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游戲中,可以PLAY卡和內文的時機,就叫做FreeTiming,也就是自由時機。 一般來說,在自由時機時,每個玩家都可以在PLAY在相應自由時機階段的內文和機體。 自由時機,沒有時間限制。直到雙方都放棄了這個自由時機,游戲過程才會繼續。
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概要 緑色になったホイミスライム。Ⅸで初登場。 色違いに下位種の【ホイミスライム】、【ベホイミスライム】が、上位種に【ベホマスライム】がいる。 別系統では【しびれくらげ】も仲間に入るはず。 戦闘では【ベホイム】と【MPパサー】を使用して味方を回復させる役割。 この行動はⅨと全く変わっていない。 回復薬としてはこいつ自体結構耐久力が高いので早目に倒しておきたい。 あまり強力な特技は持っていないので密集しているヴェリナード領北ではたまに狩られている。 レベルは48になるまで格下扱いにはならないので、強敵ボーナスもそこそこもらえるのでおいしい。 神殿レイダメテスでもうじゃうじゃ沸いているが、ここまできて狩る必要はない。
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概要 2004年12月にPS2で発売された、DQとFFののキャラが多数出演するボードゲーム。略称は「いたストSP」。 その前年に旧エニックスと旧スクウェアが合併し、スクウェア・エニックスとなったからこそできたコラボだろう。 旧両社の看板ゲームのキャラが参戦するとあって、今までいたストシリーズ未経験だった新規プレイヤーの獲得に成功した。 ゲーム内容を大雑把に説明すれば、ダイスを振ってマスを進んで店を買い、株などで儲けていくゲームである。 過去作と比べると、妙にこだわりのあった固有店舗名がなくなり、低ランクキャラの行動がぬるくなったなどの変更点がある。 そして、過去のいたストになかった目玉要素として『スフィアバトル』というものがある。 それぞれのキャラに職業が設定され、それに応じた『スフィア』を獲得して利用し、儲けていくモードである。 発動時の演出によるゲームテンポの悪さを看過すれば、いつものいたストと違って十分楽しめる内容となっている。 登場キャラクター キャラクターデザインの担当は【天野シロ】氏。 数の違いはあれど、ⅠからⅧまで満遍なく選出されている(ちなみにFF側のキャラはFFⅦ以降のみ)。 ただのキャラ集合ゲームかと思いきや、登場キャラが話しまくるため、ビアンカは黒い、フローラは腹黒い等の新たなイメージが出来上がった。 竜王がⅤ主人公に対して嫌な臭いを持つ男と同じ臭いだとか、ローレシアの王子にビアンカがⅤ主人公の小さい頃そっくりと、何か意味ありげな設定をさらりと明かす快作。 ドラクエキャラの台詞は勝手に作られているわけではなく、【堀井雄二】氏監修である。 以下、登場キャラクターと強さランク、スフィアバトルにおいての職業(DQ関係のみ)。 出典作品 キャラクター ランク 職業 DQシリーズ スライム D 商人 DQⅠ 竜王 S 賢者 DQⅡ ローレシアの王子 - 勇者 サマルトリアの王子(クッキー) D 戦士 ムーンブルクの王女(プリン) C 魔法使い DQⅢ カンダタ C 盗賊 DQⅣ ライアン ホイミン C 戦士 アリーナ B 戦士 クリフト D 僧侶 DQⅤ 主人公 - 商人 ビアンカ B 魔法使い フローラ A 商人 DQⅥ 主人公 - 勇者 DQⅦ 主人公 - 勇者 DQⅧ ヤンガス D 盗賊 ゼシカ S 魔法使い ククール A 僧侶 DQM テリー B 商人 ※主人公4人は操作キャラとして使えるのみで、対戦相手としては登場しない。 ※上記に加え、イベント専用キャラとしてⅠの主人公、Ⅲの女遊び人、トルネコ、ベビーサタン、わたぼう、キングスライムが登場している。 ※さらにステージギミックとしてようがんまじん、ステージの背景としてゴーレムやドラゴンといったおなじみのモンスターなども登場している。 BGM アレフガルドのステージには「広野を行く」など、大半はステージに合った曲が使用されている。 また、目標金額突破時にはBGMが変わるというこれまでになかった演出もある。 Ⅰの曲は東京弦楽合奏団が、Ⅱ~Ⅴの曲は【東京都交響楽団】が演奏した「交響組曲ドラゴンクエスト」シリーズを編集したオーケストラ音源が使われており、とても豪華。 Ⅷの曲は直前に発売されたⅧからそのまま流用されている。 なお、FF側の曲は松尾早人氏によって本作のために編曲されたアレンジである。 おまけにサウンドテストまであるため、音楽のためだけに買っても満足といわれるくらい充実している。 以下、使用された曲とその使用場面(DQ関係のみ)。 出典作品 BGM 使用場面 DQⅠ フィナーレ ゲームクリア ラダトーム城 ルール説明 街の人々 カジノ:トレジャーハント 広野を行く アレフガルド 戦闘~竜王(メドレー) アレフガルド:目標金額突破時 DQⅡ Love Song 探して メインメニュー 遥かなる旅路 海底神殿 果てしなき世界 ロンダルキア 戦い ロンダルキア:目標金額突破時 DQⅢ 王宮のロンド ダーマ神殿 冒険の旅 死の火山 戦闘のテーマ 海底神殿:目標金額突破時 戦いのとき ダーマ神殿:目標金額突破時 勇者の挑戦 死の火山:目標金額突破時 そして伝説へ エンディング(FFのプレリュードからのメドレー) DQⅣ 楽しいカジノ カジノ:スロット 馬車のマーチ 世界樹 栄光への戦い 世界樹:目標金額突破時 DQⅤ カジノ都市 オラクルベリー 王宮のトランペット 天空城 戦火を交えて オラクルベリー:目標金額突破時 不死身の敵に挑む 天空城:目標金額突破時 DQⅧ 城の威容~王宮のガヴォット トロデーン城 雄叫びをあげて トロデーン城:目標金額突破時 ※上記に加え、レベルアップ、呪いのモチーフ、宿屋、死などのBGMも使用されているが、サウンドテストにはない。 関連リンク 【ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジーinいただきストリートSpecial】(ファイナルファンタジー用語辞典)
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・回復呪文 【ホイミ】―【ベホイミ】―【ベホイム】/【ベホイマ】―【ベホマ】 【ベホマラー】―【ベホマズン】 概要 Ⅲから登場した呪文。 パーティ全員のHPを約80以上回復する。 ⅢとⅣでは【ベホイミ】の全員版、Ⅴ以降は一人あたりの回復量も若干高めとなっている。 僧侶などの神に仕える職業の者が習得できる場合が多い。 また、上位呪文に【ベホマズン】がある。 ベホマズンとは異なり、パーティメンバー4人にベホイミを1回ずつ使用するよりも燃費が良い上、 何より味方全員の回復を1人の行動で行えるという点が戦略面で非常に有効となる。 単体完全回復の【ベホマ】と上手く使い分ければ、強力な全体攻撃手段などを持つ敵との戦いもかなり楽になる。 初登場のⅢの頃から【けんじゃのいし】というライバルが存在し、 その後の作品でも有用度にはバラつきがあるが、それでも全体回復が行えるという利点はやはり大きい。 また、「けんじゃのいし」や【ハッスルダンス】とは異なり移動中に使用できるのも利点の一つと言える。 DQⅢ DQⅣ DQⅤ DQⅥ DQⅦ3DS版 DQⅧ DQⅨ DQM1、2、CH DQMJ DQMJ2 テリワン3D トルネコ3 少年ヤンガス いたストSP DQⅢ 消費MPは18。 回復量は75~94。FC版のみ、移動中に使用した場合は回復量が44~55になる。 僧侶と賢者がLv34で習得する。 終盤にて同性能の「賢者の石」が手に入るものの、それまでは貴重な全体回復手段として重宝する。 入手した後でも、ベホマラー習得者と別に持たせれば全体回復を2人で行うこともできるのでやはり便利。 リメイク版では、移動中に使用する場合でもベホイミを4回使う(消費MP5×4=20)よりは燃費も良い。 敵では【ごくらくちょう】、【サタンパピー】と、リメイク版限定で【ほうおう】が使用してくる。 なお、今作では敵が使用した場合の対象は敵1グループとなっている。 DQⅣ 消費MPはFC版では18、リメイク版では10。 回復量は75~95。有効範囲は馬車外の味方のみ。 クリフトがLv30で習得する他、リメイク版ではピサロが最初から習得している。 今回も終盤にて「賢者の石」が手に入るが、こちらは若干ベホマラーよりも性能が低くなっている。 また、本編中の使用者がクリフトただ一人ということもあり、中盤~終盤にかけては便利な呪文。 リメイク版では消費MPもかなり下がり、使い勝手も良くなった。 敵では【はしりとかげ】と、リメイク版限定で【エッグラ】が使用してくる。 また、今作からは効果範囲の対象が全体となっている。 DQⅤ 消費MPは18。 回復量は100~120。有効範囲は馬車内も含んだ味方全員。ただしSFC版では戦闘中にしか使えない。 人間キャラで習得するのは【男の子】だけ。Lv30で覚えてくれる。 その反面、今作では仲間モンスターの習得者が非常に多い。 習得可能な仲間モンスターは以下の通り。 ホイミスライム(Lv25)、キメラ(Lv18)、ベホマスライム(Lv18)、オークキング(Lv8)、ホークブリザード(Lv15)。 リメイク版ではさらにエビルマスターもLv8で習得する。 今回から回復量が「賢者の石」(50~60)の2倍になり、【やまびこのぼうし】があればさらに2倍と使い勝手が良くなった。 また、馬車内の味方にも有効になったため、HPの減った味方を馬車内に退避させ、馬車外からベホマラーで回復するといった戦略を取ることもできるようになった。 ただし、リメイク版では「山彦の帽子」は削除されてしまっている。 敵では【イズライール】、【エビルマスター】、【キャプテンクック】が使用してくる。 DQⅥ 消費MPは18。 回復量は100~120。有効範囲は馬車内も含んだ味方全員。 ホイミスライムがLv18、リメイク版では【ベホマン】もLv17で習得する。 また、今作では【賢者】★5で誰でも習得できるようになっている。 今作ではその気になれば誰でも習得可能となったが、上位職の賢者になる必要があり覚えるまでの道のりはそこそこ長い。 人間キャラの中に自然習得できるキャラクターは居ないため、2人くらいは賢者を目指すと終盤が安定する。 ただ、今作から無消費の特技として【ハッスルダンス】が登場しており、平時の使い勝手には劣る。 とはいえ回復量自体はベホマラーの方が高く、移動中に使用できる点もハッスルダンスにはない利点。 「山彦の帽子」を用いた2倍回復も健在なため、ラスボスや裏ボス戦ではベホマラーの有用度はやはり高いと言える。 敵側の使用者もだいぶ増え、ザコでは【ぶちベホマラー】と【ランプのまおう】が、 ボスでは【スコット】、【ドグマ】、【みぎて】が使用してくる。 DQⅦ 消費MPは10。 回復量は100~120。 今回は自然習得者が誰も居なくなった代わりに、習得可能な職業が一気に増加している。 【賢者】★5、【ゴッドハンド】★3、【ホイミスライム(職業)】★8、【ヘルバトラー(職業)】★3、【プラチナキング(職業)】★2で習得できる。 また、召喚された【バズウ】が使用することもある。 戦士系・魔法系・果てはモンスター職、どの道に進んでもどこかで習得可能となっている点はありがたい。 ただ、プラチナキングで習得するのは少々骨が折れる。 逆にホイミスライムとヘルバトラーはモンスターの心があればこのためだけに転職するのもありだろう。 また、今作では「ハッスルダンス」を習得できる【スーパースター】への転職難易度が若干上がった他、 賢者からさらに上位職の【天地雷鳴士】を目指すこともできるため、相対的に立場が上がったとも言える。 消費MPが10に減り、ベホマラー自体の使い勝手が向上したのも魅力の一つだろう。 敵では【キングスライム】、【アンクルホーン】、【ケベナヒモス】、【ドラゴメタル】、【マージスター】が使用してくる。 3DS版 ゴッドハンドが★5になった以外はPS版で覚えることができた職業はそのまま、それ以外に【パラディン】★4、【勇者】★4でも覚えることができるようになった。 人間の上級職で覚えた特技はほかの職業に転職すると忘れてしまう仕様の為、他の職業で使いたければ魔物職で覚えさせる必要がある。 特に【天地雷鳴士】はなぜかベホマラーを覚えないのでホイミスライムあたりでベホマラーを覚えておかないと使いにくいことこの上ない。 DQⅧ 消費MPは10。 回復量は100~120が基本値。 ククールがLv30で習得する。 今作ではテンションを上げることで回復量を増やせるようになったため、さらに使えるように進化した。 ただ、主人公が使用するベホマズンが実質27もしくは18と少ないMPで使用することができる他、 誰でも使用可能な「賢者の石」の回復量も、この呪文と同等の100~120にまで上がっている。 そのため「賢者の石」を中盤で入手するなど、状況によっては使用頻度は下がることになるかもしれない。 また、チームモンスターたちが放つ必殺技の一つにもなっている。 【ホイミン】・【メタぞう】・【ベホップ】のうち2体で使用可能になる。 消費MPは0で、主人公たちを含めた味方全員のHPを100~120回復させる。 なお、バトルロード格闘場で主人公たちとの対戦中に使用した場合は、回復量が70~100になる。 敵での使用者は歴代最多で、ザコでは【キングスライム】、【モビルライト】、【樹氷の竜】、【ごくらくちょう】、【あんこくちょう】、【モヒカント】、【マリンフェアリー】、【キングミミック】が、 ボスでは【ドルマゲス】、【ブルファング】、【ククール像】が使用してくる。 また、この呪文と同様の効果を発揮するアイテムとして【ベホマラチーズ】が登場した。 DQⅨ 消費MPは16。 回復量は下記参照。 僧侶がLv38、賢者がLv24で習得する。 今作では他の回復呪文と同じく【かいふく魔力】の値に応じて回復量が上昇する。 回復魔力 200 400 600 800 999 回復量 100~120 153~173 205~225 258~278 310~330 最終的には基本値の3倍近くまで回復量が上がるため、「ハッスルダンス」とは比較にならないほど強力になった。 今作は「賢者の石」の性能が再び下がっていることもあり、この呪文の有用度はかなり上がったと言える。 主にゲーム終盤で扱えるようになるが、本領を発揮するのは宝の地図からだろう。 Ⅸではクリア後の敵の攻撃が非常に強烈なため、ベホマラーでも回復が間に合わないこともある。ベホイムと使い分けると良い。 魔王戦では高レベルになると、ベホマラーでは追いつかなくなり、ベホマズンに役割を奪われてしまいがち。 ただし【やまびこのさとり】を併用してのベホマラー×2なら、ベホマズンに近い回復力を得ることが出来る。 それでもまだ回復量が足らないこともあるが、MPに不安があるなら節約目的に組み合わせて使ってみるのも良いだろう。 敵では【キングスライム】、【スネークロード】、【アンクルホーン】、【スターキメラ】、【スライムマデュラ】、 そしてⅥと同じくデスタムーアの【みぎて】が使用してくる。 DQM1、2、CH 消費MPは18。回復量は90~120。 これらの作品では同系統の特技はレベルアップによって派生するが、 ホイミ→ベホイミ→ベホマ ベホマラー→ベホマズン という体系となっており、ホイミから派生する単体回復呪文とは別系統の特技として扱われる。 ホイミと同じく重要呪文ゆえに【しにがみきぞく】、【ライオネック】など多くのモンスターが習得できる。 また、習得者のレベルとステータスが上がると、この呪文がベホマズンへと進化する。 つまりベホマズンの習得に必須となるため、そう言う意味で重要度が格段に上がったとも言える。 DQMJ 消費MPは12。 回復量は84~96を最低値として、賢さの値に応じて高くなる。 賢さ206以上から回復量増加し、最終的には314~326にまで上昇する。 【ぜんたいかいふく】、【ゆうき】などといったスキルで習得することができる。 DQMJ2 消費MPは9。 回復量は90を最低値として、賢さの値に応じて高くなる。 効果上限は580。 習得できるスキルはジョーカー1とほぼ同じ。 テリワン3D 消費MPは60。 回復量は賢さの値に応じて高くなる。 効果上限は660。 習得できるスキルはジョーカーシリーズとほぼ同じ。 トルネコ3 モンスターが使用する特殊能力として登場。 視界内に居るすべてのキャラクター モンスターのHPを100ポイント回復させる。 ただし、【ゾンビ系】のモンスターには回復ではなく100ポイントのダメージを与える。 【キングスライム】と【スライムエンペラー】が使用する。 仲間モンスターの場合、視界内に味方のゾンビ系モンスター以外でHPが減っているキャラクターが居る時のみ使用可能。 操作キャラクターが変身中はいつでも使用することができる。 また、この呪文の名前を冠したアイテムとして【ベホマラーの巻物】が登場した。 少年ヤンガス 消費疲労度は30。 部屋内に居る仲間のHPを40~60回復させる。 【スライムエンペラー】が最初から習得している他、 【コロプリースト】がLv30、【プチプリースト】がLv15で習得する。 仲間モンスターは部屋内にHPが減っている仲間が居る場合にのみ使用する。 ヤンガスと合体中はいつでも使用することができる。 いたストSP スフィアの一種として登場。入手できる職業は商人、賢者。 これが発動すると、指定したエリアのお店価格が全部10%上昇する。 株を貯めたエリアを指定するとよい儲けとなるだろう。 増資しきった店舗も更に上昇するので、この系統のスフィアがあればお店がどこまでも大きくなっていく。
https://w.atwiki.jp/terragen/pages/234.html
ドープシートは、アニメーションパネルのエディタの1つです。アニメーションのタイミングを変更するために使用します。タイミングは基本的に、"事が起こる時"です。例えば、アニメーションの開始時や存続期間を変更する事が出来ます。ドープシートは特にこの種の変更を行う事を目的としています。ドープシートでアニメーションキーを編集する時は、値ではなく、それらのキーのフレーム位置を変更するだけです。これにより、キーの値に影響を与えずにアニメーションのタイミングを簡単に変更する事が出来ます。
https://w.atwiki.jp/dqff1st/pages/667.html
「何が勇者よ!あんただってレナ姉ちゃんを殺したじゃないの!」 「人殺しの仲間なんだろ!殺されて当然じゃないか!」 バーバラとソロの舌戦が続く中、ソロの様子がおかしい。 震える手で剣を構えてはいるものの、ゆらゆらと姿勢が安定せず、心ここにあらずと、 いった感じだ。 さらにバーバラの口撃は続く。 「人殺しはそっちでしょう!レナ姉ちゃんは何にも悪い事してないのに!最低よ!」 その一言でソロは崩れた。 「ああああっ~わあああああ」 剣こそ手放さなかったが、その場にへたりこみ泣きじゃくるソロ。 それを見てすかさず動こうとしたバーバラだが、テリーがソロをかばうように立ちはだかる。 今、攻撃すればソロを倒すことは出来るかもしれない…しかし魔法を使えばテリーにも当たってしまう。 「どうしたんだよ!早くやっつけてよ!」 なら強引にテリーをあいつから引き離すか、いやそれもこの状況では難しい。 下手に格闘戦を挑んでも、結局テリーに手傷をおわせてしまう可能性が高い。 それに背後はクレバス…劣勢の場合の逃げ場は無い。 だったら…。 「出なおすしかないわね…今は」 結局、退くことを選択したバーバラ、だが背後はクレバスだ、どうする? と、そこで彼女は意外な行動に出た、なんと彼女はバク転の容量でそのまま背後へとジャンプしたのだ。 しかし着地すべき地面は、はるか数百メートル下だ。と彼女がジャンプの頂点に達したときだった。 「イオラ!」 バーバラは前もって準備していた呪文を、ここぞとばかりに氷壁に叩きつける。爆発が起こり空中にいるバーバラの身体は木の葉のように宙を舞う、そう、爆発のエネルギーを利用してバーバラは強引にクレバスを飛び越えたのだ、 いや飛び越えるというより、弾き飛ばされたというべきであろうか。 こうして何とか窮地を脱したバーバラは、すり傷と打ち身の痛みに悶えながらも、なんとか起きあがる、 これで追いかけてこられれば終わりだ。 だが、どうやらその気配は存在しない、あきらめてくれたようだ。 しかしだからといって安心してもいられない、そう状況は以前とほとんど変わっていないのだ。 「どうしたらいいの…どうしたら…」 よろよろと歩きながら自問自答するバーバラ、その時、夕刻の放送が始まった。 一方、頭を抱え悲しげに唸っていたソロだったが、テリーの言葉でようやく我に返り始めていた。 「しっかりしてよ、勇者があんな悪い奴らの言葉を聞いてどうするんだよ」 「だけど…僕は取り返しのつかない事をしてしまったのかも…」 「ちがうよ、ソロは騙されているんだ、なんにも悪くなんか無いよ」 その言葉でソロは涙に濡れた顔を上げる。 「本当だね…僕は間違っていないよね?悪いのはあいつらなんだよね?」 テリーは意識していなかったが、そのやりとりは無垢な若者を洗脳する誘導尋問の響きがあった。 そしてその甘言は、不安定なソロの心にいとも容易く入りこんでいった。 「僕は、絶対に裏切ったりなんかするもんか!だから、いっしょに悪いやつらをやっつけようよ」 「うん…うん」 未だに見えぬ瞳からぽろぽろと涙を流し、テリーにすがりつくソロ。 「僕は絶対に勇者でなくっちゃいけないんだ…、正しくなくっちゃいけないんだ… だってそれが僕の全てだから…勇者じゃない僕なんて、僕じゃないんだ」 ぶつぶつと呟き続けるソロ、そんな彼の髪を撫でてやりながらテリーも囁く。 「安心していいよ…僕がそばにいるから」 【テリー 所持品:なし 基本行動方針:謎の剣士の敵(ティナ)を取る】 【ソロ(暗闇もしくは失明) 所持品:エンハンスソード イリーナの会員証 スーツケース核爆弾 第一行動方針:悪い奴を倒すor勇者になる 最終行動方針:デスピサロ打倒(現在もその気があるかは不明) 【現在位置:中央西よりの山地の南にある平原】 【バーバラ(負傷) 所持品:果物ナイフ ホイミンの核 ペンダント メイジマッシャー 第一行動方針:テリーを救う 第二行動方針:レナの遺言を果たす 第三行動方針:仲間の捜索】 【現在位置:中央西よりの山地の南にある平原】 ←PREV INDEX NEXT→ ←PREV ソロ NEXT→ ←PREV バーバラ NEXT→ ←PREV テリー NEXT→
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霊媒1なら吊前にCO それ以外黒出てから -- ~蓬餅~ (2013-11-16 06 17 17) 2日目白進行なら出てもいいと思う。自分が黒もらいは即CO。霊媒は噛まれ真を目指すと安定する。噛まれるの怖がってると村が人外の残数把握できない -- あるるかん (2013-11-16 21 30 57) 今回の経験談を一つ、占い2、霊媒1、狩人2の状況で初日二人から白だし貰って、霊媒が出てきて対抗霊媒CO、対抗相手を吊れました、タイミングとしては霊1なら乗っ取り防止を考えて立ち回ったほうが良いかも -- 林田ヘイハチ (2013-12-04 12 28 00) 【遺言霊媒のメリット】 8:5:1の場合 ◦霊媒が噛まれない可能性が高い。 -- 春 (2014-04-17 03 43 57) 【遺言霊媒のデメリット】 ◦グレランをしなければいけない。→人外から村の寡黙に票を合わされたら、4票+村の票で高い確率で村側または狐が吊られる。 ◦6:5:1となり、二日目では霊媒の決め打ちになるが情報が少ない。確定白がいない。→また、グレランになってしまった場合、ほぼ狼側の勝ちが確定する。 ◦霊媒を占ってしまう可能性がある。 -- 春 (2014-04-17 03 44 19) 【遺言しないメリット】 ◦対抗がいなければ、霊媒が確定する。 ◦対抗出れば、ローラーすることによって人外を減らすことができる。→完遂後5:4:1 ◦三日目まで確実に半PPはこない。→二日目で決め打ちする場面がない。 ◦霊媒を占う必要が減る。 【遺言しないデメリット】 ◦霊媒に狐の騙りが出た場合、GJがなければ半PPが発生する。 -- 春 (2014-04-17 03 44 48) 霊媒ロラキンモッヂィィィィィイイイイイイ!!!! -- 名無しさん (2014-04-30 13 07 53) 最近はボロ雑巾ボロ雑巾だけど、そこら辺の打開策も考えたいなぁ、なんて -- 名無しさん (2014-06-15 03 59 57) 考えればいいじゃん。新しくページ作って もう一人の私 -- 名無し (2014-10-09 18 51 37) 役欠けのときの霊媒COについて、狼3の配役のとき。狼1匹吊れてもCOせず、2匹目吊れてもCOしない潜伏霊媒。または真占いとライン繋がりましたと言いながらCOしてくる潜伏霊媒は、ニート霊媒なので少なくともこれだけはやめておいた方が良いと思う。 -- 名無し (2014-10-09 19 10 32) 名前 コメント
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ドラゴンクエストVI 幻の大地 【どらごんくえすとしっくす まぼろしのだいち】 ジャンル RPG 対応機種 ニンテンドーDS メディア 1024MbitDSカード 発売元 スクウェア・エニックス 開発元 アルテピアッツァ 発売日 2010年1月28日 定価 5,695円(税別) 廉価版 アルティメットヒッツ2011年2月3日/2,800円(税別) レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 良作 劣化ゲー ポイント 仲間モンスターシステム削除代替であるスライム仲間システムが更に微妙SFC版の欠点が未改善なままの部分が多い要所要所で使い回し&手抜きが目立つ追加の会話システムは好評 ドラゴンクエストシリーズ 概要 問題点 仲間モンスターシステムの廃止・代替のスライムスカウトが中途半端 システム面の問題点 賛否両論点 評価点 その他 総評 余談 スマートフォン版(参考記述) 概要 SFCソフト『ドラゴンクエストVI』のリメイク作品。 原作は奥深いゲームシステム、シリーズトップクラスの自由度が好評を博していた反面、特技のバランスや伏線未回収のシナリオで批判されていた。 また同じ天空シリーズである『IV』は(『VII』発売後)PSで、『V』は(『VIII』発売前)PS2でリメイクされどちらも好評を得たものの、『VI』だけはリメイクされなかった為、その頃からもリメイクを求めるファンの声も多かった(*1)。 そしてDSでの天空シリーズのリメイクがのちに正式に発表、ついに『VI』もリメイクされることになった。 SFC版発売の1995年から実に15年の時を経てリメイク、当然のことながらファンの期待も大きかった作品だったが……。 問題点 仲間モンスターシステムの廃止・代替のスライムスカウトが中途半端 最も目を引く問題点として挙げられるのが、モンスターを戦闘で仲間にできるシステムが廃止されたこと。リメイク『VI』における最大の問題点とされることが多い。 代わりに世界各地にいるNPCスライムをスカウトして仲間にする。仲間になる条件はそれぞれのスライムで違い、すれちがい通信数やクリア後など条件を満たさないと仲間にならないスライムもいる。 そもそも元のシステムも、堀井氏のコメントの通り中途半端なシステムであった事は確かである。思い切って廃し、代替システムを取り入れるというのは、決して間違った方向性ではなかっただろう。後述の問題さえなければ。 問題は、代替システムとして搭載されたスライムスカウトシステムが元に比べ明らかに劣っているという事。 SFC版で仲間にできたモンスターは、イベントで仲間になる2匹を除けば18種類(*2)だが、本作で仲間に出来るスライムは、SFC版でもイベントで仲間になった1匹を除くと7匹なので、約半分。 しかもそのうち3匹は加入条件にすれちがい通信機能の利用を要求される。一応それらはクリア後に無条件で仲間にできる救済措置はあるものの、すれちがいをしない場合に本編で運用可能なものは4種類のみである。さらに本作には発売当時から同シリーズ『IX』というすれちがい通信のライバルが存在したため、都会でも通信数を稼ぐことが難しかった。 特にSFC版の有用な仲間モンスターが削られたのは大きい。AIに任せると2回行動ができ壁役としても優秀な「キラーマシン2」や、ダントツの能力を誇るクリア後限定モンスターの「ランプのまおう」の特性を持つ仲間スライムは存在しない。 また同一モンスターの複数加入も不可能となった為、SFC版に比べ戦術の幅が確実に狭まっている。 SFC版と違い、1人ずつ作戦が設定できるようにはなっているので、複数加入さえ可能なら逆に戦術の幅が広がるはずだったのだが…。 スライムの加入時期や種類に合わせて店の品揃えが調整されているわけでもなく、「場違いに弱い装備品」「今更なタイミングで入手する武具」が多くなっている。スライム系が装備できる装備品はピエール(スライムナイト)以外ほぼ共通のためバリエーションも乏しい。 スライムが仲間になる時期も全体的に遅く、困難なすれちがい通信の条件を満たさないとクリア後になってしまう者はもとより、そうでないものもSFC版に比べて今更感が漂う時期にようやく加入する。 本作のスライムのうち最も早く仲間になるのはピエールだが、それでもホルストックのイベントをクリアしてから。もうこの頃になると人間キャラには基本職を1つマスターしている者がいてもおかしくない時期であり、確実に育成レベルに差が開く。もちろん、最初からいくつかの職を経験しているなんて事は無く、完全無職で仲間になる。 ピエールはこれでもまだ職1つ分の差で済むし、ストーリーを普通に進めていても出会う可能性の高い場所にいて、そもそもSFC版と比べて唯一人、加入時期が早くなっているスライムであるためマシな方。他のスライムは「空飛ぶベッド入手後、武器屋の裏(ホイミン)」「ベストドレッサーコンテストランク7優勝後(キングス)」「魔法のじゅうたん入手後、グレイス城横(ぶちすけ)」など、ゲーム後半になる者が多く、よほどのキャラ愛がなければ「今さらそんな時期にゼロからキャラを育てるか?」と言う根本的な問題になってしまう。 特に、最も簡単に・最初期に仲間になり、愛好者も多かったであろう「(ただの)スライム」はSFC版でも仲間になった「ルーキー」が担当しているのだが、仲間になる条件は「スライム格闘場を全ランク制覇」で変わっていない。単純な時期の遅さもだが、「ただのスライムでスライム格闘場を制覇する」と言う挑戦がシステム上できなくなってしまっている(*3)。一応、「かがやくいき」習得イベントもそのままなので、仲間になる時期の遅さに反して戦力化は比較的容易な方だという救いはあるが…。 すれちがい通信前提で仲間になるスライムはベホマン(ベホマスライム)、マリリン(マリンスライム)(*4)、はぐりん(はぐれメタル)の3匹だが、ベホマンは自力でザオリクを覚えるもののレベルアップ及びステータスの伸びが遅く、ホイミンがレベル23で習得するベホマズンをレベル50でないと習得できず、最大MPや耐性もホイミンに劣るという、一言で言えば「劣化版ホイミン」という有様になってしまっている。またベホマン加入がマリリンの加入条件となっており、マリンスライムが仲間になるのはこれがシリーズ初となるが、ベホマン同様仲間にしづらさに見合った強さがあるのかは微妙。高い「みのまもり」とデイン系以外の全属性に25%減の耐性を持つ堅固なスライムだが他のステータスは中の下程度で、特に最大HPは最高レベルでも300に届かないという致命的な低さ。吹雪系ブレスの使い手で「こごえるふぶき」までは自力で覚えるが「かがやくいき」を覚えることはできないという中途半端さが目立つ。 まとめると、中途半端なシステムを削除したはいいが、代わりにいれたシステムが使い物にならなすぎて劣化したというのが、劣化リメイクと呼ばれる要因である。仲間モンスターシステムが削除されても、代替となるシステムがしっかりしていればここまでの非難はなかったと思われる。 仲間モンスターシステムそのものを撤廃せず中途半端にスライム系だけが残されているのは、「『VI』にはスライム格闘場があり、流石にこの施設の存在まで削除は出来ないから」と推測されている。 モンスターを仲間にするのに必要だった職業「魔物使い」は、上記変更に伴い勧誘能力を失った「魔物マスター」に変更されたが、存在意義がもはやない。 職業特性は戦闘開始時にたまに「敵1体を眠らせる」「自分より弱い敵を1体立ち去らせる」といった独自のものに変更されているのだが、成功してもメリットが薄い上にそもそも発動確率が低く、戦略に組み込める程のものではない。 眠らせる確率は最終的に1/4まで上がるものの、眠り耐性を持っている敵には通用しない。メタル系には効くものの、立ち去らせる能力も併発することがある、と非常に使いどころに困る能力である。 他の点は全く変化しておらず、ステータス補正はプラスがなくマイナスばかり。習得特技は役に立つがそこまで欲しいものでもない、なれる上級職はSFC版からして不遇なレンジャーしかなく、その土台としてしか機能していない……と、デメリットばかりが目立つ職業になってしまった。 ただし、仕様変更により覚える特技の有用性自体は上がっている。例として「かえんのいき」は敵のHPが全般的に下がったため中盤でも使っていくことができ、「やけつくいき」も敵版と同仕様になったため使いやすくなっている。上級職のレンジャーについても、後述のように「しのびあし」の弱体化により、即習得できる「トヘロス」や職業特性の逃げやすさが相対的に生きてきている。ただし魔物マスター自体のメリットがほぼ無いため速攻でマスターしたい「通過点」であることに変わりはないのだが。 元よりモンスターを仲間にできるという点こそが最重要だった筈の職業なので、それがなくなった影響は非常に大きい。代わりに別の職業を入れる、強化を加える、いっそ存在ごと抹消する、などやり方はあったはずで処置に対する手抜き感が目立つ。 システム面の問題点 SFC版で大きく批判されていた「特技優遇」や「バランスブレイカーな呪文・特技」の問題はそのまま。攻撃呪文の価値も暴落したままである。 たとえば、武闘家とその特技である「せいけんづき」や「ばくれつけん」などはMP消費無しで高性能であるため、バランスブレイカーと批判する声があるのは相変わらず。魔法使いの「メラミ」即習得も変わっていない。 『V』とは違い、「山彦の帽子」が削除されなかったのは不幸中の幸いである。最終盤以降になるが、終盤でも呪文の見せ場はある。 「かしこさ」も相変わらず死に数値。SFC版の説明書の記述通り、呪文の威力補正値となっていればまだ良かったものを…。 職業選択や戦術選択は自由であるため問題ではないとする声もあるが、「妥当なバランスにするために制限プレイをしなければならない」という状態になってしまっている点は擁護できない。 SFC版で問題となっていたテリーの弱さについて対策を入れたものの、メーカー側の致命的な誤解により未解決のままである。 かつて「ドランゴ引換券」などと呼ばれていた弱キャラのテリーは、加入時のレベルがSFC時代の23から28に上がり、かつ武闘家がマスター済みになったので、初期ステータスだけ見れば多少強くなり、便利かつ強力な武闘家の特技が使える為、そのまま即戦力として投入できなくもないレベルになっている。 だが、ステータステーブル自体はSFC版と同一のため、高レベルになるとやはり他のキャラに比べてテリーの能力不足が目立つ。元々、テリーの最大の欠点は最終ステータスの低さであり、単に加入時の初期値が上がっただけでは何の解決にもなっていない。 さらに、初期レベルが底上げされたことで余計に他キャラとのステータス差が目立ってしまうことに。 テリーについて堀井氏は「はい、強くなります。期待してください」と語っていたが、上記の有様であるため「何故弱キャラ扱いされているのかを分かってない」と批判の対象になっている。 また、テリー以外のキャラの基礎ステータス・成長率はほとんど変更されていない。原作でテリーはおろか仲間キャラでもトップレベルの性能を持つドランゴの強さもそのまま据え置き。それどころか後述する耐性変更のせいで、底上げされたはずのテリー以上にドランゴが強くなっている。このため、むしろ格差がさらに広がった。 「AI任せにしておくと、剣士であるはずのテリーが仲間になった直後から武闘家の技ばかり使う」というのも新たに生まれてしまったネタ要素。性能的にはSFC時代より強力にはなっているのだが、それまでのストーリー上で培ったテリーのイメージからはややかけ離れてしまっている。戦士やバトルマスターの立場とは一体……。 相対的に見るとさらに不遇になってしまってはいるが、仲間モンスターシステムが消去されたことで馬車の枠が空いたために入れやすくなり、皮肉にも使用率自体は上がった。 ただアモス、ピエール、ホイミンを仲間にした時点で馬車が一杯になってしまうため、このままテリーが仲間になるといきなりルイーダの酒場直行になってしまうというやはり不遇な扱いに…。 キャラクターの持つ攻撃への耐性の仕様変化。 人間キャラの耐性はほとんどが削除され、仲間スライムやドランゴなどモンスターキャラの耐性は敵として登場した時と同様になっている。 特にドランゴは敵バトルレックスに合わせて耐性が大幅にパワーアップ(*5)。元からバランスブレイカー級に強かったのに更に強化されるという事態になってしまった。加えてライバルとなる仲間モンスターの減少により、本作ではドランゴが味方の中でほぼ最強に近い立場となっている。結果、通常プレイにおいてもドランゴをパーティに加えるだけでSFC版以上に圧倒的に冒険が楽になる。 SFC版と比較した時の欠点として「デイン系の弱耐性が削除され無耐性に」「ドラゴンぎりで1.5倍ダメージ」ともなってしまったが、ドランゴは元々守備やHPが非常に高いので大した問題にならない。これらの呪文や特技を使う相手はあまり多くないのも大きい。警戒が必要なのは、バイキルトを唱えた裏ボスのドラゴンぎりくらいである。もっとも今回は裏ボスのグランドクロスをも完全無効化できるようになったので差し引きゼロと言ったところではある。 仲間スライムたちもピエール(スライムナイト)やホイミン(ホイミスライム)、キングス(キングスライム)は強力な耐性を有している一方、原作から価値が低かったルーキー(スライム)やぶちすけ(ぶちスライム)は元が元なのでまともな耐性を得られていない。仲間スライムの装備品はピエール以外全員が共通しているので差を見出せず、序盤の即戦力になるわけでもないので格差が目立つ。 SFC版では人間キャラでも「バーバラは一部攻撃呪文に弱耐性」「テリーはやや回避率が高い」などの特性があったが、それらは「主人公とバーバラのバシルーラ無効(*6)」以外すべてが削除された。バランスに悪影響を与えるほどでもなかった上、キャラごとの個性が薄くなりがちな本作ではさりげない個性として機能していたため、わざわざ削除する必要性はなく、批判が多い。 特にミレーユは「絶対に混乱しない」というシリーズでも珍しい特徴を持っていたが、普通に混乱するようになってしまった。戦闘面はもちろん、ミレーユのキャラクター性すら壊したという批判が強く、SFC版経験者なら誰もが戸惑うはず。しかも、メダパニダンスで全体混乱を仕掛けてくるボスと作中で2回戦うことになるのだが、行動パターンに調整は入っていない。1体目は「普段は打撃を担当する主人公とハッサンが混乱に翻弄される中、ミレーユをどう立ち回らせるか」が戦略の鍵だったのに運ゲーとなり、転職可能後に戦える2体目もわざわざ踊り子に就いておどりふうじを覚えないとこれまた運ゲーになる。ミレーユの耐性を前提に作られたボスなのにこのとおりのため、手抜きがひどい。 テリーはパラメータの低さを優れた回避能力で補えていたが、低い能力値を据え置きのまま回避力まで剥奪されたことにより、正真正銘の「引換券」と化している。そして何故か彼のみモンスターのように、敵として対峙した時に持っていた耐性(デイン系無効)が引き継がれていない。そこまでして人間側の耐性を付けたくなかったのだろうか。 結果、もともと強いキャラはさらに強く、弱いキャラはさらに弱くという、バランス調整に於いて最悪の事態となってしまった。普通のリメイクゲームでは考えられない… レベルアップ時のステータス上昇がランダムになった。オリジナルではレベルアップ時の上昇値は固定されていた。 やり込み派のプレイヤーにとっては、吟味に膨大な時間がかかるので、レベルアップ時のステータス上昇のランダム化は評判が悪い。 しかも、SFC版の上昇値が標準値となってはいるが、平均以下に傾くことの方が多い。そのため、見た目の上昇値のバラつきの範囲以上に吟味は難しく、SFC版以上に成長させるだけでもかなりの吟味を必要とする。 「標準値±25%幅でレベルアップの上昇値が変化。小数点切捨て」はランダム式の他のドラクエ作品と同じ。しかし、DS版『IV』『V』では「標準値+25%幅」というシステムであったのだが、本作には採用されなかった。 SFC版では呪文と特技のコマンドが別々だったが、今回はシステムがDS版『IV』『V』と同様になった影響で呪文と特技が1つのコマンドに集約されたため、元々特技の種類がかなり多かった本作においては、特技を選ぶのが非常に面倒になってしまった。 『VII』はオリジナル・リメイク共に呪文や特技を選ぶと「ダメージ」「回復」「その他」と分類が表示され、さらにそこから選ぶという膨大な数に合わせた処置がされており、これを採用してほしかったという声も多い。 使いづらい特技が増えた。 マダンテが大幅に弱体化(ダメージがSFC版の「現在MP×3」から「現在MP×2」に変更)。(*7) 本作はSFC版の難易度が高かったという意見から雑魚のHPがSFC版の8割に減少しているのだが、歯ごたえは残すためにボスのHPだけは据え置きという処置が取られている。にもかかわらず終盤のボス戦における切り札の1つのマダンテが弱体化することは難易度アップに繋がる。難易度上げたいのか下げたいのかさっぱりわからない。 唯一無二の特徴ですらあったマダンテの弱体化と前述の耐性消去を受け、「パーティーから外せない」という重荷を背負っていたバーバラは更に使いにくくなってしまった。 「レミラーマ」はアイテムのある場所を光らせる呪文だが、本作では足元に落ちているアイテムは最初から光っているため、存在意義がほとんどなくなってしまった。 元からタルやツボ、タンスはしらみつぶしに調べればよかったため、足元のアイテム以外に使う必要がほとんどなかった。 特技「しのびあし」はSFC版では「エンカウント率が大幅に下がる」と非常に役に立つものだったが、本作ではエンカウント率減少効果がかなり薄くなり、さらに「不意打ちされる確率が上昇する」というデメリットが追加され、有用だったSFC版とは真逆に使うと逆に不利になることが多い地雷特技となった。 そもそも「不意打ちされる確率が上昇する」というデメリットはSFC版には存在しなかった上に、本作のゲーム中で一切説明されておらず、公式ガイドブックでのみ解説されているという非常にいやらしい仕様である。 さらに嫌らしいことに、「しのびあし」の効果中は敵を呼び寄せる特技「くちぶえ」を使った際にもこの不意打ち上昇は適用される上、リストではこの2つがすぐ近くに並んでいるため、くちぶえを使いたい時に操作ミスでうっかり使ってしまうことにもなりやすい。そのため、くちぶえ要員にするキャラクターは盗賊への転職を避けるという戦略もある。 一方で「しのびあし」の大幅弱体化により、SFC版では影に隠れていたエンカウント回避の呪文「トヘロス」や、「レンジャー」の職業特性である「逃走率上昇」の利用価値が相対的に上がっている。 SFC時代と違いカーソル位置の記憶が消失した。これによりレベル上げや種集めのストレスが増した。 DSリメイクシリーズ共通の仕様だが、この時代のRPGでカーソル記憶が未実装な作品など皆無に等しく、明らかに開発元の実力不足である。 DSリメイク共通の難点だが、マップを3D化した副作用として世界が狭くなっている。本作では特に「○○の方角へたくさん歩く」とか「遠い」といった表現がよく見られるので、実際の体感距離とヒントが乖離してしまっている。逆に言えばテンポの改善につながっていたりもするのだが。 エンカウント関係の調整も一部ミスとしか思えない箇所がある。 現実世界のレイドックの井戸は序盤に訪れた時はエンカウントが発生せず、物語後半に違う手段で別の入り口から乗り込んではじめてエンカウントが発生する仕様になっていたが、本作では最初からエンカウントが発生するようになってしまった。 何が問題なのかと言うと、出現する敵がかなり後半の適正レベルでも苦戦するモンスターばかりであり、初回で訪れる序盤で出逢おうものなら為す術もなく全滅しかねないのである。この井戸が序盤の地雷ポイントと化したのは言うまでもない。そして強力な敵が出現するということはまた後で訪れるだろうと予測がついてしまい、初見での感動が薄れる。 追加おまけ要素でやらなくていい一度きり要素。 後述のデスコッドの村のイベントで選択肢が一度選ぶと変更不可なので、せっかくの「他作品とのクロスオーバー」という豪華なおまけが片方しか見られないor両方とも見られない場合がある。 SFC版にもエンデの防具で「鎧・兜・盾のうちどれか一つだけ手に入る」というような変更不可選択はあったが、あちらは特に選んだアイテムでイベントが変わると言う事もない。一方でこちらはイベントが大きく変わり、それでいて特にゲームバランスに影響するような事もない。 隠しエンディングの演出の劣化 隠しボスに倒されたラスボスのセリフの第一声が何故か通常EDのものと同じになってしまっている。そのイベント独自のセリフがなくなり演出が薄れた。 SFC版では隠しボスに倒された際は「何故だ、いったいどういうわけなんだ…」と通常EDとは違うセリフであり、訳の分からないまま滅ぼされる様を表現していた。 ムドーの城で、ムドー戦で一度全滅しても入り口の扉が開錠されなくなり、二度目の突入以降もムドーを倒すか全滅するまで脱出できなくなった。 SFC版経験者ほど陥りがちな罠であり、一度全滅して入り口の扉を開錠してから城を探索しようとすると、探索後に脱出不可能であることに気付き、泣く泣く二度目の全滅をせざるを得なくなるという状況になりがちである。 後述の通り「オルゴーのよろい」に関するバグは修正された一方、「スフィーダのたて」が強化できない点は修正されていない(*8)。おしゃれな鍛冶屋で鍛えたアイテムはキラキラとしたグラフィックに変化するため、伝説の武具を集めた主人公のアイテム欄において、盾だけ未強化なのはイヤでも目立つしスッキリしない。このバグはスマホ版でも修正されなかった。 賛否両論点 グラフィックの一部にDS版『IV』『V』のものを流用しているため、手抜きと評価する人もいる。 特にカジノのゲームがDS版『V』の様式に変更されたことはよく引き合いに出される。SFC版『VI』のスロットはリーチ演出などがあったため、劣化していると見なされやすい。 もっとも『V』のスロットは賭金次第で当たりの判定ラインが増加する上、役も細かく設定され配当も多かったが、SFC版『VI』は当たりの判定ラインが横一列のみで大当たりも出にくい仕様であり、おまけにリーチアクションも逆に当たりにくくなる場合が多々あったため、仕様の変更を歓迎するプレイヤーも多い。 「メダル王の城」のマップはDS版『V』のものを使いまわしている(SFC版ではもちろん違うマップ)。 雑魚モンスターのHPがSFC版から2割ほど減少、メタル系以外の雑魚モンスターからの入手Expとゴールドが2割増になり、全体的に見れば難易度が低下した。 原作では得られるゴールドが物価の割に少なかったため、単純に遊びやすくなったとも言える。 HPの低下で海底宝物庫のキラーマジンガも倒しやすくなったと言われることもあるが、元々耐久力よりも圧倒的な攻撃力が恐ろしいモンスターなので体感的な強さはほとんど変わっていない。それどころか、マダンテ弱体化で相対的に強化されたとも(*9)。 また、原作ではザコ敵のかなり高いHPを特技の強さで中和していたが、これによってさらに難易度が低下したとも言える。 一方で、熟練度限界レベルに達しやすくなり、レベルアップでの成長が控え目になっていたり、敵の出現数が増えていたり、一部の敵の行動パターンには大幅な変更が入っていたりと難易度が高くなったと言える要素もある。 特にラスボスはゲームの難易度低下に反して明らかに強化されている。元々シリーズでもトップクラスに入る苦戦度のラスボスであっただけに、強化する必要性があったとは考えにくい。 おぼえる・思い出す系特技の廃止。 SFC版では町の人の台詞を心に刻み込んで任意に思い出すことができ、マップの解き方などの攻略情報を覚えて活用することができたり、「にゃーん」など意味のない台詞を覚えて遊ぶこともできた。 しかし、本作ではこれらの仕様が廃止された。イベントや複雑なマップで活用していた場面では、前述の仲間会話の一部で聞けるヒントとして置き換えられている。 この系統の特技は『VI』から導入されたものであり、そのため大きな特徴でもあった。先述の通り、単純な攻略面以外でもお遊びやコレクションとしても楽しめた要素だったので、削除されたことに対する批判もある。 ただし、これはまだ会話システムが導入されていない時だったからこそ役立てるものだったので、覚えておくべきことを仲間が教えてくれる会話システムが導入されたからには不要と判断されても仕方のないところではある。 SFC版でこのシステムが攻略上最も活躍していたであろう「フロアごとの仕掛けの解き方のヒントが世界各地に散らばっており、ダンジョンの外部で情報を収集してから攻略する」という性質のダンジョンでは、一度でも情報を聞いたことがあれば洞窟内で仲間と会話することでその時のヒントを話してくれる といった形の配慮がなされている。 本作での追加要素の見返りが薄い。 すれちがい通信を活用する「すれちがい夢告白」は、姿・職業・性格・舞台等を設定して自分の「夢」を登録し交換し合うというもの。 すれちがい機能を既存の施設に加えたDS版『IV』『V』と異なり、一からすれちがい要素が加えられているのでそのためだけの施設が作られている。 ただし、夢告白の方はお世辞にも楽しいとは言えないもので、1人すれちがう毎に毎回設定し直す必要があるという面倒臭さ。何より、「夢というプライベートなものを赤の他人に交換し合う」という気恥ずかしさもあってか評判は良くなかった。また前述の通り、同時期の『IX』のすれちがい通信に押されてパイを喰われる形になってしまったのも痛い。 すれちがい人数が条件の仲間スライムは居るが、ゲームクリア後は無条件解放される。先述の通り、すれちがい機能を利用しての最速加入であっても加入はかなり遅めな上に、本作で新規追加された仲間のベホマン・マリリンの2体は性能面でも苦労に見合っているとは言いがたい。 流石に最難関のはぐりんは尖ったステータス&隠し職業「はぐれメタル」に最初から就いているという性質上、早期に加入させられれば非常に強力なキャラではある。 世界各地の本棚から夢告白の舞台を集めるという要素はあるが、全部集めてもそれ自体にメリットは無い。DS版『IV』『V』のすれちがい通信はリメイク版追加コンテンツ内での更におまけという位置付けだったのに対し、本作のすれちがい夢告白は一人で楽しめる要素が一切無い追加コンテンツとなってしまっている。 追加ミニゲームの「スライムカーリング」は、スライムをカーリングのストーンに見立て、スライムの目の前のコースをこすって滑らせながらゴールに導いていくゲームである。 プレーするのに必要な条件は特になく、ミニゲーム自体は作り込まれておりクリアする毎に新コースが現れる等の要素はあるものの、こちらもDS版『V』のミニゲーム「スライムタッチ」とは異なり、クリアしても特に商品が貰える等のメリットは一切無い。 その割に難易度はやたらと高めであり、画面を何度もこする必要がある関係上、やり込むなら保護シート必須。 これらの追加要素は「見返りの無さ」に関する問題や、前述の仲間モンスターの削除にショックを受けたユーザーが多かったのもあり、批判的に見られやすく風当りが強かった。 シナリオの追加要素がない。 SFC版では、未回収の伏線らしき描写が他作品以上に散見されていたり、救済してほしいという要望が多くのプレイヤーから寄せられたキャラが存在した。これらに対する追加要素を期待されたものの、そういったものは一切存在しない。 「ムドーの城突入時にバーバラが一時離脱する理由」「序盤こそイベントシーンで目立つが、その後空気になるルビス(*10)」「主人公たちと出会う前のミレーユが実体を取り戻した過程」「ルビスの作ったオカリナとミレーユ、そしてドラゴンの関係性」「空飛ぶベッドに関わる旅芸人パノンがひょっこり海底のほこらにいる理由(*11)」など。 後述の仲間会話システムによって多少のフォロー(*12)はあるが、伏線補完の手助けになるほどのものではなかった。 SFC版で引っ掛けとなったアモス加入関連のイベントについても、イベントに失敗すると取り返しが付かない点はそのまま変更無し。 ただし、SFC版で街の人達と会話する前に直接アモスと話してしまって取り返しの付かないことになってしまったプレイヤーもそこそこ居たためか、本作では街の人々だけでなく仲間との会話でも口止めされるようになった。 ヘルクラウド城の3連戦での敗北時に伝説の装備を全て奪われるイベントが削除。 このイベント自体が「勝てなかった相手との再戦の難易度が更に上がってしまう」というDQらしからぬ異質なイベントであり賛否両論ではあったが、インパクトのある内容かつ ボスであるデュランのキャラクター性の掘り下げにも繋がっていたため、演出面に関しては少なからず劣化している。 主人公がいないと会話システムが使えない。 適度に強い主人公を二軍送りにするプレイヤーはそれほどいないと思うが、戦闘中少しでも行動を入力する手間を省く為にAIが使える仲間オンリーのパーティにしたり、主人公が弱い職に就いていて馬車に待機してもらう必要がある場合は注意。 評価点 仮想タッチパッドに触れずとも移動が出来るようになった。 画面上に仮想タッチパッドは表示されるが、画面のどこに触れてもキャラクターが移動するようになり、操作性が上がった。 しかし、同じシステムの『Ⅳ』『Ⅴ』には2024年4月現在においてもこの操作は導入されていない。 仲間会話システムが導入されたことで、仲間キャラの個性が増した。 SFC版ではパーティー編成の仕様の関係上中盤以降イベントに各キャラが絡むことがほとんど無くなり、冒険が味気なくなりがちだったが、今作では各種会話やアイテム入手などに逐一反応してくれるため、そういった点が大幅に解消された。整合性の取れないセリフも一部あるものの、この追加要素はおおむね好評。 本作の仲間会話テキストの物量はリメイク版『IV』『V』に輪をかけて膨大であり、街のモブキャラのセリフを含めたほぼ全ての会話に対して一人ひとり反応が用意されているという驚くべき力の入りよう。この会話の回収のためにメンバーを替えて周回プレイをする価値も大いにある圧巻の作り込みである。 SFC版では地味な扱いだったアモスも「誠実だが冗談ばかり言っていてすぐ調子にのる面白いおっさん」というやたら濃い個性がついた。特にアークボルト城では青い剣士ことテリーに対抗して兵士長のブラストに一騎討ちを挑みたがり、実際に一騎討ち状態にして勝利すると会話システムで固有のセリフが聞けるなど、細かい専用テキストも用意されている。 また、SFC版ではグラフィックが汎用戦士の流用という難点があったが、本作では汎用戦士側のグラフィックが変わったことで、結果的にSFC版のグラフィックがアモス固有のものとなり、この点でも個性が増している。 ハッサンは「頼れるアニキ分」というキャラがいかんなく発揮されており、どこへ連れて行っても情緒豊かな反応で楽しませてくれる。 ミレーユは「真面目なお姉さん」というよりは「親しみやすいお姉さん」になっており、プレイヤーの受ける印象がやや柔らかくなっている。特に、旅先で出会う犬猫に対し「ワン(ネコ)ちゃん、こんにちは!」と挨拶を欠かさない 動物絶対挨拶するガール という一面が追加された。カワイイ。 バーバラは漫画版を意識してか主人公に対し気がある事を窺わせるセリフが増えた事で一部のファンから絶大な支持を獲得している。中にはイベントで一時離脱する時以外ずっと彼女をスタメンに入れている猛者もおり、マダンテのリスク軽減のためにMPを消費しない攻撃特技を習得でき、HPの低さも補えるパラディンやドラゴンを推奨とするなど運用法まで確立されている。 テリーも基本的にはクールな態度だが、スライム格闘場などのモンスターが絡む場所に連れていくとモンスターの目利きが優れていたり試合を熱心に見るという、『テリーのワンダーランド』を意識した会話がある。 そのドランゴは、強面の見た目に反して可愛らしい言動や、テリーに対してのおしとやかな接し方から屈指の萌えキャラ化。発売早々に2chではスレが立ち、会話要員としてテリー共々メンバー入りさせる人が続出した。 ただし人間キャラ並みにセリフの多いドランゴと比べ、スライム系モンスターの会話は町とフィールド ダンジョンで各4種類程度ずつの汎用セリフのみとやや少な目になっている。それでもPS2 DS版『V』の仲間モンスターよりはパターンは多いが。 一応仲間スライムの中でルーキーだけは個別セリフがあるのだが、その全てが「プリッ」「プルプルッ」などの謎言語となっているためあまり意味はない。 各種イベント時の演出が強化され、迫力が増した。 この演出強化により、「テリーとドランゴの戦闘シーン」ではテリーがライデイン(もしくは、いなずまぎり)やイオラといった特技・呪文を使う演出がある。 イオラは漫画版におけるテリーの主要呪文であるため、そちらを意識した演出と思われる。が、本作のテリーは加入時に上記の特技・呪文を習得していないのでネタにされることも。 またテリーが華麗に敵の攻撃を避けているなど、SFC版における回避能力を意識したものもある。ただし本作のテリーは当の回避能力が削除されているため、この点もネタにされがちである。やっぱり八百長では…? グラフィックの強化 同一のマップチップを使っていたSFC版と比較してグラフィックが強化され、独自の外観を持つ建造物が増えた。オリエンタルな雰囲気を持つゲント族の村や、質実剛健な造りのアークボルト、いかにもおとぎ話に出てきそうなフォーン城など、オリジナルと比べ目覚ましい進化を遂げている。 戦闘のテンポがよくなった。 SFC版で初搭載された「モンスターのアニメーション」は、戦闘のテンポが悪くなったと感じる人もいたようだが、本作ではDS版『IV』『V』と同じく「演出が完全に終わる前からメッセージが表示&次の行動が始まる」仕様となったことでテンポが改善されている。 呪文・特技のエフェクトも、派手さと迫力を保ちつつテンポを重視した短めの尺に抑えられている。SFC版では強力な性能を持ちながらも演出が冗長な点がネックだった「しんくうは」等も快適に使っていける。 隠しダンジョンの解禁条件が変更。 SFC版では「全職業の熟練度を☆5以上にする」という計画性と労力が必要なもので、場合によっては達成不可能となる状況も起こりえたが、今作では1度でもエンディングを迎えた後であれば無条件で行けるようになった。 代わりに、全職業を☆5にした場合はエンカウント率が0になる装飾品「ゴスペルリング」が貰えるようになった。 隠しEDの仕様が改善された。 隠しED後にセーブできるようになった。SFC版ではセーブできなかったので、規定ターン以内に倒して隠しEDになってしまうと隠しボスのドロップアイテムを手に入れても無意味に終わってしまったが、その心配はなくなった。 ただし、長いEDを最後まで見届ける必要があるのでドロップアイテム狙いならば結局ターン数を調整して倒した方が早い。 モンスターのグラフィック変更。 隠しボス「ダークドレアム」のグラフィックが専用のものに。SFC版では単なるデュランやサタンジェネラルの色違いだった。 敵としてのテリーやモシャスで敵が変身した姿はSFC版だとドット絵を拡大したものであったが、今作では味方キャラの敵グラフィックが用意され、アニメーションもするようになっている。 デスタムーアの最終形態の変身方法も変更、漫画版を彷彿させる登場の仕方で漫画版ファンを湧かせた。 AIが道具を使ってくれるようになった。 SFC版では作戦「めいれいさせろ」で指示しない限りAIは一切道具を使ってくれなかったが、今作では無くならないアイテムは積極的に使ってくれる。「ゲントのつえ」「ほのおのつめ」などでその恩恵を味わえるだろう。 代替システムとしては微妙であるが、スライムスカウトにも長所はある。 SFC版では仲間にできなかったスライムが仲間にできるようになっており、スライムに限れば種類も増えている。特にマリンスライムは前述のようにシリーズで初めて仲間にできるようになった。 SFC版では仲間にするのが非常に難しかった「はぐれメタル」を確実に仲間にできるというのも有り難い。先述のすれちがい通信枠ではあるが。 漫画版ではレギュラーキャラとして活躍しながら、SFC版では仲間にならなかった「ぶちスライム」を仲間にできるのは漫画版ファンには嬉しい要素である。名前を漫画版と同じ「キズブチ」に変えたと言うプレイヤーもいたようだ。 また、仲間になる場所と条件を把握しておけば特定のタイミングで必ず仲間にできる事から、「魔物使いを連れていても強いスライムがいっこうに仲間にならず、スライム闘技場がクリアできない」という不満もある程度解消されている。 スライム達のグラフィック自体は『IV』のホイミンや『V』の仲間スライムの使いまわしではあるが、本作では全スライムに斜め移動時のグラフィックが用意された。 上下の世界の行き来が楽になった。 とあるイベントをこなす事で、ルーラの行き先に「べっせかいへ」という項目が追加され、選択すると各々の世界のダーマの神殿に行けるようになった。原作では井戸や階段、大穴等を経ないと別の世界に行けない為、一気に手間が省ける。 裏ダンジョンの中継地点「デスコッド」でのイベントが強化された。 SFC版では、ある会話後はデスコッドの住人達の大半がモンスターに変わる中、同じ天空シリーズの『IV』と『V』のキャラクターそのものと思われる言動をするモブ外見のキャラが登場していた。本作では選択肢が増え、選択次第で村の住人がモンスター・『IV』キャラ・『V』キャラの3通りに変わるようになり、『IV』と『V』の場合はキャラのグラフィックそのものもちゃんと本人達の専用のものを与えられ、登場キャラ数も大幅に増えた。その選択肢の文章から、本作と其々の作品の世界観が繋がっている事も明示された。モンスターの場合は原作と異なり村の住人全員がモンスターとなり他作品のゲストは一切登場しなくなるが、こちらは原作で仲間になったモンスター達が登場している。 なお、この選択肢は一度決定すると選び直せないため、前述のように少々問題点となっている。 ちなみにデスコッドに入るだけで、HP・MPが全回復するようになった。これによりMP回復の効率が格段に良くなり、デスコッド一つ手前のフロアでの稼ぎがやりやすくなった。 エンディングにアモスやドランゴ、仲間にしたスライムが登場するようになった。特にホイミンは『IV』との繋がりを示唆するような台詞が用意されている(*13)。 随所で次に行くべき場所などを示唆する台詞が追加される、グランマーズの家で次の目的地のヒントが聞けるようになったなど、シナリオをスムーズに進めやすくなった。 いくつかのアイテムや装備品が使いやすくなった。 戦闘中に使うと、最初のターンに戻せるアイテム「ときのすな」が何度でも使えるようになった為、利用価値が大幅に高くなった。 「デーモンスピア」「どくばり」の即死判定が無属性になった為、メタル狩りなどにも使えるようになった。 「ラーのかがみ」に従来どおりモシャスの呪文を解く効果が追加され、序盤から出現するモシャス使いの敵に対処しやすくなった。 おしゃれな鍛冶屋で鍛えた「オルゴーのよろい」のバグが修正され、トップクラスの守備力と優れた耐性を両立する強力な防具となった。 デュランとの戦いの際に「弱っているお前たちと戦っても面白くないのでな」との台詞と共に主人公達を全快させる描写・メッセージが追加された。 SFC版でも全快はしていたが、死者がいた場合に生き返ったメッセージが出るのみだったので死者がいないと全く描写や説明が無い状態だった。 その他 夢見の洞窟でミレーユが戦闘に参加してくれるようになった。ただし、正式に仲間になるまでは装備の変更不可で経験値も入らない。 「すてみ」に先制効果が付与された。 このおかげで中盤までハッサン無双とも言われた。ハッサンはすてみをレベルアップで覚える(大体夢の世界ムドー戦程度で覚える)ため、雑魚をすてみによる先制でバッタバッタとなぎ倒してくれる。ちなみにボス戦や終盤ではダメージ2倍のマイナス効果のためあまり使われない。 SFC版では「ビッグバン」は何故かブレス属性扱いだったが、本作では修正されフバーハで軽減されたり「おいかぜ」で跳ね返されることが無くなった。 モンスターの一枚絵が待機状態でもアニメで動くようになった。 SFC版で待機状態のグラフィックが躍動的だったモンスターは、違和感を無くすためにグラフィックが変更されている。 スライム闘技場でクリア済みのランクに再挑戦する際のHPとMPが半減するハンデが、最大値ごと半減するようになった。 SFC版では単に残量が半減するだけだったので、すぐに回復呪文でHP全快になれるためほぼ意味が無かった。 同時に、奇数の場合は切り捨てではなく切り上げに変更された上、さらに無気力状態では参加できなくなったため、ゾンビスライムバグも修正されている。 「はぐりん」(仲間になったはぐれメタル)が最初からはぐれメタル職についている。 耐性や覚える特技ははぐりん自身とかなり被っている上に加入直後は職補正のせいで最大HPが1になってしまっているが、はぐれメタル職マスター特典としてHP+100がある。 総評 あくまでも単体のゲームとしては完成されており、充分楽しめる出来にはなっている。 元からの難易度の低下やSFCよりも高いスペックを誇るDSならではの演出の強化等で、新規ユーザーにはそれなりの評価を得ている。 一部の仕様の改善や追加要素といったリメイクならではの評価点も確かに存在している。 しかし、上述通り、SFC版の問題に対する勘違い施策や仲間モンスターシステム削除・仲間の重要な耐性まで削除した点をはじめとするSFC版からの劣化、呪文と特技のバランス調整や分かり切っていた筈の不具合は放置、ちぐはぐかつ蛇足な追加や改変が評価点を覆ってしまい、リメイク作品としての完成度は今ひとつと言わざるを得ない。 現在でも「DQ6のリメイク早く出ねぇかなぁ」という声が散見され、特に大元のDQ6が好きな人にとっては、本作はなかったこと扱いされている事も多い。 ただ、追加要素のキャラ会話、強化された演出、携帯機で遊べるといった点、何よりもオリジナルの問題点であったプレイのテンポが改善された点は大きく、前作と違い仲間モンスターシステムも使わずとも支障はない程度のものであったためSFC版より手軽に遊べるようになった本作の方を選ぶのも利点はあると言える。 余談 とある町と人物の名前が変更された。 2番目の町「シエーナ」が「マルシェ(*14)」に変更。マップ自体も微妙に変わっている。 発売当時にユーザーの間で、イタリアにある同名の町「シエーナ(Siena)」が世界遺産に指定された(*15)のが原因ではないかという予想もされていた。 しかし、実際には重要キャラである「シェーラ」と紛らわしいために堀井雄二氏の提案で変更したとのこと。 サンマリーノという町の登場人物「サンディ(*16)」が「メラニィ」に変更。 本作より先に発売された『IX』に登場するメインキャラの妖精サンディと同名だったため変更された。当然ながらサンディが登場したのは『VI』のほうが先だが、『ファミ通』のインタビューによると『IX』開発当時のスタッフは『VI』の同名キャラの存在を誰一人覚えておらず、リメイクする段階になって初めて名前の重複に気付いたとの事……割と杜撰な事態といわざるを得ない。 過去作でもラゴスやピピンなどシリーズ内の別作品とキャラの名前がかぶっているキャラはいたために理不尽だが、もし「サンディ」のままであれば同時期に連続して同名の別人が登場することになり、かつ2人ともストーリーに大なり小なり絡んでくるのはまぎらわしいために変更されたのだろう。 堀井雄二氏はVジャンプWEBに掲載されたインタビューで以下のようにコメントしている(現在は消滅)。 SFC版では『V』で好評だったモンスター仲間システムを当時は次の作品の『VI』でも残したんですけど、今思えば、何か中途半端なものになってしまった印象があったんです。だからDS版でそこをキチンと作り直すか、いっそ取ってしまうかという選択がありました。でも、DS版では仲間がしゃべってくれるし、パーティメンバーとの会話をじっくり楽しんでほしい。あと開発期間や容量の問題もあるので、皆で打ち合わせの結果、カットする方向にさせてもらいました。 ちなみに、解析したユーザーによると実際の製品版のROM容量は余裕で余っているらしい。本作は128MByteのROMを採用しており余った容量は19MByteと、SFC版で使用されたROMの容量(32MBit=4MByte)よりも大きい。しかもこれは各モンスターの歩行グラフィック(ゲーム中で普通に見ることが出来る)を入れた上での空き容量である。そもそも容量が足りないのなら『IX』に使用した256MByteのROMを使うという選択もある訳であり、上記の堀井氏との発言の差異が問題視されている。 ただ、機種のBIT数の差(SFCは16Bit、NDSは32Bit)によりグラフィックが美麗化するなど、容量が増える要素もあるため、モンスター用アイテムや追加要素やシステム変更などを入れると苦しくなる可能性はある。大容量ROMを使えば価格が上昇するという事情もあり、決して容量問題がなかったというわけではない。 同様のシステムをもつ『V』はリメイク時では削除されなかったどころかPS2・DS共に仲間モンスターのバリエーションが増えている事もあり、何故『VI』でだけ? と余計に批判が寄せられた。 スクエニびいきと言われるファミ通のクロスレビューですら「仲間モンスターは残して欲しかった」と批判している。 上にもあるように、堀井氏の発言には矛盾が生じているもの(容量がキツかった)や、ユーザーサイドの感覚からズレたコメント(モンスターを使って冒険したいなら今度発売される『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2』を遊んでください)もある。 既存のシステムを否定している・仲間モンスターシステム削除に対する開き直りとも捉えられかねない発言であり、『ジョーカー2』自体は良作なのだが、この発言が原因で「ジョーカー2のせいでモンスターシステムが微妙になった」と主張する人もいた。 この年のスクエニは伝説級のクソゲーなど複数のクソゲーをリリースし、それに対する企業態度も最悪という魔の一年であった。この作品は同社が2010年にリリースしたゲームの中ではまだマシな部類に入るのだが、上記のように非常に低い完成度と発売時期の悪い状況が重なったこともあってスタッフに対する風当たりが強くなった感は否めない。 スマートフォン版(参考記述) 2015年6月11日にはスマートフォン(iOS・Android)版が配信され、これは基本的に本項のDS版をベースにした内容になっている。 ただし、以下のような変更点がある。 すれちがいの館が無くなり「まぼろしの館」に変更。各地の本棚から夢のカケラを集めていくと施設が拡張されていくという形式になっており、通常プレイでもクリア前に一部のスライムが加入可能になった。 その代わりゲームクリアによる無条件解放は無く、クリア後でも夢のカケラが条件のスライムはきちんと集める必要がある。 キャラのステータスや耐性は基本的にDS版そのままだが、テリーのみ再び強化。 初期レベルがDS版の28からLv33になり、初期能力値も力が僅かに、そして素早さが大幅に上昇、また最終ステータスもチャモロを若干上回る程度の素早さになった。 職業も戦士・武闘家だけでなく新たに魔法使いと僧侶が最初から★8まで極めている状態で加入するようになり、それに伴い初期修得の呪文・特技が大量増加している。バトルマスター・パラディン・賢者・魔法戦士と4つの上級職に即転職できるので現在のパーティに不足している要素を補うことができるようになった。 以上の点により、テリーが遂に実運用に耐えうる性能になった(剣士としてではなく、サポートキャラとしてだが)。もちろん、即戦力としてなら申し分無い。(*17) 一方でテリー以外のキャラはDS版から変更無し(人間の耐性消滅やドランゴの強さ等も据え置き)、ついでにレイドックの井戸のエンカウントなど劣化した部分もそのまんまのため、その点で批判を受けることがある。せめて、そこもきちんとSFC仕様に直してくれていれば… ロブ尾行イベントの凶悪化。 イベント自体はDS版と変わっていないのだが、画面がDS版の横長からスマホ版の縦長へと変わったことが悲劇の元で、横向きにロブを追いかけていると画面外のロブに見つかってしまう。ロブに見つかる判定を縦横逆に直してくれていれば… ただ、SFC版と違いロブは画面から消えても動き続けるため、ロブが次のフロアに行くまで放置しフロア移動を確認してから追いかければいいということに気付くと楽になる。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3984.html
本項目では『ドラゴンクエストIV』のリメイク作品であるプレイステーション版と、その移植であるニンテンドーDS版の紹介をしています。 ドラゴンクエストIV 導かれし者たち 概要 変更・改善点 シナリオ・キャラクター 戦闘 グラフィック・音楽 その他 賛否両論点 第6章関連 仲間キャラ・戦闘関連 問題点 仲間キャラ・戦闘関連 その他の問題点 総評 その後 余談 ドラゴンクエストIV 導かれし者たち (DS) DS版の変更点・評価点 DS版の問題点 総評(DS) 余談(DS) ドラゴンクエストIV 導かれし者たち(スマートフォン版) 概要(スマートフォン版) 変更点・評価点(スマートフォン版) 問題点(スマートフォン版) 総評(スマートフォン版) 余談(スマートフォン版) ドラゴンクエストIV 導かれし者たち 【どらごんくえすとふぉー みちびかれしものたち】 ジャンル RPG 裏を見る 対応機種 プレイステーション 発売元 エニックス 開発元 ハートビート、アルテピアッツァ 発売日 2001年11月22日 価格 7,140円 廉価版 PS one Books2005年3月3日/3,675円アルティメットヒッツ2006年7月20日/2,625円 判定 良作 ドラゴンクエストシリーズ 概要 『DQIV』のリメイク作品。リメイクにあたり様々な点が変更・追加された。 PS版は当時の最新作『VII』のゲームエンジンを流用して作られたが、同作に存在したフリーズなどの不具合はほとんど発生しない。 また『VII』と違い、ムービーは一切使われていない。 変更・改善点 シナリオ・キャラクター ストーリーに変更が加えられている。 旅立ちの前の主人公の話である序章と、クリア後に真の黒幕と戦う第六章が追加された。および、それに伴う裏ダンジョンが追加された。 六章は本来の五章から分岐するifストーリー扱いのため、章タイトルは無く、セーブデータに「6章 Lv◯◯」と表示されるのみ。 PS版のみ、第四章までの主人公達の前日談が追加されており、タイトル画面で操作を放置することで見ることができる。 『VII』で初登場した仲間との会話機能が追加され、キャラ造形が掘り下げられた。 パーティキャラの多さを生かし、キャラ同士を絡ませた会話などが用意されている。 またホイミンなどのNPCキャラとも会話可能。1章のフレアなど、戦闘に参加しないNPCキャラとも会話できる。 トルネコの「みる」コマンドでのアイテムの説明がFC版の純粋なアイテム性能の説明にとどまらず、トルネコの感想を交えたユニークなものになった。 『VII』に登場した移民の町が登場。システムは『VII』とほぼ同様だが、キャラクターの交換はできない。 場所は二章で砂漠のバザーが開かれてた跡地で、町長はヒルタン老人から街づくりを教わることになったホフマンが務める。移民にはパノンなど一時的に仲間になったキャラや、ニセアリーナ一行に武術大会参加者などイベントで登場したキャラなどのその後がフォローされている。 移民キャラの職業も増え、王様や姫など移民など有り得ない職の人から、魔物やエルフ、天空人までいる。 セリフも個性的になり、「わしの壺を割って回る奴らは誰じゃ?」「ベンガルに見えるかもしれないけど着ぐるみで、呪われて外せないんだ」など、シュールながらも面白味に満ちたキャラが多い。 キャラ設定 『トルネコの大冒険』シリーズから逆輸入される形で、トルネコの息子に名前(ポポロ)が付いた。 それ以前にはゲーム以外の媒体でそれぞれ独自の名前がつけられており、『ゲームブック ドラゴンクエストIV』では「ニッフル」、『小説ドラゴンクエストIV』では「リトル」と呼ばれていた。 ピサロに公式デザインが設定された。 銀髪・長髪・黒服・美形などのデザインの原型となったのは91年発売の『小説ドラゴンクエストIV』のピサロである。 戦闘 システム関連 AIシステムに「命令させろ」が導入。第5章においての各キャラへの命令が可能になった。 このため戦闘の難易度が低下。AIの学習仕様が廃止され、一部の例外を除けばFC版より優秀になっている。 しかし、祝福の杖などのごく一部を除き、道具を使用しなくなったなど、劣化した点も少なくない。 FC版では高かったエンカウント率(それでも当時のゲームとしては低いぐらいだった)も大幅に低下した為、フィールド移動やダンジョン等の難易度は下がった。3D化の副作用でマップが極端に狭くなった影響もあり、次の町までモンスターと殆ど遭遇することなく通過できてしまう。 しかし、裏を返せばその分低いレベルでボスに到達してしまうとも言える。ボスの強さが上方修正されていることもあり、キングレオ戦やラスボス戦を筆頭に一部ボス戦の難易度が(「命令させろ」追加にもかかわらず)FC版に比べて格段に上がっている。 FC版では五章ラスボスに到達する頃にはレベルが40近くになり、勇者が最強攻撃呪文の「ギガデイン」と全員を完全回復させる「ベホマズン」を習得しているころ。しかしPS版での到達レベルは30強といったところで、ミネアがブレス攻撃のダメージを軽減する「フバーハ」を覚えているかどうかも微妙な状態。その為、そのまま戦うと戦闘難易度が俄然違ってくるので、結局はある程度のレベル上げが必要となる。 キャラクター面 ライアンの使い勝手の向上。 原作では加入タイミングとレベルの低さが釣り合っていなかったが、1章終了時にもらえるボーナス経験値量がアップしたことでレベルが高くなり(およそ12→15)、少なくとも前衛として主人公やアリーナに比べて見劣りすることはなくなった。 レベルアップも早くなり、まだまだ周囲に比べると低い加入時のレベルもすぐに追いつけるように。 アリーナ側のHPが引き下げられたことも手伝ってだが、「攻撃力は言わずもがな、よくよく見るとHPもアリーナの方が高い」という惨状からは抜け出した。 逆にFC版でのスタメン常連であり最強キャラとも言われたアリーナは少しだけ弱体化。 HPの成長率はやや下方修正され、FC版では同レベルの勇者より上だったのがPS版では勇者より下になり、守備面で打たれ弱くなった。 それ以外のステータスも全体的に下方修正されているが、それは他のキャラ(ミネア除く)も同様なのであまり目立たない。 到達レベルが全般的に下がったことにより、軽装備を素のステータスでごまかすこともできなくなり、レベルにつれて上昇する改心率も実質的に低下。キラーピアス装備で会心の一撃を連発するスタイルもやり辛くなっている。 ただし、今まで耐性面が貧弱だったという難点が、女性専用の強力な防具が追加されたことで解消されている(*1)。盾が装備できないのはFC版から変更されていない。 FC版では補助系魔法使いというキャラ性がAIと噛み合っていなかったブライも、「命令させろ」の登場によって、補助呪文を有効活用できるように。 使用率の低かったバイキルト・ピオリムが手動で使えるようになり、攻撃呪文で攻めていくマーニャに補助呪文で立ち回るブライと見事な色分けがなされた。 FC版ではトルネコと並ぶ馬車要員(ベンチウォーマー)とされたミネアが全般的に格段に強化された。 FC版では致命的なまでに上がらなかったHPも普通に上がるようになり、レベルアップ速度も向上した。 毒消しの呪文「キアリー」を覚えるように。毒の息を吐くグリーンドラゴンが出現する世界樹の上でもパーティメンバーがクリフト一択ではなくなった。 敵のブレス攻撃が激しくなったことにより、専売特許であるフバーハがより一層重要になった。 FC版でも効果的な呪文ではあったが、ベホマラーやザオリクでごり押しの効くクリフトの影に隠れがちだった。 彼女のみが使える、戦闘中に占いをして出たカードで様々なことを起こす「銀のタロット」の効果が変更され、効果の大半が有用なものに変更された。また、FC版の5章では役に立たない作戦の「いろいろやろうぜ」にしないと使ってくれなかったため、「めいれいさせろ」が追加された本作では単純に使用しやすくもなっている。 おまけ程度だが、移動中にも1日1回だけタロット占いをしてくれる。 使用呪文・特技の追加 勇者の呪文からモシャスが削除され、ホイミ(*2)と特技の「ギガソード」が追加された。 FC版とは違い今作では「めいれいさせろ」が加わったことによりモシャスの利用価値が下がったためと推測される。 ギガソードは単体に大ダメージを与える特技で、位置的には他作品の「ギガスラッシュ」や「アルテマソード」などと同じ。ただし、習得はレベル50なので本編ではお世話になりにくい。 ブライはレミラーマに加えてミネアしか使えなかったラリホーも使えるようになり、2章が攻略しやすくなった。 トルネコは商人や遊び人的ポジションということでか、「しのびあし」「タカのめ」「たからのにおい(*3)」「くちぶえ」といった特技を使用可能になった。 4コマ漫画でネタにされたが、扉を開けられない盗賊に近い。 その他の点 モンスターの追加。 FC版では特定ダンジョンを出たタイミングでしかエンカウントしなかった一部の海のモンスターが通常の海で出現するようになった。 第6章で行ける裏ダンジョンも追加され、そこには主に『VII』から輸入されたモンスターが出現する。 さらにそこには隠しボスの「エッグラ」「チキーラ」が存在。タマゴかニワトリかどちらが先かを言い争う妙な2人組だが、倒すと特別な報酬がもらえる。 細かな変更点 『V』以降、「ブーメラン系は全体攻撃、ムチ系武器は1グループ攻撃」が定番となったため、それらの武器の名称は性能がそのままに名前が差し替えられた。 例として、ブーメラン→クロスボウ(*4)、いばらのむち→せいなるナイフ、モーニングスター→ホーリーランスなど。 リメイク版『III』で武器の名称に合わせてグループ攻撃を導入したところ強すぎたという問題に対しての対策でもあると思われる。 FC版ではボス含めどんな敵だろうと眠らせていた「まどろみの剣」の追加効果が、ちゃんとラリホー耐性に依存するようになった。 ただし、PS版ではNPCのパノンが装備しているまどろみの剣だけは相変わらずあらゆる敵を眠らせることができる。 仲間になるNPCキャラの能力が一部変更されている。 FC版ではホイミンは戦闘中にしかホイミを使用できなかったが、移動中にも使用可能になった(*5)。また消費MPも3から2に減少しているため、FC版ではホイミ10回分だったのが15回分使えるようになっている。 「ときのすな」の効果が『VII』と同じ「戦闘開始時にまで時間が戻る、何度でも使える」というものに変更された。 FC版では「時間を1ターンだけ巻き戻す、一度使うと宿屋に泊まらないと再度使えない」仕様で、お世辞にも使い勝手がいいとはいえなかった。 『V』以降と同様、メタル系の敵に聖水を使っても1ダメージしか与えられなくなった。 FC版で出来た味方同士に攻撃するパーティアタックが削除された。 呪文の消費MPが少なくなった。 戦闘中の呪文等の効果が『VII』以降と同様に一定のターンで切れるようになった。 グラフィック・音楽 『VII』のようにマップが3D化された。 町・城・ダンジョン・塔などは平行投影で表され、L・Rボタンで360°回転することができる。これにより、死角に階段を隠すといった仕掛けも追加されている。 一方サブキャラグラフィックは2Dのままなので、特定の角度でグラフィックを切り替えるやり方で対応している。 この変更でか、「世界樹の上」からはみ出して転落することがなくなった。グラフィックの強化の反面、移動できる範囲がわかりにくくなったことに対する配慮。 マネマネがモシャスで味方に変身した場合、FC版では歩行グラフィックを引き伸ばした状態だったが、リメイクにあたって専用のグラフィックが追加された。キャラの個性が現れたイラストに近いグラフィックであるため、好評を博している。 キャラクター設定画の刷新。 ディテールが大きく変わったわけではないが、発売当時の鳥山明氏の絵柄に近いタッチで描き直された。 また、女勇者はコスチュームが変更された。FC版ではワンピースのレオタード調だった服が、チューブトップ風のトップスとブルマのようなパンツになり、男勇者と同じスライムピアスをつけている。 クリフトは、頼り無げであまり特徴の感じられない顔立ちだったFC版と比べ、精悍な表情の美男子になった。 音楽のアレンジ 重厚感があり、非常に聴き応えの良いアレンジとなっている。 ボス戦での専用曲、ピサロのテーマ曲など新規BGMも追加された。 その他 『VII』で初登場したモンスター図鑑が追加。 獲得経験値やゴールド、落とすアイテム、モンスター達のモーションが見られる。 目次が付いているため目当てのモンスターを探しやすく、また抜けている箇所も分かりやすい。『VII』では1ページずつしかめくれず、抜けがわかりにくい仕様だった。 全てのモンスターをコンプリートすれば、30万枚ものコインがもらえる。 「小さなメダル」の景品システムが、『VII』に準じた累計型に変更された。またメダル王の城にルーラで移動できるようになった。 戦歴の追加。戦闘数・勝利数・逃走数・一撃最大ダメージ・称号などが表示される。称号はプレイスタイルやクリア時の仲間ステータスなどを参照して手に入る。 たとえば、1章でホイミンを仲間にしないでライアンのレベルを6~10にすると「ロンリー戦士」になったり、4章で姉妹が毛皮のコートを装備すると「ゴージャス姉妹」になったり、装備なしでラスボスを倒すとやりこみを評価するような「ロイヤルマッチョ」になったり。「しもやけ2号」「すととんプリンセス」など味わいあるネーミングのものもある。 チートを使って短時間クリアすると「うらわざ改造王」や「改造コードの星」という不名誉な称号がもらえる…のだが、タイムアタックをやりこむとチートを使わなくてもこの称号が出せてしまう。 具体的には8時間以内に5章までクリアすると前者、3時間以内かつ勇者のレベルがLV31以上で後者の称号になる。本作の道筋を熟知していれば前者は不可能ではなく、この称号を正規で出現させることはタイムアタッカーの名誉とも言える。ただし、後者は理論上は不可能ではないものの、はぐれメタルを連続で倒し続ける等のよほどの強運が無いとまず無理なので正規プレイでの入手報告は無い模様。 また上記の他にも、チート対策の不名誉な称号として「うらわざキング」「改造コードアイテム王」(*6)なども存在する。 賛否両論点 第6章関連 + ネタバレ注意 第6章においてFC版のラスボス・デスピサロの前身であるピサロが仲間になるが、6章全体のストーリーとピサロのキャラクター性能の二点で批判がある。 6章のストーリーの大筋は「ピサロが狂気に走る原因となったロザリーを勇者たちが蘇生させ、人の姿を取り戻したピサロは自分たちを陥れた真の黒幕を倒す」というもの。しかしピサロはロザリーの死の以前から、ピサロ本人や手下が魔族として導かれし者たちの大切な人や故郷を滅ぼす悪行を行っている。(*7)特に主人公からすれば故郷や育ての親や幼馴染のシンシアをも手にかけた怨敵であり、悪い意味で直接旅のきっかけにもなった存在である。そんな相手『だけ』をとことんまで救済する内容であるために批判や反発が多く、今でも賛否が大きく分かれている。 この手の敵との共闘をする場合「発端が主人公(人間)側にあった」「部下が勝手に悪事を働いていた」「共通の新たな敵が強すぎお互いに争う場合ではない」「すべてのしがらみが過去の物になるほど時が流れた」などという説明がなされる場合が多いのだが、ピサロはリメイク版でも全部該当しない。 一応、黒幕は「ピサロを自滅させるために人間を唆してロザリーを襲わせる」といった悪事を働いてはいるが、あくまでピサロが人間殲滅に本格的に乗り出すきっかけを作ったにすぎず、元々ピサロは人間と敵対関係であったためフォローとしては弱い。またロザリーの復讐とエスタークを復活させて人間界の殲滅をはかった事も特に関係はない。 仲間との会話モードでも本人から謝罪の弁を聞けるわけではなく、寧ろ「過去の事を反省したりしない」と断言する会話まである。こういった部分も、批判を助長する一因となっていると考えられる。 そんな第6章のラスボスとはピサロを連れていないと戦えない。しかも馬車を連れて行くことはできないため、大体の場合はベホマズンを使える勇者+ブレス対策にミネアと固定されやすい。 ただしピサロを仲間にする条件にはまた別の裏ボスのエッグラとチキーラを倒すことが含まれており、ストーリー的にも実質ラスボスと戦うためだけのゲストではある。ピサロの同行が必須になるのはこの最終決戦だけで、寄り道できる要素もこの段階では攻略済みの隠しダンジョンを周回し直すくらいしか残っていない。 ピサロの加入によって、アリーナの故郷であるサントハイムの人々がなぜ消えてしまったかについて新たな謎が生じた。FC版ではEDで戻ってきていたが、第6章だとピサロが加入しようがサントハイムで彼と話そうが何も語らない。 ボリューム面で見ても、第6章自体が「裏ダンジョン攻略→ピサロ加入→ラスボス撃破」と言ってしまえば大変短い上に、ほかの追加要素は移民の町くらい。これら2つ以外のシナリオやイベント絡みの追加はほとんどない。 そのため、第6章を受け付けられない原作プレイヤーにとっては目新しくないうえに楽しみにくく、原作から不足気味だったストーリーのボリュームは膨らんでいない。 ただし、基本的にリメイクとはそういうものであり、こういったレアケースを除けばリメイクでシナリオ・イベントが大幅に追加・変更された作品はほぼ存在しないため、第6章と移民の街でも十分と捉えることもできる。 第6章の裏ラスボスは本来第5章ですでに一度勇者たちの手で倒されたはずの相手である。 つまり倒された状態から復活している訳だが、その理由や経緯の説明が一切無い。この第6章ラスボス自体はすでに悪党(頭に小がつく類とはいえ)と判明しているのだが、勇者とピサロが和解した後であっても、ピサロがいないと「お前たちの敵はデスピサロであり、私ではない」といった趣旨の発言で門前払いされる。パーティにはこいつの言葉に従う必要が全くないのだが、ピサロ抜きでは戦うことすらできない。 故郷を滅ぼしたピサロを助けている主人公側に対してかなり皮肉の効いた発言を飛ばしているが、実際この発言の通り第6章ラスボスとの因縁はほぼピサロ個人に集中しており、主人公側が特別大した因縁や恨みを持っている相手ではない。それゆえピサロ単独の一騎打ちならともかく勇者一行がわざわざ協力してラスボス打倒を目指す理由が薄い点はどうしても否めない。人によっては「魔族の身内争いの尻拭いに付き合わされている」とも捉えられかねない。 ピサロを連れていくと「勇者とピサロを共倒れさせる計画がつぶれた」という意味の台詞と共にやっと戦いになる。こういう場合「ピサロがいないと絶対黒幕に勝てない(だから挑めない)」みたいな設定があったりするのが王道だが、その辺の説明や描写もない。 また、この裏ラスボスは原作FC版では「ピサロ様」呼びで「強い忠誠心からあえて罠に嵌める」と言う行動を取るのだが(*8)、リメイク版では本人不在の場所でピサロを呼び捨てで、「私利私欲のためピサロを嵌めて魔族の王から追い落とす」と言う小物な設定に改変されており、ドラマ性がなく盛り上がらないなど、上のピサロとの共闘問題以前にストーリーが雑過ぎると言う意見もある。 一応、これ以前にも久美沙織氏の小説版では似たような設定となっていた(*9)。ただしこの小説版では彼に「ジャコーシュ」という個人名が設定され、ちゃんと彼がピサロを陥れるまでの心情や数々の暗躍が細かく描写されており(元々天空人でエスタークに加担して追放されるなどの経緯があった)、「(ピサロだけではなく、勇者にとっても)本当の敵」としての存在感や説得力がしっかりとあったため、名悪役として申し分ない存在になっていた。 それに対し本リメイクではろくに裏ラスボスのバックグラウンドも描かれず、名前すらもまるで種族名のような適当なもののままで、まるでぽっと出の小物が魔王の座を奪い取ろうとするだけに見えてしまうため、先に出た小説版と比較しても盛り上がりに欠けている。 「進化の秘法」を究めたと豪語している割にその姿は表ラスボスの色違い、それもどこかで見た様なカラーリングである(*10)。強いのは確かなのだが…。 こうした変化に合わせて、5章ラスボス戦後に強制セーブがされるようになっているし、6章裏ラスボスは5章の時点から性格が原作から改変されているなど、本作の目玉的要素ゆえに当然だろうが、原作から評判が悪くなった6章が正史になっている感が否めない。 一応6章でもロザリーを蘇生させなければデスピサロと戦うことは出来て、倒せばそのまま5章のエンディングとなるのだが…。 ピサロのキャラクター性能については、一言で言えば優遇が過ぎる。 導かれし者は「万能型勇者(1人)」「前衛系(3人)」「僧侶系(2人)」「魔法系(2人)」に大別されているのだが、ピサロの性能はそれらの多くのいいとこどりをしたようなスペックになっており、多くのキャラクターの存在意義を喰ってしまっている。 ステータスは勇者型の如く全体的に高く、呪文も高位の攻撃や完全蘇生、全体回復…と多くの分野のものを覚え、呪われた武具のデメリットを無効化する特性(*11)を持ち、他の仲間が使えない『VI』『VII』にあるような特技(まじんぎり、しんくうはなど)までも数多く覚える。 さらに裏ボスを倒すたびに貰える報酬はピサロ専用の最強クラスの装備品シリーズで、やり込みプレイヤーにとっては延々とピサロが無双していた印象ばかり強くなる。6章ラスボス戦で勝てないプレイヤーのための救済処置だったのだろうが…。 これにより、多くの武具が装備できる事で優れた前線の要として活躍したライアンや、バイキルトやマヒャドが利点だったブライはその特徴を奪われ彼の下位変換という立場となってしまった。 耐性を持つ敵が少ない強力なデイン系呪文やベホマズンを覚える主人公、高い会心の一撃発生率を誇るアリーナ、強力なスクルトやザオリクを習得するクリフト、フバーハを習得しタロットを扱えるミネアは何とか個性を保っている。 なお6章の大部分は裏ダンジョンの攻略であり、ピサロ加入はその後。よってライアンやブライもそれまでは重要な戦力となる。 なおピサロ関連イベントの影響で、FC版や5章では最終メンバーだったNPCのドランが6章ではロザリー加入時に強制離脱となる。再加入も出来ない。 仲間キャラ・戦闘関連 マーニャは、レベル45に達するとタガが外れたかのように各パラメータが爆発的に伸び始めるという謎の強化を施された。 FC版でもその傾向はあったのだが、高レベルになるとHPがアリーナを大きく上回り、ライアンやトルネコに次ぐ高さになる。力もライアンやトルネコの次点になり、強力な呪文を振るいながら前衛でも戦えるスーパーキャラになってしまう。 いまいち意図が見えない上にやり過ぎだとの意見も多い。裏ダンジョンの追加により、高レベルで冒険する必要性も生じているので、尚更である。 問題点 仲間キャラ・戦闘関連 かしこさの値で呪文習得タイミングが遅くなる オリジナルから変わらず続いているこのシステムだが、リメイク版においてはボスが全体的に強化されており、レベルよりも補助呪文の存在が重要な立ち位置を占めているため、このランダム要素が足を引っ張りバランスが悪くなってしまっている。 呪文の習得が遅れる事はあっても早まる事はないため、結果的に「レベルは十分なのに呪文が無いから育成が必要」というちぐはぐな展開になり、そのせいでさらにレベルが上がって楽に勝てるなんてこともありうる。特にレベルの低い各章~全員合流後辺りは顕著。 新たに特技が追加されているものの、そもそも味方側の特技という概念自体が元のFC版には存在しなかった。 特技を使えるのは味方だと勇者(ギガソードのみ)とトルネコ(移動中のだけ)とピサロ、敵は『VII』から輸入されたモンスターと裏ボスだけ。だいぶ浮いたことになってしまっている。 トルネコについては概ね歓迎されているが、前述したようにピサロは多数の攻撃・回復・補助呪文を使えるのに、その上『VI』以降に登場した戦闘用特技も使えてしまう。ほかに戦闘用特技を使えるのが勇者(それも1個だけ)ということを考えると、世界観的・戦闘面的に浮いてしまっている。 裏ダンジョンにおける『VII』からのコピペ PS版の裏ダンジョンのマップは先に発売されたPS版『VII』のダンジョンのいくつかからほぼそのまま流用してのつぎはぎであり、登場するモンスターも一部の特技の仕様以外はまるまる『VII』からの使い回しである。 『VII』出身のモンスターは本作オリジナルモンスターが使えなかった特技を当たり前のように使ってくるので、設定が合わず雰囲気も壊している。(*12) ストーリー上、このダンジョンが『VII』からのマップやモンスターでなければならない意味や必然性は特にない(世界同士を繋げるような設定なども示されていない)ため、『VII』プレイ済のプレイヤーから見てもファンサービスとは言えず、扱いが雑に見えてしまう。 クリフトは「どんな相手・どんな状況でも一定確率でザキ系呪文を唱える」「アリーナを優先して回復する」というAIが組み込まれた。 FC版ではAIに学習機能があり、いろいろと問題があるとはいえ学習するとザキ系無効の敵には使わなくなるが、リメイクでは何度ザキ無効の敵と戦っても学習せずに使ってしまうようにプログラムされている。 もちろんボスにもザキを使うし、仲間が瀕死でもザキを優先することもある。挙句の果てには相手にマホカンタがかかっていてもザキを使って自滅するので、FC版よりも悪化している。 確かに「効かない相手にザキを連発するクリフト」と言うのはFC版の際によくネタにされたが、ネタを再現するためだけにゲームの利便性を落としてしまっては本末転倒も良い所である。 ちなみに、ランダムザキの確率はなんと4分の1。高すぎる。 アリーナ優先の回復も痛いところ。軽傷でも回復を優先、瀕死の仲間がいてもある程度HPの減ったアリーナを優先するため、アリーナと同時に利用しがたい。 この2点は「命令させろ」で回避可能だが、絶妙なタイミングでの回復呪文がAIの魅力であるだけに惜しい。 これ以外にも本作ではAIが酷い事になっており、命令させろ以外殆ど使い道が無いレベルにまでなっている。 他に攻撃対象がいるにもかかわらずアストロン状態の敵を狙う、眠っている敵を優先して狙う等、明らかに無駄である行動を優先的に選ぶようになっている。 PS版ではトルネコの特殊行動「敵の宝箱を奪う」が滅多に発動しなくなった。 FC版では1/52の確率でこの行動をしていたのだが、PS版はなんと敵のアイテムドロップ率をそれにかけてしまった。つまり敵のアイテムドロップ率をさらに1/52したもの(52で割ったもの)という凄まじく低確率に。狙うだけ無駄だろう。 出現しなくなるモンスターの救済措置の設定ミス FC版では五章になると出現しなくなるモンスターが複数存在したが、PS版以降ではモンスター図鑑コンプリートのため、救済措置として「古井戸の底」でそういったモンスターと再び戦えるようになっている。しかし、4章に登場する2種類のザコ「いしにんぎょう」「つかいま」だけは古井戸の底にも出現せず、5章では完全に戦えなくなる。これはDS版でも変更無し。 図鑑コンプリートの為の救済策にしては、なぜこの2種類だけが抜けているのかがわからない。「落とすアイテム」の欄も埋めたいなら4章のうちに20体以上倒しておこう。 ダメージと同時に敵を毒状態にする武器「あくまのつめ」が追加されたが、本作の毒は「味方が移動中にダメージを受ける」だけの効果でしかないので、敵を戦闘中に毒状態にしたところで何の意味も無く、単なるフレーバーテキストと化している。 『V』以降ではターン毎にダメージを与える「猛毒」を与える武器なのだが、『IV』には猛毒状態が存在しないため、ただの毒になってしまっている。他シリーズから武器を流用した際の設定の擦り合わせミスと思われる。 元々敵に対しては無意味な状態異常であることもあってか、本作の敵に「毒耐性」というものは存在せず、一見毒々しい敵や、大ボスなども含めたあらゆる敵を毒に冒すことが可能というシュールな事態にもなっている。 PS版では「天空の鎧」のブレス耐性が消滅してしまった(*13)ため、勇者が装備可能なブレス耐性鎧が殆ど無くなった。 勇者が装備可能なブレス耐性鎧は僅か20軽減の「ドラゴンメイル」のみ。ただし女勇者はブレスダメージを2/3に軽減する「天使のレオタード」を装備できるため、リメイク版『III』のような女勇者の方が耐性面で圧倒的に有利という女尊男卑な状態になったと言える。 モンスター関連の調整不足。 一部モンスターは最大MPが原作より減少しており、覚えている呪文が使えず結果的に無駄行動をするものも。 特に「おにこぞう」はFC版だとマヌーサを使ってこちらの攻撃を当たらないようにしてくる強敵だったが、PS版以降では高確率で行動を無駄にするという間の抜けた敵になっている。その割にマヌーサ専用の詠唱アクションはきちんと用意されているため、設定ミスの可能性が高い(後の移植でも修正無し)。 他にも、固有の特殊行動について、所々に残念な点が見受けられる。 おおめだまやビッグスロースなどは「HPが減ると回復+行動パターンが変化」していたものが、回復が無くなった為に瞬殺されるようになり、変化する意味がなくなってしまった。 マンルースターやデーモンスピリットは複数匹いると力を合わせて特殊な行動をとっていたのが、単体だけで特殊な行動をとるようになり、本作独自の「力を合わせる」行動がなくなった(おそらくはアニメーションの関係)ので印象が薄くなっている。 合体するキングスライムや最初から混乱しているメダパニバッタなどはそのままである。 NPCの設定が一部変更 FC版ではパデキアの洞窟をクリアするまで同行していたホフマンが、本作では離脱タイミングが繰り上げられてミントスに辿り着いた時点で別れるようになった。 この時点では加入したばかりのトルネコがやや頼りなく、ブライも防御に不安があるため、会心の一撃が出やすく頼りになるホフマンが早期離脱してしまうのはやや惜しい。 FC版ではバグ未使用でもドランと二択でずっと仲間に出来たルーシアが、天空城へ到着した際、強制的に別れてしまうようになった。 その他、上記に挙げたように6章ではドランが強制離脱する。 その他の問題点 カジノがやや調整不足。 FC版と比較して能力値や戦闘パターンに修正が入ったモンスターは数多く存在するが、格闘場での倍率はFC版と同じ。そのため一部「倍率的には大穴なのに鉄板に近い確率で勝つモンスターがいる」組み合わせがかなり存在する。 しかしそれでも外れることはあり得る上に、ほかの大半の組み合わせは予想不能の運任せ。上の鉄板カードは半ば救済処置ともなっており、これがなければ相当厳しいバランスになっていただろう。 移民の町は、特定の移民を集めると特殊な町に発展するが、この移民の選定に首を傾げるものがある。 農場である「グレイトファーム」を作る上で必要な移民に馬・牛・豚が含まれているのに鶏は含まれなかったり、城である「キングキャッスル」を作る上で兵士は必要だが戦士・メイド・貴婦人は不要だったり。 特殊な町の条件に関係無い職業が幾つもある為、紛らわしいだけの死に設定となっている。 また、ベホイミスライムのベホイミンなどある程度ゲームを進めないと登場しない移民もいるのだが、彼らが登場するタイミングはなぜか「マスタードラゴンと会話した後」。 彼らが登場しなくても、キングキャッスルなど強力な装備を入手できる町は作れる。逆にミステリータワーやグレイトファームの様な実用性に乏しい「趣味の町」は彼らがいないと作れないので、ゲームバランスを考慮しているわけではない模様。 マスタードラゴン会話後には、NPCとして加入していたパノンが移民として再登場するという心憎い演出もある。ちなみにパノンは何故か特殊種族扱いなので、ミステリータワーを作りたい場合活用できる。 なお、移民の入れ替えをしようとする度にホフマンがいちいち長い台詞を言う為、確実にイラつかされる。 称号は変化しても知らせてもらえない上、これまでの履歴を閲覧できないので、レアな称号を手に入れていたとしても気付きようが無い。 会話システムのルーシアの発言に「天空の装備は天空人にしか装備できない」というものがあり、過去作との描写に違和感が生じてしまった。 これまでの作品では天空装備は勇者しか装備できないとされていたが、この発言によってリバストが天空の鎧を装備していた事や、『VI』の主人公が天空の装備と思われる装備を装備できた事に対して矛盾しているのではないかという指摘がされる事になった。 ただしリバストについては、言及されていないだけで、実は天空人の血を引いていたという可能性もある。また『VI』の主人公については、彼のいた世界が天空世界ではないかと推測できる描写があり、天空人のルーツではないかと推測されることがある。他にも二人それぞれ特別な資質を持っていたような描写はあるので、完全に矛盾しているというわけでは無い。 ブライのキャラ造形 会話システムで公式に設定されたキャラの性格は、4コマ漫画などの影響もあってかFC時代からのイメージとは違うと言う意見もあったが、概ね個人の好き嫌いの範疇に収まっていた。しかし、ブライだけは「口を開けば毒舌の嵐、特に他国とサントハイムを比較して、他国を貶してサントハイムを持ち上げる」という毒舌家であり、それまでの「お転婆なアリーナに振り回される常識人の頑固爺、もしくは好々爺」というイメージとは真逆だったため特に批判が大きい。 後発のDS版ではあまりに酷かった暴言のいくつかはマイルドな言い回しに変えられているため、スタッフも問題だと判断したのだろう。 星降る腕輪を装備したまま、レベルアップや素早さの種で素早さが上がると、本来の素早さが上がらない事がある。 「はぐれメタルの盾」と「はぐれメタルヘルム」の入手手段が逆転 FC版では盾がエンドールのカジノのコイン5万枚、ヘルムがちいさなメダル20枚との交換であったが、PS版からはそれが実質逆転して、盾がちいさなメダル累計52枚達成、ヘルムが移民の町のグランドスラムのカジノのコイン10万枚と交換に変更された。 FC版ではコイン大量購入の裏技があるため盾の量産が容易で、ヘルムもメダル交換では1個のみだがメタルキングのドロップアイテムでもあるため複数入手が可能だったが、PS版では全体的に必要経費が重くなった上、メダル累計報酬となった盾が完全な一点物となってしまい、ヘルムもコインバグが封じられた上に上記のようにトルネコの盗みが大幅弱体化したため入手難易度がかなり上がってしまっている。 代わりに性能自体はどちらもFC版より向上しているのだが、特に盾についてはどうやっても1つしか入手できなくなってしまったため取り合い必至である。 第4章終了時の演出が変更。 仇を倒し切れず、陰鬱な雰囲気のまま定期船で国を脱出するシーンで、ゲーム中で初めて船に乗った時のBGMが流れる。このときは特別に低音イントロが使用され、出航と同時に本曲パートに切り替わり船が動き始めるという、第4章の締めくくりとしても、直後に始まる第5章の幕開けとしても秀逸な演出だった。 リメイク版はなぜか第4章フィールド曲に変更されてしまい、出航時は無音。暗い気分を引きずったまま第5章に突入しなければならなくなった。 バロンの角笛 デスキャッスルを抜けた後のデスマウンテンで、最終決戦に向けて切り離された馬車を呼び寄せるためにバロンの角笛を使用するのだが、実はPS版に限ってデスマウンテン側に出た後再度デスキャッスルに入ってリレミトを唱えると、バロンの角笛が無くても馬車を連れた状態でデスマウンテン側に出られるという裏技が存在する。 通称「バロンリレミト」と呼ばれる技で、このためPS版に限ってはバロンの角笛を入手する必要性が薄れてしまっている。 総評 『VII』をベースにした本作は無難に纏まったリメイクとなった。 6章の内容とピサロの破格の扱いについてや、オリジナルから指摘されているボリューム不足、シナリオの消化不良や、明らかに不要であろうシステムの欠陥を改善していない部分などが大きな欠点として残ってしまっているが、そうした点を差し引いてみれば、グラフィック・インターフェース面の大幅向上、仲間に自由に命令できるようになったことなど、良くなった面もきちんと存在する。 上記にあげた欠点さえ気にならなければ懐かしの冒険を楽しむ事ができるだろう。 その後 『VI』以降、開発に関わってきたハートビートは翌2002年に解散した。そのため、本作はハートビートの遺作となった。 余談 第6章自体は、かつてのFC版にて容量の都合で削られてしまったシナリオであるという噂があるが、真相は不明。 『IV』はもともとはGBCでリメイクされる予定があったらしく、GB版『III』のROMの中に『IV』のモンスターメダルのデータが存在する(『III』から『IV』にメダルを送れるという構想があった模様)。 その中に、FC版には登場しないモンスターのメダルが13種類(既存敵の色違いであろう敵+「クインメドーサ」なる敵)あるのだが、それらのモンスターは前述の海のモンスターと違い復活しておらず、その後のシリーズでも再利用されていない。(参考…No.179~191がそれに当たる)。 これらについて考えると、GB版『IV』はFC版ともPS版とも違うストーリーがクリア後に展開される予定であったと思われる。 後に『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』にて「おおめだま」の色違いである「デスペクテル」が採用され、23年の時を経て日の目を見る事となった。 ドラゴンクエストIV 導かれし者たち (DS) 【どらごんくえすとふぉー みちびかれしものたち】 ジャンル RPG 裏を見る 対応機種 ニンテンドーDS メディア 1024MbitDSカード 発売元 スクウェア・エニックス 開発元 アルテピアッツァ 発売日 2007年11月22日 価格 5,490円 廉価版 アルティメットヒッツ2010年3月4日/2,940円 セーブデータ 3個+中断データ1個※中断データは再開しても消去されない 判定 良作 DS版の変更点・評価点 PS版をベースにして移植されているが、一部変更がある。 今回、追加・変更された要素は、DS版『V』『VI』でも採用されている。 グラフィック・UI関連 GB版ロト3部作で追加された「中断の書」が追加。GBC版『III』とは違い、中断の書と冒険の書を別々のデータで作れるようになっている。電池残量にさえ気をつければ、「第4の冒険の書」と見てしまって差し支えない。 移動中は下の画面にプレイヤーが表示され、町やダンジョンでは上の画面にもフィールドが表示される。カメラの回転を利用すれば、PS版よりも広い視野を確保出来る。ワールドマップでは上の画面に地図が表示される。 タッチパネルの使用を意識したらしきアイコン表示のウィンドウレイアウトが採用されている。ただしタッチ操作には未対応。 フィールド画面は3Dではなく2Dとなっている。 戦闘のテンポが良くなった。PS2版『V』のように、敵味方の行動演出が素早く、演出が完全に終わる前から次々と別のキャラの行動演出される。 モンスターに待機モーションが追加された。 PS版で追加された「大きなふくろ」は5章だけでなく、全章で使用可能になった。 ふくろのアイテム自体は各章でそれぞれ別だが、各章のキャラ達が仲間に加わった時点でふくろの中身が統合される。 2章でふくろに入れた分はブライだけでなくアリーナとクリフトも含め3人が加わった時点で統合される。 ステータス関連 PS版と比べ全体的に仲間の能力値が上がったり、使いやすく調整された。 クリフトはAIがマトモなものに、トルネコは盗みの発動率がFC版と同じになり、一部特殊行動が削除された。マーニャの高レベル時の能力値はそのまま。ピサロは特技の仕様に間違いがあるのか、やや強化されている。 FC版とPS版では『III』や『V』などと同じくレベルアップ時の能力上昇値がランダム式なのだが、それらの仕組みは「そのレベルアップで用意されている上昇基準値から、±25%の幅で変化させた値にする。ただし小数点は切り捨てる(*14)」となっている。本作では「基準値から+25%幅の成長をする。小数点は四捨五入する(*15)」という仕組みになった。このシステムはDS版『V』でも採用されている。 何に影響しているかわからなかった「たいりょく」のステータスが廃止され、かわりに「みのまもり」が導入された。 更に「うんのよさ」を成長させるアイテム「ラックのたね」も廃止され、「みのまもり」を上昇させる「まもりのたね」に差し替えられた。運の良さは攻撃回避率に関わっているらしいが、200ポイント伸ばしても1%未満の変化にしかならない死に能力なのでやむを得ないところではあるか。 「みのまもり」に機能を分化されたため、「すばやさ」が成長しても守備力は増えなくなっている。PS版までは「素早さの半分がキャラクターの素の守備力」だったが、DS版では「身の守りがそのままキャラクターの素の守備力」。ただし種で増強していない限り、「みのまもり」の数値はよくよく見ると「素早さのほぼ半分」に設定されている。そのため、キャラクター間の能力関係にはあまり影響していない。 パノンのまどろみの剣の追加効果が、眠り耐性の影響を受ける仕様に修正された。耐性無視であらゆる敵を眠らせるという凶悪効果はなくなったため、パノンの有用度が大幅に下がっている。 なお武器のまどろみの剣の方は既にPS版で修正済であったため、抜け道を塞がれただけと見ることもできる。 称号の調整。「ツンデレプリンセス」など、当時の流行語を用いた称号が一部追加されている一方で、「うらわざ改造王」などチート行為へのペナルティを思わせる系統の称号は廃止された。 町やダンジョンで落ちているアイテムが常に光っている状態になっていて発見しやすくなった。 だが、このシステムの採用によってレミラーマが持つ本来の役割が失われ壺・タル専用の呪文に変化してしまったのは否めない。 移民の町はイベントが進むか、すれちがい通信を行うごとに特定の場所に現れる移民を集めるというだけになっている。煩わしさは解消されたが、物足りないという声も。さらに仲間会話が一切存在しない仕様となっている。 PS版では第2章のニセ姫一行や武術大会の面々、パノンなども移民として再登場したが、DS版では彼らは移民としては登場しなくなった(唯一ベホイミンのみ続投)(*16)。 隠れたストーリーもあり、店の商品はPS版の移民の町のいいとこ取りになっている点は評価されている。 第6章の裏ダンジョンはPS版のコピペがよほど不評だったのか、DS版の再リメイクでは裏ダンジョンの構造がオリジナルマップに作り直されている。一部に新規の仲間会話がある。 しかし出現モンスターの方は『VII』コピペのまま変更無し。「じごくの番犬」のみ、名前がひらがなに変更され、一部の特技の仕様が変化した。 DS版の問題点 主人公達のオープニングエピソードが廃止された。PS版で各章の冒頭に挿入され、物語を補強していたのだが。 アリーナの会心の一撃の発生確率が目に見えて分かるほど低くなった。そのためアリーナがさらに弱体化。 検証によるとFC・PS版の確率(レベル/256)のさらに75%とのこと。具体的に言うとFC・PS版ではレベル64で発生率が1/4になったのが、DS版では発生率1/4にはレベル86くらいまでが必要となった。 序盤は元々低かったため気にならないだろうが、高レベル域になると顕著な差が出る。従来と違い、レベルを上げても発生率があまり上昇してくれない。 ただしFC・PS版ではレベル1時には1/256という低さだった発生率が、DS版ではどれだけ低レベルでも1/64の発生率が保障されるため、低レベル攻略で日の目を見るようになった(*17)。 またステータスが全面的にPS版より強化されており、成長上限もFC版と同様の255まで引き上げられている(*18)(これもアリーナに限った話ではないが)。 ホイミンの素早さが、「つよさ」の表示ではPS版と同じ56なのだが、戦闘時は何故かFC版と同じ18になってしまう。 これはDS版の公式ガイドブックにも記載されており、仕様かバグかはわからないが、スクウェア・エニックス側もきっちり把握している公式設定ではある模様。さらにスマホ版でも修正されていない。 このせいで1章のボス戦で敵に後行してピンチを招きやすくなってしまっている。しかも行動を決定するのがターン開始時となっているため、ターンの途中でライアンのHPが半分以下になっても、回復してくれるのが次のターン以降になる。PS版のホイミンが早すぎて1章の難易度が低下したため修正されたのかもしれないが、それならば何故「つよさ」の表示が56のままなのか理解に苦しむ。 NPCではホイミン以外でも、オーリンは素早さが8→18、ルーシアは素早さが76→80と「つよさ」の表示と戦闘時の素早さが変わってしまっている。ただこちらは僅かな上方修正であるため大した影響ではないが。 「いしにんぎょう」「つかいま」は相変わらず、5章になると出現しなくなってしまう。 この2種のモンスターは格闘場にも出場するが、格闘場でこれらのモンスターがやられても図鑑は埋まらないため、図鑑コンプリートのためにはやはり4章で戦っておく必要がある。 5章以外にもふくろが追加されたことによって、容易に金を稼げる3章でアイテムを大量購入することで、5章に大量の金を持ち越すことが可能になってしまった。 FC版やPS版でもトルネコの手持ちアイテム分は持ち越せたが、せいぜい手に入る金額は2~3万G程度。それが数十万G以上の金を持ち越すことが可能になったため、船を手に入れた時点でドラゴンキラーやドラゴンシールド、魔法の鍵を手に入れた時点ではぐれメタル鎧を装備可能キャラ全員に買い与えることが可能に。 本作自体が金銭面であまり困らないようになっているが、それどころではない話なのでFC版のコイン838861枚並みのバランスブレイカーになっている。 上述した以外にも色々な変更点があり、アリーナの会心発生率の低下などプレイヤー側に不利になる仕様も加わったものの、有利な仕様が多くなったためヌルゲー化していると批判されることがある。 1~4章の「ふくろ」、元々寄り道前提の移民の町システムを利用しないといったことでPSと同程度の難易度でプレイできるが、能力値が目に見えて上がりやすいところだけは難易度低下に少なからず影響している。 例を挙げれば、1章でライアンの装備を整えれば順当に攻略できるレベルでもザコ敵から殆どダメージを受けなくなり、ボス戦でもせいぜい15~20程度のダメージに留まるため、ホイミンを仲間にしなくてもクリアは容易になっている。 中断の書はGB版『III』と異なりフィールド上でしか使用できなくなった。街の中やダンジョンでは使用できず、中断しようとするとスリープモードの使用を勧めてくる。 その内容も「しかしここでは中断の書が開けません。/今すぐ中断したい場合はこのままDSシリーズ本体を閉じスリープモードにしてください。/スリープモードからは本体を開くだけで再開できますが電池残量には気を付けましょう。」と後ろめたいメッセージが3ページ分。ダンジョンでは2ページ分と短縮されているが、長い。 この仕様は以後アルテピアッツァが制作するDS・3DSのリメイク全シリーズで共通している。 DS版『V』と『VI』の間に発売された、レベルファイブ制作の『IX』ではGBC版同様「原則としてどこでも中断できるが、1回再開すると消滅する」仕様に戻っているので、アルテピアッツァ特有の仕様とみられる。 移民の町のカジノにあるポーカーのダブルアップがエンドールのものと同じ形式になったため稼ぎにくくなった。 「左端のカードより強いカードを伏せられた残りの4枚から選ぶ」という状況によっては「絶対に勝つことができないパターン」が存在していることが多い。 フィールドBGMは演奏中に戦闘に入ると途切れた部分からではなく最初から再生されてしまう。ランダムエンカウント仕様と相まって、DS版から入ったユーザーはBGMの全貌を知らない人も多い。 バグがやや多い。「イカダに乗った状況でスリープ状態から解除したら、その場から一歩も動けなくなった」という報告や、「敵味方通して最後に行動したキャラが時の砂を使っても、時の砂の効果が発動しない」、「マスタードラゴンが勇者に餞別として経験値を与えるイベントの際、ドランを勇者より前に配置していると勇者に経験値が入らず、代わりに勇者の後ろのキャラに経験値が入ってしまう(*19)」といった現象がある。 PS版で使えたバロンリレミト等、修正されたバグ技も存在する。 総評(DS) ベタ移植と言われているが、基が良作であるので面白さも健在である。 細かい仕様変更はあれど、内容はあまり変わりないので、音楽の質や高い難易度を望むのならPS版、戦闘のテンポの良さや携帯機でどこでも遊べる点を重視するのならDS版と、好みで選ぼう。 余談(DS) 何故かSFC版『VI』に存在した、バグを利用したテクニック「凍れる時の秘法(*20)」が本作でも使えるようになり、トルネコが色々と大変な事になった。 「アストロンを唱えたターンに、敵の凍てつく波動で解除された時、敵の攻撃を無効化したにもかかわらず、まだ行動していないキャラが行動できる(*21)」というもので、その後の作品では基本的に修正され使用不可になっていた。 ただし、本作のものは「道具を使わせていた場合、種類にかかわらず、道具欄の左上にあるアイテムを使用(=基本は装備した武器が入るため、道具を使わせるためには全裸状態にならなければならない)」「たまに失敗して行動がスキップされたりする」という追加のバグがあり、かなり使いにくいものとなっていた。 しかし、この技でトルネコに世界樹の葉を使わせると、約1/5の確率で相手のHPを9割持っていく体当たりを使用する。『IV』の体当たりは本来モンスター専用の特技であり、「無属性、反動なし、現在HPの95%を削る」という強力な性能の技。使用できるのは凍てつく波動を使ってくる終盤の一部ボス戦に限られる。 これは、トルネコに本来使うことのできない特技を使わせることができるバグであるらしく、それ以外のアイテムを使用させてもモンスター専用の特技などを使用し、時によっては炎やガスを吐いてしまう。 ドラゴンクエストIV 導かれし者たち(スマートフォン版) 【どらごんくえすとふぉー みちびかれしものたち】 ジャンル RPG 対応機種 iOS11.0以上Android5.0以上 発売元 スクウェア・エニックス 開発元 アルテピアッツァ、キャトルコール 発売日 2014年4月17日 価格 1,800円 判定 良作 概要(スマートフォン版) 2013年から展開されているドラゴンクエストのナンバリングタイトルのスマートフォン移植の第3弾。 変更点・評価点(スマートフォン版) グラフィック等 ハード性能の関係上、解像度が上がっておりグラフィックが綺麗になっている。 音源が他のDQ作品でも使用されているシンセサイザー音源になった。 移民の町(スマートフォン版) すれちがい通信の廃止によりDS版の固定移民の勧誘のみで町が発展していくようになった。 固定移民の出現タイミングもDS版より早くなっており、強力な装備の入手タイミングも少し早まった。 『ドラゴンクエストポータルアプリ』で発行したアイテムコードを入力することで入手できる追加アイテムが存在する。 これによりアリーナが装備可能な盾が追加された。 現在はアイテムコードの発行が終了したため入手は不可能。 その他 中断の書がフィールドだけでなく、ダンジョン内でも使用可能になった。ただし街の中では使用できない。 ルーラとリレミトの消費MPが1になった。 問題点(スマートフォン版) 相変わらず戦闘後のフィールドBGMが最初からの再生になっている。 同じ開発元のDS版『V』以降では途中から再生されるようになっていたのだが、本作はそのままとなっている。その後配信された『V』ではDS版と同じく途中再生となっている。律儀にDS版の再現をしたということだろうか。 フィールド画面はスマホサイズに合わせられているが、戦闘画面はDS版と同じ比率となっている。 大した事ではないかもしれないが気になる人は気になるだろう。 戦闘画面においてキャラクターの顔グラフィックが小さい。 これはDS版のグラフィックをドットバイドットでそのまま持ってきてしまった事による。 同じエンジンで作られているスマホ版『Ⅴ』『Ⅵ』においても同様の問題が発生している。 余白が充分にあるのだから、そのまま引き伸ばすぐらいしてくれても良かったのに。 総評(スマートフォン版) DS版のベタ移植であり、大きな変更点も大きく劣化した部分もないが元々完成度が高いため遊びやすさもそのまま。 ゲーム機に拘る必要が無ければスマホ版を購入するのも一考の余地はあるだろう。 余談(スマートフォン版) 海外のAppStoreにおいて『DARGON QUEST IV』と誤植されていたことが話題になっていた。