約 2,183,749 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2651.html
ここは学院長室。 息を切らせながらこの部屋に入る教師が居た。 ルイズたちの使い魔召喚の儀式を担当したコルベールだ。 「失礼します、オールド・オスマン!」 大きな声で学院長に呼びかけ、その声にオスマンは振り返る。 「一体何事じゃ、ミスタ・コルベール」 「違います、私の名はコルベールです!」 「だからコルベールと言っとるじゃろうが」 何を言ってるんだこいつは といったような目でコルベールを見るオスマン。 「え?あ、そうですか…」 何故か物足りず、ちょっと寂しい思いをしたコルベールであったが 自分の用件を思い出し、すぐさま顔を上げる。 「そ、そうだ。それより大変なことが分かりましたよ! ミス・ヴァリエールが呼び出したあの青年のことです」 そう言いつつコルベールは机の上に古い本とルーン文字が写されたメモを置く。 本を開きながら興奮した様子で話を続ける。 「見てください、このルーンは始祖ブリミルの使い魔ガンダールヴのものです。 そしてコッチがあの青年に刻まれたルーンです。」 こんどはメモを指差しながらコルベールは捲くし立てる。 「全く同じものです。つまり、彼は伝説のガンダールヴなんですよ!」 「ちょ、ちょっと待て、落ち着くんじゃ。ルーンが同じだからといってそう決まったワケではないじゃろう」 興奮してずいずい近寄ってくるコルベールに若干怖いものを感じながらもオスマンはなだめる。 「ま、まあ確かに」 若干コルベールが冷静になったところにまた一人部屋に入ってくるものが居る。 「た、大変です!オールド・オスマン」 知的な顔付きをした美女、オスマンの秘書のミス・ロングビルだ。 「何じゃ、ミス・ロングビル。…どうでもいいが今日は大変なことが多いのう」 「え、なんのことです?」 「いや、いいんじゃいいんじゃ。で、何があった?」 一瞬きょとんとしたロングビルだったが報告をする。 「はい、ヴェストリ広場で決闘をしようとしている生徒がいます。 教師たちが止めようとしましたが生徒たちに邪魔されてしまい…」 「まったく、その生徒は誰じゃ?」 オスマンはうんざりといった感じだ。 「一人はギーシュ・ド・グラモン、もう一人はミス・ヴァリエールの使い魔です」 ロングビルの言葉に驚いたのはコルベールであった。 「何ですって!本当ですか、ミス・ロングビル。あの青年が?」 「は、はい。たしかに」 予想していなかったコルベールの返答にロングビルは少しうろたえる。 その様子を見ていたオスマンはしばらく考えていたが何か思いつきロングビルに声をかける。 「たかがケンカじゃ、放っておきなさい。それにちょうどよい」 オスマンはそういいながら大鏡に杖を振る。 すると広場の様子が映し出された。 「これで彼のこともわかるじゃろ。のうミスタ・コルベール」 「そ、そうですね」 二人の言っていることがわからないロングビルは問いかける。 「あの、お二人とも何を仰っているのです?」 「ええ、彼はもしかすると」 コルベールの言葉はそこで止まり、視線は広場に釘付けになる。 オスマンやロングビルも同様だ。 彼らが見たものは、ギーシュと対峙する平民が光を纏っていく姿だった。 「何なの、アイツ」 ルイズは目の前で起こった光景が信じられなかった。 ただの平民だと思っていた自分の使い魔が鎧を纏った戦士に変わったのだ。 俺はヒーローだからな さっきアイツはそんなことを言っていた。 まさか本当に? しかし光の戦士に変わった暁の姿がそれを証明している。 寝坊もするグータラで女の子と見れば節操なく声をかけ、ただの口げんかで決闘してしまう アホな男だが変身をしたのは紛れも無い事実だ。 もしかして自分はとんでもないヤツを呼び出してしまったのだろうか。 ルイズが暁に対しての認識を改めているとき 暁はいつもと変わらぬ調子でギーシュに向かって叫んでいた。 「さあ、どっからでもかかってきなさい!」 ギーシュは暁の姿を見て少々動揺していた。 こいつは杖もなしに変身したのか。 ひょっとすると先住魔法?ということはこいつはエルフか。 そんな考えを振り払い、ギーシュも負けじと言い返す。 「いいだろう、後悔するなよ!」 平静を失った様子を見せるのはシャクだ。 そして自分のワルキューレを暁に向かわせた。 ワルキューレは拳を振り、暁に打ち込む。 暁はそれを片腕で捌き、逆にワルキューレの腹にパンチを放った。 カウンターにワルキューレは怯むが直ぐに体勢を立て直し、暁に蹴りを入れる。 暁もそれに反応し、ガードをするがさすがに金属の塊だ。 その強烈な蹴りに体を崩す。 「くっ」 思わずうめき声をあげる暁。 それをチャンスと見たギーシュはワルキューレを暁の懐にとび込ませる。 「なんの!」 ワルキューレの突進を暁は、がっちりと受け止め力比べのような体勢に入った。 両者力を込めその姿勢が続いたが暁は自分の体をワルキューレの下に潜り込ませそのまま持ち上げた。 「ブレーンバスター!」 暁は自ら仰向けに倒れ込み、ワルキューレの背中を地面に叩きつけた。 そしてすぐに起き上がりエルボードロップをワルキューレの顔に放つ。 その一撃でワルキューレは動きを止めた。 暁はギーシュのほうに向き直り勝ち誇ったように声をかける。 「おい、もう終わりか?」 しかしギーシュは怯むことなく言い返す。 「残念だが、まだまだこれからだ」 またもギーシュはバラを振り、花びらを巻き起こす。 すると今度は槍や剣を持った複数のワルキューレが姿を現した。 これには暁も驚いた。 「なっ、ひい、ふう、みい、よー…きったねえ五人がかりかよ!」 「僕はワルキューレが一体とは一言も言っていないよ。油断した君が悪い」 その声と同時に五人のワルキューレが暁に襲い掛かる。 暁は距離を取り、何とか策を考える。 そうだ、こういうときは 「それならコッチは超光騎士だ!」 超光騎士とはシャンゼリオンの戦いを支援するためのサポートロボットである。 陸震輝、空裂輝、砲陣輝とそれぞれが別の能力を持ち、あらゆる局面で戦うことが出来る頼もしい仲間だ。 普段はクリスタルステーションに格納されているが 彼らはシャンゼリオンの呼びかけで何処にでも駆けつけるのだ。 「リクシンキ!クウレツキ!ホウジンキ!」 暁は仲間を呼んだ。 しかしその場にシーンとした雰囲気が残るのみであった。 応じない超光騎士達に暁は焦る。 「あ、あれ?どうしたんだよお前たち、俺の声が聞こえないのかよ!一緒に選挙活動もした仲だろ!」 だが超光騎士は一人も来ない。 それもそのはず。この世界はハルケギニアで、地球でも東京でもない。 超光騎士も、彼らを格納するクリスタルステーションも存在しないのだ。 そのことを暁はすっかり忘れてしまっていた。 「何をブツブツ言っているんだい」 ギーシュはそんな暁に少々呆れながらワルキューレで斬りつける。 「うわっ」 一瞬反応が遅れた暁は胸元を裂かれ、クリスタルの鎧に亀裂が入る。 膝をついた暁に複数のワルキューレが同時に武器を振るう。 急所をガードしているが暁の体には傷が増えていく。 「くそっ、五人がかりのうえに武器まで使うなんてズルいんじゃないの?」 暁はギーシュに抗議をするが 「何をバカなことを。それなら君も武器を使えばいいじゃないか。もっとも無理だと思うがね」 余裕シャクシャクで受け答える。 その言葉に暁は、何か思い出した様子だ。 「あ、それもそうか」 暁は胸の鏡、シャンディスクに手をかざし叫んだ。 「ガンレイザー!」 すると光の粒子が集まり銃の形に実体化した。 「なんだぁ!?」 ギーシュやギャラリーが叫ぶのを余所に暁は銃を掴む。 「ディスク装填」 小さな薄い円盤、CDをガンレイザーに組み込むとシリンダーが動き出す。 そしてワルキューレに向けて光弾を放った。 二人のワルキューレはそれぞれ頭、胸を打ちぬかれ倒れこむ。 「あ、あら?」 暁は不思議に思っていた。 銃を構えた瞬間向かってくるワルキューレの動きがゆっくりに見えたのだ。 しかしその考えはギーシュの声に打ち消された。 「き、貴様銃なんて卑怯だぞ!」 「それならお前も銃を使えばいいじゃないの。ま、無理だと思うけど」 さっきのギーシュと同じように言い返した。 「この、なめるな!」 一人のワルキューレが暁の死角から近づきガンレイザーを払い落とした。 「あ、しまった!」 なおもワルキューレは暁との距離を詰める。 「それならこうだ!」 すると何を思ったか暁はワルキューレにタックルをかけ、両脚を掴んだ。 その場でワルキューレを持ち上げぐるぐると振り回した。 「ジャイアントスイングで夢の中にご招待!」 二人のワルキューレは暁に近づこうにも近づけない。 そして暁は振り回しているワルキューレを放り投げ、もう一人を巻き込んだ。 残りのワルキューレが一人になってギーシュは焦る。 「くっ、調子に乗るな!」 ワルキューレは暁を斬りつけようと剣を振り上げ突進をする。 暁はまたもシャンディスクに手をかざす。 「シャイニングブレード!」 今度は剣の柄が出現し、鍔の部分が左右に開く。 そして光の粒子が伸び刀身になった。 剣を掴むとまたさっきの感覚に襲われる。 「何なのよこれ」 相手の動きが遅く見える。 不思議なこともあるもんだな そんなことを考えながら相手の剣を捌いていく。 そしてワルキューレの剣を受け止めるとその体に体当たりをした。 暁は剣を両手に持ち直し、大きくよろめいたワルキューレを斬りつける。 そして必殺の一撃。 「一振り!」 暁の掛け声と同時に裂かれたワルキューレは真っ二つになり崩れた。 が、その影からもう一人のワルキューレが現れた。 「何ぃ!」 完全に不意をつかれた暁は剣を叩き落され、ワルキューレに押し倒された。 「甘いね、切り札は最後まで取っておくものだ!」 ギーシュが大声で言う。 彼は本来七人のワルキューレを操ることが出来る。 しかし今回見せたのは全部で六人。 暁に対して呼び出せるのは六人だけと思い込ませ最後の一人を敢えて呼び出さなかったのだ。 倒れ込んだ暁にマウントを取り、何度もパンチを打ち込むワルキューレ。 既に暁はグロッキー状態だ。 その姿を見てギーシュは勝利を確信する。 「よし、これで終わりだ!」 そしてとどめとばかりに大きく振り下ろした拳を暁は見逃さなかった。 ワルキューレの拳を受け止め、大きく脚を振り上げ背中に蹴りを入れた。 暁は最後の力を振り絞って起き上がり、吹っ飛んだワルキューレに向き直ると叫んだ。 「シャイニングアタック!」 するとシャンディスクからシャンゼリオンの分身が現れ、ワルキューレに向かって高速で飛行する光の弾丸となった。 光の弾丸に貫かれたワルキューレは大きな風穴を開けられひっくり返り、その場から動かなくなった。 「そんな…」 最後のワルキューレを倒されたギーシュはその場に膝をついた。 「参った」 ギーシュの敗北宣言を聞いた暁はその場でターンをし、指を差してポーズを決めた。 「やったぜ、俺ってやっぱキマリすぎだぜ!」 本人としたら最高に決まったのだろうがシャンゼリオンの姿の暁は結構ゴツく、あまりカッコよくはなかった。 元の姿に戻った暁はギーシュの傍に近寄っていく。 それを見たギーシュは覚悟を決めた。 「僕の負けだ。殴るなり罵倒するなり好きにしろ」 しかし暁はギーシュの手を取りがっちり握った。 「俺がそんなことをするわけないでしょ」 暁は普段通りの口調でギーシュに話す。 その反応にギーシュはあっけに取られた。 「君は負けた僕を軽蔑しないのか」 「何言ってんの。お前の強さ、よーくわかったぜ」 その言葉を聞いたギーシュは暁に微笑み手を握り返した。 「ははっ、君は変わった奴だ」 「そうでもないって。わはは」 やがて二人は大声で笑い出した。 戦いが終わればそこには怒りも憎しみも無い。 拳で分かり合えた男達は友情を深めていく。 このギーシュと暁も同様だった。 まあ、戦った理由はとてもアレなのだが。 広場の中央で高笑いをする二人を見ていたギャラリーはボーゼンとなってた。 ルイズも同じように言葉を失っていた。 ただの平民が変身して銃や剣や分身を出してメイジと戦っていたのだから当然のリアクションだろう。 いつの間にか隣にいたシエスタはルイズに声をかけた。 「ミス・ヴァリエール、一体アキラさんってどんな方なんですか。私はただの探偵さんだって聞いたんですが」 彼女も訳がわからないといった感じで話している。 その声にルイズは意識を取り戻した。 「わからない。わからないけど」 そしてまだギーシュと二人で大笑いを続けている暁のしまりの無い顔を見つめ呟いた。 「バカなのは間違いないわね」 ルイズは考えを改め直した。 たしかにこいつはとんでもないヤツだった。無論違う意味で。 「あ、ギーシュ」 「なんだい」 「俺たちなんで決闘なんかやることになったんだっけ?」 「そういえば思い出せないな」 「「ま、いいか。わははは」」
https://w.atwiki.jp/avalononline-wiki/pages/957.html
支援なしでは、このカードのみで即死無効を持つ邪心族のデスブリンガーには勝てない点に注意。意外と盲点である。 - 名無しさん 2011-04-17 08 11 41
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7731.html
前ページギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 ||補足:これまでに描写したルイズの体の変化 ||関節が外れて手足、首の筋肉が伸びきる ||首の長さ約10cmUP, 手足の長さ約20cmUP, 身長153サント→約180サント ||黒髪化(足元までの長さ, 前髪はそのまま), 赤瞳化, 青白い灰色の肌 ||顔立ちと声は変化無し(女王の台詞はルイズの声で喋ってます) 「ぷっ! あは、あはははは」 女王はギーシュの言葉を聞くと、吹き出すように笑い始めた。 そして、女王はルイズ長く伸びた首をギーシュの前に差し向けた。 「お前は、ほんっとうに馬鹿な子だねぇ……」 舐めるようにギーシュを眺めると、右耳を真下に傾けたルイズの顔が彼の左の耳元に静かに口を寄せる。 垂れ下がる黒い長髪が彼の肩を覆った。 「だぁーーーっ!!!」 「わひぃぃぃ!!」 突如ルイズの口から発せられた轟音に、ギーシュは悲鳴を上げながら右に倒れた。 「お前ごときがこの私に決闘を申し込むだと?」 女王はしゃがみ込むように倒れた彼を睨み付けると、青白い右手を宙に掲げた。 「それ」 ルイズの人差し指の黒い爪が彼の胸の中心を切り裂いた。 指先全体を包むように分厚く伸びた獣のような爪には彼の血と肉、そして僅かに削れた胸骨の破片がこびり付いている。 「ぐああああああああ!!」 真っ赤な縦線を肌蹴たシャツの間に入れられて、ギーシュは胸を抑え、背を丸くしたままその場に蹲った。 「御目出度い子だねぇ、今の私になら勝ち目があるとでも思っていたのかい?」 吐き捨てるように言い放つと、女王はその場から立ち去ろうとした。 しかし、女王が後ろに振り返ると、そこには2メイル程の大きさの青銅のゴーレム・ワルキューレ二体が女王の往く手を遮るように立ち塞がっていた。 「ギーシュ……お前、自分が何をしようとしてるかわかってるのかい?」 女王は、自分の背に向けられたワルキューレの槍に構うことなくギーシュの方に向き直った。 「この体はお前の友達のものじゃなかったのかい?」 半開きの目でギーシュを見下ろすルイズの顔がニヤリと笑った。 「か、彼女は命を懸けて貴族の誇りを守り抜いた……! 僕はそれを汚す君を許せない!」 彼は腰を上げて立ち上がると、造花の杖を女王に向けた。 「だから僕は、彼女と同じ貴族として、君と戦わずにはいられない!」 拙くも力強い彼の言葉に、女王の表情が変わった。 --- 「好きにおし。お前との決闘ごっこ、受けてやろう」 「い、いくぞぉぉ!」 女王がそう呟くと否や、ギーシュはルイズの足元の土を錬金で砂に変えて巻き上げた。 女王は目を瞑ると左手で両目を隠し、視界が潰されるのを防いだ。 「む!」 足がバネの様に縮み、ルイズの体が後方に跳ね上がる。 砂煙を吹き払いながら振り下ろされた四本の青銅の剣が互いに衝突した。 「ほ!」 地面に着地したルイズの体は、風に撓る草花の様に揺れていた。 後方から高速で突き出される二本の槍、左右から横薙ぎに迫る二本の青銅のハンマー。 それら全ての攻撃を、女王はルイズの体を植物のようにうねらせて巧みに回避していた。 「ほほほ、全然当たらないねぇ」 四体のワルキューレは可動部が摩擦熱で高温になる程激しい攻撃を女王に与えている。 前方にいた剣を持ったワルキューレ四体が攻撃に加ることで、攻撃の激しさは一層増した。 しかし悠然と身を翻す女王に対して、ワルキューレが繰り出す技の数々は悉く的を外れるばかりだった。 音速を超えて動く物体を見極めるだけの動態視力を持つ女王にとっては、ワルキューレ達の攻撃をかわすことなど容易かったのだ。 「小うるさい蛆蟲共めが。そぅれ!」 ルイズの右手が一体のワルキューレの左手を掴んだ。 すると、ルイズの右腕が筋肉を捻じらせながら凄まじい勢いで時計回りに回転した。 そのワルキューレは左腕を肘関節の部分から取り外され、そのままバランスを崩して転倒した。 「はぁーーっ!」 女王の左側に立っていたワルキューレの足が蹴り払われた。 倒れ込むワルキューレの両腕を女王が捕らえた。 そして女王はルイズの右足を軸にすると、ワルキューレは倒れ落ちる勢いを回転力に変え、他の二体のワルキューレの足元に投げ飛ばされていった。 激突の衝撃で三体のワルキューレが崩れ落ちる。 前倒れになったワルキューレ達が残りの四体のワルキューレの女王の間を隔てた。 「フッ……」 女王はルイズの長い髪を掻き上げ、汗一つ掻いていない冷たい表情で笑った。 人差し指を立てたルイズの右手が天高く突き上げられる。 その瞬間、黒い爪の先から黒い電流が上空に発せられた。 そして瞬く間も無く、女王の周囲に無数の黒い稲妻が降り注いだ。 雷が落とされた範囲は半径500メイル程に亘った。 女王は目の前にいるワルキューレ達だけではなく、先ほどから姿を見せていないギーシュも鉄化させようとしていた。 辺りに静けさが戻ると、女王はルイズの首を捻らせて周囲を見渡した。 ところが、八体の鉄化したワルキューレが目の前に倒れてはいるものの、女王はギーシュの姿を見受けることはできなかった。 「さては逃げたね。まったく、情けない。自分から勝負を挑んできた癖に……ん?」 女王が溜息混じりに愚痴を零していると、鉄化したはずのワルキューレの一体の背中が僅かに揺れた。 女王は不思議そうな顔をしてそのワルキューレを眺めている。 すると突然、そのワルキューレが立ち上がり、女王に向かって飛び掛かった。 「何ぃ!?」 予想外の事態に慌てふためく女王は成す術無く黒い鉄の剣で切り裂かれた。 体を引き伸ばし、筋力を常人以上に引き上げていただけのルイズの身体は、左肩から右脇腹にかけて大きく抉られている。 「い、痛ぁぁああああい!!」 ルイズのディスペルによって一瞬で身体を消し去られたときとは違い、人間の肉体のまま致命傷を受けた女王は耐え難い激痛を感じていた。 「うがあああああああああ!!」 ルイズの体は赤い血の代わりに紫色の炎を傷口から噴出させている。 その時、女王の意識はこの世界から飛びかけようとしていた。 前ページギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王
https://w.atwiki.jp/yugioh_dl/pages/635.html
様々なデッキと好相性の融合モンスター登場!“ワルキューレ”が戦場を駆け抜ける! 概要 BOX内容 UR3種、SR10種、R17種、N20種の全50種、100パック。 カード名 レアリティ 枚数 《氷獄龍 トリシューラ》 UR 1枚 《ワルキューレ・ヴリュンヒルデ》 UR 1枚 《カラクリ法師 九七六参》 UR 1枚 《エクスプロード・ウィング・ドラゴン》 SR 1枚 《ワルキューレ・シグルーン》 SR 1枚 《ワルキューレ・セクスト》 SR 1枚 《アルカナフォースEX‐THE DARK RULER》 SR 1枚 《トラミッド・スフィンクス》 SR 1枚 《コーリング・ノヴァ》 SR 1枚 《スクラップ・エリア》 SR 1枚 《コンビネーション・アタック》 SR 1枚 《借カラクリ旅籠蔵》 SR 1枚 《因果切断》 SR 1枚 《A・ジェネクス・トライフォース》 R 6枚 《ワルキューレ・エルダ》 R 6枚 《ワルキューレ・ツヴァイト》 R 6枚 《ワルキューレ・ドリット》 R 6枚 《ワルキューレ・フィアット》 R 6枚 《エレキジ》 R 6枚 《エレキングコブラ》 R 6枚 《トリックスター・リリーベル》 R 6枚 《ワルキューレの抱擁》 R 6枚 《終幕の光》 R 6枚 《カラクリ蝦蟇油》 R 6枚 《フライアのリンゴ》 R 6枚 《ローゲの焔》 R 6枚 《ワルキューレ・フュンフト》 N 9枚 《運命の戦車》 N 9枚 《戦乙女の戦車》 N 9枚 《エレキリン》 N 9枚 《トリックスター・ナルキッス》 N 9枚 《壺魔神》 N 9枚 《強欲な壺の精霊》 N 9枚 《首狩り魔人》 N 9枚 《グレード・ビル》 N 9枚 《転職の魔鏡》 N 9枚 《くちばしヘビ》 N 9枚 《隻眼のホワイトタイガー》 N 9枚 《天魔の翼》 N 9枚 《トリックスター・マジカローラ》 N 9枚 《トリックスター・ブーケ》 N 9枚 《カラクリ兵 弐参六》 R 6枚 《エレキトンボ》 R 6枚 《トラミッド・ハンター》 R 6枚 《トラミッド・キングゴレム》 R 6枚 《エレキタリス》 N 10枚 《トラミッド・ダンサー》 N 10枚 《風雲カラクリ城》 N 10枚 《カラクリ大暴走》 N 10枚 《トラミッド・フォートレス》 N 10枚 ※《エレキトンボ》《カラクリ兵 弐参六》《トラミッド・ハンター》《トラミッド・キングゴレム》《風雲カラクリ城》《エレキタリス》《トラミッド・ダンサー》《トラミッド・フォートレス》《カラクリ大暴走》は他BOXからの再収録カード。 有用なカード、かつて有用だったカード モンスターカード 《氷獄龍 トリシューラ》カード名が異なる3体を素材として召喚可能な融合モンスター。フィールドのモンスターなら除外することで特殊召喚も可能。ドラゴン族のみを素材とした場合、1ターンに1度、お互いのデッキの一番上と相手のEXデッキを1枚ずつ除外できる。 魔法カード 罠カード 《因果切断》手札を1枚捨て、相手の表側表示モンスターを除外する通常罠。相手の墓地に同名のカードがあればそれも除外する。 主なデッキ 関連ページ 有用カード
https://w.atwiki.jp/oper/pages/91.html
対訳 ActⅠ Win Mac ActⅡ Win Mac ActⅢ Win Mac 日本語訳異版はこちら アリアへジャンプ! 一族の男たちが 冬の嵐は去り 君こそは春 死の告知 さらばだ勇敢で立派な我が子よ オペラ配役プロジェクト ブリュンヒルデ歌手一覧 ワルキューレの騎行(ストコフスキー) → 全幕はこちら 訳者より 《ニーベルングの指輪》の訳了を機に、私の独断と偏見で選んだ「名セリフ」に、「訳者コメント」代わりにコメントを加える企画です。本稿では、この作品の「タイトルロール」であるブリュンヒルデの心情に比重を置いてコメントしようと思います。 → 名セリフで読み解く「指輪」~ワルキューレを読む 訳者のブログ ヤナーチェクはフラットの多い調が好き? (2016-03-19) 新国立劇場「イェヌーファ」感想 (2016-03-06) Blogs on ワルキューレ 《ジークフリート》復活と今度は《ワルキューレ》がブロックされた件 カラヤンの 《ワルキューレ》 全曲 YouTube動画公開 → ブログをもっと読む ヴァルキューレとは ヴァルキューレの86%は希望で出来ています。ヴァルキューレの12%は魂の炎で出来ています。ヴァルキューレの2%はマイナスイオンで出来ています。
https://w.atwiki.jp/398san/pages/874.html
《ヴォータンの裁き》 通常罠 自分フィールドに表側表示で存在する「ワルキューレ」と名のついたモンスターが攻撃対象に選択された場合に発動できる。 相手モンスター1体の攻撃を無効にし、デッキからカードを1枚ドローする。その後、手札を1枚選択して捨てる。 自分フィールド上のワルキューレが攻撃対象になった時にをの攻撃を無効にする効果と、デッキからカードを1枚ドローしその後1枚捨てる効果を持つ。 自分ターンにしか攻撃力が上昇しない《ワルキューレ・ドリッド》を守り次のターン迎撃できるほか、手札を捨てる効果を持つため暗黒界の効果も発動することができる。【暗黒ワルキューレ】ならばこのカードは3積みしてもいいかもしれない。 現在の効果はエラッタ後の効果であり、エラッタ前の効果には『「ワルキューレ」と名のついた』という一文がなく、オリカの中でも強力なカードの一枚であった。第一回咲夜大会終了後、エラッタがかけられ現状に至っている。 原作・アニメにおいて―~ 関連カード ワルキューレ
https://w.atwiki.jp/pikotto/pages/20.html
ワルキューレの冒険 とっても有名なワルキューレさんのデビュー作。 ほとんどの場合はアクションっぽいお題だがなぜかパスワード画面もショートゲームに。 ワルキューレの冒険のモードA…敵をたくさん倒せ ワルキューレの冒険のモードE…パスワードを入力しろ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3153.html
第三話 決闘!ギーシュ・ド・グラモン 大量の野次馬がいる中、ジーニアスはヴェストリ広場に現われた。 その大量の野次馬は、賭けを始めたり、ジーニアスとギーシュを 「きたね、平民君。逃げなかっただけ、勇敢と見える」 「減らず口だね」 「口の利き方に注意したまえ。私は、メイジだから魔法で戦う。異議は無いな? ところで君が持っているそのヘンテコな玉のついたものはなんだね?」 「僕の武器さ。剣玉っていうんだ。始めないの?」 「言われなくても始めるさッ!行けッ!ワルキューレ!」 杖である造花から花びらを散らせ、一体のワルキューレが出てくる。 無装備である。 「行け!ワルキューレ!」 合図とともに突進するワルキューレ。鳩尾狙いのストレート。 真ん前から攻撃を受け止めた。 「ふぅん。なら、これで!」 剣玉で薙ぎ払う。吹っ飛ぶワルキューレ。だが、直ぐに戦闘態勢に戻る。 「堅いなァ。じゃぁ、これならどう?」 剣玉の玉をぽんぽんはねさせる。同時に足元に青い魔方陣が表れる。 「いきなり何を始める!決闘中だぞ!」 「言われなくても!」 剣玉を掲げるジーニアス! 「アクアエッジ!」 ジーニアスの剣玉から水が出る。その水が高速回転し、ワルキューレが真っ二つになり、それぞれ動かなくなる。 「何ッ!」 「魔法だ!」 「魔法が使える平民!?」 「おい、水が来るぞ」 「逃げろォォォォォォ!」 野次を飛ばしていた野次馬の方に水が飛んでいく。 「なっ、お前、平民だろ?…どういうことだ!くそっ!生意気だぞ!」 残った八体のワルキューレが現われる。全てスピアを装備している。 「生意気でいいさ!」 またも剣玉をはねさせる。今度は黄色の魔方陣。 サンダーブレードが二つのワルキューレを一刀両断。ギーシュの真ん前まで帯電。 「もう遅いわッ!既にキサマをワルキューレは囲んでいる!」 「ふーん…ふふふ」 「何が可笑しい平民!キサマをこれから串刺しにしてやるのだぞ!ええい、行けェ!」 一斉にジーニアスに突撃するワルキューレ。 ジーニアスは屈み、跳ね上がる。するとどうだろう。全てのワルキューレがお互い突き刺さってしまった。 「一応これも倒さないとね」 中央から出てきたジーニアスは全てのワルキューレをまとめてロックブレイクで砕いてしまった。 「さぁ、次は君だよ」 「く、来るな!」 そういったときには既に術は完成していた。 「水に飲まれろっ!スプレッド!」 大量の水がギーシュを囲んでしまい、全くギーシュの様子がわからない。 水が無くなった時には、既にギーシュは酸欠状態。呼吸が整っていない。杖は近くに落ちている。 「ぼ、僕の、負け…だ…許してくれ…」 少しずつ杖のほうににじり寄る。それを察したジーニアスは、 「アクアエッジ。」 「う、うわぁぁぁっぁ!」 水はギーシュの髪をバッサリと切り落とし、地面に落ちていた杖を真っ二つにしていた。 「へ、平民の勝利だ!」 「ありえねぇ!」 「なんてこった!」 「大損だ…ギーシュの野郎…」 ジーニアスは歩き出した。 「フルーツポンチ作りに行こう。」 ゼロのマジックユーザー第三話 完! ジーニアス ギーシュを倒した。その後食堂でフルーツポンチを食べてTP回復。 でも食べ過ぎて腹を壊して再起不能 ギーシュ 水を飲みすぎて腹を壊す、地面に落ちて全身打撲、 ついでに髪をバッサリ切られて軽くうつ病。 再起不能 ルイズ 寝てた。 シエスタ ジーニアスに大量のフルーツポンチを出して腹を壊させた張本人。 罪悪感にのまれる。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/133.html
決闘! 青銅vs白金 ヴェストリ広場。普段人気のないこの場所は、噂を聞いた生徒であふれ返っていた。 「諸君! 決闘だ!」 ギーシュが薔薇の造花を掲げ、歓声が上がる。 しかしそんな中、ルイズは不安げに黙りこくっていた。 承太郎は無言でギーシュを睨みつけている。平民が、貴族に勝てる訳ないのに。 「逃げずに来た事は褒めてやろうじゃないか」 「…………」 「フンッ、無愛想な奴だな、まあいい、始めるか」 ギーシュがそう言った瞬間、 承太郎は両手をポケットに突っ込んだまま無防備に歩き出した。 (あの馬鹿! 殺されるつもり!?) ルイズは心の中で叫ぶ。 承太郎がギーシュに殴りかかる前に、二人の間に飛び出して止めるべきだろうか。 貴族であり承太郎のご主人様である自分が謝ればギーシュも許してくれるかもしれない。 しかし無情にもギーシュは薔薇の造花を振った。 花びらが宙を舞い、甲冑を着た女戦士の人形が現れた。 身長は人間と同程度、硬い金属製らしく淡い陽光を受けてきらめいている。 「ほう……それが魔法ってやつか」 「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね?」 「…………」 「言い忘れたな。僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。 従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手をするよ」 ワルキューレと呼ばれた甲冑騎士が承太郎に向かって突進し拳を繰り出す。 その右拳が、ブウンと大きく空を切った。承太郎がサイドステップで回避したのだ。 「ほう、平民のくせになかなかいい動きをするじゃないか」 己の優勢は変わらないとばかりに、ギーシュはワルキューレを操る。 右手、左手、右手、左手、次々と拳を連打する。その一発一発の迫力を見て観客は歓声を上げる。 あんなの一発でも喰らったらお陀仏だ。 一発でも喰らったら。 右手、左手、右手、左手、次々と拳は空振りする。 ようやくギーシュは事態を飲み込みだす。拳が、全然、ちっとも、当たらない!? 「所詮、青銅は青銅か」 承太郎が呆れたように言う。 野次馬達がざわめき出し、ギーシュは承太郎を睨みつける。睨み返される。 「同じ騎士でも……俺の知る『銀』の騎士はもっと素早かったぜ」 「な、何だと!?」 「扇風機みてえにブンブン振り回すだけなら生身で避けられるぜ。 青銅のギーシュとか言ったな……だったら覚えとけ! てめーが『青銅』なら! 俺は『白金』だァー!!」 「黙れー!」 ワルキューレが拳を振り上げ、思いっきり承太郎に殴りかかる。 またしても避けられるかと思った一撃を前に、承太郎は動かない。 その光景に多くの生徒は困惑し、一部の生徒は興奮し、ギーシュは勝利を確信した。 ルイズは顔面蒼白になって唇を震わせ――承太郎の姿がかげろうのように一瞬歪み――。 「や、やめ……」 大気が震えるほどの轟音が響き、腹部を陥没させたワルキューレがほぼ垂直に宙へ舞った。 上昇し、そして落下するワルキューレの軌跡を全員の視線が追う。 無残にも、ワルキューレは地面に激突し動かなくなった。 何が、起きたのか、ギーシュも、ルイズも、誰も理解できなかった。 気がついたらワルキューレがいきなり吹っ飛ばされていた。 ルイズは慌てて承太郎を見る。両手はポケットに突っ込んだままだ。 だったら、膝で蹴った? 膝であのワルキューレの甲冑をへこませた? 馬鹿な、貴族とか平民とか関係なく、人間の力では無理だ。 そう、拳だろうと膝だろうと、素手の人間にあんな真似はできない! 「何を……した?」 ギーシュが問う。その表情には困惑と、焦りの色が浮かんでいた。 一方承太郎は無言にして平然。ギーシュを真っ直ぐに睨んでいる。 「何をしたと聞いているんだ! 平民!」 「さあな……自分で考えろ」 承太郎が一歩前に踏み出す。その足音が、重い。まるで腹に響くようだ。 ギーシュは直感的に危機を感じ、再び薔薇の造花を振るう。 花びらが舞って新たに六体のゴーレムが現れた。 全部で七体のゴーレムを操るのがギーシュの能力。 野次馬の生徒達はギーシュが本気を出した事に驚いた。 「ほう、一度に複数の騎士を操れるのか。たいしたもんだ」 「かかれぇー!」 一体のワルキューレを盾代わりに自分の側に置いたギーシュは、 残りの五体をいっせいに承太郎へ向けて飛びかからせた。 ギーシュは承太郎が何をしたのか見極めようと、承太郎の動きを観察する。 ワルキューレが迫る、承太郎は両手をポケットに突っ込んだまま悠然と歩いている。 ワルキューレが殴りかかる、承太郎はポケットに手を突っ込んだまま。 いや! 違う! ギーシュは目を見開いた。 承太郎の右手が一瞬だけ飛び出し、ワルキューレの頭をひしゃげさせた。 しかし承太郎は右手をポケットに入れたままだ。 「何だ! 何をしたんだ!?」 承太郎は右手をポケットにしまったまま、右手でワルキューレを殴り飛ばしたのだ。 ありえない光景にギーシュの頭は混乱する。 新たなワルキューレが承太郎に掴みかかろうとして、今度は左の肘で胸元を打たれる。 続いて手刀がワルキューレの右肩から胸までを引き裂くように陥没させる。 先程同様、承太郎は左手をポケットから出していない。 その異様な光景に周囲の生徒達がざわめき出した。 「あの平民、何をしたんだ?」 「手が増えたように……見えたような……」 「ま、まさか魔法を使ったのか!?」 「よく見ろ! 奴は杖を持っていないじゃないか! 魔法なんて使えるはず……」 「い、いや、ギーシュの薔薇みたいな、小さな杖を隠し持ってるのかも」 生徒達の騒ぎ声を承太郎はしっかりと聞いていて、ようやくポケットから手を出した。 「……やれやれだぜ」 帽子のつばをつまんで、わずかに下ろす。 「こ、答えろ! 貴様、まさかメイジなのか!?」 ギーシュが怒鳴り、二体のワルキューレを承太郎の左右に配置する。 残る一体は位置を動かさず己の警護につけたままだ。 「どうやら見えているらしいな。 てめーが『メイジ』だからか、それとも『この世界の人間』は全員見えるのか……」 「見えて……? 何の話だ! さっきから僕のワルキューレを殴っている『それ』はいったい何だ!?」 「俺はてめーら貴族が気に入らねぇ。だから親切に教えてやる理由はねーぜ。 俺の能力の正体より……自分の身の安全を心配するんだな……」 「わ、ワルキューレ!」 ギーシュが薔薇を振る。 先程まで素手で殴りかかっていたワルキューレが、地面から錬金されたスピアを装備した。 「へ、平民が、貴族に逆らうなんて……あってたまるものか~ッ!」 悲鳴のように叫んだ直後、二体のワルキューレが左右から同時にスピアを突き出す。 「スローすぎてあくびが出るぜ。俺を倒したかったらこんなすっとろい奴を二匹出すんじゃなく……。 残像で何人にも見えるような超スピードで動きッ! 凄まじいスピードと優れた剣さばきのッ! シルバーチャリオッツみてーなゴーレムを作るんだなーッ!!」 承太郎はスピアが刺さる直前に地を蹴って飛び上がり、空中で上下回転し両手を伸ばす。 その手はスピアの直前で止まり、そこからさらに異なる腕が伸び! スピアを掴んだ! 「オラァーッ!」 ワルキューレを殴り飛ばすほどの腕力で掴んだスピアを、承太郎はそれぞれ内側に引っ張る。 すなわち挟み撃ちをしてきた左右のワルキューレがお互いの腹部をスピアで貫くという、 同士討ちの形にして倒し――承太郎は軽やかに二体の残骸を背に地面へ着地した。 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ 鋭い双眸が睨むのは、最後の一体のワルキューレの影に隠れる青銅のギーシュ。 「くっ、くく、来るな、来るなぁっ!」 ギーシュは半狂乱になって叫んだ。否定した、拒絶した。 まさか、こいつは平民のはずだ。なのになんだ。魔法が使えるなんて反則だ。 でもこんな魔法は見た事がない。系統は何だ!? 火? 水? 風? 土? それとも……それとも、先住魔法だとでもいうのか!? あるいは、失われた……伝説の……。 混乱しながらも最後のワルキューレをけしかける。 スピアを持って一直線に承太郎へ向かって突進する。 その重量感、速度、物理的な破壊力は十分のはずだった。 承太郎はそのスピアの先端を、左手から出した左手で掴んでワルキューレの重量すべてを受け止めた。 そして、右手から出した右手でワルキューレの腹部を殴る。 「オオオラァッ!」 拳がワルキューレの腹部を貫通したと思った直後、かげろうのようにもうひとつの右腕は消えた。 粉砕されたワルキューレの装甲の破片が飛び、ギーシュの指をかすめて薔薇の造花を弾き飛ばす。 ――杖を落とされたら負け。それが決闘のルール。 だが空条承太郎はそんなルールをご存知ない! 構わずギーシュに向かって前進する。 彼が一歩踏み出すごとに地響きが起きているような錯覚をギーシュは覚え、 恐ろしさに後ずさりをした時にはもう、承太郎は彼の眼前に立って見下ろしていた。 「ひっ……ま、参っ……」 「オラァッ!」 承太郎はスタンドを使わず、生身の拳でギーシュの鼻っ柱を叩いた。 大仰に転倒したギーシュは、鼻からボタボタと血をこぼし、涙目になっている。 以前の承太郎なら、ここからさらに追い討ちをかけ必要以上にぶちのめすところだが、 ここがアウェイだという事実と、仲間との旅で成長し多少丸くなった性格がそれを押し留めた。 「立ちなッ! ぶっ倒れてるところ悪いが……てめーにはまだ『用』がある」 威圧感たっぷりの声を聞き、ギーシュは震え上がった。 まさに一目瞭然! この勝負、使い魔平民承太郎、彼の完全勝利である。 その光景にもちろん野次馬一同驚愕した。 キュルケはすっかり興奮し、熱のこもった視線を承太郎に向けている。 無関心に思えたタバサも、承太郎がワルキューレを一体倒したあたりから異変に気づき、 冷静に承太郎の動きを観察し、決着が着く瞬間まで承太郎から視線を離さなかった。 ルイズは、混乱していた。 承太郎の腕から出てきた異なる腕。 あれは魔法? ジョータローはメイジ? 魔法だとしたら系統は何? 私の使い魔は何者? ギーシュを倒した。ドットクラスとはいえ、メイジを倒した。圧倒的な力の差を見せつけて! ――私は、いったい何を、誰を召喚してしまったの? 自分が今、何をすべきか解らない。 勝利した使い魔を褒めればいい? 貴族を傷つけた使い魔を叱ればいい? むしろ――自分が彼をどうこうする資格などあるのだろうか。 私はご主人様、けれど魔法が使えない。 彼は使い魔、けれど魔法らしき不思議な力を使える。 野次馬達が上げる歓声が、やけに遠くに聞こえた……。 戻る 目次 続く
https://w.atwiki.jp/rekoreko/pages/26.html
わ ワルキューレ(ワルキューレ) 荒らしがきたときに荒らしを制圧する作戦のことである。 ワルキューレ発動例 エ○バ暴走時。 小山○久→問答無用。 メンヘラ、小文字、スイーツ→状況をみて。 星の○金→薬物常用のため症状が悪化したとき。 上記のような場合にワルキューレは発動する。 注※この作戦は王冠を持っている者に判断は任される