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画像 動作 メイン ビーム属性や弾の大きさ、着弾時にビーム爆風が発生する点で、先に登場したリトルスターガンと同じ性質を持つ。 連続発射数・発射間隔はリトルスターガンより優れるが、それ以外は多少劣る。 弾はリトルスターガンより大きいがブレやすい。 サブ 前方にパンチを繰り出す。パンチを出した後、セットでメイン射撃と同じ弾を撃ち出す。2コンボ可能。 その他 パンチの後に出る弾は弾数を消費しないが、弾速は遅めでラピッドチューン等の影響を受けない。 レビュー・コメント 複合武装としてはコストは低めだが、それゆえに両者をきっちり使っていかないと元手は取り返せない 内蔵ビームキャノンはリトルスターガンと同程度の弾サイズだが、 連射力が上がり弾速も若干増しているので使い勝手は向上している とはいえ威力が低く弾速、装弾数も微妙なラインで力不足の感は否めない 内蔵サブも空戦専用装備という点を考えると重荷でしかない 武器の追加装備も出来ない為、あまり活躍は期待できないだろう -- (名無しさん) 2010-09-23 00 13 30 威力20弾数120射程250速度270間隔740トリガー発射数4 星屑に比べると火力は低いが間隔に優れる。 速度も若干速く、弾の大きさもそれなりなので使えなくは無い。 サブ使用時に発射される弾もtec依存のようなのでtec極でいいかもしれない。 ステータスも高いが問題はスロット数が減ることだろうか -- (名無しさん) 2010-09-23 17 46 44 この弾の大きさで間隔740・・・ リトルスターガンは犠牲になったのだ・・・。 -- (名無しさん) 2010-09-23 17 56 36 内臓サブは ストレート→ボディ の2コンボで、拳からメイン同様の弾を出す。 メインが弾切れしていても弾が出るのでこれを使って射撃を継続できる・・・もんならやってみろ 格闘としてのパンチはなかなかの速度で進むが、弾の爆風のせいかパンチが重いのか、多くの敵は1発目でスタンしてしまい、コンボすると敵の後ろにつきぬけ敵の真ん中に突っ込むことがあるので注意 同じ理由で他の格闘との相性もいまいち。〆に持って来たいところ。 -- (名無しさん) 2010-09-23 22 02 14 リトルスターガンさんはぜひこのAMを見習ってほしい。 弾の大きさで劣り、間隔で劣り・・・ -- (名無しさん) 2010-10-20 20 45 34 サブは弾を消費しないが当然射程(60)内じゃないと誘導しないためメインの代わりにするのは困難 -- (名無しさん) 2011-02-28 15 41 47 名前 コメント すべてのコメントを見る
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第2部 「ミッドナイトブルー」 第8話 「night-8」 重巡洋戦艦型神姫のマキシマとヴィクトリアは強力な艦砲射撃をヨタヨタと飛ぶシュヴァル目掛けて行う。 レーザー砲弾の雨が何百本と連なってシュヴァルを襲う。 夜神「シュヴァル!遮光板を展開、急速離脱ッ!!!」 シュヴァルはバイザーの遮光板を切替えて視界をすばやく回復するとエンジンを全速にして砲撃の雨を切り抜けようとする。 ズンズウウン!!ドンドドドドンッ!!! シュヴァルは水面スレスレに飛んで砲撃をたくみに回避する。マキシマとヴィクトリアの放った砲弾が水面を吹き飛ばし、高い水柱を上げる。ミサイルの破片がビシバシとシュヴァルのボディに当たる。 シュヴァル「ぐうァ!!!」 シュヴァルは初めて被弾し燃料タンクに穴が空いたようで煙を吹いている。 後方に下がって砲撃の着弾を見守る空母型のツラギ。 ツラギ「おおお!!当たったぞ!」 金川「ははは、奴め、煙を吹いておるぞォ!!」 甲板にいる砲台型のルーシと悪魔型のニパラが武器を振り回して興奮して叫んでいる。 ルーシ「いいぞ!!ヤッチマエ!!!」 ニパラ「殺せェ殺せェ!!!」 双眼鏡で確認を取るナターリャは勝利を確信した。 ナターリャ「ふん、真っ暗闇では遅れを取ったが、この昼間のような明るさでは、奴もたちうちできまい!こちらには2隻のSS級の重巡洋戦艦型神姫が健在だ」 夜神「シュヴァル!不利すぎる!スタジアムから脱出を・・・」 シュヴァル「りょ、了解!」 シュヴァルは高度を上げて重巡洋戦艦型神姫からの攻撃を逃れようとするが、キラキラと上空から射撃が襲う。 ドオドドドドオドドドン!! シュヴァル「上空に敵機!」 夜神「ッチイイ!!」 5機ほどの航空神姫が機関砲を撃ちながらシュヴァルに襲いかかって来た。 アオイ「逃がさないぜェ!!」 ツクヨミ「回り込め!退路を断つんだ」 フェリア「アネット、奴の退路を塞ぐだけでいい、追い込め」 アネット「了解、了解―」 マレズ「オラオラッ!!!さっきまでの威勢はどーしたァ!!!夜帝!!!」 2機の戦闘機型とステルス戦闘機型、重武装の戦闘爆撃機型がシュヴァルを取り囲む。 シュヴァル「くっ・・・」 シュヴァルは顔を苦痛に歪ませて機関砲を撃つが、機動性の高いアスカ型は軽く攻撃を回避する。 アオイ「当たるかよ!」 マレズ「オラッ!!たっぷりと喰らえッ!!!」 マレズがミサイルをリアパーツから連続で発射する。 夜神「シュヴァル!!ミサイルだ!!回避!!!」 シュヴァルはチャフフレアを放出してミサイルを誘導して回避する。 ゴロンゴロンゴロン・・・ シュヴァル「しまったッ!!!」 低いエンジン音を鳴らして重巡洋戦艦型MMSのヴィクトリアがシュヴァルの前面に現れる。 野木「敵、MMSを捕捉!当てろよ!ヴィクトリア」 ヴィクトリア「撃ち方――はじめ!」 ゴウウウウン・・・ 一列にずらっと並んだ大小さまざまなレーザー砲の砲塔がゆっくりと旋回し、シュヴァルに狙いをつける。 夜神「ぐ・・・・」 ここまでかと、夜神はあきらめかけたが、シュヴァルの前方にある電源ボックスを見て考えを切替える。 夜神「!!シュヴァル全速前進!!」 シュヴァルはスラスターを思いっきり吹かし、電源ボックスの前に立ちはだかる。 ナターリャ「ヴィクトリア!!全砲門一斉発射!!撃て!!」 ドシュドシュ!!ビシュビシューーーム!! ヴィクトリアの火砲が一斉に火を放つ。 夜神「シュヴァル!急速旋回!」 シュヴァルは瞬時に巡航モードに変形すると全速力で砲撃を回避する。 ヴィクトリアの放ったレーザー砲弾はシュヴァルの後方のスタジアムの電源ボックスに命中する。 ドゴオオオオンン!! すさまじい爆音が響くと同時に、ブッツウン・・・とスタジアムの照明が切れる。 ナターリャ「むう」 野木「し、しまった!電源ボックスに流れ弾がァ・・・・」 スタジアムはまた、漆黒の暗闇に戻る。 ヴィクトリア「敵機、ロスト、レーダーに反応無し」 アオイ「な、なにやってんだ!!」 マレズ「はやく電源をつけろ!」 バチバチっと電源ボックスがヴィクトリアの艦砲射撃をモロに喰らい、火花を散らしてショートしている。 ナターリャはニヤニヤと笑う。 ナターリャ「なるほどなるほど、やるではないか!戦艦型の砲撃を利用して電源ボックスを吹き飛ばすとは!!!一本やられたな・・・」 空母型のツラギが冗談ではないといった顔で捲くし立てる。 ツラギ「関心している場合か!!ナターリャ殿!どーするつもりだ!」 ナターリャ「・・・敵はさきほどの攻撃で損傷を負っている。むちゃな機動は出来ないはずだ。また奴のステルス性能も落ちている・・・すべて計算どおりだ。マキシマ、対空戦闘用意」 マキシマ「了解」 重巡洋戦艦型MMSのマキシマは砲塔を360度、いつでも砲撃できるように準備する。 アオイ「はっ!!死にぞこないが!!俺がトドメを刺してやる」 アオイが機関砲を構える。 ツクヨミ「・・・・レーダーに反応!」 ツクヨミのウサギ耳がピクピクと動く。 ツクヨミ「4時の方向!!」 チカチカと青白い光がツクヨミが叫ぶとほぼ同時に瞬く。 アオイとツクヨミはさっと攻撃を回避する。シュヴァルがギュンと勢いよく、アオイとツクヨミのすぐそばを通り過ぎる。 アオイ「はっはは!さっきに比べて攻撃にキレがねえぜ!」 ツクヨミ「弱っている証拠だ!仕留めるぞ!」 アオイとツクヨミがシュヴァルを追いかける。 夜神「くッ・・・シュヴァル!状況報告!」 シュヴァルが夜神のいる筐体にデータを転送する。 シュヴァル「敵は残り、空母1隻、重巡洋戦艦2隻、航空MMSが5機です。どれもベテランぞろいですね」 夜神「オマエの損傷は?」 シュヴァル「さきほどの戦艦型の砲撃で、右舷スタビライザーの一部が破損、燃料タンク3番が破損、レーダーにノイズが走っていて使用不能・・・大型対艦ミサイルは残り3発!」 夜神「上出来だ。あの強烈な砲撃の中、よくその程度の損傷で済ませたな・・・さすがだ」 シュヴァル「後方にアスカ型2機、追撃中してきます。ステルス戦闘機型2機は不明、戦闘爆撃機型もどこにいるのか分かりません」 夜神「・・・手ごわいな、やけに統制が取れているな、これは俺の勘だが・・・あの航空母艦型MMSの中に将校型MMSがいるな」 シュヴァル「将校型・・・」 夜神「この配置を見てみるとだ、重巡洋戦艦型MMSのうち、1隻は空母型の真横に張り付いている・・・全体の配置も空母型を守る用にだ・・・艦載機がいない今、空母型を護衛する義理はないはずだ・・・となると中には空母型を護衛しなきゃならないほどの大事なお客さんがいるという考えになるはずだ・・・」 シュヴァル「ということは!空母型を撃沈すれば!!」 夜神「・・・ああ、だがこれは罠だ。空母型をシュヴァルが攻撃しようとすると進出してきているもう1隻の重巡洋戦艦型がフタをするような形になって・・・シュヴァルは2隻の戦艦型に挟み撃ちにされて袋叩きにあうわけだ。そして上に逃げようとすると、現在雲隠れしているステルス戦闘機型と戦闘爆撃型が上空で待ち構えているという戦法だ・・・」 シュヴァル「ネズミ捕りですね」 夜神「SSS級の俺たちをここまでコケにしたような戦法をする神姫は、同じSSS級以外、他にない!そして・・・こんな廻りくどい戦法を考える将校型神姫といえば・・・」 シュヴァル「将校型MMS『ナターリャ』 SSSランク「演算」ですね」 夜神「ああ、奴ならスタジアムの照明にハッキングして電灯をつけることなんて簡単なことだ。イカレてやがる」 シュヴァル「どうも今宵の敵は様子がおかしいと思ったらそういうことでしたか・・・・」 夜神「さて・・・どうする?後ろからはアスカ型がオマエを追い立てている。奴らはもうオマエを捕捉している。機動性に優れたベテランのアスカ型2機を相手に戦うのは現状ではムリだ」 シュヴァル「なら道は一つ・・・」 夜神「あえて、敵の罠にはまり、空母型を撃沈する」 シュヴァル「いいでしょう。ミサイルの残弾は3発!それでいけます」 夜神「・・・・サレンダーして両手を挙げるって選択肢もあるんだぜ?」 シュヴァル「弾が残っているのに逃げろとは、私は教えられたことはありません」 夜神「ふっ・・・そうだったな」 ツラギの艦内でナターリャがレーダーの光点を見つめる。 ナターリャ「チェックメイトだな、夜帝!!!」 野木が筐体の画面を見つめる。 野木「ふむ」 ナターリャ「見たまえ!この配置を!」 ナターリャはタッチペンでそれぞれの配置を示す。 ▽▽ □ ▼ ▽ ▽ ▽ □ □ ナターリャ「敵がとるべき道は一つしかない!このまままっすぐに私のいる空母型MMS「ツラギ」を攻撃するしか手はないのだ!奴がクイーンなら私はキングだ!だが、キングを取るためには、ルーク(戦艦型MMS)とビショップ(ステルス戦闘機型)、そしてナイトの追撃(戦闘機型)をかわさなければならない!!」 ナターリャは興奮して喋る。 ナターリャ「奴がどのような動きをしようと、キングを取ることは不可能だ!ふふふ・・・・すでにこのゲームは詰んでいるのだよ!」 野木「・・・・・」 ナターリャは自慢のAIで弾き出した演算でシュヴァルのありとあらゆる状況をシュミレートし緻密な作戦を立てた。完璧だった、どう考えてもシュヴァルに勝機はない。 ナターリャ「ふふふ・・・あっははっははは!!!なにが『夜帝』だ!!大げさな伝説もここまでだ!!!この私、『演算』の前にはどのような神姫であろうと勝利することは不可能なのだ!!!!!!」 野木「・・・・あんた・・・私のヴィクトリアがわざと電源ボックスを攻撃するように仕向けたね」 重巡洋戦艦型MMSのヴィクトリアはすました顔をしている。 ヴィクトリア「・・・・」 ナターリャ「・・・ああ、そうだ・・・奴を追い込むためにな!奴にわざとチャンスを作ってやったのさ・・・どの道、奴は電源ボックスに気がついて攻撃するつもりだっただろう。あえてわざと誤爆させて先手を打ってやったのさ・・・そのほうがより奴に絶望を与えられる!!すべてはこの私の手の平の中でしか踊っているしかないことを・・・死の間際に思い出させるためにな!!!」 野木「・・・ずいぶんと廻りくどいやり方じゃないか、普通にさっきの明るい状況で戦ったほうがやりやすいのじゃないか?」 ナターリャは肩をすくめる。 ナターリャ「やれやれ・・・貴方は何も分かっていない・・・奴の二つ名はなんだ?『夜帝』だ!!夜間戦闘で最強の武装神姫は?と答えれば誰もが奴だとほざく!!!奴を暗闇の中で倒してこそ、はじめて奴を倒したと言えるものだ。それに・・・この暗闇の状況、奴にとって不利だ。奴のレーダーは損傷している。つまり奴もこの状況では駒の動きが把握できていない。これはチェスなんだよ、暗闇、ミッドナイトブルーの中で行うチェスゲームだ」 野木「ふっ・・・そうきたか」 ナターリャ「チェスなら私の領分だ!!!誰にも負けない!!」 そうナターリャが叫んだとたん、激しい光の瞬きが暗闇を照らす。 ヴィクトリアが夜帝を捕捉したようで艦砲射撃を加えている。追い込まれたシュヴァルがまっすぐこっちに向かってくる。 ナターリャ「ふっ・・・やはり来たな・・・・さあ、このゲームもそろそろお開きに「しようではないか!」 ツラギは艦橋からチカチカと発光信号を送る、 ツラギからの発光信号を受けてマキシマがエンジンをゆっくりと始動させてシュヴァルの前方に展開する。 マキシマ「こちらマキシマ、配置についた」 ナターリャ「よし、砲戦可能距離に入りしだい、後方のヴィクトリアと連携しシュヴァルを撃破せよ、敵が上方に逃げた場合は、ステルス戦闘機型と戦闘爆撃機型に任せろ。 マキシマ「アイアイサー」 マキシマは超遠距離から砲撃を開始する。 シュヴァル「熱源きます!!!前方の空母型の護衛についていた重巡洋戦艦型です!後方の重巡洋戦艦型が回り込みます!」 夜神「前門の虎、後門の狼といった所だな」 シュヴァル「足が速い重巡洋戦艦型を機動タイプの軽神姫のように扱うとはやりますね」 夜神「ようし・・・では手はずどおりにやろうではないか!!!最後の一航戦だ!!!スマートに決めるぞ!」 シュヴァル「イエス、マイマスター」 スピードを上げて突っ込むシュヴァル。 To be continued・・・・・・・・ 次に進む>第9話 「night-9」 前に戻る>第7話 「night-7」 トップページに戻る
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プレイレポ/Civ4/今更バニラで天帝に挑戦してみた/その3 この改善破壊はさすが無印だなw -- あちゃー更地に…。自分がやられたらと思うと恐怖 -- 負けちゃうのかよw -- 勝つもんだと思い込んでたw -- さすがにこのヴィクトリアは圧倒的か。早期にサラディン向けてれば何とかなった可能性も -- 都市圏内なのに蛮族放置しすぎw -- すんなり読んでたが、よく見たらヴィクトリアの勝利か。まぁ地図見る限り圧倒されてもしかたないもんね。さすが天帝オソロシス --
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Blogs on ヴィクトリア・ルキアネッツ #bf レパートリー ベルント・アロイス・ツィンマーマン [部分編集] ベルント・アロイス・ツィンマーマン 兵士たちマリー Last Update 2011/04/06 21 38ページ先頭へ
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彼女たちはこの島から逃れたい ◆tcG47Obeas 『夜分遅くに悪いわね、トリエラ。私は──『太刀川ミミ』よ』 シャナに似た声の、ヴィクトリアという少女の声が、困惑の名を告げた。 それは正に困惑の名だ。 ヴィクトリアは死んだはずだった。レミリア・スカーレットに殺された。 太刀川ミミは死んだはずだった。ヴィクトリアと同じ場所で死んでいた。 トリエラの名と電話番号を知るのはヴィクトリア以外に考えられなかった。 だからトリエラは当然の疑問を抱く。 「どういう事?」 何から聞けば良いか判らないほど無数の疑問を一言に集約して問いかける。 「私の情報が確かなら、その声も名前も、死んでいるはずなんだけど」 この言葉には逆に向こうの方から若干の動揺が伝わってきた。 その答えを予期していなかったらしい。 トリエラはその事に少しだけ安堵する。 まだ、手玉に取られてはいない。 『何処からそんな情報を手に入れたのかしら?』 「こっちの質問が先よ。得体の知れない相手に情報は売れないわ」 トリエラは幾つかの可能性を考える。 例えば一度は捨てた、シャナという少女がこの街に居る可能性。 だがやはり幾つか不自然な解釈が必要になる。違和感が残る。 『あなたがどんな理由で私を死人だと考えたのか判らなければ、誤解の解きようが無いでしょう?』 「死体を見たモノが居る、と言えばどう?」 『そんな筈は…………っ』 自称太刀川ミミは少し考えて言葉に詰まる。 何か心当たりが有るのか。 少し逡巡する気配の後で、返答があった。 『いえ、そういう事。あなた、デバイスを手に入れたのね』 「………………」 正解だ。 トリエラはレミリアがQ-Beeとの死闘で落としたグラーフアイゼンを入手し、 それによりレミリアのこれまでの行動を主とする膨大な情報を手に入れた。 そこに辿りつけるという事は、アイゼンからもたらされた情報が間違いの無い物であるという事だ。 ヴィクトリアは殺され、太刀川ミミも死んでいた。 アイゼンが視たこの目撃情報は真実なのだ。 にも関わらず、アイゼンがそれを視た事を知っている誰かが居る。 アイゼンがそれを目撃した時その場に居たのはレミリアと二つのデバイスと、死者達だけなのに。 この受話器の向こうには誰が居る? 『二つ、聞かせて。そこにレミリア・スカーレットが居るの?』 「いいえ。今のところ、彼女は暴虐の化身以外の何者でも無いわ」 『そう。それじゃあなたはどちらのデバイスを手に入れたの? 鉄槌か、それとも……』 トリエラは話を断ち切る。 「そこまで話す義理はまだ無い。そうでしょ?」 受話器の向こうに居るのはレミリアではない。 レミリアがヴィクトリアから奪ったというレイジングハートを持つわけでもない。 残るのはそこに転がっていた二人の死者だけ。 ならば答えは必然だ。 「あなたがその声と名前のどちらかである事は認めるわ。信じがたい事だけれど」 死者が電話の向こうに立っている。 有り得ない事実がそこに在る。 『……重要な事なのよ。 デバイス、それも出来ればミッドチルダ式の物がいいわ。 もしもレイジングハートか、バルディッシュを所有していたなら譲って欲しいの』 「無茶な条件ね。それがどれだけ大きな価値を持つか判っているはずよ。 仮に私がそれを持っていたとしても首を縦に振ると思う?」 話しながらも、トリエラは概ねの予測を付けた。 電話の相手は恐らく、声の通りヴィクトリアだ。 何故太刀川ミミを名乗っているのか、どうして生きているのかは判らない。 グラーフアイゼンから伝え聞いた情報によるなら到底生きていたとは思えないのに。 その辺りの謎を抱えながらも、ひとまずは理解する。 ヴィクトリアは生き残り、太刀川ミミを名乗り、トリエラに電話を掛けてきている。 どういうわけか、デバイスを求めて。 『私がデバイスを持ってあなたに協力するという条件ならどう?』 「その選択は、デバイスが私の手に有るより貴方の手に有った方が遥かに有用だ、 というのが前提条件になるわね」 『その通りよ。これはあなたにとってもこれ以上無い程に有益な選択肢よ』 「戦力になるというなら問題外よ。何かを隠してる相手に武器を与えるなんて危険すぎる」 『ええ、だから良い事を教えてあげるわ』 電話の向こうの“太刀川ミミ”は言った。 『この声も名前も、朝の放送でその名を呼ばれるでしょうってね』 トリエラは息を呑む。 それは、どういう事なのか。 それは、電話の相手が死んでいるという事なのか。 本物の死者と話しているという事なのか。 その答えは。 『ジェーン・ドゥなのよ、私は』 淡々と静かで、意味深で、凄烈なものだった。 ジェーン・ドゥ。 それは身元不明人を指す言葉だ。 死んだはずの“太刀川ミミ”たるヴィクトリアは自らを身元不明人だと主張したのだ。 放送でその名を呼ばれたならば、それは現実となる。 死んだはずの、もういないはずの誰か。 ジェダでさえその存在を把握できない身元不明人。 『私を繋ぐ鎖はもう無いわ』 「まさか……!!」 トリエラは喘ぐ。 まさか、つまり、それは、もしかして。 激しく動揺するトリエラに、“太刀川ミミ”は応えた。 『私はデバイスを使う事で、あなたにも嵌っているソレから逃れる事に成功したのよ』 参加者の命を捉える首輪から逃れたのだと。 受話器越しに、希望が宣告された。 だけど期待や希望と共に、 「そんなの……信じられない」 甘い答えへの疑惑がついて出る。 アイゼンやバルディッシュとは十分に情報を交換した。 少なくとも彼らが認識している範囲では、首輪を解除できる魔法など存在しないはずなのだ。 一体どうやって首輪を外したのか。 『応用的な使い方が必要になるのよ。 私は無数の手がかりを揃えて、そこまで辿り着いたわ。 一応は成功したけど、まだ不安な部分も諸所に有るから補填する為の物を探しているのよ。 まず最低限デバイスが必要になるわ。 それから各地にご褒美で支給された追加支給品の情報も欲しい。 そしてなにより、戦力と、研究を手伝える者と、この島を探索する為の人員。 これらを揃えられたなら、希望が見えてくるわ』 トリエラは、思い悩んだ。 “太刀川ミミ”の提案は確かに興味深い。 少なくとも彼女は、広く浅い情報を手にしたトリエラとは対極的な情報を入手しているらしい。 追加支給品の内訳など、トリエラでは何を意味するのか判らない情報も求めている。 何より首輪を解除したというのが本当ならその価値は絶大だ。 “太刀川ミミ”の出した条件も価値に見合ったものだといえる。 タバサを説得し、所持しているバルディッシュを貸し与えるのも選択肢の一つかもしれない。 「問題は信用よ」 だけどトリエラは、彼女を信用できないでいた。 受話器の向こうに居るのは死んだハズの何者かだ。 まず一に得体が知れない。 二つ目に仲間として信用できるかが判らない。 “太刀川ミミ”……いや、ヴィクトリアは情報提供者として有力な相手だ。 これまで彼女から提供された情報も決定的な嘘が有ったわけではない、はずだ。 彼女の正体について以外は。 「正体を隠している……隠せる相手を信じるのは危険な事じゃないかしら?」 『ええ、そうね。でもあなたなら分かっているんでしょう? 私の事情くらい』 「………………」 確かに彼女が素性を隠す必要性も明白では有ったけれど。 彼女は首輪を外したのだ。 ジェダに気取られぬ為には、存在を少しでも偽装するべきだろう。 その上、彼女はレミリア・スカーレットを敵に回していた。 すぐそこを彷徨いているかもしれない、恐らく最大の脅威をだ。 レミリアは無差別に襲いかかるようだから素性を隠しても完璧ではないが、 他の獲物と並んだ時に後回しにされうるだけでも価値は有る。 「そういえばあなた、顔もその名前の物になってるの?」 『ええ、そうよ』 隠し続ける危険を理解しているからだろう、あっさりと答える。 しかし隠さずともそれは脅威に違いない。 もし敵対すれば情報戦において不利に立たされうる。 トリエラの顔で悪事を重ねられればそれだけで大事になる。 そこまで考えて、思わず苦笑いを零した。 (私の分の心配は意味無いか) わざわざ悪評をばらまかれるまでもなく、トリエラは三人も殺している。 むしろトリエラに変装しようものならご愁傷様と言わざるを得ない。 ただ、彼女がやはりシャナであり姿を変えていた可能性も首をもたげてきた。 重ねて言うに違和感は残るのだ、その可能性は低いと考えはしたが、完全に否定も出来ないでいた。 トリエラは彼女を信じきれない。 信用出来る材料が少ない。 そんなトリエラに、 『それにしても信用ね。どうすればあなたに信用してもらえるのかしら? こんな島で信用できる相手ってどんな子かしら? 何をしたとしても、私を信じる事なんて出来るのかしら? 参考までに聞いてみたいわね』 “太刀川ミミ”の方から、挑発的な響きすら含んだ言葉が来た。 トリエラは答えようとして、言葉につまる。 確かにこの島で誰かを信用するというのは並大抵の苦労ではない。 トリエラもは明確な答えを出せる自信がなかった。 トリエラは優れた知性を持っている。 判断力もある。 公社の義体達の中では纏め役になれるぐらい社会性も高い。 濃密ではあれ実質上数年分の人生経験しか無いにも関わらず、それを感じさせない程に。 それでもある種の経験が、少し足りない。 繋がりの薄い相手と絆を結ぶにはどうすれば良い? 背中を預けあえる相手を作るには? 人と人と想いを通わせるには? 銃を手に肩を並べるのではなく、互いの手を握り合うには? ……できるはずだ。 けれど言葉に惑う。 人間的な行為が出来ると、そう断言する事に自信が持てない。 『分かりきった事じゃない』 受話器の向こうから聞こえてくるのはどこかしら愉悦の混じった言葉だ。 なにがという問いに、“太刀川ミミ”は楽しげに答えた。 『あなたも私も、利害の一致でしか動けない人種だろうって事よ』 まるで嘲りのように響く聲が。 違う、と否定する。 トリエラは自分がそこまで冷血になれるとは思えないし、なろうとも思わない。 それを“太刀川ミミ”は追い立てる。 『あなたが“そうしかなれない”のか“それしか知らない”のかは判らないわ。 でも私は、あなたが利害関係で動く人間だと思ってる。 少なくとも無垢な子供なんかじゃない。そうでしょう?』 「それは……」 『隠さなくても良いじゃない。私はそれを見込んで、あなたに頼み込んでいるんだから』 トリエラは確かに自分を無垢だなんて思えない。 だけど利害で動くというにも違和感を覚えた。 そもそもトリエラに利害なんて言葉は程遠い。 公社で義体として戦うのは当然の事だったし、そこには利とか害なんて計算は有り得ない。 ならば情で戦ってきたと言えるのだろうか? この島に来る前まで遡っても? 言えるはずだ。 例えば担当官のヒルシャー……兄妹〈フラテッロ〉という呼び名の通り家族のような彼の為なら 自ら身を危険に晒しすらするだろう。 例えそれが。 (何処までが本当の想いで何処からが条件付け〈ツクリモノ〉なのか判らない感情でも) 『自分達の都合で子供すら人でなしにする人間の醜さを知っているのなら尚更ね』 「────!!」 思考が灼熱した。 ヴィクトリアの言葉に怒りが吹き上がり、そして。 それだけだった。 あからさまな怒りをぶつけながらも、トリエラはそれを抑え込む。 息を整えて、静かに、言った。 「黙って」 『少し踏み込みすぎたわね。謝るわ』 あっさりと謝りながらも、電話の声には悪びれない余裕が有る。 どれだけ嫌悪しようとも自分を無視する事は出来無いという余裕が。 もしも首輪を解除する事が出来るなら、その切り札はあまりにも圧倒的だ。 無視なんて出来るわけがない。 『でも一つだけ、正直に話しておくわ。 私はあなたの冷静さを信じながらも、あなたの判断力を疑っているのよ』 「私が感情に任せてあなたとの交渉を打ち切るって事?」 『あなたは基本的に冷静なようだから、それは無いと信じているわ。 今も貴重な存在からの電話を切ったりはしなかったでしょう? 私が疑うのは、あなたが誤断と誤解で周囲を巻き添えにしないかって事よ』 “太刀川ミミ”の指摘は明け透けなまでに痛烈だった。 『声が似ていたそうだけれど、私を別の誰かと思い込んで迷走する。 金糸雀についても何か錯綜が有ったみたいね? 他にも少なくとも一件、誤殺じみた事が有ったと聞いているわ』 「ぐ…………っ」 言い返しようが無い。 状況のせいも有ったとはいえ、トリエラは錯綜の果てに人を殺してきた。 あろう事かその全てがほぼ過ちであったと判明している。 『信用できるかと聞くけれど、あなたの方こそ信頼に値するのかしら? 私には疑わしく思える程よ』 誰がトリエラを信じられるのだろう。 誤った標的ばかり捉えてきた銃口を。 『それとね。実を言えば、私の方からなら少しは信用させる要素が有るのよ』 「…………それは、何?」 思わず聞き返した。 会話の主導権を掴まれていた。 『ひまわりを保護しているわ』 「っ!!」 息を呑んだ。 リルルに保護されて逃亡した筈の赤ん坊が、どうしてそこに? 「待って。それじゃリルルもそこにいるの?」 小さな、溜息が聞こえた。 嫌な予感が膨れ上がり、 『生憎ね。彼女は、壊されていたわ』 身構える暇も無くはじけた。 また、死んだ。 また、殺された。 ほんの数時間前まで一緒に居た仲間が、何者かに殺されていた。 『人間で例えるなら体内を無数の蛇が食い荒らした様な、無茶苦茶な有様だったわ。 生前の彼女の願いに従ってICチップを取り出したから、ますます見せられる物じゃないわね』 “太刀川ミミ”から。 ヴィクトリアから仲間の死を知らされるのは、二度目だった。 残酷な言葉は更なる有益な情報を残していく。 『詳しい話を知りたいなら、リルルからひまわりを託されたあの子に聞けば良いわ。 ククリやリルルからはあなたの名を良い人と聞き、自らの目ではあなたの姿が人を殺す所を目撃して、 あなたが善人なのか悪人なのか混乱してしまっている可哀想なイエローにね』 「っ!!」 リルルは誰かに殺された。 イエローはそれを見取って、ひまわりを託された。 明らかな致命傷を生き延びたヴィクトリアこと“太刀川ミミ”はその二人を保護した。 そして受話器の向こうに立っている。 全てを疑うのは容易いけれど。 『さあどうするのかしら、トリエラ。 苦労してあなたを信じようとしている私を信じてくれないの?』 悪辣で、辛辣な言葉でも、間違った事は言っていないように思えた。 「……あなたの言葉、ひとまずは信じるわ」 トリエラは肯定を返した。 一つだけ、付け加えて。 * * * まずは互いの同行者について、互いに与えすぎないよう警戒しながら情報を交換した。 “太刀川ミミ”にとって太刀川ミミを知るタバサがトリエラと同行しているのは難事だったが、 起きている太刀川ミミを見たのはほんの数十秒に過ぎない。 直接会っても疑惑が確信に至る事は無いだろうと判断し、逆に取引を持ちかけた。 『私が生きていた者として会えば、改心したその子にとって救いになるでしょうね』 トリエラはこれを黙殺する。 弱気な演技を取り払った“太刀川ミミ”ことヴィクトリアは何処かしら不安を抱かせた。 不安定な状態にあるタバサの心を逆に傷つけないか心配したのだ。 トリエラか、せいぜい小太郎を連れる程度の密会で済ませられないかと思案する。 『だけどタバサはミッドチルダ式のデバイスを所持しているんでしょう? 私に合わせずどう説得するつもりかしら』 「グラーフアイゼンではできないの?」 『その分の差で失敗しても良いならね』 「タバサから武器を取り上げればその分の差で殺される危険が有るわね。似た様な物よ」 『へえ、そう』 “太刀川ミミ”は一旦引き下がる。 そして次の情報を要求してきた。 『ご褒美で支給された追加支給品について、情報は有るかしら』 「その前にどうしてそれを捜すのか教えて欲しいわね」 『ご褒美が急遽追加されたイレギュラーだからよ。追加支給品もその可能性が有るわ』 トリエラは与えて良い情報だと判断する。 少し情報を整理すると、幾つか心当たりの有る情報が有った。 「既に死亡した、イリヤスフィールへの追加支給品なら情報が有るわ」 『っ!! ……聞かせてもらえるかしら?』 大して期待もしていなかったのか、トリエラが想像した以上の驚きが返ってくる。 トリエラは答える。 「浄玻璃の鏡と爆弾岩。もう一つ有ったかもしれないけどそれは不明ね」 『効果は?』 「鏡は、三回まで制限の掛けられた、鏡に映った者のこの島に来てからの経緯が映し出される物よ。 言わは強力な自爆に特化した、擬似生命体のようなものらしいわ。既に消費されたみたい。 言われてみればどちらも強力で、イレギュラーな物に思えてくるかな」 『……ええ、そうね。残った鏡の方の見た目を教えてくれる?』 「手鏡状ね。形は……」 心当たりが有るのか、“太刀川ミミ”はふむふむと頷きながら聞いていた。 「私の方からも聞いていい? あなたどうやって生き残ったの?」 『気になるかしら?』 「まあね。グラーフアイゼンが見たあなたの状態はとても生き残れる物だとは思えない」 『それでも生き残ったのよ。文字通り半死半生を超えてね。 そうとしか言えないわ。 人間ではない耐久力を持っている事は事実よ』 そう言い切られてしまっては踏み込みようが無い。 どうしてそんな肉体を持っているかなど意味の無い問い掛けだ。 トリエラが、己の素性を語っても仕方がないように。 「……まあいいわ。それじゃもう一つ」 『何かしら?』 トリエラは少し息を整えてから、切り込んだ。 「あなたと同じ場所で首を爆破されていた死体は、あなたの解除法による物じゃないの?」 フッと小さく息を吐く音がして。 それからすぐに。 『ええ、そうよ。残念ながら失敗したけれどね』 あっさりと返事があった。 「あんた……っ」 『仕方が無いでしょう? 殆ど手探りの危うい研究なんだから失敗はつきものよ。 それに彼女は自分が何の役にも立てず振り回されている事に苦悩していたわ。 何せ夕方の放送時点で仲間がみんな死んでいたんだから、哀れね。 だから危険度が高い事を知りながらまだ不完全な解除実験に自ら志願して、死んだのよ。 そのデータを積み重ねたおかげで私は成功した。 彼女の名を讃えてあげて、トリエラ。 “太刀川ミミ”という名をね』 「利用、したんじゃないの?」 『否定はしないわ。彼女の貴い犠牲のおかげで私は成功した。 この時点で何を言おうと、利用したとしか取れないでしょうね』 彼女の言葉が真実かは判らない。 やはりそれ以上の追求は出来なかった。 トリエラは胡散臭いと感じて、それだけだ。 ククリとリルル、それに太刀川ミミ、彼女の口から語られる死者はあまりに多い。 だけどククリとリルルはただの偶然や、物陰から情報を集めている結果と見る事もできる。 どちらにせよ、彼女はトリエラの知る限りこの世界からの脱出に最も近い人物だった。 『次は私からよ。 戦力と、研究を手伝える者と、この島を探索する為の人員。 これらを集められるアテは無いかしら?』 トリエラはまた少し思案し、結論を出す。 その有力な札が有る事自体は教えて、取引を有利に進めた方が良い。 「……情報なら、有るわ。 私達の元にはまだ生存している参加者の情報が、八割方集まっている」 『八割っ!?』 やはりこれは想像以上だったらしい。 受話器越しに本気で驚いた様子が伝わってくる。 「でもその情報を全て教えるほどお人好しにはなれないし、 仲間に相談もせずあなたにそこまでする気にはなれないわ」 『待って。魔法に詳しい者の数だけでも教えてくれないかしら』 「そうね……十人かそれに足りない位だと思うわ。その内の二~三人かは危険人物だけど」 『実質七人前後……二割程度、ね』 思案の気配が有る。 トリエラは攻め込んだ。 「解除法についてもう少し情報を公開してくれるなら、 こちらからも情報を公開して良いんだけど」 『………………』 トリエラは初めてこちらから有利な条件を提示出来た感触を得る。 “太刀川ミミ”はしかし、事実上の拒否を返してきた。 『保留しておくわ。 詳細を教えてあなた達が尻尾を掴まれたら、こっちまで危ないもの』 消極的なまでに慎重な理由だった。 だが当然の慎重さでもあった。 トリエラも“太刀川ミミ”も、切り札までは切らずに様子をみている。 相手がどの程度の信用と信頼に値するかどうかを見定めようとしている。 “太刀川ミミ”は脱出に近づいているけれど、だからこそ危ういのだ。 彼女自身も、彼女を取り巻く環境も、一つ間違えば全てが失われる。 悪辣な少女はそれでも、希望の中心に立っていた。 『それにこの内容は電話で……口頭で話すにも不安が有るのよ。 デバイスも試したいし、会って話したい所ね。 イエローとひまわりにも会うんでしょう? こっちはあなたから電話が有って会うことにした、と言っておくわ』 「場所は?」 『三丁目のパン屋の前。時刻は?』 タバサに隠した密談の形を取る以上、団体行動を始める朝では不味い。 トリエラは即行動を選んだ。 「雨の内なら吸血鬼も動かないそうよ。今すぐ会いましょう」 了承が返り、それで通話は終わった。 トリエラは通話を終えた携帯電話をポケットに仕舞い込む。 胸元に下がるアイゼンを確認し、銃を確認し、それから服装を鑑みる。 外には冷たい雨が降り続けている。 アイゼンの騎士甲冑で防寒防水をと考えたが、それでは帰りが不味い。 “太刀川ミミ”にアイゼンを渡した場合──流石に軽く渡すつもりは無いが、 相応の見返りが有っても渡した場合に、帰りが困る。 家のどこかで傘か雨合羽でも見繕う必要があるだろう。 それから言った。 「ま、そういうわけね。留守番を頼むわよ、小太郎」 いつの間にか、犬上小太郎が洗面所の入り口に立っていた。 「いつから聞いてた?」 「ひとまずは信じるとか言った辺りからやな」 つまり具体的な情報交換を初めた辺りだ。 ほんの少しだが、勝手にタバサと小太郎の事を話していた事について怒っている様子は無い。 少なくともその程度の信頼は有る。 「電話の相手、何者なんや? “太刀川ミミ”って言ってた気もするけど、それって」 「ええ、死んだはずの人間よ。ただしその正体は、ヴィクトリアね」 小太郎がぴくりと眉をしかめる。 彼が見たヴィクトリアは旅館で共にレミリアと戦い、 ククリの死体が転がる場所で金糸雀を殺し(後で金糸雀がククリを殺したようだと判明する)、 追いかけるが見失い、グラーフアイゼン曰くレミリアに殺害されたと聞いた人物である。 「どういう事や? あいつが生きとったっていうんか?」 「信じ難いけど、そうみたいね。しかもこいつを外したそうよ」 そう言うとトリエラは首をコツコツ叩いてみせた。 音が硬質なのは、そこに首輪が有るからだ。 ルールに違反した参加者を爆殺するための、ジェダに付けられた首輪が。 驚く小太郎に言う。 「タバサにはまだ内緒よ。 太刀川ミミ、だけど中身は別物だなんて彼女には会わせたくないもの」 「だから一人で会いに行くっていうんか?」 「今のところそのつもりよ。 私は向こうの連れに会うべきだと思うし、ひまわりの安否も心配だし、 小太郎が残ってくれるならタバサについても安心だしね。 ほんとは小太郎にも睡眠を取って、気だの魔力だのを回復して欲しいくらい」 小太郎は吉永双葉を治療する為に多量の存在の力、彼の場合は気を消耗した。 時間の経過により徐々に回復しているし、全快とまで行かずとも睡眠は大きな助けになる。 タバサの方の魔力回復は尚更睡眠が重要だ。 十分な睡眠を取れば全快まで回復するというし、精神的疲労を考えても起こすべきではない。 それに気が格闘の補助的な小太郎と違って、タバサは魔法が決定打で白兵戦が補助らしい。 タバサの魔力の重要性は考えるまでもなかった。 とはいえ小太郎がトリエラの単独行動を心配するのも当然の事だ。 トリエラは眠った所で意味が薄いだけで、決して怪我や消耗が無いわけではない。 むしろトリエラは常人なら死んでもおかしくないほど無数の傷を負っているのだ。 義体の頑強さで動き続けてはいたが、三人の中で誰よりも深い傷と消耗を受けていた。 「ほんまに信じられるんか、そいつ?」 「一応、これまでの話に決定的な嘘は見えないわね。それも彼女自身に対する物を除けばだけど」 「明確な嘘は、あんまりなかったかもしれへんけど」 小太郎には不安と不満がある。 彼はヴィクトリアに大して良い印象がまるで無い。 金糸雀殺害は金糸雀がククリを殺したからだというが、イメージとしては最悪のままだ。 あと理屈では言えないがなんとなく、胡散臭いのだ。 「ただの勘違いやろうけど、俺はネギの仇討ちをしようとしてたわけやないで?」 小太郎はネギの仇を捜していた。 ヴィクトリアはそれを、ネギの仇討ちをするつもりだと証言している。 とはいえこの島で仇を捜す聞いたら普通は仇討ちを連想する、むしろ当然の補完だ。 ヴィクトリアは、少なくとも分かる範囲では決定的な嘘を吐いていない。 「明確な嘘は無くても誇張やバレていない嘘が無い証明にはならない、でしょう? 言われなくとも判ってるわよ、そのくらい」 明確に嘘と分かる嘘は今回の偽名が最初だ。だけど、 「私が初めて聞いたあいつの言葉、言ったっけ? 蜂蜜みたいに甘い声で、『あ、あなた……誰、ですか? 何でここに来たんですか?』よ」 ヴィクトリアは自分を偽れる人物だ。 もしも彼女が殺人鬼だったとしても驚きはしない。 「イエローの方とも話さなきゃいけないし、信用出来なければひまわりを引き取らなきゃいけない。 ほんと厄介な仕事よ。 タバサが万全ならあなたも連れて行きたいわね」 「朝まで待ってみんなで会えば良いやないか」 「言ったでしょ。“太刀川ミミ”にはタバサを会わせたくないの」 トリエラは緊張した面持ちで、寝る前に解いていた髪を留め始めた。 気を引き締めるようにツーテールに纏めていく。 「安心して、油断するつもりは無いから。 多分あいつの方も、そんな薄い関係なんて望んでいない。 嘘も真実も本気で来るわ」 そこには、脱出の希望に会いに行くなんて安心感は欠片も無かった。 * * * “太刀川ミミ”ことヴィクトリアは通話を終えて、一息を吐いた。 確かな満足感が付いてくる。 (上出来ね) トリエラとの通話は、彼女に多大な成果を与えてくれた。 ヴィクトリアの目的は大雑把に分けて二つ有った。 一つは言うまでもなくトリエラから情報を得る事だ。 彼女がデバイスを入手したらしい事は幸運だった。 性格は大変一致しなかったものの少しは使い慣れてきたレイジングハートが無いのは残念だが、 レミリアが所持していた筈のグラーフアイゼンに加えて、 レイジングハートと同じミッドチルダ式のバルディッシュまで有るとは嬉しい誤算だ。 (念話はその世界では基本的な魔法らしいし、多分ベルカ式でも何とかなるだろうけど、 どうにかならなかった時にミッドチルダ式を試せうるのは僥倖ね。 それにグラーフアイゼンから得られる情報も有益かもしれないわ) グラーフアイゼンはレミリアが使っていたデバイスだ。 ならばアイゼンの中にはレミリアの情報も詰まっているだろう。 ヴィクトリアにとって目下最大の脅威の一つであるレミリアへの対策を練れるかもしれない。 そう容易く渡してくれるとは思えないが、取引材料は幾つも有った。 例えば、トリエラの集団にデバイスが複数有るのならデバイス用のカートリッジも有用なはずだ。 更に追加支給品に関する情報も衝撃的だった。 爆弾岩も少し気になるが、既に爆発してしまったという事で無視する。 それよりも、浄玻璃の鏡とやらだ。 あれは、イエローの荷物の中の鏡に違いない。 もしもその使用回数がまだ残っているならば。 もしもその効果に対する対策が完璧ではないならば。 浄玻璃の鏡にQ-Beeを映してみればどうなるだろう? (Q-Beeがご褒美を支給しに島を飛び回っているのだって開始時に決められたイレギュラー。 それならば恐らく、映る筈よ) Q-Beeがこの島に来てからの情報を映し出せるなら、 何処から来て何処に戻っているのかまでは判明するだろう。 即ちジェダの居城への道筋が出来る。 Q-Beeとジェダとの会話からそれ以上の情報が露呈する可能性も高い。 正に切り札と言っても差し支えない代物だ。 (しかもイリヤスフィールの追加支給品とはね。 数奇にも程があるわ、一体どういう因果なのやら) ホムンクルスという情報から、参加者名簿の中で個人的に興味を抱いていた少女。 夕方の放送で死が告げられてから、もう関係する事は無いだろうと思っていた。 そのイリヤスフィールの遺物が、今になって重要な価値を持ち始めている。 運命というものを感じずにはいられなかった。 問題は、首輪の無い“太刀川ミミ”ことヴィクトリアがQ-Beeと逢う危険だが、 これはイエローに使わせるなり手が有る。 出来れば見た内容をしっかり記憶出来る者に使わせたい所だった。 加えて二つ目の目的。 それはトリエラを仲間に引き込む事だ。 問題こそ多いが、ヴィクトリアはトリエラの存在を買っていた。 危険人物と見れば即座に撃ち殺す冷酷さと、足手まといを抱え込む善人さは有益だ。 突きつけた通り判断力には不安が有るのだが。 (そこまで贅沢は言えないわ) 子供が多いこの島で冷たい判断が出来るだけでも御の字だ。 加えて、極々断片的ながら参加者名簿の表記を思い出した事も一因となった。 そこには公社の義体だとか、条件付けと呼ばれる洗脳がどうこう書かれていた気がする。 彼女も誰かに体を弄られ利用された身なのかもしれないと思うと、少しだけ親近感が湧いた。 ……その親近感が傷の舐め合いに過ぎない事は判っていたけれど、それでも。 (ま、こっちは振られたみたいね) カマを掛けてみた反応は思った以上だった。 しかしその後に彼女がヴィクトリアを信じると言った時、トリエラは付け加えたのだ。 『一つだけ訂正しておくわ。私は自分の境遇を不幸だなんて感じなかった』 銃を握り人を撃ち続ける行く末の短い生き方を定められても、小さな幸せがあった。 私はあなたとは違うのだ。 それがトリエラの返答だった。 (別に良いわ。それとこれとは別だもの) 一抹の寂しさを覚えた事こそ逆に驚きだった。 どちらにせよヴィクトリアがトリエラを有益な人物だと見た事に変わりはない。 彼女は「汚い事を許容出来る仲間」になりうる。 だから反応を見るために若干露悪的に接しさえしたのだ。 イエローに汚れ仕事は求められないし、ただの善人にも無理だろう。 だけど綺麗事だけでジェダの手から逃れる事など出来はしない。 誰か汚れ仕事を担う者が必要だった。 汚れ仕事をヴィクトリアだけが担うには無理が有るし、何より危険は避けたかった。 身も蓋もなく言えば、危険な事は誰か他の者に押し付けたいのだ。 ヴィクトリアが仲間を集める最終目的はあくまで自分のためだ。 その線を引いた上でなら仲間と恩恵を共にするし、助けもするだろう。 でもその線から出る事は決して無い。 恥も迷いもなくその線を守り続ける。 その違いはきっと、トリエラが得られてヴィクトリアが得られなかった物が生み出した。 故にヴィクトリアは仲間を利用する。 それが本当の仲間等ではないと判っていても、自分のため以外の目的なんて有りえない。 ヴィクトリアは所詮、人を食い物にして生きるモノなのだから。 (さて、まずはイエローよ) トリエラを仲間にしようと思うなら、イエローの疑念を解いてやらねばならない。 トリエラには貸しを作る事にもなる。 逆にトリエラからヴィクトリアの事を暴露される心配はさほど無い。 イエローがヴィクトリアにとって用無しになる事は彼女にとっても望ましくない筈だからだ。 ヴィクトリアとしても本音建前共に、そんな事を望んではいなかった。 ヴィクトリアは窓から遠目に覗く事が出来る三丁目のパン屋に目をやってから、 イエローとひまわりが眠る部屋に戻って、告げた。 「起きて、イエロー。トリエラを名乗る人物から電話が有ったわ」 【G-1/民家・洗面所/2日目/黎明】 【トリエラ@GUNSLINGER GIRL】 [状態]:頭部殴打に伴う頭痛。胴体に重度の打撲傷複数、全身に軽度の火傷、かなりの疲労。 右肩に激しい抉り傷(骨格の一部が覗き、腕が高く上がらない)。 [装備]:拳銃(SIG P230)@GUNSLINGER GIRL(残弾数8/8) ベンズナイフ(中期型)@HUNTER×HUNTER、トマ手作りのナイフホルダー、防弾チョッキ [道具]:基本支給品(パン1個、水少量消費)、ネギの首輪、血塗れの拡声器、北東市街の詳細な地図 US M1918 “BAR”@BLACK LAGOON(残弾数0/20)、9mmブローニング弾×23 インデックスの0円ケータイ@とある魔術の禁書目録、コチョコチョ手袋(片方)@ドラえもん グラーフアイゼン(ハンマーフォルム)@魔法少女リリカルなのはA s(ダメージ有り、カートリッジ0) 回復アイテムセット@FF4(乙女のキッス×1、金の針×1、うちでの小槌×1、十字架×1、ダイエットフード×1、山彦草×1) [服装]:普段通りの男装+防弾チョッキ [思考]:最大限に警戒しつつ、確かめに行く。 第一行動方針:“太刀川ミミ(ヴィクトリア)”と接触、交渉する。 第二行動方針:朝になったら作戦(※)に従い、シャナを捜索する。タバサに携帯電話の説明も。 第三行動方針:トマとその仲間たちに微かな期待。トマと再会できた場合、首輪と人形の腕を検分してもらう 基本行動方針:好戦的な参加者は積極的に倒しつつ、最後まで生き延びる(具体的な脱出の策があれば乗る?) [備考]:携帯電話には、『温泉宿』の他に島内の主要施設の番号がある程度登録されているようです。 トリエラが警察署地下で見た武器の詳細は不明。 ※トリエラの作戦 まずシェルターまで全員で行動し、洞窟にも寄りつつシェルターに向かう。 シェルター到着後に解散し、小太郎とタバサは城へ、トリエラは廃墟へ行く。 それ以降は小太郎達は定期的にトリエラの携帯電話に連絡をする。 【犬上小太郎@魔法先生ネギま!】 [状態]:やや疲労、気が少々、背中と左足に怪我(瞬動術は使えないがそれなりに動ける) [装備]:手裏剣セット×7枚@忍たま乱太郎 [道具]:基本支給品×4(一人分の水、パン1個消費)、工具セット、包帯、指輪型魔法発動体@新SWリプレイNEXT さくらの杖@カードキャプターさくら、目覚まし時計@せんせいのお時間、生乾きの服 レミリアの日傘@東方Project、真紅の腕、金糸雀の腕、戦輪×5@忍たま乱太郎 [思考]:トリエラが心配。 第一行動方針:休息しながら、眠るタバサと家で待機? 第二行動方針:朝になったらトリエラの案に従い行動する。 第三行動方針:レックスと再会した後、シャナ一行あるいは梨花一行との合流を図る 第四行動方針:双葉に頼まれた梨々、小狼に頼まれた桜を探す。見つけたら保護する。 基本行動方針:信頼できる仲間を増やし、ゲーム脱出(必ずしも行動を共にする必要はない)。 [備考]:紫穂に疑いを抱いていますが確信はしていません。 【H-1/住宅内一階/2日目/黎明】 【ヴィクトリア=パワード@武装錬金】 [状態]:精神疲労(中)、肉体消耗(中)、首輪解除、太刀川ミミに瓜二つの顔 [装備]:i-Pod@東方Project、スケルトンめがね@HUNTER×HUNTER [道具]:天空の剣@ドラゴンクエスト?、基本支給品×2(食料のみは1人分)、 塩酸の瓶、コチョコチョ手袋(左手のみ)@ドラえもん、 魔剣ダイレク@ヴァンパイアセイヴァー、ポケモン図鑑@ポケットモンスター、ペンシルロケット×5@mother2 アイテムリスト、詳細名簿(ア行の参加者のみ詳細情報あり。他は顔写真と名前のみ。リリスの情報なし) マッド博士の整形マシーン、カートリッジ×10@魔法少女リリカルなのはA s、 思いきりハサミ@ドラえもん、その他不明支給品×0~2 [服装]:制服の妙なの羽織った姿 [思考]:トリエラと接触する。 第一行動方針:トリエラと接触する。イエローを連れていく? 第ニ行動方針:首輪や主催者の目的について考察する。そのために、禁止エリアが発動したら調査に赴きたい(候補はH-8かA-1) 第三行動方針:“信用できてなおかつ有能な”仲間を捜す。インデックス、エヴァにできれば接触してみたい。 基本行動方針:様子見をメインに、しかしチャンスの時には危険も冒す 参戦時期:母を看取った後。能力制限により再生能力及び運動能力は低下、左胸の章印を破壊されたら武器を問わずに死亡。 [備考]:首輪が外れた事により能力制限が外れている可能性も有ります。 首輪に『首輪を外そうとしている』や『着用者が死んだ』誤情報を流す魔法を編み出しました。 ただし、デバイスなど媒体が無ければ使えません。攻撃に使うのも不意打ちで無ければ難しいと思われる? 更にヴィクトリアの場合、実際に致命傷を受けて殆ど死に体になっていた事が助けとなった可能性も有ります。 ≪265 高町なのはの過ごした一日(前編) 時系列順に読む 268 死者を求めて≫ ≪266 裸で私はこの世に来た 投下順に読む 268 死者を求めて≫ ≪258 クリンナップ・ステップ(前編) トリエラの登場SSを読む 271 部下に任せた結果がこれだよ!!≫ ヴィクトリアの登場SSを読む ≪255 月の下で 小太郎の登場SSを読む 281 それぞれの再会 -ongoing-(前編)≫
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エドウィナアシュリー(エドウィナ・アシュリー) ビルマのマウントバッテン伯爵の系譜に登場する人物。 関連: ルイスフランシスアルバートヴィクターニコラスマウントバッテン (ルイス・フランシス・アルバート・ヴィクター・ニコラス・マウントバッテン、夫) パトリシアエドウィナヴィクトリアナッチブル (パトリシア・エドウィナ・ヴィクトリア・ナッチブル、娘) パメラヒックス (パメラ・ヒックス、娘)
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1T目後手(番長G)2T先手 配置 _ 1 _ _ 2 _ _ 3 _ _ 4 _ _ 5 _ _ 6 _ _ 7 _ _ A _ __ 壁 __ _ B _ ★マスク・ド・隼ヴィクトリア・F・山田武器女の子 毒雪姫 キュア・テンカウント 吊井 美晴 _ C _ 霊媒魔法少女ツッキー南海 螢 __ 壁 __ 猫岸 舞 _ D _ ★はいりオブ片桐 ステファニー・シャリフ _ E _ __ 壁 __ ↓ _ 1 _ _ 2 _ _ 3 _ _ 4 _ _ 5 _ _ 6 _ _ 7 _ _ A _ __ 壁 __ _ B _ ★マスク・ド・隼ヴィクトリア・F・山田武器女の子 毒雪姫 キュア・テンカウント★はいりオブ片桐吊井 美晴 _ C _ 霊媒魔法少女ツッキー南海 螢 __ 壁 __ 猫岸 舞 _ D _ ステファニー・シャリフ _ E _ __ 壁 __ 生徒会(DP:0)P 792 スタメン 備考 名前 性 HP MP 攻 防 体 精 反 FS 発 成 状態 ★マスク・ド・隼 女 120 6 5 0 7 3 15 0 79 100 能力休み(2,3T攻撃+5)3ターン目まで ヴィクトリア・F・山田 女 110 8 0 0 6 4 0 20 75 100 能力休み3ターン目まで 毒雪姫 女 250 6 0 0 20 3 0 7 75 100 霊媒魔法少女ツッキー 女 100 6 20 0 5 3 0 2 103 100 南海 螢 女 230 6 9 0 18 3 0 0 26 100 備考 名前 性 HP MP 攻 防 体 精 反 FS 発 成 状態 武器女の子 女 150 0 20 0 10 0 0 0 85 100 登場 備考 名前 性 HP MP 攻 防 体 精 反 FS 発 成 状態 番長G(DP:3)P 153 スタメン 備考 名前 性 HP MP 攻 防 体 精 反 FS 発 成 状態 秘 ★はいりオブ片桐 女 90 4 1 1 4 2 10 10(=7+3) 秘 秘 キュア・テンカウント 女 90 6 0 0 4 3 20 3 73 100 ステファニー・シャリフ 女 160 0 19 0 11 0 0 0 100 精神 吊井 美晴 女 120 6 20 0 7 3 0 0 26 100 猫岸 舞 女 250 16 1 1 20 8 0 0 15 100 備考 名前 性 HP MP 攻 防 体 精 反 FS 発 成 状態
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名前:ヴィクトワール・デュ・ジャルダン 性別:女 年齢:20 身長:168cm 体重:40kg 性格:強気 【精神】 感応 ひらめき 愛 必中 奇跡 魂 【特殊技能】 強化人間 援護攻撃 【備考】 アスクレピオス隊により拉致され 強化人間の改造を施された地球人女性。 半ば実験体として強引な計画の元、過剰な投薬や記憶操作が行われたが深刻な精神汚染も無く 無事 強化人間として部隊に配属された。 なお、彼女のもう一つの任務はハウデンの命による強化人間部隊の内偵である。 搭乗機体 ニーベルング 関連リンク アスクレピオス隊 アポステル隊
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「君にどうしても話すべきコトがある。寄宿舎に戻ったら……聞いて欲しい」 アンダーグラウンドサーチライトのそれほど長くない梯子を上り地上に出ると、秋水はひどく 真剣な面持ちでまひろに囁いた。 場所は蔵の中だろう。うっすらと明かりが差しこんでいるのは、上の方で不自然に開いた穴の せいかも知れない。そんなコトを目を思わず秋水から逸らしたまひろは逃げるように思った。 「う、うん。寄宿舎に帰ったらね」 もはや秋水の要件は見当がついている。カズキを刺したコトへの謝罪だ。だが、分かってい ても秋水自身の口からそれを聞くのはいいようもなく恐ろしい。 気まずい秋水とまひろから、ヴィクトリアにも大体の事情が伝わったらしい。彼女はいつもの ような皮肉じみた表情で「ふーん」と薄く呟いて、蔵の扉の前へと歩み寄った。 (どうせ黙ってても何も進展しないし、歩けば二人とも勝手についてくるわよ) そして扉を開けて霧漂う外へ出たヴィクトリアは、柄にもなく茫然と立ちすくんだ。 その様子にまひろも秋水も異変を察知したらしい。まず秋水がシークレットトレイルを握った まま外へと躍り出て──…茫然と呟いた。 「姉さん……?」 振り返った小札は棒立ちで秋水を見た。 やがて状況を察した彼女は目を文字通りの点にして、口をもにゅもにゅとした波線に歪めた まま蒼白たる面持ちで冷汗の粒を際限なくだらだら流した。 ↓要するにこんな顔だ ・ ・u u ~ 「見、見つかったぁー!! コレを見られてはもはや平和的解決は不可能ォォォォォォオ!! もはやかくなる仔細に相成った故は 三 十 六 計 逃げるに如かずゥ~!!!!」 小札の下半身が光ったとみるや幾何学的なロバ足となり、蔵なき庭へ向かって大爆走。 「ちょ、ちょっと待つんだ小札」 流石の秋水も突然姉がやられているのを目撃し、小札にわーわーと騒がれては対応も遅れ るというものだ。彼は意味もなく手を小札に伸ばしたまましばし固まり…… 俄かに小札は四本足で急ブレーキをかけるとUターンをして、ロッドを構えた。 「とーきにー! うーんめいはーこーころ、ためぇすかぜぇー!」 するとどうであろう。マシンガンシャッフルの先端の宝石が緑の光線を放った。 「愛は総てを包む空! 回復モード、エバーグリーン!!」 言葉とともに桜花の体がひどく優しい紺碧の光に覆われて、徐々に痛々しさが抜けていく。 「計略が破綻したいま、桜花どのを捨ておく意味はありませぬゆえ、絶……ダメェジの回復を ば加療三日は有するまでに図らせて頂きます! 以上ッ!」 早口でまくしたてるとまたも小札は庭に向かって逃げていく。 「待て」 「ひええ!!」 小札が仰天し、まひろも仰天し、ヴィクトリアだけ「へぇ、なかなか素早いじゃない」と感心した。 秋水は、庭と蔵の境界にまで逃走した小札に追いつき、すでにシークレットトレイルを振りか ざしている。愛要のナンバーXXIII(23)の核鉄を持ちながらそうしているのは、発動の手間を 惜しんだからだろう。 「君は姉さんに何をした!」 忍者刀が小札の前髪を掠り去り、毛を数本虚空に飛ばした。 「ひええ! ゆきがかり上仕方なくであります! 秋水どのがあちらのホムンクルスのお嬢さん を説得されるのを邪魔させまいとこちらに赴かれた桜花どのですが、任務で控えてた不肖と ぶつかり戦闘の末にやむなくああなり核鉄も回収された次第なのです~!」 「姉さんが?」 秋水が息を呑んだ瞬間である。まひろは桜花が力なくポケットから手を出すのを見た。 「……く……れる?」 桜花の震える唇を凝視していたまひろは決然と彼女の手から何かを拾い上げ、秋水に向っ て駆けた。ヴィクトリアは少し逡巡したが (似た者同士であまり虫は好かなかったけど……さっきのはあなたのおかげでもあるから) 自分の核鉄を桜花に当てた後、まひろに続いた。 (俺が彼女を説得できたのは……姉さんのお陰だったのか……?) 秋水は桜花に何かをしてやれた記憶がない。守ろうとするたびにそれが果たせなかった。 (それなのに、姉さんは、姉さんは…………俺のために) ヴィクトリアの説得でようやく晴れた心がまた重くなり、秋水は小札を睨んだ。 「君が姉さんを倒し核鉄を奪った以上、俺は戦わざるを得ない! 悪いが応じてもらう!」 シークレットトレイルは尺こそ短いが一応刀剣である。秋水は迷わず逆胴の構えを取り──… 「フ。やれやれ。試練を一つ越えて成長したかと思えばまだまだ未熟だな」 「!!」 突如として足元に生じた穴に愕然とした。 「あーれーまー!!」 一方小札は穴に落とされ、すでに地上に姿はない。 穴の縁にシークレットトレイルを横たえて辛うじて落下を免れながら、秋水は叫んだ。 「くっ! 総角か……!」 「おや、霧にアリスを疑えば、俺もまたこの地にいると分かりそうだが」 「……霧の目的は俺を千歳さんのヘルメスドライブが追尾した際、接触した小札やお前の部下 たち、そして何よりもお前自身が索敵対象になるのを免れるためだろう。チャフはレーダーを防 ぐ。いつかの廃墟で津村がお前と戦った時のように」 「ご明察。フ。だがそこまで見抜いていながら俺の存在を忘れるとはまだまだ甘い」 駆け寄ったヴィクトリアは、どこからともなく響く余裕たっぷりの声に顔を歪めた。 (アンダーグラウンドサーチライト! 使っていたのはコイツだったの!?) そもそもヴィクトリアが寄宿舎を去るきっかけになったのは、斗貴子がヴィクトリアの内通を 疑ったからだ。戦闘中に敵がこの武装錬金を使って今のように地面に穴を開けたらしい。 (でも、どうして? 確か私の武装錬金を使うには……) 直接見るか、ヴィクトリアのDNAを摂取するか。そんな必要があると千歳が話していた。 しかしヴィクトリア自身、DNAを摂取された覚えはない。いつか寄宿舎の近くで総角に出逢い 香美に担がれて寄宿舎に突入したコトはあるが、その際に髪や唾液などを取られた記憶は一 切ない。嫌っているホムンクルス相手に警戒を解いて不審な行動を許すほどヴィクトリアは甘 くないのだ。ましてアンダーグラウンドサーチライトは見せたコトすらない。 (いつの間にあの男は……いえ、今はそんなコトより) 実はヴィクトリアは核鉄を二つ持っている。自分の分と、今は亡き母の分と。 自分のは先ほど桜花に当てた。 (相手がアンダーグラウンドサーチライトを使っているなら私にも──…) 「やめるんだ」 形見の核鉄を手に武装錬金を発動しかけたヴィクトリアに、秋水の声がかかった。 「元々これは俺達戦士の戦い──…君が手出しする必要はない」 「何いってるのよ。私の武装錬金は刀一本じゃまず勝ち目はないわよ。おとなしく……」 助けられなさい。そんな言葉を秋水は粛然と遮った。 「寄宿舎に帰るんだ。皆、君の帰りを待っている。俺も帰還を望んでいる。だから戻れ」 澄んだ瞳が語っていた。ヴィクトリアには錬金術の闇と無関係でいて欲しいと。 「……分かったわよ」 ヴィクトリアは核鉄をしまった。 「でも、さっさと戻ってきなさいよ。このまま居なくなられたら、勝ち逃げされたみたいで不愉快だから」 「分かっている。君を助ける約束も必ず果たす」 忸怩たる表情でヴィクトリアは秋水を見た。 (何よ。人の都合に踏み入る癖に、自分の都合は守るなんて卑怯じゃない。私だって……) 人間の思考というのは時として瞬間瞬間の感情のエネルギーが横車を押して、論理では思 いもつかない発想を呼び起こす。ヴィクトリアが秋水にいいようのない怒りを覚えた瞬間に体 感したのはその類型だろう。 ずっと薄暗いまま使われていなかった知識。その点在が俄かに感情の電撃によって結ばれ まったくそれまでなかった発想を生み出したコトにヴィクトリアは内心で驚いた。 彼女は研究者のアレキサンドリアを母に持つ。思考形態は恐らく彼女譲りなのだろう。 (…………もし、コレを実現できたら?) 溜飲を下げるコトも借りを返すコトも母の願いも果たせるかも知れない。二度と閉塞に悩む コトもなく嫌悪の克服もできるだろう。その上、或いは本質的な解決も──… 電撃に撃たれたように眼を見開くヴィクトリアに気付かぬまま、秋水はまひろに声をかけた。 「……すまない。君にいうべき事、後回しになってしまった」 まひろは無理な微笑を浮かべながら「大丈夫。待つのは慣れてるから」と頷いて見せた。 「だが必ず戻ってくる。戻って必ず話す!」 秋水を飲み込む穴はついに忍者刀の全長が及ばぬほど拡大し、彼を奈落へと突き落とした。 「あ、待って!」 まひろはわたわたと何かを投げた。それは放物線を描きながら、落下途中の秋水に届いた。 彼が辛うじて受けたそれは、野球のボールぐらいある白い物体。何かの紙を丸めた物らしい。 「桜花先輩が持ってたんだよ! きっと秋水先輩に何かを伝えたくて差し出したと思うから! だから、だからちゃんと読んであげてね! 私には分からないけど、きっと役立つ筈だから!! 先輩が何を話そうとしているかも分からないけど、待ってるから! ちゃんと帰ってきてね!!」 眉をハの字にして今にも泣きそうになりながら、まひろは一生懸命吼えた。 その頃すでに秋水は地下へと落下を始めていたが、声はちゃんと届いていた。 「感謝する」 呟きながら紙を強く握りしめる秋水の体はそのまま果てしのない闇へと落ちていき──… 蝶野邸の庭に忽然と開いた穴は描き消え、元の静かな光景を取り戻した。 「秋水先輩、大丈夫だよね?」 「なんとかするでしょうよ。知らないわよあんな奴」 ヴィクトリアは拗ねたように呟くとまひろを促して桜花の傍に歩み寄った。 「さあ、この人連れて早く寄宿舎に戻るわよ」 「うん。ちーちんも待ってるしね」 一体どれだけ地下を移動しただろう。 秋水の足元に開いた穴は最初こそ垂直だったが、途中からやにわに緩やかな勾配へと変じ あたかも救助袋のように左右に曲がりくねりながら秋水の長身を地下へ地下へと落とした。 秋水の体感時間では十分ほどそうしていただろうか。 (ようやく着いたようだが……銀成市のどの辺りだろうか?) 秋水がたどり着いたのは、ヴィクトリアを説得していた時と同じような地下道だ。 六角形で煉瓦の敷き詰められた地下空間。ただし到る所に四角いカバーに覆われた蛍光灯 が設置されており、ひどく明るい。 それに秋水が少し眩しそうな顔をすると、背後で扉の閉まる音がした。振り返れば下ってき た通路が封鎖されている。 (前進しろという事か。だが……) 幸い文字が読めるだけの明かりはある。秋水はさっそくまひろ経由で得た桜花のメモ書きを 開き、しわを伸ばしながら熟読した。 (…………そういうコトか。しかし姉さんを倒した方法は別にある筈) 畳んだ紙を学生服のポケットに入れるついでに核鉄を引き出すと、ソードサムライXを発動。 左手のシークレットトレイルと合わせるとひどく不格好だが、都合上仕方ない。 (シークレットトレイルと今の俺の服ならここを脱出する事も可能かも知れないが) なぜかそうせず、不格好な姿勢のまま周囲に気を配りつつ二百メートルほど歩いた。すると 六角形の扉があり、近づくと自動で小気味よい音を立てながら開いた。シェルターらしく三つに 分割された扉が六角形の縁へと沈んだのだ。 同時に秋水は忍者刀を壁めがけて投げ捨て、一足飛びで弾かれる様に逆胴を放った。 「ひょえーっ! 開幕早々なんと物騒なー!!」 秋水の鋭い視線の先には小札。さすがに入室早々秋水が飛びかかってくるとは思っていな かったらしく、ロッドも構えずただ刃の到達を待つばかり。 やがてソードサムライXを通して重々しい手ごたえが秋水を突き抜けた。 「重く、そして石火よりも激しい一撃だ。もっともソフトな扱いを好むのが小札なんだがなぁ」 「総角主税」 いつの間にか金髪碧眼の美丈夫が小札の正面に現れ、逆胴を受け止めている。 秋水がますます瞳を吊り上げたのもむべなるかな。総角は逆胴を片手で受け止めているのだ。 掌はぴたりと刃に吸いついたきり何の破損も見せず、秋水がいかに押そうとビクともしない。 「フ。いかな秋水であれど刃筋が立たねば斬る事かなわない。日本刀という奴は単純だから な。一定の角度でしか物を斬れない。それを踏まえれば受け止めるコトなど……容易い! 出でよ! 右籠手(ライトガントレット)の武装錬金! ピーキーガリバー!!」 逆胴を受け止める手が俄かに肥大化すると、刃を引いた秋水目がけて重厚な拳圧を見舞っ た。辛うじて避けた秋水ではあるが、それきり攻め手を欠いたのか下段に構えたまま硬直。 「ようこそ。俺達の棲家に。ようこそ。俺の形成した地下空間に」 総角は恭しく礼をし、小札もつられてぎこちなく同じポーズを取った。 「不肖がかつて紙にてお知らせしたコト……覚えておられますか」 「ああ。この状況は逆向との戦いで君が渡した紙の内容通りだ。 助力を得る代わりに、俺が、誰にも告げず、お前たちの棲家へ出頭する…… 紆余曲折を経たが一応は果たした。だが!」 総角はくつくつと笑った。 「どうせお前のコトだ。小札に勧誘された時点で俺達全員を倒そうとでも考えたのだろう?」 「……戦団に背く行動なのは元より承知の上。だがお前たちを倒すにはコレしかない」 総角は困ったように頬を掻き、「いいのか?」と反問した。 総角率いるザ・ブレーメンタウンミュージシャンズのメンバーは六人。 総角主税。 小札 零。 鳩尾無銘。 栴檀貴信。 栴檀香美。 鐶 光。 「未だ戦士に一人として敗れていない俺たちが、総てこの地下に居る」 つまり、と総角は唇を歪めた。 「六対一だ」 粛然と表情を崩さぬ秋水のこめかみから微量の汗が頬へと流れ落ちた。 「不利は目に見えている。確実性を期すなら、他の戦士を呼ぶべきだが?」 「理想をいえばお前だけを倒すべきだが、例え全員が一度に来ようと受けて立つ。どの道、い ま戦える戦士は俺しかいない。津村達の回復を待っていれば、お前達を取り逃す恐れがある」 そうだな、と総角が微苦笑すると、手からピーキーガリバーが消滅した。 「いいだろう。ならば俺たちも応じよう。まずは!」 指をはじく音と共に、総角はおろか小札のはるか背後から、威勢のいい声が二つ響いた。 「つーワケでまずはあたしらの出番! カゼも手のケガもよーやく治ったし、あやちゃんが回復 するまでの時間かせぎじゃん!!」 『はーっはっはっは! 勇気はあるか希望はあるか! 今がその時だッ!!』 小札を飛び越えニューっと銀色の影が秋水めがけて疾駆した! それを右切上で弾いた秋水、迷うことなく跳躍し頭上の影へと鋭い斬撃を放った。 「さけぶサイレン、いざ出動じゃんー♪ あーくのにおーいをのが、しはーしなーい♪」 空中で数合の火花が散ったとみるや、影と秋水は共に壁へと飛びのき全く同時に蹴りあげ て反動利しつつ再肉薄! だが秋水の斬撃が命中せんと瞬間、影はあろうコトか中空で更に 垂直へと伸びあがり、その半透明の残像をソードサムライXがむなしく通り過ぎた。 (鎖分銅を天井に刺したか! だが) 緩やかに落下しながら秋水は天井を睨んだ。影の右手から銀色の光が伸び、天井にめり 込んでいる。 『はーはっはっは!! ハイテンションワイヤーにはこういう使い方もあるんだ!』 「予習通り……」 『何!?』 「うへ! ご主人ご主人、あたしなんかぐろいコトになってるじゃん!」 影の生意気そうな瞳が唖然と肘を見た。かかるべき体重がそこにない! あるのは空白の み。すなわち、影の肘はいつの間にか切断されていた! 影が驚愕に声を立てる暇もあらば こそ、手をぶらりと天井に吊るす銀の鎖の根本から、金の刃が現出し影を掠めて、無茶苦茶な 軌道で狙い撃ちを始めた。 「うわ、いたっ、いた! しゃーッ! なんかブンブンブンブンうっとうしいじゃんあんたら!!」 影は片手を伸ばしてはたこうとするがどうも空をピョコピョコ裂くだけで当たらない。 「真・鶉隠れ。先ほど壁を蹴った時にシークレットトレイルを引き抜いておいた」 (ほう。確かに生体電流さえ用いれば使える技だが、よく発想したな) そういえば、と総角はむかし廃墟で秋水にこの技を撃ったのを思い出した。 おそらくその経験と、シークレットトレイルへの知識から真・鶉隠れを習得したであろう秋水は すでに落下途中の影目がけて飛翔している。果敢という他ない。剣風乱刃は影のみらず秋水 をもびょうびょうとかすり去り、髪をうっすら舞い散らせた。だが構わず彼は逆胴を放ち──…。 予想外の感触に顔をゆがめた。 肉球。分類すればその形状の幾何学的な部品(パーツ)が刃を止めている! 「ふっふーん! あたしのにくきゅーニャ、なーんも通じないし! って、うあう!?」 「はあああああああっ!!!!! 裂帛の気合一哮! 秋水は下半身のバネ得られぬ空中でありながら、肉球ごと相手を地面 に叩きつけ、しかも辺りを飛んでいたシークレットトレイルをむんずと掴んで投擲した上に、体重 の乗った唐竹割で追い打ちをかけた。が。 『流星群よ!! 百撃を裂けぇぇぇぇぇぇええええ!!!!』 対空砲火とばかり地面から光のつぶてが襲う。シークレットトレイルはそれに吹き飛ばされ 床に転がった。その乾いた音に促される様に秋水はソードサムライXの刀身を正面にかざし、 光のつぶてを吸収。そのまま着地した。 『はーっはっは! やはり僕の流星群は吸収されるらしいな! 威力最小で良かったぞ!』 「んーにゅ。どーも強そうじゃん。ま、あやちゃんのために時間かせげるだけかせぐけどさー」 影はすっくと立ち上がると、頭からネコミミを生やしてしっぽをくねくねさせた。 実にふくよかな体つきの少女だ。白いタンクトップから小麦色の谷間を覗かせ、血色のいい 太もものほとんど付け根でビリビリに切り裂いたカットオフジーンズがいかにも野性味を帯び ている。むちむちと盛り上がった腰部の後ろからはチェーンアクセサリーをじゃらじゃらぶら下 げていてひどくやかましい。 やかましいといえば、シャギーで限界まで尖らせた雑草のようなロングヘアーもそうである。 茶色がかったそれにはうぐいす色のメッシュの線がポツポツ入っており、アーモンド形の瞳 と相まって実に派手で強気な印象を振り撒いている。 そんな少女が八重歯を覗かせながら叫んだ。 「つーワケでまずあんたの相手をするのは、あたし栴檀香美と!!」 『この僕、栴檀貴信だ!!』 「さて六体一。受けた以上は俺の部下全員に勝つ事だな。当然最後は 俺。頑張って昇ってこい。期待しているぞ」 総角、そして小札の影は、すでに消えていた。
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ネアトリアハイムの簡単な歴史 ネアトリアハイムは「剣王」と呼ばれるヨアキム一世によって建国された国です。母体となったのはエトルハイムとラリヴァールハイムという二つの国。エトルハイムを侵略する形で出来た国のため、旧エトルハイム王家や貴族からは国家転覆を狙われていたりと現在、危うい状況に立たされています。 信奉している宗教はマール・クリスという女神を崇拝する一神教です。 通貨はセール(1セール=10円ぐらい)が使われており。成人一人が一日生活するのに必要な額は大体10セールほどです。 多くの人々が訓練すれば魔術を使用することが出来るため、科学は発展していません。大体、中世ヨーロッパぐらいですね。火薬などはありますが、それを銃以外のものに使おうとは考えていないようです。 山や森などの人の気配が少ないところではモンスターの類なども出現するようですので、お出かけの際はご注意を