約 1,210,611 件
https://w.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/18.html
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 11 55 38.77 ID lzsc69m90 [18/62] 33サンクス 途中だが書きながら投下していく。今回もまた短くなりそうな悪寒 おかしい。最近あの子と先輩との仲が良すぎる気がする。 今までも仲悪そうに見えてお互い内心デレデレなのは透けて見えていたけれど…何か今まで以上にデレデレしているように見えるわね。 黒猫「まさか…妹に浮気してるわけじゃないわよね先輩?」 京介「お前はいきなり何を言い出すんだ。確かに桐乃はかわいい妹だが浮気とかはねーよ」 やはりおかしい。以前なら「あんなかわいくねぇ妹と何かあるわけないだろ!」とか言って全力で否定しそうなものを……これは何かあったわね。 黒猫「そう…でもその割には最近やけにイチャイチャしてるようだけど?」 京介「イチャイチャなんてしてねえよ、どこをどう見たらイチャイチャしてるように見えるんだ?」 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 12 08 14.09 ID lzsc69m90 [19/62] 黒猫「ふん…どうかしらね」 京介「ははーん。さては嫉妬してるな」 黒猫「な!?誰が誰に嫉妬してるというの!妄想も大概になさいな!」 京介「はっはっは、そう照れるなよ。嫉妬してるお前もかわいいぞ」 このドヤ顔……どうやら完全にスイッチが入ってしまっているみたいね。 駄目だわこいつ…早くなんとかしないと…… 黒猫「ところで、今日はどこへ連れて行ってくれるのかしら」 京介「おう、そうだな黒猫はどこへ行きたいんだ?」 黒猫「私は先輩の行きたいところでいいわ」 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 12 11 37.70 ID lzsc69m90 [20/62] 京介「そっか…じゃあ植物園とかどうだ?」 植物園?なんておじさんくさいチョイスなのかしら…まぁ先輩が行きたいと言うのであればついていくけれど。 黒猫「わかったわ。でももうちょっとましなプランはなかったの?せっかくのデ、デートなのだから///」 京介「う///いや、すまん。」 普段の頼りになる先輩もいいけれど照れて赤くなった先輩もなかなか… しかし、自分まで赤くなっているようでは駄目ね。 黒猫「植物園に行くのはいいけれど植物園で何をするの?」 京介「えっ?そりゃあ植物園なんだから植物を見るんだろ」 黒猫「…それ楽しいのかしら?」 京介「…やっぱりゲーセンにしとくか」 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 12 33 18.93 ID lzsc69m90 [21/62] 京介「そういえばゲーセンに来るのも久しぶりだな。桐乃との偽装デート以来か」 それを聞いて思い出してしまった。二人で…プリクラを撮ってたわね、しかもカップル専用プリクラで…忌々しい。 黒猫「先輩?あ、あれ…い、いっしょに撮らない?」 京介「あ、あれとるのか?」 黒猫「妹とは撮れて私とは撮れないというの?」 京介「いや…そうじゃないが色々とよくない思い出がだな」 黒猫「兄さん、いっしょに撮りましょう?」 京介「呼び方の問題じゃねえ!それに兄さんはやめてくれせっかく付き合うようになったんだからさ!」 41 名前:ネタがつきそう[] 投稿日:2010/11/22(月) 12 44 45.72 ID lzsc69m90 [22/62] 黒猫「ちょっと大声でなんてこと言ってるの!///」 京介「何か問題があるのか?お前は俺のかわいい彼女なんだからさぁ!」 京介「ふははは、俺はこの子と付き合ってるんだぜ羨ましいか!」 黒猫「っ~~!!さっさと撮るわよ」 なんて恥ずかしい!なんなの?なんでこんなにスイッチ入りっぱなしなのよ!! う、嬉しくないといえば嘘だけれど、それはもっと雰囲気のあるところで二人っきりでというのが普通でしょうに! 黒猫「で、どうすればいいのかしら」 京介「まずは、ここに金を入れて…次にフレームを選ぶんだ」 黒猫「この中から選べばいいのね。……これにしましょう」 京介「え…?これか?これはちょっと……もっとこっちの黒猫らしいかんじのがいいんじゃないか?」 黒猫「…あの子とはこれで撮ったくせに」 京介「いやあれは桐乃が勝手にだな…」 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 12 51 34.53 ID lzsc69m90 [23/62] 出てきたプリクラを見てまた先輩の顔が妙に赤いことに気づく。ひょっとして…これは…… 黒猫「先輩、ひょっとして体調がよくないのかしら」 京介「ばれたか。ちょっと風邪気味でな」 黒猫「そんな…ごめんなさい。今日はもう帰りましょうか」 京介「いや、大丈夫だよ。ちょっと熱がある程度だからさ」 黒猫「駄目よ。今日はもう家でおとなしくしてなさいな」 44 名前:ご都合主義で家族はみんな出かけています[] 投稿日:2010/11/22(月) 12 56 32.05 ID lzsc69m90 [24/62] ___________________________ 京介「で、何をしてるんだ黒猫?」 黒猫「見ての通り看病よ」 京介「いや、それはわかるが…」 黒猫「安心なさい。これでも妹の世話でなれているのよ」 京介「いや、でもうつしてしまっても困るしよ」 黒猫「いいから、先輩は寝てなさい」 全くこのお人よしは…こんな時くらい頼りにしてくれてもいいでしょうに…… 京介「悪いな、実はさっきから体が重くて動く気にならんかったんだ。助かるよ」 __________________________ 47 名前:場面転換の下手さは仕様です[] 投稿日:2010/11/22(月) 13 09 48.04 ID lzsc69m90 [25/62] __________________________ 京介「う~ん?…いかん、寝ちまってた。黒猫?」 黒猫「」スヤスヤ 京介「黒猫も寝ちまってたのか。おい黒猫、そんなところで寝てたら風邪ひくぞ」 黒猫「」スヤスヤ 京介「起こすのもかわいそうか。体も楽になったし、汗もかいちまったしちょっとシャワー浴びてくるか」 京介「黒猫はベッドに移しておけばいいかな」 ___________________________ 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 13 23 53.23 ID lzsc69m90 [26/62] 黒猫「……?……!」ガバッ なぜ私はベッドで寝ているの?先輩は? 慌ててまわりを見渡すと信じられないものが目に飛び込んできた。 京介「げっ」 黒猫「きゃあああああああああああああ」 京介「違う違うんだ黒猫!落ち着いてくれ!誤解なんだ!!」 な…なにを裸になってるのこのけだものは!私が寝てるのをいいことに襲おうとするなんて!! はっ!心なしかスカートもめくられた形跡があるような…… 黒猫「なにが誤解よ!もはや言い逃れできないでしょう!!ええい寄るな変態っ!!」 京介「違う!話をきいてくれええええええ」 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 13 28 37.31 ID lzsc69m90 [27/62] 俺は何とか黒猫を落ち着かせ説得することに成功した。でもさっきの叫び声でご近所さんが通報してたらどうしよう…超心配なんですけど。 黒猫「で、シャワーを浴びたら着替えが部屋にしかないことに気づいてここで着替えていたと…そういうことね」 京介「おう。その通りだ」 黒猫「なんでちょっと自信あり気に答えてるのよ痴漢先輩」 京介「すいませんでした黒猫様。そのあだ名だけはやめてください」 黒猫「ふん、まあいいわ。そのかわり一つだけ私のいうことを聞きなさい」 京介「ははぁ、何なりとお申し付けください」 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 13 34 20.93 ID lzsc69m90 [28/62] 黒猫「じゃあ……その…///」モジモジ 京介「どうした?なんでもいいんだぞ?俺の名誉のためになんでも言ってくれ」 黒猫「……抱っこ……///」 京介「え?」 黒猫「何度も…言わせないでちょうだい」 そう言って黒猫は両手を広げて上目使いで甘えてくる。 やべぇ超かわいい…俺は自分の顔が風邪とは別の理由で赤くなるのを自覚しながらこう言った。 京介「おいで」 黒猫「…」 黒猫は無言で俺のあぐらの上に座り込んだ。そのまま抱きしめてやると、黒猫の体が俺の腕の中にすっぽりと収まった。 なるほどこれは抱っこといえるだろう。 黒猫「ありがとう、先輩」 京介「何がだ?それよりその先輩ってのやめないか?せっかく付き合ってるんだからよ」 黒猫「ええ、そうね…これからもよろしくね…きょ…京介」 京介「おう!これからもよろしくな瑠璃」 おわり
https://w.atwiki.jp/trdqn/pages/14.html
つよし ヴィジュアル好きなやつやけどまぁ仲良くしてあげて ★性別男性† ★年齢16歳 ★住所大阪市内★ ★生年月日11月22日...おぼえやすい ★血液型0型† ★職業学生ゃ★ ★星座蠍THE ★趣味ピアッシング 弓道 ★特技弓道かな ★将来の夢一応は一級建築士 ★学歴小学校卒業 ↓ 中学校卒業 ↓ 現高校生 ★資格漢検4級 ★身長160.... ★体重52キログラム ★3サイズボンキュッキュッ...苦笑 ★体脂肪率しらねえよ ★体毛薄すぎ ★口癖うそやん...etc ★髪型・色普通やな†笑 ★似ている芸能人狐★ ★ファッション今はストリートなど† 髪伸びたらpunksにする ★マイブームお菓子作り† ★人生の格言やりたいことをしろ. ★携帯機種W51SA ★メール受信数200件ぐらい☆ ★電話着信数5件くらい. ★携帯代13000くらい!!! ★家族構成秘密や. ★ギャンブルしないよん!!! ★タバコセッタかクール☆ ★お酒つよいよ ★くるまないよ ★おこづかい秘密や ★年収軽く2000万くらい.笑 ★出身地愛媛 ★好きな食べ物わからへん ★好きな音楽・歌手ヴィジュアル系 ★好きな歌詞(フレーズ) 恋人達はね 永遠を願う あの頂を目指すわ 私達だけじゃ ないけれど今は つかむべき物が みえている... 彩冷える 戴冠式前夜 ★好きな映画プリズンブレイク☆ ジブリ ★好きな漫画わかんねぇ ★好きなテレビあんま見ないね ★好きなブランドヴィヴィアンかな† ★好きな芸能人押尾学 ★貴方の敵は何人?1人☆ ★親友の人数2人☆ ★友達の人数話したことのある人 みんな ★尊敬する人nightmare 柩 ★私の宝物弓矢 ★一番欲しいもの車かな ★人生最大の悪事なんもないね† ★一番恥ずかしかッタ事ないよ... ★警察にオ世話にナッタ事ないよ† ★私の秘密秘密は秘密や☆ ★今一番いきたい場所ライブ ★今一番したい事ライブしたい. ★今一番の悩み背が伸びない... ★透明人間にナッタラ?とりあえず銀行いく!!! ★100万円貰ったら?服かう ★生まれ変わったら?青い鳥† ★1つ願いが叶うナラ?自然災害を無くす! ★あなたの前世は?殿様らしい† ★明日地球がなくなるとしたら遊ぶ. ★宇宙人に遭遇したらプリクラとる ★休日の過ごし方ゴロゴロか 遊びにいく
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/952.html
31 名前:高坂ファミリーズうへぇの会 1/2[sage] 投稿日:2011/07/20(水) 14 51 35.35 ID pahWr2ZD0 [2/3] 鬼も悪魔(あやせ)も床につく、とある静かな丑三つ時。 とある民家の庭の隅では、首から下が埋まった少女と、その民家の家具たちが……夜な夜な会話をしているらしい…… 加奈子「オーッス。今日はけっこう集まってんだな。」 エアコン「こんにちは、加奈子さん。今日も疲れました……」 ノートPC「この時期は大変ッスねエアコンさんはww 一日中つけっぱでwww」 エアコン「そうなのよ…… 私がいることを口実に京介さんを部屋に呼んで、そのくせ『風が冷たい』とか言って抱き合うし……」 ノートPC「コポォwwwwww ギザワロスwwwww」 加奈子「オメーは最近暇そうだな、PC。やっぱ節電の影響か?」 ノートPC「そうみたいッスねwww 早くエンターキーを『ッターン!!!』ってやってもらいたいッスwwww」 加奈子「お前……そこまで調教されてたのかヨ……」 ノートPC「ってか冷蔵庫さんwwww なんスかそのプリクラwwwww」 冷蔵庫「………。」 エアコン「あ、それこの前のデートで撮ってたやつですよね。」 冷蔵庫「………貼られた……」 桐乃携帯「あっ! それ、よく見たらボクのとお揃いじゃん!」 京介携帯「マジでぇ? ……あーららぁ、本当だわぁ……」 冷蔵庫「………。」プイ エアコン「桐乃さんと京介さんはよほど気に入ったんでしょうね、そのプリクラ。」 兄パン「くんかくんか」 冷蔵庫「………あんま見んな……」 加奈子「今までは麦茶出すぐれーしか役目なかったのに、ンなもん急に貼られたら照れるわなー」 冷蔵庫「ッ! 照れてねぇ!」 ノートPC「wwwww 照wwれwwてwwるwww」 桐乃携帯「お揃い♪ お揃いー♪」 京介携帯「さっさと付き合っちまえばいいのによぉ……」 兄パン「くんかくんか。」 タコぬいぐるみ「ンな程度で照れてンじゃねェぞ冷蔵庫ォ!!」 冷蔵庫「!」ビクッ 加奈子「よう、うへぇ王(キング)。やっと来たか。」 エアコン「キングさん、こんにちは。」 桐乃携帯「来た! キングさん来た!!」 ノートPC「これで勝つるwwwww って何にだよwwwww」 兄パン「くんかくんか!」 キング「騒いでンじゃねェブッ殺すぞ!! ……悪ィな加奈子、新入り共の面倒見せちまってよ……」 加奈子「ずいぶん遅かったじゃねぇか。なんかあったのか?」 キング「たいしたことじゃねェよ。いつもの『素直にお喋りするする練習』が長引いてただけだ。」 京介携帯「あぁ、キョウスケって名前付けられて練習台にされてるんだっけぇ?」 キング「まあな。……今よりずっと小さいころは『お兄ちゃんとちゅーする練習』とかにもつき合わされてたけどな……」 ノートPC「ちゅーする練習wwww 6うへぇって所ッスかねwwwww」 加奈子「そうか? まだガキの頃の話だってんだろ? うへぇ対象外が妥当だろ」 キング「俺も同じ意見だ。もし今やられたら、6うへぇは余裕だけどな。」 エアコン「私たちはあまり知らないですよね、昔の話。」 桐乃携帯「基本的に新入りだからね、ボクたち家電製品はさ。」 32 名前:高坂ファミリーズうへぇの会 2/2[sage] 投稿日:2011/07/20(水) 14 52 14.98 ID pahWr2ZD0 [3/3] キング「家電と言えばよ、テレビはどうした? 最近見ねェけど」 冷蔵庫「………いじけてる……」 キング「あ?」 冷蔵庫「………最近出番がない、って……」 加奈子「あ―――…… 確かに昔はメルルとかマスケラ?とか映したりして活躍してたけど最近は……」 京介携帯「めっきり『出なく』なったもんなぁ。そりゃいじけるかぁ……」 キング「あンの根性無しが……! 今度会ったらぶン殴ってやンよ!!」 加奈子「やめてやれヨ、キング。もっとひどい扱いされてるヤツだっているんだぜ……」 エアコン「え? 誰のことですか?」 桐乃携帯「そんな人いるの? 誰誰??」 キング「俺もわかんねェな。誰だ……?」 加奈子「………。」 加奈子(ランちん…… 元気かな……) 京介携帯「ふわぁ…、もうこんな時間なんだねぇ……。」 桐乃携帯「あ、ホントだ。ボク気付かなかった。」 ノートPC「マジかwwww キングクリムゾンwwwww」 キング「あー、じゃあまァ、今日はこのへんでお開k ???「うわああああああああああああああああああああん!!!」 キング「うおっ!?」 壁「うわあああああん!! みんな聞いてよおお!!! ひどいんだよおおおおお!!!!」 キング「お、おう、壁じゃねーか。ビビらせやがって……」 兄パン「くんかくんか」 エアコン「どうしたの? また壁ドンされたの?」 加奈子「壁ドンとか最近されてなかったもんな。痛かったか?」 壁「違うんだよおおお!!! もっとひどいんだよおおおお!!!」 ノートPC「kwsk」 壁「ヒック…… グス… うぅ、さっきね、部屋でね……」 桐乃携帯「うんうん」 壁「僕を挟んで寝てた2人がね、いっしょに目を覚ましてね、僕の方を見ながらね……」 冷蔵庫「………。」 壁「『こんな壁なければいいのに』って言ったんだよぉぉおおおおお!!! ひどすぎるよおおおおおお!!!」 全員「「「「…………」」」」 全員「「「「10うへぇ」」」」 兄パン「おしまい☆」 -------------
https://w.atwiki.jp/seisoku-index/pages/1022.html
――横田基地 旧日本陸軍の横田基地を拡大整備したこの基地は学園都市内にありながら唯一、米国扱いされている土地だった。 そんな基地内のハンガーに止まっている車はトヨタのランドクルーザー。 砂皿がレクサスの他に所有している車の内の一つだった。 車に搬入されていく数々の武器弾薬。 実際に使うのかもわからないが、念には念をだ、と砂皿は自分を納得させると武器を横流ししてくれた兵士にドル札の束を渡す。 英語で「また頼むよ」と白い歯を見せながら笑う米兵。 それに片手をあげるだけで答えると砂皿は車内に乗り込み、キーを回して武器格納ハンガーから出て、門に向かっていく。 (ずいぶん手に入ったな…) 後部座席に置かれている武器弾薬や備品を感慨深げに見つめる砂皿。 セムテックス、数十キロのHMXオクトーゲン、マガジン、手榴弾、グレネードランチャー、などなど、まるで今から戦争にでも行くかの様。 ずっしりと重たい各種部品を搭載したランドクルーザーが程無くして在日米軍基地内を抜けて昭島方面に出る。 そこから本拠を構えている調布方面に向かっていく。 横田基地を出てすぐ、赤信号でランドクルーザー(ランクル)が止まる。 砂皿は黒のランクルのボンネットに反射しているまぶしい夏の太陽を忌々しく思いレイバンのキャラバンシリーズを手に取る。 光を遮断し、快適な運転空間を創出したサングラスに砂皿は満足すると携帯に視線を移す。 八月の狙撃以後更新していない携帯電話。赤信号のさなかにメールを確認しようと思った砂皿はちょうどメールが来ていた。 誰からだ、と思うよりも早く受信フォルダを開き、メールを見ていた。 ステファニーが何か新情報を掴んだのか?と思いつつ携帯を開くが、宛名は以前狙撃を依頼してきた学園都市からだった。 (一体なんの用だ?) From Multi Active Rescue Sub 要請 しばらくとある人物の護衛を頼みたい。 護衛リスト:アイテム.jpg 佐天涙子.jpg アイテム。 砂皿とステファニーが探しているフレンダが所属している組織の名前は確か中国語で“項目”だった。 邦訳すると“アイテム”。予想だにしない展開に砂皿は息をのんだ。 (何らかの手段を使って俺たちの行動を予想した学園都市の牽制か?) 学園都市からアイテムにフレンダを救い出すという作戦。 昨日来学したばかりだったが、どんな最先端技術がつかわれているか判然としない学園都市。 結局情報と言う物はいつしか看破られるもの。それがはやいか遅いかだ、と自分を納得させた砂皿は冷静に返信メールを作成する。 護衛の要請を承り、ステファニーの妹に接近しようと考えた砂皿はMARに仕事を受ける旨のメールを送信した。 いくら学園都市の技術が進歩しているからと言って、まだフレンダに接触してすらいないので情報漏洩の線は無いと判断する。 何も情報が集まってこない状況。 ならば、まだ実質何もしてない。 砂皿は学園都市からの仕事の要請を渡りに船だと考えた。 ――MARのオフィスビル外 「ありがとね!涙子!」 「へ?いや、私は何もしてないよ!?ただ、一緒に行っただけで…」 フレンダがしきりに頭を下げる。 滝壺は先ほどから一言も発していないが、何かを訴えかける様な目でフレンダと佐天を交互に見ていた。 「ま、これで実際に警護に来てくれた砂皿緻密に接触すればいいって訳よ!」 「そ、そうなるね。でも、警護ていっても私の住んでる学生寮の回りでしょ?」 「…そうね。だから涙子の所に来たら私に連絡してほしいって訳よ…!良いかしら?」 佐天はお願い!と懇願するフレンダを見て宿題を一緒にやってほしいと初春に頼み込んだ自分自身もこんな姿だったのかな、と場違いな事を考える。 「良いよ。ってかそうしないとフレンダの恩師だっけ?見つけられないものね」 「あ、ありがとー!涙子ー!」 フレンダは勢いよく佐天に飛びかかる。 このクッソ熱いのに、こいつときたら!と佐天はフレンダを引きはがそうとする者の離れなかった。 ぎゃあぎゃあと喚き散らしている二人を視界にとらえている滝壺はぼそりとつぶやいた。 「お腹減った」 ――レストラン「Twigy」 立川駅の近辺にあるレストランに到着した佐天達一向。 「いやー、にしてもありがとね、涙子」 「もーいいよ、フレンダ、私も今日暇だったし」 「うん。滝壺もありがとね、一緒に来てくれて!」 フレンダは先ほどから一緒に来てくれた滝壺と佐天にしきりに礼を述べていた。 時刻は14時。 朝ごはんを食べてきたとはいえ、それ以外に何も食べていない三人はかなり疲れていた。 三人は料理を頼むとソファになっている座席に腰をだらんと伸ばして座る。 「にしても、面白いわねー、まさか暗部の連絡係と仲良くなるなんてさ」 「本当。電話の女の正体って誰なんだろうって話してたらたまたま隣の座席にいるとか奇跡だよ」 そう言うとフレンダと滝壺が目を見合わせてクスクスと笑う。 佐天は苦笑するしかなく、あはは…と気まずそうに笑って見せた。 にしても…佐天は思った。 昨日まで連絡をよこすだけの繋がりだったのが、今では一緒にご飯を食べるまでに。 いつも共に行動している四人やアケミ達とはまた別の繋がりが出来た様な感じがして佐天はうれしかった。 雑談に興じていると時間はあっと言う間に過ぎていった。 かつ丼を食べ終わると佐天は三人でプリクラを取ろうと提案する。 ゲーセンのプリクラ撮影機の中に入り、百円ずつ入れていく。 四百円でとれるプリクラ。足りない百円はフレンダが今日一日付き合ってくれたお礼として出す。 コインを入れるとお勧めに任せるがままに撮影を開始する。 撮影が終了すると撮影されたプリクラに楽書きをしていく。 出来栄えは上々だった。 三人とも昨日初めてあったとは思えないくらいに親密なのが小さいプリクラの画像からはうかがえた。 落書きを終えたプリクラがしばらくして撮影機械の横からぺろんと出てくる。それをゲーセンにすえ付きされているハサミで三等分していく。 佐天はそれを仕事用の携帯電話にぴたっと一枚張る。 「にひひ…私もはろっと」 「私も」 佐天がプリクラの写真を一枚携帯に貼ったのを見てフレンダと滝壺も携帯電話に同じくプリクラを張り付ける。 ゲーセンから出ると最終下校時刻が近付いていた。 三人は夕日の多摩川の土手沿いを仲良く歩いていた。 部活がえりの学生やまだ練習中の学生達が頻繁にすれ違っていく。 その景色の一つを構成しながら佐天達は歩いていた。 「今日一日でかなり仲良くなった気がするって訳よ。涙子」 「そーだね!私も面白かった!」 「電話の女は電話越しでも実際に会ってもテンション高いんだね」 滝壺の言葉に佐天は顔を夕日の様に真っ赤にする。 こいつときたら、と言いたかったが、実際今日の自分はかなりハイな感じだったと佐天は思った。 「そ、そうかな?ま、他の人に私明るいとか言われるけど…そんなに?」 「うん。かなり明るいと思うよ」 歓談しながら三人は土手を歩いて行く。 その情景だけ見れば青春映画の一コマにも見えなくもなかった。 ――対岸 多摩川の川幅は広い。 といっても霞ヶ浦程でもないのだが、やはり対岸にいる人がどんな人なのかは双眼鏡でもない限り確認は難しいだろう。 「待てや、コラ!勝負しろ!」 「ま、待てよ!ビリビリ!」 「だからビリビリって言うなって言ってるだろ~ー!」 一見、仲の良い男女が遊んでいる様に見えるのだが、実際はそうではなかった。 手のひらから繰り出される電撃を放つ美琴はその電撃を打ち消す少年―一方通行の絶対能力進化計画を阻止した男―に戦いを挑んでいるのだった。 「待ってくれ、ビリビリ!何で俺が攻撃されなきゃいけねぇんだよ!」 「うっさい!とにかく戦いなさい!あんたも男ならちゃんと決闘に応じなさい!」 「け、決闘?」 「そうよ!その通り!あんたは得たいの知れない能力を持ってる!いっつもいっつも私の電気を打ち消して…!ちゃんと戦え!!」 美琴はそう言うとバシン!と勢いよく地面を踏みつける。 アスファルトを伝って電撃がつんつん頭の少年に向かっていくが彼は自身に右手を当ててそれを打ち消す。 「はぁ、はぁ、もう良いだろ?」 「…うっさい…!」 「あ!あんな所に!」 少年が虚空に向かって指を指す。 その動作についついつられてしまう美琴。 一拍後に彼女が視点を元に戻すと遙か先に少年は移動していた。 「チックショウ…!また逃げて…!」 名門、常盤台の少女らしからぬ舌打ちをすると美琴は流石に少年を追う気にもなれず、帰ろうと思い、多摩都市モノレールに乗ろうとする。 (こっからだったら万願寺が近いかしら?) 夕日が陣馬の山々に沈みつつある。 既に遙かに小さくなった少年を見つめると美琴は勢いよく踵をかえしてモノレールの駅に向かおうとする。 (そろそろ帰りますかねぇ~…あんまり遅いと黒子が気にするからなぁ…) 学生バックをぶんと勢いよく持ち、美琴は歩き出す。 ここ最近、彼女の機嫌は良かった。 美琴は八月の後半につんつん頭の少年に遭遇し、一方通行の狂った計画を話した。 彼はそれに応え、何の見返りも求めずに戦い、勝利した。 もう不毛な争いは終わった。 美琴は夕日を見つめつつ、そう思った。 (夏休みもそろそろ終わりね…新学期は楽しく迎えられそう…) あと少しで新学期が始まろうとしていた。 恭しく挨拶をする後輩やいやみったらしい心理掌握と合うのはちょっぴりめんどくさいと思ったが、それすら全てひっくるめ、美琴は今の生活に満足していた。 もう、誰も死ななくて良いんだよね? 狂気の計画が終わり、美琴は平和な世界が少なくとも自分の周りに訪れたと思う反面、不安だった。 自分の知らない事で水面下で進行していたあのきちがいじみた計画。 またその様な計画が進んでいたら? 分倍河原の操車場で行われた9982号と一方通行との戦いを今でもたまに思い出すことがあった。 一方通行は確かに、9982号の脚をちぎり、そこからしたたり落ちる血を飲み、ペッと吐きすてた。 そして直後に9982号はあっけなく圧死した。 思い出す度にぐっと美琴の手が強く握られる。 そして金髪の女…人を殺すことをなんとも思っていない、いや、寧ろ快楽さえ感じれていた様な挙措だった。 許せない。狂った計画に加担した奴らを許すことは出来ない。 既に計画が破綻したからと言って一方通行やあの女達が消えて無くなったわけではないのだ。 美琴は徐々に自分が下を向きながら歩いていることに気づく。 河原に降りて自分の顔をのぞき込んでみると先程まで喜々として少年を追いかけていた時とはまるで違う、全く無感情な表情になっていた。 彼女はあの時の事を不意に思い出すたびに、ゆらと自分の内面に形容しがたい憎悪の念が吹き出るのを知覚する。 かといって、とりたてて何か復讐しようとかそういう気持ちになるのではない。 しかし、実際に一方通行やあの女達にまた会ったらどうなるのだろうか?と美琴は思う。 (ま、いつか、時間が忘れさせてくれるよね?) 黙考しつつ、美琴は河原に石をぽいと投げつける。 対岸に視線を移すと部活がえりの学生や練習中の学生達が歩いている。 その景色の一つを構成しながら歩いている一団に見知った顔があるのを美琴はちらと見た気がした。 (佐天さん?) 対岸から呼びかけたら聞こえるかな?と思いつつ、美琴は周囲に人がいない事を確認する。 すぅ、と息を吸い込み呼びかけようとひた時だった。 (誰かと話してる?) 野球部のジョギングの列が佐天達とおぼしき数人の集まりを通過していく。 (うわ、野球部邪魔…) 大会に向けての追い込み練習だかしらないが、美琴にとってはただの邪魔な壁程度にしか映らない野球部。 その何十人もの列が通過していくと佐天と話している人達が土手から降りていくのがちらと見えた。 佐天は消えていく二人に手を振っている。振られた方も振りかえしているようだった。 (へぇ、柵川中の知り合いかな?) 真っ赤に燃えている太陽の光が多摩川の水面にぎらとうつりこんで一瞬視界がふさがれる。 その直前にベレー帽と金髪のブロンドの女が土手から降りていく風に見えた。 一瞬、カッと体が熱くなり、Sプロセッサ社で戦った光景を思い出す。 まさか、と美琴は思い、対岸にいる佐天を呼びかけようと思った。 しかし、美琴の方にも他校の部活のジョギングの走列がやってきて佐天を呼びかける事は出来なかった。 走列がいなくなった時には既に佐天はいなくなっていた。 ――調布の市街地 ステファニーはホテルでゆっくりと沈みゆく太陽を眺めていた。 高層ビル群に隣接してるこのホテルから見る学園都市の夕日は格別だった。 (結局ダメでしたねー…) 第十四学区の黒人教師と離した後はステファニーは適当にしばらくバイクを飛ばし、ホテルに帰ってきた。 なじみの警備員仲間に会いに行ってもいいと思ったのだが、妹を探している事がばれて面倒なことにならないためにもホテルに帰って来たのだった。 砂皿緻密が大事な事なので口頭で伝えると電話をよこしてから数時間。 ステファニーはその“大事な事”とは一体なんなのか推察して遅い動きの時計の針を見ないように心がける。 と、その時だった。 ホテルのドアがノックされる。 俺だ。と砂皿の声がドア越しに聞こえてくる。 しかし、声が聞こえて来たからと言ってそれが砂皿の声だと確証がとれるわけではない。 ホテルを出る前に決めておいた暗号をステファニーは思い浮かべると、Dieselのジーンズの腰の部分にグロック17拳銃を差し込み、安線装置を解除する。 そしてドアに貼りつき、取りきめ通りの暗号をつぶやく。 「デーニッツ」 『レーダー』 「ウルトラ」 『インテリジェンス』 ドア越しの男と合言葉が合致したのでステファニーはがちゃりとドアをあける。 部屋にずいと入ってきた砂皿は両手に大きめのバックを二つ持っている。 「にゃはーん。お疲れです!砂皿さん!」 「あぁ…疲れた…やはり熱い…」 砂皿はAvirexのブーツにリーバイス503のジーンズ、上着はアルファのカーキのミリタリーTシャツをタイトにきていた。 その上から明らかに鍛え上げられた体だとわかる。 ステファニーはジーンズに英国軍のラウンデルが記載されている彼女お気に入りのTシャツを着用していた。 「砂皿さん、砂皿さん!なんですか?口頭じゃなきゃダメな情報って」 砂皿はステファニーに横田から出て、学園都市のMARから連絡を受け、アイテムの護衛役の連絡を受けた、という情報をステファニーに伝えなかった。 ただ、電話で「口頭じゃなきゃ伝えられない情報を得た」とだけ言ったので、ステファニーは否が応でも気になっているのである。 期待と不安が入り交じった表情で砂皿が話すのを待つステファニー。 それを見て砂皿は苦笑しつつも、口を開く。 「俺がアイテムの連絡係の護衛役に抜擢された」 「ええ!?本当ですか?」 砂皿はあぁ、と頷くと自分でも信じられないようで肩を上下させる。 いつからですか?とステファニーが砂皿に詰め寄る。 「今すぐ行こうと思うんだが、どうだ?お前も来るか?」 「行っていいんですか?」 「あぁ。お前が言った所で状況が変わる訳ではない。おそらく平気だろう」 ステファニーは砂皿の発言に勢いよく返事をする。 砂皿は新しいTシャツにその場でさっと着替えると、腰にグロック17を差し込む。 予備のマガジンも足のくるぶしの上にあるベルトに括りつけ、準備は完了。 ステファニーはアタッシュウェポンケースを手につかみ、カチャリと開ける。 中にはヘッケラー&コックの短機関銃クルツと予備マガジンが数本。そして焼夷手榴弾が入っていた。 「にゃはは☆まさか学園都市に来て二日目になって妹の手がかりがつかめるなんて想像もしてなかったですね☆」 「あぁ。俺もだ」 砂皿とステファニーは鍵を閉め、ホテルを後にした。 ――木原数多が勤務しているとあるオフィス 顔に刺青が入った男を見たことがあるか? あまり居ないだろう。 高名な科学者や博士は時として奇行ともとれる行動を起こすことがある。 日本の細菌テロでもかつては有名な理系の学生が毒ガスを作っていたとか、そういう話もある位だ。 馬鹿と天才は紙一重。そんなことわざがある。 木原数多という男を物差しで測ってみたらどうだろうか? 間違いなく、天才だろう。 学園都市第一位の男、一方通行の開発を担当したこの博士。 学者と言う一面ともう一つは猟犬部隊(ハウンドドッグ)という部隊の指揮官も務めているのだ。 学園都市の研究分野にかなりの影響を与え、且つ、軍務にも造詣がある。 顔だけで見たら刺青が入って金髪のチンピラの様な出で立ちだ。しかし、その認識は彼においては大きな間違いである。 彼は今、妹の木原=テレスティーナ=ライフラインの頼みで部隊の数名を監視に着けさせ様としている。 妹の要請と言うこともあり、渋々ながら、と言うのが本音だったが、拒否する理由も特にないので、訓練ついでに数多は妹の要請を受けたのだった。 「よーし…っじゃ、人選はじめんぞ」 数多の間延びした声とは裏腹にザッ!と数十人の隊員の踵を揃える音が聞こえてくる。 彼はその音が自分の耳に届くか否かという時に淡々とした口調で話し始めた。 「妹からオーダーが入った。アイテムのボディガードとアイテムの連絡係の監視、それと、あ、そーだ、忘れてた、あと、肝心のアイテムの監視だ」 数多の声だけが広いオフィスに響く。 軽い冗談を吐いたつもりだったが誰も何も言わない。ま、いっかと言いつつ、木原は首をコキンを鳴らす。 「オスカーがえーっと…じゃ、てめぇはフレンダ監視な」 「ラジャ」 「ベティ。お前えーっと佐天とかいう奴の監視」 「ラジャ」 「ケイト、お前は砂皿とかいう狙撃手な。ってかコイツ前に学園都市が依頼した狙撃手じゃねぇか」 「で、それぞれ交代要員を一人ずつ回すから、計六人で監視体制に当たれ。不穏な動きがあれば逐一報告しろ」 選抜要員として選ばれた三人はザザと脚を揃えて数多に向けて敬礼をする。 そして合図も無しに同じタイミングで敬礼を辞める。 その場で猟犬部隊が解散すると数多は残った先程コードネームで呼んだ三人をちらと見る。 「監視しろ、って言われても相手が何を考えてるかわからねぇ」 「妹自身、アイテムの奴らが何を考えているかどうか分からねって言ってた」 「けど、だからと言って油断するなよ。妹も妹なりに危険で不穏なにおいを感じ取ったから俺等猟犬部隊に依頼してきたんだからよ?」 妹の感じ取った不穏な雰囲気を信じ、最低限の兵力だけれども油断せず監視に当たれと厳命する。 顔にトライバルの様な刺青の入った数多は腕を組みながら指示する。 猟犬部隊で名前が上がった選抜要員達は木原の指示通りに動く駒だ。 しかし無能な駒ではない。ひとつひとつの任務を正確にこなす数多に忠実な暗部の特殊部隊なのだ。 彼らは数多の指揮下に置かれた部隊だと言えよう。 「装備を確認し、準備ができ次第監視ポイントへ迎え」 「「「はっ!」」」 コードネームで呼ばれた三人の要員達は装備を互いに確認する。 荷物は必要最低限。数多からそれぞれ教えられる座標に向かって三人はそれぞれ向かっていった。 ――移動中の車内 オスカー オーソン オスカーはフレンダが暮らしていると言われているアイテムの共同アジトに向かっていた。 同僚の隊員が送る車の助手席に腰を落ち着かせているオスカーは折角、定時で上がれたのにと内心に愚痴る。 監視任務は解かれるまで常に見張らなければいけない。 これが結構つらかったりする。 因みにオスカーはフレンダの暮らしているアイテムの共同アジトの反対側のビルの屋上から超望遠スープによる監視。 コンビニで漫画でも買っとけば良かった、と暇つぶしのツールを買い忘れたので猟犬部隊の同僚に自分が監視中に買ってきて欲しいと頼んどいた。 「にしてもなんだって同じ暗部組織の監視をやらなきゃいけねぇんだろうな」 「言うなよ、オーソン。これは任務なんだ、木原さんに抗命したら殺されるどころじゃ済まされないぜ?」 オーソンはわかってるよ、とハマーのハンドルを握りながらつぶやく。 もうそろそろでアイテムのフレンダが住んでいるとされるアジトの反対側にあるビルに到着する頃合いだった。 どれほど監視任務が続くか分からない。 しかし、オスカーは脳裏に数多の顔を思い浮かべ、しっかりやらなきゃな、と身を引き締めるのであった。 ――柵川中学付近の雑居ビル ベティとケイト 高層ビル群が建ち並ぶ再開発地区の付近にぽつねんと建てられている柵川中学の学生寮。 スキルアウトの根城とか言われていたが構わない、とベティは思い、ケイトの差し入れでお湯が入ったカップ麺を食べていた。 (実際、監視っつてもなぁ…何かごく普通の中学生じゃねぇか) 移動中に携帯端末で見た情報だと、幻想御手の一件で学園都市の暗部に墜ちた少女。 ベティ個人としてはかわいそうに、と思ったがカップ麺を啜っている最中にそんな事は頭の片隅から永遠に紡がれることはなく、消えていく。 リューポルド社製のスコープにずいと片目を宛がい、洗濯物をしまい込む佐天涙子とかいう女を覗いていく。 (普通の女の子じゃねぇか…) 真っ黒な特殊部隊の格好の男はレミントンM24スナイパーウェポンシステムと銘打たれた往年の傑作狙撃銃のスコープからのぞき込みつつ思った。 その横には照準補佐をする為に双眼鏡を首からかけ、オークリーのサングラスをかけているケイトがいた。 彼はバックの中からレミントンM24を補佐する昼夜使用可能の大型スコープをずいっとと取り出す。 「見てる限りだと、何もしねぇな…」 「あぁ…ま、話す奴が居て助かったよ。監視任務って言ってもかなり暇そうだしな」 「ってかよケイト。お前はあの子の護衛に来る狙撃手の監視だろ?いいのかよこっちに来て」 ベティはケイトに狙撃手の居場所を尋ねる。 ケイトはここら辺で見張ってたら近い内来るだろ、と笑いながら昼夜両用の暗視装置付きのスコープを組み立てていく。 恐らく木原さんの妹の過剰な警戒心から来た今回の任務なんだな、と割り切り、再び二人は佐天の監視体制に移行していった。 スコープに移るただの少女を見ている内に二人の作ったカップ麺はのびていった。 ――佐天の学生寮付近 トヨタのランクルが佐天の学生寮の近くに停車する。 夕日に照らされてぎらと光って反射するボンネットを見て、まぶしいな、と砂皿はつぶやく。 ステファニーを助手席で待たせておいて腰にグロック17を差し込んだまま、佐天の学生寮に向かう。 (僥倖か…?それとも、罠?) アイテムのフレンダ―即ち、ステファニーの妹―と接触し、救出するという作戦の第一ステップはまず、アイテムの連絡係、佐天涙子との接触で始まったのだ。 彼は学生寮の佐天が暮らしている部屋のドアをこんこんとノックする。 『はい、どちらさまですかぁ~?』 ドア越しから声が聞こえてくる。 元気な女の子の声だった。 「護衛の任務を承った砂皿という者ですが…佐天涙子さんのお宅でよろしかったでしょうか?」 『あ、そうです、佐天です。ど、どうぞ、入って下さい…』 ドア越しに聞こえる声の主がガチャリとドアをあける。 チェーンロックを外し、すっとドアが開く。 砂皿は一礼するとお邪魔しても?と再確認。どうぞ、と佐天は言うと砂皿を家に上げた。 「え…っと何から話せばいいか…」 佐天は帰ってきて直後に、不意にやって来たボディガードの男に動揺しつつも氷水を出す。 彼女に寡黙な男の印象を与えた砂皿は水には手を着けず話しの本題に入っていく。 砂皿は一度深呼吸すると「整理しよう」と一言言う。 言われた佐天は「は、はい!」とうわずった声で返事をする。 「この仕事の依頼主が誰だか分かるか?」 「依頼主というか…護衛を頼んだのは…私って事になるのかな?」 「なんだ、君もよく把握してないのか?」 「いえ…ここ最近学園都市の中でも内訌問題がなんたらって…それで連絡係をやってる私にも身の危険があるって」 「つまり…くだらない縄張り争いに巻き込まれないようにするために俺が君を守るために派遣された…って事か」 「そういう事になると思いますね…」 砂皿はそこまで聞くと「ふむ」と一度区切り、腕を君で考え込む。 その光景を見ていた佐天は砂皿から視線をそらし、一度外をぼんやりと見つめる。 「君は何で俺を護衛に推したんだ?」 「あぁ…えーっと、フレンダさん?ちゃんって言ったら良いのかな?とにかく、フレンダっていう人が砂皿さんの事を知りたくて、今日、MARに言ったんです…連絡先を教えてくれって」 「何故、フレンダと言う子は俺の連絡先を知りたがっているんだ?」 (フレンダ…ステファニーの探している妹ではないか) 「砂皿さんの知り合いなんですよね?しかもフレンダちゃんも知り合いって言ってまして…、その…ステファニーっていう人と…」 「あぁ。知り合いだ」 (成る程。連絡係の彼女にはフレンダは姉との関係を“知り合い”と言っているのか。同じ仕事をしている関係の間柄でも一応の区切りはつけている、と言うことか?) 「やっぱり知り合いだったんですね。あ、それで、フレンダちゃんが砂皿さんの連絡先を知れれば、砂皿さん経由でステファニーさんと連絡を取れるって彼女は考えています」 砂皿は「ほう」と否定をするわけでもなく、肯定をするまでもなく、応用に相槌をうって佐天に答える。 「そしたら、砂皿さんの連絡先を教えて頂けませんか?フレンダの連絡先わかったら砂皿さんに連絡するので、砂皿さんはそこからステファニーって言う人にフレンダちゃんの連絡先を教えれば二人は連絡を取れると思うんです」 「少し面倒だが、現在では一番手っ取り早い方法だな…」 「そうですねー…でも、フレンダの連絡先は私がなんとかアイテムのリーダーに聞こうと思います!なので…近日中には教えることが出来ると思います!」 「少し話しは変わるが…フレンダは何故、知り合いのステファニーを探しているんだ?」 「……さぁ?」 「何だ、知らなくて協力しているのか」 「は、はい…」と佐天は気まずそうな表情を浮かべる。 砂皿はそんな彼女を見つつ、お人好しだな、と内心にひとりごちる。 彼は佐天の方を向くと、伝言を頼みたい、と彼女に伝える。 言われた佐天は「伝言?」とオウム返しに聞き返す。 すると数々の戦場を疾駆した男がゆらと立ち上がり佐天に伝える。 「姉も、妹の事を探しているから、待っていろ、とな」
https://w.atwiki.jp/6hss5nu9gc/pages/28.html
____________ ___________ ______ ______ 〔===||NEKOCATCHER||===〕 .〔==||NEKOCATCHER2||==〕 |:::::::::||:::::::::| | ̄|「 ̄|| ̄ | | ̄ ̄ ̄|| ̄| | ̄|「 ̄|| ̄ | | ̄ ̄ ̄|| ̄| ___ |::.print..:||::.shyly.:| | || 昴 | | // || | | || 昴 | | // || | |両替|. |::(*'∀`) :!i::(*'∀`) :! |_||___|_|__/_.||_| |_||___|_|__/_.||_| |:::II|. |:club..:::||:club..:::| lニニニニニl―‐――‐lニニニニニl lニニニニニl―‐――‐lニニニニニl._!{二ロ !_ヽ人人人人人人人人人ノ | 匚]… | | …匚] | | 匚]… | | …匚] | 「==== | |_匚]__:__| |_匚]__:__| |_____|二二二二|_____| |_____|二二二二|_____| |_l二・l」 l亙亙亙亙l l亙亙亙亙l ___ / ァへ\ ___ _rェェz__ _rェェz__ _rェェz__ _rェェz__ _rェェz__ l*+゚8x:*。o| l /r‐z \ |=:━:=| |=:━:=| |=:━:=| |=:━:=| |=:━:=| 〔ミニニニニニニ彡〕 l*:*。o,@'+|8l ||| ̄ ̄ ̄||| ||| ̄ ̄ ̄||| ||| ̄ ̄ ̄||| ||| ̄ ̄ ̄||| ||| ̄ ̄ ̄||| | | ┌─┐ | | 〔ミニニニニニニ彡〕. ||L___.」|| ||L___.」|| ||L___.」|| ||L___.」|| ||L___.」||  ̄lニニニニニl ̄ | | ┌─┐ | | L_q_。。。__」L_q_。。。__」L_q_。。。__」L_q_。。。__」L_q_。。。__」  ̄lニニニニニl ̄ |口|三| | |口|三| | |口|三| | |口|三| | |口|三| | |_|冂|_| |_|冂|_| |_|冂|_| |_|冂|_| |_|冂|_| ゲーセンだお プリクラや、クレーンなんかしてる隙に盗撮できるお ここの獲物は【学生】で【大人はまず来ない】お 集中してるから警戒が低くて、煩いからシャッター音は気にしなくていいお 人が多いからそこそこ逃げやすいお バイトとして入ったら更衣室やトイレも盗撮できると思うお バイトしている状態でここでの盗撮がバレたら【ゲームオーバー】だお
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6646.html
「咲さん。旦那さんを貸してください」 「嫌だよ!? 和ちゃんどうしたの!?」 「のどちゃん……人の旦那を奪おうとするのはさすがに引くじょ」 「いいえ、ゆーき。女の子は人の旦那にこそ惹かれるのです。 現に今の京太郎君はすごく魅力的じゃないですか!」 「まぁそこは否定しないじょ。 何かと頼りになるしなー」 「優希ちゃん!?」 「実際、ショタ好きじゃなければちょっと年を取っている風な男に惹かれると思うんです」 「確かにそうかも。私の友達にもそういう人多いじょ」 「大学で普通に遊んでいた友達が、年上のおじさまと不倫しているって話をよく聞きます」 「あー、それ私も聞くなぁ。清楚系の友達が意外にそういうことしてるんだじょ」 「本人たちは隠す気もなく、普通に話してくるんですよねー」 「『私不倫してるんだー』とか、いやぁよくある話だじょ」 「人妻の前でよくその話できるよね!?」 須賀咲ちゃんです。今日も女子会です。 和ちゃんが不穏な目つきでこちらを見ています。いや、もう本当にやめて……。 「のどちゃん、またなんかあったのか?」 「ふ、ふふふ。それを聞きますか。聞いちゃいますか」 「あっ、やっぱりいいです」 思わず優希ちゃんも標準語に。 そういえば、大人になってからの優希ちゃんは素になると普通の喋り方をするけれど、まさか 「おっと咲ちゃん、それ以上はいけないじぇ?」 「ぅひ!?」 ま、まさかこっちも!? 京ちゃん。(元)清澄女子麻雀部が怖いです……。 「頼りになる男性は魅力的ですよね 京太郎君は背も高いですし、力もあるし、日曜大工なんかも出来そうですね」 「あー。たまにやってくれるなぁ。 私のお父さんと一緒に本棚作ったり」 「私もタコスをまた食べたいじぇ」 「それなら今度お願いしてみようか?」 「咲ちゃん、本当か!?」 「私も是非お願いします!!!!!」 「うわぁ……」 和ちゃん必死すぎ……。 「もう! 聞いてくださいよ! この前、父に言われてお見合いをしたんです」 「のどちゃんがお見合いかー。 そのおっぱいを使えば一発だじぇ」 「本当だよねー。清楚な格好をして、上目遣いでもすれば一発じゃないかな」 「……19戦19敗」 「じぇ!?」 「ファっ!?」 「ふ、ふふふ。まぁそんなに多くない数字ですが、負けが込んでいましてね」 「いやいや、のどちゃん。19回もご破談になっているのに多くないって……」 「日本のすべての男性人口と比べれば、統計的に見ても微々たる数です!」 「えぇ……」 「そのデジタルには無理があるじょ」 い、いやさすがにそこまで行っちゃうといろいろとおかしいんじゃないかな!? どう控えめに見ても和ちゃんは美人さんだし、アラサー付近と言ってもむしろ結婚適齢期でしょ!? そのくらいの年齢と、見た目、公務員ってスペックでそれはおかしいよ! 一体何をすればそんなに破談になるの!? 「最初は本当に嫌だったんですよ。いや、今でも嫌なんですが。 それでも、父の態度がですね?」 1回目 『和、こちらの方に挨拶だけでもしておきなさい。 人柄も良いし、安定した企業に勤めている方だ。 しかし、ちゃんと見極めるんだぞ』 2回目 『和。この方はこれから伸びる方だ。 顔見知りになっておいて損はないだろう。 お前をその辺の男にはやれん』 5回目 『……和。その、なんだ。 無理にとは言わないが、今回もお見合いを用意したぞ』 10回目 『いや、その、な? お節介だったらお節介で構わないんだ。断ってくれても構わない』 15回目のお見合い終了後 『和。お前の友達に良い方はいないのか? 恋愛結婚は良いぞ。うん。お前が良いと言う方ならばそれで良いだろう』 16回目のお見合い終了後 『そういえば十年ほど前か、お前が話題に出していた男の子がいたじゃないか。 今でも交流は続いているのか? ……むしろその男の子以外に知り合いはいないのか?』 17回目のお見合い修了後 『和。よければ私がその男の子と掛け合おうか。 何? すでに結婚している? そんなことを言っている場合か!』 18回目のお見合い修了後 『私の旧友に宮永界という男がいてな』 19回目のお見合い修了後 『何を迷うことがある奪い取れ! 今は悪魔が微笑む時代なんだ!』 「と、いうことがありまして」 「ちょっとぉぉぉー!?」 「わーお、過激だじぇ」 え、和ちゃんのお父さん何言ってるの!? 冷静に考えても頭おかしいんじゃないかな!? 「あの過保護な父がこう言う態度になってきたという事実が、何よりキますね」 「いやいやいや、ここまで来ると和ちゃんに何か原因があるんじゃない?」 「いやー、若い娘にこれだけお見合いを用意する方もなかなか狂ってるじょ」 「私は普通にお見合いをしているつもりなんですが」 「と、とりあえずどんな感じに?」 「それでは、咲さんを頼らせていただきますね」 い、一個一個直していけば大丈夫なはず。 やだよ! 絶対に京ちゃんは渡さないよ! 和ちゃんに勝てる気がしないもん! 「まず、いつもの服を着てお見合いに向かいます」 「アウト!」 この年齢、あの露出服でお見合いに行ってるの!? しかも和ちゃんのお父さんが紹介する人なんだから、かなりまともな人でしょ! そりゃダメだ! 「次にお互いの自己紹介で、金髪で高身長じゃなかったらアウトですね」 「なんでさ!」 「せめて写真で断ってやるべきだじょ……」 「ヤンキーに壁ドンされる女の子に憧れているんです!」 「特定個人を指しすぎだよ!」 「あとは白馬に乗った高身長金髪の王子様!」 「えっ、京ちゃんが王子様……?」 ないわー。私嫁さんだけどそれはないわー。 あっ、優希ちゃんが笑い転げてる。 「かなり高レベルでこじらせてるじょ……」 「私のお姉ちゃんでもこのレベルはないよ」 ちなみに、私のお姉ちゃんに聞くと、『京ちゃんがいい』としか返ってこないよ! 「あとは挨拶代わりに職業、年収、運動歴、名前が須賀京太郎かを聞きますね」 「いやもうお見合いでやっちゃいけないことの役満じゃん……。 というか最後は何さ……」 最後のはともかく、割とこじらせてるだけでダメだこれ! ネタで言っているのかと思ったらキョトンとしてるし! 私服がマイノリティだと自覚していた和ちゃんはもういない! というか大学の和ちゃんの友達は、合コンの時とかに誰か教えてあげなかったの? 「咲ちゃん咲ちゃん。 多分、大学にいるのどちゃんの友達はライバルを減らしたり、相対的に自分をよく見せるために止めなかったんだと思うじょ。 のどちゃん。プリクラで自分だけ前に出てたこととかないかー?」 「? いつもそうですよ。 何かと前に出てくれと言われます」 「のどちゃんそれ罠だじぇ。 プリクラを撮る瞬間に自分だけ下がって、小顔に見せて他の人の顔を大きく見せるのは女の子の必須スキルだじょ」 「えっ」 「あっ、親しい友達にでもやるから、悪意はないと思うじぇ。 それでそのプリクラを使って男を釣るんだじょ。 顔が大きいってそれだけで引かれちゃうし、後ろに小顔の自分がいればのどちゃんレベルでも踏み台にできちゃうじょ」 えっ、そうなの!? 女子会こわい! 女の子こわい! 周りにお姉ちゃんしかいなくて、旦那さんもちの自分がいかに恵まれているかわかったよ! 「う、うう。 な、なんにせよ旦那さん借りていいですか?」 「どうしてこの流れで借りていいって言われると思ったの!?」 「のどちゃん諦めろー。 もう試合終了だじぇ」 「今思えば、運動ができる高身長金髪イケメンと優良株すぎました。ぐぬぬ。 あんな王子様みたいな人いませんよ!」 「いやぁ、うちの旦那が王子様はちょっと……」 「あっはっは。逃した魚は大きいってか。 ……私は咲ちゃんが別れたらもらうつもり」 「優希ちゃん何か言った?」 「なんでもないじぇー」 ? どうしたんだろ。 というか、京ちゃんは私とお姉ちゃんの相手で忙しいの! ダメなの! 「では私はipsして京太郎君にぶっ込みますので、京太郎君が咲さんに挿れるのでいいですか?」 「何がいいと思ったの!?」 「ipsで……みんなを笑顔に……。 こうなったら、京太郎君に私の子供を孕んでもらいます」 「どうしてその結論になるのかな!? 100歩譲って、和ちゃんが子供を産む側でしょ!?」 「えっ、譲ってくれるんですか!? 言質を取りました。これは父と法廷で使います」 「それが狙い!? ダメ、絶対にダメー!!」 全く、和ちゃんは本当に油断も隙もないだから! 京ちゃんは私のなんだからね! カン! 目次に戻る
https://w.atwiki.jp/wiki10_persona3/pages/400.html
ステータス 学力・魅力・勇気の3種類がある このステータス値によって特定コミュ参加条件が設定されている 学力 状態 数値 対応コミュ もう少し 0~19 できなくはない 20~79 節制 そこそこ良い 80~139 なかなか優秀 140~199 太陽 かなりの秀才 200~259 天才 260~ 女帝 魅力 状態 数値 対応コミュ これといって 0~14 磨けば光る 15~29 月 そこそこある 30~44 光っている 45~59 悪魔 オーラが出ている 60~79 カリスマ 80~ 恋愛 勇気 状態 数値 対応コミュ 今ひとつ 0~14 ないこともない 15~29 塔 ここぞではちがう 30~44 頼りがいがある 45~59 星 肝が据わっている 60~79 漢 80~ 女教皇 学力上昇 方法 利用可能日 上昇値 詳細 授業を寝ずに受ける +2 図書室で勉強 昼 +2 疲労発生しない 自室で勉強 深夜 +2 疲労発生あり 自室で勉強 休日 +2 疲労・風邪時 賽銭箱 昼 +2 夏期講習 8/10~14 +3 合計+15※強制イベント 和食屋わかつ 火曜以外(昼) +3 680円 自室で勉強 休日 +4 普通・絶好調 ゲームセンター 水・土(昼,夜) +4 クイズゲーム3000円 映画祭り 8/17~31日 +4 美鶴,アイギス,ベベ 賽銭箱 昼 +5 絶好調 依頼NO.79 昼 +? 時間経過無しで計8回10/5から可能 魅力上昇 方法 利用可能日 上昇値 詳細 授業の質問に正解する チャート参照 +2 順平に質問の正解を教える チャート参照 +2 シャガール辰巳店 昼,夜 +2 500円 鍋島ラーメン はがくれ 土曜以外(昼) +3 900円 ゲームセンター 月・木(昼,夜) +4 プリクラ1500円 スクリーンショット(映画) 昼 +4 1500円 奇数月 映画祭り 8/17~31日 +4 ゆかり,順平,風花,千尋,平賀 試験の結果 チャート参照 +1~4 順位により変動 勇気上昇 方法 利用可能日 上昇値 詳細 保健室で薬を飲む 昼 +2 疲労風邪時のみ時間経過なし マンドラゴラ(カラオケ) 金,土以外(昼,夜) +2 800円 ワイルダックバーガー 木曜以外(昼) +3 500円 ゲームセンター 火・金(昼,夜) +4 3000円 スクリーンショット(映画) 昼 +4 1500円 偶数月 映画祭り 8/17~31日 +4 真田,コロマル,天田,宮本,友近,西脇,荒垣
https://w.atwiki.jp/jojobr2/pages/201.html
【名前】岸辺露伴 イメージはこちら 【出展】ジョジョの奇妙な冒険第4部 【種族】人間 【性別・年齢】男性・20歳 【外見】 特徴的な髪型とヘアバンドをしている。あちこちにペン軸モチーフの飾りがついている。 割りと細身なので力は弱い方かも知れないが、腕が動く早さはスタンド並で週刊漫画の原稿を3日で仕上げる速さ。 本人曰く巻頭&センターカラーページ有りの週でも4日で大丈夫とのこと。 ※代表作は「ピンクダークの少年」(週刊少年ジャンプ連載) 【性格】 康一 「根はいい人だなんて、思わない方がいいですよ。信用していいかどうか、灰色の人なんですから 」 面白い漫画のネタを掴むためなら手段を選ばすどんな事でもやってのける。 基本的に自己中心的な性格。自分以外の人間を馬鹿にしている節がある。 一応、漫画家のこせきこうじ氏を尊敬しているらしい(プリクラをとりに行く仲)。 荒木飛呂彦氏なりのジョークだろうか。 あとかなり大人気ない。 【口調】 この岸部露伴が、金やちやほやされるために、 マンガを描いてると思っていたのかァーーーーッ!! ぼくは、『読んでもらうため』にマンガを描いている! 『読んでもらうため』ただそれだけのためだ。 単純なただひとつの理由だが、それ以外はどうでもいいのだ! そしてぼくは『読んでもらうため』毎日毎日『リアリティ』のある題材を探している! 『傑作』が描けるという最高の『題材』をつかんだ時の気分は君らにはわからんだろうッ! 【特異能力】スタンド能力はヘヴンズドアー。 相手を本にして露伴だけがその中に好きな事を書き込む事が出来る。書き込んだ事はその書き込まれた人にとって現実となる。 ぶっちゃけ反則ギリギリ。 解除するには露伴本人が許可するか、書き込まれた部分を破り捨てるしかない。 【備考】 ちょっと前に2ちゃんねるに「ジャンプの漫画家だけど質問ある?」というスレが立てられたのだが、 なんとこれはスレを立てた 1氏が「岸辺露伴」になりきって(あくまでそうとは名乗っていない) レスをするという「なりきり」の盲点をついたものがあった。
https://w.atwiki.jp/83452/pages/4666.html
律「ちょっとゲーセン寄ってこーぜー」 唯「行く行く~」 澪「おい律、買い物じゃなかったのかよ」 律「いいじゃんかたまには」 紬「わぁい、面白そう。私行ってみたいと思ってたの」 梓「プリクラでも撮りますか?」 唯「わぁいいねぇあずにゃん」 紬「わぁ、プリクラ!」キラキラ 律「よぉし、じゃあ行こ~」 唯「あれ?あのゲームなんだろ?」 律「ドラムらしいものがあるな」 唯「こっちはギターのがあるよ」 律「やってみよ~ぜ~」 唯「うんうん♪」 紬「わぁい、太鼓のゲームがあるわ」 梓「ちょっと…プリクラは…?」 澪「あ~ぁ行っちゃったよ…」 梓「どうしますか澪先輩?」 澪「ちょっと待ってるか」 梓「そうですね」ショボン 唯「あれぇ…ギー太みたいに上手くいかないよ…」 律「私もだ…なんか本物と違うな…」 紬「私は面白いわぁ。えい!えいっ!」ドンドンカッ 唯「何か難しいね」 律「所詮ゲームか…」 両津「おい、お前たち」 律「ん?」 唯「おまわりさん?」 律(やべ、学校の帰りに遊んでたからか…) 両津「このゲームはコツがあるんだ。ちょっと貸してみろ」 律「は?」 …… … 律「おぉ~すげ~満点だぜ~」 唯「すごいすごい!」 両津「ははは、まぁ、こんなもんだ」 紬「こっちの太鼓もやってください」 両津「太鼓の達人か…どれ…」 唯「あれ?なんで二人プレイなの?」 両津「プロは二つ同時にやるんだ」 唯「そんなのできるわけないじゃん」 …… … 紬「りょ、両方をパーフェクトで…」 律「す、すごい…」 唯「おまわりさん!すごい!すごいよ!すごすぎるよ!」 両津「ははは、子供に褒められても悪い気はしないな」 唯「子供じゃないもん」ブー 律「お前は子供だろ」 唯「もぅ!りっちゃんだって同い年じゃん!」 律「はっはっは、冗談だよ」 両津「仲いいなお前ら」 紬「はい、私たち同じ部活なんです!」 両津「何やってるんだ?」 唯「けいおん部だよ~」 両津「ほぅ、けいおん部か…」 梓『ちょっとやめてください!!!』 唯「あれ?あずにゃんの声だ…」 DQN1「なぁちょっと遊ぼうぜ」 DQN2「うひょ~マジ可愛いな。特にこっちの子」 澪「ひっ…や、やめ…」 梓「もうやめてください!」 DQN1「こえ~」 DQN2「でも可愛いなぁ。どっかいこ~ぜ~」 梓「ぅ…誰か…」 両津「おい、お前たち」 DQN1「なんだぁ?」 DQN2「おまわりが何の用だよ?」 両津「傍から見ていて、見苦しいぞ。さっさと帰れ」シッシ DQN1「市民が楽しく遊んでるのを邪魔すんのかよ」 DQN2「あぁ?調子のん…『カチャ』 DQN1「け、拳銃…」 両津「馬鹿は口で行ってもわからんらしいな」 DQN1「ひぃぃ…」 DQN2「覚えてやがれ!」 両津「ははは」 梓「ありがとうございます、おまわりさん」ペコリ 澪「あぅ…あ、ありがとうございます」 両津「いいってことよ、たまたまパトロールで通りかかっただけだ」 唯(でも、ゲームしてた) 律(ゲームしてたけどな) 紬(ゲームするのがパトロールかしら?) 唯「澪ちゃん、あずにゃん、大丈夫だった?」 梓「はい、私は大丈夫ですけど…」 律「澪、何かいやらしいことされたのか?」 梓「いえ…恐怖で怯えちゃって…」 澪「だって…怖いよ…いきなりからまれたら…」 両津「まぁ、いいや。じゃあワシはそろそろ行くからな」 唯「あ、おじさん」 両津「ぁん?」 唯「澪ちゃんとあずにゃん助けてくれてありがと~」 両津「いいってことよ」 唯「あ、そうだ!これあげる!」 両津「ん?菓子か?」 唯「うん!ムギちゃんのクッキーだよ~すっごくおいしいの!」 両津「悪いな」 唯「へへへ」ニパー 両津「きーーーん」 キキッーー 両津「ただいま到着~」 中川「先輩、もうお夕方ですよ」 両津「パトロールしてたんだよ」 本田「って…先輩、今日は昼からでしょう?待ってたんですよ」 両津「おう、本田。来てたのか」 中川「あれ?その袋なんですか?」 両津「あぁ、これか、さっき女子高生にもらったんだ」 本田「クッキーですか」 両津「さっき少し食ったがなかなか上手かったぞ」 麗子「あら?これってかなり高級なやつよ」 両津「なに?あのガキどもこんないいもん食ってんのかよ」 本田「うわぁ、なんか羨ましいなぁ」アハ 両津「別に、なんてことはない。で、本田は何の用だ?」 本田「実は先輩にいい話があるんです」 両津「いい話だと」ピク 本田「これです!」ジャーン 両津「なになに…バンドコンテスト… ワシは音楽なんか興味はな……何!賞金100万だと!!!」くわっ! 中川「実はこの企画はことぶ『うおおおぉぉぉ!!!出るぞ本田!ワシらで優勝いただきだ!』 麗子「本当、両ちゃんは現金ね」はぁ 両津「よし、どうすれば出られる?」 中川「…」 両津「どうした中川?」 麗子「圭ちゃんが喋ってる途中で大声あげるからでしょ」 両津「そうだっけ?」 中川「いいですよ。いつものことですし」 両津「ははは、まぁ気にするな」 本田「まずはバンドを結成しないと」 両津「ギターやドラムか…あまり得意じゃないな… 太鼓なら自信あるんだが…」 両津(ピンッ!…まてよ…なんとかなりそうだな) 本田「エントリーするのに審査があるみたいですよ…」 両津「ワシらの腕ならまず大丈夫だ」 中川「すごい自信ですけど大丈夫なんですか?」 両津「何言ってるんだお前たちも出るんだぞ」 麗子「えぇ?私ギターとかあまり得意じゃないわよ」 両津「キーボードとかもある。心配するな」 中川「でも面白そうですね」 両津「よし、決まりだな。軽く練習しとくぞ」 本田「そんな簡単にいくのかなぁ…」 …… 紬「ジャーン、これなぁんだ」 梓「バンドコンテスト…ですか…」 律「ふ~ん、私たちには関係ないな」 澪「おい、律。私たちは何の部活だっけ?」 唯「わぁ、今日のケーキはマロンだねぇ~美味しい~」 梓「唯先輩も、ちょっとは関心持ちましょうよ…」 澪「…」 律「ん?どうした澪?」 澪「しょしょしょしょ…」 唯「しょしょしょ?」 梓「しょ、賞金100万円…」 律「な、何だって…」…ポト 紬「何か今日家の人が教えてくれたの。 でも、あんまり皆乗り気じゃないみた… 律「よぉーーーーし、練習するぞおおお!」 唯「はやく!あずにゃん、澪ちゃん!何やってるの!早く楽器持って!」 澪「ヒャクマンあれば…ヒャクマンあれば…」 梓「でも、これって私たちも出られるんですか?」 澪「そ、そうだよ。それにバンドで賞金がでるなんて聞いたこともないぞ」 梓「ほんとです!何かの間違いじゃないですか?」 唯「ムギちゃん、どこでそのチラシもらってきたの?」 紬「えっと…昨日家の人が教えてくれたの」 律「家族の人か?」 紬「うぅん、お手伝いさん」 律「うっ…また金持ちらしき発言が…」 澪「で、この情報は確かなのか?」 唯「ムギちゃんが嘘つくわけないよ~」 律「いや、このチラシ自体が嘘かも…」 紬「たぶん、大丈夫だと思うけど…」 律「ちょっと電話して聞いてみようぜ!」 梓「あ、電話番号書いてありますね」 澪「一応確認しておいた方がいいかもな」 律「それによって、今後の練習具合ががらりと変わるからな」 澪「いや、練習はしろよ」 唯「じゃ、私かけてみるね」 …… 唯「あ、こんにちは」 唯「あのぉ、チラシみたんですけど」 唯「うんうん、そのチラシです」 唯「それでぇ、本当に100万円ってくれるんですか?」 律(何だよその電話…) 澪(もっとマシな聞き方あるだろ) 梓(まったく、唯先輩は…) 唯「わぁ、そうなんですかぁ」 唯「うん、うん。は~い、失礼しま~す」 ピッ 律「どうだった?」 梓「ど、どうせ嘘ですよね?」 澪「おい、唯、どうなんだ?」 唯「くれるって」ニコ … 一同「やっほーーーーい」 コンテスト当日! 両津「ほぅなかなか賑わってるな」 本田「審査の時とは全然違いますね」 両津「今日は観客つきだからな」 中川「出場できてよかったですね」 両津「当然だ。もし落とされたら文句言ってやるところだ」 本田「それにしても…人が多いですね…」 中川「何でも今回は琴吹財閥がスポンサーですからね」 両津「スポンサーがついてるのか。どうりで賞金がでるわけだ」 本田「バンドで賞金なんて普通ないですもんね」 両津「そんなに大きな財閥なのか?」 中川「えぇ、うちの会社ともいくつか共同のプロジェクトがあります」 両津「そりゃすごい」 麗子「それにしても、なんでこんな格好なの…恥ずかしいわ…」 両津「こういうのは曲だけじゃなくインパクトが大事だからな」 本田「確かにそうれはありますね」 両津「ワシらは衣装といい楽器といい、絶対に印象に残るぞ」 中川「曲もプロに頼んで作曲してもらったし、かなりいい出来だと思います」 両津「これで優勝できなきゃ、おかしいな。ははは」 本田「えっと、午前中は予選で8組が30分ずつ演奏して、 午後はその中の4組が1時間ずつですか…」 両津「1日がかりだな…聞く方も大変だな」 麗子「さて、本番まであと少しね…」 2
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/1107.html
前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/11月22日は何の日? 御坂美琴は上条当麻の婚約者になりました。 「一体いつまで待たせるのよ、あの馬鹿はーーーーーーーーーーーっ!!!!!」 御坂美琴の怒りは頂点に達しようとしていた。 今日は美琴が電撃プロポーズをした翌日の11月23日。美琴は婚約者上条当麻を公園の自販機前で待っていた。 付き合い始めたのだから登下校も一緒にするの、という美琴の半ば強引な取り決めに前日混乱していた上条は未だ姿を現さない。もちろんこの自販機を通るのは上条だけではないので、美琴は人影が見える度に一喜一憂し一憂の後は辺りに電撃を撒き散らしている。 通りがかった学生は自分が何か悪い事をしたかのようにブルブルと震え、そそくさと早足で逃げていく。 美琴の出す電撃は相当押さえ込まれてるとはいえレベル5クラスなので仮に当たろうものなら気絶は間違いなしだ。このままでは上条が姿を現す前に自販機前に罪も無い学生の山が出来てしまう。急げ、上条当麻。学生の命運は君の両足にかかっている。 …と、大げさに思っていた白井黒子は公園の木の陰から美琴の事を監視していた。 白井の監視の原因。それは言うまでも無く上条当麻との関係なのだが、監視をするに至ったのには昨夜の出来事が関係している。 前日の常盤台女子寮。 美琴は上条と買い物(塩)をした後に別れて208号室に戻ってきていた。 ルームメイトの白井は11月22日、学園都市では「いい夫婦になる日」に風紀委員の支部で美琴の告白を予感し、懸命に探していたが結局は見つからず仕舞だった。 そんな白井が美琴を会ったのは同日の夜で美琴が常盤台の寮に帰ってきた今この瞬間だ。 白井はもしもの時は申し訳ないと思うも、今日の恐らく起こったであろう美琴の告白の結果が気になり美琴に話かけようとしていたが、美琴の様子を見て思いとどまった。 何やら妙にハイなのだ。 美琴は208号室に帰ってくるなりベッドにダイブするし、その後枕を抱きしめたと思ったら今度は携帯を見て何やらニヤニヤしてるし、シャワーを浴びに行った風呂場からは鼻歌が聞こえてくるしと確実に成功したのを物語っていた。 しかしもしかすると何か他にいい事があっただけなのかもしれない。 そう思った白井は恐る恐る美琴に尋ねてみると、最初こそあうあうしていたものの暫くして返ってきた返事は予想を遥かに上回っていた答えだった。 「けっ、結婚を前提に付き合ってるの。今日アイツの親と私の親を入れての食事会だったんだけど…、そこで言っちゃった」 白井はその言葉を聞いた時に、苗字と同じように真っ白になった。 21日の夜の美琴を見れば翌日に何か凄まじいイベントがあるのは容易に想像出来たハズだ。 翌日22日も朝の美琴はテンションが下がってはいたが、決してこれから起こる事が嫌な事でないことくらい美琴一筋の自分なら見抜けたに違いない。 ただ一つ不覚だったのが「いい夫婦になる」という都市伝説があるのを忘れていた事。 白井はしばらく目の前が真っ暗になり発狂していたが、思いのほか早く自我を取り戻した。そして今度は名前と同じように真っ黒になったのだ。 「(あの類人猿を消し去るしかありませんわ。お姉さまは…、お姉さまは黒子のものですのォーーーーーーーッ!!!!)」 その夜美琴が幸せそうに寝ているのを横目に、白井はテーブルライトだけ点いた部屋で一人鉄矢に砥石をかけていた。明日起こるであろう上条当麻との決戦のために。 ☆ そして今日11月23日。 白井は普段より30分も早く寮を飛び出し足取り軽く登校している美琴を尾行(ストーキング)している。こんなに早く常盤台中学に行って何をしようというのか。 しかし、どうやら行き先は常盤台ではないらしい。 美琴は公園の自販機前まで一気に駆けていくと手ぐしで乱れた髪を直し、誰かを待っているようにキョロキョロと落ち着かない素振りを見せ始めた。 そこで白井は確信する。美琴は今日抹殺予定の上条当麻を待っていると。あんなにも頬を赤く染めて…、キィィィィ! 許すべからず類人猿んんんんんんんんっ!!! 茂みの中で隠れていた白井がハンカチを噛み千切ったのと同じ時に、美琴は電撃を撒き散らしていた。流石にこれ以上は被害者が出るだろうと思った白井は茂みから出て止めようとしたその時――― 「おーーう。御坂ー。おまたぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」 能天気に上条当麻が現れたのだ。散々待たされたのか美琴は上条にレベル5の電撃をぶっ放す。 上条は慣れてるとは言え、恐怖な事には変わらないらしく美琴のそれを打ち消すと猛ダッシュで駆け寄り命の尊さについて猛抗議した。 「お、おまえなっ! 出会い頭に電撃ぶっ放すなって何度言えば分かるんですかちくちょう! さすがの上条さんにも命というものは一つしかないかけがいの無い物でしてですね―――」 「うっさいうっさい! 今日から一緒に登下校するって言ったでしょ! のんびり行きたいからいつもより30分前にここに着くようにとも言った! それがなんでいつも会う(待ち伏せ)時間を15分もオーバーしてふごっ」 「まぁまぁ。落ち着いて御坂さん。これから上条さんが言い訳…じゃなかった、遅れた理由を言いますんで」 「ふごごごごっ…」 「まず第一に素で忘れていたというこぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」 「…ぱぁっ! すっ、すすすすす素で忘れてたですってぇ!? あ、あああアンタって奴はっ……!」 「うおおおおおおっ!? みみみみ御坂さん落ち着いて! 話せば分かるっ!」 「分かるか! アンタそこを動くんじゃないわよ! 最近編み出した超電磁砲コイン4枚同時撃ちで両手足を根こそぎ打ち抜いて―――」 「待て待て待て! そんな事したらただじゃ済まされないですぞ!」 「アンタが最低なのがいけないんでしょうが! 喰らえっ――」 「わーーーーっ!!!! し、死んじゃう! 上条さん死んじゃうーーーーーっ!!!!」 「はっ!」 「…………………………あ、あれ?」 「し、死んじゃうのは…、困る」 「ええっと…? 御坂さん?」 美琴は今にも溢れ出さんばかり(いや、既に溢れてはいたんですけどね)の電撃をしまうと、上条に抱きつき胸に顔を埋めた。 わたくし上条当麻、女の子の柔らかさと香り、そして御坂さんの究極のツンデレに不覚にも頬を赤らめてしまいました。 「ご、ごめんな。たくさん待たせて…、明日からちゃんと時間通りにくるからさ」 そして美琴の頭を撫でる。 美琴はひとしきり撫でられると顔を離した。頬は上条よりも真っ赤に染め上げ、目はとろみが出ている。 「うん。待ってるね、えへへ」 ビリビリビリビリビリッと白井はハンカチ(二枚目)を噛み千切りながらその様子を見ていた。 美琴との待ち合わせ時間に遅れたのであろう上条は、美琴にガミガミと叱られている様だったが、上条が美琴の頭を撫でた瞬間に美琴の怒りはおさまったらしい。 上条は抱き合った後遅れた理由として、頭を何かに噛まれたというジェスチャーとしている様だったが、距離を取っていた白井には会話の内容までは聞こえない。 しかし…、上条と話す美琴は本当に幸せそうに見える。 昨日カップルになりたてという事で少々ぎこちなさが残るが、自分ではあんな風に美琴を笑わせる事は出来ないだろう。 ―――――が、今日の白井はどこか違った。打倒上条&愛しのお姉さま奪還を心に誓い、昨日泣きながら夜なべをして磨き上げた鉄矢を装備し、茂みから一気に駆け出した。 「上条当麻ぁぁぁぁぁぁあぁあああぁ! いざ尋常に勝負ですのォォォォォォォぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!」 「げっ!? し、白井っ!!!」 上条当麻vs白井黒子。幻想殺しvs空間移動。 白井自身を掴めば上条が圧倒的有利だが、その辺りは白井も熟知しており、間合いを取って攻撃してくる。 瞬間移動で上条の周囲300度(残り60度は美琴に当たらないように)に放った鉄矢を出現させた空間攻撃は、不意をつかれた上条には全く反応できなかった。 …が、その彼の隣にいた学園都市に7人しかいないレベル5の超電磁砲こと上条当麻の婚約者こと御坂美琴である。 「黒子! やめなさいっ!」 美琴は、その鉄矢と地面とを磁力で引き合わせ攻撃を回避させた。この間1秒弱。 「ぐっ…な、なぜわたくしの攻撃を…!」 「アンタの生体電気で寮からここまでつけてきているのは分かってたの」 「流石ですわ、お姉さま…」 「黒子、何だってこんな事をしたのよ?」 「…」 「怒らないから。言ってごらん?」 「……寂しかったんですの。お姉さまがどこかに行ってしまうようで」 白井はそう言うと美琴に抱きつきエンエンと泣き出した。 美琴は何が起こったのかいまいちよく把握出来ていない上条の方をチラッと見るが、彼は失笑しているだけだった。 「…馬鹿ね。別に黒子の前からいなくなるワケじゃないじゃない。今でも黒子の事は大好きよ?」 「おねえだば…」 そして美琴の説得もあって殺意が消えた白井は、上条と謝罪の握手を交わす。…ガムのついた手で。 「…。不幸だ…」 「お姉さま。上条さんに夢中になるのは構いませんが、くれぐれも学生として節度を弁えたお付き合いをなさって下さいな!」 「な、なによ黒子…。そんなの私の勝手―――」 「いいえ。付き合い始めて浮かれているからといって、平気で一線を越すお姉さまを知ったらご両親はどのような心中になるか!」 「はっ!」 「中学を卒業し、高校を卒業し、もしかしたら大学、院生まで視野に入れていたお父様とお母様は涙を流し…、うぅ…」 「あわわわわわわわ…、あうあうあうあう」 「確かに結婚は公認したが、しかし! しかしいくらなんでも早すぎるんじゃないだろうか! そんな事を止めれない上条当麻! そんな男に大切な愛娘を任せてはおけない、と二人の交際を無かった事に―――」 「ふにゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!????????」 「…分かってもらえましたか、お姉さま」 「く、黒子ぉ…ありがとう。私が間違っていたわ」 「いいえ。他ならぬお姉さまの為ですもの」 「黒子…」 「(一体さっきからこの子達は何の話をしてるのでせう?)」 「(ケケケケケ。猿がッ! そう簡単にお姉さまを独り占めはさせませんわ! とりあえず最低でも中学卒業まではお姉さまの貞操は安泰ですの)」 上条は美琴と白井に二人の世界を築きあげられ頭をポリポリと掻きながら溜息を吐いた。 ところで何か忘れているような…。 「……って、ゲッ! 登校時間ギリギリじゃねぇか!」 「ええええええええっ!?」 「あら、本当ですわね。後5分で遅刻ですわ」 「遅刻ですわ。じゃねぇよ! 急がないと遅刻―――」 「大丈夫ですの。わたくし、テレポーターですので。余裕で間に合いますわ」 「そうだった! 流石白井さん! たまには役に――」 「あら。上条さんは右手がどうとか言って効かないじゃありませんの。早く走った方がよろしいですわ」 「え」 「でわ、わたくし達はこれで。お姉さま。行きますわよ」 「ふぇ? ちょ、ちょっと待っ―――」 そして美琴と白井は消えた。 残された上条当麻。朝のホームルームまであと5分を切った。どんなに急いでももう間に合わない。 「不幸だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!」 それでも懸命に走る。 いいぜ、あと5分以内で教室に着けないと言うのなら…まずはっ! そのふざけた幻想をぶち殺すっ! ☆ 「上条ちゃん! 遅刻はする! 課題は忘れる! ちょっと廊下に立ってるです! ついでに今日の放課後はみっちり個人授業です!」 「はい…」 上条当麻の右手『幻想殺し』。 それは異能の力なら神のご加護だろうと全て打ち消す事の出来る未知の能力。 なので異能の力でない時間などは打ち消せるわけも無く、汗だくになりつつやっとの思いで着いた時にはホームルームが終わって一限目が始まったところだった。 今日の一限目は小萌先生の授業だったので廊下に立っているだけで済んだが、体育担当のじゃんじゃん言ってる先生だったら校庭30周はかたいだろう。 「あ。メール着てる」 上条は廊下に立たされてる間とても暇だったので携帯を取り出すと、新着メールが一通入っていた。送り主はもちろん御坂美琴である。 Time 2010/11/23 08 38 From 御坂 Sub 遅刻しなかった? ――――――――――――――― いかにアンタと言えどあの距離を あと5分は無理でしょ?これに懲 りて明日からはもっと早く来る事 ね! あ、そうそう。 今日帰りに、はっ、初デートする からね!ま、まぁアンタは遅刻し そうだから私がアンタの高校まで 行ってあげるわ!何時に終わるか 教えて! …と、メールでもどもってしまっている美琴の可愛らしいメール見て、上条は『バッチリ遅刻した。あと今日課外授業あるから遅くなるかも』と返信した。 それを受け取った美琴は我を忘れて席を立ちクラスメイトの注目の的になるのだが、そんな事は上条は知る由もなかった。 ☆ そんな事があった放課後、美琴は上条の通う高校の正門前まで来ていた。 朝の事もあって美琴は上条に授業中何度かメールを送ったが、返って来たメールはあの一通だけだった。 「ったくあの馬鹿はっ! フィアンセからのメールをことごとく無視し続けるとはいい度胸してるわねっ!」 などと正門で帯電しながら仁王立ちしている美琴に他の高校生は恐怖していた。 本編でも学校名すら出ていない高校は、女の子といえど常盤台の制服を着ているだけでレベル3確定な能力者に勝てるわけもなくただただ目を合わせないように通り過ぎるだけだった。 しかしとある男女のグループがそんな美琴に話しかける。 「んにゃ? あれ…、確か前にカミやんと一緒にいた…」 「ん?」 そこには土御門と青ピ、吹寄に姫神の姿があった。デルタフォースも今日は上条だけがみっちり絞られてるので、帰っていいと言われたようだ。 「上条当麻ならまだ先生の個人授業を受けてるわよ。まぁ遅刻はするわ課題は忘れるわで当然の報いね」 「しっかしええなぁカミやんは。今は教室で小萌先生と。それが終わったらこんな可愛い子が校門前で待っててくれるんやから」 「ああああ、あの…」 「ところで。さっきあなたフィアンセからのメールとか言ってたけど。」 「ああ、それはオレも気になってたにゃー。一体なんなんだにゃー?」 「えええええっと…、あの、その…」 「…」 そこで青ピは考える。フィアンセ、今日から一緒に下校、昨日、11月22日、いい夫婦の日………、はっ! 「まさか…、カミやんの奴昨日のいい夫婦の日でこの子に告白されたんとちゃう?」 「…」 「…」 「…」 「…」 上条当麻の不幸体質は、その現場にいようがいまいが見境無く不幸を訪れさせるようだ。 ☆ その頃上条は小萌先生の個人授業が終わり、机に伏せっていた。 上条の脳は一日7限目分もの授業時間に耐えられるように出来ていない。と、言うか3限目と6限目で既に煙を上げていたのだ。 1,2限目は何とか耐えられるが、3限目だけはどうしても耐えられない。それまで先生はわけのわからん英語みたいな日本語をぺちゃくちゃ喋ってるし、問題を指名しようとしてる先生とは必ず目が合って、それで解けなくて不幸になるしでもう…、もうダメだった。 4限目は次が昼休みなので元気になれる。残り10分を切った何とも言えない時間帯は時が経つのが遅く感じるが。 5限目も大丈夫。脳を使わないので。もちろん簡単な授業とかでは無く寝てるだけだ。食休み。寝るの大切。 6限目も普段なら大丈夫な筈なのだが、今日はこの後にまた個人授業がついてくるので上条は頭から煙を上げていた。もしかしたら彼のあの髪型は勉強のし過ぎで爆発した頭なのかも。 「それじゃあ上条ちゃん。明日はちゃんと遅刻しないで来るんですよー? もし遅れたらまた個人授業ですからねー?」 そう言って小萌先生はよちよちと教室を出て行った。 上条はそこで携帯を取り出すと、美琴からの溜まりに溜まったメールに驚愕した。 「メール12件…、アイツも授業真剣に受けてないんだなぁ」 上条は自分と美琴が同類であるのだとしみじみするが、決してそんな事はない。だって第三位だもの。真剣に聞かなくても大体は分かってしまうんだもの。 上条は学校に美琴が迎えに来ている事を思い出し、ノートやペンケースを鞄に詰め込み教室を後にした。 1時間くらい待たせているので恐らくは美琴は雷神になっているだろうが、ちょっとでも早く行くことにより雷神からの電撃が弱くなるのだ! …と、思いたい。 猛ダッシュで校門に向かうと、案の定美琴はそこにいた。しかし何かが変だった。 「…御坂さん? お、おまた…せ?」 「あぅ…」 美琴は顔を真っ赤にしてモジモジしているだけ。上条からして言えば助かったのだが、ここまで来るのに右手を差し出す予行演習を入念にしていたので予想外の反応に戸惑っている。 「ど、どうしました? 何かあったんでせう?」 「あ、あの…」 「ん?」 「明日の朝のホームルームは気をつけた方がいいかも…」 「???」 ☆ 「かっ、カップルになったからにはまずは記念撮影よねっ!」 そう言って上条の手を引っ張って来たのがゲームセンター。そこで記念すべきカップル成立後初のプリクラを取ろうとしていたらしい。 「女の子って何だってそんなに写真とかプリクラが好きなの?」 「ふぇ? わ、私は別に…た、ただ記念よ! き・ね・ん!」 美琴はゲームセンターに着くなり色々あるプリクラ機からどれがいいかと入念に調べている。上条の事だから全部で撮ろうと言っても撮ってくれるだろうが、2回目からは確実にやる気の無い顔になるに違いない。 上条も今や美琴の彼氏なので、彼女が楽しそうならそれでいいかと思い美琴の様子を見ているようだ。 すると、あれでもないこれでもないと探している美琴にとって、運命的と言ってもいい程のプリクラ機を出会った。 「ゲコ太のデコレーションが出来る…! これしかない!」 恋人の上条には及ばないが、同等クラスの愛を注ぐゲコ太のデコが出来るプリクラ機を見つけた美琴は、上条を中に押し込んでお金を入れた。 「あ、一緒に撮るなら俺も出すよ」 「ん? いいわよ別に。私が撮りたいだけだから」 「んー…、でもなぁ」 「えっとえっとサイズと…」 「聞いてないし…」 上条が溜息を吐いているのを横目に、美琴はプリクラの撮影設定をどんどん決めていく。しかし全てを決め終わっていざ撮影という所まで肝心な事を忘れていた。 「あ、ポーズ決めてない! えっとえっと…、あ」 一枚目はあうあうしている美琴を上条がジト目を使い見ているのになってしまった。プリクラは全部で五枚撮れるらしい。 「ちょ、ちょっと! 何かいいポーズないの?」 「そんな事言われましても…、こういうのはノリで撮るもんじゃないの?」 「ノ、ノリ!? じゃ、じゃあ…えいっ!」 「うおっ!?」 二枚目は美琴が上条の首元に抱きついた瞬間に撮られた。 ノリでやった美琴も、いきなり美琴に抱きつかれた上条も茹ダコのように真っ赤になっている。 三枚目は二枚目と同じ構図だが、顔だけ真っ赤になっていた。二人は緊張のあまり動けなくなってしまっていたのだ。けしからん、もっとやれ。 「みっ、みみみみ御坂さん…」 「な、なななななによ」 「こ、このままじゃ…残りの撮影も全部同じ格好になってしまうのでは?」 「う、うん」 「うんって…、ち、違うポーズも織り交ぜた方がいいのではないでしょうか?」 「そ、そうね。でも…なんでか動けないの」 「なんですと? そ、それはどうして」 「ど、ドキドキしすぎちゃって…動けない」 「御坂っ…! お前こんな状態でそんな事言うなんて…! このままじゃ黒歴史をプリクラに残され末代まだ笑われる事に―――」 「ねぇ…、私もうダメみたい…」 「はいぃぃぃぃぃっ!? だ、ダメとか言うな! こっちがダメになりそうだ!」 「ん…」 「えええええええええええええええええええっ!!!!????? な、何でそこで目を瞑るんでせうっ!? せうせうーーーーーーっ!?」 「早くしないと…、もう四枚目だよ…?」 「がああああああああああああああああああああああっ!!!! み、御坂ァ…!」 「んー」 「………ごくりっ。い、いいんだな?」 「う、うん」 「で、では失礼して…、んー」 「………なーんて、ねっ♪」 「んぐっ!?」 美琴は上条がキスする状態に成るや否や、頬を両手で挟んでカメラの方に強引に捻じ曲げた。 その瞬間シャッターが押され、苦痛で顔を歪める前の、顔を真っ赤にしながらカメラに向かって唇を差し出す上条のドアップが撮影されたのだ。 「あっはっはっはっ! こっ、これは確かに黒歴史ね! こんなの見たら一生笑われ続けるわ! あっはっは!」 「て、テメェ…人の決死の思い&純情な心を弄びやがって…!」 「なによー、いいじゃんこれくらい。今までの溜まり溜まったツケだと思えばさ」 「ツケなんか付けた覚えはないんですけど!」 「うっさいわねー。男はそんな細かい事気にしないでいいの。ほら、もうすぐ五枚目よ?」 「…」 「そうねー、最後は…、んー…」 「…御坂」 「ふぇ?」 物事には攻守があり、攻める時は攻めて守るべき時にはしっかりと守る。そういう立ち回りが出来る人間が成功するのだ。 先程の上条は守りに失敗し某デフェンダーのようにオウンゴールをしてしまったが、そのお陰でプレーは中断され今度はこちらからのキックオフだ。 そう上条当麻の逆襲劇の火ぶたが切って落とされた。上条は美琴の両肩を掴むと真剣な眼差しで語り出したのだ。 「あああああああああの…!」 「御坂さん。上条さんはもう辛抱たまりません」 「そっ、そんな事言ってさっきの仕返しをしようってんでしょ!? そ、そんな手には乗らないんだからっ!」 「そっか。ダメか…」 「あ…」 「まぁダメなら仕方ないですよね。はぁ…、上条さんはとても悲しいです…」 「あ、あの…ホントに?」 「…本当です」 「じゃ、じゃあさ…その、あの…」 「んー」 「ふぇぇぇぇぇっ!? わ、私からなのっ!?」 「さっきは御坂さんが待ってたんで、今度は上条さんが待つ番だと思って」 「そっ、そそそそそそそれは…」 「早くしないと五枚目来ちゃうよー」 「じゃ、じゃあ。ん、んんーー…」 「………なーんて、むぐっ―――」 どうやら上条当麻の攻撃陣はボールを持たずにただ走っていただけのようだ。 いつのまに攻守が逆転したのか、上条は二失点目を喫した。否。この場合は1ゴールなのだろうが。 「んんっ、んー」 「―――はっ、はぁ…」 「み、御坂さん…」 「…えへ」 「みさっ――」 「ふにゃー」 「えええええええええええええええっ!!!????? 自分からしておいてええええええええええっ!!!????」 これが五枚目にもバッチリ映されていた二人のファーストキスだった。 しかし美琴が気絶してしまったのでこのプリクラにはデコレーションされる事なく、意識を取り戻した美琴はもう一度プリクラを撮ろうと哀願したのだった。 ☆ 「今日は課題出たの?」 上条と美琴はゲームセンターを出ると、バス停にて常盤台女子寮行きのバスを待っていた。 今日は上条が帰るのが遅かったのに加え、美琴がさっきまで気絶してたのでそろそろ完全下校時刻なのだ。 「いや、今日は出てないけど。明日また遅刻しようものならまた個人授業だって」 「ようはアンタが家を早く出ればいいんじゃない。私が言ったのと合わせても一石二鳥よ。遅刻はしない、かっ…彼女と登校できる。完璧っ!」 「彼女ねぇ…」 「な、なによ。何か文句あんの?」 「だってさぁ世間の彼女様は愛しの彼氏に電撃飛ばしたりアンタ呼ばわりしないと思うのですが? その辺りどう思います? 彼女さま?」 「うっ…、それはアンタが」 「ほらまたアンタって。俺には上条当麻ってちゃんとした名前があるんですよ?」 「ううううっ…、かっ、上条…先輩?」 「……うわ。何か今鳥肌たったわ」 「なんでよ! こ、このっ…!」 「うわああああああ、お、落ち着け! その…なんだ、うん。当麻でいいよ、普通に当麻」 「とうっ―――」 「あ、あれ? 御坂さん?」 「ふにゃー」 「またかよ…」 美琴がふにゃーとしたのと同時に女子寮経由のバスが来たようだ。 上条は美琴をおぶるとバスに乗り込んだ。もちろん男が女の子を、しかも常盤台の子をおんぶしてバスに乗る光景は珍しいのか注目の的になっている。 上条は真っ赤にまった顔を伏せ、いそいそと最後尾の席まで歩いていき美琴を座らせた。 「お、おい御坂。大丈夫か?」 「ふにゃー?」 「ダメか…」 上条は女子寮の前までバスが来ると、またしても注目を浴び恥ずかしそうに降りていった。 「んっ…」 美琴は上条がバスを降りた瞬間に目を覚ます。 あ、そうだ。これからバスに乗って寮に…って、あれ? もう寮の前…なんで? って何か温かいわね…、ん? 「…」 「みーさかさーん。もう着きましたよー。起きてくださいよー」 「…」 あれ。なに私。コイツにおんぶされてるんですけど。何かとっても温かくて気持ちいいんですけど。 「御坂さんってばー、ったく…」 「…」 美琴はバス停から寮の玄関までの僅かな時間だったが、ちょっとだけ抱きしめる力を強め幸せな一時を味わう事にした。顔に触れるツンツンな髪の毛がくすぐったい。上条の体は服の上からだと想像出来ないようなガッシリとした体だった。 「えへへ」 「ん? あれ御坂さん。起きたの?」 「うん。でももう少しこのままがいい…」 「つってももう玄関先なんですが」 「中の扉まで連れて行って」 「…はいはい」 上条は寮の二重扉の外側を頑張って空けると、インターホンが付いてる内側の扉まで来た。美琴はそこに着いても、しがみ付いてなかなか降りようとしなかったが、上条が「終点ですよ?」と言うと諦めたように上条から離れた。 「じゃあな、御坂。また明日」 「う、うん。明日は遅れないでね?」 「わかってるって。じゃあ、おやすみ」 「う、うん。…あ、メール! メール送るからちゃんと返してね!」 「はいはい」 「えへ。おやすみ、とっ…当麻」 「おやすみ、御坂」 こうして上条当麻と御坂美琴の恋人生活一日目が終了したのだった。 ☆ 否。まだ終わっていない。 「お姉さまーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」 寮のドアを開くと、白井がテレポートして現われ美琴にしがみ付いてきた。何やら相当に焦っているらしく顔は恐怖一色だ。 「ど、どうしたのよ黒子! 何かあったの!?」 「にっ、逃げてくださいましお姉さまっ…! あの方が…あの方が来ますわっ…!」 「あの方? …ん?」 「きっ、来ましたわっ! ひぃぃぃ…」 白井が美琴の慎ましい胸の中でガタガタと震えていると、カツーンカツーンという音と共に寮の奥から眼鏡を光らせた寮監が現われた。 「白井ー…、ダメじゃないか。寮の中で能力の仕様は禁止だろう?」 「お、お姉さまっ…」 「へっ? 寮監? 逃げるって…私まだ時間内よね?」 「おやおや、御坂じゃないか。丁度良かった…うふ」 「え」 「いやぁ…、おめでとう御坂。何でも昨日の『いい夫婦になる日』で告白したら結婚まで前提に付き合えてるそうじゃないかぁ…いやぁ、目出度いな。ホントウニメデタイ」 「ふぇ? ど、どこでそれを…」 「そこで震えている白井がブツブツ一人で言ってるのを聞いてなぁ…」 「…黒子あんたっ!」 「ごめんなさいですのごめんなさいですの!」 「で、でもそれが…どうして?」 「私は未だに恋人も出来ていないんだよぉ…。やっと好きになった人もあろう事か私よりも遥かに年上の熟女好きだったとは…、くふふ」 「…」 「悲しい…。私は悲しいよ、御坂、白井…。今日は就寝時間は気にしないでいいから朝まで私の愚痴を付き合ってはもらえないか?」 どうやら上条当麻の不幸がちょっとだけ美琴にもついてきたようだ。 その夜、美琴が上条にメールする事は無かった。 ☆ 翌日。今日は昨日とは反対で上条が美琴の事を自販機の前で待っていた。 「あんの野郎ォ…、俺には遅れるなとか言っておいて自分で遅れるとはいい根性してるじゃねぇかァ…」 上条はイライラして待つも、美琴のように電撃を撒き散らす事は出来ないので携帯で昨日の昼間着た美琴のメールを読み直していた。 一通一通のメールでご丁寧に題名は変えてるし、ここでは表現出来ないが可愛らしい絵文字もたくさん使っている。まぁそれに返信する上条のメールはたまに顔文字がある程度の真っ黒なメールなのだが。 そして上条がメールを読み直していると、ドドドドドドという地鳴りと共に御坂美琴が現われた。美琴は猛スピードでコーナーを曲がる為、遠心力に耐え切れなくなった体は大きな弧を描くが、備えてある街灯と自分とを磁力で引き合わせ最短の距離で近づいてくる。 道行く学生も上条も、そんな美琴を口を開けて眺めていた。 「ご、ごめん。寝坊しちゃって…」 美琴は上条の前まで来ると、何事も無かったように乱れた髪を直してそう言った。 どうやら俺は時間に間に合おうとする気持ちが足りなかったのかもしれないな。このくらい全力で駆けて来ないと間に合うものも間に合わないというものだ、うん。 「…? ど、どうかした? もしかして、遅れた事怒ってる?」 上条がそんな事を思ってると、美琴は不安そうに上条の顔を覗きこんできた。 美琴も昨日あれだけ騒いでおいて自分が遅刻するなんて、と思ってはいたが昨夜は夜中三時まで寮監と楽しい(?)お話タイムがあったので寝たのが四時前だった。 「うぅ…、ご、ごめん。昨日あまり寝てなくて…」 「へっ? いや、まぁ…まだいつもの時間だからさ。遅刻にはならないからいいよ。うん」 「ほんと?」 「あぁ。上条さんも勉強させてもらいました」 「???」 なので上条はそんな美琴を許してあげる事にした。 二人は公園を出ると、上条の高校と常盤台中学までの分かれ道まで一緒に登校する。 昨日は何だかんだ言って待ち合わせはしたが、白井が美琴を瞬間移動で連れて行ったしまったから一緒に登校は出来なかった。美琴は付き合う前には、上条の事を追いかけたり待ち伏せしたりなどと一緒に登校していたが、肩を並べて楽しく話しながら…なんてのは初めての体験だった。 「(あうあうあう…)」 美琴は上条との登校が気持ちよくてあうあうしながら頭からプスプスと煙を上げているが、何とかふにゃー化するのは抑えている。 「そういやさ、今日のホームルームで何があるって?」 「ふぇ?」 「昨日言ってただろ? 明日のホームルームは気をつけろって」 「あ、あー…、それは…、その…」 「ん?」 「昨日ね、アン…と、当麻を待ってる時ににゃーにゃー言ってる人と関西弁の人とおでこな人と黒髪の人に会って」 「…土御門と青ピと吹寄に姫神か。んで?」 「……言っちゃったの」 「言った? 言ったって…何を?」 「その…、つ、付き合ってる事…とか?」 「ぶっ! お前何て事を―――」 「い、いいでしょ別に! 何も悪いことしてるワケじゃないんだから!」 「いやそれでもですね。男の友情と言うのは固く結ばれているが、脆く儚く消え去ることもあるというとなんというか…」 「はぁ?」 「……ん? とか? お前まさか結婚前提って事も言ったんじゃないだろうな?」 「…」 「…」 「…えへ」 「…………不幸だ」 上条はこれから起こりえるであろう恐怖の時間に顔を青くする。 それは血と涙に染まる教室。いや、しかし諦めるな。諦めたらそこでうんたらかんたらだ、うん。 上条は美琴と別れると力強く歩きながら学校へ向かった。その日『上条当麻』は死んだ―――、そうならない為に。生きるために。 ☆ 「判決を言い渡す。被告人は起立せよ」 「はい…」 上条は今裁判所と言う名の教室にいる。 廊下側に二組、窓側に二組、中央に一組ある机椅子。そして他の机はご丁寧に全て廊下に出されており、残りの椅子は教室の奥の方に綺麗に並べられていた。 その椅子一つ一つにクラスメイトが鬼の形相で座ってるし、検察側からは土御門と姫神に睨まれるし、裁判長の青ピは妙に役に入ってるし、弁護側には誰も座ってないし、黒板にはでかでかと『カミやん病事件』と書かれているしで色々と不幸だった。 この裁判所は三審制で第一審、第二審共に上条は死刑判決だった。もちろん上条は控訴、上告を行ったのだが「上告理由にあたらない」とワケの分からん事を言われて第三審の裁判は却下された。ちなみに一時間目は都合のいいように自習だった。上条にとってはこの上なく都合悪いが。 「もう一度だけ聞きます。被告人上条当麻は、その恋人と本当に健全なお付き合いをなさっておるんですか? 結婚の約束までしておいて?」 「そ、それだけはハッキリと自信を持って言えます。俺達は何もやましい事をしているワケでは無く、一学生として節度あるお付き合いを―――」 「嘘ばっかつくんじゃないにゃー! オレはカミやんの隣の部屋だからよぉく知ってるぜぃ! 昨日の夜はうるさくて寝れなかったにゃー!」 「土御門テメェーーーーッ!!! よくもそんな嘘偽りデタラメをっ! デルタフォースの結束はどうしたーーーーッ!!!」 「うるせぇにゃーカミやん! そんなもんはとうの昔に崩壊したぜよっ!」 「11月22日だったら私もメール送ったのに返事が無かった。」 「私もよ!」 「私も!」 「私だって!」 「あたしもそうよ!」 「(上条ォ…!)」 「いやそれにつきましては本当に申し訳無いの一言なんですよ。マナーモードにしててですね? メールに気付いたのが次の日の朝でですね」 「そんなの信用出来ない。私達のメールを無視し常盤台の子と宜しくやってたに違いない。」 「たっ、確かにその子といたのは事実ですけど…」 「酷いよ上条くん! 私にあんな激しくしておいて!(危ないところを助けてもらっただけだけど)」 「えぇっ!?」 「私の事は遊びだったの!? うぅ…(買い物袋持ってもらっただけだけど)」 「はいぃぃぃっ!?」 「駄フラグ駄フラグ言ってたからカミやんの事信じてたのに…」 「つ、土御門…」 「はいはい静粛に。ここは一つ、もう一度あの方に決めてもらいましょ」 「…」 「吹寄! 助けてくれぇーーーーーーっ!!!」 どこにいたのかあの方こと吹寄制理は、長い髪を払い上条の前に立った。 「確かに上条当麻には情状酌量の余地はあるわ。男女の交際は本人達の自由だしね」 「さ、さすが吹寄委員長! 話が分か―――」 「でも」 「る?」 「死刑」 「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!」」」」」」」」」」 「不幸だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!」 ☆ そんな事があった放課後、上条当麻はトボトボと校門へ向けて歩いていた。 一限目の『カミやん病事件』裁判は第二審で死刑判決が下されボコボコにされると、昨日撮った美琴とのプリクラを携帯に送った待ち受けを見られて再度ボコボコにされた。 …という展開にはさすがにならなく、小萌先生がどこからかやってきて止めに入ってくれたのだが、今の今までクラスメイトにしつこく質問攻めにあってクタクタになっていたのだ。 「あ。と、当麻ー」 上条が校門まで着くと、そこには既に美琴が待っており上条を見つけると元気に走り寄ってきた。 「きょ、今日は早かったわね」 「…御坂たん」 「ふぇ?」 上条は美琴が来るなり優しく抱きしめた。今まで一緒にいたクラスメイトが悪魔なら、彼女の美琴は天使や女神様に見えたのだ。 「ああああああああのっ! その…、あうあうあう」 「御坂たん。御坂たんだけだ、上条さんに優しいのは…うぅ」 「ふぇ? あ、や、やっぱり…朝ヤバかったの?」 「はい…」 「ご、ごめんね。私が余計な事言わなければ…」 「いやいや。まぁ何だかんだで皆にも分かってもらえたんで大丈夫ですよ」 「皆? い、一体何があったのよ?」 「実は―――」 「―――てな事がありまして」 「ちょ、ちょっと待って! 色々聞きたい事はあるけど、アンタ一体何人の子からメールなり電話なり貰ってたのよっ!?」 「10人くらい?」 「…」 美琴は恐怖した。この手を離したら一瞬にして他の女に上条はかっ去られるという恐怖感に。 そしてそんな女の子に心の中で謝りつつも、御坂美琴は上条当麻を一生愛し続けると再度固く誓ったのだった。 「そんな心配する必要はねぇだろ。あんな激しい告白されて、上条さんはもうメロメロですよ」 「えへへ。嬉し♪ でもあまり告白の事は言わないで。思い出しただけでも恥ずかしくて死んじゃいそうだわ」 そう言って美琴は上条の胸に真っ赤になった顔を埋めた。もう二人は立派なバカップルなようだ。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/11月22日は何の日?