約 3,392,831 件
https://w.atwiki.jp/rokku1/pages/32.html
ゲームコード CRRJ 8EE914D0 プレイタイム000 00 020FA268 00000000 プレイタイム999 59 020FA268 0CDFE5FF ZENNY999999 020F3394 000F423F ロックマンの基本HP最大値MAX(1000)※1 120F3428 00002D00 [SELECT]ボタンでバトルカード全開 94000130 FFFB0000 C0000000 0000018D 220F2D54 00000063 DC000000 00000004 D2000000 00000000 D0000000 00000000 カードボックス開くとバトルカード全開 0202ABEC 47184B00 0202ABF0 02000041 E2000040 00000010 0B800400 23631810 79007103 46C04770 ライブラリ全開 120F6B74 00003E0F E20F6B5C 00000018 FFFFFFFE FFFFFFFF FFFFFFFF FFFFFFFF FFFFFFFF FFFFFFFF サブカード全て99枚 020F3418 63636363 120F341C 00006363 [SELECT]ボタンでアビリティ全開 94000130 FFFB0000 C0000000 0000015D 220F3432 00000009 DC000000 00000002 D2000000 00000000 D0000000 00000000 アビリティ画面開くとアビリティ全開 0202B198 47084900 0202B19C 02000051 02000050 18100BC0 02000054 70812109 02000058 47707880 ウォーロック装備全開 C0000000 00000015 220F3401 00000001 DC000000 00000001 D2000000 00000000 ランダムエンカウントなし 120F9DEC 00000000 [L+↓]ボタンで即エンカウント※2 94000130 FD7F0000 120F9DEC 0000FFFF D0000000 00000000 バトル関連 ロックマンHPへらない E2000000 00000018 5A5321F6 525321F4 1EDA5E51 46C01E5B 47004800 02133B69 52133B5C 588A492B 02133B60 47084900 02133B64 02000001 D0000000 00000000 カスタムゲージ即満タン 5213F578 03802001 1213F57C 00006020 D0000000 00000000 バトル中[Y]ボタンで敵HP0 E2000020 00000018 200021F4 5E515250 320C1C1A 47004800 02133CD5 46C046C0 94000136 FFFD0000 52133CC8 90001980 02133CCC 47084900 02133CD0 02000021 D2000000 00000000 ロックマン無敵 E2000060 00000020 58210080 305E1C08 45024A04 22FFD102 46C08002 47104A00 02138B15 02188D46 52138B08 20438008 02138B0C 47084900 02138B10 02000061 D0000000 00000000 ※1 アビリティセットで増加する前の基本HPがMAXになります。 ※2 エンカウントしない場合は[L]ボタンをホールドし、ウォーロックのメッセージがながれ終わったらホールドしたまま[↓]ボタンを押して下さい キズナリョクMAX(1900)※セーブ非対応 120F39B8 0000076C 1202D086 000046C0 ※セーブデータには反映されません。このコードを使用した状態で本来のキズナリョクを 超えてアビリティを装備した場合、以降このコードを使用しないでゲームを始めるとアビリティ 装備超過の警告メッセージが表示され、強制的にアビリティ画面へ飛ばされるため、 常にこのコードを使用する必要があります。 キズナリョク9999※セーブ非対応 12027FC8 0000270F 120F39B8 0000270F 1202D086 000046C0 ※セーブデータには反映されません。このコードを使用した状態で本来のキズナリョクを 超えてアビリティを装備した場合、以降このコードを使用しないでゲームを始めるとアビリティ 装備超過の警告メッセージが表示され、強制的にアビリティ画面へ飛ばされるため、 常にこのコードを使用する必要があります。
https://w.atwiki.jp/vip_rockman/pages/11.html
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/06(金) 02 47 00.39 ID QKVImtFz0 ――北極。 流氷がところ狭しと並ぶ、北極の海。 エックスを含むイレギュラーハンターの精鋭が、機種の違うハチ型のヘリに揺られ海上を突き進む。 「表体感覚は無いが、見てるだけで寒そうな光景だ……」 ヘリ内のハンターの一人がボディを震わせ、ぽつりと言った。 「第13極地部隊か……この悪条件で戦い続ける奴等だ。相当な腕なんだろうな」 右隣のハンターが、感慨深げに呟く。 ヘリに搭乗しているハンターはパイロットを除き7名。 エックスは無感情にハンター等を眺める、弧を描く視線が最後の一人とぶつかった。 報告してきた少女だ。 視線が合った瞬間少女は、すぐさま逸らす。少女の表情には、疲れと居たたまれなさが浮かび、冷たい北極の光景がそれを映えさせた。 「到着まで、2分」 電子音を声色とするパイロットの警告が、待機スペースに鳴り響く。 その声に触発されたハンター達は身を引き締め、これから起こるであろう戦闘に心を向けた。 エックスだけは、違った意味での決意に表情が歪む。 「アイちゃん……大丈夫だよね」 「――あなたが大丈夫ですか?」 他のハンターは聞こえなかったようだが、少女は聞きとがめたらしく、険しい表情でエックスを睨んだ。 エックスはそれを無視し、外へと、極地基地に居るであろう仲間に思いを巡らす。 「到着まで、一分。各自、降下準備」 ハンター、少女、そしてエックス。 パイロットだけがなんの感情も思惑も無く、淡々と告げた。 ハチ型ヘリはイレギュラーの基地、極地基地の上空に迫る。 「――スタンバイ」 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/06(金) 03 27 00.27 ID QKVImtFz0 エックスが降り立つ予定である極地基地。 そのドーム中央に、一つの私室が築きあげらていた。 「む……む……駄目だ、これ」 質素なその部屋で、小柄な少女が正面に鎮座する氷と格闘している。 「やっぱり……難しい……もっと良い氷……どっかにないかな……」 世界樹を模した氷の陶芸を眺め、少女が首を振って嘆息した。 ドームの天窓から差す陽光が、少女の白い面と樹を模した氷を照らす。 「ユグドラシル……我が手に……失敗……残念だな」 傍目から見れば、非の打つところが無い芸術の塊に見えるのだが、少女はお気に召さなかったらしい。 「へんしーん……ペンギン……ボディ……」 少女は、これもまた小さな腕を後頭部にかけ、メットを引き下ろした。 ペンギン型の頭部。彼女こそが元第13極地部隊の特A級ハンター、アイシー・ペンギーゴ。 「ショットガン……アイス……ババんと……」 メットに生えた嘴が、ペンギーゴの声に呼応して開かれる。 圧縮する空気の音。――嘴の中には、銃口ととれるものが備えられていた。 銃口は、今しがたまで作成されいた世界樹に―― 巨大な氷の芸術は、不思議な射出音と同時にバラバラとなって砕けた。 「芸術は……爆発……。火は……嫌いだけどね……」 キラキラと舞う氷の破片を視界に捕らえ続け、ペンギーゴは満足そうに頷く。 満足し、新たな陶芸をしようかと思案したペンギーゴに、音声だけの通信が入った。 「……何か? ……残念……わたし……多忙」 ペンギーゴは面倒臭そうに、それを受信する。 「黙るんだぁぁぁぁぁ!! 馬鹿ペンギン、オデは何度も通信したぁ!! なんで、通信にでねぇ!?」 通信先から、火山の噴火を思わす怒声が貫いた。直ぐにその声の主が解り、ペンギーゴは顔をしかめる。 89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/06(金) 03 29 01.54 ID QKVImtFz0 「なんだ……ハゲ……ゾウ……か。切るよ……」 本当に嫌なのか、渋い顔したままペンギーゴは通信を切ろうとした。 「おめぇ、おでをなめてるなぁ!? もう許さねぇ!! 絶対に丸焼きだ!! 全焼!! 全焼させてやるぞおおお!!」 それを挑発と取った声の主は、更に声を荒げ、怒涛の勢いで怒鳴りつける。 「やかましい……みみ……痛いよ」 ペンギーゴは両耳を押さ、怒声に耐えた。 「丸焼きだ!! ペンギン型のレプリロイドは、まだ燃やした事がねぇ!! 必ず燃やしてやるぞぉおおおお!!」 「うるさい……戦闘狂……。用件を……はやく……言え……」 話が進ま上に鼓膜が破れそうになるので、ペンギーゴは仕方なく用件を促した。 「ゾウの……性癖は……理解……したよ? 早く……言って……ついでに……死んで。みんな……幸せに……なる」 「お、おう!! そうだった!! ボスからの伝言が、オマエにあったんだ!!」 声は怒りから、反転。最初の用件に気付き、大声を出すのを止める。 「…………んー?」 「イレギュラーハンターが、オマエが居る基地に向かってるそうだぁ!! オデは、ボスにペンギンに警告するように言われたぁ!!」 大音量の報告と同時に、基地外部に設置された侵入者用の警報機が作動。 ――ヘリコプターが、接近しているとの表示だった。 「……おせぇ。本当に……役に立たない……ゾウ」 ペンギーゴはため息を吐き、無線の隣に設置されたマイクで基地内部に警戒するよう命を下す。 「ああん!!?? なんか言ったかぁ、おめぇ!!!!! オデを馬鹿にしたのは解ったぞぉおおおお!!」 「切る……ね……。早めに………永眠する事を……お勧めするよ。氷の価値は……お前の……体重より……重い……」 言いざま、ペンギーゴは騒音を断ち切った。 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/06(金) 04 25 14.18 ID QKVImtFz0 空高くホバリングするヘリから、次々に降下するハンター達。 中央に基地が位置する氷原に、エックス達は降り立った。 「いよいよ、か。油断一つで命が無くなる。基地のボスが、元特Aハンターだった事を忘れるなよ!」 ハンターの隊長格であるレプリロイドが、先んじて前進する。それに追随する残りのハンター。 エックスは遅れて、自分の足取りで基地へと向かった。 基地へと向かう道中。 距離にして半分という所で、隊長が待ったをかけた。 「……隊長? どうかしましたか?」 ハンターの一人が尋ねる。しかし、隊長は微動だにせず待機し続けた。 「隊長?」 「しっ! ……何か音が」 ハンターの隊長、聴覚レベルを上げ、周囲の音を拾おうとする。 「これは……?」 隊長がその〝音〟を発生させる存在に気付く前に、エックスは舌打ちして後ろに跳び退がった。 ――次の瞬間、ハンター達が固まっていた場所へ大量のエネルギー弾が強襲する。 事態に着いていけないハンターの一人が弾丸の嵐に晒され、頭部と内包した回路をばら撒きながら絶命した。 右隣のハンターも反応できずにエネルギーの直撃を受け、隣の同僚と同じ運命を辿っう。 他のハンターも、腕やら肩に着弾し、うめき声を上げながら吹き飛んだ。 「こいつら……!」 エックスの反応より若干遅れて、横手の氷壁に逃げ込んだ隊長が悔しげに呻いた。 生き残ったハンター達の視線の先には、スケートブーツと軍用のエネルギー短機関銃を装備したレプリロイド達が滑りながらこちらに迫る。 緩やかながら、精細を放つ滑りをしながら肉薄する敵はどこかユーモアを誘った。 音というのは、ブーツに備えられたエッジが氷を削る音だったのだ。 敵のスケートを、悠然と見てる必要は無い―― 手にした短機関銃を放ちながら、高速で移動するイレギュラーへ、エックスは無造作にバスターを放つ。 97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/06(金) 04 32 56.34 ID QKVImtFz0 バスターは氷雪仕様レプリロイドの脚部に着弾し、もんどり打った。彼は立ち上がる事無く、続くバスターに打ち抜かれる。 お互いの間合いまで、急接近するイレギュラー。 イレギュラー達は危険も省みず、至近距離で引き金を引きまくった。大きく広がる弾幕が、エックスの目前に迫る。 エックスは横に飛んでそれを回避し、身体を宙に投げながら射撃した。 三度放たれたバスターは、イレギュラーの胸部に炸裂。後ろに吹き飛びながら爆発し、氷原を赤く染める。 二発目、三発目はその周囲にいたイレギュラーを貫き、まとめて爆散へと導いた。 その横手のイレギュラーが短機関銃を捨て、腰から肉厚のあるブレードを引き抜く。 バスターを放った体制であるエックスに接近し、手にあるブレードを横に薙いだ。 エックスは首をかしげ、それを回避。 お返しに、たたらを踏んだイレギュラーの頭部にバスターを浴びせる。メットを被った頭部が消失し、首から下が地面に倒れた。 今のが最後のイレギュラーだったらしく、他に攻撃を仕掛けてくる者は居なくなった。 「クソッ……! 基地に着く前にこれほどの被害を出すとはな」 罵声を吐く隊長の足元には、襲撃によって破壊されたハンター達が氷の上に沈んでいる。 「破損した奴も加味すると、これ以上の進撃は無謀すぎるな」 隊長は項垂れ、仲間の死体の傍に座り込んだ。 その横で震える少女のハンターは、幸運に無傷だったらしい。 前にある悲劇。――だが、エックスは仲間の死に、どこか無頓着だった。 ……シラナイ、アイテだから? AIを貫いた声に、エックスは忌々しいとばかりに頭を振り、その声を打ち消す。 「あなた方は、待機していれば良い。ボクは、基地に向かいます」 「……何だと? 正気か、エックス」 「ちょっとした私用があるんです。行っても?」 目線を上げ、少年の顔を見つめる隊長は信じられないという顔をした。 「自殺行為だ」 あまりの無謀さに笑うしかない――隊長の口元は、極限状態故か笑みに象る。 「……では、失礼」 隊長の笑みを気にせず、エックスは短く言い放って基地へと向かった。 100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/06(金) 04 48 05.23 ID QKVImtFz0 「氷は……世界に……存在するもので……一番……美しい……」 ペンギーゴは私室を埋める氷を一つ一つずつ手に取り、どこか寂寥を感じる視線を送る。 「……でも……同じく……美しいものを……知ってしまった……」 小さな手に握られる氷が、突如砕けた。ダイヤモンドの破片を思わせる氷の欠片が、花火のように散る。 「それは……生きる……者の…………」 常時、暗く沈んでいるペンギーゴの顔が歪んだ。 「………死」 その顔は、VAVAなどが持つ狂気の笑み。行き着くところに行き着いてしまった、異端の笑顔。 「……だから、美しき死を美しい氷の棺で閉じ込める」 ペンギーゴの頬が上気し、青く澄んだ瞳が興奮に揺れる。 「……これが、わたしの芸術。芸術への探究心の果て……」 彼女は、両手を陽光が眩しい天井に掲げた。祈るように。――何かに、祈るように。 「これは、わたしの中にあるバグ? 狂気? 解らないけど……」 自問しながら、ペンギーゴは小首を傾げる。 「エックスの死が……私は欲しいな………」 監視カメラに映る、青く優しいレプリロイドに微笑んだ。 157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/06(金) 14 03 26.27 ID QKVImtFz0 外部と極地基地を繋ぐ巨大なゲート。 エックスは警戒もせず歩み寄り、ゲートに向けバスターを突き出した。 「大丈夫……きっと、大丈夫」 呟き、バスターに力を込めた。拡散、そして収束する光の粒子。 バスターのエネルギーは最大まで溜められ――エックスが放つ。 太陽エネルギーから作られた、強力なチャージショットはゲートに着弾。一瞬、空間全体が歪められ、射線上の全ての物を破砕させた。 巨大なゲートに巨大な風穴が開き、基地内部に侵入するルートを確保する。 エックスは一人頷き、穴から基地へと進む。 雪と同じ色をした、廊下が続く基地内部。 エックスはゆっくりと前進し、基地の中に存在するドームへ。 しかし、当然ながら、敵もエックスを只では進ませないようだ。 「ボクは、アイちゃんに用があるんです……。邪魔しないで」 不機嫌な顔をするエックスに、盾と拳銃で武装した数名のレプリロイドが立ちはだかった。 一番前に位置したイレギュラーが警告もせず、突進。 ジョーシリーズの恩恵を受けた強化盾ごとエックスに体当たりし、青いボディを吹き飛ばそうとする。 エックスは、体当たりの寸前に射撃。全てを跳ね返すはずの盾を紙のように引き裂き、イレギュラーのボディにも着弾した。 解体しながら舞うジョーを尻目に、エックスは後ろに居たイレギュラー達に疾走する。 放たれるバスター。同じく、ジョー達は太陽エネルギーに蹂躙された。 突き進みながら、銃撃するエックス。その突進を止める事が出来ずに、破壊されるイレギュラー達。 「どい、てっ!!」 盾で防御しながら、エネルギー弾を放つジョーの頭部が消失する。 消去されたジョーの後方にいたイレギュラーが壁を蹴り、エックスの死角まで飛び上がると同時に盾による殴打を放った。 鈍い風を纏った一撃はエックスの頭部に向かったが、到達する前にジョーの方が吹き飛び、身近な壁へと激突する。 エックスの鋭い回し蹴りが、それを成したのだ。 158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/06(金) 14 22 58.26 ID QKVImtFz0 「邪魔をしないで下さい!! ボクは、アイちゃんと話し合いがしたいだけなのに!」 エックスの叫びが、続いて向かってくるイレギュラーのメットにぶつかる。だが、ジョーの進行は止まらない。 意図せず、どうしてと声が漏れる。 エックスはやりきれない思いに苦悩しつつ、バスターを放ち続けた。 ――前進しながらの攻防。 どのくらい戦ったのだろうか。真っ白だった廊下は大量の弾痕と撒き散らされたオイル、そしてイレギュラーの死体で汚れていた。 隊長の私室、作戦司令室を設えたドームへ向かう長い廊下も、終わりが近づいている。 これまでに談話室や通信室、娯楽室などの軍事基地によくある設備を見かけたが、どれもエックスの興味を誘うものは無かった。 同僚と過ごした過去への残滓か――エックスの瞳には、ドームへの扉しか映らない。 回転式ハッチが付けられた、鋼鉄の扉が開かれる。 一気にひらける視界。 スケートリンク場を思わせる広さを兼ね備えた、アイシー・ペンギーゴの部屋が現れた。 「アイちゃん……?」 エックスはどこか怯えるように、彼女の名を呼んだ。 「……よくきたね」 子供のように小さくなったに見えるエックスに、暗く沈んだ声がかけられる。 だが、その声と懐かしさ、そして続いて現れたペンギーゴの姿にエックスは涙が出そうになった。 「ア、アイちゃん……ボクね」 滲み出た涙を気丈に拳で拭き、エックスは自分の目的を伝えようとした。 「……良い……手際だけど……それは……ここまで」 駆け寄るエックスをペンギーゴの言葉が打ち抜く。 エックスはギョッとした表情をし、歩むのを止めざるおえなかった。 「ア、イ……ちゃ……ん」 「この基地を……やすやすと……あけわたす……わけには………いかないよ?」 『元第13極地部隊所属特A級ハンター、アイシー・ペンギーゴを確認』 160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/06(金) 14 42 35.92 ID QKVImtFz0 「えーと……な、なんて、呼べばいいかな?」 「…………は?」 「な、名前だよ、名前」 「言ってる……意味が……いっさい……解らない……」 「だ、だって仲間でしょ? その、あの、仲良く……したい……したくないかな?」 「メンテ……受けたら? AIに……問題が……あるよ…………」 「…………どうして?」 「……ど、どうしてって、危なかったからだよ。あんな砲火の下で、無茶な……」 「かばう……意味が……解らない……わたし……寒冷地用。――装甲……おまえより……分厚いよ?」 「うぅー、解ってたけどさぁ……」 「だったら……なんで……」 「気付いたら、飛び出してたの!! 女の子が、もう無茶な事しないで! うぅー」 「おん……な……の……こ?」 「おい…………なまえ……なんとでも……よべ」 「名前? あ、あぁ……。え!? ほんとに!?」 「…………お好きに」 「嬉しいな。んー……じゃぁ、ペンちゃん? 可愛くないかな?」 「…………死んで……しまえ……」 「ご、ごめんなさい!! えー、えー、えっと、えっと、何だろ。あ、あ、あ……アイちゃん。アイちゃんはどうかな?」 「理由……のべて……」 「り、理由!? えー、えーと、アイシーを略した……から?」 「…………略す……意味が……解らない。…………処刑」 「ごめんなさい!! ごめんなさい!! え、えっとね、えー、えーと。あ、愛らしいから?」 「……………………」 「す、すいません。 ご、ごめんなさい……ほんとにごめんね?」 「馬鹿…でしょ?……お前……。でも……でも……うん」 「……どうも……エックス」 167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/06(金) 15 47 30.77 ID QKVImtFz0 「アイちゃん……ボクは戦いに来たんじゃない!」 『無線の回路が故障していました。自動修復により、現在から使用可能』 私室の壇上に仁王立ちするペンギーゴが、ドームに降り立つ。 エックスは悲痛な声を上げながらも、身構えた。 暗く幼い少女の顔を覆うように、ペンギーゴのメットが下がる。 『アイシー・ペンギーゴの武装データが不十分です。氷塊を射出による遠距離攻撃が判明していますが、他は不明です』 「やめて! アイちゃん!!」 『様々な状況に対応できるよう、注意を怠らないで下さい』 エックスは叫ぶ。 そして、奇妙な音ともに氷の塊を打ち出された。 エックスは慌てて身を捻り、寸前で回避。 今しがた居た場所が、ショットガンアイスによって抉り取られる。 更にエックスは地に飛び込む形で横転して、続く氷塊を避ける。 ただの氷だが、亜音速に匹敵するスピード射出されれば、その存在は脅威だ。 避けつつも、一度立ち上がり、エックスは近くにあったドームの支柱を確認した。 頭の脇を凄まじい音を立てて氷が通過するのを無視し、支柱に逃げ込み、背にした。 「く………っ!! アイちゃん!!」 柱から少しだけ顔を出し、射撃するのを止めないペンギーゴを伺う。 直ぐに頭をひっこめるエックス。次の瞬間、支柱の端が砕け散った。 「どうして、ボク達が戦うのさ!?」 支柱から飛び出し、ドームを駆けるエックス。無論、戦術的に有利なポジションを探すのではなく、回避に専念してるだけだ。 走るエックスの足元を追うように、ショットガンアイスが列を成して炸裂する。 169 名前:Irregular`s Elegy[] 投稿日:2006/10/06(金) 16 08 57.36 ID QKVImtFz0 「どうしてなんだ! どうしてこんな事に!!」 エックスは真正面にある壁を蹴り、高みへと逃走。 だが、壁を蹴る動作が唐突に止まった。 エックスの頭上、ドームの天井に一抱えほどの胴回りを持つ氷柱が屹立している事に気付いたからだ。 ペンギーゴのメットから除く口元が笑みを浮かべる。 そして、彼女は地面を力いっぱい踏みしめた。 ドーム全体に響き渡る轟音。 まるでシャンデリアのような氷柱が、エックスに向かって死の抱擁をしてきた。 逃げ切れず巻き込まれ、氷柱と仲良く地面に叩きつけられた。 重量と衝撃に呻くエックス。それでも、身体に鞭打ち、立ち上がろうとする。 頑張りを賞賛したのは、宝石のような氷塊。立ち上がるエックスの腹部にぶち当たり、慣性の法則にしたがって壁へと吹き飛んだ。 『様々―状―況に対応―き―よう、注―を怠らな―で下―さい』 今ので無線が壊れたのか、咎めるような警告は途切れ途切れに受信された。 「ア、イ………ちゃん」 「戦わなきゃ…………死ぬよ? 良いの………?」 ペンギーゴが質問しながらも、ショットガンアイスを放つ。 エックスの目前に炸裂。外したと思いきや、着弾の瞬間に氷塊が爆散。散弾銃の要領で、5つ氷の破片がエックスに突き刺さった。 「どうして……さ……」 血まみれのエックスは掠れる声で、疑問を搾り出す。 「見て………エックス……」 それを答えるべく、ペンギーゴは地面をまた踏みしめた。 轟音。 しかし、今度は氷柱ではなく、ドーム中央に巨大な氷の塊が地面から突き出る。 「わたしの………芸術……」 見上げるエックス。 少年は、記念碑もしくは棺桶のような巨大な氷塊を見る。 173 名前:Irregular`s Elegy[] 投稿日:2006/10/06(金) 16 38 50.26 ID QKVImtFz0 「………………あ」 氷の墓石には、第13極地部隊の面々が封じ込められていた。 『生体―能は確認―きません。全―すでに―機能―止し―いま―』 「………………綺麗でしょ」 更に目を凝らすと、エックスと共に来たハンター達までもが氷墓の死者として眠っていた。 「待機して……たん……じゃ……なかったの?」 「エックスの……仲間……? エックスが……来るまで……暇……だったから。――だから……ね」 悪びれるふうも無く、ペンギーゴは淡々と告げた。 死者には、あの少女のハンターも含まれていた。 エックスはそれを見て、彼女の死よりもペンギーゴが、それを成した事が信じれなかった。 「こんな酷い事をするなんて……! アイちゃんじゃないよ!!」 「……そう……だね」 意外にも、エックスの言葉にペンギーゴは同意した。 「でも…………ね。エックスが………知ってるの……は……昔の………わたし」 ペンギーゴはエックスの襟首を掴むと、氷塊の墓石まで引きずる。 「今の………わたしは………エックスの………しらない………わたし」 自嘲するように呟き、倒れ伏すエックスの顔の前にしゃがみ込むと、自分の顔を近づけた。 「三年は…………長い………ね」 メットを引き上げた、ペンギーゴの瞳には暗く冷たい絶望が揺らめいていた。 「アイ……ちゃん?」 「…………生物の死が美しいなんて、知りたくなかった」 唐突に、ポツリと、本当に小さくポツリと呟いた。 「エックスと………会えなかった……三年間……」 呟きから、声色はどろどろとしたヘドロのように絡みつく声となる。 「薄汚い………腐臭のする……三年間……教えてあげる……」 174 名前:Irregular`s Elegy[] 投稿日:2006/10/06(金) 16 42 15.51 ID QKVImtFz0 ――辞令。唐突に、本部でのハンター作業からわたしは北極にある極地基地に異動された。 見送りにきたエックスが泣いていたのがいじらしい。変な子だけど、良い子だ。 「なんだ、このふざけたチビは」 「隊長、昨日着任した特Aハンターのアイシー・ペンギーゴであります」 「それで、このペンギンさんがこの基地に何の用なのだ」 「本部からの辞令だそうです。なんでも寒冷地用のレプリロイドである事から、我が基地の部隊で訓練するようにと」 「訓練? 特Aを? …………本部はいったい何を考えているんだ」 いつだって、わたしは馬鹿にされる。この身体の事。どうして、こうも意地悪されなきゃならないんだろうか。 「まぁ、我が部隊に入ったからには、私の指示は絶対服従だ。解ったな? ちゃぁんと訓練してやる」 下卑た顔。男はみんな意地悪だ。 ……でも男の子なのに優しいエックス。訓練が早く終わって、また会えないかな。 「役にたたねぇなぁ、このチビは」「もっとはっきり喋れ」「糞ペンギンが」「いい加減にしろ!」 「おまえ本当に特Aか? 役に立たないし、暗いし、チビ。俺がお前だったら死んじゃうね」 辛い。とても辛い。 頑張れると思ったのに、もう挫けそう……激しい訓練はもう嫌だ。彫刻の時間が欲しいな。 寒い。北極だからなんだろうけど。寒冷地用とはいえ、ここは寒いね。 心も…………寒いよ。 「なんだこの査定評価は。我が軍の中で最悪じゃないか」 「隊長、訓練Σを行ったほうが宜しいかと進言いたします」 「確かにな……よし、ペンギーゴ君。今日から訓練プログラムを変更、試験的な訓練に入ってもらう」 なに……を? 179 名前:Irregular`s Elegy[] 投稿日:2006/10/06(金) 16 51 53.24 ID QKVImtFz0 「よし、ペンギーゴ君。今から私の言う事を良く聞くんだよ」 何を?何を?何を?何を?何を?何を?何を?何を?何を?何を?何を?何を?何を?何を?何を? 何を?何を?何を?何を?何を?何を?何を?何を?何を?何を?何を?何を?何を?何を?何を? 何をするつもりだ……? 「………もう………やめて……ください……」 犯された。穢された。汚された。 氷とはかけ離れた、汚い存在に。薄汚く、他人を卑下する事しか出来ない存在に。 「今度は多人数での訓練を開始する」 ………わたしも薄汚いのか。 「いや………もう…………やだよ……」 頭の中の光景。私が好きだった氷が砕ける。私が好きだった彼が遠ざかる。 「自分で求める訓練も追加しよう」 ――あ、あ、あ……アイちゃん。アイちゃんはどうかな? ――え、えっとね、えー、えーと。あ、愛らしいから? 「………はい………どうか……」 ………………………………………………………わたしも薄汚いんだな。 「ごめんね…………エックス………」 185 名前:Irregular`s Elegy[] 投稿日:2006/10/06(金) 17 10 41.95 ID QKVImtFz0 ドロドロした白い粘液に包まれたわたし。 「……………いたい……」 ぬぐうのも億劫だ。いまさらだが、どうしてこんな貧相な身体を犯したのだろう。 「……貴様、こんな事をして……ただで済むとでも…おもっているのか」 ドーム状の作戦会議室で訓練――ただの輪姦だ。そのドームでわたしは中央に寝そべっている。 周りを見渡せば、剣山のように立ち並ぶ私の芸術。 何が起こったのか知らないけど、私は一瞬にして部隊を壊滅させたらしい。 「…………ひにく…………だね」 わたしが泣き叫ぶのが好きな、薄汚い連中。 だが、こうやって氷に詰め込むと、不思議とアート感が感じられた。 恐怖におののく最期の顔が、氷の表面で乱反射して、とっても綺麗。 「ペンギーゴォ……よくも………殺して、殺してやるからな。この私のこの屈辱……全て、お前に還してや――」 隊長はみなまで言う前に死んだ。その背中にビームブレイドが突き立っている。 「本部め………馬鹿な事を」 ブレイドが引き抜かれた。引き抜いた人物がわたしの前に立つ。 緑のボディスーツを着たレプリロイド……流れるような綺麗な金髪の女性だ。顔にペイントが施されてるのが印象的。 「……………………だれ?」 「全ての存在は、私の前で終わるのが定め。そういった存在だ」 普段なら、憎まれ口をたたくのだけど、このレプリロイドは何か不思議な感じがした。 懐かしい………? 189 名前:Irregular`s Elegy[] 投稿日:2006/10/06(金) 17 30 16.84 ID QKVImtFz0 「汚いものだろう? 醜いものだろう? 人間というやつは」 「…………レプリロイドも汚い……」 左にある氷柱――わたしを孕ませたいと言った、スクラップを見つめ吐き捨てた。 「レプリロイドのプログラムを設定したのは人間だ」 「…………だろう………ね。じゃあ……わたしもあんたも汚い……ことになる」 わたしは、どうやったってすでに薄汚いが。 「私はある計画を考えている。私は、レプリロイドだけの世界を作り上げたい」 そういって、緑のレプリロイドは言った。 「手を取りたまえ」 無骨だが、女性らしさもみえる腕をわたしに差し出した。 「お前は戻れるのか? 幸せだった頃に」 戻れないのだろう……。エックスに思いをよせたという、性格が暗いわたしに芽生えた淡い気持ち。 それは、人間等によって理由もなく散らされた。 「美しいものに向き合えるか?」 向き合えないのだろう……。わたしが好きだった氷。 あまりに美しくて、眩しくて、薄汚いわたしには向き合える勇気は無い。もう作品は完成させる事は出来ないのだろう。 「――復讐しよう。私達は、人間の道具、ましてや慰み者なのでは断じて無い」 復讐。 「もっとも、新世界が完成してもお前の心は晴れる事は無いのだろう。ならば、せめて――」 復讐。 「異端になれ」 198 名前:Irregular`s Elegy[] 投稿日:2006/10/06(金) 18 10 41.43 ID QKVImtFz0 「…わたしは………イレギュラー。常軌を………逸脱した……存在」 「あ………あ……あ……」 自分の知らないアイシー・ペンギーゴを作り上げた過去。 考え付かない、想像超えた最低の過去の吐露にエックスは吐き気を催した。 「戦おう……エックス。それ………しか……選択肢は……ないよ?」 「や、やだよ……」 ペンギーゴの周囲で白き冷気が回転し、凄まじい対流を起こす。 「エックスの事………好きだった…………ずっと……名前を呼んで……くれた時から」 『危険です。室内温度急低下しています。状況から判断――敵は銃口無しで氷塊を扱えると推測』 ドーム全体に氷塊が浮かぶ。多角的な射撃を可能にする事ができるイレギュラーが思いを告げた。 「…………アイちゃん……帰ろう? 一緒に帰ろう? 今度は必ず守ってあげる。ずっと傍で守ってあげる」 エックスはすがるように、傷だらけの両腕をペンギーゴに差し出した。 ペンギーゴはその腕を見つめ、泣きそうになりながらも首を横に振る。 エックスの普通な願いは、異端な思いに否定された。 「わたしは…………戻れない」 ――アイちゃんはどうかな? 「…………あ………アイちゃん……」 ――試験的な訓練に入ってもらう 「…………もう、戻れない!!」 ――あ、愛らしいから? 薄汚いこの世に『愛』なんてあるのだろうか? 「お前に……アイと………呼ばれる資格は―――無いんだ!!」 208 名前:Irregular`s Elegy[] 投稿日:2006/10/06(金) 19 13 51.41 ID QKVImtFz0 ペンギーゴの叫び。 それに呼応し、ドームに浮かぶ氷塊が次々に発射される。 鈍い音を立て。全てがエックスに着弾した。 『――ロック』 真っ黒な闇に声がする。夢なのか現実なのか。 『ロック――本当に良いの? これで本当に良いの?』 漆黒の中でエックスは頭を抱えた。 『あの娘をたすけてあげなくて、本当に良いの?』 エックスは逃げ出したくなった。どこにも出口が無いのは自分が一番解ってるいるのに。 『声を――あの娘の本当の声を聞いてあげて』 「………声?」 『ロックなら出来るよ、限りなく人間に近い心を持ったロックなら』 その声を聞き、エックスは意識を『何か』に集中した。 「これしか………答えが無いの?」 どのぐらい時間が経ったのか、妙な感覚がエックスを捉え。エックスは『本当の声』を知る。 『――それでしか、救えないんだよ』 <プログラム変更> 氷塊が山のように積まれたエックスの墓標。 その隙間から光の帯が溢れ出る。 「…………………何」 そして墓標は、莫大なエネルギーを持つ光に耐え切れず塵となった。 そこから、ふわりと舞い降りる青いボディのレプリロイド。 『<闘争心>と<慈愛心>のプログラムを抑止。<怒り>と<憎しみ>のプログラムを解除した』 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 14 25 30.48 ID aICqBPyB0 見知らぬ声が、無線から聞こえるがエックスは気にならない。 視線の先には、驚愕し硬直するペンギーゴの姿。 ――こんなのは、駄目。お願いエックス、私を止めて。 「アイちゃんの本当の声……」 数字やプログラムでは言い表す事のできない、何か。 限りなく不幸な事象を解決する、答え。 不幸が呼んだ悲しい異端の束縛からへの、救い。 エックスはバスターを、友人であったモノに向けた。 「あなたはアイちゃんなんかじゃない。あなたは――イレギュラーだ!!」 その言葉に、ペンギーゴがホッとしたように微笑んだ気がするのはエックスの感傷か。 それを考える暇は無い。 連続して、巨大になったショットガンアイスが打ち出された。 エックスは落ち着いて氷塊を撃ち抜き、氷を地へと還す。 ばらまかれる氷の破片を弾幕に、今度は槍の様な氷柱がペンギーゴから吐き出された。 白い帳を引き裂くようにして急接近する凶器。 「ペンギーゴ!!」 エックスは一声吼えるやいなや、氷柱をバスター自身ではたき落とす。 そして、ペンギーゴに数秒ほどチャージしたショットを放った。 球ではなく、楕円の形をしたエネルギー弾が小柄なボディに迫る。 ペンギーゴのボディは、その用途から愚鈍な設計にせざるおえない仕様になっている。 まさに光速のショットに、真正面から直撃を受けてしまった。 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 14 26 36.80 ID aICqBPyB0 胸に穴が空き、苦鳴をもらしながらもペンギーゴは地面を踏みしめる。 轟音。 「……………これで…………どうだ」 ペンギーゴを中心に、氷柱が次々に唸りをあげて屹立する。 エックスは針の床が完成する前に飛び上がり、バスターをがむしゃらに連射した。 真下付近に着弾する大量のエネルギー弾。 視界が消失するほど、小爆発が連続して起こり、氷柱はおろかドームの床まで陥没してみせた。 「…………やる…………ね」 ペンギーゴは着地するエックスに向け、ショットガンアイスを打ち出した。 忙しなく、横に跳ぶエックス。そして迫る氷塊に向け、光弾を発射。 両者がぶつかり、またも爆発。 しかし、ショットガンアイスは砕けるだけではない。5つに分散し、なおもエックスに氷の牙を剥いた。 ――打ち落とせる筈のエックスは牙が刺さるのを無視し、右腕のバスターをチャージした。 光の収束が点滅するほどアームに集まる。チャージは限界に達した。 そして、驚くペンギーゴに向けチャージショットを放つ。 ペンギーゴは慌てて、ペンギンを模した氷の盾を目前に作り出した。 ドームを揺らす大爆発。 定着していた氷柱が落下し、地面で四散する。 氷の墓場が爆発の余波を受け、破片を撒き散らしながら倒壊した。 目がくらむ光が収まり、視界が戻る。 出現する二人のレプリロイドの姿。 エックスはバスターを撃ち放った体勢で。 ペンギーゴは右肩を失い、膝を付く体勢で。 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 14 39 47.90 ID aICqBPyB0 「さすがハンター。……でも、勝負はついたよ?」 紫電を漏出する右肩を抑えながら、未だ闘志を燃やすペンギーゴの瞳を見て、エックスは言う。 「……まだだ。わたしの……悪夢は――」 同僚のVAVAと同じ狂笑を見せるペンギーゴ。 ――わたしを止めて。 「そう……」 エックスは顔色を変えず、バスターを再チャージした。 太陽の光が、エックスのアームに集まる。 「なにが……悪かったのか……」 バスターが光を吸収し、腕が唸りをあげる。 「どこで……間違ったのか……」 エックスは険しい顔を。ペンギーゴは微笑んで。 「もう……わからない……」 エックスは無表情に。ペンギーゴは悲しげに。 「エックス……あなたを……破壊……しようと……した……時点で……」 バスターに集まる光が点滅しだし、限界までチャージした事を告げる。 「わたしは……壊れていたのだろう……」 ――チャージショットは放たれた。 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 15 04 17.41 ID aICqBPyB0 『アイシー・ペンギーゴ、戦闘不能』 オペレーターの声を無視し、エックスは駆け出す。 最大までチャージされたショットはドームの壁すらも砕き、氷原への道を作り出していた。 「アイちゃん………!」 氷の草原まで投げ出されたペンギーゴに、駆け寄るエックス。 左右の小さな脚が無残にもがれ、腹部に巨大な口腔が開き、赤い臓腑を吐き出して貫通していた。 「……エ……エック……ス……」 半壊したメットの下で、ペンギーゴの幼い顔がエックスの名を呼んだ。 「……あ………あ……り…あり……がとう……」 唇が放ったのは、礼だった。 「どんな……ことが……あっても……エックスと……戦う……つもり……なんて……」 これも小さな瞳に涙を溜めて、ペンギーゴは呟いた。 「アイちゃん!」 エックスが耐え切れず叫ぶ。 「なんで……かな……」 「やだぁ……やだよぉ……アイちゃん!!」 首を何度も振り、エックスは駄々をこねるように叫び続ける。 「ただ……わたし……エックス……と……」 「アイちゃん!? やだ……! ねぇ、アイちゃん!!」 ブルーの瞳には曇りをおび、損傷部分の紫電や火花も小さくなっていった。 「エックス………ごめん……ね……? ごめん……」 「アイちゃん!!」 瞳から一筋だけ涙がこぼれるのを境に、ペンギーゴは全ての動作を停止する。 『アイシー・ペンギーゴ撃破。お疲れ様です』 ペンギーゴの身体から〝小さなチップ〟が落ち、極地基地での戦闘は終結した。
https://w.atwiki.jp/thiun2/pages/29.html
ロックマン10をプレイしている(する予定の)環境は?コメント ロックマン9と10、移植して欲しいハードは?コメント ロックマン9と10と一緒にハードに移植して欲しいゲームタイトルは?コメント ロックマン10をプレイしている(する予定の)環境は? 選択肢 投票 Wii (131) PS3 (96) XBOX360 (48) 2つ以上の環境 (2) 未定 (6) 予定なし (2) コメント 前作の9に比べてさらにパワーアップしていて、やりこみ要素が充実で面白い -- マスター (2010-03-13 23 20 12) 9より初見殺しやトゲが減っていて良かった。 -- 名無しさん (2010-10-18 18 04 38) 面白いけど特殊がクセありすぎ。正しい使用法以外ではバスター程度とか -- 名無しさん (2013-10-30 15 54 55) 9よりはマシだが、11出すなら9はPS2のグラフィックで10はPS3のグラフィックで制作して欲しかった。 -- 名無しさん (2018-09-15 02 20 52) 名前 コメント ロックマン9と10、移植して欲しいハードは? 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 PSP(PSP go) 42 (43%) 2 DSシリーズ 28 (29%) 3 DSiウェア 8 (8%) 4 ニンテンドー3DS 7 (7%) 5 PC 4 (4%) 7 iPhone(iPodTouch) 2 (2%) 6 PS4 2 (2%) 8 携帯電話 2 (2%) 9 Android端末 1 (1%) 10 PS1(ゲームアーカイブス) 1 (1%) 11 リメイク希望 1 (1%) 12 スマートフォン 0 (0%) その他 投票総数 98 コメント 9は12月1日からDoCoMo向けに配信開始されました -- 名無しさん (2010-12-02 21 06 54) 9と10は8と11の間のグラフィックで作り直して欲しい。(8<9<10<11) -- 名無しさん (2018-09-15 02 18 09) 名前 コメント ロックマン9と10と一緒にハードに移植して欲しいゲームタイトルは? 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 ロックマン フォルテ 2 (13%) 2 ロックマン7 宿命の対決! 2 (13%) 3 スーパーアドベンチャーロックマン 1 (6%) 4 ロックマン バトル チェイス 1 (6%) 5 ロックマン パワーバトルファイターズ 1 (6%) 6 ロックマン2 Dr.ワイリーの謎 1 (6%) 7 ロックマン3 Dr.ワイリーの最期!? 1 (6%) 8 ロックマン4 新たなる野望!! 1 (6%) 9 ロックマン5 ブルースの謎!? 1 (6%) 10 ロックマン6 史上最大の戦い!! 1 (6%) 11 ロックマン8 メタルヒーローズ 1 (6%) 12 ロックマンズサッカー 1 (6%) 13 ロックマンメガワールド 1 (6%) 14 ロックマン(初代) 1 (6%) その他 投票総数 16 コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/www-iris/pages/1295.html
【作品名】 ロックマンエグゼ バトルチップGP/ロックマンエグゼ N1バトル 【読み方】 ろっくまんえぐぜ ばとるちっぷぐらんぷり/ろっくまんえぐぜ えぬわんばとる 【発売年】 2003年8月8日 【詳細】 ゲームボーイアドバンス(バトルチップGP)とワンダースワンカラー/クリスタル(N1バトル)から発売された外伝作品。対応機種によりタイトルは異なるが内容はほぼ同一である。 アクション要素を廃し、バトルチップを使ったシミュレーションゲームとしてナンバリング作品とは全く異なった独自の作品に仕上がっている。 エグゼ3までの人物やネットナビがほぼ全員 登場するが、各オペレーターが大会に出場しているという設定上、フォルテを除く自立型ネットナビは一切 登場しない。 また、今作の主人公の一人である轟快太や都輪マリィは今作品だけに登場し、ノーマルナビはエグゼ4に先駆けて敵として登場した。 【ストーリー】 本作では従来のシリーズの登場人物である光熱斗&ロックマン、桜井メイル&ロール、大山デカオ&ガッツマン、伊集院炎山&ブルースの4組に本作のオリジナルキャラクターである轟快太&ターボマンと都輪マリィ&リングの2組を加えた6組から主人公を選択でき、世界最強のネットバトラーを決める大会「バトルチップGP」を舞台に、それぞれ異なったストーリーが展開される。 なおワンダースワンで発売された「N1バトル」で選択できるのは光熱斗&ロックマンだけである。 【関連項目】 システムプログラムデッキ 各種トーナメントクラスEビギナートーナメント ガッツトーナメント イヤシトーナメント クラスDマッチトーナメント シズクトーナメント ワカバトーナメント デンチトーナメント クラスCブロックトーナメント ソッコウトーナメント ゼッペキトーナメント クラスBハナビトーナメント オガワトーナメント フタバトーナメント カミナリトーナメント クラスAイーストトーナメント ウエストトーナメント クラスSマスタートーナメント クラスXシャドートーナメント クラスYアシュラトーナメント クラスZカオストーナメント フリーバトルデンサンエリア アジーナエリア アメロッパエリア ヤミネットエリア
https://w.atwiki.jp/www-iris/pages/381.html
いつでもボクらは、つながっている。 【作品名】 バトルネットワーク ロックマンエグゼ 【読み方】 ばとるねっとわーく ろっくまんえぐぜ 【発売日】 2001年3月21日 【ストーリー】 西暦200X年。IT産業が急激に発達し、「PET」と呼ばれる携帯端末を全ての人が所有していた。 その中にいるのが擬似人格型プログラム「ネットナビ」である。 人々はネットナビを介して、日常のあらゆる行為をネットワーク上で行うことができ、生活は数年前とは比べ物にならないほど便利になっていた。 しかし、その一方でネット犯罪が深刻化し、各地のネットワークでウイルス・ネットテロ対策が社会問題化していた。 中でも悪質なのはWWW(ワールドスリー)と呼ばれるネット犯罪組織である。データを全て消去したり、機器を暴走させたりして、多くの人が被害を受けている。 彼らにはネット犯罪者を取り締まるオフィシャルネットバトラーも手を焼いていた。 デンサンシティ、秋原町。そこにはウイルスバスティングの得意な小学5年生の少年、光熱斗がいた。 彼のナビの名はロックマン。2人は大きな事件に巻き込まれてゆくことになる。 (Wkipediaより引用) 【詳細】 全ての始まりとなった、記念すべきロックマンエグゼシリーズ第1弾。 任天堂の新型携帯ゲーム機「ゲームボーイアドバンス」のローンチタイトルとして発売された。 バトルチップ・フォルダ・エリア等の後続の作品に通じる戦闘システムと世界観はこの時点で既に確立している。 基本的な舞台は秋原町。また水道局やデンサンタウンもフィールドとして登場する。 既に生産終了となっている作品であり、今からGBA版のソフトを手に入れる事は難しい。2023年6月現在では、 流星のロックマンとのコラボ要素を加えた『ロックマンエグゼ オペレートシューティングスター』か、 歴代ナンバリング作品が1つになった『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション』を遊ぶと良いだろう。 【余談】 この作品(とリメイク版の『OSS』)のみ、ロックマンがデリートされるとロックマンシリーズでおなじみの爆発エフェクト(*1)がある。 【関連項目】 ダイジャン系 キオルシン系 ストーンマン ブルース メットール系 アイスマン 穴パネル サンダーボール系 塾のブラックボードの電脳 ウッドマン マサ WWWの電脳 一覧:「1」登場ウイルス ファイターソード系 タワー系 フォルテ シャークマン スカルマン ボンバーマン マジックマン ファラオマン シャドーマン ナンバーマン ストーンマン(チップ) アイスマン(チップ) ボンバーマン(チップ) マジックマン(チップ) スカルマン(チップ) シャークマン(チップ) ファラオマン(チップ) シャドーマン(チップ) カラードマン(チップ) デンサンシティ キャノーダム系 ホウガン系 ダイナマイト系 科学省 ロール(チップ) ガッツシュート クルマの電脳 エスケープ スウォーディン系 ボディ系 エレキマン エレキマン(チップ) メガリア系 インターラプト ラッシュ系 火野ケンイチ ファイアマン ドリームビット系 ドリームウイルス ユカシタ テンジョウウラ バブルラップ系 ガッツパンチ系 (属性)ソード系 カラードマン 黒井みゆき サロマ ポワルド系 マハ・ジャラマ リモコゴロー系 電子レンジ連続発火事件 エレキサークル系 ガイアハンマー系 ウォーターガン Pコード アーマー ウラインターネット 電話の電脳 WWW Dr.ワイリー スチール系 ファイアプログラム ダブルヒーロー系 ポイットン系 タイトル画面のマーク 大園ゆりこ 日暮闇太郎 色綾まどい ジャック・エレキテル 氷川清次 氷川透 ハンディース系 アースクエイク系 メットガード系 ナンバーマン(チップ) ゼータスプレッド ゼータキャノン系 ゼータアロー系 ゼータラットン系 オメガキャノン系 オメガスプレッド オメガアロー系 オメガラットン系 ベータボム ベータソード ベータウェーブ ベータクエイク
https://w.atwiki.jp/rockmanzx2ch/pages/73.html
能力 性能解説 攻撃解説バスターショット豆 ダッシュ豆 一段階チャージ(セミチャージバスター) 二段階チャージ(フルチャージバスター) ゼットセイバーヒッフッハ(地上三段斬り) 歩き斬り ダッシュ斬り ジャンプ斬り ジャンプ下入れ斬り 壁張り付き斬り チャージセイバー 空中回転セイバー O.I.S時性質の解説 バスターショットダブルチャージショット アースクラッシュ 滅閃光(メッセンコウ) 烈光覇(レッコウハ) ゼットセイバー龍炎刃(リュウエンジン) アークブレード 真空刃 wiki内リンク 能力 属性 全種あり(O.I.S発動中のみ) 基本装備 バスターショットゼットセイバー チャージ攻撃 チャージバスター(二段階チャージ可能)チャージセイバー O.I.S 各種必殺技発動可能(無限) 下画面機能 なし その他性能 水中での移動速度が落ちない。氷床で滑らない(?) 備考 基本的にロクゼロのゼロの性能。ただし連鎖値は異なる。必殺技(O.I.S発動時)バスター:一段階チャージバスター連射地上↑+セイバー:龍炎刃(炎属性)空中セイバー:アークブレード(衝撃波のみ氷属性)地上↓+セイバー:真空刃(雷属性)地上↓+バスター:アースクラッシュ地上↓+一段階チャージバスター:滅閃光地上↓+二段階チャージバスター:烈光覇O.I.S発動中は各種ダッシュ攻撃ができない。 性能解説 外見は完全にオメガ。性能は基本的にロクゼロのゼロに近い。 これと比べるとモデルZXは一見ただの劣化版だが、 貫通バスターや下入れセイバーの威力の点でZXが優っているなど、ささやかではあるが差別化はされている。 攻撃解説 バスターショット デフォルト設定はサブウェポン。 画面上に計3発まで弾を発射可能。 豆 威力値:2 ダッシュ豆 威力値:3 一段階チャージ(セミチャージバスター) 威力値:10 見た目が二段階チャージと似ているので気をつけよう。 たった1段階のチャージでこの大ダメージ。 二段階チャージ(フルチャージバスター) 威力値:12 複数ヒットしないため、雑魚への威力はZXバスターに劣る。 ゼットセイバー デフォルト設定はメインウェポン。 ZXセイバーよりも全体的に高性能。 ヒッフッハ(地上三段斬り) 威力値:8・8・8 バスターショットでキャンセル可能。 モデルZXよりも振りが速い。微々たる差とは侮れず、 例えば、1段目でオメガを怯ませれば反撃の隙を与えず3段目まで振り抜ける。 歩き斬り 威力値:6 ZXと同じく、キャンセル不可。 ダッシュ斬り 威力値:10 ジャンプ斬り 威力値:8 ジャンプ下入れ斬り 威力値:8 ゼロやZXと違い、威力が変わらない。 壁張り付き斬り 威力値:8 チャージセイバー 威力値(刀身):8 威力値(衝撃波):16 ZXより衝撃波の威力が高いだけでなく、判定も大きい。 空中回転セイバー 威力値:2×n 空中で↑セイバーor空中セイバー二段目 O.I.S発動中は出せない。 O.I.S時 性質の解説 技によって3種の属性が付加される。 ライブメタルゲージを消費しない。(ライブメタルゲージが存在しない。) 被ダメージによってO.I.Sが解除されるのは他のモデルと同じ。 ヒッフッハのセイバーが消えるタイミングで↑or↓+セイバーを入力すると更に隙をキャンセルしてヒッフッハが出来るようになるが、特に連鎖値も変わらないし意味が無い。その気になれば飯屋の乱舞を超えられるがやはり連鎖値に変化は無いので意味が無い。 O.I.S発動中の制限バスターショットの通常弾(豆)が撃てなくなる。 ダッシュ時にバスターショットを撃つとダッシュがキャンセルされ立ち一段階チャージバスター(セミチャージバスター)or二段階チャージバスター(フルチャージバスター)になる。また、そのため低姿勢でバスターが撃てなくなる。 ダッシュセイバー、空中下入れセイバー、空中回転セイバーが出せなくなる。 歩きセイバー・歩きバスターが出せなくなる。 セイバーのチャージができなくなる。 バスターショット 通常のバスターショット(豆)が撃てなくなり、一段階チャージショット(セミチャージバスター)が連射可能になる。 一段階チャージするだけで2段階チャージ(フルチャージバスター)が撃てる。 ダブルチャージショット 二段階までチャージするともうひとつチャージがストックされ、二段階チャージを二連射できる。 ボスにも2ヒットするのでボス相手の威力だけならモデルXより1目盛りだけ強い。 ちなみにチャージした後一発放ち、ストックだけの状態で地上↓+バスターすると滅閃光が出る。 アースクラッシュ ──の全エネルギーを貴様の体内に一気に流し込んでやる。大地を切り裂く「龍」がかけまわる感じはどうだ? 威力値:4×n 地上↓+バスター。 地面を殴りつけて破片を飛ばす無属性攻撃。 初出はロックマンX2。 余談。岩本佳浩氏の漫画版により広く認知され、岩本氏オリジナルの技という認識も少なからずあるがそれは間違い。 X2攻略本にもアースクラッシュの記述がある。 威力は決して高くなく、当てづらいこともあり実戦には不向き。 ボスには複数ヒットしない。 滅閃光(メッセンコウ) 威力値:6×n 地上↓+一段階チャージバスター。 地面を殴りつけながら周囲にエネルギー弾を飛ばす無属性攻撃。 初出はロックマンX5。しかしながら地形を貫通しない。 ボスには複数ヒットしない。 烈光覇(レッコウハ) 威力値:6×n 地上↓二段階チャージバスター。 地面を殴りつけながら全体にエネルギー弾のようなものを飛ばす無属性攻撃。 初出はロックマンX6。 ボスにも多段ヒットするが、基本的に魅せ技で、やはり実戦には向かない。 一応上手く使えばダブルチャージ以上のダメージも狙えるかも。 ゼットセイバー 地上三段斬りと壁張り付き斬り以外別の攻撃に変化か使用不能になっている。 龍炎刃(リュウエンジン) 威力値:10 地上↑セイバー。 炎属性の切り上げ攻撃。 初出はロックマンX4。 高さの調節は出来ない。 チャージセイバーを除く全ての攻撃の無敵を貫通する。 アークブレード セイバー威力値:8 衝撃波威力値:4 空中セイバー。 8方向に衝撃波を飛ばす。 衝撃波のみ氷属性。 衝撃波の威力は低いが敵を氷結させれば追撃が可能になる。 セイバー部分は回転しているが連続ヒットではなく、ジャンプ斬りに近い性能。 雑魚なら密着して繰り出せば衝撃波を大量に当てられる。雑魚の癖に図体がデカい奴なら一撃で倒せる。 真空刃 威力値(刀身):6 威力値(衝撃波):8 地上↓セイバー。 衝撃波を飛ばす。 雷属性。 ダブルチャージと繋げる事が出来、 メシア以上のダブルチャージウェーブを出せる。 関連:隠し要素@ZX wiki内リンク ロックマン・モデルX ロックマン・モデルZX ロックマン・モデルHX ロックマン・モデルLX ロックマン・モデルPX
https://w.atwiki.jp/rockzerozxgggv2ch/pages/133.html
よみがな:ばりゅーうぇーぶ 分類:ゲーム開発下請け会社 説明文 ロックマンX5、同ソウルイレイザー、同6、同7、同8、同コマンドミッション、ニンテンドー64版ロックマンDASHのプログラムやグラフィックの下請けを担当。 公式サイト (株)バリューウェーブ
https://w.atwiki.jp/vip_rockman/pages/21.html
107 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/10(火) 20 54 18.78 ID oJ2DFEdA0 磯香る、昼時。 旅船、帆船、商船、貨物船、そして様々人々とレプリロイドが集まる場所――港。 イーグリードの最期の意思であった脱出ポッドであった二人は、砂漠に落下。 怪我を負うゼロに肩を貸し、エックスは近くの港まで歩き進んだ。 大陸と大陸を大きな海が横断する。青い空を、海鳥が猫の様な鳴き声で舞っていた。 カメリーオとマンドリラーとの戦闘。 その後のデスログマーからの落下で、ハンター組織からかなり離れた位置に身を置く事になってしまった。 本部への帰還、そして自分の腕に抱かれる少女の治療をするには、船でこの海を渡るしかない。 「もうちょっと我慢してね? 出航の手続きはしたから、直ぐに本部に戻れるよ」 エックスは落下した時から、時折すすり泣くゼロに優しく声をかけた。 「あぁ………悪いな」 肩に助けられながら、港の海沿いを歩く。涙をぬぐう少女の声は、まだ悲しみに掠れていた。 「イーグリードの事は……」 「良いんだ……もう、大丈夫。あいつもオレも、もう大丈夫だ………」 「そう………」 それ以上は追求せず、エックスはもう一つの手に握られる紙片を見た。 旅船の添乗が出来るチケットだ。 「どこかで食事でもしようか? 一応、まだ時間はあるから」 港にある商店街の入り口を指しながら、尋ねる。様々な店舗が見え、人通りも多い。 「いや……。いや、そうだな。エックスに任せるよ」 「そっ。じゃあ、行こう」 二人は、小さいがお洒落なお店の前に立つ。レプリロイド専用の飲食店だ。 「素敵なお店……。ここで良いかな」 そう言って、中へと入った。 従業員に案内され、窓際の席に座る。水が運ばれ、メニューが渡され、やっとエックス達は落ち着いた。 111 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/10(火) 20 55 12.87 ID oJ2DFEdA0 「ふぅ……疲れたね。何が食べたい? 僕が奢るよ」 「金、持ってんのかよ?」 メニューを見るエックスに、ゼロは気分が若干晴れたのか意地悪な笑みを浮かべた。 まだ赤い目をする少女に、エックスもつられて笑みを浮かべた。 「意外だ。悪かないな、これ」 「そうだね」 テーブルに出てきた海鮮料理をつつく二人。 海が見えるこの席での食事は、とても気持ちが良かった。 港町を訪れる多くの人間とレプリロイド、その騒喧を感じさせない程、この店は静寂に包まれている。 「お冷のお代わりは――」 弾けるガラス片が赤と青に降りかかり、嫌な切断音。同時に、真紅の液体がばら撒かれた。 一時の静寂は、水差しを持ってきたウェイトレスのレプリロイドの首が飛んだ事によって、打ち破られる。 「………伏せろ!!」 オイルで真っ赤になったゼロが、エックスを椅子から押し倒す。怪我をした部分が床にぶつかり、顔を歪めるゼロ。 遅れて、二人の席が三つに両断された。 赤き少女は、何が、と声を出すエックスを突き飛ばす。 今度は、座席付近にある物全てがバラバラに解体された。 机、椅子、料理、メニュー、そしてウェイトレスの死体が、分断され宙を舞う。 「クワンガーの変態か……!!」 ゼロが呻きを上げ、悔しそうに手の中にあったフォークを握りつぶす。 そして、破壊された窓から回転する何かが侵入した。黒いシルエットは、早すぎて何なのか視認できない。 「エックス! 店から出ろ!!」 乱入してきた何かが、店内を蹂躙する。 一連を見て、呆然とする店長らしきレプリロイドのボディをズタズタにし、カウンターにばら撒く。 その横の従業員のボディも後を追い、木の床を真っ赤に汚した。 128 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/10(火) 21 25 18.58 ID oJ2DFEdA0 凶器は回転数を上げ、店内にある命ある物、そうでない物を平等に切り裂いていく。 もう生きているレプリロイドは、伏せる二人しか居ない。 「はやく行け!!」 ゼロは右手をバスターにし、外に向け何度か射撃する。無論、暗殺者に当たるはずが無い。 エックスは治療を受けていないゼロの身体を案じるが、少女の意思の強い眼を見て、諦める。 天井の照明が全て、粉々にされる。このまま、店ごと破壊するのではないかと思う程の勢いだ。 こちらも同じく右腕をバスターにし、窓に向け何度か射撃しながら、外へと飛び出した。 「どこのどいつか、知りませんけど……!」 エックスが怒りに身を震わせながら、立ち上がる。暗殺者は見つからない。 漆黒の凶器も示し合わせたように破壊を止め、店外から出てきた。 「不不不………」 いったい何時現れたのか、怒れる青きレプリロイドに黒い影が立っていた。 回転する武器は、その影の手に収められる。意外にも白く細い腕だった。 「あなたは……!」 トレンチコートを着込む影。危うい程の白い肌、肩ほどまである銀髪が海風に揺れた。 申し訳程度の大きさのサングラスに覆われた、血の様に真っ赤な瞳がエックスを見つめる。 「しばし待て」 銀髪の少女は、近づき詰問しようとするエックスに待ったをかけると、飛び引く。コートの端がバタバタと揺れた。 手近にある壁を見つけると、そこに半身を寄せ、半分隠れた顔でエックスを見つめる。 「じー………。良いぞ。あ、おい近づくな。接近するのは不許可だ」 エックスはその行為の意味が解らないが、近づくのをやめ、瞳で少女に意思を訴えた。 少女がそれに応え、頷く。 140 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/10(火) 21 48 32.86 ID oJ2DFEdA0 「ご挨拶しよう。クワガタ型のレプリロイド、イレギュラーハンター組織、第17部隊の時空の斬鉄鬼のブーメル・クワンガーとは私の事。 不不不……気分屋で暗殺が何より大好きで、次に好きなのが監視。人からマイペースと言われるが、よく解らない。 家族は、カブトムシの弟が一人居るのだ。あぁ、エックス君、はじめまして。君と会うのは初めてだよね? 確か、私の記憶のよるとそうだ。 んー、食堂で見かけた事があるが、それは出会ったとは言わないから、おそらく初めまして良いはずだ。どうぞ、よろしく」 長々と挨拶するクワンガー。エックスはゼロの言葉を思い出した。 「何が目的ですか」 バスターを向け、相手の出方を待つ。 性格はよく解らないが、このレプリロイドの腕だけは確かである。 握られた凶器を見たが、どうやらブーメランのように研がれたクワガタの顎らしい。 「挨拶だ。挨拶と言う言葉を知らないか? この言葉は――」 じー、と見つめ続けるクワンガーに、さしものエックスも苛立った。 「………知っています!! 何が目的ですか!」 「私は、先の戦いから君を監視している。そうボスに命じられたからだ」 大声に小首を傾げるクワンガーは、言葉を遮られても怒りもせず、丁寧に答えた。 監視、という言葉にエックスは驚愕した。戦いとは、いつからの事なのだろうか。 「エックス君……君は強くならなければならないらしい。そうボスが仰った」 髪をかき上げながら、クワンガーが続ける。 「成長する君を監視し、報告するのが我が使命。あ、監視は大好きなんだ。あぁ、言ったか……」 海風が心地よく吹く。磯の匂いが、それに乗ってやってきた。遠くで、波打つ音も聞こえた。 「そして君の成長は、ちょっと遅い。ボスは困っている。で、あるため――」 長々と喋る少女。ルビーのようなクワンガーの目が細められる。 クスリと笑い、握られた『ブーメランカッター』を楽しげに揺らした。 152 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/10(火) 22 06 38.89 ID oJ2DFEdA0 「ちょっと、君の成長に付き合おう。楽しいぞ。とってもとっても。あぁ、私自身が楽しいんだが。君はどうだろうか?」 「…………っ!」 素早く反応して、バスターを再度向ける。クワンガーからは静かな殺気が溢れた。 「先に謝っておくが、私は厳しい。怪我をしたら、すまない。謝罪する。あぁ、どのくらい厳しいかと言うと――死ぬぐらいだろうか?」 なんの理由で横に跳んだのか――。 エックス自身が解らなかったが、クワンガーの腕が振るわれたと思うと、今立っていた石畳が吹き飛んだ。 石の床は何かに縦へと切り裂かれている。 青ざめるエックスに、追い討ちの強襲。空を切り裂く風切り音。 そして、手の甲が斜めに薙がれた。少量のオイルが吹く。 「あぁ……すまない。怪我をさせたな。でも、私は楽しい。あぁ、困ったな。いや、私は困っていないんだが」 クワンガーは場所を変えていない。 そして、すでにブーメランカッターが握られていた。視認できない速さ。 「あぁ……すまない。一つ、間違えて言った事がる。私の家族だが、弟と言ったが妹だ。なにぶん、気性の荒い奴でね」 そのレプリロイドに失礼な事を言いながら、腕が振るわれ、不可視の凶器が放たれる。 右肩に激痛が走り、エックスは地面へと倒れた。噴出す赤が、自身と地を汚す。 「不不不……。また、すまない。不不不……」 「いたぁ…………。…………あの、一つ良いですか?」 「許可する」 もう既にに凶器が握られている腕を揺らめかしながら、クワンガーが楽しそうに頷いた。 「第17部隊って言いましたよね……僕もそうなんですけど。……えぇ、と……任務で見た事が無いんですが」 肩を抑えながら、疑問を口にする。 クワンガーは、可愛く小首を傾げ、あぁと呟いた。 「私が好きなのは監視と、言ったろう。――‘いつも居たよ’」 「……………っ!!」 クスリと笑い、クワンガーが口をすぼめる。エックスは怖気が走った。 181 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/10(火) 22 36 55.57 ID oJ2DFEdA0 「不不不……嬉しいのかね? そんなに頬を赤らめて」 石畳が無差別に解体される。クワンガー自体の機嫌が、この武器に影響するようだ。 「いいえ、青ざめてます。……赤いのは、血ですよ」 乱立する電柱の一つが両断され、落下する半分が空中で分解。地面に弾かれるのは、コンクリートの破片だ。 「ふふん………照れ隠しとは。なかなかの使い手だね」 飲食店に横付けされていた自動車が舞う。赤い乗用車はジグソーパズルのようにばら撒かれた。 「斬!!」 付近の破壊活動は、クワンガーの掛け声と共に、対象をエックスに移行。膝をつくレプリロイドに、くの字の凶器が迫る。 エックスはどこかに跳ぶしかない。 地に飛び込むエックスの脇腹が、薄く切り裂かれ、無様な格好で叩きつけられた。 「手加減。不不不……」 クワンガーは、微笑み、ブーメランが握られていない手で口付けを送った。 「そんなに……楽しいです……か!!」 倒れながら、エックスはバスターを放つ。砕ける建造物の壁。しかし、少女の影はなかった。 「楽しいねぇ。この武器はね、エックス君。監視しながら、暗殺できる素晴らしい兵器なんだよ」 背中が踏みにじられる。いつの間にか接近されたクワンガーに背後を取られていた。 ブーメランを握る手が、目前で左右に振るわれる。 笑いながら説明する銀髪の少女は、玩具を見せびらかせる子供のだった。 「あぁ、そんな武器はどこにでもあるんだが、これほど機能美を追求した物は無いだろ? だから、これは好きなんだ」 「そう………ですか……」 「だからね、君にもこれの素晴らしさを――おっと」 身体の輪郭が影のように揺らめくクワンガー。黄色いエネルギーが、それを通過する。 「エックスに触るな……変態。この、サイコ野郎!!」 奇襲したのは、身体を引きずりながら、店外にでたゼロだった。 バスターを放った体勢のまま、いつのまにか飲食店の向かいにある理髪店の屋上に立っている暗殺者に叫ぶ。 「変態? それは君の事か?」 クワガタのレプリロイドはおかしそうに目を揺らめかし、ボディを布きれで巻くゼロを笑った。 192 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/10(火) 23 00 05.59 ID oJ2DFEdA0 「邪魔をしないでもらおう」 またもクワンガーの腕が振るわれる。 一瞬にして、ゼロのボディを切り刻み、少女を路上で全裸にする。恐るべき事に、傷は一つも負わせていなかった。 ボディとメット、そして布生地は地面に散らばり、機械仕掛けの猫の耳だけが金色の髪に残った。 「死ね」 だが、それも短い死の宣告まで。呼応した凶器が、ゼロの首元に回転しながら迫る。 甲高い激突音――黒い影は弾かれた。 「そうこなくてはならない…………不不不」 陰鬱な笑いは、立ち上がる青に向けられる。エックスの右腕の銃口は、エネルギーの残滓で煙を出していた。 「相手は、僕。そうでしょう?」 「エックス!?」 血に濡れるエックスは、挑発的に暗殺者に笑って見せた。 「不不不不――そうだ……!!」 漆黒が迫った。 横転する青。そして、ダッシュ。 クワンガーの出現しそうな場所に、出鱈目にバスターを放ちながら、エックスは人通りの無い路地を駆ける。 走る後ろで、建造物と建造物で作られた通路の壁が切り裂かれていく。 「不不不。その戦法は不許可だ」 少女の声がするが、どこに居るかは解らない。 確認しようと立ち止まれば、今後ろで分解されたゴミ箱と同じようになるだろう。 後方に振り向かず射撃。テラスがある屋上の一部を破壊するが、手応えは無い。 駆ける。駆ける。 前方に居た犬型のメカニロイドが寸刻みにされるが、目をつぶり感情を押し殺した。 「不不不。どこに行こうというのだ?」 [12番 港口]と書かれた看板が吹き飛ぶ。破片が雨のように降ってきた。 205 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/10(火) 23 26 26.98 ID oJ2DFEdA0 「行き止まりだ……不不不」 その言葉を皮切りに、狭き道は終わりを告げる。 目の前に広がったのは、雲の無い大きな空と、どこまでも大きな海だ。 海鳥が能天気に鳴き声を上げ、気持ちよさそうに空を飛ぶ。――エックスも空を飛びたくなった。 「人が居ない場所を選んだのかな? 優しい子だ。不不不、殺しがいがあるよ」 最後になるかもしれない自然の光景を目に焼付け、ゆっくりと後ろを振り向く。 何処かでトレンチコートを脱いだのか、奇妙な衣装を纏った少女が現れた。 網目のシャツを下に、上下共に黒装束。そのせいかクワンガーの真っ白な肌が目立った。 「ゼロを救ったのも、なかなか良い。私のブーメランカッターを弾くとはな」 クワンガーの口元にも布が被せられている。追い詰めた暗殺者、ブーメル・クワンガーの目が笑う。 「力んでいるねぇ……不不不。恐怖を感じているかい? 体験した事の無い、暗闇の恐怖を」 両手を広げ、自分から繰り出す恐怖を見せる。純粋な狂気がここにはあった。 エックスは、冷や汗で頬を濡らしながら、姿勢を低くする。 「安心したまえ」 だが、呆気なく、クワンガーはブーメランを収めた。 「言ったろう? ちょっと、君の成長に付き合おう、と。殺しなんか不許可さ――ここではね」 クワンガーの姿がブレたかと思うと、顎が撫でられる。少女の声は耳元から聞こえた。 「タワーで待ってる。なぁに、君はくるさ。望んでも、望まなくても、ね」 軽く頬に口付けし、意味ありげに笑った。エックスは少女の速さに、そして威圧に微動だに出来ない。 「待ってるよ、エックス君。――旅路で、タコに気を付けなければ不許可だよ? 不不不不不不不」 最後に頭を撫でられ、クワンガーは硬直する少年から離れた。 「では、ドロン」 そして、消える。 エックスは、10分近くかけてやっとゼロの元に脚を進める事が出来た。 244 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/11(水) 00 34 50.43 ID 33MOrt2O0 「変態は……?」 閉店に追い込まれた飲食店に、裸体をカーテンで巻いて地べたに座るゼロが居た。 白いカーテンはとこどころ血を吸い、痛々しい。 「勝手にしかけて、勝手に消えたよ。――大丈夫?」 「本調子だったら、倒せた………だからって、なんだよなんだよ、オレだけ追いてって……」 白い布から覗く脚をそわそわさせながら、そっぽを向き膨れる少女。 そんな態度に、エックスは取り成す様に優しく笑いかけた。 「ごめんね。………でも、ゼロは怪我してるし。早く船に乗って、本部に戻ろ?」 出航場所の方向を親指で示し、うずくまる少女の腕を取る。 戦闘のせいで、旅船の時間が迫っていた。無人の花屋に掛けられた時計の短針が、3を指し示している。 「…………アイスが食べたいぞ。………チョ、チョコレートの……」 猫の耳を落ち着きなく動かしながら、ゼロはボソリと言った。赤らめる顔が、エックスの笑いを更に誘う。 「はいはい。その前に服も買いに行こうね」 エックスは、ゼロの腕を静かに引き、石畳の路地を歩んだ。 「おいし………」 「そう? そりゃ、良かった」 港の船着場に佇む二人。エックスは旅行のパンフレットを、ゼロは濃茶色の氷菓子を手にしてた。 買ってもらった、石段に座るキツネがプリントされた、肩を出すスポーツシャツを着込む少女はアイスの味に満足そうだ。 シャツのロゴにO・イナリーと表示されているがエックスは、知らないブランドだ、との感想しか無かった。 短いジーンズから出るゼロの足が、波の音と合わせ揺れる。 「おい、あれハンターの船じゃねぇか?」 「ほんとだ。というか、僕たちかなりの大所帯で出航するんだね」 ゼロの言葉で向けられるエックスの視線の先には、海に揺らめく12隻の船が並んで、搭乗者と出航の合図を待っている。 「イレギュラーの事件もあるしね。もしかしたら、その関係かも」 「だろうな」 チョコレートアイスは、短い応答と共に嘗め尽くされる。ゼロは惜しげに、コーンを包んでいた紙包みをゴミ箱に捨てた。 488 名前:Irregular`s Elegy[] 投稿日:2006/10/11(水) 21 04 05.09 ID 33MOrt2O0 「まもなく出航いたします。ご搭乗なされる方は、ブリッジを使用してください」 しばらく静かに待機していた二人と他の客達に、空と同じ薄青い制服を着用したレプリロイドの声がかけられた。 巨大な客船から鉄のタラップが迫り出され、船着場と船を接続する。 巨大な図体を誇る船なのだが、エックス達の他の客は少ない。 イレギュラー達が引き起こす事件の事も相まって、旅行にいくような物好きな人間もレプリロイドも少ないのだろう。 「だってさ。行こうか?」 エックスは自分の猫の耳を弄り、退屈を凌いでいたゼロを促し、鉄の橋に足を載せた。 「――こんなに、のんびりして良いのかなぁ」 赤い夕日が、旅船のデッキを同じ色に染める。 ドリンクのカウンターの前方に、大型のプールを備えた豪華な客船。 物好きな客を内包した船。しかし、流石に無防備に泳ぐ人物は居なく。デッキに居るのは赤と青のレプリロイドだけだった。 エックスはカウンターバーの机で書類と睨みあい、ゼロはその足元でタオルを下に寝転んでいた。 「良いんじゃない? たまには、ね」 数枚の薄紙にペンを走らせたまま、エックスが答えた。もう一つの手の中で、グラスに入った薄紫色の液体が揺れる。 エックスはいつもの青いボディのままだが、ゼロは貸し出された競泳用の水着を着ていた。白い肌と、薄い胸を紺色の水着が包む。 「………悪いな、お前ばっかりそんな作業させて」 夕日に顔を朱に彩られたゼロが、申し訳なさそうに答える。手に持つ琥珀色のドリンクが、少女の心情と同じく揺れた。 「戦闘の報告書――オレも書くべきなのにな………」 エックスは一瞬返答に困り、すぐに微笑んで、耳の付く金色の髪をクシャクシャと撫で上げた。 「いいよ。書きたくないよね、あんなの。――僕なら大丈夫だから」 猫の様に目を細め、はっと気付き、両腕を振り上げるゼロ。エックスは笑みを強くし、更に頭を撫でた。 ――ドチラかとイエバ慣れタんじゃない? ナカまの死にサ 490 名前:Irregular`s Elegy[] 投稿日:2006/10/11(水) 21 08 33.15 ID 33MOrt2O0 「本部にはどれぐらい掛かるんだ? 海路を使った事無いから、解んないぞ」 ゼロは琥珀色の液体を喉にながしながら、空を見上げた。赤い空も青と同じく、どこまでも遠い。 質問を投げかけられたエックスは、呆と何処か虚空を見つめている。いや、瞳には何も映ってはいなかった。 「――エックス?」 眉間に皺を寄せ、少年の名を呼んだ。疑念に耳が小刻みに動く。 「………………二日間ぐらいかな。一泊はここでしなきゃ、ならないね」 瞳に意思が戻り、エックスは何でもないかのように答えた。特に感情の変化は感じられない。 ゼロはふーんと呟き、エックスは疲れたのではないか、と思考を纏めて、切り上げた。 「そうか。揺れる船で寝れるかなー? 寝れなかったら、お前の部屋に行くからな」 けけけ、と品の無い笑い声を出し、プールに向かう。もう一泳ぎするつもりの様だ。 「はいはい。待ってますよ」 その背に微笑んだエックスの顔に、もう蔭は無い。 『そうか。イーグリードと………大変だったな、エックス』 「いえ……」 船内に幾つもある部屋。その一つに振り分けられた、エックス。 外観が豪華な客船は、客室も煌びやかで、高いと思われる家具が惜しげもなく配置されている。 その一つの装飾が美しいベッドに腰掛け、エックスはライト博士と連絡を取っていた。 丸型の窓から見えるのは漆黒。夜の十時を回っていた。 『報告が一つ。君から受けた調査の事だ』 ランプが幾重にも重なった照明が、部屋を明るくしている。だが、暗いエックスの表情を明るくするには力及ばなかった。 「――えぇ、お願いします」 広い部屋に、エックスの応答が吸い込まれていく。 492 名前:Irregular`s Elegy[] 投稿日:2006/10/11(水) 21 11 34.16 ID 33MOrt2O0 『やはり、情報部はおかしい。極地部隊の事、そして訓練Σの単語で調べたが、何もでなかった』 報告するライトの声は、疑念と困惑に満ちていた。 それに感染し、エックスも首を傾げながら質問する。 「………何も出ないのが、何故、情報部がおかしいと?」 『情報部が何も出さん、――アイシー・ペンギーゴが嘘をついたと思うか?』 そんな筈が無いと、青いメットが横に振られる。エックスの胸は、ペンギーゴの名に引き裂かれそうになった。 悲しき宿命を望まざるして、負わされた少女。何処からかの理不尽な力が、あの戦場には働いていた。 「いいえ」 ぐるぐる回る思考を止め、言葉にしてそれを力強く否定する。 『私の権限で、独自に調査はしている………ならば一つぐらい何か出てもおかしくないだろう?』 「チップについても、何のデータも回してこないとか」 『あぁ。いったい何を考えてるのか……。とにかく何かを隠しているのは確かだ』 ハンター組織。どこの組織でも一枚岩では、無いのか。 同じく『岩』という単語を名に持つ少年は、深くため息を吐いた。 「イレギュラー事件に関係があるのでしょうか?」 『さぁ、それよりも厄介な事かもしれないし、実は部署同士での領域争いだけかもしれない』 どちらにしても許されざる事であろう。――ペンギーゴ、イーグリート。 エックスは死んだ者の無念を晴らすと、深く誓った。 「引き続き、お願いします。――僕はイレギュラーを何とかするので……」 その言葉は、エックスが持つ『何か』への憎悪に濡れ、発せられた。 『あ、あぁ……。エックス、私は人間だ。――………本部と同じく、極地部隊の隊員と同じく、人間だ』 逆にライトは悲哀を滲ませ、静かに怒りを溜めるエックスに告げる。 496 名前:Irregular`s Elegy[] 投稿日:2006/10/11(水) 21 30 03.93 ID 33MOrt2O0 「はい? ………博士?」 思慮の見えない発言に、少年は怒りを忘れて元に戻り、困惑する 『忘れないでくれ…………。人間。人間だが、私は君の味方だよ。それじゃ、おやすみ』 プツリと切れる無線。 音声通信だが、最後にライトは微笑んだような気がした。 「………………………………おやすみなさい」 エックスは呟き、ベッドに倒れこんだ。博士を傷つけたのでは、という後悔と一緒に。 「おはぁよう………ふぁあう」 「おはようさん。お前、何で鍵閉めてんだよ? 部屋に入れなかったじゃねぇか、畜生」 耳を逆立てながら、両腕を挙げ抗議するゼロに、エックスは頭痛を覚えた。 「………………来たのか」 朝特有の涼しい風が、磯と一緒に吹いてくる。 ゼロはデッキがお気に入りなのか、朝食のサンドイッチを齧りながら、海を見る。 また泳ぎたいのか、彼女はまたも水着に着替えていた。 「今日で旅も終わりだな。なかなか楽しかったな――仕事抜きで来たかったよ」 「同感だね」 手すりに寄りかかりながら、エックスも苦笑して同じ感想を述べた。 「ねぇ、ゼロ…………身体の方は大丈夫? 辛いんじゃない?」 昨日から、正確に言えば三日前から無理をする少女を心配する。 海を渡るのは、本部に戻るだけではなく、ゼロの治療も兼ねているのだ。 「ボディが砕けただけだよ。確かに身体も痛いが、我慢できなくは無い」 自分の身体を見下ろしながら、答える。 「あぁ、大変だ。胸が小さくなったような気がするぜ? 確認してくれ」 「―――――――――嗚呼」 直ぐにふざける相棒に、エックスは天を仰ぎ見た。空は今日も晴れ、綺麗な青が澄み渡る。
https://w.atwiki.jp/aarokuyaruo/pages/681.html
ロックマン ロール フォルテ ゼロ シエル 無印シリーズその他 Xシリーズその他 DASHシリーズその他 EXEシリーズその他 ゼロ・ゼクスシリーズその他 流星シリーズその他
https://w.atwiki.jp/rokku1/pages/21.html
各バージョン限定のものは 青色:ペガサス 赤色:レオ 緑色:ドラゴン のみであることを表しています コダマタウンの電波 カンバンの電脳 BIG WAVE 5-Bの電波 アマケンがいかんの電波 アマケンげんかんの電波 ゴミしゅうせきじょの電波 ドリームアイランドちかの電波 うちゅうくうかんの電波2 コダマタウンの電波 アイテム名 価格 パワーボム1 400 モエリング1 600 リカバリー30 800 ジェットアタック1 2000 カンバンの電脳 アイテム名 価格 プチエネルギー 200 オープンロック 4000 サーチアイ 6000 BIG WAVE アイテム名 価格 リカバリー80 3000 スタンナックル 5000 リュウエンザン 12000 シラハドリ 15000 ブレイクカウントボム 50000 ダークネスホール 50000 デストロイミサイル 50000 5-Bの電波 アイテム名 価格 Dエネルギー 1000 オープンロック 4000 ステルスボディ 500 バリア100 4000 リカバリー120 4800 グリーンバースト 6000 ライメイザン 12000 ボムライザー 15000 アマケンがいかんの電波 アイテム名 価格 チェインバブル1 2800 ファイアバズーカ1 3200 モジャランス1 3800 ポイズンナックル 7000 アマケンげんかんの電波 アイテム名 価格 ビッグエネルギー 400 サーチアイ 6000 ステルスボディ 500 ゴミしゅうせきじょの電波 アイテム名 価格 リカバリー150 7000 アイスバースト 7000 スイゲツザン 12000 ドクリンゴ 15000 ドリームアイランドちかの電波 アイテム名 価格 Dエネルギー 1000 オープンロック 4000 サーチアイ 6000 ポイズンナックル 7000 ポイズンバースト 8000 タイフーンダンス 11000 タイボクザン 12000 セイレイノイカリ 20000 うちゅうくうかんの電波2 アイテム名 価格 フリーズナックル 10000 ホーリーパネル 12000 ブレイクサーベル 18000 ウラギリノススメ 20000 ギガマイン 20000 ダークソード 40000 ドリームオーラ 40000 ポイズンファラオ 40000