約 1,936,216 件
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/48659.html
邪頂魔縛 グレイテスト・ユートピア R 光/闇/自然 (8) クリーチャー:ディスペクター/ドラゴン・ゾンビ/ゼニス/ナイト 17000 ■EXライフ ■ブロッカー ■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時または自分のEXライフが離れた時、他のプレイヤーのクリーチャーは可能なら攻撃する。 ■クリーチャーが攻撃する時、墓地またはマナゾーンからコストの合計が10以下になるように好きな数選び、コストを支払わずに唱える。唱えた呪文をすべて超次元ゾーンに置く。 作者:リスペクター フレーバーテキスト 世界を無にする守護者も、今は邪眼の手の中に。 あとがき的なやつ 【企画】ラスボスを強化しようの会の参加作品です。 仙界から直でゼニスを吸収した真邪眼騎士団のアンノウンやアンノイズを率いるディスペクターです。 天門打つのが多分強いです。 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/mario-sunshine/pages/69.html
- return ■にこにこんぺサンシャイン版4 Task1 場所:マンマビーチ ストーリー:1 測定開始:暗転が開け始めた瞬間 測定終了:秘密ステージ入口出現ムービーが開始した瞬間 条件1:トランポリンで跳ねる 条件2:黄色コインを5枚以上取得する 条件3:4つのチェックポイントのうち3つを通過する Stage Gelato Beach Episode 1 Start The moment fade out begins to open End The moment when the secret stage entrance emergence movie has started Condition 1 Jump in a trampoline. Condition 2 Collect 5 yellow coins Condition 3 3 checkpoints are passed. チェックポイント checkpoints トランポリン trampoline 結果 Result Video Name Time Point 1st yossy._ 0 29"90 12+1pt 2nd Clayton 0 30"80 11+1pt 3rd ヤマた 0 31"80 10+1pt 4th Dutchj 0 32"06 9+1pt 5rd ちむ 0 32"36 8+1ptpt 6th THEチキン 0 33"23 7+1ptpt 7th みっち~ 0 33"30 6+1ptpt 8th ユート 0 33"56 5+1ptpt 9th ロマロマ 0 33"66 4+1ptpt 運営 りぃす 0 36"83 (;_ ) 10th MegaLarvitar 0 37"66 3pt 11th ケアン 0 38"03 2pt 12th かむら 0 38"53 1pt 13th 黄泉ガエル 0 39"40 1pt 14th mugg 0 40"50 1pt 15th TAKEN 0 33"04 1pt 16th ゆゆゆーゆ・ゆーゆゆ 0 43"13 1pt 17th 冷や奴 0 43"30 1pt 提示:15/08/22(土) 締め切り:15/08/29(土) 18 00
https://w.atwiki.jp/yu-gi-oh-2chdic/pages/441.html
エド・フェニックス(えど・ふぇにっくす) 通称プロ、プロ(笑) 遊戯王デュエルモンスターズGXおよび遊戯王GXの登場人物。 アニメでは2期より登場したプロデュエリストで十代より一つ下。 ペガサスが才能を感じた五人の決闘者の一人であり、その実力は十代、カイザー亮を倒すほど。 インダストリアル・イリュージョン社でカードデザイナーをしていた父の残したD-HEROを使うもう一人のHERO使い。斎王琢磨の友人。 若くして既に博士号まで持っており、代表的な著書は「『それはどうかな』と言えるデュエル哲学」。 公共の電波で名前晒しテロをするが決して自分の手の内を晒さない、それがプロ。 プロなので「効果」を「エフェクト」、「墓地」を「セメタリー」と呼ぶ。 父親の残した究極のDである《D-HERO Bloo-D》の行方を捜していた。 2期終盤で自分の後見人をしていたDDが父殺しの犯人だったと行き着き、彼とのデュエルに勝利し父の死を乗り越え止まった時を動かした。 ちなみに、彼の父親は遊戯王では珍しくまともな親父であった様だ。 むかつくというかウザい顔をすることに定評があり、その顔を見たものは自分を否定されている気分になる。 しかし当初の嫌みったらしいキャラとは裏腹に、一度認めた者は友人として力になろうとしたり、ファイトマネーを孤児院に当てたり、自分を凡才と思っているために人の千倍は努力しないとデュエルに勝てないとして陰で猛特訓を行っていたりする。 3期ではアモンのために犠牲になろうとするエコーを必死で説得したりと「どうしたプロ?!」と視聴者の動揺を誘った。 ネオス入手前とはいえ、主人公である十代にガチのデュエルで勝利している数少ない人物でもあり、これは特筆するべきことであろう。 ちなみに、十代に完全勝利しているもう一人の人物はカイザーこと丸藤亮。彼の方は勝利しているばかりか敗北が無い。 この二人の強さはさすがプロと言ったところか。 漫画版では年齢はアニメと違い18歳。身長も高くカイザーやフブキングと同じくらいある。 アニメ同様父親は既に亡くなっている。Mr.マッケンジーが親代わりで、父の遺した《The grand JUPITER》を彼に預けていた。 漫画版ではD-HEROではなくV(ヴィジョン)・HEROを使用。こちらでも十代を破るなど実力者として描かれている。 漫画の長身18歳設定が出た時は多くのスレ住人を驚かせた。 しかしその設定に住人達が慣れてきた頃、スタジオダイスのHPに高橋和希が描いたさらに長身でダンディな明らかに10代後半には見えないラフ画が掲載され、またしても住人達を驚愕させた。 TF2ではコンピューターのお馬鹿なAIによるお粗末なプレイングにより、「プロ(笑)のタクティクス」と揶揄されていた。 しかしTF3では別物のように強化されたAIにより《Dragoon D-END》を駆使するプロのタクティクスが拝める。TF3でも屈指の強さを誇るばかりか、運が悪いと開幕直後から《Dragoon D-END》を3体並べられることはザラ。 あまりの展開に唖然としたプレイヤーは多いだろう。しかも最低でも《D-HERO Bloo-D》《D-HERO ドグマガイ》を3体ずつ墓地に送っているのだから手に負えない。 禁止解放では当時超絶1ターンキルとして恐れられた【ドグマブレード】デッキを使用するが、さすがにCPU脳では使いこなせないようでレベルは1である。 声優は石田彰。 ARCV ARCVに登場。アークエリア・プロジェクトエクシーズ次元部隊の総司令官をつとめる。 歴代シリーズのレジェンドメンバーの中では0勝3敗1分けという戦跡で、エースモンスターは「D・HEROディストピアガイ」切り札は「D・HEROダスクユートピアガイ」 服装は総司令のマントを羽織っているため、他の過去キャラとは印象がまるで違う・・・と思いきや、マントの中は従来の灰色のスーツを着ていた(スーツのデザインは多少変わってはいるが) 破れた《スマイル・ワールド》の片割れを持っている。(*1) エクシーズ次元では度々本陣を抜け出し、フードで顔を隠して廃墟を探索し、遊勝のことを探している。 事実榊遊勝とエクシーズ次元でデュエルを行い敗北。 本人は「デュエルは戦うための物」というプロフェッサー(赤馬零王)の教えが正しいと主張するが、遊勝からは「デュエルは笑顔をもたらすもの」と諭され、「スマイルワールド」のカードを渡される。 が、肝心の彼は「そのカードを破り捨てた挙句、GXでは見せたこともない発狂状態になる」というGXファンを驚かすものであった。 その後、遊勝はエドを説得している最中に突如消えてしまい、融合次元へ飛ばされてしまった。 遊矢とは2度に渡りデュエルを行ったが、1度目は引き分けたものの内容的には敗北に近いものでエド自身も納得のいかない結果になってしまった。(実はラストターンは遊矢ではなく、遊矢の中のユートの意識が表に出ているため、実質的にはユートに引き分けたとも言える。) 2度目はタイラー姉妹、オベリスクフォースとの連戦の後に遊矢とチェーンデスマッチで再戦する。 戦いの末に敗れたが、考えを改め、自らの意思で司令官の座を退き、遊矢達を融合次元へ送り飛ばした。 その後、負傷した黒咲の治療をし、一命を取り留めた彼と共に融合次元に帰還。洗脳された瑠璃を見て「プロフェッサーの側近には人を自由自在に操れるデュエリストがいる」と思い出し、その人物であるドクトルを探しにいく。 その中で、ユーゴと合流し彼と共にアカデミアに乗り込む。 その後、ユーリはユーゴに任せ、自身はアカデミア内でカイトと再合流し、遊勝とも再会。遊矢達がズァークの分身と知ると彼らの統合を止めるべく、ユーリVSユーゴのデュエルにカイトと乱入するが、ユーゴをかばい敗北してしまう。 ちなみにこの時の素良の回想によるとGXとは違い、アカデミアを主席で卒業し、総司令官になったとの事(天上院明日香もこの事を知っている) その後、遊矢がユーリに勝利するのを見届けるが、彼がズァークとなったため、彼を救うべく、素良とタッグを組んで挑む。 しかし、「覇王龍ズァーク」の前に素良と共に敗北してしまった。 全ての戦いが終わった後はエクシーズ次元(ハートランド)の復興をしている。 エド語講座 一般的な言葉 エド語 備考 効果 エフェクト(effect) TCGでもこの様に表現している。 墓地 セメタリー(cemetary) TCGでは「Grave Yard」と呼称。日本版のデュエルフィールドも「Grave Yard」(ただし、原作では墓地を「セメタリー」と呼んでいた事がある) 来い現われろ出でよetc… カモン!(Come On!) 同名カード アナザーワン(Another One) 《D-HERO アナザーワン》というカードは存在しない。
https://w.atwiki.jp/giurasu/pages/1107.html
公式ページ 恒例の新シーズンイベント。今回はフォロクルルのイメージ。 クエスト 華麗なるユートピア HR/SR 3~ 目的地 密林 メインターゲット ランポス10頭の討伐 サブターゲットA 太陽草3個の納品 サブターゲットB ネンチャク草1個の納品 華やかな羽根はメインで6個、サブで2個ずつ確定なので生産素材の10個が必ず集まる。 アイテム持ち込みは自由なので何も難しくない。 またメイン報酬としてランポス素材が10個単位で出る(こちらはブースト倍付け有効)。 性能 フォロバレッタFは貴重な平常心のスキルポイントを持つ。 防具でこれを持つのはこれと後述のコサージュの他にはパローネ大航祭限定のブルックシリーズのみ。 単体で耳栓・幸運・万全の備えが発動するので使い勝手も良い。 耳栓と幸運に至っては生産時点でも発動するので初心者にはありがたい防具のはず。 平常心は剛種防具の効果が乗るので、上位スキルの盤石の構えにランクアップできる。 こうなると採取中やアイテム使用中などに、吹き飛ばしを含めてあらゆる攻撃に動じなくなる。 採取用としては非常に優秀なスキルなので初心者からG級まで役立つ実用品。 日朝シクレに備えて採取装備にぜひ組み込んでおきたい。 ちなみに乗り遅れた人のために猟団チケットを使ってフォロコサージュが生産できる。 こちらも平常心+10を持つ。運気は+5とやや低く、聴覚保護のかわりに回避性能+5となっているが、 余計なスキルが付かない分だけかえって使いやすいかも知れない。
https://w.atwiki.jp/shibumakubungei/pages/56.html
顔なし少女のユートピア 顔なし少女のユートピア (1)← →顔なし少女のユートピア (3) 第二章 出立の朝が来た。 少女は寝台の中で、ふっと目を開けた。目を覚ましたことを知らせるため、枕元の壁に埋め込まれた盤にある、ボタンの一つを押す。 起き上がって、東向きの窓のカーテンを開けた途端、部屋が朱に染まった。二階にある少女の寝室からは、宮殿を埋(うず)める緑を見下ろすことはできない。葉に囲まれた、雲一つない金の空を見上げた。 用意されていた服装に着替える。上はシンプルなシャツに、厚手の暗緑色の布地で作られた、大振りのポケットの付いたジャケットを重ねる。下は黒いタイツを穿いてから、共布で仕立てられた長ズボンを革のベルトで締めた。少女が、これほどまでに実用本位の服を着るのは初めてだった。 顔を洗って髪を梳かしてから、寝室を出て、朝食を摂るために別室へ向かう。 「おはようございます、雪の君」 部屋に入ると、侍女たちが声を揃えた。 その部屋は南向きで、食堂と居間が一つになっている。南側一面に張られた玻璃の向こうは、テラスになっていた。若草色のカーテンは既に開けられ、レース越しに色の濃い日射しが降り注いでいる。 二階まで他人が上がることはないため、食卓は一人分の大きさで、椅子も一つだけだ。少女はその椅子に腰を下ろした。 「良いお天気となりましたね、雪の君」 朝食を並べて、金茶色の髪の侍女が微笑んだ。彼女の名はユリカ。少女に仕える侍女の中で、一番年季が入っている。物心ついた頃には、既に彼女が側仕えを務めていた。 ユリカのような例は稀で、少女に仕える侍女には、すぐ辞めてしまう者が多い。『氷の君』の異名を得ているのと同じ理由からだと、少女にもわかっていた。 「そうだな」 少女は相槌とも言えぬ相槌を打って、グラスの水を喉に流し込んだ。いつもと同じ、少し苦いような味がした。 朝食を食べ終えて、歯を磨く。 「もう出発できるか」 思いつく支度を全て整えてから、少女はユリカに問いかけた。ユリカは、しばしお待ちくださいませ、と姿を消すと、櫛と髪留めを持ってやって来た。 「御髪(おぐし)を結わせてくださいますか?」 「髪なら自分で結べるが」 言いながらも、少女はユリカに背を向けて腰を下ろした。ユリカはさっそく髪を梳きにかかる。 「まことの気持ちを申し上げますと、我々もお供させていただきたいのですが……」 ユリカは小さく息をついた。 「春の君の仰せにより、それも叶いません。かくなる上は、決して怪我などなさいませんよう」 髪を結ばれている最中に頷くわけにもいかず、少女は声に出して答えた。 「わかった」 「一日も早いお帰りをお待ち申し上げております」 がさり。少女は荷物を背負い直すと、何とかもう一歩踏み出した。すっきりと一つに括った銀の髪が、風に舞い上がる。 背後には街を囲む高い壁。眼前には圧倒的な緑。 宮殿の森が、どれほど人の手が入り、管理されていたのかを思い知らされる。己の手足が、ひどく頼りなく思われた。足下の獣道の先は、曲がりくねってすぐに見えなくなる。 恐る恐る息を吸い込んだ。壁の中の空気と、確実に何かが違っていた。 常とは別種の無言に満たされていた少女に、突然声が降ってきた。 「おはようございますー。もしかして、旅の同行者の人ですか?」 少女はぎょっとしてふりむいた。完全に無防備になっていた隙を衝かれて、一瞬、何も考えられなくなる。 声を発したのは、黒塗りの鉄格子の門の前に立つ、同じ年頃の少年だった。榛色の瞳に、屈託のない笑みが湛えられている。少し毛先のはねた髪に、朝日が踊っていた。 少女に、返事をする様子がないのを見ると、少年の顔に焦りが浮かんだ。 「あっと、ひょっとして勘違いでしたか?」 その言葉で少女はようやく、少年が自分と同じような恰好であることに気づいた。そして、先程の少年の言葉を思い出す。 「……あなたが、ディーの助手なのか」 少女の平坦な物言いを、少年は不審感の表れと取ったらしかった。胸を張って答える。 「よく疑われますけど、本当に本物の、トルディ=イーラ先生の助手ですよ。ノアルと言います」 ちょうどそこに、門から出てきたトルディが追いついた。 「あら、対面を果たしたところね。聞いたとおり、このノアルがあたしの助手。ノアル、この子が、話していた旅の同行者よ」 ノアルは、よかった、と安堵の笑みを浮かべた。 「早とちりしてしまったのかと」 「いえ、彼女が無口なだけ。あなたと同じ十五歳だけど、世間知らずの人見知りだから、面倒を見てやってちょうだい」 「わかりました、先生」 ノアルは少女に向き直った。 「それで、きみの名前は?」 同い年と判ったためか口調は砕けたものになっていたが、ぞんざいさは感じられない。 その問いに、トルディも少女を見つめた。 〈水の姫君〉の継承権を持つ者の名が知られることは、まずない。名を知ることは大層畏れ多く無礼なこととされ、定められた呼び名でしか呼ばれないのだ。 だが、名前を付けられないわけではない。本人と名付け親しか知ることもない名ではあるが、真名がなければ呼び名は成立しない。 「わたしの、なまえは……」 だから少女は、一度も名乗ったことがなかった。彼女の周りの人間は全て、彼女が誰であるのか承知していたから。名付け親だった母はもう亡く、名を呼ばれた記憶はなかった。 「……エフェリリア、だ」 綴りでしか見たことのなかった自分の名を、少女――エフェリリアは初めて口にした。その響きには、違和感しか覚えなかった。 「エフェリリアかあ。リアと呼んでも良いかな?」 何も知らないノアルは、平然と提案した。 その短い綽名の方が、まだ馴染めそうだ。エフェリリアは頷いた。 トルディが、ぱんと手を叩いた。 「さ、ノアル、リア。そろそろ歩きださないと、日暮れまでにテルスコアへ辿りつけないわよ。ノアル、道を覚えているなら先頭をお願い」 テルスコアは、たしか、南の方角で一番都に近い町の名だ。 「わかりました、先生。じゃあ僕が先頭で」 ノアルは慣れた様子で、すたすたと歩き出した。リアは、頭の中に火が灯っているような不慣れな感覚を持て余しながら、機械的にその後を追う。その耳にトルディが囁いた。 「エフェリリア、ね。良い名前よ」 いつもちゃんと沈めているはずの心が、ふっと浮き上がりそうになった。 三度目の休憩のとき、エフェリリアは既に疲れを感じていた。 腕時計を確認すると、まだ昼食の時間にもなっていない。非力な自分にため息をつく。今まで、それなりに体を動かす訓練も積んではいたが、やはり座学の方が向いていたらしい。水筒を取り出して、喉を潤した。ただの水がおいしく感じられる。 木々の間を縫って燦々と日が射しこみ、少し汗ばむくらいの陽気だ。ずっと獣道を辿っているものと思っていたが、所々で空き地のように道が太くなっているのを見ると、歴とした道のようだ。踏みならされているところから、頻繁に使われているのだと想像がつく。トルディが足を止めて休憩を宣言するのも、常にそういった空き地の一つに着いた時だった。 「調子は大丈夫? 疲れてない?」 出発前と全く変わらない様子で、ノアルがエフェリリアに問いかけた。トルディの助手として野外調査に出掛けることも多いのだろう、旅慣れているようだ。 トルディはノアルに、彼女のことを、ただの箱入り娘としか説明していないらしかった。だから彼は、何の屈託もなしに話しかけてくる。 「ええ、平気」 エフェリリアは素っ気なく頷いた。トルディ以外、彼女と同じ場所に立って話しかけてくる者は久しくおらず、どう接すればいいのかわからない。そもそも同年代の人間と話す機会が、めったにあるものではなかった。 「嘘おっしゃい。ずうーっと都暮らしのくせして、疲れていないはずないでしょ」 わきで聞いていたトルディが口を挟んだ。彼女自身は、宮殿にいたときより生き生きしている。 「旅をしているときに、体調のことで見栄を張らないこと。都と違って、最善の治療が施せるとは限らないのよ。――で、本当のところはどうなの?」 「……少しは、疲れた」 呟くように小さく答えた。水筒を握る手に力がこもる。己の弱みを曝け出すことにも、不慣れだった。 「もう一息がんばれー、次の休憩はお昼ごはんだから。……ですよね?」 ノアルはトルディの方をふりむいて確認した。 「そうね。まあ、エフェリリアは食べたことがない物だと思うから、口に合うかは保証しないけど」 「もう、水を差さないでくださいよ。リア、きみ、好き嫌いはある?」 「え、と、ないわけではない」 目の前で軽快に進むやり取りに呑まれていたエフェリリアは、慌てて返事をした。それでも彼が視線を合わせたままでいるので、その先を促されていることに気づく。 「あ、甘いものは、あまり」 「そうなの?」 ノアルは目を丸くした。 「僕は甘いもの好きだけどなあ! で、辛いのが嫌い」 後は何を言えばいいのだろう。会話とは、どうやって続けるものなのだろう。仕方なく、曖昧に頷くにとどめたが、ノアルは気にしていないようだった。 さ、とトルディが二人に声を掛けた。 「そろそろ行くわよ」 十二時過ぎに到着した空き地で、昼食となった。 それぞれ、隅に転がっている適当な岩に腰を下ろす。背負い袋を下ろすと、ふっと背中が浮き上がるような錯覚を抱いた。 食事として荷物に入れるよう指示されていた包みは、エフェリリアには見慣れない代物だ。ちょうど手の平くらいの大きさで、平べったく四角い。他の二人も同じ物を取り出したので、見様見真似で袋を破った。 入っていたのは、二本の厚く細長いクッキーのようなものだった。形は同じだが、色合いが微妙に異なっている。他の二人が持っているのも同じ、色違いのクッキー状の物だ。 「これが、都で用意したときの一般的な糧食、ハークル。利点は、長持ちすることと栄養があることね」 「それと、味が数種類あること! 甘いやつもあるから、リアが食べなかったら僕がもらうよ」 ノアルが嬉しそうにつけ加えた。もう焦げ茶色のハークルを頬張っている。トルディはやれやれと苦笑を浮かべた。 「あたしはゆっくり食べることを勧めるわ。ハークルって、あんまり食べた気がしないんだもの」 エフェリリアは、橙色がかっている方のハークルを摘み上げた。とりあえず一口齧ってみる。それこそクッキーのような、堅くて崩れやすい食感を予想していたのだが、しっとりとした歯応えがあった。ほのかに甘みはあったが塩味が利いていて、なかなか好みに合っている。 「あ、その味にしたんだ。どう? おいしいでしょ?」 ノアルは首を傾げた。エフェリリアは頷いてから、口の中の物を飲み下して答えた。 「食べやすい」 「甘さ控えめだもんね」 ノアルはにっこりして、一本目の最後の一かけを口に放り込んだ。食べるのが早い。 エフェリリアは黙々と昼食を片づけた。ノアルとトルディは、雨がなくて良かったなどと話している。なぜか視線を上げたくないような気がして、エフェリリアは自分の手元ばかり見つめていた。 トルディは食べた気がしないと言っていたが、充分満腹感がある。ハークルの欠点は喉が渇くことではないだろうかと思いながら、水筒の水で最後の一口を流し込んだ。ノアルとトルディは少し前に食べ終えていて、後は荷物を背負うばかりだ。 「待たせてすまない」 水筒と空になったハークルの袋を片づけながら、エフェリリアは謝った。歩きだけでなく食事でも、二人の足手まといになっている。急いで袋の口を閉じ、背負い上げた。 「そんな、謝ることじゃないよ。僕たちの方が慣れているだけなんだから」 ノアルはむしろ、エフェリリアの謝罪に驚いた様子で答えた。トルディも頷く。 「ここ二、三年、青病みに罹っている人もいないことだしね」 それでも顔を上げられないでいると、ノアルが、行く手へ向かってくっと彼女の背中を押した。 「そんなこと言ってるより、歩いた方が早いよー。ね、先生」 「その通り。行きましょ、そのうちリアも慣れるわよ」 「……はい」 二人には責めるつもりなど全くないことくらい分かるのに、一層情けなさが募った。 さっきよりも周囲が見づらくなっているのに気づいて、エフェリリアは顔を上げた。木々に囲まれた空の青が、暗くなっている。右手前方の空が赤みがかっている。そろそろ日が暮れるのだ。 すらりとした針葉樹に囲まれて見通しの利かない小道は、緩やかに西に向かって曲がっているようだ。その前に空を見上げた時は、右端が金色になっていたから。 頭の中に地図を浮かべる。隣町のテルスコアは、都の南南西にあったはずだ。西に向かっているのだから、もうすぐテルスコアに着くのだろうか。そろそろ足の痛みは限界で、呼吸も乱れはじめていた。 前を軽快に歩いていたノアルが、ふりかえって笑んだ。 「ほら、あれがテルスコアの門だよ」 エフェリリアはほっとして、彼の示した行く手に目をやった。都のものにも似た黒い格子の門の一部が、道の先に姿を見せていた。 ようやく門の前に辿りついた時、空には藍色が混じりだしていた。テルスコアの門は都より一回り小さいが、それでものけぞって見上げるだけの高さがある。 門を挟んで左右には、門番詰め所がある。右側が町を出るとき、そして左側が入るときに審査を受ける建物だ。小ぢんまりした二階建ての家ほどの大きさである。都の詰め所は飾り気のない厳めしい造りだったので、詰め所とはそういうものだと思っていたが、テルスコアのものは白い塗り壁に黒ずんだ木の装飾的な枠組みがあり、黒い瓦の切妻屋根を備えていた。 門と詰め所以外はもちろん、高い石の壁が町を囲っている。 トルディが、『入町』と識の下がっている方の詰所へ二人を誘(いざな)った。建物の大きさの割に小さな窓には、既に明かりが灯っている。よく見ると、『入町』の識や門柱の上にも明かりがあった。 「二人とも、町に入るから旅券を出して」 彼女はそう告げて、ベルトに下げた袋から自分の旅券を取り出した。ノアルとエフェリリアも同じようにそれを出す。手の平くらいの大きさの薄い札で、柔らかくつるりとした青い袋にしまってある。 がっしりとした扉の前で、トルディは呼び鈴を押した。 「こんばんは。どちらさまですか」 聞こえてきたのは、眠たげな男の声だった。 「旅行者です。町に入りたいのですが」 「では入町審査を行います。お入りください」 かしゃん。鍵の外れる音がした。トルディが開けた扉は、引き戸だった。三人はぞろぞろと、一列になって建物に入った。 入ってすぐの所と、反対側の、町へ続く扉のわきに、一人ずつ番兵が立っている。左右の壁際には、それぞれ壁に背を向ける形で四つ受付が配置されていたが、人がいるのは手前左側の机だけだった。 先頭のトルディが、こんばんは、と受付係の女に旅券をさし出した。挨拶を返して、彼女は旅券を受け取った。 受付の机は、外側は立っている人に丁度良い高さだが、内側は一段下がって、座っている係の者に合わせてある。その、外側からは見えない部分に、旅券を読み取る機械が置いてあるようだった。小さな電子音が響く。 「お名前と、最後に出た町の名前をお願いします」 「トルディ=イーラ。都から来ました」 「はい、ありがとうございます」 女はトルディに旅券を返し、トルディは会釈して受付の前から退(しりぞ)いた。 エフェリリアがおずおずと進み出て、無言のまま旅券をさし出した。さして気にした風もなく、彼女はこんばんは、と受け取った。 「お名前と、最後に出た町の名前をお願いします」 エフェリリアにも聞こえていたのは承知だろうに、律儀に同じ言葉で質問をくりかえす。 〈水〉一族は苗字を持たない。旅券には何と登録してあっただろうか。エフェリリアは慌てて、都での侍女ユリカの言葉を思い返した。 ――お名前は、君ご自身のみご存じである真名が、そして苗字は、便宜上『ドルク』という名が登録されています。 「エフェリリア=ドルクだ。都から来た」 「ありがとうございます」 彼女は、エフェリリアの無愛想な言葉に顔をしかめることもなく、平然と旅券を返した。エフェリリアはなるべく急いで、トルディの隣に移動した。ノアルが受付の前に立つ。 「こんばんはー」 「こんばんは」 旅券を渡し、同じやりとりをくりかえす。 「お名前と、最後に出た町の名前をお願いします」 「ノアル=ナーサンです。都から来ました」 「はい、ありがとうございます」 ノアルがにこやかに旅券を受け取って、無事に入町審査は終了した。三人は旅券をしまいながら、町への扉へ向かった。 「リアは、都以外の町を見るのは初めてなんだよね? テルスコアは綺麗だよ」 エフェリリアの気分を明るくしようとしたのか、それとも彼女の緊張をほぐそうとしたのか、ノアルが言った。言われたエフェリリアにも、どちらの意味で掛けられた言葉なのか判らなかった。 トルディが、扉を開いた。 日が沈んで、だがまだ光の残っている貴重な時間帯だった。町の姿は、エフェリリアの唯一知っている、玻璃を多く使った都の様子とは大違いだった。 残光がほのかな藍に染めた家々の白壁に、くっきりと黒い木枠が浮かび上がっている。まだ底の明るい空を、切妻屋根が縁取っていた。そういった家並みの、様式は門番詰め所と同じだったが、窓はもっと大きく、そこに植物の鉢を置いている家が多い。そしてそれらの窓全てに、柔らかな明かりが灯っていた。 道にはすり減った石が敷きつめられていて、幅はゆったりとしている。この道をまっすぐ行けば、おそらくテルスコアで一番大きな広場に着くのだろう。町自体の構造に、都とさして差がないのならば。 「他の町に行くことなんてめったにあることじゃないから、どうせならリアもあちこち見て回りたいだろうけど、まずは宿を取るわよ」 トルディは二人に声を掛けて、すたすたと歩き出した。エフェリリアは我に返ると、その後を追う。ノアルはトルディの旅の仕方に慣れているし、テルスコアに来たことも一度や二度ではないから、当然の顔をしてトルディの後ろを歩いていた。 道を進むにつれて、家以外の建物が増えてきた。店屋は、そろそろ今日の商いは終わりと言った風情だが、食堂や酒場から、おいしそうな匂いや喧騒が流れてくる。 道を行くトルディの足取りには、迷いがなかった。ノアルがエフェリリアに説明した。 「先生は、テルスコアに来ると必ず、おんなじ宿を取るんだ。馴染みがあるからかな」 「そうなのか」 都にいたときの、ふらりと訪れては空想的な議論をふっかけたり、先輩の学者たちを皮肉混じりに揶揄したりするトルディを思い出す。彼女の世界は、エフェリリアが知っているより、ずっとずっと広いのだろう。 「ほら、あそこだよ」 ノアルが、少し先の、三階建ての建物を指した。少しくたびれているような感はあるが、周囲の景色としっくり溶け合っている。果たしてトルディは、二人をその中へ導いた。 急に明るい所へ入ったので、一瞬目が眩む。宿の一階は食堂になっていた。すぐ手前に帳場があるから、食事だけここで取ることもできるのだろう。かなりの盛況で、食器の触れあう澄んだ音や人々の話し声が、大きな波になっていた。 トルディはその中を壁沿いに進み、二人も後に続いた。奥のまあまあ静かな方に、宿の帳場があった。 「三人分の……あー、一人部屋と二人部屋を一つずつ取りたいんだけど、空きがある?」 受付にいた若い男が、かちかちと機械を操作した。 「お一人さまとお二人さまですね? ……はい、どちらもご用意できます」 「じゃあ、お願い。明後日の昼前には出るから」 「かしこまりました」 また機械を操作する。それから背後をふりむいて小さな戸棚を開けると、鍵を二つ取り出した。どちらも丸い札が付いていて、そこに数字が書いてあった。 「二〇二号室がお一人さま、三〇五号室がお二人さまの部屋になります。二〇二号室は階段を一つ上がって手前の方、三〇五号室は二つ上がってやや奥の方になります」 彼は淀みなく説明しながら、トルディに二つの鍵をさし出した。トルディは、『二〇二』の札が下がっている方の鍵をノアルに渡す。 「ごゆっくりお寛ぎください」 最後に彼は頭を下げ、三人もそれぞれ会釈を返して、階段に向かった。 軋む木の階段を上がりながら、ノアルは眉を下げた。 「ご飯の匂いがここまで来てるー……。僕もうお腹ぺこぺこ」 トルディが笑いながら答える。 「荷物を置いたら、すぐに下で食事にしましょ。ノアルは二階の階段のところに来て」 そこで二階に着いたので、ノアルは廊下に向かい、トルディとエフェリリアは二人だけで三階へ上がっていった。 廊下も同じ、軋む木で作られていた。 「三〇五……ここね」 前で立ち止まった木の扉には、流れるような金文字で『三〇五』とあり、金色のノブが付いていた。トルディはそのノブの上の鍵穴に、鍵を挿して回した。がちゃり、とありがちな音がして鍵が開く。彼女が扉を開けると、やはり少しだけ軋んだ。 中は最初真っ暗で、廊下から射しこむ光に照らされて入り口のすぐわきに洗面所と戸棚があることが分かった。トルディが照明を点ける。仄かな橙色の明かりに照らされた部屋は、二つの寝台だけでほとんどいっぱいだった。先に部屋へ入ったトルディが奥に進んだので、エフェリリアは手前の寝台の傍に荷物を下ろした。 真っ白で柔らかそうな寝台を前に、急に、自分がすっかり疲れきっていることを思い知る。足だけではなくて、目の奥までずきずきする。抗いきれずに、腰を下ろした。 トルディも荷物を下ろすと、大きく伸びをした。貴重品はもう腰に下げた袋の中だし、手だけ洗えばいいわね。 「リアは、支度……」 できた? と言いかけて、トルディは後が続かなかった。エフェリリアは、靴を履きっぱなしの足を床の上で揃えたまま、ぱったり横になって寝入っていた。一つに括った銀の髪が、白い布団の上に広がって光を弾く。 トルディは堪えられずに、ふふ、と忍び笑いを漏らした。なるべく静かに洗面所で手を洗う。それから、すぐ隣の戸棚から、毛布を一枚取り出した。そっとエフェリリアに掛けるが、目を覚ます気配はない。トルディは明かりを点けっぱなしにして、抜き足差し足部屋を出た。 「ごゆっくりお寛ぎください」 あどけない背中にそっと呟き、彼女は部屋に鍵を掛けた。 「あれ? 先生、リアはどうしたんですか?」 二階の踊り場で二人を待っていたノアルはきょとんとして、一人で階段を下りてきたトルディに問いかけた。 「部屋よ。寝ちゃった」 トルディはふふ、と笑みを含んで答える。 ノアルがトルディの後に続く形で、二人は階下へ向かった。 「あの子は都を出たのも今日が初めてだし、一日中あたしたちと一緒にいたからね、疲れたんでしょう」 「その言い方、僕たちといると疲れるって言ってるみたいですよ」 「んー、そういう意味じゃないんだけどね。あの子は人といることに慣れていないから」 ノアルは首を傾げた。 「今朝も、リアのことを人見知りだって仰ってましたね。先生は、リアとは古い付き合いなんですか?」 「そうね。あれが九年前だから……」 『九年前』という言葉を聞いて、ノアルの表情が翳った。だがすぐに、何気なく会話を続ける。 「じゃあ、僕が先生とお会いしてからと、同じくらいなんですね」 そこで一階に着いた二人は、橙色の灯りに照らされた食堂へ向かった。なんとか空いたテーブルを見つけて座る。周囲で食事を楽しむ人々の中に、彼らのような、いかにも旅人といった姿はほとんどない。 「あの子に初めて会ったのは、ノアルに会ったすぐ後よ。知り合った理由が同じだからね」 トルディはさらりと言った。ノアルは、眺めていたメニューを取り落としそうになる。 「へ?」 「何よ。食べる物は決めた?」 トルディはわざとらしくとぼけてみせる。この食堂の料理を食べ慣れている彼女は、既に何を頼むか決めてあった。 ノアルが、彼にしては珍しく、少し厳しい顔になる。 「先生、あの事故に関しては、あんまりふざけてほしくないです」 「ふざけたつもりはないんだけどね。お腹がすいちゃったのよ」 トルディは肩をすくめる。ノアルはため息をつくと、給仕に向かって大きく手を上げた。 「すみません!」 幸い、一人の給仕がすぐに気づいてくれた。 「はいはい、ご注文ですか?」 めいめい料理を頼み、給仕が去ってから、ノアルは話を戻した。 「リアも、九年前のあの事故に関係が?」 「そこらへん、いずれ説明しなくちゃとは思ってるんだけどね……。ねえノアル、今日一日あの子を見てて、どう思った?」 「どうって……」 ノアルは少し困った顔になる。 「先生の仰ったとおり、人と接することに慣れてないんだな、とは思いました」 朝からひたすら三人で歩き続けていたのに、交わした会話はごく僅かで、それも素っ気ないほどに短かった。 話すことを疎んじていたようには見えない。ただ少し困ったような、難しい顔をしていただけで。 「何を考えているのか分からない、とは少し違うんですが……話している時も、あんまり表情を動かさないですよね。たぶん、意図的に」 ふんふんと頷きながら、トルディはノアルの顔に鋭い視線を向けた。ノアルはぴりりとした緊張を微かに感じる。何事も見逃さないこの鋭い視線を目にするたびに、この人が天才と呼ばれる科学者であることを思い知る。 「そのくらいです、僕が言えるのは。まだ今日知り合ったばかりですし」 「そうね、ありがと」 トルディのまなざしが、常のものに戻る。ノアルはそっと、身体から力を抜いた。途端に空腹が切なく訴えてくる。思わず厨房の方に目を遣るが、こちらに料理を運ぼうとする人影は見えない。 あ、と呟いて、 「リアの夕ご飯はどうするんですか?」 ノアルはトルディの方をふりむいた。 「うーん。あの子、ひょっとして朝まで起きないんじゃないかしらね。いや、靴も脱いでなかったから、さすがにそれはまずいか。しょうがない、一度起こそう。せめてちゃんとした姿勢で横にならないと、疲れが残るわ。やっぱりもう一泊取っておくべきだったかしらね」 ひとり言がどんどん別の方向へ逸れていく。ノアルは仕方なく声を掛けた。 「先生、結局夕ご飯は?」 「ん? 夕ご飯って……あ、そうだったそうだった」 「今そのこと考えてたんじゃないですか!」 ノアルががくりと肩を落としたところで、二人の食事が運ばれてきた。彼は勢いよく再び顔を上げる。皿がテーブルに置かれるやいなや、手を合わせた。 「いただきます!」 「いただきます」 「それで先生、リアの分は?」 ノアルは匙で芋のミルク煮を掬いながら、もう一度訊いた。 ミルク豆という白い豆を煮溶かして漉したものを、ミルクと呼ぶ。獣の乳ではない。街の中に家畜を飼育できる場所はなく、森は人の領域ではないから、家畜は存在しないのだ。 「ノアルって意外としつこいのね。初めて知ったわ」 ノアルは口の中の物を咀嚼しながら、じとっとした視線を送った。トルディは反省する気のない悪戯っ子のように首を竦める。 「はいはい。ま、あの子はたぶん起きないわ。起きたとしても、精神的には丈夫じゃないから、食欲を覚えるかは分からないわね。体力は案外あるのに。あんな生活とは思えないくらいよ」 「先生」 ノアルは、今度は咎める調子ではなく、不思議そうに呼ばわった。 「何?」 トルディは、丸い堅焼きパンをちぎる手を止め、ノアルを見つめかえす。 「先生は、どうしてリアを『あの子』って呼ぶんですか?」 トルディが無言で先を促したので、ノアルは説明した。 「先生がいつからリアをご存じなのかを訊いた理由は、これが気になったからなんです。先生は九年も前からリアをご存じなのに、なかなか名前で呼ばないですよね。今みたいにリア本人がいなければ余計に、です」 トルディは息をついて、くるりと自分のスープをかき混ぜた。小さく呟く。 「話、逸らせたと思ってたんだけど」 ノアルは怪訝な顔をする。トルディはノアルに視線を戻した。 「あたしが、あの……リアをあんまり名前で呼ばないのは、習慣みたいなものなの。色々……ってほど色々ではないんだけど、まあ、ちょっとあってね。でも、名前を呼ぶのを避けているのではないわ」 こくりと頷くノアに、トルディは軽く頭を下げた。 「リアについては隠し事ばかりね。ごめん」 「先生に謝られても、僕の方が困りますよ。訳があるんですよね」 ノアルは自分のパンを細かくちぎって、全てミルク煮の中に入れた。ぐるぐると匙で混ぜる。それを一口含んで、明るく笑んだ。 「いつか教えてくださいね、先生」 →顔なし少女のユートピア (3) 顔なし少女のユートピア (1)←
https://w.atwiki.jp/nanohamarimaricard/pages/140.html
概要 オオヤ魔界の峡谷に存在する、 工業地帯に栄える“科学と魔法の聖地”。 「魔法少女リリカルなのは」の「ミッドチルダ」の ような町並みである。ここまで Cake氏はなのはにハマってんだな…。 その名の通り、聖王マリマリやゴ・ゴン・ゴー等の 機械系フレンズやバリアジャケットを装備した フレンズが主に出身する。 ユートのおじいさんはこの責任者だったという噂も。 嘗ては小規模な組織だったが、技術の進歩から強力なフレンズ達が 生み出される様になり、現在では伝説のフレンズに マークされる程の一大大勢力へと成長を遂げた。 ストライクアーツ・アドベンチャーでは ミッドチルダリリカル科学工業地帯が存在する。 歴史 草創期には既存のフレンズを改造したバリアジャケットフレンズが 主だったが技術の未熟さ故、ゴ・ゴン・ゴーの思考回路や 最新フランケンの暴走、聖王マリマリの闇落ちの多くの 問題が堆積しており、決して幸先の良いスタートアップでは 無かった。検索サイトのサジェストに 「リリカル科学工業地帯 ひどい」と言葉に出されることに。 だが、その後の研究者達の努力によりそうした諸問題は克服され、 負荷に耐えて正常で正義の心を持つ聖王マリマリ、思考回路の 問題を解決した最新人間ゴ・ゴン・ゴー等、 肉体や頭脳の安定したフレンズを生み出す事に成功する。 其処からやがてマシーン型、バリアジャケット型フレンズが徐々に 世界中に広まって行き、“企業”と呼ばれる程の勢力へと成長。 その矢先に突然の転機が訪れる。 意図は不明だが伝説の勇者が接触し、自陣に勇者型フレンズの データを提供して来たのである。 これを受けてリリカル科学工業地帯は、 「勇者と機械の融合」と言う技術革新を迎えた。 こうして生み出されたのが対空迎撃用のメガガールと ギガガール、対地迎撃用のトゲボーグ、そして 水中迎撃用の魔法少女ルキアが開発され、これら陸海空の バリアジャケット型フレンズによる兵力を背景に急激に勢力を 拡大。そこからやがて、当時の科学の粋を集めた最高傑作として リリカルドラゴンを生み出すに至った。 尚、最近では進歩した技術を活用してサイバードラゴン、 魔法少女ルキア+等、既存のフレンズの強化体を生み出している。
https://w.atwiki.jp/pikumayo/pages/27.html
■名簿■ 学年名簿順になっています。年齢は今現在のものを表記しています。 キャプション、キャラシに留年生と書いてない人物は普通の生徒だと思って記入しているので、ミス等あったら連絡ください。 ※不明な点があり、掲載されていないキャラがいます。主催から連絡が来ていると思うんで、修正していただけますようおねがいします。 生徒 学年 名前 武器 誕生日 年齢 性別 出身国 パートナー 3年 アーヴィル・ライディンヒ 脚、メイス 8月23日 20歳 女 アルストロ共和国 3年 ヴァン・アズール トンファー、防御魔法 3月16日 18歳 男 クヴェレ 3年 ケイナ 槍 8月3日 18歳 女 クヴェレ 3年 メティア・ウィルス ビー玉 10月9日 18歳 女 アルストロ共和国 2年 アコニテ=ルー 投げナイフ、投げ針 7月19日 17歳 女 クヴェレ 梁雄柑矢 2年 イツキ=エルグ 剣 8月20日 17歳 男 クヴェレ 2年 ググナ=ギジョー カッターナイフ 1月16日 17歳 男 クヴェレ 犬童千隼 2年 セト・レインハード 頭脳派、小型特殊ナイフ 6月11日 17歳 男 アルストロ共和国 2年 フェイ・ルー ナックル 8月29日 17歳 男 クヴェレ 玉井小麻子 2年 ミシェル・オリーブ ダガーナイフ 9月8日 18歳 女 クヴェレ 2年 宮坂アオイ ナイフ 11月11日 18歳 女 アルストロ共和国 2年 リナ・モルガナイト 脚(蹴り) 3月28日 17歳 女 アルストロ共和国 2年 リルゥ 脚 8月26日 17歳 女 アルストロ共和国 2年 ルフィーア・ルオンティス バタフライナイフ・声(高周波) 9月15日 17歳 女 クヴェレ 1年 ジン・アルシュシュタイン 足 10月25日 16歳 女 アルストロ共和国 1年 パオ・スーニャン 素手(肉体言語) 8月31日 16歳 女 クヴェレ 1年 フミ・クレアス 脚力 4月19日 16歳 女 クヴェレ 1年 ユート・ヒューグラント 鉤爪 12月24日 16歳 男 アルストロ共和国 1年 レイ・ヴェルトヒェン 弓 9月8日 16歳 男 クヴェレ 1年 レネ=パルファン 素手 5月16日 16歳 女 アルストロ共和国 日比谷萌香
https://w.atwiki.jp/mochewiki/pages/2004.html
《D-HERO(デステニーヒーロー) ダスクユートピアガイ》 融合・効果モンスター 星10/闇属性/戦士族/攻 3000/守 3000 「D-HERO ディストピアガイ」+「D-HERO」モンスター ①:このカードが融合召喚に成功したターンのメインフェイズに発動できる。 自分の手札・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、 その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。 ②:1ターンに1度、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。 このターン、そのモンスターは戦闘では破壊されず、 その戦闘で対象のモンスターのコントローラーが受ける戦闘ダメージは0になる。 この効果は相手ターンでも発動できる。 ③:1ターンに1度、フィールドのモンスターを破壊する効果が発動した場合、 そのモンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターはその効果では破壊されない。この効果は相手ターンでも発動できる。 使用キャラクター エド・フェニックス タグ一覧 融合モンスター D-HERO
https://w.atwiki.jp/yugio/pages/14476.html
D-HERO ダスクユートピアガイ(アニメ) 融合・効果モンスター 星10/闇属性/戦士族/攻3000/守3000 「D-HERO ディストピアガイ」+「D-HERO」モンスター (1):このカードが融合召喚に成功したターンのメインフェイズに発動できる。 自分の手札・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、 その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。 (2):1ターンに1度、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。 このターン、そのモンスターは戦闘では破壊されず、 その戦闘で対象のモンスターのコントローラーが受ける戦闘ダメージは0になる。 この効果は相手ターンでも発動できる。 (3):1ターンに1度、フィールドのモンスターを破壊する効果が発動した場合、 そのモンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターはその効果では破壊されない。この効果は相手ターンでも発動できる。 ダメージ軽減 戦士族 破壊耐性 融合 融合モンスター 闇属性 D-HERO 同名カード D-HERO ダスクユートピアガイ(OCG) 関連カード D-HERO ディストピアガイ(アニメ) D-HERO ディストピアガイ(OCG)
https://w.atwiki.jp/isekaikouryu/pages/369.html
緑碧料理祭典から数週間の刻が経った。 地球の日本人である犬塚勇人と、11門世界大延国の狸人である環奈の店は、 まあそこそこの黒字を出しつつ繁盛していた。 近隣の飯店に比べ品数はやや貧弱ながらも、独特の地球風味がウケているようだ。 加えて、先の料理対決で勝利した『ユーノジ炒め』と、それを元にした いくつかの中華料理ベースのメニューが評判を呼んだ。 いまや町内の人々だけではなく、近隣の区画からも客が来るようになったのだ。 反面、味よりもその奇抜さでウケているだけだと言う辛口の評価もある。 まだまだ正当に評価されたとは言い難い状況なのである。 「ご近所じゃ奇抜なだけだなんて言う人もいるけどね。そんな事無いわよぉ アタシら皆、ユーノジちゃんとタヌちゃんの料理が大好きなんやから。 ほんま美味しいんやから自信持ってな。 ホイ、これ今日の食材な。ぎょうさんオマケしとるさかい」 「ホンマ?オバチャンおおきにー オバチャンとこで買うのが一番儲かるわ」 すっかり大都の生活に慣れたファンナは、もって生まれた性分なのか 愛嬌と人懐っこさと図々しさを存分に発揮して顔見知りを急速に増やしていた。 既に仕入れ値は当初の半額近くにまで圧縮されている。 勇人が求める食材もどこでどう見つけてくるのか、仕入れルートを即座に確保するという意外な才能を発揮しつつあった。 最近では勇人にまで「ファンナは料理人を目指すよりも、商人になった方が合ってる」と言われる始末だ。 ファンナは肉屋で竜肉を筆頭にいくつかの肉を買った後、魚介屋、菜類屋、薬菜屋、香辛屋と巡り、最後に刃物店に来た。 いままで使っていた包丁を研ぎに出していたのを受け取るのと、 勇人が<地球側>で使い勝手が良いと言って求めていた出刃包丁を探していたのだ。 それも大量に。 「あるやろか」 もう自分の背丈よりも大きい荷物を担ぎながら、ファンナが入店しようとして 玄関先でつっかえて入れなくなっていると、店の奥から野太い声が聞こえてきた。 「ほら、客だぞ。さっさと行け」 すると店の奥の部屋から、まだ子供の狸人がトコトコと出てきた。 「いらっしゃいませ・・・入れてませんね。お荷物お持ちいたしますです。 研ぎ師のメッサー・メッサー・シュヌルバルト様は奥にいらっしゃいますです」 子狸はファンナから荷物を預かると、店内の傍らにまとめ置いた。 「研ぎを依頼しとった包丁を受け取りに来たんや。 あとこれも依頼。っと、この図面の包丁を作れるかどうか聞いてみてんか。 『デバ包丁』言うんやて。<向こう側>のやから、無理なら無理でも仕方ないわ」 ファンナは懐にしまっていた出刃包丁の図面を子狸に手渡した。 「少々お待ちくださいです」 子狸が店の奥に行こうとしたその時、暗がりからのそりと塊が出てきた。 それはまるで、毛だらけの瓶に手足を付けたかのような人・・・ドワーフだった。 ドワーフはまるで地の底から響くような野太い声で言った。 「お嬢さんや。 あんたぁ大延国のもんだからわかっちゃあいないようだがね。 俺ぁ生粋のクルスベルグのドワーフよ。 それがどういう事かわかるかね。 この研ぎ師メッサー・メッサー・シュヌルバルト様に『作れないものなど無い』そういう事じゃい。 さあ、さっさとその図面を渡せ。酒瓶1本飲みあかすまでに仕上げてみしょうぞ。 ただし、お代はしっかりいただくがの」 ドワーフの研ぎ師、シュヌルバルトは若干不機嫌そうな様子でそう言った。 よほど無理なら仕方がないという一言が気に入らなかったのだろう。 だが、ファンナはそんな不機嫌そうなドワーフにも遠慮なく笑顔で話しかけた。 「おっちゃん、クルスベルグから来たんやね。 ウチはタヌコいいます。大都で店を出しとるんよ。 ウチもクルスベルグのナベとかコンロとか使うとるよ。 ユーノジもドワーフ手製のライターが使いやすいって言うとったわ。 あ、『デバ包丁』よろしうに。 ユーノジがどうしても必要なんやて」 ニコニコと語るファンナを見て多少は気が緩んだのか、シュヌルバルトはやや頬を緩ませた。 それでもいかつい雰囲気を崩さないよう、わざと乱暴に椅子に腰掛けた。 「フン!おべっかを使っても無駄じゃい。 ドワーフの作った道具が優れておるのは当たり前だしの。 ユーノジってのはお前の旦那か?しっかり伝えておけ。 おいクズリ。その図面をこっちによこせ」 クズリと呼ばれた子狸がシュヌルバルトに図面を手渡すと、老ドワーフは片眼鏡をかけなおした。 図面をじっくりと眺めたのち、フムウと一息吐き出すと、何やら金属筆でメモを走り書きして子狸に渡した。 眉間に深いシワを寄せてはいるが、何故か目尻は下がり楽しそうな様子すら思わせる。 「まあ、10日ほどじゃの。 旦那に言っておけ。依頼以上の最高級品を10本揃えてやるとの。 おい小僧。このメモの材料を倉庫から揃えてこい。 それと火をおこせ。今晩から始めるぞ。 狸人もやるもんじゃの。なかなか面白い事を考えおるわ」 老ドワーフはニヤリと口角をあげて、おそらく笑った。 「出刃包丁ってこっちでも作れるモンなんだな。 流れ着いたモンでもありゃ儲けもの程度にしか考えてなかったなァ」 店の営業も終えた夜半刻。勇人とファンナは2階の居間にいた。 勇人はいつもの長椅子でグダリとだらしない格好で寝そべっていたし、ファンナは台所でお茶と夕食の準備をしていた。 「ドワーフの研師に旦那様によろしゅうって言われたわ。 あ、水虎肉の辛辛肉饅と竜卵粥でええよね?」 意外とテキパキと調理をすすめながら、ファンナが聞く。 「作り始めてから聞くなよ・・・全部今夜のシェフに任せる。 ンで、旦那様が何だって?」 長椅子に寝そべり、大延国の書物『金羅百味』を読みながら勇人は聞いた。 <翻訳の加護>がようやく正常に発揮されたのか、勇人は最近ようやく大延国の文字を読めるようになってきた。 元々ミズハミシマに行くつもりだったから、ゲートキーパーの許可の関連で大延国にチューナーがあってなかったとか、 そういうモンだろうと勇人は漠然と考えている。 ファンナは勇人の問いには答えず、ニヘヘヘなどとうすら笑いを浮かべて料理を続けていた。 『金羅百味』には、過去の食神祭にて特に美味とされた料理が掲載されている。 読んでもワケがわからないものもあれば、想像がつくものもある。 ただ<地球側>の料理があまり含まれないというか、影響を受けたものが少ないようにも思う。 予選の段階で足切りでもしているのだろうか。その辺りはどうにも不明だ。 勇人は『金羅百味』をカゴに放り投げ、手元にあった『神膳厨師挙書』と『三千法家』を読み始める。 「できたでー」 しっぽを振りながら、ファンナが水虎肉の辛辛肉饅と竜卵粥を持って居間に来た。 居間中に香辛料の独特の強い香りと、竜卵の優しく柔らかい香りが広がる。 「お、旨そうに出来てンな。 味はどうだか知らねェけど」 「イジワルな事言うてからにもう!味も最高や。 愛情込めて作ったから」 「とりあえずイタダキマスと。 んー・・・まあ。普通に旨いな。 水虎は初めて食ッたけど、辛みが強くて味がよくわからんなコリャ。 こンだけ香辛料使ってまだ臭みがあるッてコトは、下拵えが大変そうだ。 竜卵粥は合格。甘くていいや」 「しゃべらんと食えんのかいな。 それにもうちょっと褒めてくれたってええやん」 「褒めたら・・・ムグ・・・つけあがりそうだし・・・モグ」 「食いながらしゃべらんでもええやん。 結局褒めてへんし。むしろ酷い事言うとるし。 そや、こないだのお祭りで当たった温泉旅行、いつ出発するのん?」 「いつでもいいんだけどな。 温泉街ってミズハミシマの近くだろ? そこそこ休みを確保しないと難しいぜ。 それに移動手段も。 竜車のレンタルしねェとな。 明日、俺が借りに行ってくるわ。 つーかいっそ明日出発すっか」 「今日食材買い込んだばっかりやないの。 ユート、ワザと言うとるやろ」 「最近、お前への甘え方がわかってきたンだ。 愛情の裏返しだから許せ」 アホ!ボケ!と言いつつも再びニヘヘ笑いをしながら、ファンナが食べ終わった食器を片付け始める。 少しからかい過ぎただろうかと思いつつも、勇人は再び長椅子に寝転がる。 「食べた後ですぐ寝とったら鉄牛になってまうで。 ほれ、起きて起きて」 えー・・・と抗議の声をあげつつ勇人が起き上がると、空いたスペースにファンナが滑り込む。 「お前が寝たかっただけじゃねェか」 「たまにはええやん。あと、その、これ」 ファンナが丸っこい手を差し出すと、そこには木で作られた小さな匙が握られていた。 「その、耳かき。 いっつもウチがユートの耳かきしとるんやから、たまにはええやん」 まあそれくらいはいいだろう。 勇人がファンナの耳かきを始めると、ウヒャアだのクヒィだのと奇声をあげて身じろぎしつつ カリカリと耳かきされるのを楽しんでいるようだ。 狸人の耳はデカいから掃除も楽だな、と勇人はボンヤリ考えていた。 これ終わったら次は俺が耳かきされる番だよな、とも。 続き→【異人食祭記4】 あまーい!と思いつつも料理というジャンルから大延国のちゃんぽんな町の様子がファンナの特技と一緒に見れるのが楽しいですね。しっかりと生計を立てている上での夫婦生活も説得力がありました -- (名無しさん) 2013-09-23 18 01 23 名前 コメント すべてのコメントを見る