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メフメト・エルル 期待の星 OH / 個性25 / SS / ランク5 / ドイツ 22歳 182cm 73kg モデル:メスト・エジル ■選手特徴 突如現れたドイツ期待の新星。トルコ系らしい、テクニカルなドリブルで相手のDFの隙を突き、“黄金の左足”から放たれるキラーパスで得点を演出する。大人しい性格と、フィジカル面の強化が今後の課題か。 ■適性 4 4 4 6 7 5 4 4 4 2 2 2 1 ■DATA(PK/FK/CK/CP/RP) 7/11/11/4/5 ■DATA(期/SPD/TEC/PHY/update) 01 11 10 07 /up110227 02 11 11 08 /up110227 03 12 11 08 /up110227 04 12 11 07 /up110307 05 12 11 06 /up110227 06 11 10 06 /up110227 07 10 10 05 /up110306 08 07 07 05 /up110313 09 07 06 05 /up110320 10 05 06 05 /up110403 埋まっていないデータ、間違っているデータの報告はこちらへ→選手データ報告掲示板 更新日:2011-09-16
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マジカルヒロイン / MAGICAL HEROINE 【マジカルヒロイン】 いますぐヒロインに変身しちゃいそうなアイドルポップス!キュートなヴォイスにキュンキュンだよ☆ マジカルヒロイン / MAGICAL HEROINE ハイライト発生箇所 収録作品 ロング版収録 関連リンク ポップンミュージック20 fantasiaで登場した楽曲。担当キャラクターはピュアクルリップ。 ラブ☆ゲッター~ピュアクル♡リップ~ / sei☆shin feat.MAI BPM 100→…152 5b-14 N-18 H-27 EX-36 新難易度 EASY NORMAL HYPER EXTRA × 24 33 42 ハイライト 5Buttons / EASY NORMAL HYPER EXTRA 6 / × 6 6 6 18・せんごく列伝の年号ロックでポップンに初登場したsei☆shinによる、ピュアクルリップが活躍する架空の魔法少女アニメの主題歌をイメージした曲。ファンタジーがテーマだけあってか魔法少女ものを思い浮かべた人も多いだろう。作曲者本人が本来得意とする打ち込みが主体となったアイドルポップス系となっていて、可愛くもクールなアニメソングを思わせる。前作の版権曲「only my railgun」のカバーを務めたMAIがボーカルを担当しており、バックにPONの声も。 開始後、歌いだし直前でBPMが加速して152に。ハイパーは前半が左右別フレーズで後半は同時押しメインだが、付点8分や16分が目立つのでリズム感が問われる。ラストの同時押しはハイテンションH等にあるような変則リズムで刻むので、オブジェをよく見て。EXは出だしの「>」押しが絡む箇所や、道中の16分交互連打に32分が混じる箇所があったりとリズム崩しはあるものの、同時押し、階段、乱打がバランスよく配置された総合譜面。ラストの連続する同時押しはタイミングに気をつけてゲージ回復に当てたい。 ハイライト発生箇所 番号 5Buttons / EASY NORMAL HYPER EXTRA 1 BPMが144→152へと段々加速する1小節 2 「♪巡り会うかもね」 3 「♪今日も誰かが~」直前の1小節 4 「♪ハピラキ~」直前の2小節 5 「♪叶えちゃうぞ!」の2小節 6 ラストのコール部分「リーップ!」まで 収録作品 AC版 ポップンミュージック20 fantasiaからの全作品 CS版 ロング版収録 pop n music 20 fantasia original soundtrack pop n music うさぎと猫と少年の夢 Original Soundtrack 20th Anniversary Edition 関連リンク sei☆shin#? 楽曲一覧/ポップンミュージック20 fantasia
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マジカル・ニア マジカル・シフォン マジカル・リズ マジカル・キッシュ マジカル・シャルル レア度 ☆5~☆7 カードタイプ こうげきタイプ・単体 スキル能力 ランダム対象に自分の「こうげき」と「かいふく」 の合計×nの6連続属性攻撃。ただし、その後3ターンの間、自身がスキル封印状態になる。 Lスキル能力 自属性カードの攻撃力と回復力をn倍し、クエスト開始時の1ターン目のみネクストぷよを全て自属性ぷよにする Bスキル能力 なし コスト量 22,34,46 変身合成 ☆5→☆6:ぷよゼリー、☆5、☆6、☆6、☆5魔導書、☆6魔導書 概要 2018年6月のオールスターガチャで、マジカル・シャルルから登場。 10月のオールスターガチャのマジカル・キッシュをもって全色が出そろった。 キッシュとシャルルはガチャで登場する前のギルドイベントのキリ番ボスとして、☆5の姿で先行して登場している。 2021年2月8日にキッシュとシャルルの☆7が開放された。 2021年3月5日にニア・シフォン・リズの☆7が開放された。 2021年4月24日のガチャラインナップ更新より、魔導石ガチャから常設で出現するようになった。 ステータス ☆6 キャラクター たいりょく こうげき かいふく マジカル・ニア 3502 2153 346 マジカル・シフォン 3482 2146 358 マジカル・リズ 3522 2139 352 マジカル・キッシュ 3502 2139 358 マジカル・シャルル 3482 2153 352 ☆7 キャラクター たいりょく こうげき かいふく マジカル・ニア 5165 3445 424 マジカル・シフォン 5136 3433 439 マジカル・リズ 5195 3422 431 マジカル・キッシュ 5165 3422 439 マジカル・シャルル 5136 3445 431 スキル ランダム対象に自分の「こうげき」と「かいふく」 の合計×nの6連続属性攻撃。 ただし、その後mターンの間、自身がスキル封印状態になる。 ☆5で合計×20・3ターン封印、 ☆6で合計×25・3ターン封印、 ☆7で合計×35・1ターン封印。 必要ぷよ消し数は☆5~6で40個、☆7で35個。 相手が単体の敵の場合、☆7でこうげき+かいふくの実質210倍というダメージを叩き出せる。 相手が複数の場合でも1発あたりの威力が高く、取り巻き程度なら悠々一掃できる。 後述のリーダースキルがネクスト変換効果なので、非常に高火力でありながら1回目をすばやく発動できるのがメリット。 自身のステータスだけで攻撃するので、テクニカルやマルチプレイでデッキの枚数が減っても影響を受けないし、 多色デッキに組み入れても威力が下がらない。 ハイキューコラボの影山飛雄や、カードキャプターさくらコラボの木之本桜の高倍率隣接エンハンスと組み合わせるのも強力。 この攻撃と回復で攻撃する特長は、ギルドイベントの攻撃回復逆転ステージで大いに発揮できる。 闇の天使シリーズの代替にもなるうえ、闇の天使と違い、単色デッキである必要がない。 ここまでの火力を単体で発揮できるカードはなかなかないが、使用後は自身のスキルカウントが停止されてしまう。 スキルを再充填することが不可能なのはもちろん、かがみのラフィソルのスキル再発動効果も無効になる。 スキルを再発動するまでのカウントが増えなくなるのは、かなり大きなデメリット。 特に☆6以下における「3ターン」は、自色ぷよの補充でスキルの再充填ができる 雅楽師シリーズや漁師ボーイズのスキル加速に見込まれるターン数と同等。 必要ぷよ消し数も、封印が解除されてから再度たまるまで数ターンはかかる数が要求されるので、 このカードのみがスキルの再発動が遅れることで、足並みが揃わず非常に戦略を立てづらくなる。 そのため、☆6以下を編成する場合は、このカードとは別に攻勢を仕掛けられる手段も備えておくことが望ましい。 または、スキル封印状態も状態異常扱いのため大神官シリーズやビースト鍛冶師のスキルで解除可能であり、 繰り返しスキルを発動することが目的のデッキならば同行させるのも有効。 ☆7ではぷよ消し数が減るうえ、封印ターンが1ターンに短縮されるため、上記デメリットも大幅に緩和される。 攻撃と回復で攻撃するうえ、攻撃エンハンスと回復エンハンスの効果は相乗するが、 このシリーズ自体がこうげきタイプのため、回復値は元々小さい。 両方のエンハンスをかけたとしても、回復分から得られる効果は期待ほどではない。 例)攻撃2000、回復300とした場合・・・ 通常時:(2000+300)×25×6=57,500×6 攻撃3倍時:(6000+300)×25×6=157,500×6 回復3倍時:(2000+900)×25×6=72,500×6 攻撃・回復3倍時:(6000+900)×25×6=172,500×6 リーダースキル 自属性カードの攻撃力と回復力をn倍にし、 クエスト開始時の1ターン目のみネクストぷよを全て自属性ぷよにする。 ☆5で2.5倍、☆6で3倍。 ☆7で3.5倍で、さらにネクスト変換が「1ターンの間」となる。 目覚めし力シリーズの強化パラメーターが「攻撃と回復」に変わっている。 スキル発動後に極めてデメリットがあることや、スキルによる攻撃と回復の値を参照する事を考えれば このリーダースキルとスキルの組み合わせは抜群の相性となる。 そして注目すべきはこのカードもクエスト開始時のネクストぷよの自色変換を持つこと。 目覚めし力シリーズと効果の持続ターン表記が異なっているが、実際の中身は同じで、 ☆6まではクエスト開始直後の1回のみ、☆7では1回目のなぞり消し後を含む2回の効果がある。 早期のスキルチャージが求められるギルドイベントのボスを相手取るにあたり、 このリーダースキルの効果はとくに単色・疑似単色デッキにとっては意義が大きい。 体力補正がなく、代わりに回復に高い補正が掛かるので、無限タフネスにも適している。 サポートに同属性の熱砂の旅シリーズを選び、回復手段もある程度仕込めば、強引に持久戦を仕掛けられる。 コンビネーション 「どうぶつ」「ガールズ」「にくきゅう」 デッキ考察 評価 圧倒的なスキル火力を誇るが、スキル内容が重視される昨今、封印がつくデメリット効果は無視できない。 リーダースキルも強力だが、スキルとも考慮すると、☆6までは完全に持久戦を切り捨てた形となっている。 運用の上ではとにかく短期で決着をつけに行くか、それともこのカードとは別に攻勢を仕掛けられる カードを用意しておくかをしっかり決定した上での運用を心掛けたい。 ☆7ではデメリット効果が大幅に緩和されるため、持久戦も視野に入れたデッキを組みやすくなる。 カードプールが揃ってくれば、無限タフネスで強引に持久戦を仕掛けたり、スキル封印をすぐに解除して スキルの再装填力の悪さを解決したりも可能。必要に応じてこれらの戦略も組み込もう。 通常クエストに関しては、扱い勝手が本家から更に強化されている。 とくにリーダースキルは本家よりも気軽に採用できるのは大きなメリットで、 本家はクエスト攻略で「リーダースキル発動の体力調整の為にスキルを使う」ことも状況に応じ必要となるが、 こちらは高めの倍率が常時攻撃に乗るため、意識せずとも快適に敵を蹴散らせる。 体力補正こそないが、回復にも高い補正が掛かるので、回復要員も仕込めば、 難易度の高くない通常クエストなら余裕を持って突き進むことが可能。 スキルの「こうげき+かいふく」の値を参照すると言う点は大きなポイントであり、 リーダースキルも攻撃と回復の両方に同じ倍率を付与するため、 本家と同じく攻撃回復逆転のステージでも威力が落ちにくい。 ギルドイベントで使う場合は、スキル装填力の欠点のフォローと、高い火力を更に活かすための工夫が必要となる。 昨今はスキルが開幕から使える協力ボスチャレンジ系のイベントも登場。 デメリットであるスキルの装填力の悪さも、イベント自体が1~3ターンで決着が付く短期決戦のため問題にならず、 このカードのステータスさえ高めれば、よりダメージを見込めるスキルの特性も相まって、 ボスのハートを砕く為のアタッカーとしての運用が見込め、ギルドイベント以上に活躍の場面が考えられる。 余談 フェス限定カードではないので、通常のねこガールズを合成することでスキルレベルを上げられる。 本シリーズのスキル上げ合成には、本シリーズではなく、普段から非常に入手しやすい通常のねこガールズを使うのがおすすめ。 ただし、お互いのスキルの内容や抱えるデメリットなどが全く異なるため、 本家を全てこのカードのスキル上げに使ってしまう前に、スキルの違いを一度確認してから合成しよう。 一方で本シリーズは入手頻度が比較的少なく、ワイルドさん(40)が必要となるので、 本カードがダブった場合はスキル合成ではなく、☆7へんしんボードに優先的に使うとワイルドさんを節約できる。 各カード詳細 マジカル・ニア 2018年7月のオールスターガチャで登場。 マジカル・シフォン 2018年9月のオールスターガチャで登場。 マジカル・リズ 2018年8月のオールスターガチャで登場。 マジカル・キッシュ 第1回双子魔女ラッシュで先行で登場していた。 2018年10月のオールスターガチャで登場。 マジカル・シャルル 2018年6月のオールスターガチャで登場。 ☆5については第2回双子魔女ラッシュで先行で登場していた。
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「人型デバイス……エインフェリア!?」 「そうだ……」 ある次元世界の一施設にて、モニターに映し出された最高評議会のエンブレムがそう応えると、説明を始める… 正式名称は等身大・人型インテリジェントデバイス・エインフェリア、XV級大型次元航行船の動力とほぼ同じ魔力を生むことが出来る小型魔力炉を搭載したデバイスで、 人造魔導師とは異なりリンカーコアを使わずに魔力を作成できる事が出来るようになった。 そして本体はユニゾンデバイスの構成情報を元に作成され、 クローン技術とは異なり、弾力性のある金属を利用した人工強化筋肉と皮膚を採用する事で強固な造りを実現していると言う。 更に他のインテリジェントデバイスと同様、人工知能も搭載され非殺傷設定も可能であると。 だが此方の命令には“絶対服従”で、逆らわないようプログラムが施されているという。 リリカルプロファイル 第十八話 強化 一通り説明を終えると疑問を持ったクロノがガノッサに質問を投げかける。 「これは…まるで“生体兵器”では無いですか!こんなモノが認められる訳が―――」 「何をいう…コレらは歴としたデバイスである、 …違うと言うのであれば、貴様の仲間が持つユニゾンデバイスもまた“生体兵器”と呼ばねばなるまい」 ガノッサの言葉に声を失うクロノ、クロノの親友が持つデバイス、リインフォースIIは言うなれば古代ベルカの技術の粋を集め造られたデバイス そしてこのエインフェリアもまた現在の魔導技術の粋を集め造られたデバイス、つまり倫理的に問題はないと。 更にこのエインフェリアにデバイスを持たせれば、Sランクの魔導師二人分の実力を誇り、 それが十体も存在しているという事は、このエインフェリアの戦力はあの“六課”を超える戦力であると語る。 …ただ一体造るのにXV級大型次元航行船三隻分の費用が掛かるのがネックであるとの事であった。 「……しかし何故この様なモノを私に見せたのですか?」 「それについては最高評議会より伝達がある」 クロノの問いにガノッサがそう答えると、最高評議会が直接伝達を読み上げる。 最高評議会の伝達とは此処にいる十体のエインフェリアを元“六課”の隊舎に運び入れ、 其処を拠点にエインフェリアを中心とした部隊を編成・指揮し、ミッドチルダを護るというものである。 現在ミッドチルダはレザードの脅威に晒されており、 地上本部の戦力だけでは心許ないと判断した処置であると。 「ではクラウディアはどうするのですか」 「…貴様の判断に任せる」 最高評議会のたった一言にクロノは不満を覚えつつ敬礼をすると、最高評議会の伝達を受け取る。 そして最高評議会は「以上である」と一言告げると、エンブレムと共に消え青髪の秘書はモニターを閉じ、 ガノッサと共にその場を後に去ると、現場にはクロノとジェイクリーナスが佇んでいた。 そしてクロノは顎に手を当て理解した、何故“六課”の解散があんなにもスムーズに行われたのかを。 それはこのエインフェリアの存在にあった、本局は既に新たな“切り札”を手にしていたのだ。 しかも“六課”とは異なりデバイスである為、部隊で保有できる魔力ランクの総計規模に引っ掛からず、いくらでも保有する事が出来る。 しかしそれを活用出来る場所がない、其処で今回失態を起こした“六課”に目を付け、 解散させる事により空く隊舎を利用し、地上本部近くに本局にとって都合が良い隊舎を造る事で、監視・牽制をする事が出来るのだ。 無論、ミッドチルダの安全の事も考慮しての行動だと思われるが… クロノは一通り考えを纏めるとジェイクリーナスにエインフェリアをクラウディアに乗せるように指示、そしてクロノは一足早くこの場を後にした。 「え~っ!?クロノさんとジェイクさん、ミッドに向かうんですか?」 「あぁ、其処でクラウディアチームはロウファを代理艦長として行動してくれ」 「了解です、艦長」 現在、エインフェリアを積んだクラウディアは一路ミッドチルダへと進路を取っていた。 その中、クロノの指示によりクラウディアの全権をロウファに委ねる事が決まり、更にクロノはロウファに話を続ける。 「そうだロウファ“俺の部屋の汚れ物”が増えたから、代わりに“洗って”おいてくれ、何なら“洗濯屋”に頼んでもいい」 「なるほど……分かりました艦長」 「うわぁ…艦長、幾ら単身赴任でも洗い物はこまめに出さなきゃダメですよ」 クロノとロウファの会話に口を挟む夢瑠、そのあっけらかんとした言葉に頭を押さえる二人であった。 六課解散から数日後…此処聖王教会にある教会騎士団訓練所にて、エリオとフリードリヒに乗ったキャロが、シャッハ相手に模擬戦を行っていた。 それを遠くで腕を組みながら見守っている二つの姿がある、アリューゼとシグナムである。 「……そうか、奴と対峙したか」 「あぁ……」 シグナムは予めレザードの存在をアリューゼからそれとなく聞いていた。 だがアリューゼの言葉の全てを鵜呑みにすることは出来なかった。 しかし今回レザードと対峙する事で実感し、改めて自分の認識の甘さを嘆いたことはなかったと語る。 奴…レザードの能力は凄まじく魔力に至っては底が見えない程で、まるで天災にでも遭ったかのような印象を受けたと語る。 あの時ほど自分の身を凍らせた事は無かった、だが此処で立ち止まるわけには行かないとシグナムは話し続ける。 「あの二人も努力している訳だしな」 「お前が連れてきた小僧達か」 アリューゼの問いに頷いて答えるシグナム、あの戦いはエリオとキャロにとってもトラウマ的な衝撃を受けた戦いでもあった。 更に六課の解散により二人はフェイトとまた離れ離れになる事となり、さすがに落ち込んでいたという。 それをすくい上げたのはシャッハであった、シャッハはエリオ達に今のまま塞ぎ込んでいる姿を見たらフェイトが心配すると語り、 フェイトを安心させるには二人が元気にしている所を見せることだ…と微笑みを浮かべながら語ると、 二人はシャッハの言葉を胸に刻み今に至っていると言う。 「流石はシスターと言うべきだな」 「…それより、お前は模擬戦に加わらないのか?フェイトに頼まれたんだろ?」 「…私は人に教えるのが苦手なんでな」 例えアドバイスを促そうとしても、攻撃の届く所まで近付いて斬れ、位しか言えないと語る。 それにエリオは自分とタイプが違うと話す、自分はアリューゼのように威力重視の一撃タイプ、 それに対しエリオは速度重視による一撃タイプ、それはフェイトやシャッハと同じタイプだと語る。 つまり自分と模擬戦するより、シャッハとの模擬戦の方が学ぶことが多いハズだと話している最中、 辺りを見渡しザフィーラの姿を見えない事に疑問を感じるシグナム。 「そう言えばザフィーラはどうした?」 「…例の如くカリムに捕まっている」 なる程といった様子を浮かべつつ頭を押さえるシグナム、本来ならキャロの支援方面をザフィーラに頼もうとしていたからだ。 そのザフィーラが無理となるとキャロの相手はシャマルが妥当だろうと考える。 シャマルは支援魔法のエキスパートで鋼の軛も使用できる、つまりキャロにとってお手本となる存在だ。 すると噂をすれば影と言うべきかシャマルが二人の前に姿を現す。 「いいタイミングで来てくれたな、シャマルに―――」 「それよりもシグナムに通達があるの」 シャマルの言葉に首を傾げると一枚の書類を渡される。 書類には元機動隊の隊舎へと向かうように指示されており、対象にシグナムの他ザフィーラ、エリオとキャロの名も書かれていた。 そしてシャマルもまた同じく呼び出されていると話す。 「一体何の用なんでしょ?シグナム、心当たりない?」 「………………………」 …かつての六課のメンバーを、かつての機動隊隊舎に集わせる、こんな事をするのは一人しかいないだろう…そう考えるシグナムであった。 一方此処はある地上部隊の隊舎、其処でスバルとティアナが事務作業を行っていた。 二人は六課解散後、部隊をたらい回しにされていた、その理由とは二人の肩書きのせいである。 “六課の人間”…その肩書きにより同僚から煙たがれ、上司には白い目を向けられていた。 だが二人は気にもとめず今の仕事をこなし、二人で自主練を行う毎日なのである。 二人は黙々とデスクワークをこなしていると、部隊長に呼び出され、 二人は部隊長の前で敬礼をすると部隊長は二人を休ませる、そして二人に一つの書類を渡す。 書類にはスバルとティアナの両名は今所属している部隊を抜け、元機動隊隊舎へと向かうように書かれていた。 スバルはまた何処かに飛ばされるのかと考え、ティアナは厄介払いが出来ただろうなと考えるも、 自分達は出来る事をすればいいと考え直し通達を受け取った。 場所は変わり此処は元機動隊の隊舎前、スバルとティアナがその場に辿り着くと、 かつての六課のメンバーが集まっており、その中になのはの姿を見かけ声を掛ける。 話を聞くとなのはもまた呼び出されたらしく、何が始まるのかは分からないでいるという。 すると隊舎の入り口から八神はやてとリインが姿を現す。 「よく集まってくれたなぁ、みんな」 「はやてちゃん?!一体どうしたの?みんなを集めて」 「ふっふっふっ……そらぁ勿論、新しい部隊“機動六課”の設立の為や!!」 全員が雁首そろえて傾げ困惑する中、意気揚々と説明するはやて。 首都機動防衛隊・古代遺物管理部第六課、通称“機動六課”とは首都防衛隊の亜種でロストロギアの管理及び地上の防衛を任務とし レジアスの権限により保有できる魔力ランクの総計規模を無視する事が出来る、超法規的処置が施された部隊であると話す。 ランク無視で集められた部隊、そんな部隊が必要とする相手はただ一人レザードだけである。 つまりこの部隊はレザードに対する対抗手段という意味を指す。 「せやけど、レザードはホンマもんのバケモンや!怖じ気ついたんならこの場を去ってもえぇ、それが当然の反応やし」 だが集まった全員の目に恐れの色は無く一同敬礼をするとはやてを称え はやてもまた残ってくれたみんなに対し、感謝の念がこもった敬礼で返すのであった。 それから数日後、此処機動六課に存在する会議室にて会議が行われていた。 会議室には、はやてを中心になのは・フェイト・シャーリーと並びモニターの脇にはグリフィスが佇んでいた。 そして時間になり会議は開始される、会議の内容はレザードについてである。 レザード・ヴァレス、そう名乗った魔導師はホテル・アグスタ襲撃事件及びミッドチルダ失踪事件の首謀者と認定され多次元指名手配となった。 だが、レザードは他の次元世界での目撃者が殆どなく、寧ろミッドチルダでの犯行が多い為、 ミッドチルダを中心に捜索をしているが、未だ手掛かりが掴めていないでいた。 しかし真に恐ろしいのはレザードの所業より自身の能力にあるとグリフィスは説明する。 レザードの能力、特に魔力は凄まじく高く、その魔力から繰り出される魔法は他の魔法と一線を引いても良いほどである。 それだけではない…彼の魔法は炎、雷、難しいとされる凍結、更に光や闇などの魔力変換を主としていると。 すると今度ははやてがモニターを注意深く見るように告げ、 スライドするようにレザードが魔法を撃つ姿が次々に写し出され、最後はレザードが放ったディバインバスターの画が写し出される。 その画を食い入るように見つめていると何やら違和感を感じる、するとなのはがその画の異変に気がつく。 「足下に魔法陣が…無い?」 「せや…んでもって、このディバインバスターの時もそうなんや」 その言葉に唖然とする一同、確かにレザードが魔法を撃つ際、足下には魔法陣が展開されていない。 そもそも魔法陣とは魔法を撃つ為に必要な魔力の収束・圧縮をスムーズに行う為のもの、それは魔力変換も例外ではない。 しかしレザードの魔法にはそれがない、つまりレザードにとって魔力変換など魔法陣を必要とする程の技術ではない事という事になる。 そのレザードが魔法陣を使用したのは三つ、移送方陣と呼ばれる転送魔法、不死者召喚、広域攻撃魔法である。 どれも高度な魔法であるが、その中で広域魔法の威力は常軌を逸しているとグリフィスは語る。 「もっとも…あれだけの魔力を保有していれば当然かもしれませんが…」 だがレザードの魔法は何も攻撃面のみ特化している訳では無いと眼鏡に手を当て話を続けるグリフィス。 シールド、バリア、フィールドと三種に使い分ける事が出来るガードレインフォース、しかもフェイトの話では支援効果も見受けられてたという。 つまり肉体自体の防御力も強化させる事が出来る防御魔法なのである。 そして生半可な魔法では反射されてしまう魔導師泣かせのリフレクトソーサリーも存在し、 この両者を撃ち破るには純粋に圧倒的な威力がある魔法か、バリア破壊の効果を持つ魔法、あとは直接攻撃のみであるという。 しかもそれだけではない、力を拘束するレデュースパワー、防御を拘束するレデュースガード、そして魔力を封じるプリベントソーサリーまで存在する。 特にプリベントソーサリーの効果は恐ろしく、まさに魔導師殺しと言っても過言ではないバインドである。 「まさに魔法の申し子っちゅうところやな、だけとな…レザードの恐ろしさはそれだけや無いんや…」 そう神妙な面持ちで話すとはやては席を立ち、グリフィスが立つ位置まで移動、 そしてグリフィスが持っている差し棒を奪うとモニターに写るレザードの顔を力強く指す。 「見や!眼鏡をかけていても尚!!イケメンっちゅうところや!!! …………………………………あり?」 はやての言葉に対し一斉に白い目で見る一同、その冷たい目線から逃げるように背を向け、 一つ咳をすると振り返り、差し棒をグリフィスに返し何事もなかったかのように席に座ると今後のレザード対策へと話題を移す。 変な空気が辺りを包む中、なのはとシャーリーが席を立ちモニターへと赴くと説明を始める。 なのははフォワード陣の技術の向上と、デバイスのリミッター解除によってもたらされるフルドライブを使いこなせるようにすると説明。 次にシャーリーがデバイスに新しい機能を取り付け強化させると話す。 エリオにはフルドライブのデューゼンフォルムとは異なり範囲攻撃・強化を持たせたウンヴェッターフォルムを、 キャロには射撃能力と強固な防御魔法を追加されたセカンドモードを超える、更なる防御魔法を加えたサードモードを、 ティアナには長距離特化されたロングレンジタイプのブレイズモードを、 そしてスバルにはギアセカンド以上の加速を実現させる為、A.C.Sを利用したギアエクセリオンを起用すると説明した。 「エクセリオン?!それは大丈夫かいな?」 「昔と違って安全性は保証されていますから大丈夫ですよ」 はやての不安に自信を持って答えるシャーリー、だがシャーリーのプラン説明はまだ終わっていなかった。 次にレヴァンティンのリミッター解除によるボーゲンフォルム グラーフアイゼンにはギガントフォルムとラテーケンフォルムの長所を持つツェアシュテールングスフォルムをそれぞれ追加、 そしてフェイトのバルディッシュにはフルドライブのライオットブレードの進化系ライオットザンバーと真・ソニックフォームを起用すると話す。 ライオットザンバーとはシグナムとの度重なる模擬戦によって編み出された戦闘フォームで二種類の形態を持つ。 そして真・ソニックフォームとは先日のレザードとの戦いの際、ソニックムーブとブリッツアクションを用いた攻撃を防がれた為、 かつて使用していたソニックフォームを基礎に防御を一切無視した完全速度重視の超高速特化形態であると説明した。 そしてなのはのレイジングハートにはエクシードを更に超えるブラスターモードを追加するという。 ブラスターモードとはエクセリオンモードと自己ブーストを複合したようなシステムで 使用者・デバイス双方に限界を超えた強化を主体とした形態で、三段階に分かれており ブラスターモードによってブラスタービットと呼ばれる遠隔操作機を操作でき、ブラスターの段階によって2~4基操作・制御出来ると説明する。 説明を終えたなのはとシャーリーは元の席に座ると、はやてはシャーリーとなのはのプランを了承し会議は終了、 それぞれ席を立つと会議室にはグリフィスとはやてが残され、はやては腕を組み首を傾げる。 「なんでウケへんやったんやろ…とっておきやったのにな……」 「…はやて部隊長、時と場所を考えてください」 そう言ってはやてを窘めるグリフィスであった。 一方此処、ゆりかご内に存在するレザードの施設にて、ベリオンの起動実験が行われようとしていた。 立会人にはレザードと助手のクアットロ、ベリオンの起動を見に来たセインとウェンディ、そしてレザードに呼ばれたノーヴェとディエチの姿もあった。 レザードの合図の下クアットロは電源を入れる、するとベリオンに搭載されているリンカーコアが活性化し回路に魔力が満ちると 頭部のモノアイが光りを放ち、全長3メートルもあろうかと思える巨体がゆっくりと起き上がる。 「オハヨウゴザイマス、御主人様」 「ふむ、うまく機能しているようですね」 ベリオンの出来に納得するように頷くと、ノーヴェとディエチに目を向け不敵な笑みを浮かべるレザードであった。 場所は変わり此処は訓練所、部屋にはノーヴェ・ディエチ・ウェンディの姿があり、彼女等の対極の位置にベリオンが佇んでいる。 一方モニター室にはレザードとクアットロに野次馬根性全開のセイン、そして今まで訓練していたオットーとディードの姿も見受けられた。 「博士?本当に本気で攻撃していいんだな?」 「えぇ、そうでなくては意味がない……」 レザードの答えにノーヴェは頷くと早速準備運動を始め、体がほぐれた頃を見計らいレザードが開始の合図を出した。 まずはノーヴェが先手をとりエアライナーをベリオンの頭上まで伸ばし滑走、 右手を握り締めるとベリオンの左頭部コメカミ辺りを打ち抜く。 だがノーヴェの一撃はベリオンの巨体どころか頭部すらは揺るがす事が出来ず 寧ろベリオンの左手がノーヴェの右手を掴むと振り回し、壁に叩きつけられた。 だがベリオンの攻撃はまだ終わってはいない、ベリオンは左手をノーヴェに向けると左手の中心が丸く開き銃口を覗かせると マシンガンのように光弾を撃ち出す、ノーヴェのガンナックルに搭載されているシステムと同質の物だ。 「ウェンディちゃん!華麗に参上ッス!!」 ベリオンの攻撃がノーヴェに迫る中、ライディングボードに乗ったウェンディが間に入り、ライディングボードを盾にしてベリオンの攻撃を防ぐ。 一方ディエチはベリオンを挟んでノーヴェ達の位置とは対極の位置に移動すると、イノーメスカノンをベリオンに向けチャージを始める。 そしてある程度チャージするとエネルギー砲を発射、発射されたエネルギー砲は真っ直ぐベリオンに向け延びていった。 だが―――― 「ガードレインフォース」 ベリオンはバリア型のガードレインフォースを展開、ディエチの攻撃を防ぐ、 ディエチは驚いた、自分の攻撃を防がれた事に対してでは無く、機械であるハズの存在なのに魔法を使用した事に対してだ。 そんなディエチを余所にベリオンはノーヴェ達への攻撃を止め、ディエチが構えている方向へと向くと右手を突き出す。 すると右手の平の中心が丸く開き銃口を覗かせるとエネルギーがチャージされていく。 だが――――― 「チャージなんかさせるかよ!!」 ベリオンがチャージしている間に、ライディングボードからノーヴェが飛び出すように姿を現すと、エアライナーをベリオンの頭上まで展開させ滑走 そして加速を維持したままベリオンの頭上目掛け飛び降りると、両の拳を合わせ後頭部めがけて一気に振り落とす。 更にノーヴェは両手でベリオンの頭を掴むと逆立ちのような体勢をとり、加速を付けて何度も膝蹴りを打ち抜き バク宙のような縦回転を始めると、ブレイクギアを用い踵のジェット噴射を利用した右足で蹴り上げた。 この連撃に流石のベリオンもチャージを止めるが、大したダメージは受けておらず何事もなかったかのようにノーヴェの蹴り上げた右足を掴むと、勢い良く床に叩きつけた。 その衝撃は強烈でノーヴェの体を宙に浮ばせる程であり、ベリオンはノーヴェの足を離すと右拳を堅く絞め振り下ろす。 だがその瞬間、ディエチが速射砲に切り替えたイノーメスカノンでベリオンを撃ち抜く。 ディエチの攻撃はベリオンの右頭部・肩・腕に三発・わき腹辺りを撃ち抜き、 その攻撃によりベリオンは動きを止めると、その隙をついてライディングボードに乗ったウェンディがノーヴェを回収、ベリオンの上空を旋回していた。 するとベリオン左手のマシンガンが火を噴き、ウェンディを撃ち落とそうとしていた。 「ちょっ?!マジ勘弁してほしいッス!!」 焦るようにそう言うと、ライディングボードの面をベリオンに向け攻撃を防ぐ、 その間にディエチはチャージしていた最大出力のエネルギー砲を放射するが、ベリオンはバリアを張る。 しかしエネルギーの渦はバリアごとベリオンを飲み込み壁に激突した。 ベリオンが直撃した壁辺りは土煙に覆われていたが、それが徐々に晴れていくとベリオンは平然と佇んでおり、ディエチに右手を向け直射砲を放つ。 ディエチはイノーメスカノンを持ったままだと回避できないと判断し、 イノーメスカノンを手放しベリオンの直射砲を左に転がるように回避難を逃れる、そして腰に付けていたスコーピオンを取り出す。 マシンガン型イノーメスカノン・スコーピオン、イノーメスカノンを失った際の穴埋め的な形で造られた簡易版イノーメスカノンで、 ディエチのISヘヴィカノンに合わせ、多彩な弾倉(マガジン)を交換することにより様々な銃弾を撃ち出すことが可能な銃なのである。 ディエチは走りながら速射用マガジンに切り替え照射、それに合わせてノーヴェはウェンディの進行とは逆の方向へエアライナーを展開させ滑走すると光弾で応戦 ウェンディもまた床に着地するとライディングボードにて砲撃を開始した。 一方でベリオンは三方向からの攻撃に対しバリアを展開、見事に防いでいる。 その様子を見たディエチはノーヴェにバリアの破壊を指示、その間ウェンディと二人でノーヴェをサポートする事となった。 二人のサポートを受けたノーヴェは早速ブレイクギアを起動させるとスピナーが音を立てて回転していく。 そしてスピナーの加速が最大になりジェット噴射と共にバリアを左足で蹴り降ろす。 「砕けろぉぉぉぉ!!!」 ノーヴェの蹴りは見事ベリオンのバリアを破壊すると、今まで援護していたウェンディが反応炸裂弾に切り替えベリオンに向け撃ち出す。 撃ち出された反応炸裂弾はベリオンの胴体に接触すると榴弾のように炸裂、ベリオンは桜色の光に包まれる。 すると今度はディエチが徹甲弾が詰まったマガジンに切り替えると、ストックを伸ばし足を肩幅ぐらいに広げ脇を絞め構えると、 ヘヴィカノンの効果によりスコーピオンからエネルギーによって被帽化された徹甲弾が撃ち出される。 撃ち出された徹甲弾は金属を貫く鈍い音を奏でており、マガジンに詰まっていた徹甲弾を撃ちきると、ベリオンは動きを止め胴体には幾つか穴が空いていた。 流石にベリオンの装甲がミスリル銀であっても、ディエチによって強化された徹甲弾は防ぐ事は出来なかったようである。 そして辺りが静寂に包まれると急にベリオンの声が響く。 「…警戒レベル1カラレベル2へ移行、アクセルモードカラバスターモードニ切リ替エマス」 するとベリオンの魔力が上がり穴の空いたベリオンの胴体から徹甲弾が押し出される、 どうやら徹甲弾は内部に存在するダマスクスによって防がれていたようである。 更に穴は徐々に塞がっていき跡形もなくなる、リジェネーションヒールと呼ばれるスキルである。 ベリオンにはルーンと呼ばれる紋章が内部に幾つか刻まれており、その並びにより様々なスキルが使えるのである。 しかしルーンはバスターモードでないと機能せずスキルも最大三つしか機能させる事が出来ないという弱点もあるのだ。 だがそれらを省いても今のベリオンは強力な存在である。 「チッ自己再生か!」 「厄介な能力ッスね!!」 ノーヴェが舌打ちをしウェンディが文句を言っているとベリオンの足下が輝き一気に加速、ディエチの目の前に現れる。 ディエチはその場から逃げようとするが時すでに遅く、両拳を合わせたベリオンの剛腕が振り下ろされた。 その光景を見たノーヴェはベリオン目掛け突撃、右のハイキックを打ち込むが、容易く受け止められ寧ろノーヴェの足を掴むと壁へと振り投げる。 ノーヴェは悲鳴を上げながら吹き飛ばされるが、ウェンディによって壁との激突は免れた。 だが二人の前には既にベリオンが姿を見せており、二人はベリオンの右拳をなす統べなく撃ち込まれてしまったのであった。 ディエチは床にめり込むように沈み、ノーヴェとウェンディは重なり合うように壁にめり込んでいると、 ベリオンは少し離れ上空から三者を見下ろす位置に立つと、右手をディエチに、左手をノーヴェ達に向け止めの体勢に入る。 「其処までです、ベリオン……」 其処にレザードの一言により動きを止めるベリオン、そして待機モードとなったベリオンは床に降りると静かに佇んでいた。 一方モニター室ではベリオンの強さに圧倒されるセインに、戦いの一部始終をじっと見つめていたオットーとディード そして上々といった様子で眼鏡に手を当て笑みを浮かべるレザードの姿があった。 「…………此処は?」 「気がつきましたかディエチ…」 レザードに起こされたディエチはゆっくりと体を起こす。 どうやらベリオンとの戦闘は終了したらしく今訓練所は破損した部分をガジェットが修理していた。 一緒に戦ったノーヴェとウェンディも無事なようでディエチの両脇で眠りについている。 そして正面を見ると右肩にオットー、左肩にディードを乗せたベリオンの姿が見受けられた。 どうやら今回の戦闘で、二人はベリオンの事を気に入ったのではないかと言うのがレザードの話である。 「貴女達のお陰で十分なデータがとれました、後は“鍵”の完成を待つばかりです」 するとディエチはベリオンの強さについてレザードに問いかけるとレザードは笑みを浮かべ簡単に応じる。 ベリオンにはアクセル、バスターと二種類のモードを持っており、警戒レベルに合わせて能力、機能が変わるのだという。 「尤も今現在は…ですがね」 レザードは意味深な台詞を吐くと、眼鏡に手を当て不敵な笑みを浮かべるのであった。 一方機動六課の会議から二週間が経ち、今日も午後の訓練が終わりフォワード陣が集められていた。 会議後の訓練は更に厳しくなり、エリオは電気の変換資質を開花させてからフェイトにみっちりシゴかれており、 スバルはA.C.Sの運用をティアナには砲撃・遠距離による支援の極意をなのはから、みっちり教えられていた。 そして今回の訓練はテストも兼ね備えていたようで、なのは・フェイトの両名から合否の判断が委ねられる。 結果は合格、今のフォワード陣ならばフルドライブを十分に扱えるだろうという判断である。 なのは達の判断に喜ぶメンバーであるが話はまだ終わってはいなかった。 「今回、みんな苦しい訓練に耐え抜いたから、明日は一日お休みにします!」 なのはの言葉に唖然とする一同、だがすぐに満面の笑みを浮かべる一同にヴィータが釘を指す。 「そん代わり明後日からセカンドモードを基本にした訓練になるからな!」 ヴィータの言葉に力強く返事をする一同、そしてなのはは解散させると速攻で隊舎に戻る。 その姿に頬掻くなのはに対しヴィータは問いかける。 「だがよ、本当によかったのか?フルドライブは…まぁモノにはなって来てるみてぇだが」 「確かにフルドライブ以上になると安定はしていないけど、それはまだ先の話だし、それに………」 「それに何なんだよ?」 フォワード陣に休暇を与えたのは体と心をリフレッシュさせるだけではない、 自分達もまた鍛え上げる為にフォワード陣に休暇を与えたと話す。 「新しい機能を把握するには実戦に近い模擬戦が一番だからね」 「なるほど確かにな……」 なのはの答えに頷くシグナムにフェイト、その中ヴィータは一人青冷めていた。 かつてなのはと一日中模擬戦をした時、次の日の朝、全身筋肉痛で動けないでいた。 その悪夢が明日起きようとしている、しかも今回はみんなリミッターが外れでおり、更に新機能のテストも兼ね備えている。 フォワード陣には明後日の事をあぁ言ったが、もしかしたら自分達の方が明後日動けないんじゃないか…そう不安がよぎるヴィータであった。 場所は変わり此処はとある次元世界の収容施設、クラウディア艦長代理であるロウファは看守の案内により一つの部屋へと向かう、其処には一人の中年男性の姿があった。 「オイ、起きろ…」 「…んあ~?いつものクロ助じゃねぇな」 「黙れバドラック、刑を減らして欲しいんなら働け」 ロウファの言葉に鼻で笑うバドラックと呼ばれた男性、彼はかつて魔導師暗殺により逮捕された人物で、今は此処に収容されている。 バドラックはロウファの依頼を聞くと笑い始める。 「そりぁいい!ソイツは俺向きの仕事だな!」 「ほぅ何故だ」 「そりゃあおめぇ、俺ぁ“口が達者”なんだよ」 昔はそれでよく人を騙し金を稼いでいたと自慢するように話すバドラック、 だが、それに対し冷たい目線を送り役に立つのか不安になるロウファであった…… 前へ 目次へ 次へ
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マジカルプリンセス(MP) 愛と勇気で肉弾戦をもこなす魔法少女。マジカルチェンジで自身の能力を極限まで高め、全体攻撃で敵をなぎ倒す。当然魔法も使いこなせるため、いかなる局面でも戦える万能クラス。 特徴 得意武器は剣。SO経由の場合、杖にも補正がつく。 前作と同じく大器晩成型の職業。他の職業が伸び悩んでくるあたりからが本領。クラスチェンジ可能になるLv30あたりでは、他のMU系クラスと同様の能力値なので前衛をさせるのは危険。Lv30以降はHP等もしっかり育つ。 スキルはアタッカー、エンチャンター、タンクまでこなす万能さを兼ね備えている。その引き換えとしてSP不足に悩まされる。SP振りは他のメンバーとの兼ね合いで計画的かつ効率的に。 マジカルチェンジのTP消費を気にせず、常に使えるようになってから真価を発揮する。 カバー&イリュージョン&根性で回避盾にできる。その性質上、単体に対しての物理攻撃力が高い敵に有効。 今作はカバーの信頼性が低下している。本人の死ににくさは相変わらずだが、味方は守り切れない事が多い。 ソーサレス→マジカルプリンセス運用考察 エンチャントレス→マジカルプリンセス運用考察 前作から変更された点 マジカルスパーク追加 レインボーフラッシュの範囲変更([旧]敵全体→[新]横一列) 装着可能な装備種 武器 ショートソード、ロングソード、ダガー、メイス、スタッフ、ショートボウ、ダーツ 盾 バックラー、レザーシールド 頭 マジックハット、レザーヘルム 胴 ローブ、レザーアーマー クラスツリー マジックユーザー ソーサレス ウィッチ マジカルプリンセス エンチャントレス マジカルプリンセス セージ プリーステス セージ ビショップ スキル一覧 スキル名 タイプ 必要SP 消費TP 詳細 カバー 技 Lv×2最大Lv5 7+Lv×2 味方への物理攻撃を自分が代わって受ける。LvUp時 カバー持続率アップ 効果ターン数アップ 行動後速度修正アップ消費TPアップ マジカルバリア 技 Lv×1最大Lv10 19+Lv×3(~Lv7)12+Lv×4(Lv8~) 味方全員の魔法ダメージを一度だけ軽減する。LvUp時 ダメージ軽減率アップ 効果ターン数アップ 行動後速度修正アップ消費TPアップ マジカルチェンジ 技 Lv×3最大Lv5 44+Lv×8 自身の能力を上昇させる。LvUp時 能力上昇値アップ 効果ターン数アップ消費TPアップ マジカルスラッシュ 技 Lv×1最大Lv10 32+Lv×4(~Lv5)22+Lv×6(Lv6~) 剣装備時、敵全体を攻撃する。LvUp時 攻撃力修正アップ 行動後速度修正アップ消費TPアップ マジカルスパーク 技 Lv×1最大Lv10 2+Lv×3 近距離武器装備時、敵一人に強力な雷の一撃を放つ。LvUp時 攻撃力修正アップ 命中率修正アップ 行動後速度修正アップ消費TPアップ レインボーフラッシュ 魔法 Lv×1最大Lv10 16+Lv×6(~Lv5)26+Lv×4(Lv6~) 敵一列に無属性のダメージ。LvUp時 魔法ダメージアップ 魔法命中アップ消費TPアップ 詠唱速度ダウン アクセラレーター 魔法 Lv×2最大Lv5 12+Lv×3 味方一人の行動速度アップ。LvUp時 行動速度増加率アップ 行動後速度修正アップ 詠唱速度アップ消費TPアップ イリュージョン 魔法 Lv×2最大Lv5 18+Lv×4 自身に幻影を作り出し、敵の攻撃を回避するLvUp時 幻影数アップ 効果ターン数アップ消費TPアップ ソードマスタリー パッシブ Lv×1最大Lv10 - 剣装備時、攻撃力にボーナス。LvUp時 攻撃力にボーナスアップ ダブルアタック パッシブ Lv×2最大Lv5 - 通常攻撃時、ときどき2回攻撃。LvUp時 ダブルアタック発動率アップ 根性 パッシブ Lv×2最大Lv5 - 死亡時、HP1で生き残ることがある。LvUp時 根性発動率アップ スキル解説 カバー 移動中使用可。 イリュージョンと併用することで安定した盾役になることが出来る。但し、イリュージョンは非常に長い詠唱時間が問題になるため、同等の効果を持つアイテムを多数入手できるようになるまでは、PLやVLのような安定した盾役にし難い。 味方をかばった際、一定確率で効果が消える。スキルLvが低い場合、1回で効果が消えることも多い。 Lv5でも1回で消えることが多々あるため、かけ直しの効率は悪い。 Lvを上げると行動後速度修正が上昇するので、できるだけ高Lvが望ましい。Lvを上げて持続ターンが増えると、イリュージョン等が育っていない場合には返って危険にもなる。 育成状況を見て上げていこう。Lv1でもそこそこ役には立つ。 全体攻撃に対しては発動しない。ぶんまわしなどのランダムターゲットかつランダム回数攻撃の攻撃には1HIT時のみカバーする。 アヴェンジャー等のカウンターにもきっちり反応してかばう。 気絶していてもカバーは発動する。睡眠と石化では発動しない。(石化進行中は発動する) 威嚇射撃はカバーできるが、行動阻止効果は無効化できない。 一部の敵が使うファミリア等、挑発対象に選べない単体攻撃はかばうことが不可能。 Skill Lv Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 消費TP 10 14 18 21 24 最大効果ターン数 4 5 6 7 8 マジカルバリア 移動中使用可能。 VLのスペルガードの上位互換。VLがいても取得推奨。スペルガードより持続ターンが長い。 とりあえずLv1取得するだけでも十分役に立つ。 ダメージ軽減効果は大きいが、効果は1回だけなので過信は禁物。 Skill Lv Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 消費TP 22 25 28 31 34 37 40 44 48 52 最大効果ターン数 5 5 5 6 6 6 7 7 7 8 ダメージ軽減率 22% 24% 26% 29% 32% 35% 38% 42% 45% 48% マジカルチェンジ 移動中使用可能。 全てのステータスに依存する性質上、終盤になるほど効果が大きくなり実用性が増す。 敵のダークオーラの効果(-10%)とは減算相殺する。 TP消費が非常に激しいので、中盤あたりでは使いにくい。SPとTPに余裕が出来るまでは無理に育てなくてよい。 最終的にはLvMAXにすべきだが、様子見で少しずつ使いたいなら持続ターンが増えるLv3がおすすめ。 Skill Lv Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 消費TP 52 60 68 76 84 効果ターン数 4 4 5 5 6 ステータス加算率 +20% +25% +30% +34% +38% マジカルスラッシュ 近距離全体攻撃。斬属性。行動後速度修正0.90~1.10 付加効果はないものの、即時発動する全体攻撃はそれだけで便利。TP消費は高め。 真価を発揮するのは強力な剣が手に入ったり、マジカルチェンジを多用出来るようになってから。中盤あたりではHPが低く、前衛に出すのが危険な上、攻撃力の低さからダメージもそこまで期待出来ない。 ダークオーラは受けてしまうのが欠点。とはいえ、終盤の攻撃力による高いダメージは魅力的。 Skill Lv Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 消費TP 36 40 44 48 52 57 62 66 70 74 ATK倍率 116% 120% 124% 128% 132% 136% 140% 144% 148% 152% マジカルスパーク 近距離攻撃。雷属性。行動後速度修正1.08~1.20速度修正に優れ、マジカルチェンジと併用することで驚異的な速度で攻撃を繰り出せる。 TP消費も低いので、相手の雷耐性にさえ気を配れば非常に使いやすい。 近距離攻撃のため、反撃やダークオーラを受けてしまうのが欠点。 Skill Lv Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 消費TP 5 8 11 14 17 20 23 26 29 32 ATK倍率 125% 134% 143% 152% 162% 172% 182% 193% 204% 216% レインボーフラッシュ 無属性一列魔法。威力の割には詠唱は短め。 MPになりたてだとマジカルスラッシュの2~3倍の威力がある。Lv1あれば当面の攻撃手段になる。 Lvをあげると詠唱が遅くなるので上げ過ぎに注意。 特にSO経由だとファストキャストがないので注意。 Skill Lv Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 消費TP 22 28 34 40 46 50 54 58 62 66 魔法基本値 310 350 390 430 470 510 550 590 630 670 アクセラレーター 移動中使用可能。 効果ターンは2ターンと短く、キャンプから使用すると15歩で切れる。 非常に有効だが、戦闘中全員に掛け直すのは難しいので、ボスや固定敵の直前に掛けて戦闘に入るのが無難。 Skill Lv Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 消費TP 15 18 21 24 27 イリュージョン カバーと併用することで安定した盾役になることが出来る。 魔法・固定ダメージを含めたあらゆる攻撃を、発動確率に左右されずに防げることが最大の利点。反面、移動中使用不可であり、長めの詠唱時間が必要となる。 幻影の数と持続ターンいずれもが重要になるので、使うならLvMAXが望ましい。 一方で、どんな些細な要因に対しても発動してしまうので、毒には注意。 Skill Lv Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 消費TP 22 26 30 34 38 最大効果ターン数 4 4 5 5 6 幻影数 1 2 3 4 5 ソードマスタリー マジカルスラッシュ等で攻めるなら取得推奨。レインボーフラッシュやSO・ENのスキルを主力とするなら不要。 覚えるべきスキルが多いので、高レベルにできるのは終盤。とりあえず少しだけ取っておくのも手。 Skill Lv Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 ATK倍率 103% 105% 107% 109% 110% 111% 112% 113% 114% 115% ダブルアタック SPが足りないので取得しないほうがいい。加えて、今作ではマジカルスパークが追加されたため、通常攻撃を行う必要性はほぼ無い。限定的だが、雷耐性の高い敵にはスパークよりも通常攻撃の方がダメージが取れたりするので全くの無駄でもない。とはいえ他スキルより優先するほどでもない Skill Lv Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 発動率 9% 12% 15% 18% 21% 根性 とりあえずLv1でも取れば生き残る可能性が出てくる。それ以上はSPが余ってからでも十分。 Skill Lv Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 発動率 10% 15% 20% 25% 30% このページを編集 コメント 物理は道中適正だと半端に感じるのはしょうがない。能力にしろ装備にしろ最終盤から本領発揮だね。 -- 2014-10-19 19 35 05 Lv30時点でもミニフレッシュに全ツッパして、 スラッシュLv1とスパークそれなりに打ってるだけで十分物理として使えるな。 ボス戦前にはサークルブレイブとかかけれるし。 -- 2014-10-23 03 13 05 物理型はレベル70くらいからがスタートだとおもえばいい そこらへんから取得SPの多さもあって、文字通り加速度的に速く、強くなっていく -- 2014-10-27 14 08 06 絶対幸運剣手に入れるまで正直PTのお荷物だった -- 2014-10-27 20 37 09 個人的には別塔でフィルス買ってからでも遅くない感じだなー物理MPは -- 2014-10-27 21 29 09 複数回行動が圧倒的なので二人連れてるw -- 2014-12-13 10 51 46 物語が進むと強くなるって意味ではある意味正しい設定。 -- 2014-12-18 21 22 45 TP回復エンチャって割合じゃなくて固定だったのね・・・消費する数字のでかいMPなら速度優先したほうがいいな -- 2015-02-02 14 45 09 イリーナだけはMPじゃなくてMQじゃね? -- 2017-02-08 14 26 50 言いたいことはわかるが、それでもMPだからこそあの表情なわけで……WTとかの方がずっとヤバイんだけどそこんところ -- 2017-02-15 22 57 56 コメント すべてのコメントを見る
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魔法少女リリカルなのはStrikerS 第5話 【星と雷】 キャロ「私の新しい居場所。大好きな人と、優しい人がいっぱいいる場所。 だけど、どこかでまだ迷ってる。きっと、自分のことが怖いから。 一緒に戦うパートナーと一生懸命な先輩たちと、きっと私と同じ思いを持った優しい子。 迷っていられない。決めたから。自分がこれから進む道。魔法少女リリカルなのはStrikerS…始まります」 なのは「ヴァイス君、私も出るよ。フェイト隊長と二人で空を押さえるっ!」 ヴァイス「うっす、なのはさん。お願いします」 なのは「キャロ。大丈夫、そんなに緊張しなくても。離れてても通信で繋がってる。一人じゃないから。 ピンチの時は助け合えるし、キャロの魔法は皆を守ってあげられる、優しくて強い力なんだから。…ね?」 リインフォースII「任務は二つ。ガジェットを逃走させずに全機破壊すること。 そして、レリックを安全に確保すること。ですから、スターズ分隊とライトニング分隊、 二人ずつのコンビでガジェットを破壊しながら、車両前後から中央に向かうです。 レリックはここ。7両目の重要貨物室。スターズかライトニング。 先に到達したほうがレリックを確保するですよ!」 リインフォースII「デザインと性能は、各分隊の隊長さんのを参考にしてるですよ。ちょっと癖はありますが、高性能です!」 局員「確かにすさまじい能力を持ってはいるんですが、制御がろくにできないんですよ。 竜召還だって、この子を守ろうとする竜が勝手に暴れまわるだけで。 とてもじゃないけど、まともな部隊でなんて働けませんよ。せいぜい単独で殲滅戦に放り込むぐらいしか」 フェイト「ああ、もう結構です。ありがとうございました」 局員「それじゃあ」 フェイト「いえ。この子は予定通り私が引き取ります」 キャロ「私はこれからどこへいけばいいんでしょう?」 フェイト「それは君がどこに行きたくて何をしたいかによるよ。キャロはどこに行って何をしたい?」 なのは「発生源から離れればAMFも弱くなる。使えるよ!フルパフォーマンスの魔法が!」 はやて「スターズの三人とリィンはヘリで回収してもらって、そのまま中央のラボまでレリックの護送をお願いしようかな」 リインフォースII「はいですぅ!」 グリフィス「ライトニングはどうします?」 はやて「現場待機。現地の職員に事故処理の引継ぎ」 次回予告 なのは「初出動を終えて、日々の訓練もちょっとレベルアップ」 フェイト「そして事件は少しずつ、ひそやかに、その姿を現していく」 なのは「次回魔法少女リリカルなのはStrikeS第6話」 フェイト「進展」 なのは&フェイト「Take off!」
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―――汝は己が乗り越えねばならぬ壁の高さに怯え竦みし弱き者か?――― ―――それとも己が乗り越えねばならぬ壁の高さに怯えず立ち向かう強き者か?――― ―――さあ、汝の強さを見せてみよ!――― リリカルプロファイル 第二十六話 四層 はやて達の活躍により見事に第三層を突破した一同は順調に進み第四層の試練場へと辿り着くと、暫く滞在していた。 第四層…此処を突破すればいよいよ神の領域に辿り着く事が出来る… するとなのはの下にフェイトが駆け寄り話し始める、フェイトは次の試練は間違いなく自分達の番であると。 だがなのはの様態は未だに思わしくない為、ブラスターシステムを使用しないで欲しいと注意を促す。 するといつもの笑みを浮かべ快く了承なのは、しかしなのはの性格を知っているフェイトはその笑みに 深い溜息を吐くと二人の体が光に包まれ始め、試練が始まる印象を感じていた。 「やっぱり最後は私達か……」 「少し…緊張するね」 珍しく緊張をしている二人に対し、一同は激励を込めると少し解れたのか笑みを浮かべ、 二人は転送され、それを見守り無事を願う一同であった。 …フェイトが跳ばされた場所は金色に輝く空間で、辺りを見渡すと奥に続く下り道があり、 皆が話していたのと同じ造りに納得していながらも、道なりに進み広場へと赴く。 広場の中央には黒いウェーブがかかった長髪に黒いローブを纏った女性が後ろを向いて佇んでいる。 その姿に思わず息を飲むフェイト、其処には彼女が緊張する程の人物が立っていたのだ。 「まさか!何故アナタが!!」 「あら?どんな奴が相手なのかと思ったら、かつて私が作った“人形”じゃない」 そう言ってフェイトを“人形”扱いする人物、プレシア・テスタロッサその人である。 彼女はフェイトの生みの親で十年前のジュエルシード事件の張本人でもあり、 時の庭園の崩落の際、愛娘であるアリシアの遺体と共に虚数空間に飲み込まれたハズであった。 しかしプレシアは虚数空間の中を漂っていると、流浪の双神に拾われアリシアと共に此処で生活兼アルハザードへの研究をしていたところ、 神から一つの案が提示される。 その内容は今から転送される人物を倒せば、プレシアの念願でもあるアルハザードへの道を開いてくれるというものであった。 「だから…大人しく倒されなさい、操り糸が切れた“人形”のように…」 「アナタはまだ!そんな幻想を!!」 フェイトはプレシアに吐き捨てるかのように言葉を口にするが、さも当然のような口振りを見せるプレシア。 元々フェイトはアリシアの“代用品”として造られた存在、それが全てである。 使えなくなった“人形”はただ捨てられるだけ…しかし今回は“いらない人形”を捨てさえすれば 自分が欲しかった物が手に入る為、価値のある廃棄だと笑みを浮かべ語る。 「初めて私の役に立つのだからサッサと倒されて頂戴」 そう言って蔑むような目線を見せると、フェイトは怒りとも悲しみとも取れる表情を醸し出していた。 …プレシアは十年たった今でも一切変わってはいなかった、愛娘に対する愛情も…自分に対する憎しみも…アルハザードに対する縋るような想いさえも… だが自分は十年前とは違う…一緒に過ごしてきた仲間や友、そして自分を拠り所としてくれる二人… それら十年の経験を無碍にするようなプレシアの態度と言葉にフェイトはバルディッシュを起動させ強い眼差しで見つめる。 「残念ですが、もう私はアナタの“人形”ではありません、此方にも負けられない理由があるのです!」 「そう……やはり欠陥品は欠陥品のままね…」 そう言うと懐から一つの柄を取り出す、するとその柄の先から金色の細長い鞭が姿を現し、鞭からは稲光が走っていた。 ライトニングエッジ、魔力鞭で構成され剣にも変化する攻・防・縛の三種に対応した管理局時代から使っている愛用のデバイスである。 「だったら…実力でねじ伏せるしかないわね」 そう言うや否や魔力鞭を二回程床を叩き、魔力鞭をフェイトに向けうねりながら伸ばすと、 フェイトはハーケンモードに切り替え魔力刃にてプレシアの攻撃を防ぐ、 するとプレシアは大きく円を描く動作を行い、魔力鞭がうねりをあげバルディッシュごとフェイトを縛り付けた。 そしてプレシアは床にフェイトを叩き付け更には左右の柵、床を削るように振り回し遠心力が掛かったところで縛を外し上空へと吹き飛ばした。 しかしフェイトは空中で体勢を立て直し更に急降下、床ギリギリまで降りると這うようにプレシアの下へ向かう。 するとプレシアは迎撃の為にフォトンランサーを展開、槍の形をした無数の魔力弾が雨のようにフェイトに襲いかかる。 その中を縫うようにして迫るフェイト、そしてフォトンランサーの群を抜けるとソニックムーブにてプレシアの背後を捉え、一気に振り抜く。 しかし既にフェイトの動きを予測していたプレシアはフェイトの動きに合わせ左手をかざすとサンダースマッシャーを撃ち抜きフェイトを飲み込んだ。 だが跡地にはディフェンサーを展開させているフェイトの姿があった、飲み込まれる直前にバルディッシュがディフェンサーを展開させて事なきを得たのだ。 「やはり…十年も立てば“人形”でも力を付けるのね……」 そう一言呟くと魔力を高めフォトンランサーを撃ち出す、すると今度は上空に逃げ込みハーケンスラッシュをプレシアに向け撃ち出すが、 プレシアはサンダースマッシャーで迎撃すると今度は左手に環状魔法陣が展開され、 加速増幅されたサンダースマッシャー、プラズマスマッシャーを撃ち抜く。 プレシアのプラズマスマッシャーをソニックムーブで回避したフェイトは左手をかざし カートリッジを消費しトライデントスマッシャーを撃ち抜くが、ディフェンサーを展開され攻撃を防がれてしまう。 そしてフェイトの一撃により辺りは魔力の残滓が舞いプレシアの姿を隠していると、 床から突き抜けるように金色の魔力鞭がフェイト目掛けて伸び迫ってきており、それに気が付いたフェイトは縦横無尽に逃げ惑うが、 魔力鞭は徐々に距離を詰めバルディッシュの魔力刃に纏わりつくと一気に引き寄せられ、四方あらゆる場所に叩きつけられるフェイト、 このままでは危険だと感じたフェイトはハーケンモードからライオットブレードに切り替え、魔力鞭を切り裂き難を逃れる。 その様子を見たプレシアはこのままでは少しキツいと感じ魔力を更に高めると服装が変化し始める。 プレシアが着ていた黒いローブは黒いハイレグカットされた軽装に変わり足元は高いヒール、 両手には黒い皮の手袋が付けられており、長い髪はポニーテールとして纏められていた。 その姿はかつて管理局時代に活躍していた姿で、フェイトのソニックフォームを彷彿としていた。 「この大魔導師、プレシア・テスタロッサの実力を見るがいい」 そう呟くとソニックムーブにてフェイトの目の前まで近づき膝蹴りを腹部に打ち込み、くの字に曲げるとライトニングエッジを剣に変え一気に振り下ろす、 だがフェイトはブリッツアクションにて全身のスピードを高め、なんとかして攻撃を防ぐ。 しかしプレシアはライトニングエッジを鞭に変えると一瞬にしてフェイトを縛り上げ更に電撃を与えた。 「う…うぁぁぁああああああ!!!」 「そう言えば十年前も、こんな事したわね…懐かしいわ」 そう言って感傷に浸りながらフェイトにバインドを掛け魔力鞭の縛を解くと、何度も何度もフェイトの身を打つ。 フェイトの身に打ち込まれる度に声を上げ苦しむ姿を堪能したプレシアは上空へと移動すると 左手をかざし徐々に魔力が集い圧縮されていくと閃光のように輝き始めていた。 「墜ちなさい!フォトンバースト!!」 撃ち出されたフォトンバーストは真っ直ぐフェイトの元へ向かい飲み込むと一気に爆発、 辺りは閃光によってまばゆく光り、プレシアはその光景をじっと見つめるのであった。 場所は変わり、なのはは桜色に輝く空間へと転送され先に続く緩やかな下り階段を下りていた。 その中でなのははフェイトとの約束を思い返していた、それはブラスターシステムの使用を禁ずるものである。 なのはの体は万全とは言い難く魔力に至っては未だ回復の兆しを見せてはいない、その為の処置であった。 しかしこの先の試練でブラスターシステム無しで立ち向かえられるのかどうか不安もあった。 …もし現状の能力で不可能であれば、使わざるを終えんだろう…そう考えている内に広場にたどり着くなのは。 広場の中心には一人の男性が佇んでおり、年は自分と同じぐらいだろうという印象を受けていた。 そして男はなのはの存在に気が付き振り向くと、その瞳は鋭くなのはを見つめており、その目線に懐かしさを覚えていると男の口が動き出す。 「次の相手はお前か…」 「アナタは一体?」 「私か?私の名は不破士郎、御神流の後継者だ」 士郎の言葉に目を見開くなのは、御神流と言えば兄や姉が父に習っている剣術である。 するとなのはは士郎の目をじっくりと見る、そしてどうりで見覚えがあるハズだと感じていた。 何故ならあの目は道場で兄達に稽古をつけている時の父と同じ目であるからだ。 では今目の前にいるのは若かりし頃の父、士郎なのではないのか…なのはは動揺を隠せないでいた。 …だが実は彼は、なのはの知る士郎ではなく、“同一人物”で“別人”の士郎なのである。 彼はなのはの出身世界である地球の平行世界から来た人物で 一人で修行している中に神に誘われ、此処で鍛錬をしていたところになのはが姿を現したのである。 話は戻り、未だ動揺を隠せないでいるなのはを後目に、士郎は更に話を続ける。 「此処に来て様々な奴と戦ってきたが、女…しかも人間の女を相手にするとはな」 士郎は此処に来てから様々な相手をしてきた、頭が三つもある猛獣、蛇が髪の毛のように生えた巨大な目玉、金属で出来た巨人など その中で次の対戦相手が女である事に疑問を感じるも、もしかしたらかなりの実力者なのかもしれないとも考える士郎。 「では…そろそろ始めるか……」 そう言って腰に抱えている小太刀を引き抜き構えると、なのはもまたレイジングハートを起動させて構える。 そして対極に対峙する中で、なのはが最初に動き出しアクセルシューターで士郎を牽制しようとする、 だが士郎は手に持っている小太刀を振るい次々とアクセルシューターを切り裂き、更になのはに迫り右の小太刀を振り払う。 しかしなのははラウンドシールドで士郎の攻撃を防ぐと流石の士郎も驚く表情を見せる。 「ほぅ…そんな能力も持っているとはな」 そう言って不敵な笑みを浮かべると右手に力を込め一気に振り抜くとラウンドシールドが真っ二つに切り裂かれる。 その光景になのはは目を丸くする、何故ならば自分の防御魔法の中で最も強固なラウンドシールドがいとも簡単に切り裂かれたからである。 なのはの驚きを後目にに士郎は左の小太刀を振り下ろそうとした瞬間、なのははとっさに後方へと飛ぶが士郎もまたついて回り 士郎の斬撃をプロテクションにて防御していると、士郎が左に力を込めるのを察し、 左の一撃に合わせて士郎の右後方へと移動、すぐさま振り向きカートリッジを消費させディバインシューター六発を士郎に纏めて撃ち込む。 しかし士郎は迫ってくるディバインシューターに対し右の小太刀を逆手に持ち替え左回転にてディバインシューターを弾き飛ばす。 なのはは士郎の動きに驚く一方で士郎がなのはの下へ真っ直ぐ向かってくるのを見て、 地上戦では此方が不利と感じ士郎の左の突きをギリギリで回避し上空へと逃げ込むと、 更にレイジングハートをエクシードモードに替えカートリッジを消費、ディバインバスターを撃つ体勢に入る。 「なるほど、考えたな…だが、対空用が無いとは言ってないぞ」 そう言うと持っていた小太刀を仕舞い懐から一本の棒手裏剣、飛針を取り出すとなのは目掛け投げつける。 一方なのはは既に魔力チャージを始めており一歩も動けない状況の中、飛針はなのはの肩を掠める程度に終わり悔しがる表情を垣間見せる士郎。 「ちっ…距離を見誤ったか」 そう言うと懐から六本の飛針を取り出すと、なのはの急所目掛け投げつける。 六本の飛針がなのはに迫る中、ディバインバスターのチャージが終わりすぐさま撃ち出すと、ディバインバスターは飛針を飲み込み士郎に迫る。 その勢いに驚きの表情を見せる士郎を後目にディバインバスターは床に突き刺さり爆発、辺りには魔力の残滓が煙のように舞うと、 その光景を上空から見つめるなのは、すると煙の中から切り裂くような勢いで四本の飛針が飛び出す。 それをラウンドシールドにて弾いた瞬間、足に違和感を感じ見てみると、足には鋼糸がまとわりついていた。 そして煙が晴れていくと其処には不敵な笑みを浮かべ鋼糸を握る士郎の姿がいた。 「捕まえたぜ!そらぁ降りて来い!!」 そう言って士郎は鋼糸を床に激突するように引き、なのはは背中から床へと激突、なのはの身には悶え苦しむ程の衝撃を受けていた。 しかし士郎の行動は終わらず、自分の元へなのはを引き寄せると鋼糸を手放し左手で顎を掴み、そして右手で小太刀を引き抜く。 「これで終わりだ」 そう一言口にするとなのはの心臓目掛け突き刺す体勢をとる士郎であった。 場所は変わり上空でフェイトの様子を見つめるプレシア、するとフェイトのいた場所から金色の魔力が現れ、中心には身なりが軽くなったフェイトの姿があり、 その手には二本の剣が握られており、柄の端は魔力の糸で結ばれていた。 これがフェイトの切り札、真・ソニックフォームとライオットザンバー・スティンガーである。 真・ソニックフォームは防御を一切無視し速度を重視した超高速特化形態で、 スティンガーはライオットブレードの二刀流の事を指し、柄が繋がれている事で安定した切れ味を実現したものである。 「チッ!…さっさと倒れればいいのに!」 「私は負けない!私にはその理由があるから!!」 自分には自分を待つ人がいる、自分は戻らなければならない場所がある、だから此処で倒れるわけには行かない! そう力強く言葉にするフェイトを苛つきの目で見つめるプレシア、 そしてフェイトはカートリッジを消費すると瞬間移動ともとれるような速度でプレシアの懐には入り右の魔力刃を振り下ろす。 しかしプレシアはブリッツアクションにて右手の動きを速めフェイトの一撃を止めると魔力刃を縛り上げる。 だがフェイトは左の魔力刃にて魔力鞭を切り落とし更にプレシア目掛け振り下ろすが プレシアはソニックムーブにて後方へと回避、フェイトの刃はプレシアの前髪を掠める程度に終わった。 するとプレシアは左手をかざしプラズマスマッシャーを撃ち出すが、フェイトはソニックムーブにて難なく避け背後を捉えると両手を振り上げる体勢をとる。 しかしプレシアは既にフェイトの動きを予測しており、振りかざした瞬間を狙って二本纏めて魔力刃を縛り上げた。 「二刀流とは考えたわね、でもこうやって二本ごと縛り上げれば意味ないんじゃない」 「まだまだぁ!!」 そう言うとスティンガーの鍔を合わせ一本の巨大な大剣へと姿形を変える、 ライオットザンバー・カラミティ、二刀のライオットブレードを合わせる事で生まれる破壊力重視の大剣形態である。 そしてカラミティの巨大な刃に耐えきれず魔力鞭の呪縛が断ち切られるとそのまま振り下ろし、プレシアは弾丸のような速度にて床に激突する。 プレシアが激突した辺りは舞い上がった塵に覆われており、上空からその光景を見つめていると 魔力によって塵を吹き飛ばしフェイトを見上げるプレシアが姿を現した。 「おのれ!このクソガキがぁ!!」 プレシアの表情は怒りによって歪み殺気を籠もった瞳で睨み付けるが、フェイトは冷静にカラミティからスティンガーに切り替える。 するとプレシアはソニックムーブを起動させフェイトの懐に入り、一気に振り抜くが紙一重にて攻撃を回避、だがプレシアはソニックムーブにてフェイトの後を追いかけると フェイトは一度立ち止まりソニックムーブにて急転、プレシアに迫り右の払いを繰り出すとプレシアはディフェンサーにて攻撃を防ぐ。 その時である、防御により動きを止めたプレシアの隙をつき左のライオットブレードを繋げカラミティにしプレシアの障壁を砕くとスティンガーに戻す。 そしてカートリッジを三発消費し更にブリッツアクションを用いて体全体の速度を高め次々と斬撃を繰り出す。 その斬撃はまるで無限の剣閃と呼べる程でプレシアの体に続々と金色の軌道が描かれフェイトは振り上げた瞬間カラミティに替えプレシアの顔目掛け一気に振り下ろす。 「はぁぁぁああああああ!!!」 フェイトのカラミティを受け止めたプレシアの顔が徐々に歪む中、フェイトはプレシアを連れ一気に急降下、そしてプレシアごと床に叩きつけると床は大きく円形にへこんだ。 そのへこみの中心でプレシアは信じられないといった表情でフェイトを見上げていた。 「…バカな!この…私が……負ける…ハズが……」 しかしプレシアの目に写るのは凛とした姿で佇むフェイトの姿で、その姿に思わず口元が緩むと意識を無くし倒れるプレシア。 その光景を最後まで見届けたフェイトは、まるで糸が切れたかのように膝を突き頭の中が真っ白になりながら倒れ込むフェイトであった。 一方でなのはの心臓に士郎の凶刃が迫りバリアジャケットにふれた瞬間バリアジャケットが爆発、士郎の攻撃を相殺した。 リアクターパージと呼ばれる防御機能で対象において限界と思えるダメージが起きた場合、バリアジャケット自らが爆発しダメージを相殺するのである。 リアクターパージはなのはにとって最終的な防御手段、それを発動させる程の一撃を士郎は繰り出していたのだ。 それもそのハズ、士郎は徹と呼ばれるドラム缶を一刀両断できる技を繰り出していたからである。 士郎は自分の一撃を爆発によって相殺された事に驚きの顔を見せると、その隙をついてなのはは即座にショートバスターを撃ち抜く。 すると士郎は左の小太刀を抜き手前で交差させてショートバスターを受け止めるが見る見ると押されていき、50m程放されるとショートバスターを四散させる。 「ここまでやるとは驚きだ!…仕方がない“本気”を出すか」 士郎のふとした言葉に目を見開くなのは、士郎にとって今までの攻撃は本気を出してはいないというのだ。 そんなバカな…ただの強がりだ…そう自分に言い聞かせレイジングハートの先端に魔力刃を形成し鋼糸を断ち切ると、 士郎は小太刀を仕舞い、瞳から光が消えまるで人形を思わせるような瞳に変わり全身からなのはに向け殺気を放ち始める。 士郎の殺気になのはの全身は粟立ち頬からは冷たい汗が垂れ、左手が震え始める、 …飲まれるな!!そう自分を奮い立たせていると真正面にいた士郎が消え目の前に姿を現す。 そして士郎はなのはの左手を掴むと、なのはは回転しながら宙を浮き背中から床に叩きつけられる。 なのはは背中から来る衝撃と痛みに苦しみながら士郎を見上げると、士郎は右足でなのはの顔を踏みつける体勢をとっており、 とっさに右に転がり士郎の踏みつけを躱すとアクセルシューターを撃ち出す体勢に入る。 しかしその瞬間を狙って士郎は左掌底をなのはの胸元に突きつける、するとなのはの体の中に猛烈な衝撃が響き、 その衝撃によって傷つけられた内臓の出血により口から血を吐き出す。 すると今度は左拳を握り顎をカチ上げ脳を揺らすと、がら空きになった腹部目掛け右の掌底を打ち込み吹き飛ばす士郎。 御神流は何も剣術だけが取り柄ではない、表面を傷つけず内部のみを破壊する当て身や受け身がとれない投げ技なども存在し、 先ほど使用した飛針や鋼糸などもまた御神流の技の一つなのである。 一方、腹部に強烈な打撃を受けたなのはは士郎の強さを実感していた、御神流は力よりも速度を用いた武術、 その速度はエクシードを使用したなのはの瞳にすら映らぬ程の速度であった。 …今のままでは確実に殺される、しかし自分はこのまま殺される訳には行かない 自分には助けたい者がいる守りたい者がいる、自分の帰りを待っている人がいる。 だからこそここで負けるわけには行かない!するとなのははレイジングハートに命じる。 「レイジングハート…ブラスターシステム起動!ブラスター2!!」 しかしレイジングハートはなのはに注意を促す、今のなのはの肉体でブラスターシステムを起動させれば 二度と魔法が使えなくなる可能性があり下手をすれば死んでしまうと。 しかしなのははこう答える、今此処で負けれる事は死を意味する、今更自分の肉体に気を使った所で奴に勝つ事は出来ない。 たとえ自分の肉体に不幸な事故が起きたとしても、此処で自分が勝てば仲間達が先に進むことが出来る。 それに自分は死ぬつもりはない、そう笑みを浮かべ話すとレイジングハートは屈伏した様子でブラスターシステムを起動する。 なのはの身に大量の魔力に満ちるとA.C.Sドライバーを起動させレイジングハートに魔力羽が展開される。 そして魔力によって反応速度、胴体視力、加速を高め士郎の動きを見極めようとしていた。 結果は士郎の動き全てを見る事は出来なかったが、出だしの一歩を見極める事に成功、A.C.Sドライバーにてかろうじて回避する。 しかし負けじと士郎も追いかけるが、瞬間的に移動・回避しイタチごっこが続いていく。 「逃げてばかりでは勝てん―――」 イタチごっこに飽き飽きして言葉を発した次の瞬間、正面で構えるなのはとは別方向、 士郎を中心に右上後ろから桜色の直射砲が降り注ぐのに気がつき転がるように回避 攻撃された方向を見つめると其処には金色のブラスタービットが宙に浮いていた。 「チッ!小賢しい!!」 そう言って懐から飛針を三本取り出して投げ、ブラスタービットを破壊する。 これで安心と考えた矢先、今度は後ろから桜色の直射砲が撃ち抜かれ、小太刀にて受け止め切り払う。 そして鋼糸にて縛り上げるとブラスタービットは一瞬にしてバラバラとなった。 すると他のビットによって右腕をバインドで縛り上げられ左の小太刀にてバインドを断ち切ろうとした瞬間、なのはのディバインバスターが士郎に迫ってくる。 「チッ!…仕方がないな」 士郎はバインドを断ち切った瞬間、一瞬にして移動なのはのディバインバスターを回避、更に飛針にてビットを破壊した。 その動きを一通り見たなのはは、恐らく性質としてはソニックムーブと同じだが、速度は遥かに越えていると判断していた。 「チッ…いくつこれはあるんだ!」 「そんなの答える訳ないじゃないですか!」 なのはのもっともな意見に不敵な笑みを浮かべる士郎、 実際問題として、ここまでやれるとは想っても見なかったのだ。 しかしこのままジリ貧が続くのは戴けない、この状況を打破するには“アレ”を使うしかないと悟ると 小太刀を仕舞い前傾姿勢で構える士郎、その構えを見たなのはもまたレイジングハートを士郎に向け構えていた。 「これで終わりにする…」 そう一言呟くように口にすると辺りは静寂に包まれ重苦しい空気が二人の肩にのしかかる。 そしてなのはは士郎の動きを見逃さんとジッと見つめていると、一瞬にして士郎が姿をかき消える。 なのはは驚きともにどこに行ったのか?と脳が考え始める瞬間に後方でキンッと小太刀を仕舞う音が聞こえ、 その音が耳から消え去った瞬間、なのはの胸元は大きくバツ印で刻まれ、傷口から血が噴き出し膝をついて前のめりで倒れた。 神速…御神流の中で奥義と称される歩法で自らの意志で認識速度を高め、常人を越える判断能力・攻撃・速度の可能としている。 しかし本人の肉体にも多大な負担を抱える為多用は出来ないが、その分一撃必殺ともいえる攻撃力を秘めているのである。 士郎の一撃はなのはに致命傷を与え、もはや立ち上がれないと確信に似た表情で士郎は振り向くと 其処にはレイジングハートを支え棒代わりに立ち上がろうとするなのはの姿があり、 思わず目を見開き驚きの表情を見せるがすぐに冷静な顔になり、なのはの行動に疑問する士郎。 「何故立ち上がろうとする?」 「……私には…負け…られない……理由…が…あるから」 自分には命を賭しても守りたい者がいる、自分を大切にしてくれる人がいる、大切な者を救う為に此処に来た。 だから此処で倒れている訳には行かない、たとえ気絶するような痛みでも、致命傷を受けたとしても、立ち上がらなければならない。 そう言って立ち上がり胸を張ると振り返り士郎を瞳を睨みつける、その瞳はとても半死人に見えず強い決意が滲み出していた。 そしてその瞳見た士郎は、なのはの中に母の強さを感じふと目を閉じる、其処には1歳とも見える小さな男の子が写り出す。 自分もまた、命を賭してまで守りたい者がいる、すると士郎の顔が暗殺者としての顔から父親の顔へと変化し、なのはに向け神速の構えに入ると なのはもまたレイジングハートを向けA.C.Sドライバーの体勢に入るとブラスター3を起動させる。 それによって得た魔力を先ほど受けた致命傷部分に注ぎ覆う事で応急処置的に傷を塞ぎ、残りの魔力は反射神経・動体視力・加速のみに集中させた。 そして互いの間の空気が緊張に満ちていくと、士郎がその想い空気の中、口を開く。 「…何か言い残すことは?」 「無い…」 自分は負けるつもりは無い、だからこそ言い残す言葉など無いと力強く答えるなのは。 なのはの言葉に決意を見た士郎は、なのはの強さに感服するも全力で相手をすることを決めていた。 「行くぞ!我が奥義によって散れ!!」 「私は負けない!全力全開で立ち向かう!!」 そう言ってカートリッジを全て消費すると先にかき消える士郎、そして間髪入れずになのはもまたかき消えるように姿を消した。 そして互いが対峙していた中心にて周りの柵が揺れ床にヒビが入る程の強烈な衝撃が響く。 そして衝撃波の発生元では小太刀を交差させた士郎と魔力刃にて小太刀を受け止めるなのはの姿があった。 互いの一撃は強力で小太刀の交差した中心部分に亀裂が走り始めるが、レイジングハートは全体的に亀裂が走っており、砕けるのも時間の問題である。 「このまま砕け散れ!!」 「砕けはしない!レイジングハートは!私の心は!!」 そう言うと小太刀のヒビが徐々に広がりを見せ、とうとう小太刀を打ち砕くと 空になったカートリッジを抜き出し新しいカートリッジに入れ替え装填、レイジングハートに環状の魔法陣が展開され先端では魔力が増幅していった。 「不屈の心だからぁぁぁ!!!」 そしてなのはの決死のディバインバスターが撃ち出されると桜色の魔力は士郎を飲み込み、 なのはもまた自身が撃ち抜いた魔力の光に包まれるのであった。 場所は変わり一人倒れていたフェイトが気が付き起きあがると其処は白い空間が広がっていた。 その時である、先程まであれだけの激戦を繰り出していたハズなのに自分の身がとても軽いことに気が付き首を傾げていると、 目の前に一つの魔法陣が姿を現し中から黒いローブ姿のプレシアが現れ、警戒の眼差しで見つめていると、肩をすくめるプレシア。 「安心して…もうアンタに手を出さないから」 フェイトがここに呼ばれた理由はプレシアに勝った為、だから自分はこれ以上手を出すことは出来ないと。 神はフェイトの奥に潜む母への想い、そして憧れそしてフェイトの中にある母性の力が母より越えているのかという物であった。 結果、プレシアの想いよりフェイトの想いが強く母の陰を乗り越えたという事と判断したのだという。 「これで私の願いも終わりなのね…忌々しい……」 そう言いながら顔が緩んでいるように見えたがすぐにフェイトに背を向けるプレシア。 フェイトは哀しくも変わらないプレシアの態度に苦笑いを浮かべると転送され始める。 すると背を向けたままのプレシアから言葉が聞こえる。 「……じゃあね“フェイト”」 「えっ!?母さ―――」 最後の一言に驚いた表情を見せながらフェイトは転送される。 そして一人残されたプレシア、神によるアルハザードへの道は閉ざされた… アルハザードへの道は自分で切り開くしかないか…そう諦めた様子を見せていると、プレシアの目の前に一人の金髪の少女が姿を現す。 「……お母さん?」 「アリシア!?」 その少女はアリシア本人であった、プレシアは目の前の愛娘に思わず抱きしめ、どうして此処にいるのか訪ねると、笑みを浮かべながら話し始める。 …今まで自分はとても長い夢を見ていた、その夢の中では母が一生懸命私を構ってくれていた。 ある日、母がいなくなり一人寂しくしていると、自分そっくりの少女と出会う。 少女は自分の“妹”だと名乗りそれから毎日“妹”と仲睦まじい生活を送っていた。 するとある日、“妹”がこう言った「そろそろ自分は行かないと」アリシアは一人にしないで欲しいと叫ぶと “妹”は…もう一人じゃないから大丈夫だよ…と優しい笑みを浮かべ光の中に吸い込まれていき、自分は追いかけていたら此処に立っていたと話す。 「変な夢だった…私には“妹”なんていないのに……」 「………そうでもないかもよ?」 プレシアは一言を発し天を仰ぎ目をつぶると…神も粋な計らいをしてくれるものだ…と、 そう心の中で呟いていると母の行動に首を傾げ疑問の表情を見せるアリシア。 するとそれに気が付いたプレシアは満面の笑みを浮かべ、アリシアの手を取り光の中を歩み始めるのであった。 一方で光に包まれたなのはは一人立ち尽くしていた。 そして今まで受けていた傷全てが完治しており、当初から存在していた体の不調、魔力の低下も見られず、 寧ろ絶好調とも言えるコンディションであった。 一体自分の身に何が起きたのだろう?そう疑問に満ちた表情を見せていると目の前に士郎が姿を表す。 「落ち着け、もう戦いは終わりだ…お前の勝利によってな」 士郎の言葉に一瞬唖然とするが徐々に喜びに満ちた表情を見せるなのは。 するとその表情を見た士郎は頭を掻きながら完敗を宣言する。 正直、自分と此処まで戦えて更に自分が負けるとは思ってはいなかった。 その強さは恐らく守る者の力の差なのだろうと、肩をすくめ首を振る士郎。 「出来る事ならお前の名前を教えて欲しい…私に勝ったお前の名を」 「私の名前は……“なのは”です」 「“なのは”か……良い名前だ、覚えておくぞ…」 そう言うと時間切れなのか徐々になのはの体は転送されていき、その場を最後まで見守る士郎。 そしてなのはが完全に転送されたのを確認すると歩み始め、その道中で考え事をしていた。 …もし、自分に娘が出来たとしたら、その子に“なのは”と名付けよう… ……不屈の心を宿すその名を…… 場所は変わり此処は海鳴市に存在する翠屋、時間は既に深夜を回っており、住民も寝息を立てている中 住人の一人である一人の男がふと目を覚ましベッドから起きあがる、すると隣で寝ていた妻である桃子が気付きふと声をかける。 「どうしたの?アナタ」 「いや…何でもない、少し夜風に当たってくる」 そう言うと男は妻を寝かしつけ部屋を出ていき、玄関へと赴く。 外は静寂に包まれ空は満天の星空に覆われており、ふと男は空を見上げると呟くように言葉を口にする。 「頑張れよ……なのは…」 …何故自分はそのような事を口にしたのかは分からない、ただ何故かそう思う父“士郎”であった。 前へ 目次へ 次へ オマケへ
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/'´ ̄ )/ヽ./ Y/´ /,へ、く、 {./ // ├(⌒ヽ \ ヽ ヾ」 | ./ / ヽ ヽ !! /Y { /ヘ /iヽ ハ `ヽヽノヽ( ( )ヽ / V . | V | \ ||| ||| ||| i ノ / . ィ | V. ト、_ _ノ }. N / //´⌒ヽ | | . 厂T . {_/二二_/ i レ/ ,ィ. | i . | | ./{ }ん // | i . | ハ |\ | ヽヽ、 ノ / / / i.| i レ | ヽ<iヽゝヽ-彡ノ─' /. | |. i / . /| /ハシ⌒ー、ー'/ _/ /| / . / .|ハ彡二ニヽ\」_/ / | 厂|' ... / ヽ...}-{__二ニy ヽミ、-、 { .|ノ | / ヽノ ヽ.....- } }、ー}... ヽ ヽ / . ヽ......... ソ /ヽ _ -ヘ-、 ...}、 | ヽ ... _/  ̄ .. \,、 ノ 廴__ハ─'i . ' ヽ, | . .. ... / ヾ、 .. .. ... / ヽ ... ... ./! ヽ . / / .. / ヽ ノ .. | __ ノ⌒ゝ_ノ ヽ < 、ノ ,--、 ヽ _)  ̄ / /ー─' ,-─‐、 アニ2ルルーシュ「おいちょっと待て! これはナナナのゼロじゃないか!」 ○ゼロ「何だ? 何か問題でもあるのか」 なのはルルーシュ「該当する俺がお前しかいないんだよ! 自重しろ!」 「コードギアス」シリーズの主人公。 祖国ブリタニアをぶっ壊し、妹の望む優しい世界を作らんとするもやしである。 敵に対しては冷酷非情だが、味方に対しては情に脆い。 アニ2ルルーシュ クロススレに最も古くから登場していたルル。 原作での冷酷な部分が強調されており、それなりに撃墜スコアを稼いでいった。 更には逃亡したマダ王に代わり主催代理まで務めたのだが、調子に乗りすぎたためにエピローグで自殺する羽目になった。 なのはルルーシュ 原作からではなく、「リリカルなのは」とのクロスオーバーSSから登場していたルル。 原作での仲間想いな部分が強調されており、危険思想を持ちながらも対主催として活動している。 スバルとイチャイチャしている印象が目立つが、 実は参戦時期やロワでの扱いが重なって、精神的にズタボロに痛めつけられていたりする。そりゃあ女にも走りたくなるだろう。 そうして遂に童貞を捨てるチャンスかと思われたものの、結局スバルに対しては片想いのまま死んでしまった。 ときどき産みの親であるルル×スバラバーズと結託していることも。 多ジャンルルルーシュ 原作二期「R2」から参戦した最初のルル。 パニック状態に陥っていたつかさをギアスで落ち着かせたが、 結局それが裏目に出てしまい、KOOLなつかさの手によって僅か2話で抹殺されてしまう。 ろくに活躍する間もなく自滅したあたりは、原作のうっかりな部分が強調されているということか。 ニコβルルーシュ 登場話が破棄されたことにより、ロワから存在を抹消されてしまったルル。 しかしクロススレでは没キャラも普通に存在しているため、出番こそ少ないものの当然のごとく顔を見せている。 ちなみに破棄された話の内容は彼がスネークにアーッされて死亡するというものだったため、似たような経験をしたニコキョンには親近感を抱いているようである。 アニ3ルルーシュ 「R2」から参戦した2人目のルル。 アニ2同様の悪人ぶりを発揮し、神の力まで取り込んで大ハッスルしているが、未だクロススレでの影は薄い。 ○ゼロ 唯一名義が違うが、これは漫画作品「ナイトメア・オブ・ナナリー」からの参戦によるものである。 一応元々はルルーシュだったので、この項目に記載する。 これまでのルル達のもやしっぷりが嘘のように、筋骨隆々としたマッスルボディを持っている。 水銀燈とのコンビは夫婦漫才として人気を博したが、それ以外の参加者にはなかなか遭遇できなかった。 ちなみにゼロがボケ担当であり、ツッコミは水銀燈である。
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炎が踊る。 殺意と志向性を持った紅蓮の波が全てを焼き尽くそうと迫る。 自らの相棒を構えた若き魔導師――――――フェイト・T・ハラオウンはそれをオーバーとも言える動作で回避する。 理由は単純。 炎の当たり判定は、周囲の空気すら含むから。沸騰した大気は炎自体よりは威力が低いものの、それでも十分。 バリアジャケットの上から受けたというのに、掠っただけの左腕はほんの少し動かすだけでも苦痛を伴う。・・・・・・もっとも、それだけで済んだと考えてもいいかもしれない。 つまりクリーンヒットしてしまえばそのまま戦闘不能に追い込まれかねない、ぞっとするような威力。そしてそれ以上に―――――― 「・・・・・・バルディッシュ!」 Plasma Lancer 複数射出された雷撃の槍が、緑の炎に覆われた四つ足――――――フレイムマンへと殺到する。 が、その攻撃はフレイムマンを覆う緑の炎に触れた瞬間、あっけなく弾かれてしまう。 ――――フレイムマンの緑の炎はあらゆる攻撃に対して無敵。そんな常識外のロジック、初見で看破する事などどう考えても不可能である。 AMFとはまた違う、攻撃そのものを防ぐフィールドと考えるべきか。何よりも厄介なのが、それだった。 間違いなくヒットしているというのに『手ごたえが無い』。接近して魔力刃を叩き込んでもみたが、まるで壁を殴ったような感触が手に残っただけ。普通のプロテクションなどならば 弾かれるような手ごたえがあるはずだというのに、だ。幻影の類かとも疑ってみたが、鋼の四肢が打ち下ろされる度に床を砕く様子からも実体であると断定せざるを得ない。 厄介な敵。それも『強い』ではなく『悪質な』。 屋内という、自分の力がフルに発揮できない状況であることもまたネガティヴポイント。こんなところでザンバーフォームなど使えば、下手すれば崩落を促進しかねない。生き埋めは流石に遠慮したい。 ならば『高速機動で撹乱しつつ空中から連打』という戦法を考え付いたが、相手も甘くは無かった。 ――――オレンジ色の高速誘導弾。 まるで意思を持っているかのように追いすがる二つの炎弾が空中を走る。この攻撃もまた厄介で、『フェイトが空中に居るとき』のみ使ってくる。こちらは切り裂く事は出来るが、すぐに形を取り戻して しまうため、いくら迎撃しようとも無意味。だが不自然な事に、こちらが床に足をつけているときには何の動きも見せないのだ。 そうなると魔力の消費を抑えるために必然的に床に足をつけて戦う事になってしまうわけで。 (やりづらい・・・・・・・・・!) Arc Saber 連続して放たれる火柱を高速で回避しながらバルディッシュを振り、光刃を射出。が、やはりこの攻撃も無効化され、思わず舌打ち。 数メートルはある蜘蛛の如き巨体のどこにも、この状況を打破するための取っ掛かりが見つからない。 そして、もう一つ。離脱という選択肢があるにも拘らず、ここまで不利な状況でそれを選択しないのか。別にフェイトは敵に背を向ける事を恥と思っているわけではない。敵を見逃す事に多少の感情は沸くが、命には代えられない。 その気になればダメージ覚悟で誘導弾を突っ切り、一気に地上まで戻る事もできる。―――――――自分一人なら、の話だが。 そう。 フレイムマンからは見えない位置に、要救助者の少女―――――ギンガ・ナカジマがいる。彼女を抱えながら高速飛行し、あの誘導弾を回避、突破するのは難易度が高すぎる。 だからこそフェイトはフレイムマンを撃退するべく戦闘を行っているわけなのだが・・・・・・・・・・・・・・・ 「ヴォォォォォォォォォォッ!ちょこまかと目障りなヤツだ!」 ―――――轟! 仮面を思わせるフレイムマンの頭部から、灼熱が放射される。先ほどとは違う、威力よりも効果範囲を重視した攻撃だ。 回避、後方。 ブーツを鳴らし、サイドステップを織り交ぜながら炎から逃れる。 汗がひどい。 バリアジャケット越しにも分かる熱気に辟易しながら、火の海の中を駆ける。手袋の中でさえ汗にまみれて、ふとした拍子にバルディッシュを取り落としかねない。 息が上がってきているのが分かる。 呼吸をすれば、入ってくるのは肺を焦げ付かせるような熱い気体。いくら呼吸をしても満たされる事の無いような、そんな考えがフェイトの脳裏を駆け巡り―――――――――そこで、唐突に気付いた。 (・・・・・・・・・・・・え?そんな、まさか・・・・・・・・・・・・) 炎。それは、貪欲に酸素を喰らい尽くす魔物であるという事を。 ―――――どこかで少女が倒れる音がした。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 火災現場。 そこで恐れられているのは炎・・・・・・・・・だけではない。いや、むしろそこでは炎など、序列で言えば大した危険ではない。 多少の知識がある者ならば分かるだろうが火災現場において最も危険な物、それは―――――――気体である。 酸素と水素を糧として膨れ上がる炎はあらゆる物を飲み込み、本来ならば燃やしてはいけないものを燃やす。それによって発生するのは、有毒な気体。 有毒でなくともその空気にもう酸素は残っておらず、人は満足に呼吸する事も叶わぬまま死亡してしまう。 魔導師であろうとも結局は人というカデコリに含まれるわけである。 つまり現在の状況がより一層最悪に近いものだと、ようやくフェイトは気付いたのだ。 ・・・・・・・・・手遅れ気味ではあったが。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 戦況は変わらずフェイトの不利。加速度的に状況が悪くなっているのが自分でも理解できる程に、だ。 回避しきれなかった数回分の余波はずくずくと身体の各部を蝕んでいる。 酸欠気味の頭を振り、ぼやけ始めた視界をどうにか修復しようとする。頭痛が激しい。 (時間が無い・・・・・・・・・どうする?) キレの無くなり始めた動きを見逃さない敵の炎が放たれる。火柱が連続で吹き上がり、さながら壁のように押し寄せてくる。 「ヴォォォォォォォォォォォォ!ただの人間が、よく耐えるものだ!そろそろ諦めたらどうだ?」 「・・・・・・誰がそんな事ッ!」 バックステップ。 拡散する炎は、その分射程が短い。――――――相手の攻撃パターンは二つ。誘導式の火柱か、拡散式の壁。どちらも速度はほぼ同じ。 熱された空気が対流を引き起こす。地下だというのに吹き荒れる熱風はますますフェイトを苛む。 ひょう、と空気を吸い込む音から遅れる事数秒、またも火炎が来る。 (しつこい・・・・・・・・・ッ!) 相手の作戦はもうわかっている。強固な防御で耐えつつこちらの体力を削る持久戦だ。 焦る。 今まで様々な経験をしてきた自分でさえ消耗しきっている。・・・・・・ならば、あの少女はどうだろうか? そう思ってわずかに視線を動かしフェイトはギンガの隠れている方向を見て、 「ヴォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・なるほど、そこか」 ぎょろり、とフレイムマンの頭がそちらを向いた。 (―――――――――――っ!) 驚愕するフェイト。だがそれを見ることも無く、フレイムマンは頭部へと渦巻く火炎を集中させる。 轟、とやけに明瞭な音と共に紅蓮の花が咲いた。 ――――――放射。 フェイトがバルディッシュから雷槍を放つが、一瞬の痛痒をも与えることなくそれは緑の炎にかき消される。 間に合え、と床を蹴り疾走。 火柱が迫る。速い。炎が直撃すれば、バリアジャケットを纏っていない少女など灰も残らず焼き尽くされてしまうだろう。 ――――――――だがフェイトは、間に合わないと確信していた。 遅い。何から何まで遅すぎる。自分の動きが、自分の速さが、足りない―――――――! 逃げて、という声が溢れる。 傷つく人はこれ以上見たくない。ましてや死人なんて。 しかし、非情にも炎はその勢いを止めることなく一直線に熱量を振りまき―――――――――― 「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」 ―――――――唐突に、声と共に飛来した水の弾丸がその炎を吹き飛ばした。 ● 命中を確認。直情からの視点であるからこそ分かったが、どうやら倒れている少女へと放たれたれしい炎は、バブルスプレッドでの迎撃に成功。ぶっつけ本番もいいところだったが、上手くいったことに安堵する。 相変わらず猛スピードで降下中のロックマン.exeは砲へと姿を変えた右腕からチップデータを排出、さらに連続でチップデータを叩き込む。 ――――――セット:エアシューズ ――――――セット:フウアツケン 右腕が幅広のブレードと化し、風を纏う。さらに足裏からエアが放たれ、空中での姿勢制御を可能とする。 「でやぁぁぁぁぁぁぁっ!!」 起動、噴出、加速、疾駆――――――! 一瞬で間合いを詰めたロックマンは右腕のブレードを振り、斬撃と同時にそこに宿る力を解放する。 烈風。 全てをなぎ倒す風圧は狙いを外れることなく、奇襲に驚くフレイムマン―――――――――その背に燃えるロウソクの緑とオレンジの火を吹き飛ばした。 それと同時に絶対の鎧が解除される。フレイムマンの背に着地したロックマンはそのまま半回転しながらブレードを振るい、ロウソクを半ばから切断する。 「ヴォォォォォォォォォォォォ!?貴様、なぜそれを―――――――!?」 驚愕の声を上げるフレイムマンの背から跳躍、チップデータを排出し顔面へと向けてロックバスターを連射する。たまらずのけぞったところで、ロックマンはチップをロード。 接近戦、敵大型、炎属性。 そこから導き出すのは、一撃必殺を可能とするたった一枚のチップ。 ―――――――セット:バリアブルソード・・・・・・・・・・・・ 形成されるのは、流体の刀身。主の思うがままに姿を変える、テクニカルソード。 イメージは、衝撃波。それも四色の四連斬。制御の難しいこのチップの中で、最大の威力を持つ『技』。 下段から逆袈裟の軌道で抜き放つ刃は、四色に輝いて。 「――――――喰らえっ!」 ―――――――・・・・・・エレメントソニック!! 炎。 水。 雷。 木。 暴力的なまでの威力を持つ斬撃がフレイムマンを滅多切りにしていく。 ● フェイトには目の前の光景が信じられなかった。 突然降ってきて今の今まで自分が酷く苦戦していたはずの敵をあっけなく切り刻んでいくその姿が。青いバリアジャケット(?)に身を包んだ少年は見たこともないようなデバイスを使って、砲撃射撃から近接戦闘まで やってのけているのだ。それも、恐ろしいほどの練度で、だ。 自身が戦闘経験があるからこそ理解できる、異常と言っても差し支えないほどに洗練された無駄の無い動き。 少しの間呆然としていたフェイトだが、すぐさま意識を切り替える。今なら、攻撃が通用する。確信じみた直感に賭けて、痛みを上げる左手に魔力を集中させる。 「バルディッシュ、カートリッジロード!」 Load Cartridge コッキング音は続けて三回。薬莢が落下するよりも速く左手を振り抜き、金色の輝きを纏う左の掌をフレイムマンへと突きつける。 「君!離れて!」 こちらをちらりと見たその少年は一瞬で状況を判断したのか、大きくバックステップ。離脱する。 円形の魔法円を展開。カートリッジから供給された暴力的な魔力が体中を駆け巡り、バレルと化した左腕一本へと殺到。 鮮烈な金色の閃光が電気を撒き散らしながら膨れ上がり―――――― Thunder Smasher 「―――――ファイア!!」 ――――――咆哮にも似た嵐音と共に放たれるのは、柱の如き極太の稲妻の槍。反応しきれぬほどの速さで迫るそれをフレイムマンは避ける事すら出来ず、まともに正面から喰らった。 超高温高電圧高熱量の砲撃は狙い過たずにフレイムマンを飲み込み、その身に深々と傷を負わせる。悲鳴すら大気を灼くスパークにかき消され、のたうちまわる暇さえなかった。 数秒後、その身体がぐらりと揺れ、 「ヴォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・す、い・・・・・・・、せ・・・・・・・・・・・・・ィ・・・・・ま・・・・・・」 ―――――――――爆散。 ご、と灼熱したかと思うと、余りにあっけなくフレイムマンは消滅した。後には何も―――身体の一欠片すら残らない。 無敵の鎧があるならばそれを纏う者には防御力など必要ない、ということだろうかとフェイトは予測を立ててみた。 ・・・・・・だが、今はそれ以上に重要な用件がある。 見る。視線の先に居るのは、青いバリアジャケットの少年。まだあどけなさを残した、しかしそれで居て戦士の顔をした正体不明の少年。 視線が交錯する。 噴出音と共にバルディッシュが魔力の残滓を吐き出す。 それが何故か会話の糸口を作った気がして、フェイトは口を開く。 「・・・・・・・・・君は―――――――?」 戻る 目次へ 次へ
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(こちらA班、異常無し) (B班了解。こちらも異常無し) (C班了解、同じく異常無し…主はやて、この口調は何とかならないのですか?) (別にええやろ。気分の問題や。気分の) (気分の…ですか) (シグナムさん、あんまり気にすると肩凝りますよ?) 彼女らは今、島田を見張っている…いや、正確には島田を誘拐しようとする犯人を待っている。 事の始まりは、令子が見合いに参加したことからだ。その日から令子はストーカーに悩まされ、挙句の果てに誘拐されるという事態に。 真司はそれを見合い相手による腹いせと判断し、蓮やなのは、北岡達と結託して犯人を捕らえようと行動しているのだ。 そして今、島田を餌に罠を張り、誘拐犯を待ち伏せしているところである。 …ちなみにこのどこかの諜報部隊のような会話については、はやての言うように「気分の問題」という事で納得していただきたい。 (でも意外よね。まさか北岡さんが令子さんのこと…) (え?シャマル、それほんまなん?) (…確かにな。まあ、そうでもなければ北岡が協力するとも思えんが) (*1)) この一件で北岡の想い人が発覚したようだ。 ちなみになのは・ヴィータ・リィンのお子様トリオは話の内容を理解できていないらしく、疑問符を5つほど浮かべている。放って置けばまだ増えるだろう。 「なのはちゃん…なのはちゃん!」 「ふぇ?な、何ですか優衣さん…」 優衣によって現実へと引っ張り戻されるなのは。どうやら聞き入っていたらしい。その証拠に、さっきからの優衣の声にも気付いていなかった。 「島田さんがいないの…多分、島田さんもさらわれたんだと思う…とにかく他の班のみんなに連絡して!」 「はっ、はい!」(こちらA班、異常発生!) それからさらに数日後。 「はじめまして。倉井忍です」 「神崎優衣と申します…ほほ」 再び罠を張る。今回の餌は優衣だ。 その頃外では、蓮が真司を踏み台にし、塀の上から中の様子を見ていた。 今回はその近くに蓮の車が停めてあり、中ではやてとヴォルケンリッター達が待機している。 「ついに優衣まで引っ張り出すことになったか… しかしこれであの男が犯人じゃなかったら、凄まじい無駄骨だな」 「安心しろ…信じるものは救われるんだよ…」 第二十話『現れる戦神』後編 再び中の様子。 「フン、君も遊び半分ですね。君のような女性が、私なんかに興味を持つはずが無い」 どうやら倉井は、初めから諦め果てているようだ。あぐらをかき、扇子で扇いでいる。 ところが、優衣の返答は倉井が予想だにしなかった事だ。 「いえ…お付き合い、させて下さい」 驚き、慌てて扇子をたたみ、正座をした。 「どういうつもりだ?優衣の奴、まさか本気で…!」 見張りを交代したヴィータが危惧する。まさか、まさか…! 「違う。神崎はああやって、奴の身辺を探ろうとしているんだ」 「なるほどな…」 同じく見張りを交代したシグナムに説明され、ヴィータも納得がいったようだ。 …近所の幼稚園児がじっと見ていた。そしておもむろに走り出す。 「ママー、へんなひとたちがいるー」 数十分後、倉井の住むマンションの一室。 「ささ、汚い所ですがどうぞどうぞ」 「おじゃましますわ」 倉井が優衣をリビングへと誘導する。この部屋に女性が入ったのは初めてなので、いくぶん興奮しているようだ。 コーヒーを入れにキッチンへと駆け込む倉井。部屋の中を探ろうと、隙をうかがう優衣。 だが、十秒と経たないうちに倉井が戻ってくる。 「すいません、コーヒーを切らしてました!すぐ買って来るので、待っててくださいね!ね!」 優衣の手を取ってコーヒーを買いに行く旨を伝え、そして部屋から駆け出していった。 優衣にとっては千載一遇のチャンス。倉井が部屋を出たのを確認し、動きやすいよう着物のすそをたくし上げる。 …行動開始だ。 隣のビルの屋上から、真司たちが部屋の中を見ている。 無論この距離からではよく見えるはずも無いが、幸い真司の私物に双眼鏡があったため、そのおかげで中の様子が丸分かりだ。 「貸せ!」 蓮が真司の双眼鏡をひったくろうとする。 「ずりーぞ、あたしにも見せろよ!」 さらにはヴィータが双眼鏡をひったくろうとする。 「あ、私も私も」 シャマルまでもが争奪戦に参加。もはや見張りとどちらがメインか分からない。はやてとシグナムは横からそれを眺めていた。 …ちなみに争奪戦を続ければ続けるほど、真司の首が絞まっていく。顔が青くなってきた。そろそろ落ちる頃だろう…あ、落ちた。 「城戸…?おい城戸!城戸ォォーーーーーッ!!」 三分ほど後。真司は未だに落ちたままだ。 突如、真司の携帯が鳴る。北岡からの着信である。 落ちていて出られない真司に代わり、シグナムが代わりにでる。 「もしもし…ああ、城戸は今落ちているからな。それで、一体何が…それは本当か!?」 『ああ、倉井忍は犯人じゃない。令子さんが誘拐された日、奴にはアリバイがある』 「ならば一体誰が…」 その頃、優衣はというと… 「令子さーん!島田さーん!」 部屋中を荒らしまわりながら、令子と島田を探し回っていた。 普通いないだろうと思われる台所の戸棚や、電子レンジの中まで探していることから、多少の錯乱も入っているだろう。 …と、その時。部屋の呼び鈴が鳴った。あわてて着物のすそを戻し、応対に出る。 「あら…」 呼び鈴を鳴らしたのは、近所の部屋に住むおばさんだった。倉井の部屋から女性が出てきたことに驚いているようだ。 「すいません、もうちょっと静かにしてもらえますか?」 近所の人が苦情を言いに来るほどだ。よほどうるさかったのだろう。 …まあ、部屋の扉や本棚を破壊しながら探していたのだから無理も無い。 「すいませ~ん…」 一応謝る優衣。その時、そのおばさんの首にあるものを見つけた。 そのあるものとは…令子が付けていた物と同じネックレス。優衣は即座に「この女が怪しい」と睨んだ。 だが、それをおくびにも出さず、愛想笑いで流す。 そしてそのおばさんが部屋に戻ったのを見届けると、名を確かめるために表札を見る。 表札には「竹内」と書かれていた。 ちなみに、倉井がその後どうなったのかは誰も知らない… 「竹内マリ?」 「ああ。今度こそ本物の犯人だ。編集長の話によれば、OREジャーナルに恨みを持ってるらしい」 翌日の昼、翠屋にて。 今回の件のメンバーを集め、真犯人であるはずの竹内の情報と作戦会議を兼ね、昼食をとっていた。 ちなみに竹内についての情報は、大久保が一晩かけて調べ上げた。そのせいで徹夜になり、現在会社で熟睡中である。 「以前怪しげな会社の女社長だったんだけど、編集長の記事のせいで会社が潰れて…」 「その女が犯人だという根拠はあるのか?」 「ネックレスだよ。優衣ちゃんが昨日のマンションで見つけたんだ。その女が令子さんと同じネックレスしてるのをさ。 まさに作戦通りってやつだな」 「ただの偶然だろう。作戦も何も無いな」 「全くだよ。要するに令子さんは、お宅の編集長のいいかげんな仕事のとばっちりを受けたって訳?」 「編集長の悪口言うな。いいかげんなのはそっちだろ」 「俺のどこがいいかげんなんだよ」 「…よせ、もううんざりだ」 今まで黙っていた蓮が口を開く。 「これ以上下らない言い争いを続けるなら、俺は降りる」 「降りる?何だよそれ…」 「いちいち突っかかるなって…大体俺達が組んでること自体無理があるんだよ。お前らといると妙に疲れる…」 「…確かに」 そうこうしている間に完食。作戦はどうやら各自で立てることになったようだ。 …なのは達が多少空気と化しているが、気にしたら負けだ。だから気にしてはいけない。 翌日、マンションにある竹内の部屋の前。 真司がそこにいた。何故かトランクを持ち、スーツを着て、似合わないメガネをかけて。 部屋の呼び鈴に手を伸ばし、押す。数秒で竹内が出て来る。そして用を聞く竹内に開口一番。 「実は耳寄りなセールスのお話があるんですけど」 どうやらセールスになりすまし、潜入して調査という策のようだ。 …同じ頃、蓮がマンションの前にいた。真司と同じような格好で… 「まぁまぁ今日はいい男が二人も。ちょうどヒマだったのよ。今冷たいものでも入れますからね」 そう言ってキッチンへと向かう竹内。真司はそれに対して軽く会釈すると、椅子に座っている北岡に気付いた。 竹内の様子を見て、もうしばらく戻らないと踏んだ真司は北岡へと近づく。 (あんた、セールスマンになりすまして様子を伺おうって作戦だな?いい作戦じゃない) (何も言うな) (俺と同じだよ) (…恥ずかしくなる) 会話の間に再び呼び鈴が鳴る。いや、北岡も鳴らしたことを考慮すると…三度というべきだろうか。 竹内がすぐに接客に出る。その後すぐに声がした。 「まぁまぁまぁいい男が三人も…今冷たいものでも入れますからね。ビールがいいかしら?ホホホ―――」 その声とともに、呼び鈴を鳴らした張本人が現れる…お前もか蓮。 隣のビルの屋上にて。なのは・はやて・手塚・ヴォルケンリッターが中の様子を見ていた。 ちなみに使っている双眼鏡は真司の私物だ。 「…やれやれ、まさか三人揃って同じ作戦なんてな」 どうやら手塚とヴィータの番らしく、一つの双眼鏡を二人で使っている。 「手塚さんは行かなくてよかったんですか?」 「ああ、俺は秋山から『ここから中の様子を見ろ』と言われている」 手塚がなのはの質問に答えたとき、下の階から何者かが現れる。 「…どうやら、考えることは皆同じのようだ」 下の階から上がってきたのは吾郎だった。 数分後、三人揃っての商談が始まった。屋上からの監視組も双眼鏡から目を光らせている。 ちなみに吾郎は吾郎で携帯双眼鏡を用意していた。サイズの都合上、二人での使用は難しいだろう。 まずは潜入組の様子から見てみるとしよう。 「こちらでございます」 「まあ…素敵なカップね」 蓮が取り出したのは白いティーカップだ。どこかで見覚えがあるような気がしないでもない。 「ええ、イギリス製の一品です。大変お買い得だと思いますが」 見覚えがあると思った真司が目を光らせ、そして気付いた。 「あ!翠屋の…」 「ミドリヤ?」 そう、蓮の商品は翠屋で使われているティーカップだった…さらに言うと、無断借用である。 「ええ、ミドリヤというブランドです」 その頃監視組は。 「あれ?なのはちゃん、あのティーカップ…どこかで見覚えあるような気がするんやけど…」 真司同様、はやてが何かに気付く。ティーカップに見覚えがあるようだが… 「え?あ、あーっ!あれ翠屋にあったカップだよ!」 さすがにしょっちゅう見ているだけあって、すぐにその正体に気付いたようだ。 なのはの様子から、あのカップを使うという話は聞いてなかったと予測できる。 「今朝の物音って、ひょっとしてあれを用意する音だったのかな?」 「それより勝手に借りてった方が問題やと思うんやけど…」 ちなみに、今回の無断借用はその後手塚によって報告され、蓮はしばらく減給になったのだがそれはまた別の話。 それはともかく、今度は真司が何かを取り出したようだ。 「はやてちゃん、あのお鍋…もしかしてはやてちゃん家にあったやつじゃ…」 「今度みんなにアイス奢ってくれる言うたから、真司君に貸したんや。 私はタダでも貸してあげる気やったけど、奢ってもらえるなら奢ってもらったほうがええかと思てな」 薄給の身でそんな約束していいのか真司よ… 再び視点を潜入組に移そう。 「で、あなたは何をお持ちですか?」 鍋を取り出し、セールストークを終えた真司が北岡に聞く。 すると北岡は内ポケットから財布を取り出し、名刺を渡す。 「弁護士の北岡秀一です。何かお困りの際は、うちにご相談を」 「…はい」 竹内もまんざらではないような表情で名刺を受け取る。 (おい、なんて奴だ。今回の事件で商売しようってのか!) (違うって) (何が違うんだよ!このおばさんを弁護して儲けようってんだろ) (だから違うって!) (いいかげんにしろ!) 真司と北岡の言い争いを蓮がたしなめる。そして再び前に目線を向けると…竹内がいない。 一度冷静になろうというつもりか、指でメガネを押し上げる。そして… 「いないぞ!」 視点を監視組へ。 「動いた!奴はおそらく下だ!」 現在監視の順番が回っていたシグナムが叫ぶ。それを合図に全員が一階目指して駆け出した。 エレベーターに乗り、一階へと急ぐ。幸いこのエレベーターは普通のものよりも早い…というかフリーフォール並みの速さだ。 あっというまに一階に到着。 だが、何人かのメンバーは乗り物酔いで動けないため、今動けるはやてとシグナム、手塚が先行した。 「うう…エレベーターなんかで乗り物酔いになるなんて…」 竹内がエレベーターを使い、一階へと逃げる。 エレベーターを降り、外へと向かおうとしたが…すでにはやて達三人により待ち伏せされていた。 それを見て後ずさる竹内。ちょうどその時、真司ら三人が追いつく。 「終わりやな。令子さんたちをどこにやったか、話してもらうで」 竹内へと詰め寄る六人。鏡のほうへと後ずさる竹内…それがまずかった。 キィィィン… 例の金属音が響く。発信源は…竹内のすぐ後ろの鏡だ。 鏡にサメ型モンスター『アビスハンマー』が写り、そして竹内を引きずり込んだ。 「なっ!?全く、何故こんな時に…!」 突然の出来事に驚き、ぼやくシグナム。 「今はんなこと言ってる場合じゃないだろ!」 真司の一言が合図となり、その場にいた全員が変身、もしくはデバイスを起動させる。 そしてすぐさまミラーワールドへと飛び込んだ。 最初に飛び込んだ龍騎が、左の拳を叩き込む。 続いてナイト・シグナムの両者による斬撃、さらにははやて・ゾルダの同時砲撃。 これだけやられて無事だとは思えないが… 「手応えが無い…かわされたというのか?」 シグナムの斬撃には手応えが無い。その事でシグナムは思案する。 だが、これが大きな隙となり、アビスハンマーにつけ入る隙を与えてしまった。 持ち前の高速移動を利用し、シグナムの背後へと回る。そして、胸部の大砲から砲撃を放とうとした。 だが、それが放たれることは無かった。ライアのエビルウィップが直撃し、アビスハンマーを弾く。 「どうすんだ?あのおばさんがやられちまって、令子さん達がどこにいるのかもう分かんないぞ!おい蓮!」 令子や島田の居場所を知っているはずの竹内が喰われた。それはつまり、令子達の居場所が分からないということだ。 不味い。非常に不味い状況だ。だが、それを無視して蓮が向かっていく。 やむを得ず真司も向かおうとするが…別のモンスターの気配を感じ取り、立ち止まる。 そして周囲を見渡すと…蝉型モンスター『ソノラプーマ』がいた。ご丁寧にセミが木に止まるかのようにビルの壁に張り付いている上、さらにセミのような鳴き声を出しているからセミ型だと分かりやすい。 「あれは…」 真司はソノラプーマを見て、思い出す。島田の見合いの日、北岡の車にいたモンスターを。 「そうか、あれがもし島田さんたちを狙ってるなら…!」 モンスターは狙った獲物は逃さない。島田が狙いなら、つけて行けば令子達の監禁場所も分かるという狙いだ。 ここ最近の真司は妙に冴えているような気がする。バカと天才は紙一重という言葉もあながち間違いではないのかもしれない。 思考時間は一秒、それを終えるとすぐにソノラプーマを追う。 それに気付いたはやても真司を追い、そして真司の考えを聞いて納得したようだ。 その頃アビスハンマーと戦っているナイト・シグナム・ライアはというと。 「速いな…それなら!」 『NASTYVENT』 ソニックブレイカーを放ち、アビスハンマーの動きを封じる。 その隙に追撃を仕掛けようとはしたが…思いのほか動けるようになるのが早かった。 125km/hの高機動で、ライアへと迫る。そして、大砲を放とうとして、一瞬だけ動きが止まった。 …それは確かに一瞬。だが、シグナムにはそれで十分。 ガイをミラーワールドから叩き出した時同様、シュランゲフォルムで縛り上げ、上空へと放り投げる。 「今だ!秋山、手塚、やれ!」 シグナムの声に呼応し、両名が一枚のカードを装填した。 『『FINALVENT』』 空へと舞い上がるアビスハンマー。それに対し、飛翔斬とハイドベノンを同時に叩き込む。 それらは見事に決まり、アビスハンマーが粉微塵に爆ぜた。 そしてソノラプーマを追っていった龍騎は現在、ミラーワールドの外にいた。 その理由は単純明快。ソノラプーマがミラーワールドから外に出ていたからである。 そしてソノラプーマを奥まで押し込み、その衝撃でブルーシートがはがれる。 ブルーシートの向こうには、眠っている令子と島田がいた。睡眠薬か、それともソノラプーマの鳴き声に含まれる催眠超音波のせいかは不明だが。 「ビンゴ!」 二人の無事に安堵する龍騎。その隙にソノラプーマの一撃を貰う。 多少吹き飛ばされるが、大したダメージは無い。そのまま格闘戦となった。 ソノラプーマの攻撃を何発か受けながらも、龍騎がそれを押さえ込む。 「はやてちゃん、行くぞ!」 偶然かそれとも狙い通りか、龍騎の近くには先ほど戻ってきたときの鏡。その近くにははやてとゾルダが攻撃準備を整えていた。 そして声の後、ソノラプーマをミラーワールドに放り込む。 そして再びミラーワールド。 ソノラプーマが先ほどの鏡から飛び込んでくる。それを見たゾルダは、あらかじめ用意しておいたギガランチャーを構える。 そして立ち上がった瞬間を見計らい、撃った。 ギガランチャーの弾が直撃し、思い切り吹き飛ばされるソノラプーマ。そして… 「咎人達に滅びの光を!星よ集え!全てを撃ち抜く光となれ!貫け!閃光!スターライトブレイカー!!」 上空から巨大な魔力光。中距離集束砲『スターライトブレイカー』が、ソノラプーマめがけて飛ぶ。 その光は一瞬にしてソノラプーマを消し飛ばし、ついでに地上にも少なからずダメージを与えた。明らかにオーバーキルである。 …まあ、現在地はミラーワールドなので誰にも影響は無いはずだが。 「これは…強力すぎやな。当分使わないようにせな…」 片をつけ、一度ミラーワールドへと戻る龍騎。こちらの方が近道だからである。 ミラーワールドへと戻り、皆と合流。ちょうどその時、乗り物酔いでダウンしていたメンバーが合流したようだ。 「遅かったな。お前達が参っている間に片はついた」 それを聞き、驚くヴィータ。 「え!?…で、でもまだ令子達は見つかってないんだろ?だったら今から探せば…」 「ああ、令子さん達ならもう見つけた。そこの鏡から入ったとこにいたよ」 さらに驚く。モンスターは片付き、令子達も見つかった。それはつまり… 「もしかして、あたし達…役に立たなかったってのか?」 「ま、そういうことだね。ご愁傷様」 ゾルダの一言がトドメとなり、ヴィータが大いにへこむ。 「あ、あはは…まあ、楽できたって考えればまだ…」 なのはがフォローを入れるが、ヴィータがいない。どうやら精神的だけでなく、物理的にも沈みきっているようだ。 「じゃ、令子さん達連れてさっさと帰ろうか…ん?」 帰ろうとしたとき、突如すぐ近くから金色の光が。そちらへと振り向くと… 「何…あれ…!」 謎の金色のライダーが、光の中にいた。 「あいつ…オーディン!?」 龍騎以外には、全く見覚えが無い。だが、名前は真司から聞いていた。 そう、すなわちこいつが13人目の仮面ライダー『オーディン』なのだ。 「戦いを続けろ…生き残った者は私と戦い、力を得られるだろう。13人目であるこの私と…」 ゆっくりと、しかし誰にも文句は言わせないというような雰囲気でオーディンが言う。 「ああ、戦ってやるよ…但し、てめえとだ!」 「な!?ヴィータ、待て!」 いつの間に戻ってきたのか、ヴィータがグラーフアイゼンを構え、オーディンへと向かっていく。 「あいつが仕掛け人なんだろ?だったらあいつをぶっ潰せば戦いは終わる!」 もちろん、そんな保証はどこにも無い。だが、ヴィータはそう信じ、オーディンへと殴りかかる。 刹那、金色の羽が舞う。それと同時にオーディンの姿が消えた。 「え?うあっ!」 オーディンの持つ特殊能力、それは金色の羽とともに瞬間移動する能力だ。 その能力を使い、ヴィータの背後に回る。そして一撃を見舞う。 それが合図になったかのように波状攻撃が始まる。 アクセルシューター、ミストルティン、ウイングランサー、シュランゲバイゼン、ギガキャノン。 それぞれが避ける隙も与えずに仕掛けるが、瞬間移動でかわされ、それぞれが一撃ずつ殴られた。 「まだ私と戦うときではない。お前達は今のまま戦いあえばいい。 魔導師という不確定要素があるようだが、まあいい。修正すべき箇所の修正は終わった」 そう言い、最後に龍騎に一撃を見舞おうとするオーディン。 だが、龍騎はオーディンが現れるより前に一枚のカードを装填した。 そしてオーディンが龍騎を殴ろうとしたとき、逆に龍騎がオーディンを殴った。 先ほど使ったカード、ストライクベントのドラグクローを使って。オーディンは全くこたえていないようだが。 「ほう、何故私が現れる場所がわかった?記憶が消えなかったのか?」 「さあね…お前を一発殴りたかった!」 「殴ったうちには入らないがな…」 その一言とともに、龍騎を殴る。オーディンのパンチ力は相当のものらしく、食らった全員が結構な距離を飛ばされた。 「一体…何のためにこうやってやり直させたんだ!」 「知る必要は無い。お前達の戦いは、何も変わらない。ただライダー同士で殺しあうのみだ」 「いや…変わったよ」 「何?」 「重さが…消えていったライダーの重さが2倍になった!これ以上は増やさない!」 その言葉とともに、龍騎が立ち上がる。 「人を守るためにライダーになったんだから、ライダーを守ったっていい!」 「城戸…」 龍騎の言ったことを聞いていたのか否か、オーディンはすぐに去っていった。 「私と戦うのは最後の一人だ。続けろ。戦いをやめるな」 戻る 目次へ 次へ