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「は、はうぅ!最後の最後で負けちゃったよぅ…!」 「はっはっは!じゃ、俺の見事な逆転勝ちによって罰ゲームはレナに決定―!」 レナの落胆の叫びと俺の勝利の声が部屋に響き渡った。 今日は毎度の如く両親が東京に行ってしまったためこれまた毎度の如く レナが夕食を作りに来てくれていた。 それ自体はいつもの事なのだが、今回はいつもと違う事が1つ。 …レナの親父さんも偶然仕事の関係でいないらしい。 「新しい仕事が見つかって張り切ってるんだよ」、とレナは嬉しそうにニコニコしていた。 そんな訳で当然の様にレナはそのまま俺の家に泊まる事になった。 「圭一くん、今日も楽しかったね!」 夕食も入浴も済ませたがまだ寝るのには早い時間ということで、暫くの間俺とレナは 俺の部屋に上がって他愛もない話に花を咲かせていた。 「あぁ、全くだ。…まぁ朝っぱらから宝探しはちょいとキツかったが…」 「はうぅ…ご、ごめんね?圭一くん凄く一生懸命手伝ってくれたし疲れちゃったよね?」 今日1日を振り返って笑顔を見せていたレナが急にしゅんとする。 「い、いや、レナ!そんなに気にする事無いぞ!? いつもは昼過ぎまで朝寝坊が俺の基本スタンスだろ? それがレナと一緒に 宝探しして…まぁ、疲れたのは否定しないけどよ。 あんなに美味い夕食も作ってくれたんだ、発掘の手伝いする位なんでもねぇぜ? 俺も楽しかったし、レナもお気に入り見つけられたし最高の1日だったぜ。」 「…えへへ、やっぱり圭一くんは優しいね。レナも嬉しかったんだよ。 今日圭一くんが発掘してくれたあの人形、ずっと大切にするからね!」 …不覚にも俺はそのレナの笑顔にドキッとしてしまう。 今までの会話が日常のそれらとなんら変わりは無かったためにあまり 意識はしていなかったが 今日は俺とレナ以外に誰もここには居ない訳で、 ここは俺の部屋な訳で、 目の前には風呂上りで良い匂いのレナが微笑んでる訳で…。 お、落ち着け、クールになれ前原圭一・・・! 取り合えず今はこの空気をいつもの俺とレナの方に戻すべきだ…! 「レ、レナ!まだ眠くならないだろ?ちょっとトランプでもしないか?」 「え?それは良いけど…もしかして負けたら罰ゲームもあるのかな、…かな?」 「まぁ普通に二人でトランプするだけじゃつまらないからな、もちろんありだ! 部活じゃないからって油断してると負けちまうぜぇ~?」 「あはは、圭一くんだって最近は罰ゲームの常連だもん。昨日みたいにまたレナが勝って かぁいい罰ゲームで圭一くんをお持ち帰りしちゃうんだよ、だよ!」 「へっへっへ、上等じゃねぇか!あの時の恨み、倍にして返してやるぜ!」 …よし、何とか危ない雰囲気から抜け出す事が出来た。良くやった俺! 「…えぇと、1戦じゃすぐ終わっちまうからな。種目はスピード、先に3勝した方が勝者! 罰ゲームは…んー…。」 俺が決めかねて唸っていると、レナが何かに気付いた様に呟いた。 「圭一くん、アレはどうかな?」 「ん?アレってどれだ?」 ほら。とレナが指し示す方向に眼をやると、俺の机の下に箱が置いてあるのが見えた。 …そう言えば前回の両親不在の日、俺の部屋で部活をあった時があった。 その時に罰ゲームを書いた紙を皆であの箱に入れて使ったんだっけか。 「おぉ、ちょうど良いな。じゃあ勝った方があの中から一枚引く事にしよう。 じゃあそろそろ始めるか、覚悟は良いかレナ!?」 「レナはとっくに準備出来てるんだよ、絶対負けないんだから!」 お互いに笑いあって、いつもの様にゲームを開始した。 …今思えば、迂闊だった。 いつもの雰囲気に戻れた事に安堵して、この時気付かなかったのが失敗だった。 俺が以前あの箱の中に、どんな罰ゲームを書いて入れたのか。 その時の俺は全くそれを覚えていなかったし、気にする事も無かった。 …数十分後。 レナとの長く激しい戦いの末、遂に俺は勝利を掴み取った。 そして冒頭の部分に繋がる訳だ。良くやった前原圭一、感動したっ!!!!! 「さて、負けたレナにはかぁいい罰ゲームだよなぁ…クックック!」 「け、圭一くん…あの、あのね、なるべく優しいのが良いなぁ・・・?」 「さぁ~?でもレナのかぁいいモードにはかなり苦戦させられたからなぁ・・・。 魅音辺りは過激なの入れてそうだし楽しみだよなぁ~?」 「は、はうううぅぅぅ…!」 部活メンバーの中でもいつも一際えげつない魅音の罰ゲームを思い出しているのだろう、 かなり不安そうな様子のレナに悦を感じつつ、箱の中から一枚の紙を取り出す。 …その紙を開こうとした瞬間、俺の本能が警鐘を鳴らした。 その紙を開いてしまったら、さっき必死になってようやく抑えたあの熱が 今度こそ抑えられずに爆発する事になる、と。 …ぐ、確かにここで本当にヤバイの来てしまったら、正直かなり不味い気がするが…。 いや、きっと大丈夫だ俺、俺はあの時も雄の本能に流されず 自分の欲望に打ち勝ったじゃないか! それに俺は学んだんだ、惨劇を回避するためには自分や仲間を信じる事が必要なのだと! 自分を信じろ前原圭一!!きっと俺はやれば出来る子なんだよおおおぉっ!!!(※錯乱中) 俺は自分の中の葛藤を制して、勢い良く紙を開いた。 さぁ、どんな罰ゲームが来たって俺は耐えてみせる自信があるぜ…っ! …そこには見覚えのある字で、罰ゲームの内容が書き記されていた。 “ビリが1位にメイド姿でヨーグルトを食べさせる” ・・・・・・・・一瞬意識が飛んで、オヤシロ様が見えたような気がした。 前言撤回。・・・すまんレナ、既にもうこの時点で心が折れそうだ。 「…圭一くん?えっと、…結局罰ゲームは何だったのかな、…かな?」 紙を凝視したまま硬直している俺の様子に己の身の危険を感じたのか、 恐る恐ると言った感じでレナが尋ねてくる。 その声に漸く俺は我を取り戻して、ゆっくりとレナに罰ゲームの内容を見せた。 レナの不安げな瞳がその文章を辿る。直ぐに真っ赤になるかと思っていたが キョトンとして何回も何回も初めから読み返し、・・・5回目くらいで遂に爆発した。 「ふ、ふえええぇっ!!?こ、これやるの…?」 「・・・・・あぁ。そだ、な・・・・ 。」 「ううぅ…これってそのっ…『はい、あーん☆』で普通にじゃダメなのかな、かな…?」 きっとそれならば俺も耐えられると思う。 …だが、実際にこの真っ赤になって涙目で俺を見つめるレナを目の前にした途端、 罰ゲーム通り俺にヨーグルトを食べさせるレナの姿が頭の中に広がって…うぐ。 …気付くと「それでも良いぜ。」と言おうとしていた俺の口先は勝手にレナに罰ゲームを 実行させるためにそのスキルを発揮していた。 「ダメだ。この前きちんとやり方は教えただろ? あの時はヨーグルトが無かったから 次の日に回すつもりでいたが校長のお陰で 実行できなかったしな、ちょうど良いじゃねぇか。」 「…で、でもこう言うのって皆がいる前でやるのが罰ゲームなんじゃないのかなぁ!!?」 「…何だ?レナは周りに誰も居ないより皆に見られる方がお好みか?それだったら…」 「ちちち違うよ!そ、そうじゃなくて…っ、うぅ…分かったよぅ…。」 ・・・・皆のいる教室でするより、俺と二人きりの誰もいないこの状況下、更に布団の上で この罰ゲームをするほうがよっぽど危ないと思うのだが、幸か不幸か混乱中のレナは それに全く気付いていない様だった。 「ちょうどヨーグルトは残ってたしな。俺が取ってきてやるから心の準備でもしておけ。」 「あ、圭一くん…メイド服はどうすれば良いのかな、かな…。」 「魅音じゃあるまいしここにある訳ねぇだろ・・・あったら逆にヤバイ。」 俺の冗談にレナは漸く緊張を解いてクスリと笑った。 その笑顔を見た俺も、余計な緊張感を捨てられた気がした。 (これなら大丈夫…、かもな。) 「せめてもの情けだ、服はそのままで良いぜ。じゃあちょっと待ってろよ?」 「・・・・・・・はぅ。」 「…じゃぁ、いくからね?」 「・・・・・・お、おう。」 俺の部屋の、俺の布団の上。遂にその罰ゲームは開始された。 レナがそっと紙製のスプーンの普段は持つところを銜え、 手に持ったヨーグルトのカップから ヨーグルトを少しだけ掬い上げた。 そして胡坐をかいている俺の膝に片手を乗せ、たどたどしく顔を寄せる。 …シャンプーの良い匂いが鼻を掠めた。目の前には緊張した様子のレナの顔。 視覚と触覚と嗅覚でレナを感じた俺の下半身が急激に熱くなっていく。 (ぐお…っ、いや、まだ耐えられる…耐えられるぞっ…!) 必死にその熱を抑えた甲斐あってギリギリの所で理性は保てているのだが… ヤバイ、体が動かない。 一方レナの方は突然硬直してしまった俺に戸惑っていた。 さっさとスプーンのヨーグルトを食べて欲しいのだが催促するのもそれはそれで 恥ずかしいのだろう、ひたすら俺が動くのを待っていた。 …と、顎が辛くなってきたのか、徐々にスプーンの角度が下がっていく。 部屋の暑さのせいで少し溶け、液状になりかかっていたヨーグルトがそこから レナの手へと落ちた。 「…んぅっ…!」 突然手に感じた生ぬるさに驚いたレナはビクリと体を揺らす。 その振動で今度は急に角度の高くなったスプーンからヨーグルトが伝っていき、レナの口の端から顎までを汚していく。 『せめてもの情けだ、服はそのままで良いぜ。』 …罰ゲームが始まる前、確かに俺はそう言った。 どれだけの数を重ねてもメイド服を着用するという行為にはかなりの羞恥心が付き纏う。 哀しいかな、最近の部活で一番よくメイド服を着せられている俺が言うのだから間違いない。 …ましてやこの手の罰ゲームでメイド服、となるとその恥ずかしさは 何倍にも膨れ上がるだろう。 その時は本当に言葉のままのつもりで、 レナに手加減をしてやろうと思って言っていたんだ。 …考え無しだった。 家には誰も居ないこの状況下、俺の部屋、それも布団の上でこの罰ゲームをするとなると …確実にメイド服よりパジャマの方が遥かに破壊力がある。 考えてもみろ、風呂に入った後だからレナのまだ乾ききっていない髪からはシャンプーの 良い匂いがずっとふわふわ漂ってる。顔を近づけている今の状況なら尚更。 そして目の前のレナは口元やパジャマの胸元や裾やらを白い液体で汚していて、 潤んだ瞳は縋る様にずっと俺を見続けている(実際は早く済ませろという意味だが) …罰ゲーム開始前、よっぽど俺は緊張していたらしい。何故こんな簡単な事に気付かなかったのか…! (何という眼福…じゃなくて!これは流石に…っ!!) マズイ。もはやクールになれとかいってる余裕は無く、このままでは本気でマズイ。 (ぐおっ…と、兎に角この一口分を食べちまえば、…っ!) そう、罰ゲーム終了のタイミングは勝者のみが決定出来る権限であって敗者が口を出す 事は許されていない。 どんな恥ずかしい格好をさせられて、「もう許してくれ」と泣き叫んだとしても、 勝者が「家に帰るまで」と言えばそのまま村を歩かなければいけないのだ。 いつもはその規則のせいで泣きを見る俺だが・・・ 今はこの天国のようで地獄のような状況から 抜け出せる唯一の助けだった。 そう、一瞬だ。一瞬スプーンに口をつけるだけで俺は俺に打ち勝てる・・・! 沸騰しきった思考回路でようやくそこまでたどり着いた俺は、勢い良くスプーンの端を 口に含んだ。 …その瞬間。脳内であの時のクラウドの言葉が蘇った。 “ヨーグルトを口に入れるとき、スプーン越しに二人の唇が触れ合っている訳で…わおお!” 生ぬるいヨーグルトの甘さを無理やり喉の奥に流し込んで、ゆっくりと顔を上げる。 …レナもあの時の言葉を思い出していたのだろう、 眼を合わせたときその瞳はトロンと していて…。 俺の勝手な思い込みだろうが、…その瞳は何かを期待しているかの様に見えた。 …わーお。すまんレナ、俺はもう駄目だ。 …俺にヨーグルトを食べさせた体勢のままだから当然なのだが、 未だにレナは口にスプーンを銜えている。 (・・・・・・・邪魔だな、このスプーン。) 罰ゲームが終わった今も尚、俺とレナの間に確固として存在し続けるスプーンに、 俺は自分勝手な怒りを覚える。 「…レナ。口の周り、一杯ヨーグルトついてるぞ。」 「ん、…ふ、ぁっ…?」 ほんの数秒前、俺が長く苦しい葛藤の末に漸く加える事が出来たスプーンをもう1度銜え、 そのまま幾分か乱暴にレナの口からスプーンをずるりと引き抜く。 長い間口に銜えたままだったため口内に溜まっていたレナの唾液とヨーグルトが混ざった 白っぽい半透明の糸が、スプーンのレナが銜えていた方から滴り落ちて俺の膝を濡らす。 (…あぁ、勿体無いな、今の。) …それすらも、俺の肉欲をより強く大きくしていくための物になる。 ブッとスプーンをその辺に吐き捨て、今度は荒々しく、噛み付くような勢いでレナの唇を奪う。 「け、圭一く・・・・んく・・・ッ!!? 、・・・ぅ」 やはりと言うか何と言うか、一番先に感じたのはレナの味と言うより さっき食べたヨーグルトだった。 ちょっと残念に思いつつ、それでも夢中になってレナの口内を舌でしゃぶり回し、掻き乱す。 そうして少しづつレナの身体を倒していく俺の肩を、弱々しく押し返していた レナから急に力が抜けて、二人一緒にそのまま布団の上へと崩れ落ちるような形になった。 「んぁ…ひゃうぅ・・・・っ!!?」 と、同時にレナがずっと手に持ったままだったヨーグルトのカップからヨーグルトが 流れ出して盛大にレナの身体にブチまけられた。 俺はヨーグルトが身体に掛かる感触に驚いて小さな悲鳴を上げたレナの唇を一旦 開放する。 顎にまでかかったヨーグルトをちゅるりと音を立てて舐めとるとレナはビクリと身体を 揺らした。 「・・・・・・・・・・。」 …顔を上げて、はぁはぁと荒い息を吐いているレナを見つめる。 キスはしてしまったけど・・・・今ならまだ、戻れるから。 …何故かは分からなかったけど、レナならこれだけで分かってくれると確信していた。 「・・・・・・・・・。」 レナはそんな俺に気が付いて、俺の瞳をじっと見つめ返してきた。 そして暫くそのまま思案していた様子だったが、ふっと力が抜けたように、 だけど俺を丸ごと 包みこむ様な、そんな顔で小さく微笑んで言った。 「…圭一くんも、ヨーグルト…一杯ついてるよ…?」 それが、レナの答えだった。 …レナから確かな返事を貰った事でさっきまでの乱暴な気持ちは消えていた。 寧ろお互いの初めてだったであろう口付けを無理やりにしてしまった事を後悔する気持ちが 今更だが湧き上がってくる。 「…なぁレナ…ごめんな。」 「・・・なにが?」 「いや…レナも初めてだったんだろ、その…キスするの。 それなのに俺、突然強引に―――」 と、そう言い掛けた圭一の口にそっとレナの人差し指が当てられる。 驚いた圭一が申し訳なさから俯いたままだった顔を上げたそこには、 少し不機嫌そうな色を浮かべたレナの瞳があった。 「圭一くん。…何の話?」 「…へ?いや、だからさっき・・・!」 「…レナは圭一君が謝らなくちゃいけないような事、何もされてないよ。 …圭一くんは、レナの口に付いてたヨーグルト取ってくれただけだもんね?」 「…ぁ。」 その瞳には、既にさっきまでの気が利かない俺に対しての不機嫌そうな色はどこにもなくて、 変わりに悪戯を仕掛ける直前の様な、どこか楽しそうな色が含まれていた。 それを見て漸く俺はレナの意図を理解する。 「…俺ともあろう者がレナに余計な気遣わせちまったな、…悪ぃ。」 何となく照れくさくなって、こつんと軽く額を合わせる。 ほんとにね、とレナが可笑しそうに笑うものだから、つられてこっちまで可笑しくなってきて 暫くは額をくっつけあったまま二人してくすくすと笑っていた。 「…レナ…。」 「…、ん…。」 そうしてその笑いが落ち着くのを待って、俺はそっとレナに今度こそ「初めて」のキスをする。 1度目は触れるだけのキスを。 2度目は少しだけ角度を変えて。 3度目にその柔らかい唇を甘噛みすると、少しだけその口が開いた。 レナとしては単に息継ぎの動作なのだろうその動作が、自分から見れば誘っているようにしか 見えなくて…思わず生唾を飲み込む。 むくむくと湧き上がってくる乱暴な衝動を軽く深呼吸する事でなんとか抑え付けて、 そっとレナのそこに舌を這わせると、舐め上げられるその感触にレナの体が一瞬震えた。 …さっきの様に、レナが怖がらせる様なことはもうしたくない。 自分が出来る限りのゆっくりさで口内に侵入し、レナの舌を探り当てる。 おずおずとではあるが、レナの方からも俺の動きに応えてくれた。 「…けぇ…ぃち、く…はぁっ…」 …一方的なキスと、お互いが求め合っているキスとではこんなに違う物なのか。 あまりにも気持ち良過ぎて、何よりレナと気持ちが繋がっている今の状態が幸せすぎて 情けない事に上手く息継ぎが出来ない。 大した時間も経たない内に苦しくなって、ぷは、と唇を離した瞬間思いがけない事が起きた。 レナが俺の首に手を回して、うなじから後頭部へと手を差し入れたのだ。 「…っ!!?」 その柔らかいけれど熱いような冷たいような不思議な温度に、俺の襟足が掻き上げられる感触に ぞくぞくっと一気に何かが背筋を駆け抜けていき、急激に俺の体温が上がっていく。 と、突然ぐいとレナに引き寄せられる。 未だに熱に翻弄されている様子の俺を間近で見て、レナはうっとりとした…恍惚としか言い様のないようなの表情で一度だけ息を漏らした。 俺の耳元に掛かったその息は、思いのほか熱く濡れていて…俺をもうどうしようもない気持ちにさせる。 「ぁ…ね、圭一くん…。」 「ん…何だ…?」 「…圭一くんのお口の中、まだ一杯ヨーグルトついてるかな、…かな。」 「・・・・・・。」 「…ふ、っ…!」 今度は何も答えずにレナの唇に噛み付く。 レナの舌の動きはさっきより幾分か大胆になって、まるで本当に俺の口の中にあるヨーグルトを舐め取っているかの様にくちゅりくちゅりと音を立てて隅々まで舐め取り啜っていく。 そうしてまた暫く経ってから口を離す。 だけど・・・まだ、まだ全然足りない。 「…、はっ…はぁっ…!…な、レナ。」 「…ん、…まだついてる…?」 「…あぁ、…俺は?まだついてるか?」 「…あは…全然足りない、よぉ…ぁふ…っ」 …ヨーグルト云々は只の口実なのだとお互い分かっている。 だけど今の俺とレナにはそれが必要だったし、今更やめるのも無粋だと思われた。 「けぇいちく…、んっ、…もっとこっち来て…?」 「…ん、分かってる…。」 深い口付けを一旦やめ、単に触れるだけの軽いキスを繰り返しながらレナの求めるままに体勢を変えていく。 今までレナの顔の両脇で腕立て伏せをする時のようについていた掌を今度は両肘でつく形へ。 そうしてより一層近くなった身体をぎゅっと抱きしめると、レナは嬉しそうに笑った。 その声に誘われる様に、レナの肩口に埋めていた顔をあげ覗き込む。 …レナの柔らかく細められた瞳の中には、今のレナと似たような表情を浮かべている自分の顔が映っていて、…何故だかはわからないけど、無性に泣きたくなった。 レナも同じ様にその事に気付いたのだろう。熱に浮かされたように潤んでいたその瞳が 一瞬揺れたと思った刹那、今度はレナの方から縋る様に抱き付いてきて、俺を求める。 それに応えて再度口付ける。この気持ちをぶつけ合うために、更に深く、もっと奥へ。 最後に俺が一啜りして僅かに口を離した時、お互いの口へと結ばれた糸は レナによって舐め取られた。 それは俺がしたかったのにという意味を込めて視線をやるが、それを見たレナが楽しそうに、 …本当に幸せそうにクスクス笑うので、嬉しい反面何だかちょっと悔しくなってくる。 …ここでさっきの如く一緒に笑い出すとまた振り出しに戻りそうだしな。 そろそろ俺がリードして始めても良い頃だろう? 「ふふっ、圭一くんかぁいい…って、はうぅっ!?」 未だに笑い続けるレナの首筋から鎖骨にかけてを舌で辿ると、途端にレナの体がびくんと跳ねた。 「…ほらほら。さっきレナがカップごとひっくり返したから口だけじゃなくて身体中 ベトベトじゃねぇか。俺が綺麗にしてやるよ。・・・原因は俺な訳だしな?」 「んっ、圭一くっ…!」 レナの制止の声も聞こえない振りをして、そのまま舌を滑らせ下降していく。 パジャマは着たままであるが、季節は真夏。 当然通気性の良い薄い素材で出来ているし、その上ヨーグルトによって湿ったパジャマは レナの上半身殆どの部分にぴったりと張り付いてしまっている。 そのパジャマの中にスルリと片手を差し込んで軽くブラジャーを引っ張ると、 汗のせいなのかヨーグルトのせいなのか(両方なのだろうが後者が大部分であろう) ぬるりとした感触と共に思いのほか楽にずり下げる事が出来た。 そしてそのままブラジャーを下げた手で直接胸を揉みしだき、 同時に口で服の上からその先端に吸いつく。 「っ、は…ふあぁっ!!?う、動かさないで…あぁっ…!!」 俺が軽く甘噛みしたり舌で突くことでそこが濡れた服の生地で擦れるのだろう、恥ずかしさからか今まで声を抑えて吐息しか漏らさなかったその口から甘い声が上がる。 普段のレナからは想像できないその声に酔い、衝動に任せて夢中で愛撫を続けていると ふと床に肘を着けていた側の手首に軽く何かが触れる感触がした。 今までシーツを硬く握り締めていたレナの手。 その小さな手に俺の手首は握り締められたままレナの口元まで運ばれて…にゅるっ。 「…、うおぉっ!!?」 「…あはっ…、交代。今度は…レナが圭一くんを綺麗にしてあげる番かな、・・・かな。」 そう言い終わるか終わらないかの内にレナは再び俺の指を舐め上げた。 しかもただ舐める訳じゃない。一本一本丁寧にゆっくりと、先端なんかは唾液をたっぷりと 絡ませた舌で爪の中までねっとりと嬲られる。 その途中、俺が指と指の間を舐められることに弱いと気付いたレナは、それはもう 楽しそうな様子でそこを重点的に攻め立てた。 「…はぁっ…はっ…!れ、レナ、もう俺…!」 「ふふっ、圭一くんかぁいい…でもまぁだ。もうちょっと我慢して…?」 急激に真っ白になっていく思考に焦り、レナに交代を促す物のあっさりと流される。 主導権を取り戻すため、勝手にレナの弱い部分への愛撫を再開しようかとも思ったが・・・ レナの俺の手首を掴んでいる手とは反対の手がさっきからずっと俺の首筋や耳の辺りを 触れるか触れないかの加減で撫でていて…。 元々くすぐったがりの俺に、それはこの状況で恐ろしい程の快感に摩り替わっている。 レナは知っててやってるのか無意識なのかは分からないが…兎も角。 大体この体勢が不利なのだ。 組み敷いてる側の俺はレナを潰さない様に、必ずどこかで身体を支える必要があるので 必然的に使える部分は決まってくる。けど、下のレナにはその必要がない。 つまりレナが下から攻める立場にある場合、俺は縛られた状態の束縛プレ… …やばい、自爆だ。打開策を見つけるつもりが逆に興奮してきてしまった。 取り合えず一度無理やりにでも身体を離して…っ!! 中々に纏まらない思考で漸くそこまで考えた時。 にゅる。 …新たな感触と共に、嫌な予感がした。 今まで舌を這わせ、軽く吸うの繰り返しだったレナの愛撫に、また違う動きが加わったのだ。 指を何本か纏めて、出し入れする。 「…れ、…」 「ん、ふっ…ぷはっ…!」 にゅるにゅるっ、くぷっ、にゅくっ ピストンを加える度、レナの口内に溜まっていた唾液と舐め取った白いヨーグルトが混ざった どろりとした液体が口の端から滴り落ちる。 その光景はまるで、今俺とレナがしている行為の最後に位置するものそのもので。 …また無意識に喉が鳴る。眼を、逸らすことが出来ない。 だが唐突に、一際強く吸われる感触がしたと思った瞬間、レナは俺の指を口からゆっくりと 引き抜いた。 俺の指は名残惜しいとばかりにレナの口から例のとろりとした蜜で線を引く。 それを見たレナは眼を細め、俺に見せ付けるかの様にまたそれを舐め取った。 そうして未だに固まったままの俺に、妖艶な微笑を向けたまま、唇の動きだけで告げた。 …「交代」、と。
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大きな雨粒か激しい音で車の天井を叩き、激しい風が容赦なく車を揺らす。 何も見えない闇が不安を掻き立てる。いつ果てる事もなく続く嵐。圭一と レナは小さな車の中で震えていた。 そもそものきっかけはいつものようにレナの宝探しに付き合ったことから 始まった。 「今日は一日中、宝探しするのー」 満面な笑みでレナは言った。お弁当、おやつ、お茶。それに鉈や斧、準備は 万端だった。圭一もやれやれと思いながらも付き合った。 午前中は晴れていた。お昼はレナの手作り弁当を堪能した。 「うーん、あまりいいものがないなー」 しかしながら、肝心の宝探しは不調だった。午前中はめぼしいものが一つも 見つからない。あっちへうろうろ。こっちへうろうろ。だけど、お気に入りの ものは見つからない。午前中は一つも見つからなかった。午後もだ。 「なあ、そろそろ帰ろうぜ」 「もう少しー」 そろそろ暗くなってきた。星が見えない。午前中は晴れていたが午後から 雲が多く出てきた。空を見上げても、星は見えず、かわりに黒い雲が見える。 かなり濃い。空気もなんだか湿ってる。 圭一はため息を吐く。レナはかなり遠くまで出かけてしまった。近くの粗大 ゴミに体を傾ける。結構疲れた。 ぽつり。 ひたいに冷たいものを感じた。 雨だ。空を見上げると、ポツリポツリと振ってくる。 だが、程なく雨は強くなってる。 「おーい、レナ」 圭一がレナと合流した頃には雨はかなり強い勢いになっていた。 風も吹き荒れ始めてきた。 「くそっ、このままじゃあ、きついぜ」 もう夜だ。道はかなり暗く、雨も風も激しい。無理を押しても帰れるだろうか。 「圭一くん、こっち」 レナは圭一の手を引っぱる。この雨では帰るのは困難だ。だから、案内する。 「──ここは」 レナが案内したのは廃車だった。何とかもぐりこむ。 「えへへ。ここはレナの隠れ家なの」 タイヤの無いワゴン車。助手席から何とかもぐりこむ。すでに全身びしょぬれだ。 「ふー、やれやれ、何とか一息つけたな」 外を見ると青白い稲光が見えた。 「にしてもすごいなー」 圭一は改めて、レナの秘密基地を見る。外から見れば、ただのさび付いた廃車だが 中はきれいに整えられている。ブランケット、懐中電灯、文庫本、電気スタンドなど が常備されており、下はシーツも引いて過ごしやすく工夫されている。 「えへへ、ちょっと、一人になりたいときのために作ったの」 小さく舌を出して、レナは笑う。少し前、色々と辛いことがありレナは悩んだ。 その時に作ったのだ。悩み事はみんなの力を借りて解決した。それ以来、あまり ここにはこなくなった。でも、定期的に手入れはしている。この辺りはレナの 性格がにじみ出ているだろう。 「ふーん」 圭一は興味深そうにまた、周りを見る。男の子としてこういう秘密基地は憧れる。 小さい頃は勉強勉強だったため、作って遊んだ事が無い。 くしゅん。 レナがくしゃみをした。 「おい、大丈夫か?」 慌てて、圭一はレナの方を見る。 「うん、大丈夫。ちょっと、体が冷えたのかな」 考えてみれば二人とも雨でびしょぬれだ。服はべったり濡れてと体に張り付いている。 確かにこのままでいたら風邪を引きそうだ。しかし、さすがにレナの秘密基地にも 着替えは用意してない。ブランケットが二枚ほどあるだけだ。 へっくしょん! 圭一も大きなくしゃみをした。同時に震えが来る。 「さみー」 さすがに暖房はない。中の温度は外と変わらない。風が無いだけましという 程度。 「……圭一くん、服──脱ごうよ」 レナがとんでもない事を言ってきた。うつむき、上目遣いに圭一を見る。 ブランケットを引き寄せて胸の辺りで掻き抱く。圭一は「えっ?」と、驚く。 「濡れた服のままだと──風邪引いちゃうよ。だから……」 そういって、レナは顔を伏せる。はらりと髪が舞う。かすかに見えるうなじが 赤い。ブランケットを纏い、服を脱ぐ。しろい肩が見えた。慌てて、圭一は目をそらす。 「そっ、そうだな。そうするか」 顔の奥が熱い。ふわふわとする。服を脱ぐ。すでにシャツまでべっとりだ。 上半身は裸になる。下もぐっしょりと濡れた長ズボンを脱ぐ。ブランケットを きつく体に巻く。見るとレナも同じだった。互いに下着1枚の姿になっている。 かっと熱くなる。体の奥が。 「──ごめんね、レナの所為で」 少しの間、沈黙が続いた。破ったのはレナだ。 「レナが早く宝探しをやめていれば、こんな事にならなかったのにね。 ごめんね、圭一くん」 ブランケットを纏い、顔だけを向けてくる。眼が潤んでいる。 「いっ、いや、そんなこと無いぞ。むしろ、途中でこんな大雨に打たれたかも しれないしな。ははっ」 いつもの口調が鈍くなる。早鐘のように心臓が鳴る。どうしてだ? 言うまでも無い。視線の先に写るのは濡れたレナの服。意識したくなくても 意識してしまう。沸いては消える妄想。顔を振る。 くしゅん。 レナがまた、くしゃみをした。ブランケットから素足が見えた。白い。 「寒くない、圭一くん」 鼻をすすってレナが聞いてくる。 「いや、大丈夫だぞ」 ほんとは少し寒い。薄いブランケットでは外気を抑えられない。ましてや 濡れた体では余計に。けど、男だから。 くしゅん。 レナはまた、くしゃみをした。 「おっ、おい、大丈夫か。なんだったら──」 このブランケットを使うかと言おうとして沈黙する。 晒すのか? 自分の裸を。いや、そうではない。 「ううん、いいよ、圭一くんが風邪引いちゃうよ。それより──」 また、遠くでカミナリが光る。レナの顔が見えた。静かに小さな口を開く。 「二人で暖まろうよ。ほら、何かで聞いたことあるの。冬山で遭難したときは お互いの体温で温めあうって」 息を呑む。レナの提案は確かに聞いたことある。効率もいいだろう。理性と しては理解できる。けど、感情としては── 「いや、だめだ、それは!」 圭一は慌てて言うが。 「どうして? レナ、もう寒いもん」 にじり寄ってくる。レナはブランケットを纏いつつ四つん這いで圭一に近づく。 逃げ場は無い。吐息が感じた。体温が感じた。レナが感じた……。 気がつくと圭一とレナは二つのブランケットを重ねて包まっていた。 圭一の胸にレナがいる。互いに抱き合っている。暖かい。そして柔らかい。 女の子のにおいがする。レナも感じている。圭一の体臭。自覚してしまう。 男の子だという事を。都会育ちで普段はだらしないところも見せたりはする。 だけど、意外な胸板に、その肩幅に、掻き抱かれる手の強さに、男を意識して しまう。その小さな肩を掻き抱く。丁寧に。はじめは力を入れすぎだ。「痛いよ、 圭一くん」だから、そっと抱く。何も言葉は交わさない。ただ、互いの体温を感じるだけ。 熱くなる。ひたすら。手に汗がにじむ。今、圭一はレナの素肌に触れている。 暖かくて柔らかくて何もいえない。 外の風は激しくなる。雨もさらに酷くなる。車は揺れる。雷の音も光も聞こえる。 だけど、気にならない。互いに外の事は目に入らない。二人きりの世界。ただ。 お互いを思う。 「暖かいね」 沈黙に耐えられなくなった。レナはポツリと呟いた。 「……ああ」 圭一はかすかに頷いた。 「でも、まだ、少し寒いかも」 また、レナは呟く。互いの鼓動が聞こえる。 「──知ってる? もっと、暖かくなる方法があるんだよ。互いに熱くなるの」 潤んだ瞳でレナは圭一を見つめてる。圭一はごくりとツバを飲み込む。否、 飲み込もうとした。けれど、口の中は乾いている。手が少し震える。レナは 待っている。圭一は答えなければならない。 ゆっくりとレナを見つめる。肩を掴む。少し震えてる。そうだ。怖いのだ。 覚悟を決めていても怖い。圭一も怖い。レナも怖い。理解できる。一線を越える。 この意味をどう取るか。明日からの自分たちはどうなるか。分からない。 だから、怖い。 だけど、進む。圭一はレナを求める。レナも圭一を求める。互いに二人は欲し 求め合う。きっかけは些細な事だ。けれど意識している。二人の心に互いの存在が 大きく占めている。 圭一の頭はゆっくりと下がる。レナは待ち受ける。二つの影は一つになる。 初めてのレナとのキスは唇同士が触れ合うものだった。感じたのは柔らかさ。 感じたのは吐息の熱さ。感じたのは互いの匂い。゜胸がどきどきする。 「──キス……しちゃったね」 少しだけ顔を離れさせてレナは言う。 「──そうだな」 圭一も一言だけ呟く。 「もう一回……キスしよ」 小さな声でささやくようにレナはねだる。圭一は何もいわずにキスをした。 「熱い──」 レナは息を漏らす。初めてのキスが甘く柔らかなものなら、今度のキスは熱く 激しいものだ。ただ、むさぼりあう。 ひちゃり。 音がした。誰からとも泣く二人は舌を絡めあう。熱く蠢く舌は互いの口の中を 舐めあう。くちゅり。レナの唇から唾液が洩れた。圭一の口から唾液が洩れてレナの 口の中へと移動する。何度もむさぼりすする。何度も感じる。頭の奥が激しく熱い。 なんも感じない。雨の音も風の泣き声も。ここが車の中ということさえ忘れる。 夜だということさえ忘れる。感じるのは互いのこと。考えられるのは互いのことだけ。 唇は離れる。二人の口元からこぼれる唾液は繋がり橋を作る。白いひと筋の橋は長く 続き途切れる。 「胸がどきどきして熱いの。圭一くんは?」 頬を赤く染めてレナは聞いた。 「俺もどきどきしてるよ」 ゆっくりと息を吐く。けれど、落ち着かない。 胸の熱さは収まらない。もう一度キスをした。さらに圭一の手はゆっくりと レナの胸に触れる。 「……あっ」 かすかにレナは声を上げる。だけど拒まない。圭一の手はレナの下着の上から 胸に触れる。柔らかな感触を感じた。何にもたとえようのない柔らかさ。トクン トクンと生命の鼓動も感じる。 はじめはゆっくりと後からだんだん早く揉む。レナは熱いと息を漏らし懇願する。 「ね、──圭一くん、もっと優しくして」 レナは戸惑う。胸の奥から生まれたものに。もっと味わいたい。だけど怖い。 だから優しくゆっくりと触ってもらいたい。本当は激しくして欲しいのに。 「わるいっ」 圭一の手の動きは遅くなる。軽く円を描く。大きくはない。小ぶりだがしっかりと 自己主張している胸。いつまでも触っていたい。 「んぅっ」 レナはかすかに漏らす。 「痛いのか」 圭一が慌てて聞く。 「……痛くないよ。むしろ──」 気持ちいい。という言葉は飲み込む。とても恥ずかしくていえない。 圭一の手がレナの胸から離れる。 「……あっ」 かすかにさびしげにレナは呟いた。 「なんか、苦しそうだからさ」 苦笑いする圭一にレナは手を伸ばす。圭一の熱い部分。もうすでに硬く そり立つ男の印に。 「えっ、おっ、おい、レナ……」 圭一は戸惑う。レナの行動に。圭一は戸惑う。柔らかくて細いレナの指の 蠢きに。己の手淫では消して得られぬ快楽が生み出される。自分の手では触って 欲しいところ。強弱がうまくコントロールできる。だけど、レナの指はそれがない。 痒い所に手が届かぬもどかしさ。予期せぬ快感が呼び起こされる。 圭一は顔をゆがめる。激しすぎる快楽は腰を引かせる。 「圭一くん、もっと触って。もっと、レナにも触って」 耳元でレナがささやく。ついでに圭一の首筋と耳たぶに下を這わせた。 圭一の体はビクンと揺れた。 手がレナの胸に向かう。もどかしげにブラを剥ぎ取ろうとする。レナは片手を 後ろに回してホックを外す。はらりと落ちる。夜気にさらされる。初めて異性の 目にさらされる。すでに乳首は固くそそり立つ。圭一は息を呑んで見つめる。 「きれいだな」 それだけ言うと屈んで圭一はレナの乳首を口に含んだ。 「あんっ」 胸の奥の何かははっきりとした快楽を伝える。唇だけではさみ、舌で舐めて 吸い付く。レナもまた、己の自慰行為では得られない快楽に翻弄される。飴の ように舐めてむさぼる。頭を振って、肩を震わせて耐える。甲高く泣く。ただ、 酔いしれて耐える。快楽の並にレナは溶けていく。 それでもレナの手は圭一を求める。布の上からさする怒張を直接さすろうとする。 下着に手をかける。脱がす。驚くほど熱く固いものが手に触れる。 「……熱い」 「──ああ」 二人はゆっくりと服を脱ぐ。残った下着は全部外す。生まれたまんまの姿になる。 「圭一くん」 「レナ」 互いの裸身を見つめあい、もう一度キスを交わす。もはや考えられるのは互いの ことだけ。圭一がレナの胸を掴めば、レナも圭一の胸の乳首を指で引っかく。 圭一がレナの首筋をキスすれば、レナも圭一の首筋を舐める。互いに互いの体を 確かめるかのようにとろけあう。 レナの乳首を舐めていた圭一はだんだんと頭が下に向かう。胸の谷間やわき腹、 腹やへそにも手や舌が這う。そのたびに声を漏らし、体をビクンと震わせた。 そして、ついにレナの秘所へと向かう。 「……圭一くん」 不安げにレナは圭一を見る。眼で圭一は問いかける。こくんとレナはうなずく。 そのまま圭一は顔をうずめた。 「あっ、あぁ、あぁっー」 ひときわ甲高くレナは泣いた。圭一の舌は若草の奥にあるレナの秘裂を這う。 すでに熱く蜜はとろとろに洩れている。舌と指を這わせる。なんともいえない 匂いがした。指がふやけるほどの熱さを感じた。小さな若芽にキスをした。 それだけでレナは今まで以上に体を震わせ、うねった。 「圭一くん」 愛しげにレナは圭一を見る。 「……レナも」 レナはゆっくりと圭一から離れて、改めてその胸にキスをする。チロチロと舌は 圭一の体を這い、うめき声を漏らす。ついにはそそり立つ怒張に口をつける。 「うっ」 それは初めての感覚だ。レナの口が圭一に吸い付く。想像できないほど。なんとも 形容しがたいほど。ただ、翻弄される圧倒的な快感が襲う。はじめは唇で吸い付く だけだった。竿の脇をキスして吸う。それだけで翻弄される。玉袋に手が這う。 背筋から快楽が走る。あまりの快楽に腰が引ける。舌も這う。竿に袋に。激しく うねる。圭一は翻弄される。息を漏らし、耐える。ついにレナは先端部を口に含んだ。 その熱さと柔らかさに圭一は息を吐いた。すぼりずぼりとはしたない音がした。 舌で先端の穴を突付かれたときには震えた。耐えられない。だから、 「なあ、レナ。俺も──」 ゆっくりと懇願する。レナはこくりとうなずいて、自分の体を圭一に重ねた。 レナの目の前には圭一の怒張が。圭一の目の前にはレナの蜜壷が。互いにさらし あった。互いに舌を這わせ、指を使った。いつ果てぬ饗宴の声を奏であう。 いつまで続いたか分からない。けど、もうたまらない。二人は再び向き合う。 「──いいのか?」 圭一の問いにレナはかすかに頷く。 「……来て、圭一くん」 二人の体は重なる。ゆっくりと。一つになろうとする。絆も。心も。体も。愛も。 一つとなって結ばれようとしていた。 「……あれ」 なろうとしていたのだが。 「……あれれ」 なろうとしてるのに。 「あれれれっ」 ならなかったのであった。 「──圭一くん。ここだよ」 クスリとレナは笑って圭一を導く。自ら手で握って、 自分のところへと誘導する。 「……じゃあ、あらためて」 少し恥ずかしそうに圭一は息を吐く。レナも緊張がとれた声で笑い、 うなずく。 ゆっくりと圭一は進む。レナは「うっ」と、呻く。とろけるような享楽の 中で突き刺す痛みを感じる。 「いっ、痛い」 思わず洩れる。圭一の動きが止まる。だから肩を掴む。 「そのまま進んで。……レナを──圭一くんのものにして」 なみだ目で訴える。痛い。だけど、このまま終わるのはもっといやだ。 だから、望む。証を。 「──わかった」 そのまま突き進む。レナは涙を漏らす。苦痛のうめきをもたらす。圭一の背中に しがみつく。爪を立てて引っかく。だけど、耐える。痛みの果てに喜びを感じるから。 涙を流しながら呟く。 「圭一くん圭一くん圭一くん……」 一突きごとに呟く、叫ぶ。二人の体は溶け合う。レナは圭一の中に。 圭一はレナの中に。ただ突き進む。ただ思う。互いの事を。いつしか 全てが白く染まり消え去った。 圭一はレナの中で解き放った。 二人は再びブランケットに包みあう。何もいわない。何もいえない。 心の奥に満足感と罪悪感が交じり合う。手が握り合う。今でも二人は一つに 繋がっている。 「なあ、レナ──」 圭一が声をかけた。その続きを言う前に、 「謝らないでね」 レナは圭一を見つめて言った。 「レナは望んでこうなったの。圭一くんが欲しくてたまらなくて。私、 圭一くんとこうなって幸せだよ。だから──謝らないで欲しいな」 レナの言葉に圭一は息を吐いて、 「そうだな。そうかもな」 と、呟く。いつだろう。決してやった事のないはずの記憶。学校の屋根での誓い。 自分の部屋でのレナの血まみれの笑顔。沸いては消えるかすかな残照。 でも、二人は一つになった。握り締めあう手が実感する。レナの体の中で実感する。 圭一の証。 二人は空を見る。星の瞬きが見えた。いつしか嵐は過ぎ去り満天の星空となった。 ゴミ捨て場で二人は一つになった。もう一度、キスを交わした。 終わり。
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▽タグ一覧 ひぐらしのなく頃に ヤンデレ 嘘 死的オールスター 竜 笑い声 鉈 音MAD素材 顔芸 ニコニコで【竜宮レナ】タグを検索する 概要 ひぐらしのなく頃にの登場人物。 献身的で世話やきなよい子。 普段はぽけーとした感じで「かな?かな?」と文末を繰り返したり、「はぅ~」などを口癖としている。 「嘘だッ!!!」と、今までと打って変わった表情で叫ぶシーンは印象的。
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レナはレーベ南西の草原地帯を歩いていた。 自分と共にこの世界にいるはずの姉を求めてもう数日間こうして歩きつづけている。 幸い誰とも遭遇しなかったが、疲れ果てていた。 ふと今まで草しか見えなかった草原に小さな影が見えたような気がした。 レナは短刀を構え、足音を立てないようその影に忍び寄った。 「うえーんうえーん」 近づくと一人の少女が泣いているのがわかった。 年はかつて旅をした仲間クルルと同じくらいだろうか。 少女は草原にへたり込み、声をあげて泣いていた。 少女が心配なもののレナはしばらく様子を見ることにした。 なにしろこの世界にいるのは全員が敵なのだ。 「子供だからといってうかつに油断はできないわよね…」 しかしレナがしばらく見ていても少女は一向に泣き止む様子はなかった。 それどころか段々体力もなくなっていくのが声が小さくなっていく。 「お母さん…お父さん…みんな~…おなかすいたよお…お家に帰りたいよお……」 子供のように泣きじゃくるこの少女にレナは本能的に危険は無いと察し声をかけた。 「ねえ、あなた」 「誰っ!?」 突然声をかけられたことに驚き、少女は泣き止んで声のした方を振り向いた。 「安心して。私はあなたと戦う気はないわ」 レナは少女を怖がらせないようになるべく優しく話しかける。 少女は警戒を解かず小さなリュックを抱きしめ、レナの方を睨み付けていた。 「…」 しばらく2人の間に沈黙が流れる。 が、それを破ったのは少女の腹の音だった。 少女は赤くなって腹を抑える。 その様子を見てレナはくすりと笑うと自分の鞄の中からいくつかの食料を取りだし少女に与えた。 「お腹が空いていたのね。よかったらどうぞ。安心して、毒なんて入ってないわよ。」 少女はレナに敵意がないのを悟ると食料を受け取り、貪るように食べ始めた。 ひととおり食べ終えたところでレナは少女に尋ねた。 「ねえあなた、名前は?」 「…バーバラ」 少女は小さな声で呟いた。 「そう、バーバラ。私はレナっていうの。あなたはここで何をしてたのか、よかったら教えてくれる?」 バーバラと名乗った少女はこくんと頷きこれまでのことを話し始めた。 突然この世界に飛ばされ、一人で草原をさまよっていたことを。 食料も尽き、足も動かなくなりどうしようもなくなってこの草原で座り込んで泣いていたことを。 「それであなたはこれからどうしようというの?」 「あのね、あたしの友達の何人かもこっちの世界に来ているはずなの。だから…だからみんなに会いたくって…」 バーバラの瞳からまた涙が流れた。 「そうだったの…。私もね、一緒に飛ばされた姉さんを探しているの。早く姉さんに会いたい…」 レナはそう言うとがっくりと項垂れ、その場に座り込んでしまった。 またも2人の間を沈黙が支配する。 「…だよ」 声を発したのはバーバラだった。 そしてよろける足で立ち上がりながらもはっきりとした口調で言った。 「大丈夫だよ!あたしの友達も、お姉ちゃんのお姉ちゃんもきっと生きてるよ! だから行こう、探しに」 「ええ、そうね。こんなところにいても仕方ないものね…行きましょう。 よろしくね、バーバラ」 2人は手を取り合い再び草原の上を歩き出した。 【レナ@シーフ 所持品:メイジマッシャー 第一行動方針:姉の捜索】 【バーバラ 所持品:果物ナイフ 第一行動方針:仲間の捜索】 【現在位置:レーベ南西の草原】 ←PREV INDEX NEXT→ レナ NEXT→ バーバラ NEXT→
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名前「セレナード」Neme【Serenade】 読み〔せれなーど〕 主演&出演作品リスト 色設定リスト 参考資料リスト 称号『????』『????』『????』限定称号『??の踊り姫』 本名『????・??・?????』FullName【???-??-?????】 名前の由来『』通称〔愛称〕セレナ 性別:不明 種族:不明 種類:??? ―特殊能力一覧― 核石―コアストーン― エレメント『』『』 ―主な武器一覧― 守護武器『』『』 ―基本色設定― 髪色【銀鼠色】+【竜胆色】 瞳色【琥珀色】 肌色【褐色肌】 一人称『あたし』 二人称『』『』 ―職業一覧― 踊り子…セレナードの代表的な職業。 階級: コードネーム『【】』 性格:寡黙で大人しい。少々ツンデレ気味な面も。 行動:暗くて狭い所が大の苦手、檻に閉じ込められると、ガタガタ震えてしまうのは…、トラウマと言う名の記憶〝けいけん〟がそうさせているらしい…? ―特徴一覧― 髪形: 服装: 瞳形: 肌質: ―身体設定一覧― 表情: 体格: 外見年齢:17歳〔本来年齢:??歳〕 身長:161㎝ 体重:??㎏ 好きなモノ: 嫌いなモノ: 属性: 耐性: ―技一覧― 声優CV:神田 朱未 歌手CV: ―基本台詞― 『あたしはセレナード…って、名前くらいちゃんとあるよ?…よろしくとだけ言っておく。』 『』 『……お願い、レイ。〝あたし〟を連れて、ここから逃げて!今すぐ…早く、急いで…!!』 『』 目的: ―所持品一覧― ―貴重品一覧― ―関連人物一覧― レイ・コード…??? ライトニング・レーザー…??? フリージング・ブリザード…??? 外伝要素: コラボ要素: オリジナル作品『ドール・キラー―A Killer Doll―』 コラボ作品『』 創作者名「流星群 輝流」or「ヒカルン」 創作協力者名「なし」 ―詳細情報一覧―
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魔道士レナ(マドウシ~) p e 属性 火 コスト 7 ランク A 最終進化 S レベル HP 攻撃 合成exp 10 700 634 ? 50 1,236 1,153 ? 最大必要exp 19,564 No. 0388 シリーズ レナ Aスキル ハードラッシュ++ 敵単体へのダメージ中アップ(15%) Sスキル 火炎の魔術 敵全体へ火属性の小ダメージ(25%/5turn) 売却価格 3,900 進化費用 160,000 進化元 - 進化先 炎術士レナ(A) 進化素材 ド1(A) タ1(C+) フ1(C+) ロ1(C+) 入手方法 クリスタルガチャ 備考
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―ー私は、何のために戦っているのだろう、と。 【名前】レナモン 【出典】デジタルモンスターシリーズ 【説明】 成長期の獣人型デジモン、金色狐の姿をしており長身。 あらゆる状況下でも動じない冷静沈着な性格が特徴。 必殺技は、鋭利な木葉を敵に投げつける、狐葉楔。 進化系はキュウビモン。 成熟期の妖獣型デジモンで、多数の尻尾を持った4足歩行となる。 素早い動きで相手を翻弄するのが得意。 必殺技は鬼火玉。 【パーソナルデータ】 メス。 多くの勢力が戦いを続ける激戦区の森で、幼年期クラスのデジモン達を守って生活していたが、 大規模な戦闘に巻き込まれた際、彼らを守りきれなかったことをきっかけに力を求めるようになった。 自力での進化が可能であり、キュウビモンに進化可能であることまで判明している。 【スタンス】 強さを求める 【初期支給品】 マッスルドリンコ 【登場話】 +開示する 話数 タイトル 17 力の証 30 迷い生きる獣達 66 ~チカラ~ 68 君の思い出に 70 僕たちは世界を変えることができない。 85 レナモンの唄 ~Memories Off~ 87 ハルモニア 91 決勝(1) 92 延長戦 93 クロス・ソングス
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名前:セレナ・メルクーア(せれな・めるくーあ) 性別:女 年齢:15歳(現在中学3年生) 性格:冷静 容姿:花柄の袴。髪は銀髪で首にかかるくらいのショートカット。目は透き通った青色。前髪をヘアピンで留めている。 使い魔:無し 血族:神 1,主な使用武器 大海の竪琴(オリンポスハープ)…全長1,5mの竪琴。身の回りにある「水分」を操る竪琴。空気中の水分・血液も操る。 2能力について 完璧なる時計(パーフェクトクロック)…一部の空間の「時間」を操る。 3,これまでの出来事 月の親友であるアリスの娘。姉であるレイラ同様母親同士の関係があったため、燐とは昔からの知り合い。幼い時、海に落ちて海王神に助けてもらった経験がある。その日以来「水」に興味を持ち、「大地の神」の娘にも関わらず「海」に関する武器を使用するようになった。
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セレナ セレナセレナの基本情報 セレナのステータス セレナのスキル、アビリティスキル アビリティ EXアビリティ セレナと相性のいいドラゴン、竜輝の護符相性のいいドラゴン 相性のいい護符 おすすめクエスト 編集者のコメント セレナの基本情報 レアリティ 属性 武器種 評価 - 最大レベル 80 マナサークル 50 声優 内田真礼 キャラタイプ 称号 - 入手方法 ガチャから入手可能 キャラクター詳細 純真無垢で実直な少女戦士。持ち前の性格で周りを明るくしてくれる。が、素直すぎるため、詐欺の標的にされることもしばしば。泣き虫な自分を克服するため、辛いことでは泣かないという誓いを立てている。 セレナのステータス HP 808 攻撃力 443 戦力 2431 ※マナサークル50、レベル80時のステータスです。入手時とは異なります。 セレナのスキル、アビリティ スキル アサルトフレイム 5秒間、自身のクリティカル率を10%アップし、直線上の敵に火属性のダメージを与える。350%×2ヒット必要SP:2500 ピュアブランディッシュ 前方の敵に火属性のダメージを与える。169%×4ヒット必要SP:4593 アビリティ 粉骨砕身・会心威力+6% 攻撃が20ヒットするたびに【クエスト中クリティカル時のダメージ倍率が6%アップするバフ】が発動する。この効果は1クエスト3回まで発動する。 気絶耐性+100% 「気絶」状態になる確率が100%ダウンする。 粉骨砕身・会心+3% 攻撃が30ヒットするたびに【クエスト中クリティカル率が3%アップするバフ】が発動する。この効果は1クエスト3回まで発動する。 EXアビリティ 竜化ブースト+15% パーティ全員の竜化ゲージ上昇率が15%アップする。 セレナと相性のいいドラゴン、竜輝の護符 相性のいいドラゴン ドラゴン名 理由 ドラゴン名 理由 相性のいい護符 護符名 理由 護符名 理由 おすすめクエスト クエスト名 クエスト名 クエスト名 編集者のコメント 自由入力