約 3,294,018 件
https://w.atwiki.jp/bbescute/pages/7.html
RSSを取り込んで一覧表示(rss) #rss(ここにRSSのURL) もしくは #rss(ここにRSSのURLを入力) と入力することで指定したRSSを取り込んで一覧表示します。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //www1.atwiki.jp/guide/pages/269.html#id_a0e79757 たとえば、#rss(http //www1.atwiki.jp/guide/rss10_new.xml) と入力すると以下のように表示されます。 #showrss plugin Error showrssプラグインでのatwiki.jpのRSSの取り扱いはできません。#recentなどをご利用ください。
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/261.html
あらすじ アギトは信号弾を撃った、タスカテ・・・と エリオ「なんでしょう・・・アレ」 シグナム「タスカテ・・・?」 ハラ王「わけわからんな・・・」 アギト「しまった・・・字数多すぎだった・・・」 なのは「ミッドチルダ語だよ、間違いない!」 フェイト「聞いた事もないんだけど・・・ ・・・!!なのはさん後ろー!!」 ゼスト「ぬおおおおお!!!」 なのは「甘い!」 ゼスト「い、一瞬で背後に・・・」 なのは「その程度はお見通しだよ・・・冥王奥義その3・・・分身!」 (足元に呪い兎) シグナム「そんなの代わりにならーーーーん!!!」 ティアナ「意味わかってるんですかーーーー!!」 ゼスト「ど・・・どうする?」 アギト「2人じゃ敵うと思えないし、ドクターにも通じてないっぽい、一旦退こう・・・」 ハラ王「何を話している」 アギト「!!」 ハラ王「これ以上何かする気なら・・・管理局法、公務執行妨害に従って逮捕するぞ?」 なのは「勿論、フルボッコつきなの・・・花火も見てないし・・・」 シグナム「真のベルカの騎士を目指す烈火の将も参加しよう」 ティアナ「マッスルティアナダブルツインセカンドマークⅡも」 スバル「私の拳がギュン☆ギュン☆!」 キャロ「フリード、フルパワーでいける?」 エリオ「ストラーダ、チャージ開始・・・」 フェイト「じゃあ私、突っ込みで・・・」 アギト「まさか・・・フルボッコ?本当にフルボッコされちゃうのか・・・?嫌だ、フルボッコだけは・・・助けて」 シグナム「ぬぐうっ!?」 エリオ「シ、シグナムさん!?」 フェイト「う、後ろからだなんて・・・こんな卑怯な真似をするのは誰!?」 ガリュー「・・・」 アギト「お、お嬢か!?」 ルーテシア「うん」 スカリエッティ「卑怯ね・・・結構な事だ」 「ド、ドクター!!!・・・ナンバーズは・・・?」 スカリエッティ「私一人で十分だ!」 アギト「おっさん、撤退準備」 フェイト「卑怯な真似をしておいて・・・何者!?」 スカリエッティ「目的のためなら手段を選ぶな、これは基本だよ・・・此方もちょっとわけアリでね・・・悪いがそのデバイス、渡してもらうよ」 なのは「・・・」 スカリエッティ「そう、私達は謎の研究集団・・・スカリエッティと!」 アギト「協力者」 ゼスト「右に同じ」 ルーテシア「以下同文」 一同「うわ、カッコ悪ぅ・・・」 エリオ「しかも謎とか言っておいて首謀者一人でバレバレですし」 スバル「決め台詞ぐらいは統一して欲しいよね」 ティアナ「どうせなら次元世界犯罪者協会及びガジェットドローン統括部隊ぐらいは欲しいデス」 シグナム「だがこれでわかったな・・・高町なのはのデバイスが他のものと違う点を知っているという事は、 それを使ってガジェットドローンの強化でも狙っているのか?・・・フフフ、そして襲撃を繰り返し資金が集めるがAMF対応策が管理局に出揃った しかしその時今度はデバイスを体内に内蔵した戦闘機人を作成AMFだけと思っていた管理局は大慌て しかし機人のメイン能力はISだったりして『それ、デバイスの意味無いやんけ!!』という一発ギャグで世界を席巻するつもりだな・・・?私には解っているぞ!」 エリオ「何言ってんだろう・・・」 スカリエッティ「・・・そこまでばれていては仕方ないな・・・」 一同「ええええええええ!!!!」 スカリエッティ「だがそれなら話は早い、力づくでもそのデバイス頂く!」 なのは「原作の残りすら奪おうとする理不尽な輩には少々お仕置きが必要みたいなの・・・」 シグナム「アハハハハ・・・当たってたんだぁ・・・ウフフフフ・・・」 スカリエッティ「そう簡単にはいかない・・・今週のうっとりねっちょりドッキリメカー!!」 (ガジェットドローン三式) アギト「またガジェットじゃねーか」 スカリエッティ「今回はちょっと違うぞ・・・効果範囲内では魔法使用が完全不可能になるAMF付だ・・・!」 ハラ王「そうはさせん、ブレイズキャノン!・・・出ない」 シグナム「馬鹿な・・・あの執務官ですら魔力弾一つ出せないのか・・・ハブッ!」 フェイト「シグナム!!」 キャロ「アルケミックチェーン!・・・ま、全く出ません」 ティアナ「だったらバリアを切り裂いて、一撃必ハフンッ!!」 なのは「マッスルティアナダブルツインセカンドマークⅡ!!」 スカリエッティ「ハッハッハ!!魔法が無ければ、管理局とて烏合の衆だ!」 アギト「あたし達もなんもできねーけどな」 ゼスト「召喚魔法も駄目か」 ルーテシア「一人で悦・・・」 フェイト「・・・どうする?」 なのは「・・・エリオは効果範囲外まで走ってカタパルト射出で物理攻撃、スバルは走ってぶん殴るか、時間稼ぎ」 エリオ・スバル「特攻ですか、特攻ですね?」 なのは「物理は通用するよ、確実に、後は技量如何だから・・・男ならやってやれなの!」 スバル「女でーす・・・」 なのは「女も!!・・・で、フェイトちゃん、アレ、あの人の持ってる物」 フェイト「・・・明らかにコントローラー・・・しかもUS●接続ね」 なのは「多分、止まるよね、紐抜くと」 フェイト「狙うのは本体よね」 スカリエッティ「これで終わりだぁ!!」 エリオ「ストラーダ!!限界までかっ飛べえええええええええええええ!!!」 スバル「おりゃあああああああああああああああああああ」 がじぇっとびーむ スバル・エリオ「どうせそんなこったろうと思ったってば・・・」 スカリエッティ「フハハハハ!!」 ルーテシア「ドクター後ろ」 スカリエッティ「は?」 フェイト「陸士訓練で培ったこの拳・・・」 なのは「冥王秘奥義・・・」 ダブル鉄拳 スカリエッティ「ふんぶるぎえいああいぐしがうがかぎぃくゅヴぇ・・・ シャーリー(コードギアスの)・・・」 ルーテシア「ゼスト丸いの止まっちゃったから拾ってあげて・・・」 ゼスト「わかった・・・ドクターはどうする」 アギト「あたしが持ってく、今日はこのくらいで勘弁しといたらあー!!」 なのは「いっちゃったね」 フェイト「皆、初勝利の気分はどうかな?」 一同「いまいち・・・」 戦い方もいまいちと思う、一同であった。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/spirits_dic/pages/26.html
画像 基本データ 名前 ブレイブ 性別 男 年齢 8年 型番 BR-001 詳細 WWR社によって作られた戦闘用ロボット。 製造されたのは8年前だが拡張・改修を前提に設計されていたらしく、ジェネレーター出力は戦艦クラス。 加えて各種センサー等の強化を施されたことで現行機と同等の性能を持つ。 武装は新規に開発された高周波ブレード。近接戦闘を得意とする。 時空間制御システム「ZONE」を搭載した初めての機体でもある。 その他 過去を改変した事が原因で、彼を含め20機のブレイブがこの世界に 発生してしまった為、他19機はスリープ状態にされている。 画像 基本データ 名前 ブレイブ(長距離狙撃仕様Ⅰ) 性別 男 年齢 8年 型番 BR-001A 詳細 ブレイブが新規開発装備「BAC(バック - Blast Aim Combat)」 を装備した姿。各種装甲が耐久性のより高いものに換装され、加えてセンサー類は最新鋭のものに変更された。 全身に武装を内蔵しているのも特徴で、特に背中に増設されたブラストレールガンは同クラスのロボの中でも最高クラスの出力を誇る。 欠点として、機動性能の低下は否めないものの、その火力からテレーズシティ戦では多大な戦果を上げた。 尚、ZONEシステムの起動により武器の性質が変化する。詳細は不明。 その他 本来はBR-002用の装備だったらしい。
https://w.atwiki.jp/dngssc3/pages/19.html
予選投票方法 投票はプレイヤーとして参加しているか否かを問わず、どなたでも可能です。 公開されたキャラクターのキャラクター説明とそのプロローグを評価対象として投票して下さい。 プロローグを読まずにキャラクター説明のみを評価対象として投票することも可能です。 予選投票は二通りの投票方法があります。両方の方法で投票することも、片方の方法でのみ投票することも可能です。 投票方法その1 エントリーされたキャラクターからあなたのイチオシのキャラクターを3名まで選んで投票してください。 基準としては最も気に入った・最もプロローグSSが面白かった・最も本戦に進む姿が見てみたい、と思ったキャラクターを選んで投票してください。もちろん、独自の基準で選んでも構いません。 また、3名を選ぶ必要はありません。2名、または1名だけを選んで投票も可能です。 複数回の投票はご遠慮ください。 また、参加プレイヤーが投稿した自身のキャラクターへ投票することは禁止とさせていただきます。 また、参加プレイヤーが投票した場合は、自キャラのポイントが大きく不利にならないよう何らかの補填を検討します 投票方法その2 1~10点の得票ポイントでそれぞれのキャラクターを評価してください。 更に評価対象に対するコメント(感想など)を記述した場合、1ポイントがそのキャラクターへの評価として加算されます。 コメントを記述した場合でも、ポイントとして加算したくない際はその旨を記述していただけばそのように処理致します。 どの程度で何ポイントをつけるかという判断は投票者に委ねることとします。 基準がよくわからないという方は概ね以下のような指針で投票ください。10~8ポイント……凄く面白かった! このキャラクターがとても好き! 本戦に進む姿が見たい! 5~7ポイント……まあまあ面白かった。 このキャラクターがそこそこ好き。 場合によっては本戦に進む姿が見たい。 凄く良かったけど、個人的に少しひっかかる部分がある。 1~4ポイント……普通だった。 他のキャラクターに比べると支持するところが少ない。 個人的には凄くひっかかる部分がある。 キャラクター説明やプロローグが長すぎたり難解すぎるなどの場合は、途中で読むのをやめて投票に参加していただいても構いません。 尚、同じキャラクターへの複数回の投票はご遠慮ください。 また、参加プレイヤーが投稿した自身のキャラクターへ投票することは禁止とさせていただきます。 また、参加プレイヤーが投票した場合は、自キャラのポイントが大きく不利にならないよう何らかの補填を検討します 以上をご確認の上、予選キャラクター公開ページよりキャラクター説明とプロローグをご覧になり、どうぞ気軽に投票していってください。 投票結果・本戦進出判定 まず投票方法その1の上位6名、投票方法その2の上位6名を本戦進出者に選抜します。 投票方法その1、投票方法その2の上位で重複者がいた場合は、下位の人間をそれぞれの投票方法から交互に繰り上げて選抜します。重複者が奇数であった場合は投票方法その1から優先して1名を繰り上げて選抜します。。 その後、本戦進出者12名とダンゲロスSSキャンペーン経験者を除いて、投票方法その1の上位2名、投票方法その2の上位2名、計4名を新規プレーヤーの選抜枠とします。上位2名で重複がいた場合の選抜方法は上位12名の場合と同様です。 上位12名選抜時点で残った新規プレーヤーが4人未満だった場合は、残ったキャラクターの内、上位のキャラを選抜します。選抜のロジックは上位12名を選抜した続きとして行います(12名の選抜で投票方法その1を繰り上げていた場合はその2の最上位から選抜を開始します)。 投票方法その1、その2で票・ポイントが同数であった場合、別の投票方法で上位であったキャラクターが上位となります。その1、その2共に同数であった場合はプロローグの最終投稿時間が早いキャラクターが上位となります。 あなたの一票で本戦進出者を決めよう! ダンゲロスSSキャンペーン参加経験者について 以下リンクのキャンペーンに執筆者として参加した経験のある方とします。 共同執筆者の場合も含みます。 参加エントリー時に自身のSSキャンペーン参加履歴を添えてください。 ダンゲロスSS ダンゲロスSS2 ダンゲロスSS3 ダンゲロスSSR ダンゲロスSS4 ダンゲロスSSRace ダンゲロスSS裏Race ダンゲロスSSDM ダンゲロスSSDM Set2 ダンゲロスSSCINDERELLA ダンゲロスSS裏CINDERELLA ダンゲロスSSC2
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3729.html
マクロスなのは 第27話『大防空戦』←この前の話 『マクロスなのは』第28話 『撃墜』 「あら、来たのね」 スカリエッティにすら知らせていない隠れ家で潜伏していたグレイスが呟く。 彼女はその美貌に似合う凄みある笑みで微笑むと、隠れ家の回線から民間の回線をハック。刹那のうちに地球の衛星軌道上を回る通信衛星の一つを自らの支配下に置くと、その更に高みに存在する静止衛星軌道上の、ある座標へとそのアンテナを向けさせた。 (*) 第1管理世界(時空管理局本部の置かれている世界) 太陽系第3惑星「地球」 静止衛星軌道上 かつてアルト達の乗ったVF-25がフォールドアウトした宙域に、再びフォールドゲートが開いた。 ゲートは向こう側から砲撃でもされたのか、爆風がゲートから吹き出す。そして静かになったかと思えば、おもむろに何かが出てきた。 赤いノーズコーンが確認できてから極めてゆっくり出てくる。しかし機首部分であるはずのそこは、次の瞬間には赤い咆哮をあげて逆噴射を行った。どうやら強力な逆推進スラスターを括り付けていたようだった。 そして4秒近くかけてようやく緑色のキャノピーをもつコックピットが、その姿を表し始めた。 (スラスター燃焼完了。廃棄(パージ)。減速率は94%で予定値をクリア。ISC大容量エネルギーコンデンサより電力を出力、該当の転換装甲に集中。現在は機体構造維持率62%。なお低下中・・・・・・) ようやくこちら側に来たVF-27のパイロット、ブレラ・スターンは、フレームから悲鳴をあげる己の機体に起きている事態に対処するために、全力で対応する。 あちら側でフォールドゲートに突入した時間は機体全体で2秒に満たぬが、こちら側ではその時間は十数倍に引き伸ばされ、その時差が機体を、ゲート部分を断面として引き裂かんとしているのだ。 これに対処するために開発したディストーション・シールドを、艦全体に張り巡らす改良を施さんとしているマクロスクォーターと違って、コックピットとエンジンだけと最低限のそれしか装備しなかったVF-27はそのツケを払っていた。 機体の構造維持はその大部分を内部フレームと外装の転換装甲が担っているが、どちらも主機である反応エンジンの電力を供給してその強度を高めている。しかしエンジン部との時差が十数倍となった機首には、通常の15分の1程度の出力しか到達しなかった。そのため機首にあるISCのコンデンサから電力を出力し、無理やり構造維持を図っていたのだった。 もっとも当初から予想されていた事態だったこともあり、その対応は難しいものではなく、最初の対応から20秒ほど経った頃には主翼がその姿の6割ほどをのぞかせていた。 すでに機体のこちら側の慣性は吸収し尽くし、両翼の反応エンジンとも通常コネクトを果たしてISCを全力運転。ゲート断面部から新たに現れる慣性を打ち消し続けている。予定ではあと10秒ほどで機体全体が通常空間に復帰できるはずだった。 (アイツがここにいるかはともかく、ランカがいるのは間違いないな) 電子の目を通して近くにあった地球型惑星を見ると、惑星フロンティアのようにバジュラクイーンクラスのフォールドネットが惑星全体を覆い尽くしている。どうやらフォールドクォーツの資源に恵まれているようだ。それと同時にランカがそこで歌っていたのであろう期間の長さが窺える。 しかしなにより今、惑星上の弓状列島から放たれる超強力なフォールド波に、機内のフォールドスピーカーが共振して伝わる生の歌こそが、彼女の生存を声高にさえずっていた。 その歌声に安心していると、機体の受信機がいくつかのフォールド式トランスポンダ(IFF)を拾う。 どれもフロンティア船団籍。どうやら探し物以外にも思わぬ拾いものをしたらしい。 それら反応が集まる弓状列島へと電子の目を収束していると、彼女はやってきた。 『(久しぶりだな。ブレラ少佐)』 「オコナー大佐!?」 突然の声に思わずリアル(生身)の口がその叫びを放つ。 そして死んだはずの女が何時の間にか自らの電脳空間に侵入を果たしていることを認識するのに、25ミリ秒ほどの時間を要してしまう。その一瞬でローテクな通信衛星からのハッキングという大きなハンデを背負っていた彼女は、情勢をひっくり返した。 電磁妨害などの機構を使う間もなく彼のシステムは瞬時に乗っ取られ、その自意識には何十ものシステムロックがかけられた。 その数秒後にはVF-27は通常空間に復帰したが、メインシステムであるパイロットはシステムの牢獄にとらわれたままだった。 人間らしさを失い無機質となってしまったかの翼は、アップデートされていたLAI製の最新アクティブ・ステルス・システムを駆使して、誰に観測される事なく現域から離脱した。 それから10分ほど経つと、残されていたフォールドゲートから赤く、長い針の様なものが生える。しかし針は時と共にその全長を伸ばして行き、最終的には10メートルを超えた。 そして本体部分まで出現が始まると、本能からかフォールド波をばらまいて擬似的なディストーション・シールドを展開。時空差を捻じ曲げて赤い物体が高速でゲートから飛び出した。 その赤い物体─────個体名称「アイくん」は、フォールドアウトと同時に不思議な感覚を味わっていた。 クイーンからのリンクが切れたから・・・・・・ではないようだ。しかし自分達(バジュラ)にとってとても懐かしい気のする感覚だった。 アイくんはそれを『〝彼女(リトルクイーン)〟が歌っているからだ』と結論づけると、発信源である弓状列島の中心に進路をとった。 ちなみにこの時巡回任務についていた管理局のパトロール挺は、VF-27ではデフォルトのアクティブ・ステルス・システムでゲートごと観測データを書き換えられて気づかず、アイくんでは彼の発する生体電気シャミングによってシステムダウン。どちらにせよ、あまりに無力だった。 (*) 同時刻 空きビルの屋上には2人の人影があった。 「ディエチちゃん、ちゃんと見えてる?」 そうもう1人に問いかけたのは、メガネを掛けた少女だった。 しかし彼女こそ、海上のガジェット・ゴースト連合を幻術で強化している張本人だった。 彼女の魔法、IS(インフューレントスキル)「シルバーカーテン」は従来の幻術とは違って魔力素の結合に頼らぬため、ランカの超AMFも効果がなかった。 そしてディエチと呼ばれたもう1人の少女は、ある一点を見据えていた。 「うん、遮蔽物もないし空気も澄んでる。よく見えるよ」 彼女の瞳に内蔵されたスコープが、目標である管理局の大型輸送ヘリを捉える。 「でもいいのかクワットロ?撃っちゃって?あの子はただ〝歌ってる〟だけだよ」 ディエチの問いに、クワットロと呼ばれた幻術使いは微笑むと答える。 「ふふふ、ドクターとウーノ姉様曰く、あの子の歌がこのAMFの発生源なんですって。だから今後の計画のじゃまになるし、〝殺しちゃって〟だって」 まるで「今夜のおかずはハンバーグよ~」というような軽い口調で物騒なセリフを吐くクワットロに、ディエチは 「ふーん」 と無感情に返した。 (*) 次々に出現する敵の増援に、サジタリウス小隊はランカが参入してからも20分以上付き合わされた。 そして今でも空域では空戦が続いている。 しかし弾薬の欠乏と疲労の蓄積したサジタリウス小隊は、フロンティア基地から緊急出動した部隊が到着した頃には、帰投せざるをえなくなっていた。 さくらのVF-11Gは今回狙撃任務オンリーだったため、最初に陸戦型ガジェットと格闘戦をやった時に作ったダメージ以外は無傷だ。しかし魔力砲撃の度大出力を使うため、機載の小型魔力炉(MMリアクター)が悲鳴をあげていた。 その横を飛ぶ天城のVF-1Bはひどい有り様だった。さくらと違って直接戦闘の場面が多かった彼の機体は、エネルギー転換装甲なのに所々貫通孔が残り、ガンポッドも紛失していた。また、左右のエンジン出力が安定しないのか何度か編隊を離脱しそうになっていた。 そして2機の前を飛ぶVF-25は飛行を続ける機動こそしっかりしているが、その純白の翼はVF-1Bに劣らぬほどの損傷を抱えていた。 それは最新鋭機に最高レベルのパイロットと言う、理想的な組み合わせでも、敵がしかるべき装備さえ配備すれば大打撃を被るという証明であった。 だがそれより、トルネードパックである両翼のブースターと上部の旋回レーザー砲がなくなっているのに、戦闘空域外ではデッドウエイトになる追加装甲がそのまま残っている。 実はVF-25は度重なる被弾により、反応エンジンと機体本体のエネルギー転換装甲を繋ぐ配電システムが全て断絶し、その機能を完全に失っていた。 通常このまま飛行を続けると構造維持すら困難になり、最悪の場合空中分解という事すらある。 そのためアルトは機体を覆う追加装甲に電力を回し、無理やり構造維持を図っていた。 アルトは細心の注意を払いながら機体を操作する。 転換装甲のないバルキリーなど旧式のジェット戦闘機と同じだ。ミサイル1発、機関砲弾数発で大破する。 アルトは『昔の人は偉かったんだなぁ』としみじみ思った。 60年ほど前、彼らはこの状態で戦い合ったのだ。ほとんど場合で〝たった一撃で墜ちる〟ような戦闘機に乗って。 アルトは感慨に耽けりながら、そして機体を労わりながら、戦闘空域から離れていった。 (*) ユダ・システムである〝彼〟はこの戦いにはゴーストとして参加していた。 彼は満足だった。ガジェットⅡ型改のような急ごしらえの改修機でなく、元から限界ギリギリの高機動に耐えるよう設計されているこのQF2200『ゴースト』という機体に乗り換えられたことに。 しかし前回とは致命的に違う事がある。実は前回の戦闘で被った被害は、ユダ自身にまで及んでおり、記憶喪失に近い状況にあった。 ほとんどはレストアして無事だったが、それでも忘れてしまった内容は、実戦経験を数値化して蓄えられたデータだ。このデータは彼自身の経験だけではなく、第25未確認世界の新・統合軍が統合戦争より脈々と練り上げてきた戦闘アルゴリズムが主である。 それを忘れたとあっては、人間に例えるなら戦場に出たばかりで知識しかない新兵のようなものだ。おかげで今回も無人機部隊を指揮していると言うのに、その指揮と機動には以前と違って稚拙さが目立ってしまっていた。 彼は以前の最後の記憶でこちらを落としかけたVF-25を今度こそ落とすことを目標としていた。しかしVF-25には、こちらの単純な物量戦術や罠がまったく通用しなかった。 また、そうこうするうちに友軍であるガジェットは〝謎の音波兵器〟で弱体化され、他の敵に集中するうちに手負い程度には追い詰めたVF-25も撤退してしまった。 ここに至りあの機体はほんとに最精鋭であり、自分は新兵であると認識した彼は、奴を落とすため経験を積むことを最優先とした。 幸い敵には事欠かなそうだ。フロンティア基地からスクランブルしてきたバルキリーが数多く飛翔している。 そこで彼は手始めに一番動きの鈍い〝VF-1A〟という機種に狙いを絞ることにした。 VF-1Aはまだまだ経験の浅い2期生の乗る機体であり、比較的弱く映るのは当然の結論だった。もし本当に狙われたら航空隊にとって堪ったものではない。 しかし弱点とは言え後進の指導は必須なのだから、航空隊の先輩たちは全力でそれらのフォローを行っている。そのためVF-1Aが全体に占める割合は30%程度のもので、常に連携を維持していた。それに2期生達は「(先輩達の)ケツの匂いが嗅げる位置から離れるんじゃない」と教え込まれている事から、その隙を突くことは中々に困難な事だった。 しかし万事がそうであるとは一概には言えなかった。 彼は不如意にも頭出した1機に狙いを着ける。 傍受した彼らの無線によると、ほぼ無力化されたガジェットをゴースト部隊から離して迂回侵攻させていたのだが、それを発見したらしいその機は英雄的にも立ち塞ごうとしているようだ。 2期生と言えど毎度のスクランブル、そして数ヶ月前の演習空域での大規模空襲ですら持ちこたえて来たという自負を持っている。その事から多少の慢心が生まれるのは必然だった。 しかし今回はその多少が命取りとなる。敵は今までと違って、曲がりなりにも戦術を持った敵なのだから。 彼は管制として高空を飛行していたが、近衛として周囲に展開するゴースト一個編隊におっとり刀でVF-1Aを追ってきた編隊機を押さえ込むよう厳命すると、その1機にドックファイトを挑んだ。 それは高空から急降下した彼に〝上昇〟して迎撃してきた。 彼の持つ知識によれば、それは全く持ってナンセンスな機動だった。 速度の乗ったこちら(ゴースト)に比べてエンジン出力とせっかく稼いだ運動エネルギーを持っていかれるあの機体(VF-1A)。勝敗は明らかなはずだ。 果たしてこちらの放つ新型弾頭『超高初速20mm対(アンチ)エネルギー転換装甲(ESA)弾』が面白いように命中するのに比べ、敵の弾丸はかすりもしない。 そして遂に転換装甲のキャパシティを超えたのか主翼やエンジンナセルがもげる。 数瞬の後、キャノピーが吹き飛び爆散した。 しかし操縦者はキャノピーが吹き飛ぶと同時に脱出し、EXギアで飛翔していた。どうやら判断力は一人前なようだ。 ユダ・システムである彼にとってこれはまだ撃墜とは認定せず、その砲口は当然のようにEXギアに向いた。 伸び行く曳光弾。しかしそれはかわされた。 (ほう、なかなかやるな・・・・・・) 彼は初めてその敵を評価した。 元々フロンティア基地航空隊のパイロットは、全員空戦魔導士の出であり、2期生レベルだとまだ魔導士時代の戦闘スタイルを引きずっている者が多数いた。 さきほどの機動もバルキリーではナンセンスな機動だが、魔導士としてなら実は問題ない機動だった。なぜなら彼らは浮遊魔法で重力を打ち消し、水平飛行と同様の速度で、ある程度の高度までなら上昇できるからだ。 そして本来の身軽な体に戻った彼はなかなか善戦した。しかし、どんなに優秀でも所詮はBランクレベルのリンカーコア。リミッター付きとはいえ、なのはやフェイトといった強者がてこずるゴーストにユダ・システムという彼には敵(かな)いようもなかった。 戦闘から十数秒、事態は動き出した。 突然敵の音波兵器が〝止まった〟のだ。 それによりガジェットが勢力を盛り返し、再び空域をAMFで満たした。 AMFによってその魔導士の飛行速度が遅くなる。 彼はガンポッドを照準すると、一斉射した。たった1発の20mm弾に被弾した彼は、一瞬にして全身バラバラになると、血飛沫を上げて落ちていった。 この時、初めて彼の中で撃墜数1がスコアボードに記録された。 (行ける!これなら行けるぞ!) 敵は音波兵器が止まって浮き足立っている。彼は勢力を盛り返した友軍と共に侵攻を再開した。 (*) 時系列は少し戻る。 ようやく横浜上空に到達したアルトは、懸案事項を思い出していた。 『敵の大軍に突入していったフォワードの4人は大丈夫だろうか?』と。 そこで通信機を操作し、六課のロングアーチに繋いだ。 『お疲れ様です。〝早乙女〟一尉。』 画面に映る〝アルト〟。偶然自分と同じ名を持つ彼女とは、ファーストネームで呼び会う取り決めだった。 また、彼女とはある過去の境遇が同じで、なかなか馬があった。 その境遇とは、自身の性別の誤認だ。 上にも下にも男の兄弟しかいなかった彼女は、最近まで自らが男だと思い込んでいたという。 お笑い草にしかならないこの話題も両アルトにとっては切実なものであり、お互いのシンパシーは強かった。 「サンキュー、クラエッタ。・・・・・・ところでフォワードの4人は大丈夫か?」 『はい。レリックを1つガジェットに確保されたらしいですが、もう1つは確保。途中、アグスタ攻防戦時にガジェットを操作したらしい召喚士一味と戦闘になりましたが、ヴィータ副隊長とリイン曹長の援護で逮捕に成功しました』 それを聞いたアルトは六課の底力に素直に感心した。 援護があったとは言え、入局から半年の新人がこの活躍。全く持って目を見張るものがあった。 『・・・・・・なんなら通信を繋ぎますが、どうしますか?』 そう聞くという事は向こうも暇なのだろう。アルトは 「そうしてくれ」 と頼んだ。 待っている間にも機外から歌声が聞こえてくる。 外部マイクは損傷で断絶しており、気密の高い機内には通常聞こえないはずだった。しかし破損が酷かった事と、ヘリがたった10メートル先を飛んでいる事は無関係ではないだろう。 ヘリの窓からは歌い続けるランカの姿が確認できた。 ランカの方もこちらに気づいたらしく、曲の見せ場である〝キラッ☆〟をこちらに向かってやってくれた。 頷きと共にすれ違い、目前の多目的ディスプレイに向き直ると、すでに通話状態だった。 『─────お、アルトか。私が居ない間に新人達が世話になったな』 ヴィータがグラーフアイゼンを肩に担ぎながら礼を言った。 「なんて事はない。・・・・・・ところで、召喚士は?」 アルトの問いにカメラの位置が横に移動し、リインと4人、そして見慣れぬ青い色の長い髪をした女性を映す。彼女が陸士部隊から来た増援らしい。 しかしアルトの目はその召喚士に釘付けになっていた。 「子供?」 アルトは 10代(ティーンエージャー)にすら達していないであろう、その紫の髪をした少女に意表を突かれた。 『ああ。だが魔力光も魔力周波数もアグスタ攻防戦当時の記録に相違ない。・・・・・・なんだか子供をいじめてるみたいでいい気はしねぇが─────』 (お前が子供って言うな) 『─────少なくとも公務執行妨害、市街地での危険魔法使用についての現行犯逮捕だから間違いねぇ』 ヴィータは言うと、詰問している6人に呼びかける。 『どうだ? なんか喋ったか?』 ヴィータの問いにスバルが否定の仕草を返した。 しかし不意に、少女が口を開いた。 『・・・・・・逮捕もいいけど、大事なヘリは放って置いていいの?』 そのセリフに一同は凍りつく。 『なんだよ!爆弾でも仕掛けてあるのか!?』 ヴィータが詰め寄る。 しかし少女はその問いには答えず、無感情な目でヴィータを見やると言い放った。 『・・・・・・あなたはまた、守れないかもね』 そのセリフはアルトにはピンと来なかったが、ヴィータには効いたようだ。 彼女の顔が蒼白になる。 しかしアルトはこれ以上この通信を見る事ができなかった。 ロングアーチがこの通信をオーバーライドする最優先通信を繋いだからだ。 『こちらロングアーチ!そこから8時の方向、距離3キロの位置にオーバーSランククラスの魔力反応!砲撃です!』 「バカな!ここはランカの超AMF下だぞ!」 アルトは信じられない事態に、まず相手を確認する。 操縦者のその方向への振り返りに機体のセンサーが呼応して、発生地点がホロディスプレイを介して拡大される。そこには全長が2メートルほどの〝大筒〟を構えた人間の姿が映っていた。 大筒の先端では光の粒子が集束されており、何かはわからないが発砲体勢に入っていることは間違いない。 そしてその照準は間違いなく、ランカの乗ったヘリに向けられていた。物体を狙う場合は破壊設定であることは言うまでもないだろう。 また、オーバーSランククラスの砲撃ではヴァイスのヘリのPPBS(ピン・ポイント・バリア・システム)では紙くず同然である。 「メサイア!発砲までの予想時間は!?」 「6 seconds.(6秒)」 聞くと同時にアルトは機体を急旋回、スラストレバーを全開にまで上げてヘリまで戻る。 「ジャマだぁ!」 重い追加装甲がパージされ、多目的ディスプレイに『非常用構造維持エネルギー、限界まで60秒』という文字が躍る。 VF-25が〝ガタガタ〟と軋みを上げ、自機の限界を主張する。 しかし機体だけでなく無線も悲鳴をあげた。 『アルト隊長!無理です!やめてください!』 さくらの叫び。しかし修羅となった彼は止まらなかった。 そして無慈悲にも発砲された(魔力)素粒子ビームに、その機体を曝した。 バトロイドに可変したVF-25は防弾シールドを両腕で保持してPPBSをフルドライブ!着弾したビームが四方に分散する。 しかしビームは減衰するが、止めるには至らなかった。 コックピット内で最後に彼が認識したのは、分子レベルにまで分解されてゆく己の体だった。 (*) ランカにはそれは極めてスローモーに映った。 ヴァイスのいるコックピットからロックオンアラートが聞こえた。 そちらを向こうとしたとき、視界の端につい先ほどすれ違ったはずのアルトのVF-25が映り、そちらに意識が向く。 「ビーム拡散弾、散布。PPBS最大出力!全速回避!!」 ヴァイスの叫びが聞こえると同時に、三半規管が床の傾きを感じ取る。 その刹那、正面に捉えていたVF-25から強烈な閃光が発せられ、視界が白く覆われた。 普段ならば、眩しさに思わず目を細めるはずのその光景。 しかしこの時だけはなぜか目を離さず、凝視し続けていた。 光から視界が開く。 最初に目に入ったのは、炎に包まれ四散する物体。 10秒にも満たないこの時間に凝縮された圧倒的な情報量。 それにより思考は完全に停止し、〝ボーッ〟っとその現場を眺める。 管理局の国籍表示マークをつけた魚のヒレのような主翼や、透明なキャノピー。その他白や赤に塗装された大量の部品が力なく落ちていく。 その光景に自身の脳は一つの結論を導いた。 アルトが、死んだ そんな。 少なくとも緊急脱出(イジェクト)はなかった。 あり得ない。 着弾時に背中に移ってキャノピーを包むファイター形態後部ユニットはそのままだったのだから間違いない。 信じられない。 また、そこから魔力反応は感じられず、転送魔法を使った形跡はない。 嘘だ。 つまり。 そんなはずがない。 結論に。 なにかの。 間違いが、ない。 「い、や・・・いやああぁぁぁぁぁぁぁ!」 (*) 「畜生・・・・・・」 ビームの余波によってPPBSがオーバーヒート。コックピットから小さな火の手が上がって、自動消化装置の液剤まみれになったヴァイスは、よく伸びるソプラニーノの悲鳴を、つぶやきと共に聞いていた。 幸いにして敵はアルトの忘れ形見たる編隊機によって追走。もう攻撃される事はないはずだ。 しかし少女に植え付けたであろう精神的ショックは大きい。 「まだ何も言ってないよアルトくん!もう一度、もう一度『好きです』ってちゃんと言おうって思ってたのに!・・・・・・さっきの念話だって、私の事、本当に大切に思ってくれてるって感じたもん!だからここまで頑張ったんだよ!さっきの歌だって、アルトくんのために歌ってたんだよ!?ねぇ、お願いだから応えて!・・・・・・大丈夫だって言ってよ・・・・・・」 耐圧ガラスを叩いているのであろう鈍い音と共に、その悲痛な叫びが後頭部に届く。それは慟哭にとって変わられ、悲しみを振りまく。 このパイロットという畑に来てそれなりに長いヴァイスから見ても、アルトの生存は絶望的だった。緊急脱出も、転送魔法も、シールド魔法の類も魔力反応の残留すら感じない。 例えこの魔導世界であろうと、それらがなければ大破した機体から操縦者を守る術はない。 彼女を励ませるように何か声をかけてやりたかったが、何もその材料は存在しなかった。 しかし声をかける材料は意外と簡単に見つかった。それが良い事か悪い事かに関わらず。 無線から入荷したその材料に歯噛みし、彼女に唯一してあげられることは自ら直接伝えに行くことだけだと席を立った。 (*) 気づくとコックピットから出てきたのか、目の前にヴァイスの姿があった。どうやら自分はヘリの床に座り込み、膝を抱えて小さくなっていたようだ。 「・・・・・・すまん、こんな時にこんなこと頼みたくないんだが・・・・・・歌ってくれ。AMFが消えて勢力をぶり返したガジェットが押して来てる。もう戦闘空域は三浦半島上空になっちまったらしい。頼む、これ以上〝犠牲者〟を出さないためにも・・・・・・」 ヴァイスが頭を下げて頼んでくる。そんな彼の眼には、涙があった。 (・・・・・・あぁ、悲しいのは自分だけじゃないんだ) 〝自分にはやることがある。〟と自らにムチ打ったランカは立ち上がり、歌い始めた。 〝─────あなたの言葉をひとつください 「さよなら」じゃなくて・・・・・・〟 その歌声は聞く者に、知らず知らずのうちに涙を出させる旋律であった。 私はずっとそばにいた。微笑めば繋がっていたはずだった。六課のみんなと、全ての人がひとつに調和していたあの日々。 ずっとそばにいたかった。でも、どんなに声に託しても、もうあなたまで届かない・・・・・・ 〝蒼い 蒼い 蒼い旅路・・・・・・〟 ―――――――――― 次回予告 姫の悲しみを見たアイくんの逆襲 そしてランカの歌が消え、窮地に残されたフロンティア基地航空隊 次回マクロスなのは第29話『アイくん』 「・・・あら、あなたがアイくん?」 ―――――――――― シレンヤ氏 第29話へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/414.html
ストライカーズから数年後、フェイトは結婚していて、子供をさずかっていた だが、なのはは病気で死んでしまった。それでも、平和な世界だった・・・ しかし、その世界は数ヵ月後、今は亡きプレシアによって作り出された2体のクローンにより、荒廃した世界となっていた 世界の人口も1億人足らずである。この危機に立ち向かったのはもちろん機動六課だった。 しかし、2人の人クローンは恐ろしい力で仲間たちを次々と殺していった。あらゆる魔道士たちは死んでいった。そしてフェイトも死んだ・・・ 残ったのはハヤテとフェイトの子供だけであった。2人は修行し、クローンを倒そうと考えていた。 1度目にクローンにいどみ、ハヤテは戦いで片腕を失った。2度目には死んでしまった。 残る戦士はフェイトの子供だけだ。フェイトは過去へ行き、なのはたちの力を借りようとする 戦いに参加していなかったため、生きていたアリシアはタイムマシーンを完成させていた。 フェイト子供「アリシアさん、なのはさんてそんなに凄い人だったんですか?」 アリシア「たしかに強いんだけど、どんなことがおきても何とかしてくる気にさせてくれるの」 そしてフェイトの子供は過去へ行く。hopeという文字をタイムマシンに書き残して・・・ そこには新たな戦いが待っているのだった・・・ エンディング「青いかぜのhope」歌;水樹奈々 単発総合目次へ DB系目次へ TOPページへ
https://w.atwiki.jp/takakazu/pages/55.html
時代劇団 ブレイブ 名前ω中の人ω渾名 ブレイブωブレイブωイカレ野郎 キャスト 千葉繁 性別ω年齢 男ω二十代 役職 時代劇団武芸師範 武器ω部隊 自作リボルバーライフルω新兵隊 相姦図 oz→生涯忠誠 秘奇有天→喧嘩仲間 人物 時代劇団の武芸師範。新兵の調練を担当し、一人前の時代劇団に鍛え上げるやや長めの茶髪。長身で細身。か弱そうな印象。しかし左頬の傷が恐ろしげ一見まともそうだが、突然わけもなく奇声を発するなど、かなりイカレた様子童帝に対しては忠誠心の欠片もなく、人目をはばからず童帝を侮辱することはしょっちゅうおかげでASKと大変仲が悪く、一触即発、犬猿の仲ozを主君と思い定めているようで、ozの前では決してイカレた言動をとることはない作の五連装リボルバーライフルを愛用。銃剣道を編み出しライフルを槍のように操る銃火器の製造ができるため帝国工廠のドッペルゲンガーとはそれなりに親交がある兵の調練が任務だが、部隊の指揮もそれなりに得意。個人の戦闘力も中々のもの戦闘中は常にイカレっぱなしで、暴言と敬語が混ざった奇妙な言葉で叫びまくる自分のデュエンディを猛烈熱烈に愛しており、たまに姿を見せると発狂して喜ぶしかしインサニティからは全く相手にされていない。しかし構わず熱いハートをぶつけるぜ デュエンディ インサニティ 属性ω性別 闇ω女 姿形 死神娘 精霊 狂気を司る精霊。いたずら好きな小悪魔で宿主を弄んで楽しんでいる見た目は二十歳くらいの女性。胸はCカップほど。露出度の高い服装を好みセクシー天使の翼がついてるが血で真っ黒に汚れている。どうしても洗い落とせないらしい何か目的があってブレイブと契約を結び利用している模様ブレイブがイカレるようになったのはインサニティの影響らしい
https://w.atwiki.jp/dngssc3/pages/2.html
メニュー トップページ 参加キャラクター 予選投票フォーム 予選結果 試合SS一覧 第1ラウンドSS一覧 第2ラウンドSS一覧 第3ラウンドSS一覧 第4ラウンドSS一覧 結果一覧 幕間SS一覧 イラスト一覧 ダンゲロスSSC3本スレ ネタバレ感想スレ←本戦SSのネタバレ注意 練習用ページ(キャラページ) 練習用ページ(SSページ) ゲームシステム レギュレーション 参加方法・ゲームの流れ キャラクター作成方法 予選投票 本戦SS作成・投稿方法 本戦SS投票方法 VR戦場地形 Q&A ストーリー プロローグ その1 プロローグ その2 基本設定 用語集 キャラクター投稿 エントリー表明 キャラクター投稿フォーム キャラクター投稿進捗状況 進行ラジオ録音 キャンペーン紹介ラジオ キャラクター紹介ラジオ 予選結果公開ラジオ 第1ラウンド結果発表感想ラジオ 第2ラウンド結果発表感想ラジオ 第3ラウンド結果発表感想ラジオ 最終結果発表感想ラジオ 応援ラジオ録音 事前アンケート アンケート結果 リンク集 ダンゲロス総合wiki ダンゲロス総合掲示板 The 男爵ディーノ 講談社のダンゲロスサイト ダンゲロスSS ダンゲロスSS2 ダンゲロスSS3 ダンゲロスSSR ダンゲロスSS4 ダンゲロスSSRace ダンゲロスSS裏Race ダンゲロスSSDM ダンゲロスSSDM Set2 ダンゲロスSSCINDERELLA ダンゲロスSS裏CINDERELLA ダンゲロスSSC2 ダンゲロス流血少女 -Summon of Sedna- ダンゲロスSS0714- 更新履歴 取得中です。
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3724.html
マクロスなのは 第26話『メディカル・プライム』←この前の話 『マクロスなのは』第27話「大防空戦」 1502時 クラナガン上空2000メートル そこではアルト率いるサジタリウス小隊がCAP任務に従事していた。 既にクラナガン上空で任務を開始してから2時間を超えている。 普段ならあと2時間足らずでこの任務を終え、引き継ぎに交代する。しかし今日は航空隊のオーバーホールのため、あと4時間は缶詰の予定だった。 こうなると普段禁止されている私語が多くなる。天城はその軽い性格からか、いつもおしゃべりが過ぎる。しかしこの日、真面目なさくらまでもその岩戸が軽石になってしまっていた。 『─────それでさ、基地のパン屋のお姉さん、ほら、あの・・・』 『・・・ああ、いつも基地にパンを持って来てくださっている事務員のお姉さんですね。』 『そう、それ!でさ、昨日パン屋さん午前中休みだったろ?』 『そう言えばそうですね・・・・・・何かあったんでしょうか?』 『うん、それがさ、そのお姉さんが朝の7時ぐらいにミシェル中隊長の部屋から出ていくのを見たやつがいるんだよ!』 『え!?ということは朝帰りぃ!?』 (・・・・・・おいおいミシェル、もう噂になってるぞ・・・・・・) アルトは昨日、彼の部屋に入ろうとしてドアにハンカチが挟んであったことを思い出し、「やっぱりそういうことだったのか」と、全く変わらない戦友であり友人である男に頭を抱えた。 『その公算は大だな。・・・・・・ああ、俺も一度でいいから、女を抱いてみてぇ~!』 『・・・・・・天城さん、私の前でそんなこといっていいんですか?私も一応女なんですけど』 『あっごめん!さくらちゃんだとあんまりにも気兼ねなく話せちゃうからつい・・・』 『もう知りません!』 『あぁ、さくらちゃぁ~ん!』 この会話を聞いたアルトは「ざまぁみろ」と思ったそうだが、定かではない。 『もう・・・・・・あ、ところでアルト隊長、』 突然の天城の転進に「な、なんだ?」と生返事を返す。 『噂で聞いた話なんですが、アルト隊長が〝ランカちゃん〟と付き合ってるってのは本当なんですか?』 その予想外だった問いにアルトは制御を誤り、機体は機位を崩して5メートルほど落下させる。VF-25がピーキーな機動性能を誇るゆえに可能とした機動だが、今は彼の動揺を証明する役目しか果たしてくれなかった。 増速によって編隊まで高度を持ち直す。 「い、いきなりなにを─────」 『あっ、それ私も聞きました!本当なんですか、アルト隊長?』 さくらは左を飛んでいるため、左耳から聞こえる無線に、アルトは嫌気がさす。 「おいおい、さくらまで・・・・・・お前らバルキリー隊の隊長を色恋で話題にすると、突然撃墜されるってジンクスを知ら─────」 2人を説き伏せようと説明していると、天城の〝叫び〟がそれを遮った。 (え!? マジ?) 右後方のバックミラーに天城の機体が飛んでいるのを確認する。 流れる動作でレーダーを警戒するが、敵機なし。 変わったことと言えば、少し離れたところにヘリが飛んでいるだけだ。 (ん、待てよ・・・・・・ヘリだと?) アルトはヘリに視線で照準すると、モニターでズームをかける。 すると予想は的中。ヘリは六課のヘリだった。 そのヘリの窓にはどういうわけか、出張中なはずのランカの姿がある。 そして間の悪いことに、こちらを見つけたのか手を振っており、彼女の唇を読めば自分の名を呼んでいることはバレバレであろう。 「うぉぉぉ!アルト隊長!ランカちゃんのサインを3枚お願いします!うちの家族がランカちゃんの大ファンなんです!」 どうやら天城は完全に恋人認定してしまったようだ。 アルトは溜め息をつくと、ヘリに繋ぐのは嫌なため、上空のAWACS(空中警戒管制システム)『ホークアイ』に回線を繋いだ。 無論なぜこんなところを六課のヘリが飛んでいるのか聞くためだ。すると、 15分ほど前にクラナガン外辺部で休暇中だったライトニング分隊の2人がマンホールから出てきた5~6歳ほどの少女を発見したこと。 その少女はガジェットが狙っているロストロギア「レリック」を1個引きずっており、大変衰弱していること。 六課のヘリが保護のため急行しているが、なのは達はデバイスの調整のため出撃できず、準備の出来ていたランカが代わりに緊急時に備えて乗せられていたこと。 などの情報が提供された。 「レリック絡みか。わかった。サンキュー、ホークアイ」 『いやなに、君たちの会話の方が楽しかったよ』 「なぬ!?」 『私にも5枚、サインをよろしく頼むよ。うちの甥っ子もえらくご執心でね。交信終了』 アルトは無線に 「ちょっと待てぇぇぇーい!!」 と怒鳴るが時すでに遅し、回線は切られていた。 『・・・・・・アルト隊長』 「・・・・・・なんだ?」 『認知しましょう』 「いや、だ・か・ら、俺とランカは別にそんな関係じゃないんだぁ!」 アルトの叫びが澄んだ青空に響き渡った。 (*) その後ガウォーク形態で3機はヘリの護衛に入った。 来るかわからない航空型の警戒より、周囲に敵がいる公算の高い場所へ赴く、ヘリの警護が優先されたのだ。 その間にアルトはランカに対し念話を試みる。 『(おーい、ランカ?)』 『(あ、アルトくん久しぶりぃ~)』 『(・・・大丈夫なのか?)』 『(うん。向こうの人達にはすっごいよくしてもらったし、戦争だって終わったんだもん!)』 念話は言葉を介した意志疎通とは少し違う。これには言葉以外に言語では表現不能な概念・思考すら載せる事ができるのだ。 こう表現すると「そんな役立つものがあるのに、なぜまだ不完全な言葉など使っている?」という話になるが、実は念話は慣れていない相手だと稀に、相手に与えるのには好ましくない思考を載せてしまう事があるのだ。 つまりごく稀に本音が丸見えになるという事だ。 本音と建前の人間の世界、話す時に稀にでも相手の本音が見えたら決して成立しないだろう。 だから念話で話すにはそれ相応の勇気が要り、よっぽどの親友や仕事でない限り用いられなかった。 しかしランカから流れ込んだ思考には本当に嬉しいという思いだけが伝わってくる。 自分自身彼女に対する本音がわからない分、どう伝わっているか不安が残るが、彼女の無事が確認できただけでもよかった。 それから1分も経たない内にヘリは現場に到着。少女のヘリへの搬送が開始された。 しかし───── 「こちら機動六課、ロングアーチ。地下にガジェット反応多数!搬送を急いでください!」 ロングアーチの警告とともにガジェットが地上に出てきた。 幸い付近は既に交通規制で人はいない。ガジェットは用さえなければ家の中まで入ってこないので民間人は大丈夫だ。しかし道路でアイドリングするヘリに敵が迫る。 シャマルとランカが、担架(たんか)に乗せた少女を急ぎヘリに搬送しているが、まだ遠くとても間に合わない。 休日返上で集まっていたフォワードの4人も搬送する2人を守るので精一杯で、ヘリまで手が回らないようだ。 「ヘリを死守する!行くぞ!」 『了解!』 アルトの命令に呼応してガウォークからバトロイドに流れるように可変すると、3機でヘリを囲み、地下からワラワラと出てきて全方位から迫るガジェットに相対した。 『やっとなまった体が動かせるぜ』 天城のVFー1Bが凝りをほぐすように腕と肩をぐるぐる回した。そんな天城にさくらが釘を刺す。 『天城さん、抜かれないでくださいよ』 『へいへい』 市街地なので発砲は厳禁。しかしヘリを1機、1分ほど守るだけなら、彼らにはそれで十分だった。 「サジタリウス小隊、交戦!」 アルトは宣言と共に先頭にいたⅠ型をぶっ潰した。 (*) 一度途切れた意識が五感と共に帰ってくる。 頭の中が霧がかかったかのようにぼやけているが、1つだけわかる事がある。ここは戦場だ。 何かと何かがぶつかり、轟音と共にどちらかが、もしくは両方が壊れてしまう。 大人達は自分を縛りつけ、自らに眠る〝ちから〟を使ってヒトや物を壊すことをいつも強要した。 ぼやけた視界に映る、必死の形相をして自分を運ぶ金髪と緑の髪したお姉ちゃん達も、自分に戦いを強要するのだろうか? 彼女は自らの運命を呪うと、意識と共に記憶を閉じた。 (*) 『ヘリの離陸を確認!』 VFー25の外部マイクがティアナの声を拾う。 アルトが見たときにはヘリは(バトロイド形態の)目線の位置まで来ていた。ヘリはそのまま急速に上昇していき、安全高度まで行くと病院へと直行した。 「よし、長居は無用だ!さくら、先に飛べねぇ3人を連れて上に上がれ」 『了解!』 さくらは頭部対空レーザー砲で牽制しつつ後退。バトロイドからガウォークに可変すると、さっきまでヘリが駐機していた位置に移動する。 現在サジタリウス小隊とフォワード4人組は、ヘリのいた位置を中心に円陣を組んで全周位から迫るガジェットに対抗している。そのためヘリが居なくなろうと、その場所が一番安全だった。 『皆さん、聞いた通りです。早く手に乗ってください!』 さくらがVF-11Gの手(マニピュレーター)を地面に広げ、外部スピーカーで呼び掛ける。 しかし円陣の内郭を構成するティアナやキャロはともかく、自分達と共に外郭で戦うエリオはおいそれと戦線から後退することは出来なかった。アルトはハイマニューバ誘導弾による援護を準備しようとした矢先、その宣言が聞こえた。 「クロスファイアー・・・シュート!!」 一斉に放たれたオレンジ色の誘導弾は、数を優先したためかガジェットのシールドを抜くことはできなかった。しかしその進攻を遅らせ、エリオが後退する時間とアルト達が穴を埋める時間をひねり出した。 「いいぞティアナ。ナイス判断!」 アルトの掛け声にティアナは 『どうも!』 と応じると、後退してきたエリオ共々ガウォークの手のひらに収まった。 『じゃあしっかり掴まっていてくださいね!』 さくらは警告すると、時を置かずエンジンを吹かして離床。急速に高度を稼いでいった。 「おっし、天城にスバル、次は俺達だ」 『了解!』 上空から再び放たれたティアナの誘導弾に援護されながら、アルトと天城はガウォークで、スバルはウィングロードを展開して上空に退避した。 こうして目標を失ったガジェット達は撤退して・・・・・・いや、新たな目標を見つけたらしい。戦闘機動レベルのスピードで次々マンホールに入っていく。理由はすぐに知れた。 『こちらロングアーチ。今までジャミングにより探知できなかったレリック反応を地下から2つ確認!回収に向かってください!』 「・・・・・・っておい、ロングアーチ!あの大軍の中に4人を突入させる気か!?」 なに1つ反論せずバカ正直にも 『了解』 と応答しそうな4人の代わりに異議を訴える。 軍隊では捨て駒にされるなど日常茶飯事だ。 例えばフロンティア船団でも中期の対バジュラ戦に投入された新・統合軍がその典型例だ。 バジュラの進化によって彼らの保有する武装が何1つ効かなくなった状況で、出撃を命令され無駄に命を散らしていった。 軍隊とはそういうところだ。だから生き残るために常に最善の努力を必要とする。反論など大した努力は必要ない。それで作戦の穴が見つかり、手直しされて生存率が上がるなら、それに越したことはないのだ。 しかし六課は〝軍隊〟ではあっても無策のバカではなかった。 『そのことなんですが、おそらく問題ありません。現在ガジェットの優先命令はレリックの確保と思われ、積極的な攻撃はないと推測されます。また、事態を聞きつけた第108陸士部隊の陸戦Aランク魔導士が1人、5分で支援に駆けつけてくれるそうです』 「・・・・・・なるほど」 とアルトは呟くと、やる気満々という目をした4人に視線を投げる。 「・・・だそうだ。お前らの力を存分に発揮してこい!」 『『了解!』』 4人は敬礼すると地面に降ろされ、マンホールへと突入していった。 「・・・・・・全く、お人好し揃いだな。管理局は」 アルトの呟きにさくらが割り込む。 『それを隊長が言います?』 「・・・・・・そうだな」 俺もいつの間にかお人好しになってしまったらしい。 しかし敵はそんな感慨を抱く平和な一時(ひととき)すら許さなかった。 『こちら『ホークアイ』、クラナガン近海の相模湾に敵の大編隊が多数出現!機種はおそらく改修前のガジェットⅡ型とゴーストだ。目標はヘリでなくクラナガンの模様。サジタリウス小隊は即座に迎撃行動に移れ!』 嫌な現実が耳に入った。しかし過去を振り返るにはもう遅い。今はやれることをやるしかないのだから。 「サジタリウスリーダー了解!これより迎撃行動に入ります!」 ファイターに可変したVFー25を始めとする3機は最加速。目標空域海上に急いだ。 (*) 『『ホークアイ』よりサジタリウス小隊。いま増援を要請した。5分で六課のスターズ1とライトニング1が。その20分後に緊急出動するバルキリー隊が合流する。それまで何とか持ちこたえてくれ』 「了解」 VFー25率いるサジタリウス小隊は中距離ミサイルの射程に入ると、中HMM(中距離ハイマニューバミサイル)を一斉に放つ。 今度のミサイルは今までの2系統の誘導方式のシステムに改良を加えたもので、通常の回避手段にもある程度対応できるようになっていた。とは言え、今まで敵が回避手段を講じたことがないため、効率面から誘導システムがセンサーを全面的に信用するようセットしていた。今回はそれを通常の設定に戻しただけだったりしたが。 サジタリウス小隊の保有する全中HMM、都合20近い光跡を残してマッハ5で飛翔するそれは、30秒程度で着弾した。しかし全てではなかった。 「なんだと?」 半数以上が目標を見失ったかのように迷走していた。 しかしフレアに代表されるような妨害装置の使用は見られない。強いて言えば当たったのに当たらなかったというか───── 『こちら『ホークアイ』。命中しなかった理由が判明した!敵は幻影魔法を展開している!現在術者を走査中だ。十分注意して迎撃せよ。実機はおそらくレーダーに映っている半数以下だ!』 どうやらガジェットを使役する者達が本格的に動き始めたらしい。アルトは猛る血を抑えると、僚機に指示を出す。 「各機、陣形〝トライアングラー〟!行くぞ!」 『『了解!』』 さくらはバトロイドに可変すると三浦半島の海岸線に着陸し、アンカーでしっかり片膝撃ち姿勢を取る機体を固定。己の長大なライフルを敵の迫る南へと向けた。 続いて天城がガウォークに可変すると、さくらの直掩に入った。 この陣形は『アルトが突入して敵をかき乱し、さくらが援護狙撃を行い、天城が撃ち漏らしを排除する』という時間稼ぎと敵の一地域の釘付けに主眼を置いた陣形だった。 ちなみにこのネーミングセンスだが・・・アルトの前隊長によるものが大きいと予想される。 ともかくアルトは、天城のマイクロハイマニューバミサイル。さくらの狙撃、そして自身のハイマニューバ誘導弾と共に敵に突入していった。 (*) サジタリウス小隊が交戦に入ってから5分後の横浜上空。 そこでは今、2人のワルキューレが天を駆けていた。 「スターズ1よりホークアイ、現状は?」 『こちら『ホークアイ』。先行したサジタリウス小隊が敵大編隊を迎撃中。現在おかげで戦闘空域は相模(さがみ)湾上空に限定されている。船もないので安心して撃墜して構わない。また、幻影はロングアーチの協力で実機との区別がつきつつある。これはデバイスに直接IFFとして送信する。また、混戦なため誤射に注意せよ』 「了解」 なのはは答えると、『Sound only』と表示された通信ディスプレイを閉じた。 そして今や10キロメートルを切った戦闘空域を睥睨する。 そこでは真っ青なキャンバスをバックに、自分達魔導士には無縁な白い飛行機雲が、幾筋も複雑な螺旋模様を描いている。 「綺麗・・・・・・」 思わず素の感想が口に出る。 しかしその作品を作っているのがアルトのVF-25と、ガジェット・ゴースト連合であることを思い出し、あわてて頭を振ってその考えを吹き飛ばした。 「フェイトちゃん、行くよ!」 頷く10年来の親友。 「スターズ1、」 「ライトニング1、」 「「交戦(エンゲージ)!」」 2人は文字通り光の矢となって、空域に突入した。 (*) ガーッ、ガーッ、ガーッ───── 鳴りやまないミサイルアラート。多目的ディスプレイは真紅の警告色に染め上げられている。 VF-25は魔力のアフターバーナーを焚きながら上昇を続ける。 アフターバーナーを焚いたVF-25は、推進剤である魔力が機体の推進ノズルや大気との摩擦で発熱するため、赤外線カメラを通して見れば太陽のように光輝いて見えることだろう。 周囲を飛翔する全ての敵ミサイルが、そんなVF-25に打撃を与えんと、回避運動すらせずに追いすがる。 それを確認したアルトはスラストレバーを下げ、フレアを撒くと足を60度機体下方に展開する。 こうすることによって推進モーメントが突然変わったバルキリーはクルリと前転、機首を下に向ける。 そして再び足を戻して下降するVF-25を尻目に、高熱源体となったフレアにミサイルが引き付けられ、そのすべてが誘爆した。 「ふぅ・・・」 アルトは前方を塞ぐ実機のガジェット達を徹甲弾を装填したガンポッドで次々葬っていく。 しかし敵は全天を覆っていた。 彼は顔をしかめて敵を俯瞰していると〝衝突コース!〟という警告がディスプレイに表示された。 しかしレーダーに映る敵機はIFFには反応なし。 つまり目視できるしレーダー反射もあるが、六課のスーパーコンピューターが『あれは幻影だ』と、結論を出したという事だ。 正直幻影だろうと実機だろうと撃墜か回避したいが、おそらく敵の罠だ。 確かに発砲してあれが実機でないと証明するのは簡単だ。 しかし敵が作戦を変更してしまうので、こちらが『あれが実機でない』ことに勘づいたことを知らせる訳にはいかない。また、機動を操作されるわけにはいかないため、回避もできない。となればそのまま突入するしかなかった。 迫る敵機。もし実機なら正面衝突で大破は免れない。 (南無三!) アルトは一瞬で全ての神仏に祈る。 次の瞬間には敵機はVF-25を通り抜けていた。 後方を振り返ると、やはり罠があったようだ。ガジェット数十機がホバリングして袋を形成している。回避していればあの袋に飛び込んで集中砲火という結末だったらしい。 (最近は罠を作るぐらいの頭ができたんだな・・・) アルトが感心する内もガジェットは半ばホバリングしているためさくらの狙撃が面白いほどよく当たる。 しかしゴーストが対応を開始した。 彼らは三次元推力偏向ノズルで機首を無理やりこちらに向けると向かってきた。 いつの間にか囲まれている。 このままでは包囲、殲滅される!と危惧したアルトは遂に奥の手を出した。 「メサイア、〝トルネード〟パック装備!」 「roger.」 VF-25の胴体全体を一瞬青白い光が包み、背面に2門の大口径ビーム砲を、そして両翼には旋回式追加ブースターと装甲を装備した。 機動重視の装備として開発されたこれは、FAST(スーパー)パックを数倍する機動性能を発揮する。バジュラとの抗争では開発未了であったが、これさえあれば被害は4割は減らせたと言われている悲願の追加装備だ。 さくらの速射狙撃が包囲するゴーストの一角に穴を開ける。 アルトはスラストレバーを一杯まで押し上げると、その穴から一気に突破、包囲から脱出を図る。 しかし援護にも限界がある。上方より数機のゴーストと火線。 アルトは両翼に装備されたブースターを左右逆に旋回して急激に90度ロール機動をおこなうと、間髪いれずに主機、旋回ブースター、スラスター・・・すべての機構を駆使して上昇をかける。その瞬間的なG(重力加速度)は『ISC』、『イナーシャ・ストアコンバータ』、デバイス由来の重力制御装置の限界を越え、アルトの体に生のGを掛ける。しかしいままで反吐が出るような訓練に鍛えられた彼にはどうということはない。 機体はゴーストでも真似できないような角ばった急旋回を行って敵の火線を回避すると、ガウォークで急制動。擦れ違おうとしたゴースト数機に背面のビーム砲を照準すると立て続けに見舞った。 魔力出力にしてSランククラスの砲撃を受けたそれらは、瞬時に己の体を空中分解させて海の藻屑へと帰した。 『こちらサジタリウス2(さくら)。弾が切れました。これより魔力砲撃に切り替えます』 遂に持ってきた砲弾を撃ち尽くしたらしい。魔力砲撃ではこの空域全体に作用したAMFにより威力が格段に低下するが、致し方ない。 アルトとてガンポッドに残る残弾など雀の涙だ。 熱核反応エンジンは戦闘機に無限の航続能力を与えたが、積める弾薬量が決まっている以上、まともな戦闘可能時間は旧式の戦闘機と変わらないのだ。 (荷電粒子ビーム機銃さえ使えれば・・・・・・) 現在も封印(シール)状態でVF-25の両翼に装備されているこのビーム機銃は、最初からバジュラには効かなかったが、AMFが作用しないためゴーストやガジェットなら苦もなく落とせるはずだった。 だが局員となった今、そんな物を使えば暖かい寝床から一転、鉄格子の部屋で寝ることになる。 アルトは無駄なことを考えるのをやめると、戦術に集中する。 トルネードパックで機動力の上がったVF-25に対し、ゴーストとガジェットはその機動性と数で対抗してくる。 更にゴーストの撃ち出す実体弾は、バルキリーの転換装甲のキャパシティをすごい勢いで消耗させていく。 (というかこれはマジ物の対(アンチ)ESA(エネルギー・スイッチ・アーマー。エネルギー転換装甲)弾じゃないのか・・・・・・?) 通常の実体弾はこれほどの消耗を強いるものではないはずだった。 とにかく、客観的に見てこれ以上の進攻阻止は無理だった。 しかしすでに1キロ程先に三浦半島の海岸線があった。 (現行戦力でこれ以上の足止めは無理だ。しかし半島上空を戦場にするわけには・・・・・・) そこに見える民家が、彼に後退を躊躇わせた。 その時、待ちに待ったものが来た。ディスプレイに表示される〝空域マップを貫く太く赤い線〟と〝退避要請〟という文字。 敵は大量に後ろに引きつけている。ここで撃てば最も多くの敵を巻き込めるだろうが、時空管理局、特に彼女がそれをするはずがない。かといって一度意図を図られてしまってはその効果は急速に薄まる。 ならば自分にできることは何が何でも急いでこの位置から退避するしかなかった。 アルトは操縦桿を倒すと左ロール、続いて主観的な上昇をかける(つまり左旋回)。もちろんその間スラストレバーは限界まで前へと押し上げられている。 機体が転換装甲の使用を前提とした設計限界である25Gの荷重によって悲痛な悲鳴をあげる。VF-25のF型(高機動型)としてスペシャルチューンされた『新星/P W/RR ステージ II 熱核バースト反応タービン FF-3001A改』が己の力を示すように、そして左右エンジンでハーモニーを奏でるかのようにその雷のような轟音によって圧縮した空気と魔力を後方へと吐き出す。両翼のブースターも主翼の空力だけでは成し得ない無理な上ベクトルの力を捻り出す。 アルトもまた、転換装甲維持のため機載のISCが止まった事により、襲いくる津波のような力に必死に抗う。 そして赤い線の示す射軸線をVF-25が越えると同時に、海岸線から桜色をした魔力砲撃が伸び、射軸上にいたゴーストとガジェットに突き刺さる。それは幻影含めて50機近くを瞬時に撃墜した。 『アルトくん、大丈夫!?』 天使の声が聞こえる。 「ああ、なのは。助かった」 しかし安心したアルトの機動は少しだが単調になっていた。 ゴーストはその機を逃さず肉薄してきた。 そのゴーストから横になぎ払うように機銃弾が放たれ、VF-25に迫る。 (緊急回避は・・・・・・間に合わない!) アルトはトルネードパックの装甲パージによる囮回避に備える。しかし機銃掃射はバルキリーまで来ない内に止まった。 不思議に思ったアルトはゴーストを仰ぎ見る。 そこには金色の矢に貫かれ、海に力なく落ちていくゴーストの姿があった。 外部マイクが女性の声を拾う。 『・・・・・・もう、私の事も忘れないで欲しいな』 彼女は大鎌形態のそのデバイスを、その華奢な肩に担ぐと大見得を切った。 同時に周囲に展開する他のガジェット、ゴーストにもランサーの雨が襲い、その多くを撃墜、爆炎が花を添えた。 「フェイト!」 外部スピーカーを通して放たれたアルトの声に、彼女はニッコリ微笑みを返した。 (*) 六課の合流後、すぐに役割に応じて部隊を再編する。 高機動型であるアルトとフェイトの2人は、引き続き敵を掻き乱す前衛部隊。 2人に構わず進む編隊には、さくらとなのはの火力部隊が当たり、天城は機動部隊として2人の直掩と撃ち漏らしの掃討を続行。 この後の戦いは比較的スムーズに進んだ。 そして10分後、更なる援軍が到着した。 『こちら機動六課フロンティア2。これより、支援します!』 聞こえた声はランカのものだった。レーダーを見るとヴァイスのヘリが戻って来ていた。 どうやら保護した少女を、この近くの聖王教会中央病院に置いて、とんぼ返りしたようだった。 『みんな!抱きしめて!銀河の、果てまでぇ!』 フォールド波に載ったランカの常套句が、半径10キロに渡って響き渡った。 続いて流れてくる歌声。 アルトはそれを聞いて、先ほどの念話以上の安心感を抱いた。 彼女の歌声は、いつかのような迷いある歌声ではない。 誰に向けてのものかはわからない────きっと、生きとし生きるもの全てにだろう────が、晴れ晴れとした澄み渡った空のように、暖かい歌声が沁み渡っていった。 (*) ランカの参入は戦闘の趨勢を激変させた。 魔導兵器であるガジェットⅡ型はレーザー攻撃を封じられボロボロ落とされる。 ゴーストには魔導技術がほとんど導入されていないらしく相変わらず元気だったが、ガジェットが脅威でなくなった分、楽になった。 しかし、ランカの超AMF範囲内にありながら、幻影魔法が解除されることはなかった・・・・・・ To be continue・・・・・・ ―――――――――― 次回予告 ランカ「ずっとそばにいたかった。でも、もうあなたまで届かない・・・・・・」 マクロスなのは第27話「撃墜」 追悼の歌、銀河に響け! ―――――――――― シレンヤ氏
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3579.html
マクロスなのは 第12話『演習空域』←この前の話 『マクロスなのは』第13話「空の守護神」 開戦と同時に鉄球を生成したヴィータは、それを自身のハンマー型アームドデバイス『グラーフアイゼン』で加速する。それらの弾幕でアルトの退路を塞ぐためだ。 『技量が拮抗している場合、バルキリーと魔導士の空戦では遠距離ならばまずバルキリー側の有利は揺らがぬ。しかし近接戦闘ならば互角だろう』 これはアルトのリークした情報だがヴィータにはすでに近いノウハウがあった。 元々彼女には幾年もの戦いの中で『戦闘機』というヴィークル(乗り物)との対戦経験があった。 ヴィータの操る古代ベルカ式は近接戦闘では無類の威力を発揮する。対して戦闘機は接近戦、つまりドッグファイトの性能は全方位を随時射角に収められる魔導士とは比べ物にならない。 だから彼女が生み出した対処ノウハウ、それはアルトの示した物に近かった。 しかしこれまでの対戦成績は2戦1敗1引き分けと決してよくない。 なぜだろうか? それはアルト達の世界で開発から50年間も脈々と改良されつづけたヴァリアブル・ファイターという機体が従来の戦闘機とは一線を画すからだ。 優れたエンジンに陸戦兵器並の耐久性、そして変形機構。オーバーテクノロジーという超科学を注ぎ込んだVFシリーズ。 ヴィータはそれまで戦闘機とは、ミサイルと機関砲しか持たぬ能無し。殴り合えない腰抜けと考えていた。 しかし目前の、何者も犯すことができないような荘厳さを備えた純白の機体は違った。 VF-25は可変による質量・推進モーメント変化やスラスターによって何波にもわたる誘導弾を回避し、レーザーで撃墜してゆく。 ヴィータはシグナムのように戦いを無上の喜びと感じる属性はない。しかし今は武者震いが止まらなかった。 彼女はカートリッジを1発ロードするとアイゼンのロケットブースターを展開させて接近していった。 (*) アルトはヴィータの鉄球を全て叩き落とす。 しかしさすがに対決は3回目。彼女はそれを撃墜する時間が稼ぎたいだけだったらしく、その隙に十分接近して来ていた。 OTM『クラスターエンジン機構』を採用した結果、推進力が従来の4倍強になり、巡航速度が3倍になったヴィータには容易い事だった。 余談だがマスコミがこの事から彼女の二つ名を『赤い彗星』としたとか。 振り下ろされるヴィータのアイゼンに、アルトはバトロイドに可変して迎え撃つ。 可変したVF-25はアルトの絶妙な動きもよくトレースし、それを正面から受け止めた。 それから両者は突いたり離れたりを繰り返しながら徐々に高度を落としていく。 ついには旧市街にまで降下し、超低空を縫っていく。どうやら音速を突破しているようで通過と同時に付近のビルのガラスや看板を破砕していった。 かと思えばVF-25が突然ガウォークに可変し、制動をかけてヴィータの後ろにつくとガンポッドを掃射する。 ヴィータはそれをその小ささから生まれる小回りのよさで建物の裏へと回避すると、1発ロードして爆発機能を付与した魔力球を数発打ち返して応戦する。 VF-25は制動も兼ねてバトロイドへと可変すると、体操選手も真っ青な見事なバク転で回避。そのまま建物の反対側へと消えていく。 その様子にヴィータは『VF-25は建物を盾に攻撃してくるに違いない』と思ったのか隙に乗じてカートリッジをリロード。同時に鉄球を生成すると魔力を集束して再びその建物の影から攻撃する構えを見せる。 魔導士達にとって建物とは壁であり、ヴィータの戦術はその考えに沿ったものだ。しかし今回の相手であるバルキリーにとって建物とはボール紙にも勝るとも劣らないほど弱いものだった。 ドガァァァン!! 突然の爆音。 建物の倒壊で吹き上がった莫大なほこりの中から躍り出てきたのはガンポッドをこちらへぴたりと照準したVF-25だった。一切の容赦なく雨のように放たれる58ミリペイント弾。 「この・・・・・・!」 ヴィータはデバイスを2発ロードし、PPBと魔力障壁を併用展開してそれをなんとか受けきった。そしてVF-25が体勢を立て直すために一時銃撃をやめると、接近してその手に握るハンマーで殴りかかる。 しかしそれは滑るような絶妙な機動をもってかわされ、代わりにカウンターのPPBP(ピン・ポイント・バリア・パンチ)が迫る。しかしヴィータのフェイントを使った巧みな戦闘機動によってその拳に捉えること叶わなかった。そしてヴィータはやってきたVF-25の頭に足を掛けて踏み切り、上空に転進した。 「畜生!逃がすか!」 ファイターに可変して追うアルト。だがヴィータの転進はこちらを引き付けるためのフェイクだったようだ。彼女は急停止して振り返ると、いつの間にか巨大化していたハンマーが横になぎ払うようにVF-25に降りかかった。 (*) 旧市街 観戦スタジアム かつてサッカーかなにかのスポーツの会場であったのだろうその場所は今回の総合火力演習の会場として様変わりしていた。 ツタが占拠していた客席はきれいに整理され、演習を見に来た20万人の一般人を収容している。 そしてその20万の視線は演習空域に無数に展開する無人観測機からの映像を映す目前の巨大ホロディスプレイと、今まさに上空で行われている空戦に注がれていた。 方や『鉄槌の騎士』と呼ばれ、管理局でもトップクラスの空戦能力持つことで知られるヴィータ。 方や数ヶ月前、歌姫とともに天より舞い降りてこの世界に、そして時空管理局に革命をもたらしたVF-25とそのパイロットである早乙女アルト。 まさに魔導士とバルキリーという制度を代表する両雄の激突にいやおうなく観客のモチベーションが上がり 「行け!質量兵器なんかに負けんな!!」 とか、 「頑張れバルキリー!今度こそ調子に乗った魔導士どもに引導を渡してやれ!!」 とか応援の声が放たれる。また、不謹慎だが賭けてる連中もいるようだった。 するとそれに呼応するかのように2人がスタジアムへと降下してきた。 ・・・・・いや、実際には降下などと言うほど生易しいものではない。 スタジアムのすぐ上空でヴィータがその巨大で強力な鉄槌で打(ぶ)ったたき、PPBPとバトロイドの盾で防いだVF-25がキリモミ落下してきたと言う方が正しい。 もちろんアルトもバカではない。落下前にガウォークに緊急可変し、スタジアムの中央で爆発とも紛う強力なエンジン噴射を行い急制動をかけた。その猛烈なダウンバーストによってスタジアムを這うような強烈な上昇気流が発生。さまざまなものが飛んでいく。 帽子から巡回して飲み物を売る売り子のスカートまで。なかには大切な馬券・・・・・・もとい、お金に化けるかもしれない〝お札〟を飛ばされた者もいるようで紙ふぶきが舞う。 「畜生!外(ほか)でやれ!!」 お札のバイヤーが叫び、売り子のお姉ちゃんも飲み物をぶっかけてしまったお客にぺこぺこ謝っている。 そしてVF-25もさすがにここで戦闘するのは危ないとファイターに可変し、さきほどの場所で待機するヴィータの元に向かった。 (*) 翼の下に装備されたランチャーポッドからMHMMが連射され、ヴィータ目掛けて乱舞する。 『この至近距離で飛行魔法を解除したらガンポッドの好餌になる』 と判断したヴィータは通常の魔力球を生成し、鉄球と同様加速させる。 鉄球と違って大きな誘導の効くそれはミサイルの大半を叩き落とした。 そしてギリギリまで回避運動すると着弾寸前に魔法を全て解除。ミサイルをそらした。 ・・・・・・かと思われたが、突然それは自爆する。どうやらリモート、もしくは時限起爆にしていたらしかった。 「うっ!」 ヴィータはすんでのところで魔力障壁を展開したがその衝撃の中ではヘタに動けない。 それは一瞬だが、彼女の低空を遷移するアルトが接近するには十分な時間だった。足のエンジンを吹かした渾身のPPBP(ピン・ポイント・バリア・パンチ)が迫る。 「アイゼン!」 「Ja(ヤー)!」 ヴィータは指示を発しつつ2発ロード。デバイスを振りかぶる。 その動作中にアイゼンはその大きさを20メートル程に巨大化させる。また、アイゼンは巨大なドリルとクラスターエンジンの機構を露出させて盛大に火を吹かす。 「ツェアシュテールングス、ハンマー!!」 激突! ヴィータのハンマーとVF-25の拳がぶつかり合い、スパークする。しかし上から振り下ろすことで重力を味方に付け、さらに質量、推進力において優越するアイゼンが徐々に押していた。 ヴィータは勝ちを確信して更に力を込めた。 (*) (重い・・・・・・) アルトはEXギアにフィードバックされるハンマーの重みに喘いでいた。 きっとこのままではPPBをぶち抜かれ、撃墜は免れないだろう。 「負けてたまるかぁ!」 アルトはスラストレバーを急激に下げ、増えた余剰エネルギーでPPBSをフルドライブ。 そしてヴィータのハンマーに逆らわぬよう受けきった。そしてその力を利用して距離を取るとファイターに可変。間髪入れずにデバイス『メサイア』に命令を発する。 「メサイア、〝FASTパック〟装備!」 『Yes sir.』 VF-25の本体が青白い光に包まれる。それが収まったときには懐かしい4つのメインブースターと各種スラスター、そして追加の装甲を着けたVF-25の姿があった。 FASTパック(スーパーパック)は宇宙戦用で、バルキリーに高推力と追加装甲を提供する(純正では武装も提供する)。しかし重力下では基本、デッドウエイトだ。 管理局でも標準装備にするには重力のある地上では推進剤(MMリアクターの魔力や自身の魔力)を食べまくるので採算が合わないとして採用していない。 そこでアルトはFASTパックをデバイス機能で生成、途中で装備するという方法を思いついた。 しかし連続使用の限界が10分程なので、本当に「ここぞ!」という時にしか使えない。 この機構は六課で模擬戦をしていた時にはすでに完成していたが、まだヴィータはこの機構の存在を知らないはずだ。 VF-25はブースターから大量の青白い光の粒子を噴射をすると離脱した。 (*) ヴィータは離れていくVF-25に追い撃ちの魔力弾を放つ。しかし彼女は目を疑った。その直角の回避運動に、その速度に。 それは通常左右ブースターに合わせて10トン以上積まれるはずの推進剤を一切積んでいないので、重力圏であってもノーマルVF-25Fの1.5倍近い高機動を実現していたのだ。 そんなゴーストもひっくり返るような機動に攻撃が伴う。それらの弾幕は止まるところを知らない。 しかしヴィータもやられっぱなしではすまなかった。 「クラスターエンジン、ISC(イナーシャ・ストア・コンバータ)、リミット、リリース!」 ヴィータの指令に4発のカートリッジがロード。過剰な魔力が空中でスパークする。 次の瞬間にはヴィータは加速していた。尋常でない加速度で。 (*) 「数秒でマッハ1!?」 バルキリーのセンサーはヴィータのゼロからの加速をしっかりと記録していた。そしてその最終的な速度はFASTパックを装備したバルキリーをも超えていた。 バリアジャケット、PPBSを使って空気の壁を切り裂き、OT『ISC(慣性エネルギーを時空エネルギーに還元、一時的に蓄積することにより、最大27.5Gまで一定時間相殺する)』を使って加速度を軽減しているらしい。 ちなみにこのISCはVF-25の切り札とも言える最高機密の装備だった(そのため装置のあるノーズコーンを不用意に分解しようとすると自爆する)。 そしてこの機関はフォールドクォーツを使うのだが、なぜか組成が同じだった普通のデバイスでクォーツの代用ができた。しかし装備するコストは尋常ではなく、予算の潤沢な六課ならではだろう。 さて、アルトの眼前でハンマーを振りかぶり、迫る少女。それはまさに鬼神のごとき威圧感を放っていた。 ヴィータの意地と力量を全て注ぎ込んだ攻撃・・・・・・ (この勝負、受けねば男が廃る!) アルトはバトロイドに可変。左腕に装備した防弾シールドから魔力刃のアサルトナイフを抜き放った。 「いざ!」 「ぶち抜けぇ!」 両者は空中で再度激突した。 その衝撃波は下界の地面を揺らしたと言われている。 (*) 『AWACS『ホークアイ』より正式発表。ヴィータ三等空尉を撃墜判定。早乙女アルト一等空尉を続行とする』 その全体放送はスタジアムの所々で悲鳴のような叫びと紙ふぶきを、そして戦い続ける両軍に歓喜と落胆の2種類の波紋をなげかけた。 (*) 同じ頃、フェイトと対戦することになったサジタリウス小隊の2機は苦戦を強いられていた。どんなに撃っても当たらないのだ。 フェイトはその自慢の神速でさくらの狙撃を、天城のハイマニューバ誘導弾をことごとく回避してみせる。 対するフェイトも焦っていた。2人の連携が絶妙なのだ。 片方を捉えたと思えばある時は狙撃が、またある時はミサイルやガンポッドの弾幕が行く手を塞ぐのだ。 「このままじゃ埒があかない・・・・・・」 決心したフェイトは自ら近距離に飛び込んでくるVF-1Bに標的を絞った。 もう1機の狙撃も痛いが位置も割れているし、この軽戦闘機に束縛されなければ当たるまい。 フェイトは一気に距離をとると雲に隠れた。 (*) 「待ちやがれぇ!」 雲に隠れたフェイトを追って天城のVF-1Bが飛翔する。 しかし位置が割れているためかフェイトは牽制しつつ雲から脱すると、一目散に退避を始めた。 こちらは出力を上げればなんとか追いつきそうだが、さくらとの間に雲があって支援狙撃は期待できそうになかった。 当のさくらはファイターに可変して射撃位置の変更を急いで行ってくれているが、フェイトは待ってはくれないだろう。 (後ろを取っている今がチャンスだ!) 天城は迷わず彼女を追った。 (*) 「来た来た・・・・・・」 フェイトは後ろにVF-1Bが追尾してくることを確認すると、頃合いを見計らう。 実はさきほど自分が隠れたように見せかけた雲、つまりVF-1Bの通過するであろう雲には自らが仕掛けたプラズマ・ランサーのスフィアがあるのだ。 VF-1Bがこちらを追うため雲に最接近する。―――――今だ! 「ファイア!」 宣言と共にプラズマ・ランサーの軛(くびき)が解き放たれ、数十発の金色の矢がVFー1Bに殺到した。 シレンヤ氏 その2