、表中の事務組合とは、単独の地方自治体では実施困難な業務を、複数の地方自治体で連携して処理するために設立される共同組織である。 【図表3-5 イングランドにおける各地方自治体の権能】 大都市/ロンドン (注2) 地方/ユニタリー 事務組合 大都市圏ディストリクト ロンドン区 ディストリクト ユニタリー(ウェールズを含む) カウンティ 教育 ● ● ● ● 住宅 ● ● ● ● 計画申請 ● ● ● ● 戦略的計画 ● ● ● ● 交通計画 ● ● ● 公共交通 ● ● ● 道路 ● ● ● ● 消防 ● ●(注1) ● 社会福祉 ● ● ● ● 図書館 ● ● ● ● レジャー・レクリエーション ● ● ● ● ごみ収集 ● ● ● ● ごみ処理 ● ● ● 環境・保健 ● ● ● ● 徴税 ● ● ● ● 選挙人登録 ● ● ● ● (注1) 合同の消防当局である「ジョイント・ファイヤー・オーソリティ」を、カウンティがその範囲内にあるユニタリーとともに運営している。なお、ウェールズには3つの合同の消防当局がある。 (注2) グレーター・ロンドン・オーソリティー(GLA)の役割: 交通 地下鉄、バス、タクシー、DLR及び主要な道路の管理運営 (道路はロンドン区が現在も95%を管理している。) 経済開発 投資の誘致 環境 ロンドン区と協働し公害や廃棄物対策にあたる。 計画 ロンドン全体の開発戦略の策定 (地元の計画はロンドン区が所管). 消防 ロンドン消防・緊急時計画局 文化 ロンドンの観光、文化、スポーツの先導 保健 ロンドン市民の健康の増進 出典:地方自治体協議会(LGA)「Local Government Structure」
https://w.atwiki.jp/tohomemory/pages/19.html
アクセスアクセス稼ぎの為ネタが無い時でも、意味のないツイッターまとめ記事を作成。 タイトルと内容があってないスパム記事を毎日投稿
https://w.atwiki.jp/chaina_battle/pages/510.html
大阪商大事件(おおさかしょうだいじけん)は、太平洋戦争中の1943年から1945年初めにかけて、大阪商科大学(現大阪市立大学)の教員・卒業生・学生ら数十名が治安維持法違反容疑で特別高等警察により検挙、投獄された事件である。 背景 日中戦争の始まった1937年以降、大阪商大では戦時下にもかかわらずマルクス経済学についての研究会活動が活発となった。この背景には、河田嗣郎学長のもとリベラルな学風が強かったことに加え、1937年から1941年にかけて商大において岩波書店版『経済学辞典』の編集が行われ、その執筆陣として多数のマルクス経済学者が参加したことがあげられる。 また同じ時期、進歩的な予科講師として人気のあった立野保男の退職処分に反対する運動(1941年)が展開された。この運動をきっかけに商大では上林貞治郎教授ら教員、学生により「帝国主義戦争に反対し、マルクス経済学を研究する」非公然の「文化研究会」が発足し、「工業研究会」「国際研究会」など公然の研究会と提携しつつ数十名の学生を組織するに至った。 経緯 1943年3月15日、内田穣吉を初めとする大阪の「貿易研究所」のメンバー5名(内田を除く4名が商大卒業生)が検挙され、また満鉄調査部事件の関連で名和統一商大教授が検挙された。商大における非公然研究会の存在は、これらの検挙を通じて警察に発覚したと考えられている。この結果、名和のグループに関与していた卒業生3名、非公然研究会に参加した上林および学生32名、商大経済研究所嘱託の坂井豊一、さらに1942年春に東北帝国大学法文学部講師に転じていた立野保男が、同年3月30日から11月にかけていずれも治安維持法違反により検挙された。12月には学生約40名が短期拘留ないし不拘束のまま特高の取り調べを受け、1945年1月にはさらに2名が検挙された。 上記の被検挙者約50名のうち約30名が起訴され3名が実刑判決を受けた(うち若干名は執行猶予により釈放された)。起訴されなかった者もそのまま未決囚として拘置所・刑務所に拘留された。このため拷問、栄養失調などにより3名が獄死、数名が精神に異常をきたす結果となった。この事件の被告・拘留者は、1945年10月のGHQ/SCAPによる政治犯釈放指令をまって初めて解放された。 関連書籍 上林貞治郎 『大阪商大事件の真相;大阪市大で何が起こったか』 日本機関紙出版センター、1986年。 関連項目 満鉄調査部事件 横浜事件 外部リンク 戦後の1948年に米軍が撮影した空中写真 - 杉本学舎と堺市にある大阪刑務所は大和川と阪和線(旧阪和電気鉄道)を隔てているがそれほど離れていない。 出典 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』_2009年1月4日 (日) 17 16。
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/186.html
Date 2010/01/13(Wed) Author 廃ビルの中に入ると、そこに集まっていた数人のスキルアウトが一方通行を見て乾上がったもの、睨みつけたもの、様々な反応を見せた。 「これはこれは『第一位』。何の用だ!」 「ちっ……先制攻撃か」 数瞬の後、スキルアウト達が鉄パイプや廃材を手に殴りかかり始めた。狭いビルの一室での戦闘。能力をフル稼働させればものの数秒でまさに瞬殺が可能なのだが、いくらバッテリー使用可能時間が延びたといえ、頼りにする程バカではない。 「舐めやがって!」 「…あれを使うぞ」 単調な攻撃を身軽に交わし、一方通行は狙いを探す。 「この力、『一方通行』に耐えられるか?」 しかし、急に攻撃する手を止めたスキルアウト達は懐からそれぞれ同じようなUSBメモリに似たものを取り出し、スイッチを押した。 『マスカレイド!』 首筋、腕、手首、一人一人違う場所にそれを差し、姿が変わった。 不気味な仮面を付け、黒いスーツ姿と変わり果てたのである。 (なンだ…?) 再開される攻撃。だが、先程と打って変わり、一撃の重さが増している。その証拠に、埃まみれの床に凹みが乱産されていく。 「っ、と…危ねェ…!」 砕けた床の破片が腹部に当たり、一方通行はバランスを崩してよろけてしまった。 「もらった!」 「…おらよ!」 右手の杖で、鉄パイプを防ぐ。 「そんなもの!」 「なンだと!?」 杖は一撃で粉砕されてしまった。鉄パイプの方の強度すげぇ、と思わないように。 「シャレになンねェぞ……」 「チェックメイトだ」 じわり、とスキルアウト達が距離を詰める。 一方通行の手には、一丁の銃と破壊された杖のグリップ部しか無い。 「……丁度良い機会だ。…おい三下共。その命、神に還しやがれ」 『レ・ディ・イー』 両腕を胸の前に出し、左の掌に杖のグリップだった、イクサナックルを打ち付け、そのイクサナックルから適合者と認識されたことを証明する電子コールが鳴り、一方通行の腰に専用ツール、イクサベルトが現れ、 「イクサ……爆現…!」 『フィ・ス・ト・オ・ン』 イクサナックルを装着し、金色の十字架と共に強化装甲服が形成されて一方通行は変身した。 「な、何だ!」 「ざわ…ざわ…!」 白を基調とし、聖職者の法衣に似たパワード・スーツ『仮面ライダーイクサ』は、同じく白の一方通行にはぴったりであった。 「くっ…怯むな! 相手は一人だ!!」 「うるせェ、黙ってろ」 今一度迫る相手に、一方通行はイクサのフェイスカバーを開き、その際に生まれた風圧で吹き飛ばす。 「イクサ…バースト・モード!」 起き上がったマスカレイドを蹴り飛ばし、背後から近寄るマスカレイドには専用銃、イクサカリバー・ガンモードを放ち迎撃する。 「…ったく、しゃらくせェなァ!」 ぞろぞろと迫るマスカレイドを前に、イクサカリバーのマガジン部を収納し、赤い刀身を出現させ、手にした鉄パイプと廃材を切り落とし、更に剣撃をお見舞いさせる。 「まずい!」 「逃げるぞ!」 「逃がさねェよ」 イクサベルト横から、七種ある中のひとつ、金色の電子キー・モジュールを『フエッスル』をベルトのフエッスル・リーダーに読み込ませる。 『イ・ク・サ・カ・リ・バ・ー・ラ・イ・ズ・アッ・プ』 手にするイクサカリバーが光を纏い、燃え盛る太陽を背に、マスカレイドに斬りかかる。 「うわぁあああ!」 「つ…強い…」 「やめ…」 「まっ、待てぇぇ!」 「ぐわあぁああーっ!」 これこそまさにイクサの必殺技、『イクサ・ジャッジメント』。一方通行は初めてイクサを装着したのだが、それを見事に使いこなした。 「………、」 目的を忘れたわけではない。 戦闘の爪痕を残す部屋には、先程のメモリが体内から排出され、破壊されて破片が散乱し、強制排除された際の痛みでスキルアウト達は床に転がっている。その中から、資料にあったスキルアウトを見つけ出し、射殺 した。命乞いなどは聞かない。それだけ重大なことをしでかしてくれたのだから。 「クソったれが…」 今回の仕事で一方通行には不可解な点が残った。 ひとつはあのUSBメモリ。調べようと思ったが、どれも粉々に砕け散っていてそれどころでは無かった。 もうひとつは………、 「うおっまぶし」 仕事を終え、外に出てすぐに呟いた。 廃ビルの中は薄暗く、そこから出て来てすぐの日差しは眩しすぎて思わず目を細めてしまった。 「あー、杖どうすっかなァ……」 イクサナックルを仕込むのは実に大変だった。スペアを大量に用意しておくか、と一方通行は頭の中に留め、廃ビルの近くにあった自販機へと足を向けた。 ー糸冬われー
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/4163.html
「何とか無事、東京に戻ってきたみたいですねぇ」 描写のない内に、タンザニアにあったアンチ連盟支部から転送装置を奪い、東京に戻ってきた右京達 「なァオイ一つ質問してイイか?」 「何でしょう?一方通行君」 「なンでアンタ意外に全裸の変態が増エてンだ?」 そう右京に影響され一方通行と神戸を除く全員が全裸になってしまっているのだ。 「変態とは聞き捨てならないな一方通行」 「そうですよ貴方も脱いで見てください価値観が変わりますよ」 「全裸て素晴らしいてミサカはミサカははしゃいでみたり」 「……糞ガキとGUMIお前ら本当に女か?」 ため息をつきながら頭を悩ませる、一方通行。 「そんな事より早く式さん達を探しましょう」 そう言い歩き出す右京。それに続く露伴、GUMI、打ち止め、勿論全員全裸である。 「なァ神戸のおっさん」 「おっさんは余計だ」 「あの変態達は捕まえなくてイイのか?」 「言うな……言わないでくれ……」 【一日目・午前8時30分/東京/天候・晴れ】 【岸辺露伴@ジョジョの奇妙な冒険】 【状態】健康 、全裸 【装備】スタンド『天国の扉(ヘブンズドア)』 【道具】支給品一式、漫画を描くために必要なもの全部 【思考】基本:面白い漫画を描く 1:全裸の素晴らしさを伝える 【GUMI@VOCALOID2 Megpoid】 【状態】全裸 【装備】なし 【道具】支給品一式、他不明 【思考】基本:生き残る 1: 全裸の素晴らしさを伝える 【杉下右京@相棒】 【状態】健康、ペルソナ「剛毅」カメヤマ解放 【装備】全裸 【道具】支給品一式 【思考】 1:主催者の逮捕 2:はぐれた仲間を探す 3:七期での知り合いを探す ※カメヤマの力で雷系の攻撃を吸収します ※七期からの参戦です 【神戸尊@相棒】 【状態】健康 【装備】ニューナンブ@現実 【道具】警察手帳@現実、スカイラインGTR@現実、支給品不明 【思考】 1:どうしてこうなった 【一方通行@とある魔術の禁書目録】 【状態】健康 【装備】電極チョッカ― 【道具】支給品一式、替えバッテリー×3 【思考】基本:打ち止めを守る 1:頼むから服を着てくれ 【打ち止め@とある魔術の禁書目録】 【状態】全裸 【装備】なし 【道具】支給品一式 【思考】基本:一方通行に付いていく 1:全裸の素晴らしさを伝える
https://w.atwiki.jp/yugio/pages/9375.html
暴走する魔力(OCG) 通常魔法 自分の墓地の魔法カードを全てゲームから除外して発動できる。 除外した魔法カードの数×300ポイント以下の守備力を持つ、 相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て破壊する。 モンスター破壊 魔法 魔法除外
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/1406.html
「ミサカ、巫女と美琴」(第4話その19) 神裂火織は臨戦態勢のまま注意深く一方通行のダメージを観察する。 (手応えありッ!!学園都市第一位といえども唯閃を受けて無傷で済むはずがありません!! …………否ッ! 唯閃を受けてなおまだ立っているという事実にこそ驚愕すべきですね。 先ほどの虹色に光る衝撃波…………あれはきっと反射された唯閃なのでしょう。 身体に受けたダメージは大きいようですが目の輝きに一点の曇りも見えません。 ならば私のすべきことはただ一つ!!) そして神裂火織は七天七刀に手をかけた右手に力を込め一方通行の言葉に応える。 「応(おう)ッッ!!唯閃ッッッッッッッッ!!」 再び神裂火織と一方通行の間の空気が引き裂かれる。 ズバァッ!!と。 無数の未知なる力(ベクトル)が一方通行の身体に叩き付けられる。その瞬間、一方通行の身体 は地面に叩き付けられ2度、3度とバウンドしながら後方へ転がされていた。だが同時に反射した力 (ベクトル)が叩き付けられる力(ベクトル)と激突し稲妻のような閃光が迸る。そして轟く爆音を追い 抜き虹色の衝撃波が周辺を蹂躙する。しかし今回、その一部がまるで自らの意志を持つかのように 軌道を変え威力も性質も軌道もタイミングも異なる3721種類の力(ベクトル)となって神裂火織に襲 いかかる。 「──────は、ァアア!!」 神裂火織は気を吐き迎撃に移る。『神を殺せるように』組み替えられた身体が振るう七天七刀は 僅か100分の1秒の間に次々と襲い来る数千もの力(ベクトル)を次々と撃ち落とす。しかし天草式 十字凄教の粋を集め一時的に人の領域を越えた存在となった身体にも限界はある。3694の力を 撃ち落としたものの27の力を撃ち漏らし、その内13の力が神裂火織の身体を直撃する。 ドガガガガッ!!と神裂火織の周囲に落ちた力が轟音とともに土煙を大量に巻きあげる。 「く──ッッ!!」 轟(ごう)ッッ!!と吹き荒れる土煙の中で神裂火織は苦悶の声を漏らす。 もはや直撃は避けられないと判断した力に対しては回避を諦め己の強化された身体を信じ正面 から受け止めた。ズガガグギガギギッッ!!と13の衝撃が歯を食いしばる神裂火織の腕を、腰を、 肩を、そして頭を容赦なく叩く。 ヌルッ!と汗が一筋額を流れ落ちる。 いやそれは汗ではない。前髪を濡らし額をつたわる赤い滴りは右目の視界を徐々に塞ぎ始める。 だが神裂火織は血を拭おうともせず唯閃を受けて地面に転がっている一方通行を凝視する。 倒れたまま、地面を掴むように伸びていた指がピクリと動いた。そして地面を這わせる指が大地を 握りしめると一方通行は起き上がる。ボロボロになった身体に残ったわずかばかりの力を全て注ぎ 込み立ち上がる。血まみれの身体は右に傾き右手はダラリと力無く垂れ下がっているものの、神裂 火織を睨み付ける赤い瞳は光を失っていない。 「どォしたァ!?…………もうおしまいか!? さっきから俺ばっか愉しく踊ってるみてェだからよォ。 今度はオマエを愉快に踊らせてやるよ。オマエの血の海でな! どうした!?掛かってきな!」 (唯閃を2度も受けたはずなのに、どうして立ち上がることができるのです!? 私より遥かに大きなダメージを受けているはず…………なのに どうしても勝っている気がしません。これが学園都市第一位ッ!!) 神裂火織は独特の呼吸法をもって再び魔力を極限まで練り上げる。たった1度受けただけで唯 閃に対応し始める高い適応能力を見せつけた一方通行に対し、このまま単発で唯閃を放っていて はいずれ唯閃ですら弾き返されると判断した神裂火織は次の一撃に全てを託す。 (先程は唯閃の反射も不完全でした。ならば唯閃を反射した衝撃波を出すタイミングに合わせて 唯閃を連続で叩き込むのみ。唯閃に対応しきる前に叩き伏せなければ私の負けです) 七天七刀に掛けた指先にまで気を充填させ神裂火織は決戦に備える。 体内にため込んだ気がまさに爆発寸前にまで高まった瞬間、建宮斎字の声が頭に響き渡った。 『プリエステス!!11時の方向。距離400メートルの鉄塔に狙撃手!』 「!」 「ミサカ、巫女と美琴」(第4話その20) 霊装を通じて直接頭に鳴り響く建宮の警告に神裂火織は視線を僅かにずらし400メートル離れ た鉄塔からこちらを狙う狙撃手を確認する。神裂火織の視力は人間の足首ぐらいの金属筒に鋼の 箱やケーブルをゴチャゴチャ取り付けた巨大過ぎる奇妙な銃の形状も狙撃手が引き金に掛けた指 の動きすら正確に捉えていた。 同時にその銃口が自分を狙っていないことにも気付く。ならば標的は一つしかない。一触即発の 状況で敵から注意を逸らすことは敗北(死)に直結する。だが神裂火織はためらうことなく一方通行 を狙う狙撃手に向けて唯閃を放った。 引き金が引かれるより早く狙撃手の足場となっている鉄塔の根元が真っ二つに切断される。異常 事態に慌てた狙撃手が退避動作に入る頃には既に神裂火織は七天七刀を鞘に収めて一方通行 に対峙し直していた。もし狙撃手がスコープを覗いていたなら困惑する神裂火織の表情を伺い見 ることができただろう。 (どうして?) 目の前でカハッ!!っと胸を押さえて咳き込む一方通行の姿に神裂火織は困惑する。神裂火織 は狙撃を完全に防いだ訳ではなかった。狙撃手はもう一人いたのだ。彼らは学園都市統括理事の 一人トマス=プラチナバーグが雇った傭兵崩れの狙撃手だ。学園都市製の磁力狙撃砲MSR-001 と一方通行用に開発された特殊な成形炸薬弾を与えられた彼らは一方通行の頭と心臓をそれぞ れが狙撃する計画だった。 使用弾頭は対戦車榴弾(HEAT) として使われる成形炸薬弾を一方通行専用に改良したもので ある。もともと対戦車榴弾はモンロー/ノイマン効果によって生じた超高速金属噴流(メタルジェット) に戦車装甲を貫通させるものである。例え鋼鉄であろうとユゴニオ弾性限界を超える動的超高圧下 では塑性流動を引き起こすためセラミックを用いた複合装甲でなければ対戦車榴弾を防ぐことはで きない。 とはいえただの対戦車榴弾(HEAT)が一方通行に通用するはずはない。だが学園都市の科学者 達は一方通行の反射に引っ掛からないはずの酸素分子に目をつけた。そして弾頭内の金属板(ラ イナー)を固体酸素に置き換え、炸薬の爆発で生じる爆轟波により秒速数千メートルという超高速 で酸素噴流を噴出させる新たな成形炸薬弾を開発した。ただし一方通行の反射により弾頭が弾き 返される瞬間に正確に炸薬を起爆させる信管技術、凝固点が-218℃の固体酸素を炸薬の起爆 まで融解させない断熱技術そして酸素分子に十分な貫通力を与える技術の開発に莫大な予算と 人員が費やされたことは言うまでもない。 だが莫大な予算をかけて開発されたもののその有効範囲は着弾点から前方わずか5cmまでしか 伸びなかった。それでも科学者達は心臓あるいは頭部を正確に狙えば一方通行に致命傷を与え ることは可能だというレポートを提出し、それを信じたトマス=プラチナバーグは一方通行の狙撃に ゴーサインを出したのだ。 一方通行以外に使い道が無い弾丸に莫大な私財をつぎ込んだことはトマス=プラチナバーグが この時点でいかに9月30日の私怨に囚われ冷静な判断能力を失っていたかを示している。そうで なければ後日ステファニー=ゴージャスパレスに無惨に殺されることもなかっただろう。 法外な報酬と引き替えに狙撃を引き受けた二人の狙撃手の内、頭を狙った狙撃手は神裂火織に 阻止されたが、心臓を狙った狙撃手の磁力狙撃砲は特殊成形炸薬弾を秒速290メートルで射出し た。放たれた成形炸薬弾は一方通行の反射膜に触れた瞬間その運動ベクトルを変換され狙撃手 へと正確に打ち返される。しかしその直前に信管は炸薬を起爆させ超高速酸素噴流を一方通行の 心臓に叩き込んでいた。 トマス=プラチナバーグの執念の一撃は一方通行の反射を突き破ることに成功した。しかし唯一 のそれでいて致命的な誤算は直前に神裂火織の攻撃を受けた一方通行が反射の演算式を書き 換えていたことだろう。本来なら酸素噴流は体表から心臓まで直径1mmの穴を穿ち心臓を内部か ら破裂させ一撃で致命傷を与えるはずが、直前に書き換えられた演算式のせいで噴射質量の内 の82%が反射フィルターに弾かれてしまった。だが残りの18%の高速酸素噴流は錐のように一方 通行の身体に喰い込みその牙は肺の一部を噛み千切り心臓にまで届く傷を与えた。 「ミサカ、巫女と美琴」(第4話その21) 常人ならば即死する深手を負った一方通行は悲鳴を上げる心臓の鼓動をベクトル操作で強引に 整え、心臓の傷口から噴き出すハズの血流すら操作し全身を巡る血液の流れを確保する。また穴 が空き萎んでしまうはずの左肺も息の流れをコントロールし呼吸を確保する。だがそれは能力で最 低限の呼吸と血流を確保しただけであり、傷が治った訳でも痛みが治まった訳でもない。傷は未だ 致命傷のままであり能力を打ち切れば数十秒で一方通行は絶命するだろう。 ようやく事態を悟った神裂火織は一方通行に慌てて駆け寄る。もう一人の狙撃手を見逃したこと は神裂火織が狙撃手を一人倒したことにより生じた油断が原因だといえなくもない。だが一方通行 という強大な相手と対峙している最中に周囲に割ける注意力を考えれば神裂火織の油断であった と責めることはできないだろう。しかし全てのものを救うと心に決めた神裂火織は自分の油断が許せ なかった。 「大丈夫ですか?一方通行」 『うるせェ!決着はまだついてねェぞ!!』 「傷をお見せなさい。今すぐ治療します」 『ざけンな!』 前方の空気を振るわせ声を作っていることからも心肺機能にどれほど大きなダメージを受けてい るかが判る。神裂火織は急いで回復術式を組みあげ発動させる。すると一方通行を取り囲むように地面に緑色に輝く光の輪が現れゆっくりと上昇し始める。 だがその途端、バチン!!と光の輪が一方通行の反射フィルターに弾かれ四散する。 「一方通行。今だけで良いですから私の回復術式を受け入れて下さい」 『こんなかすり傷に、オマエの助けなンかいらねェンだよ!』 「無茶です。一方通行!痛ッッ!」 一方通行の肩に掛けようとした神裂火織の手はその運動量を反射され弾き飛ばされる。 『続きを始めッぞ!さっさと準備しやがれ!』 そう言った途端ガクン!と一方通行の両足が力を失う。 (なンだ?一体…………くそっ、打ち止めのヤツが俺の能力をブロックしやがったのか!?) 能力によって辛うじて身体を支えていた一方通行は地面に片膝を付く。同時に失血を防いでい た能力も失い、途端に穴の空いた心臓は再び悲鳴を上げ、破れた肺は呼吸を拒み、体中の傷口 からは大量の血液が流れ出る。神裂火織は再び回復術式を組みあげると一方通行を囲むように 緑色に輝く光の輪が現れゆっくりと上昇する。 意識を失う寸前だった一方通行は思わず目を瞬(しばたた)かせる。先ほどまでの激痛が嘘のように治まっていた。力を失ったはずの右手すら思い通りに動いてくれる。 (これが魔術…………なのか!?) 身体のダメージをチェックしつつゆっくりと立ち上がる一方通行が顔を上げると目の前に神裂火 織と目が合ってしまった。柔和な表情を見せる神裂火織から目を逸らすと一方通行は右手で髪の 毛を掻きむしる。 「あ…………」 何かを言い掛けた一方通行の言葉はその腰に体当たりしてきた幼女によって断ち切られた。 「ゴメンナサイ!痛かったでしょ。でもあなたを助けるためにはあそこで能力をブロックするしか方法 はなかったの、ってミサカはミサカはいつも無茶ばかりするあなたに涙目で訴えたり」 「どうします?一方通行。まだ続けますか?」 「こンな邪魔が入っちゃ、もォやる気なンて無くなっちまったぜ! まあ、どうしてもオマエが闘いたいって言うンなら付き合ってやってもイイぜ!」 「いいえ、遠慮します。あなたには何故か勝てる気がしませんでしたから」 「フン!謙遜しやがって。まあイイ。じゃあ俺は帰るからな」 「あっ、待って待って!ってミサカはミサカはあなたの腕にしがみついて久しぶりに一緒に帰りましょ って駄々をこねてみたり」 腕にまとわりつく打ち止めを適当にあしらいながら一方通行は今日の戦闘を思い出していた。 (今まで雑魚ばかり相手していて気付かなかったが魔術っていうのもどうやら侮れねェみてェだ。 しかし9次元での反射をデフォで展開しておくにはミサカネットワークへの負担が重すぎる。 俺の頭が元通りなら問題ねェが、ミサカネットワークに頼るならもっと演算式をスリム化しねェと。 仕方ねェ。経験を積む必要がありそうだからコイツらに少しぐらい付き合ってみるか?) 「ミサカ、巫女と美琴」(第4話その22) 学園都市某ビル内の一室 「この映像は永久保存版としてミサカネットワークのアーカイブに保管する必要がありそうです とミサカはまるで傷口に塩を塗りつけるようなわざとらしい口調で呟きます」 「…………、ぷっ…………くっ、くくく、苦しい」 「御坂さん。肩が揺れてる。ほら。…………笑ったら失礼。…………ぷっ」 ここは学園都市某ビル内の秘密戦隊RAILARの作戦司令室。 RAILARのメンバー全員が揃うのは上条達が初めて招集された日以来である。 上条達はその日と同じようにバトルスーツに身を包んでいた。只一人の例外を除いて。 「おい、クソチビ!オマエが死ぬ前に一つだけ聞いておきてェことがある」 「一つだけで良いの?ってミサカはミサカはあなたのコメカミに浮き出た青筋に身の危険を感じつ つ怒りの矛先を逸らそうととびっきりの営業スマイルで答えてみる」 「こいつァ何の真似だ?」 「だってあなたは昨夜の戦闘でキシサクマアの首領と互角に戦って撃退したでしょう! ってミサカはミサカは昨夜のあなたの凛々しい姿を脳内再生し改めてあなたに惚れ直してみたり」 両手を頬に当て身体をくねらせながら打ち止めは答える。なおも青筋を立てたこめかみをヒクつ かせながら一方通行は今にも爆発しそうな怒気を込めた声で打ち止めにもう一度問い直す。 「なら!!それがこれとなンの関係があンだ!?なンのバツゲームだ!こりァ!?」 「ぷっ、…………くっ、くふふっ、ふぁっははははははは──────!」 御坂美琴は必死に堪えてきたがとうとう限界がきてしまった。溢れ出した笑い声はもはや止めるこ とができない。腹を抱えてうずくまる御坂美琴をギロリ!!と睨み付けるが今の一方通行には御坂 美琴を黙らせる迫力が少しばかり欠けているようだ。それはひとえに一方通行の着ているスーツに 原因がある。 そう。今一方通行が着ているスーツは紛れもなく、どこからどう見ても、誰がなんと言おうともセーラ ー服以外の何ものでもなかった。おまけに頭には白い花の髪飾りまで着けている。 「RAILARで最も活躍した人はブラック(上条)と一日デートができるのよ、ってミサカはミサカはなに 今さらご託を並べてんの?って感じでRAILAR結成当時に決まったルールを当然のように確認し てみる」 「あァ!?なンの話だ!そりゃァ!?」 「ほら、あの日あなたが怒って司令室から出てった後に決まったでしょ。憶えてない? ってミサカはミサカはふざけた素振りを微塵も見せずに質問に対して質問を返してみる」 「ッざけンな!つきあってらンねェ、俺は帰るぞッ!」 「でもスーツはバトルモードに戻さないと脱げないよ、ってミサカはミサカは親切にも忠告してみる」 司令室の出口に向かっていた一方通行だが、後ろから掛けられた打ち止めの声に立ち止まると ちっ!と舌打ちし面倒くさそうに言い放つ。 「チェンジ、バトルモード」 「あっ、言い忘れてたけど、今スーツ変形機能はこちらでブロックしているから叫んでも無駄かも って、ミサカはミサカはわざとらしく追加説明してみる」 「テメエ、そっちがそのつもりなら、こンなスーツ、俺の能力で引き裂いて…………」 チョーカーに手を当て能力使用モードにスイッチを切り替えようとする一方通行にまたしても打ち 止めは涼しい顔で通告する。 「ちなみにあなたの能力もミサカネットワークの代理演算をブロックしているからスイッチを能力使用 モードに入れ替えたって無駄かも、ってミサカはミサカは余裕の表情で宣言してみる」 「ふっ、ふざけやがって!なら、こンなスーツはナイフで切り裂いて…………」 「残念でした。学園都市製の防弾防刃防爆スーツはナイフや銃なんかで傷つくほど柔じゃないよ ってミサカはミサカは学園都市の技術水準の高さをことさら自慢してみたり」 プルプルと全身を小刻みに震わせる一方通行に打ち止めはさらにたたみ掛ける。 「ミサカ、巫女と美琴」(第4話その23) 「無駄な抵抗はもう終わりかな、ってミサカはミサカは上から目線で宣言してみたり。 でもね。そのスーツを脱ぐ方法がまだ一つ残ってるんだよって耳寄りな情報を打ち明けてみる」 「なンだ!それは!?」 「そのスーツって一つ一つに違った『破滅の言葉』がセットされていて装着者がそのキーワードを 宣言するとスーツは5秒後に自壊する仕組みになってるの、ってミサカはミサカは衝撃の事実を あなたに伝えてみたり」 「ほ────ッ、でもその言葉は俺に教える気はねェンだろ!どォせ」 「そんなこと無いよ、あなたのスーツのキーワードは『ラストオーダー、愛してる』だよ。さあ大きな声 で言ってみよう、ってミサカはミサカは喜色満面であなたにキーワードをせっついてみる」 「ッざけンな!誰がそンなこと言うかよ!」 「えっ、そうなの!あなたはそんなに、そんなにブラックとの一日デートが良いの!? ってミサカはミサカはあなたの意外な趣味にハンカチで涙を拭いながら嗚咽を漏らしてみる。 ついでにもう観念してキーワードを言うしかないよねってさりげなくあなたに迫ってみたり」 「もうその辺で許してやれよ。司令官(ラストオーダー)」 「あァァァああ?許してやれだあ?なンで俺がこのクソチビに頭下げなきゃなンねェンだよ!? ほら、オマエはなにボサッとしてンだよ!さっさと支度しやがれ!」 「…………え?」 「えっ、じゃねェだろ!デートだよ。で・え・と!!」 「じょ、冗談言うんじゃねえよ!!一方通行(アクセラレータ)」 「馬鹿野郎!誰がアクセラレータだ!?百合子って呼びやがれ!! さっきからオマエも俺のことを散々笑ってくれたよな。 こうなりゃ、オマエも道連れだ!今日は地獄の底まで付き合って貰うぜ」 「えっ、ちょっ、ちょっと待って、心の準備が、まだ、きゃ──────────────ッッッ!」 悲鳴を上げる上条を引きずるように一方通行は出口へと向かう。そして、 「不幸だああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」 上条の絶叫を絶ち切るかのように無情にも司令室の扉が閉じられた。 その日、不可思議なカップルが学園都市のあちこちで目撃されたという。 そしてこの日を境に『一方通行=鈴科百合子ちゃん』伝説が都市伝説として学園都市内でまこと しやかに囁かれることになったのだという。 「ミサカ、巫女と美琴」 おしまい
https://w.atwiki.jp/45kssos/pages/186.html
第一回目の放送が鳴り響いてから数分後。 白い怪物は、静かに会場を闊歩していた。 純白の髪の毛と素肌の中でよく目立つ真っ赤な相貌は、嫌でも相手に恐怖を叩きつけることだろう。 しかし、何と因果なことだろうか―――この事件が無ければ、彼、一方通行(アクセラレータ)は、とある最終信号の少女と出会い不格好ながらも光の道へと歩み始めていたというのに。 絶対能力進化実験を止めるヒーローは既に没し、この死神を止める者は誰も居なくなった。 歴史が書き換わった。 「――――つゥかよォ」 一方通行は心の底から、もう既にこの『実験』に退屈と不満を覚え始めていた。 あれだけの時間があって、脱落した人間はたった十人弱ときた―――舐めているのか、と彼は思う。 学園都市最強の超能力者が本気を出せばこのゲームはたった数分で崩壊するというのに、他の実験動物はどこまで甘いのか。 まあ退屈な実験など慣れっこでもあった。一万人もの『妹達』を虐殺する実験に参加していた頃から感じていた。 最強の力があっても、退屈というものには勝てない。 しかもここまでの時間があって一方通行が出会えた他の実験動物はたった一人だけ。 何らかの能力者ではあったようだが、最強たる一方通行からすれば弱者もいいところの。 無敵に到達する為の実験を拒む理由はなかったが、それにしてももう少し手ごたえのあるやり方はないのか。 かつ、かつ―――と。 わざとらしく靴の音を響かせながら歩く怪物は、不満を抱いていた。 大体、この実験とはどんなものなのか。 学園都市が企画した『表沙汰に出来ない実験』であるとは理解していた一方通行だが、そんな彼でさえも今回の実験は理解不能な点が多い。 まず、何故こんなまどろっこしい手段を取るのか。 わざわざバトルロワイアルの建前を用意してまで、隠し通すことなのか。 これが実験である以上、最後に勝ち抜くのは一方通行だ―――ならば、焚き付ける必要はない。 『一方通行を殺せ』と指示して九十九の敵対分子を用意すればいい。 超能力者の頭脳で思考する少年は、訝しげに眉を顰めた。 参加者名簿にある知り合いの名は一つ、『第三位の超能力者』御坂美琴。 実際の所これも不可解なことである。 科学の街、異能の街である学園都市とはいえ、超能力者クラスの化物はそうそう生まれてこない。 現に超能力者とされる者は一方通行含めたったの七人―――二百三十万人の学生の中で、たったそれだけの人材。 もはや人間の枠を超えた、化物と形容するに相応しい力を振るうことの出来る、兵器にも相当するような貴重な存在。 まして第三位ともなれば、とんでもない逸材。 (オカシイよなァ、ああ、最高にオカシイぜェ、クソッタレ) たった一人の『絶対』を作り出す為とはいえ、貴重な超能力者、それも汎用性の高い『発電能力者』を切り捨てるような真似をするか? あの『統括理事長』が、そんな愚行を犯すとは思えなかった。 量産能力者計画に絶対能力進化実験と、傍から見れば頭のおかしいとしか思えない理論を考えるあいつらはそこまでの馬鹿ではない。 そしてもう一つの突っかかりは、主催者―――『シャルル・ジ・ブリタニア』の存在だ。 そんな人物は、聞いたことがない。 彼はまだ堕ちきっていないとて、学園都市の裏の話にも少しは精通している。 第三位を使うような実験ともなれば、一般の科学者クラスを使うとは思えない。 統括理事会のメンバークラスでなければ役不足なくらいなのだが―――シャルル・ジ・ブリタニアなんて統括理事は存在しないのだ。 郷田真弓、朝倉涼子の二名についても、聞いたことがない。 高位の、能力の便利さを買われたと見るが妥当だろうが、それでも何か腑に落ちなかった。 「ッ――――あァ、苛付くねェ」 怒りこそ現さなかったが、一方通行は内心かなりの苛立ちを覚えている。 上の連中の都合で勝手な実験に参加させられ、それでいてどうも何やら裏がありそうときたではないか。 そんな都合のいい話があるか、と一方通行は思う。 少年は、無敵になりたかった。 誰も傷付けぬことを望み、誰も向かってこない―――そんな理想を実現したかった。 だからわざわざ狂気の実験に身を落とし、言われるがままに同じ顔をした少女たちを虐殺した。 奴らは人形だと言った。 単価十数万、ボタン一つで製造可能な紛い物の少女。 実験過程で彼女らの『お姉様(オリジナル)』の第三位とも戦った。 彼女は激昂していた。 必殺の雷撃も、十八番の超電磁砲も通らなかったが。 幼い自分を取り囲む駆動鎧と兵器の数々。 この力を不用意に使えば、いつか世界を滅ぼしてしまうかもしれない。 だけど『無敵』へと進化すれば何かが変わるはずだった。 圧倒的な力が争いを生むのなら、戦う気も起きなくなるほど強くなればいい。 そうすればもう誰も傷つけない。 最初はそんな望みから始まったのだと、一方通行は潜在的ながら記憶している。 無敵になればいい。 最強の意識の片隅の記憶が彼に苛立ちをもたらしていた。 ――――その時、音を最強の鼓膜が捉えた。 何かが周囲を破壊するような音。 不良集団が暴れているかのようなそれ。 巻き起こす本人の苛立ちが窺えるような、暴力的な破壊音。 その音に一方通行は目を細め、そして直後に口を三日月のような笑顔の形に歪めてみせた。 白い怪物は、実験遂行の為に、今度こそ逃さずに始末すると決めて音の中心に向かう。 自分の苛立ちを発散させてくれる相手には―――案外、力の無い三下が丁度良いのかもなァ、と考えて。 純白の死神が、暴れる少年の元に近付いていく。 ◆ 「はぁ、はぁ、っ、ふざけんなよ」 長沢勇治は、再び破壊行動に戻っていた。 日本刀を振り回して、またも町中の物を壊して、壊して、壊して、壊す。 そんな使い方をしていればすぐに駄目になってしまうことくらいは流石の彼でも察し、ボロボロのバットで物を破壊し、日本刀を誰に威嚇するでもなく振り回す、なかなか器用な真似をしている。 告げられた死人の数は十数人。 しかし長沢が殺せた人数は零―――役立たずの、殺人者もどき。 その事実を認めたくなくて、許せなくて、長沢勇治はやり場のない怒りを再び発散する。 先程とある少年に暴力を振るったばかりだというのに、彼の中の衝動はどんどん蓄積していき、そろそろ限界を超えようとしていた。 「次だ……次に会った奴、北川の兄ちゃんと同じなんかじゃ済ませない……ぶっ殺してやる!!」 自分の居場所を知らしめてしまう危険性にも気付かぬまま、長沢は叫び、壊す。 むしろ参加者がやって来てくれれば、その分彼の衝動が発散される時が近付くとさえ考えていた。 言ってしまえば、危機感が足りなかった。 このバトルロワイアルを、彼もまた舐めていたのだろう。 自分でもすべてを殺せると、楽観視していた。 一番してはいけない、慢心。 自分の常識の中でしか物事を考えず、そう、まるでこれが『ゲーム』と同じであるかのように、彼は驕っていた。 そんな彼の為には、良かったのかもしれない。 かつ、かつ、かつ、かつ。 足音が響く。 破壊に勤しむ長沢は気付かない。 遠くからでも分かる、触れれば折れてしまいそうな華奢なシルエット。 男性か女性かも一目では分からない中性的な容姿をしているが、その相貌に宿るぎらぎらとした光は、優しさというものが無い。 「あは」 押し殺した笑い声が漏れる。 その音を聞いてやっと長沢は一方通行の接近に気付き、彼もまた野獣のような笑みを浮かべるのだった。 「へへっ、運が悪いね。今の俺は機嫌が悪いんだ」 「おォ、そォか。じゃあ存分に発散してみろ」 「―――ッ」 完全に自分を舐めた、馬鹿にするようなその態度―――長沢勇治を激昂させるには十分だった。 訳のわからない絶叫をしながら、日本刀を掲げて白い少年に突撃していく長沢。 走りながら彼は考える。 あの華奢な体をどうやって痛めつけようか。 直ぐには殺すものか。痛めつけて、泣き叫ぶ面を眺めて愉しんで、じっくりと嬲り殺しにしてやる。 舌なめずりさえして、長沢は日本刀を、微動だにしない一方通行の右肩に向けて振り下ろし――― 「は?」 「あァれェ~? どォしたのかなァ」 日本刀が、綺麗なまでに中心で砕け散っていた。 これには長沢も、怒りも何もかもを忘れてしまう。 何が起きた。 日本刀を振り下ろしたのに、どうしてこんなに簡単に、壊れた? 「は………っ、死ね!!」 「無駄なンだねェ、それがよォ」 折れた日本刀を槍のように突き出すが、それもまた一方通行の華奢な身体に触れた瞬間に砕け散る。 バットに持ち替え、なりふり構わずその頭に向けて薙ぎ払っても、砕けるのはバットの方だ。 何が起きているのか分からないといった様子の長沢の首根っこを掴むと、一方通行はその肉体を近くの建物に向かって投げつける。 勿論ベクトル変換込みの、しかし『人体を死には至らしめない』レベルの威力で。 その貧弱な身体からは想像も出来ない威力の投げ。 長沢の体はあっさりと建物の外壁に衝突し、鈍い激痛が走る。 「………おいおい、無能力者かよ。ったく、ますます意味が分かンなくなってきたねェ」 はァ、と溜め息を吐いて空を見上げる一方通行―――今なら、隙がある。 相手に気付かれぬように攻撃すれば、あの不可解な能力は働かない筈―――そう踏んで、長沢が持ったのは注射器。 H173―――雛見沢症候群を引き起こす悪魔の薬品を、あのムカつく野郎にぶち込んでやる。 クロスボウでも良かったが、矢を装填している時間があれば対策されてしまうかもしれない。 そんな暇を与えず、驚愕しているところを叩く。 長沢の暗い瞳が、一方通行を見据え。 一方通行が視線を長沢に戻す間も与えずに、注射器片手に駆け出した。 もはや振り下ろすように、乱暴に注射器をその柔肌に突き刺そうとして――少年は絶望を知る。 注射器は、その肉体に触れる間もなく破砕した。 これで、長沢勇治の命運は今度こそ尽きる。 「なっ」 「おォ悪ィ悪ィ、言ってなかったっけな」 悪魔の腕が、長沢の首に触れる。 それが、死刑宣告だった。 「――――なぁンでか能力が抑えられてンだけどな、こちとら一万回はこンなこと繰り返してンだよ―――舐めんなよ、チンピラ」 びちゃっ。 大量の血液が長沢勇治の肉体から吹き出し、断末魔の悲鳴をあげる間も与えずにそのちっぽけな生命に終止符を打つ。 血流操作―――全身の血流を逆流させ、相手を殺す術。 只触れただけで、生命は散る。 口元に付着した返り血を拭い、一方通行は笑う。 「っく、あはははァ」 最強の超能力者の前に散った、衝動に身を任せた少年。 その屍には見向きもせずに、彼は笑う。嗤う。 「あぎゃははははははははははははははははァ!!!!」 【長沢勇治@シークレットゲーム-KILLER QUEEN- 死亡】 【G-8/街/朝】 【一方通行@とある魔術の禁書目録】 【装備:なし】 【所持品:支給品一式、ランダム支給品×3】 【状態:健康、返り血(中)】 【思考・行動】 1:不本意だがこの実験に付き合う 2:何を隠してやがる……舐めやがって 【備考】 ※このバトルロワイアルを絶対能力進化実験だと思い込んでおります。 ※能力は制限されています。反射はデフォルトは出来ません。 ※反射の威力に関しては普通通りですが、建物を投げつける、気流操作で会場全体に攻撃する、などは出来ません ※この『実験』の裏には何かあると気付きました 輝きのトモキ 時系列 アケルソラヘ 光と絶望の境目 投下順 主催者のバカ野郎共に大いに抵抗して脱出するための素晴らしき仲間達 とある最強の一方通行 一方通行 [[]] 中二病でも殺したい! 長沢勇次 DEAD END