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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven, 1770-1827)は、ドイツの作曲家。 ドイツのボンに生まれる。音楽家として最高の『楽聖』の称号が与えられている。 9つの交響曲をはじめ、管弦楽曲や、ピアノ(ベートーヴェンのころピアノは本格的に完成されてきた)を用いたピアノ協奏曲や32のピアノソナタなど、現在でも多く演奏される名曲を数多く遺している。 ベートーヴェンが1792年にウィーンに出た時期には、すでにフランス革命が勃発していた。ヨーロッパを支配していた絶対主義体制が次第に崩れ、近代的な市民社会の萌芽が生まれ、世紀後半の国民主義的な傾向へと少しずつ動き始めていた時代である。 この時期になると、音楽も一部貴族階級の独占的な芸術ではなくなり、広く市民社会層にも迎えられるようになっていた。 ベートーヴェンは宮廷や貴族(パトロン)との主従関係を拒否し、むしろ一般大衆に向けた作品を発表する、自立した音楽家の嚆矢となった。 音楽史上での位置は、ハイドンやモーツァルトらが形成した古典派音楽の集大成であり、かつ、後期の作品は、ロマン派音楽の始まりとなっている。 ベートーヴェンの功績 * 近代的オーケストレーションの確立 ex.交響曲へのトロンボーンの導入 * ソナタ形式の確立 ソナタ形式そのものはベートーベン以前に完成していたが、ベートーベンはソナタ形式の展開部を長大でゆるやかなものにした。 * 交響曲におけるメヌエットに代わるスケルツォの採用 スケルツォはメヌエットから発達したもので、ベートーヴェン以降の交響曲などではメヌエットの代わりに組み込まれていることも多い。三拍子であるところや、曲の形式などでメヌエットと同じだが、きわめて速いのが特徴である。 補足(田上) 耳に関して(知ってるとちょっといいかも) ベートーヴェンは自分が聴覚を失い始めていることに気がついて、1802年には病気はかなり悪化し ハイリゲンシュタットの遺書として有名な、自己の不治の病についての手紙を書いた。こういった苦難は 彼の音楽に確実に影響を与えていると思われる。1803年には彼のロマン派時代の幕開けを告げる 交響曲第3番『英雄』が完成する。今までよりも激しい感情、強弱法やテンポの予期しない変化、拡大され 強化された展開部、劇的効果とサスペンスの強調などによってロマン派様式へと急激な変化をしめしている。 1820年には彼は全聾となる。この時期においてベートーヴェンの様式はますます抽象的で非個人的かつ 内省的になった。これ以降の作品として『荘厳ミサ曲』『交響曲第九番』などがある。 代表曲 『交響曲第1~9番』『ピアノソナータ”月光”』『ピアノソナータ”熱情”』など
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven, 1770-1827)は、ドイツの作曲家。 ドイツのボンに生まれる。音楽家として最高の『楽聖』の称号が与えられている。 9つの交響曲をはじめ、管弦楽曲や、ピアノ(ベートーヴェンのころピアノは本格的に完成されてきた)を用いたピアノ協奏曲や32のピアノソナタなど、現在でも多く演奏される名曲を数多く遺している。 ベートーヴェンが1792年にウィーンに出た時期には、すでにフランス革命が勃発していた。ヨーロッパを支配していた絶対主義体制が次第に崩れ、近代的な市民社会の萌芽が生まれ、世紀後半の国民主義的な傾向へと少しずつ動き始めていた時代である。 この時期になると、音楽も一部貴族階級の独占的な芸術ではなくなり、広く市民社会層にも迎えられるようになっていた。 ベートーヴェンは宮廷や貴族(パトロン)との主従関係を拒否し、むしろ一般大衆に向けた作品を発表する、自立した音楽家の嚆矢となった。 音楽史上での位置は、ハイドンやモーツァルトらが形成した古典派音楽の集大成であり、かつ、後期の作品は、ロマン派音楽の始まりとなっている。 ベートーヴェンの功績 近代的オーケストレーションの確立 ex.交響曲へのトロンボーンの導入 ソナタ形式の確立 ソナタ形式そのものはベートーベン以前に完成していたが、ベートーベンはソナタ形式の展開部を長大でゆるやかなものにした。 交響曲におけるメヌエットに代わるスケルツォの採用 スケルツォはメヌエットから発達したもので、ベートーヴェン以降の交響曲などではメヌエットの代わりに組み込まれていることも多い。三拍子であるところや、曲の形式などでメヌエットと同じだが、きわめて速いのが特徴である。 補足(田上) 耳に関して(知ってるとちょっといいかも) ベートーヴェンは自分が聴覚を失い始めていることに気がついて、1802年には病気はかなり悪化し ハイリゲンシュタットの遺書として有名な、自己の不治の病についての手紙を書いた。こういった苦難は 彼の音楽に確実に影響を与えていると思われる。1803年には彼のロマン派時代の幕開けを告げる 交響曲第3番『英雄』が完成する。今までよりも激しい感情、強弱法やテンポの予期しない変化、拡大され 強化された展開部、劇的効果とサスペンスの強調などによってロマン派様式へと急激な変化をしめしている。 1820年には彼は全聾となる。この時期においてベートーヴェンの様式はますます抽象的で非個人的かつ 内省的になった。これ以降の作品として『荘厳ミサ曲』『交響曲第九番』などがある。 代表曲 『交響曲第1~9番』『ピアノソナータ”月光”』『ピアノソナータ”熱情”』など →次のキーワードに進む
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「弁当」の頂 ベントーベン プロモ 無 11 クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/ゼニス/アンノウン 13000 ■このクリーチャーを召喚してバトルゾーンに出した時、自分はカードを3枚まで引き、相手は自身の手札を3枚選んで捨てる。この効果で相手が捨てたクリーチャー1枚につき、相手は自身のクリーチャー1体を選んで破壊する。 ■相手がコマンドをバトルゾーンに出す時、相手はそのクリーチャーをバトルゾーンに出すかわりにデッキの下に置く。 ■他のドラゴンがバトルゾーンに出た時、カードを1枚引いてもよい。 ■相手がゲームに勝つ時、かわりに税込1000円以上で未開封の弁当1つ、またはプラスチック爆弾1つを相手に渡して、このクリーチャーをデッキの下に置いてもよい。そうしたら、ターンの残りをとばし、次の自分のターンの終わりに自分はゲームに負ける。 ■T・ブレイカー 作者:そらまめ 解説 名前はネタくさいが性能は意外とガチ。(効果4を除く)息抜きに作ってみました。 効果1 ゼニスお得意の召喚時限定のcip。レディオの劣化版+捨てたクリーチャー1枚につき相手選択の除去ができる。本家ベートーベンとどこが似てるんだよww。 効果2 コマンドだけのVAN。 効果3 ドラゴンリエス。 効果4 ネタ。敗北回避だったらじーさんとかを使いましょう。 仕様 特になし 評価 名前 コメント
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THのカード。 + カード画像
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オンラインで見る/聴く ラトル指揮 ベルリン・フィル(YouTubeより) 第1楽章その1 第1楽章その2 第2楽章 第3楽章 第4楽章 カラヤン指揮 ベルリン・フィル(YouTubeより) 全楽章
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563. ひゅうが 2011/11/11(金) 21 37 38 提督たちの憂鬱支援SS――バラックのベートーベン(1917−1943) ――西暦1943年 ドイツ ベルリン 外務省極東課 課長補佐であるエドアルド・ライポルトは、緊張の面持ちで新総統官邸を歩いていた。 外観は質素で、まるで古代ローマのフォルム(フォーラム)を思わせる総統官邸の中は、意外なほど色彩に満ちている。 とはいってもベルサイユ宮殿のような金銀により作り出されたものではなく、どちらかというと彼が生まれ育ったコーブルグ市のゴシック聖堂のような光の美しさだ。 コンクリート製の柱は、内部では木目調の板でおおわれており、黒檀色のニスで覆われている。 絨毯は濃いえんじ色で、床は絨毯の周りだけ大理石が覆い、あとは英国のカフェのようなニス塗りの大きな板を何枚も貼り合わせていた。 なるほど、総統閣下が建築に一家言持っておられるのがわかる。 外観は質素にしつつも中は落ち着きのある雰囲気で固め、くつろがせる。そしてそれらの対比として総統閣下の偉大さが際立つというわけだ。 ボディチェックを行ったSS隊員は規則に忠実ではあるがいかめしすぎなかった。 どうやら閣下がお変わりになられたというのは本当らしい。 案内の女性SS隊員がにこやかに「こちらです」とライポルトを案内した。 50代半ばにさしかかったライポルトは、年齢の割に若く見られる顔に微笑を浮かべて「ありがとう」と言った。 女性SS隊員は戸惑ったようだった。 ライポルトのこの習慣は、彼が一時期東洋にいた時に身に付けたもので、この人当たりの良さ的なものが彼の政治的信条の割には同僚や上司の受けがいいことに関係していた。 「失礼します。」 ノックをし、高さ3メートルほどの大きな扉――表面には装飾はなく、持ち手も磨き上げられた銀色のステンレスだった――を開けると、「彼」がそこにいた。 難しい顔をし、執務机に座っていたが、ライポルトを見ると少しだけ顔を緩め、秘書に紅茶とチョコレートを用意するようにいってからライポルトのもとへ歩いてきた。 「勝利万歳(ジーク・ハイル)!お呼びによりまかり越しました。我が総統閣下(マイン・フューラー)!」 アドルフ・ヒトラーは、仕立てのいい背広で答礼した。 「よく来てくれた。ライポルトくん。」 彼は、疲れているようだった。 「話はゲッベルスから聞いている。だが、にわかには信じられんのだよ。正直なところは。」 彼はちらりとライポルトが佩用している一級鉄十字章を見た。 時折とげとげしい「気」が漏れそうになるが、彼が抑えているのがよく分かる。 総統閣下は、自分を第1次大戦で戦った「戦友」として扱ってくれているのだ。 場所は西部戦線と青島という違いはあるが、彼は勇気を示した者には寛大であるという。 だからこそ、ライポルトは選ばれてここへ来たのだ。 「では、話してくれんか?なに。時間はある。将軍たちには悪いがね。」 椅子を勧められたライポルトは素直に腰かけ、紅茶でのどを潤した。 英独休戦が成立してから入ってくるようになったインド産の良質な茶葉だった。 「はい。閣下。私は――」 ライポルトは話しはじめた。 時は、今から29年前。第1次世界大戦において、本国から最も遠いあの極東の地における話である。 564. ひゅうが 2011/11/11(金) 21 38 19 ――1917年7月 日本帝国 徳島県坂東町 ライポルトは、粉を捏ねていた。 ノルトゼァ・ラント・・・ホッカイドウというところで作られた小麦は質がよく、故郷のそれと同様だった。 それがライポルトにとっては嬉しい。 かつて青島(チンタオ)では、本国産の小麦は値段が張るうえにはるばるスエズやシンガポールを越えてくるためにどうしても質が悪くなりがちだった。 が、この極東の地で栽培されていた小麦は、ドイツ産やフランス産のそれを品種改良したものだそうで、質もいいが値段も安い。 ライポルトのパンの師匠であるハインリヒがはじめて捏ねた時は、その焼きあがりに故郷を思い出し涙が出たという。 このバンドウの地でとれたミルクとバターを混ぜ込み、瀬戸内海の塩田で作られた「ハカタの塩」とやらを混ぜる。 味のアクセントにはクミンなどのスパイスを少々。 そして、オオシマ石という石でつくった窯で一気に焼き上げる。 急がなければ。今日もみんなが待っている。 「おお!来た来た!」 「ライポルトさーん!はやくはやく!」 「ハイハイ。今行きますよ!」 3台を連結した台車を連ね、監視役としている兵士にあいさつしつつ外出許可証を提示したライポルトは、石畳の上をごろごろと押していく。 そして、通いなれたあの場所の前で止まると、白いテーブルクロスが敷かれた机の前に座っているナカムラ中尉に敬礼した。 ライポルトは、試食官用のパン切りナイフと皿を容易して、ナカムラ中尉に差し出す。 その向こうでは、地元や、はるばる県庁所在地や遠方のエヒメやカガワから来たという人々が列をなしている。 ナカムラ中尉は一瞬だけ顔をほころばせると咳払いをして、無作為に選んだ四角い20センチ四方ほどのパンを取り出し、ちぎって頬張る。 「ヨシ!」 ライポルトはすかさず持ってきていたカード(ドイツ語でカルテといっていたらまぎらわしいとのことなのでカードと呼んでいる)を差し出す。 ナカムラ中尉は、ゴム印というインクが中に入ったスタンプを四角い升目の中に押した。 ライポルトは、にっこり笑って、営門の外にある「店」に、本日3回目のドイツパン580個を搬入することができた。 見知った人々とあいさつしつつ、ライポルトは思う。 このバンドウ俘虜収容所は何もかもが規格外だ。 所長のマツエ大佐やその上の方針で、外出はほぼ自由。兵士たちは士官の監督のもとではあるが、おのおの課業や趣味などを行っている。 中でも人気なのが、こうして自分たちが見知ったパンやバター、ジャムなど、思い思いのものを作って売ることだ。 これは大あたりで、それまでは学校や周辺の人々に音楽や体操を教えていた人々のように技能をあまり持っていない人々がはじめた「ドイツ屋」は今ではこの四国という島で一番有名なパン屋になっている。 売上げは3割ほどが収容所運営費にあてられているが、それらのほとんどが作業を行っていた自分たちの給料として郵便貯金の口座に振り込まれ、それらの使い道はほぼ自由。 ライポルトは、それらを使ってイタリア産の楽器をそろえようという取り組みに向けお金を積み立てている。 「おやライポルトさん。今日もせいが出ますね!」 「ああ、マツモト屋の。どうも今日は!」 パンの搬入を終えて一息ついた彼に声をかけてきたのは、 彼がいろいろお世話になっている旅館 松本屋のご主人だった。 「ところで、お国のことだけれど・・・」 ライポルトの顔が少し曇った。 現在祖国は、東部戦線から引き抜いた戦力を用いて全力を挙げての大攻勢をかけている。 先鋒はパリ前面に迫りつつあり、激戦が続いているとの話だ。 日本は欧州に2個師団と支援部隊、それに2個艦隊を派遣しているため、いろいろ思うところがある人も多いと思う。 「いろいろ言う人もいるだろうけれど、お気をしっかり持ってね。ワシらをはじめみんな、あんたたちドイツさんらが優しい人だって知ってるから。」 「ありがとうございます。ですが――それではあなたがたが・・・」 このバンドウの地に来て以来上達した日本語。それに特有の語尾の省略がライポルトにはありがたい。 565. ひゅうが 2011/11/11(金) 21 39 08 「いろいろ言ってた人もいたがね。でも、天長節や開戦の日に『すべての戦死した勇士たちに』って黙祷をやったろ?それでね。」 ライポルトが聞いたのは以下のような話だった。 昨年のユトランド沖海戦後、一部の新聞がこの坂東の捕虜たちを皆殺しにすべきという社説をぶち上げた。 それに乗っかった調子のいい議員たちに、この国のトップにあたる方が激怒されたらしい。 それは、「お言葉」という形で発表され、「それは文明人、日本人のすることに非ず」と厳しく戒められた。 そこへ、西部戦線で繰り返される戦いのたびに双方の戦死者を悼むために収容所の皆で黙祷を捧げていること、そして、遺族への支援のためにドイツ人俘虜たちが率先して立ちあがり基金を設けていることなどが、現在の収容所が行っている活動などとともに紹介され、日本人らには少なくともドイツ本国はともかく俘虜たちには寛大であるべきとの風潮が生まれていたというものだった。 「ま、そういうのがあっても跳ねっ返りはいるからね。気にしてないか心配でネェ。」 ライポルトは、何かを抑えるように、にっこり笑った。 「大丈夫ですよ。」 そして続ける。 「ああ。今年の大晦日を楽しみにしていてください。ちょっと楽しいことを企画しているんです。」 やっぱり、この国の人たちを、私は好きだ。 再び――1943年 ベルリン 「なるほどな。」 ヒトラーは何度も確かめるように頷いた。 「我が帝国に、潜在的な親日層がいるということは聞いていた。だが、その理由を知ろうとはしなかったのは余の失策であったな。」 だが。とヒトラーが続ける。 「君の思い出に水を差すようで悪いが、あの東洋人たちは我々から文化や技術などを奪い取るためにわざといい顔をしていただけではないのかね?」 「お言葉ですが、閣下。」 ライポルトは、今こそ言おうと思っていた言葉をぶつけた。 「あのフランス人や英国人のように、彼らは『賠償』や『戦利品』という形で領土や工場を奪い取りましたか?ザール、ラインラント、それらのように。少なくとも彼らは、崩壊の危機にあったかつてのドイツ工業界に対し対価を払っております。あの世界恐慌の際も、総統閣下の施策までクルップやラインメタル、モーゼルなどを生き長らえさせたのは、あの極東の島国の資金でありました。」 ヒトラーは仏頂面でライポルトを見つめている。 まるで吸い込まれそうな瞳だった。 「閣下には、これをお聞きいただきたい。」 ライポルトは、持参したレコードを差し出した。 「閣下は音楽についてお詳しいとか。知っての通り、音楽というのは技術だけ真似しても、音はついてきません。真に偉大な精神の輝きがあってこそ、かのフルトヴェングラー氏とベルリン・フィルのような名演は生まれるのです。」 ヒトラーは黙ったままだが、やがて、首だけでライポルトを促した。 ライポルトは、壁際のレコードプレイヤーに「BANDOH 1917―」と書かれたレコードを置いた。 566. ひゅうが 2011/11/11(金) 21 39 52 「スピーカー用のアンプの電源を入れたまえ。」 ヒトラーが言った。 「聞くなら大音響で。そのために執務室は防音にしているのだ。」 ライポルトは頷いた。 ――おお、友よ、このような調べではない! バリトンの張りのある声が響く。 歌っているのは、あの日のライポルトの同僚だったラインハルト卿だ。 飛行機の操縦ができ、また声楽が趣味という男だった。 青島ではライポルトの臨時騎兵隊とともに活躍したものだった。 今は陸軍で戦車に乗っているらしい。 録音状態は普通だったが、総統官邸の特注アンプとスピーカーはあの日の音をこの場に再現していた。 1917年12月31日、その日は、極東の島国ではじめてベートーベンの交響曲第9番「歓喜の歌」が初演された日だった。 収容所にいた5000人あまりと、周辺から集まった4000人以上を相手に、日本人とドイツ人の混成軍は半年の練習を経て整えた「第9」を披露したのだった。 マツエ所長が上に頼んで取り寄せたレコードは、はじめて演奏する日本人たちに大いに参考になり、軍楽隊の長にして指揮者であるヨッヘンバッハ大佐も驚くほどの上達を見せたことをライポルトは昨日のことのように思い出していた。 ――ひとりの友の友となるという大きな成功を勝ち取った者、心やさしき妻を得た者は彼の歓喜に声をあわせよ 「これは、日本の女性か?」 「はい。収容所の士官たちの奥さん方がバンドウやトクシマの奥さん方を呼んで合唱団を結成しました。」 「この、後ろでなっているベルは?」 「オオミソカのジョヤの鐘です。年の瀬にあわせ、人間が持っている108のボンノウ・・・我々風にいえば原罪の贖罪を願って108の鐘を打ち鳴らす儀式です。これが鳴り始めたということは、新年が近いということですね。」 浴びせられる質問にライポルトは答えながら、あの小さな町の名物だった寺院を思い出す。 四国をまわる巡礼についてもライポルトは説明した。 ――抱き合おう、諸人よ!この口づけを全世界に!兄弟よ、この星空の上に必ずや神は住みたもう! 「・・・これは。」 「歌っているのです。観客たちと捕虜たちが。」 ライポルトは言った。 練習を重ねていた旅館を通じて第9の歌詞はいつの間にか知れ渡り、小学校の音楽の授業でも歌われるようになっていた。 基本的にはミーハーである日本人たちは、いつのまにやらドイツ語の原詩を入手し、いささか怪しい発音ながらも歌うようになっていたのだ。 噂は千里をかけ、集まってきた音楽好きながらも教わる教師のいなかった日本人たちや、日本の留守師団の軍楽隊までもが集結。 気がついたときには演奏者と合唱の数は1000人に迫っていた。 間奏を経て、最後の合唱に入る頃には、観客と捕虜たち、5000人以上の大合唱が地には満ちていた。 そして、最後。 一瞬の静寂を経て、喝采がアンプを通じて再現されている。 『皆さん。今日は、この会に集まってくださってありがとうございました!青島のドイツ人の代表として、心よりお礼を言わせてください。』 スピーカーの向こうでは、青島民政長官であるオットー・ギュンターの挨拶が響いている。 『不幸にしてお国とわがドイツは交戦状態となっておりますが、先の合唱で私は確信しました。歌詞にもありましたように、歌と音楽を共にした私たちは今や友となりました。 美しい音楽で魂を分かち合ったことに、神に感謝します。』 567. ひゅうが 2011/11/11(金) 21 42 30 日本語の通訳を通じ、懐かしいマツエ所長がギュンター長官の言葉を話すと、拍手が巻き起こる。 『では、みなさん。みなさんもよく知った「敵国」の歌ですが、それぞれの言葉で歌いつつ、新年を迎えましょう。』 しばし間を置き、「蛍の光」と日本では訳されているあの歌が流れる。 先ほどよりはしっとりしながら、より多い人々の声が混じっている様子だった。 ――蛍の光 窓の雪 文読む月日重ねつつ・・・ 3番にあわせ、日本人は自国の山河を歌い、続いて4番ではドイツ人用に特別に作られた歌詞でマースからメーメルにかけての国土を歌いあげていった。 『それではみなさん、今年がよい年となりますように!』 今まで以上に盛大な拍手で、レコードは幕を閉じた。 「以来、30年近く。私たちはあのバンドウの人々たちと交流をしております。また、あの日演奏を行った人々は毎年の年末に演奏会を行い、今ではラジオやテレビジョンでも中継が・・・」 そこまで言ったところで、ライポルトは気付いた。 ヒトラーが俯いている。 心なしか、目に光るものがあるようで―― 「ありがとう。ライポルトくん。」 ヒトラーは言った。 「また、ゲッベルスが邪魔するかもしれないが、すまないが付き合ってやってくれないかね?」 「はい。勿論。」 「それと、ひとつ教えてくれないか?」 ヒトラーは顔を上げた。 「私は、友となれるかもしれない国を――」 「閣下。」 ライポルトは言った。 「これから、友になるとお思い下さい。」 ――1943年、ドイツでひとつの映画が公開された。 その名を「バラックのベートーベン」。第1次世界大戦中に極東で起こった実話をもとにした映画は、ドイツ国内で「荒野の7人」以来の大反響を巻き起こした。 その中では、バンドウ捕虜収容所の物語を回想する形でそれ以後にとっても時間がとられ、ドイツ企業を買収し再建に力を貸そうとする日本人に対し不満をぶつけてゆくドイツ人と、それに苦悩する総統の姿も描写されている。 クライマックスは、総統官邸でかけられたレコードのメロディーと一緒に「バンドウのジルベスターコンサート」が流れるところだった。 末尾には、民政長官オットー・ギュンターによる挨拶。 これらの音源は、ゲッベルスの手によって徹底的に音響調整が成され、日本のニュース映画の映像とドイツのエキストラを合成した「コンサート」の映像とともに収録された。 ドイツ人によるステレオタイプなエコノミックビーストへの印象が多少なりとも変わりはじめるのは、これ以後である。 【あとがき】――ゲッベルスが「バルトの楽園(がくえん)」を撮りはじめたようです。 関係修復を模索するドイツだと、「荒野の7人」のような感じで映画をとるんじゃないかなと。 それに実話ですから都合がいいw ちなみに憂鬱世界では史実に先駆けて松江所長に全部丸投げしたのでこうなったと妄想しました。
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(「『運命』を統べる者・真・ベートーベン) (SR) (無色) (11) クリーチャー:(キング・コマンド・ドラゴン/アンノウン/ゼニス) (13000) ■(このクリーチャーは、バトルゾーンにある限り『「戦慄」の頂ベートーベン』として扱う。) ■(このクリーチャーを召喚してバトルゾーンに出したとき、または自分のコマンドまたはドラゴンが破壊された時、自分の山札の上から5枚を見て、その中からコスト10以下のドラゴンを2体までバトルゾーンに出してもよい。) ■(T・ブレイカー) ■(エターナル・Ω) 作者:(N・TR) フレーバーテキスト (真の姿を取り戻したベート-ベンは龍たちの運命をも左右する。) 評価 名前 コメント
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更新日:2009-05-12 タイトル: ベートーヴェンの甥 原 題: LE NEVEU DE BEETHOVEN 製 作 年: 1984 製 作 国: フランス ジャンル: 未分類 レ ス: ☆おすすめ!やおい映画☆ http //www2.bbspink.com/801/kako/979/979530199.html 418 名前: 風と木の名無しさん ベートーベンの甥もおすすめ ▲PAGETOP 今日: - 昨日: - 合計: -
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Webの人:発信・発言・主張 ■ 「特殊詐欺」和製ベートーベンやら人間のくずやら脱原発やら 「逝きし世の面影(2014.2.14)」より (あちこち略、詳細はブログ記事で) / 『常識の罠(馬鹿の壁)』 原発が稼動していた去年9月までなら、細川の『即廃止』と枡添の『漸進的廃止』とは、意味が天と地ほど180度違っている。 ところが、日本国内で1基も稼動していない今の状態なら、細川と枡添の違いは『セロ』なのである。 正常な大人の常識とか経験を逆利用した悪質な詐欺師の手品ですね。こんな簡単な見え透いた手口に日本の代表的な進歩派知識人が騙されるとは恥ずかしい。 何とも腹立たしい話である。 自民公明が推した枡添ですが、一回も(今まで自公が支えていた)『石原都政の継続』とは言わなかったのですよ。何故か完全に沈黙していた。 小泉が推した細川の方も『石原都政の是非』(継承か、刷新か)の部分では全く同じ態度であった。 細川は、一回も『石原都政の刷新』とも『今までの石原都政からの脱却』とも言わなかったのである。 / 『亀井静香の大予言が丸々当たる 』 『目に見えぬ 魔物に大地は 閉ざされし ものみな失せて 雪のみぞ降る』 亀井静香 投票の1週間前の『亀井静香公式Webサイト』2014.1.28に書かれている最後の言葉が余りにも予言的である。 おそろしや、亀井静香の洞察力。 記事は注意力が無いうっかりものが読むと『脱原発』のスローガンの細川小泉連合を亀井静香が支持しているとも読めるのですが、熟読すると意味が正反対であることが分かる。 亀井静香ですが、日本を新自由主義でボロボロにした極悪非道な大悪人の小泉純一朗でも、今では『脱原発』を主張している我が日本国の、『崩壊直前の断末魔』の本当の姿を憂いているのですから恐ろしい。 日本の破滅が見えて仕舞った亀井静香の悲劇とは、いち早くトロイア滅亡を知ったカッサンドラとかラオコーンと同じ種類の悲劇である。 / 福島第一原発故現場では、今でも1日数千人が収束作業に当たっているがベテラン作業員は被曝量の上限で次々離脱。深刻な人手不足は限界に近づきつつある。収束作業の破綻は目の前なのです。 『脱原発』も何も、今の日本では原発が動いていない。(原発の稼動には大量のベテラン作業員が必要) 新潟県の泉田知事が具体的に指摘している通りで、日本の原発ですが幾ら安倍晋三首相が動かしたくても、動かせる条件が何処にも無いのである。 いま破壊された福島第一原発は暴走しているのに、誰にも止められないのです。 人間のくずの安倍晋三が原発輸出とか再稼動を目論んでいるのは事実ですが、所詮は妄想の範囲であり、現実の日本国は『脱原発』で微動だにしない。 小泉細川の『脱原発』のシングルイシューの特殊詐欺に騙された善良な進歩派知識人・文化人の存在ですが、『未来が正しく見える』亀井静香とは大違いで彼等は日本の本当の現実を見たくないのである。 .
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PREV:第8話 新たなゼニス NEXT:第10話 錯綜の果てに ストーリー どうした、こんなものか鬼丸よ! ベートーベン くっ……そぉぉおおお!! 鬼丸 (強ぇ!! サスペンスとは比べ物にならねぇ!) 鬼丸 (一分の隙もない正統派の槍技!それに……) 鬼丸 (まるでこっちの動きが全部読まれているみてぇだ!) 鬼丸 (この短時間でオレの剣技を見切ったとでもいうのか?んなバカな……!?) 鬼丸 ……なら、これでどうだァ!! 鬼丸 荒々しい鬼丸の渾身の一撃が放たれる しかし、それも当然かのように盾により受け流され、逆に強烈な一撃を見舞われる グハッ……!! 鬼丸 鬼丸!? 野郎……!俺らも援護するぞ!ここで何としても勝つんだ! ゴールデン・エイジ 手ェ……出すな!こいつは、オレが……!! 鬼丸 ハハハハ!! 私を憎め!怒れ! その全てを以ってまとめて挑んでくるがいい! ベートーベン その感情を全て飲み込み私が……王となる!! ベートーベン カノン、偽りの星夜を出せ温存しているのは知っているのだぞ サスペンス ぇっ、でも、私……これだけのシモベさんを操りながら…… カノン やったことがないから出来ないとでも?……そうか、残念だな サスペンス ——っ!や、やる、のだわ! カノン ……カノンさん、どうしてゼニスの味方をしているんですか? ルピコ 今も……サスペンスさんは貴方のことを顧みず命令を下しています ルピコ 彼が貴方にしているのはお願いじゃなくて、命令です ルピコ 貴方には……関係ないわ カノン 脅されて協力しているんですか?もしかして、ウェディングさんにも—— ルピコ 脅されてなんかない!! カノン ウェディング様達は、私を救ってくれたんだから!! カノン ゼニス達が救った?それは一体…… 水の守護者 カイト あなた達には分かりっこない……どれだけこの世界が恐ろしいのか カノン 私利私欲のために起こされた争いが、どんなことを引き起こすのか! カノン 生まれた時から居場所のあったあなた達とは……違うの……! カノン 私は、あなた達には負けない……絶対、負けてやらないのだわ! カノン 開け……門よ!! カノン カノンさん…… ルピコ (あの様子ではやはり、カノンは感情を奪われてない) 水の守護者 カイト (……なら何故、ゼニスが感情のある人間を傍に置いている?) 水の守護者 カイト ……気になる点は数多くあるしかし残念だが……彼女は、ゼニスの側にいるようだ 水の守護者 カイト 見た目は少女だが、彼女は恐ろしい力を持つ存在に変わりはない 水の守護者 カイト ルピコ、【プレイヤー】!来るぞ! 水の守護者 カイト カノンを止める! 水の守護者 カイト 勝利時 ハハハハ! この程度か!ゼニスへの恨み、憎しみは! ベートーベン 見ろ、鬼丸お前を守ろうとした者達は全て地に伏したぞ ベートーベン テ……メェ!!そこを動くんじゃねぇぞオレが絶対ぶちのめす……! 鬼丸 感情だけが先走り実力が全く伴っていない…… ベートーベン これで王家の血を引いているというのだから、嘆かわしい ベートーベン ……この世界に王は二人も要らぬ! ベートーベン 鬼丸! ここがお前の運命の終曲(フィナーレ)だ! ベートーベン プリンプリン ……やめぇい!!修羅丸!!!! ここに居るはずのない者の声その声は拠点から離れた鬼丸達にすらも届くほどだった 思わず戦闘を止め、……両者が振り返ってしまう ……その、声は…… ベートーベン 修羅、丸……? 鬼丸 わらわの弟、鬼丸の兄!エイリアン・ファーザーの息子!修羅丸なんじゃろう!? プリンプリン その動きと、佇まいわらわの目は誤魔化せん! プリンプリン 色々言いたい事もあるが……何故、そちらに……ゼニスの側にいる!! プリンプリン こたえぃ、修羅丸!!! プリンプリン ………… ベートーベン ……興が、削がれたあとは任せたぞ、サスペンス ベートーベン 何? ベートーベン、何のつもりだ! サスペンス 待てよ、オイ!!なぁ、本当に兄貴なのか!? 鬼丸 ……もしここを生き延び、私の元へとたどり着くことができれば ベートーベン その時は、私がお前に死の運命を与えよう ベートーベン ……鬼丸よ! 覚えておけすべてはゼロになる運命だ ベートーベン それを止めたくば、……私を超えてみせろ ベートーベン くそ……!逃げんじゃねぇー!! 鬼丸 ベートーベンが退いた……!千載一遇の好機! 水の守護者 カイト 今、カノンを止めれば勝てる!私が偽りの星夜を抑えている内に……! 水の守護者 カイト はい!【プレイヤー】さん! ルピコ っ……!? カノン させませんよ ??? ルピコの目の前で雷撃と見紛うような一撃が降り注いだその一瞬で空気が一変する 覚えがあるプレッシャーに息が、詰まる 今の自分達ですら、勝てるか分からない相手 ウ、ウェディング……! ルピコ 敗北時 はぁ……はぁ……これで……もう眠っているといいのだわ! カノン まだ、まだです……!そうですよね、【プレイヤー】さん! ルピコ 私達は負けるわけにはいかない……! ルピコ くっ……私だって……負けない……私の願いのため……負けられ……ない! カノン ウェディング様のために……! カノン PREV:第8話 新たなゼニス NEXT:第10話 錯綜の果てに